外務委員会 第16号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/05/21
会議録
○委員長(松平勇雄君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約の締結について承認を求めるの件 を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。愛知外務大臣。
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました「核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約の締結について承認を求めるの件」につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、ジュネーヴ軍縮委員会におきまして一九六九年の春の会期からその作成のための審議が重ねられ、同委員会参加各国の強力な支持を得て、一九七〇年の第二十五回国連総会に提出されたものでありまして、同総会はこの条約を推奨する決議を圧倒的多数をもって採択いたしました。その結果、本年二月十一日、米、英、ソ三国の首都におきましてこの条約の署名式が行なわれ、わが国も、同日上記三都市で署名を行なったものであります。 この条約のおもな内容は、核兵器及び他の大量破壊兵器を距岸十二海里以遠の海底に設置することを禁止し、また、締約国は、条約の遵守を確保するため、他の締約国の海底における活動を観察等によって検証することができるというものであります。 この条約は海底における核軍備競争を防止することにより、世界平和の維持及び国際間の緊張の緩和をはからんとするものであり、最近の軍縮交渉の成果の一つでありまして、わが国がこの条約の締約国となりますことは、わが国の軍縮に対する熱意を広く世界に示すとともに軍縮に関するわが国の主張を推し進める上できわめて望ましいと考えられます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(松平勇雄君) 引き続き補足説明を聴取 いたします。 山崎条約局参事官。
○政府委員(山崎敏夫君) 補足説明を申し上げます。 御承知のとおり、軍縮の分野におきましては、すでに南極条約や宇宙条約が締結されておりまして、わが国はこれらの条約の締約国となっておりますが、これに基づきまして南極や宇宙空間には核兵器等の大量破壊兵器を配置することが禁止されております。しかるに、地球の面積の三分の二を占めます海の底につきましては軍備競争を禁止する何らの国際条約もない状況でございまして、これをこのまま放置しておきますと、やがては海の底もまた軍備競争の場となるおそれがありますので、南極条約や宇宙条約と同じような考え方に立ちまして、予防的な軍縮措置としてこの条約が締結された次第であります。その際、一切の兵器を地球上のすべての海底に配置することを禁止するのが最も望ましいことは言うまでもありませんが、軍縮委員会におきます審議の過程におきまして、防御的な兵器は禁止対象から除外さるべきであるという有力な意見があり、また、各国の領海の海底までも禁止区域に含めるのは現実的ではないという意見もございまして、結局大多数の国のコンセンサスが得られるものとして、距岸十二海里以遠の海底に核兵器その他の大量破壊兵器を設置することを禁止することを主たる内容とするこの条約が締結された次第であります。そこで、わが国といたしましても、海底軍縮の一歩前進という見地からこの条約に署名したのであります。 次に、この条約の署名及び批准の状況を見ますと、本年五月十日現在ですでに八十カ国がこの条約に署名いたしており、また、アフガニスタン、モーリシアス、ブルガリア及びマルタの四カ国が批准しております。さらに、英国、デンマーク、スウェーデン、ノールウェー、フィンランド、ポーランド、 ニュー・ジーランド、ユーゴースラヴィア等の十数カ国が本年中に批准書を寄託する見通しでございまして、この条約は近い将来に、所要の批准国の数を得まして、発効するものと思われます。 なお、衆議院におきまして、この条約の邦文テキストにおきます「海底」という用語が、海底の表面のみをさすのか、その下の部分をも含むのか明確を欠くという御指摘がございました。この条約で海底に言及いたしております規定が数カ所ございますが、それらの規定において原文では、 シーベッド、オーシャンフロア、サブソイルの語が、不統一に用いられておりますこと、また原語の「サブソイル」に当たる適当な訳語が見当たらないこと等の事情がありまして、これらの原語の表現を一体としてとらえて「海底」という語を使用した次第でございます。つきましては、この条約において用いました「海底」の語は、海底の表面のみならずその下の土壌、岩石などの部分を含むものと政府としては解釈いたしておる次第でございます。また、将来わが国が締結いたします条約で、海底の表面とその下の土壌、岩石などの部分とを区別して訳出する必要も生ずると思いますので、その際は国内法令の用語との関連をも考慮いたしまして、適当な訳語を見出すよう努力いたしたいと思いますので、この点つけ加えさせていただきます。
○委員長(松平勇雄君) 以上をもって説明は終了いたしました。 これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○西村関一君 まず第一に、本条約の説明書の一番のおしまいの三のところに「わが国との関係」という項がございます。「この条約は海底における核軍備競争を防止し、世界平和の維持、国際間の緊張の緩和、諸国間の友好関係の強化を図らんとするものであり、最近の軍縮交渉の成果の一つである。この条約は、またわが国が一九六九年七月に軍縮委員会に初めて参加して以来同委員会の他の諸国と協力して作成した最初の条約であり、第二十五回国連総会ではわが国は他の三十六箇国とともにこの条約を推奨する決議の共同提案国となった」云々ということが記されてございます。軍縮委員会にわが国が参加いたしましてから初めてこのような成果を得たということにつきまして確かに一つの意義のある条約だと私は考えるのであります。いまここにおられます西堀国連局長、また、当時ジュネーブにおられました仙石さんなどは、この軍縮委員会にフォローするために非常に苦労しておられました。私も幾らかそれらの方々、当局の苦労しておられます様子を見て知っておりましただけに、きょうこの成果を得たことに対して評価をさせていただきたいと思うのでございます。特にわが国が世界に類例を見ない平和非戦憲法を持ち非核三原則に立つ国家として、わが国の軍縮に対する熱意を広く世界に示し、わが国の軍縮に関する主張を推し進める上にまことに有意義であると考えるのでございます。 そこで、この際まずお伺いいたしたいというのは、最近のジュネーブ軍縮会議の概況についてでございます。あわせて戦略核制限交渉の現況についてでございます。その点から、まずこの条約を審議するにあたって明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) それでは、御質問の第一の軍縮委員会の状況でございますが、この春の会期は十三日でもって終わりまして、次の夏の期は来月の二十九日から始まることになっております。で、日本代表の田中君も、十三日の会議が終わりましたので一度こちらに帰っておりますから場合によりましてはしかるべき機会に同代表から直接いろいろ聞いていただくことも実りのあることかと思います。 それから、十三日までの本会議では、主として化学・生物兵器の禁止問題と、それから地下の核実験禁止問題が討議されたわけであります。化学・生物兵器の禁止問題については、三月三十日になって、これは御承知のところでございますが、従来両兵器を一括禁止すべきであると主張してきておりました東側の諸国がその態度を急に変えまして生物兵器と毒素のみを禁止する条約案を提出してきたわけでございます。これによってこの問題は新しい局面を迎えまして、東西間の基本的な立場は相似たものになって、従来と非常にその点は改善されたといいますが、よくなってまいりました。わが国としてはソ連の新しい提案を真剣に検討中でありますけれども、両兵器禁止一括審議というわが国の基本的な立場から、この立場と軌を一にする国連決議をも尊重しながら、しかし同時に、一歩一歩可能な軍縮措置を積み上げていくという現実的な立場にも立脚してこの処理に当たりたいというように考えるわけであります。 それから第二の地下核実験禁止問題は、依然として現地査察の要否ということをめぐって米ソ間は根本的対立を示しておる。したがって、春の会議では実質的な進展は見られなかったというのが実情でございます。さて、それで、次期軍縮委員会におきまして、わが国としては、化学・生物兵器禁止問題について、七月七日にわが国の主唱による専門家を交えた非公式の会議を開催することになっております。それから六月三十日には、カナダ、日本、スウェーデン等のイニシアチブによる地下核実験禁止と同様非公式の会議が開かれることになっておる次第でございます。 それからSALTのその後の状況という話でございますが、ことしの三月十五日からウイーンで行なわれております米ソSALT交渉は、御承知のように、過去ヘルシンキで二回開かれ、ウイーンで一回行なわれました交渉のあとを受けましたものですから、第四ラウンドと言えるかと思いますが、これまでの進展状況は必ずしも満足すべきものではないように伝えられております。しかしちょうど昨日でありますけれども、五月二十日、米ソが声明いたしましたところを見ますと、ことしはABMの配備を制限するための協定をつくるために全力をあげる、同時に、攻撃用戦略兵器の制限についての措置についても協定することに合意したということでありますので、米ソ両国ともこの交渉の進展のために努力はしているというように観察して間違いないのではないだろうか、大筋の現況を御報告いたしますと、以上のとおりでございます。
○西村関一君 いま大臣からお答えをいただきました最後の点でございますが、私もけさ新聞を見まして、重要な進展がSALTの会議に見られる。アメリカとソ連の双方から同時にABMの制限が合意に達したというこの新聞記事を見まして、これはまことに喜ばしいことだというように考えたのでございます。ただいま大臣から正式な御答弁がございまして、一歩でも半歩でも米ソがこのような国際会議の中で寛容の精神をもって歩み寄りを見せてきたということは、私は国連憲章の精神から、そういう面からも両国の間に強く感ぜられてきておるあらわれじゃないかというふうに感ずるものでございます。 そこで第二のお伺いいたしたい点は、ジュネーブの軍縮委員会に本条約案が出されましたときに最初、一九六九年の春の会期であったと思いますが、ソ連案と米国案の間に相当な主張の相違点があった。そのために、さらに何回か会議を続けて合意を見た。合意を見たが、第一次、第二次、第三次、第四次の共同提案までいきまして、ようやくこの成案に至ったというふうに承知しておるんでございますが、最終的に、先ほど説明がありましたように、第二十五回の国連総会においてこの条約を推奨する決議が圧倒的な多数で採択されたということでありますが、質問の一つは、その過程の上においてどういう点が米ソの相違点であったかという点。それから第二点は、圧倒的な多数で採択されたというんですが、賛成した国はいいといたしまして、反対した国はどこであるか、棄権をした国はどこであるか、その点、お伺いしたいと思います。
○政府委員(西堀正弘君) まず第一点でございますけれども、これは先生いま仰せになりましたしとおり、一九六九年のジュネーブにおきます軍縮委員会の春の会期に、ソ連及び米国が条約案を提出いたしたのでございます。その両案の主たる相違点は、禁止対象兵器につきまして、米国案は、固定されました核兵器及び他の大量破壊兵器並びにこれらの発射装置のみを対象とする部分的禁止というものでございまして、それに対しましてソ連案のほうは、軍事的利用の全面的禁止、これを規定していた、これがその対象物についての相違点でございました。それからの禁止区域につきましては、米国案のほうは距岸三海里以遠の海底を対象といたしましたのに対しまして、ソ連案のほうは十二海里以遠の海底となっていたわけでございます。それから、さらにその条約義務の履行の検証方法につきまして、米国案は外部からの自由な観察。それから、この結果が当事国の疑惑を除去するに十分でない場合には、関係国が協議をして問題解決のために努力する旨を規定しておったのでございますけれども、ソ連案のほうは、相互主義ということを前面に打ち出しまして、その相互主義に基づくフリ・アクセスということを規定しておったのでございます。それで、いま先生仰せられましたように、こういった対立点がございまして、それで米ソ両国はその後委員会の各メンバーの見解を考慮しながら舞台裏でこの両条約案を一本化する交渉を行ないまして、そうして六九年の十月七日に第一次の米ソ共同条約案を提出いたしました。それから、またさらに、いま先生おっしゃいましたとおり、第二次、第三次、第四次という軍縮委員会の場及び舞台裏におきまして一本化の努力をいたしましてその努力が実りまして、この第二十五回総会においてこの推奨決議をいたしましたところの最終案が確定するに至ったのでございます。その際圧倒的多数と申しますのは、賛成が百四票、それから反対が二票、棄権が二票でございまして、反対はエルサルバドルとペルー、それから棄権はフランスとエクアドルということでございます。
○羽生三七君 ちょっといまのに関連していいですか。 フランスの棄権の場合ですが、そのつどフランスは同じ態度をとっておるわけですが、中国のことはわかりますが、フランスが、わが道を行くドゴール時代はとにかく、依然として核に関する限り同じ態度をとっておる理由は一体何なのか、お聞かせいただきたい。
○政府委員(西堀正弘君) フランスは一貫いたしまして、実は本条約につきましては、距岸十二海里以遠の海底は非核化ではなしに非武装化さるべきである。それから、本条約の検証規定が不十分だ。それで多数の諸国の要請をしているほんとうの意味での国際検証手続というものが規定されていない。こういった理由を、これは第二十五回国連総会におきますところのフランス代表の演説の中で述べていることでございます。それはいわばこの条約に対する表の理由だと思うわけでございますけれども、まあ、フランスが終始一貫ドゴール時代からこの核問題についてとっております理由、これは先生も十分御承知のとおりでございますし、また、それにつけ加えまして、この条約、われわれといたしましては軍縮措置というものに一歩一歩前進するという意味において、われわれとしては意義を見出すわけでございますけれども、フランスはやはりフランスなりに、いわゆる何と申しますか、フランス的なカーティージアン——何と申しますか、そのような考え方といいますか、非常に論理をたっとび、それで明快な、はっきりとした論理的に筋の通らないものにはあまり賛成をしないといったカーティージアン的な考え方、こういったものが私は背後にあるのだろうと推察いたしております。
○西村関一君 次に本条約の内容について二、三お尋ねをいたします。 禁止の対象になっておりますものは第一条一項にあると思いますが、その点について御説明をいただきたい。
○政府委員(西堀正弘君) 禁止の対象になっておりますのは、まず第一に核兵器、それから「他の種類の大量破壊兵器」と、こういうことでございます。核兵器は、これは申すまでもないことでございますが、それでは「他の種類の大量破壊兵器」はどんなものかということになりますというと、これは実は一般的に国際間で了解されているところは、実は一九四八年の八月の国連の通常軍備委員会が採択した決議がございまして、その決議によりまするというと、大量破壊兵器とは、原子爆発兵器、放射性物質兵器、致死性化学・生物兵器並びに破壊効果において原子爆弾ないしその他、いま申し述べました兵器に匹敵する特徴を有し、将来開発されるいかなる兵器をも含むものと定義されております。したがいまして、現時点におきましては、核兵器、それはここには別途掲げてあるわけでございまするけれども、大量破壊兵器というのは核兵器、致死性の化学・生物兵器及び放射能兵器、これらがこれに該当するというのが国際的な通念でございます。 それから、これが兵器の禁止対象である兵器でございますけれども、さらに「これらの兵器を貯蔵し、実験し又は使用することを特に目的とした構築物、発射設備その他の施設」というものを備えつけたり、それから海底に置かないといったことが禁止の対象に規定されているわけでございます。
○西村関一君 禁止の地理的範囲につきましてはいかがですか。
○政府委員(西堀正弘君) この禁止の地理的範囲は、この条約はたいへんに長期間にわたる審議を経てでき上がったものでございますにもかかわりませず、妥協の産物ということからそうせざるを得なかったわけでございますけれども、あまりできのよい条約とは申せないのでございまして、第二条をお読みいただきたいのでございますけれども、この第二条に実は「千九百五十八年四月二十九日にジュネーヴで署名された領海及び接続水域に関する条約第二部に定める十二海里の幅の水域の限界」、これを第一条において引いておりまして、第一項に「次条に定める海底区域の限界の外側の海底に据え付けず又は置かないことを約束する」と、こうなっておりますので、これを合わせお読みいただきますとおわかりになりますが、距岸十二海里以遠の海底、そこにこういった兵器を置かないというのがこの地理的範囲でございます。ただし、この第一条の二項をお読みいただきますとおわかりでございますが、当該沿岸国には適用がないということになりますので、具体的に申しますならば、日本につきまして申しますというと日本の距岸十二海里それ以遠にはこういったものは置かない、ただし、日本自身は当該沿岸国でございますから、日本自身は置こうと思えば置けるこういうことでございます。なお、さらにこの第一条の二項の後段をお読みいただくとわかるのでございますが、なお「領海の海底については適用しない」、こういうことになっております。と申しますことは、日本について申しますと、日本の場合は三海里を主張しておりますので、三海里まではこの禁止の対象にならないわけです。したがいまして、その差がつきます。領海三海里と、領海三海里から十二海里までの九海里の間にその差があるわけであります。その差というのは、領海、これは厳然たる主権のもとにあるわけでございますから、これは何をやってもよろしい。しかも、これは全く仮定の問題でございまして、日本がそういうことは考えもいたさないことでございますけれども、かりにアメリカが日本の領海三海里の範囲内において核兵器のようなものを置きたいと言ってまいった場合には、日米間でそういう合意をいたしまして置かせることができるわけでございます、主権の及ぶところでございますから。しかしながら、アメリカは日本の距岸三海里から十二海里までの間九海里のところに——これは当該沿岸国でないわけでございます——日本の距岸三海里から十二海里までは、アメリカは当該沿岸国でないわけでございますから、これはアメリカが置こうと思いましてもこの条約において禁止されるわけでございますから、これは禁止されている。もっと突き詰めて申し上げますならば、アメリカがたとえ日本の距岸三海里から十二海里のところに、そこに置きたいと言ってまいりましても、日本としては、それに同意するとか同意しないとかそういう権原もない。日本にとってみれば三海里から十二海里の間は公海でございます。そこで、そこの部分はこの条約によって禁止されている、こういうことでございます。これは、アメリカが当然この条約の締約国としてそこにはそういうことをすることができないということにおいて、三海里の領海の部分と、三海里を距たる十二海里までの九海里の範囲と若干そこに差異が出るわけでございますが、そういったことを簡単に書けるわけでございますけれども、何ぶんにも、妥協の産物と申しますか、長い審議を経た上でこういった条項ができてしまいましたので、たいへん読みにくい。その意味において決してできのいい条約ではございませんけれども、実質的内容は、いま御説明申し上げたとおりでございます。
○西村関一君 検証規定はどうなっておりますか。
○羽生三七君 ちょっといまの答弁の中に、アメリカから話があって、日本がそれに合意すれば日本の領海内に置くことができるわけですか、その場合。これは外相にお尋ねしたいのですが、昨日のお尋ねと同じことで、たとえ海底であっても日本がその種の問題について合意をすることはあり得ざることと理解してよろしいのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりに御理解いただいてけっこうでございます。
○政府委員(西堀正弘君) いま、検証規定は第三条に規定されております。この検証ということはあらゆる軍縮措置を協定いたします場合に最も困難な規定でございまして、この条約の準備過程におきましてもこの検証という問題、この第三条、大体四ページにわたっておりますけれども、これの合意ができ上がりますまでにはたいへんな努力とたいへんな労力を費やしたわけでございますけれども、でき上がりましたところは、これから禁止しようとする地理的な範囲が何ぶんにも公海ということでございますので、そこには「公海の自由」という大原則が存在することでもございますので、先生御一見になって、非常に不満足ではないかというような御印象をあるいは得られたかもしれませんけれども、われわれといたしましては世界の世論というような見地も考えますと、決してここで御一見の場合に得られるような御印象以上に、現在の国際情勢のもとにおいて満足すべき検証規定だと考えるわけでございますが、まず第一項におきまして禁止の地理的対象になっているところで他の締約国のそれらしき活動を観察によって検証する権利をあらゆる締約国が有している。それで、その観察の後なおどうもこの条約に違反するような疑惑が残るといった場合におきましては、この疑惑を持った締約国とその疑惑の原因となった活動について責任を有する締約国とが協議をする。で、疑惑がなお残る場合には、関係締約国はその合意すべきその後の検証手続について相互に協力する。それから、疑惑を持つに至った締約国は、そういった疑惑を起こすに至った活動にかかわる地域内の締約国はもちろんのこと、その他の締約国に対してもその旨を通告して適当な照会を行なう。それから、それでもなおかつ疑惑が残るといった場合におきましては、この第四項が働くわけでございますけれども、国際連合憲章に従って安全保障理事会に付託する、そして同理事会はその国際連合憲章に従って行動をとることができる。これがいわばこの条約の検証規定でございます。冒頭に申し上げましたとおり、これではどうも不満足ではなかろうかというような御印象を得られたかもしれませんけれども、やはり軍事大国といたしましては、国際世論ということもございますし、また、現在の技術発達の段階におきましては、海底にそういった兵器を置き、あるいはその兵器の発射装置というようなものを置くということは相当に大がかりな規模の活動を必要とするわけでございますし、私は、現段階においてこれでまず満足すべき検証規定と言うことができるのではないかと考えておる次第でございます。
○西村関一君 次に第五条です。第五条の規定はどういう意味を持っておりますか。
○政府委員(西堀正弘君) 海底における軍備競争を防止するというのがこの条約の目的でございますけれども、わが国はもちろんのこと、要するに海底を軍事的に利用しないというのがいわば究極の目的でございます。ただしかし、これを直ちにそこまで突き進めるということは、現在の国際情勢のもとにおきましては何ぶんにも現実的でございませんので、まずはその核兵器その他の大量殺戮兵器というものについての禁止をこの条約で確立したわけでございますので、しかしながら、われわれとしては、その究極の目標と申しますか、究極の理想というものは常に忘れてはいけないことだと思うわけであります。したがいまして、ここで、こういった一歩一歩前進という意味におきましてこの条約に同意したのではございますけれども、今後とも「軍備縮小の分野においてさらにとるべき措置」について各締約国は「誠実に交渉を継続する」ということをここに約束することによりまして、たとえばちょうど核不拡散条約におきまして、あれは第六条でございましたか、誠実に交渉を継続するということをうたいましたのと同じような意味におきまして、ここで、決してこれで満足するものではないということをうたったつもりでございまして、ちなみに、この第五条はわが代表団の提唱によって入った条項でございます。
○西村関一君 私はこの条約を通読いたしまして、あるいは精読いたしまして、わからぬところがだいぶありましたけれども、第五条につきましてはいわば不完全な条約ではあるけれどもこういう一項が入っているということは注目すべきであるというふうに感じたのでありますが、それが、わが代表が提案してこれが入ったということを初めて伺った。その点も心にとめさしていただきたいと思います。 次に、第十条の規定でございますが、第十条の規定につきましては、どういうことを意味しておりますか。
○政府委員(山崎敏夫君) 第十条の規定はその第一項第一文にございますように、「この条約は、署名のためすべての国に開放される」ということになっておりまして、いわゆるオールステーツ方式をとっているわけでございます。したがいまして、いわゆる分裂国家等を含めましてすべての国が参加することができるわけでございます。そのために、その批准及び加入についてもくふうをこらしておりまして、第二項以下に書いてございますように、批准書の寄託国としてはアメリカ合衆国、英国、ソ連と、三つの国の政府に寄託できるようになっております。したがいまして、いかなる国であってもこの条約に加入できるという意味において、ある意味において非常に進歩した条約であると思います。現実におきましても、すでに東ドイツはこの条約を批准しております。その批准書をモスコーにおいて寄託いたしましてこの条約を批准しておるのでございます。——失礼いたしました。東ドイツは署名をいたしております。批准はまだいたしておりませんが、署名をすでにいたしております。それから、そういうふうにしてこの条約に加盟いたしますと、すべての当事国は、その当事国によって構成されます条約社会に対していわば条約上の権利、義務関係が発生するわけでございまして、この方式はいわば国家承認の問題をバイパスすべく考案されたものでございまして、もちろん、それによって未承認国を承認するということにはならないわけでございます。
○西村関一君 オール・ステート・フォーミュラということでありますから、すべての国家に開放される。分裂国家でもドイツ民主共和国が署名しておるということでございます。ほかの分裂国家の中でそういう動きをしているところはございませんか。
○政府委員(山崎敏夫君) われわれが得ております限りの情報によりますと、残念ながら、いまのところ他の分裂国家につきましては、ことにそれも共産圏諸国につきましては、まだ加入するような具体的な動きはないのであります。ただ中共はこの条約のまだ署名前の段階でございますが、米ソが軍縮委員会に提出いたしました第一次共同条約案について北京放送を通じて論評いたしておりまして、これはアメリカ帝国主義、ソビエト帝国主義が海底を独占し、海底での核の軍備拡張、戦争準備を早める新しい陰謀であるというふうなことを述べておりまして、この条約には非常に批判的な態度を明らかにいたしておりますので、おそらく中華人民共和国はこの条約には加盟しないのではないかと推察されます。
○西村関一君 ただいまこの条約の内容について御説明をいただきました。禁止の対象になっております核兵器及び他の大量破壊兵器というものが何をさすかということについての御説明もございました。 そこで次にお伺いいたしたいと思いますのは、現在海底がどのように軍事的に利用されているか。また将来海底が軍事的にどのように利用される可能性があるかという点について、外務当局からでも、あるいは防衛庁のほうからも見えておられますから、お伺いをいたしたいと思います。
○説明員(半田博君) 現在海底にどのような兵器が設置されておるかという御質問でございますがこの問題は、各国とも軍事機密事項に属することとされておりますので詳細は明らかではございませんが、ただ軍事常識的に申し上げますと、機雷それから潜水艦の探知装置——これは音響でやる場合あるいは磁気を利用する場合でございますが——そういった探知装置、それから防潜網、まあこういうふうなものであると思われまして、現状におきましては、主として潜水艦の探知並びに潜水艦を主体といたします艦艇の侵入の阻止の装置、こういうことに利用されておるというふうに考えております。将来、海底がどのように軍事的に利用される可能性があるかということについて申し上げますと、公刊されました資料によりますと、一つは、攻撃用のミサイル発射基地の建設、これは抗堪性を維持する、こういうような見地からだろうと思いますが、そういったこと。それから、ABMの発射装置の設置。それから、海底における潜水艦の基地の建設。それから、潜水艦の航法援助施設、航法——ネビゲーションでありますがそういった航法の援助施設。それから、核機雷の設置。こういうようなことが構想としてあるやにうかがわれますが、しかしながら、これには技術上また運用上非常に多くの問題点があるようでございまして、これらがどの程度現実に研究が進んでおるかどうかということについては明らかでございません。 以上でございます。
○西村関一君 外務省側では何かこれについての情報をお持ちですか。
○政府委員(西堀正弘君) ただいま防衛庁のほうから御説明申し上げましたとおり、現在、海底がどのような兵器設置のために開発されまた実用化されているか、それからまた、その配置状況についてもいずれの国からもこれは軍事極秘事項として公表されておりませんので、ただいま防衛庁のほうから御説明がありましたとおり、全く推測の域を出ないのでございます。
○西村関一君 国連の報告書あるいは英戦略研究所の報告書、そういうものをお持ちでございますか、ただいまの私の質問に関する資料として。
○政府委員(西堀正弘君) ただいま先生のおっしゃいました、国連から刊行されているもの、それから英軍事研究所ですか、それから刊行されているもの、すべて軍縮室のほうで見ているそうでございますけれども、海底に敷設されるそういった兵器類につきましては、何の記述もないそうでございます。
○西村関一君 ただいま伺いましたところによっても明らかでありますように、本条約で申します核兵器及びその他の大量破壊兵器の海底への設置、これは、おおむね将来の問題に対する含みがあると考えられます。その意味におきましては、本条約は、現にあるものを規制ないし撤廃をするというものではなく、それから、海底にある核及びその他の大量破壊兵器の軍縮ではない。むしろ、現在では存在しないけれども将来行なわれるかもわからないと思われるようなものを規制する。私はその意味においても非常に大事な条約だと思いますけれども、さっき西堀局長が言われましたことばの中にも「海底核軍縮」というようなことがありましたけれども、そうではなくて、何といいますか、「海底軍縮条約」と言うよりは、むしろ「海底非核化条約」だと言ったほうがこの条約の内容にふさわしいのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(西堀正弘君) 先生いまおっしゃっておられますのは、いわば通俗的な略称でございましてこの条約の正式の名称は、あくまで、「核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約」ということで、非常に正直に書いているわけでございまして、これがジャーナリズムその他でもって「海底軍縮条約」といったよ、うな略称が用いられていることはわれわれも存じておりますけれども、その内容につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、「海底非核化条約」と、略称としてはそのほうがより正確であろうということは、これもそのとおりに存じます。ただ、軍縮条約、あるところの軍備を破壊するとかそういった意味における軍縮というよりは、これから海底の軍事化というものが本格化するのではなかろうか、その本格化するのを事前に予防すると。言うなれば、軍備管理条約というのがこの条約の本質でございますので、それなりの意義をわれわれとしては見出しているものでございます。ただ、略称につきましては、確かに先生のおっしゃいましたとおり、海底非核化条約と言ったほうがより正確にこの条約の実質的内容を示しておるのじゃないかと存じます。
○西村関一君 次に、この条約で禁止されないところのもの、さっき防衛庁からのお話の中にもありましたように、機雷だとかなんとか、そういうようなもの、その他、これは禁止されない。特にお伺いいたしたいのは、現在、核兵器を搭載しているところの原子力潜水艦、これは海中を動き回っておる。場合によると、一定の時間海底に停泊するといいますか、海底にとどまるという場合も考えられますが、これは設置とみなされない、したがってそういうふうな禁止の対象にならないというふうに考えてよろしいか。 それから、原潜の停泊のための何らかの施設もしくは海底基地、さっきの防衛庁の御答弁の中にもありましたように、将来そういうことが考えられるというときには、もちろん本条約に抵触するというふうに考えてよろしいか。お伺いしたいと思います。
○政府委員(西堀正弘君) ただいま先生がおっしっいましたとおり、潜水艦はこの条約の禁止対象ではございません。それでは、核弾頭を搭載している、または、それが使命といわれておりますところのポラリス型潜水艦、これはどうか。これはやはり禁止の対象になっていないわけでございます。なぜならば、この第一条第一項にいうところの禁止対象どれにも該当しないからでございます。 さて、それでは、核弾頭を搭載していると考えられますところのポラリス潜水艦の停泊基地と申しますか、停泊するところの、何と申しますか、要するに海底にそういった構築物が設けられる場合、それは禁止の対象になるかならないか。これは、理論的には私当然なるべきものと存じます。ただ、これは軍事専門家から伺ったところでございますけれども、ポラリス潜水艦というものは、あくまで、ことばは悪うございますが、隠密行動というものを使命としているわけでございますから、理論的にはそういったポラリス潜水艦の停泊基地というものが海底に設けられるということはあり得るわけでございますけれども、軍事上の常識といたしまして、ポラリス潜水艦基地というものが海底に設けられるということは、何と申しますか、敵に対してバルネラビリティが非常に多くなりますので、そういうことは軍事上の常識として大体考えられないということでございます。まあいずれにいたしましても、理論上の問題といたしましては、ポラリス潜水艦のように核弾頭を塔載している潜水艦の基地ということになりますと、ここに書いておりますところのこれらの兵器を「使用することを特に目的とした構築物、発射設備その他の施設」というところに該当すると考えられますので、禁止の対象になるということは理論的に申し上げることができると思います。
○西村関一君 ポラリス潜水艦につきましては、核戦略体制の中で米ソ両国とも非常に重要な要素を占めているものでございます。言うまでもございません。そのポラリス潜水艦につきましては何ら規制の対象にならないわけでございますから、核保有国に対しましては、現時点におきましてはあまり拘束する条約にはならぬのじゃないかというふうに思われますし、私は冒頭に申し上げたように、一歩でも半歩でも前進だと思いますけれども、きわめて不十分なものではないかという気がするのであります。その点、どういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(西堀正弘君) その点、まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、あくまでこの条約は、これから本格化するであろうと思われるところの海底に対するところの核兵器、その他大量殺戮兵器というものによるところの軍事化、これを防止するということにその意義があるのでございまして、現状において、たとえばいまのポラリス潜水艦のようなものが禁止の対象になってないという意味において不完全である。それをしも不完全ということであらわしますならば、そのとおりでございます。
○西村関一君 先ほど防衛庁のほうからお答えがありました音響による探知装置、そういうものはすでに使われておると思うのでございます。大型機雷も設置されておると思うのでございますが、こういうものは禁止の対象にならないのですか、どうでしょうか。
○政府委員(西堀正弘君) それは、ここに申します「核兵器」でもございませんし、それから、「他の種類の大量破壊兵器」ということにもならないわけでございますので、これは禁止の対象外でございます。
○羽生三七君 関連。いままでの核拡散防止条約等で核の拡散というものが禁止されおるのですから、結局、こういうことをもしやるとすれば、核保有国の問題になるのじゃないですか。どうでしょうか。
○政府委員(西堀正弘君) その御質問に対してはそのとおりであるとお答えせざるを得ないわけでございますけれども、それはおことばを返すようですが、要するに、核不拡散条約の功罪ということでなかろうかと私考えるのでございます。核不拡散条約というものが、要するに、一国でも核兵器を持つということはやはり世界平和の見地からも思わしくないことであるという見地からわれわれ踏み切ったわけでございます。したがいましてこの条約において核兵器、これが禁止の対象になっておるわけでございますが、不拡散条約でもって締約国になったものにつきましては、この核兵器に関します限りは、何ら新たに義務を負うわけではない、これは先生の御推察のとおりでございます。
○西村関一君 本条約で禁止されている範囲は、自国の距岸十二海里以遠、それから他国の領海以遠十二海里以内の地域の海底ということでございますが、自国の距岸十二海里以内にはいかなる兵器を設置することも自由である。もっとも、核兵器については、核兵器拡散防止条約との関連において、同条約の締約国たる非核兵器国、つまりわが国のごときものは核兵器そのものを持てないたてまえでありますから、かかる国については十二海里以遠とか以内とかいうことはあまり意味がないと考えられます。逆に核保有国にとりましては、十二海里以内の海底には核兵器が置けるということでありますから、この海底に置けるということでありますから、これは非核保有国に対しましては、どちらにしても何ら問題がないことなんだというふうに考えられますし、むしろ核保有国については十二海里以内ならば置けるということですから、そこらの点が、先ほどからの御答弁の中にもありましたように、一歩前進だとはいえ、きわめて核保有国本位の条約である。もちろん、わが国には、どっちにしろ、それは非拡散原則があり憲法があるのでございますから、そういうことは問題じゃございませんけれども、条約として考えますときに、何か核兵器保有国がその管理のもとに核兵器を他国にも置くことができるというような場合も考えられますが、そういうことについての検討はなされたのでございますか。
○政府委員(西堀正弘君) 先生の御指摘のとおり確かに本条約は非核兵器国にとりましては、十二海里以遠であろうと以内であろうと、これはどうせ持てないものについての条項でございますので関係ないと言われればそれまでのことでございます。ただしかし、申し上げますけれども、当該沿岸国の十二海里までは置けるということでございますので、他国のところへ参りまして、三海里を主張しておる、たとえば日本のようなところ、そこへ行って、三海里から十二海里までのところは置けない。公海の部分と同じでございます。その限りにおいてはやはり意義がある。しかも、米ソのようにいわば核軍事大国にとりまして、十二海里以内での海底下における核兵器等の設置が今後軍事的に意義があるかどうかという点につきましては、その費用対効果の原則、それから技術的観点から、われわれとしてはどういったものであろうか、疑問があるのではなかろうかと、実は考えているのでございますが、それはともかくといたしまして、この条約によりまして、十二海里以遠の広大な海域の非核武装化というものが、今後の軍事技術発展いかんにかかわらず、確保されるということは、それ自体非常に大きな意味があると考えるのでございます。 なお、その審議の過程におきまして、ただいまの先生御指摘の点につきましては、御承知のとおり、わが国は、領海をも含めまして核兵器並びに大量殺戮兵器の海底への敷設その他のことを禁止するということは、実は一昨年の日本がジュネーブの軍縮委員会に参加いたしました当初、朝海大使が主張した点でございまして、日本といたしましては、単に距岸十二海里というようなことではなく、領海の部分も含めて全海域、これを非核化ということを実は提唱いたしたのでございまして言うなれば、非常に野心的な提唱をいたしましたのでございますけれども、やはり、それはあまりにも現実的でないということで、他の軍縮委員会のメンバーの主張の前に、日本もそれに妥協せざるを得なかったのでございまして、日本としましてはあくまでやはり全海域ということを主張することは、最初においていたしたわけでございます。
○西村関一君 日本代表が領海内といえども設置すべきでないという、禁止の範囲としてそういうことを主張せられたということを本委員会の審議の中で明らかにしていただいたわけでございまして、それにもかかわらずこういう状態になったということはまことに遺憾である。この条約によりますと、わが国には関係はございませんけれども現在の核兵器国が他国の領海の海底に、その国の了解のもとに、核兵器、たとえばABMを設置するということは、本条約において可能でありますか。
○政府委員(西堀正弘君) 領海というのは領土と同じでございまして、そこに厳然と主権が存在するわけでございますので、そこに核兵器を置こうと置くまいと、政策問題は別といたしまして、これは自由でございます。したがいまして、かりに非常に設例が悪うございますけれども、アメリカが日本の領海、すなわち日本の距岸三海里のところに核兵器を置きたいと言ってまいりました場合に、理論上と申しますか、法律的には、日本としてはそれに同意することができる。この条約におきましても同意することができるというのが、この条約の規定でございます。
○西村関一君 そういう例はまずいですよ。実際は、そういうことはあり得ないことなんですからそんなことは言ってもこないし、言ってきたって非核三原則がありますから、そういうことはあり得ない。たとえばNATOの加盟国ですね、こういう場合においてはあり得ることだというふうに私は思いますから、仮説の質問をしたわけです。そういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(西堀正弘君) そのとおりでございます。 私、設例を申し上げます場合に、日本の設例よりは、NATOをとったほうが、もう問題なく適切であった次第でございます。
○西村関一君 先ほど来、質問の中でも申し上げておりますように、本条約はいろいろな経緯を経ましたが、最終的には米ソの歩み寄りによって成案を見ることができたということで、不十分ではございますけれども、国際関係に一定の政治的、心理的な効果を与えたということは言えると思います。その意味におきまして、私は、いろんな議論がありましょうけれども、将来に対する、核及び大量破壊兵器の設置によって海底を戦争と破壊につながるように使わせない、そういう禁止をするという条約でありまして、その意味におきましても私は意義があるというふうに考えるのでございます。 そこで、私は最後に外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。いまさら私が申し上げるまでもなく、核熱戦争というものは、これはどのような方法を講じましても禁止しなければならぬと思うのでございます。もしワシントンかモスクワで何らかのボタンが押されますならば、数時間の後には、その当事国はもちろんのこと、これに基地を与えているところの国の住民は壊滅してしまう。もしくは、アゴニーといわれます焦熱地獄のような状態のもとに置かれて、数時間の後には死滅してしまう。そういうような事態が起こらないとはだれも断言できないのであります。そういう危険にさらされておるということにつきましては、歴史上いまだかつて見ない状態にわれわれは立たされておると思うのでございます。この点につきましては今日まで、現在多くの世界の科学者が警告を与えておる。核戦争をしてはならない、つまり核は廃棄すべきである、核を含むところの軍備は縮小もしくは廃棄すべきであるということを警告しておるのでございます。これはイデオロギーを越えまして、東西両陣営のイデオロギーの対立を越えまして人類の平和への悲願として核を滅ぼしてしまわなければならぬと思うのでございます。私は世界連邦主義者でございまして、大臣も御承知のとおり、そういう立場から、世界の平和を念願しているところの科学者にもしばしば接触をいたします。わが国の著名な科学者である湯川秀樹博士も御承知のとおり世界連邦主義者でございます。その運動の先頭に立っているんでございます。どうしてもこの時点において核をなくさなければいけないという、核戦争はどうしても防止しなければいけないということを主張しておられる点は大臣も御承知でございましょう。また私は、一九六八年にモスクワに参りましたが、当時モスクワにおきまして、モスクワの水爆の父と呼ばれておりますドミトリッチ・サハロフ博士が一つの論文を書きました。「進歩、平和共存及び知的自由」という論文を書きました。これは当時ソ連においては発表を禁止されたのでございますが、二カ月後にニューヨーク・タイムズがスクープいたしまして大きく報道したことも大臣御承知のとおりだと思います。このサハロフ博士の論文を見ましても、いままさに時計の針が十二時をさす段階にまで進んできておる、十二時に来たならば、もうおしまいだ、いまのうちに核を含むところの兵器をなくさなければいけないということを述べておるのであります。戦争によらず、話し合いによって国際条約によって東西の緊張をなくしていく、その東西両陣営の断絶を埋めていく、そういうことをしなければいけないということを言っているのでございます。私はソ連の科学者がこういうことを発言しておるということに対して非常に興味を持ちました。面会を申し込んだんでありますが、しかし、私は科学者には会いますけれども、いまの時点でちょうど発表した直後でございましたから政治家にはお目にかかることは遠慮さしてもらいたいという返事が戻ってまいりまして、サハロフ博士に会わなかったのでありますが、そういう貴重な見解もソ連の側から出ておる。そういう意味からも私は、この条約が多くの不完全さを持ってはおりますけれども、二大陣営、米ソの合意によって成立したということを評価したいのであります。また、これに対してわが外務当局がかなりの努力を払われたということに対しましても、私はその努力を認めたいのでございます。 ただ、先ほど来述べてまいりましたように、核保有国でありますところの米ソ英仏、中国のこの五カ国の中で、特にフランスが入っていない。事情は西堀局長からもお話がございましたけれどもフランスが入ってない。それから、中国はいまの段階においてはもちろん入ってないということでございますが、こういう現状を踏まえまして、国連憲章、世界人権宣言、またわが国の憲法の精神から申しましても、すべての核保有国というのは一致して核をなくする、核兵器をなくするという共同の歩調に立つということが最も望ましいと思うんでございます。そういう見地からも、私は、中華人民共和国が国連の場に迎えられて、人類の悲願であるところの平和と繁栄のために協力するそういうことのためにわが国としても努力を払うべきじゃないかと思うのです。私は、いろいろむずかしい問題がこれについてはあるということは十二分に承知しているし、この前の委員会におきまして、大臣がお答えにならなかったということもその意味でありますから、私は、大臣のお立場からやむを得なかったことだというふうに思っておりますが、しかし、いまにわかにその問題についてどうこうということが言えないにいたしましても、大局的な見地から、核保有国である五つの国の中の一つの中華人民共和国がこのまま国連の外におるということは、これは人類の平和への悲願からいっても、しかも、国連をもっと強化して国連の中においてこの目的を達成してまいります上からいきましても、中国の代表権の問題は非常に重要な意味を持つと思うんでございます。最後に、この条約を本委員会において審議をいたしておりまするこの時点におきまして、私はこの点について大臣の御見解を伺いまして、私の質疑を終わりたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) じゅんじゅんとお説きになりましたこの考え方については、私ももう前々から非常に賛意を表明しているところでございます。核戦争が起こらないようにということについてあらゆる努力を各国が払うべきである。ことにわが国は、前回の委員会で羽生委員からも同じような御趣旨のお話がありましたが、原爆の唯一の被害国であるという特殊の立場もあり、しかもまた、そういった面の科学技術が非常に高度に発達しているわが国の国柄というものは、この種の問題の中において特に世界的の期待を集めている国柄であると、このように理解して私はしかるべきではないかと思います。そういう点から申しまして、まあ、昨日もちょっと拡散防止条約のことにも触れたわけでございますけれども、この二、三年来この方面に対する日本政府の努力も相当に実りが出てきたように思いまして、本日はまたこの条約の御審議を非常に積極的にお願いしているということは、すでに拡散防止条約の署名に昨年初め踏み切り、また昨年は一九二五年度、これは核ではございませんが、毒ガス禁止の議定書に四十年以上ぶりに国会で満場一致御承認をいただいたというようなことは、たいへん喜ばしいことであって、冒頭に御説明いたしましたように、最近の米ソの関係、あるいは軍縮委員会なんかの動向を見ましても、ますます日本としては努力を新たにすべき環境がよくなってきているようにも思いますから、この上ともこの面においては大いに努力を続けたいと思います。そうして、それに関連して中国の問題を最後にお触れになったわけですけれども、この中国の問題については、たとえばこの条約も、あるいは拡散防止条約も、あるいはまた形は多少変わっておりますが、ジュネーブの議定書も、いわばオール・ステーツ・フォーミュラであって、これは中華人民共和国も何どきでもこれに参加できる条約のつくり方になっておるわけでございますから、こういった面に対して同時に中華人民共和国が積極的な意図を表明し、あるいはこれを行動の上に出すというようなことになれば、前回たいへん不十分なお答えで申しわけございませんでしたけれども、国際社会に中華人民共和国が迎えられる、いわゆるブレッシングのもとにおいて迎えられるという、そういう環境がまた濃くなってくるわけで、こちらも努力するが、世界の各国も努力をし、またそれに応ずるような中華人民共和国のビヘービアというものがあらわれてくるというようなことに漸次なってくれば、たいへんこれは世界のためによいのではないだろうか。私は、一般論でございますけれども、かように考えておる次第でございます。
○森元治郎君 それじゃまとめて御質問します。この起草は米ソ案でしょうが、日本が主張し、いれられなかった点、主張して特にいれられて成功したと思う点の区別をしてもらいたい。それから、オブザーブというのはどういう字の意味か。オブザーブは観察する意味でしょうが、その結果義務違反の疑いがあって、それはどこの国がやったかわからないといった場合の措置、国連憲章、これを見ると、国連憲章に、安保理事会は、だんだん下から手続をとっていって最後は安保理事会へ持っいって、そこで「憲章に従って」とある。憲章の一体何を言うのか。 それからもう一つは、ひとの領海ならば——自分のところへ置くのはもとろんけっこうだが、友だちの国——友好国でしょうか、そこに置いてあるのは一向差しつかえないのか。前のほうでは、そういうものをエンプラントしエンプレースすることもいけないと言っておきながら、領海の中だけは仲間の国に置いていいというおっかない規定がある。矛盾するようなものがあるんだが、そこらのことを解明してください。それだけです。
○政府委員(西堀正弘君) まず第一に、わが国の主張が通らなかったところと通ったところというような御質問でございますが、一昨年わが国がジュネーブの軍縮委員会に入りましてこの条約の審議に参加したわけでございます。その当時わが国の主張いたしましたところは、禁止の兵器の対象につきましては、ここに書いてありますとおり、核兵器その他の大量破壊兵器でございましたけれども、その地理的範囲につきまして、わが国の代表は、領海やも含めて、とにかく地球の三分の二を占めますところの海域、その海底全域、これを含むんだという主張をいたしたのでございます。しかしながら、何ぶんにもやはりこういった軍縮条約と申しますか、軍備管理の条約というものは検証ということが非常に重要でございます。そうなりますと、やはり領海といった、各国の主権が厳然と存するところについて検証を強行するということは、現在の国際法のもとにおきます、と申しますか、国際情勢のもとにおいて非現実的であるという声が、やはり軍縮委員会におきましても圧倒的でございましたので、その点はわが国も現実的立場に立って、一歩前進という意味におきまして、距岸十二海里以遠の公海ということで、これはやはりわが国が妥協した、と申しますが、わが国の主張がいれられなかった一番大きな点でございます。 それから次に、わが国の主張がいれられたところはどういうところかと申しますと、まず、これはこまかい点でございますけれども、しかし、また重要なところなんでございますが、これは先ほども西村先生に御説明申し上げたところでございますけれども、地理的範囲につきまして、これは非常にできの悪い条約でございまして、ごたごたした規定になっておりますけれども、最初の規定によりますというと、当該沿岸国の距岸十二海里、それには当該沿岸国はこういった核兵器その他のものを設置することができるという規定がございますが、それがそれのみでございまして、当該沿岸国でない国、よその第三国が他の沿岸国の距岸三海里——すなわち領海——から十二海里までの間、この間に設置できるようなふうに読める、何と申しますか、非常に正確を欠く、それは各国の意図するところではなかったのでございますけれども、そういった条項の不備があったわけでございますけれども、その点はわが代表団が発見をいたしまして、したがいまして、この第一条の第二項、これはわが日本代表団の提案によりまして、規定を明確にする意味で入ったところでございます。これが主張のいれられたところでございます。それからもう一つ、これは大きな問題でございますけれども、第五条、これは核不拡散条約にもございますように、ここで禁止を同意いたしましたところのものに限りませず、今後とも海底における軍備競争の防止というものを推し進ていって、全海域について、しかもあらゆる軍事的な利用の禁止というものを実現していくように努力するという、その理想を掲げまして、したがって、そういった日的に向かって「誠実に交渉を継続することを約束する」という、この第五条がございますが、これはわが国の提案によりまして新たに挿入された条項でございます。 これが、いわばわが国の主張がいれられ、あるいはいれられなかった点でございます。 それから検証規定でございます。検証規定でオブザーブというのは、ここに書いておりますとおり、文字どおり「観察」でございます。例をとりますならば、距岸十二海里以遠のところでよその国の艦艇がやってきて何か作業している、どうも大量殺毅兵器を敷設するような何か活動らしいものをやっている、しかも、そのあと行って見ましたところが、妙なものがそこに備わっておるという場合には、それを観察する。いわば、何と申しますか、潜水夫を使って観察してもよろしゅうございますし、潜水艦をもってそばへ行って観察してもよろしゅうございます。とにかく観察をするということで、観察によって検証する。もちろんあくまで公海自由の原則というものが現在の国際法において存在いたします以上、その観察は、そういった敷設するような活動を妨げないで行なうことが必要なんですけれども、ともかくそのオブザベーションによって検証するということでございます。それから、どこの国がそういった活動をやったかわからない、あるいはどこの国がそういったものをそこに設置したかわからないというような場合におきましては、これはまず、どうもあの国らしいと思われる国と協議をするわけでございますが、それが全くわからないといった場合につきましては、そういった活動にかかわる地域内の締約国、それからその他の締約国に、どうもおかしいという旨を通告して、そうして適当な照会——アプロプリエート・インクワイアリーとなっておりますけれども、とにかく適当な照会を行なうわけでございますが、その照会を行なっにもかかわりませず、どうも責任を有する国を確認することができないといった場合には、その後の査察を含んで検証手続を行なうことができる。こういうことに——第三条の第三項に書いてございますけれども——なっております。そうして、その他の締約国の協力をも得て、それらの締約国にも依頼をして検証手続に参加するようインバイトするということでございます。それにもかかわりませずなおかつ疑念が残るという場合におきまして、この四項にございますところの「安全保障理事会に付託する」ということになるわけでございます。 そこで、第三点か第四点の御質問になるわけでございますけれども、それでは国連憲章のどの規定によってその安全保障理事会に付託するのかということに対しましては、これは第六章、すなわち「紛争の平和的解決」、これがまず第一に適用される条項であろうかと存じます。それからさらには、たとえばこの第七章の規定、第一義的にはいま申しました第六章の「紛争の平和的解決」の条項と存じますが、たとえば日本に向けてどうもミサイルの発射基地が太平洋のどこかに置かれているらしい、非常に脅威を受けるといったような、何と申しますか、非常に緊急な状態の場合におきましては、この第七章自体も、これは先生御承知のとおり強制措置に関するところの条項でございますけれども、この条項も私は適用することができるのではないかと存じます。 それから最後の御質問の点、すなわち、領海について他の国が、かりにアメリカがNATOのある国に対して核兵器を、たとえば、デンマークならデンマークの領海内に置きたい、こういった要請をアメリカがかりにいたしましたといたしました場合、デンマークといたしましては、政策問題は別といたしまして、領海につきましてはこれは領土と同じでございますので、厳然たる主権を持っているデンマークといたしましては、デンマークがそれを欲するならば設置することについてアメリカに同意すること、これは可能なわけでございます。すなわち、許されているわけでございます。
○森元治郎君 何だか怪しげなものが海の中にあるらしいという検証結果が出るわけなんです。これはおっかないものが入っているわけですから、安保理事会まで持っていくことは、そこまではいい。そこまでは私も賛成するが、ソビエトでなければ、失礼なことを言うなと言ってどなり返されるかもしれない。しかし、だれもしない。しかし、あるらしい。ただ、これはやっぱり無主物なんですから、おっかない危険物があるんですから、これは国連総会、安保理事会——国連総会でもいいが、そこで全部堀り起こそうじゃないかということで取り出す。だれでもないんだから、私でもない、私でもないと言うんだが、あることは確かだ。だれが見ても確かとなったら、こんなあぶない危険物は——戦後房総半島の沖にアメリカが爆弾うんと落っことしたやつがいまうんと出てくるでしょう。これをやるべきだったと思うんだが、気がつかないんですかね。あぶなくてしょうがないんだ、こんなもの。だれでもあるらしいというんだが、これをどうするんですか。
○政府委員(西堀正弘君) 確かにきわめて危険な作業でございますけれども、安全保障理事会がかりに、最後にどうしても疑惑を与えたような国がわからない、しかも、だれも言ってこない、しかも無主物である、しかも危険であるということであれば、この作業自体非常に危険でございますけれども、その撤去作業をひとつやろうじゃないかという決議を安保理事会でいたしますならば、それは可能でございます。
○森元治郎君 それじゃ安保理事会はヴィート——拒否権があるから、だれもおれじゃないと言う以上は、まさか拒否権を使うことはないと思うんだけれども、これはいわゆる七章でいけるんですか、それは。
○政府委員(西堀正弘君) そのとおりでございます。
○森元治郎君 それからもう一つ。たとえばアメリカがオランダか何か、自分のNATOの友好国の領海内なら置ける。これもそれをやったんではせっかく「軍縮」と言う以上、たとえ領海は領土の延長だといっても、その辺は、海はやらぬというくらいのことを主張をした国はなかったんですか。
○政府委員(西堀正弘君) それは、先ほど申し上げましたとおり、わが国が主張したわけでございます。
○森元治郎君 百四カ国も賛成して、二つ棄権、二つ反対だ。だから、この辺は、そうだと言って応援してくれそうなもんだが、応援してくれたらどうですか。
○政府委員(西堀正弘君) わが国は事軍縮に関しましては、いわば汚れのない手、あるいはやましいところのない良心をもって、ときに軍事大国の心胆を寒からしめるような野心的な提案をしたわけでございますけれども、何ぶんにもやはり現実的でないという意味は、こういった軍縮措置につきましては、やはり検証というものが非常に重要なのでございまして、検証なきところに軍縮措置をとってみましても、これは得する国はどこかにあるわけでございまして、したがいまして、検証ということに各国が同意できないような措置というものは、これはやはり非現実的と言わざるを得ないと思うわけでございます。したがいまして、わが国のきわめて野心的な提案ではございましたけれども、やはり検証ということを考えますというと、ジュネーブの軍縮委員会における一般の空気といったものからこの領海というものは禁止の対象にできなかったというのが現実でございまして、わが国の提案に対してそれを直ちに賛成したという国はいま聞きましたけれども、どうも一カ国もなかったというのが事実のようでございます。
○森元治郎君 あと一つで終わります。 総体的に見て、この海底における核兵器設置禁止条約の米ソの主張を見ていると、おかの上の核実験の検証とか、そういうものの米ソの交渉とこれを比較すると、立場が逆なような、米ソがこう反対のような論調をやっているんじゃないか。検証なんかの場合でも、ソ連のほうが開放的にいこうじゃないかということで、アメリカのほうは少し制限するような態度がありませんでしたか。むしろアメリカのほうが秘密的でソビエトのほうが開放的な感じがしますが。
○政府委員(西堀正弘君) それは、先ほど西村先生の御質問にお答えしましたときに、最初に一九六九年の夏の会議で米国案とソ連案が出かわけでございますけれども、検証規定につきましては、ソ連案のほうは相互主義に基づくフリー・アクセスということを言ったわけでございます。ということは、相互主義でございますから、要するにソ連のほうはフリー・アクセスをこれは認める気持ちは全然なかったものとわれわれとしては推測せざるを得ないわけでありまして、見てくれは非常によろしゅうございますけれども、その本質は、これは絶対に自分のところは見せないといった地下核実験禁止交渉におけるソ連の態度というものがこの交渉においてもあらわれているわけでございまして、決してアメリカのほうが、秘密主義と申しますか、ソ連よりも、何と申しますか、ネガチブであったというようなことはないのでありまして、やはり一貫したソ連のオンサイト・インスペクシヨンというものに対する反対の態度というものはこの本件交渉においても明らかであったのでございます。
○森元治郎君 終わります。
○委員長(松平勇雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないかうですが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松平勇雄君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(松平勇雄君) これより請願の審査を行ないます。 第四一七号 ILO条約第百十一号批准促進に関する請願外九十件を議題といたします。 まず、専門委員から説明を聴取いたします。
○専門委員(小倉満君) 御説明申し上げます。 今国会中に外務委員会に付託されました請願は全部で九十一件でございますが、分類いたしますと三種類でございます。 まず、お手元の表の最初のほうの四一七号外八十八件底女子労働者を賃金、昇進、雇用の機会において差別しないためにILO条約第百十一号の批准を要望するものでございます。 次に、一五四四号は、婦人労働の保護、婦人の労働福祉の拡充等をはかるためにILO条約第八十九号、第百三号及び第百十一号を批准し、あわせて関係国内法を整備されたいというものでございます。 最後の一七一〇号は、中国との間に戦争終結宣言をなし、国交を回復するため、あらゆる努力を払ってほしいというものでございます。 以上でございます。
○委員長(松平勇雄君) 速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(松平勇雄君) それじゃ速記とってください。 第四一七号 ILO条約第百十一号批准促進に関する請願外九十件はいずれも保留と決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(松平勇雄君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十六分散会 —————・—————