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65回国会参議院1971/05/13

外務委員会 第12号

発言数
140
登壇者
10
会派数
3
開催日
1971/05/13

会議録

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る四月十三日西村関一君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君が選任され、次いで四月十五日藤田進君が委員を辞任され、その補欠として西村関一君が選任されました。  また、昨十二日三木與吉郎君が委員を辞任され、その補欠として内藤誉三郎君が選任されました。     —————————————

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。  ただいま報告のとおり、西村関一君の委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に西村関一君を指名いたします。  速記をとめてください。   〔速記中止〕

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 速記を始めてください。     —————————————

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 次に、第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。  愛知外務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました「第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件」につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定は、第三次国際すず協定の有効期間が本年六月三十日に満了いたしますので、それにかわるものとして、一九七〇年四月から五月にかけてジュネーヴで開催された国際連合すず会議で採択されたものでありまして、すずの消費国としてはわが国を含む二十二カ国が署名しており、また、すずの生産国としては、七カ国が署名しております。  この第四次協定は、第三次協定と比較しました場合、条文の構成等形式面では変更が加えられておりますが、内容的にはおおむね第三次協定の内容を引き継いだものとなっております。  すなわち、本協定は、生産国の義務的供与に基づいて設けられる緩衝在庫による売買操作を通じまして、すずの国際価格を一定の価格帯の範囲内に安定せしめることを主たる目的としており、また、すずの市場価格がこの価格帯を下回って低落するおそれがある場合には、参加生産国が輸出統制を行なうことができる旨を規定しております。  わが国は、すずの主要な消費国の一つでありますとともに、マレイシア、インドネシア、タイ等世界のすず生産の大きな部分を占める東南アジア諸国とは経済的に密接な関係にあります。したがいまして、わが国が、第二次協定及び第三次協定に引き続きまして今回の第四次国際すず協定の締約国となりますことは、国際すず理事会の場におきまして消費国としてのわが国の立場を十分反映せしめるためにも、また、開発途上にある生産国、特に東南アジアにある生産国の経済発展に協力する見地からもきわめて有意義と存じます。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 引き続き補足説明を聴取いたします。  山崎条約局参事官。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○政府委員(山崎敏夫君) 簡単に補足説明を申し上げます。  すずの国際価格安定のための動きはすでに戦前から見られるのでありますが、戦後に至りまして国際連合を中心に協定案作成の努力が続けられ、一九五六年に第一次国際すず協定が発足いたしました。わが国はこの第一次協定には参加いたしませんでしたが、一九六一年に第二次協定を受諾し、引き続き第三次協定にも参加して現在に至っております。  現行の第三次国際すず協定の運用状況を振り返ってみますと、協定発足後すずの国際価格は、世界のすず生産力の増強もありまして、低落傾向をたどり、協定上の最低価格に近づきましたため、理事会は、一九六八年九月以降輸出統制を実施いたしました。この輸出統制期間中は、協定の規定に従って生産国のすず輸出の制限が行なわれたわけでありますが、この間わが国をはじめとする消費国の需要が伸びたこともありましてその後市況は強含みに転じまして、一九六九年の秋から年末にかけましては、これに投機筋の活動も加わりましてすずの国際価格は高騰し、一時的には協定上の最高価格を越える事態になったのであります。  これに対して理事会は、一九七一年一月から協定に定められておりました輸出制限措置を撤廃すると同時に緩衝在庫の操作を通じまして市況の安定につとめ、すず価格は再び価格帯内に戻ったのであります。しかしながら、すず価格はその後も堅調を続けましたため、理事会は昨年十月に至りまして、第三次協定発足以来据え置かれた価格帯を引き上げて今日に至っております。  次に第三次協定の参加国について見ますと、生産国としては、マレイシア、ボリヴィア、タイ、インドネシア等世界の主要生産国のすべてが参加しております。他方消費国につきましては、日本、英国、フランス等が参加している反面、米国、ドイツ及びソヴィエト連邦はこの協定の締約国となっておりません。  米国はたびたびのこの協定作成会議には出席しておりますが、アメリカ政府としては二十万トンをこえるすずの戦略備蓄を保有しておりまして、国際すず協定の締約国となった場合にはその備蓄の処分について規制を受けるために本協定に参加しにくい事情にあると聞いております。もっとも米国政府は従来から保有在庫の処分に際しては理事会と密接に協議をしてきておりまして、協定の運営に協力的態度を示しておりますので特に問題は生じておりません。  また、ドイツ及びソヴィエト連邦もこれまでのすず協定の締約国とはなっておりませんが、昨年の国連すず会議にはこの両国とも積極的に参加しまして、その後第四次国際すず協定に署名しておりますので、ドイツ及びソ連が今度の協定に参加する見通しはかなり出てきておる次第であります。  以上をもって補足説明を終わらしていただきます。

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 以上をもって説明は終了いたしました。  本件に関する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 初めに日ソ漁業の問題と中国代表権の問題にちょっと触れてみたいと思うのですが、時間が四十分ですから要領よく答弁を願いたいと思う。  日ソ漁業交渉は日本側が押えつけられたような形で締結されたわけですが、何か、春になって出漁期の前になると、さて割り当てはどうするかというようなことになるのですが、もっとこの際、対ソ漁業交渉にあたってはやるべきことがたくさんあるのだと思うのですが、少しく北のほうは忘れられがちのような感じがする。ひどい割り当て、ニシンはとれなくなる、サケ・マスは九万五千トン、どんどん減っていく。カニもうまくない。あの交渉結果を見て大臣はどんな印象を強く持たれましたか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私も日ソ漁業交渉の問題については感覚的にはただいまの御質問まことにごもっともだと思います。この交渉の途上におきましても、今回のことはともかくとして、今後この種の問題についてわがほうとして取り上げ方についても、何か大きな交渉に臨む態勢、それから交渉のやり方等についても、新しい角度に立ってのやり方というものが必要ではないかということを私も痛切に感じた次第であります。ただ、いままでのようなやり方で直ちに長期間の協定を結ぶという行き方にすぐ転換することは、これも考えものであろうと思いますけれども、ソ連側の言い分にも耳をかすべきところもあるようにも思います。漁期を直前に控えてはげしいやりとりという毎年のことを繰り返しているのでは双方のためによろしくないという感じを私は受けたわけでございます。赤城代表が帰られてから、あるいはまた、ソ連側も駐日大使が前後してモスコーから帰任いたしましたが、大使とも意見交換をいたしておりますが、明年以降におきまして、どういうふうにして、もっと大所高所からの話し合い、並びに、現実的な問題をあわせて取り上げてもう少し時間をかけてゆっくり話し合うことをいまから次に備えて考えていかなければならないということについては、大体、関係当事者の感覚的な意見というものがだんだんそういうふうになってきつつあるように感じますが、こういう情勢をなお一そう盛り上げてまいりたい。いま具体的にどういう方式でどうやるかというところまでまだ考えはございませんけれども、一般的な感じとして、さような感想を持っておる次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日ソ漁業問題は、日ソ関係全般の中の一つとして、すなわち、全体の大きな、日ソ了解を立てた中でやらなければだめだというような意見もありますが、私は、それはさておいて、漁業問題でなぜソ連が強気になってこっちが押されるかといえば、資源論争だと思うのですね。国も金を出し徹底的に資源の問題を究明したらどうか。いつも究明すると言いながら中途はんぱ。ソ連のほうは、たとえば、カニは大陸だな資源であるとか、あるいは、一般的にニシンはどんどん減っていくんだと、向こうの資料らしきもので押してくる。こっちは案外ばく然とした非科学的な態度で、それほど減ってないじゃないかというような腰だめ式な議論のようなことをやっているようだが、強く向こうに要請して、共同調査なり、あるいは、共同調査しないんならば片方が一方的に徹底的に調査をする。あそこは、オホーツク海は引っ込んでおりますが、何といっても公海ですから、どんどん船を出して、公海の中を遊よくして調査に当たる。これが根本だと思うんですよ。ここでソ連側の主張を科学的論争、証明で押えつけることができるならば、新たな角度が北洋漁業に生まれてくると思うんですね。ところが、いつも、論争しながらも魚さえとっちまえばまた来年というような業者の感覚に政府側も引きずられて、毎年毎年同じことをやって今日にきたんだと思うのです。共同科学調査あるいは一方的な調査を国の力でやるということについては、農林大臣あたりと御相談になったことありますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、具体的に、この問題についてはこうやったほうがよかろうというところまで具体的ななにはしておりませんが、今回の漁業交渉一連の経過、結果等については近く閣議にも報告をいたすつもりでございますし、あらためて、外務省としても水産庁等と十分今後に備えてまいりたい。ただいまお話しになりました魚族資源の保護ということについての科学的な調査というようなことについても、日本側としての考え方や、交渉に臨む態度についても、若干、私はくふうをこらすべきところがあるのではないか。先ほどちょっと私も触れましたように、ソ連側の言い分にも一部聞くべきところもあるような感じもするということも率直に申し上げたわけでございますが、それらを含めまして、今後の対策、ことに協議のやり方について新しいくふうを加えてまいりたいと思っております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 水産庁の藤村次長さんが来ておられるようだが、この資源調査にどれだけの金、予算を例年計上しているのですか。たとえば、カニが大陸だな資源ではないのだという論証を得るために、そういうようなことにどのくらいの金を使っているんですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 私、いま正確な予算を持ってまいりませんでしたけれども、数億の予算と覚えておりますが、サケ・マス、カニ、国際資源の調査について正確な数字はちょっとただいま持参いたしませんので、後ほどお答えしたいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それじゃもう一回、どのくらいの期間、船が何隻くらい出て、どんなふうな規模で調査をやってるんですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) サケ・マスにつきましては、水産庁が用船いたしますのは約十ぱいでございますし、その他官公庁船について協力を求めておるのが四、五隻ございます。それからカニにつきましては、カニ専門の調査船——水産庁が用船いたしてやっておりますのが一隻でございますが、母船が漁獲をいたしますものにつきまして、全部調査票を渡しまして、これについて科学調査を行なっております。カニにつきましては以上のようなものでございますが、サケにつきましても、母船に調査員を指名いたしまして、母船上で、とりましたサンプルにつきまして調査を行なっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 その数億の予算で十分なんですか。とてもあの広い海域、ソ連の立証、ソ連の立論をくつがえすには足りないと思うんですよね。どのくらいあったらば、もっと十分な調査ができると思うのですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 私どもが行なっておりますのは、主としまして公海の調査でございまして、ソ連の行なっておりますのは領海内の、特に河川に遡上いたしますサケ・マスについて調査を行なっておりますので、私どもといたしましては、それに対抗する資料として、北海道のサケ・マスふ化場を中心に行なっております領海内あるいは河川のサケ・マスの資源状態の調査でソ連の論拠と対抗できるものと、いま考えております。しかし、公海上におきましてのまだ十分な調査ではございませんが、現在行なっておりますのはもう十数年続けておりますので、これから若干ずつこれを強化することによって、ソ連の科学調査と十分対抗できるものだというふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 時間もないが、大臣、総理がコスイギン首相に親書を渡したということが新聞に出ておりましたが、差しつかえない範囲でその趣旨を伺いたい。ということは、いやしくも一国の総理が、特派大使として行く赤城君に持たしてやったにしては、首相みずからニシンの話ばかりしているのですね。一向、その手紙をもらったという様子が向こうの態度ににじみ出てこないんですよ。そんな印象を受ける。どんなものですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは経過を御承知のように、私どもといたしましても、東京、モスコー、両方にわたって交渉がそれぞれの対象について行なわれておりましたが、双方ともなかなか思うように進捗をいたしません。そこで、モスコーのほうではイシコフ漁業大臣が担当者でありますし、それらのことも考えまして、赤城議員に閣議決定をもって特派大使として急にこの交渉に参加といいますか、大所高所からの話し合いに臨むことが妥当であろうと考えたわけでございます。したがいまして、現在の閣僚というような人の派遣ではございません関係もございますから、特に赤城氏を特派大使としてこの重大な問題について差し迫った局面を打開するために特にその使命を持って貴方に差し向けたについては貴方の総理大臣とされても十分な考慮を払ってもらいたいという趣旨のいわゆる親書を持たしてやったわけでございます。したがいまして、さっそくにモスコー到着後コスイギン首相と赤城氏は会談をいたしておるわけでございます。そして、コスイギン首相としても、非常に率直にソ連の態度をかなり明らかに、赤城特使を迎えるために十分のブリーフィングを受けて、そしてソ連としての態度を非常に率直に表明してくれた。ここに私は親書を持っていった赤城大使としても十分の活動の場面があったと思いますし、また、赤城氏から、正確な見通しも含めて、今次の交渉に臨む日本側としてのとるべき態度についての重要な、かつ建設的な意見具申がさっそくに行なわれた。これがいろいろ、そのまとまった内容につきましては御批判のあることは十分に承知をいたしておりますけれども、とにかく差し迫った段階において危機を切り抜けたということについては、私もよかったという評価をいたしておるわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ああいう親書というものには、普通の場合、返書はないものなんですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはいろいろの例がございますが、今般の場合は、これは私(わたくし)的な解釈でございますけれども、いわばこの使節に与えた任務、そして一種の信任状的なものと理解する性格が私は大きいと思いますから、この種の場合におきましては返書がないということが通例である、かように存じます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この漁業問題が出てくるといつでも必ず関連して出てくるのが、領海の幅とかあるいは「海洋法会議」というような文字が出てくるのですね。そっちのほうの話を聞きたいのだが、大勢は第二回の海洋法会議できまりかかった領海十二海里説、ああいうものが来年、再来年行なわれる第三次海洋法会議で論議されるときには、日本は観念して、大勢に従って十二海里というほうに進もうとする考えは、水産庁はじめ関係漁業界も動いてきたように思うのですが、その点はどんなふうになっておりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 率直に申しまして、この領海の問題は、私就任以来、従来の政府の見解というものは必ずしも妥当ではないのではないかという見解を私は持ってまいりました。そして、つまり三海里説というものにいつまでも固執すべきではない。これは見方、利害得失、いろいろの関係がございますけれども、現在の国際的ないろいろの動きその他等も勘案いたしまして、やはりこれはただいまの御指摘のように海洋法会議におきまして一時きまりかけた。またそのときには、あるいは日本政府の代表も不承不承であったかもしれませんけれども賛意を表しました十二海里説というのが、今日において妥当な線である、私はさように考えております。そういう線で政府部内、外務省も水産庁も異議がない。こういうふうな情勢になってまいりましたので、少なくとも明後年の会議におきましては十二海里、そして、うち六海里を、たとえば専管水域というようなきめ方になるかもしれませんが、それはいかようにも考えられると思いますが、ただ問題は、十二海里ときめた以上は、風鈴をつけてもらいたくないわけですね。それぞれの国は十二海里をオーケーするけれども、沿岸国としてかくかくの場合には風鈴をつけて、それ以上に広がるようなことを、えてしてしたりしがちのようでございますから、その点については、日本政府としては、日本の国益から申しましても、断然がんばるべきである。つまり、十二海里ときめたらば、国際的にこれを順奉するということにして、風鈴つけのような主張は各国もしないように、絶対にこれは押えてかからなければならない問題である、かように存じます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 最も保守的な水産界もとうとうかぶとを脱いで、いろいろの国際関係のそういう条約、アフリカのほうの南東大西洋まぐろ条約や北大西洋国際条約にも参加したりして、大きな進歩だと思っております。  そこで、この大陸だな条約というのが、ちょくちょくと最近は、尖閣列島の領有問題、あるいは北洋漁業でもカニの資源の件に関連して、問題として浮かび上がってきた。これは日本は入ってないけれども、依然として入ってないでいくつもりか。あるいは、フランスであったか、のような留保をつけて、いわゆるソ連の思うとおりな、ソ連の、たとえばカニは海底定着物だという理論を承認するがごときことは避けつつ、入ったほうがいいものか。その可否。どんな段階にあるのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいまのところ、大陸だな条約には入るつもりは持っておりません。と申しますのは、やはり大陸だな条約の一つの問題は、いまおあげになりましたように、大陸だな資源というものの定義自身が問題なのであって、あるいは大陸だな条約、現にできておるものについては、私は日本の国益としていかがであろうか、こういう見解を、たとえば一つの問題として持ちます。いま現在の形の大陸だな条約に、にわかに日本が参加するということは考えものである。こういう意味で日本政府としては入る意向を持っておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 損得からいったら、どんな計算しますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはいろいろの角度から徹底的に検討していかなければならないと思いますが、少なくともバランスシートの上で日本が入るほうが得だという計算は、私はできないと思います、現在におきましては。そういう問題をまだかかえておる。検討すべき要素がありながら、大陸だな条約というものがある、このごろ大陸だながだいぶ問題があるから、入れ入れ、こういう意見ににわかに賛成するわけにはまいりません、というのが私の見解でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 話をもとに戻して、ソ連の北洋漁業に対する態度は、締め出し、あるいはもっともっと、例をサケ・マスにとれば、九万五千トンを五万トンなり四万トンなり、どこまで一体やろうとするのか、そういう不安はみな持っているわけですから、向こうの態度はどう判断しますか。資源があれば、また豊漁年なり何なりには十一万五千トンもとらせようとするのか。とにかく漸減傾向である、ふえる証拠のない限りは、というようなことで、この締め出し、千島列島という首飾りの外へ日本の漁業権を追い出そうとするのか。それをどういうふうに判断をしておられるか。どうも業者その他一般新聞を読んでいる人々は、締め出すんだなという感じを持っておりますが、これは黙って締め出されることはできないので、正論として、いまにしてこの点をはっきりしとかないと、私はどんどんなだれを打つように押しまくられてくると思うのですね。適当な機会、この次、あるいは年内にはっきりした向こうの意向を打診して一本くぎを打つべきものは打ったほうがよろしいと思います。どうでしょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) なかなかこの見通し、それから先方の考え方がどういう考え方であるかということを実は的確に捕捉できませんので、そこで冒頭に申し上げましたように、もっと時間をかけて、漁期を目前にしたというようなことではなくって、とっくりと話し合い、先方にも反省してもらうところがあり、こちらもいろいろくふうし直さなければならぬところもあろうかと思いますが、そういう相当時間をかけた、そしてあらゆる点をカバーした、とっくりした話し合いをすることによって、ほんとうのねらいというものがそれぞれにわかってくるのではないか。私はまあこういうふうに考えるものでございますから、いま直ちに、今回の直後に意見を申し上げるのはちょっと早計かと思いますから、もうしばらくその意見は差しひかえたいと思います。ただ、これも私の憶測、推測でございますけれども、日ソ間の関係は、全般的にいえば、いわゆるコレクトな状態にあると私は認識いたしております。したがって、日ソ間の関係が、何かほかの政治的あるいはその他の理由によってこの漁業問題にこれが影を投じているとかあるいはそのための一つの取引的な手段に使われているものではないと、私はこういうふうに観測いたしておるわけでございます。したがって、漁業の問題、それから資源の確保の問題ということであくまでこれは徹底的に双方の意見あるいは具体的な科学的な方法、そしてそれから望ましい結論というものを出すべきで、むしろそういうふうに今後とも扱っていきたいものである、かように考えます。ただ、日本側とすれば、まことに関係の業界、ことに零細な漁民の方々に、はかり知れざる迷惑をかけておる。このことは何としても申しわけのないことであって、これは今回の場合、ことに抱卵ニシンの問題がこういうふうに急迫し、かつ、非常に深刻な問題になりましたこと、で、こういうふうな点の見通しが十分につけ得られなかった点、あるいはこの問題に対するソ連側の態度というものの検討が前びろにはつかみ得なかったという点、こういう点については、今後の対策を講じていく場合に、日本側といたしましても十分くふうを要する点であると、こういうふうに考えておるわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは、日ソ問題はもう一問で終わりますが、いま大臣は、日ソ関係はきょう現在はコレクトな状況にあると。日ソ関係では魚も大きいし、シベリア開発はじめバンク・ローンの要請、核不拡散条約あるいは核不使用の問題、そして台湾問題をはらむアジアの安全保障等々の点から、いまはそう抵抗なく往来できるときですから、この前も外務委員会で申し上げたとおり、見識の広い大ものの派遣なり、あるいはみずからも出動する大きな外交を展開する条件ができていると思うのですね。悪いときに行こうたってこれは行けないんですけれども、これはやはりひとつ北のほうを静かな状態に置くということが、将来のため、双方にアジアの平和に大きな影響があると思うので、大ものの派遣をぜひ実現してもらいたいと思うのです。この前大臣に申し上げたらあまりいいお返事がなかったが、政府間の大もの、総理級、総理、あるいはごたごたしているグロムイコ外相の来日を、定期協議のために来ないのですから、要請をする、催促する。そういう外交的なマヌーバーも大事じゃないかと思いますが、その一点だけで日ソ問題を終わります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 決して消極的にお答えしたつもりはないのでございまして、大ものの双互訪問というものはまことに望ましいことで、昨年の秋ポドゴルヌイ氏を病気のために迎え入れられなかったことは非常に残念でございます。先方も訪日の意思がございます。こちらとしてもそれを念頭に置いて考えてまいりますことは適当なことであろうと、私はかように考えます。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 関連。  水産庁の藤村さんにちょっとお伺いいたしますが、世界でカズノコを食べるのはどこの国の人たちですか、カズノコを食べる人種。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 私の知っております限りは、好んで食べるのは日本でございまして、あと若干はホンコンとかオランダとかハンブルグ等でも店にあるということは聞いておりますが、好んで食べるということは聞いておりません。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 ロシア人は食べるのですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) ロシア人は食べるという話は聞いておりません。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 聞いていない。現在ソ連から日本に入れているカズノコはどれくらいですか、年間。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) カズノコとして輸入しておりませんで、抱卵ニシンの冷凍の形で輸入しておりましたのが、昨年、たしか七千トンあったかと思います。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 今度のニシンの制限でもってカズノコはほとんどもう入らないというような見通しもあるようですが、この点、どうですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) ソ連からは入らないというふうに考えております。アラスカ、カナダを中心といたしまして四、五千トンないし一万トンくらいは入る可能性があるのではないかというふうに考えております。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 私は全然その点わからないのですけれども、カズノコ業者は大体どれくらいあるのですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) カズノコをつくっております業者は現在北海道がほとんど大部分でございますが、約一千三百経営体くらいございます。そのほか内地のごく小さい業者が五十くらいあるというふうに推算いたしております。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 そうすると、今後受ける打撃に対して政府は何か補償を考えているわけですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 現在カズノコの生産業者に対する補償という問題は考えておりませんが、何らかこれに対する金融その他の対策は必要ではないかというふうに考えております。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 私は北欧へ行きましたときに、ノルウエーあたりではネコも食べない。港に行くとカズノコが捨ててある。あれなんか安く入れることは考えられませんか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 北東大西洋で百五十万トン程度のニシンの漁獲がございまして、その当時は非常にノルウエー等北欧にたくさんニシンがとれた。ソビエトもとれたのでございますけれども、この三、四年間非常な不漁でございまして、数万トン以下の漁獲量になっておりまして、北欧からカズノコニシンの輸入ということは現在考えられません。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 そうすると、これは加藤先生もたいへん関心あると思うのですが、来年の正月はカズノコはほとんど食べられない。大体どれくらい値上がりになりますか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) 昨年、ことしと、日本産のニシンあるいはソ連産のニシンでカズノコは比較的安くなったのでございますけれども、ことしそういう状況でございますので、従来卸売り値段が四千円程度に下がっておりましたのが、これがあるいは一倍半なり二倍なんというような高値になることも予想されております。まだ私どもも、どれぐらいアラスカ、カナダから輸入できるかということで当たっております状態なので、その値段等の予測はつきかねるわけでございます。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 そうすると、もうことしの正月は藤村さんもカズノコは食べられないというわけだ。それはそれとして、私がお伺いしたいのは、たとえばカズノコをとることによって、要するに、ニシンのあれが減っていくというのがソ連の主張の根拠なんでしょう。その点、どうなんですか。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) ソ連の主張といたしましては、そういうことでございます。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 そうすると、五千トンも入れているということの矛盾はつかなかったわけですか。七千トン入れているわけでしょう。

藤村弘毅水産庁次長

○政府委員(藤村弘毅君) ソ連は昨年オホーツク海ニシンを三十一万トンとっておりまして、そのうち抱卵ニシンをとっておりますのは一万七千トンかその程度だと思います。そのうち食べない部分を日本に輸出し、日本もとっておりましたのはオホーツク・ニシン五万トンのうち約三万トンは抱卵ニシンでございまして、日本としてはむしろ抱卵ニシンのほうが多かった。そこで、ソ連としては産卵ニシンをとることによって資源が減るから、日本もとらないかわりにソ連も一万七、八千トンをとらないということであります。ことしからはソ連もとらないということでございます。

長谷川仁自由民主党

○長谷川仁君 関連ですから、きょうはこれで。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 日ソ漁業問題について、私、森委員のお尋ねの趣旨と全く根本的に同じ意見を持っているわけです。そこで、年々減っていくのですが、それは決して他の政治的案件あるいは外交的案件との関連ではなしに、漁業問題オンリーで考えられておるようですが、その場合でもどんどん減っていく。そうすると、その場合に十分時間をかけて日ソ間で話し合いをしたいといいますけれども、話し合いの根拠が、先ほど森君が指摘したように、先方は科学的な資料を持ち出して、それによって日本側との折衝をしておる。日本側はそれに対して十分な資料を持っておっても必ずしも対抗できるぐらいの十分なものではない。もしそういう状態であるならば、一体どこまで減っていくのかということになって、日本側が科学的な調査をやろうとしても、先方は領海内でやっておるし、日本は公海内。それなら私は、領海、公海の接点の公海寄りの調査を徹底的にやって、こちらも向こうに対抗できるだけの資料を持つ。そのためには、いま森君の指摘されたように、十分な調査費をかけるということをやって話し合いをしなければ、腰だめの話し合いではいつも向こうに押しまくられるのは当然だと思うんです。実は数年前、私、党の使節団の一員としてソ連を訪問した際に、当時ミコヤンさんあるいはスースロフ氏とこの問題で何回も話し合いをして、最終的に、われわれのようなしろうとが漁獲高や制限区域の問題に触れるのは非常に危険でありますので、むしろ期限の延長を考えてくれてはどうかという問題を提起しました。しかし、これは豊漁年もあるいはその反対のときもありますので、必ずしも一年の決定を長く持ち続けるということが合理的かどうか疑問ではありますが、しかし、そういう問題を提起したところが、これはやめる直前のフルシチョフではありましたが、フルシチョフと会った際に、十分検討するということですぐ返事をくれまして、結局コンブ協定だけに限定されましたが、一年を二年にしましたが、あとから赤城さんが行って調印したわけです。ですから、話し合いはできるわけですね。ですから、そういう面で科学的な調査をやるということと、もう一つは赤城さんの帰国談話では、つまり事務レベルでやっていって最後にいわゆる首脳会談——農林大臣とイシコフ漁業相という会談が落ちになっているわけですが、それを、初めにもつとトップレベルで会談して、そうしてきまったものを事務レベルの議題にしたらどうかという問題も提起されたようですが、いずれにしても根本的なこの折衝の方法を変えなければ全然問題の解決にならぬ。そういう意味で、いまの森委員の提起された問題は私は全く同感なので、さらにこれは一そうそういう意味での促進を期待をいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まことにごもっともであると存じます。いわゆる政治的な折衝を先にやってそれから技術的なということも確かに私は一つの考え方であると思いますので、そういうやり方も含めて、先ほど来申しておりますように、十分の備えを、かなり発想の転換をして、備えていかなければならないのではないか、こういうふうに考えております。と申しますのは、いままでのようなやり方ということを前提にしてみた場合に、たとえばサケ・マスにしましても、本年が豊漁年であるにもかかわらず、数量的な規制についての先方の主張というものは非常にきびしかったことはお話しのとおりなんであります。でございますから、明年は不漁年に当たっておりますだけに、従来からのやり方でやれば、この調子ではもう来年は先方の態度はますますきびしくなってこざるを得ない。それからニシンにいたしましても、今度は水域が広げられる可能性がないではない。そういうことも考えますと、これはよほどこちらのかまえ方、用意のしかた、それからやはりこれはいま当面、先ほど申しましたように、非常に窮境に立った関係の方々の補償問題等がまだ最終的にきまっておりません段階に、軽々に私は言うべきではないと思いますけれども、日本側の将来のやり方や態勢、いわゆるビヘービア等についても、これはやはり注意すべきところは十分に注意してかかることが、対ソ交渉を合理的に公正にする上からいっても私は必要ではないかというふうに考えるわけでございます。真剣にまじめに取り組んで、そうして向こうのやはり誠意ある、そうして長期的な態勢づくりを求めていくという態度でなければなるまい。まあ、これが現在のところの私どもの考え方でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 中国代表権の問題について、代表権は重要事項指定方式で十年しのいできたけれども、ことしの十一月でしょう——の総会では、これが通らなくなりそうだというのが世界各国、東西の情報また事態の実態もその方向に進んでいるようでありますが、重要事項指定方式を掲げるものにとっては深刻な状態だというふうに判断しますが、大臣の御判断はいかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはなかなかむずかしいお尋ねで、何しろ国連加盟国が百二十六でございますか、その動向がどういうふうになるか現在の時点で日本政府がどう見ているかということを申し上げることは、正確にお答えすることはできませんし、また、単純な憶測を申し上げることは不適当かと考えます。まあ、しかし、中国問題については世界的に非常に情勢が流動的でございますから、昨年までとはまた変わった動きがあるであろうということは予測するにかたくないところであろうと、こういうふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣は中国代表権ならばまだ政府の方針もきまっていない段階であることは、もちろんきわめて抑制的な態度で御答弁だろうとは期待しておったんですが、これはともに憂えるということで大いにしゃべってくださいよ、大いに。そう引っ込んでばかりじゃだめですよ。そこで、外務省だと思うんですが、外務省筋とか新聞の書き方を見れば、外務省の世論の指導でしょう、党のほうからいい考えを出せ、つくってみろというので、あの手この手と、五案も六案も出したんでしょう。ところが、外務省の中も元気がないけれども、いささか中共びいきの官僚もおるし、国府を守ろうというようなのもおるし、この情勢は非常に弱いんですが、昔の話をすれば愛知さんわかると思うんだが、外務省に革新官僚というのがおりましたよね。いま大使になってやめたけれども、あの連中は日本の革新だと言って、野村外務大臣だの、それから宇垣さんなどのときに。そこまで熱してくれればいいと思うんだが、すっかりサラリーマンになり切ったようなかっこうをしている。やはり中共加盟やむなしというような形勢もうかがえるんです。そこで外務省の指導、あるいは外務省で記者諸君が判断して取ったんだと思われる情勢を見ると、近ごろ動きかけている中共、台湾、いずれも正統政府とはしないで、二重の代表を認めようというのが最も強い、こういうことが出ております。そしてまた省内の意向でしょう。要は、高いところできめてもらわなければわれわれは何もできない、もしこの方式でいくというならば、お好みの料理はできます。上待ち——「上」とは総理大臣、外務大臣をはじめ最高首脳の態度にかかっているというふうな書きっぷり。これはもっともだと思うのです。そこで、私はその最高首脳の一人である大臣の御意見を伺うんだが、大勢は不利、私は重要事項はことしは負けるおそれのほうが強いんじゃないか。そうすれば、従来の手続でいくならば、引き続き従来のとおりの決議案の国連における取り扱いでいくんならば、アルバニア案がその次に出てきますから、すぱっと国府追放、台湾と北京がかわって国連に入ってくる。こういう事態もこの十一月に起こるんだろうと思います。これは戦後最大の外交的大問題になるのは十一月。これは内閣の運命もさることながら、アジアの大問題、日本の大問題、自民党が分裂するかもしらぬというような事態になると思うのだが、それにしては政府の首脳でおられる外務大臣、太い線を出さなくちゃいかぬと思うのですね、太い線を。その「太い線」とは——それを伺いたいんですが——表決のいずれが勝つということはさておいて、中共の国連加盟というものは賛成と明快におっしゃれますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まずお尋ねの順序から、最初のほうから申し上げたいと思いますが、中国問題は私は代表権問題だけではないと思います。ことに日本の場合におきましては、日本と中国との関係ということは非常に大きな問題でもあるし、また、この関係を改善をしていくということが、七〇年代はもとより、二十一世紀につながる私は非常に大切な問題だと思いますから、問題のとらえ方が、代表権の問題ももちろん大事でございますけれども、同時に、日本としての主体的な立場、そして日中が遠い将来において、アジアにおいて、あるいは世界において占めなければならない役割りというものを十分認識してかからなければならない、私はこういうふうに思います。そういう非常に大きな問題でありますだけに、外務省に職を奉ずる者がそれぞれ一家言あってしかるべきであるし、あるいは一家言あることは当然の義務であるべきであると思いますから、その職責がアジア局であろうが国連局であろうが、そういう立場を離れ、あるいは南米に勤務しておる大使以下、公館の人たちも、ひとしくやはりそれぞれ中国に対してどういうのが望ましい姿であるかということを、私は就任以来機会あるごとに積極的に意見を求めてまいりました。そして一口に言えば、百花斉放であることが望ましいことであるという態度を私はとってまいりました。まさにいま森委員の御指摘のとおり、いろいろの意見が出てまいりましたし、そうして、初めはもっと激しい論争も期待しておりましたが、激しい論争も相当ございましたが、これらの専門のキャリアの人たちの意見というものもだんだんまとまってきたように思います。同時に、まとまらざるところもございますが、これは御指摘のとおり政治上の大問題である。これは責任者が政治的な責任においてきめるべきものである。だんだんその時期はまさに近づいてきている。私はそういう環境におります。そうして長い将来を見渡して、これならというようなステップをとりたい。それは、私自身も「太い線」という意味がどういう意味かわかりませんけれども、これも感覚的に申し上げれば、私も太い線で国策をきめていくべきじゃないか、かように覚悟いたしております。それが当然私の責務であることを自覚いたしております。したがいまして、軽々にいまきょうのこの段階で意見を申し上げることは、まだ私としてはできない。そろそろ重大な決意をすべきときにきているということで、非常に緊張もし、考えがかたくなってはいけないところであるとみずからを戒しめておるような次第であります。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いや、私は端的に聞いた。中共の国連加盟は賛成とおっしゃられるのか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 国連がその発足のときからの精神、それからその憲章の精神等からいえば、地球上のあらゆる人類が国連に代表されなければならない。いわゆるユニバーサリティの原則からいえば、私は中共八億の人民が国連の中に入る、国際社会に入るということは当然なことではないかと思います。しかし、同時に、国連としては、創立後満二十五年間、その間にはいろいろのできごとがあり、いろいろの事件も国際的にあり、その間における現在の中華人民共和国政府のビヘービアや考え方や行動に対しても、国連の加盟国がこれに対してどういう評価と批判をしておったかということも、また事実問題としては考慮の中に入れていかなければならないのではないだろうかというふうに考えます。これは、私、あるいは日本国政府の考え方はもちろんでしょうが、他の国連加盟国の国々が、それぞれに考えるところあるいは評価するところもあろうと思います。それから同時に、これはお尋ね以外ですが、当然そこに含まれてくるわけですが、国連の憲章や精神からいいあるいはユニバーサリティということだけからいいましても、現実に今日まで認められてきた忠実な加盟国というものをどういうふうに扱うかということについては、私はやはり重要な事項として考えるべきものであるというふうに考える次第であります。   〔委員長退席、理事山本利壽君着席〕

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると大臣のお考えは、中共の加盟は、みんながプレッシングしていくならば受け入れる、よろしい、オーケーである。しかし、初めて伺ったことばとしては、従来から発足以来の加盟国であり、常任理事国である国民政府というものが追い出されるというようなことはおもしろくない。この問題は重要な問題、手続でいうならば、憲章の十八条で言う重要事項の指定にして、もし追放などというアルバニア案のようなものであるとするならば、台湾を防衛するために重要事項指定方式という十八条を援用してでも守るんだということがいまはっきりうかがえたんですが、そういうふうに理解してようございますか。逆重要事項とかということが書いてありましたが、そんなふうに理解してよろしゅうございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私がいま申しましたことは初めて申していることではございません。本来の筋合いを申し上げておるわけであります。ですから、国連の代表権についていかなる提案をするか、あるいは昨年までの提案、重要事項とアルバニア、これに対してどういう態度をとるか、そこのところを、私は日本政府の態度をまだきめているわけでは全然ございません。これのきめ方はもう十一月のぎりぎりになってきめるべき問題である、それまで、前もってそういうことを言うべき問題ではない、私はかように存じます。しかし、事柄の性質上、一つの国際社会、あるいはこれはほかの社会でも同じだと思いますけれども、加盟とか、脱退とか、追放だとかということは重要な事項としてみんなが真剣に取り上げるべき問題であるということは、これはもう国連憲章どころじゃない、当然のことではないのでしょうか。そういうことを私は言っているわけです。決議案がどういう形がいいとかなんとかというのではなくて、そこはまだ意見を言っているわけではなくて、事柄の筋合いとしてそういうふうに重大に考えるべき問題である。私はこれはだれしもそう思うだろうと思う。その自然のことを申し上げているにすぎません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 だから、私は台湾追放は重要事項だという決議案を出すのだというようなことを言っているんじゃなくて、大臣の答弁は、りっぱな重要事項に相当する問題であるという御説明であるが、同時に、いざ本番で、具体的に、重要事項と口で言ったって、ことばだけでなく、これを擁護する場合には、議事手続上やはり重要事項指定方式なるものが援用されてくるだろう、こういうふうに理解をしたわけです。中共加盟は決して反対をしないいま現に明言をされたことは非常にいいと思うが、このアメリカのワシントンあたりから来る電報でも、ニクソン大統領は、国内のいろいろな方向から最終的態度を決定せよというような圧力がかかっている。下の事務官の報道官は、関係各国とも相談をするということに非常な圧力がかかっておるようです。そこで現実の力関係ですが、いま中共、国府承認国はおのおの六十一カ国までになったんですかね、中共承認六十一カ国、国府六十一、これは間違いないですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 正確な数については事務当局からお答えをいたしますが、ただ、肝心なことは、私は森委員に率直にこちらからお願いしたいのですけれども、私の申し上げましたことをまたさらにあらためてあなたの話法で確認をされるのは私は困ると思います。私はそう申し上げておるわけではございません。これは、私だけがどう言ったからといって、中華人民共和国の国連加盟というものがきまるわけではないので、私はユニバーサリティの原則からいえば、あらゆる人類が国連に代表されるということが、これは当然のことだと思います。   〔理事山本利壽君退席、委員長着席〕  同時に、先ほど申し上げましたように、国連ができましてから満二十五年ですか、二十六年になろうとしておりますが、その間における国連の加盟国並びに国連として中華人民共和国のビヘービア等に対してどういうふうに見ていたかというその評価もこれに非常に関係がある。資料として考えなければならない。あるいは中華人民共和国が国連というものに対してどういう見方をしておるかということも大きなかかわりがあるわけでございますね。ですから、先ほどのあなたの話法でいえば、プレッシングのもとにということならばおまえは賛成なのかとおっしゃる。その点は正しいのです。しかし、それ以外、ただいま注釈を付せられましたことには私は同意いたしませんから御承知おき願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 話法といって変にからめたつもりはないのですが、デリケートなものですから、すれ違いということもあるでしょう。大臣のいまのお話の中で気にかかるのは、「中華人民共和国のビヘービア」ということばがありましたが、それは具体的に言うならば、朝鮮事変のときの侵略決議を受けた国じゃないかといったことを、お行儀が悪いというようなことをさしておられるんですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それも御注意をして議事録をごらんいただきたいと思いますが、私の申しておるのは、国連というものに加盟しておる国国が、この二十五カ年の間において中華人民共和国のビヘービアというものに対してどういう見解や批判を持っていたかというようなことも、本件が国連の場で解決される場合には問題になり得る要素であろうということを客観的に申し上げておるわけです。私の意見として申し上げておるわけではございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そういう過去二十五年間の、いま大臣のことばでいえば、二十五年間の中国のビヘービアを考えた上で、なおかつ、重要事項指定方式がひっくり返されそうなおそれがあるということは、十分それを勘案して、いわゆる国府反対、中共こそ唯一の代表国だと認める国がふえてきたのではないでしょうか。もちろん過去二十五年間のビヘービアは頭に入れて事態は変わってきた。こういうふうに私は解釈するんですがね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それはそのとおりなんでございます。ですから、国際情勢も流動してきておりますからということは、それもさらに私はあと先で申し上げておる次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 けさのテレビを出がけに見ていたら、国民政府の周外務大臣は、もし中共が入ってきたならば、すなわち国連で中共を招き入れる力が勝っておまえはだめだとなるか、あるいは別の方法で、いてもいいが、いずれにしても中共というものが加盟するなら自分は脱退する、こういうことを言っております。  そこで大臣、伺いたいのは、台湾蒋介石政権の覚悟のほどですが、中共が入れば出るだろうと思うことが一番合っているのじゃないか、いやな者と同席しないということは、過去、中共も言っておりますが、国民政府も言っておる。中共が加盟となったならば脱退するという判断をおそらくだれも世界の人は持っているんだろうと思いますが、大臣は蒋介石政権、台湾政府の覚悟のほどはどんなふうに理解しておられますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私には蒋介石政府の覚悟のほどということを解説するだけの勇気はございません。しかし、これも一般論になってしまいますけれども、かねがね「一つの中国」ということは双方の非常な強い主張であって、要するに、同席はしないと、たとえば、バイラテラルの関係でも、一方が承認すれば一方はおん出るというような現実の姿ですから、双方ともに片方だけが認められるというかっこうになれば、いままでのこのビヘービアからいえば、双方ともおん出るといいますか、そういう主張をするかもしれませんですね。その辺のところが、しかし、これからの国際政治のハンドリングの非常にむずかしいところではないでしょうか。私はそういうふうに思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ、来年を待たずして、ことしの秋は重要事項は負けと私は判断をします。違っているかもしらぬが、判断をする。そうして国民政府は出る。中国が入って安保理事会の席にすわる。世界の仲間からはずれて東支那海の弧島台湾に台湾政府が一つ残っておる。日本はこれと軍事関係、経済関係、外交関係を保っておる。そういう状態というものは極東の安全に非常な大きな問題が出ますね。非常な不安定な状態が出る。国交のない中国は安保理事会の議席も占める。世界の平和については、米、英、ソ、フランスとともにこの問題の処理に中共が当たる。日本は加盟国で非常任理事国で安保理事会ではおしゃべりはできるが決定権はない。極東では中共の最もいやがる台湾と国交を持っておる。こうなりますと、すべてが非常な緊張した場面が出ると思うんですね。こういう事態を想定した場合の最良の方法はどういうふうに考えておられますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まあ、一つの見通しを、もう具体的に現実のことになったという前提で、非常に真剣に御心配の御見解があって、私も、そういうことが、具体的の事実となってどうなったという場合、もちろんこれは情勢分析としてはいろいろ考えていかなければならない問題である。また同時に、それほど深刻な問題になり得る可能性のある問題であるだけに、政府といたしましても十分真剣に検討を続けている状況であって、できるならば、緊張が激化しないように、緩和できるようにということを、日本の国益としても考えていかなければならない、それを基本に考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、もうどうしても仮定の問題になっちゃうんで困るんですが、今度の国連総会というのは、これは何が飛び出すか流動的ですから、専門家のお話によれば、態度不明な国がたしか十三残っておるとか聞いておる。しかも、十三残ってて、重要事項指定方式などの取り扱いにからめて計算してみると、倒れちまう。重要事項指定方式が負ける。去年は十四票差であったようでありますが、それが逆転をしていくとさえいわれております。したがって、アメリカ、あるいは日本もさようと思うんだが、国府の追放は、それは憲章の精神、憲章の上からいっても許さるべきでないと言って擁護するんでしょう。そうなりますと、どういう決議案が出るか想像できませんが、場合によっては決議案の打ち合いみたいな場面も出てくると思うんですね。それから決議案の順序ですか、自分に有利なほうを前に持ってこようとか、まあ、ものすごい大代表団を構成して、議運のベテラン、国会の議運の頭のいいのでも参加させてやるくらいの大代表団をやらなければならないくらいの事態だと思うんですがね。決議案の打ち合いくらいになりますよ、相当な。そのくらいに私はことしの国連総会は重大だと思うんです。そうして、困ったことには、国会が終わりますとすぐ参議院の選挙がある。特別国会が開かれる。秋には陛下が外遊される、沖繩国会がある。続いて十一月。なかなか忙しい。ホスト佐藤でてんやわんや。そこで、冷静にこの国際情勢を見抜いて誤りなき方向に持っていくということは大臣もたいへんな覚悟が必要である。「決死の覚悟」というのはこういうところで使うことばだと思います。一つは、大きな代表団になるだろう。そうしなければ、決議案が出たときに一々国連憲章をわきにかかえて走っていたのじゃだめで、一ページから末ページまで頭の中に入っているのを連れていかなければだめだ。通訳つきじゃだめで、大代表団になると思いますが、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ひそかに私の胸の中にあることを見抜かれての御質問で、実は国連の陣容というものを強化しなければならぬということはかねがね私の持論で、経験上もそれを痛切に感じております。ことに今年の総会はこれはほんとうにたいへんな場面であると思います。私も森委員と御同様に、決議案の打ち合いということは当然予想してかからなければならない。そこの場合の切り盛りと申しますかやり方は、ほんとうにまあ何と形容していいかわからないくらいたいへんな場面だろうと思いますから、それに備えまして陣容を当然考えていかなければならないと思っております。その際に私のひそかに希望しておりますことは、これは何といっても日本としては国民的な支持があるあり方でなければ外交はできない。同時に、いま議運族というお話がございましたが、まさにそのとおりで、かつて当委員会でも告白したことがございますが、国連外交においては議運族が必要だ。日本の外交官はそういうことは全然だめなんですから、この点、十分に補足していかなければならない。この両面から国連外交の布陣ということはこれはほんとうに重要な問題としておなかの中で考えているわけですから、ただいまそういう御質疑をいただきましてたいへん私はありがたく思います。どうかこういう点について超党派的な御支援をいただきたいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 もう一つは、やはり大きな問題ですから、野党との間にも開きはだいぶあるようでありますが、たとえあっても、中共を国連に加盟させることには異議はないのだと明快な自民党が線を出すならば、その点で大きく与野党の対立といいますか、それが通じる雰囲気が出てくるだろうと思うのですね。そこで、これは虚心たんかいにやはり各党との間にできる限りの努力をして、百のうち三つでも十でも十三でも応援してもらえるような態勢、政治的な動きを政府がイニシアチブをとってやるべきときだと思うのですね。川の向こう側とこっち側とでどなり合いしていないで、話し合えば通ずる面もおのずから出てくるのじゃないか。というのは、へたまごつけば、代表権問題でとばっちりはこれは極東の平和に甚大なる影響を与えますから、慎重にやるために野党にも働きかけていく。意図するところを理解してもらい、忠告は受け、折り合えるものは折り合うというような謙虚な大きな気持ちが必要だと思うのです。こういうことをやはりおやりになったほうがいいと思うのですが、選挙演説や街頭演説のように単なる不用意な悪口を言い合うだけでやっていくと、あとで大きな国家的なしこり、国際的な緊張というものを残すだろうと思うのですね。だから、そういうことを、この問題処理にあたって最高首脳の方は、直接問題のハンドリングのほかに、そういう気持ちの配りも大事だと思うのですが、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これもまことにごもっともでございます。ただいまの示唆のある御発言に対して、十分私どももその御趣旨の旨を体してまいりたいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 小さい問題で伺いますが、きのうの夕刊でしたか、おとついだか、何か、宮澤さんが衆議院の委員会で、吉田書簡は三十九年年度内だけの拘束でもういまは時効になってしまったんだ、いまこれをきめる判断は、ココムに抵触しないか、台湾との関係は影響ないのかというようなことでケース・バイ・ケースに考えているのだというような説明があって、それではこれまで歴代政府が説明してきた、あれは吉田さんの私信である、ということと違うじゃないかというような批評があるわけです。大臣はその私信なるものをごらんになったことありますか、あるいはコピーなり。まず、それから伺います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはもう前から申し上げておりますように、私が外務省に赴任してまいりましたとき以来、見たことも、写しをもらったこともございません。要するに、外務省にない書類、私信であるわけですから、私は内容を承知いたしておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 内容を知らない人が私信だの私信じゃないのと言うからおかしい。また宮澤さんもおかしいのですよ。年内、三十九年内とあったと記憶するなんと言っているのですね。みんなしらばっくれているのですよ。ものがあるから、見たか聞いたかしているから、ああでもない、こうでもないと答弁できるわけですよ。何もわからなければ、存じませんで済んじまうと思うのですね。どうなんですかね。どうも理解ができないのですが、大臣が見なければ、写しくらい、あるいは草稿、だれかが下書きしたのもあるだろうし。そうして、これは台湾政府に出したと宮澤さんは言っておるのですが、政府ですか、蒋介石個人ですか、総統に出したのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは政府の文書でないから外務省に何もないのも私は当然だと思うのですね。ですから、私は見たことがないから、だれからだれにあてたのかもわからないのですけれども、その点は、伝えられるところによりますと、吉田茂氏から張群氏にあてたものだといわれております。そういうことのようでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 非常に程度の低い書簡ですね。吉田さんは総理大臣でなかった、退職後の吉田茂。まあ、衆議院議員かな。向こうは張群。政府の最高首脳でもない。それを問題に、それを頭に置いて中共関係をやっているというのがこっけいなくらいおかしいと思うのですね。もうあれだけ、宮澤さんが、時効だとなった以上、しかも、日中国交回復問題がここまで来た以上、もはや政府声明としてこの際この問題を葬り去ってしまう。政府は何ら関係なし、こんなものを基礎にものを考えることはあり得ないということを、個人の談話でなく、政府の声明で出して、もう問題を過去のものにする必要があるのじゃないですか。何かあんなことを言えば、いかにもこう中共に進歩的みたいなふうに見せるみたいな感じするのですね。だから、この問題はもう今後国会でも間違っても出てこないというくらいに、これを完全に葬り去る声明があってしかるべきだと思うのですね。どうでしょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まあ、その形式はともかく、私も何べんかここ何年来申しておりますように、これは私文書でございますから、よく「廃棄する」と言えとおっしゃるけれども、廃棄するとかしないとかいうことを言えば、これは政府の文書みたいになってしまいますから、政府として廃棄すべき対象ではないのですから、ですから、問題は輸銀融資の問題が実質的に問題になる。それのときにこの書類というものが問題になるのですけれども、輸銀融資についてはケース・バイ・ケースでやりますと、検討いたしますということが政策としてきまっているわけでございますから、いまさら廃棄を声明するというようなことは私は考えておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 要するに、一介の個人から個人にあてたもう意味のない手紙であるということにして葬り去らなければだめですよ、いつまでもこんなものが生きているようなことでは。  そこで、日本と台湾との関係を見て輸銀の使用を認めるか認めないかの一つの基礎にするという、この「台湾との関係」というのを、宮澤さんも通産大臣、しかし台湾はこれは外国ですから、外務大臣も当然「台湾との関係」という意味は同じに理解しなければならぬと思うのですが、どういう意味でしょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは率直にいえば、通産大臣も言っておりますように、台湾との関係を考慮して云々と言っていることは、台湾は日本に対しては、好ましくないことだからできればやめてほしいのだという意向を持っていることはわかるわけでございますね。そういうことを通産大臣も察して言っているのだろうと、そういう限りにおいて私どもと同じような見方をしておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 沖繩返還協定交渉もいよいよ最終的な詰めの段階といわれていますが、そう考えていいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 沖繩返還協定につきましては、再々申し上げておりましたように、一生懸命話し合いを進めまして、何とかこの国会の会期中に中間報告を申し上げたいと考えて今日に至りました。ところが、昨日、外務省といたしましては、各党の話し合い等を基礎にしてのことであろうかと思いますけれども、与党のほうから、もっと早く、かねがね外務、沖特等からも御要望があるから、その席で御質疑を受けるようにしろということになりましたので、実はたいへんあわてているようなわけでございます。つまり、こういうことはもう毎日——日夜と申してもよろしいんでございますが、詰めておりますから、少し時間の余裕をいただければよろしいかとも思ったんでございますが、しかし、それはいろいろの御都合もおありのようでございますから、何とかして御要望にこたえまして、連合審査会でできるだけのことを御説明申し上げたいと考えまして、いまなお一そう努力を新たにしておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ、詰めの段階ですから、したがって、米軍基地やあるいは特殊部隊、それからそれ以外の米国政府の機関の施設の実態あるいは米国に請求すべき県民の損害の実態など、従来調査中と言われたものの実態は大かた明らかになったものと考えていいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 明らかになったものもあり、また、さらに明らかにしようとして詰めているものもございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは、きょうは電波監理上の問題にしぼって幾つかの問題についてお聞きしたいと思います。  まず、VOAの問題ですが、この所属系統、それから、どこに向かって何を放送しているか、こういう問題についてあらためてお聞きしたい。これは外務省と郵政省から。

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 速記を起こして。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) VOAの問題も、前々からの私の態度と申しますか、やっておりました経過は御説明いたしておるとおりでございます。まだ決着がつきません。いわば、まだ対立の状況でございます。日本政府といたしましては、本来外国の放送というものは、現在の日本の放送法等のたてまえ、ワク組みから申しまして許すべきでない。これは申すまでもない基本の姿勢でございますが、同時に、アメリカ側の主張というものもなかなかこれは強い願望を持っているわけでありまして、前々から申し上げておりますように、アメリカとしては、友好国との間にUSIAの指揮下にあるVOAの施設というものはこうこういう国々に持っておる、そしてそれらとの間にきわめて友好的に行なわれておるのであるから、沖繩にあるVOAの問題は、かりにこれが東京にあるとしても日本側としては許していただける性質のものであるということを非常に強く主張しているわけでございます。一面、私は、その中に、アメリカとしてはもっともかと思われるところもございますので、何とか両方の話し合いを詰めてまいりまして、日本としても国民的に御説明のできるような接点を発見することはできないであろうかということで現在知恵をしぼっておるわけでございます。郵政省の御意見、それから御協力をいただきまして、政府としては最終的に結論を出すべく現在努力を継続しておる。結論はまだ出ておりません。これが今日の状態でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いままでの説明では、放送内容については、おもにニュースとか、娯楽番組、こういうものをやっておるんだという話でありましたが、それだけじゃないと思うんです。これはもういろいろいままでも新聞なんかに伝えられて明らかになっていると思います。反共的な心理作戦、こういうものの一環としてこれは行なわれているわけですね。  それじゃ、電波局長にお聞きしたいのですが、これはどこ向けに現在放送していますか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  現在、沖繩のVOAは、いわゆる短波と中波の電波を使って放送しているわけでございますが、中波につきましては中国語、朝鮮語、短波につきましてはそのほかに英語といったものも含めまして放送しているわけでございまして、私どもとしましては、そのことばから申しますと、そういったことばを使う国々、そういうふうに理解しているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 事実をはっきりこれは言ってもらいたいですね。中国、朝鮮の話が出ましたけれども、これはまあソ連でしょう。それからベトナムでしょう。こういうものに向かって放送していることはこれは事実だと思うんですね。そこで、どうでしょうか、非常にアメリカ側の強い希望があって、施政権の返還後もこのVOAを存続したい、こう要求しているというんですが、何のために存続したいと、こう言っているんでしょう。これは交渉の中で明らかだと思います。どうでしょうか。これは外務大臣にお聞きします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それは、先ほど申しましたように、一般的な文化交流といいますか、そういうことを中心にしたものであって、そして謀略宣伝、戦争挑発というようなことはとんでもないことであると、先方はそういうふうな態度をとっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その内容について、ここで詳細にやる時間の余裕がありませんけれども、これはそういう説明だけでは不十分だと思います。  それじゃ、実態からお聞きしましょう。郵政省にお聞きしますが、VOAは周波数からいって一体何波ぐらい持っていますか。中派、短波、超短波、それぞれ何波ぐらいあるか、それを明らかにしてほしい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  中波は一波でございます。それから短波は、これは季節によりまして周派数を変更しなきゃならないという物理的な特性がございますので、現在使用している周波数というものはまた来月になれば変わるというようなかっこうでございまして、いろいろ変わってくるわけでございますが、私どもの調べたところによりますと、約七十波持っておると、そういう状態でございまして、それを切りかえて使っているというのが現状でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは私たちもこの前議員の調査団を出しまして向こうで調査したのです。その結果、これは私たちの調査ですが、ここで明らかにしたいと思うのですが、とにかくこれは相当な周波の割り当てですね。  これは同僚の皆さんにお配りしてください。この中で二ページのエア・リンク社というところの「那覇空港の航空管制」というところ、ここのところは、欄外の「航空管制」とあるのは「航空通信」と直してほしい。  いま話がありますように、中波が一一七八、千キロワット、そうしてこれは中、ソ、朝鮮向けです。短波が三九四〇、これは百キロワット、日本、朝鮮向け。それから五九七五、三十五キロワット、これは東南アジア向け。この東南アジア向けのは実に七十波に近いものがあるわけですね。東南アジアといっても、これは国語のことからいいますというと、当然ベトナム向けと、こういうふうに考えられると思うのです。これは時間の関係から詳細ここで読み上げることはできませんが、私たちはこの実態を調査しているわけです。こういう実態を御存じでしょうか、外務大臣は。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 大体は掌握いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはたいへんなことだと思うのです。そうすると、この実態が今後の返還後どうなるかというのは非常にこれは重大な問題だと思います。そうしますと、これとの関連でこれは電波監理局長にお聞きしたいのでありますが、先日電波監理局の太原審議官の御答弁では、電波法第五条で無線局の欠格条項がきびしいのは外国性の排除が必要だからということでした。なぜ外国性の排除をそうきびしくしているのですか、この点いかがでしょう。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。  電波というのは、御存じのように、国民の文化、社会生活その他非常に重要なところに使用されているわけでございまして、私どもとしましては、電波というものはその国が当然使用すべきものである、外国には使うということはできない。そういう基本的な考え方から第五条というのが設けられておりまして、外国性の排除を行なう、そういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この前の答弁では、有限性あるいは希少性が電波の特性で、そのために国民の利益を守る上で外国性の排除が必要なんだと、これは衆議院の沖特でも郵政省はこういうふうに答えておられます。私の質問についてもこういうような答弁があったと思うのです。さらに愛知外相ですけれども、三月二十四日に予算の第二分科会で私は質問しました。VOAの存続を認めることは日本の主権侵害にならないか。つまり、いま申しましたように、有限性、希少性、これを守るためには外国性を排除しなければならぬ、これが電波法第五条の精神だと、これが犯されるという結果に、存続を認めれば、なる。そうなれば、主権の侵害につながるのじゃないかというふうに私は質問しました。ところが、これに対しまして、その当時はお答えしているわけですね、「私も基本的には同様の考え方でございます。……十分こちらの立場も見解もよく話して説得をするようにいたしたいと思います。」、こういう言っているのですね。これはあなたの答弁ですよ。ところが、けさの新聞報道によるというと、暫定措置として存続を認める、こういうふうに伝えられているのですが、これは事実でしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ですから、先ほど来お答えしているように、まだ結末はついておらないわけでございます。基本的な姿勢はいま御引用になったその気持ちで説得、折衝を続けておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結末がついてないから私も質問をしているわけです、これは非常に重要な課題ですから。ことに一国の主権の問題とも関連してくるのですね。しかし、どうなんですか。私もけさほど出がけにNHKのニュースを聞いておりますと、森次官とスナイダー公使が会談をしてこのVOAの存続の問題について三年と七年の中をとって五年——暫定期間を五年に認めるんだというふうなことを日本側が提案したんだというニュースを聞いてきたのですが、これについてはいかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私としては、まだ結着をつけかねる時期にありますので、一々のそういうような情報に対してコメントを申し上げる立場におりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 けさのニュースは非常にこれはおかしいことになるわけですが、その暫定期間を認めるのですか、それとも断わるのですか。その点はいかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ですから、これはまだ話し合い中でございますから、いずれ早ければ連合審査会等でもできるだけその後の進捗状況を御報告したいと思っておりますが、ただいまのところでは、私としてはまだVOA問題についてはこれ以上申し上げられる段階になっておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いままでの交渉経過、それから前後の情報を総合するというと、「暫定期間」に持っていかれる、そういう可能性もある。しかも、暫定期間といっても、一カ月とか半年ではない。もっと長い期間じゃないか。そうしてそこでさらに交渉する。そうしてさらにそのあとに今度は何年残すかというような問題なんですね。こういうことになりますと、この電波法第五条の精神というものはどうなりますか。これは相当長い期間ということになれば、郵政省の立場からどうお考えになりますか。これは政治的な含みは要りませんから、あなたたちの技術的な立場から明確に考えてほしいと思いますがどうですか。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。郵政省としましては、先ほど来申し上げておりますように、この電波法第五条ということで外国性の排除ということがきまっているわけでございますので、私どもとしては当然、暫定であっても好ましくないということは考えているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大臣、それではなにですか、いま交渉段階だということですが、その交渉は私は暫定期間の交渉のように聞いているので、当分認めるということに大もとは大体話し合いがついているようにお聞きしたのですが、そうではなくて、断わることもあり得るということですか。電波法の趣旨並びに一国の主権の問題とも関連する問題なんでこれは断わることもあり得ると、今後の折衝の中で、国民の意向というものから考えまして、また郵政省のそういう考え方からいきましても、そういうことはあり得ると、こういうことなんでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まだその決着がこういうふうにつきそうだということまで申し上げられる段階に至っておりませんが、「好ましくない」ということの段階もいろいろあると思うのですね、一般論といたしまして。いま主権の話も出ましたし、そういう点もかみ合わせまして何とか私としては善処をいたしたいと思っております。何ぶん交渉事でございますし、こちらのいろいろ対米的な、率直に申しまして、外交上の手段方法をいま私も苦慮しているところでございますから、御趣旨とされるところは私も十二分によくわかっております。これと、その考えの上に立って私としてはできるだけの善処をいたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうもこの場をそういう御答弁で済まされてもまずいんではないかと思うんですがね。相当これは周知されたことじゃないですか。結局は、施設の撤去はいま非常に困難だ、だから、これはやっぱり暫定的に認めなければならない、こういうようなことは、これはいままで外務省の方針として進められてきたところじゃないですか。しかし、施設の撤去は困難だとしても、この問題はこれは電波をとめればいいわけです、施設のあるなしにかかわらず。だから、そういう点で内容が非常に問題になってくる。あいまいな態度をとっておられるけれども、ふたをあけてみたら、もう結局暫定期間を認める。それも相当長い期間を認める。そうすると、結局、一定の、放送による心理作戦上の効果を継続していきたい、こういうことで米軍は要求しているんです。米政府は要求しているんです。単に娯楽番組とかニュースを聞かせたいからということでアメリカは粘っているわけではないと思うんです。それを暫定的にでも日本が認めるということは、アメリカが継続したい、主として対社会主義国の心理作戦効果の達成に結局は佐藤内閣が協力している、こういうことにとられてもこれはしかたがないと思うのでありますが、こういう態度は交渉の中でとらないと、はっきりこういうふうにここでおっしゃることができますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) もう前々から申し上げておりますように、言われることはよくわかりますし、私も同感なんです。その基礎の上に立って、これは交渉事ですから、交渉をやっておるわけですから、もうしばらくお待ちいただきたい。もう少し話が煮詰まったらお話し申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とにかくこういう形でここでの論議が行なわれていって、そしてあさっては中間報告が出る、これがきまる。そういうときにもどういう態度でいったらいいのか。VOAの問題というのは非常に重大な問題を持っている。主権の問題から見ましても、放送の内容からいっても、アジアの今後の対外的な問題からいっても、非常に重大な問題を持っているんです。そういう点からは、これはどうもいまの御答弁では不十分だというふうに考えます。  以上、政府機関の問題を取り上げてまいりましたが、VOAだけが問題のように言われていますが、米国民間企業の電波関係の実態はそれならどうなっておるんですか。周波数の割り当てを受けている企業は何社あるんですか。これら民間企業に割り当てられている周波数は何波、この点について数をあげてお示しいただきたい。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) VOA以外にアメリカの会社その他が使っている電波は多少はございます。まことに申しわけございませんけれども……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間が制限されているんです。

藤木栄郵政省電波監理局長

○政府委員(藤木栄君) いま何波ということはちょっと資料がございませんので、恐縮でございますけれども、あとから御報告申し上げたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは資料として出してもらってもいいですが、われわれの調査によると、中波が四社そして六波、短波が二社そして十七波、超短波が十七社そして四十九波、極超短波というのがありますが、これが三社で七波。これはわれわれの調査ですから不十分で漏れたのもあると思うんです。その中でエア・リンクという会社がありますね。これは那覇空港にあるわけです。この会社はどんな業務をやっておるんですか。これは二ページに、ここにエア・リンクと出ておりますね。どうですか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) 沖繩にありますエア・リンクは、現在空港間のテレタイプ通信、あるいは飛行機と地上との対空通信、これは民間機等のこともやっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その周波数をいまちょっと述べてください。この会社に割り当てられておる周波数は。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) われわれが調べたデータでは、これは正確は期しがたいのですけれども、HFが十六波、UHFとVHFを合わせまして二十六波というふうに調べておりますけれども……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのほかに中波が二波あるのですね。  それじゃお聞きしますが、羽田空港の場合、航空通信はどうなっていますか。これは航空管制以外の飛行場間と飛行機と飛行場間等、こういうものの通信、だれがやっておりますか、日本の場合は。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) これは航空局がみずからの手でやっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは現在はアメリカの実態と日本の本土とは違うわけですね。「本土並み」の立場からいったって、これはどういうふうになるのですか。返還後、エア・リンク社の通信事業というものはどうなるのでしょう。これは外務大臣にお聞きしたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと私も航空管制のことをつまびらかにしていないので、調べてからお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは事実上は現在違っているのですよ。エア・リンク社は、これは民間の会社です。そうしてアメリカと契約している。日本の場合はちゃんと航空管制は政府の責任でやっているわけです。そういうふうになりますと、これは現在認められているこれらの企業の無線局は、電波法五条で、当然返還と同時に私は禁止されるのがあたりまえだと思うのですが、これはどうでしょう。

金井洋運輸省航空局技術部長

○説明員(金井洋君) 現在のエア・リンクが沖繩でやっておる業務は、運輸省としては、本土並みに全部当局の手でやるように、その業務を全部引き継ぎたいと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまのような技術面の答弁がありましたが、外務大臣、いかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ですから、私も、それは全部、返還と同時に本土並みになるはずだとお答えしようと思ったのですが、的確に専門的な御見解を伺ってからでないとお答えができかねるから保留したのでありまして、お聞きのとおり、そういうふうに……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃ後ほど書面でいただけますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 書面でなくても、口でお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がないので、そういう点、お願いいたします。  さらには、ここにはガルフとかエッソとか、こういう会社の周波数の割り当てがあるわけですね。たとえばガルフの問題ですが、さきに、ガルフの金武(きん)湾港の六十年の管理権の設定の問題、これを私は質問したのです。その後現地調査の結果、琉球政府は金武湾に広域の港湾指定を行なう方向で進んでいるようですから、その点では六十年の管理権問題は解決されると思います。しかし、この広域の金武湾港の中に、ガルフがつくりガルフが管理する私設の港が残ることは、いまの政府の交渉の姿勢では間違いなくそうなるのじゃないかと思うのです。そうすると、ここには二十万トンをこえるタンカーが出入りすることになる。そうすると、ガルフはタンカーと連絡をとる無線局を必要とすることになると思うのですが、どうなんですか。そうなるというと、これは特例を認めず、これは電波法で規制できますか。こういう問題が具体的に発生してくると思うんです。どうなりますか。これも外務大臣、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それも本土並みになるはずなんです。調べて次回にお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いろいろこまかにお聞きするとたくさんの問題があるのですが、きょうは時間を少しふやしていただいても十分にできなかったわけですけれども、私は最後にお聞きしたいのですがね、日米共同声明の第九項は沖繩におけるアメリカの企業の利益に特に言及しているわけですね、この合意に基づいて、電波法第五条の欠格条項に対する特例的扱いが、これらすでに周波数の割り当てを受けている企業に、今後返還後も特別に許されるということは絶対にしてはいけないというふうに思うのですが、これは絶対にないと、はっきりこれは電波法によって処理すると、こうおっしゃることができましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) あわせて次にお答えいたします。

松平勇雄自由民主党

○委員長(松平勇雄君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十二分散会      —————・—————

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