科学技術振興対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/05/07
会議録
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、野上元君及び沢田政治君が委員を辞任され、その補欠として武内五郎君、永岡光治君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 海洋科学技術センター法案を議題といたします。 政府からの趣旨説明及び補足説明の聴取は、すでに終了しておりますが、この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院科学技術振興対策特別委員長渡部一部君から説明を聴取いたします。渡部委員長。
○衆議院議員(渡部一郎君) 海洋科学技術センター法案に対する衆議院における修正点につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この修正は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案により行なわれたものであります。 御承知のごとく、海洋科学技術センター法案は、海洋の開発にかかる科学技術に関する総合的試験研究、研修などを行なうことにより、海洋の開発にかかる科学技術の向上をはかることを目的とするものでありますが、その実施については、平和と福祉の理念に基づいて行なわれることを明確にする必要があると認め、第一条に、「平和と福祉の理念に基づき、」と加えたのであります。 以上、簡単でありますが、修正点についての趣旨説明を終わります。
○委員長(鈴木一弘君) 速記を中止してください。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木一弘君) 速記を起こしてください。 これより質疑に入ります。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○鍋島直紹君 簡単に二、三点質疑をいたします。時間が三十分程度でございますから、ひとつ簡単明瞭にお答え願いたいと思います。 海洋科学技術センターの法律案が出ておりますが、その内容につきまして、まず全般的な御質問をしたいと思います。 設立の理由については一応法律案の中に書いてございますが、これを実際具体化していくために、場所、あるいは土地の利用、あるいはその土地の獲得、あるいは資金計画、それからおもな研究内容、さらにこれに対する、いわゆる民間といいましょうか、各産業界の協力体制、そういったものについて、それからさらに、特に人材の養成についてはまだ十分でないと思うんですが、それらの点について、ひとつお答えを願いたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) まず、海洋科学技術センターの性格について御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、海洋開発は、国家的事業といたしまして官民の総力を結集してこれに当たるべきものというふうに考えております。民間の海洋開発への意欲と能力というものを考えてみますと、将来の海洋の利用という面から見ましても、やはり民間がこの主導的な役割りを果たすのではないかということを考えまして、政府といたしましては、民間の自主性を尊重いたしまして、そしてこれを助長するという方針で進めていくことが最も効率的ではないかというふうに考えたわけでございます。このような観点からいたしまして、海洋開発に必要な海洋の科学技術におきましても民間の総意を十分に生かしながら、また、政府と民間が十分に協力しながら進むことが最も適切であるという判断に立ちまして、このセンターにつきましては民間の手によりまして発起、設立されまして、また、民間の手によって運営を進めていく、一方、政府が法律に基づきましてこのセンターを認可いたしまして、そして、さらにこれを助成し、監督というものは必要な限度でだけ最小限度で行なうという形をとったのが、この海洋科学技術センターでございます。 で、センターの規模につきましては、まず、職員でございますが、職員は、本年度もしこれがお認め願えましたら十月一日から発足したいという考え方でございますので、あと半年間でございますが、この間に職員を大体三十名程度というふうに考えております。しかしながら、五年後には約二百名程度の規模に持っていきたいというふうにも考えている次第でございます。 資金といたしましては、初年度は約三億円を見込んでおります。で、これは、政府側・民間側合わせまして三億円程度を見込んでおります。五年後には大体総計四十億円程度という見込みで進めております。 それから場所でございますが、場所は、神奈川県の横須賀市の追浜に旧米軍基地あとがございまして、これを利用することを考えておりまして、この土地の利用につきましては、地元の横須賀市と従来いろいろ連絡をとりながら、横須賀市には十分私たちの希望を述べ、また、規模なども説明しながら、横須賀市の了解を得られるよう鋭意努力中でございまして、ほぼその見通しも明るい見通しでございます。 次に、センターの業務でございます。センターの業務につきましては、海洋科学技術に関する総合的な試験研究を行なうというたてまえで進んでおりまして、そのような総合的な試験研究の実施、それからさらに、共用されるような大型試験研究施設を設備する、さらにそれを管理、運用するというような仕事が大きな仕事でございます。さらに、これに従事するような研究者、技術者というものを、従来ほかの研究に従事していた方などをさらに海洋開発のために研修を行ない、養成を行なうということもおもな業務といたしております。四十六年度から七年度にかけましての業務といたしましては、当面、潜水医学の問題、あるいは潜水機器の問題、こういうものの研究開発を行ないたいというふうにも考えております。さらに、現在でき上がりました海中作業基地を用いまして、海中居住実験、これをシートピア計画と名前をつけておりますが、海中居住実験の実施、さらに潜水シミュレーターの建設というのが四十六年度から四十七年度までの計画になっているわけでございます。 民間側の協力体制は、先ほど申し上げましたように、民間の協力を仰がなければわが国の海洋開発というものが円滑には進まないというふうに判断されておりまして、従来から民間側の協力も十分求めておりますが、これにつきましては民間側も十分意欲を示しまして、この海洋科学技術センターにつきまして十分協力し得るような体制をとっていただけるように進んでおります。 人材養成につきましては、ただいま申しましたように、従来各所で行なわれておりました人材養成をここにおいて効率的に実施したい、こういうふうに考えて現在計画を立てているわけでございます。
○鍋島直紹君 大体外郭はわかりましたですが、現実の問題として、海洋開発というものは各省にわたっております。官庁だけを考えても、あるいは科学技術庁、農林省、厚生省、あるいは運輸省、そのほか、気象関係も運輸省ですか、そういったふうに非常に多岐にわたっておる。さらに、民間の産業団体も、あるいは観光だとか、あるいは海底作業、あるいは石油資源の探索というふうに、いろいろ分かれるのが海洋開発の一つの大きな特徴であるし、その中から大きなプロジェクトを持って国家資金を投入して開発していかなければならぬというようなむずかしい問題なんです。そこで、この海洋科学技術センターができるわけですが、各省関係との連絡、あるいはこういうものを研究したいからどうだといったようなこと、あるいは産業関係との連絡、そういう協調体制、そういうものについて何か科学技術庁としてお考えになっておれば承りたいと思う。
○政府委員(石川晃夫君) 海洋科学技術センターにおきましては、ただいま申しましたように、総合的な試験研究を行なうということ、さらに共用的な大型の設備を設置いたしまして、これをそのような海洋開発に利用していただくということ、さらに、人材養成をこのようなところで行なう、こういうような大きな目的があるわけでございますが、そのためには、先ほど先生から御指摘ございましたように、わが国としては協調体制をとりながら進めていかなければ効率的な海洋開発ができないということはもちろんでございます。したがいまして、各省庁あるいは民間との協調体制といたしましては、一つには、従来から海洋科学技術審議会という場を利用いたしまして、海洋開発に関する科学技術についての調整、あるいは協調体制の協力をとる場をつくっていたわけでございます。これは、先般国会でお認め願いまして、海洋科学技術審議会から海洋開発審議会ということに窓口を広げまして、さらに大きな海洋開発の計画を進めていきたいということで、各省の了承を得まして、そうしてこの場におきましても各省庁との協調をとりながら海洋開発を進めていくという形になっております。さらに、開発審議会——従来の科学技術審議会でございますが、ここでつくられました答申に基づきまして各省庁間の官房長ベースでつくっております連絡会議がございますが、この連絡会議におきまして、このプロジェクトをいかに実現するかということで実行計画をつくりまして、それを政府側におきましても進めているわけでございます。 また、民間団体との、あるいは産業団体との協調体制でございますが、これも、従来各省庁におきましては、それぞれ各省庁で行なっております海洋開発につきまして、これは海洋科学技術審議会のプロジェクトを受けてそれぞれの各省庁で進めている計画でございますが、それに各民間団体も参加して進めておりますし、また、今回発足いたします海洋科学技術センターにおきましても、民間との協力体制をとりながら海洋開発のプロジェクトを強力に進めていくというような体制をとっておりますので、その意味におきましては、このセンターも今後はわが国の海洋開発の中核的な機関となりまして、いわゆる官学民の協調されたような形で海洋開発を進めるに必要な十分な機関になり得るというように確信いたしているわけでございます。
○鍋島直紹君 そこで、少し変わりますが、これは長官にお答え願ったほうがいいかもしれませんが、海洋開発がさらに進んでまいりますと、海の中に入っていろいろなことをやるわけですが、海洋の汚染ということがすでにもう問題になっております。陸地からの汚染もありますけれども、海洋開発を強力に進めるために海洋が汚染の危険を持っておる、こういうようなことになろうかと思います。 そこで、問題は、この海洋開発に伴うセンターにおかれても、海洋の汚染ということについて、あるいは自然破壊といいますか、そういうようなことについて、その防止をするというようなことについての研究あるいはプロジェクトといったようなものをお考えになっているかどうか。あるいは、そういうことに関してこのセンターというものの果たすべき役割りというものも一応考慮の中に入れてお考えになっているかどうか、そういう点をひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) 海洋がわれわれに無限の資源を与えてくれる、いわば人類共有のこれからの未開発のむしろ資産であると考えております。同時にまた、われわれのこれからの生活環境の向上の上に欠くことのできない重要な海洋であるという認識に立ちまして、これから積極的に海洋開発と取り組んでまいりたいと考えております。 その場合に、この海洋開発に伴って予想されますところの汚染防止につきましては、これは重要な課題といたしまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 で、科学技術庁といたしまして、従来、海洋科学関係の経費の見積もり調整というような過程を通しまして、こういう問題、汚染の問題とも十分取り組んでおるわけでございますが、今年度から、海洋におきますところの廃棄物の処理技術の開発、あるいは海洋の自浄機構の解明、あるいは汚染物質の拡散状況の解明など、こういう問題を調整費の活用によりまして取り組んでまいることにいたしておりますが、この海洋科学技術センターが設立されました暁におきましては、特に海洋汚染防止技術というものを重要な研究課題の一つに取り上げまして、そしてその推進に積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。まだ海洋汚染防止の具体的なテーマ等につきましては今後の研究課題であると存じまするけれども、先ほど申し上げましたように、具体的にすでに本年度取り組んでやっておりまするほか、また、かねてからつくっております実行計画におきましても、各省におきまして、それぞれ海洋の汚染防止に関しまするところの研究あるいはまた解明等に具体的なテーマをあげまして取り組んでおりまして、これらも、海洋科学技術センターを中核といたしまして総合性を保ちながら海洋汚染防止につきましては開発と同等の重みを持って積極的に取り組んでまいりたい、こういうような考え方でおります。
○鍋島直紹君 そこで、局長に具体的に伺いたいのですけれども、一つの研究テーマというか、プロジェクトとしてでしょうか、たとえば海中油田が問題を起こせば必ず汚染が出てきますし、これを防止する方法というものを考えなければならない。それには海中作業という問題も出てくる。あるいは漁業の問題にいたしましても、栽培漁業をすれば必ず海中汚染の問題と環境等の問題が出てくる。早いところ、観光問題にいたしましても、海中公園に指定されておるというようなところでも、現実の問題としては、これはいろいろ、展望台でもつくれば、自然をより以上に破壊して、かえって、何といいますか、汚染というか、そういう形になっていく。そういうようなことについてセンターとして今後御研究を具体的になさっていくようなことになるのかどうか、こういう点、テーマとしてお考えになっているかどうか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘がございましたように、今後の海洋開発が進むに伴いましていろいろな問題が提起されるということは事実だろうと思います。海中油田からの汚染、あるいは養殖漁業、あるいは観光というようなことから起きる汚染あるいは自然破壊というものは、当然これは海洋開発を進めるにあたりましても事前に考慮しながら、このような問題を考えていかなければならないというふうにわれわれは考えております。したがいまして、ただいま御指摘のような点につきましては、われわれも事前にそれを十分評価検討しながらこの海洋開発を進めてまいりまして、現在問題になっております公害のような、こういうものを海洋開発においては発生させないようにわれわれ努力していきたいと思いますので、当然、このセンターにおきましても、そのような問題と十分取り組んでいきたいというふうに考えております。
○鍋島直紹君 そこで、多少具体的に入りますが、海洋開発センターができるわけでございますが、これについて、諸外国、特にアメリカとフランスが進んでいるといいます、それらについて比較されて、その内容というものが日本の場合とどう違うのか。あるいは、今度日本がセンターとして考えられているものと、先進国あるいはそれ以外の諸国との違いがどういう点にあるのか、日本の開発センターといいますか、の特徴というのはどういうものにお求めになっておるか、そういう点について伺いたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) まず諸外国の状況を御説明いたしまして、わが国の考えておりますセンターとの違いを申し上げたいと思います。 アメリカにおきましては、この海洋科学技術につきましても研究機関が非常にたくさんございます。しかも、それぞれ非常に精力的に活動しておりまして、たとえば生物科学研究所とか、あるいはラーモンド地質研究所のような大学の付属研究所、あるいは非営利の研究所のような、ウッズホールの研究所、こういうようなところでいろいろ基礎的な研究が進められております。さらに、アメリカの政府機関としましても、海洋大気庁に所属いたします水産系の研究所とか、あるいは海軍関係の研究所が研究の中心的な役割りを果たしているわけでございます。また、民間企業におきましても、直接の海洋開発を目的といたしました研究所といたしましては、ウエスチングハウス、あるいはロッキード、ゼネラルダイナミック、このような会社におきましても数多くの研究所を持っております。また、潜水船とか海洋計測、あるいは海中作業というような技術面の研究が熱心に進められているわけでございます。 一方、フランスにおきましても、海洋科学技術研究機関は、大学、政府、民間というところに相当多数ございまして、それぞれ必要な研究を行なっているわけでございますが、これらの諸機関における研究を総合調整いたしましたり、また基本計画をつくる機関といたしましては、政府に海洋開発センターというものが設立されております。この海洋開発センターにおきましては、それ自身でも研究を実施しておりますし、また、研究のプロジェクトを組織するために、ブルターニュ海洋研究所というものをつくっております。 そのほか、西ドイツにおきましても、地質研究所、あるいは漁業研究所、生物学研究所等がございまして、そのようなかっこうで、さらに それと大学、たとえばハンブルク大学とか、キール大学というようなところと連携しながら、この研究が進められております。 このように、外国におきましては、特に海洋開発の先進国におきましては、大学の研究所、民間の研究所、あるいは政府機関の研究所、これが非常に協調体制をとりながら進めておるという実態でございます。 わが国におきましては、現在、各研究所で行なっておりますが、まだ外国に比べますと研究所の数というものが非常に少ないのではないか、また、それに必要ないろいろな調査船なり、あるいはそのような施設、設備というものがまだ不十分であるというふうに考えられております。したがいまして、海洋開発の先進国に比べましてこのような貧弱な体制ではございますが、早くこのような体制をとるようにわれわれも努力したいということで、その一環といたしまして、この海洋科学技術センターを考えたわけでございますが、ただ、この海洋科学技術センターだけでは、やはりとうていアメリカ、フランス等に直ちに追いつくというわけにはまいりませんので、今後は、この海洋科学技術センターを中心といたしまして、各大学、民間、あるいは政府機関の研究所、こういうものと協調体制をとりながら進めていくのが一番わが国の海洋開発を早急に進める適切な方法ではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、われわれといたしましても、今後その方向に向かって大いに努力していきたいというふうに考えております。
○鍋島直紹君 予算、機構といったようなものについて、特に予算面についてはどの程度の差があるものなのか、そういう点、わかりましたら簡単にひとつ……。
○政府委員(石川晃夫君) 一例でございますが、アメリカにおきましては、従来、このようなビッグ・サイエンスといたしましては宇宙開発に力を入れておりまして、海洋開発関係につきましては、予算的には、宇宙開発に比べますと非常に少ない額になっておるわけでございます。しかしながら、一昨年の予算といたしましては、海洋開発といたしまして、アメリカとしては大体千八百億円程度を使っておるわけでございます。その当時のわが国の海洋開発といたしましては、約三十億円というような額でございまして、その点につきましては相当差があったわけでございます。本年度は、海洋開発の予算も約六十七億程度に相なりまして、わが国としては予算的には非常にふえたわけでございますが、海外におきましても、当然それに対して従来よりふやしておると思いますので、その差はまだ縮まってはいないというふうに思っております。手元の資料では、アメリカが一九七〇年では約五億ドルを使用しております。それからフランスは四千万ドルというような額でございまして、したがいまして、いずれにいたしましても、わが国に比べましては格段の経費を海洋開発に使っているという現状でございます。
○鍋島直紹君 そこで、最後の御質問になるかもしれませんが、センターの各国のものと、特別に何か日本独特のものとしてやっておる特徴的なものはないのかあるのか、あるいは各国のやつを追随して、うしろから走って、追っかけて追い越そうとしておるのか、あるいは何か日本独特のものを考えて、プロジェクトでも何でもいいのですが、考えて進んでいこうとしておるのか、という点が一つ。 それから次に、シートピア計画、海底居住計画ですか、これがあるわけですが、アメリカにもシーラブ計画があり、フランスにもプレコンテナン計画というのがございます。そういったものに比べて、これもやはり日本として、いまからやり出すわけですから、外国のやつのいいところを取り、さらに日本として独特のものを進めていくという、これは地域環境、日本という特別な海洋国家としての立場というものをお考えになって、何か一つそこに特徴的なものが——これはしろうとですから、わかりませんけれども、あるのじゃなかろうか。だから、そういった、それぞれシートピア計画との関連において、将来の計画としてお考えになっておるかどうかという点がわかりましたら……。
○政府委員(石川晃夫君) わが国の海洋開発の特徴といたしましては、海洋開発を二つに分けまして、従来から海洋についての開発が進められておりまして、それをさらに拡大していくような海洋開発と、それから新しい技術を導入して進めていく海洋開発と、こういう二種類に海洋開発が分けられると思いますが、従来からの伝統的な海洋開発につきましては、わが国は相当な実力を持っておるというふうに考えます。たとえば、水産関係の増養殖の問題、あるいは造船関係の技術の問題、このようなものにつきましては、わが国は従来から相当な力を持ち、また、世界にも誇るべきものがあるというふうに考えております。しかしながら、もう一方の、新しい技術を駆使して進めていく海洋開発、これにつきましては、残念ながら、まだわが国におきましては十分育っていないという実情でございます。したがいまして、ただいま先生御指摘の、何かわが国の海洋開発として特徴があるかということに対しましては、いまのところ、実は新しい技術的な問題についてはまだ暗中模索であるというのが実態であると思います。われわれといたしましても、早くある一定の技術を獲得いたしまして、そうして、わが国独特のものをつくり上げていきたいというふうに考えております。 それからシートピア計画でございます。これは、アメリカにおきましてはシーラブ計画あるいはテクタイト計画、フランスにおきましてはプレコンテナン計画というものの計画を進めておりまして、これもわが国に数年先立って進めておりますので、この両国の計画は相当わが国の計画に比べまして進んでいるわけでございます。しかしながら、わが国の計画につきましても、本年度は三十メートルの海底におきまして実験を行ないたいというふうに考えておりますし、また、来年度は六十メートル、さらに四十八年度には百メートルの海底まで持っていって、いろいろな海中作業的な研究を行ないたいというふうに計画を立てておりますが、外国におきましては、すでにシーラブ計画におきましては百八十六メートルという深さにまで入っております。それからプレコンテナン計画でも百三十メートルというようなところまで進んでおるわけでございますので、ここ数年間は、まだアメリカ、フランスに追いつくというところまではまいりませんが、しかしながら、百メートルの海底におきましても、さらに充実した研究を行ないたいというふうに考えております。したがいまして、このような計画を進めるにあたりまして、逐次わが国独特の計画がその計画の中へ盛り込まれていくようにわれわれも鋭意努力しながら、また、この開発に従事する方も、そのような特徴を見出しながら進めていくことにしたいと考えておりますが、ただいま申しましたように、まだこれが緒についたばかりでございますので、わが国独特の計画というのは、まだ、つくるには資料としては不十分であるというふうに考えております。
○鍋島直紹君 だいたいわかりました。 アメリカのシーラブ計画とか、フランスのプレコンテナン計画とか、それから日本のシートピア計画、大体海底居住の計画なわけですが、私、しろうとでわかりませんけれども、これを進めていく場合におきまして、人類の幸福というか、将来海底都市をつくろうという一つの大きな目標があり、それに向かって、とにかく進められていくのか、ただ海の中に、五十メートルのところに、百メートルのところに住むのだということだけじゃなしに、将来に対して何か大きな、幸福というか、人類の幸福という、大げさに言えばそういうものがあって、それに向かって第一歩を進めておる、海底都市をつくる、あるいは海底居住地をつくる、あるいは海底において栽培漁業をする際に一つの大きなこの海底居住というものがポイントになる、あるいは資源発掘のためにも一つの大きな問題、よりよき一つの——海底居住ですから、上から一々行かぬでも、海上から行かないでも済むというような一つの大きな目的を持ってやっておられるのか、その辺のところ、どうなんですか。
○政府委員(石川晃夫君) これは、ただいま先生から御指摘ございましたような点をわれわれも将来のビジョンとして考えていきたいと思っております。ただ、その前提といたしましていろいろな研究開発を進めていくわけでございますが、わが国だけにとりましても、わが国の大陸だなを考えますと、陸地の約七〇%の面積が大陸だなにあるというふうに測定されております。したがいまして、わが国といたしましても、将来、人口問題あるいは資源問題、こういうものから考えますと、その七〇%ある土地をいかに有効に利用していくかということは当然考えなければならないというふうに考えております。わが国といたしましてはそのような状況でございますが、世界的に見ましても、地球の七〇%は海でございます。したがいまして、この海を開発するということは、ひいては人類の幸福につながるということは、もう言を待たないわけでございますので、われわれといたしましても、ただ狭い意味の資源開発というようなことからだけではなく、やはり地球全体の、大げさではございますが、人類の幸福という立場からでも、この海洋開発というものはぜひ完成しないといけないというふうに考えております。
○鍋島直紹君 もうすぐ終わります。 そこで、海洋開発に関連してですが、直接センターには関係ないと思いますが、長官、科学技術的な面から見て、この領海の問題をどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。たとえば、日本は三海里説をとっておる。諸外国では十二海里説をとっておるものがある。あるいはそれ以外に、特定のラインを引いて、それ以内は資源をどうのこうのと言っておる。こういう点、日本は三海里説でいいのかどうか。実際科学技術的に考えると五海里説ぐらいでいいのじゃないかと思いますが、水産業との関係もございましょうけれども、そういう点に対して長官の御所信を伺いたい。
○国務大臣(西田信一君) 海洋開発を進めまする上に国際的な協調体制をとらなければならないということは、われわれの基本的な態度でございます。そこで、いま具体的にお尋ねのありました領海の問題でございますが、これは、今度の審議会におきましても、そういうような領海の問題、あるいは大陸だな条約の問題等、そういった国際的な立場に立っての問題というものに取り組んでまいる考え方でございますが、私は、いま、若干私的な意見になるかもしれませんけれども、すでに領海三海里というのは、国際的な傾向から見ましても、もう考え直す時期に来いるのじゃないかというふうに思います。実は、大体その三海里というのは、私の聞いておるところによりますと、昔、古い時代の大砲の着弾距離が三海里であったということから三海里になったのだというような話を聞いておりますけれども、そういうようなことは、もうすでに時代が変わっておるのでありますし、水産の面から申しましても、目と鼻の先に実は外国の船が来て漁労をしておるというような状況もわれわれしばしば目にするわけでございますが、実際に遠く出かける遠洋漁業等におきましても、ある国では大体十二海里とか、あるいはもっと広い領海を主張している国が多いようでございますし、政府部内におきましても、こういう問題につきまして、最近はかなり積極的な考え方がだんだん出てきておるように私は思っておるのでございます。今回この審議会ができますれば、その問題も含めまして検討いたしたいと思いますし、私の私見といたしましては、もう三海里の時代ではないのじゃないかというような感じを持っておる次第でございます。
○鍋島直紹君 最後に御質問しますが、いま長官が触れられました大陸だな条約の問題、これはどうしても、海洋開発を進めていくには、この大陸だなの問題が第一の問題になってまいりますが、現在において、条約があっても日本は加入していないのじゃないか。加入できないいろいろな理由もあろうと思います。なおまた、一方、国連においては数回各所で、この問題について何かひとつ一致点を見出だそうというので努力をしておられるようですが、それぞれ各国の利害が相錯綜してどうしてもなかなか一致点に達しないというのが現状だと聞いております。それらの事情も伺いながら、日本として一体大陸だな条約というものをどういうように考えておるのか、やはり将来において加盟すべきか、加盟するとすればどういう形において加盟すべきであろうか、そういう点、これは局長、長官どちらでもけっこうですが、大ざっぱなところをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) 先ほどお答え申しましたように、こういう問題も含めまして、権威ある審議会で十分御検討をいただきたいと思っておりますが、先般の総理府の設置法の改正の際にも、大陸だなの問題につきましては積極的な姿勢をとるようにというような、そういう御意向も伺っておりますし、われわれも、やはりこれからこの海洋開発を積極的にやってまいりまする立場から申しましても、大陸だなの問題は積極的な姿勢で検討し、そうしてまた、なるべく早くわが国の態度をはっきりさすべきものではないだろうかというような考え方を持っております。いずれにいたしましても、私どもは慎重に、軽率な発言はどうかと思いますけれども、そういう心持ちでひとつ審議会にも十分御検討を願いたい思っております。
○鍋島直紹君 局長から、いままでの事情を伺いたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 大陸だな条約ができまして、これにつきましては、わが国をはじめといたしまして、ドイツ、ベルギーというところも実は大陸だな条約に入っていないわけでございますが、この理由につきましては、先ほど長官からも御説明がありましたように、漁業問題というものも問題点として入っていたわけでございます。しかし、現在、大陸だな条約の加盟国は四十一ヵ国というようにのぼっております。正確な数字につきましては、あるいは外務省のほうに正確な数字があろうかと思いますが、私たち聞いておりますのは四十一ヵ国ということであります。 この大陸だな条約自体につきましても、従来問題点になっておりました海底への定着物というものが相当わが国としては問題として考えていたわけでございます。この点につきまして、さらに将来の大陸だなにおきます資源開発という点につきまして、最近、いわゆる後進国からいろいろまた意見が出てまいりまして、大陸だな開発の能力のある国だけがその資源を確保するということは不適当であるという意見が出されまして、昨年これにつきましてもいろいろ国際会議において議論が戦わされたわけでございますが、それに対しての結論はまだ得ていないわけでございます。アメリカのニクソン大統領も、新しく、この大陸だなにおきます資源に関連いたしまして、海底の問題につきましての案を出したわけでございますが、これにつきましても、まだ条約という形をとるまでに至らず、現在国際会議で検討中であるという実態でございます。しかしながら、世界各国におきましても、海洋開発が進むにあたりまして、何とか一つの規律をつくらなければいけないという機運が高まってきておりますので、このような新しい条約あるいは取りきめができますのは、あまり将来の問題ではないというふうに考えているわけでございます。 手元にこまかい資料がございませんので、大体そのようなことで御説明させていただきます。
○鍋島直紹君 これで終わりますが、海洋開発の基本的なものは、おそらく、この領海の問題と大陸だな条約の問題が基礎になって、それが基礎でさらに進めらるべきことになろうと思います。したがって、新しくできました、ことしから発足する審議会にひとつ十分おはかりをいただいて、日本としての一つの大きな方向をきめていただきたいことを考えておるわけでございます。それを長官に御要望申し上げたいと思います。 以上で質問を終わります。
○久保等君 海洋科学技術センター法案の問題についてお尋ねをいたします前に、これに関連して若干お尋ねをいたしたいと思います。 それは、一つは、先般来非常に難航を続けておりました日ソ間における漁業交渉が、どうやらこの五月一日に妥結を見ました。しかし、その内容たるや、国民の考えておりました判断からいたしますと、非常にかけ離れた、きわめてきびしい内容で妥結を見たようです。まあしかし、あの例の産卵ニシンの問題等については、非常に予想外のような形で、全面禁漁といったようなことに相なったようですが、この問題については、当該地方における特に零細漁民の皆さん方は、死活問題だとして、たいへんに、いろいろ、この問題に驚き、かっこの収拾について苦慮をされておるようですが、この日ソ漁業交渉に臨むにあたって、一体どういう態度で従来交渉しておったのか。また、先般最終段階を迎えて赤城特使が訪ソをせられて交渉に当たったわけですが、その結末等について、われわれ国民の立場から見ますると、一体この問題について従来政府がどういう取り組みをしておったのか、きわめて疑問にも思う点があるわけです。 そこで、外務省なり、あるいは水産庁当局のほうでもいいですが、この日ソ漁業交渉の概要について、あまりこの問題で時間をとる余裕はございませんが、できるだけひとつ簡潔に、経過について御説明を願いたいと思うのです。
○政府委員(有田圭輔君) 御説明申し上げます。 交渉は二つございまして、一つは、モスコーにおけるカニの交渉で、これは三月一日から政府間の交渉として行なわれました。それからもう一つは、毎年の日ソ漁業委員会が、ことしは東京で三月二日から行なわれまして、ちょうどだだいま、午前十一時から外務省で調印式を行なっております。きょう五月七日で終結いたしますわけでございます。 そこで、この漁業委員会の討議は、御存じのように、サケ、マス、ニシンその他の魚種につきまして資源状況を討議して、本年度のサケ・マスの漁獲量をきめ、あるいはその他の規制措置について合意に達すると、こういう次第でございます。御承知のように、日ソ漁業委員会というのは、昭和三十一年にできました日ソの漁業条約に基づいて設置せられておりますもので、毎年このような話し合いが行なわれるサケ・マスについて、あるいはニシンについての資源状況というものを専門家が討議をして、その上に立って保護規制措置、あるいはサケ・マスについては総漁獲量を決定するという経緯が繰り返されております。 結局、ことしは、御承知のように、サケ・マスの年間の総漁獲量は十万五千トン、公海における漁獲量が十万五千トン。そのうち日本側は九万五千トン、ソ連側は一万トンとることにきまりました。日本側の漁獲量のうち四万六千トンはA区域——A区域と申しますと、大体北緯四十五度以北の水域であります。それからB地区と申します南の区域で四万九千トンをとるということになっております。それで、ソ連側の一万トンは大体北のA地区でとることになっております。ことしの新しい現象は、このソ連側が公海で一万トンとるということを初めて声明して、これを実施に移すということになったことでございます。 それからニシンにつきましては、御承知のように、ソ連側は、従来ここ数年ニシンの資源状況は非常に悪い、北海道、樺太ニシンについては絶滅している、あるいは、われわれは関係はしないけれども、北海方面においても、これはソ連とかノルウェーがとっておるのでしょうけれども、これもニシンのストックがほとんどなくなってきておる、唯一のストックとして残っているのはこのオホーツク海のニシンであり、またプリビロフ方面のニシンである、そこで日ソ双方が協力してこのニシンの資源の枯渇を防がなければならない、という非常に強い態度をここ数年とってきておりますわけであります。このニシンの資源状況につきましては、日ソ双方の専門家の間に意見の食い違いがございます。そこで、これが非常にきびしい問題になりまして、結局のところ、赤城特使がモスコーでコスイギン首相と話をし、また、イシコフ漁業大臣にも前後六回にわたって、これは主としてカニの話でございますが、そのときにも、この東京で行なわれております交渉の関係のニシンについて強い希望が表明された。その結果、ことしの漁期から、オホーツク海のニシン——これは産卵ニシン、カズノコを持っているニシンですが、これをとることを自制してほしいということで、一応これは禁漁というかっこうで話し合いが最終的につきましたわけであります。 それからカニにつきましては、御承知のように、昔からわれわれが知っておりますのは西カムチャツカ付近のタラバガニの漁獲でございますが、これは、ことしは結局日本側は二船団、十二万ケースをとる、それからその他の水域におきますズワイガニとかアブラガニ、あるいはその他のカニにつきましては、ほぼ昨年の二〇%強減ということで話し合いがつきました。また、北海道の三角水域あるいは二丈岩付近の漁獲につきましては前年並みということで話し合いがついた次第であります。 非常に毎年毎年日ソの漁業交渉は激しい、きびしいものでございます。一時は、百日交渉と申しまして、百日間交渉を続け、最終的には農林大臣その他関係が訪ソして話をきめるという時代もあったわけであります。ことしは、ことにカニ、ニシン等について非常に先方はきびしい態度をとってきたということで、最終段階でも話し合いがなかなか進みませんでした。また、一つには、ことしは、ちょうどたまたま三月三十日から先方の党大会が行なわれまして、先方の有力者との会談というような機会がなかなか持ちにくかったことも一つの原因と申しましょうか、カニの漁期がおくれまして、四月も非常におそくなってから交渉が妥結ということになったというような事情もございますが、大体交渉の経過は以上のとおりでございます。
○久保等君 当事者はたいへんな御苦労をせられてその衝に当たられたわけですし、特に赤城特使にしてもたいへんな御苦労をされた、その点は私も非常に御努力を多とするのですが、ただいまもちょっと話がありましたが、漁場における魚族の生殖の状態、資源の状況 こういったことに対する調査が、はたしてどの程度なされ、どの程度データを実際日本側が持っておられるのか。また、そういった資源も、もちろん固定された状態にはないだろうと思います。そういった動態ですね。移動なり、あるいは変動、そういった状況の把握を、どういうような方法でやられておるのか。そういったデータというものが相手側のほうでも——もちろん、単に抽象的に、枯渇するからとかなんとかいうことではなくて、いろいろデータ等を示すんだろうと思うんですが、日本側でそういったことに対するデータ等は十分に取りそろえておられるものなのかどうなのか。こういったデータ等の問題について、これは水産庁が当局になられると思うんですが、そういった状況について、ひとつお尋ねしたいと思うんです。
○説明員(田中慶二君) 重要な水産物の資源の調査研究等につきましては、国の水産研究所、これはまあ淡水区は別といたしまして、七つございますけれども、そういう水産研究所が中心になりまして、これがみずから行ないますとともに、都道府県の水産試験場、大学などの協力を得て行なっております。ほかに、民間の漁船からも、情報でございますとか、あるいは標本を収集いたしまして、資源の状態や、資源と漁獲及び環境との関係ということについて解析を行なっておるわけでございます。 いまのお話に出ておる、たとえばニシンの資源調査等につきましても、調査船を、四十五年度におきましては十隻でございますけれども、その主要分布区域に出しまして調査をいたしますとともに、漁船の操業の情報を収集をいたしまして、資源の評価を行なっております。そして、その結果に基づきまして、オホーツク海などのニシンの資源の状態は特に悪い傾向は認められないというように考えておるわけでございます。まあ、ソ連におきましても、それ相当の調査を行なっておるところでございますが、ソ連側におきましては、この資源状態は衰退をしている、このままでは、たとえば北海におきますニシンでございますとか、北海道近海系統のニシン、それと同様な結果になるというふうな主張が出ておるわけです。まあ日本におきましては、これは従来日本が開発をいたしましたところでございますし、そういう資源の調査あるいはそれの解析ということについては努力をいたしておるわけでございますけれども、実際問題といたしましては、そういうソ連側の見方について開きがあることも事実でございます。
○久保等君 四十五年度十隻程度の調査船が調査をせられるというんですけれども、それも、もう少し計画的にと申しますか、組織的にと申しますか、やはり十分に説得力のあるデータというものをつくらなければ、これは相手方に対して、交渉にあたって、私は迫力がないと思うんですね。どうもその点が、この産卵ニシンの問題にしても、全面的に禁漁になったというような問題が非常に一般もこれはショッキングなニュースとして受け取っておると思うのですが、本年あたりこういったような全面禁漁問題が出てくる可能性というものが予知されておったのですかどうですか。これは外務省か水産庁か知りませんが、何か唐突に、こういった問題が、カニの交渉の問題と取引といいますか、それとの関連において出てきた、しかも、コスイギン首相が直接赤城特使に持ち出してきたというような、非常に高飛車なような話の切り出し方のように受け取れるのですけれども、従来の経過もあることですから、そういう経過の中で、そういった話が非常に強く従来から主張せられておって、結局、何というか、行き着くところに行き着いたような形で禁漁の問題が全面的に出てきたということなんでしょうか。そのあたりの経過は、どういうことになっておりますか。
○政府委員(有田圭輔君) 先ほども申し上げましたように、この日ソの間には漁業委員会というものがございまして、毎年毎年、そこで、まず初めに専門家同士で資源の問題が話し合われるわけでございます。ニシンにつきましても、この漁業条約の付属書に載っておりまして、対象魚種として意見交換がなされております。ここ数年来、たとえば六九年ごろから、カムチャツカの根元のほうですね、東のほうのコルホ・カラギン、それから左のほうはギジガ、その方面で日本の多くの漁船が出てニシンをとるということで、それについて向こう側は非常に関心を表明して、これはやめてほしいというようなことを強く主張しておりましたので、このニシンについての向こうの関心は、ことしに始まったことではございません。御承知のように、ソ連人あるいは西欧人は、産卵ニシンと申しますよりも、卵を生みましたあとのニシンを非常に珍重するわけでございます。魚種の中でも、漁業統計に特掲するぐらいニシンというものを非常に尊重しておる。向こう側の議論とも申しまするか、まあ今日の論争は別として、現実に、樺太、北海道の付近のニシンがなくなったということは事実ではないか、あるいはほかの北海についてもニシンのストックが全然なくなっている、いまの唯一のストックはオホーツクのストックである、これをあくまでもわれわれとしては維持しなければならない——その方法として、まあわれわれから言わせれば、産卵ニシンをとらないことによって漁業資源が保護できるということではなくて、ニシンがなくなるのは海流その他の原因によるものであろう、その原因は必ずしも明らかでないという主張をしておるわけでありますが、ソ連側としては、どうしてもこのストックはわれわれとしては保持しなければならない、次の世代に残さなければならないものであるから、ひとつ産卵ニシンをとるのはやめてくれ——これは、われわれの嗜好を無視したものであり、また、ことしのような最終段階に至って非常に強い主張をしてくるということは、われわれの納得し得ないところではございますが、ただ、このニシンについての関心は、従来からかなり強く、事あるごとに示されておるというのが過去の経緯でございます。
○久保等君 まあ、この問題であまり時間をとることはできませんので、結論として、日ソ漁業交渉の問題についても、大詰めの段階を迎えて、何か非常に強力なと言うか、もう時期的に差し迫った形で交渉せられるというようなことについては、今回の場合も、結果的にはカニ出漁が約三週間ばかり最盛期を逸したような形になったといったようなことにもなっておるようですし、したがって、もう少し、平時といいますか、期間のある時期に、ひとつ積極的な交渉によって妥結をみるというような努力を、政府としては、私は一段と心がけていかなけりゃならぬのじゃないかと思います。 と同時に、先ほどもちょっと申し上げたように、その裏づけとなるべきデータというものを、しっかりしたものを、やはりつくる、これもまた一朝一夕にできる問題じゃありませんけれども、また、単に外務省が折衝に当たるにいたしましても、そういったデータ等を十分にそろえて相手に当たらなければ、これは、いま言ったような専門家の間においても必ずしも意見が一致したという状態じゃないと思うのですが、まあそれぞれの国益という立場で、完全に、スムーズに意見が一致するものではありませんから、利害相対立する問題ではありましても、科学的なデータというものを中心に議論をしなければ、私は話をまとめることはできないだろうと思うのですね。それについては、日本の手のうちをすべて見せてしまうことはどうかと思いますが……。 それから、いずれにしても、われわれの体制をもう少し強化をし、データというものについても精密なデータを収集し、作成をすることに、ひとつ一段と努力をしてもらいたいと思いますし、また、外務省のその衝に当たりまする交渉、日ソ漁業委員会というものが設けられて、こういった時期の前に、いろいろと折衝を積み重ねておられるでしょう。タイミングという問題があるし、時期の問題があるわけですから、ぜひひとつ、こういった今回のような結果にならないように、ひとついま一そうのそういった点についての御努力を願いたいと思うのです。 なお、この漁業交渉の問題については、今後特に高度な政治的な折衝を待たなければならぬのじゃないかというようなことが言われておりますがそれにつけても、ひとつ、その論拠となるべきデータというものを、したがって、漁場における実態調査、これをひとつ格段の努力をしてもらいたいと思います。この問題は海洋科学技術センターの問題と直接関係のない問題なんですけれども、また、他の面からもこれからお尋ねしてまいりたいと思いますが、日ソ漁業交渉の問題については、結論的にそういうことを強くひとつ要望申し上げたいと思います。 科学技術庁の長官に、私がいま申し上げたデータの問題、これは直接的には水産庁の所管ですけれども、今回海洋科学技術センターを特に設置せよという法案を提出している立場で、また、閣僚の一人という立場で、この私のお尋ねいたしておることについて、長官としてどのようにお考えになるか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) このたびの日ソ漁業交渉の結末に関連してのお尋ねでございます。実は、私も北海道の人間でございますので、たまたま昨日北海道へ参りました。関係の漁民あるいは知事等にお目にかかったわけでありますが、非常に現地の方は憂慮いたしております。けさも実は閣議におきましてその実情を申し上げまして、政府としては、国際的な取りきめでございまするから、国際的信義を守らなければならぬと思いますが、同時に、やはり漁民の立場というものを十分にひとつ考えていただかなければならぬということを、閣議の席上においても申し上げまして、総理以下皆さん関係各閣僚もそういう方向に努力されるようでございます。 さて、いまお尋ねの点は、こういうようなことにかんがみましても、海洋開発の立場から、せっかくセンターもできることでありますので、先生がお述べになりましたような立場に立ちまして、この水産資源の確保という立場から申しましても、十分な資料を整え、そして十分な主張ができるような根拠を持つというような意味におきましても、あるいはまた、交渉ばかりではなくて、実際に漁業振興という立場から申しましても、やはりそういう面に対するところの十分な調査研究というものが必要であると存じまするし、センターの使命であると考えますから、そういう点につきましても、ひとつ留意し、かつまた積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○久保等君 それからなお、水産庁のほうにお尋ねしたいと思いますが、房総沖におけるカツオが非常に不漁が伝えられております。このことについて、あの方面の黒潮調査等については、どういう調査を現実におやりになっておるんでしょうか、具体的な問題ですが、お尋ねしたいと思います。
○説明員(田中慶二君) 太平洋岸の水産資源につきましては、東海区水産研究所、それから関係県の水産試験場の調査船による調査を行なっているわけでございます。その結果によりますと、近年、サバ資源はあの辺には比較的高水準に推移をしているというふうに考えておったわけでございますが、最近では、魚体が小型化をしているというふうな点も見られます。その資源状態については十分注意をしてまいらなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。
○久保等君 これは、直接、政府というか、水産庁のほう外調査をせられるという体制にはないわけなんですか。
○説明員(田中慶二君) 先ほども申し上げましたように、その方面につきましては、東海区水産研究所におきまして、みずからも調査をいたしますし、県の水産試験場におきましても、それぞれの調査船によって調査をするということになっております。
○久保等君 この科学技術特別委員会のほうでは、海洋科学技術センター法案の審議をただいま参議院でやっておるわけなんですが、軌を一にして、農水のほうでは、これまた海洋水産資源開発センターの設置を含む法律が、いま参議院段階で審議をせられておるんですが、この海洋水産資源開発センターは、どういう目的で、そしてまた、どういうことを具体的にはおやりになろうとしておるのか、これも簡単にひとつ御説明を願いたいと思います。
○説明員(田中慶二君) ただいまお話しのとおり、水産庁におきましては、海洋水産資源開発促進法案を提出いたしまして、参議院においても御審議をわずらわしておるところでございます。この法案の中におきまして、海洋開発センターを設立するということがございますが、この開発センターの業務は、水産物が最近御案内のとおり需要が非常に増大をいたしておりますけれども、なかなか供給が追いつかない、そういう点もございますし、また、一方においては、既開発の漁場におきまして、沿岸国等におきますいろいろの制約も増加をしておる、そういうふうなことにかんがみまして、海洋における漁業生産の増大を目的といたしまして、このために海洋の新漁場における漁業生産の企業化のための調査、海洋水産資源の開発に関する情報、資料の収集、提供等を目的といたしまして、設立をもくろんでおる次第でございます。
○久保等君 さらに、もう少し具体的に御説明を願いたいと思うんですが、たとえば、漁場の調査、こういったようなことも当然センターでおやりになるんだろうと思いますが、そういったことはどういう方法でおやりになる予定ですか。
○説明員(田中慶二君) 海洋の調査につきましては、水産庁も、このセンターを設立いたしましたと申しましても、やめるわけではございませんで、水産資源の存在そのものをいろいろ調査いたしますことは国でやるわけでございます。で、そういう水産資源がある程度あるということがわかりました場合に、この開発センターで、それでは企業的にそういうところが漁業として成り立ってやり得るかどうかという企業化の資源調査をいたすわけでございます。このセンターにおきましては、民間の船をチャーターいたしまして、それが大体普通の漁船と同じような装備をいたしまして、出てまいります。そうして、そこで操業をいたしまして、そこの、あるいは季節的に魚類がどういうふうになっているか、あるいはまた、その対象魚種がどういうふうな区域に企業的に成り立つように集中をしているかというようなことでございますとか、あるいは、そういう漁獲物をわが国へ、あるいはまた輸出も考えてよろしいわけでございますけれども、そういうものを運んで、それが商品的にどういう価値を持つかというようなこと、あるいは当該海域の海洋学的な諸条件、あるいは水温でございますとか、海流、それに適する漁具、漁法というようなものを調査をいたすわけでございます。
○久保等君 現実に民開の漁船あたりをチャーターするのは、どのくらい——たとえば本年度は、これは年度途中からになるんでしょうが、明年度あたり、平年度あたりは、どの程度の規模の漁船をチャーターする予定でおられるんですか。
○説明員(田中慶二君) 本年度は十一隻の船をチャーターいたしまして、たとえば、マグロはえなわの漁場でございますと南大西洋の高緯度の海域、あるいは海外トロール漁場開発といたしましてニュージーランドの海域、あるいはアフリカの東海岸の海域、あるいはまき網の漁場といたしまして東部大西洋あるいはまた大西洋、それからサンマでございますとアラスカ湾、スルメイカにつきましてはニュージーランド、沖合い底引き網漁場開発といたしまして太平洋の南のほう、カツオ漁場といたしましてパラオ、トラック島の周辺、こういうふうなところにつきまして、漁場として企業化ができるかどうかというふうな調査をいたす予定にいたしております。
○久保等君 それから、海洋の新漁場開発調査は直接水産庁でおやりになるというようなお話なんですが、本年度の調査船として開洋丸の運航なんかも、予算の上で予定せられた経費が一億三千万円余り載っておるようですが、先ほど調査船十隻ぐらい四十五年度で何か運航せられたというような御説明もあったんですが、この海洋新漁場開発の基礎調査といったようなことに従事をしておられる調査船というのは何隻ぐらいあるんですか。
○説明員(田中慶二君) 現在、水産庁に所属をいたしております船は大小取りまぜまして十二隻ございます。そして、それぞれの機能と申しますか、に応じまして、調査海域を、遠洋でございますとか、あるいは沖合い、沿岸というふうに分けまして基礎調査を行なっている次第でございます。
○久保等君 この開発センターでは、将来独自に船を持たれるようなことは考えていないんですか。当面民間の漁船をチャーターするとしても、将来は、やはり独自に船を持たれるような計画はあるのかないのか、念のために伺っておきたいと思うんです。
○説明員(田中慶二君) 先ほども申し上げましたように、企業として成り立つかどうかの調査をいたすわけでございますから、できるならば、そのときどきに通常使われている漁船を使って調査をするというのが企業化への道に最も近いんではないかというふうに考えますので、ここへ独自の船をつくって、そのもとで運航をする、調査をするというふうなことは、現在のところは考えておりません。
○久保等君 それでは次に、通産省のほうへお尋ねしたいと思うんですが、通産省のほうでは地質調査船の建造計画をお持ちになっておるようですが、この計画についてお尋ねいたしたいと思うんですが、簡潔に願いたいと思います。
○説明員(江口裕通君) 通産省におきましては、四十六年度予算といたしまして、地質調査船建造計画に関する調査費約一千万円が計上されております。この調査費の内容といたしましては、地質調査船建造委員会というものを学識経験者二十数名にお願いいたしまして、そこで今後いろいろな問題を検討していただくわけでございますが、その検討と同時に、海外の実態調査をお願いする。特に運航管理の面について実態調査をしていただき、その結果をまちまして仕様書の作成を委託をするという手順で現在進めておるわけでございます。
○久保等君 この計画は、当初は、昭和四十六年度並びに四十七年度、両年度あたりで建造を完成したいということの予定のようであったんですが、いまお話しのように、四十六年度ではその建造のための調査をするというようなことに計画がなったようですが、その経緯はどういうことでしょうか。
○説明員(江口裕通君) 一応、当初は、たしか十五億だったと思いますが、建造費の要求をいたしておりましたわけでございますが、いろいろ折衝をいたしまして、とりあえずは四十六年度調査費の計上ということでお願いしたわけでございます。建造につきましては、四十七及び四十八年度、具体的には四十七年の三月から建造に着手してまいりたい、このように考えております。
○久保等君 その建造すべき船というものは、どういった規模のものですか。それから経費等、概算、わかっておれば、ひとつ御説明願いたいと思います。
○説明員(江口裕通君) これは、もう少し建造委員会の御検討によらなければならない技術的な問題も種々ございますので、現在あくまで推定の状況でございますので、そのままお聞き流しいただきたいと思いますが、われわれのほうで考えております案といたしましては、総トン数にいたしまして千五百ないし二千トン程度、最大速力十六ノット、航続距離等は一万ないし一万五千海里という程度の船を考えております。建造費等につきましても、これも非常に動きますので、現在なかなか見当がつきませんですが、十五億から二十五億程度のものというふうに考えております。
○久保等君 それからさらに、通産省のほうで、機械振興協会と協力をして海洋委員会というようなものを設けて今後の海洋開発に取り組んでいきたいというようなことが新聞等で伝えられているんですが、どういう構想か、これまたきわめて簡潔にお答え願いたいと思うんですが。
○説明員(片山石郎君) 海洋開発につきましては、従来二年ほど、日機連と申しております日本機械工業連合会でもって勉強してまいりまして、これをいよいよ少し具体的に勉強を進めていきたいという構想になりまして、先生いまおっしゃいました機械振興協会の中に、ことし特別会計というものをつくりまして、そこを中心にして研究開発を進めてまいりたい、こういうことでございますが、その趣旨は、機械工業全体につきまして、従来個々のものということでもって開発をやってまいったわけでありますけれども、いまや機械工業全般を通じて、システム的と申しますか、そういう機能的な役割りに転換していかなければ機械工業はなかなかうまくいかぬということでございまして、そういう趣旨から、システム化の経験なり技術というものを蓄積するというのが主たるねらいでございます。そういう意味で、ことしから機械振興協会の中に「新機械システムセンター」という機構を付置して、そこでもって、海洋開発のみならず、たとえば交通関係の機械でありますとか、あるいは公害防止のための機械でありますとか、要するにシステム的な機能を要するというような分野についてやってまいりたいということでございます。
○久保等君 通産省でも、もちろん、船等を持って、現にいろいろ調査等をやっておられると思うんです。特に、工業技術院なんかにいたしましても、例の地質調査等を一つの仕事として従来から担当しておられるわけですから、そういったような調査船というようなものの保有状況、どういうことになっておりますか。
○説明員(江口裕通君) いわゆる地質調査船という形のものは、今回建造を予定しておりますものが最初でございます。
○久保等君 従来は、何か、民間のでもチャーターして、それこそやっておられたか。そういった地質調査、特に海ですね、陸地の場合は別として、海なんかの場合の、海洋の調査というのはやっておられないということですか。
○説明員(片山石郎君) 従来やっておりました中心は、工業技術院でやっている分が一つでございますが、工業技術院でやっておりますのは、地質調査所で実際調査船を借り上げましてやっておるというのが実態でございます。それからあと、工業技術院以外でも、民間に調査そのものを委託してやっておるということはございます。
○久保等君 それから、次にまいりますが、今度は運輸省のほうにお尋ねしたいのですが、運輸省のほうでは、すでに、これまた測量船ですが、建造に取りかかっておられるようですが、この大型測量船の建造の模様をひとつ御説明願いたいと思う。
○説明員(川上喜代四君) 私のほうでは、昭和四十七年の二月引き渡しを目途といたしまして、ただいま舞鶴工場で約二千トンの測量船を建造いたしております。この測量船の最大の目的は、昭和四十二年から私のほうで作成させていただいております海の基本図、これは、日本の周辺を、二十万もしくは五十万分の一の地図をつくる作業でございますが、これに主として使用さしていただきたい。さらに、離島にもいろいろと港ができましたので、その離島の港の測量にも使わせていただきたい。それから、私のほうで海流観測を行なっております。そして、これは主として太平洋岸でございますけれども、月二回公表いたしておりますが、その海流観測の、特に冬季、一番日本の周辺の海が荒れまして海難の多いこの冬季には、いままで持っております一番大きな船が七百トンでございまして、これでは観測が困難でございますので、この二千トンを導入していきたい、こういうふうに考えております。
○久保等君 この大型測量船の建造費、予算としては、前年度それから本年度で五億円ずつ、約十億円というようなことが予定せられておるようですが、予算はその程度なのかどうか。それから来年の二月に引き渡しをやるというような予定のようですが、乗り組み員なんかもどの程度予定されておるのか、あるいはまた、この船そのものの性能といいますか、そういったことも、ついでにひとつ御説明願いたいと思うのです。
○説明員(川上喜代四君) 予算は、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、二年間で九億九千万の予定でございます。それから定員は、本年度お認めいただきまして、船員四十四名でございます。なお、本船といたしましては、そのほかに、観測の科学者二十九名を乗せる性能を持っております。それで、航行区域は、国際航海ができます遠洋区域の資格を持っております。速力は約十六ノット。普通十四ノットで航海いたしますと一万二千海里を航海できまして、なお、連続行動日数四十日ということでございますので、少なくとも船の形においては世界各国の海洋観測船においてひけをとらないものだろうと確信いたしております。
○久保等君 なお、運輸省では従来から測量船をお持ちになって、いろいろ測量等をやっておられるようですが、現在何隻ぐらい船をお持ちになっておるのか。それから特に海の基本図というようなものを早期に整備したいというようなことの構想をお持ちのようですが、むしろ、こういったようなことは、すでに基本図のようなものが整備せられておるべきものだと思うのですが、そういう点では非常に立ちおくれておるというような感じがいたすのですが、そのことの事情等もお尋ねいたしたいと思う。それからなお、観測船ですが、観測船につきましても、日本は列国に比べても非常に船の数そのものが少ないようです。これは、直接運輸省の問題としては気象庁あたりの問題がそうかと思うのですが、この観測船にしても、日本の場合には非常に少ないというような感じがいたすのですが、こういったことについて、どんなふうにお考えか、御説明願いたいと思う。
○説明員(川上喜代四君) ただいま御指摘のございましたように、わが国の観測船は、世界に比べて、海の大きさに比較いたしまして、非常に少ないのは事実でございます。私のほうで、海上保安庁の水路部で海洋観測船としてそれ専門に運航いたしておりますのが五隻ございます。先ほどもちょっと申しましたように、一番大きいのが七百トンでございまして、一番小さいのは五十トンというのが五隻ございます。なお、海洋観測に関しましては、私のほうと、それから気象庁と水産庁が中心になって、主として地球物理学的な観測をやっているわけでございますが、この三者の間には三官庁連絡協議会というのをつくりまして、むだのないように、効率のいいように調整をとりながらやっております。 それから海の基本図につきまして、非常にいまからではというお話がございました。まことにそのとおりで、申しわけないのでございますが、従来は、実は水路部は、ちょうどことしで百年になるわけでございますが、いままでずっと海図を中心とした、海図をつくるに必要な測量を続けてまいっておりまして、そういう意味では日本周辺の海図はでき上がっております。しかし、海図は、あくまでも航海の安全ということを目的としてつくりましたものでございますので、新しい海洋開発の要望に応じたような地形を表現するということに重点を置いてございませんので、そういう意味で、私たちは、昭和四十二年から、いままでの資料にさらに新たに、そういう今後のニーズを考えまして、精密な海底地形図をつくる必要がある、なお、この際に、地形図だけではなくて、一隻船を動かしますと御承知のように非常に多額な経費を要しますので、そういうことで船を動かしながらできる作業を全部一緒にやるという観点から、海底地形、それから海の中のいろいろな地質構造、それから地球にある磁力、この磁力の異常を調べる、さらに重力の異常も調べる、こういうような仕事は一つの船で同時にできますことでございますので、この四つの種類のものを同時にやりながらつくるということで、昭和四十二年から開始したわけでございますが、実は、これに従事いたしますのが「明洋」という四百五十トンの船一隻しかなかったわけでございますので、これで日本の周辺を全部やるということになりますと、特に大きさにも制限されて、実際にはできませんので、そこでぜひ大型測量船をお認めいただきたいということでお願いいたしまして、昨年度と本年度の予算をお認めをいただいたわけでございます。したがって、私のほうといたしましては、これを導入いたしまして、少なくとも日本の大陸だな周辺に関しては昭和五十年までにこの海の基本図をつくり上げたい、そして、それができましたら、さらにその外側のほうの基本図をつくっていく、そして将来のいろいろな御要望にこたえたい、こういうふうに考えております。
○久保等君 いま、「明洋」という船、四百五十トンの船だけで測量をやっておられるようなお話なんですが、「拓洋」という船が、これよりちょっと大きい船で、あるようですが、これはどういうように使われておるのですか。
○説明員(川上喜代四君) 私のほうでやっておりますのは、いわば、入れもののほうと、その入れものに入っておる水のほろと、両方やっておりますので、「拓洋」は、主としてその水のほうの動き、つまり黒潮の動きとか海潮流の観測のほうに従事しております。
○久保等君 ところで、運輸省の場合には、港湾、あるいは船舶、さらには、いまお話があった気象の関係であるとか、それぞれの海洋に関する部面を相当担当しておられるのですが、従来、とかく、そういった各部局の全体の総合性というか、統一性というか、そういう点にいろいろ欠ける点があるので、何とかひとつ、この際、一そう、まあ何といいますか、統合的な体制づくりをやろうというようなこともお考えになっているようですが、最近、こういった海洋開発の問題についてどう取り組んでまいるかというようなことで、この運輸技術審議会に答申を求めようということを考えておられるようですが、その海洋開発の問題に関して運輸省としていまお考えになっておる諮問内容、したがって、今後運輸省として取り組もうとする基本的な構想なり考え方、こういったものの御説明を、これまた時間の関係もありますから、できるだけひとつ簡潔に伺いたいのですが。
○政府委員(見坊力男君) 御説明いたします。 運輸省では、いろいろな海洋に関することを所管にいたしておるわけでございますが、ただ、海洋がいままで海運とか水産の場として利用されてきて、したがいまして、海洋に関する技術開発とか、あるいは調査、海洋の実態把握というような調査も、おおむねそういう分野に目的をしぼってきたわけでございましたが、現在、海洋を積極的に開発しようとする社会的な要請が非常に強まっているわけでございます。で、運輸省の所掌をいたします行政に関連するプロジェクトを考えてみましても、たとえば大水深港湾とか、あるいは海中倉庫とか、海底トンネルとか、海上空港であるとか、いろいろなことが考えられるわけでございますが、運輸省としては、これらの社会的な要請と新たな行政需要に対応しまして海洋開発に関する基本方針を運輸省としても早急に確立をしたい、そういうことで、当面、海洋技術の開発、海洋の実態調査に関する施策を推進したいと考えておるわけでございます。そこで、そういうような観点から運輸技術審議会に検討をお願いしたいと思っておるわけでございますが、海洋技術につきましては多種多様な海洋開発のプロジェクトが考えられるわけでございますが、当面実現を迫られているようなものが何であろうか、そういうプロジェクトを技術的に見てまず評価をしてもらう、そして、そのプロジェクトに共通する研究要素、技術的な要素を抜き出しまして、そこで重点的に取り上げるべき技術開発の目標、さらにその技術開発体制のあり方について検討をしてもらいたいというように考えております。 それからさらに、海洋の調査でございますが、従来も、水路部あるいは気象庁におきまして、海洋の調査、海洋関係の調査を行なっておりますが、調査されたものが、それぞれの行政目的に使われるだけでなくて、海洋開発にも非常に役に立つという資料もたくさんございます。そこで、新しい海洋開発という観点から、そういう蓄積された資料を整理をし、また、新しい観点から新しい調査をどのようにやっていったらいいのか、で、わが国の海洋開発が官民をあげて取り組まれる場合に、システム的なそういう資料を提供するというためにどのような方法でそれにアプローチしていったらいいのかというようなことで、先ほど話が出ました海の基本図、これもさらに整備して、海洋開発のために十分に利用していただくということも当面必要なことであろうと思います。調査につきましても運輸技術審議会に諮問いたしまして、海洋開発という新たな観点を含めた今後の海洋調査の目標とか、あるいは社会の要請に合った調査資料の収集管理体制のあり方、これらの実施または達成のための方策、さらに海洋調査技術の研究開発の目標とその方策というようなことを審議会で審議していただこうということに考えているわけでございます。
○久保等君 なお、海洋開発の行政組織といいますか、機構、そういったものについても、これを強化しようというようなことで具体的な構想も何かお持ちのようですが、そのことについては、どんなふうにお考えになっていますか。
○政府委員(見坊力男君) 行政機構の問題につきましては、まだ私どもとして、省として意見をまとめてはおりません。この運輸技術審議会でいろいろ検討されたその結果、あるいは御意見がそこから答申として出てくるかもしれませんが、現在の段階で運輸省自体が一つの案としてこれを推進しようというようなところまで具体的に案を持っているわけではございません。
○久保等君 運輸技術審議会に諮問をせられて、大体いつごろまでに答申を求められようとしておるのか。それから、出てきますその答申に基づいて、いまお話がありましたことを、今後実施、実行に移していくということになりますると、何カ年ぐらいの計画でおやりになるような構想でおられるのか、そこらあたりのことをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(見坊力男君) 運輸技術審議会に諮問いたしまして、われわれとしましては、最終的には一年ぐらいかかって最終的答申をいただきたい。ただ、まあ、その中間段階で中間的にまとめられるものがあれば、随時中間報告もいただくというふうに考えております。そこで議論され答申されたことにつきまして、どういう結論が出てまいりますのか、いまのところ、まだもちろん、はっきりしないわけでございますが、その答申につきましては、われわれとしては十分尊重いたしまして、その実施につきましては関係省庁とも十分御相談して早急に実施に移していきたいというふうに考えます。
○久保等君 なお、新聞の伝えるところによりますと、いま私がお尋ねした海洋開発の行政の強化の面で、従来運輸省に、船舶、港湾、気象、海上保安、こういったようなそれぞれの部局があるわけなんですが、そういったようなものを、気象海洋庁だとか、あるいは海洋調査院だとかいうようなものに統合して行政組織の強化をはかろう、統合強化をはかろうというようなことがあるやに伝えられておるのですが、こういった具体的なことについては、何ですか、目下のところは、これから答申をされようというのですか。何か、一つの考え方がおありなんですか。どうなんですか。
○政府委員(見坊力男君) いまお話しの新聞は、五月三日の新聞であろうと思いますが、この記事は、われわれとして発表したものではございません。記者の方が取材をされたものであろうと思いますが、この記事の、運輸技術審議会に対する諮問のところにつきましては事実をおおむね正確に伝えておるというふうに考えますが、後半の、組織の点につきましては、これは、どういうことで取材をされたのかわからないわけでありますが、海洋開発という問題に関しましていろいろな意見を持っている人もおります。そこで取材をされたのではないかと思いますが、いまのところ、こういう、気象海洋庁であるとか、海洋調査院でありますか、こういうような構想が、わがほうに、いま、そこまで具体的に進められているというようなことはございません。
○久保等君 各関係省でお考えになっておる海洋開発の問題についてのきわめて概略的な点でお尋ねをして、御説明を伺ったんですが、ところで、本論の、このセンターの問題に入っていきたいと思うのですが、その前に、当委員会に付託せられた案件ではございませんでしたが、例の、従来ある海洋科学技術審議会というようなものを、総理府設置法の一部を改正することによって、海洋開発審議会というものに今度は改組せられたというか、新しく海洋開発審議会というものに衣がえをされたわけです。このことは、従来から議論せられておった問題でして、一歩前進というか、単に海洋技術という面に限らず、海洋開発全般について基本的な方針を決定する、あるいはまた、総合的な方針を決定するといったような、幅広い審議会の性格に変わったと思うのですが、したがって、その中にあった部会も、もちろん変わってまいったようですが、この海洋開発審議会のことについて、今回改正せられた要点をひとつ簡単に御説明願いたいと思うのです。
○政府委員(石川晃夫君) 今般、従来からございました海洋科学技術審議会を海洋開発審議会というふうに改組したわけでございますが、この両者につきまして、特に違っている点について御説明申し上げたいと思います。 審議会の任務といたしましては、すなわち所掌事務でございますが、これは、従来の海洋科学技術審議会の所掌事務といたしましては、海洋科学技術に関する重要事項、これを調査審議するということになっていたわけでございますが、今般改組された開発審議会におきましては、科学技術だけではなく、広く「海洋の開発に関する基本的かつ総合的な事項を調査審議する」というふうに内容が拡大されたわけでございます。次に、組織でございますが、組織につきましては、審議会に会長、それから委員、これは会長を含めまして二十名以内でございますが、そのほか、専門委員、幹事、これを置きまして、必要に応じ部会を置くことができる、これは従来どおりでございますが、従来の部会とはおのずから性格の変わった部会ができるというふうに考えております。従来は、科学技術を中心といたしまして、いろいろ、工学問題あるいは資源問題ということで部会をつくっていたわけでございますが、今度の開発審議会におきましては、計画あるいは国際協力問題あるいは法律関係、それから科学技術、こういうような部会ができるものというふうに考えております。 それから、次に、審議会の権限でございますが、これは、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議を行ない、また、諮問に関連する事項について内閣総理大臣に意見を述べることができるという点においては従来どおりでございます。したがいまして、その審議会の所掌事務が拡大されたわけでございますので、したがって、この権限を行使し得る範囲が広くなったということで、今後、拡大されます海洋開発に対処し得るには最も適当であろうというふうに存ずる次第でございます。
○久保等君 従来の海洋科学技術審議会というものが、いま御説明があったように、さらに幅広い海洋開発に取り組めるという審議会になったと思うのですが、したがって、従来の海洋科学技術面は、科学技術部会というようなところで主としておやりになるようなことになったようですが、この科学技術部会というのは、中身はどういうことになりますか。たとえば、分科会みたいなものが設けられることになるのかどうか。この科学技術部会の中身、内容等について御説明を願いたいと思うのですが。
○政府委員(石川晃夫君) 海洋開発審議会の中に部会を設置するわけでございますが、その中に、科学技術に関する部会を設けたいというふうに考えております。この科学技術部会をどのように持つかということでございますが、これは、七月一日に発足する予定でございますこの審議会の委員の選考が終わりまして、この委員の方々でいろいろまた御相談をお願いしないといけないわけでございますが、その中身につきましては、やはり、従来、海洋開発に必要な科学技術につきまして海洋科学技術審議会で行なっておりました五つのプロジェクトでございますが、これを中心にした分科会と申しますか、小委員会と申しますか、そういうようなかっこうで、それぞれのテーマを分担するようになるのではないかというように考えております。
○久保等君 やはり科学技術の面が、名前は海洋開発審議会になったにしても、非常に重視せられると思うのですが、そういう点から申しますると、何か、科学技術部会というところで一括してやられる、そのために、いまお話があったように、小委員会というか、分科会みたいなものが設けられることになろうかと思うのですが、科学技術の面で、何か、従来よりは少し弱くなるといったような可能性が、あるいはあるのではないかというようなふうにも考えられるのですが、そういったことは、従来よりも軽くなる、あるいは弱くなるといったようなことはないというように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(石川晃夫君) 私どもといたしましては、このように改組されましても、別に弱くなるというふうに考えられないわけでございまして、やはり海洋開発というものは科学技術が中心になって動くであろうというふうに考えております。 なお、専門部会をつくって審議するわけでございますが、専門部会でございますので、部会内部におきましては専門的な内容が検討されるわけでございますが、そのほかの部会、国際部会あるいは計画部会というものとの関連性におきまして、かえって従来よりも充実した審議ができるのではないかというふうに期待しているわけでございます。
○久保等君 海洋開発の問題がますます重要性を帯びてまいっておりますし、また同時に、非常に喫緊の問題をたくさんかかえておると思うのです。各省で、先ほどお尋ねいたしましたように、いろいろ構想を持っておられるようですが、 〔委員長退席、理事矢追秀彦君着席〕 問題は、各省で考えて、また現に実行しておられる面、こういったことを、いかに総力を結集して、効率的に、国家的な立場から見た場合に、それが能力を発揮することができるかどうか、これが非常に私は大きな問題だと思うんです。何か、運輸省自体でお考えになっておることも、運輸省内部における各部局間における連絡なり、あるいはまた調整なり、それから総合的な組織力を発揮する面から言って、必ずしも十全でなかったというところに、今回、先ほどお話があったような構想が出てまいった一つの原因があるように私は承ったんですが、そういうことになれば、なおさら、国全体の立場から見た場合に、各省間における問題、これも、どうしても従来の経緯からだけ見ますると、ばらばらと言っては少し極端かもしれませんが、いろいろ重複して調査が行なわれてみたり、あるいはまた、きわめて足らざる点があってみたりという、非常に総合性というものに欠けておると思うんです。したがって、海洋開発審議会に衣がえをしたことも、従来の海洋科学技術審議会という構想から見れば、私は一歩前進だと思うんですが、しかし、それとても、やはり先ほど来伺った各省で考えておられまする問題を、もう少し、何か、今後総合的な立場から一挙に統合とかなんとかいうことは、これは不可能なことであるし、また必ずしもそのことが従来の経過から見て一〇〇%妥当だとは言い切れないと思うんです。したがって、そこらのところがむずかしいんですが、海洋開発審議会という、いま御説明があった程度では、こういった現状に対して、いい意味での、何と言いますか、指導性と言いますか、統合性と言いますか、そういったことにどうも力が発揮できない、性格が非常に弱いというふうに考えられるんですが、できれば、こういったことについて、何とかもう少し、一歩、二歩進めた形で、海洋開発委員会というか、例の宇宙開発委員会のような性格を持たせるようなことを将来の問題として私は考える必要があるんじゃないかと思うんですが、その点について、長官のほうで、どんなふうに考えておられるのか。この海洋開発審議会という形に衣がえをしたことによって、当面はまずまずこれでいいんだというふうに考えておられるのか。一つのステップとして、一つの段階としてこういうことをやられたが、さらに将来、もう少し総力を結集できるように、いい意味で協力関係がさらに強化せられるというような方向に持っていかれることをお考えになっておるのかどうか、お尋ねしたいと思うんです。
○国務大臣(西田信一君) 海洋開発審議会が発足をいたしまして、われわれがその審議会に期待をいたしておりますることは、先ほど局長が申しましたように、基本的に、かつ総合的に海洋開発をいかに進めるべきかという課題に取り組んでいただこうと、こう考えておるわけでございます。いわゆる秩序ある総合的な組織的な開発をやっていくということが必要である、かように思うわけでございます。そういう点から考えますと、基本的に、あるいは総合的に基本計画を樹立するということになりますと、いろいろ各般のことにわたるであろうと存じます。 〔理事矢追秀彦君退席、委員長着席〕 いろいろ考えられますけれども、私ども、ちょっと頭に浮かびます点は、まず、組織的に総合的に、いかにして海洋開発を推進すべきかという基本的な計画の策定ということが第一に取り上げられるであろうと思うのであります。 その内容といたしましては、いろいろ考えられますが、まず、いま先生がお述べになりました、政府におきますところの体制の問題も検討さるべき問題の一つであろうと存じます。あるいはまた、情報体制、あるいは開発技術の問題、あるいは法律上の問題、あるいはまた、民間の開発体制に対する助成協力、そういったような問題もございましょう。あるいはまた、領海の問題、あるいは大陸だなの問題、いろいろあると思います。まず、私は、そういうような大きな立場から、この審議会が長期的な基本計画を立てるということが当面の仕事であると思うわけでありまして、そのいろいろ立てられました計画の中に、どういうふうに将来の——一例として委員会制度のことをお述べになったわけでありますが、委員会という形がよろしいのかどうかという問題、あるいはまた別の行政組織のことが考えられるのかどうか、そういうこともございましょう。まず、日本の現在の現況からかんがみまして、私どもは、ただいま申し述べましたような立場に立って、総合的な基本的な開発長期計画を立てるということが急務であるというふうに考えております。そうして、これらの検討の結果によりまして、さらにまた将来の前進のために必要な組織の問題もございましょうし、いろいろの法的整備の問題もございましょうが、そういう問題と順次取り組んでいくということになるであろうと存じます。 決して審議会をもって事足れりという考えはございませんが、まず、そういう問題と審議会が国全体の立場から総合的な計画を樹立するということに取り組むということが今日の最も重要な必要な事柄であるというふうに考えておりまして、委員会その他の問題につきましては、さらにその基本計画の樹立と並行いたしまして、あるいはまた、その後にその必要があるということでございますれば、そういうことも考えなければならぬかと考えますが、当面は、ただいま、くどく申しますが、そういう立場でひとつ基本計画を樹立したいと、こう考えている次第であります。
○久保等君 たまたま、何か、財界の調査機関であります日本経済調査協議会、ここでも、この海洋開発の問題について、これからの新しい分野として積極的に取り組んでまいらなければならぬということで、たいへんな、広大というか、大きな、三十八兆円ビジョンといったようなものを発表しているようですが、これは当然科学技術庁長官のところに、何らかの形で、強い要請なり、あるいは要望なりがなされるものであろうと思うのです。これも、新聞で拝見する限り、われわれとしても、その方向というのは非常に好ましい方向じゃないかと考えているのですが、要するに、いま申し上げましたように、日本の国内における海洋開発の問題に対して、各国との関係を見ても、先進諸国と比べると、相当のおくれを見せており、しかも、海底その他の日本の海の構造なり、あるいは資源の分布状態なり、そういったようなこと自体についてもあまりつまびらかにしない。それから、海の深度の問題についても、いろいろとまちまちの報告がなされて、疑わしい海の深度といったようなことで、運輸省でちょっと調べられたデータ等を拝見すると、まことにどうも、一日も早くそういう海の深さの問題等は何とかもう少し科学的に調査をして、すっきりしたものをつくり上げなければならぬのじゃないか。私も実はそのデータを見て驚いたのですが、非常にまちまちの報告が出ているといったようなことを考えると、調査の今日までの非常な不行き届きであった点をいまさらのように反省をさせられるのですが、そういった点を考えると、よほど能率的に統合せられた一つの計画、統合的な計画の上にのっとって、むだなく強力に海洋開発に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。 そういう点で、日本経済調査協議会で発表している意見によっても、組織の面から言っても、何だったら、この際、海洋開発庁といったようなものをつくったらどうかと、また、これにタイアップして、民間側のほうでは、やはり開発産業会議といったようなものをつくって協力体制をしくというふうにしていったらどうかというようなことも具体的な提案がなされておるようですが、こまかいことは別として、基本的な考え方としては、私、首肯できるのじゃないかと思うのです。幸い、そういう民間での強い最近の要望なり、あるいは動き等を背景に、十分にひとつ連絡会議等で各省の間における計画なり、あるいはまた構想なり、そういったようなものも持ち合ったものを、いまの段階で一挙に行政機構の一元化をするとか、あるいはまた計画を一ヵ所でもって統合するといっても不可能なことだと思うのです。さればといって、現状、ただ科学技術庁でもって調整をするという従来のまま、あるいは現状のままでいいとは、これは言えないと思いますが、ぜひ総合的な計画等を、従来と少し違った角度から積極的にひとつお互いに協力をして推進をしていくということに持っていくべきだと思うのです。 ところで、いまお話を申し上げた日本経済調査協議会の意見、長官としてお聞きになっておりますか。あるいは、まだお聞きになっておらないとすれば、私のいま申し上げたようなことに対して長官としてはどんなふうにお考えになりますか。
○国務大臣(西田信一君) 新聞で私も拝見をいたしまして、たいへん濶達な御意見だと、実は新聞を読んで感じておるわけであります。まだ私のところに正式に、と申しますか、具体的に御意見としてはまだ拝聴いたしておりません。しかしながら、新聞を拝見いたしますと、たいへんに積極的な姿勢のように感じまして、しかも、言っておられる内容も、かなり具体的な考え方が盛られ、しかもまた金額までも具体的に示されておりまして、積極的な姿勢でございます。たいへん私は、感じといたしましては共感するところが多いわけでございます。私どもがこれから審議会を活用し、かつまた、今度御審議をいただいておりまするセンター等もつくっていただきまして、積極的な海洋開発に取り組んでいこうというやさきでございますので、十分こういう意見も具体的に拝聴いたしたい。 実は、横道にそれますけれども、原子力産業等におきましても、原子力産業会議というものがございまして、その産業会議なんかにおきましても真剣に検討をされて、いろいろな貴重な意見を出していただいております。それにちょうど似通ったような、産業界におきましても、海洋開発についても同様な考え方であるように思うわけでありまして、私どもとしては歓迎すべきことと考えております。確かに、原子力なんかと違います点は、海洋開発は、各省庁におきましてそれぞれ分担をして、その立場においてやっております。各省庁と産業界との関係も、それぞれまたあるわけでございまするけれども、私ども科学技術庁といたしまして、また、新しくできますところの審議会におきましては、考え方といたしましては、そういう各省庁の、そのもう一段高い立場から総合性を発揮し、そしてまた、十分計画的な基本的な方針をつくりまして、政府全体が一体となって取り組んでいくような体制にも前進させていくべきものだ、こういうふうに考えておるわけでございまして、いずれ、近い機会に財界からもお話を伺う機会があると思いますが、十分御意見を伺って私ども取り組んでまいりたいと考えております。
○久保等君 そのことは、まあ私が先ほど各省の構想なりお考え方をいろいろお聞きしたわけでございます。具体的な例で、たとえば測量船なり調査船一つをとってみても、各省で考えておられる考え方の中には重複する面もあると思うのです。また、事実重複したような調査をやらなければ、各省の立場から言えば、十分な任務が遂行できないという面があると思うのですが、それが一元的に運用せられるならば、そういったようなことがなくて、むだなく調査船そのものも有効に使えるという面もあろうかと思います。こういったようなことは、ぜひひとつ、当面の問題としても、海洋科学技術開発推進連絡会議ですか、こういったようなことで、ざっくばらんな報告なり意見の交換もしながら運用していく必要があろうと思うのですね。そうしませんと、旧来の役所における分課分掌規程に基づいてやっていくということになるので、いわゆる役人のなわ張り争いといったようなことになっていく可能性が多分にあると思うのですが、ぜひひとつ、海洋開発という大目的に向かって、お互いにいかにそれぞれの持っておる技術なり能力なりというものを発揮していくかというようなことに総力をあげて協力し合うというようなことが、当面の運用としても絶対必要だと思います。もちろん、さらに行政組織の面では、いま提案があったような形の方向に、お互いに努力をし、研究をしていくというようなことをぜひやってもらいたいと思うのです。 ところで、開発審議会なんですが、審議会に対して、当面、科学技術庁として、何か答申を求める、諮問をするというような案件をお考えになっておりますか、どうでしょう。
○国務大臣(西田信一君) 審議会が発足をいたしましたならば、まず、われわれといたしまして諮問をいたしたいと考えておりますることは、基本的な長期計画の御検討を願いたい、こう思うわけであります。御承知のように、海洋開発は、鉱物資源の開発でありますとか、水産資源の開発でありますとか、その他非常に多数の分野にわたっておるわけでございまするけれども、これらの分野から生じますところの競合の問題もございます。あるいはまた開発が停滞をしておる、あるいはまた開発に伴うところの海洋環境の汚染防止の問題等もございまするが、これらを総合的に進める必要がございまするので、その指針となるべき基本的な長期計画の策定、これがまず先決であると考えますので、そういうことをまず諮問をいたしたいと考えておるわけでございます。したがいまして、今回、発展的に、海洋科学技術審議会が海洋開発審議会に改組されることになりました機会に、長期的な基本計画の策定ということを、われわれといたしましては、なるべく早くひとつ答申を得るようにいたしたい、かように考えております。
○久保等君 それでは、次に、海洋科学技術センターについて若干お尋ねをしたいと思うのですが、この海洋科学技術センターは、いわゆる認可法人というようなことにされる予定のようですが、この認可法人と、それから特殊法人といわれます、たとえば宇宙開発事業団、こういったようなものとは、これは性格的にはどういったところに違いがありますか、簡単にひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 今般御審議をお願いしております海洋科学技術センターは、認可法人というかっこうでお願いしておるわけでございます。なお、宇宙開発事業団等が特殊法人というかっこうでございますが、その差異を申しますと、 まず、設立の問題でございますが、海洋科学技術センターの設立は、民間人を主体といたしまして、そして海洋開発に関して専門的な知識を持っておる人が発起する、そうしてその設立の認可申請を行ないまして、その申請を政府が審査して認可するということになるわけでございまして、特殊法人の場合は、国の行政目的遂行の必要性に基づいて法律をつくりまして、そして直接設立されるものでございますので、この法人の設立は、民間がイニシアチブをとるか、国がイニシアチブをとるかというところに、この両者の差異があるわけでございます。 次に、役員につきましては、海洋科学技術センターの場合は、定款の規定によって選任された方を役員とするわけでございますが、それを政府が認可するというかっこうをとるわけでございます。特殊法人の場合は、政府が直接これを任命するという形をとるわけでございます。したがいまして、役員につきましては、選任認可制であるというのと、任命制であるというのとの差異があるわけでございます。 それから資本金でございますが、資本金につきましては法律上差異はないわけでございますが、通例といたしまして、特殊法人の場合は国の出資が資本金の大部分であるというのが通例でございます。ただ、認可法人は、これに比べまして民間の出資率が高くなっております。その点の違いがございます。 そのほか、海洋科学技術センターにおきましては、運営上の重要事項を審議する機関としましては、民間人が中心になった、民間人の有識者の方で組織されました評議員会というものがセンターに設けられます。ここで民間の意向をセンターの運営に強く反映するというかっこうをとらしております。 なお、海洋科学技術センターは政府の監督を受けるということになっておりますが、これは、センターの業務というものが公共的な性格が非常に強いということと、また、国から財政的な支出を行なうという意味で、最小限度の監督はやむを得ないのではないかということで、監督は最小限度にとどめているわけでございます。 そのような点が、特殊法人と認可法人の違いでございまして、一言にして申しますと、認可法人の場合は、特殊法人に比べて非常に運営につきましても自由度が高いと申しますか、民間の意思が入った運営がしやすいようなかっこうに持っていったということでございます。
○久保等君 この科学技術センターをおつくりになるということで法律案をお出しになったのですが、この構想を固められるまでの経過の中で、こういったことで十分に目的を達し得る、すなわち、認可法人にして民間主導型でやってまいることが適当だというふうに判断せられた、その考え方というものは、この案が作成せられるまでに、民間その他の空気というか、意向というか、そういうようなものを十分に掌握をせられながらこういう案をおつくりになったのかどうなのか、その間の経緯をお尋ねしたいと思います。ということは、こういう業務内容を見てみましても、はたしてこういう業務内容で民間の協力が十分に今後得られるのかどうか、私自身は多少不安なような気持ちもないわけではないのですが、先ほど、農林省のほうで考えておられる資源開発センター、あの場合には、企業化ということが何か一つの目的だと言っておりましたが、そういう点がありますと、これは、民間の協力というものも非常に私はあり得ると思うのですが、科学技術庁の非常に高邁な、技術の開発というものを中心にしたようなセンターというものは、運営が非常にむずかしい面があるんじゃないかという感じがするのですが、この案をおつくりになるまでに科学技術庁としてどういう検討の経過を経られたのか、御説明を願いたいと思うのです。
○政府委員(石川晃夫君) この海洋科学技術センターの構想は、三年ほど前からあったわけでございます。その基本的な考え方といたしましては、海洋開発を進めるにあたりまして、わが国の海洋開発の動向を見てみますと、やはり基礎的な研究、あるいは基礎的な開発というようなものが非常にウイークであるということを、われわれ担当者は感じたわけであります。このような基本的なものをどのようなかっこうで育てていくかということにつきましては、科学技術庁は、総合調整官庁といたしましてその検討を進めていたわけでございますが、その最初の計画といたしまして、潜水調査船等をつくって、これを共用的に使いたいということで計画を進めてきたわけでありますが、各省庁の海洋開発の状況を見ますと、やはり、どちらかと言えば、その所掌業務に従った事業的な内容のものを含んでの研究が多かったわけでございます。したがいまして、科学技術庁といたしまして、このような基礎的な研究開発を育てるための一つのセンターが必要であるということで、その中では、やはり各省庁ではなかなか持てないような大型共用施設を持って、それを研究の用に供するとか、あるいは多数部門にわたります、いわゆる工学、医学、理学、その他多数部門にわたります総合的な研究開発というようなものをセンターで行なう、さらに、今後海洋開発にどうしても必要であります人材の養成、これは技術者、研究者並びに潜水技術者、こういうものを含めました人材の養成というものも行なうべきであるということで、センター構想が出てまいりました。たまたま、民間側におきましても同じような感触を持ちまして、このような基礎的な開発というものを、どこか政府でやるところはないだろうかというような声も出てまいりましたし、また、民間側においても、どうしても特に人材の問題、あるいは大型共用施設の問題、こういうような問題は政府で解決してもらうほうがいいのではないかという意向も出てまいりました。そのような意見と両方合わせまして、政府と民間と両方でこのようなセンターを設置しようではないかという計画が、その後一年ほどでございますので、一昨年ぐらいからいろいろ意見の交換がなされまして、その結果、先般来この海洋科学技術センターの構想が出てまいりまして、民間、それから政府と両方の協力の形で、いわゆるセンターの設置という方向で促進をはかってきたわけでございます。したがいまして、このセンターができますと、これは民間としても十分利用できるわけでございますし、また、政府側といたしましても、この機関を十分利用して、海洋開発の基礎的な研究開発というものも進めることができますが、民間側におきましては、運営の困難性——確かに困難性につきましては、基本的な研究開発でございますので、従来わが国ではなかなか育ちにくいかっこうのものでございます。しかし、その点につきましても民間側もよく了解していただいておりますので、運営については民間側としても十分バックアップし、政府側もバックアップして、このむずかしさを切り抜けようということでいろいろ相談いたしました結果、そのような点につきましては今後お互いの努力で解決するということで進んでおります。 以上でございます。
○久保等君 資金計画のところで、青い表紙の「海洋科学技術センターの設置について」というパンフレットですが、その中にある資金計画、政府の負担分あるいは民間の負担分とあるのですが、その民間の負担分はどういったところに——具体的には、将来のことは別として、四十六年度の場合にはどういったところから協力を仰ぐ予定ですか。具体的な会社なり団体なりの名前がわかっておればお尋ねしたいと思う。
○政府委員(石川晃夫君) とりあえず、四十六年度の民間負担分といたしましては、一億九千万円というような計画が一応出されておるわけであります。具体的にどのような会社が負担するかということにつきましては、この法案が成立いたしましたあとで具体的に考えたいと思っておりますので、その具体的な企業の名前はまだ決定していないわけでございますが、ただ、民間の海洋開発に関連する企業が約百社ほどが集まりまして、海洋開発の懇談会をつくっております。これは経団連の中につくっておるわけでございますが、民間の海洋開発関係の会社が百社ほど集まっております。この開発懇談会が、今度の海洋科学技術センターの設立につきましては非常に強力に推進もしておりますし、また、期待しておるわけでございますので、民間負担分につきましてはそこにおきまして負担するという形になると思います。したがいまして、具体的にどの会社がどのくらいという点につきましては、まだ決定していないわけでございます。
○久保等君 わかりました。 ところで、このセンターの業務内容なんですが、業務内容の中には、ここに書いてありますように、総合的な試験研究、あるいは大型共用試験研究施設をつくるとか、あるいは研修その他資料の収集、こういったようなことがうたわれておるんですが、私は、このセンターそのものがいろいろと調査等を行なう、本格的に、先ほど来各省でやっておるような問題の各般にわたって調査するというようなことは、これはできもしないし、また、現在の情勢の中でやるということは、いろいろ問題を起こすと思うんです。少なくとも、科学技術庁の所管であります科学技術センターは、やはり具体的な調査等もやる中で技術開発も行なわれていくというようなことでなければ、何か、この試験研究だとか、大型共用試験研究施設をつくるとか言っても、実際の現場といいますか、海洋の中に設けられて、これがいろいろと具体的な仕事もやりながら研究もしていくというようなことが、やはり必要なんじゃないかと思うんです。このプリントを拝見して、初めのほうに、「海洋科学技術センター設置の必要性」というところには、「海洋の調査研究と科学技術の研究開発を進めなければならない」というようなことで、海洋の調査研究というものが海洋開発の前提になるんだというようなことで、非常に強く説明は力説をしておられるのですが、いよいよ業務内容になってまいると、この調査研究という面が表面からは消えておるのですが、私は、やはり、最初に書かれております、センター設置の必要性の中で力説せられております海洋の調査研究というものは非常に重要な問題だと思うんです。したがって、このセンターでも積極的に調査研究という問題に取り組まれる必要があるんじゃないかと思うんですね。ところが、正式といいますか、表面的には、業務内容の中にはそういったことが表示せられておらないのですが、これはどういうことでしょうか。(5)のところに「その他」となっておりますから、「その他」の中に入っておるのかもわかりませんが、しかし、もう少し堂々と調査研究というものを業務内容の中に明記してやっていかなければならないというふうに思うんですが、そのいきさつは、どういうことなんでしょうか。
○政府委員(石川晃夫君) 確かに、先生御指摘のように、調査研究という問題がこのセンターの業務でどうなっているかという点で、この法律では問題になると思いますが、われわれの解釈といたしまして、このセンターの業務の中に、まず、総合的な試験研究ということがございます。もちろん、その試験研究を行なうためには、その試験研究のための調査ということは必要でございますし、また、各省で申しております調査というのは、たとえば、漁業のための、いわゆる業務を遂行するための一つの調査的なものを調査というふうに従来称しておるわけでございます。われわれが調査と言うことばにつきましては、「総合的試験研究」ということで、これを行なうためにも調査は必要であるということでございましたので、特に調査という字は入れてないわけでございますが、しかしながら、内容的には、当然、調査を行なわなければ試験研究はできないのでございまして、その点は、法制局等の見解を聞いてみましても、同様な意見でございます。したがいまして、われわれといたしましては、調査というものも当然「試験研究」の中に含んで実施したいというふうに考えております。
○久保等君 私も実はそう思ったんですが、ここの(1)のところに、「海洋科学技術に関する総合的試験研究」というか、「総合的調査試験研究」というふうに、「調査」という字を入れればいいなと思って、実はちょっとここへ書いてあるんですけれども、まあ、いまの局長の御説明でわかりましたけれども、わかっておるといえばわかっておるのだけれども、やはり、海洋調査は海洋開発の大前提だと言っておられるとおり、これは非常に重要な事項だと思うのです。したがって、ここには表面的にそういう字句、表現はしてないけれども、当然含むんだという御説明ですから了解したいと思うのですが、特に「調査研究」、ここに重点を置いてやってもらいたいと思います。 それから、午前に鍋島委員のほうからも御質問がありましたが、海洋汚染の問題、これは、海洋開発に伴って海洋汚染という事態が出てまいる場合もあるでありましょうし、それから海洋開発がなくても、現にたいへんな海洋汚染の問題が公害問題として騒がれておるわけですから、当然、この海洋科学技術センターでは、今後、海洋開発に伴う公害、それからそうではない公害、そういう二種類あるかと思うのですが、いずれの場合につきましても公害問題についてはこれを防止する、あるいはまた、そういったことが出た場合における公害除去の技術的な開発、こういう命題が非常に重要な私は課題としてあると思うのです。したがって、そのことについては、これまた(5)の「その他」の中に入るのかもしれませんけれども、ぜひひとつ、重要な問題としてお考えを願いたいと思います。 これは、衆議院のほうで、法文の第一条を修正せられておりますが、「平和と福祉」という「福祉」の中に実はそういったことが当然含まれるのだろうと思いますけれども、そのことを特に長官のほうから御説明を願っておきたいと思いますが、公害問題に対して、このセンターとして非常に主要な目的として、これに関する研究ということもやられるんだというのかどうか、ひとつお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) 海洋汚染防止、これは確かに、開発に伴うもの、あるいはまた、開発と直接関係はなくとも、現在起きておるところのいろんな海洋汚染の問題がございます。で、このセンターの任務といたしましては、新しい開発に向かって強く前進するということは当然のことでございまするけれども、全く、先ほど午前中もお答え申し上げましたように、それと同等の重みを持って、海洋の開発に伴う汚染の未然防止、あるいはまた、現在起きつつあるところの海洋汚染の解消の問題等には積極的に取り組んでまいりたい、こういう考え方でおります。ここのところは、どうぞ御了承願いたいと思います。
○久保等君 時間が来たようですから、終わります。
○委員長(鈴木一弘君) 午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十八分休憩 —————・————— 午後二時十一分開会
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として初村瀧一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 休憩前に引き続き質疑を行ないます。 質疑のおありの方は順次発言をお願いいたします。
○矢追秀彦君 午前中にもだいぶ質問が出ておりましたけれども、今回の海洋科学技術センター、これをつくるようになった事情です。もう一度、説明していただきたい。特に、財界からの要望が直接の動機になったのかどうか、その点について詳しくお願いしたい。
○政府委員(石川晃夫君) 海洋科学技術センターの設立につきましては、このような基礎的な、あるいは総合的な研究を行なう機関を、わが国の海洋開発を進める上においてはぜひ必要であるという考え方から、科学技術庁といたしましても三年ほど前からこの構想に取り組んだわけでございます。これは、各省庁で行なわれております研究の状態を見ますと、やはり各省庁の所管に属する研究開発というものには非常に熱心でございますが、それを総合的にやるということについては、やはり欠ける面があるというふうに感じたわけでございます。今後の近代的な海洋開発というものを進めるにあたりましては、やはり、あらゆる技術を総合的に駆使しながら海洋開発を進めていくということが今後のわが国の海洋開発にとっても非常に欠くべからざるものであるということは言を待たないところでございますが、そのような考え方で、この海洋科学技術センターのような性格を持った中核的な機関をつくりたいということで、かねがね科学技術庁といたしましても準備を進めてきたところでございます。ただ、構想を進めていく上におきまして、やはり、いろいろこまかい点で問題が出ておりましたが、それと同様なことが、民間関係においても、この海洋開発を進める上において問題点として出てきたわけでございます。民間側におきましても、まあ、石油開発のような、きわめて身近な海洋開発から取りかかっているのが現状であったわけでございますが、しかし、それにかかるにいたしましても、従来の技術をただ延長するというだけでは近代的な海洋開発は非常にむずかしいということがわかりまして、やはり、新しい近代的な手法を入れた海洋開発を行なうべきである、そのためには、人材、あるいは資金、機構、このようなものをさらにしっかりしたものをつくらなければ、外国に匹敵するような海洋開発は困難であるということで、民間側におきましてもこのような構想が進められてきたわけでございます。たまたま、そういうふうに、時期を同じゅういたしまして、わが国の海洋開発というものに対する態度というものが政府・民間一致したわけでございます。 そこで、政府側におきましても、民間側のそのような要望、あるいは期待、こういうようなものを十分くみ入れまして、また、民間側におきましても、政府にどの程度この海洋開発を依存したらいいかというような問題の検討も進められておりまして、そのような意見の一致から、二年ほど前でございますが、海洋科学技術センター法案というもので民間主導型の海洋科学技術センターをつくるべきではないかというような意見にまとまりました。それを私どものほうでまとめてみましたところ、今回法案として御審議を願いますような形の海洋科学技術センターが、わが国の海洋開発にとってはきわめて適切であろうという判断になりまして、今回この法案を国会で御審議を願うことになったわけでございます。したがいまして、この海洋科学技術センターができました暁には、海洋開発に関する科学技術を、ここを中心にして、わが国の海洋開発を発展させていきたいというふうにも考えられておりますし、これには政府も財界も協力体制をとりまして十分支援し得るという体制に現在なっているわけでございます。 以上でございます。
○矢追秀彦君 午前中も、特殊法人か民間法人かということでの質疑があった中で、民間法人にしたほうが運営については自由度が高い、そういった点があげられておりましたが、結局、政府としてはこの海洋開発については民間主導型でこれからも進める、そういう基本方針だという考えでいいわけですか。
○政府委員(石川晃夫君) わが国におきまする海洋開発の進め方というものから考えますと、将来の海洋開発というものは、この海洋の利用という面は、いずれにいたしましても民間が相当主導的立場をとって進めなければならないというふうに考えられるわけであります。しかし、そこに育つまでの間は政府がいろいろめんどう見なければ、なかなか現在のレベルを上げるということは困難でございますので、当面はやはり政府がある程度指導していかないといけないと思いますが、しかし、最終的なかっこうとしては、民間主導というかっこうになるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、この海洋科学技術センターにおきましても、やはり民間主導という、根本的基本的な考え方は、そういう考え方でございます。したがって、この法案の内容も、やはり民間主導ができるようなかっこうにつくっているわけでございます。
○矢追秀彦君 民間でいずれやるという点について私はそんなに異論はないのですが、ただ、今後の海洋開発の進め方について、はたしてすべてを自由にさしていくことがどうか。というのは、特に資源の問題、あるいは日本を取り巻く海をどう利用していくかという、そういう点については、どんどんかってに開発が進められた場合に、やはりいろいろ問題が出てくると思うのですが、その点とのかね合いはどうなるのですか。
○政府委員(石川晃夫君) わが国の海洋開発につきましては、諸外国の例に見ますと、大きな一つのプロジェクトをつくりまして、ナショナルプロジェクトとして進めていくということが、やはり海洋開発には最も適切ではなかろうかというふうに存じております。したがいまして、このようなプロジェクトをつくるというような機関といたしまして、従来、海洋科学技術審議会というものがあったわけでございますが、これは、海洋開発に必要な科学技術について主として検討を進めてきたわけでございます。しかし、最近の海洋開発の現状から見ますと、単なる科学技術のみではなく、さらに広い意味での海洋開発、広範な海洋開発というものが必要になってくると存じまして、先般、海洋科学技術審議会を改組いたしまして、海洋開発審議会としたわけでございます。ここにおきましては、ただいま先生から御指摘になりました、民間が各個ばらばらに進むということは、海洋開発を進めるためには、かえって障害になるというふうに感じますので、この審議会を利用いたしまして、わが国としての海洋開発の長期計画あるいは基本的な計画というものをこの審議会においてまとめていただきまして、さらに、そのプロジェクトを、政府機関でつくっております連絡会議、こういうものを通じまして実行に移し、さらにそれを、民間側において、そのプロジェクトを踏まえて、わが国の海洋開発を進めていく、それぞれの持ち分、さらにそれぞれの特徴に応じて民間で進めていく、というのが一番適切な方法だと存じております。
○矢追秀彦君 いま言われた海洋開発審議会が基本計画を策定していくわけですが、それは、いままでも科学技術庁としてはいろいろ海洋開発については計画等は出されておりますけれども、もっと基本的な計画というものをやはりつくっていく必要があるんじゃないか、そういった点で、いま一応海洋開発審議会になっておりますが、これをさらに、もっと強力な委員会にして、その基本計画についても、もっと具体的に、はっきりとした、ある程度の立法化まで持っていってやる必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) わが国の海洋開発の進め方につきまして、現在は、先ほど申し上げましたように、海洋開発審議会において計画なり、それからその構想というものを打ち出して進めていこうということで、まあ政府としてはそのような方法で進めていこうと考えているわけでございますが、わが国の海洋開発は、まだその段階におきましてはほんとうに初歩の段階でございまして、したがいまして、わが国の海洋開発の基礎をつくるには、この審議会で十分計画をつくり、それを実行に移し、ある程度海洋開発に対する基礎ができた段階において進めなければ、審議会段階で将来のそのビジョンがまだできないうちに委員会で強力に海洋開発を進めていくということは、かえってむずかしい面も出てくるんではないかということで、今回は海洋開発審議会ということにとどめたわけでございます。したがいまして、今後の海洋開発の進展の度合いによりまして、必要ならば委員会という制度も考えねばならぬというふうに考えております。
○矢追秀彦君 まあ、いまの御意見はよくわかる帯すけれども、はたしてそういうふうな——こちらから言わせりゃ、ゆうちょうだと言いたいんですけれども、それでいいかどうか。というのは、海洋汚染一つを見ましても、いまどんどん進んできておるわけです。しかもまた、昨年でしたかね、こちらの委員会で、海中公園のことをちょっと質問しましたけれども、串本ですね、ああいうのがどんどんできてきておりますが、ただし、あれがどんどんできることはけっこうですけれども、はたしてどういうところへどういうふうにつくったほうがいいというところは、もっともっと研究していかなければならないと思うんですが、漁業の問題あるいは海底資源問題等も含めて、そうすると、いま言われたようなペースでいって、はたして……。これからの日本というのは、もう私は、海洋開発に勝負する以外にないと思うんですけれども、これからの大型のプロジェクトとしては、そういった点について、ちょっと間に合わないんじゃないか、諸外国の進展状況と比べますとですね。その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 先生のおっしゃるように、われわれの海洋開発の進め方のテンポいかんによりましては、やはりそのような問題も起きてくるかと存じます。しかし、わが国といたしましても、今回海洋開発審議会をつくりまして、また、海洋科学技術センターをつくりまして、早急に海洋科学のレベルを上げたいというふうに存じておりますので、私たちとしましては、おくれるということは考えていないわけでございます。
○矢追秀彦君 では、この海洋科学技術センターの業務内容ですけれども、具体的に項目があげられておりますが、その前に、「総合的試験研究、研修等を行なう」と、こう、目的はなっておりますが、試験研究ということにとどめられた理由は、午前中も少し話が触れられましたけれども、その点について、もう少し確認をしたいんです。
○政府委員(石川晃夫君) わが国の海洋開発を行なうにあたりましては、従前から、この海洋開発の一環といたしまして、水産関係、あるいは造船関係、運輸関係、こういうようなものにつきましては相当な技術を持っていたわけでございます。しかし、それは各省のそれぞれの所管に応じて、その所管の範囲内で、それぞれの試験研究を行なっていたわけでございます。しかし、最近の海洋開発の現状、各国の状況から見ましても、やはり新しい海洋開発には多数部門の協力を求めての海洋開発というものが必要であるということでございまして、その点を、この二十三条の第一項に述べているわけでございますが、ここに述べておりますのは、今後の海洋開発というものは、医学、工学、理学あるいは水産学、こういうようないろいろな部門の協力をもって総合的な試験研究を行なうということが、この近代的な海洋開発を進める上に一番適切な方法であるというふうに考えまして、ここにございますように、「多数部門の協力を要する総合的試験研究を行なう」ということを、このセンターで扱おうとしたわけでございます。従前、このような総合的試験研究につきましては、各省庁とも、あまり実施していなかったわけでございますが、科学技術庁といたしましては、このような総合的な試験研究を、たとえば特別研究促進調整費等を使いまして、日本海の総合的な試験研究、あるいは北方亜寒帯の研究、こういうようなものに特調費を使って実施してきたわけでございます。このような総合的研究が今後の海洋開発をささえるものであるということで、さらに、このセンターにおいては、そのようなものも、ここで取り扱えるという形にいたしました。また、第二号にございますような共用施設を使っての研究、こういうものも、ほとんどが総合的な試験研究を含んだ内容のものが今後ふえてくるし、また、こういうものをやるためには、このような共用施設が必要であろうということで、第二号にも共用施設を入れたわけでございます。
○矢追秀彦君 いまのお話を聞いておりますと、研究には試験研究のほかに基礎的研究あるいは応用研究というのがありますけれども、そういう基礎研究とか応用研究というものは各省庁でいまやられている体制でやらしておいて、このセンターでは、総合的にやる試験研究——要するにテストということですね、試験研究ということは。そういうことだけにとどめると、そう解していいわけですか。
○政府委員(石川晃夫君) 従来各省庁でやっております基礎研究あるいは応用研究は、そのまま各省庁で続けるということは従来どおりでございますが、ただ、今後の新しい海洋開発にはそれだけでは十分でないと、われわれは判断しているわけでございます。したがって、それは、総合的に行なわなければ海洋開発というものは進まないであろうというような考えのもとに、このような表現をとったわけでございますし、また、総合的な試験研究を行なうということにしたわけでございますが、従来のように、基礎研究、応用研究というものがそのような小さなワクであると、結局、いままで行なってまいりました海洋開発というものが幾らか伸びるというだけであって、斬新的な海洋開発というものは非常に困難であろう、こういう判断に立っているわけでございます。
○矢追秀彦君 おっしゃる趣旨はわかるんですけれども、私たちも同じ考えなんです。だから、このセンターを、ただ、そういう基礎研究をやられてきたもの、それを新しい海洋開発という見地からまとめてやるという形でなくて、その海洋開発に関する基礎、応用、総合的なものを含めた、もっと強力な研究所にすべきではないか、こういう考え方の上からお聞きしているわけです。そういう点から言うと、「総合的試験研究」となると、何か、ことばとして受けるのが弱いような、ただ、海洋開発をやるために、水産庁でやられておった研究を持ってきた、あるいは運輸省でやられておった研究を持ってきて、それを集めて、そこで調整して、こういう新しいものをつくる、こういう程度のものになってしまう、こういうように思うんですけれども、その点は、いかがですか。やはり、海洋開発という上からの基礎研究というものも、できたらその辺を中に吸収してやるべきじゃないか。私たちも総合研究所ということは前々から法案も提出してやっておることは御存じだと思いますけれども、私たちは、もっと強い研究所を、もっと強力な研究所を考えているわけなんです。その点について、どうなんですか。
○国務大臣(西田信一君) 局長から申し上げたことと変わった御答弁にはならないのでありますけれども、このセンターは、みずから研究を行なうということは当然でございますが、政府機関のいろいろな研究機関との協力関係も持ちまして、必要によりましては総合的なプロジェクト研究を組織する、こういったことも構想しておるわけであります。要するに、各省庁が持っておりますところのそれぞれの研究機関の行ないます研究は従来どおり続けていただきますが、それを総合いたしましてやるというところに、このセンターの特別な使命があるというふうに考えておりますのでございまして、大体、先生が御意図なさっているような、そういった強力な研究所と、ほぼ内容的には相違のないものであると考えております。
○矢追秀彦君 いま長官から答弁がありましたが、それにしては、私は、資金の面ですね、それから予算面、これから、どういうふうにそれを強化していくかという面についても、もう少し明確なビジョンといいますか、計画といいますか、そういうものがほしいわけなんです。だから、この業務内容については、もう少し具体的にできなかったのかと、そういう点も考えるわけなんですけれども、その点はいかがなんですか。
○国務大臣(西田信一君) 私どもは、大体先生の御趣旨のような内容のものと考えておるのでございまするけれども、実際に動かしてみまして、なお不十分なところがございますれば、十分御趣旨に沿うように改善、強化をはかっていくということは、やぶさかでございません。
○矢追秀彦君 それから、いままで潜水技術とか、あるいは海中作業技術等の開発は、科学技術庁でやってこられたわけですが、それは全部このセンターがとってかわるようになるわけですか。
○政府委員(石川晃夫君) 潜水技術とか、それに付帯するような技術、従来科学技術庁がやっておりました仕事は、大体このセンターで受け継いでやるという形をとっていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 それをセンターに移したことによるメリットというのは、どのように考えておりますか。いままでやってきたと同じことなのか、それとも、センターに移したことによって、このくらい、こういった点で進歩がある、プラスになるというような、そういうようなメリットは、どういうように考えておられますか。
○政府委員(石川晃夫君) たとえば、潜水技術等をとってみますと、潜水技術の中には、潜水医学、あるいは潜水機器、あるいは海中における潜水者の作業、このような種類のものがあるかと存じます。これを政府で行ないますと、やはりいろいろ機構とか予算の問題で、なかなか十分にその目的を達し得ない場合が多いと思いますが、このような民間との協力体制をとったセンターにおきましては、その点が非常に円滑に進め得るというふうに考えておりますし、特に人材の問題等につきましては、人材を集める上におきましても、このようなセンターの形をとったほうが人材を集めやすいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 第二番目の、この施設の問題が出ておりますけれども、この「施設及び設備」、具体的には、どういうふうなものを大体お考えになっておるのか、具体的にひとつ。
○政府委員(石川晃夫君) 現在までにでき上がっております設備で、このセンターに移管するというような内容のものは、たとえば、この三月にでき上がりました海中作業基地、これは三つからなっておりまして、支援船、水中エレベーター、それから基地本体と、こういう三つになっておるわけでございますが、これが一体になって作業するわけでございます。このようなものはセンターに移して、今後の臨海実験等を行ないたいと存じております。また、そのほか、現在建設中でございます潜水シミュレーター、これもこのセンターに設置する予定でございます。さらに、その後、高圧実験水槽、あるいは実験用のプール、このような共用的な施設は全部このセンターに設置する考えでございますし、そのほか、今後このセンターが進むに従いまして、各種調査等も行なう必要があるかとも存じますので、そのような調査船等も、ここに保有したいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 現在のところ、まだ始まっておりませんから、何とも言えないかもわかりませんが、これに対する利用度ですね、要するに、特に民間の場合、かなり利用の申し込み、あるいはそういう空気はございますか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま申し上げましたような共用的な施設につきましては、以前から民間側でこの設置を希望しているわけでございます。したがいまして、これができ上がりました時点におきましては、このような施設が十分活用されるというふうに考えております。また、関係各社の懇談会等でアンケートをとりましても、やはり、ただいま申し上げましたような施設を、ぜひ備えてほしいという希望が多いわけでございますので、その点から見ましても、このような施設はわが国においても十分活用し得るというふうにも考えられますし、あるいは活用の度合いによっては、まだこれでは少ないのではないかというようなことも出てくるのではないかというふうに考えております。
○矢追秀彦君 現在の場所が神奈川県の横須賀市に一応きめられておりますけれども、将来、いま言われた、かなり大きなことになりますけれども、現在の予定地を拡充して十分間に合うだけのものがあるか、それとも、またほかに将来は求めなくちゃならないのか、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 現在私たちがこの海洋科学技術センターの敷地として希望しております面積といたしましては、約二万坪程度はほしいということで希望を出しているわけでございますが、これは、今後の地元当局の意向によりまして、あるいはそれだけの面積が得られないかとも存じます。しかし、ただ、地元の計画といたしましても、埋め立て等を行なうという計画もあるわけでございますので、将来この規模が拡大いたしますれば、そのような方法で土地の取得ということ可能かと存じます。また、施設といたしましても、そのような考えで現在計画を練っているわけでございますが、ただ、今後の海洋科学技術センターの業務の進展に伴いまして、かえって、このセンターではなくて、よそに支所を置いてやったほうがいいという場合も出てくるかとも存じます。そのような場合には十分検討いたしまして、海洋開発に適切な土地に支所を設けるということは必ずしも不可能ではないと思います。したがいまして、そのようなかっこうで今後海洋科学技術センターを発展させていきたいと、そう考えております。
○矢追秀彦君 五十年までの資金計画は二十八億円で、そのうち十二億円が民間から集めると、こういうことを開いておりますが、この確保の見通しがあるのかどうか。それと、昭和四十六年度の予算排置としては、出資金が一億円、補助金が三千万、民間負担が出資金等で一億九千万と、こうなっておりますが、初年度これくらいで、はたして十分なのかどうか、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 初年度計画といたしましては、ただいま先生から御指摘ございましたような金額を想定しているわけでございますが、スタートといたしましては十月一日、この法案が通りますれば、十月一日にはスタートさせたいというふうに考えております。したがいまして、半年間の経費ということでございますので、政府側から一億三千万、それから民間側から一億九千万ということで、初年度は計画の遂行ができるというふうに考えております。
○国務大臣(西田信一君) 財界からの出資金につきましては、私も経団連の首脳と直接話し合いをいたしまして、初年度は必ずしも多うはございませんが、毎年出資金を増額してまいりまして、そして最終年度には所期の支出をさせるということにつきましては確実であると考えております。
○矢追秀彦君 さっきの問題にちょっと戻りますが、民間がこのセンターを使う場合、いろいろなデータとか、そういう研究の内容というのは、かなり公開されてくるようになると思いますが、そういう場合、やはり民間の場合、企業の競争という問題が出てきますし、そういった問題とのかね合いは全然心配ないのか。そういうことは、公開されていいような基礎研究とか、テストというようなものだけに限られるのか。いわゆる企業機密の問題ですね、その点、いかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) このセンターにおきます研究、あるいは実験成果というものは、原則として公表するというたてまえで進みたいと思っております。これは、海洋科学技術センターがわが国の海洋開発を進めるという上におきまして裨益するような内容のものの研究を進めますので、これが、ある一つの会社だけにこういう成果がとどめられますと、かえって、わが国の海洋開発には裨益いたしませんので、ここでの成果というものは公開したいというふうに考えております。ただ、いわゆる特許とか、そういうようなものにつきまして、ある会社が独自の立場で研究してやったものは、いわゆる商業機密として保護されるということもあり得るかとも存じますが、ただ、特許権の移譲につきましては、今後十分検討して、なるべくそれがわが国の技術の向上に役立つようなかっこうで持っていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 いまの場合、もしそういう特許の問題が出た場合は、ある程度また法律等をつくられるお考えですか、だいぶ先のことになりますが。
○政府委員(石川晃夫君) センターの資金によって行ないました実験結果についての特許は、これは当然センターに属するものというふうに考えております。
○矢追秀彦君 いまの問題について、民間の意向はどうですか、打診をされましたですか。成果は全部公開する、それでもなおかつセンターを利用するのが多いか。さっき民間がかなり利用する希望があると言われましたが、その場合、いまの企業機密の問題、要するに、成果は全部公開する、こういうことも了解した上で、かなり利用者が多いと、こう考えてよろしいですか。
○政府委員(石川晃夫君) そのように考えていただいてけっこうだと思います。
○矢追秀彦君 最初、職員として二百名予定されておりますが、そのうちで技術者はどれぐらいですか。
○政府委員(石川晃夫君) センターの発足当初といたしまして、四十六年度といたしましては大体三十名というような考え方でございます。ただ、五年後の昭和五十年ごろには、大体この研究所を二百名程度の規模にしたいという構想で現在進んでおります。この技術者の比率でございますが、当初は、規模は小さくても、管理面の人員が必要でございますので、やはり比率といたしましては、技術者よりもあるいは管理者のほうが多いかと存じます。しかし、その後におきまして、五十年ごろになりますと、やはりほとんどが研究者、技術者ということになると思います。
○矢追秀彦君 この技術者の確保でありますけれども、現在海洋関係の技術者の確保がむずかしいと思いますが、非常に数が少ないわけですからたいへんな問題だと思いますけれども、その辺の見通しはどうですか。具体的な確保の方法というのは何か講じられておるのかどうか。
○政府委員(石川晃夫君) まだ、現在においては、具体的な方法というものはきめられておりませんが、ただ、技術者の確保といたしまして、各民間企業が相当このような海洋の科学技術について熱心でございますので、民間から相当な人が得られるというふうに、われわれ、現在の下打ち合わせの段階においては、確信をしているわけでございます。したがいまして、今後、民間が主体になりますような海洋科学技術センターにおきましては、相当民間人が集まってくるということが考えられると同時に、われわれといたしましては、先生御指摘になりましたように、確かに海洋開発に関する人材というのは、わが国においては非常に少ないわけでございます。このようなセンターを使いまして、可及的すみやかに、このような海洋開発に従事できるような研究者、技術者の養成をも、このセンターで行なっていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 いま、民間からかなり集められるということを言われましたが、このセンターにおける職員の待遇は、大体どの程度のものなんですか。
○政府委員(石川晃夫君) このセンターの職員の待遇でございますが、これは、今後このセンターが設立される段階におきましていろいろ検討されるものと存じております。しかしながら、いわゆる事業団、あるいはこのような認可法人の職員の給与といいますのは、公務員よりもやや上回るというのが通例でございます。したがって、そのあたりに落ちつくのではなかろうかというように考えております。
○矢追秀彦君 そうなると、民間から来る場合、給与の面で問題が出てくると思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 確かに御指摘のような点がございます。われわれもその点を非常に心配しているわけでございますが、ただ、今後のこのセンターの運営のやり方でございますが、評議員会あるいはその他そのようなセンターの幹部の打ち合わせで、いろいろその待遇をきめてもらうわけでございますが、わが国の現状のように、研究者が非常に少ない、しかも、その研究者が非常に高給であるという場合は、給与面においても、なかなかセンターに人を集めるということはむずかしいと思います。したがいまして、そのような人がこのセンターの業務に参画できるようなかっこうを何とかしてとりたいということで、一例をあげますと、たとえば、このセンターの業績をあげるために、客員の研究員としてこのセンターに一応迎えておいて、業績をあげていくということも考えられるわけでございます。そのほか、待遇の改善という点にも十分努力を払いまして、なるべくそのような人がこのセンターにおいて引き続き研究ができるようなかっこうに持っていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 今後の問題として、人材養成をやっていくと言われましたが、「海洋科学技術に関する研修を行なうこと。」、これがそれに当たるのかと思いますが、具体的にはどういう形の養成になるわけですか。結局、大学との関連がありますが、要するに、海洋科学技術センターで養成された人はどういうふうな資格が取れるかとか、そういうことまで考えておられるのか、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) そのような具体的な点までは、実はまだ検討していないわけでございますが、ただ、とりあえず必要といたしますのは、このセンターの職員でございます。ところが、センターの職員といたしましても、海洋開発専門に養成された人間というのは非常に少ないわけでございます。そのような人を早急にこのセンターにおいて研修いたしまして、海洋開発に従事できるような研究者、技術者に育て上げていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 今後、大学に対する働きかけですけれども、人材養成の問題で、要するに、海洋学部をつくるとか、いろいろ考えられると思いますが、その点に対して具体的にやはりやっていかないと、要するに、ただここで、たとえば理学部を出た人をセンターに入れてもらって、それからそこで教育をして、それから海洋開発のことがわかる、それから仕事が始まる、そういう点では、かなりおそくなってくると思うのですけれども、やはり、これから始まる海洋開発ですから、そういろ点まで考えてやらなければ、大学は四年かかりますし、また大学院まで含めますと、かなり時間がかかりますから、それを考えてやらないと、来年からといったって四年かかるわけですから、そういう点で、現在海洋学部のある大学もございますけれども、非常に少ない。東大あたりでも海洋関係の研究所がありますけれども、その内容も非常にまだまだ弱体でありますので、そういったことに対して政府としてこれからやっていかないと、具体的に科学技術庁でこういうものができる機会に出さなければ、まずいと思いますが、この点、いかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 当面の問題といたしましては、従来海洋開発以外に従事しておりました研究者、技術者というものを、海洋開発ができるような研究者、技術者に仕上げるということが、まず当面の目的だと考えております。しかし、その後、いわゆる広く人材を養成するということでは、現在幾つかの大学では海洋関係の研究者、技術者がおりますので、そのような人にたよらざるを得ないというふうに考えております。その後の問題といたしましては、これは先ほど申し上げました、いわゆる長期的な海洋開発ということで、海洋開発審議会等におきまして、この人材養成の問題を早急に検討していただきたいというふうに存じております。
○矢追秀彦君 当面の問題として、海洋開発関係の予算が非常に少ないので、重点をある程度きめてやる必要があると思うのですけれども、大体この五年間ぐらいまでには、何と何を主体に置いて政府としてやろうと考えておられるか。間口を全部広げるのは予算面で相当縛られると思いますので、その点はいかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) 当面、このセンター等において行ないます海洋開発につきましては、潜水関係の技術というものが主体になって進んでいくのではなかろうかというふうに存じております。と申しますのは、現在共用施設としてでき上がりました海中作業基地、あるいは現在建設中の潜水シミュレーター、このようなものはおおむね潜水技術ということをねらいにいたしまして、いわゆる研究者、技術者が潜水技術者になるということをねらいにしてのシミュレーターでございますし、また、海中作業基地におきましても、当面研究課題となるものは、やはり潜水技術というものが中心になると思います。当然、海中作業基地でございますので、潜水技術をマスターしましたあとには、海中作業の技術というものも当然修得しなければならないというふうに存じております。海中作業の技術には、いろいろ、海中工学の問題、あるいは医学の問題、その他含んでまいりますので、あるいは材料工学等も含んでまいりますので、そのような面で、逐次この間口を広げていきたいと考えております。
○矢追秀彦君 先ほどもちょっと問題になっておりましたが、要するに、各省庁との統一——私たちとしては海洋開発委員会というものを主張しておりますが、先ほど久保先生のほうからは海洋開発庁という問題も出てまいりました。結局、そういった点で、基本法的なもの、あるいは促進法的なものですね、やはりこれはつくる必要が出てくるのではないかと思うのですが、わが党はほぼ二年前から出しておりますが、その点について、もう一度長官の考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) わが国の海洋開発というものは、率直に申しまして、まだ緒についたばかりであるということが言えるかと思います。これから海洋開発がどのような展開を見せるか、そういう点もまだこれから検討されることでございまして、現段階では必ずしも明確ではございませんが、しかしながら、何と申しましても、海国日本といたしまして、これから海洋開発はきわめて積極的な姿勢で取り組んでいかなければならぬということにつきましては、全くわれわれも同様の考えを持っておるわけでございます。そういう点から考えまして、基本法の問題も、これは決してわれわれは考えておらないわけではございませんけれども、まずもって、この海洋開発に関しまする基本的な考え方をひとつ打ち出したいというのが審議会の最初の仕事として考えているわけでございまして、そういう検討の過程におきまして、あるいは検討の内容におきまして、いまお話がありましたような基本法の問題、あるいはまた行政組織の問題、あるいはその他国際協力の問題、あるいはまたその他の法制上の問題、いろいろな問題と取り組んでまいるわけでございますが、私どもといたしましては、緒についたばかりの海洋開発をどういう基本方向をとるか、どういうふうに総合的にこれをやっていくか、というような基本的な考え方をまず打ち出しまして、そして逐次この内容の充実をはかっていく、こういう考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、将来、必要によりましては、海洋開発の基本法というようなことも考え得ることでございますが、当面、まずもって、午前中も申し上げましたように、海洋開発の基本的な総合的な長期計画をつくるということを主にいたしまして取り組んでまいりたい、かように考えております。
○矢追秀彦君 各省庁との協力関係について、防衛庁においても海洋観測をやっておりますけれども、これとの関連はどうなりますか。特に、この海洋センターの場合は、防衛庁も使うことはあり得るわけですか。
○国務大臣(西田信一君) 防衛庁では、防衛業務に必要な海洋に関するいろいろな調査研究を確かにやっておるわけでございます。したがいまして、政府全体といたしまして海洋開発を進める上に、その蓄積された技術を活用するということは、これは考えてしかるべきことだと思いますが、われわれ考えておりまする海洋開発は、先般衆議院で、平和と福祉に基礎を置いた海洋開発ということがつけ加えられましたが、全くわれわれも争ういう考えでございまして、国民福祉の向上、産業経済の発展、こういうことに資することを目的にいたしまして取り組んでまいるわけでございます。したがいまして、現在五つのプロジェクトを策定いたしておりますが、これらのプロジェクトを中心にいたしまして、海洋開発に関連する各省庁の協力はぜひ求めていきたいと考えております。これは、防衛庁だけではなくて、他の関係各省におきまして同様なことが言えるわけでございますが、そういう立場から申しまして、この防衛庁の防衛業務上必要な調査研究の、その研究の蓄積ですね、結果、そういうものは、必要なものは活用さしてもらいたいと、こういう考え方であります。
○矢追秀彦君 防衛庁に伺いますが、防衛庁のほうからいただいた資料の中に、「海洋環境が海上防衛上重要な地位を占めている対潜水艦作戦及び対機雷作戦にきわめて大きな影響を与えるので、これらの作戦を効果的に行なうために必要な海洋の調査研究を目的として実施している。」と、このようにありますが、この、作戦を効果的に行なうために必要な調査研究、これは具体的にはどういう内容でありますか。
○説明員(福田勝一君) 自衛隊がやっております海洋観測でございますけれども、これはもう申し上げるまでもなく、海上防衛上特に重要な対潜水艦、対機雷の作戦、それに資するためのデータを収集するということでやっているわけでございますけれども、具体的に申し上げますと、潮流、あるいは波浪、水温、それから塩分と海水の比重、そういったものによりまして、場所的に、また時期的、時間的に、それぞれの面におきますところの、自衛隊はもちろんでございますけれども、軍事上使われております一連の、そういった器材の機能というものが非常に変わってくるわけでございます。たとえば、ソーナー、これは音波によるところの探知器でございますけれども、そのソーナーの行き方につきましても、先ほど申し上げました諸要素によりまして具体的に変わるということでございます。そういったものを詳細に集めておくということが、どうしても対潜水、対機雷作戦上必要であるということでございます。対機雷作戦のほうでございますけれども、具体的には海底の状況、こういったものを、やはりできるだけ詳しく調べておるということが対機雷作戦上重要であるということで、海底の土質であるとか、あるいは形状、そういったものを科学的な見地からデータを集めさしていただいている、こういうことでございます。
○矢追秀彦君 この海洋調査を海上自衛隊はいつごろから始めておられますか。
○説明員(福田勝一君) 大体昭和三十四、五年から始めております。したがいまして、いままで約十年間海洋観測を続けておるということでございます。
○矢追秀彦君 現在は、どのような調査研究をやっておられますか。
○説明員(福田勝一君) 現在までやっております海洋観測でございますけれども、これは、海上自衛隊が所有しておりますところの一般の艦船によってもやっておるわけでございます。しかし、何と申しましても、一昨年の十月に就航いたしました、私ども持っております「あかし」という千四百二十トンの海洋観測船、これによりましてやっております観測は非常に効果的でございます。過去十年間に七十万平方マイルの海域についてやったわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、潮流とか水温というものが、一ヵ所、一点の資料だけで済むものではなく、やはり季節的に、また時間的にいろいろ変わるわけでございまして、一ヵ所の海域で一点だけではなくて、やはり何点か時期をずらして、季節をずらして観測するということが必要になってまいります。 さらに、これは将来のことでございますけれども、沖縄が返還になるということになりますれば、当然、海洋観測の海域の範囲というものも広まってまいります。大体私どもが概略で計算いたしましたところでは、百六十が平方マイルに拡大していかなければならない。従来七十万平方マイルの海域にわたってやっておったわけでございますけれども、それをさらに九十万平方マイルふやした百六十万平方マイルに拡大しなければならない、こういうことでございます。したがいまして、今後とも相当精力的にこの観測を続けなければ、先ほど申し上げました対潜水艦作戦あるいは対機雷作戦に必要なデータというものが集まらない、こういう状況になっているわけでございます。
○矢追秀彦君 いま、沖縄が返ってきた場合にはかなり拡大をされると言われましたが、いままでかなりの範囲で一応やられているわけですが、もう一ついただいたんですけれども、松島の外側まで実はやって、朝鮮半島の近くまで調査が広がっております。この辺は別に問題はないわけですか。
○説明員(福田勝一君) 私ども、公海を中心にしてやってございます。一連のそういった海洋上の諸法規というようなものに抵触しないように十分気をつけてやってございます。お手元に提出いたしました資料では非常に近いようでございますが、現在三海里説、十二海里説の領海説がございますけれども、そういった点、全然問題のないところでございます。
○矢追秀彦君 いままで行なわれた調査研究の結果、いま非常に十分なものではないと言われましたけれども、それがどのような結果で、それがどういうふうに役に立ってきたのか、今後それをどういうふうなことにして進めていかれるか、その辺の評価というものはいかがでしょうか。
○説明員(福田勝一君) 私ども、この海洋観測をいたしました結果につきましては、もちろん、第一次的には防衛上の目的に資するというのがそれでございますけれども、観測いたしましたデータと申しますのは、これはやはりあくまでも科学的なデータでございます。したがいまして、こういったデータを、特に防衛上の機密になるような、そういう点を除きましては、できるだけ一般に御利用いただくのがよろしいんではないかと、こういう観点から、海上保安庁にございます海洋資料センターに、私どもが観測いたしましたデータを年八千点提出さしていただいております。お聞きするところによりますと、海上保安庁のこの海洋資料センターには、年に二万五千点の資料が入るというふうに聞いております。そのうち約三分の一、八千点、私どもの海洋観測の結果得られましたデータをお渡ししている、こういうことになるわけでございます。 データの内容につきましては、先ほど来申しておりますように、潮流であるとか、あるいは水温であるとか、あるいは水深、そういったものを中心にしたものと聞いております。
○矢追秀彦君 こういった海洋諸要素の観測は、水産庁あるいは気象庁、通産省でも行なわれているわけですけれども、その辺との連係は、連絡はとっておやりになっているのですか。それとも、防衛庁独自のものですか。ということは、かなりダブる資料が出てくるということになると思うんですが、その点はいかがですか。
○説明員(福田勝一君) その点につきまして、残念ながら、従来、私ども防衛上必要な資料、データにつきましては、それを直視しながらやってきたわけでございまして、各省がそういったことをおやりになっているかどうかというようなことについては、必ずしも十分な連係をとっておらなかったというのが従来までの状況でございます。今後につきましては十分検討さしていただかなければならない余地があるのではないか、かように考える次第でございます。
○矢追秀彦君 その各省庁間の連絡会議では、全然いままでこういう問題は検討されたことがないわけですか、あるわけですか。
○説明員(福田勝一君) 連絡会議には従来係官を出させていただいておりますが、私どもが集めております海洋観測の結果のデータといをのは、あまりダブる点がないというふうに係官のほうからは報告を受けております。やはり、海上自衛隊によってやるところの海洋観測というのは、海上自衛隊でなければできないような、そういうデータである、こういうような報告は一応抽象的には承っております。
○矢追秀彦君 科学技術庁にお伺いしたいのですが、結局、海洋開発の場合、これから防衛庁関係というものは、いまさっきデータを利用するとか言われましたけれども、除くと考えていいわけですか。その辺の方向ですけれども、連絡会議にも問題が出されておりませんし、その点はいかがですか。結局、平和と福祉という点がくずれてくるから、防衛という問題については、これはまた全然別途に考えていく、その点については科学技術庁はタッチしないと、そういう方向でいかれるわけですか。
○国務大臣(西田信一君) 先ほど御答弁申し上げましたのは、われわれの海洋開発は平和と福祉という理念に立って行なうわけですが、防衛庁がお持ちになってるデータを、必要なものは活用することがあるということを申し上げたわけですけれども、われわれのほうの研究調査、あるいはセンターの活動は、防衛に関することは一切これを除外しておるというふうに御理解願いたいと思います。
○矢追秀彦君 直接はそういうふうに除外されても、これから、たとえばこのセンターで民間主導型でやられた場合、その民間の会社がやはり軍事産業といいますか、防衛産業をやっておった場合、結局そこで開発されたものが使われる、そのもとの基礎実験等はセンターで行なわれ、科学技術庁が指導した場合、この点はどうなるかという問題ですが。
○政府委員(石川晃夫君) 海洋科学技術センターといたしましては、ここで得られた成果というものは公表するということが原則でございまして、したがいまして、防衛産業に従来従事している会社がこのセンターを利用して技術の開発を行なうということはあるかと存じますが、ここで防衛の研究を行なうということはあり得ないということでございます。したがいまして、防衛庁といたしましても、このセンターを利用してそのような研究を進めたいという意思はないというふうに聞いております。
○矢追秀彦君 最近、防衛庁で開発をされました水中ロボット、これについて御説明願いたいと思います。形態、性能、用途、そういう点について。
○説明員(福田勝一君) 水中ロボットの開発の状況でございますが、たまたま水中ロボットという名称がついてございますけれども、これは、人間が潜水するのが非常に困難な、そういう深さの海中におきまして、水中の点検であるとか、あるいは落下物の回収、そういったことができる水中の作業機ということでございます。この研究をやっているわけでございます。まあ、私どもとしては、無人水中作業機器と、こういう名称で総称いたしておるわけでございます。これは、四十四年度と四十五年度に技術研究本部の第一研究所におきまして研究開発したものでございますが、四十四年度に開発いたしましたものは重量が約百キロの作業機でございますが、これは、水中のテレビ、それから水中モーター、こういったものを持ちまして、大体水深約六十メートルの実際の海面で試験を行なったわけでございましたが、運動性能、それから水中進入の能力、こういったものについてやってみましたところが、相当の効果があるということが確認されております。これに要しました経費が約百三十万円でございます。それからいま一つ、昭和四十五年に、同じく技術研究本部の第一研究所におきまして、水深二百メートルで、いわゆるマジックハンドと申しますか、ハンドで遠隔操作するという、そういう機械でございますけれども、これをつくるということで、約九十万円の経費をかけまして研究したわけでございます。これにつきましては、まだ実際には海洋に出て試験をするという段階にはなっておらない状況でございます。 なお、御質問とはちょっとずれると思うのでございますが、波の力を利用いたしました発電機の開発、こういったものもやらせていただいておる、こういうことでございます。
○矢追秀彦君 いまの通称水中ロボット、無人水中作業機器、これの結果はいいと言われておりますので、実用化がされると思いますが、大体いつごろなのか。それから、どういう会社、メーカーを指定されるのか、そういう点は、まだきまっておりませんか。防衛上の価値は、はたしてこれはどれくらいのものがあるのですか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(福田勝一君) これは、まだ民間の会社にこの開発研究の一応のデータをぶつけまして、そして発注するというような段階には至っておらないということでございます。まだまだ研究し、改良し、精度のよいものにしていかなければならないと、かように考えている次第でございます。 それから防衛上の目的ということでございますけれども、一応四十四年度に開発いたしました水中作業機でございますけれども、これは、申し上げましたように、六十メートルの実海面で試験をして効果があるわけでございます。したがいまして、防衛上相当の効果があるであろうという見通しを持っているわけでございますが、具体的にどのような局面で、どのように利用するかというところまでは、あまりその辺のところの詰めをやっておらないで、むしろ、水中の点検をやり、それから落下物の回収をやるのだというようなところにねらいを置いた機材の開発ということでございますので、防衛上の応用範囲につきましては、これからやはり少し詰めてみる必要があるのではないか、かように思っている次第であります。
○矢追秀彦君 通産省でも、現在、海中観測用のロボットの製作が計画をされているわけです。そういった通産省の開発ロボットとの技術的な協力は考えておられますか。それとも、やはり全然防衛上のものを意識してつくられるのでありますか。そういう点、全然別なので、考えないと、こういう方向であるか。その点はどうですか。
○説明員(福田勝一君) これは、やはり防衛目的というところに集点をしぼってやらせていただいている研究でございます。したがいまして、これはちょっと口幅ったいのでございますけれども、通産省で御研究いただいておるような、その他の目的、ないしは多目的な、そういったロボットと若干傾向が違うのではないかというように私どもは推測するのでございますが、これはあくまでも防衛上の観点から、こういったものがあったら便利であろう、こういうねらいのもとに研究をしたということでございますので、御了承を願いたいと思います。
○矢追秀彦君 いまの、その防衛庁との関係から、まあ長官にお伺いするのですけれども、私は、軍事目的、特にこれが周辺の国を刺激するような、そういうものであれば非常にまずいと思うのですが、そうでなくて、純粋の専守防衛であり、しかもかなり基本的な、基礎的な、それが直接防衛に、いわゆる軍事的に関係のないような、そういう研究、要するに基礎的なデータとか、また、そういう開発されたものであれば、たとえ防衛庁でも使われてもいいのではないか、むしろ、よけいな税金のむだ使いよりも、そういう平和ということと、それから、現在言われております防衛の範囲内というようなことで、だんだんエスカレートするのは反対ですけれども、そうであるなら、私は別にかまわないと思うのです。かえって、まだまだ技術的に情報が交換できる点があるのではないか、歯どめさえはっきりしておけば、私はもちろんかまわない、こういう考えを持っておりますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(西田信一君) 先ほどもお答えしたのでありますが、防衛庁が防衛目的のためにいろいろ研究された成果につきましては、ものによりまして、われわれのほうに活用したいと考えております。それから、われわれのほうの研究の成果につきまして、これをまあ公表する、公開するたてまえでおりますので、これが防衛上活用されるということはあり得ると思います。しかしながら、防衛目的の研究と何か混同するような形になってはいかがかと思いますので、そこら辺はやはりけじめをつけていったほうがいいだろうと考えております。したがいまして、防衛庁とお互いに共同研究と申しますか、あるいは、そういった形でなくて、自然に研究の成果が必要なものが活用されるということはあり得ると思いますけれども、そこまで予定して考えて研究するということは、一応いまのところ、考えておりません。
○矢追秀彦君 通産省にお伺いしますけれども、午前中も質問が出ておりましたが、機械振興協会に協力して通産省では海洋開発システムの実現をきめたということになっておりますが、その概要を、かなり具体的に詳しく説明をいただきたい。
○説明員(片山石郎君) 機械振興協会、これは財団法人でございますが、三十九年に設立された財団法人でございます。機械の振興ということを主目的にいたしまして、たとえば経済研究所あるいは機械技術研究所というようなものを持ちまして、従来から機械工業全般の技術、経済問題の研究や振興ということでやってまいった財団法人でございます。その財団法人に、本年度から新機械システムセンターというものをつくる、附置するということで、これは特別会計を設けまして、ただいま先生の御指摘のように、海洋開発の問題に限らず、およそ最近の機械工業の状況から見まして、従来のような単体の技術研究とか振興では非常に無理でありまして、いろいろな機械をシステム的に一つの機能を果たしていくというようなかっこう、システム化するというような問題、あるいは機電一体化というようなことが言われておりますが、機械と電子工業あるいは電気というものを一緒に、とにかく振興していかなければならない、こういうように、最近における技術経済情勢の変転に対応いたしまして、システム化ということを中心にいたしましてやっていこうというのが、いま申し上げました新機械システムセンターでございます。 その中で取り上げようとしております。本年度取り上げようといたしておりますプロジェクトが、海洋開発関係で三つございます。 第一が、いまお話のございましたようなことにちょっと似ておりますが、ロボットということでございます。しかし、このロボットは、いま防衛庁のほうで言っておられましたロボットとは若干性格を異にいたしております。これは、海洋の空間を無人の自動操作によりましていろいろなデータを観測するシステムということでございます。これをわれわれは、ロボットによる海洋空間計測システムというふうに呼んでおりますが、その計測する中身は、たとえば塩分でありますとか、温度でありますとか、比重でありますとか、流向、流速、あるいは水質、あるいは音速の時間的な変化といったような、いろいろな諸性質を自動的に計測するというようなこと、これは、従来、いろいろな面からこういったものを調べる、自動的に幅広く調べる機械というものが、自動的にできるということが、なかなかまだ行なわれておりませんので、そういったものを開発したいというのが第一のプロジェクトでございます。 それから第二のプロジェクトは、われわれが海底万能作業システムというふうに呼んでいるものでございます。これは、いまの防衛庁のほうのお話に若干似たところがございますが、従来、海底をやるにいたしましても、陸上でもそうでありましたが、海底におきましては、いろいろな機械、特に土木機械とか建設機械、そういったものが従来から使われておりますが、その単能的な作業機が大部分でございまして、それをシステム的に活用していくというようなことは、なかなか行なわれておりません。で、この考え方は、水深大体五十メートル前後のところを考えておりますが、そこにおきまして一つの中心的な動力中継車という、かっこうは、たとえばブルドーザー、水中ブルドーザーみたいなかっこうをしたものでございますが、その中心的な動力中継車、それを中心にいたしまして、その中に若干の潜水夫も乗るというかっこうになりますが、それにいろいろな機械、たとえば海底におけるパワーショベルでありますとか、あるいは海底のしゅんせつ機でありますとか、あるいは海底のボーリング機でありますとか、そういったものを接続できるようなシステムでありまして、たとえば、そういった種類の機械を最大限六種類ぐらいそれに接続する、必要に応じて接続するということによりまして、いろいろな作業をその動力車を中心にいたしまして自動的にやっていけるというようなシステムをつくっていこう、このためには、いろいろな機械的な、あるいは電気的な、あるいは電子的な性能を組み合わせるということが必要になってくるわけであります。以上が第二の点でございます。 第三は、海底石油開発用位置安定装置つき半潜水式作業台システム、ちょっと長ったらしい名前でございますが、要するに、大体石油を掘さくするというような場合には当然ボーリンが必要になるわけでございますが、従来の作業船は、御案内のように、いろいろな型がございます。船の型、一番浅いところでやります場合には、やぐらを組む型がございますが、同時に、少し深くなりますと、船の上から掘るとか、あるいは船みたいなかっこうでもって足を海底までおろしてボーリングをするとか、そういったようなものがございますわけでございますが、若干深いところ、百メートル以上ということになってまいりますと、普通の平穏な海中におきましては、たとえば船というような方式でもってやるのも可能なわけでありますけれども、少しこれを深く、荒いところでやろうとしますと、波のために位置が安定しないということで、位置を安定させるということが非常に重要な問題でございます。従来は、アンカーとロープでもってつなぐ方式をやられておりますが、深くなったり、あるいは荒天の場合というようなときには作業を中止せざるを得ない。そういう意味におきまして、自動的に位置を安定させる、アンカーによらなくても安定させるというようなことが、もし可能になりますと、非常に効果的になるわけでありまして、それを船でやりますと、ちょっとたいへんなので、波の影響をなるべく避けるという意味におきまして、半潜水、半分は波の中に沈めて、そもそも波の影響を軽減しておいて、波の影響を避けるように自動的な操作をやっていく、こういうようなことでありまして、これは推進機構に関係がありますけれども、主としてエレクトロニクスの関係の技術、それのシステム化ということが大きな問題になってくるわけでございます。 以上三つが、大体ことしの計画でございます。これ以外には、たとえば公害の関係とか、あるいは都市交通に使うようないろいろな機械のシステム化とか、そういった計画もございます。 以上でございます。
○矢追秀彦君 いまのそのシステムの実用化の目標と、それから、現在、これから飛行場をつくるとか、あるいは大橋をつくるとか、いろいろ具体的な問題がありますけれども、それの計画と、このことと、やはりぴちっと関連づけて、開発を早めるなら早める、この点は力を入れるなら入れるというふうにやらないと、まずいと思いますが、その点についてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(片山石郎君) まず、ロボット、最初に申し上げましたロボットの計測システム化でございますが、これについて開発の目標をちょっと申し上げますと、大体最大計測深度が二百五十メートルぐらいの深さのところまでということでございまして、深度に対しまして精度は、位置の測定が五%以内の誤差、それから位置の制御が一〇%以内というようなことでございます。それから、浮上の速度が一メートル・パー・セカンドというようなことになっておりまして、それにつけるものは、もちろん計測用のロボットが中心でありまして、計測用のロボット、先ほどちょっと申し上げましたようないろんなことが自動的に計測できるようなロボットをそれに組み込むわけでございます。それから同時に、母船をもちまして、そのロボットから出てきましたいろいろな信号、資料というものを、母船でもって計算機で自動的に計算し、そして、いろいろな資材とか、あるいは物資などというものをこの母船から供給するというような仕組みになっておるわけでございます。 それから第二の、海底万能作業システムと申し上げましたものは、システムの仕様といたしましては、水深が五十メートルまでの海底において作業をするということでありまして、海底の掘さくと、それからみぞ掘り、ボーリング、それからくい打ち、組み立てといったようなことをするわけでございますが、海底の走行速度は毎時間三キロメートルぐらい動く。それから先ほどの、中心になります中継車でありますが、中継車の最大能力が大体百馬力を六個動かすことができるというようなことになっております。それに付随します、その接続します六種類のいろいろな単能機がこれに接続することになる、最大限六種類接続されることになるわけでありますが、パワーショベルにつきましては、海上の航行速度は七キロ、海底の走行が五キロ・一時間当たり、そのくらいの速度のものでありまして、たとえばバケットの容量は〇・三五立方メートル、最大の掘さくの深さは三・五メートルといったような性能を持つ予定でございます。それから海底のしゅんせつ機でございますが、これにつきましては、大体一時間当たり四十五から九十立方メートルぐらいの揚土量を持つものぐらいのことを考えております。海底ボーリング機につきましては、掘進能力が、口径が大体五十から百ミリぐらいのものでありまして、掘進の深度は、地質調査用としましては五十メートルぐらい掘進できるというものを考えております。それから海底のくい打ち機につきましては、大体最大のくいの長さが六メートルぐらいのものを、二段軸式で五十キロワットくらいの出力、それから海底作業車というのが一つございますが、これにつきましては、最大つり上げの高さが五メートル半くらいのもの、海底調査用ロボットというものにつきましては、水中ロボットなども含めまして、照明灯とか、水流計とか、水温計とか、そういったものを兼ね備えている若干のマジックハンドも持つという式のものでございます。
○矢追秀彦君 私の聞いているのは、そのシステムは何年で実用化になるか、それが、いろいろいま各方面で行なわれています、たとえば何とか橋の橋にしても、瀬戸大橋にしても、そういったものが行なわれておりますけれども、それとの関連とか、それらの橋をかける場合、そのシステム化が間に合うのかどうか、その辺の問題です。その辺を答えていただきたいと思います。
○説明員(片山石郎君) 計画としましては、ロボットによる海洋空間計測システムは、本年度から五年間ということを予定しておりますので、五十年度まで、それから他の二つにつきましては、三年間ということで四十八年度まで、こういうふうに考えておりますが、ただ、ここで一応目標にいたしておりますのは、これが実用化されるというところまで開発するというつもりは、現在のところございません。で、せいぜいプロトタイプと申しますか、そういった、一応パイロットプラント的なものまでやっておこう、こういうことでございまして、実際にかりにこれが成功いたしましても、それから実用機になるためには二年ぐらいは必要であるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、いろいろ現在進められている計画とは、ものによってはある程度役に立つということもあると思いますけれども、完全に、そういうものの利用に、それをすべてのいま計画されている大きな計画に間に合うというわけには、ちょっといかないかもしれません。
○矢追秀彦君 長官にお伺いしますけれども、いまの三システムですね、これは、科学技術庁のほうではどのように関与をされているわけですか。
○政府委員(石川晃夫君) このシステムにつきましては、私たちも正式にお話を聞いていないわけでございまして、ただいま、この機械振興協会のほうで立てられた計画というふうに聞いているわけでございます。ただ、この機械振興協会のねらいといたしまして、海洋開発に必要な、いわゆる機械工学的な面から見ました、こういう作業的なものと機械というものをシステム化していこう、こういう考え方でございますので、非常に考え方としてはけっこうでございます。われわれといたしましては、このような機械と、さらに大きな意味で全体の海洋開発とをどのように組み合わしてわが国の海洋開発を進めていくかということの一つの道具としては、得がたいものだというふうに考えております。
○矢追秀彦君 いま、そういう、得がたいものと考えているだけではなくて、そういった点を科学技術庁がもうちょっと主導権をとって——こういうものをこちらでやるのはけっこうですよ。だけれども、それをどういうふうに指導していくか。そういう点で、さっきから言っている、基本計画なるものがもっとしっかり立てられていかないと、さっき、縛るとかなんとか言われましたけれども、そうじゃなくて、たとえば瀬戸大橋をつくる、そのために技術開発をしなければならぬ、それを何年で完成するためには、海洋関係ではどのくらいのめどで、こういうシステムを組んで、こういう研究開発をしなければならぬ、私、こういうことが出てこなければいけないと思うのです。そういう点が各省ばらばらであったり、そういう点が総合されていない。そういう点を科学技術庁が総元締めとして、きちんと打ち出してもらいたい。そういった点で、われわれの主張しておる振興法という考え方、あるいは基本計画の策定ということを強く言いたいわけなんです。そういう点をもう一回確認をいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(西田信一君) 先日も、実は、本四連絡橋公団の富樫総裁と会いました際に、今度こういうセンターができるということに対しまして、総裁の立場からも非常に期待をしておるというお話がございました。十分期待に沿うように、われわれもセンターの運営をしたいと考えておりますが、いまのお話は、さらにもう一段、一歩を進めまして、いま各省が開発を進めておるものに対しまして、さらにこれが研究なり、あるいは開発がもっと進捗するように、ひとつ基本法の制定なり、あるいはその他の手段によって、科学技術庁もっと主導権を握ってやれ、こういう御鞭撻と伺いました。私どもは、この審議会におきましていろいろ基本計画をつくっていただきます。なるべく、そう時間をかけずに、できれば一年ぐらいで答申を得たいと考えておるわけでありますが、そういうものを基礎にいたしまして、そうして総合的な基本的な海洋開発を進める、そういう意味におきまして、十分先生の御鞭撻の御趣旨に沿うように努力してまいりたいと考えております。
○委員長(鈴木一弘君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 海洋科学技術センター法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木一弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○平島敏夫君 私は、ただいま可決されました海洋科学技術センター法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、以上四党の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 海洋科学技術センター法案に対する附帯決議(案) 最近における海洋開発の急速な発展とその重要性の増大にかんがみ、政府は海洋開発に関する国の施策を一層総合的且つ計画的に講ずるため、予算の確保及び人材の養成に遺憾なきよう配慮するとともに、将来にわたつて、本センターの機構及び業務内容の拡充強化についても、引き続き検討を加え、海洋開発の推進に努めるべきである。 右決議する。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(鈴木一弘君) ただいま平島敏夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木一弘君) 全会一致と認めます。よって、平島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、西田科学技術庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
○国務大臣(西田信一君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして善処いたす所存でございます。
○委員長(鈴木一弘君) なお、議長に提出すべき審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会