予算委員会第二分科会 第6号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/02/25
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算及び昭和四十六年度政府関係機関予算中、大蔵省所管を議題とし、質疑を続行いたします。北山愛郎君。
○北山分科員 時間がありませんので、きわめて簡単に二、三の租税の問題を聞きたいと思うのです。 最初に、いま問題になっております国有農地の払い下げの問題、あの農地ですが、あれは一応、正当な補償を払って国が買い上げたものですから、国有財産として扱われている、こういうことに考えるわけです。したがって、これを売り渡す場合においては、これはその時点において、売り渡されたもとの地主、所有者ですね、所有者が取得をしたものなんです。こういうふうに解するのが正しいと思うのですが、その辺について大臣からひとつお答え願いたい。
○福田国務大臣 先般、最高裁がその問題について判決を出しました。この判決におきましては、被収用者が、一定の条件を満たした被収用地については、その権利を回復する権利がある、こういうことを示したわけです。そこで、返さなければならぬ、これは大かた異論がないところのようでありますが、その返す価格をどうするかということについて意見が分かれるわけです。そこで、内閣の法制局の見解によりますと、最高裁があえて権利の回復といっておる。回復といって、所有権の移転というような文字を使わないところに意味があるのだ。こういうような観点から、これは一時国が被収用者から預かっておった。その土地を被収用者に返すようなものであるから、被収用者のそのときの収用対価、これで支払うべきじゃないかという見解を示して、まあすらっと読むとそんなふうになるかなというので、内閣においてはそういう方針をきめたわけなんです。しかし、皆さんから御議論もありますので、ひとつ各党においてこの問題はなお国会の立場において御議論に相なることを期待する、こういうふうふうに考えておる段階でございます。
○北山分科員 私のお尋ねしているのは、これは一たん正当な補償を払って国有財産になったものだ。国が買い取ったのですから、国有財産としての管理を農林大臣がやっておるわけですね。今度の最高裁の判決におきましてもその点は明らかにしておると思うのです。しかも「法八〇条による買収農地の旧所有者に対する売払いは、すでに、当該土地につき自作農の創設等の用に供するという公共的目的が消滅しているわけであるから、一般国有財産の払下げと同様、私法上の行為というべきである。」こういうふうに判示しているのです。この点は一たんとにかく正当な補償で買い上げたのですから、そこにはいろいろ条件が残っているにしても、国有財産である。したがって払い下げるときに、売り渡しを受けた原所有者があらためて取得をする、こういうふうに解釈するのが当然じゃないか、こう思うのですが、これはもう明瞭だと思うのですが、どうですか。
○福田国務大臣 法というか、また判決でもそうだと思いますが、法の形式論からいいますとまさに北山さん御指摘のように思われます。しかし判決は反面において実体論をいっているのですね。つまり、そういうことばは使っていないのですが、潜在所有権、これが被収用者にあったのだ、ただ単に潜在所有権を回復したんだ、実体はそうなんだ、その実体に着目すると内閣法制局の解釈するような意見が出てくるかと思うのです。その辺は国会の場においてはいろいろ御議論がありますから、国会の御議論を待つ、こういう姿勢であるということを申し上げたのです。
○北山分科員 それは判決のことばの解釈ですが、必ずしも法律的にはっきりとその点について言っているわけじゃないのです。立法政策の問題として、元の所有者の権利を回復するような措置を保障してやるのが立法政策上妥当ではないかというだけのことを言っているのであって、当然潜在的請求権が残っているというふうには、この判決は厳密に法律的にはそう書いてないのですよ。あとのほうからすれば明らかに普通の国有財産と同じような私法上の売り払い処分である、こう言っているのですから、売り払いである以上は原所有者があらためて所有権を取得する、だから税法上はそういう処理をすべきものである、こう考えるのですが、いかがですか。
○福田国務大臣 税法は税法でまたおのずから……
○北山分科員 私は税法上の角度から言っているのですがね。
○福田国務大臣 そうですか、税法は税法の見地から、またおのずから別の角度で論じなければならぬ。しかしその前提として、もしもそういう解釈に統一された、北山さんのおっしゃるような意見に統一されたということになれば、税法の問題というのは非常に明解であります。つまり譲渡を受けたその農地を転売するというような場合におきましては、これは長期保有譲渡じゃないのです。短期保有譲渡として地方税を入れまして五二%の高額課税、こういうことになるわけであります。非常に明解になってくるわけでありますが、ただその前のほうの解釈があいまいでございますと、税法上の問題もなかなか運用がむずかしくなる。そこで多少でもあいまいなようなことがあれば、さらに確認する意味において新たな立法をするというようなことも一案か、こういうようなことを私どもは自由民主党のほうに申し上げております。野党にいろいろ御意見があるようでありますので、御相談いただきたい、こう申しております。
○北山分科員 これは法律上の問題ですから、むしろ国税庁長官のほうからお答え願ったほうがいいと思うのです。いまとにかく国有財産として処理しているでしょう。管理しているでしょう。もちろんいま判決にあるようにはっきり、売り払いというのはかりに原所有者に売る場合でもこれは私法上の処分であって、他の国有財産と同じことであるということになってくれば、原則としてこれまた財政法第九条の原則をどうするかというような問題も出てきますし、とにかくそういうふうに解釈するのが正しいのじゃないですか。この判決から見ても、また従来の処理からしても、そうじゃないですか。
○吉國(二)政府委員 この八十条の規定に基づきます売り払いというものは、すでに実績が幾つかございます。 それについて従来の扱いを申し上げますと、かつて資産再評価という制度がございました。土地を譲渡した場合に、いわゆる財産税評価以前から所有していた資産につきまして再評価をいたしまして、その再評価後の金額で取得価額を計算するというたてまえをとっております。ちょうど昭和二十八、九年ごろに八十条によって払い下げを受けた者がございます。これが売り払いした場合に再評価を適用するかどうかという問題がかつて問題になりました。その際には、この八十条の規定が売り払いとは申しますけれども、価額について原始的な当初の売買価格というものをもって売り戻しをするということ、それから原所有者に限って払い戻しをするという指定が行なわれました。さらに本来の買収目的に使用されなかったということ等が条件となっておりますことから解釈いたしますと、この土地は売り払いとはいいながらも、実際上所有権の回復と考えて資産再評価をさせるのが適当であろうという扱いを従来いたしてきております。 さらに昭和三十九年にいわゆる短期譲渡と長期譲渡の区別が行なわれました際に、この短期譲渡に高く課税するという趣旨は、いわゆる投機的な売買を行なったものを押えよう、それを当時三年の短期間で売り払ったものという概念規定をいたしましたので、実質的に考えた場合には先ほど申し上げましたような理由で、再評価を認めたような資産についてはやはり長期譲渡として扱うのが適当であるという解釈をいたしまして、従来の通達はそのような姿で解釈されてきております。したがいまして、すでに何千ヘクタールか払い下げを受けた者につきましては長期譲渡の扱いが行なわれております。この解釈は、先ほど大臣が申し上げましたような最高裁の判決の趣旨にも沿っていると思いますので、そういう意味では今度八十条の政令が改正されて、同だ条文のもとに売り払いが行なわれるということになりますと、やはり解釈としては従来の解釈によらざるを得ないのじゃないかというのが現在の考え方でございます。したがいまして先ほど大臣が申し上げましたように、払い下げの性格というものが別の概念規定がされれば別に解釈する余地も出てくるかと思いますが、従来の解釈の一貫性ということを考えますと、一応長期譲渡と考えざるを得ぬというのが現状でございます。
○北山分科員 時間がないから論争しているわけにもいきませんが、私も法律は苦手ですけれども、最高裁の判決にしてもあるいは普通の法律の常識からいっても、一応かつて国有財産として処理しているのですから、それを売り払うというのはやはりその時点においてあらためて所有者が取得した、その点税の取り扱いというのは別なんです。租税上の政策ですからね。長期譲渡にしたいがためにその所有権がいつ移転したかというところまで曲げてしまうのは少しおかしいのじゃないか。しかし私はこれ以上論議しません。この問題は政府自身どうにもならないというので政府の手を離れまして、四党の間できょう話し合いをすることになっておりますから、しかしこういう点が一つ問題になると思うのです。はなはだ明確を欠いたので残念ですけれども。 もう時間がありませんが、もう一点だけ、私は概括的にお伺いしたいのです。実は四十四年からやっております土地税制、要するに長期譲渡それから短期、この扱いで、分離課税で非常に安く段階的にやっていくという制度は、はたして所期の目的を達しておるのかどうか。それはずいぶん長く言わなければならぬのですけれども、端的に言って、土地をますます商品化したにすぎないのではないのか。なるほど売るほうからいえば売りやすくなり、分離課税になって税金が安くなるのですから、確かに現実は、この適用を受けてどんどん土地を手放す者がふえたに違いない。しかし結果としては、それを手に入れる者の三分の二、大多数は法人であって、必ずしも直接の最終需要者の手に入っていない。そうして売買の対象になる。そうして結果としては、土地の値上がりというものはますますひどいのですね。一年に二〇%とか、最近は非常に値上がりがひどくなり、しかも不動産騰貴が激しくなり、ますます不動産業が発展をして、大蔵省の法人企業統計で見ますと、この税制の改正以後の数字は出ておりませんけれども、最近、昭和四十一年には、法人の不動産業というのは一万七千九十七社あった、そしてその売り上げというのは五千九百七十一億であった。それが四十四年になりますと、三万九千四百九十六社、三倍になっているのです。そしてその売り上げは一兆七千三百六十五億と、ますますもって不動産業が盛んになる。その不動産業の対象であるところの商品としての土地をじゃんじゃん供給している。こういう結果に終わって、土地の供給をふやして、供給の面から土地の値上がりを押えるという目的は達せられないのではないか。したがって、結論的に言えば、この土地税制というのは、もう一ぺん考え直す必要があるのではないか、あるいはまた、そういうような税制の面ではどうにもならないとするならば、このような不動産業のはびこっておるのを規制するとか、あるいは法人が金にまかせて土地をどんどん手に入れておるのを規制するとか、そういう別な措置が必要ではないのか。ある建設大臣が、土地はもう商品ではない、こう言いましたが、政府がやっておる政策あるいはこのような土地税制というものは、ますますもって土地を商品化しているのではないか。そうして、GNPにしても、数字は大きくなっているけれども、実はその中身からいうと虚構のもの、そういったような水ぶくれしたGNPになってしまいはしないか、そういうことを考えるのです。したがって、この土地税制をこのままいいものとして続けるのかどうか。かつて事業用資産であるとかあるいは居住用資産の買いかえ制度をやりましたね。あれも結果としては弊害のほうが多かったというので改正になりました。その改正にならない前には、あの適用を受けて減税になってうんと得をした連中がたくさんあるわけです。今度だってそうじゃないかと思うのです。去年発表になった例の長者番付を見ても、もう上のほうには、この土地税制に便乗して、安い税金を利用してどんどん土地を売った連中の所得者があらわれておる。そうなれば、大蔵省はこれを考え直す必要があるのではないか、そういうふうに私は思っているのですが、時間がありませんから、みな詰めて、ひとつ大臣の御見解をお伺いいたします。
○福田国務大臣 土地税制に関する改正の効果、これの捕捉は非常に困難でありますが、こういう面においては大きな効果をあげておると考えます。つまり、土地の売買が固定化した、硬直化した、そういうので、土地の価格、これはもとより需要供給によって左右されるわけですが、その供給面を非常に拘束している、こういう事態がかなりこれによって緩和された、こういうふうに見ております。それは数字にもはっきりあらわれてきておるわけです。そして、それでは最終需要者というか、そういうものに渡ったか渡らないかという、こういう判断でございますが、中間投機業者がそういう土地を入手する、そしてそれを、商品といっては語弊がありますが、それをまた転売をする、そうしてそこで中間利益をあげようという際には、今度は短期保有譲渡の高率課税になるわけですから、したがって、そういう目的をもって中間ブローカーみたいなものが土地を入手するというようなことは、これはわりあいに少ないのであって、最終需要者がこれを買い求めた、こういうふうに観念的には考えられるのです。ただ、長期保有譲渡、これの事例は、法人、個人にわたりまして非常にたくさんなものですから、全体として捕捉しきれませんけれども、その辺の第二段階、つまり最終需要者にどう渡っているかというその確認はまだできておらない。しかし少なくとも先ほど申し上げました第一の、土地の需要者に対する供給を増加した、こういう点においてはこれはかなりの効果をあげておる、こういうふうに判断をしておるのです。今日この段階でこの税制を改正するという考え方はいたしておりません。しかしこの税制がどういう効果をあげておるか、そういう点については、なお注意深く見守っていきたい、かように考えております。
○北山分科員 私も実際の取引だとかそういうものの実態についてはそう詳しくありません。しかし私よりもおそらく大蔵省は、いま大蔵大臣が言われる以上に実態を知っておられると思うのです。ですからこの土地問題についてそう上つらだけのことでなくて、もう少し体当たりの気持ちでやっていかないといけないと思うのですよ。悪いものは悪いものとして思い切ってずばりと直す、こういうことが政治ではないかと思うのです。ですから、いま最終需要者といったって、個人にしたって、いま半分近くは自分の家を建てようというのではなくて、財産として取得しよう、土地を買っておけば値上がりをするからというような気持ちで買っている人もあるし、まして、前にも私は大蔵大臣に言ったのですけれども、法人は野放しなんですよ。そっちのほうは購買力がありますから、どこからでもじゃんじゃん金を出して、自分でやらなければ子会社とか手下を使って、どんどんいま地方へ行って農地であれ山林であれ買っておるんですよ。売るほうは、なるほど供給はふえるかもしれない。買うほうの中間需要のほうはもっともっと伸びているんですよ。それだから決して安くならないのです。ですからこういう税制をするときは、ほんとうに最終需要者に使われるのだ、必ず住宅なら住宅に使われるのだという確認をしたものに限ってこういう特別な税制を適用するとか、そういうことにしなければ、そういう税制をやっても、結果としてはこの前の資産買いかえの特例をやったと同じ結果になりはしないか。私は率直な気持ちで、この問題について、この非常に深刻な土地問題について税制の面から大蔵省が体当たりしてもらうということを要望して、時間がありませんからこれで終わります。
○大坪主査 阪上安太郎君。
○阪上分科員 きょうは私、一つは万博のあと利用の問題、それからいま一つは地価の信用膨張、地価上昇、こういった関係について簡単に質問いたしたいと思います。 最初に万博のあと利用でありますが、これはまあ古くて新しい問題じゃないかと思うのですが、もともと万博を始めるときに、あと利用を先にきめてそれからやるべきであるというようなことを再三主張してきたのでありますけれども、とうとうそれができなくて今日に至った、こういうことなんであります。 そこで最初に伺っておきたいのは、あと利用とあと処理の問題があるわけなんであります。いま申し上げましたような関係からいって、少なくともいまの時点で同時に処理していかなければならぬ問題じゃないか。ところがあと処理は通産省がやっている、あと利用は大蔵省で、こういうことになってきたのですが、これは一体どんな関係でこんなことになったのでしょうか。大蔵大臣に伺っておきたい。
○福田国務大臣 万博担当大臣は御承知のように通産大臣になっております。そういうようなことで万博を通産省主管のもとにとり行なったわけです。そうすると、その施設が残る。その残った施設をどれは撤去しどれは残すというようなこともすぐ問題になるわけでありまして、そういうような問題を一応考えてみる、こういうようなことで通産省があと処理問題に当たる、これは当然のことだと思うのです。ところが恒久的にあと地並びにあとに残った施設を含めまして万博を記念すべきものとしてどういうふうにするか、こういうことにつきましては、閣議においていろいろ相談をした結果、大蔵省においてこれに当たる、こういうふうになりました。 そこで、将来の大きな問題である記念すべき万博、そのためにあと地をどうするかという問題について、万博跡地利用懇談会というものを大蔵省では設けまして、意見を聞いておるわけです。前のあと処理という通産段階では、大体施設のどれを残すかどれを撤去するかというようなことですが、それが大蔵省でやっていく今後の利用問題と無縁のものじゃないのです。しかしこれを拘束するものでもない。その辺は同じ政府の内部でありますから、よく連絡をとりながら、相談をしながらやっていく、こういう体制になっているのです。
○阪上分科員 そうしますと、先ほど言いましたように、あと処理なんというようなものは初めからきめておかなければならぬ問題だったと思うのですが、それがいろいろな事情からできなかった。少なくとも、先ほど言いましたように、いまの段階ではあと処理とあと利用を一緒に進めていく、この点については大蔵大臣、御異論ないようであります。そうしますと、大蔵省にあと利用だけが移ったということは、あと利用をやるためには、いまのものを一部撤去してそのままにしておくというようなことではいけないので、やはり相当金がかかる。恒久的に自然文化公園などというような形で維持していくためには相当金がかかるし、いろいろな施設もまたここで増設しなければならぬ場合も出てくるだろうというようなところで、大蔵省は金を持っているから大蔵省にまかしておいたほうがいいだろう、こういうことに理解していいわけですか。
○福田国務大臣 そういう意味でもないのです。このあと地をどういうふうに万博を記念する施設として利用するかという問題は、これはひとり通産省の立場からやるべきものじゃない、農林省の見地からやるべきものじゃない、政府全体の立場に立って、国民がどういうふうな期待を持っているかというふうなことにこたえる姿勢をとるべきである。それには大蔵省が従来も国有財産というものを管理しているということもこれあり、最も適当である。こういう判断からそういうことになったわけです。
○阪上分科員 そこで懇談会のほうから答申のようなものが出ておるということで、その中にはいろいろな要求がたくさんあるわけなんでありますが、たとえばあそこを青少年のレクリエーションの施設としてある程度割愛していくということになれば、あのままでは使えないわけです。大臣も現地をごらんになっていると思います。あるいはスポーツ施設等もやはり完備していこうということになればできない。池はありますけれども水泳場が別にあるわけじゃない、プールがあるわけじゃないし。だから大蔵省としてはやはりこれを総合的にやっていこうということになれば、相当これに対してぶち込むつもりですか、どうなんでしょうか。
○福田国務大臣 跡地利用懇談会がこれをどういうふうにしたらよかろうか、こういう答申をしてくれることになっております。近く出ると思いますが、それに従いましてマスタープランというようなものをつくる。それに応じた施設がつくられる。こういうことになりますが、必要がありますれば、これは大阪府とも共同しなければなりませんけれども、財政援助はこれはしなければならぬ、かように考えております。
○阪上分科員 昨年の十二月二十三日に、これは私は事実はつかんでないのでよくわからないのですが、大蔵大臣に万博跡地利用懇談会が答申したというふうに新聞は報じておるわけなのです。それによると、会場あと地全域を緑に包まれた文化公園として一括利用を強く打ち出しておるというふうに私は理解しておるわけなのです。計画にあたっては、あまりせかせかしたような性急な施設づくりを避けて、やはり時間をかけて総合的なマスタープランというものを練るようにということをいっておる。それから計画実現の裏づけとしては管理、運営主体というものを明確にせよ、また利用計画の基礎となる土地所有については必要な予算措置をすべきであるというように促しておるように思うわけなのです。そこで、緑に包まれた文化公園、こういうふうに答申されたのかどうかよくわかりませんが、そこはあとでまた御説明願いたいと思うが、しかしながらその懇談会の中でいろいろな意見が出ておりまして、かなり食い違ったようなものがあるように私は思うのでありまして、これについて完全にこの答申をしたときには意思が統一されておったかどうか、こういうことについてちょっと伺っておきたい。
○福田国務大臣 これはもう完全な意見の統一があったわけです。どういう点かというと、おもな点は緑に包まれた文化公園だ、そういうものにしたい。それからもう一つは、一括利用だ。こういう点であります。まあその過程においていろいろ意見がございましたが、これは当然そういういろいろな意見はあると思いますが、結論はみんな統一された意見として私のところへ意見の開陳があったわけであります。
○阪上分科員 おっしゃるとおり全体的な柱としてはいま言ったような方向に持っていく、これはかなり多数を占めた意見だったと思うので、おそらくこれがとられたのだと思いますが、あと地に対してふさわしい施設というものを持つべきであるという考えから、いろいろな意見が出た。その中にスポーツその他青少年のための施設というような主張が、これは十六人くらいの人がそれを強く主張している、こういうことになっておりますが、これはそのとおりかどうかということ。 それからもう一つは、あと地の買い上げでありますが、これについて国が一括買い上げるべきであるというのが十二人。それから国が一部買い上げる、大阪府知事の左藤さんだけがそういうことを主張している。それからもう一つは、運営管理は地元の関係団体が行なう、これは二人ほどが主張している。こういうことなんでありますが、この国が一部買い上げるというのは非常に少ないのであります。一人なんですよ。 ところが、この間予算委員会で大蔵大臣が御答弁なさったのを聞いていますと、こういう懇談会の意見があるにもかかわらず、大蔵省として考えられている予算措置なんかを考えてみましても、半分は大阪府が残してくれ、こう言った、だから半分は大阪府に残すんだというような御答弁だったと私は思うのであります。懇談会の意思を無視されてるんじゃないですか、どうなんでしょう。
○福田国務大臣 あと地をどういうふうにするかという問題を懇談会にお願いしておるのです。それに対して緑に包まれた文化公園だ、それから一括利用だ、こういうことを懇談会で述べられておるわけです。これは大阪府と国との間にどういう負担関係だというようなことには触れておりません、また触れるというのは少し懇談会の範囲を越える問題か、こういうふうに思います。 そこで、私が先般予算委員会において御質問に対してお答えしたのは、これは大阪府と話し合いの途中で、私は国が全部買い上げてもよろしゅうございますよという意思表示はしたのです。しかし、大阪府においては、発言権を留保しておくというお考えでもあろうか、半分持ちますよ、こうおっしゃいますので、半々にいたしました、こう申し上げたわけなんであります。発言権を留保する、こういうお考えであったと断定はしておりませんけれども、私のほうではそんな考えかとも思いますが、ともかく大阪府と国との間の問題でありますので、この間の話し合いによってこれは決定した、こういうことであります。
○岩瀬説明員 阪上先生の先ほどの御発言の中にございました各方面の御意見でございますが、これは大蔵省の跡地利用懇談会が発足いたしましたのは四十五年十月二十二日でございまして、その前にございました通産省の後処理委員会の中のいわゆる菅野懇談会というのがございまして、これは四十四年七月二十二日に行なわれておりますが、それに提出されました各委員のそれぞれの御意見というのをまとめたものでございまして、これは通産省等の後処理委員会の資料でございます。したがって、御意見に対する結論とか検討とかいうものは出されておりませんで、ただ資料を取りまとめただけのものでございます。したがいまして、大蔵省の跡地利用懇談会ができましてからのものではございません。
○阪上分科員 これは大臣も御承知のように、昔から予算編成の段階に入りますと、地方財政とそれから国の財政、いつもやり合っているわけです。なるほど地方の財政というものは非常に赤字等も少なくなってまいりまして、一見好転しておるような感じがするけれども、しかしながら、府県財政はある程度豊かになっているかもしれませんけれども、市町村財政というものは非常に苦しい状態の中にあるし、やらなければならぬ仕事は山ほどある、こういうことなんですが、府県とても同様じゃないかと私は思います。その場合、発言権を留保したいがために、せっかく国が一括買い上げてやろうといっておるのに、いや、これはちょっと困るのだというような考え方というものは、これは左藤知事に会ってみなければわかりませんけれども、何か少し考え方が間違っておるような感じも私はするわけでありまして、国が一括買い上げてあと地利用を国の責任でやっていく、そのときにいろいろと関係地方公共団体の意見を聞いてやるということは当然のことであって、別にそこで留保しておかなければならぬ理由はないと私は思うのです。 そこで、私は勘ぐるわけではありませんけれども、あの土地を大阪府が国にかわって買い上げたといいますか、そして土地利用を万博の期間だけ国にまかすというような形をとっておるのではないかと思うのでありますけれども、あの中には都市計画法に基づく公園もあるし、これはなかなかそう簡単に変えられないだろうと思うのであります。もしこれをもう少しあと利用でいじくれば、その都市計画公園など無理してやろうとすれば、いま農地の売り戻しで問題になっているような問題がまた出てくるのではないかというようにも感ずるわけであります。したがって、あの中には文部省の阪大の用地というものもあるはずでありますが、何かそういったものを頭に置きながら、半分はとにかく大阪府にひとつまかしてくれというような形になっていくおそれがあるのではないか、一括利用といっても、簡単に一括利用できないような状態に追い込まれていくのではないかという心配を私はしておるわけなんです。 そこで、大阪府としても、しかしそういった主張はできるはずである。ところが、一括利用という中にそういったものを含めて盛り込んでいこうということになると、やはり土地を確保しておかなければいけないという発想になったのではないかと思うのですが、大臣、左藤さんとお会いになってそういう話をされたことがございますか。
○福田国務大臣 私自身はこの問題については話しておりません。これはそうむずかしい話し合いでなくて、事務的にごく簡単に片づいていくと思うのです。 それから、左藤さんが半分持つという意思をきめられたのは、これはどういう理由か、私は存じません。私は、発言権を留保していく必要があるかもしれぬ、そういうようなお考えかもしれぬぬ——これはかもしれぬです、そういうふうにも考えたのですが、しかし、いずれにいたしましても、これが一括利用を妨げるというようなことは絶対にありませんから、その辺は御安心願いたいと存じます。
○阪上分科員 左藤さんがそういう気持ちを持っておられるのではないかという推測なんですね。推測に基づいて、とにかくそれでは大阪府は半分は自分のところで持っていなさい、こういうことになったわけです。そういうことですか。
○福田国務大臣 まあ、そういうことです。
○阪上分科員 こういう問題は、そう何のかんの言ったってしょうがないからこの辺でやめますが、ただ、私、あの利用につきまして、まだ最終的な決定を見ていない段階でありますので、申し上げておきたいと思います。 ということは、なるほどいろいろないきさつもあって、文部大臣等の間で都市公園に指定する場合におきましても、強制買い上げのときに何か話し合いがあった、それはいいでしょう。けれども、あれだけの世紀の大祭典をやって、これを永久に残していきたいということになれば、私はもう少し大きな考え方に立ってこれのあと利用をしなければいけないと思います。なるほどその場合、各省からもいろいろな要求が出ておりますし、そんなものを盛り込んでしまえば、もうばらばらになってしまうんです。その中で、特に前々からのいきさつがあるというような阪大の用地であるとかいう問題ですが、この際やっぱり思い切ってあの中へは入れないという考え方、これを持つべきじゃないかと私は思うのです。 幸いにしてあの周辺はまだ土地がたくさんあります。はっきり言いまして地価は上がっております。七、八倍に上がっておるのじゃないかと私は思います。しかし、日本の三大公園なんかにしてみても、借景というやつを取り入れているわけなんですね。岡山の公園にしましてもそうであります。いまある公園面積というのは非常に少ないのでありますが、周辺の景色というものを借りて、そしてこれを生かしていくという方法を講じているわけなんであります。かりにあの中へ阪大なら阪大という大きなものが入ってきてやったからといって、全部建物にしてしまうわけにはいかない。大学自体はやっぱり空地も残さなければいけない、緑地も残していかなければならぬというかっこうになってくるわけです。あそこにもし国際的な何らかの施設を持ってくるにしても、同じようなことが言えるわけなんであります。それならば、せっかくあるあの緑地公園あるいは文化公園として非常にきわだっていい環境にあるところのものを借景して周辺に立てていくという方法があるのじゃないかと思うのです。それを、何か前からのいきさつがあるからあの中へ何でもかんでもほうり込まなければいけない、そのために大阪としては土地を確保しておきたいというような、けちくさい考え方であってはいけないと思うのであります。私はこういったところがやはりポイントじゃないか、こういうように思うわけでありまして、ぜひそういう方向へ持っていきたいと自分自身は考えておるわけなんであります。要するにあれをうまく借景して、そうして周辺にそういったものをつくることによって大学なり何なりが自分みずからそういう緑地をつくらぬでいいというかっこうにもなるし、こういったものの考え方に立ってあと利用というものを考える必要があるんじゃないか、こう思うのであります。 いまにわかに大臣はそうだというように答弁できるはずのものでもないだろうと思いますけれども、そこまではっきり言わぬでも、何かそこらのところうまく言う方法はありませんか。
○福田国務大臣 阪上さん、何か誤解があるように存じます。大阪大学はすみのほうの一角なんです。これは中心部に大学を建てるというようなあれじゃないので、それで一角をはずしたそのあとを緑に包まれた文化公園にする、こういうことになるのです。 文化公園にする場合に、おそらく懇談会でも、文化公園の中にこういう施設もああいう施設もいろいろなものを取り入れようということはもはや考えられないんじゃないか。緑に包まれた文化公園、こういっているのですから、その文字にふさわしい御答申があるのじゃあるまいか。具体案としてはそういう方向で答申があるものと御期待を申し上げております。
○阪上分科員 それはそのとおりなんでありまして、私は何もあそこを割って、残されたところを緑の文化公園にして、その中に大学が入ってくる、そうは言っていないのであります。たしか百九十二ヘクタールですか、ああいったものが確かにすみっこにありまして、そういったものが食い込んでくるということになれば、公園の面積が非常に少なくなるということを言っておるのでありまして、その辺のところはたいした問題ではないから、もうちょっとそこのうしろのほうへ出せば、あそこはほんとうにいい公園になるわけなんです。公園面積に食い込まれることそれ自体が不満だということを私は言っておるのでありまして、そういった点でひとつお考えをいただきたい、こういうふうに思うわけであります。 そこで、万博のことは終わりまして、この機会に伺っておきたいのでありますが、大蔵大臣も御承知のように、前々からこういうことがいわれているのです。地価の上昇と、それからことに四十年以降信用が非常に膨張しておる。そして土地を抵当にして貸し出しが行なわれている。こういったことの最初の出発点は、地価の上昇から、したがって有価証券を担保にして金を貸すということよりも——非常に不安定な土地というものを担保にして金を貸すということ自体、銀行としてあまりいいことではないといわれておったのが、幸か不幸か地価が上昇してきたということで、これを担保にして貸し出しをやっている。この額は相当なものにのぼっているのですね。そうしてそれが今度は逆に悪循環して、信用膨張からまた再び地価上昇へ寄与しているというふうな説があるわけなんです。そうじゃないというのもあり得るわけなんですが、しかし、そういったものがかなり大きく地価上昇に寄与しているのではないかという感じを持つわけなんであります。いや、そうじゃないんだという説もありますが、大蔵大臣はこの二つの説のどっちをおとりになりますか。
○福田国務大臣 それはケース・バイ・ケースかと思います。銀行と地価との関係につきましては、預金銀行が店舗を設ける。その店舗を設けるとき、銀行は預金という多額の金を持っているものですから、安易なお考えで高価な土地を買う。そういうことをいわれる時期がありまして、その辺は私もその弊害があるやに認めまして、自来、銀行が店舗を設ける、そしてそれが地価のつり上げに悪影響を及ぼして出てくる、こういうことに対しましては、銀行に自省をするように行政指導をいたしております。 また今度は、銀行自体じゃなくて、銀行が金を貸しまして、そうしてその結果地価の高騰を助成するというようなことになる傾向がある、こういうような話がありまして、現にそういう傾向があったと思うのです。つまり銀行で、傍系会社で不動産会社みたいなものができ、それに金を貸す。それがどんどん土地を買いあさるというようなことでありますとか、あるい商社に銀行が金を貸して、その商社が土地を買収するとか、そういった傾向があった。そういうようなことでありますので、その辺につきましても自省を促しておったわけです。 ところが、一昨年の九月から金融引き締め政策をとっておるわけでありますが、この金融引き締め政策の時期に入りますと、これはもう商社だあるいは事業会社だ、そういうところが土地を投機的な目的を持って買うというような余裕はとてもない。そういうような状態になりましたので、そういう傾向はその面からもかなり是正されてきておると思うのでありますが、いよいよまた金融緩和政策をとる、こういう時期になりましたので、そういう弊害がないように一そう行政指導に当たっていきたい、こう考えておるところであります。
○阪上分科員 経企庁あたりの推計によりますと、大体土地の取引額というのは四十二年ぐらいのときでも一兆円をこえておったように思うのです。そして、この金融機関別の不動産財団でありますか、それから船舶抵当貸し出し残高を調べたものがありますが、これは四十二年度の四月から四十三年の三月にかけてたしか貸し出し残高が三兆一千七百億でありますか、そうですね。それから不動産財団等の抵当貸し出し残額ですか、これが五千八百八十億、大体一八・四%というむのがそういった抵当貸し出しをやっておる、こういうことなんです。これはすべて土地だとはちょっと言い切れないと思いますけれども、何かこういうところを見ると、いま大臣もちょっとおっしゃったように、少し金融引き締めなんかやってくると、やはりこれが地価上昇の一つの、全部とは言いませんけれども、役割りを果たすんじゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。 そこで、ひとつ伺っておきたいのは、銀行法それ自体は、銀行はそういうものを担保にして金を貸し出すことは業務としてはないはずなんですね。そうじゃないんですか。
○福田国務大臣 それはありますよ。
○阪上分科員 しかし、それは他の特例法によってそうなっているんじゃないですか。そうじゃないんですか。本来的にあるんですか。それじゃあ、銀行法の第五条の兼業の禁止というやつがございますね。「銀行ハ担保附社債信託法二依リ担保附社債二関スル信託業ヲ営ミ又ハ保護預リ其ノ他ノ銀行業二附随スル業務ヲ営ムノ外他ノ業務ヲ営ムコトヲ得ズ」こういうふうになっておるのです。こういう解釈ができるんですか、いま大臣がおっしゃったように、かまわないんだ、こうおっしゃいますか。
○中橋説明員 銀行法第五条で書いてございますことは、いわゆる銀行は銀行本来の仕事をやるべきだ、これは他業禁止の規定でございます。したがって、銀行自体が、銀行としましていまおっしゃったように、不動産業務みたいになっちゃいかぬということを禁止している規定でございまして、銀行が不動産を担保に取りまして金融をするということについては、全然触れていないわけでございます。
○阪上分科員 時間だそうでありますから、この辺でやめますが、どうもあとがちょっとまずかったんで、しりつぼみになりましたが、これで終わることにいたします。
○大坪主査 藤田高敏君。
○藤田(高)分科員 私は、部落解放問題に関する国のとっております措置、なかんずく四十六年度の予算編成にあたりまして、大蔵省がとりましたその基本的態度についてきょうはお尋ねをいたしたいと思います。 基本的な問題としてまず大蔵大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、これは大蔵大臣だけの問題でなくて、政府それ自体の問題にかかわるわけでありますが、この部落解放を勝ち取る、国としてなすべき最大の課題はいま何であるかということについて、まず大臣の見解を聞かしてもらいたいと思います。
○福田国務大臣 私は大蔵大臣でありますから、大蔵省関係のことだけを申し上げますが、大蔵省においては、景気を超高度成長から安定成長へ定着させるその過程において社会資本を充実し社会保障政策を進める、こういうことが一つ、それからもう一つは、国際社会の中において正しい姿勢をとる、この二つだと思います。
○藤田(高)分科員 私の質問のしかたがまずかったかもしれませんけれども、いわゆる部落解放問題に対する国としてなすべき施策、国として行なうべき最も重要な課題は何かということであります。
○福田国務大臣 これは同和対策審議会の答申を尊重して、これを着実に実行する。そういう方面において地方団体とよく協力して遺憾なきを期す、こういうことにあると思います。
○藤田(高)分科員 基本的には、当面の具体的な問題としては、いま大臣が言われましたように、同和対策事業特別措置法を具体化することに、国としての施策を行なう場合に、そこに重点を指向してやるんだ、こういうことになりますと、同対審の答申を受けて国が総合長期計画と申しますか、十カ年計画を達成していく場合にいろいろな施策があると思いますけれども、その中で大蔵省が大蔵省それ自体の責任においてやらなければならないことは、この長期計画を実現さすために具体的にしかも積極的に思い切った予算をつけることにあると思うわけであります。 そういう観点からこの来年度の予算を見てまいりますと、個別的にはあとで指摘をいたしたいのでありますが、四十五年度は全体の額として四十二億程度、ことしは各省の要求が百二十億と理解をいたしておりますが、それに対して大蔵省が予算決定をしたのがその半分の六十億程度。こういうことでは、すでにこの同対審の答申に基づいていわゆる長期計画を完全に実施していく年度からいえば三年目に入っておるので、こういうテンポでは、いま大臣が答弁になられたようなこの特別措置法を具体的化していくということそれ自体が、時限立法の中でその目的を達成するようなことにはならないのではないか。 これは昨年末の部落解放同盟を中心とする対政府交渉の中で、山中総務長官それ自体も、この部落解放に関する政府の取り組みの不十分さを認めておるわけでありますが、その一つの具体策として大蔵省自身の予算査定の中において、この程度の予算では本来的な目的を達成することにはならぬと思うのですけれども、大臣の所見を伺いたいと思います。
○福田国務大臣 特別措置法を実行するために長期計画を立てる。これは御承知のとおりであります。その特別措置法の総事業費は約九百二十六億円であります。これは十カ年です。そのうち国費分担額が六百十三億円なんです。いま四十六年度は第三年度目になりますが、これは六十二億円。これで将来残された七カ年間固定するわけではないので、どんどん伸びていくと思います。また伸ばすつもりです。これは六百十三億円、物価の関係もありましょうが、しかし、十分それを吸収してこの計画は遂行する、こういう考えであります。
○橋口政府委員 昭和四十六年度の同和関係の予算は、大臣からお答えがございましたように、六十二億円でございますが、そのほかに四十六年度から新規に農林省関係で実施計画で措置をいたします公共事業関係の経費が約八億円でございます。それを合計いたしますと大体七十億になるわけでございますが、御承知のように、それ以外に、建設省の関係の住宅関係で、従来実施計画で措置をいたしております金額が、四十五年度で申しますと、大体七十億円程度ございます。したがいまして、四十六年度につきましても、住宅関係等で相当程度実施計画で金額が予定されるわけでございますから、六十二億円のほかに相当程度の金額が追加されるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○藤田(高)分科員 いまの御説明では、十カ年に六百十三億程度の予算措置をすれば、大体予算措置としては十カ年計画それ自体の目的を達成できるんじゃなかろうか、こういう御答弁でありますが、この計画自身は一度洗い直しといいますか、計画の立て直しをやらないといけないんじゃないかということさえいま問題になっておるのでありまして、これはたしか四十二年度にこの計画というものが出されたんじゃないか。ですから、いま大臣が御答弁になられた六百十三億というこの十カ年計画それ自体が、もうどだい同対審の答申の趣旨にはそぐわない財政上の計画になっておるんじゃないか、こう思うわけであります。そこらの出発点というか、基本的な認識において違いがありますと、ややもすると算術計算じゃないけれども、十カ年でことしも六十何億程度、いまの事務当局の答弁を含めて、まあ七十億程度予算をつけていけば、大体計画は前向きでいけるんだ、こういうことになりかねないと思うわけであります。 そういうことで、同対審の答申それ自体を具体化していくためには、その計画自身の根本的な再検討というところから出発しなければいかぬと思うのですが、その点については大蔵省当局はどのようにお考えになっておりましょうか。
○橋口政府委員 同和対策十年計画は、御指摘ございましたように、昭和四十四年に決定をいたしたわけでございます。ただ、前期五カ年、後期五カ年十年の総事業費は、これも御指摘がございましたように、昭和四十二年の実態調査を基礎として策定をいたしているわけでございます。四十二年に実態調査をいたしまして、同和地区の数あるいは同和地区における住民の総数等についてある程度の把握をいたしたわけでございます。 ただ、その後情勢の変化もございますので、昨年から実態調査をもう一回行なうべきであるという要請がございまして、昭和四十六年度の予算におきまして総理府に約三千七百万円の実態調査の経費を計上してございます。
○藤田(高)分科員 それではことしのこの総理府の三千七百万の実態調査によって計画自身を立て直すお考えなのかどうか。これはまあ直接大蔵省自身の所管でないかもわかりませんけれども、そういう方向でこの再検討をやって、実態調査の上に立って計画それ自体をいわば練り直しをやるということになれば、その結果は、当然のこととして大蔵省当局も全面的に尊重しなければならぬと思いますが、そういう方向で財政上の措置をされる御用意があるかどうか。
○福田国務大臣 実態調査の結果、計画を改定するということに決定いたしますれば、大蔵省はそれに対する十分な財源対策をとります。
○藤田(高)分科員 当然の方向でありますが、そういう大臣からのいわば前向きの御答弁をいただいたわけでありますけれども、しかし、私は四十六年度の予算それ自体を検討します場合に、どうも大蔵省の予算のつけ方というものが、いま大臣が言われたように、新たな実態調査の上に立って計画自身の練り直しをやれば、それを尊重しその具体的な裏づけをやっていきたいという御答弁の姿勢、積極的な姿勢とは、若干そこにギャップが生まれてきておるのじゃないか。ということは、私はこの現在のすでに計画それ自体かなり大きな問題があるといわれておる十カ年計画、それ自体を遂行していくためには、各省から出されてきておる予算要求ですね、これは総理府は総理府、厚生省は厚生省、文部省は文部省として専門的な立場から部落解放に向けての具体的な対策というものを要求してきておると思うのです。その要求が百二十億程度だというふうに理解をしておるわけですが、その程度のものは大蔵省も認めていく、そういう積極的な姿勢がないと、せっかくことし新たな実態調査の予算をつけてそれを尊重するといっても、ただいまの予算編成にあたってそういう積極的な姿勢が見えないじゃないかということでは、この部落解放それ自体の問題解決にはならないと思うわけでありますが、そういう点はどうでしょうか。これは総合予算主義ではありませんけれども、いずれ予算の一部追加も将来——今年においてあり得ると思うのですが、そういう時期にこの部落解放に関する予算の面については、特別に考えるというような用意があるかどうか。
○福田国務大臣 六十二億円という同和対策費、これは他の諸経費とのバランス、それから同和対策十カ年計画、こういうものを総合的に検討いたしましてきめた妥当なものである、こういうふうに考えておるのです。ただ、見直しをしたいというので調査費がありますが、そういう点ばかり前向きの姿勢だというふうに思います。 そういうふうにして編成されましていま御審議を願っておる予算でありますので、今年中にまたこれに追加をするか、こういうお話でございますが、いま御審議を願っておるばかりでありまして、追加をするというお約束をここですることはできないのですが、とにかく四十六年度は見直し調査、これをやっていきます。
○藤田(高)分科員 私はこの特別措置法の中身からいいましても、この問題の解決は何といっても国が中心になってやっていかなければならぬという場合に、私自身これは詳しく大阪府、大阪市あるいは大阪府下の市町村の予算書を具体的に見たわけではありませんけれども、関係団体の報告によりますと、大阪府だけで四十六年度は百億、大阪市だけで約百十億、府下の関係市町村で約四十億程度で、大阪だけでもかれこれ二百五十億ぐらいの予算を組んでおるということなんです。そういう地方自治体の、これは特に部落問題に対して熱意を入れておるところかもわかりませんけれども、そういう自治体の財政上の取り組みと比較して、国の予算措置というものは非常に見劣りがするんじゃないか。こういうテンポでは実質的な面においてこの長期十カ年計画を達成することがむずかしいんじゃないかと思うのですが、そういう見通しについて見解を承りたい。
○福田国務大臣 これはとにかく第三年度目で六十二億円、そういう額が計上されておるわけでありまして、十カ年計画の六百十三億ということから見れば、これはかなり高い水準にきておるのです。ですから、九百億の長期計画、これはもう確実に実行される、これはいささかの御不安もお持ちになる必要はなかろう、こういうふうに考える。 ただ、お話のように、経済も進歩し、また社会環境も変わってきます。ですから、そういうものにつれまして見直しをする必要がある、こういうふうに考えまして調査費を計上した。そういう調査の結果、具体的な見直し後の新計画ができ、改定計画ができるということになれば、それに対してはこれまた十分に対処するつもりでございます。
○藤田(高)分科員 私はその点についてちょっと理解に苦しむ。と申しますのは、それぞれの各省は、この部落解放問題だけに限定するわけではありませんけれども、たとえば部落解放事業については、それぞれ十カ年計画を前提にして厚生省は厚生省あるいは文部省は文部省として計画を立てられておるのじゃないかと思うのです。そういう点では、なるほど全体的な予算編成上の面からコントロールしていくという一つの機能上のお役目というものは大蔵省にあるでしょうけれども、私はやはり各省が大蔵省に対して予算要求をやったその総額というものが、いわゆる十カ年計画を達成していく最低の基準になっているのじゃないか。それを——この分科会の性格上、時間がありませんから個別的にやるわけにいきませんが、総括的に見た場合、各省の予算の約半分なんです。ね、四十六年度の同和対策関係の事業予算というのは。私はこういうふうに半分程度に、逆に言えば、積極的に大蔵省が予算削減をやったその理由はどういうところにあるのか。 時間がありませんから集約して申し上げますが、たとえば代表的なものとして、文部省関係で、高等学校の進学奨励費の補助は予算要求の約半分程度認めておりますけれども、大学関係の奨励補助金は全然つけておりません。あるいは、たしか建設省関係であったと思いますが、下水道事業あるいは都市公園事業、街路事業、いわゆる特別措置法の中にも具体的に盛られておりますいわば未解放部落、同和地区といわれておる地域における生活環境改善、これは非常に大きな条件として指摘をされております。こういう事業費目に関することが四十六年度の予算の中に全然載ってない。こういう事業費目はむしろ毎年当然のこととして予算措置を講ずるべきであると思うのですけれども、これは二、三の例を引いたまでですが、そういうふうに各省が予算要求をやったものが、大蔵省段階で全然否定をされる。そこには私は、十分納得せしめるだけの条件がなければ、こういう各省の予算要求を全面的に否定するということにはならないだろう、こう思うわけであります。そういうことを含めまして、この見解をお聞かせいただきたい。
○橋口政府委員 ただいまお尋ねのございましたのは、二点ほどございまして、一つは進学奨励費の補助の問題と、もう一つは建設省関係の公共事業関係の経費の査定の問題でございます。 高等学校に対する進学奨励費補助は、御承知のように、昭和四十一年から実施をいたしております。今回の四十六年度予算におきましても、四十五年度は対象人員が一万三千名でございましたが、約二万名に増加をいたしておるわけでございます。同和地区の住民の高校生の進学適齢人口を推定いたしますと、大体六万人程度いると考えておりますが、それに対しまして現在一般の進学率は大体八割でございますので、四万八千名程度が補助の対象になる人員と推定されるわけでございます。今回の予算におきましては、先ほど御説明いたしましたように、約二万名が対象になるわけでございますので、高校につきましてもまだ措置が必ずしも十分とはいえないわけでございます。さらに大学につきましては、日本育英会の育英資金という制度がございまして、大学の関係の育英資金につきましては、相当の増額、充実をはかっておるわけでございます。一方高等学校の生徒に対しましても育英会の補助がございますが、これは補助の性格から見まして、できるだけ大学に振り向ける、こういう方針を文部省がとっておるわけでございます。したがいまして、当面の施策といたしましては、高等学校進学者に対する補助を重点的に措置するのが適当だろうということで、高校進学に重点を置いて予算を編成したわけでございます。 それからもう一つお尋ねでございました建設省関係の各種事業につきましては、これは実施計画の問題でございますので、これから十分御相談して最終的に方針をきめたいというふうに考えております。
○藤田(高)分科員 建設省関係のほうは、いまから検討して予算をつける場合もあり得る、こういうことですか。
○橋口政府委員 公共事業関係は、一般のワクとしてきめておるわけでございますから、そのワクの中で実施計画に基づきまして個所づけ等の作業をいたすわけでございます。これは予算が成立いたしましたあとに、実施責任官庁が作業いたして、大蔵省と相談して方針をきめる、こういう手続になるわけでございます。
○藤田(高)分科員 私は、時間がありませんから、考え方だけを申し上げておきますが、いま指摘をいたしておりますこういう生活改善の対策費というものは、この同対審の答申を尊重する、こういうたてまえからいくならば、一般の事業費の中から抜いてきてやるというのではなくて、そういった未解放部落といわれておる地域に、具体的に国は積極的な施策としてこういう予算の裏づけをしてやるのだ、そういう姿勢が必要ではないか、こう思うわけであります。ですから、これは予算編成上の技術の問題があるとすれば私も十分わかりませんけれども、考え方としては、そういう観点から予算措置を講じていくべきではないか。 そしてこの高等学校及び大学の、いま指摘した問題もそうでありますが、どだい一人当たり二千円だったら二千円の補助それ自体が非常に少ないわけですね。いまの事務当局の説明によると、大学関係は育英資金がある、こう言われますけれども、これはあなたらのように、エリートコースで順調な経済的な条件の中で恵まれたような人はそういう経験はないだろうと思いますけれども、実際問題としてこの育英資金を借りるなんというのは、狭き門じゃないけれども、よほどの条件のいい者じゃないと、文部省のこの育英資金などというのは借りられないのです。そういうワクの中で、たとえばこの大学の奨学資金の問題についても、予算要求の中でこれを認めてないということは、本問題に取り組む国の姿勢として非常に形式的な問題の取り扱いに終始しておるんじゃないか、私はこう思うわけであります。 したがって、この種の問題は、私は時間がありませんので申し上げることができないわけでありますが、厚生省関係だけでも、ことしの厚生省の要求に対して同和対策の水道施設整備費であるとかあるいは地域屎尿処理施設整備費であるとかあるいは児童の福祉整備費であるとか、医療関係の整備費であるとか、そういったものは極端に言えば、ことごとくこれ大蔵省の予算査定の中では否定をされておるわけです。私がいま指摘したような問題はむしろ同対審の答申に基づく十カ年計画というものを達成していく場合のかなめになる予算項目ではないか。そういうものが今年度の予算の中で落とされているということは、先ほど大臣が答弁なされたような基本的な姿勢にどうしても合致しない予算編成のしかたではないか、こういうふうに考えまして、非常に残念に思うわけであります。したがって、各省から出てくる数多い予算要求の中でも、いま指摘したような進学への道を実質的にはばむようなことを大蔵省の予算をつける段階でやるようなことは、私はきわめて遺憾だと思うわけでありますが、その点に対する見解をひとつぜひ大臣からも聞かしてもらって、人づくりではありませんけれども、こういう青年諸君の進学の道を十分達成できるような積極的な措置を講じてもらうことを要求いたしたいと思うわけであります。
○福田国務大臣 教育の機会均等、これは国の施策の中の最も重要な一点である、こういうふうに思います。そういう方針と同和対策の中でどういうふうに取り組んでいくか、なお文部省ともよく相談いたしまして、前向きで対処していきたい、かように考えます。
○藤田(高)分科員 先ほど指摘をいたしました厚生省関係の予算措置についても、これをほとんど否定しておるわけでありますが、そのこと自身について、なぜこうなったかという事情だけを聞かしてもらって、時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。
○相原説明員 先生の御指摘になりました三点は、先ほどの建設省の問題と同様に、実行の問題として、実施計画の段階で十分相談したいと思っております。それから医療施設の問題につきましては、隣保館の施設の問題の一環として実行してまいりたい、こう考えております。
○大坪主査 楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 私はお酒の問題を一番最初に聞いて、その次に日中貿易、特恵関税の問題、最後に公害の問題をちょっと……。 一番最初の酒の問題は、私は言うならしろうとでございますから、その知識のレベルは全く一般大衆と同じなんで、一般大衆の感覚で聞きますから、ひとつ親切に御教示をいただきたいわけです。 問題は、率直に言って果実酒なんですね。これは非常に愛好家がふえておるわけですが、どうもわからない点があるのですね。まずホワイトリカー、しょうちゅう、これは税金がかかっておるわけですね。自分のうちで砂糖とくだものをまぜて飲む。くだものにも税金がかかっておる、砂糖にも税金がかかっておる。それが果実酒であろうと何であろうと、自分のうちで適当にまぜて自分で飲むのが何で制限を受けるのであろうかと思うのですね。それでいま十三品目はまぜていいということになっておるわけですが、十三品目に限られた法理論的な根拠というのはあるのですか。
○細見政府委員 できるだけ懇切に御説明申し上げてみたいと思います。 第一点は、日本の酒税法は、酒の種類ごとに税率を異にしてかけておるわけです。したがいまして、酒の種類の中に、まぜることによって酒の種類が変わるものがあるわけです。端的に申しますと、いまお話のありましたアルコールあるいはホワイトリカーあるいはしょうちゅうといわれておるものと、くだものあるいはその他の砂糖等を入れました場合にでき上がってくるものは、もとのしょうちゅうでなくて、リキュールというカテゴリーに税法の上でなるわけです。 その場合に同じような税率がかかっておりましたら、それをどういうふうにまぜようとかまわないじゃないかといういまの楢崎議員の御指摘のとおりでありますが、具体的に申し上げてみますと、たとえば三十五度しょうちゅうでありますと、一度あたりの税金が大体三千三百円くらいになっております。それがリキュールの上等のほうのものになりますと、キロリットル当たりで一度当たり約一万円くらいの税金になるわけです。そういたしますと、たとえば梅と砂糖とを入れまして三十五度しょうちゅうでまぜたものでありますと、これはいま申しましたリキュールの上等のほうに当たるというようなことで、税としては、もしそれを買ったとすれば、一度当たり一万円の税を払ってもらう酒の種類になるわけです。 そういうふうに酒の種類ごとに違った税負担を求めておるものでありますので、そういう負担があまりルーズになって自由に動かせるという形になることになりますと、酒の税法のたてまえそのものにも響いてくるということがありまして、一方では財政確保という観点から考えなければならない点があるわけです。 と同時に、先ほども御指摘がありましたように、自分がすでに酒税を払ったものを使って自分の消費用に使うものを禁止するというようなことは、いかにも国民感情に反するではないかというような御意見もあります。その辺を両方の立場をいわば折衷いたしまして、それにもう一つは、それぞれの製品をつくっておる業界の利害というものも微妙にからんではおりますが、いずれにいたしましても、最初にまず梅から始まりまして漸次混和できる品物がふえてまいって、現在十三品目になっておるわけでありまして、おっしゃるような意味の立法上の確たる根拠というよりは、この程度のものは大体日本で従来多く使われておるものであり、大体この辺までお認めすれば、一般の国民の人たちがごく普通に混和しておられるものはカバーできるのではないかというようなことで、四十四年度にはその後の事情によってレモンを加えたというようないきさつで、現在トータルしてみると十三品目になっておる、そういうわけでございます。
○楢崎分科員 いまの話を聞いてもあまりわからないのですね。具体的に聞きます。レモンはいいんですが、オレンジはなぜ悪いのです。
○細見政府委員 先ほども申しましたように、沿革的な話で、要望のあったものがレモンのほうが強くて、オレンジのほうではなかったというような沿革でございます。
○楢崎分科員 じゃ、要望があれば次から次に許されますか。きょうは全部要望しようと思いますが……。
○細見政府委員 そういう御要望もあろうかと思って、各方面の検討はいたしておりますが、先ほど申し上げました酒税確保のたてまえ、特にリキュールについて今後どういうふうに考えていくのか。一般的に申しますと、三十五度のしょうちゅうをどんどん使ってリキュールが幾らでもできるというような形になるようにしておくと、三十五度しょうちゅうのいまの一度当たり三千二百五十三円の税額、税率というのがはたしてバランスがとれておるものであるかどうかというようなことは、検討しなければならない新たな問題になろうかと思います。
○楢崎分科員 福田大臣はお詳しいのですか、この問題は。
○福田国務大臣 福崎さんほど詳しくないと思います。
○楢崎分科員 それじゃ私は福田大臣とやりとりしたいと思うのです。そっちのほうが常識的に通じますから……。むずかしいことを言われてもわからないから、以下は福田大臣に答弁をいただきます。そうすると、福田大臣がおかしいと思われることのほうが、国民常識としては正しいのでありますから……。 レモンはいいことになっておるのですね。温州、紀州、ナツミカンもいい。オレンジは悪いのですね。キンカンも悪い。どうしてか、わからぬのですね。イチゴはいいのですが、キイチゴはなぜ悪い。わかりますか。
○福田国務大臣 これは税に関係しますものですから、これは簡素化しなければならぬ、こういうふうに思うのです。 〔主査退席、三ッ林主査代理着席〕 たとえば、これは極端な例になるかと思いますが、非常に精力がつく、こういうのでジャコウジカの角をよく用いられますね。ジャコウ酒はどうだというようなことになる。そうすると、それを入れますと、これはおそらく一びんについて一万円、二万円、そういうようなことで売られるかもしれない。それが一般の大衆のお酒と同じような税率であるということが妥当であるかどうかというような問題が起こってくると思うのです。そういう税率とこういうものと、からまりがありますので、これは無制限にするということも非常に酒税執行上煩瑣なことだ、こういうふうになるのじゃないか、かような感じがいたします。
○楢崎分科員 いや、煩瑣にはならないのですよね。税金を取らないことにしさえすれば簡単になるのですよ。いまの大臣の言うのはちょっと観点が違うような感じがするのです。私が聞いているのは、国民感情からいって、イチゴがよくてキイチゴがなぜ悪い。レモンはよく、オレンジを入れたら、あとで罰則を聞きますけれども、なぜ悪い。これは合わないのです。幾ら税金の関係と言ったって、大衆から見ればそれは関係ないのですからね。あまり広げたらほかのほうへ影響するという問題はさっき言われましたけれども、それだけでは法理論的な根拠にはならない。納得させるだけの根拠にはならない。 ちょっと委員長、お許しをいただきたいのですが、これは私の同郷の人で、小浦という方ですが、この果実酒の非常な愛好家がおられるのですね。それで、私、見本をあれしてみたのです。 〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕 たくさんありますからね。オレンジがあります。アンズもあるんです。これもいけないのですね。温州ミカンもあります。ここにあります。レモンはありましたかな。モモもいけないのですが、とってもおいしいのですよ。スモモもある。 そこで、ちょっと委員長これは酒を飲むのじゃないのですが、ちょっと味見をしてもらったらいいと思うのですよ。
○大坪主査 かんにんしてくださいよ。
○楢崎分科員 これは矛盾しているから言うのですよ。あなたは味を見たことがありますか。
○細見政府委員 禁制のものは味を見たことはありませんが、禁制でないものは見たことがございます。
○楢崎分科員 なかなか抜かりのない御答弁ですが、それはしばらくおきます。あとでその点やります。それはここでなくてもいいですから、一度ぜひきき味というのですか、どういうのですか、飲むんじゃないですね……。(福田国務大臣「一ぱいごちそうしなさいよ」と呼ぶ)それはあとでやります。あとで味見をしてもらったらたいへんおいしい。私もさっそくこれからやろうと思いますが、あとで罰という問題が出てきますから、これだけはっきりしておきます。これは、許可されないものをつくって飲むとどういう罰がありますか。
○細見政府委員 酒税法の違反になるわけであります。
○楢崎分科員 具体的にどういう罰でしょうか。
○細見政府委員 混和というのは製造になりますので無免許製造、きびしくいえばそういう問題でございます。
○楢崎分科員 具体的にどういう罰を受けるのですか。
○細見政府委員 法五十四条によりますと、「免許を受けないで酒類、酒母又はもろみを製造した者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」とありまして、政令及び省令によって規定されていないものを製造したということで、これが五十四条に該当する、そういうことになります。
○楢崎分科員 最近の例で、その摘発件数はどのくらいありますか。
○細見政府委員 この問題につきましては、このこと自体として取り締まりを行なうということは国税庁の長官のいわば職務指導の上で行なっておりまして、したがって、それほど密造件数があるというものではございません。ただ、ほかのいわゆる密造犯、米こうじから酒をつくるというような密造犯が検挙されました場合に、その場にあったものが検挙されてきておるというような事例は若干ございます。
○楢崎分科員 酒税法の四十三条の九項「酒類の消集者が自ら消費するため」、この「酒類の消費者」というのは、わかりやすくいえば自分で酒を飲む人がという意味ですか。「自ら消費するため」というのは、自分で飲むためにということですか。そういう解釈ですか。
○細見政府委員 そのとおりでございます。ただ、その前に「政令で定めるところにより、」というので、その政令がさらに政令五十条になり、規則十九条になって、規則十九条でいまおっしゃっておる十三種類のくだものが規定されておる、そういうわけでございます。
○楢崎分科員 そうすると、施行令五十条の九項によってバーとかキャバレー、スナック等でカクテルをつくるのはいいわけですね。 それで、大蔵大臣にお伺いしますが、病気なんかされたとき、かぜなんかひかれると卵酒を飲みますね。卵酒をつくるときに、自分じゃ病気だからつくられない。奥さんがつくってやった。これは違反ですか、どうですか。
○細見政府委員 同じ家族の構成であれば、みずからと同様でございます。
○楢崎分科員 では、あなた方もよく宴会へ出られましょう。中国料理を食べに行った。老酒が出ます。老酒は氷砂糖を入れて飲む。そのとき隣の友人が、砂糖が入っておるその老酒をついでくれた、それを飲んだらどうなりますか。
○細見政府委員 いまのお話の、酒税法の施行令五十条によって、レストラン云々とある、そこではいいわけでありますから、そこで提供されたものでありますから……。
○楢崎分科員 それでは、お正月に家族がとそをつくっておる。友人がたずねてきた。これは家族ではありません。飲んだらどうなりますか。
○細見政府委員 それは、もう一つの条件であります消費の直前においてつくったものはいいというのが法律四十三条にございます、そちらのほうにあたります。
○楢崎分科員 直前とはどの程度ですか。
○細見政府委員 まず変質しない、あるいはつくってすぐ飲む状態であろうかと思いますが、それがどの時間かというのは社会通念できめる以外にないと思います。
○楢崎分科員 それは実際常識に合わないから、そういう解釈でおるのです。法律のほうが無理なんですよ。だから、それからいえば、いまのような親切な御解釈なら、レモンはいいのだから、レモンの親戚のオレンジぐらい、いいじゃないですか、こうなりますよ。それはなぜそんなに厳格にするのです。私が言っているのは、いわゆる国民感情に合わないということを言っているのです。これは英国では、御承知のとおりそういうものはないのだから、この際福田大臣も、こういうことはひとつ全面的に開放する線で考えてみようという考えはないですか。ほんとうにこれはおかしいですよ。
○福田国務大臣 どうも、酒の個々の問題をいいますと、私はあまり知識がないので満足なお答えができませんが、楢崎さんのお話を承っておりますと、どうもいまの制度では窮屈なような感じもします。これは考え直しまして、前向きで善処します。
○楢崎分科員 以上私が申し上げたことは、楢崎の言うのは、あまりこれは詳しくないからといって、笑って聞かれよるかしれませんが、実はわれわれも学校で法律を学びましたが、御存じでしょう、我妻さんのこれ。この我妻教授の「身辺随想」の最後のところを読みまして、そして私の意見にかえたいと思うのです。こういうこまかい問題に非常に親切な見解を出しておられます。これは国民生活と関係深いし、間違った法律は、法律のために人間は生きておるのじゃないのだから、人間のために法律はあるのだから、だから旧地主のあの問題だって法律を変えるようになってきたでしょう。だから、これはぜひ考えてもらいたい。 読んでみます。「わが国の酒税制度は、ますます邪道に深入りするかに見える。鹿を追う猟師が山を見ないように、これも禁じないと脱税される、あれにも税金をかけないと不公平になる、と目先のことばかり考えて」——全くぴったりですね、局長のさっき言うのと。「目先のことばかり考えて法律を作ってゆくのではないか。そして、生ずるであろう不都合は、運用でうまくゆくと安心しているのではないか。」——先ほど私が指摘したとおりです。ある点は運用で……。「カクテルを作って呑むことさえ特別の規定がなければ犯罪となるような原則のどっかに無理がある。国家の収入を確保することも大切であろう。しかし、国民が健全な常識に従ってする日常生活を犯罪とするような制度が国民の心理にどのような悪影響を及ぼすか、その方が一層重大な問題であることを忘れてはなるまい。」まさに至言だと思います。どうですか。
○細見政府委員 おっしゃる精神といいますか……。ただカクテルをつくるのまでが犯罪だというようなところは、この法律をお読み願うとおりに、自宅で消費の直前にどのような割合によってどういうカクテルをつくろをとこれは自由でございますし、長期間にわたって貯蔵して、つまり酒の味を長期にわたって変えるようなものについては、いま十三種類になっておりますが、それらのものについて必要な国民の皆さんの御要望を聞いていく態度は今後も持ち続けたい、かように思っております。
○楢崎分科員 それで一例だけあげておきましょう。トチが許されておる根拠は何ですか。
○細見政府委員 先ほど申し上げましたように、十三種類は主として要望によって取り上げたものでありますので、トチの要望があったというわけなんでございます。
○楢崎分科員 それでは私は、ここに新しく、前向きで、拡大の方向で検討されると大臣が言われましたから、正式に要望をこの委員会でしておきたいと思いますが、十三品目に類似のものは全部ひとつ全廃の方向で御検討いただきたい、そういうことをひとつ正式に要望いたしておきます。 そこで、ちょっと最後に触れたい。私も若干たしなむのですけれども、一月から洋酒が自由化された。さっぱり安くならないですね。これは税法のほうをいじられてないから、量のほうだけの問題だからそうだと思うのですが、どうも洋酒は高いのだ。洋酒の高いやつを、かっこがいいから、味がわからぬくせに飲む人がおりますが、そういう、何といいますか、ムード的な関係もあって下がらないという向きが私はあろうと思うのです。それはさておき、日本の洋酒も含めて、洋酒は高過ぎるという気がするのです。 これはちょっと聞いておきますが、ウイスキーというのは、モルトを使ってうまくブレンドするわけでしょうけれども、モルトというのは五年なり十年なり寝かしたことをいうのでしょうが、日本の酒税法ではその期限がありますか、どのぐらいあれしておかぬといかぬという。
○細見政府委員 期限はございません。
○楢崎分科員 だから、きょうつくって、あした使っても、モルトで通用しますね、酒税法上厳格にいえば。
○細見政府委員 モルトを混じたものであればウイスキーになります。
○楢崎分科員 ウイスキーは非常に飲まれるようになった。そのモルトのストックがあるわけがない。そこで実際問題としては、モルト、モルトといっておるけれども、アルコールを使っておるのじゃないか。こういうことですから、そうすると酒税法では特級、一級、二級、それぞれモルトの量は指定されておりますけれども、いまも御答弁のとおり、年期をかけて熟成されたモルトというものが使われておるのではない。 ちょっと私も計算が弱いのですが、アルコールは一・八リットルいまどのくらいですか。
○細見政府委員 キロリットル十万円であります。
○楢崎分科員 断わったのですがね、計算が弱いですから一・八リットルでどのくらいになりますかと言って。
○細見政府委員 約二百円ぐらいになります。
○楢崎分科員 そんなになりますか。これは間違いないですか。
○細見政府委員 ありません。
○楢崎分科員 それは私もあとで検討してみますが、そうすると、モルト〇・二%の二級ウイスキーの製造原価はどれくらいになりますか。
○細見政府委員 その辺になりますと、それぞれの銘柄によってある程度の差もございます。特にモルトの入れ方というようなことで——アルコールについては、原価がいまお話しのように算定できるわけですが、モルトにつきましては、いまお話しのありましたように、かなりウイスキーが出だしましたので、割り高のものを買っておるものもございましょうし、あるいはつくり方について原料の高いものを急に仕入れなければならなかったというようなものもございまして、そのモルトの値段というものは必ずしも明確ではございません。
○楢崎分科員 とにかく高過ぎますよ。これは常識で出てくる数字です。 そこで、これもやはり税の関係がありましょうが、検討してもらわねばいけないと思うのです。先ほどの御答弁の中でちょっと気になることばがあったのですけれども、業界のほうのいろんなことも考えなければいかぬと言う。そこで、いわゆる酒造関係の業界、組合がありますが、大蔵省の高級官僚はいまどのくらいそれらの役員に就任されておりますか。
○細見政府委員 正確にはわかりませんが、それぞれの酒の種類ごとに酒造会とか、そういった団体がございますが、その団体に一人ないし二人ぐらいの割合でおろうかと思います。
○楢崎分科員 そこで、常識的に出てくるものは何かというと、いわゆる業界の利益を守る、それに大蔵省関係がバックアップする、そういう印象を国民は受けると思うのです。つまり何か大手メーカーの利益を考慮するあまり、どうもかばい過ぎるといいますか、何かおかしなものを感ずるのです。そこで、そうではないという一つの証拠を見せるためにも、やはり大蔵大臣がおっしゃったように、いろいろ私は言いませんけれども、この問題ぐらいは、常識的に見てそうなんだから、そのあかしのためにも、これはひとつ大胆に、さっき言われたように解禁の方向へひとつお願いしたい。 なお、メーカー関係の組合等に大蔵省の高級官僚の天下りの状態を、ひとつ資料として後刻出していただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
○細見政府委員 高級官僚というのをどの辺にしぼるのかよくわかりませんが、もと大蔵省に奉職しておった者のある程度の地位人にしぼって報告をしたいと思います。
○楢崎分科員 次に、二月一日の私の総括のときに触れた日中貿易と関税の関係でございますが、これもある程度常識的に見ても非常に問題があるわけです。というのは、この前の繰り返しは私はもういたしませんが、きょうはちょっと生糸に問題をしぼって考えてみたいと思いますが、生糸は残りのほうの二十二品目に入っているわけですね。そこで中国の生糸は、いままでどおり基本税率と申しますか一五%据え置き、そうするとほかのやつは、ことしの四月一日からですか、来年の一月一日より九カ月早くなるわけですから、そうすると五〇%カットになって七・五%になりますね。そこに全く格差が歴然としているわけです。それから絹織物を見ても、中国のものは二〇%、韓国の場合でいうと一〇%、二倍ですね。非常に格差がある。この前も大蔵大臣は、これが中国貿易の阻害にならないように十分弾力的に考えるというような内容の御答弁があったのですけれども、この問題は、何も税が高いから税を下げよと私は当面言っているんじゃないんです。格差を問題にしているわけです。その際に生糸の場合、いままでは国産を保護すると言ってみたり、あるいは中国の生糸は安過ぎると言ってみたり、どうも中国の生糸は脅威があるというようなやりとりが、その理由としてあげられているようであります。いま韓国からの輸入は約三万五千俵、中国は二万俵、逆転したですね。いま中国の生糸がなぜ脅威があるのか、この辺ひとつ簡単に御見解を伺っておきたいと思います。
○福田国務大臣 いま農林省の局長が来ているから、そのほうから……。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 日本の生糸は、大体年間最近三十五万俵くらいの前後でこの二、三年来動いておりませんが、中国生糸は、御存じのように世界でわが国に次ぐ第二のいわゆる生糸生産国でございまして、ほんとうの意味での中国生糸の生産量というものは、われわれも十分捕捉しておりませんが、いろいろな文献等から勘案いたしますと、中国の生産量は約十七万前後というように理解している次第でございます。われわれといたしまして、やはりわが国に次ぐ生糸についての大国であるということで、しかもそのいわゆる輸出能力といいますものは、韓国以上に非常に大きな輸出余力を持って、年間六、七万俵から十万俵前後の生糸の——十万までいっているかどうかわかりませんが、六、七万俵は確実に輸出余力を持っている。しかも最近の時点におきまして、われわれの見方では年々中国生糸の質が向上してまいりまして、当初よりもいわゆる輸入の生糸の糸質といいますか、糸格の占める比率も非常によくなっております。その意味におきまして、日本側にとりましては、相当な脅威である。しかも値段も、先ほど御指摘になりましたように、韓国生糸に比べますと、値が相当安く、かつまた、われわれから見まして、中国生糸のいわゆる生産費といいますか、生産原価の実態が十分把握しかねるというふうなことで、われわれといたしましては、やはり中国生糸につきましては、相当な脅威と言ったら誤解を招くかもしれませんが、相当潜在力が強い、こう見ている次第でございます。
○楢崎分科員 それは国産を保護するという立場から見られての話ですか、いまのは。そうしますと、輸入の量は韓国のほうが多いのですから、多いほうが関税が安くて少ないほうが高いというのはどういう関係になるのですか、国産保護の立場から。
○荒勝政府委員 先ほど申し上げましたように、韓国のいわゆる生糸の生産高というものは、何べんも日本の関係者が韓国に参りまして、韓国の生糸につきましては生産量も、それからまたその生産コスト等も大体見ておりまして、たとえば四十四年の総生産量は四万二千俵ありまして、そのうち日本へ入りますのは約半分から最近は少しふえまして六割前後になっておりますが、大体全量かりに日本に入りましても、日本がただいま入れております、昨年一年間で六万俵をこえる輸入量でございますが、大体限度がわかっておるということでありますが、中国生糸につきましては十七万俵という非常に大きな潜在供給力があるということで、われわれといたしましてはその辺に多少の懸念が残っておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○楢崎分科員 それは全く科学的な根拠はないですね、中国の場合は推定ですべて言っているわけでしょう、そうでしょう。
○荒勝政府委員 われわれのほうで、関係業界で中国に再三にわたりまして調査団を出し、あるいは向こうといろいろな形で非公式に折衝しているようでありますが、生産量につきましては十分な確たるデータはいただけない。しかし、大体世界の蚕糸関係者の間で調べております資料等に基づいての推定でございますが、少なくとも十七万俵は大体潜在供給力を持っている、こういうふうに理解している次第であります。
○楢崎分科員 あなたは一つの予断を持っておりますよ、持ち過ぎています。韓国のほうは大体の供給量、見通しはついている。中国のほうは余力がどのくらいあるかわからない。韓国だってもう御承知のとおり増産計画もしているのです。だからその辺になると、私は、この委員会でおしゃべりになるのだったら、もう少し科学的根拠を持っておっしゃらないといけないと思うのです。どうもそこに背景があるという気がしてならないわけです。 そこで、品質の点でも、韓国のほうが日本の国産のものと競合する度会いは多いのじゃないですか、中国よりもバラエティーが少なくて。
○荒勝政府委員 御存じのように、生糸でありますればそれはそれなりに、高額な生糸につきましては高級な織物になり、低額な生糸につきましてはまた低級な織物に使われておりまして、日本の生糸であろうと韓国の生糸であろうと中国の生糸であろうと、生糸そのものにそれほど本質的な違いはないと思います。ただ、多少余談になりますけれども、日本の内地におきましても、どこどこ産の里糸は使いやすいとか使いにくいとかいう機屋さんの一つの技術と産地銘柄と申しますかとの関係において、その間複雑な水の問題等ございますが、使いやすい使いにくいという程度で、あとわれわれのほうの生糸検査所で調べました規格に合致しておれば、高額なものは高級に、低額なものは低級織物にということになってまいりまして、その意味におきまして中国の生糸と韓国の生糸の間でどちらが日本の織物に対して重大な影響を与えるかということになりますと、その点は同じではなかろうか。むしろだんだんと、先ほどの生糸の規格の高級なものが多く入れば入るほど——日本は生糸につきましては比較的世界の最高水準をいっておりますので、生糸の規格も最高水準でございますので、高級規格の生糸が入れば入るほど多少影響力は強くなってくる、こういうように御理解願いたいと思います。
○楢崎委員 結局冒頭に申し上げました中国貿易とほかの関係との格差、この格差が常識的に見ても隔たりがあり過ぎる。これはもうおわかりになると思うのですね。 そこで、荒勝という人はどこの局長さんですかね——農林省ですね。この人が業界の代表と話されておる議事録を見てみますと、問題は、今後中国関係をどう見るか、内閣の方針次第です。上からのどうしろということがおりてこない——どうして首を振るのです。おっしゃっておることを読んでおる。上からのどうしろという、そういったニュアンスのほどもおりてこないから何ともできないという言い方をされておるのですね。私はそれはほんとうのことを言われておると思うのですよ。だからこの辺はどうも最終的になると、対中国との問題、全般的な正常化の問題とからんでくる。そこで大蔵大臣の二月一日のあのような答弁とからんでくるのだと思うのです。これはどうしてもやはり撤廃の方向に進んでもらわなければいけない。国会でも差別撤廃を決議しておるのですから、御承知でしょう、それでやってもらいたいと思うのです。 そこで、二月一日の質問にちょっとからみますけれども、宮澤さんが中国が特恵関税の問題で意思表示をすればということを言った。大蔵大臣も補足されたのですが、いま国連の貿易会議なんかでそういう中国の問題を取り上げられるのですか。
○福田国務大臣 中国が加盟するという問題ですね。これは中国と限らず一般問題としては、特恵関税を供与するには二つの条件があるわけですね。一つはUNCTADに入る、こういう問題、それからもう一つは特恵関税の適用を受けたいという意思表示をする、こういう問題があると思います。私は中国はUNCTADになかなか入りにくいのではないか。いま現実の問題として論ずる場合に、中国がUNCTADに入る、それはちょっと考えられません。そっちのほうはなかなかむずかしい。むずかしいが、しかし、特恵の対象になりたいんだという意思表示を中国がした、そういう際に、これをほっておくのも近隣としてどうだろう、こういうことなんです。そこで、第一の条件は満たされないけれども第二の条件が満たされたという際に現実的な処理はできないものか、こういうことを考えておるのです。そのことを申し上げたわけです。
○楢崎分科員 その点はよくわかるのです。そこでたとえば中国側の意思表示というものは具体的にどういうことをもって意思表示ありと判断されるのでしょうか。その確認の方法等はどういうことが考えられましょうか。
○福田国務大臣 中国との間にわが日本は国交を持っておりません。だから政府間の接触というのはいまちょっと無理じゃないか、こういうふうに思いますが、しかし、現にいま藤山さんが向こうに行っておる。また、覚書貿易使節団も行っておる。そういうようないろんな往来があるわけですから、その往来を通じてそういう意思表示があるかどうか、そういうことは確認できるのじゃないか、さように考えます。
○楢崎分科員 そこでもう大臣も御案内のとおり、中国問題は焦眉の外交の課題でございます。台湾に対するコミットメントは減少する方向にいかなくては実際の対中関係は開けない。これは現実の問題ですね、政治の課題として考えれば。おわかりのとおりです。そこで特恵関税の問題とからんで、いま台湾なり韓国なりに、それを見越して日本の企業が進出する。言うなれば、円借款なりあるいは民間投資というのはもう特恵関税と切り離せない形でいま出てきている。そうして相手の国では非常に——私ここ新聞をたくさん持っておりますが、韓国でも女工哀史みたいないわゆる労働の搾取が行なわれておる。悲劇は自殺者が出ておる。そういうあくどい進出のしかたをしておる。これはすべて特恵関税とからんでおる。少なくとも当面対中問題を控えて——これは大蔵大臣は単に大蔵大臣だけじゃない方ですから、将来も展望しながら、少なくとも当面対中問題の見通しがはっきりつくそういう段階までは台湾なりあるいは韓国に対して特恵関税をやめるべきだと思いますが、どうでしょう。
○福田国務大臣 特恵関税は国際的申し合わせに従ってわが日本もやっているわけなんでありまして、その特恵関税参加の条件に適合したという国をことさら何かの事情ではずす、これもずいぶんかどの立つことじゃあるまいか、そういうふうに思うのです。現実の問題として、台湾をはずします、これはなかなかむずかしいことかと思います。ですから、それよりはむしろ中国が特恵とどういうふうな関係になるか、そっちのほうを検討することのほろが現実的じゃないか、そんな感じがするのです。
○楢崎分科員 これは大蔵大臣、たいへんむずかしいところですよね。失礼ですけれども、佐藤内閣のもとでの対中関係の打開というのはたいへんむずかしいということがいわれております。私も現実的にはむずかしかろうと思うのです。それで次の内閣というものはやはりこの問題を真剣に引き継がなくてはならない。これは私の見通しです。そういう場合に、この台湾という国の地位がいま問題になっておるのです。これはこの秋の国連総会でどの程度この地位の明確化について前進するかどうかはまだはっきりなっておりません。そういう段階ですから、その台湾という国に対して、たとえその条件に合っていようと、そういったいろんな政治的な見通し、観点からいって、これは条件に合っておるからすぐということは御再考ならぬといかぬのじゃないかということを私は申し上げておるのです。どうでしょうか。
○福田国務大臣 中国問題について造詣の深い御意見として拝聴しますが、しかし、どうも現実問題とすると台湾を特恵からはずす、これはあまりかどの立ついき方ではあるまいか。またその措置が及ぼす影響、これもきわめて甚大である。ですから私の結論を申し上げますれば、むしろ中国のほうがその条件に当てはまるか当てはまらぬか、こういう問題を検討するほうが実際的じゃないか。お気持ちはよくわかります。
○楢崎分科員 そのかわりに中国のほうの問題を考えるほうが具体的である、現実的である。それは大蔵大臣の見解としていいと思います、前向きに検討されるのですから。ただ私は次の段階を考えた場合に、福田大蔵大臣がこの台湾に対する特恵関税の問題をそのように考えられることについては、私は先の見通しとしてたいへん惜しいと思いますね。ぼくはこれ以上言いません。 それで、この特恵関税というのは、これは私どもの立場ですけれども、やはりいうところの軍国主義の裏返しである。経済侵略の一環として、円借款あるいは民間投資とこの特恵関税の問題は表裏の関係にあると見ざるを得ないわけです。一方において、これはやはり関連の中小企業あるいは零細企業にも重要な影響を与える問題ですから、ひとつ慎重に検討を重ねていただきたい、このように思っております。これは要望しておきます。 それでは中国問題でちょっと一問聞いておきたいのですが、十三日の衆議院の一般質問で川崎委員の質問に答えられて、中国貿易の決済の問題に触れられたわけです。あのときの大臣め御答弁は、円・元決済及び元・元決済と、こういうあれですか。元・元のほうは含まれていないのじゃないですか。どうなんですか、はっきりしておいてください。
○福田国務大臣 元・元のことを申し上げたわけです。
○楢崎分科員 そこで大臣は、円と元との交換レートがはっきりきまり、元のコンバーティビリティというのですか、交換性が保証されることが必要である。そのときの保証の条件というものは一体どういうものであろうか、これをお伺いしておきたいわけです。そこでいま民間ベースで交渉をし、それがきめられたら、大蔵省はどのような態度をとられるわけでしょうか。
○福田国務大臣 民間といいますと商社ですが、商社それから金融機関、これで元・元でいこうという話になり、そして貿易ですからどうしても残高が出ます。残高について交換というかコンバーティビリティですね、これが保証されるということになれば、これはまあひとつ考えてみなければならぬかな——基本的な考え方としては、日中関係、これは通商関係のほうがだいぶ進んでおるわけです。なお進ませるべきだ、こういうふうに考えるのです。その通商関係が決済という点一点でこれが阻害要因になる、こういうことははなはだ遺憾である、こういうふうに考えるのです。わが日本という国のメンツあるいは威信というようなことからいうと、最小限円・元決済というところになるかと思います。しかし、その辺はそうこだわらぬでもいいのじゃないか、元・元でいいのじゃないか、ちゃんと安全に運転できればいいじゃないか、こういうことを申し上げているのです。
○楢崎分科員 そこで中国銀行とコルレス契約というのですか、結んでおる日本の銀行ありますでしょうか。
○稲村政府委員 ございます。
○楢崎分科員 そこで、これらのコルレス契約を結んでおる日本の銀行と大蔵省との間で元の勘定は開かない、つまり元を使わせないという何か取りきめ、一札があるわけでしょうか。
○稲村政府委員 元を使わせるか使わせないかという問題につきましては、いわば元が決済通貨として現在の制度で認められるかいなかということであろうかと存じますが、現在におきましては外国為替管理法に基づきまして外国との取引に使える通貨というのは大蔵大臣が指定をいたすことになっておりまして、その中に、元は受け取り通貨としては指定をされておりません。したがいまして、個々のいわば標準的な方式としては使えないということでございます。
○楢崎分科員 そこで、実際問題としては、円を使わせようと思えば、いまお話しのありましたとおり、指定受領通貨は大体十五種ぐらいでございますから、その十五種の中に元を入れなくてはいけないわけですね。
○稲村政府委員 いまの御質問の点は、管理法上国内的にどういうふうに処理をいたせばよろしいかという、いわば技術的な問題であろうかと存じます。これは先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、種々の条件がそろいまして元も決済通貨として認めていいということになりますれば、あとは技術的な問題として解決いたせる問題だと存じます。
○楢崎分科員 言うなれば、方針さえきまれば、事務的にはその指定受領通貨の中に入れなくちゃだめですからね。そういうことですね。 それでは一番最後に、これは私の地元の問題に関連しておる問題ですが、福岡市の北崎に水産加工センターが公害防止事業団の事業として建設されることになっておるのですが、実はこれをめぐって地元の市議会では一月末に福岡市議会始まって以来という事件が起こった。つまり地元のほうは受け入れ反対と、まあ了承しておる人もありましょう、非常にもめておるわけです。現在ももめて、それで強行採決しましたから、一応その方向へなると地元の人は思って、もし事業団が事業にとりかかるときには実力阻止でも辞さないというような雰囲気になっておるわけであります。私の質問の趣旨は、公害防止のための仕事ですから、そのこと自体は問題にしていないのです。誤解のないようにお願いしたい。そのやり方について問題を指摘しておるわけであります。 そこで、時間がありませんから、経過についてはいろいろあるわけですが、私は国会でわざわざ地元の経過は言いません。問題は、事業団と市との契約はいまどういうふうに契約できておるのか、どういうふうな状態になっているか、それをまずお伺いします。
○曾根田政府委員 お答えいたします。 福岡市内の現在予定いたしております共同利用建物の契約関係でございますが、これは本年の一月三十日に地元の市から事業実施の申し込みが事業団のほうに出されまして、事業団といたしましては法律に基づきまして知事との間に協議を行ないまして、二月十日に同知事の同意を得た上で事業実施計画等つくりまして、その認可について私どものほうに申請が参っております。したがいまして、この申請に対する認可があり次第契約を締結する、これからの問題でございます。
○楢崎分科員 そうすると、いままだ契約には及んでいない段階であるわけです。私はこの段階は非常に重要な期間であると思うのですね。もし契約が完了したら、もうあとは既成事実に基づいてどんどん工事が進行されるということになっていこうと思います。このような事業はやはりある程度地元の関係住民の納得あるいは歓迎を受けてこそ初めて意味があるわけでありまして、したがって私は、地元のそういった紛争状態がなくなるように市当局としては十分努力がなされるものと思いますが、その努力の継続中は、これはひとつ契約というものはその状態をよく見守った上でということにされる必要があるのじゃないか。そうしないと、知事から申請が来た、認可した、それだけではこれはあまりにも問題を残し過ぎる、円満な解決を願うがゆえに私はそういうふうに思うのですが、御見解を聞いておきたいと思います。
○曾根田政府委員 地元での反対運動につきましては、事業団を通じて私どもも承知をいたしておりますし、ただいま先生からも御指摘もございましたので、契約の締結までには多少まだ時間的ゆとりもございますので、私どもとしましてはしばらく事態を見守っていきたいというふうに考えております。
○楢崎分科員 その契約の期限と申しますか、予算執行上の限度というのはいつになっておりますか。
○曾根田政府委員 四十五年度の事業計画といたしておりますので、三月一ぱいが一応限度ということになっております。
○楢崎分科員 それでは三月一ぱいまではまだ期間がありますから、十分その辺の状態を見定めて地元の円満解決ということを一つの条件にしてその契約実施を考えていただきたい、そのように行政指導をお願いしたい、どうでしょう。
○曾根田政府委員 そのように努力したいと思います。
○楢崎分科員 これで終わります。
○大坪主査 米原昶君。
○米原分科員 私の質問時間は三十分に制限されておりますから、簡単に一問だけ質問いたします。 沖繩の返還協定の締結にあたって問題になっているアメリカの資産のいわゆる買い取りの問題についてです。いわゆるというのは、政府のほうで買い取りということばを使うのをきらっておられますから。資産は引き継ぐのだ、そうして公正妥当な支出をするんだというようなことを言っておられる。そうしてまるまるただでは受け取らないというようなことを言っておられるようであります。基本的なそういう考え方ですね。実際上これはやっぱり買い取りじゃないかとわれわれは思うのです。思うのですが、なぜそういうふうに言われるのか、その交渉にあたっての考え方の根本のところをちょっと聞きたい。
○福田国務大臣 資産、いま米原さんからお話のとおりの考え方をしておるのです。なぜそういう考え方をするか、こういうお尋ねでありますが、どうも沖繩をお金を出して買い取ったということはこれは国民感情から見ていかがであろうか、こういうふうに思うわけです。そういうことから買い取り、こういう文言は使わない、こういうわけなんです。結局考え方は、アメリカ政府が沖繩を引き揚げます。そうすると、そこに資産を置いていく、それを日本政府が引き継ぐ。その中にはわが日本の施設として有効なものも多々あるわけで、それをただ引き継ぐのもどうであろうか、ちょっとがめついのじゃないか、こういうような感じを一般に持つと思うのです。何がしかの、謝礼というわけでもございませんが、支払いをするのが妥当ではあるまいか、そういうふうな考えを持ちます。ですから、資産は買い取るのではありません、資産は引き継ぐのであります。しかし、これに関連して、政府は何がしかの支払いをいたす方針である、こういうことを申し上げておるわけです。
○米原分科員 国民感情というところに持っていかれましたが、国民感情を率直に言えば、平和条約第三条で、これは買い取ったわけじゃなく、もぎ取ったと言っていいと思うのですが、ただで切り離したわけです。そういうところからいえば、ただで返ってくるのがむしろあたりまえだというのが、国民感情じゃないか。やはりここでそういう形で金を払われるのは買い取りじゃないか。国民感情論になりますけれども、国民は決してこれには納得しません。そう思うのですが、どうでしょう。
○福田国務大臣 買い取りのほうが国民感情に合うというのですか。むしろそういう意味でありますれば、これはわが国民感情に合致しない。
○米原委員 では国民感情論で議論してもおそらく議論にはならないでしょうから、お互いに主張するだけになるかもしれませんから、具体的にひとつ。 実際にはいわゆるアメリカの資産の評価もやっておられるわけです。だから、実際のやっておられることは買い取りにほぼひとしいことなのですが、その中で琉球政府からも、沖繩における米国支出金及び米国管理資産の処理についてという要請書が去年政府に出ておりますし、これはもちろんよく御存じのものでありますが、これを見まして、政府の扱っておられる問題とちょっと食い違いといいますか、引き継ぐ範囲について考え方が少し違います。大体日本政府として、いま資産評価とかいろいろなことをやっておられますが、政府として引き継ぐものと、それから琉球政府が言っているものと少し範囲が違うように思います。政府が引き継がれるのは、どういう資産であるかということを、基本的な点をちょっと最初に聞きたい。
○福田国務大臣 具体的に申し上げますが、琉球電力会社それから琉球水道公社、琉球開発金融公社、これは非常に固まっているのです。それからなお行政用の建築物、そういうものもいま細目にわたって話し合いをいたしております。それから軍事基地外の道路及び航路通信援助施設が翻るのですが、あれはブイだとかロランシステムというのがあるのですが、そんなようなものです。まだこれはどの程度ということは固まっておりません。その辺をいま話し合っている。
○米原分科員 そうしますと、大体新聞には出ていてそうだろうとは理解しているのですが、琉球銀行とそれから石油施設ですね、これはどういう形になるのか。
○福田国務大臣 これは別途処理というか、この引き継ぎ問題としては処理いたしません。
○米原分科員 一つ、軍事基地外の道路ということですが、その中で、沖繩に行けばすぐだれでも知っているわけですが、例の一号線道路というのがありますね。これは沖繩の全土を縦貫している非常に重要な道路だと思うのですが、これは現在は軍用道路ということになっておりますね。実際にも軍用道路という扱いのために、あそこでたとえば沖繩の人がビラをまいたりしますと、軍事基地内でビラをまいたというようなことで逮捕されたり、いろいろな問題がいままでも起こっている。この軍用道路、これは実際は軍用道路であるかもしれないが、同時に沖繩の住民の生活にとっても、沖繩の経済にとっても欠かせない道路にもなっているのです。この道路は軍事基地外の道路になりますか、どちらになりますか。
○前田説明員 一号道路につきましては、これは向こうと民との共同使用ということでございます。それで基地外か基地内かという、その違いによって区別するわけでございます。
○米原分科員 そうしますと、日本の本土における状況からいいますと、これはいわゆる基地外の道路であるというふうに考えるわけです。実際上基地外の道路になっております。確かに非常に広い範囲が軍事基地になっておりますから、この道路は軍事基地の中心部を通っているというのがありますね。しかし、本土における常識、また本土並み返還ということになりますと、たとえばこれがいままでと同じような軍事道路扱いだとすると、これは本土並み返還という感覚は全然持てない、そういう道路だと思うのですが、共同使用という意味は、結局法的にはどういうことになるのですか。
○福田国務大臣 基地外という……。
○米原分科員 そういたしますと、問題は資産を引き継ぐのであって、買い取るのではない、こう言われますが、実際は資産の評価ということが大問題になってくる。実際には結局沖繩県民の利益になるものだからただでもらうわけにはいかないと言われるのが、大臣の言われる国民感情なわけですが、しかし、県民の利益になるというのは、一体どういう範囲のことを言っておられるのか。一方ではガリオアの分は返済する必要ないとか、これはアメリカ軍のほうですでに占領中に言っていることですから、当然そうなると思っておりましたが、そういうものは返済しない。しかし、国民の、県民の利益になる分はということで何か計算しておられるようですが、一体県民の利益になる部分というのは、どういう範囲のことなのか、ちっともはっきりしないのです。利益になるものだったら、何でも支払うという考え方なのかどうかということです。
○福田国務大臣 アメリカ政府が引き揚げ、そこに資産が残るわけです。日本政府として別に必要もないようなものを引き継ぐ、それは私はその必要はないと思うのです。しかし、有用なもの、これは引き継いで日本政府が使用する。そういう際に、まあアメリカ政府側も金を使っておる、それをただでそのままいただく、こういうのもいまの日本の経済、財政というような状況から見ていかがであろうか、こういうことで、支払いを行なおう、こういう考え方をとっております。
○米原分科員 もう一つ、先ほど一号線道路は軍事基地外の道路ということになるということを聞きましたが、そうなりますと、あの一号線道路はもとの国道ですか、それを拡張修理してつくられたものらしいのですが、その拡張の際には地主に対する補償というのはほとんどやられていない。やられているといっても、ほんの涙金程度であったということを沖繩の新聞も書いておりますが、同時に軍事用道路としてつくられたために、排水施設が全然ついていない道路になっている。そのために付近の住民が非常な損害を受けてきている。そういう損害補償の問題ですが、こういうのも平和条約第十九条で請求権を放棄した、あれを当てはめる、一切この損害賠償は取らないというふうになっておるわけですか。
○福田国務大臣 大蔵省で関係しておりますのは、米政府から引き継ぐ資産についての問題でありまして、請求権をどうするか、こういうような問題につきましては、これは総理府の所管なのであります。私はちょっとどうも責任をもってお答えをするわけにはいかない。
○米原分科員 それでは、この問題は別の機会に総理府のほうに聞くことにしましょう。 そこで、いわゆるアメリカの管理資産の評価の問題ですが、琉球政府がこういう資料を出して、それで実際上はガリオアが原資になっているものは、これは払わなくてもいいのだ、その他のものも大部分は沖繩住民の勤労の中から結局生み出されたものだというような全般的な主張をしておりますが、この点についてはここに述べられているような考え方に大蔵大臣は同意されないですか。
○福田国務大臣 屋良主席からこの資産の問題についての琉球政府の考え方、こういうのを伺っております。そういうようなことも考慮のうらには入れなければならぬ。しかし、事は米政府との話し合いの問題でありますから、現実の問題としてそのとおりやるというわけにもまいらぬだろうと思いますが、とにかく日本の沖繩県民ということもあります。ですが、同時に日本の国益ということを踏んまえまして、この解決に当たらなければならない、こういう考え方です。
○米原分科員 国益ということも国民感情と密接な問題だと思うのですが、御存じのように、ほかの委員会でも問題になっておる、たとえばいまの行政府の建築物の問題がこの前も問題になっておりますね。あの建物の前には、この建造物はアメリカ合衆国によって琉球人民に献呈したのだということがちゃんと彫り込まれているわけですね。ところが、これは日本語の差し上げるという意味の献呈じゃなくて、精神的なものというのですか、そういう解釈がどうも通用しているらしくて、実際にも使用貸借契約があるのだということをこの前外務省の方が答弁されたようです。私たちもちょっとそれで驚いて、琉球政府に問い合わせてみたのです。確かに使用貸借契約というものが六八年の三月二十六日に結ばれているというのですね。当時の高等弁務官と任命主席であった松岡主席との間にそういう契約が取りかわされておる。十四条の契約になっておるそうですが、その契約の内容も御存じだと思うのです。私、それを見まして、ちょっと感づいたのは、この契約には使用料を取るとか、つまり貸借の規定ですね、貸借金の規定というものは全然ない。そういう契約です。実際は無償で貸しているという形になっているわけです。そうすると、実際の問題としてはやはりこの建物なんかも無償だという主張のほうがほんとうじゃないかというふうに感ずるのですが、どう思われますか。
○福田国務大臣 米原さんはもう非常によく御承知のようです。つまりあれはデディケートというふうに書いてあります。ありますが、法律関係とすると使用貸借契約、そういうことになっております。ただ、それが無償であるということだけなのです。所有権が米政府にあるということは法律上非常にはっきりしている問題なのです。 しかし、これなんかも県民の感情というようなことも考えなければならぬ問題だろう、こういうふうに存じまして、まだこれは結論を得ておりませんが、そういう諸問題を含めてアメリカ側と話をしておる、こういうことであります。
○米原分科員 この琉球政府の出している資料を見ますと、これは概計のものですが、これを見ましても、実際上はアメリカ政府が占領地の住民の生活福祉の問題は当然やらなくてはならぬ責任があるのであります。それでやったものであって、私たちは本来払うべき筋合いのものじゃない、こう具体的な資料でも考えざるを得ないわけです。こういう問題について、いままで国際的なそういう慣例はありませんか。
○前田説明員 こういう沖繩返還というような特殊な事例というものがかつてございませんので、そのような事例はございません。
○米原分科員 たとえばフランスの領有地になっていたインドのシャンデルナゴールの自由市、これが一九五一年にインドに返還されておりますね。そのときには、これは沖繩のような二十数年間じゃなくて、相当長い期間の領有であったわけです。だから、フランスの投資されている資産というものも相当膨大なものですね、そういう点から見れば。一世紀以上にわたっているわけです。そういうところの返還の場合、フランスの国有財産になっておるものは全部無償で引き継いでおります。 こういう例を聞いておりますが、そういう意味から考えると、沖繩の場合は、ああいうふうに平和条約第三条で切り離されたけれども、潜在主権はあるのだということをアメリカ側もかなり初期から認めているわけです。インドの、完全に主権も失われていたというのとは若干事情が違うわけですね。インドのような場合、そういうところの返還、こういう問題です。それから、返還されて沖繩県民の利益になることは言うまでもありません。いろいろなものが返還されて、当然それは県民の役に立つものが返還されるわけです。その点の利益をこうむることには間違いないけれども、しかし同時に、この二十数年間アメリカ軍がどれだけ利益を受けたかということは、たいへんなものがあると思うのですね。要するに、主要な点はむしろそういう資産の問題よりも、あそこが軍事基地になっていて、おそらく沖繩を軍事基地として使うことができなかったとしたら、ベトナム戦争もできなかったのじゃないかといわれているくらいな、軍事的に非常に利益をこうむっている。もしもあそこに軍事基地をアメリカは置けないとしましたならば、別なところに軍事基地をつくってやらなくてはならぬ、その費用というものはたいへんなものだろうと思うのです。その点はほとんどただでやっているわけです。そして今後も、返還されても基本的にはその権利は持っているわけですね。アメリカがあそこを軍事基地として果たす機能を引き下げることはしないと日米共同声明になっているわけです。そうしますと、そういう軍事的な利益、それに伴う経済的利益というものも、依然としてアメリカは大きなものをとっているわけです。 そういう立場から考えますと、先ほど言われましたけれども、国民感情と言われるのが、どうも大蔵大臣と考えることが違うのじゃないか、根本的にそこのところを再検討する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えますが、どう思われますか。
○福田国務大臣 私は、米原さんと基本的に考え方の違いがあるのを感じたのですが、沖繩に米軍が駐留する、これはアメリカに軍事上の利益というようなこともあったかもしれません。しかし、同時にわが日本の安全保障、こういうことにもずいぶん役立っておる。その辺はだいぶ違っておるのじゃないかというふうに思いますが、それはそれといたしまして、核抜き、無条件七二年返還、これが実現をする、その話し合いの一環の問題ですから、これを資産承継問題という角度からばかりで論ずるわけにもいかないのです。その包括的交渉の中の一こまである、そういう御理解をしていただきたい、かように存じます。
○米原分科員 その点はもちろん大蔵大臣とは全く逆の見解を持っておるわけです。私自身あの平和条約が結ばれたときに、衆議院で平和条約特別委員会の委員をしておりました。そしてその点を特に問いただしたわけですから、そのときから見解はまっこうから違います。しかし、そのときにおそらく当時の自由党、国民民主党の人たちも、あれが非常にけっこうなことだとは思っていなかったと思います。非常に遺憾なことであるという見解であったと思うのですよ。相当大きな損害ですよ。 ところが、今度の解決方法では、一昨年の末でしたか、共産党の参議院議員の春日正一君が質問趣意書を出しまして、損害補償の問題について質問をしたときに、損害補償の問題も公正妥当な解決をしたいのだ、損害補償も一定の程度は求めるんだという意味を持った答弁が政府から正式に出ております。ところが、去年の暮れに出したときには、今度の回答では、逆に平和条約第十九条で放棄した請求権は沖繩県民にも及ぶんだ、こういう回答ですね。しかし、これは問題が違うのじゃないか。実際にも昭和三十二年三月二十日に、当時の池田大蔵大臣が参議院予算委員会で、サンフランシスコ条約第十九条の請求権放棄の問題は沖繩には適用されない、沖繩県民には及ばないということをはっきり言っております。ところが、いつの間にやらそれが沖繩復帰とともに、十九条はやはり適用される、これは実際問題としても非常に違っているんじゃないかというふうに考えるわけです。 ですから、資産の買い取りの問題だけを大蔵省は特別やっておられるのかもしれませんが、しかし、この考え方は、根本の考え方が違うと、この資産問題の扱い方も間違ってくるんじゃないか。当然請求すべきものを放棄しておるわけですよ。そうして実際には自民党政府の立場に立っても、あそこにいることによって日本の防衛が確保された、利益を得たんだとおっしゃるけれども、アメリカはそれ以上の利益を得ている、これも言えるんじゃないか、そういうふうに思うのです。 そういう点について、交渉は最終段階に入っているんだろうと思いますけれども、との根本的なところを間違いますと、将来非常に苦い、日本国民の歴史にとっても非常に恥ずべき交渉であった……。買い取りという態度はよくないと言われますけれども、前には無償でと言っているわけです。今度は、こちら側がやるときは金を払って買い取っているんだ。こういうことは幾ら買い取りでないと言われても、そういうふうに国民は理解するよりない。この点を根本的に、必ずしも共産党と自民党政府は同じ立場ではないので、意見の違う点はわかります。しかし、福田さんも日本国民を代表する政府の重要な地位におられる方です。この点についてはさらに考え直すべきではないか、こう思うわけですが、こういう全般的な問題について、最後に見解を伺いたい。
○福田国務大臣 米原さんのお話はよくわかります。ただ、立場というか、基本的な考え方が大きく違うものですから、どうも話は食い違いになりますが、しかし、資産を承継する、その際に何がしかの支払いが行なわれる、これはどうしても交渉上やむを得ざることである、こういう結論をとっております。しかし、その額がなるべく少なくて済むようにということにつきましては、最善の努力を払いたい、かように考えます。
○米原分科員 最後ですが、さっき申しましたインドの場合ですね。フランスの領有地となっていたシャンデルナゴール自由市の返還問題のときに、相当長期かかったけれども、結局フランスの国有財産をすべて無償で引き継いだ。それとは別にして、ある場合では沖繩の場合はよく似ておりますが、確かに別のものを払っておるようです。しかし、これは金額としたら非常に少ない。少なくともそういう点で、実際上は相当膨大な資産を金を払って引き継いだ、こういうようなやり方をすべきでないのじゃないかということを強調しまして、私の質問を終わります。
○大坪主査 以上をもちまして、大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。 本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時八分休憩 ————◇————— 午後四時二十三分開議
○大坪主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。 昭和四十六年度一般会計予算中会計検査院所管を議題とし、説明を求めます。佐藤会計検査院事務総長。
○佐藤会計検査院説明員 昭和四十六年度会計検査院所管の歳出予算について説明申し上げます。 昭和四十六年度会計検査院所管一般会計歳出予算の要求額は、二十五億七千五百六十四万一千円でありまして、これは、会計検査院が、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づいて、会計検査を行なうために必要な経費であります。 いま、要求額のおもなものについて申し上げますと、一、職員の俸給、給与、手当等として二十一億五千七百万九千円を計上いたしましたが、これは総額の約八三%に当たっております。これらのうらには、会計検査の充実をはかるため、調査官十九人を増置する経費も含まれております。二、旅費として一億八千七百四十四万二千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、会計実地検査旅費が一億七千七百三十四万七千円、外国旅費が六百二十四万六千円であります。三、施設整備費として九千九百九十二万五千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、各省庁から提出されます証拠書類を保管する書庫の新設工事費であります。 次に、ただいま申し上げました昭和四十六年度歳出予算要求額二十五億七千五百六十四万一千円を前年度当初予算額二十三億一千四百二十一万一千円に比較いたしますと、二億六千百四十三万円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、職員の俸給、給与、手当等において二億八千九百五十二万円、旅費において一千三百五十六万四千円、その他において二千三百二十四万五千円、計三億二千六百三十二万九千円の増加でありますが、施設整備の経費において六千四百八十九万九千円が減少となりますので、差し引き二億六千百四十三万円の増加となっております。 以上はなはだ簡単でございますが、昭和四十六年度会計検査院所管一般会計歳出予算要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○大坪主査 これにて会計検査院所管の予算の説明は終わりました。 —————————————
○大坪主査 質疑の通告がありますので、これを許します。福崎弥之助君。
○楢崎分科員 私急いでおったものですから、私の時間内になるたけ早く国税庁長官をもしできたらお願いします。 それで、会計検査院が検査なさるときには、たとえば各省で広報費にいろいろ使っておるわけですが、いろいろな書籍、雑誌類を買っていると思うのです。そういう場合に、恒常的にずっとあるものを買っておるというときに、それがはたしてその省にとってふさわしいものかどうかという検査はなさるのでしょうか。
○佐藤会計検査院説明員 もちろん国費が適正に使われているかどうかということを検査いたしますのが私どもの役所の本来の使命でございます。したがいましてそういった書類あるいは雑誌、そういったものにつきましても、一応はたして必要なものかどうか、それから実際納入されているかどうか、それから買ったはいいけれども積んだままになっているかどうかというような、一般的な歳出検査の通例のあり方としての検査はしております。
○楢崎分科員 そこで私は問題を二つにしぼって、これは要請もありますけれども、御見解を聞いておきたいと思うのです。 第一分科会でもすでに私自身取り上げておる問題です。長谷川才次という人の主宰する時事通信社、この時事通信社プロパーのはもちろんそうですが、時事通信社関係のいろいろな関連会社の書物が各省でとられておるわけですね。外務省はあとで資料をいただけることになっておりますけれども、外務省だけでも一億以上時事通信社関係にかかっておるのです。そこで時事通信社関係のその種の会社を全部私、私の能力の及ぶだけで一応調べてみたのですが、言うならばあの長谷川才次氏の主宰しておるすべてにわたって、ものの見方、考え方ですね、それが明らかに軍国主義復活の思想であり、天皇制復活の思想であり、皇軍思想であり、皇国史観であり、教育勅語復活であり、憲法改正なんです。その思想であらゆるものが貫かれております。ちょっと読んでみたいと思うのですが、これは「内外情勢調査」でございます。「お礼とお願い」ということで時事通信社が「少年日本史」というものを発行した。これが相当の県で財界の団体が買い上げて、それを県の教育委員会に寄付した形にしている。今度は県の教育委員会あるいは市の教育委員会が県内の中学校、小学校に配付しておるのですね。現物はこれですが、これはどういうふうに長谷川才次氏はこれを宣伝しているかというと、ここに宣伝文句があります。これは「週刊時事」です。やはり時事通信社のものです。「これこそ二十五年にわたる黒雲をつんざいて、初めて正統日本史の世界へ少年の心を導き入れる一大国民教典である。」という宣伝のもとに小中学校にこれがおろされておる。それで、私も初めから全部は見ておりませんが、一応古いことは水かけ論になりますから、私が少なくとも事実自分で知っておる時代のことを読んでみます。それで、最近は「忠君愛国、質実剛健、一身の利害をかえりみずして進む精神は、うすらいで来ました。」そういうところから、いまや「満州も支那も、すべて共産党のものとなって了った」と書いてあるのですね。事実こう書いてあるのです。それから大東亜戦争のことについては「敢然としてアジアの自由独立を取戻そうとして起上った大東亜戦争」こういう認識で書かれております。それからまだあるのですよ。日支事変、シナ事変ですね、これの起こりのところがあるのです。「昭和十二年七月七日夜の北京郊外盧溝橋事件であります。これは夜間演習を行なっていた日本の小部隊が、中国軍から射撃を受けたので仕方なしに応戦したというのですが、関係者の話を綜合すると、日本と中国との開戦を希望する第三者の工作らしく、それを隻方共昂奮して大戦争に持込んだのは、残念な事でした。」——こういうことを私は聞いたことがありません。これが先ほど申し上げたとおり「二十五年にわたる黒雲をつんざいて、初めて正統日本史の世界へ少年の心を導き入れる一大国民教典である。」そこでこれを文部大臣にお尋ねしたらやはりこれは適当でない。それで小中学校へ贈られておるそうだが、図書館等に置くのはふさわしくないという見解を示されたわけですね。これが一つ。 これがやはりそうですね。「フォト」、これは各省買っておる雑誌です。ここに「戦後紀元日本人の民族的課題 長谷川才次」、この一番最後に、教育勅語です。それで教育勅語は、「昭和二十三年六月十九日衆議院と参議院とが、それぞれ決議案を採択して、教育勅語は明かに基本人権を侵害するから当時まだ残っていた謄本を全部焼き棄てろと文部省に命令しているが、勅語のどこがどう基本人権を侵害するのか、わたくしにはとんと合点がいかない。」そして以下ずっと書いて「真憲法制定の大前提として、教育勅語を復活したいと思う。」長谷川さんのサイン入りです。この人がいわゆる主幹です。 それからまだあります。いま言いました「内外情勢調査」というのは、いまの「少年日本史」、これは「地の塩、世の光となる」ものである。それで「六万部を売り尽くそうとしています。厚くお礼を申し上げます。」「真憲法の制定から教育勅語の弘通、そして国史の復興と週刊時事は大きな旗じるしをかかげて、世論の啓発につとめて」おります。週刊時事はこういうことをやっておるというのです。 それから「マスメデア会報」、これもそうです。時事通信関係です。ここに沖繩のコザ事件の批判を書いております。「ああいうやり方は法治国家のつらよごしだと、むしろ沖繩県民をたしなめるのが社会の木鐸としてのつとめではなかったでしょうか。」——佐藤総理の答弁と違いますね。 それからこれは一番新しい問題に対する長谷川才次氏の考えです。「時事解説」で「言論不自由国」という題で例の小林法務大臣の放言について触れられております。「知事選挙の応援演説でちょっと口を滑らしたことが、国会で取り上げられると、とたんに大臣が辞任するというのだから、大臣の相場も暴落したといわねばならない。」「片言隻語をつかまえられて、いちいち責任を問われたら、どなたもそして一日も公的地位には止まることができなくなるだろう」「公的発言についてもある程度までは免責という慣行が成立しなければ、日本は言論不自由国となろう」「わたくしは今度の小林法相の失言は、実は本人の本音だと思うし、そしていっていることはいちいち真実だと思う。平生茶のみ話で話していたことを、うっかり口走ったまでのこと」、「慌てて辞任というのは、もっとも拙劣だ」——これはもうわれわれ国会に対する挑戦であると思いますね。もうあげれば切りがないのです。そしてこれはせんだって二月の十八日に一般質問でわが党の山口委員が取り上げたガードマンの問題です。時事通信社では労働争議にガードマンを使っている。そして四名の負傷者が出た。そのガードマンの本体は何かというと、これは元暴力団であります。こういう事件が最近多いのであって、茨城県の那阿湊市もそういうガードマンを使ってやっておったからわが党の調査団が調査に行った。その議員に対して脅迫状がそのガードマンから来ておる。それはどういうことで来ておるかというと、自分たちは三島精神、飯守精神でやるんだ、気をつけておけというような脅迫状が来ておる。この時事通信でもそういうガードマンを雇ってやっておるような会社なんですね。そしてこの時事通信社関係に対して、たとえば内外情勢調査会、これはやはり長谷川さんがやっておるのですね、実際問題として。これは内閣調査室が委託調査をいろいろと依頼しております。中央調査社というのもある。これも長谷川さんの関係。これは毎年世論調査をやっている。やり方も私詳しく知っておるのですけれども、抽出するのですが、一般の新聞社がやるのと違いましてその数が少ない。そしてふしぎなことに、どの新聞社より佐藤内閣の支持率がいいのですね。そこにも金を出されておる。委託してそういう調査をされている。それから、いま言ったようにそういう調査をするために政府から金をもらっているわけですね。だから内外情勢調査会が調査をその金によってやらなくちゃいけない。ところが、政府からもらった金によってどうやられておるかというと、時事通信社の社員をして実際は調べておるのですね。そしてその調査をした社員に対しては架空の伝票を切らしている。金を実際にやってもいないのに、その内外情勢調査会のための調査であるというふうにするために架空の伝票を切って、そのために調査費をもらったような形にしてある。実際に時事通信の社員ですから金なんか渡すわけはない。それで私はいま内閣調査室あるいは内閣広報室に対して、この時事通信社関係の一切の政府各省で買い上げているものを調査させております。会計検査院のほうとしても厳重にこの時事通信社関係をチェックしてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○佐藤会計検査院説明員 いま数々御説明がありました中で「少年日本史」等になりますと、これはどうもちょっと国費と離れておるようでございますので……
○楢崎分科員 長谷川さんの認識を得ていただくために……。
○佐藤会計検査院説明員 それで、あとその他のもろもろの国費が出ておる関係、国費で買い上げている関係の雑誌につきましては、これはおっしゃるような点も考慮に入れながらなお検査していきたいとは思っておりますけれども、会計検査院は御承知のように会計経理を監督するという会計検査院法できめられております役所でございますので、その購入行為が何らかの行政目的を持っておりますと、検査院としてはこれを不当というわけにはまいらないと思うのであります。さらにいま先生がおっしゃったような点で、それじゃそういう記事が適当かどうかということになりますと、これは非常に高度の政治的判断に入ってくる問題だと思うのです。したがって会計検査院がこれについて意見を申し上げるというのはいささか越権行為じゃなかろうかというふうに思います。 ただ、最後におっしゃられました委託費、これの精算の問題でございますが、これは委託費の委託契約の内容がどういうふうな条件でなされているか、これをよく調べまして、一括請負になっているか、あるいはそういうふうに個々の精算で、個々にどういうところに幾ら払ったかということをもとにして精算するような契約になっておりますか、そこら辺なお検討さしていただきまして慎重に検査いたしたい、こう考えております。
○楢崎分科員 国税庁お見えになっておりますか。——酒をつくっておる会社が自分で金を取って酒を出すというようなことはいけないわけですね、酒税法で。酒をつくっておるメーカーがみずから営業するというのはいけないでしょう。
○吉國(二)政府委員 酒類の製造免許には当然販売免許も含んでおりますから、卸売り販売をいたしましても小売り販売をいたしましても、差しつかえはないということでございます。
○楢崎分科員 そうですか、それじゃ私の理解がちょっと違っておりました。 そこで、サントリーが築地に寮を持っておる。名前は私のほうから言いません。そこにおたくの職員が、たとえば地方から見えたような方が出入りする、そして供応を受けておるという事実がある。私はそれだけ申し上げておきますから、ひとつよく御調査をして、はたして利用しているかどうか、出入りしておるかどうか、御調査を直ちにしていただきたい。二十七日に私は総括でやりますから、それまでにひとつ御調査をいただきたい。
○吉國(二)政府委員 実は私そういう事実を全然知っておりませんので、サントリーの寮があるということでございますね、いかなる寮があるか一ぺん私のほうで取り調べたいと思いますけれども、直らに結論が出るかどうかわかりませんが、一応事実かどうかは調べてみたいと思います。
○楢崎分科員 いきなり言ってもなんですから、きょうは御調査を要求しておきます。もしあしたじゅうぐらいにわかりましたらひとつ私のところに御連絡をいただきたい。
○吉國(二)政府委員 築地でございますか。
○楢崎分科員 有名ないろいろなところがあるところ。
○吉國(二)政府委員 魚河岸の築地でございますね。
○楢崎分科員 そうでございます。こういうことがもし事実ありとすれば、これはどうなりますか会計検査院。
○佐藤会計検査院説明員 いまの接待を受けるという問題でございますが、これは、接待を受けること自体は実は会計検査院の検査の範囲ではないと考えております。ただ、接待を受けることによって国の会計行為に何らかの影響がございますれば、国の会計行為の不当事項として私たちは問題にしたいと考えております。
○楢崎分科員 つまり出張旅費等の問題と関係が出てくるわけですね。
○佐藤会計検査院説明員 はい。
○楢崎分科員 わかりました。それではこれで終わります。
○大坪主査 これにて会計検査院所管に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○大坪主査 この際、おはかりいたします。 昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算及び昭和四十六年度政府関係機関予算中、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管に対する討論採決は、先例によりまして、予算委員会に譲ることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大坪主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これにて第二分科会の議事は全部終了いたしました。 この際、分科員各位、特に副主査の方々の御協力を心から感謝いたします。 これにて散会いたします。 午後四時五十一分散会