予算委員会第二分科会 第5号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/24
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算中外務省所管を議題とし、質疑を続行いたします。小川新一郎君。
○小川(新)分科員 まず大臣にお尋ねいたします。お断わりしておきますが、私当該委員ではありませんので、いろいろとしろうととしてお尋ねしますので、ひとつ懇切にお願いしたいと思います。時間がございませんので、答えは簡便な中にも要領よくお願いしたいと思うのです。 第一番目は、去る二十日の朝アメリカ全土に流されました核攻撃警報非常事態の誤報が出たのでございますが、これは誤報で済んだのでございますが、ボタン戦争の恐怖というものをまざまざと見せつけられたわけでありまして、当然いろいろな反響を呼んだわけです。この原因は、米陸軍省管轄の全米非常警戒センターで担当官が間違えて、非常事態用のテープを送信機にかけたためと判明したそうでありますが、わが国政府はこのような警報に対して、アメリカ政府から非常事態についての連絡を正式に事前に知らされたのかどうか。この警報は約四十分間も続いたそうでございます。その点いかがでございますか。
○愛知国務大臣 二月二十日の米国におけるいわゆる非常事態の警報が誤り伝えられたということのこの状況については、情報を得ておりますけれども、これが発せられた前に、日本政府に対してどうこうというようなことは、全然ございませんでした。
○小川(新)分科員 そうしますと、これが今回は誤報であったのですけれども、これは実際の問題でありますと、当然アメリカ全土は核攻撃にさらされているわけです。大体アメリカは仮想敵国からミサイル攻撃をされた場合に、四十分ないし一時間あれば攻撃できる、もしくはミサイル潜水艦、ああいうポラリス型の原子力潜水艦から攻撃発射されれば、二、三十分以内に米本上の攻撃は可能である、こういう事態というものは当然大問題になってくるわけであります。また即日本への核攻撃ということも十分考えられる問題であります。この点はいかがでございますか。
○愛知国務大臣 まず一つは、今度の警報の問題というのは、軍関係の手違いとか誤報というものではないようでございます。つまり、警報センターから全米の放送局に対する伝達であって、アメリカ軍の内部の連絡とか指示とかいうところの誤報から来たものではないというように承知しております。 それから核のことになりますと、これは取り扱いそのものにつきまして、別の方面からも、日本の国会でもいろいろ御心配に基づく御論議があるくらいでありますけれども、全く幾重にもチェックする方法が講ぜられておるようでございます。したがいまして、そういう核を含む核戦争というようなことについての誤報とかなんとかいうことは、万々一にもあり得ざることではなかろうかと考えます。しかし、これは日本政府としての問題ではこの限りにおいてございませんのですから、その辺については何とも申し上げられませんけれども、とにかく米国内部あるいは核保有国その他の国もそうでございましょうが、核という問題については非常に厳重なチェックの制度があるから、そういう点に触れての誤報というようなことは、まずまずなかろうと想像していいのではないかと思います。
○小川(新)分科員 今回の警報は核攻撃警報だったわけですね。そうしてこれはアメリカ内部においても、伝達の方法についてはいま重大な反省が行なわれている。もっと安全装置をやったらいいとか、いろいろな問題が、またチェックのしかたについて反省が行なわれている。いま外務大臣がおっしゃったように確かにアメリカ国内の問題ではありますけれども、これがアメリカの国内の問題だけで済むのだったらこれでけっこうです。私が心配しているのは、日米安保条約を結んでいる日本が、共同防衛ということは共同攻撃にさらされるという、うらはらの問題なんですね。その場合に、こういう攻撃警報が出る場合は、一体アメリカが攻撃されてからか、相手方が攻撃に着手したときなのか、危険を察知した段階にこういう警報が出るのか、こういうあたりは日本政府としてもアメリカ側と何らかの打ち合わせというものはあるのですか。
○愛知国務大臣 これはまた一つの根本問題になりますけれども、安保条約のメリットというものが脅威を未然に防止するということにありますから、こういう体制である場合において、日本の安全を脅かすような核の脅威というものが現実の事態として私は起こり得ない、またそういう目的のためにこういう体制をつくっている、こういうふうに基本的に考えているわけでございますから、ただいま現実の脅威として核攻撃、核脅威にさらされる、したがってそういう意味の警報が出るというようなことは、全くいま予想はいたしておりません。したがって、具体的にこういうふうな場合はどうかというような、何といいましょうか、いわば臨戦態勢的な連絡その他のことは全然いま考えておりません。そういう打ち合わせもしておりません。
○小川(新)分科員 そうすると、アメリカがたとえば核戦争に突入した場合に、何ら日本政府には、アメリカが攻撃されても何も日本には伝達もなければ通知する義務もない、またこちらも問い合わせもしない。アメリカでは核の警報が出ている、危険状態にさらされたという想定が行なわれている。ところが日本のほうはジャズをかなでてみんな平和に昭和元禄を謳歌している。こういうふうな事態になっているということを大臣としてはどう考えるかという問題です。片方では警戒警報が出、核戦争事態のその予報が伝達された。それでアメリカの国民はみんな避難所に入った。日本のほうは、アメリカの問題なんだと、こう割り切ってくれればいいですよ。いまから二十年前の太平洋戦争のときでも同じじゃないですか。リメンバー・パールハーバーといって、アメリカがこの問題に対して不意打ちであるとかなんとか、いま真珠湾とかいう映画が行なわれておりますが、あれに詳しく上映されておりますことを見るにつけても、ああいう奇襲攻撃というものはだれも予想するとかしないとかいう問題ではなくして、現実問題として戦争というものが起きるのだ、こうなった場合には、いま安保条約が行なわれる——これは本質的な問題になりますから、いまここでそういう問題を論ずる時間もありませんからしませんが、日本とアメリカがパートナーシップを組んで一つの相合いがさの中に入っている。アメリカさんだけなんだ、日本は別なんだと割り切ってくれればいいのですが……。そこでわれわれ野党としては、いろいろ政府との考えの違い、安保条約に対するところの危険性をもたらす見解の相違から議論が割れているわけです。そうなった場合に、当然われわれとしては、米国ではそういう通報が行なわれているときに日本が何も行なわないということは、これは一国の安全を守る外務省または防衛庁としてはどう考えているかということを私がいま聞いているのであって、この問題に対しては、アメリカの予報とかそういうものがどういう時点に出るのか、また出たときに日本はどうするかということを考えないでこのまま将来もずっと続けていかれるのですか。
○愛知国務大臣 これは、たしか昨年のいまごろも衆議院の予算委員会で論議のあった点であったと思いますけれども、先ほども申しましたように、政府としては現実の事態として核戦争の脅威が日本の安全に関連して起こるとは予想しておりません。したがって非常に現実味のある事態として、現在政府としてはそういう場合にどうするとか、国民に対してどう協力を求めるとか、どういう連絡方法をするとか、そういう非常に現実味のある問題としては考えておりません。そして先ほど申しましたように、基本的にそういう危険状態が起こらないように未然に防止されるような体制を続けていくということが最も望ましいことである。今回の場合におきましても、幸いにというとしかられるかもしれませんが、誤報であったことは明々白々のアメリカにおける事態でもございますから、私は従来からの政府のこういう態度を続けていってしかるべきものである、かように考える次第でございます。
○小川(新)分科員 アメリカではもっと現実的な問題としてこういった訓練を毎月行なっているでしょう。その訓練の手違いからこういう問題がアメリカ国内で起きたのでしょう。アメリカの国内ではこういう核予報を国民に周知させる訓練というものは行なわれていないとわれわれは承知していいのですか。これは明らかにそういうことが予想されるから、アメリカの国民が危険にさらされるから、その防衛体制というものをアメリカ国防省では十二分に検討しているんだ。また現実に訓練している。お互いに日米軍事同盟を結んでいる、安保条約を結んでいるわが国のほうは、何もアメリカからそういう問題は知らされない、またこっちも知るあれもない、また今後も考えないということは、私は非常にこれは危険だと思うのです。安保条約が続く限りは、やはりこういう問題を検討してしかるべきである。こんなことはないに越したことはないし、あっては困るので、あったら地球が最後になっちゃう。だけれども現実に今回の新聞報道によりますと、こういうふうにあるじゃないですか。これは米の警報ミス、日本も関連性——モスクワ放送で言っているのですよ。これは新聞報道で言っておる。「二十二日の日本向けモスクワ放送は去る二十日全米を驚かせた非常事態警報の手違いを論評し、今度の事件は米国と安保条約によって結ばれている日本にとって決して無関心ではいられない問題であると警告し、次のように述べた。一、今度の手落ちは悲劇を引き起こさないで済んだ。しかしこの次はどうなるかわかったものではない。これは日本国民としても決して無関心ではいられない問題である。一、安保条約第三条により、在日米軍基地は今度のような手落ちの結果、核侵略の発火点になり、さらに反撃の目標になることも想定されよう。事実、安保条約に基づいて日本の航空自衛隊は府中市の米第五航空団司令部の指揮下に南朝鮮、台湾と一つの防空体制に入れられている。米国での警報は直ちに在日米航空隊を出撃態勢に入れ、次いで日本の航空隊も出撃態勢に組み入れられる。」こうなっている。それを大臣は、確かに非常に平和主義者でけっこうでございますが、こういうふうにモスクワ放送では警戒している。またいまの日本の安保条約の体制というものは、核の想定のときに在日アメリカ航空部隊というものは出撃態勢の準備を整えている。またそれと同じように、組み入れられているところの航空自衛隊もなっている。こういうふうに報じられているのですが、これは大臣でなくして防衛庁のほうに実際に聞きたいのですが、この問題はどうなんです、現実には。
○大西説明員 ただいまの御質問でございますが、自衛隊と米軍との関係でございますが、府中に自衛隊の航空総隊の司令部がございます。それから在日米軍の第五空軍の司令部が府中にございます。第五空軍はいま先生がお話しになりましたように、日本と韓国と沖繩を所管しておりますが、これはそれぞれ部隊指揮は別個の指揮系統において行なわれておりますので、在日米軍の部隊の行動に自衛隊が巻き込まれるというようなことは全くございません。
○小川(新)分科員 私が聞いているのは、こういうアメリカが核攻撃にさらされたときには、警報が出たというときには自衛隊はどうなんですか。それを聞きたい。
○大西説明員 米軍からの通報あるいは米政府から日本政府への通報の問題については、ただいま外務大臣のほうからお話がございましたとおりでございますが、いずれにいたしましても、自衛隊は自衛隊のわが国独自の判断で行動するわけでございまして、米軍の行動についての情報というものは、われわれはそれを得て判断をいたしますが、それによって左右されるかどうかということは、あくまでもわが国の立場で行なうべき問題である、そういうふうに考えています。
○小川(新)分科員 安保条約を結んでいる相手国のアメリカが核の攻撃にさらされて、いま警報が出た。では在日米軍航空隊はそのときはどういうふうな行動をとるのですか。
○大西説明員 これは米軍の問題でございますから、あくまでも想像の域を出ないわけでございまして、その点は御了承いただきたいと思いますが、米国としては当然必要に応じて海外の米軍にも連絡があり、それに応じた態勢が状況に応じてはとられるのではないか、そういうふうに思います。
○小川(新)分科員 そうすると日本の自衛隊は無関心で、待機しているだけですか。
○大西説明員 日本政府としてはその状況を判断をして、その状況に応じた措置をとるということでありまして、具体的な状況によっていろいろ違うと思いますので、一がいにお答えをすることはできないかと思います。
○小川(新)分科員 私が言っているのは警報が出たらという事実ですよ。実態がはっきりしている。アメリカのこの核の攻撃の合い図が全米に広がった、もうこれは実態ですよ。判断もへちまもないのです。アメリカは核の攻撃にさらされている。ミサイルで来るか飛行機で来るかわからぬけれども、核攻撃にさらされ警報が出た。当然安保条約を結んでいる日本は、それに対して警報が出たときに日本はただ座して黙っているのか。そういう事態が出たのです。はっきりしたのです。それをあなたはまだ判断するのですか。まだどうだと検討するのですか。その間にミサイルが日本へ飛んでこないという保証は何にもないのですよ。同時攻撃ということはあり得るのです。日本の基地の中には米軍の基地があるのです。在日米軍もいれば、ここに戦闘態勢を組んでいる朝鮮——いま私が述べたような航空体制に組み入れられているところのアメリカの防衛体制の中に日本がある。それを仮想敵国が黙って見ているなどということは想像できないじゃないですか。それと同じことが、私がさっき言っているように、太平洋戦争のときの日本の真珠湾攻撃、よもや真珠湾には来ないだろうと思っていたら、リメンバー・パールハーバーということになった。戦争の戦術などということは、だまし討ち、よもやと思うときに来るということは、桶狭間でも、いままでの歴史をひもとくまでもないじゃないですか。日本には来ない来ないと思って、向こうには警報が出て、アメリカの国民は防空ごうに入った。日本は何にも知らされていない。愛知外務大臣は、知る義務もないんだ、無関心なんだ……。こっちは電車には乗っている、公園では遊んでいる、劇場は一ぱいだ、ジャズは聞いている。昭和元禄を謳歌している。片方は穴ぐらで待機している。こういうことが軍事共同防衛を結んでいる国のとるべき姿であるかということを今回の誤報を通して警告している。誤報ということで済んだからいいけれども、これが実際だったらどうなるか。それをいま想定してあなたに質問している。そのときに自衛隊のほうは座して黙っているのか。
○大西説明員 先ほど外務大臣からお答えがございましたように、これは、日本政府として現在そういう現実的な問題、差し迫った問題において臨んでおりませんので、そういう問題を具体的に政府レベルで検討いたしてないという状況でございますから、私のほうから、仮定の事態で申し上げることはいかがかと思います。
○小川(新)分科員 仮定仮定と言うけれども、アメリカでは警報が出たじゃないですか。今回四十分間出ているのですよ。間違いだったから間違いで済んだけれども、実際に四十分間は全米はショックを受けたのです。アメリカ国民は防空ごうに入ったのです。仮定だ仮定だとさっきからあなたはおっしゃっているけれども、実際問題として警報が出たじゃないですか。あちらはいろいろな間違い、いろいろなシステムの違いがあった。それはアメリカも反省している。それは誤報だったからよかったけれども、この四十分間は同じ状態になったじゃないですか。それを私はさっきから聞いている。大臣、どうですか。
○愛知国務大臣 私はこういうことだと思うのです。一つは、日本の立場で、日米安保体制のもとにおける日米の共同の動作がどうあるべきかということ、それから米国の本土が核攻撃を受けた場合、それとの相関関係がどうなるか、こういう問題であろうと思います。前者につきましては、これはもう始終申し上げておりますように、安保条約の性格が非常に明確になっていると思いますから、簡単に申せば、日本の安全、そして日本を含む極東の安全、これに条約の目的と性格が限定されておる。そしてやはり全体としては専守防衛ということであると思います。ただ、日本自体の安全にかかわりの深い日本を含む極東の安全に寄与するということがこの条約の一つの眼目になっているということは申すまでもないところであります。これを前提にして考えますと、米本土が核攻撃を受けたというときに、米本土を守るためのどうこうということは安保条約とは関係がない、条約的に申しますと。そこで、たとえば観念的に論議していけば、在日米軍がそれに対してどういう態度をとるかというようなことは問題としてはあり得るかと思いますが、これは、その場合祖国の危機に備えるために一たん本国に帰るというようなことは予想されましょうけれども、さらに実質的に大切なことは、在日米軍は核武装を持っておりません。したがって、核戦争の脅威に米本土がさらされたようなときには、非常に重大な事態でありましょうが、同時に、在日米軍には核武装がないのですから、そこにあまりたいした効力を発生しないのではなかろうか。これはすべて観念的想像的な問題でございますけれども、小川委員の、そういう点は非常に常識的なんですが、やはりこういう誤報問題などがありましたときに、常識的に、国民の方々がそういう問題について非常に御懸念もあろうと思いますから、あえて私は仮定的なものも含めて、そうもあろうかな、しかし条約的にいえば、いま申したことが正確であると思います。
○小川(新)分科員 アメリカは、核攻撃された場合に当然報復攻撃をやるわけですね。そうすると安保条約第五条、これが適用されると、わが国のほうも向こうから攻撃を受ける、これは当然だと思うのです。そういう場合を私は想定している。アメリカさんが黙っていてくれればいいですけれども、そうはいかない。そうすると、第五条の作用によって日本はたいへんだということをモスクワ放送が懸念して警告してきた。これは大事な問題だと思うんです。戦争というものは思わぬところに発展し、拡大するのは、ラオスの補給戦線を見てもそう、日本の対中華戦線を見てもそう。実は戦争というものはいろいろ思わぬハプニングの連続なんですよ。そこを私は警告しておるのであって、その辺のところについて大臣の明快な御答弁をいただかないと困るのです。 時間がありませんから、二つ申し上げます。 一つは、アメリカとソ連に結ばれているような各最高首脳者、ニクソンとクレムリンと結ばれているようなホットラインのようなものを、佐藤さんとニクソンさんに結ばれたほうがいいのではないか。これは私が説明するまでもなく、ホットラインというものはどういうものか。事故や誤った判断、通信のミスによる戦争の危険防止のために六十三年八月、ワシントン・ホワイトハウスとモスクワ・クレムリンとの間の直通電話での連絡方法ですね。こういうものを、安保条約を結んでいる日本とアメリカとが結ばれても当然であると思う。その考えを聞きたいことが一つ。 その次には、日本も当然非常時立法というものを設けて、こういった問題に対処しなければならぬことが考えられる。私はこんなことを考えたくないけれども、あってからではおそいので、たとえば警報のしかたとか、またそんなことばかりではなくて、外務大臣ではなく、国務大臣としての愛知さんにお聞きしたいことは、日本が災害、地震等にあっても予報する何もないじゃないですか。これは何も空襲だとか戦争ばかりじゃないですよ。いま東京に大地震が来たらばという想定問題で、河角博士は、七年後に地震が来ると言っている。こういう問題に対する非常時立法というものがないのです。これは国務大臣として聞きたい。戦争も含めて、この二点についてお尋ねしたい。
○愛知国務大臣 第一のホットラインの問題でございますが、これは考え方がいろいろあると思います。日米との間はもちろんでございましょうし、友好国との間などに、指導者間でホットラインを持つということは適当なことだという考え方、ことにこういうふうに時代がどんどん進むに従いましてそういう考え方がだんだん強くなってくると思いますが、現在のところ、政府としては、まだそこまで考えておりません。というのは、御批判を受けるかもしれませんが、まだそこまで、先ほど申しましたような、実際、当面そんなにクリティカルな状況ではないという判断があるからかもしれませんで、これは御批判のあるところかと思います。しかし私は同時にホットラインというようなことは確かに考えるに値する問題であるとは考えております。 それから非常時立法については、これも、御承知のように、きわめて不幸なことでございましたが、太平洋の対岸のロスアンゼルスでああいう不幸な震災等が起こりましたので、政府としても調査団等を派遣し、各般にわたりまして、天災あるいはそのほかの災害等に対して対処すべき事前の方策については、単に技術的な観点だけではなくて、情報の伝達や、場合によっては法制的な措置ということも考えたほうがいいのかもしれない、私は私なりにさように考えておりますが、ひとつ十分検討させていただきたいと思います。
○小川(新)分科員 あと四分しかありませんから、答弁も少し短かくお願いしたいのですが、その問題は離れまして、去る十六日に沖繩特別委員会で愛知外務大臣は、沖繩の基地の返還、貸与の問題については、もしも返ってきたときの、地主と個々の条約を結ぶ問題ですが、そのときに反対をした地主に対しては強制収用的な措置法はとらない、あくまでも話し合いでいくんだ、円満解決が望ましいのだということを述べておりまして、そういう小笠原返還の際の暫定措置法や特別措置法も適用したくない、こういうお考え方を明らかにされておりましたが、二十日に私は、大臣がおらなかったのでこの問題を防衛庁にお尋ねしました。防衛施設庁長官は、この問題については特別措置法も考える……。だんだん政府がエスカレートしておりますが、見解がはっきりしておりません。そこで端的にお伺いいたしますが、愛知外務大臣はこういった特別立法を、私はこれは強制収用法を適用するんだと考えておりますが、これに対して愛知大臣の端的なお答えをいただきたい。こういう考えを持たないのか持つのか、これが一つ。もしも特別措置法を講ずるようになるのであれば、これは強制収用法と私が理解していいのか悪いのか、それだけお願いいたします。
○愛知国務大臣 これは沖繩特別委員会等でもるる私の見解を申し上げたとおりなんでございまして、あくまで地主の方々の御協力、御納得を得て円満にひとつ日本政府との間に契約をし、そしてこれが日米両国政府間が合意した、提供すべきことが適当と認めた施設の提供に支障なきようにしたいというのが私の願望でございます。しかしいろいろと御質問を受けましたように、ものごとはそうばかりはいかないことがございますから、さような場合におきまして日米両国政府が合意したものが提供できないようなことがあっては、これまた困るのでございますから、さような場合には何とかこれは特別な措置を考えなければなるまいだろうということも自然の成り行きであろうと思います。その際にいかなるやり方があり得るかということは、今後防衛施設庁を中心にいたしまして、実際の衝に当たられる方々の御意見なども徴しまして、またこれからの成り行きなども十分見据えまして考えたい、かように存じておるわけでございます。
○小川(新)分科員 そこまではこの間の答弁でいただいたのですから、この特別措置法の性格はやはり成田の問題のように、ああいうふうにトラブルが起きたときには強制収用しなければならぬ、私はそういうふうに理解していいですか。
○愛知国務大臣 私はこれは決して望ましいことじゃないと思うのでございますけれども、どう申しましょうか、場合によりましては契約によらない方法ということも検討しておかなければなるまいかな、こういう感じでございます。
○小川(新)分科員 時間が参りましたからこれでやめますが、では私、重ねて念を押すのですが、その問題は一つは強制収用する、そういう性格のものなんだ、これはやむを得ない問題で、はなはだ不本意ではあるけれども、そういう措置法であると私、理解いたしますが、それでいいですか。
○愛知国務大臣 これは率直に申しますと、そこまで御理解いただきますと、ちょっとそこまで私コミットしたわけではないのでございますけれども、事柄の性質がきわめて微妙なものであるということは私も認めざるを得ない、どうか御了解いただきたいと思います。
○小川(新)分科員 よくわかりました。そこではっきり言えないけれども、微妙な見解で、大体その方向であるということは理解できました。 私の質問を終わらせていただきます。
○大坪主査 大原亨君。
○大原分科員 私の質問は在外公館の調査機能、国際的な情報収集の機能、そういう問題を中心に質問いたしたいと思うのです。 大体在外公館で外務省のプロパーの人は、いままで関心がやはり何といっても国際情勢とか外交情報とかそういうふうなもの、それからもちろん、ことばは武器ですから大切なことですが、そういうものに伝統的に集中している。そういうことで、たとえば最近国際的な公害情報とかあるいは社会保障とか医療問題、労働問題、物価の問題、経済問題、そういうふうな国民生活に関係の深い問題について、私どもが在外公館をずっと訪れてみましても、定員が不足してなかなか忙しいということもあるし、国会議員がよく行って無理な注文をつけて、しかも行きましたら、初めから、ABCからやらなければならないというようなこともありまして、間口が非常に広いということもあって散漫になるし、仕事が激しい、こういうこともあると思うのです。そういう面においては、外務省本来の機能を発揮するのにいろいろ問題があるでしょう。しかし国会議員等の場合には、たとえ少々の足手まといになりましても、国際的な問題についての勉強をするということは必要でしょうね。そういう受け入れ態勢の問題等を含めまして、外務省本来の外交官以外の、他の省から派遣をいたしておりますアタッシェですね。外務省本来の定員が幾らで、そういうアタッシェの定員が大体どのくらいか、こういう現状から質問を始めていきたいと思うのですが、まずそれにお答えいただきたい。
○愛知国務大臣 まず専門的な分野の人たちを配置することが必要であるということは、もうお話のとおりでございます。現在外務省に、ほかの役所から出向して、各在外公館に勤務している者の数は全部で百八十一名でございます。それの内訳は、通産省が五十一、大蔵省が三十六、農林省が二十一、防衛庁が十八、運輸省が十一、警察庁が十、科学技術庁が八、労働省六、建設省四、法務省、郵政省、文部省、厚生省及び経済企画庁がそれぞれ三、自治省一でございます。その総計がいま申しました百八十一で、在外公館全体の定員は千二百五十三でございます。ですから千二百五十三のうち、百八十一がいわゆる外務省の外交官以外の出身の人であるということになります。
○大原分科員 私が最近調査を依頼いたしましたことでも、たとえば公害行政の一元化で、イギリスでは環境保全者をつくった、あるいはスエーデンの環境庁はどうかとか、アメリカの環境庁はどうかとか、あるいはアメリカでEDAが食品衛生やあるいは医薬品の問題等で非常に活発な活動をいたしますが、チクロの問題についての資料はどうかとか、あるいは医薬品は思い切って許可を取り消したというふうな問題についてデータはないかとか、あるいは公害についてのいろいろな基準、そういう問題やあるいは物価の資料、そういうようなものをいろいろと調べようといたしましても、外務省を通じてやったらさっぱり届かぬわけです。つまり国民生活や、最近の公害問題や、社会問題に密着したような問題は、外務省プロパーの職員で、日本を離れておって、日本のことについて理解がない人が調べるとピンぼけになるということが一つある。向こうで、日本の国内で何が問題になっているかということは、国内の新聞を見ただけではぴんとこない。自分の担当でもないし、関心もない、研究対象でもない、こういうことがあるから無理からぬことだと思います。向こう側のどういう点が問題として調べる必要があるのかという点も、調査依頼のしかたがわれわれのほうもまずいのかもしれないけれども、なかなかできぬわけですね。じゃ一体どこが、だれがやるべきかということになると、各省庁がそういうアタッシェをヨーロッパの各国に、まあ全部派遣するということは必要ないにいたしましても、派遣する以外に道がないのかということ。しかし外務省の本来の書記官の諸君、外交官の諸君にいたしましても、やはり公害の国際会議とかいろいろな点があるから、最近は国際情勢だけでなしにそういう点の勉強もしなければならぬ、そういうことを言っておるところを見ると、外務省の外交官の教養とか再教育とかあるいは関心とかいうものについても、指導方針が関係するのではないかとも思われる。 それからもう一つは、いま外務大臣がお読み上げになられましたことで、相互主義があり、外交官ですから一定のワクがあるのでしょうが、それにしても、従来の行きがかりから漫然とアタッシェの数がふえておるのがある。たとえば公害やその他だったら、厚生省の諸君などはそういう技官もいるし、あるいは事務官でもそういう知識があるわけですから、そういうアタッシェの配置のしかたについては、もう一回ワクを洗い直す必要があるのではないかという感じもするのです。 それからもう一つは、せっかくアタッシェを駐在させておきましても、確かにわれわれが在外公館を通じて行きましてもそうですが、客引きみたいなことをやらせるのは非常に国家的な利益にならぬと思うのです。そういう点で国会議員についても考えてみなければならぬ点がたくさんある。ずっと行きましても何もできない。自分の専門外のことは調査事項にも手がつけられないということで、客引きのようなことをやらせる。ばかばかしいということもあるでしょう。それはともかくといたしまして、そういうアタッシェがヨーロッパならヨーロッパで雑誌を集めたり資料を集める金とか、あるいは自分が飛んでいくような旅費とか行動費の問題も私はあると思うのです。人間が行っておるだけで、全然資料費や行動費がない。ただ人間が行くだけだというふうな不経済な使い方がある。外務省の予算の組み方や大蔵省の予算の査定のしかたに私は問題があると思う。ですから、本来の外交防衛という問題についても、これはかなり通信機関が発達しておるわけですから、外務省プロパーで人間関係をつくっていって、語学も熟練していくということで、国家間の外交的な、儀礼的なこと、そういう外務省自体の問題、アタッシェの配置の再検討の問題、あるいは調査活動の予算がつけられぬ問題、そういうことで、やはり日本の国内の政治に在外公館が外国における政治の触角として果たすべき役割りについて、私はいま二、三の点をあげましたけれども、もう一回洗い直してみる必要があるのではないかということを痛感いたしましたから、あえてこの問題を提起するわけですが、これにつきまして、外務大臣として、今後の問題を含めて御所見があれば、お話しをいただきたい。
○愛知国務大臣 まことに御同感でございまして、実は外務省の本省としての、新しい世の中の大きな動きに対して機構上も仕事のやりぶりも大いに刷新改善していかなければならないと考えられるくらいでございますから、特にこの環境保全の問題でありますとか、それから最近のいろいろな内政に直結した物価問題というようなこと、これらについてよりよく情報をとり、また国内のいろいろな施策にも参考にしなければならない。それには専門家が必要である。ところがこれが必ずしも、人数からいっても、したがって配置の状況からいっても満足の状況になかなか至らない。 これについて私は一つ考えておりますことは、やはり各国とも大なり小なり同じような悩みを持っているかに感ぜられるわけでありまして、国際機構をやはりお互いにフルに活用し合うことではなかろうかと思うのです。国際機構という中にはいろいろございます。たとえば国連の各種機関もございますし、あるいはOECDもその尤なるものでございましょうし、そのほかこういう場面で国際的に各国とも一生懸命情報の収集をしたり交換したりし合っております。日本としてもそういうところにりっぱな権威のある人にできるだけ長く行ってもらって、同時に日本の持っている問題、そこから出ている考え方というものも各国に対して協力できるような環境をつくり上げていきたい。一つの考え方としては、そういうことでこの種の問題には対処することが適当でないかと思っております。 同時に、このアタッシェの問題につきましては、やはり仕事仕事によりましてはバイラテラルな関係で、この国にはこの種の仕事の専門家が常駐していなければならないという性格、背景のものがやはり相当ございますから、これまた手を抜くわけにはいかないと思います。 それから先ほど現状を申したのですけれども、四十六年度予算の編成のときも実は他省庁からもう積極的な希望で、外務省としてももっと多くの方に来てもらいたかったのですけれども、結局予算と定員の関係で四人だけふえることになりました。それは運輸省からインドネシア、それから文部省からOECD、これが一名ずつ、それから防衛庁のアタッシェがソ連と韓国、これが四十六年度に増員される。各省から来てもらいたいところでございまして、こうした中にも、いま申しましたような環境や考え方がある程度出ておろうかと思う次第でございます。 なお今後、いまのお話にございました点は、私としても十分考え、積極的な御提案を取り入れてまいりたいと思います。
○大原分科員 アタッシェが調査活動をやる行動費というものは、予算の中にどのくらいあるのですか。実際に雑誌を買い入れる、あるいは近くの国だったら行くという旅費のようなものは、外務省は別ワクで計上しているわけじゃないのですか。
○愛知国務大臣 これは別ワクではやっておりませんで、在外公館としては館長の指揮統制のもとに一体としてやっておりますので、このアタッシェにどういう活動費ということは、特殊の場合を除いてはやっておらぬと思いますけれども、なおこまかい点は官房長からこまかく御説明させます。
○佐藤(正)政府委員 御承知のとおり、在外公館の活動費は一体をなして入れておりますし、また在外公館といたしましては、そういう情報活動と申しますか、いわゆるそういう情報をとります仕事が在外公館の活動の中で非常に大きな部分を占めるわけでございます。したがって、在外公館費の中のどれだけがそれに充てられているか。たとえば旅費がございます。それから研究補助員の給与もございます。それからそれ以外に報償費というものもございますし、調査費、調査謝金というものもございます。そういうものが大体一体をなして活動費に充てられておりますので、その中のどの部分がたとえば公害の調査費、物価の調査費、あるいは防衛庁から来ましたアタッシェの調査費、そういうふうには分けられないような形になっております。したがって、お答えにならないようなことになりますが、そういう状態になっております。
○大原分科員 だから大使とか公使などの感覚、本来の外務省の教養とか関心とかいうものが国内とマッチしておるかどうかということが問題です。私どもがヨーロッパへ行きましてもそうですが、貿易とか外交の裏づけはやはり各国の国民生活の問題だと思うのですね、せんじ詰めると。ソシアルダンピングの問題だってそういうことだと思うのですが、それも主観的にしか判断していないことでは困る。たとえば公害なら公害、国際基準があるわけですから、その基準を守らないとか非常にでたらめなコストダウンの方式をとっているとかいうことになれば、これは間違った情報であっても防衛できない。正しい情報を積極的に伝えることもできない。そういうことで、そういう知識もなければ他との国際比較もできない、こういうことで国の利益から考えてみてマイナスの面が多いし、そのことは正しく国際的な規格や基準というものを国内に反映させることもできない。そういうことと、いまの日本の外交の欠陥としていわれていることですね、国内のことや、外交官や商社の連中の生活というものは全く非人間的な生活をしているということで、生活の均衡もとれていないようなことで、休暇も休憩も無視してやっているというふうなことで、つまらぬことで非難される。そういうことはともかくとして、いろいろな、生活になれていないということもあるでしょうが、いずれにしても外務省自体が、そういう最近起きている社会的な問題や国際的な問題について常に新しい情報交換なりそういう方針を出していく、それと一緒にそういうアタッシェをせっかく出しているのですから、在外公館の下働きだけをするのでなしに、補助的なことだけでなしに、二年間なら二年間、三年間なら三年間行って、本省のおらぬところ、うるさいものもおらぬからそこで息抜きをして外国で生活をしてくる、そういうようなことだけでなしに、やはり何かそれが活動できるような——調査活動を一元化しているのは私はいいと思うのです、多元化する必要はないと思うのですが、しかしいずれにしても、どういう面にはどういうふうに使うべきだという問題等は、その地域によって考えてやって、そうしてせっかくアタッシェを、専門家を出してやっている場合に、その地域活動ができるようにしておかないと……。いままでのマンネリズムがあるのではないかというふうに思います。 厚生省からだれか来ておられるわけですが、たとえばアメリカで三百八十数品目の医薬品をリストから削除する、そういうことだってどういうデータでこれが行なわれたのか、チクロの問題だってそうです、どういう根拠でやられたのか。それを日本へ持ってくれば、化学的なデータの問題ですからすぐ活用できる。そういう問題。それから他の方面にも及ぼすことができる。そういうことですがなかなかできない。データがとれない。外務省のプロパーにはそういう感触がない。日本の国内のことはわからぬ、自分の専門知識がない。そういうことで、じゃすぐ飛んでいって調査してみてもいいはずですが、たとえばサリドマイドでしたら、ドイツで開発をしてこれは奇形児が生まれるということでやめた。日本は六カ月も後にやめている。そういうようなことだってなかなか国際的な研究成果というものが、非常に急ぐ場合であってもこれが対応できない。これは日本の行政の体質にもよりますし、あるいは企業の体質にもよりますが、そういうことですね。そういうことで私どもが要請して、政府が要請してそういうことがキャッチできないのは、たとえばアメリカの医薬品の例を一つとってみてもそうです。いまだにデータがとれない。そういうことなんかはなぜできないのか。厚生省なら厚生省の観点でいったらどうなのかということをひとつ具体的な問題として聞いてみたい。
○愛知国務大臣 こまかい具体的なことはそれぞれ専門的にお答えをしたいと思いますけれども、いまの予算の使い方の点については、私も十分今後とも留意してまいりたいと思います。 それから公害その他新しい問題の取り上げ方ですが、これは実は外務省としても昨年の四月、公害の問題というものは世界的に相当な大問題であるという認識を持ちまして、その当時社会開発という名前をつけましたけれども、社会開発調査団というものを組織いたしまして、公害問題が大きく取り上げられつつある主要各国を専門的に見て歩いていただきまして、こういうときには関係各省あるいはその他の民間の方にも非常な協力をいただいて、ある程度の成果をあげたように私は思っております。これを今後ともフォローアップしていきたい、こういうふうに思っております。 そこでこの公害で例をとりますならば、通称ですが、公害審議官というものを置きまして公害関係の対外関係を本省としても一本に窓口をつくりまして、そして外国との間の連携に遺憾なきを期していきたい。御承知のように六月には日米間の閣僚会議もありますし、そのほかやはり国際的な会議が非常に多いわけですから、専担の公害審議官というものに十分それらの窓口になっていただきたい、かように考えております。 その他の点につきましてはそれぞれ政府委員等からお答えをいたしたいと思います。
○大原分科員 厚生省、なぜおくれるの情報収集が。
○綱島説明員 ただいまお尋ねのございました昨年アメリカのFDAが発表いたしました三百五十九品目の件でございますが、御承知のような新聞に発表されましたとき、直ちに厚生省といたしまして外務省を通じましてその資料の入手方をお願いしたわけでございます。昨年十一月の末にその発表がございましてすぐにお願いしたのでございますが、一月になりまして——最初に五十六品目それからその後二百五十四品目でございますか第二回目、その結果につきましては翻訳それから関係の薬効問題審議会といいますか懇談会といいますかそういうところに委嘱をいたしまして目下検討中という段階でございます。 おそいというさっきお話がございましたのですが、事情を伺ってみますと、やはり出先の公館の方といたしましても、実際その資料がFDA自体にすぐございませんで、そのためにアメリカにおきましてその審査をした委員の方々のところまで行かなければ集まらない、こういう事情があったようでございます。 以上のような状況でございまして、そのほか公害問題あるいは大気汚染の個々の具体的なこまかい規定とか、各州でそういうことをきめますとか、そういった情報につきましては特に昨年問題が大きくなりまして以来、外務省を通じまして常に厚生省としては御連絡をいただいておるわけでございます。 以上のような状況でございます。
○大原分科員 それから各省間のアタッシェの連絡がとれてないというのが私は一つあると思うんです。アタッシェはばらばらに小さくそこで生活しているんですよ。アシスタントとして外務省の定員を補っておるようなかっこうになっている人も多いわけです。ですから、そういう点ではやはり行動費、調査費の問題もある、資料を集める金がないということもあります、実際に行ってみて。たとえばイギリスがいろいろな経過を経て環境保全省をつくった。その機構とかそういう規則とか、それから他の省の所管事項とか研究機関の関係とかそういうことを、国会図書館その他すべて動員してやろうと思ってもできやしない。結局ロンドンタイムスを翻訳をしてそれを整理するしかない。外務省を通じては幾らたっても間に合わない。日本では国家的な非常に大きな政治的な問題になっている問題について政府自体にもない、環境対策会議にもない。その点行っても、なまはんかな知識を持って行っている人はなかなか資料を持って帰れない、そういう例を、他の省も研究したいと思っても、そういうふうなことはできないということですね。よほどわかっている人が行って調査をして、一間一答でもして自分の足で資料を集めてくるぐらいな気持ちがないと、一片の文書の要請だけではとてもじゃないができることではない。実際に必要な審議に役立てることもできない、あとの祭りだということになると思うのですね。それはやはり外務省が、そういう国内の政治課題について十分対応できるような措置を財政上も陣営上も、それから各省セクト、それから実際の在外公館における活動のさせ方、そういう面について再点検をしてもらいたい、そういうことを要望しておきます。外務大臣から最後にお答えをいただいて私の質問を終わります。
○愛知国務大臣 非常に積極的な、建設的な御意見をいろいろ承りまして、たいへんわれわれとしても得るところが多いわけでございます。これは基本的な問題からきわめて具体的な問題にまで入りまして、非常に広範な御意見でございますが、基本的に私は非常に賛成でございますので、関係省庁あるいは行管などの問題もあろうかと思いますし、大蔵省の問題もあろうかと思いますが、そういうところとも十分根回しをいたしまして、ただいま御提案いただきましたような線で具体的に政府部内でも進みますように、また外務省自体としての責任においてやらなければならぬことに対しましては、一そうひとつ画期的な努力を展開いたしたいと存じます。ありがとうございました。
○大坪主査 楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 私は沖繩の問題と、それから事前協議の問題についてお伺いをしたいと思います。 先ほどの小川委員の質問に対していろいろ願望を含めて答弁をなさっておりましたが、願望はもうよくわかっておりますから、ひとつなるたけ簡単に、イエス、ノー式でお願いしたいと思います。 まず沖繩の基地問題でございますが、米軍基地の整理縮小、こういうものの具体的内容は返還協定の中で取り上げられることになりますか、それとも付属文書あるいは交換公文の形で盛り込まれるのか、それをお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 その点はあるいは政府委員からお答えいたすほうがいいかと思いますが、沖繩協定自体の中にどういうふうに書き入れるかという事項の中身とワーディング等、いまいろいろと検討しかつ折衝しつつありますわけで、入るとも入らぬともあるいはどういう形だということも、ちょっと申し上げかねるのではないかと思います。ひとつ条約局長から……。
○井川政府委員 大臣の仰せられたとおりでございまして、いまだ私どもといたしましてはどのようなかっこうにするかということをまだ検討中でございまして、政府部内におきましてもはっきりした案というのはまだできておりません。
○楢崎分科員 協定の中に盛り込まれるか、付属文書あるいは交換公文の形でそれがまかせられるのか。いずれにしても、どちらの形式になってもその基地の内容の具体的な取り扱いの問題について個々のそういうものを含んだものは調印の対象になりますか。
○井川政府委員 調印の対象というおことばでございまするけれども、まだ実はほんとにそこまで考えてないわけでございますけれども、たとえば現在本土で行なわれております例は、楢崎先生よく御承知のように、合同委員会を通じて政府間で決定する、合意する。それを調印とまでいいますならば、そういうことになりますけれども、いずれにしても何らかの方法でそういう合意が必要で、その合意の形式、方法等につきましてはほんとうにまだそこまで至っておりません。
○楢崎分科員 協定本文は調印されるわけでしょう。
○井川政府委員 そのとおりでございます。
○楢崎分科員 そこを聞いているのです。協定本文に盛り込まれれば当然調印の対象になるわけです。付属文書あるいは交換公文の形になると調印の対象にはならないでしょう、合意ということは別として。
○井川政府委員 わかりました。ただ先ほど来申し上げておりますとおり、まだそこまで考えていないということでございます。
○楢崎分科員 そうすると、協定本文は調印されることははっきりしておる。基地の具体的な取り扱いを盛り込んだものは、形式はどうあれ協定本文の中に盛り込まない場合は調印の対象にならないことになるかもしれないというわけですね。
○井川政府委員 協定本文はもとより署名、調印及び国会の承認を得ることになります。それ以外の部分についていかなるかっこうになるか、先ほど来申し上げておりますとおりに、まだ考えていないわけでございます。
○楢崎分科員 それでは角度を変えてみます。 基地の取り扱いが付属文書あるいは交換公文になったとき、まかされたとき、国会の批准の対象になりますか。
○井川政府委員 したがいまして、基地の取り扱いをどうするかということも、申しわけありませんけれども繰り返しになりますけれども、まだはっきりしたかっこうを考えていないわけであります。したがいまして御設問にもなかなかお答えできないわけでございます。
○楢崎分科員 そうすると、批准の対象にならない場合もあるということですか。
○井川政府委員 先ほど申し上げましたとおり、たとえば本土におけるような合意におきましては、もちろんこれは批准の対象にはなりません。
○楢崎分科員 だから批准の対象にならない場合もある、こういうことでしょう。本土のような形だったら対象にならないというんだから、もしそういうふうになった場合にはならない場合もあるのじゃないですか。
○井川政府委員 そこまで考えてないわけでございますけれども、仮説的にそういう場合も当然あり得ると思います。
○楢崎分科員 そこで、二月の三日にわが党の安井委員がこの点について総理並びに外相と質疑を取りかわされたのですが、その点が非常にあいまいである。いまの御答弁によると批准の対象にならない場合もある。つまり国会の承認を要しない場合もあり得る。もしそうなれば、その基地の取り扱いの内容というものは、いわゆる協定上その位置づけというか保証はされない。もし批准の対象にならない場合は、あるいは国会の承認を求める議案にならない場合は……。そう思いますがどうですか。
○井川政府委員 申しわけございませんけれども、私先生の御質問の趣旨をよく理解していないと思いますけれども、協定上の保証がないということでございますか。
○楢崎分科員 つまり国会の承認を経ぬということは、いわゆるあいまいになるということを言っているのです。
○井川政府委員 そこで先ほど来申し上げておりますけれども、この直接問題から離れまして、現在日米間で取りきめられており国会の承認を経ました地位協定で——現在日本国内では行なわれておりますけれども、それは地位協定第二条によりまして、両政府間の合意で施設、区域を提供し、さらに解除し云々というふうになっております。
○楢崎分科員 外務大臣にお伺いしますが、三日の日の安井委員とのやり取りの中で、この基地の問題も含めてこれは外相の御答弁です。「政府といたしましては、この協定の批准国会で御審議をお願いいたしますときには、それら万般のことを全部ひとつ十分御審議をいただいて、特に沖繩の方々に十分御安心をいただきたいと考えております。」全部御審議をいただく、批准国会でですね、そう御答弁になっておるんですが、これも読むと長くなりますが、基地のこの取り扱いの問題をくどく安井さんが聞いているわけですね。それも含めて批准国会で御審議を全部お願いする、十分やっていただきたい、こういう答弁になっております。もし批准の対象にならない場合があり得るとすると、審議のしようがないじゃないですか。
○愛知国務大臣 そうおっしゃられると身もふたもないことになりますけれども、先ほど来申しておりますように、協定の案文づくりがまだできておりませんから、どういう形態になるかわかりませんが、基地の問題についてもどういう姿にいたしますか、たとえば合同委員会にかけて、そこで日米政府が合意をするというような現在のやり方も一つの方法でありましょうが、そういうふうなやり方をいたしますとかりになった場合に、そういうことの御説明もして、そのあとのやり方についてのいろいろの御注意をいただくということも、私は広い意味の御審議をお願いしますと言ったいわれでございます。どういう形の協定案を御批准願いたいと言ったつもりではないので、あまりそうあれされると私も言うことを六法全書式に言わぬといかぬですから、どうぞひとつ内容的にお話し願いたいと思います。
○楢崎分科員 私が申し上げる意味合いもおわかりいただけると思うのですがね。つまり審議はそれは何でもできますよ、国会ですから。しかし承認を求める件という形で出される場合と、単に審議するというのとは意味が違うんですよ。その辺をもし外務大臣のあいまいな答弁であるとすればこれは非常に私どもとしては問題があると思うのです。 そうすると、いまの御答弁でいきますと、つまり審議はさせるけれども——それはおっしゃられぬでもぼくらの権利ですから、審議をどうしようと。おっしゃられるまでもないのです。承認を求める件になるかどうかという点をお伺いしている、さっきから。そうすると承認を求める件にならないこともある。それは本土と同じような、日米合同委員会による合意議事録の場合はそうですから、そういうことになる場合もある、こういうことになるわけでしょう。どうでしょう。
○井川政府委員 仰せのとおりでございます。
○楢崎分科員 だから私が心配していることがこれから事実になってあらわれると私は思いますね。 じゃこれも安井質問のところを引用させてもらいますが、これも愛知外務大臣の答弁です。「それから提供する施設、区域は、返還の時期と同時に安保条約によって日本側が提供することになるわけでございますから、安保条約の目的に合致するように、したがって、そこで現在のものからの縮小ということを考えなければなりません。」大体いまのお見通しとしては、現在の沖繩における米軍基地縮小ということをおっしゃっていますが、どの程度縮小されるか、パーセンテージでけっこうですから、おおよそのところどの程度をいま考えておられますか。
○愛知国務大臣 これはまたたいへんむずかしい御質問でございまして、そういう点がいまわれわれとして実は一生懸命に努力をしておるところでございます。いままだ何%減とかなんとかというところまでこれはちょっと——ちょっとではなくてほんとうに申し上げるまで行っておりません。
○楢崎分科員 私どもが若干政府と本土並み返還という点で違いがあるのは何かというと、私どもは、単に憲法や安保条約や地位協定がそのまま適用されるから、だから本土並みと政府はおっしゃいますけれども、私どもはむしろ実態を問題にしているんです。実態は本土並みになるのかどうか。法律が適用されたから、施政権が返還されたから、だから本土並みというわけにはいかないと思うのです。沖繩の県民の方々の心配もそこにあるんだと思うのです。形式的にそんなことを言われたって何になりましょうか。問題は実態がどう変わるか、実態が本土並みになるのかどうかということになると、いまの沖繩の基地の機能なりあるいは濃密さ、こういうものが本土と違うのですから、一体基地の縮小はどうなるかが最大の関心事ですね。この減り方いかんも本土並みになるかどうかのポイントでございますから私は問題にしているのです。まだいまのところおわかりにならないということでございますからこれはやむを得ません。では先に進みます。 これも三日の質疑ですが、安保条約、「地位協定が返還の日からずばりと変更なしに適用されます」こう愛知外務大臣は答弁されております。そのとおりだと思うのですね。そうすると、小川委員もちょっと触れておりましたけれども、もし土地所有者が基地として自分の土地を提供することを拒否する事態が起こったときには特別措置法にかかるということは、御答弁でよくわかりました。私の申し上げているのは土地等の使用等に関する特別措置法です。この特別措置法にかける事態というのは、地位協定は返還の日から適用になるわけですから、返還が実現した後にあるいは返還実現日同時にでもけっこうですが、そのときは特別措置法による土地収用委員会にかかる、こうなりますね。
○井川政府委員 先日も楢崎先生に申し上げましたけれども、この国内措置は実は外務省の所管でないわけでございまするけれども、いずれにいたしましても、先ほど来大臣が、また先日もお答えになりましたように、政府としてはそういうふうなことを予想したくないことではあるが……
○楢崎分科員 いやそれはさっき冒頭に言いました。願望はいいのですよ。
○井川政府委員 政府としては使用権を取得するために契約によらざる方法も検討しなければならないと考えている、しかしてそのためには何らかの立法措置が必要であると考えておるけれども、いまだその内容については申し上げる段階に達していないということを申されております。
○楢崎分科員 私はそれはまたあとから十分やりますから……。それを言っているのではないのです。つまり特別措置法にかけるということは、返還実現の日、つまり地位協定が適用されなくちゃこれはかけられないのです。この土地等の使用等に関する特別措置法は地位協定に基づいているのですから、したがって地位協定が適用される日からでないと土地収用委員会にかけられないわけでしょう。当然のことじゃないでしょうか。
○井川政府委員 何らかの立法措置がなくて、この特別措置法そのまま適用するということになりますると、そのままほんとうに福崎先生のおっしゃっておるとおりに、その日から適用になってあらゆる条文がその日から働く、こういうことになります。
○楢崎分科員 そこで事態が明白になったんですね。さっき小川委員が質問しておられたのを聞いておりまして、ちょっと小川委員も若干誤解しているのではなかろうかと思うのですね。地位協定が適用されれば特別措置法によって土地収用委員会にかけられる、結論が出る、もし土地所有者が不服であれば、これは裁判にかかる、こういうことになるわけですよ。だから土地収用法にかけたから強制収用するということには直ちにはならないのですね。いろいろな対抗措置がありますから。問題はどこにあるかというと、もし地主が拒否すればその間米軍は無契約、無権限によって土地を使用しなければ使用継続するわけにいかぬわけでしょう。だからそこに暫定措置なり特別の法的措置というものが、継続させるために必要になってきます。そうじゃありませんか。それとも、いまの局長のお答えによると、特別措置法にはかけないで、別個に新しい法律を立法措置をしてこれを収用する道を考えなければならないというのか。いいですか、特別措置法にはかけるけれども、その間時間がかかるから、経過措置として特別の暫定的な措置を考えるのか、二つのどちらですか。
○井川政府委員 楢崎先生がおっしゃいましたこの特別措置法の動き方は、もう先生のおっしゃるとおりだと思います。それで、先ほど来申し上げておりますように、これは外務省の問題ではないのですけれども、しかしそのために何らかの立法措置が必要であろうと考えている、この内容は目下関係各省庁間で協議中であると心得ておる、こういうふうに外務大臣も御答弁されておりまするし、私もただいま御答弁申し上げるところでございます。
○楢崎分科員 ちょっと問題がこんがらかっておるのですよね。法的な関係では、条約ですから外務省担当でしょうけれども、国内措置は外務省じゃないものですから、ちょっとお答えにくいところがあるかもしれませんが、私は国内措置というより条約の関係から聞いておるので、そういう観点からだけの御答弁でけっこうなんです。そうすると、いまの御答弁でいくと、私は二つしかないと思うのですね。二つしかない。 〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕 地主が土地提供を拒否した際には——もう一回言いますよ、土地提供を拒否した際には、返還実現後特別措置法によって土地収用委員会にかける。結論が出るまでの経過措置として特別な暫定的な、米軍が継続して使えるような暫定措置をとる。それが一つ。もう一つは、地主が拒否した場合には、特別措置法によらないで特別立法によって、いわゆるそれこそ文字どおり強制収用する。この二つしかないと思いますが、法的に。米軍との関係ですから、外務省との関係になるでしょう。
○井川政府委員 楢崎先生、私の立場を御理解いただいてありがとうございます。しかし、日米間で合意して施設、区域を提供する問題、これはあくまで外務省の問題でございまするけれども、そのあとの国内措置の問題は、御理解いただけるとおり、私たちの問題、つまり所管ではないわけでございまして、したがいまして、実はこんなこと言っていいかどうかわかりませんけれども、いま楢崎先生のおっしゃったことは、私個人的にはよくわかるつもりでございますけれども、私は御答弁申し上げる権限を持っておりません。
○楢崎分科員 それでは外務大臣も御理解いただけたと思いますので……。その二つしかないのですね、私はそう理解します。 〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕 それで、この問題について、これは施設庁関係になるのだと思いますけれども、ひとつ主査にお願いをいたしますが、この国内的な取り扱い、法的な関係だけでよろしゅうございますから、どういう見解なのか、ひとつその見解を示していただきますように保留をしておきます。これは、分科会が終わるまで私の手元にその見解が届くようにしていただきたい。
○大坪主査 それは防衛施設庁の関係ですか。
○楢崎分科員 きょう来てないでしょう。防衛庁のほうは来られておるわけですね。
○大坪主査 それは防衛庁のほうから伝えてもらえますか。——大西審議官、それではあなたひとつ伝えておいてください。
○大西説明員 ただいま御質問がございました件につきましては、防衛施設庁のほうに伝えます。
○楢崎分科員 どうして私の言うとおりなさらないのですか。伝えて見解を明らかにするというふうにしてもらわぬと、先にちょっと質問が進められません。ずっと関連しておりますから。
○大西説明員 御質問の趣旨を伝えて、善処するように伝えます。
○楢崎分科員 それでは次に移ります。 那覇空港の返還は大体確実と思ってよろしゅうございましょうか。
○愛知国務大臣 交渉中のことでございますから、私は実は大事をとればはっきりしたことを申し上げないほうがよろしいと思いますけれども、この間も一々例をあげての御質疑があった際に、私の心証からいえばと申しまして、あのような答弁をいたした次第でございます。
○楢崎分科員 その際に、これも交渉中だからよくわからないと私も思いますが、問題点だけ指摘をしておきます。というのは、交渉の際にいろいろ意見を聞かしておってくれということですから、参考のためにですね。 その際に、いわゆる空港管理の体制が民間になるのかあるいは防衛庁になるのか非常に問題のあるところであります。これが一つの問題点であろうと思う。それから現在那覇空港を一部使用しておる米海軍は一体どうなるのか、これが二番目の問題であると思うのです。それで三番目の問題は、現在本土におきましては民間と自衛隊が共用しておる基地は千歳はじめ六カ所ですね。それから米軍と民間が共用しておるのは板付をはじめ三カ所あるはずであります。ところが、これは一つの予想ですが、これが三番目の問題です。民間と米軍、自衛隊と民間の共用形態はあるが、那覇空港の場合、そこに米海軍が一枚加わってくるということになりますと、三者共用ということになるのですね。これは本土には例がありません。つまり、もしそうなると本土並み返還というのは、その点でもちょっとおかしくなるのですがね。この三者共用に、もしなるとすれば——いいですか、聞いておってくださいよ。もし三者共用になるとすれば、これは航空の安全からいって非常にたいへんなんですね。実際に、御承知かもしれませんが、千歳の場合に、これは防衛庁が管理しております。それで民間航空と衝突寸前の危険な異常な接近が数回起こっております。これは報ぜられておるとおりです。したがってこれはどうしても、防衛庁、いわゆる自衛隊が航空管制をしないように、民間にこれを渡さなければいかぬ。もう少し詰めていいますれば、嘉手納と普天間と別にあるのですから、少なくとも那覇の場合は、私は完全に民間に返してもらいたい。これが沖繩の方々の願望であるし、すでにこの願望は計画の中に入って政府に提出されておる。政府はそれを尊重するということになっておるわけですから、この点はひとつきちんとお願いをいたしたい、これは問題指摘だけにとどめておきます。 いずれにしましても航空管制の管理官、これはたいへんな技術を要するわけですから、那覇空港が一体どうなるのか、板付の場合でもそうですが、那覇空港がどうなるかによって元来準備の都合があるわけです。それで、少なくとも那覇返還の形態だけは早くめどをつけておきませんと、いま少し返すのを待ってください、用意ができないからというぶざまな結果にならないとも限らないのです。板付はもうすでにその例が起こっておるのです。 そこで、いま公表されないならともかくも、政府部内ではめどを早くおつけになって、返還されれば航空法上の問題点も出てきますから、予算措置あるいは定員の関係からも用意が要りますから、少なくとも四十六年度の予算で、本年度の予算である程度の予算措置が講じられないと、実際問題として事前の準備はできないと思うのですよ。この点は四十六年度、本年度予算に関連してどうでしょう。
○愛知国務大臣 ただいまの問題について、具体的ないろいろの視野、それからいままでの御経験の上での建設的な御意見を交じえての御質疑をいただいて、たいへんありがたいのでございます。何と申しますか、いままだペンディングな話し合いでございますけれども、十分そうした御意見を参考にいたしてまいりたいと思っております。 なお、この種の問題については、国内的にも外務省だけの専管でいけない筋合いのもので、むしろ権限もないと言ったほうがいいかもしれません。十分政府部内でも連携を密接にして、御意見のあるところをお伝えいたしたいと思います。
○楢崎分科員 いまのはひとつ、おっしゃるとおりに真剣に考えていただいて、大蔵大臣にもあした質問しますけれども、よく申しておきたいと思います。 そこで、今度は事前協議の問題に移りますが、返還後の米軍基地の自由使用という問題は、米側から具体的な要求はなされておるのですか、なされておりませんか。
○愛知国務大臣 自由使用というようなことは全然話に出ておりませんし、また出るはずがないと私は理解いたしておりますし、それから先般もお聞き取りであったかと思いますが、ちょうどラオス戦線とかB52の問題が出ましたときにも、米政府当局が、返還後には自由使用なんということはないんだ、事前協議に当然かかるんだというような、公表といいますか声明といいますか、これをやっておりますところからごらんになりましても、そういう問題はございませんと申し上げて間違いないと思います。
○楢崎分科員 それで、だめ押しをするようで恐縮ですが、そうしますと、返還後の沖繩も含めて、日本の基地から米軍が戦闘作戦行動のために直接出撃する場合は、陸海空全軍にわたって事前協議の対象になる、これは間違いありませんね。
○愛知国務大臣 そのとおりでございます。
○楢崎分科員 そこで、エンプラの場合の質疑も頭に描きながら、これも念を押しておきますけれども、海軍の場合は、配置されるという場合はどういう状態をいうのでしょうか。
○井川政府委員 いついかなる場合に、合衆国軍隊の日本への配置に該当するかという御質問でございますが、一般に合衆国軍隊の日本国への配置とは、米軍がわが国内の施設、区域を本拠として駐留する場合をいう。海軍に関しては、典型的な配置は、補給、修理等のための陸上施設並びにそのような施設維持のために必要な舟艇等の場合であって、常時海洋上にある艦隊を構成する個々の艦艇の寄港は配置に該当しない、というふうになっております。
○楢崎分科員 そうすると、通常いう日本の基地を母港としておる艦船は大体配置されておるとみなしてよろしゅうございますか。
○井川政府委員 母港という概念と配置という概念は、必ずしも一致しないということになっておるそうでございまして、母港と申しましても、その連絡先であるとか家族がいるというような意味の母港というのがあるのだそうでございます。したがいまして、母港必ずしも配置ということにはならない、こういうことになっております。
○楢崎分科員 それでは具体的に日本に配置されておる米艦船の種類別の隻数をひとつあげてください。もしいまお答えできなかったら、あとで正確なところをあげてください。 それから母港というのは、必ずしも一緒じゃないといいますが、日本を母港としておる艦船も種数別に隻数をあげてください。 三つです。いま答弁できますか。
○大西説明員 調査をいたしまして、あとで報告いたします。
○楢崎分科員 そうすると、艦船の場合は、日本に配置されておる艦船は少ないのだと思います。私は持っておりますけれども、報告が出てくれば、少ないのだと思います。そうすると、日本に配置されていない艦船が日本の港に入っておるという場合には、これは寄港扱いはするわけですか。
○井川政府委員 そのとおりでございます。
○楢崎分科員 では寄港した艦船であっても、もし寄港地から戦闘作戦のために直接出撃する場合は、当然事前協議の対象になりますね。
○井川政府委員 事前協議の交換公文に「日本国から行なわれる戦闘作戦行動(前記の条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。)のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は、日本国政府との事前の協議の主題とする。」こう明記されております。
○楢崎分科員 私はそれを聞いていないのです。それを応用して、私のさっき言った問題はどうなりますか。これでもけっこうです。つまり配置されていない艦船でも——配置された艦船は少ないのですから、外務省見解によると。——配置されていない艦船でも、寄港しておるものが、日本の寄港地から直接戦闘作戦行動に出撃する場合は、事前協議の対象になりますかと聞いておる。
○井川政府委員 配置の観念と直接戦闘作戦行動の直接発進のための基地としての施設、区域の使用という概念は別でございまして、したがいまして、施設、区域を使用して直接戦闘行動に直接発進する場合には、事前協議の対象になるわけであります。配置されているかいなかを問いません。
○楢崎分科員 だから私の質問に、その場合そうだ、そういうふうに答弁していただいたほうがいいのです。どうなんですか。
○井川政府委員 ただいまの私の答えで正しいと思っておりますが、そういうふうに……
○楢崎分科員 いや、私の質問にずばり答えてください。配置されなくても、問題は別とおっしゃる寄港した艦船でも、日本の寄港地から直接出撃する場合は、事前協議の対象になるわけでしょう、いまの御答弁からいうと。
○井川政府委員 先ほどことばづかいを厳格に申し分けたわけでございますけれども、普通のことばで申しますと、そのとおりでございます。
○楢崎分科員 そうおっしゃれば早く済む、五分間かかりました。 いままで事前協議をされたことがございますか。
○井川政府委員 ないと思います。
○楢崎分科員 思いますではちょっと困るのです。
○愛知国務大臣 失礼しました。ございません。
○楢崎分科員 それは事前協議にかけるようなケースがなかったからそうなんですか。
○愛知国務大臣 そうでございます。
○楢崎分科員 よくわかりました。 次に、安保条約の駐留目的を逸脱する作戦目標並びに行動を展開している沖繩の米軍部隊が現にあります。こういう部隊に対しては返還実現までに撤去を求めるか、あるいはその部隊の性格、目標の変更を求めるか、そのいずれかなさいますか。
○愛知国務大臣 部隊の状況その他等は、防衛庁の方から御答弁いただいたほうがいいかと思いますけれども、私はこういうふうに思っているのです。たとえばその中に——たとえばですけれども、第三国の人の訓練という目的のために行なわれているような施設というようなものが、あるいは部隊というようなもの、組織というようなものがあるならば、こういうものは好ましくないと思いますね。 それから、これはまた楢崎委員の時間を取ってしかられないように簡単に申し上げたいと思うのですけれども、安保条約のワク組みから申しますと、今度は全体の性格や能力からいえば、いわゆる安保条約の性格、使命からいえば、こんな大きな能力のものがというお尋ねも出てくるかと思いますけれども、これは施設、区域を中心として拘束を加えてあり、それから発進の行動、戦闘作戦行動に制約を加えてございますから、そのところに着目していくべきであるというのが私たちの考え方でございますから、個々の部隊等の能力、性格等につきましては、むしろ防衛庁のほうからお答えしたほうが正確かと思います。
○楢崎分科員 おっしゃる点はよくわかるのです。一つの歯どめは——歯どめということばを使います。一つの歯どめは安保条約の駐留目的に合するように相手方がしなければいかぬわけですね。それが一つ。ところが相手側がそのような制約を受けたのでは部隊の目的、能力からいって困るというものもあり得ると思うのです。先ほど前段の外務大臣の御答弁によると、たとえば第三国の人たちを訓練するというような施設であれば困ったことだとおっしゃいましたが、そういう場合には、私が言ったように、どうしてもやるというならば、その施設を返してもらうし、その部隊は撤去してもらわぬといけない、あるいはそういうことをしないように性格変更を求める、具体的にはそうなりますね。
○愛知国務大臣 そのとおりに考え、かつこれもまたこれからの折衝の対象になる場合もあろうかと思います。
○楢崎分科員 そうしますと、これは防衛庁との共同作業になると思いますけれども、返還前にあらかじめ沖繩駐留部隊の作戦目標あるいは行動範囲、作戦内容、そういうものを個々に点検しなければならないようになりますが、どうでしょうか。
○大西説明員 防衛庁といたしましては、実態の把握につとめまして、外務省のほうと連絡をいたしまして検討するというふうになろうかと思います。
○楢崎分科員 そうすると、その点は明確になったわけですね。返還前に沖繩駐留の米軍の個々の部隊について、その作戦目標なりあるいは作戦範囲、内容等を検討して、安保条約の駐留目的上逸脱するものについてはチェックされる、そのように確認をしておきたいと思います。 次にお伺いしますが、交換公文による日米安保協議委員会、これは何か下部に軍事会同みたいなものがあるのですか。
○大西説明員 恒久的なものではございませんが、一昨年、四十四年の十二月の第九回日米安保協議委員会の際に、在日米軍の基地について検討が行なわれましたが、その際に基地の検討は社会的な側面からだけではなくて、やはり防衛的な側面からも検討する必要があろうということから、日米の双方の幕僚の会同を設置するということがきめられました。
○楢崎分科員 これは恒常的な機関ですか。
○大西説明員 それ以降そういう会同をやっておりますが、これはただいま先生の御質問がございましたように、安保条約の運営全般についての軍事専門委員会という性格ではございません。限定された範囲の任務というふうに考えております。
○楢崎分科員 日米の幕僚はどういう方々ですか。
○大西説明員 日本側は統合幕僚会議の事務局の事務局長でございます。米側は在日米軍司令部の参謀長でございます。
○楢崎分科員 お二人だけですか。
○大西説明員 ただいまの二人が代表ということでございます。
○楢崎分科員 それでは構成は、そのほかは随時適当な人が参加するという組織ですか。
○大西説明員 一般に日米の意思疎通のために幕僚の間での連絡等がございますが、そういう機会にそういう者が参加するということがあると思います。
○楢崎分科員 それ以外には日米軍事委員会みたいなものはないのですか。
○大西説明員 特にございません。
○楢崎分科員 松前・バーンズ協定は今日でも有効に作動しておりますか。
○大西説明員 現在も有効でございます。
○楢崎分科員 これは改定された事実はありませんか。
○大西説明員 ございません。
○楢崎分科員 ADIZ、防空識別圏、これの設定の法的な根拠は何ですか。
○大西説明員 これは防衛庁限りの訓令で設定いたしております。
○楢崎分科員 最後の質問にしたいと思います。 地位協定の二条四項(b)、これで合意しておる米軍の共用について、合意議事が出せますか。
○吉野政府委員 お答えいたします。合意書の要旨は、告示で発表しております。
○楢崎分科員 合意議事録の内容、この点に関するだけでよろしゅうございますが、資料として出せますか。
○吉野政府委員 いま申し上げましたように、告示ですでに発表されたものは、差し上げることができます。
○楢崎分科員 私の質問に答えていただけばいいのです。合意議事録が出せますか、その点について。それを聞いておる。
○吉野政府委員 議事録というものはございません。
○楢崎分科員 そうすると、二条四項(b)で米軍に共用させるということは、その取りきめは協定になっていないのですか。文書あるいは合意の議事録に載っていないのですか。
○吉野政府委員 議事録というものはつくっておりませんですけれども、合意そのものはそのつど文書でつくっております。
○楢崎分科員 ではその合意書を出せますか。
○吉野政府委員 それは相手方もあることでありますから、お出しできないかもしれません。
○楢崎分科員 相手方に相談して出せますか。
○吉野政府委員 すでに要点は告示で出ておりますから、それにて御了承願いたいと思います。
○楢崎分科員 よろしゅうございましょう。 ADIZは法的な根拠はない、防衛庁の訓令でやっておる、そういうことですね。
○大西説明員 防衛庁の訓令でやっております。
○楢崎分科員 法的な根拠はないわけですね。
○大西説明員 特にございません。
○楢崎分科員 次の問題は、これは「フォト」ですが、外務省関係は「ホット・ニュース」それから「時事ファクス」「パシフィック・コミュニティ」、こういうものを買っておられますか。
○柳谷政府委員 御承知のような広報関係の予算をいただきまして、その中で年間計画を立てまして、御指摘のような資料を種々買っております。
○楢崎分科員 「ホット・ニュース」は四十六年度の予算では幾ら、「時事ファクス」は幾らで、「パシフィック・コミュニティー」は幾らになっておりますか。
○柳谷政府委員 四十六年度予算で御審議願っておりますこの種の啓発宣伝費につきましては、現在予算上計画しておりますのは、外務省インフォーメーション・ブリティン発行「ジャパン・ツーディ」、「ファクト・シート」、「グラフ・ジャパン」、「日本解説シリーズ、」「パシフィック・コミュニティー」、「画報日本」を予定して、予算をお願いしております。
○楢崎分科員 そうすると、いま私が申し上げたうち、「パシフィック・コミュニティー」は入っておりますが、「ホット・ニュース」、「時事ファクス」は入っておりませんか。——いまわかりかねるなら後ほどでけっこうですが、正確なところを出してもらいたいと思います。
○柳谷政府委員 いま御質問の「時事ファクス・ニュース」は予算上予定しておりますが、「ホット・ニュース」というのは、ちょっとあとで……。
○楢崎分科員 この「ホット・ニュース」が、私が調べたところでは四十六年度一番多いのですね。一億以上です。 それで、時間がありませんから最後に、この点は第一分科会でも問題を残しておりますが、外務大臣に注意を喚起したいのは、これは時事通信社関係です。いま私が申し上げたのは、時事通信社とはどういう通信社か、これを問題にしておるのです。これは全部私は洗いたいと思っております。それで、あしたの会計検査院のときの問題にしたいと思うのです。いずれにしても長谷川才次氏の関係する各情報関係です。長谷川才次氏がどういう人であるか、これを問題にしておるわけです。したがって、その論調はすべて復古思想、軍国主義、憲法改正、教育勅語復活です。いま念のために外務大臣にお見せしておきますが、この「フォト」、これは総理府が買い上げておるのです、予算を組んで。代表的なものを一つ持ってきたのです。教育勅語をここにちゃんとこのまま載せて「教育勅語と日本史を読む」ということで、教育勅語を復活させせねばいかぬ……。ところがこの教育勅語は、外務大臣、先輩ですから御存じのように、昭和二十三年の六月十九日、衆議院と参議院がそれぞれ決議案を採択して、教育勅語は明らかに基本的人権を侵害するから、当時まだ残っている分があったら焼き捨てなさい、文部省にこういう指示をしておる、こういう決議をしておる。そういういわゆる国会の決議を無視してこういう運動をやっておる会社の印刷物、すべてがその論調です。私はここにたくさん持ってきておりますが、この時事通信関係のこの種のものを買い上げる点については、ひとつ大臣よくチェックをしてください。私はこの四十六年度の分は絶対に削ろう、削らなくちゃいけないと思っているわけですから、これはひとつよく検討しておってください。 以上で終わります。
○柳谷政府委員 ちょっと時間がなくて失礼でございますが、購入とおっしゃいましたので、ちょっと私誤解いたしましたけれども、外務省の予算の関係のいまおっしゃいました「ホット・ニュース」は送達委託費ということで、共同、時事両通信社のそれぞれの分一億円でございますが、これは早いニュースを在外公館に伝えるために、英文で在外公館に送るための委託経費でございまして、国内に送るのではなくて在外に毎日のニュースを送っている経費でございます。
○楢崎分科員 いまの点についてそのニュースがどのようにとられているか、その根源、それも非常に問題があるのです。時間がないから言いませんけれども、ひとつこれはぜひ検討していただきたいと思います。
○大坪主査 竹本孫一君。
○竹本分科員 私は外務大臣に地位協定の問題についてお尋ねをしたいと思います。 念のためにポイントを若干御説明をいたしますが、現在LSTが動いているのが大体二十一隻くらいあるようでございますが、それに乗り組み員として乗っておる人が大体千百名おる。その千百名の人たちに所得税や住民税をかけるかかけないかという問題を中心にしていろいろ承ったり調査をしてみると、それぞれの省で意見がばらばらに違っておる。これは日本の政府としてたいへん重大な問題でありますので、実は内々にも協議し相談もしてまいりましたけれども、さっぱり進展を見ないということでやむを得ず本委員会において外務大臣も御出席をいただいておることでございますから、地位協定についてお伺いをしたい。特に十二条の五項について承りたい、こういうわけであります。ところがLSTの乗り組み員に対して地位協定が適用されるかされないのかという問題については、従来もしばしば国会で問題になりましたときに、そのつど答弁が違っているらしいのですね。しかもそれは同じ大臣でも、たとえば椎名さんでもあるときは適用される、こうおっしゃって、また改めておられる。それから総理大臣も適用されるだろうと言われたかと思うと、福永官房長官がいまの意味はこうだこうだというようなことで注釈をつけて、その発言を取り消されるような動きもある。それから防衛施設庁も直接雇用や間接雇用の問題を中心にして適用されるがごとくされざるがごとく言っている。同じ人でさえもそういうふうに時により所によって意見が違っておりますから、各省ごとにいきますとますますばらばらであるように見受けるわけであります。たとえば大蔵省は適用されるということで、所租税の源泉徴収をやるという立場をとっておる。自治省はこれに対しまして、適用されるというような前提でいろいろ努力をされたようでございますけれども、相手さんのほうがこれはおれのほうには関係ないのだというようなことでお断わりをいただいたというような経過もあるようであります。さらに運輸省のほうにつきましても船員法の関係等もこれあり、これは適用されないというような態度を一貫して持っておられるようである。そこで千百名の人たちの立場から申しますと、一体どれがほんとうなんだということで権利の面、義務の面、非常にアンバランスになっておるということがありますので、できればひとつ本委員会においてこの問題を究明してひとつ政府の統一した解釈と結論を出してみたいというわけで、これから質問をするわけであります。 そこで、まず外務省といたしましては、LST乗り組み員千百名おるが、これらの人に対しましては地位協定十二条第五項というものは適用されるという立場であるかあるいは適用されないというお考えであるのか、その辺をひとつお伺いいたしたい。
○愛知国務大臣 この問題は地位協定を扱っておる外務省の立場ということでまずお答えをしなければならない立場であると思うのですけれども、外務省の条約としての地位協定の十二条の解釈は一貫しておるつもりでございます。お尋ねの趣旨の御要望されておるところと逆になるかと思いまして、その点は恐縮に思いますけれども、いま一応私から申し上げますと、地位協定第十二条の四項はいわゆる間接雇用の形式について定めているものでありますけれども、LST乗り組み員のような直接雇用の形式によることを排除したりまたは禁止しているものではない、これが前提となる解釈でございます。同条第五項は、間接直接を問わず米軍に関係するすべての雇用の場合に適用され、所得税などを源泉徴収して納付するための義務については、日本国の法令の定めるところによる旨の規定しているわけでございまして、所得税法に基づいてLST乗員が課税されても地位協定の規定上は問題はない。これが従来からの地位協定第十二条四項、五項の外務省としての解釈で、これは変わっておりません。ただ今後実態的な問題として、いろいろ関係各省間に、ただいま御指摘ございましたように、意見の相違、解釈の相違等がございますれば、また順を追って善処しなければならぬ点もあると思いますが、地位協定としてはさような解釈でございます。
○竹本分科員 それでは自治省に念のために伺いますけれども、四十四年四月二十三日付で自治省の税務局長から「LST乗組員にかかる給与支払報告書の提出について」という依頼を米海軍極東管区軍事海上輸送司令部のほうに出されておる。「LST乗組員について……。給与支払報告書を毎年一月一日現在で作成し、関係市町村に提出するようお願いします。」こういう文書が出された。それに対しまして四十四年五月二十八日付で、合衆国極東海上輸送司令部司令官のほうから「合衆国海上輸送命令部に対する給与支払報告書の提出要求は、合衆国軍隊の地位に関する協定二十五条の規定に基づき、日米合同委員会において処理すべき問題であると考えます。」という回答が来ておる。そういう事実は、自治省、いかがでございますか。
○石原説明員 御指摘の回答は、昭和四十四年五月二十八日付でいただいております。
○竹本分科員 そうしますと、この回答のほうから見ると、司令官のほうでは、そんなものは関係ないとは言わないけれども、日米合同委員会でやってくれ、相談すればいいじゃないか、とりあえずおれのほうとしては協力はできないというような意味に受け取れる。その後その問題がどういうふうに進展しておるかということも、ひとつ自治省にお伺いをいたしたい。
○石原説明員 自治省といたしましては、現在所得税について源泉徴収が行なわれておるというようなことから、当然地方税につきましても源泉徴収の義務があり、その一つの義務の履行としての給与支払い報告書の提出をお願いしたいということで協力依頼をしておるわけですが、ただいま御指摘のような回答があり、やむなく関係の地方公共団体の税務関係の職員が事務所に出向きまして、給与の支払いの原簿を写さしていただいておる。それによって課税を現在やっておるという実情でございます。
○竹本分科員 結局いまの答弁でちょっとよくわからなかったのだが、この回答書にもかかわらず、司令官のほうは、報告書の提出に協力しておるということであるのか、協力していないということであるのか。承るところによると、自治省も市町村ごとにそれぞれやり方が違うわけですね。そこで同じ乗り組み員の中で、おれのほうは納めている、おれのほうはそのままになっておる、おれのほうは何だかもうそのまま問題は解決したというような形で、同じ乗り組み員ですから、相互に会って話し合ってみると、それぞれの市町村でアンバランスがある、食い違いがあるということで困っているようですが、念のためにもう一度伺いますけれども、司令官のほうはその後協力をしておるのかしないのか、まずその事実を……。
○石原説明員 給与支払い報告書の提出はいたしておりません。地方公共団体の職員のほうが出向いて給与の原簿を調べております。
○竹本分科員 そうしますと、地位協定との関係において、こういう場合については、やはり向こうには協力する義務があると私は思うのですけれども、その関係はどういうふうに解釈したらよろしいか、外務省のほうにお伺いしたい。
○愛知国務大臣 これは先ほど申しましたように、所得税を、所得税以外のものもありましょうが、源泉徴収をして納付するための義務については、日本の法令に従うのだということが明らかにされているわけですから、その義務は履行してもらうというのがたてまえだ、この地位協定の解釈上はそういう解釈をしております。
○竹本分科員 そうすると、当然日本の法令に従うということになっておるわけですから、従ってもらわなければ困るということになる。しかし現実には従っていないという事実もあるということになると、ここで私はそれは義務違反とかなんとかむずかしいことを言おうとは思いませんけれども、今後は外務省としてどういうふうにこれに対処されるお考えであるかということをひとつ……。
○愛知国務大臣 私は、率直に申しまして、あるいは事務当局の考え方と違うかもしれませんけれども、前々から問題で今日に至るまでもLSTの乗員の方々にこの問題が残っておりますことは、たいへん心苦しいことだと思いますから、まず日本側の関係庁の間で十分相談いたしまして、場合によっては日本側だけの処理でも便法があるのではなかろうかと考えるのであります。 それから先ほどもお話が出ましたが、地位協定の二十五条を援用しての協議というようなことは、あんまりとげとげしくなるような感じもいたします。それから地位協定第二十五条というのは、本来の制定の趣旨からいえば、この種の問題を予想したわけでもございませんから、もちろんこの協定の実施に関して相互間の協議が必要とする事項と見ればそれでよろしいのですけれども、これを援用するのもあまりにぎすぎすし過ぎるような感じもいたしますから、ひとつあらためて本日この問題御指摘をいただいて、政府側がまことに不統一で申しわけないと思いますので、早急に善処さしていただきたいと思います。
○竹本分科員 いま大臣のほうから、日本側でも関係各省でひとつ相談をしていただいて、統一的な結論を出していこうというようなお考えのように承りましたが、いまお話しのように、この二十五条を援用しての話というのは、回答としても必ずしも適切ではないような感じが私もいたしておるわけです。しかしいずれにしても、協力するならば協力してもらわなければ話は進みませんから、義務違反だとかなんとかいうことの前に、もう少し政治的な高度の話し合いがあってよかろうというふうに思いますので、これはぜひ日本の政府間においても相談をしてもらいたいし、向こうさんにもきちんとした筋を通した結論が得られるように外務省のほうで努力をしてもらいたいと思います。 そこで、そのことは結論が出るという形になりますけれども、そうしますと、今度は十二条の第五項の解釈の適用の問題になるわけですけれども、これは、ちゃんと明文として書いてあります。「所得税、地方住民税及び社会保障のための納付金を源泉徴収するための義務」何とかについては、日本国の法令で定めるところによる、こう書いてある。これは前半です。後半のほうには「賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない。」こう書いてあるわけですね。だから初めのほうは、ひとつ所得税やその他についても、日本国の法令の定めるところによるぞと書いてあるが、同時に後半で労働者の保護のためのいろいろな労働条件、労働関係等についても、日本の法令の定めるところによらなければならない、こう書いてあるのだが、これは前半も後半も合わせて一本の姿で運用され、適用されなければならない、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。
○井川政府委員 仰せのとおりでございまして、労働条件、労働者の保護のための条件、その他の条件については、日本国の法令の定めるところによる旨規定してあります。したがいまして、その実質的な扱いは、関係国内法にゆだねられているわけでございます。そして、この人たちは船員でございますので、おそらく船員法等の適用の問題が出てくると思うわけでございます。これは実は外務省の所管ではありませんけれども、私どもといたしましては、LSTの乗り組み員については、他の一般の外国船に乗り組んでいる日本人と、この規定に従いまして日本法の適用を受けて、同様の取り扱いを受けているものと承知いたしているわけでございます。
○竹本分科員 そこで運輸省のほうは、いまの局長の御答弁にもありましたように、労働基準法あるいは船員法といったような労働者保護の法の適用の面においてそういうようにやっておられるかどうか。聞くところによれば、運輸省のほうは、これは船員法の適用の範囲外であるというふうな取り扱いをしておられるように聞いている。 それから念のためにあわせて伺いますが、時間がありませんから、自治省のほうにおいては、選挙権その他の問題の取り扱いについても、そういうふうに取り扱って、平等に取り扱っておられるかどうかということをお伺いしたい。
○栗山説明員 実は船員法の適用関係につきましては、船員法は、およそ船舶一般に対する法令で、一応公海上に出ているという関係で旗国主義という形をとって船員法を適用し、労働者保護をはかる直接の対象としては、日本国船舶という形をとっております。したがってLSTは外国籍船でありますので、一応船員法の直接の労働者保護規定は働いていかない。ちょうど外国船に日本人が乗り組むのと同じように、船員法の直接の適用から、はずれていく、という形になっております。
○土屋説明員 船員につきましては、一般の不在者投票のほかに特別な定めがございますが、船員法が適用されないということになりますと、その場合に必要な船員手帳の提示とかそういうことができなくなってまいりますので、やはり日本国内にいる場合の通常の人の不在者投票と同じ手続をやる以外は、船に乗っている間は不在者投票ができないということになります。
○竹本分科員 特に船員法の問題になりますけれども、日本の船舶でない、したがって船員法に規定する直接の保護は及ばない。直接の保護は及ばないが、間接の保護は及ぶものなのか。その他労働者として、あるいは船員としての日本国民が当然受けている一般的な保護を、どういう形で与えているか、与えていないか。また与えていない場合には、そこに格差が出てくる、差別待遇になってくるという結果になると思うがそれはどうであるか、はっきりお答えをいただきたいと思います。
○栗山説明員 一応船員法は日本船舶を対象にしておりますけれども、例外といたしまして労働関係が、要するにはっきりいえば船舶所有者と船員というものがともに日本人であるという場合には、労働関係については適用が可能だということで、船員法としては例外として、外国籍船でも、雇用者、それから雇用される者両者の関係が日本人である場合には船員法を適用するということと、もう一つ、日本の領海内のみを航行する船については船員法を適用する、という例外規定を設けております。そういう形で一応行ない、それ以外の外国船、たとえば純粋の外国商船に乗り組んでいる船員については、船員法自身では直接労働保護規定が働いていないというのと同じ形になっておるということであります。
○竹本分科員 だから、例外としてこれこれの場合にはそれを適用するというか、準用するという形で保護を与えておるということだけれども、私がいま端的に聞きますと、千百名のLSTに乗っている人には、結果として保護が及んでおりますか、その及び方は公平でありますか、ということを聞いているのですよ。
○栗山説明員 船員法の直接の保護は及んでおりません。外国船に乗り組む場合の一般的な保護としては、船員職業紹介その他の形でいろいろな指導という面で労働保護をはかっているということであります。これは外国船に乗り組む場合とLSTに乗り組む場合と、差がないということでございます。
○竹本分科員 結果的に見ればいろいろ努力をされて近づけようという努力のあることも認めるのですね。最後の結論として、船員が普通の船に乗っている場合とLSTに乗っている場合と、受ける保護に格差はありまんんか、ということを聞いているのです。もう一度そこをお尋ねします。それから同時に、船員保険についてはどうであるか、二つお尋ねしたい。
○栗山説明員 日本籍の船舶に乗り組む場合と、それから外国船に乗り組む場合では、労働保護の面において差があります。それから、船員法の船員でなければ船員保険法の適用もないという形になっております。
○竹本分科員 もう外務大臣おわかりだと思いますけれども、LSTに乗っておる千百名の問題を問題にしているわけですから、一般論的な答弁やいわゆる事務的な答弁だけでは、この場合十分でないと思うのです。問題は、LSTというアメリカの軍艦に乗っておるその人たちが、一方においては税金は同じように取られる、それで義務の面においては同じように要求される。しかし十二条五項の下段にある労働の保護の面については必ずしも平等ではない。きちっと公平に格差のないような形にはいかない。いかないのがむしろ法のいまの適用からいって当然だと思うのです。そうするとそこに、法の前の平等だとかいったような問題からいえば、同じ日本国民であり、同じように所得税を納め、住民税を納めていくという立場に立ちながら、非常にアンバランスができるということが、やはり日本の国の国民として非常に問題があるし、また政府としても省によってそれぞれ取り扱いが違うような形になるということは、非常に私は遺憾であると思いますので、そういうふうな事実を認められるかどうか、認められるならばどういうふうに前向きに解決をしていただけるのかということについてお伺いしたい。
○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたように、LSTの乗員の問題については、いまに至るまですかっとした政府としての統一的な態度をきめ切っておりませんでしたことをまことに遺憾とするわけでございます。最初は税の問題からきょうも御質疑があったわけですけれども、政府のそれぞれの立場からの従来からの見解は一応御説明が済んだわけですけれども、お聞き取りのように、それで問題が解決するとも私は思いません。LSTは一方においては純粋に外国船籍の船舶に入って働いているのと同じ立場にあるから、それだけ国内法上の保護に欠けるところもあるようにも思われますから、それとの関連において、先ほど私ちょっと申しましたが、日米間の地位協定を中心にする問題の取り上げ方もございますけれども、同時にやはりこれは国内諸官庁がもう一ぺん、本日の竹本委員の御質疑を契機にして、あらためて政府の部内で検討し直せばあるいはよい方途が発見できるかもしれないと思います。そういうことでひとつ、関係省庁に私からも訴えまして、善処いたしたいと思います。
○竹本分科員 最後にもう一つ、いまの問題はそうした線で御善処をいただく希望を申し上げまして、税金の問題と関連しますけれども、LSTに乗っている人なんかは、場合によっては一年も二年も、極端にいうとどこへ行っているかわからない。わかれば軍の機密に関するわけですから、わからないのが当然ですね。そうして要するに軍の必要で軍艦に乗ってしまって行くえもわからない。また乗り方も、パスポートがどうとかこうとか、いろいろめんどうな問題もあるようでございますが、そういった場合に一体生活の本拠というのはどこにあるかということが、大蔵省の、ことに所得税をかける場合には、あるいは自治省もそうですけれども、選挙権の問題にも関連しますが問題になる。生活の本拠はLSTの中にあるのだという解釈も成り立つかどうかという問題もひとつ最後にお伺いしたいのですけれども、一年以上国内に住所がない場合には居住者ではないというのがわれわれの常識であります。それから大蔵省の国税に関するいろいろの通達等を見ましても、その人が国外に継続して一年以上居住することが通常必要とする職業を有する場合、あるいはその人が居住することになった土地において一年以上継続することを通常必要とする職業を有するかいなかによって推定する、といったようなことがいろいろ言われておる。ところがLSTの場合にはそれこそ普通に一年もしくは一年半くらいがどこへ行ったかわからないのだといった場合に、なおその人に所得税をかける場合に、その人の住所、居所が日本にあるという解釈を大蔵省はとっておられるのであるか、またこれに対して外務省のほうでは、そういう解釈に対していかなる御見解を持たれるかということをお伺いしたい。
○青木説明員 ただいまの件につきまして、法令の規定は先生のおっしゃるとおりでございますが、私ども実態を調べましたところによりますと、大部分の船員の方は配偶者が日本に住んでおるとかあるいは独身の人でも四カ月に一度くらいは横浜に寄港するというところから、法令でいっております居住者であるというふうに考えております。
○愛知国務大臣 従来から大蔵省としてはさような見解をとっておるわけでございますが、先ほど申しましたように、ひとつこの機会に、全般的にあらためて政府として検討させていただきたい、かように存じます。
○竹本分科員 時間でありますからこれで終わりますが、いまも大部分というような説明がありましたけれども、大部分はそれでいいかもしらぬが、大部分でない、残りの部分については一体どうなるかということを議論をすれば、なかなか複雑かつ困難な問題だと思います。幸いにして外務大臣から、国内の調整の問題についても、また司令部のほうとの折衝の問題についても非常に前向きな御答弁をいただきましたので、強く善処を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大坪主査 安井吉典君。
○安井分科員 初めに愛知外務大臣に申し上げておきたいわけでありますが、私、社会党の沖繩対策特別委員長です。この間党の特別委員会で、沖繩の返還協定の進み方その他につきましてヒヤリングをすることでいろいろ申し入れをしたわけでありますが、総理府やら大蔵省やら防衛庁でしたか、各省はみな来てくれたわけですが、外務省だけはついにあらわれませんでした。協定の話し合いの最中だから野党には漏らすことはできないというのかもしれませんけれども、しかし私どもも、この協定がよりよい姿になることを念じていろいろ勉強もし、これからの審議にも臨もうとしておるわけです。それに対してそういう態度でありますから、それなら私どものほうも、これからいろいろな沖繩についての外務省の御提案にも協力できないということを話し合ったわけです。政府委員室の走り回っている人にはお気の毒だが、大臣への質問は何を聞くのですかということで、いろいろ取材に見えるわけでありますけれども、これは中谷君の予算委員会のあとの質問もありますし、それからもろ本会議でも、あるいは批准国会まで、沖繩の問題については、外務省からの私どもに対する協力依頼には一切応じられないということになると私は思います。もうそういう決定をしているわけです。もう少し協力をしてくれてもいいように私は思うのですが、いかがですか。
○愛知国務大臣 これはこちらが協力をお願いする立場にあって、逆にいま協力を求められたのは、私としてはまことに恐縮千万でございます。実は、率直に申しますと、返還協定の問題につきましては、内閣の部内におきましても、まだ条文等の問題には入っておらないくらいですから、政府部内におきましても、私と沖繩担当の国務大臣くらいしか、いまの段階の現状は承知いたしておりません。そのくらいでございますから、実はわれわれとしては、与党の自由民主党からも、外務省は官僚秘密主義の権化であるといってたいへんおしかりを受けているのですけれども、もうちょっとたちませんと、何しろ見当もつかない。一方、国内の立法のほうの関係などは、これはお互い同士でやれることでもございますから、そういう点で私も非常に苦慮いたしておるわけで、そういったような事情もできれば御了解いただいて、今後、こちらからぜひひとつ御協力をお願いいたしたい。おそらくは、沖繩返還問題というものは、それ自体はほとんど全国民の、と申してもよろしいかと思いますが、コンセンサスだと思うのですけれども、そのでき方について、これまたたいへん大切なことでございますから、私どもとしても、できるだけその辺を配慮してまいりたい。 それから、国会で御質疑をいただいておりますことに対しては、私もできるだけお答えをしているつもりでございまして、この御質疑を通しての御見解と、私の長々申し上げております答弁とを御理解いただければ、おおよそ返還協定それ自体の問題は那辺にありや、いかなるところにわれわれ苦労しておるかということも御想像がつくのではないかと思いますが、ただ、協定の形を示せとおっしゃられても、いまないものでございますから、ないものを示すことはできない。そういうことで、社会党からの御要請がありましたときに、その接触をいたしました外務省側にいろいろと失礼の段があったことかと思いますが、その点は深くおわびを申し上げる次第でございます。
○安井分科員 なるほどおっしゃれないでしょうけれども、外務省筋あるいは政府筋から新聞にはどんどん流れて記事は出ていくわけですよ。それは正式な発表じゃないから、こうおっしゃるのかもしれませんけれども、しかし国会以外では話すことはできない、こういう御態度のようでありますから、私どもはさっき申し上げましたようなことでやっていきたいと思います。とりわけ、こっちから出てくれと言っても、そういう事情があったら、どこまで話ができて、どこまで話ができないのか、私どもは話をすることができないことまで、頭を押しつけてしゃべれ、こういうふうに言っているわけではないのですから、電話で、外務省は参れません、こういうような態度では私どもは困ると思います。私どものほうもあまり御協力できませんから、そういうことでひとつお願いしたいと思います。 きょうは短い時間ですから多くはお尋ねできないと思いますが、いま、返還協定の調印時期について、当初四月といわれていたのがだいぶずれ込むのではないか、こういうふうな報道がありますが、いつごろの御予定ですか。
○愛知国務大臣 こういう点が実は非常に、何といいますかお怒りを招く点だと思うのです。私はその交渉当事者として、終始一貫、本会議で申し上げましたように、おそくも夏ごろまでに調印、こういうことを原則的に申し上げておるのでございまして、ただいま四月あるいは五月、いろいろの説が新聞等にも出ておりますが、私は依然として大事をとりまして、おそくも夏までに協定調印に運びたい、かように考えております。
○安井分科員 国会で大臣の言われることと、新聞にこう出てくることが違うのですよ。だから私どもはほんとうのところを聞きたい、こういう気になるのは当然ではないかと思うのです。それ以上おっしゃれなければそれでしかたがありませんが、批准国会がいつになるかということは、これは外務大臣直接のお仕事じゃないと思いますが、返還時期については、この間参りました琉球政府立法院の決議の中にも、「おそくとも一九七二年四月一日までに実現し、沖繩に対する日本国の主権が完全に回復されるものであること。」という要請決議があります。政府のほうのいまの交渉の段階における要求は、この沖繩の要求をそのままのんだ形で行なわれておりますか。
○愛知国務大臣 七二年のなるべくすみやかな機会ということで交渉をしておるわけでございます。
○安井分科員 なるべくすみやかな機会というのは、いま七月説と四月説の二つあるわけですから、大体早いほうだというふうにとっていいわけですね。
○愛知国務大臣 これは先ほども御意見がございましたが、私は交渉の当事者として、七月説をとるとか四月説をとるとか、そういうことを全然公に何にも言っておりません。私的にも言っておりません。なるべくすみやかな、そして前々から国会で公に言っておりますように、七二年のできるだけ早い機会に返還が実現できるように、逆算して準備万端ねじりはち巻きでやっているということでございまして、その間、琉球立法院の方々が四月一日ということを強調されるそのお気持ちは非常によくわかります。琉政の記念日でもありますし、それから日本とすれば会計年度でもあります。こういう点で非常に四月一日ということを強く御主張され、要請されるそのお気持ちは非常によくわかります、こうお答えをいたしましたし、このことは御質疑がありましたときにも国会でもお答えしているとおりでございます。
○安井分科員 条約か協定かという扱いの問題でありますが、アメリカの上院の審議がどう進むかということも私ども関心を持たざるを得ないわけです。最近の報道によりますと、三分の二の承認を必要とする条約の扱いとなる見通しが強くなったという報道でありますが、政府としてどういう情報を得ておられますか。
○愛知国務大臣 これは一言で言えば、アメリカの内部の情勢ですから、日本政府として私から見込みを申し上げるのは少し筋違いかと思います。まあ、アメリカ側としても協定調印ができましたら、ほんとうに皆さんが気持ちよくアメリカの国会の中で支持を与えられるように、その時期ができるだけすみやかなようにと、これ念ずる次第でございます。
○安井分科員 別に私は政府の見解を聞いているわけじゃなしに、情報を得ておるかどうかということをお聞きしたわけですが、はっきり申されなければしようがありませんが、米軍基地の扱いの問題について、先ほど楢崎君からいろいろ質問があって、御答弁もあったそうであります。二月三日の総括質問で私が国会審議の扱いの関係でお尋ねした点についても質疑応答があったそうですから、一応重複すると思いますので、それには触れませんが、基地の機能の問題について、これもしばしば議論されているところでありますが、これも先ほどの質疑応答の中では、安保条約の米軍駐留目的をはみ出した部隊等はチェックするというふうな意味のこともおっしゃったそうでありますが、アメリカの極東戦略上の拠点としての沖繩の位置、それはキーストーン・オブ・ザ・パシフィックという例の自動車のナンバープレートにあることばでも表現されているわけですが、そのキーストーンとしての役割りは今度の交渉の中で必ずダウンされる、こう受けとめてよろしいわけですか。
○愛知国務大臣 これはいわゆる本土並みでございますから、もうしばしば申しておりますように、日米安保条約の目的、性格、これは返還によって変わるものではございません、そのワク組みの中の、本土並みの提供される施設並びに区域ということになるわけでございます。
○安井分科員 機能的な側面からの基地の見方もありますが、そのほかに現在基地として使っているもので、将来いわゆる不急不要というふうなものがありはしないか。あるいは人口密集地帯にある基地とか、あるいは基地という扱いになっているが、現実にはもう県民の生活に密接なつながりを持っているもの、こういうようなものもあると思うのですよ。こういうようなものも同様にチェックしてはずす、こういうようなことが私は必要ではないかと思うわけです。つまり安保条約の目的を逸脱したものと、それからもう一つ、いま私が申し上げたようなものとの二種類あるのじゃないかと思うわけです。その点についてはいかがですか。
○愛知国務大臣 これは、私もこれまたしばしば申しておりますことですが、安保条約の使命、性格からいって、提供すべき施設、区域、こういう角度で扱うべきものでありますが、同時に、沖繩県の県民の福祉増進のために有用であろうと思われるものは、提供すべきものからなるべくはずしたい。この二つの原則から各具体的な地域にわたって検討する、こういうたてまえで交渉に入っているわけでございます。
○安井分科員 政府は交渉前に、沖繩の全基地にわたって一応具体的、現実的な調査を行なわれたわけですね。
○愛知国務大臣 これは一昨年十一月の基本的な話し合いができましてからあと、防衛庁において特に重点的に検討を進められたことと承知いたしております。
○安井分科員 私はその協定の時点における基地がどうなるかということに関連して、現在の基地の状況を知っておきたいわけでありますので、現状の沖繩の基地の実態がわかるような資料をひとつこの際御提出をいただきたいわけです。基地の名前だとか、部隊名だとか、所在地あるいは軍用の例の土地の問題が、これも将来の審議に非常に重大になってまいりますので、そういうようなものも含めた資料の御提出をひとつお願いしたいと思います。
○愛知国務大臣 いまの点ですが、これはお気持ちはよくわかりますけれども、米国施政下における米軍の配置状況その他について、必ずしも御要望に沿うことはできないかもしれませんので、これは御了解いただきたいと思います。
○安井分科員 わかる範囲のもので一応お出しをいただいて、さらにそれの中身についてまたさらにお尋ねをする、こういうことになるかもしれませんが、当面はできるだけ詳しくお願いしたい、こういうことにしておきます。 次に、アメリカの資本の既存権益の問題でありますが、この間の立法院の要請決議の第五項目に「沖繩にすでに進出している外国企業については、県民経済を阻害する不当な特権の存続を認めないこと。」と、相当高い調子で書かれています。これについての現段階のお話し合いの内容等について、お話しいただければと思います。
○愛知国務大臣 琉球立法院のこの超党派の決議については、五項目とも私は非常にごもっともだと思っております。そういう線に沿うてできるだけの努力をいまわれわれとしていたしております。 したがいまして、その第五項目につきましても、私が、そこに掲げられたとおりでございます、日本政府としてはこれが実現できるようにいたしておるつもりでありますと申したわけでございますけれども、まずよく政治的にも問題にされますのは、アメリカの大企業が民政府等の特別の許可とか、あるいは、そこに特権とメンションされているわけですが、そういうことに関連して特殊の権益をもうがっちりつくり上げた、そうしてそれが今後半永久的に続くのだということに対する御懸念は、これは米側あるいはその関係の会社側その他を通じまして、われわれからいえば当然のことなんですけれども、復帰の時点において一切の、たとえば民政府あるいは米軍等から与えられた許可あるいは認可等のものは、一切根拠がなくなります。そこで、一切日本の法令下に入りますから、特別の、沖繩県民を不当に害するような特権を与えられるということはなくなるわけでございます。 そして、たとえば外国資本との関係でありますと、企業に対する本土の管理法といいますか実体法、それから外資法その他の関連法律が全部本土並みに適用されるわけであります。それから、かけ込み訴えは絶対にいかぬぞという県民の御希望、これもすでに復帰話が始まりましてから、琉球政府通商局と本土の通産省との間に連携もかなりよく運んでおるように思います。 そういうわけで、これも申し上げると、一つ一つまた問題になるのですけれども、私はざっくばらんに、大胆に申しますと、いわば大企業的なものについてはかえって処理がたやすいのではないか、こういう感じも持っております。 それから、中小企業等については、復帰話が始まるはるか前から、平穏無事に、たとえば米人として、あるいは沖繩人でもない日本人でもない第三国の人が商売をやっておられる、こういうものは、米人をも含めまして、沖繩経済にも貢献された方々ですから、何とかこういう方々は、いわば公平の原則と申しましょうか、そういうことで、沖繩に限りまして仕事を続けていかれるように、ある程度の保護をして差し上げてしかるべきではないだろうか。これは沖繩県民の方々に話がわかっていただけば、琉球立法院決議第五項の趣旨に決して背馳するものではないと私は考えます。 それからもう一つ。もっとむずかしい問題は、たとえば自由職業の問題でございます。弁護士さんもおられれば、お医者さん、歯医者さん、獣医さん、その他資格を必要とする職業であって、現在まで沖繩におきましてそういう仕事をやっておられた方々で、引き続き沖繩に限って業務をしていきたいというような方々の処遇をどういうふうに考えるかということについては、これは沖繩の県民の方々はもちろんでございますが、本土の御関係の方々、その他のあたたかい御理解と御支援を得て処理していかなければならないのではなかろうか。その中に、もちろん米人もおれば、そのほかの外国の方もおられるわけですけれども、そういうことが、やはりほんとうに具体的な問題、そしてやりようによっては処理のむずかしい可能性のある問題でございます。 それから物資の扱い方。日本はおそらく七二年の早い時期までには、本土のいろいろの自由主義に基づく国際経済面への政策の転換はさらに広くなる、またそうしなければならぬと思いますから、その幅は実際問題として狭くなろうと思いますけれども、やはり輸入の管理の問題でありますとかいうようなことで、その商売をやっておられる方からいえば、死活問題です。しかし、全体から見れば、非常に具体的な、個別的な問題というものの処理などについても、これは十分配慮していかなければならぬ。 すでにこれらの問題につきましては、通産省も農林省も、もうそれぞれの担当の部局において琉政の意見を徴しながら、いかようにやっていったらいいかということについて、これらは必ずしも返還協定上の問題ではございませんが、これが——私はよく申しますが、返還協定の調印をして国会で御審議を願うときには、協定の内容はもちろんですが、協定に関連するいろいろな行政的な措置をも含め、そして日本国内の凡百の立法を含めて、AからZまで全部そろえて御審議を願わなければならないと言っている中の、それらが問題でございます。 こういうようなわけでございますから、冒頭に申し上げましたように、私どもも協定を出せ出せとおっしゃられるお気持ちは非常によくわかりますけれども、これらを総合し、ワンパッケージにして、そして対米的に条約としてはっきり約束を取りつけておかなければならないところに集結するわけでございますから、そう簡単にいかないことは重々御了察いただけることかと思います。
○安井分科員 ワンパッケージになって、協定になったら、あと国会は残念ながら修正権がないのですね。そういう扱いなんですから、いまのうちに、はっきりわかるところは伺いながら、注文つけるところはつけていく。こうでなければ、ワンパッケージになって、出たら何も——法律のほうはある種の手のつけ方があるかもしれませんが、協定はだめなんでしょう、国会は。だから、私どもは、いま伺っているわけであります。 そこで、中小企業と大企業に分けてお考えになるということは私は正しいと思います。しかし、中小企業のほうは、案外小さな商人の生活と競合するようなものもあって、そういう意味で、やはり問題があるようですね。それから大企業は大企業で、あの小さな局にガルフが来る、エッソが来る、こういうようなことになれば、やはりあすこの経済力をそれによって大きく左右されるわけだし、そのことはひいて日本経済全体の問題にもつながるわけです。ですから、私は、アメリカの資本の進出の問題については、大企業であろうとも中小企業であろうとも、やはりきらっとチェックができるような、そういう仕組みをつくっておかなければならぬし、特にかけ込み進出などはあき巣ねらいみたいなかっこうなんですから、こういうようなものは、もっとはっきりした態度を政府としてされるべきではないかと私は思います。 アメリカ側で、そういう企業の進出、定着を、既得権として認めるように協定の中に入れてくれというふうな要求はありませんか。あっても、それははっきり政府は断わるべきだと思うのですが、その点はどうです。
○愛知国務大臣 それはもう本土並みなんでございますから、そういうことは考えておりませんことは、先ほどもちょっと触れたとおりでございまして、この種の問題は協定上の問題ではございません。
○安井分科員 時間だそうですから、これで終わりますが、現在沖繩に来ている外国資本の実態、それについて、いまのところはその実態に関する一覧表といいますか、そういうようなものをひとつ資料として出していただきたいと思います。 これで終わります。
○愛知国務大臣 承知いたしました。
○安井分科員 あとの質問は別な機会に譲ります。
○大坪主査 以上をもちまして、昭和四十六年度一般会計予算中外務省所管に対する質疑は終了いたしました。 明日は、午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時散会