予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 424 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/02/20
会議録
○大坪主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昨日に引き続き、昭和四十六年度一般会計予算中防衛庁所管について質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。曽祢益君。
○曽祢分科員 防衛庁長官に伺いたいのですけれども、しばらく前のことで、新聞記事で承知した程度でありますけれども、防衛庁で中国問題の研究をするということが出ておりましたが、これは日本の防衛計画を立案する場合に、お隣の中国、特に核大国になりつつある中国問題を、防衛の見地からいろいろな観点で検討されるのは非常にけっこうなことだと思うのですけれども、ただ外交政策を純粋に防衛の見地からもし研究するというようなことにでもなると、これは私はかつてわが国が歩んだ非常に危険な道で、海軍の南進論、これは石油資源をとろうという南進論、陸軍は対ソ防衛という、目的は必要であったかもしれないけれども、しかし過剰防衛、満州から全中国にまで侵略戦争を進めたといういろいろな苦い経験もあるわけです。防衛庁長官の意図は、中国問題研究ということを、防衛庁というワク組みの中でやられるという意味はどういう意味ですか。私の心配するような、防衛のほうが外交の先に走るというようなことがあってはならないと思うのですけれども、これはほんとうの断片的のニュースですけれども、その真相並びにもしそういう方向であるならばその意図、これをまずお示し願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 まず外交国策と防衛との関係について、私は一つの基本的な考えを持っております。それは防衛白書を出すときの長官談話にも書きましたが、日本の防衛というものは国民の協力がなければすべてが失われる、また外交が失われたらその大半が失われる、そういう認識に立って外交を優先してやらなければならない、こういうふうに基本的テーゼを持っているわけであります。しかし日本の防衛自体を考える場合に、単に防衛の技術面だけで消化できる問題ではない。日本のような特殊の国際環境並びに国内情勢のもとにある国は、それに相応した日本固有の防衛戦略態勢が必要であります。それには国情あるいは国際環境をよく認識した上に立って、防衛の技術論が論じられなければならない、そういう観点に立って、そういう勉強は不足しておるように思うのです。それをやるに一番適しているのは防衛研修所であります。研究機関であります。そういう意味で防衛研修所に対して、安全保障の面から見た中国問題の解決のポイント等について私にアドバイスせよ、そういって研究を命じたというのが真相でございます。
○曽祢分科員 防衛問題についても、いわゆるシビリアンコントロールというかあるいは文民の支配といいますか、そういう原則とともに、外交というような広い意味の見地から防衛を考える、こういうお気持ちのようで、その点全く同感です。むしろ旧来の軍隊とかいうものが非常に狭い見地から、防衛だけの見地からものを考え、それがむしろ国策に対して注文をつけている、これが一番悪かった。ですから防衛の任に当たる人たちの中に、むしろもっと広い、安全保障というものは単なる防衛だけでなくて、国民の動向それから外交、こういう方面の、また広い意味の安全保障を教えるような意味で、中国問題をそういう観点から勉強しろというような意味ならば、たいへん私はけっこうだと思います。大体そういう意味に了解してよろしゅうございますか。
○中曽根国務大臣 そういう意味でございます。
○曽祢分科員 時間がありませんので、具体的な他の質問に移りたいと思います。 昨日同僚の大出委員からも御質問あったやに伺っておるのですけれども、同様の問題で私からも伺いたいのです。 実は十二月二十一日に、日米安全保障協議委員会できまりました在日米軍の大幅な縮小に伴う基一地の整理並びに駐留軍に働いている従業員の解雇問題がございまして、私はその方向はむしろ健全な駐留なき安保のほうにいくので全体としてはいい方向だ、こう思っておったわけです。ただこれが日本の側に与えるインパクトは非常に大きいものがある。特に神奈川県の横須賀あたりでは非常に重大な関心を持っているわけであります。そこで、この横須賀の基地に働く五千数百名がこの夏までに逐次解雇されるということでありましたが、どうも最近、二月の十三日、十四日ごろから、少しおくれるのではないか。一たん三月五日付で第一回の通告を受けた人たちに、下っぱの米軍の係官とは思いますけれども、出てこいということで、再雇用と思われるような動きがありました。現地では、これとともにアメリカのオクラホマシティー、第七艦隊の旗艦が佐世保に移駐することについても、何かためらいが起こっているように風評にせよ、ルーマーとしては、この解雇の決定が部分的にもせよ撤回され、あるいは延びるのではないかというようなことがございまして、よきにせよあしきにせよ、それは非常に動揺を来たしたことは事実であります。 そこで、私は、たまたま十五日に外務委員会がございましたので、外務大臣に事前にその事情を通告いたしまして、その真相はどうなんだということを質問したわけであります。それに対する外務大臣のお答えでは、これはもう県庁にも聞いたし、現地の労管にも聞いたけれども、特に外務省としては府中の米軍司令部並びに米国大使館に確かめたところ、米国大使館においては、そういったことは全然ない、あくまで十二月二十一日の協議委員会の線に沿うてものを進めているのだ、何らの変更なしという、どんぴしゃりの否定的なあれがあったそうです。ただ、そのルーマーが必ずしも根無しでないような感じがするのです。あるいはこれを最近のラオス情勢等にからめていいかどうかは別といたしまして、あるいは米軍の兵士の中にベトナムなんかに行くのはいやだというのもいるらしいので、いろいろなことがからみ合って、うわさがうわさをまいているようだ。人によっては、防衛庁の非常にトップレベルに、何かそういったような、いまのところは実態は明らかにさせられないけれども、何かそういったようなルーマーが入っているのではないかという人すらある。そこで、この機会に、防衛庁長官からこの問題についての真相がどうなのか、今後のことも含めてどう考えたらいいのか、お示しを願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 ただいまの御質問の件につきましては、前にもそういう御質問がございましたので、重ねて調べてみましたけれども、十二月二十一日の日米安保協議委員会の決定の線を変更させる向こうの意向や申し出というものはございません。外務省と同じでございます。
○曽祢分科員 それでは現状においてその十二月二十一日の日米合意の線は変わらない……。これは少しスローダウンするというようなこともないのですか。基本が変らなくとも、あまり思ったとおりにプランを進めるとちょっと無理がある。たとえばあとで御質問申し上げるような、横須賀から全部ほとんど、旗艦オクラホマシティーを含めて、佐世保に移駐する、どうもそれが無理だとか、原案を変えなければ時間的に無理だとか、そういう方面の変更もございませんか。
○中曽根国務大臣 あのとき声明文を出しました。あの声明文に具体的項目が一々載っているわけです。もし、そのことばや内容に変化があれば、当然日米安全保障協議委員会において改正さるべき問題である。そういう意味において私は変わらないと思いますし、もし変わるということにしても、それは重大な変更でありますから、当然日米安保協議委員会において再議決さるべきものではないか、そう思います。
○曽祢分科員 わかりました。それでは質問を続けます。 そこで、その解雇者の問題ですけれども、長官もすでに御承知のように日米間には解雇の場合には九十日の予告を守るということがございまして、今回のはどだい三月五日から始まるというのもございますし、それから十二月二十一日にきまっても、事は横須賀だけの問題になりますけれども、横須賀においては、通告が正式にあったのは一月の五日でございますから、したがいまして、この第一回の三月五日だけでなく、三月十五日、四月一日付、この初めの三段階の連中は全部九十日未満ということになる。これはどう考えても私は不合理じゃないか、何とかその九十日というものをペイの中に繰り込まれるように話をつけていただけないものだろうか。長官のお考えを、これは施設庁だろうと思いますけれども……。
○島田(豊)政府委員 基本労務契約におきましては、解雇前の予告期間が四十五日ということになっております。しかし、四十五日では調整の問題あるいは就職の準備のための期間としてまだ短いということで、日本側は九十日間を主張いたしまして、昨年の一月に米側にそれを申し入れまして、米側も極力九十日を守る、こういうことを言っております。さらに、昨年末の日米安保協議委員会におきましても、外交レベルでこの問題が出まして、米側としてもさらにその線を確認しておるわけでございますが、今回の大量解雇の中で十数%のものが九十日の予告期間を切っておるという現状でございます。したがいまして、米側としてはかなり努力したあとが見られるというように私どもは考えておりますが、私は、九十日間の予告期間といいますのは、労働基準法にいいますところの三十日間の解雇予告期間というような、いわば権利としての扱いではなくて、双方の一つの行政的配慮といいますか、そういう意味で、極力その線を順守しようということでございますので、その九十日間を切ったこと自体ははなはだ遺憾でございますけれども、十日なり十五日なりを切ったということは、直ちにそれに抵触するための補償を得ようというそれほどこの九十日間という予告期間の約束というものはかたいものではないということで、そういう方々に対しましては、別途再就職の便宜を与える、あるいはその他の就職援護という点で、現在の臨時措置法のワク内におきまして極力めんどうを見る、こういう方法が一番実情にあったやり方ではないかというふうに考えておるわけであります。しかしながら、この問題につきましては、その後も米側には私どもは必ず九十日の期間を守ってくれるようにということを強く要請しておるところでございます。
○曽祢分科員 これは長官にぜひお願いしたいのですけれども、いまの答弁では私は非常に不満足です。日米間に、これは御承知のように、協議委員会でも確認された慣行は守らせなければならぬ。何%かというのは、おくれればおくれるほど、このパーセンテージは横須賀に関しては非常にふえておるわけです。十何%ではない、もっとになると思いますね。だから、そんなことを言わせずに、こういういいことはやはりアメリカにも守らせる。これはひとつ防衛庁長官の政治的判断によって御努力願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 小幡・フランクリンの間の話し合いによりまして、極力九十日を守るように努力する、そういう約束があるわけでございますから、その約束を実行するように私も努力してまいりたいと思います。
○曽祢分科員 ぜひ御努力をお願いいたします。 それから横須賀の基地におきます船舶修理施設の問題でございますけれども、私はしろうとながら、日本側としてはこういうことを考えていく必要があるのではないか。第一には、返還の条件であるアメリカの第七艦隊の司令部が佐世保に移ろうが、やはり横須賀のあの優秀なる修理施設を使うだろうから、そのために横須賀に修理のために寄港するということは当然だろうと思うので、アメリカ側の要求を充足する、これは当然向こうも返還の条件になっております。それから日本の海上自衛隊の需要に応ずる、これもまた私は当然だと思う。ただそればかりではなくて、もっと広い見地から、日本の産業、それから横須賀としてのいわゆる平和都市へ転換ということから考えましても、東京湾方面はおろか、東日本においてあれだけの修理施設というものはまことに得がたいものである。わが国の造船所がどんどん大きくなっておりますけれども、新造船のほうはもうかるし、どんどやるけれども、修理のほうにはなかなか手が回らない。施設も足りないし人手もない。そういうようないわゆる民需といいますか、一般的な商業的なベースを考えても、私は、修理施設としてこれを活用していくことが、ただ単に横須賀のみならず、わが国のいわゆる造船産業といいますか、それに関連する産業のためにも非常にいいことだと思うのです。そういうような三つの見地から、どういうふうにアメリカが投げたこのボールを受けとめていくかということが非常に私は重要な問題だと思う。と同時に今度の気の毒な離職者の再雇用を考える。あそこは千五百名の非常に優秀な労働者、技術者がおるわけです。ただ、優秀ではあるけれども、御承知のように年齢はSRF、船舶修理のほうは四十九歳平均、あるいは五十三歳になるという説も聞いておるのですけれども、とにかくアメリカ軍の一つのやり方で、解雇の場合と変なセニオリティー原則で若いほうが先に首切られる。残った人は、いままで二十数年働いてアメリカ軍とも大いにその意味でサービスした、大いに日本の外貨獲得にプラスになった諸君、非常に老齢であって、普通の民間産業ではとてもそんな老齢、高賃金なのは使いにくい、したがって再雇用が、技術的に優秀であってもむずかしいという問題があるわけです。ですから、いま申し上げたアメリカの修理の需要を充足し、海上自衛隊の修理を充足し、それから日本の一般的な船舶修理業務をやっていく。ただし、その場合に第四の条件は、この千五百名を使っていく、フルにといいましょうか、自発的におやめになる方は別ですけれども、雇用条件が悪くなるから散らすのではなくて千五百名ワンユニットとして使っていく。こういう四つの原則で、このSRFの問題を考えていくのがほんとうではないかと思うのですが、基本的なお考えをお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 SRFの処理については、いずれ米軍側が六月末までに返すということが確定して、手続が進むにつれて、どういう形態でやるかということをきめなければならぬのです。解雇者の処理の問題も多少それとも関係してくるわけで、われわれも非常にいま苦労して、解雇者の身を案じて極力解雇者の心身を安んずるように手当てをしなければならぬと思っています。 それで大体いまのわれわれの考えでは、あの施設は国有にしておこう、そしてその中のどの部分を直営でやるか、あるいは委託経営でやるか、あるいはそのほかの形態が考えられるか、そういう考え方に立って数案を検討しているというのが現状です。それでそれらの場合にかりに切りかえるという場合にいたしましても、できるだけ雇用の問題は雇用者の希望をいれるようにして努力していく、そういう形で今後努力を続けていきたいと思います。
○曽祢分科員 まだ長官にももう一ぺんお聞きするのですけれども、その前に私が申しました第三の見地から、両方の軍事上の要求があることはわかっているのですけれども、やはり民需といいますか、日本の造船産業育成という意味から、ひとつそっちの主管官庁である運輸省のほうのこの問題に対する考えをお聞かせ願いたい。
○田坂政府委員 最近の船舶の激増に伴いまして、船舶修繕の需要も非常にふえております。こういう見地から、ただいま防衛庁長官から防衛庁の御意向が示されましたが、この線もあわせ考えながら、その施設の有効利用につきまして、その可能性につきまして検討を進めておりますし、今後もその方向で検討を進めたいと存じます。
○曽祢分科員 どうも防衛庁長官のあとでの船舶局長だから、少し音色が悪かったんだけれども、アメリカの軍事上の要求の充足と海上自衛隊の要求充足、これは当然ですけれども、長官、これはあなたのレベルの閣僚のことですから、単に防衛庁長官、防衛庁のあれというだけでなくて、いま申し上げた運輸省といいますか、日本の船舶修理施設の活用という点も十分にお考えの上、時間はもう非常に迫っておりますから、万が一にもこれは予算だとか法律とかということがあれば、今国会のこのありさまですから、よっぽど早く、もうそろそろ決定しなければいけないと思うのです。非常に重大な御決定だと思います。その際に、単に防衛庁の都合があれだからこれだけはおれのほうはとっておく、要らないところだけは委託するかあるいはというようなことでなくお考え願いたいと私は思う。きのうの鶴崎参事官の大出委員に対する答弁、そのときおりませんでしたけれども、新聞の伝うるところによれば、国有財産ですから財産そのままは売り渡さないで国有にしておく、それでかりに民営の場合でも、貸すということでも私はけっこうだと思う。民有民営ということを固執する必要は必ずしもないのじゃないか。だから、会社の経営からいったらどっちがいいかわかりませんし、ことに言うなれば特定の条件、採算をやや無視したような条件で千五百名の大部分を使っていかなければならないというような点も考えますと、会社が経営する場合に、国有でなくして民有にして民営ということに、私は必ずしも賛成しかねる点もあると思う。ですから、財産を国有にしておくことはかまわないのですけれども、どうも防衛庁の鶴崎参事官の答弁といまの長官のお考えを伺うと、いいところだけは要するに防衛庁がとっておこう、そのうちに四次防か何かでふえるだろうから、その余ったやつは民営か何かに考えてもいい、私はそれじゃぐあいが悪い。佐世保の形式みたいなものがいいのではないか。やはり国有民営といいますか、私は民有民営を必ずしも主張しません。やはり経営は民営にして、その中でアメリカ及び日本側の公の需要の充足ができるのじゃないか。この点はもう一ぺんひとつ……。あなたのお考えの中に委託ということもございました。しかし、その自衛隊が押えていくというやつと委託経営との関係というものも、やや明確を欠くと思うのですが、これはまだきまらないうちだから私は意見を申し上げ、また単に私の意見でなく、長官も御承知のように現地の横須賀市並びに市を中心とする民間の諸団体、この中には労働組合もあるいは商工会議所も加わっておりますが、一致した意見としては、ともかく民営論を非常に強く主張しておるのも無理からぬ点がある。どうも自衛隊が一部だけ押えてしまってここから先やれというのじゃ気勢が上がらないと思うのです。これはやはり総合的に運営して、そして三つのあれを充足するようにするほうが能率的だと思うのです。自衛隊とアメリカだけで全部使い切るという問題では私はないと思う。いままででもSRFが事実上民需のことをやって問題になったことがあるのです。これは御承知のとおりです。ですから、これは経営の企業体というか運営体について慎重に考えるのはいいのですけれども、ここまでは軍、ここまでは民、これはまずいと思うのです。一括運営させる方向にお考え願えないものであるか、長官のお考えを聞きたい。
○中曽根国務大臣 そういう考えもございますが、いま私が申し上げましたような幾つかの案をいまいろいろ功罪を並べて検討しておる最中でございまして、御意見として承っておきます。
○曽祢分科員 これは申すまでもないことですけれども、ことに防衛庁がこれは直接一つの工場としてやっていくということになると、当然法律の改正とかいろいろな問題も起こすのではなかろうか。実際上そういうことがそれだけのトラブルの価値があるかどうか。かつての海軍のりっぱな施設であることはわかっておるけれども、それから佐世保の行き方が必ずしも万全にうまくいっているとはいえないかもしれません、私はむしろ、いろいろなお考えもおありでしょうけれども、やはり軍人というものは、これは長官じゃありませんよ、軍人というものは欲が深いので、自分が押えている、アメリカが第一そうです、もう一ぺんその次のボスの海上自衛隊が一応押えている、その考えでいくのは、それこそシビリアンコントロールに反するのじゃないか。私はこれは長官の、それこそステーツマンシップを発揮されて、どうしても東日本の有力な一つの修理施設として、需要のプライオリティー、優先順位の問題は別ですが、もう全くすきのないように自衛隊が押えておいて、活用しないなんということのないように、総括的に運営するようにしていただきたいと思います。 それからもう一つ伺っておきたいのですが、民営の場合に、一体一社でやるのがいいのか、みんなが協力してやるのがいいのか、この点については長官はどうお考えでございますか、伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 まだ民営にするか委託経営にするか直営でやるか、きまってないのでありますから、その先のことを御答弁するだけの用意が整っておらないのが残念であります。
○曽祢分科員 その問題について運輸省のお考えを聞きたいと思います。民営の場合にはどうする、一社方式か数社方式か。
○田坂政府委員 仮定の問題でございますので、この際に申し上げるのが適当かどうかよくわかりませんが、民営ということでございましたら、先ほど申し上げましたように、日本全国的な修繕設備の不足が心配されております。そういう状況でございますので、広く現在の造船所が使える形であることを基本に考えたい、考えるべきではないかと考えられます。
○曽祢分科員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、これは防衛庁長官、聞いていただくだけで、返事は要りません。 運輸省に重ねて、希望とともにお尋ねしますが、私はやはり数社協力したほうがいいと思うのです。ただ幹事社といいますか、やはり主体になるものがある、これは当然だと思う。しかし私はこの点は横須賀市の意見と必ずしもぴったり合っていないのです。一社ということをいっていますが、一社にしていいのか。一社を中心にすることは必要だと思う。みんながやはりあそこに、この施設を修理に使おうじゃないか、そういう気持ちを持たしてやるほうが、民営の場合にいいとぼくは思うのです。したがってそういうふうに必ずしも一社ということじゃなくておもなる中心の社を、幹事社といいますか、きめて、しかしみんなが協力してやる、そういうふうにしたほうがいいと思うのですが、その点に関する運輸省のお考えを伺いたいと思います。
○田坂政府委員 修繕工事の特殊性から、その運営につきましては、ただいま先生からお話がございましたようなことも十分加味しながら円滑なる運用ができるような方法を今後考えたいと存じます。
○曽祢分科員 これで終わります。 これは、防衛庁長官、非常に時間が迫っておると思うのです。いつごろになりましたら閣議決定まで行くのでしょうか。これは当然にもう二月中というのは少し無理かもしれませんが、この国会の終わりなんかといっていられないと思うのです。大体いつごろまでに基本方針をおきめになるつもりか、その点を伺っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 内外の関係を調整でき次第、できるだけ早目にやりたい、そう思います。
○曽祢分科員 大体いつごろということは言えませんか。三月半ばとか……。
○中曽根国務大臣 いまのところそういう期日を明言するまでに至っておりません。
○曽祢分科員 時間がありませんので……。
○大坪主査 小川新一郎君。
○小川(新)分科員 沖繩返還後の基地の貸与の問題につきまして若干お聞きします。私専門委員でございませんので、理解の浅い点も多々あると思いますが、防衛庁長官の御理解ある御答弁をひとつお願いしたいと思うのでございます。 去る十六日の沖繩特別委員会で愛知外務大臣は、この沖繩返還後の沖繩基地の貸与の問題につきましてどうかという質問に対して、ラスク・岡崎交換公文のような継続使用はしない、また特別措置法の適用をしたくない、また小笠原返還の際の暫定特別措置法のようなものを適用しないで、あくまでも地主との個別契約を結んでいくんだというようなことを基本的に発表なさっております。このことについては、私当該委員会におりませんが、はっきりと当該委員会に出ておったわが党の委員から聞いておりますので、このとおりで間違いがないのかどうか、この点外務省の条約局長からお願いいたします。
○橘説明員 条約局長にかわりましてお答えいたします。 沖繩での施設、区域は、日米両国政府の合意によって、これをアメリカ側に提供してまいります考えでございますが、いわゆる岡崎・ラスク方式というものはとらないという考えでおります。この点に関しましてどういう規定をつくるというようなことは、ただいま申し上げるような段階には至っておりません。日米両国で提供することに合意した施設、区域内に民有地がある場合には、日本政府と地主との間での問題がございます。これは日米両国政府間の合意とは別の問題でございます。ただ日米両国の政府間で合意した提供すべき施設、区域については、これを提供しなければならぬわけでございます。したがって日本政府と地主との関係では、あくまでも地主との円満な話し合いで、地主の納得を得て処理してまいりたいと思っております。 なお御質問のような、地主がどうしても反対するというような場合も、予測したくない問題でございますが、政府間で合意した施設、区域については提供いたさねばならないものでございますので、地主の納得を得るように全力を尽くしてまいりたいと考えております。ただ予想外の事態が起こった場合に対応できる措置も検討しておかなければならないとは考えております。ただ、それはあくまでも予想外のことでございますので、そうした措置がとられることなく、円満に地主との間で解決されるよう極力努力してまいるつもりでおります。
○小川(新)分科員 私が御質問している要旨は、その予想外の事態が発生しないとはだれも断言できない。特に沖繩の問題は、土地問題基地問題では血みどろの抗争をしておりますね。成田の公共用地を見ても、あれは基地じゃないのですけれども、飛行場という公共用地に供することについてすら農民の反対で現在強制収用するかしないかで、農民は穴ぐらにもぐって抵抗しているじゃありませんか。完全にありますよ、そういう問題が。そこで外務大臣に対して質問が出たわけですよ。そのときに特別措置、すなわち国と国との、岡崎・ラスク交換公文のようなものでなくして、一括もしくは個々の契約を日本政府がした場合、その契約に応じない地主に対しての措置については小笠原でやったような暫定措置で凍結するのか、そしてその間に話し合いを進めるのか、もしくは特別措置によって強制収用するのかという質問に対して、大臣はしないと答えているんだ。私の要点はそこなんだ。それをきのう、きょうの新聞を見ますと、あたかもするように書いてあるのですね。けさの朝日新聞においては、政府は土地確保へ特別立法する。また昨日の毎日新聞においては、強制収用で確保する。これでは外務大臣の言っていることとまるで違う意向が新聞に報道されて、沖繩の島民並びに日本国民に対して、国会で審議されたことを信用していいのか、それ以後に政府が発表してきた問題を信用したほうがいいのか、この点がわれわれには理解できないのでありまして、どっちがほんとうなのか統一見解を示してもらいたいと、実はわざわざ私は条約局長を指名してこの席上お願いしたのですよ。だからその点明快にお答えいただきたい。
○橘説明員 ただいま申し上げましたように、ただいま政府で検討しておりますところは、あくまでもそういう地主との間の問題が起こることは予想したくない事態でございますので、極力地主の納得がいくような方向で、この問題を処理したい。もし不幸にして予想外の事態に対しても、それに対応できる措置も検討はしておらなければならないと考えております。
○小川(新)分科員 だから、さっきから言っているように、その考えているということは大臣はしないと言っているのですよ。ここにきょう大臣を呼ぶわけにはいかないのです。だから局長を呼んだ。局長を呼んで来なければ話にならぬじゃないですか。そこに参列していたのだけれども、そのいきさつはあなたじゃわからぬ。私はいま議事録を取り寄せたくても議事録は印刷されてないのですよ。十六日のできごとですけれども、わずか一週間足らずの間にこんな重大な問題が新聞に百八十度転換するような記事が載ったら、一体国会の答弁というのは、いやしくも外務大臣愛知さんの言っていることを信用できなくなってしまうじゃないですか。だからこの席上ではっきりしてもらわなくては困るのです。この統一見解がはっきりしなかったら、それとも新聞に出ていることはどういう関係なんですか。お読みになったでしょう。きのうも出ている。きょうも出ている。一面に、こんなにでっかく出ている。これはまるでそのとおり書いてあるじゃないですか。防衛施設庁でもこれは言っているのですよ。局長さんが来なければ——私はそのために要請したのですよ、こういうことになりはしないかと、三十分間のわずかな短い時間でほかの人が来られたのでは話がすれ違っちゃうから、その席にいた局長に大臣にかわって御答弁いただきたいと、私はわざわざきのうから要請しているのです。委員長、どうなんですが、これ。私、答弁不満です。
○大坪主査 いま事務から聞きましたら、事務局を通さず、直接あなたは外務省にお話になったのですね。
○小川(新)分科員 ええ。
○大坪主査 そこにちょっと行き違いがあったのじゃないかと思われます。思うに、外務大臣の言明の問題であれば、火曜日に外務省をここでやりますから、その際にでも直接お聞きになったらどうですか。
○小川(新)分科員 わかりました。ここでいつまでやってもしようがない。そういうわけで、いきさつはよくおわかりになったと思う。 防衛庁長官、お願いします。長官、いまのお話をお聞きになっておわかりになったと思いますが、この新聞発表になっておりますことは、政府の統一見解として、土地の確保のためには特別立法も考える。そうして強制収用もしていく。そういうトラブルが起きたとき、いま言った不幸にしてそういう問題が起きた場合、これはわれわれとしては政府の統一見解として、これから外務大臣にお聞きしなければなりませんが、外務大臣はそういうことを考えておらないと、沖繩特別委員会でお答えくださっていますのですがね。これに対して毎日新聞において、防衛施設庁の見解が出ているのです。この点については長官、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 政府はそういうことをきめた事実はありません。
○小川(新)分科員 そうしますと、そういったことは、まだ強制収用するとか、小笠原のような特別措置というものは考えてない、外務大臣の答弁と同じである、こう理解してよろしいのでしょうか。するとこの新聞に書いてあるような事実は先ばしった記事であって、こういうことはわれわれ国民は全然信用しなくてよろしい、白紙の状態でいま考えていていいのですか。
○中曽根国務大臣 けっこうであると思います。
○小川(新)分科員 この点はっきりとしたわけでございますが、それでは突っ込んでお尋ねいたしますが、そういうふうな問題になってきた場合、大臣はどうお考えになられますか。
○中曽根国務大臣 われわれは、第一義的には住民の皆さんと話し合いで極力御理解を願い、御協力を願ってこれは成就するという考えに立っているわけです。いまのところはそれ以外考えちゃいかぬ。それでどうしても行き詰まるという場合になったらそのときになって考えよう。そういうふうな考えに立って、ともかくどうして住民の協力を得るかということに最善の努力を尽くす方策を、いまいろいろと検討させておるわけであります。それは取得の方法、値段の問題あるいは補償の問題、あらゆる問題についてこちらは十全の措置をやるようにやれ、そう言ってやっておるわけです。
○小川(新)分科員 まことにしつこいようで恐縮いたしますが、愛知外務大臣がこの席におられませんので、両者のお話というものを私比較してお尋ねするわけにまいりませんので、まことに失礼な質問でお怒りなると思いますが、大臣、政治というものは先を見越していかなければならない。またそういった問題を考えて不安を与えることは、これは私賛成いたしませんが、こういうふうに一流新聞が政府見解として発表しておるからには、どこかから出ているわけでですね。政府で発表してないといっても、ただ架空に朝日新聞や毎日新聞が書いているわけじゃないでしょう。それだったら日本の新聞は信用できないことになっちゃう。ただいまのお話を聞いておっても、これはもうとにかくそういう姿勢であるという、これだけ見てもわれわれは理解できるのです。 そこで重ねてお尋ねいたしますが、それでは最悪の場合には、そういう事態になった場合には、いま考えるべきではないけれども、そういうことも考えなければならないということは、大臣心の中でお持ちであると思うのですが、そう理解してよろしゅうございますか、この新聞を見た範囲からわれわれ判断すると。
○中曽根国務大臣 まず政府はそういうことをきめた事実はありません。それからその問題に関しては、もしそういう最も回避すべき事態に至った場合にはその場で考えよう、どういう措置が最もその場で適当であるか、そういう考えに現在のところ立脚をしております。
○小川(新)分科員 そう突っぱねられちゃったのでございますがね。毎日新聞など明らかに、これを読みますと、「防衛施設庁は十八日「地主と個別に新規契約を結ぶが、契約を拒否された場合は、現行の本土法を適用して強制収用措置をとる」との基本方針を明らかにした。」これが毎日新聞の言い方ですね。それから朝日新聞のほうは、「政府は」、政府はですよ、「沖繩返還交渉の最重点の一つになっている復帰後の米軍基地の取扱いについて」云々、そうしてこの二点目に、「返還時に日米間で提供を合意しながら、一部の地主との契約ができないなど、国内手続きが間に合わない基地についても、返還の時点から米軍の使用に支障をきたさないようにするため特別時限立法をする、との方針を固めた。この措置は一部の地主の土地提供拒否などによって米軍が基地を使用できなくなるような事態を避けるためのものだ。」こういうふうに明らかに新聞報道は、でかく大々的に報道されている。ところがここのところでは、そんな見解はない……。これではいたずらにどこかからはっきりしないニュースを新聞社がつかんできて書いたとしかここではわれわれは理解できなくなってしまうのでありますが、それはそれとして、ただいまの明快なる大臣の御答弁を聞いたわけなんですが、それでは、これは私まだ確証をつかんで言っているわけではございませんが、防衛施設庁は——これは局長さんでもけっこうでございます。ことしの十月ごろに沖繩へ施設庁職員百二十人を派遣して地主との折衝を行ない、このための事務所まで設置する計画があるやにわれわれの耳に入ってきておりますが、このような具体的な計画が一体あるのかないのか、それともこれは単なるうわさなのか、その点を明快にしていただきたと思います。
○島田(豊)政府委員 私どもとしましては、先ほど防衛庁長官からお話がありましたように、極力地主との合意を整えまして契約にまで持っていって、円滑にその引き継ぎができるということを希望いたしております。そのためには、三万七、八千名の地主がおられることでもありますので、その間にいろいろな折衝もございますし、賃借料の決定の問題などもございますし、そういうことでやはり相当な人員を現地に派遣いたしまして、この問題に専従させないと時期的に間に合わないということもございまして、実は当初予算でもかなりの人員を要求いたしたわけでございますが、結局四十五名の増員となりまして、そのうちの二十名を対策庁の沖繩事務所に差し出すということで一応結着をつけておるわけでございます。しかしながら、だんだんこの返還事務が進んでまいりまして、協定そのものが調印、批准という形になりますと、いよいよこの問題が具体的に現実化してまいります。本格化してまいりますので、それに対する施設庁としての態勢というものは十分整えなければならない。そういう態勢は比較的近いしかるべき機会にわれわれとしては整えたいということを希望いたしておるわけでございまして、ただ、いまの百二十名云々、そういう人員規模等につきましてはまだいま検討しておるところでございます。何も防衛施設庁としてきめたわけではございません。
○小川(新)分科員 そうすると、やっぱり準備のためには何らかのことで現地へ防衛庁としても、これは百二十人行くとか、そこまではいかぬでしょうけれども、そういった地主との交渉、返還に対してのいろいろな準備等々があるのでこれから早急にやる、こう理解していいのですか。
○島田(豊)政府委員 これは防衛庁、施設庁だけでいくわけではございませんで、政府の各機関と十分協議しながらその方向に進めていかなければなりません。ただ防衛施設庁としては、そういう態勢をとらなければなるまいということを強く希望いたしておるわけでございます。
○小川(新)分科員 これは局長さんお尋ねしますが、まあ長官じゃよくわからぬですから専門的にお尋ねしたいのですが、もしもこういうふうに地主が拒否した場合はどうしたらいいですか。
○島田(豊)政府委員 これは先ほど防衛庁長官からお答えになりましたように、極力地元の地主の方々との合意契約、こういうことで進むつもりでございます。
○小川(新)分科員 だから、その合意が極力というけれども、話し合いがつかなかったらどうするのか。
○島田(豊)政府委員 そのときには先ほどの防衛庁長官の御答弁のとおりに考えております。
○小川(新)分科員 あなたのお考えを聞いているのです。
○島田(豊)政府委員 その際に考えるという基本的な態度でございます。
○小川(新)分科員 その際に考えるとはどういうことなんですか。
○島田(豊)政府委員 基地が円満に提供できるようにということでございます。
○小川(新)分科員 話し合いが円満にできないから、こじれたから成田のようになった、またいろいろな面でトラブルが起きた、それでも接収しなければならない、そうなったときに局長としてはどうするかということを私はくどく聞いておるのです。
○島田(豊)政府委員 何らかの措置をとることは必要だと考えますが、現在の段階においてまだその具体的なことは考えておりません。その点については先ほどの防衛庁長官のお答えのとおりでございます。
○小川(新)分科員 これ以上押し問答をしても時間がありませんから、あれですけれども、何らかの措置をとるということは、やはり土地収用に関する強硬手段を講ぜねばならないとわれわれは理解します。当然、こういうような新聞が出ているということは、この席ではあまりはっきり出ておりませんが、いまあなたは何らかの処置、これは私どもはそのように理解して、私はこの次のこの分科会で外務大臣に質問してまいりたいと思います。 それから防衛庁長官、私は詳しいことはあまりよくわかりませんが、返還されますね。返還されてきた土地が今度米軍に肩がわって自衛隊が使用していく。そして何か事が起きたときにまた米軍がそこを使うという再使用の問題、これはいろいろなところで答弁なさっておりまして、地位協定の二条四項(b)ですか、これには抵触しないんだ、これにあてはまっているのだというようなことをいっておりますが、再使用——基地が返還されるということは、その返還された基地が地元及び国が何にでも自由に使えるとわれわれ理解したいのですが、それにはいま条件がありまして、米軍にかわって自衛隊がそこに駐とんして、何かの形をとって防衛能勢をしいていく。そして今度有事の場合、米軍が帰ってくる場合には、一体何の——日米安保条約の条文に基づいてと理解していいのでしょうか。私しろうとですから教えてください。
○中曽根国務大臣 そのときの期間の態様にもよりますが、いわゆる地位協定二4(b)というものの解釈によって可能な場合が多いと思います。すなわち自衛隊が管理し使用しているところを米軍側に期間を限って使用させる、そういう形態の解釈でやれる部分が多いと思います。
○小川(新)分科員 一時使用と再使用という場合、一時使用というのはある期間があるのですけれども、それはずっと永続して再使用される場合も一時使用と了解していいのですか。
○中曽根国務大臣 つまりそれはある期間使用されて、そしてそれが断続的に反復される、そういう過程があるのではないかと思います。
○小川(新)分科員 そうするとある期間というのはどれくらいの期間をさすのか。またそういう国と国とのしかも重要事項については、厳格にそれを順守していかなければならぬとわれわれしろうとは考えておりますので、専門家でございませんから、その点防衛庁長官と多少意見の食い違いがあると思いますが、専門的に御説明されてもよくわからないので、一時的にあれにしてまたちょっとここへ引き返す、そんな戦争状態、有事駐留ができるものかどうか。ちょこちょこと行ってはまた期間を置き継続的にできるのだ。防衛というのはそんな単純なものではないと思います。私も軍人の端くれといたしまして軍隊の経験もございますが、防衛というものはそんな単純なものではない、基地の使用というものは単純なものではない。そうすると当然いまの地位協定に該当する条文の改正というものを考えたほうがよろしいやにわれわれは考える。それは専門家でいらっしゃる防衛庁長官はどうお考えになっていらっしゃるのか、その点をお聞きしたい。
○中曽根国務大臣 今後予想されるような事態を考えますと、二4(b)の解釈でやっていける場合が非常に多い、そういうふうに思っております。
○小川(新)分科員 非常に多いということは、中には該当しないのもある。そうすると法律を改正する必要はない。こう理解していいのですか。
○中曽根国務大臣 いま予想されるような事態においてはないと思います。
○小川(新)分科員 それでは時間がありませんので、私この問題はあとでまたお尋ねするといたします。 所沢の基地の返還について、地元の大問題なのでちょっと聞いておきたいでありますが、所沢は市街化のまん中にありまして、今回基地の返還がうわさされておりますが、どういう状況によってこれは返ってくるのか。局長さんでけっこうでございます。
○島田(豊)政府委員 所沢の補給廠は、昨年の十一月六日、一部を除く部分返還をするという米側からの話がございまして、いまの問題を中心にしましていろいろ協議をいたしているところでございますが、またその時期あるいは返還の範囲等につきまして、米側のほうで内部的にいろいろ検討いたしているところでございます。したがいまして、われわれとしても部分返還につきましての発表があったところでございますので、その実現方につきまして、鋭意努力いたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○小川(新)分科員 そうすると、巷間伝えられておるような六〇%の返還、そしてこれは自衛隊が、返還された暁には、所沢の使用というものをいま考えている計画がございますか。
○島田(豊)政府委員 六〇%返還ということで、われわれとしては努力いたしておるところでございます。この一部につきまして、自衛隊の教育施設を入れたい、こういう話がございますので、われわれとしては、それを頭に入れながら交渉を進めたいと考えております。
○小川(新)分科員 市民感情としましても、都市計画上から申し上げましても、再開発の問題にいたしましても、現地へ行ってもらえばわかりますが、私は埼玉県ですから年じゅう見ておりますが、ちょうどドーナツのまん中に穴があいているような状態でございまして、そこを自衛隊さんがまたお借りになられますと、同じような状態になってしまうのですが、こういう急速に市街化された都市、過密状態にあるところの軍事基地の性格上、そういう問題についての返還には、これは自衛隊さんが御遠慮したほうがよろしいんじゃないか、こういう地元のたっての意見なんですが、これについても、なおかつ、地元の要求をけってでも、何とかとただいま申された施設をつくらねば、日本の防衛上支障を来たすのですか。
○島田(豊)政府委員 この土地は、御承知のとおり大部分が国有地でございますので、最後的に、関係のいろいろな政府並びに地元の要望を調整いたしまして、この利用計画を立てられるのが大蔵省ということになります。現実に、埼玉県なりあるいは所沢市から、これは公園地帯あるいは学校施設あるいは住宅地帯に使用したいという強い御要望があることは、われわれは承知いたしておるわけでございまして、何もそこに自衛隊だけが施設をつくりたいということではございません。一応自衛隊もその一部を利用したい、こういうことでございますので、全体の調整は、大蔵省のほうでなされるべきものだというふうに考えておるわけでございます。自衛隊のほうは、これは強い要望もございますので、その実現については、われわれとしては努力したいと考えております。
○小川(新)分科員 そうすると、どうしても自衛隊があそこに入ってくるということで、本委員会で発言されたということ、私は地元は地元へ帰って、どうしても自衛隊は来るぞということを地元の講演会等でしゃべってもよろしいですか。
○島田(豊)政府委員 自衛隊としては、そういう希望があることは事実でございますので、これは地元の方々も十分御承知であろうと私どもは考えておるわけであります。
○小川(新)分科員 長官にお尋ねします。こういった市街地のところにある、どうしても早く地元に返して都市計画をやったほうがいいというような基地が日本にまだ相当あると思うのでございますが、こういう基地については、軍事的な要素を持っている施設がない限りは、すみやかに考慮しなければならぬということを、長官、どこかで発言なさっているように私、聞いているわけでありますが、これはじかに聞いたのでありませんから、聞いているやに思うのでありますけれども、こういった基地の性格については、何らか特別なお考ええを長官としてはお持ちですか。
○中曽根国務大臣 かつて、公明党の質問に対して、都市に近いような場所は、できるだけ住民の要望を達するように考慮してやることが適当であろう。自衛隊が使う場合も、自衛隊と住民の希望をよく調整して、理解を得て進むことが賢明である、そういうことを答弁いたしました。いまでもそういう考えは変わっていません。 所沢の問題は、私も現場へ行ってまいりましたけれども、あそこは建物のある部分と、それから建物のない、野原になっている部分とあるわけです。それからあと、いま電信施設が米軍のものがある場合があります。私は、自分の見た感じでは、建物のある部分は自衛隊に使わしてもらう。あすこに自衛隊の学校系統を集めたらいいだろう。それから、野っ原の部分は、住宅とか公園とかそういうものにするのが適当ではないか、そういう印象をあすこへ行ったときに持ちまして、そういう考えでやれないものかなと思っておるのであります。
○小川(新)分科員 時間がまいりましたからこれで終わりますが、もうそんなに理解のある長官なんでございますから、ひとつあくまでも地元民の切なる願いをお聞き届けくださって、所沢、朝霞に限らず、市街地のまん中にある基地については、それは地元優先ということをお願いいたします。 では、ちょうど時間がまいりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大坪主査 平林剛君。
○平林分科員 私がきょう取り上げたいと思っておりますのは、主として厚木基地の返還に伴う諸問題であります。 初めに、全般的なことにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。 昨年の七月、ワシントンで開かれた日米外交防衛事務連絡会議で、昭和四十六年の末までに神奈川のキャンプ座間をはじめ全国約二十の基地を自衛隊と共同使用するということが合意されたと伝えられておるわけです。昨年の十二月にはまた、在日米軍の大幅削減に伴い、日米間の事務レベルの協議では、大体十二月十七日にほぼ話し合いが終わって、二十一日の日米安保協議委員会で、在日米軍の削減計画が正式に日本側に提示されたと、こう聞いておるのでありますけれども、これまでの協議では、したがって、これに伴って基地の管理をどうするか、返還をするのか、あるいは自衛隊に移管するのか、アメリカの管理が続行するのかというような点に焦点が移されておるというような話を実は聞いておるのでありますけれども、具体的に現状はどういうことになっておりますか、それらの点についてまず総括的にお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 現時点におきましては、昨年の十二月二十一日の日米安保協議委員会で合意に達した点を実施していく、そういう過程にございます。 なお、合意に達しない他の部分についても、引き続いて話し合いを進めていく、そういうことになって、それらの部分についても寄り寄り話を進めていくことになると思います。
○平林分科員 いま合意に達せられた部分というのはどういうようなことでしょうか。
○中曽根国務大臣 これはかなり長いものでありますので、政府委員をして答弁させます。
○鶴崎政府委員 昨年の十二月二十一日、米軍の機能の大幅な縮小に伴いまして、その方針的なことが日米間で協議の結果発表されたわけでございます。 まず第一には、三沢の飛行場につきましては、現在おります米軍のファントムの部隊が韓国並びに米本国に移駐をする。それから、この基地の管理権につきましては、従来どおり米側がこれを保持するということに相なっております。これに伴いまして、現在でも航空自衛隊が一部共同使用しているわけですが、この共同使用の範囲を拡張するということも確認をされております。 それから、横田の飛行場につきましては、やはりここにおりますファントムの部隊が沖繩に移駐をするということになりますが、従来輸送基地として使っておりますが、こういった面の機能が今後とも継続される。この横田につきましては、現在のところ、自衛隊としては何ら共同使用等の計画は持っておりません。 それから、板付の飛行場につきましては、従来も予備基地の状態になっておったわけですが、これもことしの六月末までには航空管制権等は日本側に移される。しかしながら基地の全体の管理権そのものはおそくも来年の三月末までに日本側に渡されるということに相なっております。したがって、今後は主として民間空港として使用されるということでございますが、自衛隊の関係につきましては従来も若干の飛行機が板付を中継地として連絡用に使っておりますので、こういった状態は今後も続くかと思います。それから厚木の飛行場につきましては、これもことしの六月末までに管制権等は日本側に移るわけでございます。しかしながら、今後も修理部門等若干の機構が残る、それから若干の航空機も残るということでございますが、大部分が日本側に移されるということになっております。これにつきましては現在の下総におります海上自衛隊の航空部隊が成田空港ができるというような関連から今後作戦基地としての機能が非常に低下するというようなこともありまして、厚木につきましては海上自衛隊が移駐をするということに予定をされております。それから横須賀につきましては海軍の司令部は大幅に機能を縮小する、それから第七艦隊の旗艦であるオクラホマシティー号、あるいは第七潜水隊群の補給、支援の部門、こういったものは佐世保に移るということに相なっております。それから横須賀の米海軍の基地の中にありますSRF、いわゆる艦船修理部門、それにつきましては、第六ドックにつきましては従来どおり米側が保持しますが、一から五のドックにつきましてはことしの六月末までに日本側に返還をされる、しかし返還されましても、契約等によりまして、米軍の艦船の修理につきましては優先的に使用したい、こういう希望がございまして、日本側としてはこれに協力をするということに相なっております。なお横浜地区にあります海上輸送司令部、こういったものにつきましても機能が大幅に縮小される、こういうことに予定をされております。 以上が概要でございます。
○平林分科員 そこで問題を少ししぼりまして、厚木基地の問題に少ししぼってお話をしたいと思うのですが、私どもが承知しているのでは、この在日米軍の削減計画によりまして、この厚木基地は飛行機はグアム島へ移っていく、それからヘリコプター部隊は本国へ引き揚げる、残るのは修理関係だけで、兵員は約三百五十名、部隊の引き揚げは四十六年六月以降、したがって日本人の従業員の整理はそのあと、あるいは一部はぼつぼつやるかもしれぬ、アメリカの司令官自身は七十二年度までいる予定であるということを、実は地元がそこの基地の責任者とお話ししたときに直接に承ったことなのでありますけれども、大体在日米軍の削減計画の中で、厚木基地に関してはただいまお話ししたようなことは政府当局としても十分承知しておるのでしょうか。
○鶴崎政府委員 先ほど申し上げましたように、厚木飛行場につきましては米軍機、それからそこにおります米軍側の要員の大部分が六月末までに他に移駐するということ、それから修理部のような小規模な施設が残るということでございまして、ただいまお話のありました司令官が四十七年度中は残るとか、そういう具体的なことまでは聞いておりませんが、そうおっしゃったとすればあるいは事実かもわかりません。
○平林分科員 御承知のように、厚木の基地は面積五百三十二平方メートル、二千四百四十メートルの滑走路を持っておる。これは昭和二十五年の十月からアメリカの第七艦隊の艦載機の地上補修基地として使用されていたものであります。そこで今回在日米軍の縮減に伴いまして、大体厚木基地は私が指摘し、あなたが大体そんなことじゃないかと思われるような形になったわけであります。なりそうなのです。そうなりますと、私はこの厚木の基地は、つまり日米安保条約に基づく日本の防衛という意味から考えてみますと、軍事的にはその重要性はきわめて薄くなってきた、こう理解をするわけなのです。そこで今度のこの措置は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、いわゆる地位協定ですね。地位協定の第二条の第三項にあたる、つまり「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。」こういうようなことで理解をしてよろしいのでしょうか。
○鶴崎政府委員 先ほど申し上げましたように、大部分は引き揚げますけれども、若干の部隊が残るというようなことで、米側としては完全にその飛行場が要らなくなったというわけでもございません。と申しますのは、修理部門が若干とはいえ残る関係上、滑走路、誘導路、エプロンというものは今後とも、頻度はきわめて少なくなると思いますけれども、やはり使用の必要性がある、そういうことでいわゆる無条件の全面返還ということにはならないかと思います。したがいまして、地位協定上でいきますと、この滑走路、誘導路、エプロンのようなところは、二条四項(b)の施設、一定の期間を限って使用できる施設、こういう形に相なろうかと思います。しかしながらこういった、いわゆる飛行場として当然必要な施設以外の部分につきましては、若干のところが米軍の専用の施設として継続される、それからその他の部分につきましては一部必要でないところも現実として出てくるかと思います。しかし一体どこが返還できるかというような具体的な点につきましては、米側と現在鋭意検討しておる、こういう段階でございます。
○平林分科員 私は、厚木基地は日本防衛の見地という点から見ますと、その軍事的な意義というものは非常に薄れた、この場合には一体その基地をどういうふうにするかということを国全般として考える必要があるのじゃないか、こう考えておるわけであります。そしてそういう目的からいきますと、もうほとんど果たされているものであるから、そういう意味から考えると、それは地元に返還をするというのが一番先に考えてもらわなければならぬ点だと思うのです。ところが先ほどお話がございましたように、ここには自衛隊が入っていく。いわば第二条四項(b)というのは、日本が管轄権を持ってアメリカがちょっと使用できるという条項になっておるわけなのでありますけれども、自衛隊がそこに移駐をしていくということになるというお話でございますけれども、私はこの点は、日本の防衛を考える場合においても、必要でない基地まで確保する必要はないわけなのですね。そしてまた、そこに自衛隊の移駐が真に日本の防衛上必要であるかどうかという点を考えて最終的判断をせねばならぬわけです。長官、自衛隊がここにどうしても移らなければならぬという理由は何です。どういう理由でそこを使わなければならぬというわけでございますか。
○中曽根国務大臣 一つは成田の空港ができるにつれて下総の海上自衛隊の基地が空路の関係上非常にむずかしくなるということです。それからもう一つは、厚木の基地は海上自衛隊の航空作戦をやる上について基地として非常にいい場所にあるということ、あの基地は横須賀に近く、かつ太平洋に近く、非常に展開力が見込まれるということ、そしてかなりの広さを持っておる、滑走路その他の点においても非常に良好な状態にある、そういう点から、海上自衛隊としては前から非常にほしがっていたところでもあります。
○平林分科員 しかし下総の基地の現状の駐とん部隊は、大体私どもある程度承知しておるのですけれども、ちょっと直接聞きますが、大体どのくらいの規模のものが移駐してくるということになっていますか。
○久保政府委員 ちょっとふえんいたしますと、下総の場合には、成田ができますと、航空路が非常にふくそういたします。これは航空路の図面をごらんいただきますと、たいへんよくわかるわけでありますが、民間航空機、それから下総にありますP2JあるいはP2Vという飛行機、あるいはS2Fというやや足の短い飛行機が海上に出ます場合に、下総に進入する航空路とぶつかることになる。クロスすることになります。当然高度は変えておりますし、飛行場管制あるいは航空路管制を当然やるわけでありますけれども、それをいたしましても待ち時間が非常にふえたりいたします。そういう関係で、航空路あるいは安全上適当でないという観点であります。そこで、そういった観点で、下総から厚木へ持ってまいります飛行機はさしあたってS2Fの十一機それからHSS2、これは救難用のヘリコプターでありますが、これを本年じゅうに持ってまいります。さらに引き続いてP2VあるいはS2Fの残りの部隊あるいは航空群司令部等でありまして、初めは約二百五十人ばかり、将来は千二百人ばかりの部隊を厚木に持ってまいる、こういうような計画でおります。
○平林分科員 私は、下総の海上自衛隊が厚木に移る本当の必要性があるかどうか疑問だと思っている。長官は、横須賀に近く、太平洋に近く、そして広さも適当だと言われますけれども、下総から来る海上の哨戒機二十機あるいは三十機にしましても、これだけの基地が必要かどうか非常に疑問がある。兵員の場合でも初め二百五十人、最終的に千二百人と言いますけれども、これだけの基地が必要か問題がある。特にここに移るのは海上自衛隊のいわゆる海上の哨戒機でしょう。この場合に、もし厚木の基地にその海軍の哨戒機が来ることになると、当然海のほうへ行くわけでありますから、どういうコースをとるか知らぬけれども、神奈川県の厚木というのは県の中央部、そして都市化が激しく、人口の増加が大きい。コースによっては湘南地域の密集した住宅地域の上空を通らねばならぬ。海上哨戒機というのはむしろ千葉県のああいう下総のようなところにあって、そして海上に出るほうがむしろその目的を達するにはよいところであって、神奈川県のまん中に持ってきて、しかも密集地帯を通って、海上に哨戒に出かけるというふうな意味では納得ができないわけであります。真に厚木が必要であるかどうか、私は十分検討してしかるべき問題だと思うのです。 それからもう一つは、成田空港ができる。そのためにいろいろ管制上の障害を受けて作戦に支障があるというけれども、私の承知している限りでは、そんなに支障は出てこないという意見も聞いています。これはもっと技術的に研究する必要がある問題じゃないでしょうか。地図を見ればわかると言われましたけれども、この海上自衛隊の日本の防衛に当たる任務、役割りなどから考えてみまして、そんなに緊急発進というようなことが考えられないとすれば、私はそういう意味でも管制上の障害が、真にその目的を阻害するものであるかどうかまで検討すべき問題じゃないだろうか、こう思うのでありますけれども、その点は十分な検討をされる必要があると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○久保政府委員 航空管制はきわめて技術的な問題でありまして、私のようなしろうとが申し上げても何でありますけれども、現実には防衛庁の海幕の管制担当者と航空局の技術担当者と昨年来相当検討いたしております。その結果、細々ながら通る余地はあるけれども、やはり問題はあるということであります。もちろん不可能ということではございません。しかし交通問題というものは、なるべく混合交通を避けたほうがよろしいということで、西の分野つまり横田あるいは厚木といったような地域についてはわりと航空路の上では閑散になっております。そういうことで、そちらのほうに自衛隊機は、実は緊急発進と申しますけれども、救難なんかの場合には緊急発進ということになりますけれども、S2FあるいはP2Vというのは海上に出て訓練をするということでありますから、訓練のたびに海上に出なければいけないということであります。そういたしますとわずかの東の部分あるいは東南のコースがそれぞれ一コースとれるようにはなりますけれども、きわめて不便である。しかも単に自衛隊が不便であるのみならず、民間航空が非常にたくさんふくそうしているところでありますから、そういう意味で、地図と申しましたけれども、航空路の図面でありまして、その図面をごらんいただくと非常にわかりやすいというような感じであります。 なお、厚木の場合に、南のほうに行けば密集地帯があるというお話でありますが、当然進入管制をやりまして進入路を設定いたし、それによって南に下る場合も必ずしも密集地帯を通らなくてはならないわけではございませんので、適当な航路を選ぶことは可能であろうと思っております。
○平林分科員 私の言いたいことは、いまの下総の海上自衛隊が真に厚木の基地を必要とするかどうかという点がもう少し検討されなければならぬということです。これは、自衛隊が検討するだけではありません。私は、国民が、あるいは国会がそれが適当であるかどうかを検討すべき問題であって、そういうことの措置をとられた後に、ここに海上自衛隊を移すことが適当かどうかを考えるべきである。自衛隊がほしいからくれ、自衛隊が必要だからくれという形で、何だか軍事優先的な形が横行する。私は、基地が返還をされるというときにおきましては、あらためてそこに真に日本の防衛のために自衛隊の基地が必要かどうかという角度から検討されて、結論を出すべき問題だと思っているのですよ。先ほど防衛庁長官は、この基地の返還に伴って、地域との関係についていろいろ調整をし、意見を聞かなければならぬと言われましたけれども、この問題については神奈川県をはじめ地元とも、いろいろ希望がある、そういう希望について十分意見を交換し、そしてその理解と納得の上に自衛隊を移したいというなら話は別です。そういう措置はおとりになったのでしょうか。
○中曽根国務大臣 地元の声も私はよく承知しておりますし、陳情も直接聞いております。そういうことも考え、かつ政府部内の各省関係の意見等も調整をして、最終的に決定していきたいと思うわけであります。
○平林分科員 防衛庁長官はこのごろ非常にりっぱな長官であって、むしろ防衛庁長官としては適任過ぎるという批評がある。あなたに軍服を着せたほうがよっぽど似合うというような酷評をする人がある。私は、自衛隊の防衛庁長官という立場だけでものを考えるのでなくて、こういう大幅な在日米軍の基地の縮小などがあったときには、今度は国会議員として、政府の立場で、ほんとうに必要かというようなコントロールもあなた自身に考えてもらう。軍服を着せたほうが似合うなんと言われないような長官になってもらいたい。そのためには地域住民たちの意見も十分聞いてやるべきだ、こう思っておるのですけれども、その点はいかがですか。
○中曽根国務大臣 そういうことは言わずもがな、心得えておるつもりです。
○平林分科員 先ほどお話がありました、かりに自衛隊がここを使うという希望を持っておられて、いろいろな措置を進められるといたしましても、ただいまの長官のように、言わずもがな、御承知のことで、手続その他をとっていただける。われわれは都市の中の基地というのはあまり賛成じゃありません。それから基地の維持というのはアメリカ軍に限らず、自衛隊にしても、地元の真の支持が得られなければ効果は得られないということは言わずもがな、御存じのことだと思うのです。そういう措置をとってもらいたいのであります。 もう一つ、ここに民間航空を移したいというような希望があるというお話を聞いておるのですが、これは運輸省のほう、いかがですか。
○丸居説明員 御承知のとおり、その後民間航空の輸送需要が毎年三〇%ずつふえてまいりまして、羽田も非常に混雑をいたしております。航空の時間もだいぶ長くなりまして、増便を押えておるというふうな実態でございますので、厚木の飛行場が返ってまいりましたら、民間航空のほうへ何がしか入れて、こういった混雑の緩和に役立てたいというふうに考えております。
○平林分科員 私の承知しておるところでは、大体昭和四十六年四月ごろから大体一月に二十便、それから六月から七月までは一月に五十便、機種はローカル線のプロペラ機が使用されて、YS11、フレンドシップの就航が予定をされているというところまで実は聞いておりますけれども、この点はいかがですか。
○丸居説明員 四月から六月まで、先生おっしゃるとおりでございます。七月からは、これも先生のおっしゃるとおりです。五十便程度お願いしたいというふうに考えております。
○平林分科員 それ以降になると、もっと航空機はふえてくる。どういう航行をするかわかりませんけれども、将来は羽田が一ぱいであるから、そういう意味で厚木をほしがっておるという話を聞いておるわけであります。そういうことも考えますと、四十六年は差しあたりそうであっても、七年、八年になると、あるいはジェット機、あるいはジャンボ機などの就航も予想されるわけですが、そういう点はどうなんですか。
○丸居説明員 七月から入りまして、新空港が供用開始をいたしますまでは、大体五十便ぐらいを予定しておるわけでありますが、新東京国際空港が供用開始いたしますと、ちょうどそのくらいの時点で、国際線が年五万回程度になっているんじゃないかと思われます。それがそっくり新空港へ移転をいたしますので、それからしばらくの間は羽田も多少余裕がございますので、そう多くを厚木に依存することはないのじゃないかというふうに考えます。しかし、国内線は、御存じのとおり毎年非常に大きな伸び率を示しておりますので、この五万回というのが、おそらく三年程度でまた羽田が一ぱいになるのじゃないかというふうに考えますので、その後のこと等も考え合わせまして、やはり厚木というものをずっと使用させていただく方向でお願いをしたいというふうに考えております。
○平林分科員 この場合、自衛隊というか、政府部内の調整というのは全くついておるのですか。
○鶴崎政府委員 現在具体的な問題につきましては、防衛庁と運輸省との間で協議中でございます。
○平林分科員 この問題についても防衛庁、運輸省がかってに相談をして、住民の意思を無視するというやり方はいけない。やはり全般的な見地に立って、国全般を考えながらどう使用するのがよいか、あるいは使用しないのが適当かというような判断を下してやるべきで、かってに今度は予算の中に移駐のためのものを組むとか、まことにけしからぬ話だと思うのです。昭和四十六年度の国家予算には早くも移駐のための経費を防衛庁のほうも運輸省のほうも計上するなんというのはね。つまり国民、地域住民を無視したようなやり方で、かってに先行するということは問題があるのじゃないだろうかと思うのです。将来かりにあなた方の強引さが通って、その基地の運用問題がきまる。その形はどうなるかといえば、まず第一番に、むしろ民間航空の占めるシェアというのは大きくなる。海上の哨戒機というものはそうたくさん——練習に飛んでいくぐらいのものでございますから、少なくなる。そこに、アメリカのやつがどのくらい残るかわかりませんけれども、修理的なものが残るというような程度の形が想定をされるわけなんです。こんなことを考えますと、いま厚木基地をめぐって動いておる防衛庁あるいは運輸省のやり方は、国民不在のやり方である、むしろ都市近郊のこれだけの密集地域の基地は、アメリカの使用目的が大部分目的を達したときは、地域住民の希望を尊重して、ここを返還をするというたてまえに立つことがほんとうの姿ではないかと私は考えておるわけなのでありまして、かってに、これはおれのなわ張りだ、これはおれだというような形だけで進めてもらっては困る。この地域の都市計画を進め、そうしていい町をつくろう、公園もつくりたい、学校施設もつくりたい、またおくれている道路その他のことについてもやりたいという地域の希望を、ただ官庁同士で国民不在のままに進めるというふうなことは、私はどうも適当なやり方ではないと思うのでありまして、そういう意味ではいやみをちょっと防衛庁長官にも申しましたけれども、そういう趣旨で御理解をして、真の意味の内閣の一員として、この問題をそういう角度からも取り上げてもらいたい、検討してもらいたいということを、私は希望をいたしたいと思うのであります。 時間もなくなりましたからあれでありますが、最後に、厚木基地は元来国有地であります。五百三十三万二千平方メートルあります。ただ、このうち五千五百平方メートルは民間あるいは公共団体の所有するいわゆる民公有地でございます。個人の所有の場合もあれば、村あるいは町の所有地もあるわけであります。これは返還に伴いまして’その所有者に返すということになるのでしょうか。この取り扱いはどうなるか、これは大蔵省でしょうか、お答えをいただきたい。
○小口政府委員 お話しの土地が民有地あるいは地方公共団体の土地であるということになりますと、国有財産の関係ではなくなるわけでございまして、大蔵省とは関係がないわけでございます。
○平林分科員 今度はだれがきめるのですか、その取り扱いは。
○島田(豊)政府委員 民有地の場合は、返還になりますれば、当然その所有者に返るということになります。
○平林分科員 なお質問がたくさんございますけれども、割り当ての時間、三十分が参りました。事後の問題はそれぞれ適当な機会にお尋ねすることとして、私の質問を終わります。
○大坪主査 武部文君。
○武部分科員 きょう、私は主として去年の分科会で御質問を申し上げました美保基地の問題についてお尋ねをいたしたいのであります。 最初に、CXの開発状況をお伺いいたしたい。
○蒲谷政府委員 CXは、御存じのように四十一年度から開発に着手しまして、順調に開発が進みまして、昨年の十一月十二日に一号機が初飛行をいたしております。一月に入りまして、たしか二号機も成功裏に飛んでいるわけでございます。大体本年度中に防衛庁が入手しまして、四十六年、四十七年、二カ年間かかりまして、技術試験、実用試験を行なうということで、開発状況は非常に順調でございます。今年度予算では、さらに先行型の二機の予算をお願いしております。
○武部分科員 そういたしますと、いま美保には輸送航空団が設置をされておりますが、C46はYS11に逐次かわるようであります。C46という飛行機は皆さん御承知のとおりであります。このC46がYS11にかわり、さらにCXにかわり、全体としてCXがこの輸送航空団に完全に配備されるという見通しの時期はいつごろになりましょうか。なお、YSにかわってC46が姿を消す時期はいつになるか。それをちょっと伺いたいと思います。
○久保政府委員 C1の部隊が出てまいりますのは昭和五十年度であります。したがいまして、それまではC46が逐次減少いたしまして、五十一年度には、C46とYSを含めましてゼロになる予定になっております。五十年度から逐次C1が代替をして整備される。機数は現在と同じものを予定しております。
○武部分科員 そういたしますと、現在美保にある輸送航空団というのは、このままの形で将来もずっと、防衛庁としてはあそこに配備をする計画でございますか。
○久保政府委員 きわめて永続的にということになりますと、これは航空自衛隊がどういうような飛行機をどういうふうに装備するかという四次防あるいは五次防、さらにその先ということに関連してまいりますので、明確にお答えできませんけれども、当面計画しておりますのはC1の基地であるということであります。
○武部分科員 そうしますと、これは前国会で防衛庁長官と私とやりとりしたのでありますが、美保基地が、西日本というよりも中部日本の基地としてきわめて重要な基地であるということについての認識は防衛庁長官持っておられるようでありましたが、その際、北海道の一カ所の基地とこの美保をジェット戦闘機の基地にする計画があるやに一部報道されたことを取り上げましたところ、そういう計画はないという言明でございました。 いまの御説明によりますと、この美保は今後も輸送航空団としての役割りを果たす基地である、このように理解してよろしゅうございましょうか。
○久保政府委員 今後もということばがなかなかむずかしいわけでありますが、現在われわれが準備しておりますのは、新防衛力整備計画、つまり来年度からの五カ年でありますが、五カ年間の航空自衛隊の部隊装備から申せば、C46以外に——C46も増勢はいたしません、部隊そのものは増勢いたしませんので、格別の計画はございません。
○武部分科員 そうすると、いまの説明では、第四次防の計画が進んでおる段階では、この美保基地は従来どおりの輸送航空団として設置をする意向のように聞こえますね。ただし、その後の第五次防等については、いまの段階としては何とも言えない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。 これはたいへん重要なことでありまして、これは全国に報道されたのです。それを長官は否定をされたのです。否定をされたとするならば、当然この美保基地というのは従来どおりの輸送航空団として、特に千八百二十六メートルの滑走路が、あとで申し上げますが、今回は千五百メートルに短縮されようとしておるのであります。そういう事態の中では、やはり私は輸送航空団としての役割りを果たす基地を防衛庁は考えておって、これを長官の説明のようにジェット戦闘機の基地にする考えはないというように受け取ってよろしゅうございますね。
○久保政府委員 現状におきましては、ただいま申し上げましたように輸送機の基地であります。そこで、うんと将来になりましてどういうような構想になるかは、これは美保に限りませんで、すべての航空自衛隊の基地、あるいは米軍からまたさらに返還されるかもしれない基地、あるいは民航用、そういうものとの関連を考えながら検討しなければならない、そういうふうに考えてよろしかろうかと思います。
○武部分科員 その時期はいつごろですか。
○久保政府委員 当面まだ考えておりません。いずれにせよ数年後以降であろうと思います。
○武部分科員 こういうやりとりではどうもわけがわかりません。 まあこの問題はこれでおきますが、そこで、いまこの美保基地の滑走路が、私は正式にわかりませんが、当初は三十度といっておりましたが、二十六度ぐらいじゃないだろうかと思いますが、滑走路の角度を変える工事が進んでおります。これは去年の説明で大体六億ないし七億程度の金をかけて二年間で滑走路の角度を変える、そのことが飛行の安全をはかる上にもいいし、また気象条件その他から見て防衛庁としてはその方法が適当であろうということから、角度を変更される工事が現実に行なわれておるようであります。 私はあの際に、角度を変えるということは、その突端の土地を買収をして滑走路を延長する意図があるのではないかということをたいへんしつこく防衛庁にただしたのでありますが、防衛庁としては滑走路の延長の意図は全然ないという説明でございました。私どもはいまの滑走路の方向から見ますと、延長の可能性が全くないと見ておるのであります。現在の滑走路の突端は御承知のように国鉄の駅があります。反対側には島があります。そのために、この滑走路はいまのままでは将来の延長にぐあいが悪いので、滑走路の角度を変えるということ自体延長につながる、そういう計画があるのではないかということをたいへんしつこくただしたのでありますが、延長する必要はないし、YS11は千五百メートルの滑走路でけっこう離着陸できるので、滑走路の長さが縮むけれども、延長する意図は全然ない、こういう話でございましたので、一応そのやりとりはそれでおさまったのであります。 そこで、私がお聞きいたしたいことは、こういうような滑走路の角度の変更ということは、飛行機の進入路の真下になっておるところの住民にとってはきわめて重大な問題であります。これはたまたまジェット機でないプロプラ機でありますけれども、付近に民家が密集をしておる、またその延長上には国鉄が通っておる、同時に国道も通っておる、こういうようなきわめて密集した地帯でございますから、角度が変更されて進入路が変わってくれば、当然新しい進入路の真下の住民なりあるいは付近にある学校なり、そういうところのものは、この問題について関心を持ち、その被害についていろいろ対策をとるのは私は当然だと思います。一体この滑走路の角度を変えることについて、防衛庁なり防衛施設庁は、地元の県知事なりあるいは市町村自治体の代表に、滑走路の角度変更はかくかくの理由で、このような計画で行なうのであるということの了解を求めるようなことをおやりになったでしょうか。
○鶴崎政府委員 ただいまお話しの、滑走路のつけかえの問題につきましては、昨年の十二月、ことしになってから二月、二回にわたりまして、最初は防衛本庁から、二回目は防衛施設庁の本庁から現地に出向きまして、いろいろ関係者も一緒に行きまして、その必要性等について御説明申し上げたわけであります。しかしながら、この工事に着工しましたのは昨年の八月でございまして、事後の形になっております。当然着工前に御了解を求めてやるべきであったかと思いますが、当時選挙運動のまつ最中でございまして、そういう時期にこういう問題を持ち出すのもいかがかというようなことから、関係者の方々には一応着工前に若干の説明はいたしましたけれども、突っ込んだ交渉はできなかったというようなこともございまして、御了承を得ないままに着工したわけでございます。御承知のように、山陰のほうの気象的条件がございまして、早期に着工しなければ年内に終了しないというようなぎりぎりの時点になりましたので、やむを得ず八月に着工したということでございまして、この間に現地の情勢等もあって、遺憾でございましたけれども、この点御了解をいただきたいと思います。
○武部分科員 いま選挙の時期とおっしゃったのですが、それは何の選挙ですか。私どもの衆議院選挙のことですか。
○鶴崎政府委員 市長選挙でございます。
○武部分科員 それは地元の市長の選挙のことですね。たいへん選挙のことを気にされておるようでありますが、少なくともこうした問題は、事前に地元の知事なりあるいは市町村の代表の方に話をし、かくかくの事情でこうなるんだ、したがってその後はこういうことになるがこういう対策を立てるということを、事前に了解を求めて説明するのが常識だと私は思う。知事が私に言ったことでありますが、防衛庁から何ら正式に話を聞いていないと実は憤慨しておりました。正式の話は知事は全然聞いてない、こういうことを言っておりました。そうしてあの市長選の際にも、この角度変更のことがたいへん問題になったのです。そして、いまお聞きいたしますと、二月というのですから今月ですね。すでに工事が始まって一年たっておるのです。それをいまごろになって地元が非常にやかましいからといって説明に行くというようなことでは、これは全く話にならぬのであります。非常に強い反対の意見が、あの真下の進入路のところの住民の中にあることはお聞きのとおりであります。全住民あげて署名をして、滑走路の変更に反対をいたしております。また、市議会でもこれを取り上げておるようであります。何回か自治体の代表が皆さんのところにも参ったと思うのですが、そういうようなやり方をやっておることについて、私はたいへん遺憾に思うのです。 われわれは、この滑走路の角度の変更が、いまの滑走路の方向から見て延長不可能と見て、変えることによって、将来何らかの変更があの基地にもたらされるのではないだろうかという懸念を持っておるわけですが、それとはまた別に、一般住民から見れば、その進入路の真下に今度は家屋、人命が置かれるわけでありますから、そういう面で非常な不安を持つことは当然だろうと思うのです。ましてや、先ほどの話のC46がYSにかわり、さらにはC1という形になって、今度ジェットエンジンの輸送機が飛びかうような、そういうことも想定をしながら住民の意思を代表をして皆さんのところに反対の意思を表明しておる。しかし、現実にあの飛行場に行ってみますと、すでに中海側には半分は滑走路ができ上がっておる。現実の姿になっておる、こういうような既成事実をつくって、そして地元の住民にあとから説得をするというようなやり方はまことに遺憾千万なことだと私は思うのでありますが、もう一回防衛施設庁の見解をお伺いいたしたい。
○鶴崎政府委員 先ほども申し上げましたように、本来ならば着工前に地元の関係の方々の御了解を得た上でやるべきであったかと思います、が、地元の特殊な情勢等もございましたので、一応関係者の方に工事の内容については御説明はいたしましたけれども、さらに御了解を得るまでの突っ込んだ交渉ができなかった。そのために工期的な関係もございまして、やむを得ず着工したということでございまして、結果的にはまことに遺憾な形になっておるということは、これは認めざるを得ないと思います。この点、御了解をいただきたいと思います。
○武部分科員 そういたしますと、正式には今月防衛庁から現地に出向いて、皆さんに納得のいくような説明をされるように私は報道で知ったわけでありますが、おやりになって地元の住民は納得したでしょうか。
○鶴崎政府委員 先ほど申し上げましたように、十二月に一ぺん防衛本庁のほうから担当課長が行っております。それから今年の二月に防衛施設庁のほうからやはり担当課長が行っていろいろ御説明申し上げましたけれども、遺憾ながら現在までのところ了解を得るに至っていないということでございます。
○武部分科員 地元の県知事も全然あずかり知らぬ話だ。また、当該の直接の地元の住民もあげて反対をしておる。説明に十二月と二月に行かれたようでありますが、これも了解の域に達していない。そういう段階でなお工事をこのまま強行しておやりになる意思なのかどうか、その点をお伺いいたします。
○鶴崎政府委員 四十六年度の工事を開始するまでに、何とか地元の方々の御了解を得るように最善の努力をしたいと思います。
○武部分科員 四十六年度の予算が決定をし、計画をするまでに地元の住民の納得をとることができない場合にはどうされますか。
○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたように、最善の努力を尽くして何とか御了解を得るようにしたい、こういうふうに考えております。
○武部分科員 それではどうにも話にならぬです。両方の話が食い違います。どうしても地元が納得しない場合には、これはやはり日にちをかけて、時間をかけても皆さんの了解を得る、そういう工作をやらなければならぬと思うのです。いまでもたいへん大きな不満があるのであります。納得していないのに、かってに半分工事を完了したのではないかという不満がきわめて強く出ておるのであります。これは私が言うまでもなく皆さん御承知のとおりです。そういう点を避けて、あくまでも工事を強行するということは避けるべきである、私はこのような意見を持っておりますので、この機会にもう一回防衛庁の態度をひとつ表明していただきたい。
○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたように、地元の御了解を得て円満のうちにやりたいということでございまして、ことばを裏返せば、一方的に強行することは避けたい、こういうことでございます。
○武部分科員 わかりました。 いま一つ。ことしの一月の初めに全日空が、第二次空港整備五カ年計画、四十六年から五十年度に至る全日空の計画としてこの美保基地、運輸省からいえば米子空港、この空港をジェット化するとともに、現在国内幹線の一部に使われているボーイング727型、百十五人乗りを就航させる計画であることを明らかにしたという報道が全国各地の新聞に載ったのであります。そのうちの一つが米子空港でありました。防衛庁はこのことを御承知ですか。
○久保政府委員 私どもは全然承知いたしておりません。
○武部分科員 そういたしますと、これは運輸省の所管になりますが、第二次空港整備五カ年計画で全日空が全国各地にジェット機を飛ばすという計画、いま私が申し上げたのはたまたま米子空港のことだけ言っておるのですが、全国各地の飛行場の名前をあげて発表してありました。おそらくごらんになったと思います。運輸省はそのことについてどのように承知しておられますか。
○丸居説明員 全日空がジェット化の飛行場の名前を発表したという話は聞いております。たいへん不勉強で恐縮ですが、私、その書類を見ておりませんが、米子がその中に入っておることは聞いて知っております。
○武部分科員 私はちょっと不勉強でわかりませんが、そういうことはかってに運輸省に何も相談もせずに——千五百メートルしかないのですよ、いまの飛行場の滑走路は。737型のボーイングが飛ぶ滑走路の長さというものはおのずからきまっておりますね。ましてやそういう防衛庁の基地に対して全日空がかってにそこに737型というものを就航させるということを発表するということについて、あなたどうお考えでしょうか。
○丸居説明員 おそらく全日空は自分のところの機材計画としてそういう姿でありたいという希望を発表したのではないかと思います。したがいまして、もし全日空がそういうことを実行しようと思えば、先生御指摘のとおりに、千五百メートルではボーイング職は飛べませんから、当然そこを二千メートルぐらいに延長しないと飛べぬことだとは思います。
○武部分科員 この新聞記事はこういうふうに書いておるのでありますが、別に米子の空港だけを書いておるのじゃないのです。五十年度までの全日空の定期便の中で、「三十七空港中、二十七空港までをジェット化し、」そして、「二十九のローカル空港のうち十九の空港が五十年度までにジェット化される予定だが、その中で計画三年目の四十八年度に米子、秋田、小松、高知、山形の五空港がジェット化される予定」である、こういうふうになっておりますね。 そういうことは運輸省には何ら相談もせずに——これは民間の飛行場ならばまだしも、言うまでなく防衛庁の所管の飛行場なんです。そのことについて運輸省に何の相談もせずにそういう計画を立てて、飛行機の配備等もここで計画しておるようでありますが、そういうことをすることについてどうお考えでしょうか。
○丸居説明員 先ほども申し上げましたように、全日空の機材計画をどういうふうに計画していくかという計画の段階であろうと思います。それを延長するとかしないとかいうことは、今後われわれが飛行場の計画をそこでどういうように考えていくかということできまっていくんじゃないかと思いますが、全日空の発表というのは計画段階で、まだそれほど固まったものとして発表したものじゃないというふうに私は思います。
○武部分科員 そうすると、この計画の発表というのは全日空のかってな発表だというふうに理解してよろしいのですね。
○丸居説明員 私はそう思います。
○武部分科員 それならばそれでけっこうなんです。かってな計画をPRをしておるんだというふうに私ども理解ができるわけですね。ましてや民間空港でない、他人の飛行場に、おりることのできないような飛行機を何年度には離着陸させるんだ、乗り入れるんだというようなことをかってにやっている。これは全日空のかってな計画だというふうに運輸省が御理解ならばそれでけっこうです。 そこで一つだけお聞きしておきますが、ボーイング737型の百十五人乗りの飛行機が離着陸できる滑走路の厚さは大体どのくらいが必要なんですか。
○久保政府委員 所管ではありませんが、たまたま調べてありましたのでお答えしますと、二十八センチだそうであります。
○武部分科員 二十八センチというお話でございますが、広島空港は今回六百メートル海中に延長いたしましたですね。あの場合、広島空港にジェット旅客機を乗り入れる計画のために延長した、このように理解できるのですね。それから広島空港の海上に延長された六百メートルの滑走路の厚さは幾らですか。——時間がありませんから私のほうから申し上げますが、私の聞いたところによると六百メートル海中に延長して滑走路の厚さは八十二センチというふうに聞いておるのですが、間違いありませんか。
○丸居説明員 ちょっと正確な数字を覚えておりませんが、大体それくらいの厚さだと思います。それから千八百メートルあればボーイング727は普通の気象状態なら離発着できると思います。737なら十分離発着できると思います。
○武部分科員 防衛庁は二十八センチと言いましたね、こっちは八十二センチと言っておるのですが、どういうことですか。
○久保政府委員 民間機のことでございますから私は権威を持ってお答えはできません。ただし、私どもが調べてあります数字だけを申し上げますと、間違ってないという保証はいたしませんが、調べた数字で申し上げますと、DC8が三十九センチ、B747ジャンボジェットこれが四十一センチ、それから737が二十八センチ、727が三十四センチ、こういう数字が出ております。
○武部分科員 もう一つ参考までにお聞きします。 104あるいはF4ファントム、これが離発着できる滑走路の厚さはどのくらいでしょうか。
○久保政府委員 104が二十センチ、F4が二十八センチであります。
○武部分科員 時間が来ましたので、私はこれで終わります。
○大坪主査 松尾正吉君。
○松尾(正)分科員 私は、基地返還問題を中心にしまして、特に軍転法との立場から二、三問題をしぼって伺いたと思います。 御承知のように、昨年末に日米安全保障協議委員会において基地の縮小並びに解雇等が取りきめられて以来、横須賀市におきましては五千名をこえる解雇、家族を含めて二万名、さらに特殊地帯として基地周辺の関連企業、いわゆる外人バーその他、こういうこと、さらにまた横須賀としては生命ともいえる艦船修理部の返還、これらが取りきめられまして以来、まあ市としては市の将来を形づける大きな転換期だ、こういうような意味を含めて非常に動揺と心配とぜひ善処方をお願いしたいという、こういうものをもっていま推移しているのが現状であります。そういった観点に立ちまして伺いたいのは、まず軍転法との関連です。 そこで最初に、大蔵省おいでですか。
○大坪主査 大蔵省理財局次長が見えております。
○松尾(正)分科員 旧軍港市転換法七条によりまして、執行者である市長は六カ月ごとに転換の進行状況を建設大臣及び大蔵大臣に報告するようになっております。さらにまた、総理大臣は毎年一回、国会にこの状況を報告する、こういうことになっております。が、この目的はどういう目的でこの報告をなさるのか、大蔵省にまずお伺いしたいと思います。
○小口政府委員 ただいまの報告でございますけれども、旧軍港都市が平和産業港湾都市に転換していく状況、いわば進捗状況でございますけれども、その状況を把握するためにとっているわけでございます。
○松尾(正)分科員 旧軍港都市、いわゆる横須賀市は非常に歴史の長い軍港というところから、平和憲法に基づいて、平和産業港湾都市への発展ということが目的で、したがいまして、これは非常に軍転法に基づいて恩典があります。したがってその四市については、この恩典にかなった進展がなされておるのかどうかということを見ていくのは当然でありますが、しかし私は一面考えますのに、国がこの進展の推移を見て、そうしてどこまで平和産業都市として転換されたか、あるいは不備な点があればこれに対して適切な指導あるいは勧告、こういうもののほうがむしろこの法の精神からいって重点ではないか。こういう意味で、現在の転換四市の状態は、人口の推移等を見ても決してこれは伸びているとはいえない。横須賀市の四十年から四十五年の国勢調査の比率は、約三万名の増加にとどまっております。そのほか呉、佐世保等は大体減少ないしはとんとん、こういう状態で、人口面で見てもほとんど伸びていない。さらにこれら軍港都市の中心、いま交通難に最も脅かされているわが国にとって、この海面、港という最も恵まれた条件にありながら、こういう状態で推移していることが、はたして軍転換法を設けたこの趣旨に沿って推移しているとお思いかどうか、その点をひとつ伺いたいのです。
○小口政府委員 それぞれの市におきまして、市の平和産業港湾都市への転換がどういうふうにいっているかという点につきましては、それぞれの市に応じて異なる状況であるとは思いますけれども、その点につきましては、国といたしましても、転換法の第三条に、いろいろな面で事業の援助等もしなければならないというような規定もございますので、その辺を勘案しながらできるだけ援助していくというようなことに極力努力をしていきたいというふうに考えております。
○松尾(正)分科員 非常に抽象的な、大ざっぱな質問ですから、抽象的にならざるを得ないと思いますが、人口の推移の面、それからそれぞれの、特に横須賀市等においては中心部が非常に基地並びに防衛施設等で占められておる。こういった諸点、さらには、先ほど申し上げましたように、大量の解雇その他で不安におびえているという、これらを見て、やはり恩典が法に示されてはおるけれども、現実にその恩典が地域には受けられていない。したがって、大事な報告を地域から六カ月ごとに報告せよ、こういうふうに義務づけながら、はたしてこの地域の実情というものを見ているかどうかというと、はなはだ私は疑問なんです。先ほど来の質問を聞いてみても、転換市とは違いますけれども、どうも国の一方的なやり方で地域住民の要望というものが、無視ないしは軽視されている傾向が非常に強い、こういうことを考えるわけであります。 そこで施設庁長官に伺いたいのですが、軍港四市のうち横須賀市について見ますと、基地や施設を返還してほしい、それから特別交付金の増額をぜひしてほしい、それから無税の対象になっております米軍基地ないし自衛隊の施設、これらに対してもぜひ固定資産税相当額の負担等も考慮してほしい、さらには離職者対策等については特段の配慮を払ってほしい、また旧軍港を平和産業港湾都市へ転換をする、この目的を達成するために、これら一つ一つについて市自体でも三十五年以来前後三十回近い請願、要望等がなされております。このほかに、あるいは全国関連知事会とかあるいは商工会議所等とか、これらを含めたならば相当な要望、請願が述べられておる。しかし、この請願、要望等が、これだけ何とか転換したいという熱意から行なわれているにもかかわらず、これに対して現状はいま申し上げたとおりです。これは、この転換法というものの精神をほんとうにくんでいるのは地域住民であって、国ではこれに対してはあんまり熱意を持っていられないのではないか、現状では私はこう見る以外にないと思うのです。したがって、この報告義務を受けた地域は、この目的達成のために非常に熱意を持ってやっているけれども、もう一つ重要な意義は国の考え方、ここにあると思うのです。この転換法の三条を見ますと、はっきり援助規定が設けてあるのです。「国及び地方公共団体の関係諸機関は、旧軍港市転換事業が第一条の目的にてらして」、というのは、第一条では平和産業都市への転換、これを示しておるわけでありますが、この「第一条の目的にてらして重要な意義をもつことを考え、」、国はこの地方団体が転換をするという「目的にてらして重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助」を与えよ、こういうことになっておるわけですが、これに対して個々に二、三伺いたいのです。 施設庁は、御承知のとおり久里浜倉庫地区、これに対しては三十五年以来一貫して要望がなされております。これが三十五年以来引き続いて行なわれて、特に一昨年の十二月には住宅移転の交換条件として、埋め立てをやったならばそれで返還しよう、こういう要求がなされておるわけですね。ところが埋め立て工事はすでに行なわれているのですけれども、この倉庫地区の解除についてはまだ全然わからない、こういう状態ですが、この見通しについてはどうでしょうか。
○島田(豊)政府委員 埋め立ての問題は、これは住宅建設と関係がございます。したがいまして、われわれとしましては、埋め立てに着工をいたしましてそれを進めてまいりましたが、御承知のとおりに、今回の米海軍の機能縮小ということに伴いまして、その住宅問題についてもある程度ここで見通しを立てなければなりませんので、それについては、一応埋め立てそのものについていま検討いたしておるところでございますが、久里浜倉庫の問題、これはいまの埋め立てと直接は関係ございませんで、米側のほうはこういう倉庫を別なところに建ててくれという要求がございます。 〔主査退席、楢崎主査代理着席〕 しかしながら、これにつきましても、われわれのほうは、やはり全面返還を要求するほうが望ましいのじゃないかということで今日に至っておりまして、まだ最終的な結論を得ておりませんが、そういう状況でございまして、いまの埋め立てと久里浜の問題は直接は関係がないのでございます。
○松尾(正)分科員 個々に伺いたい点もありますが、時間がありますので個々には省略いたしますけれども、とにかく横須賀地域では今年度を契機にして大きく方向を変えていくような大事なときだという点を重視して、ぜひともこれらの何回も繰り返されている要望については特段の意を払って進めていただきたいということをお願いしておきます。 それから次は、きのうの分科会並びに本日も曽祢委員等の質問がありました。鶴崎参事官の答えられた米第七艦隊の佐世保移駐に伴った艦船修理部の問題です。これについて昨日の新聞では、私この委員会に出ておりませんので、新聞で承知しておるわけでありますけれども、この横須賀軍港の艦船修理施設は民間には払い下げることは不適当だ、自衛隊の将来を考えて、国有でこれを海軍工廠的な形で使用していきたい、こういうふうに報じられてはおりますけれども、この点をもう一度伺いたと思います。
○鶴崎政府委員 私きのうお答えしたのは、現在防衛庁の中でSRFを今後どういうふうに運営するかという基本方針について検討はしているけれども、まだ具体的な結論が出ていない、しかしながら、その検討の経過を通じて一つだけはっきり言えることは、やはり防衛の長期的見通しという点からいけば、現在国有財産でありますが、これを民間に払い下げるということは適当でないということを申し上げたわけでございます。したがいまして、海軍工廠的なものにするとか、そういうことを申し上げたわけではございません。 〔楢崎主査代理退席、主査着席〕
○松尾(正)分科員 自衛隊で使用していきたい、こういうことでありますね。 そこで、運輸省おいでになっていると思いますが、民需的な立場で、海運というものは今後日本の生命ともいえる。特に資源問題等考えましたときに、これがいえるのですが、この民需、はたして自衛隊があそこを全部使うことが日本の海運にとってどうなのか、こういう点を海運の立場でひとつお答えをいただきたいと思います。
○田坂政府委員 ただいまの御質問は海運の立場ということでございますが、私の所管は船舶のほうでございますが、船舶の建造あるいはその修理、こういうものを円滑に進めていくということの観点からいいまして、ただいまの防衛庁の御方針、お考えと私どもの考え方といかなる点で調和をとったらいいか。今後また、いままでも検討いたしてきておる次第でございますが、はっきり防衛庁のお考えがきまりますれば、あらためてさらに検討を続けたいという現状でございます。
○松尾(正)分科員 そこで施設庁長官に伺いたいのですが、この旧軍転法の第六条によりますと、審議会を設けて、この審議会の意見を聞く。大蔵大臣の諮問機関として審議会を設けて、大事な財産の処理あるいは転換等については審議会の意見を聞く、こういうことがあります。この審議会には、大蔵事務次官、建設事務次官並びに関係府県知事、旧軍港市の市長、それから学識経験者、こういうふうに含まれておる。しかもこの審議会の委員は、国会の承認を得て総理大臣が任命をする。こういうふうに審議委員について、県、市、知事ないし市長等を含めてこの審議会を設けて非常に重視したということは、やはり憲法の平和という精神に基づいてこの転換が行なわれなければならない、市を育成していかなければならない、ここにあると思うのです。ところが先ほど来伺っておりますように、施設庁ではもう方針を払い下げないようにきめた。しかし運輸省へ聞いてみますと、運輸省ではまだ防衛庁ともほんとうに連携をとっていない、私のところで独自に検討している、こういうことでありますが、これをきめるにあたって、こういう大事なことはこの審議会にはかってきめなければならないということに対して、この審議会にははかっておるのですか。
○島田(豊)政府委員 この軍転法の関係は直接は大蔵省の所管でございますので……。
○松尾(正)分科員 所管じゃない、精神を言っているのです、私は。
○島田(豊)政府委員 先ほど鶴崎参事官から答弁申しましたように、この取り扱いについて政府各機関の中で協議が整っておらないという状況でございますので、いまの軍転法の問題につきましても、だんだん協議が進むにつれましていろいろ検討いたしたいと思いますが、そういう精神についてはわれわれも十分尊重していかなければならぬと思います。ただ御承知のとおりに、いま自衛隊の施設というのは、旧横須賀の海軍が持っておりました施設に比べますと、きわめて微々たるところを使用しているという状況でございまして、いままでにもその精神が十分貫かれてきておると思います。その立法の精神につきましては、今後われわれも尊重していきたいということでございます。
○松尾(正)分科員 防衛庁長官に伺いたいのですが、先ほど長官は、基地の返還については、地域住民、それから関係をするところと密接に連携をとってきめていきたい、こういうふうに答弁されておりますけれども、特にこの軍港都市の平和産業、港湾産業都市への転換のために、冒頭に申し上げましたいろいろな不安、その他市の将来をきめる重大な時期にかかっておりますが、このなるべく早くきめたいというのは、この審議会にはかって答申を得た上でやりたいというお考えがあるかどうか、長官に伺います。
○中曽根国務大臣 軍転法は朝鮮事変勃発前にできた法律でもあります。日本が独立してから安全保障条約ができまして、その後警察予備隊、自衛隊等もできて、防衛問題というものが国策の上に出現したわけであります。したがって、安保条約や自衛隊法等と軍転法はやはり調整すべき性格であると思うのです。しかし廃止するというのも、地元住民の関係もいろいろあって意見も聞かなくちゃならぬという要素もありますから、それはまあしばらくとどめて、その精神をくみながら調和していこう、こういう考えに立って実はやっておるわけであります。私は、先ほど来申し上げましたように、できるだけ住民の意向を考えながら、また政府関係機関の調整をとって処理をしていくと申し上げましたのは、そういう考えに立ってやっているわけであります。軍転法の審議会等につきましても、構成員というのはいろいろ政府関係の人が非常に多いわけであります。そういう事実上の運用において考えながらやっておる、こういうふうに申し上げておるのであります。
○松尾(正)分科員 いま長官のお話を聞くと、何か軍転法は非常に古いので、もうあまりたよりにならないというような印象を受けるわけです。しかし、これは私は、地域住民の考え方とは非常に大きな開きがあると思うのですね。ここいらに問題があるのじゃないかという感じを受けます。確かに古い法律であることは間違いありません。そういう時期的な経過はよくわかりますけれども、しかし旧軍港というものは、非常に長い間、軍港育成、日本の目的達成という意味で地域住民はこれに協力してきた。ところが、時代がこういうふうに変わって、そうして平和産業都市へ転換するための方向を、住民と一緒になって国が見ていこうというのに、この法律が古いということは、これはまことに私は受け取れない発言であろう、こういうふうに考えます。もしこの法が廃止ないし古いのであったならば、当然地域住民の今後の問題とあわせて、これは改めていかなければならない、こう思うのですが、もう一回この点について中曽根長官のお考え方を伺いたい。
○中曽根国務大臣 軍転法は、先ほど申し上げましたように、朝鮮事変勃発前、占領下の国会でできた法律なので、安保条約もまた防衛庁、自衛隊も考えていなかった当時の法律でもあります。したがって、安保体制というものができた今日は、あまりなじまない要素もあるのです。しかし、軍転法をつくった精神というものは、これは十分尊重してやるべきものである、そういう考えにも立ちまして、事実上この精神を生かして運用しておるというのが実情であります。ですから、地元住民のお考え、あるいは関係各庁の考え方、そういうものもうまく調整しながら、地元の御理解を得て、横須賀の問題も処理していこう、こう考えておるわけであります。
○松尾(正)分科員 再度伺ってお考えはわかりましたが、これを廃止しろとか重視しないという意味でないことは確認できました。しかし、いま長官からもお話があったように、平和憲法の趣旨に沿って地域住民の平和な発展のために、この心をくんでいくためには、やはりここに定められております重要な問題であるがゆえに、諮問機関を設けてここで十分審議をしなさい、こういうことがきめられておるのですから、日時は確かに急ぎます、冒頭に申し上げたような不安等がありますから、時間的には急ぎますけれども、これらにはかって、一応意見を聞こうというお考えがあるかないか、それだけ伺いたい。
○中曽根国務大臣 軍転法によりましても、旧軍港関係施設を国が直接使用することを禁止してはおらないのであります。したがって軍転法の趣旨を十分尊重しつつ検討の上、なお国がみずから使用することが必要であると認めた場合は、国が使用しても差しつかえないことになっております。これが大体統一解釈であります。しかしこの軍転法の精神自体はよくわかりますから、地元の御意向をよく尊重しながら、考えつつ調整していく、こういうことで今後も実行していこうと思うわけであります。
○松尾(正)分科員 いま長官のお話で、これにはかってという答弁がありませんでしたけれども、とにかく、この精神をくんでということでありますから、ぜひひとつそういう意味で進めていただきたいと思います。 地元としては、昨日発表されましたこの新聞の報道等を見て、やはり、横須賀は、平和産業都市へ向かって今日まで営々として努力してきたけれども、結局は自衛隊の艦船修理、自衛隊の専有物になって、軍需工場化するのではないか、こういうような不安を持っておるわけです。この点については、先ほど曽祢委員からも質問がありましたけれども、私もやはり、米軍があの艦船修理施設を使用して、それがためにあの軍事施設を中心とする一帯の町というものは特殊な形の町になっておるわけですね、したがって、これらを考えてみたときに、国がこれを専有して運営していくという点についてわからないこともありません。しかし、肝心なところを全部自衛隊が専有して、そして民間でこれを使用することができないということになりますと、今日まで何とかいわゆる平和な港として、あるいは民需修理施設として、そうして大きく産業面の発展を期していきたいというふうに考えておったことがくつがえされるような感じを持つのは住民としても当然であろうし、私もそう考える。したがって、先ほどの答弁では、自衛隊でこれを専有するとまだきまったわけではない、こういうことでありますので、どうかこの運営にあたっては、自衛隊は肝心なごく一部分はやむを得ないとしても、極力いまの日本の海運事情あるいは資源等の関係、日本の国土の状況等を考えて、そうして一般海運にこれが十分生かせるような形、そうして横須賀地域で今日まで考えてきた平和産業の方向がゆがめられないような形に進められることを強く要望したいと思います。 それから、もう時間がなくなりましたので、もう一点だけ伺いたいのです。基地離職者が五千名をこえておりますので、これも非常に大きな問題になっております。そこで一月二十一日に中央離職者対策協議会が開かれまして、神奈川県からは労働部長が出席して何項目かの要望をしております。その中の一つに、基地関連事業のための施策について国も十分考えてもらいたい、こういう要望をしておるわけであります。関連事業といいますと、横須賀の特殊性で、外人キャバレーあるいはバー、スーベニア、これらを合わせて二百ないし二百五十軒、従員員は三千ないし四千人というふうに推定されておるのですが、これらはほとんどもう自力で転換の見込みがない、こういう状態に迫られておるわけです。県も市も非常に悩んで、いろいろ対策は講じておりますが、やはりこの問題は県、市だけではどうにもならない問題である。そこで基地離職者に対しては基地離職者対策協議会がありますけれども、この基地離職者対策協議会に含めてこの関連失業者の問題を検討するようにするか、あるいはこれらの問題について特別に協議会等を設けて、国がしっかりと中心に立って対策を考えていくか、この点についてどちらをお考えになられるかを伺いたいと思うのです。
○島田(豊)政府委員 昨日閣議に御報告になりましたものは、先生おっしゃいますとおり離職者対策でございます。したがいまして、離職者に対する各種の援護策を中心にして協議がなされたわけでございますので、ただいまお話しの、関連産業に従事しておる方々の援護の問題については直接は触れておりません。また離職者対策という見地からすれば、その問題は中央の協議会の審議の対象外であろうというふうに思うわけでございます。しかしながら、先生の御指摘のように、そういう方々も基地の整理縮小に伴って、いわば一つの犠牲と申しますか、そこからくる諸問題でございますので、一つの大きな社会問題だと考えます。ただ、それをどこでどういうふうに扱うかということは、ちょっと私の立場からは申し上げかねるわけでございまして、これは各省庁の系統を通じましてそれぞれの対策を考えていただくのがしかるべきではないかというふうに考えます。
○松尾(正)分科員 これは施設庁としては無理でしょうが、総理府ではどうお考えでしょうか。結局いま施設庁長官が言われたように、基地離職者対策とはやはり別個であることはよくわかるのですけれども、いわゆる基地の犠牲ですよ。基地ができたためにここに派生して発展した。ところが基地がなくなったためにこれらの人が転業もできない、こういう状態でありますと、これはもちろん責任は該当の地域団体にあるわけですけれども、地域団体としては、財政その他の事情でとうていこれらのめんどうは見きれない。私は、横須賀ばかりでない、いろいろな基地のある地域では同じ問題が起こってきていると思います。そこで、地方団体だけで見ていく以外にないのか、あるいは国で何らかのそういう機関を設ける必要があるとお考えだろうか。持っていただきたいと思うのですけれども、その点に対するお考え方を伺いたい。
○葛西説明員 総理府に現在置かれております中央駐留軍離職者対策協議会、これは御存じのように駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づいて置かれているわけでございまして、協議会の任務としますと、先ほど施設庁長官からお話がございましたように、駐留軍の離職者、こういうことになっておりますので、現在ではその所管の外になるかと思います。ただ地域問題——今回のことは横須賀それから三沢等、一地域に非常に大量の離職者が発生しておる、これが問題でございまして、特にそういう地域対策と申しますか、企業誘致とかあるいは地域の開発だとか、こういうことまで一つの離職者対策としまして、昨日も閣議報告になった大綱の中でうたっております。したがって、離職者対策ということは、直接の対策は離職者の救済の問題でございますが、これがその地域の開発ということにもつながりまして、そういった関連産業の方々にも潤うのではないかというふうにも考えております。私どもの関係では、やはり離職者ということにどうしても法律上縛られておりますので、それ以上にはできません。間接的にはそういう関連産業にも及ぶものではないか、かように考えております。
○松尾(正)分科員 確認して終わりますが、そうすると、あらためて大きな機関をつくることは困難ではあるけれども、関連させて、いまできている中央の協議会でこの問題もあわせて扱っていきたい、こういうふうに理解してよろしいですか。
○葛西説明員 先ほど申し上げましたように、離職者対策ということを協議いたしますその対策が、間接的にはそちらの関連産業の方々にもやはり及んでいく、かように考えております。
○松尾(正)分科員 以上で終わります。
○大坪主査 松本忠助君。
○松本(忠)分科員 返還されました基地の問題につきまして、島田施設庁長官に伺いたいわけでありますが、御承知のように日本の国土は非常に狭小でありますし、そこへもってきて過密な人口がございますわが国の特殊な条件下にございまして、国民と基地が共存し、住民の安全と経済開発との調和をはかっていかなければならないにもかかわらず、返還された基地はおおむね自衛隊の基地となって、国民のために利用できる状態になった例は私あまり聞いておらぬわけです。 公明党が基地の総点検を行ないまして、その実態を明らかにいたしまして以来、基地の返還がかなり進行したようにも聞いておりますが、現在基地の数は幾らあり、また返還された基地は幾らか、その返還された基地を自衛隊が使用しているものと公共の用に供されたものとに分けた場合どのようになっているのか、その数を承知いたしたいわけであります。もちろん沖繩は除いて、内地の分だけでけっこうでありますが、最近の調査時点のものを明らかにしてもらいたいと思います。
○島田(豊)政府委員 施設部長から説明させます。
○薄田政府委員 先生の御質問の基地の数でございますが、講和発効当時は二千八百二十四件ございました。面積にいたしまして十三億五千三百万平方メートル。現在は提供施設は百二十一件でございます。これは二億一千五百万平方メートル、こういうことでございます。それで大ざっぱに申し上げますと、件数にいたしまして二十三分の一、面積にいたしまして約六分の一という形になっております。 それから次に、先生の御質問の最近の例で申し上げますと、自衛隊と民間等の使用の例で申し上げますと、四十四年度以降返還した施設について、小計二十二施設ございますが、民間等が使用しておりますのは十七施設、約三百二十万平方メートル、先ほど申し上げました全体の七五%というふうに了解しております。それから、そのうち自衛隊が使用いたしておりますのは五施設で、一百四万平方メートル、約二五%でございます。これは最近の例でございますが、ちなみに先ほど申し上げました講和発効当時の数から申し上げますと、そのうち、先ほど申し上げました二千数百件、十三億平米の中から、自衛隊が使用いたしましたのは三六%になります約四億七千三百平方メートル、こういうふうになっております。最近の例で申し上げますと、大体七五対二五の割りで地元の御利用のほうが多いというふうな数になっております。
○松本(忠)分科員 一応四十四年度以降のものにおいては七五対二五、こういうことですね。しかし、最初の十三億五千三百平米、その辺からまいりますと、これは将来の問題になりますが、自衛隊で使っているものがかなり多くなるということを私は思うわけであります。 そこで、これはひとつ中曽根長官に国務大臣としてのお立場から伺っておきたいわけでありますけれども、この高度経済成長に伴いまして、都市の周辺の過密化、この進展によりましてわが国の国土が大きく変化を遂げているわけでございますが、そうした国土の変化を踏まえて、返還される基地が国全体の総合的な国土計画の一環として再検討されなければならないのではないかというふうに私は思うわけであります。このために、いままでのような返還される基地、これがいまのお話では七五対二五というようなことでありますけれども、やはり自衛隊というものを優先して考えていくというふうなことはまだまだ残っているのではないかと思うわけであります。そこで、国民的な視野のもとに新たなる考えでそれを検討する機関を設けてはどうか。たとえて申しますと、この基地の周辺の住民の代表者あるいは地方自治体の長、付近にあるところの政府関係機関の長あるいは学識経験者、こういう者によって構成される機関をつくって、この基地の返還後の利用というものに、国民の財産、そういう立場から国民的な要望を十分に反映されるような機関をつくる、こういうことを私は提案するのでありますが、この点について中曽根大臣はどのように思われるか。
○中曽根国務大臣 基地の処理におきましては、関係住民、地元の自治団体等の御意見もよく拝聴して、調整しながら行ないつつあり、今後も行なうつもりでございます。ただいまの御意見は参考意見として承っておきます。
○松本(忠)分科員 施設庁長官、この私の提案に対していかがですか。
○島田(豊)政府委員 返還になりました場合に、いわゆる民公有地につきましては、それぞれの所有権者に返るわけでありますが、問題は国有地だと思いますが、国有地は大蔵省の財産になりまして、それをどういうふうに新しく利用するかということでございまして、これにつきましては、国有財産法の規定で国有財産審議会というものがございまして、その審議会におきまして十分地元の市長なり村長なり、あるいは知事なりの意見を反映されることでございますので、やはり国有財産法の系統に従いまして、そういう機関を十分活用しながらやっていくということが現在の実情に即したやり方ではないかというふうに考えております。
○松本(忠)分科員 米軍基地の返還後のあと地利用につきましては、いま長官のお話のあったように、大蔵省の理財局を中心としましたところのいわゆる国有財産の処分が行なわれているというふうに私も聞いております。しかし、現実の問題は、はたしてそうなのかどうかということでありますが、実際は施設特別委員会なるものがあって、そこでやっているということを聞きますけれども、この点はいかがでしょうか。ほんとうに大蔵省でやっているのでしょうか。
○島田(豊)政府委員 地方審議会におきましては、それぞれ地方の財務局長が責任者でございまして、財務局長がそれぞれの審議会を主宰されて意見を聞いておられる、こういうことだと存じます。
○松本(忠)分科員 そうすると、実際問題としては地方の財務局の局長を中心として民間の方々にも参加してもらってやっておるということになるわけですか。その点確認してよろしゅうございますか。
○島田(豊)政府委員 そういうことでございます。
○松本(忠)分科員 そこで施設庁長官にお伺いしたいわけでありますが、キャンプ王子の返還の問題であります。これは一体いつになるのか、その見通しを私伺っておきたいわけであります。このことは昨年も当分科会で私も質問いたしましたが、その時期につきましては、私が当時の施設庁長官であるところの山上政府委員に聞きましたところ、私、このように聞いたわけであります。「四十六年の三月末日までには何とかそれができるということですか。もっと前の時期においてそれができるという見通しなのか」——これは前段でありますけれども、そこまで私は詰めたわけでございます。そのときに山上政府委員は「確たるところまで申し上げかねますけれども、できるだけそれよりも前にできるように努力いたしたいと考えております。」こういうふうな御答弁でありました。したがいまして、これから察するところ四十六年三月が最終期限だ、それ前にできる、こういうふうな見通しであったように私は理解いたしたわけであります。現実の問題といたしまして四十六年三月というのはもう迫ってきている、直前にあるわけであります。一体王子キャンプはいつ移転するのか、四十四年の末には例のアメリカの軍人、医療関係の方々も全部いなくなりました。実質的にはキャンプ王子は使っていないのです。あき家になっているわけです。それがどうして返還してもらえないのか、私はふしぎでたまらないのです。一生懸命やっているであろうことは私もわかるのでありますけれども、何か弱腰じゃないか、こんなふうに思うわけでございます。日米合同委員会における交渉はどんなふうに進められているのか、この点を明確にお答えをいただきたいと思うわけであります。
○島田(豊)政府委員 先生御承知のとおりに、四十四年の十一月にこの病院は閉鎖いたしまして機能を停止いたしておるわけでございますが、米側の要求はそれ以前から一貫して変わっておりません。要するに施設の移転ということを条件にしておりまして、これは病院閉鎖後も変わっておりません。そこでその条件をどういうふうにして満たしていくかということについて今日までいろいろ折衝を重ねておりまして、おそらく前長官のころの見込みでは本年度一ぱいということだったと思いますけれども、今日の状況はいろいろ技術的な問題もございますので、折衝がなかなか思うようにはかどりませんで、もう少しこれがおくれるという見通しをわれわれは持っております。しかしながら、できるだけ早期に返還をしてもらうということにいま極力努力をいたしておるということでございます。
○松本(忠)分科員 少しおくれるというようなお話でありますけれども、見通しは一体どうなんですか。私は、いないものが、あき家になっているものが返還してもらえないという理屈がどうもわからぬのですよ。いつごろまでにこうするという見通し、はっきりした点は出ませんか。
○島田(豊)政府委員 極力われわれとしても急いでおるわけでございますが、これは両者の技術的な問題についての詰めがまだ十分でございませんので、非常に遺憾ながらおくれております。それで極力急ぐつもりで督促をいたしておりますが、はたしてこれがいつの時点になるかということにつきましてはまだちょっと申し上げかねる、現在の段階はそういう状況でございます。
○中曽根国務大臣 あの王子の問題は、私は非常に心配しておりまして、何しろ都心の場所があいていることでありますから、区民の方々の関心も多いし、いろいろ問題の起きたところでもありますので、私は早くやれ早くやれと促進させておるのです。それで十二月も、ことしの正月も、相手方の米軍の参謀長を呼びまして、施設庁長官から向こう側の案を早く出しなさい、あそこの病院の施設を横須賀につくってくれとか、厚木の方向へ一部こういうものをつくってくれとか、そういうのが一つの話し合いになっておるわけであります。こっちは予算をとっているわけだけれども、向こうがなかなか案を出さないわけであります。そこで、もう予算を打ち切ってしまうぞ、われわれはもう責任を持たぬぞ、そういう最後通牒みたいなものを突きつけさせまして、アメリカ側も非常にあわてて、ワシントンまでいろいろ電報を打ったりなんかして、日本の予算を打ち切られないようにあわてていろいろなことをやっているというのが現状です。これはアメリカのほうの軍事予算の都合でいろいろ流動的要素があるので、アメリカ側も、おそらく事務の怠慢もあると思うのですけれども、確定的な要素がなかなか出にくい。要するに三軍の間で予算の分配をしたり、あるいは陸軍の内部におきましてもいろいろな、どっちに重点を置くとかなんとかいうことでぶんどり合いみたいなものがあるんじゃないと思うのです。実はその犠牲になっておる要素があります。そこで、われわれのほうが一番迷惑を受けておるのであるから、参謀長を呼んで厳重に申し渡しをしろ、私こう命じましてやらしておるのが現状でありまして、おくれておるのはほんとうに恐縮にたえないところです。今後ともそういう督促をさせるつもりであります。
○松本(忠)分科員 中曽根防衛庁長官から非常に突っ込んだ内情までもはっきりしていただきまして、私も非常に了とするものでありますけれども、いまの御発言にありましたように、どうか可及的すみやかにやっていただきたい。いまのお話にもございましたように、これに対する予算も四十四年度で十億組んである。とうとう四十五年度のうちにおいては、これは使うことができなかった。そのまま四十五年度に繰り越されている。四十五年度も余すところ四十余日ということになりますと、どうしてもこの期間内に何とか片をつけてもらいたい。そういう点からも、防衛庁長官が熱心にこの問題について取り組んでくだすっていることはわかるわけでありますが、どうか当面の交渉相手であるところの島田防衛施設庁長官のほうも、ひとつしっかり本腰を入れて必ずやっていただきたい、このように思うわけであります。 そこで、キャンプ王子のあと地の利用の問題でありますけれども、、先ほどの答弁で、地元の意向を十分尊重してやっていくというお二人のお話がありましたけれども、地元の北区の区議会といたしましては、「米陸軍王子病院閉鎖跡地の全面返還並びに解放に関する要望書」というのを、去る十二月二十四日に全会一致で採択をいたしております。そして内閣総理大臣、外務大臣、大蔵大臣また防衛庁長官並びに防衛施設庁長官にも、これを提出をいたしました。なおまた、いま中曽根大臣からもお話がありました日米合同委員会のアメリカ側の代表であるところの在日米軍の参謀長のミスター・ウエズリー・C・フランクリンに提出がしてございます。こうして何とか返還交渉を軌道に乗せ、すみやかに解決してもらいたいというのが、地元の全区民の、また城北方面にいるあらゆる都民全体の意思だと思います。あの米軍キャンプにおいて流血の惨事が起きたということ、それからしてもほんとうにああいうことを再び繰り返さないためにも、早い時期においてこれは何とかしてもらいたい。何とか早く返還してもらいたい。そしてあと地の利用につきましても、先般文書をもって提出してございますけれども、心身障害児施設の拡充を含むところの心身障害者の福祉センター並びに緊急時におけるところの避難個所としての公園、緑地の設置、これは強く要望しているのでありまして、住民の希望を十分に勘案してもらって、敷地の返還並びに解放に関しては一日も早く実現をしてもらいたい、これが要望でございます。どうかひとつこの点を十分に実行に移していただきますように希望するわけであります。この点についてもう一度重ねてでございますけれども、施設庁長官のお答えを伺っておきたいわけであります。
○島田(豊)政府委員 いま御指摘のように、キャンプ王子のあと地につきましては、東京都その他から、公園あるいは福祉施設に利用したいという強い要望があることも承知いたしております。この問題は、国有財産でございますので、大蔵省で最終的には決定せられるものと思いますが、われわれのほうも地元の御要望については大蔵省のほうに十分反映していきたい、かように考えます。
○松本(忠)分科員 最後に一点でありますが、この基地周辺の住民に対する損害の補償の問題でございますが、これはでき得る限り物心両面にわたっての手厚い補償をしてもらいたい、こういうふうに私は思っておるわけです。事故等の直接被害については、これは十分ではないけれども、一応補償されています。またテレビの難視聴等のような間接的な被害についても、あるものは若干の補償の道が開かれておるように思います。しかし、現在基地周辺に住む人々が一番苦しんでいるのは、基地の運用によるところの日常の事故の危険性、これについては全く放置されているままだと思うのです。飛行場の周辺では飛行機がいつ落ちるかわからない。毎日心配して空を仰いでいる。何か変な音がすれば、事故じゃないかということで、表へ飛び出してみる。こういうふうな心配をしている間は補償の対象にならないわけです。実際に事故が起きて、被害を受けなければ補償の対象にならない。これは当然のことだと思うのでありますけれども、落ちたあとから幾ら手厚い補償をしてみても、死んだ者は生き返ってこないと思うのです。こういう日々の不安、危険、こういった心理状態についても物心ともに補償しなくてはならないのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。 為政者が基地周辺住民のこのような労苦を自分自身のものとして考えたならば、当然これを償う予算上の措置もしなければならないし、根本的には、基地周辺整備法等の抜本的な改正、こういうほうのことも考えなければならないと思うわけでございますが、その意思があるかないか、これをお尋ねするわけであります。 要するに、これらの人々は国の安全保障のための犠牲をしいられている。その上になお生活環境や事業活動の阻害等によって自分自身の生活水準までも低下させられているわけでございます。基地周辺を他のどこよりも暮らしよい、住みよい、そして整備され、また税金なども何とかほかよりも安くなるというような状態にしてあげることが、国の安全保障のために被害を受けている人々への償いではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点について中曽根国務大臣はどのようにお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 民生安定事業につきましては、できるだけ広い範囲にわたって配慮して行なうべきものと考えます。具体的には施設庁長官をして答弁せしめます。
○島田(豊)政府委員 直接基地の運用なり、あるいは自衛隊、米軍の行為等から生じますいろいろな障害、これを軽減するあるいは防止するということのほかに、ただいま先生御指摘のように、それ以外にいわゆる飛行機が具体的に騒音を発する、その騒音の対策事業以外にも、その周辺のいろいろな対策あるいは民主安定というような措置が必要でございますので、そういうような点につきましても、十分配慮いたして予算も要求いたしておるつもりでございます。 たとえば飛行場の周辺におきまして飛行機が飛ぶ騒音自体のほかに、飛ぶということによりましていろいろ農耕が阻害されるというふうな面もございますので、そういう場合の農耕阻害に対する見舞い金、そういう点につきましてもいろいろ配慮してやっておるわけでございます。また飛行場周辺におきまして、たとえば集団移転をしてその危険を防止するというふうなこともございます。そういう各般の措置が現在の基地周辺整備法でできるわけでございますので、その範囲内において極力そういうものの手当てを厚くしていく、こういうことで実際やっておりますし、また来年度も増額をお願いしておるということでございます。
○松本(忠)分科員 ことしの予算としては、どれくらいの予算が組んであるのですか。
○島田(豊)政府委員 基地周辺整備等諸施策の推進ということでこの中身は障害防止事業、騒音防止事業、道路改修事業民生安定助成事業、安全措置事業、それから施設周辺の補償。こういう項目をまとめてみますと、四十六年度で二百二十五億二千五百万円、四十五年度、本年度が二百三億六千六百万円でございますので、約三十二億円程度の増額ということになっております。予算的にはそういうことでございます。
○松本(忠)分科員 了解しました。どうか十分基地の周辺住民の安定のためにも努力を払っていただきたいことをお願いしておきます。 以上で終わります。
○大坪主査 東中光雄君。
○東中分科員 沖繩返還協定に関して米軍基地提供に関する部分は、防衛庁にも直接関係する問題だと思うのですが、このことに関してお聞きしたいと思います。 外務大臣は、沖繩返還協定は奄美、小笠原の返還協定が非常に参考になる、こういうふうに言っておるわけですが、奄美、小笠原いずれの返還協定も、協定の効力発生のとき米軍が現に使用している基地については、それぞれ奄美の場合は旧安保の行政協定、小笠原についてはいわゆる地位協定に定める手続に従って引き続いて米軍が使用するようにする、こういう協定があって、その後段、小笠原の場合では協定の第三条の後段ですが、「避けがたい遅延のための協定の効力発生の日までに前記の手続によることができない場合には、日本国は、アメリカ合衆国に対し、その手続が完了するまでの間、これらの特定の用地を引き続き使用することを許すものとする。こういう後段の規定があります。こういう規定を沖繩の場合にも必要だと考えるかどうか、長官の見解をお聞きしたい。
○中曽根国務大臣 この問題は外務省がいま折衝中でございますが、外務省側の見解に従ってやるのでございます。どうぞ外務省に御質問をお願いいたします。
○東中分科員 外務省に来てもらっておりますので、外務省にも聞きたいと思うのですが、これは基地に直接関係することですから、防衛庁長官としてはどういうふうにお考えになっておるか、これはまず明らかにしていただきたい。
○中曽根国務大臣 所有者とよく話をいたしまして、そして所有者の御理解を経て契約をして、再獲得する、そういうことがわれわれの考え方です。
○東中分科員 こういう規定が必要であるかどうかということについてはいまお答えになかったわけですけれども、外務省はその点どうでしょうか。
○橘説明員 沖繩の場合は、奄美等ともいろいろ事情も違うと思います。ただいま協定それ自体は折衝中でございまして、まだ何とも申し上げられませんが、その当時の事情も望ましくはなかった形とは思いますが、そういう経験も踏まえて、今度の新しい協定の際には検討していきたいと思っております。
○東中分科員 この状態は望ましくないけれども、そういったことも参考にしてやるということですね。この三条後段の「避けがたい遅延のため」という部分ですが、これはそれが民有地であろうと公有地であろうと、土地所有者と政府との間で土地の使用権をめぐる契約が成立しない場合、これを含むものとしてこの規定はつくられておると思うのですが、その点外務省どうですか。
○橘説明員 協定上の規定は、日米の政府間を規制するものでございまして、地主との関係というものは直接規定の対象とはなっておりません。
○東中分科員 日本政府がアメリカ側と協定を結ぶについては、日本政府としては、「避けがたい遅延」の中にそういうものが入っておるということ、当然そうなんじゃないですか。
○橘説明員 施設提供においては日米の合同委員会で合意して提供することになっておりまして、その提供の際のいろいろの詰めのときに、技術的な意味でおくれることもあるかということで、念のためにこういう規定をつくったものと了解しております。
○東中分科員 じゃ、一応そういうことに聞いておきましょう。あとでまたお伺いします。 ところで、これはかつて法制局がこういう見解を示したのですが、「施設および区域の提供をするに当たっては、その前提として、日本国政府は、当該土地等について、所有権、賃借権その他適当な権原を保有していなければならない。けだし、日本国政府がなんら適当な権原を有していない他人の土地をみだりに合衆国軍隊に提供することができないのは、条理上当然だからである。」これは「時の法令」で法制局がこういう文章を発表しておりますが。これは当然のことだと思うのですけれども、長官、この見解をおとりになっておるのでしょうね。この点確認したい。
○中曽根国務大臣 政府委員をして答弁せしめます。
○鶴崎政府委員 ただいま先生のおっしゃったように、条約とか協定というのは、これは国家間の問題でございまして、それがあるからといって直ちに民有地等について土地使用権が発生するというわけではございません。国内法の関係は別途契約等によって処置しなくちゃならないということでございます。
○東中分科員 それで、沖繩における米軍及び自衛隊の基地として民有地、公有地を使用するについては、当然売買契約なりあるいは地上権設定契約なりあるいは賃貸借契約なりを締結して、土地等の使用権を得てから、あるいは得ない限りは基地として使用することができない、こういうことになると思うのですが、その点まず確認をしておいていただきたい。
○鶴崎政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○東中分科員 ところで、土地の所有者というのは、米軍基地についても自衛隊の基地についても、その提供を要請された場合に、契約を拒否する権利がある、当然あると思うのですが、その点どうでしょうか。
○鶴崎政府委員 自分の所有権があるわけでございますから、契約に応ずるか応じないかは御本人の自由意思でございます。
○東中分科員 結局、契約締結を拒否する権利があるということだと思うのです。ところで、当面沖繩に自衛隊を配備することを予定されているわけですが、その地域はどことどこになるのか。
○久保政府委員 現在陸海空の部隊を配置する予定になっておりますけれども、現在米側と折衝中で、候補地を若干持っておりますが、那覇空港以下二、三の土地を候補地として選定いたしております。
○東中分科員 いま那覇空港の話が出ましたが、那覇空港の土地の所有関係はどういうふうになっておりますか。所有者別にいうと、どうなりますか。
○島田(豊)政府委員 これは琉球政府の資料でございますが、那覇空港の総面積は約七百二十七万六千平方メートルでございます。その内訳は民公有地が約五百五十三万一千平方メートル、国県有地が約百七十万八千平方メートル、それから非細分であって、いわゆる無番地でございますが、約三万七千平方メートル、こういう状況でございます。
○東中分科員 結局、自衛隊がいまある程度話が進んでおるといわれておる那覇空港の場合ですが、ここでは個人あるいは公有、私有地を合わせて約百七十六万坪ぐらいの土地があるということでありますが、これはそれぞれ所有者と契約を結んで自衛隊が使用する、こういう方針だということ、そう聞いてよろしゅうございますか。
○島田(豊)政府委員 民公有地につきましては、そういう事前の契約を結びまして使用するということでございます。
○東中分科員 先ほどお聞きしましたように、土地所有者はこの契約を拒否することは当然できるわけです。これを拒否した場合にはどうされるのか、その点、長官、どうでしょうか。
○中曽根国務大臣 困ったことだと思いますが、そのときに考えるよりしようがないと思います。
○東中分科員 いま沖繩にある米軍基地で、契約が結ばれていなくて、一方的に米軍側の強制的な収用宣告で基地にされておる部分がどれぐらいありますか。
○島田(豊)政府委員 契約と収用に分けまして、面積でいいますと、契約で取得したものが九七%、収用による取得が三%、こういう比率でございます。
○東中分科員 パーセンテージはそうですけれども、収用宣告によって一方的に、要するに地主の意思を無視して基地にされておるというのは、面積にして五百七十八万平米、筆数にして八千九百七十四筆といわれていますが、そうじゃございませんか。
○島田(豊)政府委員 そのとおりでございます。
○東中分科員 これだけの土地が現に契約をしていないわけです。一方的な収用宣告でやられている。新たに自衛隊が基地を設定するということになれば、これはまた別の観点からもっとふえるだろうと思うのは、これは常識だと思うのですが、そういう場合に、長官、先ほど言われたように、たいへん困ったことだと思う、そのときになったら考えるでは、これはどうにもならぬじゃないですか。いまそういう点について、どういう方針で進むかということを自衛隊としてはきめているのかいないのか。配備計画はきめているわけでしょう。配備計画はきめているけれども、契約ができなかったらそのとき考えるじゃ、これは配備計画との関係からいうと、非常におかしなことになる、この点どうでしょう。
○中曽根国務大臣 そういう地主との交渉はこの夏から秋にかけて行なわれるだろうと思いますが、これがどういうふうになるか、様子を見た上で考えざるを得ないのであります。
○東中分科員 非常に答弁を拒否されるわけですが、小笠原の場合のことについて聞いておきたいのですけれども、小笠原の返還のときに、先ほど申し上げた条約があって、それに基づいて暫定法、いわゆる特別法がつくられたわけですが、小笠原にある自衛隊基地については土地所有者と全部契約を結ばれたのかどうか、その点はどうでしょう。
○島田(豊)政府委員 私の承知しておるところでは、当時は所有者が不明ということでございまして、契約は結んでおらないように聞いております。ただその後法務省法務局等の関係機関の調査によりますと、十名程度の所有者の方がおられるということがほぼ判明したということでございますので、近くこれらの方々と話し合いを行なうという予定になっております。
○東中分科員 そうすると、先ほど大原則として契約を結んでから基地に使うんだ、こういわれたわけですが、小笠原の場合、契約を結ばないで自衛隊の基地にしたわけですね。それは何を根拠にやられたのですか。
○鶴崎政府委員 政令の第百九十八号で、小笠原諸島における土地に関する権利の調整等に関する政令というものがございまして、これによりまして、五年ないし三年間は暫定的に公共用地については使用できるという法的な根拠に基づいてやっているわけでございます。
○東中分科員 それは違いますね。はっきりと法律上の根拠がなくてそんなことができるわけはないじゃないですか。
○鶴崎政府委員 これは政令のほうを申し上げたので、法律も……。
○東中分科員 根拠は、小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律、いわゆる暫定立法とか特別法とかいわれているもの、この法律に基づいて、政令はただ期間をきめただけなんで、要するに、そうすると意思に反して一方的に個人の土地を、所有者がわからぬからといって法律で基地にしてしまったということになっているわけですが、これは結局小笠原返還協定三条に基づいて、先ほど申し上げたその後段の部分をやっていくために、米軍基地提供、硫黄島のロラン基地なんかと合わせて、今度は自衛隊も法律で一方的に私権のある土地を基地にした、こういう経過になるわけですが、そのとおり確認してよろしいか。
○鶴崎政府委員 小笠原の場合は特殊な事情もあったかと思います。島民がほとんど本土に来てしまってどこにいるかわからない、いま自分の土地、がどうなっているかわからないということで所有区分がきわめて不明確であった。しかしながら、復帰に伴っていろいろ公共的な事業をやらなければ開発ができない、こういうような現状から、もちろんこれは本人がわかれば当然相談をすべきであるけれども、どこにいるかわからない。そういう間においてやはりやむを得ない処置として、この法律によって、開発等のために必要な、あるいは国のいろいろな事業のために必要な公共用地については、暫定的に法律をもって使用権を設定した、こういうふうなことであろうかと思います。
○東中分科員 この特別立法、暫定法によって昭和四十三年六月二十六日付の防衛庁告示第八号と第九号によって、八号では米軍基地を、そして九号では自衛隊基地を、一方的に告示するだけで土地所有者の権利がなくなって基地にしてしまった、こういう経過があるわけです。まさにこれは告示だけなんですね。こういうやり方を、今度の沖繩の場合、せっぱ詰まって非常にに困る状態が起こったら、起こったときに考えると言っていますけれども、長官先ほどそう言われましたけれども、しかしその困ったときに考えるということとあわせて、小笠原の返還協定時の処置は大いに参考にするということをも言っているわけですが、そういう方法をとろうと考えておられるのかいないのか。そういう方法も含めてその時点で考える、こういうことなのか。ひとつ長官の見解を明らかにしていただきたい。
○中曽根国務大臣 前から申し上げておりますように、基地の問題については住民の皆さまの御理解、御協力が非常に大事である、極力御理解と御協力をいただくように話し合いを進めて円満にやりたい、こういう趣旨であります。私はそういう趣旨で、沖繩の問題については取り組みたいと思っております。
○東中分科員 小笠原のときには土地所有者がわからぬからといって、わからぬかったら、かってに一方的に取っちゃうということをやっているのですから、そうじゃなくて沖繩のときは別に扱うのだということなのか。極力努力する。しかしわからなかったらかってに一方的告示でやっておるわけですから。しかもそれからすでに自衛隊の基地で三年です、米軍基地も含めてですよ、所有者との間でまだ契約はできていない。特に六月二十五日が来ますと、自衛隊基地については使用期限三年が切れるわけです。切れたら当然もう基地は返還せねばいかぬことになるわけですけれども、その点はどうなんですか。どういうふうにしようとしておられますか。
○島田(豊)政府委員 告示の切れます六月二十五日までの間に契約締結をするべく極力努力をするという所存でございます。
○東中分科員 この三年間、所有者がわかってからもまだ契約ができていないのです。特に東京都の土地がありますね。東京都の土地についても契約ができていないでしょう。東京都は六月二十五日が来れば、これについては契約はしないとはっきりいっているんじゃないですか。それでも極力努力するというだけですか。しないということをはっきりいっているのだから、それについてどういうふうにされるつもりなのか。政令の期限を延長していく、法律が五年以内だから、政令の期限を延長していくというふうな処置を考えていらっしゃるのではないですか。この点いかがですか。
○島田(豊)政府委員 東京都なりあるいは所有者の方々の御理解を得まして、極力そういう措置をとる必要のないような状態で契約を締結していきたいというふうに考えております。
○東中分科員 集落地域としての計画が東京都にはあって、自治省もそれを承知しておって、したがって基地としては提供しない。これとの契約は、しかし結ばれていないわけです。先ほど土地所有者がおらぬからわからぬから、だから契約しないで一方的告示でやったということですけれども、東京都は土地所有者であることがわからなかったとでもおっしゃるのかどうか。現に契約はできてないでしょう。しかし一方的告示でやっているじゃないですか。だから、防衛庁の基地設置をしたいと思うことと、それが公有地であれ私有地であれ、契約に応じなかった場合には一方的告示でやる。そういう立法処置を小笠原の場合はとったんだから、その点はいま期限が来るという段階で、もうあと数カ月、六月二十五日になったら来るわけですが、明らかに意思の合致はできないということになっておる。それでも意思の合致のために努力するんだというだけで、防衛庁としてはいかれるのですか。努力だけじゃなしに、方策をどう考えておられるのか。
○島田(豊)政府委員 現在の段階では、小笠原に民有地があり、その所有者がおられることは法務省の調べでわかりましたが、その区域あるいは境界、面積等がまだ不明でございますので、引き続き法務省でその確認を急いでおるというところでございます。したがいまして、われわれのほうとしましては、その結果を待って所有者と交渉するということで、その辺は法務省のほうをも督促いたしまして、極力六月二十五日までの間に契約できるように努力したいと思っております。
○東中分科員 父島の宮ノ浜というところに、個人所有地六千平米がある。都有地が六千二百平米ある。わからぬことないですよ。はっきりわかっているじゃないですか。法務省に聞くとかなんとかいうことじゃないですか。これがいま基地に使われているでしょう。それについて契約なしに一方的告示でやってきた。しかも、その期限が切れるというときになっている。法律上はあと二年間延長できるかもしれない、政令を変えれば。しかし、契約できなかった場合に、一方的にこの土地を取り上げていくという、そういう方式が現に小笠原でやられて、現にそれがいま生きているのですよ。それに対して、あなた方はいまどうしようとしているのかということを聞いているのですから、ただ努力しますだけじゃこれは答弁にならぬじゃないですか。
○島田(豊)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、これは所有者が従来の段階ではまだ確認できませんで、それを法務省の調べで逐次、所有者がわかってまいりましたし、ただ、所有者がわかっておりましても、その所有地の区域、面積等がはっきりしていないというのがありますので、そういう点についていま法務省が急いでおるという段階でございますので、われわれのほうは、それを確定次第所有者と交渉するというつもりでおるわけでございます。こういう面積その他が明確になりますれば、所有者と交渉を開始する、こういうことでございます。
○東中分科員 そうしますと、沖繩の場合も、沖繩の基地はアメリカが一方的にやったという関係があって、そして所有者がなくなったりして、登記関係はいまわからないということがずいぶんたくさんあります。登記簿と実際とが合わないことが、いま小笠原について言われていることと同じようなことが沖繩にある。所有者がよくわからない、境界がよくわからない、これはたくさんある。裁判例なんか見ても、一ぱい起こってきております。一時は、あの徹底した戦火による被害と、それから一方的な土地取り上げと、二十万近くの人たちが死んだ、こういう状態で、帳簿上は実際の倍くらいになったこともある。だから、いま小笠原について言われていることは、沖繩についてもあり得るわけです。そういうことを口実にして、よくわからぬ、どこからどこまでが境界なのかさっぱりわかりません、わからぬからということになれば、いよいよもって、この小笠原方式による一方的暫定措置法、そして政令で、米軍基地だけじゃない、自衛隊基地、これは協定と関係ないのだけれども、それも含めて、一方的告示によって取り上げてしまう、こういう事態にならざるを得ぬじゃないですか。いま小笠原について言われていることは、そのまま沖繩に当てはまるようになる。その点について一体どうなんでしょうか。
○島田(豊)政府委員 沖繩の土地問題につきましては、現在、いろいろ調査を進めておる段階でございまして、所有者が非常にはっきりしておる、その面積、境界等がはっきりしておるというものもございますし、御指摘のように、その辺がはっきりしていないということで、いわゆる非細分化土地と申しますか、公簿上の面積と実測面積が違うというふうなこともありまして、そういうのは、一時市町村で管理しているという問題もございます。そういう問題について、われわれのほうは、これから十分細部につきまして実情を調査いたしまして、その辺の処理をしてまいりたいと考えておりますが、その辺の、そういう境界の不分明あるいは実測土地と帳簿土地との違いがある土地がどの程度あるかということについては、われわれのほうはまだ具体的に資料を持っておりませんので、その辺は十分調査を進めまして、そういう地元の地主側の意向等もありますので、そういう点も十分勘案しながら、この問題をできるだけ円滑に処理をしていくということに努力したいと思っております。
○東中分科員 小笠原と同じように沖繩についてもまだわからない。わからない状態だから、小笠原の口実に使われておるように、一方的な、小笠原返還協定に伴うあの暫定措置法と同じような方法でやっていく。しかも、それは単に米軍基地だけではなくて、自衛隊基地もそういう方法で、強制収用じゃないのです、法律で一方的に告示によって取り上げてしまうという方法が現にやられておるんだから、そうして三年たってなおそのままの告示の効力によって民有地を基地に使っておる。三年という長い期間がたってもなおほうってあるんですから、そういわざるを得ない。これはもう全く国民の権利をじゅうりんするものだといわなければいかぬわけですが、そういう点について、そういう立法措置をとる考えが絶対にないと いうことをここで言えるかどうか。それからもう 一つは、私たちはそういうことは絶対に許されないということをはっきり申し上げておきたいのですが、最後に見解をお聞きしたい。
○中曽根国務大臣 先ほど来申し上げますように、実態調査をしてみた上で、その上に立って、件数はどれぐらいあるか、どういう考えを持っていらっしゃるか、どういう必要性があるか、そういう問題をよく見きわめた上で考えるということであります。
○東中分科員 時間がありませんので、これで終わります。
○大坪主査 楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 最初に、ひょっとしたら準備の都合があるかもわかりませんから、資料要求をしておきたいのです。 全日本空挺同志会、それから、全日本空挺戦友会、この二つの組織の規則か、会則か、会規か、規約か、そういうものを防衛庁は持っておられましょうか。
○江藤政府委員 空挺戦友会というのは、かつて遺族を中心にしましてできたものでございますが、その後三十六年に空挺同志会ができまして、したがって、実質的には、空挺戦友会というものは三十八年に空挺同志会のほうに発展的に統合されているということになっております。ただ、発足の経緯から見まして、空挺戦友会というものの会長である大阪の方が、大阪だけは残しておきたということで、大阪だけに空挺戦友会なるものがございます。しかしながら、現在戦友会の規約というものは、特にわれわれとしては承知いたしておりません。空挺同志会の規約というものはございますが、現在いまちょっとその規約は持っておりません。
○楢崎分科員 それでは、次の問題を質問しますから、規約があれば、その規約のもとにひとつ御答弁をいただきたい。それで、次の問題に入りますから、至急用意しておってください。 ただいま東中委員が論議をいたしておりました点から質問に入りたいと思うのです。 法制局長官にお伺いをいたしますが、沖繩を一応頭に置いてのことでございますが、もし返還に際して地主が自分の土地を基地として提供することを拒んだ際に、米軍が引き続きその土地を使用することができる国内法的な根拠がありましょうか。そういう国内法がありますか。
○高辻政府委員 お尋ねは、沖繩における問題として……(楢崎分科員「頭に置かれて」と呼ぶ)突然のお尋ねでございますが、私、いまそれができる根拠の法律があるということをお答えできるようなものがあるということも、明確に指摘することができません。
○楢崎分科員 施設庁長官はあると思われますか。
○島田(豊)政府委員 沖繩の場合ですか。——現在日本の国内法では、ないのではないかと思っております。
○楢崎分科員 ないと私も思います。したがって、もし沖繩の場合、地主が自分の土地を基地として提供することを拒んだ際に、それにもかかわらず米軍が引き続き使用する際には、特別に立法が必要になると思いますが、法制局長官どうでしょう。
○高辻政府委員 とにかくかなり問題のある点の御指摘でありますから、もしそういう点の御質疑であれば、ちょっと言っておいてくださると、ほんとうに十分勉強してお答えするわけです。きわめて重要な問題でありますから、思いつきでお答えすることが非常にあぶないと思っております。やはり法律問題については、かなり神経質に忠実にお答えをするのが私どもの職務でございますので、ほんとうは御答弁を申したくないわけでありますが、ともかくも使用の権原なしに使用することができるということは、これは法律の世界ではあり得ないことであります。しかしながら、その場合には、法律的な手段として使用権を取得したりすることができる道もないではありませんから、一般的な議論になりますけれども、そういう使用する権原を取得する必要があるということだけははっきりしていると思います。
○楢崎分科員 最初の御意見は、もし確信を持った答弁でないとすれば、時間を十分とっていただいて、この予算委員会が終わるまでにその見解をお示しいただきたい。特にこの予算委員会、来月一日まであるのですが、社会党の委員が質問する一番最後の質問者の直前までに、ひとつ政府の確たる見解をお願いいたします。それは記録にとどめておいていただきたいと思います。 それから、後段おっしゃいましたことにについては、そのような国会法がないから、もし米軍が引き続き提供を拒否された土地を使用するためには、国内法では権原を取得する一つの手段として、いわゆる安保六条に基づく土地等の使用等に関する特別措置法によって土地収用委員会にかけその権原を取得する、それだけしか、いまのところ現行法ではないと思いますが、どうですか。
○高辻政府委員 先ほど一般的な見解として申し上げましたように、使用権を、とにかく法律の世界の問題でありますから、権原を取得しないで他人の土地を無権原に使用することが許されないことは当然のことであります。したがって、一般的な問題として、権原の取得が必要であることは申し上げましたが、その取得の手段として、いま御指摘のような法律があること、これは御指摘のとおりであります。
○楢崎分科員 そこで、もし、いま私が申し上げた手続を経ないで、米軍が引き続き提供の土地を使用する際は、使用させる際は、別に特別の立法を必要とすると条約局長はお考えですか。
○井川政府委員 これは、楢崎先生の御質問にございますように、国内法の問題だとおっしゃったと思いまするけれども、いずれにいたしましても、この点につきましては、愛知外務大臣は、できるだけ地主さんの納得を得て提供いたしたいということを言っておられまして、ただ両国政府で提供することに合意したものについては、これはもちろん提供しなければならないのですから、あくまで地主さんの納得を得てやる方針である。したがって、地主さんの納得が得られないようなことは予想したくない状態である。しかし予想したくない状態については、そういう予想外な状態があるような場合の対応措置ももちろん検討しておかなければならないけれども、しかしながら愛知大臣はいつも言っておられますように、そのような措置をとることなく実際上円満に解決されるために全力を傾けたい。これは、もちろん、外務省と申しますよりも国内官庁のお仕事になりまするけれども、愛知外務大臣は何べんもこの趣旨を答弁なさっております。
○楢崎分科員 私は願望を聞いておるのじゃないのですよ。あなたも、どうも愛知外務大臣に似て、要らぬ答弁に時間をかけられて困りますね。時限立法的なものがそういう場合には——私は法律的に聞いているのです。願望を聞いているのじゃない。時限立法がそういう場合には必要ですねと聞いておる。もしその点も、ただいまお答えになれないなら、重要問題だから、私もそれを承知しております、先ほどの法制局長官にお題いしたと同じように、外務省の見解も含めて統一見解としてひとつお示しをいただきたい、予算委員会の社会党の委員の一番最後の質問の直前までに。 それでは次に進みます。地位協定の二条四項(b)を、要領よく、わかりやすく、法制局長官ひとつ説明をいただきたい。
○高辻政府委員 私を御指名のことでございますが、私どもの守備範囲は、とにかく、およそ法律、条約も含めれば入っておりますけれども、平素あまりなじみのない、私どもからいいますとなじみのない規定でございますので、なれたほうから実は説明をしていただきまして、それにもし不審があれば私のほうが補足をさせていただきます。お許しを願います。
○楢崎分科員 では、どなたでもけっこうです。
○井川政府委員 これは、しかしもう楢崎先生十分御存じのことでございまして……。この提供施設には三つの形態があって、いわゆる二1(a)と申しますものと、それから合衆国軍隊がおもに使用いたしておりまして一時的に日本側が使用するという二4(b)と、その逆の場合の二4(b)と分かれておりまして、その最後の場合が二4(b)であるということは、もうかねがね御承知のところだと思います。
○楢崎分科員 二4(b)の説明をしてください、わかりやすく。
○井川政府委員 これは説明といたしましても、この二4(b)は「合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。」ここに書いてありますことは二つございまして提供方式として二4(b)があるということと、さらにそういう二4(b)については「適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。」この二つのことから成り立っていると思います。
○楢崎分科員 それじゃ具体的に聞きます。「合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中」、この協定は何の協定なんですか。
○井川政府委員 「適用があるこの協定」のことでございますか。
○楢崎分科員 いやいや、その前の「協定中に」というその協定です。「合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中」という、その協定は……。
○井川政府委員 これは施設、区域を提供する取りきめでございます。そのあとの「適用があるこの協定」というのはこの地位協定でございます。
○楢崎分科員 それでは「当該施設及び区域に関する協定中」の協定は、別の取りきめという意味ですね。この地位協定の協定をさしているのじゃないという説明ですね。
○井川政府委員 初めの協定はそうではございません。二つございます協定のうちの前の「当該施設及び区域に関する協定」というのは、地位協定の協定ではございません。
○楢崎分科員 そのとおりです。だから別に協定があるわけですね。この地位協定でない協定をさしておるわけです。
○井川政府委員 また長くなりますけれども、第二条の一の(a)の「合衆国は、相互協力……の使用を許される。個々の施設及び区域に関する協定は」の協定でございます。
○楢崎分科員 私が言ったほうがわかりやすいですね。この地位協定でなくて、別に二4(b)でするときは協定が要る、こういうことですね。
○井川政府委員 いえ、これは二4(b)であっても、二4(a)であっても、普通のものでございましても、「個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない」という「個個の施設及び区域」を通じての協定でございます。したがいましてこれは二4(b)に限るわけではございません。
○楢崎分科員 私は二4(b)に関していま質問をしているわけです。 それじゃ別のほうから入ってみます。いま二4(b)が適用されておる米軍基地はどこで、どういう条件か、御説明願いたい。
○島田(豊)政府委員 いま二4(b)で提供いたしております施設は、大きいものは東富士演習場でございます。本土にありますものはほかに長坂小銃射撃場がございます。それ以外に非常に小さいものとしましてキャンプ王子のヘリポート、硫黄島の通信所、南鳥島の通信所、それから神戸にあります神戸港湾ビルというものがございます。したがって六カ所が二4(b)でございます。
○楢崎分科員 それらは二4(b)によって使用するということが合同委員会できちんと取りきめられ、何か合意書なり協定になっておるわけですか。
○島田(豊)政府委員 それは合同委員会で合意をした議事録に残っているわけです。要するに合同委員会で合意をしているわけです。
○楢崎分科員 そうすると、合意議事録という形でそれがきちんとしておるわけですね。
○島田(豊)政府委員 合同委員会の場合に議事録を残しますので、それはございます。
○楢崎分科員 そうすると、日本の民間空港なりあるいは自衛隊基地を二4(b)で期限を限ることなく再使用ができますか。
○井川政府委員 これは先ほど読み上げましたように、「合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関して」、そういうものをむしろ二4(b)というのでございます。
○楢崎分科員 そのとおりでありまして、二4(b)で米軍が再使用する際には、あらかじめ期限を限らなくてはいけません。そこでそういう期限をあらかじめ合同委員会で合意することなく反復使用、断続使用、これが二4(b)でできますか。私がいまお伺いしておるのは、米軍の再使用の場合ですね。米軍基地が自衛隊に返される、民間空港に返される。その際、米軍が再使用する際のことを言っているのです。——もう一度言います。反復使用、断続使用が二4(b)でできますか。
○中曽根国務大臣 二4(b)の解釈の説明を私が前にいたしましたときに、反復使用と断続使用も、期間を限って行なわれれば解釈可能であると思う、そういうケースもあり得るということを答弁しております。
○楢崎分科員 期限を切って断続使用あるいは反復使用する、具体的には、どういうやり方ですか。
○中曽根国務大臣 たとえばある滑走路を自衛隊がずっと使っておるときに、一カ月間にわたって米軍が借りたい、使いたい、共同使用したい。それでそのまま一カ月間使った。その後二カ月使わなくなった。また通知があって借りたい。そういうような場合は該当するのではないかと、私は想像しております。
○楢崎分科員 失礼ですが、長官は昨年はそういう解釈では最初なかったわけですね。そうして愛知外務大臣と見解がちょっと違うもんだから、だんだんおかしくなってきたと私は思うのです。それは非常に無理な解釈なんで、長官は心の中ではそう思っていらっしゃらないと思うのですよ。
○中曽根国務大臣 いや、初めから思っておりました。
○楢崎分科員 それではなお進めていきます。外務省もそのような見解ですか。
○宮川説明員 これは具体的な例でお示ししたほうがよろしいかと思いますが、先ほど施設庁長官があげられました六つの二4(b)に基づく施設、区域でございますが、この使用期間の定め方でございますけれども、たとえば長坂小銃射撃場の場合は年間百六十日以内、したがいましてそのワク内で必要なときに使う。それからたとえば富士演習場の場合は、これは自衛隊と米軍間で双方の演習計画の事前調整を通じて具体的に指定する。ですからこれも具体的に日を限っております。それからたとえばキャンプ王子の場合、あるいは硫黄島通信所、南鳥島通信所、こういう場合には、それぞれ通信所あるいはキャンプへの出入のつど、こういう定め方になっております。また港湾ビルの場合には荷揚げのつどということであります。
○楢崎分科員 それでは私も具体的に申し上げますが、たとえば厚木、板付あるいは今度返還される沖繩の基地、そういう場合に合同委員会で包括的に、そういう断続的使用なりあるいは反復使用を承認されるようなことがありますか、中曽根長官。
○中曽根国務大臣 それはそのときの模様によってあり得ると思います。
○楢崎分科員 そのときの模様といいますと、たとえばどういう模様のことですか。
○中曽根国務大臣 相手方の要請とか、こちら側の使う必要だとか、あるいは相手側が申し出てくることの意味、そういうあらゆる面を考えて安保条約の適用上妥当であると考えればあり得ると思います。
○楢崎分科員 沖繩についてはどう予想しておられますか。
○中曽根国務大臣 沖繩の場合にも、やはりその態様に応じて考えられるのではないかと思います。それは、態様がどういうふうになるかということによって変化し得ると思います。
○楢崎分科員 そうすると、たとえば沖繩を例にあげますと、合同委員会であらかじめそういう承認が行なわれれば、実際問題としては沖繩の基地は自由使用になりますね。無制限な使用に実際問題としてはなりますね。
○中曽根国務大臣 沖繩の基地がどういうステータスになるか、二4(a)になるのか、二4(b)になるのか、あるいはそのほかの第三条によるやり方になるのか、これは今後きめらるべき問題じゃないかと思います。
○楢崎分科員 いや、私もわかっておるつもりで質問しているのですが、そういう不確定要素ではもうないと思うんですね。もう九月には返還協定批准国会が開かれる段階ですから、では批准国会までにそういう話し合いが行なわれ、それが詰められるというふうにお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 それは外務省のほうのスケジュールをぜひお聞き願いたいと思います。
○楢崎分科員 それじゃ外務省にお伺いいたします。
○井川政府委員 できるだけ早くそういうような話し合いが成立いたしますように、できるだけの努力をいたします。
○楢崎分科員 そうすると、批准国会までには、沖繩の基地が、形式はともかく、自由使用が保障されるような、包括的な承認を意味する合意が批准国会までには行なわれるんですか。
○井川政府委員 私、ただいま御答弁申し上げましたのは、批准国会までに包括的な自由使用を認める云々というところには全然関係なくお答えいたしまして、そのような基地に関する話し合いというものが、また使用の形というものに関する話し合いが、これは愛知大臣も明言されておりまするが、できるだけ早くするように全力を傾けるということにつきまして御答弁申し上げたのでございまして、包括的自由使用という点には私は全然触れたつもりはございません。
○楢崎分科員 いや、私は聞いておるんです。だから触れてください。
○井川政府委員 申しわけございませんでした。先ほどの御質問にはその点は触れてなかったという理解で御答弁申し上げました。私の聞き違いでございましたらお許しを願いたいと思いますが、ただいまの第二段の点、楢崎先生、ほんとうに私も率直に申し上げまして、包括的自由使用というのが、先生はどういうことばでお使いになっているのかわらないわけでございまして……
○楢崎分科員 中曽根長官とやり取りしておるときもよく聞いておってくださいね。私は、最初あなたに聞いてない。長官が、外務省に聞いてくれとおっしゃるから、外務省どうぞ、と言ったんですが、最初は、実際問題としては、二4(b)の解釈いかんでは包括的な自由使用が可能となるようなことも含まれるような御答弁だったから、私は聞いておるんです。いいですか、もう一ぺん言います。断続的な使用あるいは反復的な使用を二4(b)の解釈でできるとすれば、反復使用なり断続使用は許されるということになると、実際問題としては自由使用と変わりませんよ。どこが変わりますか。
○中曽根国務大臣 自由使用という意味がどういう概念であるか、これは地位協定に基づく何をさして自由使用と言われるか、それを明確にする必要があるのです。それを、二4(b)に至らなくても、二4(a)の場合には、向こうが常時管理して、それを自衛隊が使用する、そのほうがはるかに向こうの自由度が高いわけですね。もっと高いのもあるわけです。二4(b)になると一番拘束されているものですね、こっちが管理するんですから。そういう意味において、さっき申し上げたように、どういう態様におのおのが位置づけられるかということによってきまっていくのでありまして、いまからはどれがどれということは言えない、そう思うのであります。
○楢崎分科員 私の言い方もちょっと悪かったと思うのです。一たん自衛隊なりあるいは民間空港として返還された米軍基地について米軍が再使用する場合に、つまり再使用が、包括的に自由に再使用されるのではないかという意味の自由使用であると言っているんです。たとえばいまの沖繩の基地が自由に使用されておるという場合の自由は、その出撃したりするのをセーブする権限はいまのところないということなのですが、そうじゃなしに、一たん返還された基地の再使用について、いわゆる自由になるではないかという意味の自由使用です。そうすると、さっき言いましたように断続的な使用あるいは反復使用というものが二4(b)で可能ということになると、実際問題として米軍は再使用が自由にできるではないかと、こう私は言っておるのです。どうでしょうか、長官。
○中曽根国務大臣 それは、返還というものが、民間に返還されると、そういう場合にはもう米軍との縁は切れてしまって、民間が自由に使用するという形になります。それが日本政府に移管されて、それを米軍が一時使用する、それが二4(b)に該当する、そういう場合もあります。それがいま考えられるケースですね。大体政府関係のような場合、それが自衛隊であるか運輸省であるか、ともかく政府関係に返還された場合、その場合は、どの基地がどういうふうに該当しているかは、いまのところまだよくわかりません。それから同時にまた、先方が、二4(b)という場合に、どういう条件でどういう要請を持ってきているかということにもよるわけです。私は、いままで日本で行なわれている二4(b)の形をもってすれば、もう向こうはかってに自由に使うというわけにはいかぬのでありまして、おっしゃるようなケースはないと私は思います。
○楢崎分科員 そうすると、たとえば板付が、管理権ももう日本側に移っていわゆる民間空港になった際に、米軍が再使用しようとすれば、どういう手続が必要でしょうか。
○中曽根国務大臣 おそらく合同委員会で、向こうが期間を区切って使用するという申し入れて、どういう形をつくるのか、たとえば年間何時間という形でいくのか、あるいは事前に申し入れをして、そしてどの期間そういう形でいくのか、そういう話し合いをして、そういうことは合同委員会できまっていくんだろうと思います。板付のような場合は、現状を見ても、ほとんど向こうは、いままでとは違って、もっと使わなくなるだろう、そういうことであると思います。
○楢崎分科員 いずれにしましてもいまお話しのとおり使用の態様ですね、断続使用といい、あるいは反復使用といっても、使用の態様によっては私は問題があろうと思うのですね。したがって、これまたさっきの統一見解の中に含めていただきたいのですが、米軍が二4(b)で再使用する際、その米軍の再使用に対する大体の基準あるいは限界、このくらいの断続使用のときにはいいとか——たとえは一年じゅう自由に使います、そういうことはないでしょう。一時期を限ってということは、そういうことはないはずです。一カ月なら一カ月というようなことを言うんですから、一年なんというのはないんです。それをぼくは包括と言うんです。だから当然そこにはどのくらいという限界があるんです、二4(b)で再使用する際は。したがって、米軍の再使用する際、二4(b)で再使用する際の大体の基準、限界をひとつお示しいただきたい。よろしゅうございましょうか、長官、どうでしょうか。
○中曽根国務大臣 これは条約の解決問題ですので、どうぞ外務省のほうへお願いいたします。
○楢崎分科員 それでは外務省のほうにお願いしておきます。
○高辻政府委員 一言申させていただきたいと思います。宿題をお出しいただくのはけっこうでございますが、先ほど御答弁申し上げた際に、御質疑が法律問題でありましただけに、どのような発展をするかということも考慮いたしまして、そういう問題についてはあらかじめ御指摘くだされば、十分に自信をもって、正確に誠実にお話ができるであろうということを申し上げたわけですが、どうも質疑の御発展のぐあいから見ますと、私が伺った限りのことであったようでございますので、あらためて統一見解なるものを出す必要はなさそうでございます。そこで、もしも私が突如の御質疑に対してお答えしたところに不十分な点がありましたら、これはまたその必要があれば申し上げさせていただきますが、大体先ほど申し上げたところで尽きていると思います。というのは、施設、区域の使用については使用すべき権限の取得が必要であろう。むろんこれは相手方の同意によるものであろうと、あるいは法律の定めによるものであろうと、そのいずれの場合もありましょうが、そういう場合でなければいけないだろう。法律の定めとしては、御指摘になった例の安保条約六条に基づく云々という特別措置法があるということを先ほども申し上げましたが、それで尽きているようでございますので、あらためて、統一見解を出す必要もなさそうでございますから、この点は出さないで済ますようにいたしたいと思います。
○楢崎分科員 それは私が指摘したのであって、それを聞いておるのじゃないのです。もしそれによらずして非提供の土地を米軍が引き続いて使おうとすれば新しく時限立法的なものが必要ですねと、そっちを聞いておるのです。
○高辻政府委員 それは私に対する質疑ではなかったように思います。外務省のほうが引き受けてくれたといってもいいのかもわかりませんが、その点はいま御質疑に対してお答えした中でお答えしたことになっておることでございますから、あらためて外務省から特別な御説明がなくてもおわかりいただけるのではないかと思います。
○楢崎分科員 では確認しておきますよ。いいですか。もし非提供の土地を米軍が引き続いて使用しようと思えば、国内法的にいわゆる土地等の使用等に関する特別措置法に基づく手続をしなければならない。もしそれによらずして引き続いて米軍が使用しようと思えば別に新しく時限立法が必要ですね。
○井川政府委員 私先ほど愛知外務大臣の……(楢崎分科員「それはいいのです、願望は。」と呼ぶ)その中で触れているわけでございます。確かにまず願望がございまして、それから、日米両国政府で合意したものは提供しなければならないのは当然であるので、そのような提供できないような全く予想外の事態に対応できる措置も検討しなければならないと考えている、しかしながらかかる措置はあくまでも予想外の事態に対するものであって、政府としてはかかる措置が実際に適用されることなく円満に解決されることを熱望している、こういうのが愛知外務大臣の御答弁でございまして、あるいは御指摘の点に対する御返事もその中に含まれているのではないかと思われます。
○楢崎分科員 含まれておるとおっしゃいますか。ではその際は時限立法が必要ですね。好ましいか好ましくないかは聞いてないのです。そういうことは関係なく、非提供の土地を米軍が引き続き使用するためにも新しく国内の時限立法が必要ですね。それだけです。
○井川政府委員 繰り返しますが、その点外務大臣は、予想外の事態に対応できる措置も検討しなければならないと考えているという御答弁をなさっているわけでございます。
○楢崎分科員 くどいようですが、特別の措置というのは時限立法のことですね。
○井川政府委員 私どもまだそこまで考えておりませんし、そういう国内法になりますると、これは外務省の所管ではないわけでございます。
○楢崎分科員 ではどこの所管なんですか。条約関係になるから外務省でしょう。違うのですか。防衛施設庁関係になりますか。
○井川政府委員 実体的に関係を持つことは確かでございまするけれども、これはまた三百代言としかられるかもわかりませんが、これは法制局長官がおられるからだいじょうぶでございますけれども(「法制局長官は三百代言か」と呼ぶ者あり)そういう意味で申し上げたのではございませんで、私が国内法の所管について、私は条約局長でございますのでそういうことを申し上げる権限がないので、誤っておれば法制局長官に直していただくという意味で申し上げたわけでございまするけれども、そういう措置をとる法律になりますると、関係省庁の所管の国内法になります。
○楢崎分科員 では、いま私が申し上げた種類の立法は何省の所管になりますか、法制局長官。
○高辻政府委員 まあ所管がどこかということはあまり問題でないと思いますが、ともかくも、先ほど申し上げたので尽きておるだろうということを申し上げましたように、当事者間の契約によってこれを取得するか法律によって取得するか、いずれかの方法によって取得する必要があるであろう、権原なくして適法に使用することはできないだろうということを申し上げているのですから、それでおわかりになるはずではないかと私は思います。
○楢崎分科員 わかりました。それでは九月の批准国会までには、外務省から見れば好ましくないかもしれないが、そういう事態に備える時限立法を用意されますね。これは、もしお答えをされる人がいなかったら中曽根長官、佐藤内閣として閣議でその点をひとつ確認をしていただきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 何の確認をするわけですか。
○楢崎分科員 いいですか。沖繩返還に際して地主が基地に土地を提供するのを拒否した際、その土地を引き続き米軍が使用するとすれば、特別措置法でなく新しく時限立法が必要である。先ほどの愛知答弁の中にあったように、好ましくないけれどもそういう事態も考えるということですから、批准国会までにはそのような時限立法も出てくるわけですね。
○中曽根国務大臣 それは別に閣議で確認するほどのことではないので、担当大臣が自分の所管として研究すべきものであると私は思います。そういうことをやるかどうか、その必要性ありやなしやということについては、貴重な御意見を伺いましたから、私もよく研究してみたいと思います。
○楢崎分科員 その場合、担当大臣はどこになるのでしょうか。法制局長官、担当大臣はどこになるのですか。
○中曽根国務大臣 私よくわかりませんが、沖繩・北方対策庁とかあるいは防衛施設庁とか、そういうところが一番近いような気もしますね。
○楢崎分科員 それではこれは総括のときに、おそろいになったときもう一ぺん確認をしたいと思います。 それでは先ほどの、地位協定二条4項(b)で米軍が返還した土地の再使用をする際の基準、限界をお示し願いたいというのはよろしゅうございますね。
○井川政府委員 先ほど私、自由使用につきまして先生のおことばを誤解いたしまして申しわけございません。ただいまはっきりいたしました。ただ、先生ただいま二4(b)に従って再使用をするということをおっしゃったわけでございまするけれども、これまた申しわけないのでございますけれども、先ほど来中曽根長官に対する御質問を承っておりますと、再使用ということばが出てまいりまするけれども、つまり一ぺん返還したものを再び提供するのでございましたら、何も二4(b)でなくても、二4(a)でも何でもいいわけでございますので、先生の御質問は二4(b)の一定の期間を限って、という意味でございましょうね。
○楢崎分科員 そうです。
○井川政府委員 その点は先ほど宮川安全保障課長からも、あるいは日にちを限ったり、あるいは使用目的を限って制限をつけている、一定の期間に限っておる、こういう答弁があったものと了解しております。
○楢崎分科員 私が言っているのは、そうじゃないのです。その一定の期間を限って範囲を示さなければいかぬわけですね、二4(b)の場合は。その場合に、その一定の期間というのは、ある程度の限度がありはせぬかと聞いているのです。一年のうち十一カ月を限ってというのは、これは全くの包括使用になるから、これは二4(b)ではできないだろう、その一定期間というのは、大体の基準なり限界なりがあるはずだ、その限界を示していただきたいと言っているのです。
○井川政府委員 確かに仰せのとおりでございまして、その十一カ月になるんだったら、これは二4(a)にします。二4(a)であとの一カ月を日本側で使わしてもらうというかっこうになるわけでございます。
○楢崎分科員 いや、私が十一カ月と言うとあなたそう言うが、じゃ六カ月ならどうなんでしょうか。
○井川政府委員 先ほど宮川安保課長が申し上げましたように、完全な期間を限っておりますのは、現在のところ百六十日というふうな期間を限っております。ほかに使用の態様によりまして、いろいろの制限が設けられているわけでございます。
○楢崎分科員 だから具体的にどの程度の期間までが大体限界と考えるかと、それをお伺いしているのですよ。
○中曽根国務大臣 要するに二4(b)の期間を限ってという解釈ですね。
○楢崎分科員 そうです。
○中曽根国務大臣 それはあなたの最終質問に間に合うようにひとつ努力してみましょう。
○楢崎分科員 それでわかりました。 次に移りますが、沖繩に現在駐留しておる米軍の部隊で、本土に現在駐留しておる部隊と全然異質の部隊がありますね。それをひとつ具体的にお示しをいただきたい。
○久保政府委員 一つは第一海兵緊急派遣部隊でありますが、これは第七艦隊隷下の部隊で、そのもとに第三海兵師団があります。それから第一特殊部隊軍というのがありますが、これは対ゲリラ戦要員の教育部隊ということであります。それから第七心理戦軍というのがありますが、これはいわゆる心理戦の支援を任務としておるようであります。それから戦略航空団がございますが、これは主としては空中給油を任務とする部隊が沖繩に駐留しておるようであります。以上であります。
○楢崎分科員 それらのいまおっしゃった部隊以外のものは、大体本土にあるのと一緒ですか。
○久保政府委員 膨大な、各種多様な部隊がありますので、必ずしも確認しておりませんが、たとえば陸軍情報学校というようなものも本土にはない部隊だろうと思います。
○楢崎分科員 そうすると、いま例示された部隊は、現行安保条約が規定しております米軍の駐留目的から見て、それを越える性格を持った部隊であるかどうか。
○久保政府委員 現在のところは、たとえばこの海兵緊急派遣部隊は第七艦隊の隷下にありすまから、第七艦隊の作戦範囲といいますか、行動範囲にイコールであろうと思いますので、その辺はたいへんむずかしかろうと思います。今後どういうふうなことになりますか、おそらく外務省筋で御検討いただけるのじゃなかろうかと思います。
○楢崎分科員 外務省の御見解を……。
○吉野政府委員 安保条約の範囲内で沖繩の返還は行なわれるわけでございますから、安保条約の規定に従って処理したいと思います。
○楢崎分科員 あなたは貴重な時間何という答弁をしているのですか。いま防衛庁のほうから言われた部隊は、その任務、行動、目的、これは現行安保の米軍の駐留目的に合致している部隊であるかどうかと聞いておるのです。
○井川政府委員 私どもその部隊の詳細については、いまだ存じませんけれども、いずれにいたしましても、安保条約がそのまま沖繩にも適用されるわけでございます。すなわち、あそこにいる部隊、軍隊というものが、いずれにいたしましても、安保条約のワクの中に入るということは当然のことでございます。
○楢崎分科員 そうすると、現在沖繩に駐留している米軍部隊で、安保条約が規定しております米軍駐留の目的から逸脱する部隊については、当然出ていってもらうことになりますね。
○井川政府委員 逸脱する部隊があるかどうか、実は私は存じないのでございますが、先ほど申し上げましたように、いずれにいたしましても、その部隊の任務、行動というものが安保条約のワクの中に入ってしまうわけでございます。したがいまして、いままでこういうあれを持っておったから出て行くというようなことではなくて、その行動及び施設提供の目的が安保条約のワクの中に閉じ込められると申しますか、その網をかぶるということが根本的な問題だと思います。
○楢崎分科員 たとえば第一海兵緊急派遣部隊は、太平洋全域が出動範囲です。全域における非常事態に即応する部隊なんですね。こういう場合には、第一海兵緊急派遣部隊に対して、外務省としてはその性格の変更を求められますか、もし第一海兵緊急派遣部隊がそのまま居すわるとすれば。
○井川政府委員 この点は昨日ですか、愛知外務大臣も御答弁になっておりますが、要は能力というもの、これは軍隊の能力というものは、強いものもあれば、弱いものもある。しかし、その能力というものの問題ではなくて、安保条約第六条の施設及び区域の提供の目的、先ほど来申し上げております安保条約のワク内に入るということはもちろんであって、その能力は別だ。太平洋地域全部を飛べるとか云々ということは、これは別の能力の問題である。軍隊というものは、非常に強い能力を持つ軍隊もあるであろうが、いずれにしろ、いかなる能力を持っておりましても、その行動等につきましては、安保条約のワクの中に入る。このように愛知外務大臣は答弁しております。
○楢崎分科員 そうすれば今後沖繩は、太平洋全域に対する補給の中枢基地にするとアメリカは言っているんですね。そういう基地にできますか、沖繩の基地を。
○井川政府委員 補給の中枢基地というような意味が、実は私もよくわからないのでございますが、先ほど御引用の第一海兵師団が太平洋全域ということは、たしかチャップマンさんが言っておられるようでございますけれども、チャップマンさんは、また同じところで同じような海兵隊がホノルル、カリフォルニアにもいるというようなことも言っておられるわけでありまして、これは非常に強い力の軍隊が太平洋の各地にいるということを言われたのじゃないかと思われますけれども、いずれにいたしましても、チャップマン氏はそう言われたわけでございまして、これは能力の問題でございまして、施設、区域の……。
○楢崎分科員 主査、ちょっと注意してください。私の質問に答えてくださいよ。沖繩の基地が太平洋全域の補給基地に、中枢基地になることはできませんねと言っているんです。安保条約が適用されれば……。
○井川政府委員 たいへん失礼いたしました。太平洋全域というおことばがございましたので、先ほどのチャップマンの海兵隊のことを実は申し上げたわけでございまするけれども、いずれにいたしましても、いかなる施設があってもそのようなものが安保条約のワク内に入ってしまうということでございます。補給能力が幾ら強くてもそれは安保条約の施設提供の目的のワク内に入ってしまう、こういうことであります。
○楢崎分科員 私の質問にイエスかノーだけでいいのです。沖繩の米軍基地は、太平洋全域を対象とする補給中枢基地には使えませんね。
○井川政府委員 安全保障条約の制限をこうむるわけでございます。
○楢崎分科員 そうすると、当然そういう基地はつくれない。もしそういう基地をつくるということをアメリカがやるならば、安保条約上日本側としてはチェックしなければなりませんね。
○井川政府委員 そこでまたおしかりを受けるかと思いまするけれども、先ほど申し上げましたように、太平洋地域ということばもいろいろなふうに使われているということを、私は先ほど申し上げたわけでございまして、いずれにいたしましても、安保条約のワク内に入るということだけはこれははっきりいたしております。
○楢崎分科員 それでは時間が少なくなりましたので急いでやります。 先ほど保留しておりましたことは説明できますね。用意ありますね。——それじゃ全日本空挺同志会と全日本空挺戦友会の問題についてお伺いをいたします。全日本空挺戦友会、これは右翼団体に入ったグループであると思いますが、どうですか。
○江藤政府委員 私どものほうの警察に対する照会によりますと、右翼団体に入った事実はございません。
○楢崎分科員 大阪府警へ問い合わせられましたか。
○江藤政府委員 警察庁並びに大阪府警のほうへ問い合わせて調べました。
○楢崎分科員 大阪府警は反共教化団体のグループに入れておりますよ。これは治安上問題がある右翼団体関係ということになっておるはずですが……。
○江藤政府委員 まあ郷友会とか隊友会とかそういうものと並べまして、どちらかといえば右翼的な精神を持っておるといいますか、そういうグループとして警察のそういう回報といいますか回覧といいますか、そういうものに出たことはあるようでございますけれども、これが右翼団体としての指定は全然ありません。
○楢崎分科員 右翼関係団体の中に入れておるはずですが、間違いありませんか。
○江藤政府委員 右翼関係団体としての中には入っておりません。
○楢崎分科員 それは時間がありませんから、私は別にのそのための資料を出したいと思うのです。それで、この団体の事務局長はだれですか。
○江藤政府委員 空挺同志会の事務局長は特に規約に名前は出ておりませんが、第一空挺団の隊員を充当するということになっております。
○楢崎分科員 戦友会のほうの事務局長はだれですか。
○江藤政府委員 現在戦友会のほうの規約につきましては私は存じませんし、事実どのような形で存在するかは知りませんが、多分に和田会長個人の団体のような色彩を持っておりまして、特にこの事務局長というものは別段はっきりいたしたものはございません。
○楢崎分科員 この戦友会のほうは、第三師団第三十七普通科連隊第三係主任楯周治三佐がなられておるはずです。この戦友会が自衛隊の演習を主催したことがありますか。
○江藤政府委員 楯三佐は空挺同志会大阪支部の事務局長のような形になっております。ただ、たまたま空挺戦友会というものが、実質的にはその戦友会の看板は和田さんの個人の家に置いてございます。したがって事務局もそこにあるものというふうに考えられますが、ただ便宜上戦友会が活動する場合におきましては、空挺同志会と同じように同時に活動もいたすことがありますので、そういう場合には便宜楯三佐がそのような連絡業務をいたしてあげたこともあるかもしれません。 それからなお後段の演習のことでございますが、空挺同志会、空挺戦友会というものが、そのような自衛隊の演習を主催するということはございません。
○楢崎分科員 昭和四十年八月に和歌山県の有田市で陸上自衛隊第一空挺団、それから今津駐とん部隊の戦車隊による空陸合同大演習を主催しておりますが、そういう事実を御存じですか。
○江藤政府委員 いずれにしましても、空挺同志会とかあるいは戦友会というものが演習を主催することはあり得ないわけでございまして、この場合の演習も私のほうで調査しましたところ、第三師団の戦車隊が訓練の一環として和歌山県で実施したということになっております。
○楢崎分科員 この同志会なり戦友会、これは旧軍人あるいは主として空挺関係者だと思いますが、それと現役の自衛隊員も入っておりますね。
○江藤政府委員 もちろん現役の自衛隊員が中心と申しますか、数としましては現役のほうがむしろ多い状況でございます。
○楢崎分科員 この同志会は、神兵像建設の委員会をつくっております。御存じですか。
○江藤政府委員 その神兵像なるものは、現在習志野の空挺団の建物の中に現にございます。その中にございますが、これを校庭に鋳造したものをつくりたい。神兵像そのものは現在空挺団の中にすでにございます。それを校庭に出しまして、もっと大きなものにして鋳造したものをつくりたいということで準備いたしておるということは聞いております。
○楢崎分科員 ではそのつくりなおすその委員会ができておる。それが寄付を中心に、その費用は寄付で充てる、そういう運動をしておるのは御存じですか。
○江藤政府委員 これは現在新しく建てるというものではございませんで、現在すでにあるものをもう少し大きなもの、鋳造したもので校庭につくりたいというものでございまして、その経費は主として空挺隊の隊員の拠金によって進めております。
○楢崎分科員 主としてということは、ほかからも集めておるというわけですか。
○江藤政府委員 私の承知しておるところによりますと、隊員からおのおの、空挺同志会の隊員ですが、隊員からおのおの二千円程度寄付を求めて、その必要経費はすでに集まっておるというふうに聞いております。
○楢崎分科員 では、この問題最終的なまとめに入りたい思いますが、重ねて御答弁をお願いしておきます。戦友会の事務局長は先ほど言った楯三佐がなっておるはずです。そして同志会の仕事も一緒にしておる、大阪の場合は。それから大阪府警によると、この全日本空挺戦友会はいわゆる反共教化団体のグループに入っておる。それから像建てかえの費用は隊員以外の寄付も募られておる。そうすると、これはいずれにしても、自衛隊法六十一条三項、施行令八十六条、同八十七条の各項に違反をした行動である。したがって、もう一度よく調査をして御報告をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
○江藤政府委員 戦友会の事務局というものが現にあるかどうかはわかりませんが、同志会と戦友会が一緒になって行事をすることがたまたまあり、その場合には同志会の事務局長である楯三佐が同時に戦友会の連絡事務を便宜行なっておるということでございまして、特に戦友会の事務局というものは、信太山の駐屯地内にはございません。戦友会の事務はあくまでも自宅に戦友会の看板を掲げている和田会長みずからが行なっておるはずでございます。 それから、反共強化団体ということばは、確かに警察当局で使ったこともあるように聞いておりますが、この反共強化団体なるものが実際どのような性格のものか、私どもにははっきりしませんが、その中では郷友連とか郷友会あるいは隊友会というようなものを全部一緒に並べて旧軍関係団体として同じような範疇で考えてみたものではないかというふうに思っております。 なお、神兵像建立の募金の点につきましては、部外から幾らか寄付してもらったものであるかあるいは会員だけで集めたものであるかは調べた上で御報告申し上げます。
○楢崎分科員 最後に申し上げました自衛隊法六十一条それから施行令八十六条、八十七条から見てどうかという結論を、ひとつしかるべき機会にお示しいただきたい。
○江藤政府委員 これはあくまで空挺団員あるいは空挺団員であった者の親睦の団体でございまして、このような親睦の団体の会合をいろいろ実施するということは、別に自衛隊法あるいはその関係法令に違友するとは考えておりません。
○楢崎分科員 そうおっしゃるとちょっと時間を要しますが、寄付行為は禁じられておりますでしょう。そうじゃないですか。
○江藤政府委員 これは空挺同志会というものがやっておるのでございまして、その空挺同志会というものは空挺関係の人間の自主的な親睦団体でございますので、空挺同志会がみずから話し合いをしまして、お互いに寄付しようじゃないかということで寄付をいたすことは、これは自衛隊法と関係はないものと思います。
○楢崎分科員 これは私は了承しません。それで、いずれ機会を得てこの点はさらに問題を追及したいと思います。 以上で終わります。
○大坪主査 これにて防衛庁所管に対する質疑は終了いたしました。 次回は来たる二月二十二日月曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十三分散会