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65回国会衆議院1971/02/19

予算委員会第二分科会 第1号

発言数
431
登壇者
30
会派数
3
開催日
1971/02/19

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査をつとめることになりましたので、よろしく御協力をお願いいたします。  本分科会は、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管につきまして、審査を行なうことになっております。  審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。  それでは昭和四十六年一般会計予算中防衛庁所管を議題とし、説明を求めます。中曽根防衛庁長官。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 昭和四十六年度防衛庁予算案につきまして、その概要を御説明いたします。  まず防衛本庁について申し上げます。  昭和四十六年度の防衛本庁の歳出予算要求の総額は六千三百二億四百九十七万三千円でありまして、これを昭和四十五年度の歳出予算額五千三百三十九億八千五百十三万一千円に比べますと、九百六十二億一千九百八十四万二千円の増加となっております。  このほか、継続費として、昭和四十六年度甲IV型警備艦建造費で百九十八億三千百九十七万六千円、昭和四十六年度甲型警備艦建造費で六十二億二千九百四万八千円、昭和四十六年度乙型警備艦建造費で四十三億七千二百六十二万三千円、昭和四十六年度潜水艦建造費で七十五億六千五百五十九万五千円、合わせて三百七十九億九千九百二十四万二千円を新たに要求し、さらに国庫債務負担行為として、航空機購入で千四百八十八億八千五百三十二万六千円、艦船建造で四十七億九千五十五万八千円、装備品等整備で三百二十七億九千八百三十四万円、研究開発で五十六億四千八百九十二万四千円、教育訓練用器材購入その他の事項で三百八十五億一千八百六十七万三千円、合わせて二千三百六億四千百八十二万一千円を要求しております。  また、防衛本庁の昭和四十六年度の職員の定数は、自衛官二十六万三百六十九人、自衛官以外の職員二万五千百四十人、合わせて二十八万五千五百九人でありまして、これを昭和四十五年度の定数に比べますと、自衛官において千三百十一人の増員、自衛官以外の職員において二百四十三人の減員、合わせて千六十八人の増員となっております。  次に防衛本庁の予算案の内容について申し上げます。  昭和四十六年度予算案は、第三次防衛力整備計画の最終年度であると同時に、それに引き続く新防衛力整備計画へつながる年度であるという考え方で、現在検討されつつある新防衛力整備計画の構想に留意しながら防衛態勢の整備充実をはかることとし、第三次防衛力整備計画に示された事業の進捗状況を検討し、その達成につとめ、また、四十七年の沖繩施政権返還に伴う同地域の防衛責務引き継ぎのため当面必要な準備を行なうことを目標に編成いたしまして、特に次の諸点に重点を置いております。  すなわち、まず、人間尊重の見地に立った諸施策の強化であり、このため殉職隊員に対する賞じゅつ金、特別弔慰金の引き上げをはじめとして隊員の処遇改善、隊庁舎の新改築、宿舎の増設、営舎内外における生活環境の充実、改善、医官対策及び退職自衛官施策を推進することとしております。  次に、未来性に富む事業の推進をはかることとして、特に研究開発の推進に重点を置き、次期対潜機の技術調査研究に着手するとともに前年度に引き続き、超音速高等練習機及び新型戦車等の研究開発を進めることといたしております。  また、自衛隊の装備の更新、充実、近代化を促進することとし、陸上部隊装備の充実、艦船建造の推進、航空機の増強、弾薬の確保、地対空誘導弾部隊の整備新編及び航空警戒管制組織の充実などに必要な経費を計上することとしております。  以下機関別に内容を申し上げます。  陸上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして二千九百二十四億三千十九万四千円、国庫債務負担行為におきまして二百七十一億一千九百四十四万九千円となっております。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十六年度の職員の定数は、自衛官については、前年度と同数の十七万九千人、自衛官以外の職員については、定員削減の措置により百六十六人の減員を行ない一万二千五百五十人、合わせて十九万一千五百五十人となります。また、予備自衛官の員数は、三千人を増員して三万九千人となります。  次に、ホーク部隊の整備新編、戦車等部隊装備品の更新、充実、ヘリコプタ一等航空機の購入による機動力の増強、隊庁舎等施設の整備などによって防衛力の内容充実を一段と推進することとしております。  また、航空機につきましては、新たに大型ヘリコプター六機、中型ヘリコプター十一機、小型ヘリコプター十機、連絡固定翼機一機、小型教育用ヘリコプター一機、合わせて二十九機の購入を予定しております。  海上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして千六百二十二億二千九万五千円、国庫債務負担行為におきまして五百六十九億二千八百七十五万九千円、継続費におきましては冒頭に申し上げたとおりであります。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十六年度の職員の定数は、自衛官については、艦船、航空機の就役等に伴い六百六十三人を増員して、三万八千九百八十六人、自衛官以外の職員については定員削減の措置等により二十二人の減員を行ない四千七百十八人、合わせて四万三千七百四人となります。また、予備自衛官の員数は三百人を増員して六百人となります。  次に、艦船につきましては、新たに護衛艦三千八百五十トン型一隻、同二千百トン型一隻、同千四百五十トン型一隻、潜水艦千八百トン型一隻、中型掃海艇二隻、小型掃海艇二隻、魚雷艇一隻、哨戒艇二隻、支援船九隻、合わせて二十隻一万一千五百九トンの建造を予定しております。  また、航空機につきましては、新たに対潜哨戒機十一機、対潜飛行艇五機、対潜ヘリコプター六機、掃海ヘリコプター二機、合わせて二十四機の購入を予定しております。  航空自衛隊につきましては、歳出予算におきまして千五百六十一億六千四百四十一万九千円、国庫債務負担行為におきまして千四百九億四千四百六十八万九千円となっております。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十六年度の職員の定数は、自衛官については、高射群の増強等のため六百四十三人を増員して四万二千三百人、自衛官以外の職員については定員削減の措置等により六十四人の減員を行ない四千八百九十六人、合わせて四万七千百九十六人となります。  次に、ナイキ部隊の整備新編、航空警戒管制組織の充実、戦闘機等航空機の購入など防空能力の一そうの強化をはかることとしております。  また、航空機につきましては、新たに戦闘機四十八機、輸送機二機、救難用ヘリコプター二機、救難用捜索機二機、合わせて五十四機の購入を予定しております。  内部部局、統合幕僚会議及び付属機関につきましては、歳出予算におきまして百九十三億九千二十六万五千円、国庫債務負担行為におきまして五十六億四千八百九十二万四千円となっており、職員の定数は、自衛官については、統合幕僚会議に情報要員として五名増員し八十三人、自衛官以外の職員については十九人の増員をはかるとともに定員削減の措置により十人の減員を行ない二千九百七十六人、合わせて三千五十九人となります。  なお、また隊員の離職後の営利企業への就職についての審査機関を設置することについて、関係法律の改正をお願いしております。  続きまして、防衛施設庁について申し上げます。  昭和四十六年度防衛施設庁の歳出予算要求の総額は四百六億四千五百七十五万九千円でありまして、これを昭和四十五年度の歳出予算額三百五十三億六千八百四十万八千円に比べますと、五十二億七千七百三十五万一千円の増加となっております。  また、防衛施設庁の昭和四十六年度の職員の定数につきましては、沖繩の施政権返還に対処するため四十五人の増員をはかるとともに、定員削減の措置により三十八人並びに沖繩現地における施設及び区域にかかる基礎的調査を実施するため沖繩・北方対策庁沖繩事務局へ配置される二十人計五十八人の減員を行ない、三千二百八人となります。  次に、防衛施設庁の予算案の内容について申し上げます。  昭和四十六年度の予算案の重点といたしましては、駐留軍従業員の大量解雇に伴う離職者対策を強化するとともに、いわゆる基地問題の発生を未然に防止し、防衛施設の安定的運用をはかるため、基地の実態に即応した諸施策として、防衛施設関連事業の充実、強化を推進するほか、沖繩の施政権返還に備えた業務の円滑な処理をはかるため必要な措置を講ずることとしております。  以下各項別に内容を申し上げます。  調達労務管理事務費につきましては、特別給付金の増額を含めた離職対策費十七億五千三百二十万円及び駐留軍要員健康保険組合臨時補助金二億円など合わせて三十一億二百三十六万四千円であり、前年度の予算額に対して十四億七十九万七千円の増額となっております。  施設運営等関連諸費につきましては、自衛隊及び駐留軍の基地対策経費二百九十五億三千九百四十九万七千円、その他合わせて三百十五億九百八十九万七千円であり、前年度の予算額に対して三十一億五千七百二十万円の増額となっております。  その他相互防衛援助協定交付金七千四百八十八万八千円、一般行政事務に必要な防衛施設庁費五十九億五千八百六十一万円を計上しております。  以上をもちまして防衛本庁及び防衛施設庁の予算案の概要の説明を終わります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛成くださるようお願い申し上げます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 以上で防衛庁所管の予算の説明は終わりました。     ―――――――――――――

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、その他の方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力をお願いいたしたいと存じます。  なお政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく簡潔に行なうよう、特に御注意申し上げます。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 まず長官にお伺いいたしますが、昨年決算委員会で私が質問したのですが、姫路駐とん地の第三特科連隊で不正入隊の事件があった。それを防衛庁の人事教育局長に訴えた当時の吉岡三佐は、その後連隊本部の風当たりが強まり、自衛隊の恥を世間にさらしたときつく詰問され、吉岡三佐が隊長をしておりました綱紀教育隊を当時の山口連隊長は解散させる。その後吉岡三佐は、命令不服従ということで十日間の停職処分に付せられ、現在は自衛隊をやめております。  このような経過を見ましたときに、これは一般に、まず新聞に出した、あるいはビラをまいた、そういったようなことでなくて、防衛庁の人事教育局長に訴えた。それならば上司に訴えたことになります。しかもこの吉岡三佐は当時上官から命ぜられてその調査をしておった。たまたまその上官がその当時転勤をしておったので、人事教育局長に訴えたということであります。このような経過を見ましたら、言うならばここに火災が起こっておる、そういうことで警報したといいますか、消防庁にあるいは消防署に通報をした者が罰せられて、火をつけた者が隠されておる、このような結果になると思いますが、このような処置について長官はどのようにお考えになっておりますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 姫路駐とん地のさきの問題につきましては、それぞれ法規並びに運営方針に照らしまして妥当な処置をしたと思います。  なお吉岡三佐は自己の自由意思でその後退職したのでございまして、詳細は関係政府委員により御説明をいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 いまここでとやかくあなたと言い合っても結論は出ないと思います。しかし受けた感じ、これは確かに先ほど言ったように、ここに火事がある、ここにこういうきたない、間違ったことがあるということを指摘した者が罰せられ、左遷せられ、やめていかなければならないように追い込まれていった。そうしておいて、そのようなことをした人は、公文書偽造等で検察庁に送られたようですが、起訴猶予になったようです。自衛隊の内部においてはこれといった処分をしておりません。こういうのは片手落ちというよりか、むしろ恥部を隠そうとする自衛隊そのものの体質によるのではないか、こう思います。しかもこのような事件があったということ、またその後二、三どうかと思うようなことがあって、先日も私指摘をいたしましたが、要は人が集まらない、だから何とかして集めるために無理をする。その結果がいろいろな問題を起こしておるのではなかろうかと思います。たとえばただいまの説明を聞きましても、本年度は自衛官が合わせて千三百十一人増員せられる。それではこの千三百十一人を完全に充足する見込みがあるのか。どのような採用についての方針を持っておられるのか。さらに、入れものばかりを大きくするが中身が集まらない。言うならば定員を先取りしておる。そうしておいて人が集まらない。こういうことがたび重なってくると、つい頭をもたげてくるのが安直な方法によって人を集めること、すなわち徴兵制度あるいは赤紙、いま直ちにそれを行なうとは、長官、何が何でも言えないと思います。しかし、そういう道につながるのではなかろうかと思います。このようなことについての御答弁をお願いします。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 徴兵制度を行なわないということは前から申し上げておるとおりでございます。要員充足につきましては、われわれは全力をふるってその目標達成に努力してまいりたいと思います。具体的な内容は政府委員より答弁させます。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○江藤政府委員 まず募集の見通しでございますが、確かに昨年十二月までは成績が悪かったわけでございますけれども、一月に入りまして成績は相当上向きまして、現在、募集に対して約五百人程度の穴があいております。しかしながら、二月に入りましてもかなり好調のようでございます。さらに新規に高等学校を卒業する者の新しい希望者も昨年に比べまして比較的ふえておるようでございますので、本年度三万二千名の募集はおおむね可能であろうというふうに確信いたしております。  なお、先ほどの長官のお答えに対しまして若干ふえんいたしますが、吉岡三佐は確かに不正事件について糾弾しました。そのことにつきましては、防衛庁としましては、これに対して、これを懲戒処分するとかいうような、責任を問うようなことは一切考えていなかったのでございます。しかしながらその後新しい連隊長が参りまして、その教育隊のあり方につきまして部内でいろいろ議論があったわけでございます。その際の連隊長の方針等につきましていろいろと命令不服従の事実がその後生じまして、その問題に関連しまして、部内の秩序維持というものは自衛隊の非常に重要な任務でございますので、この面からしましての懲戒処分が事後に行なわれた。この懲戒処分は募集関係の不正入隊事件とは全く関係がない処分でございます。このように御了承願います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 私も、姫路の不正入隊事件についての経過を一応調べて持っております。なるほど行政処分、十日間の停職にしたこと自体は、そのことを摘発したからということではないようです。しかしながら結局はそのことが原因であったと私は思います。しかし、いまこれをこれ以上やりとりしても、限られた分科会の時間でありますからおきたいと思います。ただ、一般国民から見た場合にそういった疑惑が晴れないということだけは確かだと思います。時間がありましたら、自衛官の採用の問題については後ほどまた触れることといたしまして、次へ参りたいと思います。  実は、これは新聞記事で見たのですが、「自衛隊とヘンな取引」、こういったような見出しで出ていたと思います。内容を申しますと、東京都西多摩郡五日市町で、運動場を自衛隊に整備してもらうということを頼みに、陳情に行ったようです。そのとき、どういう話があったのか知りませんが、その翌日その町の町長が消防団長を呼んで、自衛隊の後援会というか防衛協会、こういうものをつくってくれ、こういうようなことをいって、どうも運動場を整備してもらうのにはこういうのがなければおかしい、あるいは頼みにくい。そういうことで、ギブ・アンド・テークか知りませんが、運動場を整備してもらう、そのかわりに防衛協会すなわち自衛隊の後援会をつくりましょうということで、町が中心になってつくり、町役場の中にその事務局があるようです。これに対して町民からも反発が起きておる。そういうようなことを新聞記事で見ましたが、その真相を明らかにしていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 新聞記事に出ましたのでそれを調べましたが、地連部長のほうで防衛協会をつくってくれと頼んだ事実はないようです。五日市の町長のほうで、各地に防衛協会ができつつありますので五日市につくろうかという自由意思でやったようであります。詳細は政府委員より答弁いたさせます。

宍戸基男防衛庁長官官房長

○宍戸政府委員 一般論としまして、部外工事の引き受けということと、それから防衛協会等の協力団体の設立ということは無関係でございます。今度の場合も、よく調べてみましたけれども、いま長官の答弁のように、関係はございません。新聞では変な関係というふうに書かれましたけれども、調べた結果は変な関係ではなくて、正常な関係ではないかと思います。事実関係として申し上げましても、防衛協会の設立の機運は、去年の五、六月ごろからあったようでございます。近く、来月あたりそれが発足の運びになっておるということを聞いておりまして、そのこと自身は自衛隊としては歓迎すべきことと感じております。  一方、部外工事のほうのお話はあったようでございます。それは、去年の秋十月ごろ、要請もありましたが、そのときの地連部長の応答は、先ほど長官のお答えのとおりで、部外工事を引き当てにしてどうこうするということは一切申しておりません。かたがたその後お伺いしましたところでは、町当局のほうでそのほうの予算の目当てがおつきになったようで、それは取り下げになるというふうにも聞いておりますし、一方防衛協会のほうは進んでおるということで、別に変な関係ではない、こういうのが事実でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 変な関係でなくて正常な関係だということですが、いずれにいたしましても、これは人情として、自衛隊のほうに何か町のことを頼む、それならば防衛協会、自衛隊の後援会をつくっておらねば都合が悪いということは、町長も考えるでしょうし、いまそのような答弁をしておられますが、現に現地では、頼みに行ったときに、おまえのところにひとつ防衛協会をつくってくれぬか、おまえのところはないではないか、もっと、ずばり言うと、陳情に行ったときに、与党の幹部が、前の選挙の得票数をにらみながら、おまえのところはうちへの投票が少ないなと言う人があるようですが、まあそれと同じようなことだと思うのです。しかし、このことについて、これだけを議論するわけにいきませんので、次に長官にお伺いいたします。  この問題は、すでに同僚楢崎委員が予算委員会で取り上げた問題でありますが、AEW機、すなわち早期警戒機というのですか、この保有について、何か二月中旬には取得の時期、方法、機種、数量などを内定する方針だと聞いております。楢崎委員に対する答弁として、長官個人の意見というようなことで、何かある程度お話があったようなことを記憶しておりますが、そういうことに関しましてどのように内定をしたのか、あるいはまたしようとしておるのか。いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 この問題は目下慎重に検討中であります。まだ内定はしておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 そこで、長官として、それはどういう方向で決定をしようという腹案なり私案をお持ちなんですか。あるいはまた防衛庁内部部局でどういうふうなことが検討せられておりますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 何ぶんにもこれは経費のかかることでもあり、私は政治家でありますから、国民代表が防衛庁に乗り込んだつもりで、国民全体の疑問に答えるような形でこの問題を検討しなければいかぬ、そう思って、はたしてその必要性ありやなしや、必要性ありとするならば、これに対する代替機能はほかで果たせないのかどうか、あるいはそういうものを入れた場合に、継続的にどの程度の費用がかかるか、メインテナンスはどうなるであろうか、またその維持継続はどの程度の年限それはやれるものであるかどうか、そういうように、ともかく国民にかわってこの問題を一つ一つ確実に納得の得る線を自分で確かめなければならぬ、そういう気持ちで、いま私がしさいに一つ一つ検討を命じ、また報告も命じている状態です。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それでは、いずれにいたしましても、大体いつごろまでに決定をせられるつもりなんですか、その時期を一つ。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 私がいつ納得するか、また納得しないか、そういうことにかかっておると思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それは、一体いつごろのつもりなんですか。心づもりがあるでしょうな。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 それもいま検討している最中です。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 どうも禅問答のようで、残念ながら私中曽根さんの腹の中まで見通す神通力を持ちませんので、よくわかりませんが、国民の代表として、自衛隊というか、防衛庁へ入ったんだ、そうだと思います。ならば、もっとはっきりしたほうがいいんじゃないのですか、いつきめるかくらいのことは。どうなんです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 これは、ある意味においては私の能力、及び説明がどういう合理的な説明が来るかということにもかかっておるので、まだそれが進行中なわけです。それで私が納得しなければやめたほうがいいと思いますし、ある程度納得すれば、これをどういう形でその半分の納得を生かしてやるか、あるいは完全に納得すればオーケーを出さなければならない、いろんなさまざまな答えが出てくると思うのです。そういう面についていま私は考えておるので、具体的にいつとお答えできる自信はございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 おれがすべてだ、だれか言ったようなことばをお使いになりましたが、それではこれに続きまして進めていきたいと思います。  AEWの採用は俗に一千億円の買いものだということで、すでに各商社が激しい売り込み合戦を始めているそうであります。かつて川崎一佐の事件の陰の人で問題になって、いつの間にかアメリカへ帰ったというか、逃げたというか、ヒューズ社のジョージ・沖本というのが、また最近あらわれたそうでありますね。こういう点を見ました場合には、またまたいろんな問題が起こるのではなかろうか、あるいはまたそういうことがありはしないか、国民は大きな疑惑をもって見ております。そこで、この問題については慎重な、かつていろいろなうわさが出たようなことのないようにお願いいたしたいと思います。これも聞きましても、いまのあなたの答弁ならこれも未定だということになろうと思いますが、二つ三つの方法が考えられると思うのですね、採用する場合に。その一つは、米海軍が使っておるグラマン社のE2ホークアイを輸入するという、あるいは航空機は国産の新中型輸送機XC-1を使って、電子機器だけをグラマンかヒューズ社から買い入れるというような考え方、また国内で技術開発するという考え方がありますが、もし採用ということになりましたときに、この三つのうちのどのような方法が望ましいとお考えになりますか。これも私の胸先三寸でまだわからない、こういうことになるのですか、いかがです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 AEWを採用するかどうかということがまず問題なのでありまして、かりに採用するとして、次の段階でどういう形で採用するかというところまでは深く検討に入っておりません。しかし、いまのいろいろなやり方についても、概要は私知っております。しかし非常に膨大な金がかかることであり、それらの諸点についても検討を加えておるという最中であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それでは次に問題を移したいと思います。  これも新聞記事で知ったわけなんですが、現在高速道路とかあるいは有料道路がたくさんできております。その通行料金、これを日本政府が安保条約あるいはこれに基づく地位協定によって持つことになっておるわけですね。それがだんだんと金額が上がってきまして、たとえば三十九年には四百五十万円であったのが、四十五年には四千万円をこえるといったような多額に達しておって、実をいうと政府というか施設庁のほうもいささか頭の痛い問題である、こういうような意味のことが新聞でも書いてありますが、そのことにつきまして、ほんとうにどのようになっておるのか。そしてこの種の負担金が、私のほうもある程度資料を持っておりますが、ここ数年間でどのように変わったか、これをまずお伺いいたしたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 米軍が有料道路を無料で使用いたしますその根拠は、地位協定の五条第二項「合衆国の軍用車両の施設及び区域への出入並びにこれらのものの間の移動には、道路使用料その他の課徴金を課さない。」という規定に基づきまして、その有料道路使用料を日本政府が負担をいたしておるわけでございます。毎年毎年の使用料につきましては、先生先ほど御指摘のようにふえてまいっておりまして、私どもの調べによりますと昭和四十年度が一千百万円、四十一年度が一千三百万円、四十二年度が一千六百万円、四十三年度が二千七百万円、四十四年度が四千万円、こういう支払いの実績になっておるわけでございます。この増加の原因は首都高速道路その他最近有料道路が非常に整備されてまいりましたので、それを使用するところの米軍車両の量が増大してきた、これが一番の大きな原因ではなかろうかというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 建設省、道路局長かだれか見えておりますか。――この新聞記事にはフリーパスの写真があります。小さくてよくわかりませんが、これはどういうような方法になっておりますか。フリーパスを出す、それを年間幾らというように計算をして、いわゆる施設庁のほうから道路公団その他へ金を出しておるのか、その仕組みはどういうことになっておりますか。

高橋清中小企業庁計画部金融課長

○高橋説明員 駐留軍の車両通行の際に、証明書がゲートに提出されるわけでございます。それを四半期ごとにまとめまして、所定の手続によりまして有料道路損失補償申請書によりまして各四半期ごとにこれを防衛施設局長に提出して支払いを受けるということになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 もう一つ、よくわからないのですが、結局これは、日経の昨年の九月十一日の記事なんですけれども、こういうパスですか、証明書というのですか、これの写真が出ておりますが、これはたとえば何枚を出すのか、無制限に出すのか、あるいはこれはどんなときでも使えるのか、こういうような問題、あるいはこの一枚について幾らというように分担金を、分担金というか、道路損失補償というか、そういった料金を払っておることになるのか。それがたとえばふつうの国民が使用した場合に、一回百円なら百円、これは回数券か何か買いますと、一割くらい安くなっておりますが、それに比べて金額はどのようになっておるのか、そういう点わかりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 いまの料金のサイドにつきましては建設省からお答えいただくことといたしまして、これは米側のほうにおきまして、軍用車両有料道路通行証明書というものを発行いたしておるわけでございます。それには車種、車両番号、運転者の氏名、そして地位協定第五条第二項第二文にいう合衆国の軍用車両であることを証明する、そして発行責任者の証明というものが出ておりまして、その通行証明書を有料道路を通行いたします場合に、そこの料金徴収所にこれを出すわけでございます。そしてこの発行につきましては、もちろんこれは公用車両と申しますか、そういうものに出すわけでございますので、単にプライベートの車を使用するというような場合には、それは制限する。要するにその辺は、発行につきましては厳格に米軍のほうは守っておる、こういうようなことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それでは具体的に現在何枚出ておるのですか。その一枚について平均幾ら支払われておるのか。及びこれはプライベートの場合は使わないといっているが、わからないですね。私用車、いわゆるプライベートの場合はどのようにしてチェックをするのですか。そのような点はどうなっておりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 枚数につきましては、これは米軍の発行元でつくるわけでございますので、その辺の制限というものは別にないようでございます。米軍が自主的に発行しておるということでございます。いまの、これを公用に使っておるか、私用に使っておるかということにつきましては、これはわれわれのほうもおりに触れまして厳格に公用自動車に限ってもらいたいということを申し入れをしておりますので、現実にその車が公用であるか、私用であるかということを一々わがほうでチェックをいたしておるわけではございません。軍用車両でございますので、米軍が所有しておりますところの車両ということが一つありましょうし、それから米軍の車両そのものでなくても、米軍の構成員がそれを公用に使用するというふうな場合は、これは通行証明書を発行しておるということであろうと思います。そしてわれわれのほうは、結局道路公団その他で、その通行証明書に基づきまして料金の請求を各施設局のほうへ出す、こういうことが実情でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 向こうさんが発行するのだからチェックの方法がない、幾ら出ておるのかもこちらではつかめない、こういう状態なんですね。もちろん何枚出したかということについての向こうさんの通告というか報告は受けるだろうが、この発行について、何らかのチェックの方法はないのか。いかに地位協定によって日本政府が負担すべき費用であるとしても、あまりにも野放しではないかと思うのです。しかも、たとえば有料道路を道路公団がつくったにいたしましても、結局は国民の金なんです。資金運用部資金が出たとしても、これは国民の金なんです。それでつくった道路を、国民は正規の金を払わされておる。ところが米軍は自由に通っておる、しかもそれが公用私用の区別がつかない、こういうことで国民感情として納得できるでしょうか。したがいまして、いかに地位協定に基づくものとはいえ、発行部数の制限あるいは条件をつけられないか、そして私用か公用かをチェックする方法は考えられないのか、こういう点についてはどうですか。無制限に出されるということで、昨年度が四千万円、だんだんふえてくるということなら、一体ことしは予算的にはどのように見ておるのか。ますます金額がふえてくるわけですね。ここ数年の間に何倍かになっているわけですよ。そう考えた場合に、無制限に許していいのか、安保条約に基づく地位協定でございますのでやむを得ませんということだけでは通らぬと思いますが、どうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 これまで発行したものにつきましてやや疑惑があると思われるような節につきましては、そのつどそれにつきまして実情を問いただしておるということは、やっておるのでございます。  そこでいま御指摘のように、毎年ふえてまいります原因の一つは、先ほど申しましたように道路網が非常に整備されてまいりましたので、これに従ってそこを通る米軍の通行車両も多い。こういうことから来ると思いますが、いまの公用私用の区別につきましては、私どもとしてもその辺は明確にいたさなければなりませんので、今後とも十分調査いたしまして、米側とも話し合ってみたいと思います。そういう発行部数の制限あるいは私用公用をどういうふうにチェックするか、これは実際問題としてそのチェックのしかたはなかなかむずかしいと思いますけれども、そういう点についても十分話し合いまして、今後是正できるものは是正してまいりたいというふうに考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 これは地位協定の問題等々で定期的に協議会か何か持っておるのでしょう。その席上で、はっきりしたこちらの態度を出すべきじゃないか。是正方を申し入れる、単にそういうことじゃだめだと思います。こちらで原案をつくる、最高限はこの程度というようなことはできませんか。こういうことで、いかに条約上、協定上の義務だといっても、国民は許しませんよ。しかも上限なくふえる可能性があるのでしょう。ことしは予算の上で幾ら見込んでおるのですか。その予算を組んで、その範囲内にとどめるような交渉をしなさい。それができないはずはないと思うのですが、いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 四十六年度の予算としては四千七百万を予定いたしております。そこで、米軍の車両が有料道路を使用することについては一応使用料を取らないということになっておりますので、その辺どういうふうな申し入れをすることが一番適当であるかどうかということにつきましては十分検討して、いろいろな委員会の機会等ございますので、そういう席上におきまして御指摘の点は十分申し入れまして、まあこれが乱用されておることはないと思いますけれども、いやしくもそういうようなことのないように十分措置してまいりたいというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 この分科会がきょうから六日間、日曜をはさみまして七日ということになります。それが終わるまでにひとつ、こういう原案をもって交渉いたしますというようなのをつくって出してもらいたいと思います。その原案を見せてもらった上で、残りました一般質問、締めくくりの総括質問等で、納得がいかなければもう一度取り上げたいと思いますがいかがでしょう。原案をそれまでにつくる、こういう原案をもってアメリカと交渉いたします、そういうことはできませんか。要求します。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 検討いたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 ちょっと確認したいのですが、それは検討でなくてひとつぜひ出していただきたいと思いますがいかがでしょう。検討じゃなしに、予算の審議が終わるまでに、しかも社会党のだれかが発言できる時間までにはっきりしてもらいたいと思うのですが、できませんか。  それから主査にお願いしますが、この点をひとつ主査報告の中に明確に記入していただきたい。載せていただきたい。  どうです、出してください。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 いろいろな角度から十分検討しまして、適切な措置が、どういう形でやれば最も実情に合うかということにつきまして検討いたしまして、一応そういうこちらの考え方がまとまりますれば、しかるべき機会に申し上げたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 しかるべき機会じゃどうにもなりません。この予算委員会の審議が終わるまでに出してもらわなくては問題になりません。方針ぐらいは出せるでしょうが。こういう原案で交渉いたします、出してください。どうですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 承知いたしました。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 主査にお願いしますが、これは主査報告にとどめていただきたいと思います。いいですか。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 与党の副主査その他と相談して、いたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 いや与党の主査じゃなくて、ここは第二分科会ですから……。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 副主査です。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 じゃ、社会党の副主査とも相談する、そういうことでおまかせしましょう。  それでは、いまのようなことでおまかせすることにいたしまして、次に入りたいと思います。  海上自衛隊で、これはアメリカの潜水艦攻撃用のヘリコプターのダッシュ、これの採用を今度で打ち切るというようなことをいわれていますが、これはそうなんですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 政府委員より答弁させます。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 アメリカから従来購入しておりしたダッシュは、四十五年度の予算で購入いたしまして四十六年度で入ってまいりますが、それでおしまいになる予定でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 その理由は何ですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 アメリカでは四十四年の三月までで米軍向けの生産を中止いたしております。そして日本向けは四十五年でおしまいになっておりまして、あとの支援を四十七年度で米海軍は一応打ち切るということになっておりますので、生産、つまり入手できないということであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 採用の当時そのような見通しはなかったのか、あったのか、どうなんです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 米海軍も懸命に採用しておったころにわが海上自衛隊も採用したわけでありますから、当然そういうような見通しがあるはずはありません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 そもそもこのダッシュなるものはアメリカ海軍でも疑問を持っておったわけです。しかもアメリカのほうでもこれはだめだ、こういうことになりつつあったというか、なった時期、その三十八年、三十九年ごろに日本は採用したのですね。よくいわれておるが、アメリカの中古品を押しつけられる、アメリカで要らなくなったものを買わされる、これが防衛庁であり自衛隊だといわれているのを地で行くような姿じゃないですか。生産を打ち切ったから部品が入らない、やめます。もうすでにアメリカではそれは既定の事実になっておったころなんです、三十八年ごろあるいは三十九年ごろというのは。そのころから日本は採用したのでしょう。しかもこれに十五億円という血税がつぎ込まれておるのです。これは読売新聞ですか、その記事を持っておりますが、「ムダ兵器」「ずさんな防衛力増強」「血税十五億円がフイ」こういったような大きな見出しで出ております。こういうようなことで、これまた国民が納得すると思いますか。しかも打ち切ることがわかっておりながら今度三機買うでしょう。もう買うたのですか。四十五年度で追加購入が予定されておるのですね。初めは一機五千万円だったものが、いま一機七千万円以上になっておるのですよ。打ち切る。しかもそれに故障ができたりしても部品が手に入らないというのに、まだ三機を追加購入するのですか。ますますむだではありませんか。アメリカは最初からこのダッシュについては疑問を持っておったのですよ。それを買っておる。しかもたとえば外国はいろいろありますが、カナダあたりもそうでしょう、西欧あたりもそうでしょうが、これを検討して、そういうことでやめたのです。採用していないわけですね。しかもこれをアメリカのような多くの金を持った国でなければ採用できないというのが、カナダあたりの採用しなかった理由のように聞いております。どうなんです、そういうことでほんとうに国民の血税を慎重に使ったといえますか。しかも打ち切ることがわかり切っておるのにまた三機購入する、それだけでも二億何千万円ですよ、どうなんです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 読売新聞の書き方は国民に疑惑を与えるというお話でありますが、私が申し上げるように新聞で書けば疑惑は起こりません。ただし私が申し上げるようなことであれば新聞に載りません。(「何だその答弁は、おかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)ただいまの御質問は、事実と違うところがあると思いますけれども、ダッシュの採用当初から米海軍は疑問視をしておったということでありますけれども、米海軍は三十七年に採用いたしております。わが海上自衛隊が購入を決定いたしましたのは三十八年であります。(「古い駆逐艦に載せたんだ」と呼ぶ者あり)古い駆逐艦と申されますけれども、フラム第二計画と申しまして、これで戦前の駆逐艦の近代化をはかろうということでありましたが、それが全部ではありません。ほぼ三分の二がそれであり、三分の一は戦後の駆逐艦に載せたものであります。そして疑問が起こり始めたのは四十一年ごろにアメリカのダッシュあたりでちらほら出まして、四十二年の三月にマクナマラ長官が国会で採用しないことにする、打ち切ることにする。そして採用計画、整備計画を縮小するという言明があったわけであります。したがってこのころから海上自衛隊のほうでも問題を意識いたしまして、米側に派遣をいたしましてその調査をやっております。そういたしますると、米海軍のほうの意向は、マクナマラ長官と若干違っておりまして、兵器そのものは有効である。ただし問題なのは、この米海軍が採用しました当初、これは非常にデリケートな兵器でありますので、非常に誤操作、操作の誤りがあって事故が多かった。採用の当時五、六十時間で一機落ちるというような状況であったようであります。そこで米海軍は平均して今日まで事故率は百二十時間について一機、ところが海上自衛隊のほうはわりと操作がじょうずでありまして三百六十時間に一機というのが平均になっております。そういうことで兵器としては非常に有効である。ですからわが海上自衛隊のDDKの装備計画としてはアスロックとダッシュという両体系がございます。それぞれの効用は違っておりますが、それぞれ有用である。したがってダッシュを載せる船とあるいはアスロックを載せる船と両様にしたわけでございます。そこで兵器というものは逐次進歩するものでありまして、アメリカではダッシュの次に有人ヘリコプターを採用するという計画をいたしております。米軍のほうがややわれわれよりも早いのは遺憾でありますけれども、われわれもこのダッシュの次に船には有人ヘリコプターを載せる、しかも捜索機能をそれにくっつけるということを考えるということであります。ですからダッシュは米海軍にとりましても、海上自衛隊にとりましても、ある時期の新鋭なる兵器であり、次のまた装備を考えていくそういう過程にあるもの、そういうふうにお考えいただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 いま開き直ったような答弁をされた。しかしいまのあなたの答弁そのままを新聞が、新聞は自主性がありますから載せるかどうかわからぬけれども、載せたとしても国民は疑惑を持ちますよ。アメリカが採用した三十八年の翌年に採用したというあなたの答弁をもってしても、それならばこれまたすべてがアメリカのまねばかりしておるというか、言うなりになっておる、あるいはアメリカが採用したからということで十分な調査をせずに採用した。いまの話では、それは操作になれていないとか、ミスがあったとかいうことでしょうが、何か五十時間か六十時間かで落ちたということもあったのでしょう。そういうことを調べたのですか。それは採用後わかったのですか。少なくとも何億、何十億という買いものですよ。ものを買うときにもつと慎重に考えるべきじゃないでしょうか。かりにあなたが個人でデパートへ行って、まず五万円のものを買うとしたらそう簡単に買いますか。いろいろ品物を見たり、よその店との、あるいはよそのメーカーとの優劣を比べたり、自分の金で買うのならこんなずさんな買い方はしないと思うのです。どうなんです。国民はあなたの答弁を聞いて納得するというても納得できませんよ。私も国民の一人ですが納得できません。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 ダッシュは新聞記事が出ていましたから詳細に調べさしてみましたけれども、私は兵器というものはある年次を経て更新されていくもので、そういう観点からしますると、更新期が来れば前の兵器は古い兵器に変わっていく、そういうやはり性格のものだろうと私は思うのです。     〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕 ですから、あのときにあの時点でダッシュを採用したことは必ずしも不当であると思いません。それは将来の問題というものは、必ずしも兵器の進歩によって予測できないからであります。その時点において最善と思うものを、経費その他も考えながらよく調べ上げて採用する、そういう形がやはりやむを得ない形であると思うのであります。ダッシュにつきましては、海上自衛隊でこれを採用して実際に運用してみましたら、非常に成績がいいようです。米海軍と海上自衛隊と比べると非常に技術の練摩といいますか、ダッシュをものにする力が相違しておって、そのために日本の海上自衛隊では遠距離における敵潜の捕捉並びに魚雷攻撃の実験、演練を繰り返しておりましたが非常に成績がよろしい。それで近海におけるものならソーナーだとか、その他のものによってやれますけれども、遠距離にあるものはダッシュにたよらざるを得ぬというのが現在の状態で、決してその兵器がむだであるとか、悪い兵器であるという考えは持っておりません。むしろ継続する方が好ましい。米軍側において取り扱いや運用がへたである、そういうことはいえるだろうと思うのです。そこで米軍側がやめるということを聞いて、わがほうの運用の成績はこうであって非常にいい兵器であるという意見を言ってやりましたら、先方は、それではアメリカ側としてはやめることにしたけれども、日本に補給する分についてはパーツその他についてできるだけめんどうを見ましょう、日本に迷惑をかけないようにいたしましょう、そういうことになっておりまして、現在自衛隊が入れているものについては、パーツその他について先方がめんどうを見るということになっておるのであります。したがいまして米軍がやめたからといって、いまあるものがそれで孤立して使えなくなるというものではない。それで、このダッシュを入れたことによって、日本の海上自衛隊の潜水艦捕捉作戦の考え方というものは、非常に進歩したようです。それからそれによるエレクトロニクスの指向力と申しますか、これが展開していく力というものは、非常に大きな力を得たようであります。ですから十五億円がむだであるということは絶体ないと私は思います。これによって得た知識とか技能とか、あるいは運用の方針という戦術的な開眼というものも非常にあるのであります。いままでの旧海軍が固執していたような潜水艦に対するやり方というものが、もっと大きな広い視野で展開してきた、そういう点において税金のむだづかいということはございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それではダッシュをもう四十六年からやめる、こういうことの原因は、アメリカがやめたからやめるのですか。それともいま長官がおっしゃったように、日進月歩の今日、古くなるから、新しいものが出たからそれに取りかえる、こういうことでやめるのですか。どっちなんです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 アメリカがやめたからやめるということでしょう。しかし入れたこと自体は無意味ではなかった。それで、日本のように兵器において非常に後進国は、できるだけ先進国のいい兵器を入れてみて、それを運用してみて日本の国産技術を開発していく資料にするという部分もあるわけであります。そういう日本のいまの置かれている弱性といいますか、弱点の地位というものを自覚しませんと日本の防衛技術は向上していかないのです。初めから一〇〇%や優等生の地位を得ようと思っても得られない。では国産技術だけにたよっていた場合には、古い陳腐な昔の技術の底辺をはっているということになっていくわけであります。その間において費用がいろいろ使われるということはむだのように一見思われますけれども、それは実際技術力をつくったり、あるいはいまのような新しい視野における展開を考えてみますと、決してむだではないのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 結局ダッシュは優秀な兵器だったとあなたおっしゃる。ところがアメリカがやめたからやめざるを得ない、こういうことでしょう。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 そうです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 その間日本でそういうことについての改良なり研究なりはしたのだろうと思うのです。その意味においてむだづかいではない、こうおっしゃるなら、そんなに長官がおっしゃるようなら、何もアメリカがやめたからやめなくてもいいじゃないですか。結局は、いまから買う三機について、あるいはいままで買ったものについてのパーツ、部分品等はめんどうを見ましょう、こういうことでございますから今後も使える、こういうことでありますけれども、私はもちろん改良していく、こういうことはあり得ると思います、だんだんと。しかし全然違ったものに変えるということはやはりむだじゃないか、しかもその原因がアメリカにあった。それならあくまでもやはりアメリカ追随であり、アメリカの言うなりに日本は装備をせねばならない、変えていかねばならない、こういうことになるのじゃないんですか。もっとことばをいうならば、アメリカの死の商人、兵器生産会社のために日本は振り回されておるのじゃないか、私はそのような感じを受けますが、その点はどうなのです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 ダッシュを入れましたことというのは、遠距離における敵潜の捕捉及び攻撃、そういう意味において日本にいままでできなかったことがそれでできるようになったわけです。それを運用した結果、長距離における敵潜の捕捉あるいは攻撃の方法というものについて日本が研究開発していく非常にいい暗示をまた得ているわけであります。実際の運用を、そういうことをしてみないと、そういうものはわからないわけです。ですからこの機能をどういうふうに分解して、それをどういうふうに次の段階において活用していくかという面において非常にいいサゼスチョンを得て、分解機能をどういうふうに生かしていくかという点において、日本としても開発の着想を得ているわけです。私はそういう意味において日本の国産技術の開発の面においても、あるいは戦術的開眼の上においても非常に大きな貢献をしていると思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 もう時間もないようでございますので、この問題がむだであるのかむだでないのか、こういう論争は一応おきたいと思います。しかしまた、たとえば決算委員会等の場もございますし、私はまた論議をする機会もあろうと思いますから、きょうはこの問題はこの程度にして、もう時間もあまりないので最後の一問を伺いたいと思います。  冒頭に私は、定員だけをふやす、入れものだけをふやす、だが実際は、これは自衛隊だけじゃありません、あらゆる面において人手不足である、したがって、いろいろ何回か私がかつて指摘したような、どうかと思えるような試験をして入れたり、あるいは不正入隊、こういう問題があとを絶たないと思うのです。そこで今度は、これは海上自衛隊ですか、これも人が集まらないのでボーリング場をつくる。ボーリング場をつくるのは私は悪いとは申しません。しかしこれなんかも、人が集まらないからボーリングは自衛隊でおやりください、といったようなキャッチフレーズで人を集めているのかどうか知りませんが、そういったようなことを考えておられるようです。それからいままで艦内では禁酒をしておった、ところがこれもまあ解いて酒を飲まそう、こういうことも検討しておられるやに承っております。私これまた必ずしも非難すべき問題ではなかろうと思うが、酒を艦内で飲むということについては、これは外国でもやっているところと禁止しておるところがあるようですね。しかしただ思い出すのは、日露戦争の旗艦三笠、あれが佐世保の港内で爆沈いたしましたね。あれは戦勝祝賀会の当夜というか、戦勝祝賀を祝って飲んだ酒のその酔いのために水兵さんが何かやることを忘れたための自爆であった、このようなことをいわれております。したがって、必ずしも私たち禁酒をやれとも申しませんが、それを解くには慎重な考慮が必要である。ことに潜水艦、と日本は言うのですかどうか知りませんが、潜水艦とは言わないのですか、水にもぐるやつ。潜水艦あたりも酒に酔ったためにバルブを締めるのをちょっと忘れたなんということになりますと、これは永久に浮かび上がらないのです。そういうことを検討して慎重な態度をとっていただきたいと思いますが、このような点、最初に戻りまして、十分人が集まらない、だからこういうことをやるのかどうか、そういうことを含めて最後に御答弁をいただいて終わります。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 お説のように慎重にやりたいと思います。特に潜水艦のような場合、あるいは航空機搭乗員のような場合は、公の器物を扱っておるのでありますから非常に責任も多いわけで、慎重にやらなければならぬと思いますが、ただ時代の趨勢といたしまして、私らも旧海軍においてやはり船の中で酒を飲んでおったわけです。しかし軍紀、風紀が厳粛であるならば酒を飲んでも酒に飲まれないということもあって、現代の艦上生活者と陸上生活者の生活の格差があまりにもひどい。マイホーム主義でみんな自動車に乗ってどこへでも行けるという時代に、昔のような旧海軍の規律を求めることは無理になってきている。そういう意味で、個人の自由意思を重んじた、そうして自主性を持って自立性を持った新しいものをつくっていく必要があると思うのです。そういう意味においてわれわれは新しい時代に適応するということも考えていかなければならぬと思います。  ボーリング場の話は実はそれは共済組合でやるというので、官費でやるというのではありません。つまり彼らが出した自分たちの金でやるという意味です。これはやはり海上勤務するというのは、一週間か十日海の上に出ておりまして、昔なら遠洋航海で外国へ行けるというので海軍へ入った人も多いのですが、近ごろはもう農協さんでもだれでも外国へ行くということになったので、あまり魅力がないわけで、海上生活は非常にきびしい。そういうわけでやはり上がってきたときに銭湯へ入るとか、運動するとかいうことで、若者はボーリングがやりたいらしいのです。ところが、実際はどこのボーリング場も満員で水兵さんが行ってもすぐやらしてはくれません。あらかじめ予約しておくというわけにもいきません。     〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕 そういうことで彼らの充足感を考えてみると、考えなければいけない。しかしそれを官費でやることはどうか、共済組合ならいいじゃないか、そう言っておるのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 それじゃ時間が来ましたので。どうもありがとう。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出分科員 二つ三つ当面の問題について承りたいのでありますが、一つはきのうですか、閣議で駐留軍の離職者の皆さんに対する離職者対策の概要的なものがきまったように新聞発表がございましたが、これは山中さんのほうの所管かもしれませんけれども、もしおわかりであればそこのところをまずお話を伺いたいと思うのです。あわせて昨年末の予算折衝等にあたりまして、たいへん御尽力をいただきましたが、例の給付金増額問題等につきましては遡及措置その他でなおいろいろ問題が残っておるようでありますが、その辺についてのお考え、並びに特別休職手当、これは制度としての特別休職手当でございますが、年齢制限などまでついておるのを、なぜ一体大蔵折衝の間で通らなかったかという点は非常に大きく、全駐労の諸君なども臨時大会でストライキ態勢という状態でありまして、数日中に大会が開かれる、こういうわけであります。確かに個々の方々と話してみますと、深刻な問題でございますから、そこらを含めて離職者対策という点でどういうふうにお考えになっておりますか、まず承っておきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 まず第一点の駐留軍関係離職者対策につきましての閣議報告の問題でございますが、これは十六日に協議会で決定いたしまして本日の閣議で報告になりました。この主管はもちろん総務長官でございますが、内容につきましては、離職者の再就業のための措置といたしまして、職業指導、職業紹介の充実、それから職業訓練等の拡充、離職者の行なう事業の育成その他各般の措置、それから離職者の多発する地域における対策といたしまして、返還施設等の活用の問題、地域開発対策の検討と促進、こういう問題で各官庁と協力いたしまして、また地元の各市町村とも協力いたしまして万全を期したい、こういう趣旨でございます。この閣議の報告に基づきまして逐次これが具体化の段階に入っていくというふうに考えております。  そこで、第二点の特別給付金の遡及問題につきましては、いまの私どもの考え方といたしましては、昨年の暮れの日米安保協議委員会が十二月二十一日でございますので、その翌日から解雇された者につきましてこれを適用しようということでございます。これにつきましてもいろいろ関係者の方々からは、さらにもう少し遡及の幅を広げてくれという強い御要望のあることも十分承知しておりますけれども、これはやはり事、遡及ということはそう簡単な問題ではありませんし、しかもどの時点でこの遡及の時点を切りましても、やはりいろいろな問題がございまして、三十九年の前例にならいまして、日米安保協議委員会の共同声明と申しますか、その翌日、こういうことにせざるを得なかったわけでございまして、その点は御了承いただきたいと思います。  それから特別休職手当制度につきましては、四十六年度の予算といたしましては実現を見るに至りませんでしたが、理論的にもいろいろ問題がありますし、さらにほかのいろいろな離職者対策とのかね合いの問題もございまして、一応来年度は現在の臨時措置法に基づきます措置をできるだけ拡充強化していこう、こういうことに踏み切ったわけでございます。この特別休職手当制度は雇用安定政策の一環として、政府が独自の立場で取り上げた問題でございますので、これは引き続きこの種の問題についてどうするか、あるいはこの種の制度をどうするかということについては検討してまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 了承するわけにはもちろんまいりません。同じ条件で切られておって、千歳のほうが早い傾向もありますし、もらうお金が違うということも黙っているわけにはいかぬわけでありまして、そこらにやはり政治的に打つべきものは手を打っていくという責任があると私は思うのであります。この点は時間があるときにもう少し詰めたいと思います。  そこでいまお話がございました返還施設の活用という閣議決定の中身があるのですが、これに関連をいたしまして、ひとつ概略承っておきたいのでありますが、七艦、つまり第七艦隊の佐世保移動の問題は、どうも現地で見ておりますとわかりません。わかりませんが、昨年の十二月二十一日の例の発表のあと、米軍側が出しておる書類によりますというと、旗艦オクラホマシティーは八月、つまり夏ごろに佐世保に行くのだという説明をされておりますから、その辺を前提にして承っておきたいのでありますが、一体SRFなるところはどういうかっこうで片がつくことになりそうでありますか。これは直接おやりになったのは鶴崎さんだろうと思うのですが、アメリカの発表と日本の発表、これは日本は外務省でございますけれども、発表の中身が違う。非常に微妙な食い違いがある。そこで結論を先に申し上げておきますと、一号、二号、三号乾ドックというのが、アメリカがリエントリーといっている意味の、つまり再使用という形の権限を残している。つまりそうなると、これは自衛隊が管理しなければならぬということになる。大きいところをねらっていないですね。そこで六号乾ドックなるものは除いていますからこれは三条基地に残るかどうかわかりませんけれども、まん中の五号というものについては触れていない、こうなっていますね。そうすると、自衛隊に管理してもらうのだということをワシントン筋はあの当時の発表では言っている。わがほう、外務省はそれに触れていない。非常に微妙な食い違いがある。結論を先に言ってしまえば、虫のいい話でありまして、一号、二号、三号、比較的小さい、手ごろに使えるところを自衛隊に管理させるのだとアメリカは言っておいて、日本は自衛隊が管理するといきなり言ってしまうと、現地から反対運動が起きてしまいますから、そう言わないでおいて、アメリカが使うのだ、いろいろな事務折衝その他が進まないからというので、とりあえず自衛隊がということになりそうな気がする。まん中は民間にということになりそうな気がする。そこらのところ、一号、二号、三号、四号、五号、六号と並んでいるわけであります。六はエンタープライズも来るのですから残したいでしょう。そうするとそこらのところは、どういうところに決着するのか。しばらく時間がたっておりますから、はっきりしたことを承っておきたいのであります。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 昨年十二月二十一日の安保協議委員会で、日米間でいろいろとりきめた事項がございまするが、このSRFの扱いにつきましては、第六号ドックは従来どおり米側が保持する。一号から五号までは日本側に返還をする。しかしながら返還後においても、契約等によって米艦船の修理については使用をしたい、こういう共同声明の内容になっておるわけです。いまお話しの、一号から三号については自衛隊に持たせて、米軍が必要なときにはこれを利用させてもらうという話は、われわれとしては全然聞いておりません。一号から五号というものについては、扱いはいま申し上げたことで、特にその条件の相違はないわけであります。  そこで現在この返還される一号から五号をどういう扱いにするかということについて、いろいろ防衛庁内部で検討いたしております。まだ最終結論には到達しておりません。しかしながらこれまでの検討の結果でいろいろ案がございますけれども、共通的にいえることは、やはりこの艦船修理というような施設は、今後の防衛計画その他の長期的な見通しからいきますと、やはり国有財産のままで保持すべきである。これを民間に売り払うというようなことは、防衛庁としては適当でないということだけは、防衛庁としての内部の見解が統一されております。しかしながら具体的にどういう形で運営するかということについては、まだ検討中でございますが、御存じのように労務者の方々が一体今後どうなるのかという問題でもございますので、これは早急に結論を出そうということで、いま鋭意検討をいたしております。しかしながら防衛庁としての結論が出ましても、大蔵省、運輸省等とも、これは今後交渉しなくてはなりませんので、防衛庁の方針だけできまるということは申し上げかねますけれども、そういうことで現在検討中でございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 いまの話、国有財産として持っておくというのは一号から五号までですか。それとも一号から三号までですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたのは、一号から五号まではやはり国有財産としておくべきである、こういうことでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 そうすると国有財産で持っておって、そのうちの一部を民間に貸すという考え方ですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 持っておって、それを具体的にどういう形でもって運営するかということについて、現在検討中ということであります。

大出俊日本社会党

○大出分科員 民間に貸すという考え方も、その中にあるというわけですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 そういう考え方もいろいろの説の中の一つとしてございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 国で何とかこれを使う、つまり自衛隊が使うという考え方はないのですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 いわゆる国有国営といいますか、そういう考え方もございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 いつごろまでにきめますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 防衛庁の内部の意見統一は今月一ぱいくらいには何とかしたい、こういうことでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 たとえば住友を持ってくるとか――すでに艦船修理が減っておりますから民間に船渠を貸しておりますね。住友のようにほしいというところもある。心配は、その場合に年寄りはみな首切っておいて、新しい人を入れてコストをうんと下げるなんということが、前に何べんか米軍側からぽこっと出たことがある。そういうところに歩調を合わせて、あなたのほうが契約の上で援助をするというようなことが、日本側の当時の発表は言っている。あなたはそんなことはないというけれども、アメリカ側の発表に明記されている中身、これは問題が解決するまで海上自衛隊が管理者として、この修理部を管理すると、アメリカ側の発表は書いてある。その心配は残る。そこのところはどうなります。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 ただいま申し上げました今後の運営方針がたとえばきまりましても、その方針にのっとって実際に運営を開始いたしますのには、やり方によってはすぐ直ちにはいかないということもございます。そこでそういう場合、そのブランクの期間につきましては、暫定的な管理方法ということも、あわせて現在検討中でございまして、これについても現在きまっておりません。

大出俊日本社会党

○大出分科員 今月中に結論が出る、こういうことでありますから、別な機会にあと続けたいと思うのでありますが、もう一つ関連施設がたくさんあるわけでありますから、そうなるとたいへん大きな変わり方をするはずであります。  そこで、たとえば例の昔の軍隊時代から使っておりました海軍の兵員クラブですかね。下士官クラブになっているのだと思うのですけれども、たとえばああいう建物には娯楽施設その他たくさんありますが、返還、こういうかっこうになりそうですか。見通しを聞きたい。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 ただいまの兵員クラブの返還につきましては、まだ私どものほうに格別の相談もございませんので、いまのところはまだ申し上げる段階ではございません。

大出俊日本社会党

○大出分科員 現地にたくさん、実は確たる筋の情報がありますが、ここでそれを取り上げておりますとますますどうも皆さんのほうが歯切れの悪い答弁になって決着しないと思いますし、時間がありませんから、これも譲ります。  ところで、大臣にここでひとつ承っておきたいのですが、この間からがたがたいたしましたウイズナー中将の言う佐世保に行かないとか、あるいは陰で解雇の通告した人を呼び出すとか、いろいろありまして、呼び出したほうはたいへん申しわけなかった、軽率でございましたと言って、職場のチーフが頭を下げて終わりということでありますが、七艦の行く行かないはそのまま残っております。これはまことにたいへんな人騒がせでありますが、こういう点についてもう少し防衛庁側で対米折衝なら折衝という面で、自主性といいますか、しっかりしたものを持っていただけないかという気がしみじみするのであります。あるいはその後の何か情報があれば伺わせていただきたいのでありますが、迷惑千万で、まことにどうも困ったことでありますが……。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 われわれとしてはそういう風評は聞いておりますけれども、そういうふうな風評は真実であるというような報告は受けておらない。だから、米国側は去年の十二月の二十一日ですか二十二日でしたか、日米安全保障協議委員会の決定どおりやるものであると考えております。また、もしそれが変更があるとすれば、これは重大な事情があってわれわれに相談があるという場合は考えるでしょうけれども、日米安全保障協議委員会のような正式機関できめたことは、これはやはり両方は誠実に実行しなければならぬ、そういう性格のものであると私は考えます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 昔の陸海軍でも対立もありましたし、アメリカのペンタゴンと国務省にも対立がありましょうから、やがて明らかになると思いますが、ぜひとも自主性をお持ちいただきたいという気がするのであります。  そこで、弾薬の取り扱いについて、時間がありませんから端的に聞いてまいりますが、警察庁の方お出かけいただいておると思うのでありますが、米軍の弾薬輸送というものと警察との関係、取りきめございますか。

長谷川俊之警察庁刑事局保安部長

○長谷川政府委員 米軍の弾薬輸送につきましては、たしか昭和三十五年当時取りきめがございまして、米軍が直接輸送する場合におきましても、日本の火薬類取締法の技術的な基準を尊重してやる。それから、民間の日本の業者に委託します場合は、そのまま日本の火薬類取締法を適用いたして行なう、こういうことになっております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 これはこの三十五年十二月の第十一回日米合同委員会、ここで爆発物取締協定というものができておりますね、これでそうなっている。だから当然チェックしなければならぬ筋合いだと私は思っている、日本の法律適用なんですから。もちろんこれは米軍がやるのですから限界はありましょうが、何にもしないでやらせっぱなしという筋合いのものではない、こういうふうに私は思っているのでありますが……。  ところで、ここには新聞記事もありまして、この中には自衛隊のさる方がものを言っている中身などもありますので、承っておきたいのですが、防衛庁の側で基地に対する管理権があるわけですね。したがって、そういうふうな面ともからみまして、運び出す、運び入れる、いろいろなことがありますけれども、周辺の道路あるいは周辺の住民との関係、防衛施設周辺整備法という法律もあるが、そこらの関係で関連がないとは言い切れないはずでありまして、この種の爆発物を運び出したり運び入れるという点について何かお考えありますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 爆発物あるいは弾薬類につきましては、やはり輸送の安全を確保いたさなければなりませんので、できるだけ海上輸送でやってもらうということをわれわれはたてまえとしておりまして、これにつきましては、数年前からアメリカのほうには申し入れをいたしておるわけでございます。アメリカのほうもその趣旨は了解いたしておりまして、ただ非爆発性の弾体付属物あるいは海上輸送に適しないほどの少量のもの、たとえば小銃弾、こういうものにつきましては陸上輸送もやむを得ない、こういう意向のようでございまして、陸上輸送いたします場合には、やはり地元の警察等と十分連絡をとりまして、路上におきます安全の確保ということについては従来からそういう配意をいたしておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 少量の小銃弾という話ですが、少量とはどの辺をさして少量というのですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 まあトラックで数台というふうなところが少量かと思いまするが、要するに海上輸送をするほどのものでもないという程度だと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 七台といったら少量ですか、また、三十台といったら大量ですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 その辺は、ちょっとこれまた技術的な問題だと思いますけれども、三十台というふうなことになりますと、これは少量とはいえないと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 わかりました。あなたは数台と言ったから、数台というと、まあ二、三台とか、四、五台とかいうところでしょうけれども、一般常識でいえば、日本語というのは、その辺はむずかしいから……。  ところで、問題になっている、送っちゃったのは七台ですね。実は私も事実に即してと思いましたから、詳細に私のところにおる人間を使って全部調べてもらった。会ってもらいましてね。トラックで運んだ人の支店長さんに会って、村上さんというのですか、会ったりいろいろしまして、田浦警察の署長さんにもしかるべき人が行って会ったりして、いろいろなことをやってきた。そこでここに調書が出てきているのですが、これによりますと、これは非常に多数送るところなんでありますが、昨年末に七艦の佐世保移動がきまったとたんに現地では動き始めて、池子の弾薬庫というのがありますけれども、それから浦郷というところがありまして、浦郷というところは旧来から私ども調査しておりますけれども、砲弾の貯蔵所なんです。吾妻倉庫地区というのがありまして、吾妻倉庫のほうには爆雷、魚雷、これが中心です。そこにいろいろ運び出した。一月から二月の七日までに二百台のトラックで集積をしたつまり池子の弾薬貯蔵所から運び出した。これで浦郷、吾妻のほうに持っていった。ここまではわかっている。一月の二十八日に――ここから申し上げますが、ここで米側に対して、米軍に対して、ある新聞社の方が行かれて、弾薬は一体いま運んでいるけれども、そこからどこへ持っていくのだという話から始まりまして、海上輸送か、陸上輸送かと念を押したら、海上輸送だと答えた。一月二十八日。一月二十九日から三十日にかかりまして、米軍海軍輸送司令部、ここへ行ってずいぶんめんどうな手続をしながら聞いた。そうしたら、弾薬はA、B、Cと三つのランクがある。Cランクは陸上輸送をしていて心配はないと答える。Cランクの中身は何だか言わない。田浦の警察署長さんにこの時点で会っている。日本には、輸送計画を変更させることはもちろん、弾薬の種類や量をチェックすることもできないので、一月十一日にトラック七台で佐世保に向かったと答えるとともに――つまり、田浦の署長さんが知っていたわけですね。知っておられた。何で黙っていたのだと言ったら、連絡があって、どういう弾薬の種類だと言ったら、それは言わない、量はと言ったら、これも言わない。警察としては口頭で危険物は海上輸送をすることになっているから、したがってW・Hマウリンという米軍の横須賀の兵器部長、ここに口頭で田浦の署長さんから海上輸送してくれということを申し入れをした、これは署長さんのお話。それから輸送に当たったのは福岡運輸という横浜市内に支店がありまして村上明さんという方が支店長さんですけれども、この方のお話によりますと、三十台分ぐらい輸送量があるんだけれども、一台十万で請け負ってくれ、こういうので中身は全然言わない。そこで、十万という金に引かれたのでしょう、引き受けた。一月の十一日に浦郷の倉庫に行った、トラック十台並べて。そうしたら荷物の用意してあるのは七台分ですよといって七台先に積みますといって積んだ。残りの三台はどうしてくれるんだと言ったら、ないから雑穀を積んでくれといって雑穀の表示のしてあるものを積んだ。ところが包装その他はみんな同じだ。だから輸送していきますと雑穀輸送に見えてしまう。私はここらあたりがまことにおもしろくない。七台分だけすでに荷物が用意してあって、それを先に積んで終わってしまった。あと三台あったから雑穀を積むんだからといって積んだが、見てみるとそれもまた同じかっこうだ。そういうかっこうで、だから正味七台――十台並んでいますけれども、三台は雑穀、つまり乗っかっているのは雑穀ですよというかっこうになって東名、名神を走って千二百キロ、こういうかっこうなんですね。十一日に出まして一月十三日の午後六時三十分に佐世保に着いている。第二回の陸上輸送の依頼があった。トラック三十台。ところが中身がどうも弾薬らしいということに運転した人から話が出てきて、そして聞いてみた。そうしたところ、いや実は小銃弾だ、こう言った。それであわてて断わった、こういう事情に実はある。  そこで、ある記者の方が米軍の司会部あてに文書で質問状を出した。回答はここにございます。英文でありますからこれを訳したのがここにありますけれども、米軍が回答している。その前に、実は小さな記事が新聞に載った。そうしたら米軍の輸送司令部からある新聞社並びにこの記者に対して、何であんな記事を書いたといって抗議が来た。しかしあくまでも実際に調べて書いたんだからといって突っぱねた。突っぱねて逆に質問状を出した。その質問に対する回答は「基地の弾薬にはA、B、Cのランクがあり、最も危険なAは海上輸送、B、Cは陸上輸送しても危険がない。また今後とも少量の小銃弾その他トラックによる陸上輸送は継続して行ないます。」こういう回答だ。さっき長官、あなたは少量大量で、三十台といったら少量ではないというお話ですね。ことばじりをとらえるわけじゃありませんが、三十台分のトラック輸送を頼んできた米軍、しかもこのCランクを何もCにとどめていない、B、Cといっている。しかも小銃弾等といっている。何が入っているかチェックができない、警察側でも調べようがない。そのまま雑穀に似せたようなかっこうで東名、名神を走っている。あすこは三重衝突なんて年じゅうある。まかり間違ったらとんでもないことになる。これは真偽のほどはわかりませんがある新聞の記事、地元のほうのやつでありますけれども、ちょっと載っております。ここには陸上自衛隊陸上幕僚監部中野秀樹広報班長さんは、「小銃弾であれば、危険はまず考えられない。小銃弾は直接、雷管に衝撃を与えなければ爆発しないし、安全を十分考慮して包装されているからだ。」と言っている。こう簡単に言われてもこれまた困る。施設庁長官は少量ならばと、こういう言い方をしておられる。そうなると、小銃弾ならいいんだなんということを簡単に言われておっても、真偽のほどはわからぬと前提にしておりますけれども、穏やかでない。この事実について警察側と施設庁の側で、周辺の住民諸君――しかもこの一月十一日というのは沖繩の毒ガスを運び出すその日、まっ昼間トラックを並べて雑穀に見せかけて千二百キロも走らせてしまってはぐあいが悪い。しかもあと継続して行なうという回答が来ている。これは一体どういうふうにお考えになりますか。責任ある機関の立場としていかがでございますか。両方から御答弁いただきたい。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 この弾薬輸送の問題は、直接には警察のほうでやりますので、私ども事実関係につきまして、数量等につきましては十分承知いたしておりませんでしたが、原則的には先ほど申しましたような方針で米側に申し入れをし、また米側も原則的な了解をいたしておりますので、結局それをいかにして運用するかということで、先ほど三十台という問題について申し上げましたが、はたして技術的に検討いたしましてどの程度までが危険であるかどうかということについては、もう少し検討してみなければならぬ問題だと思いますけれども、少なくとも大きな弾薬類については海上輸送してもらいたい。それから弾体付属物というのは、聞いたところでは今度のものは弾丸の尾翼かそういう付属品だ、こういわれておりますので、これは危険性がないと思いますし、小銃弾の問題がどういうことになりますか、ひとつ私どもとしても十分安全確保という点から検討していきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 継続して行なうという回答をアメリカ側がよこしているのですからね。しかもB、Cといっているのですよ。Cの中に小銃弾があるのであって、Bはそれより高い。小銃だけじゃない。しかも中身はだれもわからない。中身のわからぬもの、チェックする方法がないものを、先ほどの警察庁のお話では、これは日本の取り締まり法規に従うんだという言い方をされている。そうならばチェックしてみなければ、三重衝突でもしてたいへんなことになったときに国の機関は責任を負えない、公的な機関は負えない。ならば、これは当然米軍に真偽のほどを政府機関から確めて――回答が出ていることは間違いない。もしあなた方がいろいろおっしゃるならば原文を持ってきてそれを差し上げてもいい。英文でちゃんと書いてありますから。そこまで明らかになっているものをほっぽっとく手はないでしょう。検討しますと言って、こんないいかげんな答弁はない。これは大臣、所管が違うかもしれぬけれども、継続して輸送をするということを回答している、米軍側が。しかもB、Cランクと言っている。あなたの言うように小銃弾だけじゃない。それをほっぽっとくというばかなことはないじゃないですか。  しかも、警察庁に承りたいのだけれども、もう一つ、これでおしまいにしますが、この三十五年の爆発物取締協定、この協定に基づいて、わがほうの国の法規を使う、それに準じてやる、こうなっているのだけれども、ほんとうにそうなっているのかいないのかということくらいは、警察へ通知が行っているのだから、調べてしかるべき筋合いだ。何も調べていない。ついていってもいない。ノーチェックで行っていると署長が答えている。それじゃ一体まかり間違ったときにどういう責任を負うのですか。そこらのところはやっぱり明確に米軍に言うなら言っていただかなければ。合同委員会できめたのだから。言っていただけますか、いただけませんか、そこのところ。その上であらためて回答をいただきたいのです。

長谷川俊之警察庁刑事局保安部長

○長谷川政府委員 具体的な一月十一日の問題につきまして、細部の点につきましては私まだ報告を聞いておりません。なおよく調べたいと思いますけれども、仰せのとおり日本の法律に従ってやります以上は日本のほかの危険物と同じように警察としてもやるべきであります。他の地区におきましても、たとえば私の在任しました広島県の呉の場合におきましてもそのようにやってきたつもりでございますから、不十分な点がありますれば、さらに府県を指導いたしまして、そういうことがないようにさせたい、かように思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 大臣に最後に私は要望しておきますが、それでお二人からもう一ぺん答えていただきたいのですが、米軍がはっきり継続するといって回答をよこしているんです。だから三十台という申し入れも来ている、民間の会社に。それを断わった。断わればほかに行くに違いない。擬装をして、また雑穀のようなかっこうにしていくようになることは目に見えている。そうなると、それは何にもしないで、米軍がやるのだからしようがないとほっぽっといて、そのチェックはだれもやらぬ。田浦の署長さんがたいへん心配しているが、心配して何にもしない。そんなばかな話がありますか。しかもさっき申し上げておるように、これは爆発物取締協定という形で三十五年の十二月の第十一回の合同委員会で取りきめができている。合同委員会できまっているのです。これはそうなると、そこらに対して、米軍がこれからやるといっても、やはり政府機関としてはっきりものをいってやるのか、やらないのか。やるならこうやってやる、これなら安全だとか、海上輸送に切りかえさせたとか、それを明らかにしなければいけない。これは何も横浜に限ったことではない。これは大きな移動が行なわれているのですから、どこでどういう輸送があるかわからぬ。根源は一つなんです。合同委員会できまっている。取り締まり法規は日本にある。そこのところをはっきりしてください。やっていただけるのか、いただけないのか。米軍にそのくらいのことを言ってくださいよ、海上輸送をしろと政府が。どうですか、そこのところは。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 私ども警察のほうと緊密に連絡をとりまして、その危険性の点につきましては、十分われわれとしてもただしまして、もし合同委員会できまっております線からはずれているというふうなことがありますれば、その是正方について申し入れをしたいというふうに考えます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 警察庁さん、どうですか。

長谷川俊之警察庁刑事局保安部長

○長谷川政府委員 米軍に限らずに、大量のそういう危険物を、今日の交通情勢その他におきまして陸上を長期に輸送するということは、日本の警察の立場からいいましても、まことに好ましくないということでございます。具体的な件につきましては、よく聞いておらないのでございます。したがいまして、関係庁とも相談をいたしまして、そういうことが行なわれないように――法律上は警察でそういうことを許可するとかしないとかいうことになっておりませんが、とにかく行なわれないように努力をいたしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 大臣、これはやはり安全を確保していただきませんと困りますので、せっかく合同委員会でもきまっていることであります。聞いてない、聞いてないと保安部長さんはおっしゃるけれども、昨日おたくの政府委員の方に、こういう中身でこういうことですがと、田浦の警察署長さんとちゃんと会ってこうなっておりますよ、運送を担当した福岡運送店の支店長さんにも会って話をしておりますよ…-。それを聞いていないと言われたんじゃ、まことに私は迷惑千万。大臣、こまかいことはよろしいですが、最後のところ、向こうは継続して輸送すると文書で回答をよこしておりますから、そこのところをはっきりしていただきたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 約束を守るように、われわれのほうからも厳重に言うつもりであります。

大出俊日本社会党

○大出分科員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 伊藤惣助丸君。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 グラントハイツの件について、若干の質問をしたいと思います。  まず、本年度第二回分として七十三億円の予算がついておりますが、これはどういうふうに消化されるのか、その予定と現在までの進行状況の概要を簡単に御説明を願います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 グラントハイツの移転の問題につきましては、今日まで日米間で協議を進めてまいっておるのでございますが、予算的な措置といたしましては、四十五年度に約五十億円、来年度の予算要求といたしまして七十三億円をお願いいたしておるわけでありますが、その四十五年度の五十億円につきましては、いろいろその間に米側との交渉におきまして時間を経過いたしております関係で、これが早急に着工できるようにいたしたいと思います。これは米軍の直接の提供施設の中に移転をするという方針でまいっておりますが、その場所等につきましては、まだ必ずしも確定いたしておらないという事情もありまして今日に至っておりますが、これをひとつ早急に方針をきめまして、着工に移したいというふうに考えております。  なお、来年度お願いいたしております七十三億円につきましても、年度内にできるだけ消化するような方向で努力してまいりたいというふうに考えます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 実は四年間で移転するということについては、調べてあるわけでありますけれども、特別会計で予算がついて、それでどのように進行し、経過がこうなんだということが、正式な場所ではっきりと言われていないというところに私はまず問題があると思うのです。  そこで移転費用の約三百五十億円でありますが、これは前施設庁長官の答弁にもありますように、グラントハイツだけではなく、武蔵野住宅の移転の費用も含まれているのだということを聞いているわけですが、それはどのくらいあるのか、その点も御説明願いたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 全体計画として、いまお話にございましたように約三百五十億円でございますが、これが戸数にいたしますと約二千五百戸ばかりでございます。そのうちの千四百八十戸程度がグラントハイツ関係、約七百戸分がグリーンパ一ク、武蔵野住宅関係でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 ここでやはり問題になりますのは、最初に住宅を建設して、そこにいる約千四百世帯の住宅をそれぞれの施設に収容する、そのことによって移転し、そしてそのお金を捻出するために、どうしても処分しなければいけないのだということでこれは始まったことですね。それで、三百五十億円の移転費用がかかるということは非常に高いじゃないか。約一千世帯の移転にしても、一世帯当たり三千五百万円もかけてやるのかと言いましたら、そうではない、武蔵野住宅分も入っているということなんですが、いま長官は、それを七百戸と言ったわけでありますが、ここで問題になりますのは、グラントハイツの移転になぜ武蔵野の分まで負担しなければならないのかということです。これは大蔵省の説明なんかを聞きますと、東京都及び地元側におきましては、数少ない国有地の一つであるし、返還になれば、そこには大規模の緊急避難時のための広場、公園というものをつくりたいということで、東京都は大きい公園の設置を大蔵省に要望しているわけです。ところが大蔵省側としては、移転費用は、これは特別会計なんだから、どこかに移して、その金で移転しなければならないのだ、したがって東京都の要望や地域住民の、地方自治体の話は聞けない、こう言っているわけです。しかし、よく調べてみれば、いま初めて明らかにされましたように、武蔵野住宅は七百F分、これもかぶるということですね。これは納得がいかないのですが、その点はいかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 グラントハイツなりあるいは武蔵野住宅は、東京の比較的近いところにございます大きな住宅地帯で、これをできれば一カ所に集約移転したいというのが一つの大きなねらいでございます。近郊に二カ所ありますのを一カ所に集約いたしまして、そのあと地を利用する、こういうことで考えているわけでございますが、しかも両住宅とも空軍関係の軍人、軍属がおるところでございますので、これを集約して比較的近いところから近郊のほうへ移転したい、こういうところにわれわれの大きなねらいがあるわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 グラントハイツのそういう事情を聞けば聞くほどわからなくなるわけですけれども、武蔵野住宅地域は、その土地の処分によってやはり七百戸分ぐらいの移転費用を出すことが筋ではないでしょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 私のほうは、ただいま申しましたような点を主眼として、とにかくニカ所を一カ所に集約移転をしたいというのが、われわれの大きな眼目でございますので、グラントハイツのみならず、米軍が使っておりますグリーンパークにつきましても、同一計画のもとにこれを整理しよう、こういうことを私どもはねらいといたしておるわけであります。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこをぼかされると困るのですが、要するに、武蔵野住宅地域と合併する、または同じ方向に行く施設はそちらのほうに移す、それはわかるわけです。だから、武蔵野住宅地域、要するにグリーンパ一クの中でそれはやればいいじゃないですか、その点いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 武蔵野住宅につきましても、いろいろ前からの経緯があることでございますし、あそこにいつまでも米軍の住宅を置くということよりも、むしろグラントハイツの計画と一緒にこれをこの際移転するということが全般的に望ましい、こういう考え方でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこがちょっと納得いかないのですが、まず、武蔵野住宅地域は、これは裁判になっていましたね。そして国有地はある住宅会社に払い下げることに決定しましたね。その点、概要をちょっと伺いたいのです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 施設部長から御説明いたさせます。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、あの武蔵野住宅地区は、終戦時は中島飛行機が持っておりました。それが戦時特別補償税として物納されたわけでございますが、それが二十五年に日本文化住宅協会に払い下げられております。そのときに、これは大蔵省のほうの御関係だと思いますが、代金の未納というような事態がございまして、契約を解除されております。それで、私たち承知いたしておりますのは、その契約解除の、いわゆる無効と申しますか、それの異議の提訴がされておるようでございます。これが二十六年でございます。一方二十八年になりまして、米軍の家族等の集中住宅をつくろうということでこれを米軍に提供しまして、御承知の大体三階から四階の共同住宅になったわけでございます。その後、一方の裁判はずっと続きまして、結論的には、四十四年に国側が敗訴いたしております。そういう形に現在なっております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 裁判になった。日本文化住宅協会が勝ったというわけですね。それは坪どのくらいで払い下げるようにきまったわけですか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 それは私の所管でございませんので、存じておりません。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 その文化住宅協会の役員はどなたですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 協会の会長は盤谷秀次先生でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 この点は時間がありませんから別の機会に話したいと思いますが、益谷さん、それから副理事長はどなたか御存じですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 調査しまして後刻御回答申し上げます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 愛知揆一さんです。外務大臣です。それで坪約八千円程度ですよ。それで裁判に負けましたけれども、控訴しましたか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 控訴してないと思います。最終的に国側が負けたということでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこら辺が大きな問題になりませんか。あの辺は坪二十万以上しておりますよ。それが裁判に負けたから、それじゃ八千円ぐらいでいいということ、しかも役員に名を連ねている人が有名な人ばかり、元大蔵省の官僚、しかもその武蔵野住宅地域の米軍の方々が移転するのにグラントハイツの費用を使うなんということは、どう考えてもこれはおかしいですよ。その住宅協会に坪八千円ぐらいで払い下げるならば、この間の農地の払い下げじゃありませんけれども、非常に安いわけですよ。当然控訴して――たとえば二十五年度に日本文化住宅協会に払い下げがきまっておったにしても、お金を払ってなかったという事実があったのじゃありませんか。それをそういうようなものについてはずさんな考え方、また控訴もしないでおいて、そこにいる米軍の移転の費用をグラントハイツに負担させるということは、これはどういうことなんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 グラントハイツの現在の敷地並びに武蔵野住宅の中にありますところの国有地を売却いたしまして、それを引き当てにして、財源にいたしまして、両方の住宅地区のこの問題をこの際解決しよう、こういうことでございまして、私の承知いたしておるところでは、そういう目的のためにこういう措置を講じておるということでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 時間がございませんから、この問題はあらためて質問します。留保します。  それでグラントハイツの中でいま一番問題になっておりますのは、四年間で一応返還される。しかしながら地元は早期返還を望んでいるわけです。この点は長官に伺いたいわけですが、もう少し返還を促進できないかという点が一つあります。  それから基地の従業員についてでありますが、この従業員についても非常に不安がっているわけです。つい最近も、一方的な解雇通告に、この基地の全員が団結してストライキもやりました。それで、その従業員の言うのは、もう移転がきまっているのだから、防衛庁でここの従業員についてはこういうふうな方向で対処したいという一つの方針の出ることを非常に待ち望んでいるわけですよ。そのグラントハイツがなくなることを前提にした一つの方針というものが防衛庁はないわけですね。あれば示してほしいわけです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 移転工事の促進につきましては、私どもとしてもできるだけ先生の御要望の線に沿って努力いたしたいと考えます。  それに伴いまして、当然従業員の解雇問題が出てまいりますので、その解雇問題につきましては、本日閣議に報告になりました大綱の線に沿いまして、これからそれぞれの機関で具体的な方策をとられるわけでございますので、グラントハイツの従業員の問題もその一環として、東京都あるいは地元の市とも緊密に連絡いたしまして、そういう点についての対策の万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、いろいろ職業の相談なりあるいは職業紹介、あっせん、そういう点についても十分今後関係機関と協力いたしまして、努力をしてまいりたいと考えております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 従業員の対策については万全の策を講じていただきたい、そう思います。  それからメイドさんの件なんですけれども、現在百数十名おります。実際に名前があるのは四百名くらいおりますけれども、非常に毎日不安な生活をしているわけです。私はしばしばこのメイドさんの問題について大臣にも伺ってきたわけでありますが、善処するということばは何回も聞いております。しかしながら、今国会における設置法の予算の中を見ましても、さらに善処すると言ってどれほど調査をしているのかという実態を聞いても、何ら手をつけていないというのが現状なんです。この点は施設庁長官、どう考えておられますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 メイドさんの問題は、これは軍人軍属のいわば私的雇用者という関係になりまして、私どものほうで雇用いたしまして米軍に提供しているという性格のものでございませんので、これはなかなかむずかしい問題でございますが、私どももおりに触れまして、労働省のほうに申し入れまして、労働省のほうでしかるべき対策を講じてもらいたい、こういうことをずっとお願いしてまいっておるわけでございますが、実はそういう関係にございますので、施設庁として直接これに対して処遇をどうするかということにつきましては、気持ちとしてはそういう気持ちでおりますけれども、なかなか、こちらの雇用している直接の従業員でございませんので、その辺がむずかしい。結局やはり労働省の一般的なそういうお手伝いさんといいますか、そういう者に対する労働政策の一環としてこれを考えていただくということが望ましいというふうに考えておるのでございまして、そういう点につきましては今後労働省ともお話しをしたいというふうに考えております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 これは前の長官から見ますと、ずいぶん後退した答弁ですね、いまの長官の答弁は。といいますのは、労働省ではあるけれども、一番やはり直接雇用というものについては、防衛庁全く関係ないとはいわない、防衛庁が前向きで考える――それはもうメイドさんの要求についてはよく御存じだと思いますけれども、二十数年間もあの中におりまして、いまだに日給で、しかも一生懸命働いても月額二万から三万というのが実情ですよ。やめるといっても、あの基地を離れて就職するにしても、家を借りるにも借りられない。しかも日本の法律の適用外、要するに日本の法律の適用にならないところに住んでいるわけですよ。これは政治的に特に関係のある防衛庁が手を差し伸べなければどうにもならない方々なんですよ。労働省へいったって、そういう直接雇用の法律がないというのですよ。われわれも基地従業員の雇用安定については公明党独自の考え方を持って、それを雇用安定法に盛り込もうと思ったけれども、法制局では、日本にその法律がないからつくるわけにいかぬというわけです。したがって、これは労働省が取り扱ってもそういうあいまいもこなものだから、これはどうしても防衛庁で基地従業員に相当する扱いを当然してほしいということを、前の山上長官にも私は毎回言っているわけですよ。しかもこれはグラントハイツだけじゃない。日本全国にある米軍の高級将校が住んでいるところには必ずいる方々なのです。米軍がいつも言うことばは、このメイドさんをイエローガリーと言っているのですよ。奴隷だと言っているのです。好きなときに好きなだけ使って、退職金も払わず、ひどいのになりますと、暴行を加えてその補償もせずにてん然としているのですよ。それについて何らそういったメイドさんは措置を受けていない、これが現状ですよ。そういったような実態を私はいままで何回も言ってきました。基地従業員並みとはいかないまでも、それに近い扱いをする、調査する――私は、この問題は一年前、六十五国会から続けて言ってきております。何ら誠意をもって前向きの姿勢で取り組んでいないじゃないですか。その点いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 たてまえ論からいたしますれば、先ほど私が申し上げたようなことでございまして、結局われわれと労働省との間で何らかの改善策を見出さなければならぬと思いますが、その問題は別としまして、確かにいまおっしゃるように、提供しておる施設、区域の中で働いておる、そういう事情でもございますので、どういう方法でそれの改善策を講ずるのが一番適切かということにつきましては、さらに私としても十分研究をいたしてまいりたいというふうに考えます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 もうその答弁は、いままでの段階でもっと前へ進んだ答弁を施設庁長官が言っておるのですよ。私は、具体的にもう返還がきまっておるのだし、動こうにも動けない人たちに対して、やはり何らかの措置をすることが当然じゃないかと思うのですね。あるメイドさんは、もうだれに頼んでもどうにもならぬから、その自分がいま働いているところの主人に頼んだ。その人は、ハワイへ行く。じゃ連れていってもらいたい。ハワイに行ってもう死んでもいいと思う。いままで十数年も一緒なんだから、また仕える人も非常にいい人だから、日本政府でやってくれないのだから、私はもうその人にたよるしかないから、ハワイに一緒についていきますと言うのですよ。そういうようなメイドさんに対して、法律にないからとか、わが省の関係でないというのでなくて、そういう人ほど重要に考えて、いろいろな角度からやはりあたたかい措置をすることが私は大事だと思うのですね。防衛庁には報償金制度というものがある。わけのわからないような出し方を私は知っておりますけれども、事情があると思うから言わない。そういうような報償金がたくさんあるならば、まずもって、幾らでもないこういうメイドさんたちにも前向きで考えてあげるのが当然じゃないでしょうかね。実はそのメイドさんの方々も考えまして、組合をつくって、そして組合の方々が施設庁にいっている。その後においても施設庁は何らそれについて回答もしてなければ、さらにまた今後の対策についても何ら方針というものを明らかにされていない。私は、これでは何のための施設庁なのか、そう言いたいわけですよ。やはりそういうところから防衛に対する問題を真剣に取り組むことが大事じゃないか、話は飛躍しますけれどもね。そういうように、基地周辺整備法とか基地問題について地域住民あるいはまた働く従業員の補償問題を真剣に考えていくところに、やはり日米関係の友好だとか、またあなた方の立場に立って、そういうことを真剣にされることが基地を維持するために大事なことじゃないかと思うのですね。この点について、時間が来ましたから防衛庁長官に、グラントハイツの返還をもう少し早期にできないかという点と、いつもおっしゃる善処するということから一歩進めた長官の決意を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 グラントハイツの問題は長い間の懸案でございまして、できるだけ早く促進するようにいたしたいと思います。  それからメイドさんの話は、前から山上さんにおっしゃった話を私もわきで拝聴しておりましたが、確かにお気の毒なことだと思います。しかし、これはいまもお話ありましたが、大体労働省の主管の仕事だと私は思います。しかし日本人のことですから、施設庁、労働省とよく相談させまして、できるだけの推進をやってみたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 じゃ終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私、これからお聞きすることは事務的な問題が多いと思うので、その点御承知の上ひとつお答えを願いたいのでございますが、まず第一に、防衛庁からお出しになりました「予算要求の大要」その中で「未来性に富む事業の推進」、そういうことがございまして、いろいろな武器の研究開発の推進の各項目が出ております。この一つ一つについて私は実は伺いたいが、しかし、そういう時間も許されておりませんので、その中から若干拾ってお聞きいたします。  短距離地対地誘導弾、SSM、これは新しくことしから始められるように見受けられます。これはどういうふうなことなのか、このミサイルというものは一体どういう場合に使われるのか、有効距離は幾らなのか、ロケットと違ってどういう点が有利だからこの兵器が採用されなければならないのか、戦略的の意味における日本の防衛上こういう、ミサイルが必要なのかどうか、伺いたいと思います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 短距離地対地誘導弾につきましては、四十一年から研究を進めております。現在の四十六年度予算はその一段階でございます。目的は、上陸用舟艇なり、あるいは地上の戦車等を攻撃する武器として、ロケットというのは誘導しませんけれども、これは有線誘導で、こちらのほうで目標をとらえておりますと、そのとらえた指示に従って目標を攻撃するというものでございまして、いまのところ到達距離につきましては、確定数字は申し上げられませんが、一応短距離という考えでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 有効射程距離は幾らですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在の、実は何と申しますか――大体数キロとお考えいただきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 数キロというのは幾らなんですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在、実はこれより少し性能の悪いものを持っておりまするけれども、対戦車誘導弾でございますが、これの大体倍少しの延伸距離を持ちたいというふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 性能上ロケットとどこが違うのですか、より正確にいくというだけのことでございますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 ロケットは先ほど申しましたように、誘導性がございません。ただ目標に向っていくのでありますが、これは有線で誘導する。たまがワイヤを引っぱっておりまして、そのワイヤで電気的に誘導して目標に確実に当てるという特長を持っております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 たとえば海岸に押し寄せてきた軍艦を撃つとかいうふうなこと、陸上の場合にはどういうときにこういうものが使われるのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 海上の場合でも、有線誘導でございますから、遠距離に参りません。大体上陸用舟艇ということでございます。それから陸上の場合には、大体戦車を対象にいたします。相手側の主力戦車を目標にしてこれを撃破するというのが目的でございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 対戦車ミサイルはもうできているんじゃないですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 先ほど申しましたように、現在の対戦車誘導弾を距離を延伸しまして――現在の対戦車誘導弾は実は目標を見ながら手動で操作いたします。今回考えておりますのは、射手が目標を見ておればそれに当然誘導されていく、手動しなくても済むという新しい性能開発がされております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私はSSMの限度にとどまるならば、これはまた――私はこんなものよけいなものだと思いますけれども、ロケット程度で日本の防衛等はできるもんだと思うのですけれども、しかしこれが短距離弾道弾になる。日本が、大陸間誘導弾まではちょっといかないでしょうが、だんだんこれが伸びていって中距離誘導弾までいくというふうなことの一つの手始めになるのじゃないかということをおそれているわけです。  そういうふうなことは、現在の中国その他いろんな関係がございますけれども、私はミサイルということに日本の防衛が到達するということは、相手国に対する刺激になるんじゃないかということをおそれるわけです。このミサイルの射程限度、これを明確にしていただきたい。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 距離についてはっきりと申し上げる段階でございませんけれども、いま申しましたように有線でございます。ワイヤをもって動くものでございますから、到達距離には限度がございます。  いま先生から限界というお話でございましたけれども、われわれのいまねらっておりますものは五千メートルまで行ければよいというくらいの問題でございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これはこれから何年かかりますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 大体現在の目標は四十八年度までに開発を終わりたいということで進めております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私はこういうふうな積み重ねがだんだん日本のミサイル武器の発展、そういうことになると思う。いろいろな国が相手側にありますから、そういうことで日本の将来に対する脅威感を与えることをおそれるのです。私はこういうことについてよほど厳密なお考えをひとつお願いしたいと思う。長官からひとつ御答弁願いたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 ミサイルというものは、国際的にも非常な関心を呼ぶ兵器でございますから、よく注意をいたします。

華山親義日本社会党

○華山分科員 その次に、いろんなこと一つ一つ伺うわけにはいきませんから、いろんな疑問がありますがみな除きますけれども、その他二十九件として四十二億一千二百万円が出ておりますね。いままでのその他というものにつきましては、四十五年度までの歳出は二億一千九百万にすぎない。一ぺんに突如としてこれが多くなっている。したがって、このその他というものに何があるのかわからなければ、われわれは審議できないわけです。しかし、いまここで時間がないが、これはどういうものか。その他の中に二十何件と書いてありますが、幾つあるのか出していただきたい。いまここでは時間もありませんから一つ伺いますが、この中で一番大きなものは何ですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 この先生御指摘の予算大要にありますものは、大体大きなものだけがあがっているのでございます。逆に申しまして、その他二十九件というのは小さなものというふうにお考えいただきたいと思います。これは各方面同じ趣旨でつくりました書類でございますので、全体をあげるのははばかったのであります。そういう意味で、このほかにつきましては、各項目ございますけれども、比較的小さいというふうにお考えいただきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 なぜことしからこれが去年よりふえたのです。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 去年からふえたのではございません。これは歳出額ということで、何と申しますか、たとえば開発費で申しますと、今年度は百一億でございますけれども、昨年度は九十一億、一昨年度は七十五億というふうな、そういうような傾向で出しておりますので、そういう意味で、ここにありますのが全体で出ておりますけれども、一応ここにございます額は歳出額を書いてございます。いま申し上げました百一億、九十一億、七十五億ということでございますけれども、御存じのように、いまここにあります、先生の御指摘の資料の中で、第一番目にあります次期対潜機だけが新規の項目で、あとのものは全部以前からの継続のものでございまして、今年度の歳出額がそうなるということを書いてございますというふうに御理解願いまして、ことしが特にふえたわけではございません。何回も申しますが、昨年は九十一億、今年が百一億という中のものでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ちょっと私了解しかねますが、あとででも、またこの数字について御説明いただきたいと思います。  それで、これはこういうふうに総括して出しておりますけれども、この金額というものは、防衛庁の中と業者と一体どういうふうな割合になっておりますか。総額について御説明願いたい。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 四十六年度の研究開発費は、いま申しましたように百一億でございます。そのうちの七十九億が民間に支払われる試作費とか委託費という名目で出るものでございます。残りの二十二億が防衛庁内で研究開発に使われる金というふうに分かれております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 防衛庁内部のほうは、人件費、そういうものは入っておりませんね。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 入ってございません。いま研究開発を行なっております技術研究本部の関係の予算が百二十億でございますので、百一億との差額が、そういう人件費、その他のほうに入っております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そういたしますと、そういうものを合わせまして研究開発の経費は幾らになっておりますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いま申しましたように、今年度の技術研究本部の総予算が百二十億六千万でございます。そのうちの研究開発費が、いま申しましたような百一億ということでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 百幾らですか、百二十億……。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 もう一度申し上げます。  技術研究本部の全体の予算が百二十億、そのうちの研究開発費が百一億でございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 いまおっしゃった本部の中には、研究開発のほかに何か仕事があるのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 もちろん技術研究本部の仕事は研究開発だけでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ここで見ますと、それはあなた方から言わせれば、日本の国費においては微々たるものだというふうに言われるかもしれませんけれども、いまおっしゃった額とほかの研究費、これを比べますと相当なものですよ。日本は宇宙開発に幾ら使っているか、日本は海洋開発のために幾ら使っているか、予算計上しておるか。いまここで時間もありませんから一々申しませんけれども、いまおっしゃった額と比較いたしますと、日本の研究開発の重点は武器にあるといっていい。この点はどちらが少な過ぎるのか問題があると思いますけれども、大蔵省ではひとつ気をつけてもらいたいと思う。それだから、日本というものについての誤解を招くのじゃないか。ひとつ大蔵省にお願いいたしますが、日本のいわゆる開発研究費は、この武器というものを含めて幾らになるのか。その中で、どれだけのものが、あるいは宇宙開発に、あるいは原子力に、あるいは武器に、あるいは海洋開発に使われるのか。そういう点をひとつ明らかにしていただきたいと思う。大蔵省のほう、よろしゅうございますか。

吉岡孝行大蔵省主計局主計官

○吉岡説明員 研究開発全体の数字について、ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、後刻御回答申し上げます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 日本の歳出の中の研究開発費の中で武器の開発費の占める割合というものは、これは大きい。日本が軍国主義化するなどといわれるような、自民党の方々から言わせればいわれのないことかもしれませんけれども、日本の予算というものを考えれば、しさいに検討すれば、そういうふうな指摘もできるのではないのか、こういうふうに私は思うわけです。  それから、いまおっしゃったように、今後の最新鋭の武器であるところのミサイル等については、特に気をつけていただきたい。いま長官がおっしゃったとおり、世界の武器の目というものは現在、ミサイルに向いているわけだ。それについて日本が小規模といえども、ミサイルの研究に入ったというふうなことは、これは私は問題だと思う。対戦車砲につきましては、もうミサイルがあるのですから、あれを発達させればいいじゃないか、あれをもう少し行くようにすればいいのじゃないのか。それからロケットもある。いま、こういうふうなことで、ミサイルということに発展しようとすることは、私は危険だというふうな気がいたします。  それから、この中に、SAMの短距離地対空誘導弾というのがありますが、これはいまアメリカから入っておるのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 そこにあがっております短距離地対空、ミサイルにつきましては、現在国内で独自な開発を考えているものでございます。アメリカから入っているものじゃございません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 いまはアメリカから入っているのを使っているかということです。現在どうだと聞いている。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在はホーク、ナイキという形の、アメリカから入ったものを使っております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 なぜ今度は日本で独自にこれを開発することにしたのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在使っておりますホークが、わりあい近い射程のものでございますけれども、それでも相当の高度のものでございます。現在持っております高射機関砲なり高射砲なりの到達距離も限界がございます。その中間に穴がございますので、現在の高射機関砲なり高射砲なりとホークとの間の穴をふさぐために、独自な開発を考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そのミサイルは、アメリカではもう製造中止しようとしているのじゃないですか。どうなんです。それで日本でまかなおうということじゃないのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在アメリカには、そういう私たちが考えているような短距離のものは、ないように聞いております。比較的長距離のものは持っております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そうすると、従来いわれるところの、このミサイルというものは低空の侵入飛行機には役に立たない、効果が薄い、そういうことをこれは埋めようというわけですね。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 ちょっと数字を覚えておりませんけれども、先ほど申しておりますナイキは高度一万八千ですか、それからホークは中高度で、低高度についていまの開発しようというものを当てよう、こういうことで機関砲などもありますけれども、要するにそういう電子式のミサイルでもって対処するというのが一つの防空体系である、そういうふうにお考えいただいたほうがよろしかろうと思います。

華山親義日本社会党

○華山分科員 アメリカでつくっていますか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 現在のところは、ナイキは生産をやめております。それからホークは改良型を米側では検討しております。なお、ナイキについては、新しい型の研究開発がアメリカで行なわれております。低高度については存じておりませんが、アメリカのものをわれわれが模倣する、あるいはそういうものに準じてやるということでありませんで、一応世界的な傾向としましてはそういう低高度におけるミサイル体系が現在のところ欠けておる。そこで、わが独力でそういうものを開発せしめたい、こういうわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ますます日本の武器というものは完備してくるのでございますけれども、これは人によって違うのだろうと思いますよ。考え方は違うと思いますけれども、こういうふうな多方面に特にミサイル等を中心としていろいろな研究が進むということが、果たして日本の真意、長官等のいわれるところの真意というものに誤解を招かないか、そういう点を私は憂えるわけであります。私はできるだけこういうふうな新しい機械ものについては、それはもう防衛庁の職員の人たちや何かはこれは気持ちはいいでしょう、いろいろな武器を持っているほうが。それだからといって私は許されるべき問題じゃないんじゃないかというふうな気持ちがいたします。  それからファントムのことをお聞きいたしますが、ファントムをつくられたときからの経緯、これはもう私もその初めから聞いておりますので申し上げません。あの当時、当初計画されたときと現在のファントムとの価格は変わっておりませんか。予算面のファントムの単価というものとわれわれが聞いたところの単価というものは、違っておりませんか。そのままでございますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 四十四年度に第一次契約をいたしましたけれども、その際の単価は十六億九千三百万でございました。本年度四十六年度に第二次、四十八機の契約を予定をしております。いまお願いしております予算では単価は二・八%上がりました。十七億四千百万円を予定してございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これにつきましては、初めの計画で精密爆撃器というようなものは載せないということでございますが、その後の方針はいまでも変わっておりませんですね。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 初めの計画どおり、F4EJというものは爆撃装置は持ちません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 いろいろなわれわれの聞いた運行距離とかそういうふうなものも何ら変更ありませんですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 性能には変更ございません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 たいへんもの足りないのでありますけれども、これだけにいたしておきますが、ひとつここではちょっと場違いかもしれませんが、武器の輸出のことについて、通産省の方にもおいで願っておりますので、ちょっとお聞きしたい。  私はこの問題につきましては、大臣にも、国の大方針でございますから機会があったならばお聞きしたいわけでありますけれども、ちょっとお伺いいたしますけれども、最近いろいろな話が耳に入ってくるわけです。たとえば川崎重工業が対潜大型ヘリコプター七機をスウェーデンに輸出するために、国際入札に参加して申し入れをしたというふうなことがありますが、これはお聞きになっておりますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 この話は川崎重工業から聞いております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 国際入札に参加する以上は、武器としての承認を得なければいけないかとも思うのでございますけれども、そうするともう承認を与えているわけですね。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私どもが承知いたしておりますところでは、大型のヘリコプターでございますが、これは海難救助用のものということで、現在川重がスウェーデンの入札に応じておる、こういうふうに聞いております。しかしまだ入札が終わって落札をしたという状況ではない。もしこれが落札をいたしますれば、その結果においてこれがはたして武器等を搭載いたしまして、要するに攻撃用のものであるかどうか、いわゆる武器という概念に入るかどうかということを、まず内容、構造等から審査をし、かつそれがかりに武器であるということになれば、その際にはいわゆる武器輸出の三原則に照らしまして、これに抵触しない限りは承認をする、こういうことでございます。まだ現在そういったことが判明いたしておりません。

華山親義日本社会党

○華山分科員 そのほかに三菱重工業からもMU2につきましてスウェーデンと交渉を継続中だということがいわれております。その前からこれは有名な問題でありますけれども、新明和工業のPS1の問題がある。これらのことについてはまだ輸出の承認はしてない。輸出のことについての話し合いは聞いている、この程度でございますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 おっしゃるとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私はこれは大問題だと思うのですよ。使うのが鉄砲を持ってない。破壊力も持ってない。破壊力を持たないものは載せてないわけだから武器じゃない。こういうことでは私はいけないと思う。いやしくもこれが外国の軍隊によって買われる。外国の軍事力によって買われるということは、軍事力の増強ですからね。私は外国の軍事力を増強するような輸出、これは厳密に武器として扱うべきではないかと思う。軍事力の増大には直接人を殺害するものもありましょうし、補助的な役目をするものもあるわけなんです。それが人道的立場に立つものであるならば、たとえば薬品というようなものであるならばまた別問題かもしれませんけれども、こういうふうな輸出は私は断じていけないと思う。そういうところにめどをつけませんとどんどん拡大するだけだ。私はこの意味におきましてなお大臣にもお聞きいたしますけれども、非常に憂慮すべきことだ。こういうふうになってくると日本の対外関係がいろいろなことをいわれるもとになるわけですよ。専守防衛ならば専守防衛で、自分の国を守るための武器、それにつとめるべきだ。輸出することによって値段が安くなる、したがって同じ予算でもたくさん買えるというふうな、大蔵省やまた事業界の論理で、エコノミック論理でやられちゃ困る。その点を私から大臣には申し上げておきますが、とにかく華山が言ったからさっさと輸出してしまえなんていわれると困るから、きょう帰っておっしゃってください。私が質問するまでは断じて輸出の話は進めてもらいたくない、こういうふうに華山が言っていたとお願いをしたい。  それからあとでいいんですけれども、長期資金等につきまして開発銀行からの融資ができるかということにつきまして、もういきさつは御存じのとおり局長はできるかのごとき御答弁がありましたけれども、大蔵省の理財局長は、重工業局長の答弁は明らかに間違いでありますと私に言っておりますから、その点ひとつ、何か大蔵省のほうにあなたのほうで言いたいことがあったら、ここで聞いておきたいし、それでよろしゅうございますというならば、それでいいです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 ただいまのMU2でございますとか、あるいはこれも全く商談等があったわけではございませんが巷間伝えられておりますPXS、アメリカのコーストガードの話、こういったものの商談は実はまだ現実化しておりません。ただ、いまのお話は、結局武器というものについて私どもが運用して、きわめて厳重に制限いたしております武器というものの輸出、こういったものの考え方と、いま先生お話しのように、いやしくも直接戦闘の用に供せられるものであろうがなかろうが、相手国軍隊の利便になるものは全部武器である、こういうお考えとの間の違いであろうと思いますが、ただいまお話しの点は、私戻りまして十分大臣にも伝えたいと思います。  それから、最後に御質問がございました開銀からの武器産業への融資の問題でございますが、お示しがございましたので、四十三年以来の速記録を私も読み返してまいりました。大蔵省の理財局長の答弁いたしておりますのは、私の四十五年三月十七日に先生の予算委員会における御質疑に対する答弁、それを受けまして同じく五月に答弁をいたしておる、こういうものでございます。私の答弁がいささか舌足らずでございまして、たいへんその点申しわけないと思いますが、華山委員の質問に対しまして、当時の大蔵省の岩尾政府委員が答えておりますのは、「開銀がMSAのそういったような考え方を継承しておるということはございません。」ということです。こういったふうにもし通産省の答弁が読めるとすれば、その点については自分としては間違いであると思います、こういうふうに言っておるというふうに私は解釈をいたします。私が申し上げた点は若干舌足らずな点もございましたので、あらためて明瞭にこの際申し上げておいたほうがよかろうかと思いますが、これは四十二年以降御承知のようにMSA資金、いわゆる経済援助資金特別会計というものが廃止になりまして、それが全部産業投資特別会計に一本になる、こういうことになったことは先生御承知のとおりでございます。そこで、では今後、従来MSA資金等から出ておったいわゆる特別ワクで開銀が融資しておったような分野に属するもの、たとえば航空機でありますとか武器でありますとか、こういった産業分野に属するものはどうするのだ、こういうことになったわけであります。その点についての御質問でございますが、そういった点につきまして、私どももMSA資金の考え方をそのまま開銀が引き継いで何らかの特別ワクを設ける、あるいは特別の利率でもって融資をする、こういったことはないわけでございます。ただ、開銀融資の一部といたしまして、たとえば、かりに航空機産業でございましても、新規の技術を伴う国産化に必要な設備というようなものにかかわりますものにつきましては、ケース・バイ・ケースでございますけれども、融資を行なうことはあり得る、こういうふうに私は考えております。この点につきましては、大蔵当局でも、先生の御質問にかかわります点を十分突き合わせまして、大蔵省サイドにおいてもこういうふうに了解しておる、かように御了承いただきたいと存じます。

華山親義日本社会党

○華山分科員 時間がありませんから申しませんが、私はそれにつきましては疑問がある。武器の製造については防衛庁等を通じて間に合うような金が出ているのです。普通の飛行機なんかは別ですよ。そのほかに何で国民の税、そういうふうなものをもとにするところのものでやらなければいけないのか、二重になるのじゃないか、そういう点がいけないというふうなことを申し上げたところが、あなたは、MSAがあるから、MSAの性格があちらのほうに移っているかのごとき答弁をなすって、そして私がMSAというものの性格が、金がなくなっちゃったのだ、開銀に行くわけがないじゃないかということを聞いたところが、大蔵省のほうではそのとおりだと言っておられる。あなたは今度は原則論を持ち出して開銀からあり得るようなことを言われておりますけれども、それだったならばなお大問題。武器等につきましてこのように予算が積んである。この予算の範囲内でやるべきものであって、そのほかに開銀等の低利資金、長期資金が武器製造等に行くべきものじゃない。この点はここの問題でもございませんし、なおひとつ機会があったならば大蔵省なりあなたたちに聞いてみたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時五十六分休憩      ――――◇―――――     午後二時八分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  防衛庁所管に関する質疑を続行いたします。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 きょうは時間も限られておりますので、私は、いま関西で問題になっております大阪の能勢町におけるナイキ基地、この問題についてしぼってお聞きしたいと思います。  まず初めに、能勢町のナイキ基地の計画がどうして立ったか、また建設計画の概要について簡潔にお答え願いたいと思います。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 第三次防衛力整備計画におきまして、第四番目の高射群を中京、大阪周辺につくることになっております。その関係で現在四高射群の四つの場所を一応予定しておりますが、一カ所が滋賀県、それから他に岐阜県、三重県、それからもう一カ所がいまの能勢町、そこにそれぞれ高射隊を置きたいという考えでおります。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そこで、ナイキはどのくらい置くわけですか、もう少し明細に……。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 能勢町に置きまするものは一つの高射中隊でありますから、ランチャーが九つくはずであります。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 今回の能勢町のこの計画については、防衛庁としても、突然のそうした発表のしかたといいましょうか、そもそも発端は地元に対してもそういう接触のしかたであったわけです。そういうことで、いま地元におきましても、京都、兵庫、大阪、特にこの三県にまたがりまして、住民の非常に強い反対運動が行なわれておるわけです。そこで、防衛庁として、いまどういうことが特に問題となっておるか、またその点についてどういう受けとめ方をしておるか、その二点についてお聞きしたいと思います。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 御承知のように、このナイキ基地の設置の問題につきましては、昨年の六月に候補地として能勢町を防衛庁としては内定をしまして、地元のほうに御相談を申し上げたわけでありますが、遺憾ながら町議会におきましては反対の決議をされたわけです。そこで、いまお尋ねの、何がそういうことの根本原因であるかということでございますが、これにつきましては、やはりこのナイキという施設が一体どういう性格のものであるかというようなことについて、事前のPRが十分できてなかったというようなことから、これに対する不安感といいますか、そういうことがこの反対の大きな要因になっておるかと思います。したがいまして、これを解決するためには、やはりナイキの性能その他につきまして十分地元の御理解のいくように、われわれのほうとしてもその努力をしなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 非常にナイキについての知識が足らないので不安感が強い、確かにそれも一つあるかもしれませんが、ただそういう不安感だけがそういうみな反対しておる原因ですか。少なくとも計画をなさる以上は、あらゆる事柄について綿密な調査、またそれについての謙虚な受けとめ方、そういうことがあってしかるべきだと思うのですが、これだけでいいのですか、ほかにどういうことを受けとめていらっしゃるのですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 場所の選定につきましては、もちろんわれわれのほうとしても補給その他の関係等を検討しました。それから地元の事情等についても、ある程度の調査はいたしたわけでございますが、まだ具体的ないろいろな折衝前において、先ほど申し上げたように反対の決議になった、こういう形になっておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 能勢町の設置については、いろいろとあらゆる角度から検討されたということを若干聞いておりますが、特にこの能勢町を選ばなければならない理由はあるのですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 ナイキ基地の配置につきましては、阪神、中京の政経の中枢部といいますか、そういうところを防護するということが一つの大きな目的ですから、その周辺に一定の距離をおいて配置するということが第一条件になるわけでございます。  それから具体的な場所につきましては、やはり基地を設置した場合に十分機能が発揮できるようなところでなくてはならないというようなことから、たとえばレーダーサイトの設置につきましても、見通しのいいところ、あるいは工事をする場合にも、工事が比較的容易である、あるいは土地の取得が特にむずかしいところでない、それから補給等が容易な位置にある、そういったいろいろな諸条件があるわけですが、そういうことを総合勘案していろいろのところを検討しました結果、最終的には、大阪のあの基地につきましては能勢町が最もよろしいということになったわけで、この候補地を内定するにつきましては、かなり綿密な調査を各所についてやった結果でございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 中曽根長官に聞きたいのでありますが、長官は常に、自衛隊は、あくまでも住民の協力といいましょうか、広くは国民全般の信頼と協力の上に立って行なわれなければならないと、すべての事柄についてそのようにおっしゃっておられるわけですが、そのナイキ基地の設置等につきましても、あくまでも地元住民のそういう協力が私は一番大事じゃないかと思うのですが、そういう地元の協力という点についてのお考えをひとつ聞かせていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 地元の協力がなければ防衛というものはできないと思います。したがって、国の要請を地元の皆さん方によく御理解を願って、こういう重要性がある、こういう安全性があるからぜひ協力してください、そういう理解の上にそのような協力を得るように努力したいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 長官も、あくまでも地元の協力ということが一番大事である、このようにおっしゃったわけです。ですから、重ねてくどいようですが、長官、地元住民の意思というものが一番大事なことである、この基地建設について最も大事な要件である、このようにお考えでございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 地元の皆さんの御協力というものは非常に根本的な条件であると思います。しかしまた、国の要請という面もございますから、国家的要請をわれわれの努力で御理解を願って、協力を得るように努力することも、またわれわれとしては非常に重要なことであると思います。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そこで先ほども、都市防衛の立場からここが大事だ、このようにおっしゃったわけですが、まず一つは、逆にそういう基地が来るということによってねらわれる可能性があるのではないか、そういうナイキの基地あるいはレーダーの基地とかが。そうすれば、京都、神戸、大阪、そういう都市圏を形成しておるこういうところに、一番ねらわれやすいそういうものを持ってきていいかという問題なんです。そういう点でいいますと、逆に、平和と安全のためにはかえってここに基地が来ることが脅威じゃないか、そういうことも一つは考えられるのではないか、このように思うわけです。これが一点です。  それから、いろいろと地元の意見も聞いたとおっしゃっておりますが、御承知のように、ここの地域は、すでに大阪府が四十二年三月に決定しておりますが、大阪地方計画というのがあるわけです。これにもはっきりと、公園緑地整備計画という中に、北摂・群山自然公園として明示されているわけです。御承知のように、ここは野外活動センターとか、もう関西の青少年が喜々としてここへつどってくるレクリェーションの場なんです。空気もいいし、御承知のように、あの一帯にはもう緑がないわけです、この地域しか残されていないわけです。そういう大きな、大阪府として、また関西全体の住民の中でつくられた計画というものがあるのです。ところが、そういう基地が来た場合に一体どうなるか、そういう問題があるのです。したがって、自治体のそういうような計画をぶっこわしてでもやってもいいものかどうかという問題です。  それから、御承知かと思いますが、ここには火薬庫があるわけですよ。これは非常に私は大きな問題だと思うのです。私その地図を持ってきておりますけれども、これは大阪火薬が四棟ありますけれども、百万平米です。三十万坪。火薬だけで、私は一番新しいきょう現時点で幾ら入っているかと聞いたわけですが、八十七トンということを言っておりました。豊能郡能勢町長谷裏二九八ノ二、敷地百万平米、三十万坪です。それで、この地域がどういう地点にあるかといいますと、直線コースで六キロないし八キロ、こういっているわけです。またナイキの基地の予定地から野外活動センターまでは大体五キロくらいであろう、このようにいわれているわけです。そうした場合に、このナイキ自体に事故がないかどうかという問題もある。正常に発射したとしても、あれはブースターがついておると思うのですが、少なくとも二キロや三キロは飛ぶわけですよ。正常に発射された場合ですが、風に流されて影響がないか。あるいはもしも発射が失敗したら一体どうなるか。そういう危険な状態が横たわっているわけです。それにもかかわらず、あえてそれをどこまでも押し切っていくかという問題なんです。しかも、先ほどもお話がございましたように、この地元がもう一致して反対しているわけです。この反対につきましては地元能勢町は当然のこと――能勢町は六月の二十六日、京都の園部町は六月の二十五日、これは全員協議会の決議をとっております。七月十日には大阪府議会の全員協議会でも決議をとっております。いま長官もおっしゃったように、やはり一番そういう地元の住民の協力というものが大事である。ところがそういう協力を得なければならない地域住民が、このように代表である議会においても反対決議をしているわけですよ。そういう状態の中で、さらにそれをどうしても押していくかという問題なんです。いま非常にみんな不安な気持ちでおるわけです。それにつきまして、まあいま何点か申し上げたわけですが、答えていただいて、その問題のまとめとして長官にあとお願いしたいと思います。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 ナイキの陣地を置くことがかえって脅威になるのではないかというお話でありましたが、そもそも自衛隊というものが抑止力として存在するわけで、戦争をするために自衛隊があるわけではございません。同様に、ナイキの陣地にいたしましても、敵軍と申しますか、侵略をする外国の航空機が容易に来得ないようにということをねらいとする、つまり抑止力としてのナイキの陣地を置こうということであります。あたかもハリネズミを襲おうとする動物がいないように、こういうものを置くことによって攻撃を避けるという抑止力の意味があります。したがいまして、その存在自身は、必ずしも脅威とは私どもは考えておりません。  なおナイキは百数十キロ飛ぶわけでありますから、その射網を構成するような配置を選んでおるわけでありまして、そういうことから中京及び阪神地区の外周を囲むようなかっこうで配置をしたいというように考えております。  それからナイキの実射につきましては、アメリカで従来行なっておりますが、私の関知する限りにおきましては、事故は起こっておりません。そしてまたブースターが落ちます場合も一キロから二キロぐらいの範囲でありまして、いまの弾薬庫とは関係ございませんが、ただ言えることは、かりに危険ではないかという御質問については、常時におきましては発射を絶対にしないわけで、また別途の射場で発射するわけでありますから、この場所で発射することはあり得ない。発射することがあり得るとすれば、それは抑止力がかなわなくて戦争状態になった場合、そういう場合には敵の飛行機が来る、爆弾が来るというさなかの中での問題でありますから、一応、弾薬庫の問題とは必ずしも直接の関係はないのではなかろうかというふうに考えます。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 お尋ねの自然公園との関係の問題でございますが、これは昨年この土地につきまして検討した際に、われわれとしても地元にそういう構想があるということは承知をいたしております。したがいまして、ここにナイキの基地を設置するということになりますれば、ここの計画との調整という点につきましては、十分地元と話し合いをしていきたい、こういうふうに考えております。  さらに、この能勢町だけでなくて、周辺の市町村が反対決議をしておるにもかかわらず強行するのかという問題につきましては、先ほど長官からもお答えしましたように、住民の協力ということが何よりも大事でございますので、われわれとしてもあくまでも地元に説得をしまして、その理解と協力を得た上でやるということで、決して住民の意向を無視して一方的に強行するというようなことは考えておりません。この点、御了解をいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 防衛施設を置くという場合には、大体原則としてきらわれる場合が多いのです。そこでどういう内容を持っておるのであるかとか、危険性はどうであるとか安全性はどうであるとか、あるいはこれを置いた場合のメリットはどういうものであるとか、そういうものをよく御説明いたしまして、理解を得て設置するという場合が多いわけです。初めのうちは大体反対が多いと考えてもいいのでありますが、理解して協力していただく場合もまた多いわけであります。そういう意味において、この能勢の問題もわれわれの努力の不足であるという考えに立って、今後とも誠心誠意ナイキの状態その他を御説明申し上げて、周辺の市町村を含めて御理解を得るように今後も努力していきたい、このように思うわけであります。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そういう地元住民の協力態勢ができないのはまだ努力が足らないからだという、非常に強いニュアンスを私受け取ったわけですが、住民が反対しておるのは、危険であるか、安全であるか、もちろんそのことも大きな問題でありますけれども、地域住民がやはり自然公園の問題とかそういういろいろな夢を持ち、計画を持っているわけですね。やはりそういういろいろな背景があるわけですよ。ですから、根本的にこういう都市圏を形成するところに置いてもらったら困る。何も能勢町ばかりが土地ではないわけですよ。その土地の選定がむずかしいようであれば、聞くところによると、移動式の、すぐに組み立てられるような施設もあるということも聞いておりますから、もっと柔軟な姿勢といいますか、そういう中で考えるべきではないかと思うのです。それについてはどうでしょう。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 能勢町の実情を私ちょっと存じませんけれども、現在の配置の構想は、現在の配置場所で有事の場合に発射する場合もありまするし、それから場所によりましては、たとえば少し高いところに配置がえをしたほうがよろしいというように、有事に近くなって配置転換をいたします、たとえばゴルフ場などを利用するという構想などもございます。これは一般論でございますが、必ずしも現在配置された場所で撃つとは限りません。しかし一応有事即応、特に領空侵犯あるいは――領空侵犯に関係ありませんが、防空関係のように非常に短時間でもって対処しなければいけないという場合には、一応現在の配置場所が防空対象の場所になるというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そこで、長官もあくまでも地元の協力があって初めて基地としてのそういう機能が発揮できるのだ、こういうことで、今後進めていく上においてそれが大事な要件であるということをおっしゃったわけです。そこで、この前に、万博の開催当時と思いますが、次官が来られて、小幡次官だったと思うのですが、地元の記者の方にも、もしも反対があってもそこは粘り強く、第三次防の範囲の中でできなくても四次防にずれ込んでもやる決意であるというような意味のことをおっしゃっているわけです。どうですか、どこまでもそういう地元の反対があろうが、計画が延びようがやってしまうという決意ですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 われわれの努力の足らざるを思い、努力の限りを尽くしてやるべきものであると思います。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 軍事評論家の小山内宏さんという人は、こういうふうにおっしゃっているわけです。「これまで基地防衛のために置かれていた高射群が初めて阪神・中京という都市圏の防衛に配備されたものといえる。ナイキ・ハ一キュリーズの日本型であるナイキJは、レーダーコンピューターで発進三万メートルの上空で迎撃する、かなり高性能なものだが、相手の兵器をエスカレートさせる危険がつきまとう。軍事力を増強するだけで、複雑な世界情勢に対処していけるだろうか」とこの国防計画の問題点を指摘されておりますが、さらに「ナイキJのような高空用、ミサイルは、発射にミスがあると、弾体が周辺に舞落ちる危険がある。国土が狭く、地形の複雑な日本では、安全な距離をとる余裕がない」このようにおっしゃっておるわけですね。そういたしますと、非常に有害論といいますか、安全である、危険でないとおっしゃっても、多くの人もこのように指摘もしております。ですから、この不安あるいはその危険度というものは、みんな持っているわけですね。さらにいま申し上げた地域は、そういうような開発の問題の残された大阪の唯一のそうした地域である、あるいはそばには危険な火薬庫がある、こういう中で、いま長官も、そこは粘り強く説得をして今後やっていくとおっしゃっておりますが、大阪府民の代表、大阪府議会でございますが、そこがはっきりと反対決議をやっているわけですよ。ですから、ここで、この三次防の中でもいまの状態ではもうできる見通しもありませんし、ですから、場所を変えるとか、何らかの、そこで大きく方向というものを転換して白紙に戻して、もう一度、どうすれば皆さんがお考えになっているそういうものをできるか、その辺をひとつ検討する必要があるのじゃないかと私は思うのです。その辺についてはどうですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 方針を変更する考えはございません。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 非常に長官のかたい決意でございますが、これは地元としては絶対困る、こう言っているわけですね。長官はその前提として、あくまでも地域住民の協力、納得を得た上で行なうということは先ほどもおっしゃったわけですが、何か土俵の上の押し合いみたいな状態になっておるわけです。長官は自信がおありなのかどうか知りませんが、いまもその地域住民あるいは隣接市町村というものは、こぞって反対しているわけですよ。だから、私はそういうような説得なり何なりはおそらく不可能だと思うのです。そうした場合、それが五年かかるか十年かかるかわかりませんけれども、いまはそうおっしゃっていても、ある程度はこれは強制的にやってしまうのだ、こういうようなことは絶対ございませんか。最後まで地域住民の意思を尊重する、こういう態度は終始貫かれるわけですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 地域住民の御理解を得て、そして実現していきたいと思っておるわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そういう前提をおっしゃっております。それでこの問題、いろいろあるわけですが、時間もありませんので、いずれにしても、大阪なり東京なり、そういうところは都市圏がさらに拡大してきておりますし、あるいは公害等の問題等のこともございますし、ひとつ防衛という面だけでのごり押しといいますか、そういうことじゃなくして、あくまでも大きな立場からよく理解をしていただきたい。そうしていま長官は、この場所についてはさらに決意を変えずに考えていくとおっしゃっていますが、ひとつ大きな範囲で――そういう限定されたことだけで、ワクからはみ出せない、そういうことじゃなくして、これからももう一度ひとつ自衛隊内部で、長官を中心によく検討していただきたい、このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私は国会に出て十三年になるのでありますが、防衛の問題というのを取り上げるのはきょうが初めてであります。そういう意味では、防衛については全くしろうとでありますけれども、私も実は第二次大戦中に、昭和十六年に大学を卒業したものですから、海軍の軍医として終戦まで海軍におりました経緯もあり、中曽根長官もたしか当時海軍においでになったように伺っておりますので、そういう私の過去における経験と、私が主として担当してやっております経済問題との関連で、一体日本の防衛というものがいまのような発想のもとでできるかどうかという点について、きょうは防衛庁長官と少し政治的な論議をいたしたい、かように考えておるわけであります。  そこで、最初にちょっとお伺いをいたしまするが、この間、御承知のようにOPECで問題が起きまして、石油産出国側の問題とこれに対する国際石油資本との間のいろいろな経過がございました。その過程の中で、産出国側は、もし自分たちの希望がいれられないときには供給を停止する場合もある、こういうことが新聞報道に伝えられたわけでありますが、中曽根長官はこの報道をごらんになってどんな感じをお持ちになったでしょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 新聞を読みまして、もしこういうことが事実で起こると非常に大きな混乱が日本に起こる、たいへんなことになる、こういうように思いました。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 第二次世界大戦の始まる前に、私は当時大学生でございましたけれども、その当時の経過をずっと見ておりまして、当時の政府が一つ重要な問題のファクターとして考えておりました点も、実は当時の石油資源の問題に非常に関係があったように私は承知をいたしておるわけでありますが、中曽根長官もおそらく当時そういうような経過は御承知だろうと思うのですが、あの当時の日本政府はいろいろなことを言っておりますけれども、やはりこの石油資源の問題というのがあの第二次大戦の一つの問題点として関係があったような感じが私はしておるのでありますが、その点は中曽根長官はどんなふうにお考えでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 政府は当時から蘭印交渉等を行なって、石油資源の確保に非常に努力しておったようであります。大戦の発端になった動因の一つとして、そういうものもあるのではないかと思います。私は堀さんと同じように当時海軍におって、十一月の初めでありましたか、巡洋艦「青葉」の上で当時の通信長と大きな激論をやったことがある。通信長が言うには、もう油がとまってこのまま行ったらどか貧だから、一か八かやる以外にない、そう言っておりました。私は学校を出たてのせいもありまして、第二次大戦におけるドイツの帰趨はわからぬ、したがってドイツがどういうふうになるかというのを見通した上でやるので、まだそんなことをやる段階ではない、そう言って激論をした記憶があります。ですから、海軍やそのほかがやむを得ずと思ったのは、やはり油の問題が非常に大きかったのだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私もさように承知をいたしておるわけでありますが、本日取り上げたいのは、実は資源と防衛と申しますか、たいへん抽象的な話のようでありますけれども、あの第二次大戦当時の日本の生産力、これと今日の生産力というものは、全く比較にならない大きなものをいま日本は持っておると思うのであります。  そこで通産省にお伺いいたしますが、きょうきょうお越しをいただいておるのは鉱山石炭局でありますが、大体日本でいま問題になりますのは、この鉱山石炭局の扱う資源というのがほとんど日本にはないということであります。そこでちょっと重要なものだけを伺いますけれども、アルミニウムの原料それからニッケルの原料、これは一体国内で生産できるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

礒西敏夫通商産業大臣官房審議官

○礒西説明員 アルミニウムとニッケルにつきまして、きょうは石油の問題だと思いまして石油のものしか持ってきておりませんので、あれでございますが、大体アルミニウムはその資源の大部分を輸入しておりますし、ニッケルも先生御指摘のとおりほとんど輸入しておる、こういう状況でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 資料をお持ちでないようで、私のほうから申すことにいたしましょう。これは衆議院の調査室で調査してもらった調査でありますが、昭和五十年の段階で見まして銅は海外依存率が八二・九%それからいまのアルミニウム、ニッケルはいずれも海外依存度一〇〇%、鉄鉱石が九〇%、原料炭が八五・九%、石油が九九・七%、ウランが一〇〇%、大体こういうように、現在日本のたいへん重要な産業の一つになっておる重化学工業の産業資源というものが、実はほとんど海外に依存しておるというのがいまの日本の実情だと思うのであります。しかし、この場合、特に私が最も関心を持っておりますのは、実は重油の問題であります。この問題は、日本自身が戦争に巻き込まれなくても、いまのような中東重油だけを中心に日本が重油の輸入をいたしておりますと、あの地域にもし大型の紛争が起きれば、重油を補給することはきわめて困難になるおそれがある、こういうふうに感じておるのでありますが、中曽根長官いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 一カ所に集中しておくということは安全上必ずしも賛成しません。イギリスがスエズ戦争の経験にかんがみて北海の天然ガスや石油の採掘に非常な熱意を注いだのも、そういう理由によるものと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 現在、日本におきましても各種の開発を行なっておりますけれども、石油の開発というのはなかなか簡単にいかない仕事でありまして、アラスカ石油でありますかいろいろあるようでありますが、いずれもまだ十分な効果はあげていないようであります。そこでその問題が一つあるのですが、さらにもう一つ、原油とそれから精製された石油とを合わせてでけっこうですが、これの大体の貯蔵量というのは現在何日くらいで――問題はいまの問題だけではありませんので、昭和五十年をひとつ想定をしてみると、そのときには何日くらいの貯蔵ができるのか。ちょっと通産省で答えていただきたいと思います。

礒西敏夫通商産業大臣官房審議官

○礒西説明員 昭和四十五年の十二月末現在で原油、製品合わせまして約四十五日分の備蓄でございます。将来の問題につきましては、現在設備許可をやっております際に、六十日分の備蓄タンクをつくるように条件づけております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこでもう一つ今度は、いまの四十五日分というのは、どんどん船が入ってきて精製をして、それで一種のランニングストックとして四十五日分あるわけですね。ですから、もしこの船が少し入らなくなるとするとたちまちにしていまの日数は減ってくる、こういう計算になると思うのです。  そこで今度は船の話になるわけですが、一体日本とペルシャ湾は距離としてどのくらいありますか。運輸省ちょっとお答えをいただきたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 ペルシャ湾と日本の距離は約六千六百マイルでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 インドネシアと日本との間の距離は大体どのくらいありますか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 約三千マイルございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこでいま石油はインドネシアからも入りますけれども、ウェートとしてはペルシャ湾から来るものが主たるものだと思うのですが、これは通産省どのくらいの割合になりますか。

礒西敏夫通商産業大臣官房審議官

○礒西説明員 現在中東地区、アラビア全部入れまして九〇%程度でございます。なお、インドネシアとかいわゆる現在OPEC諸国に入っておる十カ国から入ってくる分、それを合わせますと九五%になります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 非常に大量に消費をしております重油の九〇%がペルシャ湾からくる、こういうことのようであります。そこで今度はタンカーの輸送の船腹の状態ですけれども、一体いま日本の積み取り比率と、用船比率といいますか外国船によるものとは、大体どのくらいの割合になっておるのでしょうか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 四十四年度で申し上げますと、日本船の積み取り比率は約六三%でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうすると、まず日本船だけで考えてみまして、この六三%というのは隻数として何隻くらいになるのですか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 百七十五隻でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 この百七十五隻のうち、港に入って荷揚げをしておるものを除いて、日本の港を出てペルシャ湾へ向かっていくもの、ペルシャ湾から荷を積んで帰るもの、要するに日本の港以外の海上にあるいまの船腹はどのくらいでしょうか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 修繕中のものも含めましてそれを除きますと、約百四十隻くらいが海上に浮かんでいるという計算になると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 百四十隻といいますと、いまのお話からすると、大体八〇%くらいが海の上に動いている、こういうことだと思う。私どもよくわかりませんが、いまタンカーが二十万トンタンカーとか十五万トンタンカーとか大型のものもありますが、大体平均すると、いまの日本のタンカーというのはどのくらいの大きさでしょうか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 ただいまの隻数は百七十五隻でございまして、それから総トン数で申し上げますと、全日本の外航タンカーというのは八百万トンございますので、約五、六万トンというふうにお考えいただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 中曽根さんは「青葉」に乗っていらっしゃった。私は駆逐艦「天霧」というのに乗っておりまして、実は油槽船の直衛をだいぶやりました。当時の油槽船というのは大きいので  「日章丸」その他で約三万トン、それ以下二万トンクラスというのが大体多かったわけでありますけれども、今日の様子では、いまお話しのように五、六万トンが平均、大きいのは十万トン、二十万トン、ずいぶん大きなタンカーができつつあるわけですね。そこで私は今後の日本の防衛というのを、実は防衛白書で少し拝見をしたのですけれども、第一次大戦、第二次大戦を通じて、イギリスは御承知のように海に取りかこまれた国でありまして、イギリスに対しては、なるほどドイツは直接な爆撃をいろいろな形でやりましたけれども、しかし同時に、イギリスは海上を封鎖されることがきわめてイギリスの状態には大きな影響を与えた、こう考えるのであります。私は、いま実はこれらの資源、石油だけではありませんけれども、重油が入らなくなったときには、日本のエネルギーの主たるものは、現在重油によっておるのでありますから、産業はもちろん、交通から家庭生活、あらゆる面に非常に大きな影響を与えることは、私が申し上げるまでもないことだと思うのであります。さらに産業面で見れば、さっき申し上げましたように、鉄鉱石、粘結炭、アルミニウム、ニッケル、銅をはじめ、主要原材料は全部外国に依存をしておる。こうなっておりますから、いまたまたまそれだけのものをあげましたけれども、実際にはこれを全部日本に運んでおる船の量というものは、実に膨大な量に達しておると私は思うのであります。この前のイギリスのときの状態を見ても、そうでありますけれども、私は、どうもいま自衛隊でいろいろお考えになっておる三次防、四次防の中で、こう拝見をしておりますと、いろいろな装備をしておられて、さっきもナイキの話が出ておりましたけれども、そういうふうな形で日本に何か局地戦的に攻め入ってくるなどということを考えるよりも、もし戦争が起きれば、そういうむだなことをしなくても、日本の場合には、海上がある程度封鎖されれば、何ら上陸をしなくても非常に問題が起こるということは、これは戦争のこととか防衛の問題ではなくして、常識の問題として、すべての国民が、日本だけではなく周囲の人たちも承知をしておることだろう、こんな感じがするのですけれども、これらの点については、長官はどんなふうにお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 近代文明国家においては、やはり大なり小なりそういう深刻な事態が起こるだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 大なり小なりということでありますが、日本の場合には、今日生産力が資本主義国ではアメリカに次いで二番目だというような大きな生産力を持ってきておりますので、特に私は、この点で今後の防衛の問題というのを考える場合に、この「日本の防衛」というのを拝見をしまして、ここに「予想される武力紛争」というふうなところがあるのですけれども、いま私が触れたような角度から、資源の問題の側面からは実はここには何も書いてないのですね。防衛というきわめて小範囲の技術論といいますか、専門家の意見ですからそうなるのかもしれませんけれども、今日の防衛などというものは、そういう技術論の問題ではなくして、より高度の政治論の問題ではないだろうか、私はこんな感じがしておるのです。  そこで、防衛庁長官に伺いたいのは、私の過去からの経験によりましても、延々六千海里にわたる地域に、ともかくずっと船が並んでいるわけです。いうなれば、ベルトコンベアのようにして原油なら原油一つにしても運んでおる。この原油を運んでおるラインが、完全に防衛できると長官はお考えになりますか。私の過去の経験では、かなりの船団を組んで直衛をしておりましても、実際にはかなりやられました。それが私の過去における経験なんです。いま、これをある程度の船団に組むなどということになれば、重油の供給量はがたっと落ちるわけですね。ベルトコンベアで運んでいるから四十五日で揚げているわけですね。これをある程度幾つかのブロックにすれば、これはブロックに入ったときはいいけれども、入れない場合には、かなりの余裕がなければ、この問題はなかなか困難な状態になるのではないだろうか。そう考えると、一体中曽根長官は、どういう紛争が起こるかは別にして、もし紛争が起きてこのベルトがベルトとして役に立たなくなったときには一体どうなるのか、ちょっと防衛を担当する長官からお伺いをしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 したがって平和国家として、国際機関あるいは日本固有の外交政策等において、そういう事態を起こさないような努力を傾けていくというのが、わが国の外交方針で、その外交と一体になって防衛というものはあるので、何も防衛自体が孤立してあるのではありません。したがって私は、外交機能を非常に重要視する。防衛白書にも、あるいは長官談話にも書いておきましたが、国民の協力がなかったらゼロである。外交の機能が活発に動かなかったら、大半は失われる、そう書いておきました。それは、そういう観念があるからで、特に日本の場合には、そういう性格が濃いと思います。  それから、いまの油の問題でありますが、そういう究極の限界概念を持ってこられますと、防衛が成立する国というのは世界じゅうにないと思うのです。それはICBMが大国にありますが、これを撃たれたらどうするかという問題とこれは同じような問題で、そういう究極の限界概念では防衛が成立しないという世界の形勢にいまなってきた。したがって、われわれのような二流国家では、それを防衛の正面の問題としてとらえにくい。むしろブランクにしておかざるを得ない。そういう世界なんです。また、そういうことをわれわれが積極的に関心をもって手を出していくと、かえって国際緊張を激化したり、われわれが意図していることと反対の方向に国際情勢がなびいていくという危険性もあるわけですから、そういう究極の限界概念については、これはブランクの世界にして、外交やその他の国際関係においてできるだけうまく処理していく以外に方法はないと思います。  それから、われわれが防衛としてとらえているのは、やはり日本本土を中心にした場合で、これは絶対の究極の、われわれの防衛からすると一番大事なポイントですが、外国から物が来るということ以上に、本土が占領されたり、侵略されるということがし実は大事でありますから、そういう意味において、一番バイタルなポイントの、ある限界までは自分でやっていく。そういう考えに立って、日本の防衛というものもある限られた前提の上に立っているわけで、そういうような究極の限界概念で、起こるか起こらないかわからない、しかしないとは言えないが、そういうものを起こるものとして、それに年じゅう金をかけてやっておくというメリット、バランスシート、そういうものはブランクの世界にしておいて、ほかの大事なことにそのお金を使っていくメリット、バランスシートというものを考えてみると、政治的バランスの判断としては、そういう究極の限界概念には、日本の場合は触れないほうがメリットが多い、そういうわれわれの判断に基づいて防衛白書はできております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまのお話をそれなりにすらっと聞いておりますと、何かもっとものように聞える点もあるのでありますが、私はもしかりに戦争が起きるときには、最も被害の少ない形を、自分のほうの被害を最小限度にして、敵に与える被害が最大限になる方法をとるというのが、過去以来そういう戦争が起こるときの常道だろうと思うのです。いま長官がおっしゃったように、それは仮想敵国がどこかなどということは言いませんけれども、日本の本土に攻め入って、そしてここを占領することにどれだけの意味があるのかという問題が一つあると思います。御承知のように第二次世界大戦のときでも、アメリカは日本の本土に入らないうちに戦争が終わったわけでありますが、今後日本にどういう意図で敵がやってきて占領するのかわかりませんけれども、そんなことはあり得ないと実は私は考えているわけですが、そんなことをしなくても、日本が手をあげるような――そんなむだな努力をして、日本人を相手に日本の本土に上がることはたいへんなことである。これは、どこの民族でもよく承知しているだろうと思う。そんなことで本土に上がるよりも、被害が最小限度で、日本自身が戦わずして手をあげる方法を、もし戦争が起これば選ぶことになるのではないだろうか。だから、私が申し上げたいのは、前段は長官と全く同じでありますが、要するに日本の置かれている情勢は、今日の生産力が大きくなってきた段階では、いま長官が前段でおっしゃったように、日本の平和を守るのは、外交に徹して、いたずらに物を準備することは、相手方にそういうことに対する緊張を強めるおそれがあるという点で私前段は全く賛成なんです。社会党のわれわれが非武装中立論を唱えておることについて世上いろいろと批判があるのですけれども、経済的な効率の面から見れば、さっきどちらにメリットがあるのかとおっしゃったけれども、この際は平和外交にどこまでも徹して周辺と紛争を起こさせないようにするということが、やはり防衛の最大の眼目であって、それならば国内に上がってくる分だけは何とかしなければならぬとおっしゃるけれども、私はいまの段階では、国内に上がってくるものが一体あるのだろうか、何のためにあるのだろうかという感じがしてならないわけです。ですから今日までの日本の生産力の拡大は、一にそういうむだな、再生産を伴わない軍備のほうに費用が使われないで、常に再生産をもたらす産業関係のほうに費用が使われたことが、今日の日本の成長なり、今日の段階をもたらしたと思うのでありますが、今後さらにこれが拡大をするにつれて、ますますいま長官がおっしゃった前段の方向を強める以外に、日本の平和はもちろん、存立そのものが保てないのじゃないか、そういう宿命的な段階にすでにもう踏み込んでいる、こう私は経済的な諸面から判断をして考えておるわけなんですが、やはり長官はどこかの国が日本にたいへんな犠牲をおかして踏み込んでくるのだ、そのために国防を、大いに軍事予算を拡大し、第四次防を拡大してやはり準備をしなければならぬ、私はその限界を越えたという判断ですが、長官はまだ越えない、そうしてそういうもの好きな、私から言えば計算の合わない国があるとお考えなのかどうか、その点をちょっと伺いたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 現在の防衛力の整備には、抑止力の造成という意味がありまして、それがあるがゆえに起こさせない、あるいは起きない、そういう機能が非常に多いわけです。だいぶ前まで北海道の日本の領空を外国の飛行機が侵犯したことがございました。そこで米軍がスクランブルを始めてから近寄らなくなりました。日本の航空自衛隊がそれを引き継いでスクランブルを始めてから、そういうことはやらなくなった。しかし年じゅう接近していることに事実です。そこで日本側及び米軍側のスクランブルがないという状態で、昔のままの状態であったら、あるいはミスか故意かによって領空侵犯が行なわれることはあり得ると思うのです。そういうものが公然として何回も行なわれるようになるということは、日本の防衛や民心の上にもゆゆしいことが起きてくると思うのです。そういう一つの例を見ましても、やはり自分たちが住んでいる周辺については、防衛とか抑止力というものを整備しておくということは、今日の国際常識であるだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 もちろん私は中曽根さんと見解が一つになると思いませんけれども、しかし国民が願っておりますのは、やはり国家がいま考えておる最大の目的は、国民がより豊かで平和でしあわせに暮らせることを国民は求めていると思います。それは選択の問題でありますから、やはり今後の問題として残るわけでありますけれども、私は少なくとも、自分で少し長年にわたってこういう経済的な側面から見る限り、いまおっしゃるような抑止力の問題は、それはそれなりにあるかもしれませんが、しかし領海を幾ら飛行機が上を飛んできたからといってどうなるものでもないのじゃないか、あまり気にすることはないのじゃないかと私は思うのです。気にする人は気にするでしょうから、そこらは見解の相違の生まれるところだと思うのですけれども、どうかひとつ長官も、前段でお話しになったように、今後の日本の行くべき道は、やはり何としても外交的な手段によって平和を維持することが最大の要件であって、防衛をすることだけが日本の平和を守るということにならないのじゃないだろうか、私はそういう気持ちでおりますことを申し上げて、アウトサイダーではありますが、お互い海軍におりまして戦争中に苦労したことを思い返して見るならば、もう一ぺんここらで、もう少し日本の防衛のあり方については考え直しておく必要があるのじゃないか。あまりむだづかいをしなくてもいいのじゃないかということを申し上げて、私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これは施設庁長官のほうに相なろうかと思いますが、順次これは防衛庁長官のほうにも御高見を拝聴しますが、在日米軍の施設の整理統合計画、またそれに伴うところの駐留軍の従業員の解雇状態及び今後の見通しを、再就職をも含めてもう十分調査になっていると思います、この機会に御発表願いたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 昨年の十二月の二十一日の日米安全保障協議委員会の当日、在日米軍司令部から大量解雇の通知がございました。その際に示されました解雇計画は、総数で八千四百三十一名でございます。陸軍二百六十六名、海軍が五千四百四十名、空軍二千七百二十五名、そのうちに二月十七日現在で、現実に米軍から関係府県に対しまして人員整理の要求書が出されておるものが五千九百五十一名でございます。陸軍関係が二百二十四名、海軍が三千八百六十三名、空軍が千八百六十四名でございます。なお残りの二千四百八十名につきましては、現在在日米軍におきまして整理計画に対して検討を行なっておりますので、作成ができ次第、それぞれの関係の府県に対しまして人員整理の要求書が出される、こういうことになっております。  なお、今後どの程度の人員整理要求があるかにつきましては、まだ現段階においては明らかでございませんが、整理要求がさらに出されるという可能性はあるものと私どもは考えておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そういうふうになった場合の再就職を含めて聞いたわけですけれども、この解雇された者、それに対しましてもうそれぞれ打つべき手は打っていると思うのです。再就職はそのままされているのかどうか、これがちょっと気になります。当然それらの措置もあろうかと思います。これを含めた質問なんです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 今回の大量解雇に対しまして、実は本日閣議に、この対策の大綱が報告をされまして、その中に再就職者のための措置、職業紹介、職業指導を充実していくとかあるいは職業訓練等を拡充していくとかあるいは離職者の行ないます事業の拡張をはかっていくとかその他離職者の多発する地域に対する対策としまして、返還施設等の活用の問題あるいは地域開発対策等の検討、促進、こういう項目につきまして、一応中央の離職者対策協議会において決定せられました事項が本日の閣議に報告せられたわけでございまして、この大綱に基づきまして、各省がそれぞれの所掌事項に応じまして具体的に対策を立てていく。また同時にそれぞれの府県あるいは市町村におきましても同様な方向で協力をしていく、こういう方法が打ち出されたわけでございまして、それに基づきまして今後職業相談、職業あっせんをはじめとしまして、いろいろな援護対策が打たれていく、こういうことになるわけでございますが、今回の解雇の要求の状況は、大部分が九十日間という解雇予告期間を守ってくれておりますが、一部だけ若干九十日を切るものもございますが、三月ごろから逐次出てまいりまして、六月末ごろまでに解雇される、こういうことでございますので、それぞれの基地におきましては若干解雇が出ておりまして、それに対する再就職ということも一部行なわれていると思いますが、ただまだ大多数のものがこれからということでございますので、大体関係の府県におかれましては、それぞれの解雇予告を受けた者に対しまして意向調査を徴して、そうしてそれぞれ職業相談所を設けまして職業相談に応じるということを、それぞれ始めておられるということで、実際の解雇が出るのはこれから六月までにかけて、こういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 実際われわれが聞いているところでは、そういうような計画はあるようです。具体的な問題として、北海道には千歳にクマ部隊がおる。この八百名中、四月、五月を含めても、すでに就職内定したのはただ七十名程度にすぎないのだ、こういうようなことを聞いてあ然としているのであります。これがまだそのままずっと継続され、どんどんと首を切られる。こういう対策は、いろいろやらなければならないでしょう。その結果は別にしても、再就職を含めてこの対策だけはきちっとしておくべきであろう。いまも空軍以外はあまりないという話ですけれども、いわゆる人員整理の予告期間、これはもう米軍側は九十日オーケーしたはずなんです。これをオーケーしながら守っているか、あまり守られてもいない。ことにこれは空軍のほうはむちゃくちゃだ、こういうふうなことも聞いておりますが、むちゃくちゃならば契約条項の中にこういうようなことをはっきり明記して、こんなことをさせないようにするのが、あなたの立場じゃないか、こう思っているのですが、この点、なぜひどいことをやられて黙っているのでしょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 九十日間の予告問題につきましては、昨年一月に米側と話し合いをしまして、米側のほうも解雇予告につきましては、極力九十日間の予告期間を守るということで、そういう考え方を述べてまいりまして、その後昨年の暮れの安全保障協議委員会におきましても、そのことを再確認いたしておるわけでございます。そこで、われわれのほうは九十日間――現在、契約では四十五日でございますが、これを九十日間に延伸するということでしばしば交渉してまいりましたが、米側もわがほうの意図につきましては、これはよく理解できるということでございますけれども、やはり米側の諸般の事情から、これを契約に乗せるということについてはなかなか難色を示しておるわけでございます。しかしながら、その間に、期間が長ければ長いほど十分再就職についての準備期間が設けられますので、私どもとしては今後この契約化というものについては、さらに努力をいたすつもりでございますが、現在までの経過からいたしますと、なかなかその米側の態度はかたいということで、非常に困難が予想せられるというのが現在の状況でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それでは、せっかくそれまで了解して、それをいま実施中でありますというなら、九十日の予告期間に満たないで解雇された者、これはやはり十分守って解雇された者と比べて、いろいろな点で不利です。あたりまえの話です。その分についてはその日数分を補償してやったらいいじゃありませんか。それが一つの責任体制じゃないか、こう思うのです。国のほうとしてはそれを要求してもいいし、またそれを実施してもいいし、これを地方自治体にまかせるなんというのはひきょうだと思うのです。これをなぜ国のほうでやらないのでしょうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 厳密に申しますと、労働基準法によりますところの解雇予告期間というものは三十日でございまして、それを割ると手当が出るという制度になっております。これは一つの権利として考えられますが、実はこの九十日問題というのが双方のそういう申し合わせなり行政的な配慮ということでまいっておる問題でございますが、まだ労務者のほうの権利ということにまで熟しておらないということでございます。したがいまして、その差額について補償する問題、これもなかなかむずかしい問題でございまして、今回の場合も実は十数%が八十五日なりあるいは七十五日ということでございまして、そういう方々に対しましては、離職対策と申しますか、そういう面でできるだけ手厚く配意をしていく、こういう方向でいくというのが現在の状況では適当ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 どうもそれにも納得しかねるわけです。これは行政的な配慮であるから、配慮の範囲を出ないのだ、責任ないのだ、こういうような考え方では、やはり行政の任に当たる人の態度ではない、姿勢ではないと思う。東京都ではわざわざそのために六万円ずつ支給してやった、これも聞いておるのです。当然国がこういうようなことを考えてやるべきではないですか。単なる行政的な配慮であるから責任持たなくてもいいのだ……。しかし同じような公害の問題でも、基地に及ぶ場合には、これは公害の紛争処理法の適用を直接受けない。それなのにもうすでに基地周辺法であるとか・または米軍の場合には特に法律があるからその法律で対処する。すなわち金の問題ではない、いかなる法律によるよりもこの方面によっての支給と対処の方法が確実だから、こういうようなことで、前の山上さんもはっきり公害対策特別委員会へ来て言明しておる。おそらくこの人たちに対しては公害の被害を受けた以上なんです。一生涯の問題ですから。そういうようになった場合には、当然それくらいのものは、聖域にあるといわれておる防衛庁関係の予算でできないわけはないじゃありませんか。それをわざわざ、知事責任としてやったのかどうかわかりませんけれども、東京都ではやはり六万円ずつ支給を配慮した。こういうようなことがある場合には、この点では少し、怠慢とは申し上げられませんけれども、行政的な配慮であるということが、配慮に欠けておるのではないか。私はそれが残念なんです。防衛庁長官、この点ではもう少し強力にやって――二回、三回請求する問題ではないのです。一回で終わりじゃありませんか。いわば葬式じゃありませんか。盛大な葬式くらい出してやったって、ばち当たらぬですよ。命がけの問題なんですが、これはふんばれなかったのですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 なかなか、われわれ力及ばずしてまことに残念でありますが、どうも東京都ほどもののわかりがよくないのではないかと思いますけれども、われわれとしては努力していくべきものであると思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それならば、前国会でもこれは要求して、皆さんも必ずやるようなことで私了解しておったのですが、昭和四十六年度のこの予算の中では特別休職手当、これはもう要求されたと聞いておったのですが、これが見えないのですが、この問題も壁が厚くてだめなんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 けさも大出先生の御質問に対してお答え申し上げましたが、われわれ政府のほうの一つの措置としまして、雇用安定をはかるというそういう基本的な政策の一環といたしまして、この特別休職手当制度というものを考えまして要求いたしたわけでございますが、特別休職手当制度そのものにつきまして、まだ理論的な面で必ずしも十分ではないというところもございましたし、それからそのほかに、特別給付金の増額の問題とか、あるいは健保補助金の問題とか離職対策センターに対する助成とか、いろいろな事柄に対しまして、そういう全体とのにらみ合わせの中でこの問題が一応論議されたわけでございます。したがいまして、一応来年度としましては現在あります臨時措置法、これに基づくところのいろいろな諸施策を、できるだけ拡充し強化していく、こういう方向をとらざるを得なかったわけでございまして、そういう点につきましてはかなり予算が伸びたというふうに考えておりますが、遺憾ながらこの休職制度はそういう意味で、全体とのかね合いにおきまして見送らざるを得なかったということで、しかしながら雇用安定をさらに進めていくという意味におきまして、今後ともこの種の制度につきましては十分ひとつ検討をして、その実現に努力したいというふうに考えておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これは、考えていきたい、こういうようなことを何回聞いても予算にも何にも乗ってこない、壁が厚かった、こういうようなことだったら何にもならないのであります。しかし、この特別給付金の増額、こういうような問題では効果があったようであります。特別給付金の増額、これが認められた場合には、当然これに対する条件、遡及するというような条件、こういうような点も獲得されたと思うのですが、この際ですので、ひとつ遡及して適用するという件はどういうようになっておるのか、これも明らかにしておいてもらいたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 先生よく御存じのことでございますが、遡及問題をわれわれとしても取り上げまして、いろいろな角度から検討いたしましたが、結論的に、現在の段階では一応日米安保協議委員会で共同声明が出されました、その翌日までさかのぼるということでいま協議中でございます。これにつきましては、いろいろその遡及の幅をもう少し長くしたらどうかという御意見、これは先生の非常に強い御要望のあるところだということは、私ども十分認識いたしておるわけでございますが、もともとこの特別給付金制度というものは、退職手当のほかに支給する一種の慰労金やら見舞い金ということで、四十四年の四月からこれが大幅に実は増額をせられまして、その後二年たちましたので、いろいろな諸物価の値上がりあるいは給与のベースアップという問題もございまして、四十六年度からこれをさらに増額要求をするということでまいりまして、四十六年度を対象にいたしていろいろな計算もでき上がっておるわけでございます。そこで、いまこの遡及問題につきましても、できるだけ形よくわれわれとしては遡及をしたいという強い願望を持っておりますが、いまのような給与のきめ方との関連におきまして、さらにそれを半年も一年もというわけにはなかなかまいりません。そこで三十九年度におきまして、当時こういう協議委員会を設立し、その翌日からに翌日以後のものにつきまして遡及をするという前例もございましたので、今回もいろいろ検討いたしましたが、結論的には結局そういう線でまいるということで現在協議をいたしておるわけでございます。実はできるだけ遡及幅が広ければいいわけでございますが、どうもどの時点をとりましても、いろいろやはり問題があるわけで、公平、不公平の問題がどうしても出てまいりますので、その辺を勘案しながら、結局そういう線に落ちつかざるを得なかったというのが今日の状況でございまして、われわれとしてもできるだけの努力をいたしたつもりでございますが、ひとつその辺で御了承いただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 了承してくれと言ったって、了承できないから質問しているのであります。これは総理もよく言うのです、検討する、検討すると。検討したなら結論が出るかと思ったら、三年間検討しても結論は出ない。あなたのほうも大体同じことで、了承してくれ、了承してくれと言ったって、了承できるような要素も出さないで、了承せいと言ったってできない。それなら十二月二十一日で、二十二日からに遡及をする、以後のやつは遡及をしてそれに当てはめる。それならば米会計年度、米国の政策によってこれが行なわれたのですから、米会計年度の中でこれを処理すべきであるし、それを七月まで遡及するといったって、不公平になる点は一つもないんじゃないか。これは日本の都合でやったのならやむを得ない。アメリカの一つの政策として、アメリカの一つの事情によってこれが行なわれたのですから、アメリカの会計年度で処理すれば大義名分が立つじゃありませんか。それを、七月まで遡及する、なぜこれでがんばれないのですか。当然そうであるべきです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 先生の七月一日までさかのぼれという御要望、私どもも承っておるわけでございますが、一つは先ほど申しましたように、いろいろな給付金の上げ幅を係数を使ってきめておりますが、これはやはり四十四年の四月から二年間、いろいろな基礎的なデータで、しかも特別措置を織り込みながらきめておるわけでございまして、それを半年以上もさかのぼるということになりますと、その上げ幅の係数そのものが狂ってくるということがございます。それから、やはりわれわれはあくまでも四十六年度予算としてこれを要求いたしたわけでございます。ところが、その後十二月になりましてああいう大量解雇があったということで、そこで遡及問題が特に大きく浮かび出てきたということでございまして、いろいろわれわれとしても苦労をしながら検討いたしたわけでございますが、結論的には先ほど申しましたような線にならざるを得ない。いろいろな理屈がつくと思いますが、やはりこれもなかなかきめ手がないというむずかしい問題がございまして、一応現在ではその線が一番妥当な線ではなかろうかというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 妥当な線じゃなかろうかというのは皆さんが考えるので、これは国民が考えてはたして妥当かどうか。それはひとりよがりの感じしかしない。もしそれより一歩下がっても、十二月二十一日という線は、どうも私としては納得できない。せっかく遡及できるならば、できるだけの根拠と理由をはっきりさせればいいわけです。ないないと言いながらも、アメリカの政策と都合なんですから、米会計年度の中に向こうから引き出してもいいはずです。壁が厚いと言う。それならば、中曽根長官も、九月中旬でございましたでしょうか、渡米されまして、レアード国防長官といろいろ在日米軍の配置以下の問題について話し合った、こういうようなことを知っておりますけれども、この会談で基地のあり方が、いわばこの時点から変わったんだ、この話の結果きまったとするならば、九月の十五日、これを一つの遡及の時期にしたって、日本側としては大義名分が立つじゃありませんか。アメリカ側の政策ならば七月の会計年度の始まりからやるべきですけれども、日本がそれを承認してきたというならば、九月十五日に線を引いても大義名分が立つじゃありませんか。これをやらないで十二月二十二日以降だ、こういうようなところこそ、むしろわれわれとしては納得できないのです。長官が行ってわざわざこの問題について会談して話し合ってきた。そして基地のあり方が、いわばこの時点から変わったんだとするならば、その時点がもうすでに遡及する限度だ、やはりそういうように考えたって何も無理じゃないです。これはいずれかの長官、はっきりさせてみてください。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 ただいま申しましたように、特別給付金の増額問題というのがもともと四十六年度予算で措置をしようということでありまして、いわば遡及というものは例外的な措置であるということでございます。大きな流れとしましては、数年前からずっと縮小され続けているという傾向がございまして、それに伴う解雇というのが引き続いてまいったわけでございますが、特に大量解雇として大きく打ち出されましたのが昨年の十二月二十一日ということで、その辺が遡及幅としても、あるいは時期といたしましても、まあこれはいろいろな考え方がございましょうけれども、われわれとしての最後の検討の結果ということでございますので、その辺ひとつ御了解をいただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 了解してくれと言ったって、理屈もなしにただ押しつけられて、それで了解してくれと言ったって……。防衛予算ではいろいろとできないものはないのだという宣伝も、大体従業員の解雇の問題になったらできないことばかりじゃありませんか。もっとがんばればできるはずです。まして不公平がないと言ったって、現実の面ではまことにかわいそうな事態が起こっているのです。北海道の一つの例、十二月二十一日以前に九名の人がやめさせられております。もう暮れです。その人たちは遡及の対象にならない、たった九名でも。それ以後の人は全部遡及される。どうなんですか、これは。九名くらいなぜ救えないか。これが一番妥当な線だということだけれども、これが一番かわいそうな線じゃありませんか。これはやはり何らかの形によってやるべきことです。ことに皆さんのほうでもさきに御承知だと思うのですけれども、十二月を控えてやると、積雪寒冷地帯なんですね、あの辺は。そうなりますと、ここに積雪前の解雇者、これはやはりみじめです。そういうような人たちが、もうすでに二十二日に線を引かれて、前と後とで救済の度合いが天と地ほど違うのです。なぜ救済できないのですか、これくらい。やはり特別の措置が必要だ、このことはおわかりのとおりなんです、特殊事情があるのですから。そういうような場合には、東京都がやっているのにやはりできないことはない。私はそこがふしぎなんです。国のほうで、そんなこと知らぬ……。もしこれが皆さんのほうで最大の努力であるとするならば、この特別措置の必要な場所、こういうものに対しては、自治体に代行させてもいいから、何かのかっこうにおいてできる方法を講じたらいいじゃありませんか。こういうような点も十分考えてやるべきだと思うのですよ。今後こういうような措置についてもっともっと考えて、そうしてこういうような、不公平がないというけれども、現実の面ではかわいそうな不公平が起きていますから、ないように、部分的にもこれは救済するように、これは十分考えて措置してほしい、こういうように思います。この要請にこたえられましょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 前向きに検討してまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それで、前向きに検討をするということで、私は曙光を見出したような気持ちがしますけれども、これは安易に検討のみに終わらないように心から要請しておきたいと思います。  それと同時に、この基地のあと地利用、たいがい基地問題が出てきたら、さきにあと地利用の問題が起こるのです。そういうふうに私どもも理解しておりましたが、この北海道に限っては、千歳のクマ基地、このあと地の利用、こういうものはどうなっているのか全然聞かないわけであります。これはいろいろ地域のほうから要望があるでしょう。公共的な施設にこれを利用したいという要望もあったようであります。そのほか日米共同管理にするのか、自衛隊に移管するのか、こういうような問題もそれぞれあるはずでありますが、このクマ基地に限っては、何ら声がない。これは何かお考えがあるのでしょうか。いまだにこういうような発表がないということになると、やはり何か住民の意思に沿うか、また地方自治体の意思に沿ってこれは考えている、こういうようなことに理解していいのでしょうか。全然音さたがないというこの理由、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 クマ基地につきましては、現在米軍が一応機能停止いたしまして、それをその後自衛隊が引き継がれるというふうに聞いております。  それから地元の御要望でございますが、これは地元といいますか、当局のほうからは御要望を聞いておりますが、ちょうどその当該地のもう少し東寄りの地域が返る場合には、いろいろ植林とか、そういう形の植林事業に使いたいというような御要望を受けております。当該地について、まだ具体的に私どものほうは調査いたしておりません。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その決定については、できるだけ地元並びに公共団体のこういうような意向をくみ入れるようにこれも配慮してやるほうがよろしい、こういうように私は思うわけであります。  それにしても日米安保協議委員会がきめた十二月二十一日、これはもうすでに政令ではっきり出してしまったのですか。これからもなお交渉の余地、また変更の余地が残されているものでしょうか。この問題を最後にはっきり聞いておきたいと思うのです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 大体政府の部内はそういう線で意見の統一を見ております。したがいまして、そういう線で実施に移されるものと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その決定する前にもいろいろ配慮があったはずだと思います。  しかし、防衛庁が予算を組む際にはほとんどそれがそのまま通るといわれているが、私が一番気になっていたのは、基地公害の問題です。この基地公害の問題でも、公害紛争処理法にかけなくてもそのまま最大の手当てができるからと、こういうようなことで、直接その範囲の中に入れなかった。いまも入れておりません。しかしながら、やはりこういうような問題になってくると、一種の公害です。これは人為的な公害です。こういうようなものに対しては、まことに無力なんです。こういうようなことにこそ強くならなければならないはずだと私は思っているのです。しかし、こういうような問題に対して一番弱かった。まして、不公平はないようにしたいと言いながらも、ほんとうに不公平な差がついている。これもすでに政令として出してある。こういうようなぎりぎりのところまで行ってしまって何の聖域ぞや、こういわざるを得ないのであります。まことに遺憾であります。しかし、これから起きる人のために、なお一そう、きょうを機会にしてでも、あたたかい手を差し伸べてあげたい。再就労する人はなかなか困難です。みんな年齢者ですから、五十歳以上の人が多い以上、これは労働省でもそうですけれども、中高年齢者の再就職は、これはなかなか困難だ。したがって、特にこの問題に対しては配慮がなければなりません。今後この問題に対しても十分配慮しておいていただきたいし、ここにほんとうに聖域にあるといわれるゆえんも見出し得る一つのチャンスだと思うのです。これこそ厚い壁である。結局は何のためだ、アメリカの言うなりじゃないか、こういうようなことのそしりを免れるように、できるだけの努力を期待して私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 私は科学技術行政と防衛庁の関係で二つの質問を申し上げたいと思いますが、限られた時間で、まことに短い時間でございますので、質問するほうも要点だけを質問いたします。いずれ、残った問題については、詳しく科学技術委員会なり、内閣委員会なりで再質問したいと思っておりますので、簡明に御答弁を願いたいと思うのでありますが、最初に中曽根長官は、科学技術行政のいわば先覚者として、われわれは尊敬しておるわけでありまして、昭和三十一年の一月一日施行になりました原子力基本法をつくるときには、たいへん御苦労されたということを承知をいたしておりますけれども、そのときの基本としては、これは平和利用に限る、まあ自主、民主、公開ということもありますけれども、その平和利用の内訳といたしましては、自衛のためであろうとも、核兵器は使わないのだ、核は使わないという趣旨であったと思いまするし、それから現実の問題として、まだ批准はされておりませんけれども、核防条約というものの制約もあるでしょうし、また内閣の掲げている非核三原則というものもございまして、これは自衛のためであろうと核兵器は使えないのだ、あるいはまた沖繩には核を置くことはできないのだということに当然なろうかと思うのですが、念のために防衛庁長官にイエスかノーかだけを伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 憲法上の解決については、すでに防衛白書で述べられているとおりでございますが、政府は政策として核装備をしない、非核三原則を維持する、こういう考えでおるわけであります。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 この問題は、当面質問する事項の重要な点じゃございませんから、あとにいたしますけれども、それで問題は、これは科学技術委員会にいつか御出席をいただいて、核濃縮の問題で中曽根さんが一政治家として非常な憂国の精神に燃えて、核濃縮の技術公開といいますか、提携というものについてアメリカに申し入れをされたということの趣旨は、これは科学技術委員会で述べられた速記録を私は拝見いたしておりますから、そのことについてはいまさら繰り返して伺うまでもないと思いますが、要点といたしましては、日本のエネルギーというものが現在でも二億キロリットル要る、一九八五年には大体七億キロリットル、これは二十万トンタンカーで一年間千五百隻ということになれば、これは引き続いて二十万トン入れなければならぬが、そういう船があるか、あるいはまたそれだけ港があるか、それだけのガソリンを一体どうやって配給できるのかといったようないろいろの問題もありますので、どうしてもその分はエネルギーとして核燃料というもので補わなければならぬという必要性に迫られて、六千万キロワットをあと十五年間につくろうというような膨大な計画が立っておりますということと、それにもかかわらず濃縮ウランの技術は全然日本では持ち合わせていない。ところがアメリカでだけこれを独占しておって、アメリカだけに依存しなければならぬ。ところがユーラトムが大体交渉を進めておる形跡もあるので、日本も船に乗りおくれてはいかぬという配慮もあった。それから核防条約の問題などでも、外国と協定するということになれば、ユーラトムと同じような形でもって、そう現在のように過酷な厳重な査察を受けなくても済むであろうという配慮もあったと思うのでありますけれども、大体そんなところが中曽根さんが向こうへ行って交渉された要点のように伺うのでございますが、それでよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 意図は大体そういうことです。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 そこで私はたいへんこの問題の交渉をされたその気持ちは、科学技術行政の後輩として、理解はできるのでありますけれども、たいへんな間違いを一つおかしているのではないかという点の二、三を伺いたいと思うのです。  科学技術庁長官に伺いたいのでありますが、現在世界で使われている原子炉の主流は一体どういうことになっておりますか。

西田信一自由民主党

○西田国務大臣 軽水炉が中心になっております。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 どうも科学技術庁長官からそういう間違った答弁をいただこうとは思いませんでした。現在の原子炉の主流はガス冷却です。天然ウランが主体でガス冷却が主流なんです。いわゆる濃縮ウランを必要とする軽水減速軽水冷却、この炉は世界で三分の一しか使われていません。したがって濃縮ウランということになれば世界じゅうウの目タカの目ということで、これは軍用ということが常識になっているのです。もちろん最近におきましてはガス冷却あるいは天然ウランの使用というものが見直されて、軽水炉でなければいかぬのじゃなかろうか、こういうような方向に変わってきつつある気配はありますが、現時点で見れば、天然ウランのほうがプルトニウムが出るというふうな考え方があり、濃縮ウランということになればこれは軍事用だということで非常に多くの関心を持たれているのです。そういう現時点において、一個人の資格だとはおっしゃいましても、防衛庁長官という肩書きで向こうで交渉されるということになれば、すわこれは核武装につながるんだというような誤解か正解かそれはわかりませんけれども、こういうことにならざるを得ないという危険性を持っておったということは否定できないと思うのです。こういうふうなことを承知の上で、何か科学技術庁長官がそういう交渉をすることに了解を与えられたのかどうか、伺いたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 あれは私が話をする前に、これは政治家個人としての発言で、私が防衛庁長官としてのネゴシエーションではない、そういうことを言って、プレスクラブその他で話したのでありまして、別に交渉したわけではございません。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 しかし防衛庁長官としての肩書きで話をすれば、向こうではやはりそういう形で受けるという可能性は大いにあるわけなんですね。  それからあと一つ申し上げたいのでありますけれども、濃縮ウランの技術はいろいろあります。これはアメリカで持っている技術というのはガス拡散法であるけれども、いま盛んに日本でも研究されようとしている遠心分離法がある、ノズル法がある、化学分離法があるし、いろいろあるわけだけれども、日本の原子力行政としましては遠心分離にするかガス拡散にするかまだ方向がきまっていないわけですね。これを二年間いまから調べてみて、どちらがいいのかということを考えてみようではないかというときに、ガス拡散だけが先行するというふうなことは原子力行政上もおかしいんではないですか、この点。  それとあと一つ念のために申し上げますと、イギリスはガス拡散の技術はもうすでに持っているのです。持っているのにかかわらずオランダ、ドイツと協力いたしまして、どうしても遠心分離法によらなければだめだということで異常な熱意を燃やしているわけです。日本の平和利用という場合には一〇%以上の濃縮は要らないのですよ。軍用であれば九〇%以上でなければならぬ。しかし平和利用であれば一〇%以下でいいのです。そういうことを考えると、ガス拡散というふうな方法は非常な費用もかかるし、こういうことがはたして妥当かどうか。これが電力を食うということはもう常識で、日本でこの濃縮ウランの工場を設けるということになれば膨大な設備費の上に膨大な電力を食います。お話にならぬと思うのです。そういうふうなことで、高濃縮でなくても済む平和利用だけに限定をするということを前提とするならば、むしろ遠心分離のほうが妥当ではなかろうか。何とかこれを成功させたい。でありますから、イギリスあたりは遠心分離のほうに非常な情熱を燃やしていまやっているわけです。もちろん高濃縮もこれでできないことはないのでありますけれども、そういうふうな方針がまだきまらぬうちにガス拡散のほうだけが突っ走ってしまうというふうなことになると、原子力行政は一体何をやっているんだ。私はドイツとオランダとイギリスが共同でもって進めている研究開発の方向にむしろ参加をするということのほうが妥当ではないかというくらいに考えざるを得ないのに、こういう片手落ちのことをやったということに対して科学技術庁長官、どうお考えになりますか。

西田信一自由民主党

○西田国務大臣 先生がおっしゃるようにわが国も濃縮ウラン技術の開発については懸命の努力をしております。そしてガス拡散と遠心分離と両方の技術の検討をまずやっておるわけでありますが、その結論は二、三年あるいはもう少しかかるかもしれませんが、なるべく早く得たいと考えておりますけれども、しかしながらいずれのほうが有利であるかというのは、結論がどう出るかわかりませんけれども、二つの案について現在わが国が検討をいたしております立場から申しますと、アメリカが日本のみならず海外に対して技術提供の意思があるかどうかということの打診をするということは、別に差しつかえのないことであろう、かように考えます。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 そうおっしゃいますけれども、この交渉を了解をしたということは、総理大臣も了解をしておったらしいのですが、どうも科学技術庁長官はつんぼさじきに置かれたような気配が非常に強いんですね。これはむしろ科学技術庁長官が必要があれば出ていくということであれば、これはだれも異論がないと思うのです。私は、科学技術庁長官はこの点についてはある程度責任を感じていただかなければならぬ、こう思うのであります。  あと一つ、中曽根さんは、濃縮ウランの能力というものがアメリカでもだいぶ足りなくなってきたということを前提として、あと一つ工場をつくるのだというような気配があるのでというようなことも見越して、共同でもって工場をつくろうじゃないか、安い電力のカナダあたりというのをねらおうじゃないかというようなお考えもあったようでありますけれども、私の知っておる範囲では、アメリカの濃縮ウランの能力というものはまだまだ十分あると思っております。たとえば日本とアメリカの間で日米原子力協定が結ばれておりますけれども、ここで問題になるのはアメリカの濃縮ウランの能力ではないと思うのです。このウランを濃縮する能力が足りるとか足りないとかいうことは全然問題になっておりません。これは十分に間に合う。ただここで間に合わないのは、核の原料というものについてはどうしても日本で確保していかなければならぬのじゃないかということのほうが問題なんです。アメリカははっきりと賃濃縮だ、おれのほうは原料を持ってくれば加工してやる、その能力は幾らでもあるよ、というのが現在アメリカの態勢なんであって、中曽根さんもしばらく科学技術のほうを離れておったので、そういうふうな実態にあまり詳しくなかったのではなかろうか、こう私は考えざるを得ないわけであります。  そこでそういうふうな、たとえば現在の主流というものが軽水減速軽水冷却という方向ではないという実情において、これは軍用という観点でこの高濃縮ウランというものが必要とされているのが世界の現時点における趨勢である。あるいはまた濃縮ウランの方法が遠心分離かガス拡散かということがまだ不分明のときに、この遠心分離を捨てたわけじゃないでしょうけれども、ガス拡散のほうにちょっと先んじてしまった。ところがガス拡散というものは非常に膨大な費用、あるいは膨大な電力、おそらく日本で工場をつくれば東京電力の電力くらいは全部これで消費されてしまうということは明らかです。費用もまた猛烈にかかる。私は日本でとてもこれが実用に、よほど新しい画期的なものができればどうか知りませんけれども、現在の時点ではおそらくつくり得ないのではなかろうか。こういうときに、アメリカでは非常に資金が不足しておりますから向こうの資金の不足にちょうど乗っけられたようなかっこうで、日本から金を出そうかというような結果になる可能性のあるこういう打診というものに行ったということは、失敗ではなかったか、こういうふうに考えるし、もっと慎重であってほしかった。  それから、私は昨年東南アジアをずっと回ったのでありますが、東南アジアはどこも国防ということにきわめて懸命に努力をしておりますけれども、たとえばインドネシアの全体の予算を見ますと、一般会計五千億ぐらいであります。非常に零細な予算で私もびっくりしたのでありますけれども、ところが日本は、GNPの中で占める国防費というものはきわめて少ないのだ、あくまでも平和に徹するのだ、こういうことをおっしゃっておるけれども、驚くなかれことしの予算は六千七百九億円、無理なくとったと中曽根さんは自画自賛をされておると新聞には書いておりますけれども、そうなりますと、そういう東南アジアの国々から見るというと、日本の国力からいえば財政規模も大きいしGNPの中に占める割合は少ないし、絶対に軍国主義ではないといったところで、向こうの全部の予算よりもはるかに大きい軍備費というものを日本で占めておるというようなことで、疑心暗鬼かどうかは人によって判断が違うでありましょうけれども、日本の軍国主義化というものが非常におそれられておる。これはいなめない事実だろうと思うのです。そこへもってきて、先ほど堀委員のほうからも質問がありましたように、エネルギー一つをとってみても、九九%も海外に依存しなければならぬ。現在では、たとえば非鉄金属の銅なんかは三〇%ぐらいは自給自足をやっておりますけれども、十年後の時点で見るとあらゆる鉱工業製品の資源というものは九〇%は海外に依存しなければならぬ、こういうことにならざるを得ない。こういう体質の国になったということは、もうほかの国とは紛争を起こし得ない国になったんだ、平和に徹しなければどうにもならぬ国になった、こういうふうに考えられるときに、私はこのような――プレスクラブあたりでは中曽根さん、何か肩書きをおっしゃらなかったというようなこともいわれております。それからまっ先にそういう話を打診されたということがいわれておる。こういうことがほかの国に対してやはりある程度の疑心暗鬼というものを生むということはこれはやむを得ないことなんだというふうに私は心配をしておるわけです。したがって、ここではっきりいろいろいま私が申し上げましたような趨勢からして、この交渉というものは誤りであった、あるいは少なくとも軽率であったということだけははっきりお認めいただかなければまずいんではなかろうか、こう思うのでありますが、長官どうですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 いままでのお話の中で、二、三お答えいたしたいと思いますが、まず第一に、天然ウラン・ガス冷却が主流であるとおっしゃいましたが、これは何かのお考え違いじゃないかと思うのです。英国でも低濃縮の方向に変わって、例のコールダーホール型というものはほとんどやめてきておる。やはり低濃縮というものは世界の濃縮や原子力発電そのほかにおける大勢を占めてきておるので、日本もそういう意味で東海村の原子炉は、コールダーホール型の天然ウラン炉はあれ一基にしてしまって、あとは関西電力でも、東電でも、中電でもみな濃縮ウランに変わっている、これが世界の趨勢であると私は思うのです。それが一つ。  それから第二番目に、アメリカのキャパシティーの問題でありますが、現に日本は昨年でありましたか、七三年以降の日本の原子力発電の濃縮ウランの供給を申し入れたことに対して、アメリカ側はイエスといっていない。それは外国に供給するほどの自信がまだアメリカにはないからだ、アメリカ内部で軍ないしは平和利用に使う自信はある。しかし外国にまで供給するもののために、アメリカ人の税金を使って拡充することはできない、そういう態勢にありますから、現にアメリカの原子力委員会におきましても、国会においてすらも、いかなる形でジョイントをやるか、インテルサット方式でやるとかいろいろな案が検討されておる。現に去年からことしにかけまして、アメリカの議員やその他が相当私のところへ来まして、私の発言について打診に来ておりました。科学技術庁長官のところにも行っているようです。そういうわけで、向こうは非常に大きな関心を持って、日本を忘れてはならないという意識を取り返したと私は思っております。そういう意味で、私があの問題について発言したことは私は間違っていなかった、国のお役に立った、そう思っております。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 あと一つ、宇宙開発のことを質問しようと思ったんですが、時間がないんで、いまのことについてもっと突っ込んで話をしたいんですけれども、できないんで残念でありますけれども、しかし端的に申しますと、現時点では、濃縮ウランに対する考え方が軍事用がきわめて強いということは否定できないことだと思います。ヨーロッパあたり方向転換しつつあることは認めるにやぶさかでない。高温ガスについてみますと、これはプロジェクトに乗ればまた核濃縮というようなことはヨーロッパあたりでも相当大きな課題になると思うのでありますけれども、現時点ではやはり主流というものは濃縮ウランでなくて、天然ウランというものが主流であることは否定できないと思うし、それからアメリカが核濃縮ウランを提供できないといっている、考えている主たる原因は、濃縮の能力ではなくて、自分の国でも核原料というものがとても確保できない。一九七五年になればおそらくアメリカ自体が核原料でもって行き詰まるであろうということがいわれるだけに、濃縮ですよということを、何回も念を押しているということです。これはウランの原料の問題であって濃縮の能力の問題でないということを私は確認をしておきたいと思うのです。その点は議論になりますから……。  それで、中曽根さんは正しかったとおっしゃるのでありますけれども、しかし防衛庁長官の肩書きでもってこうやったということについては、やはり多くの誤解を生んだということは否定できないと思うのであります。これは平行線でありますから、場を変えてまた質問する機会もあろうかと思うのでありますけれども、私は少なくとも東南アジアあたりに与えた誤解、警戒心というものを植えつけたという事実は否定できない。そういう点ではこれはきわめて遺憾であったと思います。  それから、あと十分しか時間がないので、これはもう宇宙開発の問題はこれだけで一時間ぐらいかかる問題でありますから、ちょっと言い切れないから、時間をあらためて伺いたいと思うのでありますが、科学技術庁長官に伺いたいのでありますが、四十三年四月二十三日、さきおととしであります。さきおととしの本会議で――大臣は鍋島さんでありましたか、ちゃんとそれに答弁をして、宇宙開発基本法というものをつくりましょう、平和利用に限るということでつくりましょう、こういうことを言っているのです。私たちは原案は何回も出しておりますけれども、何もわれわれの原案にこだわっているわけではないので、原子力基本法のような精密なものでなくともよろしい、法三章でも憲章でもよろしいということで言っておったのでありますけれども、今回に至ってもこの提案が出ておらないということはどういう理由でしょうか。

西田信一自由民主党

○西田国務大臣 基本法の問題につきましては、いろいろ根本的検討を要する事項がございまして、それらのまだ十分な結論を得ておりませんので、提出をする段階に至っておりませんが、しかしながら宇宙開発事業団法におきましてはもうはっきりと平和利用に限るということを明示しておりまして、その方向でわが国の宇宙開発は推進されておる、こういうふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 時間がなくて残念ですが、これがきまらない第一番の原因は、宇宙というものの定義がきまらぬということがある。しかしこれは国連で宇宙平和法律小委員会というところで大体方向がきまりましたね。飛行機の飛ぶ範囲、SSTの飛ぶ範囲あるいはジェット機の飛ぶ範囲、それを除くということになるとこの高さはさまってまいります。そういうところに対する平和利用ということで、宇宙開発基本法というもの、平和に限るということだけでもいいのでありますが、これはぜひやるべきである、そういう趣旨を積み重ねることによって、日本は軍事国家ではないんだということを、外国に対する態度を示すということにもつながるのではないか、こう思うのであります。  それから今度、宇宙開発の方向につきまして方向転換をはかりましたね。この方向転換の理由は私聞かなくともわかっております。これは需要者側のほうの、ユーザーの側の事情ということになりますと、大体ソー・デルタの技術を入れようという方向になっております。しかし、端的にいいますと、私は反対です。なぜならばこれは宇宙開発あるいはアポロの衛生の成功というものは、単なる技術だけではないと思うのです。システムエンジニアリングというものの成功がアポロの成功を生んだと思っております。日本にそういうソー・デルタの技術を入れて、それを土台としてそれを受け継いでシステムエンジニアリングで前進させていくという体制が、現在できておるかということになると、残念ながら現在できておりません。したがって端的に申しますと、ソー・デルタの技術というものは大体五百キロぐらいの衛星しか飛ばないと思いますけれども、大体通信衛生というものを飛ばすということが最初の目的であった。ところが通信衛星を飛ばそうと思ってやったところが、グローバルなものがどんどん打ち上げられるようになったということになると、通信衛星というものを飛ばすという論拠がなくなってきた。さらに地上では高周化、多重化並びに固定化、新しい技術が開発されて、エレクトロニクスが新しいものがどんどん開発されておる。そしてサブミリ波というものがどんどん開発されるということになると、地上は満ぱいだということは理くつに合わなくなってしまった。ということになると、通信衛星がどうしても必要だということはなくなって、それまでの必要性がなくなって気象衛星というものが出てきた。ところが運輸省では、この気象衛星を飛ばすということの明確な姿勢というものはまだきまっておりません。だから、何かあやふやな、単なる技術を導入すればそれでいいんだということになってきているのではなかろうか。そしてこの裏には、いろんな黒いうわさもありますけれども、それは私はあえてここで申し上げようとは思いません。これは単なる技術突破ではなくて、システムエンジニアリングとしてそれに対応できて、具体的にいうとソー・デルタは五百キロ、ところが一トンでなければもう通信衛星というものは採算がとれないのだということはアメリカでは常識なんです。一トンの通信衛星ロケットということになれば、アトラス・セントールというものを使わなければならないということになって、もうこれはタイタン3Cなんというものはとても日本に技術導入されるとは考えられませんから、そうするとアトラス・セントールにいく過程では、ソー・デルタの技術が入れば、日本の独自の技術でそのままでいける、そういう自信がございますか。

西田信一自由民主党

○西田国務大臣 計画の変更につきましては、先生理由はよく御承知でございますが、QをやってNに移っていくというような従来の方向では、かえって非常なおくれを心配、懸念いたします。そうしてまた、Nを開発いたしまして将来に備えるという立場から申しましても、あとに続いていくような開発に入ることが、日本の将来の宇宙開発のためにむしろ適当である、こういう判断で計画変更をしたわけでございます。  そこで、ソー・デルタの技術導入につきましては、政府側からも、あるいは開発事業団からもアメリカに人を派しまして、十分確信を得ております。アメリカ当局とそれぞれ話し合いをいたしておりますし、また、その受け入れ体制につきましては、ソフトウエアにつきましては事業団、それからまたハードウエアにつきましては、それぞれの従来からやっておりますところのメーカー等が十分な受け入れ体制を持っております。そして、これを十分消化し、宇宙技術育成の要請にもこたえ得るというふうに考えておりますし、さらに衛星そのものもだんだん軽量になってまいるということもございましょうし、またその改良によりましてさらに大きな衛星の打ち上げという要請にもこたえ得るものである、こういうふうに考えておるわけでありまして、十分な自信を持っております。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 時間がありませんのでこれはあらためて言うほかはありませんけれども、日本のいまの風まかせの誘導人工衛星というようなもの、これは全段誘導ぐらいに少なくとも日本で完成させないと、現段階でソー・デルタなんかを入れれば、それはそれで技術の波及効果がなくなって、あらためてまた新しい技術を導入しなければならぬ。一件大体十六億円ですよ。一万件で四百億ドルかかっておりますからね。だから、簡単に考えても、一つの特許料が十六億円です。しかもこれはライセンスというわけにいかないでしょう。おそらくノックダウンですよ。そういうことになれば、なおさら日本の技術波及効果というものがないのじゃないかということで、私はこれは再検討の必要があるのじゃないかと考えております。  そこで最後に、これは科学技術庁長官じゃなくて防衛庁長官に伺いたいのでありますが、こういう技術が入れば、軍事用衛星とかその他に利用できる可能性が出てくるのでありますけれども、おそらくまだそういう点での打ち合わせはされておらないと思うのであります。そういう点で何か防衛庁のほうでこれを活用する一もちろん社会党の立場とすれば全面的に反対したい気持ちはありますが、防衛庁としてはなかなかそうもいかないでしょうし、そういう点で、もしIRBMとかなんとか、そういうものに活用でき、あるいは軍事衛星に活用できるということになれば、利用されるというおつもりはございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 科学技術庁が行なう宇宙開発は平和利用が中心で、それが目的でありますから、それをわれわれのほうが活用するということはあり得ないと思います。

石川次夫日本社会党

○石川分科員 それを聞いて安心したわけでありますが、実は昭和四十四年五月九日の本会議におきまして、これは自民党、社会党、公明党、民社党の共同提案であって、「宇宙」の定義がはっきりしなかったものでありますから「大気圏の主要部分を超える宇宙」、これは大体いまの国連で考えているところとほとんど一致いたします。これに「打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限る。」平和というのは非核であり非軍事であるというということになるわけであります。ソー・デルタというのはIRBMあるいはポラリスのサブロックの打ち上げ用に最初使われたわけであります。そういう技術を持っておるわけであります。これは当然いま言った宇宙の範囲内に打ち上げられる性質のものであります。こういうことでありますが、その技術が入っても、これは断じて平和利用であって、断じて防衛庁関係とは関係がないのだ、こういう点を明確にしていただきたいことをお願いをいたしまして、時間がございませんから、あらためてまたこの点について検討したいと思います。

西田信一自由民主党

○西田国務大臣 いま防衛庁長官から明確なお答えがございましたが、アメリカから技術導入をいたしますための交換公文におきましても、日本に移転される技術は平和目的のみに使用するということは、両国政府におきましてはっきりした合意に到達しておりまするから、その意味から申しましても平和目的に限るということは明確であると思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 古寺宏君。

古寺宏公明党

○古寺分科員 四十五年の十二月の二十一日に、三沢の基地従業員の大量人員整理が発表になりまして、いままでこの基地によって生計を営んできた従業員はもちろんのこと、基地に依存してきた商工業者にも現在非常に深刻な不安を与えているわけでございますが、その点に関しまして質問をいたしたいと思います。  まず最初に長官にお伺いしたいことは、三沢の基地は、これは近い将来において返還になるかどうかという点についてお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 近い将来返還になるという可能性は少ないように思われます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それはどういう理由によるものでしょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 やはり日米安全保障条約上の機能を維持しているためだろうと思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 御承知のように青森県では、むつ・小川原の大規模工業開発というものが計画が進められております。これに伴いまして、この工業開発の調査を現在始めているわけでございますが、この点について青森県の竹内知事が、昨年米軍の司令官とお会いして申し入れをした際には、そういう点について協力をするというようなことを司令官が発言をしているようでございますが、そういう点については防衛庁のほうではどういうふうにお考えになっておりましょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 三沢の基地の司令官がどういうことを言ったか私はよく知りません。米軍の真意は、われわれが日米安保協議委員会において上層部と接触した印象で私たちは申し上げておるわけです。

古寺宏公明党

○古寺分科員 二月の十一日でございますが、三沢の司令官が、今後天ケ森にある射爆場はわれわれは使用しない、こういうことを青森県の竹内知事にお話をしております。その後二月の十二日に、植村北部航空方面隊司令官と大和仙台防衛施設局長が県知事に対して、今後自衛隊が継続使用するというような意向を漏らしているようでございますが、この点については長官は御存じでしょうか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 昨年の十二月二十一日の安保協議委員会におきまして、三沢の飛行場におります米軍のファントムの部隊は韓国、米本国に引き揚げることになったわけでございますが、それに関連しまして、三沢の飛行場、現在航空自衛隊の北部方面隊が一部共同使用しておりますけれども、この共同使用の範囲を日本政府としては拡張するという計画のあることを共同声明でも発表いたしたわけでございます。そこでその具体的な内容につきましては、まだ現在検討中でございますけれども、この共同使用の範囲を拡張するということについて、地元の知事であります竹内知事に御説明に上がった、こういう経緯でございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 地元の意向としては、天ケ森の射爆場はぜひ移転をしてもらいたい、こういうことを強く要望いたしているわけでございますが、もしも米軍が使用しなくなった場合に、防衛庁としては地域住民の意向というものを十二分に受け入れるだけのお考えをお持ちでしょうか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 現地の米軍司令官が今後天ケ森の射爆場は使用しないということを言明されたそうですが、これは政府対政府の関係としてまだ米側から正式に言ってきておりません。したがって今後どうなるか、米側の使用についてはわれわれはまだわからないわけでございますが、米軍のほうがたとえ使用しなくなりましても、航空自衛隊としては今後ともあの射爆場を使用していきたいという計画を持っております。  そこで、いまの移転の問題でございますが、これはかねがね竹内知事からも要望がございますけれども、何ぶんにも相当広大な面積を要するということ、それからああいう射爆場については特殊な地理的条件が必要である、こういうようなことから、この問題はそう簡単にはいかないというふうな考えでわれわれおるわけですが、知事の御要望は一応御要望として聞いた、こういう状況でございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 そこで、この天ケ森の射爆場の補償の問題でございますが、漁業補償についてちょっとお尋ねしたいのですが、非常に補償額が少ない。私が聞いたところによりますと、一年間に一人千円ぐらいの漁業補償がなされている、こういうようなことを承ったのですが、実際漁民に対する補償というものはどういう形でどのくらいされているのか、承りたいと思います。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 先生御指摘の三沢対地射爆場、特に天ケ森の地区についてお答えいたしますと、いわゆる漁業補償といたしましては、大きく分けて二種類ございます。まず第一の形といたしましては、いわゆる免許漁業に対する補償の関係と、それからもう一つのほうは、許可自由漁業に対する法律に基づく操業制限のほうの補償と二種類ございます。ただいま御指摘の一人当たり千円と申されました金額は、自由漁業のほうの補償でございまして、これは四十三年度はなるほどおっしゃるとおり千四百円でございますが、昨年いろいろ先生からも御指摘がございまして、前向きにわが庁としても検討いたしまして、御不満はあろうかと思いますが、四十四年度につきましては一人当たり七千七百円支給いたしております。  それからもう一つの共同漁業権に対する補償のほうでございますが、これは全体的、地域的にございまして、天ケ森について申し上げますと、四十四年度はお一人当たり大体十九万円お支払いするように、漁業協同組合のほうに現金をお渡しした、こういう形になっております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 私は長官にこの件についてお尋ねをしたいのですが、過去二十有余年の間、漁民の方々がこういうような補償をされて今日まで耐え抜いてまいっております。一年間に千四百円という補償、これは人間としてどういう根拠に基づく補償であるのか。少なくとも自由漁業の人も、この射爆場がある以前にはイワシなり地先の漁業によって生活を営んでまいっているわけです。それが一年間に千四百円から今年度はやっと七千七百円になった、こういう補償でもってはたして補償と言い得るのか。どういう考えでこういうような補償を今日までやってこられたのか、長官にお尋ねしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 補償というものは損失に応じて合理的に調整せらるべきものであると思います。そのように、損失がどの程度であるかということを証明しながらお互いに協力し合う、こういう形で解決することが望ましいと思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それではお伺いいたしますけれども、千四百円の損失というものはどういう損失でございましょうか。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 ちょうど私のほうは現在の七千七百円のあれをいま持っておりますが、これは四十二年の十月-四十四年九月の間でございまして、自由漁業と申しますのは、当然射爆撃がありますときの通常の操業ができないという損失に対して払うわけでございます。いわゆる得べかりし利益に対する補償でございまして、先生の御指摘はイサダ打た瀬網というもののことだろうと思いますが、その辺の得べかりし収獲の計算を県のほうの御意見を聞きつつお互い計算したというふうに聞いておりまして、一応適当なる損失の補償であるというふうに考えます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 これは昨年も申し上げましたけれども、射撃の時間が午前七時から午後八時までである。それ以外射撃が行なわれない。射爆が行われない時間に操業できるんだ、こういうことをあなた方はおっしゃる。実際に現地へ行かれて、そういう軽わざ師みたいなことが人間としてできますか。とうていそれは不可能に近い、考えられ、ざる問題であると私は思います。そういう人間性のない、現実に即しない、一年間わずか千四百円という金額によって損失を補償しているという考え方、こういう姿勢が今回の射爆場移転の問題についても私はそのままあらわれていると思います。この天ケ森に住んでいらっしゃる同胞の日本人の方々を犠牲にしてまでも、なぜ米軍が今後使用しないといっているのに防衛庁は今後使用しなければならないとおっしゃるのか、その真意についてもう一ぺん長官にお尋ねします。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 いろいろ御迷惑もおかけしていることでございますから、住民の方々の御意向も尊重して、合理的に調整することが望ましいと思います。もし実態がそのように変化しておるならば、その変化に即応するように契約その他も調整せらるべきである。要はこちらも何も出し惜しみをしているわけではなくして、合理的な数字、合理的な基礎資料というものがあれば、十分耳を傾けていろいろ協議していきたいと思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 天ケ森に住んでいる方々というのは非常に純朴な、そういういろいろなデータも出せないような漁民の人が多いわけでございますが、そういう実情等というものを十二分に考えておやりになりませんと、とんでもないことになるのではないか、私はそういうふうに心配するので申し上げているのでございます。今回この大量解雇に伴いまして――ほとんどの方が高年齢者でございますが、こういう方々の再就職の問題、あるいは住宅の問題というものが非常に心配になっているわけでございます。現在入っている住宅を何とかして払い下げをしていただけないか、こういうようなことを皆さんが希望をしているようでございますが、この点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 三沢地区におきましては、昨年末の解雇計画によりまして、解雇者が地域的に非常に集中して出てくるという、こういう特殊な地域になったわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、離職者対策につきましては、そういう地域の実情に応じましたいろいろな対策を講じなければならないというふうに考えているわけでございます。  そこで、ただいま御質問の宿舎につきましては、払い下げの要求がございますが、私どもとしましては、まず離職後におきましてもとりあえずそこにいられる方法につきましていまいろいろ協議をいたしております。あの宿舎は大体公務員の宿舎に準拠しておりますので、一応離職後六カ月間は現在の宿舎料のままでいられる、こういうことになっておりまして、それ以後は、もし入居している場合には宿舎料が三倍に増額をされる、こういう制度になっておりますが、この辺につきまして、そういう非常に困窮の状況でもございますので、その辺をできるだけ離職者の方々に有利に持っていくように、いろいろ関係機関と協議をいたしておるところでございます。  そこで、とりあえずそういう措置を講じまして、あとそれを払い下げるという問題につきましては、これはまだいろいろ問題がございますので、この問題も何とか解決のつくような方法を見出すべく、いまわれわれとしてもいろいろ検討いたしておるところでございまして、できるだけ地元の方々に御安心いただけるような、そういう結論を出すべくいま努力中というところでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 昨年の十一月七日に、第五従業員宿舎の払い下げに対して申請があったと思いますが、この問題についてはまだ回答が出ていないようですが、この点についてはどうなんでしょうか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 第五宿舎について、確かに御要望がございましたが、その後、第五宿舎のみならず、あそこの一帯の各宿舎につきまして、一括払い下げという御要望が出ておりまして、現在の段階では、第五宿舎だけでなくして、それ以外の宿舎を含めて検討いたしておるところでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 そうしますと、十一月七日に申請した第五宿舎については、いままで全然検討しなかったわけですか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 関係機関とずっと協議してまいっておりましたが、払い下げにつきましてはまだ結論を得ていないということでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 そうしますと、六カ月間はいままでと同じような家賃と申しますか、それが六カ月を経過いたしますと高くなるわけでございますね。  この第五従業員宿舎についても、そういう陳情があった時点において、この家賃の問題についてはやはりお話があったと思う。私がいま申し上げているのは第二、第四、第五、岡三沢を含めての話でございますけれども、この十一月七日の第五従業員宿舎の問題がなぜ今日までそのままになっておったのか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 この払い下げの問題は、一般の公務員宿舎の払い下げの場合と同じように考えますと、いわゆる縁故払い下げということがまず他に例がないということでございまして、現在の財産法上、そのままその住宅入居者に払い下げるということはなかなかむずかしいということでございます。したがいまして、それ以外に適当な方法がないかということを目下検討いたしておるところでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 この基地の従業員の方々というのは、戦後の復員者とかあるいは引き揚げ者とか、そういう方々がもう大部分でございます。二十有余年の間一生懸命基地の要員として働いてきた方々ですので、職を失ったとしても三沢にそのまま残りたい、何とかその住宅を払い下げていただきたい、こういう切なる願いを申し上げているにもかかわらず、そういう姿勢では全く冷たいと申しますか、全然考えてあげないような姿勢に考えられるわけでございますが、今後においてはどうでございますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 とりあえず現在の形で入居を継続していただく、これができればとりあえずの問題としてはいいわけでございますが、将来の問題といたしましては、そこに引き続き長年居住するということになりますと、一応そういう払い下げその他の何らかの方法を講じなければなりませんので、そういう姿が何らかの方法で実現できないかということについて、まだ具体的に申し上げる段階でございませんけれども、われわれとしてはいろいろ検討いたしておるというところでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 検討といっても、これは具体的に早く検討してもらわないと、入っている人はたいへんでございます。  時間がございませんので次に移りますが、現在の三沢の基地の中には、約四百五十ヘクタールの遊休の土地があるわけです。しかも今度のこの大量解雇によって、基地の縮小によって、さらに遊休地がふえるわけでございます。この遊休地について三沢市では、これを返還してもらいたい、あるいはそういう施設については払い下げをしていただきたい、こういうことを希望しているわけでございますが、この遊休地に対して、今後防衛庁としてはどういう姿勢でもって基地の縮小に対処していくのか、こういう現地の、地域住民の願いというものを、希望というものを受け入れて、今後この問題に対処していくお考えがあるかどうか、この点について今度は長官からお伺いします。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 先ほど大臣から御答弁ございましたように、米軍は一応縮小いたしますが、今後も飛行基地として残るわけでございますので、この基地の返還そのものについてはまだ何も見通しができる段階ではございません。ただ、その遊休地につきまして返還の要望が、これは各所ともあるわけでございまして、私どもとしましては、防衛施設としての利用の問題と、それから地元民の要望という問題につきましては、できるだけ調整をはかりつつ基地問題の処理をしてまいりたいという基本的な態度でおるわけでございまして、地元民の御要望につきましても、私まだあまり強く具体的に承知いたしておりませんが、そういう要望がございましたら、一応そういう点はまた新しい観点からいろいろ検討してみたいというふうに考えているわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 今度解雇になる人もそうですし、三沢の商工業者ももちろんそうでございますが、非常に生活に困るわけです。三沢市としては現在まで、こういう遊休地があるのだ、こういう遊休地を払い下げをしてもらうなり、返還してもらうことによって、企業の誘致もできるし、あるいは市民のいろいろなレジャーとか、いろいろな民生施設もつくれる、こういうことをいっているわけでございます。こういう遊休地がありながら非常に三沢の市民が困っておる。あるいは今度離職をする従業員も非常に困っておる。そういう時点において、こういう問題を防衛庁がもっと積極的に考えなければいけないのじゃないか、私はそう思うのですが、こういう点についてどういうふうに一体お考えになっているのか、もう一ぺん大臣にお伺いします。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 その場所、その場所の実情に応じて、フレキシブルに考えなければならぬと思いますが、もし民間に返還できるものがあれば、できるだけ雇用力を高めて、地元のために貢献するという方法は望ましい方向であると思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 その四百五十ヘクタールというのは日本流にいえば十五万坪です。しかもその土地というものはもともと市有地であり、あるいは市民の共有地です。それをただ遊ばせておいて、そしていまの時点になっても、まだ返還してあげようとか、あるいは払い下げをしてあげようという、そういう気持ちがないということは、私は非常に誠意がないというか、親心がないというか、非常に防衛庁の考え方というものに対して疑問を持つわけです。今後はこういう点についてもすみやかに検討して、地域の問題に対処していただきたいと思いますし、もう一つお伺いしておきたいのは、この三沢には全然企業がございません。しかもこの三沢市の商工業者というのは、御承知のように大火もございましたし、あるいは十勝沖地震もございまして、いろいろと借金もたくさんございます。しかも今度は基地に依存しておったのが、こういうふうに米軍も引き上げ、また基地の従業員も解職されるというような、そういう実態になっているわけですが、今後のこの三沢市全体に対する企業誘致の問題とか、あるいは三沢の救済と申しますか、そういう点について防衛庁としてはどういうお考えを持っているか承りたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 本日閣議に報告されました「駐留軍関係離職者対策の大綱について」という、これは、先日駐留軍関係離職者等対策協議会の中央の協議会におきまして決定を見た事項でありまして、関係各省それぞれの主管の事項に応じまして、政府一体となってこの離職対策を進めていこう、こういうことでございまして、その中の一つとしまして「地域開発対策の検討と促進」ということで、「当該地域の開発計画についてすみやかに検討を加え、必要に応じ、公共事業等の促進、企業立地条件整備等を行ない、雇用機会の増加を図るものとする。」という方針が定められましたので、この線に基づいて地元の県なり市とも協力し合いまして、こういう線を少しでも早期に実現できるように進めていくということであります。これはそれぞれ主管官庁もございますので、主管官庁が協力し合いながらこれをやっていく、こういうことで進めてまいることになろうかと思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それでは通産省は、この問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

黒田四郎通商産業省企業局立地政策課長

○黒田説明員 青森県や三沢市のほうから要請がございましたので、通産省といたしましても、三沢市を中心といたします区域を工業適地として工業の導入をはかることとしておりまして、現在でも企業に対する働きかけということをいたしておりますけれども、今後は工業誘致のためにさらに一そう努力をいたしたい、こういうふうに思っております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 中小企業庁はどうですか。

高橋清中小企業庁計画部金融課長

○高橋説明員 お答え申し上げます。  前回におきましても中央駐留軍関係離職者等対策協議会の決定に基づきまして、政府系の中小三機関すなわち中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金に対しまして、関係者に対する融資につきまして十分配慮するように通達も出しておりますので、今回もその方向に従って措置いたしたいと存じております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それでは経済企画庁。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○岡部(保)政府委員 先ほど冒頭に先生おっしゃいましたむつ・小川原地区の地域の開発という問題は、まだ調査段階でございますので、直ちにお役には立ち得ないと存じます。したがいまして新産都市である八戸地区の地域の、いま通産省でおっしゃいましたように工業開発等、こういう企業にでき得る限り吸収していくというのがたてまえではなかろうかという感じで、新産都市の何と申しますか、ますます発展されるということに対して、われわれは御援助申し上げていきたいという考え方でございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それでは時間になりましたので、これで終わりますけれども、基地の縮小に伴って、その利益が国民に還元されるような、地域住民に還元されるような、そういう万全の対策をとっていただきたいということを御要望申し上げまして、質問を終わらしていただきます。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 米田東吾君。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 私は最初に長官にまず御質問を申し上げます。  いよいよ来年から第四次防に入る。総額におきまして五兆八千五百億という予算規模もほぼ確定をして、ことしはその四次防に向ける入り口として、これまた相当な予算措置をいたしまして、防衛庁、自衛隊一般が強化されるという態勢であります。  今度の四次防の計画の重点を、これはしばしばの政府の答弁や、また総理府編集の「時の動き」一月十五日号、これには防衛庁の防衛局防衛課がPR文章として書いているわけでありますけれども、これによりますれば海上自衛隊においては沿岸海域の防備態勢の強化、あわせて上陸侵攻に対処する能力を強める、これを基本にすると言われております。しかも前提として四次防の中心は空と海である、こういうふうに言われておりますが、私が長官にお聞きするのは、この計画が推進される段階で、特に主として海上自衛隊の沿岸海域の防備とか、あるいはこの中心になる問題を突き詰めていきますと、日本海沿岸が主要な対象にされるのではないかということが一つ懸念されると思いますが、私の聞きたいのは、そういうこととあわせまして、この沿岸海域の防備態勢の強化ということがまかり通って、現在進められておる国益の一般的な産業活動やあるいは商業活動あるいは民生の安定、こういうものが後退したりあるいは制限を受ける、犠牲にされるというようなことがあっては、私は、四次防がまかり通るだけであって、これは決して国益にはならないと思っておるわけでありますが、そういう点についての長官の方針、私の言うことが杞憂であるかどうか、ひとつはっきり長官からお聞かせをいただきたいと思っておるわけです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 民生安定ということは政治の非常な要諦でございますが、一面においては公共の利益ということもまた政治上考えなければならぬことでありまして、公共の利益と民生の安定と両方調和させるようによく話し合って協力さしていくべきだと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 防衛庁の局長にお聞きいたしますが、ことしの予算によりますと、約五千万円の予算規模で新潟港に魚雷基地が設定されるという計画があるようでございますけれども、私はまずこの五千万円の予算の内訳、それからそれで新潟港にどのような施設をされようとするか、まずそのことからお聞きをしたいと思うわけであります。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 四十六年度の予算の中で、新潟港に現在海上自衛隊の舞鶴地方隊の基地分遣隊がございますが、その敷地の中に現存しております庁舎、隊舎、これを増築するということで約五千万円の予算を計上いたしております。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 現在ある分遣隊の敷地あるいはその建物の増強であって、それ以外は計画はないのですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 これは防備隊を新設するという計画に基づくものでありまして、第一次的にはいま申し上げたようなことになっておりますが、次の段階としては、やはり弾庫の設置あるいは専用岸壁の建設といいますか、あるいは利用権の取得といいますか、そういうことも引き続いて必要になろうかと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 引き続き必要になろうかと思いますと、きわめて政治的な発言のように受け取れますが、現在あなたのほうで持っておられる計画の中には、もうそういうものについても立案されておるのではないか。私の質問に対して防備隊ということを申されましたが、これは魚雷艇全体の、何といいますか、管理あるいは指揮をするのが防備隊であって、魚雷艇が二隻配備されるということも聞いておるわけでありますけれども、そういう計画がありましたら、この際出していただきたいと思うのです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 現在魚雷艇は横須賀と呉に配置されております。これは訓練上適当な場所であるからということで、現状ではそういうふうにいたしておりますけれども、本来太平洋岸におきましては米第七艦隊もおりまするし、また護衛艦隊なども十分準備されておりますが、日本全土の防衛あるいは警備ということを考えてみますると、裏日本が非常に手薄になっております。そういう関係で表本側に魚雷艇を置くというよりもむしろ裏日本に置いたほうがよろしいということで、四十六年度では北海道の余市とそれから新潟について魚雷艇をそれぞれ二隻ずつ配備したい、こういう計画でおります。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 失礼ですが、表日本とか裏日本とかということは何を基準にされるのですか。そういうことはやめてください。日本海沿岸は決して裏日本ではないと思います。私はそれで質問の第一項に日本海沿岸と申し上げたわけでありまして、表とか裏とかというのはひとつ取り消して説明し直していただきたいと思います。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 俗によくいわれているものですからつい申し上げましたが、日本海沿岸であります。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 そういう御答弁をいただいたのでありますが、いままでの御答弁を総合しますと、とりあえずは現在ある分遣隊の中に施設を増強する、それから魚雷艇を二隻配備をする、こういうことの御答弁だと思うのであります。魚雷艇を配備するということになりますと、当然専用の岸壁、埠頭が必要になってくると思うのでありますけれども、それは計画にはないのでありますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 先ほどお答え申しましたように、魚雷艇を配備するにつきましては当然に岸壁の使用が必要になってきます。したがって、そこで岸壁を新たに建設するか、あるいは現存する岸壁の利用について管理者と協議することが必要になってくると思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 どうなんですか。ことしの予算ですでに五千万円が計上されておる。これは通るか通らないかこれからでありますけれども、そうするとことしじゅうに実施段階に入るわけですね。そういう段階においてなお岸壁が要るか要らないか、要るとすれば港湾管理者あたりと相談する、そんないいかげんな計画なんですか。私は予算措置がなされておるとすれば当然そういうことも十分配慮されていろいろ折衝されておると思う。しかも新潟港は商業港として特定重要港として非常に大きくこれから期待されておる港であります。そのどこにお考えになっておるのかわかりませんけれども、これから予算措置あるいは埠頭が要るか要らないか、それから港湾管理者との折衝というのはちょっとどうもおかしいのじゃないかと思うのですが、あるいはそれほどこの計画というものはまだ実はきまっておらぬ、変更の余地があるのだということであればこれは別でありますが、その点いかがでありますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 この計画が変更の余地があるということではございません。したがって地元との交渉については今後早急に煮詰めていきたい、こういうふうに考えております。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 これは四次防ではさらにどういうふうに計画は進められるのですか。私が冒頭聞きましたように、あなたのほうの四次防全体の計画の中ではおそらくこの魚雷の基地というものは相当まだ強化されているということになると思うのですが、全体としては、四次防という段階ではこれはどういうふうに変わっていくのか。その点はっきり聞かしていただきたい。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 現在配置個所そのものはまだきまっておりませんけれども、およその構想、四次防の中における構想といたしましては、北海道から日本海沿岸を伝って下関に至る間ほぼ千マイルばかりありますけれども、この間三十数隻の魚雷艇を適当な個所に配置して、日本海側の哨戒警備に当たってまいりたい、そういう構想であります。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 そこで新潟にはどういうふうに配備されるのですか。私が聞いておるところでは魚雷艇が四隻になるのじゃないかということ、それから装備の関係でもこれはあなたのほうのこれに書いてありますように、この魚雷艇というものは四次防ではミサイルを搭載する。これは艦対艦ミサイル、SSMに変えていく。それから魚雷艇も水中翼船を使って速度をもっと上昇させるようにしていく、こういうようなことが一般的にはいわれておるのでありますけれども、これを新潟に当てはめた場合にどうなるのでしょうか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 現在きまっておりまするのは全般的な構想と、それから新潟については既存の魚雷艇を二隻配置するということであります。そこで今後新潟をどういうふうにするかは、ほかの基地がどういうふうになるかということとの関連がありますので、具体的な配置になりますといろいろな折衝その他がございますので、確定いたしておりません。  それから水中翼船でございますが、これはたしか十四隻ばかりつくることになっておりますが、これもどこにどれだけ配置されるか、つまり魚雷艇は旧来の魚雷艇も続けてつくります。したがいまして、どこの基地が水中翼船が配置され、またSSMがつけられるようになるか、そこのところは今後の問題になるだろうと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 きわめてあいまいだと実は私は思うのですが、私が調査しているところでは相当固まった計画があるようにも実は聞いておるわけであります。それを突っ込んでおると時間がありませんから、一応御答弁だけで終わりますけれども、現在の魚艇の発射――おそらくこれはその装置を変えてミサイルに切りかえるということをあなたのほうではっきりこういって広報文書に出しておるのでありますから、新潟に配備される魚雷艇も当然そうなるということで間違いないんじゃないでしょうか。それから二隻が今度四隻になるということも私は間違いないのじゃないかと思うのでありますけれども、この点はどうですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 SSMはどの程度装備するかまだわかりませんが、主としてはハイドロフォイル艇に装備することになります。そうしますと三十数隻のうちの十四隻ということになりますから、全部がSSM化するということではございません。  それから新潟について何隻になるか私も事実存じませんが、いまのところ各基地の配置というものは、各基地をどの程度入手し得るかということによっても関係がありますのではっきりしていないと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 それじゃもう一つだけ聞きますが、新潟飛行場に海上自衛隊の救難隊がございます。この救難隊も四次防の中では一般的にいって強化されるというふうに私は聞いております。いま新潟港に魚雷艇を配備するような基地をつくる。これは当然海上の哨戒その他沿岸防備あるいは一般的な海上の安全という面で哨戒活動というものが活発にならざるを得ないと思うのです。新潟飛行場の今後についても四次防の中で一定の計画があるのではないかと思うのでありますけれども、この点はいかがでありましょうか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 飛行場そのものに関連しての計画はございません。ただ救難機につきましては若干の増を予定しております。しかしながら、私どものところでは一応マクロ的に把握しておりますので、具体的な配置あるいは数量、そういったようなものにつきましては現在海上幕僚監部で作業しておりますので、三月末までには一応の案が出てまいりますので、その中に乗るかどうか、一応案を見てみないと私のほうではお答えできないと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 長官に再度御質問いたしますが、大体いまの御答弁をいただきまして、防衛庁が考えている新潟港を中心にする魚雷艇の配備の規模や構想につきましてわかったのでありますけれども、特に私が長官にお聞きするのは、新潟港というものは去年で開港百年であります。これは開港以来商業港として、しかも新潟港の使命は主として戦前対岸のウラジオ、あるいは清津、大連、要するに昔のことばでいえば満州と朝鮮とソ連、これに窓口を向けた商業港であります。そういう関係等もありましたし、もう一つは新潟港は、いわゆる新港でない現在の商業港は信濃川の河口の港であります。入り口は一つ、出口も一つ、水路は一本であります。そういう関係で新潟市民なり地域感情は戦中でも当時の海軍なんかの利用をきらったし、それから新潟港の商業港の死命を制するという意味から非常にそれに抵抗してきたわけです。しかも水路が一つでありますから、信濃川の河口でありますから、条件としても十分備えておらなかったし、港域自体が狭い、そういう条件もない、こういうことで百年、軍事的な色彩というものは全然なく今日に至っておるわけでございます。このことは防衛庁当局だって防衛計画を立てる段階で、たとえば新潟に魚雷基地をつくるとすれば、そこらあたりのこともお考えになって検討された上だと思いますけれども、そういう伝統を持ち、地域感情のある新潟港にミサイル基地がただいまの答弁によっても装備されると言い切れると私は思うのであります。しかもそれが四次防の段階では四隻であります。一隻四基でありますから十六基のミサイルを搭載できる魚雷艇であります。これが新潟港にできるなんということは考えられないですね。  したがって、長官はこの計画につきまして御相談にあずかっておられたかどうかわかりませんけれども、どうお考えになるかということと、それから地元の新潟港の管理者は知事であります。長官御存じの亘知事であります。それから商業関係者や港湾関係者もこれは非常におそれておるわけであります。亘知事なんかは、長官に直接会って、これは新潟港なんというものはとても引き受けられない、だめだ、おれは中曽根君に会って断わってくる、こう言っているわけでありますけれども、そういうことからいきまして、この計画は非常に無理があると私は思うのでありますが、長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。防衛庁長官よりも政治家中曽根康弘としてひとつ聞かしてもらいたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 新潟港の歴史と伝統も非常に大事なものであるだろうと思います。新潟の歴史と伝統を尊重し合いながら、われわれもまた新潟の皆さんに御理解を得て共存共栄ということでぜひお願いしたい。亘さんにお会いしましたら、私もそのようにお願いするつもりであります。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 運輸省の港湾局長においでいただいておりますのでお聞きするのでありますが、運輸省としてはかりにいま商業港である新潟港にこういう魚雷の基地ができるということになると、当然運輸省の所管事項にかかわりが出てくる問題でありますから、この計画等につきましては一応タッチしておられたんじゃないかと思いますし、またあるいはこれからかもわかりませんけれども、港湾管理が主管である港湾局としては、この新潟港の計画についてどうお考えになりましょうか。まずその点、局長にお聞きをしておきたいと思います。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 港湾の開発あるいは計画あるいは範囲という問題につきましては、先生御承知のとおり、港湾法によりまして一次的には港湾管理者が行ないます。それを受けて、私どもは管理者から意見を聞きまして、それをチェックするという仕組みになっております。現在の段階では、私どもただいまのお話は防衛庁からは承っておりませんし、県からも正式に上がっておりませんので、まだ検討の段階には入っておりません。一ただ基本的には、港湾の機能というのはなるべく同じ機能を持ったものがまとまって存在するほうが使用上都合がよろしいということは言えるわけであります。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 新潟港が特定重要港になりましたのはおととしでありますけれでも、こういう特定重要港に海上自衛隊と同居するなんというのはほかにありますか。地方港や漁港は別でありますけれども、あるかないかちょっとお聞きしておきたいと思います。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 ちょっとこまかい点はつまびらかでありませんけれども、現在海上自衛隊と同居している資料を持っておりませんけれども、一番大きな例は横浜港で米軍がノースピアを使っております。そういうふうな例もございますし、そのほかの例につきましてはちょっと手もとに資料がございませんので……。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 海上自衛隊の船が立ち寄るとか、あるいは補給に寄港するとか、そういうことはあり得ることだと思います。だけれども、一定の専用岸壁を持ち、一定の艦艇を配備する基地的なものが、商業港、特に特定重要港と同居するなんというのはないだろうと私は思うのですけれども、どうですか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 これは規模にもよろうかと思いますけれども、御承知のように重要港湾以上の港湾の計画につきましては、管理者の計画を運輸大臣が港湾審議会に諮問して決定するわけでございまして、かなりの規模のそういう施設につきましては、現在のところ記憶はございません。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 港湾法の第三十七条には、「港湾の保全に著しく支障を与え」または「港湾の開発発展に関する港湾管理者の計画の遂行を著しく阻害」する、もう一つは「港湾の開発発展に著しく支障を与える」、このようなときは公共埠頭やその公共水面を他に使用させてはならない、許可してはならないという制限規定がございます。新潟港にかりに今後公共埠頭を貸してくれとかあるいは公共水面を自衛隊に使わせろというようなことになりました場合には、この第三十七条に触れて、少なくとも港湾管理者や港湾局、運輸省としては認められないと私は思うのでありますけれども、いかがでございますか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 ただいま先生おっしゃいました港湾法三十七条は、国の機関委任でございまして、港湾管理者に委任した事務でございますけれども、具体的な計画は現在わかりかねますので、端的に申しましてどうだという御質問に対してはお答えにならないかもしれませんけれども、法文等に従いまして管理者が、長が判断いたしまして、それで私どもと相談するということに相なろうと思います。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 もう一つ、港湾法の四十六条の規定がございます。これは公共埠頭や公共水域だけでなしに、国が補助をするあるいは金を出す港湾区域を他に利用するときは運輸大臣の認可が要るということになっている。これもやはりこれにはかかわってくる条項じゃないかと思うのですけれども、これを聞いておっても時間がなくなりますが、そういう四十六条あるいは三十七条の規定等もございますので、運輸省や港湾管理者が防衛庁に押し切られてしまって、伝統ある、しかもこれから対岸に向けた、ソビエトあるいは朝鮮半島それから中国、そういう関係の貿易がどんどん開かれていくという情勢にある。現に新潟港は去年あたりまでで見ますと、一千万トンあるいは一千五百万トン近い貨物を扱っておるわけであります。その八〇%は実は対岸であります。そういう関係もございますし、もう一つは、新潟港は漁港でありしかも離島佐渡との航路であります。年間約百万近い人があのルートで行ったり来たりしているわけです。そういういろいろな関係を考えますと、この規定に基づいて住民の利益あるいは商業活動の利益、そういう面からいって誤りのない措置をしていただきたいと思うのでありますけれども、港湾局長から再度ひとつ……。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 港湾管理者から具体的に計画が上がってまいりましたら防衛庁とも十分相談いたしまして、港湾法に違反のないようにいたしたいというふうに考えます。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 防衛庁にもう一つお聞きしておきたいのでありますが、いま北海道の余市にやはり魚雷艇が三隻だと聞いておりますが装備される。この同ケースの基地が昨年から進められておるというふうに聞いておるわけでありますけれども、これも地元その他港湾の利用目的の関係いろいろありまして、現在まだ十分そのあなた方の計画に従って進まない、そういう状況にあるというふうに聞いておるわけであります。地元では漁業の関係の補償等についてはある程度の話が何か進められたが、全体としては地元は受け入れない、そういうふうに聞いておるわけであります。余市港はこれは地方港でありまして、新潟のような日本五港の中に数えられる重要港ではございません。しかし、そういう地元の感情があるということを聞いておりますが、現在余市港はどんなふうになっておるのでございましょうか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 余市港の施設の設置につきましては、地元と話し合いが成立をしまして、漁業関係の補償金等も確定をしてすでに支払い済みでございます。そこで、この建物につきましては、昨年の九月に着工いたしまして、ことしの六月末には完成の予定というようなことで、計画に沿って現在工事が進んでおるという状況でございます。

米田東吾日本社会党

○米田分科員 時間も終わりますので最後に申し上げておきますが、この新潟港につきましての計画は、きょうの私の質問では時間がありませんで、十分あなたのほうの内容をはっきり承ることができませんでした。おそらく、これは私のしろうと感じでありますけれども、どうしたって専用埠頭あるいは弾薬、魚雷庫それから港湾施設についての倉庫、あるいは燃料やその他の補給、あらゆる面でこれはたいへんな問題といいましょうか、そういう事態をはっきりさせなければならないようになってくるんじゃないかと私は思うのであります。ひとつそういう計画は隠さないで、まとまり次第出していただきまして、そしてあけすけに、これから港湾管理者なり運輸省なりと折衝されると思いますけれども、出していただいてひとつやっていただきたい。手の内を隠してちょびちょびと出すようなことはやめていただきたい。できればそれは私どものほうにも資料をいただきたい。私、米田東吾でございますけれども、資料をいただきたい。  以上申し上げて、御返事をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 計画が確定次第関係各方面に御相談を申し上げますし、また米田委員にも資料を差し上げることにいたしたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 桑名義治君。

桑名義治公明党

○桑名分科員 ことしに入りまして、沖繩協定の問題が非常に焦点が合いました。基地の問題というものが再び脚光を浴びるようになったわけでございます。  そこで、まず最初にお尋ねしたいことは、いわゆる在日米軍基地は、日米安保条約並びに地位協定によって、その基地は米軍に貸与しているわけでございますけれども、いままでに返還された基地はどのくらいあるのか、あるいはまた返還後どのように利用されているか、あと地利用の態様について明快にしていただきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 講和条約発効時に米軍の基地が二千八百二十四件ございまして、昨年の十二月末現在で百二十一件でございます。そのほかに米軍が自衛隊の施設を一時使用しております施設が二件、こういう状況でございます。  最近の事例といたしましては、一昨年の暮れに日米間で約五十の施設につきまして、それらの返還なりあるいは使用転換等について協議が行なわれまして、その後日米間で問題を詰めてまいりまして、そのうちの三十施設につきまして合意が成立いたしました。実際に返還か使用転換いたしましたのが二十七施設くらいだと思います。その後は、昨年来たとえば山田弾薬庫でございますとかあるいは千歳の基地でございますとか、そういったものにつきまして機能の停止という個所がございます。ことしの一月一日から御承知のとおりに水戸の射爆場が機能を停止しておる、こういうことが昨年来ぼつぼつ出てまいりまして、さらに昨年の暮れの十二月二十一日の日米安保協議委員会におきまして、御承知のとおりに横田、三沢、厚木、板付の四地区の重要な基地が基地の縮小整理ということになっておりますし、横須賀につきましては御承知のとおりまたさらに縮小される、こういう状況になっておりまして、そういう重要な施設の細部につきましては引き続き日米間で協議、検討いたしていくという段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 二十七施設が一応合意を得た、こういうお話でございますが、その二十七施設のうち大体どういうふうな態様になっておるか。いわゆるあと地利用ですね、それがどういうふうな形になって使用されているか、その点について伺っておきたいと思います。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 いま長官からお答えいたしましたように、大体一昨年の暮れから検討いたしまして約二十七施設あれしております。そのうち五施設は自衛隊が専用するようになっております。それから十七施設は地元市町村または民間等において使用されるという予定になっております。その他先ほど長官が申されましたように、もともと自衛隊の施設を米軍に一時使用を認めていたもの、これは当然でございますが現在の自衛隊が使用するようになっております。先ほど申し上げました地元に御利用いただくようになりましたのは約十七でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 先ほど長官からちょっと触れられましたが、近年日米当局間で返還の交渉が続いておるわけでありますけれども、現段階で基地の整理縮小が行なわれ、基地の機能がほとんど消滅状態になりながら自衛隊が管理をしている基地の数をまずお知らせ願いたいと思います。

薄田浩防衛施設庁施設部長

○薄田政府委員 お答えいたします。  返りましたうちで、当然のことでございますが、先ほど申し上げました自衛隊が使用することになったのは私のほうの自衛隊がやっております。それからそういう意味ではなく、いわゆる先生の御質問は現在使っておる、提供施設になっておって自衛隊が管理をしておる、こういう意味だろうと思いますが、それは私承知しておりますのは山田の弾薬庫だけというふうに了解しております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 では、次に原則的なお話を聞いておきたいと思うのですが、いわゆる今後返還される基地について、民間あるいは地方公共団体に売り渡すあるいはまた自衛隊の使用、こういうふうに大きく分けますと二つに大別されると思います。その件について原則としてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。まずその原則的な――いわゆる交渉の段階でいろいろな問題を含んでなかなか答弁がしにくいのじゃないかと思いますが、皆さん方がお考えになっていらっしゃる原則論をまずお聞きしたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 返還された施設が国有地でございますれば、それは大蔵省の所管財産に変えまして、そうしてそのあと地利用につきましては、それぞれの政府機関なりあるいは地元の公共団体なりそういうところからの要望に応じまして、そういうものを勘案しながら大蔵省のほうでその利用計画を定める、こういうことになるわけでございます。なお、民有地につきましては、もとの所有者に返るということになるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 そういう原則論を打ち立てますと、たとえばおたくのほうの自衛隊のほうでどうしても使用したい、こういうような要望と、現地で返してほしい、こういう要望とが必ず出てくると思うのです。いわゆる対立的な関係になることもたぶんこれはあり得ると思いますが、その場合にはどちらを優先しますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 もともと防衛施設として使用せられておりました施設でございまして、そのあと地を自衛隊が防衛目的のために使用したい、こういう要望があり、また具体的な計画がありますれば、やはりそれを優先させるということが本来のあり方ではないかというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 基地の返還につきましては、日米の地位協定二条三項で、基地が必要でなくなったときには「いつでも、日本国に返還しなければならない。」こういうふうに一応規定されておりますし、「合衆国は、前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」こういうふうにあるわけですが、日本としても、今後新しい基地の取得が非常に困難だからというような理由で、自衛隊に保有させるというそういうふうな考え方は避けるべきである、こういうふうに私たちは思うわけでございますが、その点についてのまず防衛庁としての考え方を伺っておきたいと思うのです。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 自衛隊としても十分利用する計画がない施設を、たとえば先行取得というような形でそれを利用する、使用するということは、必ずしも適当でないと思いますが、返還された施設で自衛隊として十分そこを使用したい、また使用価値が十分あるというふうな場合におきましては、その自衛隊の使用を一応優先させます。ただもちろん、その返還の場合は地元からいろいろの要望があることは事実でございますし、防衛目的のための措置と地元の要望とをどういうふうに調和していくかというところにいろいろ問題がありますし、また苦労があるところでございますが、私どもとしては、そういう両者の間の――大臣先ほど言われましたが、要するに共存といいますか、そういう形で問題を処理していくことが、その施設そのものを将来安定的に使用していくという意味において大きな意味があると思いますので、そういう点はわれわれも十分考えていきたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名分科員 いまの御答弁を聞きますと、どちらつかずというような感じがするわけです。答弁としては非常にうまい答弁かもしれませんけれども、聞いているほうは何を言っているかさっぱりわからないわけですよ。私はあくまでも原則論を聞いておるわけです。いわゆる地元の意見と自衛隊の意見とが対立した場合はどちらが優先するか、どちらに重点を置くかということを聞いておるわけです。共同使用、共同使用といいますけれども、たとえば山田弾薬庫のように弾薬を保有するような場所に共同使用というようなことは当然あり得ない。ただ単に基地がそういうような一般住民に直接危険を及ぼさないようなそういう基地の態様であるならば、そういうことも一応は言い得るかもしれません。だけれども、弾薬庫のような場合は現実にそういうこともできないわけです。そういう場合にどちらを優先させるかということなんですよ。その点について伺っておきたいと思う。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 やはりもとの基地の活用がどういうふうに使ったら一番効率的であるか。弾薬庫のようなものは弾薬庫として使うのが一番効率的ではないかとも考えられます。弾薬庫をつくる必要があるという場合あるいはもっと保持する必要があるという場合に、ほかにつくったらもっと金がかかるという場合に、あいたところを使うほうがはるかに経済的でもあります。ですからそういう場所、機能、あるいは国家的要請、それから地元の人たちの非常に熾烈な要望、そういうものをよく政治的に判断しながらケース・バイ・ケースできめる以外にない。ただし、防衛庁としては自分たちの要望はできるだけ抑制して、謙虚な程度にとどめてお願いしたい、こういう基本的考えに立ってやりたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名分科員 特に大都市周辺の基地は考慮しなければならない問題でありますが、昭和二十七年の岡崎・ラスク交換公文を空文にしてはならないと思うのです。それと同時に、五九年に米上院外交委員会が発表したコンロン報告は、日本のように人口の密集した国に基地を置くのは基地問題でトラブルを起こしやすい、軍事上の資産が政治上の負債とならないよう留意する必要がある。こういうふうに報告をしているわけですが、この点をよく考えてみますと、日本としては強力に返還を迫るべきであると同時に、この意図するところは、一つは基地を除いて国民感情をやわらげるというところにあると思うのです。  そういった考え方からしますと、返ってきた基地というものは十二分にその土地の住民あるいはその地域の発展計画の中におさめて使用すべきである、私はこういうふうに思うわけでございますが、この点について意見を付言していただきたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは原則論で、やはりその地域地域の特殊性を考え、またわれわれの要望も勘案してきめる、そういうこと以外にはちょっと申し上げられにくいと思うのです。具体的な場所については、おのおの御相談に応じてお互いにいろいろ協力し合うようにしていきたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名分科員 そこで、私は山田弾薬庫の問題を一つ例にあげまして質問をしていきたいと思います。  山田弾薬庫は、御存じのように旧小倉造兵廠の関連で、大陸の弾薬基地という必要性から旧日本軍が弾薬の倉庫として設置したわけでございますが、昭和十五年、十六年の二年間に新しく用地を買収し、西日本唯一の施設として誇っているわけでございますが、昭和二十年十月一日に米駐留軍によって鉄道の引き込み線等もなされた、こういういろいろな事情があるわけでございます。それと同時に、国際情勢とからんで実力行動によるトラブル等が起こったことも御存じと思います。ところが、先ほどからお話がありましたように、現在ではこの弾薬庫は全く機能を消滅して、自衛隊の管理にまかされているというのが実情でございます。そこで市民の間には、これはぜひ返還をしてもらいたいという要望が強いわけです。昭和四十三年五月二十四日に市議会でも撤去に関する決議をやっておりますし、昭和四十五年三月二十四日のあと地の平和利用を求める決議、同じく四十五年の七月八日にもあと地の平和利用に関する意見書も出しております。こういうように、住民の要望は当然ながら、市議会でも昭和四十三年から四十五年の七月まで、三回にわたって決議をしているわけです。またこの問題については、市長やあるいは議員のほうからもたびたび陳情に参っているということは皆さん御存じのとおりと思いますが、この山田弾薬庫についてどういうふうに考えていらっしゃるのか、その考え方をお知らせ願いたいと思います。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 山田弾薬庫につきましては、先ほど先生からもお話ありましたように、九州における非常に優秀な弾薬庫でございます。米軍は現在使用しておりませんけれども、自衛隊としては特に九州地区において弾薬庫が不足しておるという状況から、ぜひ引き続きこの弾薬庫を使いたいということで、その点これまで地元側の了承を得るように交渉をしておる、こういう段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 では、その交渉の段階でどういうふうなやりとりがあったわけですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 地元の北九州市からは、この弾薬庫を開放して公園その他そういった公共的な用途に使いたい、こういう要望がございました。しかしながら、ただいま申し上げましたように、弾薬庫というのはその地形その他から特殊な条件がございます。それからすでに投下したこれまでのいろいろの財産というものもございますし、自衛隊としては引き続きあそこを使いたいという希望を表明しておるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 弾薬庫としての機能は、それは非常に優秀な機能かもしれません。しかしながら、北九州の特に一番人口が密集しておりますところの小倉区の中にあるというその位置、あるいは繁華街とどの程度密接しているかというそういう位置的な条件、そこからくる危険性、そういったものを考えたときに、はたしてこの小倉の弾薬庫が最も適当であるという断定ができますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 この弾薬庫は保安距離その他も十分考えてございますので、何かあったときに周辺に被害を与えるようなことのないように十分つくられておりますので、そういった危険という面については御心配はなかろうかと思います。

桑名義治公明党

○桑名分科員 私は弾薬庫の機能そのものの危険性を言っているわけではない。もし弾薬庫に事故が起こった場合に、そういう大きな都市の――あそこはいま、ほとんど都市のまん中になりつつあります。そういったところに弾薬庫が存在しておるというその事実関係ですね。距離、位置づけといった点から考えたときに、これが最も適地であるといえますかということを聞いているのです。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたように、安全性という点については心配ないと思います。しかしながら、周辺が非常に開発されてきて、この開発計画との競合の問題、これは先生御指摘のように確かにあろうと思います。そこで、そういった面について何らかの解決策がないかということも含めまして、現在地元と交渉をいたしておる、こういうことでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 その何らかの解決策というのはどういうことなんですか。弾薬庫は取り除くかあるいは永続させるか、二つに一つしかないと思うのですよ。その何らかの方法というのは、どういうふうな腹案があるのですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 弾薬庫の機能を大幅に縮小しない限度においていまのような調整ができないかどうかということについて現在検討しておる、そういうことでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 弾薬庫の機能を大幅に縮小しないでということは、そのままでということですか。そんな抽象的なことばじゃ困るわけですよ。非常に功妙にするすると、からだに油を塗って逃げているみたいな返事じゃ納得できないです。だからその点、明確にしてもらいたいと思う。私は二つしかないと思うのですね。だから、防衛庁としては地元がどんなことを言ったって、どんなに反対したってここを弾薬庫として使うのだということならその返事でけっこうです。そこを明快にしてもらいたいと思う。それから先はまた次の手なんですから。それは地元住民は、私はそのままではおさまりがつかないと思います。これがいわゆる市街地から遠く離れた位置にあるならばその地元の反対はないと思うのです。あなたは山田弾薬庫へ行ったことございますか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 私は前、福岡の施設局長をやっておりまして、現地を見ております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 いつごろですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 一昨々年でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 その後もああいう都市というものはずいぶん変わってくるものです。一年たてばいままで草っ原だったところがいつの間にか住宅地に変わっております。どんどんあの周辺は団地に造成されつつあります。そういった意味で、私は弾薬庫を囲んで都市化が進んでいるということをいま言っているわけです。そこに今後の問題として重要な問題点が起こっているということを私は指摘しているわけです。そういった立場で、はたしてこの山田弾薬庫をそのまま永続されることが住民に歓迎されるか歓迎されないか、あるいはまた住民がこの問題を黙認をするかどうか、議会がこの問題をはたして許認するかどうか、これは大きな問題だと私は思う。町のどまん中に弾薬庫があるなんて聞いたことがない。これは不適当であるということは当然のことだと思います。それは経済的効果から考えれば、あるいは弾薬庫としての位置づけから考えた場合には、弾薬庫は非常にいい施設だと思いますし、そういう意味の位置づけならば最適地であろう、私はこのように思います。しかし、一般住民の生活あるいは都市全体の計画の中から見た場合には、私は決して適地だとは思わない、最悪の場所である、このように思うわけです。その点について再度お答え願いたい。これは長官からお願いします。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 自衛隊としては、住民の皆さんの御理解をいただいて、弾薬庫として使用したいという希望を持っておるわけです。

桑名義治公明党

○桑名分科員 きょう私がここに持ち込んでおるのは、北九州市役所が日本都市計画学会にお願いしまして、あと地利用の計画をちゃんとお金をつぎ込んでつくっておる、これだけこの弾薬庫の開放については地元は熱心なんです。ただ返してくれ返してくれ、危険だから返してくれと言っているだけじゃない。また北九州の北九州大学の学生から、このあと地をどういうふうにすべきか、こういうアンケートもとっております。そういうように積極的にこの弾薬庫の返還について地元側が要求している。この時点であなたたちがあくまでもあそこは弾薬庫として使うんだ、こうなってくれば、これは幾ら説得したところで説得がいかない、平行線をたどっていくんじゃないかと私は思いますよ。年月がたてばたつほどこの弾薬庫の周辺は、これは先ほど申し上げたように都市化が進んでいきます。もうそれ以外の土地が小倉にはないのです。そして北九州の中で年々人口がふえているのは小倉区だけなんです、ほかは減っても。そうなってくると、当然山田弾薬庫を囲んでの都市化は急速に進んでくるということです。そういうことを踏まえてさらに考えていただかなければ、これはたいへんな問題が起き上がってくるのではないか、こういうふうに思うわけですが、その点について再度長官にお尋ねしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 九州地方には弾薬庫が不足しておりまして、地元の事情もわかりますが、市長さんその他ともよく相談をしまして、地元の御要望もよく承りながら、われわれとして協力できる範囲はできるだけ協力申し上げて、弾薬庫として存置さしていきたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名分科員 では、結論をもう一度お聞きしておきますが、いまの答弁からいきますと、山田弾薬庫は絶対に自衛隊の弾薬庫として使用する、こういうことですね。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 地元の御理解と御協力をいただいて、自衛隊で使いたいという希望を持っております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 先ほどからいろいろ条件を申し上げましたが、これは地元の御理解と御協力ということはほとんど得られない。これは私はもう九九%だめだと思います。あるとすれば奇跡的なあとの一%だと思います。だから、そういった意味でお尋ねをしているわけですから、そうなってくると、結論としては、いま長官の言われた市長の了解あるいは地元の了解というお話ではございますけれども、これは最終的にはそういうことで押し切る、こう言わざるを得ないわけです。そう理解をしてよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根国務大臣 先ほど申し上げたとおりであります。

桑名義治公明党

○桑名分科員 もうこれで、防衛庁としてはこの弾薬庫の使用についてはどのような方向で考えているかという姿勢が非常に明快になりました。今後これはまた地元の問題として取り上げていかなければならない問題だと思いますので、きょうはこれで質問を打ち切りたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪主査 次回は明二十日土曜日、午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十五分散会

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