P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
65回国会衆議院1971/02/23

予算委員会第四分科会 第4号

発言数
396
登壇者
28
会派数
5
開催日
1971/02/23

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田主査 これより予算委員会第四分科会を開会云いたします。  昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、農林省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  本日は、多数の質疑申し出があり、また、本会議もありますので、質疑時間は特に厳守していただき、また、政府においても簡潔に御答弁いただくよう御協力をお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大野市郎君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 御承知のように、一般家庭で物価が上がったというふうなはだの感覚のうちで、一番身近に感じておるのは、毎日魚屋さん、八百屋さんの店先に買いに行かれる家庭の主婦の方たちの身近な実感がよく伝えられておりますが、われわれもそれぞれ家庭を持っておりまして、そういう特に季節的商品といわれる野菜ものの値段の動きというものは、一つずつの単価が安いだけに亭主族はあまり気にしませんけれども、家庭に帰りますと、やはり話題は、その問題が食卓をにぎやかにするというふうなぐあいで、国民の生活の中でやはり安心感を与えるのが政治の要諦じゃないかと思いますので、特にきょうは、野菜の問題でいろいろ政府の御施策、そういうものについてお伺いしてみたいと思います。  すでにいろいろの機会に話題になって論争されておりますから、あるいはもうすでに同僚がお聞きしたような問題は重複するかもしれませんが、私なりにひとつ教えていただきたいことは、ひとつ率直にお願いして政府の施策を鮮明にしていただきたいと思います。  そんなわけで、ちょうど農林省におかれましては、一月二十日に流通価格の追跡調査の結果を発表されたそうでありますが、それはどんな内容でございましょうか。簡潔に……。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 私からかわりまして御説明申し上げます。  一月二十日と、それから一月の二十九日というふうに連続して、大体関東を中心としまして、東京の卸売市場を中心とする各種の野菜につきまして追跡調査をしたわけでございますが、われわれの調べた関係では、従来何度もやっておりますが、やはり最終の末端価格から押えまして、産地の手取り価格あるいは卸の段階の価格というものを調べたわけでございますが、その結果、前回当時において調べました価格と率においては差があまりなかった、結論的にはそういうことになっております。  たとえば三浦大根を一つとりますと、小売り価格でこの一月二十日に五十五円というものが、卸では三十三円三十銭、産地手取り価格は二十七円四十銭というキログラムあたりでありまして、それを小売りを一〇〇といたしますと、産地の手取り率が四九・八、卸の段階で五・一前後の手数料を取って六五・九というふうな率で、それぞれの作物について調べましたが、典型的な、問題になります大根について、たとえば事例的に申し上げたのが以上のような数字でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 それで、要するに供給が全体的に不足したのじゃないかという最終の結末の発表のようにそのとき印象を受けておりましたが、それに違いありませんか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 当時の調査時点におきましては、一月の初めでございましたので、大根の全供給量等の観点からいたしますと、供給は確かに多かったわけでございますが、しかし、やはり時期的にどうも需要に対して供給が足りなかったのではなかろうかという観測を持っておった次第でございますが、ちょっとつけ足しますと、その後も一月並びに二月の天候が非常によかったものですから、大根の肥大がわりあい順調に進みまして、二月の下旬の段階におきましては、非常に豊富に出回ってきている、こういうふうに理解しておる次第でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 それでそれと前後しまして二月三日でありますか、行政監理委員会が開かれて、行政管理庁から四十一年と四十三年の二回にわたって農林省に勧告を出しておるんだが、その勧告の追跡調査が必要であるということをその席上できめられて、一月くらいをかけて追跡調査をしてみたい、こういうような記事を新聞で拝見しましたが、この四十一年、四十三年の二回の農林省への行管の勧告の内容をごく簡潔に要約するとどんなことでありましたか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 その四十一年、四十三年の二回とも、端的に申し上げますと、野菜の指定産地制度をもっと強化しろというふうに私たちは理解しておるわけでございます。あと、流通問題等にも合理化が要望されておるように記憶しておる次第でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 この新聞の記事によりますと、野菜の生産出荷安定法の運用の面に対して、あるいは運営面で適当でないものがある、特に出荷、作付面積などが指定基準に達していないものがあったが、これらに対する行政指導がもう一歩ではないかというふうに記事が載っておりました。それからもう一つは、お話のとおり、卸売り市場での問題点が二、三指摘をされておったのが記事にありましたが、大体そのようなものと考えてよろしゅうございますか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 新聞報道でございますので、あまり私たちも実際面でわからない点もあるわけでございますが、この指定産地制度というものは、御存じのように計画段階で三年、それから指定しましてから三年かかって一人前に仕上げるということで、指定に際しての要件といたしましては、少なくとも当該指定産地でできる大根なら大根の半分を、指定消費地域の東京なら東京へ出すということが指定要件の一つ、それから大体面積として、その当該産地のうち三分の二を支配するといいますか、カバーするような面積を指定産地の要件とするというふうに、三分の二の面積、それから二分の一以上の出荷ということが指定要件でございますが、それで初めスタートするときは、出荷率は二割にも満たないような指定産地を、当該農村の指導者の方々を何べんも指導したり、またわれわれのほうでも補助金をつけながら一人前に仕立てていきまして、現在では、総平均といたしましては七割前後の出荷率がカバーされているのではないか、こう理解しております。まだいま育成といいますか、現在指導最中のものもございますので、全部が全部超一人前なものとは思いませんが、なお至らないものは、われわれといたしましては今後努力してまいりたい。なお、当初のスタートのときから要件を十分満たしそうもないものにつきましては、今後推移を見て、場合によっては指定産地の取消しということもひとつ検討してみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 これは私どもも野菜生産出荷安定法の関係法令集もいただいておりますから、十分中身もそれで検討いたしております。したがって行管が行かれた昭和四十一年の七月一日にこの法律が施行されたほやほやで、施行令あるいは施行規則は翌年の六月にきまったような状況ですから、四十一年、四十三年の行管監察であればいまの局長の御説明のような、いわゆるその基準に達することの確実な見込みというところであったに違いないので、確実な見込みはあったが、まだそこに達していないのを、行管では行き届いていないじゃないかというふうな誤った監察をしておられる傾向を私はこの年月日から見て判断をしたのですが、そういう問題も新聞に出ますと、農林省がいかにも怠慢であるというふうな形に国民が、読んだ者が印象づけられるのです。ですからそういう法律が何年何月にできたかを一般国民は知りませんので、そういう点も、二月三日に行監委員会が開かれたというならば、農林省の当局もそれらの委員会提出の資料などは、同じく政府部内の連絡があることですからお取り寄せになって、そしてあるいは弁駁あるいは弁解あるいはそのとおりですということを、やはり横の連絡をなさるべきだと思いますが、それはなされましたか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 行管との事務連絡につきましては、監察するとかしないとかいうようなことにつきましては、十分に行管のほうからもあらかじめ御連絡いただきまして、そしてああいう決定がなされたのではなかろうか、こういうふうに思っております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 そうすると、それだけの事柄の実態を、横の連絡を密にされておいて、なおかつ新聞にああいう形の発表がなされるという事柄は、農林当局ももとよりでございましょうが、事情をいささか知っておる者ははなはだ心外だと思います。いわゆる国民のものの見方のミスリードになるのでありますから、そういう問題を見られたときには、いやこれは違うじゃないか、いやこれはこういうわけだというふうなことをやはりPRなさる、新聞発表された新聞紙を含んでPRをなさるという事柄が国民にとって親切ではないかと思いますが、そのお考えはございませんか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 われわれといたしましては、今回の十二月から一月にかけましての野菜の高値につきましては、やはりいろいろな原因をわれわれ自身も現在究明中でございますが、いずれまたこれにつきましては結論を明らかにいたしたいと思っておりますが、行管のほうでもその野菜の高値の原因をやはり農林省だけでなくて自分のほうでもお調べになりたいということだし、われわれとしてもぜひそうしてもらったほうが今後の行政上ありがたいということで、監察をしていただくようなかっこうになっておりますので、これはわれわれといたしましても、今後の高値対策の大きな行政の一つのデータをいただくという意味で行管にやっていただくのがいいのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 私の言うのはそういう意味ではないのです。それはいいのです。同感です。そうでないその前提で、国民にPRする機会はやはり報道機関のほうが一番広く見えますので、そのような場合にやはり気をつけられて、それが趣旨と違う内容であった場合には、これが真相ですということをお互いが努力して、お互いが認識し合い、それをまた宣伝放送し直していただくようなそういう手だてがこのごろの時代に合う親切なやり方じゃなかろうか、こういうふうに言うておるのでありますが、この点大臣いかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 お説のとおりだと思いますが、行管の指摘にもごもっともな点もありましたので、私ども、そういった点を重視して、できるだけ尊重してやろうと思っておったのでありますが、ただいま大野さん御指摘のような点においては、これからも十分注意してやってまいりたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 それで、いまの安定法の細則をずっと見まして、この確実な見込みのあるものというので、町歩数なども、五十町歩、五十ヘクタールになるだろうとか、二十ヘクタールになるだろうとかいうので、一つの指定面積も考えておられるから、これはこれでけっこうなんですが、とにかく供給不足のために野菜が暴騰したというふうに印象づけられておる昨今の状況でありますが、なお、あなたのほうからいただいた「野菜の需給動向と野菜行政」も一応目を通しましたが、特に家庭で使うものが、季節的なものでもありますが、大根は全く昔も使い、いまも使う万能の食品なんです。この大根だけをたどって、いろいろな指標から、私も興味を持って追跡をしてみたのですが、どこに大根の指定産地を設けるかというふうな問題ですね。時間がないもんですから、大根一つにしぼってみましても、どの程度の距離を運べば、距離といいましょうか、輸送手段が違うから時間ではかるのですか、どの程度の時間がかかって、どの程度の運賃をかけたら大都会の、大消費地の大根の生産地を求めることができるかというような御研究というのはありますか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 御存じのように、野菜全部が九七、八%が水分でございますが、特に大根とか白・菜というものは水分が非常に多くて、しかも、一つの単体として大きな量を占めますので、従来の農林省の姿勢といたしましては、当時の東京都に入っております、従来からの産地でありました、有名な練馬大根とか三浦大根とか、あるいは銚子の大根とか、こういうふうなところに超重点を置いて、端的にいえば都市近郊産地というものを前提といたしまして、産地指定を、主生産地を指定しながら、それを出荷率面で強化していくという面で指導したわけでありますが、最近の情勢からいたしますと、近郊産地というものは、野菜産地として指定するときは非常に便利ではあるけれども、長い目で見ておりますと、やはり近距離から中距離へ、中距離から遠距離へというふうに今後産地が移動していくのではなかろうか、そういうふうに考えまして、最近のわれわれの産地指定のあり方といたしましては、きょうちょっと具体的な数字を持ち合わせておりませんが、やはり関東でも、東京から見れば多少距離の遠いところ、さらに、行く行くは東北とか関信越とか、場合によっては、大根ではございませんが、今後の問題としては、南九州とか北海道というのを大産地として指定していくことになるのじゃなかろうか、こういうように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 私が申し上げるのは、その場合の指標として、たとえば十五トントラック一台、運賃はどのくらいか、距離だと幾らだというようなものがありますからね、それに基づいて、とにかく大根を消費地で幾らで売るには、その運賃を差し引いて、手取りが幾らになる地帯まで伸ばし得るんだというような着想で、大根なら大根の大消費地に対する供給基地をやはり行政指導される、そして指定産地に組み入れてくる、この規約を読みましても、こういう条件をそろえれば入れてあげるというふうな、法律だからそうなりますけれどもね。何かはしいのに、この条件を整えたらおまえのところをめんどう見るぞというような書き方なんですよね。法律はそんなもんだろう、国家権力が指定するのですからね。だけれども、入り用なものをつくってもらうのに、それじゃやはり弾力性が足りないんで、その意味で、いま、法律をどう改正しようということを論ずる時間もございませんが、着想として、そんなようなことで野菜の供給源を幅広く、ここまでならいけるじゃないかという行政指導を、逆に中央官庁が頭の中で起案されてもできないことじゃないのです。そうしてその便益を与えていただくという方法について、あるいは、場合によったら輸送の手段に助成をするという手もある。ある時期の緊急対策というならばそういうてこ入れもある、こんなような着想がありますが、一つの着想であります。  それから家庭で晩めしのときに出る話は、政府は一体大根がどれくらいいま植わっているのか知っているのだろうか、東北のいなかの状況までは——東京の私どもが八百屋で買う大根の入荷先の大根が、いまどれくらい畑にあってどんな状況なんだろうか、わからぬことないのじゃないかというのが、家庭の夕食でわれわれが責められておる非常に卑近な会話なんですよ。だから、これらの点について——統計事務所があるわけですね。行政改革で要求があったというので統計事務所の統廃合が行なわれた。この統計事務所の活用も、その意味合いで、そういうところまで考えられてこれを御活用なさるならば、中央官庁の方々がそんな事柄ができるわけがないので、そういうような遠隔操作で生産地の状況というものを、やはり手にとるように知っておるという事柄が、国民生活の台所で、値段では、そう言っちゃ悪いけれども、家庭消費総、額における大根の代価はたいしたことないですけれども、やはり精神的にびくっと響くんですね。これが政治の要諦だとも思いますので、品目はしぼってもいいから、今月の播種の状況、今月の生育の状況というのはわかるのですから、ことに季節ものですからめんどうじゃありません。そういうようなことの習慣がつけば、いや、いまこれくらいあるのだから、その出荷をいま催促してますよ、ですから、それは単価が、途中で産地仲買い商人が思惑で隠したということになったら、そういう事実が厳密に積み重なってきておるとすれば、行政的なあるいは立法手段で、そういうような国民の経済を、ただ自己の投機行為だけで撹乱するというような行為は、真の生活の擁護でないというような判断で、また国会に御相談の一つの糸口にもなるのじゃないでしょうか。そんなような形で、何とかひとつお手持ちの事務所の活用で、それらの生産地の動静をしっかり押えていただきたいと思います。この点はいかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 お説全く御同感でございまして、いまお話のように現在はやっておるわけでございます。そして私どもの手元には、毎日の各野菜の状況、それからそれぞれの市場における価格、そういうものの詳細が参っておるわけでありますが、やはり御指摘のように、最近はとにかく野菜が一ころよりも一人当たりの需要量がふえておるようでございます。その供給が、やはりある程度間に合わない。それでいままでは、たいへんつくり過ぎたために暴落して、野菜づくりの農家が困ってまいりますことについては、農林省としては従来非常に警戒的でございましたし、また暴落をいたしますと、翌年その品種の作付がうんと減ってしまいますので、翌年は暴騰するというようなことを防止するために、来年度の予算でも指定産地をふやしていただいて六百四十ほどにいたしていただいたわけでございます。それぞれの地域の状況報告は緊密にやっておりますが、ただいまお話のございましたように、統計調査部は従来のような統計だけではございませんで、野菜その他のことについて出先の情報をキャッチするために統計調査部の出先の職員はいまフルに働かしております。いまある農林省の機構をやはり有機的に効果あらしめるために、先般私どものところでは次官を長にいたしまして野菜対策本部をつくりまして、その下に関係局を配属いたしまして有機的に活動できるようにいたしましたのも、いま御指摘のようなわれわれが地方に出先をかなり持っているわけでありますから、そういうものを十分活用できるようにということで、こういうものの協議会をつくって働かしておるわけであります。御存じのように、昨今ではおかげさまで価格は大体安定いたしておりますが、将来に対して私どもは、いまお話いただきましたような方向で需給のバランスがとれるように全力をあげてやってまいりたい、こう思っております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)分科員 それで、私が最後に申し上げたいのは、野菜が産地にどれくらいあるかというのが把握ができておりますと、たとえばこの正月みたいに、いま大根が安くなったそうですが、正月みたいな高値になったときには、大根は実はほんとうに季節のものですから、いまちょっと産地で切れているので高いが、この品物は豊富に入っているからお台所ではこれをひとつぜひ御使用くださいというような、台所向けのPR、そういうものをやはりちょっと報道機関にも御説明をしていただいて教えてくださると、家庭がお献立をするときにちょっとくふうをすれば何でもないのです。ですからそのようなこまかい配慮——こまかい配慮といったって、うちでもみんな食べてるのですから、その奥さんに言うことを言うていただければいいのですから、そういうようなことでちょっと口を加えていただけば、私は不安感というものが心理的に払拭されるんじゃないかと思います。  それからやはり抜本的には、野菜は八〇%から何か九〇%近くの農家は全部つくってみて知っておるのです。野菜はできるのです。ですからつくって、生産費を野菜にかけて、むだな労力を注いだという感じのないように、やはり過去の実勢、値段の——平均の三分の二、そのまた八掛けというふうな形が法律の本旨になっていますから、いまこれをきょう改正というわけにいかぬでしょうけれども、ものの考え方に、やはり野菜がこんなに政治問題になるのでありましたならば、野菜の値段の平均値のとり方にも、やはりつくっても損がいかなかったというふうなもので、野菜の値段の見直しが必要じゃないかと思いますが、こういう点も、きょうは時間がありませんので、それ以上はやめますけれども、ひとつ法律ができたからもう変えるわけにいかないという形でなくて、こんなに政治問題化された野菜でありますから、そういう意味での総合農政の一環として価格政策も取り上げてみよ、こういうような弾力性をお持ちいただきたいと思います。  もう一点は、契約栽培の考え方、これは値段がフィックスします、それでいいと思いますが、その契約栽培あるいは野菜の平均値の立て方のものの考え方の転換、こういうようなことにお考えをいただきたいと思いますが、最後にそれを伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 やはり私ども計画的に生産とそれから出荷をやっていただくようにできるだけ指導いたしてまいらなければなりませんが、私ども野菜をつくっております人々といろいろな話をしてみますと、やはりいまラジオ、テレビ等でも、たとえば植木屋さんの手間賃が四千五百円になったとか五千円になったとか、そういうようなことがいわれております。大野さんよく御存じのように、大根その他野菜をつくっておる人たちの労働賃金を見ますと、千四、五百円から千五、六百円、私はこういうようなことを考えてみますときに、いろいろな意味においてたいへん困難な問題が伏在いたしておることを認めざるを得ないわけでございます。  そこで、先ほどちょっとお話がありました価格安定についての施策、これはぜひ充実してやっていかなければならぬと思いますが、要するに昨今は昔と違いまして、季節商品といいましても、昔は冬はなかったものでも、いまそういうものですらどんどん一般家庭が需要されるというふうになってきておりますので、やはり計画的に生産とそれから出荷をやっていただくようなシステムをできるだけつくってまいりたい。それにはやはり指定いたしております大消費地、これは数をまた二つふやしましたけれども、そういうものと見合うような生産地を計画的に結びつけることについては大事なことであると思いますので、そのような方向でひとつ進めてまいりたい、こう思っておるわけであります。

森田重次郎自由民主党

○森田主査 岡田利春君。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 私は漁業問題について若干お尋ねをいたしたいと存じます。  初めに、北洋漁業の問題でありますけれども、すでに日米加漁業条約は期限満了に伴ってこの改定交渉を三回にわたって行なっておるわけであります。一方において日ソの漁業条約につきましては、今年自動延長が五年目を迎えようといたしております。最近の日ソ関係、経済交流の増進、発展から考えまして、日ソの漁業条約の改定は、期限満了後一度も双方で意思表示がされていないわけです。自動延長下にそのまま据え置かれているわけです。政府としてこの日ソ漁業条約は満足であるから改定の意思を表示しないで、今日まで自動延長下に置いておるのか、あるいはまたこの条約の改定はまだ機が熟していないと判断をいたしておるのか、いずれにしても昨今の北洋漁業の長期ビジョンをわが国として展開してまいらなければならぬ、こういう情勢の中から判断しますと、やはり日ソの漁業条約の改定交渉についてはもう踏み切る時期に私は来ておるのではないか、かように考えるのでありますけれども、この点について政府の見解を承っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 カニ交渉に関する日ソ政府間交渉は、三月一日からモスクワで開催される、本日閣議でその代表を任命いたしまして、それからサケ、マス、ニシン等に関する第十五回日ソ漁業委員会は三月二日から東京でそれぞれ開催されるわけでありますが、わが国といたしましては、北太平洋におけるこれら漁業はわが国が古くから開発してまいったものであることにかんがみまして、科学的根拠に基づく資源の保存、利用につき十分審議を尽くしまして、従来の実績の確保をはかるようつとめておるわけでございます。  なお、毎年の日ソ漁業交渉のあり方につきましては、必ずしもわれわれは満足いたしておるわけではございませんが、運用の改善によりまして解決し得るものでございますので、現行の日ソ漁業条約をただいま特に改定をしなければならないとは考えておりません。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 いま大臣から述べられましたように、日ソのカニ漁業交渉については、昨年の協定に基づいて三月一日までに会議を開くことになっておりまして、さらに引き続きサケ・マスの漁業交渉が行なわれるわけです。特に、伝えられるところによりますと、業界筋としてはサケ・マス漁業については今年は十一万トン程度わが国として漁獲の量について提案をしたい、こういうことも実は情報として伝えられておるわけです。大臣から、科学的な資源の保護等も考えて、弾力的にひとつ交渉で問題の解決をはかっていきたいという基本的な考え方を示されたのでありますけれども、カニ及びサケ・マスについて特に今年わが国の提案についてはいまだ政府としてはまとめていないのかどうか。業界筋としてはサケ・マスについては十一万トン程度の要求をしてほしいということが伝えられておるわけでございますけれども、この点についてはいかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これは相手のあることでございますし、カニにつきましてはこれから代表がモスクワに出かけてまいります。日ソ漁業条約はこちら東京でやることであり、これから外交折衝に入るわけでございますので、何万トンというわけにもいきませんけれども、御存じのようにサケ・マスはことしは豊漁年でございますので、いろいろな条件を考慮いたしまして、できるだけ努力をいたしたい、このように考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 第二の問題は、政府は、昨年ウ・タント国連事務総長の紹介した第三次の国際海洋法会議の開催について、国連の決議に基づくような海洋法制度の全般的な討議を目的とした会議に対しては政府としては反対である、しかし、領海の幅員と大陸だなの管理範囲の決定について、この二つの問題については緊急を要するので、下準備がなされるならば、この問題に対して国際会議を開催することに同意をするということに政府はすでに態度をきめているように私は承知をいたしておるわけであります。といいますことは、国会においても領海、漁業専管水域の問題はしばしば議論されてきたわけです。この態度というのは、領海については今日アメリカの動向から考えても十二海里説がもう世界的な国際的な大勢を占めている。アメリカ、イギリス、フランス、これらの国が大体領海十二海里に踏み切るとするならば、わが国としても領海十二海里については異存がないという態度を政府は持っておるのかどうか。あるいはまた大陸だなについても、昨年の日ソのカニ漁業交渉の協定の結果、双方の意見として、カニは大陸だな資源であるというソビエトの意見とわが国の意見とが併記をされて協定をされた、こういういきさつから見れば、大陸棚条約を批准するということは、いまわが国で特に問題になっているカニ資源の問題について、日ソの経験に照らして考えてみますと、そうこれは決定的な批准できないという理由にはならぬのではないか。しかも、そういう二つの面について政府が十分緊急を要する問題で討議をする用意があるという態度は、国際的な趨勢である水深二百メートルまでの大陸だなについては、私どもとしてもすでに発効している大陸棚条約については批准をするという積極的な態度を持っておるのか、この二点についてこの機会に見解を承っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 御存じのように、従来確立されております国際法によれば、領海の幅員は三海里でございます。これを越えて一方的に拡張されました領海または漁業専管水域といわれるものは、国際法上有効ではないというのがわれわれがいままでとってきた立場でございます。こういう考え方に立ちまして、アメリカ、オーストラリア等各国と漁業協定を結んでおりますし、これらの国の沿岸におけるわが国の遠洋漁業の実績確保に努力してまいったわけであります。一方、外国漁船がわが国沿岸へ進出する等のことによりまして、わが国においても領海の拡張、漁業水域の設定をすべきであるとの声につきましては、その意図するところを十分われわれも理解できるのでありますけれども、ただいまも申し上げましたような遠洋漁業等に対するわが国の態度とも関連いたしまして、にわかに従来の方針を変えることは適当でないとただいまは考えております。しかし、お話のございましたように、近く国際海洋法会議も開催されまして領海、漁業水域等の問題を討議されますので、わが国としては必ずしも従来の方針に固執するわけではありませんで、国際世論の動向を見ながら漁業全体の利益を勘案して対処いたしてまいりたいと思っております。  それからまた大陸だなの問題につきましては、現行の大陸棚条約は、鉱物資源ばかりでございませんで、海藻、貝類等の定着種族に属する生物につきましても沿岸国の主権的権利を認めておりますし、アメリカ、ソ連は、カニ類をも大陸だな資源として、従来わが国が行なってまいりました両国沖合いのカニ漁業をも規制しようといたしております。これに対して、わが国は、カ二漁業は公海漁業として伝統的に認められたものであるという立場をとっておりますし、両国の主張に反対いたしてきておる次第であります。したがって、現行大陸棚条約への加入は公海漁業に依存するわが国の水産業の立場と相いれません。カニ漁業の操業継続を確保する上からも、当面大陸棚条約に加入する意思はないわけでありますが、これらのことにつきまして、違う場所では外務大臣もそれぞれ御答弁なさっていらっしゃいますし、私どもの立場でいまお答えいたしたような考えであることを明らかにいたしたのでありますが、これは、先ほども申しましたように、海洋関係の会議も国際的にあるような場合には、慎重に対処して、政府部内の意見を統一して対処していかなければなるまい、このように考えておるわけであります。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 そういたしますと、いまの大臣の答弁から判断いたしますと、国際海洋法会議のような機関で、国際的な合意が得られるならば、領海の幅員についても十分ひとつこの点については考えてまいりたい。ということは、国際的な趨勢、一致できる面で私どもとしても賛成するという姿勢であるというふうに受けとめられると思うわけです。と同時に、領海の問題と漁業専管水域の関係の問題では、御承知のように、わが国の沿岸漁業の場合でも、底びき漁業の場合には、大体五海里から七海里までは底びき漁業は禁止しておる。しかし、外国の漁船が来て、禁止している地帯、いわゆる領海三海里までの間の底びき漁業を行なっているという現実が随所に出てきた、こういう問題も実はあるわけです。そういたしますと、いま大臣の答弁を聞いておりますと、領海と漁業専管水域とをともに含めて弾力的に考える。したがって、そういうしかるべき機関において国際合意に達するまでは漁業専管水域をもわが国としては設定する意思がないということなのかどうかというのが第一点であります。  それから第二点の問題は、確かにカニ資源の問題についてはいろいろ議論がございますけれども、わが国はわが国の主張を今日まで貫いてきておるわけです。したがって、この問題についてはまだ合意を見ることができないのでありますけれども、しかしわが国の大陸だな資源を考えてみます場合に、日本の領土の大体七四%くらいに匹敵する大陸だなをわが国は保有いたしております。しかも昨今の趨勢としては大陸だな資源の開発、これは単に地下資源のみならず海洋資源についても同様でありましょうし、海洋開発が最近非常に強く叫ばれておるわけです。そういう点から判断をいたしますと、いま農林大臣としての答弁を承っておるのでありますけれども、国務大臣として考える場合には、当然今日大陸だな条約の問題は、主たる資源で問題になっているのはカニ資源だけであって、これがある程度従来の交渉の方向で解決されるとするならば、もはや大陸だな条約の批准については問題がないではないか、こう私は判断するのですが、重ねて御見解を承りたい。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 大陸だなにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、われわれは、たとえばカニというふうなものについて、これは大陸だなに定着いたしておるという説には反対をいたしておるわけでありますが、御承知のように、地下資源等の問題につきましては、わが国の近海においてもいろいろ将来とも大きな問題がたくさんあると思います。したがって、わが国としてもそういうことに対して現在の段階においてどのように対処すべきであるかということについては、政府もいろいろ検討をいたしておるわけであります。同じく専管水域についてもさようでございます。ただ私が先ほど申し上げました中には、やはり遠洋漁業ではかなり世界各国の海域において日本は既得権的に活動いたしておる場面もございまして、それぞれの国々を相手にやはり特殊な条約等を結んで、そこで漁業を継続いたしておる実情は御存じのとおりでございますので、かれこれ勘案いたしまして、わが国がどういう態度をとるべきであるかというふうなことにつきましては、政府部内で慎重にいろいろ検討を続けておる段階でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 そういたしますと、農林省として指定漁業、遠洋漁業、これに対しては許可を与えるわけですが、操業区域の許可、もちろん二国間の条約とか、いろいろな取りきめがある場合には操業区域が非常に厳格になると思うわけです。しかし、日本は、わが国は領海三海里より認めないし、しかも漁業専管水域についても認めていないという場合に、指定漁業の許可を与えるときに水域について厳格な規定をしておるのかどうか。要は、たとえばアメリカが漁業専管水域が十二海里である。しかしわが国は認めていないのだから、指定漁業については、その漁業専管水域内において漁業することについては、別に取り締まりもなければ、その点は認めておるのかどうか。あるいは領海十二海里説を唱えておる相手国に対しては、二国間の条約がない場合には、取りきめのない場合には領海三海里までは、その指定漁業の漁船が操業することを、積極的には認めなくても暗黙に認めておるのかどうか。最近特にソ連の場合でもあるいは米国の場合、エクアドル、ペルー、中共、オーストラリア、モーリタニアの場合でも拿捕事件が依然としてあるのです。これが特に沿海州、カムチャッカ、北千島になりますとまだ多い。そういう動向から考えますと、国際協調の立場で、わが国が今後国際漁業のあり方を節度をもって持していくという態度が必要なのでありますから、こういう点について、一体指定漁業についてはどういう操業水域の許可を与えておるのかどうか、この点を承っておきたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 原則的に申し上げますと、たとえばアメリカと日本と漁業協定を結んでおりまして、アメリカは領海三海里、三海里から十二海里の間が漁業水域ということでございますが、従来の漁業の伝統を守るために、一定の地域については三海里まで日本の漁船が入ることをお互いに認め合っているわけでございます。こういう場合には、その取りきめを無視して漁業の操業をすることは、私ども認めておらないわけでございます。それ以外で、領海三海里を越えて漁業水域をつくりましたり、あるいは最近カナダが漁業閉鎖地域をつくっておりますけれども、そういうところで、私ども、話し合いで認めておらないものにつきましては、これは国内法の運用といたしまして、三海里以遠に入る場合に、それはいかぬというわけにも法律上はまいりません。しかし現実の問題といたしまして、エクアドルその他で拿捕の問題がございますから、それはやはり実際の行政の運営といたしまして相手の領海宣言あるいは漁業水域宣言をした場合には、できるだけ入らないことが望ましいという程度の指導はいたしております。これはいわば法律上の問題と実際上の問題とのギャップである、これはいたし方ないところであろうと私どもは思います。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 入ることは好ましくないという程度ですから、これは大いに入ってよろしいという意味ですね。またわが国の場合にも、領海三海里までは公海ですから、ソ連であろうと韓国であろうと、どうぞ来て魚をとってくださいという意味ですね。そういうことになりますね。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 日韓の関係では、専管水域十二海里でやっておりますから、これは別でございますけれども、大いに来てけっこうだというわけではございません。たとえばソ連等の場合は一昨年から昨年にかけまして伊豆七島付近で——日本のサバにとってきわめて重要な水域でございますから、そこで網でとることは困るという話を厳重に申し入れた次第でございまして、公海であるからどうぞというふうには申し上げておらないわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 結局は沿岸漁業と遠洋漁業との調整の問題だと思われるのですが、わが国の近海に対しては来てもらっては困る。しかし、二国間の条約のないそれぞれの国が漁業専管水域十二海里、領海十二海里だときめており、国際的には条約はすでに発効しておるという環境にあって、なおかつそれでも——その国際漁業の許可にあたっては、その領海十二海里、もしくは専管水域十二海里に入って操業すべきではないという、ある程度そういう、ないという指導が行なわれてしかるべきではないか。そういうことなくして、どうして国際漁業が、国際環境からいって、わが国の漁業のあり方について理解を求めることができるだろうか。いわゆる魚をとることについてはアニマルであるという非難がむしろ集中し、孤立化する傾向を今日深めていくのではないか。ですから前段の質問と、そういう現実の取り扱いの問題がやはり関係があるわけです。そうじゃないですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 実はこの問題は、先ほどお話がございました、領海をかりに十二海里と日本がきめましても、中南米におきましては、領海二百海里あるいは漁業水域を含めて二百海里という説をなす国がございますから、私は終局的な解決にはならないというふうに思います。しかし現実の問題といたしまして、一方的にどこかの国が領海の拡張あるいは漁業水域の拡張をいたし、設定をいたしました場合にも、それは国際法上確立された原則に違反しているから、私どもとしてはそういうものの存在は認めないという基本的な立場があるわけでございますから、法律の形であるいは法令の形でそれを公的に認めるということは、私はなかなか法律上の問題としてむずかしい。しかし先ほども申し上げましたように、相手方が十二海里あるいは二百海里というような漁業水域あるいは領海を設定いたします場合には、そこに入らないようにという、そういう指導はいたしております。これはいわば法律と実際との調整あるいは調和ということであろうと思います。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 そうであれば、入らないように指導しておるならば、指定漁業の許可にあたって、操業水域について明確にすべきではないか、こう私は考える。それはできるわけですね、これは省令でできるわけですから。要するに農林省の許可様式にもあるわけですね。その中に操業水域を一応きめる。もちろん二百海里なんというのは問題になりませんけれども、国際的な常識でありませんから。少なくともやはり漁業専管水域あるいは領海十二海里というのは絶対多数国ですよ、今日。ですから、そういう国際環境を考える場合には、指定漁業の許可にあたっては水域を明確にすべきではないか。やはりわが国としてそのくらいの秩序をもって漁業の許可をしなければ、私は非常に非難が集中してくるのではないかと思うのです。そういう点についてはいかがですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 領海あるいは漁業水域十二海里というのは多数国のやっておることでございますけれども、それがいわば通説的な位置を占めているというふうには私はまだ考えておらないわけでございます。  それから取り締まり規則その他の農林省の省令と申しましても、それは結局漁業法に基づくものでございますから、もしも二百海里あるいは十二海里の中に入るなというふうに操業区域を取り締まり規則その他で指定いたしますと、これはやはり日本が法律あるいは法令をもってそういうことを公式にきめたということになるのでございます。これは領海並びに漁業水域に対する法的な立場をそこなうものであるというふうに私どもは考えております。したがって、法律的な問題としてはあくまでそういうことをしないで、行政上の運用の問題として厳重に注意をするというふうにすることが、やはり私としては、いまの段階としては一番賢明な方法だというふうに思います。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 国益の面からいえば、わが国が漁業専管水域十二海里というのを設定することも国益なんです。特に沿岸漁業の今日の停滞傾向から考えて、あるいは北海道や三陸沖、伊豆に至るまで、韓国あるいはソ連の漁船が出没して操業しているという現実をもう目の前に見ているわけなんです。だから地元からは漁業水域の設定を強く要望してきているわけです。しかもそれは五海里ないし七海里までは国内法で底引き漁業を禁止している。こっちのほうは入ってほしくない。一方では入っていっていい。とにかくこういうことがいつまでも許されていいんだろうか。もちろん指定漁業の場合について大手水産会社がありますけれども、その面の国益もあるでしょうけれども、やはりそれは秩序を保っていく国際常識といいますか、国際環境からいえば絶対多数でありますよ、領海十二海里、漁業専管水域十二海里というのは。沿岸国では六カ国程度でしょう、しかもそれはほんとうに小さい国々ですよ、わが国だけですよ、漁業大国としてそういう態度をとっているのは。だからそういう点から申しますと——先ほど大臣の答弁でも少しぼやかしておりますけれども、そういう点から考えれば、むしろ当然踏み切るべきことですよ。国益と言ったって沿岸の国益もあるわけですから、その点がどうも私は、大手水産界の言うなりになって、そういう意見に政府は振り回されて、そのことによってわが国の国際漁業における信用を失墜しているということになりかねないと思うわけです。ですからこれは領海十二海里、漁業専管水域十二海里も、漁業から見れば同じですよ。しかも沿岸国、六カ国ではもうすでにないわけでしょう。もう絶対多数国がそうですよ。この現実を認めて、もしその中で操業するとすれば、二国間の漁業交渉で協定をして、漁業専管水域あるいは領海内において、従来の実績に基づいて経済協力をしながら二国間の協定で安全操業ができるようにする、こういう立場が国民が考えても常識じゃないでしょうか。政府もそういう態度をとることが私は当然だと思うのですが、私のこういう主張は、国民常識からいってどう思いますか。非常識だと思いますか、当然のことだと思いますか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 いまお話しの点につきましては、先ほども農林大臣から、領海の拡張あるいは漁業水域の設定を要求する声は了解できるというふうに申し上げた次第でございます。確かに沿岸漁民にとっては、この問題は大事な問題だろうと思います。ただ私どもが申し上げておりますのは、ここ数十年——いま大漁業会社の利益というふうにおっしゃいましたけれども、各国の沿岸近くで操業いたしておりますものは、結局カツオ、マグロと遠洋底引きでございます。これらは一ぱい船主その他中小企業が大部分でございまして、中小企業がとにかくここ数十年、いわば血と汗とをもって獲得した漁場でございますから、いまでもなお金額に見積もりますればおそらく百億に近い一程度の漁獲高をそういうところであげておるわけでございますから、やはり彼此勘案をいたしますと、そう簡単に漁業水域十二海里あるいは領海十二海里ということできめて、遠洋漁業に対するこちらの立場を弱くする、要するにオーストラリアあるいはニュージーランド、アメリカ等に対して漁業水域なり領海なりの中に入って漁業ができるということは、私どもが、領海三海里が国際法のいわば確立された原理であって、一方的に漁業水域の設定なり領海なりの拡張はできないという、そういう立場を強く押し出しての協定でございますから、そういう強い立場をみずから放棄をすることはこれは必ずしも賢明ではない。また、仰せのごとく、いつまでもそういう態度をとっていいかということにつきましては、先ほども農林大臣からお話がございましたように、私どもが海洋法会議で弾力的な立場をとるというふうに申し上げておる中で、それをただ大資本の利益と沿岸漁業の利益ということだけをてんびんにかけて処置してはおらないわけでございます。むしろ遠洋漁業というのは中小企業のエネルギーがきわめて爆発し  ておるところでございまして、どちらかといえば、そういう大企業よりは中小企業の利益が支配的な場面でございまして、私ども、現在の段階では、彼此勘案して、いま領海十二海里あるいは漁業水域十二海里というふうに宣言することは必ずしも賢明ではない、そういうふうに思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 残念ながら時間もありませんし、いまの答弁では不満足である。漁業エコノミックアニマル日本という汚名は当分受けてもこの態度を堅持するということにすぎない、私はそういわざるを得ないと思うのです。見解の相違かもしれませんが……。  最後に、たくさんあったのですが、時間がありませんからもう一問だけ質問して終わりますが、昭和四十一年四月に、政府は、韓国に漁船を拿捕された漁船船主、乗り組み員に対する救済措置を行ないました。北方海域で拿捕された四十四年末の拿捕船は千三百十四隻、一万一千百二十六人の救済措置について、すでに予算を計上して調査をされております。この点についてはもう二年にわたっておるわけですから、来年度、韓国の場合と同様にこの救済措置について予算要求をする、そういう方針かどうかということが第一点です。  それと同時に、先ほど来の議論からいえば、他の北千島、カムチャッカあるいは沿海州、あるいはまたアメリカその他の各国についても、それが領海三海里を侵犯していないで拿捕されたとするならば、わが国の方針からいって政府は、この韓国の場合の救済と同じように、将来救済をする責任があるのではないか、この二点について見解を承っておきたいと思う。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 ソ連に拿捕されました漁船につきましては、政府としては拿捕発生のつど外務省を通じて厳重に抗議いたすと同時に、抑留漁船員の早期釈放等について交渉もいたしましたし、また損害賠償請求権を留保いたしておるところでございますが、これらの関係漁業者等の漁業経営それから生活の現況はなかなか深刻なものがあるといわれておりますので、四十五年度予算ではその実態を明らかにいたすべく調査実施中でございます。それから四十六年度におきましては、本年度調査対象者のうちから一部の船主、乗り組み員につきましてさらに詳細な調査を実施いたすことにしておるわけであります。四十五年度調査の結果の分析、検討を行なう予定でありますが、御質問の件につきましては、これらの調査結果を待って今後慎重に検討いたしてまいりたいと思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田分科員 後段についてはどうですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 エクアドル、アメリカ等々、三海里以遠のところで拿捕されたものにつきましては、先ほども申し上げておりますように、入らないようにという行政指導をやっておりますし、御当人たちもそのことをよく承知の上でございますので、韓国あるいは北方領土関係で拿捕されたものと事柄は違うのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田主査 内藤良平君。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 私は、農林大臣に、いま大潟村といわれていますが、八郎潟の干拓事業のことにつきまして御質問したいと思います。  入植が第四次で中止されまして、それ以来いろいろ諸説紛々たるものがありまして、大潟村に入植しております農家は現在四百八十二戸ございますが、この方々の御心配は非常に大きいわけでございます。十二分におわかりと思います。そこで、いろいろ出ている話を農政の最高責任者の大臣からお聞きしたいと思います。  第一点は、工業地帯、工場用地として活用すべきであると自由民主党の田中幹事長の発言があった。これは二月の上旬ごろの新聞の発表でございます。となりますと、この八郎潟の新農村の建設の基本計画が根本的にくつがえされることになると思うのですが、この点をひとつ農林大臣から真偽のほどを、あるいは大臣の所信のほどをお聞かせ願いたい。まず第一点。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 八郎潟は新農村建設ということでああいう計画を立てたわけでございますが、最近に至りまして米の事情がこういうことになりましたので、入植は四十六年度においても停止をいたしておる、こういう状況でございます。しかし、ただいまお話しのような工場地帯にするとかどうとかいうことは、私どもはまだ考えておりません。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 考えておらないということは、将来にわたっても工場用地に転換するようなことはない、かように理解してよろしゅうございますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 このことにつきましては、当該八郎潟の担当者の人たちそれから秋田県知事さんたちも、農業用あるいはどのようにか活用することについていろいろ御研究になっておられるという話は聞いておりますけれども、まだその最終的方針は私どもとしてもきめておらないわけであります。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 大臣の御発言を私なりに理解しますと、農業として他の方法をいまいろいろ研究中だ、こういうことであって、工業用地等への転換は毛頭ない、こういうぐあいな御発言と受けとめてよろしゅうございますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いまはそういう活用については考えておりません、こういうことでございます。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 あそこは最初の計画では何年まででしたかな、ちょっと思い出せませんが……。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 四十七年です。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 四十六年の予算審議でございますから、当初の計画から見ますと、四十七年はもう来年度になるわけでありますね。しかし中断等がありまして、計画が非常に不完全な状態になっているわけであります。先ほどの大臣の、いまの段階ではということですが、私どもとしては、全国から父祖伝来の田畑、家、屋敷をたたんであそこへ集まった方々がほとんどでございます。したがいまして、お米の問題につきましては生産過剰ということで、転換はこれはこれなりの理解はできるが、農業そのものを否定するようなあそこの大潟村の農耕地の転換ということは毛頭考えてないわけです。大臣の、いまの段階ということは、お米の生産の問題につきましてはいまの段階ということばも受けとめられるが、農業以外の転換ということもその言内に含まっているものかどうか、その点もう少し確かめたいのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 農林省では、米はそういうことでございますので停止いたしておりますが、農業用地としてどのように活用すべきであるかどうかということを検討を続けることになっております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 大体わかりました。  次はこういう問題です。あそこを大型の空港にしようという構想が発表された。これもやはり新聞の記事です。これに対して地元の皆さん四百八十二戸の代表は一堂に会して、空港の誘致、設置絶対反対の大会を開きまして、その旨は大臣のお手元にも何らかの形で届いておるようなぐあいに思います。前問と関連いたしまするが、この種の転換という面につきましては、大臣としていかようにお考えになっておりますか。この点、一つ……。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 先ほども申し上げましたように、現状では当初の目的に使うことはむずかしくなりましたのはもう御了解いただけるところだと思いますが、そこで残っております土地は畑として利用する基本方針で、作目、機械化体系、営農方針等を決定の上、事業を推進いたしましてその完成をはかるというのがわれわれとしてのたてまえの考えでございます。そのために四十六年度におきましては、さしあたり農地整備等を継続いたしますとともに、畑作物についての試験を強化するなどの措置を講ずることといたしております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 そうしますと、空港云々ということはだれか関係者の希望的観測で、主管の農林省、農林大臣にはそういうお考えは毛頭ない、かように了解してよろしゅうございますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 先ほどお答えいたしましたとおりでございます。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 大臣、この点くどいようですけれども、先ほどお答え云々じゃなくて、そういうことはない、こういう御発言を願えないでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、基本方針を私ども考えておりますので、そういう方向についてどのように農地として活用すべきであるか、そういうことを検討いたしておるわけであります。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 くどいようですが、工業用地あるいは空港等に転換させることは農林大臣、農林省としてはない、こういうお答えはいかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私どもいま申し上げましたような目的でどのように活用すべきであるか、あそこはまだ十分土地が固まっておりませんけれども、草地を造成して畜産はどうであろうとか、いろいろな御意見が出ております。そういうようなことも参考にいたしながら将来どういうふうにこれを整備すべきであるかということをいま検討いたしておる、こういうのが現状でございます。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 お米の生産は生産過剰ということで、これは一応中止のようなかっこうで、他の作物に転換をする研究をしていきたい、こういうお答えである。研究をされて、どうもそれでも採算なりあるいは農業として思わしくないという場合には他に転換する。工業用地、飛行場などのお考えは政府部内にあるのでございますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いま全然聞いておりません。農林省の所管でございますので、先ほど申し上げましたような方向で鋭意検討を進めておる、こういうわけでございます。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 大臣との質疑応答で、農林省としては工業用地あるいは飛行場に転換する御意思はない、かように住民の皆さんも質疑の中で御理解をいただけると思います。  それでは次に進めてまいりたいと思います。  住民の皆さんが現状、お米の生産過剰という状態で価格を据え置く、あるいは生産制限ということで試算をいたしました。これはこまかいことを申し上げませんが、その試算から見ますと、このままで昭和五十一年になりますると営農をストップしなければならぬ、こういう計数が住民の皆さんの中ではじき出されております。お米の販売は四十四年、五年の実績それから営農の経費、償還金、税金、こういうものを差し引いてまいりますると、四十四年は百七十五万程度の剰余金が残る、四十五年は二百五十五万八千円程度の剰余金が残る、そういうぐあいに推移しまして、四十七年になりますと六十六万、四十八年は三十三万、四十九年は四十五万、五十年に六千七百六十九円、五十一年には四十万三千円、こんなような計数をはじき出しております。私、計数の正確、不正確はここで論ずる気持ちはありませんが、いわゆる十町歩の日本にない大型農業を経営し、協業を政府でも奨励されて、モデル農村ということでやってまいりました。しかしここまでまいりますと、農民の諸君が彼らなりにはじき出しました計数をたどっても、将来のお先はまつ暗だ、こういうのが出ておるのであります。そこでこれをどういうぐあいに全国各地域からあそこの場に入りました皆さんに営農的に自信を持たして、そうしてまた日本の農業のモデル農村として他を刺激をするというぐあいに、確実な農業としての方策を現在検討され、見通され、立てられておるのか、これをひとつお聞きしたいと思う。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 ただいま先生の申されました数字そのものは私見ておりませんが、大潟村の新農村建設にかかります新しい農業は、水稲の機械化一貫栽培を前提にしまして、十ヘクタールの経営で、全国のモデルになるような経営を創設することが目標でございます。今日米の生産調整で休耕等行なっておりまして、若干問題が出ております。また機械化につきましても、乾田直播にしろ湛水直播にしろ、問題がありますことは御承知のところと存じますが、現在そういう直播に問題がありますので、移植の方式をとっておりますが、昨年あたりかなり良好な反収をあげておるということも承っております。また休耕分につきましては、生産調整奨励金も出ておりますゆえに、現在では償還がまだ開始されておりませんで、相当余裕があるのじゃないかという判断をしております。しかし、将来の生産調整の成り行きにもよりますが、また償還が始まるということもありますので、いろいろ検討してみる必要があるわけでございます。今日畑作の導入によりまして、水田土壌が非常に改良されるということも試験の結果判明しておりますので、この生産調整を契機といたしまして、水田プラス畑作という方向を導入いたしまして経営を安定させるということを今後検討する必要があろうかと思います。そのためには経営規模がどの程度であればいいかということは、また別途経営面からの検討が必要になろうかと思いますが、そういう考え方をもちまして安定をはかってまいりたいと考えております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 もっと端的にそれでは伺いますが、いま具体的に、米は一応押えた、かわるべき作物をきめて、そして計画を立てて、八郎潟の農民の諸君に指導していく、こういう具体策、あるいは具体的な作物はあるのですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 おもに牧草を中心にしまして、技術的に生産が可能であるかどうか、またバレイショにつきましてもどの程度成績があがるかということで、国有の試験圃場におきまして試験をやっておりまして、その試験結果を参考にいたしまして今後の営農の行き方を検討してまいりたいと思っております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 そうしますと、四十六年の農耕期に、秋田はまだ早いのですが、それまでに具体的になるというものではありませんね。いつごろはっきりしますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 現在入っております四百数十戸の農家は十ヘクタールの水田を一応配分しておりまして、水稲で機械化栽培をして営農させるという当初の計画に従って入植をしておりますので、この人たちは従来の方針を続ければいいと思います。ただ、生産調整という問題が入ってきましたために、若干その辺の検討が必要であるということを先ほど申し上げたわけでございますが、これについては心配がないと考えております。今後造成され、整備される残った土地の活用方法と関連をしていまの問題を検討しているわけでございまして、なお試験の結果、一年ぽっきりではだめでございますので、二、三年の日子は要するかと思います。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 四百八十何戸の方はいままでどおりお米の生産で営農を継続できる、そういう指導、自信もある、こういうお考えですね。残された土地に対する入植は、お米以外のものの作物を考えている、これを試験して、その上でまた入植を開始する、こういうぐあいに理解していいですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 いま入っております第四次までの入植農家につきましては、大体米作を中心でやっていけると思います。生産調整下でございますから、一部畑作物の水田における導入ということも検討していかなければならぬかと思いますが、それを導入しましても水稲が主軸であることには、水稲が中心であることには変わりございません。問題は、残った土地をどう活用するかということにかかっておると思います。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 ちょっと問題を分けますけれども、先ほどの試算は住民の皆さんがやったのですから、専門的でないかもしれませんが、現状のような生産制限なり米価の据え置きでは、四十七年からの償還期になりますと、営農が危ぶまれる、だんだん再生産できない状態になる、こういうことを心配しているわけでありますが、その点につきましてはいかがでございますか。自信をもって御指導できますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 大体生活が立つだけの自信がございます。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 私のいただいてきた資料では、四十七年、いわゆる償還が開始されてからなんでしょうが、六十万程度のお金より残らない計算になります。これでは営農としても、これは十町歩の水田の営農としては、計数の正確、不正確は判断できませんが、きわめて貧弱な状態になるわけですけれども、どうですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 四十七年におきましては償還が始まりまして、償還金が六十八万円ばかりになる予定でございます。移植方式でいきますと、三百万円以上の可処分所得が得られるという計算に相なっております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 計数的な問題をやっておりますと時間がなくなりますので……。  そこで、こういうことはどうでございましょうか。現状のような米の値段の据え置き、あるいは増産を押えて生産制限というような状態の中で、営農計画がだいぶ狂ってくる。その場合にもやはり既定方針どおり償還は進めるわけですか。あるいはこの償還の関係を調整して、そういう面も含めて、いわゆるお米の生産の十町歩モデル農村としてやっていくものかどうか、こういう点を聞きたいと思います。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 償還につきましては、既定計画に沿ってやる計画に相なっております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 米の値段を据え置いて、物価は上がり、経費は多くなり、生活費もまた多くなる、そういう中で償還だけは計画どおり、そういうことではなおさら営農がむずかしくなるのではないでしょうか。その点は幾らか余裕を持っておるのじゃないですか、お米の生産で自信を持って指導していくというさっきのお話から見ると。その点いかがですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 私どもは営農設計をいたしまして、いろいろと計算をいたしまして、極端な凶作だとか天災とか異常事態があれば別でございますが、平常な状態のもとにおきましては、私どもの営農設計に従う限り償還も十分できるという計画に相なっております。大体やっていけるのじゃないかというふうに考えております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 時間もありませんので話を進めます。  そういう自信、計画で進めていただきたいと思います。しかし往々にして計画は途中でまた中止になる場合もありまして、住民の諸君はそれでたいへん被害をこうむるわけでありますが、住民の立場を尊重されて計画を実施されるようにお願いしたいと思います。  そこで、こういう声もあるのです。どうも現地ではいろいろ計算をしますと、十町歩でも営農はむずかしい。先ほどの御発言では十町歩で進めていきたい、こういう農林省のお話でしたが、現地では、水稲にプラスをしていって畜産とか蔬菜とか、そういうものを進めるような考え方ができないかどうか。その場合に十町歩の面積にこだわらないで、面積をもっと大きくするような考え方がないか、こういう声があるのですが、その点についての御意見、お考えを聞かしていただきたい。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この八郎潟新農村建設においては、日本の農村の中に新しい行き方をモデルとして示す、新農村を建設するという面はもちろん、営農においてもその新しい行き方を示すということで、その中心として、干拓地でございますし、秋田という米の主産地でございますから、水田を考え、水稲を中心に考えてきたわけでございます。ただいまのようなきびしい米をめぐる情勢に際会をいたしまして、方針を転換せざるを得なくなりましたので、残地につきましては、ただいま御答弁申し上げますようなことで考えております。しかし、そういうことになりますと、既設の新しい大潟村の中に水稲一辺倒でやる人と、畑作一辺倒でやる人が出てまいりまして、いろいろと技術の向上なり話し合いなりが行なわれて、農家の方々も知恵がついてまいると思いますので、そういう将来の展望も頭に置きまして、単に水稲一辺倒で考えるのでなしに、プラスアルファということも十分検討に値する、その場合の経営面積が一体どうあればいいかというようなことも、検討課題として十分研究してまいりたいと考えております。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 よくわかりました。もう一点ひとつ最後にお聞きしたいのでありまするが、もう時間も一分くらいしかないようですけれども、こういう声があるのです。農業の未来を策定するために、入植農家の皆さんに対しての試験研究、教育の機関を設置してはどうか。営農の関係なども十二分に取り入れた、名前はちょっとわかりませんが、農業の研究指導の体制、地域の農業の発展の基本となるようなこと、こういう声がございます。これはいままでは入る方は特殊な教育を受けて入るわけですが、入った方々に対する今後の問題です。四百八十何戸あるわけですから、この方方自体に対する——いままでにない十町歩のいろいろな農業をやって、試行錯誤といいますか、繰り返してやっておるわけですね。あなたのお話のように、彼ら自体は知恵もあるわけです。そういう方々も勉強したいという気持ちはあるわけです。名前は大学でも高等学校でもいいわけですが、そういう考えに対してどうでしょうか。ひとつ御意見なり御所見。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 たいへん貴重な御意見を承ってありがとうございました。十分検討したいと思います。  現在入植者につきましては、入る前に訓練所で研修をして入れておりますが、すでに第四次で入植を中止いたしまして、訓練所が遊ぶ結果になるので、その活用も考えてまいらなければならぬかと思いますので、十分御質問の点は検討してまいりたいと思います。

内藤良平日本社会党

○内藤分科員 時間が来ましたので、終わります。

森田重次郎自由民主党

○森田主査 井野正揮君。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 短い時間でかけ足で質問しますので、御答弁も簡単明瞭にひとつお願いをしたいと思います。農業改革や作付転換では大臣はたいへん苦労されておられるときでありますし、北海道はかなり減反も多いし、加えて北辺農業の中で、酪農の経営についていろいろ議論のあるときでありますから、このことについてお伺いをしたいのでありますが、しかしもうこれは実際論をやりませんと、観念的になってしまって具体的になりませんので、私は北辺農業、特にこの戦後二十数年にわたって北海道開発という問題は国策として大きく取り上げられて、しかも北海道開発庁が設けられたという経緯もありますので、特にことし予算がついております一地区を例示として取り上げてお尋ねをしてまいりたい、こう思っておりますので、それは単に一地区の問題だというふうにお考えにならないで、御答弁をいただきたいと思います。  私の取り上げます例示をする地区は、北海道標茶のオソベツ川流域、希望農地開発事業についてであります。  まず第一番にこの計画立案にあたって、これは申請補助事業でございますので、現地農民あるいは町当局、あるいは団体等の営農意欲というものが基礎になるわけでございまして、これらの意欲というものは、政府機関が取り上げる場合に非常に重要な要素だ、こういうふうに考えますが、まずこの地区の開発について住民なり地域団体から政府あるいは政府機関——開発局でも、あるいは北海道庁でも農林省でもけっこうでございますが、一番初めに接触された時期はいつでございますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 昭和四十二年の五月でございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 大臣の質問、少しあとになるので恐縮ですが、事務的なことを先に進めます。  そうしますと、先ほども申し上げましたように、北海道開発庁の歴史はたいへん古いわけでございまして、その中に北辺農業の問題、種々論議をされて、しかも酪農という問題はこれは最も中心になる問題で、北海道の魅力ともされたわけでございます。特に根釧については昭和二十八年に世銀の融資までをして、大々的に取り上げてきたことでございますから、いまさら私がこのことについて論及する必要はないと思うわけでございます。そしてこのオソベツ川流域につきましては、政府が四十四年と四十五年、二カ年で大体一千余万円の金をつぎ込んで、さらにことしの予算では八百万円程度予定をして、四十七年から十億円にのぼる投資が、国費あるいは融資によって始められようとするものだというふうに聞いておるわけでございます。そこで、この計画は現在ここに住んでいる農家の機能拡大をはかるものと理解をしてよろしいか、ひとつお尋ねしたい。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 お説のとおりでございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしますと標茶町内の農家の平均的経営と負債額及び負債に対する延滞、それから耕作利用の面積の統計、それから保有牛などは、この開発局にございます計画を見ますと、おおむね中枢をなしておるのは七町から十五町程度のものでありまして、保有牛についても平均をしますと十四、五頭。負債額は三百七十万円程度、延滞は七十万円をこえている、こういうふうな統計が出ておるわけでありますが、個々の差はあるにしても、この改良計画設計地区におきましても、大体こういう数字であるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 こまかい点がちょっと違っておりますが、大体そういうことでございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしてみますと、計画を検討しますと、戸当たり十七町を増反をして、おおむね、まるい数字で言いますと二十五町程度、保有頭数二十五頭、平均総生産額は二百二十六万円、保有牛の増加は自然増加を見込む繁殖保有というふうに書いてありますが、そのとおりでございますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 経営面積は二十五ヘクタールでよろしゅうございますが、乳牛の飼養頭数、現在の平均十数頭から三十七頭に引き上げるということでございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしますと、面積及び経営拡大による施設と営農資材、機械、種子、肥料等の投下資本は、この計画の中では、ちょっと拝見しますと開畑それから開渠あるいは道路、そういうふうになっておるように思いますが、そうすると拡大をした面積の営農資材については、この計画の中に含まれるものですか。この上に追加投資をしなければならないものですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 基本的な施設を造成してまいるのが私どもの任務でございまして、営農資材につきましては別であります。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしますと、個々の農家は生産基盤である土地条件については、国の投資なり融資を受けてできるけれども、三十七頭の牛を飼育するところの追加施設、それから草地造成等の資材、種子その他のものは、自己資本ないしは借り入れ金によってやらなければならないということになると思いますが、この場合想定される金額はどの程度になりますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 その点は計画にはっきり出ておりませんので、明確な数字を持っておりません。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 この点は、この国の基本設計というものが、将来この地方において、これで営農が行なえるかどうかの重要な要素になりますので、まだあとからも出てくるかと思いますが、委員長ぜひ、予算審議の重要な資料でありますから、予算委員会の終了までには提出させるようにお取り計らいを願いたいと思います。  続いて質問します。  そうしますと、基本的に考えられることは、計画によりますと大体一カ年間に二十四万円投資した金を償還することになるわけでありますが、現在、平均の負債額としてみても三百七十万あり、かつまた七十数万円の延滞が起こっておる農家でありますから、これに資材等の追加投資も加えて、二百二十六万円の中から償還ができる目標は、この投資から始まって何年後にそれができるようになるか、お答え願いたい。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 十五年間で償還する予定でございますが、現在開拓基本計画の作成中でございまして、その計画の策定をまって、ただいま御質疑の点が明らかになる予定でございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 それは局長、ちょっといただけないと思うのですよ。こまかい個々の経営の詰めはそういうことであるにしても、全体的な設計というものが二カ年の調査で行なわれているわけですから、私も農家でございますし、農協の組合長をやってきたわけでございまするから、そういうことにはなっておらないのですよ。実際、十五カ年間でやられるというけれども、現在十四、五頭の牛を三十七頭にすると、二十何頭ふやさなければならないわけですよ。一頭の牛は年に一匹しか生みませんし、半分は雄が生まれるわけですから、その中に事故があるとすると、自然増の年数は何年になるとお考えですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 七、八年かかると思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 七、八年という計画は、それはわが国の酪農の実績数字ですか、どうですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 毎年一一%程度の増加でまいっておりますので、それほど高い数字であるとは考えておりません。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 二百二十六万円の収入があがる目的達成の年は何年からですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 計画が完了いたしまして、三十七頭の牛の搾乳ができる時期であるというふうに考えております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 それは何年目ですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 約十年くらいかかると考えております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしますと、局長、この土地開田のために、開畑のためにする投資と、自然増をもって収入があがる年数と、さらには資材等の追加投資等を合わせてみますと、現在の負債額三百七十万円の十カ年間、おおむね償還期限は十カ年くらいしか残っていないと思いますが、十カ年間とすれば、一年三十七万円払わなければならない。加えて二十三万円の追加投資分、それに加えて、約二十頭ふえるわけでありますから、この施設等に要する経費はざっと見積もって一千万だと思います。これの利息その他を加えますと、この二百二十六万円が達成するのが十年前です。十年前の償還は一体どうなりますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 事業完了後三年間の据え置き期間がございますので、十年以上先のことになろうかと考えております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 そうしますと、これは基本計画と実施計画をおつくりになるわけでありますから、こまかい詰めの中で、いままで局長の御説明のありました数字では、実態とはかなり無理があると思います。今日、北海道の各地の開拓、パイロットその他のすべての事業は、この計画とのずれのために非常に悩んでおって、離農率が高いのもここに原因があるわけでありますから、この点は後ほど、これも数字で、想定される数字をお示しを願いたいと思います。  その次に進みたいと思います。  実はここにこの開発計画の地図がございますが、この中に、まことに残念なことではありますけれども、非農家の所有する土地が、私も地番と面積まではまだ調査が行き届きませんから、さだかではございませんけれども、概数で数十町歩、それから権利移転をしないで、民法上の契約をしたものを加えますと、この八百三十一ヘクタールの約一〇%、これだけのものは不在地主あるいは国家公務員あるいは地方公務員等が現に土地を所有いたしております。  これらの農地は——ここから先は大臣にぜひ聞いていただきたいのですが、これらの土地は、この計画を進めるとすれば、買収をするか、計画から除外するかしなければならないと思うのでありますが、これは前にも総括で質問いたしましたように、元開発庁事務次官の堂垣内君の奥さんをはじめ、標茶町の税務課長の名前になったり、あるいはこういう事業を進める北海道庁釧路支庁経済部長、拓植課長、こういう人たちが現に領有した土地が、現に名前と土地のわかっておるもので数十町歩。陰で民法上の契約をして、権利移転をすでにしてしまっているもの、名目はまだ移転しておりませんが、これを加えますと一〇%以上になると私は判断しておりますが、この土地はこの計画から除外をされますか。それとも、この地域の営農計画のために、増反等の計画の中にこの人たちの土地は入っておるのでございますが、これは買い戻しをされますか。この点ひとつ明確にお答え願いたい。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この地域の開発計画の中には、自家所有地を開墾をしましたり、相対売買をしましたりいたしまして、個人有地、法人有地、公共有地になっておるものがございます。問題は、相対売買をしたものが一番問題であろうかと思いますが、計画の趣旨に照らして、将来農業用として使えるものはこの計画の中に残しまして、どうしても使えないようなものは計画除外という措置をとらざるを得ないと思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 これはこれから調査をすることでありますから、局長の言われるようなことに事務的にはなると思うわけでありますが、すでに一千万円の調査費を使って、地籍、面積あるいは所有者等については詳細な御調査ができておると思いますが、この点はいかがでございますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 大体のことはできておるつもりでございますが、ただいま詳細取りまとめ中でございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 局長、実際問題としてひとつお答えを願いたいと思うのです。一区画十ヘクタール、三万坪です。平米にするとその三倍になるわけでありますが、十万平米、これだけまとまってこの地域にたとえば沼あるいは湖水、こういうようなもので、間違って地目上原野となっておって、いまだれが見ても、どんな改良を加えても農地にはならないというような土地がまとまってあると考えられますか、ないと考えられますか。あるわけはないですよ。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 その辺のところは現地の具体的問題でございまして、私よく承知いたしておりません。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 私はこの調査を始めて、農林省農地局、開発局あるいは現地までわざわざ行ってまいったわけでございますが、もうすでに一月半になる。そういうそらっとぼけた答弁で、まじめな答弁だと思いますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 おそらく前に先生が質問されました問題と関連することであろうと思いますが、その地番、地目であれば十分調査をいたしております。それは先ほど申し上げましたように、農業振興に役立つのであれば農業振興に役立つような措置をとりたいと考えている、こういう次第であります。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 高橋某、小野寺某の両氏から、増反計画の中に入っており、自分は、林地でもあり、どうしてもこの地をもらわなければいま計画されておる増反計画の中に入らないし、自分の営農は成り立たないのだから、ぜひ戻してもらいたいという要望のあることを知っておられますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 その点はまだ聞いておりません。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 大臣は過般の総括のときにはかぜを引いて休んでおられたですね。非常に残念でした。しかし総理はこう答えられましたよ。私はこのことについては無能力者です、西田君の答弁を信頼する以外にありません、しかし私は聞いていてもふに落ちない点があります、井野正揮君が了解をされるわけはないと思いますから、十分調べてお答えをしますと答えられたのですよ。私はそのとおり総理のことばを信頼しております。しかし、調べるのに総理みずからが行って調べるのですか。農林省のあなた方がやらなければならぬ仕事じゃないですか。いまこの機会になおわからぬということが言えますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 北海道開発に関連をいたしました北海道の現地の具体的な問題でございますので、現在北海道開発庁におきまして厳重に調査中でございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 私も開発局の所管であることは知っております。しかしながら開発局のこの計画立案にあたって指導し協議をされたのは農地局計画部じゃないのですか。そしてこれらの数字もつまびらかに知っておるはずなのであります。しかも国政上の重要な問題になって予算委員会総括で問題になって、なおそういう御答弁をなさるつもりですか。私はこの前のときには農地法に基づいて農業委員会が、どんな事情があったにしても、決定をしたら、六十日がたてば一般行政は及ばないということを確認をいたしました。今度は、その問題はその問題として置くとしても、今日では再びそこに国費をつぎ込んで調査をしておるじゃありませんか。新たに十億の投資をしようとしておるじゃありませんか。このことについて局長、その答弁でいいと思いますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 十分調査をいたしまして、その土地が農地として利用することが適当であると認定されれば、周辺農家の経営規模の拡大に利用させることが妥当であると思われますので、適切な処置を講じてまいりたいと思っております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 適切な処置とは買い戻しですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 現在所有権を持っておる方から買うか、あるいはその土地の上に利用権を設定する方法もあろうかと存じます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 いまも申し上げましたように、最も北海道開発の意義を知り、国費使用の尊厳を知り、任務を負託された、その任務にたえ得ると宣誓をした国家公務員の行なった行為であります。昨日も開発局の責任者を呼んで聞いたら、国家公務員が農地を買って悪いということがどうしてもわかりませんと私に答えるのです。大臣、お尋ねをします。私は、農林大臣以下農林省の皆さんは非常に困難な農地を開発し、国民食糧の安定供給に資したいとして日夜努力されていることに心から敬意を表したいと思います。しかるに最近総理府の中の北海道開発庁、北海道庁、市町村の農政に携わる人たちがこういうふうに法網をくぐって農業委員会を指導して、自分たちの財産として農地を坪一円六十八銭で取得したのですよ。この間二円六十銭が問題になりましたが、何ぼ北海道の土地でもこういう安い土地はございません。一円六十八銭、これで事務次官、その当時は開発局長、そういうことを考えたときは建設部長、いずれにしても国家公務員としては最高の地位ではないでしょうか。こういう人がこういう土地の取得をいたしております。いま農政の問題として、新しい国の施策を発展するために何らかの形でこれを買い取らなければならない。ところがこの堂垣内君の奥さんだけじゃないのです。この仕事を扱った標茶町の開拓係長が同じように十町八反、そうして今度はこういう仕事を指導する農業委員会を指導する主務部である北海道庁釧路支庁経済部長、これが同じようにやっておる。この下の拓殖課長が同じようにやっておる。一気通貫です。事務次官から経済部長から拓殖課長から開拓係長まで。こういう風潮に対して農林大臣は、政府の責任についてどういうふうにお考えになりますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 前回、総括のときにお尋ねがあったそうでありますが、ちょうど私病気で休んでおりまして、きょう初めて実は承るわけでありますが、その前に、総括のあとで私に事務当局から別に報告もございませんでしたが、いま聞いてみますと、開発庁でそれぞれ調査をいたしておるそうでありますが、いま承るだけの範囲においては、たいへんふしぎなように存じます。農地関係のことでありますれば十分厳重に私ども調べたいと思っております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 事実確認でないから確たることは言えないとおっしゃることは当然で、御存じなかったことを幸いに思います。しかし、もしこういう風潮が政府部内、地方公共団体の中に蔓延をしておるとするならば、大臣、あなたが命をかけて国民食糧安定のために農政に力を注がれようとしても、その職務の完ぺきを期することはできないと私は思います。法あってなきがごとしであります。しかも農地法は、国家公務員がかかる違法、不正をやることを想定して法律はつくられておりません。皆さんが公務員になられたときの宣誓書、八十二条による懲戒の内容あるいは九十六条、九十九条——私も元公務員でありますが、もし農林省の局長なり課長なりがこれと同じ事犯を犯されたとしたら、大臣は、懲戒の対象になると思いますか、ならぬと思いますか。一般論でいいです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 農林省の役人はそういうことはしないと思いますけれども、当該関係の地域について、農林省の者はそういうことはできないと思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 これはもちろん北海道開発局長でありますから、当該関係地域であり、農業委員会の記録を見ましても、三十七年にこの土地を開拓農協が四千三百万円の負債処理のために他に転用したいという申請を出したところが、標茶町の農業委員会は次の理由でこれを否決しております。その理由は、この土地は標茶町地域内の農家の営農拡大に利用すべきである。第二は、もしその計画が十分できない場合には、標茶町が総括取得をして、公共優先の用に供すべきである、こうしております。この土地は、大臣、実は軍馬補充部の用地でありますから、旧地主も国家であります。したがって、当然公共用地に供されるべきであります。  第二に私の言いたいことは、もう時間がございませんので急ぎますが、この土地が四十年の三月十二日に標茶の法務局に登記をされておりますが、越えて四月の二十日に初めて農業委員会にかかっております。この農業委員会の趣旨説明は、北海道開発庁が湿地試験に使いたいのであるけれども、開発局では手続がめんどうであるから開発局長の名において、個人の名前で転用さしていただきたい。これは農地法第三条による公用取得の制限除外であります。そして最後に一言だけ提案者から、湿地であり不用地であるとしております。そしてそれから二年たたないうちに、開発局にはすでに現地町からこの陳情が出されてきた。その間には七百日という日数しかないのであります。したがって、総理が言われるように四十年という、六年も昔のことだからといいますが、この因果関係はずっと続いておるわけであります。この土地が不用地だといわれたのは四十年四月二十日の日、一日だけであります、前にもあとにも。ここの農民はこの土地を必要だとしております。この農業委員会のこの瞬間だけが不用地になっておるわけであります。農地というものはそのようにネコの目のごとく利用目的が変わるものであり、局長の言われるとおり微分、積分でもやって調査をしないと農地適地か不適地かわからないものかどうか、大臣にお尋ねしたいと思います。——私は大臣に聞きたい。局長はいいですよ。あなたはもう無能力者だ。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 事務的に私ども大臣を補佐して調査の実務に当たっております。微分、積分をしなくても現地には足を運びまして図面を照合いたしまして、常識的な方法で調査を遂行しておるわけでございまして、なお所有関係等につきましては登記簿とか関係台帳とかを照合することによって果たされ得ると考えております。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 局長の申し上げたとおりだと思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 したがって、これだけの国費を使って二カ年にわたる調査をしたのですから、八百三十一ヘクタールの中で十町という除外をしなければならぬ土地があるとは常識では考えられないわけです。したがって大臣、局長も言われるとおり、何らかの措置で買い戻しをしなければならないものでありますが、農地法の適用によって取り上げるか、あるいは相対売買で買い上げるか、その場合、金はだれが払うのですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 取得者が払うことに相なります。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 その場合の価格は坪当たり一円六十八銭ですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 周辺の農地の価格に準ずることになろうかと思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 周辺は一円六十八銭ではございません。これは国が取得するということを農業委員会が信じてやったという農業委員会の速記録、提案趣旨説明は、これは登記されておるわけでありますが、これは法的根拠を持ちますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 ちょっともう一度……。質問の意味がよくとれなかったのですが……。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 農業委員会が意思決定をするのは、その用地が何に供されるか、農地法に照らして判断をするものと思われるわけであります。したがって提案者の趣旨説明、すなわち先ほど申し上げましたように、ただいま議題となりましたこの土地はどこそこの地籍でどういうところでありまして、今回開発局から湿地帯の試験地に使いたいから、しかしながら手続上役所が取得するということではめんどうなので開発局長さんの個人の名前で取得をするということでございます、ただし湿地で不用地であります、こういうふうにいっておるのでありますが、この前段は結論でありますが、転用理由は明らかに、国の機関が国の試験のために使うと明確に記載をされておるわけであります。これはもうお届けしてありますからおわかりになると思いますが、この認識は違っておらぬと思います。これはもうすでに六十日の制限を過ぎて農業委員会に再審議をさせるわけにはいきませんけれども、今後この取得の手段が正しかったか正しくなかったかという論争の場合に、これは証拠たり得ますかと聞いているのです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 どういう経緯なり事情でそういう議事録が作成されておるか、私はよく存じないわけでございますが、その点については北海道開発庁のほうでお取り調べになっておると思います。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 実は農業委員会の指導は農林省の仕事なんです。農業委員会における議事録や議案の価値については、これは農林大臣の御判断になるところで、開発局の答えるべき性格ではないと思います。大臣どのようにお考えになりますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 御説のとおり、農業委員会の指導監督は農林大臣の権限でございますので、北海道庁に命じてただいま調査をさせておりますが、この事件全般を通ずる一つの核心的な問題でございますので、北海道開発庁のほうにおきましても取り調べ中であることを申し上げた次第でございます。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 私はそういうふうに逃げた解釈はすべきではないと思う。この事件を合理化しようとして、国の政治全体をゆがめる方向に進もうとしているとしたらたいへんなことだと思うのですよ。先ほど私は大臣に言いました。北海道で知事の次にえらい国家公務員最高の地位の人が、こういう形で農業委員会を通せば十ヘクタール、坪当たり一円六十八銭で取得することができるという、それが合法的である、そうしたことが何が悪いのでしょうかというような風潮が総理府の中に蔓延してしまう。これではやらなければ損だというので、北海道庁の、指導すべき経済部長がこれをおやりになった。部長がやるのなら私もやらなければ損するというので、課長もやった。国も道庁もやるならおれもやらなければ損だというので、町のこの仕事を専門にやっている開拓係長がやったんです。この事例は、この間の読売新聞で、私を名誉棄損で訴えると、この当事者の堂垣内君は言っておるそうですけれども、ぜひ訴えてもらいたいものだと思うのであります。これは事実問題でありますから、こういう風潮に対して、だれにどういう影響が及ぼうと、これを明確にしないで農政がやれますか。この点をお聞きしているのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、初めてお話を承ったわけでありますが、十分ひとつこれは農林省のことにも、農地のことに関係のあることでありますので、調査をさせまして、しかるべく処置をいたしていきたい、こう思っております。

井野正揮日本社会党

○井野分科員 いただいた時間も終わりましたので、たいへん御迷惑をかけましたが、これは日本の農政の基本にかかわる問題でありまして、重要な問題でありますので、総括のときの総理の御答弁もございますし、ぜひ主査報告に含めていただきまして、またこれらの問題はすでに、いかように正当化するかというテクニックはあるにしても、事実関係はもう明確になっておるわけでありますから、これは予算委員会の終わりますまでに政府が十分調査をされて、正確なる御答弁を、あるいは資料を御提出願いたいことを委員長に希望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

森田重次郎自由民主党

○森田主査 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 昨年末の臨時国会におきましては、公害国会といわれまして十四本の法案が通過したわけであります。いまほど公害ということが大きな問題になったときはございませんし、いままでのGNP至上主義の大きなひずみとして公害問題がクローズアップされてきたわけであります。公害をいかに防いでいくかという問題と、さらにもう一歩深く入った考え方としては、自然をいかに今後保護していくか、自然をいかに守っていくか、こういう問題が非常に大きく浮かび上がってくるわけでございます。そこにおきまして、私は国立公園なり国定公園なりの存在というものはきわめて大きいと思います。しかしながら現状を見てまいりますと幾多の問題があるように思います。  きょうは特にそうした問題にしぼって御質問をしたいと思いますが、この国立公園、国定公園の中でも、いろいろとその問題を論じていきますと非常に広くなってまいりますので、きょうはその中で、明治の森と特に指定されたそういう公園を通じて全般を論じてみたい、このように思うわけです。  東京の高尾と大阪の箕面、この二カ所を明治国定公園ということに指定されたわけですが、そもそも指定されたそのいきさつなり、あるいはその指定された国定公園というものは本来どういうようにあるべきがほんとうの姿であるかということについてまずお聞きしたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 大阪の郊外にあります箕面の国有林と、それから東京の高尾の国有林、これが明治百年を記念いたしまして明治の森ということで、国有林の制度としては自然休養林ということで指定をいたしました。一方、厚生省関係の自然公園法による国定公園という指定を同時にされております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 その指定はわかったわけですが、したがって、指定されたその公園というものは本来どういう姿が望ましいわけですか。厚生省でも局長さんでも、もう少し……。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私どものほうの立場から申し上げますならば、こういう自然公園の中にあります国有林につきまして、国有林を含めた自然公園と申しましてもよろしゅうございますが、これらにつきましては厚生省と常に協議をいたしまして、景観の維持それから自然保護、そういうことを十分考慮いたしまして森林施策を実施いたしていかなければならないと思っております。また従来そういう指導でやってまいっておりますが、最近この森林の保全に対する国民的要請を踏まえまして、今後はより一そういま申し上げましたような目的達成のために私どもの立場で働かなければいけない、こういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 この箕面の場合を例にとりますと、九百六十二ヘクタール指定された中で国有林というのは六百九ヘクタール、約六三、四%あるわけです。ところが現実は一種、二種、三種の指定をこのようにしておられるわけですが、第一種が七十八ヘクタール、第二種が百四十七ヘクタール、それぞれパーセントでいきますと一二%、二四%、そして第三種が三百七十四ヘクタール、六一%、こういう区分になっておるわけです。ところが現状というものは、見ておりますとそらおそろしい状態で、まる裸にしてきておる。そういう現状を見るにつけまして、いま農林大臣もおっしゃったように景観の維持なり自然の保護をはかっていかなければいけないとおっしゃっているそのことばとはうらはらに、そういう現地の自然が破壊されておる、あるいは景観がこわされていっておる。これでは一体何のために明治国定公園として指定しておるのか、大いなる疑問を感じるわけです。そこで実際に現地の状況について、農林省は農林省としての言い分があろうかと思いますが、どういうようにお考えになってその経営をなさっているのか、お考えをひとつお聞きしたいと思うのです。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 国定公園または林野庁で運営をいたしております。自然休養林という制度の面から申し上げまして、この国有林の約六百ヘクタールを地帯区分をいたしまして、それは第一種、第二種、第三種。第一種はそのままの状態で保護する、手を加えないというところでございます。第二種が択伐ないしは二ヘクタール以下の皆伐を部分的にやってもよろしい。それから第三種は普通の林業経営を特に支障のない限りやってもよろしいということでございまして、この一種、二種はほとんど現状を維持するような方向で対処しておりますが、第三種につきまして問題が指摘されておるのかと存じます。  これは三百八十四ヘクタールでございますが、これを自然休養林に設定いたしましたときには林業の模範展示、林業経営の模範的な展示をするということが一点と、それからもう一点は、これは人工造林によって成立をした山でございます。いまの一種、二種はむしろ人工造林でない成立によるわけでございますが、三種の分は人工造林によって成立をした杉とヒノキの林でございます。これはやはりある程度の人工を加えてやりませんとその林の安全が保たれない、適当な時期に更新を加えて新しい新生林分に逐次計画的に順繰りに変えていくというような意味もございまして、いま皆伐作業をとっております。先生の御指摘もございますので、いま検討中でございますから、いずれ後ほど申し上げたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 農林省の方はもうすでにここの問題についてはいろいろな報告書等もお調べになっていらっしゃると思いますが、一九七〇年、去年の三月に大阪府土木部が横浜国立大学生物学教室の宮脇さん、藤原さんというお二人の方に依頼をいたしまして、みごとな調査書ができているわけです。私、二冊ありますので、もしもなければあとで差し上げますけれども、非常にこの箕面の明治国定公園が危機に瀕しておるということを切々と訴えておるわけです。その中の一部を読んでみますと、「大阪・神戸などの大都市に隣接した、ほとんど伐採後地が占めている箕面山地が国定公園に指定されたこと自体は我が国の新しい自然公園政策の一つの表われとして意義がある。日本人の大部分が大都市生活を余儀なくされている現在、また将来、日本人の大都市集中が更に飛躍的に増大しようとする時、かつて平凡で、どこにでもあった半自然生景観が自然公園に指定され、植生の復元までも行なおうとする試みは、一つの先見的な政策の姿と考えられる。このような大都市近くの自然公園は、都市生活者たちのかつての郷土の代償としての自然の復元を十分行なって、はじめて真の意味が生まれてくるはずである。幸いにも、箕面川に沿った箕面滝付近から下流の渓谷ぞいには、自然林が残存している。これらの自然林は、今回の調査結果からイロハモミジ−ケヤキ群集、ヒイラギ−ウラジロガシ群集、モチツツジ−アカマツ群集にまとめられることがわかった。また、勝尾寺周辺の残存林も常緑広葉樹林(ヤブツバキクラス林)としてのヒイラギ−ウラジロガシ群集や、モチツツジ−アカマツ群集に属することがわかった。これらの残存自然林を中核とした特別保護地を箕面川ぞいに巾の広い帯として設定する。その他の地域も、各立地の潜在自然植生またはその代償植生を復元存続させて名実共に新しい時代の大都市周辺の新しい自然公園——わが国特有の国定公園——の設定・管理が期待される。」そこで、こういう非常に今後を期待するということがあるわけですが、「現在の箕面国定公園予定域を概観すると、すでに自然公園に指定されている箕面滝付近以南の渓谷ぞいを除いては、ほとんど自然植生は破壊しつくされている。とくに国有林域であった公園予定域のほとんどは、すでに皆伐が完全に行なわれてしまっており、現存植生は勝尾寺の寺林、尾根筋のアカマツ林などの一部残存林をのぞくと、スギの植林地で占められている。」要するにほとんど破壊し尽くされてきておる。こういう重大な警告を発しているわけです。昔からこの地域一帯は非常にこん虫の宝庫として世界的にも知られておりましたし、大阪というところは動脈硬化の町ともいわれておりますし、ほとんど自然がないわけですよ。そういう地域でありますし、残されたただ一つのそういう緑地帯なんです。そういうところにありまして、いまそういうような破壊がどんどんと進んできておる。したがってそういう専門家の自然保護協会の人たちがせっかく特別区域を指定しても、まわりをどんどん伐採しては保護の意味がない。それはそうですね。結局お互いにこういう生物というものはやはり群集して初めてそこにいろいろな生存可能条件というものが生まれてくるわけです。それをばさばさ切ってまる裸にしていく。そうすればそれはもう当然そこで生息できるものだって死滅をしていく。昔はここにサンショウウオもおったのですけれども、いまなんか全然一匹もおらぬわけです。水源涵養林も全部川のところから切ってしまっておる。それではたして自然の景観も保ち、しかも自然を保護しておる姿であるかという問題なんです。山合いの沢をまる裸にするなど、水源涵養林をだめにしておる。そういう問題が起きてきておるわけです。そしてこの大阪だけではなくて関西一円にこの明治の森箕面国定公園を守れという声が日増しに強くなってきておるわけです。それだってはたして、農林省が現在のような経営主義でいかれた場合に、いまでもそういう破壊寸前の状態にきておるのを一ぺん木を切ってしまえば六十年、七十前だめなんですよ。そのあとまた植えますとおっしゃるかもしれぬけれども、六十年、七十年の歳月というものをどうしてくれるかという問題なんです。ですからいま重大な危機に瀕しているわけです。  そこで、今後この種の問題をどうしていくかということになると思うのですが、大体林野庁にしても経営主義といいますか、独立採算主義ということを世間の人はみな言っておりますが、結局そこで切って、それで従業員の給料なりを払うからしかたなしに切るのじゃないか、それじゃ何のために林野庁はあるのだというような極端なことまで言うわけです。私らもその施業のことはよく理解できるわけです。しかしながら全国でただ二カ所しか指定してないものを人も入らないような深山と同じ状態で区域を定めて、ばさばさ切っていく、はたしてそういうやり方は全国的にどこもかしこも同じような状態でやっていいかどうかということです。それではこの明治の森と指定したような意義は何もないわけですよ。たいへんな問題だと思うのです。これは農林省と、公園のほうですから厚生省の方も共管の問題であろうかと私は思うのですが、厚生省としてもそういう指定したところをまた施業だからということでばさばさと切っていってもいいわけですか。農林省がいらっしゃるから言いにくいことだと思いますけれども、たった二カ所の地域なんですよ。少なくとも厚生省は厚生省としての筋を持った姿勢があるのじゃないか。だからこういう指定した公園等については、自然をあくまで守るという方針が私は正しいのじゃないかと思うのですけれども、どのようにお考えでございますか。

首尾木一厚生大臣官房国立公園部長

○首尾木政府委員 先生のおっしゃいますように国定公園にせっかく指定したところでありますので、そこにおける自然保護あるいは風致の保護ということにつきましては、私ども全力をあげてこれを守ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。  お話にございます箕面の明治の森国定公園でございますが、これは先ほどもお話がございましたように、大都市の近郊にございます残された自然を保護していく。これを放置しておきますとどんどんそういう自然が破壊をされてまいりますので、そこで国定公園という指定をいたしまして自然公園法による規制を加え、この自然を保護して、大都市近郊における自然の美を保持し、また大都市を控えているそういうところにおいて健全な野外レクリエーションの場を確保していくというような目的のために国定公園として指定をされたものでございます。  ただ、この国立公園にいたしましてもあるいは国定公園にいたしましても、それは自然公園法にございますように、他の公益との調整ということが非常にむずかしい問題でございまして、法律の上におきましてもその実施については「他の公益との調整」を十分はかっていかければならないということを申しておるわけでございます。私どもこの指定にあたりまして、この箕面の地域と申しますのは非常に大きな人工造林の地域でございまして、本来それまでは林業経営地としてあったものを、これをこのまま放置しておきますと自然が破壊されるということで、そこで規制をかぶせたわけでございます。本来やはり林業経営地でありましたという事情も考えまして、そこに第一種、第二種、第三種の区別を設けまして、自然林につきましては原則として輪伐にする、それから第二種の地域につきましては択伐にして行なう、第三種についてはやはり林業経営ということも考えまして、そこについては原則としまして伐採についてこれは林野庁の御方針に従ってやられるということにいたしまして、そういう地域を設けて、そこで公園を指定したというわけでございます。そういう方針に従われまして林野庁のほうでもこの林業の伐採というようなことを行なわれておることと考えておるのでございます。  私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、せっかく国定公園として指定されたものでありますから、できるだけこの自然の保護というものをはかってまいりたいということを考えておるわけでございまして、そういう点でもちろん第一種の自然林につきましては、厳重にこれを保護していくということでございますが、その他の地域につきましてもできる限り自然の保護というような見地に立って、林業経営との調整というものをはかられて、その方針のもとに進まれることが望ましいというふうに考えておる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 公園部長としても、根本はこの自然を保護していきたい。しかし農林省がやっておられるそういう施業といいますか、その辺のところがあるので、それも理解もしながら非常に苦しい立場でいま御答弁になられたように私お聞きをしたわけですが、箕面というところは御承知のように大阪湾から大阪平野ときまして最初の山並みになるわけです。御承知のように大阪湾の築港から尼崎一帯は日本でも有数の工業地帯でございまして、亜硫酸ガスをはじめとしていつもスモックでおおわれておるわけです。大阪は昔から煙の都といわれておりますが、気流の関係で風が全部北摂山脈に吹き寄せるわけです。そうすると、あすこに行ってみますと、大阪湾に面した山並みがずっといためられているわけですね。葉がみんなおかしくなってきている。   〔主査退席、渡辺(栄)主査代理着席〕 そして山に当たった風は今度はどこへ行くかというと、淀川を越えて生駒のほうに抜けるわけです。一つはそのように公害によって山林が荒らされておる。そこへ持ってきて施業ということで数少ない森林がまる裸にされていく、今度一人前になるまで六十年、七十年かかる。これは関西の人、東京の人、全国からも来られますけれども、その姿を見るにたえないわけですよ。何とか緑を残してほしい。それは松食い虫とかそういうものは伐採しなければいけませんよ。やはりそこはいま公園部長がおっしゃったように根本に自然を守っていこう、しかも全国でただ二カ所指定したところですよ。そういう行き方であれば、いまのような特定の地域をばっと皆伐してしまうというような行き方をそこで大きく方向転換できるんじゃないか、このように思うのです。その辺については林野庁長官も、国定公園あるいは国立公園あるいはそういうふうな特定に指定した地域等については経営主義ということについては考えなければならぬということを前におっしゃっておりました。そういうようなことでいろいろとお考えになっていらっしゃると思うのですが、そういう現状からしてこのまま放置すれば——いまは要するに危篤状態です。これ以上切ってしまえば生物から何から全部死滅してしまいますよ。残されたあの滝に沿った渓谷沿いの自然林、その自然林も全部だめになってきますよ。付近の水源涵養林から全部切ってしまうのですから全部がやられてしまいます。もう危篤状態ですからこれ以上待つわけにいきませんよ。  そこで、どのようにその危篤状態を政府として守っていただけるものか。両省とも自然は保護したい、景観は保護したい、生物は保護したいという同じ御意見であります。したがって、あとはその対策なんです。どのようにしていただけるか、これについて林野庁長官にお聞きしたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 自然の保護につきましては、いま大臣も答弁されましたように、林野庁としても特に慎重に配慮をしてまいらなければいけないと考えておるわけであります。  箕面につきましては自然林と人工林と二つあるわけでありまして、その人工林の伐採をいま先生おっしゃられておるのかと思いますが、その人工林はいま五十年、六十年ぐらいの杉とヒノキの山でございます。これはそのまま放置をいたします非常にひよわなものになっていく、それで雪が降りますと雪折れ、また台風が正面からそこに参りますと風倒、そういうものが起こりかねないわけでございます。そこで林業技術としてはそこに活力を注入してやるということが必要になってくるわけであります。そういうことからして、その地帯において計画的に伐採をすれば——これは一度に切るわけではございません。計画的に何十年もかかって逐次伐採をすることによって新しい力が森林に入っていくということで、台風が参りましても倒れない強い森林になる。この人工林をいま先生がおっしゃられましたように自然林の群落と申しますか、そういうものに切りかえるということは、これはまた何百年もかかるわけです。そういうことでいまの人工林を大事に、景観を害さないように、しかも強いものにしてやってまいるということでありますが、いまやっておりますのは四十年か五十年の伐期を計画をいたしております。したがって五十年といたしますと、三百八十ヘクタールを五十年で順繰りに切るわけでございますから、概略五十分の一ずつの伐採がいま計画的に行なわれておる。それをひとつ考え直してみよう、もう少し長伐期政策をとれないのか、これを百年にいたしますと——明治百年でございますからその伐期を百年にいたしますと百分の一ずつ、小面積ずつ切っていけばよろしいということで、その切る場合にも同じ個所に集中して切らないで分散をして切るということで、その人工林というものが新しい力が加わっていくというようなこと、また地帯区分の編成がえといいますか指定がえといいますか、一種、二種、三種、これにつきましてもなお必要なところがあれば来年度の施業計画——これは四十八年までいまの計画で進めることになっておりますが、特に来年度はその変更をする必要があるとすればこの変更のための調査を入れまして、こういった自然の保護にも配慮しつつ、しかも人工林をうまく経営をしていくということにつきまして、厚生省とも十分な打ち合わせをしながら早急に検討を進めてまいりたい、このように考えておるわけであります。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 その際、地元は箕面市なんです。あそこは大阪府の公園もあるわけです。ですから大阪府あるいは厚生省さん、それから農林省、林野庁さん入られた——そういうような公園のもろもろの打開の問題というのはたくさんあるわけですよ、たとえばほかに、車が乗り入れてはならぬところを車を突っ込んで排気ガスでばんばんやって木が枯れてくるとか、あるいはたばこの吸いがらでも火災の危険性が何回も起きておる、そういうような問題もいろいろ含めた——全国ただ二カ所の明治の指定公園です、そういう点で、運営協議会なり、四者を含めたそういうもの、この前も非常に林野庁さんも音頭をとってやりたいというようなこともちょっと部下の方が申されたわけですが、それについては長官としてはどのようにお考えでございますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 いま地元の箕面市ですか、それと地元各関係団体それから厚生省にあそこに公園事務所がございます、そっちの方面からも、また大阪府箕面市というものと営林局署というものが明治の森につきまして保護管理をするための運営協議会というものをつくったらどうかという話が出ておるそうでございますので、それをぜひつくっていただきまして、そういう方面の御意見も十分に取り入れながら完ぺきな運営をやってまいりたい、このように思います。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 時間がございませんので、これで終わりますが、いま長官も地帯区分の問題等も含めて今後自然保護の観点から関係各省打ち合わせしてやっていきたい、このように申されましたので、いまここで早急の結論的なことはやはり無理かと思いますが、あくまでもそういう自然保護という立場、景観保護という立場から、どうかひとつそういう観点で実際の現場の方にもよくその趣旨が徹底していただけるように、今後十分意を尽くして監督をしていただきたいことを特に要望いたしまして、最後に大臣の御決意を一言聞きまして、終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 本日のお話の点につきましては、かねがね私どももいろいろ心しておるところでございまして、先ほど申し上げましたような趣旨で、十分に監督指導いたすつもりでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 どうもありがとうございました。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 西中清君。

西中清公明党

○西中分科員 連合審査で物価の問題が討議をされましたが、物価の高騰についてはいろいろの問題があったわけでございます。特に心配なといいますか、今後に残された問題といたしましては、いわゆる野菜の生産量の確保、それから魚等の漁獲高の確保、それに対して消費量はふえるという現在の状況でございます。  それで、最初に大臣に率直にお伺いをしておきますが、本年度は農林省が野菜につきまして種々の試みをされておることは私も承知をいたしております。それがすぐに効果が出るかどうかは、私も専門ではございませんので詳しいところはわかりませんが、庶民として、ことしの冬のように来年もやはり野菜が確保されないのではないか、そしてそれが再び同じような物価高につながるのではないかというような懸念もあるわけでございますが、いろいろと施策について御苦労をお願いしております農林省として、この実効について、来年の冬場の確たる見通しははたして立っておるのかおらないのか、その点についてお伺いをしたいわけでございます。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 野菜のことは私ども何か言いましても、お天気にかこつけるとか、とにかく御批判のほうが多いものですからあまり何か申し上げないようにしているのですが、実は暮れまでの秋、冬の野菜につきましては、決して弁解ではありませんで、天候が一つありましたことは専門家もわかっていることでありますが、その後の状況につきましては、私ども流通状況を見ておりましても、それから世間の皆さんの御議論もいろいろ影響いたしまして、だいぶ順調になってきまして、私、毎日野菜について、市場の状況等いろいろ見ておるのでありますが、昨今は平準化してまいりました。  しかし、ただいまお話のございましたように、これからはどうだ、来年はどうだということになりますと、施設ものにつきましては御存じのように大体心配はありませんが、これは量としては少ないほうでありますので、やはり露地もの。そこで私どもといたしましては、御審議願っておる来年度予算にもございますけれども、野菜指定産地の数をふやしまして、それからまた地域分担等、ああいう研究いたしましたものも採用いたしまして、いままでもそれぞれのいわゆる適地と思われる地域に対する産地形成のための指導をいたしておりますが、これからもさらに力を入れてまいりたい。  それからくだものの地域なんかは、いままではみんな畑地かんがいをたいへんよくやりましたけれども、野菜のほうについては大体無関心であった。しかし昨今は野菜の畑地かんがいについて非常に皆さん御認識をいただいてくるようになりまして、四十六年度予算にはこういう予算も計上いたして、積極的にこのやり方を採用いたそうとしております。それから集中管理施設園芸団地の造成とかあるいは野菜集送センターの設置というふうなことについて、生産をもう少し多くしようということで、生産地の立場をいろいろ考慮いたしまして——実はことしでき過ぎて値が下がり過ぎますと、来年何と言ってもつくってくれない傾向にありますので、やはりそういうことも念頭に置きながらバランスのとれた生産、消費が行なわれるように、生産にうんと力を入れよう。そのかわりに、そういう生産者がこりてしまって野菜をやめられては困りますので、そういうことについて若干のめんどうをみることは予算的にも考えてあげなければなりませんので、今度の予算委員会の御審議、それから物特の御審議の経過など見ておりましても、皆さんがそういうことについて御理解をいただいてありがたいことだと思っておりますが、そういうようなことに力を入れまして、お勝手向きのことでありますので、来年はもう御心配をおかけしないように万全の策を講じてまいりたい。総理が申し上げておりますように輸入も弾力的に活用いたすようにいたしたい、このように思っておるわけであります。

西中清公明党

○西中分科員 来年のことを申し上げましたが、私は、具体的な問題としまして野菜と魚について一つずつお話をしたいと思っております。  というのは、京都の相楽郡の精華町というところがございますが、祝園地区の県営かんがい排水事業につきまして、その樋門と排水施設が非常に貧弱でございまして、現実問題として湿田が多い、それから大雨がちょっと降りますと冠水をする、こういうようなところでございます。一昨年ですか、正式には昨年でございますが、この地域が排水に対して農林省のほうへお願いをして、その事業を起こしていきたいということできたわけでございますが、排水を完全にしてしまえば、このあたりの湿田は湿気がなくなって野菜も十分つくれる。現状では、雨が降りますとそのようにしょっちゅう冠水いたしますので、野菜をつくると腐ってしまう、こういう心配があるので米しかつくれない、こういう地帯でございます。この地域が野菜に切りかえたいという希望を持っておる。ところが昨年はそれが却下されたということでございますが、こういう状況にあるところであるので、何はさておいても、野菜に切りかえる、こういう強い要求を持っておりますから、どんどん事業を進めていただくことが大事だろうと思うのです。昨年却下になったのはどういう理由であるのか、まずそこからお願いをしたいと思います。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この地区は昨年も採択希望地区として申請があったわけでございますが、いろいろ技術的な事情をヒヤリングで聞きまして調査、検討をいたしたわけでございますが、排水計画が私どものほうで考えておるような基準に必ずしもなっていないということ、特に末端の用排水の分離が考えられていない。これは圃場整備を計画の中に取り込んでおられないものですからそういう結果になるわけでございまして、したがって用水対策が非常に暫定的なものになっているという技術的な難点がありまして、採択するわけにまいらなかったわけでございますが、それらの点を十分再検討するようにそのときも地元にも申し上げているはずでございますので、そういう点を十分審査した上で対処したいと考えております。

西中清公明党

○西中分科員 その点について、私も現地のほうをいろいろと聞いてみたわけでございます。いま御指摘のような点も若干あっただろうとは思いますが、たとえば木津川用水の問題等でひっかかっておるというようなことをお聞きしておるわけでございます。ただ、あの地方の状況としますと、ほかの地域は水がかえって少なくて用水を必要としておる。ところがいま話をしております祝園地区だけが水があり過ぎて困っておる、こういうような現状でございます。私がここでこの例を持ち出した理由は、実際これは大阪に対しましても非常に短時間のうちに出荷ができる。京都にもできる。奈良にもできる。こういうような、いわば大都市近郊の中では数少ない残された耕作地帯であって、しかも野菜等の流通からいきまして、こういった地域で野菜の栽培を推進するということは、現在の品不足からも、また物価高の上からも、ぜひとも推進をしていただきたいそういう地点ではないか。また最適の条件を備えておるのではないか。特に関連の事業とは無関係に、ある程度の改良はでき得る問題でございます。お聞きしております木津川の用水は、着工しても完成までには相当の時間がかかるだろうと私は思っております。したがいまして、そういう条件もある程度は加味しなければなりませんけれども、やはり野菜対策の上から、先ほど農林大臣からも力強いお話があったわけでございますが、実際全国的に見た場合は、たいていの作物の作付面積は減っておる。ですから、こういう条件で、しかも大都会近郊にありますところのこうした耕作地に対しては、やはり優先的に重点的にこういう施策を進めるほうがいいのではないか、私はこのように思うわけでございますが、その点の御意見をお伺いしたい。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 その地区はかなり思い切った水田から畑作への転換を計画しておりまして、その点は敬意を表する次第でございますが、ただここは水のつきやすいところでございまして、排水が非常に困難なところでございます。ところが、水田を畑作に転換するなりあるいは水田のほうに畑作物をつくります場合には、排水が何よりも大事でございまして、相当徹底した排水工事を施さないとここは非常にむずかしいのではないかという技術的な見解を持っております。ところが一方、野菜がつくれるほどに排水しますと、今度は用水が不足するという結果になりまして、やはり用水と排水を総合的に事業計画を立てないといけないと思うのですが、現地の計画ではあまりにも排水だけに傾斜し過ぎた計画になっておりますので、私どもとしましては、先生御指摘の木津川用水計画等もございますので、それらと総合勘案しまして、この採否をきめてまいりたいと思います。一般論としましては、御指摘のとおり水田から畑作への転換なり野菜作への転換というようなことは優先的に進めるつもりでございますし、その採択にあたっては十分そういう配慮は加えるつもりでございますが、具体的な地区の問題につきましては、それぞれの地区の技術的な難点なり問題があるということを申し上げたいと思います。

西中清公明党

○西中分科員 おっしゃることはよくわかるわけでございますが、一面から言うと、これは大雨が降ると冠水する。現実問題としてはそういう問題があるわけです。ですから、その水はすぐに引かない、こういう問題であれば私はどうこう言わないわけですが、樋門のほうを改良するだけでつかった水が引くわけですね。そういう条件がもう一つ加味されておるわけですから、私が先ほどから言っておるように、樋門をあけていただくための工事をすれば、そうした冠水して困っておる人たちもかなり助かると思う。これは水害の一種です。ですから、その観点からも急いでもらわなければならぬのではないかということでございますが、その点はどうでしょう。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 水田の場合でございますと、多少雨が降りまして稲が水につかりましても、水に強い作物でございますから問題ないわけでございますが、畑作物の場合には、雨が降りましたときに短時間に地表水を排除することは御指摘のとおりでございます。したがってその点を配慮しなければなりませんが、さらに野菜等をつくりますためには地下水位を下げて、恒常的に土壌の条件がよくなるようなことを考えてまいらなければなりませんので、単に地表水の排除のみを考えて、それさえやればいいというわけにはまいらないわけでございます。この地区は圃場整備を計画いたしておりませんので、地下水位を下げるための暗渠排水等は圃場整備の一環として行なわれるわけでございますから、私どもはその点に計画の難点があるのではないかということを地元に御指摘申し上げているわけでございます。

西中清公明党

○西中分科員 時間もございませんのでこれ以上詰めませんが、その点は両面にわたってお考えいただきたい、このように強く御要望申し上げておく次第です。  次に魚でございますが、最近これも漁獲量が非常にむずかしい状況である、こういうことで政府としても対策を立てておられると思うわけでありますけれども、特に近海の汚染、公害問題等によっていわゆる沿岸漁業の将来性は必ずしも明るいものではない、このように思うわけでございます。そこで魚の確保、それから栄養資源の確保という観点から、農林省でも栽培漁業というようなことをおっしゃっておるようでございますが、この栽培漁業について今後水産庁はどういうようにしていくのか、またいままでの実績というものを、時間もありませんので簡単でけっこうでございますが、よろしくお願いします。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども昭和三十七年から第一次沿岸漁業構造改善事業というものを進めてまいりまして、そこで取り上げました大きな項目は増養殖の問題でございます。  この事業によりまして全国で五十九のいわば水産の種苗供給組合ができたことが一つ。それから三十七年から瀬戸内海の栽培漁業センターの建設に当たりまして、現在事業所が五カ所ございまして、たとえば車エビにつきましては一億尾の放流をいたした。それほどの規模になってまいったわけですが、最近におきまして沿岸漁業の将来をになうものとして増養殖の問題が特に注目を集めております。公害の問題はございますが、増養殖技術が非常に進歩してきたこと、それから漁場の老廃化を防ぐための水産土木技術によります漁場の復旧改良、さらに漁船の近代化ということで、私どもは沿岸漁業の将来に対して明るい希望を持っておるわけです。  いままでの実績を申し上げましても、たとえばワカメはかつて天然のものばかりでございましたが、最近は養殖ワカメのほうが圧倒的に多くなっております。それからブリにつきましても、天然のブリは大体五万トンの生産高でございますが、養殖のハマチが三万五千トンくらいで、私はここ数年を出ないうちに養殖のハマチのほうが天然のブリを上回るというふうに思っております。昔でいいますれば、養殖といえばハマグリのようなものでございましたが、最近は魚でいいますればハマチ、タイ、ヒラメ、カレイ等々の養殖が現実に行なわれております。私どもことしからの新しい事業として、いままでは実験室では可能でございましたが、企業化されておらないような、たとえばマグロでありますとか、サケ、マス、タラバガニ、そういうものの養殖の企業化の試験も始めまして、四十五年度から第二次構造改善事業がスタートいたしたわけですが、今後はその第二次構造改善事業の中で養殖の問題は相当発展するというふうに考えているわけでございます。

西中清公明党

○西中分科員 ここで私は、公害の問題とあわせまして、たとえば瀬戸内海も一応有望な発展ぶりであるということでございますが、実際問題として、これは非常に汚染が進んでおるというのが実情でございます。その点で、日本の裏側の過疎対策とあわせまして、日本海沿岸のいわゆる栽培漁業というものの推進がやはりいいのじゃないか、私はこのように理解をしておるわけでございます。この点で、瀬戸内海でやられたことが日本海でもできるかどうか。また、日本海の栽培ということがいわれているわけでございますが、本年度の予算なり計画なりそれから将来の見通しなり、そういうものがございましたら、お聞かせ願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 日本海の方面では、構造改善事業などを通じまして、沿岸各県の水産増養殖の振興に取り組んできておりますが、その体制もかなり固まりつつあると見ております。四十六年度から、沿岸各県にわたりまして、栽培漁業の振興をはかるための基礎調査を実施することといたしておりますが、四十六年度予算では、日本海における栽培漁業振興のための基礎調査ということで千四百七十一万の調査費を計上いたしておりますが、いまお話しの対象魚種としては、マダイ、ヒラメ、カレイ、カサゴ、メバル、クルマエビ等、そういうものを対象にいたしております。

西中清公明党

○西中分科員 その調査といいますか、これから行なわれることだと思うんですが、これは具体的にどういう計画なのか。たとえば研究所をどこかにつくるとか、もしくは何らかのセンターをつくるとか、こういうお考えはございますでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、第一次の構造改善事業で水産種苗供給施設が多少県営あるいは市町村営等でできておりますけれども、今回やりますことは、瀬戸内海の栽培漁業センターの実績をにらんで、日本海は、一体どういうところで、どういう漁種で養殖を進めることが望ましいか、あるいはふ化放流を進めることが望ましいかという基礎調査でございます。したがって、どこに研究所をつくるかということよりも、むしろ自然的な条件、これは当然漁民という人間的な条件もからまるわけでございますが、どういう形で養殖なり増殖なりを進めていくかという基礎調査の段階でございます。

西中清公明党

○西中分科員 その点につきまして、この対象になるのは日本海沿岸全部でございますか、それとも、あるきめられた地点だけだというように考えているのですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 まだ予算の配賦等について具体的な話し合いは県とやっておりませんけれども、県の希望としては、大体日本海沿岸の各地でぜひこの基礎調査をやりたいという申し出がただいま来ております。

西中清公明党

○西中分科員 その点について、私は舞鶴のほうからの話を聞いたわけでございますが、どうも地元の人は、各県ともおそらく、わがほうは優先的にやらしてもらいたいとかいうような意向はあると思うんですが、たとえば若狭湾という一つの湾がございますが、そうしたところなんかは私は有望なところだと思っておりますが、たとえばこれを実施される場合、何カ所というような行き方でいかれるのか、一カ所から始めるというような考え方であるか、その辺はきまっておりますか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 まだ具体的にはきまっておりません。ただ、京都府で申し上げますと、たとえば久美浜湾なんか、私ども、現在相当大規模な浅海漁業開発事業の調査をやっておるわけでございますから、裏日本といいますか、日本海沿岸、京都府あるいはあの付近でも相当有望な地帯があろうかというふうに思います。ただ、具体的にどこでやるかというところまではまだきめておりません。

西中清公明党

○西中分科員 もう時間もなくなりましたので、質問は終わりますが、私は、いま二つの例をあげまして、大都市近郊の野菜の産地になるようなところについての各種の構造改善的な事業、それからまた、野菜への転換といった目的を持つ地域、これは流通上からいきましても非常に重要な地点でもあろうかと思いますので、先ほど申し上げましたように、そういう点に重点を置いた予算配分なりまた計画なりというものを強くお願いをしておきたいわけでありますし、さらにまた、魚の資源も世界的にも枯渇しておる。私は、これはむしろ積極的に、いま調査にかかるということで本年の予算には出ておりますが、これはもう一刻も早く、急いで強力な緊急な対策として推進されんことを強く要望しておく次第でございます。最後に、それに対する農林大臣の御所見をお伺いして終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いまお話しのようなことで努力をしてまいりたいと思います。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 塚本三郎君。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 農林大臣に、海外における農業開発に対する考え方についてお尋ねをしてみたいと思います。  実は、私、今回ある一つの事業の相談を受けまして、その相談に乗りながら経験したことで、これはきわめて重要だと思いますので、最初、基本的に考え方をお尋ねしたいと思うわけでございます。と申しますのは、実は、最近オーストラリアの委任統治領ニューギニアのニューブリテン島におきまして、実は農業開発を、世界銀行の勧告に基づきまして、オーストラリアの現地政庁が世界に公募をいたしまして、だれかこちらに来て農業開発をしないか、その公募に日本のある会社がこたえて参加をすることになりました。そして、約千五百万坪というたいへん広い地域を九十九年間貸与されまして、実はそれを開発して、いわゆるヤシ科の一種のパームオイルのプランテーションをここに実現するわけでございます。そうして、そこから年々製鉄に必要なパームオイルという圧延及びさびどめの油——製鉄会社がおもに使っておりますが、及び高級な食用油をとることができる。これは実は今日まではマレーシア半島が世界の主産地であって、品不足のために年々価格が高騰しておるという状態で、実は世界銀行がニューギニアを独立させる経済的な一つの方法として、実験的に、現地政府とイギリスのある会社との合弁会社で実験をさせましたところ、それがみごとに成功いたしましたので、今度は大々的に世界的に公募した、こういうことでございます。したがって、日本の製鉄会社の中で、実際にその油を使用しておる会社が出向いて開発をしようということになったわけです。ところが、こういう場合、海外に出かけていきます場合に、農業開発はきわめて長期でございます。そして利潤的には投機的なうまみというものがないわけです。しかし、それは裏を返せば、きわめて安定しており、きわめて堅実であり、しかも資源のきわめて欠乏しておるわが国にとっては、私は、農業開発としては最も理想的な形態ではないかということでございます。したがいまして、この種の問題には幾多の隘路があると思いまするけれでも、農林当局におかれては、これを積極的に推し進めていくべきだと思いますが、その点、基本的な考え方を大臣からお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 ただいまお話しのパームオイル等ヤシ系の油脂は、マーガリンあるいはショートニングの原料のほか、工業用原料といたしましても特殊な用途を持っておりまして、最近その需要も著しく増大いたしておるわけであります。このような需要の増大に対しまして国産原料では対処し得ないと存じますので、輸入も増大いたしてきております。したがって、ただいまお話しのように、このようなヤシ系油脂につきましては、安定的供給の確保の観点から開発輸入が進められることはたいへんけっこうなことではないか、このように考えております。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 これは、その当事者に言わせますと、実は地上における油田と同じようなものなんです。地下の油田ならば、あるかないか、何本か相当掘って探り当てるということでございますけれども、このパームオイルの開発は、すぐ近くで政府が実験的に試みて、それがすでにできており、しかも世界銀行がみずからこの未開の国ニューギニアを独立させる経済的手段として最も有望だということで公募をしたわけです。したがって、年々この油がとれるということになると、まさに当事者が言いますように、地上における油田と同じような状態になる。ただしかし、栽培をして四年後からしか採取にかかることができない。しかし四年後からは恒常的に数十年間採取することができるという状態ですから、これは長期にして低利の金融の道を開いていかなければいけない。幸いに海外経済協力基金等、それにふさわしい基金があるのでございます。しかしその当事者と小あたりにあたってみましたところ、実はその問題につきましてきわめて大きなネックがあることに気がついたわけでございます。私はこのことを一つの経験として申し上げるのでありまして、おそらく農業開発にはすべてこの問題が実はネックになってくると思いますので、この際ただしておきたいと思うわけでございます。  と申しますのは、現地において開発をする、しかも現地では、いわゆるものになる四年後でなければ絶対に金にならないという状態でございます。したがって担保をどうするかという問題が起こってくるわけでございます。したがって、日本の国にそれだけの担保があればいいのですけれども、しかしながら担保がきわめて不足している。相手方は、農業関係だという場合、一般の金融ベースでこれを取り扱われたときには、四年後から第一年度に開発したものがぼつぼつ出てくる。真に完成して全くきちっと出てくるのは、五年で開発するとすると、実は九年目からいわゆるその全般的な実がなるということで、徐々に、一年目に開発したものは四年後に実が出てくる、二年目は五年後、三年目は六年後、こういうふうになっていきますから、十カ年計画でやっと一応最初の計画の収穫が取り得られるという形です。そうすると、担保を全部提供しなければならないということになりますと、いわゆる十年間こちらでは全然その担保が使えなくなってしまうというような危険性がありますので、そういう協力基金の貸し付けに対する担保の問題を、いままでのような考え方では無理だというふうに考えるのですが、いかがでしょう。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 ただいまお話のございますニューブリテン島のオイルパームの栽培の問題につきましては、通産省あるいは海外経済協力基金のほうにいろいろお話があったということを私どももこれらの者から承っておりますが、農林省として直接こういうものに金融をする手だてを持っておりません。大蔵省、通産省がたとえば海外経済協力基金を活用してこの事業にお力添えをしようということになりますれば、農産物のことでございますから私どもも積極的に御相談にあずかって、技術面あるいは経済面での私どもなりの知恵を出して、一緒に御相談したい、かように考えております。ただいまの御指摘の融資の条件等につきましては、私どものほうから直接お答えする権限ございませんけれども、これまでに伺いました限りでは、やはり全く無担保、無保証で融資のお話を始めるというわけにはなかなか海外経済協力基金のほうもまいらないということで、何かよい手だてはないかということで検討中であるというふうに伺っております。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 これが大商社や大会社が手を出せば、おそらくそれぐらいのことは何でもないことだと思います。しかし、鉄鉱の地下資源のごときものを扱っておる、会社自身が有数の会社でございますと、こういう点はそんなに問題ないと思うのですが、農業開発ごとき、と表現するとたいへん御無礼でありますけれども、一々の単価がきわめて低いという問題については、大きな企業はなかなか乗り出さない。しょせん中堅企業でございます。そういうものに何億というような資金をそのまま持ち出せる会社はきわめて少ないということ。さればといって、全く無担保、無保証というわけにはまいりません。したがって、一般の銀行のようにいわゆる担保を評価する問題が出てくると思うのです。市中銀行と同じように、きわめて安定した価格で無難な評価をし、さらにそれの六掛けとか七掛けとかいうような価格で評価されて持っていくというような形になる。しかし相手方が、向こうで品物は生育しつつあるのだから、その生育しつつあるいわゆる木というものを担保価値に見ることで、三年たてばもうすぐそれは実がなってくるのだ、相手方の銀行が銀行保証してくれればいいのでございますけれども、こういう未開発国では、いわゆる合弁会社等に銀行保証した例がない、こう言うのでございます。だから、たとえば延べ払いでもってその製油工場を向こうに建設をいたしますけれども、実は全くこちらの資本力が大部分でございますし、現地にその工場があるのだから、向こうに、担保設定をしてくれ、そして保証してくれと言いましても、向こうは一度としてそういう経験がない。今度のニューギニアのごときはいわゆる合弁会社が初めてでございますから、そういうものには保証した例がないので、オーストラリア政府と相談をしなければならない。こうなると、向こうは政府になってしまうのですね。それならば、こちらも日本政府からこういうものだと——十分御審査いただいたときには、農林当局から相手方の政府に対して、保証はこういうふうにしてやっていただいてしかるべきではないかという、そういう政府間における何らかの協力というものがあり得ないものであろうか。これをちょっとお聞きしたいと思うのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、物が農産物でございますから、栽培の技術面あるいはこちら側での需要面、そういう技術関係の面について私どももできるだけ実情を調べまして、あとう限りの方法によって御相談には乗りたいと思いますが、ただいまの融資の仕組みそのもの、これは率直に申し上げて私どもの所管を直接離れますので、ただいまの御要望の趣旨は十分関係の当局のほうへも私からお伝えしまして、いろいろ検討していただくように申し伝えたいと思います。  なお一般論として、農業関係で海外でいろいろやります場合に、御指摘のように実際に農場となり、農場にりっぱな財産価値のある、たとえば永年作物が育つまでの間をどうつなぐかというのは、ほかのケースでもあるというように聞いております。やはりそこは金融関係の者が申しておりますが、ステップ・バイ・ステップで、いわゆる徐々に実績をつくりながら徐々に融資をふやしていくという以外にないと思います。ただその場所が、御指摘のような面でいろいろな制度なり仕組みがどのようになっておりますか、よく調べる必要がある。まあニューギニアでございますから、いまの一般論がそのまま妥当いたしますかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても関係当局のほうへ御要望の趣旨はよく申し伝えたいというふうに考えております。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 この問題はおそらく農林だけじゃなくて大蔵や外務、通産等御協議いただくような、実は相談にもいま乗っておっていただける過程でございますから、ここで技術的なこと、具体的なことまで突っ込んでお聞きすることは無理かと存じておりますが、しかるべくひとつこの問題を私は実現さしてみたいというふうに思っております。  そこで、いままでに農業開発、植物のみならず、たとえば畜産等におきましても日本の気候やあるいは地理的条件で、外地でそれを行なったほうがきわめて有利であり理想的だというような例があるのではないかと私は思いますが、いままでに目立ってこういうようなことを行なった例があるということがございましたら一、二お聞かせいただけたらありがたいと思いますが、いかがでしょう。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 これまでは、狭い意味での農業の面では、たとえばタイ国におけるメーズ、こういったものを商社が中心になってでございますけれども、日本の畜産飼料の供給源として育てようということで、タイ国内にタイ・メーズの開発というようなことを計画しておる例がございます。同様の例はインドネシアにも最近始まっております。それからもう一つは、水産のほうでたとえばエビの養殖といったような問題を、日本の技術を教え込むと同時に施設を埋設するという形で養殖の関係の水産。それからもう一つは、非常に件数が多いのは、これは森林開発という形のものでございます。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 これは私実はきわめて興味がありましたので、ことしは正月の休みに一週間ほど現地まで飛んで、そしてその実情まで調査をしたわけでございます。このニューギニアというところの人たちは性格がきわめて温順でございまして、気候風土にも全く恵まれておるというような状態でございました。そこで実は政府も、すでに日本の国民所得がきわめて高いペースで伸びつつある、だから経済援助をしなければならぬというふうな、これは義務的ないわゆる観念さえもお持ちで、やがては所得の一%をと、こんな発言さえも大蔵大臣はしてみえるようでございます。ただ単に国連を通じてそういうふうに金を与えてあげるということよりも、世界銀行が勧告をしておりますように、金を上げるよりも現地に職場を提供してあげるということのほうが、これはやはりもっともっと南北問題の解決のためにも有効な手段でありますことは、特恵関税の問題等でも指摘せられておるところだと思っております。したがって彼ら高地に住む土人たちをせめて、農業開発ならば単純労働であるから安定した職業としてこれを導くことができるということでございますから、ただで上げなければならぬ金額、所得の一%といわれておりまするとき、日本が食糧不足あるいはまた資源不足、なかんずくオイルパームのごときはまったく品不足でありますこと、大臣から御指摘いただいたとおりでございます。そういうものに日本が援助をするということ、そして相手方が自立経営、独立への道を開くことができる、しかもこれが世界銀行勧告に基づく問題であること、さらにきわめて安定した農業開発であること、こういう点を比べてみますると、全くいま御指摘のように無担保、無保証でだめなことはわかっておりまするけれども、市中金融と同じように扱うべき性質のものではないというように判断されます。しかしこのままいきますと、協力基金のほうでは、私どもこの法律によっていたし方ございませんという形であり、農林当局は金融ベースについては手を触れるわけにはまいりません、そして現地は一度も他国との合弁会社に対しては保証した実績がありませんので、本国オーストラリア政府の承認がなければ、実は出資金なら出すけれども保証という形では手を出すわけにはまいりませんというふうな三すくみの形になりますると、せっかくのすばらしい三重にも四重にも、国家の政治方針とあるいはまた国際的なそういう立場からしてもぜひ推進したい問題でありますにかかわらず、問題の解決がはかれないということでございますので、これは全く前向きで、ひとつ金融当局に向かって何らかのいわゆる解決策について御配慮がいただきたいというふうに希望申し上げるのですが、いかがでしょう。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 わが国の国内に産出しておりませんもので開発輸入の効果があがるもの、これは私はますますいろいろな意味でやるべきであると思っておりますが、ただいま御指摘のように、そのためにはいままでの経過から見ましてなかなかネックが多いことだろうと思います。そういうことについて、先ほど事務当局から申し上げましたように関係省と十分打ち合わせまして、そういうことが振興するようには努力いたさなければならない、こう思っております。

塚本三郎民社党

○塚本分科員 時間がありませんから、私はもう一つだけで終わらせていただきますが、私はきわめて国家的な仕事として、しかも少額の資本でもって乗り出すことができるという状態ですから、まあ乗り出してみてもと思ったのですが、おそらく農林当局におかれましても日本にないそういう農産物で、ただ買うのではなくして直接にこういう形で開発をするという方向は、これから進んでまいりますうちに幾つか出てまいるだろうと思っております。したがってこのケースを一つの突破口にしていただきまして、国際的にも、国内の資源確保という立場からも、十分ひとつ、かたくなという表現はいかがかと思いますけれども、金融当局に、ただ単に普通の金融とは違うんだということをぜひ大臣のほうからも力説をしていただきまして、近いうちに各関係者にお集まりいただきまして、何らか具体的にいい方法はないか御相談申し上げる段取りは進めておりまするが、一番の主管の大臣としてもそのように御協力と御指導いただきますることを重ねてお願いを申し上げまして、一言所感をいただきまして質問を終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 十分検討いたしたいと思います。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 この際、暫時休憩いたします。  本会議散会後直ちに再開することといたします。    午後一時三十九分休憩      ————◇—————    午後三時四十八分開議

原茂日本社会党

○原(茂)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林省所管について質疑を続行いたします。西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 農林大臣にお尋ねをいたしますが、実はこの前総括質問で若干お尋ねしたのでありますが、補足のような意味におきまして数点お尋ねをしたいと思います。  まず第一は、農政の基本方針でありますが、これは本来ならば総理にお尋ねをするところでありましょうけれども、総理にお尋ねをしても、かえって抽象的なお答えしかいただけないのじゃないかというふうに考えましたので、むしろ所管大臣として農林大臣おそらく非常な苦悩も重ねておられるのではないかと思うのでありますが、そういう苦悩の中から生まれてくる今後の展望、しかもそれは可能性を持った展望でなければ何の意味もないと思うのであります。ですから、そういう意味で、単なる抽象的な羅列ではなしに、ほんとうにこれならやれる。しかもこれだけは万難を排してやらなくちゃならぬ、そういうような農政の展望は何であるかという基本的な方針をまず伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 大事なことをお尋ねいただいたわけでありますが、私ども去る十六日に生産対策協議会というのを、農業団体、それから地方自治団体等の長、そういう方々集まっていただいて、将来の生産対策についていろいろ御協議を願っておるわけであります。そういう場合にも、やはりいま差し迫って米の問題について生産調整をいたさなければなりませんけれども、私どもはやはり時代の変転に伴って、農作物を含めた、つまり農政の方向づけをここでやっていかなければならないのではないかということの一環として生産調整を遂行していくのだ、こういうふうに考えたいと思っておるわけであります。  そこでわが国は、経済的にはいろいろ国際的にもむずかしい問題もございますけれども、やはり私どもといたしましては、人口一億をかかえておる大きな国でありますので、その国民の必要とする食糧等はまず大体のところいままでのような自給度は維持できるように、しかも緑の国土を保護するというふうな立場からも農業というものを勢いづけていかなければならないというたてまえでございますが、申し上げるまでもなく、御存じのように、そういう中でも、いままで米が中核でありました。その中核であるものが過剰であるということで、それの転換をせざるを得ない、こういうことでございますので、できるだけ地方の状況等に応じてひとつ生産の地図を描いてみて、その地図も独断ではいけませんので、地方の方々、生産者その他の方々の御意向も取り入れておよその方向を出して、そういう線に沿うて農業の転換をいたしてまいりたい、こういうのが基本的な考えでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ただいま大臣から、去る十六日に生産対策協議会を開いたというお話がありましたけれども、これはその経過から見ると、生産調整対策推進協議会ですか、そういうものをつくろうとして、ところが農業団体の抵抗にあってそれが実施できないので、途中で切りかえて生産対策協議会というふうにかわってきたことは、経過の中で明らかなのであります。私は実は本来はその生産対策協議会がまずあるべきだということを感ずるわけです。いまのような経過から偶然生まれたのだけれども、そうではなしに、生産対策協議会があって、そこで日本の農業を将来どうするのだということを十分検討して、そうなればおのずからそこに転作の問題等も出てくる、そしてその過剰問題等も十分警告を発して農民に対応策を講じさせるということが、この三、四年前に当然なされるべきであったと思うのでございます。それが全然なされないで、いきなり生産調整だというふうにいってしまったところに根本的な間違いがあると思うのです。  私は今度のあれを見ましても、政府の出しましたたとえば転換のすすめでしたかな、何かそういうものを見ましたけれども、非常に抽象的で、結局は適当にやってくれというようなことになってしまうのじゃないか。大臣の御郷里の長野県などでは、転換について非常に親切な指導をすでにやっていると私は思うのですよ。ああいうことがなぜ政府としてできなかったのか、あるいはこれからでもそういうもっと綿密な指導をやる意思がないのか、お聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 ただいまおっしゃいましたようなことが大事なことだと思いまして、実は昨年七、八カ月かかりまして生産目標の指標を、いわゆる地域分担調査をいたしたわけでありまして、あれは私ども何らわれわれの先入観や恣意的なものはございませんで、県によっては三カ所も四カ所も区分いたしましたりして、その地方の生産者及びその団体とか自治体の長とかいう方々——一この人々は将来の計画をそれぞれ現にお持ちでありますので、そういうものも参考にいたしまして、私のほうの出先が一緒になって集めましたデータをそのままに写し出したものでございますが、私どもは決してこれをもって押しつけようというのではありませんで、いわゆるガイドポストといっておりますが、あれを世の中に発表いたしましてから、初めのうちはいろいろな御意見がございましたけれども、やはりどうもなるほどやってみるとこういうことだな——いま長野県のことを例にお引きをいただきましたけれども、あそこの農業団体などはまことにわれわれが前から考えていたことと同じ答えが出てきたというようなことで、一生懸命で協力していただいておるようなわけであります。しかし先ほどお話のございましたように、私は生産調整が行なわれる前に、やはり将来のビジョンが示されて行なわれれば一番理想的であったと思いますけれども、顧みますと、政治情勢その他でやはり事務がそのまま進行いたさなかったようなうらみがあって今日に至ったわけでありますが、どうどひとつ御了解をいただきまして、これが成功いたすように、われわれはやはりどこまでも農業というものを健全に育成していくというたてまえでございますので、そういう点について御援助をお願いいたしたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 必要に応じて転換をするということも当然でありましょう。だからその点は方向として大臣の考えていること、私ども理解できますけれども、いま長野の例を申し上げたのは、五十三の品目についてそれを技術面から綿密に非常にこまかいところまで、かゆいところに手の届くように指導しているというだけではなしに、たとえばそれによって収益性はどうなんだというようなことまで計数的に明らかにして、これをやればもうかるとか損するとか、そういうことまで非常に綿密な指導をしているわけですよ。私はそれに比べると政府のは、全国を相手にしたといわれればそれまでかもしれないけれども、とうていそういうこまかい気を配った指導にはなっていない。ぜひそういう指導をしてもらいたいと思います。  地域分担の問題はあとでまたちょっと触れたいと思いますが、私はいずれにしても、とにかく減反をしなければたいへんだ、減反だ、減収だということで強行いたしますと、これはほんとうに農民の悲劇だと思うのです。だから、そういう乱暴なやり方はどうしてもこの際強く反省を求めなければならぬと思います。  長官にお尋ねしますが、過剰米についていま保管料、金利はどの程度かかっていますか。概数でけっこうですよ。——それではあとから御答弁をいただくことにして、時間がありませんので、私は総括質問でも申し上げたのですが、いまの在庫の過剰米ですね、これは一刻も早く処置すべきだということを申し上げたのですが、その一つの方法として、えさに回す分、これをもっと量をふやして回せないか。これは民間団体からもそういう要望が出ているし、私もだいぶ専門家の話も聞きましたけれども、技術的にはまだまだ消化できる、こういうことなんですね。一つの問題は、あれがさらに食糧米に回らないかということのために粉砕をしたり、その他、そういうことをやっていることが一つの妨げる条件になっていると思うのですが、そこでこれを粉砕等をしないで回す、それには監視をするとか、いろいろなことがありましょうけれども、とにかくそういうことで回すということにすれば、量も大量にさばけるし、それから第一経費がずっと安くあがると思うのですね。たとえば私のほうの東北などであるならば、東北から関東まで運んできて、そこで粉砕をして、また東北の配合工場に運んでいく、そういうことで旅費なども相当な負担になるわけですね。ですから、結局最終的なえさの値段が高くなってしまう、こういうことになるわけですから、何とかしてそういうことをやめて、もっと安くする、あるいはできるならば払い下げをする古米の値段も、えさの場合に安くする、いま畜産物が値段が非常に低迷しておって、畜産業者は困っているわけですから、それを救うためにも安くする、こういう方法を講じてもらえないかと思うのですが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私も御同様に考えたわけでございますが、何といたしましても、これが横流しにでもなりますとたいへんなことになりますので、そういう点についても、たいへんむだではあると思いますけれども、変形いたしたり、それからまた、そうでない場合には絶対に間違いないというふうなことでないと処理できませんので、そういうことももったいないことでありますが、お説のとおりだと思います。  もう一つは、一応百四十万トンと当初計算いたしておるわけでありますが、これはなるべく原価がかからないようにいたしたいと思いますが、大量に処分いたしますためには、西宮さんも御存じのように、国損がそれだけ膨大になりますので、そういうことの計算もいたしまして一応やっておるわけでございます。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 お答え申し上げます。  過剰米の経費は大体トン当たり金利、倉敷を入れて一万円かかります。それで、四十三年で百四十億、四十四年で四百六十億、四十五年で六百十億、大体これが近年の過剰米の金倉でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 この機会にえさの問題をちょっとお尋ねしたいのですが、私はいまの古米の処理という観点から、古米をえさに回すということをもっと積極的にやってもらいたい。いま大臣は最後に、損をするからという財政的な話がありましたけれども、もちろんそういう問題があることは当然だと思いますが、しかしこの際、そういういま長官が言われたような金利、倉敷料を払って古米をかかえておくということは、これは何といっても不経済、不合理だと思うのですよ。これほど不経済なことはおよそないと思うのですね。全くばかばかしい経費だと思いますので、それを減らすためにも、古米は一刻も早く解決をすべきだというふうに考えます。したがって、そのためにたとえ財政的には一時負担がふえても、私は早急にやるべきだということを強く主張したいと思います。その間にえさの国内の自給体制を確立するということが必要ではないか。去年ですか、去年などは一年の間に二回もえさが値上がりをして、また最近値上がりの傾向を見せているわけですね。これはアメリカの御都合によるわけなんです。こういうことで全くアメリカに振り回されているという状態は不健全きわまるわけですから、それから脱却するためにも国内でえさの自給体制を考える。その中で、わけても穀物を飼料にする、こういうことについての考え方は農林省としてはどういうふうにお持ちなのか、これは局長でけっこうでございますから、お願いしたいと思います。つまり、いままでえさの自給というと、えてして草づくり、むしろ大半がそっちだというふうに私は思うのですが、穀物をえさにする、こういう点についてもう少し構想があってしかるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 飼料穀類の国内自給体制の強化という問題につきましては、いろいろわれわれとしても苦心をしているわけでございますが、そのうち問題のある麦類につきましては、食管を経由しないで直接えさ工場に入るというような形での試験事業を来年度から実施して、大麦の自給体制をできるだけ強化したいということを考えております。  それからトウモロコシについてでございますけれども、率直に申し上げまして、これは米の転換の問題として一つ検討課題にしているわけでございますが、御承知のとおり日本につきましては台風常襲地帯でございまして、非常に倒伐の問題があるわけでございます。それからまた、日本のいままでの試験の結果を見ましても、たとえばアメリカでは平均で反当五百キロ、穀倉地帯では一トンというような生産をあげているのに対しまして、わが国ではまだ二百五十キロから三百キロというような状態であるわけであります。そういうことで、これは直ちに一般農家につくらせるということにはやや問題がある、こういうことで、稲作転換の一環といたしまして、来年度はトウモロコシを三カ所、マイロを一カ所試験的にやらしてみて、その成果を見て普及させるべきものかどうかということを検討したい、かように考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いずれにしても、アメリカの御都合で振り回されるという、えさの現在の不健全な状態を早く脱却をするような方策を当然農林省として、政府として確立すべきだと思う。古米をえさに回すということについて、これに対してもアメリカが抵抗している。これはお尋ねすると、大臣は、そういうことはありませんとお答えになるだろうと思うのですが、一昨年の日米経済閣僚会議ですか、あの際の速記録を見ると、日本で古米をえさに回すことに対してわれわれは重大なる関心を持っている、こういう発言をしているわけです。つまり、古米をえさに回されるとわれわれのえさが売れなくなる、こういうことを彼らは考えているわけですね。そういうことが、古米をもっと積極的にえさに回すべきだという私の主張に対して、あの程度で、百四十万トン程度でとどまっているということの理由だというふうには大臣はお答えにならないと思いますが、とにかくそういうことが現に公式の会合で述べられているのですから、私どもはそういうことで制約をされたり、そういうことでは全く日本の自主性はなくなってしまう。そういうことは断固避けてもらわなければならぬ。そこで、その問題は議論をいたしません。  在庫の過剰米を食糧には回さないようにしてほしいということをこの前も申し上げたら、大臣は、そういうたてまえでやっているわけでございますという答弁をしておりましたけれども、それを回しても、いつまでもいつまでもこれが繰り返し繰り返し続いていくということになると思いますので、これは厳に避けてもらいたいということを重ねて要望いたしておきます。  時間の都合もありますので、次にまいりたいと思います。  生産調整の問題であります。生産調整が事実上はかなり強制的なものになっている。これはあくまでも農民の協力を求めるのだという説明でありますが、事実上はかなり強制的なものになっているという点をわれわれは心配しているわけです。一つは、昨年は町村長にまかしてやらしたものを、ことしは一定の算式に基づいて計算をして個個の農家に指示していくということになっているわけだし、あるいはその補助金の交付等については、かなりこまかい条件をつけているわけですよ。二重にも三重にも金縛りにして、条件をつけて補助金を出すというようなことをやっているわけで、そういうことになると、これらはもうほとんど強制そのものだといっても差しつかえがない現実だと思うのですが、その辺はいかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 奨励金も、いろいろな生産調整に要する経費も、結局国の予算でお願いするわけでありますから、国民の税金というわけであります。したがって、行政府としてはできるだけどこに出しても説明のできるような、しかも成果のあがるような金の使い方をいたさなければならないわけでございまして、そういったことは事務的なことでありますが、私どもといたしましてはやはり先ほどお話の出ました生産対策協議会などでも全国のおもな方々の団体に御協力を願うということで、決して強制とかなんとかそういう意図はございません。心から今日の需給の状況を御判断願って御協力をお願いしたい、こういう態度でお願いしておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いまの税金から支弁をするという問題であります。これは全くそのとおりでありますが、しかしこういう物価高の際に、去年よりも少ない単価でやらせなければならぬというのはまさに逆行だと思います。さらに大蔵大臣はむしろ漸減の方針だというようなことを言って、それが筋だという話をしておりましたが、むしろだんだん物価も上がっているのだし、それにスライドするのが農民の側から見れば当然な要求だと私は思うのですよ。それを逆にだんだん減らしていくというようなやり方では全く農民は気の毒だと思う。そういう点を、そういうことにならないように、ことに、ことしだってこういう物価高に逆行して単価が減ってしまったというようなことは、農民にとっては非常な深刻な問題だと思うのです。もう一ぺんこれを再検討するなり、そういうことはできませんか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これはもう予算を提出いたしまして御審議を願っておることでございますので、そういうわけにはいきませんけれども、冒頭にお話のございましたように、農村の方々の御不安をなからしめる、それから安心して生産調整もやっていただき、将来の展望も持っていただくように、農林省といたしましてはできるだけ努力をしなければならない、そういうことは考えておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 とにかく農民と行政との間に断絶感が生まれる、こういうことがないように、私はそういう懸念が多分にあると思うのですよ。その点を非常に憂慮をしておるわけですから、どうか農民と行政との間にそういう深刻な断絶が生まれるというようなことがないように、これはあくまでもこまかい配慮をしてもらいたいと思います。  先ほど地域分担の問題について話がありましたけれども、この問題など、実はいわゆる地域分担という問題は若干の問題があります。問題がありますが、それぞれの地域では、あるいはまた関係方面では、これを一つの基礎にしていろいろと模索をし始めておるというのもまた事実だと思うのであります。   〔原(茂)主査代理退席、小平(久)主査代理着席〕 ところが今度の生産調整等ではほとんどそういう点が考慮されておらないというふうに見ざるを得ないわけです。私はそういう点でも、せっかく模索をし始めているのならば、やっぱりそういうことももう少し親切に考えるべきだということが言い得ると思うのでありますが、そういう点がきわめて機械的に推進をされておるところにいろいろと問題があるわけです。生産調整の問題は、時間がありませんのでこの程度に終わりますが、もし何か御意見がありましたならばお聞かせ願います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 別に申し上げることもございませんが、私どもといたしましては、四十五年も百万トンお願いしたのが百四十万トン近くやっていただいた、ことしはさらに倍増いたしておるわけでありますが、たいへん皆さん方に御協力願っておるようです。ぜひひとつ所期の目的を達成いたしまして、ここでできるだけ一日も早く需給のバランスがとれるようにみんなでやりたい、これが私は将来に対する農政の基礎になるのではないかと思って、それの成功を心から念願しておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ただ過剰だ過剰だということでいたずらに減反を急ぐと、ちょうどこの前の麦が減反を来たしたときと同じような結果におちいる可能性が大いにあると思うのですよ。だからそういうことになったらたいへんで、いま目の前に迫った過剰という問題にいわば幻惑されて、そのためにひたすら生産調整、減反だけにきゅうきゅうとするようなことになっている。これが現在の状態ではないか。私はそれが問題ではなしに、それよりもそのあとにくる日本の農政、これを明確にしていくことのほうがはるかに大事だと思うのだが、いま目の前に迫った過剰という現象にあまりにもとらわれ過ぎているのじゃないかということを私は強く警告をしておきたいと思うのです。   〔小平(久)主査代理退席、渡辺(栄)主査代理着席〕 とにかくいまのような単価で減反をやるということになりますと、相当農家は減収になる。したがって、救農土木事業を起こせなんていう声さえあがっておるわけであります。これは非常に深刻な問題だと思います。  問題点だけを指摘して、買い入れ制限問題について一言申し上げます。  私は、いまの買い入れ制限なるものは適法だという政府の説明を了承できないのでありますが、違法だという見解のまず一つは、従来の政令できめられておった政府以外のものに売ってはならぬという規定ですね。あれは食管法第三条とまさに一体になっておった、セットになっておった条項だと思うのですよ。だからそれを政令の改正によって法律そのものが百八十度転換をしてしまう、そういうことが許されるのであろうかどうかということが第一の疑問です。これは政令によって本法の精神が完全に百八十度変わってしまう、こういうことが法律として許されるのかどうかということが問題であります。これが私の疑問の第一点。  疑問の第二点は、つくった米も政府で必要の分だけしか買わないのだ、あとはかってにしろ、もしこういうことになりますと、当然所得は減収になるわけです。したがって、そうなると第三条でいうところの再生産を確保するということができなくなる。再生産が確保できなくなるということになると生産はおのずから減退をして、第一条で定められておる国民に食糧を供給するという第一条のそもそものねらいが実行できなくなる。むろん、そのときは外国から買ってくればいいんだというのなら話は別ですけれども、第一条の任務が達成できなくなるということが当然予想される。私はそういう点からいって、買い入れ制限というのは違法だというふうに確信をしておるのですけれども、長官、特別な意見があったらお聞かせください。ただ、時間がありませんから簡単に。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 第一点の政令五条の五の問題につきまして、この法的根拠も第九条の規定によるものであるということは明らかでございまして、第三条とは別個の問題でございます。(西宮分科員「間違えました。九条です。」と呼ぶ)九条の規定に基づく政令でございまして、九条の法的解釈としては、改正前の政令五条の五が唯一のものであるというふうには私ども考えておりません。  それから再生産の確保の問題でございますが、食管法の第一条は御承知のように国民食糧の確保をするということが目的でございまして、再生産につきましても決して過剰な生産を要求しておるものではない。国民の必要量を再生産するというのがこの再生産の確保という意味であろうというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 時間がありませんから私は議論をいたしません。しかしいまの説明ではとうてい納得できないので、これはまた別な機会にもう少し議論をしたいと思います。  最後に物価統制令の廃止の問題であります。私どもは統制令の廃止にあくまでも反対だということを前の機会にもるる申し上げたのでありますが、大臣、これを実行するのはことしの秋ですから、私は秋までにぜひとももう一ぺん再検討してもらいたいということをお願いしたいと思うのですが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いまのようにいろいろ物資が豊富にありますときに、消費者の希望される品物がそのとおりに入ってこないということはあまり例がないのじゃないかと思います。ことに毎日召し上がる米が自分の好みのものが入ってくるかどうかわからないという状況というのは不自然ではないかと私は思います。それで、この間西宮先生の選挙区の農業団体の方が私のところへ遊びに来られましたときにも、たいへん米の自慢をしていらっしゃいました。ところが、私どものほうでつくる米はどこへ出しても第一番の米だが、そういうことによって少しも評価されておらないというふうなことを話していらっしゃいましたけれども、やはり消費者の選択に応じて自由に買えるということをできるだけやることがいいのではないか、私どもはこう思っております。  それで、物統令のお話ございましたが、お説のように四十六年産米がいよいよ出回るころまでにはいろいろな準備をしなければなりません。そのためには前々、予算委員会等でも申し上げておりますとおり、あらゆる施策を講じまして、物価が上がるんだという御心配をしていらっしゃる方々におこたえするようなすべての措置を講じてから私たちは物統令の適用を廃止する、こういうことを考えておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 非常にうまい米も同じ値段で不満だというならば、技術的にはいろいろむずかしい問題もありましょうけれども、銘柄格差を導入するというようなことによってもその点は救済できる。それからいい米が消費者の手に入らない、消費者が不満だといういまの大臣のお話でしたが、これはむしろいまの末端の配給機構が完全にめちゃくちゃになっているというところに問題があるんだと思うのですよ。せっかくいい米を政府に供出をしても、それを全部やみと称して高く売りつけるとか、あるいはそういうものをほかの米とまぜてしまうとか、そういうことで、末端の小売り段階でそういう点がめちゃくちゃになっているわけですね。そこに問題があるんで、そういう点を直していきさえすれば、いまの配給ルートを通していい米を消費者に手渡すことは十分できるというふうに考えるので、私はいまの制度で十分やっていけると思う。  意見だけを申し上げますが、私は値段は必ず上がると思います。したがってあの第四条にうたわれている家計の安定を旨としというようなことは実行できなくなってしまう、消費者の家計安定ということが保障されなくなってしまうという点が必ず起こってくるというふうに私は見通しておるわけです。ですからこれはぜひとも改めてもらいたい。何といってもいま日本で最大の商品は米ですよ。二兆円の商品でありますから、これは最大の商品だと思うのです。これをいまの独占商業資本の手に渡してしまうということはまことに憂慮にたえないと思うので、私はぜひ秋までに大臣がもう一ぺん考え直してくれることを切にお願いしたいと思うわけです。要望だけ申し上げて終わりにします。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私は茨城県の高浜入り干拓に関して二、三お尋ねしたい。  一つは漁業補償金の問題でありますが、第一回の漁業補償金の支払いはいつの時期にどういう形でされたのか、これからひとつお伺いします。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 昨年の二月のたしか十八日に漁業補償に関する協定が締結せられまして、それに基づきます支払い協定が昨年の三月三十日に結ばれたわけでございます。支払いは四十五年四月三十日に相なっております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 その支払い協定が結ばれたときには、漁業権の放棄というか、そういうものがなされていなかったのではなかろうかと思うのでありますが、それはどうなっていますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 昨年の三月二十六日に玉造漁協におきまして、総会の決議をもちまして漁業権の放棄の決議がなされておると承知をいたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 その金は四月三十日にどこに支払われましたか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 茨城県の県漁連の会長あてに支払われております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それでは、その補償金は関係の漁業組合、そしてその組合員に払われておりますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 漁業者の中に一部、この計画に対する反対者がいるという事情もありまして、その人たちに対する説得工作を続けておりました関係上、この補償金は県漁連会長に支払いましたものの、そのお金は常陽銀行及び漁信連に預金をいたしまして、まだ直接漁業者には配分いたしておりません。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 いまのお話だと、反対者がおるから払わないでおるということでありますが、漁業権そのものは、あなたのお話では漁業権放棄の議決がされておる、こう言っている。これはされているのですか。いるならば、それに対する補償金ならば当然払われていいはずなんでありますが、預金されているというのは、だれが預金させておくのか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 先生御承知のように、漁業権につきましては漁業協同組合が管理をする形になっておりますが、それを漁業法上は組合管理要件と称しておりまして、その実際の行使につきましては、漁業協同組合の組合員が各自行使をする。その組合の持っている漁業権に基づいて各自行使をする。これも権利でございまして、各自行使権がうらはらになっておるわけでございますので、反対者がおりますと、その辺やはりいろいろ問題が残りますので、関東農政局長が指導いたしまして、これを直接いまだ配分せずに、ただいま御答弁しましたような形で預金をしておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうしますと、形の上では予算は執行した形ですか。しかし実際の行為は関東農政局長という政府の出先がこれを押えている、こういうことなんですね。それに違いないでしょうか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 先ほど申し上げましたように、漁業権の考え方は組合管理要件でありますから、県漁連会長に支払いますれば一応これは有効な支払いとなるわけでございます。  ただ、組合内部の問題といたしまして、各自行使権を権利として保障しております関係上、組合内部の問題としてどう配分するかということは内部的なお話し合いもございますので、ただいま申し上げましたような形にしておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 法律的にはそれはどういう形なんですか。関東農政局長が銀行に預けてとめておく。言うならば、話を簡単にてまえ自身から申し上げますれば、漁業権放棄というのはかなり疑問があるということでとめておいているのじゃないでしょうか、漁業権放棄の議決に疑問があるということで。そうじゃないのですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 漁業権の放棄に関しまして反対者から訴訟が提起されておりますことは承知をいたしております。しかし第一回、第二回の公判の記録を通じてみまして、私どもとしましては、漁業権放棄は有効に成立しておるというふうに解せざるを得ませんし、また、そういう見地に立ちまして補償金の支払いをしたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 これは公判の記録は私はまだ見ておりませんが、まず第一に組合員の資格に問題があるということになっているのです。だから特別議決が無効だということになっているわけでありまして、あなたがおっしゃるとおりなら、なぜ金融機関に預金をしておくのですか。有効なものなら払ったらいいんじゃないですか。当然そうだと思うのです。だからこれは形の上では予算は執行したような形だが、実際は予算は執行してないという形なんですか。会計法あるいは財政法上これはどういう形なんです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 私どもは、漁業権者であります漁業協同組合の霞が浦漁業協同組合連合会の会長に補償金を支払うことをもって、支払いは完了するというふうに考えております。個々の漁業者にそれをどう配分するかということは、漁業組合連合会内部の内部的問題であるというふうに考えておりますので、すでに正当な債権者である霞が浦漁連会長に支出をしました以上、予算を執行したということに相なると思います。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 関東農政局長はなぜそれに関与しているか、その形はなぜか、こう申し上げているのです。  それから続けて聞きましょう。漁業補償の分は四十五年度予算は幾らありますか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この漁連会長に対する支払いをもって成規の支払いになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、漁連の内部の問題として、この計画に対する反対者が一部いるということは事実でございますし、それらの人々もこの権利を持っておるわけでございますから、なるべくこれを円満に配分いたしまして、工事が円滑に進むということは工事を担当しております私どもの責任でございます。したがいまして、その現地の責任者である関東農政局長が中へ入りまして、なるべく円満な解決ができますように、円満な補償金の配分ができますように、行政的に指導しておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 どうもあなたのおっしゃることはわからぬ。あなたの円満な指導をしておるという指導はまあいいでしょう。  予算を執行したならなぜ関東農政局長がとめて金融機関に置くのかということです。その形はなぜだ。いわゆる漁業権放棄に疑問があるからこういう形をとっているんじゃないですか。  それから四十五年度の予算は執行したかどうか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 農政局長が金の支払いをとめておるわけではございません。あくまでも漁連の内部的問題で配分が行なわれていないだけのことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 いま言い直したのでしょうが、それは実際は関東農政局長のいわゆる承認がなければ下へはおろさぬことになっている。先ほどの答弁はそのとおり、実際は正しいんだ。それで四十五年度の予算はどうしたか、こう続けて聞いているのです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 四十五年度の予算のうち、補償金に該当します金額は二億七千万円でございます。この二億七千万円につきましては漁業補償費でございますので、今後支払う計画になっておりますが、支払いの時期等については、なお慎重に検討いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 慎重に検討するというのは——昨年のがケリがつかないでいるのにあとのやつは慎重に検討するというのか。前のやつを慎重に検討しなければあとのはできないのじゃないですか。これはどうです、支払えるのですか。年度末までに支払える見込みがあるのですか。第一、前の予算の執行がおかしいのじゃないですか。そういう疑問がある決定に対して、支払いすること自体がおかしいのじゃないですか。しかもそのケリがつかないのにあとを検討すると言ったって、検討のしょうがないのじゃないですか。四十六年度、来年度は、いま審議中の予算の中には幾ら入っておりますか、漁業補償は。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 四十六年度におきましては二億六百万円を計上いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 四十四年度の七億三千九百万円、これが実際は執行したというが、執行できないままでいる。四十五年度はもちろん執行の形も何もとっておらない、検討中だ。その上に四十六年度の要求をして審議させるということは、どういうことなんですか。まず第一に、なぜ三回に分けたか。三回に分けた理由は、一ぺんに払う必要がないから三回に分けたんだ。そうだとすれば、すでに予算をまだ執行する見込みがないのになぜこういう要求をしておるのか。私は疑問がありますが、いかがです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 四十四年度の補償金七億三千九百万円の予算につきましては、先ほど御説明しましたように、正当な債権者に支払っておりますので、これは予算の執行でございます。  さらに、四十五年度につきましては、目下検討中でございますが、四十六年度につきましては、二億六百万円の要求をした次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 それは、何も説明になりませんよ。四十四年度のものは、これは執行したというが、形は執行したが、実際は関東農政局長が、この漁業権の放棄の議決について確認が得られるまで、言うならば、これはとめておくというかっこうですね。だから実際の執行は宙ぶらりんな形になっている。それで四十五年度は検討中だというが、これは見通しがない。その上に今度は四十六年度の予算を要求してくること自体、私は不見識じゃないかと思うのですが、大蔵省来ておりますか。——こういうやり方が正しいかというと、ちっとも正しくないと私は思うのだが……。これは四十四年の予算が宙ぶらりんです。四十五年度はまだ農林省の手元も離れていない。そして四十六年度また出そうというのだ。というよりは、この工事全体がいま推進しないでいるわけです。全体が一つも前進していない。漁業権の放棄の問題をめぐって争いがある。その一番肝心かなめの問題が片づかないのに、予算を組んでどんどん持っていく。これが役人のやり方だろうと私は思うのでありますが、農林大臣、去年もこの問題は申し上げました。その理屈はやめますが、現実にこの膠着した形にいるのに、こういうことを農地局でやっていること自体が、私は不見識だと思うのですよ。これはちっとも仕事は進んでいないのですよ、大臣。この問題が片づかなければ前に出ないのです。しかもちっともこの反対者に対して言うことを聞いていないのです、漁業をやりたいというのだけれども。計画はなるほど、承水路を除いて、岸一ぱいまで干拓をしようというのでありましょうが、少なくとも承水路を少し幅を広げれば漁業も可能になるかもしらぬということで、反対者は提唱したのだが、それは計画と違うからだめだということを言っておる。私は、干拓をやること自体に反対ですよ、思想的に。いまごろやるなんというのはばかばかしい話ですよ。反当百万円もかけて畑にするなら、十三年もかかって、そのときはどうなるのだと言ったら——これは去年も申し上げたから、大臣は同じだから申し上げません、局長はかわったようだけれども。そういうことに対して、ちっとも——これは何をやっているのだろうかと思う、少しも話を聞かないで。成田の空港もそのようだけれども、ゴリ押しをすれば何とかなるということで、予算だけつけていったって、これはどうにもならないのじゃないですか。計画変更の意思がありやなしやをきょうはお聞きしたいのです。そうして、こういう予算の支出は不当であるから、即刻やめろというのです。会計検査院をそのうち呼びますが、これを認めておるような会計検査院だったら、これはロボットだ。いかがですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように、地元で、玉造漁協の漁業権放棄の議決に関連をいたしまして、紛争がありますことは、御指摘のとおりでございますが、私どもは、この議決は有効な総会の議を経て議決されたものと考えておりますし、有効なものと考えております。したがいまして、先ほど来お話になっております四十四年度の補償金の支払いは無効であるということでございますので、その後お話ししましたようなことで、今日まで取り進めてまいった次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 有効なものなら、なせ予算の執行をためらっておるのですか。どんどん執行したらいいじゃないですか。執行できないでいるのじゃないですか。実質的には、四十四年度のも金融機関にとめておるじゃないですか。あなたは理屈をおっしゃるけれども、そんな理屈は通りませんよ、現実に。四十五年度の予算もいまだに検討中だということだが、検討中というのは執行ができないということです。いわゆる漁業権の放棄は有効だとあなたはおっしゃるけれども、有効か無効かはこれからきまるわけです、実際に。しかもこれは疑問があるから、あなたのほうでも押えておる。実際を言うと、漁業をやるというのだから、計画変更でもやらぬ限りは問題の解決はできない。全面的にこれは撤退する以外にはない。この干拓事業は、ゴリ押しにやれといったって問題ですよ。そう簡単にはいきませんぞ、これは。お考えを聞きましょう。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 先ほど来御答弁申し上げておるところでございますが、支払いはすでに有効に行なわれておるわけでございまして、(久保分科員「違う」と呼ぶ)その補償金が配分されておりませんのは、漁業組合内部の問題でございます。私どもとしましては、行政を執行する立場、特に工事の円滑な実施ということをはかりますために、できるだけ円満に漁業組合内部においても解決できるように、反対者に対する説得、その他万全の努力を進めておる次第でございまして、そのために先ほどのようなことに相なっておるということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 同じことを答弁したり、私も同じことを言って、ちっとも前進がないのだけれども、あなたのほうの予算がこんなふうにふん詰まりになっているのですよ。あなたは、組合員に配分できないのは内部の話だ、何かわれ関せずえんのほうで、私には関係ありませんよという言い方をちょっとしておりますが、そういうことではなおさらこの問題は解決しませんよ。解決しようとすれば、漁業をやりたい人を——農林省というところは水産のほうもやっている、漁民も対象です。だから、現実にどうでもこうでもあの干拓を計画どおりやらなきゃならぬというような大義名分はどこにもありませんよ。全面的に撤退してほしい、実際は。そういうつまらぬことはやめて、漁業できる幅のものを残してやるとかなんとか、そういう話を持っていかない限りは、問題は解決しない。そういうものを無視しながら、ゴリ押しで予算だけ取ってつけていこうなんて、これは不見識もはなはだしいですよ。あなたはそういうふうにがんばっているが、合法的でもない、何でもないですよ。あとで決算委員会までに材料をそろえてちゃんとやりますから、合法的だというなら、それなら関東農政局長が約束したことは合法的なんですか——これは間違いです、はっきり言うと。いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 いつのことか時期は忘れましたが、この前一ぺんあなたに、何年か前の話だと思いますが、この高浜入干拓で御質疑を受けました。これは、たくさんこういうケースが、同じような、つまり米を初めつくるつもりでやっておりましたのが、途中でこういう事情になりましたので転換してくれ——高浜入干拓だと覚えておりますけれども、当時いろいろお話がございまして、もう申し上げるまでもなく、おわかりのとおりに米のつもりでやっておりましたこれについて、せっかく地元の漁業者等も賛成をされて、地元の多くがこの干拓は米でなくほかのものに転換したいから、ぜひ承認してくれという御要望がありまして、そのようにいたした記憶があります。その後、ここでは首都圏の生鮮野菜等、こういうものを供給する基地としてたいへんいいところだ、こういうことでぜひやりたいと、こういう考え方であったわけであります。ここでは大型機械を入れたり、協業方式を採用したりして近代的なものをやりたいと——私は一応いい考え方であると思って採択いたしたわけでございますが、その後聞いてみますと、ただいまお話のようなことで、若干の御反対の方がまだあるようであります。先ほど農地局長が申し上げましたのは、やはり予算的には漁業の会長を相手にしておるのであるから、その会長の意思によって組合員にそれぞれいろいろな手配をすべきだというんだけれども、いわばまだもめているから、実際にあんまり進めていくなよというようなものではないかと思うのですが、そういうふうに推察いたしておるのでありますが、前々からのいきさつもありますし、よく私も初めのころ、目的を転換いたしたころ、私がこれをやっておりましたので、もう一度よく十分調査をいたしましたり、またなるべく早く解決いたすように、最善の努力をいたしていきたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 大臣からお話がありましたが、なるほど地元からそういう要望があったことは事実であります。しかし干拓になる地先で漁業を営んでおる者はみな反対なんですよ。ここを干拓すれば、ここの地先を使ってやっておる漁業者は、御承知のように漁業権というのは、こんな広い霞ケ浦全体のことでありますから、こっちのほうは、自分の船を出すところは、干拓にならぬものは、いま霞ケ浦は砂利の採取があったり汚水が入ってきたり、最近はやりの公害がどんどん出てまいりまして、その上に、結局魚価の安定ができないままに、名物であったワカサギは帆引きという緩慢な漁法でやっていたものを、最近人手の関係もありましてトロール底引きで根こそぎ取ってしまう。だから、ここで豊漁貧乏ということで資源はなくなるわ、もはやにっちもさっちもいかぬというのが今日の漁民の実態なんです。結局そこにすがりつくのに何かいい方法はないものか、降ってわいたように干拓による漁業補償でひとつ何とか食いつなごうというような非常にみじめな残念な形が今日ここにあらわれておるのです。言うならば、水産行政の貧困からきた一つの矛盾です。そうして片方は米の生産からくる矛盾、そういうものが解決しないままに、一夜に蔬菜の生産基地にするのだ、畑にするのだというが、私も、大臣もあまり専門家でないと思うのですが、ヘドロですから、こんなものを干拓して土が入った、畑のかっこうができたから作物ができるというものではありません。何年もかかって初めて作物ができるのであります。いまの価格で反当百万円かける計画です。反当百万円かけるならば蔬菜基地は、いまの米の転作、休耕のほうで、茨城県にはもっと有利な場所がたくさんあります、茨城県だけでも。私はそういう意味で、去年の予算の分科会で大臣に申し上げたのが初めてです。そのときはもうすでに時おそしで、知事が中へ入って実はこれをやったというのです。しかし私は黙ってはいられないから一言申し上げるということで話をしたのです。しかし聞いてみれば、地先の漁業者が困っておるのですよ。漁業をやりたいんですよ。真珠の養殖までやっておるのですよ。そういうところは採算が合うのです。だから、まじめな漁業者が漁業ができるようにしてやりさえすれば、消極的かもしらぬが問題は解決する。私は全面的にこれは反対ですよ。そういうものを全然示さないで、成田空港と同じように既定計画だからといってゴリ押ししていって、いけるものならこれはいってもいい。予算の執行がこんな状態で、私らこんな予算には賛成するわけにはまいりませんぞ。はっきりいって、使い道がわからぬのです。使えるかどうかわからぬものを——去年のも、ことしのも、来年のも、使えるあてのない予算を何で取ってくるか。もう少し努力したほうがいいと思うんですね、農地局は。一方的な計画でこれはやれるものではありません。念のため、この予算はインチキであるということを最後に一言申し上げて終わりにします。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 私は、私の地元の静岡・清水地区で畑地管理用水事業というのが行なわれるようでありますが、それに先立ちまして、畑地管理用水事業というものは、その目的は那辺にあって、いま全国的にこういう事業というものはどことどこでどういうふうに行なわれているかという点について、最初にお聞きいたします。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 国営土地改良事業の内容としていろいろな事業種類がございますが、畑地なり果樹園なりを対象にいたしまして、用水補給とかかんがいをやるという事業は最近クローズアップされました事業でございまして、できるだけ従来低位生産のまま放置されておりました畑地なり果樹園の生産性を上げますとともに、干ばつとか風害とかといったようなものに対する抵抗力をつけさせるという意味で事業を実施してまいっておるわけでございまして、そういう新しい方針のもとに予算を執行しておる状況でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それで全国的には、いま土地改良の一環だ、こう言われたわけでありますが、大体どれぐらいの予算で、どういうふうな形で、どういうものを目的にやられておるのですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 静岡県の静清庵土地改良地区につきましては……

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 局長、そうでなくて、それはあとで聞くから。資料には何もない。あなた、知っていることを言ってくれればいいのです。  大体、国営土地改良事業というのは全国的にどういう規模でやられておって、予算的にもどうで、それは一体どういうことを目的としているのかということなんです。  私がこういう話を申し上げるのはこういうことなんです。先ほどもちょっと出ておりましたけれども、米をつくるために干拓事業をやった、しかし干拓事業が終わるころになったら米は要らないからほかのものにしなければならないということで、結局たんぽを休耕させなければならない。ですから、農業の政策の中でいろいろな目的があると思うのです。ミカンをつくるとかあるいは野菜をつくるとかいろいろ目的があると思うのです。しかしその目的に沿って計画を進めていきますけれども、計画が達成する時点になりますと、一体そのくだものなりその蔬菜なりそういう食糧というものはどうなるのかという見通しを立ててやらないと、工事をやるのが目的じゃないわけですから、工事をやってでき上がって、でき上がった製品がやはり農家を潤していく、こういうものを見ていかないと、いま久保委員が質問しておりましたように、何でも無理にやればいいのだ、いや片方も希望しているのだということなんですけれども、農林省の立場からいえば、やはりその見通しをしっかり立ててやって、五年たてばこうなるのだ、十年たてばこうなるのだということを知らせ、だからいまこれをやることがいいのだ、こういう説明をされておると思うのですが、そういう点でまた一生懸命こういう事業をやってみたけれども、それは完成されて、相当農家の負担になったけれども、実際に何も収入に返ってこないということではいけないので、そういう点で、いま私は、総括的にこの土地改良事業のものの考え方というものについてお尋ねいたしておるわけです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 土地改良事業は、申すまでもなく農民の生産の基盤であります土地を改良、開発してまいる事業でございまして、特にその中で基幹となる分野を国営で実施しております。これは水田で申し上げますと、原則として三千ヘクタール以上の地区を国営で実施しておりまして、ダムをつくったり頭首工をつくったり、そこから水路を引っぱってくる。従来は水田が多かったわけでございますが、最近は畑地帯あるいは果樹地帯につきましても同様な考え方で、基幹的な事業を国営で実施するということに踏み切っておるわけでございまして、事業の着工にあたりましては何ぶんにも多額の経費と完成までかなりの期間を要することでございますので、各種の作物の長期計画を勘案をしつつ実施をすることにいたしております。土地改良事業全般としましては十カ年の土地改良長期計画を持っておりまして、現在の計画では昭和四十年から四十九年まで、二兆六千億の費用を投下することを予定して、いまその計画を執行中でございますが、四十六年度予算におきましては、ただいま申し上げました国営のかんがい排水事業は、大体三百億という規模で実施をすることと予定をいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 私たちが東南アジア地域やアフリカ地域、後進地域を回ってみると、よく言われることは、日本で農産品を買ってもらいたいということなんです。おくれている国ほど日本に売るものが少ないわけですね。そういう点からいくと、逆に日本の貿易の上からいえば、できるだけ重工業なりそういう機械ものを売って農産物は買いたい、こういうことが私はこれからもだんだん強くなっていくのじゃないだろうかと思うのです。たまたま昨年私ケニアに参りましたときに、ケニアからはなかなか買うものがないから、ケニアにお茶をつくらせよう。お茶をつくらすについては、金がないから、静岡県の駿河銀行からひとつ金を借りて、そして合弁会社をつくってお茶をとろうという話が出ているわけでありまして、そうすると一体日本のお茶というのはよそから持ってくるのか、あるいはいま農林省から見ればお茶も増産せよ、いいものをつくれという形になっている。片方ではなるべくそういうものは輸入しようじゃないか。ちぐはぐなような気がしてしかたがないわけです。農林省から考えれば、私は別に問題ないと思うのですけれども、通産省なり全体的な日本の貿易構造の中からものを考えていくと、この農業の問題というのはなかなかむずかしい問題だなという気が実はするわけです。そういう点が出ているので、農林省だけでものを見ているわけじゃないと思うのですけれども、全体的に日本のこれからの経済構造なり貿易構造をどうしていくかという立場からもお考えになっていると思うのですけれども、実はそういう点の問題点が私なりによくわからないので、いま前提としてお聞きしたわけです。  それでは具体的な問題として、静岡清水庵原地区の畑地管理用水事業の概況について、ちょっと御説明願いたいのですが。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 国営の土地改良事業地区でございまする静清庵地区は昭和四十六年度から事業に着手することになっております。この地区は富士川の左右両岸の駿河湾に面する丘陵地帯に、かんきつとお茶、蔬菜を栽培することを目的としております。畑地が七千四百七十ヘクタールございますが、これにかんがいをしようとするものでございます。その水源は蒲原町地先の日本軽金属株式会社の富士川第二発電所の放水路に求めておりまして、富士川の左右両岸に導水をいたしまして、スプリンクラー散水かんがいを実施することといたしております。実施計画は昭和四十六年度より着手いたしまして、五十二年度に完了することを目途に、国営事業費として百三十一億円を投下する考えを持っております。事業の完了に伴いまして、スプリンクラー散水の多目的利用によりまして、かんがい利用のみならず、各種の営農的な用水を確保して、生産性の向上なり営農の合理化に対する貢献度は非常に大きいものがあるというふうに期待をいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 四十六年から五十二年が目途だということでありますが、この国営事業なり県営事業なり団体営事業、これを総括して大体見通しはいつまでになるのでしょうか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 県営事業につきましては、四十六年から五十七年、団体営事業につきましても、同じく四十六年から五十七年という工期になっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 この国営あるいは県営あるいは団体営なり、この団体関係の負担というのはどれくらいになるのですか、それと反当たり農家負担というのはどれくらいになるか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 国営の償還金のほか団体営の負担金まで含めまして、約反当八千百円に相なります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 この生産性向上になるとかあるいは経済的効果があるといいますが、これはどういうように具体的な数字になっておるのですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 スプリンクラー散水をやりまして、これを多目的に利用することにより、病害虫の防除、施肥、寒風害、潮風害防除に貢献をいたしますほか、労働力の節減がかなり期待をされるわけでございます。したがいまして、干害時における減収の防止、それから虫害、病害等に対する減収の防止はもちろん、合理的な経営をやることによります労働力の節減の効果が非常に大きいというふうに考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 十年間かかって総事業費二百十億ですね。十年間かかって総事業費二百十億かけて、もうちょっと何か具体的にこういう利益があるなどということはわからないのですか。それはいままで水をかけるのにこうやっておったのが、機械でこうなるのだということはわかるのですけれども、もっと具体的に、いまの収入からいってどういう利益になるのか、そういう点はどうなんですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この地域全体といたしまして、作物関係の収穫の増加あるいは減収の防止等によります純益の増加見込み額は十九億円余りに相なっておりまして、労力節減効果が三千八百万円、維持管理の合理化による効果が四億八千万円というようなことで、それぞれ各分野にわたって同様の計算が示されております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 いまの十九億とかあるいは三千八百万とかいうのは、これはどういうふうに計算してどういうようになるのですか。このことは、やはりこれをやればはね返って農家が利益になるのだということを納得させなければいけないわけですね。あるいはこの人たちが承知をして、それは県なり国にお願いをしておるといいましても、一軒一軒の農家から見るならば、こんな負担をして一体だいじょうぶだろうか、こういうことなんですね。ましてやあの辺は小規模な農家が多いわけですから、そういう点でもうちょっと詳しく御説明願いたいのです。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 ただいま手元に詳しい資料を持っておりませんので数字的に申し上げかねますが、この静岡、清水、庵原のごときミカンの旧産地と申しますか、古い産地につきましては、最近進出をしてまいっております新産地の新しい経営の方式に押されて、経営上もいろいろと問題を生じておりますが、この事業をやることによりまして、経営を合理化するのみならず、スプリンクラーかんがい等によって労力が非常に節減されるということで、二月一戸の農家の増収と労力の節減ということが具体的な効果として考えられるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それからこの用水というのは、大体一年にどれくらい使う用水なんですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 この地域で消費いたします水量は年間六千七百五十万トンでございますが、この工事による水源に依存します量が五千五百八十万トンでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 これは一年間にどれくらい使うものなんですか。幾日くらい使うものなんですか、そういう点はどうなんですか。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 私、技術の専門家でございませんので、どの程度使うか正確に申し上げることできませんが、使い方として、一つは、干ばつのときにスプリンクラーを動かしてかんがいをするのが一つ、それから農薬の散布のためにこのスプリンクラーを使う。さらに肥料の散布といったようなことにも使うということで非常に多面的に使われておりますので、かなりな日数が使われるはずでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 あまりこまかくなりますから、あとで別の機会に少し御説明をしていただくことにして、それでこれが十年後にこうなるというわけでありますけれども、ミカンなりお茶なりというものは、見通しからいってどういうことになるのですか。量なりあるいは値段なり、そういう点についていかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 専門家のほうから……。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ミカンにつきましては、実は私のほうで果樹農業振興法というのがございまして、それに基づきまして果樹農業振興計画というものを実は樹立いたしているわけでございます。それが昭和三十九年を基準年次といたしまして、五十一年を目標といたしまして一応、ミカンのあれを立てておりますが、現在は四十六年に入っておりますので、ちょうど中間に入りまして、ことし中に計画の改定を行ないたいと思っておりますが、一応ただいまあります五十一年の目標を申し上げますと、ミカンにつきましては数量といたしまして、いわゆる温州ミカンでございますが、大体国内の生産は、多少これは変動係数がございますが、二百三十六万七千トンから三百七十万八千トンあたりを実は目標としているわけでございます。これに対しまして四十五年度の実績は、まだ最終的にはきまっておりませんが、温州ミカンが二百四十万トンくらいと思っておりますので、まだ将来の需要は相当期待されるのではなかろうか。  それから価格につきましては、これはどうも将来のことでありますからどの程度上がるかどうかは実は私のほうもはっきりしたこと、断定的なことは申しかねますが、最近までのミカンの価格の推移を申し上げますと、一応四十年を基礎にいたしますと、卸売り市場価格でございますが、キログラム当たり八十円だったのが四十一年に八十三円、四十二年は八十円、四十三年にちょっと豊作で七十円に下がりましたが、四十四年は八十九円と再び上がってまいりまして、四十五年には、ただいまその計数整備中でございますが、百二円というふうに相当価格も上がってきておりまして、ただいまのわれわれの見通しでは国内における需要はまだ相田強い、こういう理解をしている次第でございます。  それからお茶につきましては、国内で生産いたしておりますのが一応栽培面積といたしましては、一部推定も入りますが、四十五年で大体五万一千六百ヘクタールでございまして、大体そのうち静岡分が約二万ヘクタール、こういうふうに理解しております。生産量としましては荒茶で約九万九百トンというのが四十五年における生産のおおむねの見込みでございます。  これに対しまして、最近農林省で出しました長期見通しというものに基づきまして、現在の段階ではお茶の五十二年の見通しを、非常に反収が上がってきておりますので、五万一千か二千前後をねらって指導しているような次第でございます。これに対しましてお茶は実は自由化されておりまして、ただいま御指摘のように年々輸入量がふえてきておりますが、われわれの見たところ日本産のいわゆるああいう緑茶用のいいお茶ができておりませんで、大体紅茶系統のアッサムとかダージリンとか、こういった紅茶系統で外地で緑茶がつくられておりますので、日本に入りましても増量用といいますか、あるいは非常な下級茶として国内に流通しておりまして、現在の段階ではまだ相当国内におけるお茶に対する需要は強いのではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 農林省から言われたことの反対をやればもうかるし、言われたとおりにやれば損をするというのがよく農家で言われるわけです。いまもたとえば四十三年はキロ七十円、これは豊作だった。そして四十四年に八十九円になって、いま百二円だ、こう言われるわけであります。やはり量の問題もありますけれども、価格の問題もあるわけです。ですから量だけつくれつくれといっても、価格の問題もある程度めどをつけるやり方をしてやらないと、野菜の今日の状態と同じようなもので、私はたいへんむずかしい問題だと思うのです。やはりそのために農林省があっていろいろ指導しているんでしょうけれども、指導しているけれどもなかなか何を見てもうまくいかないということですから、私はいまこの計画を見てみますと、これは五十七年くらいを一応の全部の完成として見ているわけです。そういう中で相当多額の国なり、県なりあるいは個人的な負担をかけていくわけでございますから、もうちょっとミカンの見通しにしても十分な見通しというものをしっかり立ててもらいたいと思うのです。そのことはどういうことを言うかといいますと、私はよく話をするのですけれども、静岡県あたりでは、九州のほうに台風がくれば静岡県のミカンは上がる、台風待ちだ。だから台風がこない年というのはなかなかたいへんだということやら、あるいは最近のミカンですと東京は暮れに入ってくるミカンは西のものが多くなって、貯蔵は大体静岡県のミカンが最近はいいとされてまいりました。一つの区分けといいますか、産地によるいろいろな品質の問題が出てきたわけでありますけれども、そういう点からもミカンの見通しでも、やはり作付も大事です、最も大事です、しかし安定をした値段というようなものをこの際果樹についても考えていく方向というのは無理かもしれませんけれども、やはり安定するものというものの考え方は何かないでしょうかね。いかがでしょうか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 果樹につきましては、その作物が永年作物であります関係で、一たん植えますと早いものでも二十五年、長いものは五十年以上の寿命がありますので、やはり基本的には計画的な植栽を推し進める必要があるのではないか。したがいまして、果樹につきまして果樹農業基本方針に基づきまして長期計画をつくりまして、十年後の消費の動向というものに見合って植栽を行なうという線で私たち指導している次第でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、それぞれのくだものにつきまして長期見通しを立てて需給を合わしていくならば、多少の年々の豊凶差による価格変動はありましても、長期的には需給バランスが合えば価格はおのずから安定するんじゃなかろうかということで、不当な増産あるいは過小生産ということのないようにつとめて生産指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それじゃ最後に、結局今日のミカン農家にいたしましても、農道の整備とかあるいは共選所の設置というような形でいろいろ手持ち資金が使われているわけです。ですからやはりこれからこういう大きな事業をやる場合に、なお負担についてできるだけ軽くしてくれという希望のあるのは当然だと思うし、また、こういう事業そのものはぜひやりたいという希望を持っているのも当然なことであるわけでありまして、そういう点からひとつ事業の内容についてもできるだけ効果のあがるように促進をしてもらうと同時に、できるだけ農家負担というものが少なくなるようにしていただきたい、こう要望いたします。  それから、先ほどいろいろこまかいお話を聞きましたので、むずかしく、おわかりにならなかったと思いますけれども、局長のほうで、この経済的な効果等々についての資料は後ほど私のほうにいただきたいと思います。  以上で終わります。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 古寺宏君。

古寺宏公明党

○古寺分科員 青森県の八戸あるいは三陸沖のイカの漁獲量が年々減少をいたしまして、さらに毎年秋にはサバのまき網の影響によりまして、イカ・サバ紛争というのがいろいろ起きております。零細なイカの漁業者を保護するために、現在北海道の東部では、夜間操業あるいは隻数の制限あるいは操業水域を区分する等、具体的な方法で紛争の解決をはかっておりますが、今年の六月に協定が改められることになっておりますが、このイカ・サバ紛争について水産庁として、また農林大臣はどういうふうにお考えになっているか承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 八戸沖の漁場は、いまお話しのイカ釣り漁業それからサバ釣り漁業それからサバまき網漁業といろいろございますので、そういう重なり合って操業いたしております関係で、ここ数年来漁場の競合をめぐりましていろいろな問題があるようであります。  こういうようにいろいろな種類の漁業が入りまじって操業をいたします地域では、その性格上、完全にこの競合を防止するというのはなかなかむずかしいことでございますが、水産庁が指導調整に当たりまして、関係の三者間で操業協定を結びまして紛争の未然防止につとめておるわけでありますが、今後も従来の実情を十分検討の上に、関係業者間の話し合いを中心として円満な操業が実施できますように、なお指導してまいりたいと思っております。

古寺宏公明党

○古寺分科員 サバのほうは大臣の守備範囲になるわけです。イカのほうは県のほう、県知事さんのほうの関係になるわけですが、どうしても大臣のほうが強くてイカのほうはどうもいじめられてばかりいる、こういうように承っているわけでございますが、大臣が許可をするわけですから、当然サバの関係についてはこれは大臣の裁量によって制限ができると私は思うわけです。御承知のように、サバまき網というのは二千メートルもある大きな網でまきます。また協定の水域にいたしましても、非常に限定された海域で操業しなければならない。当然考えられることは、現在の許可の隻数でいきますと、その海域ではとうてい操業することが不可能なぐらいサバの操業が許可になっているわけです。こういうことでは、どこまでいってもこの紛争は絶えないと思いますので、そういう隻数の制限、あるいはサバのほうは夜間操業しなくても操業ができるわけです。イカのほうは夜でないととれないわけです。そういう面で、今後そういう規制を大臣は考えているかどうか、その点を承りたいわけでございます。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 お話でございますけれども、八戸沖のイカとサバとの関係では、私たちもずいぶんサバのほうに無理を言ってまとめておる事情がございます。昨年特に問題が起こりましたのは、サバとイカとの協定が、大体十一月を対象として協定をいたしておりましたのが、昨年は各所においてイカが不漁でございました関係で、イカ釣りが九月、十月から八戸沖に参りまして、そこで競合が深刻になったわけでございますが、私ども水産庁からも専門家を派遣いたしまして、両者を何回か話し合いをさせて、まずまず円満といっていい程度まで調整をいたしたわけでございます。サバのまき網の大臣許可につきましては、やがて一斉更新の時期にも当たりますから、その隻数が妥当であるかどうかということは検討をいたしますけれども、まずはその隻数の問題よりは、むしろ現実にただいまやっておりますように二日ずつ地域を分けて操業をする、そういうことで両者の調整ができるのではないか。お話しのように、ことしまた協定の更改期でございますから、いままでの経験も生かして、また私どもも必要ならば係官を現地に派遣して、両者の調整に当たるつもりでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 この許可の一斉更新の場合に特にお願いしたいのは、許可についてはいろいろな問題があるようでございます。ですからこういう点をよく考慮して許可をしていただきたいと思います。  時間がないので前に進みますが、これは昨年の国会の際にもお願い申し上げたのでございますが、イカの船はみんな老朽化して、近代化するのに非常にお金がかかって困る、こういうわけで昨年水産庁長官に、中小漁業振興特別融資制度というものをイカ漁業にも拡大してもらいたい、こういうことをお願い申し上げました。そういたしましたところが長官は、検討して来年は間に合うというような、そういう御意向の答弁を私は承ったように思うわけです。非常に期待をしておったのでございますが、残念ながらまだこれが実現しておりません。こういう点について今後どういうふうになさるおつもりなのか、きょうは大臣もいらっしゃいますので、これは大臣からひとつ承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 大臣がお答えいたします前に私から申し上げます。  イカ釣り船、特に八戸付近のイカ釣り船は、労力が十分あるからというわけではございませんでしょうけれども、日本のイカ釣り船の中でも相当近代化がおくれておる部分でございます。私ども基本的にはやはり労力不足という状況を克服しなければいけないわけでございますので、四十二年から四十五年まで水産庁でイカ釣り漁業の近代化についての研究会を設けまして、学識経験者を集めて相当討議をいたしたわけです。その結果でございますが、大体最初は手釣りでありましたのが手繰りの釣りになりまして、それから現在では機械を用いた釣りが相当広く広がりつつあるわけでございますし、またイカをあげました場合のコンベア施設も相当漁船に設備されるようになったわけでございますけれども、八戸ではなかなかまだそこまでいっておらない状況があるわけでございます。中小漁業の振興法に入れるかどうかというよりも、私どもはまず漁業近代化資金で対応するのが一番近道ではないか。しかも漁業近代化資金は四十四年に創設されまして、四十四年は百億でございましたが、四十五年二百五十億、四十六年三百五十億というふうに予定をいたしておりまして、十分イカ釣り船の近代化に対応できる資金の手当てをいたしておるわけでございまして、県当局ともよく意思の疎通をはかりまして、まず漁業近代化資金を使ってイカ釣り船の近代化をやろうというつもりで現在おるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 漁業近代化資金というのはございますが、イカ釣り船の場合にはしばしば借り入れが困難なのですね。いろいろな隘路がございます。そのために中小漁業振興特別融資制度というものの中にイカ漁船も加えてもらいたい、こういうことはかねがねイカ釣りをやっている方々から御要望があったはずでございますけれども、これは近代化資金の融資制度ももちろんでございますが、こういう制度の中になぜ入れてくれないのか。その点を承りたいと思うのです。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 中小漁業振興近代化資金で現在やっておりますのはカツオ・マグロ漁業以下相当トン数の大きいもので、しかも会社の合併等を含みまして近代化計画に即して事業をやっておるわけでございまして、イカ釣り船をそこまで持っていくことはなかなかまだ困難ではないか。まずそれよりも漁業近代化資金を使って少しでも前進させていったほうが私は実情に沿うのではないかというふうに考えます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 どうも納得できないのですが、やはりイカ釣り漁業に対してはどうも冷たいというふうにしか考えられないのでございます。今後そういう点についてはよく実態を調査して、十分に前向きの姿勢で検討していただきたい、こういうふうに御要望申し上げておきます。  それから、最近三陸沖あるいは北海道の沿岸にソ連の漁船が出現をしていろいろと被害が生じている、こういうことで昨日も北海道の方がお見えになったのですが、こういう問題については水産庁としてはどういうふうに対処していらっしゃるのでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 ソ連の船が最近北海道、福島、千葉の沖合いに相当参っておるわけでございます。これは公海における漁業でございますから、それ自体は私どもそう強くは先方に対して言うことはできないわけでございますが、ときによりまして漁具を破損するという事件がございます。昨年の秋からただいままでにかけて数件、北海道、福島あるいは千葉等から報告がございます。それほど大きな被害ということではございませんけれども、最近は千葉県の沖でタコつぼのブイが数個破損したということが報告されておるわけでございます。外務省当局とよく協議をいたしまして、日本の近海に近接して漁業をする場合に、日本の沿岸漁業の漁具等について十分注意を払ってもらうようにソ連当局と話し合いをするつもりでおるわけであります。

古寺宏公明党

○古寺分科員 それではまだ実際にはそういう話し合いというものは行なっていないわけですね。  それからもう一つあわせてお願いしたいのは、そういう問題の補償でございますね。これは一体どこで補償してくれるのですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 これは法律上の問題といたしますと国と国との関係ではなくて、ソ連の漁船、国営のものでございますが、それと日本の漁業者のいわば民法的な損害賠償関係になるわけでございます。私どもそれをソ連に言う場合も、民間の損害賠償の請求を取り次ぐという関係になるわけでございまして、いきなり外国に対して損失補償の要求をするという関係ではございません。現在外務省とこの問題について協議中でございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 そうしますと、この被害を受けた人はどうやって補償していただくわけですか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 実は従来も船その他について相当な損害を受けた漁民がございまして、それでソ連に対して損害賠償の請求をした事例はございます。それを私のほうから外務省に話して、外務省の出先からソ連の政府に通告といいますか、申し入れをした経緯がございます。したがいまして、事は民事関係でございますけれども、日本の漁民なり漁協なりがいきなりソ連の国に対して損害賠償の請求をするということは実際問題としてなかなか困難でございますから、事態がはっきり見きわめがつきますれば、私ども外務省と相談して、その申達といいますか、ソ連に対する申し入れのお役には立つつもりでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 そういう被害が生じないように、やはり水産庁自体がもっと積極的にこの問題と取り組んでいくべきだと思うのですが、被害が起きてもなかなか思うように補償問題は解決つかない、そういう場合に、水産庁としてこれはある程度考えていかなければいけないのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 私ども漁業共済をやっておりますから、漁業共済に乗るものにつきましては当然そちらでの損失の補償があるわけでございますが、実はこの問題はなかなか現地での調査その他がむずかしい事情がございまして、確かにソ連船が損害を与えたという確証がなかなかつかみにくい場合が多いわけでございます。ソ連当局に申し入れる場合にも、確かにソ連がやったということの確証を得た上でなければ行動を起こすことができませんので、被害の報告がございますときには、県庁を通じまして詳細な報告をとって、その上で処置するというふうにいたしておるわけでございます。

古寺宏公明党

○古寺分科員 確証が得られないからなかなかめんどうである、まことに無責任だと思うのでございまして、確証が得られるような体制をやはり水産庁としては考えるべきじゃないか、こう思うわけです。事故が発生してしまっても確証がないからどうしようもないのだ、こういうことでは、被害を受けた漁民のほうはどうしようもございません。かわいそうな立場になってしまうわけです。非常に水産庁はこういう問題に対しては消極的である、こういうふうに昨日も訴えられましたけれども、今後この問題についてはもっと積極的に取り組んでいただきたい、こう思うわけです。  時間がありませんから前に進みますが、次に、わが国の国民の食糧確保という立場から、沿岸漁業の振興ということは前からいろいろと叫ばれているわけでございますが、第四次漁港整備計画というのが二千三百億ですか、これでいま行なわれているわけでございますが、二千百億円を消化したにもかかわらず、当初計画に対してまだ四五%しか進んでいない、こういうことがいわれているわけでございます。特に青森県の場合には、第一次、第二次、第三次を通して、全国平均から見た場合には、非常に格差が大きいわけです。青森県の沿岸漁民の年間所得を見ますというと十八万円ぐらいなんですね。これではとても生活ができないために、出かせぎを余儀なくされるというような実情でございますけれども、こういう面について、非常に大きな格差を今後どういうふうにして水産庁は解決していくお考えであるかをお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 漁港の整備につきましては、四十四年度に第六十一国会で御承認を受けました第四次漁港整備計画によりまして、鋭意その促進をはかっておるわけでありますが、いまお話しの青森県の漁港の整備につきましても、この地方の漁業の実態、地域の特性、地元の御意向等を十分勘案いたしまして計画を策定いたしておりますし、この計画に基づいて整備をはかっておるのでありますが、今後も諸般のそういう事情を十分考慮して整備の促進をはかってまいりたいと思います。漁港整備事業の実施状況を見ておりますると、全国平均から見ますと、青森県は若干平均より上になっておるようでございますが、とにかくいま申し上げましたように、漁港については四十六年度予算でも私どもあとう限りの努力をいたして、予算の獲得に努力をいたした次第であります。

古寺宏公明党

○古寺分科員 第四次整備計画では全国平均よりちょっと低いです。ところが第三次までの格差というのは、もう大体二十年近くおくれております。青森県へ行きますと、全然手を加えられない漁港というのはたくさんあるのですよ。もう防波堤もなければ何にもない、そういう漁村というのはたくさんございます。そういうところは、漁港さえあれば漁業を営んでいけるわけなのです。ところがそういう港がないために、ちょっと海がしけますというと操業ができない、そういうふうに非常に恵まれない地域が青森県には多いわけです。私もこの第一次からずっと第四次までの全国のいままでの予算その他を調べました。そうしましたら、どう見ても青森県の漁港というのはいままでの進捗状態と現実と合っているわけですね。そういう面で今後の格差を一体——これから第四次が終わって第五次ももう間もなく始まると思いますが、そういう面でどういうふうにして格差というものを是正していくのか、全国平均まで持っていくのか、それをひとつ長官から承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 第四次整備計画に関します限り、いま大臣から申し上げましたように、四十四年、四十五年と二年実績で見ますと、四十五年度で、全国が二六・六の進度率に対しまして、青森県の修築事業は二六・九でございます。前年度の四十四年では、全国が一一・七に対して青森県が一一・六でございますけれども、四十五年で相当取り戻してきたのです。昔非常におくれていたからといって、そう一気に一年で取り戻すということはなかなかむずかしわけでございますけれども、全国ながめて不公平のないようにいたしますことが行政でございますから、青森の実態もよく見まして、四十六年、四十七年という漁港修築計画の国費の配分についても、青森の実態に合わして十分配慮してまいるつもりであります。

古寺宏公明党

○古寺分科員 よく食糧確保とか、そういうために沿岸漁業の振興ということをおっしゃっているのですが、御承知のように公害で沿岸漁業が非常に限定されてきております。そういう場合に、青森県のようなところは漁港を整備することによって、水産庁がいつもおっしゃっているところの食糧確保のためには絶対なくてはならぬ要件を備えていると思うのですね。そういう面からいって、実際に合った、国民の生活に直結したいわゆる漁港整備計画というものが私は必要なのじゃないかと思うのです。私がいまその格差を指摘したために、三〇%おくれているので、じゃこれを毎年〇・五%ずつ追っかけて格差を是正しましょう、こういうような意味に受け取れたのですが、そういうのじゃなくて、やはり実際に即した整備計画というものが必要じゃないか、こういうふうに私は考えますので、そういうふうに実態に即した整備計画というものを今後打ち出していただきたいと思うわけです。  それから、時間がございませんのであれですが、今度三沢で基地の従業員が大量に解雇されまして、三沢市としては漁港計画があるようでございます。これについては県が単独でもやるということをお話ししているようでございますが、水産庁としてはどういうふうにお考えになっているか、承りたいと思います。

大和田啓気水産庁長官

○大和田政府委員 三沢漁港の問題につきましては、私ども県から連絡を受けておるわけです。ただ三沢という地点の自然的な条件がはたして漁港の施設に向くかどうかという問題がございますので、なお私どもも十分技術的に検討した上で、必要があれば漁港の指定もいたし、また修築事業なり改修事業なりをやっていく。いますぐこれを取り上げてどうこうするということよりも、なお相当な準備が要るのではないか、あそこのはまさに自然的な条件が問題であると思います。

古寺宏公明党

○古寺分科員 青森県の指定漁港を見ましても、非常にその数が少ないのですね。これは青森県は三面海でございます。至るところに漁港の適地があるわけでございますね。青森市を見ましても、沿岸に奥内であるとか後潟であるとか、そういう、市内にもございますし、いろいろございます。さらにはまた、いままでの修築された漁港を見ても、もう浅くて使えないとか、狭くてどうにもならぬというような問題がたくさんあるわけです。三沢の問題も、ぜひひとつ一日も早く指定をして、漁港の修築をして三沢の漁業の問題の解決をはかっていただきたいと思います。  最後に、農林大臣は農業の問題で、農村に行かれればおわかりでございますが、みんな出かせぎをしなければならないというような実情でございます。さらにまた、いま申し上げましたように、イカ漁業にいたしましてもあるいは沿岸漁業にいたしましても、青森県の場合は所得がわずかに十八万円でございます。こういう漁民の方々あるいは半農半漁ですか、こういう立場にあるいわゆる農村漁村の人たちをやはり国民の生活水準まで高めるためには、どうしてももっと積極的な施策というものが私は必要ではないか、こう思うわけです。そこで東北には特にこういう農村漁村が多いわけでございますが、大臣がそういう人たちの今後の生活を考えた上で、沿岸漁業の振興あるいは水産業の振興、漁港の整備についてどういうふうに決意をなさっているのかお聞かせを願って、私の質問を終わらしていただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 農業も漁業もそうでございますが、やはり地方にはお説のように零細な漁業家がおります。そういうようなことを私ども考慮いたしましても、それからまた漁業全体から見ましても、これから先わが国はなかなか漁業に関してはむずかしい問題がたくさんあると思います。しかし、先ほど来お話のありましたような漁港の整備ということにつきましては、十分とはいえませんが、四十六年度予算にはかなり全国の漁港についてわれわれとしてはできるだけの予算を用意いたしたつもりでありますが、さらにまたこれらの地域の地域的開発も考慮いたさなければならぬ。そのためにはやはり道路網の整備もしなければならないだろうと思っております。一口に申しますと、零細なこういう沿岸の漁業というのは、しかし魚全体の中の貢献度というのはかなり大きいのでありますから、われわれはやはり漁港の整備はもちろんのこと沿岸について特段の努力を続けてまいらなければならない、このように考えておるわけであります。

古寺宏公明党

○古寺分科員 終わります。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)分科員 私、四十五年度を初年度にして大規模林業圏の開発、これについて昨年もたしか分科会でお尋ねしたと思いますが、二年を限度にして調査に入る、そういうふうに承知しているのですが、四十五年度に調査に入られた地点はどこどこでしょうか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 四十五年度調査に入りましたのが全国三カ所で、北上山地、中国山地、これは島根、広島、岡山、鳥取、それから四国西南山地、以上三カ所でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 本年もまた何カ所か入られるということを聞いておりますが……。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 本年度の予定、いまあげておりますのが最上会津山地、飛騨山地、祖母椎葉五木山地、これは北海道開発庁の計上でございますが、北海道の日高山地、この四カ所でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 本年のこの調査の予算はどれくらいになりますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 四十五年度は千九百万でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 新年度はどうでしょう。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 新年度は二千九百五十万でございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 調査されて一年、大かた終わるわけですが、前記三カ所、特に私関係の深いのは四国西南地域でございますが、調査された大体の中間の状況がおわかりでしたら……。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 調査は県に委託をいたしておりまして、林野庁も指導参加はいたしますが、主として県に調査していただくということで、まだ調査の結果があがってまいっておりません。詳細はまだ聞いておりません。

中野明公明党

○中野(明)分科員 大体二年をめどにして調査が完了する、こういうことに当初の計画を聞いておりますが、私がいまさら申し上げるまでもございません、木材というものは非常に需要がふえてまいりまして、外材の輸入というのは年々増加の一途をたどっております。そういう現状で、ぜひ調査の結果を早く掌握されて、せっかくの大規模林業圏を開発しようというわけで乗り出されているわけですから、早急に造林計画を実施に移してもらいたい、これが私どもの考えであります。これは実施のために調査をなさるのですから当然のことだろうと思いますけれども、いたずらに調査に時間をかけるよりも、大体地元に営林局があるわけですから、そういう現状から、地域をいま示されたように何カ所か指定して調査に当たっておられるわけですから当然だろうと思うのですが、この調査が終わりました時点で直ちに計画を実施に移されるのかという点でございますが、この事業の内容ということについてはどの程度までいま構想を持っておられますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 いま申し上げました地帯は、大部分がかつては薪炭林地帯で、人工造林も林道も非常におくれておるという地帯でございます。しかも広大であるということで、そういった地帯は、いままで造林にしても林道にしても実施はいたしておりますがなかなか思うように進みません。そこで、そういったものを中心といたしまして、あと酪農に利用できるところもありましょうし、また観光的な利用をするところもありましょうし、そういったほかの事業どの調整をはかりながら、主として林業的な開発利用をどのように考えたらいいか。従来実施しておるのでございますが、造林は造林、林道は林道、とかく個別に、総合性が欠けておったという点もございまして、今後そういったおくれた地帯を早く開発を進めるためには総合調整をしながらどんなふうな方法でやったらいいのかということで、調査の結果を待ちまして実施体制その他検討をしなければいけない、このように存じます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 森林を開発するにしましても、林道というものが基本になることは私もよくわかりますが、特に四国の西南地域、この方面は、御承知だと思いますけれども民有林が非常にたくさんあるわけです。そして立地条件としましても、高温多湿ですから、木材を育てるには条件としては最適のところと私も考えておりますが、ここの民有林を対象にして造林をするという上について、なかなか民間では資金がないので造林をよう踏み切らないという現状であります。この造林計画ということについて、どの程度までお考えになっておりますか。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 民有林の造林計画でございますが、いまこれは、森林資源に関する基本計画、それから出ておりますところの全国森林計画、また各県で編成をいたします地域森林計画、そういうものに従いまして計画を一応立てておるわけであります。いま先生御指摘のとおり、確かにこの地帯は立地的には恵まれておるのにかかわらず、資金がないために、いままで薪炭で生業を立てておった地域が非常に立ちおくれておる。そういうところをどんなふうにして開発したらいいか、いま林野庁の関係いたします公共三事業、造林、林道、そのほか畜産事業でございますが、そういう事業がございますが、そうい事業を従来投入してまいりましたけれども、そういったものを効果的に計画的に総合して投入する計画をこの調査で見当をつけたいということでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 大臣も大体お聞きいただいていると思いますが、この調査は大体二年を区切って調査なさるということなんですが、初年度始めたところは四十六年度で一応調査が終わるわけですが、調査の終わった時点で、実施できるところはどんどん事業を実施をしていく、そういうお考えであるかどうか。これは、私このように急がしく申し上げるのは、御承知のとおり材木というのは、ことし植えたからといってすぐとれるものではありません、大きくなるものではありませんので、ぐずぐずしておれば幾らでも、それだけ成木になるのがおくれる、こういう現状であります。同時に、いま公害問題がやかましくなってまいりまして、新建材の事故が、全国各地で火災が非常に発生して痛ましい事故も起こっておりますし、同時に建材だけではなくして、机とか家具に至るまで、ずいぶん木材を使わない新しい製品が出てまいりました。それがこれから先大きく制約を受けるのではなかろうか。火災の発生、それから起こる被害の状態などを見まして、相当これは大きな問題になってくるように私どもも考えております。そうなりますと、いまでさえ逼迫している木材がますます逼迫してくることは考えられることでありますので、そういう方面から考えまして、この計画というのは画期的な計画でありますので、ぜひ実施に踏み切っていただきたい。私はこのことについて強い要望を持っているわけです。その点について大臣の決意をお聞かせ願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 従来も農林省はそうでございましたけれども、昭和四十五年度の予算、四十六年度の予算をごらんいただきましても、私どもが林道、造林の予算を、いままでの傾向から見れば画期的に増額いたしておりますのは、やはり先ほど来お話のございましたような森林政策の重要性を考えておるからでございまして、いま林野庁は全国的にいろいろな調査をしておりますが、先ほど来お話のありましたような地方につきましても、調査が済みましたならば、なるべすみやかに実現してまいるように予算的にも努力をしてまいりたい、こう思うものでございます。

中野明公明党

○中野(明)分科員 四十六年度で一応四十五年度から始まったところは終わるわけですから、願わくは四十七年からでも直ちに事業を実施できるような、そういう努力をぜひお願いしたい。これは画期的な事業でありますので、相当隘路もあると私も思いますけれども、いずれにしましても、いま申し上げているような諸般の事情から考えて、日本の国土の状態から見ましてもやはり山というのが大半であります。そういうことから、治山治水の上からも自然を守る上からも、ぜひこれは実施に踏み切っていただくべき画期的な事業である、私たちはこのように考えております。  それで、この際、ちょっと一点だけ大臣の見解をお聞きしておきたいと思うのですが、国有林の特別会計というのは、私の考えなんですが、地元でそれぞれ国有林とか森林をたくさん——特に国有林ですが、国有林がたくさんある県は、それだけ全国的に見ましてすべての面でおくれております。おくれているということは、山があるためにそのところは開発できない、地形的にそういう立地条件になっております。国有林ということでありますから、これは地元に全然関係がないといいながらも、山で火事があったり、あるいはいろいろなことがあると、地元としてはほっておくわけにいかないということで、直接的よりも間接的にやはり山の木を育てることにいろいろと関与しているわけであります。ところが、その国有林からあがった収益というものは結局ストレートで特別会計に入ってしまう、こういう仕組みになっていると私は思います。幾分は地元にもおろしておると思いますけれども、それを何か、地元でそれだけの木材が産出されるわけですから、それについて収益の幾らかを地元に還元するといいますか、そういうような制度、そういうふうなものの考え方、これは間違いだろうか。私ちょっと考えてみまして、ほんとうに山の多い過疎地域、郡部の地方は、結局山があるために都市の開発もできないし、産業も興らない。ただ、そこでとれるのは山の木だけである。その山からとれた木材の収益はストレートで国有林特別会計に行ってしまう。そういう点になりますと、地元としては非常に不利じゃないか。だから幾分その収益を地元に還元するというような制度あるいは法律改正といいますか、そういうことを考えられないものだろうか。そして、それを地元の地域の開発なり産業の振興に回していくというような、そういうものの考え方、この点について大臣の御意見はどうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 先ほど来お話のありましたように、大体全国の面積でいって六八%くらいが森林関係だと思います。わが国の従来の美しさというものは、やはりそういうものが非常に貢献しているのではないかと思っております。しかるにそれの経営が黒字でなくなるというふうなことは、私は、国の仕事ではありますけれども、やはり十分に再検討すべき点が多々あるのではないかと思います。結局、長い時間でやはり事情の変化もありますけれども、時代の変転に伴って労働力は少なくなるし、経営もうまくいかなくなることもあったでありましょうが、これから私ども林野庁といたしましては、先祖から国が引き継いでおりますこういう国の財産を、緑を保護し、国土を保護するという目的を果たしながら、経営としてもちゃんとしたものにやれるように、労働対策その他十分にやっていかなければならぬと思います。民有林と国有林で、それぞれいろいろ地方の利益に均てんする度合いが違うかもしれませんが、民有林も大事なものでありますから、先ほどお話のありましたような林道網等について力を入れるわけでありますが、国有林でもやはり私どもは、これから選択的拡大の一品目であります畜産、酪農等も、いますでに全国で何カ所か試みにやっております放牧による肉牛の畜産などは、やはり林の中で成功いたしております。それからまた自然林であるとか、そのほかに国が持っております森林を、下品でなく上品に活用しながら国民のレクリエーションの場に供するというふうなことをしながら、そして国民に森林を楽しんで、山を楽しんでいただきながら、やはりその土地が経済的に潤うようなことも考えられます。外国を御旅行になりまして、そういう点でいろんなことをお気づきだろうと思いますが、やはりその他製材もありますし、その製材から出てきますいろんな産業も、国有林があることによって地元はかなり潤うのでありますから、ストレートに国有林のある地域に対して返還というか、そういうことは、国の財産でありますので、ちょっと不可能だと思いますが、私どもといたしましては、国民全体が経済的にも精神的にもこういう国の持っている財産を巧妙に使うことによって、いろいろな意味で裨益するところが多いようにつとめるべきではないか、このように考えているわけであります。

中野明公明党

○中野(明)分科員 これはいろいろ議論があるところでありますので、この程度にとどめさせていただきたいと思いますが、私の申し上げたいのは、そういう素朴な発想から出ている意見であります。結局、山があるから立地条件が悪い、国有林ある、そのために地域の開発が、理屈といえば理屈かもしれませんが進まない、都会地と比べて非常に立地条件が悪く、経済的にもおくれる、そこから国有林として相当の収益がストレートで国有林特別会計のほうへいってしまう、そういうことから出た発想でありまして、将来の課題として私ももう少し検討し、勉強してみたいと思っております。  それで、時間がありませんので最後にもう一点だけ。  道路というのは、昔は山と川の間にありましたが、最近は技術も発達しまして、おもにスカイラインということが非常に効果的だといわれるようになってまいりましたし、事実私どももあらゆる面から考えて、危険の度合いあるいは距離の長短、そういうことを考えますとやはりスカイラインがいい、こういうふうに感じておりますが、御承知の四国山脈の上を横断というのですか縦断というのですか、スカイラインで結べば非常に連絡が四国としてもスムーズに進むのじゃないかという気がいたします。そこでこの機会にお尋ねしておきたいのですが、国有林の開発を目的としてかなり計画されて、実施面にも移されていると思うのですが、四国の山中に剣山と石鎚と、国定公園が二つあります。この剣山並びに石鎚の国定公園を含めまして国有林が相当ありますが、これに対してスカイラインの建設というのが、かなり計画は進んでいるように聞いております。そういうことを中心にして、将来四国山脈を、ずっと稜線だけを走っていくようなそういう林道開発計画、これをぜひ推し進めていただきたい、このように思っていまお尋ねしているわけですが、さしあたってこの剣山と石鎚の国定公園のいまの国有林を結ぶ林道の開発、これの実施状況というのですか、それを長官のほうからお聞かせ願いたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本(守)政府委員 いま西のほうの石鎚山、これに向かって愛媛県への有料道路が完成をいたしております。その延長と申しますか、分岐をして山岳稜線ライン、林道を開発する、これは稜線を通ることによりまして両側の森林開発に利用できるということ。また一方剣山のほうも、これも国有林がございますので、国有林の関係しますところは国有林野事業の調整をはかりつつ、あわせて地域開発にも御協力を申し上げるということで、両部分それぞれ四十五年以前にもやりましたが、四十六年からは剣山のほうにも手をつけてまいりたい、このような計画になっております。

中野明公明党

○中野(明)分科員 将来この両点を中心にしまして四国山脈の上の稜線を突っ走るような、これを結ぶような林道の開発、これは四国にとってはぜひ必要な事業のように思います。もちろん国有林を結ぶ線が当然でありますけれども、そういうふうに最短なコースで林道ができますと、すべての面で、いま長官がおっしゃったように地域開発にも大きな貢献をすることになりますので、ぜひ大臣もその点よく現在の計画をごらんいただいて、そうして将来にわたっての長期の構想で四国山脈の開発、この点についてお骨折り願いたい、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  じゃ、以上で終わります。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 津川武一君。

津川武一日本共産党

○津川分科員 国民生活を物価高から守るために、物統令の適用から米をはずすことに対して二、三質問してみます。  大臣に、物統令から米を除外すると、消費者米価は下がると思っていますか、上がると思っていますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 津川さんは、上がるとか下がるとかおっしゃいましたが、どこの基点から上がるとか下がるとかおっしゃっていらっしゃるのかよくわかりませんが、上がるというのは……

津川武一日本共産党

○津川分科員 最高限度をきめておるのでしょう、物統令で。それをはずしますと、その最高限度から上がっていくかどうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 そもそも最高限度とおっしゃるところに私どもと見解が違うのでありますが、そんな理屈を言っても時間もないことですから、まあ上がらないようにやるつもりですから、上がるはずはない、こういうふうに考えておるのですが、基準は上がらない、そういうふうに見て、またそういうふうに努力いたします。

津川武一日本共産党

○津川分科員 上がらないと考えている理由を教えていただきたいのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 答えるほうは一人で、お聞きくださる方は大ぜいさんですから、何か何べんでも同じようなことを言うようであれですが……

津川武一日本共産党

○津川分科員 簡単でよろしいですから……。私の質問の趣旨はそこじゃないのです。前提として聞いておるのですから……。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私は、物統令を撤廃するという時期は、もう御存じのように取り入れ前までにきめる、それまでの間には、御心配のないようにいろいろな施策を講じますので、上がらないようにちゃんといたします、こういうのでありますから……。

津川武一日本共産党

○津川分科員 自主流通米制度を導入してから、くず米は上がりましたか、下がりましたか。等外米です。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 くず米は自主流通米の対象にもなっておりませんし、政府の配給米の対象にもなっておりません。したがって、これはいろいろな見方があるかと思いますけれども、お値段としては弱含みだということで推移してきておるというふうに私どもは考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 六十キロ二千円くらいしたくず米が、いま四千円くらいしておるという事実は御存じありませんか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 これは現在のくず米というのはいろいろな形で利用されておりまして、ことしあたりでございますと、そういうものの低品位米の量がわりあい少ないということがございます。したがいまして、需給の関係でくず米、低品位米の場合、一般の米に比べまして安いですから、そういう場合にわりあい需要が集まるというようなことから、ある時期には比較的高値ということはありますけれども、全般的に見れば、一般米の価格から見ればかなり離れておるということでございます。   〔渡辺(栄)主査代理退席、原(茂)主査代理着席〕

津川武一日本共産党

○津川分科員 くず米が一般米より離れておることはそうですが、かなりはっきりした足取りで、自主流通米制度を導入してから上がったという事実を私は指摘しておいて、次のことに入ります。  自主流通米制度を導入してから一般のいわゆる自由米、やみ米、これは上がってきましたか、下がってきましたか、たいして動きませんでしたか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 やみ米といろいろ言われますけれども、量的には、いわゆるその他の米、正規米に比べれば量が少ないのでございますから、その価格が独自の動きをするということはあまりないのじゃないか。やはり正規米なり自主流通米の価格というものが大きく市場をいまのところ支配しているので、その結果で動くわけでありますが、私どもは、やみの量というものは一時より減っておる、それは自主流通米ができたことによって、そのいい米は農協を通じていって、自主流通米のルートに乗っかったというふうに考えております。そういう意味で、やみ米というのは、どちらかといえば自主流通米に押されておるというふうに考えております。もちろんこれは出回りのある時期、たとえば新米の出回る十月、九月等にいわゆるやみ米が出回っておる。しかしそれは必ずしも自主流通米よりも高いものではない。これは低目であって、自主流通米を妨げておる。これは全国的に見れば、局部的、一時的現象ではあろうかと思いますが、価格としては、自主流通米よりも弱目であるというふうに私は考えます。

津川武一日本共産党

○津川分科員 自主流通米の制度を導入してから、自主流通米が政府の配給米より約三割ぐらい上がってきたことはわかりますね。それとぴったり並んで、いわゆる自由米、やみ米が、自主流通米よりは少し下ですが、上がっているという事実は、どうでございますか、お認めになりますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 自主流通米ができましてまだ二年目でございますが、自主流通米の価格というのは、これは財政負担もいたしておりませんし、品質的にも比較的いいものが多うございますから、これは当然配給米より高いわけです。(津川分科員「端的に上がっているか、下がっているか、その見通しについて」と呼ぶ)やみ米は、大体自主流通米と政府米のまん中くらいにあるというふうに考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 上がってきましたね。そうすれば、私は、米を物統令の適用からはずすと、くず米並みに、自由米並みに上がっていくことは必然かと思うのですが、大臣、御見解はどうでございますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 私、先にちょっとお答えさせていただきますが、いまのやみ米というのは、やはり配給米という公定価格があって、それは一律のものでございますから、そういうものの価格と決して無関係に動いておるわけではございません。   〔原(茂)主査代理退席、渡辺(栄)主査代理着席〕  また、これは物価統制令が撤廃をされるということになりますと、配給米でもかなり品質差が出てくる。米のいい悪いということは、これは物理的問題ではなくて、好き好みの問題でございますから、大ぜいの人が好くものが値上がりをする、大ぜいの人が好まないものが下がるということで、いろいろ差が出てくることは間違いないと思います。当然、それとともにやみ米の中にも差が出てくるわけでありますから、やはり差が出てくるという点は変わりがないというふうに考えております。  それから、もちろん量的にも、片方に政府は大量のものを持っておるわけでございますから、経済的な問題として、やみ米の価格といまの配給価格との離れというものは、おそらく実際の問題として解消してくるのではないかというふうに考えております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 たくさん説明していただいてありがとうございました。いろいろこね回さないで、ずばり答えていただきたいのです。  そこで今度は、そのやみ米、自由米が少ないと言っておりますけれども、物統令から米の適用を除外するようになりますと、自由化をねらって、いろいろな動きが出ていると思うのですが、三井物産、丸紅飯田、三菱商事などの最近の動きがどうなっておりますか、ひとつ教えていただきたいのです。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 私どもも率直に申し上げて、商社の動きを一々トレースしておるわけではございませんが、まあいろいろ業界紙等に出たり、新聞等に出たり、あるいは私どもが耳にしておるところから総合的に判断をいたしますと、現在の状態で、商社がそう大量に買い付けるというようなことはないのじゃないか。しかしながら、たとえば現在ある米の卸業者というような人に、いろいろな関係で経済的コネクションを持つというふうな動きは多少あるように思われます。しかしながら産地で大量に買い付けるとか、そういうようなことはないと思っております。またわれわれの制度の上でも、今度新しい制度をやるわけでありますが、そういうものの存在を認めるような制度は私どもは考えておらないわけであります。

津川武一日本共産党

○津川分科員 自由米はかなり国民の生活に影響を及ぼしますので、考えるとかそういうことでなく、具体的にいまあげた三井だとか丸紅飯田とか三菱商事の動きはつかまえなければならないと思うのですが、わからないというなら私のほうから少し話してみますが、この間、せめて殿様ぐらいにはなりたい、本間様には及ばないが、というような酒田の本間様といわれるところが第一物産という会社をつくって、自分では小売り商の資格をとっておるのです。そこでまわりの小売り商から配給された政府米を買い集めている、こういう事実は御存じですか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 まことに申しわけございませんが、いま初めてお伺いいたしました。

津川武一日本共産党

○津川分科員 それは調べてくださいね。  それから、秋田から米を買い集めていることを御存じですか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 秋田のほうに、いろいろなコネクションをつけようとしておるという話を私は農協から聞きましたけれども、現物の米を集めているということはまだ聞いておりません。いずれにいたしましても、よく調査をいたします。

津川武一日本共産党

○津川分科員 こうして小売り商から政府の配給米を買い集め、秋田から買い集めたものを、おばこ米というレッテルで売り出しているのですが、これは御存じでございますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 どうもおばこ米というのは初めてでございますけれども……。

津川武一日本共産党

○津川分科員 知らないから、ぼくはここで講義するというわけではないが、もう少し覚えておいてくださいね。  そこで、この間七千五百円で買い集めて、北海道へ九千円で流した。これは四十五年の一月です。これは追跡して、わかって、ばれているのですが、このことは御存じでございますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 存じておりませんけれども、七千五百円という値段でございますと、私どもとしては、どうも政府へ売ったほうが得じゃないかという感じがいたすわけですが、どういう米かよく存じません。またその事件についても存じておりません。

津川武一日本共産党

○津川分科員 どうも知らないことばかりで困りましたな。この間そういうおばこ米を二十トントラックで十台、二百トン、これが東京に送られたのですよ。これを地域の系統農協がつかまえているわけなんだけれども、これに丸紅飯田がどうやら関係をしておる、こういうことを地域の系統農協が言っておるわけですが、こうなると、私はほっておけない事態だと思うのです。こういうことによって、私は、物統令の適用から米をはずした場合には、かなり値段が上がるのじゃないかと思うのですが、どうでございますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 そういうことと物統令をはずしたから上がるということは、むしろ関係がないのじゃないかというふうに思われますが……。

津川武一日本共産党

○津川分科員 物統令の適用から米をはずすと、くず米だとか、やみ米だとか、一般の値段に従って、これは上がっていきますよ。これは当然じゃありませんか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 そこのところは、結局は米の需給関係できまることでございまして、一般に、物価が上がるから米も当然上がるかどうかというのも一つの問題であろうと思います。結局、かりに生産調整をしても、それよりも必要量以上に米ができる。それが政府の手、あるいは農協の手、それ以外にいろいろな形で米が出るということになれば、かりに東京の市場にいたしましても、供給が需要を上回れば、経済一般論としては値が下がるということになるわけでございまして、私どもとしては、結局これは米の需給から見てどういうことかということじゃないかと思います。

津川武一日本共産党

○津川分科員 一般論を聞かされてもしかたない話で、もう少し実態に即した議論をしていただきたいのですよ。酒田の本間の第一物産と東京の大商社の手で、いい米は、ササニシキは買い集められて、高く売られておる。ササニシキの一部に秋田や北海道米を入れて混米にして、それをおばこ米としてこれをまた高く売っている。こうなると物統令の適用除外はますますこれに拍車をかけませんか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 先ほどからいろいろやみ米のお話ございましたけれども、物統令がございましても、遺憾ながらわれわれはやみ米にまで物統令を適用する実力を持っておりませんので、これはやはり自由米の話でございますと、これは物統令とは制度として無関係だ——無関係だというと、まことにぐあいが悪いかもしれませんが、じゃないかというふうに思われます。

津川武一日本共産党

○津川分科員 制度としては無関係でも、流通としてはすぐ影響しますね。どうでございますか。

亀長友義食糧庁長官

○亀長政府委員 政府が売るとか、農協が売る、いわゆる本来の自主流通米と政府米で、どこの地方でも、東京でもすべて国民の需要は満足する、充足するたてまえになっておりますから、それ以外に余分な米が入ってくるということであれば、物量的には供給が多くなるということだと私は思います。

津川武一日本共産党

○津川分科員 実態をつかんでいないことに強く抗議して、こういう情勢であれば私は物統令適用から米をはずすことによって、消費者米価は高くなると思うのですが、こういう情勢も考えたら、大臣、ひとつ適用から米を除外することをやめたらどうでございますか。最後に大臣の意見を聞いて、この問題を終わります。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 はずすことにきめた方針は、変える意思はございません。

津川武一日本共産党

○津川分科員 米でございますが、お米が余るのは、外国農産物、特にアメリカ農産物の輸入をかなりかってにしているからじゃないか、私たちこう考えているわけなんです。と申しますのは、一九六〇年の安保条約締結以来、アメリカからの小麦の輸入が激増してきたことは、これは事実でございます。これが一つの事、実。もう一つ、一九六九年の七月、第七回日米貿易経済合同委員会に来日したスタンズ長官が、来るときに対日通商政策の基礎として、日本に対する批判と要望という書類を持ってきました。この中に、米の食管制度は米国産小麦輸出の脅威であると書いてあります。また、米国は穀物を直接日本の消費者や、小麦粉、米などの加工業者に売ることはできない、すべての穀物輸入は食糧庁を通じて行なわれ、米国は競争上不利になっておるとありますが、ちょうどこれと時期を同じくして自主流通米制度が導入されている。そして、今度の物統令からの米の適用除外ということになっておる。これがお米の余る一つの理由と考えているのです。  もう一つは、農産物の価格安定に必要な援助や措置をとらないで、わずかに米にだけ二重価格制度を施して、米一辺倒といわれてもしかたがない農政を展開したから今日米が余った、こう考えているわけです。したがって、私たちは主食の国内生産に重点を置くことと、米以外の農産物にも米同様の援助と支援を与えることを要求してやってきたんですが、きょうは、この立場から、米以外の農産物でやっていくために必要な措置を二、三お伺いいたします。  そこで、農産物の価格をきめるについては、この間の物価の合同委員会で大臣から聞きましたので、ここではやめますけれども、転換していく場合、たとえば果実に例をとりますが、これはかなり転換すると思うのですが、果実に転換するために、米の生産者が借金している、その借金の元利取り立てにあって、転換に五年かかって、収入が落ちてくる。転換を非常に順調に進めるためには、借金の元利払いを転換する間待たしたらどうか、これが非常に大事だと思うのですが、大臣なり局長なりからお答えいただきます。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 米については、ことし二百三十万トン生産調整をお願いする。それに対して永久転作については五年間、その他それぞれ方針をきめて発表いたしておることは御存じのとおりであります。そこでそういう方々がどのようなものをどういう方法でおやりになるかということにつきましては、われわれはできるだけの御協力を申し上げる。これはこの間十六日に始まりました、各団体と一緒になって生産対策について御相談を願う、そういう基礎的な問題でございます。したがってそのことについては、いろいろ私どもといたしましても制度金融等、できるだけの努力をいたして転作がスムーズに計画どおりにいきますように、同時にまたこれが定着いたしますためには、土地改良その他いろいろできるだけの御協力を申し上げる、こういうふうに考えておりますが、そういうことの予算が、つまり四十六年度にかなり頭を出しておる、こういうふうにひとつ御理解を願いたいと思います。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そこで具体的に、若干の元利払いを転換期間中延期することが必要だと思います。これをひとつ答えていただきたい。  その次に、米をつくるためにたくさんの農機具を持っておるわけです。二ヘクタールくらいだと百五十万から二百三十万くらいの農機具を持っております。これがほかのものに転換したときに使えなくなる。この農機具のまた元金払いをしなければならぬ。減価償却をしなければならぬ。この農機具が米からほかのものに転換して使えなくなった場合、それを買い取るとかそれの補償をするとか援助するとか、こういうことを具体的にお考えになっているか。  この借金の元利払いと農機具の問題、どなたでもいいですから答えていただきたい。

太田康二農林大臣官房長

○太田(康)政府委員 今回の生産調整におきましては、稲作から、需要が拡大する作物についての転作に主体を置いておるわけでございまして、転作につきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、集団転作の場合は四万円、普通転作の場合は三万五千円の奨励金……(津川分科員「それはわかっておりますから、元利払いと……」と呼ぶ)したがいまして、私どものほうの考え方といたしましては、他作物の収入もございますので生産奨励金の交付分もあるわけでございますから、一がいに米をつくらないでそういった作物をつくろうということによりまして、農家の所得が直ちに落ちるというふうには考えておらないわけでございます。何も借金の元利払いをいま直ちに償還延期するとか、いまお尋ねの農機具とか不要になったものを、その買い入れの借金をたな上げするといいますか、償還延期をするというような具体的措置は考えておらないわけでございます。

津川武一日本共産党

○津川分科員 そういうことに対して、農林大臣も農林省も冷たいと考えてよろしいんですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 どういうことを言っていらっしゃるかわかりませんが、津川さんも、いま日本だけではなくて、諸外国でもやはり農産物資の生産過剰の国がたくさんあることは御存じのとおりであります。それらの国でやっております政策から見ますと、わが国は一番手厚いめんどうを見ているのではないか。これは現に世界を回ってこられております農協の方々などが外国へ行ってびっくりして帰ってこられることでありまして、われわれといたしましては一生懸命でそういう場合に御協力を申し上げておると思っておるわけです。

津川武一日本共産党

○津川分科員 大臣が、一番いい条件だとお考えになることは私は自由だと思います。これに対してあえて文句を言うわけじゃありませんが、土地基盤整備をしなければいけないのです。米から、ナシにいたしましても、モモにいたしましても、リンゴにいたしましても、一ヘクタールやるとすれば、リンゴの場合だと十五万から二十万くらいかかるのです。そのお金が転作の奨励金でできると考えておいでになるようですが、後に申しますけれども、これはかなりめんどうです。土地基盤整備のときも、十五町歩だとか十町歩まとまってやれば、基盤整備のための補助金を出すと言っていますが、まとまれないで個々で一町歩か五反歩転換したいといっても、なかなかめんどうなんです。  もう一つは、リンゴの場合五年だというので、六年か七年目あたりから生産をあげようとすれば、六年苗木を買ってこなければならない。そうしたら、いま六年苗木に需要が集中して一本一万円なんですよ。こういうことに援助しないと、あなたたちが考えているような転換ができないのでございますから……。この苗木のことをひとつ具体的に、園芸局長、あなたのほうがいいようです。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 苗木につきましては、かねてから私のほうで、それぞれの作物について苗木、種苗等の確保方についてはいろいろ事務的に連絡しております。特に最近のリンゴ作への転換ということで、非常に需要が強いというふうに私のほう理解しておりますが、特に青森県の場合におきましては、矮化性リンゴの苗木に対する要望が特に強いというふうに私たちのほう聞いておりまして、これにつきましては、園芸局といたしまして、まだ正式に矮化性リンゴが非常に奨励すべきものであるかどうかにつきましては、ただいま園芸試験場で検討しておりまして、まだ奨励すべく断定はいたしていない段階でございます。したがいまして、一般的な苗木をただいまの段階では奨励いたしたいという感じでおりますが、そこで、このリンゴの植栽といいますか、植栽に基づく育成年数等は、ただいま農林省も固定資産評価標準というものができておりまして、それで検討いたしますと、リンゴはおおむね植栽してから大体五年目ぐらいからぼつぼつ収量が入ってくるのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。

津川武一日本共産党

○津川分科員 ブドウでもナシでもモモでもリンゴでも同じですが、苗木に対する援助があればよろしいのですが、そこで具体的に、二町歩水田をつくっておる人のリンゴへの転換を考えてみたのです。そうすると、水田を果樹園にするための費用、苗木の費用、植える費用、使えなくなった農機具の転換費用、借金のいろいろなものを返す元利払い、いろいろ数えていったら、出かせぎしなくて二町歩やると、でき上がるまでに四百万円足りないのです。出かせぎしてこの五年間にやると二百万円足りないのですが、こういう具体的な計算を果樹への転換について農林省は試算してみたことがありますか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 果樹につきましては、ただいま官房長あるいは大臣からお話がございましたように、反当四万円づつ一応向こう五年間何らかの形で転換資金として出すというような方針がきまっておりますほか、別途いわゆる農林漁業金融公庫から果樹園経営改善資金といたしまして、年五分五厘の利率で約二十五年間、うち据え置き期間を十年ということで融資の道が開かれておる次第でございます。そのほか農業近代化資金等の貸し付けワクもございますが、さらに自作農営農資金等も活用しまして、そういう果樹が一応一人前に育つまでの間何らかの形でつないでいくものと理解しております。  なお、集団転作の場合には、われわれ園芸局といたしましては、水田から果樹園等に転換いたしますには、やはりばらばら転換では、なかなか水利事業とかあるいは土壌の改善ということがきわめて、結果論としては果樹園の経営に今後支障を来たすということで、むしろ集団的な転換を奨励してまいりたい。その場合には、われわれといたしましては、さらに転換に要する特別対策事業といたしまして、大体反当一万五千円くらいの転換のための必要な事業を認めることの方針でいたしております。

津川武一日本共産党

○津川分科員 園芸局長なかなかりっぱなことを話してくれて、さぞかし農民安心するかと思っていたら、さにあらずなんです。この四百万、二百万のお金を福島と弘前の農協に融資してくれるか頼みに行った。そうしたら福島でも試算しまして、いま一町歩五十万から七十万の借金がある。その上に重ねることは、いかに政府が言ってきても、これはできないという相談なんです。皆さんの言うことはなかなか親切で、ことばがよくていいのですが、現実に合わない。農民の期待にこたえられない。  そこで最後に大臣に、こういう状態なので、転換のための対策をもう一度検討して、思い切ってひとつ転換のための投資をし直す考えがありませんかどうか聞いて、終わります。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 転換のことにつきましては、予算編成の当時に、いろいろなデータを中心にして政府部内で相談をいたしまして、結局決定いたしましたその方針でいこう、こういうことに相なったわけであります。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 高田富之君。

高田富之日本社会党

○高田分科員 野菜の問題と蚕糸の問題につきまして二、三お伺いいたします。  最初に、端的にお伺いいたしますが、最近国会等におきましても、物価問題で野菜の値段の問題が相当大きく取り上げられ、新聞、テレビで報道されておりますが、これを野菜をつくっておる農家の立場からどのように感じ取っておるだろうかということなんでありますが、ひとつ大臣から率直に御感想をお聞かせ願いたいのですが、現在の野菜は一体高いか安いか、農民の立場に立ってですよ。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 高田さんのおことばは簡単ですけれども、答えはなかなかむずかしい答えだと思います。それで、私ども郷里のほうは野菜の本場でございますけれども、それはつくっておりますものによりまして、米よりずっといいという野菜づくりがおります。それからなかなか商売上手で、出荷等もうまくやっておりまして、なかなかうまくそろばんをとっていらっしゃるところもありますが、それは限られた年でありまして、いままでには、もうこんなことではとてもこんなものはやっていられないという、そういう時代もありました。いろいろな考え方があると思いますけれども、最近野菜の話が出れば、高い高いと言ってさえいれば普通のように受け取られるような時代がちょっとの時間続きましたけれども、現在は御承知のようにきわめて安定いたしております。そこで一つ一つとってみますと、ことしは群馬とか茨城とかという主産地のハクサイが思うようにいきません。あとは大体御存じのとおりでありますが、そういう方々にいろいろ聞いてみますというと、この間もテレビ、ラジオなんかで、植木屋さんの手間が一日に四千八百円だとか、大工さんが四千何百円だとかいわれております。そういうときに、野菜づくりの方々が労働賃金分としてはじき出される計算は、これはうまくいって千五百円。千五百円以下のものもかなりあります。ことに御存じのように大根だとかゴボウだとかいうようなものは、深く掘り下げなければいけませんから非常に労働力を要します。そういうようなことで、品物によってもずいぶん違いますけれども、さればといって多くの日本人が野菜を召し上がるのでありますから、——これはつい最近も、国連の下部機構であるFAOの最近の統計を見ますというと、文明人の中で一番食うのがイタリア人で、二番目が日本人でありました。アメリカなんか日本人の六割しか食べていない。つまりこれによると一日二百九十五グラムとっております。そういうふうに、日本人というのは近来非常に野菜を消化しております。したがってそういう傾向を蚕糸園芸局ではにらみながら、やはり需要と供給に合うような、なるべく計画的にひとつ生産させるようにしなければならない、こう思っているわけでありますが、お答えになりますかどうか、その高いか安いかと言われると、これはなかなかめんどうな御返事しかできないということであります。

高田富之日本社会党

○高田分科員 いずれにしましても、消費者物価上昇に対する寄与率が生鮮食料が高いというようなところから出てくることで、消費者の立場からはそういうことも当然言うと思うのですね。しかしそういう声が高く上がりますことは、生産農民に対しましてはこれはたいへんな反発を感ずる傾向なんですね。これはいまの大臣のお答えの中にもあったと思いますけれども、高い高いといわれますけれども、個々の野菜類についての実際の農家の手取りを調べてみますと、家族労働一日当たり労賃にして、千円の上多少出るくらいが普通なのですね。きわめて過重労働の中でかろうじて生産を続けている。もし一般的に野菜の価格が、一つ一つは違いまするけれども、価格水準がかりにこれより下がるとしますと、生産を放棄する農家が意外に多くなると考えざるを得ないのです。これはたいへんな問題だと私は思うのですね。だから農家に対しては、野菜は高いどころではない、現在の生産条件のもとでいえば非常に安いことになる。この点を考えまして、やはり流通機構の問題でありますとか、それから上下の幅が大き過ぎますから、やはり安定させるとか、したがって安定的な供給を確保するというようなところへ相当力点を置かなければならないということを実は痛感するわけです。そこで野菜の生産を、数量を平均的にふやして、安定的に供給できる体制、増産体制をつくるにはどうするかということで取り組んでおられるわけでございますが、ここに思わざる大きな障害があるのです。いろいろな問題がございます。何といっても一番問題は価格の安定措置というものが、いまでも若干はあるわけでありますけれども、これはほとんど言うに足る効果を発揮しておりませんから、実質的にはなきにひとしいわけで、農民は、あれは当てにするほどのものではないから当てにしないということですが、価格安定措置、これも大きな問題です。きょうは時間がございませんから、この問題は大きい問題だということで、次に、ややもすれば等閑視されております、安定供給を妨げる、増産を妨げる一つの重大問題について御指摘申し上げて御見解を承りたいのは、実は税金なんです。  私のところは日本一の野菜産地なんです。ネギなど、深谷ネギといって通用しておりますが、いまホウレンソウその他の最盛期になっております。政府で非常に奨励され、米の減反割り当てなども埼玉県は二割五分というような、休耕、転作が相当強く指示されておる地域でございます。したがって野菜の適地でございますから、どんどん野菜に転換しなければならないわけで、最近数年間裏作にも、いままでの麦にかわりまして野菜類がだいぶふえつつあるわけでございます。ところがここにきまして急に減反傾向にあります。おそらくことしは確実に昨年の二割以上減反になるだろうということで、地元の出荷組合連合会などでは相当頭を痛めておるわけです。その最大、直接の原因は税金でございます。成長作物ですから、野菜については大蔵省のほうでだいぶ目を光らせておるのではないかと思うのでありまして、せっかく農林省で奨励され、農民はこれに協力しておりますやさきに、本年は課税の所得標準の提示がありましたのが、昨年の実に三割以上一挙に所得が増加したものとみなしておるのです。四十四年度で反当九万六千円という税務署の見積もりでありましたが、四十五年度示されておりますのは十二万七千円。九万六千円から一ぺんに十二万七千円にふえているのですね。それで、ただいま申しました裏作については、麦でいままで七千七百十五円という標準でありましたが、本年は麦については同じような七千六百七十三円ですけれども、今年初めて裏作の野菜について三万八千五百円というものを新たに出してきたのです。いままでここ数年、逐次裏作は野菜類がふえているのです。いままでは麦だけにかかっておったのですが、ことし初めて新たに野菜類に対して三万八千五百円。麦の五倍くらいですね。五倍くらいの見積もりで示されてきたものですから、これが影響いたしまして、すでにもう現実に二割程度の減反なんですね。ですから、こんなことを放置しておいたのでは、これはとても野菜の増産、安定供給どころの騒ぎではない。野菜をつくる者はなくなってしまうのではないかというので、これは当面の最大の問題になっております。これについて農林省ではどのように把握されており、どんな対策を考えていましょうか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ただいまの埼玉のお話でございますが、埼玉の深谷地方での具体的な数字は、私たちまだ把握してないわけでございますが、一般的に申し上げまして、いまおっしゃいました所得標準をきめる場合には、それぞれの県に農業所得の協議会がございます。それからまた地方事務所単位にもそういう協議会がございまして、県、市町村の方々が入りまして協議会はつくられておるようでございますが、そこで収量あるいは統計調査部の統計などのほか、農協その他の資料等集めまして、精通者の意見も十分聞いた上で、その所得水準というものはきめられておるというふうにわれわれ聞いておるわけであります。そこでいまのお話の稲裏作の野菜の問題につきましても、あるいはハウス園芸をやるとか、いろいろな問題があろうかと存じますが、そういう野菜経営の実態を反映して定めたのではないかと思います。しかし最初に申し上げましたように具体的なデータを私たちもまだ十分把握しておりませんので、国税庁とも十分連絡の上で、適当な所得標準ができますように農林省としてはつとめたいというふうに考えております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 これはいままではさほど大きな問題でなかったのです。昨年度は、これを私が聞きましたのは、私の深谷のすぐ隣であります豊里村というところで、これはもう野菜産地としては日本一だと思うのですね、地質も非常によろしい。ここで昨年までは所得税の対象になりました農家が、農家戸数に対しまして大体二五%未満であったはずです。ところがことしのこれでいきますと、五〇%くらいなんですよ。対象が一気に倍になるのです。それですから、こういう主産地中の主産地で、最もめんどうを見てふやさなければならぬ、また実効のあがるところで逆に減反になる。それは野菜をつくらないで出かせぎにでも行ってしまう、こういう傾向がにわかに活発になってきたのです。これはたいへんな問題なんですね。これは特に水田の裏作などを徐々に拡大して野菜に転換しつつあった、今度休耕する場合には全面的に野菜作に転換できるところなんですね。これを奨励するんですから、税の面でもこれに見合った特別な措置を考えませんと、せっかく転換してやってやろうというところに、みんな意欲をそがれて、じゃいっそのことやめちゃおう、こういうことになるのですから、重大な問題ですよ。東京の近郊で最も適地、野菜の指定産地の最たるものなんですよ。そういうところが税金によって転作が不能になる、税金によっていままでの畑作が減るというようなことはゆゆしい問題なんですから、これはひとつぜひ真剣にかつ早急に対策をお立て願いたいのです。何らかの特別措置を講じて、これが最大の障害ですから、野菜転換の奨励の実があがるように、これは緊急を要するので、大臣からもそれについて一言お答えいただいておきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 ただいま農政局長お答え申し上げましたように、財政当局とも十分相談をいたしていきたいと思っております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 それからもう一つだけ申し上げておきたいのは、共同出荷ですね。共販システムというものを拡充して、計画的に安定的に供給できるようにということで奨励なすっておるわけですが、産地市場とそれから共同出荷、出荷組合による農協の系統販売等が競合して行なわれておりますけれども、ただいまの傾向でいきますと、だんだんに共販が少なくなってきている。市場にたよるほうが拡大しつつあるのです。これでは何にもなりませんので、何とか共販システムの隘路を取り除いて、徐々にでも共販が伸びていく方向へ持っていかなければ何にもならぬと思うのです。この隘路になっておりますことは、いろいろ根本原因もたくさんあると思うのですけれども、さしあたってこれ何とかならぬかなと思われます隘路は、運賃が市場に出荷するよりも共販のほうがずっと高くつきます。たとえばホウレンソウなんかを入れるかごや何かの代金が、共販の場合には自分たちが負担するんですが、実に三年間に価格が倍くらい上がっちゃっているのですよ。資材がべらぼうな上がり方なんです。それから手数料も農協を通じてやるのが必ずしも安くないのです。幾分高いくらいですね。それからもう一つは、市場側から農協を通じて要求してくるのですか何ですか、生産者側に対して非常にむずかしい注文が共販の場合にはついてくるのです。キュウリなんかの場合ですと、小売りはたしか三種類ぐらい、上中下ぐらいにして品物を売るのですよ。ところが出荷する農民のところでは十一種類に分けて出すのですよ。キュウリを一本一本並べて、上から下までを十一種類に分けて出せというのです。実にむちゃな話なんです。これはめちゃくちゃです。そういうように非常に注文がむずかしい。だからネギなんかになると、共販で出すものには根のところを切って出せというのですね。とても注文がきびしいのですよ。そのために、もうわずかしかつくらぬ人は、適当に副業にやっておるような人は、どうでもいいやというので組合長さんの言うことを聞いて系統的に出すらしいのですけれども、かなり営業的に、企業的に大きくやっておるくらいの人になると、ばかばかしくてそんなのについていけないというので、みんなが共販のほうから市場出荷のほうへ切りかえちゃうのです。ですから、この資材の値段が一ぺんにぼかっと倍にも上がったりするようなこと、あるいは運賃をもっと安くしていくこととか、めちゃくちゃな注文をそのままうのみにして農家に持ってくるというようなことをなくしてやるようなことなら、少しこれはきちっとすればやれないはずはないと思います。そのほかルートの問題、いろいろありましょうが、さしあたりそんなような隘路がたくさんありますから、ぜひこれらを十分調査なさって、農業団体、市場側ともよく協議されて、強力な改善の指導をなさる必要があると思うのです。この点についてひとつ。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ただいま御指摘になりました共販率の問題でございますが、私のほうが指定産地制度を設けまして、いわゆる共販体制を非常に強く固めていく。指定産地になる前は二、三割くらいだった共販率が、場所によりましては非常に高まりまして、八割ぐらいになっているところもございますが、その共販率を高める反面、全国的にはある程度共販率が指定産地制度のあれによりましてよくなっていると思っておりましたが、ただいま御指摘のような問題等がございますので、なお検討してまいりたいと思います。  特に最後に御指摘になりました野菜の規格といいますか、種類等の非常にむずかしい選別の問題につきましては、それぞれの産地が、いわゆる今後なかなか激しくなる産地間競争ということに備えて、その当該指定産地の名声を高めるためにいろいろと創意くふうをこらしておられたのが、かえっていまの御指摘では裏目に出たのではなかろうかと思いますが、われわれといたしましては、なお規格の統一とその簡素化とによりまして、そういった点は今後十分前向きに検討してまいりたい、こう思っております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 時間もございませんので、蚕糸のことを二、三お尋ねいたしますが、四十六年度の安定基準価格が近くきめられると思うのですけれども、ただいまの六千五百円ですね、実際には六千四百円にならなければ事業団が買い入れない、こういうシステムなんですが、昨年一カ年間の実勢価格を見ますと、現物でもって大体平均八千円以上のところです。八千円を下ることも若干ありますけれども、八千円以上のことが多かったのです。実勢価格から極端に開き過ぎておりますために、あってもなきがごとき制度になっておるわけなんで、実は輸入は激増しつつある。そうして需要も着、実にふえている中で生産がなかなか伸びない。全くいまや生糸輸入国に転落してしまって、国内需要を満たすためには六万俵以上、六万五千俵も輸入をするというようなていたらくになった。まことに残念しごくなんです。これを何とか増産をさしていこうということになりますと、いろいろな施策が講ぜられなければならぬことはいうまでもないのですが、さしあたり手っ取り早くやるべきことはやって、それと並行して生産向上のための諸施策を強力に進めるというのでないと、ますます輸入の比率がふえるばかり、こういうことになりますので、私は、ことしの安定基準価格決定にあたってはそれらの点を十分勘案なすって、現在よりも思い切って相当程度上げて、実効のあがる、安心してみんなが増産に励めるものをお示しになって——もうそればかりにたよれと私は申しません。その施策とあわせてやることは当然なんですけれども、いまさしあたってはそうしないと、ふやそうにもふえないですから、この基準決定にあたってそういう点、大局的な見地から相当大幅に思い切って引き上げる必要があるというふうに考えて対処してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 ただいま、いわゆる四十六年産生糸に適用すべき生糸の値段あるいはその前提となる繭の基準価格につきまして作業中でございまして、まだ何ら具体的な検討を終えておりません。三月末までにはその価格をきめるべく急いでおる次第でございまして、ただいまの生糸の御存じのように六千五百円という基準糸価がございますが、その反面、一方ではただいまの生糸の価格は旺盛なる内需を反映いたしまして、昨年一年間の値段は大体八千円を基準にしましてその上下、高いときには一俵あたり八千六百円になりまして、安いときでも七千三百円くらいが限度ではなかったかと思いますが、非常に高水準で移向しておりますが、われわれといたしまして、そういう実態と、それからなお生産費の上昇、それから一方ではかなり今後の需給動向等を検討の上、適正な価格水準できめるよう作業いたしておる次第でございます。

高田富之日本社会党

○高田分科員 実勢価格はその程度でも、農家の手取り収入ということになりますと、やはり一日千円何がしという程度のものですから、これより下がるようなことがあればやめちゃうのです。ですから、どうしても一定の水準に安心してつくらせるという体制をとりつつ、一方、生産性向上のための諸施策を強力にやっていってはじめて増産にもなり単価も引き下がると思うのです。これよりあまり低いところへ基準価格を定めましても、そこまで落ちるようだったらやめちゃいますから、ですから、ぜひその点は十分お考えをいただいて、増産の体制をとにかくつくり、そして強力な技術的、資金的いろいろな援助もされて、特にいま稲作転換の重要な一つのあれに野菜と並んであるわけですから、その点についてはひとつ十分御配慮をいただきたいと思うわけです。それから買い入れ限度も、三万俵というのはいささかちょっと少ないと思いますので、できれば、これもある程度広げていくというようなことも御検討願いたいと思うわけであります。  それから第二点といたしまして、さっきもちょっと申しましたが、前々年は輸入が四万二千九百俵くらいですね。四万三千俵。それが昨年一年間で六万五千俵、六万四千五百何がしという輸入に激増しておるわけです。特に韓国なんかものすごい激増ぶりなんですが、これをやはり非常に心配するわけですね。これは非常に気になるわけでして、このままでいけば、この調子でどんどん輸入がふえていくということになって、政府の考え方、施策の根本が、後進国からの農産物の輸入がふえるのはやむを得ぬというようなことで、生糸に関してもこの調子でふえていくことをもしもあまり策を講ぜずに手放しでおくということになれば、国内増産というのは二の次になるのじゃないか。これはある意味では、政府の今後の施策に対する不信感があるわけですよ。ですから私は、足らないところを輸入されるということはやむを得ないことだと思いますけれども、やはり日本の場合は世界一の生糸消費国なんですから、また生産国なんですから、将来せめて自給をし、できれば昔のようにいい製品を輸出できる体制というのを目標にした腹がまえで政府は施策を進めているのだということをやはり示しませんと、これはこういう状況になってきますと、落ち込む一方になってしまいやしないかと思っておるのです。ですから法律にも、輸入についての措置のできる条項も入れていただいておるわけなんですけれども、政府の考え方としまして、やはり必要な場合には将来輸入についてはこれを押えても、国内増産第一、自給率を高める方向でいくということについて、何らかの法律運営のめどをお示しになることがこの際必要だと私は思うのです。これはいかがでしょう。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 生糸の輸入につきましては昭和三十八年から始まったわけでございますが、それ以来年々増加いたしてまいりました。ただいまお話のように四十四年は約四万三千七百俵、四十五年は六万六千俵、こういう状態であります。生糸の輸入依存率は、したがって前者が一〇・九%、その次の年は一六・二%となって漸増いたしております。そのおもな供給国は、ただいまもお話がありました韓国と中国でございまして、この二カ国で輸入量の大体八三%を占めているわけでありますが、このような生糸輸入の増加は、わが国の国内の需要が堅調でありますことに対し、生産が労働力不足や凍霜害等のため伸び悩みでございまして、その結果、需要がとにかく旺盛でありますので、国内糸価の割高となりましたことによるものであると存じております。そこで今後は、このようなわが国国内の旺盛な需要に対処いたしまして、米の生産調整に伴う桑への転作等につきまして振興産地の育成をいたそうと思っております。そしてお話しのように、生糸生産の増強をはかることといたしておるわけでありますが、その際には生産性の向上対策を強力に推進いたすことによって国際競争力の強化につとめてまいりたいと思いますが、高田さん御存じのように、低開発国というと叱られるが、開発途上国の御希望によりまして特恵関税の問題もございましていろいろやっておりますが、生糸は除外いたしておりますことは御存じのとおりであります。国内の需要だけでなくて、われわれは稲作転換からの有力なる転換作物としてこれに非常な関心を払っておるわけでありますので、そういう角度でひとつ強力に施策を推進してまいりたい、このように存じております。

高田富之日本社会党

○高田分科員 時間が参りましたから、質問はこれで打ち切りますが、特にわが国においても生糸の最高の産地である大臣の地元のこともございますし、私この点は大臣と考えは全く同じだと思うのですが、非常に残念でしょうがないのですよ。世界的に見ても、繊維の消費量中生糸の消費量が〇・〇何%なんというので、問題にならないのですね。わが国の消費量の十分の一以下ですよ、一流の文明国で。ですから、生糸の潜在需要というものは無限にあるといってもいいのじゃないかと思うのです。ですから、日本や中国や韓国が幾ら増産しても、世界の需要が日本の消費量の半分にでもなったら、これはたいへんなことになると思うので、そういう特殊な産業で、特別な伝統と技術を誇るわが国が無為にして輸入国に転落しておしまいになるというようなことは、これは断じて許せないと思うのです。ですから、ひとつ大きな構想で、いわゆる蚕糸立国で、ひとつ徹底した増産策を講じ、そしてこれは製品で売ればいいと思うのですが、生糸需要、絹製品需要というものを喚起するということでわが国が世界の先頭を切っていくというような立場で、ひとつ壮大な計画と強力な振興策を講じていただきたいということを申し上げて質問を終わりたいと思います。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)主査代理 これにて昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、農林省所管に対する質疑は一応終了いたしました。  次回は、明二十四日午前十時より開会し、通商産業省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後七時二十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗