予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 445 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/02/22
会議録
○森田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、農林省所管を議題とし、説明を求めます。農林大臣倉石忠雄君。
○倉石国務大臣 昭和四十六年度農林関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 最初に、各位のご協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。 まず、農業についてでありますが、農業は今日、経済の国際化、物価、公害などの諸問題への対応を要請され、さらに、米の生産過剰の問題が生じ、きわめて困難な局面に立ち至っております。このような情勢に対処し、国民に対する食料の安定的供給と農業従事者の所得及び生活水準の向上をはかるという農政の使命を全うするため、次の方向に沿って総合農政を強力に推進することとしております。 第一に、農業生産を今後需要に応じた作目構成と地域の特性に応じた地域分化の方向に誘導していくことが必要であると考えております。まず、現下の最も緊要の課題である米の生産調整については、昭和四十五年度に引き続き、昭和四十六年度から五十年度までの五年間にわたって稲から他作物への作付転換を基本として、総合的かつ計画的に行なうことといたしております。これに関連し、政府の米管理の面においても米の需給の実態に即応し、生産調整の実効を確保するとともに、政府買い入れの適正を期するため、所要の改善を行なうとともに、四十六年産米の生産者米価につきましては、米の需給事情を考慮してこれを据え置く方針であります。また、すでに生じた過剰米については、昭和四十六年度から今後四年間に計画的に処分することとしております。 また、畜産物、園芸作物等については、需要の伸長が見込まれますので、生産性の向上を基本とし、稲作からの転換対策をも含め、生産の振興につとめる考えであります。畜産物については、飼料基盤の整備を中心に対策を進め、また、養蚕、野菜、果実等については、主産地を中心に安定した供給を確保するよう対策を講じてまいる所存であります。 これら諸施策の実施を通じ、昨年十二月公表いたしました農業生産の地域指標の試案に沿って、地域の特性に応じた生産の地域分化の方向への誘導を行なってまいりたいと考えております。 第二に、農業構造の改善を強力に推進してまいりたいと考えております。 規模が大きく高能率の近代的農業を育成していくことが、今後の総合農政の推進にあたって最も重要でありますので、自立経営農家の育成に努力するとともに、これを中核として、兼業農家をも含む生産性の高い農作業単位をできるだけ広範に育成することにも努力していきたいと考えております。このような方向に即し、農業構造改善事業の計画的実施、農地の流動化の促進、農業機械化の推進、総合施設資金制度の拡充等をはかることとしております。また、近代的な農業経営の育成の過程で、自主的な引退または他産業への安定的就業を志向する者が多いことにもかんがみ、昭和四十五年度から新たに発足した農業者年金制度の適切な運営をはかるとともに就業構造の改善施策を講じてまいりたいと考えております。 さらに、農業構造の改善と生産性の向上をはかるにあたっての大きな前提となる土地基盤の整備につきましては、圃場条件の整備、農道網の整備、草地の造成改良などの事業に重点を置いてその整備開発に力を入れていきたいと考えております。 第三に、農産物の価格及び流通対策等の充実強化をはかってまいりたいと考えております。 農産物価格政策の運用にあたっては、需要の動向に対応した生産が行なわれるよう留意しつつ、過度の価格変動を防止し、できるだけ安定した適正な価格水準となるようつとめてまいりたいと考えており、既存の農産物価格安定制度の充実をはかるとともに、特に、野菜及び鶏卵の価格安定制度の拡充等に意を用いるつもりであります。さらに、農産物の流通、加工、消費の問題については、食料品の流通、消費の大量化、多様化等の情勢に対処してその近代化、合理化を促進してまいりたいと考えております。 第四に、地域農業の総合的整備開発を推進するため、農業振興施策の広域化と地域振興施策の多様化をはかることといたしまして、生産から流通までの一貫した広域的な組織化等を推進するほか、農村地域への工業の導入、農山漁村における自然保全とレクリエーション的機能の活用、農山漁村の生活環境の整備等を推進してまいりたいと考えております。 次に、林業及び水産業についてでありますが、それぞれ最近の需給事情、資源の動向及び従事者の所得水準等の諸情勢に対処して、総生産の増大と生産性の向上をはかり、従事者の福祉の向上に資するため、生産基盤の整備、構造改善の推進、生産流通改善対策の強化、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化してまいる所存であります。さらに、林業については、森林の多角的機能に対する国民的要請に配意するとともに、水産業については海洋水産資源の開発を促進するための体制整備を行ないたいと考えております。 以上申し述べました農林水産業に対する施策の推進をはかるため、昭和四十六年度農林関係予算については、その充実をはかることにつとめた次第であります。 昭和四十六年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計は一兆二百億円で、これに総理府、厚生省及び建設省の他省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は一兆八百六十億円となり、これを昭和四十五年度の当初予算と比較しますと、一千六百八十三億円の増加となります。 以下、この農林関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
○森田主査 この際、おはかりいたします。 ただいま倉石農林大臣から申し出がありました農林省所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔倉石国務大臣の説明を省略した部分〕 第一に、農業生産基盤の整備について申し上げます。 農業の生産性の向上、農業構造の改善等農業の近代化をはかるためには、農業生産の基盤となる土地及び水の条件の整備開発が基本となるものであります。この観点から総合農政の方向に即して、圃場条件の整備、基幹かんがい排水施設の体系的整備、農道の整備、農用地の開発等各般の事業を計画的、かつ、強力に推進することといたしており、また、これらを通じて農村環境の整備に資することとしております。なお、米需給の動向にかんがみ、稲作転換のための土地基盤の整備を積極的に実施するとともに、総合農政の強力な推進をはかる観点から、畜産振興、果樹野菜等畑作振興等に必要な事業の重点的伸長をはかることとしています。 以上に要する経費として、二千二百三十三億二千五百万円を計上しております。 第二に米の生産調整と稲作転換の推進に関する予算について申し上げます。 米は、消費が減退する一方、生産が高位に安定しているため、恒常的な過剰状態にありますので、このような事態に対処して、米の需給の均衡をはかり、需要に応じた農業生産を展開することが現下の農政の最も緊要な課題であります。このため、昭和四十六年度から昭和五十年度までの五年間を実施期間として米生産調整及び稲作転換対策を講ずることとし、この間、奨励補助金を交付することとしますが、休耕にかかる奨励補助金の交付期間は三年間といたしております。 昭和四十六年産米については、二百三十万トンを生産調整の目標数量とし、休耕及び転作の態様に応じて米生産調整奨励補助金を交付することとし、総額一千六百九十六億円を計上しております。 さらに、農産物の長期的な需給の動向に対応しつつ農業の近代化を促進するとともに、国土の効率的利用をはかるという観点に立って水稲から今後需要の増大が見込まれる農作物への作付け転換を総合的かつ計画的に推進することといたします。このため、集団的転作を推進するための稲作転換促進特別事業をはじめとし、公共事業による土地基盤の整備、第二次農業構造改善事業の活用を行なうほか、農業改良資金による作付条件の整備、家畜導入事業、都道府県野菜価格安定基金の造成、試験研究の拡充、水田跡地への造林等を行なって稲作転換の条件を整備し、その促進をはかることとしております。 なお、水田転用の促進をはかるため、地方公共団体等が水田の取得を行なうのに必要な資金につき農協系統資金の融通を促進するための措置等を実施することとしております。 これらの稲作転換の推進に要する経費としては、関連事業まで含めまして総額四百二億八百万円を計上しております。 第三に、農産物の安定的供給に関する予算について申し上げます。 まず、畜産の振興対策であります。 畜産の基盤をなします自給飼料の確保につきましては、草地開発事業等を推進する一方、既耕地における飼料作物の積極的導入のための飼料作物増産対策を引き続き実施するほか、飼料用麦生産団地の育成および稲作から飼料作への転換を推進することとしております。 酪農及び肉用牛生産の振興につきましては、新たに広域家畜人工授精センターの設置、肉用牛集団肥育のためのフィードロッドの設置につき助成するほか、引き続き家畜導入事業、肉用牛種畜生産基地育成事業等を実施することとしており、中小家畜につきましても、優良純粋種豚確保対策、国産種鶏増殖センターの設置助成等を拡充実施することとしております。さらに、家畜改良増殖対策、家畜衛生対策等の諸施策を推進することとし、これら畜産生産対策全体として合わせて一百八十五億四千九百万円を計上しております。 また、畜産物の価格安定及び流通改善対策としましては、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度及び学校給食用牛乳供給事業につき対象数量の拡大をはかるとともに、凍結液卵の保管事業に対し新たに助成を行ない、鶏卵価格の安定をはかることといたしております。 さらに、新たに生乳流通近代化促進事業、成鶏肉処理加工施設設置事業、牛乳流通のワンウェイ化促進事業、包装食肉流通体系整備事業を行なうとともに、食肉センター、産地牛肉処理加工施設の設置等を引き続き実施することとし、これら畜産物の価格安定および流通改善対策として、あわせて二百九十億七千万円を計上しております。 次に、蚕糸園芸振興対策であります。 まず、養蚕生産対策としましては、繭生産改善推進施設設置事業等を引き続き実施するほか、新たに、養蚕の伸長の著しい畑地帯において養蚕新興団地育成模範施設設置事業を実施することとしております。 野菜生産対策としましては、指定野菜の拡大、指定産地の増加等野菜指定産地制度の拡充をはかるほか、新たに、露地野菜の生産安定のための野菜作柄安定緊急対策事業および生産性の高い近代的な大型施設園芸の育成をはかるための施設園芸集中管理モデル団地設置事業を推進いたします。果実生産対策としましては、近代的な生産出荷の基盤となる濃密生産団地の形成を進めるため、果樹広域主産地形成事業の拡充をはかるとともに、果実品質改善緊急対策事業等を引き続き実施することとしております。 特産農産物及び甘味資源作物の生産対策としましても、それぞれ引き続き地域特産農業推進対策および甘味資源生産合理化推進地区の設置等の事業を推進するほか、新たに高度機械化茶業経営指導パイロット事業、畑作地域集団営農パイロット事業を実施することといたしております。 さらに、近年需要の伸びの著しい花卉について、本格的にその振興策を実施するほか、稲作から蚕糸園芸作物への作付転換を推進することとし、これらの蚕糸園芸関係の生産対策として、合わせて七十七億三千五百万円を計上しております。 また、野菜の価格安定対策としましては、野菜生産出荷安定資金協会の行なう野菜価格補てん事業について、その対象品目、対象消費地域及び対象数量の拡大等を行なうとともに、稲作から野菜作への転換を促進するため、都道府県単位の野菜価格安定基金の基金造成費につき新たに助成することといたしております。青果物の流通改善については、新たに野菜集送センターの設置事業を実施するとともに、果実加工需要拡大のための近代的果汁工場の設置事業につき新たにリンゴをも対象に加え、また、温州ミカン及びリンゴ等の品質保持及び出荷調整のための産地貯蔵施設の設置事業等を引き続き実施することとしております。 これら青果物の価格流通対策として合わせて二十三億六千七百万円を計上しております。 次に、米麦の生産改善でありますが、稲作について、良質の米が高い生産性をもって生産されるよう、新たに大規模共同育苗施設設置事業及びバラ出荷施設設置事業を実施するとともに、引き続き米生産総合改善パイロット事業等を実施することとし、また、麦作については、生産性の向上をはかりつつ麦の主産地の育成をはかるため、水田転換対策の一環としての水田における中規模団地の育成をも含め、麦作団地育成対策事業を引き続き推進することといたしております。 以上、米麦生産改善につきましては、二十二億五千一百万円を計上しております。 第四に、農業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。 第六十三回国会において成立いたしました農地法、農協法の改正法及び農業者年金基金法の適切な施行を軸として構造政策の強力な展開をはかることとし、まず、農地流動化の促進につきましては、農地保有合理化事業の本格的実施をはかる等のため、九億八千六百万円を計上しております。 さらに、農協による経営受委託及び農業生産法人による大規模農場創設事業をも推進することとしております。 次に、第二次農業構造改善事業について、計画的推進をはかるため、新たに二百地区について事業着手を行なうとともに、第一次農業構造改善事業についてもその残事業を完了させることとし、合わせて一百八十三億七千七百万円を計上しております。 また、農業者の老後の生活の安定をはかるとともに、経営移譲の促進等を通じて農業構造の改善に資するため、昭和四十五年度に設立された農業者年金基金による農業者年金事業、離農給付金の支給、農地の買い入れ等の業務の本格的実施をはかることとし、一百十八億七千八百万円を計上しております。 以上のほか、農業就業構造改善対策及び農業経営者の育成を推進することとしております。 第五に、地域農業の総合的整備開発について申し上げます。 地域農業の総合的整備開発をはかるため、農業振興施策の広域化と地域振興施策の多様化をはかることといたしております。 まず、農業振興地域計画制度の円滑な実施をはかるとともに、最近における農産物の生産、流通の動向に対処して、経済的社会的諸条件を同じくする地域について、生産から処理、加工、流通を通ずる一貫した組織化をはかるため、米生産総合改善パイロット事業等の既存の諸施策を含め広域営農団地整備事業を実施することとし、米、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、果実、野菜、特産農産物についての生産流通加工施設、これら生産流通の組織化の拠点となる管理センター等の施設の整備を総合的計画的に推進することとし、これらを合わせて二十九億九千万円を計上しております。また、広域営農団地農道整備事業については、八十七億八千三百万円を計上し、事業の拡充をはかっております。 また、農村地域への工業導入を積極的かつ計画的に促進し、工業の立地と一体的に農業構造の改善をはかるため、農村地域工業導入計画の策定を行なうとともに、農村工業導入センターを設立し、工業導入に関する情報の収集、指導を行なうほか、関連農業基盤整備事業を行なうこととしております。 さらに、農山漁村地域におけるレクリエーション機能等の活用をはかるために、自然休養村の計画調査を行なうこととしております。 このほか、農山漁村の環境整備につきましては、農林漁業用道路の整備拡充、生活改善普及事業、僻地農山漁村電気導入事業、振興山村農林漁業特別開発事業、山村開発センターの設置事業、農村住宅団地建設計画の推進等を引き続き実施するとともに、農山漁村同和対策を拡充するほか、新たに生活プロジェクト実験集落整備事業を実施することとしております。 第六に、農産物の価格安定並びに流通加工の近代化及び消費者対策の充実について申し上げます。 さきに御説明いたしました農産物価格安定制度の拡充、畜産物、青果物の流通の合理化対策等のほか、生鮮食料品等の流通機構の整備をはかることとし、中央卸売市場及び地方卸売市場の施設整備の拡充をはかるとともに、新たに、公設及び民営の総合食料品小売センターの設置につき助成することとし、合わせて四十億六千一百万円を計上しております。 また、農林物資の規格表示制度の運用の充実をはかる等消費者保護対策の強化に一億五千二百万円、中小企業の近代化促進、食品関係企業対策の強化等農林関連企業対策に一億四千四百万円を計上しましたほか、生鮮食料品を中心とする農産物市場の開発拡大についての生産者団体の自主的努力を助長するため農産物市場開発推進事業を新たに実施することとし一億五百万円を計上しております。 第七に、林業の振興に関する予算について申し上げます。 林業生産基盤の整備につきましては、林道事業、造林事業を計画的に推進することとし、合わせて二百七十七億六千四百万円を計上いたしております。 林産物の生産流通改善対策につきましては森林計画制度、森林病害虫等防除事業、里山再開発事業等を継続実施するほか、新たに、内陸製材業振興対策及び間伐事業対策を実施することとしております。 また、林業構造改善対策につきましては、引き続き、林業構造改善事業を計画的に実施することとしておりますとともに、林業構造対策の新たな展開をはかるための検討を行なうほか、入会林野の整備、林業労働力対策等の拡充強化をはかることとしております。 さらに、国土の保全等をはかるため、治山事業につき三百五十四億三千万円を計上し、新たに保全林整備事業を行なう等その拡充をはかるほか、森林の公益的機能の計量化調査の新規実施等を行なうこととしております。 なお、林業信用基金の債務保証業務の円滑化をはかるため、同基金に対し一億円の追加出資を行なうこととしております。 第八に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 漁業生産基盤の整備につきましては、漁港整備事業、大型魚礁設置事業、浅海漁場開発事業の拡充をはかることとし、合わせて二百九十七億三千三百万円を計上いたしております。 漁業資源の維持増大につきましては、動物性たん白質の供給の増大と国際漁場におけるわが国漁業の振興をはかるため、新たに、新漁場開発事業を総合的かつ効率的に実施する機関として海洋水産資源開発センター(仮称)を設立し、海洋新漁場開発の強化推進をはかるとともに、引き続き、沿岸漁場等における水産資源の保護培養対策の強化、内水面における地域振興対策の拡充等のほか、公害により生産性の低下している漁場の復旧等漁業にかかる公害対策を新たに実施することとしております。 また、沿岸漁業構造改善事業については、第二次事業を、四十六年度以降十三年間にわたり、全国百八地域を対象として実施することとし、四十六年度においては、十二地域について事業に着手するとともに、計画調査を三十六地域につき実施することとし、第一次事業と第二次事業とを合わせまして、十五億九千七百万円を計上しております。 さらに、水産物の流通加工の改善につきましては、従来の諸施策に加えまして、新たに、拠点的産地における流通加工施設の総合的整備をはかる水産物産地流通加工センター形成事業、のりの生産者団体による周年平均販売体制を整備するための、のり保管施設等の整備を実施することとしております。 なお、漁船損害補償制度の実施費として十五億九千四百万円、漁業災害補償制度費として十六億三千一百万円を計上いたしております。 第九に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林漁業金融の拡充について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を二千六百二十億円に拡大し、農林漁業経営構造改善、基盤整備等に必要な資金の拡充をはかることとし、この原資として財政投融資一千八百九十九億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金一百六十九億五千三百万円を交付することといたしております。 つぎに、農業近代化資金融通制度につきましては、貸付資金ワクを三千億円とし、所要の利子補給補助等を行なうとともに、農業信用基金協会に対する都道府県の出資について引き続き助成することとし、総計八十五億四千五百万円を計上いたしております。 また、農業改良資金制度につきましては、技術導入資金として稲作転換作付条件整備資金を設け、その貸付ワクを二十八億円にすること等により貸付ワクを一百六十八億円に拡大して、これに要する経費五十三億六百万円を計上いたしております。 さらに漁業近代化資金融通制度につきましては、貸付資金ワクを三百五十億円に拡大することとし、これに要する経費五億一千九百万円を計上いたしております。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算について申し上げます。 まず、農林水産業の試験研究につきましては、新たに害虫の総合的防除法に関する研究、稲作転換推進対策試験等を実施するとともに、研究学園都市建設促進のため特定国有財産整備特別会計に必要経費を計上して移転予定研究機関の試験圃場用地の確保をはかるほか、試験研究費の増額、草地試験場、熱帯農業研究センター等の計画的な整備等試験研究体制の強化をはかり、また、都道府県に対する助成の充実等により試験研究の拡充強化をはかることとしております。これらに要する経費として一百八十四億五千八百万円を計上いたしております。 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農業改良普及事業について新たに普及情報活動システム化事業、普及職員中央研修施設の設置等を行なうことを含め九十七億二千九百万円、生活改善普及事業については生活プロジェクト実験集落整備事業等を行なうこととし、二十億一百万一円を計上しておりますほか、畜産経営技術指導事業及び蚕業技術の普及指導については、それぞれ四億九千九百万円、十三億八千万円を計上しております。 また、林業普及指導事業につきましては十七億三千五百万円、水産業改良普及事業につきましては三億八百万円を計上いたしております。 さらに、農林漁業関係公害対策について申し上げます。 最近における公害問題の重要性にかんがみ、農漁業に係る水質汚濁対策、農用地の土壌染汚防止対策、畜産公害対策、農薬残留対策、漁業に係る公害対策等の拡充を通じ、国民の健康を保護するとともに、環境の保全をはかることとし、これらに必要な経費として三十三億一千四百万円を計上しております。 以上のほか、農業災害補償制度の実施につきましては、所要の掛金国庫負担のほか、農家負担の軽減と事業運営の基盤の強化をはかるため団体職員の給与改善、庁費の増額、共済団体の広域合併の推進等を行なうこととし、これらの経費として四百二十九億七百万円を計上するとともに、農林統計調査の充実整備に三十七億九千五百万円、農業団体の整備強化に五十三億二千五百万円、農業資材の価格流通対策として四十八億三千五百万円、農産物の輸出振興対策として十五億九千万円、農林漁業関係災害対策公共事業として二百二十三億九千八百万円をそれぞれ計上いたしております。 次に、昭和四十六年度の農林関係特別会計予算についてご説明いたします。 第一に、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理について、食糧管理制度の適切な運営をはかるため、米の生産調整対策及び自主流通米との関係に配慮するとともに、過剰米についての計画的な処分を行なうこととし、このため、所要の予算を計上しておりますが、一般会計からは、調整勘定へ二千六百一億円、過剰米の処理にかかる損失の計画的補てんに充てるため国内米管理勘定へ三百二十二億円を繰り入れることとしております。 また、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため所要の予算を計上し、一般会計から農産物等安定勘定に八億円、輸入飼料勘定に四十二億円をそれぞれ繰り入れることとしております。 第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため、必要な予算を計上しており、一般会計から総額二百七十八億五千一百万円を繰り入れることとしております。 第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業勘定において、国有林野事業の一そう合理的な実施運営をはかることとしておりますが、その歳入予定額は一千七百三十三億九千六百万円、歳出予定額は一千七百八十一二億九千六百万円でありまして、差し引き歳出超過額五十億円は、前年度からの持越現金をもって充当することとしております。 また、治山勘定において民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業を実施することとし、必要な予算を計上しております。 第四に、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計につきましては、漁船再保険事業及び漁業共済保険事業の実施のため必要な予算を計上しており、一般会計から三十億五千八百万円を繰り入れることとしております。 以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、昭和四十六年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。 財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫、農地開発機械公団、森林開発公団、八郎潟新農村建設事業団及び特定土地改良工事特別会計につきまして、総額二千一百五億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和四十六年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終ります。 —————————————
○森田主査 以上をもちまして、農林省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○森田主査 これより質疑に入ります。 この際、分科員並びに政府当局に申し上げます。 本日は、多数の質疑申し出がありますので、質疑者におかれましては質疑時間を厳守していただき、また政府におかれましても簡潔に御答弁いただくよう、御協力をお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。原茂君。
○原(茂)分科員 きょうは、おらが国さの尊敬する大臣にお伺いするわけですから、まあお互いにリラックスしてひとつざっくばらんに……。それでも大事な問題を二、三お伺いをしたいと思いますが、現在問題になっております食糧を中心の農業政策なり、あるいは食管、米の問題、あるいはまた農地の払い戻し等が急にクローズアップされてまいりました。こういう問題につきましては、同僚議員からきょう一日真剣な討議があると思うのです。私は、最初に競馬そのものについて、これに関連する私の重要と考える事項をまずお尋ねをいたしまして、あと農地の払い戻しについて二、三お伺いをして終わりたい、かように思うわけであります。 私自身としてはきょう競馬という娯楽、また確かに豪快なスポーツではありますが、ギャンブルの伴っておりますこれのよしあしを論じようとは考えていないのであります。ただ、最近の状況を見ますと、たいへん競馬人口がふえてまいりまして、おそらく競馬場へ参りますと、大臣、御存じかどうか知りませんが、終戦直後に見られるようなたいへんな混雑がある。その意味では、人道上の問題としても何とか早期に手当てをしなければいけないというような事態まで起きてきている。こういうところを考えますと、いまのままでほうっておいたのでは、たいへんな事態になるなあということを考えておりましたやさきに、一昨日の報知新聞ですか、大臣、ごらんになったかどうか知りませんが、中山競馬がいま始まっているわけですが、これの二十日のレースの指定席を買おうというので、前の日の十九日の朝八時から、大ぜいが二十四時間場外で並んで徹夜でやっているわけですね。そうしないと指定席券が買えない。おそらくこんな状態まで出ているかどうかは御存じなかったと思うのですが、これ一応大臣、ごらんいただくように……。たいへんな状態になっております。 ことしの一月二日ですか、イギリスのアイブロックス・スタジアムのサッカー競技で六十六人が不慮の混雑で圧死をしました。そのほかに、百何十名の重軽傷者が出たという事件が起きたりいたしておりますので、そういうことのないことを望みますし、あるとは思いませんが、ややもすると、まあ、だいじょうぶだろうと思っておるうちに、その種の大きな事故の起きる例が多いものですから、そういうことを含めて、何とか事前にそういう事態の起きないような、競馬の人口がこうふえてきておる現状からいうなら、もう少し懇切な競馬ファンに対する、もっと楽に楽しめる、観覧のできるような状態にしてやることが私は必要ではないか、こういう観点からお伺いをしてまいるわけであります。 この間、調べてみますと、昭和三十六年七月二十五日にいわゆる公営競技調査会の答申が出ているわけです。これは三十六年七月なんですが、これをお読みになるとわかりますが、この中には、現在問題になっております、特にいまの内閣の貴重な一つの柱になっております人命尊重、あるいは社会福祉というような観点からは答申が行なわれていない。まる十年前のこの答申がそのまま現在の競馬の大体の中心に運営されていることがどうも間違いじゃないだろうか、こんな感じがするのですが、まずこの答申をごらんになって、もう古過ぎる、やはり新しいいまの時代に即したものをもう一度ひとつ答申を出し直させる必要がある、こう私は思いますが、まず大臣、基本的にその問題からお答えを願いたい。
○倉石国務大臣 お話しのございました、最近のわが国の競馬は、国民の健全娯楽として急激に大衆化してまいりまして、各競馬場ともファンの増大に施設の改善拡充が追いつかないという状態のようであります。競馬につきまして社会的に好ましくない現象を惹起するということから、その存続につきまして御批判のあることは私どもも十分承知いたしておるのでありますが、競馬は第一に、国民に対する健全な娯楽の提供、それから第二には、馬事の振興を含む畜産の振興、第三に、国及び地方公共団体の財政への寄与、そういうような目的のもとに運営されて、その期待にこたえるものと考えられるわけでありますが、農林省といたしましては、競馬が大衆娯楽として健全に発展するように、三十六年の公営競技調査会の答申に沿いまして、公正確保、秩序維持、環境整備等について、従来にも増して一そうの指導監督につとめる所存でございますが、私どもそう考えてやっておりましても、ただいまお話しのように、著しい勢いで、たとえば場外馬券場が非常な喧騒を来たすといったようなことも、しばしば地域の住民からわれわれにも陳情の話もございます。ただいま原さんの御指摘になりましたような点について、私どもといたしましても、十分にひとつ現状に即してなお一そう多くの国民の皆さまに、私どもが先ほど申し上げました競馬に対するいろいろな期待を持っておりますそのことが曲げられずに実施のできますように、できるだけ最善の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○原(茂)分科員 端的に、この答申をもう一度検討をして、必要があればひとつ再答申をお考えいただきたいと思いますが、これはあとにいたしまして、いまお話のありましたように、確かに財政収入にも寄与しているわけですが、国家に寄与する財政、四百何十億になるのでしょうか、こういうためには、どんなに競馬ファンが困難してもいいというわけにはいかないわけでありますから、そういう点で、具体的なものを少し先にお伺いしてみますが、現在の開催日数は、四十五年、四十六年を調べてみますと、二百八十六日、二百八十八日——四十六年はまあ予定だろうと思うのですが、券別の売り上げを見ますと、四十五年が二百円券が千四十七億余、それから五百円券が三百九十八億、千円券が二千百八十五億余なんです。 この混雑の原因の第一は何かといいますと、やはりこの二百円券というものの入手困難というのが第一の理由なんです。ほとんどもう二百円券というのは買えない。千円券をいやでも買わないわけにいかない状態にいまなっている。ここらにも心理的な混雑を来たす大きな原因があるのです。いわゆる大衆、庶民のスポーツを見るという、娯楽というものを考えたときには、私は、千円券が二千二百億近くも売れていて、二百円券がその半分以下だというこの状態に目を向けて、二百円券をもっとたくさんに売り得る状態にしないといけないのじゃないかと思うのであります。場内と場外馬券の売り場で大体半々売り上げをしているようでありますが、二百円券が、もう少し庶民大衆に完全に手に入るように、金額でいいますと、売り上げのうちの少なくとも半分以上が二百円券という、庶民の買いたい者に望みどおり買わしてやるという処置を講ずる必要があると思うのですが、現状から見て、こういう点はどうなんでしょうか。
○増田(久)政府委員 競馬が大衆娯楽でございますので、基本的に大衆の買いやすい二百円券というものをふやしていく、あるいは買いやすくするということは、私は基本的に賛成でございます。特に競馬は大衆娯楽で、決して競馬場は鉄火場ではございません。そういう意味で、そういう多額のものを買う者を優遇するということは私どもは一つもない。 そういう意味で、たとえば北海道の競馬場におきまして発売の額を制限する試みをいたしておりますけれども、私はこれは非常に注目していい形ではないかと思っております。現実に、現在のたとえば中山競馬場で申し上げますと、二百円券の発売の窓口が大体全体の七五%を占めている。これはずっと実はふやしてきているわけでございます。しかしながら、現実問題となりますと、どうしても相当に混んでいるという事実は事実でございますので、今後さらに機械化を進めていくとか、何らかのその他の緩和措置を講じまして、低額の馬券の買いやすい措置というものを検討してまいりたい、かように考えております。
○原(茂)分科員 二百円券が買いやすい措置というものは、たいへんな近代化、合理化を基本的に考えてやりませんと、場外の状態なんか見ると、現状ではほとんど不可能な状態ですね。それも考えていただかなければいけませんが、そういう意味では、この場外馬券売り場は、現在、数が制限されているわけですが、この数をどこか売り場所をふやすようなことはできませんか。 場外の馬券売り場の混み方は、交通事故などもひんぴんと起こすようなたいへんな混乱をしているわけです。こういうことを考えますと、私は、あの馬券売り場そのものをもっと拡大したらどうかと思うのです。たとえばたばこ屋さんでいいのかどうか知りませんが、これに準ずる考え方ですね。何かいまの状態だけで置いたのではいけない。何か拡大する方法はないか。そういうお考えはありませんか。
○増田(久)政府委員 御承知のとおり、現在中央競馬で申しますと、関東で九カ所、関西で五カ所、計十四カ所ございまして、それが全体の売り上げの五〇%を扱っておる、こういうことで、非常な混雑を見せておることは御承知のとおりでございます。そのために従来とも、たとえば施設を改善するとか、あるいは機械化を進めるとか、そういうことをいろいろ進めてまいったわけでございますが、率直に申し上げまして、三十六年の答申の線がありますために、われわれこれ以上施設をふやすというわけにはいかないという行政的な現実の縛りがございます。そういう意味で、率直に申し上げまして、たとえば発売ベースというものを数を少なくするとか、あるいは二百円の馬券の発売を制限して、ある場所では千円券しか売らない、こういうような逆に言えばサービスを低下させておるという措置をやむを得ずとっておるというのが現実であります。 しかしながら、先生おっしゃいましたような馬券売り場をふやせとかいうことは、何かいろいろ考え方としてはあると私思っております。現にヨーロッパとかアメリカでは、喫茶店とかあるいはたばこ屋で売っておるという、こういう事実があるわけでございます。またある人は、たとえば映画館などを借り切って、そこで売り出すようなことを検討したらどうかというような意見も出されていることも事実でございます。しかしながら、現実には、先ほどの答申の線が現実にあるという問題、それから技術的に、発売したものの集計、確認の方法をどうするのか、あるいはその発売したものの責任の所在、そういったいろいろ技術的な問題もございます。それにまた現実にこれだけ競馬人口はふえてまいりましたけれども、競馬に対する一般の考え方というものは、まだまだそこまで認めるまでには、私は率直に申し上げて、まだなってきていないのじゃないか。したがいまして、これは将来の研究課題としてわれわれ関係者として十分検討してまいりたい、かように考えております。
○原(茂)分科員 これはいまもお話があったように、大臣、結局答申にからんでくるのです。この答申が生きておる限り、このままである限り、混雑は認めるけれども、緩和しなければいけない状態であることは認めるけれども、それを、たとえば売り場をふやすというようなことをしようとすると、この射幸心云々という答申が生きてきて、できないというのにどうしても逃げ込んでいくわけですね。したがって、冒頭申し上げたように、この答申というものをもう一度その観点から——現在の混雑をこのままにしておきますと、きょうあすにもへたをすると大きな事件が起きないものでもないのです。私は、警告を含めて申し上げておきますが、行ってごらんになったら、これはたいへんだということがわかるのです。このまま放置したら、これはイギリスのサッカー場じゃないが、えらいことになるなということがわかるのに、放置しておいて、もし事故が起きたときの責任は一体どうなるのか。これは責任では済まないわけです。ですから、私は、この答申というものを、もう十年もたっているのですから、いまのようなことを含めて、もう一度再答申を要請する必要があるかと思うのですが、大臣、どうでしょう。
○倉石国務大臣 競馬に限らず、私は、それにひとしいような一般的ギャンブル——競馬はギャンブルだけの目的ではありませんけれども、そういうことにつきましては、国の大事な施策の考え方の問題だと思っております。しかし、世の中が平和になり経済が安定してくるに従って、やはりいろいろなことに興味を持つ、これは悪いことではありますまいが、そういう中の一つの競馬というものを考えてみると、ただいまお話のございましたように、私どものところへもいろいろ御忠告やら注文を——場外馬券場が足らないからふやせという御意見もあるかと思えば、ああいうものをつくられては騒々しくてはた迷惑だというのでたいへんな反対の陳情がおいでになる。そういう状況の中で、とにかく私どもの監督に属する仕事でもございますので、十分に検討いたしてみなければならない問題が多々あると存じます。そういうような角度でさらに十分検討いたしてみたいとはかねがね思っているわけでございます。
○原(茂)分科員 答申にひっからむからという逃げ口上では、この混雑緩和の方法は考えられぬのだが、それが現状ではしっかりできないということになると思うのであります。ですから、答申そのものをやはり大臣としては基本的に取り上げる姿勢をお持ちにならないと、ちょっと問題の解決にならないんじゃないかという感じがするのですね。 競馬場そのものを見ても、場内はたいへんな不健康、要するに、立ち見が多いのですから、これはたいへんな混雑で、急に夕立ちだなんというときのあの状態は、何が起きるかわからないほどの状態なんですね。ダービーのときなんかには十五万に制限をして入れているようですけれども、たいへんなものです。一たび事故が起きたらえらいことになるという感じがするわけですね。 そういう意味では、答申にはぜひひとつきつく目を向けて、これで逃げ口上にしないような配慮をぜひ大臣にお願いしたいのです。あるいは答申そのものを変えてもらうか、もう一度このことをお答え願いたいと思います。
○倉石国務大臣 いろいろなことを含めて、十分常々検討いたさなければいけないと思っております。
○原(茂)分科員 そこで、具体的にこれから少しこまかく問題に入っていくのですけれども、いまの問題の締めくくりとして、現在のような状況を緩和するというのは、場外馬券ばかりではない。中山にしても東京にしても、競馬場自体に基本的なメスを入れないといけないと思うのですね。たとえば指定席をとるのに、いまの新聞にあるように、徹夜で通し切符を買うという。一昼夜以上の徹夜なんというばかげたことをやるのがいまだに行なわれているわけです。そうすると、具体的にいまのままでもやれる方法とするなら、場内の指定席そのものを、しかも三百円という安いところの数をふやす、思い切って増築をするということをやらない限り、競馬場そのものの具体的な対策を立てたことにならない。そういう計画をお持ちかどうか。ぜひそれをやるべきだと思うのですが、具体的にどんなふうにやってもらえるだろうか。
○増田(久)政府委員 そういう混雑を緩和いたしますために、従来におきましては、スタンド改築、売り場窓口の増設というようなことで、中央競馬で申し上げますと、毎年百億近い投資をしておる。それから地方競馬だけでも五十億以上の投資をして、そういう問題に対処してまいってきているわけでございます。 しかしながら、一方競馬人口と申しますか、入場者の数がまたその施設の増強以上に伸びが著しい、また発売の金額もふえてきているというようなことで、施設が常に後手後手に回っているということも現実の姿であるわけでございます。同時に、敷地というものもおのずと限界がございます。 そういうことで、率直に申し上げまして、府中で申し上げれば、ことし五月にさらにスタンドの大改築ができる、それで相当の人員の収容ができることになるわけでございますが、それだけでは現実の問題には対処できないであろう、こういうので、茨城県にトレーニングセンターというものをつくりまして、厩舎関係を全部そちらに移転し、そのあとにスタンドなり駐車場を設けるというような計画も着実に進んでおるわけでございます。 先ほど申しましたとおり、絶対的な敷地面積というものにはおのずと限界がある。そこのところにどうしても問題が出てくる、したがって、ダービーのように、前売り券で入場人員をある程度制限するということをおのずと考えざるを得ないような実態になりつつあるというわけでございます。
○原(茂)分科員 ダービーは例外ですから、一回ですから、これを全部指定席へというわけにいかないことはわかっておる。普通でも定員というと七万から八万くらいに考えているでしょう。そのうちスタンド、ことにすわり得る場所がいまの広さでふやし得ないということはないと思う。思い切ってそういう手も講じてやることが必要だと思うのですよ。 いま茨城県の例が出ましたが、これは新たに競馬場を設置するという意味ですか、それも一緒に答えてください。
○増田(久)政府委員 茨城県のは、厩舎関係だけをそちらに移転させるということでございまして、したがって、こちらの厩舎はレースのときだけということで、おのずと規模を縮小できるということになる、したがってそこに敷地の余裕ができる、こういうことになるわけでございます。
○原(茂)分科員 そこにスタンドをふやせますか。
○増田(久)政府委員 スタンドになるか、駐車場になるか、どちらになりますか……。
○原(茂)分科員 それはいつごろ具体的に工事ができるのですか。
○増田(久)政府委員 やっとただいま用地の買収を進めつつあるところでございますので、現実に完成するのは五十年ころになるのではないかと思っております。
○原(茂)分科員 五十年まで現状のままでほうっておく。年々多少の改築費をかけているとしても、とにかく敷地の問題でふやせないということで過ごしてしまいますと、先ほど言った状態がずっと続くわけですから、少なくともスタンドの整備は、これはもう大至急に現在の競馬場を中心にやる必要がある。もう広さでだめだなんということはないわけですから、行ってごらんになれば、まだまだふやす余地があるのですから、これはぜひひとつ考えていただきたいと思うのです。具体的にはまだその計画がないようですから、先へ進みますが、ぜひひとつ変なことの起きないうちに、私が警告したのになどということのないように、大至急御配慮をいただく、五十年などというのんびりしたことでは困る、こういうふうに思うわけです。 それからこれはついでにお聞きするのですが、ダービーの四十四年、四十五年の開催日の売り上げはどのくらいになりますか、それからそのうちダービー・レースだけの売り上げですね。同じように有馬記念レースの四十四年、四十五年の開催日の売り上げと、有馬記念レースだけの売り上げ。これをひとつ数字をお知らせ願えませんか。
○増田(久)政府委員 そのレースだけの数字しか資料を持っておりませんが、申し上げますと、ダービーが四十四年が五十六億、それから四十五年が減りまして四十六億でございます。有馬記念は四十四年が五十三億、四十五年が七十一億でございます。
○原(茂)分科員 そうしますと、これはおそらく競馬に来る人、場外を含めて一人が平均五千円以上買うわけですね。たいへんなお金を使いながら、なおかつ自分の買いたいと思う安い馬券が買えないで、千円の馬券を買わされてみたりしながら、何か不満を持つような状態が残っているわけです。しかも入場の状況を見れば、十五万で制限しても、たいへんな混雑の状態の中でこれを観覧するということになるわけですから、金額的に見ても、とにかく一レースで五十億以上のかけが行なわれておるということは、たいへんなことだと思うのです。そういうことを考えますと、前段の問題についても早く手を打たないと——とにかくどのくらい混雑するかが大体わかるわけですから、ひとつ十分に考えていただきたい、こういうふうに思います。 それから、いまの控除率といいますか、売り上げに対して国に納付されるものと自治体に行くもの——施設のために行くものですね、競馬会に行くのですか。それから配当。これは日本の場合には大体七割五分と二割五分だと思うのです。イギリス、アメリカから見ますと、控除率が日本の場合にはたいへん高いのです。しかも彼らよりは日本の観覧者のほうがたいへんな不自由、不便、混雑の中に危険をおかしてまで、レジャーといいながらとにかく家族連れで無理して行っているという状態をしていて、なおかつ配当に回る分が米、英よりは少ない。これも違った面から見ると矛盾だと思うのです。ですから、大至急に、少なくとも現在の国庫収入を見てもそう少ない金額じゃないのですから、控除率をここらで米、英並みに少し手直しをする。何パーセントか配当のほうに回すということをしていい時期に来ていると思うのですが、この点どうですか。
○増田(久)政府委員 イギリス、アメリカ、ヨーロッパのそれぞれの実態をいろいろわれわれとしても調べているわけでございますが、アメリカにおいても、このごろ一部逆に控除率を上げようというような動きも事実あるわけでございます。事実どの控除率が最も妥当であるかという問題は、慎重に関係方面と検討をしなければならない問題だと思いますので、この点につきましては、なお検討を深めてまいりたい、かように考えております。
○原(茂)分科員 これは配当率が固定されて長いのですから、もうだんだんに検討をする時期が来ているし、当然配当率を少なくとも二%程度はふやすということが必要だと思うのです。いま国庫収入を見てもそのくらいのことは当然できますし、やるべきだというふうに考えますから、この点の検討はぜひひとつしていただく。同時に、いまの国庫に納付される分が一般会計に入るのだと思うのです。したがって、使途は——本来のきめられた目的は、畜産の振興とか何かの目的だったと思うのですが、現在どういうふうに使われているか、ひとつ……。
○増田(久)政府委員 現在四十四年で約四百三十億、四十五年は五百三、四十億になるかと思います。一応四分の三が畜産へ、それから四分の一が社会福祉ということになっているわけでございます。現実にことしの畜産局の予算を申し上げますれば、畜産関係ということだけで五百三十億に達しておりますので、実は競馬のものよりも現在一般会計からいただいている額のほうが現実には多い。また、過去もそういう傾向であったわけでございます。
○原(茂)分科員 こういう点ははっきりしないと、競馬ファンの立場からは、ちょっと何となく割り切れない、確かにそういう感じがしますので、一般会計から畜産に向けられる予算の多い少ないよりは、やはり競馬そのものが国に寄与した四百億あるいは本年度見込みの五百億以上のものは少ない金額とは言えないわけですから、単に一般会計へ行って固定した使われ方ばかりでなくて、この範囲というものが広げられていくようにしないと、社会福祉関係にもう少し使われていくようにしないと、私ども一般大衆の気持ちからいって、現在、畜産振興と昔言われたものとはちょっと違っていますから、中身をよく見るとわかるのですけれども、昔とは違うのですから、だんだん社会保障関係のほうへできるだけ多く回すというような変更をしていく必要があると思うのですが、そういうお考えはありますか。
○増田(久)政府委員 先ほど申しましたとおり、四分の三が畜産、四分の一が社会福祉、こういうことでいままで運営されておったわけでございます。確かに、時代の推移等もございますので、そういう点につきましては、関係方面と十分検討を進めてまいりたいと思います。
○原(茂)分科員 競馬について、これは大臣にちょっと聞くのですが、私、去年のいつだったか知りませんが、何か閣議のときにどなたかから一万円馬券というような発言があったときに、即座に総理がそれはいかぬと言われて、全然問題にならなかったということを聞いているのですが、そういう事実がありますか。たいへんりっぱな見識だと思うんだけれども。
○倉石国務大臣 あまりよく聞いておりません。
○原(茂)分科員 たしか閣議の席上だと思います。じゃ、居眠りでもしていたのかもしれませんが、去年のあまり早い時期じゃないようですよ。
○増田(久)政府委員 前大臣のときにそういう事実がありました。
○原(茂)分科員 そうですか。前大臣ですか。倉石さんは居眠りするわけがないので……。 千円券ですら現在のインフレ傾向の強いおり、そうでなくても庶民のいやだけれども買わされていて高いという感じの千円券ですからね。これ以上大きなものを売り出すことは絶対すべきではないと思いますが、この点は明快に答えていただきましょう。
○増田(久)政府委員 全く御意見に賛成でございます。
○原(茂)分科員 それから、いま何か東京競馬の改築中だというのは、先ほど言った程度の改築中なんですか。いつごろできるのですか。
○増田(久)政府委員 御承知かと思いますけれども、スタンド横に昔万歳館という建物があったのでございますが、あれを全部こわしまして、あれを全部スタンドに改築いたしておりまして、本年の五月に完成をいたします。
○原(茂)分科員 それから次にお伺いしたいのは、ダービー並びに有馬記念の十年前それから五年前、昨年、いわゆる馬主、勝ち馬ですか、それに対する賞金は幾らだったでしょうか。
○増田(久)政府委員 まことに申しわけございませんが、その資料を現在持ち合わせておりませんが、四十四年度におきましては、タービーが二千万円、有馬記念が千七百万円でございました。四十五年が二千三百万、それから四十六年はダービーが二千八百万になるということでございます。
○原(茂)分科員 有馬は。
○増田(久)政府委員 有馬はおそらく二千万——ちょっといま資料を持ち合わせておりませんけれども、そういうことでございます。
○原(茂)分科員 もうすでに予算があなた方のところできちっと作成されているのに、それを持ってないということはないでしょう。四十六年の見込みの有馬はもう一ぺん調べてください。
○増田(久)政府委員 先ほどの十年前の話で資料が出てまいりましたので申し上げますと、三十七年に七百万円でございました。それが四十年に一千万円になり、四十四年に二千万円になって、それから今度は四十六年に二千八百万ということになるわけでございますが、同様に有馬記念は、三十七年に六百万、それから四十年に八百万、四十四年に千七百万でございます。 で、まことに恐縮でございますが、有馬記念の四十六年の予算書がちょっと手元にございませんので、後ほど御報告申し上げたいと思います。
○原(茂)分科員 それじゃ、あとで知らせてください。 それから、現在の競馬は昼間だけやっているわけですね。そろそろ日本でもアメリカなどがやっているような、もちろん種類の重点が違うようですけれども、夏などは夜間にやってもいいんじゃないかというふうに思うのですが、これはどうでしょうか。
○増田(久)政府委員 アメリカなり南アメリカなりで夜間やっておりますのは、トロッターでございます。どういう風土と申しますか関係かよくわかりませんけれども、日本ではどうもトロッターというものが一般のファンにも喜ばれないという一般的傾向がございまして、地方で一部行なわれておりますけれども、それもむしろ減る傾向にあるわけでございます。そういうことで、はたして日本で夜間でやることが受け入れられるかどうかという問題が基本的にあるわけでございます。それを行なうとすれば、当然法律改正が必要だということになるわけでございます。
○原(茂)分科員 これもひとつ検討する時期に来たと思うのですね。 それから次に、騎手とか競争馬の中央競馬と地方競馬の交流の問題ですけれども、最近帽子の色だけは統一交流できたのですが、これはいつまでも交流を禁止している理由はもうないと思うので、交流をさせることをひとつ考えていいんじゃないかと思うのですが、これはどうでしょうか。
○増田(久)政府委員 たしかにこのごろ地方競馬、特に南関東なり関西における地方競馬の発展というものは目ざましいものがございます。そういう意味で、中央競馬、地方競馬のあり方というものは今後もっと、従来みたいに峻別するという形ではなしに、競馬全体の角度から、どういう形で交流したらいいかという問題は、もう検討すべき時期に入ってきておると考えます。
○原(茂)分科員 それから日本も競馬の国際協定に参加してもう相当たちますね。いまハリウッドで日本中央競馬賞レースですか、記念賞レースですか、毎年やることになりましたね。そろそろ日本でも——もう三月名古屋では世界卓球選手権大会があるわけですが、オリンピックはもうやったし、国際競馬だって日本でもうやっていい時期に来ておると思う。その計画はありませんか。
○増田(久)政府委員 実は来年度、国際招待レースをやったらどうかということで、それには相当の準備が要りますので、その準備を進めておる段階でございます。
○原(茂)分科員 これは来年度やるのはたいへん私はいいと思うのですが、確実に進めるように遅滞なくぜひ手続をやってもらいたいと思う。 それから、戦前ありました横浜の競馬場ですね、これはいま接収されたままになっておりますか。
○増田(久)政府委員 根岸競馬場でございますが、あの一部はすでに解除されまして国有財産になっておるわけでございます。あのあとをどう使うかということは、まだこれからの検討問題であります。
○原(茂)分科員 これは一部だけなんですが、全部返る見込みはいつごろなのか、その交渉はしているかどうか。
○増田(久)政府委員 まだ全体がいつ返るかという見通しはついておりません。
○原(茂)分科員 交渉もしていないのですか。
○増田(久)政府委員 いま特に交渉を進めているというわけではございませんけれども、率直に申し上げて、根岸のあとをそのまま競馬に使えるということは現状ではやや無理ではないか、かように考えております。
○原(茂)分科員 なるほど返ってきてもちょっと競馬場にそのまま復活するのはむずかしい、そうですがね。もしあそこが復活できれば一つの緩和策になるわけですからね。それもしかし遠慮して言っているのかどうか知りませんが、私は不可能じゃないような気がするのですけれども、これも検討に値すると思うのです。特にあそこの場所は大至急返還交渉の対象にしていいものだと思うので、これは大臣ひとつ積極的に返還の交渉をするように進めていただきたいと思うのですが、どうでしょうか、内容からいって。
○倉石国務大臣 先ほど来お話しのございましたようなことで、最近は入場者もたいへん多いわけでありますし、したがって、これをやるならば——御存じのように、あの法律の中にはたしかもう一カ所横浜市と書いてございます。何と申しますか既得権みたいな形でもう一カ所できるはずでございます。そこで馬を大事にする人々からは、日本のただいまの二カ所の競馬場では回数が非常に多過ぎて、イギリスあたりに比べると、競馬場を、何と申しますか走りやすくしっかり整備するのには、現在でも回数が多過ぎて、われわれしろうとのことばで言えば、荒れているらしいのです。したがって、上等な馬の足を痛める危険があるので、もう一カ所ぜひやってもらいたいという要望はございました。 そこで、私どもも根岸についていろいろ調査してもらったのでありますが、全部返りましても、根岸競馬場が近代的な競馬として適当であるかどうかということにはたいへん疑問があるようであります。したがって、おそらく中央競馬会でもそれらのことを念頭に置いていろいろ研究いたしたと思うのでありますが、その結果については聞いておりませんが、あの法律に横浜市とあるのでありますから、私が冒頭に申し上げましたように、馬匹改良その他いろいろ公的にも貢献されております競馬場のことでありますので、なお研究する必要があるのではないか、こう思っております。
○原(茂)分科員 競馬の問題はそれで終わります。 あと最後に、国有農地の払い下げに関して、これは基本的には反対ですし、いまそんなことをすべきではない、こう思うのですが、最高裁の判決があり、これが中心で各党ともいまいろいろと考えているようですから、その結論を結果的には待たなければいけないと思うのですが、私は地元の問題として一点聞きたいのは、長野県に払い下ぐべき対象としての国有農地は一体どのくらいあるかを、この間調べるように言っておいたのですが、郡市別にちょっと言っていただきたい。
○岩本政府委員 長野県におきまする国有農地等の面積は七十二ヘクタールでございます。 郡市別に申し上げますと、南佐久郡が三万一千九百十四平方メートル、北佐久郡七万三千五百三十三平方メートル、上小地区六万六千三百七十六平方メートル、諏訪地区九千二百八十一平方メートル、上伊那郡三千七百八十三平方メートル、下伊那地区四万四千六百十五平方メートル、松筑地区九万五千百二十五平方メートル、南安曇郡五千九百二十七平方メートル、下安曇郡地区三万四千四百九十平方メートル、埴科地区三万二千百六十八平方メートル、上高井地区六万一千百八十平方メートル、下高井地区三万四千九百十五平方メートル、長野地区十五万二千三百七平方メートル、下水内地区七万四千五百七十二平方メートル、合計七十二万百八十六平方メートルでございます。
○原(茂)分科員 既墾地と未墾地の別をちょっと言ってください。
○岩本政府委員 ただいま申し上げました数は既墾地でございます。
○原(茂)分科員 そこで、これにかける時間があまりありませんので、大臣にちょっとお伺いしたいのですが、この種の払い下げをもし申請によって行なうとしますと、旧地主のすでに解放されて転用が済んでいたりあるいは小作の農地になっていた人たちと比べますと、たいへんな不公平といいますか、たまたま国有地になっていたところだけはそういう可能性があるのですけれども、そうでない旧地主との公平という問題、こういう問題が起きてくると思うのですが、これには何かこれが実行されたときに手当てをすることをお考えですか。
○倉石国務大臣 ちょっとよくわかりませんでしたが、旧地主に売り渡す場合は、やはり買収価格で売り渡しておるわけであります。
○原(茂)分科員 元地主が解放した農地があるでしょう。国有農地の場合ですから、いま旧地主への払い戻しが論議されておるわけですよね。そうすると、現在国有農地になっていない旧地主に対する公平さという点が問題になってきやしないか。
○倉石国務大臣 この土地は、もう申すまでもないことでございますが、自作農創設のため法に基づいて政府が買い上げた。買い上げられた土地は反当たり七百六十円で買い上げ、そしてそれぞれ当時小作であった人たちに渡っております。したがって、そういう方々から見ますと、今度のことがこのとおり行なわれるということになりますと、おそらく非常な不公平な感じをお受けになるのではないか、一般的には私どもそのように理解いたしております。
○原(茂)分科員 そういういまの程度で、大臣の答弁を聞いていましても、これをどうしようかというやり方がまだはっきりしないという段階だろうと思うのですが、そういう段階ですか。
○倉石国務大臣 皆さんお時間もないときに私どもあまり理屈を言うつもりはありませんけれども、御存じのように、農用地として使うということで政府が強制的に買収をいたしました。したがって、今度の判決は、それを当然返すべきである、旧地主に返還すべきである、こういうことになったわけでございますので、最初に原さんがお尋ねになりましたような事柄を考えれば、その面からは不公平論がたくさん出てくるであろうと思います。いま、今度行ないます問題は、二十数年間たって地価が非常に変動を生じておる、そういうところに買収価格で買い戻しをさせることの不公平、逆な意味において不公平論が出てきております。 しかしながら、私ども実はこの最高裁の判決が出ましたときに——ちょうど昭和四十一年には、この判決が出る前に同じようなケースがございまして、その当時も私が農林大臣でありまして、こういうことについて法をまっすぐやっていけばこういうことになるだろうが、何となく社会常識的におかしいなと思いまして、さらに調査を重ねるということで遅延しておる間に、今度の最高裁の判決となったので、法律的にまた行政的にはわれわれとしてこの最高裁の判決を尊重せざるを得ない。したがって、無効であるといわれた法第八十条に基づく施行令は改正せざるを得ないということになったわけでございます。 ただ、いま御指摘のように、いかにも何となく割り切れないような感じをいたしますので、政治論としては、法の精神に反せざる範囲内においては、ひとつ何とかこれをやるべきではないか、こういうようなことにつきまして考えておるわけでありまして、いろいろそういういま私が申し上げましたような範囲内で私ども検討をいたしたいと思っておるわけであります。
○原(茂)分科員 という状態ですから、最高裁の判決といっても、一月二十日ですかね、出たのが。それが出てすぐに——まあ四十一年の撤回をしたといいますか中止にした例があるから、ずいぶん長い間お考えになったし課題だとおっしゃるだろうと思うのですが、一月二十日に最高裁の判決が出て一カ月足らずの間に急にそれに合わしてやろうというところにも無理があるんじゃないか。ですから、いま閣議でもうきめられたようですけれども、これはあまり急に——どうしても一度やったんだからやるんだということでない思い切った、これは大臣が逆提案をされて、お気の毒ですけれども、もうちょっと慎重に諸般の情勢をとにかく検討した後にするというようなことをして、ここですぐに問題を解決しようとする態度はちょっと急ぎ過ぎるし、いままでの政府の態度からいっても、どうしてこんなに急ぐのかという感じ、憶測がいろいろ出てくるわけですよ。ですから、もうちょっと慎重にやるために、ここではすぐに、とにかく閣議決定はあっても、実施することはしない、相当時間を延ばして検討するということにすべきだと思うのですが、どうでしょう。
○倉石国務大臣 ふだん懇意に願っております原さんですから、ざっくばらんに申し上げますけれども、原さん方がやがてわれわれにかわって内閣をおつくりになりました、こう考えていただきまして、なるほど私どもは、われわれ国会議員は立法府でございますから、国権の最高機関であり、唯一の立法機関でございますので、法律はわれわれがつくりますけれども、やはりその法律に関する事案について判断を最終的に下すのは最高裁判所でございますので、四十一年のときは、下級審においては今度の判決と違う趣旨が言われておりまして、われわれの言っていることもかなり認められておったわけでありますので、ああいう——それでもなおかつどうもおかしいではないかというので、撤回して検討しておる間に、昭和四十二年にこれが最高裁に係属することになりましたので、やはりこれは最高裁の判断をまつべきであるというので、結論を出すことを研究会では停止しておったわけでございます。そこで、今度判決が出ましたから、いよいよ、しかも農林省所管として持っております施行令第十六条は、法の解釈の範囲を逸脱した無効なものであるという判決を最高裁で下されましてから、一日も、無効なものを握っておる、しかもそれによって行政が行なわれるということになるといたしましたら、皆さん方が内閣をおつくりになってもこれはやむを得ざることではないかと思うのでありまして、まあ、その辺のところは十分御了解を願いたいと思います。
○原(茂)分科員 社会党が政権をとれそうなことを言ってくれたからやめますが、けっこうですから、あと、この問題は同僚議員が専門にいろいろとお尋ねをする予定でございます。どうもありがとうございました。
○森田主査 井上普方君。
○井上分科員 伺いたい第一点は、実は私どもは国元へ参りまして、米の消費者の方々から非常なお話を聞くのであります。といいますのは、私のほうのくににおきましては、強化米と称するビタミン米をみんな強制的に小売り店から消費者が買わされているという実態があるわけなのであります。したがいまして、どうもここらあたりに、農林省は、おそらく希望者だけに対して配給する、強化米を売ってよろしいという態度であろうと思うのでありますが、しかし実際には、小売り店から強制的に買わされているという実態があるわけなのであります。したがいまして、この間にいかなる行政指導がなされ、しかも強化米を混入する法的根拠というようなことは一体どこにあるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
○亀長政府委員 ビタミン強化米につきましては、先生御承知のとおりいろいろな名前で売り出されております。ポリライスといったり、ビタライスといったり、あるいはライスゲンといったりしておりまして、二十八年に栄養審議会の答申がありまして、また厚生省からも特殊栄養食品として標示の許可を受けている、こういうこともございまして、現在だいぶ数がふえまして、七千トン近く年間消費をいたしております。私ども食糧庁の配給のたてまえからいたしますと、現在でもすでに、これはいわゆる配給米の一部をなすものではない、あくまで米を原料にした加工品であるという食管法上の解釈をとっております。 それから、いま御質問ございましたように、どうも消費者に対して押しつけがましいことがあるのじゃないかというようなことでありまして、過去数回にわたって、その点に関しまして通達を出しておるわけでございます。一例を申し上げますと、三十年の七月、大阪府知事よりの照会に対しまして、私どもの通達で、小売り業者が、希望しない消費者に強化米を混入しないこと、米を配給することにより強化米を消費者に押しつけないこと、強化米の混入によって配給米の量目の不正が行なわれないこと、混入手数料を徴収しないこと、このような通達を出しておるのであります。それから三十七年の十月にも再び都道府県に対しまして、「最近消費者からの混入委託もないのに一方的にビタミン強化米を配給米に混入する等の事例がみられるので、かかることのないよう販売業者を一層御指導願いたい。」という通達を出しておるのであります。さらに、昭和四十二年にも「消費者米価の改定に伴う配給秩序の維持および改善措置について」という通達の中で、「ビタミン強化米入りの場合は、その数量、価格を明示させる。」という通達を出しまして、この強化米というのは決して政府の配給米の一部ではない、あくまで加工品として扱うものであって、混入はあくまで消費者の希望によるものであるという趣旨を明らかにいたしておるわけであります。
○井上分科員 ところが、そのあなたのほうの通達が出されておりますけれども、実際にはそれが守られていない。事実、見てみますと、配給米の場合におきましては、これは配給米の総数量の二五%が大体強化米として売られているんですね。配給米の総量が、これが玄米にしまして六百七十二万トンくらいでしょう。そうしますと強化米の混入比率は、これはおたくの資料でございますが、百六十二万トン出されておる、混入した米がですね。大体配給数量の四分の一が強化米になっておる。この実情です。こういう事実がある。はたして国民が、配給米の四分の一、私は強化米がほしいと言うであろうか、常識的に考えてどうでございましょうか。 それからもう一つ、一体強化米の末端価格はどれくらいになっていますか、この点をお伺いしたいんです。
○亀長政府委員 七千トンの製品でございますから、大体五グラムずつを混入するということで計算をいたしますと……
○井上分科員 キロ、ですね。
○亀長政府委員 一キロにつき五グラムでございます。そういう計算をいたしますと、先生の御指摘のような数字になると思うのです。ただこの値段につきましても、私ども、これは当然米代と別でございますから、五グラム混入すれば一キロについて別に四円、金を取られるわけであります。でありますから、配給米とは別に値段を取るし、その点も明示をして渡しておるはずでございますから、消費者の方が、値段の点からも、もし配給米の価格という点について御認識を持っていただけるなら、その点はどうも配給米とは値段が違うということでお気づきになるはずだと思うのでありますが、量が非常に多いんじゃないか、四分の一も、そんなに希望しているのかというお話になりますと、これは推測の域を出ない話でございますから、私どもとしては今後も、あくまで希望者ということ以上にこのビタミン米を売ることはいけないという趣旨を、もう一段と徹底さすように努力をいたしたいと考えます。
○井上分科員 キロ四円でございますか。
○亀長政府委員 米一キログラムにつきまして五グラムまぜるというのが大体いままでの慣行になっておるわけでございます。その五グラムが四円に該当する。このビタミン強化米が五十グラム四十円という値段になっておりますので、一キロについては五グラム混入すれば四円につく。だから配給米の値段に一キロにつき四円加算をして金を取られるわけであります。
○井上分科員 食糧庁長官、あなたはどうも数字を間違っておるんじゃございませんか。実際、末端価格で、強化米のために、ビタミンの混入したがために、キロ当たり五円くらい——そうでしょうか、五十グラムでキロ四円くらいとお考えになっていますか。末端価格において、強化米と普通の一般配給米との差は四円とか五円とかいう数字じゃないんですよ。三十円ないし四十円の差が出てきているんです。このこと、御存じないのですか。
○亀長政府委員 私どもは、この強化米は末端価格五十グラム、四十円ということだと思っております。したがって、かりに一キロの米についていえば、五グラム入れて四円……。
○井上分科員 それは、強化米五十グラムが四十円というのはどこの価格です。小売り屋さんが薬屋から手に入れる価格じゃないですか。
○亀長政府委員 それは末端価格だと承知いたしております。
○井上分科員 それは実態と違うのです。五〇グラムが四十円というのは末端の小売りの米屋さんが手に入れる価格です。そんな安いので、何で喜んで小売り屋さんが出します。あなたその点を御存じないようだから、もう少し実態を把握してまた後ほど御報告していただきたいと思うのです。そこで一キロ当たり五グラムとしますと、五グラムの中にビタミン島あるいは氏薬品は一体どれくらい入っておりますか。何ミリグラム入っておりますか、御存じですか。
○亀長政府委員 厚生省の御出席をお願いしてあるのですが、まだお見えになっていないので……。それからさっきの点は私どもの調査では小売り価格は五キログラム当たり四千円見当であると栄養食糧協会の調査でなっておりますので、さような点に従っていま御答弁をいたしたわけでございます。五キログラム当たり四千円、すなわち先ほどの四円ということになるわけでございます。その点はもう一回調査をして御報告いたしますが、現在私が持っておる調査では五キログラム当たり四千円でございますから、先ほどの数字と合致をするわけでございます。いずれ再調査をいたします。
○折田説明員 先ほどの御質問でございますが、百グラム中にビタミンB1が百ミリグラム入っておるわけでございますから、したがいまして五グラムでは五ミリグラム入っておるということになります。それからビタミンB2が百グラム中に五十ミリグラム入っておるわけでございますから、したがいまして五グラム中にはその半分の二・五ミリグラム入っておるわけでございます。司が五ミリグラム、氏が二・五ミリグラム。
○井上分科員 私もこれまた少しく医学をかじっておるものですが、一キログラム当たりに耳五ミリあるいはB2二・五ミリグラム、これだけ入っていることによって一体健康上どうなのです。国民健康上の問題として、あるいはまた、これには百度でなしに、電気がまが普及いたしております現在におきましては、かなり、百度以上の熱になる、このように考えられるのですが、ふき上がった際の米は一体どのように変化しているとお考えになりますか。この点をお伺いしたいのです。
○折田説明員 お答えいたします。 四十三年度の国民栄養調査の成績の概要からビタミンB1の実態を申し上げますと、国民一日一人成人に直しましての平均量は、摂取量はビタミンB1は調理による消耗を考慮に入れまして、大体目標に対しまして七七%とっておるというのが現状でございます。それからビタミンB2は六一・一%をとっておるというふうに出ております。それで一日の必要量がおとな大体ビタミンB1が一ミリグラムといたしますと、一日米を約四百グラムとりますので、そうしますと、一キロの中には先ほど申しましたように五ミリグラムでありますので、調理のロスは半分といたしますと二・五ミリグラムになります。ですから大体四分の一の一ミリグラム前後じゃないかと思いますけれども実際に入る。米が三百五十から四百グラムといたしますと、大体一日の必要量くらいは取れるのじゃないかというふうに思っております。
○井上分科員 そうしますと、あなた方は副食物のことは全然お考えにならずに、考えられる場合、現在日本人の副食物は一体どれくらいのビタミン剤が入っておると考えられますか。
○折田説明員 ちょっといま資料をここへ全部持ってきておりませんが、大体主食が六割から七割くらいは米としてとられるので、おそらく米の中からとられる部分が、先ほど言いましたビタミンB1の摂取量の大体六割から七割くらいじゃないかと思っております。
○井上分科員 私がなぜこういうことを申すかと申せば、ビタミン強化米などということは国民の栄養上から申しまして意味ないと思うのです。いままでの数字からいけばそういう結論になりませんか。どうです。
○折田説明員 先生のおっしゃられますことにつきましては、先ほど申し上げました五十年度を目途といたしました栄養基準量に対しまして、国民一人当たりの摂取量の目標からいきますと、まだ摂取量は七七%にしかなっていないので、すべての人がもう十分であるということは必ずしも言えないのじゃないかと思いましたので先ほどお答えいたしましたが、私どもといたしましてはまだ一部には足りないところもあるので、県あるいは保健所で実際の地区の栄養状態等を見まして、それで必要なものにつきましては、栄養指導上強化米の指導をいたしているところもあるかと思います。しかし国全体として特にこれを取り上げて、昭和二十年代にありましたような栄養不足状態、食糧難の時代と違いますので、強力に強化米の推進は現在はしておらないところであります。
○井上分科員 大臣並びに長官、三十年当時でありましたならば一応ビタミン強化という点もあったでしょう。しかしその当時においても一体一日に一ミリグラムぐらいの——いまの数量から申しますとB1が一ミリグラムなのです。B2にいたしますと〇・七、八ミリグラム。大臣、あなたがお飲みになっているアリナミンとかそういう薬には二十ミリ、二十五ミリ、一錠中に含まれているのですね。ところが、この強化米と称してやられておるのは、一日の摂取量でわずか一ミリグラムしか入っていない。しかし、これだって薬効上疑義があります。むしろ自然食で取られる方法を厚生省も指導なさっておると思うのです。ところが、強化米と称してこういうように出されること自体、これについては私ら大きな疑問を持たざるを得ない。しかも末端価格において食糧庁のほうのお調べと私の小売りの価格がだいぶ開いておるようでございますが、一キロ当たり四円とおっしゃるけれども、そんなことで末端は手に入っていないのです。そういうようなことを考えますと、この際何らかの処置を考える必要があると思うのですが、大臣、いかがでございます。
○倉石国務大臣 いまお話のビタミン強化米というのは、昔、経済安定本部がございました、その資源調査会の勧告があったようでありまして、二十八年に特殊栄養食品の表示について厚生大臣の許可があったということで、食糧庁としては、米の用途として販売をいたさせておる、こういうようなたてまえのようであります。いま御指摘がございましたように、時代もだいぶ変わってきており、厚生省のほうとも十分相談をいたすように検討してまいりたいと思います。
○井上分科員 そこで、私はふしぎに思うのであります。といいますのは、先般来古々米の問題がだいぶ出たようでありますが、見てみますと、七千四百トンのビタミン強化米に古々米が使われておる。この古々米が、実をいいますと、トン当たり七万四千円で払い下げられておるようでございますけれども、これは間違いございませんか。平均で大体それぐらいじゃございませんか。
○亀長政府委員 ビタミン強化米の昨年中の主原料は準内地米の精米でございまして、これは大体トン当たり七万三千八百円でございまして、一月から限定売却の対象にいたしておりまして、これは、水稲の四等を基準に買うものと仮定をすれば、精米で八万二千三百円ということでございまして、四十二、三年産の政府手持ちの在庫米を払い下げる、かような考えでございます。この間、価格の比較の問題でございますが、四十二年、四十三年産の陸稲を従来使っておった準内地歩の価格七万三千八百円と同じということで、品質的にも同じであろうという計算をいたしまして、水稲の場合にはそれよりも格差をつけまして、精米で計算をすれば、八万二千三百円というぐらいで、従来の準内地米の七万三千八百円よりも高くなる、かような価格をきめておるわけでございます。過剰米処理の委員会というものが昨年ございまして、この問題についていろいろ検討いたしました際に、従来の外米に変えて古々米等を払い下げる場合には、従来の価格水準との均衡を考慮して決定すべきである、こういう報告もございまして、急に原材料が上がるということのないようにという配慮から、この報告の趣旨にも従いまして、さような決定をいたした次第でございます。
○井上分科員 古々米の処理委員会の答申を見ましたところが、まず第一番目に、物価の変動にあまり影響を与えないということが一つです。もう一つ、国民の納得がいくということですね。第三に、いまおっしゃられたようなことがあるようであります。しかし、この間にビタミン耳が一キロ当たりについてわずか五ミリグラムしか混入されない。この実態から、私らふしぎに思うのです。末端価格においては私のほうはあなたの資料と非常に違うのです。そうしますと、ビタミン強化米と称して、ビタミンをまぶしたやつですね。まぶしたというとわかりにくいですが、コーテッドされた粒、これの卸価格が幾らなのか、小売り価格が幾らなのか、あなたのほうの払い下げた米が一体キロ当たり幾らになっておるのか、そのあたりの値段の構成をお示し願いたい。
○亀長政府委員 どうも薬の原価みたいなことで、これは厚生省の御所管になるのかもしれませんが、私のほうで栄養食糧協会の調査を見た結果を御報告申し上げます。 ビタミン強化米の工場出し値の構成比率から見ますと、原料の米は三五%を占めておるということでございます。工場出し値が五キログラム当たり千百五十円という調査でありまして、もちろんこれは製造工場によって違いますけれども、平均的には五キログラム当たり千百五十円、この工場出し値のうち原料米が三五%のコストを占めておるということでございます。
○井上分科員 それが末端の小売り値でどうなっておりますか。
○亀長政府委員 いまのは工場出し値でございまして、五キログラム当たり千百五十円が工場出し値でございます。小売り価格は、先ほど申し上げましたように、五キログラム当たり四千円という調査でございます。
○井上分科員 そうすると、小売り値が四千円でございますから、実際の原料の古米が三五%としますと、四百円です。そうしますと十分の一ということになります。小売り値の一割が原料の古米だ、こう考えていいわけですね。
○亀長政府委員 御指摘のとおりだと思います。
○井上分科員 そうなりますと、この千百五十円が、末端の小売り業者に渡ると四千円、すなわち三倍強になっておる事態についても、一般の流通過程からいたしまして、ふかしぎしごくだと思うのです。大臣、どうでございますか。千百五十円の工場出しである。ところが、小売りの米屋に渡ったときには四千円に上っておる。ここらあたりにおかしいものがあるんだ。しかも四千円のうちの古米の値段というのは一割なんです。すなわち四千円といいながら、古米の値段というものは四百円なんですね。そうしますと十分の一なんですね。四千円のうちの四百円なんです。でありますから、この古米の処理は、トン当たり八万二千円とかあるいは七万四千円というような値段で現在渡しておりますけれども、これは国民感情として私は納得しがたいものがあると思うんですよ。もう少し上げていいのじゃございませんか、どうでございますか。
○倉石国務大臣 ビタミン強化米の用途への売却は、ただいまお話がございましたように、いままで準内地米を使っておりました。そこで、先ほど政府委員が申し上げましたように、過剰米処理に関する委員会では、準内地米をいままで使っておりましたので、それに匹敵するような価格で出すということでいいのではないか、そういう趣旨での答申がございましたので、準内地米に匹敵する価格ということで出しているのであると思っております。
○井上分科員 しかし、先ほど申しましたように、工場渡しの価格が末端の小売りまでにすでに三倍半になっている。そしてその原材料である米自身が、末端の小売り価格、これは米屋に渡す価格ですが、それの十分の一の値段しか占めていない。この実情から考えまして、もう少し値上げしていいのじゃないか。しかも、末端において小売り業者から今度消費者に渡るときにはばく大な手数料を取っている。この中には農林大臣が再三、小売り商店が少ないからなんというおことばを予算委員会で言われましたけれども、私らの見方からするとどうも御認識が違うようです。これは平均いたしますと一カ月に百五十俵しか小売り業者というのは米を取り扱っていない。こういうようなところから、あるいはこういう政策があなた方のほうで出されたのかもしれません。しかし末端消費者は、こういう強化米と称して——あなたのほうは、行政指導によって希望者だけに渡すんだ、こう申しておりますが、実際配給価格の四分の一が現在強化米によって占められておるこの実情、しかも消費者は強化米をくれと言わなくても米屋から強制的に買わされておるこの実情を考えるならば、もう少しあなたのほうの行政指導として、栄養学的にどうであるか、これがまず第一点、これは国民知りませんから。まさかおとな一人当たりこの強化米によって一ミリグラムのビタミン耳しか取れないというようなことは国民は御存じないでしょう。こういうようなことも指導する。あるいはまた古米の処理にあたっても、ちっと安過ぎると私ら思わざるを得ない。これはやはり答申にもはっきりと、国民が納得する価格にすることということがまず第一番にあがっておる。これを上げることによって、みそ屋であるとか、あるいは菓子屋であれば末端消費者価格が上がるかもしれません。しかしこれは十三、四万円に上げたところで、一般に影響を受けないと思うのです。この点もう一度御検討になる御意思はございませんか、どうでございますか。
○倉石国務大臣 昭和三十七年の十一月に栄養審議会から、精白した飯米には必ずビタミンB1を添加するような方途を講ずべきである、こういう旨の建議がございます。また特殊栄養食品の表示について、厚生大臣の許可を受けておるものに米が原料として用いられておりますので、原料供給は行なうべきものであると考えて私のほうでは米を供給いたしておるのでありますが、このビタミン強化米の原料といたしましては、先ほど申しましたように、従来準内地米が使用されておりましたので、国内産古々米に切りかえます際に、過剰米処理に関する検討委員会の委員の報告などでも御指摘になりました、この報告の趣旨にのっとりまして、従来使用いたしておったものとの間の均衡に配慮いたしまして、急激に製品価格の値上がりを招くことは好ましくないと考えまして、限度売却の対象にいたしておる次第であります。食糧庁といたしましては、これをなるべく売れとかなんとかいう指導はもちろんいたしておりません、それは小売りのほうの特殊な関係でありましょうけれども。そういう事情で、ビタミン強化米について準内地米をいままで原料といたしておりました。この準内地米に匹敵する価格というふうな意見がございますので、先ほど食糧庁長官がお答えいたしたように取り扱われておるものであると存じます。ただいまのお話、実は私きょう初めて詳しく承りましたので、農林省のほうでも先ほど何か調査して資料をあなたのところに差し上げるような話がありますが、なおひとつ私どもとしても十分検討いたしてみたいと思います。
○井上分科員 時間が来ましたのでこの程度で終わりますが、とにかくこの問題につきましては栄養学的にもおかしいし、また末端小売り価格においてもおかしい。大臣は予算委員会で再三、国損を招かないようにというお話もございました。私らは国損を招かないように、少しでも農民あるいはまた消費者に、あるいはまた税金を納める国民に対して納得をいかせる方法でなければならぬ、このように考えるわけです。したがいまして、そういう古米の処理の問題にいたしましても、私一連の問題点を申し上げましたが、ひとつ農林省におきましては再検討をされまして、国民の納得のいくような方法で処理されることをお願いいたす次第でございます。
○森田主査 島本虎三君。
○島本分科員 だいぶ米の問題で問題点が集約されてきておるのでありますが、私の場合は、特に米になる以前の問題で農林大臣に、今後の農林行政のために二、三点にわたって伺っておきたい点があるわけであります。 先般、暮れの国会で、農用地の土壌汚染の防止に関する法律が通過いたしました。今後の米を中心にした農政の上にこれは一つの大きい改革であろうと思います。ただこれができておっても、そのまま政令、省令並びにそれに類する行政指導がない場合には画竜点睛を欠くわけであります。そういうことからして、あの中には地域の指定や常時監視または農用地汚染対策事業計画の策定、こういうような問題を含んだところの土壌の汚染の防止、また汚染農用地の土壌改良のためのいわば一つの指針を示した法律であったわけであります。ただこの法律ができて、省令、政令がどうなっているのか、行政指導のほうも的確に行なわれているのかどうか、今後のために大きい問題でございますので、その点等について伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 法律の施行は準備のつき次第するようにいたしたいと思います。それに基づきまして、その前にいろいろな手順をきめなければなりません。そういうことについていま関係省と鋭意協議を進めている段階でございます。
○島本分科員 一連の発生されたいわゆる公害といわれる問題、土壌汚染によるところの問題、これは複雑な要素がございます。土壌が汚染されてはたして作物が全部汚染されるのか、この因果関係等においてもまだはっきりしたデータがないとのことであります。私どもは、汚染されたきたないものの上に置いたらきたなべなるのじゃないか、そう常識的に考えるけれども、そうならないようであります。その点等においても科学的な究明も必要でありまして、ただそのためにじんぜん日を過ごしては何にもならないことになりますので、この点は特に急いでやってもらいたい。いま策定中であるとするならば、十分この点等も入れて、優秀なる政令、省令、これを急いでやるように強く要望しておきます。 それと同時に、いま聞いておかなければならない一、二の点がございます。食糧庁長官もおりますけれども、政府の保有米として買い上げた米、私どもも実際に公害に携わってみて、やはり汚染された米は困るのです。ところが、汚染された米という名のもとに、汚染されない米もそのまま凍結をさせられるような状態がもしあると、これは農民のために困るのです。というのは、地方の大きい部落の中には何カ所も農協がございますし、農協のそれぞれの倉庫には格納されているのです。ただそれがその村のもの、その町のものということになると、全部を凍結してしまうのです。これはあまり神経が過ぎるんじゃないか。泣くのは農民ばかりであります。そういうふうにして、範囲もわかり場所もわかっていたら、関係のない方面のやつはどんどんそれを考慮してやらないと、これは農林大臣何か意図があるんじゃないかというところまでいってしまうのです。ですから、これは、私としては、行政指導の行き過ぎではないか、こういうふうに思います。そういう個所がございます。食糧庁長官、それに対してどのような計らいをなさいましょうか。お伺いしておきます。
○亀長政府委員 御質問の点は、指定地域に指定された地域のものは買い入れないが、その他のものは買い入れるということで、カドミウム対策に対処していることは御承知のとおりでございます。搬出の際にも、いま御指摘の、もう少しこまかく、村で大ざっぱにやらないで、場所が違っておるんだからということでございますが、全く御指摘のとおりでございます。特段の意図をもって、この村は出すなという指令を出しておるわけではございません。何ぶんたくさんの米を処理するわけでございますから、ついそういうところ以外の村のものもやっておけば問題が少ないというようなことで、あまりこまかい配慮をしないで現地で処理しているんじゃないかと思います。その点に関しましては、同じ村の中でももう少しこまかい配慮をして、いま先生御指摘のような運営をするように、内部にも通達をいたしたいと思います。
○島本分科員 それと同時に、そういう被害がまた変なほうの行政に行ってしまっている。しわ寄せがございます。何でもないということがはっきりしているんです。また汚染された米もはっきりしているんです。というのは、場所が違うからであります。しかし、同じ村の範囲内にあるわけであります。それで自由米、自主流通米の構想でこれがやられていた。結局、そういうようなことになると、買わないということで残ることがあるわけであります。これは一つの拡大被害でありまして、公害のための対策が公害を及ぼしていることになるわけであります。これはおそらく関係農民にとっては、これは何でもないのは何でもないのですから、行政的にただ凍結されておるというのは、これは一種の迷惑というのか、犯罪とういのか一まあ犯罪にはならぬでしょうけれども、迷惑にはなります。ですから、こういうような点はもっと現地とやって、これは日本国じゅう相当あると思いますから、あまり具体的に画一的にやらないで、そういうような点を配慮して、万一そのために売れ残ったりしたような自主流通米があったならば、今後政府はこれに対して責任をもってやったほうがいい、希望があるなら買い上げてやるのが当然じゃないか、こう思いますが、私は、いままでの点と合わせてこういうような行政措置の点がやはりきめこまかく行なわれなければ、今後の農用地土壌汚染防止法を適用する上においていろいろの困難点が予想されますので、一応この原則を聞いておきたいと思うわけであります。御答弁をお願いいたします。
○亀長政府委員 米の問題でございますから、自主流通米等でも、結局買うほうの問題がございまして、買うほうでは何とか村と聞くといやがるということに、新聞等読んで、ついなりがちでございます。したがって、その村の中で関係のない地域でも、札に同じ村の名前がついていると、どうしても引き取ってくれないというところから、ついその関係のない地域の米でも引き取り手がないから残りがちになるという、結局いま御指摘のような事態になるのではないかと私ども考えます。 それから自主流通米につきまして、少なくとも今年、四十五年産米に関しましては、われわれuターンと俗称いたしておりますが、自主流通米がどうしても売れ残った場合には政府がめんどうを見るという制度に相なっておりますので、もしカドミウム米でないものが、あるいは指定地域でないところの米が、そういう結果となって残るという場合は、現在政府がそれを買い上げる道は四十五年産米に関してはあるわけであります。でありますから、私どもとして、買っていただくほうにもその点はよく説明をして買っていただくように話をしますとともに、関係のないところが被害を受けないように、十分配慮してまいりたいと思います。
○島本分科員 それは関係あって関係ないのです。その村全体をやるから関係になるのです。ところが、その方面から発生していないから関係ない、そういうようなのも一緒に被害を受ける、そういうような場合には、まあ何であろうと政府のほうでめんどうを見てあげなさい、これは無過失賠償責任を米の点から実施してやってほしい、こういうようなことです。これくらいできますよ。これは大臣、当然やるべきだと思います。次に進みたいと思いますが、大臣の御高見を拝聴しておきたいと思います。
○倉石国務大臣 なかなか御高見、むずかしいのですけれども、おっしゃることはよくわかりますし、私どものほうでもそういうことをよく気をつけて、農村のことでありますので、御迷惑のかからないように、また一般の消費者にも心配をかけないようにということで種々考えております。
○島本分科員 次に、林野庁長官に、現在の国の林政といいますか、国有林の経営の実態、こういうようなものが最近だいぶ乱れておるのではないか、こう思いますが、その実態についてちょっと伺いたいと思います。
○松本(守)政府委員 国有林の実態についてお答えを申し上げます。 国有林が最近昭和四十一、二、三、この三カ年間は非常に順調な決算を示しましたが、昭和四十四年に至りまして、その収支なり損益なりの関係が急に悪化をいたしております。なお、四十五年度では赤字を出す見込みでございます。また四十六年度は当初から五十億円の赤字を組んでおるわけです。そういうことで、経営が苦しくなるだろうということでありますが、あと国有林の山の取り扱い方でございますが、戦後日本経済の復興しなければいけなかったときには、外材も入ってまいらなかった時代でございますが、その時代には国有林が率先をいたしまして木材の供給に相当な貢献をしてまいったのでございます。その後外材が逐次入ってまいっておる関係と、国内資源の状況からいたしまして、国有林ももう少しきめのこまかい山の取り扱い方をしなければいけないということで、いま逐次その方向に改めつつございます。 以上でございます。
○島本分科員 逐次改めているようでありますが、効果はあがらないのじゃないか、こういうように心配されるのです。その最大の問題点は一体何なんだ。この辺の分析からやらないと、検討する、検討するけれども、いつ結論が出るかわからない、こういうような結果になりがちであります。この問題点は、まず第一番に言うと、大企業本位に振り回されるような行政であってはならないということであります。それから公共性を無視してはならないということであります。それから、あまりにも生産第一主義におちいってはならないということであります。こういうような点一つ一つ解決するのでなければ、私は画竜点睛を欠くと思います。現に最近の資料によりましても、年々の伐採量が七千万立米、それから木材の成長量が四千六百七十万立米、そうすると、二千万立米以上が、かなりそれをこえてこれはだんだんと少なくなっていく、おかされていく、こういうような結果に結局なるわけでありまして、いかに気をつけても、こういうような林政というものは、私としては理解できないのであります。伐採量のほうが成長量をはるかに上回る、これじゃ、いつの日にか坊主になっちまうのじゃないか、こういうふうに思われます。山林の荒廃、それからいろいろと災害が無遠慮に勃発しておりますが、こういうような点も、一つの林政のあらわれの結果じゃないか、こう思わざるを得ないのであります。こういうような点について十分対処しなければならないし、しておるだろうと思いますが、十分ですか。
○松本(守)政府委員 伐採量が成長量を大幅に上回っておるという点でございますが、確かにそのような結果になっております。が、この成長量と申しますのは、天然林の過熟林分ではほとんどゼロでございます。計上されるところの成長量はゼロ。それからもう一つは幼齢林、これは十五年ぐらいまでの幼齢林ですが、成長量の計上がございません。これは計測技術上計上いたしておらないわけであります。そういうことで、潜在的には、そういう天然林を伐採をいたしまして、人工林、成長の高いものに切りかえて体質を改善していくということによって、潜在的には成長力と申しますか、そういうものはあるわけでございまして、その成長力に見合った伐採をいま続けておるわけでございますが、なお最近、森林の公益的な機能という面につきまして、社会的な一般の関心が向けられておる。確かにその方面からの需要も急に増大をしております。したがっていままでのやり方、とかくこれは率直に申し上げまして、画一的なやり方がある時期とられておりました。最近はその画一的な森林の伐採方式を改めまして、もう少し流域ごとにこまかい伐採をして、あわせて災害などの発生にも対処できる。森林というものは、健全に若い活力を常に注入をしながらやってまいることによって、木材の生産とそういった公益機能、両方を兼ね備えることができるという考え方から、いま基本的な検討をし直すことにいたしております。
○島本分科員 特に私の場合は、公害の問題と関連して見る場合は、いまのいわば造林予算という問題、それから林政のあり方という問題、これが直接それにつながるから、この問題に対して私は聞かざるを得ないのでございます。たとえば政府の造林予算のあり方、これを見てみましても、十分だと思えないのです。農林大臣もいますから、この際やはり、この緑をたくわえるんでなければ、日本はもうすでに死滅された砂漠一歩手前の国土にならんとしているわけなんでございます。したがって、林政はいまほんとうに大事なんです。そういうようなことからして、政府の造林予算のあり方は労賃と苗木代、この実際は、単価の値上がりその他を含めると、ほんとうにやっても六割か七割しかこれは行なわれないんだ、こういうようなことじゃありませんか。それと同時に、優秀な母樹林が少ないんだ。そうして、不適格な母樹から採取するような結果になっている。次には、もう苗木そのものが不足で、不足を補うために、気候風土の異なる地方の苗木まで利用せざるを得ないということ、それから育苗や流通に携わらない団体が中間マージンを取って、これを行なっているから値上がりの原因の一つにもなっている。また、苗木の絶対量が不足している。国有林自体からこれを民間にあさらなければないような状態だ、こういうようなことじゃありませんか。そうだとすると、やはり林政そのものは、予算の面を通じても、今後やはり的確にそれを処置できるようにこれを伸ばしていくのでなければ、金額は上げましたが、絶対量の六割か七割、これだけしか満たない。まして現在の成長量よりも伐採量がよけいになる、こういうことになりますと、あとを追っかけても、走れ走れコウタローではありませんけれども、ずっと幅が広がっていくだけなんです。これでは林政の立ちおくれだ、こういわざるを得ないと思います。こういうような現状に対して、ほんとうに的確な手を打たなければなりませんが、この点大臣の決意を聞いて、対処してもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 私ども見ておりまして、たいへん大事なことをただいま御指摘になったわけでありますが、これはやはり根本的にわが国の林政というものを、いままでもやっておりますが、掘り下げて再検討すべき時期に来ているとわれわれは判断しておるわけであります。基本的には民有林それから国有林両方でありますが、千五百万ヘクタール、しかも実にりっぱな緑の国土であります。ただいまお話しのように緑を守るという意味からも、公害その他あるいは治山、治水、そういう面から見ても、重大な役割りを果たしております林業にとりましては、幾多掘り下げて再検討せざるを得ない問題がたくさん横たわっておることは、私どももよく自覚をいたしておるところでございますが、この四十五年度予算もできるだけやりましたが、四十六年度予算におきましても、林業の関係の方々、林政に関心を持っておられる方々からは、予算的にはたいへんよくやったとほめられておるわけでありますが、これはしかし財政の都合もありますので、そう理想的にまいりませんでしたが、私どもといたしましてはそういう面について、いま学識経験者等にも御相談を願いまして、林政の将来のビジョンについていろいろ検討いたしておる最中でありまして、御指摘のような点については十分心してやってまいるつもりであります。
○島本分科員 同時に、これに対処する方法の一つとして、林道に対する計画もやはり十分配慮してもらわなければ大臣、だめだと思います。これは長官のほうでも、林道に対しては四十五年度は百四十一億、それから本年度は百六十九億、こういうような一つの額は上がっているわけであります。額は上がっても、歩いているところはほんの地球の表面を歩いているにすぎないのであります。私はそういうような点をもう少しこれは公害対策の上からも十分配慮なすってはどうだろうか、こういわざるを得ないのであります。時間の関係であまりそれに入ることができないのは残念なんですが、ゆっくりこれに触れます。 ただ、結論を申し上げますと、いま空がよごれる、いろいろなことがいわれておりまして、中近東のほうから硫黄分の多い油が入ってくる。それを精製過程において今度は間接脱硫にかける。直接はまだ未開発である。間接脱硫にかけると、軽油といわゆる重い油、重油、こういうようなのができる。それをもう一回脱硫装置にかけてやると、アスファルトが〇・三%ぐらいしか入らない純粋な油になるわけです。これをわざわざアスファルトをまぜて、二・一、二・二、そういうようにして売っているのが、いまの油の精製の実態なんです。思い切ってアスファルトをそのまま国が行政の中に入れて使うと、空はきれいになるし、道路は林道の果てまできちっとアスファルトで舗装できる。それをわざわざ海外に持っていって、砂漠に道路をつくるのにそれを使わしてやるとか、後進国を指導するのに、日本からこの間接脱硫でかかる——日本では年間言八十万トンしか使わない。来年になったら五百万トン出る。昭和四十八年から九年にかけて一千万トンのアスファルトが出るのです。こういうようなことが、国外に援助というもので持っていって砂漠に援助をして協力なすっている。これをなぜ国内で林道なり農道なり、それから七%しか舗装されてない市町村道、こういうものに対して十分配意しないのだろうか。これは行政の質の低下、こういうようなことになろうかと思います。同時に、今後いち早く手を打つための林道をちゃんとつくっておくということもいいんではなかろうか、こういうふうにも思うわけですが、やはりこれも公害対策の面から見ると、まことに重大な一つのポイントなんであります。大臣はこういうような点も考えて、農道、林道、こういうようなものも若干金額は上がっておりますが、歩くのは、舗装された道路がほんとうの道路でございまして、バラスを敷いた程度のやつは、あれは道路予定地でございまして、バラスも敷いてないのは地球の表面なんですから、その点からいうと、林道は全部地球の表面を歩いているのであります。農道もその類でありまして、こういうようなことで、予算が若干ふえていましても、これは完全な質の高い行政であるということには私自身受け取れないのであります。こういうような点からして公害対策の一面も兼ねますし、いま公害の排除は一つの政治の課題であり命題ですから、それと林道や農道や林政がからむということになったら、大手を振って予算請求して、二倍三倍取れなければ総理に対決を申し込めばいいのです、長官。そういういいチャンスなのに何ですか、この態度は。これじゃだめですよ。行政のほうがよほど立ちおくれている。私が大臣なら懲罰するところですが、私はそういう権限もありませんから、あなたに強力なる注意を喚起しておきたい、こういうように思うのです。この御意見を伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 農林省の長官、局長はみな私のもとで責任をもってやっていてくれますので、へたな行政があれば私の責任でありますが、林道、造林につきましては昭和四十五年もそれから四十六年もかなりがんばったつもりでございます。なお十分——ことに林道のことにお話しいただきましてほんとうにありがとうございます。私ども全くそういう趣旨で林道については力を入れている。それから農道の舗装については、全体いまあります農道については簡易舗装をやることを、全部予算をつけられておるようなわけであります。そこで四十六年度林道の、一部もうすでに舗装することになっているようでありますが、農林省予算についてたいへん御激励をいただきましてまことにありがとうございます。なおひとつ御援助のほどをお願いいたします。
○島本分科員 それで、大臣もせっかく農用地汚染防止法を提案された、そしてそれも通ったあとですから、公害対策の一助をあなたの手でなし上げた。これに付随する問題も一緒に十分成果をあげるようにしてやってほしい、こう思うのであります。それを閣議にかけて——これは国道はいいんですが、市町村道になると、まだ七%しか舗装されていませんよ。そしてもう余ったアスファルトを海外のほうの援助に向けようとするのです。自分のほうを完全にしないでおいて、そして海外の援助にこれを出してやる、こういう行政も佐藤内閣であるでしょうけれども、これはあまり感心したものじゃありません。やはりわが身を治めてから他にいろいろやってやってこそ、自信と確信を持った行政ができるのじゃありますまいか。そういうような点からして、一番おくれている農道、林道の面、それと市町村道の面、これは直接大臣の関係じゃありませんけれども、かね合わして今後の善処を、ひとつ閣議なりで発言してどんどんやってほしいわけです。あなたの実力をもってしてはやれぬわけはないんだから、この点は強く要請しておきたい、こういうように思います。 次に、政府の保安林整備計画、これがどうなっているかということと、災害に対してどういうような手を打ち、どういうように減ってきているか、この点についてひとつお伺いしておきたいと思います。あまり時間がなくなりましたから、簡単にきびきびとやってください。
○松本(守)政府委員 保安林整備計画は、第二期の整備期間に入っておりまして、将来六百六十万ヘクタールにまで持っていこうという計画で、いま鋭意進めております。その期間も一応、これはちょっといま急でありましたのでその数字は正確さを欠きますが、来年度くらいで一応の整備計画は終わるはずでございます。
○島本分科員 終わるはずなのに依然として保安林の指定がずさんだ。それと同時に伐採の規制が不十分だ、それと同時に伐採制限が守られているかどうか、こういうような点、依然として疑問点が残るじゃありませんか。これではやはり、初めこっちが言ったように、この政府の姿勢そのものが大企業本位や、いわば企業に従属した生産第一主義、こういうようなもののために公共性を無視されていることをお認めになるからこういうようなことになるじゃありませんか。これじゃ困るのです。計画と実績は、終わるというのに五〇%も開きがあるじゃありませんか。これではちょっと困るのです。まして過密過疎の関係で、公共団体所有林、こういうようなところは過疎化のために資金は十分じゃない、労力も不足だ、それも投げられておって計画そのまま進んでいる、こういうようなことはちょっと受け取りかねるわけです。まして災害はそういうようなところから発生してまいります。いろいろ災害が発生してくるのを見ましても、おそらくは南木曽の水害の問題や羽越の水害の問題や、それから飛騨川事件だとか福島の集中豪雨の問題だとか、こういうようなものを一つ一つ洗ってみましても、林政行政そのものが建設並びにいろいろなものとかみ合って、そして十分効果が発揮されないところにあるわけであります。今後日本の緑を確保するためにも、今後一番大事なのは、農林行政の中でも林政である、こういうようなことに考えを置いて、そして日本の国土を守るためにもしっかりやってくださいよ。大臣、少し馬力をかけてやってほしい。このことを強く要望しておきたいと思うのですが、最後に大臣の決意を伺ってやめますが、大臣と、この際ですからおみやげに長官からひとつ発言してください。
○倉石国務大臣 緑を守るためにあらゆる意味で私どもとしては最善の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○松本(守)政府委員 いま大臣からお答えのように、その方向に沿いまして一生懸命大馬力をかけてやらしていただきたいと思います。
○島本分科員 これで終わりますが、大馬力をかける意味におきましても、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案などというものを早く、こういうような実のあるものにして実効をあげてもらうことを心からお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○森田主査 相沢武彦君。
○相沢分科員 先ほど原委員から競馬そのものに対する御質問がいろいろございましたが、私は日本の競馬界をささえている軽種馬生産者をめぐる問題から御質問していきたいと思います。 先ほどのお話にもありましたように、日本では年々競馬が盛んになってきているわけでございまして、最近の集計によりますと、全国で約三十カ所の会場でかなりひんぱんにレースが開催されているということですが、昨年における年間のレース数と入場者数、これがどれくらいになっているかを最初に伺いたいと思います。
○増田(久)政府委員 昨年度におきます競馬の開催数、入場人口について申し上げますと、中央競馬で、開催日数が三十六回で二百八十六日、それから地方競馬が三百六十九回で二千百七十六日、合わせまして二千四百六十二日でございます。入場人員は、中央競馬が千二百三十万、それから地方競馬が二千万、合わせまして約三千三百万というのが入場人員の数でございまして、これは四十年に比較いたしますと、入場人員は、中央競馬で二・九倍、地方競馬で一・九倍となっております。
○相沢分科員 ただいまお話しのように、入場者でいきますと約三千三百万、レース数でちょっと調べたのですが、二万五千六百六十三回に及ぶそうでありまして、そういたしますと、毎日全国の会場で二レース以上が開催され、また国民の三人に一人は入場券を買うというような非常な盛大な模様でありまして、これを終戦当時の日本の競馬界の現状を振り返って考えますと、あの当時はレースに出場できる軽種は全く壊滅状態でありましたので、豪州や一部アメリカから輸入したり、また特に国内の生産地農家が血のにじむ努力をいたしまして、ようやく今日のような日本の軽種馬育成の規模ができたわけでありますが、日本の競馬界の隆盛をささえてきたのは、ひとえに国内の軽種馬生産農家の努力に負うところが大きい、こういうように思うわけですが、それに対する大臣の御見解いかがですか。
○倉石国務大臣 そのとおりだと思っています。
○相沢分科員 軽種馬を育てる条件というのは非常にきびしくむずかしい。また神経を使うものだと聞いております。要求される自然条件はきれいな空気、水、そしてまた広大な牧場、結局そうしますと、生産地として適正な環境が整っていなければ優秀な軽種馬を育成することができないということでありまして、こういう観点から考えますと、生産地としては必然的に全国でもごく一部の地域に限られてくると思うわけでありますが、こうした適正地は全国でどことどこになるのか、場所をまず……。
○増田(久)政府委員 御指摘のとおり、軽種馬の生産につきましては、おのずと適地というものがございます。広大な土地と優良な環境というものが必要なわけでございまして、当然、必然的に、現在では北海道の日高地方あるいは青森、福島県それから千葉県、それから南九州、こういうところに軽種馬の生産というものがおのずと限定されてまいっているわけでございます。
○相沢分科員 大臣に競馬の本来の目的についてお伺いをしておきたいと思うのですが、目的のうちで、世界じゅうのどこの国でも、海外の出走を目的として軽種馬を生産している国はないと聞いておりますが、競馬はあくまでも自国の馬の改良、増殖のために行なうものだ、こう思うのですが、大臣のその辺のところの御見解はいかがですか。
○倉石国務大臣 最近のわが国の競馬は国民の健全娯楽として急激に大衆化してまいりまして、各競馬場ともファンの増大に、施設の狭隘なことが問題になっておるようなわけでありますが、競馬は、申すまでもなく、第一には、国民に対する健全な娯楽の提供、それからもう一つは、昔はよく使いましたことばでありますが、馬匹改良、つまり馬事の振興を含む畜産の振興、それから第三には、そういうことがだんだん発展してまいりましたので、国及び地方公共団体の財源等にも大きな影響を持っておるということで努力いたしておる、こういうふうに考えております。
○相沢分科員 国内生産地の各所では、外国産馬に比較して同等あるいはそれ以上の優秀な馬を一日も早く育成したい、そういうことで努力しているわけですが、わが国の現在の競馬界に必要な国産馬の供給能力というものは、頭数として現状として十分なのかあるいは不足しているのか、それをお尋ねしたいと思います。おたくのほうでいただいた資料によりますと、生産頭数は四十四年度で、サラブレッド系が三千七百四十六頭、アラブが三千三百三十五、合計七千八十一、今年度の予想概算では八千五十、こうなっておりますが、いかがですか。
○増田(久)政府委員 いま御質問のございましたとおり、軽種馬の生産はアラブ、サラブを合わせて約八千頭でございます。それに対しまして、需要がどれくらいあるかということになりますと、これはいろいろ前提もある話でございますが、おそらく五、六千頭、六千頭台のところが新馬としての需要であって、基調としては過剰傾向にあることは事実であろうと思います。
○相沢分科員 いま御答弁にありましたように、十分であるし、また過剰傾向にきているということで、国内の軽種馬生産者も非常に競争が激しくなってきているという現状だと思います。今回政府は軽種馬の輸入の自由化に踏み切られようとしておるようですが、国内生産地の農家はそれに対して非常な不安を感じておりまして、いろいろ農林省にも陳情等も参っておるようでございますが、優秀な外国産馬がどんどん入ってきてレースに参加することによって、国内の生産馬が太刀打ちできなくなる。結局国内の軽種馬に対する買い人気というものがどんどん落ちてきて、国内生産者に対する経済的な圧迫に通ずるのではないかということで憂慮しておるという現状ですね。 先ほどお話しありました軽種馬の生産地のうちの一つである北海道の日高地域は、全国の軽種馬生産の約六〇%を占める現状でありまして、この日高管内の重要産業の基盤となっておりますし、また一つは過疎地域ということから見ましても、過疎化の問題から見ましても、北海道の場合過疎地域指定の多いところでありまして、この日高管内も、昨年は二つの町村が指定されておりましたけれども、本年になりましてさらに四カ町村過疎指定地域にプラスされる、そういうことになっておりまして、地元としては、この管内の産業の基盤である軽種馬の生産が輸入馬によって圧迫されるということは、生産者のみならず管内全体の問題だ、過疎化は一そう強まっていくということで、非常な問題になっておるわけであります。そういうわけで政府は、このような現地の産業状態あるいは過疎化による人口問題等の実情を十分考慮した上で、外国産馬の輸入の自由化あるいは番組の規制、出走規制、こういうものを実施しなければならないと思うわけであります。 そこで政府は、今国会で関税定率法等の一部を改正する法律案を通過させて、競走用の出走馬とはらみの持ち込み馬について、一律四百万の関税をかけることで自由化に踏み切ろう、こういうようにお考えのようでございますが、国内産馬と外国産馬ではやはり相当格差が大きいのでありまして、四百万円の関税をかけたとしても、優秀な外国産馬に買い人気が高まって、国内産馬の需給バランスが破壊されるのではないか、そういうふうに考えておりますが、その点どういうふうに考慮を払われておるか、畜産局としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○増田(久)政府委員 私どもが今度自由化に際しまして四百万円の関税を課するということを考えた考え方でございますが、先生御指摘のとおり、いま過剰生産傾向にもあることでありますし、経営の基盤もきわめて弱い。しかも能力的に必ずしも外国馬にまさっているとはいえない状態にあるわけですが、ただ、わが国の場合、競馬の隆盛というものが急激でありましたために、賞金体系というものが非常にいい。そのことを反映いたしまして、日本の馬の価格というものが国際的にきわめて高い価格になっていることは、これはいなめない事実でございます。しかし、それをいきなりやるということは、特に零細な経営農家に与える影響が大きい。競走馬等に与える影響が大きいということを考えまして——わが国で昨年サラブレッドのせり市がございまして、その市における平均価格が三百七十五万円でございました。ただし、そのうちで四百五十万円というところが最も多く売られた価格でございます。これに対しまして、わが国に対して一番脅威を与えるであろう産地はどこかということになりますと、ニュージーランド、豪州であるわけでございます。特にニュージーはわれわれが想像できないくらい安い。昨年のせりの結果を見てみますと、これも一番多く出たところの価格は、一頭五十万円という価格であるわけでございます。これは当然、ニュージーランドの競馬の、実態から見て、これ以上の高い価格では競馬に売れないということを反映していると思います。それに運賃、保険料というものを加えてまいりますと、これに二十六万円程度オンされることになる。その差し引きが約三百七十五、六万円になると思いますが、将来のことも考えますと、四百万円という関税を一応算定の基礎とした、こういうわけでございまして、この程度であれば少なくとも出走馬に対して直接脅威を与えるということはまずないというふうにわれわれは確信を持っているわけでございます。
○相沢分科員 大蔵省から来ていらっしゃいますね。この関税定率法等の一部を改正する法律案の成立の見通しはいつごろでしょうか。
○旦説明員 お答えいたします。 関税定率法等の一部を改正する法律案は御指摘の馬の自由化のほかに、その他の自由化品目に対する関税措置、あるいは物価対策としての措置、あるいは公害対策としての措置等々の改正をいたす予定にしております。予算関連法案でございますので、年度内になるべくすみやかに御審議いただきまして成立になりますことを期待いたしております。
○相沢分科員 先ほど畜産局長のお話で、ニュージーランドでは五十万円くらいの値段の軽種馬が売り買いされるというお話でありますが、非常に大手の商社あるいは非常にお金持ちの馬主なんかは、もう少し高い馬を自由に買えるだけの余裕があると思われるわけでございまして、飛行機で空輸する航空運賃あるいは保険金、さらには馬の価格、十倍として五百万円の馬を購入するとする、それに今度関税が四百万かかるとしますと、大体一千万ちょっとこえると思うのですが、それだけのお金をかけても、日本の中央レースで勝つと、先ほどお話がありましたように、非常に賞金が高くなってきておるということで、三千万円くらいは賞金が出ることになっておるようでありますが、そうしますと、外国産馬の買い入れ価格ぐらいはたちまち償却されるわけでありますから、もしか自由化に踏み切ってどんどんレースに出場して、外国産馬が優秀な成績をおさめていく、こういうことが連続しますと、やはり国内産馬の売れ行きは落ちるんじゃないかということが考えられるわけでございますが、この四百万円の税率を再検討されるおつもりはございませんか。
○増田(久)政府委員 ただいま一部の馬主とか優勝者等が馬をどんどん入れてくるに至るのではないかという御趣旨のお話がございましたが、御承知のとおりに、馬というのは走らせてみなければ結果はわからない。高いから必ず走るというわけでは決してございません。という意味で、これは非常に危険性の高いものでございます。おそらく私は四百万円まで払って思い切って入れてくるというふうなことはそう多くはないだろう、たとえば将来は血統的に見て種馬になり得るというようなものは、そういう目的を一部加味して入ってくるというようなことはあるいはあり得るかと思いますけれども、少なくとも一般的にはそう危険のない輸入ではないと私は思うわけでございます。そういう意味では私は、この四百万円というものがありますれば、その点の生産者に対する保護水準としては私は大体十分なものではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○相沢分科員 私もグローバルな経済趨勢にかんがみまして、何でもかんでも自由化に反対するものではございません。ただ、政府が軽種馬の輸入自由化をはかるなら、反面国内生産地に対して強力な援助対策が必要であろうと思うのであります。生産者が最も関心を持っているのは、輸入されるのはやむを得ないとして、競馬番組において規制措置を講じてほしいということなんですが、この点についてはどういうような措置を考えられておりますか。
○増田(久)政府委員 四百万円という課税を前提といたし、あるいはその必要な生産対策を前提とした上に、さらに番組の面でどこまで考慮するかということでございますが、確かにいま一般的に考えられておりますように、日本の馬と外国の馬との間には相当の能力差がどうもありそうであるということを考えますと、やはりわれわれはその段階に慎重に対処していかなければならないであろう、そういう意味で、ある意味で出走し得るレースを制限するとか、あるいは負担重量を考慮するというようなことも考えなければならないのではないかということを検討しているわけでございます。これはただし番組編成というものは、あくまでも競馬主催者のほうのやるお考えでございますから、競馬主催者のほうでもそういうことを検討いたしている模様でございます。そこら辺と連絡をとりながら、そういう点でできるだけ実態に合うようなふうに措置したい、かように考えているわけでございます。
○相沢分科員 いまの御答弁の中で、やはり相当な格差は考えられるというお話でございますので、走らせてみなければわからないというのも事実であれば、やはり輸入してみれば相当な開きが出る、あらためて外国産馬の優秀さを思い知らされるという予想も考えられるということも事実だと思うのです。そこでいまお話しになりました出走レースの制限とか、あるいは負担重量等の考慮ということでありますが、どこまでも競馬会のほうがこれは実質的な立場でやるわけでありますが、どれくらいの、たとえば出走レースの制限にしても、聞くところによりますと大体二〇%くらいを最初は考えてやられるようでありますが、もしかそういうことでやってみて、やはり外国産馬と日本の軽種馬との間に相当格差があり過ぎるというときには、農林省としても命令ということはできないでしょうが、適切な助言、指導、こういうことはやられるお考えはございますか。これは農林大臣のほうにお伺いしたい。
○倉石国務大臣 私は、実は競馬というのはあまりよく知らないのですけれども、主体が競馬会、しかしいろいろ先ほどお話がございましたように、軽種馬産地の農業、畜産のこともありますし、かたがたいろいろ考えてみますと、御存じのように優秀な馬の雌で子供のあるもの、こういうものをいままでも入れたりして、そして品種の改良をやっているわけでありますけれども、外国で生まれた馬を日本へ持ってきて走らせることが競馬として一体どういうものか、そういうことを考えてみますと、いろいろな問題が出てくると思います。そこで、これは私どもの直接指図すべきことではありませんけれども、関係の機関でやっていることでございますので、地元の生産者、いろいろのことを考えてみまして、十分に支障のないようにしなければいけないのではないか、こう考えて、実際にあたりましてはだんだん相談してやってまいりたいと思っております。
○相沢分科員 実情に合わせて弾力的な方法を講じていきたい、こういうようにとってよろしいですね。 競馬会の国庫納付金の問題ですが、逐年非常に好調ぶりを示しているようでございます。昭和三十五年度で見ますと、国庫納付金は三十一億五千二百万、それが昨年の四十四年度には四百三十四億五千八百万と、大体十二倍近くにふくれ上がっているわけでありまして、相当なお金が国へ納付されているわけでありますが、この貴重な財源が畜産振興のために大いに利用されているということですが、軽種馬の改良育成のための支出というのは、この畜産振興の中に入っているのですか。入っていないのですか。
○増田(久)政府委員 国庫納付金のうちの四分の三が畜産振興ということに使われるということに相なっているわけでございまして、それがいま現実には牛とか豚とかその他の振興に使われているということで、馬につきましてはほとんどないというのが実態でございます。
○相沢分科員 生産地農家の立場に立ちますと、馬の改良ということについては非常に熱を入れて苦労しているわけであります。また、政府でも長期の展望に立ってこの馬の改良等に対する配慮を払わなければならないのじゃないかと思うのですが、やはり優秀な馬に改良するためには優秀な種雄馬が必要でありますが、これは非常に高い値段でありまして、民間だけの購入では無理だということで、政府で年間に何頭か購入してそれを貸与するとか、そういう方法によって馬の国際水準に 一日も早く追いつくような考慮を払えないものかどうか、その点の御見解はいかがですか。
○増田(久)政府委員 確かに軽種馬の改良を行ないますためには、優秀な種牡馬の輸入ということがどうしても必要になってまいると思います。現実には、大部分のものは民間ベースで輸入されておりまして、その中で、先生も御存じだと思いますけれども、ヒンドスタンとか、あるいはハローモアというような優秀な種馬が入って、日本の馬の改良に甚大な貢献をなしておるのも事実でございます。しかし同時に、国が直接ではございませんけれども、中央競馬会におきましても種牡馬の輸入をやって、それを生産地に貸し付けをやっておるわけでございます。有名なライジングフレームとかゲイタイムというような馬も買って入れましたし、最近ではセダンとかいうような一億円近い馬も買いましたし、昨年はインターメゾという一億六千万円の種馬も購入いたしまして、現地に貸し付けているというような実態であるわけであります。
○相沢分科員 国庫納付金は二種類に分かれておりまして、第二国庫納付金の性格というのは、日本中央競馬会法第二十七条第二項によって、毎事業年度の余剰金の二分の一相当額をということになっております。四十四年度を見ますと、この第二国庫納付金が九十九億、約百億でございます。これで二分の一相当額になっておるわけでありますから、あと百億、中央競馬会のほうが余剰金として持っておるということでございますし、やはりもう少し中央競馬会のほうが優秀な種牡馬の購入頭数をふやすような、そういう指導をしてもいいのではないか、こう考えますが、いかがですか。
○増田(久)政府委員 基本的にはやはり優秀な馬をできるだけ多く入れてくるということが必要であることは当然でありますけれども、現実の問題を申し上げますと、率直に言いまして、ほんとうにいいものははたして外国で出すかどうかという問題が基本的にあると私は思います。そういうことで、ほんとうに入れ得るものというのは、やはりそう多くの頭数というのはあり得ないじゃないか。そういう意味で、やはり私は、量というよりも当分の間は質的に、どういう血統のいいものが入り得るか、確保できるのかという点に力点を置くべきじゃないか。将来の問題として、日本の競馬がもっと進んだ段階ではそういう問題に入り得る。それから、もう少し世界全体の競馬事情というものが変わった段階では、そういう問題にももう少し楽な対処のしかたがあろうかと思いますけれども、現実は、いいものはなかなか買いにくいという現実があることも事実であろうと思っております。
○相沢分科員 もう一点、生産地における育成牧場の問題ですが、日本の場合は適正地といっても、やはり狭い土地が多いということで、欧米の育成牧場に比較しますと、非常に規模が小さい、こういうことで、共同育成牧場を設置して、軽種馬の積極的な資質向上と能力の助長をはかるための施策を講じてほしいということが非常にいわれておりますが、それに対する政府の対策はいかがでございますか。
○増田(久)政府委員 確かに、今後、零細な経営基盤でつくられておりますいまの軽種馬というものの経営の合理化をはかりますためには、一般的にいってそういう共同育成牧場というものを整備して、馬匹の改良なり適正な育成を行なうということが必要であろうと私も基本的には思っております。率直に申し上げまして、そういうことに対して一部生産者のほうからは、それは過剰生産につながるのだということで反対運動があることも事実でございます。しかしながら、いまの馬匹の改良のあり方を見てまいりますと、とにかく農家がやみくもに血統のはっきりしない、質もはっきりしない、横文字のついた種馬を買ってくることのあることも実態だと思います。そういうことをやりましては、幾らたってもほんとうの馬匹改良というものはできてこない。そういう意味では、育成牧場というものを実態に応じて設置して、それを農家の経営とともに馬匹の改良に結びつけていくというようなことをやはり真剣に考えるべきである。そういうことではわれわれも関係団体と協力して前向きで対処したい、かように考えておるわけでございます。
○相沢分科員 確かにおっしゃるように、一部地元でも共同育成場をつくることは過剰生産につながるということで、反対の意見を述べられる方がいらっしゃることも承知はしております。しかし、やはり軽種馬生産農家のうち保有頭数五頭以下というのは、日高管内で見ますと全体千六百五十のうちのほとんど七〇%を占めておりまして、典型的な小規模経営農家でありますし、また、この軽種馬生産によって将来とも経営安泰をはかっていきたい、また優秀な軽種馬を育成したいと念願する人たちは、やはりどうしても広々とした共同育成場というものを持ちたいものだ、こういう考え方になるのでございまして、ただ水田が生産調整でまずいから、たんぽをつぶして牧草を植えて、軽種馬の生産に切りかえようか、こういう安易な考えの人たちは、過剰生産につながるので反対だというような意見を言う人が多いのでありまして、ほんとうに長年やっていらっしゃる、また真剣に日本の軽種馬の優秀な改良、育成ということを考える方たちは、やはり共同育成場を持ちたいというのが念願であるようでございます。その点やはり当局としても、よく生産地のいろいろな階層の人たちとの話を進めて、十分な検討を行ない、また実施をしていただきたいと思うわけであります。 最後に大臣にお聞きしますが、日本の軽種馬の生産地では、いまずっとお話ししましたように、馬を育てることに全生活をかけておりますし、また非常な零細、弱小の規模にかかわらず、現在も日本の隆盛した競馬界を背負っておるわけであります。また、生産地の特殊な農業としても重要な使命を感じていろいろ苦労をしておるわけでありまして、そういった実情をひとつ大臣もよくよくおわかりになって、今後ともあたたかい対策を積極的にはかっていただくように要望したいと思いますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
○倉石国務大臣 るるお話のございましたように、軽種馬の生産対策につきましては、国内産馬の改良、生産基盤の強化改善、それから経営安定等の施策を総合的に推進いたしてまいることが重要であると考えておりますので、中央競馬会等の協力も得まして所要の施策を講じてまいったわけでありますが、このたび軽種馬の輸入自由化にあたりましては、国内生産をさらに強固なものとする必要があることが考えられますので、今後におきましても軽種馬の生産対策を畜産の重要施策の一つとして一そう力を入れてまいる所存でございます。
○相沢分科員 次に、北方海域の漁民問題で若干お尋ねをしたいのですが、安全操業をめぐる日ソ間の第一回の交渉が持たれましたが、なかなかむずかしいようでございますし、今後も交渉は長引くであろう、こういう予想でございます。安全操業実現への運動というものは、すでに二十数年の年月を経てきておりますが、なかなか一向にはかばかしくいかない、そういうことでいろいろとあの北洋海域におきまして拿捕事件あるいは衝突による死亡事故等、いろいろとまだ問題が引き続き今後も起きることが懸念されております。 昨年分科会で同僚議員から、この北洋海域における安全操業問題と、それから乗り組み員に対する救済措置について大臣との質疑がかわされておりますが、最後に大臣は、事情を十分調査いたしまして、その上で、迷惑をこうむっておられる人人について、どのようにめんどうを見て差し上げることができるかということについて検討をしていきたい、このように思っている、こういうふうに最後御答弁をされておりますが、その後、事情を十分調査した結果をお聞きになられて、対策を何かお考えになったか。それともお米の生産調整等いろいろな問題がありますので、忙しくてまだ実情について十分よく聞いてないか。この点だけちょっと簡単に、聞いているか、聞いてないか。
○倉石国務大臣 いまのお話にございましたように、拿捕された人たちの調査——これは米は米でほかのほうの局がやっておりますが、水産庁においても十分北海道庁その他と連絡をとっておるわけであります。まだ詳細に地元のほうからあがってきておりませんです。そういうものが来次第、なお検討しなければいけないと思っております。
○相沢分科員 地元から来ないので、まだ十分聞いてないという御答弁でありますので、時間もありませんから……。私、一人の方の拿捕抑留者の家庭へ行ってまいりましたので、その実情をまず申し上げて、大臣に御考慮願いたいと思うのです。 その前に、現在における未帰還漁船数と抑留者の数がわかりましたら、お答えいただきたいと思います。
○大和田政府委員 昭和四十五年末までに拿捕された漁船の数が総計で千三百三十六隻で、乗り組み員が一万千三百十六人でございますが、まだ返されておらない漁船の数が四百数十隻、拿捕された乗り組み員で未帰還の者が現在八人でございます。
○相沢分科員 その八人の抑留者の中で、一番長く抑留されておられる方はだれですか。
○大和田政府委員 八人につきましては、実は昨年の三月でございますか、川島特使と赤城元農林大臣とがソ連に参りまして、当時残っておりました人たちの帰還の要請をいたしましたところ、その人たちが全部だんだん帰ってまいりましたので、四十五年になりましてから拿捕された者が八人残っておるわけで、そう長いこと抑留されておるわけではございません。
○相沢分科員 私が現地へ行きまして調べたところ、一番抑留期間の長い方が、現時点では昨年の五月四日に拿捕された渡辺国雄さんという方のようでございます。この方は今回で二回目の拿捕でありまして、前回のときに実は漁船乗り組み員の給与保険法、これに入っていないために、非常に留守家族に苦しい思いをさせたということで、今回——今回というのは昨年の五月四日の操業にあたっては、事業主に対して組合保険に入りたい、手続をとってほしいということを前々から申しておりました。そういうわけでありますので、出漁に行くときに、家族に対して、今回もしものことがあったとしても、前のようなことはない、今回間違いなく——普通拿捕保険といっておりますが、拿捕保険に入っているので心配ないからということを言い残して出漁した。ところが拿捕されて、留守家族が漁業組合に行ってみたら、船主と組合との間の連携の不備といいますか、実際には手続がとられてない、入っていないわけです。奥さんはいろいろかけ合いましたが、船主もそれから組合も、お互いに責任のなすり合いで話のらちがあかない。組合は、生活費はお貸ししましょう、保険に入っている金額で、その分を給料として保障して出してあげましょう、ただしそれは貸すのであって、後日返済をしてもらわなければ困る、こういう話です。奥さんにしてみれば、現在生活を送るためにお金が入ることはうれしいけれども、あとから返さなければならないということでは、うっかり借りられない、かえって苦しくなってしまうということで、組合からの借金をせずに、働いていらっしゃいました。昨年の十一月のことですが、私は現地へ行ってお会いしたのでありますが、この奥さんにとっては思いがけない非常な苦境に追い込まれたわけですね。しかも、この奥さんは心臓病が持病でありまして、夫が拿捕される数日前病院から退院したばっかりで、十一月からですからまだ半年、あまり健康も回復してない。でありますけれども、生活がたいへんなために、漁場に泊り込みで、小学校六年生と三年生の子供二人を連れて、働いておりました。 この拿捕保険の問題なんですが、加入手続というのは一体どういう仕組みになっておりますか、簡単に御答弁をいただきたい。
○大和田政府委員 この漁船の乗り組み員の給与保険につきましては、昭和二十七年制定の特別法がございまして、船主が漁船保険組合に申し入れる場合が普通でございますけれども、船主といいますか事業主みずから申し入れない場合は、その船の乗り組み員の二分の一以上が乗組員給与保険にのせてくれという要求をいたしますと、事業主としては、正当な理由がない限り、乗組員給与保険にかけるという、そういう法律のシステムになっております。 法律の運用といたしまして、漁船保険組合が全国で五十ほどあるわけで、そのうちで十幾つかの組合——北海道におきましては全部の漁船保険組合がこれをやっておりますけれども、十幾つかの組合が給与保険の取り扱いをいたしておるわけでございます。
○相沢分科員 そうしますと、この方もやはり根室の支庁管内の漁業組合の組合員でございますから、当然この組合では保険業務を扱っておるわけですね。これは任意保険であっても、やはり船主、事業主も組合員ですから、組合としては組合員に対する指導の責任があると思うわけです。まだ拿捕という事故が当然予想される現状、環境なわけですから、やはり出漁にあたってその事業主が保険をかけているのかいないのか、前もってわかるわけです。それに対する組合の指導責任というものについてはどう考えられますか。
○大和田政府委員 具体的にお示しの事例は、実は私どもも非常に気の毒な例として承知をいたしておるわけで、おそらく第十一広照丸、カニかご漁業で、船主が照井さんという人で、お話しの船長が渡辺国雄さんという人のケースであろうというふうに思います。これは実は非常に気の毒な事情がございまして、昨年五月の連休で申し込みができないまま、五月四日に、船が出る日に保険料の支払いがございました。給与保険法によりますと、保険料の支払いがございました翌日から責任が開始されるということでございますが、この第十一広照丸は五月四日に保険料を支払い、五月四日に出港して、その日に拿捕されたというケースで、私ども非常に気の毒と思いますけれども、残念ながら保険料支払いの翌日から責任が発生するというたてまえになっておるものですから、漁船保険組合ではいかんともできない、そういうケースでございます。 私ども、この事件がございましたためだけではありませんが、せっかく乗組員給与保険に入りながらいまのような事態が起こると、はなはだお気の毒でございますので、カニかご漁業は出港の日を船主も乗り組み員も漁船組合も知っておるわけでございますから、できるだけ前広に保険の申し込みをしてくれるようにということを、いろいろの機会に漁船保険の担当者にもお話しして、その旨の指導をやってもらっておるわけでございます。これは、前に休みが続いたということもございまして、なかなか指導のとおりにはならなかったという、はなはだ気の毒な例でございます。
○相沢分科員 これは不運なケースだとおっしゃるわけですが、保険契約の成立時点の問題で考えなければならないと思うのです。申し込んだ翌日になってから初めて発動するということですが、このケースのように日曜あるいは祭日の出漁もあるわけですし、また夜中に緊急に出漁するということもあります。加入と同時に発動するというような法の弾力的な取り扱いというか、あるいは事務機構の改善を何とかはかって、まれなケースでしょうけれども、こういうものを未然に防止するという手は打てませんか。
○大和田政府委員 ソ連に拿捕される区域に出漁する船というのは、大体大臣許可漁業なりあるいは知事許可漁業でございまして、自由漁業は数はそう多くございませんので、船主も乗り組み員も漁船保険組合も、いつ出港かはっきりつかめておるのが実情でございます。私、法律のたてまえをいろいろ言うわけではございませんが、保険料の支払いがあった日から責任が発生するというと、やはりモラルリスクもあり得るわけでございますので、保険のたてまえとしては、やはり保険料を支払った翌日から発生するということでよいのではないか。しかし、そのかわり前広に保険の加入の申し込みをするようにということは、私もこの機会にさらに管下の漁船組合あるいは都道府県に指導をいたすつもりでございます。
○相沢分科員 わかりましたが、それではこの渡辺さんのケースを考えた場合、結局だれが一番責任をとらなければならないのか。当事者はどういうお考えですか、こういうケースの場合。
○大和田政府委員 これは船長といいますか、船主あるいは事業主といたしましても、乗組員給与保険に入るつもりで一生懸命やっておったわけですし、事情を聞きましても、どうも組合のほうがサボって申し込みを受け付けなかったという事情もございませんし、私は、非常に不幸な事態であって、だれが責任を負うかという、そういうことにはならないのではないかというふうに思います。
○相沢分科員 こうした、保険に未加入のまま拿捕された場合は、国及び道から見舞い金という制度で月一万円ずつ支給することになっておるわけですね。国の場合は、三十四年五月一日の閣議決定で、給与保険未加入者に対しては月に一万円ということですが、道から一万円ということで二万・円。この二万円で生活しなければならない。私がこの方に十一月にお会いしたときは、先ほどお話ししましたように二人の子供を連れて泊まり込みで働いていらっしゃいましたけれども、その仕事も十一月一ぱいで終わりまして、きのう確認しましたところ、現在のところ、からだも思わしくないし、仕事もないので働いていらっしゃらない。たよりになるのは月二万円の見舞い金、国からは一万円の見舞い金、これだけで何とかやりくりをしている。これまでためていたお金もほとんど使い果たして、来月からいよいよ働かなければならない、こういう状況のようでございます。そういうわけで、今回のようなこういう不幸な方に対しては、万が一のときにはやはり見舞い金という制度が非常に有効な機能を持っているわけであります。ただ金額がいかにも少ない。これは昨年も、物価上昇に見合ってスライドをすることがいいか悪いか、妥当かどうかということでいろいろ論議がございましたけれども、かなり社会情勢も変わっている、経済情勢も変わっているということから、やはりもう一ぺん検討し直して、この金額の増額をまた閣議ではかっていただきたい。こう思うわけであります。 私、もう一つお話ししたいのですが、御主人はハバロフスクに収容されておるわけです。しかも船長でありまして、大体三年くらいの抑留期間になるだろうということが本人からの手紙でわかった。一月、二月は、向こうはいわば厳寒の地であります、留守家族にすれば、主人の身の安泰を思い、せめてあたたかい毛糸の胴巻きの一つも、月に一回あるいは二月に一回、小包みで送りたいと思うのは当然の人情だと思うのです。ところが、この小包料もなかなかばかにならないのです。 大臣、ちょっとお伺いしますが、四キログラムの重さのものをハバロフスクまで航空便で委託しますと、どれくらいの運賃がかかるとお思いでしょうか。——けっこうです。これは私も調べてわかったことですから、答弁をお願いするのは無理かと思いますが、調べますと、四キログラムで一万三百三十円かかるのですね。これで品物を送る。手づくりのものだったらただですけれども、たばことか好物その他いろいろなものを詰め合わせる。その奥さんは訴えておりましたが、働いてくめんしたお金で大体五千円くらいの品物を用意した。それを航空便で送ったら運賃が約九千七百円かかった。こうなりますとそうしょっちゅうは送れない。見舞金は国から、三十四年以来一万円しか出ていない。しかもからだはあまり思わしくない。御主人に送りたくてもそう簡単に送れない。こういった立場に立たれた方の身になると、これは心情的に非常に同情せざるを得ない。これが今回の事件であり、またこの留守家族の方の状況なわけであります。こういったことを考えますと、いろいろむずかしい点はありましょうが、やはりここで見舞い金の増額をもう一ぺんあらためて考え直す時点にきたのではないか、このように思うわけですが、農林大臣、この点いかがですか。
○倉石国務大臣 いま承っておりますと、まことに暗い感じがするわけでありますが、要は、安全操業について私どもはさらに努力を続けてまいりたい。これは、一月に初めてこういう交渉が始まったわけでありますが、相手もあることであります。しかしわれわれはあきらめずに、さらに継続して努力をいたすつもりでおるわけであります。そういうことが基本でございますが、ただいまのお話のようなことは、私まだ保険制度について十分につまびらかにしておりませんけれども、そういうようなことについても検討する必要があると思います。御指摘のようなことについて、いま申し上げましたようなことで、ひとつさらに研究してみなければならぬ問題があるのではないか、かように思っております。
○相沢分科員 安全操業の交渉を今後も積極的に、またねばり強くおやりになることは当然でございますけれども、また一日も早くその交渉がまとまることを願うわけでありますが、現実の問題としては、なかなかそう簡単にいかない、やはりこういった事件のようなことが今後とも起こり得る可能性があるわけです。また現在実際に抑留中の家族の実態をいま申し上げましたけれども、非常に困難なたいへんな立場にいらっしゃるというようなことを考えると、やはり現実的な政治的配慮として見舞い金あるいは死亡特別交付金、抑留中の死亡の場合家族に対して七万五千円という金額ですね、これをまたあらためて検討し直して、大蔵省とも折衝し閣議決定をしていただきたい、こう思うわけなんですが、この点、大臣が大蔵省と折衝し、また閣議にもはかって何とか前向きに取り組みたいという御答弁を最後に期待いたします。いかがですか。
○倉石国務大臣 経過等につきまして事務当局に事情をよく聞きまして、できるだけのことはいたしたいと思います。
○相沢分科員 以上で終わります。
○森田主査 この際、午後二時開会することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————◇————— 午後二時十一分開議
○渡辺(栄)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林省所管について質疑を続行いたします。樋上新一君。
○樋上分科員 私は、中央卸売り市場の制度の問題につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。 まず大臣にお伺いしたいのですが、自由流通市場における生鮮食料品の集散機能の充実と価格の適正化をはかり、生産者すなわち農林漁業者の所得の確保と一般消費者の生活の安定のためには、現在の卸売り市場の配置、施設、取引方法等にわたって抜本的な改善、近代化が必要であると私は考えるのですが、このことについて、私は昭和四十三年四月の農林水産委員会等で従来から強く要請をしてまいったものでありますが、この卸売り市場の改善につきまして、どのような処置をしていこうとするのか、簡単でよろしゅうございますから、あと順次質問をさしていただきますが、大まかに大臣の御所見を承りたい。
○倉石国務大臣 生鮮食料品流通の中核といたしまして重要な中央卸売り市場におきましては、生鮮食料品の食品特性を念頭に置きながら、その生産及び消費の態様の変化に対応して、積極的に改善、合理化を進めてまいることといたしたいと思いますが、いまお話しの最近の生鮮食料品流通をめぐります状況を見ますと、生産面では産地の大型化が行なわれ、それから専門化が行なわれておりますが、漸次これが進展しまして、さらに商品の規格化、貯蔵性の向上などが見られるようになってまいりました。一方においてはまた、消費の面では品目の多様化、それから高級化に加えて、消費が所得階層別にも地域的にもだんだん平均化してきておる、そういう状況に対応することのできるようなマーケットをつくっていくことが必要ではないか、こういうような考え方で、いま継続審議になっております市場法も、やはりそれらのことに対応し得るためのものをひとつ御審議を願いたい、こういうことで提案いたしておるわけであります。
○樋上分科員 今度の卸売市場法案の案の骨子を私も読ましていただいて、いろいろ検討いたしておるのですが、現在の卸売り市場の整備につきまして、少しお伺いしたいのです。 大量の生鮮食料品を適正、円滑に、かつ迅速に集荷、分荷する中央卸売り市場の使命から考えまして、わが国で最も古い中央卸売り市場である京都の中央市場、これは最古のものでございまして、非常に狭隘、過密化いたしておる次第でございます。最近におきましては、産地の大型化と消費生活の向上による取引高の増大と、一方、自動車による商品の搬出入、需要の激増と、また加えて施設の老朽化もあり、市場の機能の低下を招いている状態でございまして、もう朝などはけが人ができておるというような、京都は非常に狭い状態にあるんでございます。このような状態では効率的な物的流通がはかられないことはもとより、機械化、コンピューターの導入等について、近代的な流通の施設として十分な機能を果たし得ません。このような物的流通施設の整備について、具体的に政府はどのような処置をしていこうとされるのですか、お伺いしたい。
○倉石国務大臣 中央卸売り市場の施設整備等につきましては、お話しの物的流通技術の革新に対応いたします近代的施設がきわめて必要なことは申すまでもございません。このために卸売市場法案におきましては、国は卸売り市場整備基本方針を定めますとともに、大体十カ年にわたる中央卸売り市場整備計画を策定いたしまして、計画的にその整備を推進することといたしております。なお、この卸売り市場施設整備の推進にあたりましては、施設の絶対的な不足の解消はもとより、輸送運搬の省力化、技術の導入、それから冷蔵庫等貯蔵機能の確保、効率的情報処理のためのコンピューターの導入等、施設内容の充実の観点からも十分配慮してまいりたいと思います。私、実は京都の市場をまだ拝見いたしておりませんが、東京でも大阪でもただいま御指摘のようなことが痛感されるわけでありまして、やはり近代的な装備にできるだけ早く変えていくように努力をしなければならぬと思っております。
○樋上分科員 京都の中央卸売り市場は朝のものすごく繁雑なときは——山陰線のすぐそばにあるのでございまして、そこに平面交差になっていますから、山陰線を高架にするように、これは二十年来からのわれわれの要望でございます。ところが、ちょうどその中央市場のそばに踏切、平面交差がある。そこに一日の自動車の交通量が五万数千台、それが一ぺん遮断機がおりますと、ずっとつらなる。そこに市場の自動車が入ってくるでしょう。全く、殺人状態というほどたいそうには言わないが、目を当てて見ていられないような大戦争状態になっておる。そして毎日いろいろな事故が起きてくる。こういうときに際して、日本で一番古い中央市場がそのまま放任されておる。施設が老朽化していますものですから、コンピューターの導入ができないというような状態でございます。この技術的な面はどうなっているんでしょう。
○小暮政府委員 御承知のように、ただいまの卸売り市場の施設整備に対する助成の体系から見ますと、コンピューターの機械そのものを助成するという仕組みはございませんけれども、御承知のように、コンピューターを設置するためにはかなり基礎のしっかりした振動にたえられるような建物をつくらなければならぬ。そういう電算機を入れるための施設をつくります経費については、これを補助できるというたてまえになっております。したがいまして、市場の整備の計画に合わせて、そうした近代化の問題についても十分検討いたしたいというふうに思っております。
○樋上分科員 ちょっと具体的なお話でございますけれども、この京都中央卸売り市場の狭隘、過密化に対応して、ちょうど隣接用地を買収して、そして機能の拡大をはかろうとしておるのですが、この場合、問題となるのは何としても買収の予定地であります大阪瓦斯の用地。これの取得を促進するために、国として積極的に援助していただきたい、こう考えておるのですが、この用地買収について、特に隣接したガス会社に対して、国は積極的に特別な援助を願えるでしょうか。
○小暮政府委員 京都の市場を近代化するために、隣接のガス工場跡地をいろいろ議論しておられるということは承知いたしております。御承知のように、市場施設を新増設いたします場合の用地の取得につきましては、やはり地方公共団体がみずから取得するというたてまえのもとに、その上に設置いたします施設について、できるだけ手厚く助成するというのが現在の補助の仕組みでございますので、土地買収費そのものを補助するわけにはまいりませんけれども、当然計画が具体化いたします際には、起債のワク等につきまして農林省のほうでも自治省と十分打ち合わせて、起債の問題につきましては支障のないようにいたしたいと思います。 なお、市場の補助の全体の考え方としては、実はかねて土地購入が非常にむずかしい。これが市場建設をおくらせておるという実態も私ども承知いたしておりますので、京都のいまのガス会社の跡地はこれはちょっと適用になりませんけれども、たとえば河川敷とか、あるいは港に近い比較的まだ整備の進んでない土地、そういうものを安く入手してこれを改良造成してりっぱな敷地にする改良費については助成できるというふうな形を、実は最近大蔵省と話をつけておるわけでございます。
○樋上分科員 そうすると、用地の取得は国庫補助の対象に現在なっておらないということになりますね。
○小暮政府委員 そうでございます。
○樋上分科員 起債を自治省に申請するということ、わかるのですけれども、私の現地といたしましても、何としてもこれは、全国的に見ましても一番問題になるのは用地の取得ですよ。これをやるとなるとばく大な金を費やしてしまう。大体一万八千六百六十二平方メートルのガス会社の土地はガス会社としてはもう承諾をしておるのです。ところが代替地を何とか京都市も見つけてしなければならないと思うのですが、これに対する費用に困っておるのですな。土地の費用、二円五十三銭の土地でも払い下げてもらえばこれはいけるのですが、こういうようなものがない限りはどうしようもない。だから、卸売市場法ができても広域的に市場を広げていくといっても、先立つものは——土地の取得費も国庫補助の対象にすべきである、こう思うのですが、ただ単に京都だけで言っているのではない、全国的にいってもこれは国庫補助の対象にしてもらいたいと私は強く要望するのですけれども、大臣、これは見通しはどうでしょうか。
○倉石国務大臣 市場が大事であることはよくわかっておりますけれども、国のほうでいろいろな施設についての補助の方針がございまして、やはり土地取得等については補助対象といたさないという扱いをいたしております。けれども先ほど政府委員から申し上げましたように、整地費等の予算については補助対象といたすようにいたしておることはもちろんでありますが、土地は非常にむずかしいということであります。
○樋上分科員 それじゃ非常にむずかしいという、あまり色よい返事がなさそうですな。 それじゃ、中央卸売り市場問題の重要なことは取引の問題ですが、施設も古いものが多い現在の中央卸売り市場において、何か取引も旧態依然たるものがあると私は思うのでございますが、どうも中央市場で行なわれる取引状態に一般市民はどういう印象を持っているか、明朗なそして公正な妥当な価格形成をするのには、いままでのせり一本というだけではあまりに芸がなさ過ぎるんじゃないか、こういうぐあいに私は考えるんですが、この点大臣はどうお考えになりますか。
○倉石国務大臣 企画性、貯蔵性の乏しい、ことに生鮮食料品などにつきまして、売り手、買い手双方が納得のいくような公開的方法で価格を形成して、かつこれを能率的に荷さばきをするためには、やはり何といっても委託によるせり取引が中央卸売り市場における売買取引の基本原則となるものと考えられております。これはわが国の長い間の歴史的に見てそうではないかと思っておるわけでありますが、しかしせり売りの方法につきましては、生産から消費に至る構造的変化に即応いたしまして、価格の安定をはかる上で必ずしも十分ではない面もあると思います。そこで卸売市場法におきましては、相対による販売を行なっても適正な価格形成に支障が長くて、むしろ卸売り価格の乱高下の防止それから集荷力の向上、取引能率に資すると認められるような特定の品物または特別のケースにつきましては、相対取引による販売を行なう余地を広げるようにいたしておる次第であります。
○樋上分科員 取引の改善、合理化ということを私はお伺いしているんですけれども、それじゃどういうぐあいに合理化を進めていくか、現実の問題も起こっておるんですね。大局的に集散市場本来の目的が達成できるよう、現実的に効果ある施策が必要ではないか。そういう点に、いま大臣お話しになりました、現実的な問題としてそこに効果がはたしてあるだろうか、そういった点さらにもう少し具体的な話をお伺いしたいのですが……。
○小暮政府委員 御承知のように、せりはどちらかといえば公開された売り手、買い手双方に一番納得のいく仕組みであると思うのです。ところがそのせりが逆に何か不明朗だといわれることも多い、わかりにくいということもあってだと思いますけれども、しかし先ほど来御指摘のございましたような市場の物的施設の整備、これは物理的なことではございますけれども、非常にその点を明朗にするのに大切だというように考えております。市場があまりにも混雑して見通しがきかないということが、せっかく公開のせりでやっておりますものを不明朗に見せるという点もあると思います。御承知のように大阪の東部分場のようにわりあいに新しくできた市場等につきましては、そういった点を、場内で働く者にも部外から見に来る者にもきわめてわかりやすく施設しておるような例もございます。そこに機械せりの施設を助成して入れておりますことは、御承知のことと思います。そういった過程で物的な施設をできるだけ整備いたしながら、しかもできるだけ新しい機械の力を導入しながら、せりにつきましても昔ながらのせりの原則ですけれども、そのやり方について可能な限り物理的に施設を整備して明朗にやるというのが一点でございます。 それからそのほかに、せりが万能ではなくて、年に一回大量にとれて、あと一年かかってだんだんに売りさばいていくという、たとえば塩サケのようなもの、これは漁期が限られているわけですから、ある数カ月の間に一年分をとってしまう。これはやはり何らかの形で、だれかがこれを買い取ってどこかへ屯積しておくという機能を果たしませんとものが流れない。そういうものを毎日一一せりにかけてせるという形で価格をつくるのがよろしいのか、それとも、それぞれの段階の者が十分、それもできるだけ明朗な方法で話し合って相対で値段をきめるのがよろしいのか。ただ、相対には、今度は価格が公表されないという面がございますから、市場内で相対でやります場合には、その価格をせり値と同様にその日の取引が済んだあとで公表させるといったようなことを組み合わせることによって、相対であっても結果は公表されるという点で、せりと同列になるというようなところもございます。そういう形で、貯蔵性、規格性のあるようなものについて、せりと並行して相対を活用するということについても関係者の協力を得たいというふうに考えております。
○樋上分科員 わかりました。そういう点を十分運営の面で力を入れていただきたい、指導していただきたいと思うのでございます。 次に、今後の中央卸売市場のせりはもとより消費者と密着した運営がなされていかなければならないと私は思うのですね。その点、どういうぐあいにすれば消費者と密着した運営ができていくか。それの確保についてお伺いをしたいと思います。
○倉石国務大臣 中央卸売市場の運営が適正になされますことは、ただいま御指摘のように、ぜひとも必要な大事な問題であろうと思います。そこで、生産者、消費者双方にとりましてきわめて重要なことでありますので、このために卸売市場法案におきましては、中央卸売市場開設運営協議会というものを第十三条で規定いたしまして、整備することとしております。この規定の活用にあたりましては、ただいま申し上げましたような観点から、広く生産から消費に至る学識経験を有する者をお願いをいたしまして構成いたしまして、各方面の声が中央卸売市場の開設、それからまたその業務の運営に関しまして適切に反映してまいることのできますように措置いたしたい、このように考えておるわけでございます。
○樋上分科員 この場合、学識経験者、けっこうでございます。ところが、消費者、利用者の参加が私は望まれるのですが、この点はどうでしょう。
○倉石国務大臣 いま私が申しました学識経験者、みなそれぞれ、消費しておる方もあり、生産の経験者もあり、そういうことでございますので、やはり数多くの人々の御意見が聞かれるような運営にいたしたい、こう思っております。
○樋上分科員 中央卸売市場の運営が適正になされるためには、市場における卸売り人、仲買い人等の近代化、また公共的役割りを自覚した活動が必要と私は考えるのです。こういう点から現在の零細な仲買い人をどう育成していくかという点をお伺いをしたいと思います。
○倉石国務大臣 私ども現在あります市場の運営、取引状況を見ておりましても、それぞれ市場によって違うこともございますけれども、いまお話のございましたように、卸売り、それから仲買い人、それぞれの立場立場でいろいろ機能を発揮しておると思いますが、何しろ大きな中央卸売市場になりますというと、それぞれ重要な役割りをそれぞれの立場立場で尽くしておるわけでありまますから、やはり信頼のできるしっかりした人たちによって運営されることはもちろん大事なことであります。いまお話しの零細なそういうことにつきましては、平素市場がうまく運営されてまいるように指導はいたしておるつもりでありますが、そういう零細な仲買い等のことにつきまして、政府委員からひとつお答えいたさせます。
○小暮政府委員 ただいま大臣の申されましたような趣旨で、かねて仲買い人の法人化という指導行政としては非常に力を入れてまいっておりますが、それに加えまして、できるだけ仲買い人が合併等によって大型化しながらちゃんとした会社組織になる、合併しながら法人化するということをさらに指導することといたしております。ただ、長年市場の中で仕事をしてきました最も商業的色彩の強い人たちでございますので、あまり強引にと申しましょうか、行政があまり先行してその合併を強要するというわけにはまいりません。やはり仕組みとしては、卸売市場近代化資金制度という融資制度の中に、これはいろいろな施設をつくる場合の融資が主体にはなっておりますけれども、仲買い人が近代化するために合併します場合、合併して新しい事務所をつくるような物的な施設の整備について融資するだけでなしに、いわば権利を買収する、営業権を買収するような部分についてもいまの卸売市場近代化資金を貸せるというような仕組みを考えまして、そういう面からも大型化、法人化を助長するということで相つとめておる次第でございます。
○樋上分科員 時間が参りましたので、詳しいことをもう少し聞きたいのですが、私は、大型化する、近代化するということについて、いま申し上げました零細な仲買人が顧みられなくなってしまって、ほんとうに資力もないそうした人たちをほっぽらかして大型化していくことを心配しているのでございます。この点を十分考慮していただきたい、こう申し上げます。 新設市場に対する施設の整備に対しては補助率が少しアップしたように思うのですが、既設市場の拡張に対しての補助率は同率ではないのですか。
○小暮政府委員 御指摘のように、新設と改造の場合では補助の仕組みを変えておりまして、ただいま御審議いただいております法律が通りますと、新設の市場の基幹的な施設が十分の四という補助率に相なります。この十分の四を頂点にして、以下関連施設、付属施設についてそれぞれ補助率を考えるつもりでございますが、既設の市場の改善の場合には、従来も新設の場合よりもやや低目の補助率になっております。今回も既設市場については基幹施設が三分の一、新設の場合には十分の四という考え方をとっております。
○樋上分科員 私はいわゆる既設の市場にも同率の補助が望ましい、こう思うのでございます。 時間が参りましたので、以上、生鮮食料品流通の中核的役割りを果たしております中央卸売市場の近代化について、政府の見解をただしてまいりましたが、新しい時代にはまた新しい内容の市場として脱皮が必要ではないか。その点、私が以前から主張してまいりました予算の増額、いまも申し上げましたように補助率の引き上げ、また公益市場行政の推進等がようやく進められようとしておりますが、これについても単に卸売り市場法ができればそれでよいというものではなく、これは何としてもその運用が私は重要である、こう思うのでございます。どうか私の申しました趣旨を十分におくみ取りいただいて、いまいろいろ申し上げました京都の卸売り市場発展のために、どうかひとつ絶大なる御理解と、補助の問題、また起債のことにつきましてもいずれ京都市から言ってくると思いますが、その節には十分協力をお願いいたしたい、これを申し上げて私の質問を終わります。
○渡辺(栄)主査代理 鶴岡洋君。
○鶴岡分科員 私は、いま問題になっています豚肉の自由化の問題についてお伺いします。 昨年来心配されてきたこの豚肉の自由化が、一月の十九日の自由化関係閣僚会議で正式に決定し、本年の九月末までに実施する段階になったわけです。ところで、この決定によって、国内のいわゆる生産者農家に与える不安と動揺というものは、これはたいへんなものではないか、私このように思うわけです。そこで、いままで自由化されてきた農林物資の数はたくさんありますけれども、農業基本法以来いわゆる選択的拡大品目、それにも増して総合農政の重要な育成振興部門である畜産物が自由化されるのは初めてであるわけです。 そこで端的にお伺いしますが、どうしてこの豚肉を自由化しなければならないのか、する必要があるのか。また、自由化に踏み切ったその理由をお聞かせ願いたいと思います。
○倉石国務大臣 農産物の輸入の自由化につきましては、残存輸入制限品目を計画的に減少させてまいるというのが政府の基本的方向でございますが、この基本線に沿いましていろいろ検討いたしました結果、逐次実施してまいっておるわけでありますが、特にただいまお話の豚肉につきましては、国民の食生活上重要な物資でもございますし、それからまたただいまお話しのように選択的拡大をねらっておる重要な品目でございますが、四十二、四十四年に長期にわたりまして安定下位価格の上位価格をこえる価格の騰貴を防止し得なかったことから、価格の抑制のための輸入の円滑化が物価対策上の問題として提起されてまいりましたことは、御承知のとおりでございます。豚肉の自由化は、このような基本的方向に沿いまして検討いたしました結果、関税措置によりまして国内豚肉価格の安定制度との調整をはかることによりまして、国内における豚肉の安定的な生産に支障を及ぼさないような措置をしながら、安定価格帯の上位価格をこえる国内価格の上昇を抑制する効果を期待いたしまして、実施の方針に踏み切ったものでございます。
○鶴岡分科員 物価対策ということが話に出てきましたけれども、それは物価対策が現在騒がれている状況ですから、理由にもなろうと思いますが、物価問題というのはいわゆる日本の経済構造からくる内政問題であって、いわゆる国と国の国際間の問題として取り上げるべきではないのじゃないか、そういうふうにすりかえているのではないか、このように、物価対策の面からいったら考えられるわけです。このように思うわけですけれども、この点どうですか。
○倉石国務大臣 一つには、やはり国全体の経済、貿易政策で、できるだけ可能な限りは品目の自由化をやっていくべきだと思っておりますが、しかしながら先ほどちょっとお話の中にもありましたように、われわれの所管いたしております農作物につきましては、そういう大きな方向はさることながら、やはりわが国の農業という立場からしておのずから慎重にならざるを得ない。そういうことで、一品目ずつについては十分検討をいたしつつやってまいっておるわけでありますが、豚肉につきましては、先ほども申し上げましたように、これを自由化いたしましても、いま私どもが期待いたしております豚肉生産にはまず支障はないように措置ができるのではないかというふうな、いろいろな考慮の上で、またもう一つは、いま申しましたが物価対策の考え方から自由化をいたしたわけです。しかし御存じのように、私どもといたしましては、それに見合うように弾力的に関税の措置を講じていくことは当然なことでございます。
○鶴岡分科員 私の申し上げるのは、いま可能な限り、または物価対策に対応して、こういうお話ですけれども、農林省も野菜から始まって米、畜産物すべて物価に関係あるもので頭が痛いのではないか。これはよくわかりますけれども、まさか豚肉だけで物価云々ということは考えないとは思いますが、先ほど申しましたように大体豚肉が消費される地域というのは極東アジアに限られている。その面からいけば国際商品でもない。また主要輸出国と思われるアメリカ、韓国、台湾——台湾なんか特に多いわけですけれども、いま豚の値段が上がりつつある。さらに、国の内外の価格を比較した場合、四十二年から四十四年の平均を見ると、いわゆる畜安法の最低基準価格から見ればどの国もみんな高い、こういう数字が出ておるわけです。 そこでお伺いしたいのは、このような理由があげられる中で今回自由化に踏み切ったわけですが、今後これらの諸国の価格について、政府としてはどのような見通しをつけておるか、この点をお伺いします。
○増田(久)政府委員 先生御承知のとおり、豚につきましてはいわゆるビッグサイクルというものがございまして、高いときもある、低いときもあるという形で、その国の価格の水準が幾らかということは統計的に非常に把握しにくいというのが実態でございます。しかしながら、平均的に見ていけば、どの国も基調的には上がってきているのじゃないかということは、年平均等を見ていけば、これは国によって例外もございますけれども、基調としては上がりつつあるのではないかということが言い得るのではないかというように考えております。
○鶴岡分科員 もう一つ、物価対策の面から見てCIF価格ですが、いわゆるこま切れ肉用としてボストンバットが輸入されているわけです。これは多いときもあれば、少ないときももちろんありますけれども、いままでの数字から見ると、大体三分の一から半分近くまでの割合を占めているわけです。そうすると、いま言ったように、現在これが輸入豚肉の三分の一から半分という数字から見ますと、物価対策ということについてはかえって逆行するのではないかというような面も見られるわけです。この点はいかがでしょう。
○増田(久)政府委員 確かに今度の措置によりまして、いわゆるボストンバットのようなくず肉が入りにくくなるということは事実であろうかと思います。これは関税をきめる場合、できるだけ品質とか部位の格差というものも十分検討して価格をきめることが望ましいことは言うまでもないわけでございますけれども、実際の実務の面から見ていきますと、実際問題として、これは関税を取るほうでございますから、関税の窓口で非常に困ってしまうということがありまして、そういう措置をしなかったわけでございます。と同時に、われわれの基本的な姿勢といたしまして、上位価格と下位価格との中心、平均的な価格までをせきどめするわけでございますが、それはおおむね生産費との見合いで考えておるわけでございまして、そこまでは生産者のほうにいただいてよろしいのではないか。これは生産者サイドとして当然要求していいことなのであって、そこに若干の問題があろうとも、ある場合にはがまんしてもらうよりやむを得ないという判断も一つあるわけでございます。 しかし、実際に今後豚肉価格が上位価格をこえるということがありますれば、その際には、こういうボストンバットのようなものについては当然減免措置を講じて、実際に入るような措置は講じていくというふうにして、現実にはできるだけ物価安定に資するような運営をやってまいりたい、かように考えております。
○鶴岡分科員 それでは、いろいろ事情はありますけれども、農林省サイドとして、今度自由化した場合に消費者価格が現在よりも下がると具体的に判断しているかどうか、その点お伺いします。
○増田(久)政府委員 これは先ほど先生もおっしゃいましたとおり、豚肉につきましては、各国とも自給的性格が非常に強いわけでございまして、結局、その国の需給事情できまってくるのが実態でございます。これは各国ともその例外ではないわけでございます。現に日本の現在の豚肉価格というものは、下位価格すれすれのところで卸売りが推移しておりまして、それを反映いたしまして、最近におきまして、小売り価格も低下してきている、こういう動きで、ここ当分はそういう動きになろうかと思っております。 ただ今後の見通しとして、当然これからのビッグサイクルというものを予想して価格が騰貴することもあろうかと思いますが、少なくとも今後自由化が行なわれますれば、三十三年、四年の、たとえば上位価格が四百十円のときに、年間平均的に四百八十円であった、あるいは五百円をこえたというようなばか高値というものは、この際にはそんな事態は避けられるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○鶴岡分科員 自由化した場合の輸入価格を想定しているのは——たぶん今日まで行なってきた輸入は緊急措置として行なってきたため割り高であったと考えられるが、これが自由化されれば、いわゆるわが国の市況に合わせて輸出各国が、それこそ日本向けに本格的に輸出計画をするのではないかということも考えられるわけです。そうすると、関税込みで安定基準、安定中心価格ですか、へそ価格ですか、その程度のものが輸入されると予想されるわけですけれども、そうすると、物価の面からいって、国内の市況はいわゆる安定中心価格に近い水準で抑制されると思うわけです。物価対策から考えた場合、物価の安定策といいますか、中心価格へ価格が持っていかれることになるのか、この点お伺いしたい。
○増田(久)政府委員 繰り返し申し上げるわけでございますが、各国ともそれぞれビッグサイクルというものがありますし、それから冷凍という技術があるわけでございますが、それをやりますと、やはりそこに冷凍格差という一つの技術格差が生まれてくるということもあるわけであります。そういう意味で、たまたま輸出国のほうが安くて日本のほうが高いからいまは輸出できるというような事態がありましても、その事態がそれぞれの国の事情によっていつ変わってくるかわからないという実態があるわけでございまして、その点で豚肉の貿易というものは、過去においてもあまり国際商品になり得なかった。そういう基本的な性格は将来にもわたってなくなるわけではないという意味で、それは私、一種の契約生産的なものがないとはいえないというような気もいたしますけれども、基本的にはそういう、豚が従来ともに国際商品になり得なかったという性格は変わるわけではございませんので、これによって大幅に輸入がふえて、経常的に入ってくる、そのために日本の豚の価格が中心価格のところで低迷するというような事態はまず考えられないんじゃないか。 もう一つ言わしていただければ、輸入する側におきましても、そういうふうに価格変動が非常に大きいものでございますから——たとえは緊急輸入の場合でございますと、いつからいつまでに幾らの数量が入ってくる、こういう確実な見通しがあるわけであります。そういう意味で非常に輸入しやすいという事態があったわけでございますけれども、今後はそういう数量なり時期の保証があるわけではない。したがって非常に思惑の要素が入ってくる。そういう意味で輸入しにくいという側面もあろうかと私は思っておるわけでございます。 もう一つ言わしていただければ、われわれのところは当然へそ価格のところでせきとめるわけでございますけれども、その際、輸入諸掛かりというものがそこに入ってくるということを考えますれば、時期によってはやはり上位価格近くを変動するということは従来ともあり得るのではないか、かように考えておるわけでございます。
○鶴岡分科員 そうすると、中心価格で低迷することはないだろう。ビッグサイクルという話も出ましたけれども、自由化した場合に、そのビッグサイクルを考えて、国内価格が安定基準の最下位価格を下回ることもあるんじゃないか、このように私は思うわけですけれども、また上位価格をオーバーする場合もあるんじゃないか。この点はどうでしょう、あり得るかどうか。
○増田(久)政府委員 国内の生産が過剰になりますれば、当然下位に基準価格を割る場合が出てくるわけでございまして、これにつきましては、畜産物価格安定法を従来とも存続するつもりでございます。そうなりますれば、当然生産者が調整保管をする、あるいは場合によっては事業団が買い入れをする、こういうことに相なるだろうと思っております。ただ上位価格のほうには、先ほど申し上げましたとおり、四十三年、四年のようなああいうばか高値が長く続くという事態は今後はないのではないかというふうには考えております。
○鶴岡分科員 上のほうはどうですか。
○増田(久)政府委員 上のほうは、上位価格をこえることはあろうかと思いますけれども、四十三年、四十四年と二年間続けてばか高値が続いたわけでございますが、そういう事態は今後は避けられるのではないか、こういうふうに考えております。
○鶴岡分科員 もし、下のほうがあって、上のほうがあまりないんじゃないかということになると、下のほうがあった場合には事業団が買い入れでストックするわけです。上位価格をこす危険性のある場合、そういうことが想定される場合にはそれを放出するわけですけれども、その場合に、私なんか考えれば、自由化になれば、先ほど言いましたように、諸外国のそういう輸出体制というものも考えられますし、事業団が買った品物を放出する時期が少なくなるのではないか。そうすると、極端にいえば売り渡し業務という業務がなくなるのではないか、こういう心配もあるわけですけれども、この点はどうでしょう。
○増田(久)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、自由化によりましてもやはりへそ価格を基準として上位、下位の間を変動するであろう。したがって事業団が買い入れ、または放出する機会というものは十分あり得るというふうに考えておりまして、そういう意味で畜安法の改正を考えていないわけでございますが、この点につきましては、今後の事態の推移を十分に見守りながら、その点は検討を深めてまいりたい、かように考えております。
○鶴岡分科員 そうすると、いままでは畜安法でいくと上位が四百二十二円、それから下位が三百四十五円、この間でいわゆる価格の変動のサイクルですか、それがあったわけです。今度、関税等の法律をつくってやるわけですけれども、その中間の三百八十三円五十銭ですか、これがへそ価格になるわけですけれども、いままでは四百二十二円とそれから三百四十五円、この間の変動があったわけですけれども、心配されるのは、今度中心価格と下位価格、この間だけで変動する可能性が出てくるのではないか。そうすると、長期的に見ると全体的には豚価というものは安くなるというような傾向になるのではないか、このようなことも心配されるのですけれども、この点はどうでしょうか。
○増田(久)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、私は上位価格、下位価格の間を変動していくであろうということで、ただばか高値のようなことは避けられるであろう、こういうふうに判断をしているわけでございまして、この間に入りますならば、これは生産者にとっては十分償い得る市場価格が形成されるのではないか、かように考えているわけでございます。
○鶴岡分科員 私は、日本の養豚業はまだまだ国際競争力に十分に対応できるような状態にない、このように思うわけです。豚肉の自由化は、そうしてみると——よく、国際競争力に対応できる状態にあるとか、またそういうふうにしていかなければならないという農林水産委員会等でも大臣のお話がございますけれども、この自由化については時期尚早の感もするわけです。ましてや、昨年四十五年の二月には配合飼料がトン当たり千五百円、また十月には再びトン当たり二千五百円値上げになった。これは事実でございますが、養豚業者は実際四苦八苦しているわけです。その上にいま騒がれておる畜産公害の対策、それからふん尿処理等の設置等で、いわゆる生産コストというものは非常に増大しているわけです。こんなことはもちろん農林省も十分御存じでしょうけれども、それでも国際競争力に対応しようとしているというならば、現在国内生産者農家のうちどのくらい、何%くらいが国際競争力に対応できる状態にあるのか、数字をちょっとお知らせ願いたい。
○増田(久)政府委員 恐縮でございますが、手元に生産費の数字を持ってまいっておりませんので、これは後ほど提出させていただきたいと思っております。 ただ、わが国の豚の生産費の実体を見てまいりますと、御存じのとおり四五%程度がえさ代であって、それから三〇から三五%の間くらいが素畜費である。飼養労働費は大体一〇%程度、こういうことになっているわけでございまして、先生がいま御質問のとおりえさ代が上がればそれが生産費の上に非常に影響を持ってくるというのはもう言うまでもないことであります。ただ、御理解願いたいと思いますことは、わが国のえさ代が上がったときには、実はこれはわが国の国内事情で上がったのではなくて海外事情で上がったわけでございます。そういうときには当然海外でもえさの値段は上がっているわけでございまして、いわばわが国ではえさについては関税をとっておりません。そういう意味で日本の農家は国際的なえさ価格で豚の飼養をやっているということが、裏から言えば言えるわけでございます。そういう意味でえさの値上がりそのものが国際競争力に直ちに響いてくることにはならないのではないだろうか。それから素畜費のほうにつきましては、また最近若干上がってまいりましたけれども、昨年一年間は豚の需給の実勢を反映しまして子豚価格が低落をしておりました。それから生産の規模もここのところ年々拡大をしてまいってきておりますので、わが国の養豚の経営は基調としては十分国際競争にたえ得る素質といいますか可能性というものを秘めているのではないか、かように考えているわけでございます。
○鶴岡分科員 時間がありませんので、先にいきますけれども、四十三年に政府が発表したいわゆる農産物の長期需給見通しがありますが、このときには豚肉の自由化を前提として発表したのかどうか、この点いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 四十三年の長期見通しをつくりましたときには、考えておりませんでした。
○鶴岡分科員 それでは四十一年五十万トン、五十二年には百三十六万トン、三倍近い目標になっいるわけですけれども、これでいきますと、これだけ今度自由化になって輸入ということになりますと、これが達成できるかどうかということが問題になってくるわけですけれども、この点はどうでしょうか。
○増田(久)政府委員 先ほど申し上げましたとおり豚肉につきましてはその上位価格と下位価格で、一番望ましいノーマルな価格の間で価格が変動をすることを企図しているわけでございまして、今度の自由化によってその基調が乱されることはまずない。そういう意味で国内の自給体制は十分に達成できる。したがって、われわれが将来の豚肉の生産として、たとえば五十二年で百三十万トンから百五十万トン程度の生産を考えておりますけれども、そういう生産の達成は十分可能であろう、このように考えております。
○鶴岡分科員 十分可能ということですけれども、これも先ほど申しましたように飼料の値上がり、労賃のアップ、それから公害対策、いろいろ考え合わせると、生産者農家にとってはやはりはさみ打ちになっておるわけです。私は幾ら農林省が騒いでも、畜産振興の施策は進むどころか、農家にとってはやはり不安は増す一方ではないか、このように思うわけです。したがって、目的達成がいま申しましたように不可能になるのではないか、このように危惧するわけですけれども、それでは生産者農家はどうしたらよいのか。いわゆる育成政策を具体的にどういうふうにするか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○増田(久)政府委員 これは非常にむずかしい問題点を含んでいると思って、これについてはまだ農林省においても実は結論を得ていないところでございますので、御了解を願いたいと思うわけでございますが、養豚経営につきましては、やはりスケールのメリットと申しますか規模が拡大すればするほど生産性はあがってくるということは原則としては言い得るわけでございますが、これにつきましては先生御指摘のとおり、一つは日本の場合には公害問題というもの、特にモンスーン地帯でありますので、この公害問題というものをどう考えたらいいのか、この問題点についての技術的解明というものがまだございません。そういう点につきましていまの段階では各地で問題は出ておりますけれども、まだそういう致命的という形には全体としてはなっていないと思いますけれども、やはりスケールメリットからいって大規模化することにもおのずからそこに限界があるのではないだろうか。それと同時に、いまヨーロッパの各農家で見られますとおり、先生も御承知だと思いますけれども、ヨーロッパの畜産では酪農と養豚というものが一体化しているわけでございます。それで大体この規模も二百頭、三百頭スケールというような非常に中小規模のスケールで養豚事業というものが行なわれて、それが酪農経営と一体となった形で経営というものが行なわれているわけでありまして、どうも日本の場合にもそういう形での養豚の発展というものがあり得るのではないかという点で、現在各方面の御理解と御協力を得まして、その将来の望ましい形というものを模索をしている段階でございます。しかしながら、現在ではまだ十四、五頭の段階でございますので、少なくともこれは三十頭、四十頭、五十頭というスケールにまで持っていくことは比較的容易なことでありますし、そういたしますれば、またその段階での生産性の向上というものは非常に期して待つべきものがあろう、かように考えておる次第でございます。
○鶴岡分科員 時間がないのであと一問だけお聞きしますが、飼料はいわゆる国際価格によっていろいろ問題がある、こういう話でしたけれども、過剰米処理の一策として、いわゆる飼料化が実施されておりますが、昨年払い下げた量、価格等は私はお聞きしましたのでよろしいのですが、四十六年度は百四十万トンと、このように予定されていると聞いております。生産者のほうからすれば昨年の十月は六万トン、二万三千五百三十三円ですか、それから十一月、十二月は十二万トン、二万四千四百六十円ですか、生産者側としては二万円程度に払い下げを要求しているわけです。この払い下げの方法、それから価格、これを簡単に来年度についてお伺いしたいと思います。
○亀長政府委員 払い下げの方法につきましては、私どもとしては今後は変形加工を原則にしてまいりたい。さらに、着色の方法も最近研究の成果を得ましたので、変形加工または着色を行ないまして、横流れ防止に万全を期してまいりたいと思います。 価格につきましては、昨年来実施をいたしておりますように、他の飼料原料との均衡がとれた価格ということでございまして、ピーターソン方式という価格の決定方式がえさの価格決定に採用されておるようでございます。米の場合も、他の原料であるトウモロコシ、マイロ等の栄養比価を出しまして、それとの比率で価格を決定するという考え方でございますので、トウモロコシあるいはマイロの価格の動きに特別の変化がない限りは従来の水準というふうに考えております。ただ他の原料につきまして値動きがあればそれにつれてこちらのほうも動くという、かようなケースに相なろうと考えております。
○鶴岡分科員 それでは最後に大臣にお聞きしますが、いまの価格の問題ですけれども、現在国有農地が問題になっておりますが、四十年ですか、農地法の報償金のときに、政治的配慮であのようなお金が出たわけですけれども、それと同じではありませんけれども、過剰米処理についても、それはいろいろ計算はあるでしょう、情勢もあるでしょうけれども、やはり政治的配慮が必要ではないか、このように思うわけです。この点一点と、自由化するについて差額関税措置はとられますけれども、そのほか自由化に対応しての国内生産者対策、流通機構改革、それから価格対策が何らなされていないような感も受けるわけです。このまま行くといわゆる見切り発車をしたという感が強いわけですけれども、そこで生産者に与える打撃も大きく、その点について、いわゆる政府は総合農政の柱に畜産を掲げているわけですから、自由化という事この時期に至って今後この方針をどのように進めていくのか、この二点について大臣に最後にお伺いいたします。
○倉石国務大臣 先ほど来お話がございましたように、私どもといたしましては、一方においては自由化を促進いたしますが、一方においてはやはり農業の安定ということを心がけなければなりませんので、十分その間の調整をとってまいるように畜産については努力をいたしてまいるつもりであります。 それからストックしておる米を飼料に回す場合、これもそれぞれわが国の畜産の振興のために必要な度合いというものがおのずからございますので、それらのことも十分勘案しやってまいるようにいたしたいと思います。
○鶴岡分科員 どうもありがとうございました。これで終わります。
○渡辺(栄)主査代理 安井吉典君。
○安井分科員 私は主として、政府の閣議了解の稲作転換の推進についてという事項がございますが、いわゆる本年度の米対策の問題を中心にしてお伺いをしてまいりたいと思います。 初めにその対策の内容についてでありますが、まず生産調整について、政府は割り当て目標の二百三十万トンをいま末端までおろす作業を始めておられるようであります。しかしこの問題は四十五年度もおやりになったわけでありますが、去年と違って目標量はだいぶふえているし、さらにもう一つには、昨年はこの制限を行なうことで食管制度は守れるのだという一つの大義名分があったが、ことしの場合はそれが怪しくなっている、こういう事態では協力しかねると農業団体まで言っているわけであります。私は、この生産調整なりあとで触れます買い入れ予約の割り当てなり、こういうようなものがうまく行くように考えておられるのかどうか、まずそれから伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 現実の問題として、二百三十万トンの生産調整というのはなまやさしいものではないと思います。しかしこれは、今日のわが国の全体を考えてみましたときに、やはり単年度需給均衡ということを考えますときに、ぜひやらなければならない数量でございまして、したがって、これらのことについてそれぞれ関係団体等にもお願いをいたして御協力を願っておるわけでありますが、四十五年度には百万トンの生産調整をする計画をいたしましたが、大体一四〇%近く成功いたしました。私は、多くの地方の農村の方々が現状の認識を十分に持っていていただけますので、必ずわれわれに御協力を願って成功し得るものだと、確信を持ってやっておるわけであります。
○安井分科員 私は、昨年の生産調整が曲がりなりにもいったというのは、激しい強制力で政府が押しつけたのではなしに、比較的農家の自主性を尊重するようなそういう仕組みであったことが一つの成功の原因ではなかったかと思います。農民も協力するようになったのは、たとえば去年は買い入れ制限はなかったわけですからね。つまり食管制度を守るためにはきびしい事態でもがまんしなければいけないのだ、そういうふうな条件が去年はあったのではないかと思います。ことしはそれがない。ですから私は、ことしも農民の自主性を尊重すると、そういう仕組みで対応すべきではないか、こう思うのでありますが、どうですか。
○倉石国務大臣 もちろんことしも自主性を尊重してお願いをいたすわけでありますが、ただいまの日本の農業というものを見ましたときに、これは時々刻々世の中のすべてのことが変化してまいりますからして、どこの国でも同じような現象がありますことは安井さんよく御存じのとおりであります。アメリカ、カナダ、EEC、みなひとしく過剰農産物に非常な悩みを持っております。そこで、そういうことにつきまして、私は日本の多くの人々が非常に冷静に判断をしていらっしゃると思っております。それは私どもが地方の農村の人々にお目にかかっても、つくづくそういうことを感じます。 そういうことと、もう一つは、やはり最近の国民の消費傾向が非常に変わってきていること、これも御存じのとおりであります。米は毎年毎年十万トン以上二十万トン近くその消費量が減ってきておるのに、ほかの産物はややそれと反対の傾向でどんどん増強されてきております。やはり生産者はそういう傾向をよく御存じである。また政府もそういうことに対処していろいろな施策を講じていかなければなりませんので、生産調整というふうないわば消極的な面よりも、必要な生産をどうやって伸ばしていくかという問題が大事であるということで、今月の十六日には県知事会であるとか市町村長会その他二十五団体ほど、これは農業団体も全部参加されまして生産対策協議会というものをおつくりになりまして、これからの農業について、生産対策をみんなで相談しようということになりましたことは、まことにありがたいことだと思っております。そういうわけでありますので、私どもといたしましては、そういう国民全体の聰明さに御信頼を申し上げまして、いまの難局を国民みんなの合意と協力の上で成功し得るように、ひとつわれわれ行政府としてはできるだけのことをいたしてまいりたい、こう考えておるわけであります。
○安井分科員 割り当てを不満としてその割り当てに従わなかった場合は、それに対する制裁をするのですか。
○倉石国務大臣 そういうことは毛頭考えておりませんけれども、もし二百三十万トンができなくてバランスが著しく失われたというときには、それから先日本の農業がどうなっていくであろうかということは、ことに生産に携わっておられる方はよくおわかりのとおりであります。私どもは、やはりことしの生産調整の情勢を見た上で、これから何をしなければならないかということを検討しなければなりませんが、私は、生産者諸君のそういう点に対する聡明と英知を信頼いたしております。
○安井分科員 お説教はいいのですけれども、農民のほうがなかなか協力してくれなければいかぬのじゃないかと私は思うわけであります。昨年の例を見ても、農村でいろいろ話を聞いてみますと休耕をした、しかしその休耕田の管理は思ったより手がかかるということ、経費がかかるということ、そういうことをみんな言っております。出かせぎに出た、しかしながらその出かせぎも募集をしてくれる人の話と違って、向こうに行ったら条件はだいぶ違うし、帰ったときはそう手取りはない、こういうふうな事態があります。 数日前ある新聞の出かせぎ農村のルポルタージュで、秋田県のある村で役場へ行って聞いてみたら、小さな村でありますけれども、九月から十二月まで役場への出生届はゼロであったという事態がある。それはつまり十二月から三月、四月にかけておやじさんは全部出かせぎに行くわけです。その事態がそういうショッキングな姿になってあらわれているという記事をこの間も見ました。ですから、やはりたんぼをつくったほうがいいな、こういう気持ちに私はなりがちだと思うわけであります。したがって、休作の問題もあるいは転作の問題もそれだけに慎重でなければならぬ、私はそう思うわけです。 この要綱の中で、転作、休作等についての政府の施策についていろいろ書いてあります。きょうはたった三十分の時間ですから中身については質問いたしませんが、私はこれに書いてないことが一つあると思います。というのは、転作の場合に、造田費がいままでかかったから土地改良のお金が負債で残っている。あるいは田植えの機械だとかその他いろいろな機械類も水田であるということにおいて負債が相当たまっている。水利費もある。こういうふうにその水田に累積している負担が何かほかの作物等に移っても、いまの農林省の総合農政といわれておる対策の中では、米よりももっと有利な作物なんてないわけでありますから、米で残っていた借金をほかの作物で返せるような仕組みになっていない。だからそういうふうな永久転作というような場合には、そのたんぼに残っている借金というものをたとえば年利二分くらいでたな上げするとかそういう積極的な措置が必要ではなかろうか。そういう問題がこの中に書いてないもんですから、この点だけひとつお考えを伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 私どもが一番苦労いたしております、頭を悩ましております問題は、つまりいままではお説のように、米というものがあらゆる角度で手厚い保護を受けてまいりました。それが今度は計画的に調整をしていかなければならない、そういうことに直面する農家の方々の御心痛は私ども十分わかっております。それに対してその方々の悩みを解消するというそういうこともさることながら、やはり国家全体としての食糧政策という面から見ましても、または農業政策から見まして、やはりただいま御指摘の点が一番大問題でございます。したがって、私どもは当面御承知のように、予算に計上いたしておりますように休耕、転作それぞれ区分けをいたしまして、転作については五年間の助成をいたす。その間に転作に定着をせしめるように指導して、またそのためには土地改良、圃場整備その他の対策をそれにマッチするようにしてまいりたい。また、地方地方で何に転作するかということについては、地方庁をはじめ地方農業団体の御協力も得て地域分担のおよそのガイドポストを示して、そういう方向で、すべての政策をそういう形で集中してまいりたい。そういうことのためにただいま農林省は鋭意みんなの力を合わせて努力をいたしておる。そういうただいま御指摘のような御不安をなからしめるようにすることが私どもの一番大事な責務であると痛感して骨を折っているわけであります。
○安井分科員 私の申し上げたことにも骨折っておるというふうな御答弁のように聞こえるわけですけれども、負債の整理といったような問題はこの中にはないわけです。ですからそういうふうな対策もお進めになる、こう受けとめていいわけですか。
○倉石国務大臣 ちょっと事務当局から……。
○岩本政府委員 土地改良事業等で負債を負っております水田を転換する場合に、負債をどう処置するかという御質問であろうかと思います。 米の生産調整を行ないます水田にかかる土地改良事業の分担金、賦課金等の負債の支払いにつきましては、四十六年度におきましても米の平均的な生産費等を考慮した相当額の生産調整奨励補助金が交付をされておりますので、一般的に農家はその支払いに支障を生ずることはないものと考えております。しかしながら、生産調整の円滑な推進をはかりますために、転換を行なう水田につきまして、土地改良事業による負債を決済いたします場合には、その所要額につきまして自作農維持資金を貸しつけることができますよう措置をすることとする所存でございます。なお、このことによりまして、土地改良事業による組合員の負債の償還は、実質的に一時据え置き及び償還期限の延長ができることとなるわけでございます。
○安井分科員 いまお話しがございましたような対策でこれは十分かどうか、私、いま疑問であります。そういう点さらに御検討をいただきたいし、また農林水産委員会等でもっと審議を進めてもらうことにいたしておきます。 そこで買い入れ予約の問題でありますが、予想に立っての割り当てであるわけですから、いま政府の進めておられるようなやり方でも順調にいっても誤差を生ずるおそれが最終段階においてあります。余剰米を生ずるというおそれがあるし、特に順調でない要素のほうが今日の段階で多いような気がするわけです。この問題については、これまでの質問に対する政府答弁は、天候などの理由で余剰米が出た場合、生産調整の推進を阻害しないことを条件に農業団体の意見を聞いて対処する、たしか、こういうふうな言い方をされていたと思うのでありますが、そうですか。
○倉石国務大臣 そのように考えております。
○安井分科員 そこで、この考え方の内容がわからない点があるからもっとただしたいわけでありますが、ここで余剰米といわれているのは個々の農家単位に出た数字をいわれるのか、あるいは市町村単位のものをいわれるのか、都道府県単位のものをいわれるのか、あるいは全国単位の数字を中心としておっしゃるのか、その点このお話でははっきりしていないわけであります。つまり全国単位で余剰米が出たというふうなおっしゃり方をされているのか。質問の要旨、わかりますか。——そのどの段階で余剰米という数字を押えてお考えになろうとされているのか、その点です。
○亀長政府委員 予約限度数量の割り当ては個々の農家に対して最終的には行なう形になりますので、その個々の農家の予約限度数量をこえるものが予約限度数量をこえる米ということでございます。
○安井分科員 そうすると、いままでの御答弁は、国全体のレベルではなしに、個々の農家段階で余剰米がもし出たらいままでの御答弁のような対策を講ずる、こう見ていいわけですね。
○亀長政府委員 予約限度数量をこえる米というのは——あくまでこれは予約限度数量というのは個々の生産者に対して存在するものでございますから、予約限度数量をこえる米の対策ということになれば当然そういうものでございます。
○安井分科員 その点よくわかりました。 余剰米を自分の県の中だけで処理するという京都方式が新しく出されたと伝えられています。これは政府はどういうふうにお考えですか。
○亀長政府委員 京都の方式といいましても、私どもも具体的に、この予約限度外の数量の米をどう扱うか、食管法との関係をどうするかということについての具体的な考え方があってのことであるというふうには考えておりません。ただ予約限度数量をこえる米ができた場合にその金利を助成することとか、倉敷を助成することとか、宣伝費を出すとかということは新聞発表をなされたようでありますけれども、その米をたとえば自主流通のような形で売る——われわれとしては万一そういうものが出た場合には一定の規制のもとに農協等の指定集荷業者が生産者から委託を受けて売るというのが、これは販売面におきましても従来の自主流通米と同じような形で売るということを現在頭に描いておるわけでございますが、京都府の考え方がそのことを全く否定したものであるかどうかということについては明瞭でございません。したがって、いまここでとやかく論評することは私は差し控えたいと思っておりますし、また具体的にもその点は明らかでないようでございます。ただ助成をするということだけをおっしゃったようでございます。
○安井分科員 私は、このいわゆる京都方式なるものは、政府の食糧管理政策の失敗に対する自治体側の痛烈な批判だ、そういうふうに見るわけであります。 ところで私どもは、これまでの国会の議論を通しまして、買い入れ制限をしたり、物統令を廃止するというふうな政令措置を出しながら、これはなお食管法のワク内の作業なのです、こういうふうに言い張ってきた政府の態度をきわめて不満に思うわけであります。全量買い上げだとか、あるいは消費者米価の問題についてもきちっとした規定をもっている食管法を無視した対策ではないかと私は思うわけであります。特に佐藤総理は、去年の施政方針演説の中では、食管制度の根幹を堅持すると言いました。ところがことしの施政方針演説では、食管制度を改善する、こういうふうに変わってきたわけです。私はことし食管法そのものに手はつけなかったが、実際上はなしくずしにするような対策が続けられた実態を見ながら、これはどうやら政府も、農林省も食管法を廃止したり、あるいは間接統制などの大幅な改正をする時期をいまやねらい始めているのではないか、そういうふうな印象を受けるのでありますが、農林大臣はどうですか。
○倉石国務大臣 米の管理につきましては、米の需給事情の変化によりまして、いろいろな面にわたって問題が生じておることは事実であります。事態の変化に即応いたしまして、その管理の適正を期し得るように、その制度運営の改善については常に検討を要する点があると思われるのでございますが、米の管理制度は農家経済、それから国民消費生活等、国民経済の各分野にわたりまして、きわめて重要な関係を持っておりますし、国民食糧を確保し、国民経済の安定をはかるためには、米の需給及び価格の安定をはかることがきわめて重要でございますので、この点に十分留意をしながら、慎重にこの問題を検討してまいりたい、こう思っております。
○安井分科員 きわめてあいまいなおっしゃり方で逃げようとされておるように思うのです。 これも新聞のスクラップを私持ってきたのですが、二月二日のある新聞で、「一兆円商品コメねらう商社」というタイトルでの記事です。これで、大手の商社はいまや食管法はなくなるというふうなのにねらいをつけて、大きく動き始めているという記事です。初めのほうをちょっと読んでみますと、酒米の三菱、モチ米の丸紅が一歩リードしている、日商岩井は深く潜航して浮上の時期うかがい、この三社を三井、伊藤忠、住友、兼松江商、トーメンらが激しく追い上げている、これが最近の米レースの解説だと、こうであります。ずっといろいろな動きが書いてあります。最後に、各商社が競って米に手を出すのは、食管制度の崩壊が意外に早いと見ているためで、長くとも二年以内で間接統制に移行するとの見方がほとんどで、そのときには商社も晴れて二兆円商品を扱えるようになると見ている。農民は、食管法がどうなるか、休耕したたんぼを草だらけにして、このあとどうなるのだろうか、若い人たちは農村を見捨てようか見捨てまいか、そういうせとぎわに来ている。しかし、一方ではこういう動きが現にあると報ぜられているわけです。いま大臣はおっしゃいましたけれども、慎重な態度で対処すると言われながら、ずるずる、ずるずるとこういう大企業の側に引き込まれてしまいはしないか、そういう心配をするわけです。 例の大根の問題をこの間うちから、ずっと議論していたわけでありますけれども、生産地で一本三十円の大根が消費地で二百円になる。それも消流体系の中の買い占めが原因だというような追及がしばしばなされていたとおりでありますが、この大根のように米がなれば、私はこれはたいへんなことだと思うのです。したがって、いまの段階に去年よりもことしと、こういうふうに食管制度をゆるめる対策を講じていくということになれば、大手の商社の思惑どおりにはまり込んでしまうのではないか、その点をおそれるわけであります。生産者米価のほうは据え置き、これもまたことし続けておやりになるようでありますし、これについては農民組合の訴訟まで起きているわけであります。私は米価についても、今度また食管法そのものを骨抜きにするような政令措置が行なわれるということになったら、これはまた全国で訴訟がどんどん出てしまって、たいへんな事態になりはしないかと思うわけであります。ことしの政令措置も、ああいう政令を出しても一〇〇%買い上げということは食管法の根幹ではないんだ、必要な米さえ買えばいいんだというふうな三百代言的な解釈で対処しようとしているわけでありますが、こういうことでは農民の反発はもう必至だと思います。もう一度問題を振り出しに戻して再検討する、こういうお考えはありませんか。
○倉石国務大臣 もうすでに先ほど申し上げましたように、十六日に知事会をはじめ全国農業団体の代表者等集まりまして、生産対策協議会がスタートいたしました。その中にもまた専門部会等もつくって、熱心に政府の方針について御協力願ってスタートいたしておるわけでございますので、私ども既定の方針ですでに予算の編成もいたし、政令も修正改正いたしております。ただ私どもは、独善ではいけませんから、常にいろいろな方々の御意見を十分に拝聴するにやぶさかなものではありません。先ほど来安井さんのおっしゃいましたような事柄についても、私どもとして平素考えている大事な問題について、いろいろ何点かお触れいただいております。私どもよくわかっておるつもりでありますが、とりあえず本年一番先どうしてもやるべきことは、生産調整を効率的にやっていただくということでございまして、その経過を見ながらやはり米の管理制度について、どのように将来考えていくべきであるかということを、慎重の上にも慎重に検討いたして方向を定めていきたい。そういうときには決して独断でやりません。皆さん方いろいろな方の御意見をもちろん拝聴してやっていきたいと思っております。 それから、したがって、ただいま新聞記事をお読みいただいたようですけれども、われわれといたしましては商社が何を考えていようが、そういうことには全然没交渉でありまして、やはり米管理という重要な問題については慎重に検討を続けてまいりたい、こう思っているわけであります。
○安井分科員 時間ですから終わります。
○渡辺(栄)主査代理 芳賀貢君。
○芳賀分科員 農林大臣にお尋ねしますが、まず第一に政府が全国に生産調整の数量割り当てと米の売り渡し令の改正をして、買い入れ限度数量の割り当てをすでに行なったわけです。そこで限度数量と生産調整割り当てを同時的に割り当てをしておるわけでありますからして、ことしの生産調整というものは、昨年生産者の協力を求めて行なったものと質的に違うと思うのです。 そこでお尋ねしたいのは、この生産調整を行なわなければ、個人別の限度数量の決定というものを当該市町村ではなかなか行なうことができないと思うわけです。それでどうしても生産調整の指示に基づいてしなければならぬという法的根拠があれば、それを明確にしてもらいたい。
○倉石国務大臣 私どもは先ほど安井さんとのお話にも申し上げておるはずでありますが、生産者の自主的な御協力によってやっていただきたいということをお願いしておるわけであります。
○芳賀分科員 それは法的な根拠がないからということでしょう。
○倉石国務大臣 根拠がある、ないというような理屈でなくて、昨年も団体の御協力によってお願いをいたしてあれだけの成功をいたしました。したがって本年もひとつ、たいへん数字は多くなりましたが、ぜひ御協力をお願いいたしたい、こういうことを申し上げておるわけであります。
○芳賀分科員 これは大事なことですよ。官房長いますか、だれか一番責任のある政府委員。食糧庁長官でもいいですよ。生産調整は法的根拠でやれるかやれぬか、あればある、なければないと……。
○亀長政府委員 生産調整に関しましては法的根拠はございません。これは国の奨励措置として実施をいたしていくということでございます。
○芳賀分科員 生産調整を行なわせる法的根拠はないということになれば、あくまでも二百三十万トンの生産調整の期待量というものは生産者の全面な理解と協力がなければできないわけですね。それでは今回の政府の措置に協力できない、去年は生産調整に協力することが食管制度を守る道に通ずるということで協力したが、今度は買い入れ制限を政令改正で強行するわけだから何も協力する必要はないでないかということになるわけですね。そこで生産調整は政府の一方的な押しつけだから行なわない、全部耕作でき得る水田面積は——最大の生産努力で耕作するということになれば、米穀の売り渡し令の改正による限度数量の個別農家への割り当てが行なわれても、限度を越えた販売用の米がたくさん出るということは予想できると思うのですね。その米は余る米じゃないのですよ。その米は今度の改正政令ではどうさせる気でおるか。
○倉石国務大臣 さっきお話のあった余り米…、いまのお話は余り米ですか。——限度数量を越える米というのはつまり余った米ということです。そこで私どもがいままで生産者とお話ししてまいりましたことは、つまり限度数量……。
○芳賀分科員 大臣、時間がないですから、あなたの答弁に食われちまうと時間がなくなるから……。
○倉石国務大臣 それでは簡単にやりましょう。 要するに生産数量も平年作がわかっているのだから、その中から限度数量、自主流通、生産調整、自家保有米とやってくれば一俵も余らない計算になっているわけでありますから、生産調整をひとつやってさえいただければ非常に平和にまいるのじゃないか、それを期待をし、お願いしているわけであります。
○芳賀分科員 今度の二つの政令の改正は、われわれの立場から判断すれば、これはたとえば食管法の第三条一項、九条一項の法律の委任の範囲を越える、これは違法、無効のものであるというふうにわれわれもかたく判断しておるわけです。しかしそれをここで議論する時間はないですから、しかし今度のそういう違法性、無効性の政令においても、とれた米は全部国が管理するということに変わりはないと思うのですが、直接買い入れであろうと自主流通米で取り扱うにしても、それ以外の米であっても、これは国家の管理のワク内からはずれるものは全然ないと思うのですが、それは間違いないでしょう。
○亀長政府委員 政府が直接買うもの、あるいは従来行なわれておりましたような自主流通米、今度百八十万トンということでございますが、そういうものにつきましては、これは両者とも政府の管理にあるというふうに考えれば、かりに余剰米と申しますか、予約限度数量を越える米が出た場合におきましても、私どもはこれをいわゆる完全な自由米というものにするつもりはございません。これはやはり農林大臣が指定する場合として、農協等の指定集荷業者を通じて販売される分についても、百八十万トンの自主流通米と同じようなルートで売ってもらうようなことをきめるつもりでおります。したがいまして、直接国が売買管理をするというものではございませんけれども、やはり広い意味におきまして、現在の食管法の体系の中において国が管理する、そういう広い意味の管理には属すると考えております。
○芳賀分科員 それをはずすつもりはないとあなたは言っておるけれども、はずせないでしょう、政令だけでははずせないからはずさないのです。だから今度の改正政令によっても政府に売り渡すものでしょう、それから農林大臣の指定する者に売り渡すもの、そのやり方はそれを除いて全部自主流通米に委託するということでしょう、これが範囲でしょう。だからとれた米はこの三つの範囲のいずれかに入るということになるわけであって、それ以外の販売処理方法というものはないわけですね。ないというのは、皆さんがどのように違法の政令改正をやっても食糧管理法が現存しておるわけだから、そこまではできないわけですよ。だから生産調整に協力しなくて全部耕作して、あるいは限度数量を無理やり押しつけられたところで、とれた米は自家用を除いては全部販売しなければならぬ。その販売する米は依然として政府の管理のもとにある、食管のかさのもとに置かれておる、この判断は間違いないでしょう。
○亀長政府委員 政府が必要とする米はあくまでも予約限度数量内の数量でございますが、外の数量につきましても食糧管理の適正を期する上からやはり一定のルートでしか売ってもらわなければ困る、一定のルートでしか売らせないという規制をいたすつもりでございます。範囲とか、食管のかさとかいうことになりますればいろいろな意味がございましょうが、私が最初に申し上げましたように、いわゆる限度外の数量の米につきましても第九条に基づく適切な規制をしてまいりたい、かように考えております。
○芳賀分科員 だからあなた方は、違法、無効な改正をした施行令の第五条の五においても、米穀の生産者は、その生産した米穀を売り渡す場合には政府に売り渡す場合、ここは従来の施行令では、「米穀の生産者は、その生産した米穀を政府以外の者に売り渡してはならない。」ということを原則規定としてうたっておるが、これも若干ぼかしてしまったわけですね。とにかく第一には政府に売り渡す場合、第二にはその他農林大臣の指定する場合、これを除き、命令の定めるところにより指定業者に対し次条第二項の自主流通にかかわる販売のための売り渡しの委託をしなければならぬ。これは自主流通米のことでしょう。だから政府に直接売る場合と限度数量のワク内と政府は言うでしょうけれども、自主流通米に委託をして載せる場合と、農林大臣の指定する場合と、このいずれかに従って生産して販売しようとする米は売らなければならぬということになるわけですね。だから、絶対買わぬぞとか、かまわぬぞとか、かってにしろということは、今度の改正政令でもできないわけですね。こういう点を前もって全国の生産者にはっきりしておかなければいかぬのですよ。余り米だとか、そういう不届きな表現はないでしょう。貴重な農地で一年間かかって生産した米を余り米なんて一体それは何ですか。こういうことになれば、無理やり割り当てを流してみても、大きな成果というものはあがらないのですよ。 それからその次に大臣にお尋ねしたいことは、農林大臣も大蔵大臣も同じことを言っておるわけですが、全国で二百三十万トンの生産調整に生産者が協力してくれるならば、限度数量のワク内でこれは全部販売が完了するということを強調しておるわけですけれども、なかなかそういうわけにはいかないのですよ。たとえばことしは四百五万トン自家用米というものを見込んでおるわけでしょう、そんなに要るんですか、自家用米というものは。食管法でも生産者の再生産を確保するために自家食糧あるいは種子等を優先的に確保しなければならぬということをうたっておりますね。去年一年間でも農業の従事者は七十万人も脱農しておるわけですからね。だから、必要でない自家用米というものを膨大に計算して、あと七百六十万トンの限度数量内で販売量はもうなくなるはずだというような計算というものは、現実には通らないということになるわけです。これは指摘しておきます。そこで、実態に合わない作業を全国の市町村長はやらなければならぬということになるので、まじめな筋を通す町長の場合には、そういう現実離れをした限度数量の当該地域における生産者に対する割り当てを町長の責任でやることはできませんと言って、政府に返上する場合もあるのですね。返上された場合には、一体農林大臣はその市町村に対して、どういうような割り当てあるいは実施をやるつもりですか。
○倉石国務大臣 保有米のお話がありましたけれども、これはやはり、さっき私がお答えいたしましたように十五万トンないし二十万トン減っておりますので、そういうことを計算に入れて、去年よりは保有米の見込み量を減らしておることは御存じのとおりであります。それから、せっかくいま一生懸命で地方の農政部長等が集まったり、知事さんが集まっていろいろやっていただいている最中に、言うことを聞かないやつがあったらどうするかというようなことを、あまりいまから申し上げるのも失礼だと思います。私はいまの大事なときでございますので、必ず御協力を願えるもの、それからまた多少御不満を述べられる方があったら、全力をあげて説得をし御協力を願うように、これから努力するわけでありますから、私は、皆さんが協力してくださるものだという前提のもとに、督励しておるわけであります。
○芳賀分科員 町長の場合はいままでと違うのですよ。いままでは売り渡し令に基づいて行政的な事務取り扱いを町村長はやりますけれども、それはあくまでも順序として、米の生産者が毎年収穫前に収穫されるだろう数量というものを予測して、そしてこの数量を政府に売り渡しするという申し出が行なわれるわけですね。それを町村長を経て農林大臣が認定して、買い入れしますということになるわけです。それからまた収穫時に作況等が判明した場合において、売り渡しの数量というものは非常に過小であるというような場合には、調査してそれを訂正することができるというような、そういう行政的な仕事を委任してあるわけだが、今度は、これだけしかあんたの米は買いませんというような割り当てを自治体にやらせるということですから、順調にできるところは何も政府に返上するようなことはないと思うが、良心的に考えてこういうことは私の町ではできません、したがって、政府にお返ししますということも絶対にないとはいえないと思うのですね。そういう場合には、どのような行政上の根拠に基づいて、何が何でもこれはおまえさんがやるのが責任ですよということでやらせることができるのか。町長がやらなければ、農林省の出先機関の食糧事務所でやるとか、あるいは食糧庁長官が現地に出向いてみずからさいはいを振ってやるとか、そういうこともあり得ると思うのですね。そういう場合は全然考慮しないで、政府が号令をかければ全国の知事や市町村長は、号令一下水火をも辞せずやると思っておるのですか。
○倉石国務大臣 いまのところはたいへん御協力願っておりますし、それから県によってもまた時間的にはいろいろ差があるかもしれませんけれども、大体はもう、ずっと下のほうまでおりておるようでありますので、私どもさっき申し上げましたように、まずまず御信頼を申し上げて御協力願えるものだ。また地方によって多少御事情のあるところもあるかもしれませんが、そういうところはできるだけ御協力願うようにこちらもさらに努力を続けてまいりたい、このように考えておるわけであります。
○芳賀分科員 都道府県知事の場合は政府からきたのをそのまま町村長に流せばいいということで簡単にやってしまっているのです。しかし町村長ということになれば政令にもうたってあるように、当該区域内の個々の生産者に対して一定の方式に基づいて割り当てをしなければならぬということになるわけでしょう。四十二年、四十三年、四十四年の政府に対する売り渡し実績、三年間の毎年の水田面積、そういうものを基礎にして一定の限度数量の割り当てをしなければならぬ。しかも一定の生産される予測数量から一定の生産調整数量を引かなければならぬということになっておるわけですからして、生産数量の調整まで町村長が個別に割り当てるということはなかなかこれはできないですよね。生産調整が伴わない農家に対して限度数量だけ与えてみても、相当それをこえる米が生産されるということは明らかになっておるわけですからして、そういう現地に不安と混乱を招き起こすような状態の中では、町村長としても完全な責任のある割り当て事務というものを行なうことはできないと思うのです。そうでしょう。そういう場合も考慮しておかぬと何でも政令だけ改正して米穀の売り渡し令のいままでの目的と精神というものを全く裏返しにして、これがいわゆる食管法の第三条の命令に定むるものの中身というものは買い入れ制限の措置でありますというような、そういうやり方というものは間違いですよ。いいですか。国有農地の売り戻しの問題にしても二十数年たった今日において、一人の旧所有者の訴訟によって最高裁が農地法の八十条に基づいた施行令十六条の規定というものは、これは法律の委任の範囲を越え無効のものであるという、そういう判決が出ておるわけですね。われわれは立法府にある者ですから、何も最高裁の判断を待つ必要はないわけですよ。国会で成立させた食糧管理法という法律に基づいて、法律の委任の範囲内で行政府が政令あるいは省令をつくるわけですからね。法律をつくった立法府が、今回二月五日政府が閣議で改正をした食管法の施行令の改正規定あるいはまた米穀売り渡し令の改正は、これは立法府の立場から見て、明らかに法律の委任を越える違法のものであって、無効のものであるという指摘がなされた場合には、行政府としても改めなければならぬでしょう。国会の指摘なんかどうでもかまわぬ。最高裁に言われれば直すけれども、国会の、立法府が何といってもそんなことはかまわぬというわけにはいかぬでしょう。農林大臣も立法府に席を置いておるわけですからね。そういう点は一体どう考えておるのですか。何でも政令を改正すれば全国の生産者がそれに従う。これに従わぬ者はふらち者であるというような考えというものは、これは通用しませんよ。国有農地の売り戻しの問題でもそういうことになっておるわけですからね。昭和十七年から長い歴史の上に立った食糧管理法というものは現存しておる。それを小手先で政令の改正だけやって一定の限度を押しつける買い入れ制限の措置というものは、これはおそらく全国の生産者というものはすなおに協力できないと思うのです。生産調整に条件を整えて協力を求める。去年のような態度で求める。それが達成できれば、何も買い入れ制限の措置は必要でないんじゃないですか。生産調整に協力してくれれば米は余らないはずだということを農林大臣も、大蔵大臣も言っておるわけですから、そういうことであれば、むしろ生産調整の協力を求めるということについて行なえる条件というものを十分整備して、転換政策の問題に対しても、転換しても損がない、所得が減らぬ、安心してやれるというような条件を示して、そうして協力してくれということのほうが、政治としては正しい道じゃないですか。だからいまのような状態では、七百六十万トン以上買わぬぞといばってみても、なかなかそういうわけにはいかぬですよ。そうじゃないですか。だから、今度はこれを無理に強行すれば、また生産者の側から、国民の側から、これは違法の政令であるというようなことで、当然国民の批評というものはおそらく出てくるでしょう。それに対抗するかまえというものは何にもないでしょう、いままでへっぴり腰でやってきたんだから。そういうことになれば、またあわてふためいて政令をもとに戻さなければならないということになるわけですから、やはり今度のやり方というものは、大臣も言ったとおり、生産調整に対してはこれを強制する法的な根拠がないわけですから、あくまでもこれは農民に信頼して善意な協力を求めるという態度で臨まなければいかぬと思うのです。これを行なわずして、七百六十万トンだけの限度数量をあてがって、これ以上とれても買い入れしません、そういうおどかしではものごとの解決はできないし、一歩誤ればこれは日本農業の破壊ということに当然なるわけですから、そういう点を長期的に考えて、農林大臣としてはどのような考えを持っていますか。
○倉石国務大臣 芳賀さんのうんちくを傾けられた御高説を十分拝聴いたしましたが、ただ一つ、食管法に基づく政令のことにつきましては、あなたと遺憾ながら意見は違います。私は政府の今度とりました措置というのは正当なるものであると思ってやっておりますが、協力を求めなければならないという点については全く同感でございまして、そこのところが、さっき安井さんにもお答え申し上げましたように、私どもはわが国の国民、なかんずく農村の方々の英知と聡明さに御信頼を申し上げておるわけでありまして、五月ごろになれば、およそ作付の状況もわかってまいるかもしれません。私どもは、そういうような現状に即して、これから先、米管理のやり方についてどのようにすべきであるかということを慎重に検討してまいらなければならないと思いますが、先ほどのお話の中できわめて大事なことを一つ御指摘になっていらっしゃいます。つまり、私どもの考え方は、生産調整というものが予算編成のために著しく先に出てまいりましたけれども、本来としては、時勢の変転に伴って、農業の作目別の方向をどのように逐次改めていくべきであるかという農政の展開が先行して、それについて生産調整が行なわれるべきものであると考えておったのでありますが、しかし、その点はいま大事なことでございますので、転換については鋭意英和を集めて、衆知を集めて努力をいたし、農家の方々の御不安を除去しながら、しかも農業、農民、そういう立場に立っての農業政策について十分な検討をして、不安のないように御協力申し上げますので、ひとつ安心して生産調整にいそしんでいただきたいということを団体の方々にお願いしている、こういうわけであります。
○芳賀分科員 最後になりますが、昭和四十六年に生産される米価についてはどう考えておりますか。これは衆議院本会議における総理の施政演説あるいは大蔵大臣の財政演説等を通じて、昭和四十六年度の生産者米価については前年同様の水準に据え置く方針であるということが述べられておるわけですね。これは単純に、新年度の予算編成にあたって前年度主義で一応四十六年の米価あるいは国内産麦価をその価格で計上するというようななまやさしい考えではないのでしょう。何が何でも四十六年の米は三年連続で据え置きする、これがことしの前年度同様の水準に据え置くという政府の方針であると思うわけであります。この点は生産調整の問題よりもまだたいへんですよ。昨年政府が米審を開いておるのと並行して、われわれ農林水産委員会において農林当局に対して、四十五年の米の据え置きも考えておるようであるが、これをまともに昭和四十三年まで採用した算定方式で計算した場合においては、四十五年の米価は幾らになるかということを聞きました際に、四十三年方式でやれば基準米価は六十キロ当たりにして一万三十三円になるということが当局から説明されたわけです。これと四十四年の八千二百五十六円というものを比較すると、千七百七十七円の差があるということになるわけです。それからまた四十四年には標準偏差を〇・五四シグマに直して計算したわけでありますが、それと同じような算定でいった場合に幾らになるかというと、これは九千二百五十円というふうな米価になるという説明があったわけですね。これは議事録にも残っているわけですよ。過去二カ年間の据え置き米価というものは、あるいは標準偏差を取りはずしてしまう、あるいは生産性を過大に見積もって数字的に米価が据え置きになるような試算をして、そして米審に、こうなりましたということを言って、御用米審の全面的な賛成を求めてこれを実行してきたわけです。われわれが考えると、もう据え置く材料がなくなっておるのじゃないかというふうに考えるが、そのほうはなかなか皆さん熱心ですからして、おそらく据え置き方針ということになれば、われわれが全く考えも及ばぬような悪らつな方法を考えて、あるいは三年間据え置きの数字になりましたということにするかもしれぬわけですね。こういうことはことしは許されぬと思うのですよ。政令の改正はやったが、やはり食糧管理法そのものは生きているわけだから、この第三条第二項に基づいてまじめに米価の試算をやった場合においては、また据え置きということにはならぬと思うわけです。むしろわれわれの言いたいことは、全国で二割減反をさしたような場合には、残り八割の米の生産の中で従来の所得が確保されて生活に不安がないような価格政策あるいは生産政策、構造政策というものを講ずるのが政府の責任じゃないですか。減反はさせる、減反奨励金の金額は下げる、米価は据え置きということになれば、どうして農業の再生産ができるかということになるわけですね。これはまだ政府が具体的な据え置き数字を発表しないからここで論及するのは避けるが、いいですか倉石さん、これだけはよく考えておいてくださいよ。総理大臣や大蔵大臣は据え置き方針をもう発表したが、あなたはまだ言っていないわけだ。だから農林大臣としてまじめに現在の米事情というものを考え、農民の置かれた立場を考えて、四十六年産の買い入れ米価の算定をする場合には、正しく食糧管理法の示すところに従って作業をしてもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。
○倉石国務大臣 施政方針演説で言われておりますのは、米価の水準は据え置くということであるようであります。食糧の需給事情等も勘案して米価はきめられるべきものであると思いますが、米価の具体的なことにつきましては米審に御相談をした上できまることはもう申し上げるまでもありません。 それから、ただいまるるお話のありました算定方式については、これはいろいろ検討中でございます。
○渡辺(栄)主査代理 華山親義君。
○華山分科員 米の政策の本質、食管の原則等につきましていろいろお話があったようでありますから、私もいろんな意見がございますけれども、その点は一応抜きましてお話をお聞きしたいと思うのでございますが、今度一千百六十五万トンで需給のバランスがとれるということでございます。この一千百六十五万トンの内容は、政府の買い入れが五百八十万トン、自主流通米が百八十万トン、農家保有米が四百五万トンと計算されているようでありますが、間違いがあったならば訂正していただきたい。また、こういうふうに計算した理由を伺いたい。なぜ政府買い入れ米は五百八十万トンなのか、自主流通米は百八十万トンなのか、農家保有米は四百五万トンなのか、その点ひとつ御説明を願いたい。
○亀長政府委員 農家保有米につきましては、近年の農家の保有米の保有動向等を見まして四百五万トンと見込んだ次第でございます。四十四年度の実績が約四百五十万トンでございまして、平均二十ないし二十五万トン程度近年は減少いたしております。かような事態を考慮いたしまして、四百五万トンと算定いたした次第でございます。 なお、需要の問題でございますが、自主流通米につきましては、四十五年度におきましてもすでに百七十万トンの計画を立てております。政府米と自主流通米入れまして七百六十万トンを米の農家消費以外の需要という計算をいたしておるわけであります。この需要は主食用及び工業用に向けられるものでありまして、それぞれ内訳はございますが、主食及び工業用の近年の需要から見て七百六十万トン一これを自主流通の最近の状況にかんがみまして百八十万トンとし、残余を政府米の五百八十万トン買い入れということにした次第であります。
○華山分科員 農林省でいわれる自由米、これは一体どこから出てくるものなのですか。
○亀長政府委員 農林省の自由米というものはございませんが……。
○華山分科員 農林省でいうところの自由米というのは、一体どこから出てくるのですか。やみ米ですね。
○亀長政府委員 やみ米でございます。
○華山分科員 これはどこから出てくるものなんですか。
○亀長政府委員 いわゆるやみ米というのにもいろいろあるかと思いますけれども、出てくる源泉と申しますと、結局生産者から直接農協等の正規のルートによらないで売るもの、あるいは流通段階で、この米は農協へ出まして、それから政府へ来る、さらにそれから卸、小売りの問屋に来るということになっておりますから、そういうものがそういう段階で次の渡すべきものに渡さないで横へ流れる、かような二形態であろうかと思います。
○華山分科員 農家保有米の管理をほんとうにきちんとしているならば、農家保有米の中から出てくるほかにないわけですね。政府管理米の流通過程の中で出てくるのだということであるならば、これは農林省の非常な職務懈怠で、管理がうまくいってないということなんです。 それから農家保有米から出てくるかもしらぬ、こういうふうに考えますけれども、農家保有米から出てくるというふうなことは考えられませんか。
○亀長政府委員 農家保有米として私ども四百五万トンを見込んでおりますが、これは従来の農家消費、農家がほんとうに自分で食べるもの以外に、農家がたとえば贈与するとかいろんなものもございましょうし、あるいは政府以外へ販売されるというものもおそらくあるわけで、それを含めまして私ども四百五万トンというふうに考えておるわけでございます。
○華山分科員 私は農家人口等をいろいろ考えますと、四百五万トンというのは多過ぎるような気もいたしますけれども、水かけ論になりますから、時間もかかりますのでやめますが、さて、いわゆるやみ米業者、これはいまや公然として行なわれているわけですね。私はNHKの取材のしかたをかれこれ言うわけじゃありません、そういうふうな社会的存在があるからNHKその他新聞でも書かれると思うのでございますけれども、かりにいまNHKの放送等で見ておりますと、彼らが集まって相場をつくっている状態が公然と出ているでしょう。ある場合には三十分の時間を費やして、やみ業者の親方が日本国じゅうをかけ回っていることを追跡している。その人は堂々と県の農協に行って、農協の首脳と会っている。そしてまた庭先で米を買っている状況あるいは庭先で農家の人と話している実況等が全部出てくるわけです。もう公然たることになっているわけです。一体こういういわゆる自由米業者というものが存在しているということについて農林省はどういうふうに考えているのか、現在の取引関係においてああいうものが必要だと思っていらっしゃるのか、ああいうものは非常にじゃまになって困るのだ、こういうふうに思っていらっしゃるのか、どっちなんです。
○倉石国務大臣 やみ屋が必要だとは決して思っておりませんし、また一部においてやみ米が流通いたしておることを聞き及んでおりますけれども、米の需給が大幅に緩和いたしております実情にあるとはいいながら、まことに遺憾にたえないことでございます。このような不正行為に対しましては、警察当局とも十分な連携をとりながら、大口かつ悪質なものについては厳重に取り締まるように依頼をいたしておるわけでありますが、なお今後とも、こういう点についてはひとつ十分留意をいたしたいと思います。
○華山分科員 この間も私はこの点につきまして警察にお聞きしました。これは行政法規でございますから、この取り締まりというのは行政法規といたしまして、ある場合には非常に厳重である場合もある。日本の国民が非常に食糧に苦しんだときには、とにかくわれわれが、山形県に私、おりますので、米を一升や二升くにから持ってくると、汽車の中で調べられた、取り上げられた、そういうことまでやったわけですね。いまは何にもほとんどやっていない。それですから、このことは行政法規ですから、やみ米の存在というものは現在の米の流通過程において必要なものだ、こういうふうに警察では考えているんじゃないのか、こういうふうにも私は質問をしたのでございますけれども、これは警察のほうともよく御協議になって、もしもあなたのほうでいま大臣の答えられたように、ああいうものは困るんだということであるならば、私は取り締まっていただきたいと思うのです。そういうことで、いままで警察のほうと御連絡でもやったことありますか。
○亀長政府委員 いわゆるやみ米等の不正行為に対しましては、私どもも大口かつ悪質なものに対する重点的取り締まりということで考えておりまして、それ以外には行政的に極力都道府県等を通じて指導監督をする、さような考えで対処してまいりたいと思っております。一昨年でございましたか、新潟県でかなり大がかりなやみがございまして、そういうものも摘発されたという事実もございますし、悪質なものについては、御指摘のように十分厳正な態度で対処していきたいと考えます。
○華山分科員 新潟県の例を私知っておりますが、あれははなはだしいものですよね。いまとにかくやっていることは、みんながより集まって相場を立てている状態。それから農家に行って米を買っている。あれは食管法それから農産物検査法、物統令に違反するものでしょう。それがテレビに公然と出ても知らぬふりをしている。ああいうものの存在が世の中にある程度有益なものであるとするならば、私は一々やかましいことを言う必要はないと思うのですよ。そういうことがあらわれているんじゃないか。そういうようなことは放任しておいて、そして農家のほうの米だけを減らせ減らせと言ったって、これはちょっとおかしいんじゃないかという気が私はするわけなんです。その点をひとつ申し上げておきたいのでございますけれども、しかしああいうやみ米というものが必要なんだ、そういうふうなお考えならばこれはまた別なんです。 それでお伺いをいたします。私、農検法のことを申し上げましたが、農産物検査法では米、麦、これは強制的なものになっております。この法律と食管法とは何らか関係があるかどうか。私の見たところ、あの法律の面から関係はない。農検法の第一条の趣旨から申しましても、食管とは関係のない法律だと私は思うのです。その点につきまして長谷川農林大臣にお聞きしたところが、華山さんのおっしゃるとおりだ、こう言いました。またこんなことはあり得ないことであり、まことに悲しむべきことであると思いますけれども、もしも食管のいわゆる根幹がゆらぐという事態があっても私は農検法は続くものだ、それから米の検査につきましては、これは農協なり県なりに移したらどうかという議論もありますけれども、この点について長谷川農林大臣は、全国一律に品種というものは保たれなければいけないし、国民の食生活に重大な問題であるから、これを農協や県に移管するようなことはない、こういうふうに私には断言された。それですから、私はここで安心していてもいいと思うのでございますけれども、大臣がかわるたびにいろいろ農政がぐるぐる変わりますからね、ここでいまの大臣の御意見もひとつお聞きしておきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 農産物の検査は国の買い入れのためということではありませんで、本来、農産物の公正かつ円滑な取引とその品質改善を助長することが目的でございまして、そのため別に農産物検査法をもちまして規定していることは御存じのとおりでございます。したがって、食糧管理の方式のいかんに直接結びつくものではございませんし、農産物の公正かつ円滑な取引のために検査が関係者から要請される以上は、検査制度は必要なものと考えております。 それから、お尋ねのように、県とか農協にこの農検を移す、委託する考えはないかというお話でございますが、ただいま農林省はそういうことを考えておりません。
○華山分科員 いまの問題は念のためにお聞きしたのでございますけれども、これからひとつお聞きしておきたいのでございます。 私、農林大臣が言われるように、ことしの生産が一千百六十五万トンにとどまればこれは別問題でございますけれども、なかなかそうもいかないのじゃないか、こういうふうに考えられます。それをこえた場合どうなるのかと申しますというと、農協等では、余ったら自分で持てといったって持てるもんじゃありませんから、これはうまい米とか銘柄を変えますよ。やみ屋もそうです。それから自主流通米だって、結局農協等を通ずるわけでありますけれども、これだって品質のいいものとか等級のいいものを買いますから、結局悪い米、うまくない米が政府に集中するのじゃないか。それだから一千百六十五万トンをこえたというふうな場合には、また政府の米が余るような結果になりはしないのか。そうして、それがまた食管法改正などというようなことにつながってくるのじゃないか、そういうふうな心配をいたすのでございますけれども、この点につきまして私が決算委員会でお聞きしたときに、農林政務次官は、自主流通米などというものは非常にパーセンテージが少ないもんだから、そういうふうなことはありません、こういうふうなことでございましたけれども、いまはあのときとはよほど事情が違ってきておるわけであります。そういうふうな心配はしていらっしゃいませんか。
○倉石国務大臣 政府としては、所期の生産調整が達成されまして、予約限度数量をこえる米の生産や出荷がないことを期待いたしておることは、先ほど来申し上げているとおりでございますが、万一予約限度数量をこえる米が発生した場合には、そのような米は農協等の指定集荷業者、その方々を通じて一定の規制のもとに販売されることといたしております。そういうことについては、団体とも十分お話し合いをしている次第でございますが、そのように米の販売が御指摘のような形で行なわれた場合には、消費が増大しない限り、それだけ政府米が売れ残ることもあると思うが、その予約限度数量をこえる米が発生するという場合にどのような姿になるかは、地域の実情や販売のしかたなどによって変わってくるのではないかと思われます。そこで生産者といたしましては、極力有利に売るように消費者の好みの強い米を皆さんが流通に向けるようにすることは想像できるところでありますが、そのために政府に参ります米の品質が大きく影響されるほどのことはあるまいと思います。ただし、いずれにいたしましても、予約限度数量をこえる米が発生いたしますれば、その限りで政府に過剰米が残ることもあり得るので、そういうことにならないように生産調整の成功を期待していろいろお願いをいたしておる、こういうことでございます。
○華山分科員 かりに生産調整が、あなた方の言われるとおりうまくいったといたしましても、米は工場生産品と違いますからね。その年の天候とかいろいろなことに影響されるわけですよ。ことしはどうなるか。それが余ったという段階では、いろいろな農協なりあるいは業者なりあるいはやみ米屋さんなり、みんないい米は自分のところに入れる、余ったものだけが政府に入ってくる、悪いものだけが政府に入ってくる、したがって政府の米は売れ残る、こういうことがあるのじゃないのか。そういたしますと、今度は政府のほうでは、一千百六十五万トンではまだ多過ぎたからまた減らすのだ、こんなふうになることを私はおそれるわけであります。そこで、この一千百六十五万トン、ことしのこの生産額というものは当分動かないものですか。来年また動かすものですか。ことしは需給を考えてきめたということでございますけれども、来年はまたこれよりも少なくなることもあり得るわけでございますね。そしてさらにまた生産調整を進めるということもあり得るわけでございますね。
○倉石国務大臣 もう華山さんにそんなことを申し上げる必要もありませんけれども、御承知のように毎年、先ほど申し上げましたように、二十万トンそこそこ消費量が減退いたしておりまして、農家のほうでもさっきお話しのとおりでございます。それからまた農地の壊廃等の状況によりましても違ってまいるでありましょう。したがって政府といたしましては、生産調整は継続してやらなければだめだ、これはもう当初申し上げております。しかしそれがどの程度になりますかということは、農家の方々が生産調整にどの程度実際に一生懸命でやっていただけるかどうかによっても違うことでありますが、来年も生産調整をせざるを得ないということは争われないことだと思います。
○華山分科員 私は四十二年に、こういう状態でいきますと生産過剰になるのじゃないかということをお聞きいたしましたが、現在の私の心境からいうならば、食糧不足の時代がくるのじゃないか、米不足の時代がまたくるのじゃないかという気がいたします。一つには減反の問題、一つには労力不足の問題、一つには品種の改善による減収の問題、もう一つは農薬の問題、農薬というものは公害は絶対なものですから、農薬というものについてある種の制限が加えられるならば、これは決定的な減収になる。それですから、私は将来米が足りなくなった、少なくなったというふうなことも考えられるのじゃないかと思うのでございますけれども、その辺の見込みについて、農林事務当局は専門家でいらっしゃいますので、お聞きしておきたい。将来の動向は大体どんなふうでしょうか。
○中野政府委員 一つは品種の問題でございますが、最近では全国的に、たとえば日本晴とかあるいはコシヒカリ、ササニシキ、レイホウというような良質でかつ多収の品種が大体出てまいりました。そこで、いま先生おっしゃいましたように、品質のいいものが必ず収量が低いともいえないような事態にだんだんなってきております。今後とも実質的に品質、食味がよくて、できればよけいとれるというふうに改良していくべきだということで、われわれ原採種事業のところからずっと進めてまいっております。そういうことでございますので、品種を食味のいいものに変えたからといって、さほど減産にはならないのではないかということをわれわれ考えておるわけであります。若干試算をしたことがございますけれども、たとえばある県のまずい米といい米と置きかえてやってみますと、いろいろ作業をしてみましたところ、これは一、二年前だったと思いますが、十万トン程度は減産するのではないかという程度でございました。よほどの影響はないというふうにわれわれ考えております。
○華山分科員 一つの県で十万トンですか。
○中野政府委員 いや、全国でございます。 それからもう一つ農薬の関係でございますが、確かに農薬を全部やめますと、農業生産にかなりというか相当の影響があると思います。しかしながら米につきましても非常に問題のありました農薬、たとえばイモチ病に非常によくきいておりました有機水銀、これは非常に急性毒性が強いものでございますので、もうすでに登録を取り消しいたしましたかわりに、たとえば抗生物質なり有機燐のもっと低毒性のものがすでに開発されました。それからいま問題になっておりますBHCにつきましても、やはり有機燐系あるいはカーバメート系の低毒性の農薬が開発されたわけでございます。また問題になりましたパラチオンの問題にしましても、これも登録取り消しいたしましたけれども、スミチオンというようなかわりの薬ができてきております。そういうようなことでございまして、これまたいま問題になっております農薬自体が、全体の農薬の使用量の一五%程度でございます。われわれとしましては、いま申し上げましたように低毒性の農薬の開発を進めるということで、それほど農業生産に影響のないようにというふうに持っていきたいと思いますし、またそうなるのではないかと考えております。
○華山分科員 いまおっしゃいましたスミチオンにしましても、マラソンにしましても、いままでは低毒性といわれておるけれども、これは有毒なんだということがいわれ始めているわけです。将来これがどうなるのか私は大きな心配じゃないかと思うのでございますけれども、減反政策は全国一律に行なわれる。ところが品種の問題になりますと、平年ではあなたのおっしゃるとおりかもしれませんけれども、一たん凶年になりますと優良品種がひどくやられるわけです。多産性のものというのは天候に左右されることが少ないということが一つの問題なんです。優良品種になりますと、天候が悪ければこれはたいへんな被害を受ける。それから農薬にいたしましても、たとえばことし佐賀県の生産性が下がったのは、消毒の回数が減ったからだといわれるのですが、あちらのほうの例の二化メイ虫にいたしましても、東北地方の病害にいたしましても、これは局部的に起きるのですね。それですから減反とは違った性格を持っておる。それで公害というものが絶対のものだというふうにお考えになるならば、私は農業共済法の改正、農業共済法は今後いかにあるべきかということについてやはり真剣に取り組まれるべきではないのか、こういうふうに思いますけれども、この点事務当局なり大臣からひとつ御答弁を願いたいと思います。
○小暮政府委員 水稲共済のあり方につきましては、最近の米の需給事情の変化並びに農業事情全体の変化を十分勘案いたしまして、一昨年専門家の参集を求めて鋭意検討いたしました結果、当面の制度改正の方向についてただいま成案を得まして、法案の準備もいたしております。なお、今後も農業事情の動向の変化に随時対応して、制度の万全を期するようにしてまいりたいと考えております。
○華山分科員 じゃ、これで終わります。
○渡辺(栄)主査代理 沖本泰幸君。
○沖本分科員 私は同和対策特別措置法に関連した御質問をしたいと思っておったわけですが、その前に、きのうの新聞によりますと、千葉県で十九日、ソ連の漁船がトロールをやってタコつぼ漁場を荒らした、ブイが数個損害を受けたという記事が出ております。それで、それについて水産試験場の調査船がソ連船にかけ合って、三十分後には操業を停止した、こういうふうに出ておりますが、この記事によりますと千葉県内ではソ連船の操業で地元の漁業が直接損害を受けたのは初めてだ、さらに千葉県は水産庁や外務省を通じてソ連大使館に、地元の漁場を荒らさないように操業をやめてほしいと要望した、こういうふうに記事が出ておりますが、この内容についてお答え願いたいと思います。
○倉石国務大臣 ソ連漁船の日本近海への進出は、昭和三十年ごろから北方領土付近のサンマ漁場を対象として始まりました。漸次トロール、サバまき網を併用いたしまして、北海道東部沖から金華山沖において操業いたしました。 〔渡辺(栄)主査代理退席、笹山主査代理着席〕 特に昭和四十四年ごろには銭洲を含む伊豆諸島周辺にまで南下して操業をいたしましたことが報告されております。このように、ソ連漁船の日本沿岸への進出によりまして、わが国沿岸及び沖合い漁業と漁労競合を来たしまして、日本漁船の漁具に若干の被害が生じてきております。また最近におきましては本年一月に福島県富岡沖において、それから二月には千葉県太東崎において、ソ連トロール漁船による沿岸漁業の漁具被害が生じております。水産庁といたしましては、ソ連船の進出動向について十分把握するようつとめますとともに、基本的な解決のためには、最近における国連の領海問題の動向等を十分考慮いたしながら、わが国漁業全体の立場から慎重に検討してまいりたいと存じております。なお、当面漁具被害につきましては、十分実態を調査いたしますとともに、現実的な解決方法について検討いたしてまいりたいと思っております。
○沖本分科員 公海上の問題であり、領海の問題がしばしば国会でも問題にされたわけでございますが、その領海の問題について農林省と外務省あたりと基本的な検討、あるいは国連との関係で、今後の問題に対してどう対処していくかというようなお話し合いなり、今後の問題に対してどうするかというような具体的なものはまだできてないんでしょうか。
○倉石国務大臣 確立されました国際法によれば、御存じのように領海の幅員は三海里でございまして、これを越えて一方的に拡張されました領海または漁業水域は、国際法上有効でないというのがわが国の従来とってまいりました立場であります。こういう考え方に立って、アメリカ、オーストラリア等各国と漁業協定を締結いたしまして、これらの国の沿岸におけるわが国の遠洋漁業の実績確保につとめてきております。ソ連漁船等外国漁船のわが国沿岸への進出は十分注意すべき問題であり、わが国におきましても領海の拡張、漁業専管水域の設定をすべきであると要望をする声もございました。これに対しましては、その意図するところは了解できるのでありますけれども、先ほど申し上げましたように遠洋漁業に対するわが国の態度とも関連いたしまして、にわかに従来の方針を変えることは適当でないとただいまのところは考えているわけであります。しかし、近く国際海洋法会議が開催されまして、領海、漁業水域等の問題も討議されますので、わが国といたしましては必ずしも従来の方針を固執するのではありませんで、国際世論の動向を見ながら、漁業全体の利益を勘案いたしまして、本問題に対処してまいる考え方でございます。
○沖本分科員 こういう、いまたちまちのところは、これからもソ連船の問題は起きると思うのですが、そういうものに対しては一つ一つソ連の出先機関に交渉していらっしゃるのでしょうか、あるいはそれに関してソ連の何らかの態度はある程度把握していらっしゃるのですか、その辺はどうなんですか。
○倉石国務大臣 事件のありますたびごとに、わがほうは外務省を通じて、外交ルートをもってそれぞれ要求もいたし、善処方も要望いたしてまいっておるわけでありますが、先ほどお話もございましたし、お答えいたしましたような——いま新聞に出ておりましたような事件につきましてはどういうふうになっておりますか、先ほどお答えいたしましたように事実をもう少し詳細に調査いたしたいと思います。
○沖本分科員 これはゆゆしい問題で、それなりにほうっておいて、そのつど言うということもおかしいと思うのですね。日本の沿岸漁民の一番最大の関心事だと思いますし、重大な問題ですから、何らかのことではっきりした内容をとって問題を明らかにしていただいて、今後沿岸漁民がそういう問題に対してどう対処していったらいいか、そういうようなことに十分対応できるような方向に向けていただきたい。そういう点についてのお考えはありませんでしょうか。
○倉石国務大臣 先ほどお話のございましたのは報告も受けております。これはしかし、わがほうの領海内ではありませんで近海でございますが、しかしわがほうの漁民の働いておるところでございますし、また漁具等についてもあるいは若干の被害があったかもしれません。そういうようなことについて具体的な調査をいたしまして善処いたしたい、こう考えてお答えいたしたわけであります。
○沖本分科員 それは早急に対策を講じていただきたいことを要望いたします。 では、同和対策の問題についてお伺いいたしますが、まず部落の多くは農山漁村に存在している。それも零細な経営を余儀なくされているのが部落の人たちの現状でございます。ですから明治維新のときからの問題になってくる。これをいま十年の時限立法で解決しよう、こういうことになってくるわけですから、たいへんな問題だと私は考えるわけです。 まず大きな問題として、終戦直後に農地改革がありましたけれども、その農地改革に際しても差別をされて十分のあれを受けていない、きわめて少ない配分しか受けていなかったというのが実情である。一説によりますと、昔から日のあたらない場所にたんぽをもらったり畑をもらったり小作をさせられたり、そういうところから出発している。それが完全に解決されて、完全な農地を配分された上での特別対策の内容に入っていると、こういうことが言えないわけです。そういう点から、根本的な同和対策を講じていただかなきゃならない、こういうふうに考えられるわけですけれども、この措置法ができましてから、現在まで、これを受けられた農林省としては、農林漁業に従事している部落の人たちに対してどういう対応をしていらっしゃったか、それについてどの程度の効果があったか、その辺をお伺いしたいと思うのです。
○倉石国務大臣 同和地区における農林漁業は、ただいまお話しのように、ほかに比べて経営規模が零細で生産性も低いことにかんがみまして、同和対策事業特別措置法の趣旨にのっとりまして、同和対策長期計画に基づいて、農山漁村同和対策事業を実施いたしまして、農林漁業生産基盤の整備、共同利用施設、機械の導入につとめてまいったわけでありますが、四十六年度予算におきましても、農林省としては、同和対策予算の大幅な増額をはかりまして、同和対策事業の計画的な推進を期待いたしておるわけでありますが、総理府におきまして、四十六年度に再度同和地区の調査を実施することとされておりますので、この調査結果をもとに、さらに同和対策事業を効率的に進めてまいる所存でございます。
○沖本分科員 私もこの法律をつくるときに、準備段階で関係した一人でございますが、この法律ができましたときに、政府のほうの答弁として、農林漁業に関する融資については、農林漁業金融公庫資金及び農業近代化資金等の制度資金については所要の融資額を確保するほか、なおその融資の円滑化を極力はかると、こういう答えになっていらっしゃるわけです。ですから、それを受けたということになるわけですが、その受けた点で、これは事務当局の御答弁でけっこうですが、どれぐらいの成果をあげていらっしゃるか、この点をお伺いしたいと思うのです。
○小暮政府委員 金融の問題につきましては、同和地区の農林漁業者に対する制度融資の円滑化をはかるために、まず資金量の確保ということが先決であると考えまして、農林漁業金融公庫資金について、これは御承知のように、本来同和地区であるなしにかかわらず、一般に利用できるたてまえのものでございますが、この中で、特に土地改良事業の補助残分それから共同利用施設、これにつきまして特別ワクを設定いたしました。法律が施行されましてから、この特別ワクを漸次拡大してまいっておりますが、四十四年は六千万、四十五年に一億、四十六年度に予定しておりますのは一億二千万ということでございます。
○沖本分科員 予算の点につきますと、昨年の十二月に台東体育館で同和の人たちが大会を開いたときには、その問題をかかえ込んでいる地方の各首長が来てほとんど意見を述べられた。こういう点につきましては、政府が法律をつくったけれども、言いかえてみれば、法律をつくって中身だけほってある、こういうことにひとしいわけですね。明治四年に太政官令を出して解放令が出た。そのときはちょうちん行列をして喜んだ。しかし、そのあとすぐ、皇族、華族、士族と、こういうような名前がついて、新平民と、こういうふうな形で呼びあらわされた。農業に従事していらっしゃる方々は、結局、小作人までいかないわけですね。ですから、玄関に入って、入口から中に入ってはいけないとか、道を歩くときに道のはじしか歩けないとか、かぶりものをしてはいけないとかいうようなものがそのまままだ残っておった。そして犬、ネコ同然の仕事をさせられてきた。なおかつ、終戦後の農地改革にも十分恩恵を受けられなかったということになるわけです。因習とか習慣の非常に深い農村ですから、あるいは漁村ですから、そういうところはいまだに根強いそういう考え方が人々の頭の中にあるわけです。ですから、この問題を扱う地方自治体の人、あるいは政府の出先機関の人たちの頭の中の根本からこの問題を変えていかなければ、法律が幾らできたってこれは解決できない、こういうことになるわけです。皮膚の色が違うわけでもなければ、血液が違っているわけでもない。戸籍が違うわけでもなければ、同じ日本民族の中で、なぜ差別されなければならないか。生まれたときからそういう宿命を背負わされて苦しんでいかなければならない人たち、こういう人たちに、憲法で保障されているいわゆる法のもとに平等であるという内容、あるいは職業の選択は自由である、こういうところ、あるいは同じ平等の権利の中にあれば、同じような配分を受けて生活していけるようなことにやっていかなければならない。これを完全に解決するためにできたのが特別措置法の精神でもある、こういうことになるわけですから、言いかえてみますと、昨年度から見ると相当大幅な増額をされたということになりますけれども、政府全体の予算が、大阪府と市の地方自治体の予算にもまだ満たない、こういうふうな現状ですから、結局、予算の面、お金の面でこの法律を十分充足できるという段階ではないということになるわけです。ですから、こういう問題をかかえ込んでいくその地域におる人たちのために、十分な措置を講じていただかなければならないわけです。たとえば、冬の風で山陰地方が漁港が全部荒れてしまいました。その中で、零細漁民の船はほとんど痛めて、これはやはり農林省の大きな問題としてお考えになっていらっしゃるでしょうけれども、またその中の一番苦しい中にいるというふうなことになりますから、何かの問題になると、一番その底辺で苦しんでいらっしゃる、こういうことになってくるわけです。こういうためには、大臣がいまおっしゃったとおり、総理府がおやりになるところの長期計画、いま今年度予算を取ってそのための調査をやっていらっしゃるわけですけれども、調査ができた段階では、もう十年の時限は相当向こうへ進んでいるわけです。そうすると、どうしても十年内に解決しようとする内容が向こうへ向かって越していってしまう、こういうことになります。また、問題を解決しようとすれば、毎年計画を立てていただいて、その計画にのっとって仕事をしていただかなければ解決できない、こういうことになってくるわけですが、その辺の問題はどういうふうにおやりになろうとしていらっしゃるわけでしょうか、まずその基本的な問題ですね。
○中野政府委員 ただいま同和の問題につきましてお話がございました。私もそのとおりだと思います。われわれといたしましても、そのために、これは各省あげてでございますが、できるだけ予算の拡充をはかりたい、そうしてまた、その実行におきましても、できるだけ末端の同和の農家に役に立つような仕事をしたいということでやってきておるわけであります。たとえば、一つの例を申し上げましても、来年度から採択基準をもう少し緩和しようということまでやりまして、ただいまお話しのとおり、われわれとしましては、できるだけ総理府がまとめました長期計画の精神に沿いまして、予算の拡大をはかりたいと思います。
○沖本分科員 つけ足して申し上げますと、現在では、もう一つまた差別が起きかけている。それは、政府の補助が非常に弱いから、結局、法律を受けた地方自治体はどうしても要求に従って仕事をしなければならない。こういうところから、一般財源から地方自治体が金を出してしまう。そうすると、そのことによって、予算の中に相当食い込んでくる。そうすると、何のために同和、同和といって金を出すんだというような今度は批判が出てきているわけですね。それで今度逆の差別が再びかかってくる。こういうようなことで、地方自治体の首長が非常にこの問題を憂慮してきているということになるわけですから、その辺も十分考慮していただいて、この法律が十分有効に働いて、再びまたこの問題をいろいろ考えてやらなければならない。十年の時限立法ですが、十年で全部終わる、解決するとは考えられないわけです。ですから、まあまあこれでどうにか向こうを向いて進んだということになるわけですから、そういう点を十分配慮して今後の問題に対応していただきたい、こういうふうに考えますし、要望もしたいわけです。その点について、大臣の御所見を承りたいと思います。
○倉石国務大臣 冒頭に私が申し上げましたのは、総括的な考え方でございまして、ただいまお話のございましたことについて、農政局長からもお答えをいたしております。私どもといたしましても、できるだけ理解を持っていたさなければならぬと思っておりますが、もう御存じのとおりいろいろ予算を見ましても、四十五年度、四十六年度におきましては、農山漁村同和対策事業、それから同和対策の土地改良事業、同和漁港施設整備事業、これらで四十六年度予算は十八億三千万円あまり計上いたしております。ちょうど四十五年度の三倍に該当するわけでありますが、お話のございましたように、こういう事業はやはり効果をあげて喜ばれるようにうまく事業をやらなければいけないと思っております。そういうことについて、十分指導いたしてまいりたいと思っております。
○沖本分科員 それと関連するわけではありませんが、最近の漁業では非常に近海の漁場が荒れてしまって、漁獲高が非常に減ってきている。したがって遠洋に出ていかなければならないような漁業の実情にありますし、先ほど申し上げましたとおり、山陰地方の漁港関係がほとんど荒れてしまった、こういうことになりますが、そういう点について、今後の零細漁業と漁港整備について、これからどういうふうな——もう少し新しい組み方をして、新しい考え方で近代化をはかっていき、また、漁場の確保、漁港の整備ということが大事だと思うのですが、そういう点につきまして、政府の方針をお伺いしたいと思います。
○大和田政府委員 私ども漁港整備につきましては、四十四年度から五カ年間で実施いたします第四次漁港整備計画に従ってやっておるわけでございますが、特に零細漁民がおるといわれる同和漁港関係につきましても、四十五年度においては同和対策事業の一環としてやっておりまして、四十五年度におきましては事業費四千四百万、国費二千九百万ということでやっておりましたが、四十六年度からは独立をさせまして、漁港整備計画の一環としてこれを処置することにいたしまして、事業費も一億七千五百五十万、国費も一億一千七百万ということで大幅に増加をいたしまして、なおこの漁港整備、特に同和関係につきましては、私どもその計画に従いまして、十分零細漁家の中心となり得るような漁港整備を進めていきたいと考えます。
○沖本分科員 またこの零細漁民というのは、公害と非常に関係が深いわけですね。公害、公害で、漁場がみなすべて魚がいなくなってしまう、こういうことが非常に多いわけですけれども、きのうの新聞によりますと、日本海でカメが死んでおった、そのカメは解剖してみるとポリエチレンの袋を食べて、それで死んでおったということなんです。ですから、そういう深いところに住む魚類がもうそのまま公害を受けているわけですね。瀬戸内海はきれいな海だということで定評があったわけですけれども、そういうふうな石油化学製品が海底に沈んで、海底にくっついてしまう。そのために魚はえさをとることもできなければ、土の中へもぐることもできないような現実がすでに起きて、瀬戸内の漁民の重大関心事だ、こういうことになっておりますけれども、こういう問題についてはどういうふうな解決をはかろうとしていらっしゃるわけでしょうか。
○大和田政府委員 なかなか海は広いものでございますから、詳細くまなくビニール関係の製品の除去ということはむずかしいわけでございますが、私ども漁業復旧の一助といたしまして、一つは非常に公害が進んでおりますところの海を清掃いたしまして漁場を回復するということをやっておるわけでございます。また直接は漁業復旧ということではございませんけれども、最近水産土木技術が相当進歩いたしまして、内湾へ老廃物が相当たまっておるところに水脈をつくりまして、外海の正常な水と交換をして漁場の若返りをさせるということを相当大規模に現在始めておりますので、それらの手段を用いまして、できるだけ海の浄化に努力をいたしたいと考えております。
○沖本分科員 大体以上申し上げましたとおりなんですけれども、ことほどに重大な問題がすでに起きつつある。その一番底辺にいて一番打撃を受けるのが同和の方々である、こういう点をお考えいただいて、まず同じような恩恵を受けられるようなところに持っていっていただきたい。さらに先ほど申し上げました公害等によって漁場がだんだん荒らされていって転業しなくてはならない、こういうふうな悲惨な状態にある漁民の生活権を十分守っていただくような対処のしかたをしていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
○笹山主査代理 瀬野君。
○瀬野分科員 広域農業地域の総合開発について、農林大臣並びに関係局長にお伺いいたしたいと思うのです。 農林省は、大規模な未開発地域について、畜産を中心とする広域的総合的な開発計画を策定するために、総合四地区、一般が四地区の、八地区を広域農業開発基本調査として進められておりますが、まずこういった広域農業地域の総合開発について、政府の対処方針をあらためてお伺いをいたしたいのであります。
○倉石国務大臣 昭和四十四年の五月に閣議決定いたしました新全国総合開発計画の大規模開発プロジェクトの構想に従いまして、大規模未開発地域を対象といたしまして、今後わが国の畜産に期待されます高度な畜産経営の創設と、それにふさわしい生活環境の整備を行ないまして、あわせて地域の農業構造の改善をはかることを基本方針として、所用の調査を進めておるわけであります。その結論を待ちまして事業化をはかってまいりたいと考えております。
○瀬野分科員 そこで、九州では、高原地帯農業開発として阿蘇、久住、飯田地区の広域農業開発が調査を進められておりますが、この地域は阿蘇、久住、由布火山群の活動によってできたところのおおむね標高二百五十メートルから一千メートルの高原地帯で、広大な原野と山林を擁しておりまして、地域総面積は三十四万五千ヘクタールとなっております。内訳は、農地が一四%、林地が四八%、原野が二五%、その他一三%、こういうような区分になっておりますが、阿蘇、久住、飯田地域総合開発の目的が、本地域の粗放利用のまま放置されているところの原野を農用地の造成、圃場整備、また農道、かんがい排水施設等の基盤整備事業を重点的に実施することによりまして、主として畜産利用のため積極的に開発し、規模拡大と経営の近代化、合理化を進め、将来地域内の家畜頭数を現在の四ないし五倍程度に拡大しようとすることになっておるようでありますが、これに要する基盤整備関係事業費は総額二千二百億円、経営施設、家畜導入等の経費が千二十億円と見込まれておると私承知いたしております。 そこで農林省はこれに対し、農業開発実施要綱に基づいて現地調査中でございますが、どのように事業化するかが問題であります。これらの要綱に明文化されていないのであります。すなわち国の基本方向がきまっていないので、当該熊本県、大分県及び地元ではたいへんに心配いたしております。 こういったことで、昨年八月には衆議院農林水産委員会で国政調査のために現地に参りまして調査をいたしたわけであります。当時各県並びに各町村、県議等関係者から強い陳情、要望があったわけでありますが、その後もあまり進展を見てないようでございます。そこで、この事業の進捗状況はどのようになっているかお伺いをいたしたいのでございます。
○住吉説明員 ただいま御指摘にありましたように阿蘇、久住、飯田地域におきます広域農業総合開発基本調査につきましては、四十四年度から調査に着手しておるわけでございまして、本年度中に自然的、社会経済的な基礎調査を完了いたしまして、四十七年度を目途にいたしまして広域農業総合開発基本計画を樹立する予定となっております。 また事業化につきましては、上記の基本計画の取りまとめいかんにもかかってまいりますので、現在直ちに明らかにすることはでき得ないのでございますけれども、大規模な未開発地域を通ずる新しい農村社会の建設という大きな目的を達成するために、従来行なってまいりましたような手法だけでは適用しかねる面もあろうかと考えられますので、立法上、財政上の措置を含めまして今後十分に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○瀬野分科員 四十七年度を目途にして行なうということで御答弁がありましたが、熊本県、大分県としては、早くこの事業の実施要綱の制定をして調査に基づいた事業の基本方向を明確化してほしいと、強い要望が当時の調査のときから出ております。早急に事業化すべきである、かように思うわけであります。 そこで事業の実施要綱の制定、事業化の時期、見通しについて、もう一度あらためてお伺いをいたしたいのであります。
○岩本政府委員 阿蘇、久住、飯田地域の調査をただいま鋭意取り進めておりますが、その調査を実施いたしまして、なるべく早くその事業化に取り組みたいと考えておりますが、何ぶんにも範囲の広い調査でありますし、また畜産的な開発を中心として新しい農村建設といったようなことを頭に置きまして、いろいろやり方も検討してまいらなければなりませんので、若干の時間をいただきたいと考えておりますが、できるだけ早く着手できるように努力してまいりたいと考えております。
○瀬野分科員 ただいま若干の時間がほしい、できるだけ早く着手をしたいという意味の答弁がございましたが、地元は強い熱望を持って望んでおりますし、生産調整の現段階において、特に北海道に次ぐ第二の牧草地帯をかかえている阿蘇、久住、飯田地域でございますし、ぜひひとつ早く事業化に踏み切ることができますようにお願いをしておきたいと思うわけであります。 そこで、これに関してもう一点あわせ伺いたいのでありますが、広域農業総合開発基本調査は、その主たる目的というものは畜産開発に重点が置かれておりますが、現地では実際に養蚕が盛んになりまして、養蚕農家がふえてきている現状でございます。養蚕に入りましてからまだ四、五年たったばかりでございますけれども、草地だけの事業ではだめなので、桑を植えたりいろいろやってみましたところ、桑の生育が好結果をもたらしている現状であります。しかし農林省の基本計画では、この養蚕について重きを置いていないようであります。これらの実情を踏まえて、基本調査に養蚕事業の開発を考えなくてはならないと私は思うのでありますが、このことについての対処方針なり考え方をあわせ伺いたいのであります。 〔笹山主査代理退席、渡辺(栄)主査代理着席〕
○岩本政府委員 阿蘇、久住、飯田地域の開発のようなきわめて大規模な事業は、地元の受け入れ体制が必要であって、単に農林省の指導だけではできないと存じます。現在日本の農村及び農民は非常に苦しい状況のもとに置かれておりますが、その中にあって将来に明るい展望をもたらすのはこの種の仕事であろうと確信をいたします。したがいまして、この仕事を進めることによりまして地元と十分連絡をとり、地元の望むべき方向を探りながら開発計画を立てていく所存でございますので、私どもとしては畜産を中心とする開発が妥当であるという見解を持っておりますけれども、今後調査をやってまいります過程におきまして、どうしても養蚕が必要だということをもし地元で主張をされ、またそういう客観的条件があるとするならば、これを排除すべき理由はないわけでございますので、その点は十分地元と打ち合わせの上でまた調査を進め、実行してまいる所存でございます。
○瀬野分科員 ただいま地元の望むべき事業を開発していく、そういう考えでまいりたいというありがたい答弁がございましたので、ぜひひとつ調査の中にこれらを含めまして御検討いただきたい、かように思うわけでございます。 次に、同じく阿蘇地域の大規模草地改良について伺いたい。 牧野の高度利用と省力多頭経営による地域畜産の振興をはかるために、国営事業で千八百二十八ヘクタールの草地造成を実施し、付帯事業で利用施設を整備中でございますが、周年現地飼育可能な牧場とするために、地元ではたいへんに意欲的に取り組んでおるのであります。多額の地元負担を要するので補助率をアップしていただきたい、かように再三政府に要望いたしておるわけでありますが、現在の補助率は国が四〇%、県が三〇%、地元三〇%となっておりまして、国の四〇%を五〇%にしていただきたいという強い要望があるのですが、この点についての見解と、稲作転換の対策の一環として、水田地帯への乳牛の導入の制度が改定されまして、家畜の導入事業が憂慮されております。特に県有牛の購入補助がなくなるということでありますが、聞くところによると、別に北海道から五千頭くらいを輸送費の補助をつけてやるというような計画もあるやに聞いておりますけれども、この点について対処方針をお伺いいたしたいのであります。
○増田(久)政府委員 草地事業の補助率のアップにつきましては、各方面から強い要請があることは熟知でございます。しかしながら草地事業実施の実態その他を考慮いたしまして、この点についてはさらに検討を深めてまいりたい、将来の検討課題として十分検討していきたいと思っております。 それから家畜導入事業につきましては、先生がいまおっしゃったとおりでございまして、本年はやはり何といたしましても、米の生産調整と関連しまして稲作転換、それを単に転換するだけではなく、それを将来の経営として定着させるということが必要でございます。そういう意味で、特に飼料作物につきましては、これは中間作物でございますので、そこにどうしても家畜を入れてやるということが必要なわけでございます。そういうことで、その家畜導入の乳牛につきましてはそういうことに最重点として振り向けたわけでございます。しかしながら、先生のおっしゃるような地帯において、具体当に家畜の導入についていろいろの支障があるということについては、われわれとしても十分認識を持っているわけで、いろいろと苦慮いたしているわけでございます。その点につきましては、関係県とも十分協議して、できるだけの措置を考えてみたいと考えているわけでございます。
○瀬野分科員 補助率のアップについては、さらに検討課題として十分今後検討していくということでございますが、これは阿蘇、久住、飯田地区のみならず、また全国的な問題でもありますが、ぜひひとつ、各地でもこういう要望が強いのでございますので、稲作転換による畜産事業、すなわち米に次ぐ第二の食管というべき事業でございますので、十分検討してアップに努力をしていただきたい、かように思います。 いま家畜導入の問題でいろいろ話がございましたが、今後北海道あたりから牛を導入するというような計画等はございませんか。まだ発表の段階でございませんか。ひとつ念のために伺っておきたいのであります。
○増田(久)政府委員 最終的な結論というか、計画は終わっておりませんが、希望があれば当然その中へ繰り入れられてくるということになるわけでございます。
○瀬野分科員 次に、この地域では稲作転換による畜産事業の推進について、地元ではいまも申しましたように真剣に対処しておりますが、家畜について従来どおり家畜導入事業を継続すべきではないか、こういうふうに実は思っているのですけれども、この点について明確にさらにひとつ御見解を承っておきたいと思うのであります。
○増田(久)政府委員 家畜導入事業というものは、先生御承知のとおり、有畜農家創設事業からもうすでに十数年の長きにわたって行なわれてきたわけでございます。しかしながら、最近におきましては、どうも酪農家と申しますか、農家の経営規模が大きくなって、保有する育成牛の数がふえたというような事実もありまして、率直に申し上げて十分これが消化されていないというような事実があるわけでございます。そういうこともありまして、各方面から多くの批判を受けていることも否定できない事実でございますが、やはり稲作転換等のように、どうしても大規模な開発というようなことになりますと、やはり家畜が入ってまいりませんと、そこに経営の安定という形が生まれてこないということとあわせまして、これも検討ばかり申して恐縮でございますが、来年度の問題として十分検討させていただきたいと思います。
○瀬野分科員 次に広域家畜人工授精センターの設置事業について伺いたい。政府は広域家畜人工授精センターを全国に二カ所設置して、冷凍精液の広域的な利用を推進することを計画しておられるようでありますが、これは九州各県知事、県議会でも強い要望があり、昭和四十六年に九州に一カ所設置する、こういうふうにきまっておるようであります。現在農林省のほうでも慎重に検討が進められていると思うが、熊本県では、熊本導入の理由として次のような理由をあげておるのであります。ちなみに申し上げてみますと、阿蘇外輪山草地改良四百二十ヘクタール一帯に県の草地畜産高等研修所、畜産試験所阿蘇支所、公共育成牧場などを建設中で、熊本としてはこの一帯に授精センターをぜひ設置してもらいたいという強い要望がかねてからあっております。また、これと関連して言えることは、この地域は高原地帯であること、九州横断道路及びミルクロードにつながるという地の利を得た交通至便の位置にあるということであります。さらには熊本の乳用牛の飼養頭数は九州随一でありまして、県は阿蘇を基地に五年後の五十年までに乳牛は六万頭、十五年後の六十年には十五万頭、肉用牛は五十年に十六万頭、六十年には二十五万頭にふやし、九州畜産の拠点とする構想であるため、導入のおもな理由としておるのでありますが、農林省としてもこれが決定にはいろいろ御心配になっていることも十分わかりますが、この場でどうかとも思いますけれども、これらの理由等を勘案されて、この人工授精センター設置事業についての御所見を一応承っておきたい、かように思うわけであります。
○増田(久)政府委員 先生のただいまのいろいろの御所見、貴重な参考意見といたしまして検討さしていただきたいと思います。
○瀬野分科員 次に広域営農団地農道整備についてお伺いします。 全国三百五十億のうち、熊本県は総予算三十一億四千万に対して、昭和四十五年度三千六百八十万円の予算で、約一割であり、このままでいくと十年ペースであります。県としてはこれを四年のペースでお願いしたいと強く要望しているにもかかわらず、農道予算の伸びは一般的に少なく、農村の所得を上げ、畜産流通機構の整備、機械を導入した近代的農業経営をはからなければならないにもかかわらず、全体的に農免農道をとってみましても伸び率八%で、昨年を一〇〇とすれば今年は一〇八というような少ない伸びであります。他の予算は比較的伸びているにもかかわらず、これだけは特に伸びていないということになっております。そこで昭和四十五年度採択の阿蘇地区広域営農団地農道整備事業の実施状況について、採択事業量、事業費、四十五年度実施状況、事業完了見通しなど、これらについて見解を承っておきたいのであります。
○岩本政府委員 阿蘇北部地区の広域営農団地農道事業は、当初熊本県から全延長四十八キロメートル、事業費約十一億八千万円で申請がございましたが、この事業は既農用地を集団的に広域営農団地として組織化することを目的とした事業でありますので、草地開発の進んでおります外輪山の東部地区約一万三万ヘクタールを一つの営農団地として育成整備するごとといたしまして、その基幹的な農道として延長二五・七キロメートル、事業費六億五千五百万円を採択し、採択路線のうち農林省所管部分については、昭和四十五年において事業費三千六百八十万円で二千四百メートルを実施中でございます。初年度にあたります昭和四十五年度の進捗率は一一%でございますが、昭和四十八年度を完了目途として実施する予定にいたしております。
○瀬野分科員 地元からの申請のうち、昭和四十五年度において不採択となった部分についても処置方針を承りたい。
○岩本政府委員 申請路線はただいま御説明申しいげたところでございますが、そのうち西部の約二十二キロメートルの沿線につきましては、草地開発がおくれておりまして、未開発地が多い実情でございます。したがいましてこの地域の開発が今後進んでまいりまして、広域営農団地の形成の条件が整い次第、申請がございますれば採択してまいる方針でございます。
○瀬野分科員 ぜひ申請があったならば採択してくださるように、強くお願いをしておきます。 次に、過疎地域の基幹農道の国庫補助率の引き上げについてお伺いをいたしたいのでありますが、過疎地帯の一般農道整備事業は市町村、都市改良区が実施している団体営事業であります。過疎地域の中でこの事業をやる場合、受益面積が五十ヘクタール以上、道路の延長が千メートル以上、幅員が五メートル以上、この規格に合う道路については県が代行して行なうことになっております。ところがこの補助率は一般地域と同じように四五%となっておりまして、あとは県やその他で財政負担をしろ、こういうふうになっております。実質的には、過疎地域対策緊急措置法にいうような、国のいう過疎対策には全然なっていないというのが実情であります。国のほうからいえば、一般も過疎地域も変わらない、こういう態度のようでございます。県から見ると、一般農道については、特に規定はないが一割程度出しております。このことは県の財政負担を極度に圧迫することになるので、国はこの代行農道整備事業には、少なくとも農免道路並みの三分の二程度の補助率に引き上げて、これを別ワクとして予算を確保してもらわないと実効はあがらないと思うが、過疎地域基幹農道の国庫補助率の引き上げについて、農林省の考え方を承りたいのであります。
○岩本政府委員 従来農道整備事業は主として団体営によって実施されてまいりました。しかし過疎地域対策緊急措置法が昭和四十五年度に制定されましたので、今後は過疎地域の農道のうち基幹的なものにつきましては、農林大臣が路線を指定いたしまして、都道府県営事業として重点的に実施することといたしたわけでございます。 国庫補助率につきましては、現在の段階におきましては特に引き上げ措置をとっておりませんが、都道府県の負担を緩和する目的で、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律を適用することになっております。 なお、補助率につきましては、今後の実施状況なり他事業とのバランス等を考慮いたしまして、慎重に検討してまいりたいと思います。
○瀬野分科員 ぜひそのように検討して、地元の要望にこたえていただきたいことを強くお願いしておきます。 次に、熊本県の天草の国営羊角湾地域農業開発についてお伺いしたいのであります。 この地域は自主経営農家が少なく、農家の労働力は都市へ流出しつつあり、用水の確保、農地造成等によって、自立農家の確立、農業経営の安定をはかるため、昭和三十七年から三十九年にかけて、干拓、開拓と直轄調査が進められております。干拓については工事期間が四十四年から五十年、開拓については工事期間が四十三年から四十九年となっておるのでありますが、国の予算の配分が年々計画よりも低いので、このままでは少なくとも完成するのが二年くらいおくれるのではないかと憂慮されております。二年もおくれますと、入植して近代的な農業経営を営もうとして希望を持っていた農家も、入植を断念するというようなことが取りざたされて心配されております。よって、工事の進捗の状況とその見通しについてお伺いをいたしたいのであります。
○岩本政府委員 国営羊角湾土地改良事業は、半角湾を中心として河浦町、牛深市からなる地域で、湾周辺の山地九百七十七ヘクタールを開墾し、ミカンを栽培するとともに、既墾のミカン畑三百十八ヘクタールをあわせてかんがいいたしまして、常襲干ばつを解消するために、湾内の一部を締め切りまして淡水湖を造成する計画になっております。また、湾奥部に百四十九ヘクタールの干拓地を造成するなど、離島における農業開発として、経営規模の拡大、生産基盤の整備充実をはかることといたしております。四十三年度に着工いたしておりまして、四十五年度までの実施額は九億九千三百万円で、進捗率は一三・六%に相なっております。
○瀬野分科員 二年ぐらいおくれるということについては答弁ないようですが、時間の関係もございますので、いま申しました羊角湾については、特に事業がおくれないように予算の導入をひとつ計画どおり行なって、事業の完成ができますように配慮願いたいと思います。 最後に一点だけお伺いしたいと思いますことは、熊本県の国営菊池台地土地改良についてでございますが、この土地改良は新規事業として、受益面積一万二千ヘクタール、総事業費百九十五億ぐらいが見込まれておりまして、国は四十六年度から四十八年までの三年間を直轄調査、四十九年度から五十年までの二年間を全体実施設計、五十一年度から五十七年までを工事施行、こういうふうな計画になっておるようでありますが、建設省で実は現在建設予定の雷門ダムというのがこの上流にございます。この竜門ダムは昭和四十四年度に予備調査を完了し、昭和四十五年度より実施計画調査に入っているので、菊池台地土地改良の水源となる竜門ダムは四十七年度から着工される予定でございます。 しかし、さきに述べましたように、土地改良のほうは五十七年に工事が完了となりますので、四年間のギャップがありまして、地元ではこれをまたたいへん心配をしておるわけであります。これではせっかく建設省で建設予定の雷門ダムが早くできても、土地改良がおくれて水を利用することができない。結局道路はできてもまん中の橋がかからぬために何にもならぬ、こういうような理屈になるわけであります。これではせっかく四十七年にダムができても、水を利用するのがあとになってロスを生ずるということになりますので、竜門ダムの水を最も有効に土地改良の事業に利用するために、いま申し上げた農林省の調査期間、実施設計の期間を大幅に短縮されて、竜門ダムの工事進捗に合わせて菊池台地の土地改良事業が進められるように計画を練り直すべきであると思いますが、この計画について明らかにしていただきたいと思います。
○岩本政府委員 ただいま御質問のございました国営菊池台地の土地改良事業につきましては、四十六年度から四十八年度までの三カ年間計画樹立のための調査を行ないまして、以後、全体実施計画期間として、一、二カ年を要するわけでございますが、さらに工事期間として七年を予定しております。 この国営菊池台地は、そもそも当初地元で開田を希望していたのでございますが、今日のような情勢になりまして、いろいろと計画を練り直す必要が生じてまいりまして、地区計画調査に入るのがおくれたのが実情でございます。したがいまして、地元のこの計画に関する受け入れ体制と申しますか実施体制と申しますか、そういうものが固まってまいりまして、さらに建設省のおやりになっております筑後川水利用計画の具体化の進捗状況等を十分勘案をいたしまして、できるだけ御趣旨に沿うような検討を進めてまいりたいと思います。
○瀬野分科員 以上で終わります。
○渡辺(栄)主査代理 金丸徳重君。
○金丸(徳)分科員 時間の制限もあることでありますし、連日のことで大臣もお疲れでございましょうから、山のことについてお伺いをいたしたいのですが、初めに林野庁長官のほうから現状などについてお答えをいただいて、最後に大臣から御所見を承ることにいたしたいと思います。 十何年か前、伊勢湾台風というような大惨害を契機といたしまして、治山治水のことにたいへん力を入れることになり、特別措置法などが設けられるとともに、治山治水十カ年計画あるいは新五カ年計画というようなものが策定せられまして、国土の保全に必要な仕事に力を入れてこられたのでありますが、現状、その進度でありますとか、計画の達成状況というようなものはどういうふうに進んでおるのでありましょうか。大体のところを、この四、五年来の状況などをかいつまんで教えていただきたい。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 治山五カ年計画の進捗率でございますが、国有林、民有林を合わせまして六八%になっております。 なお、参考のために、治水計画のほうは同じく六八%でございます。
○金丸(徳)分科員 その六八%という達成率は予算の使用額でございますか。事業がそれだけにいっておる、あるいは計画全体がそういうことになっておって、それが一〇〇%に達すれば国土というものはほとんど安定してくる、こういうことでありますか。私がお伺いいたしたいのは、せっかく予算が予定どおり組まれ、あるいは予定以上に組まれたとしても、最近の高度成長などに伴いまする山間地帯の人口減という過疎状態の進展などに伴いまして、せっかく予算はついたけれども事業としては思うように進みかねるというような面、が出てきておるのではないか。せっかく予算は一〇〇%ついたけれども、事業量としてはあるいは七〇%であるとか六〇%であるということになっていはしないか、そういう心配を持ったものですから、その点どういう状況であろうか、こういうことであります。
○松本(守)政府委員 治山の五カ年計画は金額できめられておりまして、民有林が二千三百億円、昭和四十三年から五カ年計画でございます。個所は、治山の場合には堰堤あり、山腹工事あり、また海岸の防風林、防潮林、そういうものもありまして、量的にはなかなかこれは計画はしにくい。また計画と実行の対比がしにくいという関係にありまして、一応計画では二千三百億円という金額できめられております。いまの進捗達成率は、金額の上での達成率でございます。
○金丸(徳)分科員 そういうお答えよりあるいは得られないのかもしれませんけれども、実は私は国土の安全度というようなものを問題にしたいのです。国土といってもむろん平地でなくて、山を含めてです。山における安全度は、日本の国土全体として、かつて十年前、二十年前の状況と比べて安全度は高まっておるのか、それとも低まって心配の種が多くなっているのかどうか。林野庁長官としては山に専念せられており、国有林あるいは共有林あるいは民有林を合わせて山全体を見ておられると信ずるものですから、まあ言うなれば高き山に登りて見ればというようなお気持ちの上で、高いところから国土全体を見たときに、日本の山は安全度が増しつつあるのか、それともどうであろうか、こういうことをお伺いしたい。
○松本(守)政府委員 一番安定しておったといわれますのは、昭和の初めでございます。戦争中、戦後、非常に伐採が増加いたしまして、その結果、日本の山は戦前に比べれば荒廃をした。その上、伊勢湾台風、その前にはキャスリン台風、アイオン台風、いろいろございまして、その後ときどき大きな台風に見舞われるということで、国土の安全度ということは戦前から比べますと相当低下をいたしております。その後五カ年計画がいま第三次計画を実施中でありまして、逐次回復をしつつあるというのが実情でございます。
○金丸(徳)分科員 治山計画の進展によって逐次回復しつつある、私もそう信じたいのでありますが、最近のいろんな状況を見てみますると、国有林地帯においてはあるいはそういうことがないかもしれませんが、民有林その他におきましては採算上なかなか山へ手がかけかねるというようなことからして伐採をしっぱなし、あるいは苗木を植えつけても、あとの育成、下刈りということが怠られておるというようなことからいたしまして、はたして五カ年計画だけをもって、しかもこの資材難、経費の高騰あるいは労力の入手難という現状からいたしまして、安全度は増しつつあるのかどうか、そういうことなんです。特にこの四、五年このかた山合いの部落があげて平地におりなければならない、都会地に吸収されていくというような状況の中においては、奥山はもちろんですけれども里山地帯においても危険度は増しつつあるのじゃないかと考えられるのですが、その点どうでしょうか。少しくどいようですけれども、率直なところを承っておきたいと思います。
○松本(守)政府委員 戦後、伐採をいたしまして造林が済んでおらない、まあいわば造林未済地というものが全国で百五十万町歩あるといわれております。それが大体昭和三十年ごろまでにその未済地の造林が完成をいたしまして、その後は伐採と造林が見合っておるというのが実情でございます。里地帯、人家の近い地帯は、その後薪炭林が伐採をされまして、新しく造林地が逐次増加をしておる、その造林をいたしまして、特に最初の十年前後、その薪炭林の根が腐り、新しい造林地の根はまだ十分に張らない、この十年前後が非常に危険な時期に当たるわけでございます。そういうところではときどき崩壊その他を起こしておりますが、それも最近では伐採を一度に大面積にやらない、危険なところは伐採を控えるとか、そういうことでいま指導をいたしておりまして、なるべく画一的な取り扱いにしないようにという方針で進んでおります。
○金丸(徳)分科員 林業という面からいきますと、そういう植えつけ伐採、植えつけ下刈りというようなことでやっていくことがあるのでありましょうが、あるいはいまのような山地に特に過疎現象が急激に進んでおるという事態になりますと、幾ら山に力を入れようとして予算を盛りましても、これは国のほうに置きかえて考えてみますると、民有林の場合、そういう気持ちがあるといたしましても手をつけかねる、そこで捨てておく。捨てておくから山は荒れっばなしになるというような現象が特にこの両三年来進んできておるのではないか。 なぜ私がこんなことをくだくだしくお伺いするかといいますと、私は実は中央線で往復いたしております。その他のところも旅行して、汽車の窓から見ておりますと、両三年来あのツタカズラあるいはクズですか、あれがせっかく植えて十年くらいたったいい若木の上におおいかぶさっておりまして、それが非常に目についてまいりました。おそらくこれは手がないものですから、下刈りもしかねるというようなことの結果であろうなどと心配しながらおったのであります。汽車の窓から目につくところでさえもそういう状況であるとするならば、奥山のほうにおいてはもっとそういう現象が進んでおるのではないか。そこで高き屋にのぼった気持ちで林野庁長官がどういう理解を持っておられるか、こうお伺いしたかったのであります。先般新聞で伝えるところによりますと、佐久間ダムが当初の計画に十倍くらいの速さでもって埋まりつつある、こういうことであります。ダムが埋まるのは、上が崩壊して山はだが荒れてくるというその結果だろうと思います。やはりそういう現象が強くあったのではなかろうか。もう一つ林道、せっかくあなたが御苦労なさって各地にいい林道ができまして、山はそれによって開発されつつあったのでありますが、その林道が人手がないために保守が悪い。したがって側溝さえも十分に進んでおらない。この林道がかえって集中豪雨のときなどにおきましては、あるいは水路となり、山はだ崩壊のもとをなすというようなことを私はたびたび聞かされてもおりますし、私のこの目でも見ておるのであります。そういうようなことをいろいろ考えてみますと、非常にここ両三年来の山の状況というものは心配にたえないのではなかろうか。そこで、五カ年計画の予算がとれた、昨年よりも十何%、二〇%近くもとれた、こういうことをもってだけ安心しておってはいけないのではなかろうか。何かこの辺でそういうことに対する別途の対策、これは過疎状況だけではないと思いますが、全体的に山から関心が薄らいできたというような状況をも加味して、何らかの特別なる措置を講じておく必要がなかろうか。来年度予算については、それについてどういう対策をおとりになっておられるのか。来年度は間に合わないといたしましたならば、来々年度あたりからでもおそくはないのだから、ここでひとつ何か特別な新五カ年計画でもよろしい、あらためての対策を講ずるお考えがないかどうか、こういうことを、くどいようですけれども、お聞かせ願いたい。
○松本(守)政府委員 過疎地帯と林業の問題、また奥のほうでは特にひどいのではないかというようなお話がございましたが、確かに里山ですら相当労働力の調達が困難になっておるということで、奥地過疎地帯では労働力の調達が困難になっておる。そこで林野庁としましても考えておりますのは、いままでのような人海戦術でやる造林技術、そういうものではたしてやれるのかどうかというようなことで、省力林業というようなことも、今後技術的な開発をしなければならぬ面がたくさんございます。そういう点の取り組みもやっておるわけであります。いずれにしましても、過疎地帯はそこに森林が成立することによって産業としての林業、もう一つは国土の保全のための森林ということからして、どうしても過疎地帯には林業というものを斜陽化させてはいけない。またそういう地帯は森林でおおわせなければいけないというようなことで、造林の対策、治山の対策、林道の対策、それぞれ鋭意やっておりますが、対前年の伸びも造林では一九%、治山では一七%でございますか、林道では一二〇と一応の伸びで事業を計画しておりますが、決してこれで十分だとは思っておりません。まだまだ今後そういった地帯の林政の充実のために、林業の発展のためにやらなければいけないものがたくさんございますので、そういった面をいま林野庁は鋭意新しい角度から検討を始めております。
○金丸(徳)分科員 林野庁長官、省力林業も一つの手だ、こういうふうにおっしゃった。林業という観点に立っていけばそれも大きな方法だと私は思います。しかし、いま私がお伺いしようとするのは林業とかいうことではなくて、国土の保全ということを前に押し出してきて、そしてここであらためて対策を練っていただく必要があるのではないか、こう思うのであります。それは、高度成長政策の落とし子としていま公害問題が強く打ち出されておる。しかし、高度成長政策の落し子は都会における公害だけではない、山の中にも高度成長の影響に基づく公害の原因が進展しつつあると私は言いたいのです。このままほうっておきますと山が荒れて、山の下のほうの産業、文化、経済に大きな公害をもたらすであろう。すでにその原因は進行しつつあると思うものですから、そういう意味において、林業とかということでなくて、国土保全の山の守り神としての林野庁長官が、そういう別の角度から対策を練っておかれるときがきた。そうせぬと、あと五年、十年たって都会の公害でなくて、山側から起こる公害によっていまと同じような大騒ぎをしなければならぬことになるのじゃないか。前者の轍を踏んではならないと思うものですから、いまからひとつあなたに何か強く打ち出しておいてもらいたいと思うのですが、どうですか、こういうことです。
○松本(守)政府委員 ただいまお答えしましたのが意を尽くさない点がございましたようですが、私は、林業というものは経済的に一応成り立つ産業ということであるかもしれませんが、林業は健全に発達することによって国土保全その他の公益機能を十分に果たせる、健全なる林業は健全なる公益機能が果たせるのだという考え方から、いま林業政策の充実をやっておるわけであります。ただ、そういたしましても天災によって国土は荒れる場合がございます。これは林業で防ぎ得ないそれ以上の力が加わりますと、どうしてもそこにつくろいをしなければならぬ、それが治山事業であろうと思います。林業経営としては、治山事業をなるべくやらなくても済むような経営、そしてその上に治山事業をどうしてもしなければいけないものは治山事業でそれを補っていくという姿が一番望ましいのではないかと思いますが、一応そういうことで林業よりも森林保全という面は確かに以前よりは強調されてまいりましたので、今後その方向に従いましていまでの考え方をなお検討いたしまして、手直しすべきところは手直しをしてまいりたい、このように存ずる次第でございます。
○金丸(徳)分科員 大臣にお伺いいたしたいのでありますが、私は過疎状況の進展に伴いまして、山の中、奥のほうが心配にたえない、そこでこれを根本的に何か対策するためには、やはり山に人口を定着させることが前提ではなかろうか。山を捨て、うちを捨てて出てしまったあとは、もうどう力を入れようにも入れようがない、やはり年を食うに従って荒れていくであろう。私は、三十四年の七号台風のときに長野県の山奥へ入りまして、一軒のくずれ家があって、あの下のほうの四合村に百何十人の死者を出したという事情を見てまいりました。山がほっておかれることくらいおそろしいことはないと思うのです。それにつきましては、そこに人口が定着し、そこに生業を安心して営めるような状況をつくり出しておかなければならないと思うのであります。いまの経済状況は、これがどうも思うようにいきませんで、逆にだんだん人口も減ってくる、そこで何か農政としてでも、あるいはもっと別の角度から、国土保全のための人をここに置くというような、これはたいへんむずかしいことかもしれませんけれども、考え方の基調としてはそこまで考えておかれる必要があるのではないか。 そこで、農林大臣としては、もう米をつくらなくてもいい、山の中にまで米をつくらなくてもいいからという考え方でなくて、米はつくらなくとも、何かそこで特別なる農業を営める、特殊作物を発見するとか、それが経営上困難であるならば、山を守ってくれるという別のサイドワークみたいなものがあるとして、それに補助でも出すというようなことで山に定着させる方途を、これは高い立場から考えておかれることが願わしいのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○倉石国務大臣 先ほど来お話を承っておりまして、私はたいへん金丸さんのおっしゃることに共感を覚える次第でございます。森林は国土の保全、水資源の涵養、保健、休養など、そういういろいろな機能をあわせ持っておると思うのでありまして、これらの機能は健全な森林の維持、造成によってはかり得るものであると思っております。いわゆる木材の生産とか林業とかというようなものは、むしろ私は国の森林政策からいえば従たるものではないかと思う。これはまだ別に政府がそういう方針だと言っているわけではありませんが、私はそのように感じております。ただ、経営をいたしてまいりますために、もちろん下草を刈り、年齢がくれば伐採しなければなりません。そういうものが国のやっております林野庁の仕事の一つではありますが、やはり売却をいたしますので、したがって、林業というふうなことばがそこに加わってくるんだろうと思いますが、それもあわせて考えてみまして、私どもはわが国の森林の政策というものには、根本的に掘り下げて考えてみる必要の多い面がやはりたいへんあるんではないかと思っております。先ほど、大きく山の中につくりましたダムが、技術者が予定いたしておったよりも急速な勢いで埋まりつつあるというお話がございましたが、それに類する例は全国たくさんございます。私どもは、いま林野庁の長官が、治山治水のようなことはなるべくやらずに済むようにいたしたい、これはそういう理想はもちろんそうでございますけれども、私ども日本の国土全体を見ておりまして、われわれが手を加えないでもやはり荒廃していく自然現象があるのでありますから、そこでなおわれわれとしては、国家の大事な財産を預かっております政府としては、この大事な山を荒廃させないようにすることは重大な任務であると思うのであります。私はそれにはやはり民間の方々の御協力、民有林の御協力も願わなければなりませんけれども、国家としてもやはりもっともっと十分に掘り下げて検討をしなければならないと思っておりますし、いろいろな意味で、ただいま林野庁のほうで、そういうことについての学識経験者にお集まりを願いまして、実はいろいろな研究会をやっておる次第でございます。問題はもうたくさんございますが、先ほど来御指摘になっておられますような国土保全、しかもその緑をわれわれ一億の国民ができるだけ国土を害せざるようにエンジョイするということが、そういうような施設というものは私どもはまた必要であろう、そういうようなことを考えてみますと、いろいろな要素をつなぎ合わせまして、やはり民有林も含めて森林政策というものにいろいろな検討をしていかなければならない、これこそ公害問題の起きる前に、国土それ自身の大事な保存ということでありますので、政府はそういうことについて十分国民の御期待にそむかないように、多くの学識経験者の御意見も承って対処してまいるつもりでやっております。
○金丸(徳)分科員 私のちょうだいした時間が迫っておりますので、なおこれにつきまして大臣にお願いいたしたいこともあるのでありますが、こういうことも実は私はお伺いしたがったのであります。それは最近のことですけれども、養蚕について新しい方法、古米を使って人工飼料をつくって、桑とまぜてやるとたいへん成績がよかった、また翌日は、クロレラを使って——これはおたくのほうの試験場で成功したというようなことがあります。私はこの記事を見まして、これあるかなと実は手をたたいたのであります。私のところは養蚕地帯であります。山地帯でもあるのです。その山に人口を定着させるための一つの方法として、養蚕などはいままで平地でしか取り入れなかったのですが、山でもできることになりはしないか。あの山の大きなうちは養蚕には適しておりはしないかというようなことをもひとつ考えていただいて、もしそういうことにでも進むとしますれば、あの山合いに大きなうちを持っていながら下におりておる人たちも、そこに一つの生業を見つけて、安定した、希望ある仕事を見つけて、そこに住むことができるのではなかろうか。そうすることによって、その人たちの手で山が保全される一端も切り開いていくでありましょうし、山の保全隊のパトロールというような制度がとられるとすれば、私はとったほうがよろしいと思いますけれども、その要員として、その人たちがまた働いてくれるのではなかろうか、こんなにも思いまして、いまの公害問題とあわせて、公害に力を入れるように、山のほうにも力を入れていただきたい、こういうことも伺いたかったのであります。 なお、私は実は河川局のほうからも来てもらっておりますが、時間が参っておりますので……。河川局のほうのお願いは、中小河川が——この米問題に関連いたしまして、土地を放すというようなことになり、いままでの河川の行政の上にまた新しい問題が起きてきはしないか。こういうことと関連いたしまして、陳情があるから治水に力を入れるということではなくて、陳情はなくとも、国土保全という高い立場からやってもらわなければならない。いま過疎現象が進むと、陳情の声は、必要であるのにかかわらず弱まってまいります。声が弱まったからといって、問題がなくなったんじゃないんだということを私は強く叫んで、建設省のほうにおいても治山治水計画というものは、治水計画というものは、治水事業というものは一そう力を入れておいてもらわんと困るのではなかろうか、こういうことを申し上げたかったのであります。 時間がまいっておるようでありますから、お答えはまた別の機会にちょうだいいたすことにいたしまして、終わります。
○渡辺(栄)主査代理 細谷治嘉君。
○細谷分科員 私は農薬の問題について、せんだって総括質問の際に大臣にお尋ねしたのでありますけれども、時間が不十分で意を尽くしませんでしたので、時間は短いのでありますけれども、二、三御質問いたしたいと思います。 最初にお尋ねいたしたい点は、昨年の暮れに改正されました農薬取締法の第十二条の二、十二条の三、十二条の四に、それぞれ作物残留性農薬の使用の規制、土壌残留性農薬の使用の規制、水質汚濁性農薬の使用の規制、こういう条項がございまして、その具体的な農薬については政令で定める、こういうことになっておるわけでありますが、その政令にどういう農薬があげられるのか、あるいは作物に残留する、土壌に残留する、水質汚濁、これは一つの物質がきちんと、さい然と区別されるわけじゃありませんので、それぞれからみ合ってくると思うのでありますけれども、政令の具体的な構想をまず承りたい。
○中野政府委員 ただいまのお尋ねの十二条の二の作物残留性農薬につきましては、現在われわれ考えておりますのはBHC、DDTそれからエンドリン、砒酸塩というものをいま考えております。それから土壌残留性農薬といたしましては、アルドリンそれからディルドリンというものを考えております。それからもう一つ、三番目の水質汚濁性農薬でございますが、この中で水産動植物に被害があるというものにつきましてはPCP剤、これは現在でも指定をいたしておるわけでございますが、それから水質汚濁性のものとしましては、エンドリン、ディルドリン、その他二、三の農薬を考えておりまして、これらはいま私たちが考えておりますこの法律にもございますように、農業資材審議会にはかりまして、そしてこれを意見を聞いた上で政令で指定をする、こういうことになると思います。
○細谷分科員 大体政令できめるべきものについて、いま伺ったのでありますが、そこで私はお尋ねしたいのでありますが、せんだっての予算委員会でも、大臣に、日本の農薬についての規制というのは、諸外国と比べてかなりおくれておるのではないか。現に行管の勧告もあるくらいでありまして、おくれておるのではないかと思うのでありますが、先ほどPCBとおっしゃたのはポリクロルビフェニールですか。
○中野政府委員 PCPと申し上げました。除草剤でございます。
○細谷分科員 聞き間違えたのでありますけれども、PCPじゃなくてPCBというのが最近愛媛大学等で検出されておるのですけれども、これは農薬というよりも、たとえばハマチとか牛の脂肪とかメバルの内臓等にかなり出ておる。こういうことが新聞に報じられておるのでありますが、これは心配ありませんか。
○中野政府委員 PCBにつきましては、農薬の補助剤とすると薬効の持続期間が長くなるという報告も欧米にはあるようでございます。しかし、わが国ではまだ効果がはっきりしておりませんので、現在使用をさせておりません。なお、改正されました農薬取締法によりますと、こういう補助剤でありましても、もし毒性等で問題があるものは使用させない、いろいろな規制ができるわけであります。
○細谷分科員 間違えて聞いたところから話に入ったんですけれども、PCBというのは、新聞等にも書いてありまするが、四日市の三菱モンサント工場で年間四千五百トンぐらいつくっているというのですね。そうしてこの魚の中に出てきておるPCBというのは、先だってレモン等をアメリカから輸入する場合に防かび剤に使うビフェニール、あの問題の北九州で起こりましたカネミライスオイルの問題のクロルビフェニール、このPCBもこれはポリクロールビフェニールというのでありますから、塩素の入ったビフェニールなんですね。カネミと同じなんですね。しかもこれは体内に蓄積されていくということです。現にカネミの患者が非常に困っておるわけですね。これが新聞やテレビ等でもかなり報道されておりましたので、私はあなたがおっしゃるほど軽視すべきものではないのではないか、こう思うのであります。いかがですか。
○中野政府委員 ただいま工業用には使われておると思いますが、農薬では現在もそういう農薬の登録はいたしておりませんので、もし今後登録申請等がありました場合に、先ほど申し上げましたそういう特性等いろいろ検査をした上でないと登録いたしませんということで取り進めたいと思います。
○細谷分科員 いまあなたのあげたもので、二四D、二四五Tはどうなさいますか。
○中野政府委員 二四五Tはただいままだ、いま私が申し上げました三つの残留性農薬として指定するというところまで考えておりません。
○細谷分科員 あの二四D、フェノールキシ系の農薬、最近は二四五Tが使われておるようでありますけれども、これは最近問題になっておりますね。サリドマイドより催奇性が強いといわれておるわけですね。いまサリドマイドは裁判に持ち込まれてたいへんな問題になっている。大体フェノールキシ糸のものは植物ホルモンなんですよ。植物ホルモンとして使われておるわけですが、最近の新聞、これは読売新聞でありますけれども、ことしの一月十一日に全林野の人たちが山林除草剤で中毒している。九州の地区の薬剤研究会議というものをつくりまして、九州の管内の営林署の山林作業員二百二十一名のうち六〇%に当たる百三十一人が、この二四五Tの中毒現象が起こっている。頭痛がする、食欲不振だ、倦怠感がある、発汗が過多だ、くしゃみが出る、傷にしみる、こういうことが訴えられております。それから昨年の暮れと思いますけれども、アメリカのハーバード大学のミューズルソン、この人が学会で報告しておるのですが、これは南ベトナムの枯れ葉作戦で奇形児が生まれておるわけです。枯れ葉作戦をやっているところでは、先天性の口蓋破裂症、脊髄変形症がきわめて増加した。そうしてサイゴンの異常児の発生率と、この枯れ葉作戦がやられているタイニン省のところでは、奇形児が三倍もよけい生まれておる。こういうことで、サリドマイドじゃありませんけれども、たいへんな問題が枯れ葉作戦に関連して提起されていることは御承知のとおりであります。さらにスウェーデンで山林でやっておった、そこで、自動車に乗って行った御婦人がそれをかぶった。ところが、その御婦人の二人にやはり奇形児が生まれた。こういう実例も報告されておりますし、あるいは同じスウェーデンで二四五Tをまいたところで死んだトナカイ、それを解剖してみますと、その中に奇形児の胎児が非常に多く見つかった、こういうふうにいわれております。公開された文書じゃありませんけれども、農林省が使われておる二四五Tの山林防除、これは何十年に一ぺんしかやらぬのだから、枯れ葉作戦のように量がよけいじゃないのだから、そうしてこういう作業注意を守っているから安全だ、こう言われておりますけれども、サリドマイドが問題になっているくらい——これは医薬であります。この二四五Tというのは、大臣、非常に危険性がありますから、これはおやめになったほうがよろしいんじゃないかと私は思います。それは農林省が指導しておるんだから心配ないと言われるかもしれない、あるいはこういうもののやり方について具体的に農業改良普及員なりあるいはそういうもので技術的に指導するようにしてありますけれども、たいへん危険性があるのではないか。この種のものはやはり農薬からはずしていくべきではないかと思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 御存じのように、除草剤として何十年に一ぺんか使うんだそうです。先ほどまで林野庁長官おりまして、彼がおれば一番答弁者として適当であったかもしれませんが、私は二四五Tの報告を求めまして、いまアメリカそれからスウェーデンのお話がございましたが、そこであらためてこちらから正式に問い合わさしておりますけれども、まだその報告のようなものは参りませんが、そこで二四五Tは、もういまは御存じのように使う時期でございませんので使っておりませんが、いろいろ御疑問もあるようでございますので、これを慎重に取り扱うように命じてございます。なおただいまのお話のようなことを部内において至急に相談をいたしてみたいと思っております。
○細谷分科員 二四五Tの国有林における使用状況というものを私は調べてみたのでありますけれども、国有林における二四五Tの使用面積及び使用量というのは、昭和四十四年度に全面的に二四五Tを散布したのが五千七百二十六ヘクタール、部分散布をしたものが一万三千五百九十六ヘクタール、そしてこれに使った二四五Tが二十一トン、こういうふうになっております。そうしてヘクタール当たりの使用量というのは、日本の場合はアメリカの半分程度でありまして、大体一キロか二キロ、こういうふうにいわれている。ベトナムでは大体ヘクタール当たり十二キロくらいまいた、こういわれておるのでありますが、この数字は正しいでしょうか。
○中野政府委員 林野庁の国有林での使用の数字、私現在林野庁から、いま先生おっしゃいました数字であるというふうには聞いておりませんので、よくわかりません。そこで確かめました上、お答え申し上げたいと思います。
○細谷分科員 それでは希望したいことは、昭和四十年ぐらいから四十五年度までにどのくらいの面積に散布したか。これは全面散布の部分と部分散布がある。どのくらいの二四五Tがまかれたのか。そしてそのヘクタール当たりの使用量はどういう程度のものなのか、この資料をひとつお出しいただきたいと思います。 それから、この二四五Tについてはどうも農林省の指導の場合は毒性ということ、いわゆる急性中毒、こういうものに着目しておるようでありますけれども、実は二四五Tは、私の承知している範囲では、毒性としてはそう大きくないのですね。LD50で、これはマウスでありますけれども、千十五ミリグラム・パーキログラム、こういうふうにいわれておりますから、それほど急性中毒というのはあまり問題じゃないわけで、問題は慢性中毒あるいは催奇性の問題、これが植物ホルモンであるだけに、私はたいへん問題があると思うのです。私が二四五Tを非常に重要視しておるのは、ヒマワリがおてんとうさんのほうに向いていくのは何の作用かというと、これは植物ホルモンの作用なんですから、それほどホルモン剤というのは重要性を持っているだけに、一方使い方いかんによってはたいへん危険性があると私は思うのであります。ですから、大臣、これはベトナム戦にも使われたし、たいへん問題のあるものでありますから、しかも全林野の労働者の諸君もこの問題については訴えておるわけでありますし、この方面の専門家も、やはり二四五Tはやめるべきである、こういう意見が強いようでありますから、ひとつ思い切って——かたわが生まれた、あるいは奇形児が生まれたといったって、サリドマイドのようになかなか因果関係はわからないと同じように、やはり被害を受けるのは国民であり住民でありますから、これはやはり大臣の大所高所からの決断が私は必要ではないかと思うのですが、もう一度お願いしたいと思います。
○倉石国務大臣 細谷さんのおっしゃること、よくわかります。実は農薬取締法の改正案等、両院を通過いたしますときにいろいろ附帯決議もございまして、そのときにも御説明がございまして、私ども、はたして有害なものであるならば、もちろん使いたくはないわけでございます。実はだんだん人手間もなくなりますし、下草を刈らなければ、先ほど金丸さんのお話にございましたように、森林の保全になかなか苦労いたしておりますので、まあいわば、なるべく労力を節約する意味で除草剤を使う、これは御理解いただけることだと思いますけれども、それにしても二四五Tについていろいろ問題がございますので、いまはもちろん使っておりませんが、これが使用についてはきわめて慎重にやるようにいたしておりますが、なおこの上ともよく検討いたしたいと思います。
○細谷分科員 私は、こんな農薬など全部ほうってしまって、そしていわゆる有機質の昔のような農業をやれということを極端に言っているわけではありません。少なくとも空中から散布するくらいは——やはり二四五Tを全面的に禁止することができなければ、空中散布の禁止くらいはなさったほうがよろしいんではないか、こう私は思っております。そのほかにこの問題については行管の勧告もありますし、大臣からこれについては懸命にやるという御答弁を総括質問の際にいただいておりますから、それはひとつ今後の問題として、これ以上申し上げません。 そこで次の問題に移りたいのでありますが、昨年イギリスで出されましたスワン・レポートというのを御承知ですか。
○中野政府委員 まだ私たち聞いておりません。
○細谷分科員 まだ読んでいない。ことしの岩波の「科学」の一月号にこの方面の専門家であります慶応大学の渡辺教授が「抗生物質の飼料添加−スワン・レポートをめぐって—」ということで、スワン・レポートの概略を説明しております。この問題については、私は昨年も若干の問題提起をいたしたわけでありますけれども、今回この渡辺さんの「スワン・レポートをめぐって」を読んで、一そうこの問題について関心を寄せざるを得ないのであります。大臣もスワン・レポートを早く読んでいただいて、この実際を知っていただいて対策を講じていただきたい、こう思うのであります。 いろいろ申し上げなければなりませんけれども、現実に一月の二十七日の新聞では「ウシ、ブタ肉」 「抗生物質が残留」という見出しで、芝浦の屠殺場で検査したら、五十七頭中四十七頭に、これはほんとうはもう食肉の中には抗生物質は入ってはいかぬということになっているわけでありますけれども、これが検出されておりまして、WHOの規制基準〇・一国際単位をこしておるものが、豚肉で七・二%、牛肉で二二・二%、豚の肝臓あたりになると、これはおでん屋に行ってもなかなか食えないですが、豚の肝臓では五五%、牛の肝臓では五〇%この抗生物質が含まれておるということが新聞に出ております。牛乳からもペニシリン等の抗生物質が発見されておるということは去年来出ておるわけですね。 そこで、この渡辺教授の指摘しておることは、ちょっと読みますと、「抗生物質公害」、こういうことばが使われております。これについての認識がかなり高まっておるけれども、監督官庁がこの問題についてはどうも全く動きがない、こういうことであります。このスワン・レポートでもその点が指摘されております。このスワン・レポートという抗生物質に対するイギリスの学者の態度が出た際に、イギリスのこういうものをつくっている有名なサイアナミド株式会社等が打って一丸となってこのレポートに反撃を加えたわけですね。何でかというと、そういうことをやられますと抗生物質の会社としては困るのでということでありますから、もうけのほうが人命よりも先だ、こういうことで、例のとおり会社がやっておりますけれども、イギリスはとにかくこのスワン・レポートというものを断固として出したわけなんです。 そこで、何といっても人命優先なんでありますが、この抗生物質を豚に与えますと非常に成長がいい。鶏に与える。それから最近は水産養殖にも非常に使うわけですね。そういうことになりますと、どうしても抗生物質が残留いたします。残留いたしますとどういうことになるかといいますと、そういうものを繰り返して使うものですから、菌自体が耐性を帯びてきて耐性菌になってまいります。ですから、今度人間が病気になってその抗生物質を使っても役に立たぬ、こういう事態になります。あるいは人間によってはアレルギー体質がそれによって生じてきますから、へたをしますと、いままでは何もなかったペニシリン注射でペニシリンショックを起こす、こういう事態があるわけでありまして、これは非常に重要な問題点で、抗生物質公害、文字どおりこれは学問の問題だということじゃない、今日現実の問題になってきているんじゃないかと私は思うのであります。農林省でこの問題について積極的にやっていただかなければどうにもならぬじゃないかと思うのでありますが、大臣、いかがですか。
○倉石国務大臣 そのとおりであるとすればたいへん重大な問題でございますので、至急に検討させます。
○細谷分科員 専門家おりませんか。
○太田(康)政府委員 ただいま先生の御指摘のございました飼料添加剤の問題で、おっしゃるような抗生物質を使っておるというのは、これははっきり事実としてあるわけでございます。そこで畜産局といたしましては、かねて飼料のそういった添加剤につきましての公定書というものをつくりまして、これによって業界の指導に当たろうということで、実は四十五年から学識経験者の方にお集まりいただきまして検討をいたしておるのでございます。これらにつきまして結論が出ますれば、これに基づきまして業界の指導に当たるということで現在せっかく勉強中でございまして、これらの成果を得まして、いま問題として出されましたような抗生物質の使用についての規制も必要とあらばやってまいるというようなことを考えておる次第でございます。
○細谷分科員 たとえば牛の乳房炎に注入する抗生物質に色素をまぜて、六十時間か七十時間して抗生物質がなくなるまでは色素が出てくるわけですから、そういう方法をやったというけれども、やはりやみで抗生物質を使っておるのですね。豚小屋は一々掃除しなくても、抗生物質を食わしておけば豚はどんどん太る、こういうことなんですね。そして、たとえば野菜に最近ストレプトマイシンも使っている、こういうふうに書いてあります。ストレプトマイシンを使うのでありますから、その野菜にストレプトマイシンが残っておる。その野菜を食っていると結核菌に対する耐性ができちゃうわけですから、ストレプトマイシンがもう結核になってもきかぬ、こういう事態。その人ばかりじゃないのです。これは連鎖反応を起こしますから、これはたいへんだと思うのです。それから私は聞いておりますけれども、エストロジェンという女性ホルモンがある。こういうものを牛や鶏に注射する。そうすると女性ホルモンでありますから、牛や豚や鶏が太る。太るから高く売れるということでしょう。ところが牛や豚や鶏の卵を食べますと、これはワッセルマンという教授の報告が出ているのですが、男の人のおっぱいが大きくなる、女性は乳ガンになるというのです。そういうことからいって、耐性菌の問題など、抗生物質というのはよほど気をつけていただかなければいかぬのじゃないかと私は思うのです。 時間がありませんからいずれまた詳しく、しかも皆さん方スワン報告をよく読んでいただいたところでこの問題について掘り下げた検討をしたいと思うのでありますけれども、きょうは私、大臣の前で非常に重要な問題を提起しておきます。しかもホルモン剤とか抗生物質というのは、ただそれが毒だとか毒でないとか、毒性が強いとか、そんなものじゃなくて、催奇性を持ったりあるいは耐性菌ができたり、アレルギー質になったり、あるいはおっぱいが大きくなったり、いろいろな問題が人体に与えられるわけでありますから、私はたいへん重要な問題だと思うのです。あえてこの問題について、大臣ひとつ十分に認識していただきまして、渡辺教授の報告のように、抗性物質公害というものが現実に問題になりながら、水産物なり養鶏等でもほったらかしておる、それが目に見えないところで非常に大きな被害を人類が受けつつある、こういうことを学者も憂慮しておるわけでありますから、ひとつ十分に検討をしていただいて、スワン報告、これに基づいて——日本よりももっと進んだ対策を講じておるアメリカも、あるいはFAOでも、この問題に委員会をつくって取り組んでおるわけでありますから、ひとつ万遺漏ないような対策を講じていただきたいということを私は望んでおります。最後に大臣の決意のほどを承まって私の質問を終わっておきたいと思います。
○倉石国務大臣 たいへん大事な問題であると思います。それで、従来われわれが農林省サイドで研究すれば足りると思っておりましたようなことよりも、さらに進んだことの研究がやはりわがほうの技術者には必要であるということを、このごろ公害問題等々でつくづく痛感いたしておる次第でございます。ただいまいろいろ御指摘になりましたようなことを事務当局は記録しておりますので、十分検討させるつもりでございます。
○細谷分科員 終わります。
○渡辺(栄)主査代理 和田一郎君。
○和田(一)分科員 私で最後だそうでございますので、落ちついて……。時間までに終わりますから。 まず最初にカドミウムの汚染米の対策についてお聞きいたしますが、全国でカドミ汚染の問題が相当出ております。これは地方自治体それぞれが懸命にその対策を立てているわけです。政府としてはどのような対策を持っておるか、そういったこともこれから聞いてまいりたいと思うのですが、現在どのようにカドミの汚染地区はやっているかということを、概要でけっこうですからちょっと教えていただきたい。
○中野政府委員 昨年の暮れの公害国会で土壌汚染防止法が成立したわけでございます。現在われわれといたしましては、その法律に基づきます政省令の準備をしておる段階でございます。 そこで予算措置といたしましては、すでに四十五年から若干の調査をいたしておりますけれども、四十六年度の予算におきましては、全国的にまず土壌の概況調査をいたしたい。と同時に、ただいま御指摘もありましたように、全国の何カ所かでは現実の問題として汚染問題が起こっておりますので、そういう地区につきましては細密調査をやりますと同時に、あの法律にもございますように、具体的にはそこでの対策は知事が立てるということになっておりますので、そういう対策をやるための経費、それからそれに基づきます調査費も予算に盛っておりますので、その法律の施行をなるべく急ぎまして具体的な対策に乗り出したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○和田(一)分科員 何カ所くらいあるか私わからないのですが、いろいろな紛争があると思うのです。そういったことで解決したところがあるかどうか。それから、その中でどういう問題点があったかということを簡単に述べていただきたい。
○中野政府委員 何カ所ぐらいあるかというお話でございますが、現実に厚生省が要観察地域ということで指定をいたしましたのが七つ、それから、もうすでに富山の神通川のように対策地域ということでいろいろ厚生省のほうで対策をとっておる地域が一つということでございますが、そのほかにもいろいろの地区について問題が出てきておるわけでございます。その点をわれわれこれから調査を進めるということでございます。
○和田(一)分科員 実はその具体的な問題をお聞きしたかったのですけれども、私ここに一つ例を持っております。これは栃木県に小山市と野木町というところがある。この二つの市町がオリジン電気という会社から出されたところのカドミウムで汚染されたのです。こういう事件なんですが、これは御存じですか。
○中野政府委員 県から正式にはまだ私たちのほうにはきておりませんけれども、先般事務的に先生のほうへ伺いましたときにいただきました資料を持っております。
○和田(一)分科員 その問題なんですけれども、これは公害問題ですから、特にカドミウムという問題は安中でも相当大きな反響を呼んでおりますし、これは県だけではどうしようもない問題が出てくるのではないかと思うのですね。ところが、いままでもよく聞いてまいりますと、やはり県しかいまのところ解決のあれは持っていない、こういう状態なんです。一つ例を申し上げますと、いろいろありますけれども、現在は県だとか市が仲介に入って、いわゆる加害者とみなされる会社と交渉しているわけですね。いろいろ要求があるわけですけれども、いわゆる加害者としての会社が補償金の支払い不能になった場合どうするかという問題がある。それは国であるとか、県であるとか、市の一体どこが持つのだろう。この場合水田ですから、農家はそれで生活をしているわけです。しかもこれは毎年毎年、もうあと一カ月とか二カ月すれば始めなければならない仕事ですね、田んぼですから。それで、現在どうするかという問題があるのですね。そういう点なんですけれども、そういうことで農林省としていままでいろいろな解決に奔走されたとか、またはそういったことで問題を提起されたということはございましたかどうか。
○中野政府委員 最初にお答え申し上げましたように、国として、制度としてあの問題に乗り出すのは、今度の土壌汚染防止法が制定されましてからでございます。ただいままでは、県からのいろいろな御相談があった場合にいろいろお知恵をかすということで、国みずからがその会社との交渉に乗り出す、こういうことではございませんでした。ただ本問題は、今度法律が施行になりましても、具体的な対策、計画は、政府のつくります方針に基づきまして具体的には知事が立てるということになっているものですから、やはり知事が中に入りましていろいろこまかく末端との調整はやっていただく。それに対する方針を中央でいろいろ御指導申し上げる、こういうことになっております。
○和田(一)分科員 では、たとえばいわゆる加害者と目される会社が補償金の——補償金といってもいろいろあると思うのです。たとえばその土を反転したという場合があるかもしれませんし、全部とりかえたという場合もあるかもしれません。それから、できた米を買い取るということもありますし、休耕になった場合、それだけの補償をするとか、いろいろあると思うのですね。そういったことが支払い不能になった場合、これはどうなりますか。法廷闘争ですか。現実の農家の身になって考えた場合、どうなりましょうか。
○中野政府委員 ただいまのお話、まだ現実にわれわれもぶつかっておりませんので、具体的にそれではどうかということはなかなか申しかねるわけでございますが、会社が払えない場合に、国がそれではかわってみんな払う、こういうことにはなかなかなりにくいかと思います。
○和田(一)分科員 それはわかります。国の金だって全部税金ですからね。しかし、ではたとえば支払いが不能になった場合、農家はどうして食っていけますか。そこらに何か救済方法を考えていらっしゃるかという問題なんですが、どうでしょう、局長のほうは。
○中野政府委員 そういう具体的な場合がもし万一出てきました場合、その農家の経営状況が非常に悪くなるというような場合は、やはり自作農維持資金等の融通、そういうことは当然われわれとしても考えなければならぬというふうに考えています。
○和田(一)分科員 その点について大臣にも一緒に答えていただきますが、こういうこともある。どこそこで汚染米が出た。そうすると、その県のお米はあぶないから買えない、そういうことがもはやうわさに流れている。汚染米の名前で、そこが全国的に知られるわけです。ですから、特に自主流通米の場合なんか非常に影響がある。さらにまた、そちらのほうのお話ですと、ことしの秋なんかは消費者の値段がだいぶ変わりますね。ということは相当自由に取り扱われる。そのときにレッテルを張られたところの県の産米というのは非常に影響を受ける。これは徹底的にそういう汚名をそそいでもらいたい。こういう希望が実は農民からあるわけです。県としてはそこを指定をして、そしてたとえば用水路の改修であるとか、そういうことはできますけれども、そこまでは私はできないと思うのです。そういった点、大臣、お考えはどうでしょうか。
○中野政府委員 大臣がお答えになります前に、ちょっと私が補足いたしたいと思いますが、ただいま用水路の改修というお話がございました。この用水路の改修だけでございませんで、土壌がカドミウムに非常に汚染されていた場合は、それを排除して客土する、あるいは水源確保のための用水路を変更するとか、いま仰せになりました用水路改修、こういうことも含めまして、これは県知事が対策計画を立ててやるということで、ただいま最初に申し上げましたように、省政令等を準備いたしまして、これから実施に入りたいというふうに考えているわけでございます。
○倉石国務大臣 具体的にいま小山のお話が出ておるわけでありますが、その小山の実情は私まだよく存じておりませんが、その地域を土地改良等やる場合、それぞれのやり方をきめておることは御存じのとおりでございます。ただ、厚生省でもいっておりますように、一・〇PPM以下の含有しておるものは少しも危険ではない、こういっておられますけれども、農林省は、一ころ〇・四PPM云々の問題が出まして、地方の皆さんがそういうことについて御不安を持っていらっしゃるようだから、それは農林省が買い上げます、しかし配給はいたしませんということを表明いたしておるわけであります。一・〇PPM以下の米ですと、初めカドミウムが騒がれましたころはいろいろ不安も出てきたかもしれませんが、このごろでは、もう全体に、一般の地方の方々も消費者の方々もそういうことについて理解を持っていらしたようでありますので、たとえば一ころ富山に出ましたが、富山の米は要らないというようなことをよそでいわれて、たいへん富山が迷惑をした、ああいうようなことはだんだんなくなってくるのではないかと思います。私どものほうでも、そういうことについては十分に一般に理解をしていただくようにつとめたいと思っております。
○和田(一)分科員 時間がありませんので、現在農家の方々が考えている問題、それから一番心配している問題をちょっと並べてみますから、よく検討してもらいたいと思うのです。 会社の補償が考えられない場合は稲作を続けるというのです。土を取りかえない限りはまだたんぼの中にカドミウムが入っているわけですから。それが一つです。ほとんどがそういう希望です。それから、いま言ったような汚染米の出たところの市の米は買えないという問題。もう一つは休耕補償をみんなたよりにしているわけなんです。たとえば、汚染の激しいところは休耕というふうに県のほうでいわれるわけです。それは当然だと思うわけです。その補償をどうするかという問題。それで一体何年くらい休耕しなければならないかという、そういう具体的な問題があるわけです。しかも食物じゃなくて花であるとか、そういったものをつくれというふうにいわれているわけなんです。そうすると結局技術の問題もあるのです。じゃ、転作した場合にそれで生活ができるかどうかということもあるわけです。さらにまた、汚染田を宅地にする場合、今度はそこへ土盛りしなければならない。それだけの資本もかかるということ。ですから、いずれにしても被害はたちどころに農民が負っているわけです。そういう基本的な救済方法を、時間がありませんからまたの機会にお答え願いたいと思うのですが、あるということをひとつ御了承願いまして、大臣、この点につきましても御検討願いたいと思います。
○倉石国務大臣 よく検討いたさせます。
○和田(一)分科員 次の問題に入ります。 次は、ただいまも細谷先生から質問がありました農薬の問題なんですが、最近卵にも農薬が出ているというふうに出ておりました。大阪のほうのある衛生研究所で調べたところが、卵にも農薬が出た、DDTだとかBHCが出た。これは二月十七日のある新聞ですけれども、そこで厚生省の——厚生省の方、来ていらっしゃいますね。厚生省の乳肉衛生課長さんの話で、鶏の卵から農薬が出たのを初めて聞きました、さっそくこれから調べてみたい、こういうふうにその談話が新聞に載っかっているのです。私はこれは本末転倒じゃないかと思うのです。そういうふうに地方地方でいろいろなものに騒がれてからやっと中央の方が目を向ける。その点厚生省のお考えはどうでしょう。
○小島説明員 私、この答弁をいたしますのに適任であるかどうかわからないのでございますが、乳肉衛生課長がそういうことを申しましたというのはまことに遺憾でございます。しかしながら、たいへん残念なことに、厚生省の農薬の行政というのは非常におくれておりまして、私のところでは主として農作物の残留農薬をやっておるわけでございますが、私の課ができましたのは昭和三十九年です。昭和三十九年からようやく農薬についての仕事が始まったわけでございます。先ごろ行管の勧告もございましたように、農薬の調査研究体制というものが非常におくれておりまして、私どもとしては昭和三十九年以来毎年予算等も増額していただいてやっておるわけでございますが、非常に立ちおくれております。私どもとしては、今後一生懸命になりましてやってまいりたいということで、これは乳肉衛生課のほうも現在牛乳のほうにかかりきりでやっておりますが、さらに卵あるいは肉等についても全国的な調査をして、早急に基準を設定したいということでやっておりますので、私どもも非常に及ばない点は申しわけないと存じますが、今後とも一そう努力をして、できるだけ早くこういう問題は解決したいと考えておる次第でございます。ただ、卵につきましては、どうも輸入のえさを全部使っておりまして、輸入のえさの中にあるのではないかというふうに考えておりまして、現在農林省のほうとお打ち合わせ中であります。
○和田(一)分科員 それでは、今度卵から野菜に話を変えまして、実は私この間現地調査をしたのですけれども、指定産地になっているあるところですが、いわゆるビニールハウス栽培ですね。そこでキュウリがとれるわけです。ハウスだとキュウリが年二回くらいとれるわけで、非常に率がいいということです。ところが、これはいままでアルドリンというのをまいておったのです。ところが前回の国会で農薬がだいぶ規制されるようになった。そして農業協同組合長さんだとか共同出荷の組合長さんあたりから、アルドリンはもう使わないほうがいいんじゃないかという話を受けた、こういうわけなんです。その方がるる話すところによりますと、実はキュウリの場合、アルドリンは〇・〇二PPMまではよろしい、こうなっておるわけです。そうですね。ところがある公的機関ではかってもらったら〇・二PPMあった。それはそれで済んだわけなんですけれども、それを一体これからどうしようか。できた野菜を、たとえば大阪、東京のような大きな市場へ持っていきますと、はかられるおそれがある。はかられるおそれがありますと、これはもう廃棄処分にしなければならない。自分が苦労したところの作物が何もなくなってしまうということで、それじゃそういうおそれのない、いわゆる中小都市の市場に持っていく以外にない。しかしそういう面で、アルドリンという農薬であるけれども、劇薬ですね、そういうものを使いたくないけれども、いままで使っておったわけです。さらに良心の板ばさみにあって、一体おれたちどうしたらいいんだというのが野菜栽培農家の気持ちなんですね。で、このアルドリンも実は安いのですね。これは去年まではせっせとまいておったけれども、ことしからは使わなくした、これが現状なんです。そうしますと、これは農家けしからぬというふうになりますけれども、しかし農家にしてみれば、このアルドリンというのは農林省登録第四九九二号なんです。しかも、しかるべきところの機関を通じていろいろ指導してもらってこれを使っているというものなんですね。じゃそのしりは一体どこへ持っていけばいいかということが問題なんです。その点についてお考えはどうでしょうか。
○中野政府委員 ただいまのアルドリンの問題でございますが、これは確かにいままではあまりこういうことについて関心が払われてなかったわけでございます。最近いろいろな調査をやってみますと、土壌中にアルドリンが残りまして、三年くらいは消えないのではないかというふうに思われます。ただ、土壌中のアルドリンを吸収しまして汚染される性質は、農作物の種類によってかなり違いがあります。たとえば野菜のうちでもキュウリなりバレイショは汚染されやすいけれども、トマトやナスは土壌中のアルドリンによって汚染されることはほとんどないというようなことが明らかになりましたので、今後は、先ほど細谷先生のときに申し上げましたように、アルドリンは指定農薬にいたしますけれども、もう蔬菜には使わないほうがいいんではないかとわれわれ考えておりますが、そういうふうにして使用の規制をきびしくすると同時に、やはり過去においてアルドリンを使用した土壌につきましては、やはり先ほど申しましたトマトとかナスとかその他花とか、そういうものに変えてもらって、そういうアルドリンがキュウリに出てきて市場で検査の結果販売停止になるということのないようにひとつ指導をしていきたいと考えております。
○和田(一)分科員 厚生省の方に聞きますけれども、アルドリンは〇・〇二PPMまでは何とかいいというふうになっておりますけれども、大体人体にどういうふうな影響がありますか。
○小島説明員 アルドリンは、これは有機塩素系の農薬でございまして、これの特徴といたしますところは、人体にわりあい蓄積しやすいということでございまして、やはり人体に蓄積いたしますとじん臓とか肝臓、そういう方面に障害が出てくるということでございます。しかしながら、この毒性については、国連のFAO、WHOで評価をいたしました数字がございますので、私どもとしてはそれを参考にして非常にきびしい基準をきめておるわけでありまして、これはアメリカ等では、日本よりも五倍以上もゆるい基準を採用しているわけでございますが、私どもとしては、残念ながらわれわれのきめた基準をオーバーしたものも出ましたので、直ちにこの問題につきましては農林省のほうとも御相談をして、早くこれを下げるということによって国民の受ける慢性毒性という危険を避けたいということで、現在農林省のほうの御指導もいただいておる次第でございます。
○和田(一)分科員 このアルドリンですけれども、実は農家の人がはっきりしてないのです。これを使っていいのか悪いのかという問題、その点なんですよ。だから、知らないところは使うでしょうというところがほとんどなんですよ。これは非常に安いのです。簡単に下にまけば、ネキリムシであるとかミミズだとか、これらは完全に死んでしまうということで、非常にいいと、こういうわけなんです。それも使わないほうがいいぞというような、その程度の末端指導が原則だったわけです。しかし、いま厚生省の方が言うとおり、これは相当危険な劇物のように思えます。それで、いまおかあさんのお乳からDDTが出ておるような状態ですから、これは何もおかあさんだけが汚染されたのではなくて、人間全部が汚染されたと思うのですよ。ほんとうにアルドリン、いわゆるドリン系のもので汚染が始まってくるとどうなるかという問題です。ある学者のデータによりますと、アルドリンの場合は〇・五グラムで三十日ひなを三百匹から四百匹を殺す、それからネズミでも子ネズミは病身、短命で、キジのひななどはすぐに死んでしまう、DDTの五倍だ、こういうふうな報告がございますけれども、このアルドリンを使っていいのか悪いのかという点は、もっと厳密に下を指導してもらいたい。 もう一つは、コンニャクはいいというふうに聞いたのですけれども、コンニャクはこれを使ってもいいのだというふうに言うわけなんですね。しかし、コンニャクというのは土の中にあるものを使うのですから、まともにこれを吸収しているのじゃないかと思うのですが、この点についてひとつ。
○中野政府委員 ただいまのアルドリンの問題でございますが、確かに仰せのように、今度の取締法を改正する以前は、こういうものにつきましても、厚生省の許容量に応じまして、農林省のほうでこういう使用をしなさいという安全使用基準というものをつくって、それを指導しておる、したがって不徹底な面もあるいはあったかと思います。ただ、今回の取締法の改正によりまして、土壌残留性農薬にこれは指定をいたしたいと考えております。指定をいたしますと、今度はその薬の使い方を省令できめまして、そして、そのとおりにやらなければ農家に罰則までかかるというようなことの体系になったわけであります。そこでわれわれとしましては、この四月一日を目標にして、その政省令の改正をいま準備しておりますけれども、その改正後は、ただいま申し上げましたように指定農薬にしまして、これのきびしい使用基準をきめたい。ただ、先ほど申し上げましたように、これはいろいろ先ほど来お話のように問題がありますので、われわれとしましては、これはもう蔬菜等に使わないほうがいいのではないか、かように考えておりますので、そういう方向で農業資材審議会とも御相談を申し上げたいと思っております。
○和田(一)分科員 農家の方に罰則を与えると、これからの場合はいいと思いますけれども、残留の場合が問題です。畑に残っておる場合、もう去年、おととしにこれをまいておりますから、その同じところにやると、また土から吸い込んでキウュリが汚染される、作物が汚染される、それを市場に持っていってやられてしまう、そうなった場合どうなりますか。農家はそれでも全部農家の損ということでしょうか。
○中野政府委員 ただいまのお話の場合、確かに食品衛生法違反ということで販売停止になるわけでございます。そのこと自体は、その野菜を出荷しました農家の損になるわけでございます。それをどうするかという問題、これは前国会でもいろいろ議論のあったところでございますが、両院の附帯決議におきましても、やはりそういうことのために相当打撃を受けた場合、その農家の経営について十分心配すべきではないかという御決議もいただきました。もしそういうことが大量に出てまいりまして、農家の経営に非常な打撃があるというような場合には、われわれとしましてもこの金融あるいはその他の措置をその段階では検討すべきだというふうに考えております。
○和田(一)分科員 大量に出るというよりも、もはやあると同じなのです。というのは土壌も汚染しておりますからね、その土壌はもう使いものにならないのです。今度はハウスを移転するというのですよ。そうすればそういう心配はなくなる。ところがハウスを移転した場合に、普通の農家で移転費が三十万か四十万かかる、しかしあれは全部鉄骨ですからね、もうビニールはぼろぼろになっている場合があるから、移転した場合には新しくつくるとすると百万円ぐらいかかる、一体おれたちどうすればいいのかというのが実際の農家の声なんですね。それはそうなんですよ。そこで今度はそうしないで、しょうがないからことしは使わないで、いままでの畑でつくった場合に、残留農薬でやられた場合に、これはまたすべて農家の損なんだ。これは、ひとつもっと前向きに検討してもらいたいんですがね。農家、踏んだりけったりです、これは。先ほども申しましたように、しかるべきところから指導を受けて使い、しかも農林省の登録四九九二号を信用して使った。時間がありませんからこの辺で終えますけれども、その点について、ひとつ大臣どうでしょうか、お考えは。
○倉石国務大臣 先ほど政府委員からお答えいたしましたとおりでありますが、なお、先般法律が改正されまして、それから厚生省とも御協議の上で、諸般のものの基準等をこれからきめてまいるわけでございます。いまお話のありましたように、すでにまいてある農薬の残留の問題どうなるか、これはやはりなかなか農家個々にとりましてもたいへんな問題だと思います。しかしそういうのを、加害者がわからないで被害をそうやって受けられる、それについて政府が、さっきも申し上げましたように一々政府補償というわけにもいきません。なかなかめんどうなことだと思いますが、やはりそういう場合に、移転をされてほかの地におやりになるとか、あるいは仕事をおかえになるというふうな場合には、できるだけの金融その他のことでは御協力をいたさなければならない、このように思っておりますが、具体的な問題についてはなお十分検討してみたいと思っております。
○和田(一)分科員 時間がありませんからこれで終わりますけれども、ひとつ前向きに御検討願います。 以上で終わります。
○渡辺(栄)主査代理 本日は、この程度にとどめ、次回は、明二十三日午前十時より開会し、引き続き農林省所管について質疑を行なうこととし、これにて散会いたします。 午後七時二十二分散会