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65回国会衆議院1971/02/24

予算委員会第三分科会 第5号

発言数
310
登壇者
26
会派数
4
開催日
1971/02/24

会議録

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間は一応、本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力をお願いいたします。  なお、政府当局におかれましても、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 いままで予算案審議の中で、総括質問や一般質問で議論をしてきたのですが、きょうは医療の供給面につきまして、これを中心にまず質問をいたしたいと思います。  われわれがいままで議論をして、医療保険の抜本改正にあたって、保険料や患者負担などの需要面だけでなしに、供給面を総合的に改革しなければならぬ、こういうことを主張してきたわけであります。それについては抜本改正の第一歩であるというふうな、言うなれば、厚生大臣はじめ総理大臣は今回の健康保険の改正案について非常におざなりな答弁をしてきたわけですが、そういう点で、もう少し具体的な問題について論議する時間がなかったので、供給面を中心に議論をしていきたいと思います。  この抜本改正の問題については私も予算委員会の総括質問のときに要求いたしまして、政府、厚生大臣のほうから理事会のほうへ資料の報告があったわけでありますが、それは非常に具体性を欠いておるし、展望がない。いずれしても、内田厚生大臣の任期はいつまであるのか知りませんが、いずれもう二、三カ月じゃないかと思うし、さらにまた引き続いてやることになればもう二、三年ということになるわけですが、それにいたしましても、医療保険の問題についての改革について展望をつけなかったら社会保障全体は長期の展望を立てることができない。長期構想について議論をしてもこれは全部から回り、新経済社会発展計画でもあるいは厚生省の社会保障の長期構想を見てみましても、これは描かれたもちであって、厚生省全体として、厚生省の中に確信を持っているというふうなものじゃ全然ない。みんな暗中模索というふうなことであると思う。ですから、一点突破ではないが、医療保険の問題について国民的なコンセンサスの上に改革の展望を持つということが絶対必要なわけですが、内田厚生大臣の時代には遺憾ながらそのことが――若干の問題については前進のあとを私は否定をしないけれども、見通しが立っていないのではないか。そういうことでまた新しい厚生大臣が来まして、そしてまた同じことを繰り返すということになると、いままでのことと同じように日本の社会保障制度というものは質的にも量的にも前進しない。一兆円をこしたといいましても、国民健康保険に対する財政支出が半分を占めておるという、社会保障の一兆円予算の中でそういう状況だけではこれはだめだ。大体医療保険の関係は独立の省にするか庁にして、そして他の社会保障の面と切り離して大臣が担当するぐらいなことが必要ではないか、こういう意見すら持つわけでございますが、それらの問題はともかくといたしまして、何といっても医療保険の総合政策、抜本改正について一歩でも二歩でも前進をしなければならぬ。これは国会全体の責任である、こういうふうに思うわけです。  そこであらためて質問いたしますが、この抜本改正にあたって、供給面についてどういう面をこれから積極的にあるいは意図的に検討すべきであるか、こういう問題点を、いままで議論したわけですが、もう一度厚生大臣のほうから、もう長い間厚生大臣をしておられるわけですから御承知だと思うので、その点についてまずお答えをいただきたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 大原さんから私の厚生大臣としての任期の点にも触れられましたし、また私は長い間厚生大臣をしているからというお話でございましたが、私は自分自身でも思っておりますが、国会で厚生大臣として医療行政なり厚生行政について一番適任者であったがゆえに厚生大臣になったわけでは決してないと思います。また他の人もそうかもしれません。ただ、これらの行政が今日の政治構造の中において官僚的独善に流れることがないように、私ども政治家がやはり大臣として参りまして、そして国民の考え方を行政の上に反映させる、そういう姿勢であるべきだということで国会議員の私が厚生省に行っておるわけでございますので、私はそういう考え方のもとに、何が今日の国民の意識の中において厚生行政としての要点であるか、また医療制度がどの方向に進むことが国民的な要望であるかというようなことを厚生行政の中に反映をさせることにつきましては、以上申しましたような認識のもとに、だれにも負けないつもりで一生懸命で実は勉強もいたしてまいりました。しかし、これがなかなか複雑広範、かつまた各分野の勢力がみなそれぞれ対立をいたしておりますために、私の任期の長短にかかわらず、非常に実現をいたしがたい問題もありますことは大原さん御承知のとおりでございます。  今回の医療保険の改正法案も、いろいろの御批判の中におきまして提案をさせていただきましたが、これは一つには四十四年のあの特例法を本法に改正する際における一つの約束と申しますか、政府の言明、つまり本法に直りましてもそれで医療保険の問題は済んだわけではないので、二年以内くらいは必ずまた前向きの何らかの案を出す、こういうようなことを申しておることが一つと、また他の一面におきましては、政管健保というものがこのままでは崩壊の方向に向かわざるを得ないというようなこと、もう一つは、抜本改正の全体の姿はできないにいたしましても、いまもお話がございましたが、一歩でも二歩でも前進の方向を医療保険の中でもとりたいというような、そういう考え方をもちまして今回の健康保険法の改正をいたしました。  ところで、御質問の課題でございます医療供給側の問題につきましてはいろいろの問題がございます。まず国民皆保険でありますから、医療需要が満たされるような供給面の体制あるいは配置というものができてなければならないし、また医療機関の数の上におきましても過不足なく整備をされてなければならない、こういうことがまず第一に考えられますので、これはたとえば医者の総数、これまた医者の養成についての大学の整備、さらにはまた僻地医療などに見られますように、保険あって医療なしというような場合もなきにしもあらず、こういう面もございますので、まず医療機関ということを考えます。  それからその次は、やはり医療内容は、医療の技術あるいは薬、注射等の供与というようなことも主たる内容であろうと考えますので、医療の組み合わせが保険医療の遂行上遺憾のないようなふうに組み合わされていなければならないと思います。しばしば世間でも問題になっております医薬分業というようなこともその一つでございましょうし、あるいはまた薬価基準の整備というようなこともそれは関連して起こる問題でございましょうし、したがってまた診療報酬体系の合理化、適正化、これはいい意味での――決してお医者さんをいじめるというような意味ではなしに、これは保険を遂行いたしますためには、医療担当機関というものはしっかりした地位を持っていただかなければ医療の給付は受けられないわけでありますから、いい意味における診療報酬の適正化、合理化というようなことも大きな課題になってまいってきておるものと思います。  さらににはまた、そういう保険だけの医療機関だけでなしに、それよりもう一つ前の保健所といったような、予防衛生とかあるいは国民健康管理というような広い意味の医療制度、国民健康管理制度との調整につきましても十分考えてまいらなければならない大きな背景がある。それを着実に間違いない方向に向かって一つずつ、あるいはまたできれば同時に解決をいたしたいと念願をいたしております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それで、問題点を集中的に議論をしたいと思うのですが、医療保険の供給面あるいは抜本改正の中で議論をする中心点は、医者や歯科医師や薬剤師の諸君、あるいは労働組合や社会保障の関係の諸君も言うわけですが、これはやはり日本の医療保険の制度には原則的に二つの欠陥がある。その一つは技術の評価が正当になされていない。技術が非常に低く評価されている。そういうことと、それから物と技術が分離をされていない。物と技術が分離をされてないところに非常に大きな欠陥がある。だから改革ができない。それはたとえば診療報酬でも、甲乙表の問題だって依然としてこの問題は放任されたままである。たとえば公的医療機関、大学病院や県立病院その他が甲表を使った場合に、たとえば六十円以上の薬を使わなければ損なような仕組みになっている。安い薬を使ったら十三円に押えられるというふうなそういう制度。だから開業医もさることながら、診療所もさることながら、公的医療機関が最近は薬をじゃんじゃん使っている。これは独立採算との関係もあるわけです。大蔵省がいろいろ主張して圧力をかけているといわれるが、そういう問題はそれはそれとして、公的医療機関の任務を果たしていない。反国民的なそういうことを平気でやっておる。それは診療報酬の問題について全然解決されていないことが一つ。  それから、物と技術が分離されていない、というのは医薬分業がなされていないことが一つ。こんなことがいまだに日本の皆保険下において、需要面の社会化がなされている面において、そういう社会化でも何でもない民主化ということがなされていない、分化されていないということは、これは全く方針もくそもないということになる。技術が低く評価されていることと、物と技術が分離されていない。そういう結果、薬を売れば売るほどさやかせぎをする。その結果として、医師の世界においても製薬メーカーの世界においても、悪貨が良貨を駆逐するグレシャムの法則が作用して・いる。だから医者の世界においてもモラルがない。モラルが確立されていない。良心的な医者は非常に悩む。医薬品の世界においてもそういう傾向であります。  つまり、申し上げたのは二つの点である。技術の評価が正当になされていない、そのことと、物と技術が分化されていない、民主化されていないとか、売薬医療というものが横行して、そしてやはり医薬品や医療の供給をめぐって、国民の立場から見ると、非常に国民の健康を害するようなそういう傾向にある。たとえば公害問題で、いろいろあるが、たとえばサリドマイドもその一つですけれども、汚染の問題薬の使い過ぎの問題、薬に対する認識の問題、これが患者を含めて非常に誤らしめておる。これは二つの結果について改善の方策を大胆にとっていない、展望がないからであると思うわけですが、厚生大臣、いかがですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私が先ほどいろいろ申し上げましたそのことは、いま大原さんがあげられた問題とすべて関連があることでございまして、その私の先ほどの答弁の中からおくみ取りいただきたいと思います。  なおまた、特に御指摘がございました物と技術との分離、また医療技術の尊重というようなことも、私どもは検討の対象とする課題として十分心得ておるわけでございます。これはまた医薬分業にも関連するものがございましょうし、診療報酬の組み立て方に大いに関連するところでございますので、現実には大原さんもよく御承知の中医協におきまして、もう昨年来それらのことが検討の課題として取り上げられるようになってまいりまして、いま中医協の公益委員を中心といたしまして、公益委員の一つの一方的な考え方といいますか、公益委員的考え方による課題ばかりではなしに、いまあなたがあげられましたような、世上で問題になっているいろいろな課題をたたき台として並べて、そしてそれを整理をいたしながら、いまお話がございました問題につきまして一つの結論を導き出していただこう、こういうせっかく努力と作業をいたしております。  これらの問題について、私も厚生大臣でありますと同時に、またこの一年、これらのことについていささか勉強もさしていただいた政治家といたしまして、個人的な考え方なきにしもあらずでございますが、私がいまの地位についております限り、やはり、汽車を走らせながらと申しますか、いまの医療供給体制、保険体制というものを動かしながらこれの改良工事をしなければならない。そういう立場にございますので、いろいろなことは一時、将来はよくなるにいたしましても、とまるような、そういうことをここで申し上げながら私は作業を進めるわけにまいりませんので、いささか私も申し足りないところもございますし、かゆいところに手が届かぬような表現もいたしておりますけれども、私は十分大原さんの御意見を承って対処をいたしてまいる所存でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 大体問題がわかったころに厚生大臣はかわっていくわけですが、それと同時に、あなたの任務は官僚独善を排するということなんです。しかし私は、厚生省の官僚諸君の中には、昔のような使命感とかなんとかというものはもう現在ないのじゃないか。やっぱり他の方面が混乱し、モラルが下がってくると、厚生省の中もそうなってくるのじゃないか。ですから必要なのは、中医協に対して、診療報酬体系を改革する、甲乙表はこういうふうに技術中心に一本化する、こういうことについて、これはかなり厚生大臣が専門家の意見を聞きながら事務当局の意見をまとめてやれば、意見が出るはずなんです。そういう出し方を――自分には考えなきにしもあらずとぐずぐず言っていたらかわってしまう。だから、そういう政治責任を厚生大臣がとる。大切なことについて民主的に討議をして、その結果についてはこうだ、この問題について中医協は審議してもらいたい、こういうふうな出し方がないから、いつまでたったって何もできやしない。周辺だけでごたごた扱っていて時間がたってしまうということでございます。それは、厚生大臣がそういう点において政治責任をぴちっととるという態度が私は必要である、これが第一。  それから現品添付の問題は、あらゆる問題が議論されている中で、現品添付をもしやったならば薬価基準からはずすぞ、こういうことは私は一つの前進である。これは内田厚生大臣時代における前進である。あなたの功績がどれだけあったかということは……(内田国務大臣「ない」と呼ぶ)ないと言われているが、私も大体においてそういうふうに間違いなしに思うが、百分の一ぐらいあるかもしれぬ。そこで、現品添付を将来やる、あるいは現金リベートをやる、あるいは不当な景品をつける、そういうふうなメーカーが、悪質なというか、歩調を乱すメーカーがあったならば薬価基準からはずす、そういうことが厚生省の方針としてきちっときまっておりますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 厚生省でそういう方針をきめまして、所要の手配もいたしております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それから甲乙一本化、診療報酬体系についての厚生省の案を厚生大臣が出すべきだ。その点についてはいかがですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 単にその点だけでなしに、私は、先ほど申しましたようないろいろの角度からのたたき台的な案を、いろいろのファクターを入れましたものを、実は中医協を中心として検討をいただいております。それは、私が政治家として、自分の案として中医協に持ち出して、皆さん方の知識をお借りするというのも一つの方法でございましょうが、長年の間これらの問題を取り上げてまいりました厚生省の、生活の知恵ということばがあるようでありますが、そういうこととして、私は、いま私どもがとらんとしている方法をしばらくおまかせをいただきたいと思います。これは何もやらぬということでは決してない。私は一つの理想に向かって、そうしてその手段につきましては、一番実現性があって、合理的で、長年積み上げてきた生活の知恵を生かしながらやってまいる、こういうことでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 たとえば、いろいろな手術にいたしましても、いろいろな技術評価にいたしましても、これはスライドしなければならぬわけですよ、人件費をかけているわけですから、技術料の場合には。そのスライドがされていないということですと、いろいろな人件費が入っていない。これは標準報酬が自然に大きくなるんですから、保険料率は同じでも保険収入はふえていく。その中でぴしっと内部整理ができておれば、それでできるはずです。それで足りなかったら、国民のコンセンサス、納得を得て医療費の値上げをするわけです。そういう基礎がなしに、とにかく赤字負担、赤字負担というかっこうでやっておるところに、今日のさか立ちをしている混乱があるわけですね。これはだめだ。その点についてぴしっとすることが必要であると私は思います。この点はひとつ時間の関係で進んでまいりますが、物と技術を分離する問題点の中で、もう一つはやはり医薬分業だと思うのです。これは薬務局長から答弁してもらってもいいんですが、世界じゅうで大まかにいって、医療保険の制度があるところで医薬分業をやってないところはどこですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 詳細な資料が手元にございませんけれども、スイスの中で実施していない州が十二州あるようでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 小さい国の中で、小さいことを言うなよ。できるだけ、虫めがねでさがしておる答弁じゃないか、それは。主査、おかしいと思わぬかね、ああいう答弁は。大体、医薬分業をやってないのは社会主義国でも資本主義国でもないんだよ、原則として。去年フィリピンがあったけれども、やってないのは日本と、昔日本の植民地であったところ、韓国と台湾だけなんです。この医者の技術と薬を分離するということと、それから薬禍事件とか薬の事故が多いわけですが、そういう事故を防止するということと、それから技術を尊重しろ、あるいは技術料についてスライド制を設けよ、こういう主張は、全くこれは表裏一体の関係なんです。そのことが把握できないような、そういう目標に向かって進まないような行政はだめなんです。私はその点では、分業のやり方等についていろいろ問題があるけれども、たとえば高橋晄さんなどはその点が意見が違うところがある、分業については。私は、やはり医薬分業ということは当然のことであって、漢方薬の伝統があるが、当然のことである。今回初めて一千万円ほど予算案を計上いたしておりますが、これはどういうふうに使うのですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 今年度一千万円の予算が認められましたが、これは大体五カ所分を考えておりま晄して、補助は大体不定額で、三分の一程度を考えております。全国的に医薬分業を推進するという下地をつくるという観点から、府県でこれは当然補助金を組んでもらいますが、そういう地域であって、モデル的に進めていきたい、かように考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それは何年計画ぐらいで推進費を計上してこの仕事を進めていくのですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 本年度が予算の第一年度でございますので、実施状況を見ながら逐次拡大してまいりたい、かように考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これは自民党の前厚生大臣の鈴木善幸君、いま総務会長ですが、その鈴木氏が中心でまとめて各方面の意見を聞いた国民医療政策大綱によると、五年以内にやると書いてある。これは大体もう時間がたって、この制度改革自体が、これはもう鈴木善幸方式というのです。当たりさわりがないけれども、中身がないわけであります、鈴木善幸厚生大臣の特色もよくあらわしておる案でね。そつがないけれども、中身がない。しかしその間若干具体的なことを一つ、五年以内に医薬分業をやると書いているのです。これはかなり各方面をやった一つのコンセンサスだと思う。それを目標にやっているんじゃないですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 その大綱ができた段階では確かに当時の考え方があったのでございますが、それを一つの参考にしまして、できるだけ医薬分業の推進にはつとめてまいりたい、かように考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これが第一の私の質問の段階ですが、第二は医薬品企業の体質改善というような問題について若干質問したいと思います。これは日本のように二千数百も医薬品工業があって、そして厚生省はそれを監督したり指導したりしておるわけですが、実態すらわからぬというふうな国はない。通産省から持ってきて、厚生大臣が許可、監督している企業でありながら正体がわからぬ。外国へ行ってみたら大体、せいぜい四、五百ぐらいの企業どまりではないか。私は、中小企業対策がよくいわれるんですが、これは全然別個な問題である。医薬品企業のあり方という問題と別個の問題である。もちろん現実を踏まえて前向きの政策をとることは必要ですが……。だから、日本の医薬品工業というのは、たとえば八畳の間一つであってもすぐ、薬価基準に登載するような権利をとると、そうするとどんどん食い込んでいって、いままでの既存の企業が宣伝をしあるいは拡張したそういう中へ食い込んでいくというようなことができるような、そういう仕組みになっている。それで実際に目も届かないし、そして医療機関の立場からも国民の立場からもひんしゅくするような事件がそこから出てくる。あるいは薬の事故が多い。それで企業の体質改善の問題が、私はたとえばサリドマイドの問題でも思うのですが、サリドマイドで大日本製薬があのような大きな非人道的なことをやった。これは、企業がそういう薬を生産販売することに取り組む姿勢が私は根本的に間違っておると思う。私は、サリドマイドの裁判の弁護士の諸君にも話をしたんですが、大体厚生省も悪いから訴訟対象になることは当然だが、しかし、これを告発したために、厚生省は、政府は大日本製薬と、加害者の立場に立って裁判をやっている。因果関係の否定その他においてもやっておる。こういうことは世界じゅう希有なことである、ないことである。政府は中立的な立場に立つか、あるいは被害者である国民の立場に立つかである。国民の立場に立つべきである。企業ということを考えても、形は中立であっても国民の立場に立つべきである。それであるのに加害者の立場に立って、大日本製薬と一緒に、サリドマイドのそういう残酷な被害者、そういうものに対して権利を守るということでなしに、企業の立場を擁護するようなそういう裁判をやる。これは日本の薬事法に根本的な欠陥があるのではないか。そういうところに企業の無責任さがあるのではないか。これはフランスへ行って聞いてもスイスへ行って聞いてもそうですが、医薬品メーカーの諸君らは、薬禍事件が起きたらば全部企業の責任です、こう言い切っておる。政府のほうもそういうことについてもうはっきり加害者の立場、企業の立場に立つようなことはしない、こういうようなことを言っておる。法制上もそういうことになっておる。日本は私はそういう点では薬事法を改正すべきであると思うが、厚生大臣はどういうふうにお考えになっておるかお答えいただきたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 サリドマイド訴訟のお話も出ましたが、これはたいへん私どもを激励するようなおことばをいま大原さんが言われましたが、私どもは好んで被告になっているわけでは決してないわけであります。原告のほうから共同被告として訴えを提起されておるわけでありますが、しかし共同被告でありましても、私は、製薬会社である大日本製薬の立場と、またフオコメリア児というものの福祉を考えていくことを一つの行政使命といたしておりますところの厚生省の被告としての立場は、全く違うものがある。製薬会社に対する行政監督上の点もありましょうが、いま申しましたような点から今後私はこの案件の処理にも対処すべきであるというふうに実は考えるものでございまして、大原さんのお説はたいへんよくわかります。  さて、薬事行政についての厚生省の姿勢、態度、また薬事法の改正でございますが、私は、薬事法上必要な点は、検討を加えた上で、改正をすべきものは改正をするのがいい、こう思いましてその検討をも命じております。しかし、それはそれでそういうことでいたしますが、どういう法律をつくりましても、やはり法律に基づく厚生当局の薬事行政の姿勢というものに私は大きな問題があろうと思いますので、私は大臣に就任いたしましても、薬事行政あるいは製薬企業に対する厚生省の姿勢というものにつきまして非常に厳格、厳密な姿勢を守らせるように指導をいたしております。お話のとおり二千あるいはそれ以上の製薬会社がありますが、製薬企業というものはただ一般の消費物資をつくる企業あるいは生産財をつくる企業と違いまして、人の病気をなおしたりあるいは生命、健康をあずかる、そういう物資をつくる企業でありますので、企業としてのあり方のほかに、もう一つ上に乗せられた国民の生命をあずかっているという使命を持つ企業でもあり、したがって企業の構成要素というものは、単に製造工場があればよろしい、販売職員をそろえておればよろしいということではなしに、りっぱな行き届いた研究所というようなものを持つことは私は最低の要件でなかろうかと思いますが、今日の薬事法では必ずしもそういう点は明確でもございません。また、薬は承認申請が出てくればそれを取り上げて検討しなければならぬ。どういうりっぱな新薬でもどういうありきたりのつまらぬ薬でも同列に並べておるとは言いませんけれども、とにかく審査の義務があるような形になっておりますし、またその申請が滞っておりますが、滞っておることがいかにも厚生行政の怠慢のごとき非難をされている面もございますが、申請があればそれを承認しなければならないというような慣例、あるいは考え方がいままであったとするならば、そういう点には反省を加えて、むしろ申請を差し戻してしまう、つまらぬ薬については申請を差し戻してしまうというようなあり方をいたしながら、新薬につきましては十分な安全性とか有効性とかいうことを検討しながら許可していく。一方つまらぬ薬については、なくもがなの薬については差し戻す、そしてこれ以上つまらぬ薬はふやすべきではないというふうにも私は考えるものでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私は一つだけ具体的なことを聞きたいのですが、たとえばサリドマイド、これは催奇性奇形児が生まれるということについては、ドイツでできて、一番の発売元のドイツでそういうことがわかってから六カ月もたっている、こう言って厚生省はできるだけ防戦をして、手違いがなかったようにやろうとしておってぐずぐずして、六カ月も待っている。これは私は薬事法上の欠陥があるのではないか、法律上の。というのは厚生大臣の許可のやり方、昭和四十四年以来若干きびしくしたが、薬価問題でまたあとで議論しますが、二重盲検法その他で議論しますが、しかし、いままでやってきた中で言い得ることは書類方式だということが問題になっておる。実際に新薬を申請する際に書類方式――もちろんそれは動物実験、臨床実験の例が要るわけですが、しかしそのときに厚生大臣が許可をしたということは、メーカーが出した資料に基づいて許可をしたのであって、それ以外のマイナス面の効用、マイナス面の副作用、マイナス面について、その段階でメーカーが隠しておったか、研究が足りなかったか、そういう面についてまで厚生省が責任を負うというようなことは、これは企業責任を非常にあいまいにするのではないか。そういうことによって企業責任を……。働きかけて、許可を受けたならばこれが正しいのだというふうなメーカーの主張を裏づけるようになるのではないか。そうすると厚生大臣とメーカーが共犯者になるのではないか。外国にはそういう法制があるなしにかかわらず、その範囲内で許可したのだから、その範囲以外のものが出た場合にはそれは追跡する責任もある。未知数のものだから追跡する責任がある。その中には過失、無過失の問題も出てくる。そういうことについては、事、薬に関する問題はメーカーはもう一〇〇%の責任を持つ。申請して、そして許可を受けたならば、それを追跡する責任もあるというふうに、企業責任を明確にしなければならぬ。そうしなければ薬の事故とか副作用を防ぐわけにはいかない。あと追跡するわけにもいかない。一たん許可を受けたら厚生省がやったのだからいいということでやる。厚生省はそれを考えなければ――そういうでたらめなことを繰り返しておったのがいままでの薬務行政である。したがって、企業責任を明確にし、政府の責任の限界を明確にするような立場に立って、一たび薬の事故が発生した場合には政府、厚生大臣は名実ともにそれは被害者の立場に立って、そのことについて、生活やあるいはその原因の探求に当たる、こういうぴしゃっとした態度がない限りは薬の事故というものは絶えないし、薬に対する国民の認識を正しくすることはできない。それは薬事法を改正してもやるべきではないか。薬事法についてよくわかっている課長その他がおりましたら、その点は法律上どういうところに原因があるのか、そういう点をひとつ答えてもらいたい。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先生が御指摘になりました承認の規定における法制上の問題でございますが、その責任を法律上どういうように規定するかということはなかなかむずかしい問題ではないかと思います。問題は、その事実関係を正確に、あるいは当時の学問あるいは後のいろいろな研究によってその問題を追及するようなことで、私は一応果たせるかと思いますが、なお先生の御指摘についてはもちろん検討いたします。

大原亨日本社会党

○大原分科員 フランスの薬務局長などは言っておったが、これは薬の事故が起きても政府には責任はないとこう言っている。法律上の責任はありません。それは法律に明記してあります。私はそのコピーを送ってくれと言ってきたが、まだ来ていないけれども、明記している。スイスなどはそういうことはないが、これは全部企業の責任です。企業側も言っている。公害問題でも――これは公害の一種なんですよ。化学物質による汚染の問題副作用の問題ですが、大体ガンが発生するとか奇形児が発生するとかいうふうなものは共通の現象ですが、その場合には企業の責任を明確にしなければならぬということが一つ、この問題は検討してください。それから法制上の問題、検討してもらいたい。厚生大臣、よろしいですか。  それからもう一つは、企業を許可するにあたって、戦後焼けあとから立ち上がって、そして医薬品メーカーも出てきたということもあるでしょう。法律があっても運営の問題があるでしょうが、研究調査機関を持っていないメーカーは医薬品製造所として許可を受ける資格はない。そういう場合に研究開発についての機能を持っていないものは、これは資格はない。研究開発の機能というのは何かというと、新しい薬品の探求、これは必要でしょう。新しいガンとか、そういう薬品の探求、それからマイナスの効用として副作用の問題があるし、副作用の追跡がある。日本のような、医薬分業もされていないし、鑑識のチェック機能もないようなところでは、自分がつくっておる薬においてそういう事故がたくさん起きても原因があいまいになる可能性もあるのだが、そういうことを追跡する責任をやはりメーカーに持たせなければならぬ。外国と比べて日本の医薬品の企業がどのくらい研究開発に投資しているか。そういうことについての資料がありましたらひとつお答えいただきたい。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 医薬品工業における研究費の支出状況、これは総理府統計局で調べた数字でございますが、四十四年度で資本金一億円未満の一社当たりの研究費は千二百三十七万円でございます。それから資本金一億以上でありますと二千七百六十八万円になっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 あとでわかりましたら、大体においての目安でよろしい、国際的な比較を答えてください。  そこで私は思うのは、中小企業が二千もあるでしょう。研究機関なんというもの、追跡機能を持っているものは中小企業の中にはあまりないと思うのですね。実際はだれか一人が分担してやっておるかもしれない。まじめな人が、自分が、開発した人がやっておるかもしれない。あるいは委託した大学がやっておるかもしれない。それに対して調査費を出してやっているかもしれないが、私はそういう点において、調査研究なり、そういう機能なりがないものはだめだ、というのは、たとえば中小企業だったら協同組合をつくってそういう研究機関を設ければよいのです。大企業はこれは株の値段が三百円、四百円、五百円というふうに一番大きな成長産業――これはおかしなことだけれども、保険は赤字になって国民各界苦しんでおるのに、メーカーの中には株が四百円、五百円というものもあるのです。成長産業で花形産業になっている。これはまたおかしなことであります。そういうのはこういう機会に、自由化の問題が一つあるが、企業の体質改善として研究開発、追跡の機能をきちっと持つような、そういう条件をメーカーに付することが必要である。できない場合は協同化してやるべきだ。それぞれ一社ごとに利潤追求、そのほう一本で売り込んでいくような態勢をこれはチェックしなければならぬ。そういう面において、医薬品製造業者の資格について私はかなり――公害に対して企業が出費しておるのだ、五%では足りない、こういうことをいっておるのだが、医薬品工業はもうかっている。よそのバルクを持ってきて、原料持ってきてまぜ合わせて、テレビでやったら一獲千金というようなばかなことはない。この薬に関することについては、そういう副作用の問題等含めて、やはり研究のあり方について姿勢を正すような、そういう法律上、政策上の体制をやるべきであると思うがいかがですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先ほどちょっと答弁が不十分でございましたが、資本金一億円以上の会社でありますと四億三千九百万円になっております。それから上位会社におきます研究費の割合は大体四%弱でありまして、外国に比べますと大体半分程度というふうにいわれております。  それから先生の御指摘の、研究所を持たないような企業は製薬企業として、はなはだ不十分であるという点につきましては、現在薬事法が保健衛生法規であるという観点、それから歴史的ないろいろな法律の状況からしまして、衛生上のいろいろの最低の構造設備を要求するような仕組みになっておりますので、御指摘の点につきましては十分将来の研究課題として取り組みたい、かように思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 上位の大きな製薬企業の研究開発費が四%というのはこれは低いのです。蓄積もない上に低いわけです。それは外国の半分。一〇%が全部の水準です。しかし日本は中小メーカーが占めておるわけですから、中小メーカーはほとんど研究開発のためにやってない。やっておるところもあるけれども、やってないところもある。そうすると、一般の企業を公害問題に対して、たとえば化学物質による直接間接の汚染の問題について五%からさらに一〇%ぐらい出すような大勢にあるときに、医薬品がこれほどたくさん、スモン病とかその他、たくさんある化学物質を必要以上にからだに投入すればいろいろな影響を受けることは当然です。ですから、そういうときに研究開発や副作用の追跡等についてやらなければ企業の体質改善はできないのではないか。この点は私は、企業の一つの大きな死角ではないか。皆保険のもとにおける医薬企業の責任であると思う。  もう一つは、ついでに医薬品企業の問題で、五〇%自由化を一〇〇%自由化にするわけですが、日本の医薬品は三%程度しか輸出をされていない。だからほとんど外国の技術を直接間接に導入するということでやっておるわけです。それに対して資本が一緒になって一〇〇%の自由化が行なわれるということになりますと、日本の製薬企業はどうなるかという問題がある。私どもは、今日まで製薬企業がそういう技術開発に力を注がなかった、そのために国際的にも評価されていないというのが日本の輸出の量であり、これがバロメータであると思う。そういう点から考えてみて、日本の医薬品企業の体質的な今日の弱点がある。かなりもうかっている企業があるわけですから、この際そういう体質改善について当然対処すべきである。そのことから考えて、一〇〇%資本の自由化が本年内に行なわれるというふうにいわれておるけれども、これが行なわれるのかどうかということが一つと、それに対応する日本の医薬品工業のあり方をどういうふうにしていくのか、どういうふうに体質改善するのか。そういう二点について厚生省の見解があれば――見解があるはずですから、通産省の出席を求める必要はないと思うので、厚生省のほうからお答えいただきたい。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 資本自由化の問題につきましては、現在第四次の自由化の問題が外資審議会のほうで検討されております。先生御指摘のように、日本の製薬企業の輸出は三%で、また逆に輸入等は相当行なわれておりまして、製薬企業の生産高八千億のうち、少なくとも半分ぐらいは外国の製品の提供を受けておるというふうにいわれております。したがいまして、一〇〇%の問題につきましては、いまお話のありました研究費三%の例をとりましても、あるいは輸出額等を見ましても非常に弱体でございますので、一〇〇%自由化につきましては慎重に対処してまいりたい。スケジュールとしては、ことしの夏までに外資審議会で最終結論が出るというふうに聞いております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それに対応する政策はありますか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 やはりこの研究費について十分に見まして、そして新薬の開発等ができるような体制に考えなくてはいけないではないか。それには設備の近代化をはかりますとか、あるいは合理化をはかりますとか、そういう点につきまして十分な指導体制が必要ではないか、かように考えます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それも月並みな答弁です。つまり、技術について直接間接日本に与えているやつを、外国の資本がやるときにはカットすればいい。カットして、自分が資本を持ってきて日本で医薬品として許可をとって販売すればよろしい。こういうことになると日本の医薬品メーカーのそういう技術開発能力に対する対策、あるいは行政のあり方というようなものから考えてみまして、日本の医薬品工業というものは全く外国の資本と企業のイニシアチブのもとに行なわれるのではないか。それでなくても日本においては薬が簡単に許可される。日本をたたき台にして、モルモットにして、そして新しい薬を開発するという考え方が国際的にもかなりあるのじゃないか。だからそういう点で、自由化に対応して日本自体のそういう問題について改善すべき点がたくさんあると私は思う。漫然とこれをやるならば、医薬品の基礎というものが非常に問題になり、そのことがひいては医者の一部を浮かし、行政を浮かし、政治を浮かすということになる。こういうことになれば、日本全体の国民医療というものは確立できないのではないか。私は、自由化に対処して、もう少し系統的な、組織的な対策を立てるべきではないかということが一つ。  しかし問題は、入ってきても再販その他、大衆薬とくっついた販売組織がないから、外国の企業ではできないというふうに簡単に考える面もあるだろう。しかしこれもいろいろな面で、いままでの実績の上に結合して販売組織をつくればやれるわけですから、そういう面において、日本の医薬品企業の利潤追求だけでなしに、体質をこの際改善するということについて、そういう化学物質による汚染、薬の使い過ぎ、医療保険財政への非常に大きなマイナス面の影響、副作用の問題、それと一緒に、自由化に対応するために医薬品企業の体質改善の系統的、組織的な対策を立てて、それに総合的に対処することが必要ではないか、こう私は思いますが、いかがですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私、率直に申しまして、大原さんの御意見はまことに傾聴すべき御意見であると思います。私も実は似たような考え方をもちまして対処をいたしておるわけでございます。長年やはりいろいろ行政の習慣等もありまして直ちに実現できない面もありましたが、しかしいま自由化の問題も迫ってきておることでもございますので、あなたの貴重な御意見を私は十分薬務行政に反映させるように一そう努力をいたしたいと思います。また法律を変えなくても、いまの研究施設の充実とか、あるいは副作用追跡研究施設の充実とかいうようなことは、たまたま、御承知と思いますが、薬製造業は許可事業になっておってしかも許可の年限まできまっておりますので、そういう際に、私は、現行法の運営によりましてもある程度、あるいはそれ以上やろうと思えばできる問題でもございますので、やらせるようにつとめてまいりたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 外国に比較をいたしまして考えてみると、日本は十万品目以上の薬を許可されておるわけです。しかし実際に生きておるのは二万数千だといわれておるわけですね。さらに薬価基準にいたしましても、保険に採用されておるのは八千ですか、これまた多いわけです。しかし、薬がもう全然整理をされておって、分業がされていて、そして薬として生きている。たとえばこれだけ許可したならばこっちは取り消すのだというふうにワクをきびしくやっておる場合には、薬価基準と許可品目との間においてはみぞが少ないのではないか。許可したものは全部保険に採用することができるというのですが、日本の場合だったらでたらめになってしまう。薬価基準自体が、そういう市販の許可されておる薬が圧力をかけて広げていくという仕組みになっておる。実際に病院等で使っているのは一千以下でしょう。大きな病院だって、東大病院だって慶応病院だってそうでしょう。普通病院だったら薬は三、四百じゃないですか。だから薬の名前を覚えるだけでもたいへんなことだ。だから結局は薬を売り込むということになる。そこで、いままで許可いたしました既存の薬を洗い直す。  それからもう一つ、薬の効能問題懇談会を厚生大臣はあなたの任期中に設けておるけれども、これが答申が出るのは大体いつなのか。それが出てどういう点を改革しようとしておるのか。内田厚生大臣は薬効の問題懇談会を設けておいて、そして二重盲検、薬効の判定その他の問題を含めてやると言っているが、その懇談会結論が出ないうちに内田厚生大臣は七月にはかわるというようなことになって、また新しい厚生大臣が来るということになると、これは何にもならぬことになる、あなたの留任を希望するけれども、やはりそうはいかぬ情勢もあるかもしれぬ。全部かえなければ、長く置いておいたらろくなことにならない。それは佐藤内閣の寿命とともにきまることであろう。いずれにいたしましても、薬効問題懇談会の結論はいつごろどう出るのか。これを受けて審議されていることはわかっているわけですから、薬の洗い直し、そういうことについて相当思い切ったことをやらないと、医薬品企業のモラルというものは確立をしない。私はこう思いますが、いかがですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 大臣の御答弁の前に、私のほうから事務的にお答えを申し上げます。  第一点の薬効問題懇談会の審議状況でございますが、これは九月から現在まで六回開いておりまして、その際効能について再検討を行なうべき薬品の範囲とか方法等につきまして、学者の方々でどういうふうなものを、どういう方法でやるかということを主として学術的な面から検討されております。したがいまして、その御答申がこの春には出るものというふうに私は期待しております。それが出ますと、その基本線に従いまして、私どものほうとしては具体的なスケジュールを立てていきたい、かように考えております。  それから安全性の問題について、見直し等についてはどうかというような議論でございますが、これも外国等の情報、あるいは国内メーカーには新薬の場合には二年間の副作用情報義務を課しておりますが、そういう情報を総合的にとりまして、薬事審議会の安全性部会でこういう問題の検討を行なっております。以上でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 時間もだいぶ来ましたから……。それで、薬効問題懇談会でいろいろ議論になっていると思うのですが、とにかく害がなければ薬として存続するというふうなことですね、害がはっきりしなければ、害を隠しても、目に見えない場合も含めて。そういうことではいけないのであって、私はビタミン剤や肝臓薬を目のかたきにするわけではないけれども、これをはずしただけでも日本の医療費というものは影響があると思うわけです。外国へ行って聞いてみると、日本のように大量に医薬品を消費しているところはない。だから生産をたくさんやるならばコストが下がってもうかりますから、ほかのほうの開発が進まないということにもなっている。これは国際的な評価というものはきまっているのですから、こういう問題についても再検討をする。そして薬の効能についてはかなりきびしく積極面を検討すると一緒に、副作用の面を両方検討して、そして、いまお話があったように外国の文献等、研究成果等も取り入れて、許可品目のリストを整理する委員会を設けるとか――これは単なる既得権とは違うわけです。公共の福祉の立場からチェックできるはずですから、そういう点でやはり総点検をする。企業もいままでの惰性に流れることなく、自分が申請しておる許可品目についてはきびしい観点で、この薬こそはというように、良心的な薬が通るような、そういう申請のし直しを一定の期間を設けてやるとか、そういう両面から整理をして、薬に対する権威というものを確立していかなければならぬ。薬局の前へ行ってみなさいよ。赤マムシとかなんとかいうものが一ぱい出ている。日本みたいなことはありゃせぬ。赤マムシを飲んだらすぐきくとか強くなるとか、まるで脅迫じゃないか。赤マムシなどというものが出て、それが薬だというふうに考えられるというのは、何でも厚生省が許可すれば――あの冷蔵庫なんか見たって、全く日本の製薬行政はでたらめだと思う。薬についてもう少しきびしい考え方を徹底的に確立しなければ、これはやはり公害問題と同じですよ。大きな社会問題になることは必至なのだから、問題がある限り私は言い続けるのだ。だからこれはほんとうに医薬品企業も自縄自縛、自殺行為になる。だから国民も悪い。それから宣伝や広告も悪い。誤っておる。広告の規制の問題がある。きょうは時間がないから言わないけれども、そういうことがある。そういう点についてはきびしく再点検をこの際すべきだ。いまやそういう条件は出てきておる、こう考えるべきであると思うが、いかがですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 まことに傾聴すべき御意見を本日は承ったのであります。実はあなたのおっしゃっておることは、ここにおられる政府委員は、あれはうちの大臣が言っていることと全く同じじゃないか、きょうの質問はうちの大臣が書いてやったのじゃないかといわれるくらい私の考え方がたいへん入っております。あるいはまた逆に私の行政態度というものは、あなたからネジを巻かれてそのままオウム返しにやっているのじゃないか、内田君はいつあなたと同じ政党に入ったのかと疑われているかもしれないと思うくらいのことが非常に多くございますが、あなたは国会議員として、私はまたいろいろむずかしい立場にもおります厚生大臣として、できる限り、きょうの傾聴すべき御意見を取り入れ得る限り取り入れてまいりたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 時間が来ましたから一つだけ。薬務行政の点はまたあとで議論することにしまして、一つだけ予算審議に関係して大蔵省に言うんですが、病院の公的医療機関独立採算は、これは抜本改正の一つとして絶対はずすべきだと私は思うのです。大蔵省に聞きたいのだけれども、大蔵省にそれを押しつけるのだけれども、これははずすべきである。というのは、公的医療機関がたくさん薬を売っておるという例が多いわけです。これは経営上苦しまぎれでやっておる。それがどういう結果になるかというと、保険の財政の赤字をだんだん増しておる。公的医療機関がやると診療機関もこれに右へならえをする。薬をたくさんくれるところがいい医療機関だというふうな錯覚を国民は持っている。これは誤った行政の結果である。だから右へならえして、全部それをやることが常識になっちゃった。そしてチェックもきかないということになっておる。そうすると、国民が保険料で負担するか税金で負担するかということを考えると、これは非常に大きな問題である。だから公的医療機関は技術を中心に良心的な医療をやる。それから僻地においては国民は保険料は納めているけれども、医療機関がない。そういうところには僻地医療機関をやる。あるいは研究教育面をやる、再教育面をやる。こういうふうに中央、地方の税金である程度これをカバーしていく、こういうことが必要ではないか。普通の営業や経営と同じようなことをやると、これは抜本改正ができなくなるのじゃないか。だからそういう面からも大蔵省なども――そういう点については大蔵省の官僚の諸君はかなり使命感を持ってやっておる。途中でへなへなするけれども、やっておる人もある。概して厚生省などは無気力で、全く八方からにらまれて、何をやっておるかわからぬ。そのうち部長にもなるし、局長にもなるからどこかに行こうということでみんなやっているのじゃないか。みんなというか、十人中九人くらいがやっておるのじゃないかと思うが、全く無気力である。それはやはり厚生大臣の責任である、佐藤内閣の責任である。だら私が申し上げたいのは、公的医療機関の独立採算をはずすべきである。そして僻地医療の問題や研究教育体制の問題や公害に関する治療の問題や、そういう問題を取り上げていくべきである。こういう点について大蔵省の見解と厚生大臣の見解を聞いて私の質問を終わります。

相原三郎大蔵省主計局主計官

○相原説明員 たいへんむずかしい問題でございまして、先ほど先生とこの点についてお話ししたのでございますが、一つには診療報酬の体系ともからむ問題でございますし、また公的病院だからといって必ずしも採算を無視してもいいということもないと思うのです。いろいろの面を加味して十分検討してまいりたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 公的医療機関は、御承知のとおり特別会計でございますが、一般会計から毎年かなりの金を繰り入れてもらっておりますことと、幸い旧軍から引き継いだ土地等で処分可能のものもございますので、みずから処分して、その収入と、三番目には借り入れ金をもいたしまして、決して独立採算ということではございません。ただ私は、良心的に申しますと、国立病院――公立病院もこれに準ずるかもしれませんが、一つの使命を持っていると思いますので、その使命達成上必要な限りにおいては独立採算を保つ必要はない。一般会計からも金を繰り入れてもらう。ただ国立病院であるがゆえに赤字を出しっぱなしでよろしいということではならないと思いますので、その辺を十分に考えながら御所論を生かしてまいりたいと思います。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次、小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱分科員 私は元軍人でございましたので、そういう立場からこの遺骨収集の件に限ってきょうはお尋ねをしていきたいと思います。  私どもの経験からも南方諸島、あるいは硫黄島においても大陸においてもそうでありますが、とにかく国のために、祖国のためにと、とうとい命をささげて国防の一線に立たれた方々の遺骨がいまなおどのくらいありますか、数十万柱といいましょうか、その柱が、二十五年もたった今日、いまなお風雨にさらされている。こういう状態をわれわれは嘆いておるわけでございますが、非常に経済も成長した、その後二十五年間も平和な日本でありますが、とにかく全国民のためにと死線に立って喜んで死んでいった、そういう戦友の遺体収集について、厚生大臣としてどういう基本的な御見解をお持ちなのか、ひとつお示しをいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 御承知のように、戦後は終わったといわれておりますが、しかし私ども厚生省には、援護局というものをいまだに存置をいたしております。そしてこれは、旧軍人、軍族あるいは準軍族等の御遺族の方々、あるいは戦傷病者の方々に対する援護の仕事でございますとか、あるいはまた、なくなられた英霊に対する叙勲申請の調査の仕事等も今日なお進めておるわけでございまして、そういうことからお考えいただきましても、私どもの政府と申ますか、あるいは厚生省自身が、海外で軍事行動に従われて、そして戦死をされた方々、あるいはその御遺族の方々に思いをいたさないということでは全くないわけでございます。そこでそういう仕事の一環として、おっしゃるように、外地で戦死をせられ、その遺骨がそのまま外地に眠っておられるという状態はそのまま放置すべきではない、こういうたてまえから、できます範囲におきましては平和条約が発効いたします前から、あるいはまた硫黄島などにつきましては、小笠原諸島の一環として米国から施政権が返還されます前から遺骨の収集をいたしてまいりまして、そのことは私どもの毎年の仕事として予算も確保をいたし、所要の職員を計画的にそれぞれの外地に派遣をいたしましたり、あるいはまたその地域で戦われて幸いにして生存して御帰還になられたそういう方々にも御参加を願いながら、今日でも遺骨収集を続けておるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 国務大臣としては当然そうあるべきだと私は思います。ただそれならばそれなりの具体的な行動面ではっきりとした姿が出てこなければならないと私は思う。毎々遺骨の問題については非常に所管違いの官庁からもいろいろと協力を求めて厚生省が努力をしてきたことはよくわかります。これはわかりますが、その具体的な活動の面で私はどうも理解ができない点があるわけなのです。これは一つの例として、マーシャル群島にはタラワとかクェゼリン、これは玉砕いたしました。それからウエーキ島の敵前上陸もやった。それからアベママ、オーシャンとか、あるいはまたタラワ、クェゼリンの間にウオッヂェという島があった。この辺は第一線ですからものすごい艦砲射撃を受けて、何千何万という人が死んでいったわけです。そういう遺体がいまどういう姿になっているのか、大臣、ここは施政権下にあるから手が届かないのだと言われるでしょうけれども、こういう問題についてはどういう考え方をお持ちになっているのか。まず南方洋上あるいは島々の模様について見解をひとつお尋ねしたいと思います。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 ただいまお示しの中部太平洋におきますところの遺骨の調査並びに収集につきましては、厚生省といたしましては昭和二十八年以降調査並びに遺骨の収集に当たってまいっておりますが、先生の御指摘のとおりまだ十分でない点もございますので、昭和四十六年度における戦没者遺骨の収集計画といたしましては、先生のおっしゃいましたマーシャル群島あるいはギルバート諸島及びソロモン諸島におきまして実施をする。ついででございますが、申しますと、西部ニューギニアにつきましても四十六年度は遺骨の収集をやるという計画を立てておるところでございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 この間大臣に御説明を願いました予算書の中には、遺家族とかあるいはまた多くの戦死者に対する内容が含まれておりますが、この遺骨収集の予算というものはゼロになっている。四十五年度で三百十六万、四十六年度はゼロになっている。私のほうの調べですとこういう姿で、援護局長が言われるような内容の遺骨の収集ができるかどうか。私の言うのは慰霊塔だとか碑だとか、そういうものは別ですよ。遺骨の収集の問題この問題についての予算の説明をひとつ願いましょう。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 いろいろの機会に厚生省予算の説明を申し述べましたが、正直に申しましてやはり私どもの予算の説明の場合は社会福祉とか医療とかいう面の説明が先に立つわけでございまして、そこである場合には遺骨収集の予算について足りなかったことがあったかとも思いますけれども、実際は昭和四十六年度におきまして、あとからまた政府委員に説明させますが、二千万円あまりの予算を計上をいたしてございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 それでは硫黄島の問題についてはどういう予算になっていますか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 硫黄島につきましては、一応昭和四十五年の第四次遺骨収集をもちまして硫黄島の遺骨の収集は一応終了したということで、先ほど大臣が申し上げました二千四百万円の中には硫黄島の関係は入っておりません。

小濱新次公明党

○小濱分科員 一応終了した。あなたのほうの収集実施状況一覧表を見てはそうはなっておりません。現在までまだ発表以前のものが一万五千柱もあるような内容になっております。これでも一応終わったということの一応という説明をひとつしてもらいましょう。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私が説明を受けているところによりますと、硫黄島につきましてはさっきもちょっと触れましたように、小笠原諸島、西南諸島返還前から着手をいたしまして、実は先般私のところにわざわざ現地に遺骨収集に行かれる職員の方々が大臣室にあいさつに見えましたが、防衛庁の方々と御協力のもとに現在でも二、三十人の方が硫黄島における遺骨収集の仕事に従事中でございます。私が聞いているところによりますと、あそこでは二万人ぐらいの方が戦死をされたが、その後ずっと米軍に占拠されておりまして、そして現地の処理が行なわれておりましたために、地表にはほとんど遺骨を見出すことができないので、山とか海岸の洞窟、横穴などの中で戦死をされた方々の遺骨が主体である。しかしそれらの洞窟も入口が崩壊したりしまして、洞窟そのものの発掘作業には非常に骨が折れたが、それらの全貌につきましておおむねこれまで四回の収集調査またそれの予備的調査をもちましてあり尽くせるものは一応終わる。しかし二万人がなくなったのに、私の記憶に間違いなければ今回までの分を入れましてもおそらく四千柱というような程度であったかと思います。したがって一万人以上の方方の遺骨がそのまま不明である、こういうことのようでございまして、まことに残念でありますが、これは硫黄島喪失後、米軍の手によりまして整地が行なわれたり何かしまして、地表上の変動が非常にございますので、そういうことのために遺骨についても非常に大きな数字上の食い違いを生ずる結果を来たしておるのではなかろうか、こういうふうに聞いておりました。

小濱新次公明党

○小濱分科員 南方方面の遺骨収集については、きっといままでは予算計上がしてあったわけなんです、私のほうの調べですと。ところが四十六年度はゼロになっている。ところがいまのお話ですと二千万からのその費用に充てる分があるということでありますが、その中には硫黄島の遺骨収集費も入っているわけですか、もう一度……。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 ただいま大臣がお答えいたしました、現在第四次の硫黄島遺骨収集をやっておりますが、これは四十五年度の予算でやっておるわけでございます。それで、先ほどお答えいたしました二千百万円の遺骨処理費の対象となりますものは西部ニューギニア、マレーシア諸島、ギルバート諸島、ソロモン諸島、こういう方面の遺骨の収集に充てるということで予算は計上されたわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 私も小笠原へ行ってまいりました。残念なことに便がなかったので硫黄島には上陸しませんでした。いろいろとまた現地でも聞いてまいったわけですけれども、硫黄島の遺骨収集の経過をずっと見てみましても、非常に形式的というのか、まるで納得のいかないような活動をしているわけです。たとえば二十七年一月から三十三年までに遺骨の送還は何と百四十五柱、それからそのうち氏名の判明したものが五柱、五人だけ。それから四十四年度においては急に二千八百三十七柱という数字になってまいりました。この中で何と氏名の判明しているのは十一柱、全然骨も見当たらないあるいはまた氏名も判明をしない、こういう状態で今日までずっと二十五年間風雨にさらされてきてしまったわけです。ところがいろいろ聞いてみますると、前の園田厚生大臣が現地に行かれていろいろ見てきたようであります。また現在の橋本政務次官も行ってこられたようでありますが、そのときに園田厚生大臣が声涙してと書いてあるが、この遺骨収集についての報告文を読まれたということなんです。非常に感激しているわけですけれども、その後ずっと遺骨収集の状況が伸びてきたわけです。ところが、大臣はお気づきかどうかわかりませんが、大臣の代になってから、四十五年度においては急に三百二十六柱、氏名の判明したものが一名という状態になってしまった。四十六年度においては今度はもうその遺骨収集の計画は打ち切り、こういうふうになってきているわけです。そこで私は先ほども大臣に、軍人に行かれたことがございますかとお尋ねしたわけですが、軍人には行かなかったけれども、満州に行っておったからと、馬賊の話をされましたけれども、陸戦隊なりあるいは空陸の人たちが死線に立ったときの気持ち、ほんとうにこの身が国防の一線に立つことができるなら武人の本懐これに過ぎるものはないと、みんな喜んで陸戦隊集合のラッパが鳴れば飛んでいって、そうしてその決死隊にみんな参加して戦いをしていったわけであります。そうしてなくなった方々の遺骨がいまなお放置されてある、こういう状態なんですね。ですから所管は違うということで各所管とも厚生省にどれほど依存しているかわからない。厚生省一つに希望を持っているわけです。その厚生省がこのような状態で、しかも今度は打ち切りということになってしまう、こういうことになると、なくなった英霊はどうやって地下で嘆いているだろうかあるいはまた遺家族の心境はどんなであろうか、こういうふうに私は考えるわけです。大臣はお気持ちはないわけじゃない、局長もいろいろ御答弁願っておりますから、よくわかりますけれども、それならそれなりに、こういう書類の上にも、答弁の中にもはっきりと、その具体的な活動の内容が示されてこなければわれわれは納得することができないわけです。やるのだ、こういう予算から引き抜いてきてそうして遺骨収集費に充てるのだというような言い方では私はなかなか理解ができないわけです。厚生大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 多少誤解があるようでございますので申し上げますが、私が厚生省に参りましてから、厚生大臣になりましてから硫黄島の遺骨収集が減ったというようなことは全くございません。私が厚生省に参りましたのは昨年の一月早々、正月でございます。それからむしろ硫黄島の遺骨収集が二月から三月にかけまして本格化いたしまして、まず私の時代の遺骨収集が始まり、それから第三次、昨年の五月から六月にかけてでございます、そのときの遺骨持ち帰りの数が三百二十六柱でございまして、私になってから三百二十六に落ちたということではございません。また、たびたび申しますように、現在防衛庁と協力のもとに遺骨収集をやっておりますので、それがそのうち帰ってまいりまして、その報告に基づいてまた行く必要があるというような事態がありますならば――これは一応もうこれ以上さがしようがないと、こういう報告でございますので、明年度の二千万円の中では硫黄島を入れてございませんけれども、その報告次第によっては入れることもあり得ると思います。  それからまた、二千余万円の金というものはどこからか引き出してということではございませんで、全く遺骨収集のために明年度も組んだものでございます。四十五年度もそういう目的のために組んであるわけでありまして、適当な外国旅費等を流用してやっておるというわけではございませんので、初めからそのつもりでやっております。  ちょうど幸い、いま聞きましたら、ここに第何次かの遺骨収集にもみずから参加された調査課長が見えております。調査課長はあなたと同じように元軍人でございまして、非常な苦心をされましたので、わずかな時間でも状況を聞いていただければと思います。

小濱新次公明党

○小濱分科員 けっこうです、時間がありませんので。いろいろと伺っておりますので、よく承知しております。  そこでちょっと防衛庁に伺いたいのですが、福田運用課長ですか、あなた方の隊には元陸海空の軍人上がりがたくさんいま幹部でおられるわけですね。言うならば、同じ国防の任に当たる立場のいまの防衛庁のその昔の戦友がなくなっている、こういう遺骨収集について、所管が違うんだ、いまの立場でどうにもならないんだ、私どもは厚生省から依頼を受ければ全面的に協力は惜しみませんという、そういう御精神であろうかと思いますけれども、それ以上のやはりお気持ちがあるんじゃないか、私はこう考えているわけです。ひとつお答えいただきたいと思います。

福田勝一防衛庁防衛局運用課長

○福田説明員 ただいま小濱先生のお話を承っておりまして感懐を新たにしておる次第でございますが、仰せのとおり、自衛隊には旧陸海の軍人の経歴を持った方々が幹部としてたくさんおるわけでございます。こういう自衛官の気持ちは先生がただいま仰せられたと同じ気持ちでおること、疑いございません。ただ、私ども、むしろ防衛庁なり自衛隊なりが主体的に遺骨収集の仕事をしてはどうかというような趣旨の御質問かと思うのでございますけれども、やはりこの問題につきましては官庁間の仕事の割り振りというものがございますので、一がいに私たちの気持ちだけで突っ走るというわけにもまいらない面があるわけでございます。  先生ももう十分御承知の上で先ほどお話しになられたのでございますけれども、厚生省援護局のほうで御計画になられますそういう遺骨収集の事業につきましては、私ども他の訓練、演習というようなものを犠牲にしてでも、そちらのほうの応援には労を惜しまない、こういう態度で従来も終始してきたわけでございますし、また今後もそういう考えでおるわけでございます。予算等につきましても、ただいま申しましたように演習とか訓練とかそういった予算の実行ということで十分まかなえるわけでございます。そういうことでございますので、何とぞ御了承をいただきたいと思う次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 演習を中止してでも依頼があれば労は惜しまないという、たいへん固い決意を聞かしていただいてありがたいわけですが、もう一つ自治省にお尋ねいたします。きょうはどなたがおいでになっておりますか。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 宮澤行政局長が来ております。

小濱新次公明党

○小濱分科員 局長にお尋ねいたします。  「小笠原復興計画の大綱」の中に、「硫黄島については、当面不発弾の処理及び遺骨の収集を推進するとともに、戦跡地の保存と整備を図る。」こういう項目が一つあって、なおこの「戦跡の保存及び自然の保護」の中に、こういうことが書いてある。「硫黄島の戦跡を保存し、整備するため、所要の措置を講ずる。」こう書いてあるんですね。ところが硫黄島については、一人当たり二トンくらいの非常に多くの爆弾が打ち込まれたという説がございますけれども、どこにも不発弾が地雷探知器にあらわれてくるということであります。こういう状態で非常に困難な中でどう振興をはかってきたのか、これからどうはかろうとするのか、ひとつ御見解を聞かしていただきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 ただいま小濱委員お読み上げになりました文章、ちょっと私、承知をいたしておりませんけれども、同趣旨のものが昨年復興計画としてきめられた中にございまして、復興計画の中には硫黄島の復興につきましては、ただいまお示しのように、不発弾の処理それから遺骨の収集こういうものとの関連において検討するということになっておりまして、実は硫黄島の復興はそういう条件がございますのでブランクになっております。したがいまして、私どもといたしましては、ただいま遺骨収集のお話が本委員会の問題になっておりますけれども、遺骨収集につきまして早くめどをつけていただき、同時に不発弾の処理というものを急ぎました上でそれとの関連で復興計画を考えませんと、いまの状態では復興計画自身具体的なものを立てるすべがない、こういう状況でございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 ありがとうございました。  農林省に聞きましたところが、実測も全然やってないということでございます。私は硫黄島はジャングル地帯なのかと思っていろいろ聞いてみましたところが、そうでないんですね。身のたけくらいの雑草がはえている程度、そういう中で遺骨の収集がまだ終わってない。そこで調査は一応やったというのだけれども調査漏れもある、まだとにかく一万五千からの遺骨があるわけですから、そういう点で今度はどうしてもこの遺骨の収集ということになれば不発弾処理をやらなければならぬ。これは防衛庁、先ほどの意見はわかりました。ところが暫定措置法が今度は六月一日で切れますと、小笠原諸島には今度は旧住民は持ち土地に家を建てることができます。そういうときにたとえば硫黄島の自分の土地に家を建てたところが、そこに不発弾があって事故が起きたということになればやはり国の責任は免れなかろうと私は思うわけです。  厚生大臣にひとつお答えを願いたいのですが、防衛庁も、訓練は中止しても協力は惜しまない、またいまの自治省の局長の御意見を聞いても、不発弾処理がまず優先されなければ手はつけられない、こういう状態になっているとすると、どうしても厚生省に依存するところが大きいわけであります。今度はいよいよ慰霊塔も建つそうであります。ほんとうに県から一人くらいの代表しか参加はできない、残念だと思いますが、こういうことから推して、どうしてもこの遺骨収集には厚生省としては本腰を入れて、勇断をもって、これからも短期じゃなくして長期に計画を立てるべきである、それが国民に対する義務である、当然のつとめであろう、こういうふうに私は感じます。とにかく、あの硫黄島の突撃のいろいろの小説を読ましていただきました。あるいは実戦記も読ましていただきました。ほんとうに涙なくしては読むことのできないような内容、ああした精神で玉砕していった人のあとの始末、この総仕上げがきちっとできなければ、幾ら防衛庁に国防の一線にああだこうだと要望しても、かつての先輩が、同僚があのような姿でいまなお放置されている遺骨の状況を思うときに、これは喜んで祖国のためとか国民のためとかいって命を的に戦うことはできなかろうと私は思うわけです。今後の日本国の平和のためにも繁栄のためにも、どうしても厚生省の一段の奮起を促さなければならないと私は思うわけですが、時間も来たようでありますから、ひとつ厚生大臣の決意のほどを承りたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 たいへんありがたい御意見で、私どもも鞭撻を受けました。これまで防衛庁当局が非常にに協力をしてくださりまして、さっきも申しました地下壕といいますか横穴にそういうものの入り口をあけていただいたり、あるいはいまお話しの不発弾の処理もずいぶんしていただきました。また、壕の中にガスが充満しております。そういうガスの処理などもしていただきまして、全面的の協力をいただいたもとにこれまでやってまいってきたわけでございますが、御承知のように、幸いあの島には海上自衛隊が駐とんをされておるわけでございますので、今後海上自衛隊に現地の状況変化等につきましてもまた十分御協力をいただいて調べてもらいまして、そして必要な通報をいただいた上で今後の対応策を立てて御期待にも沿ってまいりたい、こう考えるものでございます。

小濱新次公明党

○小濱分科員 大臣、駐とんしている自衛隊に、これからあの島にいるのだから、発見のおりは何か協力を求めるような、そういうお考え方のように私聞けたわけですが、そうじゃなくて、とにかく普通の調査の内容ではあの島の遺骨収集をすることは困難なわけですよ。たとえば地下壕の中に熱気がある。四十五度もある。ガスもある。あるいはがけくずれもある。そうして通路がふさがれている面もある。しかもあの雑草の入って行けないようないわゆる小さなジャングル地帯をどうやって入り口をさがして地下壕に入っていこうとするのか、そういうことを考えると、自衛隊まかせじゃなくして――自衛隊は、先ほども言ったように、訓練を中止してでも、要望があれば協力は惜しまないというのですから、これはその中心になる厚生省の問題なんですから、厚生省また駐とんしている自衛隊に依存をしてということになっては、これはたらい回しだ、つっかけ持ちだ。それじゃ結論が出ません。そういうことでは今後十年たっても二十年たってもこの問題のあとの処理は私はできなかろうと思うわけです。これは日本人としてどうしてもやらなければならない使命であろうと感ずるわけですが、この点についてもう一度ひとつ大臣の決意を伺って終わりたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 まことにありがたい御意向と存じます。私どもも実質的に硫黄島における遺骨の収集を、いまやっております第四次で終わってしまうつもりではございませんので、一応なかなかあとがむずかしいということに立ちましての処理でございますので、あとの問題につきましては私どももさらに積極的にまた計画を立て直して検討して進めるようにいたしたいと思います。私も実は三月二十七日土曜日、あそこに慰霊碑が建てられるというので、国会のほうのお許しがいただければ、これまで行ったことはございませんので、厚生大臣として参りまして、現地の状況を見たり、また皆さんのお話も伺ってみたい、それだけの熱意を持っておりますので、今後ともできるだけの措置を講じてまいりたいと思います。

小濱新次公明党

○小濱分科員 積極的な活動を期待して私の質問を終わります。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、桑名義治君。

桑名義治公明党

○桑名分科員 私は薬問題に焦点をしぼりまして質問を申し上げいたと思います。  薬につきましては先ごろからたびたで国会で再販価格の問題が論点になりまして、いろいろ討議をなされたわけでございます、そこで各製薬会社にいたしましても幾らかの値下げをしなければならないだろう、そういう動きが始まってきたわけでございます。ところがその値下げされた薬をつぶさに検討してみますと、値下げをしたことによってむしろメーカーが値下げ前より以上の利益を得るという妙な矛盾が生じているわけでございます。この点についていろいろとお話を申し上げ、質問を申し上げたい、このように思うわけでございます。  そこで、まず最初に取り上げます問題は、武田薬品のアリナミンA二十五ミリグラムの問題を取り上げてみたい、このように思うわけでございます。このアリナミンA二十五ミリグラムは、ことしの三月一日から値下げをするというように各小売り店にも通達が会社から来ております。このアリナミンAは六十個入りと百二十個入りに分かれております。  そこでこの六十個入りからまず検討してみますと、現在の値段と改正の値段を比較して申し上げますが、現在は六十個入りの値段が九百八十円、改正になりますと九百四十円で、四十円の値下げということになるわけでございます。そうすると小売り店はどういうふうになるかと申し上げますと、仕入れ価格が現在は七百三十五円が七百五円になりまして、三十円の幅があるわけでございます。そして、じゃ、リベートはどういうふうになっているかと申し上げますと、現在はこれは店によって多少違いますけれども、一店舗の例をとりますと、品物の五%がいわゆるリベートとして、現品として返っている。さらにそれから値段を五%差し引く、値引きする。現在はこういうリベートがあるわけでございますが、改正になりますと、その現品のいわゆるリベートがなくなって値下げ分の五%だけになるということになるわけでございます。そうするとこの実質の仕入れ価格は幾らになるか、こういうように申し上げますと現在は六百六十五円、ところが改正になりますと六百六十九円七十五銭ということになるわけです。そうしますと、小売りの手数料は現在は三百十五円で、改正した時点におきましては小売り業者の手数料は二百七十円二十五銭ということになるわけでございます。そうすると、改正前、いわゆる現在と、改正後に小売り店の手数料はどのくらい少なくなるかと申し上げますと、四十四円七十五銭ばかり実際は収入減になるということでございます。そうしますと、小売りの値下げした価格が六十個入りでは四十円値下げしているわけです。ところが、この四十円の値下げのしわ寄せがどこにいっているかといいますと、小売り店の手数料の四十四円七十五銭の減、ここにひっかかっているわけです。したがいまして、小売り店は値下げの分を全部かぶってさらに四円七十五銭の収入減になるというのが実情でございます。そういったことから考えますと、アリナミンAの六十個入りを一個売れば、会社は、メーカーは一個につき四円七十五銭の前以上の利益が出てくるということになるわけでございます。こういうような実情を考えると、いわゆるこのアリナミンが三月一日から値下げになるとはいって発表しておりますけれども、事実はメーカーは全然損失なし、むしろ値上げになっているというのが実情でございます。こういった実情を考えてみますときに、はたして厚生省あるいは公取はこの問題をどういうふうに考えられるか、この点についてまず伺っておきたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 三月一日から仰せのとおり値下げになるということでございますが、これは再販商品でございますので、私のほうで、届け出が参れば内容を審査して法律に書いてある要件を満たしているのかどうかということを詳しく見なければいけないわけでございますが、これは届け出規則によりますと、実際に値上げあるいは値下げのあった日から契約変更の場合は三十日以内ということでございまして、まだ届け出が参っておりませんけれども、したがって先生いまおっしゃった内容で判断をいたすのでございますが、われわれとしては現在再販売価格維持制度の弊害規制につきまして、具体的な基準を私どもの委員会で作成中でございます。これによりまして、不当に消費者の利益を害するとかあるいは再販売価格維持契約を維持するための正当な行為を逸脱しているかどうかということにつきまして、従来必ずしも明確な基準があったとは申せませんので、その具体的な基準をいま急いでつくっている段階でございまして、それに照らしましてもし小売り価格が下がるということ、これは再販制度のあり方からいくと消費者にとっては非常にけっこうなことでございますが、これが中間の中小販売業者に対してしわ寄せがいくというのは問題でございますので、メーカーの価格設定につきましても現在検討を加えている段階でございます。それとにらみ合わせて、仰せの小売りのしわ寄せ、これが不当であるのかないのかということを決定いたしたいというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 私は、もう一点申し上げたい点はどういうことかといいますと、結局アリナミンAが三月一日から値下げになる。ところが、値下げになることによって小売り業者に不当の負担をかけさせるというこの一点も問題になると思うわけでございますが、それと、さらに五%の現品リベートがなくなったとするならば、それだけはもう当然値下げをしていいんじゃないか。いわゆる値下げの負担については小売り業者とメーカーがともに負担をするという幅のある値段構成がなされるならば、まだまだアリナミンは値下げが可能である、こういうふうに思うわけです。そういった点から公取としてはどのように考えられるか、この点についてもお聞きしておきたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 値下げをした場合の販売業者とメーカーとの負担、それがはたして妥当な値段であるか、一方的に販売業者にだけしわ寄せしているのではないかという点につきましては、現在メーカーの価格設定についても問題があるのではないか、出荷価格等についても。その点は検討の一つに加えてありまして、これは近く結論を出すということで進めておりますので、私どもの委員会の結論が出ましたらそれに従って検討いたしたい、こういうふうに思っております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 それじゃ百二十個の場合どうなるか、こういうことも一応検討しておかなければならないと思いますので一応申し上げておきますと、現在は千九百円でございますが、それが改正になりますと千八百円、これは百円の値下がりです。そうすると仕入れは千四百二十五円、改正しますと千三百五十円、これは七十五円の幅です。それから条件は同じように五%、五%。これは一店舗の例でございますから、仕入れの量が多くなれば多くなるほどリベートの比重は大きくなってくる。そういうふうな形になっておりますが、これは一店舗の例をあげて申し上げておるわけでございますが、それも同じように現品のリベートがなくなって、いわゆる値段だけの五%のリベートがくる。それで実質仕入れ価格を計算しますと、現在は千二百八十九円三十銭、改正になりますとキー二百八十二円五十銭。小売手数料はどういうふうになるかといいますと、六百十円七十銭が、改正になりますと五百十七円五十銭、したがいまして小売り業者は九十三円二十銭の収入減になるということでございます。そうすると小売り価格は百円でございますので、大半は小売業者が値下がり分を負担をする、こういうことになるわけです。  したがいまして、よく考えてみますと、百二十個入りよりも六十個入りのほうがよく売れるわけです。そうすると六十個入りのほうが多く業者がもうかるような値下げのシステムにしてしまったわけです。そういったことを考えながら、今後の薬の再販価格についての公取としての考え方を固めていただきたい。そうすればまだまだこういった薬は値下がりをするんじゃないか。巷には薬九そう倍というふうにいわれておりますけれども、実際に薬店にあたってみますと、私たちにはもうけがありません。品物によっては値くずれで、卸値よりも低い値段で売っておるというのがございます。そういったことを考えてくると、この商売ほどうまい商売はない、値下げをしてもうかるメーカーですから、こんなうまい商売はないと思うんですね。だからそこら辺は皆さん方がよく目を光らせながら適正な管理価格にするように努力をしてもらわなければならぬ、こういうふうに思うわけでございます。  そこで次の問題に取り上げたいのはわかもとの件でございますが、このわかもとの件も、三百個入りと千個入り、こういうふうに分かれておるわけでございます。ところがこのわかもとが、旧の値段が三百円、新の値段が三百八十円、これは値下げどころか値上げしているというのが実情でございます。これは四十六年の一月ですから、ことしから三百円が三百八十円で八十円の値上げをしたということになっているわけです。小売り価格は幾らぐらいになっておるかといいますと、二百四十円ということになるわけですね。実際わかもとの場合は値くずれがしているわけです。ところが今度はことしの一月から、これはたしか再販価格になっているわけです。そうしたときにこれが三百二十円ということで押えているわけですね。最低価格が三百二十円ということでわかもとは押えているわけです。これは三百個の分です。  そこで、ここで問題になりますのはどういうことかといいますと、わかもとは包装もほとんど変わりがないわけです、全商品。品質も変わりはないわけです。値上げをした時点でどこが変わっているかというと、値段が再販価格になったということが変わっている。じゃ、再販価格になって、前の値段よりも値上げをするということは何ごとだというわけです。だからその点について、あなたたちの検討の段階で、どういうふうな検討をなさったのか、この点について明確にしてもらわないと、実際に新製品が出て内容が変わったのなら多少はうなずける点もありましょうけれども内容は変わらない。包装がちょっと変わっているということなんですね。そのことによって――変わっている点といえば、再販価格になったということ。いままで再販価格じゃなかった。だから値くずれがしているわけですね。三百円が二百四十円ぐらいに値くずれがしている。消費者の立場から申しますと、二百四十円で買っておった品物が、再販価格で押えられると、実質的な、相当な値上がりになってくるわけですよ。そういうことも考えながらこの再販価格というものを決定をしていかなければ、これはたいへんなことになる。むしろこのときは、再販価格にしたということに便乗して値上げをした、こう言われてもやむを得ない。そうなってくると、その監視をし、届け出をしたときにチェックをするあなたたちの責任を問われざるを得ないということになるのですが、その点についてはどのようにお考えになりますか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 お答え申し上げます。  わかもとにつきましては、これは以前から再販はございます。ございますが、従来の再販価格は値幅再販でございまして、最低二百六十円から三百円という幅を認めた再販、ところが実際は値くずれがしておりまして二百四十円ということになったようでございますが、今度、昨年の十二月一日から、最低三百二十円から三百八十円というふうな値幅再販に改めました。これについての届け出を、これは規則で届け出が要るわけでございまして、十二月七日に公取で受けております。私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、値段が上がった場合、それは品質が違ってよくなって上ったという場合は別でございますけれども、同じものが上がった。しかもそれが合理的理由なくして上がったという場合には、不当に消費者利益を害するのじゃないかという点から問題にしてきておりますし、従来必ずしもその基準がはっきりしていなかったので、先ほど申し上げましたように具体的な基準を、一体どういう点を見て消費者利益を不当に害するというのか、その合理的理由とは何であるかというようなことについて、いま急いで基準をつくりつつあるところでございますが、本件につきましても、現在検討中でございます。ただ向こうで申しております理由としては、原料、人件費等の諸経費の値上がりのために値上げをせざるを得なかったというようなことを申しておりますが、はたしてそういうことであるのかどうか、あるいはいま現に作成中の基準に照らして、これを認めるべきであるのか、さらに、あるいは値下げをこちらで勧奨すべきであるのか、聞かなかった場合にはどうするのか、法律的な措置をとるべきかどうかということについて、早急に詰めて、それに基づいて処置をとりたいというふうに考えているわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 そこで、そういった事例をもう一つ、今度は薬をかえまして、サロンパスとトクホンにしてみたい。このサロンパス、トクホンは、これは特に問題にしなければならないと私が思う点は、これは同じような製品でございます。肩こり、腰痛、そういったときに使う昔のこう薬みたいなものですね。しかしながら、サロンパス、トクホンというのは、お互いに製造メーカーは違います。ところが、この値段は、改定は同じです。それから新旧あわせまして同じ点を考えますと、値段が同じ、枚数、入っている包装が全部同じですね。旧は二十枚入りと四十四枚入り、新は三十六枚入りと六十六枚入りと百二十枚入り、こういうふうに、値段も同じならば、入っている枚数も同じならば、あるいは値上げをした時点も同じ。そうすると、これはお互いに話し合いをやりながらいわゆる値上げをしたというふうに考えなければならないし、さらに問題になります点は、こういった値上げをするときには、製品は変わりはないけれども、入る容量を変えているわけです。旧は二十枚入りと四十四枚入りだったんですよ。そうすると、この二十枚入りと四十四枚入りはなくなって、三十六枚入り、六十六枚入り、百二十枚入りとこうなっている。そうして値段がアップしている。消費者は、ちょっと見た目には、ははあ、枚数が多くなったんだから当然上がったんだなと単純に思うわけですね。ところがこの単価計算をしてみますと、あにはからんや、たとえば二十枚入りの場合は、小売りは八十円から六十円、これは実際に販売されている価格でございますけれども、そうすると単価は四円から三円です、一枚が。そうすると、三十六枚入りで百六十円に再販価格によってぴしゃっと決定をさせられた。そうすると単価は一枚が四円四十四銭、こういうように、一枚の単価は高くなっている。四十四枚入りの場合はどうなっているかというと、旧の四十四枚は百六十円から百二十円の幅で売っていました。そうしますと単価は三円六十三銭から二円七十二銭ということになるわけですね。そうすると六十六枚入りはどうなるかというと、新は二百八十円ですから四円二十四銭。百二十枚入りは四百八十円で四円。こうなってきますと三円六十三銭の四十四枚入りから見ると、これは、数量がたくさん入っている分については必ず一枚の単価が安くなっておる、みんな見ても、どれを見ても。にもかかわらず、逆にはね上がっておる。これは実質的な値上げですね、実際は。これも再販価格になって、百六十円、二百八十円、四百八十円、こういうふうに決定をされた。そうすると、これもやはり便乗値上げのような形になっちゃっているわけですね。いまはそういうふうな、わかもとと、サロンパス、トクホンという二つの薬を例にあげたわけですけれども、こういうような例があるわけですね。この点については公取としてはどういうふうにお考えですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、こういうのがまだほかにもあると思います。私どもでいま、届け出を受けてその内容を全部洗い直しをしておるわけでございますが、そういう場合に、合理的な理由なく値上げをする、これが消費者利益を不当に害するというふうに認められれば、これは値下げを勧告したり必要な措置をとらなければならない。ただ、それじゃどれくらい下げたらいいかというような問題もございますので、その具体的基準につきましては、先ほど申し上げましたように、いま至急検討を急いでおる段階でございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 そうなりますと、今度はこういう例を見ますと、ただ単にコスト高だとか人件費だとか、材料の値上がりだとか、そういったことを言えなくなると思うのです。それはキャベジンMコーワです。このキャベジンMコーワ、興和新薬は実際に胃腸の薬にどいううものを売っているかというと、調べましたところが、キャベジンMコーワ、それからキャベジン消化薬M、それからキャベジンU、キャ部べジン消化薬、キャベジン、こういうように、ちょっとさがしただけで五種類の、いわゆる胃腸の薬があるわけでございますが、じゃあ、この中で一番よく売れているのはどれかというと、いわゆるテレビでコマーシャルで宣伝をしている、森繁が宣伝しているキャベジンMコーワなんです。これが一番もうかっているわけですね。ところがキャベジンMコーワの、一番もうかっている分の薬について値上げをして、キャベジン消化薬MだとかキャベジンUだとか、キャベジン消化薬とかキャベジン等については値上げをしてない。一番もうかっているんだったら、コストが下がってしまって、当然値段が下がらなければおかしいわけですよ、普通一般の常識から考えますと。ところが、一番もうかってコストが一番安く済む薬についてのみ値上げをしているということですね。それも、私が一番気になるのはどこが気になるかというと、薬屋さんに聞きましたところが、原料も包装材料もほとんど変わりません――原料は変わりない、中身は変わりないというんです。どこが変わっているかと申し上げますと、先ほど申し上げたように容量が変わっているわけです。ちなみに例をとって御説明申し上げますと、キャベジンMコーワの三十五個入りというのが昔はあったわけでございます。昭和四十五年十一月二十一日に値上げをしています。旧三十五個入りは価格は百二十円でございます。単価計算をしますと、三円四十三銭になるわけですね。新はどうなるかといいますと、三十五個入りを一個ふやして三十六個入りにしたわけです。そして値段が幾らになっているかといいますと、百八十円になっている。現実はキャベジンMコーワが一粒ふえることによって六十円の値上げをしたわけですね。そうしますと、新の単価は五円ということです。一個について一円五十七銭値上げしたということになる。仕入れ価格は旧の場合は九十円、新の場合は百三十五円。それから単価は二円五十七銭、新の場合には三円七十五銭、手数料は旧の場合が三十円、新の場合が四十五円、この場合は小売り店に幾らか利潤が回るようにはなっています。しかしながらこういった実情を考えると、消費者に過大な負担を負わせる、こういうことになるわけですね。今度は百十個入りと百十五個入りでございますと、やはり同じことがいえる。五個ふやしているわけですね。だから百十個入りの分は三百四十円、百十五個入りの分は四百八十円、つまり百四十円の値上げということなんです。これも単価が、旧の場合が三円九銭、それから新の場合が四円十七銭、こういうことで、一個当たりが一円八銭、これだけの値上げをしているのが実情でございます。だから、こういうことを考えると、これを要約しますと、二点問題があるわけですね。中身は全然変わらない、包装もほとんど変わらない、そしてただ入っている量を、片っ方は一個ふやし、片っ方は五個ふやし、そして六十円なり百四十円の値上げをしている。これは問題である、まやかしだと思うのです。それと同時に考えなければならないのは、そういうまやかしをやっておりながら、しかも一番よく売れる胃腸薬について値上げをした、こういうような薬の実情なのでございます。  こういったことを考えると、上げなくて済む薬が上がり、また値段を下げた薬は、冒頭に申し上げましたように、値段を下げたことによって、メーカーがむしろ得をする、こんな商売はないと思うんですね。値下げをしてもうかるよき商売ですか、そういう実情に現在薬がなっているということでございます。先ほどから何度も申し上げますように、現品のリベートがなくなる、こういうふうなシステムをなくすならば、その幅が必ず小売り価格にはね返って、むしろ小売り価格が下がってくるような方法で、皆さん方も検討をやらなければならぬじゃないか、こういうことを申し上げたいわけでございます。  それと同時に、先ほどあなたの答弁の中にございましたように、いわゆる人件費だとか、あるいは原料のアップだとか、そういう実情があるからといったことで値上げをしているんだ、こういうお話でございますが、その点については私が一番最後に申し上げたキャベジンMコーワの問題は、そういう理由にも当たらない。だからそういうことを踏まえて、今後薬の再販価格の問題についても十分再検討をやっていただきたい、このように思うわけでございます。その点について答弁を承っておきたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 いまお伺いしましたキャべジンMコーワ、それからわかもと、アリナミンA、いろいろ問題がございます。ことに最後のキャベジンMコーワの場合は、どうも正当な理由はなさそうでございます。この点につきましては、現在われわれのほうで――先ほどから再々申し上げておりますように、われわれが再販を問題にしておりますのは、再販の趣旨は、おとり廉売等から、メーカーなりあるいは中小小売り業者の利益を守ってやろう、したがって、それが同時に消費者の利益にもつながるということでございますので、それを逸脱して、小売り価格はさっぱり下げないで、中間段階にマージン、リベートあるいは現品添付、そういうものを出している、それで小売り価格をちっとも下げないというのでは、不当に消費者利益を害するのではないか。それを規制するには、具体的な基準を出して、そこに一定のラインを引かなければならないんじゃないか。ただ、ラインを引きましても、あまり過大なリベートはいけないというラインをかりに出した場合、それではその分が小売り価格にはね返ってこないで、メーカーがふところに入れてしまったのでは、これはあまり意味がなくなるわけでございます。     〔主査退席、松野(幸)主査代理着席〕 メーカーの価格についても、これは同時に見ていく必要がある。そういう点を含めまして、現在具体的な基準を出しつつあるところでございます。それと同時に、それができましたら直ちにこれに照らして処置をいたしたい、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名分科員 厚生大臣の御意見を伺っておきたいと思うのです。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 大臣のお話があるかと思いますが、いまの再販価格の問題につきまして、具体的な例をあげての御質問ですが、この問題は公取のほうでいろいろ研究ないし調査もされておりますが、一般的に医薬品の価格の問題は、やはり企業としては設備費あるいは原材料費あるいは研究費将来の需給見通し、流通経費等、いろいろ総合的に考えていいのではないか。もちろんその間その会社の製品における位置の問題、それから競争品等の問題等々、いろいろな複雑な要素があるようでございます。したがいまして、具体的に先生は品物の名前をあげ、かつ競争関係にあるものをあげて御指摘がございましたけれども、そういう点もいろいろ背後にはあるということを私どもは承知いたしております。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は、いまおあげになりましたような個々の薬についての問題はわかりませんけれども、薬は御承知のように医家向けにつきましても現品添付をやめさせることにいたしました。その反映として、当然私はメーカーの売り渡し価格というものは下がってくる、現に下げつつあるわけであります。でありますから、これは単に医家向けばかりではなしに、同じことは一般用の薬にも反映して、値段が下げられることが望ましいことであると考えておりますことが第一で、ところでその薬につきましては、いまも御議論がありましたように、再販売価格維持契約がございますが、私は、薬の再販売価格維持契約につきましては、やはり小売り業者の乱売競争、過当競争をしないことを守っていただくことが、薬の品質を維持させる見地からも必要な場合もありますので、再販契約というものは、これはなくさないほうがいいと思うわけであります。しかし、いま値下げ問題に関連して、再販を検討される場合には、やはり値下げの利益が、再販のメカニズムの中を通りましても、一般の消費者の利益があらわれるような形で、再販のメカニズムを検討をしていただきたい、こういうことが望ましい、こう考えるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名分科員 以上であります。

松野幸泰自由民主党

○松野(幸)主査代理 この際、午後一時から再開することとし、休憩いたします。     午後零時二十分休憩      ――――◇―――――     午後一時四分開議

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣にお伺いする前に、厚生省の所管だと思うのですが、都道府県では保健所が担当している米飯提供登録制度というのが実はあるわけです。――担当者はお見えですか。これがどのようになっているのか。私は、これをやめるべきであるとかあるいはそのままの形で継続すべきであるというような意味で結論を持ってお尋ねをすることではないのですが、これが非常に形式的に流れているということなのです。手数料を四百五十円取るわけですね。全国で百万店舗くらいありましょうから、約四億ぐらいの手数料が実はあがる。実際それでは切りかえのときにそうした衛生上の調査なんかやるのか。やらないのですね。ただ書類を出さして、判こを押して、その手数料だけを取るという仕組みになっている。戦後これはずっと続いている。こういう形式的なものがいまのような形で進められてよろしいのかどうかという問題が一つあるのじゃないか。やるのだったらやはり中身のあるやり方ということでなければならぬ。ですからこういった行政のあり方というようなものに対して、大臣としてのお考え方というものを伺ってみたいと思うのであります。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 米飯提供登録店というものの実態を存じませんが、厚生省に関します限りは、それはおそらく飲食物を提供する業務という意味で、食品衛生法の適用を受ける業務になろうかと存じます。そうなりますと、保健所の許可が必要になりまするし、また随時食品衛生監視員等の監視を受けるたてまえになっておるわけでございますが、ただ他の料理店等と違いまして、米飯、食管法の適用を受ける米の提供ということになりますので、おそらく食管法等の系列の法規に基づく規制も受けておるものではないかと想像されます。ところが米の販売店等の登録制につきまして、今回食管制度検討の一環として、再検討がなされるはずであると、これは他省の仕事でございますが、私は想像いたしておりますので、そういう機会にこの米飯提供登録店が食品衛生法適用の飲食店の一つとして許可の対象にもなっておりますものならば検討をいたし直してみたいと考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私どもは食管法を堅持するという立場の上に立ちますから、これをくずすことが食管法そのものをくずしていく一歩になってくるのだということだと問題ですし、したがって、党の中でこれを議論をいたしておるわけではありませんが、私は扱いとしておかしい、こういうことなのですよ。大臣、現在どういう形になっているのだろうかと、大臣の大体推定でお答えになったようなことなのです。衛生上の面からなのですが、それが米飯提供登録店というような形でもって合わせて行なわれる。したがっていつも切りかえていかなければならないのですね。ですからいまの扱いだとただ手数料かせぎに終わっているということなのです。米飯登録の問題の有無は別といたしまして、ほんとうに設備が非常に悪くなって、保健衛生上これは適当でない、環境衛生上適当でないという形になりますと、それはやはり改造をやらせるとかなんとか、いろいろなことを絶えずやっていかなければならないであろう。ところがそういうことにウエートが置かれているのではなくて、実際はこのまま書きかえる、そういてう手続のみに終始している、それでお金は持っていらっしゃい、それで年間四億の収入になっている、そういうところに問題があると思うのです。行政というものはただ形式的に行なうのではなくて、実効のあがるような行政をやっていただくのでなければならないのだということでございます。  次にお尋ねいたしますが、各種の福祉年金の問題でございます。  大臣、老人福祉年金にいたしましても、障害福祉年金あるいは母子家庭準母子家庭の福祉年金にしても、これの定義と申しましょうか、老人の場合は今度二千円から二千三百円という形になってまいりましたが、これは生活保障的なものでございましょうか、それとも七十歳以上の長命者に対するところの敬老の意味を含めた年金ということになるのでございましょうか。この福祉年金というものの定義、算定の基礎というものはどういうものでございましょうか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 これは私は中村委員ともともとの仲間でございますから、歯にきぬを着せず正直なところを申し述べさしていただきますが、私は、福祉年金、つまり無拠出でありますけれども老齢福祉年金あるいは障害福祉年金というものは、やはり生活費支弁の一助にするという意味において生計援助の意味を持っているもの、単なる敬老資金というようなものではないと考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 高齢者の方々は、七十歳になったならば福祉年金がもらえるんだ、これはやはり老人の一つの権利だという考え方があるのです。だからして、もらえると思って行ってみると、所得制限にひっかかる、あるいは他の公的年金というようなものとの併給の問題がありますためにもらえないというので、尋ねに行ってそういうことを言われてすごすごとさびしく帰ってこられる老人、そういうことを考えてみますと、大臣お答えになりましたように生活給的な形のものがあるということになってまいりますと、現在の物価上昇の中におきまして、いつも二百円ずつ上がっている、ことし奮発して三百円にしたのだ、こうおっしゃるかもしれませんが、福祉年金であったにしても老齢福祉年金の額は五千円くらいに大幅に上げる必要があるのじゃないかというのが一つある。それから、単なる高年齢者に対するところの敬老の意味ではないというが、やはりそれだけ長命の方々に対して敬意を表する、祝意を表するという意味から法律で敬老の日をつくった意義等々から考えてみると、私はそういう面もなきにしもあらずと考えるわけです。であるならば、私は老人の権利というものはやはりここで生かしていくということでなければならないのではないか。したがって、やはり所得制限の撤廃それから併給というものが当然なさるべきものだと考えますが、その点いかがでございますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 ごもっともな点があると存じまして、私どももできる限り年金額を上げることにつとめてまいりました。四十六年度からの三百円増額というもはの決して大きいものとは思いませんけれども、従来やってまいりました年ごとの百円ないし昨年度の二百円というものにとらわれずに三百円上げることにいたしました。  ところで、五千円くらい出してはどうかという御意見に対しましては、御承知のように本年から拠出制の老齢年金が、しかもそれが一種の過渡的の十年年金といわれるものでございますが、それが初めて開始をされることになりました。この金額が五千円でございます。そうしますと、決して計算ずくめで申すわけでございませんが、国民感情からいたしまして、拠出者がもらうものも五千円、無拠出のものも五千円というのはやはりスムーズでない点もあくまでも考慮に入れなければならない面もあるように存じます。いずれにしても、この五千円でも経過的年金でございますから少ないわけでございますので、福祉年金は無拠出であるからといってそれより安いほうがいいというわけでは決してございませんので、これら拠出制の年金につきましても、あるいはまたいまの福祉年金につきましても、物価やあるいは国民生活の状況に応じまして、今後さらに改定、引き上げの問題を考えてまいりたいと思います。  それから、所得制限がございますために、聞いてみますと、従来受給資格のある老人のうち約九・五%くらいの方々が老齢福祉年金を受けられない、こういうような状況であったようでございますので、この所得制限を、これも思い切ってとこう言いたいところでございますが、中村さんからお考えになればまだ足りないとおっしゃるかもしれませんけれども、これを従来の百三十五万円以上の所得がある者は支給がされなかったものを百八十万円というところまで引き上げましたので、計算をいたしてみますると、今度の所得制限の緩和によりまして、支給を阻止される方の割合は従来の約半分ぐらい、五・五%ぐらいに減ってまいる、こういうことに相なります。  また、併給の問題につきましても、これは考え方として、何らかの意味において公的年金を受けることができない方に国が福祉年金を出すのだ、こういう考え方で出発をいたしておりますために、したがって他の公的年金と併給を認めないという、こういうたてまえでやってまいりましたけれども、今度は遺族の方々等につきまして、これは上の大将、中将までいくわけでございませんけれども、扶助料とは完全併給を認める、こういう思い切った措置を講じました。  ついでにもう一つ申し上げさせていただきますが、六十五歳にある種の場合には年齢を下げて受給資格を与える、こういうこともこの老齢福祉年金について行なうことにいたしました。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 ねたきり老人等に対する年齢引き下げということも承知をいたしております。それからいまお答えになりましたように、戦争公務等による年金の併給は十月から実施をするということに伝えられております。そこでやはり矛盾が出てくるのですね。普通恩給並びに扶助料、これは所得制限だけで完全併給ではないわけです。いままで三通り実はありまして、すべて所得制限の率が違っておったわけです。お年寄りの方はいわゆる普通恩給並びに扶助料の受給者は非常な不満を持っておったわけですね。さらに、今回は、片や完全併給が認められる、そして普通恩給並びに扶助料の方々は若干緩和されただけだということ、これではお年寄りだけになおさらそういうことを刺激的に感じるのではないかと思います。ですから、この際、大臣がおっしゃったように数も減ってきたわけですよ、思い切ってずばりと完全併給する、こういうことをなさる必要があるのじゃないか。  それから、先ほどの拠出年金の問題等も、五千円から。かつては国民年金法の改正によって拠出年金額は大幅に引き上げるということは、あたかも国民はそれが直ちに実現するかのように思っている。しかし、それはずっと年度的に相当な期間がなければいわゆる目標のその年金額の支給というものにはならない。だから、それらの拠出年金もずっと引き上げていくと同時に、福祉年金というものも三百円ということではなくてもっと引き上げていくということ、だから、いま申し上げた所得制限の問題、それから併給の問題等々、こうあるべきだ、こうしたい、大臣は一つの考え方がございましょうから、そのことをひとつお聞かせいただけませんか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は中村さんのおっしゃるとおりできる限りその方向に向かいたいと思います。そういう考え方の一端といたしまして、いままでやり得なかった面を含めて先ほど申し上げましたような今度の幾つかの面の改善もやったわけでございますので、これで決して終わり、万事済んだというつもりはございません。ことに、私は自分が老齢に入っていくからということでは決してございませんが、日本の人口構造の変化等を考えますときに、これからの社会福祉施策の重点というものは老人対策に向けられるべきだ、かような見地から、いまお話の出ました年金のみならずその他の面におきましても重点を注いでまいる、こういうことで福祉施策を進める所存でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 こうあるべきだというものの考え方だけでなくて、もう少し具体的な、ひとつ数字を含めた、たとえば老人医療の問題について、長いことじゃありません、一、二年のうちになくいたしますというようにおっしゃっておられる。そのくらいの具体的な答弁というものができるのではないか。またそのくらいの構想というものはお持ちであろうと思うのです。  それから、いまの漸次医療費の一〇〇%給付というような御答弁もしておられましたが、御承知のとおりに自己負担分というのがあるわけですね。これも撤廃をするというお考え方を持っていらっしゃるのかどうかということもあわせてお答えをいただきたいということと、それから老人の特別扶養控除という制度がございます。しかしこれはきわめて限られた人たちだけですね。それではなくて、七十歳以上のお年寄りというものがおられれば、それに対しましてはいわゆる特別控除というものをやる必要があるのではないか、そのように考えますが、これは大蔵省の問題でございますけれども、厚生大臣としてはその点に対してはどのようにお考えになりますか。それから先ほど私がもっと具体的にとここで申し上げたこともお答えいただきたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 最初のお尋ねの老齢福祉年金、ことしは二千三百円でございますが、来年思い切って幾らにするという具体的構想があるか、あるいはまた併給等どこまで持っていくかということにつきましては、私は微力でございますが、正直に申して大臣というようなかっこうでございますから、こうしたいということになりますと、もうすぐそのとおりあすからでもなるように人々に先入観を与えますので、私は黙っておりまして国民の期待に沿うようなことをやるように努力をいたしたい、かように思います。  それから医療保険の自己負担分の問題でございますが、これはしばしばお尋ねがございましてお答えをしている線と同じ線でございますが、老人の病気のうち、ある特殊の病気、公費医療になじむような病気につきましては、これはもう自己負担なしで公費で、つまり国費と地方費の持ち合いで自己負担分を消していく、このほうは保険でやれ、上の三割負担なんというような分は公費で消していく、あるいはものによっては根っこから保険からはずしていってカバーしてしまう、こういうような種類の病気もあり得ると思いますが、そういうものについては公費負担をもって処理し、またその他の老人医療保険の自己負担につきましては、自己負担分を、これは全部がいいかあるいは一部やはり自己負担を残すのがいいかという問題はございますけれども、三割そのまま残す、そのまま自己負担分は残すということではなしに、国と地方の協力によってその負担分は保険でカバーをしていく、財源の裏づけは国と地方で持つ、こういうようなことでまいるしかなかろう、こういう方向で当局に検討を命じ、また私の理想を述べておるわけであります。それから最後の老齢者所得控除、これは中村先生何かちょっと誤解か知りませんがもうできております。ただしあなたのおっしゃるのは老齢の障害者控除でございましょうか、年寄りは年寄りである身分において所得控除ができているはずです。ただし所得が年三百万円でございましたかある人は老齢者控除というものの対象にはなりませんが、所得の少ない方は老齢者控除があるはずでございます。ただ老人扶養控除というもの、あなたはそこを一緒にされていると思いますが、今日老人であれ子供であれいまの税制では世帯主の扶養者である限りにおきましては、扶養控除の対象として論ずる。しかしその老人がからだが悪い場合にはまた障害者控除として控除をする、こういう税の仕組みになっておりますので、私どもはそこを活用いたしまして、大蔵省とも打ち合わせの上年寄りについては障害者控除の適用をなるべく広くするということで、老齢福祉年金について六十五歳まで引き下げることにいたしましたのと同じような気持ちで、からだの不自由な老人は障害者控除の対象としてまいる、こういうようなことをもって対処いたしてきております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私は老人に対して、まあ寝たきりであるとか特別の廃疾、そういった特別の老人だけでなくて、七十歳以上になったら特別の控除をしたらどうか。たとえば子供でも第一子、第二子で控除額が違うのと同じように、七十歳以上の高齢者にはやはり特別に扶養控除額を引き上げるということを制度的にお考えになったらどうか、こういうことを申し上げておるのですが、それに一応簡単にお答えいただきましょう。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 賛成でございます。他の厚生関係の税に対する特別措置とともに私どもは税制調査会等に要望してまいってきております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それから御承知のとおり心身障害者対策基本法が実はできたわけです。ところが四十六年度政府施策の中では、基本法ができたから前向きにこういうことが生かされておるなと感じるものがあまりないのですね。時間がありませんから具体的には伺いませんけれども、やはり法律の改正の他のいろいろなことあるいは新しい法律を制定するとかいうことをおやりにならなければならぬだろう。だから大臣はいま一度この基本法を見直して、そうしてやはり法改正あるいは新しい法律の制定、その必要によっては積極的にこれを生かしていくという御意思があるかどうか、そのことを伺いたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 心身障害者対策基本法はせっかく各党をあげまして一致の議員立法としてつくられましたものですから、私はから振りさせたくございません。そこで四十六年度の予算編成にあたりましても、この法律ができましたことを加味いたしまして従来なかったような幾つかの新規の施策も取り入れてございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 取り入れてございますと言うが、あまりまだ取り入れてないのです。だからこれからのこととしてさらに見直して法改正が必要であればやる、新しい法律をつくることが必要であればつくる、そういう積極的なかまえでもって取り組む御意思があるかどうかということを伺いたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 申しましたとおり、たいへんいい法律でございますので、その法律の趣旨が施設の面にも財政の面にもまた私ども行政運用の態度の上にもあらわれるように、これからさらにさらに私どもに必要な努力をその法律の精神に沿ってやってまいりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それから寡婦控除の問題ですけれども、寡婦控除というのは実は十万円あるわけです。ところが第一子扶養控除というのは十三万円ですね。それから第二子以降が十二万円、配偶者控除がたしか十八万円だったですかね。寡婦控除の十万円は、女手一つでしょう。だから寡婦は少なくとも配偶者控除並みぐらいにしてもらいたい。扶養控除よりも引き上げてもらいたい、これがやはり基本のねらいです。ほんとうに女手一つで苦労しておると思いますよ。そうして子供が大きくなるとその子供さんは片親だからなかなか就職も思うところにできない。さらに子供は成長したけれども、精神的な苦しみというものも相当あるわけです。ですからこの際寡婦控除というようなものを特別に制度としてつくって、十万円という控除を今度若干上げて十一万円になるわけですが、これをもっと大幅に引き上げる、そういう御意思はないかどうか。大蔵省と折衝してこれを実現をさせていくというような考え方がないかどうか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 寡婦世帯の貸し付け資金制度というようなものさえ設けました厚生省でございますので、寡婦について税の特別控除をはかるというような考え方はまことにけっこうでございますので、今後とも大蔵省なり税制調査会のほうに働きかけてまいりたいと思います。  このことについては大蔵省からだれか来ておりましたら御答弁をいたさせたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それでは時間がありませんから、ちょっとメモしてくださいまとめてお尋ねをしてお答えをしていただきます。  保育所の問題です。保育所に入ることのできない人、統計によって違うんでしょうが、六十三万ともいわれ、あるいは五十一万ともいわれ、いろいろ年次によって違うのでしょうが、この未入所児の解消策の年次計画はどうなっているかということが一点。それから保育所の適正配置、幼稚園との一元化、これについてどうお考えになるか。それから企業保育所、これは地域保育所は反対をしておるのですが、企業保育所の設置についてどうお考えになるか。それから夜間保育所、これはいま夜働く女性というのは非常に多いのです。預かってくれるところがないものだから、部屋に子供を入れて閉じこめてくぎづけしていくとか、悲惨な事態がある。だから夜間保育所というものを考えていかなければならないと思います。夜間保育所の設置についてどうお考えになるか。それから身障児の特別保育所、これを設置される御意思はないか。あの保育所というものは実はないわけです。子供は骨のやわらかいときに、幼児のときに機能訓練をすることが一番よろしいわけです。したがって機能訓練をやるという立場からもこの身障児保育所をつくる、そして次は養護学校に入れる、それから職業訓練、こういう一貫した対策を講じられる必要があろう、私はそのように考えます。それから今度小規模保育所に対しまして、非常勤保母の新設、これは新しくおやりになっていますが、わずかに一・五時間のようでございますが、何か二カ年計画で来年は三時間になさるそうであります。ちびった対策ではなくて、これはひとつもっと大幅にふやされる必要があるのではないか。  それから今度十年以上の長期勤続者に対しまして特別の給与措置をおとりになったようでございますが、この扱いはどうなさるのかということです。一時金なのかあるいは毎月支給をしていくということにするのかどうかという点でございます。  それから施設改善の問題です。施設改善に対しましては、積算単価というのが非常に軽い。実情に即しません。また国の融資にいたしましても、その基準に基づいて融資をいたしておりますので、自己持ち出しというものが大きくてどうにもならないという実態にあります。だからこの施設改善についてどう考えるか。  それから老朽保育所というのがありまして、非常に危険なものすらあるのでございます。しかし、これは減価償却というものがほとんど行なわれておりません。融資基準というものも非常に低い。したがって改築というものができないわけであります。そこで老朽保育所の改築のために特別の援助を、減価償却あるいは融資補助等々の措置が講じられなければならないと思います。これらの点についてどう考えるか、まとめてメモしていただきたいと思いますので、それぞれひとつお答えをいただきたいと思います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 十項目ぐらいの御質問でございますので、簡単に要旨だけをお答えいたします。  第一点の保育所に入れるべき児童、いわゆる要保育児童といっておりますが、この解消策という点でございますが、これまでも年次計画的に推進してまいりましたが、今後も昭和五十年度ぐらいを当面の目標にいたしまして、残された要保育児童を解消するような計画を現在検討中でございます。四十六年度予算をその第一年度として計画の一環としてやっていきたい、かように思っております。  それから第二点の適正配置でございます。これは特に保育所同士の適正配置、それから幼稚園との適正配置、両方おありだろうと思いますが、保育所同士の適正配置につきましては、従来から全国的なバランス、これから当該都道府県内のバランス、市町村ごとのバランス、こういうようなものを勘案しながら適正配置をやってきておりますので、今後とも濃厚な保育所の施設地域なり、あるいはそうでない保育所の設置地域、そういうことができるだけ解消するように今後とも努力していきたいと思っております。  それから幼稚園と保育所の一元化の問題は、たまたま文部省のほうのいわゆる中央教育審議会で問題を投げかけております。現在非常に幼児教育の問題が当面の大きな問題でございますので、そういう観点からしまして、厚生省自体といたしまして、従来からこの幼稚園と保育所の関係をどういうふうに調整していくかということについては配慮を加えてきておりますが、今後中央教育審議会なりあるいは私どものほうの専門の審議会等のほうでもいろいろ検討してもらっておりますので、そういうようなこととあわせまして、厚生、文部両省において今後協議をしていきたい、かように思っております。  それから企業内保育所の問題につきましては、これはいろいろな見方があるわけでございますが、確か最近の社会の情勢がこの企業内の託児施設というものに対して、やはり国なり地方公共団体等がある程度関与し、指導し、助成するというようなことが必要じゃないかという御意見も出てまいっておりますので、私どもとしましても、明年度くらいからこの企業内保育所についての一定の指導方針というようなものをやってまいりたい。それに基づきましてしかるべき助成も考えていきたい、かように考えております。  それからいわゆる夜間保育所、これにつきましても、考え方として先生御存じのように現在賛否両論ございます。夜間保育所に預けられる児童の心身両面の福祉というのがほんとうにそこなわれないかというような問題あるいは職員の、保母さんたちの夜間勤務というものが、非常に過重なものになるのではなかろうか、いろいろなそういう難点がございますので、この問題につきましては私どもも、もう小し実態というものをよく見きわめました上で、この問題は今後の課題として検討していきたい、かように思っております。  それから身障児の特別保育所の点でございますが、これにつきましても、やはり身障児というものは早期に療育訓練をする必要がございますので、施設に入れるということのほかに、両親のもとにおいて身障児を通園させながら、そういうしかるべき施設等で療育訓練をやるということが特に幼児期においては大事でございますので、従来から肢体不自由児施設の通園施設なりあるいは精薄児通園施設というものを、ここ数年間相当数整備してきておりますので、そういう肢体不自由児施設通園施設、あるいは精薄児施設通園施設という形で今後とも整備していくべきである。私どもはこういうふうに思っております。  それから非常勤保母の点につきましては、四十六年度予算が初めて新規の考え方を出したわけでございますが、御指摘のように非常に不完全じゃないかという御意見がございますので、今後こういう点についてもよく実態に合うように努力してまいりたいと思っております。  それから十年以上の長期勤続者の特別の手当の予算が計上されておりますが、この点、一時金かあるいは毎月毎月支払うべき給与になるかどうか、こういう点につきましては、まだ最終的に政府部内で結論を得ておりません。  それから保育所の施設改善、施設整備につきまして、積算の単価なり、国の補助単価というものが非常に低いのではないかという点でございますが、もっともな点がございますので、いままでも少しずつ改善をしておりますが、今後改善をさらに大幅にやっていきたい、かように思っております。老朽の保育所につきましても同様でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間が過ぎましたから、答弁漏れか私がお尋ねしなかったのか、私がお尋ねしなかったのかもしれませんが、無認可保育所の問題です。これは規模が小さいいわゆる三十人以下とかいう問題ではなくて、二十人から二百人くらいあるのです。しかも非常に高いのです。それは零歳児を預っている保育所が多い。それから長時間預かっている。一般の保育所は預かってくれない。そういうことで、そうした無認可保育所という形の中でなされている。保育料が高い。二万円、三万円ですからこの無認可保育所の実態を調査して、やはり実情に合わしていく必要があるのである。同時にこの乳幼児を預かるような強力な指導をしていかれる必要があるだろう。いま零歳児は全く千分の一くらいしか保育されていない。全国でこの希望者は九万六千いるというのに千七百人しか保育されてないのです。こういうことではどうにもなりません。したがいまして、そういうような点に対して留意して処置していく必要があると思います。  それから一点、大事なことですが、措置費の中には給与が込みで入っているのです。そうすると保育所によってアンバランスができ上がるわけですよ。これはいろいろ国会でも議論がありましてこういう形になったということも伺っているわけですけれども、給料の高い、長くつとめている保母になってまいりますと、給料が上がるでしょう、そうなってくると、措置費の中で一緒に出されたのではどうにもなりませんので、結局経験豊かな保母をやめさして、経験のない、いわゆる給料の安い保母に雇いがえしなければならぬという実態も起こってくる。いろいろ矛盾がありますが、公務員と私立保育所の保母は三年計画でもって給与の格差をなくするという方向で実は進めているわけです。ことしが、四十六年度が最終年度になろうと思うのですが、現実にはなかなかその格差が縮まっていない。それから私が申し上げましたように、措置費と一緒であるために合理的でない点があるわけです。これは私は検討しなければならない問題ではなかろうか、こう思うのです。この点について……。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 無認可保育所といわれるものが全国に二千数百カ所ございますが、確かにこれはいま御指摘のように、もう経営状況、規模千差万別でございます。したがいまして、従来からいわゆるこの無認可保育所という名称のもとにおいて厚生省としましては直接これについて指導等を加えていないわけでございます。私どもとしましては、この無認可保育所というものが生まれてきた現実的な要請というのは、確かに納得できない面もないわけではございません。したがいまして、私どもとしましては、従来から小規模保育所という形をとりまして、できる限りこの無認可の保育所を正規の保育所に切りかえさしていく、こういうような方針で一定の施策を講じてきておりますので、今後そういうような形でやっていきたい、こういうふうに思っております。  それから最後のお尋ねの措置費の中の人件費の問題、確かにこれはそういう御指摘のような面もあるわけでございます。これは保育所だけでなくして、社会福祉施設全般がそういうような考え方で現行のような方式をとってきておりますので、保育所だけに特にどうということにはならぬと思いますが、やはり現在の民間の施設の給与の実態というものが、残念ながら、先生専門家であられますので御存じだと思いますが、非常にこれが千差万別、区々まちまちでございます。したがって、公務員のように一定の給与準則あるいは給与体系というものが確立いたしておりませんことであれば、私どもは従来から民間のそういう施設につきましての給与体系というものをできる限り早く自主的に確立させるように指導をしてきたわけでありますが、ぼつぼつそういう体系が進行しておりますけれども、まだ全国的に見ますと非常に不完全な姿になっております。したがいまして、そういうような民間の給与体系なりそういうものをできる限り早く確立した上において、公務員との関係をどういうふうに考えていくか、これはやはりこれからの検討課題だ、こういうふうに私どもは思います。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、伊藤惣助丸君。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 限られた時間でございますので、要点のみ質問したいと思います。  佐藤総理も施政方針演説の中で「福祉なくして成長なし」このことは繰り返し強調されました。このことは裏を返せば、いわゆる経済は高度成長したけれども、福祉政策がなかったということを暴露しておるかと思います。確かに実態面を見ましても、欧州先進国の国家予算に対するパーセンテージは三〇%台の福祉関係の予算が取られているようでありますが、わが国はその五分の一に当たる六%台である、こういう実態面からも明らかであります。そこで私は、その福祉施設の実態と今後の計画というものについて伺いたいと思うのです。  まず第一にねたきり老人についてですが、対象者は、現在六十五歳以上が約四十万くらいいるといわれております。現在の施設はどのぐらいあるのか、そしてまた収容された人員は幾らあるのか、不足はどのぐらいあるのか。私は資料を持っておりますけれども、大臣の前でもう一回明確にはっきりさしていただきたい。二番目は身体障害者について、同じように対象者、そして施設の数と収容人員、不足数、それから三番目に重症心身障害者、四番目に精薄児、五番目に保育児、こういう点について簡単に概略を伺いたいと思います。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 ねたきり老人につきましては、その数は先生御指摘のとおり約四十万、四十二万くらいということでございますが、現在いわゆるねたきり老人は、特別養護老人ホームというのに収容いたしておりますが、現在、四十五年末の収容人員が大体八万二千人ということでございます。それで今後社会福祉全般につきまして五カ年計画ということで整備をいたしまして、五十年度末には大体十八万人ぐらいの収容施設に持っていくという予定でございます。  それから身体障害者のうちいわゆる重度身体障害者は約一万九千人でございます。それで、そのうち現在収容されている者が三千人、したがって今後五年間で約一万六千人の重度身体障害者の設備を整備いたしまして、これを収容しようという予定にいたしております。  それから重度の心身障害児でございますが、これが現在の収容施設に約三万でございます。それで収容を必要とする者が大体十万くらいおるという予定でございますので、やはり五カ年計画であと七万くらいつくっていく、そういう予定になっているわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 保育児は。あと精薄児について……。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 社会局、児童局所管が違いますので……。  精薄児につきましては、実態調査の結果五十万人くらいいるということになっております。  身体障害児は、先ほどお話があったと思いますが十一万六千人くらい、それから重症心身障害児は一万九千人くらい。いわゆる保育所に入れる要保育児童は、これは私どもの推定では大体百六十二、三万人、こういうふうな推定をしております。五十年度末で入れるべき要保育児童は大体そういうふうな計算をしておりますが、四十二年八月の調査によりますと、百四十八万人というのが要保育児童の数でございます。そういうような現状に対しまして現在の施設に収容されている数でございますが、精神薄弱児の施設には約二万七千人ぐらい収容されております。それから保育所には百十八万人くらい入所をしているわけでございます。それから身体障害児につきましては、肢体不自由児施設等を含めまして一万三千人くらいでございます。重症心身障害児の施設に対しましては五千六百人くらいが収容されている、こういう計算になっております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 これは詳しい資料をあとで提出願いたいと思いますけれども、要望しておきます。  いま聞きました、福祉施設の五カ年緊急整備計画でも身体障害者の場合をとりますと十八万の方々を一応目標にして何とか施設に収容したいといわれておりますが、あと二十二万いるわけですよ。これをどうするのかという政府の考えを聞きたいわけです。また重症心身障害者は一万九千のうち三千人で、あと一万六千人何とかする。この点は一応数字の上では了解できるわけでありますが、そのほか保育児の問題にしてもその緊急五カ年整備計画に漏れた者に対して政府はどういう手を打つのか、まずその点大臣から伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 専門家もおりますけれども、私から大ざっぱのことをお答えしたいと思います。  いま問答がございましたような社会福祉施設の対象とすべき数多くの人々がおるわけでございますが、これらの方にできるだけ多く施設に入っていただくのがいいわけでございますけれども、しかし中には施設に入れることよりも、やはり在宅で子供の場合には両親、あるいは老人の場合にはその家族等がめんどうを見ることにいたしまして、国がいろいろの助成をする。あるいはホームヘルパーを回しますとかあるいはお医者を定期に回すとかあるいは生活に必要なるいろいろな用具を無償で貸して差し上げるとかいうようなことをしたほうがいい場合もございまして、現在そういう両刀つかいで、施設に入れるほうとそれから在宅の方々に対するめんどうを見ているほうと両方でやっているわけでございますが、私は決して両方十分だとは思いません。ことに施設が不十分でございますので、先ほど来間答がございますように、施設整備の緊急計画というものを立てまして、要保育児をはじめ老人ホームなどに入りたい老人の方々に最も重点を置く、さらにまた、これらの施設は私ども二、三拝見をいたしましても老朽化をしていて非常にあぶないというような状況もございますので、これらの建てかえの計画も同時に進める、こういうようなことをやってまいりたいと思っております。しかし、いずれにいたしましてもとても二年、三年ではできない面もございますので、とりあえず五カ年計画くらいでどこまでいけるか、できるだけ多くやっていこうということで大蔵省にも相談をいたしておる段階でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこで緊急整備計画が一〇〇%うまくいっても非常に問題があるし、まだまだ対象者は残るし、ふえるかもしれない、こういうことがいえると思うのですね。そこで緊急五カ年整備計画は大蔵省で了承しているわけですか、その点伺いたいと思います。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 社会福祉施設整備五カ年計画につきましては大蔵省とも十分連絡をとっておりますが、大蔵省はこの計画を全部承認したということではございません。しかし非常に理解を示されまして、こういう計画についてはそういう趣旨を尊重して、今後毎年毎年の予算折衝の段階では話し合いできめていこうということで、長期の五カ年計画をそのまま承認されるということではございませんけれども、趣旨はできる限り尊重していきたい、こういう大蔵省の意向でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこで、不十分な整備計画なのですから、もう少し施設の数をふやすなり、また予算要求するにしてもやはり計画に対してはもうちょっと実態というものを掲げて整備計画を出し、そして総理も福祉なくして成長なしというふうにも前向きにおっしゃってきているわけですから、その際に緊急五カ年計画をさらに充実させて検討させるべきじゃないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。というのは、そのように少ないことを理解してもなおかつ緊急整備五カ年計画は必ずしも大蔵省は全面的に了承はできない、すべてケース・バイ・ケースで、また毎年の予算の中で考えるということですから、そういう大蔵省の行き方に対して私は不満があるわけでありますけれども、そういう御答弁があるならば、いま私が言ったような方向で厚生省も前向きに、緊急でなくて、今度は十カ年計画でもかまいませんから立てて、そうしてこれらの少ない施設に対して計画の実施をすべきじゃないかと思いますが、その点大臣いかがでしょう。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 社会福祉五カ年計画は一応の計画でございまして、まだ全体の大ワク、たとえば金額にして五年間で三千億から三千五百億くらいという数字を一応はじいておるわけでございますが、しかしその計画の途中におきまして、この計画も毎年毎年――四十六年度は大体きまっておりますけれども、四十七年度はそれじゃ幾らになるのかという年次計画はまだ未定でございます。ですから、その計画の進行途中で、いろいろな客観情勢から、これじゃとても足らぬということになれば、大蔵省とこれは意見が一致しておるわけじゃございませんから、それだけに変更することも自由といえるわけでございますから、さらにどうしてもこの計画ではおさまらないということになれば、年度の途中でまたこちらの必要な数字というものを示して折衝するということもあり得ると思います。いずれにしましても、この五カ年計画というのは従来の考え方からしますと、相当前向きの姿勢であるということはいえると思いますので、この計画の実施の段階においてまた先生の御趣旨のようなことも起こり得るというぐあいに考えております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 理屈を申し上げるわけじゃありませんけれども、そうなりますと、何かこの緊急整備五カ年計画で十分、そういうふうにも感じるわけですよ。私は調べましてあまりにも足りないので、これが緊急整備五カ年計画とは何ごとかと思っておるわけですよ。それで対象者に対しては、必ずしも施設に収容を望まないといいますけれども、身体障害者を持つ親はすべて一〇〇%近く施設に入れてほしい、こういう希望が実態なわけですよ。ですから、それについてはもう大蔵省で予算折衝の結果これしかないのだ、しようがない。たとえば漏れた身体障害者二十二万人についてはがまんしろ、こういうことになるわけですが、その点どうなのですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 たとえば先ほどの六十五歳以上のねたきり老人約四十二万という数字はございますけれども、しかしこの中には、先ほど大臣もちょっと触れられましたけれども、家族がめんどうを見ておるというものもございますし、あるいは配偶者がいるあるいは子供がめんどうを見ておるあるいは非常に身近な者にめんどうを見てもらっているという人たちもみんなひっくるめて四十二万でございます。したがって、このねたきり老人でほんとうに施設に収容することが必要だというのは、大体この一割くらいというぐあいにわれわれ見ておるわけでございます。そういうことで施設には、どうしても身寄りがなくて寝たきりであって、しかもそれを介護する人がないというものを優先的に入れる。しかし施設も必ずしも十分な数が直ちに確保できるわけではございませんので、その間は在宅のひとり暮らしの老人についてできるだけきめのこまかい措置をしようということで、来年度におきましてひとり暮らしの老人に対する介護人の制度を新たに設ける、あるいは、これは試みのあれでもございますが、テレフォンセンターで電話を設置するというようなことも考えておるわけでございます。そのほか従来ございます老人家庭奉仕員の増員というようなことも、そういうきめのこまかい策もあわせまして、このねたきり老人の保護をはかってまいりたいというぐあいに考えております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 いまねたきり老人のことをおっしゃいましたから申し上げますが、実際に在宅で希望するといっても、申し込んでいる人は一割と申しますけれども、どうせ老人にはもう申し込んだって少ないんだからとあきらめている老人も相当数いるわけです。しかも申し込んだ人間に対して、じゃ五カ年計画でいくといっても、五年間待てということにもなるわけですね。  まあ、これは幾らやってもきりがありませんから、ついでに聞いておきますけれども、ある老人ホームに収容されておった方が、これは熊本県の人ですが、老齢年金を受け取りに行った、ところが、なかなか手続がむずかしくて、もらえなかったわけです。老人ホームのそういった手続をとったのは一月で、一月、五月、九月と年三回、一回八千円ずつもらえることになっているわけです、この老齢年金というのは。ところが、この老齢年金は満七十歳からでないと出ないわけですけれども、その老女の人が、結局は手続を何回もするうちに、なかなかもらえないので最後に自殺してしまった。これは二月の十一日の新聞、読売に出ている一つの報道でありますけれども、そして大体その中身というのは、首つり自殺しているけれども、その自殺した理由というのは、ことし一月にはもらえると思った老齢年金が、五月にならないともらえないということがわかって悲観して自殺した、こう書いてあったわけです。問題はやはり、七十歳だから満七十歳にならなかったらという一つの基準はわかりますけれども、そういう年金をたよりにして生きている方々に対しては、たとえ満七十歳にならなくても、まず出してあげるべきじゃないか。たとえば、ことし七十歳になるというのならば、ことし一月でもいいから支給してあげるぐらいの配慮があっていいのではないか。さらに手続の問題についても、できるならば即刻給付という形にすべきではないか。こういう点、私はこれを読みまして、非常にかわいそうだなと思う反面、やはりこういったことについては、あたたかい政府の施策が必要である、こう思っておりますが、大臣いかがですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 年金関係は直接担当ではありませんけれども、いまのお話は、これはやはり法律で支給のいろんな条件とか資格とか、きちっときまっておりますから、お気持ちはわかりますけれども、そういう条件が満たないうちに出すというわけにはまいらぬと思います。が、問題は、やはりそういう御老人が来た場合の、年金の事務所とかそういうところにおけるその老人に対する態度だと思います。その事情はよくわかりませんけれども、もっと親切に説明してあげればあるいはそういうことが起こらなかったかもしれぬ。問題は、それを扱う出先の窓口の役人の態度、そういうものが非常に冷たいということがありますと不測のことも起きるということでございますので、いま御指摘の点は、早く出してやるということは法律上できないと思いますけれども、そこのところの説明のしかたがあるいは足りなかったのじゃないか、あるいは不親切だったのではないかという感じもするわけでございます。これは実態を調べなければわかりませんが、そういう点は十分配慮しなければいかぬと思っております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 これは大臣に聞きたいのです。それは、法律または政令なり規則なりをつくれば、それを守らなければいけません。それを守るのは当然です。しかし大臣ともなれば、そういう場合には、そういう制度があったとしても、ことし七十歳になるということがわかっておれば、私は何も一月にやろうと五月にやろうと、政府にはそれだけの予算措置もしてあると思います。ただ早いかおそいかという問題だけだと思うのです。ですから、私は大臣がこういったところにあたたかい政治といいますか、手を差し伸べてあげる必要がある、こう思うわけでありますが、その点いかがですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 伊藤先生のおっしゃるとおり、私も人には非常に思いやりがあるということで特に厚生大臣に選ばれて就任したようなものでございますので、あと三カ月たてば七十歳になるとかあと五カ月たてば七十歳になるとかいうことではなくて、これは拠出制の年金と同じように五歳くらい引き下げて差し上げたい、こういうような気持ちでございまして、ねたきり老人のような、からだに障害があられる方は、今度四十六年分から、それは認定の手続がございますが、認定さえ受けておいていただけば、六十五歳に思い切って引き下げる、こういうようなことにいたしたわけでございます。  その他窓口の応待等につきましては、局長が述べましたとおりでございます。いいことは何でもやらせていただきます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 大臣は、なかなかあたたかい心の通った政治家であると思いますので、さらに質問を続けたいと思いますが、一つは、結局緊急整備五カ年計画であろうと、さらにまた緊急整備十カ年計画であろうと、それを立てようとしても、予算というものがそう簡単にいかないという事情は私もよくわかるわけであります。そこで政府ができないことは、やはり民間にたよるということになろうかと思うのです。その点については、昨年来から民間に対する補助金助成というものが、だいぶ前向きに政治姿勢はなってきているようでありますが、ただしかし、実際予算面についてはまだまだでありますけれども、今後の問題については、前向きで予算措置も当然考えていかなければならないことだと思います。そこで民間の中にも心ある人がたくさんおります。特に社会福祉事業に自分の遺産を残したり、または教育関係者であるとか、あるいは事業をやった方々も、最後には社会事業に寄付をしたり、またそういったものをやりながら一生を過ごす人が多いわけであります。私はそういった方々に対して非常に敬意を表し、また今後もどんどんそういう方があらわれてくるのを望むわけでございますが、その場合やはり政府としても、そういった方々に対しては前向きで――政府ができない面を民間の方々がやるということであれば、前向きで、協力してもらうならしてもらうようなまた助成なり補助というものをすべきだろうと思うのですが、その姿勢について大臣いかが思いますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 お話のとおりでございまして、社会福祉施設というものは、もちろん国も一生懸命でやりますけれども、国だけの力でも時間がかかります。そこで公共団体、つまり都道府県、市町村等にもでき得る限り政府の片棒をかついでいただこう。これが、民間のボランティア、こういう方面に志のある方々が社会福祉のことをやられます場合には、少なくとも従来のようにそれに税金をかけられるというようなことであってはならないということを、かねてから私どもは大蔵省にもお願いしておりましたところが、今回、社会福祉法人がこういう施設をやります際に、会社なり個人なりがその所得やあるいは法人の収益の中から寄付をしたり、あるいはまた、いまお話がございましたように、生涯を終えて相続財産を残されるような場合に、その相続財産の中からそういう施設に寄付されます場合には、これは課税の対象にしない。相続財産なり所得なり法人所得から控除して引き去ってやる、こういうようなことがやっと実現をいたしたわけでございまして、厚生省のそういう姿勢が大蔵省にもやっと通じた、こういうふうに私は思いまして、大いにこれから先も大蔵省のネジを巻きたいと思っております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 そこで、私も実は、ある篤志家がおりまして、その方に相談を受けたわけであります。そこで厚生省の皆さんにも相談し、大臣なんかにもお話ししたわけでありますが、保育園の建設はどういう仕組みでどうなっているのかということで、いろいろ教わりながら、一つの施設をつくることにタッチしてみたわけであります。ところが、この施設ができ上がるまでに、何と申請を開始しましてから二年間かかったわけです。実に繁雑な手続なんです。しかも――時間があと五分だなんて書いてありますからやめなければなりませんけれども、県との関係もありますけれども、その認可を得るまでに一年以上、また施設の許可がおりて建築をする場合に、特殊法人社会福祉事業振興会というのがありますね、そこから借りる問題に対しましても、非常にきびしい条件がついておる。中でも一番不審に思いましたのは、普通の一般銀行ですと、物件については七割程度の抵当権というのを見るわけであります。一千万あれば七百万見るわけであります。ところがこの振興会は倍なんです。たとえば、二千六百万借りる場合には五千二百万の抵当がなければだめだというのです。私はこの一つのあれを見まして、金持ちが道楽で、しかも財産がうんとなければこういうことはできない仕組みになっているなということがよくわかったわけです。  そこで、私は大臣に、そういったことを御存じかどうか。聞きたいことはたくさんありますけれども、とにかく手続をもっと簡単にしてほしいということがまず第一。第二に、担保権にしても、一般銀行で扱う率と同じような低いものに改めることができないか。法律はないわけですから、これは安全には安全というふうな考えからやっているのでしょうと思いますが、少なくとも、たとえ担保力が不足しておったとしても、社会事業という面からいってもやってもいいんじゃないかと私は思う。私が相談を受けたその人たちから、前後五回にわたって、やめますと言われた。しかしながら激励をしつつ最後にはでき上がったわけでありますけれども、その中で多くの問題を私は知ったわけでありますが、その点について大臣はどう思っておるのか。申請をしながら途中で挫折した人が非常に多いわけであります。ですから、その認可基準というものがもう少し簡単にならないかどうか、それが問題です。  それから、福祉施設に働く従業員の処遇の問題であります。先ほども同僚委員からお話があったようでありますが、これは、いわゆる官立というのは一般公務員並みのような給与の体系であります。ところが民間になりますとそうではない。何が基準になるかといいますと、勤務年数ではなくて、社会福祉六法にありますけれども、たとえばその保母の数については条件がある。たとえば三歳未満については一人以上、いわゆる二人ですね、二人が六人のめんどうを見なければいけない。さらに三歳から四歳までの間は二十人に一人とか、または四歳以上は三十人に一人とか、その労働といいますか、非常にたいへんなわけであります。しかしながら、その法律にきまった基準で措置費が来るわけであります。したがいまして、保母さんという資格を持って働いたとしても、園側ではそれを長期に使っていくわけにはいかないという一つの問題があるわけであります。したがって私は、たとえばゼロ歳から満三歳までには二人――六人に対して一人以上というのですから二人なわけでしょう。ですから、三人に一人ずついなければいけないというようなかっこうに法律がなっている以上は、やはりそれだけの予算措置をし、しかも少なくとも公務員並みの財政措置をしてあげるべきが当然ではないか、こう思うのです。しかも、民間ではそういう関係から保母さんが長くいない。保母さんの資格に合格するとどんどん官立に行ってしまう。ますます保母さんでない、不十分な準保母という人が多くなるというような実態もあるわけであります。そういう実態、御存じだと思いますが、これに対する措置についてどうされるのか。この点なんかもたいへんな問題でありますので、伺っておきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 担当の局長から答えさせたほうが責任を感じていいとも思いますが、せっかくお名ざしでございますから、私からお答えを申し上げます。  保育所をつくらせますときは、もちろん都道府県知事の認可が要るわけでありますが、やはり配置計画というようなものがございますので、その配置計画を考えながら保育所の認可もいたさなければなりません。  また、保育所にどういう子供を入れるかというと、だれでも近所の子供を入れるわけではございませんので、保育を必要とすると市町村長が認めた子供を市町村長の手続によって入れる、こういうことでございますので、それらの状況にマッチした保育所でないとなかなか市町村長も県も手続を進めない。  さらにもう一つ、一たんこれを認可してしまいますと、単に建設の助成金とか借り入れ金がついてくるというだけではございませんで、一生末生、人件費その他の措置費というものが国からも地方からも出るわけでございますので、認可の際には、不必要と思われるようなことをしてはいけませんけれども、必要最小限度の認可の手続が要る。それをその他たいへん御迷惑をかけるようなマンマンデーの手続が行なわれたわけで、私も遺憾にたえません。  ところで、国から足した二分の一の――この二分の一の補助というのも、補助単価などが現実に合わない面もあるようでございますけれども、とにかく二分の一、国から補助を出し、また四分の一を、都道府県知事でございますが、指定の市町村が補助をし、あとの四分の一だけは設置主体が自分で調達をしてくる。その分を社会福祉事業振興会から借りる、こういうことだろうと存じます。  社会福祉事業振興会の貸し付けの業務方法と申しますか、担保の掛け目などについては私もつまびらかにいたしませんけれども、せっかくそのためのそういう振興会でございますから、営利事業に金を貸すような気持ちで金を貸すということであってはならないと思いますので、御批判のあります点につきましては、十分業務方法書等も検討をさせてまいりたいと思います。  ただ、非常に現実面で困ったことは、中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫などは営利事業をする企業に金を貸すものですから、増資をしたりして、あるいは利益でお金が返ってくるのでございますが、社会福祉をやる団体は増資とかあるいは利益というものが考えられませんので、振興会がお金を貸しましても、貸しっぱなしで返ってこない、こういうような危険を持つ場合が非常に多いので、いろいろ不必要な審査等の御迷惑をかけたことかと思います。  最後に、それらの施設、なかんずく民間経営保育所の職員の人件費助成の問題でございますが、公共団体がやっておりますものの職員は地方公務員でございますから、一般の地方公務員の方に準じてベースアップその他当てはめが行なわれますけれども、民間のほうはそういう給与の基準とかあるいは職階制のようなものが全国共通のものがございません。一つ一つみな違うわけでございますので、国がその措置費の単価をはじきます場合には、一定の標準ではじく以外にない。ところがそれを受けられた保育所のほうでは、十年も十五年も長期勤続してきている専門職員の保母さんをお願いをしておくと、給料も上がってくるし、実際支払えないということで首切ってしまって、そうして若いかけ出しの保母さんに取りかえる。また、長年いた人は月給が安くては困るということで公共団体立のほうに走ってしまう、こういう問題がございますので、今回実は、十年以上勤務をされたようなそういう民間の施設の職員に対しましては特別の報償給与のようなものを差し上げよう、大体俸給の二割くらいを上のせをして毎年差し上げよう、こういうようなことを私どもも苦しまぎれに案出をいたしまして、大蔵省からその金をとってございます。でありますから、多少でもそういうことにつとめながら、また全体としては早く民間の給与基準というようなものを合理的につくっていただいて、それにマッチするような措置費の計算というようなものもいたしてまいりたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)分科員 終わりますけれども、そこの措置費の場合でも八〇%以上をこえてはならぬという一つのきめがあるようなんですよ。ですからますます安くなるわけですね。措置費全部やってさらに自由児からのほうも回してというような考え方もやればいいんじゃないかと思うのですが、実際にはそういうようなこともあるそうですから、よく洗い直してもらって――私も実際タッチしてみて矛盾点を感ずるわけです。ですから、そういう福祉事業をやる方に対しては途中で挫折させないように、しかも十分政府の行政指導によって、福祉事業が発展して継続できるようにひとつ考えていただきたい、それを要望しまして終わります。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 私は三つの問題について質問いたしたいと存じます。もう前もって質問の内容は御説明申し上げておきましたから、質問し簡略にいたしますので、答弁も簡略にお願いいたします。  まず、一番最初に血液行政であります。この問題はすでに大臣のお骨折りで大蔵省との話し合いがついて、値上げを予定しておりましたものを一応もとに戻すということで、たいへん私はけこうな結論だったと思うわけであります。それはそれといたしまして、私は一応血液行政はすべて国が見るべきであるという観点から質問をしたいと思いますが、現在日赤が血液行政に使っておる年間経費の総額について幾らなのか、御説明いただきたいと思います。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 四十五年度では大体三十九億であります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 御承知のように血液は、かつて黄色い血液といわれてたいへん騒がれたのですが、昭和三十七年の価格が一千六百五十円だったわけなんです。そのころはその一千六百五十円のうちの五百円は血を売血した人に渡しておったわけですね。血を買っておったわけです。それがだんだん血液行政が進んで献血中心になりました。昭和四十四年の四月に百円下げて千五百五十円という価格が実は決定をしたというふうに私は把握をしておるわけであります。しかもその千五百五十円の内訳を見ますと、そのうちの五百円のうちの二百円、これは一応血液行政の積み立て金として別途積み立てておく。三百円はこれは血液を供血した人に対してバッジ代、献血手帳代あるいは小さなハンカチ、これに要する経費、こういうふうな内訳で、残る分が日赤の血液の管理費だった、こういうように記憶しておるのですが、間違いありませんか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 千五百五十円の内訳は先生のおっしゃったとおりでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 それでいま申し上げましたように、この二百円というものは現実的に積み立てられておりますか。それが血液行政の全体の中で現在消費されておりませんか。二百円積み立てなければならないのにそれは全部積み立てられておりますか。どうです。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 血液センターの施設費にその積み立てを使っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 その積み立てておるものは血液センターの施設に使われておるということを言っておられますけれども、現実にその施設費ですね。全体的に幾ら現在まで積み立てられて、どういうものが血液行政の中で支出されておりますか、その二百円の中から。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 四億程度が帳面の上では残っておりますが、赤字その他がございますので、それを運用上使用しております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大臣、いまお話がありましたように、積み立てたものについては血液センターの施設、たとえば救急車とかそういったものに当然使われなければならぬけれども、赤字のために実質的にはほかのものに流用されておるという現実がある。積み立てておる金を赤字のほうに流用してやるということはやむを得ない。私はそのことがいけないと言うわけではない。そのことはやむを得ないことだと思うのです。しかし大臣、実際考えてみて、献血というものは国民の善意によってなされるのです。血というものは人体の一部なんですね。その人体の一部をあなたは出しなさい、善意のためにひとつ献血しませんかということで、七月一日から一カ月間、献血愛の運動というものを厚生省も日赤も展開される。ところが実際に供血したものが人件費あるいはそういったものに使われておるということを考えたら、供血する人は、何だ、自分たちが無料で供血したやつで政府は、日赤のほうは人件費なり何なりに使っておるのじゃないか、こういう結果が生まれてくると思うのです。そういうことを考えてくると、これから医学の進歩によって、いままで内科でやっていたものが外科手術でやる、こういう状態で血液は幾らあっても足らない、幾らあっても不足しておるのが現状だ。だとするならば、一億総献血、総供血というような運動を展開していくためには、この際血液というものは全部国が見るべきだ。今度値上げした分が六億七千万、その分については厚生大臣のお骨折りで一応据え置き、原価に戻しておくということで方針が政府との間にきまったようでありますけれども、これをもう一歩前に進めて、血というものは全部国費で見る、その部分についてだけは全部国で見る、しかもこれは三十九億ですか、そういうことを厚生大臣お考えにならないかどうか。いますぐというのじゃないのですが、前向きそういう方向に進むようなことを検討される意思はないのか、そのことについて厚生大臣からひとつ御説明をいただきたと思います。     〔主査退席、松野(幸)主査代理着席〕

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私も実はあまり若くはございませんけれども、それでもいいというものですから献血をいたしておるものでございます。もちろん無償の献血をしております。それが使用される場合、利用される方は千数百円。これは大部分は保険でカバーされるのでございましょうけれども、そういうコストになっているということで、初めは正直のところ私も献血者の一人として不審に思いまして聞いてみましたところが、血液採取をしましても、その採取したものを消毒するとかあるいは調整するとかいうような、いろいろ人件費、物件費もかかるものですから、利益を乗せておるわけではないけれども、千数百円の実費を医療に使う場合には出さざるを得ない、こういうようなことで、そういうものかなと初めて思ったわけでございます。今回値上げをするときもあまりいい気持ちでいたしませんでした。そこで一つの提案を実はいたしたわけでありますが、少なくともいまは預血制度ではなしに、全く純粋の献血制度ではございましょうけれども、献血をされたその人並びにその家族には、調製費とか保存費とかいうものはみな日赤の計算機構の中でかぶってしまって、ただにするか何かしないと、どうも値上げそのものがのみにくい、こういうようなことも申しまして、国会のしかるべき人からもまた同じような趣旨の提言もございまして、実はまずそういうことをいたしました。そこで、集めた血液は、献血した人並びにその家族の方々に戻される場合はごく一部でございますからよろしゅうございますけれども、全部につきましては、ただいま御提案のように直ちにそれをただにするということは、いま私がここでなかなか踏み切って申し上げにくいことでございます。それよりもむしろ、今度人件費、物件費の値上がりがあって、それが数億だということでございますが、政府の政策よろしきを得てこれ以上物価が上がらない、人件費も上がらないということなら別でございますが、来年も再来年もやはりコストアップというものがある限りにおいて、それを一体どうすべきかということでまず私は頭を悩ましておりまして、根元の千五百五十円にさかのぼってそれを無償にするということにつきましては、いまここでお答えできません。できませんが、日赤はそれだけを事業としているわけではごいざませんで、広くいろいろな事業もやっておりましょうし、また合理化、近代化により得る面もあるかもしれませんし、また施設などにつきましては、国は直接補助を出せない仕組みになっておりますけれども、間接に補助の方法などもございますので、そういうことをもやることも頭に入れながら、上のせの部分並びにいまおっしゃる根元の部分につきましてもいろいろ考えてみたい、かように思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 いますぐ大臣ここで御返事できないということだと思うのですね。前向きで御検討いただけるものとは思いますけれども……。御承知のように、いまの一千五百五十円のうちの二百円も、結局消費者が負担をしておる、供血者が負担をしておる。その二百円によってさっき言った血液センターの自動車とかなんとかつくられておるわけです。三百円は――私は三回献血しましたが、ここにつけるバッジが違うのです、一回、二回、三回と。そうすると、ジュースが一本、小さなハンカチが一つ、これが原価三百円するとは私はどうしても思えないのです。しかも大量仕入れですから。だとするなら、現在のワクの中でも実際に献血行政そのものに要る金というのは、一千五百五十円のうちの一千五十円なんです。現在でもその二百円はもう減らすことができるのですよ。しかも先ほど局長が言われたように、二百円は現に流用されておるわけです。赤字に対して流用されておるのです。そういうことは供血者はだれも知らないし、教えない。一生懸命調べた人だけがそういうことがわかる。だからそういうことを考えると、私は、この際、もう血液の問題については、これほど医学が進歩をして大切なものになってくれば、この血液だけは無償にするのだ、大臣は供血した人だけは無償にしたらどうかということに伺いましたけれども、供血したくても供血できない人がおるのです。血液の比重が低いとかなんとかという人は、自分はほんとうに気持ちの上でやりたいけれども、血がとれない。そういう人たちが病気になったときには、気持ちはあるけれどもだめなんだから、これは無償にならない。対象外だというようなことになってくるわけで、私はいまやったことを改めよというわけじゃない、それはそれでけっこうです。それをもう一歩進めて、厚生大臣として前向きに、将来に向かってやはり無償の方向でいく、こういうことで私はぜひ血液行政というものは進めてもらいたい。そうしないと、来年また人件費が上がったらまたこの血液の値段をどうするのか、その次に上がったらまたどうするのか。結局公共料金の据え置きと同じようなことに血液行政というのはなるのです。私は血液というのは公共料金とかなんとかとは別のもの、これはあくまでも人体の一部のものだこ、ういうふうに考えておりますから、できれば、そういった人体の一部でありますから、そういう意味からするならば将来に向かって無償、こういう方向で大臣努力をする。私は無理言っているのじゃないのです。大臣、ぜひ努力してください。そのことを大臣にお願いをするのですが、どうでしょう。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先ほど積み立て金の御説明をしましたときに申しましたけれども、千六百五十円のときにはおっしゃるように二百円は積み立てておりましたけれども、千五百五十円になりましてからは、これは管理費だけのものでございまして、その点は御理解していただきたいと思います。  それからなお将来の問題につきましては、大臣から先ほどお話がございましたように、私どもとしても先生の御趣旨に沿うように最大の事務的努力はいたしたい、かように考えます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大臣、どうですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 松浦さんお説まことに理想のお話で、私も、私とあなたと違ったものを食っているわけではないから同じ気持ちを持ちます。しかしやり方はなかなかむずかしい面がございますので、根元から無償にしてしまうのか、あるいは私が申しましたように、本人並びにその家族を無償にするというようなことをとりあえずやりましたが、これは必ずしも根元から無償にするという方法論にこだわらずに、あなたも考え、私も頭のどっかにある考え方を何らかの方法によって達成するような一つの考案をさせていただいたり、またそういう姿勢を続けてまいりたいと思います。これ以上私がよろしいと言うわけにはなかなかまいりませんので、御承知おきいただきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大臣の頭の中のすみにあるのと、私のすみにあるのと一致するだろうというように理解して、これ以上は申し上げませんけれども、いま局長の言われた五百円の配分ですね、これは依然として残っておるんじゃないですか。いつなくなったんですか。四十四年の四月からなくなったのですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 四十四年から先生おっしゃるとおりやめております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 その点についての解釈がちょっと違いますけれども、それは専門家がそう言われるんだからそうだと思いますが、私のほうももう一ぺんそのことは調べさせていただいて、また後ほど質問をさせていただきたいと思います。  時間がなくなりましたので、血液の問題は大臣の御答弁で一応了解して次の問題に移ります。それは老人対策の問題でございます。  これからの日本の社会保障、福祉の中心は私はやはり老人対策だ、かように思うのです。この前大阪で世界老人大会が開かれたことを厚生省の皆さん御承知だと思うのですが、そのときの決議の中にこういうことばがあります。われわれ老人は社会のために何ができるのか、これが実はあの大阪で行なわれた世界老人大会のことばだった、こういうふうに読ましていただいたわけでありますが、確かに現在の老人に対する老人ホームあるいは軽費老人ホーム、こういった施設の拡充強化というのはなされておるのですが、実際に老人自体が就労する軽作業、こういったものについては、確かに一部そういうことが行なわれておるところがあることは事実でありますけれども、そういうものが全体的なものにまだ進んできておらない。私は少なくともこれからの老人問題というのは、やはり政治の中心にくると思うのですが、そういった老人に対する軽作業、軽労働就労の機会、こういったものについて厚生省のほうでは将来の方向としてどういうことを考えておられるのか、簡単にお示しいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は全く松浦さんと同じ着想を持っております。すでに、数は少のうございますが、年寄りの職業あっせん、お世話するということをする機関を、これは労働省とは離れて厚生省自身が助成をして幾つかの地方でつくらせておりますが、それに加えまして、実は四十六年度から元気な老人にひとつ社会開発の作業に参加してもらおうと思いまして、老人社会開発部隊と申しましたか、そういうような名前の幾つかのチームをつくり、助成費を初めて計上いたしました。さらに私はいろいろこれから社会福祉のための施設をつくりますが、施設をつくってもその中で働く専門職の人が足らないわけであります。したがって、おばあさんの看護婦さんに出てきてもらって老人ホームのお世話をするなり、身体障害者のお世話をするなり、また元気な老人がねたきり老人のお世話をするというようなことができるようなことに結びつけていきたい。これは定年制を延ばすとかいうことはもちろんでございますが、そういう面ではあなたと全く同じ考え方でございまして、年寄りはただ助けるだけでいいんだでなく、生活助成あるいは医療費の負担等々ではなしに、社会の先輩としての経験を十分生かして、そして長生きした意義と張り合いを持っていただくような方面に、これらの年寄りの方々に働いていただくということをぜひ開発すべきだと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 その問題と関連しまして、現在老人施設に――私は「収容」ということばはあまりいいことばでないので使いたくないのですが、しかし実際には厚生省のほうはすべて「収容」ということばを使っておるのです。だから「収容」ということばを使いますが、老人ホームに収容されておる皆さん方が軽作業労働できるように、老人ホームの一部にそういった軽作業ができるようなものを全国的につくっていって、そこで仕事をさせるというような構想は出てこないものか、発想として出てこないものかどうかお尋ねをしたいと思います。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 先生の御指摘の点につきましては、四十五年度から養護老人ホームに作業場の設置をいたしました。これは十五カ所でございます。寝たきりの老人ホームは別にいたしまして、その他の老人ホームが八百ばかりございますから、数はまだ非常に少ないわけでございますが、十五カ所で温室の園芸とか陶芸焼きとか工芸品というような軽い作業をやるということで、一カ所当たりの国庫補助が百五十万ばかりでございます。そういうものを四十五年度から始めまして、私も先生御指摘の点は全く賛成でございまして、今後そういう施策をなるべく拡大していきたいというぐあいに考えております。     〔松野(幸)主査代理退席、主査着席〕

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 いま局長のほうからそういう施設を拡大をするということでありますから、私は、できるだけ早い機会にそういう設備が全国に、全老人ホームに完備することを期待をいたしたいと思うのです。  これと関連をして、わが国で非常におくれておる問題に実は老人病対策がある。特に脳卒中、それからリューマチ、こういった老人の後遺症に対するリハビリテーションですか、これに対する施設なり指導というものがまだおくれておるんじゃないか。たしか温泉地を中心にして全国五カ所でしたか、できておることを承知をしておるわけでありますが、そういったものが老人対策と関連をしてやはり出てこなければいかぬのじゃないか。四つか五つじゃちょっと少な過ぎるんじゃないか、こういう気がするわけでありますが、この後遺症に対する施設、これについては一体いつごろをめどにしてどれくらいつくる計画があるのか、ひとつ御発表いただきたい。御意見を聞かしていただきたいというふうに思います。

松尾正雄厚生省医務局長

○松尾政府委員 御指摘のリハビリテーション問題がたいへんわが国でおくれておりますことは同感でございます。全体といたしまして何カ年計画という形でこういう医療関係のものを整備するというところまでまだ至っておりません。ただ、先生も御承知と存じますけれども、リハビリという問題は実は後遺症が起こってから始めるものではございませんで、病気が始まったときにすでにリハビリという問題を考えなければいけない。いわゆる急性期から一貫をしてつないでいくという問題でございますので、ただいまそういうような医療上の体系というものをどういうふうに組み合わせるか。私どもが直轄いたしております国立病院と国立療養所、こういう二つの相反するようなと申しますか、短期と長期というものがあるわけでございます。これらについてもただいまのような事例というものは両方に入ってまいりますので、そこらをどういうふうに折り目をつけてスムーズに動かすべきであろうかということをもっぱら研究中でございます。できるだけ早く御趣旨に沿いますように私どももがんばりたいと存じます。  なお、ただいま御指摘のございましたリューマチ対策、これも率直に申し上げまして、国の対策としてははなはだしく体系的にはおくれておる、こう申し上げなければなりません。私ども局内でもすでに専門家を集めて、そういう問題についての検討会を開始いたしておるわけでございます。早急にそういうような全般の体制の中でこれをどうするかということを詰めたい。同時にまた、先ほど大臣もおっしゃっておられましたけれども、こういう関係の職員というものは非常に貴重でございまして、そういう人たちの確保ということもあわせて早急に計画を実現したいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 厚生大臣にぜひこの際、お尋ねをしておくというよりも、厚生大臣としてぜひこういうことをしていただけないだろうかということについてお尋ねをしてみたいと思うのですが、私は建設委員をしておるのですが、道路をつくるとか河川の改修、治水、家をつくるとか、こういった形をつくるものについては必ず何カ年計画というのがあるわけです。第二次五カ年計画、道路については十兆三千五百億、下水道については二兆六千億、こういうふうにちゃんとした計画というのがあるのです。ところが厚生省で何カ年計画というようなものは、もちろん予算の規模もなかなか建設省のようにはたくさん回ってこないので、あまり何カ年計画というのを聞いたことがないのですが、これから七〇年代から八〇年代にかけてこの老人問題が非常に重要な問題となってくるということになれば、この際大臣の発想として、この対策について、いま局長もお話しになったような問題も含めて、老人対策の何カ年計画というものを厚生省でつくり上げて、これに予算措置を大蔵省との間で話し合いをして、何カ年計画で達成するという目標をきめた、そういった老人対策何カ年計画、五カ年計画、七カ年計画、こういったものをおつくりになるというような構想、考え方、これについての御意見を承りたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 松浦さんがいま希望されましたとおりのことを実はいまやっておるわけでございます。昭和四十六年度から当面五十年度くらいまでの五カ年を想定いたしまして、これは老人ホームのみならず、身体障害者あるいは保育所等をも対象にいたしまして、社会福祉施設整備五カ年計画、あるいは緊急整備計画というような名前であったかもしれませんが、そういうものをおおむね概成をいたしまして大蔵省へ持ち込んでおります。それの初年度といたしまして、とにかくつかみではありますが、本年並びに昨年に比べましてかなり多くの施設費の元金をその予算の中に組み入れてもらいました。厚生省にも他の面におきましては、たとえば水道でございますとかあるいは清掃施設については五カ年計画がございます。こういうものはやりますが、社会福祉施設は国民の社会福祉マインド、ことに家庭における核家族化の傾向等、そういう人的要素が非常に加わってまいりますので――いまの老人数だけを目標にして計画をいたしましても、お互いが親不幸になりまして、あるいは親のめんどうはみな国で見てもらうんだということになりますと、直ちにその計画が倍になるようなことでもありますので、そういう人的な要素が加わっておりますことと、それから道路や下水道と違いまして、先ほどもお触れになりました、中の専門職員の確保の問題が伴いませんと、入れものだけつくっても、ちょうど僻地診療所をやたらにつくる――こともまあしませんけれども、医者のいない僻地診療所をつくるのと同じようなことになってしまいますので、そこできちっとしたものはつくれませんので私が概成しておるということばを使わしていただきました。中の仕分けを、老人に限らず、あるいは身体障害者、精神薄弱者、あるいは保育所、乳児施設等いろいろの小さい区分けもございますので、道路を国道と地方道とに分けたようなもの、あるいは有料道路とに分けたようなものとはやや違う面もございますので、動きのとれなくならないような形においていま松浦さんが御示唆になりましたようなものをつくりつつあるというか、おおむね概成されてきておりますので、それを一そう完成してまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 そういったものが現実的に厚生省の内部ででき上がって、予算等の関係で大蔵省との折衝その他があるということから具体的にこうこうだということの発表ができないということであれば、これは了解をいたしますけれども、やはり国民はそういったことについて早く知りたい。老人対策についてどうしてくれるんだということをやはり国民は期待をしておると思うのです。そういう面で私は早急にそういった方向を確立してもらいたいというふうに、道路であるとかここにある水道事業と同じように確立してもらいたい、かように思うわけです。  最後にあと一点ですけれども、これはもう簡単なことですから、国立療養所が独立採算になりまして、そして御承知のように、いままでは結核療養施設でしたけれども、それに老人を収容する、けっこうなことだと思うのです。老人を収容することはけっこうなことだと思うのです。ただ問題は、この前NHKのテレビでも放送されておりましたが、看護婦さんがあの重たい寝たきりの老人の方を動かすために腰椎症というんですか、腰骨を痛める看護婦さんが非常に多く出てきておるのです。そこで、いま小児病棟なりその他の病棟から老人病棟に加勢に行く。加勢に行くと、逆にその加勢に行かれたほうが手薄になる。オーバーロードになる。こういったことは、私はそういう施設ができることにはもろ手をあげて賛成しますが、それに伴う人間の配置といいますか、やはりニッパチといって盛んに厚生省あたりと看護婦さんとの間でいろいろと会って解決しているようですけれども、こういった施設ができればできるほど働いておる従業員の数の確保、予算のこともあるでしょうけれども、そういうものを施設に適合して配置するようなことをぜひ考えていただきたいと思うのでありますが、その点についての御答弁をいただきたいと思います。

松尾正雄厚生省医務局長

○松尾政府委員 看護婦の配置患者のそういう看護度といいますか、重症程度に応じまして配置いたしますことは当然のことでございます。現在でも全体といたしましては傾斜配置と申しますか、適正な内部で配置ができますようなくふうをいろいろやっておりますわけでございます。しかしまた全体の定員をふけさなければなりません。たとえば四十六年は前年に比べまして、国立療養所だけで六百三十名の看護婦の増員をいたしました。それでもまだ不十分な点もあろうかと存じますけれども、内部での合理的な配置と相まってそういう増員を含めまして対処していきたいと考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 与えられた五十三分が来ましたから意見だけ申し上げておきたいと思うのです。  実は、看護婦さんの不足、不足ということがあるんですけれども、有資格者というのはたくさんあるのですね。家庭に入って潜在的にたくさんおられるわけです。そういう人たちが全体的に病院なりそういう施設に出てくるというためには、やはり有夫の看護婦さんたちが働きやすい環境、病院の中に託児所を置いてやるとか、そういったことをやることによって看護婦の不足というものを私は補える、かように思いますので、看護婦不足、不足というんじゃなくて、不足ならばどうするという前向きの施策というものをとっていただくことをお願いいたしまして、私に与えられた時間が参りましたから質問を終わらせていただきます。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、古川雅司君。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 私は本日は保育所の問題、なかんずく無認可保育所の実態について若干お伺いをしてまいりたいと思います。少々古い記録でございますが、昨年の八月三十一日の新聞に、厚生大臣が保育所設置に対する国の助成措置を来年度から大幅に拡充する。五十年までに要保育児の一〇〇%の収容を目ざすいわゆる保育所緊急整備基本計画をまとめるとともに、将来児童教育の義務化が予想されるために、近く児童福祉審議会に幼児教育の義務化と保育所の関係について諮問する方針をきめたということがございます。この問題に対しましてその後どうなっているか、その御報告をいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 児童福祉審議会にはその課題を取り上げてただいま審議をしていただいている最中でございますので、いろいろまたお知恵を出していただけると思います。それに先立ちまして四十六年度の予算編成にあたりましては、保育所も含め、また老人ホームその他社会福祉施設をも含めまして、社会福祉施設整備費といたしまして八十三億円ほどの予算を確保いたしました。これはかつてないことでございますが、その中の重点整備の一つとして保育所を取り上げることにいたしております。また要保育児の数は、いろいろ社会構造が毎年変わってまいりまして、共かせぎなどの状況も多くなる一方のようでありますので、その間要保育児の数も私どもの予想以上の増加もあると思いますけれども、いま古川さんが読み上げられましたような私の談話、どこでした談話か覚えていませんが、その談話の線に沿いまして、保育所緊急整備五カ年計画というようなものを立てまして、おおむねその総需要にこたえるようにいたし得ると考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 諮問されたわけでございますが、いつごろ結論を得られるように見込んでいらっしゃいますか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 昨年の秋に諮問をいたしまして、一応考え方をまとめていただく、いわゆる集計の時期といたしましては、御案内のように中央教育審議会のほうが大体ことしの春ごろといいますか、四、五月ごろを予定されているというふうに伝えられておりますので、中央児童審議会のほうの考え方を整理されるという時期は、大体三月ぐらいをめどにしましてお願いをいたしております。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 いわゆる保育所問題では、保育所の絶対数の不足ということがいつも問題になるわけであります。この乳児、幼児の保育について、これはおそらく大臣は最も理想的には母親の手元で育てることが理想的だというふうなお考えを持っていらっしゃるのか、あるいはこうしたいろいろの社会情勢の変化によってどうしてもおかあさん方が働かなければならない。そのために子供を預けなければならない。そうしたやむにやまれない社会的な情勢のために、この保育所の必要性というものが叫ばれるのか、その辺、どのように認識していらっしゃるか、その辺からはっきりしておいていたただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 子供の出生率が数多くございませんが、それでも御承知のように年間百七、八十万人の赤ちゃんが生まれるわけであります。それらの乳児、またそれが二年たち三年たち幼児になるわけでございますから、毎年百七、八十万人のそういう乳幼児を累積して保育所に入れるということはとうてい考えられませんので、私は原則的には子供はおかあさんの手元で育てるのが一番理想でもありますし、またそうしていただかないと幾ら保育所五カ年計画を立てましても間に合いません。しかしお話のように夫婦共かせぎ等社会経済構造の変化も非常にございますので、保育所に子供を入れたいという社会的ニードも一方において非常に増加をいたしておることも事実でございますので、私どもはそれに対応しなければならないと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 そこで、そうした社会情勢のために保育所の必要が叫ばれているわけでございまして、決しておかあさん自身のレジャーのためや子供をじゃまにして保育所に預けるなんということはもう問題外でございますが、やむにやまれず子供を預けておかあさんが働きに出なければならない、そういう背景を考えますと、当然保育所の運営に当たりましては現在行なわれているような国の助成というものが行なわれている、そういう背景であると私は思います。先ほど御答弁にもありましたとおり、そうしたときにいわゆる保育を必要とする児童の数が現在の施設の定員を上回っていることから、この設置数の不足が叫ばれているわけでありまして、そこに必要に応じて、きょうこれからお尋ねをしていきたい無認可保育所の存在があるわけでございます。その点につきまして、まずその実態でございますが、昭和四十一年五月の厚生省の調査、この調査によりますと大体二千二百カ所、そこで預かっている児童の数は十一万五千人という報告を私は伺っているわけでございますが、その後の実態をどのように掌握していらっしゃるか、簡単に御説明いただきたいと思います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 昭和四十一年の時点における調査につきましてはいまお述べになったとおりでございます。そこで、その後四、五年間経過いたしておりますので、その後の調査をほんとうは急ぐべきであるわけでありますが、実は四十一年の時点におけるような大がかりな調査はやっておりません。断片的に地域的な調査というのはその後やっておりますが、私どもが客観的に得ております情報としましては、おそらくこの二千二百カ所というものが若干ふえているのではないか、まあ大体二、三百から四、五百くらい当時よりもふえているのじゃなかろうか、こういうような推測をいたしております。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 実態をつかむ手段がないという意味にも私は受け取れますし、それはある一面からいえば当然であると思います。むしろ実態をつかめないということは、現在無認可保育所の置かれている内容、実態そのものを示しているんじゃないかと私は考えているわけでございます。実際こういういわゆる無認可保育所といわれているところへ子供さんを預けて働きに行っているおかあさん、そういう方々に会って聞いてみますと、いろいろな理由があげられますけれども、まず自分のうちから近い、あるいは職場に近い、公立あるいは私立の一般の保育所が非常に遠いということが一つと、いわゆる認可された保育所が近くにない、それだけの理由でございます。しかもその子供を保育所に預けなければならないという事情は、認可された公私立の保育所に子供さんを預けている親御さんと全く変わらない。すなわち冒頭にお伺いをいたしましたいろいろな社会的な情勢によって、やむにやまれず子供を預けて働いている。その動機は全く区別がないわけでございます。その場合一番問題にされてきているのは、こうした認可をされない無認可の保育所に対して国が何ら助成をしていないという点、この点は厚生省のお考えとしては、無認可に対してはそうした助成を認めることはできない、そういう方針を貫いていらっしゃるように思いますが、何かこれに対して、こうした保育所を保護していく、そういう点を考えていらっしゃるか、そういう点に踏み切ることができるかどうか、その点まずお伺いしたいと思います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 無認可保育所でございますので、いわゆる法律の規定に基づく正規の保育所ではないわけでございます。そこでまあ非常に冷たいような言い方なり考え方を厚生省がとっているように受け取られるわけでありますが、私どもとしましては無認可保育所というのが自然発生的にできてきましたそういう社会的、経済的な背景というのは十分了といたすわけでありますが、やはりこのような幼児なり乳児を預かるいわば公的な保育施設というものは、一定の設備なり運営面における基準というものがどうしてもやはり必要であることもまたおわかりいただけるだろうと私は思うわけでございます。そういうような観点からしますと、やはり現在の私どもがきめております設備なり運営の基準というものに合致いたしませんと、どうしてもそこでいわゆる正規の認可保育所にはなり得ないわけでございます。  そこで無認可保育所というものが、いま申しますように二千数百カ所あるわけでございますが、このような無認可保育所というものに対して私どもが考えております考え方としましては、できる限りこういう無認可保育所というものを正規の保育所に切りかえていただくような面の施策というものが一方において大事じゃなかろうか、こういう基本線を持っているわけでございます。そういう趣旨から、数年前から無認可保育所の解消としまして、いわゆる小規模保育所というものを都市周辺に現在までつくりつつあるわけでございます。そういうような定員その他において若干の弾力性を持たした小規模の簡易の保育所というものをつくりまして、この無認可保育所というものを今後漸進的にひとつ解消していきたい、こういう考え方が厚生省の考え方でございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 先ほどいわゆる無認可保育所の実態がつかみにくいという御答弁がございましたが、私たち陳情や請願の形で、あるいは住民の方との懇談の形で、この保育所の不足についてはいつも訴えられているほうでございます。実際に先日都内のいわゆる無認可保育所の実情を数カ所私たち見せていただいてまいりました。これはその一例でございますけれども、昭和四十四年の九月に開園をした保育所でございまして、保育所というにはほんとうにあまりにもお粗末な、実際には少し大ぜいの子供さんを預かって子守をしているというような実態でございます。これはよく御存じであると思います。六畳一間で、まあ不定期でありますけれども、八人から十人ぐらい預かっておりました。この中で資格のある保母さんは一人でございます。この点も一つ問題になりますけれども、なかなか保母さんを頼んでも資格を持っている人はいないし、そうした人が集まらない、来てくれない、これは一つ大きな悩みでございました。ほとんどがパートで働いている。設備はもちろん非常に貧弱でありますし、嘱託医もいない。予防接種なんかもしてもらえない。一たん事故があった場合にはほんとうにどうなるのか不安でたまらない。  もっと問題になるのはそこへつとめている保母さんたちあるいはパートの御婦人たちですけれども、労働条件というのは実に劣悪である。それはもう重労働です。時間に制限もないし身分の保障もないし、ただ子守としてそこに集まってきて赤ちゃんを預かっている、こういう実態でございます。  ここにこうして赤ちゃんや子供を預けているおかあさん方というのは、非常に若い人たちです。どうしても家計のために働きに出なければならない。わずかの収入を得てきてもこれが小規模のしかも無認可の保育所であるために、保育料も非常に高額を負担しなければならない。せっかく働いてきても収入のかなりの部分をこの保育費にさかなければならない。だからといって働かなければ生活はできない。こうしたいろいろな声を聞いてまいりました。こうして考えてまいりますと、現在認可された公私立の保育所に子供を預けることができる人たちというのは非常に恵まれた人たちだ、選び抜かれた人たちだ、こういう羨望の気持ちさえ、ここに子供を預けているおかあさんたちは抱いているわけです。その場合どうしてもここが問題になるのは、なぜそうした差別を受けなければならないか。それはもう、少しでもたくさん公私立の保育所ができて、認可された保育所ができて、そこで十分安心して子供を預けて仕事に出ていけばそれにこしたことはないんだ。しかしやむにやまれずこうしたところに預けなければならない。それに対して何ら国が適切な助成ができない。いま冷たいということをお認めになりましたけれども、これは何とか方策を講ずることはできないというのが私のお尋ねする結論なのでございますが、もう一度いかがでございますか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 古川先生も仰せのように、基本的な方向としましては、一般の正規の地域保育所というものはもっとどんどんふやしていく、これが私どもの考えなければならぬ基本線でございます。同時にまた、先ほど申しましたように現実にそういう社会的な背景を持ちながらいわゆる無認可保育所というものが自然に生まれてきている、こういうことにわれわれは着目をいたしまして、現在あります無認可保育所というものをできる限り正規の保育所に切りかえさしていくような一つの指導なり何なりをやるべきじゃないかというのが次の私どもの基本線だと思います。したがいまして、後段のほうにつきましては、先ほども申しましたように、小規模保育所という制度を今後できる限り運用を強化していきたいというふうに考えているわけでございますが、いま先生の申し述べられましたように、無認可保育所の実態というものは、私どもも、設備なり保母さん等の労働条件というものが非常に劣悪なものだということも十分承知しております。そういうような条件のもとに預けられております子供さんというものの福祉がほんとうに守られているかどうか、確かにこの点は私どもも目をおおうべきではないと思うわけでありますけれども、冒頭申しましたように、一定の基準なり何なりによって、保育所というものを今後認可していくというこの基本線も、片一方において私どもは守らなければならぬ立場にございますので、そこらあたりを今後どういうふうに調整していくかというのが課題になろうかと思います。やはりできる限り正規保育所に切りかえさせるようにすると同時に、根本的には、地域保育所という正規の保育所を今後やはり拡充していくという方向にわれわれは最善の努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 保育をする児童であってなおかつ正規の保育所に預けられないという人がたくさんおるところに、こうした問題が起こってくるということは十分認めていただけると思います。いろいろ原則論を申されましたけれども、都内にあってはそうした住民の方々の要請、そしてまた無認可保育所の当事者の方々の要請に応じて、いわゆる保育室制度というんですか、そうした制度を設けて一部補助金という形で支出をしている。これはこの補助金を受けているところとそうでないところとございますけれども、補助対象の無認可保育所の場合には、わずか百六十件ほどだそうでございますが、一児童あたりに一律千五百円、職員には四万円、これは一カ月分ですね。これは四十五年度でございますが、こういう措置をかろうじて講じて、非常に苦境に瀕している無認可保育所を多少なりと救おうという努力をしているわけでございます。これは東京都の一例でございますけれども、こうした現状から見れば、厚生省としてみじめ過ぎる実情に対して、何らか地方公共団体におくれをとらないだけの措置を考えるべきではないか、そのように思うのでございますが、いかがでございますか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 現実の実態が、無認可保育所の二千数百カ所につきまして、非常にいわゆるピンからキリまでございまして、最低基準等に合致しているものもございますし、また最低基準にほど遠いものもございます。そういうような実態があることは、私どももよく理解できるわけでございますが、先ほど来から申し上げておりますように、現時点においてこのような二千数百カ所の無認可保育所というものに対して、国が一つの助成というような予算的な援助を申し上げることは、非常に困難だろう。むしろ、先ほど申し上げておりますように、正規保育所というものの増設に努力すると同時に、無認可保育所というものをできるだけ正規保育所に切りかえさせるような、そういう面の施策を取り上げていくのが本来の筋じゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 実際国の予算措置としては、昭和四十六年度が百二十六億増の五百九億六千三百万円という予算を計上していらっしゃいます。これはたいへんな努力であったと思います。しかしこれはあまりにも少ない。ということは、現実に照らしていままでが少な過ぎたのであって、このくらいでだいぶふえましたとは決していえないと思います。これははっきりいってしまえば、物価上昇分をカバーした程度、いままであまりにひどかったですね。保母さんの待遇を多少引き上げた程度にすぎないと思うのでございます。しかも助成金が公立においては、公認の保育所においては、一カ月一名当たり三万二千円、それから私立の場合は二万八千円、無認可の保育所の場合になりますと、いま言ったように東京都の場合だけですけれども、保育室制度に加入しているものだけで千五百円、この格差はあまりにひどいと思うのです。たくさん公認の保育所をつくればこういう問題は解消するとおっしゃいますけれども、現時点で、こうした非常にみじめな保育所に収容されている皆さんを救済するにはあまりにも先の話です。先にどうこうしてくれというのではなくて、現実にいま子供を預けて働きに出ていかなければならないおかあさんたちが、切実なこういう叫びをしているわけでございます。東京都でさえわずかではあるけれども、形ばかりではあるけれどもこれだけの助成をしてくれているんじゃないか。これはおかあさんたちが悪いわけじゃないのです。この無認可保育所で働いている保母さんが悪いわけじゃないのです。ただ認可されているかいないかというだけのことでございます。この点、国が何ら方策を講じないというのは、むしろそのほうが筋が通らないのではないかと私、考えるのでございますが、大臣がいつの間にかいなくなってしまいました。けしからぬと思います。昭和五十年には、要保育児童の一〇〇%の収容を目ざしてこれこれの計画を立てるというところまで大臣は言い切っている。どこで言ったか覚えていないなんてちょっと無責任なことを言っておりましたけれども、少なくとも新聞の記事として記録に残っているわけでございます。そういう意図があるわけでしょう。そういう計画を持っているわけでしょう。これだけの計画を、裏を返して言えば、実現しようと思えば、今日のようなこんな微々たる保育所の措置費ではまかない切れるわけがないのです。この計画に沿っただけの予算を今後確保できる、そうした確信を持って、見通しを持ってこういうことを発表していらっしゃるのか、こういう計画を練り、児童福祉審議会に諮問していらっしゃるのか、その点を私は大臣に確かめたかったのです。あと一つ残っていますが、ちょっと待ってもいいですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 無認可保育所というものの実態はよく御存じのとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましても、やはり保育所で預からなければならない児童というものをできる限り早急に解消する、こういう方向で先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、五十年度ということを目標にして、現在予想されております要保育児童というものをできる限り早く解消したい、こういう計画をいまつくり上げつつあるわけでございますので、そういう計画が達成できるようにわれわれも最善の努力をいたしたい、かように思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 厚生大臣が見えましたのでもう一度繰り返させていただきます。お伺いしたことは、無認可保育所の実態をお話ししたわけです。そこへ子供さんを預けて働きに出なければならない。これは決しておかあさんの事情でもないし、また非常にたいへんな条件のもとで無認可保育所で働いている人たちもいるわけです。これも決して自分たちの事情でもないわけです。言ってみれば、認可された正式の保育所の絶対数が足りないということからきているわけです。そうした保育所に対しては、いま数字もあげたのでございますけれども、国が十分とはいきませんけれども、ある程度の助成金を出していらっしゃる。公立の場合は一人月三万二千円でございますけれども、私立の場合には二万八千円。そういうところに入れないためにやむを得ず無認可の保育所に子供を預けている、そういう人たちに対しては全然助成がない。東京都の場合、かろうじてそうした人たちの要請に応じて保育施設制度を設けてわずか一人千五百円の助成を出している、こういう現状です。国がこうした助成をしないとできない。制度上わかりますけれども、これはあまりにも冷たいじゃないか、そのことをお伺いしたわけでございます。  もう一つは、だいぶ厚生省は努力をして保育所の措置費を増額されましたけれども、これでもまだ不十分であるということはもうお認めいただけると思いますし、さらに大臣に冒頭私がお伺いして、昭和五十年には要保護児を一〇〇%収容できるように計画を考えている、これからまとめる、その考えに基づいて児童福祉審議会にも諮問した、こういうことになりますと、今日においてさえ少ないこの予算で、そうした計画をほんとに実現する気があって、それだけの予算的な裏づけを十分見通してこういうことをおっしゃっているのかどうか。これは大問題になってきていますので、その点をお伺いしたいわけです。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 無認可保育所というのは、いまおっしゃるとおり、やむにやまれず出ているものが多かろうと思いますので、それは放置しておけばいいというものでも決してないと思います。私どもといたしましては、なるべく最低基準に合うように組織がえをしていただいて、いわば小規模保育所と申しますか、その上で助成もするようにしむけていく以外にしかたがないものだろうと考えます。でありますから、認可基準をむやみにつぶすということではなしに、いわば第二種保育所みたいな形で、簡易保育所みたいな形で、よく僻地保育所とかあるいは季節保育所というのがございますが、そういったもので、これらのものを簡易保育所のようなことにして助成していくというようなことを私は考えてまいりたいと思います。  第二番目の措置費が十分でないことは、おっしゃるとおりでございます。人件費などにもかなり無理がございますので、これはこういうやりとりをここで大蔵省も聞いていらっしゃることでありますから、せいぜいその措置費の充実、人件費の充実につきましても大蔵省にもふん切りをつけていただきたい、かように思います。  それから第三番目の、五年くらいの間に要保育児のおおむね一〇〇%を入れるくらいの保育所をつくっていきたいということは、いまでも変わっておりません。しかし冒頭に申しましたように、いろいろ社会経済構造などの変動もございまして、私どもが想像いたしております以上に、要保育児童の数も総体的にふえてまいりますので、人口の都市への集中とかいうようなことでふえてまいります点もございますから、なかなか追いつけない面もございますけれども、しかしいまのところでは、私はおおむね五年くらいに保育所の充足を期していこうという考え方を持ちまして、来年度も再来年度も大蔵省には増額予算をお願いするつもりでおります。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 最後に局長に二つだけお伺いいたしますが、無認可保育所に子供さんを預けているおかあさんの中には別な事情がもう一つあります。それは商店なんかで、人手不足のためにおかあさんが自分の店で働かなければならない。そうした人たちの場合には、現在の公認の保育所では認められていないというような事情が一つあるわけでありまして、そういった点、考慮をしていただけるのかどうかです。  もう一つは、大臣がいま申された一〇〇%今後収容していくというような、そういう計画を立てる上において一番問題になるのは、保母さんが集まらないという問題であります。この点、十分に先を見通しているのかどうか。  この二点だけ簡単にお答えを願いたい。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 第一点の、民間の場合におきます商店等の主婦の方が、仕事の関係で子供さんのめんどうが見れないというようなケースの場合どうするかということでありますが、確かにこれは一つの私どもの問題意識を持っている点でございます。つまり、そういうような中小企業なり自営業での方が一つのグループをつくって、そうして何か保育所みたいなものをつくるというような動きが出てまいる場合もあるわけでございます。従来はそういうようなものについては、いわば厳密な意味の地域保育所ではないというような形でやってきておりますけれども、やはり今後はそこらをよく実態に合わせるように、また一つの国民感情に合致するような方向で考えていく必要も場合によってはあるんじゃないか、こういうふうに思っております。  なお第二点の、保母さんの養成確保が追っつかないじゃないかという点でありますが、これは私どももいま保母の養成所というものを毎年毎年二十カ所ぐらいふやしておりますし、養成生徒の定員というものも相当ふやしておりますので、毎年毎年保母さんの資格者というのは相当ふえてきております。大体保母養成所の資格者と保母試験の合格者を合わせまして毎年二万人ぐらいございます。そのうち八千人から一万人近くの者が大体児童福祉施設に現実に就業していただいておりますので、毎年毎年そういうような増員というものをいわゆる計画的に進めておるわけでございますので、五十年度の時点における保母さんの需給状態というものを、私ども、一定の推測を加えておりますが、そう不足状態なくして、むしろ需給のバランスがとれるようなところまで計画を達成するように私どももいま内部で相談をしております。でありますので、結論的に申しますと、保母さんの需給状態というものは、今後そういう養成計画というものを計画的に進めてまいりますれば、そうこの点は心配するほどのことではない、かように思っておるわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)分科員 終わります。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 私、酒害問題についてお聞きいたしたいと思いますが、歴代厚生大臣に質問を続けておるわけです。国会におる間は質問を続けるつもりでございますが、質問をするごとに厚生大臣は交代をしておるのですが、このたびだけは内田厚生大臣は二度目であり、大体私の気持ちはわかっていただいたと思っておりますが、その前に厚生大臣に私が質問をする理由を申し上げておきたいと思うのです。  第一は、この酒の問題は、酒税という大きい国の財源問題がからんでおるので、行政に対して政治が発言するとか、悪くいえば圧力を加えなければ、酒害予防あるいは防止政策というものが行政化しない。黙っておると、行政のほうからは酒害防止対策は出てこない問題である。何となれば、国の大きい財源である。そのために、私はだれかが国会で政治側から絶えず刺激を与えないとこの酒害対策は出てこないので申し上げているのです。大蔵省の主計官にとっても、毎年数千億の財源でありますから、そっとしておきたいという財政的な本能があると思うので、どうしても国会でだれかが言わなければならぬ、それで言い続けるわけであります。  第二は、財政思想とモラルという問題、この問題について私は痛切に感じております。取りさえすればいいという昔の収奪の思想は、すでに現在の税の思想においてはあってはならないわけでありますが、酒税に関する限りにおいては、完全に収奪思想がまだ生きておる。税の還元思想というものが一つもないということ。ほとんど税金を飲んでおって、アルコール中毒にかかった者に対しても、その社会復帰に対して一片の税の還元思想がなくて、非常に冷酷である。これは財政とモラルの問題だと私は思うので、これはどうしても言い続けなければならない。主計官、おられますか。――民間の競輪とか競馬などは、これは人間の投機精神にうまく便乗して大きい企業経営をしているために、どこかに罪滅ぼしがあって、学校とか文化施設に寄付をすることにおいて、ある意味においては抵抗緩和をするという心理もありますけれども、とにかく還元をして、どこか罪滅ぼしの思想があるが、国が酒を飲まして高い税金を取っておる、その国自身は何ら罪滅ぼしの思想がない。財政思想とモラルの問題は酒税の問題であり、何とか大蔵省の行政官に考えてもらわなければならない。何となれば、酒を売るということで税金をうんと取って、そうして税金を取りっぱなしということは許されないのじゃないか。ことに一方に、財源になる場合には、企業のほとんど飲む金に当たる交際費は無税にしておるが、飲み過ぎて、酒はやめたいけれどもやめられない、そういうアルコール中毒、あるいはそれに近い者、精神病院に世間に隠れて何回か入る失敗を繰り返し、奥さんと離縁、不和、そういう状況になる者に一片の税の還元の思想がないということは、これは許されないのだということを、この酒害問題において何かあかしを出してもらいたい、これが第二の理由なんです。  第三は、私は、酒を飲んで害になる人間にとっては緩慢なる自殺行為だと思っている。したがって、この文明社会において酒の飲み方、あるいは自分は酒を飲んで人に迷惑をかけるとか健康に害になるとかいう場合は、その欲望を抑制するかどうかということは、文明社会の行き方の問題、人間形成としての教育の問題であるために、そういう三つの理由から、国会議員の中でただ一人、私は一人でもいいから、機会あるごとに酒害問題は国会の問題として取り上げていきたい。そのつもりで御質問をするのですから、お聞き願いたと思うのです。  そこで第一にお聞きしたいのは、現在民間のボランタリー運動として酒害問題に取り組んでおる団体はどういう団体があるか、御存じですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 全部知っておるわけではございませんが、たしか一萬田先生が会長になっている酒害防止協会でございましょうか、何かそういう組織がございまして、酒を好まない私のところまでも資料をお送りくださったり、働きかけがございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 一番問題になっておる団体だけ御存じなので、一萬田さんはやめ、それから数代自民党の大先輩がなったのがみなやめて、土地を購入することや赤字を出して問題になって、一番問題になることを大臣は知っておられる。あとで係官から聞いてください。現在、全日本断酒連盟、日本対アルコール協会、酒の害から家庭を守る会、日本禁酒同盟、これは昨年末文部省から規約改正の認可を得て、日本酒害予防協会に改正しているのですが、国際グッドテンプラーズ、日本キリスト教婦人矯風会、お医者さんを中心に日本アルコール医学会、その他、このくらいあるのですから、この機会に覚えておいてください。(内田国務大臣「あなたが会長をやられているのはないのですか」と呼ぶ)私は陰で応援しているだけで、何もしていないのです。  そこで、これらの団体が一体どういう運動をしているか、これは局長、御存じですか。どういう酒害に対するボランタリーの運動をしているか。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 この酒害に関する団体につきましては、十団体程度ございまして、厚生省認可法人は三つでございまして、あとは任意団体でございますが、私、実は前の母子衛生課長時代に禁酒関係の団体に数回出席を求められて、出たことがございます。そのときに受けました印象といたしましては、非常に同志的にお互いに励まし合って、禁酒というものを一つの信念的なものとして考えていこうという空気が非常に印象に強く残っております。現状では、精神病院への入所は実態としてかなりの数がわかってまいりました。精神医療の面と、それから民間団体のボランティア活動によるところの、お互いの同志的な結合による民間団体――民間団体の結合は、そういう面から高く評価していいというふうに私自身は感じております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 そういう団体がどういう運動をしておるか、お聞きしたのですが、それに対するお答えはありませんが、時間がないので、参考に大臣もお聞き願っておきたいと思うのです。  こういう団体は、一つは、アルコール中毒にかかって精神病院に何回か入っておる、そういう者を酒をやめさせる運動、断酒運動というのをやっているわけです。それから第二は、酒なし運転推進運動。街頭で、酒を飲まない運転運動、これが一つ。それから、お医者さんのグループでアルコールの医学的研究をやっております。それから酒害相談運動。各日曜ごとに酒害相談という看板をかけ、新聞に出して、そこへ朝からおかあさんとか奥さんが来て、主人の酒をやめさせるのにはどうしたらいいかという相談運動をしております。これは東京都内にたくさんあります。私も日曜日にはそっと見学に行って、どういう状況か見ておるので、うんと人助けになっていると思うのです。それから、酒害者の矯正施設ですか、そういう施設もやっておる。こういうことだと思うのです。それくらいは、局長、覚えておいていただきたい。この点については、ここで時間はとりません。  そこで、そのうちの一つである、数十年酒を飲んで、税金を飲んでアルコール中毒にかかった人々、これが最近非常にふえている。厚生省の四十四年度の精神病院実態調査の報告を見ますと、精神病院にあるいは総合病院の精神科に入院しておる患者の六%がアルコール中毒患者である。そして三十一年から比べると六倍くらいになっているというあなた方の報告です。数にしますと、入院患者からいうと一万五千人くらいになるでしょうし、入院しないでおる推定患者から比べると七、八万あるんじゃないか、そういう報告は間違いありませんね。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 ただいま先生の申されました数字は間違いございませんで、われわれが今回の実態調査によって把握できたのでございますが、そのうち調査期間中の一カ月間に新たに入院してきた患者が千三百人程度ございまして、全入院患者の一六%を占めておる。男子と女子に分けますと、男子が千二百六十三名、九六%を占めておる。女子は四十三名で三%程度でございまして、六十歳以上のお年寄りは九%程度でございますので、比較的社会的な活動の盛んな方に多いという見方ができると思います。  それから初めての入院である者が五百四十三名ございまして、四一%が初めての入院でございますが、それ以外五九%程度は再入院である、ここに一つ問題があろうかと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 この点ひとつ大蔵省の主計官も理解を深めていただきたいと思うのですが、アル中は、精神病院に入院をして三カ月くらい酒はやめられた。しゃばに出るとまたもとに戻って、数回入っておるのがどうも実際の傾向である。しかも地域社会に一度出れば有名人として活動しているんですね。教育委員さえしているものもある。ところがまた社会生活をしているうちに戻って、酒を飲み始めてまた入院するというのが多いので、再入院が多いというのが特色だと思う。同時に精神病者と一緒に入院さしておるんですね。けれども精神病者といえども、酒を飲まないときは普通人なんです。しかも優秀な活動をするんです。飲むとおかしくなるのであって、一般の精神病院の中に入院をさせて、そして一定の期間、ほかの精神患者はなおればほんとうになおるのだが、これは繰り返しになる。したがってアル中患者だけは別個に国が考えてやらなければいけないんじゃないか。  私は岩手において精神病院あるいは総合病院の精神科のお医者さんに、秘密を守るからぜひ患者になって出た人を教えてくれ、そしてお互いに激励の会をつくってやろうといって、私は自分の名前で言ったけれども、これは職務上の秘密に属するから絶対教えない、精神病者としておるから。だから隠れた、自分で悩み、周囲も悩んでおる者が非常に多い。私はそういう意味において、やはりアルコール中毒の患者は社会復帰のためには別の施設をつくってやらなければ救済できない。ことにアルコールの自由化のためにヨーロッパのきついウイスキーがどんどん入っておるので、数年のうちに二倍、三倍、四倍になって、あと十年、二十年を考えますと、これはやはり日本の生産力あるいは労働力その他知的ないろいろな活動に実に大きいマイナスをつくっていくと思うので、精神病院並みにしないで、ヨーロッパに酒客院とか酒害センターとか何か別のものをとにかく一カ所つくってやって、そして一度酒を三カ月断った者は、先ほど言ったそういう運動をしておる団体の断酒激励会とかでお互いに助け合って激励し、仲間同士の中で救ってやるならば、これは統計上もみな酒を断ってまたすばらしい活動をしておる者が出てくるので、医者の薬ではなおらない。隔離しただけでもなおらない。一定の隔離をして、やめた習慣をそのまま、社会に出たときにグループがあって救うというアフターケアーというものがないとできない、そういうことを考えて酒客院というふうな特別の施設を一つはつくってやったらどうか、これを私から強調するわけです。毎年とにかく五千億前後の酒税だから、一%還元してやりなさい。一%は五億円なんです。五千億の金をとっているのです。そうして、アル中になった者は一番酒を飲んで一番税金を払っている人だ。国家に対する貢献者だ。それで一%はやってやりなさい。ヨーロッパにおいてはもう二〇%ぐらい出して救っているのです。日本が一番、何回言っても何回言っても、厚生省が大蔵省の主計官に持っていったときはもうだめなんです。理解がない。私はやはり財政とモラルの問題として、ぜひこれは実現していってほしい、一%でいいから。一%は五億だ。多過ぎれば〇・〇一%で一千万ですよ。そういうことは絶対してもらいたいと思うので、厚生大臣のこれからの努力、それから大蔵省の主計官にも一言お聞きしたいと思う。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 山中先生のお話をこれで二年聞きますが、そんなにやはりおそるべきものかというような気持ちを、私もだんだん持つようになってまいりました。私自身が酒を飲みませんし、まあ酒というものは飲んだくれて奥さんを困らせる程度だけれども、まさか精神病院に入ってそのようになる人々がそんなに多いというようなことは、私も初めの間は思いませんでしたが、昨年同じようなお話を聞き、本年またそういうお話を繰り返して承りますと、やはり厚生省としてもほうってはおけないような気持ちがいたします。厚生省では何かしているのかと聞きますと、やはりいま山中さんが御批判になられるように、精神病院でありますとか、あるいは地方においては精神衛生センター、そういうようなところ、あるいはまた保健所などをも使っておるようでありますが、そういうところを中心として一つの精神衛生対策として、いわば精神病者対策としての中で一緒に取り扱っているというようなことでございまして、いまのお話を承りますと、それではだめなんだ、こういうような気もいたします。  また、そのほかにも、実は何かしているのかといったら、御承知だと思いますがこういうようなもの、これは昨年十二月につくったので、きょうのお話があるからということであわててつくったものでは決してございませんのです。こういうようなもので、ただ気に入らないのは、酒は飲み方によっては食欲を高進し、血液の循環もよくする。飲み方によっては薬なんだ、しかし下手な飲み方をするとたいへんだというようなことで、どうもやはり三分の一ぐらいは、少しはすすめるようなことも上のほうに書いてありますから、おそるべきことだけを書いたほうがいいようにも思いますけれども、とにかくあなたのお話があるがゆえに、これは何か七万部ですか七十万部ですかつくって、日本じゅうのいろいろな機関を通じて配布をいたしておるそうでございまして、こういう活動のために、精神衛生の関係には別に三百数十万円の予算もとにかくあなたのおかげでついているそうでございます。これは酒の五千億の税金の一%ではなしに何PPMというようなことになって、まことにあれでございますので、まあ相原主計官もおりますが、将来は厚生大臣にも必ずなられる方だと思いますから、いまのうちから少しこういうものに力を入れておいてもらいたい。これはひとつ私も御協力をさせていただきたいと思います。

相原三郎大蔵省主計局主計官

○相原説明員 酒税は四十六年度で六千五百八十四億円が一応予定されております。したがいまして、先生がおっしゃいますように、一%としますと六十五億になってしまいます。それで、現在アルコール中毒関係としていろいろ計上しておりますものを集計いたしますと、七千万程度になりますから、〇・〇一%ということになるわけでございますけれども、私は四十五年予算の編成から主計官の仕事をしているわけですが、とにかく山中先生に必ずアル中をやられるから勉強しておけということをいわれまして、四十五年の予算の編成に際しましては二つ特に気をつけたわけでございます。一つは医務局にアルコール中毒の臨床研究というものを新たにつくりました。もう一つは相談事務でございますが、特にアルコール中毒の臨床研究につきましては、金額はわずかで申しわけないと思いますけれども、ひとつ気持ちだけは十分くみ取っていただきたいと思っておるわけです。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 全国津々浦々にアルコール中毒にかかって、村の人にわからないうちになおしたい、奥さんに離縁寸前の者があって遠いところに入りたいわけです。だからこの地区のどこかにつくってあれば――精神病院はだめです。私は入院しておる人を見舞いにいってやるけれども、医者は普通の精神病へ入れておるだけですから、これはだめなのだ。だからやはりアル中だけをなおしてやるための施設を、二、三千万、もうごく軽いのでいいのだから、つくってやることをぜひ願いたい。昔の、片山哲さんの会長の禁酒同盟、いま日本予防協会と名前を変えたのですが、八丈島に土地はあり、施設はあるが、うまくいかないでストップになっている。ああいうところをむしろ国が酒客院としてやれば、全国から何とかなおしたいと、自分の意思薄弱を反省しながら、それは十万以上はあるのですから、それをひとつつくってやったらどうかと思いますがね。ぜひひとつ検討を願いたいと思うのです。いま大臣聞いておりましたから、そういうことができることを期待し、できるまで幾らでも質問をしていきたいと思うので、主計官も覚悟しておいていただきたい。あまり冷淡に査定しないようにしてください。  それから酒害相談については、一応相談事業費として他のものと同じように予算を流して、各府県における保健所窓口で相談事務をしておるそうですが、アル中は行かないと思うのです、恥ずかしくて。それから役人は指導はできない。毎晩酒を飲んでおる者がお前酒をやめろと言ったって無理なのです、飲んでいるのだからやはり自分が一回、二回精神病院に入って、そしてあらゆる苦心をしてやめて、やめたときの喜びでとにかく逆に酒害運動に社会奉仕をしようという者がおるわけです。その人たちの中へ入れてやって、初めておれもということになるから、これだけは役人が酒害者に相談しても、毎晩飲んでおる者がやってもだめなのだから、――毎晩飲んでいる人も飲まない人もあるけれども。民間で、体験を通じてやめた者は、非常にエネルギーが余るから、人のために尽くす喜びという逆な人間革命を起こしているのですから、そういう中に入れてやるということで、補助とか助成とか、何かそういうグループに対して補助して救ってやるということ以外にない、それは検討されてはいかがですか。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 先生のおっしゃることは先ほどの病院の実態等から見ていろいろ問題がございますが、実は先生のおっしゃるような方向で解決し、またその方向で患者が矯正されていく可能性のものもたくさんございますけれども、やはり精神病との関連、その根っこにそういう問題をかかえたタイプの中毒者もおりますので、その辺の問題について実は四十五年度精神衛生審議会の中に部会を設けまして、しかもお医者さんだけではそういう問題に対する対処が不十分であろうと思いまして、それ以外の社会学者等の方も含めまして審議していただいておりますので、おそらく四十六年度中にはその結論を得て、予算に間に合えばできるだけそれに間に合わせましてやりたいと思いますが、問題は、先生おっしゃるように、それをやってくださる団体なり人なりというものがほしい。これは確かに一般的な意味の国が直接という形よりも、民間のそういうボランティアの育成ということが必要であろうと思いますので、非常に率直な申しようを申し上げますれば、これらの団体がもっとしっかりとした団体となりその方向に資金的な問題でぜひということであれば、われわれいま社会福祉全般にいろいろの民間資金もございますし、そういうものに積極的に配分を実施することも十分考えられますので、私としてはそういうような方向で引き続きまた御協力をいただいて、この団体の育成、団体の内容の充実ということから始めたいというふうな気持ちでおります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 時間がないようですから、そこでひとつ御要望しておきたいと思うのですが、こういうボランタリー運動をしておる団体が一つの全国組織をつくって、いま定期的に会合したりしておるようでありますが、そこへ厚生省の役人が行ってたいてい祝辞を述べて終わっておるわけです。そうでなしに厚生省が一度そういう団体を呼んで意見の交流をする、祝辞だけ述べて終わるのでなしに、こちらから呼んで向こうからの意見を聞くことだけはぜひやっていただきたい。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 山中さん、それ一ぺんやらせましょう。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 あと五分ですから、文部省の社会教育局長来ていますね、時間がないから、文教委員会で酒の話をするのもなにだから、一言だけ。  私は禁欲主義教育も主張していないし、また精神主義者でもない。しかし未成年の酒の問題は、われわれの時代はやはり一応教育問題としてある程度未成年は酒を飲まないように学校生活の中で規制をしておった。いまは全然ない。しかし文明人の生き方として、酒を飲むという習慣を持つか持たぬかということはやはり生き方の問題として重要な教育課題だと私は思っているのです。東京を見ても、十五歳から二十四、五歳までの間に酒を覚え、そこから入っておる者が多いのです。単なる健康上の問題でなくて、いまのように文明社会の中に欲望は豊かになり、選択は自由の中で、意思の訓練をする機会がないから、酒というものに対する飲み方、酒に対する抵抗力というものが、やはりこれから文明人の生き方として、人間形成の問題としてもっと深い意味が出てきたように思うのです。そういう意味において、社会教育局でこの問題を、未成年禁酒法もあるのだから、取り締まりでなくて、教育政策の問題として取り上げるべき段階に来ているのではないか。この未成年禁酒法というのは、調べてみると昔田子さんが内務省社会局長のときに国会議員をだいぶくどき回ってできた法律のようでありますが、現在一番法律で守られないのは未成年禁酒法と選挙法だとぼくは言うのですが、守るやつが非常識で守らぬやつが常識になってしまった。選挙は別だが、未成年禁酒法だけは教育問題として取り上げるべきだ。四十二年にアメリカのジョンソン大統領が――向こうではアル中多いからね。特別布告で青年禁酒教育週間を設定して全米に教育さえやっている。日本は酔っぱらい天国で飲むことに非常に寛容であるけれども、少なくとも未成年の間にそういう習慣をつくらないことには、生涯その人の幸不幸に影響を与えるから、未成年禁酒法もあるので、酒から未成年を守る週間を設定するような新しい社会教育のテーマを考えたらどうか。もう時間がないのでそういうことを要望して、お答え願って終わります。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 特に未成年者の禁酒の問題につきまして、今後新たな観点で検討する必要のあることは全くお説のとおりだと思います。ただ、戦後の長いいきさつもございまして、社会教育の中における教育内容の取り扱いの問題につきましていろいろ問題がございますので、なお検討させていただきたいと存じます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 それをぜひ検討してください。厚生大臣もひとつ、それから主計官も、思想を財政とモラルの問題として御検討願うことを要望して、終わります。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂主査 次に、藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 私は、きょうは主として老人対策と申しますか、老人問題並びに厚生年金問題を中心にお尋ねをしてみたいと思うわけであります。  昭和四十四年度の厚生白書は、主として老人問題を中心に作成されたとさえいわれておりますが、その記事を読んでみましても、日本は急速に老人の多い高齢化社会への道をたどっている、年金制度の充実、老人が安心して医療を受けられるような医療費の軽減対策、老人の福祉施設の整備などの対策を急ぐ必要がある、こういうふうに集約をいたしております。私はは問題点の指摘としては全くそのとおりであろうと思いますし、かたがた私は非常に興味深く、また真剣にこの白書を精読したわけでありますが、この白書の中に、青少年が毎日平和な生活を楽しんでいるのに対し、今日の日本の繁栄を築いてきた老人は戦争で家族を失い、過去の蓄積を失い、いわば非常にさびしく老後の生活を送っておる人が多い、こういう集約、指摘であります。私は全く、今日の社会の実態というものを的確にいわば指摘したものだと思うわけです。しかし問題は、こういう白書を出し、指摘をすること自体が目的ではなくて、そういう実態把握の上に立ってどういう施策を現実の予算の中に、またこの社会政策の中に生かしていくかということが問題であろうと思います。  そこで、この分科会の性格から多くのことを論議することはできません、ごく概括的でけっこうでありますから、この厚生白書に準拠して、厚生省が特にこの老人問題について四十六年度の予算編成にあたって努力された、その重点施策というものをひとつ説明してもらいたい、これが一つであります。  それとこの機会に、老人対策とこういうのでありますが、国がさまざまな老人対策、老人に対する施策を行なっていく場合に、老人とは何歳を対象にしているのか。あるものは七十歳だというふうに見られるし、あるものは六十五歳ではなかろうかというふうに考えられるし、この厚生年金や定年制との関係等について考えれば、六十五歳ぐらいにしなければどうも都合が悪いのじゃないか、こういうふうにも見られるわけでありまして、老人そのものの老人年齢というものを国はどこに線を引いているのか、国の施策をやる場合はどこに線を引いておやりになっておるのか。これはひとつ統一したものをつくる必要があるのじゃないかと思いますが、そのあたりの見解を含めて、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 まず、一体老人とは何歳を言うかということでございますが、たとえば老人福祉法という法律もございますけれども、その中でも老人年齢の定義づけはしてないはずでございます。     〔主査退席、松野(幸)主査代理着席〕 一方、国際的にたとえれば生産年齢人口というようなものは満十五から六十四歳までの間の五十年間、そういう定義が行なわれておりまして、これを生産年齢人口とされておりますから、したがって六十五歳これをはずれる人たちは非生産年齢人口、またはそれは他のことばで言えば老齢人口ともいえないことはございません。さような意味から六十五歳からを老人という場合もございましょうし、また、最近いろいろな福祉年金であるとかあるいは医療などの面でしばしば取り上げられますのは、七十歳というような年齢も取り上げられておりますので、私は、これは行政目的によりましても老齢というものの範囲がおのずからきめられるし、また、その人の体力、精神力その他の個人差もありますので、年齢はきめないでいって差しつかえないのではないかと考えます。これは違うことがありましたら、あとから遠慮なく政府委員に補充させます。  それから本年度の白書を読んでいただきましてたいへんありがとうございます。私どもは、今後におきましては、そういう社会福祉政策の中でも老人問題というものが非常に大きな課題になるという認識と意識をもちましてこの白書の編集をしたわけでございますので、私どもの施策もその意識を具体的な政策や予算の上に実現するように今後も進めてまいるものでございますが、当面、四十六年度の中で具体化いたしました二、三のものを申し上げます。これもあとから補充させます。  まず、福祉年金などにつきまして三つ、四つの面から改善をいたしました。金額でありますとか、あるいはいままでの七十歳と限られておりましたのを、からだの弱い老人については六十五歳に引き上げますとか、あるいはまた所得制限などを大いに緩和して、そうして福祉年金をもらえる老人の範囲を広げてまいりますとか、あるいはまた他の年金、なかんずく戦没者の遺族が受くべき公務扶助料などとの完全併給というようなものを実現いたしますとか、あるいはまた、これは福祉年金に限らず厚生年金などにつきましては、いろいろの改定をいたしたばかりでございますが、いわゆる財政再計算期を待たずしてやはり老齢者が受け取るという認識のもとに、それらの年金の金額も引き上げるべく今回国会に法律案を出しておるわけでございます。  また、老人ホームというものの需要が非常に多いわけでございますので、それらを対象とする社会福祉施設の助成金を、大蔵省と相談してかなり大幅に増額をいたしました。ことにねたきり老人などにつきましては若干の、試みのような施策ではございますけれども、テレフォンセンターというようなものを設けまして、ねたきり老人やあるいは一人暮らし老人が、いつの間にか何らかの事故でなくなっておったかわからないというようなことがないような施策の方向づけをいたしますとか、あるいはいままでのホームヘルパーのほか特に介護人というような制度を設けたり、また、医師を付き添わせて家庭におるねたきり老人を巡回診療指導するとかいうようなこともいたすことにいたしまして、また医療の面などにつきましても、四十五年度からやりました白内障の公費手術に引き続きまして、一番日本で多い脳卒中の予後のリハビリテーションの費用につきまして、低額所得者につきましては公費でめんどうを見るというようなことも始めましたし、また全般的に七十歳以上ぐらいになられる老齢者につきましては、医療保険の面でできる限り優遇をしていきたい。今日、御承知のように、健康保険などは、家族に対する医療給付は年寄りも子供も奥さまもすべて五割給付でございますけれども、七十歳以上の老齢家族につきましてはこれを当面七割給付に引き上げますとか、あるいはまた、定年を過ぎて会社を退職されるような方々に対しましては、引き続き健康保険の面におきましては会社に在職しておられるのと同じような十割給付の道を開こうとするなど、老齢者医療につきましても一歩を進めるというようなことを取り上げてまいりました。  いずれにいたしましても、老人に対する社会福祉の面は、たとえば保育所をつくって児童に対する施策をするというような単純な簡単な面ではございませんで、いろいろの角度、いろいろの面から総合的にやっていく必要があると思います。ことに元気のある御老人につきましては、老人社会開発部隊というようなものを編成していただいて、大いに社会的貢献をしていただけるような、そういう助成費なども組むようにいたしましたり、職業紹介というようなことも、六十の手習いではございませんけれども、やったらよかろうというようなことで、そういう面につきましても予算を組んでいただくなど、いろいろとにかく、こまかい面の配慮をいたしつつございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 私は先ほども指摘しましたが、これはけっして画一的な論議をしようとは思いませんけれども、やはり老人対策を考える場合に、国としては老人とは何歳をもっていわば一応老人というか、いま大臣の御答弁では――まあヨーロッパあたりでは十五歳から六十五歳まで、この六十五歳というのはヨーロッパの定年制ですね。ヨーロッパの定年制の問題と年金の受給年齢、これとの関連において非常にうまくクロスされておるわけですね。六十五歳までは大体どこの国を見ても欧米諸国では働ける。そこで六十五歳が来て年金の受給年齢が即自動的に定年だ、こういう形で老人対策というものが六十五歳以上というようなことになっておると思います。  私は、そのこと自体で論議する時間をきょうは持ち合わせませんが、少なくとも今日の国民の平均寿命からいけば、男は七十歳に手が届くか届かないか、女のほうが七十四歳ですか、こういうことになりますと、平均寿命七十歳ということになると、七十歳になってからだけを老人対策として見るのは、年齢的な面から見て非常に立ちおくれがあるんじゃないか。少なくとも一つの現実論として、理屈ではなくて現実論として考える場合は六十五歳以上というところへ一つの線を入れて、六十五歳以上の人には医療費についてもたとえば無料化をはかっていくとか、あるいはねたきり老人についてもこういう対策を講じていくとか、いまの政府の大体の年齢というのは、言わず語らずのうちに七十五歳というところが一つの行政上の基準になっておると私は思うのです。これはぜひ六十五歳を少なくとも一つの出発点に置いていくということで、今後の老人対策についての施策を強めていくようにしてもらいたい。これが一つの要望であり、またお尋ねをしたい私の問題点であります。  そこで、一昨日でございましたか、二十二日だと記憶しておるわけでありますが、大臣は、老人の医療問題について、完全医療の無料化をやっていきたいという御答弁が分科会においてもなされておりますが、私はそういう意味からいっても、そういう問題についても大臣の御答弁の中には七十歳以上ということが前提になっておると思うのです。ですから、これらの問題についてもやはり六十五歳というところに線を引く必要があるのではないかということと同時に、この問題に関連してお尋ねをしたいのは、東京都はじめ全国では、かれこれ十県に近い都道府県では、いわゆる自己負担分を自治体の負担においてやっておるわけですね。私は、その自治体においてやれることがなぜ国の施策の中で、しかも国民の生命あるいは健康に関する一番重大な問題について国がなぜやれないのか。これはもう専門家でなくても国民の共通した常識としてそういう考え方を持っておると思うのです。  そこで、先ほど前段指摘しましたことにも関連するわけですけれども、老人の医療の無料化制度をはかる場合にも、少なくとも七十歳以上なんということではなくて、やはりこれまた六十五歳というところに線を置いてやってもらいたい。大臣の答弁では徐々に来年からやっていきたいということですけれども、これは来年からやる場合に二年計画でやるのか三年計画でやるのか、そこらはいま少し具体的な目標というものを明示してもらいたいと思うわけです。  時間の関係がありますから、質問しておる老人問題については集約して質問をいたしますが、その次の問題点としては、現在六十五歳以上の老人は約七百万人と厚生白書は発表しておりますが、そのうち七十歳以上でねたきり老人が約二十万人いるといわれています。ところが、このねたきり老人の特別養護老人ホームと申しますか、そういう施設はわずか一%しかない。たった一%です。私は最近いろいろ新聞で心を痛めるのは、何か火災があったとか事故があったというときに必ずこのねたきり老人が逃げ場を失って焼け死ぬというような、そういう事故がもう随所に起こっているわけですね。こういう悲惨な事故を私どもが聞くたびに、この七十歳以上のねたきり老人は二十万人ですけれども、私が、先ほどから主張しておるように、少なくともこれまた六十五歳以上のねたきり老人は、それこそあとで触れます厚生年金の還元融資ではありませんけれども、このねたきり老人くらいは、ここまで後進国に対して八%からの海外経済援助をやるというほどの国力を持ってきておるわが国が、肝心かなめの自分の国におけるねたきり老人のそういうめんどうを見ることがわずか一%くらいしかできないというようなことで――それはなるほど後進国開発それ自体に対する政策目的というものはあります。ありますけれども、基本的な、人間のいわば基本的人権に関するような福祉施設、そういうものについてはもう思い切って、このねたきり老人については一〇〇%国の施策の中でめんどうを見ていくのだ、そういうひとつ大胆な施策というものをとってもらいたいと思うわけでありますが、大臣の見解を聞かしてもらいたい。  私は、余分なことかもしれませんけれども、やはり園田厚生大臣はえらかったと思うのですよ。そういう点、園田さんが確かに厚生大臣としてえらかったのは、ああいう水俣病や例のサリドマイドですか、ああいったことについて、これはだれにはばかることなく厚生行政の最高責任者として国民が拍手を送るようななにをやられたと思うのです。内田厚生大臣も、この老人の医療の無料化対策ではないですけれども、積極的な施策を進めるために御努力いただいておるのですが、せめて内田厚生大臣在任中、これだけはいわゆる大臣の音頭とりによってやったのだというものを――いま私が指摘しておるような問題は単なる人気取りじゃないのですね。そういう点についてはぜひひとつ大臣が自信を持ってやっていただきたいということを要望して、大臣の所信をお伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 あとのほうの私と園田さんと比べられたところ、私たいへん気に入らないで、私に対する認識不足の点があると言わざるを得ませんが、それはそれといたしましてお答えを申し上げます。  たとえば老人年齢を何歳にしたらいいかということにつきましては、年金を例にとりましても、無償の老齢福祉年金は七十歳でございます。しかし、国民年金は六十五歳でございます。また、会社づとめなどの方の厚生年金の受け取り資格の年齢は六十歳でございます。ただし、会社をやめるということが前提でございます。そのようにいろいろの沿革、趣旨、目的によりまして年齢が違っておりますが、決して七十歳……。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 それは老人対策じゃないですよ。いまの厚生年金の受給年齢の六十歳なんというものと老人対策とチャンポンにしたらだめです。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 厚生年金はいろいろ障害年金も母子年金もございます。老齢年金でございますが、あれは六十歳。だから六十五歳もあり、七十歳のものもある。いろいろあるわけでございますから、六十五歳をもってすべての年金の受給資格を与えよということにつきましては、いろいろある、こういうことです。いろいろあるのですが、私も、たとえばいまの国民年金について、これは掛け金がつく拠出制国民年金でありますが、六十五歳で受け取れることになっているのに福祉年金が七十歳ということになるのは、そこの間に五歳の開きがあるので、何とかこれを六十五歳まで引き下げる道をつけたいと考えましてだいぶ苦労をいたしました結果、一部の老人、つまりからだに障害のあられるような老人につきましては、これは障害年金をもらえる方は何歳でももらえるわけでありますが、障害年金をもらえない方でも一部からだに故障のある方は六十五歳まで引き下げることに今回なりました。その点は先ほども触れておきました。  それから老人医療の問題で、数府県等で自己負担分についてそこの穴埋めをされておるようでありまして、まことにけっこうなことであります。都道府県がやれることを国がやれないはずはありません。ところが、これは藤田さんも御承知のように、国民健康保険というものは、国は総医療費の四五%を国庫負担で出しておるのですが、どういうわけか知りませんが、府県は一文も出さぬわけであります。去年もおととしも国が四五%出しておるのだから、府県は五%くらい国の分を肩がわったらどうか、こういうような大蔵省からのきつい締めつけもございましたが、いや国の四五%を減らすわけにいかぬ、府県の出す分はその上に積み上げろ、こういうようなことで国は相変わらず四五%出しまして、したがいまして府県が積み足しておりますものは、東京都であれ、あるいはその他神奈川県、兵庫県でありますか、数府県ございますが、それらは国の出し方よりはなはだ少ないわけでございますので、私はあんなものを手本にする必要は少しもない。しかし、そういうことさえやらぬ府県もございますから、あと自己負担分の残りの三〇%については、やらないところは府県にも出させるが国もお手伝いをして、せめて年寄りには一〇〇%とまでいかなくとも、ほとんど自己負担がないように持っていきたい。しかも保険ばかりではなしに、ある特定の病気については公費医療、国と地方公共団体と根本から、保険の掛け金なしに見てやるようなこともやるような方向をつくりたい。これは来年からやれるか再来年からやれるか知りませんが、私は大声でそういう方向を指示いたしておりますので、御激励にこたえましてできるだけやってまいりたいと思います。  それから、ねたきり老人のことにつきましても、特別医療老人ホームというものをできるだけつくりたいと思います。二十万人おられる中で一%しか入っていないということではございませんで、これは毎年ふえまして四十五年の三月には八千人くらいの収容力でございますけれども、四十五年度末、すなわち四十五年度の予算を使いまして四十六年三月、ことしの三月にはたしか一万三千ベッドくらいの収容力にふえてまいりますが、私は五カ年計画くらいを立てまして、そうして老人ホームに入れなければならない、入れたほうがいいようなねたきり老人は一〇〇%収容するような努力をいたしたいと思います。ただし、二十万人でございますから、ねたきり老人の中には、医療老人ホームに入りますよりもやはり自分の家庭でめんどうを見たいというような、つまりいままでの日本の家族制度がくずれ去ってしまわないそういう家庭もございますので、そういう方は在宅のねたきり老人といたしまして、さっきもちょっと申しましたようないろいろの施策の上に、さらに有効な施策を積み上げまして、在宅のねたきり老人についてもめんどうを見て、からだのきかない御老人が家におっても、あるいはホームに収容されましても、安心して過ごしていけるようなそういう老人福祉国家をつくりたい、こういう気持ちでおりますので、この上ともよろしくお願いをいたします。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 大臣は、いわゆるねたきり老人のそういった対策については一〇〇%目ざしてやる、こう言っておるのですが、私はその意気込みを具体策の中にあらわしてもらいたい。厚生省の考えでは――現在では、先ほど指摘したように、そういった養護施設関係は、収容施設は約一%ですね。それを、目標として二%程度にするという、実にお話にならぬものが厚生省の中には出ておるのですよ。大臣は一〇〇%とおっしゃるけれども、この中には二%ですよ。けたが違うのです。それではあまりにも答弁がその場限りの答弁になるのじゃないかと私は思うので、これはきょうは争いません。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 いや、ほんとうにそんなことはないです。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 いや、そういうなにがありますから、これはぜひ、いま大臣から答弁のあった線でやってもらいたい。  時間がありませんから、その点についてはあとで一括御見解があれば承りたいのですが、厚生年金の問題については、先ほどの問題とも関連をいたしますが、今度もう社労委に付託になっております法案からいけば、先ほど大臣が触れられたように、現在の約一〇%程度の厚生年金の引き上げのようでありますが、これは端的にいって諸外国と比較して、あるいは絶対的な生活費あるいは生活保護費との比較ですね。これは時間がありませんから数字は申し上げませんけれども、ただ一つ、どうでしょうか。同じ政府機関である人事院が四十四年の標準生計費として出しておる、それでいきますと独身で二万一千九百円要る。三人で五万五千九百六十円の標準生計費が要るというのが、人事院の標準生計費の中に出ておるのです。この独身の標準生計費より低い。お話にならない。現在二万円足らずの厚生年金というものは、なるほど大臣がおっしゃるように、まだこの財政的な計算期に入っていないものを繰り上げてやったという努力は評価するにしても、絶対にこの厚生年金というのは低いですね。これは基礎的なものを思い切って上げなければ、低い基準を土台にして、基準にならないものを土台にして幾らいじってみても問題にならないと私は思う。そういう点では、ひとつ思い切って厚生年金の引き上げをやる必要がある。これはいずれ私も、現在社労委員ではありませんが、この問題については特別に出席をさしてもらって、一応具体的な資料をもってやりたいと思っておりますが、その点ひとつ格段の御努力をお願いいたしたいと思うわけであります。その点について、大臣のこの厚生年金に取り組む姿勢について――自殺者が諸外国に比べて非常に多い。これはたいへん残念な話ですけれども、世界で二番だ、三番だというような自殺者の多い国になっておる状態をなくするためにも、厚生年金というものは思い切ってひとつ引き上げていく必要があるだろうということが一つ。  いま一つは、先ほど指摘した老人福祉センターに対する厚生年金の還元融資の問題も関連するわけでありますが、時間があれば少しく資料を出し合ってやってみたいと思ったのですけれども、時間がありませんので簡単に申し上げますが、厚生年金の還元融資は、これはひとつ、いま指摘したような福祉施設に思い切って回すと同時に、たとえば労働者の福祉施設には四十四年度事業計画額というものがありますが、その事業計画額に対して実際に貸し付けた限度額というのは、だいぶそこに開きがあるのじゃないか。住宅の問題あるいは療養施設の問題あるいは厚生施設の問題、これらについては事業計画を満度に満たす、あるいはそれを大幅に上回るような指導というものがあってしかるべきじゃないかということが一つ。  いま一つは、どだい労働者の金ですね。その金を今度は労働者の住宅や労働者の福祉施設に使うのに、若干利子を下げたようでありますけれども、五分五厘ですかに下げたようでありますが、これとても私は高いと思うのですよ。労働者は自分の金を借りて自分たちのものをつくるのに、そんなに高い、五分五厘の利子を――それは他の金利に比べたら若干安いかもわからない。しかし、これは労働者関係の直接の福祉施設や住宅に使う場合には、金利についても例外的な金利というものを考える。三分五厘くらいな金利で貸すようなことをぜひひとつ考えてもらいたい、こう考えるわけでありますが、大臣の見解を承りたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 藤田さんに私どもが考えなければならないことにつきましてお考えをいただき、御激励をいただいて、いわば厚生省のファンがそれだけふえているわけでありまして、私は非常に感謝いたします。  厚生年金は二万円年金といわれておりますが、もちろんそんなものでは今日いかに年寄りでも生活できるわけはございませんので、これは物価あるいは生活水準の上昇に伴って引き上げてまいるべきでありますが、そもそもの構想が、厚生年金だけで老後が過ごせるという計算でもないようでございまして、他に蓄積がある、あるいはまた仕事の収入、若干でございましょうが、いろいろなものもある場合もございましょうが、とにもかくにもある程度の老後の年金ということで、今日では二万円年金ということになっているわけだろうと思います。しかも、それは政府がただでくれるわけではございませんで、本人並びに企業主がこれらの年金掛け金を毎年かけました上に、政府が二割の積み立て、補給をいたしまして年金ができるものでありますから、年金を高くいたしますと、政府が二割出すにいたしましても、あとの八割はやはり勤労者と事業主が出す掛け金ということになりますので、これらの掛け金の問題とも関連いたす問題もございまして二万円年金ということになっております。しかし、私は、これは毎年といかなくとも、せめて一年おきくらいには、やはり前向きに金額を引き上げる努力をいたすつもりでやっております。財政再計算期というのは五年ですが、そんなものは待たないで、毎年でなくても、せめて一年おきくらいでもこの金額の検討、引き上げというものをいたしたいと思っております。そのかわり、厚生年金保険料というようなものも、標準報酬というものについても手直しをしなければならない場合も出てまいりますので、その辺のかね合いを考えながらやってまいりたいと思います。  それから還元融資の問題でございますが、還元融資というのは、結局今日厚生年金をかける方が多くて、六十歳あるいはそれ以上の年齢になられまして、会社をやめて年金を受け取られる方が現在では少ない。これからだんだんふえてまいりますと、掛け金は全部そっちへ回すようなことにもなりましょうが、いまのところは積み立て金が積み立てられますので、それを融資をいたします。しかし、その金を余すようなことは全くございませんので、一部は地方公共団体の起債の引き受けというようなことで、公共団体の公営住宅その他の資金にも当てはめられましょうし、また一部は、御承知の年金福祉事業団などにそういう金を回しまして、年金福祉事業団からいろいろな企業の労務者の福利施設に使っていただくことにしておりますし、さらにまた年金勘定そのものにも、たとえば東京や大阪や北海道の厚生年金会館でありますとか、厚生年金病院でありますとか、あるいは何かスポーツセンター的のものもあるようでございますが、そういう直営の福利施設もいたしておりますが、金を余しておりません。そのときに、年金福祉事業団等から企業にお貸しするときに、やはり五分五厘とかあるいは六分五厘というような利子をいただいておりますが、そういう利息を計算いたしまして、勤労者の掛け込み金が幾らの年金として差し上げられるかという、アクチュアリーという計算がございますので、貸し出し金の金利を安くしてしまいますと年金額があまりふやせないという問題もございます。政府の二割補助が四割補助になればいいのですが、なかなかそう一ぺんにもまいらぬ面もありますので、その辺のかね合いもございますが、要するに厚生年金というものは企業の勤労者を幸福にするためにできている制度でございますので、厚生省といたしましては、その制度の趣旨に従ってこの仕組みを運営していくことにつとめ、また今後足りない点につきましてはお知恵も拝借をいたしたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 私はこれで終わりますが、大臣なかなか丁寧に答弁されますので、私まだ三つばかり質問事項を持っていたのですが、時間の関係でこれで終わります。  ただ一つ、私はどうしてもいまの御答弁の中で理解できない、不満な点があるのです。というのは、年金だけで生活するわけではないだろう、こういうわけでありますが、これは内田厚生大臣ともあろう方ですから知らぬことはないと思いますが、あなたの責任で出されておるこの厚生白書の中に、ヨーロッパ諸国の場合は、年金だけで生活しておる人が七〇%以上なんです。日本の場合は、恩給や年金だけで生活しておる人は九・一%で、一割に足りないじゃないですか。少なくとも年金というものは、年金で大体生活ができるというものを基準に置かなければ、これは厚生年金であって国民年金としての資格はないですよ。その点については、いま言ったような考え方で年金問題を取り扱われるとすれば、私は、どだい国民の満足するようないいものが出てこないと思うのですよ。その点は、きょうは時間がないから多くを討論することはできませんけれども、たとえば老齢年金の受給者の数を見て、どうですか、日本の場合は被保険者数が二千二百万人ですね。それに対して老齢年金の受給者がわずか三十五万人でしょう。たった三十五万人ですよ、二千二百万の被保険者に対して。イギリスは、もちろん被保険者の数は若干の違いがありますけれども、老齢年金の受給者だけで六百五十三万人、ドイツは八百六十一万人、フランスは六百六十一万人からおるわけですね。こういうことを見ますと、これらの諸国は、いま言ったように年金だけでどうにか生活できるという割合が七割以上を占めている。そうして絶対的な受給資格者も六百万から七百万、日本はたった三十数万そこそこじゃないですか。こういう状態で年金問題を考えられたのでは、せっかく大臣が――財政的な計算期としては五年刻みになっておるけれども、それを隔年ごとにやっていきたいというのは私は一つの前進だと思いますよ。そういう一方では前進する考えを持ちながら、一方では極端に断層を描くような考え方をお持ちになっていることは、私ははきわめて残念です。その点については、大臣が訂正される向きがあれば訂正を含めての御答弁をお願いいたしたいし、ここで申し上げておきますが、せっかく隔年ごとに計算をし直すというのであれば、ひとつこの際土台を一ぺん上げておいて、そうして文字どおり完全なスライド制をとったらどうですか。そのあたりの見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 いろいろ御注意ありがとうございますが、日本で年金を受けている人が七%である。これは日本では年金制度が始まりましてからまだ年数がたっていませんために、年金の加入者は、お話しのように厚生年金についても二千万人余、また国民年金につきましても二千万人余ございますが、年金を受けるに至っているようなそういう方がまだ多く発生していないということでございまして、日本の年金額が少ないから、いまおっしゃったような数字があらわれているのでは実はございません。たとえば国民年金などにつきましては二千二百万人から二千四百万人の方が加入をされておりますが、年金を受けている老齢者というものはまだ一人もありません。ゼロパーセントであります。ことしになりまして初めて国民年金が出るという状況になっておりますので、そういうことのために年金を受けている人が少ない、また金額も少ないということでございますが、やがては、十年、十五年後には年金の受給者がずっとふえてまいるということも先ほど申し述べましたとおりでございますので、そのようにその点は御理解をいただきたいと思います。  なお、私が年金の途中でかすめ取ってもうけようというものではないから弁解する必要はないのですが、年金額そのものは、日本の二万円年金あるいは二万四千円年金というものは国際的に見て決して少ない額ではございません。これは何かの機会にごらんに入れますが、金額そのものが少ないのではない、受給者が少ない現状におきましては積み立て額がある。だから積み立て額を、さっき御注意がございましたような方向で出す、いういう点は御理解をいただきたいと存じます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)分科員 それでは、時間がありませんから、これで私の質問を終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野(幸)主査代理 西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 この分科会も厚生省関係がだいぶ続いてまいりましたけれども、大体終わろうとしておるわけです。厚生大臣は、終始非常に楽しそうに分科会をエンジョイしておられるようです。野党の面々を手玉にとって、まことに楽しそうです。しかし、大体これで終わりですから、これから先もっとやろうと思ってももうやれないわけですよ。残念ながらこれ以上やれないわけですから、張り切ってひとつやっていただきたいと思います。  昨年、私大臣にお尋ねしたときに、経済企画庁が担当しておりますけれども、新経済社会発展計画、この中で厚生省の所管する社会福祉の問題、これを大幅に取り入れたい、こういうことを言っておりましたけれども、それから間もなく新経済社会発展計画が出たわけです。出た結果はどうでありましたか。厚生大臣が期待するようなそういう大幅な社会福祉の増大ということが、具体的にこの新計画の中に盛り込まれておるかどうか、お尋ねします。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 国民総生産と申しますかあるいは国民所得と申しますか、それに対する社会保障支出の割合あるいは振替所得の割合というものをわが国と西欧諸国と比べてみますると、わが国はせいぜい二分の一あるいは多いところに比べると三分の一くらいの低さでございます。私は、新経済社会発展計画の終わりごろには、できる限りその差を詰めてまいりたいという気持ちがいたします。しかし、社会福祉というものは広い意味での社会開発計画の中にもあるわけでございまして、社会開発計画と新経済発展計画の状況と比べてみますと、この五年、六年の間に、わが国の社会保障支出の割合を倍にするということは実際上不可能であるということでございます。パーセンテージにいたしますと、たしか今日の六%程度のものを七%台にする、七・五%台にするというような程度になると思いますが、金額的には、これは医療費等の関係をも含みまして、おおむねその程度でありますならば日本の社会福祉は実態的にはかなり進むものであると、私ども一応納得をいたしました。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 将来計画はとにかくとしても、この新経済社会発展計画、この中で指摘をされておりますのは、わが国の社会保障は制度的には出そろった形になっておる。しかしながら、その実態的な内容においては、医療保障部門の高水準に比べて所得保障部門、社会福祉部門及び関連する施設整備は立ちおくれが目立っている、こういうふうに見ているわけですね。私は、そういう意味で問題がまだまだすこぶる多いということは、これは大臣もよく認識しておられると思うのですよ。  そこで、大臣にお尋ねしますが、これも昨年私が、厚生大臣として何を一番重点に考えておられるかということをお尋ねしたらば、老人対策と児童手当と医療保障だ、こういうことを言われたのです。その点はいまも同じですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 全く同じてございます。そのことは私がよく覚えておりまして、今回はそれをある程度果たしたという御評価をいただける、こう考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ある程度果たしたか果たさないかは私のほうでこれから申し上げることで、必ずしもそうはいかないのじゃないか。たとえば老人対策にしても、さっき藤田委員がいろいろ指摘をしておりましたが、児童手当の問題はある程度目鼻がついたということがいえるのだろう、医療保障については、去年の大臣の御答弁は医療保険の抜本改正にもぜひめどをつけてまいりたい、少なくともこの三つ、三つというのは老人対策、児童手当合わせてですが、少なくともこの三つを大きな課題と考えております、こういうことだったのですが、児童手当はとにかく、医療保険も決して抜本改正になっておらぬ。見解の違いか知らぬけれども、われわれはそういうふうに考えておる。私は、去年三大課題だと言われたその三つの問題も決して満足するような解決はしておらぬ、いま大臣が相当な成積をあげたという評価は早過ぎるのじゃないかと思うのですよ。老人対策についても、これは非常に昨年の答弁の際も強調して述べられた点です。あるいは例の厚生白書などを見ても、老人問題を特に重点的に取り上げている。それにしては今度の予算措置も、決してそれほどのものではないと思うのですが、大臣は、老人対策で非常な前進だというならば、どういう点をさすわけですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 さっきも藤田さんに申し上げましたように、年金の面におきましても、いままでやろうと思ってもやれなかったこともいたしたつもりでございます。金額等の問題はさておきまして、二、三の非常にむずかしくてやり得なかったものを、とにかく手をつけることができたと考えております。また、一番問題になります老人ホーム等の施設、これはそればかりではございません、身体障害者などの施設をもあわせて考えることにになりますけれども、これらの社会福祉施設の予算の増額につきましても、これはまだ公認ものではございませんが、四十六年度を第一年とするいわゆる五カ年計画の出発ができる程度の予算を確保いたしましたので、その中におきまして、そのふえた分におきましては、私はやはり老人ホームとそれから保育所、さらに身体障害者、それだけのものを特に重点として整備をしてまいり得るめどがついたと考えております。また、老人対策に対する若干の施設でございますとか、あるいは医療面などにつきましても、全面的にはまいりませんでしたけれども、将来発展への端緒をつけることができたように考えております。健保の問題につきましては、またいずれ申し上げます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 大臣がいま冒頭にあげられた年金の問題にしても、老齢者の年金、去年に比べると三百円だけ増額した。その限りにおいて確かに前進だと思うけれども、ちまたの声を聞くと少なくとも五千円ぐらいもらいたい、こういう意見が非常に多いようです。厚生省が要求した予算がたしか二千五百円だと思いますけれども、厚生省の要求が二千五百円だということで、すでにがっかりしているという人が相当多かったようです。  私は、もう一つだけこの老人問題でちまたの声としてお伝えしたいと思うのですが、取り次ぎたいと思うのですが、それは老人ホームについて、いわゆるボーダーライン層の老人ホームというようなものはできないのか、こういう点なのですがね、その点はいかがですか。つまりいままでの老人ホーム、昔のいわゆる養老院というイメージと、それから非常にデラックスな有料ホームとあるわけでありますが、そのボーダーライン層を対象にした老人ホームというようなものがあってしかるべきだと思いますが、いかがですが。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 老人ホームにつきましては、四十五年三月末現在の状況でございますが、いわゆる養護老人ホーム、これが非常に低所得でございますが、七百九十二ございます。それから特別養護老人ホーム、これはねたきりの老人でございますが、百十一、それから軽費老人ホームというのがございまして、これが先生御指摘のボーダーライン層などが入れる老人ホームでございまして四十七、それから有料老人ホーム、これが六十、こういうような状況でございまして、一応軽費老人ホームがボーダーラインの老人の入れる老人ホームであろうというぐあいに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 老人対策の一つとして今度ボランティア制度を設けた。これは私もそういう老人にも働く場所を提供するということで、その点は着想として、発想としておもしろいと思うのです。しかし、一団体に十万円補助金を出して二百八十八団体にやらせるのだ、こういうふうに私は見ておるのだけれども、私の間違いかもしれません。私はそういうふうに見ておるのだが、これは一体どういうことをやらすのか、あるいはまたその二百八十八団体というのはどこから出てきた数字なのか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 先生御指摘の問題は、老人社会奉仕団の活動の助成ということで、来年度新たに予算を計上しようとしている問題でございます。これが予算といたしましては九百六十万でございますが、これはただいま、二百八十八団体に活動費といたしまして年額十万円という計画でございます。これは老人の中にもいろいろ技能を持っておられる方がおられますので、そういう技能を持っておられるという老人の方々に生きがいを見出していただくということで、自分の持っておられる技能を生かしていろいろ社会に奉仕していく、そういうことで生きがいを見出していただくということ、そういう運動を助成しようということで、新たにこの予算を組んだということでございます。これは最初の試験的でございまするけれども、これを一応やってみまして、その経過を見ましてさらに予算額をふやすとか、あるいは年額十万円ではどうしてもいかぬということであればさらにそれをふやす、こういうことになろうかと思います。団体の数をきめましたのは、現在あります老人クラブとか、そういうものを参考にいたしまして、とりあえず三百前後の団体ということにきめたようでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 その次に、社会福祉の施設の問題についてお尋ねをいたします。先般、中央社会福祉審議会で施設の問題についてだけ答申が行なわれております。これを見ると、「経済的繁栄の反面社会的ひづみともいうべき現象が各方面に顕在化しておる。なかんずく社会福祉施設の立ちおくれは著しいものがある」、こういうふうに指摘をしておるわけです。これが昨年十一月の答申ですから、それを受けてことしの、四十六年の予算が編成されたと思うのですけれども、この中にいろいろな具体的な問題も指摘をされているわけですけれども、私はそういう点でまず施設の問題としてどういうことが行なわれたのか、特にお尋ねをしたいと思うのは、いわゆる施設整備の緊急五カ年計画、こういう案を自民党のほうではおつくりになったことも聞いたのでありますけれども、これは政府の案としても、そういう緊急五カ年計画というようなものができ上がったのかどうか、まずこれからお聞きします。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 社会福祉施設の五カ年計画につきましては、一応私どもといたしましても、この五年間に必要な、たとえば老人の福祉施設とかあるいは重度身体障害者の施設とかあるいは保育所等につきましては、一体五年後にはどういう形に持っていったらいいのかという目標数をつかみまして、それに応じて一応五カ年計画を作成いたしたわけでございます。金額にいたしますと大体三千億、調整費というようなものを入れますと三千五百億くらいという一応のめどでございますが、これにつきましては、ただ大蔵省との関係では、大蔵省が今後これでやるということの承認を出された計画ではございませんが、大蔵省にもよく説明をしてございます。大蔵省も、教字は別にいたしまして、その趣旨については必ずしも全面的に反対ということではございません。とにかく今後社会福祉施設を重点的に整備していかなければならぬ、それが厚生省の非常に重大な施策の一つであるということは、大蔵省も十分認めておられるわけでございます。そういう意味でこの計画というもの、はっきりコンクリートに固まったということ申し上げかねる階段でございますが、こういう線に沿って、今後毎年毎年の打衝においてなるべくこの計画の実現をはかっていきたいということでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それでは、まだ政府の計画ということで決定されたというふうには理解できないと思うのです。大蔵省の計画あるいは最初の、これは自民党の案かもしれませんけれども、その当時の案では、地方団体に特別地方債というようなものを起こさせて、それを大きな財源にしてやっていく、こういうことが当時の計画にあったようですけれども、大蔵省は特別地方債というようなものを見なかった、こういうことでだいぶ狂いが来ているのじゃないかと思うのです。まずそれでは、本年度の計上された予算、たとえば国庫八十三億とか、あるいは振興会に貸し付けをして五十六億そっちから貸し付け金として出すとか、そういうのは初年度の計画としてこれを積み上げていけば、最終的には三千ないしは三千五百億になる、こういう内容のものですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 四十六年度には、先生御指摘のとおり、国庫補助につきましては八十三億、それから社会福祉事業振興会の融資について五十六億、そのほかこの計画といたしましては民間の補助金、たとえば日本の自転車振興会とかあるいは日本小型自動車振興会あるいは船舶振興会というものの補助金、これはまだ確定いたしておりませんけれども、七、八十億、それから特別地方債も、これもまだ見込みでございますけれども、九十億前後というようなことで、一応四十六年度は、いまはっきりいたしておりますのは国庫補助が八十三億、社会福祉事業振興会が五十六億円でございますが、その他のものも協力を得まして、五カ年計画を実施してまいりたい。ただ、ことしの金額をそのまま伸ばすのでは計画としては成り立ちませんので、年を経るに従いまして、この金額を相当ふくらましていくということが必要でございます。ただ、それでは四十七年度にどのくらいにし、四十八年度にどのくらいにするという計画はまだできておりませんが、当初の五年後の計画というものをながめますときは、今後、毎年毎年前年よりも相当大幅の予算を組まなければなかなか実現はむずかしい、こういうことでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 さっき申し上げた中央社会福祉審議会の答申の中にも、たとえば公立の施策が非常に老朽化して、建てかえか特別の措置を講じなければならぬというふうに指摘をしているわけです。そういう公立の施設が非常にむしろ老朽化しているというような問題等があるわけなんです。私はその点で、私の地元でありますので仙台市の例を一つとって、これは保育所に例をとってお尋ねをしたいと思うのですけれども、たとえば九十人収容の保育所をつくる場合だとどうしてもそういう施設は百五十坪は必要だ、こういうことになると思うのですが、本省ではそういう施設、つまり保育所の施設は坪単価どのくらいでできるというふうに考えていますか。担当局長から……。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 四十五年度の単価として申し上げますと、保育所の場合の国の補助対象となる場合のブロック単価でございますが、四十五年度の場合は坪当たり二万九千百円、こういうことに相なっております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 そのブロック単価、それは木造と二つあるわけですか。木造のほうはどうですか。いま言ったのは二万幾らですか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 二万九千九百円、ブロック単価の場合です。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それじゃそれでもけっこうですが、ブロックの場合でも大体三万円と計算してみても、百五十坪の建物を建てるとなると四百五十万ですね。二万九千円だからそれよりも少ないわけです。しかし実際は、もしブロックで建てるということになったなら、仙台みたいないなかでも十五、六万はかかるだろうと思うのです。私はそういうことを考えると、いまの補助単価がいかに実態に沿わないか非常に明瞭だと思うのです。ですから、保育所の場合には二分の一が国庫補助、さらにあとの四分の一が県費補助、こういうことになっているわけですね。そうすると、たいへんな持ち出しになるわけですよ。もし十五万もかかるということになっら、百五十坪の建物を建てるためには二千二百五十万ということになりましょうか。そのうち四百五十万くらいしか補助がない、こういうことでたいへんな現実離れがしてしまうわけです。それで、さらに補助を受けるのは年に一カ所なんです。仙台の場合は、最近は毎年二カ所ずつつくってきているわけです。これは一体、厚生省の指導は人口どのくらいに対して一カ所というような基準がありますか。むろんそういっても都市の形態にもよりましょう。過密、過疎、いろいろありましょうから全国一律というわけにはいかぬかもしれないけれども、何らかの基準はありますか。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 保育所の場合を例にとりますと、毎年毎年大体五百カ所前後のものを補助金で建設をいたしておるわけであります。そこで、私どもがこの五百カ所を全国的に各市町村なり何なりに配分する場合の一応の考え方としましては、やはり保育所の普及率というようなものを念頭に置きまして、そしていわゆる保育所というものが相当すでにできている地域というようなところはできる限り遠慮していただく、保育所の需要の非常に高い、まだ保育所のいわゆる普及率というものがそう高くないところに重点的に配分をする。それから、同じ仙台市の場合でも、仙台市のある地域だけに保育所が集中するというようなことのないように、一定の距離的なものを、間隔を考えながら保育所というものを各地域ごとに適正配置をしていく、こういうようなことを加味しながら、保育所の建設予定地というものをきめているわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 その仙台市内である特定の地域に固まらぬようにというようなことは、市長にまかせておけばよろしいと思うのです。ただ問題は、たとえば仙台の場合だと、二カ所ずつ毎年つくっていっても、それでもまだ相当かかるわけです。いま普及率によって案分するという話だったのだが、いわゆる普及率をどの程度まで、たとえば人口何万について一カ所とか、そういう基準があれば、その基準に従ってもう仙台は満ぱいだとか、いろいろそういうことも言えると思うのだけれども、それなしに、どの程度まで国としては見ているのか、その基準がなくては……。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 いま仰せのようなそういう的確な基準というものは別段つくっておりません。ただ、先ほども申しましたように、普及率というようなものを一応ものさしとしまして、人口対学齢前の児童の数、そういうものを考えて、現在のところ全国的に大体一八%くらいのところになっていると思います。それ以上の高い普及率を持っているような地域は、できる限りあと回しにするというようなこと、それから、人口が非常に急増する地域がございます。したがいまして要保育児童がふえていく、そういうようなところには、できるだけ配分の際考慮する、こういうような考え方でやっているわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いずれにしても補助単価の違いからたいへんな赤字、一般財源の負担になる、あるいはまた、いわゆる超過負担が多くなるというような問題、あるいはまた、個所数も査定されるために、あとの残ったものは全部自前でやらなければならぬというような問題等があって、そういう施設をつくるということにたいへんな困難があるわけです。しかし、時間が足りなくなりますから次に進みたいと思います。  施設の次に問題になるのは、当然に職員だと思うのです。厚生大臣、御承知ですか、こういう社会福祉施設に従事する職員は、勤続年数はどのくらいだ、一番多いのはどの層だというようなことを御承知でしょうか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 正直に申しますと、資料でも見ない限りそらでは言えませんが、十年以上つとめる方は非常に少ないと私は考えます。というのは、給料がだんだん高くなりますと、民間の保育所あるいは民間の社会福祉施設などでは給料を上げることができなくなりますので、おのずから他に移らざるを得ないというような状況にあるといわれております。そこで、西宮さんも御承知と思いますが、私が申すような面から、本年から、十年以上つとめられた方に特別給与の上乗せをしようということを考えたのもそのとおりでございます。  それから、先ほどの保育所の補助単価等に関連して一つ述べさせていただきますと、実際はいいか悪いかは別でございますが、四十六年度は、保育所一カ所についてたしか四百万円ないし三百万円の補助金を国が出す。去年は三百万円ないし二百万年でございました。それに対して県の上乗せがある。しかし、それはいいのですが、子供一人を保育しますと、保育費というか措置費というものが十万円弱かかります。その八割を国が持つ、そういうことでありますから、施設さえつくればそれで済むということでなしに、大蔵省のほうは、これから五カ所ないし七カ所ぐらい毎年つくるといたしましても、その施設費補助は一回限りですが、あと毎年それについてくる措置費のふえることを考えられまして、なかなか踏み切りがつかないという面がある。これは、あなた御自身が行政官をされておられましたのでその辺の感覚をお持ちだと存じますが、しかし、そんなものがかかるのはあたりまえですから、私はそういうものも突破してやりますが、そういう点も考慮して、これから私は社会福祉というものは国だけが――八対二の割合でやるというようなこともいいですよ。それがいいというのならそれでいいのですが、公共団体でもなるべくともどもに多く持っていって、そうして社会福祉施設の立ちおくれなどというものは、それにさらに民間のボランティアの貢献を含めましてやっていくような方向もとらなければならないようにも思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 十年以上は非常に少ないということを言われたのですが、今度十年以上の長期勤続の手当が加算されるということは、それはないよりけっこうだと思います。確かに一歩前進だと思いますけれども、十年以上なんというような人はきわめて少ないわけですよ。勤続年数三年までという人が六九・二%、これは四十四年の調査ですが、約七〇%は勤続年数三年以下、こういうことになっている。そういうことになると、とにかく勤続年数が非常に短いということは、これは何といってもいまの待遇がよくないということが原因だと思うのです。  そこで大臣にお尋ねをいたしますが、こういう福祉施設に勤務する職員は、労働基準法が守れるかということが大きな問題だ。したがって、施設の経営者などは、そういうもののいわば板ばさみになって苦労するわけです。労働基準法をはたして守れるかということが大きな問題だと思うのですが、その点は、大臣はどういうふうに認識をしておられますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 正直に申してこれも私からたいへん答えにくい問題で、私が守れないと言ったらたいへんでございますし、また、守れる、守っておるはずだということが現実に合っているかどうか自信のないことでございますので、政府委員から答えさせます。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 社会福祉施設の現場について労働基準法との関係、これはたびたび従来も国会で御指摘を受けております。先生も御存知のように、施設自体においていろいろな勤務の交代なり何なりをやりながら、現在まで来ておることは私どもも認めております。したがいまして、労働基準法と申しますか、労働条件というものを、従来と比べまして相当改善をしなければいけない、こういうような考え方から、明年度予算においては、この職員の定数というものについて最大限の折衝をいたしたわけでございます。その結果、大体二カ年計画で職員の定数というのを大幅に改善するということが予算に認められたわけでございます。そういうような結果、私どもとしましては、大体この二カ年計画の職員の定数増がもしこのまま二年後にできますならば、労働基準法との関係はそう大きな狂いはない、私どもはこういうような見通しを持っているわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 労働基準法に達しないというのは、これは重大な問題ですから、最低限度労働基準法には達する、こういうことを一刻も早く実現してもらいたいと思います。  そこで、これはやはり大臣に伺いたいと思うのですが、給与改善について過去三年間やってきて、ことしは三年間の最終年次になりますね。それが終わったあとどうするか、どういう方針かということなんです、お尋ねしたいのは。たとえば東京都では、ことしの十月から、本俸の格差是正ということでその問題に根本的に取り組んでいるわけですね。要するに、簡単に言うならば、東京都がことしの十月からやろうとしていることは、東京都は確か三年がかりだと思いました。それを四十七年から国も実施をするということになれば、問題は一応解決する。だから四十六年で終わる給与改善が、さらにもう一ぺん続いて四十七年からそういう抜本改正に向かうのかどうかということです。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 御意向のように、四十六年度が給与改善三年計画の三年目になります。そこで、本年度のうちに福祉施設に働かれる人々の給与の実態調査、総点検をやる計画になっておりまして、その結果に基づきまして、これは国家公務員なり地方公務員なりについてと同じような給与基準、給与の等級表というようなものができることになりますかどうですか、そこのところはわかりませんが、少なくとも何らかの基準、格づけ基準というようなものをつくる努力をいたしまして、それに基づいた人件費を含む措置費、そういうものを支出するような方向に進めたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これは幸いにして東京都も、長年たとえば全社協などが中心になって従来研究してきたものですよ。東京都の独創でも何でもない。ああいう団体が今日まで研究してきたものを、ことしの十月から実施するということに踏み切ったようですから、いわばそういう意味での一つのお手本、下書きができたわけですから、これをなぞってもらえばいいのではないか。それをぜひ四十七年度から実施をする――いま実態調査をやるのだという話ですから、それを見た結果だ、こういうおそらく御答弁だろうと思いますけれども、そういう長年関係団体が調査してきたものを、東京都はすでにそれを採用することになったわけですから、ぜひ四十七年からこれを国としても取り上げていくということをお願いしたいと思います。  実はこれもやはり仙台市の例を申し上げると補助が少ない、あるいは特に勤続年数が長くなると、非常に国で考えている基準に合わなくなってしまうわけです。保育所なども、開設をして一年、二年、三年、その辺くらいまでは大体間に合っていけるわけです。ところがそれ以上になると、勤続年数が長くなると国で考えている基準に合わなくなるものだから、たいへんな赤字になっていくわけです。そこで、新しくできたものは仙台においてもそれほどたいした赤字ではないが、前にできた四十人規模の保育所というのがたいへんな赤字を出しているわけです。これは民間の場合ならばその分だけ給与費――とにかく何かを押えているわけですね。抑圧しているわけです。ですから、たいへんな問題だと思うので、ぜひさっき申し上げたようなことを根本的に改善をしてもらいたいと思います。  それから職員の問題の最後に、一体こういう職員は専門職にするのかしないのかという点について、政府の方針はどうなのか。いかがでしょう。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 社会福祉に働く人たちの身分をどうするかという問題については、私どものほうで現在取り上げて検討中でございます。まだ結論が出る段階ではございませんが、少なくとも私どもは全員を有資格と申しますか、全員に資格を与えるということが早急にとり得ないとすれば、中核的な指導者くらいでも、特別の何か資格を与えて優遇するというような措置をまずとったらどうかというようなことを考えておりますが、前向きの姿勢で検討してまいりたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 ぜひ前向きに検討してもらいたいと思います。  なお、いろいろ具体的な問題としては、たとえば現在は保母と指導員が込みになっていますね。ああいうものを分離するとか、あるいはいろいろ必要な、たとえばグループワーカー、ファミリー・ケースワーカーとか児童心理の指導員だとか、いろいろなものが必要だ。あるいはまた保健婦とか看護婦とか栄養士とか、こういうものも現在は保母の定数を食ってしまっているわけですね。そういうものも明確にしていくことが必要だと思うのですよ。同じ厚生省所管である保健所からはいろいろ注文が来るわけです。ところが、保健所の指示を受けてもなかなかそのとおりやれないというような悩みが、特に民間施設などの場合には非常に多いわけです。ですから、そういう問題がぜひ根本的に解決をされるようにお願いしたいと思います。  私はいままで施設の問題とそこに働く人の問題とを指摘したので、どうしても最後に、事業運営に関する経費について一言申し上げておかなければならぬと思うのですが、たとえば今度の生活保護費のワクは一四%ということですが、収容された人たちの飲食物費七%あるいは日常諸費が六%、こういうことで、それで見ると、たとえば教護院と精薄の施設なんかも同様でしょうけれども、従来の主食費二百二十三円が二百三十九円になった、こういう実態ですね。教護院などのわんぱく盛りの食い盛りの人間がこの程度では、とても容易ではないのではないかという気がするのですが、これはもう少し生活保護費のアップに比例したような、そういうアップはできなかったのかということを、これは児童局長にお尋ねをします。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 社会福祉全般の問題でありますが、飲食物費等につきましては、従来から毎年それぞれの適正なアップを考えてきておりますが、いま御指摘の教護院なり養護施設、そういうような結局食い盛りと申しますか、一番食欲旺盛な年齢層の入っている施設等の飲食物費、確かに御指摘のような点があるわけでございます。そこで、私どもとしましても、従来からそういうような同じ収容施設でも、たとえば教護院なり養護施設のように食い盛りの児童の場合は、もう少し飲食物費等について格差を設けたらどうかというような考え方も、部内で一部検討はいたしておるわけでありますが、なかなかこれは国全体の予算の配分となりますと、他のいろいろな施設とのバランスなんかもございまして、今日までそういうような考え方が実現できておりませんが、私どもとしましては、やはりそういうような先生御指摘の食い盛りの対象児童につきましては、ほかの面でいろいろカバーをしていくというような知恵も、今後配慮していくべきではなかろうか、こういうような気持ちでおるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それでは、内部で大いに検討しておるということですから、われわれは将来に期待をしたいと思います。いまの状態ではたいへん困ると思う。  それからもう一つ。この点は昨年もお尋ねをした点でありますが、昨年も明確な答えが得られなかったのでありますが、社会福祉施設の場合に減価償却というようなものは見られないのかという点ですね。これはせっかく振興会から貸し付け金が出る。しかもそれが、年々貸し付けの金額がふえているわけです。しかし、これを返す段になると、何も特定の財源はないわけですね。そういう点に非常な矛盾があると思います。大臣、これはどういうお考えですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私が全く答えられない問題でございまして、社会福祉事業振興会の貸し付け先というものは営利事業じゃございませんために、また増資して返すというような性質のものではございませんために、結局は篤志家の寄付行為等によって肩がわりをしていく以外にないのではなかろうかというお答えしか私にはできませんが、政府委員からいい答えをお願いします。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 要するに私の申し上げたいのは、措置費の中にそういう減価償却費というようなものを見る、これ以外に解決の道はないと思うのですよ。だから、それをやるかやらぬかということですね。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 いまこの席で先生にはっきり責任あるお答えをできないのは残念でございますが、よく検討してみたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 それでは将来の研究におまかせをするとして、次に進みます。  社会局長に生協の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、まず第一に一般的な状況を説明していただいて、特にその中で生協の中にもずいぶん弱小な組合があるわけです。そういう組合等を補強していくのにはどうしたらいいんだ、こういうことが関係者にとってはたいへんな悩みだと思うのですけれども、これを指導育成している社会局としてはどういう点を問題点として指摘をしておられるか、まずお聞きします。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 消費生活協同組合の現況でございますが、これは昭和四十四年度の数字でございますが、現在の組合で活動しておる組合が千二百十三組合ございます。そのうち供給事業といいますか、一番中心である購買事業をやっておる組合が九百七十九ということでございます。それで先ほどの千二百十三組合のうち地域組合が五百三十八、職域が六百七十五、組合員数が全体で千百七十二万、大体そういう状況でございます。  生協の中にはなかなか合理的な運営をいたしまして、相当効率的な運営をやっておる組合もあるようでございますが、弱小の組合もあるということで、問題はやはりこれは職域あるいは地域を同じくする人々の共同的な事業でございますので、その健全な育成をはかるということがぜひ必要であろうと思います。そのためにいま国といたしましても、予算的には消費生活協同組合の貸し付け金という制度で貸し付け金の金額、これは必ずしも多いとは言えませんけれども、昭和四十五年度で千三百万、四十六年度は二千万ということで設備資金として店舗とかあるいは陳列ケース、冷凍庫等の購入費用を貸し付け金として一応運用して貸し付けをいたしておるわけでございます。そのほかに、その健全化をはかるためには、出資金の増額とかあるいは組合員の増員というようなことを組合自体としても努力してもらう必要があると思いますし、国としても先ほど申し上げましたような零細な貸し付け金ばかりではなくて、金融的な面でもこれを相当バックアップしていく必要がある。特に最近のような物価問題との関連で消費生活協同組合に対する期待も相当高まっておりますので、消費生活協同組合の健全な発展をはかっていくということが必要だろうと思います。そういう意味で、来年度から日本開発銀行の流通近代化融資の対象ワクの中にも入れてもらうというような措置を講じておりますので、そういった努力をしてこの組合の育成をはかってまいりたいというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 厚生大臣にお尋ねしますが、大臣は生協をどのように評価をしておられるかということをお尋ねしたいと思います。それは、先般の総括質問の際にも、総理も大蔵大臣も生協の価値といいますか生協の存在理由については十分評価をして、今後大いに育成したいという意味の答弁がお二人からあったわけですが、所管大臣として特にこの点をどういうふうにお考えか。これはもちろん総理も言っておることですから当然そのとおりだと思いますけれども、ただ生協だけを育成するというわけにはいかない、つまり中小企業もあるしスーパーもあるし、いろいろそういうものがあって、生協の特殊性というものをそう簡単にはいえない、政府の中でも担当部署によってはそういう考えもあると思うのです。しかし私は、所管大臣の厚生大臣としては、これはあくまでも生協育成、こういう立場で一貫してもらわなければ困る。具体的な問題がたくさんあるわけですから、そういうのにあたってぜひそういう姿勢で取り組んでもらいたいというのが私どもの要望なわけですが、大臣の心境をまずお聞きします。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は総理大臣、大蔵大臣が申されたとおりでいいと思います。またお二人の言明を実行に移しますために、先ほど私どもの政府委員から述べましたように、開銀融資でありますとかあるいは都道府県を通ずる国の貸し付け金などの額もふやしましたし、それから年金福祉事業団などの、これはやや貸し付け目的が違いますけれども、生協関係の貸し付けも熱心にやらしておるわけでございます。しかしいま仰せられますように、これがまた政府全体ということになりますと、生協の重要性やあるいはまた消費者物価に対する貢献性というものも認めながら、一方において中小企業等との関連も考慮しなければならない面があることもこれまた事実でございますが、厚生大臣といたしましては、生協の機能を十分活用することになりまして国民生活を少しでも楽にする、安定させるという方向をとっていく考えでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 厚生白書の中にも生協の任に関連して「最近は日本経済における最大の課題の一つとなっている物価対策からもその果たす役割が注目されてきている。」というふうに書いてあるわけです。したがって、厚生省としてそういう基本的な認識に立っておるということはわれわれもよくわかる。あるいは経済企画庁の出しております新経済社会発展計画の中にも「消費者自身の自主的な組織に期待する面も大きいので、これらの組織の健全な発達を期する。」こういうことがうたわれておるわけです。これが政府の姿勢としてぜひ一貫してもらいたいということを念願するのです。  ところで、いろいろな問題がある中で、法律改正をしなければならぬという問題がたくさんあるわけです。その点について、昨年の十一月に答申をされた消費者保護会議、あの中では融資の問題とそれから法改正の問題を取り上げておるわけです。したがって法律改正の時期が当然来たと思うのですけれども、そういう点で、生協法は二十何年かたっておるわけですから、まさに法改正の時期に来ていると思うのだけれども、それについて取り組む用意はありますか。これはやはり大臣ですね。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 厚生省の中で、法改正をいたします際に、ともかくも地域制限、これは地域組合の場合になりますが、県をまたがる事業範囲の拡張ということができるように地域制限についての条項は取り上げられるべきことだ、こういうふうな観点に立っておりまして、関係官庁と打ち合わせを進めております。  なお事業運営の基準などについて、民法でございますか、あるいは民法に基づく法人でございますか、そういうような取り扱いになっていることが今日の生協の機能等から見て、はたしてそれでいいのか、むしろ商法的事項を準用するようなふうにしたほうがいい点もあるやの研究も行なわれているようでございますので、そういうふうなものについての検討を続けて、しかるべき時期に法案改正を進めるようにいたしたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いま大臣が冒頭に、地域の問題を言われたのは、従来は都道府県を対象にしておりましたから、今度はそれを取り払おう、こういうお話だと思いますが、地域と職域の区別を撤廃するという点はどうですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 現在私どもが内部で検討いたしておりますのは、地域の組合の、都道府県限りの地域をある程度緩和するということを検討いたしておりますが、そのほかにいま大臣の話がありました中にもありましたが、地域組合と職域組合の区別をなくすということはいまのところ考えておりません。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これは、たとえば職域の組合員は地域に帰れば地域の人間になるわけですよ。したがって、私は無理にあそこを区別しておく必要はないんじゃないか、現実がそういうふうにだいぶ流動しておるんで、変わってきておるんで、地域と職域は一本にして差しつかえないんじゃないかというふうに思うのですけれども、どうしてもそれは一緒にはできないのですか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 これは私が不勉強なことを告白するようなことになりますが、地域立て組合と職域立て組合と両方があって、そうしてつくる場合に利用者の方の便利によって地域性の組合もつくれれば職域性の組合もつくれるといういまの中身で差しつかえないのではなかろうか。それぞれの仕組みの中に法律上不要な制約がある場合に、それぞれの仕組みの中で不要な制約を改正していけばいいのではないかというふうに私は実は単純に思っておりました。これは私の実は不勉強のところかもしれませんので、この問題はなお継続検討をいたしましょう。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 私は、それは二つあって、両方に入って両方に会費を出して組合員になるということになれば問題ないと思うのだけれども、そういうことは本人の負担もふえることだし、私は一本にして差しつかえないと思います。さらに検討するということでありますから、その際ぜひ検討してもらいたいと思います。  それから団体加入を認めるかどうかという点はどうですか。労働福祉団体等がだいぶあるわけですが、それはやはり個人でなしに法人として加入させるということがあっていいと思うのだけれども、いかがですか、局長でけっこうです。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 この消費生活の協同組合法にも一定の地域又は職域による人と人との結合ということをうたってございますので、一応個人を単位として組合をつくるというぐあいに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 いわゆる法律を改正してほしいということを言っているわけですから、だから現実にはそういう労働組合もありましょうし、いろいろ共済団体などもだいぶ出てきた、あるいは労働福祉団体とか、そういうものがだいぶあるんで、これはやはり加入させるほうが組合の健全化のためにも役に立つというふうに私ども考えるのです。これもぜひ検討してもらいたいと思うのです。  それからもう一つは、員外利用の問題なんですが、これは厚生省はあまり歓迎しないように思いますけれども、私はいまの局長はかつて諸般の課長もやられたというふうに聞いているんだが、問題は十分承知をしておると思う。私は、これは実際問題としては若干の員外利用を認めるということはきわめて現実に即すると思うのですが、いかがですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 員外利用につきましては、現在、先ほども申し上げましたように、供給事業をやっておる組合が九百七十九組合ございます。そのうち員外利用を認めておる組合が三百六十組合ございます。そういう意味で、必ずしも非常にシビアに員外利用の禁止ということをやっておるわけではございませんが、先ほど大臣もちょっと触れましたように、やはり中小企業との関係、これは先生も十分御承知だと思いますけれども、私どもはやはり生活協同組合を何とか育てていきたい、育てていく場合におきましても、他の中小企業によく連絡をとって、共同してほんとうに消費者の利益を守っていくという意味で、なるべくほかの中小企業ともうまく折り合いをつけて発展をしていくのが一番理想的だろうと思います。そういう意味合いにおきまして、員外利用をあまり大幅に許すということになりますと、その点がいろいろ問題が出てくると思うのでございますけれども、ケース・バイ・ケースで考えてまいりたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 私、質問を終わりにしますけれども、その点は、員外利用を大きく広げていくということには確かに御指摘のようにいろいろ問題があると思うのです。しかし実際問題として、その生協に入るか入らないかという場合に、利用してみてよかったら入る、そういう人が必ずあるわけです。必ずあるというよりも、むしろ入りたいという人が全部最初の段階はそういう気持ちなんですよ、そしてやってみて、実際なるほどよかった、それでは正式の会員になろう、こういうことになるので、そういう人のために利用させることも、これは員外利用だということで法に触れるということになるわけですね。だからそういう点はまことに現実に沿わないので、ぜひともそれは制度として若干の員外利用を認める。これは現に農協などは二割だけ員外利用を認めているわけです。二割がいいかどの程度がいいか、それは検討するとしても、とにかく農協などと区別をする理由は全くないと思うのです。ぜひこれはその道を開いてもらいたいということを申し上げて、その点についてもう一ぺん御返事を聞いておきます。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 先生のお話しの点もわからないではございませんけれども、ただ先生の例示されましたような場合を認めていきますと、そこのところのけじめがなかなかつけにくいというような点もございますので、私どもも員外利用については非常にきびし過ぎるという態度は必ずしもとりたくはないと思いますけれども、これをゆるめる場合にどの程度ゆるめるかということも、今後中小企業との関係その他も勘案いたしまして検討してまいりたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮分科員 これで発言を終わりにしますが、中小企業との関係等、これはさっき大臣も言われたと思いますが、日本生活協同組合連合会というものがあるのであります。あそこが数年前に出しました声明書があるわけですが、これを見ると、そういう中小企業等と十分提携してやっていく、われわれの共同の相手は――共同の敵といっては語弊があるかもしれませんが、それは要するに独占大企業なんだ、こういう認識に立って中小の小売り商と十分提携していこう、こういうことを声明しているわけです。私はそれは生協運動の基本原則だと思うのですよ。だからむしろそういう点を生かしながら、しかしさりとて、たとえば最近大きなウエートを占めてきたスーパー、こういうのとやはり生協とは対立する団体だと私は思う。これは簡単にそれと提携ということにはいかないのではないかと思うのです。私はそういう点から比べると、生協は何といっても消費者自身が自分のためにつくった団体なんですから、したがって、自主的にあらゆるものを運営していける、経営していける、こういう点でスーパーなどと違う。あるいはスーパーなどは、ただ利潤追求のために不利益なところには進出しない。それに対して生協はそこに店舗を設けたり、そこに出前をしたり、そういうことでやっているわけですから、これはどうしてもスーパーなどとは違った性格を持っているという点を認識をしながら、ただし小さな小売り商などとは十分提携していく、こういうものが私は生協の原則ではなかろうかと思うのです。ぜひそういう点も十分認識をしていただいて、生協の健全なる発展のために、しかもまさに法律改正の時期にきているわけですから、根本的に考えてもらうということをぜひお願いいたします。  それでは、これで終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野(幸)主査代理 次に、谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 私は薬剤の問題と、それから診療報酬の問題に限って簡単にお尋ねしようと思います。  昨年の暮れですか、薬剤の添付販売を廃止するという御指導で、薬剤を引き下げるという行政指導をなさっておられます。その結果幾らくらい下がったか。これは個々のケースがございましょうが、全体としてどういう傾向にあるかを、これは大臣からお答えをいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 添付というのは、言うまでもなく医家向けの医薬品について、その範囲で今回は論ぜられました。添付がありますと、勢い保険医療の給付の場合に、薬のあり方が正しい状態を反映しないだろうというようなことがしばしば指摘をされておりましたが、幸い関係の審議会あるいは関係の団体などでもそのことを取り上げられることになりましたので、私どももともにこれの廃止の方向に踏み切って通達を出したわけでございます。その結果は当然薬の値段が下がるわけでございます。私はその最終的な結果をまだ報告を受けておりませんし、またこれは最終的な価格引き下げ等の結果がすべて今日あらわれている段階まで至っていないと思いますが、当然今度は添付がやめになりますので、薬の売り渡し価格の引き下げということになってまいることと私は考えております。  詳細につきましては、必要に応じまして政府委員から答弁をさせます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 私どもうわさに聞いておりますが、大体五%くらい下がるのではないかということ、これは単なるうわさですか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 添付が廃止になりまして、その後、二月一日以降各社がそれで自主的に値下げを発表しております。それはいろいろございますけれども、その傾向を見ますと、値下げ率はいろいろ品物によって違いますけれども、大体一〇%前後のようでございます。もちろん品物によっていろいろ違いますけれども、ビタミン類とかあるいは酵素製剤、消化剤、そういったものが一番値下げの幅が多いようでございます。その次が抗生物質、精神神経剤、そういうようなグループになっております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 これも大臣に伺いますが、一〇%前後ということになりますと、薬価基準の改定やりますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私どものほうの計画がございまして、また関係の協議会ともお打ち合わせをいたしてまいりましたが、今回の添付廃止があってもなくても、この二月から三月にかけまして薬価調査を、薬屋さんのほうの側とそれからまた薬を購入される医療機関双方にわたりまして行なう計画にいたしてございます。でございますので、今度の添付廃止がそれらの薬価に及ぼす影響が相当の範囲におきましてこの調査にあらわれてまいりますので、その結果に従いまして薬価基準は当然直してまいることになると考えます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 そこで伺いたいのですけれども、添付販売、これはいろいろ添付もあるし、値引きもあるし、あるいは特価というようなやり方もあるようですが、とにかく安売りの実態は大体わかりますか。まあ個々の問題がありますから、これも二、三典型的なものをおっしゃっていただいて、大体の状況が国民にわかるように、どういう実情であるかをちょっとお尋ねしたいと思うのです。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 添付禁止後、いろいろメーカーから事情聴取を行なったわけでありますが、それによりますと、もちろんいま先生がおっしゃいましたようにいろいろございますが、大体二〇%前後の添付率が行なわれておったように思います。ものによっては五〇、それ以上のものも例外的にございましたが、傾向としましてはやはりビタミン類、それから先ほど申しました酵素製剤等の添付率が高く、その次に消化酵素あるいは肝臓用の薬、その次が抗生物質、精神神経剤、そういったのが次のグループに属しておるようでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 私どもがいろいろなところで調べたところによりますと、もちろん品目にもよりますし、それから大資本と中小メーカーとも違うようなんです。大体その代表というところを抜いてみたのですが、アリナミンなんかでも、いま最高五〇%というようなことをおっしゃったけれども、平均して五〇%ぐらいという実情じゃないですか。そういうように私どもは見ております。それからソナコンというやつがありますが、それなんかも、調べたところ、ひどいので、おそらく中小メーカーだと思いますが、三〇〇%の添付ですな。だから一つ買うと四つくれるということになります。これはでたらめなことだと思いますが、そういうことだということでありまして、計算してみますと、私はセルシン、ソナコン、アリナミン、そこら辺を実際に関係しております人たちに集まってもらって調査して出したのですが、アリナミンで、旧値段で、若干下げましたけれども、二十五ミリの五百錠入り、一錠あてで計算すると十一円二十二銭、これを十一円に下げたわけです。千錠入り十円九十六銭、これが十円五十七銭に下げた。それから五千錠入り十円四十七銭、これが十円十四銭に下げた。ところが添付五〇%としてやってみますと、五百錠入りで一錠が七円三十二銭、千錠入りで七円四銭、五千錠入りで六円九十八銭という計算になります。それが幾らか下がっておりますけれども、十一円あるいは十円五十銭、あるいは十円十四銭というようなものから見ますと、実際は下がりましても、実勢価格から見ればはるかに高いものに引き上げられておるという結果になる。さっき申しました三〇〇%添付というようなソナコンなんかあたりでは、大体一錠が二円六十九銭、これが引き上げられて一錠が現在の市価九円八十銭になるということでありますから、この添付の制度をとって若干引き下げたといいましても、事実上この薬は値上げになるという計算になりますが、これはお認めになりますか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 添付といいますのは、やはり販売条件でございますので、やはり、たとえば販売を拡張するとか、あるいは従来非常にお得意さんであるとか、そういうもので相手によっていろいろ添付率も違っておるようでございますので、その点は先生の御指摘のように一律ということはあまりないんじゃないか、かように考えております。  それからいま先生がおっしゃいましたアリナミンの問題は、Aでございますか。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 ええ、そうです。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 アリナミンAの問題は、これはいわば一般用、つまり大衆薬でございますので、この前医家向け添付を禁止した問題とは別の問題ではないか、かように思います。ただ当該会社ではアリナミンFを値下げした場合に、それと相関連して値下げを行なったように私どもは聞いております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 これは個々の問題で、実際に個々にあらわれるわけだから、論じておりますといろいろ出ますが、一応去る二月四日に出しました「薬事日報」なんかで、すでにいわゆる価格の改定速報で出しております。きょうその他の資料を持ってきておるのですが、これによりまして、実際は添付は、たとえば五〇%であろうとあるいは三〇%であろうと、あるいは一〇〇%、二〇〇%であろうと、そういうことを計算しますと、実際の価格は安く売られておる。だから若干五%や一〇%下げましても、実勢価格から見れば、むしろ今後添付なんてなくなりますから、実際上の価格はうんとつり上げられるという結果になることだけは――いま私あげた数字が過大であれば、そういう実勢であればもっと引いてもいいと思いますが、しかしそのことは実勢価格よりも引き上げられたということについて動かぬ事実だと思うのです。そういうことはあなたはお認めになるかならぬか、私は認めるべきだと思いますが、これはどうですか。いまのようなおっしゃり方でなくて……。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 添付は一律に行なっているというものではございませんで、添付率は先生のおっしゃるように、ある場合は高い場合もありますし、そうでない場合もございます。したがいまして、添付しない方に対しては、これは当然、一斉にこれが値下げが行なわれたことになりますし、添付が従来行なわれた客に対しては、そういう点は添付が行なわれなかった方に対するよりは値下げ率は実質的に多少高いということはあり得ると思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 いずれにしましても、実勢価格よりは今度の措置で薬は高くなるということがいえる、私どもはそう結論づけているわけです。  そこで、伺いますけれども、薬価基準を改定した場合、これは下げられる。それからよく御案内のとおり、いまの保険制度のもとでは、医療機関は、薬を売ってそのさやを得るということが、潜在技術料とか普通にいわれておりまして、助かっているということで、医療機関の収入は薬を売るということからかなり得ておるという事実があるわけなんです。そうしますと、私が試算したようなそういうばく大なことにならないにしましても、実勢価格より高くなったということだけはこれは事実なんですから、そういうふうな実勢価格になってきて、しかも薬価基準を引き下げるということになりますと、いまのシステムのもとでは医療機関は非常に困ることになると思いますが、これは診療報酬の上で、それに対して何か政府として政策を考えていらっしゃるかどうか、診療報酬の改定、これについて何かお考えを持っていらっしゃるかどうかを伺います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 今度の国会に御承知の健康保険法の改正案を提案して御審議をお願いをいたしておりますが、それとの関連におきましても診療報酬の適正化、合理化を当然やるべしというような議論を先般来今国会におきましても論ぜられておるところでございます。したがいまして、診療報酬につきましても、これは保険制度そのものではございませんけれども、保険が成り立つ基礎の事項でございますので、保険制度の改正と関連せしめつつ診療報酬制度の適正化、合理化、つまり薬と技術の分離といいますか、ものと技術の分離といいますか、あるいは医療技術の尊重というような問題ばかりではございませんが、いろいろの面におきまして診療報酬についても検討をしていただくことにしております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 二、三の問題で、現行の診療報酬体系といいますか、この中に私どもふに落ちないところが若干あるのです。そこらについてどういうふうにお考えになっているか。いわゆる合理化、適正化といいましても、おもしろいことに、私どもも診療報酬の適正化をいっている。最近は政府だとか自民党も適正化といっている。どうも共産党と自民党が同じそろばんになるということになるのですが、中身は別でして、そこらの問題で若干具体的に伺ってみたいと思います。  たとえばかぜを引いてお医者さんへ再診に行った。その場合のどがはれていたのでルゴールを塗ってもらって帰った場合は、現在は点数幾らですか。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 現在の乙表でございますと、再診料が五点、それから咽頭に処理をする点数三点でございますので、八点でございます。一点が単価十円でございますので八十円です。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 ルゴールを塗ってもらわぬで帰ったらどうなります。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 内科再診料ということで十点でございます。百円でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 それはそういうことですな。ルゴールを塗ってもらうと八十円、塗ってもらわぬで帰ると百円なんですね。こういう不合理があるんですな。これはどういうことかというんです。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 現在この点数表におきましては、再診があって、それに対していわゆる処置、手術等を行なわなかった場合には、これは普通の再診料五点でなくて、内科再診料として十点を算定する、こういうことになっているわけでございます。これはどういうことかと申しますと、昭和四十二年の改正のときからこういうシステムが入ったわけでございますが、内科につきましては、いわゆる再診療以外に特定の診療行為をしない場合には、いわゆる技術量というものが何もない。ところが眼科、耳鼻科等においては技術料というものが特に処置料ということで算定できることになっております。しかも再診料というのは一定であるということでございますので、当時の議論といたしましては、再診料を内科とその他の科というのは別立てということも考えられたわけでございます。しかし、現在各科につきまして、その科を統合するということは各医療機関の自由にまかされておりますので、各科別ということは特に設けることはできない、こういうふうな議論がございます。そこで、内科にだけは再診以外にプラスになるようにということを考えましたところ、いま申し上げましたように、科別に点数を変えることはできないわけでございますので、そういう特別の処置をしない場合にはこれに加算をするという制度が導入されたわけでございます。ということは、そもそも内科的なところに支払いができるようにということで考えられたのが内科再診の思想でございますので、そういう意味からすれば、別に塗らないから高くなる、塗ったから安いということではございませんで、そもそもそういった、何にもしないときの技術というものをそう判定した、こういうことでございますので、たまたまのど、耳鼻科的なときに塗らなかたっから取れたというのはむしろ例外的に取れた、こういうことだということで、そう矛盾はないというふうに考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 大臣、ちょっと。これはこの問題だけじゃないですね。これは指挫創というのですか、指をちょっとすりむいたとかなんとか、そういうような場合でもちゃんと薬剤を塗ってもらったり消毒してもらったりすると八十円になるし、塗ってもらわないで帰ると百円取られる。腰痛とか骨折などの療法で、超短波療法というのがあるのですが、これをやってもらうと八十円で、やってもらわないで黙って帰ると百円なんです。痔などの薬浴ですね、お湯に入るもの、それから熱気浴などがあるようですが、そういうようなものもみなそうです。ということは、国はでたらめをやるのじゃないのですから、理屈はあるのでしょうが、しかしこれはだれが考えてもおかしいでしょう。ちゃんと処置してもらって安くなる。医者は処置しないで帰したほうが高く取れるから、みみっちい話でいえば二十円だけれども、処置しないで帰したほうがいいということになりかねませんね。こんなことを直しますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 直す直さぬの問題をこれからしかるべき筋で論議をしていただくわけでございますが、これはあなたがそうおっしゃるわけでありますから、あなただけがおっしゃっているのではなしに、それが真に不合理であれば、他の方面でも同じ論議が必ずされると思います。私がここで直す直さぬと申しますよりも、中央医療協議会というものがございまして、そこには被保険者の代表も、事業者の代表も、またお医者さんの代表も、また学識経験者も集まっておられますので、私は必ず出る議論だと思いますので、さようなところで論議を尽くして適正化、合理化、こういうことにしたほうが、私はここで言明をして間違うようなことがありましたり、また要らざる混乱を起こしますよりも、そのほうがよろしいのではないかと私は考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 大臣らしくない御答弁ですな。それはいろいろな人に聞いて結論を出されることはいいと思いますけれども、こんな常識的なことはだれが考えたってわかることです。これは不合理だからすぐ関係機関に話して直しましょうという御答弁をいただきたいと思う。実はこれは前にあなたがおっしゃるとおりに大問題になって、共産党の谷口善太郎だけが言うのではなくて、世間的に問題になった。これは問題になっているわけです。それを直したことがあるのですな。たとえば直腸鏡検査、これが六十八円、それから膀胱鏡検査、これが四百二十八円、この二つの検査は安い例の代表で、だめだ。厚生大臣、特にこれは直ちに直している。これを前者が五百四十円、八倍、後者が千四百円、これは三倍に上げているのですね。だから、こんなことは、大臣、だれかに聞かなければわからないというのは、御慎重な態度でありますけれども、これは非常にはっきりしているのだから、大きな問題になる前にすぐ直すということをここで言っておいてもいいんじゃないかと思うのですが、どうですか。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 ただいま先生御指摘になられました直腸鏡検査の点数でございますが、これは昭和四十五年のときに中医協で御審議いただきまして、先生いまおっしゃいましたのは従来の乙の点数を、古い、安いほうの点数をおっしゃったのでありますが、甲乙一本化するということで、検査料について甲乙一本化した結果そのようになったわけであります。繰り返すようでありますが、中央社会保険医療協議会の審議におきましてそういうふうに甲乙一本化するということで直したものであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 あなたはくちばしを出してくるけれども、そんなことを言っているのではない。それは制度の上でちゃんと審議会にかけるということになっているからいいけれども、常識としてこういうばかげたことが行なわれることについて、大臣として政治的に発言があっていいんじゃないかということを私は言っているのですよ。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は先ほどきわめて妥当なお答えをいたしたつもりでおります。いまこの場で私とあなたでそれをどう直すかという勝負をきめてしまう必要はないので、あなたのおっしゃられたことはそのまま速記にも残りますし、またいろいろの方々も聞いておられますので、それは最もいい姿で私は必らず診療報酬の適正化等をやります場合に取り入れられることになるだろうと思いますので、ここで自民党の私と共産党の谷口さんとがきめてしまわないほうがよろしいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 大いによろしい御答弁だ。しかし、これは非常に適正でない点です。  今度は、安過ぎてまずいという点があるのですよ。これもひとつ伺います。これも限定しますよ。お医者さん二人、看護婦二人、これだけがかかって、術前術後に時間を含めて約八十分かかった盲腸の手術、これは、薬品等を請求できる部分も含めて現在手術料は幾らですか。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 盲腸の手術でございますが、いわゆる手術料そのもの、麻酔料それからその他を除きまして、手術料そのものは甲表において八百六十点、乙表において六百八十点でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 こういうことになっていますね。これは乙表でしょうな。手術費が六千八百円、六百八十点。それから薬品等を健康保険で請求できる、これが千四百六十一円ですか。合計八千二百六十一円。これが保険で払われる医療報酬です。八千二百円と申しますと、ジョニーウォーカー一本も買えない。これが手術料ですが、これはどうですか。適正と思いますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 そうなると、私には正直のところわかりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 実はこれも関係者を呼んでやってみたのですが、これはきちんと計算してきた。どれくらいか。これはもちろん材料費とか、あるいは直接経費、それから実際は、あとで問題にしますが、施設の減価償却なんかも含めまして、総計、安く見て、きちっとやって一万三千二百十四円かかるというのが実際にやっている人たちの計算です。常識のようですな。ここらでも、非常に安いという点で改定すべきです。物価が上がったから何割上げてくれというお医者さんたちの要求は、いまあります。しかしそれ以前に、常識的に見て非常に低いところに押えられているという問題がある。そういう問題が幾つかあるのですね。ずいぶん各面にあります。  こういうのがありますよ。腕を一本マッサージをやってもらうと三点なんです。頭からおしりまでやってもらうと三点、全身、両腕、両足と胴体で十五点、百五十円なんです。あなたはあんまを呼んだことがありますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 あります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 百五十円で来ますか。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は大臣ですから、たいがいチップを入れて二千円くらい払っております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 それは大臣、チップを入れて二千円、そう高くなくても、少なくてもやはり八百円や千円はいま普通でしょうね。お医者さんが指導して専門のマッサージ師にやらせるという、いわゆる技術料、これなんです。これも極端な例を私は言ったのですが、いまの物価から見まして世間を通らないような状態にあるものがかなりあるのですね。これが一つ。やはり改定することには大事な問題だ、注目してもらいたいと思います。  それからもう一つは、これは時間を取りますから言いませんが、たとえばお産なんかでもひどいのですよ。往診料、これはどうでしょう。二キロぐらいのところ、昼でいいですよ、往診して帰ってきたらどれくらい往診料を払っていますか。

松浦十四郎厚生省保険局医療課長

○松浦説明員 乙表において二十五点でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 弱ったものですね。車で行くでしょう。二十分かかるか三十分かかるかしれませんが、とにかく二、三十分かかって帰ってくる。タクシーに乗って行っても、三十分待たしておいたら千二百円くらいタクシーは取りますよ。やはりそういうのがあるんだ。これはさっきの続きです。たくさんあるのだけれども、時間がありませんから……。  第三番目は、いまの医療機関の医療保険あるいは医療活動。当然保険で見なければならないものが無視されているという問題が幾つかあります。これもいろいろございます。たとえば、これははっきり保育所の問題でも話がありましたが、建設費なんか保険の診療報酬の中にありませんね。病院の建設費だとか、あるいは器械を減価償却する、全然見ていないでしょう。これは薬でもうけてせっせとみんな払っているわけだ。これは別途に、たとえば医療金融公庫なんかから低利、無条件で融資をするという制度をもっと拡大することが必要だと思います。それは別としても、たとえば原子吸光装置による生体内の微量な重金属、これを測定するという仕事は、公害問題が起こっておりますからいまは大事になっていますね。そういうのは制度がないのです。やっても保険点数はありません。これは新しい現象ですから、前の時期にはこれはなかったということで落ちているのだろうと思いますが、こういうのなんか特徴的だと思いますね。これは少なくともお医者さんたちがやっているのは一件三百点くらいもらう必要がある。三千円ですね。それから健康相談、病院の食べものに対する指導、食事指導といいますか、これなんかも何も報酬の対象にはなっていない。これは相当かかります。医者が会って事情を聞いて相談する、あるいは相談員が相談するということになりますが、これも健康保険の対象になっていない。それから分べん入院、これも前から問題になっていますね。分べんするときに入院する、これも健康保険の対象でないことは大臣御存じのとおり。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 現金給付をいたしております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 若干あります。しかしこれは、やはり保険の給付、診療報酬としてきちんとやるべきだというのがお医者さんたちの意見です。  それから冷暖房、暖房は北海道は認めておるんですね。しかし北海道以外のところは認めていないのですよ。これなんかもやらなければならないし、やれというのが医療機関の要求になっておる。  それから休業診断書とか傷病手当請求書、これはお医者さんが診断書に書く。これも保険給付になっていないのです。こういうものがある。特にお医者さんたちが言っているのは保険請求の事務ですね。これは月初めに十日くらいかかる。これはたいへんな作業ですね。これに対する事務費というものが全然ないわけです。こういう点はやはり抜本改正の問題の初歩的な、それ以前に解決しなければならない当面の問題だ。  まだたくさんあります。私、持っていますけれども、時間がありませんから言いませんが、つまり非常に不合理な、だれが見ても笑い話にしか考えられないような、そういう処置をしたら安くなるというような不合理なもの、それからいまの常識から見ましていかにも安い、あなたが二千円払っているあんまが百五十円だ、こういう点ですね。それから、医療の上では絶対必要なものが保険の対象になっていない、そういう点があるのです。ここらについて大臣のお考えで、抜本改正をまつまでもなく、これは当面至急に改正できることでありますから、そういう点で前向きに――前向きということばはあまりいいことばじゃないけれども、積極的に解決する方向をとっていただけないかということ、これは御所見を伺っておきたいと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私が診療報酬の点数表をみずから編成をするわけではございませんけれども、お話たいへん参考になりました。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 ここではただでたらめな論議をやっているんじゃないのです。参考にされるだけではほんとうに困るのです。あなたとわれわれと論議して、不公正なものあるいは不合理なものは直していくということで、政府はそういう態度をとってくれなければ、私どもここでこんなことを言ったって何にもなりません。参考にしていただくことはけっこうですけれども、参考にして――これは私はむしろしろうとですから、くろうとにいろいろ聞いてこれを持ち出しているのです。くろうとのほうはもっといろいろな点で持っているわけです。つまり医療機関が持っているわけです。これに対してやはり積極的にこたえるという態度が必要だと私は思うのです。そういう点ではもう少し色よい御返事が必要だと思います。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 私は、谷口さんがおっしゃったよりももっと広い意味で、そこでたくさんあると仰せられますが、より広い角度から今後の診療報酬の適正化、合理化というものをぜひやっていただこうと考えますので、先生がお忙しい中をいろいろの事実をここで御披露なさったことは、先ほどから申しますように、私にはたいへん参考になりました。それ以上のことを一つ一つの事例について――またそれだけで診療報酬というものが構成されているわけではない面もございますので、十分に参考にさせていただきます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 最後に、これは大臣、政治論になりますが、先ほど申しましたように、いまの診療報酬体系の中で、医者は薬を売ってそれによってかろうじて医者として成り立っている。これは事実そうなんですね。だから、今後たとえば、あなたのほうで薬価基準を改定されて五%なり一〇%なり下げられるということがあるとしましても、決して総医療費中における薬剤費は減らぬ。これは大臣御承知のとおりです。薬価基準にさえぎられた低いところでやっておったんじゃ医者はもうからないから、製薬独占企業は新しい薬を開発して出す。医者もそれを使ってやるということでやりますからね。それだけでは医療費、薬剤費が減らないとは言えませんけれども、非常に重要なウエートを占めておるというように思うのですが、そういうことを事実上やっているんです。そういうことですから、医者は薬によって生計を立てている、と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、生計をも含めた医者の活動をかろうじて維持しているというのが実情だと思うのですよ。こういうことはやはりうまくないので、大臣おっしゃったとおりに、科学者として、医者として、全くそれにふさわしい医者の労働、看護婦の労働あるいは医業労働者の労働を評価するという、そういう立場からの診療報酬体系を原則的に考える必要があるということを主張しているわけであります。  それと関連しまして製薬会社が、特に十大製薬会社が日本にあるわけですが、ここらが、国民の生命と健康を守るということを目的にした国の事業ですね。これは国民皆保険でありますから、医療保険制度は。そういう国の事業が、国民の健康、国民の命、こういうところをマーケットにして、そして製薬大企業だけがここでもうけるというようなことが許されていいかどうか、そういう問題は根本的に検討すべき問題じゃないかというようにわれわれは考えております。これはどれくらいもうけているかという問題ですな。これは私、そういう点でも若干資料を持ってきているのですけれども、先ほど申しましたアリナミンなんかの例は一つの例でありますが、これはシクランデレートですか、何かむずかしい名前で私はよく読めないようなややこしい名前ですが、これをつくっている人に聞いた。原価は一体幾らだということです。そうしますと、シクランデレートの原末が一キログラム、これは値段がいろいろ幅があるようです、五千円から三千円だそうです。一カプセルに百ミリグラム。五千円ですからこれは一カプセルが五十銭になります。これが原料です。それから乳糖を入れますので、これが原料代として八銭。それからゼラチンのカプセルの代金が五十銭。それから包装資材、これが約一円。容器代が二十銭。合計二円二十八銭。これが薬価基準で十八円三十銭。メーカーが医療機関に渡す値段は、高いので八円から十円ですね、二円二十八銭のものが。もちろん、このほかに広告費やその他がありますから、全くこれはそのものの原価だと思いますが、いずれにしましても約三倍から四倍が市価です。しかも、それよりももっと高く、倍以上に薬価基準がなっている。製薬会社がどれだけもうけているかということは、これ一事をもってもわかる。  それから四十四年、四十五年について武田と大正についてだけ調べてきたのですが、武田の総売り上げが千七百十億。利益が、これは全くいろいろなものを差っ引いた利益だそうですが百四十三億。配当が一七%。大正に至っては総売り上げが五百四億。利益が百一億。配当が五〇%。ことしじゅうに設備投資を二百億やるそうです。これは武田です。九月に大体四割の増資をするということです。これは大体年間の数字です。それくらいもうけているのですね。  総医療費のことしの見通しはどうか知りませんが、二兆五千億くらいになるのじゃないですか。四〇%と見まして薬代が一兆でしょう。そのうち、私どもの計算によると、四八%くらいが十大メーカーです。つまり五千億ですな。そしてこのようにぼろもうけをしているのです。こういうことが国民の命を守るという国家的事業の中で行なわれることが正しいかどうかということです。そういう問題も私ども検討すべき時期に来ているのじゃないですか。赤字赤字といっておりますけれども、ここらでメスを入れて、安くするというよりも私はやはり規制すべきだと思うのですね。もちろん、資本主義でありますから、どんな大きい企業でありましても、利潤を無視するということは、私どもはいまのところ考えません。将来へ行っては知りませんが……。しかし、ほんとうに適正な利潤を認めてやっても、こんなべらぼうな独占的なもうけ方はあり得ないと思うのです。もしこれを国の一つのやり方としてメスを入れ、規制を加えるということになりまして、たとえ二割なり三割なり下げることができれば、それだけでも保険財政には相当なものが出てくるということですね。  私は、前にこの財政の問題で、日本の国家の保険医療、保険制度に対する援助という問題全体として諸外国に比べて非常に劣っていることを、資料をあげ、数字をあげて言ったことがありますが、やはり国の援助と同時に、独占的な薬価に対する規制という問題を当然考えるべきだと思う。命を守る仕事、これを何か商売のようにされたのではかなわぬということです。そういうものだと私どもは思うので、独占的な薬価に対する国の規制の問題、そこから財政的にも引き出すという問題を、これは真剣に考えておく必要があるだろうと思う。抜本改正――単にことしの健康保険の改正案でも、私どもは非常に不満です。あなたはだいぶこれが抜本改正の第一歩であるし、この中に本質的なものは出ているとおっしゃるけれども、そこに出ている本質というものはまことにこわいので、これは予算の総括のときにも話がありましたとおり、上限を引き上げるとか、あるいはボーナスにまでかけるとか、あるいは料率を上げるとか、いろいろなことがありました。相当な金を引き出すことになっていますが、ああいう被保険者に転嫁するというやり方はまことにうまくない。だから社会保障制度審議会なんか、政府の今度の案に対して、もう一ぺん考え直せというような答申すら出しておるということです。そういうやり方ではまずい。やはり次第に国あるいは企業家がよけい負担していく。行く行くは、私どものことばで言えば、政府、資本家全額負担ということにしていく必要があると思いますが、その過程でやはり薬価の問題を解決する必要があるという考えを私は持っているのです。御所見を承って私の質問を終わりたいと思うのですが、いかがでしょう。

内田常雄自由民主党

○内田国務大臣 製薬事業は厚生省が所管いたしておりますので、薬の製造、その許可、承認等のこと、あるいはまた製薬事業としてのあり方などにつきまして、私は、厚生省としてもさらにこの機会にいろいろの面から検討をいたすべき点がたくさんあるように思っております。きょう午前中にも他の委員の御質問に対して申し上げましたが、製薬企業というものは、単に利益追求の企業、いわばほかの一般の企業と同じ性格を持っているだけでなしに、その上に人の生命を預かる、健康を管理する、そういう製品をつくるという公共的な使命を持っておるので、二重の資格がある企業だ。単なる製造業とは違うんだというようなことも厚生省としては考えまして、利益があがるならば、それは研究開発のためにさらによけいな投資をする、あるいはまた、一ぺんつくった薬に対する副作用の追跡のための研究費に、それらの資金を充当するというようなこともやっていただかなければならないものだと考えておる次第でございます。いずれにいたしましても薬品の問題は、今日きびしい世論をあびておりますので、谷口さんの御所論はもとよりでありますが、私はこれらの世間の批判にもこたえるようなそういう薬行政の姿勢をつくってまいる所存でございます。  健保改正の案につきましては、ただいま御不満の御意向がございましたが、しかし谷口さんの御所論の前半には、医者の診療報酬なども安過ぎる、もっと上ぐべきものは上ぐべきだ、こういう御所論もございましたが、これはやはり保険制度でございまして、国ももちろん一部負担をすることはよろしゅうございますけれども、やはり保険の支払い財源というものは、被保険者が負担するものも当然あってしかるべきもので、それらの診療報酬等の改正の財源は薬屋から持ってくればよろしい、あるいは国が出すべきだということだけでも解決し得ないものであるようにも思いますので、先生の御所論を拝聴いたしまして、私ども健康保険改正案のことも御賛成をいただけるものと実はだんだん伺っておりました。いろいろ所感を申し述べましてお答えにさせていただきます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口分科員 私はこれで終わるつもりでおったのですけれども、大臣ちょっと気にかかることをおっしゃったので、それに触れておかなければならぬと思うのです。  もちろん、保険制度でありますから、被保険者も負担するということは当然だと思うのですよ。そのために保険料の制度、掛け金の制度があるわけです。しかし、これは大臣、たとえば組合健保の場合は千分の八十なら八十というあれがあって、その間の企業との分け方が違うわけですね。こはれ労働条件の一つになっておりまして、戦って協定で資本家にたくさん負担させることができる。だから、戦っていきさえすれば資本家に全部負担させるということもあり得る。ところが、政管健保の場合は違うわけでしょう。相手は中小企業でありますから、そういう点を見なければならぬという問題がある。としますと、これは労働者に転嫁するのではなくて、そういう事情は国が見てやるというようなそういうことにならなければ、中小企業もまた同様に労働者も助からぬわけですね。まして今度の改正は――私は改正と言いたくなくて改悪と言っているのですけれども、あれはたとえば上限を上げたでしょう。それからボーナスなんかも一部やることになったでしょう。この間予算の総括か一般かで質問されたときに、これだけでも千分の九・九になるということをおっしゃったのですね、これはあなただったか、政府答弁で。料率に計算したら大体千分の九一九だと言っていますよ。そうすると今度は千分の七十から八十まで、これも厚生大臣の裁量で自由にするということになるらしいが、とにかく上限を上げるということが含まっていますから、合わせたら千分の二十上がることになりますが、どっこいそうじゃないのですよ。上限を上げたとかあるいはボーナスまで入れた部分は資本家に関係しますけれども、今度一部負担があるでしょう。入院時における負担、これも上げた。再診時における負担、これも上げた。この分を全部合わせたら、九・九ということを言っているわけですね、この九・九の半分、つまり千分の五ほどというものは、これはまるきり資本家負担なしですよ。企業家負担なしで被保険者負担ですよ。そうでしょう、入院は現金で払うんだから。九・九といいますけれども、その分は違うわけだ。(内田国務大臣「その分は半々ですよ」と呼ぶ)資本家に出させるのか。(内田国務大臣「保険料のほうは半分でしょう」と呼ぶ)保険料じゃないです、現金で出すんだから。みんな患者負担です。だから九・九と言いますけれども、これはそういう意味ではもっと高いわけです。そういう上げ方をしているわけだ。だからそんなやり方では困るというのが社会保障制度審議会の言い方なんです。それを含めて再考せいと言っているのです。だから、共産党が言っているだけじゃない、労働者が言っているんだ。そういうことですから、私どもはそう簡単に改正には賛成できない。このことはまた委員会で担当者がおりますから……。  それから私、時間が来ましたからやめますが、もう一つ問題は、製薬会社が研究などについて金を出すことを大臣はいいことのようにおっしゃった。あべこべですよ。私は製薬独占を援助するわけではないですけれども、研究機関は政府が大学その他でやるべきことですよ。これをやりませんから、大学の先生方は大製薬会社から金をもらっている。その大学の先生方は、政府が金を出さぬから、大資本とくっついて、その手先になってやっておる。だから、ちょうどつまらぬテレビと同じでありまして、中身は同じだけれども、かっこうを変えて新薬だといって高く取っておることに手を貸しておることになるのです。これをりっぱな研究者としてやるためには、大資本の援助でなしに、そういう援助は全部保険財政のほうに吸い取って、あらためて国として研究機関についてもっと充実させる必要がある。研究機関は、そういう意味で薬を開発するという研究だけではなくて、お医者さんだっていま一番望んでおりますのは、開業して何年かたってから、新知識を学びたいという欲求が起こってきても、それに対する保障がないのです。そういうことは国がきちんと見るという制度、これは教育の問題になりますけれども、あなたに無関係ではない。そういう制度をつくるべきであって、大資本から金をもらって、学者が大資本の研究をするという、そんなやり方はまずいですよ。これはうまくないです。だから、国が向こうの大きな金を取り上げるということは必要だと思うのです。そういうことを私は言っておるわけです。  それじゃ私はこれで終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野(幸)主査代理 これにて昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、厚生省所管に対する質疑は一応終了いたしました。  次回は明二十五日木曜日午前十時から開会し、経済企画庁所管について審査を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時四十八分散会

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