予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/02/20
会議録
○登坂主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、自治省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。 この際、分科員各位に申し上げますが、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力をお願い申し上げます。なお、政府当局におかれましても、答弁はできるだけ簡潔にお願い申し上げます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。奧野誠亮君。
○奥野分科員 最初に、お尋ねというよりは希望を申し上げさせていただきまして、お考えを伺っておきたいと思います。 昭和四十六年度の一般会計予算、地方交付税交付金が二兆五百四十四億円でございますから、一つの行政項目だけでは最高の額を占めているんじゃないだろうか。二二%に達しているわけでございますから、これがどのような役割りを演ずるかということが、国政上もきわめて重要な問題であろうと考えるのでございます。 この金の多寡が妥当であるかどうかの裏づけが地方財政計画だと考えております。反面、地方交付税交付金は、個々の地方団体の財政需要と財政収入を測定して、その差額を補てんしているものでございます。したがって、地方団体の需要や収入の測定の基礎をなしているのが地方財政計画だともいえるのでございます。したがってまた、この地方財政計画を見れば、地方団体が自分の予算の編成あるいは財政運営、それについての基本的な問題が把握できるというようになっていかなければならない、かように考えるのでございます。 ところが、地方財政計画は、都道府県市町村一つにして、地方財政ということで金額を計上しておるわけでございます。都道府県市町村を一つにしたような団体はどこにも存在しないのでございます。これでは個々の地方団体の参考にならないわけでございます。 地方財政計画をつくり出して二十余年になるわけでございまして、実はつくり出した張本人が私なんでございます。私もその間都道府県市町村の別にしたいと考えながらも、なかなか踏み切れませんでした。今日なお踏み切れない事情が、そういうことでわからないわけでもございませんけれども、いささかマンネリズムにおちいり過ぎているんじゃないだろうか。勇気を出して、ひとつ個々の地方団体に参考になるような地方財政計画を策定してもらいたいものだ、これが私の希望の第一点でございます。 もう一つは、地方交付税法は、その第一条にこの法律の目的を掲げまして、「地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障する」云々の規定を設けております。行政項目ごとの基準財政需要額の中身のつくり方、それが交付の基準の設定の一つでございましょう。経費の種類ごとにどのような内容の行政が期待されているかということ、その周知徹底をはかっていかなければなりません。自治省としては財政当局に対して常に緊密な連絡をとっておられるようでございますから、財政当局としては十分理解しておると思いますけれども、それだけでは不十分なんで、財政当局に経費の支出を要求するそれぞれの行政の担当者こそもっと理解していなければならないのではないだろうか、こう申し上げたいのでございます。関係の各省から地方団体のそれぞれの行政担当者にどのような行政が期待されているか、それに要する経費の財源はどのように手当てされているか、これらを周知させること、これが大切なんでございまして、自治省もこのような面で関係各省に対して積極的な協力を惜しまない、これを希望しておきたいのでございます。あるいはそんなことは十分やっているよとお答えになるかもしれませんが、四十五年度国が私立大学の人件費一割国庫助成に踏み切った。私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校についても人件費の一割を目途にして府県から援助されることが望ましい、自治省も踏み切っていただいて、基準財政需要額に所要の金額を計上していただいたわけでございます。多くの府県がそのとおり人件費助成を実行したわけでございますが、十一、二の府県ではいまだにその予算措置をとっておりません。あるいは県の教育委員会から財政当局への要求がなかったのじゃないかという疑問を私は抱いております。 わが国が当面する最大の課題は私は教育にあると思っております。私学の振興を通じて、はつらつとした多彩な教育の実現を期待したい一人でございます。もとより私は、自治省に対しまして、地方団体への干渉を求めているものではございませんが、強い指導力は発揮してもらいたい。これは強く希望申し上げたいものでございまして、これらの点につきましても一そうのくふう、御努力をわずらわしたいと思うのでございます。 この二点につきまして、私の希望についてのお考えを聞かしていただきたいと考えます。
○秋田国務大臣 多年の御経験に基づきますたいへん示唆に富んだ、また適切なお話を承りまして、私もまことに参考になります。地方財政計画を都道府県市町村分に分けることができますならば、地方公共団体の当局者にとりましてたいへん便宜でもあるし、また地方行財政運営の将来に非常な貢献をいたすものであると思うのであります。これらにつきましての検討をいたしておるところでございますが、なお事務的に——むしろ先生のほうがお詳しい問題もいろいろありましょうが、その点につきまして事務当局からさらに詳細に述べてもらうことにいたしたいと思います。 つきましては、その交付税等に記されておる行政項目の内容、これの地方公共団体の受ける財政当局の指示徹底、これはもちろん重要なことでございまして、従来とも心がけておるのでございますが、その代表的なものとして、私学振興費の点につきただいまお話がございました。私もこの点につきましては、県当局において実際上の処置がないというような陳情等もいろいろ聞いておるのでございまして、この点は、教育は御説のとおり非常に大切な国の基礎をなすものでございますので、政府においてこれが施策の徹底を期することの必要性は申すまでもございません。この点に関しましては今後一そう徹底を期するように処置をいたしたいと思いますが、これらの点について、さらに詳細に事務当局から考えを述べさせてみたいと思います。
○奥野分科員 時間が限られておりますので、時間の余裕が出ました場合にはさらに詳細をお聞かせいただくようにしたいと思います。 第二に、地方債の早期決定ということに関連してお尋ねをしておきたいと思います。 今度の国の予算編成にあたりましては、景気の落ち込みを懸念いたしまして、政府保証債の発行限度等を弾力化するとともに、使途を特定しない債務負担行為の限度額を増額する等、予算の機動的な運営をはかれるようにしていると説明されてまいっているわけでございます。そのようなことを考えますならば、必要に応じて地方債を早期に決定いたしまして、その資金を早期に地方団体に交付できるような体制を整えておくことも大切なことではなかろうかと、かように考えるのでございます。しかしながら、従来の地方債の決定状況を見ておりますと、あまりにもおそきに失してはいないだろうか。むしろ地方団体に迷惑をかけているんじゃないだろうか、こんな感じを抱くのでございます。もとより事務を担当されている方々にとりましては、各省の国庫補助金の決定がおくれているのだとか、関係者間の協議をととのえるのにはたいへんな苦労をしているのだとか、いろんな事情もあろうと思うのでございますけれども、大臣自身、今後閣議の問題にしてでもこの運営の改善をくふうしていただきまして、いま申し上げましたような事情にも備えられるようにしていただけないものだろうか、かように希望いたしたいものでございます。そして、地方団体自身も財政運営が計画的に行なえるように側面からそれを援助するというお考えも持っていただけないものだろうかと思うのでございます。 私、きのう事務当局に四十四年度の地方債の決定について各月別に何%ずつこなしてきたかという資料はできないものかとお尋ねいたしました。なかなかたいへんなことのようでございまして、若干の資料をいただきました。この悪いところを特に申し上げるわけですから、全体がこんなにむちゃになっているということじゃございません。しかしこんなものがあるのだということは、大臣にひとつお考えおきをいただきたいと思うのでございます。 一般公共事業第一次分を八月下旬に許可する予定であったのが十一月四日に許可した、それが三百八十億五千万円だ、全体の六八%でございます。第二次の三月中旬に許可する予定であったのが三月三十一日であった、それが百七十七億五千万円で三二%に当たっているということでございます。年度の終わりになってから許可が行なわれてきているということでございます。また、一般単独事業都道府県分は最初から十二月下旬に許可する予定になっておるわけでございますけれども、この予定そのものがはなはだ当を失しているのじゃないだろうかという疑問を私は持つのでございます。そして十二月十九日に三四%に当たる百四十四億七千七百万円が許可になった。第二次には三月十四日に六六%に当たる二百八十一億一千八百万円が許可になっているのでございます。全く年度の終わりに府県の一般単独事業の起債が許可になっているわけでございます。もう一つ、上水道事業をとって申し上げますと、大規模分が五月上旬に許可する予定であったのが、八月一日に六百八十三億五千九百万円を許可したということでございます。 どう考えても私には納得がいかない。もちろん事務担当者が非常な苦労をされていることはよく知っています。よく知っていながらあえてこれを持ち出すのであります。だからこそ、また閣議の問題にもしていただきたい、こう申し上げるわけでございます。景気の落ち込みを心配いたしまして機動的な国の予算運営をはかっておる際でございますだけに、私はこの地方債の許可運営、これがこれらの問題とも深い関連を持つと思うのでございますので、これについてお尋ねをいたしておきたいと思います。
○秋田国務大臣 一般的に申しまして、地方債の配分を時期的に促進すべきことはお示しのとおりでございます。ことに景気の落ち込みが憂えられておりますこの際、特にこの点から配慮をいたすべきことは当然でございまして、従来からも問題はいろいろございまして、督励をいたしましてなるべく早くこれが配分決定をすべく、大蔵当局ともいろいろ事務連絡をいたしておるわけでございますが、特にこの際、お示しのとおりでございますので、大蔵当局とも連絡をいたしまして御趣旨に沿うようせいぜい努力をいたしたいと存じます。
○奥野分科員 第三に、公営企業金融公庫の運用資金に資金運用部資金や簡保資金の導入をはかってはどうかというお尋ねでございます。同一の地方団体に対しまして、同一の事業について同一の年度で公営企業金融公庫からの融資と資金運用部からの融資が行なわれているという例は少なくないわけでございます。もちろん金利、償還期限その他の条件が違っておりますので、やむを得ないといえばそれまででございます。しかしながら、公営企業金融公庫の運営につきまして逐次改善が加えられてまいりました結果、上水道や下水道などに貸し出される資金につきましては、資金運用部の資金と金利は同一水準にされてまいったわけであります。競輪等の収益事業からの繰り入れを行なう、一般会計からも援助するというような方法によって非常な前進を見ているわけでございます。償還期限も逐次延長されてまいりましたから、たいした違いではなくなっていると思います。そうなってきますと、むしろ地方団体への貸し付け債権は一つに統一しますと、事務は非常な簡素化を見ることになるわけでございます。許可権限の運営を私とやかく申し上げません。これを従来のままにしておきまして、資金運用部の資金等を一括して公営企業金融公庫が借り入れられるようにする、そうして従前から公営企業金融公庫が運用しております資金と政府資金と合体いたしまして、一つにして地方団体に貸し付けていただきたいのでございます。これは、国にとりましても、地方団体にとりましても、非常な事務の簡素化になるのでございます。公営企業金融公庫と資金運用部とが別々に地方団体に金を貸し付ける。これが一本化される。自然将来にわたる債権管理もどちらかで済むわけでございます。個々の地方団体といたしましても、二つ以上の機関に借り入れを申し込まなくてもいい。元利を償還していく場合にも一カ所で済んでいくわけでございます。今日、行政事務を簡素化して国民負担を軽減する、同時にせっかくの国民負担を国民に有意義に使っていくということから考えますと、まっ先に私は手をつけなければならないことだと思うのでございますが、ぜひ四十七年度にこのような改革への努力を払ってもらえないものだろうか、お尋ねしたいのでございます。 同時に、公営企業金融公庫の融資対象事業や融資対象団体の拡張もはかってもらいたい。また地方道路公社その他に対しましても、この公営企業金融公庫から融資できる道を開いてもらいたい、こういう考え方も持っているものでございますが、あわせてお尋ねいたしておきたいと思います。
○秋田国務大臣 御趣旨は全く賛成でございまして、地方公共団体が二途から同じ条件のような資金をあおぐ、これに要する事務経費等も二途に出るということは、合理化の見地からもおもしろくないのでございまして、ぜひこれを一本にまとめたいと考えておりますが、公庫設立のいきさつ等によりまして、いまだ十分合理的に理屈どおりいかない面がございますが、せいぜいひとつ前向きに四十七年度に努力いたしまして、御趣旨に沿うよう尽力をいたしてみたいと思います。 なお、融資対象事業や対象の範囲の拡大につきましても同様でございまして、何とかひとつ御趣旨に沿うようにせっかく努力をいたしたいと考えております。
○奥野分科員 第四に、人口急増市町村が義務教育施設の用地を確保することに関連する問題でございます。これについての強力な財政的措置がとられたことについては、私も私なりに協力さしていただきましたが、自治大臣、当局の措置に感謝申し上げておきたいと思います。 用地の確保について国庫補助金も交付されるようになった。また政府資金も、従来から見ますと大幅に増額されたわけでございます。また、これらの地方債の元利償還額の三〇%は基準財政需要額に算入されると理解しているものでございます。人口急増の市町村について、これらの用地購入に充てられる起債百八十一億円が予定されておるわけでございますが、政府資金が百三十六億円で縁故資金が四十五億円と聞いております。私は、こういうものは金額政府資金で充当するぐらいの政府の前向きの姿勢がなければならない、かように考えるものでございます。しかし百八十一億円ではたして足りるかどうかも疑問に思うわけでございます。私は、用地はできるだけ早期に確保しておかなければならない、土地の利用を計画的に進めていくためには、確保できるものはどんどん先行取得であっても取得していかなければならないと考えておるものでございますだけに、百八十一億円のワクに縛られないで、もし需要があるならば、こういう急増市町村につきましては、確保できるように、縁故債の御心配をいただきたいものだと思います。私が心配いたしますことは、国庫補助金制度が設けられたから、この補助金が皆さん方の地方債の許可の足を引っぱりはしないだろうかということをまず心配するわけでございます。もう一つは、原則として政府資金を充てるべきだ、こう申し上げてきている。その結果は、政府資金の増額ができない、自然、縁故債でも私はよろしいというのですが、この足を引っぱりはしないだろうか。二つの心配を持っているわけでございます。そういう心配のないように、思い切って地方団体の要望にこたえて地方債の許可を行なってもらいたい。同時に、政府資金以外の縁故資金につきましても、人口急増市町村の学校用地確保の地方債でありまする限りは、元利の三〇%は基準財政需要額に算入する措置をとっていただくようにお願いしたいのでございます。そういうことを通じて、こういうどんどん発展していく地方におきます土地の利用計画に万誤りなきを期していきたい、こういう念願を持っているものでございますので、これについてのお考えを承っておきたいと思います。
○長野政府委員 お話しのとおり、人口急増関係におきますところの地方債は、縁故債を含めまして百八十一億円ということになっております。そのほかに水田買い上げ債等で用地を取得しておるものもございますから、そういうものも弾力的に考えまして、用地の取得についての確保をはかろうとする目的を十分達成させたいと思っておりますが、お話がございましたように、それだけで一体足りるかという問題になってまいりますと、なおこれからいろいろそういう面を含めて、お話のように先に手当てをしておくという点を含めて考えますと、必ずしも十分でないということはそのとおりだと思います。したがいまして、この点につきましては弾力的に考えまして、起債のワクのためにこの問題が足を引っぱられることのないように、また補助金のために足を引っぱられることのないようにという御趣旨も、私どもはそのとおりだと思います。ぜひそういう方向でやってまいりたいと思います。
○奥野分科員 第五に、公立医科大学に要する経費を基準財政需要額に算入する方法によって財源措置の適正化を期すべきではないだろうかということでございます。僻地診療所の医師を確保していくことは、住民の健康を守っていく基本的な課題だと思いますし、したがってまた、これはむしろ地方団体にとりましても重要な行政課題だと考えてしかるべきだと思います。この僻地勤務の医師を確保するための対策について秋田自治大臣が具体の案を提唱されて、四十六年度予算で具体化されるに至りました御努力に対しましては、深い敬意を払っているものでございます。他面、今日なお公立医科大学が全国で十校を数えております。公立の医科大学がその運営をくふうしてまいりますならば、公立医大を設置している地方団体に限ります限りは、みずから僻地勤務の医師を確保することは比較的容易ではなかろうか、かように考えるものでございます。これまで公立の医科大学が幾つか国立に移管されました。今後もなお移管を希望している団体がございます。いろいろな事情があるだろうと思うのでございますが、やはり財政的な負担が重荷だということも、私は理由の相当な部分を占めていると考えます。私の郷里である奈良県立医科大学について尋ねてみましたら、四十五年度の予算におきましても約九億円一般財源をこの大学に投じておるわけでございます。大学の一般財源として六億五千九百万円、起債の元利償還額を一般会計で負担して一億四千九百万円、合わせまして八億九百二十五万円を支出しているようでございます。私は僻地勤務医師を確保していくことは重要な行政課題とまで考えるのだ、こう申しまして、同時にそれは公立医大を容易ならしめるのだ。公立であります以上は、それだけの財源は、個々の団体で十分確保できるような措置を配慮する、これはそろそろ積極的に前向きに自治省でお考えいただいてもいいことではなかろうか。現在でも特別交付金である程度は援助をしていただいておるようでございますが、もっと積極的にこの公立医科大学維持に要する経費を、地方交付税上の基準財政需要額に算入していただく。そうしますと、関係地方団体に対しまして、地方交付税上の普通交付金が増額になっていくわけでございます。普通交付金で五億円なり十億円なりの金が地方団体に増額をされていくということになりますと、いままでのように何でも国立に移してくれというような安易な考え方を持たなくなるのではないか。また、その団体の医師確保について、個々の団体が適正を期し得るようになるのではないか、こう考えるわけでございますので、この点についてのお考えを伺っておきたいと思います。
○長野政府委員 公立医大関係の経費につきましては、いまお話ございましたように、従来から特別交付税での措置は多少いたしておるわけでございますが、実際問題といたしまして、相当多額の経費がかかっておることも事実でございます。先ほどもお話がありましたように、地域医療の確保という面で、公立医大の果たしておる役割りというものも、これはたいへん有効な面があることも否定できないところでございますから、今回の僻地に勤務するための医師の養成機関としての医科大学というものの推進ということを考えます場合には、私どもも当然に公立医科大学についても、普通交付税算入ということは考えてまいらなければならない課題であるというふうに思っておったわけでございます。その点につきましては、ただいまそういう方向で検討いたしております。
○奥野分科員 たいへん前向きのいい話を伺いまして心強い感じがいたします。ぜひそのようにお進めいただくように強く希望申し上げておきます。 第六に、私も従来はそういう考え方を持っておったのでありますが、大学は国、高等学校は府県、小中学校は市町村、この考え方があまり画一的に過ぎて、不適当ではないだろうか。公立医科大学問題で強い前進をお考えいただいておるわけでございますが、さらに一歩進めて、大学でも地方団体が設置していくことが適当だと思うものについては、進んで財政措置をなお一そう拡大していただくというお考えを持っていただけないだろうか。このごろは高等学校への進学率八〇%でございます。したがいまして、高等学校を終えてさらに大学へ進む者がどんどんふえてまいっております。花嫁修業をする女子の方々がいなかからどんどん東京へ向けて集中してまいっております。そうなりますと、そういうことをねらった女子の短大ぐらいのものは府県ごとにあってもいいのじゃないだろうかという感じを私はこのごろ持つわけでございます。そうすると、女子短大を設置している地方団体は、よけいなことをしているわけではなくて、これはもう地方団体の仕事の一つになっているのだという考え方が持てるのじゃないだろうかということでございます。あるいはまた、府県によりましては教育大学が国立でございますので、全国的に入学を認めてまいりますが、他県から来た人たちはみんな他県に行ってしまう。したがって、国立教育大学があるのに卒業生はどんどんよそへ行ってしまって、その団体は小中学校の先生を確保するのに四苦八苦している。現に埼玉県におきましても、奈良県におきましても、短期の教員養成機関を設置いたしました。設置せざるを得ないわけでございます。そういたしますと、こういう点につきましても、特別な前向きの財政措置を自治省が考えていただく必要があるのじゃないかと考えるわけでございます。こういう点につきましての考え方を伺っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 ただいま奥野先生のお考え、まことに時代に即して適切である。したがいまして、地方の実情に応じまして適切な措置を講じていくよう、財政運用の通達等によりまして指導をいたし、そのような地方財政計画を作成し、それによってひとつ地方自治体が適切な施策を講ずるように指導してまいりたいと考えております。
○奥野分科員 時間の関係で、これで最後にさせていただきますが、大合併を行なった市町村につきましては、広域圏の市町村に与えられている財政措置もあわせて与えていただきたいということでございます。自治省が、広域市町村圏を設定する、これを育成していくということに非常な熱情を傾けられている、これはたいへんけっこうなことだと考えているわけでございます。しかし、さらに広域市町村圏が合併をして、そして一つの市町村として完全に一体的な運営ができれば、なお一そう好ましいという地域も相当多いと思うのでございます。むしろ原則としてその方向が望ましいともいえるのじゃないだろうかという感じさえするのでございます。すでにそのような合併を了している市町村がございます。こういう市町村に対しましては、五年間は旧市町村ごとに交付金を算定して、そのほうが多ければ多い金額を与えるという、いわゆる算定がえ方式がとられている。これは五年間でございます。五年間たちますと、あと漸減しながら特別交付金でなお五年間援助措置がとられているわけでございます。しかし、その算定がえによる増加額というものは相当な額でございます。それがなければやっていけないということもあろうと思うのでございまして、事務当局に伺って実例を教えていただいたのでございますが、いわき市は八億九千五百万円、郡山市は七億三百万円、おそらく四十五年度の計算だろうと思うのでございます。これがなくなってしまうということでございます。五年くらいでは、なかなか一体化は完了しないと思います。そうすると、五年過ぎても、すぐに特別交付金の措置に移してしまわないで、広域市町村圏に準じた措置をとっていただきますと、いわき市の場合には五億六千六百万円、郡山市の場合には四億百万円という金額が増額になってくるようであります。普通交付金でそれだけ増額措置を講じていただければあとは特別交付金でめんどうが見られるのじゃないだろうか、こう考えるわけでございます。広域市町村圏の設定、育成も非常に大切だけれども、大合併を終えている市町村、完全な一体化には相当な期間を要するのだということも十分考えていただいて、これらに対する財政援助措置も誤りのないようくふうをわずらわしたい。その一つの方法として算定がえの五年間が過ぎましたら、広域市町村圏としての財政措置をあわせ講じていただくことが妥当ではなかろうか、こう思いますので、この点についてのお考えを伺い、合併市町村の一体化育成に一そうの御援助をわずらわしておきたいと考えるものでございます。
○長野政府委員 大合併をいたしました都市というものは、確かに合併の趣旨が、いま行なわれておりますような広域市町村圏をさらに上回るようなことで行なわれておることは事実でございまして、これを広域市町村圏並みに扱ったらどうかというお話でございますが、私どももそういうことは当然考えなければならないということで、普通交付税の措置につきましては、来年度以降そういう準備を進めておる段階でございます。
○奥野分科員 どうもありがとうございました。ぜひそのようにお願いを申し上げまして私の質問を終わらしていただきます。
○登坂主査 次に、桑名義治君。
○桑名分科員 最近は首都圏につきましては耐震対策ということで、いろいろと消防問題あるいは大震災の問題を盛んに、また真剣に検討をする段階に入ったわけでございます。ところが、各市町村における消防力というものをながめて見ますと、これは非常に憂慮すべき状態にあるわけでございます。自治省並びに消防庁としましてはこの消防力の立ちおくれはどこに最大の原因があると思われておられるか、その点をまずお聞きしておきたいと思います。
○皆川政府委員 消防力が立ちおくれている原因がどこにあるかという御質問でございますが、これはいろいろあろうと思います。立ちおくれておるいろいろな現象といたしましては、都市における問題あるいは工場地帯における問題、農村地帯における問題、それぞれあるわけであります。農村の場合には、人口の減少に伴う従来の消防団員の減少ということが一つの原因だと思います。工場地帯においては非常に急速に伸びていきます工場発展になかなか対応していけない。 〔主査退席、松野(幸)主査代理着席〕 それから都市におきましても過密化現象になかなか対応していけない、こういうことであろうかと存じます。
○桑名分科員 それぞれ各町村並びに急増市町村あるいは工業地帯、こういったそれぞれの地域性は多少あると思うのです。しかしながら、その地域性はありましょうが、共通点はどこに問題があるのか、いわゆるそれぞれの特色をあげてしまえばそういうふうに分類されると思うのです。しかしながら、それぞれのそういう特殊性を考えながらの共通点というものがやはりあると思うのです。その問題点は大体どことお考えでございますか。
○皆川政府委員 いろいろあろうかと思いますが、私はその一つはやはり火災に対する備えというものが、火災が発生しない限り現実にその備えが役に立たない、目に見えた効用を発揮していないということのために、いまの行政水準からして、さしあたりその施設を行なえば直ちに翌日から効果の発揮できる積極的な行政施設のほうに主として投ぜられがちであるということが一つの原因ではないかと思います。
○桑名分科員 消防庁としましては、そういった消防力の立ちおくれに対しまして昭和四十二年から四十六年の間の五カ年計画を立てられているわけです。ところが、おたくから出たこの資料によりますと、それぞれの器具に対しても達成率が非常に落ちておるわけです。消防という問題が日常茶飯事に関係のある問題でございませんので、とかく各市町村におきましても、この問題はおろそかにされがちである、こういうことが言えるわけです。それと同時に、政府の中におきましても、この予算措置が非常におくれておるんじゃないか、こういうふうに私は思うわけですが、その中でおたくから出しておるこの消防五カ年計画がどうしてこんなにおくれたのですか。その立ちおくれの原因はどこにあると思いますか。その点について伺いたいと思います。
○皆川政府委員 全国いろいろな事情にあるわけでございますので、端的に一言にしてはなかなか言いにくいかと思いますけれども、先ほど申しましたように、やはりこの施設を行なえば直ちに効果の出るようなほかの行政施設が優先されておるということが一つの原因であろうかと思います。
○桑名分科員 そうすると、この五カ年計画は結局名だけあって実がないということですか。計画を立てた以上はやはりおたくも積算の基礎がある。積算の基礎があっていわゆる五カ年計画を立てて推進をなさっておる。にもかかわらず、これによりますと、特に化学車やはしご車、消防艇とか高発泡車、こういうふうな特に近代消防器具に限って非常におくれておるということです。ところが、最近の火事というものは非常に多様性を持っております。あるいは化学消防車、化学器具を使わなければ消防体制がとれないという段階にありながら、こういった問題が一番おくれておる。どこに原因があるのですか。
○皆川政府委員 確かにまだ予定の域まで達しておりませんけれども、目標を掲げまして個別的に特に個々の市に対しまして指導をいたしております。したがって、単年度の一つの目標についてはある程度近づきつつある。したがって、近いうちに、一〇〇%までいかなくても、かなり高いところに持っていけるんじゃないか。したがって、直ちにいまこの目標に達していないということで、この五カ年計画が無意味であるということまで考えなくてもよろしいんじゃないか。できるだけそれに努力をするということにしたい。着々とその実をあげておると考えております。
○桑名分科員 努力をしているとかそういうことじゃなくて、具体的に消防庁としてはどういうふうな努力をしておるわけですか。
○皆川政府委員 まず国のほうとしましては、予算の面におきまして、特に化学消防車、はしご車というようなものに重点を置いて、そして市町村の要望するところに沿っていきたい。また市町村に対しては、町の状況に応じてそういう施設を十分整えるように個別的な指導をしておるわけでございます。
○桑名分科員 私は化学消防車等のいろいろの設備が非常におくれておるという一つの原因に、やはり各地方自治団体の財政力を相当圧迫するところに理由があるんじゃないかと思うのです。国が行なう補助の対象となる消防施設の基準額を見てみますと、現実の単価とおたくが制定している基準にあまりにも格差があり過ぎるのではないか、こういうふうに思うわけです。たとえばこの表に載っかっておる基準が、新しい科学の進歩に合わせてはたして基準額を上げておるかどうか、そこら辺にも一つの問題があるのではなかろうか、こういうように思うわけです。先日から私川崎のほうに調査に行ってみたわけです。川崎というところは非常に消防施設が整っている模範的な市だ、こういうことで調査に行ってみたわけですが、たとえば化学消防ポンプが、昭和四十四年度に購入した分でございますけれども、これについて幾ら補助がついているかといえば、おたくのほうの補助が二百七十八万円、こういうふうな補助がついているわけですね。非常にりっぱな化学消防車だったので、私は幾らかかったのかと聞きましたら、二千万かかった。二千万かかった消防車に対して二百七十八万円の補助しかつかない。これはほんの一例でございます。あるいは消防艇の購入等も盛んに行なっているわけでございますが、その購入額と補助額を比較したときに、はたしてこれがほんとうの意味の補助になっているだろうか、私はこういった疑問を持ったわけです。これは公舎とかあるいは庁舎を建てるとか、あれは、建築材料ですが、一般の値上がりに伴って幾らかずつ値上げしているわけですが、急激に上がるということはあり得ない。ところが、こういう化学消防車というのは日進月歩改良されているわけですから、それに伴って急激に単価等も上がってくるということは当然考えられるわけです。そこら辺を考えながらこういう法改正を行なっているかどうか、そこら辺にも一つの問題があるんじゃなかろうかと思うのですが、その点について伺っておきたい。
○皆川政府委員 確かに、おっしゃいましたようにこの問題についてはそういう点があろうかと思います。従来も状況に応じて二、三この基準額を改定してまいったわけでございますが、最近特に化学工場地帯における防災あるいは都市の高層化というようなものに伴いまして、はしご車にしても非常に高いメートルのものが出てまいっておる、あるいはまた、外国製の優秀な消火器材も入ってきている。そういうものを逐次取り入れてやって新しい基準額を定めていくという努力を私たちもいたさなければならないと思って、その点については、お話がありましたような方向で、実情に応じて、新しい必要なものがあれば加えていくような努力をいたしたいと考えております。
○桑名分科員 その点について自治大臣から一言……。
○秋田国務大臣 消防基準に各地方公共団体の施設がマッチをしていないという点は確かにあろうと思います。 〔松野(幸)主査代理退席、主査着席〕 これは基準額そのものを改正する必要もございます。同時に、予算面から、ただいま御指摘のとおり、価格の適正化を期して補助の適正化をはかり、もって基準の整備をするということの必要性を痛感いたします。ただ価格の改定につきましては、最近二回ほどいたしておりますが、十分慎重を期さなければなりません。同時に、市町村におきましてももちろん御心配を願っておると思いますけれども、事が起きてからはしご車がほしい、どうなんだ、いやまだ予算が全部消化されずに残っておるからすぐ差し上げましょう、それはありがたい、というような実例も実際ございます。それは単価がしっかりしてないから結局そういうことになったんだということも考えられますが、この点十分検討いたしまして、いまのように、あるがもらい手がなくて残っておるというような事態にならないように、適切な補助単価にするように十分注意をしてまいりたいと考えます。
○桑名分科員 単価については今後十分考えていきたいということでございますから、その問題はここらでとどめたいと思います。 近年の火災の概要でございますが、昭和四十四年度で五万六千七百九十七、四十五年度が六万三千七百八十七、こういうように最近は非常に火災が上昇しております。ことしに入りまして、新聞をぱっと開けば毎日のように火災があり、毎日のように死亡事故が起こっておる、こういう実情でございます。実際には、火災でなくなった方が昭和四十四年度は千三百三十四、四十五年度は千五百九十四、これも上昇を示しておりますし、ことしに入りますとこれまた最高記録を示すんじゃないかという勢いで火災が起こっておるわけでございます。このように火災がふえると同時に死亡事故が非常に多くなってきた。それはどこに原因があるのか、これを真剣に考えていかなければならないと思うのです。 それと同時に、最近はタンクローリー等のいわゆる危険物を積んだ車等も盛んに走っておりますし、都市の産業化と同時に、いろいろな危険物の貯蔵が盛んに行なわれている。その中で一つの盲点になっているのはLPガスの対策、この対策がどのようになっているか、それを具体的に御指示を願っておきたい、こういうふうに思うのです。
○皆川政府委員 LPガスはいわゆる高圧ガス取締法の対象になるものでございまして、第一次的には通産省のほうでこれを所管しております。
○桑名分科員 通産省来ていますか。
○倉部説明員 私、通産省ですが、担当は……。
○桑名分科員 じゃ、消防署の方向としてはどういうふうにお考えですか。
○皆川政府委員 消防署のほうにおきましては、末端の各家庭等で使用する場合に、その使用形態が支障がない、安全であるかというような末端指導は、これは通産のほうでなかなかできませんので、実際上消防のほうでやるということになりますけれども、運搬とかあるいはそれに伴ういろいろな構造上の問題等については通産のほうで規制をしております。
○桑名分科員 そうしますと、LPガスを積んだ車、いわゆるタンクローリーが爆発をした、あるいはそのほか製油所が爆発をした、そういった場合には消防署の出動はないのですか。あるでしょう。
○皆川政府委員 もちろんこれは消防が出動することになります。
○桑名分科員 そういったときのLPガス対策というものはでき上がっておりますか。
○皆川政府委員 これはその対策、どういう場合にどの程度の予測をして対策を立てるか、なかなかむずかしい問題でございますけれども、それぞれの消防署において、LPガスに限りませんけれども、石油その他の危険物をたくさん運搬しておりますから、そういう路上において事故が発生した場合には一応どういうふうに措置をとるということは、抽象的にきめてあるわけでございますけれども、その想定もいろいろあろうかと思いますので、具体的にどういうような状態になったらどういう措置をとるというこまかいことまでは、なかなかできかねておる実情であろうと思います。
○桑名分科員 川崎ほかそういう化学工場が乱立している、そういうところの消防署のお話によりますと、LPガスの対策というものは具体的な方法が何も樹立されていない。そこにやっぱり一つの問題点はあるのです、こういうことでございました。いまの御答弁の中でも、抽象的にはあるけれども、具体的な方法はない、きめてない、こういうお話でございます。 ところが、ここに写真を持ってきているわけです。これはフランスのリヨンで、一九六六年の一月四日、製油所のLPガスが爆発をした事故でございます。このガス爆発がどういうふうに起こったかといいますと、ガスタンクの現場から百メートル離れたところに高速道路がある。その高速道路を走っている車に引火したわけです。もちろんスパークしていますから、その製油所から漏れたガスがその車に引火をしてこのような全滅の状態になった。こういう資料があるわけです。こういったことを考えますと、これは一九六六年の一月四日に起こった外国の例ではございますけれども、日本にもこういう火災が起こらないという保証は何もないわけです。ただ通産省が、そういうように危険物に対する取り扱いあるいは保管等については一応の規制を設けているから、消防署はその後起こった問題に対しては知らなくていいんだ、対策を立てなくていいんだということにはならないと思うんですよ。どうしてもそういう状況に入れば消防署の出動は当然起こり得るわけですから、それに対するいわゆる対策を講じておかなければならない。にもかかわらず、あなたの先ほどの御答弁では、そういうものに対しては抽象的で、具体的な方法は立っていないということでございます。ところが各市町村では困っているんですよ、実際に。LPガスに対する対策が立てられてないと同時に、文献がないというんです、現実に。どうしていいかいまのところわかりません、と言うんですよ。そういう問題に対してこそ真剣に消防庁が研究し、そうして指導していくべきだ、こういうふうに思うわけですが、その点について再度伺っておきたいと思います。
○皆川政府委員 私、なかなか具体的な対策は立てにくいということを申し上げましたけれども、その状況が非常に区々なものでございますから——ただ工場等につきましては、その周辺に対する影響を最小限度に食いとめるような防御計画というものを立てておるわけでございます。しかし、その爆発したLPタンクそれ自体の火災を食いとめるということは、技術的に非常にむずかしい点がございまして、もちろんこれは放置しておくべきことではなくて、むずかしいにもかかわらずこれを解決をしていかなければならぬと思いますけれども、現在のところは適切な方法が立てがたい、したがって、周辺に対する被害を最小限度にとどめるという角度から防御計画を立てておる、こういう実情でございます。
○桑名分科員 非常にその火災に対しては対策がとりにくいので、その付近に類火しないように対策を今後考えるということですね、そうですか。
○皆川政府委員 工場地帯においてはある程度立ててございます。具体的にも立ててございます。
○桑名分科員 そういうふうに非常に消防にはお金がかかるわけです、今後も。ところが、実際に、これはちょっと古くて申しわけないのでございますが、地方団体における消防費の支出状況、これは四十四年度の火災件数五万六千七百九十七件に対して、死傷者数が一万六百三十六人、総額七百二億円という、こういうようないわゆる悲惨な状態が起こっているわけですが、それに引き比べて、いわゆる昭和四十三年度の市町村の消防費というものが、普通会計の歳出額三兆一千二百三十一億円に対して千二十億円という、わずかに三・三%、こういうようないわゆる予算措置をしているところにも、政府の消防に対する姿勢がうかがわれるのじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。この点について自治大臣に伺っておきたいと思うのですが、今後消防に対してどのようにお考えになっているか、また予算措置をどのようにしてやられようと思われているか、そこのところを伺っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 交付税の措置としては相当見ておると思いますが、しかしまた観点を改めまして、各公共団体ごとに見直しますと、ことに近代防災設備というそういう観点から見直しますと、いろいろ問題点があるのではなかろうか。 そこで、いま御指摘のございました特殊の、製油施設であるとかあるいは石油コンビナート施設であるとか、そういう観点で特殊地域別にも見まして、これは全国にそう幾つもあるわけではなく、十指あるいはそれに少し余る地帯、こういう点を具体的に個々にひとつ総点検をいたしまして、消防の充実率というか、がどういうことになっておるか、ひとつ数字的に見直す必要がある。それに対する予算措置、それから現に設備の水準、それに先ほど御指摘がございました単価等を考慮いたしまして、今後やはり年次計画を立てまして、なるべく早い、三年ないし五年の間に一応の消防力の充実ということを期してまいりたい。この点につきまして、ひとつそういう観点から特に配慮をしてみたい、こういうふうに考えます。
○桑名分科員 それから消防力の基準の問題でございますが、これはもう先日の委員会のときにも私お尋ねしたわけですが、昭和三十六年の八月一日、消防庁告示の第二号で出ているわけですが、このときから事情はずいぶん変わっているわけですね。この基準から見ましても、消防署員あるいはその設備というものが、六〇%か五〇%の充足率しかないわけですよ。はたしてこの消防の基準で間に合うのかどうか、改正する意思があるのかどうか、その点ちょっと伺っておきたいと思うのです。
○皆川政府委員 お話ありましたように、十年ほど前につくったものでございまして、その後都市の状況あるいは消防の機械の状況もたいへん変わってまいりましたので、改定をいたしたいと考えております。
○桑名分科員 いつをめどに改正されるわけですか。
○皆川政府委員 もう近いうちに。新年度からをめどにして改定いたしたいと思います。
○桑名分科員 消防力の基準を改正する段階で、現在の数量よりも落とすというお話でございますね。そこの点が私たちは納得できないところがある。もちろん化学消防車であるので、非常に合理的にできているから落としてもいいんだというような、簡単に、端的に言えばそのような意向らしゅうございますけれども、そういうことですか。
○皆川政府委員 これは、その後の実情に応じまして、たとえば幾つも、消防署がある都市に三つも四つもあります場合に、その相互間における応援体制、これをもう少し、いままでの経験にかんがみて、応援を前提にした配置にしていいんじゃないか、あるいは地方におきましても、個々の部落、地区ごとに消防力を考えておりますけれども、その場合も、最近の道路とかの状況によりまして、もう少し応援ということを頭に入れておいたらいいじゃないか、こういう意味においては、基準が若干下がるという要素になろうかと思います。しかし一方では、都市の高層化あるいはいろいろな工場、化学危険物の発達の点等にかんがみまして、そういう科学的な消防設備については基準をもっと強化していきたい、かように思っております。
○桑名分科員 時間がございませんので、ほんとにかけ足で、いまから聞きたいことを聞いていきたいと思うのですが、各市町村におきましては、単独ではどうしても消防力の強化ができないということで、一部事務組合等ができております。ところが、一部事務組合ができましても、一番問題になるのは何かといいますと、お互いの連携をとり合うことができないということです。もちろんそういうところは、広範囲にわたります町村がつくっているわけですから、消防力の強いところに全部一応集まっているわけです。お互いに連携をとり合ってこそ、初めてその一部事務組合をつくったという価値が生まれるわけですが、ところがいわゆる通信機器がほとんどないわけですね。ところが今回の予算でも、通信機器はもうほとんど充足したということで、これはもうついておりません。この五カ年計画を、無線を見てみますと、もう達成率が一〇〇%こえている。ところがこれは県庁と各市とを結ぶ無線だということでございますが、そういうふうに各市町村が一部事務組合等をつくったところにこそこの無線設備が必要なんです、現実に。火事は一刻を争うものでありますから。だから、やむを得ないので警察電話をときどき使ったりしてお互いに連携をとり合っているというような実情でございますが、そういうふうな、いわゆる広範囲にまたがった一部事務組合をつくったところに無線設備を必ずつけるべきだ、このように思うのですが、どういうようにお考えでございますか。
○皆川政府委員 これは、短波の再割り当ての際に消防用の無線を非常にたくさんふやしていただきまして、今年度からその新しい波の割り当てを市町村ごとにきめることにいたしております。それによって消防車にそれぞれ無線機をつける、こういう措置を講じております。 それから予算の上でも、従来に比べまして約五〇%余りの増加を見込んで措置をしておりますので、私たちはある程度これで希望を持てるのじゃないかと考えております。
○桑名分科員 そうすると、そういったところにもいわゆる無線をつけるような方向で処置する、こういうことですね。 次にお尋ねしておきたいことは、最近の火災の中で、煙に巻かれてなくなったという例が非常に多くなりました。これは新建材による有毒ガスの発生や、あるいは煙が問題だ、こういうふうにいわれているわけです。消防庁としては、この対策をどういうふうにお考えでございますか。それと同時に、また反面、燃えない新建材ですね、燃えにくい新建材、こういうものができておる。いろいろな科学的なデータの上から、燃えにくい建材のほうがやはりいいんだというような主張をする方もおられるわけですけれども、しかし、一般の世論としては、新建材で煙を発生する、あるいは有毒ガスを発生する、こういう現況である、こういうふうに言っているわけですが、消防庁としてはどのようにお考えになって、どのような対策を立てようとなさっておるか、その点を伺っておきたいと思います。
○皆川政府委員 確かに、一般的に考えますと、難燃性のものは煙がよく出るという傾向が多いだろうと思います。従来は燃焼の状況によって難燃性であるかどうかということを主体に考えたわけでございまするけれども、最近の状況からしまして、さらにそれにおける煙の発生の量等考えまして、内装材として適当なものであるかどうかというような判定をいたしております。
○桑名分科員 この問題に対して消防庁としてはどのような対策を立てているかという具体的な方法をお聞きしたいと思うのですよ。たとえばこうやって基準をさらにきびしくするとかという方法もあるわけでございますけれども、まるっきり新建材全部使っちゃならぬというふうには、いまの社会情勢の中からいけばなかなかできないことだと思うのです。その点について伺っておきたいと思います。
○皆川政府委員 いま建築基準法で建設省が所管しておるわけでございまするが、消防の立場からも御要望を申し上げておるわけでございますが、考え方としましては、用途に応じましてなるべく大ぜいの人が入ってしかも消防上消火もむずかしいような施設については建材を制限していく。また技術的にいま通産省等にもいろいろ話しかけまして、いい材料のものを開発し、それを業者が積極的に利用するような方向に持っていきたい。いまのところはかなり選択にまかされておりますので、もう少し行政的な指導もできないものだろうかということを私たちとしては考えておるわけでございまして、その点は建設省、通産省、消防庁もそれぞれの立場で一致して事を処理していかないとなかなかむずかしいんじゃないか、そういう方向で努力をしておるわけでございます。
○桑名分科員 通産省、建設省の意見を伺いたいと思います。
○倉部説明員 いまお話がございましたように、最近大きな事故を見ますと、いろいろな原因が複合しておるわけでございますが、確かに新建材の煙、ガスの問題、特殊な要因になっております。 そういう観点におきまして、私どもとしましては、建設省等の使用の面での規制と並行いたしまして、先ほどお話がございましたように、不燃材料の開発あるいは煙、ガスの出ないような建材の開発というところの技術開発の問題、これが一つ対策として必要なわけでございまして、たとえば私どもの工業技術院試験所の中におきまして、そういう不燃建材の開発のための特別研究費というようなものを計上いたしまして、試験研究を進めております。また同時に、技術開発のための補助金制度もございまして、そういう制度を活用しまして民間の技術開発を進める、これが第一点でございます。 それからもう一つは、新しい建材の中にいろいろな性能を持っているものがあるわけでございまして、これが適切に使用されるように、そういった性能の分析、評価、これをいたしますために、従来たとえば工業標準規格、JISという制度がございます。こういった規格の内容を整備してまいる。あるいはまた、私ども新年度から、現在予算で計上いたしておりますが、新建材の認証制度というものを準備中でございますけれども、こういったことによりまして適切な指導が行なわれるようなこともやっていきたいというふうに考えております。
○前川説明員 新建材といいますか、煙を出す材料の規制、これが建築基準法でやっておりまして私のほうの所管でございます。これにつきましては消防庁等のいろいろ御協力を得まして規制の基準というものを一昨年以来改正いたしまして、煙を出すというふうな試験項目を入れてやったということが第一点と、それから本年一月一日から施行されておりますが、建築基準法の今回の法律改正によりまして、適用範囲を非常に大幅に広げておる、こういうふうな措置を講じております。したがってある意味では体制そのものは一応それで筋書きができましたわけでございますが、われわれといたしましては、最近材料の開発がどんどん進んでいる面もございますが、そういう適正な性能を持つそういった品質のものが出ていくというふうなことが第一点で、強力に進めたいという点でございます。 第二点としましては、いまもお話が出ましたのですが、使う側とかそういったものが性能がよく合うというかよくわかるように、たとえばラベルの問題とかいろいろございます。こういった使う側のほうがよくわかるようにということを第二点で重点を置いております。 さらに、法的規制はそのような形で考えておりますけれども、いまの法律が何といいましても最小限の制限でございます。したがいまして、法律で強制されてない分につきましても、ますますそういった防火的な材料、そういうものが使われるようにというふうなことで、できるだけPRその他を考えていきたい、こういうふうに考えております。 以上の措置、すべて建設省だけではとてもできない問題でございます。従来とも同様でございますが、今後とも消防庁等のいろいろな御協力を得てやっていきたい、こういうふうに考えております。
○桑名分科員 新建材の問題は今後の火災防止の上におきまして非常に重大な位置を占めるのではないか、こういうふうに思いますので、たびたび言われておりますように各省各省のそれぞれのセクトによってこういう問題がなかなか解決されないんだ、こういう非難もあるわけですけれども、こういった問題につきましては各省が一致協力をして火災絶滅のために最善を尽くしていただきたい、このように思うわけであります。 この消防という問題は今後やはり重要な問題になると思いますので、ひとつ一文惜しみの百失いにならないように、十二分に予算措置を考えて、今後の国民のいわゆる健康と生活を守るという、あるいは生命を守る、この方向を強く打ち出し、今後の施策の中に織り込んでいただきたい、こういうふうに思いますので、最後に大臣の決意を伺って終わりたいと思います。
○秋田国務大臣 消防、防災のことにつきまして、就任以来特に意を用いまして、やかましく申してまいっております。しかしながら過去を振り返りまして問題のとらえ方等に欠けるところがあったことを反省をいたしております。もう少し数字に即して計画的に、ひとつ計画を練り直しまして、これが目標達成樹立というようなやり方によりまして、時代の要求に応じた防災、消防行政の確立を期していきたいと思います。
○登坂主査 阪上安太郎君。
○阪上分科員 一九六〇年代の開発、それから七〇年代、まあとかく六〇年代におきましては一般にいわれておりますように産業優先だ。それが最近では生活優先、そういった都市開発あるいは農村の開発というようなことがやかましくいわれてまいります。そこで、そこから出てまいったのが新しいコミュニティーの形成である、こういうことになってきたわけであります。同時に、それと関連いたしましてナショナルミニマムというものをこの際確定する必要があるのではないかというような論も、実は出てきておるわけであります。自治省におかれては、この点につきましていち早く新しいコミュニティーの形成、近隣社会の形成ということに着目されてその頭を出してきたわけでありまして、私は、非常に先見の明がある、このように思うわけであります。 そこできょうは、どんな趣旨でどういう方針でコミュニティーをつくるのか、どんなコミュニティーをつくろうとしているのか、そしてそれをどのような方法でやっていくのかというようなことについて、いま少しく伺っておきたいと思うわけであります。 そこで、自治省の行政局が「コミュニティー(近隣社会)に関する対策要綱(案)」というものを一応持たれたようであります。その中で、その趣旨を見ますと、国民はすべて、快適で安全な生活環境のもとで、健康で文化的な近隣生活を営むことを望んでおる、ということを大体打ち立てられまして、そういったものを察知されて、それに対応するようなコミュニティーをつくっていくのだ、こういうことになっておるわけでありますが、この引用された文章を見ますと、ちょうどこれは憲法二十五条の基本的な人権、これを満たしていこうという趣旨のものでなかろうか、私はこういうように見るわけであります。 ただ、ここで気になることは、国民が望んでおる、こういう面をとらえて、そしてそれを与えていくためにはコミュニティーを新しくつくらなければいけないんだというふうに導いておられるのでありますけれども、憲法二十五条が直接保障しているところの健康にして文化的な最低限度の生活、これを満たしていくためにはコミュニティーだけではいけないんじゃないか、こういうように私は思うわけでありまして、もっと憲法の積極的な意図というものをそんたくして、それを国の責任で、あるいは地方公共団体の責任で果たしていかなければならぬ、そういう責任感というものがどうもここからは読み取れない。この場合コミュニティーも大事でありますが、同時にナショナルミニマム、これを確定しなければいかぬと思うわけでありまして、この間の予算委員会でも質問いたしましたが、経済企画庁長官から、そういったものを考えていま作業している段階だというようなことを言っておられますけれども、むしろ自治省のほうでこういう問題を確定されていくという配慮がなくてはいかぬのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。自治大臣、いかがでしょう。
○秋田国務大臣 確かに、コミュニティーというものはでき上がったある姿を考えて、理想の姿を考えて施策を講じていく。しかしそれが実現されるためにはやはり強力な国家の意思、それを実現するために基本となるところのいろいろな施策、こういうものがなければ、またそういうものと相マッチしなければそのコミュニティーの理想の姿というものは実現できないという関係にあります。すなわち、ナショナルミニマムに関する大体の国家の意思というようなものが、ある程度確立するという必要性が考えられるわけでございます。この点に関しましては、国におきましてはいろいろ社会発展計画とか新全総の計画等、ある程度の、ばく然たるものではございますが、計画を持っておるわけでございます。 同時に、自治省といたしましては、最近いろいろ長期ビジョンと申しますか、今後十一年間にわたる将来におきまして、地方公共団体の責任の範囲内におけるいろいろな公共施設なり社会資本の充実なり大体の大ざっぱな見通しを立てましてこういう程度のことは実現させなければいけない、道路あるいは下水道、上水道、緑地帯、住宅等等、ごく大ざっぱな行政目的でございますが、施設項目、それにわたるビジョンの取りまとめにかかっておるわけであります。この取りまとめは大体可能だというような考え方でございますので、さらにもっと積極的にあるべき姿を求めて、それに必要なる資源の配分等、いろいろの可変的な数字を求めましてこれが実現を期するような方途を講じたいと考えておりますが、いまその作業の第一段階に入った程度でございます。今後これをさらに精緻に内容を詰めることによりまして、地方公共団体のあるべき姿に対する一つの指針を示したい、こう考えておりまして、これらのことがだんだん緻密に積み重ねられることによりまして、コミュニティーの形成に実質的に役立っていくのではないか。その点を十分基本的な問題として大事に慎重に取り扱い、これが発展を期していきたい、こういうふうに考えております。
○阪上分科員 今度公害問題で非常にやかましくなった結果、環境庁ができるということであります。ナショナルミニマムにつきましてはそういったところで、いわゆる国民生活最低基準というようなものとして環境庁の分野でおやりになるのですか。企画庁は企画庁、自治省は自治省という形でやっていくのか、環境庁が当面の公害に対する防除措置というような程度でとどまることであってはいけないと私は思うのであります。 〔主査退席、松野(幸)主査代理着席〕 そういう内容を持つようなかっこうで何か統一してこのナショナルミニマムを作成する、確定するというような考えはお持ちでございましょうか。自治省が電子計算機等を駆使いたしまして一生懸命この問題と取り組んでおるようであります。少しまとまりませんけれども、たとえば生活環境の最低基準というようなものにつきましては、地方交付税制度というものがあってその中でも盛り込むことができるんじゃないかと私は思うのであります。きょうは環境庁のことはどうでもいいのですが、自治省としては思い切ってこういった地方交付税制度というものをもっと改善していく、あるいはその算定基準というものを生活環境基準と結びつけて改正していくというような考え方はお持ちでないでしょうか、大臣。
○秋田国務大臣 もちろん交付税の算定にあたりましては、あらゆる地方公共団体の行政需要を考えまして、これがあるべき姿を求めつつ時代とともに進んでまいり、時代とともにその内容を充実してまいる。その中に公害の問題が大きな分野を占めることは当然のことでございまして、言うなれば、やはり地方行政の使命は快適にして豊かな生活環境の整備ということに総括表現されるわけでございまして、この点に相当の重点を置きまして今後の行政施策及び行政水準の向上を期してまいりますから、交付税の算定その他これが内容につきましては、やはり地方住民の全体としてのあらゆるものを含めた快適な生活環境の向上という点を一つの指標といたしまして、重点といたしまして作業を進めてまいりたいと考えております。
○阪上分科員 先ほども消防に関して質問があったのでありますが、やはりそういった消防の施設のナショナルミニマムというようなものが確定されていない。だから問題がやはり起こってくるのじゃないかと私は思うのであります。きょうはあまりこの点に時間を使いたくありませんが、なかなかナショナルミニマムというのはそう簡単にできないものですから、あちこちでかっこうだけつけておってもどうにもしようがありません。この場合、地方交付税というものを少しさわってみることが、案外早道じゃなかろうかというような気がいたすわけなんであります。これは十分にひとつ自治省のほうでお考えおきいただきたい、このよに思います。 次に、コミュニティーの面でありますけれども、どんなコミュニティーをおつくりになるのでしょうか。まず最初に伺っておきたいのは、この自治省の対策要綱によりますると、都市地域それから農山漁村地域、こういうふうにいわゆる農村型と都市型、そういった形で考えておられるように私は思うのでありますが、都市型に対しては、おそらく都市の再開発という形で行なわれていくだろうと思うのであります。ところが農村型について大体趣旨の中に織り込まれておるものを見ますると、何か集落と集落の間を道路その他によって、ネットワークする、それが農村型のコミュニティーであるというふうな打ち出し方をなされておるのでありますが、これについては私は非常に問題があると思います。集落再編成も行なわないで、道路でもってネットワークすればそれでいいんだ、それがコミュニティーだという考え方ではいけないのじゃないかと思いますが、これは宮澤さんからひとつお答え願いたいと思います。
○宮澤政府委員 最初にまず御了承を得ておきたいと思うのでございますが、阪上委員、先ほどお読み上げになりました私どものほうのコミュニティー対策要綱も、実は案ということになっております。と申しますのは、実はこのコミュニティーの形成の問題は、ここ当分の間試行錯誤で進んでいかなければならない、こういうふうに考えております。ただいま御質問ございましたけれども、われわれ国民の間にもコミュニティーという考え方が何となくございますけれども、それでは一体具体的にどういうものをどうつくったらいいのかということにつきましては、なおいろいろ議論がございます。私どもといたしましても、これだというようなものがまだ考え方として固まっておりません。国会をはじめ各方面の御意見を伺いながら、また地域の実態というものをよく見ながら、あるいは誤りがあればもう一度戻って考え直していく、長い間かかって日本にふさわしいコミュニティーというものが形成をされるもの、こういうふうに考えております。いまのところ、これがもうコミュニティーの決定版であるというようなものを持っておらない、たいへん率直に申し上げますけれども、そういうことでございますので、まずそれだけ御了解を得ておきたいと思うわけでございます。 そこで、それではどんなコミュニティーをつくるかということでございますけれども、基本の考え方は、私がいまここでちょうちょう申し上げる必要もないと思いますが、コミュニティーは元来狭い意味の地方制度よりもっともとにある人間生活の問題である、要するに市民と市民とが対話をする場所というような言い方もできるかと思いますし、あるいは市民が共同して自分たちの地域社会をよくしていこう、こういう考え方のもとにある住民生活の最低単位である、こういう言い方もできるだろうと私は思うのであります。また、これがもし行政サイドから見るといたしますならば、市民と行政当局との対話の場所である、こういうものがおそらくコミュニティーを考えます場合の最終の目標と申しますか、ゴールというふうに考えていいのではないかと思うわけでございます。そして、そういう目標なりゴールにふさわしいコミュニティーを各地域の実態に即して形成していくということになるわけでございまして、具体的に御質問がございましたが、都市と農村とを分けるのがいいか悪いかということもございますけれども、コミュニティーというのはやはり地域の実態に即して形成されるべきものと考えます。 一応大ざっぱに分けてみますと、都市型のコミュニティーというのは、やはりそのいろいろやります仕事なり何なりの考え方の中心は、一種の都市改造というようなことに重点が置かれるだろうと思うのでございます。都市改造というものを中心にしながら市民が一体的な意識というものを養っていけるような場をつくる、こういうことだろうと思います。 それに対しまして農村型でございますが、先ほどお読み上げになりました点で、多少一般の方には誤解を招くかもしれないと思うのでありますが、お読み上げになりました点は、単に道路をつくってネットワークをつくるということを実は考えているのではございませんで、やはりコミュニティー施設というものを共同して利用して、 コミュニティー施設というものがコミュニティーの一体感を養うための一つの媒体になると私ども考えているわけでございますが、そういうものを考えます場合には、農村の集落というものを前提にいたしますと、やはり集落の整備ということが一つのポイントになるであろうということを言っているわけでございまして、それを特に強調しているわけではないと私は考えるべきだと思います。むしろ農村型におきましては、日本の現在の農山漁村の実態から申し上げますと、文化的で多様性のある生活を営めるような地域社会をつくっていく、特に農山漁村にございます地域の血縁的な非常に閉鎖的な社会というものから脱皮をした、特に若い人たちが積極的にコミュニティーに参画できるような雰囲気を盛り上げたものにしていくことが一つの重要なポイントじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。
○阪上分科員 初めてのことであるし、試行錯誤でやっていくのだということもよくわかります。ただしかしながら、それじゃ行き当たりばったりで、何でもいいからやってみてという形であってはいけないだろうと思います。この場合、特に私要望しておきたいのは、集落と集落の合理的な配置、それを道路その他によってネットワークしていくのだというだけにとどまらずに、集落そのものをダイレクトに再編していくというような方向、それにコミュニティーというものを、そのものにぶっつけていこうというふうな方向もやはり考えていただかなければいけないのじゃないか、こういうように思うわけであります。その点ひとつ特に、今年のモデルコミュニティーの進め方についても、下からと言いますけれども、いままでの慣習からいいましてもそう簡単にはいかないですよ。やはりある程度指導してやらないとわかりっこないということでありますから、この点ひとつお考えいただきたいと思います。 たとえば山形あたりでもって出かせぎその他で人がいなくなってしまった。おじいちゃんとおばあちゃんが残っている。これが山の奥に家を持っている。集落再編をやってほんとうに文化的な最低の生活というようなものを与えるためにコミュニティーをつくろうとする、なかなか出てこない。そこで県では、県と当該町村でありますが、補助金を出し、それから融資もしという形でもって家をそこで建ててやろうという形のものを実はやっておりましょう。ああいうことを考えたときに、いま申し上げたように、ただ集落と集落をネットワークするだけの考え方だけではいけないのではないかということを私は申し上げているわけなんです。これはやっておられるうちに、試行しているうちにそういったようなものが出てくると思います。ぜひそういうふうにお考えいただければけっこうじゃないか、このように思うわけであります。 それから、これは昭和四十六年からモデルコミュニティーというものを出発されるわけですね。三年間モデルでいくのですか、ここのところをちょっとお伺いしたい。
○宮澤政府委員 これは今後の進み方いかんでございますけれども、私どもの考え方は、昭和四十六年度からそういう機運があるところを中心に、全国的にモデルコミュニティーというものを、地方団体の方々と御相談をし、決定をいたしまして——先ほど申しましたように、コミュニティーの施策自身はまだ決定的なものができておりませんが、そういう方々と御相談をしながら、いわば先駆的なものとしてコミュニティーの形成というものをお互いにはかっていきたいということでございまして、いまのところはモデルコミュニティーを中心に、おそらく二、三年はやっていかなければならないのではないか。ただ、モデルコミュニティーの施策というものが、かなり内容が充実してまいりましてあるいは一般の認識も高まるといった場合には、三年間がモデルの期間であるとは必ずしも思えないと思います。モデルに従って各地域から、まことにそういう企画についての歓迎をする声が起こって、それに従って単にモデルだけではなくして、実際的に各地域で多くのものができ上がっていく機運になるということを私どもは期待いたしたいわけです。一応モデルを中心に進めていくという考え方でございます。
○阪上分科員 先ほどもちょっと申し上げたように、大体一九六〇年代の都市開発というものは、線開発により過ぎておって面開発をやらなかった。それを、生活権というようなものを考えながら面開発に入ろうという段階に来ておるのですが、一方、新都市開発法であるとかあるいは都市の再開発法であるとかいう法律が施行されて、そういったものに基づいていま都市再開発が行なわれておる。これは三年間モデルを一つぐらいつくって、じっと見ているという形ではいけないのではないか。その間にどんどんと、誤れる都市開発とは私は言いませんけれども、そういった面開発を考えない、生活権を考えないところの開発が依然として続けられていくということになるのではなかろうかと思うのであって、この点やはりモデルはモデルとして、しかし一方において、都市の再開発あるいは新都市計画というものの中にこれを織り込んでいく、そういう指導なり協力なり推進が必要ではなかろうか、こういうように思うのでありますが、どうでしょうか。
○宮澤政府委員 おっしゃいますように、新しい都市計画法の施行に関する仕事でございますとかあるいは都市再開発上の仕事、いろいろ見方はございましょうけれども、いままでそういうものは、いわば上からの事業というようなものではなかったかという批判があるわけでございます。結局、地域の市民自身が共同して相談をして、自分たちの地域についてのプランをつくる、コミュニティーというものの考え方の基本にはそういうことがあろうと思います。そういう面がいままでの都市計画なり都市再開発の事業について非常に欠てけいたという御指摘があることは事実でございます。私どもは、モデルコミュニティーの仕事は、それはそれとして進めながら、いまおっしゃいましたような考え方というものは今後やはりあらゆる場合に出していく必要があろうということは、はっきりそのとおりだろうと思います。
○阪上分科員 モデルコミュニティーを示されておるのでございますが、必ずしもこれは決定的なものじゃないとおっしゃっておるのでありますけれども、その中で、住民の発意によってつくられる施設もあるでしょう。しかし、公共的な施設というものについて、これは先ほどもちょっと前段で申し上げたのですが、ただ住民がこういうものを望んでおるからという程度でとどまってはいけない問題がある。公共施設はやはりやらなければいけないのではないですか、国と地方公共団体の手で。そういった基準をお持ちでしょうか。ここには保健所であるとかいろいろなものが出ております。けれども、ここまではどうしても国と公共団体でコミュニティーの核になる施設というものをつくっていかなければならない。こういうものをお持ちでなければいかぬと私は思うのですが、その点どうでしょうか。
○宮澤政府委員 コミュニティーの計画は、私どものほうの要綱案でも御承知だと思いますが、大別をいたしますとコミュニティーの施設の整備計画といわばコミュニティーの活動計画というふうになると思います。前者のコミュニティー施設のほうは、まずおっしゃいますように公共施設が中心でございます。小公園でございますとか、運動施設でありますとか、あるいは集会施設でありますとか……。したがいまして、そういうものをつくります責任というものは市町村の責任でございます。それからコミュニティー活動のほうは、コミュニティー施設を媒体としながら市民が連帯をしていろいろ活動をやる計画でございますから、これはむしろ市民が主体になる計画だろうと私は思います。 そこで、前者のコミュニティー施設の整備計画でございますが、私どものほうも、コミュニティー施設として、人口なり何なりにおいて大体どのくらいのものが必要であろうという多少の試算はいたしておりますけれども、これはまだ自信を持ってこうだと言うところまでいっておりません。またそれを拡大、ふえんをしていきますと、おそらく先ほどもお触れになりましたナショナルミニマムなりシビルミニマムなりの領域に入っていくと思うのでありますが、まだ自身のあるものは持っておりませんけれども、コミュニティー施設としては大体このくらいのものが必要ではないかというような素案と申しますか、試算と申しますか、そういうものは持っております。
○阪上分科員 そこで財源の裏づけなんですが、あなたのほうの発想ではコミュニティーボンドを発行するのだ。これは市町村が発行するのだと思うのですが、地域住民からの縁故債のような形になると思うのです。これ一本でやっていかれるのでございますか。
○宮澤政府委員 コミュニティー施設は、先ほど申し上げましたように市町村の施設になるものが大半だろうと思います。したがいまして、その施設の整備につきましては、いまの地方財政全般のワクの中で重点的に考えていきたいと思っております。たとえば地方債につきましても、来年度の一般単独事業の積算の基礎といたしまして、モデルコミュニティー施設に必要な地方債のワクをかなり確保いたしているわけでございます。コミュニティーボンドのほうは、これは資金調達の手段というよりも、むしろ市民が、自分たちの施設について自分たちの金が直接利用されたのだということを通じての一種の施設に対する愛着感と申しますか、土地に対する愛着感と申しますか、あるいは連帯意識の基礎になるものと申しますか、そういう面を評価すべきであろうと思うのです。コミュニティーボンドのほうは、施設をつくるための主たる財源であるというふうには考えておりません。
○阪上分科員 だいぶ安心いたしました。すべり出しを見ておりますと、どうもそこへみな持っていくような感じを受けておったのでありますが、そうじゃないようであります。それにはナショナルミニマムというものを確定しなければこれはだめじゃないかと思いますので、そういった面だけでもいいから何かの施設基準をおつくりになる必要があるのじゃないか。ナショナルミニマム全体についてはなかなかそうはいかないでしょうけれども、モデルコミュニティーについてはこのくらいの範囲のもので、この程度の地方公共団体としてやるべき最低の施設はこれだというようなものの、しかも量質ともに基準というものをお出しになる必要があろう。これは徒歩における距離というようなことをいわれておりますが、けっこうだと思います。しかし、その徒歩基準というものをつくっておられるかどうか。たとえばヨーロッパ諸国におけるネーバーフッドあるいはソ連のミクロライオンといったようなものの中には、ちゃんと小学校、幼稚園と住居との距離は三百メートルとか、ショッピングセンターまでの距離は何ぼだとか、老人施設については何ぼの距離であるとかいうことについてぴしっと出てきているわけでしょう。道路につきましても、完全立体交差といいますか、あるいは通行道路は絶対に地下にほうり込む、ないしは地上から上げてしまうのだというような形でそういう核をつくろうという形をとっておりますね。ですから、自治省におかれてもこれをおやりになるには、そういう基準を明確にお出しになる必要があるのじゃないか。大体人口において一万、農村においては五千、こういうふうにいっておられますが、大体私はいいと思うのでありますが、しかし、それだけではやっぱりいけないのじゃないかと思いますので、そういったことについてもうはじき出しておられるのですか。
○宮澤政府委員 ただいまお話しのような、たとえば学校でありますれば距離はどのくらいというところまでは、率直に申しますとはじき出しておりません。私どもは、いずれそういう理想を掲げて、それに近づけるような努力をいたしていきたい。モデルコミュニティーというものを通じて多少私どもが勉強しようと思いますのも、実はそういうものを現地に即して、私どもの考え方を現地に当てはめながらつくっていきたいということでございます。本来当初にあるべきかもしれませんけれども、先ほども申しましたように、まだコミュニティーの考え方自身がそれほど固まっておりませんので、至急にそういうものを策定しながら、現地の実態に合わせて理想の形に近づける、こういうふうに思っております。
○阪上分科員 さらに一点伺っておきたいと思いますが、この運営ですね。その活動の中には施設を使っていくという形が出てくると思うのです、コミュニティー活動ということになりますと。ところが、建物その他の管理とかいうようなことについては、金は当該市町村が出しているんだからという形ではどうも近代的じゃない、現代的じゃないと思う。いっそ思い切って一切管理運営みなまかしてやるという考えは出てきませんでしょうか。私の心配するのは、このコミュニティーに対する多くの賛成者がありますけれども、また反面において、昔の隣組のようなものだとか、昔のいろいろな自治組織であるとかいうものに変わっていくというか、それにまた戻っていくおそれがあるということをよくいわれるのでありますが、私は、その運用いかんによってはそういうことになりかねないと思う。いっそ思い切って、こんなものを当該コミュニティーの地域住民にまかしてやるというくらいの思い切った雅量があって、自主的に運用しなさい、独立採算で思い切ってやってみなさい、建設だけは持ってやるんだというようなところまで進んでいかないと、また妙なボスが出てきて、そしてひっかき回すというようなことになって、ほんとうにねらっている、地域住民の連帯意識というものを形成していくんだというものがくずれていくおそれがある、こういうように思うのでありますが、この点、宮澤さん——大臣からちょっと伺っておきましょうか。どうでしょう、大臣。
○宮澤政府委員 まず、私からお答え申し上げます。 いま御指摘の問題は、実は私どももかねていろいろ議論しております問題の一つでございます。私どもも、つたない知識でございますが、欧米あたりのいろいろコミュニティー施設、たとえば運動場などの運営を見ております。その地域の住民にまかしているという実態がかなりあるようであります。私どもも、実はそういうことが一つの理想ではなかろうか、まだ確定的な考えではございませんけれども、そういう考え方を中心に盛んに議論をいたしておるわけでございます。ただ、現在の法律制度その他から申しますと、公共施設なり何なりの管理運営を全面的にいわば私人にまかしていくということについては、制度的にも多少問題がある。それからボス云々ということをおっしゃいましたけれども、市民にまかせました場合に、今度は市民の中のボスが管理運営についての主導権を握ってしまう。また、日本の社会的な風土というものは、そういうことにつきましても配慮をしなければならぬ面があると思うわけであります。そういう幾つかの問題点がございますけれども、私は、できますならば、いまおっしゃいましたような形で運営されるのが理想の形である。まだこれは検討の途中の段階でございますけれども、そういう点におきましては、ただいまおっしゃいましたお気持ちと私のいま持っております考えと、そう違っておりません。
○阪上分科員 それでは、せっかく財政局長お見えになっているので、一言質問してみたいと思います。 今度のコミュニティーモデルに対する補助金とかなんとかいうものはあるのですか。そういうものをつけてやるのですか。この点ちょっと伺ってみたい。
○長野政府委員 直接に補助金というのは行政局のほうでは用意はしてないようでございますが、いまのコミュニティー施設の整備という関係では、地方債計画には、単独事業の中に一定の額のものを実は用意をいたしております。そういうことが、これはモデルというかテストでございますから、一応その額が十分であるかどうかというようないろいろな問題はありますけれども、実際問題として計画ができ、整備されていくというのに応じまして、これは弾力的にひとつおつき合いをいたしまして、その目的が達成できるようにいたしたいと思っております。
○阪上分科員 特別交付税で措置するというようなことが書いてあるように思うのですが、この点はどうです。
○長野政府委員 ケースによりましては、当然そういうことも考えなければならないだろうと思っております。
○阪上分科員 もう終わりますが、大臣、非常にいいアイデアですから、ぜひひとつこれは強力に進めていただきたい。そのためにはいろいろな配慮が必要だと思います。ことに都市再開発法とかその他の国の施策と関連さしていかなければいけないと思いますので、そういった点で——ただ、それからいま一つは、モデルばかりにたよっておって、試行錯誤もけっこうですが、いつまでも錯誤を続けておってもしようがないから、できるだけ、そういう都市開発のこれがねらいはすべての住民の連帯意識を高めていく、住民同士の話し合いの場をつくっていくのだ、あるいは行政に参加するというような道も開いてやるのだ、直接参加の道も開いてやるのだ、いろいろなねらいがあるのだというが、方法論として、これが都市再開発あるいは農村開発のやはり最小の単位であるくらいの根性を持ってぶつかっていっていただかなければ、この仕事はやりにくいのではないか、できないのではないか。重ねて言いますけれども、都市開発ないし農村開発等の、これはもう最小の単位としてこれをやっていくのだ、こういうふうに持っていっていただきたいと私は思うのですが、これらについて感想だけを伺っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 コミュニティーの思想というものは、ある意味におきまして独創的なものでございますが、いろいろ新しい試みでございますので、総合施策の中でいろいろ各方面との摩擦もあろうかと思いますが、しかし、ただいまお話しのありましたように、都市再開発なり農村開発、日本のむしろ国土再開発の新しい行き方として、少なくとも最小限度必要な形はそれをつくり上げていかなければならぬという決意のもとに、ひとつ強力に推進をいたしたいと思います。ひとつ御指導のほどをお願いいたします。
○阪上分科員 終わります。
○松野(幸)主査代理 これにて昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、自治省所管に対する質疑は一応終了いたしました。 次回は明後二十二日月曜日午前十時から開会し、厚生省所管について審査を行なうこととし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会