予算委員会第一分科会 第4号
- 発言数
- 303 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/23
会議録
○田中主査 ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 この際分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代をして分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に協力をお願いいたします。 なお、政府当局におかれましても、答弁はできる限り簡潔明瞭にお願いをいたします。 昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、文部省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奧野誠亮君。
○奥野分科員 最初に私の申し上げたいことは、私の希望のようなものでございますけれども、文部大臣の所見を伺っておきたいと思います。 東大の安田講堂事件から二年たっているわけでございます。二年もたったとも言えましょうし、まだ二年しかたっていないとも言えると思います。相も変わらず成田三里塚問題、インドシナ問題、健保改正反対、入管法粉砕などを取り上げまして、左翼の一方的立場からだけの意見が、ビラやポスターや、立て看板で激しくぶっつけられております。鉄筋校舎の壁、出入り口や窓のガラスなどにビラがペタペタ張られていますし、ずっと以前に張りつけて、もう用事の済んだものもはがされませんで、きたならしく、一ぱい残っているんです。大きな立て看板が、構内の路上や植え込みの中に立てかけられております。 さらに、都知事選挙のPRがたけなわでございます。美濃部氏を引き続いて東京都知事に送り出そうといたします会でございますところの、明るい革新都政をつくる会のポスターが構内至るところに張られております。校舎の中に入りましても、二階に上がりましても、ときには階段に沿って一ぱい張られているのです。美濃部氏の写真も、青空バッジの販売計画も掲示されております。美濃部都政をたたえ、秦野構想を粉砕する後援会が学部の講堂で開かれ、明るい革新都政をつくる会が、教室を利用して幾つも幾つも結成されていっている姿を、大きな数多くの立て看板などを通じて教えられたのでございます。 大学のある教授は、私に、産学協同の自由はありませんが、党学協同の自由はあるのですよと嘆いていました。産学協同の自由はありませんが、党学協同の自由はあるのだというのです。産業界から資金の提供を受けて研究する自由はないが、共産党と学校とが共同して行動する自由はあるのですよと言っているように私にはうかがえました。 数日前に文部省のある責任者に、こんな事情について感想を聞いてみたいと思っているのだけれども、東大のこんな姿を知っていますかと尋ねましたところ。が、知らないということでございました。あるいはもうすっかりきれいになっているのかもしれないと思いまして、きのう、もう一度東大に車を走らせました。赤門の前には大きな立て看板が幾つも立てかけられて、中に入りにくいぐらいでございました。正門から安田講堂に入っていく途中の路上にも、大きな立て看板が立てかけられ、激しいことばがぶっつけられておりました。これらの行動は、全く思い詰めた一部の学生、一部の教職員、それに外部から入っている活動家によって行なわれているように感じたのでございます。大学構内が、思い詰めた一部の人たちによって、特定の政治教育の場にされているように思いました。私は、いろいろな考え方があればこそ、世の中は発展していくのだと考えているものでございます。いろいろな考えがあってこそ、第三、第四の考えが生まれてくるのだ、考えが一つでは進歩はないのだと思っているのです。にもかかわらず、いまの大学構内は、思い詰めた一部の人たちによって、特定の政治教育の場にされているような雰囲気でございます。あまりにも思い詰めた人たちの一つの考えが、学生全体に強制されているような雰囲気にさえ見えます。これが私の心配なんです。国立大学ですから、国民みんなでこの大学を設置しているはずですが、一部の活動家によって学校施設が私物化されているように見えます。一般の多くの学生がかわいそうだと思います。学校当局の無気力さが歯がゆくも思われるのであります。 学校構内どころじゃございません、屋外でありましても、このごろは環境を守るために、広告物についても、色彩や大きさや設置の場所などにつきまして、多くの規制が加えられているのです。いわんや、学校は学問するところです。マルクス主義だけを押しつけるところではございません。もっとみんなで学校構内はどうあるべきかということを考えたい、少なくとも、社会全体で考えるような空気をつくりたい、こんな気持ちで一ぱいでございます。ゲバ棒を振るわなくなったからそれでよいというものではございませんし、講堂を占拠しなくなったからそれでよいというものではないと思います。引き続いて根気のよい努力が繰り返しなされなければならない。むしろ、いまこそその努力が必要なときではないだろうかという感じを、私は強く抱いているのでございます。文部当局は、いろいろ苦慮されていることと信じております。しかし、思い切って学校の環境を一新することに踏み切っていただけないものだろうかと言いたいのでございます。鉄筋校舎の壁、出入り口や窓のガラスなどに張りつけられたビラを一ぺん全部洗い落として、きれいさっぱりした姿にしていただけないものだろうか、植え込みから立て看板を撤去させ、春夏秋冬、色とりどりの花を植えさせられないものだろうかとお願いしたいのです。荒廃した環境を一新していただきたい。これが私の願いでございます。学校構内を、ビラの散乱しない、清潔な、秩序の整然とした、学問の府にふさわしい環境に取り戻していただけないだろうかということでございます。必要な経費の予算は、幾らでもつければよいじゃないかと思います。もし学生が、表現の自由を固執するのでしたら、環境を害しないように、場所をきめてポスターを張らせてもよいではないか、こう思います。これらにつきまして、文部大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 奥野先生御指摘のとおりに、国立大学等におきまして、暴力が行なわれ、あるいは秩序が破壊されておったのが、今日ではようやく占拠、封鎖あるいはゲバの繰り返し、そして人命がそこなうというようなことが、少なくとも構内においてはなくなったことは、喜ばしいことだと思います。しかしながら、まだこの最高学府であり、良識の府である大学が、特定の主義主張の看板、その他がめちゃくちゃに張られたり、あるいはそういう人たちの横行を見のがしておるというようなことについては、反省さるべきことが非常に多いと思います。これを改善いたしますには、相当時間のかかることではあろうかと思いますけれども、しかしながら、われわれは、あくまでもこれを本来あるべき大学の姿に改善していく努力を払わなければならないと思いますし、大学当局も、そしてまた一般の学生諸君も、みずからの力によって、そういうような良識と理性の府たる大学にふさわしい教育環境をつくることに、努力をしてもらいたいものだと考えておるわけでございます。いろいろ具体的な問題等につきまして、われわれも調査をいたしまして、適切な指導をもいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○奥野分科員 いま申しましたように、一部の大学かもしれませんけれども、学校の雰囲気が、特定の政治教育の場にされているような感じがいたすのでございます。そこで、思い切った予算でもおとりになって、すべての大学の壁を洗い落としてしまう。花でも思い切って植える、環境を一新する、そういうことで呼びかけるというような試みも一つの試みではないだろうか、こう私は申し上げたいのでございます。 重ねてお伺いしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 やはり教育、あるいは大学教育をやる環境というものが非常に大切でありますし、美しい花を植えたり、あるいは緑したたる樹木のもとにおいて勉学をする、研究をするということは、やはり人間の心をやわらげ、あるいは美しくし、あるいは人に迷惑をかけるというようなことを自分がしないということにもつながっていくと思うのでございまして、いまの御提案は、非常に見識の高い御見解だと思いますので、われわれも十分ひとつ検討させていただきたいと思います。
○奥野分科員 協力を得るためには相当の困難を伴う段階であることは、私も理解しないわけじゃございませんが、産学協同の自由はないけれども、党学協同の自由はあるのだと、大学の先生の中から嘆く人が出ておるような現状、これは文部当局の責任でもございますので、十分今後御努力をわずらわしたいものだ、かように考えるものでございます。 同時に、大学の学生は、、学生時代を通じまして、大学構内で生活する時間よりも、むしろ時間的にはそれ以外で生活する時間のほうが多いと思います。したがいまして、その実態に注目して教育を進めていただきたい、こう念願する立場から申し上げたいのでございます。 大臣、御存じかもしれませんが、目白に、前川喜作氏が理事長をしております財団法人和敬塾の学生寮がございます。教育は、教育専門とする学校教育が中心だけれども、家庭教育や社会教育もある。一般にとかく知識重点主義におちいって、徳育の面がうとんぜられる、そこで、学校教育の欠陥を補足して、学校教育に協力する意図で、環境を重視した学生寮をつくりたいということで始めているのがこの塾でございます。塾生は、いろいろな大学に通っておっていいのだ。その学生をここに収容いたしまして、よき先輩、教師生活をともにして、日夜生活に即した誘掖にあずからしめる。学徒としての学業達成と、青年としての人間完成に専念させることにねらいを置いているわけでございます。ずいぶん多方面な講師も呼んできまして、広い教養を身につけさせる努力もしているようでございます。また、塾生も折り目正しく、お互い同士、あるいは先輩に対しましてあいさつもいたしておりますし、塾内に入りましても紙くず一つございません。きわめて清潔でございます。建設されてもう十五、六年たつわけでございますけれども、机も落書き一つない。たいへんきれいでございますし、あの目白にしては珍しく、こんもり森の茂った環境で、静寂さも保っておるわけでございます。このような学校外の生活について、学生諸君にもっともっと多くのよい環境を提供したいものだ、こう私希望するわけでございます。学校をりっぱにするだけではなお不十分なんだ。学校外の生活についても、もっと学生によい環境をたくさん提供してあげたいものだ、これが念願なんでございます。したがいまして、こういう環境を提供する人たち、民間有志への呼びかけ、あるいはまた国費による助成、積極的におやりいただけないだろうか、こう考えるわけでございます。しかしいまの東京では、目白の和敬塾のような、そんな恵まれた環境を手に入れようとしましてもなかなか困難だと思います。しかし、このようなよき環境で生活できる、それを伴わないでは、青年としての人間完成を期することにも、なかなかの困難があるのじゃないだろうかという心配もいたします。 東京は、人口では全国の一割を占めているわけでございますけれども、全日本学生の四割を受け入れているというふうに、私従来聞いているわけでございます。なかなかよい環境を提供し得ないような地域に、一割でいいようなものが四割まで収容しておる。そこに私は非常な矛盾があるように思うのでございます。したがいまして、大学の学生定員につきましても、文部省が権限を持っておるわけでございますから、今後は一人の定員も東京に関してはふやさせないのだ、むしろ積極的に地方に大学を移させるのだ、単に学校校舎を建てるだけではなしに、学校校舎を出てからの生活についても相当な配慮ができるのだ、そういう環境の地を選ばせられないものだろうか、こうしたいのでございます。学生の宿舎その他の生活環境についても、よき環境を提供できるような文部大臣としての御配慮を、この大学教育の場面におきましても、積極的に進めていただきたいものだ、かようにお願いしたいわけでございます。
○坂田国務大臣 ちょうど青年の時期に勉学をする人たちの住居というものが、非常にいい環境であるということが、非常にその人の人間形成に役立つということは、古今東西を問わず言われてきたことでありますし、また現実もそうであろうかと思います。実は、昨年、私イギリスに参りまして、新しい大学、エセックス大学を見てまいりましたが、このエセックス大学におきましても、二千人のうちの半分は、構内にありますりっぱな寄宿舎を持っております。しかも、そのキャンパスたるや、昔の有名な、コンスタブルという絵かきさんがかく風景画にあるような公園の中にあるわけでございまして、私は非常にうらやましい気がいたしました。しかしまた、近ごろの若者どもというのは、それに対しましてもなおかつ問題を起こしているということでございました。しかし、残りの半分は近くの下宿から通うわけでございますが、同時に構内に、この寄宿舎にいる学生たちと同じような勉強する部屋や、ちょっとした食事ができるようなこともやれる設備等も同様に与えておる。そしてその下宿の下宿賃というものについても、学校が出向いて、そしてその値段がそう高くならないような配慮をも考慮しているという、非常なうらやましい実際を実は見てまいったわけでございます。御承知のようにイギリスでは、オックスフォード、ケンブリッジをはじめとしまして、それに至るパブリックスクール等におきましても、全寮制度ということが人間関係をつくるのだ。兄貴があるいはキューターが指導をするというところに、非常に教育の大事な点があるのだということに着眼をしているようでございます。 日本の場合も、昔は旧制の高等学校等においては、そのようなことが行なわれました。ところが、何ぶんにも今日の状況では、人数が非常に多くなりましてキャンパスの中に半分の学生を収容するというようなことはなかなかむずかしい。そしてまた、今日では適当な寮監といいますか、指導者を得るということも非常に困難である。だとするならば、いわば民間あるいは各県において、各県から出ておる学生たちに安い下宿料で、そしてある程度秩序と規律とを重んじて、先輩が後輩をいたわりつつ勉学をさせるという試みがあちこちに行なわれておりますし、それが最近は育ちつつあると思うのです。これに対して、私たちは、そういう風潮が醸成されていくということを期待いたしますと同時に、何かわれわれの援助の手はないかということも私どももいま考えておるわけでございます。 それからもう一つは、実は先生、ごらんいただいたかどうか知りませんが、八王子にセミナーハウスができておるわけです。これは国立、公立、私立を問わず、先生が一定のルールに従いまして、ここで寝泊まりし、研修を行なうことができるわけでございますが、東京付近にしてはめずらしいいい環境でございまして、ここで初めて大学らしいアカデミックな雰囲気を味わった。一たんここに入って経験した学生は、これが大学の教育なのかということを経験して、また行きたい、二へん来た人は三度行きたい、こういうような気持ちを持っておるということも聞いておるわけです。これにつきましては、あそこを世話をしております飯田さんという人が、ほんとうに献身的な人でございまして、家族ぐるみこれに当たっておられる。そういうことがあればこそ、これがうまくいっているということも言えると思いますが、私はこういう施設をあるいは関西にもつくりたいという希望を持っておるのです。単に関西だけではない、ちょうど国立青年の家が、普通の勤労青少年のために非常に喜ばれたと同じように、私は、学生のためのセミナーハウスを、湖畔であるとかあるいは山であるとか、あるいは文化のいわれのあるようなところに静かな教育環境をつくっていくということは考えられるし、また希望が持てるということで、実は本年度の予算も、わずかではございますけれども、関西地区に一つセミナーハウスをつくるということを考えて、予算もお願いをしておるわけでございまして、御提案の趣旨は私も全く同感でございます。
○奥野分科員 新年度の予算に、僻地勤務の医師を養成する目的を持った大学を設置することに要する経費が、自治省予算に計上されております。府県が、僻地といえども診療所に医師が勤務できるような体制をつくっていくことは、府県の重要な行政課題の一つだと考えるものでございます。医師なくして地域住民の健康を守れないわけでございますから、特に重要な行政課題の一つだと言いたいのでございます。 全国に公立医大が十校ございます。医科大学を設置する府県は、その大学の運営をくふうすれば、みずから当該府県の僻地診療所に勤務する医師を確保することが比較的容易ではないかと思うのでございます。しかし、これまで府県は、その医科大学を国立に移管を求めましたし、現にまた求めているところもございます。それはそれなりに理由があるのだと思いますけれども、当該県の行政目的遂行にあまり役立っていない点もあるのではないだろうかという心配を私抱くのでございます。同時に、医科大学を維持するには相当な財源を必要とするわけでございまして、地元の奈良県立医科大学では、四十四年度決算で七億二千五百万円、四十五年度予算では、八億九百万円の一般財源をこれに出しておるわけでございます。金がかかるために国立移管を求めるということであれば、それは是正したいと考えましたので、先日、自治省当局に、医科大学に要する経費を地方交付税法上の基準財政需要額に算入して、それだけ普通交付金を当該府県に増額交付すべきだと主張いたしましたところが、自治省当局は、そうしますと答えてくれました。そうしますと、公立大学を設置するために要する財源、今後はそれほど苦労しなくても済むということになるのではないかと思います。残されているもう一つは、当該府県の行政目的に沿わせることができるかどうかということにかかってくるのではないか、こんな感じがするのでございます。県立医大でありましても、その県出身者が学生であります場合には、卒業後も県内で勤務してもらうことを期待しやすい。また県内僻地に勤務してくれることも期待しやすいわけでございますけれども、他府県から来ている学生につきましては、なかなかそれが困難だ。やはりもとの府県に帰ってしまう傾向が多いのじゃないかと思うのでございます。 私、奈良の県立医大についてその資料を求めたわけでございます。見てまいりますと、昭和二十六年に二十九人の卒業生を出しておりますが、県内にとどまっているのは六人でございます。二十三人が県外へ行っているわけでございます。せっかく県立医大で医師を養成しているにかかわらず、みなよそへ行ってしまっておるのであります。二十八年には四十二人の卒業者を出したわけでございますが、県内にとどまっておるのは十九人でございまして、二十三人が県外へ行っております。三十年には三十六人の卒業者を出したわけでございますが、県内にとどまっているのは十三人でございまして、二十三人も外へ行っているのでございます。三十一年には三十九人の卒業生を出したわけでございますが、県内にとどまっているのは六人、三十三人が県外へ行ってしまっているわけであります。これじゃ何のために県が多額の金を投じて県立医大をつくっているのか、私はわけがわからなくなってしまうのじゃないか、こう思うわけでございます。問題は、県立医大の入学者をきめます場合に、県内出身者に特別な配慮を加えることができるかできないかということにかかってくるように思うのでございます。奈良県の県立医大に入学する者について調べましたら、四十四年度六十一人採用しているのですが、県内の者はわずかに四人でございます。四十五年度は五十九人採用しているのでございますが、県内の者はわずかに十二人でございます。こういう運用に問題があると私は考えるのでございます。県によりましては、じょうずに半数ぐらいの者は県内出身者を入学させております。選抜試験の運用において配慮しているわけでございます。またそんな配慮をされるなら、私は学生のために、学生を募集する際に明らかにしておいてあげるべきじゃないだろうか、こうも思うのでございます。こうも思うのでございますが、どうやらいろいろ当たってまいりますと、憲法の二十六条の規定「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に應じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と書いてある。この規定を形式的に解釈されて、そして文部省当局が、特別な配慮を押えるように指導されてきたんじゃないだろうかという疑問も持っているわけでございます。もしこの憲法の規定が心配なら、内閣法制局と十分相談されて、その結果に基づいてやむを得ないんだ、場合によっては法律をつくる、こういう挙に出られるべきだと思うのでございます。もし、この憲法の規定から、そんな指導をしているんだということであれば、指導されているかされていないか知らないですよ。知らないけれども、現実の医大の合格者の姿を見てみますと、そういう疑問が私にはわいてくるのであります。会社、工場が、従業員に大学の教育を身につけさせたい、それで従業員のために大学をつくる。やはり競争試験でよそから来れば、みんないい成績をとる限り入れなければならぬのだということじゃ、その大学はつくれないのでございます。また現実に府県立の高等学校、いい高等学校にはよその県から入ってこようとします。そういうものも防ぐようにしているわけでございますから、無理にその府県内に居住しているような姿を、希望者はとったりもしているわけでございます。 こういう事情でございますので、私がいまお尋ねをいたしました県立医科大学、それが重要な行政課題に沿うものだ。またそれを達成されるためには、どうしても県内出身者が相当その大学に入ってくれなければ目的を達成できない。目的を達成されるためには、選抜試験の運用にあたってある程度の優遇措置が必要になってくる、こう考えるわけでございますが、これらにつきましてお考えを承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 新設、既設を問いませず、公立の医科大学あるいは医学部が、学生の選抜に際しまして、地域住民の福祉のために、その地方の出身者であることなどを考慮した選抜を行なうということにつきましては、その運用が行き過ぎない、適正に行なわれるということであるならば、私はこれは認めていいというふうに考えるわけでございます。憲法もそのように読むべきであるというふうに私は考えるわけでございます。しかしながら、まあ憲法の条項等もございますから、具体的な方法等については、十分慎重に検討していかなければならぬ。先生も御承知のとおりに、アメリカと日本とは違いますけれども、たとえばカリフォルニア州立大学という場合、もう明らかに州立の大学に学ぶのは、まず第一には州に住む人だということで特定の選抜をやっておる。そうしてその次に、ほかの州から来る人たちを選抜しておるという例もあるわけでございまして、これは運用を慎重に、そして乱用にわたらない限りにおいては、やはりその地域住民の意思に基づいた選抜が行なわれてしかるべきではないかというふうに私は思います。
○奥野分科員 たいへん前向きな御見解をいただきまして、意を強うした次第でございます。ぜひ今後、府県当局なり大学当局なりを御指導いただく場合にも、いまのようなお考え方で指導さしていただきますように、強く希望を申し上げておきたいと思います。 いまのお話を伺ってみますと、奈良県立医科大学が六十人内外を入学させるのに、四人であるとか十人であるとかという程度の県内出身者しか収容していないということについては、県立医大である以上は、非常に問題だという感じを持ちまして、これらの点につきましては、県当局等に、私もさらにいまのような考え方を連絡していきたい、かように思うわけでございます。 同じ問題ではございますが、ちょっと似通った点が教育大学についてございます。これも地元の問題を引き合いに出すわけでございますけれども、奈良の国立教育大学、大体県の出身者は卒業いたしましてから県内で職についておりますが、県外から入ってきている人たちは、大体みんな県外へ出て職についているようでございます。そんなこともございまして、四十三年度の卒業者百四十人中、県内出身者五十九人、五十九人だけが県内で働きまして、あとはみんなよそへいってしまっております。四十四年度百四十七人の卒業生を出しておりますが、県内出身者は五十六人でございまして五十六人だけが県内で職につきまして、みんな外へ出ていってしまっております。四十五年度も百四十七人の卒業生、そのうち五十六人だけが県内出身者で、あとは全部外へ出ていってしまっているようでございます。国立大学ですから、これにつきましては私は先ほどのようなことは申し上げません。県内出身者を優遇するというような措置は不穏当だろう、こう思っておるわけでございます。 そこで、小中学校の先生を新規採用する、その場合に、たとえば、四十三年度に小学校の先生百二十一人採用した。教育大の卒業生は三十七人。したがって、それ以外の人たちから八十四人を採用しているわけでございます。ところが、小学校の先生になるような全課程の免許を持っている先生、なかなか得がたいのでございまして、御承知だと思います。したがって、免許を持たない先生を、あえて先生に四十七人採用いたしております。四十四年度は、百七人の小学校の先生を新規採用をしたわけでございますが、教育大の卒業生は二十八人だけでございます。七十九人、その他の人たちを小学校の先生にしたわけでございますが、そのうち二十四人は、小学校の先生の免許状を持っていないのでございます。四十五年度も二百八人、小学校の新規の先生を採用いたしましたが、教育大の先生はわずかに二十一人、百八十七人を他の人をもって充てたわけでございますけれども、この中に小学校の先生の免許状を持っていないのが四十八人に及んでいるわけでございます。 こういう事情で、県はたまりかねて昨年教員養成所をつくったわけでございます。小中学校の先生を適正に配置していく責任は県が持っておるわけであります。県が持っているわけでありますから、私は、教員養成についても、県に責任を持たせるべきじゃないかという考え方をいたしておる一人でございます。そうであれば県が教員養成所をつくっていく、埼玉県と奈良県と思いますが、なお多くの他の県でも、そういうことを考えてもおられるようでございます。それに対して、そういう方向はむしろやむを得ないのだ、好ましいのだという姿勢をとっていただいて、またそのためには、ある程度の助成金を交付するなりということ一つの方法ではないか、かように考えるわけでございます。この教員養成所で学んでいる子供たちは、非常にまじめなようでございまして、県内ではたいへん評判がよろしいのでございます。そういうこともございますので、こういう養成所に対して、文部省はどういう態度をとっていこうとされておるか、これを伺わしていただきたいのでございます。
○坂田国務大臣 教員の養成というものは、原則といたしましては、やはり大学で行なわれるということが望ましいことは、申すまでもないことでございます。特に、またベビーブームの次のブームが出てまいりますので、文部省といたしましては、この教員養成を各大学にお願いをいたしておるわけでございまして、四十六年度の予算案におきましても、奈良教育大学をはじめとしまして、八大学について三百二十人の増募をはかっておるわけでございますが、いまお話しの教員養成所につきましても、教員が不足をしております場合は、この種の機関で教員を養成するということは、教育職員免許法で認められておるところでございます。教員の需給状況から見しまて、このような県の御努力は、十分私は理由のあることであるというふうに考えておるわけでございます。 また、教員養成制度につきましては、根本的にいま中教審でも検討いたしておりますので、あわせてひとつ考えてまいりたい。実態をやはり無視して、ただ理想だけを追ってもいけないのじゃないかというふうに思っておるわけでございまして、私は現実に県で、養成所でやっておられることも必要なことだと思っております。
○奥野分科員 小学校、特に小学校の低学年におきましては、教師の手ぶり身ぶりから見習っていく全人格的な教育が行なわれるのじゃないだろうか、こう私日ごろ考えているものでございます。先ほど私、小学校の先生を新規採用するのに、全課程の免許状を持っていない、小学校教師としての免許状を持っていない人を、あえて採用せざるを得なくなっている実情を御説明申し上げました。単に、大学で単位をとってきている、知識の切り売りを受けてきている、それだけで小学校の先生にしてしまう、これでいいのだろうかという疑問が私には抜け切らないのでございます。しかも、小学校の先生を配置する責任は県が負っているわけでございます。私は、県が積極的にそういう先生を養成していく、そういう身がまえが必要になっているのじゃないだろうかという考え方を持つのです。そんなことを言いますと、一部の人は、すぐ昔の師範教育を復活させようとしているのだ、国家主義教育を押しつけようとしているのだとこう言います。昔といまは、もうすっかり違っているじゃありませんか。内閣総理大臣も間接的に国民が選んでいるのです。軍の統帥権の独立も、もうないのです。全く世の中が違っているにかかわらず、何とかそういうことを言い出すと、すぐ昔に戻そうとしているのだというような意見が多く出てくるわけでございますけれども、府県の持っている小中学校の先生を配置する責任、あわせて教員養成についても、その府県の実態、風俗習慣いろいろなものがございます。実態に即した教師をつくり上げていく、そういうような配慮が望ましくなってきているのじゃないか、こう思うわけでございます。いまは、中教審の答申などを得てと、こうたいへん慎重なお答えがございましたけれども、ぜひこの点も前向きにお取り上げいただきたい。また教員養成所の問題につきましても前向きで対処していただきたい。それについてのお考えだけを簡単でけっこうですが、一口お聞かせいただきたいと思います。
○坂田国務大臣 非常に貴重な御意見だと実は思っておるのです。と申しますのは、戦後教育委員会制度ができまして、地方住民の意思を尊重しながら教育行政を行なっていくという立場で、しかも県の教育委員会が責任を持ってこの教員を任命していく、任命権者なのですね。その県の教育委員会が、一つの需給等もございますし、いい先生を、またその地域に即した先生方を確保していく、あるいは定着さしていく、そして義務教育を行なっていく、あるいは高等学校教育を行なっていくということは、これは私は有力な一つの御見解じゃなかろうかというふうに思います。そうでございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、貴重な御意見としてただいまは承っておきたいと思います。
○奥野分科員 飛鳥・藤原宮跡の保存整備につきまして、文部省がいろいろ御努力いただいていることに対しまして、まず感謝を申し上げておきたいと思います。さきには佐藤総理大臣が視察されましたし、また、総理府の歴史的風土審議会の中間答申、文化庁の文化財保護審議会の中間報告、さらにはまた、閣議における決定などと、いろいろ取り進めていただいていますことに対して、地元の者として感謝いたしておきたいのでございます。この問題が大きく前進してまいったということをうれしく考えておるのでございます。 施設整備とあわせまして、保存につきましても、飛鳥には、石舞台古墳なり板蓋宮跡なり飛鳥寺なり川原寺なり、いろいろなものがあるわけでございますけれども、具体的にどのようにして保存するか、その姿を村の人たちになるべく早く明らかにしていただく、そのことが、保存についての村人たちの共感を得るためには必要なことではないだろうか、こう考えるわけでございます。 新年度の予算の中に八百万円の整備計画の策定、千九百万円の環境整備が盛られているわけでございます。したがいまして、地図や模型などをつくったり保存対策協議会を開いたりして、このような要望にもこたえようとしていただいているものと確信はいたしております。つきましては、このような協議会をいつごろどのような構成で開いて、いつごろに結論を出させようと考えておられるのか。その他のことにつきましても飛鳥寺の境内を広げる案もお持ちいただいているわけでございますけれども、今後の進め方などを、時期的な予定も加えて構想の詳細を明らかにしていただけないだろうか、こう考えるわけでございます。 なお、また飛鳥・藤原地区買い上げ予算三億円を計上していただいております。買い上げにあたりましては、厳格に史跡に限定しないで、場合によってはゆとりのある買い上げができるような配慮が望ましいのじゃないかと思うのであります。重要文化財等の保存にあたりましても、一体として保全しなければならない借景などの保護のため、たとえば文化財保護緑地、文化財環境保全地区などの設定もできるような配慮が必要じゃないだろうか、地区的にゆとりを持った買い上げができるような配慮をしてほしいという希望も、重ねて申し上げさせていただきまして、お答えいただきたいと思います。
○安達政府委員 第一番目の問題は、御指摘にございました飛鳥・藤原地域の保存整備のためのマスタープランと申しますか、基本的な考え方を固めるための保存整備協議会というのは、どういう構成でいつごろから出発し、どの段階まで結論を出すか、こういう御質問でございます。この保存整備協議会の委員には、学識経験者、関係行政機関の職員、それから関係の奈良県なり橿原市なり、あるいは明日香村の地方公共団体の職員というような方々にお願いをいたしまして、この協議会を発足いたしたい、かように考えておるわけでございます。この保存整備協議会は、保存整備活用の総合計画、マスタープランをやっていただくということでございますが、あるいはその下に専門的な部会等を設けまして、それぞれ特定な遺跡の整備の計画等をはかるというようなことも、将来の課題であろうと思うわけでございますけれども、全体のマスタープランというものはやはり早急に要すると思いますので、できれば明年度じゅうぐらいには、マスタープランのようなものはでき上がるように努力すべきものではないかと考えておるところでございます。 それから次に、重要な遺跡につきまして、住民の方々はもとより、この地を訪れる人々のために、往時をしのび得るように遺跡を整備する、こういうことでございます。これは御指摘のとおり、はなはだ大事なことであると考えておるわけでございます。 その第一段階といたしまして、来年度計画いたしておりますのは、一つは飛鳥寺のあとでございます。飛鳥寺につきましてはすでに発掘調査も終了いたしておりまして、伽藍の配置が明確になっておるわけでございまして、金堂が、中金堂のほかに東西、三つの金堂によって構成され、その塔あるいは回廊あと、中門、南門のあと等もわかっておりますので、これらのあとを遺構に即しまして、地表面に現出するようにしたい、地上から見えるようにしたい、こういうことで、そのためには、一つには飛鳥寺のあとの、現在飛鳥寺以外の私有地で、人家密集地域を除きました部分につきましては、これを来年度早急に買い上げをはかる、そしていま申し上げましたような遺跡を、地上に現出するというようにいたしたいと考えておるわけでございます。 それから石舞台古墳でございますが、これは巨大な石室が外に裸同然に出ております。これは、もともと墳丘でおおわれておったわけでございまして、そういう墳丘がなくて、ただ石がああいうふうに乗っかっておるというふうに誤解されますので、やはり多少の盛り土をいたしまして、こういうものであるということをわかってもらうというようなことも、今後やっていかなければならない。 あるいはまた板蓋宮につきましても、井戸のあたりと現在の石敷きのあたりでございますが、これは露出したままでございますので、はなはだ危険でございますので、これを埋めまして、それと同じようなものを地上につくりまして、このあとをしのぶようにいたしたい、かような計画を持っておるところでございます。 それから第三の、御指摘のございました土地の買い上げでございますけれども、飛鳥・藤原地域の買い上げにつきましては、国費による買い上げということでございますが、来年度におきますところの考え方は、史跡としての整備をするという、史跡を重点的に買い上げをしていく、こういうことでございまして、それ以外の史跡等につきましては、時宜に適して買い上げ等も考慮していくという考え方でございます。したがいまして、買い上げの対象は、史跡に現に指定してあるものというのに一応限定されるわけでございます。先生の御指摘の、史跡外の緑地というようなものの買い上げの点につきましては、御指摘のような点も、将来の問題としては十分検討すべき課題とは思いますけれども、現在の段階では、そういうものは入っておらないわけでございまして、そういうものはあるいは立法措置等を要するとか、将来の課題であろうと考えておるところでございます。
○奥野分科員 保存の具体案作成にあたりましては、地元の意見も十分しんしゃくしていただきますように希望を申し上げておきたいと思います。 最後に、平城宮跡のことについてお尋ねしたいと思います。 平城宮跡にあわせまして、東院あとの買い上げにも手をつけていただいたわけでございます。買い上げていただいた平城宮跡が九十九ヘクタール、約三十万坪であります。このほか東院あとが二十二ヘクタールあるわけでございます。昭和三十四年から発掘調査にかかっていただいたようでございますが、四十五年までの十二年間に、調査の済んだのは二万ヘクタール、六万坪と聞いているわけでございます。三十万坪のうち六万坪、五分の一に十二年かかったということになるわけでございます。もとより、最初はいろいろの準備もあったわけでございましょうから、同じような計算の時間がかかるというわけではございませんでしょう。しかし、大同小異であるとするならば、平城宮跡だけであと四、五十年も発掘調査にかかるという計算が出てくるのでございます。最初は、十五年ぐらいで調査ができるというようなお話があったようにも聞いておるのでございます。こういう状態であるとしますと、発掘調査と並行して、もうそろそろどのような形に平城宮跡を保存整備していくかということも具体化させていただきたい、こう希望したいのでございます。長い期間美田を荒廃させたままにしておくことにつきましても、社会に与える悪い影響を心配しなければならないと考えるのでございます。しろうと考えでございますけれども、やはり平城京を復元するということじゃないのだろうか。早く日本の歴史を、国民がはだで感ずるようにするということでないのだろうかと私は思うのでございます。たしか大極殿の構造も大体わかっているし、大極殿あとも明確になっていると伺っているわけでございます。それなら、さしあたり調査と並行して、大極殿を復元してもらえないものだろうか。その大極殿を、歴史博物館なり歴史資料館なりに利用できるのじゃないだろうか。広大な地域を史跡公園にしていくこともできるのじゃないだろうか、こんな感じがするのでございます。この平城宮跡の保存整備について、どのような進め方をお考えいただいているのか、そのことを明らかにしていただきたい。私としては、もうそろそろ保存も具体化していただきたい、こういう希望でございます。 なお、発掘調査につきましても、その機構の拡充、強化をはかっていただきたいのでございまして、奈良国立文化財研究所が、飛鳥・藤原宮跡の発掘調査にも当たるために、今回研究員五人を増員していただいているわけでございますけれども、これで十分ということにはならないのじゃないかと思いますので、引き続いて四十七年度予算でも増員措置を講じていただきたい。そのようなお考えを持っていただけるかどうか、あわせてお伺いさせていただきます。
○安達政府委員 平城宮跡の整備の問題につきましては、昭和四十三年から平城宮跡の保存整備委員会、学識経験者二十名の方々にお願いをいたしまして、いろいろ検討していただき、その結果に基づきまして、収蔵庫を整備するとか、跡内の各種の道路その他の施設の整備をはかってまいっているわけでございますけれども、ただいま御指摘のように、平城宮跡の整備を根本的にどうするかということをいまそろそろ考えなければならない段階にきておるということからいたしまして、四十六年度からは、いまは準備委員会でございますけれども、言うならば本委員会と申しますか、平城宮跡の整備委員会というようなものを設けまして、本格的な保存活用の方途を検討していただきたい、かように考えておるわけでございます。 なお、これまで準備委員会で出ております考え方は、平城宮跡は遺跡博物館という構想で整備活用していく、そういうことでございます。そういう場合に、発掘という問題も、あるいはその発掘するところを見てもらうということもまた遺跡博物館の要素ではないだろうか、こういう意見も出ておるわけでございます。 それから建物の復元につきましては、将来ある程度の建物の復元を検討していくということでございまして、この復元をするとなりますと、やはりその復元した場合に、これが将来の批判にこたえるような、しっかりした資料に基づいたものでなければならないのでございますけれども、御指摘の大極殿等につきましては、なお検討の問題もあるのではないかということで、発掘の問題とあわせて検討をしていきたい、そしてそういうものが確かになった建物については、できればその復元のことも考えていきたい、こういうような考え方で、さらに本委員会におきましてこれらの点を十分練っていただきまして、適切なる保存整備の方針を立てたい、かように考えておるところでございます。 なお、今後飛鳥・藤原等の発掘調査の量がたいへんふえますので、したがいまして、将来これらの発掘関係の職員の増員につきましては今後とも努力をいたしたい、かように考えておるところでございます。
○奥野分科員 本格的な保存活用の委員会を発足させるのだとおっしゃっていただきましたが、ぜひ権威ある委員会を早期に発足させていただきまして、逐次保存の態様も具体化させていただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○田中主査 この際、昨日の楢崎君の質疑に関し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
○坂田国務大臣 昨日の本分科会において、楢崎委員から「少年日本史」についての御質問がありましたが、これについて次のようにお答え申し上げます。 本書は、わが国における古くからの著名な人物や、若干の事件を中心に書かれた、物語風の歴史的読物であると思われます。さらに、書名は「少年日本史」であっても、教科書の日本史とは非常に異なっており、史実の選択や配列等その内容が独特のものであり、また平板な解説書でも概説書でもありません。したがって、本書を、教育委員会や学校が、歴史の副読本や教材として使用させたり、児童生徒に読むことを強制したりすることは適当でないと考えます。しかし、本書を、他の一般図書と同様に教師が自由に参考書として読んだり、児童生徒が自発的に読んだりするのは妨げないと考えます。 なお、本書を一般的に子供たちに読ませるのがよいかどうかという点につきましては、文部省としては、制度的にも従来から図書推薦の制度等をとっておりませんし、また、大臣個人としてはどうかという点につきましても、大臣が特定の本について批評や評価をすることは、その立場上他に影響するところ多大でありますので、一般図書の場合と同様、その適否を申し上げることは差し控えたいと存じます。 次に、本書が、若干の県や市の教育委員会において、地元の財界有志から寄贈を受け、これを管下の小、中、高等学校におのおの一冊程度ずつ配付したことは承知しております。しかし、このことは、本書を児童生徒の歴史副読本として使用させるとか、児童生徒に強制的に読ませるというものではなく、単に学校図書館等に備えつけさせたものと聞いております。したがいまして、これまでに幾つかの教育委員会がとった以上のような措置については、各県、市、教育委員会それぞれの一独自の判断にゆだねて差しつかえないものであって、特に文部省がこれに対して指示したりする必要はないものと考えております。
○田中主査 原茂君。
○原(茂)分科員 きょうは三点お伺いをしたいと思いますが、一件ごとに、また必要なときに大臣の答弁、あとは関係局長その他の答弁をいただきたい。 最初にお伺いしたいのは文化財の問題なんです。文化財保護の思想というものは、いまたいへん地方に盛り上がってきたわけです。これは、この数年、地方自治体も相当の予算をかけまして、収蔵庫、あるいは設置するための展覧の場所などをもつくっておるわけなんです。特に、私の住む長野県岡谷の海戸遺跡、昭和四十一年から二年の発掘で、この遺跡から顔面把手付深鉢が出たわけです。これもやはり地方の住民にすれば、何といっても、自分たちの手で先祖の当時をしのぶためにも、大事な文化財だというので、自治体がつくりました収蔵庫などに保管をしたい。それを中央では、これは非常に重要な文化財だから中央に持ってこい、こういうので、長い間、持ってこい持っていかないとやっているんですね。伊那市の御殿場遺跡から出たものも、人面つきの香炉土器ですが、これもまたたいへん貴重な、破損の一つもないものが四十一年の発掘で出たわけです。これもたいへんな勢いで、地方自治体を中心に、教育委員会その他が一緒になりましてこの保管が完全にできるようにしている。しかし、これも中央からはどうしても持ってこいというので、いや困るといってやりとりしているのです。 私これを考えまして、こんなことを言っているうちに、一年二年たつ間に——現地を見ましても十分だとはいえない保管の状況かもしれません、完全無欠とはいえない。そうかといって強制収用するわけにいかない。時間がだんだんたつ間には、不測の何が起きるかわかりませんから、むしろこの際、中央が郷土における住民の文化財思想というものの高揚を尊重して、中央から予算を出して、完全な保護のできるような、完全な収蔵のできるようなことを積極的に考えていくほうがいいのじゃないか、こう思うのですが、まず、岡谷の海戸遺跡からの問題と、伊那市の御殿場遺跡からのこの問題に関して、詳細を知っておるかどうかを先に御返事をいただいて、あと大臣に、私が後段に言った処置ができるかどうかお伺いしたい。
○安達政府委員 現在、文化財保護法の定めるところによりますると、発掘いたしました出土品は、六十三条の規定によりまして、所有者が判明しないものの所有権は国庫に帰属する、こういうことになっておるわけでございまして、その発見者には報償金を支払うということ、それから、その国庫に帰属したものでも、将来にわたって国が保有しなければならないようなものは国で保有し、そうでないものは発見者に譲与する、こういう制度になっているわけでございます。ただいま御指摘になりました人面つきの香炉というものは、いまの文化財保護法の規定から見ますと、これは非常にに貴重なものであって、国において保有すべきものである。本来国庫に所属しているわけでございまして、それは地方に譲るにふさわしいものでない、こういう判定をいたしておった、こういうのが第一点の問題でございます。(原(茂)分科員「顔面は」と呼ぶ)両方ともそうでございます。 第二の問題は、地方に文化財保護思想が発達いたしまして、非常に文化財を大事にしていただくということは、われわれとしてもたいへんうれしいことでございますし、この機運は大いに醸成しなければならないということで、地方に歴史民族資料館をつくる場合、あるいは埋蔵文化財の収蔵庫をつくる場合には、補助金を出しまして、そういうものを整備していただくというような方向で進んでいるわけでございます。 そこで同時に、出土遺物の中で貴重なものにつきましては、やはり単に郷土の方々のみならず、他の全国民の方々にも十分理解していただきたい、こういうことから、国立の歴史民族博物館というものをつくっていきたい、こういう考え方でございます。したがいましてその場合、やはり国立歴史民族博物館のものがいわば代表的なもので、それも全部地方のものを持ってくるのではなくて、代表的なものはやはり国に置いて、その出たもののあり方がわかるような形のものは現地に置いて、そうして、どこに何があるかということはすべて明らかにしておくというようなことで、これはやはり国と地方とが協力してこれらのものを保存し、活用していかなければならぬということで、私どもはやはり現在の文化財保護法なり、いま申し上げました考え方からいたしまして、御指摘のものは、やはり本来国庫に帰属しているものであり、これを地方にお譲りするということは適切でない、かように考えているわけでございます。
○坂田国務大臣 ただいま文化庁の安達次長からお答えしたとおりでございますが、しかし、私はやはり先生御指摘のように、自分のところからそんな貴重な文化財が出たということを地方の人が意識をし、大事にするということは、非常に大事なことだというふうに実は思うのです。したがいまして、一応その法律のたてまえは、次長が申しましたとおりでございますけれども、ある一定期間は、この郷土のちゃんとした収蔵庫や展示場等にも展示をして、地方の住民にも見ていただくというような運用の面は、当然これから積極的に考えていかなければならないというふうに考えております。
○原(茂)分科員 大臣、いまちょっと前進してくれたのですが、私はやはり人間の感情からいいまして、これは重要だと思ったらみんな中央だ、その次のものは地方でよろしい、端的にいいますとね。重要だと思ったものは発掘者に幾らか報償する、それで済まない状況にいまなっているという現実を重視したいわけです。法律のたてまえがあるからいけないのだ。それでは困るので、いま大臣がおっしゃったような方法も一つ。私は、この際基本的に、審議会か何か知りませんが、ひとつ諮問をしていただきまして、もうちょっと住民感情の満足する方法、大臣のお考えになったことも一つですが、もうちょっと突っ込んで検討していただかないと、私はこんなことをして、持ってこいといってもう一年も二年もたっているのでしょう、その間に不測のことがあると、これはたいへん国家的な損失だ、こう思うから申し上げるので、今後大至急に、いま大臣がおっしゃったようなことも含めた、何らか住民感情をよくするための方法をひとつお考えいただけるかどうかを、ここで大臣に御答弁していただきたいのです。いま特に私の言っている地元なんかは、この海戸遺跡から、もうすでに国庫に入っているのですけれども、まが玉といいますか、かつて、これがかめに三ばいぐらい出まして、全部明治の時代だったものですから、国がそのまま持っていってしまって、いま見たいと思っても、見れないのですよ。なかなか許可がうるさくて、見せてもらうことすら困難、もうこりごりしているというのが現状なんですね。ですから、何とか大至急に前進した形を打ち出すように検討をここでお約束願いたい。
○坂田国務大臣 文化というものが、何かこう人の集まるところ、あるいは都会だけにあって、地方にはないなんというような間違った考え方がある、これがいけないんで、むしろ地方文化を大切にするということが、私は非常に大事だというふうに思っております。 それから、文化庁の長官今先生も、そういうことで、むしろ地方文化にウエートを置いて考えていこうという新しい構想を、実は長官になられましてからやっておられるわけであります。ことしの予算でも、移動芸術祭なんというものを地方に持っていくというのはそういう意味ですし、あるいはさらに新しい創造的な芸術運動が地方に芽ばえるということを育てていこうという思想が、実は今長官の中にあるわけです。私も同感でございます。そういう意味から、いま御指摘のような点も含めて、ひとつ根本的に検討をいたしたいというふうに思います。
○原(茂)分科員 それ以上しようがないでしょう。ぜひひとつ約束を守って検討していただきたいと思います。 次にお伺いしたいのは、いま建設中の公文書館についてですが、この所管は文部省でしょうか。
○安達政府委員 公文書館の所管は総理府でございます。
○原(茂)分科員 総理府が公文書館の所管をされて、いま建設して、やがてできるわけですが、この問題に端を発したわけではないでしょうけれども、第五十五回の学術会議の中で、地方文書館設立特別委員会が設置されまして、そこで歴史資料保有の設定について総理大臣に勧告をしているのですが、その勧告は、どこで保管しているのでしょうか。
○安達政府委員 四十四年の十一月一日に日本学術会議の会長から総理大臣あての勧告がございます。私どももその写しをもらってよく承知いたしております。
○原(茂)分科員 文部省も関係があると見て、写しをもらっているのだろうと私は思う。まだ総理府でこれを全部やるということになっているのかどうか知りませんけれども、その勧告に基づいて、どういう仕事をどこでやっているのでしょうか、たとえば独自の立場で、いまはたしか東京、埼玉、京都、山口、北海道、ここだけが地方文書館をつくっているはずなんです。ほかの都道府県といえども、重要な歴史資料に関しての保管をしたいという考えがきゅう然と起きているのです。これは文部大臣にお伺いしたいのですが、私の知っている範囲では、勧告に基づいて、どこが一体真剣にこれを取り上げているかというのは、ちょっとあいまいではないかという気がするのです。ですから、あえて総理に来てもらわないで、文部大臣の見解をお伺いしておけばいいと思っているのですが、地方における歴史資料のための文書館がつくられるべきだという学術会議の勧告があったその勧告を、文部省としても真剣に検討して、地方がこれをつくるときには、補助、助成その他の措置を講ずるように、大至急に学術会議の答申というものを生かしていく。これも時間的に急ぐ必要がある状況だと私は思いますので、そういうことにお骨折りをいただけるかどうか、大臣から……。
○安達政府委員 大臣がお答えいたします前に、現在文化庁でできる、あるいはやっておりますことの、これに関連しましたことだけ申し上げさせていただます。 この勧告の中で、文書館の設立を勧告しておられるわけでございますが、特に公文書館となりますると、これは公文書という点が問題の中心になりますけれども、私どもは、その公文書ということよりはむしろ歴史文書、古文書の保存、こういう観点から課題をとらえているわけでございます。そのために、これらの歴史資料を保存するために、先ほどちょっと触れましたけれども、国立歴史民俗博物館をつくる。これは、単にその遺物等はもとよりでございますけれども、同時に、古文書のセンター的な役割りもひとつ果たしていきたい、そういうことでございます。それから同時に、それは地方におけるこの種の施設との連係をはかっていく、こういうことでございます。そういう歴史民俗博物館の構想の中にそういう問題が当然入ってくるということ。 第二の点は、市町村立のあるいは県立の歴史民俗資料館をおつくりになる場合に、この補助金を約九千万円ほど計上いたしておりますけれども、この都道府県立あるいは市町村立の歴史民俗資料館の中では、当然それらの古文書の保存ということもあるわけでございまして、この歴史民俗資料館についての地方の要望は非常に強うございますので、私どもこれの予算の増額に努力していきたい。(原(茂)分科員「いつまでにつくるんですか」と呼ぶ)現在、これはそれぞれの県なり市町村の要望に基づいてやっておるわけでございます。明年度予算では県立の分が二つ、それから市町村立の分が六つございますけれども、要望が非常に強うございますので、さらに一そう今後増額に努力したい、これは第二点でございます。 第三点としましては、この文化財保護法等の改正の問題に関連して、歴史資料の保存のための法的整備をしろ、こういうような点がございまして、これはさらに検討したい、こういうことでございます。
○坂田国務大臣 ただいまの文化庁の安達次長からお答えいたしましたとおりでございますが、なお、社会教育所管で、図書館等がございまして、そこで、たとえば、県史の編さん等もやっておる。あるいは公文書の問題になりますと、これはやはり総理府じゃないかと思いますが、そういうようなことで、多少これは私たちのところでも、くっきり総合的につかんでおるというわけではないと思いますので、せっかくの御質問でございましたので、よく私も検討いたしまして、総合的にこれをしかるべく、私たちのところでやるべきものはやる、総理府でやるべきものはやるというふうに仕分けをしていきたいというふうに考えております。
○原(茂)分科員 まあ公文書のほうは別にして、歴史資料としての文書館というものにウエートを置いていくべきだと私思いますし、そういう方向に地方でも動いておる。で、もう一度くどいようですけれども、あの勧告の出た当時の担当は、文部省と自治省だったというふうにはっきり記憶しています。現在この担当があいまいになっているということがあると思いますので、文部大臣、こういうことはよくないことだと思うので、せっかくの答申ですから、十分にひとつ早く担当もしっかりきめて、勧告に基づいた行政というものが急速にできるように、これはお願いしておきます。 第三に、私は卓球に関係してお伺いしたいんですが、二つありますが、一つは、いよいよ名古屋で三月に世界選手権大会が持たれます。この大会に、ようやくの思いで中国の招請がきまったわけです。当然、朝鮮人民民主主義共和国も出場をする意思が決定いたしました。この中国と朝鮮の入国のための手続申請が現に行なわれていると思うんですが、あれは一カ月前に手続が完了しなければいけないというきまりのようであります。 〔主査退席、伊藤(宗)主査代理着席〕 これは、外務省並びに法務省の関係者に来ていただいておりますから明快に御答弁願いたいのですが、まず手続、いま行なわれている中国、朝鮮に関して、これの入国を許可する原則が認められますかどうか。 二つ目に、万が一、写真をつける、何だかんだというので、その手続が一カ月前に終わりそうもないというような事態になったときに、これには多少幅を持たせるという融通をきかせる配慮があるかないか。先にこの二点。
○金子説明員 法務省入国審査課長の金子でございます。 ただいま御指摘の第一点についてでございますが、現実にはまだ申請書類の提出は行なわれておりません。 それから第二点につきまして、なるべく促進するようにという御指摘でございますが、大いに促進する用意はございます。
○原(茂)分科員 それでもいいんですが、いま明快にしたいのは、現在手続が行なわれて、まだ書類がきてないのは、写真をつけろ、それ何をやれっていうので、なかなかいろいろ事務手続が要るんですね。そのために完全な手続申請が行なわれていない。ですが、もう公式に出場するという意思表示をしている、決定している。卓球界もたいへんな歓迎をしようという決意をしている。そのときに、万が一ですよ、手続上もうあと一週間になっちゃった、あと二日になった、一カ月前などということはとても及びもつかない。三月二十八日でしたかね、名古屋の大会は。それが一カ月前はとても及びもつかないが、十日前だ、五日前だという事態になるおそれがあるので、いまお伺いしているのです。その場合でも、向こうは誠意をもってやっているわけですから、便宜、規則にとらわれずに幅をもって処理をする、入国を許可する、こういうお答えをいただきたい。
○金子説明員 ただいま御指摘のございました、技術的な理由でおくれているのではないかという点につきましては、全くそういうことはございません。同時に、非常に時間が切迫しますと取り扱いが非常に困難になりますので、なるべく関係者によくその旨連絡いたしまして、困難でないように取り計らっていきたいと思います。ただ、おっしゃる方向に向かって、十分な努力はいたしたいと存じております。
○原(茂)分科員 私は、だから責任ある答弁のできる局長にどうしてもといって要求をしておいたんですが、課長さん、お立場上困るかもしれませんけれども、事務手続上の問題ではないとあなたおっしゃるけれども、事務手続上おくれているんです、選手の側が。選手の側がおくれているんです。あなたのほうで事務手続上おくれているんではない。要するに、いろんな条件があるわけですよ。そのために、その条件を満たすいろいろこまかい事務的な処理を、入国しようという選手の側で、国のほうでやっていておくれているんだ——局長来られたそうですから、じゃ局長から御答弁をいただきますが、せっかく国際大会をやろうというのに、入国のしょっぱなに朝鮮あるいは中国に対して、どうせ来ていただくならいやな感じを与えることのないように、来るメンバーももうきまっている。でしたら、ぜひともこの入国に関しては原則として許可をする。全然入国の手続をしてこなければ、これは法的に無理ですから、そういうことはありませんから、やりますし、やらせます。しかし、一カ月前にという規定にどうも当てはまりそうもない現状にある。この場合に、いまからわかっているのに、いや一カ月前でなければだめだといわれては困るということをだめ押しをしているわけですから、この国際的な問題に関しては、特に日中の国交回復を重要視しているわが国全体の事情からいっても、この際スポーツに関して、もう事前にわかっているこの事態に関しては、単に入国の手続が時間的に間に合っていないからいけないとかいいというようなことでは困る、こういう私の趣旨なんです。これはどうしても責任ある回答をいただきませんと、現在進捗している卓球世界選手権大会に支障を来たす、こういう事態になっておりますから、もう一度明快な答弁をいただきたい。 聞くところによりますと、外務省は中国に関して多少幅を持って考えてもいいようなニュアンスでいる。法務省がどうもかたくなでいけないというような感じを私は受けているんですが、そういうことの有無もあわせてこの際お聞かせをいただいて、特に朝鮮民主主義人民共和国に関する限りは、私は何か非常にかたい感じがしてなりません。これは国際スポーツを行なうという、ある意味では人種を越え思想を越えてここまで盛り上げてまいりました。とにかく日本で行なわれる世界卓球選手権大会などというのはあと何十年たってやってくるかわかりません。オリンピックにあれほどの国家的な注力をしたわが国が、この何十年ぶりで来る卓球選手権大会に対して、そういう意味の不祥事の起きないように、中国、朝鮮に関して間違いなく入国をさせる——もちろん不当なものはいけないでしょう。国の法律に基づいてやることはけっこうですが、来る者がわかっている、もう意思は表示している、準備をしているんだが、写真だ、それ何だと言って、彼らが予期しないいろいろなものがあってまだ間に合わないというために、一カ月前の手続ができない。その時間がたいへん短くなって、一週間前だ、五日前だということになる可能性のあることがいまわかっているんですから、これに対して政治的な配慮で当然入国を許可する方向で取り扱います、こういう明快な回答をいただくために局長の出席を求めたわけであります。 もう一度回答していただきたいし、文部大臣も——この卓球選手権大会というのがたいへん国際的にも注目をされており、国をあげて中国の参加を期待して、それが実現する段階になったわけであります。卓球人口の大きいことは大臣もよく御存じなんですが、ここでいかにもかたくない、いわゆる社会主義国家であるがゆえに政府が意図的に何か入国の問題に関して故障を申し立てているような印象を国民大衆に与えることも私はやるべきではない、そんなこともないということを逆にこの際あかしを立てる必要がある、こういうふうに考えますので、大臣からも所見をお伺いをしたい。
○金子説明員 ただいま御指摘のありましたとおり、非常に早くからこのことはわかっていることでございまして、おととしの四月以来ことしこういう大会が行なわれることは存じておりまして、同時におととしの五月には関係各省が協議しまして好意的に取り扱うという決定をいたしております。 ただいま先生の御心配になっておられます一カ月以内の範囲内ではとうてい審査ができないというようなことはございませんで、ただそれがぎりぎりに……(原(茂)分科員「審査ではなくて一カ月前にこっちの手続ができない」と呼ぶ)これが一カ月前に手続が整いませんで、手続が行なわれるのが少しおくれましても、非常に短い時間で、常識的にほんとうに審査がむずかしいような時間でははなはだ困難かと思いますけれども、そうでない限りは、いままで非常に時間的な促進をやりまして処理した例もございますので、ただいまのような御心配はないかと存じております。
○坂田国務大臣 わが国で開かれます世界卓球選手権大会に中華人民共和国も含め一国でも多くの国が参加されますことはけっこうなことであるというふうに考えております。世界卓球選手権大会は国際卓球連盟の規定に従って開催されるものでございますから、国際卓球連盟加盟の各国が国際ルールに従って大会に参加し、競技ができるよう取り計らいたいと考えております。
○原(茂)分科員 恐縮ですが、もう一度課長さんに伺いますが、審査をするぎりぎりの時間がないようなことじゃ困る、そうでなければ入国は認めます、審査のための一カ月ということにはこだわらない、こうおっしゃっていただいてたいへん明快になってきたわけですが、そのぎりぎりというのを、いままでの例があるそうですが、たとえばほんとうにぎりぎり書類が出てきてから審査をするのに一日でいいんですか、二日でいいんですか、三日あればいいんでしょうか。
○金子説明員 ただいまの時間の制限についての御質問でございますけれども、できれば約二週間のひま、ないしは最低切り詰めましても十日のひまは必要かと存じます。
○原(茂)分科員 急がしてやりますが、いま十日という期限が一応示されましたが、どうかひとつ一週間ぐらい、八日ぐらいの時間になるおそれもありますが、そのときでも決してこの国際大会に傷をつけることのないような配慮を大臣にも言っていただきますし、大臣からまた法務大臣、外務大臣にもよく注意をしていただいて、そういう不詳事のないような御配慮をひとつお願いいたします。 時間がついなくなってしまったんですが、最後に一点だけ。いまの卓球ですが、現在高等学校は球技正課に取り入れられるんですが、中学の三年が選択でやれるようになっているんですが、私は中学全体が卓球というのを正課にするようにして国民的なすそ野を広げていかないと卓球日本一というのはむずかしいのではないかと思うのですが、この中学校一年から卓球を正課にというようなことができるようにしていただけるかどうかをひとつ最後にお伺いしたい。
○木田政府委員 中学校の段階で卓球を球技の一つとして指導するということは可能でございますけれども、現在の授業時間の割り振り、それから運動種目の内容あるいは卓球がやはり施設と場所を要するもの等のことを考えますと、現在クラブ活動を中心にして指導しておりますその現在の段階で進めていきたいというふうに考えます。
○原(茂)分科員 どうも時間が超過し済みません。ありがとうございました。
○伊藤(宗)主査代理 田中武夫君。
○田中(武)分科員 文部大臣にお伺いいたしたいと思うんですが、坂田さんはいい人ですけれども、答弁の長いのが玉にきず、したがいまして、時間が限られておりますので、明快に簡単にひとつお願いいたします。 大臣、御存じとは思いますが、昨年の九月に兵庫県の姫路市で、育友会の奉仕活動で廃品回収作業中、小学校四年生の児童がけがをして、その後一週間のうちに死亡するという事故がありました。それに対して、日本学校安全会は補償金を支給しない、こういうことを決定いたしました。そこで、その児童の父親が、奉仕に汗を流した子供が浮かばれないとして、神戸地裁の姫路支部に訴えを起こす——起こしたかどうか知りませんが、起こすと、こういうことを言っておりますが、こういう事件につきまして、大臣はどのようにお考えになりますか。
○坂田国務大臣 この廃品回収そのことそれ自体は、自主的にいろいろやられたことでございますが、しかし、それに伴いまして、子供が死亡するということは、まことに遺憾なことだというふうに思います。また、それに対して、いろいろの措置等については、法令の示すところによって十分のことをやらなければならないというふうに考えております。一応その学校外のことであったとみえましてこの学校安全会の対象となっておらないということに対しては、まことに残念だと思っております。
○田中(武)分科員 そうしますと、この子供はまあ死に損ということになるんですか。どこかに救済の道はありませんか。
○今村政府委員 他にないと存じます。
○田中(武)分科員 救済の道がない。そういたしますと、根本にさかのぼりましてお伺いをいたさねばなりませんが、この育友会が小学生やあるいは中学生を使って——これは自発的だということですが、廃品回収等をいたしております。これは本来ならば、その地方自治体なりに対して政府がめんどう見る。そういうことによって備えつけるべき備品がない、あるいはその他いろいろの問題がございまして、そういうことをやらねばならない、そういうところにそういう原因があろうと思うのです。 それでは、この育友会等々の学校の備品等を購入するための費用を集めるためのこういった奉仕活動は否定せられますか、いかがです。
○今村政府委員 育友会あるいはPTAという名前で、父母あるいは教師を会員とする任意の自主団体がございます。その自主団体が自主団体の総意によりまして、自主的に廃品回収事業を決定するということ自体をとがめる必要はないと思います。ただ、その廃品回収事業という行為が、学校の備品等の整備が校費不足のために強制されるような性格のものであれば、それは都合の悪いことでございまして、設置者負担の原則もあることでございますから、校費を拡充して育友会等の廃品回収活動等にかり出されるといった事態がないようにすべきものと考えます。
○田中(武)分科員 大臣、それじゃ、この具体的な兵庫県の姫路市の事故ですね、これは聞いておられると思うんですが、責任の所在はどこにあると思われますか。救済の方法がないと言いながら、現に小学四年生の子供が死んでおる。しかもそれは遊んでおって死んだのではない。育友会の管理のもとに、その育友会がそのような作業をせねばならないようなところは学校の備品その他が十分に整うていないから、たとえばテレビを買うとか放送機を買うとか、そういうことでやっているんでしょう。そして死んだが、補償をするところがないというなら、その具体的事故に対して、その責任はだれが負うべきなのです。
○今村政府委員 責任は事態を正確に究明してみなければわからないことでございますが、私どもが承知しております事情では、十の小学校の子供が、四キロの新聞紙を積んだリヤカーを持って、二十度の坂を下って、そして農家のガラス戸に衝突したという事件でございます。PTA、育友会主催の仕事でございますから、そのことについて育友会の手配その他に責任があれば、育友会の事業としてやったことでございますから、育友会が損害賠償その他をやらなければならないということでございますが、現在のところ、子供自体がけがをして、けがをしたことによってあとで死んだという事件でございますが、まだ現在のところ、育友会にすべての責任があるということを言える段階ではないと思います。また、かようなことが頻発することは非常に遺憾なことでございますので、体育局のほうの御努力によりまして、今年度の四月一日から施行されますが、スポーツ安全協会傷害保険制度の施行がございまして、その中におきましては、スポーツ活動のみならず、社会教育活動、すなわち育友会の活動等も含まれますが、社会教育活動によって傷害を受けたような場合に、その傷害の保険の制度が実施されることになったわけでございます。
○田中(武)分科員 それは四月から先の話でしょう。これはもっと文部省で姫路の教育委員会を通じ、そのときの事情を調べてください。そうして、責任の所在がどこにあるのか。もちろんこれは最終的には裁判の結果、判決を待たねばならないと思いますが、少なくとも育友会活動、奉仕活動の中に起こった問題であります。したがって、ひとつ文部省の責任において調べていただいて、その責任の所在は、文部省としてはこう見る、こういうようなことをですね——そうですね、この予算審議が、ということは今月じゅうですね。あるいは一番いいことは二十六日までに出してもらいたいのですが、できますか。
○今村政府委員 極力つとめます。
○田中(武)分科員 主査にお願いしますが、これは主査報告にとどめていただきたいと思います。その報告をもらった上で締めくくり総括のところで意見があれば申し述べたい、このように思っております。 そこで文部大臣、今後の育友会のあり方とか——いままあ保険制度ができたからということではございますが、育友会自体がこういったことをやる、これは自発的にやっておるのだから悪いことであろうということではなくて、文部大臣としては、こういう事件を契機に育友会の今後のあり方とか、そういう作業にあたっての文部省の方針というか考え方を、ひとつここで明らかにしてもらいたいと思います。
○坂田国務大臣 この育友会が自発的に、しかも一つの有意義な奉仕活動をやるということは一がいに否定さるべきものではない。また、このことは先生もお認めいただけると思います。しかし、それをやるについては、相手が子供であるということにかんがみまして、十分その安全性というものを考え、もし万が一、そういうようなことが起こったらどうするかというような深い配慮のもとに行なってもらはなきゃならぬということが第一点。 第二点は、いやしくも、その廃品回収等の事業というものが、校費が十分でないための、それを補うためにのみそういうような活動が続けられるとするならば、これは問題であって、むしろ、われわれがそういうような校費負担がないように、父兄あるいはその他の人たちにないように、こちらが十分の予算的配慮をしなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
○田中(武)分科員 それじゃ、文部大臣、いまおっしゃったようなこと、これをひとつ、いわゆる育友会のあり方、あるいはそういう作業について注意すべき点等について、これは直接文部行政が介入すべき問題かどうかは疑問があると思いますが、教育委員会あてぐらいに、通達というか、あるいはその種のものを出してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂田国務大臣 御承知のように、文部省は常時、教育委員会等と会合を持つことがございますもので、通達というようなことでやるかどうかは別といたしまして、十分先生の御趣旨を体しまして、この徹底をはかりたいというふうに考えております。
○田中(武)分科員 それでは、この問題はもう一度調査報告を待って考えることにいたしまして、次へ参りたいと思います。 次は、教員採用試験の問題でありますが、四十六年度の教員採用試験が、昨年全国の各都道府県で実施されたわけなんですが、一千五百人をこえる教育大学学部学生等が大量に不合格になっている。その不合格になったほとんどの人たちが学校の自治会の執行委員をした者であったといわれております。そうして、これは面接かなんか知りませんが、試験の問いに、教員のストライキ権について、あるいは学生時代の自治会活動、サークル活動について、あるいは教師、教員は労働者か、こういったことに答えさしております。そして、これらを肯定したものがほとんど不合格になっておると聞いておりますが、こういうことはものを言わぬ教員、教師、無気力な学生をつくり上げることをねらっておるんではなかろうかと勘ぐりたくなるわけなんです。そこで、文部大臣、こういうような現象についてどうお考えになりますか。 さらに、文部省として採用試験にあたって、たとえば、いま申しました、教員は労働者か、教員のストライキ権についてといったような設問といいますか、そういうものを教育委員会に指導する、あるいはそういうような試験をしろというようなことを通達せられたようなことがあるのかないのか、あわせお伺いいたします。
○坂田国務大臣 後段のことでございますが、そういうことを通達をしたことはないと思っております。
○田中(武)分科員 ないと思っておりますではなくて、はっきり言ってください。
○坂田国務大臣 ないと思います。 それから、公立学校の先生方は、やはり教育職員免許状を有する者の中から教育公務員として全体の奉仕者たるにふさわしい資質と能力を備えている者を各県の教育委員会が選考するということでございまして、いやしくも、その資質、能力以外の、たとえば性別、信条、社会的身分などによって差別すべきでないことは憲法の定むるところでございます。かたく禁じているところでございます。 また、学生運動に参加しておるというような理由で教員に採用されない事実があるというようなことでございますが、どうも、私どもは具体的なその事実を知りませんが、しかし、そういうようなことはあってならないと私は考えております。なお、教員の採用にあたりましては、また異動につきましては、公正な取り扱いをするように、教育長会議、課長会議などで、常に指導を行なっておるところでございます。
○田中(武)分科員 大臣、そうおっしゃたが、事務当局はそういう指導をしたことはないですか。
○宮地政府委員 いま大臣がお述になられましたとおりでございます。なお、従来、先ほど大臣からもお答えになりましたが、そのような指導をしたことは絶対にございません。
○田中(武)分科員 それではこれもどうでしょう。千五百名もの人が不採用、不合格になっておるということ、しかもそれが、いま申しましたような信条調査、思想調査のようなことが行なわれて、その結果の差別ではなかろうか、このように言われております。何でしたら、特にひどかった府県等については資料がありますので、あとでお持ちしてもよろしいが、その事情をひとつ調査していただけませんか。どうでしょう、事情調査をしていただけますか。
○宮地政府委員 そのようなことはあり得ないと思いますが、先生の調査をするようにということでございます。先ほどの他の御質問にございましたこの予算中とかいうことでございますと、間に合いませんが、先ほど大臣が言われましたように、教育長の会議とかあるいは所管課長の会議等もございますので、そのようなことをまず聞いてみ、必要がございますれば、なお調査も検討してみたいと思います。
○田中(武)分科員 何県でどういう問題を出した、いま私が申したように、教員にストライキ権があるかどうか、あるいは教員は労働者かいなか、何県がそういう問題を出した、あるいはどこが特に多く落ちたというようなことも、新聞にも出ておりましたが、私も持っておるんですよ。だからひとつ実情を、これははっきりと調査してもらいたい。何も私はこれは予算の、というようなことは申しません。しかし、ひとつ調査をして、そういう誤解が世間にあるんですから、これを解く必要があると思うのです。いかがでしょうか。
○宮地政府委員 特に、いつまでという期間の制限がございませんでございますれば、調査いたしてみます。
○田中(武)分科員 というて、いつまでもといって、三年も五年もかけられちゃ困るのです。できるだけ早く、ひとつその結果は、もう予算委員会がいわゆる審議を終わったときになろうと思いますから、これは私のほうへいただきたいと思います。よろしいですか。
○宮地政府委員 調べました結果は、先生のところへ持って説明にあがります。
○田中(武)分科員 それでは、そういうことで次へ参りたいと思いますが、行管から見えておりますね。 まず、行管にお伺いいたしますが、ことしの二月十五日に行政管理庁は、文部省と厚生省に対して、学校給食に勧告——四十四年度ですが八十二件、一万三千四百六十九人の中毒患者を出しておる。したがって、他の施設に比べて、いわゆる最悪だといいますか、そういうことの上に立って、その改善のための勧告を出しておられるようでありますが、これは内容はけっこうです。そういった勧告を出されたかどうかお伺いいたします。
○小林説明員 学校給食の運営に関する行政監察は、確かに御指摘のとおり二月十五日に勧告を文部省にいたしました。
○田中(武)分科員 そこで、きょうはまあ厚生省は来てもらっていないんですが、学校給食の問題でありますので、文部省側といたしましては、その勧告を受けてどのようにこれを受けとめておりますか。
○木田政府委員 いろいろと、学校給食の全般にわたりまして問題点を御指摘いただいております。私どもも昨年二月に、「義務教育諸学校等における学校給食の改善充実方策について」ということで保健体育審議会から総括的な御意見もちょうだいいたしております。同じ点をいろいろと両者から御指摘をいただいておりますので、本年度の予算の階段から一歩一歩改善に努力するようにつとめておるところでございます。
○田中(武)分科員 大臣、学校給食の調理室といいますか、そこにはネズミやゴキブリですか、アブラ虫、こういうのがうろちょろしているところが多いそうです。 そこで、まあ文部省としては、この給食については、十分な調査、適切な指導を願いたいと思うんです。今日までもほうっておったわけじゃなかろうと思うんですが、たとえば、これは実際に調べた統計といいますか、結果を私若干持っておりますが、文部省の出したこの学校給食に関する通達ですか、これが実は五八%しか受け取っていない。しかも、その通達の内容を全く知らないというのが一六・八%あるわけです。こうしてみますと、単に形式的な通達を流すだけにとどまっておる。そうしてその通達がどのように受け取られ、どう実施せられておるのか、こういうことの追跡というか、調査なり、指導が十分でないことがこの数字だけでも明らかであろうと思います。しかも、学校給食はほとんど、もういま九十何%中小学校で行なわれておると思うんです。安心して学校給食が食べられない。しかも、食中毒が四十四年では他の施設に比べて一番多かった、こういうことは大きな問題だと思うんです。そういうことについて、これからの指導方針、さらに勧告を受けての実情調査、そういうこと等々を含めまして、どのように勧告を生かしていくか、ひとつ大臣からお伺いいたします。
○坂田国務大臣 確かに、学校給食は現在小学校につきましては生徒数で九二%、しかしながら中学校においては四四%にしかすぎません。しかも、この四四%という数字は大都会において非常に少ないわけで、この点は私たちもう少し指導助言をいたしまして、努力を重ねたいというふうに思います。 それから勧告の件は、率直のところ、相当私どもといたしましてはショックでございます。しかしながら昨年の二月に、ただいま局長から申し上げましたように、保健体育審議会においても同様のことを前向きに考えておるわけでございまして、今後いやしくも毎日千四百万食も取り扱っておるわけでございますから、子供たちの健康、栄養ということについては、もうほんとうに十分な、適切な考慮が払われなければいけないというふうに私は思います。 それからもう一つは、やはり従来この体制が市町村であるいは各学校でまちまちに物資購入等をやっておるということで、なかなか文部省、あるいは県の教育委員会等でも目が届かないのも実情なんでございまして、やはりこの学校給食の新たな理念のもとに、全国的な、ちゃんとしたその組織というものをやるということが、やはり第一かと思うのでございまして、また物資の購入につきましても、やはり県で一括購入をするとか、あるいは主要な物資については中央で購入をするとか、そして衛生管理等についても十分な配慮をするとかいうようなこともあわせて考えていかなければならぬ。また本年度の予算におきましても、この学校給食流通センターというものもつくりまして、それを御審議をわずらわしておるわけでございますが、こういうようなものが各県にできてまいりますと、学校給食もかなり末端まで浸透する、われわれの指導助言も末端まで浸透するということになろうかと思います。私たちは謙虚にこの勧告を受けまして、そして反省すべきところを反省し、また審議会で答申のありました線に沿って、今後総合的に学校給食を進めてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○田中(武)分科員 まあいろいろとお考えになっておる点を言われたんですが、結局この老朽施設が多いということ、そのことは、やはりもっと予算的にもめんどうを見えてやらねばならないんじゃないかと、このようなことも思うわけなんですが、もう一度ひとつ大臣、そういう点についても十分今後も考えると、こういうことでいかがですか。
○坂田国務大臣 もうその点はそのとおりに考えるわけでございますから、各県どこどこが一番悪いというような点、危険校舎、危険校舎に類するような、あるいはゴキブリその他衛生上悪いようなところ、これをまず実態を把握いたしまして、これを年次計画を立てて、そしてどういうような方法でこれを改善していくかということと取り組んでいきたい、かように考えます。
○田中(武)分科員 もう時間があまりありませんので、二つの問題を次にお伺いするつもりでございましたが、続けて簡単にお伺いして、それぞれから御答弁をいただいて終わりたいと思います。 その第一点は、公害問題と教師、教員のあり方。これはいつか辻原委員の総括質問で、これも時間がなくて簡単に文部大臣にお伺いして、文部大臣から御答弁があったようですが、今度文部省は公害問題に関して学習指導要領ですか、これを改められる。これはまあけっこうだと思うんですが、私は、公害はやはりその各地各地で異なったものがある。したがって一律に——もちろん姿勢としては一律にこういう姿勢、たとえばいままでは調和といっておったのを人命優先だ、こういうようなことは、これはけっこうで、またそうなくてはならぬと思うのですが、その各地各地に特殊な問題がある。そういう問題について教師はどのように教えるべきか、こういうことについてひとつ大臣どうお考えになっておるか、おっしゃってください。 もう時間がございませんから、もう一点は、これは建国の日の新聞記事で見たわけなんですが、いま小学校のまあ上級生というか、四、五年生、五、六年生というところで、二月十一日、建国の日に対して、まだ十分よくわからないというような——まあどこそこの小学校の何年生がこう言ったとかああ言ったとかいう記事が載っておりますが、それを一々読み上げませんけれども、と同時に、教師もこれに対して、その説明に困っておるのじゃないか、そういうような意味のことの新聞記事を見たんですが、そこでこの建国の日について、いわゆる小学校段階ぐらいにおいて、あるいは中学でもけっこうです、教員はどのように教えたらいいのか、そのことについて文部大臣なり、あるいは局長、ひとつお考えを承りたいと思います。
○坂田国務大臣 まず第一に、公害の問題についてお答えを申し上げたいと思いますが、これはもう先生御指摘のとおりに、指導要領におきまして、経済優先ということから人命尊重という形にはっきりこれを改定をいたしまして、その方針でいくわけでございますが、しかし個々のこの公害教育については、地域によりましていろいろに違うわけでございます。したがいまして、これはやはり各その地域における先生方の自主的な御判断、先生としての良識、また心身の発展段階に応じたやり方によって教育をやっていただくと、かように考えておるわけでございます。
○宮地政府委員 後段の御質問でございますが、建国の日につきましては、なるほどその二月十一日がはたして建国の日であるかどうか、これは歴史家の間にもいろいろ問題がございますが、一応国会におきまして建国の日と定められ、その日は祝日というふうに法律でもなっております。それを受けまして、学校におきましては、建国の日に限りません、祝祭日等におきましては、まあ行事をする場合には国旗を立てるとかいったような指導はいたしておりますが、それ以上のことはいたしておりません。これにつきましての、いろんな個人として、あるいは学問的な研究なり考えは自由でございましょうが、一応きめられた祝日ということで建国をしのぶという気持ちは子供に指導してよいことと思っております。
○田中(武)分科員 これを最後で終わりますが、要は、この公害の問題と教師の立場といいますか、同じことに、建国の日と教師の立場、これはともに教師がその土地その土地の特異性の上に立って、もちろん指導要綱とかなんかいうのはあろうと思いますが、自主的に教えていく、それを文部省はいわゆる教師の自主性を尊重すると、こういうことで理解してよろしいですか、二つの問題ともに。
○宮地政府委員 先ほど大臣もお答えになられましたが、私ども小学校、中学校、高等学校等では、教育をいたします場合に、その全国的な水準を維持するといったような観点から、基本的な問題につきましては学習指導要領で規定いたしております。その趣旨を受けまして、それぞれの学校におきまして教育課程を編むのも、これは校長以下学校で教育課程は編成されることでございます。したがいまして、学習指導要領の趣旨に沿って大いに教師が創意くふうをこらして教育効果をあげるような教育をなさることは自由でありますし、また適当なことと考えております。
○田中(武)分科員 だめ押しですが、教師、教員の自主性を文部省は尊重すると、そう理解してよろしいんですな。
○宮地政府委員 教師の自主性を尊重するということは当然でございますし、私どももそのようにありたいと思います。ただ学習指導要領というものは、これは教師の自主性で、何も学習指導要領によらなくてもよいんだというところまで自主性が発展することは、これはよろしくない。しかし学習指導要領の趣旨に沿いまして、いろいろ自主性を発揮されるということはけっこうなことと思います。
○田中(武)分科員 もう時間ですがね。そう答弁されるとまた言いたくなるんですよ。だからそれは、もちろん野方図じゃないが、しかし、第一線教師の自主性を尊重する、そう理解していいんでしょう。
○坂田国務大臣 その点はやはりこの学習指導要領というものに基づいて、そしてその上から大いに自主性を発揮していただきたい、教育をしていっていただきたいというふうに思います。
○田中(武)分科員 時間ですから終わります。
○伊藤(宗)主査代理 沖本泰幸君。 〔伊藤(宗)主査代理退席、主査着席〕
○沖本分科員 私は、主として同和対策に関しまして御質問したいと思います。 まあ、時間が余りましたら社会教育、特に公民館についてお伺いしたいわけですが、この同和対策特別措置法が施行されましてもう足かけ三年、こういうことになるわけです。そこで、一番大事なことは、同和対策としては、心の問題と物の問題と二つあるわけです。それで、この法律ができますときに、総理大臣も教育の面に関しては、これは一番重要なことだからと、こういう御発言もしていらっしゃるわけでございます。そういうところでこの同和対策特別措置法を受けた文部省としては、現在までどの程度までこの問題を消化していらっしゃるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○坂田国務大臣 同和対策事業特別措置法は、同和対策の事業といたしまして、対象地域の住民に対する学校教育及び社会教育の充実をはかるため、進学の奨励、社会教育施設の整備等の措置を講ずることをあげておりますが、その法律の制定に伴いまして、昭和四十四年の七月に策定されました同和対策長期計画におきましては、同和教育の具体的な計画の内容といたしまして、高等学校等への進学の奨励のほか、あるいは学校教育関係では、同和教育推進地域の指定あるいは同和教育研究指定校の充実、同和教育指導者の確保、研修等をあげております。文部省といたしましては、この長期計画に沿って施策を推進しているところでございます。たとえば、同和教育推進地域の指定につきましては、前年度四百四十一万八千円でございましたものを、本年度は四百四十五万五千円、指定地域を三十三地域にいたしております。また、同和教育研究者指定校の設置につきましても三百七十五万八千円、指定校六十六校、それから同和教育研究協議会の開催は、予算といたしまして七十二万二千円、あるいは同和教育資料の作成につきましては百七十四万四千円、あるいは高等学校等の進学奨励費の補助といたしましては、これは三億二千万、対象人員二万人、月額二千円、補助率は三分の二というようなことで努力をいたしておる次第でございます。
○沖本分科員 いま大臣は、ずっと資料をお読み上げになりましたんですが、まあ一番同和問題でひっかかりますのは、結局おとなの偏見からくるいろいろな差別が、いつの間にか子供が同じように受けとめてしまっている、こういうところからくるわけですね。そういう問題が一番大きな問題を起こしていくということになるわけです。おとなの考え違いの一つとしては、同和地域の人たちは、まあ太閤秀吉が朝鮮征伐をしたときの朝鮮からの捕虜であるという考えを持っておる人もおれば、あるいはそのほかの異民族である、こういうふうな考え方を根強く持っている方がいまだにいらっしゃるわけです。そういうものが自然子供の精神世界の中へ飛び込んでいって、それがそのまま残って、それが差別感になって出てくる、こういうことがあるわけですね。そういう差別の問題はいまだにあちこちに尾を引いて、結局就学の問題あるいは就職の問題あるいは結婚の問題というところで大きな問題を起こして、自殺者を出していくとかいろいろなことが起きるわけです。そういうものを根本的に解決していくというような内容のところに、教育の分野が持っている大きな責任があると思うんですね。そういう点につきまして、十年の時限立法ということで、十年間でこれを解決しよう、それがもう三年になんなんとしつつあるというわけですけれども、いま総理府のほうは、今年度予算をあげて——四十二年度の政府が調査したところの長期計画の実態調査ではもう古いんだ、こういうところから四十六年度に長期計画を立てよう、こういうことで調査をしていらっしゃるわけですけれども、それを受けて、文部省のほうは、それができれば新しい具体策をつくろう、こういうふうなお考えがあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○宮地政府委員 お答えいたします。 いま先生がおっしゃいましたように、総理府におきましては、明年度各省共通の同和対策を推進するための基礎資料といたしまして、新たに実態調査をするということでございます。私どももそのことは承知いたしております。したがいまして、その実態調査の結果、先ほど大臣が申されましたような施策を推進いたしておりますが、実態調査の結果によりまして、なおいままでの計画を必要によりましては修正をするなり、さらに充実していくなり、この調査を最大限に活用していきたい、こういうふうに考えております。
○沖本分科員 その理屈はわからないことはないんですけれども、結局、この長期計画ができて完全にその調査が終わってできる、それを文部省のほうが受ける、各省が受けて、さらにその具体的な内容について検討していくということになると、十年の時限立法というものの半分を越してしまう、こういう事態が必ず時間的に起きてくると思うんです。そうすると、あと残った時間で五年なら五年、あるいは何年かの間で、この同和の問題がすべて解決できるとお考えになるんでしょうか。また、そのお考え、これはむずかしいんだということであれば、ほんとうに強い政策をもって臨んでいかなければならないわけです。 さらに時間の点がありますので固めて話をいたしますけれども、いま地方自治体のほうでは政府の補助率が非常に少ない。たとえば、総理府が各省の予算を四十六年度全部を集めて大蔵省に出したという内容から見ていっても、大阪府、市合わせた同和対策費用よりもうんと——大阪府、市と肩を並べるくらい。ですから、全国というものを対象に考えると微々たるものである。いま、こういうことになっています。そういう現状を体して、そのままで今度長期計画ができた、それから具体的なものを考えていくと、予算の面、実施の面、こういうような事柄から踏み越してしまうというような事態が起きるわけです。踏み越してしまったときには、時限立法だから、もう十年たちましたからあとは知りません、こういうことになるんでしょうか。あるいは、そうではないんだ、さらにこれからも継続していかなければならないし、もっといろいろなものを組み合わしていかなければ現在のあり方としては、文教政策として不適当である、こういうふうにお考えになっているのでしょうか。その点についてお答えください。
○宮地政府委員 いろいろ御質問ございましたが、まず予算等の伸びが少ないということでございましたが、先ほど大臣もおっしゃいました中で、たとえば高等学校等の進学奨励費補助につきましては、前年二億八百万でございましたのを三億二千万にいたしておりますが、そのように努力はいたしておりますものの、なおこれで十分とは考えておりませんので、今後とも予算の増額には努力いたしたいと思います。 それから、この措置法に基づきまして、これは四十四年の七月八日に閣議了解になっておりますが、そこが措置法を実施するための具体的な計画が「同和対策長期計画」についてということで策定されております。その中で、先生も御承知のように、四十四年度が初年度で十年間を目途とし、前期を五年間、後期を五年間ということに分けておりまして、大体のその分け方では、前期計画におきましては、施策全般について社会的、経済的諸事情を考慮し、必要な調整をはかりつつ、おくれた部門の施策の促進につとめる。後期計画におきましては、前期計画の実施状況に検討を加え、総合的、効果的な同和対策の推進をはかるということでございます。 したがいまして、四十六年度総理府が調査をされましても、四十七年度にその結果に基づいての施策が推進される。前期の終わりの年度ぐらいから、この来年度の実態調査の結果は事実上働くわけでございますが、しかし、その調査が終わるまでは手控えるということではございませんで、調査は調査として、私どもとしてはこの閣議了解に従いまして、各省に具体的に課されました問題点の充実、推進につとめております。 それから十年間たったら、もうやめるかということでございますが、これは一応法律は十年間の時限立法で、十年の間に——もうその次を待つまでもなく十年間で完全にというような意気込みで進んではおりますが、十年たちましたその後の問題につきましては、これは各省全般、この同和対策全般の問題として検討されるものと考えております。文部省だけで、いま十年後にはやめるといったような考えはもちろん持っておりませんが、政府全体としてきめられる、その方針に従いたい、こういうふうに考えております。
○沖本分科員 この問題は、政府各省としては大まかにつかんで、この問題をやっていきますけれども、具体的にこれを実施しなければならないのは地方自治体ということになるわけです。その地方自治体が、いまもうすでに問題を多く背負い込んで、背負い切れなくなっていま困っている、どうにもならない。そういうところから結局逆に、再びどういうわけで同和のほうに金を使うんだ、こういうふうな反論がどんどん出てきている、こういうことになってきているわけです。そういう実態を十分御存じだと思いますけれども、そういう内容から考えてみて、結局事は消極的にやっていくか積極的にやっていくかということになるわけで、その積極的にやるというところに差別をなくしていくという積極的な考え方があるわけです。ですから、消極的にやっていくという考え方の中に差別は残っていく、こういうふうな内容に変わってくる、こういうことになると思うのです。そういう点をひとつ積極的に、いわゆる心の問題を扱わなければならない精神分野というものを十分担当される文教関係ですから、積極的に事を運んでいただかなければ人々の心の中にあるところの差別感というものはなくなってこない。あるいは、法のもとにすべての人が平等であるとか、教育の機会均等であるとか、こういうふうな基本的な内容そのものが欠けているわけで、そこに大きな差別感があるわけですから、そういうことで、ひいては教育の分野の中から出てくる就職の問題にまで問題は発展していく、こういうことになるわけですから、それが形として出てくるのは大きな予算面のあらわれ方ということで事ができてくる、こういうふうになるわけです。 そういう点を十分考えていただいて、それでその問題の処理に当たっていただかなければならない。私のほうで見ますればどうしても消極的にしか、法律はつくったけれどもおやりになっていらっしゃらないんじゃないか、こうとしか受け取れない、こうなってくるわけです。ですから、その下のしわ寄せ、波紋というものが、さらに渦を巻いて、そのために新しい差別というものが起きてくるのでは、法律をつくっても何にもならなかった、こういうことになるわけですから、まずこういう問題をお扱いになる方々の考えの中に積極的に差別をなくしていき、同じ民族、同じ戸籍の中に住んでいる日本民族は平等であるべきなんだ、平等の権利を持つべきなんだというところへ水準を上げていく、こういう考えに立ってやっていただかなければならないとこう考えるわけですけれども、大臣、御所見を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 今日、法のもとに平等でございまして、そして、差別があってはならないことは先生御指摘のとおりでございます。そのゆえにこそこの法律ができたわけでございますから、われわれといたしましては、その長期計画を立て、そして、それを実行いたしてまいることはもちろんのことでございますが、それまでにやらなければならないことにつきましても十分努力を重ねてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○沖本分科員 そこで、時間がありませんので、こまかい要求はたくさん出ておりますから、その要求については一々文部省のほうで御検討いただきたいと思うのですが、解放同盟のほうから提起している問題の中に、小学校の三十人の定員——三十人学級をつくって教育という問題が提起されておるわけですが、これは、いまの教育のあり方の中で、いま定めている小学校の定員自体がはたして教育の場の中において十分であるかどうかという点は、議論もあり問題も出てきていると思うんですが、この三十人学級について文部省はどういうふうにお考えでございますか。
○宮地政府委員 解放同盟の方々から、小学校の一学級定員を三十名にするような教員の加配という点についての要望が出ております。 これにつきましては、私ども現在、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律というのがございまして、四十四年度から、相当教員定数を改正いたしまして、一学級の子供は四十五人というふうにして教員の定数を積算いたしておりますが、特に、同和地域の学校につきましては、一般の学校以上に児童生徒の生活指導ということが重要でございます。こういうような観点から、先ほどの法律で、一般的に教職員定数をはじきますのにプラスいたしまして、同和地域の子供が二〇%以上いる学校につきましては、教師を一人加配をしていくということで、四十四年度から五年計画で進めております。したがいまして、四十五人を三十にするとかいったようなことでなくて、四十五人というものを基礎にしますけれども、同和地域の学校につきましては特別の教員定数の加配をいたしますので、四十五人よりも相当下回った子供に対して一人の先生がつくという計算になろうかと思います。 なお、これだけでももちろん十分とは思いませんが、そういう施策も講じておりますし、さらに今後標準法はもっともっと充実していきたいというふうな考えも持っておりますので、御趣旨のような点は頭に置きまして今後努力してまいりたいと思います。
○沖本分科員 学級編制についての解放同盟からの提案というものは、考えさせられる余地が十分に残っておるということになりますので、この点はただ単なる要求とかそういうことでなくて、これからの教育の場のあり方ということについていろいろ検討していただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。 時間がありませんから、次に社会教育の点についてお伺いしたいと思います。 これは、けさになって申し上げたんで、十分御検討いただいてないかもわかりませんが、文部省のほうの社会教育の新しい方針といいますか、これからの社会教育について、文部省はどのようなお考えでいらっしゃるでしょうか。まず、大臣からお伺いしたいと思います。
○坂田国務大臣 今日の社会は非常に複雑多岐になってまいっておるわけでございます。したがいまして、学校教育だけで教育ができない、いわば生涯教育の段階に入っているということになりますと、社会教育の意味するところもまた非常に大きいと思うわけでございます。したがいまして、むしろ学校教育をよくするためにも社会教育を徹底させていかなければならないというふうに考えるわけでございまして、その意味合いにおきまして、特にこの同和教育につきましては、学校教育を進めますと同時に、社会教育の面についても同和教育を推進していかなければならぬというふうに基本的には考えておる次第でございます。
○沖本分科員 質問の角度が、同和問題から御質問しましたので、大臣も十分含んだお答えになったんだと思うんですが、ことしの文部省の方針は社会教育に重点を置く、こういうふうに伺ったのですが、そういうことについての大臣の腹案なり、これから将来のいわゆる新しい社会教育、そういうものについての大臣のお考えを伺いたい。
○坂田国務大臣 実は、従来、社会教育がどうも日陰になっておりまして、本年度は特に社会教育に少しライトを向けなければいけないと決心をいたしまして、その一つでございますけれども、たとえば、公民館につきましては十億台を突破いたしました。これは、四倍でございますから、従来でございますと、やれ二〇%増だとか、せいぜい五〇%増したらよかったとかなんとかいうようなことでございましたが、今度は四倍、十億を突破したということは一応これは評価をしていただきたいと思います。これでもって私はすべてが終わったとは思っておりません。まだまだこれからさらに前進を続けたいというふうに思っておりますが、公民館の整備はやはり非常に大事なことだ、社会教育の一つの場になるということで重視をいたしました。 それからもう一つは、やはり社会教育と申しましても、それを指導いたします人が大事でございます。この人の養成ということが大事な問題でございますから、社会教育の研修所を新たに増改築いたしましてりっぱなものにしようという予算もつけました。そういうぐあいで、かなりことしは従来に比べますると意欲的に取り組んだつもりでございます。
○今村政府委員 事務的に大臣の答弁を補足さしていただきます。 大臣は、公民館の予算が四倍になったと言われましたけれども、大臣は四倍確保するつもりで努力されましたけれども、結果は二・七倍でございました。
○沖本分科員 それで、私もその公民館についてお伺いしたい、こう思っておったわけですけれども、公民館の形にいろいろありまして、場所によってはクモの巣の張っているような、まるでちゃちな集会所というところに公民館という名でついている。そうして、たまたま奇特な方がそろばんを教えていらっしゃるとか、子供を集めて遊戯的なことをわずかにやっている。そういうことで、維持管理あるいは使途、こういうものについてばらばらである、こういうふうに考えられるんです。そこで、一般の国民が受け取っている公民館というのは何かの集会所じゃないか、こういうふうにしか考えていないという向きが多いと思うんです。ですから、大都市の公民館と農村の公民館とはおのずからまた違ってくる、こういうことになりますので、時間もありませんから続けて申し上げますけれども、まず、公民館の定義をちゃんとしていただいて、はたして、その公民館という名称そのものが現在当てはまるものであるかどうかというような点も考えなければならないときにきているんじゃないかと思いますし、公民館をどういうふうに有効に使っていくかというあり方についても、各地方自治体が十分そういうものを受けてやっていけるような具体的な定義づけですね、こういうものも私は必要だ、こう考えるわけです。したがいまして、先ほど大臣がお触れになりました同和の地域に対しては、公民館はこういうふうにお使いになりなさい、また公民館的な目的を持って働くこういうふうな一つの施設というものはこういうあり方のほうがいいんだとか、そういうふうないろんな定義づけというものが必要だ、こう考えるわけです。そういうものについて何もきまってないんじゃないか、私はそういうふうに感じるわけです。 それから、大都市については、その都市の何カ所かに大きな、大臣がお触れになった研修的な目的を持つなり何なり、一つの大きい目的を持って多目的な使用のできるような公民館的なものをつくる、センターをですね。それに従って、区があれば各区に一つあるとか二つあるとか、そういうような人口配分あるいは町の立地条件、そういうものに合ったような公民館的なものをつくっていって、そういう中で区民が社会教育を十分啓蒙してもらえるような内容を仕組んだものでなければならない。ところが、いま国民の社会教育というものはほとんどテレビにまかされておる。あるいは一部の同好の人があるところに広告を出して、興味を持つ人だけが寄ってできていっている。その他一般大ぜいの国民というものは全部そういう中から離されてしまっているということになるわけです。そういうことですから、テレビならテレビでそういうふうな社会教育的なことを十分やっていただいているけれども、それは見る人の観念によってチャンネルをかえてしまえばもう全然そこのところが省けてしまう。こういうことになるわけです。大臣は放送大学の件についても力をお入れになっていらっしゃる、これからもそういう情報機関に類したものが十分その役目を果たさなければならない時代なんですから、そういう点について十分力を入れていただかなければならないんですけれども、いま申し上げた点について、大臣なり担当局長さんなりから十分お答えいただきたいと思います。
○今村政府委員 公民館につきましては社会教育法二十条に定義がございます。「公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の、同上、健康の増進、情操の純化を図り、もって生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」とずいぶん多目的な、大きな目的が掲げてございます。しかし、お説のとおり、公民館の現状は、こういう大きな目的を実現しているかどうかというと、きわめて貧弱なものでございます。一例を申しますと、具体的に全国に公民館の総数が一万三千八百館あるという統計になっておりますが、このうちで三百三十平方メートル以上、百坪以上、これは文部大臣の定める基準でございますが、この百坪以上の面積を持ち、専任の職員一人でもいる公民館、つまり社会教育法二十条の目的遂行に耐えるような公民館と申しますと千六百七十八しかないわけです。全体の一割強ということでございます。したがいまして、今後社会教育の必要性が強調される傾向と相応じまして、公民館の整備に努力をし、また公館の運営の指針の研究をするという予算もいただきまして、四十六年度から努力を始めようとしているところでございます。
○沖本分科員 時間も来たわけですが、大臣にちょっとお願いしたいわけですけれども、これは各省へ行ってがちゃがちゃ言っているわけですけれども、各省ともその政策予算がないんですね。法律に対する予算は、大蔵省といろいろ御検討なさってさっきいろいろおっしゃったような、削られてくるということで……。ですから、これから先いかに新しいものを掲げて新しい施策をやっていこうと思っても、そういう御希望を各省がお持ちになっておって、現実を見て、具体的にこれを何とかしたいというふうにお考えになっても、それが予算になって出てきて実施されるという面では非常に薄い。結局、計画到れというようなことが非常に強いわけですが、公民館というものは、これから十分いろんな内容、科学的な施設の充実したものをむしろ農村にも、また都市のいろいろなところで十分活躍をして、国民のこれからの思想、情操の向上、生活の発展に寄与してもらわなければならないとこう考えるわけでございます。大臣の御所見、御決意をお伺いしたいと思います。
○坂田国務大臣 公民館が最初できましたときの事情と今日の社会の事情は非常に変化して、いま先生もおっしゃいましたように、単なる集会所だということ、この五、六年まではそういうことで、ただ二割増とか三割増とかいうようなことできておったわけです。それではいけないんじゃないか。これだけ社会が発達をして、そしてまた市町村で公民館をつくるという場合は、私たちが補助をしておるものの何倍もの施設をつくらなければ、先ほど示しました目的に沿うような実際上の活動ができないということで、実際は相当のお金を負担しながら市町村がつくっておられるわけです。その実情を踏えますと、私どももやはりいままでのような考え方じゃなくて、中型であるとか、あるいは大型であるとかいうような予算をやはり要求し、獲得し、そして公民館本来の、時代にマッチしたあり方、目的を十分に遂行できるような姿に変えたいというのがことしの予算の気持ちでございまして、これを一つの、第一年目でございますけれども、少し末広がりに拡充強化をいたしたい、そして所期の目的を達成したいというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○沖本分科員 終わります。
○田中主査 次は山田太郎君。
○山田(太)分科員 きょうは、博物館を中心にいたしまして、社会教育あるいは文化教育についての質問を数点行なってみたいと思っております。事柄が事柄だけに穏やかな質問をしてまいりますので、ことに近来まれな卓越した文部大臣といわれる坂田文部大臣でございますので、当然内容のある御答弁をいただけるものと期待しながら質問を始めたいと思います。 そこで、まず最初に、最近私が数カ所の博物館を見学させていただく機会を持ったわけですが、何といたしましても、日本の経済的な発展は世界の驚異と注目の的になっております。したがって、生活の面においてはある程度充実しつつある。不満足な面も多々あるのは当然でございますが、その点はさておいて、これからは生活保障の面を、当然精神的な意味を含めて教育福祉あるいは教養福祉という面に重点が移行しなければならない現状ではないかと思っています。そこで、私が歩いてみた範囲、あるいは聞いた範囲で、陣情等も受けたことも含めまして、文部省の社会教育施設に対する、あるいは文化教育施設に対する点に、基本的な意味においてやや軽視されている面があるのではないかという点に危惧を覚えている一人であります。そこで、大臣の社会教育並びに文化教育に対する御見解と、現状と、同時に展望をまずお伺いしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 先ほどもちょっとお答えを申し上げたわけでございますが、今日の世の中は、単に学校教育だけでは済まされない世の中になってきた。いよいよ生涯教育の時代に入った。したがって、社会教育の持つ意味というものは非常に大きい。いな、その社会教育というものが徹底して初めて学校教育そのものもむしろ進むのである、こういう考え方に変わってきておる。 ところが、また二面におきまして、この近代社会といわれる社会は非常な便利なものがでました。科学技術、産業構造の異常な発展、変化に伴って便利になりました。しかし、また一面においては交通戦争を引き起こし、あるいはまた公害を引き起こし、人間の生存そのものに脅威を与えておる、あるいは自然破壊が行なわれておる。そして人間生存もまた危険な状況になってきている、こういう面もございます。 それからもう一つは、テレビ、ラジオが非常に発達した。視聴覚的なものが発達した。この視聴覚文化といいますか、そういうものが非常に発達したことは好ましいことではありますが、一面において、そのことによって今度は俗悪なものが一方的に流される、あるいは非常にグロテスクな、あるいはエロチックなものがスイッチ一つひねれば青少年でも見れるということになりますと、教育上はやはり問題が残るのじゃなかろうか、こういうこと、そうしてだんだん人間が思索をしたり、ものを考えたりという習慣が、青少年にもおとなにもできにくくなってきた、これでは人間というのは考える動物といわれておるのに考えない動物になってしまう。これでは人間それ自身が魂を失い、精神を失い、心を失ってしまうのじゃなかろうか、こういうふうに思うのです。 したがって、いままではどちらかといいますとそういうテレビやラジオという視聴覚というもので非常に安易にいろいろなものを吸収するということはできますけれども、一面において十分本物の美術品をじかの目で見て鑑賞するとか、あるいは文化財をほんとうに楽しむとか、あるいは活字文化による書物を読み、古典を読み、あるいは普通のいろいろな書物を読んで深く考える思想を得る、そういうようなことがだんだんできなくなった。これではいけないわけなので、いままではやはり珍しいものですから、そういうようなものに飛びつく、あるいは享楽的なものに走るということであったかと思いますが、やはり人間はいろいろの欲望がございまして、そういう享楽的なものだけでは満足できなくなってきておる。さらにやはり自分を考えたり思索をしたり、そういういい意味における教養を身につけるという形に変わっていく、そういう世の中にまた発展をしていく。 その場合に、一体われわれの提供しておる社会教育の内容はどうなのかと考えますと、博物館にしましてもただいまお話ししました公民館にしましても、あるいは図書館にいたしましても、ちょっとあまりにも貧弱じゃなかろうか、十分ではないというふうに思います。したがいまして、この点については今後一そうの努力をやらなければいけないというふうに思っております。
○山田(太)分科員 ただいまの御答弁で、社会教育あるいは文化教育への文部大臣のアウトラインは了承いたしますが、最初にお断わり申し上げましたように、まず博物館というものに的をしぼって考えてみたいと思います。 先ほどは公民館についての質疑もあり、公民館の意義というものにもお話がありましたが、この博物館について、先ほどの文部大臣の御答弁の線から見たときに、このたびの予算措置がどのような面であらわれてきておるかという点について、まずお伺いしてみたいと思います。
○今村政府委員 博物館につきましては、公立博物館に対して補助金を交付することになっております。大型四館、普通型二館ということで六千五百九十二万円の補助金が計上されております。それだけでございます。
○山田(太)分科員 その六千五百九十二万円という金額は、前年度と対比したときに、どのような増加が見られておりますか。
○今村政府委員 前年度同額でございます。
○山田(太)分科員 局長の答弁は、前年度と全く同額でございますか。この点はあらゆる諸物価も騰貴しておるおりから、同額であるということは、それだけ予算が低くなったということもいえるのじゃないかと思うのです。その点について、これは大臣は、先ほどの御答弁をふえんして、どのようなお考えであるか。博物館に限って申し上げたものですから、答えにくい面もあるかもしれません。しかし、これは社会教育あるいは文化教育の面からいいまして、博物館の重要性というもの、ちょっと皮肉な持って回るような質問になったかとも存じますが、そういう意味ではないですから、その点を御了承願いながらひとつ大臣からも御答弁をいただきたいと思います。
○坂田国務大臣 一応、局長から御答弁をしましたとおりで、それはそれなりの理屈があると思います。しかし、率直に申し上げまして、実はおっしゃるとおりに物価がこれだけ上昇しておるわけですから、現状維持というよりも、少しこれは低くなっておる、こういわざるを得ないと思います。しかし、どうしてこうなったかというと、これは内輪のことを申し上げてはなはだ申しわけございませんけれども、ことしは重点を、とにかく公民館を十億台に上げるということに最重点を置いたわけでございます。したがいまして、先ほどちょっと私数字を間違えたわけでございますが、前年度四億を十億に二倍半にした。これは従来の予算折衝の過程では、いいことじゃございませんけれども、破格なんです。先生も御承知のとおりだと思います。それは局長がある程度ほかのものをしぼって持っていったからこれが認められたということなんです。しかし、そういう姿というものはあまりいいことじゃないと私は思っております。必要なものは、やはり必要性を十分に財政当局を説得して、そうして必要な額を計上してもらう、獲得をするということで進まなければならないと思います。それがすなおな姿だと思います。しかし、本年度は、そういうようなことをやったがために、ここが少し落ち込んでしまったということが真相だと思います。しかし、来年はもうちょっと馬力をかけまして、この博物館その他につきましても、その他の社会教育の施設設備につきましても、万全のかまえで財政当局を説得をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○山田(太)分科員 大臣の丁寧な御答弁で納得いたします。 ただ、もう一歩ふえんして、公民館に力を入れた、四億円を十億円に——大臣は五倍にしたがったというお話らしかったですが、先ほど入ってきた、ちょうどそのときに聞いたわけですが、まあ、二倍半だった。 そこで、私が最初申し上げたこの博物館にしぼって言った場合、来年はことしのような実質上の落ち込みでなく、来年はがんばって増額に持っていきたいという御答弁ですが、その点について、もうすでに既定方針を立てられておるならば、あるいはこのような方針で、たとえば公民館についての具体的な倍率の御答弁がありましたように、博物館についてどのように持っていこうと思うのだという点を、もう少し具体的に、これは局長からけっこうですから、答弁願いたいと思います。
○今村政府委員 博物館と申しましても、私どものほうで関係しておりますのは公立の博物館、都道府県立、市町村立でございます。毎年毎年地方公共団体の希望を予算折衝の前に、予算を編成する前に聴取いたしまして、それを基礎として補助金の要求額を算定するわけでございますが、四十五年度から四十六年度へかけましては、前年と同額でほぼ足りると判断をしたわけです。それほど地方の希望が少なかったわけでございます。来年度は、いま大臣の仰せられましたような方向に沿いまして、さらに地方公共団体の人々の意欲を刺激いたしまして、より博物館の整備に役立つような予算の要求をしなければならない、かように存じております。
○山田(太)分科員 このことは聞くつもりではなかったのですが、地方からの要求が少なかったというのは、なぜ要求が少なかったか、その点は、御存じだと思うのですがね、その点について御存じならば——御存じなければ私から言いますが、答弁してください。
○坂田国務大臣 やはり従来社会教育予算というのは、非常に取りにくい予算であるということを一般の人たちもよく知っておるわけです。どうも文部省もたよりないという気が実はあったわけです。だからそれはよくないのじゃないか。社会教育の意味というのは、これから先ほど申しましたような意味に変わってきておるので、積極的に充実をしていかなければならぬ。そのことを一般の人たちにもわかったいただき、同時にきっかけとなってやはりその意欲が出てくるようにほんとうにわれわれががんばってその必要性を説くならば、ちゃんとその所管である文部省も財政当局にぶつけていって、そうして獲得ができるのだ、こういうような気持ちが出るためには、ひとつまず本年度は公民館ということだったのでございます。それが一応成功いたしましたので、これをきっかけといたしまして、社会教育の充実を今後はかっていきたい、こういう気持ちにいま燃えておるわけでございまして、局長はどう言いましょうとも、私はそう思っておるわけでございます。
○山田(太)分科員 では、この問題はそれまでにしておきまして、これは私立博物館の陳情書でございますが、大蔵省当局からも答弁をお願いしてありますので、どなたか見えていることと思いますが、この問題について、文部省はどれだけ努力をしたのか、ま大蔵省はどのような考えを持ち、どのように対処していかんとするのか。これは十年来陳情し続けているということも聞いておりますが、現状においては変更があるやどうやを当然考え方についての問題点の一つにいたしまして、博物館のまず五〇%以上ですか、これは私立博物館でございます。この博物館についての所得税法上の問題あるいは法人税法上の問題、この点は博物館にとっては非常に重要な、命ともいえる問題点にもなっておるわけです。私の知っている範囲につきましても、私立博物館といえども、公益法人の立場として、施設や設備の整備や、あるいは資料の収集とか、あるいは特別展等の開催等に非常に努力しておられる私立博物館も多うございます。ことに、岡山県の先日問題を起こしました大原美術館等非常な努力を傾注しておられます。非常に敬意を払わなければならないと思っておりますが、普通の私立博物館においてはその必要な経費を、寄付金なり、あるいは借り入れ金によってまかなわなければならない、こういう現状になっております。 そこで、この所得税法、法人税法上の問題を、科学技術もしくは教育の振興に寄与をする法人の範囲に含めて、税の優遇措置というものを考えるべきではないか、この点が一つと、もう一つは登録免許税、これは博物館となりますれば、当然建物や土地等の不動産が要るのは、これはやむを得ない、これはどうにもならない重要なポイントでございます。それに対しての登録免許税というものに対するこの優遇措置というものを考えてあげなければ、先ほど文部大臣の御答弁になったごとく、これからは教養福祉という方向に当然向かっていかなければ、現状の世相から考えてみましても、社会的な世相から考えてみましても、これは当然重要な課題でございます。この点、文部当局はもちろんでございますが、当然努力折衝されているとは思います。また、聞いてもおります。したがって、文部当局とそれから大蔵当局と、両方に御答弁をお願いしたいと思います。この御答弁によっては——これは非常に圧力団体としては力の弱い団体でございます。その力の弱い団体であればこそその点を十分くみ込んで、将来の日本を、将来の日本の青年を、将来の日本の若者をりっぱに社会教育し、文化教育していくというその立場から、大蔵当局もただ単に税制上の問題だけにとらわれるのでなく、その大きな社会的見地、国家的見地に立っての御答弁を期待しております。
○今村政府委員 初めに私立の博物館というおことばでございましたが、私立の博物館の中に博物館法にいう要件を定めて、博物館法上の博物館というものと、それからその要件を満たさないけれども、自称博物館といっているものがあるという、二つの種類があるということを前提にいたしましてお答えいたしますが、所得税の関係で、指定寄付として所得税が控除されるものに、金銭の寄付の場合、博物館法による博物館の施設建設費につきましては、指定寄付金として拠出者の所得から控除が認められるということになっております。それから所得税の関係では、別に国税庁長官の承認を得た場合、それには条件がございますけれども、国税庁長官の承認を得た場合には、所得税の非課税、免税があることがございます。また、博物館法による博物館、あるいは博物館法によらない博物館の場合であっても、条件によりまして相続税、贈与税が減免になることがございます。その内訳に至りますと、税金の問題は非常にむずかしゅうございまして、私はうまく説明ができませんが、概況そういうことになっております。 登録免許税につきましては、非常に不勉強にして、まだ私存じておりませんので、大蔵省の関係の方からお答えいただきたいと思います。
○山田(太)分科員 大蔵省の答弁をいただく前に、いまの局長の答弁の中にありましたように、「ことがある」というところ、それから選択制であるということ、この点を含めて答弁を願いたいと思います。
○平尾説明員 いまの御質問は税金の全般にわたりますから、あまり技術的に入り組んだ点は省略いたしますけれども、一応御質問の範囲に入ります税金をカバーいたしまして、現在の制度の御説明をしたいと思います。 御承知のように、ある人が他の人に贈与をいたしますという場合に、通常一般の場合であれば贈与税がかかる、特別な場合であれば、法人の場合にも贈与税がかかるわけでありますが、同時に、他方贈与した人に、いま先生が指摘になりましたように譲渡所得税がかかるわけです。しかしながら、いま御指摘のような、博物館であるとか、いろいろな社会政策的、あるいはその他の政策目的から特別に免除をする場合がございます。 事の順序として、最初の贈与税から申し上げますと、一般に贈与税は、四十万円の基礎控除を除きまして、通常の場合には贈与税がかかるわけでございますけれども、いま御指摘のような博物館の場合、これは博物館法による博物館であると、博物館法によらない私立の博物館であるとを問わず、相続税法六十六条四項という規定がございまするが、この四項の規定によりまして、この要件に該当する場合には贈与税は付さない、もしもそれが生きている人の意思によって贈与をされるのではなくて、なくなられた方の遺言によりまして遺贈いたしましたという場合には、相続税の問題が起こるわけでございまするけれども、その相続税もそういう要件に該当するときには、これを課さないという規定が六十六条にございます。相続税法六十六条四項に、そのような場合の贈与税と相続税は、特に当該贈与または遺贈によって関係者の、あるいは関係者についての相続税または贈与税の負担を不当に減少するというようなことが認められない場合には課さないということになっております。 その次に、所得税の問題でありまするけれども、所得税は、先ほど文部省からも御答弁がありましたように、第一に博物館に寄贈する物件について譲渡所得の発生があった場合に、特別措置法第四十条の規定がございまして、特に大蔵大臣の承認を得ましたときには、その譲渡所得税は課税をしない。法律的な、技術的な書き方でございまするけれども、当該譲渡については贈与または遺贈がなかったものとみなすという規定がございます。この規定によりまして、四十条並びにこの四十条に基づく租税特別措置法の施行令の要件に該当いたしました場合には、それが博物館法による博物館たると、私立の博物館たるとを問わず、譲渡所得税は課税をしない。その要件というのはかなりこまかく具体的に定められておりまするけれども、ごくかいつまんで申し上げますと、先ほど申し上げました要件とかなり類似していることがございますけれども、その寄付を受けた……
○山田(太)分科員 答弁中ですが、持ち時間がきまっていますから、この陳情についてどのような措置を講じてきたか、あるいは講ずべき意図があるのかという点をお伺いしておるわけであって、現状そのものを聞いておるわけじゃないという点をあらためて言うておきたいのです。
○平尾説明員 実は私、いま先生の御指摘になりました陳情の具体的なケースについては存じ上げておりません。いま申し上げますのは、しからば措置法四十条の国税庁長官の承認によって非課税になる要件がいかなるものであるか、その要件に具体的に該当いたしますれば、国税庁長官が承認をいたしますから、非課税になるわけでございまして、具体的に何か先生が念頭に思っておられるケースがございますれば、それは税務署なり国税庁を通じまして適宜この要件に照らして承認をする、あるいは承認をしないで若干の要件の補正を求めるというようなことになろうかと思います。
○山田(太)分科員 時間がまいりましたので、いまの大蔵当局の答弁の中にありました具体的な例は岩国の西村美術館でございます。時間がありませんのでそれについての答弁は求めないで、あとで書類をもって私のほうにその経過あるいはこれからどう措置するかという点について知らしてもらいたいと思います。 そこで、これで質問を終わりまするが、最後に一点だけ、これは大事な問題だと思いますので……。 先ほど申し上げましたように、文化教育、社会教育、先ほど大臣の申されたように生涯教育あるいは継続教育とかいうことばも使われておりますが、この点についてはますます大事になってくる。したがって、いまの文部省のあり方といたしまして、この社会教育あるいは文化教育へのあり方と、それから学校教育を含めて、いわゆる教育行政、この教育行政と、現在の文部省ではそれをまとめた形になっておる。ところが、先進国であるフランスとかあるいはアメリカもそうであったと思いますが、その先進国等々を含めて見てみますと、やはりこの社会教育、文化教育に非常なウエートを置いております。文化省を設置して、そして教育行政を文部省でやる、そのような分離体制をとっているところは先進国では非常に多いように見受けておりますが、日本においても、この点の意見が非常に多くなってきております。いまその答弁する立場にないやも知れませんが、しかし、卓越した坂田文部大臣でございますので、将来の展望を含めてこの点についての御意見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○坂田国務大臣 諸外国につきまして、文化省を設けたり何かしておるということは、それなりにまた意味があると思います。私どものところでも、文化庁というものをつくりまして、文化行政を一括してやるという形になっておりますが、今後学校教育だけではなくて、社会教育あるいは文化行政の面において重点を置いていかなければならぬということは、先ほど来るる申し述べたわけでございます。これを行政的にどういうふうに扱うかということは、今後の大きい課題かと思っております。私どものほうでは、社会教育審議会が中間報告を出しておりますが、この三月には本答申を受けます。そういうようなことでございますから、新しい着想をもってこの社会教育というものを見ていかなければならない、そしていま先生のおっしゃいましたようなことをも含めて検討しなくちゃならないというふうに考えておる次第でございます。
○山田(太)分科員 質問を終わります。
○田中主査 次は、卜部政巳君。
○卜部分科員 三十分の限られた時間内でございますので、個条別にひとつ御質問をいたしたいと思います。 それは、まず飛鳥の保存政策についてお伺いをいたしたいと思います。この保存政策というものは、住民が、村民が要望して、そこに国と県、こうしたものが相まちまして行政機関が動き出し、完全なるいわゆる保存政策というものを行なう、これが筋でございますが、この飛鳥に関する限りは、この保存政策につきましては、村民が要望して行なったものではなくて、県と国、いわゆる行政機関が動き出したことによって始まった問題だと思うのであります。しかも、その政策につきましては、住民の意見というものが十分に考慮されていない。それどころではありません。それを聞く機会すら設けられていなかったという事実があるわけであります。この点につきまして、各項目別にひとつ質問をいたしていきたいと思いますので、簡潔に御答弁をお願いいたしたいと思います。 十二月十二日に文化財保護審議会からの新史跡の指定が一方的に指定されましたけれども、これには三地区ございます。飛鳥川、そして岡寺、それから甘橿丘ということがありますが、八カ所というこの問題も出てきておるわけでありますが、そのあとの五カ所は一体どことどこなのか、これが一つの問題であります。そしてまたいまごろ指定を行なうという理由は何であるのか。そしてまた八カ所の新指定の選択の理由。とりわけ甘橿丘についての理由を説明してもらいたい。続いて新指定史跡についての文化庁が希望する区域。その次、地元民との話し合いは土地所有者と直接行なう用意があるのかないのか。同時にことしの三月までに完了すると言っておるけれども、八カ所のそれぞれの期日というのはいつの日のことを言っているのか。 まず、この前段についてお伺いして、以下たくさんありますから、たくさん申し上げますとわからぬようになっても困りますから、この数点につきまして御答弁をお願いいたしたいと思います。
○安達政府委員 まず第一点の、住民との関係でございます。この飛鳥の保存につきましては、特に明日香村の前村長は、その身を挺してこの保存に当たってこられたわけでございますけれども、最近その飛鳥の近くまで住宅開発その他が迫ってまいりまして、この問題が大きくクローズアップされたということが第一点でございます。 この文化財保護審議会と、それから総理府にございまする歴史的風土審議会、この両審議会から答申があって、その答申に基づいて昨年の十二月十八日に閣議決定がなされたわけでございますが、この両審議会が答申をまとめるまでの段階につきまして、地元の意見は、この審議の段階でたびたび伺っておるわけでございます。文化財保護審議会につきましては、村長さん、県の当局の方々あるいは橿原市の方々に再度来ていただいて御意見を伺ったところでございます。それから歴史的風土審議会におきましては、県の知事が委員でございまするし、それから明日香村の村長さんが専門委員であられまして、会議のたびにいつもおいでになっていたわけでございます。さようなわけでございますので、政府全体といたしまして地元の意見は十分に反映した上でこの保存対策ができたものと私ども考えておるところでございます。 それから、指定の問題でございますが、この指定につきまして、昨年の十二月の十一日に、文化財保護審議会から、飛鳥関係の指定すべきものとして御指摘のございました飛鳥川、甘橿丘、岡寺跡、山田寺の追加の四件でございます。山田寺は地域の追加の問題でございます。この指定につきましては、審議会におきまして慎重に検討の上、これらの四件について、三件を新規に指定し、山田寺の追加指定をなすべきものとの決定を見たわけでございます。この飛鳥につきましては、特に全体といたしましていわゆる遺跡として考えられるものが、主要なものが六十件もあるわけでございます。そのうち主要なものをだんだんと指定をしていくべきものであると考えておるわけでございます。現在までのところはいまのようなところでございますが、この飛鳥川、甘橿丘、岡寺跡の指定の区域等につきましては、やはり住民の方々と十分ひとつお話し合いをし、むしろ十分内容をわかっていただいて、そういうならばという、そういうところで私どもも指定する。それがまた将来長い目で見ての史跡保存にも役立つものであると考えておるわけでございますので、私どもは今後——さしあたりいま三件につきましての指定地域の問題等につきましては、地元の村長さんを代表とするところの村の方々と十分ひとつ話し合いをし、了解と、またむしろ相互の協調の精神の中で指定を行なうようにしていきたい、かように考えておるわけでございます。 なお、今後どういうものがあるかということでございますが、たとえば板蓋宮、これはいま発掘調査が行なわれておりますが、そのところ、あるいは飛鳥浄御原宮、それから小墾田宮、これもいま調査をいたしております。それから坂田寺というようなものがだんだんと指定すべきものに入ってくるのではないだろうかというわけでございますけれども、われわれとして指定するにつきましてはやはり必要な資料等も精査いたしまして、また遺跡の現状等から見て、やはり早急に指定して保護する必要があるというものから漸次指定をし、その指定のときには十分その村とも話し合いをして、円滑にこの保存を協調してはかっていきたい、こういう考え方でございます。
○卜部分科員 項目別に申し上げて、若干早口で羅列したためにおわかりにくかったかと思いますが、一つ抜けていると思うのです。いまごろその指定を行なう理由は何か、このことについてひとつ明確にしていただきたい。
○安達政府委員 指定をいたします理由でございますが、基本的にはこれらの遺跡が重要なものであって、これについては、現状変更等につきまして規制をするということが第一段に出るわけでございます。それからもう一つは、これを単に現状変更の規制でなくて、これを史跡としての整備をして、往時をしのび得るような形に再現していくということが必要になってくるわけでございます。 そういたしますると、その地域をはっきりさせ、そしてさらに一そう詳しい調査もする必要があればするし、必要なところはこれを整備していく。そしてまたその次には、必要な場合には、これらの土地の現状変更を禁止する場合にはある程度の土地の買い上げとか、そういう次の手続が必要になってくるわけでございまして、したがって、そういうような、守るため、これを整備し活用するための前段といたしましては、これを指定するということが当然必要になってくる、こういうことでございます。
○卜部分科員 安達さんも御承知かと思いますが、飛鳥は、この指定される何十年、住民が破壊をすることなく守ってきておる地区ですよ。住民が守ってきておる。なぜにそれではそういう住民と話し合いを十分行なわずに、いまの安達さんのお話では、村長さんを集めましたわ、県会議員を集めましたわ、さらには新都市計画法の線引きが、原案が十一月二十八日に決定をされまして、縦覧をされていますね。これはちょっと違ったあれでございますが、しかしながら、その遺跡を守り続けてきたところの住民には何ら直接語り合おうとしない、それをもって十分語ったということ自体が私には理解ができないのですよ。ですから結果的に、私は、いままで飛鳥を守ってきたその明日香村民の犠牲の上に、今日こういうような保存政策というものが成り立つということ自体がおかしい、やはりこの点については十分にこれからも話し合う必要があるだろう、こう思うのです。 そこで、これは建設省の関係にもなるのですが、大体線引きの関係等については、公聴会を開くというのあがたりまえでしょう。どこでも公聴会を開いていますね、建設大臣なんかに——私は建設委員会に所属しておりますが、こうやっている、ここの場合はただ縦覧ですよ。こういうようなことをやっておいて、十分に話し合ったということ自体私は納得がいかないのです。 そこで、今後につきましては、いろいろ予定地が三月末に完了する云々ということが発表されておりますが、その予定地等については、十分に話し合うということについてまず御確認をいただきたいし、いまのお話しの中に出てきておりますが、往時をしのぶというあれが出てきております。文化財保護審議会の指定の中に出てきておるように、歴史的、自然的景観を含めて云々というのがありますが、この歴史的、自然的景観というものは一体どういうものですか。往時をしのぶといえばほんとうに——その往時というのは、皆さん方もお読みになったNHKが出しておりますNHKブックの「飛鳥」という本にも出てありますように、キンキラキンと建物がばあっと並んでおるじゃありませんか。そんなものをつくるというのですか。そんなものじゃないでしょう。そういうようなことからして、往時をしのぶ云々という、それも大切、大切だが、そのためには、やはり国の施策なんですから、これにはやはり民族の遺産を残していかなければいかぬというのは私はよくわかります。だからといって、やはり文化庁が、さらに文部省のほうからそれを行政機関的に規制をして、強制的に押しつけていくということでは私は当たらないと思うのです。そういう面で、ことばが前後しましたが、これから十分話し合う、土地の所有者と話し合う、このことについての確認をいただきたい、こう思うのです。
○安達政府委員 まことに御適切なお話でございまして、私ども十分に住民の方々ともひとつお話し合いをして指定をし、一緒になって守っていきたい、かように考えております。 第二点の、往時をしのぶというのは、非常に誤解があるかと思いますが、これは全部昔に返すということでは毛頭ございません。たとえば基礎の礎石などがあった場合に、それを土の中に埋もれないで、それを外に出して、そしてこわれないようにして、そして遺構をしのぶ、それから昔はこういうふうな機構であったということをむしろ心の中に描け得るような程度にすることでございまして、もちろんその昔に全部復元するということではございません。
○卜部分科員 そうすると、奥山地区なんかにも出てきておりますが、文化庁のほうからストップがかかった。しかしながら、発掘をして、それをもう一度埋めて、その上に建物を建てることを許可した個所がありますね。そういうふうな問題等について住民の方々との十分な話し合いの中で、そういう住民の方々の意思に沿い得るような措置をすみやかにやるということも、ひとつあわせて確認をしたいと思います。よろしゅうございますか。
○安達政府委員 まず第一番目としまして、飛鳥、藤原地方全体を、今後どういうふうなマスタープランで保護していくかという、そのマスタープランがまず必要でございまして、そのために明年度予算で保存整備対策協議会というものを設けて、これは学識経験者、それから地方公共団体、そういう方々に集まっていただいて、十二分にひとつ立てたい。それに従ってまた住民の方々と話し合いをして、最も適切で往時をしのび得るようなことを考えるようにいたしたいと思っておりまして、その間にはいま申し上げましたように、十分ひとつ話し合いをつけていきたい、かように考えております。
○卜部分科員 それから安達さん、もう一つ抜けておるのは、この地区の特別地区の中には甘橿丘というのがあるのですが、これが特別に指定された理由はどういうことなんですかということを項目の中にあげたのですが、その点の御答弁がなかったのですが、それはどういう意味でしょうか。地域的に見て甘橿丘、これがなぜにこの特別地区に指定されたのだろうかという理由についてですね。
○安達政府委員 指定の理由といたしましては、この甘橿丘が豊浦にある小丘陵で、山頂からは飛鳥のたたずまいが一望できる。允恭天皇のとき探湯が行なわれたところとされ、また大化改新の直前、蘇我父子が宮居になぞらえた邸宅をかまえたところといわれておる。史跡に指定するのは丘を中心とする丘陵地である、こういう指定理由になっておりまして、指定の理由としての部類としては、宅跡、住宅のあとですね、特に由緒のある地域、こういうことでございまして、現在これはいま御指摘のように特別保護区域に入っておりますけれども、この甘橿丘という面からいいますると、そのやっている地域は現在歴史的に見てなお問題がある。そこのところをもう少しやはり歴史的な観点から十分これを押えたい、こういう趣旨でございます。
○卜部分科員 了解しました。 ではひとつ次の項目に進んでまいりたいと思いますが、買い上げの問題に関してひとつ御質問をいたしたいと思います。 この買い上げの問題の中に、希望買い上げの計上というのがあります。さらにまた計画買い上げという方法がある、こういうふうなことがいわれておるわけでありますが、その予定地はどこか、同時にその希望買い上げも含めまして、坪平均の値段、その算出方法、これをひとつお知らせをいただきたいと思う。
○安達政府委員 現在文化財のサイドで買い上げしておりますのは、これはもちろん強制買上げの権限もございませんし、言うならば、すべてが話し合いの上で譲っていただく、こういうことになっておるわけでございます。したがって、計画買い上げ、希望買い上げというのも一つの考え方、そういうものでございまして、実際に出たものは、それが計画買い上げであるか希望買い上げであるかというような、そういう区別は厳密には、なしがたいのでございます。買い上げといたしましては飛鳥、藤原地区全体といたしまして、約三億というのを計上いたしておるわけでございます。飛鳥地区につきましては、飛鳥寺のあとの指定地で人家密集地を除いたあと、それから安居院のところを除いた部分についての買い上げをしてここを計画的に整備をしたい、こういうのが中心になっておるわけでございます。 なお、買い上げの価格は、これは実はそれぞれ何と申しますか、そのときの価格で、一般に土地を買い上げると同じ手続でやっておりますので、特に幾らというようなことは、土地等によっても違いまするし、これは大体その時価と申しますか、適正なる価格で買い上げるということでございます。
○卜部分科員 私は先般文化庁に福市遺跡の問題を申し上げて、これとは逆の立場から申し上げたわけです。しかし、なぜ私がここまで住民の立場の中でそれを訴えるかというと、住民が営々として守り続けてきたその努力に対して、それを単なる保存政策ということの中で、強制的に法的規制を加えていくということでは成り立たぬのではないか。そういう意味では、皆さん方も御承知かと思いますが、この線引きが行なわれた橿原宮、あそこら辺に安達さん行ったことがございますか。坪平均六万円ですよ。これを三億で計算したら坪何ぼになりますか。これは微々たるものですよ。それを、営々として守り続けた彼らに対してあまりにも冷たい仕打ちだと私は思うのです。大臣がおられますから、あとから総体的に大臣にお答えしていただきたいと思いますが、そういう面について、さらにあそこは安達さんも行かれておわかりかと思いますが、水田が多いのですね。それではその水田をどうするのか、その耕作権をどうするのかという問題もありますよ。でありますから、その点には適切な指導を行なって、水田が昔のことばで、安達さんのことばではありませんが、往時をしのぶというのであれば、稲穂が波打ったところで何らおかしくはないと私は思うのですね。そういう点のこまかな指導というものが何一つわかってないじゃありませんか。現実に飛鳥に行ってごらんなさい。ただもう、ばさんとやられてしまった。あとは何が何だかさっぱりわからぬというのが現実です。知っておるのは、村長さんとか、そういう村のボスだけです。それではあまりにも——そういうボスとか、村長さんが飛鳥を守ってきたのですか。守ってきたのは住民ですよ。国のいわゆる保護政策がないときにも、営々と守ってきたこの人たちに、あまりにもむごいんじゃないだろうか、こう思います。そういう面におきまして、私は小さく個人のことを、社会党は何ぼでも取ってやろうだとか何とかということを約束してきたとかいう、こういうことでしゃべっているんじゃないのです。これは保護政策の中から、保存政策の中から、当然そういうものが出てしかるべきだということを私は訴えておるわけであります。そういうふうな面からいたしまして、著作権についてということや、それからまたそれが認められないとすれば、農地を奪われたところの農民に対する生活保障はどうするのかという、この問題をひとつお答え願いたいと思うのです。これは農政にも関係するような大きな問題になりますがね。
○安達政府委員 この住民生活との調和をどのようにしてはかるか、これがこれからの文化財保護の中心課題であるわけでございます。われわれといたしましては、やはり史跡保存の立場からいたしますると、必要な土地は適正なる価格で買い上げをして、ただそれをほっておくのではなくて、それを先ほどのことばでいえば往時をしのび得るような整備をして、そしてその土地の人のみならず、全国の皆さんにもそれを見ていただく、こういうことが中心でございます。 その他の一般の農政の問題になりますると、われわれとしては住民の方々の生活の問題、そういうことはやはり政府全般の対策で考えなければならないわけでございますので、ひとり文化庁のみのよくするところではございませんけれども、住民との話し合いの過程におきまして、これはこうしたいというようなことがあれば、これはやはり人ではなく、ご自分のこととして実現に努力するようにいたしたい、かように考えます。
○卜部分科員 私は、やはり法的規制を加えたというその中には、ある意味におきましては農民の方々がビニールハウスなんかをつくったりなんかしまして、景観を著しく傷つけるという、そういう心配が出てきたことも事実だろうと思うのです。しかし、それは一体なぜそういうものが出てきたかといえば、坂田大臣もおいでになりますが、これはもう農民不在の農業政策のしからしめるところじゃありませんか。生産調整だ。いや、米をつくれつくれといっておいて、いいですか、民族の苗しろだなんて言っておいて、米が余ったら米をつくるな。そういうようなかっこうになってくれば、やはり何かを求めて、ビニールハウスでもつくって野菜でもつくっていこうというのはあたりまえの話ですよ。そういうふうなかっこうからして、こういう保存政策というものは、そういう面についても考慮せなければなりませんが、これは根本的な問題ですから、ここで討論してもしかたがありませんから、これは坂田大臣の頭の中にしかと入れておいていただきたい。 それからもう一つ私が指摘をしたいのは、そういう特別地区に指定されたところの地区は、やはり特別な価格で買い上げてやるべきだ。買い上げてもらいたいという住民の声を安達さん直接聞いたことがありますか。
○安達政府委員 まだ飛鳥地方の買い上げは始まっておりませんが、たとえば太宰府をこの前指定いたしましたときに大問題になりました。これにつきましては、夜を徹して三日間ぐらい話し合いをいたしまして、住民の方々もそれでは協力しよう、こういうことになり、それではこういうことでひとつ買い上げをしよう、こういうことで話がまとまったようなわけでございますので、私どもはそういう住民の方々の心を十分つかんで、住民の方々が一緒になって守っていただけるような、そういう形で今後とも飛鳥の問題についても進んでまいりたい、かように考えております。
○卜部分科員 先ほど安達さんがおっしゃられました大問題になった太宰府の問題でありますが、その農民あたりが何を言っているかというと、もう食えぬようになったというのです。それはやはり物価の値上がりですよ。だから、結果的にそういうものを現実に見ておりますから、農民たちはもう土地を手放したくないという、これは農民の持つ当然の感情だと私は思うのです。そうした面での——ただ買い上げという問題で主張する村民もいます、だけども私の土地は手放したくないということで主張する村民の声はまちまちです。これは私たちもまとめようとしてもまとめ得ません。しかしながら、言えることは、先ほど結びましたように、そうした飛鳥を守ってきた人の生活を守ってやるという配慮がなければならぬのじゃないだろうか、私はこういうふうに思います。 そこで、坂田大臣どうでしょうか、いままでのお話の中でも、私は決して住民の利益のために個個の方々に、この保存政策にこと寄せて金をぶんどってきてやろうという、そういうちゃちなことで発言をしていないつもりです。ほんとうに民族の遺産を守り続けてきた村民たち、住民たちに、あたたかい措置を加えてもらいたい。ほんとうにそこにあるところの水田なんというものは、三反か五反というところが多いのですよ。多くて一町か二町というようなところですね、行ってみればおわかりかと思いますが。そうした面で、ひとつ坂田大臣も乗り込んでいって、この人たちとひざを交えて話をしていただけるぐらいの誠意があっていいのではないだろうか。単に村長だとか、県会議員ぐらい集めて話し合うことがないようにお願いしたい、こういうふうに思います。 と同時に、先ほどの三億という問題もございましたが、その意味におきましては金でもって解決する問題ではないにしても、そこに何かあたたかい政府の愛情がその中ににじみ出る施策を行なっていただきたい、私はそのことをお願いをする次第であります。 時間が刻々と迫ってまいっております。まだたくさんの問題がございます。こういうたくさんの特別地区に対する法的規制、さらには何というのですか、基準その他いろいろな問題がございますけれども、きょうはこの程度におきまして、今度またピンチヒッターになりまして、委員を差しかえていただきまして、この飛鳥全般の問題、さらには遺跡の問題等について、ひとつ御質問をしたいと思います。 と同時に、ひとつ文化庁のほうにも、それから文部大臣のほうにも、特に文部大臣のほうに私は申し上げたいと思いますが、建設予算の中にも、今度の風致地区の問題等について、去年の予算とことしの予算はひとつも変わってない。ほかのところはパーセンテージによって、御承知のよう国家予算は上がっていますね。この問題に関する限りはひとつも上がっていません。いかに文部大臣が、飛鳥を指定した、民族のよりどころはこれこれだというふうなことを言っておりますけれども、こういうふうな予算というものは私はごくまれだと思うのです。これは飛鳥があるからたまたまにして文化庁の予算がふえたのですけれども、こういう民族の遺産を守るために大臣は、大蔵大臣あたりと渡り合ってでも、これはGNP二位だとかなんとかいっていますけれども、こういう民族の遺産があって、さらにそれが次の子孫へ継承されていくのですから、考古学というものは今日の時点においてわからない問題でも、将来これがまた大事なものだということがあるのですから、この点はひとつ大臣のほうからも強く要請をしていただきたいと同時に、文化庁はやはり大臣のもとにあって胸を張って堂々と主張を述べて、ちょっと頭が上がらぬからなんというようなことがないように、ひとつがんばっていただきたいことをつけ加えまして、終わりたいと思います。 以上、申し上げましたが、あとのことにつきましては、委員会のほうに譲りたいと思います。どうもありがとうございました。
○田中主査 この際、暫時休憩いたします。本会議散会後、直ちに再開をいたします。 午後一時五十三分休憩 ————◇————— 午後三時五十二分開議
○田中主査 休憩前に引き続いて会議を開きます。 質疑を続行いたします。西中清君。
○西中分科員 近年都市への人口集中による宅地の開発並びにその人口増加、これは教育の面でも、児童の増加ということで非常な問題になっておりますが、これに関連しまして、小中学校の校舎の新築、増築並びに用地取得費等が非常な額に達しております。これが地方公共団体の予算に相当な部分を占めておって、他の福祉行政、一般行政をはなはだしく圧迫するというような現象が生じております。これについては、私も一例をあとであげたいと思うのでございますが、文部省としては、たとえば五〇%前後を占めるような、一般会計予算から教育費がそれほど出ておる。もちろん新築、増築だけではなくて、一切の教育費ではございますが、実際問題としてそのようにたいへんな部分の予算を占めておるというような市町村があるわけでございます。これについて、時間もございませんのでさっそく問題に入らせていただきますが、学校建設、増設における問題は、学級数による実施面積、必要面積の算定基準というものがありますが、これは非常に低い。文部省の規定で算出すると、たとえば監理室がとれないとか、したがって、特別教室の面積も非常に狭くしなければならぬとか、たとえばいま建設中の、これは京都の例でございますが、長岡第五小学校では、監理室は補助金のないプレハブで建設中である。それから給食室もつくることができない。他の学校から給食を運搬する予定であるというような、こういう現況で建設が続けられております。こういった点から、必要面積というものが何年も前にきめられたもので、実情に即しておらないのではないか、こういうようにみないっているわけでございますが、文部省として、この算定基準を大幅に改善するつもりがあるのかないのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○岩間政府委員 先生御指摘のとおり、現在の基準というものが相当実際に合わないというふうなお話がございましたが、そういう面は確かに私どもも認識をいたしております。一例としておあげになりました給食室等の問題につきましては、これは給食室等を持っている場合にはある程度弾力的な運用をはかるというふうな面でカバーをいたしておりますけれども、やはり絶対的な量というものが足りないという面は御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、その基準面積につきまして、いろいろその拡大をはかるというふうなことをやりたいのでございますけれども、実はいま御指摘になりましたように、人口急増地帯の校地、校舎の問題あるいは過疎地帯の学校統合の問題、あるいは危険校舎の増加の問題、そういう問題が山積いたしておりまして、実はそちらのほうに追われて、まだ基準まで手がつかないというのが実情でございます。私どもとしましては、できるだけ事業量を拡大いたしまして、そういうことが起こらないようにいま努力をしているところでございますけれども、基準の問題は、大きな問題としまして、今後の課題として検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○西中分科員 いま今後の問題として考えていきたい、こういうことでございますが、これはたとえば、本年に何とかこれを考え直したいという意向なのか、その近い将来というのは数年かかってやるという考え方なのか、その点もう一ぺん。
○岩間政府委員 ただいま申し上げましたように、実はいろんな問題にいま追われておりまして、その上に一つ私どもとして非常に痛いことは、単価と構造比率の引き上げという問題がございまして、来年度の予算でも、百六億の増加のうちで、四十四億がそのためにとられてしまうというふうな事態がございます。もしそういう問題がございませんでしたら、基準の改定ということも比較的やさしいわけでございますが、現在その単価を引き上げなければいかぬ。それから事業量を伸ばさなければいかぬ。それから人口急増あるいは過疎の問題、あるいは危険校舎の問題もやらなければいかぬということで、実は手が回りかねておるというのが実情でございまして、私ども機会がございましたら、できるだけ早くやりたいという気持ちは持っておりますが、それにどうも追いつかないようで、ある程度弾力的にこれを運用するということで、カバーをしてまいりたいというように考えているわけでございます。
○西中分科員 いまのはっきりしたお答えをいただけないわけでございますが、次に給食室について申しますと、これは学校施設事業の補助対象にならないんですね。そこで、これでは補助を受けることができない。結局給食室の補助は、体育館と同じ考え方にあるのかどうか。体育局が担当して非常に低い補助金を見ておる、こういうような実情だと思うのです。これは学校施設事業として認めることができないものなのかどうか、この点はどうでございましょうか。
○岩間政府委員 実はこの問題は、同じ省の中で、体育局のほうでは、強く特別教室その他と同じような扱いでこれを見るべきだというふうな意見がございます。私どももそういう意見を検討いたしておりますけれども、まだとてもそこまでいかないというふうな実情がございまして、この問題は将来の問題として省内でも問題になっておりますし、私どもも、この問題は真剣に検討してまいりたいというふうに考えております。
○西中分科員 どうも将来の話ばかりでございますが……。 それで、さらにおかしいことには、補助を受けてつくるとしますと、次年度以降は、施設事業として補助を受けた建物とその面積を合算して、そしてその学校の設備保有面積としての扱いを受けておるというのが現状だと思います。これはちょっとおかしいのじゃないか。これは一つの例なんでございますが、四十五年度かりに十二教室で千二百平方米ある。そこで、この学校給食室を百五十平方米かりに建てた。そうすると合計千三百五十平方米になる。ところが翌年度に三教室ふやして十五教室にする。教室面積としては千三百平米にする。こういうように、教室の上では百平米しかふえてないけれども、給食室が施設事業として追加をされる。ですから今度三教室ふやそうとしても、これは面積上からいったらもう千三百五十あるのだから、これは補助はできないぞ、合算をされておるからというような不合理がある。こういう点は直すということが——やはり実際上において教室をふやすのに補助金が受けられない、こういう現象が事実起こっておるわけでございますが、この点どのようにお考えになりますか。
○岩間政府委員 御指摘のような場合は、私もただいま聞いておりまして不合理な点があると考えます。したがって、この点につきましては是正をするという方向でやってまいりたいと思います。
○西中分科員 そういう場合に、いままではこれを町の費用でまかう、こういうようなことであったわけです。ですから教室数が不足となるので、これはどうしても無理してでもつくらなければならぬ。十二教室ではおさまらない、十五教室にふやさなければならぬ、こういうような状態でございますから、当然町の財政、市の財政などでは満足な施設がつくれない、こういうことが多々あったわけでございます。これは児童の教育上も非常に思わしくない、支障を来たすような現象でございます。 そこで、先ほど私も申し上げましたが、給食室の算定面積も、現在文部省の規定では非常に少ないのじゃないか、こういう懸念を持っておりますが、大体どれぐらいが適切だとお思いでございますか。
○岩間政府委員 ちょっと専門の体育局長がいま参っておりませんので、失礼します。
○西中分科員 私が聞いておりますのは五十九平米だ。実際建っておる学校の給食室というものは、やはり百五十平米以上あるのが多い。なぜかといったら、これは、設備の機器もいろいろな作業場の余裕も見込んでいった場合には、五十九平米くらいでは狭くてどうしようもない、こういう現状なんです。この点も私は算定面積が教室だけではない、やはりこれも非常に問題があるのではないか。でき得るならば一刻も早く改正をしていただきたいと思いますが、その点どうでしょうか。
○岩間政府委員 給食室につきましても御指摘のような点があると思います。私担当ではございませんが、いままで聞いておりましたところではあると思いますので、この点につきましても、先生御指摘のような方向で努力をしたいというふうに考えております。
○西中分科員 時間もないので次にまいります。先ほどもちょっとお話もありましたが、学校建設のための費用が非常に高騰しておる。これは非常に大きな問題でございますが、補助単価と実施単価の大きな開きの問題で、補助率が非常に低いために、実際問題としてはどこの自治体でも非常な出費をいたしておるわけでございます。これは京都府の長岡第三小学校の例でございますが、補助単価が三万三千円という算定でございますね。実際にどれくらい単価がかかったかと申しますと、平米当たり四万三百八十円かかっております。結局補助単価は三分の一ということでございますから、三万三千円の三分の一、一万一千円だけが補助金となっております。ですから実際から見ますと二万九千三百八十円、大体三万円くらいの費用がかかる。これは当然起債と一般財源から出費しておるということでございますが、私が言いたいのは、このために地方財政が非常に圧迫されておる。これは一つの例でございまして、この町の文教費というものはどれだけかかっておるかといいますと、一般会計歳出総額は、若干の端数がございますが、四十五年度で大体二十億円です。教育費総額が十億です。すなわちこまかく言いますと、五〇・六%という非常な率を占めております。ですからここにまいりますと、私の町では町政というものは学校のことだけなんです。ほかは人件費で何もできないのです、こういうのが現状でございます。私は、この点について、先ほどからいろいろと問題をかいつまんで急いであげまして、文部大臣は、改善するなり今後運用上の問題でというような御返事もございましたが、やはりこういったたいへんな急増地帯においてはかなりの問題があって、一文部省だけの問題ではなくて、これはやはり相当がんばっていただいて、何らかの処置をしていただかなければならぬのじゃないかというふうに考えるのですが、この点文部大臣いかがでしょうか。
○坂田国務大臣 人口急増地域に対します小中の校舎あるいは学校給食室等の費用で、その当該市町村の経費のほとんど半分も食ってしまう、あるいはもうそれ以上出さざるを得ないというようなところに追い込まれている、それから特に非常に社会増がひどいところは、土地を手に入れるのに、どうしてもその資金の手当てがなかったために困っておられるということで、実はことしから、もういつかも御説明を申し上げましたように、土地に対する国庫補助を実は初めて獲得をいたしたわけでございまして、昭和四十六年度分としまして措置対象額が全額で百八十億円、その三分の一の六十億円を補助する、しかしそれを三カ年間で支払うということで本年度は二十億。これとても十分ではございませんけれども、しかしいままでは全然そういう制度もなかった。これに対して制度をつくったということは一歩前進だと考えております。またそれにつきまして、これは自治省関係でございますけれども、、利子の補給ということもお考えいただいたし、あるいは土地に対する起債ということもお考えいただいたということで、まあこれに一つあらわれておりますのも、そういう地方財政の中に占める教育費が非常に大きいということにかんがみまして、このような措置をとっていったわけでございます。また小中学校の校舎にいたしましても、本年度は前年度に対しまして小学校が三五・九%の増、中学校が二二・二%の増ということで事業量の拡大もやった、あるいは単価増もやったということでございます。しかし全体を考えますと、全国のその急増地域の御要望には、まだまだ焼け石に水という認識でございまして、一そう今後努力をしなければならぬと考えております。
○西中分科員 実情もおわかりであろうし、いまも、文部省としても、自治省関係のことも含めてお話を願ったわけでございますが、実際問題として、これは一つの例、長岡町をあげておりますが、これは西日本で一番大きな町でございますね。ところが現時点でも町の財政をこのように圧迫をしております。いま、おっしゃった施策を全部予定をいたしましたこの町の四十六年度の予定でございますが、これでまいりますと、それでも町の財政的な負担は、教育費はやはり大体四〇%、若干下がったというところでございます。それから児童は、これから五年間で大体この地域は倍になるということです。まだこれから倍になるのです。 そこで、起債等を大いに認めていただきたいとしても、それだけの返済ということも考えていき、さらに、これから予定をされている小学校だけで、いままでの学校にプラス五つの小学校をつくらなければならぬ。中学校もそれに合わしてつくらなければならぬ。こういうような非常な財政上の今後の投資が見込まれておるわけですね。こういうこまかい一覧表がございますが、そういう点からいきますと、いまおっしゃられた問題については、当然これは一つの統計上の問題で、いろいろと考えてこられた問題だろうと思います。 先ほどから申し上げたいのは、急増地域といっても、ピンからキリまでといえば言い過ぎなんでございますが、要するに超急増地域と申しますか、そういう地域に対しては、これはやはり特別の処置を講じなければならぬじゃないか、私は、そのようにこういう実情から感じておるわけでございますが、そういうような超急増地域に対して、なお一そう強力な施策を講じられるお気持ちは、またお考えはないか、その点を文部大臣にお伺いしたいと思います。
○坂田国務大臣 こまかい点につきましては管理局長からお答えを申し上げますが、私どもが今回とりました措置は、実は超急増地域を中心として算定をいたしたわけでございます。でございますけれども、なかなかそれでもっては十分ではないじゃないかという気はいたしております。でございますけれども、これを実施しましてなおかつ不十分な点につきましては、御指摘のとおりに、前向きに積極的にまた取り組んでいかなければならない。 それからもう一つは、今度の予算要求でも単価増、アップというものをやりました。あるいは構造比率を改めましたが、さらに補助金の率のアップも、実は概算要求としてはお願いしたわけでございますけれども、その点は、どうもことしは認められなかったことでございます。この点につきましては、また来年度もひとつさらに要求をして獲得をいたしたい、かように考えておるわけであります。
○西中分科員 もうあとわずかでございますので、次の問題に移らしていただきますが、まず第一番に、私は古都の保存につきましてお話をお聞かせ願いたいと思います。 これについて、私がいまいろいろと御説明を伺った上で感じておることでございますが、古都保存について、京都の場合には歴史的風土の特別地区が非常に多いわけでございます。で、その買い入れ予算について、国のほうからの大幅な増額ということをお願いしたいというのが私の趣旨でございます。 御承知のとおりに、京都はそういった面積が非常に多いし、国の予算は四十五年度で四億円、四十六年度は五億円、しかもそれは全部がそれに使われるわけではない、こういうように聞いているわけでございます。現実問題として、京都ではこれについて十億円前後のかなりの買い上げ要求が出ておるわけでございますが、今後この買い入れ予算の考え方なり、また実際現在どういう考え方で進んでおるか、これについて御説明のほどをお願いしたいと思います。
○石川説明員 特別区域の買い上げでございますが、ただいま御指摘のように、京都、奈良、鎌倉等についてこの買い上げを実施いたしておるわけでございます。 現在われわれのほうは、御指摘のように四十五年度は四億円の国費、五億円の事業をやっておるわけでございまして、京都につきまして九件の買い入れの申し出がございました。そのうち六件を四十五年度で処理するというふうな状況でございます。 で、現在までの状況を申し上げますと、京都については、四十七件申し出がございまして、そのうち四十四件を処理しておるというふうな状況でございます。 ただいま御指摘のように、この買い上げにつきましては、これは計画的に買収していくということではございませんので、一定の規制がございまして、それによって著しい不利益を受ける場合に、買い上げの申し出があって、そうして必要なものから買っていくというふうなことがこの趣旨でございます。今後とも重要なものにつきましては、できるだけ緊急度に応じまして、この買い上げ身実施してまいりたいというふうに考えております。
○西中分科員 まあ要求に応じてということで、予算というものがそう計算どおりにはいかないという、確かにそういう面はあると私は思うのです。しかしながら、たとえば四十五年度の京都市の予算は三億一千万円、大体それくらい組まれでおったわけでありますが、本来でまいりますと、これは国が八割、市が二割、こういうことでございますから、三、八、二十四、二億四千万余り、こうならなければならないわけですね。ところが実際は二億円ちょっとというような実情でございます。こういう点で、要求が全部満たされないし、実際まだ国からの補助も少ないということで、これまた地方財政の負担になっておる。本来この古都保存については、歴史的風土の特別保存ということになれば、これは一地方自治体の問題ではなくて、日本の国全体としての考え方からいけば全部の財産ですから、私はこの八割の補助率も実はあんまり納得ができぬわけでございますが、まあそれはともかくとしても、予算上、こういう点ではもう少し考えてもらわなければならないのじゃないかというように感じておりますが、文部大臣、いかがでしょうか、この点は。
○安達政府委員 文部省と建設省の両方に関係あることで、その間の関連を申し上げますと、私のほうは、その中にある文化財の土地の買い上げとか、建物の修理とか、そういうことにございまして、地域全体の歴史的景観の保存になりますと、建設省のほうの所管でございますので、文部大臣からちょっと答えにくいのじゃないかと思います。
○西中分科員 では建設省からその点についてお願いします。
○石川説明員 現在公園の予算の中で処理しておるわけでございまして、確かに御指摘のように、今後買い上げは非常に増加するというふうなことでありますれば、全体の予算の中でこれをふやしていく必要があるかと思っております。ただ現在のところは、大体審査いたしました結果につきましては、十分とは申せませんが、ほぼ満足しているというふうな状況でございます。明年度におきまして、五億円、国費四億円というふうな事業を予定いたしておりますが、これも先ほど御指摘のように、近郊緑地整備地帯の買い上げ、と一緒になっておるのでございますが、できるだけ弾力的に運用して、緊急度の高いものについては要求に応じたい、かように考えております。
○西中分科員 私が先ほど申し上げたのは、実際問題としてきちっとしたお金が来ていないということ、これが一つ。それからもう一つ置いて申し上げますと、管理費は出ておりませんね、国から。その点も、これは地方自治体が持たなければならぬ。この二つと、あわせて御返事を願いたいのです。
○石川説明員 四十五年度は二億五千八百万円の事業でございまして、そのうち二億円を国費が出しております。それから管理費につきましては現在出しておりませんが、これは、実施している地方公共団体といろいろ打ち合わせ等をいたしますと、むしろ事務費をふやしてほしいというふうな、そのほうが実態に非常に合っているというふうな話がございまして、四十五年度から事務費の率を上げまして、地方公共団体が実際に調査あるいは管理等について運営しやすいように措置いたしておるところでございます。
○西中分科員 事務費なりそういうもので、納得しているということではなくて、やはりも管理費というのはこれは困っているわけです、よけいなのだと。私はそこのところを、なくていいものだという考え方ではなくて、先ほどから申しておるように、買い上げについての費用も、本来は全部国で出すべきではないか。そして管理費もあわせて本来ならばこれを出すべきではないか。ということは、なぜかというと、地方自治体ではやはり何だかんだと言って、おたくのほうに話が来るか来ないか知りませんが、やはりできるだけ金は出したくないのですから、なかなか処理してくれないわけですよ、買い上げしてくれと言ったって。それはなぜかというと、このほうに手をつければ若干なりともやはり金は出さなければならぬ。だからいろいろとむずかしいことを言って、結局その持っている人が、所有者が困る。きちっと、これは国で手当てをしていただければ、地方自治体だってこれはきちっとやるのじゃないか。土地は持っているわ、さわるな、そしてなかなか許可してくれないというような事例を聞いておりますので、やはりこれはこうしたお金を、国のほうで補助費というものをきちっとめんどうを見るということが私はたてまえじゃないか、それでなければ、こういうむずかしい問題はスムーズに運ばないのじゃないか、こういう意味で申し上げておるのですが、どうでしょう。
○石川説明員 国だけで全部見るというわけにはまいりませんので、これはやはり国と公共団体と協力してやらなければいかぬだろうと思います。御指摘のように、国の負う責務といいますか、そういうものが非常に多いことは事実でございます。したがいまして、八割の補助というふうなことになっておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、十分公共団体とも協議いたしまして、所有者に遺憾のないように、さらに今後検討いたしたいと思います。
○西中分科員 それから、それに関連しました買収手続の問題でございますが、現在所有者の買い入れ申し入れから買収までは、普通半年、長いのは一年、これほど時間がかかっておる。これは、書類の複雑なことだとか、いろいろむずかしい点はあると思うのですけれども、所有者としては、申し入れをした時点で、もうすでにこれは売りたいわけです。そういう点で、書類の簡素化、手続の簡素化等について一考される余地があるんではないかと私は考えておりますが、その点はどうでしょうか。
○石川説明員 この法律の趣旨が、全く利用させないんじゃなくて、ある一定の制限以上の利用を禁じておる、そういった場合に、たいへん著しい不利益がある場合に買い取りに応ずる、こういうふうなことになっておりますので、そのための審査等、あるいは必要性、こういったものについてかなり時間がかかるかと思いますが、これは御指摘のように、むだな時間をかけますことは非常に所有者に不利でございますので、できるだけ短い時間に、的確に処理するように今後とも指導してまいりたいというふうに思っております。
○西中分科員 時間がなくなりましたので、文化財の話はちょっと聞けなかったわけでございますが、文化財のほうも問題が若干あったわけでございますが、やはりこれは何といっても予算措置が一番問題だろうと私は思っております。そういう点もあわせまして、今後ともこの京都をはじめとし、奈良、鎌倉等の文化財並びに歴史的風土の特別区等につきましては、一そうの保護を強く要請をしておきたい、このように思います。 以上をもって終わります。
○田中主査 次は、鬼木勝利君。
○鬼木分科員 私は、文部大臣はじめ政府委員にお尋ねをしたいのですが、これは前国会でもお尋ねをしたのでございまして、特殊教育の問題でございます。心身障害児の出現率が百人に四人だ、こういうふうにいわれておるようでございまして、現在小中学校において五十三万人おる、こういうふうに、これはあなたのほうで発表してあるようでございます。しかもこの中で、特殊教育の諸学校に在学している者がわずかに三万五千人だ、普通の小中学校の、いわゆる特殊学級に在学しておる者が十二万人だ、これを合算しても、五十三万人に対する三割に相当している、こういう特殊教育の現状を文部大臣はいかにお考えであるか、どのようにこれを推進しようとなさっておるのか、その点について、まず文部大臣の御見解を承りたい。
○坂田国務大臣 いま御指摘のとおりに、日本における特殊教育というのは、少しおくれておると思います、率直に申し上げまして。私は就任以来、大学紛争収拾と、それからおくれておりまする特殊教育を何とかして振興させるということに主眼を置いて、今日まで努力をしてまいりました。 その一つは、まず第一に特殊教育の児童、生徒を把握するということ、一体どれくらいおるのかということ、それについての調査が十分でございませんでした。それからこの心身障害にはいろいろの、盲、ろう、あるいは精神薄弱、あるいは自閉症、肢体不自由等々、いろいろあるわけでござ いますが、日本の慣習としまして、親として、なかなかこれを届け出たり、あるいは明らかにすることを遠慮するといいますか、そういう面もあります。あるいは結婚その他の関係もあろうかと思います。そういうような事情で、実は調査も十分でなかった。 しかし、私は知恵おくれの子供にいたしましても、生まれてきた以上はこれに対してできるだけの教育をしてあげる、教育の機会均等を与える、またその教育方法を見出してやるということが一番大事だということで、実は検討いたしまして、まず最初に考えましたのは心身障害児、特殊教育の総合研究センター、いよいよ本年度の予算で第一期の工事が終わりまして、この十月から発足するということになっております。単に教育学だけではなくて、心理学あるいは精神衛生あるいは社会学その他あらゆる関係の学問を総合して、そうして特殊教育をどういうふうにするか、あるいはまたその方法を見出すということ、あるいは実際的にそれを経験してみるということ、あるいはまた早期教育あるいはまた社会復帰のための職業教育はどうするかというようなことまでも含めた一つの特殊教育総合センターを、実は神奈川の久里浜に建設中であるわけでございます。そういうようなこと。 それから、ことしの予算は、従来に加えまして、特殊学級に対する就学援助というものを新たに新規の予算として獲得をいたしました。そういうわけでございます。しかし、まだ緒についたばかりでございまして、これから本格的な振興対策を具体的に運んでいかなければならない、こういうふうに思っております。
○鬼木分科員 いま文部大臣の御説明で、そのお考えは大体わかったのでございますが、御案内のとおり、全国で小中学校が三万二千校からある。その中で三〇%云々の特殊教育の実際、現状だと非常に私は残念にたえないのでありますが、こういう気の毒な児童生徒を、もう少しあたたかい気持ちで推進していただかなければ、そもそも教育行政というものは、弱き者あるいは気の毒な者を救うということが大事なことであって、学校教育というものは秀才教育ではないのです。それはもう坂田文部大臣もよくおわかりと思うのです。こういう気の毒な人こそ、これを育成していくということが教育の本義です。そういう点からいいますというと、私はまことに遺憾にたえない。ただいまお話のありましたように、神奈川県に今回特殊教育の総合教育研究所を設置される。これは内閣委員会に設置法としてかかっておりますので、よく承知いたしております。これは確かに一つの前進である。私どもは大いに賛意を表しております。なおまた、内閣委員会において、詳細これは検討いたしたいと思っております。きょうも時間が限られておりますので、その節にまた詳細引き続き私は御質問申し上げたいと思っておりますが、五カ年計画で施設の整備その他を促進するというので、四十四年度から四十八年度にはこれを完成する、一応五カ年計画でやる、七〇%にまでこの特殊教育の完全教育をするように推進する、こういうようなお話を承っておりますが、これは四十四年度から始まっておるわけなんです。どの程度まで進んでおるのか。五カ年計画の最終年度である四十八年度までに七〇%の実績をあげたい。では今日はどの程度までそれが進捗しておるのか、文部大臣がおわかりでなければ局長連中でいいから、その点を明らかにしていただきたい。
○宮地政府委員 文部省といたしましては、特殊教育振興のために四十四年度から五カ年計画を立てまして、その整備に着手いたしております。考え方といたしましては、特殊教育の充実振興のためには、量的な問題、すなわち学校、学級を設置して、対象になります子供の就学率を高めていくような措置をするということ、並びに内容の質的な面の充実、と申しますのは、特殊教育につきましては、従来、戦前まで、盲学校、ろう学校といったようなものが特殊教育であるというふうな考え以上には出ておりませんでしたが、戦後は、それに養護学校、特に肢体不自由、精薄、病虚弱、こういった子供を養護学校で収容して教育をすべきである、さらに最近では自閉症の子供その他いわゆる情緒障害児の教育、こういうことで、従来これらの子供たちは一般の普通学級等に行っておりました。したがいまして、それを特殊学校あるいは特殊学級に収容してやっていく。そのためには、そういうことで従来から一般の普通教育に比べまして、特殊教育は教育の内容、方法につきましても立ちおくれておりました。そういうことで、五年計画の中では量の充実、さらに質の充実、あわせてやっております。 そして、盲学校、ろう学校等、これは先生お持ちの資料、先ほど特殊教育の対象になる子供が三 〇%程度しか就学してないといった資料の関係でございますが、私ども盲学校に例をとりますと、従来のような盲学校、これは大体視力が〇・一未満の子供たちが盲学校へ行くというふうに考えておりました。そういうふうな統計をとりますと、すでに九十数%行っておるわけです。しかし、少なくとも〇・一以上〇・三未満の視力の子供は、特殊学級に入れて教育したほうがいいであろうといったようなことでやっておりますが、とりわけ養護学校につきましては、肢体不自由の子供を対象とします養護学校は各県に一校ずつはできました。ところが病虚弱、精薄、これはいずれもまだ未設置県が二十九県前後ございます。四十四年度から今日までまだその程度でございますが、四十八年度を目標にいたしまして、養護学校につきましては、肢体不自由、病虚弱、精薄、三種類の養護学校が、四十八年度までに各県に少なくとも一校以上、いわゆる未設置県を解消するという目標で進んでおります。現段階では、ちょっとパーセンテージがとりにくうございますが、まだ未設置県が二十九県ということで、四十四年度当初に設定いたしました計画よりやや立ちおくれておりますが、四十八年度までには未設置県の解消をしたい、その他いろいろございますが、そういう形で進んでおります。
○鬼木分科員 養護教育、特殊教育の説明は、あなたがなさらぬでも、私のほうが知っているんですよ。三十年の教育経験を持っておって、学校長を十年からしているんだから、あなた方がそんなことを言わなくたって、私が教えてやりますよ。そうじゃない。しかもまだ未設県がある。県に一校だなんということ自体すでに間違いなんです。こんな不自由な方は、県に一校だなんて、就学が簡単にできますか。しかもまだ未設県もある。そういうずさんな説明では通りませんよ。しかも〇・一以下ならば九〇%なんて、そんなことはありませんよ。また事実、あなた方はそんなことをおっしゃるけれども、〇・一でなくても、〇・二とか三とか、実際に授業をするのに、生徒は授業は受けられませんよ。養護ということは、いまあなたのおっしゃったような精神薄弱者もおりますし、あるいは肢体不自由者、病虚弱、当然のことで、戦前はそうでなかったとおっしゃっているから、それに文句を言っているのじゃないけれども、養護ということば自体が、いささかでもからだに欠陥があって、就学に不自由だという人は、全部養護児童である。それを〇・一以上は除外しておるんだというような——除外をしてしまっておるとはおっしゃらないけれども、そういうような安易な考えではほんとうの教育というものはできません。 あと時間が十分しかないのでほんとうに、何ですが、いまあなたはまだ未設定の県があるから——そんなこともむろん大事ですけれども、特殊教育の教員の確保というような点については、五カ年計画の中ではどういうふうに織り込んでありますか。——いまごろになってあわてて話し合いをするようでは、特殊教育だなんていうのは何をやっているのかわからぬじゃないですか。
○宮地政府委員 教員養成につきましても計画いたしておりますが、まことに言いわけがましゅうございますが、所管局が大学の関係で、ちょっと私、教員養成計画数を持ち合わせておりませんでしたが、教員養成計画も当然織り込んでおりまして、国立大学に特殊教育の教師養成のための学科をつくりまして、例年二学科か三学科程度と思いましたが、はっきりした数字を持ちませんのでまことに恐縮ですが、当然養成計画も織り込んでおります。
○鬼木分科員 先ほど申しましたように、現在小中学校が三万二千からある、その中で養護教諭はわずかに一万五百人ぐらいしかおりませんよ。しかも、国立の大学なんかで養成している、おれはあまりようわからぬとおっしゃるから、あなたを責めるわけじゃないけれども、この一万五百人余りの現時点における養護教諭の中で、約四割は普通免許であって、実際に特技の免許を持っておる者はおりませんよ。こういう状態で特殊教育を論ずるということは、私は文部省としてはあまりにも怠慢だと思う。特にこれは、前回文部大臣にもお尋ねしたのですが、学校教育法の第二十八条に、「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」ようございますか、「置かなければならない。」これがたてまえですよ。「ただし、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」養護教諭を置かないことができるとは書いてない。中学校はこれに準ずる。でございますから、校長、教諭、養護教諭、この三本柱は置かなければならない。 ところが、今度は、あなたたちに都合のいいように逃げ道が、第百三条に、「小学校及び中学校には、第二十八条の規定」、いまの規定です。「規定にかかわらず、当分の間、養護教諭は、これを置かないことができる。」こうなっているのですね。これがあなたたちの逃げ道だと私は思っている。 そこでお尋ねしたいのは、「当分の間」ということは一体どういうことを意味するのだ。第二十八条とこの第百三条の関連を、あなたたちはどのように考えておられるか。文部大臣をはじめ、事務当局の方でもけっこうだから、この二十八条と百三条の関連性について、あなたたちは法的にどのようにこれを判断しておられるのか、それを承りたい。
○宮地政府委員 二十八条には先生のおっしゃいますように、「校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」というふうに書かれております。したがいまして、学校として当然これを置くのがたてまえであるということが、学校教育法の精神であり、規定と存じます。ただ、この養護教諭につきましては、これも戦後の制度でございますし、養成の問題その他いろいろな問題がございますので、精神、趣旨としては、いますぐにでも置かなければいけないが、そういったような関連で、しばらくの間は例外規定ということが、百三条の規定であろうと思います。したがいまして、できる限りすみやかに、二十八条の本則に返って、養護教諭が各学校に置かれるのが筋であるというふうに心得ております。
○鬼木分科員 お待ちなさいよ。いまあなたは「当分の間」ということを「しばらくの間」と、こう表現された。では「当分の間」と「しばらくの間」ということは、戦後二十五年も経過しておる、教育基本法ができて二十数年、二十三年にこれができたと理解しておりますが、二十年も三十年も、当分の間ということを言いますか。世俗一般、あなた方は三十年も二十年も、それを「当分の間」、「しばらくの間」ということを言いますか。坂田文部大臣いかがですか。三十年も二十年も「当分の間」と言われますか。
○坂田国務大臣 普通のことばで申しますとなかなかそういうふうには言えないと思いますが、率直に申し上げますとそうでございますが、この法律でそういうふうに書いてありますのは、もう少しやはり短い間にやるということを含めていっておると思います。しかし、こういうことになったわけで、その現実もまた現実でございますので、私どもといたしましては、ひとつなるたけ早い機会に二十八条に返るように最善の努力をいたしたい。その意味をもちまして実は特殊教育に対しても力を入れておるわけで、こういうようなかわいそうな子供たちのために、また、その子供たちのために必要な養護教諭を充実をするということは、われわれの当面の責任でもありますし、課題でもございますから、いましばらく時間をかしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○鬼木分科員 これはいま文部大臣も認められて、「当分の間」というのが二十年も三十年も続くわけがない。そんなことを「当分の間」というわけはない。これはお認めになった。だけれども、それではなるべく早くやらなければならぬ。なるべく早くということが、二十年も経過しておってなるべく早くということは相当しない。そんなばかな話があるか。なるべく早くやります、早急にいたします、それで二十年かかった、そういうことは詭弁だ。言いかえますならば、特殊教育に対して文部当局の意欲が非常に希薄である。これは坂田文部大臣お一人に申し上げるわけにいかぬ。戦後の文部大臣たくさんおかわりになったのですから、あなたお一人を私は言っておるわけではありませんけれども、いかに今日まで、文部行政が特殊教育に対して非常に冷淡であったかということを、如実に物語っておる。私どもも過去において旧制の高等女学校、ここらで三十年から教員をしたのです。だけれども、養護教諭だなんという問題に対しては、非常に冷淡だ。しかも、これはいま五カ年計画にほうり込んでおる。国立大学などでこれを養成しておるというようなお話もありましたけれども、これは毎年、私の記憶が違っておればごかんべんを願いたいのでありますが、千名有余の者が、若い前途に希望を持って、新しい人が卒業しております。 ところが、そういう特殊教育を受けた千名余の方が毎年卒業しながら、特殊教育に従事する方は二割にすぎない。そういう点から考えたときに、実際は非常に労苦が多い。ところが、給与の面は何ら変わらない。わずかに三千円か四千円の調整手当がついていることは知っております。しかしながら、いまあなたがおっしゃったようにせっかく養成はしておりますが、歩どまりはわずかにその中の何十%、そういう現状であることは御承知ですか。
○坂田国務大臣 先生はもちろん御承知で言っていらっしゃると思いますけれども、あの養護教諭というのは、学校で健康管理をやる先生方で、盲、ろうあるいは心身障害のそういう人たちのいわば特殊教育に従事する先生じゃないわけでございまして、しかしながら、その先生方が非常に不足しておる、あるいは十分な経験を持たない人が実際当たっておるということは先生御指摘のとおりなんでございます。 それからもう一つは、特殊教育というのが、盲とかろうとかいうのは、かなり日本は世界的に見ましても進んでおる国の一つだと私は信じております。しかし盲、ろうがダブったり、あるいはまたそれに精薄が加わったり、あるいは最近の情緒障害、自閉症といった問題となりますと、一体どういうような教育をやったらいいのかという、その教育の方法がまだ実は日本の教育界においては確立しておりません。世界においても、たとえばダブルハンディキャップの教育方法は、たとえば私も見てまいりましたが、アメリカのパーキンススクールなんかは非常に権威を持って、百年の歴史を持っております。しかし、まだ日本においてはこのダブルハンディキャップの人たちをどこまで教育できるのか。そしてその生徒を判別する先生もいない。そういう研究をやっている人も少ないわけです。それなくしては、ただその人たちを集めてみたところが教育方法がわからぬわけでございますからやれないわけでございます。そしてまた、そういう教育法がわからなければ、どういうような教師をつくるかということもわからないわけでございます。この辺のところをきわめてからでないと、特殊教育に対しての国としての確たる総合計画はなかなか立たない。まずもって総合研究所をひとつつくって、どういう人ならば教育ができる、あるいはどういう教育方法をやるならば教育ができる、あるいはまた社会復帰ができる、そういうような研究を実際的にやってみて、そしてそこで一つの方法が編み出されたならば、これを全国に及ぼして、三〇%しかないいまの特殊教育の対象の人たちを七〇%に及ぼしていこう。またそのための教員養成をどうするか、その先生たちをどうするかということもあわせて考えていくというのが、特殊教育に対する文部大臣としての総合的な、あるいは基本的な考え方である。現実は、まさに先生の御指摘のとおりにまだまだおくれておる。世界に比べて非常におくれておる。 それから、先ほどの養護教諭の問題については、また法文のとおりにわれわれのほうが計画的にやっておりますけれども、まだその「当分の間」で遅々として進んでおらないことは、まことに申しわけないことで、この点はすみやかにひとつ充実をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○鬼木分科員 いま文部大臣のおっしゃったことは、それは私はよくわかっております。養護訓練の担当について、たとえば盲目であって、しかも精神薄弱だ、いわゆる重複障害児、こういうような人を担当するところの教員の養成は、日本にはまだ今日ではないです。五年計画だなんということを言って、いま文部大臣は基本的な考え方をお述べになりましたけれども、文部大臣の考えておられるところの基本的対策というようなものは、五年計画に織り込んでいないじゃないですか。こういうようなものの養成機関はないのだ。なおまた、現職の教員の再教育を充実したいなんということが書いてありますけれども、こういう特別な特殊教育なんかを担当するところの教員を、十日や二十日や半月や一月で、そういう短期間のインスタント教育で専門教育ができるわけはないのです。ただいま文部大臣は、基本的姿勢をお述べになりましたが、それでは私は申上げますけれども、たとえば、指導要領には、特殊教育に対して、専門の機能訓練士を置かなければならないと書いてあるのですね。ところが、今日の免許法には、機能訓練士について何らの規定もないんだ。こういうところに矛盾がある。ようございますか。学習指導要領には、機能訓練士を置かなければならないということが載っている。ところが、免許法には、これに対するところの位置づけがない。そこで、せっかく機能訓練士が学校へつとめようとしても、やれ助教諭だとか助手だ、正式に採用ができない、だから、結局他の病院に移っていくというようなのが現状なんですよ。そういう点に対しては、五カ年計画の中にどういうように盛り込んでありますか。
○田中主査 鬼木委員に申し上げますが、だいぶ時間が超過いたしておりますから、その辺で締めくっていただきます。
○鬼木分科員 これは、時間も催促されておりますので、先ほど文部大臣にお話を申し上げたように、おたくの法案が内閣委員会に設置法としてかかっておりますから、その場合に引き続き御質問申し上げますので、おれは知らぬなんて言わぬで、知らなければ知った者を連れてきて、もう少し勉強していただきたいと思う。ようございますか。
○宮地政府委員 教員養成につきましては、先ほど私、数字を持ちませんでしたが、先生のお尋ねの養護教諭の教員養成と、いわゆる盲学校とか、ろう学校とか、養護学校の教員養成とございます。養護教諭のほうは、養護をつかさどりますが、これは特殊学校の教師ではございません。それから盲学校、ろう学校、養護学校の教員養成は、盲学校の教員養成コースを持っておりますのは、国立では二大学、ろう学校の教員養成コースを持っておりますのは六大学、さらに精薄、肢体不自由、病虚弱といった養護学校の教員養成コースを持っております大学は、四十三大学でございます。合わせまして五十一の大学が、特殊教育の学校の教員養成をいたしております。いずれも二十名ずつの定員でございます。 五年計画と申しますのは、特殊教育の振興についての五年計画と、それから教員定数を充実するための義務教育諸学校等の教員定数の充実のための五カ年計画とございます。養護教諭のほうも、それから養護学校等の教員の養成につきましても、いずれもこの五年計画と関連がございますが、需給関係は一応バランスがとれておると存じます。ただ、養護教諭のほうは、看護婦とか保健婦、こういう免許状をとる人と、あわせて養護教諭の免許状をとる人が同一人でございますので、養護教諭にならないで、看護婦、保健婦になっていくといったようなことがございまして、先ほどおっしゃいましたように、約三分の一の方は看護婦、保健婦等に流れていっております。しかしながら、文部省で立てました四十四年度からの養護教諭の定員と、それから特殊学校の五年計画におきます教員の定数と、いずれも需給はバランスをとっております。 ただ、先ほどおっしゃいました機能訓練でございますが、先ほど来申し上げておりますように、まことに申しわけございませんが、わが国では特殊教育というものが非常に立ちおくれております。したがいまして、養護学校の教員の免許状は渡しますが、特にそのうちで機能訓練のことを十分勉強して免許状を取得するといったような形になっておりません。したがいまして、学習指導要領で機能訓練を置きました。それにつきましては、いろいろなところで現職研修をしてもらいまして、その機能訓練を充実してもらいますが、さらに、先ほど文部大臣がお答えいたしました久里浜にできます特殊教育総合研究所で、そういった先生方への研修を来年から充実してやっていきたい。十分ではごいざませんが、そういう考え方でおります。
○鬼木分科員 いまおっしゃるように、養護教諭と特殊教育に携わっておる担当教諭と、それは違うことはもう当然のことです。だけど、あなたたちが特殊教育の五カ年計画をいま実施しておられるから、特殊教育に携わるところの人々の対策は織り込んであるか。それと私が申し上げておるのは、学習指導要領には機能訓練士を置かなければならないと載っておるのに、これに対しては、学校に採用する場合でも、免許法にはこれが何も位置づけがない。こういうところは考えておるか、こういうことを言ったんですよ。理解できますか。こちらでは学校に採用するといっておきながら、しかも、学習指導要領には機能訓練士を置かなければならない、置かなければならないと書いておるならば、学校教育に携わる以上は、何か免許法において規定すべきではないか、ここに矛盾があるのではないかということを言っておるのですからね。時間が来て催促されておりますから……。
○田中主査 鬼木委員に申し上げますが、なお詳細な御質問等は、文教委員会なり何なりでやっていただきます。 一言、宮地君から……。
○宮地政府委員 学習指導要領で、特殊教育につきましては機能訓練を大いに重視するということは規定いたしておりますが、そのために機能訓練の免許状を持たなければならないということは、いまのところは考えておりません。したがいまして、特殊教育学校の教諭の養成課程を卒業して、特殊教育学校の教諭の免許状を持ちました先生は、機能訓練について教え得るというたてまえで進んでおります。それと機能訓練についての現職研修等を、もっと充実してやるということとは、一応別個の問題でございますが、免許状は、機能訓練士の免許状というものは考えておりません。
○鬼木分科員 まことにありがとうございました。
○田中主査 山原健二郎君。
○山原分科員 私は、教科書について質問をいたします。 文部省はさきに、小学校五年の下巻の社会科につきまして、指導要領、指導書並びに教科書の中で、公害の記述の部分についてはこれを改めたというわけですね。これで問題はすべて解決したというふうに考えておるのか。総点検したあとで大体すべて正誤が正されたと思っておるのかどうか、最初に伺っておきます。
○坂田国務大臣 私ほ、総点検をいたしたわけでございますから、誠心誠意をもって総点検をいたしまして、大体これならばだいじょうぶだということで指導要領の改正、修正すべきことはやったつもりでございます。
○山原分科員 私の調査によりますと、ここへ教科書を持ってきております。またあとで文部大臣に問題になる点はお渡しをいたしたいと思っておりますが、実に多数の事実に反する個所が出てくるわけです。 その一例をあげてみたいと思うのですが、これは教育出版の小学校五年生の「標準社会」の同じ下巻の一二三ページにありますところの水島工業地域の記述についてであります。これは文部大臣にいまあげますからごらんになっていただきたい。個所を書いてありますから。「水島工業地域が、緑と太陽の町」ということになっているわけですよ。緑と太陽の町になることを前提として水島工場地帯の計画がなされた、こういう記述になっておるわけです。宮地局長にお伺いしたいのですが、事実はそういうふうになっておりますか。水島の事実をどういうふうに把握しておられますか。
○宮地政府委員 いま先生がお示しになられました教育出版株式会社の社会科五年下の一二三ページのまん中ほどから「太陽と緑のある町」にということで、「水島工業地域の建設もその一つであります」というふうに書かれております。
○山原分科員 これは事実に全く反しております。これは資料をいまさら申し上げる必要ほないわけですが、たとえばこの水島沖はヘドロが一メートルという堆積を現在持っております。また温排水の問題で六つの漁業協同組合がこの問題について抗議を現在いたしております。これは時間の関係ですべてを申し上げませんけれども、一つだけ文部大臣に聞いていただきたいのです。本日の山陽新聞です。本日出ております地元の山陽新聞にこういう記事が出ておるのです。「現実ばなれの校歌になやむ」という記事です。これは水島第四福田小学校の校歌にこういう文句があるわけですね。「水島なだのあけぼの かもめのむれがうたいます」という。これは校歌の一節ですよ。ところが、この第四福田小学校の校長先生の言が新聞に出ておりますけれども、全くそのようなイメージは現在ない。油のにおいばかり、カモメもいない。さらにその隣にあります水島第五福田小学校の校長先生は、「水島なだの汐の香を 胸に一ぱいすいこんで」という校歌があるわけです。これは胸に一ぱい空気を吸い込めばぜんそくになるということで、両校長とも校歌を変えなければならない、再検討しますということを新聞に発表しているのです。 こういう状態の中で緑と太陽の町という教育ができるのかという問題です。現場教師の立場に立って考えましたときに、これは明らかに子供たちに対して偽りを教えなければならぬという問題が起こるわけですが、これについて文部省当局の見解を伺っておきたいのです。
○宮地政府委員 先生のおっしゃいます御趣旨がどうもつかみかねるのですが、この教科書の一二三ページには水島工業地域が太陽と緑が満ち満ちて非常にりっぱなという意味で書いておるようには思えません。新しい工業地域の開発では、工場をつくるときには公害が起こらないように計画的に進めておる。そして水島、横浜の根岸地区、こういうようなところでは住宅地区と工場地区の間に広く緑地帯をつくったり、各工場のまわりも緑地を置くことなど計画的に進めてきましたということで、そういう緑地帯を置くような努力をしておるということが書かれておるように受け取れます。この水島工場地域が非常に緑に包まれたり、太陽がさんさんと当たって、空気を吸っても非常にきれいであるとか、そういう意味で、この水島工場地域をそういった形で、公害のない非常にりっぱな町だと称賛をしたような意味で書いておるのではないように受け取れますが、先生のお尋ねにちょっと答えになりますかどうですか、私どもはそのように受け取れるわけでございます。したがいまして、これが、水島工場地域というものは緑に包まれ、太陽もさんさんと当たり、空気もきれいないいところだというふうに書かれておるとするならば、これは私どもも指摘したいというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○山原分科員 それは全く詭弁なんですよ。「緑と太陽の町」というこういう見出しで書かれておりますし、第一、「緑と太陽の町」にするために工場計画が立てられたなどというものではないのですよ。水島工場地帯はいま瀬戸内海汚染の最大の原因になっております。全くこんなことを教えるような条件は現在ないわけですね。いま局長が言われるような答弁をされるのなら、次に文部大臣に渡してあります同じ教科書の宇部の地域について申し上げてみたいと思うのです。 この宇部は、公害を解決した町という形すべての教科書の中に出てきます。小学校五年生の下で、教育出版、「標準社会」の中でありますけれども、これによりますと、この一二五ページに「ついに宇部市は緑の美しい町に生まれかわることができました。」と書いてあるのですよ。ところが、宇部はいまどういう状態かということでちょっと申し上げてみたいのですが、これは私、本日厚生省の資料をいただいたのでございまして、「昭和四十四年度全国指定地域亜硫酸ガスによる大気汚染データ」これが出ております。これは昭和四十五年、昨年十二月二十八日、出たばかりなんですね。厚生省環境衛生局公害部でありますが、これによりますと、実にこの宇部は現在、宇部の記念病院の地域、市役所、岬小学校、環境基準に対し全部不適となっております。しかもこれを公害で一番有名な四日市の磯津とちょっと比較をしてみました場合に、緊急性発生頻度におきまして四日市磯津の場合は、緊急性発生頻度というのは年間一日ですよ。ところが、山口県宇部市は、緊急性発生頻度が二十三日となる。日数に直しますと、四日市の二十三倍です。さらに亜硫酸ガスにいたしますと、〇・二PPM以上の時間数を比較しました場合には、四日市の磯津が四十九時間であるのに対しまして、宇部市では実にその五倍、二百時間になっておるのです。これがついに宇部市は緑の美しい町に生まれ変わったのでありますという記述になるのですか、一言伺っておきたいのです。
○坂田国務大臣 先生も当然御承知だと思いますが、私が先ほどお答えしましたように、指導要領につきましては昨年の公害国会から変えたわけでございます。あるいは指導書を変えるように指導いたしたわけです。しかしながら、この四月から使われます教科書というのは、もうそのときにはすでに教科書ができ上がっておる、あるいはその途中にある、仕込み中であるというような関係であって、その段階に私は申し上げたわけでございまして、指導要領あるいはこれからの指導書等については配慮していくけれども、現在もうすでに出ておるものについて最大誤りのないようには努力をしてみます、しかし、場合によっては、それでできない場合は、これはやはり現場の先生たちが良識をもって指導していただきます、こういうようなことを私は申し伝えたわけでございます。 しかしながら、私どもも来年使います問題につきましても、こういうような観点でわれわれのほうで調べてみたらこういうような点はおかしいじゃないかというようなこともだいぶん折衝をいたしました。というのも、やはり著作者もありますし、出版社もございます。だから明らかにわれわれのほうが間違いだという点につきましては、これは間違いじゃないかということでこれを変えさせた。また著者にそれを了承していただいたということで変わったものもございます。ところが、なかなかその了承を得られなかったのもあるというようなわけでございまして、全部来年使うやつが完璧であるかどうかというような点については、あるいはいま御指摘のようなところを見てみますると、ちょっとやはり問題も残ろうかと思っております。
○山原分科員 大臣も認められておるようですけれども、この問題は実は簡単に文部大臣の説明を了承するわけにいかぬわけですね。私がいま申し上げましたのは小学校五年生の下巻ですよ。九月から使うものでありますし、ことにこの問題が問題化しましたのは、昨年の八月に、たしかわが党の小笠原貞子議員が参議院につきまして質問をいたしております。そのときに、文部省としても総点検を約束をしておる。そういう期間を考えてみたならば、文部省のほうでは総点検をしたのだ、誠実にやったのだと言うけれども、実際には精密な事実に基づいた調査は行なわれていないのではないかというふうに考えるわけです。ことに緑を取り返したなんというのはとんでもないうそです。これは昨年の六月二十三日の地元の新聞で宇部時報でありますけれども、これによりますとこういうふうに出ております。市がキャンペーンとして出しております街路樹が、まさに夏を迎えようとする時期に、青々と茂る青葉が全部枯れてしまった、こういうわけです。これは写真まで出ておるわけですね。青い落葉、青葉の落葉こういう記事が出ております。皆さんが教科書の中に書かれておる緑を取り返すなどということを、どうして先生方は教えられますか。宇部の先生方はどうして子供たちに緑を取り返した宇部市などということを教えることができるでしょうか。だから私はほんとうに精密な総点検をやったと考えることはできないわけですね。現場教師の立場に立って、この問題については、文部大臣が言われるように、少なくとも事実に照らして早く修正をすべきであると考えますが、この点について再度お伺いをしておきたいのです。
○坂田国務大臣 調べました結果、その事実に相違するというようなところがあれば、これは直さなければならないと私は思うのです。ですけれども、その直し方は、教科書はすぐ簡単にできるわけではございませんので、多少時間がかかるのじゃないか。その点をひとつお認めいただかなければならない。 それからもう一つは、一応発行所とそれからそれを書きました執筆者の同意というものを得てわれわれはそれを改定しなければならない。その辺のところをよくお含みおきをいただきたい。 それから非常にすっきりした形になるのはやはり今度の国会——この前の公害国会後、私たちが指導要領というものではっきり経済優先から人間尊重、優先という形に変えた。その時点から指導要領を変えて、そしてその後に検定が行なわれるときには、おそらく精密な審査が行なわれて完全なものになり得る。しかし、それまでの過程においては、やはり若干問題点があるかもしれない。あるかもしれないが、しかし、間違ったものを教えてはいけないのであるから、従来ここでもたびたび御質問がございますように、公害の問題は一定の基準を国のほうで定め、そしてあるいは指導要領に準拠してやるけれども、しかし、実際は公害の態様その他は違うから、現場において柔軟にやらないと公害教育ができないのだ、こういうようなこともきょうも御指摘がございましたが、そのとおりでございまして、教科書にそういうように間違ったことがあれば、その点についてはやはりその地域における先生方が良識的に、自主的に御判断いただいて教育をしていただく。またたとえば教師のための指導書みたいなものは、私たちのほうで指導、助言の形において、いろいろ誤りのないような教え方をやっていただくような配慮はできるかと思うのでございます。
○山原分科員 これは、いま公害に関した問題として出しましたけれども、この教科書全般を見ますと、小学校四年生から始まりますところの措置開発に至っては、至るところに問題が出てくるのですよ。たとえばこれは四国の香川県坂出の問題でありますけれども、これは中教出版の四年生の下、小学校の社会科であります。これによりますと香川県坂出の番ノ州工場地帯、これは坂出市民みんなが求めておるのだという記述になっております。ところが、全くこれは逆です。これは私は坂出の先生方から直接お聞きをしたのでございますけれども、この記述では教えることはできないというのですよ。と申しますのは、この番ノ州工場地帯の誘致にあたりまして、坂出市民の七三%の方々が反対の署名をいたしまして、市議会に対して請願を行なった事実があるわけです。だから、先生方が教えておる教室の中には、反対の署名をし、また反対運動を行なっておる父兄の子供たちがおるわけですね。それに対して坂出市民はみんなが工場誘致に賛成したのだなどということは、これは全く教えることはできないわけですね。しかも、この問題は現在でも係争中でありますけれども、そういう幾つかの事例から見ました場合に、まさに文部省が総点検をしたなどというのは、これは全く偽りではないかと私は考えるわけです。最近公害に関する記述について改定をしたということで、新聞などではいままでの企業寄りから政府寄りになったということが述べられておりますけれども、これは私は公害の個所だけ見るならばそうかもしれませんが、他の部分からこの教科書というものを見てみますと、全く企業寄りどころではなくて、教科書そのものが企業のPRになっておるというところがあるわけです。その一例を申し上げてみたいと思うのです。 これは日本書籍、小学校五年生下の小学社会、お持ちになっておるかもしれが、これは冒頭から豊田市の自動車工場というので、実に教科書の四分の一に近い三一ページを費やしまして、トヨタ自動車株式会社の宣伝になっているのですよ。豊田市の自動車工場といえば、だれでもトタタ自動車株式会社を連想することは当然のことです。その特定の会社のことが、教科書の中で実に三一ページにわたって冒頭から記述されている、全く無神経な記述だと私は思うのです。 それで文部省の通達によれば、御承知のように正誤扱いの通達が出ますけれども、そういうことはできなくなっているはずです。しかも、この写真を見ますと、たとえば写真の中に、ビクターの宣伝が写真に出ておるのです。これはビクターの写真が故意に出たのかどうかわかりませんけれども、要するに、このビクターの問題はあとにいたしまして、トヨタ自動車株式会社を何でこんなに宣伝しなければならぬのですか、こんなこと、点検の中で気がつかないのですか。教科書そのものが子供たちに対して強烈にトヨタ自動車株式会社というものを印象づける教科書になっておるわけでございまして、これは教科書の構成から見ましても、また文部省自身の三十八年度の通達から見ましても、全く違反しているのじゃないかというふうに考えるわけですが、どうですか。
○宮地政府委員 いま御指摘の小学社会五年の下、日本書籍のものでございますが、いま先生が言われまして、まことに恐縮でございますが、私十分これをまだ熟読いたしておりませんので、直ちに正確なお答えはできませんが、学習指導要領によりまして、こういった社会科で工業生産等のことについて子供の理解を深めるといったようなことから、教科書として日本書籍は豊田市のこの自動車工場の例をあげたものと考えます。しかし、現実の問題といたしまして、豊田市にトヨタ自動車工場があるということは、いろいろ勘ぐれば、あるいはトヨタ自動車工場の宣伝をしておるという御意見もあるいは先生のように出るかとも思いますが、しかしこれは自動車工場の自動車ができるまでの流れを、豊田市の自動車工場に例をとって書いておるというふうに私ども受け取ります。ただ、おっしゃいますように、特定の会社、工場のPRになるというようなことでございますれば、これは教科書執筆者が執筆しておりますので、私のほうから直ちにこれを責任をもって変えさせますというようなことは教科書検定制度からもできにくうございますが、特定会社のPRになるおそれが多分にあるということでありますれば、少し検討さしていただきたいと思います。
○山原分科員 あなたには勘ぐるとかなんとか言っていますが、もともとはあそこは愛知県の挙母市、それがトヨタ自動車会社ができたために豊田市となって、これは明々白々たる、トヨタ自動車会社と勘ぐるどころじゃない、愛知県の子供たちは豊田市といえばトヨタ自動車会社、豊田市にある自動車会社といえばトヨタであるということを、みんな、これは勘ぐるのじゃないですよ、事実でしょう。自動車会社は日産だってどこだってあるはずです。しかも、その一つの株式会社の記述が三一ページ、実に四分の一を占めているのです。先ほど申しましたように、幼い子供たちに対して、小学校五年生に対して強烈にトヨタ自動車株式会社というもの——しかもこの中には、精密な検査の結果というふうな、トヨタの宣伝になっているのですよ、PRになっているのですよ。トヨタ自動車といったって欠陥車が出たでしょうが。そういうことは一言も書かれていないのですよ。販売ルートまで書かれているのです。こういう記述、これに対するあなたの答弁のような無神経さというもの、ここに教科書の重大な問題があるわけです。あなた方は検定をする場合に、真実を明らかにしようとする態度でなくて、家永訴訟に見られるように、政治的判断をしていこうとするところに教科書のこういう欠陥が出てくるわけです。私はこの点をはっきりと申し上げておきたい。だから全部総点検しなさい、ここにある教科書を全部見てみなさい。そうしなければ先生方は安心して子供たちに真実を教えることはできない、こういう状態に立ち至っております。 私はいまこの企業との癒着の問題を申し上げましたけれども、時間がありませんからもう一つ例をあげたいと思うのです。文部大臣にも御報告がいっておると思いますけれども、愛媛県西宇和郡伊方町に起こった問題であります。ここには、四国電力の原子力発電所ができるということで、非常に大きな問題が起こっております。そうして実はこの四国電力は、この伊方町の土地買収にあたりまして、発電所をつくるのだということで、土地買収売買契約を農民の人たちと結んでしまった。農民の人たちは知らなくて判を押してしまったのですよ。ところが、あとでこれが原子力発電所であったということが知らされた、全く住民はだまされてしまったわけですね。これは新聞にもはっきりそのことが出ております。したがって、住民の方たちが反対運動を起こすのは当然でありますし、また住民の方たちが、初めてあらわれてくる事物であるところの原子力というものの安全性について研究をして、まだ危険性が残っておるというような不安を持ち、まただまされて土地買収が行なわれたということで、訴訟問題まで起こっておる、係争中です。 そういう状態の中で、本年の二月八日、最近のことでありますが、伊方町の町見中学校で、最も反対の強い地域でありますけれども、小、中学校の授業を正午から打ち切りまして、小、中学校の先生四十名を半ば強制的にセミナーに招集をしまして、そうしてその招集責任者は教育会といっておりますけれども、教育会の会長は同町の教育長であります。この教育長は、最後には教育委員会が招集したのだとはっきりと言っておりますけれども、この講師は四国電力原子力発電所建設準備所PR課長小野道男という人物であります。こういう形で、教育行政が企業と完全に癒着をして、しかも子供たちを授業を休ませて、そうして教員を強制的に集め、出席までとって教育を行なっている、紛争のまつ最中にですね。 さらに二月十七日に、伊方地区におきまして、これもまた正午から授業を打ち切りまして百二十名の教師を集めて、同じく四国電力のPR課長によるところの講習会を招集をいたしました。しかし、さすがにこれには反対がありまして、この日は講習会は中止されておりますが、しかし実際上は子供たちは学校から家に帰らざるを得ない。そうして中学生は自習をするという事態が発生をいたしております。しかも、この原発のことに関しては作文にも書くなというふうな教育が子供たちに強要されておるということが父母の間から出ておるわけであります。この前、二月の一日、二日、県の主催によりまして、原子力の問題について、東京工業大学の崎川教授などを呼びました講習会が開かれておりますけれども、これには先生方は出席要請をされておりません。四国電力のPR課長が講師であるときに先生方は強制的に招集をされているわけです。文部大臣が盛んに推賞するところの愛媛県においてはこういう混乱が起こっているわけですよ。しかも、この伊方町井桜教育長は、こんなことをやったって悪いことはない。さらに、二月十八日には、教育会運営委員会、これは教育長、小、中学校の校長によって構成されておるわけですけれども、四国電力から講師を雇ってやるのは当然のことだ、こういうことで再びこの講習会をやりますということを、はっきりと声明として発表しておるのであります。このような教育の乱脈について、坂田文部大臣はどのようにお考えになるか、お聞きしておきたいのです。
○宮地政府委員 お尋ねの件につきまして、私どもが関係者に照会いたしましたところ、この説明会を主催いたしましたのは伊方町の教育会で、現役の教員と教員を退職なさった方々で組織されておる会のようでございます。伊方町教育委員会は、先ほど御質問でもおっしゃいましたように、町民の間で非常に大きな問題となっております、この四国電力の原子力発電所の設置につきまして、少しでも事情を承知して、十分その様子も聞いて、地域の実情に応じた生徒指導を行なうことに資したい、こういうことで説明会を開催し、学校の側としてもこれに参加を申し出る教師には参加させたということで、一種の研修としてこの参加を認めた、強制をしてその講習会に行けといったようなことではないというように聞いております。ただ、午後の会合で、午後の授業に支障がありましたのは中学校が一校で、小学校は午前中の授業のようでございます。この中学校一校の午後の授業に影響のあるという点につきましては、開催時刻をおくらせるということも考えたが、交通が不便な地域も含んでいる関係上、放課後というのでは夜おそくなるというようなことで、やむを得ずこういう時刻に開いたという報告を聞いております。したがいまして、このような説明会が、小さな町の非常に大きな問題でもございますので、こういう説明会を開催をされたという点につきましては、私ども特にどうということではございませんが、主催者としては相当開催時刻を考えたようでございますが、それにしましても、中学校一校では一時間午後の授業に支障があったということで、できますことならば、学校の授業に影響を及ぼさないように、配慮の上にも配慮をしたほうが望ましいのではなかろうかという感じは持っております。
○田中主査 局長に申し上げますが、時間がありませんから、答弁はできるだけ簡潔にお願いいたします。 なお、山原君にも申し上げますが、お約束の時間が経過いたしましたので、結論をお急ぎ願います。
○山原分科員 あなたの答弁を聞いておりましたら、全くどんなことを文部省は調査しているのですか。新聞でもごらんになってください。あなた、退職教員でつくった教育会が、教師を集めて、授業をやらさぬなんということができますか。はっきり教育委員会がやっているのですよ。 しかも、教育会というのは、退職教員の会じゃないですよ。教育会の会長は、現職の教育長がやっていますよ。その理事には全部現職の校長が入っているのです。しかも、原子力発電所誘致促進委員会の会員に、教育長も、教育委員全員、さらに学校の校長も入っている。全く企業との癒着じゃないのですか。しかも、父兄の方たち、六つの漁業協同組合が、自分たちの漁場を守るために反対をしておる。賛否のことを本日言っておるのじゃないのですよ。原子力発電所というものについて、安全性の問題その他について町内が沸騰しておるときに、四国電力にとったら、学校の先生、校長さん方を自分の味方につけるということは、どれほど得になるかわからぬ。だからこの日は、七百八十円もする本を、全部、六十四冊も寄贈しておるのです。いわば買収をやっているわけです。そのものと結びついてやっておることを、授業が一時間減ったとかなんだとかいうようなことではなくして、文部省として正しかったかということです。当の建設を進めておる、強行しようとしておる四国電力のPR課長を呼んで、そしてやっておることが、正しいことかどうかということについて、何で文部省、判断ができないのですか。そういう感覚だから、トヨタ自動車株式会社を一つの教科書の中に三十一ページも加えて、点検をしても何にもそれを見出すことができないという感覚になってくるわけですよ。文部大臣にこの点について最後にお伺いしておきたいのです。こんなこと、中止させませんか。
○坂田国務大臣 四国の問題は、いま局長から御答弁を申し上げましたのを聞いておるわけでございますが、そういういろいろの問題が起きましたときに、当事者からも聞くということは、やはり大切なことじゃないかと思うのです。私ほその点を詳しくは知りませんかもしれませんが、やはり当事者の意見というものは一応聞く、それによって左右されるかどうかということはまた別ものとしまして、あるいはまた別な意見も聞けばなおさらいいことだと思いますけれども、私はそういうふうに思います。
○山原分科員 文部大臣、これは非常に軽率な発言だと私は思うのです。それは確かに先生方にとったら原子力発電所が来るという問題について研究したい気持ちもあるでしょう。では、県が呼びましたところの東京工業大学の崎川教授はじめ農林省からも行っています、そういう方たち、これは県のほうとしては決して中正な人ではなかったと私は思う。地元の人たちほ、この方々に対しては反対だった。しかし崎川教授が言ったことは、瀬戸内海に原子力発電所をつくることは私は賛成できないということも言っております。しかし崎川教授自身は、憶測でありますけれども、県が呼んだ講師でありますから、おそらく原子力発電所については一定の見解を持っておられると思うのです。賛成に近い見解を持っておられると思うのです。そういう方々の意見も聞き、またそうでない、安全性について別の見解を持っておる方の意見も聞くということ、そのことまで否定をしておるのではないのですよ。しかし、突然、いま係争中の、紛争が起こり、父母の間に大問題が起こっているときに、学校の先生が四国電力の当のPR課長を呼んでセミナーを受けるという、このことが許されるのであれば、これはまさに企業との癒着ということが問題になってくると思うのです。 だから、私は文部大臣に、時間がありませんから、最後にお伺いしますが、この教育長はまた四国電力を呼んでやると言っておりますけれども、これに対して適切な指導をするかどうか、そのことを伺っておきたいのです。
○坂田国務大臣 どちらがベターかというなら、やはりまた別な意見を持っておるあるいは学者の第三者の意見等を聞かれたほうが、やはりよかったなあというふうには私は思うのです。でございますから、その辺の事情につきましては、一応愛媛の教育長と相談をいたしまして、ベターなやり方をなさるように指導をいたしたいというふうに思います。
○山原分科員 最後に、この問題につきましては、時間が経過しますので、また文教委員会等において質問をいたしたいと思いますので、質問を終わります。
○田中主査 次は、松浦利尚君。
○松浦(利)分科員 私は三つのことを文部大臣並びに関係局長にお尋ねをしたいと思います。 その一つは、基地周辺の騒音校舎の問題であります。御承知のように基地周辺の騒音校舎につきましては、防衛庁のほうで金を出して、鉄筋の防音校舎をつくってくれておるわけでありますが、事実問題としてその防音校舎が効力を発揮しておるというふうに現在文部省は把握しておられるかどうか、そのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
○岩間政府委員 御指摘のとおり、周辺の防音校舎につきましては、これは防衛庁のほうでやっていただいているわけでございますが、先般も参議院の文教の関係の方々、与野党の先生方と私随行いたしまして視察をした例がございますが、それを見ますと、比較的そのところではうまくいっているというふうな認識を持ったわけでございます。しかし、その後参議院の文教委員会等の御指摘もございまして、必ずしも両方の間で連携が十分じゃないのじゃないかというふうな例も引いてお話がございました。私どももそういう点がまだあるという点は承知をいたしているような次第でございます。
○松浦(利)分科員 防衛庁との連絡が不十分なところがあるという答弁でございますが、具体的に防音校舎をつくった、防衛庁のほうでつくってくれた、それまではいいのです。冬は二重窓で締め切っておりますから非常にあたたかだ。冷暖房を回さなくたってあたたかだ。ところが夏になりますと、せっかく施設してある冷房装置を働かそうと思っても、各学校に割り当ててきた維持費がないために、結果的に、せっかくつけてある防衛庁がつくってくれた冷房装置というものを回転することができないわけですね。そのために窓をあけて、結果的には防音校舎をつくってみても前と全く同じという形が現実的に出てきておるわけですね。いまこういうことを言うとたいへんおかしいのですけれども、防衛庁が、国民にする意味で、盛んに基地周辺の学校については、陳情を受ければすぐ防音校舎をつくってくれることは事実です。しかし、こういうのも当然、防衛庁がつくるのではなくて、防衛庁の資金を文部省に回して、文部省が直接つくるということが私は正しいと思うのです、予算の使い方としては。しかしいずれにしても今日は防衛庁がつくってくれておることは事実です。ところが、つくってくれたけれども、それを維持管理するだけの金というものが義務教育にない、市町村にない。そのために、せっかくのこういった防音施設校舎というのが夏は使われておらないという現実が非常に基地周辺の子供さん方の学力を低下させておるということが、今日たいへん大きな問題になっておるのです。せっかくできた防衛庁による防音校舎の維持管理について、特に夏の冷房について文部省のほうはどのように考えておられのか。これからどのように改善しようとしておるのか。これは私はたいへん高いレベルの政治的な配慮が必要だと思うのです。そういう意味で事務当局よりも大臣のほうから、一体ことしの夏は防音校舎の子供は騒音に悩まされずに授業ができるのかどうか、そのことを私は明確に答えていただきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 御指摘のように、この防音装置につきましても、たとえば基地周辺は防衛庁、それから飛行機の発着のところは運輸省、その他は文部省というようなこと、これがはたしていいのかということは、率直に私自身も実は感じたのです。実際そうなっておったにしても、わがほうでこれを把握すべきである、そしていまおっしゃるように、どういうふうになっておるのか考えなければいけないということ、たびたび私も指示をしておるところでございます。したがいまして、いまのような問題がございますので、自治省とも相談をいたし、あるいはまた防衛庁とも相談をいたしまして、やはり前向きに検討しなければならぬ課題であるというふうに私は考える次第でございます。
○松浦(利)分科員 いま大臣から具体的に答弁がありましたから、私はこれ以上ここでこの問題だけ取り上げて質問しようとは思いませんが、ぜひ、せっかくできた施設が回転をして、子供さんたちがすばらしい環境の中で授業ができる、こういうことがことしの夏からすぐ実現できるように大臣の前向きの御努力を期待して、この問題を打ち切りたいと思います。 次の問題ほ、実は情緒障害児の問題です。私は情緒障害児を収容した学校を二、三校見て回りました。御承知のように、情緒障害児の中には登校拒否あるいは自閉症、てんかん、精薄、いろんな形の情緒障害児というものがあるわけでありますが、今日の文部省はこういう情緒障害児に対する指導というものが全くない。極端に言うと、そういう子供さんの扱いは現場まかせ、あるいは市町村まかせだという状態が私は今日の文部省の姿勢だと思うのです。 私は一つの例を申し上げたいと思います。それは、ある精神病院の中に小児病棟をつくって、その小児病棟の中に自閉症患者もあるいは精薄児も全部一緒に入れて、そして学校の先生だけそこに来てくれ。学校の教室じゃないのですよ。子供を収容する病棟をつくって、その中に子供さんを収容した、学校の先生来てください、そして学校の先生がそこに派遣されて子供さんを教えなければならぬという状態が現実に出てきておるのです。教育施設というのはないのですよ。そういう具体的な事実があることを局長御存じですか。
○宮地政府委員 いま御指摘のことに直接お答えする知識を持ちませんが、一般に、子供が特に肢体不自由等あるいは虚弱等で病院等に入院いたしまして、治療に当たると同時に、長期間子供が教育が受けられないのでは困るというような観点から、治療を受けつつ学校の先生が何人かの子供の教育に行くということは、これは最近の新しい教育方法として一つの考え方である。できることなら病院から外に出れない子供にやはり教育も与えていきたい、こういう善意な気持ちからやっておられることは承知いたしておりますが、いま先生がおっしゃいますように、いろんな種類の子供がおって、しかもその病院に先生がわざわざ来なければ教育が受けられないということでないのにそのようなことをしておるということでございますれば、少し調べさしていただきまして、教育的にも不都合があれば指導いたしたいと思います。
○松浦(利)分科員 いまの局長の答弁ですが、まだ現状の把握、認識というのができておらない、これから調査してみましょうという、具体的に言うならそういう答弁だと思うのですが、しかし実際問題として、身体障害児、こういう施設に対してはちゃんと学校施設があるのですね。あるいは国立療養所の小児病棟にちゃんと子供さんのための学校施設ができておる。これはちゃんとできておるのですよ。いま一番問題になるのは情緒障害児の問題なんです。身体障害児じゃないのです。情緒障害児ですよ。局長、情緒障害児ということを知っておるでしょう、どういう性質のものか、さっき私が申し上げたのだから。登校拒否児とか、あるいは自閉症、あるいはてんかん、精薄、こういった人たちなんです。ところが、御承知のように、こういう登校拒否という子供さんは、普通の教科書でもちゃんと教えることができるのですよ、頭がいいわけだから。ところが、自閉症の子供さんというのはマン・ツー・マン方式ですね。自閉症の子供さんに対しては、教科書に振り向かないわけだから、教えようにも教える方法がないのだから、当然先生が一対一で遊戯をしながら子供さんに目ざめさせるとか、そういった方法をとらざるを得ない。精薄の子供さんたちは、これは精薄児として精薄児の教育というものをしなければならぬ。ところが、今日ではそういうものが全く一緒になっておるでしょう。別々にちゃんと、情緒障害児に対して、自閉症に対してはこうしなさい、あるいは精薄に対してはこうなさい、登校拒否児童に対してはこうしなさいという指導をあなたは下部の教育委員会なり何なりになさったことがあるのかどうか、そのことをまず聞かしてください。
○宮地政府委員 自閉症児を含めまして情緒障害児の教育につきましては、いろいろむずかしい問題がございます。それは、その原因がまず十分明らかにされてない。したがいまして、教育の内容、方法にしましても、どのような形でそういう自閉症の子供等に十分な教育をしていったらよいか、そういったようなことが、正直に申しまして、率直に申しまして、不十分というよりも未開拓に近い状況でございます。そういうようなことから、文部省としても、はっきりとした指導は率直に申しましていたしかねますが、そういうことで、そういう子供たちの教育に携わられる先生方の研究会、講習会といったようなものを開きまして、関係の専門の先生などを呼んで講習会等をいたしております。しかし、何としましても、抜本的にこういう問題は医学上、心理学上、その他教育上、あらゆる面から総合的に一日も早く解明をしていく必要があろうということで、先ほど来大臣もお答えになっておられますが、特殊教育につきまして総合研究所を久里浜に設置いたしました。そこでいろいろ研究もし、学校の先生方の研修もしてもらい、さらにはベッドサイドティーチングのようなこともできるような病院施設も持ちたい、こういうことで、おくればせではございますが特殊教育研究所をつくりましたのも、そういう趣旨でございます。
○坂田国務大臣 ただいま局長からもお答えを申し上げたわけでございますが、おそらく十分な答弁ではないと思います。と申しますのは、やはり情緒障害はどうやったならばなおるかというその教育の方法が実はまだ確立をしておりません。したがいまして、ただいま申しましたようなことで、おくればせながら、しかし世界的にもまれに見るこのユニークな特殊総合研究所というものを設置しようといま努力をいたしておるわけでございます。たとえばこの情緒障害児につきましても、ある子供が、電源をいじったりすることに非常に一生懸命だけれども、全然見向きもしない、ところがあるときに音楽を教えるようなことをした、そうしたら、いままで全然見向きもしなかった子供が見向くようになってきたという経験。あるいはまた、私の娘が実は上智の心理学を出まして、この方面の研究をいたしております。したがいまして、情緒障害児を一年間十二名を預かりまして、いろいろやったわけです。これは踊りを通じてやりました。これはかなり効果があったということで、学会にも発表したり何かしておるようでございますが、そのように情緒障害児はどういう教育をやったならばいいかということにまだ確たる確信がない。しかし、先ほど御指摘のように、現場の先生がそれにぶつかって、言うならば試行錯誤の状況にあるということが実態かと思います。しかし、この問題はなおざりにすべき問題ではございませんので、われわれといたしましては、十分検討し、前向きに対処していきたいというふうに考えております。
○松浦(利)分科員 私はもっとこの問題で質問しようと思っておったんですが、いま大臣の前向きの答弁ですから……。 ただ、ここで、現場のほうで試行錯誤しておるという御答弁に対して、この際大臣にぜひ勇断をもってやってもらいたいことは、いま文部省に指導する方針がないから現場の先生にまかせきりですね。たとえば自閉症の子供さんなら、マン・ツー・マン方式で一対一で、遊戯施設を与えて、たとえば手まりなら手まりを与えて、あるいは積み木を与えてやることによってこの子供を目ざめさせることが可能だというふうに思っておっても、予算がないのですよ。金がない。また片一方のほうでは精薄児の子供さんがおる。ところが、その精薄児の子供さんと自閉症の患者さんを一緒に学校の先生が教えなければならぬということで、教え方が全然わからない。これは自閉症だとわかっておるから自閉症の教え方をしたい、これは精薄だから精薄の教え方をしたいと思うけれども、現実的に現場の先生の手がない。結局教える先生自体が頭が混乱をして、逆に言うとその先生がノイローゼになってしまって、もうどうにかしてしまわなければならぬ、こういう状態が生まれてきておるのですね。だから、少なくともいま言われたように、前向きでそういう研究室をつくったり、あるいは全国的な研究会を開くということは、私はたいへん重要であり、大切なことだと思うのです。それと同時に、現実的にいま現場でそういう苦労をしておる第一線の教師に対して、そういうものに対する予算づけ、特別の研究予算とか特別の学校の運営費とかというものは当然出すべきだ。それを出さない限り金がないからやれない。場合によっては、自分のふところから金を出して買ってきて教えざるを得ない、こういう現実というものが下部にあるのです。私が回った学校はほとんどそうでした。文部省に対して金を要求しても金をくれない、こういうふうに県の教育委員会あるいは市の教育委員会は必ず言うというのですね。 こういうことを考えてまいりますと、この際、大臣は、現在現場で苦労し、現在の施設に甘んじて努力をしておる学校に対して、あるいはそういう特殊な病室を使ってやっておるようなところに対して、一体いますぐどうしようとするのか。確かに研究施設をつくるということも大切ですけれども、現場に対してどうするのかということを、いま一度大臣から御答弁をいただきたいと思うのです。
○宮地政府委員 ちょっと予算関係だけお答えいたします。 いまお尋ねのようなこともございまして、従来、一般の学校には教材費で、おっしゃいますようなものは買えるような経費はいっておりますが、特に自閉症の子供を含めまして情緒障害児の教育を推進するため、文部省としましては、来年度も四十学級を増設していくということで、一般の学校の教材費のほかに、特に設備費三十万円、わずかではございますが、そういう経費で一学級当たりの予算も組んでおります。 さらに、こういう教育をしておられます先生方の研修会、講習会といったようなものも来年から充実してやることにいたしております。
○坂田国務大臣 ただいま申しましたようなお金でございますが、やはりそういうような研究、あるいはまた実際の教材等が不足しておるということにつきましては、事情を調査の上、われわれのほうでも考えてみたいと思っております。
○松浦(利)分科員 局長が三十万と言われましたけれども、ないよりもいいですよ。ないよりもいいことは事実です。しかし、具体的に三十万という金ではどうにもならないでしょう。四十学級ふやすと言われるけれども、むしろ統計的には情緒障害児というのはふえてきておるのですよ。なぜふえてきておるかということについても、学説がまばらで、いろいろな学説があってわからないというのですね。しかし、現実に減るのではなくて、情緒障害児がふえようとしておるときに、いま言ったような予算では、それはもう私はたいへんなことだと思うのです。自腹を切らなければいかぬのですよ。また、こういう情緒障害児、特に自閉症の子供さんたちを扱っておる先生というのは非常に熱心なんです。もちろん全部の先生が熱心ですけれども、それ以上に熱心に一生懸命やっておるのです。そういう現場の先生方に報いる道は、やはり来年度予算あたりでは予備費とかなんとかというのがあるわけだから、もっと積極的に、教育が大切なんだから、特にこういう情緒障害児という問題がだんだん社会問題になってきておるわけだから、いま局長が言ったようなことじゃなくて、私は大臣にもっと前進的に発言をし答えてもらいたいと思うのです、もう一ぺん。
○坂田国務大臣 学級当たり三十万円といったら、そんなにちっぽけなあれでもないです。かなりなお金でございますよ。(松浦(利)分科員「それは見解の相違ですよ」と呼ぶ)これは見解の相違かもしれませんが。でございますから、十分われわれのほうでも事情を聞いた上で、もし不足であるということであるならば、来年度はまた考える、こういうことで御了承を賜わりたいと思います。(「特に宮崎によくやってくれ」と呼ぶ者あり)
○松浦(利)分科員 私のところにたくさんくれというわけじゃないですからね。問題は三十万という金で、確かに額としては三十万は大きいようだけれども、それはほかの平常の学級に比べたら多いというだけのことであって、大臣、私は実際にそういう情緒障害児を収容した施設に行って、どういう状態かということを一ぺん見てもらいたいと思うのですよ。おそらく、口では言われるけれども、大臣は一ぺんも見たことがないと思うのですよ。私はそういう意味で、もっと積極的に前向きにこのことについては努力してもらいたいと思うのです。 三番目に、各種学校の問題について質問したのです。もう大臣も御承知のように、最近、雨後のタケノコのように各種学校がどんどんふえてくるんですね。それはみごとなものです。特に情報化社会に備えて電子工学院とか、あるいはコンピューター何とかといって、ほんとうにそれがまともな、社会に適応した施設であるかどうかもわからないにもかかわらず、誇大に宣伝をして、子供さんをたくさん集める。集めて教えてみたら、それは全然現在の社会には役に立たない、しかも場合によっては、入学金を取ったけれども、いつの間にか学校がどこかに行ってしまった、こういう状態も各種学校の場合にはたくさん出てくるのですね。こういう各種学校に対する文部省の統制といいますか、統制ということばが悪ければ行政指導というものが、この際そろそろ出てきていいのじゃないかと私は思うのです。 〔主査退席、伊藤(宗)主査代理着席〕 御承知のように、各種学校については文部省はそう強い権限を持っておられないし、これに対して行政指導するという面もそんなにない。しかし、これだけ雨後のタケノコのように各種学校というものがどんどん出てくる段階では、文部省がこの際積極的にこういった各種学校についても行政指導すべきだ、内容についてチェックすべきだ、誇大広告に対しては規制をすべきだ、そうしなければ、私は、各種学校に入ろうとする子弟を、また有為な青年を誤らすと思うんですね。また、みずからの職業をやめて、あるいは中小企業をやめて、新しい分野に進出するために各種学校に入ってみる、卒業してみたら、職業訓練所よりもずっと程度の低い、お粗末なところだったという話もよく聞くのです。こういう意味で、この各種学校に対する文部省の考え方、行政指導のあり方、今後の方針、こういったものをこの際ぜひ文部大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○坂田国務大臣 今日各種学校に学ぶ生徒あるいは学生と申しますか、約百四十万、高等教育機関、大学と称せられるのに学ぶ者が大体百六十万です。私は、この百四十万は、いまおっしゃるように、中にはいかがわしいものがあることも事実かと思います。しかし、中には、たとえばいま御指摘になりました電子工学院、私、参りました。見ました。その他相当優秀なものがある。あるいは、場合によっては短期大学よりもかえって実用的にはいいということで、むしろ短期大学や、大学に行くよりも——おかあさん方は短期大学に行ってくれとか、四年制大学に行ってくれと言うのに、むしろそうじゃなくて、おれは技術を身につけたいんだということで、各種学校に行く人もいるくらいな、そういうような傾向になってきておるわけでございます。そういう意味から、各種学校をよく学校じゃないんでつまらぬというような風潮も一面においてありますけれども、私は、そうじゃない、これが実際には相当日本の産業、経済をささえているんだ、そういう感じを持ちます。そうしてわりあいに健全でございます。私は学生たちとも話し合いをしたこともございます。そういう意味から考えますと、これはやはり私たちがある程度行政指導をやっていかなければならないんじゃないかというふうに思います。したがいまして、実はこれに対しても助成の道を開くように、振興会のお金を貸すことの道は、ある一定の基準のものに対してはたしか開かれているとは思いますが、しかし、もう少しそれを積極的に進めるというためには、やはり法的にその地位を確立する必要があるのではないかということで、実は法案も用意しておるようなわけでございまして、私どもも、御趣旨に沿いまして、この各種学校の新しい出発ということを考えておるということだけを申し上げておきたいと思います。
○松浦(利)分科員 電子工学院と申し上げたのは、一つの代表として申し上げたので、電子工学院が悪いというつもりの質問ではありませんから、その点はひとつ発言の内容について訂正をしておきたいと思うのです。 それで、いま大臣が法制化の準備をしておられる、こう言われたのですが、具体的にその内容についてここで発表できるのかどうか、そうして具体的にいつごろそういうものが法制化されるのか、その点は大臣の発言に関連をした質問で申しわけないのですが、お聞かせいただきたいと思います。
○岩間政府委員 今まで学校教育法の一部改正というふうな形で三回ばかり国会に審議をお願いしたことがあると思いますが、内容としましては、そのときの内容と変わっておりません。具体的に申し上げますと、現在ございます各種学校の中で、基準を法律ではっきり定めまして、こういうものが各種学校であるということを明確にするというふうなことでございます。それに伴いまして、副次的に、先ほど大臣が申されましたように、国のほうでもいろいろ便宜をはかる、あるいは助成をするというふうなことも今後考えてまいりたいということでございます。
○松浦(利)分科員 いまの答弁で大体わかりました。百四十万の就学生がおるということでございますから、ぜひそういった前向きの方向で、これら各種学校についての善処をお願いしておきたいと思います。 それでは、私の質問はこれで終わります。
○伊藤(宗)主査代理 井上普方君。
○井上分科員 だいぶおそくなりましたが、少しお伺いいたしたいし、また大臣の御見解も聞かなければならないがだいぶありますので、ひとつお許しのほどをお願いしたいと思うのです。 先ほど大臣は、いまの各種学校の問題につきまして、松浦君の質問の中で、母親は短期大学に行かせたいんだ、しかしそんな短期大学よりも各種学校がはるかに程度が高いんだ、子供をそっちに行かすべきだというようなお話がございましたけれども、国立の中につきましても、大学という名前はつかないが、内容は短大などよりもはるかに高いところがたくさんあります。それらについては、一体、大臣としてはどういう処置をとられ、また母親が短期大学へ行ってほしいという気持ち、これはどこに原因があるとお考えになりますか、この点ひとつお伺いしたいのです。
○坂田国務大臣 先ほど申しましたのは、ことばが足らなかったかもしれませんが、私が申し上げました一つの例は、母親のほうはできれば四年制の大学とかあるいは短期大学に行ってくれと言うのだけれども、その子供である本人は、むしろ私は、そういうような四年制の大学よりも、有接技術を身につけたいのだということで、むしろそっちのほうを選ぶのです。こういうことを申し上げたわけであります。
○井上分科員 私がお伺いしているのは、母親からなぜそういういい学校があるにもかかわらず、大学へ行ってくれ、そういうことばが出てくるか、この点をお伺いしているのです。
○坂田国務大臣 これは私の推測でございますが、おかあさん方の中には、そうでもない人もおられましょうが、あそこのうちの子供も大学へ行っているからうちの子供も大学へと、こういうような風潮も一面においてはあるということも事実かと私は思っております。自分の子供にどういう教育をしたほうがいいかというようなこととは別個に、母親の、ただお隣近所がそうだから私の子供も、こういう風潮は現実のこの世の中にやはりあるように私は思います。
○井上分科員 そのとおりだろうと思うのです。しかしいま社会につきまして、やはり大学出という、大学を卒業したということが社会の中においてある一定の評価を受けておること、これについては大臣もうなづいておられるから、御了承になっていただけると思うのです。そこで、このごろの短期大学のごときは、どこか裁縫学校に毛がはえたような、あるいははまた料理学校に毛がはえたようなものが、雨後のタケノコのごとく短期大学になっておる事実はたくさんあります。これは見解の相違といってのがれられるだろうとは思いますが、しかし国立の大学の中において、たとえていいますならば、養護教諭養成所のごとく、あるいはまた甲種看護婦の養成所のごとく、非常にレベルの高いところがある。ところがレベルが高いんだけれども、ただ大学という名前がつかないがために、世間がこれをきらうというような風潮があることも、大臣これはお認めになりますか。
○坂田国務大臣 そのような風潮があることも私は認めるのです。しかし、いま短大についての御見解がございましたけれども、短期大学を出られた女子の方が、そして母親になられるわけです。その方が短期大学を出ないままで子供を産み育てるということよりも、やはり高等学校以上の二年間の短期大学の教育課程を、これはいろいろの教育課程がございましょうけれども、それを受けて、そしてお嫁にいき、子供を産み、子供を育てそして子供を教育するということは、非常に有意義なことであるし、望ましいことである。ある女の方が自分のエキスパートで医学部に学び、お医者さんになることもけっこうであります。あるいは物理学を専攻して、物理学者になられることもけっこうでございます。また同様に看護婦さんになられることもけっこうでございます。しかし同様に、りっぱな母親になられることもやはり非常に大事なことだ。そしてそれは高等学校だけではなくて、短大で教育を受けられるという意味において、私は短大の意義というものも、各種学校の評価とともに、かなり評価をしておる一人であるということを申し述べておきたいと思います。
○井上分科員 私は短期大学の内容において、はたして大学の名に値する大学であるかどうか、疑わしいようなものも数多くあることを知っております。たとえていうならば、教授といっても、これこそ骨とう品のごとく七十八あるいは八十の教授がおられるというような大学がございませんか。そして出張教授と称して、一年の間に十日か二十日か行って、集中講義をやるというようなところがございませんか。こういうような大学があることは、文部大臣御存じでしょう。
○坂田国務大臣 そういうところもあるかと思いますけれども、しかしまた七十くらいの方であっても、若い者に負けないような見識と学識を持った先生もおられることもまた事実だと思うのでございます。そうしてまた先生は、大学といったら先生が御卒業になった大学だけが大学だというふうにお考えになっていると思いますが、今日では、むしろ高等学校を卒業した後における高等教育機関ということばで申し上げたほうが適切であって、それには、いろいろ昔の先生が御卒業になりましたような大学もございますが、短期大学のような大学もある、あるいはまた大学とは申しませんけれども、高専というような高等教育機関もある、こういうようなことで、この多種多様なあるいはいろいろのニードがある社会において、その高等教育機関が、さまざまの役割りを果たすということがきわめて大事なことではないかというふうに私は思うわけでございまして、短大は短大なりのやはり役割りを持っておる、こういうふうに私は考えております。
○井上分科員 それは、おそらく正常に、あなたのほうが大学設置法の教育課程どおりやっておられたら、そういう大学もあり得るでしょう。おっしゃるとおりだと思うのです。ところがそれをゆがめて、ともかく教育が行なわれておる大学が数多くある。しかも八十歳をこえた方でも、それは身体の状況あるいはまた頭脳の状況で考えられることではありましょうけれども、しかし一般にもう八十と申しますと、これは明治二十三年のお生まれです。美術品でも、新品としては百貨店には並びませんよ。芝公園の付近の美術店に並ばれるものです。八十年たちますとね。そういう方が——しかし笑いごとじゃないですよ、大臣。一例をあげるならば、なぜこういうようなことができてくるかといえば、大学設置審議会の委員、これも芝公園のあの付近に並べるようなお年寄りの方々が多いじゃありませんか。どうです。これは話は横道にそれますけれども、まずこれを聞いてみよう。大学設置審議会の平均年齢は幾つです。大学局長どうですか。
○村山(松)政府委員 正確に存じませんけれども、六十代だと思います。
○井上分科員 私はおととし調べたときには平均年齢七十歳以上だったのです。それからかなり脱落していっておる方もおられると思いますから、ちっとは若くなったかもしれませんが、新しく大学設置委員に任命する方は、おそらく六十以下で大学設置審議会の委員になっておる方はないのじゃございませんか。ここ一、二年の間どうでございます。
○村山(松)政府委員 大学設置審議会も、政府の審議会の委員の人事に関する一般方針に従いまして、連続して四期以上、あるいは連続して八年以上継続することは差し控えております。漸次交代いたしております。これも以前に御説明申し上げたと思いますけれども、大学設置審議会の委員の任用を行ないます場合には、慣例といたしまして、文部大臣は大学関係の団体の御推薦を受けます。推薦を受けない学識経験者も少数おりますけれども、大多数はそれぞれ大学関係団体の御推薦に基づきまして任用いたします。そういう関係からいたしまして、大学関係の団体から御推薦が出てくる時点において、かなりお年寄りの方が多いのが事実でありまして、それが平均年齢を高くしておるわけでありますけれども、文部省としては、そういう際に推薦にワクをはめるわけではありませんけれども、できるだけ若い方ということでお願いはいたしておる次第でございます。
○井上分科員 大臣、まともに御答弁にはなりませんけれども、それだけやはりお年寄りが多いということです。しかも大学設置審議会の委員というのは、各大学で第一線を引かれた方に名誉職的に与えられておる、これが実態じゃございませんか。これで先ほどあなたがおっしゃった社会の多様性が進んでおる現状、あるいは学問のどんどん進んでおる現状、この中において大学が対応できるとお考えになりますか、新しい大学をつくろうと思いましても。文部省が若い人を出してくれといいましたら、定年退職後一年か二年の人と若い人、これは片一方のほうをとって推薦するでしょう。ここらに新しい教育を目ざす坂田さんとしては矛盾を感じませんか、どうです。
○坂田国務大臣 私は、今度の大学制度改革あるいは幼稚園から高等学校までの制度の改革等につきましては、中央教育審議会にお願いしておるわけです。もちろん森戸先生は相当のお年でございますけれども、しかし若い者に負けない元気あるいは頭脳、それから見識もお持ちでございます。それからあの中教審の中には、最近かなり若い方方も入っていただいて、そして社会に対応する大学のあり方あるいは制度のあり方等を検討していただいておるわけです。大学改革をやりますと、おそらくたとえば設置審議会その他につきましても、大学審議会等のメンバーあるいは大学審議会のいろいろな基準の改正等もやらなければならないと思うのです。そのときには、やはりいまおっしゃるようなことをも含みながら選定をしなければならないというふうに私は考えております。
○井上分科員 大学設置審議会の委員が非常にお年寄りでありますので、大臣は弁護しなければならぬでしょう。そういうように話はほかへそらされるようでありますが、ともかく時代の要請、あるいはまた時代の多様化に、脳動脈硬化症を来たしておる方がだいぶおられますので、ひとつここら御注意になって、やはり新しい時代に即応した大学設置審議会の委員をつくらなければならないと思うのです。といいますのは、大学設置審議会の委員さんがどういう任務を持っておるか、このことについては文部大臣も十分知っておられると思う。私はあえてこのことは申しませんが、どうかそういう点で、審議会のメンバーなんかも三十代、四十代の人たちをどんどん出せるようにしていただきたいと思うのです。 話は非常にそれてしまいましたけれども、国立養護教諭養成所の問題でありますが、これは先ほど来申しましたように、卒業いたしましても大学卒業者にならない、この点が一つです。したがって優秀な子供は行くけれども、身分上あるいはまた社会に出て後、大学卒業者と養成所を出た学生との間には、あの人は大学卒業であるけれどもこれは大学卒でないんだという、社会が悪いのでございますが、やはりいまの現実の社会においてはあり得るのですね。ここらに学生の、学生と申しますか、人材の確保あるいは学生の勉学の意欲をなくしておるゆえんがあると思うのです。しかもこの内容たるや、基礎教育にいたしましても、専門教育、臨床教育あるいは教育実習にいたしましても、実にみっちりとやられておる。私はこのスケジュールを見てみましたところが、非常に内容の充実したもので、おそらくこれは短大とか私立大学——まことに申して恐縮なんですが、先ほど申したように、大学の中にも変なのがある。これよりはるかに充実した教育が行なわれておるように思うのです。しかも、そこらの先生方はどう言っていますかというと、まず時間が足りない、基礎教育あるいは専門教育、臨床実習、教育実習をやるには三年では時間が足らぬ、こう申しておるのです。したがいまして、少なくともこの問題については、これを四年制に延長して、より一そう充実した教育をやられる必要があると思うのですが、どうでございますか。
○村山(松)政府委員 養護教諭養成所をつくりました経過を多少御説明申し上げます。 養護教員の養成は、教育職員免許法上のたてまえは、ほかの教員と同じく四年制の大学ということになっておったわけでありますけれども、実際の問題といたしましては、養護婦の基礎資格の上に教職課程を積み上げるというのがむしろ養成の主力であったわけであります。その後、四年制の大学あるいは短期大学なども奨励はいたしましたが、なかなかそういうところからは免許状をとる者自体が少ないし、また就職する者に至ってはそれ以上に少ないという実態でございました。一方、養護教諭をもっと充足すべきであるという教育現場の意見はきわめて強いので、文部省でも養護教諭の充足計画などをつくったわけでありますけれども、供給面のそういう実態からいたしまして、昭和四十年に国立の養護教諭養成所というものを大学に付置して八カ所つくりました。その後一カ所ふえまして現在九カ所になっております。 そういうことで、理想は大学であるけれども、現実には大学に準じた養成所でやらざるを得ない、それを基礎としてやらざるを得ないということで発足したわけでありますので、内容につきましては、できるだけ大学に準じたものにいたしたいということで、教員の定数あるいは給与あるいは教育課程などは、できるだけ大学に準じたものにしたわけであります。ただ急速に養成したいということからいたしまして、修業年限は三年に短縮いたしまして、これで幸い卒業生は養護教諭の資格をとり、現場にも大多数が就職しているという実態でございます。 そういうことでございますので、養護教諭の養成も、大学を本体とするという理想はもちろん掲げて、それに向かって準備をしなければなりませんけれども、当面はなおこの養護教諭養成所というもので養成をやってまいるほかはない、かように考えております。
○井上分科員 養護教諭が一たん学校へ赴任しましても、やめていく比率はどれくらになっておりますか。そしてまた学校の女の先生で現場へ入っておやめになる比率とどれくらい差がありますか。
○村山(松)政府委員 減粍率につきましては養護教諭では正確に調べたものを現在持ち合わしておりませんが、教員の減粍率で、男子に比べれば女子のほうがやや高いし、それから教科の教員に比べますと養護教諭のほうがやや高いということは、推察でございますけれども言えようかと思います。
○井上分科員 局長、減粍率とはどんな字を書くのです。
○村山(松)政府委員 減り、消粍する率ということでありまして、退職率といってもよろしかろうと思います。
○井上分科員 ここらあたりが問題なんです。大臣、学校の先生がやめていく率を減粍率とは何です。相手は人間ですよ。機械なんかと違いますよ。ここらの感覚で教育をやられておったら私は困ると思うんだ。退職率というならまだ話はわかるけれども、減粍率とは何です。このことばが文部省では一般に通用しておるのですか、どうです大臣。あきれ返った次第だ。
○村山(松)政府委員 教員が退職する割合といたしまして、どういうことばを使うかという一定のきまりはございませんので、便宜退職率と申したり、場合によっては、御叱責を受けましたけれども減粍率というようなことばも用いたこともございます。
○井上分科員 どうですか、減粍率というのは、機械か何かがすり減ったらともかく、私は鉛筆のしんでもいうのかと思ったら、人間が退職していくのを減粍率と言う、そのことば自体、私にはいまの文部省の姿勢というものがびんとくるのですよ。大臣どうですか、あなたの御感想をいただきたい。
○坂田国務大臣 私もまだ二年とちょっとばかりでございますので、そういうようなことばがはやっておることはよく存じておりません。
○井上分科員 大臣、ここ十年来、文部大臣の二年といったら長いほうでしょう。その大臣が、二年たってまだこういうことばが部下の間で使われておる、このことをお知りにならぬというのは、ちょっと雲の上におり過ぎやしませんか。
○坂田国務大臣 私があまりそういうことばを使わないからだと思います。
○井上分科員 選挙をやってきた人と官僚育ちの人は、ここらが違うのだろうとは思いますけれども、それはともかくといたしまして、養護教諭養成所を出た人は、非常に退職者が多いのであります。比率にいたしまして、普通の教員の大体倍くらいあるはずなんです。なぜそんなにあるのか。やはり現場へ入ってみると、大学卒業者の一般の教員との間に——事実卒業生の中に、肩身が狭いと私のところへ言ってきた人もあります。したがって、こういうようなのは早く直さなければいかぬ。あなたの先ほどの、促成栽培するのだといって三年に縮めたのだ、あるいはまだ足らぬから当分これでやるのだというようなことは、やはり人間を物として見ておる。先ほどの減粍率じゃないが。こういう感覚であるがゆえに、こういう養成所を大学に昇格させないのではないか、このように考えるのですが、どうですか、大臣。 もう私は大体わかっておる、文部省の村山さんというのは、非常に優秀なお役人だと常々敬服しておったのだけれども、不用意にぽっぽっとことばが出てくるところを見ると、先ほどのように、早く養成しなければいかぬ——これは促成栽培みたいなつもりでおるんでしょう、減耗率ということばが出てくるから。こういう感覚ではなしに、真に将来を、またプライドを教諭が持つことによって、それがまた教育効果というものに及んでいくと思うのです。そしてまた、この養護教諭というものは、保健の免状も持っているのでしょう。とするならば、さらにさらにプライドを持たすためにも、これを四年制にして、そうして少なくとも大学卒業の名前ぐらいは渡すようにしたらどうですか。大臣どうです。しかもあなたがおっしゃるように、内容としては大学に恥じぬものだと私は思う。あるいは、二年間の短大にして、あと一年は研修の一年というようなことにしてもかまわないと私は思うのですが、そこらあたり便宜に考えられたほうがいいのではないかと思うのですが、大臣、どうですか。
○坂田国務大臣 理想としてはおっしゃるとおりだと思うのです。ところが、これができましたそもそもの因縁が、四年制を卒業した人がなかなか就職しない、それは先生も御承知のとおりです。四年制を出た人が養護教諭にならない、非常に少ない。ところが、養護教諭は必要であるという一つの要請も強いわけでございますし、またその計画もあるわけでございます。そこで、やはり三年制であっても量的に充実をしていくということが、学校におきまして養護教諭を未設置のところにおきましても、設置していくということにかなうのではないかという一つの方向がある。しかしお説のとおりに、やはり理想は四年制でございますから、そういうような努力もやらなければいかぬ。しかし現実問題としては、二つの行き方を考えないといけないのではないかと思います。
○井上分科員 大臣、あなたは養護教諭が就職しない原因が那辺にあると考えましたか、そこらあたりひとつお伺いしたいのです。なぜ養護教諭になっても現地に赴任する人が少なかったか、ここらはどう考えます。そこらの考え方が違うのじゃございませんか。どうです、あなたはどう考えますか。
○坂田国務大臣 私としましては、やはり養護教諭というものに対する日本の教育界においての、何といいますか、位置づけがまだ確立していないということかと思います。
○井上分科員 その養護教諭の位置づけが確立していないからこそ、その地位を高めるために、四年制にする必要がさらにあるじゃございませんか。どうでございます。
○坂田国務大臣 それでありますから、理想としてはそういう方向をとらなければならない。しかし現実の不足というものも解消しなければならない。そういう二つの要請を踏まえまして、われわれはこの制度を考えた、ということでございます。
○井上分科員 大臣、どうもあなたのお考え方とこれはかみ合わないようでありますので、ひとつこれはまた文教委員会で十分論議することといたします。 ともあれ、これは四年制にしなければ、ますます養護教諭になり手は少なくなってくる、このように私は感ずるのです。あるいは学校における位置づけも、看護婦さん的な考え方で、普通の教師と比べて肩身の狭い思いがますますひどくなってくるのではないか、このような感がいたすのであります。こういうように社会が要請しておる職業、これらにはやはり社会的地位というものを持たせなければならない。 一例をあげると、この養護教諭の問題もしかりでございますけれども、甲種看護婦養成所、これも社会の要請は非常に多い。甲種看護婦養成所の教育内容たるや、何といいますか、実に密度の濃いものであります。ところが、ここでも優秀な人が行っても途中でやめていく。これも、先ほどはからずもあなたから出た、大学を卒業してくれというこの母親のことばは、やはり社会の大学卒に対する位置づけ、社会的通念として地位が高いものと考えられる。ところが内容の充実した養成所を卒業しても、やはり大学卒と短大卒と比較検討せられたときに、大学卒という身分を持たない。私は、大学卒業なんというのは免状一つで、たいしたことないと思うのですけれども、やはり社会の評価が違うから、こういうところへ行く人も少なくなるし、優秀なのも途中でやめていく。そして、医者から昔の看護婦のごとく考えられる職業であるがために、優秀な甲種看護婦学校を出ておっても、これもやめていく。結婚すればやめるとか、あるいはまた医者の下働きであるのに不満を持って実はやめていく。現に日本におきまして、看護婦不足を来たしておる一因もここにあるのではないか、このように思うのです。したがいまして、内容の充実した教育をやっておるところは、少なくとももう少し制度の上において優遇措置を加えるべきである、こう思うのですが、今後これらの社会的な貢献の多い方々、しかも教育の密度の濃いものに対して、何か新しい考え方を展開すべき時期が来ておると思うのですが、どうでございますか。
○坂田国務大臣 貴重な意見だと思いますので、十分検討させていただきたいと思います。
○井上分科員 これで終わります。
○伊藤(宗)主査代理 古寺宏君。
○古寺分科員 私の出身は青森県でございますが、青森県の高校進学率は全国最低でございます。これは沖繩と大体同じようなレベルではないか、こういうふうにいわれているわけでございます。今度沖繩も返還になるわけでございますが、こういう高校進学率の格差の是正につきまして、文部大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その対策についてお伺いしたいと思います。
○坂田国務大臣 文部省の役目というのは、やはり全国的に一定の教育水準を維持し発展させる、落ち込んでおればその格差を是正する、これが私たちの役目だと思っております。もちろん今日の戦後の教育というものは、都道府県の教育委員会が、自主的にあるいは独得の教育というものをやられる、もちろん、それは教育基本法やあるいは学校教育法や、その他の諸法令に基づいてやることではございますけれども、しかし直接その県の住民の意思を踏まえつつ、教育行政をやっていくというのがたてまえになっておるわけでございますが、文部省の役目というものは、やはりその格差を是正していくということが一つの任務だというふうに考えております。
○古寺分科員 そこでこういうふうに格差が大きい原因でございますね。それについては大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。
○坂田国務大臣 これにはいろいろ原因があろうかと思いますが、青森県の場合でございますと、やはりそう経済的に豊かな県であるというふうにはいえないんじゃないか、あるいは僻地が非常に多いということも一つの原因ではなかろうか、そういうふうに思うわけでございます。青森県教育委員会においては、進学率向上のために、昭和四十二年から五カ年計画で学級増の施策を実施してまいりました結果、同県の進学率は全国水準にだんだん近づきつつある、昭和四十六年度においては、七十%程度に達することが見込まれるというふうに聞いております。また同県では、今後ともこれを向上させるために、昭和五十年度には八〇%以上とすることを一応のねらいとして、現在計画を検討中というふうに聞いております。また、進学率を向上させるためには、前に途べましたようないろいろな経済的その他の条件が改善されることが必要でございますが、また特に生徒や父兄の関心を高めまして、その意欲を向上させるためには、中学校におきます進路指導というものを適切にやるということがまた肝心なことではなかろうかというふうに考えております。
○古寺分科員 青森県では僻地が非常に多いわけでございまして、そのために高等学校へ入学するといたしますと、寄宿舎のない場合には下宿をしなければならないとか、あるいは通学費が非常にかかるとか、そういうことも進学率の低い大きな原因になっておるわけでございますが、最近は、過疎地域に対する緊急対策等が叫ばれておりますけれども、こういう地域の方々も、教育の機会均等という立場から、高校に進学ができるような、そういういろいろな施策というものが当然考えられなければいけないと思うのでございますが、そういう点については、奨学資金の問題もあるでしょうし、あるいは寄宿舎の問題等もあるでございましょうが、何としても一番大事なのは財政的な問題だと思うわけです。そういう問題について、今後この格差を是正していくために、文部大臣としては、どういういわゆる方向でこの問題を解消していくというふうにお考えであるか、くどいようでございますが、もう一度お尋ねしたいと思います。
○宮地政府委員 先ほど大臣も述べられましたように、青森県の場合、ここ数年来高等学校への進学率が全国でも非常に低い。いろいろ原因はございましょうが、やはりいろいろな統計等から見ましても——進学率でございますが、たとえて申しますと、希望者、進学したいという子供の合格率が他の県よりも低うございます。ということは、やはり高等学校の数が少ない。それは結局は県としての財政力等が相当影響しておると思います。したがいまして、教育上は、先ほど文部大臣が述べましたような観点からいろいろいたしますが、同時に、ただ教育の問題だけでなくて、青森県政全体として、いろいろ総合的にこの問題と取り組まないといけないのではないか、基本的にはそのように考えます。しかしながら、そういう上に立ちまして文部省といたしましては、青森県に限りませんが、僻地教育の振興、特に一般の学校に対する以上の教員定数をつけるとか、あるいはその他施設設備等につきましても、僻地に対しましては他の一般の平地以上な措置を講じております。
○古寺分科員 県としては全国最低でございますので、いろいろと何とかしてこの問題を解決したい、こういうふうに努力をいたしているというのですが、高等学校の教室増設でございますとか、あるいは新しく建築する場合、あるいは最近では男女共学の高校が多いわけで、体育館なんかも女子用と男子用がほしいというような希望もあるようでございますが、そういうものに対する国の助成と申しますか補助と申しますか、そういうものはどういうふうになっているのでございましょうか。
○岩間政府委員 いまのところ、高等学校の建物に対します補助は、危険校舎の改築だけに限られておりまして、学校の新築等につきましては、これは都道府県が自体でやるというふうなたてまえになっておるわけでございます。
○古寺分科員 青森県にはまだ危険校舎がだいぶございます。そういう危険校舎も、国の助成がないと、県の財政が苦しいものですからなかなか進捗しない、こういうような実情になっているのですが、青森県は、非常に危険校舎が小、中学校に多いわけです。そういう面で進学率が低いのではないかということも考えられますが、こういう格差を是正するためには、もっと文部省としても、積極的に危険校舎の解消なり、あるいは教室増に対して助成していくべきじゃないか、こういうふうに考えるわけです。財政の弱いところは、いつまでたっても進学率が向上しない。そういうところの子弟というものは、いつも高校を卒業せずに、金の卵といわれて、集団就職で工場へ行かなければならぬ、こういうような、非常に何かしら割り切れないものがあるわけでございます。そういう点については、やはりもっと積極的にこういう問題と取り組んでいかなければならないのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、もう一度お願いいたします。
○岩間政府委員 御指摘のとおり、青森県からの危険校舎の改修に対する要求というのは、毎年かなり出ております。おそらくそちらのほうに力をとられて、新設等も多少セーブされているのではないかというようなこともございますので、この数年、私どもといたしましては、青森県の危険校舎につきましては、ほかの県以上に配慮してまいったつもりでございます。来年度の予算の配分につきましても、同様の要求が出ておりますので、御趣旨に沿いまして、できる限りめんどうをみたいと考えております。
○古寺分科員 そこで、この補助の単価等の問題もあると思うのですが、これは非常に超過負担が多いのです。積雪地帯でありながら、全然雪のない地方と同じような単価の計算をしておる。青森県は雪がたくさん降りますので、相当強固な建築をしないといけないわけでございます。そういう点もやはり見てあげませんと、非常に負担が多くなりますので、勢い危険校舎の解消もおくれる、こういうふうになっているわけでございますので、そういう点についても十二分に検討をして、前向きにひとつ善処していただきたいと思うわけです。 次に、青森県では、御承知のように非常に出かせぎの家庭が多いわけです。現在労働省では六十万人の出かせぎということをいっておりますが、実際には百二十万から二百万人ぐらい出かせぎをしているんではないか、こういうふうにいわれておりますが、こういう出かせぎ家庭の子供さんというのは、両親がいないあるいはおとうさんがいない。非行化の問題であるとか、非常にいろいろ心配なことがございます。こういう点について、文部省としてはどういう対策をお考えになっているか承りたいと思うわけでございます。
○今村政府委員 出かせぎそのものにつきましては、経済その他の関係のあることで、文部省としまして直ちに措置するすべはないわけでございますが、その留守に残された家庭あるいはその子弟に対しまして、社会教育の面では公民館等の整備をはかっておるわけでございます。
○宮地政府委員 いま社会教育局長が答弁いたしましたが、学校教育の面から補足さしていただきます。 出かせぎ家庭では、たとえば父親がいないと いったような家庭生活におきますさびしさ、悩み、不安、いろいろ生活上、学習上問題が多かろうと思います。そういうようなことで、一般に学校教育におきましては学級指導というのが学習指導要領にも定められておりますが、毎週一時間、学級指導という時間がございます。さらに、これは昔からやられておることですが、生徒の個別な教育相談に先生が応じてやる、あるいは家庭訪問をする、こういったようなことで、生徒の健全な成育のための学校教育上の配慮、こういうことはとりわけ行なう必要がありますし、私どももそのようなことを推奨いたしております。さらに、そういう子供に対しましての生徒指導につきまして、文部省としては、学校の先生方の講習会を開催するとかあるいは指導資料をつくるとか、このようなことをいたしておりますが、さらに中学校等では、一定規模の学校には生徒指導の教師を定数上考えるなど、いろいろな措置を学校教育上も講じております。
○古寺分科員 いろいろいまお話がございましたけれども、実際問題としてはいろんな問題が潜在しているわけでございますので、今後、出かせぎ家庭の児童生徒に対する対策というものを確立をしていただきたい、こういうふうにお願いをいたします。 次に、公民館の問題が出ましたが、東北六県の公民館の設置状況を見ますと、これもやはり青森県が最低でございまして、人口一万人当たりの公民館数は秋田県が最高で六・一三、青森県が一・八五というふうに非常に公民館も少ないわけです。しかも本館がたしか百六館ですかございますけれども、そのうちの四〇%が看板公民館と申しますか、青空公民館、実体がない、看板だけは公民館の看板が下がっている、こういうような実態でございますが、今後、生涯教育等が叫ばれまして、社会教育の充実という問題が非常に大事になっておりまして、いまの出かせぎ問題についても、公民館活動というのは大事であるというお話がございましたが、今後、こういう公民館の格差、社会教育の活動の場である公民館の格差の是正ですね、適正配置と申しますか、こういう点について、文部省としてはどういうことをお考えになっておられるか。
○今村政府委員 ただいま人口一万人当たりの公民館の数についての御指摘がございましたが、その公民館が、いま御指摘もございましたように青空公民館でも一つの公民館、そうでない公民館でも一つの公民館として算定されておりますので、その比率で格差を比べてみるということは少し疑問もございます。しかし、大体の大勢はわかることだと思います。文部省社会教育局といたしましては、公民館に関する補助金が、前年度の四億円から今年度、四十六年度は十億七千万円に増額されることになっておりますが、その配分にあたりまして、地元の希望を参酌しながら、そういう比率を勘案しながら当たるつもりでございます。
○古寺分科員 この公民館の補助は定額補助になっておるようでございます。それで、最近は非常にデラックスな、文化センターであるとか市民センターというものがたくさんできまして、農村地帯の人もよその町村を見る場合に、財政的にゆとりのあるところは、三千万であるとか一億近い公民館もどんどん建っております。しかしながら、財政基盤の弱い町村においては、こういう定額補助ではとうてい公民館の建設ということは不可能なんですね。そういうところほど公民館が必要なんじゃないか、こう思うわけですが、そういう点について、今後補助の面において、そういう実態をよく勘案した上で調整していくと申しますか、その実態に合った助成をしていくというふうなお考えが文部省にないかどうか承りたいと思います。
○今村政府委員 ただいまおっしゃいましたような事情をかれこれ勘案しながら、補助金の配分に当たるべきだと思いますし、そうやるつもりでございます。
○古寺分科員 昨年の県の公民館の申請に対して、実際に補助されたものは申請より下回っているわけですね。ですからせっかくこの申請したものについては極力助成して、こういう格差を是正するようにしていただきたい、こういうふうにお願いしておきたいと思います。 時間がないので先にまいりますが、社会教育あるいは学校教育の中でいろいろな問題がございます。私がきょう特に大臣に申し上げたいのは献血の問題でございます。現在、わが国では七十万リットルの血液が必要であるというふうにいわれておりますが、それが昭和三十九年に閣議決定を見て、売血制度というものはなくなりました。献血制度に切りかえられまして、現在では献血は大体その目標の九〇%まで到達している、こういうふうにいわれているんでございますけれども、実際は、血液というものは非常に不足をいたしておりまして、純粋な献血というものは、わずかに二〇%しかございません。大臣も御承知かと思いますが、心臓病の手術をする学校の子供さん、あるいは小児ガンの子供さんは、もう何十万という血液を必要とするわけです。この日本の献血制度が推進できない大きな障害になっている問題は何かというと、日本の学校教育、あるいは社会教育の中で、この献血というものが取り入れられていない、こういうことがいろいろと指摘をされているわけでございます。私も小学校、中学校の教科書も拝見いたしましたけれども、献血については一言も書いてございません。こういうことについては非常に残念なことでございまして、今後この大事な国民の血液という問題について、学校教育や社会教育の中にこれは当然取り上げていくべき問題であると思いますが、きょうは大臣がいらっしゃいますので、この点についてお伺いをしたいと思うわけです。
○木田政府委員 いま御指摘のございました献血でございますが、学校教育の階段では、特に中学校、高等学校の階段で、献血そのことということよりは、むしろ救急処置を日常の生活の間でどういうふうに取り入れるかという保健の課題として取り上げておるところでございます。 献血の取り上げ方は、御意見のようにいろいろあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、学校教育の階段では、日常生活における事故災害の現状等の問題意識と、それに対処する対応のしかたといたしまして、救急処置をいろいろと指導いたしておりますし、また、その実習も行なうようにいたしておるところでございまして、そういう実践の課題を通じて献血の必要性というものも十分教育できるものではなかろうかと考えております。
○坂田国務大臣 ただいま局長からお答えは申しましたが、先生の御質問の要旨からいうと、ちょっとはずれていると私は思いました。もちろん、生徒、児童がけがをした、そのときに応急措置をする、止血をする方法、そういうことの指導をちゃんとやるということも大切だと思うのですが、しかし、いま先生の御指摘になりましたのは、むしろ、今日の階段では血液銀行になかなか血が集まらないという状況にあって、やはり献血というものを小さいうちから子供たちに認識させておくというその教育が非常に大切ではなかろうか、そのためには、やはり指導要領あるいは教科書等においても特記して、そうしてこれをよく説明をすることが必要なんだという意味だろうと思うのです。それでなければ、とてもこれから、交通災害があったり、いまおっしゃって心臓病であるとかいろいろ病気がございましたときに、必要なものが必要なだけそろわないという事態、そうしてまた、その血液そのものを献血するにしましても、その献血する血液というものが、汚れなき血液がなければならないというようなことも、あわせて教育の面で取り上げなければならぬということだと思うのでございます。その点につきましては、確かに十分じゃない点があろうかと思いますので、私どもといたしましても、真剣にこれをひとつこれから取り上げて、前向きにやってまいりたいというふうに思います。
○古寺分科員 赤十字の国際会議における決議事項でございますとか、あるいは日赤の社業振興懇話会等がございまして、その中にも、こういう私が申し上げましたような学校教育あるいは社会教育の場で献血というものがいかに大事な問題であるかということをわが国では取り上げていくべきである、そういう意見が非常に強いわけでございますので、ただいま大臣から非常に希望のある御答弁をいただいたわけでございますが、今後ますますこの献血の問題は大きな問題になると思いますので、どうかひとつその前向きの線で今後御検討いただきたい、こういうふうにお願いをいたしまして、時間でございますので終わります。
○伊藤(宗)主査代理 これにて文部省所管の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十四日午前十時から開会し、内閣、防衛庁、及び、経済企画庁を除く総理府所管を審査することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時十五分散会