法務委員会 第8号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/05
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の民事訴訟費用等に関する法律案、刑事訴訟費用等に関する法律案並びに民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律施行法案の三法案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。植木法務大臣。 ————————————— 民事訴訟費用等に関する法律案 刑事訴訟費用等に関する法律案 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用 等に関する法律施行法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○植木国務大臣 民事訴訟費用等に関する法律案、刑事訴訟費用等に関する法律案及び民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律施行法案の三案につきまして、その趣旨を便宜一括して説明いたします。 御承知のとおり、わが国の民事及び刑事の訴訟費用に関する制度は、明治二十三年制定の民事訴訟費用法、民事訴訟用印紙法及び商事非訟事件印紙法と、大正十年制定の刑事訴訟費用法等の四法律によりその基礎が定められているのでありますが、これらの制度につきましては、自来、見るべき改善が行なわれることなく、わずかに、昭和十九年制定の訴訟費用臨時措置法によりまして証人の日当の額等に関する特例を定めることとされたまま、今日に至っておりますので、現状では、多くの不備な点が目立つようになり、解釈や実務慣行によりこれを補うている点が少なくないのであります。 そこで、政府といたしましては、この制度の適正円滑な運営を確保しますため、鋭意その具体的な改善につき検討を進めてまいりましたところ、このたびようやく成案を得ましたので、ここにこれらの三法律案を提出する運びとなりました。これらの法律案は、現行の民事訴訟費用法、民事訴訟用印紙法、商事非訟事件印紙法、刑事訴訟費用法及び訴訟費用臨時措置法の五つの法律を廃止しまして、新たに、民事訴訟等の費用及び刑事訴訟費用のそれぞれに関する必要な事項を体系的に整備しようとするものであります。 主要な改正点について申しますと、まず民事訴訟等の費用につきましては、当事者間の償還請求の目的となる費用の範囲を明確にし、手数料を徴すべき申し立ての種類を限定しますとともにその額を適正なものに改め、過大に納められた手数料等を簡易な手続で還付することができるようにいたしております。また、民事、刑事の手続における証人等に対しまして、新たに、出頭に必要な旅行日についても日当を支給することとし、旅費の種目として航空賃を加えることといたしております。なお、これらの改正措置は、原則として本年七月一日からこれを実施することとしておりますが、ただ民事訴訟等における手数料に関する点につきましては一部のものを除き同年十月一日から実施することとし、また、これらの改正に伴う必要な経過措置を定めますとともに、関係法律の規定の整理を行なうことといたしております。 以上が、民事訴訟費用等に関する法律案、刑事訴訟費用等に関する法律案及び民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律施行法案の三案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
○高橋委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 三法律案に関する質疑は次回に譲ることといたします。 ————◇—————
○高橋委員長 内閣提出の旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
○畑委員 この法律案について、若干の質問をいたしたいと思います。 この提案理由の説明によりますと、いとも簡単に書いてありまして、この提案理由を聞いておるだけではさらっとわかったような気がするのです。ところで、法案それ自体を私は読んでみたのです。そうするとこれは案外に難解な文章でして、私が頭の悪いせいかなかなかよくわからないのです。 そこで質問するのですけれども、旧執達吏、執行吏というか、それからなった人たちのことについてはもうすでに規定があって、問題は解決しておる。ところが、執行官になった人についてまだそれが解決しておらない一部の者がおるということで、執行官についての規定を、執行吏からなった人の場合に準じて、それと同じように執行官に直接なった人の関係についての規定をあわせてする必要があるということでつくられた法律案だと思います。それで、しかも旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律ということになっておるのを、もう執行官法の規定による恩給の年額の改定に関する法律というふうに表題自体が変わって、その中に、前の執達吏に関する規則をそのまま第一条に入れて、それで第二条に新たに、今度改定を実際にする必要のある執行官の規定を入れた、こういうことだと思いますが、そのとおりですか。
○貞家政府委員 御指摘のとおりでございまして、執行官法附則第十三条、十四条という規定がございますが、第十四条のほうは、旧執達吏規則に基づく恩給でございまして、これは執行吏時代に退職された方の恩給を規定いたしまして、それは「従前の例による。」といっておるわけでございます。第十三条のほうは、執行官になりましてから退職された方の恩給についての規定でございまして、これは「恩給法の例によつて、恩給を受ける。」ということになっておりまして、実質におきましては、内容的には前後同一性を持っているわけでございます。したがいまして、旧執達吏規則に基づくもののみについて従来規定しておりましたのを改めまして、それをも含めまして、いずれも法律の根拠といたしましては直接には執行官法の規定によるわけでございますから、両者を含めまして、題名も改め、新たに執行官となってから退職された方の恩給の根拠についても規定することにいたしたわけでございます。
○畑委員 そうすると、前の執達吏の関係のほうは、もう解決済みなんですね。
○貞家政府委員 執行吏時代に給与事由の生じました者につきましては、昭和四十三年のこの法律の改正によりましていわゆるスライド方式を組み入れましたので、すべて解決済みでございます。
○畑委員 そうすると、今度解決しようとするのは、新たに執行吏から執行官に直接なった人たちの一部に解決済みでない人たちがおる。そこで、それを直そうということで今度規定がなされた。それが今度の改正の動機ですか。
○貞家政府委員 そのとおりでございます。
○畑委員 この、おたくのほうで出してくれた説明の図面がございますね。「五 国庫補助基準額の推移と仮定俸給年額の改定状況」こういう資料が、図面で示されたやつがありますね。そうすると、右側のほうは、これは解決済みと言っていいのですか。七等級三号相当の仮定俸給年額、この中でいろいろ段階的にこうなっていますね。二十八万七千円、その次は三十一万一千円、その次が三十一万二千円、こうなっていて、横に棒がおのおの引っぱってあるということですが、その最初の二十八万七千円というのが、横の線の二十九万九千八百円というものの線よりも低くなっている。この関係はどうなんですか。もう済んでいるのですか。
○貞家政府委員 実は、一二ページ、一三ページの図面は、これは執行官になってから退職事由の生じた、いずれもそういう人たちの関係でございまして、執行吏時代にやめられた方につきましては、解決済みでございますので、こういった図面をつくりませんでしたけれども、それは一五ページをごらんいただきますと、一五ページの「六執行官法の規定による恩給の受給者数」というのがございますが、その下のほうに、参照としてございます。これは旧執達吏規則に基づく恩給の関係でございまして、四十一人の受給者が、執行吏時代にあるいはそれ以前の執達吏時代も入るかもしれませんけれども、そういった方が四十一人あるわけでございまして、これらの者につきましては、現在基礎俸給年額が、二十四万二千百円あるいは二十六万五千円となっておりますが、これは、現在のこの旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の第四項によりましてすでに手当てがしてございますので、自動的に上がっていくわけでございます。したがって、今回、一般文官につきまして恩給の改正がございますと、自動的にその金額は、二十四万七千百円、二十六万七千九百円というふうに上がっていくわけでございまして、これはすでに解決済みでございますので、特にこの図面で図示をいたすことを省略させていただいたわけでございます。したがいまして、一二ページ、一三ページにございますのは、いずれも執行官として退職した者についての表でございます。
○畑委員 そうなると、どれとどれが改定しなくてはならぬものなんですか。
○貞家政府委員 この図面も非常におわかりになりにくいかと思いますが、執行官の国庫補助基準額につきましては二種類ございまして、これは任命資格等が異なったことに応じまして格づけが異なっているわけでございます。それは、執行官国庫補助基準額令第一条と、附則第三条で当分の間低い額の国庫補助基準額を受ける者もあるわけでございます。 そこで、こういったふうに二種類になっているわけでございますが、まず一二ページのほうから御説明申し上げますと、これは国庫補助基準額令の附則第三条の「当分の間、」の低いほうの七等級三号に見合う基準額の分でございますが、同額でございます七等級三号に相当する一般公務員の現在の仮定俸給年額が、ここに黒い実線で引いてございます二十七万一千円ということになっているわけでございます。それが今度の昭和四十六年一月分からは二十七万六千六百円、十月分からは二十九万九千八百円というふうに恩給のベースアップが行なわれるわけでございます。 ところで、現実に執行官について申しますと、これはほっておきますと、退職当時の国庫補助基準額が俸給年額とみなされまして恩給年額の計算が行なわれるわけでございますが、この時期で刻みまして、その上に短い線で区切った二十八万七千円とか三十一万一千円という数字がございます。これが過去にございました現実の国庫補助基準額でございます。そういたしますと、二十八万七千円という国庫補助基準額のときに退職いたしました執行官は、これを放置いたしますと、今後も二十八万七千円が基準となる。したがいまして、それはこの点線の二十九万九千八百円に達しておらないわけでございます。したがって、どうしてもここまで引き上げる必要が生じるということになるわけでございまして、それが何人いるかと申しますと、次の一四ページでございますけれども、この第一欄に昭和四十一年十二月三十一日から昭和四十二年七月三十一日、それの下のほうで「政令附則第三条第一項本文該当者」というのがございますが、それが二十八万七千円、これは現実の国庫補助基準額でございます。そういう者が七人いるわけでございます。ところが、七人の中には、実は在職年数等の関係で最低保障額しか受けていない、それから今度改正いたしましても、最低保障額でございます十二万円に達しないという者がございますので、こういった人たちにとりましては、恩給の基礎を変えてみましても、結局は変更がないということで、そのうち四人がその対象者である、つまり基準となる額を先ほど申しました二十八万七千円から二十九万九千八百円に引き上げることによって実質的に恩給年額に変更を生ずる、増額になるということでございまして、そういった人たち四人がその恩典に浴するという結果になるわけでございます。
○畑委員 そうすると、この点では結局四人がこのままでいくとだめなんで、四人を救済するということに結果的にはなるわけですね。
○貞家政府委員 今度の恩給法の一部改正に伴って利益を受けるのは四人に限られるわけでございます。
○畑委員 そうすると、このあとは、もうこれでやればずうっとスライドでそういう不都合はなくなるのですか。
○貞家政府委員 現在の恩給の改定はおおむねこの仮定俸給年額を引き上げるという方法によって過去、戦後ずっとやっておりますが、その方式によって引き上げられる限り、全くこれと同一の算式によりまして自動的に引き上げられるということになるわけでございます。
○畑委員 この一三ページの左のほうの図面の場合は、これもやはり満たないところがありますね。四十一年十二月三十一日からですが、昭和四十二年八月一日までの間はどうなんですか。
○貞家政府委員 これも理屈から申しますと、右のページと全く同じでございまして、観念的には六十五万五千円を基準額、つまり基礎となる俸給の俸給年額としている執行官退職者がいるわけでございまして、それと同額でございます四等級七号俸の公務員の仮定俸給年額は、現在六十八万七千二百円、今度は七十万一千四百円、さらに七十六万三百円となるわけでございます。したがって、観念的にはすでに現在達していない、今度の改正によってもむろん非常に違ってくるということになるわけでございます。ところが次のページをごらんいただきますと、政令第一条に該当する者がきわめて少数でございます、一人でございます。これは執行官法制定以来新規に任命された方が大部分でございますので、まだ退職者がほとんど出ておりません。したがいまして、これは実は昨年改正するということも考えられたわけでございますけれども、対象者がゼロであるならば必要がないであろうということで見送ったわけでございますが、これは今後の問題といたしまして、やはり右のページのものと同じようなシステムをとるのが相当であろう、一応同額の者が上がればそれと同じように上がるということで上がっていく、したがって、法律上は七十六万三百円まで十月分から上がるわけでございます。一月分からは七十万一千四百円に引き上げられるわけでございますけれども、結局はそれに該当する者がいない、つまり改定いたしましても、今度の法律案の二条一項ただし書きで、前条第一項ただし書きを準用するとございますね、前条第一項ただし書きと申しますのは「改定年額が従前の年額に達しないものについては、この改定を行なわない。」ということになるわけでございまして、かりにそういった恩給をすでに受けておる者があるとしましても、このベースアップというのはから振りに、現実には働いてこないという結果になるわけでございますが、将来の問題といたしましては、こういったスライド制をとることによって自動的に右のページの執行官と同様の取り扱いが行なわれるわけでございます。
○畑委員 大体わかったようなわからないようなことだけれども、大体わかったことにしておきましょう、なかなかややっこしくてわからぬ。 その次、これは裁判所のほうへ聞くことになると思うのですが、裁判所のほうで調べてあると思うのですが、いまの執行官の数は一体どのくらいあるのかということ。前に四十一年十二月三十一日に執行官法が施行され、その前の数字が何名で、それからいま現在全国の執行官が何名おるか、それをひとつお聞きしたい。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 執行官法が実施せられましたのは昭和四十一年十二月三十一日でございますが、実施前日における執行官の数は三百三十七名でございます。本年の一月一日現在の数は三百五十七名でございます。
○畑委員 その前よりも二十名現在はふえておるということになると思います。 そこで、任命の状況はどうなっておるのか、あるいは退職、それで差し引き幾らという点で、四十二年から四十五年までの数字をひとつ言うてみてください。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 昭和四十一年十二月三十一日、任命が四名でございます。したがって、同年末の採用者数三百四十一名。昭和四十二年の任命が五十六名でございました。退職が三十九名、したがって、同年末における在職者は三百五十八名。昭和四十三年、任命は三十七名、退職が二十二名、同年末現在三百七十三名。昭和四十四年の任命者数が十九名、退職が二十八名、同年末現在三百六十四名。昭和四十五年、任命が二十三名、退職が三十名、したがって、同年末における在職者は三百五十七名ということになっております。
○畑委員 結局古い執行吏あるいは執行吏上がりの執行官がだんだん年齢の関係もあるが減っていく、そのかわり新しい事務官、書記官等の退職した人たちで執行官に任命された者がだんだんふえていっている、こういうことだと思うのですが、いまの三百五十七名のうち、執行吏あるいは執達吏から執行官になった人はどのくらい残っておりますか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 新法による任命資格を有する者で任命せられた者が百九十五名、旧法による任命資格で任命せられている者が百六十二名でございます。
○畑委員 そうすると、旧法の当時の人たちよりも新しい制度によって任命された人のほうが若干オーバーしているというようなことになっておると思います。大体この数字はそれでわかりますが、この新しい執行官を任命するについてどういうふうに任命をするのか、いろいろ試験をやってやるのか、それとも試験もなしで選考かなんかでやっているのか、それをちょっと聞きたいのです。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 執行官法によりまして、執行官は地方裁判所が任命するということになっております。地方裁判所におきましては、執行官任用試験委員会というものを組織しまして、これは裁判官二名、事務局長、民・刑首席書記官によって構成されておりますが、この委員会による筆記試験並びに面接試験、これによりましてこの試験合格者を任命しているわけでございます。筆記試験は裁判所に関する法規、すなわち憲法及び裁判所法並びに執行官の職務及び権限に関する法規、主として執行官法でございますが、その他執行官の職務執行に必要な法規、民法、民訴法、競売法、執行官手続規則等に関する理論及び実務知識について行なっております。
○畑委員 そこで、前には執達吏代理というのがありましたけれども、いまそういう制度はないんだろうと思うのですが、執行官だけですか、それともまだ若干それが何かの形に残っておりますか。そのほかに事務官——裁判所の事務官で裁判所の仕事をする人はわかっていますけれども、それ以外に、執行吏に直接くっついていろいろ事務をやっているというような、代理のほかにそういった事務をやる人なんかもありますか。その辺をお伺いしたいのです。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 従来旧法におきまして執行吏代理という制度がございまして、これは現実に執行官と同じように執行行為を行なっておりました。執行官法制定の際に、国家公務員でない、裁判所職員でない執行吏代理というものが現実の執行をすることは好ましくないということになりまして、執行はすべて執行官が行なうという原則を立てたわけであります。ただ従来おりました執行吏代理、これをそのまま職を奪うということもいかがかと存ぜられましたので、附則の十一条という規定を設けまして、従来の執行吏代理は裁判所の許可を得た場合には執行官臨時職務代行者として従来どおり代行の仕事ができるという附則を設けたわけでございます。したがって、現在は、旧法時代の執行吏代理という名前が執行官臨時職務代行者という名前で実体が残っているわけでございます。そのほか、執行官は自分の費用で事務員を雇用しております。したがって、執行官室には、執行官と臨時職務代行者と事務員という三種類の職員がいるということでございます。
○畑委員 そうなると、まだ旧来の代理というのを急にやめるわけにはいかないということで、臨時執行官代理ということで結局裁判所の許可を得てやっておる。だんだんこれは数が減っていくに違いないけれども、いまどのくらい全国でおりましょうか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 執行官法施行前日におきまして二百四十名おりましたですが、本年一月一日現在百三十八名となっております。したがって、約百名が減少したということでございます。
○畑委員 その補助者の事務員というのはどのくらいおりますか、わかっていましょうか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 同じく執行官法施行前日現在で二百八十二名おりました。本年の一月一日現在で三百三十一名でございます。
○畑委員 そうすると、執行官臨時代理者も、それから事務員というのも、結局執行官を補佐して、執行官の手数料の中で、執行官のほうでその給料などは払っておる、こういうことですね。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○畑委員 続いて、この間からちょっと話しになっております、執行官が一体一人当たりどのくらい手数料が入ってくるのだろうかということ、もし非常にきわめて低ければやはりそれの処置もしなければならぬのじゃないかということで、場合によったら、この法案を上げるについて附帯決議等もつけて、そういったことの促進をはかろうというような話が理事会でこの間ございました。そこで、手数料の状況はどうなっておるかということを聞きたいと思っておったのでありますけれども、全国平均あるいは大都市あるいは中都市、小都市、それの例によって、最近の状況を年度別に調べてありましたら、ひとつ御報告願いたいと思います。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 まず全国平均でございますが、昭和四十二年度における平均は百八十四万六千円、昭和四十三年度二百三万八千円、昭和四十四年度二百三十八万三千円、昭和四十五年度二百七十三万七千円でございます。 大都市の裁判所といたしまして、東京の事例を次に申し述べたいと思います。昭和四十二年六百六十四万五千円、四十三年四百二十三万二千円、四十四年四百七十万三千円、四十五年五百七十万三千円、中都市としまして長崎の例を申し上げますと、昭和四十二年二百四十一万一千円、四十三年二百四十九万一千円、四十四年三百七十一万九千円、四十五年四百二十万三千円。小都市としまして金沢の事例を申し上げます。昭和四十二年七十万四千円、昭和四十三年百九万三千円、昭和四十四年九十九万四千円、昭和四十五年百七十五万九千円でございます。
○畑委員 いまの御調査による御報告を聞いたのでありますが、案外われわれが予想していたよりも比較的収入はいいように私は思うのです。全国平均で四十二年で百八十四万、それが四十五年になって、逐次ふえてまいりまして、二百七十三万七千円ということになっております。逐次ふえておりますが、全国平均で二百七十三万だとすれば、月に十八、九万にはなっておるというような計算だと思います。もちろん、これは退職金等はこの人たちにはない。恩給はありますけれども、退職金等がない。それから、この中でいま言った臨時執行官代理も雇う、それから事務員も雇うというような関係もございますから、それらに対する俸給の支払い等も差し引かなければならぬということもありますけれども、この数字からすれば、われわれが心配していたのとはだいぶ違って、案外にわりあいに収入があるような感じがいたします。特にその中で、いま例示をされました中で、東京の場合の例でありますが、平均して、四十二年が六百六十四万五千円という数字になっておる。これは相当の数字、一人平均が六百六十四万五千円ですから、おそらく最高は——最低もあるでしょうが、その中間をとったのがこれだけですから、そうすると月に五十万の収入があるわけです。それからそういう人は事務員もよけい使っているだろうし、代理も二人ぐらいは使っているだろうしというようなこともあろうと思いますが、それといたしましても、これはわれわれ代議士よりはなかなかよさそうな収入だと思うのです。われわれはだいぶいろいろな差っ引きがあって、最後にもらうやつは、俸給袋はずいぶんさびしいのですが、それに比べたら案外いいような気がします。少しよ過ぎるんじゃないかとすら思う。それで、これは四十五年になって少し下がりました。途中でちょっと、四十二年が六百六十四万五千円だけれども、四十三年でがくっと四百二十三万となっている。四十四年で四百七十万、また少し上がっていって五百七十万、それでも四十二年から比べればこれは低下をしている。このことは、大都市のほうがだんだん減ってきて、中都市、小都市のほうがだんだんふえてきておる。これは裁判所規則でその辺をあんばいするための規則が改正をされた、そこでその辺のアンバランスを解消するような手段をとったということが一つは私は原因だと思っておりますけれども、それとしても大都市が相当金額が多過ぎるような気がする。これは、一つは大都市には執行官が足りないのじゃないか。したがって、事件が多いのに人数が足りない。したがって、収入もほかの地方都市に比べたらべらぼうに多いという結果になっておると思うのですが、その辺についてはどうお考えですか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 執行官につきましてはいわゆる俸給制をとっておりませんので、いわゆる定員というものはございません。この数で一体足りるかという御質問でございますが、現在のところ執行が遅延して困るという状況は起こっておらないようでございまして、大体三百五十名でまず無事に執行行為に遅滞を生ぜずに遂行しておる状況にございます。
○畑委員 定員というのはないというお話であります。したがって、執行官になりたい人がおれば、志望すればできるわけです。そうすると裁判所につとめておるよりもよほどそっちのほうが俸給が、東京の場合などは収入がよろしい。退職金等の保障あるいはその他のいろいろな一般公務員並みの保障等がない点もありますけれども、しかし、それを割り引きして考えてみても相当多いわけだ。だからさぞかし、そのままにしておけば執行官を希望する書記官なり事務官なりが、私はもっと出てくるはずだと思うのです。その辺押えているようなことはありませんか。あるいはまた執行官仲間が、そうしては自分たちの権益の侵害になるから、一人頭の収入が減るからということで、それをむしろ何らかの形で阻止をするというようなこと等はないのでしょうか。その辺一時ほど——一時は確かに執行を頼んでもなかなかそれがおそいという状況等もありましたが、最近はそれがあまりないようにも聞いております。その辺いかがなものでしょうか、承りたい。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 押えているという事実はございません。ただ、執行官の任命資格は新法によりまして四等級ということでございまして、相当高い任命資格でございますので、これに該当する者が必ずしも数が多くはないということは言えるかと存じます。
○畑委員 最後にお聞きしたいのですが、先ほど法務省のほうからもお話がありましたが、基準額令の附則第三条の該当受給者が四名だと聞いております。その支給金額はお幾らですか。総額です。これは裁判所が調べているようだから裁判所に聞いてもいいのですが……。
○貞家政府委員 退職後の恩給のことでございますので、便宜私のほうからお答え申し上げます。 恩給の年額、改定後の年額でございますけれども、四名の対象者がございまして、現在受けております恩給年額十二万五百四十円のものが十二万五千九百十六円になるのが一人ございます。十二万円を受けておりますものが十二万三千九百十八円となるのが一人ございます。それから十二万二千四百五十四円の恩給を受けているものが十二万七千九百十五円になります。最後にいま一人は、十二万六千二百八十円を受けておりますのが十三万一千九百十二円となります。これが本年十月分から引き上げになるわけでございまして、本年度の予算におきましては、平年度の四分の一でございますので、合計いたしまして五千九十八円が所要経費ということになるわけでございます。
○畑委員 裁判所のほうに国庫補助金の支給実績を聞きたい。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 基準額に達しませんで国庫補助を受けている該当者、これは高いほう、基準額令第一条と附則三条と二通りございますが、昭和四十四年度におきまして第一条該当者は四名でございます。支給総額は百三十万六千三百三十二円。附則第三条の該当者、これは受給者数が五名でございまして、支給総額が九十三万一千三百四十二円となっております。
○畑委員 以上で終わります。
○高橋委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 もうすでに畑委員のほうからお尋ねしたい大部分をお尋ねになりましたし、詳細なお答えもございましたので、ダブらない範囲で二、三お尋ねいたします。 現在の執行の中身、家の明け渡しとかあるいは不動産の執行とか、その中身は大体どういうふうになっておるか、それだけお知らせいただきたい。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 四十四年度の数字を申し上げたいと思います。 合計が九十五万九千九百八十二件執行行為がございまして、このうち民訴法に準拠する執行行為、家屋の明け渡し等あるいは金銭の取り立て等でございますが、これが十六万四千四十三件、仮差し押え八千八百九十五件、仮処分一万三千二十九件、競売法による競売、いわゆる任意競売といわれているものですが、これは二万九千二十六件、破産財団の評価の立ち会いまたは封印等、破産関係の執行が三百六十九件、告知ないし催告、これが二千六百十六件、拒絶証書の作成二百七十四件、執行記録その他の書類の閲覧及び謄抄本の交付、これは執行の事後行為でございますが、これが五万四千九百二十一件、その他二万六千百六十三件、それから送達、これは民事の送達が四十一万三千百二十四件、刑事の送達が二十四万六千五百二十二件、合計九十五万九千九百八十二件、こう相なるわけであります。
○岡沢委員 わかりました。 執行官への不満といいますか苦情というのは、わりと弁護士仲間では常にぶつぶつ言われているわけですが、どういう苦情が一番多いか、監督官庁としてお調べのついている範囲でお答えいただきたいと思います。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 会同等で問題になりますのは、執行の申し立てをして執行に着手するまでの期間が若干長い、すぐ着手してくれないといったような苦情等が聞かれております。
○岡沢委員 執行官の汚職がここ二、三年前まではかなり大きく新聞等をにぎわしたわけでございますが、その後いろいろ給与の体系の改正とか金銭の取り扱い事務の改正等がございました。最近の汚職の傾向、それから増減、それといま申しました給与体系の改正等と顕著な関連が見られるかどうか、お尋ねいたします。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 四十三年におきまして、岡山地裁津山支部で二件、これは虚偽有印公文書作成、同行使、収賄等の事件が起きております。同じく四十三年に、東京地裁におきまして収賄事件が一件起きております。同じく大津地裁におきまして収賄、東京地裁において収賄、岐阜地裁におきまして虚偽有印公文書作成事件が起きております。津地裁伊勢支部におきまして、有価証券偽造行使、詐欺の事件が起きております。岡山地裁におきまして、収賄事件が起きております。山形地裁米沢支部におきまして、加重収賄、虚偽公文書作成事件が起きております。四十四年に入りまして、水戸地裁におきまして収賄事件、京都地裁におきまして収賄事件が起きております。しかし、昭和四十五年度におきましては、神戸地裁尼崎支部におきまして、職権乱用事件が起きておりますが、四十五年はこの事件一件限りでございまして、年々減少の傾向をたどっております。
○岡沢委員 そうすると、やはり国会でもいろいろ問題になりまして、身分の保障とか給与体系の改正とか、きょうの法案もその一つだと思いますけれども、かなりそういう改正の効果があがって、汚職が減ってきていると見ていいと思いますね。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 執行官法の制定以来、その成果が着々実っているということは、そのとおりでございます。ことに新執行官法による任命資格を持った者、すなわち四等級以上の者の犯罪行為というのは全然あらわれておりません。
○岡沢委員 最後に、先ほど畑委員も執行官の任命資格あるいは手続等お尋ねになりました。執行官規則の第一条に任命資格の規定があるわけでございますが、この条文の中に、「最高裁判所が定める基準に該当するもの」というのがございます。最高裁判所はどういう基準をきめておられるのか。それから、先ほど試験について面接と筆記と両方あるとおっしゃいましたが、同じ条文によりますと、裁判所書記官については筆記試験は免除できるとなっておりますが、実際には行なっておられるのか、やはり免除しておられるのか、その辺をお尋ねいたします。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 執行官法第一条に基づきまして、最高裁判所規則昭和四十一年十一月八日規則第十号でございますが、執行官規則という規則をつくって、そこで基準をきめております。その執行官規則第一条によりますと、「一般職の職員の給与に関する法律第六条第一項第一号イに規定する行政職俸給表(一)に定める職務の等級が四等級以上の職にあつた者又はこれに準ずる職歴を有する者で、最高裁判所が定める基準に該当するもののうちから、筆記及び面接の試験による選考を経て、任命するものとする。ただし、裁判所書記官であつた者については、筆記試験は行なわないことができる。」裁判所書記官であった者については、筆記試験が規則一条で免除されております。 その規則の中でいいます最高裁判所の定める受験資格でございますが、これは一、二、三とございまして、一は「職務の等級四等級以上の職歴を有する者」二は「税務職俸給表、公安職俸給表(一)及び公安職俸給表(二)の職務の等級三等級以上の者」三は「最高裁判所が前各号に準ずると認める者」この三つの基準に合致した者のうちから試験で採用するという方法をとっております。
○岡沢委員 それから、最高裁判所は裁判所書記官に対しては筆記試験は免除しておられるのか、やっぱりやっておられるのか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 現実にも免除しております。
○岡沢委員 終わります。
○高橋委員長 青柳君。
○青柳委員 執行官法が審議されました五十六国会の昭和四十一年六月九日の衆議院法務委員会でこれを採決する際に付せられました附帯決議があります。それを読んでみますと、全部ではありません、要点だけです。 「わが国の執行吏制度については、今回の改正をもつてしては不十分である。よつて、政府並びに最高裁判所は、引き続き執行事務を直接固定俸給制の裁判所職員たる執行官において行なう方向について検討を加え、早急にその実現方について鋭意努力すると同時に次の諸点について配慮すべきである。」そして、一から四までございますが、その中で私は特にお尋ねいたしたいのは、第二に、「執行吏代理をはじめ執行事務に従事する職員の処遇並びにその地位の安定と雇用条件について格別の配慮を行なうこと、なお執行吏代理の執行官への登用については、その経験等を参酌してできる限り有利な取扱いを行なうこと。」それから四に、「執行官以下執行事務の処理に当たる職員の教育並びに研修について、予算上の手当その他必要な措置を講じること。」 私がお尋ねいたしたいのは、先ほどのお答えの中にもありましたように、現在執行官は約三百五十名、執行官臨時職務代行者が約百三十八名、それに事務職員のようなものが三百三十一名、合計八百十九名、こういう方々によって執行関係の仕事が運営されているようであります。そして五十六国会の審議にあたりましては、執行の職務を普通の公務員と違ったこういう現在のような執行官制度のもとに置かなければならぬ理由は一体どこにあるかということに対する質問に対しましては、一口に言うと、当時執行官が三百数十名、執行官代理が二百数十名、現在よりも約百名多いわけです。それで合計六百名、それに事務をやる人がやはり三百名くらいあって、手数料制から俸給制に切りかえますとおそらく執行官の三倍ぐらい、九百名ぐらいの職員が必要であって、これが抜本的な改正に踏み切れない理由であるという要旨が答弁されているわけで、その状況は依然として改善されていないのかどうか。こういう附帯決議が行なわれてからすでに五年近くたつわけでございますから、その間の附帯決議の趣旨に沿ったどういう努力がなされたか、お尋ねいたしたいと思います。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 いろいろ検討してございますが、まず外国の法制を見ましても、俸給制のところもございますし手数料制のところもございます。あるいは一部におきましては、一部固定給で残りは手数料を加味するという制度をとっているところもございます。わが国では何といいましても明治時代からずっと手数料の制度をとってきたわけでございますが、国家公務員のあり方、裁判所職員のあり方としては、やはり俸給制が理想の姿であるということをわれわれは常々考えておりますが、現状におきましてはやはりまだ俸給制への切りかえは非常に困難だと存じておるわけでございます。
○青柳委員 手数料制度というのをあたかも何かやむを得ないもののように考えておられますけれども、裁判所がいろいろの事務を行なう場合、裁判所のサービスを求める当事着からいろいろの名目で手数料を徴収するのは、きょうも提案がなされました訴訟費用法の趣旨から見ましても、国が当事者から手数料を取るということは少しもおかしくないので、それをただ公務員である執行官というものが個人的に手数料を取るというところに何か固執しているんじゃないか。そうじゃなくて、国が当事者から手数料を徴収する、そしてもちろんそれだけで足りない場合には他の財源によりまして十分職員の俸給を保障するということでいいわけでありますから、いつまでも何か自由職業的な色彩を持っている旧執行吏的の手数料制度、そういうものを固執しなければならない理由はないように思うのです。職員が三倍になるから執行官あるいは執行に現在従事しておりますところの執行官代理あるいは事務員、そういうものを国家公務員にしてしまうことができないんだという根本的な理由がどうも十分理解できないのであります。こういう人たちはいわば民間の労働者と同じように執行官から俸給をもらって雇われていく。したがって、この人たちは非常に待遇が悪いわけです、一般の国家公務員に比べまして。恩給の問題などはほとんど論外でございましょう。したがって、こういう人たちも自分の労働者としての権利を守るためには労働組合を結成して対抗しなければならぬというような問題も当然起こりますし、現実に東京では全国一般労働組合に組織されている労働者も四十名くらいはあるというふうに聞いております。そういうわけで、私はこういう制度が附帯決議の線に沿って鋭意努力されているかどうかというところに問題があると思うのです。有資格者ということが障害の一つになっているようでありますけれども、執行官代理の資格は、旧執達吏規則十一条によりますと、「執達吏ノ登用試験ニ及第シタル者」「執達吏ノ職務修習者ニシテ三箇月以上其職務ヲ修習シタル者」「裁判所書記ノ登用試験ニ及第シタル者」というようなぐあいで、相当厳重な条件が旧執達吏規則時分からすでにきめられており、それが執行官法の附則第十一条においても踏襲されているように見えますので、どうもこれは代理のままで置いておかなければしようがないのだ、昇格させるのには不適当だというようにも必ずしも思えないわけでありますが、それを採用されるのを妨げている事情は一体あるのかないのか。 そして、特に附帯決議はそういう点に留意いたしまして、第四番目に、「執行官以下執行事務の処理に当る職員」この中には代理者もあれば事務員もあるわけですが、この「教育並びに研修について、予算上の手当その他必要な措置を講じること。」というふうになっているわけですが、前向きにこの附帯決議を実践するという努力が政府によってとられたか、あるいは最高裁判所によってとられたか。その点が私の質問の要点でございますが、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 旧法の執行吏代理、これは新法で執行官臨時職務代行者になったわけでございますが、旧法当時に執行吏に任命される資格を持っていた者は新法施行後におきましても執行官になり得る資格を持つ者でありまして、これにつきましては鋭意執行官として昇格させてきたわけでございます。その結果、臨時職務代行者の数が百名減少してきた。それからまた、その資格を有しない者につきましては、できるだけ裁判所職員に任用するという方法をとっておりまして、東京におきましても臨時職務代行者のうちから廷吏に若干名、また事務員の中から最高裁の事務官に若干名が採用されている現状でございます。
○青柳委員 個々の執行官代理や事務員が裁判所職員に採用されるということは、その人個人にとってみるとその待遇がよりよくなることでございますから私ども大歓迎でございますが、執行官制度そのものを附帯決議のいうように固定俸給制の裁判所職員たる者に変えていく。だから関連のあるところで裁判所職員にしていくというのならよろしいのですけれども、廷吏にしてしまったり他の職務のほうに使うために登用したというのでは、これは制度との関連がほとんど切れてしまいます。依然としてその不足のところは執行官が新しい人をまた雇ってこなければならないということにならざるを得ないわけなんで、なるべく執行官の数をふやし、そしてまた執行官が手数料を上げて水揚げを多くして、自分が雇う職員の待遇のために努力するなどというような必要のないように、国全体としてこの執行官制度そのものを直接行なうような努力が払われないとすると、この附帯決議は決して生かされてこないと思うわけです。だから、この点で少しでも前進面がないと、これは単に執行官から雇われている労働者の人たちの待遇問題というだけにとどまらず、この制度そのものが弊害があるわけでございますから、それを努力されないとするならば、それは附帯決議の線に少しも沿っていないということを指摘したいわけであります。この点どうお考えになっていらっしゃいますか。
○瀬戸最高裁判所長官代理者 執行官法の施行によりまして、従来の執行吏の制度が大幅に改革せられました。 それは第一に、従来は債権者が直接執行吏に事件を依頼し、直接金銭の授受をしていたわけであります。また役場も自宅に設けるあるいは裁判所外に設けるというようなことでございましたのを、執行官法によりまして、執務の場所は裁判所構内、また申し立ては裁判所にする。そして裁判所が各執行官に事件を配分する。また金銭の授受は、当事者は裁判所に金を納め、そして裁判所から執行官に手数料あるいは前納金を渡すというような制度になりまして、裁判所といたしましては、あるいは庁舎を増築し、執行官の役場を裁判所構内に収容するために努力してまいりましたし、毎年会計職員の増員を要求いたしまして、執行官の会計事務の裁判所への取り込みということに努力してきたわけでございます。すでに三十九庁が実施せられまして、本年度増員によりましてさらに三庁ふやす計画でございまして、残りは九庁という状況にあるわけでございます。 このように裁判所といたしましては、執行官法のあるべき姿の実現ということにいま全力をあげているところでございまして、執行官法の姿が現実に実現せられた場合に、さらに今後の課題として執行官の手数料制あるいは俸給制の問題を考えていきたい、こう存じておる次第でございます。
○青柳委員 最後に一つだけ。国庫補助を執行官に与えるという制度、これは暫定的なものとしてやむを得ないのかもしれませんが、これがあたかも執行官の特権のようなものになって、したがって裁判所のほうで執行官の補助的な人を使ってやる、労働を肩がわりして吸収していく、そうなれば補助などというものも削られるというようなことで、いわば個人職業的な、人を雇って幾らかもうけるという特権的な執行官の職業的な地位といいますか、何かそういうものを守っているというようなことでは抜本的な解決にはならないのではないか。執行官の人たちから見れば、おそらく補助金をうんと上げてくれというような陳情はあっても、補助金を減らして、そのかわり自分自身の費用で雇わなくても済むように裁判所のほうでどんどん排除していくということには抵抗するというような状況があるとすれば、これは前向きではないと私は考える。だから、この辺のところをやはり附帯決議もございますので、もっともっと研究をいたしまして、そういう何か執行官が、言ってみれば特権的に従来の個人職業的な色彩のものを墨守しようとすることに対しては改革のメスを加えていくということが必要ではないかというふうに私は考えます。 私、時間が参りましたから、これで終わります。
○高橋委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○高橋委員長 次回は来たる九日午前十時理事会、十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会