法務委員会 第5号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/02/26
会議録
○小島委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑はありませんか。——御質疑がないようですから、本案に対する質疑はこれにて終了いたします。 —————————————
○小島委員長代理 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小島委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○小島委員長代理 次に、細谷治嘉君外十名提出の事業活動に伴って人の健康に係る公害を生じさせた事業者等の無過失損害賠償責任に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。畑和君。 —————————————
○畑議員 ただいま議題と在りました事業活動に伴つて人の健康等に係る公害を生じさせた事業者の無過失損害賠償責任に関する法律案につき、日本社会党、公明党、民社党の三党を代表いたしまして、提案の理由及びその内容の概略を御説明いたします。 今日、四大公害裁判といわれる、熊本及び新潟の水俣病、四日市ぜんそく、及び、イタイイタイ病患者による訴訟が、きわめて難航している最大の理由は、加害者企業に故意または過失がないと、被害者に対する損害賠償を命ずることができないという点にあります。しかも、加害者の故意過失を立証する責任は、原告たる被害者に負わされているために、被害者は、苦渋に満ちた努力を続けなければなりません。しかしながら、加害者企業は企業秘密を口実として、被害者のこの努力を陰に陽に妨害するのが常であります。 このような実態は、公害訴訟においてその出発点から被害者が加害者に対して大きなハンディキャップを負わされていることを示すものといわねばなりません。公害がますます広範かつ深刻化する今日、公害加害者企業の責任を明確にし、被害者の正当なる保護をはかるための無過失損害賠償責任制度はどうしても必要であります。 民事上の無過失損害賠償責任制度は、すでに鉱業法、労働基準法などで確立していることを勘案するならば、公害訴訟にこれを適用できない合理的な理由はどこにもありません。この制度がないまま、被害者の医療救済制度を設けてみても、それはざるで水をくむがごとしといわなければならないのであります。 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一は、目的におきまして、無過失損害賠償責任制度を確立し、公害発生事業者の責任を明らかにし、被害者の救済をはかることとしております。 第二は、公害の原因と在る硫黄酸化物、硫化水素、塩素、カドミウム、アルキル水銀その他の物質で政令で定めるものを排出し、これによって人の生命または身体を害したときは、当該事業者がその損害を賠償するとしております。 第三は、食品の製造過程において人の健康に有害な物質が含まれ、これによって人の生命または身体を害したときは、当該事業者がその損害を賠償するとしております。 第四は、医薬品、医薬部外品または化粧品についても、それらの製造過程において当該医薬品に含まれた物質の作用によって人の生命または身体を害したときは、当該事業者がその損害を賠償するとしております。 第五は、賠償についてのしんしゃく規定でありますが、第二から第四に述べた食品による損害について被害者の責めに帰すべき事由があったときは、裁判所は、損害賠償の責任及び範囲を定めるについてしんしゃくすることができるとしております。 第六は、本法律案の規定は事業者の事業に従事する者の業務上の負傷、疾病及び死亡に関しては適用除外とするとしております。 第七は、公害発生事業者の損害賠償の責任については、本法律案の規定によるほか、民法の規定によるとしております。第八は、民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めによるとした他の法律の適用の規定であります。 以上、この法律案を提案する理由及びその内容の概略を申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○小島委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○小島委員長代理 次に、内閣提出の旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。大竹政務次官。 ————————————— 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関 する法律の一部を改正する法律案 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律(昭和四十二年法律第六十四号)の一部を次
○大竹政府委員 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、一般の公務員の恩給の増額が行なわれた場合には、これに伴って、執行官法による執行官の恩給も増額されることとする措置を講じようとするものであります。 御承知のとおり、現在、執行官には、退職後、恩給法の例によって、一般の公務員が受ける普通恩給または増加恩給に相当する恩給が支給され、この恩給の年額は、退職当時の執行官の国庫補助基準額を俸給年額とみなして算出することになっております。ところで、このたび政府におきましては、最近の経済情勢にかんがみ、一般の公務員の恩給の年額について所要の是正を行なう等の必要を認め、恩給法等の一部を改正する法律案を別途今国会に提出いたしましたが、これに伴い、一部の退職執行官の恩給につきましても、これに準じて増額の措置を講ずる必要が生じました。そこで、この際、執行官法による執行官の恩給の年額の改定につきましても、すでに旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定についてとられている方法にならうこととし、一般の公務員の恩給の年額が改定される場合には、別段の措置を講ずることなく、執行官法による執行官の恩給の年額もこれに準じて当然に改定されることとなるようにいたしました。 以上が旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
○小島委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑も後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○小島委員長代理 次に、裁判所の司法行政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
○畑委員 きょうの新聞の朝刊で報道されております札幌弁護士会のいわゆる司法アンケート、全国の裁判官約二千五百人に対して、平賀書簡をはじめ司法権の独立問題に関するアンケートを札幌弁護士会が郵送して調査をしておった、その集計がまとまったということで、二十五日、きのうその集計をまとめて公表したという報道でありまして、その内容が各新聞に報道されておるわけであります。 その報道によりますると、回答した人は二千四百六十一人の裁判官のうちで、四百三十二通だったというような話であります。したがって、その割合というものは比較的少ないわけでありますが、ただその回答の内容というものはなかなか軽視するわけにはいかないだろうというふうにわれわれは考えておるわけであります。しかもその中で、「司法権の独立は、その内外から脅かされていると感じるか」どうか、あるいは「平賀書簡をどう思うか」それから「裁判干渉を受けた経験があるかどうか」こういったきわめてきわどい質問でございました。全部で十項目にわたって、しかも匿名で回答を求めた、こういうことでございました。実質回答者は対象の一六%にすぎないことはすぎないのでありますけれども、その内訳は判事が百六人、判事補が六十八人、簡裁の判事が八十二人、資格記載なしが二十八人、こういうことになっておるようでございます。 先ほども申しました平賀書簡の問題については、「裁判干渉になる」「その疑いがある」という回答が圧倒的にその中では多くて、二百九十七人と全体の七七%を占めておる。これに対して、「裁判干渉にならない」として、何ら問題にすべきではないという意見もあるが、これはわずかに二十人だけにしかすぎない。さらにまた、この問題に関連した国会の裁判官訴追委員会の、平賀前所長は不訴追、福島判事は訴追猶予といういわゆるあべこべ決定と俗にいわれるその決定について、「いずれも不適当」とした者が二百十八人にも達しておる。次いで、「平賀前所長に対する決定は適当だが、福島判事については適当でない」とした者が八十二人と報道されております。「裁判干渉をされた経験があるかどうか」については、経験者が三十人おるという話。これは相当驚き入った話だと思います。このうち二十六人が上司から口頭で干渉を受けたと答えている。わずかに一人であるけれども、文書で干渉を受けたというのが一人、こういうこと。これは結局平賀書簡と同じようなものだと思うのだ。 これに関連して、「転任その他の司法行政上の措置によって裁判官の独立がおかされるか」との問いには、「ある」としたのが二百三十人、「ない」としたのが百二十八人だったということ。次に、「司法権の独立が外部の力によって脅かされつつあるか」との問いに対して、「感じる」あるいは「ばく然とした不安感がある」と答えたのは三百四人。「感じない」としたのは六十六人。また「裁判官の独立が内部から脅かされつつあるか」どうかということについて、「感じる」が百六十五人、「感じない」が百十一人、「ばく然とした不安感がある」と答えたのは九十二人というような数字になっておるそうであります。 これらの数字の中からやはり考えられるのは、この回答をした裁判官の多くの部分の人たちが、裁判の独立という問題について非常に独立を憂慮しておるというのが大体九〇%もあるということが裏書きされておるわけであります。また私も干渉されたというのが三十人とにかくおるということは、私は相当の驚きだと思うのです。最高裁ではこのアンケートについてどのようにお考えになっておるか、その所見をまず承りたい。
○吉田最高裁判所長官代理者 札幌の弁護士会のアンケートの問題でありますが、御承知のように、あのアンケートは匿名で求めております。それとアンケートに関する発表は、いわゆる各項目別ではございますが、結論だけを発表されているだけでございまして、その内容が事実であるかどうかについて、私としては確信がまだ持てないわけでございます。
○畑委員 回答が非常に少ないということはこの前にもほかの新聞でも報道しておりました。中間で報道がございましたが、最高裁のほうで、これは職域を侵すものだ。法曹三者はおのおの独立であって、おのおの自分のところの領分がある。したがって、それは外部からの干渉みたいなことになるからそういうことは慎んでもらいたいということの抗議を札幌の弁護士会が、日弁連を通じてかどうか、何か受けておる、こういうことも新聞に報道されております。それから同時にまた、各地裁等に対しても総務局長名か何かで、そういう照会がいった場合には返答を出すのをやめたほうがよろしいというような内部指導の通達か指示をしたというふうに聞いておりますが、これは事実でありますか、この点をまずお聞きしたい。
○長井最高裁判所長官代理者 この問題につきまして、総務局長名の書簡を各高等裁判所長官、地方裁判所、家庭裁判所の所長に出しましたことは事実でございます。ただその趣旨は、ただいまの御説明とはいささか内容を異にいたしておりまして、ちょっとその点だけを朗読させていただきますと、 もとより、右調査に回答を寄せられるかどうかは、各裁判官の自由でありますが、この調査については、その意図が必ずしも明らかではなく、回答の集計、分析について、その正確さを保証するものもなく、その結果もどのような目的に用いられるか推測し難いのであつて、裁判官の責任ある地位および司法制度をめぐる昨今の情勢に照らし、この種のアンケートには軽々に応ずべきではないと思料されます。今回の調査についても、各裁判官においてその取扱いにつき慎重なご検討を煩わしたく、至急ご配慮の程お願い申し上げます。 このような内容でございます。
○畑委員 用意周到に、ともかく回答をするかしないかは裁判官おのおのの自由であるということを一応前提にはうたっておりますが、その内容をいま読んでいただいたところによると、やはり裁判官としては相当の威迫というか、圧力を私は感じておると思う。まあ部内のことであるし、そういうことが外部勢力、外部のほうからいろいろ云々されるのは困るということかもしれませんけれども、しかしこれは、少なくともそういう通達ないしそうした指示があったにもかかわらず、ともかく四百名ぐらいの裁判官がアンケートを寄せておるということは、私は非常に重要だと思うのです。それだけ裁判所のほうで通達を出しておるのに、あえてやはりその照会に応じておるということが、しかもその内容が九〇%ぐらいが独立を憂慮しておる、こういうておるわけです。その点にぜひ注目をしてもらいたいと思うのです。 この間、司法協議会を最高裁で二回にわたって催した。このことについては、この前私、質問を申し上げたのでありますけれども、この際等におきましても、やはり中堅以上の選ばれた人たちだけが招待をされて、そしていろいろ協議をしているということ、したがって、比較的若い年次の人たちはそれにはさっぱり関係がないというようなこと、そういうところにこういうアンケートが来れば、やはりそういう司法協議会なんかを開催した最高裁の意図、そういうものに反発する若い裁判官もおると思う。まさにこういうアンケートこそはそういうものに対する反発の一つであると私は思う。だれでも、アンケートがあれば、しかも匿名でありますから、決してそれがいろんな形の圧力的なものはあろうはずはない。おそらく実際は自分の心境を、自分の経験を書いて出したと思うのですよ。それが人の名前を載せさせたということであると、これは自由の侵害になる。それこそこの前訴追委員会できめた、例の裁判官の思想、信条の自由を侵すような形で、氏名を名ざして回答を求めたのでありますから、この場合と全然違う。この場合は匿名で、あえて全体の指数的な、統計的なものを求めておる趣旨でありますから、こういうものに対してそう裁判所が干渉がましいことを言うこと自体がたいへん間違っておるのではないか。かえって自分の意思を守ろうというようなことで、しかもこの間の司法協議会等の催し等とも関連をして考えるならば、やはりその点もっと国民の裁判所であり、国民の裁判官であるからには、やはり人権擁護ということについて深い関心を持って、その使命感に燃えてる弁護士会がこういう問題について照会を出すについては、やはりそれは、回答は好ましくないといったようなことを出すこと自体が私は問題であるというふうに考えておったわけであります。ともかくそれでもこれだけの数字の人たちが回答を寄せておるということは、ひとつ注目をしてもらいたいと思います。これはやはり、最高裁のあなた方がいつも、最高裁判所は微動だにしない、司法権の独立は決して侵されていない、こう言い切っておりますけれども、しかし、この間の訴追委員会のあの決定、それに基づくさらに今度は裁判所側のそれに迎合するかのごときいろいろな各裁判所の処分、この前と全然逆の処分をしておる、最高裁もまたそれをそのまま支持しておる、こういうような態度こそは、私はよほど考えてもらわなければいかぬのじゃないかと思う。それこそこうした回答に示されておる九〇%の人々が、あるいは外からあるいは内から司法権の独立が脅かされているというようなことを心配をしておることにもなろうと私は思うのであります。 そこで、これは毎日新聞ですが、吉田事務総長のことばで、調査そのものが裁判の独立を守るための裁判所の自治を侵すもので遺憾である、こういうことを言っておられる。それから「公表されたアンケートの結果は全裁判官のうち、わずかの人の意見で、その方法も匿名で回答を求めた点など、信頼性にとぼしい。また回答のすべてが裁判官が書いたものかどうかも疑わしい。今回のアンケートは裁判所に対する国民の信頼をそこなうものだ。」こういうような談話を発表されておるというふうに報道されておるのですが、吉田事務総長、そのとおり間違いないですか。
○吉田最高裁判所長官代理者 そういう趣旨を発表いたしました。
○畑委員 そこで、私の考えとどうもだいぶ食い違いがあるのですが、一つ一つが食い違っておるような感じがするのです。大体私のいままでの質問の趣旨等でおわかりと思うのですけれども、裁判の独立を守るための裁判所の自治を侵すというような見解が一番基本のようでありますが、これはそういうふうに理解されないほうがやはりいいんじゃないかと思うのです。そういうことで裁判所はますます固まってしまってると、かぶとを着てしまってると、やはり国民の裁判所にならぬのじゃないかというふうに私は心配しておるわけです。 それから、公表されたアンケートの結果は、全裁判官のうちわずかの人の意見だ、しかもその方法も匿名で回答を求めたもので信頼性に乏しい。こういうことは、結局二千何百人に照会したけれども、回答を寄せた人はわずか四百何名の数字にしかすぎない、したがって数字としてきわめて少ない、しかも匿名であるから信頼性に乏しいといった——匿名だからこそ信頼性があるんじゃないかと思う。匿名でなければ、それはやはり時の勢力に迎合したりいろいろなことをやりますよ。ところが、匿名だからほんとうに正直なんだと思う。私は事務総長の考え方は逆だと思うのですが、どうですか。
○吉田最高裁判所長官代理者 さっきのことをお尋ねでございますが、司法行政の自治を侵すおそれがあるという点でございますが、これは従来からも、また理論からいいましても、裁判所の内部に対する何らかのアンケートとかそういうものを求めます場合には、弁護士連合会から最高裁判所に対してこういうことを調べてもらいたいとか、こういうふうな問い合わせをしてくるのが慣例でございます。また、裁判所も弁護士に対して何か意見を求めたい場合には、必ず弁護士連合会を通じて意見を求めるとか、弁護士連合会に各地の弁護士会の意見を求めてもらいたい、こういう照会を出しているわけでございます。これが弁護士会の自治を尊重するゆえんでもございますので、弁護士会としてもやはり裁判所、いわゆる司法行政の自治は尊重してもらわなければいけない、こういう意味で申したわけでございます。 それから、匿名だからこそ信用すべきかどうかの問題ですが、これはまた考え方の相違がありまして、ことに裁判官というような人は、匿名だからこう答える、自分の名前が出るからこう答える、そういうような区別はいたさないものだと私は考えております。
○畑委員 事務総長の理屈もわかるのです。そういう形でいままでは最高裁と日弁連との間でやってきた、それを札幌弁護士会が裁判官に照会状を出すのは、いままでのそういったしきたりを破るものだということ、それはわかるような気がするのです。ただ札幌弁護士会もあの例の事件の福島裁判官のおられた裁判所に待機する弁護士会でありますので、非常にその点でも関心を持っておるというようなところからやられたことだと思います。 しかもまた、最高裁がやはりただ司法権の独立は全然ゆるぎもしない、こういったようなことで、わずかに一部の裁判官が造反しているのだというくらいのところで、それを何とか押えるというような意味もあってか、この間の司法協議会などやって、青法協非難をやった、そういうムードづくりをやったという限りは、そういう態度である限りは、やはり弁護士会としても裁判官に直接個々に照会をして、一体個々の裁判官どう考えておるか、しかも匿名で、そうすることによって裁判官の考え方がわかるだろう、こういうことだと思うのです。それだけ最高裁が弁護士会から信頼を受けていない、自分たちのほうだけ司法独立は厳然として守られているのだというだけであって、決して実際はそうでない裁判官がこれだけおる、心配しておる、それをやはり聞きたいということが弁護士会の意向であるというふうに思うわけです。そのためにこそやはり最高裁はもっと謙虚に若い裁判官の気持ちをくみ上げる必要がある。したがって、上のほうの一部の人たちの司法協議会でなくて、やはり断層があるということは明らかでしょうから、若い裁判官あたりの言うことも十分に聞くべきだ。そういうことでないような姿勢が弁護士会が憂慮しておるところで、また照会状を出したゆえんのものであろうというふうに私は考えておるわけです。 さらに、この「回答のすべてが裁判官が書いたものかどうかも疑わしい。」こういうことを聞いて、これは何かの間違いだと思いますが、まさかだれかに書かせたり何かしていいかげんにするとは思いません。結局裁判官自身がこういうものは書くだろう、これはつけ足しだろうと思います。つけ足しか、あるいはこういうことはまさか言わないと思うのでありますが、何か吉田さんの談話を見ますと言いのがれに終始しているような感じがするのです。回答が少ないからあまり当てになりませんよというような感じを受けるのですが、それはそれとして、やはりこれだけの人たちが匿名でこれだけのことを回答しているということは、私は重大だと思う。そのことはやはり十分に最高裁においても配慮をしていただいて、従来の押しつけ的な司法行政的なやり方でなくて、やはり若い裁判官等とも対話を十分かわすというような姿勢でこれからやってもらいたい。最高裁を思うがゆえに私はそういう私の意見を述べたまでです。 まああまり長いこと議論していてもなんですから、以上でとどめたい。くれぐれもひとつそういうふうに御配慮願いたい、こういうように思います。希望を申し上げまして、終わります。
○小島委員長代理 次回は来たる三月二日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十一分散会