法務委員会 第3号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1971/02/19
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 この際、植木法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。植木法務大臣。
○植木国務大臣 私は、過日はからずも法務大臣に新任ぜられたのでございます。 当委員会の高橋委員長さんはじめ名理事の方々、各委員の方々には、平素法務行政のために非常にお勉強くださいまして、また、御協力をいただいております。私もかつて、いまから十年ばかり前に法務省にその席を汚しておったことがございますのと、それから後も法務関係の委員会にときどき委員として出席さしていただいたこともありますので、各位にはいろいろな問題について非常にお世話に相なっております。この点、深く感謝申し上げますとともに、どうぞ今後も従来どおり、さらに従来に倍して、不敏なる私のあやまちなきよう御指導、御協力をいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) 従来から法務行政の使命の問題は、申すまでもなく法秩序の維持確保、また国民の権利の保全擁護ということにあることは当然であると確信いたしておるのでございますが、私は率先躬行、最善を尽くしまして、法務行政の責任者としてのつとめを全ういたしたいと存じておるのでございますので、どうぞひとつ一そうの御協力をお願い申し上げる次第でございます。 去る二月十六日、秋田前法務大臣が当委員会においてお述べになりました所信につきましては、大体内容を伺っておりますが、私の考えもおおむね同様でございます。治安対策に万全の措置を講ずることは当然でありますとともに、公害対策というような新しい、また時節柄非常に大切なこの問題につきましても、これを含めて法務行政全般にわたる努力をいたしたいという所存でございます。 本日は、法務大臣に就任いたしまして初めてこちらに出席させていただいたわけでございますが、以上、一言ごあいさつを申し上げますとともに、重ねて委員各位の格段なる御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○高橋委員長 それでは、内閣提出の裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。羽田野忠文君。
○羽田野委員 最高裁の長井総務局長に御答弁を求めます。 まず、一般的な点についてお尋ねいたしますが、今回増員されます裁判所職員の数でございます。裁判官が十四名、裁判官以外の裁判所職員十九名、合計三十三名ということになっておりますが、これを従前の増員数と比べてみますと、昨年は裁判官二十五名、裁判官以外の裁判所職員が百五名で合計百三十名、一昨年は裁判官四十三名、裁判官以外の裁判所職員百十九名、合計百六十二名、こういうふうな増員をいたしておりますが、本年は三十三名と非常に少なくなっておる。これで裁判事務が十分処理できるのかどうか。こういうふうに少なくなっている点につきまして、その一理由をひとつ御説明願いたい。
○長井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、昨年及びその前年の昭和四十四年に比較いたしますと、増員数が少ないという数字になるわけでございます。昭和四十四年の増員が御指摘のような数字でございましたのは、一つには、高等裁判所に未済事件が非常に激増いたしまして、その処理の迅速を迫られたということ、それから交通関係の業務上過失致死傷の略式事件の処理を急ぐ必要が生じたということ、このような事情から高等裁判所の判事、簡易裁判所の判事、これに伴いますところの補助職員としての一般職員の大幅な増員が認められ、また家庭裁判所の調査官三十人が少年の資質検査に資するために増員されたわけでございます。昭和四十五年度におきましては、御承知のように、学生を中心とする集団事件が激増いたしまして、地方裁判所の裁判官二十人の増員と、これに伴います一般の職員、それから法廷警備員百名の増員があったわけでございます。こういうことで昨年は大幅な増員となったわけでございます。 昭和四十六年度、本年度の予算の要求におきましては、昨年の学生の集団事件というようなものが審理の過程におきましてやや落ちつきを見せまして、集団事件処理のための増員の必要がなくなりました。また四十四年と同様に、少年の資質調査のための家庭裁判所調査官三十六人の増員が予算上認められました。一方、少年に対しますところの交通反則通告制度が適用されることになりまして、道路交通法事件数が非常に減少いたしました。その関係で家庭裁判所調査官の減員三十六名を立てることになりました。そのためにこの関係が定員の増加にあらわれないということ及び全般的に審理事件が横ばいないしやや減少傾向になりまして、過去二年に比しまして増員数は多少減少しておりますが、最近の事件の現況からいたしますと、適正迅速な処理が社会的にも強く要請されております民事関係の公害事件、ことに特殊損害賠償事件というようなものの処理のための増員は必要である、こういうことになりまして、結局家裁調査官の減員三十六名と裁判所事務官——これは昭和四十二年の内閣の方針に基づきますところの定員管理の方式に従い、事務の簡素化と事務処理の能率化に伴うところの裁判所事務官の減員四十九名、合計八十五名の減員がございました。これを回復しました上でのさらに三十三名の増ということでございまして、中身は結局百十八名の増になるわけでございます。昨年は法廷警備員百名の増がございますから、事件の実質審理のための増員は昨年よりも多少上回っている、こういう内容になります。その主力の増員は特殊損害賠償、公害の処理及び業務上過失事件の略式関係の処理要員ということになるわけでございまして、昨年に比して目立って少ないということはないように考えておる次第でございます。
○羽田野委員 その受理件数が横ばいだということは、法務省から出されております参考資料の八ページを見ますと、裁判の中心になっている地方裁判所の民事、刑事事件の受理件数は、四十二年、四十三年、四十四年の統計を見ると、民事事件は四十四年は四十二年に比べると増加しておる、四十三年に比べると減少している。刑事事件に至っては四十四年が四十三年よりも増加しており、四十二年よりも減少しておる。横ばいということはそのとおりだと思うのですけれども、私がふしぎに思うのは、裁判官並びに裁判官以外の裁判所職員の欠員が非常に多い。資料によると裁判官の欠員だけを見ましても、四十五年十二月一日現在が欠員九十四名、これに対して前年度いわゆる昨年は七十二名、一昨年は七十名。そうすると少なくとも二十名以上、裁判官の欠員がふえておるということ、事件が横ばいであるのに裁判官が、昨年あるいは一昨年に比べて欠員が二十何名もふえておって、実際にその事件の処理ができるのか。それからまた、裁判官以外の裁判所職員の欠員の数を見ても、四十五年十二月一日現在では三百五十名、こういうふうな膨大な欠員がある。こうなってくると、この定員というものは事件がスムーズに処理されるべき人数だと私は思うのですけれども、たくさんの欠員があるということは、どういうことを原因にしてこう欠員ができておるのか。たとえばいろんな考えられる場合に、定員というのが大体水増ししておって、実際はそれだけなくても仕事ができるという意味なのか。あるいは定員だけなければスムーズに仕事ができないのだけれども、裁判官あるいは裁判官以外の職員の応募者がないために、そういうなり手がないために補充ができない、やむなく足りないというのか。あるいは予算をつけてくれないから雇えないというのか。ここのところどういうふうになるのか、ちょっと御説明願いたい。
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官及び裁判官以外の職員につきまして、多くの欠員がございます。これは予算的には手当てをしていただいておるわけでございますから、当然これは常に充員をいたしまして、事務の処理について国民に対して遺憾のないように努力する義務があるわけでございますが、裁判官のほうの欠員の補充の関係を少しく申し上げますと、裁判官の欠員は、御承知のように、定年とあるいは十年ごとの任期の満了、それから他の職業等に転職するための依願の退官、死亡、こういうものがございます。ところが、裁判官の任命資格はなかなかきびしいものがございまして、その給源は非常に限られております。弁護士さんから来ていただくことも、現在の任用制度ではなかなか困難でありまして、これを補充いたしますところの給源ということになりますと、現在のところ判事補の欠員を司法修習生から採用するということに限られ、判事の欠員は十年の経歴を経ました判事補から任用するということに限られるというのが現状でございます。それ以外に補充の道がございませんので、四月には毎年定員を充員できることになりますが、その後一年間は、先ほど申し上げましたような原因の事由が生じますと、残念ながら現状では充員できないというのが、現在の任用の状況でございます。欠員が昭和四十五年には前年に比して増加いたしておりますので、残念なことでございますが、司法修習生からの任官希望者が少なく、希望者の中から途中辞退者が出たりいたしまして、今日のような充員の状況になっておるわけでございますが、裁判官につきましては、この四月に司法研修所から出てまいります修習生の志望状況、ただいま裁判官につきましては七十五名の志望がございます。これらの人によって充員はほぼ満たされるということでございます。 次に、裁判官以外の職員の欠員、これは三百五十人、昨年十二月一日現在で欠員になっております。裁判所は全国に多数の組織を持っております。ほぼ庁の単位にいたしまして千弱の数字にのぼりますので、ある一つの庁で職員が退職しましても、すぐこれを補充することが困難である。多くの裁判所で、退職したり、あるいは新たに職につくというような任用上の異動がいろいろと行なわれております。また、その職種の中でも書記官、それから家庭裁判所の調査官、このような職種は高度の能力が要請されまして、司法研修所を卒業する、あるいは昇任試験を合格するというような資格を要求いたしておりますために、年間の補充がやはり裁判官と同じように研修所の卒業期あるいは昇任試験の合格期というような時期に限られてしまいますので、やはり年度の採用時期近くになりますと、欠員が勢いふえてまいるというふうなことになるわけでございます。その結果、十二月一日現在で三百五十名という欠員ができてまいったわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、いろいろな事件数の移動等がございまして、ある庁をふやすためにはある庁を減らさなければならないという事情が生じましても、これを強制的な配置がえをするということは今日困難でございますので、ある程度の欠員を保持しておきませんと、この間の異動が円滑に行なわれないというようなこともございまして、裁判官とは違った意味での欠員が生じており、これを保持しなければならないというような状況にあるわけでございます。
○羽田野委員 これは一応の理由はわかりますが、これほど欠員が多くては、実際に国民大衆が希望するような公正かつ迅速な裁判ということは期待できぬのじゃないか。だからそうなってくると、この欠員の状態を見ても一番重要な裁判をするところの実員が抜けておる。高裁長官なんというのはみなありますけれども、この人たちは実際裁判しません。高裁の判事、地裁の判事、家裁の判事、簡裁の判事、こういうところの欠員が一番多いわけですから、実際に裁判をするほんとうに重要なポイントの人間が抜けておるということは、これを補充するのには、ひとつ抜本的な何か考え方を変えなければいかぬ。 一つの方法としては、判事補から順々に上がって、これから補われるというけれども、七十何名、九十何名というような慢性的な裁判官欠員という状態を解決するためには、一つは裁判官の定年を引き上げる。いま六十五歳であるところの判事の定年を六十八歳か七十歳にでもせない限り、抜本的にこの充員はできないのじゃないか、こういうことも一つの方法だと思います。 それからもう一つは、私はこの前の、昨年のこの委員会でも最高裁に質問したのですが、いま実際有名無実になっておるところの地方裁判所の支部がたくさんある。これは裁判所のほうで、地方裁判所の支部で裁判官の実際いないものの数をあとから説明していただきたいのですが、これはたくさんある。それからそういう裁判所の支部で裁判官のいないところにはおのずから弁護士もいない。弁護士もいたって商売になりませんから。これは私は日弁連で調べたのですが、全国に二百四十の支部がある中で、その支部所在地に弁護士が事務所を持ってないところが五十一支部あります。五分の一強は弁護士がいない。そういうところはたいてい裁判官もいないようであります。裁判官もいない、弁護士もいないというような裁判所というものは、実際ないよりもあることのほうが非常に迅速な裁判を受ける権利を阻害しておるような結果になっておる。昔わらじをはいて馬車で通っていた時代の裁判所の配置が、現在までそのままの状態になっておる。これほど交通、通信が発達しておる時代に、そういうところに支部を置いておくこと自体が不合理なんです。裁判所も定員が足りなくなれば勢い裁判官を配置できない、弁護士もそんなところにおったって食えないから、弁護士もいないというようなところを積極的にひとつ調査して、要らないものは廃止するなり統合するなりして、そうして本庁を充実するし、残す重要な裁判所の支部を充実することによってこの定員が足りないことを補い、また裁判の迅速、公正な処理をするということを考えなければならぬのじゃないか、もうその時期に来てると思うのですが、ひとつ裁判所のその問題に対する見解を承りたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 定年延長という問題について御指摘がございましたが、御承知のように、この問題につきましては、前々法務大臣が非常に関心をお持ちになりまして、このように裁判官が少ないときに定年延長によって何とか今日の窮状の打開に資する考えはないかということで、裁判所のほうにもお話がございまして、今日検討をいたしておるわけでございまして、その結論は近いうちに出されるのではないかと考えております。 次に、支部の問題をただいま御指摘いただきました。まことに御指摘のとおりで、真剣に検討しなければならない問題であるということを裁判所当局としても痛切に感じておるわけでございます。 支部設置の目的と申しますと、やはりある程度の事件数があって、しかも交通事情が不便なために、司法的な救済が国民の間に平等に行き渡らないという弊を是正するために設けられた制度であると考えておるわけでございます。ところが、今日非常に交通事情は改善されまして、大きな地方裁判所の本庁ないしは人数の多い充実したほうの支部への出訴もそう困難ではないというような状況に達しております。また過疎地帯というようなところができまして、かつては非常に活発な働きをしておりました支部が、かんこ鳥が鳴くというような状況になっているところもあるわけでございます。ただ、一種の中央につながりを持った官庁ということで、町の誇りであるというような見方を地元の方がなさいますと、これはいきなり廃止してしまうということもなかなか人情として忍びがたい点がございますために、御指摘をいただくような今日の状態になっているわけでございます。 何ぶんにも裁判所は直接国会とのつながりがないと申しますか、選挙を通じまして国民の世論というものをじかに受け取る立場にございませんので、ただいま御指摘のような合理的な政策を推し進めますためには、国会のほうの十分な御支援をいただかないとできないことでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○羽田野委員 局長さん、非常に柔軟な新しい感覚を持っておられるようですが、これはひとつ勇気をもってやってください。 それからいまの増員の中で、簡易裁判所の判事の問題、これはちょっと私触れませんでしたけれども、今度二名になっております、一昨年が二十八名、昨年が五名ですか。この前、簡易裁判所の民事訴訟物の価額を三十万円まで引き上げたので簡裁事件は相当多くなってると思うのです。はたしてこれでできるかなということを非常に心配するわけで、その点についての御答弁と、それからもう一つは、その訴訟物の価額を引き上げる際に、当委員会で附帯決議をつけております。その附帯決議では「第一審裁判所としての地方裁判所及び簡易裁判所の人的、物的設備の充実強化に努めること。」という附帯決議がつけてあります、この決議に対して裁判所は、人的、物的設備の充実強化というのは、具体的にはどういうふうなことをしたかという点をちょっと御説明願いたいと思います。
○長井最高裁判所長官代理者 簡易裁判所は今年はわずか二人しか増加がございませんでして、御懸念をお持ちになるのはごもっともと存じます。今年の増員は、先ほども申し上げましたように、自動車による人身事故の比較的刑事責任の軽いものにつきまして、略式命令事件が非常にふえてまいりましたので、これに対処するためのものでございます。 それで簡易裁判所の事件の状況をごく簡単に申し上げますと、昭和四十四年度の一般の略式命令審理事件は、四十三年度の一〇五・四%、五・四%ふえておりまして、審理期間のほうは目立った動きはございません。 次に、事物管轄の改定が行なわれまして、法案の御審議をいただきます際に、事件数の移動がどのくらいになるかということで推測いたしまして、その結果、昭和四十四年度の地方裁判所と簡易裁判所の民事事件の割合は六八・七対三一・三という、約七〇対三〇というような割合になっておりましたが、その後この事物管轄の拡張法案の施行に伴いまして、地方裁判が五一・八、簡易裁判所が四八・二というような割合、約二〇%弱の移動があったという変動を示しております。 それで簡易裁判所の人員充実をはからなければならないかという御質問になるわけでございますけれども、従来から簡易裁判所は非常に個所が多数ありまして、各庁必ずしも一人以上配置するという状況にはございません。たとえば二庁に一人、三庁に二人というような割合で簡易裁判所の裁判官を配置いたしておりますけれども、それでもなおかつ人員といたしましては、一人配置しているところでも、〇・二人前とか〇・三人前というような庁が非常にたくさんございまして、残りの〇・八とかあるいは〇・五というような余力を存しておりましたので、ただいまの事件数の移動に伴いましても、これが処理につきましては十分消化力があるという計算になっておるわけでございます。ただ都会におきましては、移動がかなり激しい状況にございますので、これは実情を常に報告を求めまして、見合うような定員の配置の措置をとっているわけであります。 ただいまのところ、そのような状況でございまして、特にこの点につきまして予算の要求を必要とするような移動はない状況でございます。
○羽田野委員 人的の充実はわかりましたが、次の物的の充実はどのように……。
○長井最高裁判所長官代理者 失礼いたしました。 物的の充実につきましては、一つは庁舎の整備ということになると思います。戦後新しくできた裁判所でございますために、バラック式の庁舎等も相当ございます。全簡易裁判所五百七十庁ございます。このうち地方裁判所あるいはその支部と併置されているところはその庁舎に収容されておりまして、十分ではございませんけれども、ある程度改築が進んでおりますから、これは地裁あるいは支部の建築という問題でお考えいただくことにいたしまして、独立の簡易裁判所二百六十六庁あるわけでございます。で、独立庁二百六十六庁のうち整備のできましたものが二百四十九庁、これは改築が済みまして、また改築の済んでおりません簡易裁判所が十七庁ということになっております。この十七庁も下級裁判所の全営繕計画から申しますと、三年以内には全部完了したいという計画でやっておる状況でございます。結局昭和四十六年、四十七年、四十八年度末までには改築を完了するという計画でございます。もちろん整備済みの庁でも、その後事件がふえまして狭隘を告げるところが出てまいりますれば、増改築もいたさなければならないと考えております。 それから物的な面の充実といたしましては、資料とか、あるいは最近発達してまいりました能率器具の充実という問題があるわけでございます。これは執務環境整備という特別の計画を昭和四十一年に十カ年計画で着手いたしまして、昭和四十五年から第二次五カ年計画が始まりまして、簡易裁判所の裁判官室の資料の整備に着手をしております。それから写真機、リコピーというような能率器具の整備についても努力しておりまして、それから電動複写機も今年度は全庁に行き渡るようにただいま計画中でございます。なおこの上録音機あるいは卓上電子計算機というような能率器具も今年度の予算でもできる限り配賦して事務の能率化、充実をはかっていきたいという計画を持っております。
○羽田野委員 裁判所の定員に関係する部分は大体承りました。裁判所の努力されていること、また新しい感覚で進んでおるということも十分わかりました。今後ともひとつ大いに努力されたいと思います。 委員長、これに直接関係いたしませんが、この前、当委員会で扱いました沖繩の弁護士資格に関する法律のことで一言聞かしていただきとうございます。
○高橋委員長 どうぞ。
○羽田野委員 貞家司法法制調査部長にお伺いいたします。 昨年の国会で成立いたしました沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法、これが通過いたしまして、これによりますと沖繩で弁護士をしている人、あるいはその弁護士に限りませんが、法律事務を扱っている人について弁護士資格を付与するように、講習をし、その結果選考によって資格を与える、あるいは試験によって資格を与えるというような、いろいろな制度を設けたわけでございますが、その後この法律を沖繩においていかに実施をしておるか、その具体的なことにつきましてひとつ御説明願いたいと思います。
○貞家政府委員 第六十三回国会におきまして、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法が成立いたしまして、昨年の四月二十八日に公布、即日施行されました。この法律に基づきましてこの法律の施行令、これは政令でございますが、それから試験等の実施に関します司法試験管理委員会規則が六月十七日に制定されまして、この法律と政令、規則によって昨年来その試験、講習等が行なわれているわけでございます。 そこで、選考、試験及び講習の実施機関といたしましては、この特別措置法によりまして司法試験管理委員会がこれに当たることになったわけでございます。この試験、講習、選考は法律及び政令の規定によりまして復帰前に二回ずつ行なうということになっております。 そこで、昭和四十五年度におきまして第一回の選考、試験、講習が行なわれることになったわけでございます。そこでまず昨年の九月十二日と十三日の両日にわたりまして、沖繩の那覇市におきまして試験が行なわれました。これは裁判官、検察官または弁護士事務の実務に関する基礎的な素養があるかどうかを判定するための試験でございまして、民事訴訟実務、刑事訴訟実務につきまして筆記試験を行なったわけでございます。この試験におきましては九十二人の方が受験されまして、そのうち十八人が合格という結果になっております。 次いで、昨年の十一月二日からことしの二月六日までの三カ月にわたりまして、同じく那覇市におきまして選考を受けようとする者のための講習が行なわれました。これは本邦の法令並びに裁判、検察及び弁護士事務の実務に関する講習でございまして、この講習には、先ほど申しました試験の合格者十八人を含めまして百八十七人が参加されまして、本土の司法研修所教官を主体といたします講師による民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護という科目についての講習をきわめて熱心に受講されたと聞いております。もっともこれは三カ月間と申しますが、交代でやりますので、各人につきますと六週間ということになるわけでございます。この講習の目的は、本土の法令と沖繩の法令あるいは実務が相違しておりますので、それを補うための講習ということで、これは強制的ではございませんが、非常に多数の方が受講されたようでございます。 最後に、選考でございますが、これは実はちょうど明日から二十四日までの五日間にわたりまして、同じく那覇市におきまして選考のための面接試問が行なわれることになっております。この出願者百九十二人の方が面接試問を受けられるという予定でございます。そこで司法試験管理委員会におきましては、この面接試問を受けた者に対しまして、さらに過去の経験等を考慮いたしまして経歴評定を行ないまして、選考の最終合格者を決定いたしまして、その合格者を三月上旬には発表するという予定でございます。そしてこの選考に合格いたしました者は、合格の時点において本土の司法修習生の修習を終えたものと見なされるわけでございまして、いわゆる法曹資格をその時点において取得するという結果になるわけでございます。 今後の計画でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、復帰前に二回同じようなことを繰り返して行なう。したがいまして、復帰の時点がわかりませんと正確なことは申し上げられませんが、本年以降、やはり試験、講習、選考という過程がもう一度踏まれるわけでございまして、第一回の試験に不合格になった方その他も、もう一度この試験を受ける、あるいは選考を受けるというチャンスが与えられているわけでございます。
○高橋委員長 それでは、次回は来たる二十三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十分散会