文教委員会 第11号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/24
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 鈴木一君外三名提出の大学基本法案を議題といたします。
○八木委員長 提出者より提案理由の説明を聴取いたします。鈴木一君。
○鈴木(一)議員 私は、民社党を代表して、ただいま委員会に付託された大学基本法案の提案理由を説明します。 昭和四十三年並びに四十四年にかけて全国の大学を襲ったいわゆる学園紛争は、極左の七〇年闘争の挫折あるいは大学の相次ぐ警察官導入等によって一応収拾の方向に向かい、最悪の事態が回避されました。しかし、それはいわば強権の発動による一時的解決であり、学園紛争の根源をついた抜本的な解決でないことは言うまでもありません。 その意味で、むしろ学園紛争は内攻的に潜在化したにすぎないと言うべきであります。 学園紛争の抜本的解決は、旧態依然たる現在の大学制度の根本的改革なくしてはとうていあり得ません。しかも鉄は熱いうちに打たなければなりません。大学改革はいまこそ断行しなければその時宜を失し、問題を先へ先へと延ばし、かえって事態を悪化させ、またまた危機的な事態を惹起させることは必至であります。 われわれが、いまこの大学基本法案を提案せんとするのもこのような認識からであります。 このような認識に立ちまして、以下まずわれわれの大学改革に対する基本的な考え方を述べたいと思います。 まずその第一は、大学をして人間形成の場、すなわちもっぱら教育の機関とすることであります。 現行学校教育法は戦前の大学令に比べるとやや実情に近づいてはいますが、やはり大学を学術の中心とすると規定し、大学の主たる目的を学問の研究に置いています。これは明治、大正の時代のように大学がエリート教育の場であり、大学の目的が少数の指導者を養成することにあった時代ならともかく、今日のように同一年齢層の二〇%をこえ、理想としては一〇〇%が進学することを目ざすべき大学の実情に即しないのは当然であります。深く専門の学芸を研究することに適した者はごく少数であるのが当然であり、大多数の者は高等教育を受ける能力はあっても深く専門の学芸を研究するにはむしろ不適当と言うべきでありましょう。研究能力のあることはもとより望ましいことではありますが、それが人間能力のすべてではありません。文化の程度が一般的に低かった時代に知的エリートが特に尊重されたのはやむを得なかったにしても、文化の水準が著しく向上した今日においては、大学の使命は広く人間能力並びに人間性の開発に置かるべきは当然であります。もちろん社会は高度の専門的学芸の研究を要請しています。したがってわれわれはその要請にこたえるためそれに適した者を収容し、深く専門的学芸の研究をさせるため、大学とは別に大学院大学を設置すべきであると考えております。換言すれば、大学は広く国民大衆に高等教育を授け、人間性を開発する教育機関とし、大学院大学は深く専門の学芸を研究するところとし、両者の機能を分ける必要があります。大学紛争の大きな原因の一つは、現在の学生生活が学生を満足させていないからであります。それは現体制が古い大学の理念にとらわれ、古い大学の理念を学生に押しつけ、学生もまたその理念に感染され、その結果、理念と現実の間に矛盾を生じ、劣等感、欲求不満、疎外感、絶望感となり、その不調和が無力感となったり、狂暴な反抗となったりするのであって、大学紛争解決の近道は大学を改造することであります。 ただいま上程されました大学基本法案は、以上述べた新しい大学の目的を達成するため、次の事項を織り込みました。 第一は、大学教育の内容をなす教育課程であります。従来の大学が、深く学芸の研究をしなくてはならないという思想にとらわれていた結果、一般教育という名のもとに必要以上に準備教育に時間を空費して学生を退屈にし、学習意欲を減殺した事実にかんがみ、入学のときから直ちに専門課程を教えて学生に専門教育による自信をつけさせるとともに、専門教育をみずから総合し、批判するため四カ年を通じて一般教育を授けること、従来軽視されていた体育を重視し、ただに体位の向上をはかるだけではなく、体育を通じて人間の社会性を開発すること、最後に従来無視されていた情操教育を達成するため芸術科目または芸能科目を設置し、新時代における社会生活のあり方を教えること等を内容としております。 第二は、大学の管理運営であります。従来大学は社会に対して閉ざされ、その閉ざされていることを誇りとする傾向がありましたが、大学基本法はそれを改め、大学の管理運営の決定権を理事会とし、その構成要素を学長、教授代表、職員代表のほか、卒業者代表並びに社会代表とし、大学管理運営の責任と権限を大学の教職員以外の人にも与え、大学が社会に対し開かれていることを制度として認めることにいたしました。しかし、管理運営における合議制度の欠陥を補うため、学長の実質権限を強化することが意図されております。 第三に、従来不明確であった学生の地位を明確化し、学生を教授、職員とともに大学の正式な構成員とし、学長選挙並びに学生協議会を通じ大学の管理運営に参加させることにいたしました。 第四に、現在の国公私立の区別を廃止して一切の大学を大学法人立とし、国家はその公共性を認め、財政的負担をすることにいたしました。もちろん、この規定の趣意は、現在の大学、ことに伝統ある私学の特徴を無視する意味ではなく、かえって現在の国公私立の特徴を生かし、財政的理由により大学の質が低下するのを防ぐことを目的としたものであります。 大学基本法の概要は以上の説明でほぼ尽くされていると思いますが、ここに明瞭に御理解を願いたいのは、本法案はあくまでも大学基本法案でありまして、新しい時代における大学の基本的原則を規定しただけであります。したがってその詳細、たとえば教育課程、管理運営の方法その他は別の法律、政令、省令等に譲ることにいたし、わが党においてはすでにその研究を進め、近く成案を得る予定であります。 大学の紛争は現象として見れば不幸な事件の連続でありますが、それは近世以後人類がつくり上げたいわゆる近代文明そのものが重大な欠陥を露呈している証拠であり、大学紛争は近代文明の根底に対する挑戦でもあります。したがってわれわれの課題は、いかにして最小限度の犠牲により、近代文明を超克し、新しい人類の文明を創造するかであり、右に述べた大学基本法は新文明創造への一つの提案であります。ゆえに私は、本委員会が政党政派を超越し、高いステーツマンシップの立場から本案を御審議くださることをお願いいたしまして、本法案の提案理由の説明を終わります。
○八木委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○八木委員長 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 先ほどの理事会の協議により、文化財保護に関する調査のために、小委員十一名よりなる文化財保護に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 なお、小委員会及び小委員長の選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。 それでは、小委員に 小沢 一郎君 久保田円次君 河野 洋平君 谷川 和穗君 野田 英二君 松永 光君 森 喜朗君 川村 継義君 山中 吾郎君 有島 重武君 鈴木 一君 以上十一名の方々を指名いたします。 なお、小委員長には久保田円次君を指名いたします。 なお、委員辞任に伴う小委員及び小委員長の補欠選任、小委員及び小委員長の辞任の許可及びそれに伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 ————◇—————
○八木委員長 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。川村継義君。
○川村委員 ただいま議題になっております高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部改正について、若干お尋ねをしていきたいと思います。理事会の申し合わせでたいへん時間が制約されておりますから、局長お答えいただくときに、ひとつ明断にお答えいただきますようにお頼みいたします。 これまでの質疑を聞いておりまして、できるだけ重複は避けたいと思いますが、あるいは重なる質問もあるかと思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。ただ松永委員の質問をなさったときの速記録もできておりませんで、どうもよくその辺がつかめておりませんから、一言申し上げておきたいと思います。 まず、これは局長からお答えいただいたほうがいいと思いますけれども、現在の定時制高等学校の数、これは独立しておる場合もありましょうし、併設されている場合もありましょう。それから先生の数、それから通信教育を実施しておるところの学校数、定時制、通信教育の実態と申しますか、それらを少し明らかにしておいていただきたい。実は、こういうものについては初めに資料で出していただくと非常に助かるのですけれども、それがないから一応ひとつお答えいただきます。
○宮地政府委員 お答えいたします。 定時制の学校数でございますが、公私立、本校、分校等合わせまして、合計数は千八百四十二校でございます。そのうち公立が千六百七十五、私立が百六十七でございます。また、独立校と併置校の関係で申し上げますと、公私立合わせまして、独立校が六百十一、併置校が千二百三十一でございます。公立だけについて申しますと、独立校が五百八十五、併置校が千九十、こういうことになります。 教員の数でございますが、教員と申しますのは、校長、教諭、助教諭、さらに実習助手まで合わせまして公立の合計が二万八千百十一でございます。うち専任が二万三千四百一でございます。公立だけでございます。 さらに、次に通信制のほうを申し上げますと、通信制は公私立合わせまして学校数が八十二校でございます。独立校、併置校の関係は、独立が十四、併置が六十八ということになります。公立だけで申しますと、独立が六、併置が六十一、計六十七ということになります。 通信制の教員の数でございますが、公立につきましては合計三千五百十八、そのうち専任が千七十七、兼任が二千四百四十一ということになります。
○川村委員 いまの定時制の学校の数等は、それは四十五年現在ですか。
○宮地政府委員 さようでございます。
○川村委員 そうすると、これは文部省から出しておる統計ですが、四十四年五月一日現在の統計によると、総計公立、私立合わせて定時制は六百五十、併置されておるものが千二百五十、そうして千九百となっておりまして、先ほどの数と少し違うんだが、四十五年になってから増加しておるのかどうなのか、それが一つ。 それから、教員の数二万八千幾らとお答えいただいた、二万八千何人、それをもう一ぺんお答えいただきたい。
○宮地政府委員 失礼いたしました。先ほど私が数字を申し上げましたのは四十五年五月一日現在でございまして、先生がお読みになられました四十四年度と比べまして学校数は減少いたしております。これは本校、分校等、過疎地域等におきましてはとりわけ分校等の統廃合が行なわれて、四十五年に減少いたしております。 なお、再度お尋ねの教員数でございますが、事務職員を除きまして実習助手まで含めたいわゆる教員全体ということで計算いたしますと、公立の定時制で二万八千百十一。内訳は、専任が二万三千四百一名、兼任が四千七百十名。ちなみに公立の事務職員の数を申し上げますと、専任が千九百四十五ということになっております。
○川村委員 確かめておきますが、そうすると、今度の四十六年度予算でいわゆる手当のアップを要求しておられる七億七千五百万円、その三分の一補助の人員は二万三千九百十八人分を要求しておられるのですね。いまの事務職員を除いたほかの対象人員と数が合わない。これはどう解釈していいですか。
○宮地政府委員 これは、今回のは本年度の在職者をもとにいたしまして計算いたしておりますが、その結果、休職者とか研修出張中の者とか、実習助手でございますとまた政令に資格要件が掲げられておりまして、そういう者を除きまして手当を受けるという者が二万三千九百十八名というふうにいたしました。それで、これは併設されておる学校の校長さんがこの手当をもらわれますので、二万三千九百十八人の内訳を申し上げますと、校長が千三百六十三人、それから教員で休職者等を除きます者が二万一千四百二十六人、実習助手が千百二十九人、合計いたしましていま申しました数字が手当の対象者でございます。教員数は、それよりまだ、休職者とかあるいは実習助手で専任ではありましても手当の対象にならない、いわゆる手当対象の資格を持ってない実習助手等は除かれるわけです。そういったあるところではふえ、あるところでは減るといった計算が行なわれております。
○川村委員 それで二万三千九百十八人の内訳は明確になりました。 そこで急ぎますが、これまでの質疑を聞いておりますと、定時制高校に入る生徒がだんだん減少をしてきておる、反対に通信教育を受ける生徒は増加をしておる、こういうことはいままでお答えになっておったようであります。そこで私ちょっと申し上げますが、これはお聞きしたほうがほんとうはいいのですけれども、時間の関係で申し上げますが、昭和二十八年に大体四〇・二%の全日制高校の生徒が入っておった。そのときには定時制は七・三%の生徒が入っておった。だんだん減少してきて、昨年は、全日制は七七・一%の生徒が入り、定時制は四・四%に減少をしておる。これを人数別で見ると、四十三年ころには十万四千七百人も入っておったものが、四十五年には八万二千七百人という、人数でいえばこういう進学の減少を示しておる。高校生の総数は、いわゆる子供のピーク時代といわれた一九六五年のころには五百十九万人高校生の総数があった。それが生徒数がだんだん減ってまいって、昨年の五月には四百三十八万人に高校の生徒が減った。これを全日制と定時制に分けてみると、全日制は一五%減少の七十万人程度である。ところが定時制は二七%減少の十四万人減っておる。こういうような数字を一応私としては聞いておるわけです。これはあるいは文部省が握っておる数字とは少し違うかもしれないが、このように定時制に入る者が相当減ってきておるということは、いままでの質問を聞いておりますと、全日制の進学が高くなったので定時制に入る者が少なくなった、ただこういう形の上だけの答弁しか聞かれなかったようであります。ところが私は、定時制の進学が減ってきたということには、定時制教育の振興を考えるならば、もっと掘り下げた分析がなければならないのではないかと考えます。 そこで、これは大臣ひとつお答えいただきたいと思いますけれども、定時制に学ぶ生徒の立場に立ってみても一体どういうような原因があるだろうか。ただ全日制にたくさん行くから定時制が少なくなったということでは済まないような幾つかの原因がある。その原因をとらえておらないと、ほんとうに定時制教育の振興ということの的をはずすことになりはしないかと思うのですね。その辺のところ、ひとつお聞かせいただきたい。
○坂田国務大臣 御指摘のように、一つには、高等学校の全日制に入学する生徒が著しく増加をしたということ、それからもう一つは、高等学校の通信制課程では生徒数が増加しておる、あるいは職業訓練施設、各種学校などの生徒数が増加している、これはやはり定時制生徒の減少しておる一つの原因だといいますが、しかし、もう一つは、おっしゃるとおりに、新たなそういうような全日制に入っていくということと同時に、定時制そのものが一体今日の世の中に、ちゃんと魅力ある勤労青少年のための高校としてどうなんだというところは確かにあると私は思うわけでございます。その一つには、まず勤労条件やあるいは生活条件と生徒の学習負担とのかね合いについての配慮が必ずしも十分ではない、あるいは教育内容の面におきまして、個々の生徒の個性を伸ばし、あるいは生徒の経験や進路に応じた教育課程の配慮が不足しておる、あるいは施設設備や給食の充実などの学習条件の整備に問題があるのではないか、あるいは定時制教育についての事業主等関係者の認識不足あるいは理解が足りないというところに原因があるのじゃなかろうか。そういうことに関しましては、教育関係者たちの一般社会に対する定通教育についての啓蒙あるいはPRというものが足りないのじゃないか。そういうことと、それから中学校の段階におきましては、定時制課程等へ入学する進路指導が十分ではないのじゃないかというようなことが考えられるわけでございまして、先般もお答えを申し上げましたように、一応定時制教育、通信教育についての転換期と申しますか、もう一ぺん見直してみる時期に来ておるというふうに私は考えるわけでございまして、十分皆さま方のお知恵を拝借いたしまして、魅力ある定時制高校のあり方というものを考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○川村委員 私も、いま大臣がお答えになりましたようなとらえ方、たぶんそういうところに大きな問題があるのじゃないかと思っております。そこで、それらの障害をやはり取り除いてやる、そういうところに向けねばならぬと思いますが、その点についてあと二、三お尋ねをしたいと思います。 私は、一つは、定時制に学んでおります生徒というものは、いつか局長が答弁しておられたように、中学で成績があまりよくなかったから就職をして、そして定時制に行っておる、それだけではない。これはやはり家庭及びその他の経済的なものがその生徒に大きなおもしとしてかかっておる、そういう生徒も相当あるのじゃないかと思うのです。そこで、やはり経済的な問題と申しますか生活条件というか、そういうものに私どもは、定時制に学ぶ生徒については眼を向けておくということも非常に大事だと思います。 そこでこの際、労働省おいでいただいておりますから、ちょっとこの辺聞かせておいていただきたいと思います。よろしゅうございますね。 経済企画庁がいつか発表をしたと思いますが、年少労働者の、いわゆる十九歳以下の平均賃金というのは、おととしの統計だったと思いますけれども、男子のほうが年間平均賃金が二万五千三百四十五円、女子のほうが二万三千四百二円、こういうように経済企画庁が発表していると思いますが、この点について労働省としてはどのようにとらえていただいておるか。と申し上げますのは、このいわゆる定時制に行っている生徒でも、これは名前は申し上げませんけれども、三重県のある高校の、これは集団就職をしているところの生徒を調査したのがあります。一万円以上自分の家庭に送っている者もいる。五千円以上送っている者、三千円以上送っている者、ほとんど大多数の生徒がわずかの賃金の中から家庭に送金をしておる。三分の二以上が送金をしておる。そういう生徒がやはりこの定時制に学ばねばならぬ。そのことを考えると、これは相当生徒自身の経済的負担ということもある。そうなると、定時制教育を受ける生徒の意欲というものあるいは修学の熱意というものをやはり失わせる原因になるのではないかと私は見ております。しかもそういう生徒の中には親のいない生徒も相当おるという。こういう実態を考えると、これはやはりこの生徒の収入あるいは家庭の経済的な理由、こういうものをあわせ考えて定時制に勉強する生徒を見詰めておらねばならぬのではないか、こういうことを考えるからお尋ねをするわけです。それが一点。 それから、お答えいただいてからお聞きするのが当然かと思いますけれども、時間の関係上続いて労働省にお尋ねいたします。総理府から出しておる青少年白書に労働力人口を示しております。この中で青少年の労働力人口の統計があります。相当高い。これはおくといたしまして、最近、労働災害の不幸な事態に遭遇する若年労働者が非常に多いといわれる。そこで、この労働災害の実態あるいはその中における若年労働者の労働災害状況は一体どうなのか、それをまず労働省のほうからひとつお聞かせいただきたいと思います。
○保谷説明員 第二点の労働災害を担当しております保谷でございますが、お答え申し上げます。 最近における労働災害の動向でございますが、戦後の長期的動向を見てみますと、昭和三十六年をピークといたしましてその後減少をしておりますが、その減少のしかたが最近鈍化しております。ここ三年くらいの様子を見てみますと、昭和四十三年に休業八日以上休まなければいかぬというような方が三十八万六千人おりましたが、その後減ってはおりますが、その減り方が四十三年を四十二年に比べますと約四・二%減少、それから四十四年では一%の減少というふうにやや鈍化し、四十五年に入りますとほぼ六%の減少の見込みであります。しかしながら、災害による死亡者を見ますと、これが必ずしも減少の方向を示しておりません。四十三年に六千八十八名が四十五年には六千七十一名というように、横ばい状態でございます。その中における年少者の労働災害は、四十四年まで統計が出ておりますが、三十八万二千人の休業八日以上の死傷者のうち、約九千人が十八歳未満の年少者の災害でございまして、その率は二・四%であります。この数字から見ますと、年少者の災害は二・四でございますからかなり低いわけでございますが、しかしながら、年齢別に災害発生率を見てみますと、やはり未経験であり、かつ体力等も十分でないというような理由等によりまして、年少者の災害の発生率は、たとえば二十歳代、三十歳代に比べまして高いのが現状でございます。
○川村委員 いまお示しいただいた中で、特に製造業それから建設業、ここにおける労働災害が非常に多い。当然若年の十八歳未満の労働者の労働災害も製造業、建設業にはなはだしく多い、こういう数字があらわれておるわけです。そこで、定時制教育及び通信教育等の振興を考えていく場合に、ほんとうにこのような若年の生徒諸君がどういう経済的な条件あるいは賃金の状態にあるのか、こういうものを一応念頭に置いて教育振興の手だてというものを考えてやらなければ、ただ幾ら金を出したからといって定通教育がうまくいくものではない、こういうことを思います。これはそういう働く生徒の労働環境、労働条件に非常に大きな影響がある、こう考えるわけであります。 それからいま一つは、先ほど大臣もお話しになりましたように、中学を卒業する者が総体的に減少してきておる。それから社会の要請と申しましょうか、時代の要請と申しましょうか、あるいは子供たちの進学意欲と申しましょうか、全日制進学が高まっておる、そして定時制に行くところの生徒が少なくなっておるということは、これは考えられることであります。ただ、いま一つここで考えてみなければならぬことは、どうしても学校を出て就職する場合に、全日制を出た子供と定時制を出た子供とが差別をされておるという実態があるようであります。ここにも私たちは非常に注意を払わなければならぬ問題があるように思います。その点について文部省のほうはどのようにお考えになっておるのか、あるいは労働省の指導課長さんおられますが、そういうことについて何か皆さん方でつかんでおられる実態をお知りであるかどうか、この際ちょっとあわせてお聞かせいただきたい。
○宮地政府委員 定時制の卒業生と全日制の卒業生が就職にあたりまして機会が均等でなく差別されるということは、これはまことに道義上、人道上からも許されないことでございます。ところで率直に申しまして、にもかかわらず過去においてはそのような実態がございました。そういうことにかんがみまして、文部省といたしましては、もうすでに十数年前から日経連とか経団連とか商工会議所、こういったような方々とも十分話し合いもいたしましたし、さらに事務次官通達を出してそのようなことのないように、さらに初中局長名では毎年こういった団体の代表、全国の主要事業主に対しまして、差別をしないようにお願いしたいという依頼をいたしております。 ところで最近におきまして、少なくともこういった私どものほうからお願いをいたしております団体等の報告を徴しましても、だんだんとよくなってきておる。しかしながら、まだ完全に全く同じような実態にはなっておりません。したがいまして今後とも努力いたしたいと思いますが、少なくとも官公庁、特に公社公団等では、いわゆる半官半民のようなところでも差別をしておるといったようなことがございまして、強くお願いいたしましたが、公社公団といったようなところでは、今日ではもう全然差別をしないようになっております。また大きな事業所等におきましても、相当改善を見たようでございます。しかし、完全ではございませんので、なお一そうこういった点について努力いたしたい、こう思います。
○保科説明員 ただいま文部省のほうからお答えがございましたけれども、高校の職業紹介業務につきましては、高校と安定所が相協力して実施しておるところでございます。私どもの立場といたしまして、本人の適性と能力によって就職のあっせんをする、こういう立場でやっておりますし、事業主に対しましても、本人の適性と能力によって採用するようにというふうに極力指導しておるところでございます。具体的には、中央におきまして関係の業界団体へ要請いたしますとともに、県の安定課あるいは職業安定所におきまして事業主懇談会を催しまして、全日制、定時制の区別なく本人の適性と能力によって採用するようにというふうに、事業主に対して指導しておるところでございます。 最近の状態といたしまして、過去に比べますと、定時制なるがゆえに採用しないというような企業はだんだん減少しておりますが、まだ定時制は採用しないという企業も若干ございます。極力教育機関と連携をとりまして、かような事業主に対しまして積極的に指導してまいりたいというふうに考えております。
○川村委員 いま労働省、文部省のほうからお話がありましたように、努力はいただいておるようであります。これはひとつ関係省で企業側に対する努力を願いたいと思うのですけれども、まだまだやはり定時制卒業者は、中学を卒業した子供と全日制を卒業した子供の中間あたりで賃金を出すというような例が相当あるようであります。これは御存じのとおりであります。 それから、いま労働省のおことばにありましたように、どうも若年労働力が不足不足といいながらも、定時制卒業者を採用したがらない企業もまだまだ見受けられるようであります。これはひとつ、いま労働省のお話にございましたように、ぜひ力をかしてもらわなければならない。こういうような状態を早く解消することが、定時制に行って勉強しよう、自分の力を高めよう、こういう意欲を高めていく、勉強するという願いをかなえる条件整備になると思うんですね。どうも苦労して定時制に行って学校を出ても、全日制と差別される、こういう状態ではやはり子供も行きたがらないというような条件が生まれてくるのではないか。この辺にもわれわれは眼を向けておる必要がある。それから大臣がお話しになりましたように、これは確かに中学校の先生方の手落ちもあると思うんですね。 実はこれは愛知県の調査なんですが、定時制の子供に、あなたはこの定時制に勉強をするのにだれからこの機会を聞いたかと調べてみたら、七割の子供がほかの者から聞いているのですね。中学校の先生から聞いていない。これは私は、中学校の先生に相当やはり考えてもらわなければならぬ問題があると思うのです。ところが反対に、埼玉あたりの調査によりますと、やはり中学校の先生あたりが、全日制に行かなかった子供をよく指導して、そして定時制にその進路を進めてやったというような実態調査もできております。これはやはり中学校の先生方にもひとつ考えてもらわなければならぬ問題があると思います。大臣のさきのおことばの中にもあった、そういう問題をひとついろいろと分析し、つかんでいきながら、この教育の振興、つまりこの法律の目的に書いてあるように、働く青少年に勉強させるという、この目的を達するように努力をする必要があると思います。 それから、いま一つ考えなければならぬと思いますことは、これはまず労働省のほうにお聞きいたしますが、これはいつか労働省の発表があったように記憶いたしますが、中学を出て就職をすると非常に離職する子供が多いというようなことをいわれております。白書にも実はそのことを指摘しております。これはあなたのほうの調査なんですがね。そこで、せっかく中学を出て仕事についたといっても、もう一年か二年、三年ばかりの間には、ほとんど半数以上の者が離職をしてしまう。この離職をするということは、これはやはり定時制にもとてもとても通うような生徒ではないのじゃないかと思われるわけです。そこで、ちょっと労働省のほうから離職の状態をお話しくださいませんか。
○保科説明員 中卒の離職状況につきましては、失業保険の資格の得喪のデータから離職状況の調査を毎年いたしております。昨年行ないました調査によりますと、四十二年三月の中学卒業者で就職した者の離職状況でございますが、就職して一年の間に離職いたしました離職率が二二・一%でございます。就職して二年間の離職率が三八・六%、就職して三年間の離職率が五二%というような状態でございまして、これを規模別に見ますと、従業員規模が小さくなるほど離職率が高くなっているというような状況でございます。産業別に見ますと、中卒の場合、離職の多い産業は、建設業、卸小売り業、サービス業というような産業が、離職率が高くなっております。
○川村委員 そのような原因、理由、それは一体どこにあるのか、皆さん方どう分析しておられますか、それをひとつお聞かせください。
○保科説明員 このような状況に対処しまして今後どうするかという問題でございますが、まず、学校、職業安定所におきまして進路指導、職業指導というものをやっておりますが、こういう職業指導を充実して、生徒の適性と能力に合った職業紹介をするとか、これが基本的に重要なことであろうかと思います。 それから、やはり年少就職者でございますから、就職した事業所の受け入れ体制がどうであろうか、労働条件、職場環境がどうなっておるだろうか、こういう労働条件、職場環境が整っている事業所を紹介する、これが今後必要なことであろうと思います。 三つ目といたしまして、就職してからの指導。職業安定所に年少就職者相談員を委嘱いたしまして、こういう年少就職者が就職している事業所を回りまして、就職後の悩みその他を聞いて解決に当たるというようなことをやっておりますが、こういう就職してからの指導をさらに強化する。この三点によりまして今後対処してまいりたいというふうに考えております。
○川村委員 中学を出て、職業紹介のあっせん等で集団的に都会に就職をする、あるいはその他の方法で就職をするが、せっかく仕事についた子供たちが、いまお示しのように、一年、二年、三年ばかりで相当多数のものが仕事を離れていく。その中には失業するものもおりましょうし、すぐ他の仕事に移る、そういうものもおりましょう。そういうものも、青少年問題の一つとしてこれにも実は指摘をしておりますが、こういうものにわれわれがやはり眼を注いで、どうしてそれをりっぱにするかということがないと、これはこちらで考えるところの定時制教育の振興という根元のやつがくずれていくのじゃないかと思います。 そこで、文部省の大臣お気づきでありますか、局長お気づきであるか知りませんが、いまの一つの要因をつくっておるところについては定時制教育の問題がある。というのは、定時制に通っておると、違う企業の子供たちの賃金やらいろんな条件をお互いに話し合う。そうなると、劣等なところの子供たちがやめたと、こういうかっこうになるかもしれません。実際実例がございます。そうなると、これはこちらのほうの離職ということにつながりますし、こちらの定時制ということにもこれは問題が出てくる。そこで最近は、企業側が定時制に生徒を通わせるのをどうもたいへん警戒をしておる、これを押えるという風潮が出ておる。お気づきでございましょうか。そこで私は、よほど注意をしていただきたいと思うことは、正しい定時制教育を進めるとそういうものが出てくるからというわけではないでしょうが、大臣の趣旨説明の中に、この「教育においては、生徒の生活実態を考慮しつつ教育効果を高めるため、技能教育施設との連携教育や定時制教育と通信教育との併修、さらに昼夜の二部制、三部制」、こういうものがふえてきた。これは、ふえてくることは一体いいのかどうなのかという問題が残ります。これを奨励していいのかどうなのかという問題が残ります。大阪の紡績に働く女の子供たちの二部制、三部制が非常に問題を起こしておることは、おそらくお耳に入っておると思う。そういう幾つかの問題があります。併修ということについても、もっともっと文部省は突っ込んでひとつ考えてもらわなければならぬという問題もあると思うのですね。 そこで、そういうようなことを考えると、これは文部省、労働省密に提携をして、そういう悪条件の中に落ち込まないようにひとつ努力を願いたいと思います。実は時間がだんだんなくなりますから、その辺のところを、皆さんも御存じでありましょうけれども、少し実例でお話しをして、私の言わんとするところを申し上げたほうがいいと思いますが、ちょっと抽象的になってしまいましたけれども、いまの点を指摘しておきます。いまの点についてちょっと所見を聞かしていただきたいと思います。
○宮地政府委員 確かにお話のようなことがあろうかと存じます。技能連携施設の制度を推進いたしておりますが、その気持ちは、働きながら学ぶ子供にできる限り生活実態に即した学習の形というものが与えられれば、高等学校を卒業もできるし、また社会的にも必要であればその資格も取れるということで、子供の勉学の機会ということをまず念頭に置いてこういうことをやっております。しかし、御指摘のように、この制度はいわばもろ刃の剣のようなことで、雇用主から考えますと、自分の都合のいいような時期に勉強するならしてもいい、会社本位で工場の仕事が済んだらやってもいいというような観点からこの制度を利用されますと、まことに趣旨と違った、先生の御指摘のような点が起こりかねない面がございます。しかし、趣旨はあくまでもそういうことで、これは四十五年五月に成立いたしました勤労青少年福祉法におきましても、この法律で事業主、雇用主等に対しまして、勤労青少年が定時制高等学校等で勉強している場合は、その子供が勉強するのに必要な時間が確保できるように、できる限り事業主は配慮するようにつとめなければならない、これも精神的な訓示的な規定といえばそれまででございますが、そういった法律もできております。したがいまして、この趣旨が十分徹底されるように、事業主の都合、事業主本位でこの制度が運用されないように十分気をつけてまいりたい。またそうしなければ、せっかくのいい趣旨も乱用、悪用されて、むしろ予想もしない、かえってこういう制度をつくらなかったほうがよかったというような結果にならないように私ども努力いたしますが、同時に、雇用主の理解も、この福祉法に基づいて今後一そう強力にお願いしたいと思っております。
○川村委員 ぜひひとつ御努力を願いたいですね。私は通信教育を悪いとか否定するなんていうことは毛頭考えておりませんが、そういう意味で最近企業側のものの考え方として定時制よりも通信教育をやれというようなことで、特に私立の通信教育の中にかかえ込んでいく、こういう傾向が強まっているということをぜひ念頭に入れておいていただきたい。通信教育が悪いというわけではありませんよ。とにかく定時制に通うことをやはり相当いやがる傾向があるので、これは、ひとつ文部省も努力を願わなければならぬし、労働省あたりのお力をいただくことも多いのではないかと思います。そういう意味で、今度予算に三十校という何か一つの指定校を設けていろいろ研究なさるそうですが、これは先ほどどなたかの委員の質問に対して、その目的をお話しになっておったが、そういう場合にもひとつ十分配慮して、この研究指定校の実績をとってもらいたい。いままでもモデル校をつくってやってこられたでしょう。そのモデル校の成果は一体どうなっているのか、これも実は聞かなければならぬところです。何年かモデル校をつくってやってきたが、一体その答えが出ているのか出ていないのか。その答えが出ていないままに、また今度新しく三十校指定ということになっていくのか。これは時間もありませんけれども、ちょっと答えていただきたいと思います。 そのあとちょっと急ぎますが、先ほど大臣のお話にありましたように、やはりもう一つの問題は、文部省のことしの予算書を見ると、定時制、通信教育、いろいろ施設とか努力はしておられるようですが、これはあまり、よくやってもらっていると拍手をするわけにもいかないような予算。しかし、やはりこれは、大臣のことばにありましたように、定時制の設備や施設が非常に劣っている、これがやはり一つの阻害の要因にもなるだろうと思うわけです。給食にしましてもことし二十九円かの夜食を食わせるという、これは一体何を食わせるのだろうかと非常に頭をひねるのですが、もちろん半分は地方団体が持ちますから四十四円ばかりになるわけです。四十四円の夜食は一体何だろうか、こう考えてみると、くだもの一個食わせてもたいへんなことになると心配いたします。実は問題はありますけれども、それはおきます。とにかく給食についても、定時制教育という観点からすると、昼間働いてそして学校に来る生徒の夜食ということを考えると、もっともっとあたたかい考え方が必要である。定時制の子供は、まだ給食については千円以上も出しているのでしょう。しかもだいぶ直ってはきておりますけれども、まだ全国調べますと幾つかの県で、定時制の給食に働く人件費も設備までも給食費の中にぶち込んである県があるのですね。名前は申し上げません、それは御存じたと思いますから。そういうようなものをやはり取り除いてやる。当初申し上げましたように、働いている生徒には、家庭にも送金しておるような実に涙ぐましい努力をしている生徒もおるし、いろいろな勉強をすると学費も要るし、給食だけはあたたかいものを食わせる。人件費まで負担させるなんという内容の給食費では困るというような問題点等、こまかに掘り下げていけばいろいろあると思うのです。 それから、夜間が多いのですけれども、学校の照明施設であるとかそういう学校の設備施設をできるだけ早くやってもらう。ここに文部省としては財政的に手を加えていただかぬと、やはり定時制というものの目的が達せられないではないか、こういうことを考えるわけです。これは私、ただ指摘しておくにとどめますが、先ほどの、いままでやってこられたモデル校の結果、三十校を指定されるというそのことについて、三十校指定の内容はもうわかっています、どういうことをやるということはわかっています、それは要りませんから、そこら辺のところを局長から答えてください。
○宮地政府委員 モデル校は、四十二年から三校ずつ補助対象にいたして、現在十二校全国にできております。それから来年三十校と申しますのは、いわゆる研究指定で、モデル校の施設設備を補助するといった形でなく、研究指定校で研究につきまして研究費の助成をするということでございますが、モデル校は、いま申しましたように四十二年から十二校で、実はこのモデル校についてどの程度成果があがったか、教育の問題でございますので、私ども一応この四十二年につくりましたときの考えとして、五年間くらい実施してみて、しかるのちにいろいろ比較すべきもの、検討すべきもので、効果を測定するのが、一番早い時点としても五年ぐらいおいてみないと効果を云々することはむずかしいのじゃないかというような考えで、四十六年度にその第一期校のいろいろな観点から効果というものを測定したい、こういうふうに考えておりまして、いまはまだ特に御説明申し上げるほどのデータとして効果というものを出しておりません。
○川村委員 一問一答やっておりましたら時間がありませんから、あと私の希望、願いをこめて指摘しておきたいと思います。 一口に言うならば、定時制教育生徒の入学、勉学の意欲にこたえる教育でなければならないだろう。 それから、小さいといっても青年ですから、青少年の要求に背を向けるような教育内容であってはならない。これは三十校あたり指定なさる場合の、私が申し上げるまでもないことだけれども、御留意願いたいという意味で申し上げるわけです。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、大阪の例等がございますが、二部制、三部制の交代制の定時制の高校教育あるいは定通の併修の教育、連携教育、これはよほど慎重に進めてもらいたい。ということは、大阪の例にあるように、こういう学校にこそ中途退学者が非常に多いということですね。中退者が非常に出ておるということがございますから、これもぜひ十分配慮願いたいということであります。技能提携などについても、よほど注意しないと、いわゆる技能訓練的な、一方の企業サイドに巻き込まれてしまうと、おそらく青少年の芽をつむような結果になりかねないおそれがありますから、申し上げるまでもないことですけれども、十分注意していただきたい。 それから、この前の委員会で宮地局長が答弁されたことばに、最近は企業が非常にオートメ化されて合理化が進んできた、そこで三十校の指定をやるんだが、修業年限の短縮ができるかどうか、そういうものも検討したいというおことばがあった。それはもう新聞にも発表されておるし、大臣もたびたびお話しになっておる。それはそこまで行けるかどうかわからぬ。企業が一体何時で仕事をやめて学校にやってくれるか、そういういろいろな履修の過程に問題も出てくるでしょう。ところが、そのとき局長がおっしゃったことばに、オートメ化され、機械化されたから働く青少年にひまが出るだろう、こうおっしゃった。そのことばは非常に注意してもらいたい。いま機械化されたからといって、オートメ化されたからといって、働く子供たち、労働者は必ずしも以前に比べて労働が軽くなる、これから勉強に行くぞというような状態に置かれるかというとそうではない、かえって単純化された労働が青少年の心に非常に大きな疎外を来たしておるということがございます。ただひまが出るだろうから勉強時間がよけいに出るだろうなどというとらえ方は、私は注意してもらわなければならぬと思うわけです。そこで、三年制に修業年限を短縮するというならば、一体どういうシステムをとるのかというようなこと、それからきょうの新聞あたりでも、いよいよ政府も、労働省も経済企画庁も通産省も、週五日制の検討に本格的に取り組むような報道が伝えられております。週五日制が労働界に実施されるようになったら一体どうするかというような問題、いろいろございます。そういうものにあわせて、この三十校指定されたら研究の成果があがるように、この際私から希望を申し上げておきたいと思います。 実は時間が少し過ぎましたが、いろいろそういう点、お尋ねをしなければならぬことがありましたが、取り急いで何か自分の一方的なことを申し上げましたが、よろしくひとつひとつ努力を願っておきます。 終わります。
○八木委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○八木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○八木委員長 昭和四十四年度及び昭和四十五年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小沢一郎君。
○小沢(一)委員 私立学校共済組合法の問題につきまして若干御質問申し上げたいと思います。いろいろ問題があるかと思いますが、本日は、時間の関係もございますし、未加入校の問題につきまして少し御質問申し上げたいと思います。 昭和二十九年にこの私学共済法案ができたわけでございますが、その時点におきましていわゆる選択的な加入が認められまして、その二十九年の時点において加入したほとんどの学校もあるわけでございますが、そのときにいわゆる加入しないで現在のままに至っておるという学校が、かなり多数にのぼっておるわけでございます。いただいた資料を見ますと、現在まだ加入しておらない学校が百七十一校、職員の数にいたしまして三万五千人の未加入があるわけでございます。そしてこの二十九年に加入を申し出なかったそれらの職員、学校につきましては、それ以後は全然加入する機会も与えられず、加入することもできないで現存のままに至っているわけでございます。ところが一方におきまして、その後に新設されました学校、そしてその教職員、それらの人は強制加入というような形で全部入っておるわけでございます。このような状態におきまして考えてみますと、現在の未加入校、そして未加入の教職員の中でも、かなりの加入を希望しておられる方もいるという状態でございますが、こういうように希望しておりながらも、二十九年のそのときに加入しなかったというだけで、それ以後ずっとこの共済に加入することができないという状態が続いておるわけでございます。この弊害は、ただ単にそういう共済の問題だけではなくて、たとえば私立学校の中でもいわゆる大きな大学、早稲田とか慶応とか、そういう特に大きな大学で加入してない大学があるわけでございますが、その共済に加入してないがゆえに、たとえば大学間の人事交流とか、そういった面での非常な弊害にもつながっておるわけでございます。したがいまして、このような状態はいつか必ず解決しなければならないものだと考えるわけでございますが、大臣のお時間もないようでございますので、現在のこういった現状、これらにつきまして大臣のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○坂田国務大臣 私学共済組合は、「私立学校教育の振興に資する」という組合の設立の趣旨にかんがみまして、私立学校の強制加入を原則としておるわけでございます。しかしながら、法制定以前すでに健康保険あるいは厚生年金保険に加入しておりました私立学校につきましては、その学校の教職員の既得権やあるいは期待権を尊重するというたてまえからいたしまして、法制定当初におきまして、当該の職員の過半数以上の同意を得た学校法人が文部大臣に申請をした場合には、私学共済法適用を除外するという特例が認められたわけでございます。これが現在未適用校として残されているわけでございまして、短期、長期とも私学共済に加入しておらない未適用校は百十五校、全体の一・二%でございます。教職員数にいたしますと約三万人、全体の一三・三%でございます。 未適用校の加入についてどう考えているかというお尋ねでございますが、私学共済組合は、「私立学校教職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、」そして「私立学校教育の振興に資することを目的」として設立されたものでございます。この設立の趣旨から考えるならば、当然未適用校が全面的に加入することが望ましいと思われるのでございます。先生御指摘のとおりでございます。このことから、実は未適用校の昭和四十六年度加入実現を期しまして予算要求も行なったのでございますが、何分にも未適用校内部の意思が十分統一をするということができません。ために実現に至らなかったことは、まことに遺憾に考えておるわけでございます。しかしながら、今後さらに関係方面とも十分意見の調整を行ないまして、加入実現に努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○小沢(一)委員 いわゆる未加入校の共済加入促進という点につきましては、ただいま大臣の御答弁のとおり、そういう方向であるということはわかりましたけれども、いまの御答弁の中に、いわゆる加入の実現をはかるということで予算要求もした、しかしながら、その未適用校の中で必ずしも意見が一致しなくて、それがだめになったというお話がございましたのですけれども、この加入の問題は、結局現在未適用校の中でも、現在の状態でも加入を希望している学校あるいは教職員の数もかなりの状態にのぼっておるわけでございますが、この加入という問題は、現在未適用校の全部が一括して加入するものでなければそれはできないのか、あるいは少なくても入りたいと願っておる学校だけでも、あるいは教職員だけでも入れるという方策はできないものかどうか。その点につきまして一問だけ大臣にお答え願いたい。
○坂田国務大臣 詳しくは管理局長からお答えを申し上げたいと思いますが、未適用校の内部の意思が統一されておらない現段階におきまして、加入を希望する一部の学校のみを加入させるということにつきましては、法改正あるいは予算措置につきまして政府部内の意見の調整が必要でございます。それがなかなかむずかしい状況であるわけでございます。また一方、未適用の加入につきましてこのような中途はんぱな方法で解決することがはたして適当であるかどうか、やはり私どもは、できますならば全私学が一体というような形で、これを処理したいというふうに考えておるわけでございます。
○岩間政府委員 大臣御就任以来、私学の問題につきましては特に力を入れまして、総合的に私学の振興をはかろうというふうな努力をしてまいったわけでございます。この未適用校の問題も、ひとつできるだけ早く解決したいということで現在努力をしております。以前のいきさつを申し上げますと、一時昭和四十年ごろでございますか、灘尾大臣のときにこの問題につきまして厚生省とお話をいたしました際に、やはりこの問題を解決するためには、全部の学校が入るか入らないかというふうな線で解決せざるを得ないのではないかという心証を得たわけでございますけれども、ただいま御指摘になりましたような、希望するものから入れていくという方法はもちろんあろうかと思います。しかし、私学の教職員全般の福利厚生をはかっていく、たとえば退職金制度の問題でございますとか、そういうふうな総合的な、また将来を見通した観点から申しますと、ぜひ全部の学校が入っていただくということが将来のためにはよろしいのではないか、そういう必要があるのじゃないかということで、私どもも、全部の学校に入っていただくということにつきまして、いろいろ努力を重ねているような次第でございます。しかし、大臣から御答弁申し上げましたように、まだ未加入校全体としての意思が統一されてないというふうな問題がございます。これは単純に計算の問題と申しますか、得か損かというふうな問題であるだけになおむずかしい点もございまして、まだ実現に至っていないことはたいへん申しわけない次第でございます。 なお、この点につきましては、国会でもたびたび、この未加入校の加入ということにつきまして御決議もいただいております。私ども、さらにその線で努力をしていきたいというふうに考えております。
○小沢(一)委員 現在の未加入校、未適用校の中には、結局私学の中でもかなり大きい大学あるいは古い大学、早稲田、慶応を筆頭といたしまして含まれておるわけでございますけれども、いわゆる共済に入らないというおもな原因はどの辺にあるのでしょうか。文部省としてどこにそういった原因があるか、ちょっとお話し願いたいと思います。
○岩間政府委員 先ほど先生から数字で御指摘いただきました百七十一校のうちで、学内年金制度を持っております学校が六十三校ございます。それから健保組合を持っております学校が八十四校ございます。法人の数といたしましては二十六法人ということでございます。ただいま先生御指摘いただきました大きなしっかりした、古い伝統のある大学と申しますのは、いずれも健保組合あるいはその学内年金という制度を持っておるわけでございます。そういたしますと、組合員にとりましては、現在の私学共済に入るよりは、現在の学内年金あるいは健保組合というふうな制度に乗ったほうがむしろ有利であるという御判断によるものだというふうに考えております。しかし、私どもといたしましては、将来特に年金制度の問題につきまして——これは厚生年金の場合でございますと、比較的給料の安い方は有利なわけでございますけれども、給与の高い方はむしろ共済組合のほうが年金がたくさんもらえるというふうなことでございまして、まあ大ざっぱに申しますと、倍くらいになるのじゃないかというふうな感じがするわけでございます。 〔委員長退席、河野(洋)委員長代理着席〕 そういうふうなことで、将来を見通した場合には、むしろお入りいただいたほうがいいのではないかということを申し上げているわけでございます。まだその点が十分御理解いただけないという点がございます。そういうことで、まだそういう古い伝統のある大きな大学の中にむしろ趣旨が徹底していないような点もあるのじゃないかということで、その点につきましては、私どももさらに努力を続けていきたいということを考えております。
○小沢(一)委員 ただいま御答弁いただいたわけでございますが、その未適用校の中で、特にそういった独自の健保組合あるいは学内年金等を持っておる学校が、いわゆる目先と申しますか、ただいま長い目では得であろうという御答弁でしたが、目先の利益、あるいはそういった問題で入るのをちゅうちょしておるというのが実情であるというお話でございます。たとえばその中でも、短期の家族給付の問題とかあるいは掛け金等のいろいろな問題からそういったことが生まれてきておるのだと思いますけれども、現在とにかく私学は、この問も私学振興財団もできたわけでございますが、そのようにして国から経常費を援助してもらっていかなければやっていけない、そういう事態にまで現在の私学経営というものは危機が訪れておるという状態なわけでございます。このような、一方においてそういった補助を得なければやっていけないという状態でありながら、単なる目先のそういった利害にとらわれてこういう私学共済にもなかなか入らないという私学の側の矛盾、考え方に狭い点があることは確かにそのとおりだと思うわけでございます。しかし、それはそれといたしまして、結局のところは、私学共済が、たとえば現在存在する学内年金あるいはそういった短期のいわゆる付加給付の問題とか、そういった面を含めまして、もっともっと私学共済自体が充実されていけば、黙っていても入ってくるのじゃないかということだと思うわけでございます。そういう面で、特に私いろいろお伺いしたときに、いわゆる家族の付加給付の問題についてお話があったのでございますが、この点については今後どういうふうにお考えでございましょうか。
○岩間政府委員 これは学校側の責任ばかりじゃなくて、私学共済自体、その内容の充実ということにはまだ不十分な点があったという点は御指摘のとおりでございます。その点は今後改めていかなければならない問題でございます。 ただいま御指摘になりました家族療養費の付加金につきましては、現在五〇%の法定給付が行なわれておりまして、残り五〇%は自己負担という形になっているわけでございます。この点につきまして、さらに付加給付をどうするかという点を従来から検討してまいったわけでございますが、とりあえずことしの十月一日から、現在までの赤字の解消策と並行いたしまして、その家族療養費の自己負担分が月一万円をこえる場合には、そのこえる金額を全額付加給付として給付したいというふうなことにつきまして検討を進めておるような次第でございます。
○小沢(一)委員 その点につきましてはよくわかりました。 とにかく先ほど申し上げましたように、私学におきましては経営的にも非常に困難な状態になっておりますし、たぶん、私の聞くところによりますと、学校側としては、とにかく私学共済にも入りたいという気持ちは十分あるんじゃないかというふうに考えます。そして現在、いろいろ加入の促進協議会等も私学のほうでできておるようでございますし、そういう面でも加入の機運が盛り上がってきておるところだと思いますので、どうか、ただ単に私学の中の意見をまとめるというだけでなくて、いま申し上げたように私学共済自体を、喜んで黙っていても入ってくるような私学共済にさらに充実していただきたい、かように考えるわけでございます。その今後の努力を希望いたしまして、質問を終わります。
○河野(洋)委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会