P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
65回国会衆議院1971/03/19

文教委員会 第10号

発言数
90
登壇者
7
会派数
4
開催日
1971/03/19

会議録

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  去る十二日、理事鈴木一君が委員を辞任されました結果、理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 御異議なしと認めます。それでは、鈴木一君を理事に指名いたします。      ————◇—————

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木島喜兵衞君。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 この提案理由の中に、この手当を出す理由は「その職務の複雑、困難性を考慮し、」とあり、そして今回の増額の理由としては、「生徒の生活実態を考慮しつつ教育効果を高めるため、技能教育施設との連携教育や定時制教育と通信教育との併修、さらに昼夜の二部制、三部制授業など多様な教育形態で実施するものがふえており、これに伴い教科の指導や生徒指導等においてこれまで以上に校長及び教員の勤務形態が複雑になり、職務の困難性が一そう増加しております。」また、「青少年の能力、適性、進路等は従来とはかなり異なる様相を示し、それだけに生徒の教科の指導等に関する教員の職務には一そう困難な事情が加わっております。」とあります。  まず、第一に聞きたいのは、定時制及び通信の職務の複雑、困難性ということばを、これはことばじりではないのです、どういうように理解していらっしゃるか。それから定時制、通信教育をどう理解していらっしゃるか。それを複雑、困難ということばで示していらっしゃるのだろうと思います。なお、今回の増額理由の一つに、青少年の能力、適性、進路等が従来とはかなり異なっておるということは、これはどういうことを意味しているのか。そしてそれは、さらに全般的なことなのか、定時制なり通信制だけをことに意味するのか、その辺についてちょっと、どなたでもけっこうです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 定時制は、先生がもう御承知のように、定時制振興法ができましたのは二十八年でございますが、当時は、高等学校への進学率も、今日と比べてさほど高くございませんでした。その当時は、定時制を含めまして、高等学校の生徒数の二二%が定時制に行っておりました。ところが今日では、高等学校の全体の生徒数のうち八%が定時制に行っております。そのように定時制に来る子供が相当減っております。そういう関係も一つでございますが、こういうことはあまり申し上げるのもいかがかと思いますが、一応やはり定時制に来ておる子供は、中学校から高等学校への内申を見ますときに、学習の例の五、四、三、二、一であらわしますそれが二ないし三という、三以下の子供が一般的に多うございます。それから二二%も定時制に行っておりましたときと異なりまして相当限定されております上に、さらに、その後通信制等も相当普及してまいりましたし、さらに各種学校とか職業訓練所、そういったようなものも相当普及してまいっております。こういうようなことで、率が減ってある程度固まってはきておりますものの、そういったような点から、先ほど先生が提案理由についておっしゃいました青少年の能力なり適性、進路、こういったようなものが定時制と全日制と比べますと相当二十七、八年ころとは変わってきておる、こういったような実情にございます。さらに、最近では、技能連携とかあるいは定時制と通信制の併修、こういったようなことで技能連携をしております施設は三百二十八にもふえておりますし、技能連携をやっておる学校は七十五校にも及んでおります。そういったようなことで、全日制の学校にももちろん非常に教育上むずかしい問題はございますが、一般的に申しましてそのようないろんな施設と連携をとったり、さらに働きつつ学ぶ子供といったような点で、全日制の教育に対して教師が払う配慮と比べましてある面において相当むずかしい複雑な面がある、こういったようなことをこの提案理由の中に申しておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 要するに、定時制のみにある困難性、複雑性に対する手当と理解してよろしいですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 全日制と比べまして、全日制にはない面が、先ほど申しましたように定時制にはございます。そういったような点を加味しまして、全日制と比べて定時制のほうがむずかしいし複雑だと思われることを意味しておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 関連して聞きますけれども、産業教育手当というのがありますね。これもまた同様に、産業教育が他と比べて特殊性がある、あるいは困難性がある、複雑性がある、だから産業教育手当を出していると理解してよろしいですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 いま先生がおっしゃいましたようなことでございますが、多少申し上げますと、一般に普通課程とこういう産業課程を比べました場合に、これは理屈ではございませんけれども、できることなら多くの人は普通課程を希望する。これは理屈ではないと思います。科学的な立証はできませんが、何となく、つまり普通課程と産業課程とどっちへ行くかといえば、多くの人が普通課程に行くということは、やはり産業課程というものが先生の気持ちとして何となく歓迎されないといったような面がございます。さらに、そういうこととは別に、仕事の職務内容といたしましても、特に農業とか水産とかいったようなものは、自然的な条件と申しましょうか、生物を相手にするといったようなことで、子供を教育するという点では産業教育も普通課程も同じでございますが、さらに扱うものが自然的な生物的な、こういったようなことで農業、水産等ではいろいろな家畜等もございますし、こういうものは夜、昼目を離すこともできないといったようなことで、普通課程でございますれば五時には帰っていかれる、あるいは五時までの勤務時間中にも子供だけを見ておればいいわけですが、産業課程のほうは五時以後にも生き物を見なければいけませんし、また生徒に教えながら同時に家畜等も十分めんどうを見ていかなければいけない、こういったような点から、普通課程と比べまして産業課程の困難度というものに着目しておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 わかりました。  そこで、定時制の特殊性について定時制の手当を出す、産業教育は産業教育に従事する教員のために勤務手当を出す。そのダブっている定時制の産業教育を担当する者には、その産業教育手当は減額して支給する、こうなっていますね。この理屈はどういうことになりますか。職務はおのおの別々なんですね。出すところの理由は別々なんですね。だから、定時制は定時制の特殊性に手当を出す、産業教育は産業教育の特殊性に手当を出す、これは別々なんです。それをダブっている人は、なぜ産業教育手当を減額されるのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 確かに、いま先生御指摘のように、産業教育手当、さらに定時制、通信制の手当、両方の性格を持つ学校には両方の手当が、たとえば一〇%ずつであるとするならば二〇%をやればよい。それを今回の法律のように、七を一〇に上げまして、ダブる場合には八とかいったようなことにしております。なぜ減額するかという点でございますが、結局、先ほど申しましたのにちょっとうっかり落としましたが、とかく産業教育よりは普通課程に行きたいという、何となく理屈でない人情がございます。そういう場合に、産業教育を振興するためには、やはり産業教育にいい先生に来てもらわなければいけない。普通課程にはいい先生が行く、残った先生が産業教育に来られたんでは困る。いい先生に来てもらわなければいかぬ。定時制も同じようで、全日制に何となく行きたがる、定時制には何となく残った人が来るというんでは、産業教育なり定時制教育の振興に非常にぐあいが悪うございます。そういったような点から両者に、先ほど申したことに加えまして、優秀な先生を誘致したいという考えがございます。そういう意味におきましては、産業教育、定時制両方の性格を持った学校で、ともかく優秀な先生を誘致したいという観点におきましては、これは同様の問題がございますし、さらに一面におきまして、他の一般の教員との均衡という面もやはり考える必要があるんじゃないか。一般の普通課程あるいは産業教育でないもの、そういうところにおる先生と、産業教育に従事する先生あるいは定時制に行く先生との間に、非常に給与上差が開き過ぎるということも給与行政上適当でない。こういったような観点から、やはり一〇、一〇ということであれば、片方を若干減らすというのがたてまえではなかろうかということで、従来からもそういうふうに、併給の場合は若干減らすというかっこうをとっておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 たいへん矛盾しているんじゃないですかね。全日制のほうに行きたいんだけれども、あまり行きたくない人を産業教育なり定時制にやるんだから、おのおの手当を出すということであれば、定通の先生方で困難な、その中にさらに産業教育の困難なという重複しておる方には重複して出せばいい。それがあまり開き過ぎるということなら、今回上げることは矛盾してくる。だから理論的に矛盾するでしょう。両方とも出したらいは、定通は定通のみにおける複雑、困難性であるとおっしゃる、産業教育は産業教育の複雑さ、困難さとおっしゃる。普通なら、それはダブって定通の先生方の産業教育をやっている方に出すのがあたりまえじゃないですか。あまりぐじゃぐじゃ言わないで、すかっとした御答弁を願いたいのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 一口に申し上げますれば、他の教員とあまり均衡を失してはどうかという点と、二つの性格を持った学校、いずれも優秀な先生を採りたいという二点におきまして定通の場合はあまり高くないほうがいい、こういうふうに考えたわけです。と申しますのは、校長さんは産振手当のほうはもらえない、これは実習等をいたしませんのでもらえませんが、教頭の場合は、全部それぞれのものを併給しますと、管理職手当一〇%、定通手当一〇%、産振手当一〇%、教頭なるがゆえに三〇%もとるということは、何と考えてもこれはアンバランスではないかということになります。だから二つ併給も、全部出せということであれば、三つ併給も全部そうなります。教頭に例をとるのはいいか悪いか問題がありますが、三〇%教頭がとるということはいかがなものでございましょうか。そういうような観点から、なぜ十を八にするとかいうような、科学的に二を引く理由はあまり出ませんけれども、感じとして、従来も七出すべきところを五併給者に出したといったようなことからして……。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 時間がありませんから進みます。  この手当を出すことは、これは賛成でありますけれども、手当を上げることによって、今日の定時制なり通信教育が持っている問題が解決するかといえば、しないだろうと思うのです。ことに学校教育の中でいえば、義務教育は、いわば与える教育というのでしょうかね。それでは求めておるかもしれない、しかし、求めておるといっても、ことに定時制なり通信というのは、まさに求め方が強いのだろうと思うのです。その求めておる、勉強しようとしておる子供たちに、それでは政治は与えておるか、求めに応じているかといえば、私はなかなかそういう実態ではないだろうと思うのです。それを二つに分ければ、一つは学校のたとえば定数とか教育の施設だとか、そういう学校そのものになるし、一つは社会の問題になってくる。そういう意味で、いま手当を上げるということは、定時制、通信教育を重視するという意味だろうと思う。そうであれば、定時制や通信教育の、その他文部省なり府県がやらなければならないことに一体どういうことがあるのだろうか、あるいは職場なり企業なりはどうせねばならないのだろうか。そういうものを解決しなければ、定通手当を上げたからといって、定通教育というものが振興するわけではないと思うのです。その点はどうですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 おっしゃいますように、定通手当を上げただけでよくなるものとは思いませんが、よくするための一つの方法としては定通手当を上げることもその一つだということで、したがいまして、そのほかに、定時制、通信制教育を振興し、定時制、通信制に通っておる子供に、教育の機会均等の立場から、普通の高等学校に劣らない教育をしていくような措置を、相まってやっていく必要がございます。そのために、先生御承知のように、高等学校の定時制につきましては、設備整備費等につきましても特に全日制と違った措置もなされておりますし、さらに定時制等につきましては、夜間等におきます、とりわけ照明とか給食とかといったような、昼間にない措置もやっておるのはそのためでございます。また、そういうものにつきましてもそれぞれ増額をいたしております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 うしろ向きでなくて——私はあまり責めようと思って言っておるのじゃないですよ。だから、こうやってください、やっていますで解決するはずです。もしもあなたが、いまおっしゃったようなことで定時制なり通信教育がうまくいっているのなら、手当をこんなに出さなくてもいいかもしれない。だから、いま照明だとか何とかおっしゃったけれども、そういうことをやってもなおこれから問題点はどこにあるのだろう、どうお考えなのか、どういうところに問題点があるのか、どうすればもっと定通がまともにいくとお考えかという、あなたが考えていらっしゃる定通の振興策を聞いておるのです。いままでどうのこうのじゃないのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 この点につきましては、いろいろございますが、中央教育審議会が先般出されました中間報告にも、このようなことがいわれております。  いろいろなことがありますが、特に具体的なことを申し上げますと、「経済発展と労働力の需給の変化に応じて、労働時間の短縮など勤労条件は地域によって多様化しつつある。そのため、定時制・通信制の高等学校の修業年限、教育の内容・形態などを実情に即して弾力的に改める必要がある。」これは中教審が指摘しておられるところでございますが、そういったようなことで、ただ施設設備といったような環境をよくすることと同時に、一口で申しますれば、子供たちにとって魅力のある定時制なり通信制の高等学校にしていく。そのためには、教育内容なり方法なり、いろいろ検討していく必要があろう、こういうふうに考えております。  多少先ばしりますが、そういうようなことで、来年度の予算で私ども幾つかの研究指定校を持ちまして、文部省だけでなくて、現実にやっておられる学校と協力いたしまして、いま申しました中教審で指摘されておるようなことを念頭に置きながら、環境上の問題、教育内容、方法の問題について検討し、すみやかに実施に移していきたい、こういう考えでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 私は、こういう手当を上げるという提案をなさる場合には、手当を上げると同時に、教育内容というものをどう充実させながら定時制、通信教育を充実していくのだ、振興させるのだという抱負があるのかと思ってお聞きしたのです。手当を上げるのは賛成であります。けれどもそれだけでもって定時制あるいは通信教育が事成れりではないはず。だから、局長の考え方を、たとえばできなくとも、あるいは予算がない、大蔵省が削られたのもあるでしょうけれども、こうしたいというものがなければならぬだろうと思ったのです。手当を上げただけでもって事成れりではない。そういうものが、いまの答弁でちっとも受け取れませんね。  たとえば、さっきあなたは、子供が減少した、成績が悪いとおっしゃる。そうすると、多分に個別指導的要素が出てきますね。すれば、いまの標準定数法によるところの学級数によるもので定時制の場合いいのだろうか。もっと別の配当基準がなければならぬのじゃないですか。あるいは、職場に働いていらっしゃるだけに、いろいろな悩みごと、相談ごとがある。さっき局長が言うとおり、なかなか先生方いらっしゃらないから、新採用の方々が定時制にたくさんいらっしゃる。非常に若い、子供と大体年令が同じ、そういう先生に自分の人生なり職場のことなり相談していこうとしても、それは何かたよりがない。もっと人生経験豊かな方が来てくださればいいと思う。けれども、なかなかいらっしゃらないから……。そういうものを一体それではどうしたらいいか。事務職員になぜ手当を出さないのだ。そのために、先生方が自分で事務をせねばならない。雑務に追われるから、あすの授業の準備ができない。  そういうような幾つかの問題があるでしょう。私はいま思いつきでぱっぱっと言っているのですが、そういうものをどう解決するか。それは、いま直ちに解決することはできないかもわかりませんけれども、しかし、文部省はこうしなければならぬ——中教審はこう書いているというのじゃない。中教審はどうあろうとも、文部省はこうしなければならぬ、そういうものがなければいかぬでしょう。そういうものを聞いておるのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 私ども、多少消極的、控え目なというようなことも言われましたが、やはり役所といたしましては、口に出す以上は実行をしなければいけません。そういうようなことで、十分な意欲は持っておりますものの、ただ実行の裏づけなく自分の意欲だけを申し上げてもいかがか、そういうことで申し上げるのをはばかるわけですが、せっかくいま先生のように定数がどうだとかいうようなことでございますと、これは意欲でございますけれども一、二申し上げますが、たとえば現在の標準法は四十二年度に改正になっております。四十二年から四十六年までの五年計画でやっております。そのときに、従来高等学校の生徒定数は一クラス五十名ということでございました。全日制は四十五名に改善いたしましたが、定時制は四十名にいたしました。しかし、それでよいとは思っておりません。たとえば、過疎化現象で分校等は統合されたりしております。そういうような場合に、現在の定数のはじき方は、生徒数をもとにし、さらにクラスをもとにいたしておりますが、小規模の分校では一クラス四十五人とか四十人というようなクラス編成ができません。現実には二十人とかその前後になります。そういったようなことを、やはり定数の積算においては全日制と同じようなはじき方をするのではなくて、定時制のそういう特に小規模化していく学校等について特例を設けて教員定数をはかるとか、さらに通信制でございますれば添削指導とか巡回指導、こういった面が非常に多くなっております。さらに、定時制、通信制の併修などを教員定数積算のときの要素としてもっと積極的に考えていくとか、あるいは商業科等でございますと、工業科には一応実習ということが常識的になっておりますが、商業科につきましてもいろいろ実習を考えて重視していくケースも相当ふえております。そういったような点で、商業科等についても工業科に劣らない実習助手の積算をしていくとか、まあ申し上げればいろいろございます。そういうようなことの実現を、四十七年から定数法の改正が行なわれます。したがいまして、いま申しておりますようなことを四十六年度に十分大蔵省等とも相談して、教員定数の改善をはかっていきたい。まあ一例でございますが、そういうような検討はいたしております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 あといいですがね。文部大臣、私は、たとえば教育基本法の第一条の「教育の目的」の中に「勤労と責任を重んじ、」とありますが、一体学校教育の中で勤労を重んずる教育の場というのはどこにあるかといえば、これはいわば定通しかないんじゃないかと思うのですよ。それだけに、私がいまお聞きしたゆえんもそこにあると思うのです。ですから、いま来年度の予算からというお話でございますが、もうすでにことし、予算は衆議院を通過しています。しかし、その点は大臣、あなたの定通に対する決意を一言お伺いいたします。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私はこの前の委員会でも申し上げましたように、教育基本法に書いてございます勤労をとうとぶ云々ということが学校教育の中でどのように実現されておるか、どうもその点が、実を言うとあんまりはっきりしないんじゃないか。はっきりしないところに問題があるのじゃないか。たとえばそれは、普通高校でもそういうようなことをいろいろの教育の中に取り上げるべきだというふうに私は考えております。同時に産業教育、たとえば工業高校であるとかあるいは農業高校であるとか商業高校であるとか、そういう産業教育の担当の先生は、普通高校の先生よりも何か低い人が行っておるんだということを自分自身も考えるような誤った傾向がある。また、そういう気持ちを持った先生がおられるとするならば、今度はそこへ学ぶ子供たち自身がそういうような気持ちになっていくということも考えられるわけでございまして、やはり産業教育に望んで入ってくる学生生徒というものも相当たくさんいると私は思っておるわけで、やはり先生方自身がそういうような気持ちではなくて、ほんとうに産業教育というものはまた別の意味においての教育の非常に大事な面なんだということを誇りを持ってやられるようなことにならなければ、勤労をとうとび云々というようなことの精神が貫かれないんじゃないかというふうに思います。  それから、先ほどから御答弁を申し上げておるわけでございますが、いま先生も御指摘のとおりに、漸次定時制が少なく、学校数が減ってまいりまして、分校はおそらく三分の一ぐらいになっておると思うのです。このことは、定時制そのものを考えると定時制の衰微だ、こういうふうにも見えますけれども、しかし、社会全体としてこれをとらえた場合はそうでなくて、いままでは定時制がたくさんあったことは普通全日制に行かれない子供たちが非常にたくさんだった、しかしながら、経済の成長とともにあるいは生活のゆとりが出てきたために、むしろ全日制のほうへ行く人たちも多くなった、そういう面が一面あると私は思います。つまり教育的に見ますると、生徒に選択の自由があるならば、できるならば昼間の産業教育あるいは昼間の普通教育の高等学校を受けたいという人が、与えられるようになってきたという一つの見方もできると私は思います。  それからもう一つは、たとえばNHKみたいなテレビを通じましての教育というものが、これも実際修業いたしますのはよほどの根気がある人でないと修業できないと思います。たしか最初入学した者の二〇%ぐらいしか修業できないんじゃないかと思いますが、しかし、そういうものが発達をしてきた。  それからもう一つは、各種学校が非常に発達してきた。各種学校は各種学校としての位置づけしかございませんけれども、しかし、若い者たちは学校制度というよりも技術を身につけたいんだ、こういうまた欲望とあるいは選択を持ってくる人たちも出てきております。現に私は、ある特別の各種学校、たとえば電子工学院のごときでございますけれども、そこを見に行きまして、あとでいろいろ先生方とも学生諸君等とも話をしてみますると、親たちはできれば短大に行ってくれとかあるいは大学に行ってくれと言うけれども、私はむしろここを選んだんですというような学生がおりますし、それから先生もそういう傾向は最近強まってきたと言う。それからまた、ある私立の高等学校へ参りますと、そういう傾向が出てきたということも言っておるわけでございまして、そういう実際的な技術を身につけたいという選択をやるという子供たちも出てきておる。  そういう意味で、むしろ定時制の存在意義そのものが見直されなければならない時期に来ておるということは、私も先生の御指摘のように思っておるんです。いまその時期じゃないか、だから、新たな観点で定時制というものを考えていかなければ、まあ手当はその一つでございますけれども、もう少しもろもろの振興策を総合的に考えなければ、この定時制の意味というものは失われていくんじゃないかという気がいたします。そのことについては、この前の委員会でも申し上げましたように、やはり一応は中教審の御指摘もございますけれども、私たち自身も、このあたりでもう一ぺん定時制の新たな振興策ということについて具体的なアプローチを始めなければならないと考えております。ただいま局長が申し上げましたけれども、それはその中の一つか二つでございまして、先生がいま御質問になりたいと思っておられることについて、まだこういうものでございますということを申し上げるものは持っておらないということを卒直に申し上げておきたい。しかし、時期としてはその時期が来ておる、また考えなければならない。そうでなければ、定時制の意味はなくなってきていると私は思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 さすがやはり大臣で、まだ私が質問しないうちに、そういうことを含めて考えると言われてしまうと、私の言うことはなくなってしまう。こういうのを政治力というんでしょうか。局長、あなたのことを言っているわけではありませんから……。  一つは、学校のことを言いましたが、社会的な問題があると思うのですね。子供が遠慮なく職場から出られる状態、あるいは私は、資格を中心とする教育というのはいま全体に疑問に思っているのですけれども、たとえば資格を得た者が企業に行ったときに、定時制を出たから高校卒並みの賃金をやるかというと、全部がそうじゃないのですね。高等学校と中学の中間くらいというものが多いのではないか、そういう問題もあります。同時に、そういう問題は社会が定時制というもの、通信教育というものをどう見ているかということ。それからもう一つは、企業から、学びたいと思っている子供たちを遠慮なく出し得る状態をどうつくるか。その一つは、極端に言うと、大きいところなどは、むしろ定時制なり通信教育を受けさせまして集団的な修学をさせておる、そして連携的な教育をやっていますけれども、私はああいうものは、むしろ数がよけいで集団通信教育を受けるということは通信教育を曲げて利用していると思うのです。集団でおる者が定時制の学校というものに通える状態、むしろ遠隔地でもって、一人でぽつんぽつんといる者に通信教育ということが本来の趣旨だろうと思うのですね。だから、そういうものも含めて、どう企業に子供たちが通えるような条件をつくるか。大臣、どうですか。そういう意味では、これはとんでもないことを言うかもしれませんが、企業といったって中小企業なら中小企業が定時制に一人出したら、必要経費で一人について何万円減税します、あるいは二交代、三交代というものは禁止する——禁止というのはおかしいけれども、やらないようにするというようなことが、もっと教育だけの面でなしに——これは労働省の関係かもしれませんが、あるいは減税なら大蔵省の問題かもしれませんが、そういう意味で教育の場のことと社会的と申しましたけれども、そういうものの二面で考えなければいけませんね。こういうことをあわせてお考えになるかどうか。文部大臣がこれから新しい立場で考えるとおっしゃいましたけれども、そういう点もひとつ……。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 現にある府県におきましては、やはりそういう企業との連携において教育をやるという傾向がだんだん出てきているのではないか。というのは、御承知のとおりに、企業につとめておる子供たちが、できるだけ努力をして勉強したいという、そういう意欲が非常に高まってきている一面がございますと同時に、企業の側からいうと、なかなか今日若年労働者を吸収することができない。そのためには、来ておる子供たちにかなりの余裕、あるいは勉強をさせるような機会を与えることによって、その人たちを自分の企業にとどめおきたいという気持もあると思うのです、率直に申し上げまして。そういうことは、単に企業に奉仕する云々というふうに片づけないで、やはりそういう企業があって、そして勉強する機会を与えながら、また子供たちはその企業からお金をもらいながら勉強もしていく、こういうことが成り立つのじゃないか。そういうようなことについて、あまり企業奉仕だ企業奉仕だ、そういうことはいけないのだと言わないで、文部省が間に立ってそこをうまくアレンジしてあげるということが、やはり教育の機会を子供たちに与えることにつながっていくというふうに思います。その機会に、いまおっしゃるような免税措置をやるのかあるいはいろいろな手当を考えるのかという問題も、これはあわせて考えなければなりませんが、その限度は一体どの辺なのかは、まだまだ私たちとしては十分検討はいたしておりませんが、しかし、方向としてはそういう形が望ましいし、しかも集団的に定時制に入りますとともに、やはり通信制をも加味してやるということも決して不必要なことではなくて、いいのじゃないか。もちろん、僻遠の地でぽつりぽつりおる学生のために通信教育というものが本質的にはあるのかもしれませんが、しかし、集団的に定時制に通っておる人たちに通信教育を併用するということもあわせ考えることが、やはり子供たちのためになるのじゃなかろうかというような考えを私は持っておるわけでございまして、いろいろな多様性を考えられていいのじゃないかというふうに思います。企業連携企業連携といいましても、全然そういう中小企業等のいい企業がないところに、幾ら私たちがやれやれと言いましてもこれはできることではございませんし、その辺は地方の地域の教育委員会等が判断をしてお考えいただくことだし、それに対してもしわれわれ文部省としてお手伝いすることがあるならば、そういうようなことについてはひとつ援助の手を伸ばそう、あるいは定員等について考える道があればそれは考えていこう、あるいは手当等について考える道があればそれも考えていこう、こういうようなことでひとつまいりたいというふうに思います。

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 三木喜夫君の関連質問を許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 関連ですので簡単に伺いたいのですが、まず文部大臣、それから局長、二人にお伺いいたします。お伺いする以上、もう少し理論的に話を進めればいいのですけれども、端的に言いますと誤解があるかと思いますが、誤解の点はそちらが判断してください。  まず、文部大臣に伺います。いまお話を聞いておりますと、定通ないしは定時制教育というものは重要で、社会の変転に即応して、減ってはおるけれどもこれは重要で、いま考えなければならない時期に来ておる、ここは私は賛成なんです。しかしながら、お話の筋合いをずっとたどって文部大臣の思想を考えながら聞いておりますと、企業に便宜を与えるというような立場が中にあるような気がするのです。なおまた、この定通あるいは定時制の改正案を見ましても、「技能教育」、こういうことばでいわれておるわけなんですね。技能ということ——私は技術と技能とは問題があろうと思います。言いかえますならば、労働力として見ようということが非常に強いような感じがする。この点はないかということをひとつお伺いしておきたい。  あとでお伺いしたいと思っておりますが、一緒にこれは局長に聞いておきたいと思います。この法律案を見ますと、なるほど論理的に展開されておるようなんですけれども、矛盾があるのですね。簡単に言いますと、いま先生は世の中の変転に応じて非常に忙しい、忙しいから定通手当、定時制の手当というものを増額するのだ、こういうようにこれではいわれておるが、その点においては何らわれわれとしても問題に考えるところはないのですけれども、あなた方、これは文部大臣のお考えも一緒だろうと思いますが、四十六年度から三十校にわたって定時制あるいは定通制の研究校を指定する、その中では四年制を三年制にしようではないか、こういう意図があってやられておるように思うのですね。四年制を三年制にしよう、そうすると先生がたいへん忙しい、世の中の変転に応じて。青少年の能力や適性や進路は従来と異なるいろいろな様相を呈してきたというこういう訴え方、それからあなた方が発想として持っておる四年制を三年制に縮めようという意図のもとに三十校に対して研究校を指定して、そういう方向を何とか打ち出したいというそういう考え方が相矛盾すると思う。だから、先ほどから言っておられることが、そういう考えの中では全然用をなさぬ、間違いだと思う。そういう考えならもっと定時制というものに、どこに重点を置くかということをもう少し明確にしなければならない。こういう忙しいからこうだというその言い方は、方向づけはちょっとどうかと思う。その理由の中に、こういうことがあります。技術革新によって労働力が非常に省略されてきた、したがってひまができたという、こういう意味だろうと思うのです。だから、企業主あるいは雇用主にお願いして四時から学校に行ける者は三年制にしていいかどうか、それをひとつ検討するのだ、こういう諮問のようであります。そうすると、これにいわれておることと非常に違うわけなんです。もう少しその問題点をあとで言いますから、お答えだけひとつしてください。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 お答えいたしますけれども、企業と定時制との関係あるいは定時制に学ぶ子供たちとの関係は、あくまでも定時制に学ぼうとする子供たちが主体でございまして、企業はその結果だとお考えをいただきたいわけであります。むしろ働きながら学びたいという生徒があって、その人がある企業につとめておって、そしてそこの付近の定時制で働きながら勉強をしておる。そういう生徒には、会社はもう少し便宜をはかってやってもいいじゃないかという気持を持った場合には、会社自身がもう少しそれについて便宜をはかるように考えるというのが今日的な企業のあり方じゃないか。そういうようなことについては、やはり文部省が定時制のあり方としてあっせん——あっせんといいますか、その会社との間に立って調整をする役割り、あるいはそういう定時制のあり方というものを考えていくほうがいいんじゃないかということです。ぎりぎりをおっしゃれば、私が申し上げたように、あくまでも定時制に通う子供たちを中心としてものを考えていかなければならぬということは、はっきりいたしております。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 お尋ねの後段の点でございますが、確かに定時制の修業年限を、現在四年でございますが、それを三年にといったようなことが関係者等からも要望がございます。そのことは事実でございますが、いま例をお引きになられまして、だから文部省が三年にするために研究指定校云々とおっしゃいましたのは、若干誤解が先生にあられるのじゃないかと思います。私のほうといたしましては、確かに、四年でそういう要望もございます。しかし、一面におきまして、先ほど来申し上げておりますように、定時制とその他の技能連携とか、通信と定時制と技能施設との連携とか、いろんなことがございますが、それにいたしましても、こういう定時制に通っておる子供が、一年間にはたしてどのくらい単位を履修し得るものであろうかといったような基礎的なことを検討してみよう、その結果、全部でないが、くふうによっては一部の子供は三年間でも卒業単位が取れるということであれば、そういうことも考えていく必要があるんではないかということで、いま三年にするためにこの研究指定校ということじゃございませんで、いろんな観点から、年間履修可能単位はどのくらいであろうかというようなことから研究し検討してみたいということでございますので、片一方におきまして、先生が忙しい、だのに今度は三年に、そのために文部省は研究指定校といったような一連の関連というものは全然ございませんので、その点誤解のないようにお願いいたしたいと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 聞き捨てならぬことをあなたは言われますね。誤解とは一体どこをさしておるのですか。何も誤解じゃないですよ。ここにこういうふうに書いてある。「文部省は昭和四十六年度から高校定時制通信教育研究指定校を全国に三十校指定して詳細な調査を行ない、定時制、通信制両課程の教育内容、教育形態、運用面などを実情に合わせて改定したい方針である。これは技術革新に伴う労働時間の短縮などで定時制高校生徒の勤労条件が多様化したことから、四年制修業年限の三年制短縮が可能かどうかなどを含めて検討し」云々と書いてある。こういう文章が出ておるのです。私の誤解ですか、これは。君は何を言うておるのか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 いま先生がお読みになりましたのは、文部省が発表したものでございましょうか、それとも何の記事でございましょうか。文部省はそのようなものは発表いたしておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 新聞に出ておるのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 新聞でございますか。新聞がうそを書くという言い方もいかがかと思いますが、私のほうは新聞でお書きになられたのにちょっと責任負いかねますが、文部省といたしましては、確かにその点は、一度この委員会でございましたか、そういう定時制教育に通う子供に魅力を持たせる、その一つとして修業年限三年といったようなお考えの御質問もあって、たしか大臣だったと思いましたが、そういったことにストレートに、だから三年にするために研究するということではなくて、研究指定校等でいろいろ研究する、そういったようなことも検討には含まれましょうといった御答弁があった。それに関連しての記事ではないかと思います。あと大臣からお答えいただくでしょうけれども、三年にするために指定校を置いて研究するというものではございません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 三年にするためにとは言っていないよ。三年にすることを一つの目当てにしてそういうことを研究の材料にしてやろうとしておるということを言っておる。だから、三年にするなんて言っていないよ、まだ何もそんなものきまっていないのだから。研究校を指定しておるのだから。しかし、方向づけを持たなかったら研究指定校はできないのだから、そういう方向づけを持っておるのじゃないかと言っておるのです。それならば、忙がしい忙がしいといってこういうことを出してきて——私の質問の時間ならその内容を申し上げたいと思うのですけれども、関連ですから、だからそういう意味合いでちょっと方向が違うんじゃないかということを言ったわけです。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私は、速記録を見てみないとはっきりわかりませんが、どなたかからそういうような三年制云々の御質問がございましたので、そういうこともあるかなあということで、そういうものを含めてやはり検討する必要はあるということをたしか言ったのじゃないかと思います。あるいはそのことが記事に載ったと思います。しかし、その意味は、やはり通信制そのものを取り入れるとかいうことで不可能ではないのじゃないかというような考え方もあるようでございます。しかし、実際的にこれがやれるかどうかはやはり検討してみないことにはわからないということで、それからまた、それによって先生方の過重になる、それはもう当然のことだと思うんです。その場合には、当然の結果として定員をふやすとかあるいは手当を増額するとか、いろいろなことが伴って考えられなければ、そういうようなことを現在のままで四年のものを直ちに三年にする、そうしてほかのものは現在のままというならば、先生のおっしゃるようなことになるのじゃないかと思います。その辺は、もう少し柔軟にわれわれのほうで考えるようにいたします。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 関連ですから、別にあなたの言質を取ろうとかそんな考えはないのです。ここに定時制問題が出ておるから、私も前のいろいろな文章を調べてみると、「調査事項は次の通り」、こういうことを新聞がかってに書けるはずがないのですよ。「雇用主の理解で午後四時から通学した場合、単位修得は三年間で可能かどうか、認定制と技能施設を連携させた場合の教育効果はどうか、定時制と通信制を併修している高校の指導体制はどうか、こういうことを新年度から調査実施に踏み切ったものである。」これは新聞に載っているわけです。「踏み切ったものである。」というならば、そんなものは誤解によるものだということにはならぬと私は思うのです。こういう文章によって私は申し上げているわけだ。そうすると、現在いろいろ提案の理由になっております、たいへん忙しいということですが、三年制にすればよけい忙しくなるのではないかしら、こういう危惧の念を持つからお伺いしただけです。別に言質を取って、大臣が前に言われたことをどうこう言っておるわけじゃない。こういう文章があるのです。新聞まで責任持てぬと宮地君言うなら、この新聞の趣旨をこっちも調べて見なければならぬ。これは商業新聞でも何でもないのです、教育関係の新聞ですよ。関連ですから、あとで調べてみてお伺いします。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 稻葉先生さっきちょっと申したのですけれども、私こういうことを聞いておりますのは、たとえば憲法で「義務教育は、これを無償とする。」と規定しているものは、少なくとも義務教育を受けなかったらまともな就職はできない、したがってその人の生存権は保章できないという生存権、基本権と私は理解しておるのです。そうすると、高校の進学率が高まって、たとえばいま八割三分、これが九割に行ったときに、あとの一割の生存権というものは一体どうなるのだろうかという観点から、その学習権というものを国が保障しなければならないだろうという意味で実は聞いておるわけです。そういう観点に立つならば、高校はさることながら、より基本である義務教育を受けておらない人たちがおります。この学習権をどう保障するかということが、私はより大事なんだろうと思うのです。定時制、通信制もさることながら、より先にいえば小中学校の未就学者、これをどうするかという点が同じ意味で理解されなければならぬだろうと思うのですけれども、その点局長どうですか。いま義務教育の末就学者の数は大体どのくらいですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 お答えいたします。  昭和四十三年で学齢児童数が九百三十五万一千百十二人ですが、不就学者が一万五千九百十五人で、比率は〇・一七%でございます。中学校のほうの学齢生徒は、不就学比率で〇・〇九七%、合計いたしまして不就学者数は二万八百五人で、不就学率は〇・一四五%でございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 この数が正しいかどうかは、私は多分に疑問に思っておるのです。というのは、学校教育法あるいはその施行規則で、長欠者は教育権を保護しなければならぬというのがありますね。けれども、多分に学校では、資格を与えてやったほうがいいから長欠者も在籍のまま出してしまう、また、出してやったほうがいいという好意的、あるいは出してしまったほうがいいんだという安易さ、そこには子供の学習権とかなんとかいうことよりも、もっと別の観点から処理されているものが非常に多いだろうと思うのです。そういう点を考えますと、子供の学習権なりあるいは生存権というものをどう考えるかという意味で、それでは一体それを救う道があるのか。一部に夜間中学と称せられるものがありますね。夜間中学ということばは、いまの制度の中では妥当であるかどうか。これは二部授業の中の夜間学級ということでしょうかね。文部省とすれば、いわゆる夜間中学と称されるものを、どのような教育体系の中に位置づけていらっしゃるのですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 現在、いわゆる夜間中学と称されるものが二十校ございます。これは東京、神奈川等二十校で、六百八十六名在籍いたしております。これをどのように位置づけるか。一口に申しますと、形式的にこれは中学校であるかどうかというお尋ねであろうと思います。これはなかなかはっきり申し上げにくいのでございますが、文部省として、夜間中学であると正式に形式上認めましてあらゆる措置を中学校と全く同じようにやっておるというようなことから言いますと、そういうものではございません。したがいましてお答えがしにくうございますが、私どもこのように考えております。これは行管からも、この夜間中学については指摘されまして、廃止すべきであるというような御意見を四十一年にいただいております。したがいまして、就学学齢生徒が夜間の中学に行くということは絶対に避けたい。しかし、現実には、いまの六百名余りのうち二〇%近くの者が学齢生徒でございます。しかし、八十数%は学齢を過ぎた人々でございます。したがいまして、行管の指摘されました趣旨も、学齢生徒が夜間中学に通うということはよろしくないからそれを廃止するようにということは、学齢生徒が夜間中学に行かないで昼間の中学校に行けるような措置を講ぜよという意味に私どもも理解いたしまして、できる限りの就学援助等の策を講じて、学齢生徒が夜間に行くようなことのないようにということをいたしております。  ところで、いま現実に入っております生徒はほとんどが学齢を過ぎた生徒でございます。したがいまして、これは中学校でないといって認めないといったように、端的に形式論をするのがよいのかどうか、現実に目をおおって、ただ形式的にいけないということがはたして実情に即しておるかというようなことを考えますと、なかなか文部省としてはっきりしたことがいえないわけですが、そういうようなことから私ども来年度十分実態も調べ、またこの推移をも見て、いまのお尋ねに対してはこうでございますという答えを出したい、こういうふうに考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 認められないものが現にある、そして二十校で、またことし東京に一つできますね。認められないものに教員を配置されておるし、金も出ておる。認められない法的根拠は一体何だ。私はちょっとわからないのですけれども、法律関係で言えば、授業時間は校長がきめることになっておる、昼でなければならぬという規定はないと私は思う。昼でなければならない、法律的に認められないという根拠は一体何ですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 学校教育法の規定に、高等学校、大学は夜間の課程を置くことができるという規定がございます。しかし、小学校、中学校にはそういう規定がございません。したがって、夜間の課程を置くということは許されないというのが法律上の解釈であろうと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 そこで、未就学者の学習権をとう保障するか。これにはいろいろ理由がありますよね、未就学者には。だから、一がいに言えませんけれども、しかし、どういう理由があろうとも、義務教育であるということは、それを受けさせなければならない国のまた責任でもあります。それは、現にもうあれは昭和二十九年ころですかね。ですから、もう十五、六年やっておるわけでしょう。現にある。しかも、たとえば通信中学校というのが全国に、東京と大阪にそれぞれ二校ありますね。しかし、これは旧尋常小学校なり国民学校を経た人たちを対象にした通信教育ですね。それから、中学校卒業の認定試験がある。これは身体障害者を原則にしておる。すると、家庭の崩壊とか貧困とかそういうことから就学できなかったところの、義務教育を受けなかったところの人たち、それを受けたいと思って求めてきておる。だからやっておる。これを文部省は認められないというなら、これをどうするつもりなんですか。国の責任が果たせますか。現にやっておるんです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 私は、認めるとか認めないとか、形式論をやるのは実情に即さない、必ずしも適していると思わないということを申し上げておるわけで、法律論として、夜間の課程を認めるかというふうに形式論でおっしゃれば、認められないということを言っておるわけで、そこで、実情を申し上げますと、夜間中学校の先生方、これは文部省のほうとしましては、子供の生徒数、学級、こういうものが県から報告がございます。その場合に、夜間中学校の生徒、学級も、一般の生徒、学級と同じように文部省に報告なり申請が来ます。したがいまして、教員定数、教材費、こういうものは夜間も含めて配分されております。ただ、就学援助費につきましては、学齢児童とか学齢生徒とかいうことが法律に書いてございますので、就学援助費は学齢を過ぎた夜間中学の生徒さんには行っておりません。それが現実でございます。ですから、それでは認めておるではないかといえば、そのような実態もございます。しかし、形式的にそれでは認めておるのかといえば、形式論としては認めにくうございますという苦しいことをいま申し上げておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 私は、積極的に法律で認めざるを得ないだろうと思うのです。それはもちろん、未就学者をなくする手段、これは万全を期さなければならぬでしょうし、そのことが前提であります。けれども、そのためには、市町村の教育委員会がそれではどれほど——法律的には教育委員会がやらなければならないことになっていますね、未就学者について。どれだけやっているかというと、人手からいっても何からいっても、ほとんどやっていませんよ。だから、そういう処置をどうするかというのが前提です。だけれども、現にあって通っておる。それが私生子的な関係に置かれている。私は、むしろ積極的に認めよとこういうことなんです。現にある。十五年もやっておる。ところが、認めておらないから、だから、私生子的な立場に立つ学校経営というものは苦しい。大臣、ごらんになったことありますか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 いや、見たことがありません。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 私は見たこともあるのです。現に現場を見ると、やはりひしひしと教育というものの大事さを感じるのです。そこに来ている子供たち、おとなの三十過ぎの人も来ているのです。そういう人たちが来ておる。それにやはりこたえていかなければいかぬだろう。しかも義務教育の学習権を国が保障してやろう、こういう立場に立てば、法律的に見ても——東京都は夜間では出しております。しかし、これは定通手当と関係があるから質問しているのです。夜間でやっているならば定通と同じでしょう、形の上では。しかし、給与法では国に準じなければならぬといっておる。ところが、そういう手当がないわけですね、義務教育の中に。だから出しておる。たとえばそのことが、大きく言えば、昨年美濃部さんが人事院勧告を完全実施すると言ったらだいぶもめたと同じように、そういう問題が出てくるわけでしょう。しかし、現にそういうことをやっている。やらざるを得ない。いかに少なくするかというのが前提になるんで、夜間中学を認めることが安易に流れちゃいかぬが、現にやらなければならぬ、そういう立場に立って夜間中学というものをもう一回見直してみる、そういうことが必要じゃなかろうかと思うのですが、大臣いかがでしょうか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 局長もそのように申し上げておると思うのです。学齢の子供たちは、もう全力をあげて、普通の義務教育で処理をするということに万全を期さなければならない。しかし、学齢を越えた者については、これはとにかくそういういろいろの事情で受けられないというわけでございますから、私たちとしては、やむを得ず、これは認めざるを得ない。また、やむを得ず認めざるを得ないというからには、それに対しての処置をしなければいけない、こういうふうに私は考えておりますし、また、局長もそう考えておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 そうすると、いまはこの法律だけで言えば、ちょっと言いましたように、定通手当と同じようなものを認めざるを得ないという前提に立つならば——それは定時制なんかよりもっとつらいのですよ。家庭の問題あるいは就職あるいは職場との関係、そういうことから実は昼間行って、そうして四時ごろから授業をなさる。だから、私はこれはもうたいへん精神的にも、しかも年齢が違い、レベルがたいへん違うのですね。だから、完全なる個別指導ですよね。これをやっているのですから、そういう先生が、たとえばこの法律でいえば、手当なら手当を夜間に認めるなら認める——私は、手当一つ言うんじゃないんだけれども、認めるなら認めるらしいかっこうにしてやろう、やりたいと思うのです。そういう点では、局長どうですか。いま手当だけを言っているわけじゃありませんけれども、認めざるを得ないという前提に立つならば、そういう実態に即したたとえば手当なら手当——いまこの法律は手当の問題だから、手当なら手当の場合もそういうものがなければならぬでしょう。しかし、各府県の教育委員会は多少手当を出す。しかし、横浜なんかは、昼間の先生が夜間も勤務しておりますね。兼務でしょう。それに対する三千円か何かのお礼金みたいなものが出ていますね。それぐらいでやっておる。実態を見れば出さざるを得ない。それはこの給与法の中にはないわけです。たとえば、これは手当の法律だから手当だけ言いますけれども、認めざるを得ないならば認めざるを得ないような、そういう教育の効果があがるような、子供の学習権なり生存権を守るような、そういう体制というものをつくることが必要じゃないかと思うのですが、どうですか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 いわゆる夜間中学校の先生方は、先ほども申しましたように、義務教育費国庫負担金で見られておる先生方もおられます。そこまでですが、ただ、御指摘のように、東京などでは、それにさらにその先生に手当を出されたりいろいろしておられます。したがいまして、その学校を正式に認めれば、これは定時制の高校と同じように、定時制の中学校とでもいうべきものですから、当然その関連からも、手当というものは出されてしかるべきものと思います。しかしながら、先ほど来、もたもたしながらお答えしてまことに恐縮ですが、形式的には法律上認められていないわけなんです。したがいまして、そういうことも含めまして、来年この調査費等もとっておりますし、さらに、これはあくまでも過渡的なものであろうといったような点もございます。したがいまして、いましばらくあらゆる角度から検討さしていただきたいと思います。これを認めますと、昼間の中学校へ行かないで夜行く子供が出てくる。これは絶対に避けなければいけない。そうすると、学齢を過ぎた子供といいますか、いま六十くらいの年寄りも行っておられるので、学齢を過ぎた人のための夜間中学となりますと、ちょっと一般の義務教育とは違った関係になりますし、法律上も、現実の問題としてもいろいろむずかしい問題がありまして、ここで観念的にこうだということが言いにくうございます。お答えしておるのも仮定の上に立ってこうだというなら出てまいりますが、そういうことでございますので、十分来年、そういうことを含めまして検討して慎重に結論を出したいというふうに考えますので、御了承いただきたいと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 時間が来たからやめろということですからやめます。検討するということですから、もう少しこまかいものも聞きたかったのでありますが、時間がないのでやめます。検討するということでありますから、これは前向きに検討するというふうに理解して、できれば委員長、これは附帯決議のようなもので、各党の中でこの問題をどう考えるかということの何か委員会の結論を得られれば私はしあわせだと思うのでありますが、各党の意見もありますし、これは高校の問題の附帯決議ですから、必ずしもなるかどうかも疑問でありますけれども、こういうものの放置はできない気がするのです。あるいは時限立法のようなものがあるか……。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私は、先ほど申しますように、一応形式的には認めがたい問題ではあるけれども、実際上はやはり基本的な義務教育を受ける権利があるわけでございますから、それにのっとりまして、実際上はこれを処理する場合に認めざるを得ないという実際問題を申し上げたわけでございます。でございますが、やはりこういうような問題に対しまして適確に何か措置をするというようなことについて私ども考えますが、ひとつ先生方のほうからもお知恵を拝借いたしまして、何らかの結論を得たいというふうに考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 終わります。

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 私は、先日来都内の高等学校の定通校を幾つか見てまいりました。そうした現況の上から、初めに二、三の質問をさせていただきたいと思います。  初めに、入学志望者の問題でございますけれども、定時制の入学志望者が年々少なくなっておる。周知のことでございますけれども、都内の学校の場合、四谷商業では募集人員八十名のところ六名、井草高校四十名のところ一名、武蔵丘高校四十名のところ五名、こういう志望状況でございました。これは第二次、第三次の募集があるかもしれませんけれども、こういうような定時制の減少傾向について、先ほど大臣は、定通の問題を基本的に考えなければならない時期に来ていると言われましたけれども、こうした傾向についてはどのようにお考えになりますでしょうか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私は、全体的な数字の報告を受けまして、見てそして判断をしておったわけでございますが、いま先生の言われたような実態があることは、そんなにひどいということは初めて聞いたわけでございます。ちょっといま判断できませんです。

有島重武公明党

○有島委員 それでは、これは御検討いただきたいと思います。これは極端な場合かもしれませんけれども、全体的に通信制のほうは順調といいますか、これはいいと思いますけれども、定時制が減っておるという傾向は、大きな数で見てもそうであると思います。  次に、卒業者の問題でございます。定時制、通信教育、それぞれに中途退学者が非常に多うございます。それで、全日制の途中で脱落したという者が、四十四年度調べでございますが、三・三%である。それから定時制ですと同年度でもって二八・五%、通信制のほうは三五・四%、こういうことになっております。こうした現象について何らかの手を打っていかなければならない。そういうことをお考えであろうと思いますけれども、その点についてはいかがでありましょうか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 おっしゃいますように、脱落者が相当多いわけでございます。ただ、あまりお答えするほどの数字でもございませんが、定時制ですと、三十五年度と四十五年度と比較してみますと、三十五年度の卒業率は五八%でございました。それが四十五年度では、六九%の者が卒業いたしております。そういうことで、一〇%ばかり十年後に卒業率がよくなっている。逆にいえば脱落者が減っておるということでございます。  それにいたしましても定時制、さらにひどいのが通信制でございますが、いわゆる脱落者が多うございます。これにはいろんな理由があろうと思います。本人が挫折するとか、あるいは家庭の事情、さらに勤務先の事情、いろいろあろうと思いますが、ともかく定時制とか通信教育とかを受けております子供は、一般の全日制に通っておる子供に比べますと、勤労しながら勉学をしておるといったような子供でございます。したがいまして、いろんな施策が必要でございます。先ほど木島先生の場合にもお答えいたしましたが、たとえば定時制と通信制を併修するとか、さらに技能施設と連携を持つとか、あるいは二部制、三部制にしていくとか、あるいは教育課程編成上いろんなくふうをするといったようなこともありますし、また、その他定時制ですと給食だけに限らず一部の県では教科書をやったりというところもございますが、通信教育では、国といたしましても、一年たちましたときに一定の単位を取りました子供には教科書や学習書を与えるとか、いろんな施策を講じておりますが、まだまだ十分ではございません。したがいまして、いま御指摘のような脱落を防止し、こういう子供が喜んで学校を卒業していけるような環境の整備、教育内容の充実、あわせまして努力をしていく必要があろうかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 これを改善するためにいろいろな施策が必要である。連携の問題、それから二部、三部あるいは給食、教科書、そういうふうな問題を出されましたけれども、一つ指摘しておきたい問題は、施設の独立の問題でございます。特にこれは、通信制の高校の施設が全日制の高校に併設されているのが多いわけでございますが、これが弊害を伴っておるのではないか。むしろ独立の通信制の高校、これは十四校あるようでございますが、非常にうまくいっておるようであります。また、定時制と通信制との併設校、これも全日制の併設よりはうまくいっているのじゃないか。と申しますと、通信制の人たちが学校に参りますね。そうすると、大体原則としては月に二回のスクーリングということになっておるようでございますけれども、そのほかにも随時グループ的な、ないしは個別的なスクーリングを要求している人たちが多いわけなんです。それで学校に参ります。ところが、クラブ活動など全日制は非常に盛んでございますから、非常にのけものというわけじゃありませんけれども、全日制の人たちから見れば何かよそものが入ってきたような、通信制のほうは非常に肩身が狭いような感じがするようであります。それから、もともと定時制、通信制の方々は、全日には行かれなかったというような一つのハンディキャップがあるわけでございますから、それが心理的にも、何か引っ込み思案な方向になりやすいということが非常にあるんじゃないか。そういうことを通信制の学生さんの方にも伺いましたし、それから先生の方にも伺いました。今後の方向として、通信制の独立施設というものをもっと強化してもいいのじゃないかと私は思いましたけれども、そういった点、大臣いかがでございましょう。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 その点、私も同感でございまして、地方を回りまして、数県におきましては、すでにそれを県の段階で実行しておられる。普通高校よりもいい施設設備を持つことによって、定時制に学ぶあるいは通信制の学生たちに誇りと自信を持たせる、これが非常に教育上意義のあることだという考え方からやっておられるわけでございますが、文部省といたしましても、逐年そういうような方向に進みたいというふうに考えております。たとえば富山県あるいは鹿児島県も、そうだと思います。

有島重武公明党

○有島委員 それから視聴覚の問題でございます。いまもNHKのお話出ましたけれども、これを兼ね合わせて使うということが非常に効果をあげておるようでございますね。ところが、都立の上野高校の場合なんか、都のほうからビデオ装置の購入許可が出たわけです。ところが、これはほしいんだけれども断わってしまったというんですね。どうしてかというと、通信の学生さんにとってビデオというと非常に利用度が高いわけなんですけれども、それを置いておく場所がないというのですね。せっかくだけれどもと言って断わってしまったというようなことがございました。テレビを家庭で見られない人もいますし、それからその時間にうまく合わせられない人もいる。そうなりますと、効率よくやるためにはビデオカセット——これからも安くなると思いますけれども、どんどんそういったものを供給してあげるということが、たとえば宮地さんからいろいろな施策、給食、教科書のことがございましたけれども、ビデオなんかをもっと一般化してあげるということが今後非常に大切なことじゃないか。ところがこれは、お金だけ出してもそれをどこで見せるかという場所がなかったということが、一つの盲点であったのではないかと私は思ったわけです。いまの問題の続きでございますから、それで終わります。  それから、今度の手当をつけていただくこと、これはたいへんけっこうなことだと思いますけれども、事務職員については一体どうなるのか。教員の方にはついても、事務職員が全部、私たちは出ないんだからという態度では、これはうまくいかないんじゃないでしょうか。局長から……。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 いま先生のおっしゃるような面も確かにございますが、一応従来から定時制なり、さらに産振手当などもそうでございますが、直接子供を教えておる、直接生徒に接して教育をしている教師、教員ということを対象としていたしております。したがいまして、事務職員につきましても、昼間の先生と事務職員と比べますと若干相違はございますが、従来から法律のたてまえ、また今回七%を一〇%というふうに改正いたしておりますのも、すべて直接生徒に接する教師というところに限界を置いてやっておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それは文面にあらわれたとおりでございまして、そういうふうになっておるからそれでもって十分だと思っていらっしゃるのかどうか、そのことを聞きたかったのですよ。それで、ここには教員の勤務形態が複雑になる、職務が困難になるということがございますね。直接会っている先生方はもちろんそうでございますけれども、かなりその困難性の下ざさえをちゃんと事務職員の方がやってくださっていないと、この困難性というのはますますあまり——ほんとうに生徒に接することに一番集中して、そこに効果を発揮させることが目的なんでしょう。そういたしますと、どうしても事務職員のほうにもこれが及ぼされるということが私は必要だと思うのだけれども、これはお考え直しになるゆとりはございませんか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 御指摘の点は、将来の問題としてはもちろん検討さるべき課題かとも思うわけでございます。しかしながら、ただ昼間でない、夜であるというだけで先生方に出すのではございませんので、先ほど来申し上げておりますように、夜であるといったようなことに加えまして、さらに——通信制のほうは夜ということでもございません。したがって、まず第一段階としましては、教師が夜だからということ以外の職務の複雑、困難性ということで手当を出しております。したがいまして、昼の事務職員と——ただ夜であるというだけで事務職員にいま直ちにということは無理であろうと思います。もちろん、将来におきましては一つの検討課題ではあろうと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 昼と夜の話ではなかったのですよ。  先へ行きます。先へ行ってまたそこへ戻るかと思いますけれども、定数法でございますが、全日制の場合には二百七十までは十八で割るということになりますから十五ということですか、これに一を足すのですか。定時制の場合には二百四十まで十八・五で割る。通信制は六百までを六十で割る。これは十ということになって、ずいぶん教員が少人数でもってやっていかなければならないということでございますね。これは実際には、通信制というのは非常に手間がかかっておるようなんですね。確かに生徒に会う時間は少ないかもしれないけれども、学生さんのレポートなんかに全部目を通して全部手紙を添えて出すということは、相当たいへんな作業のように見えました。それで、担当についても、百名程度の方がずいぶんいるわけなんですね。それで一番ひどいのは、これは都立上野高校で伺った例なんでございますけれども、二年二組の市川先生という人なんかは、男子五十、女子五十五、計百五名を担当していらっしゃるわけなんです。そうなりますと、二十単位といいましても、これはかなりきついことになるわけです。それで、自分の担当以外に、専門専門で分かれておりますから、それでやるわけですね。ほかにも百名近い方がいました、大体は五十名平均のようでございましたけれども。こういったような状態が今後、定時制のほうは減少傾向をたどっておるかもしれないけれども、通信制のほうはますます充実方向に向かっておるんじゃないか。そういうことから考えまして、この定数法自体もう一ぺん考え直さなくちゃいけないのじゃないか、これが一つです。  それからもう一つは、この事務量というのがかなりやはりたいへんなんですね。だから、事務職員のことはお考えいただいたほうが、先生が先生らしい教育の方向に向かっていくためには、どうしても必要なんじゃないかと私は思うわけでございます。  前の、定数法をもう一ぺん御検討なさらないかどうか、このことだけ……。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 現在の高等学校の教師の定数法でございますが、四十二年に改正しまして、それから四十六年まで五年計画ということで進んでおります。したがいまして、四十七年度から第三次の五年計画ということでいま私ども寄り寄り検討いたしております。その場合、いま先生が御指摘になりましたような通信制の教員定数につきましては、これは先ほど木島先生にもお答え申し上げましたが、いま先生がおっしゃいましたような点、さらに添削指導とか巡回指導とかあるいは定時制と通信制と一緒にやっておるとかいったようなことから、だんだん定時制が減ってくる。そういう面を考えると同時に、通信制につきましては、いま申しましたようなことを十分頭に置いて教員定数の積算をすべきである。さらに、事務職員につきましては、現在五学級以下一人、わかりやすく申せばそういったかっこうで定数の計算をいたしておりますが、これもぜひ前向きな形で事務職員の定数は改善しなければいけない、こういった意味で、いずれ四十六年度で五年計画を終わりますので、四十七年度からは、御趣旨のような点も頭に置いて定数法を改正していきたい、こういうふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 最後に、定通含めまして高校の教育一般について少し触れておきたいと思うのですけれども、定通に限らず、高校の教育は非常に深刻な問題をたくさんかかえているんじゃないかと思います。それで、特に生涯教育という問題から考えましたときに、義務教育年限を終わってこれから高等教育を受ける、ないしは社会にそのまま出ていってまたさらに勉強していくといったような、そういった一番かなめのところに位置しているのが高等学校の学生さんじゃないかと思うわけなんです。それで、先ほど議論されましたからもうあと言いませんけれども、産業教育とか技能教育という問題が出ておりましたね。大臣は子供本位に、ということは、おそらく教育本位ということだと思うのです。子供自体の将来のことを一番中心にして考えていくべきである、そういうようなお話でございましたけれども、教育を主体として考えたときに、勤労しながら勉強しているということは、勉強を主体に考えたときには勤労そのものは一種の選択科目をとっているのである、そのようなものの考え方でもいいんじゃないかと思うのですが、それはいかがでしょうか、そういったものの考え方は。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私は、教育というものはそういうものだと思うんです。意欲があるというところに教育というものが出てくる。特に義務教育の段階では教える要素というものが非常に多いけれども、高等学校以上になれば、むしろ意欲がなければ教育というのは成り立たないような気もするのです。その意味において、働きながら学んでおる人たちと、それからただ家庭が非常に裕福で、意識も意欲もなくて人が行くからまあ行くのだ、おかあさんが大学に行けと言うから行くのだという形で行っている人たちのものの考え方は、非常に違っているのですね。むしろ働きながら意欲を持って勉強しておるほうが、教育が身についているように私は思うのです。それは例外もございましょうけれども、一般的にいってそういうふうに言える。私は、そういう気持ちを、教育基本法には勤労をとうとび云々ということが教育のより大事なところとして書かれてあると思います。それから私は、政治的な主張等については立場を異にいたしますけれども、中共やあるいはソ連等におきまして、働くということ、働きながら学ぶということをやはり重視しているということは、われわれ自由主義社会におきまして十分考えなければならぬ点じゃないかというふうに思うわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういう点からいきまして、働いているということ自体が、教育の中における勤労というものの位置づけ、一つの選択科目を校外でもってやっているのだ、そういうような意識に教育側では立ってもいいんじゃないだろうか、そういうことを考えるのですが、いかがでしょう。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 そういう意味が、たとえば定時制における技能連携でうまくやれば、おっしゃるような形に取り込めるのじゃないかというふうに思うんです。  それから、御承知のように、イギリスでもポリテクニクスではサンドイッチ教育というものをやって、半年は企業内で企業に働いていて、そして半年はポリテクニクスに来て学習をする、それからまた今度は企業に帰っていく、そしてまた今度はこっちへ帰ってくる、そういうやり方をやっておりますが、つまり実際的なことをやりながら、そして何かそれだけではどうも満足できない、もう少しセオリーを勉強したい、あるいはアカデミックなものを学びたいというときにまたそういう学習をやる。そうすると、学習そのものに非常に精彩が出てくるということがいえるのじゃないかと思いますし、今度はそういう理論やアカデミックなものを得た者が現場に帰りますと、現場においての働きというものにまた生きがいや何かが加わってくる、学習意欲もまた出てくるということで、教育をそういうものと一緒に考えるという立場ですね、これは私は非常に大事なことだというふうに思います。ところが、戦後の日本の風潮としまして、これはいろいろの原因があったろうと思いますけれども、何か教育というものはアカデミックな普通高校中心主義といいますか、そしてみんな大学に行かなければ教育は成り立たないんだ、技能教育——先ほどもちょっと技能教育と技術教育の概念の混淆について御質問がございましたけれども、何か技能教育というとつまらぬ、いけないものかのような風潮もあると思います。私はそんなものじゃないのじゃないかというふうに思います。技能を身につけるということあるいはそれに対する訓練や教育というものは、やはり重要な教育の一つの大事な点だ、こういうふうに思いますし、技能者だって人間としてりっぱな人はりっぱだし、技能者と技術者をどう区別するのか私もよくわかりませんけれども、そういうところを何か産業教育——先ほどからも申し上げておりますけれども、工業につとめておる先生と普通高校につとめておる先生との、先生自身が何かみんな普通高校に行きたがる現実にあるのです。そして産業教育に行っている人たちはしょっちゅうプライドを失っている。そういうところの子供たちがどうなるかということを考えると、やはり産業教育に行っている子供たちが、コンプレックスを持ちかねないということもいなめないのじゃないかというような気がするのです。それは、いまおっしゃるように勤労とかあるいは技術とか、そういうものが何か普通の教育とは別な卑しいものだという誤った考え方があると私は思うのです。それは日本の社会で払拭しなければいけないというふうに私は思うのです。むしろその中にこそいいものがあるのじゃないか。実際的なそういうものを身につけるようなこと、あるいはそういう鍛練をやりながらさらに理論を学んでいくというのがほんとうの教育であり、学問への道じゃないかというのが私の考えです。間違っておれば、あるいは一方的な考えだとおっしゃるならばそういうふうに御批判は受けますけれども、私自身はそういうふうに思っております。

有島重武公明党

○有島委員 たいへんいいお答えをいただいたように思うのですが、ちょっとした混乱が幾つかあるように思います。  まず第一点、プライドの点でございます。一面から申しますと全日高校の学生さん方と通信制の卒業生の方々、どっちがプライドを持っているかといいますと、どっちとかと言えないくらい通信制の方々はりっぱな方が多うございます。そういたしますと、これは全日制、アカデミックなものの考え方というのがすでに一般的にゆらいでいるのじゃないかと思うわけです。それから産業に携わっておるということが、これもお金のために、しかたなしにやっているんだという考え方と、一種の専門科目をやっておるのだという考え方の二通りあってもいいと思うのです。さらに拡張いたしますと、金にはならないけれども私は専門的な物理学の測定の技術をいまやっているんだ、ないしはそういったいわゆる技術的な問題ではなしに、それに必要な、専門の大学でなければ学べないような基礎数学をいまやっているんだ、あるいは将来はガイドになるか世界旅行がしたいか、それで特殊な中国語なり何かやっておる、そういった状態がすでに高校から始まってもいいんじゃないか。となりますと、いまの全日高校の中でも必修科目は今度だいぶ少なくなりますですね。そうすると、選択科目については校外受講も許すというような方向をお考えになってはどうか。学園の外でもってやる。いままでのいわゆるアカデミックといわれることばの意味の中に、非常にオーソドックスであるということが一つあると思いますけれども、一緒に集めて学校の中でもって勉強させなければ済まないというようなものも、ちょっとまじり合っているんじゃないかと思うのです。必修科目は少なくて、しかもこれは厳密にやるべきだと思うのです。選択科目については、いわゆる多様化ということがいわれて、それで学校の中に多様化を持ち込んでくる、ないしは商業なり工業なりというような学校を幾つもつくってみるということが考えられているようでございますけれども、それはいままでの農業学校の例を見ましても、あまり芳しくない結果が出ておる、きらわれておる。むしろ全日制というか、一般高校があまりいいと思っていないにもかかわらず、みんなそっちに行かざるを得ないというような変な状況がいま進んでいるわけですけれども、それをもう一ぺん分析し直してみると、むしろ専門的な選択科目というようなものは校外の受講を許して、ある場合には働きに行く人もいる、ある場合には各種学校に行く方もいる、ある場合には通信制でもって何かやることも可能である、そういうようなゆとりをむしろ全日制高校の中にも持ち込んでいってもいいんじゃなかろうかというようなことは考えられないでしょうか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 これはまたなかなか有島さんらしい御発想でございまして、私として、いますぐそれに賛成とも反対とも実は申し上げかねるのです。ですけれども、高等学校の段階でやはり多様化しなければいけない。産業教育の、たとえば工業とか農業とか商業とかいうところはところとして、また一般高等学校に行ける道を開くとか、しかし今度は、一般の高等学校をもう少し専門教育も受けられるような何かを考えていくというようなことは考えられることじゃなかろうかというふうに思います。しかし、正規のものがあって、それ以外にまた講座を別に設けてそれを認め合うというようなことは、まだ私のところでは考えていないのですが、今度おたくで大学をおつくりになるわけですが、高等学校をおつくりになったら、そういうことをお考えになってひとつ実験的にやっていただきますと参考になると思っております。

有島重武公明党

○有島委員 ちょっとはずれますけれども、将来、高校の義務化ということは望ましいと思っていらっしゃるかどうか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 これはやはり検討をすべき課題だというように思っております。中教審でも、それを含めて検討しておるようでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういう義務教育にしていきたいという傾向は、一般的なものではないかと私は思っておりますけれども、そうした際に、必修科目分だけは義務制にする、そして選択科目は随意とする、また校外受講も許す。それは格別の連携をきびしくとらなければならないということではなしに、上の学校を受けていく場合には必修部分だけ、これは、ほんとうに国民の必須の教養であり、義務課程の総仕上げである。さらに、それが生涯教育を保障できるような気がまえ、また勉強していく上の基礎的な技術もしくは勉強技術と申しますか、方法を身につけさせるというものを必修科目にして、そういったものは義務制にしていくというような方向が今後望ましいのではないかと私は考えているわけなんです。お答えはもう要りませんけれども、御検討いただきたいと思います。  以上でございます。

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 最初にいま有島先生の質問の中で、高等学校の義務化ということに対して文部大臣お答えになりましたが、現在の状態で、たとえば高等学校へ志望する者、これの全員入学制度といいますか、全員を入学させる、現在の状況の中で。将来は義務化ということをお考えになるかもしれませんが、現在の段階でそういうお考えはお持ちになりませんか。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 私自身、こちらの文部省としてどうということじゃなくて、自然的にほとんど全員入学みたいな形になりつつあるわけでございますね。都会においても九〇%以上、しかし、地方におきましてはかなり低いところもあります。そういうようなところは、やはり高等学校に行けるような状況というものが生み出されることが大事なことだというふうに思いますけれども、しかし、なかなか高等学校に行く率が少ない県というのにはそれなりのいろいろのやはり理由があるようでございまして、単に教育行政だけでこれを律し切れない、むしろ県民所得をふやす方法、あるいは県内の若い人たちが都会等に出ていくというものを、足をとどめる方策というようなことがあわせて考えられないと、なかなか全員入学ということを申しましても、これはむずかしいのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。われわれといたしましては、やはり高等学校の受けとめ方は、先ほど来いろいろ、この時期でございますから考えなければなりませんけれども、やはり義務教育を終えた人たちが進学していくということにつきましては、積極的にこれを奨励するといいますか、そういうような方向でいかなければならぬというふうに思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 私、そういう質問をしましたのは、かつて全員入学制というのが各県においてしかれたときもありまして、その際、全日制の全員入学制が確立されておりますときには、定時制の性格というのが非常にはっきりしたわけですね。たとえば定時制が勤労青少年のための教育機関としてつくられた、そういう意味では定時制の性格は非常にはっきりしておったんです。ところが、全員入学制が選抜試験制度に変わりますと、今度は全日制に合格しなかった子供たちが、定時制に腰かけのような形で流れ込んでいったという実態の中から定時制の性格が失われていったという、そういう経過を私は知っているわけですね。だから、そういう意味では、真に定時制の高等学校の発展のためには、やはり全員入学制度というものを制度として打ち立てていくことがいいのではないかという考えを持っておりますので、最初にお伺いしたわけです。  それで、この法案に関連しまして三つ質問をいたしたいわけですが、最初は、過疎地域における定時制高等学校の統廃合の問題です。二つ目は、先ほどから出ておりました連携教育の問題です。それから三つ目は、教育に携わっている教師の講師、臨時講師あるいは兼任教員の問題、この三つについて質問をいたしたいと思うのです。  そこで最初に、僻地をかかえておる県におきまして統廃合がどのように行なわれておるかということで、文部省のほうでお調べいただいたのですが、たとえば私の県である高知県の場合、現在までに七校廃止になっております。それから愛媛県の場合が四校となっております。それから岩手県の例を見ますと十五校となっております。島根県四校。こういう形で、かなりせっかくつくられた定時制高等学校というものが、過疎地域におきましては廃止あるいは統合というようなうき目を見ておるわけですね。  ところが、そういう地域におきましては、確かに人数は少なくなっておりますけれども、高等学校教育を受けたいという子供たちはいるわけです。しかし、僻地であればあるほど、統廃合された場合にはもう行くところがないという状態になってくるわけですね。この問題につきまして、これは当然、設置基準を変えろということまでは申し上げませんけれども、たとえば小規模の学校であってもこれを存置していく、そうして父母、子供たちの教育を受けようとする期待にこたえていくということが私は非常に必要だと思うのです。そういう意味で文部省の見解を伺っておきたいのです。人数が減ったからもうつぶしていくのだということでなしに、多少の小規模学校であってもこれを存置していくということが、いま非常に過疎地域にとっては必要になっておりますので、その点、局長のほうから伺っておきます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のように、確かに過疎地域等では、定時制等の高等学校、とりわけ小規模の分校等では廃止されておる実情にございます。そういうことに対しまして、私どもも、趣旨といたしましては一人でも、先ほど東京都につきまして、志願者が定時制に一人とか三人とか五人とかいうような例も前の先生がおあげになられましたが、いずれにしましても一人でも志願をし、勉強したいというものは学校を存置してやりたいという、趣旨としてはそういう気持ちは根底にございます。しかしながら、現実の問題といたしまして、一人は極端でございますが、十名とかその前後とか、そうなりました場合に、はたして分校としてそれを理想的に維持していけるかどうか、そのために先生方も、幾ら五人でも十人でも必要な先生は置ければよいのでございますが、現状においてはなかなかむずかしい、そういうようなことで廃校も現実の問題としてはやむを得ないのではないかというふうに一般的に考えます。しかし、先ほど先生がおあげになられました県につきましても、もちろん数字としてはそういうことでございますが、たとえば高知県で、先生のほうがよく御存じと思いますけれども、昭和四十二年に廃校になったときの状況あるいは四十四年、四十五年とそれぞれ廃校になっておりますが、その場合にやはり県としても相当慎重に考え、また地元の要望なり地元と協議を重ねるとか、いろいろなことをやっておるようでございます。それで一般的に、分校、定時制等を廃止します場合のその後の形としましては、昼間の、定時制等が全日制に転換していくのがございます。それから、分校が少なくなって本校へ統合していくのもございます。それから、分校が本校に統合しても本校には相当遠いという場合に、近くに他の分校があります場合はそれにかわらせる。特にバス等が通ってなかったのが通るようになったといったようなこと、さらにどうしてもやむを得ないときには、一人、二人あるいは十人前後になりました場合、そのような措置が講じられない場合はやむを得ず通信制を奨励して、ある学校の通信課程に切りかえさせるとかいったようなことで、極力いわゆる廃校にしたままで何にもしない、切り捨てといったようなことは、各県ともできる限りなくするような措置は講じておるようでございます。したがいまして、趣旨といたしましては、一人といえどもめんどうを見てやりたいということは当然でございますが、現実の問題としてはある程度やむを得ない。しかし、やむを得ないけれども、単純な切り捨てということではなく、できる限りの配慮をしていく、その上やむを得ない場合には廃校をしていくというのが現実のように私ども考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 形式的でなくて、やはりこの実態を調べて、十分慎重な態度で臨むということが教育の面からも必要だと思いますし、現在の過疎問題としても非常に必要になってきておるということをこの際強調しておきたいと思うのです。  それともう一つは、やはり充実した定時制、通信教育というものを確立する必要があるという意味からしますと、現在の定時制の実態をちょっと申し上げてみたいのですが、たとえば兼務教員のパーセントですね。これを調べてみますと、こういうふうになっております。これは文部省の定通便覧、中等教育課の出しておるものでありますけれども、定時制高等学校の兼務教員が、昭和三十八年で総人員が二万七千人、その中で実に六千五百人というのが兼務教員なんですよ。パーセンテージにしますと二三%に当たっております。それから愛知県の例をあげてみますと、愛知県の二つの学校ですが、これは昭和四十五年の調査ですから去年の調査ですが、愛知県の刈谷東、これは通信教育です。それから旭丘の場合、専任と非常勤講師の比を見ますと、非常勤講師が、刈谷東高等学校では八四%、それから旭丘の学校では七二%というふうな率になっておるわけです。したがって、定時制の場合も通信の場合も、非常に兼務教員というものが多いわけですね。こういう形で、はたして定時制教育というものを充実することができるかという疑問を持つわけですが、この点について伺っておきたいと思います。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 御指摘の兼務教員でございますが、理想といたしましては兼務でないほうが、全部専任であることが一番理想であろうと思います。しかしながら、とりわけ定時制等、特に分校等では規模が小さい、生徒数が少ない、そうなりますと、勢い一人の先生が持たれる授業時間というものが極端に、一週数時間というふうになったりいたします。もちろん理想はそれでも専任がよいのでございますが、現実の問題としてはそういうようなことがございまして、いわゆる兼務とか非常勤講師といったようなものが、全日制に比べまして定時制、通信制は多うございます。しかしながら、趣旨といたしましては、兼任、非常勤講師というようなものは必要やむを得ない場合に採用するものであって、安易に兼務、非常勤でよいというような人事行政をすることがよくないのは当然でございますし、そのように指導もいたしております。また、県としてもそういう考えで進んでおるものと存じます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 こういう状態が唯一の原因ではないと思いますけれども、通信制の場合、入学者、退学者、卒業者の対比を見ますと非常に大きな差があるわけですね。たとえば入学数を一〇〇としますと、全国平均で三〇%が途中で退学をいたしております。卒業したのは一〇%弱というようなのが全国的な例ですね。学校基本調査によりますと、たとえば昭和三十七年の例ですと、三万二千四百四十三名入学をしまして、一万五百六十名途中で退学をして、卒業した者が千四百七十六名、こういう数字が出ておるわけです。それから愛知県の昼夜二交代制の学校の例を見ますと、たとえば入学者が昭和四十四年に六百八十二名、退学者数が百名というふうな数字になるわけです。こういう現象がはたして正常な形なのかどうか伺っておきたいのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 全日制に比べまして、定時制さらに通信制の生徒が、定時制四年間で卒業し、通信も四年で卒業していくという者は確かに少のうございます。ただ、数字が、先生がおっしゃいましたのとあまり大差がございませんが、通信制におきましては、入りました者が四年後に卒業しておるのは一〇%、一割ぐらい、五年目にさらに二%余りふえて卒業いたしておりますが、非常に少のうございます。それから定時制のほうは約七〇%ぐらいが四年で卒業いたしております。この形は、もちろんあるべき姿から見ますとまことに遺憾な現実だと存じます。そういうことで、全日制と比べまして定時制の子供は、何と申しましても勤労に従事しながら勉強しておる。特に通信制になりますとさらに年齢の多い子供等もございまして、かたわらで仕事を持ち、かたわら勉強するということで、全日制より勉学するのに非常に困難であるということが、この卒業率の悪さということになってきておると思います。したがいまして、あるべき姿に持っていくように、あらゆる面におきまして、教育内容の改善、さらに環境の整備、そのためには教員をふやしてもっと子供たちとの血の通った教育をさせていくとか、さらに勉強しやすい学校にしていくとか、いろんな諸施策を進めていく必要がございます。一々具体的に申しませんが、そういう方向で進めております。しかし、正直に申しましてまだ十分でございません。今後とも努力してまいります。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 大体わかりましたけれども、やはりこういう状態をなくするためには、先生方はものすごぐ苦労しているわけですね。この間の大会の要録を見ましても、ものすごい数の巡回指導、家庭訪問とか、そういう苦労をなさってなおかつこういう状態になるわけで、これはもちろん先生方の責任じゃないわけですね。したがって、定時制、通信教育というものを重視するならば、当然教員の定数をふやすとか、また専任教師を置くとかいう措置が講ぜられなければ、これ以上負担をかけるということはできないわけで、今回その意味で手当の増をやるということについて私ども反対しておるわけではありませんけれども、そういう面での文部省の考え方というものをかなりはっきりしていただかぬと、今日の状態ではささえられない現状にあるのではないかということを申し上げておきたいと思うのです。  次に、連携教育の問題につきまして、いままでの国会の審議の過程から見まして、私は、最近の連携教育のあり方が、国会を無視しておるというか軽視したような考え方が出ておるんじゃないかという経過をちょっと述べてみたいのです。  昭和三十六年の三十八国会で、学校教育法の一部改正で連携教育の方向が文部省から出されております。その際に国会におきまして質問が行なわれて、そして政府の答弁というのが行なわれているわけです。それをちょっと振り返ってみますと、内藤初中局長の答弁がありますけれども、答弁の要旨はこういうことです。第一点は、連携施設は高等学校と同等もしくはそれ以上のものでなければならないというのが出ております。それから二番目に、普通科につきましては、これは認めないということですね。それから三番目は、単位につきましては三分の一を限度にしてそれを越えないということ。四番目は、絶えず施設と連携し、先生も派遣し、視察をする、同時に、校長の要求する資料の提出をやらせて現状の把握を行なう。こういうのが答弁の要旨です。そして御心配のないようにいたしますと、当時の内藤初中局長は答弁いたしております。そして連携施設につきましては、半数以上は教員免許状の所有者でなければならないというのが国会における政府側の答弁であります。そして、以上の点に基づきまして、昭和三十七年に技能教育施設の指定等に関する規則が出たわけであります。この規則につきましては、少なくとも答弁の内容を尊重したものだと私は一応考えておるのであります。ところが、その後大きな変化をしているわけですね。昭和四十二年十二月二十六日に省令による改正が行なわれた。この省令が何で出てきたかということで調べてみると、連携制度等の調査研究会、これは会長は細谷俊夫さんでありますけれども、その報告が四十二年十一月七日に行なわれまして、それに基づいて四十二年十二月二十六日の省令による改正となっているわけです。ところが、そこから出てきたものは何であるかというと、前の約束とは全く違いまして、八十五単位の中で、単位は三分の一を限度とするのが二分の一になっておるでしょう。さらに、施設の修業年限が三年であったものが一年になっております。また、指導員数にいたしましても、十名に一人というのでありましたが、それが二十人に一人以上というふうに変わっております。さらに、連携科目も大幅に広がっておるわけです。しかも私の調査したところでは、先ほど申しました普通科につきましては認めないという項目は非常に大事だと思うのですけれども、実際には、全通研の昭和四十四年度の全国大会の収録を見ますと、普通科についても連携施設において教育が行なわれておるという実態が出ておるわけです。これでは昭和三十六年における国会に対する正式な政府側答弁と全く内容が変わってきまして、連携の中身がまさに企業側に蚕食をされて、教育の中身というのが、文部省管轄の中身というのがずっと狭められていっている、こういう状態が出てきておる、こういうふうに思うのです。これについて簡単に答弁をいただきたいのです。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 お尋ねの点でございますが、連携施設で行ないます普通科を、高等学校の校長が自分のところの単位として認めておるということはございません。ただ、普通科の単位は高等学校のほうの単位を取らなければいけませんが、関連してそういう勉強を技能連携施設でもやっておる。だから、普通科に該当するような勉強を連携施設で受けておるということはございますが、だからといって、それを社会科とか英語とかいったようなことまで認めるということは制度上許されておりません。したがいまして、いま先生の御指摘になられた点、私詳細を承知いたしておりませんが、かりにそのようなことで単位を与えておるとすれば違法なことでございますので、さっそく後ほどでも先生に詳しくお聞かせいただきまして、その学校を調べて、もし間違ったことをやっておれば指導いたしたいと思います。私のほうは、そういうことは法律上認めておりません。  それから、連携施設での単位が、三分の一であったのが二分の一まで認めるということになった、さらに、技能施設が修業年限三年でなければいけないのを、一年の年限の施設であればよいとしたのは事実でございます。この点につきましては、いまあげられました当時の政府委員の答弁、もちろん私どもも、こういう問題を検討いたします場合は十分そのことを念頭に置きましたが、その後、技能連携が、制定当初よりも相当数も多くなりまして、いろいろ経験を積んだ結果、先ほど名前をあげられました細谷先生は大学の教授でございますが、そういう先生方を中心にこの問題を議しまして、働きつつ学んでおる子供が高等学校教育を修得するのには、三分の一でなくても二分の一まで認め得る、さらに施設も、三年でなくても、これは個々に施設を指定していきますので、実態を見て、一年の修業年限であるけれども、その施設は十分高等学校の単位を認め得る教育をしておるというふうに考えたものを認めるようにしたわけでございます。この点は、たとえば通信教育などにつきましても、当初はこういう科目とこういう科目だけは通信でも取れるが、あとはスクーリングでなければいけないというふうに、発足当初は、何ぶんこれから始める制度でございますので、控え目にやって出発いたしております。ところが、その後大幅に、相当のものが通信教育で受け得るということが研究される、また、そのような施設を設けることによって漸次改善されているものでございます。そういうことで、この技能連携施設につきましては、当時政府委員より答弁されました点は直接法律事項でございませんので、その後の政令とか省令とか所定の手続を経て、いまおっしゃいましたような点は改正した次第でございます。  その他、校長なり教師が技能連携施設と連携を密接にする、そのために視察をしたり授業の実態を見るということは、それぞれ施設を指定いたします前にも十分いたしますが、その後も連携を保っておるというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 私の持ち時間はそうたくさんありませんから、短くお願いしたいのですが、今の答弁ですが、国会ではずいぶん論議をされたわけですね。相当深刻な論議をしております。それに対する答弁として出まして、そして連携教育という方向が打ち出されたわけですが、それが省令によって次々と変えられていくということになりますと、これはたいへんな問題だと思うのです。だから、内藤初中局長が答弁をしたその線に少なくとも従って、また国会におけるいろいろな審議がなされた結果出てきておったが、それは三分の一単位において、三分の一を限度にしておるわけですね。それが次には省令によって二分の一と、こうなっていくということになりますと、これは定時制、通信教育の中身が大きく省令というものによって変化していくわけですね。しかも考えてみますと、一研究団体の報告書によって変えられていくということだと、国会でほんとうに定時制、通信教育の振興のための論議がなされても、そういう形で教育が破壊をされていくといいますか、そういうことになりかねないわけですよ、実際は。ユネスコの今度の勧告にしましても、やはり文部省の指導といいますか、そういうものをはっきりさせなければこれは非常に危険だということが、ユネスコの中でも勧告されているわけですね。そういうことから考えましても、非常にそういう点では厳密なことをやってもらわないと、私は困ると思うのです。  だから、現在の通信教育の実態を、時間がありませんから私のほうでちょっと申し上げてみたいと思うのです。  たとえば、特徴的に最近あらわれておるのは集団入学ですね。それから、指定技能施設で事業内職業訓練所の問題があります。あるいは准看養成所の問題があるわけです。  この間文部大臣が出されました富山県の雄峰高等学校の通信制の場合を見ましても、この学校の昭和四十年学校要覧によりますと教育集団が八学級です。これは各種学校との連携で八学級になっております。それから二番目が職能集団として十二学級、これは企業から生徒が送り込まれてきておる。それから三番目は地域集団、これは地域の子供たちが入るのが、これが五学級。八学級、十二学級、五学級、こういう形になっておりまして、そして先生方はどうなっているかというと、普通科以外の専任教師の場合は家庭科が二名おるだけです。それから商業科が一人、工業科に至ってはゼロですよ。だから、おそらく工業科目については、企業側の単位を認定する以外にやりようがないのではないか、工業科の専任教師がいないのですからね。文部大臣、雄峰通信高等学校を非常に高く評価されておりますけれども、実態としてはそういうことになっておるわけです。企業側との密着は、十二学級の子供たちが来て、それはうまくいっているように見えるかもしれませんけれども、しかし、工業コースの先生、専任教師は一人もいないというようなことで、はたして学校教育としての認定がなされるのかどうか、そういう問題が出ております。  さらに、試験の例を申し上げてみますと、連携科目の場合、これは全通研の昭和四十五年の全国大会の収録によりますと、これはアンケートを出しておりますが、アンケートは二十八通信高等学校の中で十九校がアンケートを提出しておりますけれども、問題作成の場合に、学校が作成するのが三校です、施設が試験問題を作成するのが九校、それから共同で作成するのが七校、こうなっているのですよ。企業が試験の問題作成に九校もやっておる。さらに、試験の監督ですね。試験を子供たちが受ける監督の場合、学校で監督をしているものが三校、施設のほうで監督をしているのが十二校、そして共同で試験監督をしているのが四校。採点に至りましたらどうなっているかといいますと、学校側が採点しているのが三校、企業側の採点しているのが十校、共同で採点しているのが四校。これは報告書として出ているわけです。こうなってきますと、これは文部省が管轄しておる教育の学校なのか企業側の学校なのか、わけがわからぬ状態が当然出てくると思うのです。時間がありませんから長い答弁は要りませんが、こういう事実がありますか。私がいま指摘したような事実がありますか。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地政府委員 私のほうは、そういう報告を受けておりませんし、事実でないことを信じたいと思いますが、先生がおっしゃいますので、さっそく調べてみたいと思います。それが事実とすれば違法な点もございます。ただ、いま先生がおっしゃいました点で、工業の先生がいないのに工業の技能連携施設でやっておる教育を工業として認めたという点、これはただ想像でございますが、事実はすぐ調べますが、定時制と通信制を両方やっておる高等学校でございますと、定時制の工業の先生が通信制の工業も兼ねてやっておるというような場合がございます。したがいまして、通信制としての工業——工業といいましてもいろいろな学科がございますが、大ざっぱに申しまして、そういうような場合には、定通併修の学校で定時制の先生が通信も兼ねて工業はいるのだけれども、通信だけとしてみれば専任がいないという意味で、そういうふうな形に表現としてはなる場合もあるいはあるのではないか。しかしながら、現実の問題としては、定時制で通信を併任しておる工業の先生が、技能連携施設の工業の単位を見るという形が場合によってはあったのではなかろうか。これは全然報告を受けておりません。したがいまして想像でございますが、そういう場合は間々あるようですが、とにかく早急に調べてみたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 三十六年、連携教育の方向が打ち出されたときの精神に返って検討すべきだと私は思うのです。たとえば問題作成、そして試験の監督、そして採点というものが企業側だけにまかされるということ、これは許されないことでしょう。だから、それがあるとすれば、私の資料の中にはそれが出てきておりますので、よく調査をして検討してもらいたいと思うのですが、私はここでひとつ資料を要求したいと思うのです。  全国の定通制の教職員の構成ですね、これはどうなっておるかということが一つです。それから、連携施設で免許状を持っておる教員数の状況です。はたして企業において正規の免許状を持っておる方が、最初のとおりあるのかという疑問を私は持っております。さらに、その先生方はどこから報酬をもらっておるかという問題です。報酬です。この点を要求しておきたいと思います。  次に、いまの問題に関連しまして、定時制の場合も兼務教師というのがずいぶん多いですし、それから私の県では定時制に約三十名の臨時教員がおります。この問題についてちょっと触れたいと思うのです。  臨時教員の問題、これは文部大臣もよく御承知のことと思います、いままでずいぶん国会でも論議されましたから。この様態がなかなかつかみにくいのです。臨時講師、あるいは時間講師、あるいは定数内の助講師というようないろいろな名前で呼ばれたりいたしまして、その様態がなかなかつかみにくいのです。つかみにくいのですが、全国にはかなりの数のそういう先生方がおられるわけであります。これをどうするかという問題ですね。  これは非常に深刻な問題でありまして、ちょっと例を申し上げてみますと、たとえば待遇の面におきましては、赴任旅費は一切支給されておりません。だから産休もありませんね。女の先生の場合産休もありません。あるいは各県で先生方にいろいろな形で支給されておる、たとえば図書券であるとかいうような形の優遇措置も何にもありません。ボーナスもありません。時間講師に至っては全く何にもない。そういう状態に置かれております。まさに全く無権利な状態なんですね。  そして給与の点をちょっと調べてみますと、時間講師の場合、高知県の場合ですが、一時間四百四十円です。そしてほかに、一切金目のものは入手することはできないわけです。そしてある高等学校の社会科担当の男の先生、五年目をいまつとめておりますけれども、この場合に四百四十円で一週八時間教えております。そうしますと月一万四千八十円です。一万四千八十円の給料です。ところが、交通費が月四千三百二十円要っております。この方は自宅から通っている例でございます。もう一人の高等学校の三年目をつとめている男の先生の場合ですが、これは昨年の四月から九月までつとめまして、一週八時間、月一万四千八十円です。下宿代が一万三千円です。残金が千八十円ということになるのです。これで生活せよといったところで、全くこれは生活できるような状態ではありません。ただ子供を教えておるだけだ。しかも赤字で教えておるというような状態ですね。  期限つき講師の場合を見てみますと、これはある程度つとめますと、今度は自宅待機ということになるわけですね。文部大臣はよく御承知だと思うのですが、自宅待機の期間は給料はもちろんありません。保険にも入ることはできません。全く自宅でただおろおろして、次にお声がかかるのを待つといった状態なんですね。だから二年目を迎えている女の先生ですけれども、昨年の四月から七月までつとめまして、そして八月から三月までは自宅待機ということで、八カ月間無給の状態に置かれている。お嫁に行くこともできなければ、他に就職することもできない。いつまた学校へ来てくれというお話があるかもしれないというような状態です。  それからもう一つの例は、定員内の講師の場合です。一年間定員内におりまして、正教員と同じような仕事をするわけです。ホーム主任もやります、あるいは教科主任もやります。しかし、講師なんです。当然教諭という名前がつけられなければならないにもかかわらず、講師で置かれておる。中学校の辺地校の一体育教員の例を申し上げますと、この学校には体育の教師は一人だけしかおりません。この先生です。しかもここは体育の研究指定校になっておりますので、教科主任としても働いております。ところが、八月が来ますと、八月は今度は給料が出ないのです。お休みですから給料が出ないけれども、研究指定校ですから、やはり学校に行って子供たちを指導せざるを得ない、こういう状態。こういう状態で置かれておる定員内の講師が多数おるわけですね。  そして今度は転勤の場合を見ますと、まさにたらい回しという状態です。これは一人の高等学校の女先生、五年目を迎えておりますが、転勤が八回目です。三年間に辞令を十一枚もらっておる。数え上げれば切りがありませんが、これはよくおわかりのことと思うのです。  こういう形で、それだからこそ人一倍教育に対する愛着も持っております。子供に対する愛情も持っておる。そういうものがこういう状態で放置されてよいかという問題です。全国にこういう先生方が非常にたくさんおられますので、これに対しては、どうしてもまずこれに対する十分な調査をしていただきまして、どういう様態にそういう方々が置かれておるのか、それに対する救済の措置は、具体的にはこういうことがある、こういうことがあるというのを出していただきたいと思うのです。私の県の臨時教師の先生方が書きました「嘆きを怒りに」という本があります。序文を私が書いておるから気に入らぬかもしれないが、しかし、これはほんとうに苦しみの中で耐えかねて書いた「嘆きを怒りに」という文章でありますが、文部大臣にこれを読んでいただきたい。私の序文あるから、それは飛ばして読んでいただきたい。最後に、それにつきまして文部大臣の決意のほどを伺っておきます。

坂田道太自由民主党

○坂田国務大臣 臨時教職員の問題、それから定員外の職員の問題等についての御指摘でございます。十分全体的な、あるいは地域的な実情を把握しておりませんので、調査をいたしまして、それに対して具体的にどう対処していくかを検討いたしたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 前にも、十分調査をいたしますというのを第六十一国会で言っておる。その議事録持ってきたかったわけですが、十分調査しますということを今度は言わないように、まず調査をしていただいて、少なくともどんな状態に置かれておるかということだけははっきり把握していただいて、それに対する対策を立てていただくよう要請いたしまして、私の質問を終わります。

八木徹雄自由民主党

○八木委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗