物価問題等に関する特別委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/19
会議録
○小林委員長 これより物価問題等に関する特別委員会、農林水産委員会、商工委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、委員長から一言申し上げます。 現今、わが国における消費者物価は、生鮮食料品、中小企業製品、サービス料金、地代、家賃、貸し間料等を中心に依然騰勢を強め、国民生活を逼迫させており、いまや物価の安定は、全国民のひとしく願うところとなっております。 このような国民の要望にこたえるため、この連合審査においては、物価問題の実態を究明しつつ、これまでの物価対策の問題点を問い、より適切な物価対策のあり方について調査してまいりたいと存じます。委員各位の活発かつ建設的な討議をお願いいたします。 これより質疑に入るのでありますが、質疑時間につきましては、関係委員長及び理事の協議によりあらかじめ決定いたしました時間を、厳守していただくようお願いいたします。 なお、政府委員の方々は、答弁の際、そのつど官職、氏名を委員長に告げて、発言の許可を求めていただきます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 まず、総理にお伺いをしておきたいと思いますが、最近の消費者物価動向について、総理は、これをどう把握しておいでになりますか、総括的にお答えをちょうだいしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いろいろ経済企画庁長官等からも、御説明すでにお聞き取りだと思いますが、なかなか政府が予想したとおり、あるいは予定したとおりには進まないで、消費者物価が上がっておる、これが現状でございます。これをどうしてもやはり、われわれの見通しのようにもっと低いところへとめたいと、ただいま努力中でございますが、ただいまたいへん開きがある、その点で申しわけなく思っておるような次第です。
○砂田委員 二月十二日付けで、経済企画庁が月例報告を発表なさいました。四十五年の消費者物価は、総合で対前年度比、残念ながら七・七%も上がっている。この企画庁の月例報告によりますと、中小企業性の製品の八・三%、サービス関係の六・九%などもその押し上げの要因になっておりますけれども、特に農水畜産物の一〇・九%、そのうち生鮮食料品が一六・八%、このアップが最も大きな原因になっているとされているわけでございます。 この生鮮食料品の中から野菜だけを抜き出して考えてみますと、四十五年は四十四年に比べて、野菜の価格の上昇率が三三%、四十五年度四月−十二月の消費者物価上昇に対する野菜も含めた季節商品の寄与率は、実に二五%に及んでおります。 四十六年度の経済見通しで、消費者物価の上昇率を政府は五・五%に押えたいとしておられる。これは相当な政策努力を前提とせざるを得ない。これは本会議場で総理もおっしゃったことでございますけれども、この政策努力の中でも、ただいま私が述べましたような野菜の価格動向を考えますと、野菜対策というものが最重点の政策の一つである、こう考えますので、私は、きょうは野菜の問題にひとつしぼって伺ってまいりたいと思うわけでございます。 野菜の値上がりの原因等について、農林省も経済企画庁も、それぞれいろいろな見解を表明しておられるわけでございますけれども、きょう私に与えられました時間はわずか三十分でございますから、二月二日付の農林大臣の野菜の価格に対する談話発表、あるいは経済企画庁、農林省の統計数字等、私が承知をしておりますところを私のほうから申し上げまして、問題点を煮詰めて、農林大臣、大蔵大臣等にお伺いをしてまいりたいと思います。 野菜の値上がり原因については、農林省も経済企画庁も、天候の不順をまずあげておられますけれども、そのほかに、都市化現象による都市近郊産地の後退でありますとか、労働力の不足、あるいは需要の高度化、多様化、さらには大都市住民と中小都市生活住民との需要の平準化等をあげておられる。こういう需給両面での構造的な変化、これが進んでいることが野菜の価格を上げている理由であるとされているわけでございます。これは要するに、高度化しつつ増大をしている需要に供給量が追いついていない、こういうことに帰するわけでございます。農林省の統計数字も、この関係を明らかにしているところです。私は、流通にも大きな問題があると思いますけれども、需要に供給が追いつけなかったときに、流通部門での欠陥というものが非常に大きくあらわれてきている。何といっても、まず需給関係、これをたださなければ野菜価格の安定は期せない、こう考えるのでございます。先般、実は私どもの物価の委員会に、生産者、それから卸、小売り、消費者、こういう各段階の、野菜を扱っておられる方々においでをいただきまして、御意見を承ったわけでありますけれども、生産者も、流通段階の業者も、消費者も、それぞれの立場で意見は述べられましたものの、完全に意見の一致を見て同じことをおっしゃったのは、供給量をもっとふやしてもらいたい、こういうことであったわけでございます。 そこで、きょうは、私は供給の問題にしぼって伺ってまいりたいと思いますが、この際ひとつ検討を御一緒にいたしますのに、野菜を三つのタイプに分類をしておきたいと思うのです。まず第一に、トマト、キュウリなど、ある程度の資本投下を要するところの施設園芸野菜、第二の分類に、タマネギでありますとか、ジャガイモでありますとか、こういう比較的貯蔵のきく野菜、第三の分類といたしまして、大根、ハクサイ、キャベツのような、いわゆる露地野菜もの、この三つのタイプに分類をして、野菜の価格を取り巻く環境のことを考えてまいりますと、第一の施設園芸ものにつきましては、これの生産拡大のための農林省の施策というものは、農民の熱意とも相まって、私は成功をしてきておる、かように考えるのです。作付面積が、四十一年をピークにして減ってはおりますものの、反当収量というものはふえてきている、このこと。さらに野菜全体の中では、施設園芸ものの野菜の価格というものが比較的安定をしている。これは、もう政府の施策が成功している一つの例だと思うのです。さらに四十六年度では、省力化によるコスト引き下げをねらって、新しくモデル団地に補助をしていこう、これは時宜を得たものだと考えます。ですから、施設園芸ものについては、この際ちょっと横に置いておきます。 第二の貯蔵性のある野菜については、タマネギの輸入について、その決意に若干農林省に逡巡をされたきらいがあった。したがって、入ってくる時期をちょっと失しましたので、異常な高値を呼んだわけでございますけれども、間もなくこれは相当量入ってまいりましょう。落ちついてくると思うのです。ジャガイモ価格というものも比較的安定を続けている。貯蔵施設の増強に財投等で応援をしていくという、こういう政策をより一そう拡充をされながら、輸入時期をあやまたずに運営しておいでになりますならば、この貯蔵性のきく野菜についても、一応妥当なところでこれからも推移をしていくんではないだろうか、かように考えられますので、第二の分類の貯蔵性のある野菜についても、これもきょうは、ちょっと横へどけておきます。 問題は、露地野菜の不安定さというところに一番大きな問題があると考えるのです。露地野菜というものは、気象条件の変動に左右される度合いが強いのでございますから、畑地かんがい、あるいは機械化による省力化、こういう努力をしておられるのは、まことにけっこうではありますけれども、一番問題は価格低落時の対策、ここに大きな問題が残されている、そういうふうに私は考えるのでございます。 価格低落時対策として生産出荷安定資金協会が行なっておりますところの価格補てん事業というものが有効に働いていないから、野菜価格の暴騰、暴落の悪循環を断ち切れないで、野菜作経営が安定をしていない。高度化して増大していく需要に供給が追いつけない根本的な原因が、私はここにあるんじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけでございます。特にその影響が露地もの野菜に異常に強くあらわれてきている。露地もの野菜が一番その影響を強く受けている。私は、農林省の、いま三つに分類いたしました野菜個々についての統計数字を見ても、はっきりそういう答えが出ているのじゃないかという気持ちがいたすわけでございます。 露地野菜の作付面積が四十一年度以来、これも減ってきて、昨年度では、四十一年度に比べますと九八%ぐらいにしか作付面積がなかったと思うのです。さらに、他の野菜に比べて格別変動が激しい。こういう状態は、気象的現象のみとは言い切れない。価格低落時に対する不安感が、価格が低落するかもしれないという不安感が、農民に野菜作付の増大意識というものを起こさせていない、こういう結果になっているのではないだろうか。法律に基づかれて、野菜の指定産地制度というものを農林省は持っておられます。消費地産地を指定して、これを四十六年度でさらに拡大していこうとしておられる、私はけっこうなことだと思うのです。さらに、指定品目の拡大も四十六年度ではかっていこうとしておられる、これも私は時宜を得たことだと思います。さらに、協会のいろいろやっております事業の中で、需要見通し作成事業にいたしましても、あるいは安定的生産計画、出荷にいたしましても、それぞれまことに適切な、有効な事業である、だれしもがそう認めているわけでございますが、しかしながら、こういったようなことよりも、むしろまっ先にまず改善すべきことは、やはり低落時の価格補てん事業の内容の改善ではないだろうか、そうであるべきはずだという気持ちがいたすわけでございます。少なくとも、露地野菜のみにしぼってでもこの改善はなさるべきだと思うのです。 具体的に申しますと、第一に、過去の平均市場価格の取り方が、過去八年間という点に一つの問題があると思います。確かに八年もの間の、長い期間の平均市場価格ということでありますけれども、これはこの間、物価補正というものをしておられると思います。長い期間であるけれども、八年前、七年前のその数字については、物価補正はなさっておられます。しかし、物価補正がしてあるという説明などは、農民には非常に理解がしにくい。八年も前の値段かと、直感的に安過ぎるという印象を与えてしまっている。私は、ここに改善すべき第一点があると思うのです。 二番目に、保証基準額の七五%というのは、私は正しい、いいねらいの数字だろうと思いますけれども、最低基準が五〇%であって、それ以下の暴落は見ない、この仕組みが、農民の不安感を除くのに、せっかくの仕組みというものが役立っていない。産地廃棄の際の補てん額が二〇%にすぎないということも、同じようなことが言えるのではない、だろうか。 第三に、補給交付金の現実の支給される額というものは、このようにして計算をされた額の八〇%しか支給されない、これが改善を検討されなければならない第三点であろうと思うのです。 難解で、しかもこのように低い暴落時の措置では、安心して野菜づくりに働こうという心理的な好影響を農民に持たせることができていない。ここに露地野菜というものに対する農民の生産意欲を阻害している一番大きな根本的な原因があるという気がしてなりません。これらの点を改善なさるべきだと考えますけれども、この改善は、国が二分の一、県が四分の一、生産者が四分の一の負担区分の中で、国の負担率をふやして措置をされるべきであると考えるのです。それは野菜価格の高騰が、冒頭に私が申し上げましたような消費者物価の全体に及ぼし影響度、この強さから見ましても、あるいは都市生活者の野菜価格の安定を望む希望の強さから考えましても、このように国費が四十六年度で七億を予定されておりますが、たとえこれが倍の十四億になりましても、それはタックスペイヤーとしての都市生活者の望むところであって、歓迎するべきところであろうと思うのです。まさに国の責務といえることではないかと考えますから、国の負担率を高めることによってこの低価格時対策の仕組みを直していかれるべきだ、こう私は考えるわけです。野菜のふえてまいります需要量に供給が追いつけない。その供給量を確保するためのまず第一の基本的な根本はここにあるという気持ちがいたしますけれども、農林大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 だたいまるるお話のございましたことにつきまして、私どももまことに同感でございまして、本年、野菜が一時的に高騰いたしておりました原因等については、もういろいろお話がございましたとおりでございます。 そこで、これをどうしても改善してまいるために、施設ものにつきましての状況は、いまお話がございました。そのとおりでございまして、大体計画どおりに進んでおりますし、なお指定産地も、四十六年度予算では三十カ所ほどふやして、六百四十の指定産地にいたしました。それからまた指定消費地も、広島、札幌等を加え二カ所ほどふやしている。大体そういう計画は進めておりますが、御指摘の露地野菜につきましては、確かにお話のとおりでございます。ことに一大消費地でありますたとえば東京のような都市の近郊における農家というものは、何と申しますか、その値段がよくなると市場に出して売りますし、それほどにならなければ自分のうちで食べてしまう、こういうようなものがかなりございます。しかも最近のような都市の状況になりますと、そういう方々も逐次、今度は野菜づくりをおやめになっていく。最近の傾向で見ておりますと、東京を中心にして考えますと、米が主でありました福島県とか東北の地域のほうに、そういう野菜の生産地が大きく移動してまいる傾向がございます。そういう傾向をキャッチいたしまして、だたいまお話しのようなことを加味いたしまして、政府といたしましては、やはり価格補てんについて考慮しなければなりません。お話のとおりでございます。 で、まあ指定野菜品目を追加いたしましたり、それからお話のございました資金協会が行なう価格補てん、すべての事業の資金としては大体三十七億円ほどになるわけでありますが、御存じのとおり四十六年度予算に佳いままでやっておりませんでした地方の県当局が補てん事業をいたしますのにも補助金を出す形をとりまして、各県でもそういうことをやってまいります。 そこで、いまの露地野菜につきましては御指摘のとおりでございますので、私どもといたしましては、国全体の経済政策の中から考えてみますと、やはり需要に見合うだけの生産が行なわれるためには、いざという場合の価格補てんということを考慮しなければなりません。これは外国でもやっておる施策であります。そこで試みに、昨年高原野菜につきまして予算を四千五百万ほどとりまして、これはまあ幸いにしてそういう実施をいたす段階に至りませんでしたけれども、ああいうようなことにつきまして十分にひとつ検討をいたしまして、過剰でありましたときには何かの補てん策を講じてあげるということにして、やはり物価全体から考えて、消費者大衆のことも考えてみますと、消費に見合う生産、しかもその生産を、ある程度ゆとりを持った生産をすることが必要ではないか、そういうような考え方で、稲作転換に対しまして、野菜の面積についても当初の計画より一万六千ヘクタールほど拡大をするようなことを計画に盛り込みましたのも、だたいまお話しのようなことを考慮いたしての上でございまして、価格補てん、そういうことについて、なお一そう現実に即したやり方をひとつ考えてやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
○砂田委員 価格補てんのいまの仕組みを改善していくことには、農林大臣も、そういうふうにしていきたい、こうおっしゃったわけでございますけれども、自由経済社会の中で野菜を増産させていく、こういうふうなことは、やはり政策として打ち出すからには、農民にその意欲を持たせるべく心理的な好影響のある政策でなければ、そういう現実的な措置でなければ誘導力がない、こう私は考えるのです。私が御質問をいたしました内容、農林大臣が私と同じ意見で、これを改善をしていくというお答えをいだたいたわけでございますけれども、だれよりもだれよりも農民を愛するんだとたびたびおっしゃった大蔵大臣、農民心理についてはお詳しいと思いますので、これの改善については、大蔵大臣も御賛同をいだたけると思いますが、いかがでございましょうか。
○福田国務大臣 だたいま砂田さんから、露地野菜が大事な問題である、私もいま傾聴いたしたわけであります。その価格安定をどうするかという問題につきましては、いま御承知のような価格安定資金制度があるわけでありまして、これに対して政府は二分の一の補助をしておる。いまそれをまた改めて、なおさらに出資をふやしたらどうだろうというようなお話もありましたが、大体この種の資金ができますのは、三者分担といいますか、三分の一、三分の一、三分の一というようなケースが多いのですが、お説のような、露地野菜価格安定対策が大事だという見地に立ちまして、特に国は二分の一の補助をするということにいたしておるわけであります。 いま七五%という基準を設けまして、それを下回るという場合、さらにそれに、その下回った額の八〇%ということになっておりますが、その点にもお触れになっておりますが、なおこの問題はこれでやってみる。四十六年度は相当の改善をしていることは、いま農林大臣からお話をしたとおりでございますが、やってみて支障がある、こういうことでありますれば、これは大事な問題ですから、もとより考えなければならぬ問題でありまするが、それじゃ逆にこの価格が暴騰した、暴落じゃなくて暴騰したという場合に一体どうするかというような問題もあるのです。そういう問題をどうするかということもお互いに検討しなければならぬ問題かと思いますが、なお推移を見て、大事な問題としての認識のもとに取り組んでいきたい、かように考えております。
○砂田委員 暴騰したときの措置もあわせてお考えいただくのが私は当然だろうと思うのです。ただ、暴落時のいまの補てんのしかたが、農民に安心して野菜づくりをもっとたくさんやるという気持ちにさせていない、そこのところを御検討いただきたいと私は申し上げたわけでございますが、どうぞひとつその点、前向きに御検討いただきたい。強くお願いをしておきたいと思います。 話題を変えます。 総理も、朝起きられますと歯をみがかれる。おそらくチューブの歯みがきをお使いになっていると思いますけれども、あのチューブの中に入った練り歯みがきというものは、実はチューブの容量に比べますと六五%ぐらいにしか入っていないのです。総理も、歯みがきを総理の御家庭でお買いになると、三五%は要らないチューブを買わされておられるわけでございます。そうすると、箱も大きくなるわけですね。一つの歯みがきだけを取り上げればたいしたことではないかもしれないけれども、これが一ダース、ワングロスとなりますと一しかも、歯みがきだけではなくて、こういう過大包装があまりにも最近多過ぎる。まさにこれは、社会的浪費と呼んでもいいんじゃないかと思うのです。消費は美徳という時代になりましたけれども、浪費は決して美徳ではありません。デパートの中でむだなスペースを占めている。輸送にもむだな輸送費を払っている。それをすべて消費者が負担をしているのが現在でございます。 私どもがデパートでワイシャツを買いますと、セロファンの袋に入ってくる。そのセロファンの袋に入ったものをボール箱に入れてくれて、それをデパートの包み紙で包んで、それを買いもの袋の紙の袋にさらに入れてくれる。その包装費の相当部分を消費者は負担をしております。ワイシャツの一緒に社会的浪費を買わされている。持って帰りますと、たいていそれがごみになりますから、地方公共団体の清掃局がよけいな金を使って、われわれは地方税のむだ使いもまたしている。往復びんたでございます。私は、こういうことをいろいろな商品について検討するべきだと思うのです。 公正取引委員会は過大包装について、昨年の暮れに調査を終わりました。公正取引委員会がおやりになる仕事は、不当景品不当表示防止法に基づくものだけであろうと思いますけれども、それだけではなくて、そういった社会的浪費的な包装、容器というものがあまりにも多きになり過ぎてきた。やはり大量生産、大量消費時代、企業の間の競争が激しくなってまいりますと、そういうところで、消費者に対してのシェア競争がなおエスカレートしてきている。物価問題全体の中で財政政策あるいは金融政策全体についての非常にアカデミックな議論も、検討も必要でありましょうけれども、個々の商品の小さい問題についての価格対策というものを積み上げていかなければ、政府が発表なさる統計資料というものと消費者が買いものをするときの実感というものは、だんだんかけ離れていってしまう。 私は手元に、神戸消費者協会が調べました、贈答品の中身の値段と容器の値段の分類したものの表を持っているのです。千円のお砂糖を買いますと、千円のうち、七百円中身の砂糖が入っていて、容器代が三百円。もっと激しいのになりますと、プラスチック容器等では、千円のお砂糖を買いましたならば、その中にお砂糖は四百四十八円しか入っていない、容器が五百五十二円だという極端なものまで出てきているありさまでございます。 これは消費者の態度が悪いのか、あるいは企業の姿勢に間違いがあるのか。これは公正取引委員会が不当景品不当表示防止法というたてまえから検討なさるだけでは、私は解決しないと思うのです。むしろ通産大臣が持っておられますところの産業構造審議会に、こういうことは積極的に提起をなさって、やはり企業、消費者ともに議論をされる産業構造審議会のどこかの部会で検討をしていただかなければならない問題だと思うのでございますけれども、通産大臣はどうお考えになりましょうか、承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 その問題は以前からしばしば議論になっておりまして、私も、かつて消費者の団体の方々に、そういう一見むだだと思われる包装のあるものとないものと二つ並べて、そして幾らかでも安ければ包装のない、つまり必要な部分だけを買っていかれるというようなことにならぬものでしょうかということをお聞きしたことがございますけれども、経験的にはそれはむずかしいそうでありまして、消費者というものは、やはり包装というものを買っていく部分があるんだそうでございます。これはたとえばテレビとか電気冷蔵庫で、スタンダード型というものは御承知のようになかなか売れないわけでございます。どうしてもデラックスのほうが売れてしまうということと同じような原理があるそうでございますから、全くむだなものを買っているということも言い切れぬのではないかと思います。いずれにいたしましても、不当表示あるいは不当景品ということにならないまでも、そういう問題はあろうと思いますから、生産側においても検討すべき問題だとは思いますけれども、消費者の心理は、全くただのものを買っていくという感じでもないように聞いております。
○小林委員長 砂田君に申し上げます。あなたの持ち時間は終了いたしました。
○砂田委員 終わります。
○小林委員長 武部文君。
○武部委員 先般ある通信社が、佐藤四選後の内閣に何をやってもらいたいかというアンケートを発表いたしておりますが、その発表によりますと、まず物価対策五四・二%、公害一五・九%、農業二二・五、減税一二・七。物価対策というものはことほどさように、国民の側から見てたいへん重大な問題でありまして、佐藤内閣に大いに期待をしておるわけでありますが、先ほど砂田君の質問に答えられて、物価問題については、残念ながら予想どおり進んでいない、大いに努力をしてもっと低いところに落ちつけたい、こういうような答弁がなされております。私は、今日まで佐藤内閣がとってきた経済政策の見通しと現実の姿というものを比較してみると、非常に大きなギャップがあるということを指摘せざるを得ないのであります。 四十二年の経済社会発展計画で、計画期間の終わりには三%程度に低下させることを目標とする。ところが、四十五年度の新経済社会発展計画では、この三%程度というのが今度は三%台ということに変わっておる。三%台ということは三・九まであるということです。これ一つとってみても、非常に内容は変わってきておる。 ところが、現実はどうか。四十四年度の佐藤内閣の消費者物価の見通しは五%でありました。途中で五・七%に改定をいたしましたが、結果は六・四という数字となってあらわれました。四十五年度は四・八ということをいわれて、私どもは委員会で、四・八は全く架空な数字ではないか、こういうことを指摘いたしましたが、企画庁長官は、たいへんこれに固執をいたしておりました。結果は七・三%に改定をする、こういうことになったわけでありますが、とてもこれでおさまりそうにもない。すでに暦年七・七%という数字になってあらわれておる。これは全く政府の目標と逆行しておる。政府の計画というものは完全に狂っておる。私はそういうことを指摘せざるを得ないのであります。できもしないような架空の数字を国民に示して、これを政府の公約だという。その公約が完全に果たされていない。国民を裏切っておる。一体この責任を総理はどのように感じておられるのか。これを最初にお伺いいたしたい。
○佐藤内閣総理大臣 消費者物価のわれわれが計画したところのものと実際が非常に違っておる、こういうことを御指摘でございました。これについては、先ほど砂田君にもお答えしたとおりに私思いますが、その原因は一体どこにあるのか。これはやはり、原因もあわして考えていただきたい。私は、経済成長そのものがわれわれの考えたより以上に成長が大であった、そういうことはやはり消費者物価にも影響している、これは見のがせない、かように思います。このほうは、とにかく幸いしたのだからあまり追及はしない、しかし物価のほうは、国民生活に直接影響を与えるから、そのほうだけをやかましくいま取い上げている、こういうことが実際だろうと思いますが、とにかく、いずれにいたしましても計画どおりにできておらないこと、これは何と申しても悪い、これは弁解にならない。ただ、私ども一言弁解したいのは、いわゆる統制経済あるいは計画経済ではないんだ。そこで、経済も成長する、同時に、それに関連してのいろいろのひずみも生じてくる、こういうような問題がある。この点を御了承いただきたいと、かように思います。
○武部委員 総理は、四十二年の施政方針演説で、とにかく五%という消費者物価の上昇は異常なことだということを演説しておられましたが、このごろでは五%はもうやむを得ぬ、五%はしかたがないというようなニュアンスに変わってきておる。そこで私は、総理の物価に対する認識に大きな疑問を持つのであります。 そこで、具体的にひとつお伺いをいたしたいのでありますが、今度の国会の予算委員会の第一日目、与党の質問に答えて、佐藤総理が物価問題に答弁しておられました。最初私は、私の聞き違いだろうかと思っておりましたが、議事録ができ上がってまいりましたので、これを読んでみたところが、私の聞き違いではなかった。そこでひとつ、佐藤総理の物価問題に対する認識について、私は大きな疑問を持つのでお伺いをいたします。 この議事録によりますと、「ずいぶん物価も上がると、かように言われますが、金利を上回るような物価の上がりはまだ出ておらない。そういうことを考えると、やはり国民も貯蓄ということを意味のあることだと、かように考えておるように私は見受けております。しかし、物価の上がりが金利を上回るような状態ができると、これはたいへんだと思っております。」こういう答弁になっておるのであります。総理は、いまでもそう思っておられますか。
○佐藤内閣総理大臣 いまもなお同じように考えております。
○武部委員 これは全くたいへんなことであります。定期貯金の利息は、一年もので五・七%であります。利息は税引きで四・六%であります。これは、大蔵大臣が隣におられますが、絶対間違いない。大蔵省からはっきり確かめてきたわけであります。こういうようにはっきりと数字があらわれておる。あなたは、いまの日本の消費者物価は金利より上回っておらないとお思いですか。いまもそう思っておられますか。
○佐藤内閣総理大臣 いまの消費者物価は、いわゆるいまの言われたような比べた状況のもとにおいては、消費者物価のほうが高い、これはもう御指摘のとおりであります。
○武部委員 そういたしますと、先ほど私が読み上げた、総理の松野委員に対する答弁は、間違いではないですか。間違いなら間違いと、はっきりここで訂正されたほうがいいのじゃないでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 時期的に、長期的にそういう状態が続くか続かないか、ここに一つの問題があると思います。これがいわゆるいま、今日問題になり、私どもはこういうような上がり方について取り組んで、それを下げようと、かようにしておるわけであります。だから、つかみ方というか、高いところでおつかみになると、ただいまのような御指摘になり、これはよろしくないということになります。
○武部委員 私は別に、今月の物価の値上がりの数字を言っているのじゃないのです。総理府統計局が発表した数字でも、四十五年、暦年七・七という数字をすでに発表しておるのです。経済企画庁もこれを認めておるのです。そうして、四・八という当初の目標を七・三に変えさるを得ない——七一三という数字に、現実に経済企画庁は改定をしたじゃありませんか。私は別に、いまこの瞬間の数字を言っているのじゃないのですよ。総理の言っていること、ちょっと私、理解できません。間違いなら間違いと、はっきり言われなければ、総理の見解は、金利よりも物価が上がっておらないのだからそんなに心配要らぬというような、そういうものの考え方で物価対策をおやりになるなら、これは国民は、あなたにたいへん大きな不安を持つと思うのです。いかがでしょう。
○佐藤内閣総理大臣 どうも、ことばが瞬間的だという、そういうことではございません。やはり物価の指数も、ある程度の期間をとって見ている。これがやはり一般の金利と比べて高い、それが非常に長期に続いている、こういうときに問題がある、こういうことを申すので、私はその点では、ただいまのように、瞬間的な、まあ秒速を言われるわけじゃないと私も思いますが、そういうものではないということを言っておるわけです。
○武部委員 私は、総理の答弁に満足いたしません。四十四年度の物価の上昇も六・四でありました。ことしはおそらく七・五になるだろう。これは総理府統計局の数字でも、そうなっておるのです。そういう点について総理が予算委員会で答弁されたことについて納得いたしませんし、また、そういうお考えで物価政策をおやりになるならば、これはいかにあなたがどのようなことを言われようとも、根底にそのようなお考えがあるとするならば、私は、国民は大きな不安を持つだろう、このことだけ申し上げておきます。 かつて、そこにおられる宮澤さんは、私どもの委員会で企画庁長官の時代に、消費者物価が五。五%を上回ったら、その経済政策は失敗だ、このように答えておられます。また同様に宮澤さんは、米あるいはみそ、パン、しょうゆ、ジャガイモ、肉といった、そういうものだけは値段が動かないものだというふうに国民が思い込める世の中にならなければ、政治がうまくいっているとはいえないと思うと、こういう発言をされました。私は全くそのとおりだと思う。現状はどうでしょうか。いま読み上げましたその物資は、全部大暴騰したり、あるいはジャガイモあたりに至っては大暴落をしたり、動く、動かないどころか、たいへんな動きをしておる。これはりっぱな政治ではない。このように言ってこれは差しつかえないと思うのです。 また同時に、そこにおられる福田大蔵大臣も、金利を上回るような物価は万難を排しても避けねばならぬ、こういう発言をしておられるのであります。 このように、当面目標とするところは金利、少なくとも金利を上回るような物価というものは全く失敗だということが言われておるにかかわらず、現状は七・七というような、あるいは八%が近いような数字になっておる。こういう点について、一体佐藤内閣は、その責任をどのように感じておるだろうか。また、責任を感じておるとするならば、一体どのような政策をとって国民の不安にこたえるだろうか、こういう点を、私は特に佐藤総理にお聞きしたいのであります。 そこで、この政府の諮問機関であるところの第一次、第二次物価問題懇談会、あるいは物価安定推進会議、さらには物価安定政策会議、こういうものが一連の有効な提言を二十幾ついたしました。すでに御承知のとおりであります。一体、この提言はどのように実行されたのか、総理としては、この提言を実行したとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 完全に実行したとはいえない。中には実行したものもあるだろうと思いますが、これは佐藤企画庁長官から具体的に答えさせたい、かように思います。 これは政府自身がその方向あるいは方針として授かっておるものもございますから、その方針は十分尊重しておる、かように私は考えております。 具体的な事例については、佐藤君から説明させます。
○佐藤(一)国務大臣 だいぶ以前からさかのぼってのお話でありますから、多岐にわたりますが、まあ一例をとってみますると物価安定政策会議、この物価安定政策会議ができまして、四回の勧告を行なっております。そのうち一つは技術的な問題でございますが、その中でも、たとえば行政介入と物価というような問題について貴重な意見が出されております。 私どもも、これらにつきましては御存じのように物価対策閣僚協議会におきましてこれを十分に取り上げ、そうして、それぞれの所管省において、これの実行を目下やっておるわけでございます。 御存じのように、免許制度、許可制度、そうした行政介入が実は価格の硬直化をもたらしておる、これを排除すべきである、こういう勧告に対しまして、酒類の免許あるいは薬局の問題その他各種の行政介入、タクシー問題等について、われわれとしても具体的に実行を進めておるのであります。 あるいはまた、野菜の流通機構につきましては、御存じのように、いまわれわれは卸売市場法の成立を急いでおりますけれども、そうしたことを中心にして、あの提言が主たる内容としておるところの主たる内容について、それの実現をいまはかろう、こういう心組みでいるところでございます。 そうしたことで、政府といたしましてもそうした各種の提言については、十分にこれに耳を傾け、できるだけこれの実行をはかるようにやってまいる、そういう方針でいままでもまいりましたし、なお目下検討を続けているものもございます。そうしたものについても、できるだけわれわれとしては、その実現について早急に処置してまいる、こういうつもりでおるわけであります。
○武部委員 いま第一次、第二次あるいは安定推進会議、物価安定政策会議の提言について述べられましたが、私の調査したところによれば、ほとんど実効があがっていない、このように断言しても差しつかえないと思うのです。総理はかねがね、物価問題は議論の段階ではない、もうこれは実行の段階だということを言っておられる。だとするならば、私はこの際、総理が蛮勇をふるうというならば、この物価問題にこそ蛮勇をふるうべきだと思うのです。 そこで、さしむき、当面出されておる行政介入と物価という問題、この点について私は一、二、すぐにでもできる問題があるじゃないか。また、そのことが相当自由競争に影響を与えて、価格の変動に直接影響するところが大きいじゃないだろうかという点がありますので、この点を一つ、二つ申し上げて、見解をお伺いいたしたいのであります。 一つは、先ほどから経済企画庁長官も述べておられるようでありますが、ビール、酒の問題であります。 この問題は、私どもが何回か論議をいたしました際に、当時政府も、ビールの値上げあるいは酒の六十円の値上げにも、国税庁の行政指導があったじゃないかというような、いろいろなことがうわさをされました。また、ビールの値上げについては、政府みずからがビール会社に対して、値上げを思いとどまるように、こういうことを言われたけれども、これは実効をあげず、ついにさみだれ的に上がってしまったわけであります。このビール、酒の免許制度の問題がこの提言の中にございます。もちろん、この酒の免許を全面的に改正するということについては、いま直ちに佐藤内閣にそのことを要望することは無理のようであります。そうだとするならば、免許制度の緩和についてどのようなお考えがあるのか。先般、経済企画庁は、免許制度の改善について、国税庁に強く申し入れをしておるようであります。そういう点について、国税庁は渋っておる。 それならば、一体今日まで、酒の免許がどの程度緩和されたのか。こういう点をいろいろ調べてみると、数字に大きな疑問を持つわけであります。国税庁の発表の数字によりますと、この十年間に、小売り店の数がふえたのは約十五%であります。ところが、同じようにこの十年間に、ビールの生産量は四倍にふえておるのであります。加えて、総理がかねがね生協の育成ということを言っておられますが、生協に、この酒なりビールの免許を与えるべきではないか、こういう点で、生協はそれを全国各地で申請をする。ところが、これに対して免許がほとんど与えられない。きのうの私のところに来た報告によると、去年の四月からわずかに六件、生協に免許がおりておる。この程度であります。 少なくともいまの自由価格であるべきビールなり酒の値段が全く末端まで同一の価格である。それを打ち破るためには、少なくともこの免許制度を大幅に緩和をして、末端において自由に競争が行なえる、その中で価格の上下というものが当然起きてくる、それをなぜおやりにならぬのか。私は、総理と大蔵大臣からお聞きしたいのであります。
○福田国務大臣 確かに大蔵省の指導、これはいままでというか、一昨年ごろまでは、免許をあまり与えないという方向だったと思うのです。過当競争を防止して、卸売り店、小売り店の業態が悪くなるということを防ぐというほうが重点だ。つまり酒税を確保する、こういう観点であります。しかし、物価問題が非常にうるさくなり、そして経済企画庁からの提言もある。そういうことで、そこで方針を変えまして、免許基準を緩和するとかという方向において緩和しよう、こういう政策というか、行政方針の転換をいたしたわけです。それでかなりふえるようになってきております。 それから、生協についていま六件というお話がありましたが、これは申請が、去年の四月から今日まで十一件あったのです。そのうち四件が、これは取り下げをしました。そして七件残ったわけでありますが、一件が不免許でありまして、六件が免許、こういうことになりまして、これも従来にない画期的なことなんです。これからも同じ方向でさらにこれを進めていきたい、かように考えております。
○武部委員 大蔵大臣は画期的だとおっしゃるが、とんでもない話であります。あなたも御承知だと思うけれども、酒類の認可申請というのはたいへんめんどうなんですよ。こんなに厚い書類をそろえていかなければ、これは受け付けられないのですよ。そうして条件がまことにきびしい。そうして国税庁長官通達というものが出ておる。これは物価の委員会で何回か論議いたしましたが、そういうめんどうなことをやるから、小さなところではできないのですよ。そういうやり方をしながら、六件とって、十一件のうち六件だから画期的だ、そんな答弁は私はいただけない。少なくとも今日、全国で十年間にわずかに一五%ぐらいしかふえていないのですからね。これはそのとおりなんです。そういう点から見ると、この提言に沿って大幅に制限あるいは条件、そういうものを緩和をして、末端において自由な競争ができるように、私はこの提言を——これは直ちにできることだと思うのです。ぜひやっていただきたい。どうでしょうか。
○福田国務大臣 一面において酒税を確保する。あまり過当競争になりまして倒産、破産が出る、こういう状態でも困るのです。その辺を含みとしながら、しかし、物価問題も非常に重要な段階に入ってきた。それには末端の競争、これが大事である。そういう認識に立ちまして免許基準、これを緩和する、そういう方針転換をしましたのは最近のことなんですから、まあ、そうけばけばしい実績は出ておりませんけれども、もう少し推移をごらんくださいまし、こう申し上げます。
○武部委員 酒税、酒税とおっしゃるが、酒税は蔵元で取っておるのですから、末端の小売りには関係ないのですよ。蔵元で、すでに蔵出しのときにちゃんと酒税は取っておるのですから、それは理屈にならぬのです。 いま一つ、砂糖の値段。佐藤内閣の評判は下がっても砂糖の値段は上がるのでして、これはちょっと問題なんで、この「行政介入と物価について」の中に一項目ございまして、最低価格保証制度の検討というのがありますね。この中に、砂糖の値段に触れて提言がございます。 この砂糖の値段は、いろいろ調べてみると、輸入の価格はキロ約四十円です。(発言する者あり)佐藤じゃなしに砂糖です。(笑声)キロ四十円で輸入をするわけですが、それに関税が四十三円四十六銭かかって、調整金が一円三十二銭、いま四銭ぐらいだそうですが、これに消費税が十六円かかって、製造販売経費が十八円、これで合計百十六円七十三銭、流通経費が二十六円二十七銭、そうして消費者の目の前にあらわれると百四十三円ということになる。四十円の砂糖が百四十三円になる。 そこで、これは一体どういうことか。ここでその内容に触れておることは、これは明らかに国内糖を保護するための配慮だ、したがって、そのような配慮は別の面でやるべきじゃないか、そのしりぬぐいを消費者に押しつけるということは間違いじゃないか、こういう提言をいたしておりますね。チクロ問題で大騒動が起きました。したがって、チクロを使っておったものは、全部砂糖にかえなければ売れなくなった。砂糖に全部これをかえたら値段がどんと上がったのです。ここで少なくともこの原価構成というものにメスを入れて、この提言を実行するならば、少なくともここで約六十円の関税、調整金、消費税というものは、これはほとんどなくなるはずなんです。こういう点は、この提言を実行することによって、砂糖を使っておるところのあらゆる商品の値段というものは相当下がるのではないだろうか。こういう点は、内閣としてほんとうに決意を持ってやるとするならば、物価対策の一助になるのじゃないだろうか、私はこう思うのですが、御見解を承りたい。
○福田国務大臣 砂糖は一体どういうふうにいま使われておるかということを見てみますと、大体菓子なんです。七割ぐらいになりますか、もっとこえますか、そういう菓子なんです。砂糖の値段が幾らか下がったという際に菓子の値段が下がるかということを考えると、なかなかこれはむずかしい問題じゃないか。反面におきまして、この砂糖消費税、関税がどういう役割りをしておるかというと、いま御指摘のように、これは国家財政にも貢献をいたしておりまするが、同時に、国内糖の保護という役割りもしておるわけなんで、その両方の利害得失をはかりにかけた場合に、一体どっちがどうかという判定の問題になろうかと思うのでありまするが、どうも税を引いてみてもあまりききそうもない。そういう状態下において、財政上、あるいは甘味資源対策、国内糖の保護、そういう政策目標を困難にならしめて、さてどんなものだろうか、こういうふうに考えておる次第でございまして、ただいまのところは、関税、消費税については、これを動かすというような考え方はとらないという方針でございます。
○武部委員 ですから、そういう考え方だから、提言をほんとうに真剣に考えておるのだろうかということに疑問を持つのです。この調整金というものは、確かに一キロについて一円三十二銭とか、いま四銭ぐらいになっておるそうですが、すでにこれは約二百億以上の金が大蔵省にあるはずなんです。そうでしょう。二百億以上たまっておるはずなんですよ。あなた方は、国民からちゃんと取って、それを持っておるだけなんでしょう。そういうものを一つも利用しようとしない。ですから、この提言の中に書いてあるように、消費税の問題はまた別です。それから、関税なり調整金の問題もまた別な面です。しかし、この問題についてメスを入れようとするならば——あなたはお菓子お菓子とおっしゃるが、清涼飲料水、こういうものにも全糖入りということにして、全部値段を上げたんですよ。全部チクロが入っておった、チクロはだめだ、全糖入りということを書いたとたんにさえ、向こうに負けておるじゃありませんか。そういうように、チクロが砂糖にかわったというだけでもたいへん大きな影響を与えたのですから、こういう問題についてはもっと真剣に取り組むべき必要がある、私はそう思うのです。 次に、物価指数のことについて見解を承りたいのであります。 先ほどから私は、七・七とかあるいは政府の言う四・八%とかいう数字を申し上げました。確かにこれは、一応いまの学問的な点から総理府発表の物価指数であります。いろいろ問題があるとは思いますが、三百六十四品目の平均の数字だということについては、一応、いまわが国では採用になっておる数字でありますから、これはとやかく、いまのところ申し上げません。しかし、一体それならば、いまの物価上昇、物価の問題は、この物価の平均の数でもって、政治がそれに易々としてこれを見ておっていいだろうかということに私は疑問を持つのであります。なるほど学問的な数字かもしれませんが、現実にいまの物価上昇の内容がどのように家計を圧迫しておるのか、国民生活に影響を与えておるのか、あるいは階層別にどういう影響を与えておるのか、こういうことについて詳細な検討をして、そうして物価上昇の内容が片寄っておる、こういう点に政治が目を向けていかなければならぬじゃないだろうか、私はそう思うのです。 ある銀行の調査によりますと、主婦の実感をつかむために、一年に百回以上家計簿に記入された日常購入品を十項目、これは野菜とか主食、肉あるいはお菓子、そういうものについて調査をしたところが、総理府統計局の発表数字の約一・五倍という数字が出ておるのであります。つい先日、二月三日に物価安定政策会議に提出をざれた資料によりますと、最近一年間の値上がりのブラックリストが提出されたそうでありますが、この表によると、私が先ほど申し上げました銀行の調査と同じように、三百六十四品目のうち約百七十品目が前年比一〇%以上の値上がりをしておるということが、調査の結果出ております。最高はタマネギで、何と前年に比べて一三二・五%の上昇であります。魚の最高はアジで、三七・六%の上昇であります。 このように、平均値はなるほど七・七かもしれませんが、現実に個別的な物価をずっと洗ってみると、一番国民生活に影響を与えておる生鮮食料品あるいは衣類、そういうものに対する上昇はきわめて高いのです。こういうものを一体これからどうするのかということに政治が目を向けていかなければならぬのじゃないか、私はそう思うのですが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 いま武部君のあげられた数は、そのとおりだと私思います。また、最近、外国で物価の状態を私の党から行って調べて帰ってきた人の報告を聞くと、日本の場合に、日本の食品と申しますか、食事代が一番高い、この辺はとにかくくふうしないといかぬのじゃないか、いろいろのものが高い高いというが、どうも食事代が一番高いように思う、こういうことを指摘しております。これなどは、ただいま言われるように、家計簿に最もたくさん載ってくる。それが魚であり、あるいは肉であり、そういうような形であらわれておるのだろうと思いますので、私どもは、これから取り組む場合に、やはり重点は何と申しましても家庭、しかも台所につながるもの、そういうものについてわれわれの目を向けて、指導監督を十分にすることが必要ではないだろうか、かように思っております。
○武部委員 私が申し上げたいのは、教養娯楽費というようなものは、ある程度切り詰めることができると思うのです。しかし、現実にいま私が申し述べたような品目は、買わないで済ませることができないものなんです。ですから、五分位階層別に調べてみましても、ほとんどどこも、食料品については同じなんです。したがって、低所得者層がこの物価の重圧を受けることは、この面からも明らかなんです。そういう点から、この物価指数の認識について、国民、特に主婦の皆さんというものは、この総理府発表の数字というものが実感とかけ離れておる、これは数字の魔術じゃないか、こういうことを言っておることは、私は当然だと思うんです。 そこで、昨年の通常国会の際に、この物価指数の問題に触れたわけでありますが、総理府統計局長は——現在の日本の物価指数のとり方は五年ごとにやっておりますね、五年ごとに改定をしておる。ところが、イギリスあたりは連鎖基準方式といって、一年ごとにこれは変えておる。こういうやり方をしておる。また、イギリスなりアメリカというものは、家屋の購入費も消費者物価指数の中に入れておる。そうして、できるだけ国民生活の実感に即したような物価指数というものを検討いたしておるのであります。したがって、通常国会の際に、総理府統計局長は、今後、ことし物価指数の改定の際に家屋の購入費というものを採用したいということを言明されたのであります。そうして、三百六十四品目を大体四百二十品目ぐらいにこれをふやして、国民の実感に少しでも近づこうという努力をしておる。こういうことは私はけっこうなことだと思うのです。 去る十二月二十三日の物価安定政策会議も、この住宅購入費について、物価指数に入れるべきだという提言をしておるのであります。これは経済企画庁長官も御承知のとおりだと思う。 ところが、奇怪なことに、与党の自民党の物価問題調査会がいろいろの理由をあげて、この家屋購入費は反対だ、これを総理府の消費者物価指数に入れることには反対だ、そうして近く正式に政府に対して反対を申し入れるということが報道されておるのであります。そうして、もしかりに家屋の購入費が物価指数に入るとなると、〇・四%程度消費者物価を上げることになり、ただでさえ物価指数が高くなっておるのに、こういうものを入れたら八%をこえるという政治的な配慮があるのではないかとさえいわれておるのであります。もしこれが事実とするならば、まことに言語道断だと私は思う。学問的な、そういう専門的な調査、物価指数に対して、なぜ政治がそういうものに圧力をかけて、国民の実感に密着するような数字の算出根拠にすら介入しようとするのか、私は、これが事実とするならばたいへんなことだと思うのですが、総理大臣はどうお考えでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 家屋の購入費を物価指数に取り入れることが一体どういうような状態になるか、いわゆるそれが〇・四%上がるとか上がらないとかいう問題ではなしに、常時そういうものが取引されているかいないかという、こういうような点から議論のあることは、私も承知しております。しかし直ちに、いま御指摘になりましたように、この統計資料に政治が介入するなと、かようなおしかりを受けるような問題ではないように思います。これは十分議論を尽くして、しかる上でこれを取り入れるかどうか。というのは、しょっちゅうあるような問題と、そうたびたび頻度のあるものでもない、こういうものを一緒にして物価指数をとるということは、私、どうかと思うのです。だから、そういう点は議論があるだろうと、かように思います。 政治が介入する、こういうことではなしに、消費者物価をきめる物価指数をどういうような取り方をするか、こういうことが必要だろうと思います。私はむしろ、いまの情報化時代に、もっと頻度をたくさんすること、もっと続けて統計をとること、そのほうが望ましいのじゃないだろうか。いまの統計を総理府でとっているのにいたしましても、これが非常に短期に行なわれている、こういうことでは実態をつかむことはなかなかむずかしいのではないか、かように思います。これを改善するように申しましたから、最近は変わっておろうかと思いますが、こういう点が、やはりいま情報化の時代でございますから、もっと正確な統計をとる、そうしてその数字を基礎にしていろいろの施策を進めていく、こういうことにならなければいかぬ、かように私は思っております。
○武部委員 少なくともこの消費者物価の指数というようなことは、理論的、学問的な問題であります。したがって、この家屋購入費については、総理府統計局がいろいろな見解を述べ、また外国の例も調査をし、先ほど申し上げるように、イギリスなりアメリカはこれをとっているわけですし、また、いま総理は長期にということをおっしゃるが、五年ごとでは、いまのような時代にはそぐわぬじゃないか、五年ごとに統計を変えていくようなことじゃなしに、連鎮基準方式のように一年ごとにしたほうが、こんなに変動がきびしいのだから、それこそ実感に即したことになるのではないかという意見もあるのです。そういう理論的、学問的な問題に、与党の調査会が、そういうものを入れるのはけしからん、反対だというようなことを政府に申し入れること自体、私はおかしいと思うのです。そんなことはあってはならぬことなんですよ。それは数字が上がるから、何か数字が上がっちゃ困る、だから下げておけというようなことがもし背景にありとするならば、私はこれは問題だと思うのです。ですから、これはあくまでも、さっきから言うように、理論的、学問的に総理府統計局にまかしておけばいい、何も政治が介入する必要はない、私はそう思うのです。佐藤経済企画庁長官、いかがですか。
○佐藤(一)国務大臣 いまの問題は、すでに総理がお答えになりましたように、全く政治的な意図を加えるべき筋のものではございません。純技術的に、客観的に、これを作成について考える、そういう意味において、いまいろいろと御指摘になった点は、政府においても検討の素材として検討はしているところでございます。そういう意味において、十分そういう点のお疑いのないように、われわれ絶対そういう角度からはものごとを取り上げておりません。いまの建築費の問題は、われわれとしましても、できるだけこの方向でもってやっていくべきものであろうということで研究しているわけであります。
○武部委員 四十六年度の消費者物価の上昇見通しを五・五%にとどめたい、こういうことが総理の演説でなされました。先ほどから私申し上げるように、五・五という数字は異常であります。私は異常だと思うのです。物価安定政策会議の議長をしておられる中山伊知郎さんが、われわれの物価問題特別委員会に参考人として出席をされたときにも、五%以上というものはいけない、こういうことを述べておられました。また、五%以上物価が上がった、あるいは政府の見通し以上に物価が上がった、こういうときには、責任をとるためにも何らかの措置を国民にすべきではないか、こういう意見がありました。四・八と言った数字が七・七になった。だとするならば、国民に対する公約は、これはほごになったわけであります。その責任をとるために、少なくとも累進税の減免とか、あるいは所得税の減税を大幅にするとか、そういう点で責任をとるべきだ、こういう意見を戦わしたことがありますが、大蔵大臣は、この点についてどうお思いになりますか。
○福田国務大臣 責任とかなんとか、そういう考え方ではございませんけれども、結果においては、だたいまのお話のような施策をとっているのです。つまり四十六年度予算におきましても、それに関連いたしまして所得税減税をやっております。これは、四十五年度において三千億所得税減税をやった、そのあとにおいて引き続いて何のための所得税減税か、こういうことでありますが、これは私は、物価変動、こういうことがあるから、どうしてもそういう変動下においては所得税減税を続いてやっていかなければならぬ、そういう見解に立ちまして、四十六年度減税——課税最低限を約一〇%方引き上げる、こういう措置をとったわけでありまして、四十六年度といわず、その後におきましても、物価の変動がありました場合には、税の面においてもまた対処していきたい、こういうふうに考えます。
○武部委員 この五・五%という数字は、目標としてあがったのは初めての数字だろうと思うのです。だが、はたしてこれが守り切れるかというと、残念ながら、いままでの四十四年ないし四十五年の経過から見て、とてもこういう数字でおさまるとは、おそらくや国民だれ一人思っているものはいないと思うのです。 加えて公共料金の問題等についても、私は一言しなければならぬと思うのですが、昨年の暮れの公共料金抑制策、これが出ました。何回か経済企画庁長官ともやりとりいたしました。その直後一月の初めに、ごく一部分でありますが、バス料金の値上げが認可になりました。また、今度の国会には郵便料金の値上げ、あるいは電話の設備料の値上げ、電報料の大幅値上げ、さらには健康保険料、こういうものがメジロ押しに出てきている。これは公共料金でございます。少なくとも三十四種類の公共料金というものが消費者物価に与える影響というものは非常に大きい。その中で直接物価指数に取り入れているものは一九・五%でございますが、公共料金は便乗値上げを誘発するのです。そういう意味で、公共料金というものが非常に重要だということを、何回も私どもは指摘をしてきたわけであります。この五・五%の上昇というものは、まずこの公共料金の値上げからくずれていくではないか、私はそのように思うのです。 さらに、東京のタクシーが最低百三十円料金を約二百円に上げる、こういう申請を近くやろうという動きがあって、たいへん大きな世論を巻き起こしております。 こういう問題について、一体佐藤内閣としてはどういう態度をおとりになろうとしているのか。 さらに、これは通産大臣にお聞きをいたしますが、突如原油の値上げ問題が起きてまいりました。これが通告どおり二〇%ということになってくると、そのはね返りは電力料の値上げ、ガソリンの値上げはタクシー、バスに及ぶでしょう。さらに灯油の値上げ、こういうものが当然起きてくると予想されるのであります。したがって、この五・五%の目標に押えるために、一体公共料金についてはどのような態度で臨まれるのか。加えて具体的には、タクシー料金の問題についてはどのようなお考えなのか。さらに原油の問題等については、これがこれからどういう行程をもってわが国の業界にやってくるのか。こういう点についてひとつ見解を承りたいのであります。
○佐藤(一)国務大臣 いまお話しの公共料金でございますが、これはもちろん御存じのように、政府はこれをできるだけ抑制する、こういう方針できたわけであります。昨年の暮れに特に取り上げましたのは、御存じのように予算編成を前にいたしまして、各種の料金値上げのうわさが飛んだわけであります。やはり非常に心理的にもまずい問題でございます。物価対策について、やはり心理的なことも無視できない。そういう意味におきまして、私たちは、公共料金のウエート自身は、先ほど御指摘のようにあまり大きくはございませんけれども、その影響を考えながら、いわゆる抑制方針というものを出したわけでございます。そして、主たる点についてはほとんど抑制の方針を貫いた、こういうふうに考えております。もちろん一、二例外がございましたけれども、少なくともそれらについても一年間は据え置いてまいる、そういう考え方を通したわけでございます。 先ほどいろいろと御指摘がございましたけれども、やはり従来の傾向、四十五年中の傾向等を見ましても、全体の物価の上昇率の半分前後くらいのところまでは、公共料金というものをある程度押えていきたい、また、そのくらいのところに、たとえば四%くらいまでのところには押えられるであろう、われわれは十分そのつもりで見込んでおります。そういう意味で、物価政策が公共料金の面から大きくくずれるというお話がありましたが、そういうことは絶対にないし、また、してはならないことであるというふうに考えております。
○宮澤国務大臣 国際石油資本がガルフの国々と相談いたしました値上げを、そのままわが国の需要家に押しつけようというのであれば、それはきわめて迷惑なことでありますし、私としてはそういうことには賛成できないということを、すでに国内の精製業者の連盟にはお伝えをしてございます。また、需要家に対しては、私は、各需要家がそのような試みに対して極力抵抗すべきだというふうに考えております。先般、電力料金を引き上げることは認めないということを、しばらく前ですが、申し上げましたのもそのような含みでございましたが、灯油はそろそろ不需要期に入りますし、ガソリンでありましても、あれだけスタンドがございまして、しかも、売っている値段には数円の開きがおのおのの間にあるわけでございますから、気をつければ高いものを買わなくても済む。軽油にいたしましても、これはバス会社等と比較的大口の取引でございます。ナフサは、とてもいま負担できる状態ではない。そういうことから、極力需要家が抵抗をすべきである、私はこういう考えております。
○武部委員 時間がございませんので、私はあと一つ二つにとどめたいと思いますが、総理は、かねがね消費者運動について非常に関心を持っておられるようであります。特に、生活協同組合の育成強化ということをたびたび言明しておられます。いま消費者運動があらゆる形で出ておりますが、その中で、一つの組織形態を持っておるのは生活協同組合であります。この生活協同組合を、当面の物価対策の一つの項目の中に佐藤内閣は入れておられるようであります。ところが、一向にこの実効があがらない。 一体、いまさしむき、消費者運動の中で生協がどういう役割りを果たしておるか。これは、ある地域においては物価値下げの役割りを果たしておるということを、行政管理庁自体が認めておるのであります。そういう面から見ますと、いま、生協法というものが制定されて二十数年になりますが、その間わずか一回だけ改正されただけであります。二年ほど前に、生協法の改正をやるということの言明が厚生省からあったけれども、いまだにこの法改正がされない。さしむき、これをやるべきことは地域制限の撤廃であります。これだけ経済圏が発達しておるわけでありますから、地域制限というものはもう撤廃すべきだという点について、厚生省はその意見を持っておるようであります。ところが、今回の国会にも、その法律の提案は見送られておるのであります。 さらに、資金面で多くの制限を受けておるのであります。生協をつくって、組合員から出資金を求めてやっても、なかなかその出資金だけでは運営は困難である。したがって、各種の公庫なりから融資を得て運用していきたいと思っても、いろいろ制限がある。そのために発展がたいへんおくれておる。通産省は、生協が発展することは小売り商を圧迫するとおっしゃるけれども、全国の約千六百五十の生協の現在の売り上げは、小売りの総売り上げのわずか一%足らず、ようやく一%です。そういうものが小売りというものを圧迫するような数字にはなっていないのです。 そこで、私がお願いしたいことは、さしむき地域制限の撤廃、さらには融資の制限緩和、同時に、先ほどから申し上げましたような事業範囲の拡大——酒の免許を生協に与えるとか、そういうようなことは、さしむきできることであります。そういう点をぜひひとつやっていただきたい。 さらにもう一点お願いをしたいことは、いま各地の団地で、奥さん生協というものがだんだんでき上がりつつあります。ところが、これまた出資金に非常に不足をして、なかなか設立が困難である。たとえば二千人の生協をつくった、五千円の出資金を求めても、これは一千万円にしかならないのであります。建物あるいは土地、そういうものを購入すると約四千万程度かかるはずなんです。それが一千万円しか金が集まらない。そのために奥さん生協というものは誕生できないという現実の例があります。そういう点に政府が力を入れて、そういう団地生協の育成等には、融資のワクを拡大をするというような点を考えていく必要があるのじゃないか、私はこう思いますが、このことについて政府の見解を承りたい。 いま一点、厚生大臣がおられるようでありますから、重ねて答弁をお願いするわけでありますが、消費者保護基本法が制定されましたときに、有害食品の問題が取り上げられました。いまの日本の検査体制、試験体制というものは、これは非常にお粗末である。国立衛生試験所一つとってみても、完全にその試験を達成することは不可能だ。また、輸入食品の監視体制にしても、十一の港にわずか二十人の監視員しかいない。年間、十三万件にもわたる食品が日本の港に入ってくる。それをわずかに二十人の監視員が六%しかチェックできないという、まことにお粗末な監視体制であります。これでは有害食品の摘発は非常に困難である。また、わが国の食品衛生監視員の数にしても、専門はわずかに四千五、六百人です。二百五十万カ所にのぼる食品を扱う個所があるのに、わずかこれだけの衛生監視員で食品公害から国民を守ることができるだろうか。こういう点は、基本法制定の際に十分論議をしたところであります。 今回の国会にも、食品衛生法の改正の提案はなされておりません。また、統一食品法制定について、厚生省、農林省、経済企画庁が三者で論議をすることになっておるが、一体どのようになっておるのか、かいもくわかりません。食品公害は少なくとも国民の健康、生命に大きな影響を与えるものであります。この問題について、食品添加物の総点検等については、これからどのようなお考えでおやりになろうとしておるのか、この点をお伺いいたしたいのであります。
○福田国務大臣 まず、生協に対する金融問題でございますが、生協がだんだんと普及される、そういうことになりますと、金融問題という角度の問題がこれはまた問題になってくるということは、よく心得ております。これを一体、中小企業問題というきわめてむずかしい問題のあるさなかにおいて、生協を金融政策上どういう位置づけをするか、そういう問題になってくるわけなんでありますが、いま私どもも、どういうふうにするかということを検討いたしております。まだ検討を了しておりませんけれども、今後の生協の消費者問題の中における地位等を考えまして、何とか結論を得なければならぬかなと、かように考えておる次第でございます。
○内田国務大臣 国民の消費生活というような面から、私どもは、消費生活協同組合の機能の充実につきましてもいろいろ実は考えております。金融の面につきましても、御承知のとおり、政府が地方公共団体に予算でお金を回して、公共団体のお金と一緒にして生協に貸し出すそういう予算につきましても、四十六年度は、前年度に比べまして、相当これを増加いたすことにいたしましたし、また、開発銀行をある場合においては、生協の集発送センターなど相当設備の必要なものについて活用できる道を設けたいというようなことで、このほうも話を進めまして、金額のワクは設けませんけれども、開銀の融資対象ということで関係機関と話をつけているようなこともやってまいりました。 なおまた、私どもがいまの生協に関する法律をながめてみまする場合に、御指摘の地域の制限撤廃問題ばかりでなしに、生協法全体について見直したほうがいい点がほかにもございます。たとえば民法的な規定を準拠法とする生協の活動を、商法的な規定を準拠させたほうがいいというような意見などもございまして、これらの問題をも含めて、生協問題につきましては、残った問題は関係方面と協議をいたしておる次第でございます。 それから、食品衛生の問題につきましては、添加物の再検討、あるいはまた、その結果による規制、さらにまた、いまの食品衛生法というものが、必ずしも食品全体に対する消費者の問題までも触れた指導的の立法でもございませんので、御指摘がございましたように、関係機関とも打ち合わせ中でございますので、これにつきましては、もう少し時間をかしていただきとうございます。 ただし、食品そのもの、添加物そのものの再検討体制につきましては、私も厳重な指図を関係の機関にいたしておりまして、添加物なども、今日ではアメリカよりも西ドイツよりも少なくなってまいりまして、かなり減ってまいりました。危険性がおもんばかれる添加物を削除するとかいうことばかりでなしに、無害のものにつきましても、無益な添加物の使用をやめさせたいというようなことで、近くお茶とか、 ノリとか、 ハチみつとか、あるいは砂糖とか、赤飯とか、さらにはまた、みそ、しょうゆというようなものにつきましても、それが無害であっても、不必要なものはやめろということで検討させております。そういう趣旨から、この一年くらいの間にも、生鮮食料品などにつきましては、無益な着色や、また漂白というようなことも、かなりやめてまいりましたことも申し述べさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、前向きでこれらの問題に取り組んでまいる所存でございます。
○武部委員 これで終わります。
○小林委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 私は、きょうは家庭の主婦の代表の立場から、たいへん今日悩まされております物価高、中でも野菜の問題につきまして質問申し上げたいと思います。 そこで、私も簡単に質問申し上げますが、時間が限られておりますので、簡単にお答えを願いたいと思います。 まず第一にお伺いしたいことは、佐藤総理が予算委員会で、野菜というものは安いものだという考え方に問題がある、こういうふうに答弁をされました。私は、野菜というものは、私たちの健康にたいへん必要なものだし、毎日欠かすことができないものだし、安いものだというふうな考え方を持っておりました。ところが、佐藤総理のこの答弁を聞いて非常にがっくりきました。政治家のつとめは、これほど必要なものなのなら、やはり安くする方法を考えるのが政治家のつとめではないか、こういうふうに考えたものですから、たいへんにがっかりしたわけですけれども、総理は、野菜は安いものでないという考え方を国民に今後も持たせようとされるのかどうか、この辺の真意のほどを、まず第一にお伺いしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 たいへん主婦の立場でお尋ねになり、私も、その主婦の立場に理解を持ってお答えをするつもりです。 ことに、最近のようになりますと、私はあまり肉をとらない、野菜を主としてとる、こういう状態でございますから、野菜がどういうように使われておるか、どうもいままでのところでは、一般に考えるのは、野菜というものの取り扱いが非常にお粗末だ、したがって野菜が簡単に捨てられる、こういう状況をしばしば見受けるのです。もっと野菜を大事にしていただきたいと思う。これがまず第一の願いであります。 先ほど砂田君が、野菜についての分析をいたしました。そして露地野菜といわゆる園芸蔬菜と、こう区別して話をいたしました。私が申し上げるまでもなく、ただいまの野菜——野菜というか、それは多く、季節はずれのものが食膳にのぼっておる。冬のさなかにおいて、まっかなイチゴが食べられるとか、あるいはキュウリが食べられる、おナスが食べられる、いわゆる気候、季節物とはだいぶ変わった状況で野菜が使われておる。いわゆる露地野菜、自然のもとで育つもの、これは在来からのように相当安いものだろう、かように考えますが、園芸蔬菜になってくると、これは相当施設を要する、そういう意味で金はかかるのだ。だから、やはり使い方もそういう意味で、大事に使ってもらいたい、むだをしないように——そういうところを実は私が申し上げたのでございまして、ただいま野菜は安いんだ、大事なものだから安くしろ、こういうように言われることもわからないわけではございません。しかし、私が申し上げたいのは、ただいまのような野菜の状況だから、これがわれわれに最も必要なものであるだけに、もっと大事な使い方をしろと、かように私は申し上げたいのであります。
○戸叶委員 総理大臣、たいへん上手にお逃げになりました。私どもが聞いている範囲におきましては、野菜を大切にしなさいというふうにはおっしゃらないで、大体みんなの考えている、野菜が安いものだという考え方が間違っているのだ、こういうふうに答弁されたように思いますし、速記にも、私調べてみましたら、そう書いてありました。ですから、やはり野菜は高かったら安くするように、総理として考えていただきたい、おっしゃった態度を少しお変えになっていただきたい、こういうふうに思いますから、どうぞその点をもう一度お答えを願いたい。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま言われるように、さきの答弁が不十分であった、今日の答弁が正しい答弁だというように、どうぞ御理解をいただきたい。
○戸叶委員 安心いたしました。 そこで、それでは具体的に何をしていただくかでございますけれども、問題はこれからなんです。 野菜がどんなに必要で、しかも少しの金額でよく買われているかというのを、政府の統計で見てみました。そうしてみますと、一週間に購入する野菜の種類は六種類から大体九種類、それで週に三回買う人が二・一%、四回以上が六・四%、七回以上が一六・四%。ということは、つまり毎日買う人が圧倒的に多いということです。そして、一回の購入費というものが、百円から二百円が最も多いという統計が出ております。毎日買って、一回の払いが百円から二百円、これが大衆の生活です。ところが、今日の野菜というものを見ますと、はたした百円から二百円の間でどれだけの野菜が買えるかというと、非常に問題なんです。そこがまた大衆の生活である。この点もよく大臣は考えていただきたい。 私は、きのうの相場で見てみました。ところが、参考までにこれを見ていただきたいのですが、ニンジン、これが一つ二十円です。それから、このキュウリが一本幾らかおわかりですか——おそくなりますから申し上げましょう。四十三円です。それから、タマネギが一個で三十八円です。さっきおっしゃいましたように、食べる内容が変わってきて、ハイカラなものも食べるようになったというので、少しカリフラワーなども買ってみました。ところが、これが九十円です。これだけで何と百九十一円なんです。これで一体幾人の人が食べられるか、たいへんな問題になってくるわけです。大根は、きのうは少し安くなりました。そこで、この大根を買ってみましたら、五十円です。私たちは大根を半分買うなんというのは、ほんとうにわびしいことだと思います。しかし、これはもう習慣になってきました。こういうふうに野菜というものが上がってきたということを現実にお感じになって、そして考えていただきたいということを、私は示したわけなんです。 そこで、これほど大事であり、そしてまた必要な、そして高い野菜がどんなふうに動いているかということを見ますと、四十五年の消費者物価の上昇率が、四十四年と四十五年を比べて七・三%というふうに政府は言っていらした。ところが、四十歳代の家族で、子供二人の家計簿の百二十九件の統計を見ますと、一七%値上がりしております。これも、経済企画庁の値上がり率とはだいぶ違うわけです。こんなにも統計が違っているわけですけれども、そこで野菜について見ますと、四十五年度は、前年度比で四〇%の値上がりをしております。毎日わずかずつ、高くても買わなければならないものが四〇%も上がっている。こういう現状を一体どういうふうにごらんになりますか。佐藤さん、御自分では、奥さまがいろいろよくやってくださるからお感じにならないかもしれませんけれども、たいへんな主婦の苦しみであるということを統計から見ても、わかっていただきたいと思うのですが、 いかがでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまるる説明をされて、私もたいへん勉強になっておりますから、どうぞ続けてやってください。
○戸叶委員 いろいろと総理に対策を考えていただきたいと思って私は申し上げているのですから、私も、こういうふうにするのはいかがですかという対策などを申し上げながら、もう少し申し上げたいと思います。 そこで第一に、野菜がどうして高くなったのか、こういうことをいうわけですけれども、その中で、入荷が少なくなった、こういうふうなことを言われる人もございます。確かに私は、入荷が少なくなったということも一つの理由になると思います。しかし、実際問題として、三大野菜といわれる大根とか白菜とかキャベツというものを考えてみますと、一月の入荷量は、この三つとも三倍近くふえております。それにもかかわらず、卸売り価格は最高でキログラム五円、最低で三円安と、ほとんど変わっていない。三倍近くも入荷がふえて、卸売り価格が五円から三円しか下がっていない。これも矛盾しているじゃないかというふうに私は考えるわけです。 そして、この大根の入荷量、一月の上旬、中旬、下旬、それから白菜の上旬、中旬、下旬、こういうのはみんな統計がございますけれども、何しろ時間が限られていて、私一々申し上げられませんが、そういうふうな状態でございますので、これだけのものを買ってしまえば——これは別ですよ。つけものも食べられないという状態です。 白菜が、いま一株幾らするとお思いですか。おわかりになりますか、大体白菜がでのくらいしているか。ちょっと当ててごらんになりませんでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 私は存じません。
○戸叶委員 やはり総理大臣は一国の代表者でいらっしゃいますから、庶民の生活というもの、苦しみというものを知る意味で、野菜もたまには研究していただきたいと思います。 白菜が、一株で買うと百六十円いたします。三株できのう四百円だそうです。一株買えば百六十円だと言われたそうです。半分お買いになれば百円ですと言われたそうです。白菜を半分買ってきても使いようがないからというのでお断わりしたんだそうですけれども、こういうふうに高いのですから、これだけ二百円で買ってしまいますと、今度はおつけものを別に買わなければならない。あるいはおみそ汁をつくるなら、大根をこの半分買えば、二十五円買わなければならない、こういうふうな状態ですから、高いということの問題点が一体どこにあるかということをちゃんと調べて、早く解決をしていただきたいし、もう来年はこういう思いをさせないようにしていただきたいということが、まず第一の私の願いでございます。私というよりも、たくさんの主婦の願いでございます。 そこで、いま申し上げましたように、入荷が多くても、卸売り価格というものの下がるぐあいがたいへんに低いわけです。大蔵大臣は、日本の卸売り価格というのは非常に安いのだということをおっしゃっていらしたのですが、この中には野菜も入って、そういうことをおっしゃったのじゃないかと思いますが、この現実をごらんになれば、卸売り価格は必ずしも安いということはいえないのじゃないですか。いかがでございますか。
○福田国務大臣 卸売り価格というのは、大体七割ぐらい大企業製品価格です。ですから、これは大企業のほうは、コストが高くなりましても、これを売り値に転嫁しないで済む、こういうような関係があろうかと思いますが、三割方、いろいろ御指摘のような農作物とかそういうものも入ってくる、こういう関係です。しかし、全体とすると卸は、国際社会の中でわが国ひとりが安定している、こういう状態です。
○戸叶委員 私が言いたいことは、入荷がふえても卸売り価格があまり下がっておらないという、こういう問題についてもぜひ考えていただきたい、これが第一点です。 それから第二は、野菜の好みが変わった、こういうことをおっしゃるわけですが、私のところもここにずっと、昭和四十年からつけた家計簿を持ってまいりました。ずっと調べてみますと、大体一軒のうちで買うものは、幾ら好みが変わっても、大根、ニンジン、タマネギ、キュウリ、トマト、レタス、そういった普通の野菜だろうと思うのです。ですから、好みが変わったといいましても、それほど変わってないと思います。特殊なものを食べるうちは別ですけれども、もう五年ぐらい前からそういう現象はあらわれております。 そこで、昭和四十一年ごろから、野菜の値の上がり方というものがずっと激しくなってまいりまして、四十二年の家計簿を見ますと、もう大根は半分買いをしています。このころから、もうずっと大根が上がってきているわけです。ところが、その当時、近くのいろいろな近郷の地域というものを見ますと、土地の値上がりで、いままで自分のうちの菜園などでつくっていた野菜というものをやめてしまって、そうして土地を売るとか、あるいはまた、いままでつくっていた人も買うとか、そういう構造変化というものがあらわれてきているわけなんです。 ところが、政府自身は、幾たびか野菜の値上がりを追及いたしましても、天候に支配されます。——これもまあ一理あります。それから、食べものが多様化してきました、需給に伴いません、そういった答弁だけはいつでもしていますけれども、それじゃ、そういう答弁に見合うような何かの施策をしていただいたかといえば、何らそこに私は、行政指導をしたというような影が見当たらないわけです。このまま行かれますと、また同じようなことを繰り返すわけでございまして、過去のそういうことに対するきびしい反省をなさいまして、今後は生産動向とかあるいは消費動向の先取り調査というようなものを積極的にお進め願いたい。この点をまずお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 少し具体的になりましたから、私のほうから申し上げます。 お話しのとおり、いまの生産、消費の動向先取り調査、これは、私どものほうではあとう限りやっております。ことに最近は、私のほうで野菜対策の、価格安定のための調査会をつくりまして、第三者の専門家、消費者代表、生産者代表等集まっていただきまして、るる実地に即して検討をいたさせておるわけでありますが、どうしましても、もうよく御存じのように、なかなかすぐに即効というものは出てまいりません、野菜のことでありますので。しかし、先ほども御指摘のありましたように、やはり米の生産が減ってきたと逆な動向で、国民の食生活に変化が生じております。しかも、その中で私どもやはり見ますのに、たくさんとれ過ぎたときには翌年暴落いたしますものですから、実は農林当局といたしましては、そういう農民の生産対策について、非常に頭をいままで使ってきたことは事実であります。しかし、今日のように物価の問題、それからまた、生産者よりも消費される方のほうがはるかに人口も多いのでありますので、先ほど砂田さんにも申し上げましたように、私どもといたしましては、消費に見合う生産ということもさることながら、大体もっと十分に生産をさせるように指導をいたして、同時に価格の安定のためには特段な措置をしていくということのほうがむしろいいんではないか、これは私どもの発明ではなくて、諸外国でもやっておることのようでありますから、そういうことについて努力をしてまいりたいと思っておりますが、いまお話のございました先取り調査のようなことにつきましては、御指摘のように、私どももその必要を痛感いたしておりますので、そういう方向でやってまいりたいと思っております。
○戸叶委員 農林大臣、ぜひそれを効果あるようにやっていただきたいと思います。 そこで、いま消費に見合う生産というお話がございました。このことについて、先ほど砂田議員も御質問になりました。それに対して佐藤総理も、ごもっともだと思うという御意見、それから大蔵大臣も、農林大臣も、その御意見にはごもっともだと思いますというところまではよかったのですが、それを具体的にやっていただけるのかいただけないのか、そこまでは伺えなかったように思います。検討をいたしますというようなことでございました。 具体的に砂田さんがおっしゃいましたのは、低落時の価格対策の改正というようなことでございましたが、それにつきまして私は単刀直入に伺いますならば、まず大蔵大臣にお伺いしたいことは、野菜生産出荷安定法というものを改正をなさって、そうして生産者が安心して生産をできるように、そういうことをおやりになる御意思があるかどうか。それは予算が伴うことでございますから、大蔵大臣、予算をお出しになりますかどうか、この点をお伺いいたしたい。農林大臣にもあとから、それをお考えになるかどうか伺いたいと思います。——ちょっと、大蔵大臣がお金を出されるか出されないかわからないですから、それを先に聞かせてください。
○福田国務大臣 ただいまのお話につきましては、先ほど砂田委員にお答えしたような考えです。露地野菜の価格安定、これは露地野菜の生産のために非常に大事なことである、そういうふうに考えまして、四十六年度におきましてもいろんな改善を加えていくというふうにいたしましたが、その推移を見まして、これはまた、おそらく農林大臣からいろいろ御提言があるだろうと思います。御提言がありますれば、これは真剣に対処していきたい、かように考えております。
○戸叶委員 それでは、農林大臣にもうちょっと具体的にお伺いいたしますが、過去の平均市場価格の算定について適正化をはかるとともに、保証基準額及び最低基準額の決定にあたっては再生産の確保を含めるものとするというような内容の改正に踏み切られるかどうか、この点を伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 なかなかうまくいかぬものですから、あまり大きなことを申し上げられないのでありますが、大蔵大臣の出身地も私の出身地も野菜の産地でありますので、選挙区の関係で少し知識を持っておるつもりでありますが、戸叶さんも同じことでありますけれども、時間が長くなるものですから、さっき砂田先生にも御説明申し上げなかったのでありますが、これはもう御存じのことだから省略いたしますが、いま最後におっしゃいましたようなこと、これは野菜についてなかなかそういうふうに価格の指定という、たとえば豚肉などで畜産振興事業団がやっておりますような価格補償というふうなことについては、法律でそういうふうにするというようなことについては、なかなかむずかしいことだと思いますが、もう御存じのように、さっきお話のありました資金協会等については、大体その価格の水準を見て、そうしてそれについて上下のことをはからうようになっております。その補てんをいたすようになっておりますからして、大体御趣旨においては、ただいまお話しのようなことが行なわれるようになりましたし、それから、ただいま御審議願っております四十六年度予算では、地方のつまり県知事が同様なことをやりますための助成、補助金を二億円ほど計上いたしており、これなどは地方庁もたいへん喜んで、張り切ってやってくれるわけでありますが、御指摘のような趣旨が行なわれますようにいろなん施策を講じてまいります。
○戸叶委員 いまの問題で、大蔵大臣も、農村の選挙区をかかえていらっしゃるし、お金を握っていらっしゃる方ですから、お出しになる御意思がおありのようですから、どうぞここで答弁されたことを、前向きに約束を果たしていただきたい。これをまず第一にお願いします。 それから、私、野菜の値段のつけ方ということについていろいろ考えてみますと、たいへんふしぎに思うわけです。と申しますのは、生産者が野菜を生産して、それを農協が引き受けて、そして市場なり何なりへ持ってくるというふうな形で、市場から仲買い人、それから小売り商、何々と通して売るわけですけれども、農民の人は、自分たちが野菜をつくっても、その値段をつける中には参加していない。間に手数料だけでずっと運ばれていって、そしてロスとリスクというものはだれが負うかというと、農民とそれから小売り商、それがかぶさってくるのが消費者、こういう形になって、間がずっと手数料だけで価格が決定されてくる。こういうことに私は少し矛盾を感じるわけなのです。そこで、価格の決定というものにあたりまして、やはりある程度生産者、消費者、こういう人の意見というものもいれられてしかるべきではないか。市場にだけまかせておくということがいいのかどうかということに、私はちょっと疑問を持つのですが、この点についてのお考えはどうでしょうか。 と申しますのは、実は灘の生協の人たちが、この野菜の値上がりということでいろいろ苦しんで、そして研究をした研究発表というものがあるわけです。そこで、ある年に、百二十グラム入りのピーマンが初め十五円だった。ところが、その年のうちに七十円に上がった。そうすると、生産者は、安いときは買ってください買ってくださいと言うけれども、高いときにはいやな思いをして買ってもらわなければならない。こういうことを何とか直していこうじゃないかというので、生産者と消費者が話し合って、その間の価格を三十五円というものにきめてずっと平均していったというような数字が示されております。 そういうふうなことを考えましたときに、ロスとリスクを負うのが生産者と小売り業である、そしてまた消費者がかぶるというような、その価格のつけ方というものに矛盾はないかどうか、こういうことを感じるのですが、この点はいかがでございましょうか。
○倉石国務大臣 私ども農林省では、もう御存じと思いますが、かなり精密な地方の情報をキャッチし得るテレタイプその他、それから新しくまたコンピューターも装置されまして、全国のこういう農産物価格、それから集荷の状況等については、逐一中央においてわかるようになっております。それをまた地方のマーケット及び生産者団体に流しておりますので、そういう一般的状況につきましては、地方もそれをきわめて有効に使っておると思います。 ただいま最後に御指摘になりましたような取引の関係につきましては、これは実は継続審議でいまお願いいたしております市場法などのときに十分御審議も願い、御説明申し上げたいと思いますが、いま御指摘になりましたような問題の改革はしなければなりませんということで、あの市場法の中ではかなりそういう、いまおっしゃいましたような趣旨のことができますような考え方で取り入れておるのでありますが、いまお話のございましたように、私どもとしては、生産地がだんだん大型化していくようにしむけておるわけであります。同時に、したがって専門農協というふうなものが、逐次つまり集荷業者になります。それらがしつかりしたものができてきて、そして消費地との間に直結した操作ができますように、そしてそれを受け取りました市場において合理的な操作ができますように、こういうふうに中間のロスをできるだけ節約してまいることに力を入れていかなければならない、こう思っておるわけであります。
○戸叶委員 結論だけ伺いたいのですが、何らかの形で生産者なり消費者なりの声が価格の上に響くような方法はお考えになりませんか。結論だけでけっこうです、まだ質問はたくさんありますから。
○倉石国務大臣 お説のようなことを、御意見を取り入れる調査会をその中につくってまいるつもりでございます。
○戸叶委員 そこで、私は一つ提案したいのですけれども、農林大臣も予算委員会で、集配センターのことをお述べになっていらっしゃると思うのです。集配センターは、流通機構の一つとして私も大切だと思います。こういうものができていくことはいいことだと思うのですが、ただ、集配センターなどでの価格の決定というところに、私は問題があると思います。集配センターというものは、全販連がやっていることですから、やはり農民の生活というものをよく知っているわけです。そして、農民が損をしないような形で価格をつけるでしょうし、それから消費者のことも考えての価格をつける。そういう意味で、いま私が申し上げましたような方式をとるのに一番ふさわしいところだと思うのです。ところが、集配センターできめる価格というものは、東京の四大市場の仲値をとっている。その日の平均の仲値をとって、それを価格にしているということを聞くのですけれども、どうしてそういう形をとらなければならないのか、私はお伺いしたいと思うのです。
○倉石国務大臣 全販連が、政府も助成金を出しまして、板橋にお説のような集配センターをみずからやってみました。これは当初の方法といたしましては、需要家の注文を受けて、それに対して生産者たる農業団体の全販連が、その御注文に応じた品物を直結して出すという考え方で始まったようでありますが、やはり、やってみますというと、どうも市場におけるせりと同じような状況が行なわれておるようであります。私ども、これらにつきまして、日本国の長い間のああいう市場の取引というものは、やはり自由経済のもとで自然にああいうものが育成されてきたのではないか、なかなか容易なことでこれは変革してまいるということにはならないんじゃないかと思われるのでありますが、私は、いま戸叶さんで御指摘になりました、各地における市場の仲値を中心にしておるかどうかということについて、実はそこまで具体的に、今日よく存じておりませんけれども、せりで、 つまり需要供給の関係で、あそこでやはり、当初の設立いたしました目的よりもさらに変化してきて、普通の市場のような取引が現在行なわれておる。現に私はあそこを見ておりますけれども、どうもそういう傾向が多いようであります。
○戸叶委員 私が伺っておりますのは、その値段のつけ方が、築地、淀橋、神田、千住などの四大青果市場の取引の値段の平均の仲値であるということを聞いているわけですね。なぜその価格をとらなければならないのだろうかということに疑問を持つわけなんです。なぜそういう四大市場の価格の仲値をとらなければならないのだろうかというふうに考えるわけです。もっと自由な形でいいじゃないでしょうか。この点はどこかで指導をしているのでしょうか。それをまず伺いたい。
○倉石国務大臣 需要供給の関係できまるようにしなければなりませんが、いまのお話のようなことでありますならば、十分ひとつ調査いたしまして、私ども、さっき申しましたように究極において中間のロス——つまり生産者と消費者が安心して取引されるような、そういう形に指導するようにいたしてまいりたいと思います。
○小林委員長 戸叶君に申し上げます。あなたの時間が参りました。それ一問で終わってください。
○戸叶委員 それでは、時間がないですから、最後にまとめて申し上げます。 一つは、指定産地をきめられて、そして六百四十カ所をきめて、そこから指定消費地に出すようにというようなお考えですが、それがうまくいっておらない。これにも野菜の値をつり上げる一つの理由があると思いますが、その問題は、いずれにいたしましても、聞くところによりますと、最初に野菜の指定産地として指定した第一次、第二次のところには、百カ所ぐらいは政治的な圧力できめたために、考えているだけの生産量のないようなところもあるということを聞いております。そこで、指定産地の再点検をぜひしていただきたい。これが第一点。 それから第二点は、いろいろな品物が多いわけですけれども、外国のように、一、二、三ぐらいの品種に分けて、たとえば一つの品物に対して、分ける場合に、上中並というふうに分けて、そして日本のような、いろいろな種類に一つのものを分けるというような形をとらない。もう少し簡単に、規格の単純化というようなことを考えるべきではないか。これが第二点です。 それからもう一つは、ある流通学者が、市場の人はたいへん投機的な精神に富んでいるというようなことを指摘しておりましたけれども、野菜の市場が、売り手市場になったり買い手市場になったり、目まぐるしいほど変化をしている。こういうふうな行き方に対して、やはり行政指導で、ある程度、一定期間安定させるということが必要ではないか、こう考えますので、この三つの点にどうお考えになるかということを農林大臣に伺い、そして最後に佐藤総理に、野菜はことしだけで、もう来年は絶対に上げないぐらいの決意のほどを伺って、私の質問は終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 指定産地、お話しのように今年度予算、追加まで入れて六百四十カ所でございますが、御承知のように、これを指定いたしましても、いよいよものになってくるのは三年ぐらいかかっておるわけでありますので、だたいまは、大体フルに発揮いたしておるのは百十カ所ぐらいだと思いますが、逐次各地においてそういうものができてまいります。したがって、いまお話しのように、それが十分に政府側の、つまり農林省側の期待に沿わないようなことであるならば、われわれは取り消しもあえて辞さないぞということを先方にもよく申し伝えて、激励いたしております。 それから、お話しのように、なるべく規格性を持つことがいいのではないか、私どもも同感でございます。それはなぜかというと、その地域においての適作ということが大事なことでありますので、できる限りはそういうふうに指導いたしたいと思っております。 それからもう一つの——何でございましたかね。
○戸叶委員 投機性です。
○倉石国務大臣 それは流通関係のことでございます。それは、私どもといたしましては、指定産地には国費を使って、補助金を出しておるわけでありますから、消費者の立場を尊重して、政府がこのようにしてもらいたいというようなことに応じられないような投機的な行動というものは、できるだけ避けてもらわなければなりません。それが……(戸叶委員「市場の投機性です」と呼ぶ)市場の投機のことにつきましては、これは御存じのように、卸屋が受け、仲買いがそれをやるわけでありますが、そこで強制もできませんけれども、もちろんスペキュレーションでなくて、比較的安定したものが出せるように、もちろん平素もやっておりますが、これからもなおそういうことに努力をしてまいりたいと思っております。
○佐藤内閣総理大臣 戸叶君からいろいろ具体的な問題をお尋ねになり、また、政府からもそれぞれお答えをいたしましたが、しかし、最後にいま農林大臣からも答えますように、なかなかすぐに効果を出しておらない、こういうような状態であります。その指定産地、それを指定消費地と直結しろ、こういう点も再検討しなければ、十分の効果があがらない。私は農林大臣にも言っているのですが、どうも畑地かんがいといって、畑についてのスプリンクラーをつけるという、それだけのことは考えるけれども、まだもっとあるのじゃないか。湿地帯の湿地を抜く、そうしてそれが畑になるような状態にしない限り、どうも指定生産地というものも拡大できないのじゃないか、こういうことまで実は言っているような次第でございまして、これらの点は、農林省も専門的に、そういう意味の畑をつくることについての積極的な指導をしておるようでございます。これは露地野菜のものでございますけれども、ものによっては、どうしても水分が多いと根が枯れますから、野菜が育たない、特殊な野菜しか育たない、こういうようなことがあるようでございます。これらの点は十分指導してまいるつもりであります。 それからもう一つ、だたいまの投機性、これはもう申すまでもなく、流通機構の整備にかかっておると思います。片一方で、消費者のほうでは消費者組合、これがよほど発達しております。それをさらにわれわれも育成していく。新しい時代の問題としてこれを育成していく、こういう態度をとりたいと思っております。これは特別な団体だ、あるいは特別なイデオロギーのもとで育ったのだ、こういうことではなしに、これはもう消費者の当然の、自分たちの保護をするというその立場から立ち上がるべき筋のものだ、かように思います。これにやはり対応しての生産者の協同組合というか、そういうものができなければならない。先ほど来の指定生産地というところでは、消費者と直結できるような生産者組合、それらもやはり対応してできるようであります。こういうことが、今度は新しい流通機構を整備することにもなる。これが御指摘になりましたような、ピーマンの値段を三十五円のところでとめた、こういうようなところにも直結するかと思います。 まだまだいろいろと解決すべき、改善すべき問題があるだろうと思います。そういう点を十分に勘案して、私はできるだけ皆さんの御要望にこたえるというか、それよりもっと消費者の利便を増進するような、消費者の生活を守るという、そういうような施設をしたい、かように考えておりますが、ただいま申し上げますように、たいへん広範なものであり、なかなかむずかしい問題だ。しかし、これでくじけるようなことがあってはならない、かように思っておりますので、決意だけを披露いたしましてお答えといたします。ありがとうございました。
○小林委員長 午後二時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後二時三十分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。 質疑を続行いたします。西中清君。
○西中委員 昨年の消費者物価の上昇は、たびたびと言われるとおりに、七・七%というまことに重大な、そしてきびしい情勢を迎えました。私ども国民も、物価の上昇に対しての政府の施策というものに対して、たいへんな期待をかけているわけでございます。しかしながら、国民の願いは毎年繰り返されてまいりまして、そのたびに私たちは裏切られてきた、こういうような思いも強く持っておる。これが政治全般への大きな不信になっておるということについて、まことに憂えるものでございます。もちろん政府としましても、数々の施策を実施するように努力をなされてきたということもあるでございましょうけれども、その実効はどうであったかということは、この数字が厳然として示しているところでございます。 まず、私は、質問にあたりまして、政府のこの物価抑制への姿勢をお伺いしておきたいと思うわけでございます。 すでにこの物価問題は、まことに古くからの問題でございまして、私は総理の談話なり、また答弁なりをいろいろと拝見をさしていただいたわけでございます。その中で、昭和三十九年の十一月には、総理は談話の中で、国民を脅かす消費者物価の上昇に対しては全力をあげて解決に取り組むと、まことに力強くおっしゃっていただいたわけでございます。そして四十一年の国民生活審議会総会では、経済成長で物価が上がれば、そこは政治の役目で、政治で物価を下げる、このように申されております。そして四十四年の八月になりますと、物価安定政策会議の初総会で、成長のためにはある程度の物価上昇はやむを得ない、このようにおっしゃったわけでございます。そして四十五年十一月の衆議院本会議の答弁では、物価問題は国民の消費態度に負うところが大である、物価の安定は国民各位の協力によると。 もちろん、この短いことばの中に総理の真意が全部あるとは私は思いませんけれども、この四つの談話を並べてみましたときに、私どもは、政治の責任においてこの物価を下げるというのか、それとも国民の消費態度というものが問題なのか、これは時代が変わったからこうなったんだというのか、はたして総理の真意は一体どこにあるのか、いまの真意はどこにおありなのか、この辺をあらためて明確にしておきたいと思うのでございます。
○佐藤内閣総理大臣 いま、三十九年以後の私の発言を追って、いろいろ御意見を交えてお尋ねがございました。私の最近の発言が、消費者の態度にもあるというような言い方で、政府の責任を消費者に転嫁するものじゃないか、こういうことを、他の席で皆さんからもおしかりを受けた、そのことは、私も記憶に新たなことでございます。 私は、この物価問題について、事実これと真剣に取り組んでまいりました。しかし、なかなか私どもの考えるようにもいかない点がございました。私は、経済成長の段階においてはある程度の物価上昇、これは許されるかと思いますが、しかし、それにしても最近の消費者物価の上昇は、これはとてもことばで説明のできるような状態ではない。国民の皆さん方は納得されない、かように私も思います。そこに政治の責任がある、かように思いますし、ことに最近、いままでの長い経済成長が停滞ぎみになっている、そういう際でありますだけに、今回の物価上昇の問題について、いままでのような態度で取り組むわけにはいかない。新しい観点からもこの問題と取り組まなければならない、かように実は思っておる次第でございまして、いま私どもが考えますことがはたして効果をあげることができるかどうか、そういう点も危惧なきにしもあらずでございますが、政府も一生懸命やるから、皆さん方もひとつ御協力願いますと、かように申し上げるのが真の心がまえであり、ほんとうの私どもの考え方であります。もちろん、政府が政府の責任を国民に転嫁する、さような考え方は毛頭ございませんけれども、政府もしっかりやるが、どうかひとつ御協力願いますと、かように申し上げるのが真の心がまえでございます。
○西中委員 総理から決意をいただいたわけでございますが、そういう総理のお話を、国民は何回も聞いておるわけでございます。しかしながら、実効はなかなか伴って出てこないというところに、国民の不信があるわけでございます。総理がそういう姿勢でなお一そう努力するという、そういうことではなくて、私ども国民が要求しておるのは、ほんとうにこの物価の高騰に対して、これは私たちの生活を守るための一つの戦争だ、こういうたてまえで政府が特別の強力な予算を組むなり、また、あらゆる施策に対して抜本的な対策を立てるということが、最も望まれておるところでございます。今後ともその趣旨において、私どもの期待をなお裏切るようなことがあってはならない、重ねて申し上げる次第でございます。 ただ、私は、こまかい点についていろいろとお聞きをしたいわけでございますが、たとえば農林省の野菜の追跡調査ということもございましたし、今回の予算にはいろんな面の予算がついておる。まことに少額でございますが、ついておる。そうした施策の中で、ほんとうに実効がどの程度出てくるのかどうなのか。たとえば野菜の問題でございます。野菜の安定供給ということは、自民党、社会党各議員から質疑があったようでございますが、私も一言この際触れておきますが、生産者の価格の補償というものは、野菜対策の最大重点施策として私たちも考えておる。ところが、現在の補償は、常に指摘があるように、農家に野菜づくりの意欲を失うような、まことに微々たる状況でございます。ですから、こうした面でも大幅な予算措置が必要と思うわけでございます。午前中に答弁があったので、この点は強く要求するにとどめますが、この点を特に留意を願いたいし、私も、農林省の追跡調査とともに、あとを追いかけるようにして実は調査をいたしました。日にちがたつと、野菜が生産地では高いと言っている間に——私は私はここに一週間はかり、これにタッチをしたわけでございますが、すでにもう生産原価を割っておる。こういうような、高い高いといわれた野菜がそういう状況でございます。したがいまして、この点を強く要求しておくわけでございます。 そこで、この安い、もう採算を割った野菜が、今度は消費者の立場に立ってみますと、相も変わらず高いわけでございます。 そこで、私がきょうお尋ねをしたいのは、卸売り市場の問題でございます。特に中間マージンが非常に高いということについては、かねがね指摘があって、私どもも奇怪に感じている一点でございますが、この問題を、私たちはなお一そう掘り下げていきたい。 特に、野菜が生産地から入ってまいりまして、そして消費者に渡る間には、新聞等でも報道がございましたように、東京市場に入った野菜が地方へ転送される。また、卸売り会社が自分の子会社に転送する。こういうような、いわゆる消費者に対する価格安定ということよりも、荷受け会社等がみずからの利益を生むためにこうした操作をしておるということが、盛んに報ぜられております。これは、ある面でいうと、この卸売り業界においてはもう公然の秘密になっている。私が聞いたところによると、たとえば静岡から東京に荷物を送る。市場は、その荷物が着くのを待っておる。これは市場の場長さんのおっしゃることです。あげて待っておるけれども、生産地が発送したとたんに、たとえばどこかの市場が非常に値が高いというと、車をUターンさせて別の市場へ持っていく。また、持ってきた荷物も今度は別の市場へ持っていく。こういうような操作がどんどんなされていく。ここに私は非常な問題点を感ずるわけでございます。 私は、この卸売り市場、特にその中にあります荷受け会社というものについて、非常な疑問を持っております。こうした問題が、この監督官庁であります農林省等ではっきりと取り締まりをするなり、転送についてきびしい条件を設けて、値段のつり上げをしないような処置を、現在実際やっておるのかおらないのか。また、どのようなことをいまお考えになっておるか。農林大臣からお聞きをしたいのであります。
○倉石国務大臣 ただいまお話のありましたような御意見をしばしば承りますので、御存じのように私どものほうでは、ただいま市場法の改正案も審議を願っておる最中でありますので、ずいぶん詳細にしばしば調査いたしております。そこで、ひとつそのほうをやっております事務当局から、いまのお話について御報告を申し上げたほうがいいと思いますから……。
○小暮政府委員 転送の問題につきましては、御指摘のように、これを放置いたしますと市場の公正な取引に支障がございますので、それぞれの開設者、東京の場合でいえば東京都の市場の取り締まり当局が、この問題につきまして十分事前に準則をつくっております。この準則に基づきまして、日ごろ自分の子会社等にあらかじめ転送するということについて計画のありますような場合には、一月前に必ず市場長に申し出て、その承認を受けるという形に相なっております。それから、生産者が初めから、荷物を一つにまとめて出しますが、この部分は神田におろさないで、三多摩のどこへおろしてくれということを、発送段階で指図したものがございます。これは生産者の指図に従って通りますので、これは中央市場長の規制は受けません。しかし、いずれにいたしましても先取り転送は、市場の取引を乱さないように、市場長において監督するという形に相なっております。
○西中委員 大体予想どおりの御返事でございますが、そういったことも実際問題としては行なわれていることも、だれでも知っている。 私は、ここで別の角度から質問をしたいのでありますが、東京中央卸売市場本場で卸売り業者とその会社の株主、特に水産業者について、どういう会社が入っておって、どのような株をどれだけの株を持っておるか、その点をわかればお願いしたいし、また、大手会社の役員がその荷受け会社の株をどの程度持っておるか、お伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 事務当局から申し上げます。
○西中委員 時間がありませんから私のほうから申し上げますと、東都水産には日魯漁業三十九万数千株。それから大都魚類には大洋漁業が百万株、同社の重役が八十六万数千株、日本冷蔵が十七万五千株。中央魚類が、日本水産が五十二万株、日本冷蔵が十七万五千五百株。築地魚市場が、日本冷蔵が十七万五千株、その他明細はわかりませんが、やはり水産業者が荷受け会社の重役なり株主なり、また会社自体が多額の株を持っているわけでございます。 これは、それぞれ理由はあろうかと存じますが、いわゆる機能の変わった会社が資本の上で同一の姿をとっておる、ないしは深い関係があるという事実でございます。この中においてはたして荷主と卸売り業者が、公正な取引がこの市場の中でできるのかどうなのか、この点について農林大臣にお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 私、いま株主構成、初めて承ったのでありますが、私はそういうことについて、私どもが監督いたしております市場の取引について支障を生ずることはないと思いますし、また、これからもそういうことについては、市場としての公共性を貫けるように、どこまでも私どもは指導いたしてまいるつもりであります。
○西中委員 市場の価格形成の上でこの生産会社ないしは大手の水産会社、これは当然、もうけるためには高く売ってほしい。卸売り業者も、これは同じマージンがきまっておるわけですから、ものがどんどん値上がりしていけば当然収入がふえる。この両者が、小売り店とか仲買い人という、小さな力しかない皆さん方を相手にして価格形成をしようと思えば、できないことはない。こういうような不自然なことが、いまの市場の中に厳然として残されておる。私はここにたいへんな問題があると思います。これは結局は、そういうことがあったならば消費者に大きな物価高、大きな負担としてはね返ってくる。でき得るならば、これは分離をしたほうがいいんじゃないか、こう言えば異論もあることも私は存じておりますが、少なくとも機能の違う会社は、やはりこれは分離をすべきではないか、こういう考えでおりますが、どうでございましょうか。
○倉石国務大臣 いまずっと何十年かやってきております市場取引の慣習をごらんくだされば、もう御存じのとおりであります。したがって、荷受け人とその間に仲買い人、そしてせりをいたしております。私はやはりそれは、なるほど売るほうと買い手のほうでありますから、それぞれの立場の利益になるように活動し合うことは当然なことだ、やむを得ないことであろうと思いますけれども、やはり需要供給の関係で、価格というものは自然に落ちつくのではないか。その間に恣意的にいろいろな問題が入ってこないようには、もちろん私どもはじめ東京ならば東京都、それぞれの関係の行政監督者が十分な監督をしていかなければならないと思っておりますが、そのように考えております。
○西中委員 そのような監督をし、また公正な取引をするということについて、それは農林大臣の期待として私は聞いておきましょう。しかしながら、先ほどから申しているような形であれば、これは往々にして話し合いということは十分できる。同じ仲間内なんだから。 そこで私は、もう一歩進んでお聞きをしたいのでありますが、東京の中央卸売市場のほかに、全国にたくさんの市場がございますが、荷受け会社の役員として、荷主とか仲買い人が入っている例はございますでしょうか、どうでしょうか。
○小暮政府委員 一例を申し上げますと、北九州では、地元の話し合いによりまして、生産者団体と小売りの団体と昔からございました問屋と、三者がそれぞれ資本を持ち寄って、中央卸売市場内で卸売り業務をやっておるというような例がございます。
○西中委員 その市場では公正な取引、公正な価格形成がなされると、このように言えますか。
○小暮政府委員 中央卸売市場におきます卸売り業務のあり方につきましては、卸売り業を営む者は農林大臣の認可になっておりますことは御存じのとおり、その者が兼業をいたします場合、あるいは子会社をつくります場合、あるいは関連するものとの間で役員を交換いたしますような場合、それぞれしかるべき行政庁がこれをチェックするという形に相なっております。
○西中委員 それではお伺いをしますが、下関の魚市場の場合は、荷受け会社の役員の中に生産会社ないし荷主または仲買い人が役員として入っておりますか、入っておりませんでしょうか。
○小暮政府委員 念のため申し上げますが、ただいままで私が申し上げましたのは、すべて現在の中央卸売市場法に基づいて農林大臣が監督いたしております中央卸売市場について申し上げました。現在御審議を願っております卸売市場法では、地方市場につきましても、今回の法案に根拠規定を設けまして、農林大臣が関係の都道府県知事と一緒に監督するたてまえにいたしてございますが、現状では、ただいま御指摘のようないわゆる地方市場につきましては、私ども直接の監督権を持っておりませんので、御指摘の点について、ただいまつまびらかにいたしておりません。
○西中委員 明快なお答えがございませんので私が申し上げますが、下関の魚市場の場合は、荷主側が六名、仲買いが二人、そしてその他が九名。もう一つ会社がございますが、これは直接私の話とは違いますので申し上げませんが、下関魚市場株式会社はこういう構成でございます。すなわち、品物が入ってきて、それを受ける側、これは荷受け会社でございます。それから、持ってくるほうの会社、今度はせりをするほうの仲買い人、これが一つの会社の役員の構成をしております。こういう場合にほんとうに正当な、適正な価格形成ができるかどうか、私どもは非常な疑問を持っております。 ここで、私は農林大臣にお伺いしたいのでありますが、こうした関係があるなしにかかわらず、卸売り業界におきましては、お互いがこうした業者の間等で話し合いなり暗黙の了解によって、不当な二重仕切り、すなわち三重伝票を切ってそのさやをかせぐというような、そういう行為をしている。または、架空名義の伝票を切って金をごまかすというようなことは、これはもう公然の秘密として、あたりまえのようにして、全国のあちこちの市場でなされているということがよくいわれておりますが、農林大臣はお聞きになっておりますかどうですか。
○倉石国務大臣 そういうお話については聞いておりませんが、ただいまお話のございました下関の市場のことでありますが、これはいま経済局長もお答え申し上げましたように、個々の件をよく存じませんが、これは御存じのように県の条例で監督されておるところでございますので、ただいまお話のありましたような件について、どのようなものであるかということについては、さっそく農林省において取り調べてみたいと思っております。
○西中委員 かつて東京におきましてはマグロ事件というのがございましたが、これもやはり、私が先ほどから言っているようなこの事例が適合するわけでございますが、政府はこのときに、こういう事件が起こらないように何らかの処置、言うならば類似の事件が全国にないかどうか、この監督をされた、点検をされた、こういう実績があったでしょうかなかったでしょうか。農林大臣。
○倉石国務大臣 事務当局から申し上げさせます。
○小暮政府委員 四十四年の二月に築地市場の水産物の部で、東都水産に不適当な事例がございました。これにつきましては、市場法に基づきまして厳重な処分をいたしましたほか、四十四年六月十八日付で卸売り業務の改善合理化措置につきまして、農林経済局長通達を中央卸売市場の開設者に通達いたしておるわけでございます。
○西中委員 先ほど農林大臣は、これは地方の問題であるからというような趣旨のお話がございました。私が先ほどから申し上げておる意味は、消費者物価の高騰につながるような問題について、いま関連してお話をしているわけでございますが、いかにも私は知らないというような態度はとってほしくない。 そこで、私は、そのマグロ事件に類似した事件が下関魚市場の荷受け機関にある、その中の下関魚市場株式会社は二重仕切りを常時やっておる、多額の不正な金銭の横領が行なわれているという疑いを濃厚に持っております。農林大臣はこれは御存じですか。
○倉石国務大臣 私が最初申し上げましたのは、山口県条例で県の監督を受けておるそういう性質の市場であるということだけ申し上げたのでありますが、もちろん大事な問題でありますので、十分調査をいたしまして、指導監督よろしきを得るようにいたしたい、こう申し上げたわけであります。 もう一つ、ただいまお尋ねのような件は、私まだ存じておりません。
○西中委員 私はここで、そのたいへんなからくりについて、証拠をもってお話をしてまいりたいと思います。 市場に荷主が魚を持ってきたときに、せりにかけます。そしてその記録が、ここにせりの現場で書かれます。これがその手帳でございます。そして、それが終わりますと、このノートに転記されます。そして、このノートに転記されたものが、こういう仕切り伝票に記入されるわけでございます。これは仲買い人請求を出すための原簿であります。仕切り書であります。そして、これと同じものを荷主に渡してせりの結果を知らせる。これが全く同一であれば、正常な仕切りであるということはいえると思います。 こういうような内容でございまして、私はこの二つの仕切り伝票を計算をいたしました。これは最後の締めが二百八十六万六千七百円、どちらもそのようになっておるものでございます。ところが、これを実際に計算をいたしますと、仲買い人に請求を出す、すなわち荷受け会社が金を仲買い人から受け取る分については二百八十九万七千六百五十円、三万九百五十円の差額があるわけであります。おそらくこれは、最後の帳じりを合わすためのこういうような不当な二重仕切りである、このように私は思うわけでございます。 先ほど私は、船を持って魚を積んでくるこの荷主と、それを受ける卸売り業者と仲買い人が一つ仲間であったならば、不正が行なわれる危険性があるということを繰り返し申し上げた。談合できる。こういうようないいかげんな二重仕切りを、農林大臣、どう思われますか。こういうことが、私は実は資料を持っておりますが、連日行なわれておる。これでもあなたは農林大臣として、私は知らぬのだ、山口県の問題なんだとおっしゃるのですか、どうですか。
○倉石国務大臣 どうも山口県の下関の市場のことでして、私はなかなかそこまで目が届きませんが、その間に私どもが期待いたしておるような、正常な市場としての作業が行なわれておらないということでありまするならば、これは私どもにとっては困ったことでありますので、先ほど申し上げましたように、実情をよく調べまして、万遺漏なきを期するように指導監督を強化いたしてまいりたい。いま御審議願っております市場法等については、やはりそのようなことも十分念頭に置いてやっておるつもりであります。これまた別な機会に御協議を願うのでありますが、いまのようなことにつきましては、十分取り調べてみたいと思っております。
○西中委員 これは共栄水産の徳鵬丸という、こういう会社の仕切りでございます。仕切った会社は、先ほど言っているように下関の魚市場株式会社です。こういうことが行なわれて、実際問題として、これが事実であったならば一体どういうことになるか。警察庁長官から、こういう事実については一体どのような罪になるか、ちょっとお教え願いたいと思います。
○高松政府委員 御指摘のような事案につきましては、一応形式的には、背任なり横領なりというものの容疑があると思います。 ただ、私ども二、三、この種の事件のいままでの経験がございますけれども、いわゆる増し仕切り、減仕切りというふうな形のものも行なわれておる。つまり荷主と荷受け会社、あるいは市場との間の契約の中身なり、あるいは商取引の内容なり、あるいは一つの慣行なりというふうなものがあって、その内容いかんによってはそういう犯罪にはならないという場合も、これはあり得るわけでございます。
○西中委員 これは昭和四十二年十二月から四十三年十一月三十日まで一年間、四国方面の五隻の船の取引に対して、不正取得した金額全部、これが記録されておるものです。この率は、取引総額三億五千六百万円のうち一・八%、六百二十二万円が、こういう二重仕切りによって不当に取得されているわけでございます。そして、これは毎日のようにあるわけでございますから、この率で単純計算いたしますと——この下関魚市場株式会社の年間取り扱い高七十億円、これは鮮魚だけでございます。それに対する一・八%ということになりますと一億二千六百万円の不正、こういうようなたいへんな問題でございます。こういうことについて、農林大臣は先ほどからおっしゃっておりますが、佐藤総理、これは一体どのようにお考えになりますか、御意見をお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 総理の前に申し上げますが、よくまだ調査してみないとわかりませんが、御指摘の事柄が、つまり取引の間における仕切り書の改ざんであるということの御指摘であって、それが事実とすれば、これは放置しておくことのできない事柄でございますので、権威あるこの国会での御議論でありますし、至急に十分調査をいたしまして、それぞれ法に照らして正当にやってまいりたいと、このように思っております。
○佐藤内閣総理大臣 いま倉石農林大臣からお答えしたとおりでございます。こういうことはよく調べまして、しかる上で処置をとる。もちろん西中君も権威のある場所でお話しですから、これはいいかげんに私どもは扱わない。
○西中委員 さらに、こうした荷抜きとは別に、ここに一つ伝票がございます。この伝票は、宝丸という荷主になっておりますが、この会社ではこの船はございません。こういう架空の幽霊船をもって伝票が仕切られて、出金をされておる。これは一つの裏口座として会社がプールをして、そして金がほしいときにといいますか、必要なときに引き出しておる、こういう事実もございます。そして、この金を仲間で分ける。ところが、ある人が初めてこの金をもらった。何の金であるかということはよくわからない。そこで、どうもおかしな金だからというわけで、会社に返そうとした。ところが、会社はそれを受け取らない。こうした事実を何とか改善したいというまじめな人が非常に苦しんで、どのように金を処理したらいいのか、いろいろと事情を聞いた結果、これはある前途有望な青年でございますが、困り果てて、昭和四十五年十一月二十日、山口地方法務局下関支局、ここに供託をしておる。金額は、一人は九千二百三十三円、一人は一万円、このようなお金をわずか一カ月ぐらいの間にもらって、そして供託をしておる、こういう事実があります。 ですから、私はここで申し上げたいことは、まじめに働く人が困るような、そういう市場において、みんながぐるになって公正な取引がなされておらない——考えてみますと、この金をつくるためには、やはりせりも高くしなければならぬ。それは仲買い人も荷受け会社も、ともに同じ会社重役をしておる。こういうようなケースがございますから、当然それは可能なんです。しかも、そこから金を抜かれて、生産者へは少なく金が送られておる。すなわち、この事実を私が申し上げておるのは、また、本日の物価のこの審査で申し上げておるのは、こうした荷受け会社の腐敗によって生産者も消費者も困っておるという事実でございます。しかもこの青年が、不本意ながらこういう金をつかまされて、悩みに悩んで供託をしなければならぬ、こういうことは、一つの地方の問題とかどうではなくて、私はやはり大きな政治の上の問題点だ、このように思うわけでございますが、佐藤総理いかがでしょう、これは。
○倉石国務大臣 事柄がまだ詳細によくわかりませんけれども、先ほどの市場の関連の問題だと思っております。したがって私は、大事なことを御指摘になりましたのでありますし、山口県当局ともよく打ち合わせまして、市場としての公的な立場を十分に当事者に理解をさせまして、多くの人々の御期待にそむかないような市場運営ができますように、厳重に監督をいたし、指導してまいりたいと思っております。
○西中委員 こういうような問題に関しまして、私は、やはり税金の上でも関連して問題があるのではないか、このように思うわけでございますが、国税庁長官にお願いしたいと思います。
○吉國(二)政府委員 ただいま突然に内容を承りまして、私、詳細を存じておりませんが、そのような取引が行なわれていることがいわば慣行化しているといたしますれば、おそらく税務署では事実を把握しているとは思いますけれども、本日の事情を税務署に通達をいたしまして、さらに詳しく調べ、もし脱税の事実があれば適正な課税をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○西中委員 私は、ここでもう一つ問題として提起をいたしたいのでございますが、いま農林大臣からもいろいろとお話がございました。私はここに一つの資料を持っておりますが、これはすでに税関のほうへ確認をいたしております。よろしいですね。これはやはり同じ市場においての取引でございますが、同じような形で荷抜きをいたしております。そして二重帳簿をつくっているわけです。そして、その取引先はどこかと申しますと、これは残念なことですけれども、韓国の船に対しても同じようにやっているのです。ちょっと総理、これを見てください。——私は、この卸売法につきまして、法はいま提案されておるからということでございますが、このようなことが、この法律でなかなか取り締まれるとは私は思っておりません。しかも一つの、この業界においての半ば常識化しておるような、特にまた、これは典型的な例であろうと私は思いますが、しかもこれは、韓国の輸入についてこのような問題が起こっておるということを、私は指摘をしたい。この点、農林大臣どのように思われますか。これは国際信義の問題として私は申し上げておる。
○倉石国務大臣 御審議願っております市場法は、かりにただいまのようなことが刑事犯を構成するものとすれば、そういうものを防ぐ対象につくっているわけではありませんで、流通をできるだけスムーズにやってコストダウンできるようにということでありますから、私ども、ただいま御指摘のようなことを全然想定はいたしておりませんけれども、市場について、監督は地方でありますから山口県、同時にまた、われわれもその監督をいたす立場におるわけでございますから、私どもは、十分にひとつ実情を調査いたしまして、多くの国民の期待にそむかないような運営のできるように、きびしく指導いたしてまいりたい。なお厳重に調査をいたしてみます。
○西中委員 先ほど来私は申し上げましたが、こうして市場の内部の機構等にも問題がある。もちろん、いまの卸売法は大正十二年にできまして、今日の社会の変化についていけない内容でございます。ですから、その法律を出すということはわかるわけでございますが、これはもう一つ、先ほどから言っているように、機構上にも相当な問題がございます。ですから、それを何らかの形で改正してはどうか、最初に私は申し上げました。その点についてもう一度、こういう問題を含めて——韓国船までごまかす、このような、言うならば国際信義上問題である。いわんやまた、お互い仲間内でせりをつり上げる、価格操作をする、さし値をする、こういうようなことが自由にできるような機構でございます。おそらく消費者とすれば、公正なせりによって公正な価格形成が行なわれているであろうと信頼すべき卸売り市場が乱脈では、たまったものじゃない。一例をあげればこのような韓国の問題まで出てくるわけでございます。総理に、この点についてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いろいろ西中君から、具体的な事実について教えられましたが、政府といたしましては至急に実態を調査する。そして取り調べなければならぬ。しかる上で処置をつける。これは先ほど来の農林大臣の一貫しての答弁でございます。これがいかにもその場のがれの答弁のようにお聞き取りをいただくと、政府としても立つ瀬がないのでございますが、私は、この席でお話でございますから、それだけの材料で直ちに政府の感覚、これを申し上げてもいいとお思いだろうと思いますけれども、政府としては、何といいましても具体的な事実について十分取り調べないと、それがまたいわゆる慣行、さようになっておるとすればなおさらのこと、それをだたしていかなければならないし、そのもとをよく調べてみるというこのことがまず大事だろうと思いますので、だたいまの資料等も十分参考にいたしますが、とにかく現場について至急に精査して、しかる上で結論を出したい、かようにお答えを申し上げておきます。
○西中委員 総理がそのように指示をしていただくのであればけっこうなんでございます。しかしながら、ここであらためてもう一度聞いておきますが、警察庁としてはこの事態をどのようにお考えになって、どのような処置をされるか、お伺いしたいと思います。
○高松政府委員 先ほど申し上げましたように、事態を調査をしてみたいと思います。だた問題は、荷主と荷受け会社との間の契約なり従来の商取引の慣行がどうであったかということが、一番問題になろうかと思います。それによってはあるいは犯罪を構成しない、こういう場合も考えられる、かように考えております。
○西中委員 国税庁は、税務の上からいろんな問題があるし、先ほど申しました関税の上からも問題があるんではないかと思いますが、その点について念を押しておきたいと思います。
○福田国務大臣 至急取り調べまして、もし間違いがありますれば適正な処置をいたします。
○西中委員 私は先ほどからいろいろとお聞きしてまいりましたが、いま物価の問題について、こうした中間における業者の問題点——もちろん、私が先ほどから言っておるのは限られた会社の、おそらくまた限られた何人かの問題であろうと思っております。全国にたくさんの仲買いの方がいらっしゃる。全部がそうであるわけではない。ただ、こうしたことが一部で行なわれる。もしもこれが、巷間でうわさされるような公然の秘密であるということになれば、私は問題であろうと思う。やはりこういう点では、卸売り市場を政府として点検をするなり、また、その点についての行政指導をするなり、こういう点については特に強く要求をしたいわけでございます。農林大臣、その点についてもう一度お願いしたいと思います。
○倉石国務大臣 その下関の問題につきましては、ただいま総理大臣からここでお話がございましたその旨を受けて、すみやかに厳重に調査をいたします。 それから、全体の卸売り市場、これはいまかかっております法律に基づいていろいろ作業していただく市場でございますが、その運営につきましては、もちろん私ども、経済面でスムーズにいかれるばかりでなくて、先ほど来御指摘のようなことがかりにもあることのないように、全力を尽くして指導、監督は十分にいたしてまいりたい、こう思っております。
○西中委員 今日まで物価の上昇の問題点としては、流通機構を改善しなければならない、こういうように、繰り返し問題点が指摘されてきたわけでございますが、おそらく総理も、この点はお考えであったろうと思います。全体とは申しませんが、この代表的な魚市場である下関の市場につきまして、私はこのように、いろいろな証拠をもってこの問題を明らかにしたわけでございますが、今後流通機構の改善について、総理はどのような決意とお考えをもって臨まれるか、お伺いをいたしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いま物価の問題がこれだけやかましい、やはり何といいましても、これは生産者、消費者、その中に立っての流通機構の問題、あるいは仲買い、あるいは卸等の問題がございます。ことに生鮮食料品がいまの一番の問題で、生活に直結する問題だというので非常にやかましくなっている、そういう際でありますだけに、魚の問題だとかあるいは野菜の問題、これは一般の衣類も同様にむずかしい問題ですが、それよりももっと、台所に直結するだけにむずかしい問題であります。したがいまして、新しい時代の新しい流通機構というものが考えられる。これがもうすでに生協というような形でスタートしている。やはりこれが、生産者の団体もこれに対応するものができるだろう。在来の中小企業、ことに小売りなどに対しての補助、援護もいたさなければなりませんけれども、時世が変わってきている、それに相応した取引体系というものが整わなければならないように思います。 そこで、だたいま問題になっておりますような点をも含めて、いずれにしても、公正な取引が行なわれるということが何よりも大事だと思います。明るみで、国民環視のもとで公正な取引が行なわれた、ここに初めて国民としても納得がいくだろうと思いますので、先ほど来あげられたような、特殊な人だけが知っておるというような事情では、これは納得がいかない。したがって、そういうような意味からも、誤解を受けないように、生産者、仲買い人、そういうものの関係がせつ然と分かれておる、対立的な立場で取引が行なわれる、こういうのが望ましいことじゃないだろうか、公正な取引というものはそういうものではないだろうか、かように、私はしろうとなりに実は考えておるのであります。それで、とにかく国民の前に、明るみに出しても何ら差しつかえない、またそこに出される、そういうような公正な取引が行なわれるということが望ましいのではないか、かように思っております。
○西中委員 そのように私が問題を取り上げましたのは、事をかまえる意味ではなくて、あくまでも流通機構というものについては、このような事件を起こす、ないしは行なっておる、こういう強い疑いを持ったわけでございまして、いわんや転送であるとか、その他仲買いの投機買いだとか、業者の投機売りだとか思惑買いとか、いろいろなことがいま消費者の、国民の大きな疑惑になっている。ですから、これは先ほどから、もしも事実ならば犯罪行為として構成するようなお話でありましたが、こういうことが平気で行なわれるならは、いわんや法の網をくぐって——先ほども運送上の問題で、ある市場に寄って次に転送するのだ、こういう運搬上の問題だというようなお話もありますけれども、やろうと思えばできぬことはないということは、また否定できない事実だと私は思います。こういうことで、国民の消費者物価というものがはね上がっておる段階において、ほんとうに真剣な取り組みをしていただかなければならぬ。総理からもいま御答弁をいただきました。こういう問題で国民が疑惑を持っておる、これが事実なんですから。事実そういう感じで、中間マージンが非常に高い、こういうように私は考えておるわけでございますので、なお一そうの御努力をいだたくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○小林委員長 和田耕作君。
○和田(耕)委員 私も、いまの西中君が問題にいたしました中央卸売市場の問題あるいはその他の市場の問題につきまして、質問をしてみたいと思っております。 いま西中君が最後に申し上げましたように、農民が、自分でつくった品物が、小売り商に行けば三倍以上の値段で売られておるというこの事実を率直に見て、どうなっておるのだという感じを持って、そのまん中にある中央卸売市場の操作について疑惑を持っておるということは事実だと思います。いろいろな人からその話は聞きます。せんだっても、私のよくじっこんにしておる鳥取の農事指導員が東京に来ておりまして、それがよく話をしておりましたところが、とにかく自分たちが出した野菜がどういうふうな仕組みでやられておるのか、ほんとうによくわからないのだ、たぶん市場の中で、卸売りあるいは仲買い等の段階でいろいろな価格操作が行なわれ、あるいは、いま西中君が言われたような不正な問題がありはしないかという疑問は、かなり一般化した疑問だと思うのです。この点につきまして、西中君とは違った立場でお伺いしてみたいと思うのです。 せんだって、四十五年、昨年の十月六日に物価安定政策会議が「野菜の価格安定対策について」という提案を出しておりますけれども、この一番中心点は、やはりこの中央卸売市場の問題なんです。というのは、ここにもありますように、「今や、野菜の全国流通量の四五・八%(四十四年)を占め、とくに、そこで形成される価格は、野菜の価格形成全体にとっての基準としての役割を果たしており、地方市場その他の経路を通ずる流通に対して極めて大きな影響力をもっている。」こういうふうに、政策会議の提言にもあるとおり、中央卸売市場は非常に大きな役割りを持っておる。午前中に戸叶委員の質問にもありましたけれども、あの農協のやっておる直接の農協の集配センター、あのようなセンターの取引の基準の価格が、やはり卸売市場の平均の価格を使っておるという話をきょう初めて聞いたのですけれども、つまり卸売市場における価格形成というものが正しい形で行なわれておるのかという問題、この問題に焦点をしぼって、ひとつ御質問してみたいと思うのです。 総理、今年初めの一月の上旬ですけれども、大根が一本二百二十円しているという報道が新聞に載りました。御記憶ですか。ちょっとお答え願います。
○佐藤内閣総理大臣 よく知っております。
○和田(耕)委員 そのときの中央卸売市場、特に築地の相場、あるいは神田市場、あるいは淀橋市場の卸売りのできた値段はどういうふうな状態になっておるかといいますと、ちょうど中心になる築地市場は六十三円です。そしてそのときの神田の市場が三十八円です。淀橋の市場が四十円。つまり同じ中央卸売市場の一番中心になる二つの市場、築地と神田、一キロぐらいしか離れていないこの二つの市場で、正月の五日の三浦大根の値段が築地では六十三円、神田では三十八円、つまり倍も違うのですね。これはちょっと、しろうとが考えてみてふしぎに思いませんか。
○倉石国務大臣 和田さんのお時間なるべく取らせませんから、その点について、ひとつ私のほうの事務当局から一青、だたいまの御説明をさせたいと思います。
○小暮政府委員 本年一月五日の初市と申しますか、初めて市場を開きました日に、御指摘のような混乱がございました。その事情を簡潔に申し上げますと、混乱が起こりましたのは築地市場でございまして、一二十八トンの入荷でキロ六十三円という相場が出たわけでございますが、実はその前の十二月二十九日に、とめ市と申しておりますが、年末年始で五日休むために、最後の市が開かれました。このときには百八十三トン、いま申しました三十八トンに比べますとたいへんな量ですが、百八十三トンが築地市場に入荷しまして、その日であと五日間休みでございますから、当時としては、生産者の気持ちとしてやむを得ず二十五円という相場になったわけです。そのことが、十二月二十九日の百八十三トン、二十五円が影響いたしまして、初市の一月五日に、築地には三十八トンしか入らなかった。そこで六十三円。しかしながら、同じ一月五日に神田、豊島、淀橋というほかの市場では、それぞれ三十八円、三十八円、四十円という相場に相なっております。
○和田(耕)委員 その数字は、私の調べた数字でも同じでございますけれども、それでは聞きますが、二十九日の一番納めの日の相場、いまおっしゃったとおり、築地の市場が二十五円です。このときに神田の市場は五十円です。これは逆に倍になっておる。神田の市場が五十円、築地が二十五円。一月の五日の相場は、築地の市場が六十三円、神田の市場が三十八円、これはどういうふうなことですか。
○小暮政府委員 神田、豊島、淀橋は、十二月二十九日にはそれぞれ三百二十三トン、二百三トン、百八十六トンという入荷でございました。神田市場五十円、豊島市場四十五円といったような姿が、年末の通常の姿であったというふうに思われます。ただ築地市場は、前年同日八十八トンのところに百八十三トンという大量の入荷がございまして、短期的に値が下がったということでございます。
○和田(耕)委員 私、この二つの数字を見まして——この二つは、日本の野菜の一番代表的な市場なんです。しかも、これが一キロ前後しか離れていない二つの市場で、このような同じ日の、同じ朝のせりが倍も違う。逆に倍になっていますね。年末には築地が半分、五日には築地が倍。こういうふうな市場の価格構造というものが、日本の全体の野菜の価格の一番標準的なところにおいて、このような二つのあまりに違いの激しい価格ができるということは、日本の現在の卸売市場というのが、野菜の需給というものに見合った標準的な正しい価格形成ができる場所であるかどうかという問題ですね、こういう数字を見て、これについて端的に疑問をはさまざるを得ないのです。これは農林大臣、どう思っておりますか。
○倉石国務大臣 和田さんと同じ御意見、ずいぶん承るわけであります。先月でありましたか、物特の委員会だと記憶しておりますが、小売り商組合長の大澤さんたちまで参りまして、ただいまのお話のようなことをだいぶ聴取され、説明されておったようでありますが、私どもが市場法の改正について、一番念頭に置いて研究いたしておるのもやはりその点でございます。 それで、御存じのように、先ほど戸叶さんの御質疑のときに、戸叶さん御自身からもちょっと農林省の統計をお出しになりましたけれども、とにかく自分のうちから百メートルないし五百メートル、よほど遠くて千メートルぐらいのところまでしか買い出しにおいでになりませんで、そして毎日買いが非常に多い。しかも、その買い出しにおいでになる奥さん方に、どういう標準で店を選ぶかということになりますと、品ぞろいであるということ、近所であるというふうなこと。和田さん御存じのように、東京都の小さな小売り店の組合に聞きましても、やはりお得意さんをとるには、どうしても五十品目以上並べておかなければだめだと言っております。御存じのとおりなんです。その間に非常にいろいろな重なったロスもあるわけでありまして、そこで、いろいろな小売り商に分配が多過ぎるのではないかというふうなことを申しておりますが、それにつきまして、最近大根、ニンジン、キャベツ、白菜、ネギ、レタス、トマト等、それぞれ詳細にわれわれが分析いたしたところを見ましても、たとえば大根で申せば、大根の高いときですけれども、六九・二%が産地段階で取っている。卸売り段階では同じときに七・二%、小売りは一五・五%、大体大同小異でございます。 いずれまた、こういう資料も和田さんにも差し上げたいと思いますが、私どもは、この中間におけるロスというものがもしあるならば、どのように省くべきであるかということを、いまの市場法改正について非常に苦労してやっておるわけでありますけれども、大体において、今日の野菜の価格構成を見ますというと、ややこれとほとんど同じ方向でできているのではないか、このように感じておりますが、なお、その中間におけるロスを省くために、研究はさらに続けてまいりたいと思っております。
○和田(耕)委員 私は、年末二十九日の築地の相場、そして神田の相場、その他東京の七つの相場の資料をとってみました。これをとった意味は、月初めに大根が二百三十円もするという、これにびっくりしたのですよ。先ほども戸叶さんのときにお話があったように、今年わりあい大根はいいのですね。つまり豊富なんですね。たくさんあるのに、たくさん出荷されてもおるのに、しかもこれが値段に反映しないというのは、この市場の仕組みにどこか間違いがある、どこか改善しなければならない点があるということに気がついて、それでこの値段を調べてみたのです。 それで、もっと大事なことは、この六十三円の相場を示した一月の五日のこれが基準になって、小売りの相場では、決してこの安い神田の三十八円が基準にならないのです。六十三円が、八百屋さんの店先に行きますと、これに小売り等のマージンが加わり——これは大体一キロの相場ですから、大根は、大きな大根になると二・五キロくらいになりますから、その二・五をかけるなりして二百二、三十円に、店屋に行けばなるのです。つまり小売り商では、大体六十三円の築地の相場が中心になって、そして売られていくわけですね。この安い神田の三十八円の相場が基準になっていないのです。こういうふうな意味で、これは単に、市場内のその日その日の集荷の状態によって値段が違うのだなんという単純なことではないのです。もっと国民にしてみれば、この築地が異常な形で値上がりした六十三円というのが基準になって、何十万という人が大根を買っている、その基準に右へならえで、たくさんの人が、安い神田市場から買った小売り商からも、高値と同じ値段で買っているのです。こういうふうな問題がありますので、こういうふうな異常な相場の出る市場機構の問題をもっと真剣に考えてみなければならぬ、私はそう思うのです。 そういうふうな意味で、重ねてなお事実をもう一ぺん聞いてみますけれども、この二十九日の二十五円の非常に安い相場、神田の五十円に比べて半値を出したときの荷受け人、つまり卸売り人が提供した三浦大根の数は、農林省ではわかっておりますか。 それともう一つ、五日の六十三円の相場を出したときの二つの拮抗した卸人が築地におるのですけれども、二つが出した出荷量はわかっていますか。
○小暮政府委員 先ほど申しましたように、十二月二十九日の築地の大根の入荷量が百八十三トンでございます。その中で三浦大根が何トンか、ただいま資料を持ってきておりません。 それから、一月五日は三十八トンでございます。
○和田(耕)委員 あそこには、中央青果というのと築地青果という二つの大きな卸人がおりますけれども、この二つの卸人がどのような分担で、二十九日とそうして五日に出荷したのかということですね。
○小暮政府委員 そこまでの資料を持ち合わしておりませんが、両者は、おおむね半々の数量を通常扱っております。
○和田(耕)委員 それでは私申し上げますけれども、二十九日には三浦大根を、中央青果は九十トン扱っておるのです。そうして、もう一つの築地青果は三十五トンです。前者に比べて三分の一ですね。そうして、五日には中央青果は二十トン、築地青果は十二トン、こういうふうな形で出しておるのですね。つまり、この数字を見ると、これはまあ、この出荷者が、年末に安かったから、年初めの五日の相場には、安くなっては困るからというので少なく出したと思います。思いますけれども、ここらあたりはむしろ荷受け人、つまり卸売りのほうが良識があれば、毎年、毎日、毎日やっていることですから、どの程度に出せばあまり異常な値段が出ないであろうというふうな見当がつくはずですね。つくはずであるのにそれをしないで、こういうふうな非常に少ない数しか出してないということが、この、いまの五日の六十三円という異常な相場を出した直接の原因になるわけですね。 こういうふうなことからいろいろなことが想像されますけれども、つまり卸売り人の価格操作はできない、あるいはやってはいない、やらせはしないということをよく農林省もおっしゃるのですけれども、人間同士ですから、毎日、毎日電話で話し合っている相手なんですから、そういうふうなことが起こり得ると想像するのは当然のことですね。先ほど西中君からいろいろ下関の市場のことで話がありましたけれども、これは当然想像されていいことだと私は思うのですね。こういうような意味で、もっと荷受け人、つまり卸というものについての地位の問題を、こういう例からも考えてみる必要がある。何となれば、先ほど申し上げたとおり、築地と神田のできる建て値、相場というものは全国に影響を持つのです。これを基準としていろいろなところの取引が行なわれるのですから、もしこういうことがないようにするためには、卸人の資格なり、あるいはこれの監督といいますか、特に資格の問題についてもっと考えてみる必要があると私は思うのですね。そういうような意味で、先ほど西中君から魚のほうの例が出ましたけれども、この野菜のほうでも、数は多くはないのですけれども、そういう例はあるのです。大きな出荷者と思われるところが卸人になっている。特に直接農協自身が卸になっているのですから、こういう場合は、農協も他の出荷者も同じなんです。高く売りたいのは同じなんですから。農協が神田の市場では卸になっています。それから、どこでしたか、築地の市場の一つの大手としては、日本冷蔵なり三井物産という会社が、この築地市場の東京築地青果という会社の大手の株主になっている。こういうようなことが、いまの卸の資格の問題として再検討されるべきじゃないか。もっと公的な、もっと公正な取引のできるような人が卸の役割りを果たすような考慮を、そろそろし始める必要があるのじゃないか、再検討する必要があるのじゃないか、こういうことを私は思うのですね。いまの西中君の質問と並んで、このような大事なところでの荷動き、値段の違いという問題の重要性から考えまして、そう思うのですけれども、農林大臣どうでしょうか。
○倉石国務大臣 二つの面からお話がございました。取引の状況、それから卸売り人の資格、両方とも大事なことだと思っております。 取引関係のことにつきましては、市場法等では、そういうことについて重点的に気を使っておるわけでありますが、ただいまのようなお話につきましては、十分私どもも念頭に置いて、当事者とも相談をいたしてみたいと思っております。
○和田(耕)委員 もう一つ、いまの年末年始の大事な中心の市場で出ている状態から私気のつくことですけれども、こういう状態が起こるもう一つの原因は、狭い市場にいろいろなことで集められた荷物の集まりぐあいによって、値段がきまっていく。そういう場所ですと一あのときはちょうど雪が降りました。五日の前の日は雪が降りました。交通の繁雑なこともありました。確かにそういう事情も、この六十三円の相場には影響しているでしょう。こういう狭いところへ現物を集めてくる。この現物を見て、仲買いが寄って、そして相場を立てる、こういうところに、ちょっとしたはずみで集荷の状態が変わりますと、その市場の建て値は変わってきます。そういうふうな価格形成という姿をそのままにしておいて、中央卸売市場の価格形成というものは適当であるかどうかという問題が出てくると思います。東京でいえば、関東地方の全域の大根なら大根の供給というものがもっと頭に入って、価格形成に入ってくるような仕組みを考える必要があるのじゃないか、こう思うのですけれども、農林大臣どうでしょう。
○倉石国務大臣 その点は、政府におきましても毎々考慮いたしておるところでありますが、御存じのように、大阪あたりはそういうことについて、また新しく北市場を建設いたすことになっている。非常によくやっておられますが、東京はいろいろな事情で、これは東京都がおやりになることでありますので、なかなか思うようにいっておりませんが、卸売市場におきましては、お話のように、広く、需要と供給を会合させて、公正妥当な価格が形成されるようになすべきである。したがって——また私とも、たまに築地、神田の市場に行ってみましても、あれは、いまの人口の半分ぐらいな東京時代の対象でああいうものができた。狭隘で、もうお話にもなりません。したがって、これを何とかしなければなりませんので、やはり私どもは、政府の助成もいたしまして、この東京都の外郭と申しますか、そういう地域に逐次そういう施設を講じて、いま和田さんのおっしゃったようなことに、大消費地である東京都民の期待に沿うようにしむけていかなければなるまい、このように思っているわけであります。
○和田(耕)委員 ちょうどいま農林大臣がおっしゃいました点ですけれども、一昨年の十二月に、中央卸売市場審議会というところで答申を出しておりますけれども、その中で、非常に力を入れて答申している一つの項目がある。もっといまの場所を広くしろ、もっと市場の中の市場というような、文字どおりの中央卸売市場の名に値するようなものを、東京のようなところはつくったらどうなんだという提案がございます。ちょうど場所も、新しい埋め立てをしている大井のあの場所に、五十万坪ぐらいの敷地でもってそれをやったらどうなんだという提案がありますけれども、こういう提案は、非常に時宜に適した提案の一つなんですね。これは農林大臣、至急にこの問題を具体化する御意思がございますか。
○倉石国務大臣 消費者物価を心配し、それからまた、市場のことを心配していらっしゃる方々、都民の多くの方々は、ただいま御指摘のような大井市場に待望しておりますが、とにかくあれは、東京都がその気持ちになってやっていただかなければ動かないことでありまして、まことに残念ながら、力及ばずして、まだそこまでいかないでおるわけであります。
○和田(耕)委員 東京都との間に、何回かもう打ち合わせをなさったんですか。
○倉石国務大臣 都知事以下の担当者とは、しばしばわがほうにおいても会見をいたしまして、多くの人々は、私どもの考え方と同様でございます。
○和田(耕)委員 それでは、格別こういう支障があるから、なかなかこの話の実現はできないのだという問題点がございますか。
○倉石国務大臣 農林省及び、先ほどお話がございましたような、私どもが市場のことについてわずらわしております学者先生方、専門家の考え方と、一致しておる方は非常に多いのでありますけれども、それが実行されるには、東京都当局がその意思になっていただかないとできないわけでありまして、築地の市場その他がみな、そういうことで東京都の管轄でございますので、残念ながらそのようにいっていないわけであります。
○和田(耕)委員 東京都の美濃部さんが反対、あるいは、もっと違った方法があるんだというようなことをおっしゃりたいわけですか。
○倉石国務大臣 東京都知事は美濃部さんでありますので、美濃部さんが了解なさるということが、最終的には一番必要なことだと思います。
○和田(耕)委員 この問題は、いまの中央卸売市場の大きな欠陥、つまり正しい価格、需給を見た正しい価格形成をする場所として、現在の築地あるいは神田の市場は不適当であるということが、先ほどから申した一つの例からもわかると思うのですけれども、何とかしてもっと便利な広い場所をつくって、この市場の問題の一つの問題を解決しなければならない、私はそう考えます。 しかし、それだけでは、いまの中央卸売市場の当面している問題は解決できないと思います。私の考えますのは、こういう一つの提案なんですけれども、品物の現物を限られたところへ持ってこなければ商売にならない、あるいは値段はきまらないというのでは、これはいかにも封建的、つまり前近代的な感じなんですね。もっと野菜の規格がしっかりしておれば、そして、たとえば三浦大根なら三浦大根というものが、あるいは神奈川県のあるところの倉庫に何トンあるんだ、あるいは埼玉県のある大根が、埼玉のある倉庫に何ぼあるんだ、この見本はこれだ、こういうふうなことで、もっと広域的な範囲の需要と供給を頭の中に入れられるような形の広域化というものが、ぜひとも必要だと思うのですけれども、農林大臣どうでしょうか。
○倉石国務大臣 私どもも同感でございます。ことに大阪は、御存じと思いますけれども、大きな市場の中に小売りのアパートと申しますか、そういうような施設をうまくやっておりますので、消費者の便宜がはかられておりますが、東京は、とにかくああいう、市場が狭隘なので、とてもそんなことはできません。そういうような点も、私どもにとってはまことに残念千万だと思っておる一つでございます。
○和田(耕)委員 いま、くだものの一部ではそういうふうな見本取引のような形でやっているんですけれども、農林大臣、この考えを、先ほど、非常にむずかしいことはよくわかりますけれども、露地野菜の範囲にまで広げていく。大根、白菜あるいはキャベツ、いま一番問題になるこの三つの品目にも、いまの見本取引のようなことができるような——つまりこれはなかなか輸送の困難な品物なんです、この三つの露地野菜というものは。輸送が困難だからいまの思惑も入ってくるのです、ある日にある場所へ集めるというわけですから。そういうものをもっと規格をきめて、そして農林省の人たちがしつかりと厳重に検査をして、そして、ある一定の規格のものが、あるきまった場所に何トンあるんだ、ここには何トンあるんだ、ここには何トンあるんだというようなことを勘定に入れての価格形成ができるような方向にできないだろうかと私は思うのですけれども、大臣、どういうように思われますか。
○倉石国務大臣 逐次盛んになってきております施設ものにつきましては、計画的なことができると思います。けれども、露地野菜では、これはできる時期もいろいろ変化しておりますし、なかなか困難なことだと思いますけれども、見本取引の場外ストックポイントというふうなことは、将来やはり、だんだん盛んにしていかなければならない施設ものについては、ぜひやってまいりたいということを、いま研究いたさしておるわけでございます。
○和田(耕)委員 私は、いま農林省でこの野菜問題について、あまり機構的に力が入ってないんじゃないかということで、事務当局の人に来てもらっていろいろ聞いたのですけれども、たしか、あの一局削減のときに園芸局をつぶしたですね。そして、あまりたいした発展性のない蚕糸の上にくっつけた。蚕糸のほうをぼろくそに言っているわけではないのですけれども、つまり蚕糸園芸局にしてしまったのです。総理の命令で一局削減のときに、これからだんだん忙しくなる園芸を、つぶしたというわけではないのですけれども、これを蚕糸のほうにくっつけた、こういうところに、野菜というものに対しての農林省の考え方の一端がうかがわれるではないかということで、いろいろ聞いてみました。聞いてみましたところが、現在、非常に忙しい中から、相当他の個所のたくさんの人が野菜に参加しております。農林統計調査部の人員の中の約二割といいますから、一万一千人の二割の約二千二百人ぐらいの人が、この野菜の作柄あるいは出荷の調査に当たっておるようです。そのほか、たくさんの農事指導員のような人が現場におります。こういう人も協力しておるようです。しかし、現在のままでは、この協力が、残念ながら野菜の需給という問題に集中して効果があげられるような状態にないという、私はそういう判断をいたしますけれども、それはどうでしょうか。
○倉石国務大臣 農林省のことについていろいろ御研究いただいておる和田さんから、そういう御批判をいただくと、まことに残念なんですが、蚕糸園芸局は間口が広くなりまして、特に、私どもとしては、たいへん活動いたしておると思いますが、それだけでは足りませんので、次官を長にいたしまして、野菜対策本部、価格安定の対策本部をつくりまして、ただいまお話のございました統計調査部、これは総理府の統計部長などでも、農林省の統計調査部の統計は国際的に非常に権威のあるものであるという御推賞すらいただいておるのでありますが、その人たちに、できるだけの余力を使ってひとつ情報の収集に協力せよということを命じました。同時に、次官が中心でありますが、蚕糸園芸局長を中核にいたしまして、経済局その他あらゆる機能を動員いたしまして、野菜価格安定のために機動的に働けるようにいたしておりますので、私どもといたしましては、この成果期して待つべきものがあると思っておりますので、どうぞ御援助のほどをお願いします。
○和田(耕)委員 それで、私、一つの提案を申し上げますけれども、たとえば二千二百人の農林統計調査員の人が、野菜の問題の情報について協力をなさっているのは事実ですね。その協力のしかたが、たとえば野菜の作付が何ぼ、あるいは作柄がどうだ、あるいは出荷の状況がどうだという、一般的な数字として協力をしているわけですね。これでは、たとえばいまの築地あるいは神田の市場であれをしている人には、一般的な知識としては入りましても、それが価格形成の材料に入ってこないのです、その資料は。学者のいろんな研究の材料にはなりますけれども……。そこで、これを結びつけるためには、いま申し上げましたとおり、野菜を、見本取引の範囲を拡大していくということでなくて、もう少し規格の検査をするということが入ってきますと、地方にたくさんおる人が、ある指定産地に入っていって、このキャベツはどういう作柄だ、その内容は上中下に分けて、上が何ぼある、中が何ぼある、下が何ぼある、あるいは大根なら大根で、三浦大根の上が何ぼあるという、権威のある検査ができると思うのです。こういう検査ができますと、これぐらいの上の大根が、ある県のある倉庫には何ぼあるという資料になってきますと、これが市場における価格形成の要素になるわけです。いまそこが切れているわけです。ただ一般的な資料、一般的な知識を注入するだけであって、大事な市場の価格形成の材料には組み立てられていない、そういうふうな点がいろいろあると思うのです。そういうことで、やはり中央卸売市場における正しい価格形成のためには、そういうせっかくの御努力をなさっておられる人たちの力を、むだだとは申しませんけれども、価格形成のために動員するという、そういう集中力が必要だと思うのです。そういう点を、ひとつぜひ農林大臣にお考えいただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○倉石国務大臣 先ほど、どなたかのお答えのときにも申し上げたわけでありますが、お説のようなことも非常に大事なことでありますので、数年前から逐次予算を拡大いたしまして、今日ではほぼ完成いたしておりますのは、米に限らず、すべての野菜その他——地方農政局が出先でありますから、その出先から、テレタイプで本省に全部集中されております。で、地方のマーケットの状況も逐次出てきております。それを中央に集めましたものを、今度は地方の市場及び生産者団体に流しております。したがって、いまどの地域に何がどのくらい存在しているかということは、全国のマーケットにおいて知り得る状況になっております。したがって、ただいまお話しのように、科学的に市場価格操作といいますか、そういうことを察知できるような仕組みになっておりますので、なお、こういうことをさらに活発に生かしていかれるようにはいたしたいと思いますが、一応いまのようにはできているわけであります。
○和田(耕)委員 いろいろありますけれども、次の問題もありますので、この程度にしておきますけれども、これを要するに、現在の中央卸売市場の占めている役割りというのは非常に重大なんですね。つまり、ここで四五%以上の取引が行なわれるだけではなく、全国の野菜流通のほとんど全体的な価格決定が行なわれる。しかし、現在の中央卸売市場では、先ほどの年末年始の例で申し上げたとおり、正しい価格形成は行なわれておりません。しかも、いろいろな問題が介在する余地があります。こういうことを直すということについて、今度の卸売市場法の改正については若干の問題が入っております。入っておりますけれども、非常に大事な問題が欠けておると私は思います。 その第一の点は、つまり、先ほどから問題になっている卸売人の地位をもっと公的なものに変えるような、そういう考慮があってしかるべきじゃないか。少なくとも今後つくる市場については——従来には、いろいろそういう問題がありましょう。いろいろないきさつがありましょうが、今後新しくつくる市場については、卸売人の地位を、会社といろんなくされ縁のないような、もっと公的な人を任命するという一つの考え方が当然入ってくる時期だと私は思うのです。 もう一つの問題は、 いま申し上げましたとおり、ある限られた地域において集まった品物を頭に置いて価格をきめるのでなくて、そのときに関東なら関東にある大根なら大根、ハクサイならハクサイ、これの状態をよく把握して、これらのものが市場の価格形成に入れるようなシステムをつくる、つまり広域的な価格形成ができるようなシステムをつくる、この二つの問題だと思うのです。 この二つの問題を、現在の卸売市場法の改正の内容の二つとしてつけ加える必要があると私は思うのですけれども、そういう考慮の余地はございませんか。
○倉石国務大臣 市場を構成いたします役員、それから問屋等、そういうもの、これはもちろん、自由経済社会のことでございますので、できるだけ安心のできるような方々に構成していただくように、私どもとしては努力はいたしますが、とにかくこの方々は、お仕事はなるほどああいうお仕事であっても、きわめて公益性を持っておる仕事でありますので、そういう御自覚に基づいてしっかりやってもらいたいと思います。 後段のほうで仰せられましたようなことについては、運営について十分考えなければならない大事な問題だと思っております。
○和田(耕)委員 もう一つ最後に、先ほど申し上げたとおり、この答申にもありますように、大体答申の考え方は、大井市場という、つまり市場の上に立つ市場という考え方のものですね。つまりここを集散地にして、東京の七つ八つの市場に対して荷を流していく役割りと、ここで正しい価格形成をする役割りのものだというふうに私は理解するのですけれども、大井にそういうふうなものができれば、大井のようなところこそ、町の業者が卸売り人になるというのではなくて、それこそもっと公的な卸売り人制度を、こういうところでは採用するという考慮が必要だと思うのですけれども、総理どうでしょうか。
○倉石国務大臣 市場のことですから、こちらがお答えいたしますが、たいへん大事なことを御指摘いただいたと思います。そういうようなことも十分に念頭に置いて、大井市場ができるだけ早くできますように、また、できるようになれば、いまのような御趣旨でひとつやってまいりたいと思っております。
○和田(耕)委員 以上で中央卸売市場の問題についての質問を終わります。 続きまして、管理価格と行政指導というような問題についての質問に移りたいと思います。 これはひとつ総理と、それから農林大臣、通産大臣、大蔵大臣にお答えいただきたいと思うのですけれども、数年前から物価問題懇談会、物価安定推進会議、物価安定政策会議と、いろいろ名前は変わりましたけれども、学者諸君の答申の中に、できるだけ自由市場、つまり競争条件を整備するというたてまえに立って、役所の行政指導を廃止しなさいという提案があったように記憶しますけれども、経企庁長官どうでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 お説のとおりであります。
○和田(耕)委員 その結果、最初にやりましたのが、農林省の——きょうは農林省のことに集中するのですけれども、牛乳の価格の問題について農林省の行政指導をやめるようにした。その結果、私は、牛乳の価格は下がらなかったと思うのです。行政指導があるときよりはむしろ上がったんじゃないかという判断をするのですけれども、農林省、どういう判断をされておりますか。
○倉石国務大臣 牛乳価格は御存じのように、市乳とそれから原料乳と分けて、原料乳につきましては不足払い制度をとっておるわけでありますが、あのために下がってきたわけではありません。需要が落ちてまいりましたので、価格は、あのころから見ると、一応下がっております。
○和田(耕)委員 その後、たとえばビールの値段の問題もありましたけれども、ああいう問題も、大蔵大臣たいへん御苦労なすったのですけれども、うまくいかなかった。ああいうことも、もっと役所として——ただ行政指導、行政介入をやるなという学者諸君の意見に何か便乗しているみたいな感じを受ける、非難されるところだけはやめて、というような感じを私は受けるのですけれども、そうでなくて、もっと積極的に介入すべきである、私はそう思うのですけれども、大蔵大臣どうでしょう。
○福田国務大臣 いまビールの話が出ましたが、酒もあり、ウイスキーもある。それで、三十九年から自由価格になったわけですが、その後の推移を見ておりますと、酒などは、末端ではかなり価格差が出てきております。ところがビールにつきましては、どうも自由競争原理というものの働きがない。なぜかというと、これはああいう寡占体制、そういうものが非常に強く影響しておる、こういうふうな見方をしておるのです。 それで、物価政策から見ますと、ビールの価格を自由化してしまった、こういうようなことになりますこと、これはちょっといま問題というか、反省しなければならぬ問題かと思うのでありますが、やはりこれは寡占体制下の価格形成、これをどういうふうにするかという角度で検討すべきか、こういうふうに存じまして、いま公正取引委員会当局等と相談をいたしておる、こういうことでございます。
○和田(耕)委員 先ほど倉石さんは、牛乳価格は下がり始めるだろうというのですけれども、あれから牛乳価格は、むしろずっと上がっているのですね。今年あたりまた、牛乳を上げるという話が出てくるんじゃないですか、農林大臣いらっしゃらないですか、事務当局の方おられませんか。
○増田(久)政府委員 四十四年の春に確かに三円上がりました。それで、本年度も一部にそういううわさが流れておりますけれども、まだ確認はいたしておりません。
○和田(耕)委員 牛乳の問題は、私は物価委員会でときどき取り上げるのですけれども、農林省の行政介入をやめたといっても、牛乳の小売り屋さんのほとんど全部は、五大メーカーの系列下にあるわけですね。この系列もきびしいですよ。販売契約がありましてね、販売契約には、牛乳屋さんの家屋敷を全部抵当に入れるのです。抵当権を取って販売契約をするのです。それほどきびしい結びつきが、牛乳屋さんとメーカーさんとの間にはあるのです。小売り店は、ほとんど全部そうなんです。こういう小売り店の構造、つまり、これは寡占体制が小売りの流通段階までずっと入ってきているということですね。こういう状態のもとで農林省が行政介入をやめたということは、値下げに対してほとんどいい意味をなさないのです。やめたところで、寡占体制がありますから、事実上話し合い体制はすぐできますから。二十円から二十三円に上げたときはそういう状態ですね。今年はないということですけれども、今後ある場合にも、そういうことはすぐ話し合いが行なわれるのです。したがって、行政介入をやめたら自由な競争条件が復活するというふうに考えることは、これは虚構なんですよ。そうではなくて、正しい行政介入があって初めて、流通過程に入ってきた寡占体制というものをチェックできるのです。 私は、相当大きな部門においてそういう体制があると思うのですけれども、お酒なんかはどうですか。
○福田国務大臣 酒のほうは、ビールほどではないと思います。しかし、やはりある程度、一波万波を呼ぶというように、一つの会社が値段を動かすというようなことになりますと、それがずっと波及していくという傾向はあるのです。しかし、それは末端へ行きますと、若干価格差現象というものが出てくる。これは何といってもビールとは違いまして、寡占体制だというふうには思いませんけれども、ビールの価格問題につきましては、これはどういう形がいいか、公取ともよく相談してみなければならぬと思ってやっておるところでございます。
○和田(耕)委員 それは、酒屋さんのほうは、牛乳の小売り屋さんとは非常に様子は違っていると思いますけれども、しかし、ここでもプライスリーダーといわれる人たちの存在、こういう価格操作というものは、すぐにでも行なわれるという体系にあることは事実でしょう。
○福田国務大臣 体制としてそういう状態にあるわけじゃないと思いますが、長い間の伝統というか、しきたりですね、それがあるものですからそういう土壌というか、そういう中で価格の自由化が行なわれたというものですから、一つの会社が値段を上げましたというと、慣習的にそれがずっと波及する、そういう癖がある。そういう癖を何とか直さなければならぬというのが、私どもの仕事であります。
○和田(耕)委員 そういう癖がある、慣習があるということですけれども、そういう癖があり、慣習がわりあい短期間に行なわれるという状態を前にして、大蔵省はこれに対して介入はやめました、自由価格にしましたということだけ申しますと、いかにも役所は自由価格、自由な競争を奨励するようなかっこうにはなるのですけれども、実態はちっとも変わらないのですよ、牛乳でもお酒でも。そうであるなれば、いままでの行政介入が悪いのは、生産者の立場を不当に——いままでは正当だったでしょう。生産者を中心に指導してきました。牛乳でもお酒でもそうです。しかし、今後は消費者を中心にして、消費者の利益を守るような形で、役所が業界を積極的に指導なさらないと、自由にまかしておけば上がるだけだというふうに私は思うのですよ。したがって、学者諸君が言うような、自由な競争条件を強化しなさいというこの意見の都合のいいところだけとって、実際は行政の責任をとるべきところはとらないというような面が出てくるという判断をするのですけれども、実は私は、現在の価格問題が混乱をする一つの大きな理由は、政府のそういう態度にあると思うのです。私は、政府がもっと責任をとるべきだと思うのです。責任をとる体制で乗り出してくるべきだと私は思うのですよ。これはつまり現在の価格政策に対して、自由な競争条件を強化しなさい、これは一つの理由があります。ありますけれども、寡占的な問題、寡占的な一つの流通問題がある問題に対しても、同じような感覚が入ってきたり、あるいはそうでないようなことが出てきたりという、その混乱があるのじゃないかと思うんですね。その問題について、ひとつもっとはっきりした態度を確立してもらいたい。政府としては、つまり正しい行政介入というあり方がどういうふうなあり方であるか積極的な、物価問題について政府自身が責任を持つんだという立場を明確にしてもらいたい、そういうふうに私は思うのです。総理大臣のひとつ御所感をお伺いしたい。
○佐藤(一)国務大臣 いまのお話は、出発点が提言から出ていますから、私からお答えしますが、確かに和田さんの御指摘のような問題、われわれも感じています。 そこで、あの提言は、こういう提言のしかたをしておるわけです。一つは、行政介入というのはいけない。その行政介入は、直接的な介入と間接的な介入とある。そうしてまた、経済政策的な目的によるものと、それ以外の他の何らかの行政目的による介入とある。これらについてはできるだけ撤廃していったほうがいいというところの意味は、たとえば事業者の数を制限したり、設備の制限をしたり、あるいは輸入の制限をしたり、いろいろと事業自体に対して統制を施す、このことが、逆に物価の上昇という問題の見地からいいますと、物価について、むしろ抑制的よりも上昇させるような機能に働く。だたし、いわゆる大企業の製品その他いわゆる寡占価格の問題は別である。これについては、いわゆる管理価格の問題ということで、逆にむしろ行政介入をすべきである、実はこういう提言になっておると思います。 でございますから、むしろ和田さんの御指摘は、そこで他の、たとえば酒税の確保であるとか他の目的であるにせよ、せっかく介入する余地があったものをはずすということがおかしい、こういう御指摘であろうと思います。だた理論的にいうと、そっちのほうの面の介入のしかたというものは、できるだけ自由化していく。そしてあと、いわゆる管理価格的なものについていかに対処するか、こういう新しい角度から別に問題を取り上げるべきである、こういう御指摘のように伺えるのであります。 おそらく、そういうふうな立場からしますれば、いま大蔵大臣が言われておりましたように、今後ビールの問題等につきましては、その業界の状態というようなものも十分調査しなければなりませんし、御趣旨の方向において十分検討に値する、こういうことになろうと思います。
○和田(耕)委員 長官の言われること、よくわかります。理論的にはそういうふうな分けた態度はできますけれども、たとえば牛乳の問題がそうでしょう。牛乳は、四つか五つの大きなメーカーの寡占体制ができている。小売り商のほうは自由にしなさいといったところで、小売り商の自由になりませんよ、もう厳重な系列ができておるから。お酒の問題でもそうでしょう。メーカーの段階では一つの寡占的な問題ができつつあるけれども、小売り段階ではそうじゃないから、このほうは自由競争にして片一方は寡占だ、こういっても分けられないでしょう。これはカラーテレビとかそういう問題でも同じじゃないですか。カラーテレビのメーカーでは寡占体制ができている。この販売事業については、次第に系列化あるいはやみ再販のような問題ができている。こういうことですから、流通段階では自由化しなさい、メーカーに対しては干渉だという、理論的に二つに分けられることが、実際の政策として分けられるかということです。そういう混同が現在ありはしないか、こういうことを申し上げたのです。
○小林委員長 和田君に申し上げます。あなたの持ち時間はあと二分であります。
○佐藤(一)国務大臣 よくお話はわかります。そこで、牛乳の問題という具体的な問題についていいますれば、これについて一体御指摘のような、たとえば再販制度であるとか、その他いわゆる流通を阻害するような体制というものがあるかどうか、そうした問題として別に検討する必要があろう、こう思います。
○和田(耕)委員 もう時間もございません。まだ幾つかの問題がありますけれども、やめます。 最後に総理大臣から……。 先ほどの中央卸売市場の問題につきまして、私、現在の状態から出てきた問題点を指摘いたしました。したがって、中央卸売市場法というものがいま出ておるわけでございますが、この問題を私が申し上げたような角度から、もう一ぺん、運営とい問題を含めて考慮してみる必要があるなというお考えであるかどうかということが一つ。 もう一つ。いまの寡占という問題についてのもっときびしい監視と申しますか、こういうようなものが必要である。つまりメーカーと小売りと離れていませんから、メーカーと小売りと離れたような立場で政策をとりましても、それはナンセンスになるのです。そういうようなものを含めて、寡占対策に対するきびしい態度をとる必要があると思うというようなことであれば、そういうことについての総理の御決意なり御感想を承りたい。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの継続審議になっております市場法、これは早く通していただきたいと思いますが、私、いまいろいろ市場の問題について考えながら、独占的な市場、そういうものでよろしいのか、やはり競争的な立場の市場をつくらなければならないのじゃないのか、そこらに一つの問題があるように思う。もう東京の卸売市場、これはつくったときは五百万の人口だ、それを目当てにしてつくった、かようにいわれておりますが、今日は千五百万人、そういうもので考えなければ市場の役目を果たさない、かように思いますので、これは早急に整備する必要がある。ただいまそういう意味で、それぞれの市場の用地取得なり、またはその他の運営方法等についても考えておるようでございます。 いずれにいたしましても、これは早急に公正な取引ができるように、またそういう意味で施設も整備する、こういうことでなければならぬ、かように思っております。 それから第二の、寡占の問題、寡占事業、こういうものに対する監督、これは行政官庁としても、行政が介入しないにこしたことはございませんけれども、どうも寡占状態だと介入せざるを得ない、かように私は思いますが、その介入のしかたもいろいろあるだろうと思います。行政官庁自身が直接入るのか、あるいは公取自身がそういうものについて、現在の独禁法のもとでどの程度介入し得るか、これもよく検討しなければならぬと思いますが、いまの状態でなかなか公取水簡単にいけないような点がありはしないか。言いかえますならば、独禁法をまだまだもっと検討しないと十二分に腕がふるえない、こういうものもあるのじゃないだろうか、かように思います。 最近の経済機構から申しまして、だんだんと大企業が出てくる。先ほど来お話しになりますビールだとかあるいは牛乳、そういうものは、きわめて少数でビールあるいは牛乳を供給している、こういう状態でございますから、これに対して十分の行き届いた監視ができるようにしなければならぬ、かように思います。それらの点は、御趣旨もございますから、それらに沿って十分検討してみたい。政府はこれと十分取り組んで、国民の、消費者の立場に立って万遺漏なきを期したい、かように決意しておる状態でございますから、いましばらくまだ時間をかしていだたかないと、いま直ちに動き出す、こういう状態ではございません。
○和田(耕)委員 これで終わります。
○小林委員長 美濃政市君。
○美濃委員 私、質問に入る前に、農林大臣にちょっとお伺いしたいと思いますが、先ほどそこで質疑を聞いておりまして、東京都は八カ年計画で、かなり大規模な市場計画を立てておると私どもは承知しておるのですが、何か東京都知事が市場問題に消極的なような表現をされたように聞いたわけですが、もう一回その点だけ、ちょっと確認しておきたいのですが……。
○倉石国務大臣 簡単な往復のやりとりだものですから、ことばが足りなかったかもしれませんが、ああいう市場は自治体のものであることは、これはおわかりのとおりでございます。そこで東京都におきましては、農林省が昭和三十八年につくりました設備八カ年計画に対応いたしまして、東京都の八カ年計画をつくっておりましたが、大井の問題につきましては、東京都はプロジェクトチームをつくって検討中と聞いております。農林省側も同じくプロジェクトチームをつくっておるわけでありまして、先方の御意見がまとまれば、わがほうにお話し合いが出てくるわけでありますから、そうなりましたら、ひとつ両方とも相談をして、なるべく早く実現いたすことにしたい、こういう経過でございますので、それをひとつ御了解願いたいと思います。
○美濃委員 まず最初に、野菜の生産確保につきまして、先ほど来、十分な生産を確保する、こう農林大臣は言っておりますが、十分な生産を確保するいわゆる生産計画、これはどのようにして立てるのか、どういう構想で生産計画を立てようとするのか、それを伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 野菜の生産確保のためには、先ほど来ここにお話もございましたように、まず第一にわれわれがやるべきことは、生産者サイドから考えましても価格の安定ということが必要である。同時にまた、食生活の好みが変わってきておりますので、それに対応いたしました将来の見通しを大体つけまして、それに合うように、しかも、その野菜の作目についてもある程度の計画性を持って生産対策をやってまいりたい。しばしばいわれておりますように、需要に見合うだけの供給をやるために、ただいまできるだけ計画性を持った生産性を増していくようにいたしたい。そのためには生産対策、それから価格政策等も併用してやっていかなければならない、このように思っておるわけであります。
○美濃委員 計画は農林省が立てると解釈してよろしゅうございますか。農林省が主体で計画を立てる……。
○倉石国務大臣 もちろん第一の素案は私どもがつくりますが、やはり予算の関係もございますので、それぞれ関係省とも相談いたすわけでありますが、主として農林省が立案に当たっております。
○美濃委員 そこで一つの問題が起きるわけですが、そういう計画に対して、従来から実需と計画があまり結びついてない。特に生産者に言わすと、これは大臣聞いておると思いますけれども、農林省の反対をするほうが安全だ、農林省の言うとおりやれば正直ものがばかを見るという考えが、生産者の間にかなり根強くあるのです。そうすると、机上プランで、実態にそぐわない計画のためにこういう状態が起きてくるのじゃないか、その計画を着実に実行すれば、たとえば過剰生産等が起きて、非常に安値が出て生産費は償えないという状態が起きるし、それを無視すると品が切れて、ことしの春先のような非常に暴騰が出る。こういうことを繰り返して——あとからまた流通の問題に入りたいと思いますけれども、今日、日本の総合の物価の足取りから見れば、野菜というものは、総合物価の平均の足取りの状態で動いたというときはほとんど少ない、限られた日数である。ものすごく安値で、とうてい再生産ができない価格になっておるか、もう一つは、ものすごい高い価格で推移してきておる。非常に変動率が高い。これを何とかしなければならぬ、物的流通の革新をやらなければならぬと私は思うわけです。既定観念ではこれはとまらぬだろう、こう思うわけです。どうですか。
○倉石国務大臣 四十六年度予算を御審議願っておるわけでありますが、私ども、稲作転換のために一つの重点を置いておりますのは、野菜の生産拡充強化をはかること、その中には、例の野菜指定産地制度の拡充を一つやっております。それから、いままでは、果樹園等では畑地かんがいをたいへん喜ばれましたが、野菜にはなかなかそういうことを希望されなかった。しかるに今度は、予算編成にあたってかなり地方から希望がございましたので、畑地かんがい施設を積極的に野菜にもやります。それから、集中管理施設園芸団地の造成をしてまいりたい。それから、いまお話しの野菜集送センターといったようなものに力を入れて編成をいたしてまいろうといたしておるわけでありますが、私ども、いろいろ御批判もございましたけれども、長い時間かけまして、一応地方地方の実情を十分に地方の農業団体や自治体の長とも御相談をして、いわば地域分担的な研究をいたしました。ああいうものに即しましても、やはりその地域にできるだけマッチしたような野菜生産をやってまいりたい。 そこで、野菜というものがいままで従的なものでございましたが、従ではなくして、主要な農作物の中に考えて、ぜひひとつその生産を確保するようにいたしてまいりたい、こういう方向で考えております。
○美濃委員 しかし、そういう政策ももちろん否定はいたしませんが、この段階で、やはり需要と供給の組織的計画化というものが必要だと思うのです。テーブルプランで立てた計画だけを進めてみても、これは実用から多少離れているものが出てくる。ですから、市場を中心とした需要と供給の計画的組織化という市場の構成をひとつ考えなければならぬと私は思うわけです。そういうものなくして、ただ安定安定といってみても、行政的につくった計画というものは、やはり実際の動きと離れる場合が出てくる、こういう実例があると思うのです。 流通問題で特に考えなければならぬのは、そういう形態をたどっておりますから——ここに物価安定会議から出ておる提言、これはこのとおりだと思うのです。一つは「卸売価格の変動の現象は小売マージンを高くする要因の一つとなっている。それは、小売商が短期的にはかなり硬直的な値決めをする性向をもち、その場合、卸売価格の短期的変動に伴い生ずるリスクを回避するため、仕入価格の比較的高い水準に合わせて売価を定めようとするからである。」これは確かに現象としてあると思いますね。市場がかなり下がっても、小売り値は下がっていないという現実はあるわけです。先ほどからもいろいろ話があったわけです。こういう現象を解消するには、やはり絶えず供給と生産というもの、それから年間の計画だけでなく、日量の出荷が計画的に——ある日はその市場の需要額の倍も出る。ある日は出したあとは全く切れてしまう。先ほどもどなたか大根の話があったようにあるときは百何十トンも入った。そして荷物がなくなって、近い日限の中においてそれがほとんどもう一〇%ぐらいしか入ってこない。そのときは暴騰する。これでは需要側の消費者も非常にありがた迷惑だし、生産者にもそういうことが出てきておる。そういう面は、計画的に市場の大体——日量の消費の要求を把握するというところまで、これは行政がなかなか入れないでしょう。年計画ぐらい立てておいて、おおよそこれくらいが要るだろうという生産計画を立ててみても、そういう具体的なものは、どうしても今後市場が中心になって、需要供給の組織化、計画化という段階に入っていかなければ、この問題は私は解消されないのではないか、こう思うわけですが、どうですか。
○倉石国務大臣 御存じのように、指定産地は四十六年度で六百四十でありますけれども、これはもう指定産地を指定いたします間の調査、それから、指定されまして実際に移っていきますにも、御存じのように三年間ぐらいは経過いたすわけでありますから、六百四十指定いたしましても、フルにその能率を発揮いたしておるのは、さだかに記憶いたしておりませんが、百十ぐらいかと思います。これから着々その指定産地の効果をあげてまいるわけでありますが、指定産地は国がいろいろ補助をし、めんどうを見ておるわけですから、そこの指定産地の作物につきましては、一定量義務的に、指定しておる消費地に配送しなければならぬことも御存じでございますし、また指定消費地も二カ所ふやしまして、たぶん全国で重要指定消費地が七カ所になっておると思いますが、そういうふうな大きな意味では、計画的にやっております。しかし、それは指定産地、指定消費地のことでありまして、消費者が需要する品物につきましては種々雑多でございます。したがって、そういうことの需要と供給にうまくマッチするには、ただいま御指摘のありましたように、市場がやはり大事な役目をいたすわけであります。したがって、私どもは地域分担というふうな日本の農業地図を作成いたしますにしても、あれは独断ではいけませんので、地方の県知事がそれぞれ、まあ北海道で申せば道知事が、北海道の将来の農業について、地区的に非常によく分けて計画をお持ちでありますが、そういうものを参考にする。それから、その地区地区における農業団体の将来の展望等についても、それを取り入れる。そのようにいたしまして、農林省の出先がそれらのデータを技術的に集めまして、もう何らの作為を加えずにコンピューターでたたき出したものが、ああいうものでございます。 したがって、あれを発表いたしましてから日がたつに従って、初めいろいろ御批判がありましたけれども、やはり、なるほどこういうことだろうな——私どもは、これを決して強制しようなどという意思はございません。ガイドポストでありますから、できるだけこういう貴重な計算のもとに出てきた方向をひとつ尊重してやってもらいたい、こういうことで、基盤整備、構造改善等、ああいうものを参考にして、農林予算の中に四十六年度も当初組んでおるようなわけでございまして、いまお話しのように、私どもといたしましても、国民の食べものに対する好みの変化を洞察いたしながら、将来もやはり地域的に、なるべくその地域に合うようなものをつくってもらい、同時に、こちらの希望しておる消費地のほうに出てまいることのできますような、そういう仕組みを逐次養成をしてまいりたい。国家の財政で補助しておるものでありますから、そういう精神を尊重せずに、間違ってかってなことをおやりになるようなところはきびしく、あるいは指定を取り消すこともあるかもしれません。そのようにいたしまして、やはり計画的に生産を続けてまいりたい、このように思っているわけでございます。
○美濃委員 ただいま好みというお話がありましたが、調べてみると、日本の野菜の品種はかなり多いですね。そこで、質的に違うものは当然時期別、品種別に需要量があることは、これは絶対に必要でありますけれども、たとえば、同系列のもので若干アイデアの違うものを一つの品種として——まあ市場に出てくるのは三百数十品種と聞いておりますが、こういう品種について、種子生産の上や何かで、同系列の、栄養価も味もそう変わらない、ただアイデアだけが変わっておるのだというような品種を統合して、多様化を抑制する指導をお考えになっておるかどうか。それとも、多少のアイデアの違いでも、もう三百五、六十品種から四百品種になっても、何ぼでもこれは多様化していくことが正しいとお考えになっておるのか。これはやはり生産経費のコストの上からも流通の上からも、そういうことになると、どうしても割り高になるわけですね。コストダウンはなかなかめんどうになると思います。そうすると、そういう多様化というものに対する政策指導のかまえですね、それはどうお考えになっておるか。まだまだ多様化することが必要なのか。それとも多少同系列で味やあるいは栄養価のそう変わらないものは、やはり抑制して品種を統合することが流通や生産の改善になるのか。どの方向をお考えになっておるか。
○倉石国務大臣 それはつくられる方の、まあ理屈からいえば御自由でございますけれども、あまり少量のもので、そして少数の好みのものしかないようなものは、やはりそろばんがとれませんので、おのずから生産者も、それから生産者団体も、そういうものについては自制していくのではないかと思いますが、何しろもう、大体指定野菜として指定いたしております十数品目というものが、大ざっぱに申しまして一般大衆が一番好まれるものでありますので、いま全国の傾向を見ておりますと、特殊な地域で特別な、独特なものをかかえておられる以外は、大体いま申しましたような傾向ではないかと思っております。
○美濃委員 その傾向でなくて、農林省としての指導のかまえがあればということを聞いておる。指導理念です。どういう方向へ指導しようとするか。
○倉石国務大臣 需要が安定しておって、そして供給しておるほうの側から見ても農業生産として十分にペイできるような、そういうものが安定してつくられることが望ましい。しかし、特殊なところもあります。たとえば、食いものではありませんけれども、最近著しい伸びを示し、また所得が非常にふえてきたのに花がございます。これなどは、愛知県などへ行ってみますと、いままで野菜をつくっておりましたものよりもはるかに所得が多くて、またしかも、これが非常に盛んになっている。あえて私どもは、そういうことについてとやこう申しません。それはそれなりの、やはり農家の所得がそれで安定しておればそういうものもやるべきであるというので、四十六年度予算には、たしかそういうところを八カ所くらい、お手伝いをして、そういうものを盛んにさせるようにいたしておるわけであります。
○美濃委員 経済企画庁長官にちょっとお尋ねしますが、文化国家の国民総所得の中に占める標準カロリーの食費あるいは住居費、こういう比率というものに対して、経済企画庁として大体標準はこうあるべきだというものがありましたら、お聞かせいただきたい。
○佐藤(一)国務大臣 いまエンゲル係数でお答えする以外にはありませんが、御存じのように、エンゲル係数は非常に低くなってまいりまして、大体三二、三%、先進諸国並みのところに来ております。それで、カロリー計算とか、そういう具体的な計算によるところの水準につきましては、これは国民生活審議会なんかでもっていろいろな試算をいたしておりますけれども、まあ今日の全体の日本人の食生活というものは、相当高度になっていることはたしかであります。もちろん、内部におけるアンバランスであるとか、なおいろいろと問題はございますけれども、全体としての水準は相当のところに来ているということはいえると思います。
○美濃委員 参考のために、その他はどうですか。住居費、そういうものは……。
○佐藤(一)国務大臣 これは四十三年度の生活白書でございましたか、よく話に出ておりますいわゆる国民の福祉水準ということで試算をしたようなことがありますが、住居なんかについては、残念ながら、まだ相当おくれております。こうした水準を高めるということが、まあわれわれの政策の大きな目標に当然なってくるわけであります。
○美濃委員 いまの長官のお話は実勢ですが、実勢と計画とはどうですか。あるいは長期に対する七〇年代の計画、そういうものは、どうあるべきだという計画がなければならぬわけです。実勢は実勢として、実勢と計画は全く一致しておるというお考えかどうか。
○佐藤(一)国務大臣 これにつきましては、御存じのように住宅には住宅の計画があり、いわゆる一世帯一戸というような目標を掲げております。それぞれ必要に応じて政策目標は持っておるわけでございます。ただ、非常に具体的なこまかいものについて、すべて整っておるわけではございません。結局、全体としての所得水準というものが昭和五十年において、新経済社会発展計画において、御存じのようにGNP一人頭で四千ドル。ですから、所得にいたしますと、大体その八割くらいのところの水準のものを目ざしておるわけでございます。やはりそうした国民の一人頭の平均所得が高まってまいるということは、当然いま御指摘のような内容がそれに伴ってくるわけでございます。個々の物的なものについては、その行政投資の目標を五十五兆円というようなものをきめておりますが、それらが具体化されて、そうした高いものが結果としてできてくる、そういうことになっております。
○美濃委員 次に、お話を聞いておりますと絶えず生産出荷の安定を言われますが、これはいわゆる農林省の計画に従って生産した場合ですね。そうすると、大体のかまえとして野菜価格安定法は、あるいは業務方法書は、どの程度改善しようとするのか。いまの野菜価格安定対策というのは、予算をつけても、制度を直さなければ不需要額になってしまうと思うのですね。大体補償するに足らない。いわゆる国が主として計画を立てるということになると、その計画が過剰だった場合の責任は当然国が負うべきだと思うのですが、そうなるとちょっときびしくなりますから、表現はそういう道理になると思うのですが、そういうかまえの上に立って野菜の価格安定対策、現行の制度では、これはとても——生産過剰になって、あの程度の補償をしてもらっても、直接生産費すら、労費にはならぬのですから、結局は再生産不可能の状態におちいります。ですから、もっとどう改善するのか。いろいろ農産物の価格安定制度も十分とは言えませんけれども、しかし、農産物価格政策の中で労費が加味されてないなどというようなものはないが、現在のあの制度では全然労費なんかはもう加味されない。直接かかった経費すらがなかなか困難ではないか、あの方式による、あの業務方法書による廃棄の補償を受けても。これはどの程度思い切って直そうとしておるか、アウトラインをお聞かせいただきたい。ただ、やりますという表現はわかりましたけれども、中身がさっぱりないのですから……。
○倉石国務大臣 いまちょっとお話の中にございました廃棄のお話ですが、あれは実はわれわれが発明したわけじゃありませんで、外国ではああいうことをよくやっておりますので、わが国でもやはり価格補償のために必要ではないかというので初めて予算を組みましたが、幸いにしてああいうことをやる必要がなくなったものですから、実施はいたしておりませんでしたが、一般にはちょっと不評判のようでございました。けれども、私は将来の農業というものを考えてみましたときに、稲作転換等で、しかも国民の需要がますます増大してまいります野菜関係については、やはり安心して生産ができるように、しかも需要と供給がマッチするようにしてもらうためには、ある程度の考え方をやらなければいけないではないかということで、いまどういうことを考えられるかということにつきまして、ただいま持っております制度を一応基礎にして検討を続けておるわけであります。
○美濃委員 その検討は、現行制度は大臣おわかりのはずですから、構想としてかなり前向きにあれを改善する、その構想をここでちょっとお聞かせ願っておきたいと思う。構想としては、あれでは足りないからかなり前向きに直していくという発想である——結果は、まだ検討中であれはけっこうであります。発想だけをちょっとここでお聞きしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 去る十六日に、全国知事会をはじめ農業団体等二十五団体の代表者全部に農林省に集まっていただきまして、将来の農業生産対策協議会というりっぱなものをおつくりいただきまして、それで専門部会もつくられまして、稲作転換して将来の農村をどうしていくかということについて、たいへん御熱意をもって検討していただくことになりました。まことにありがたいことであると思っておりますが、そういう中で、ただいま申し上げましたように、やはり転作作物としての一つの有力なものである野菜でございますので、そういうところで、ひとつ十分専門家の方々の御意見も徴して検討いたしてまいりたい。私は形の上でそれの座長をつとめておりますので、あまり先走ったことを申し上げてしまうことはいけませんし、また別にそういう構想もないわけでありますが、申し上げましたような方々が集まって鋭意検討を続けていっていただくわけであります。
○美濃委員 先ほどからも話がありますように、私が申し上げておりますこともそうですが、今回出ております卸売市場法ですね、具体的な内容はいずれ別の日程になりますけれども、これらは需要と供給の組織的な計画化とかあるいはそういう点から見ると、内容は、私どもが見ると不十分なわけです。これはいろいろこれから審議の中で、不十分な点はやはり、意見の一致する点は修正する用意があるかどうか。法案全体は、現行法から見ると改悪ではないと思いますけれども、非常に問題になっておる点が解消されるに足る市場法の改正について、もっと市場が供給の計画的な組織とか日常のそれができるように、市場の構成もやはり生産と業界とが結合した、結びつきのある市場の運営体系に持っていかないとそれはできないわけですね、ばらばらでは。そして片や、せっかく多くの投資をして大市場をつくりながら、片や生産者とスーパーが直接結びついて、そのほうがいいんだというようなのは、私どもはどうかと思う。大きな市場を持つ以上は、市場を通すことによって生産は安定され、再生産は確保され、計画的な出荷ができる。それがスムースに消流体系に乗る。それはスーパーであっても、そこから仕入れを求めることが一番確実だ。一元体系にすることが、需給の体制なり、あるいは生産の確保なり、日々の計画的な出荷なりというものが一番計画的に行なわれると思うのです。ロスのない体制ができると思うのです。そこまで市場性というものを高める必要があるのではないか。生産とスーパ一が直結することが悪いというんではないんですよ。そういう煩瑣なものにある程度ウエートを置く状態も起きておりますから、それを否定をいたしませんし、それをやめろというのじゃないが、市場というものはもう少しそういう機能を持った体制にしなければならぬのではないか。それが物的流通の核心であろう。最近新聞を見ておると、政治の老化公害ということをどこかの新聞で見ましたが、発想というものは少し若い気力を持たぬと、年とった方の発想は老化しておるんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○倉石国務大臣 市場法についてたいへん御理解のあるおことばをいただいて感謝しておるわけでありますが、いずれ農水のほうでまた、詳細に御援助願えることだと思っております。 御指摘のように、私どもずっと昔からのことを見ておりましても、物資というものは、わが国のようなこういう経済社会におきましては、やはり市場というものを合理的に活用するということが、お話しのとおり必要なことでございますが、あれを農林省が決定をいたしましてから新聞に発表いたしまして、それから一般の有力紙、それから業界紙と称せられる人たちも、ずいぶんいろいろな批判をお書きいただきました。できるだけそれを見ておるわけでありますが、いわゆる業界紙といわれる方々の論法を見ておりますと、一つは問屋サイドでものを見る方がある。仲買いサイドでものをごらんになって批評される。それから生産者側、消費者寄り、それぞれそういう立場に立って御批判があるようでありまして、それを総合してみますというと、なかなか参考になります。ただいま御指摘のとおりでございますが、それやこれやをあわせてみると、今度の案というところがうまくできているじゃないか、正直なところ、そんなふうに感じておるわけでありますが、逐次取引状況等も、需要供給の関係で変わってまいりますので、私どもは、法律というのは化石ではないのでありますから、逐次改めることにやぶさかではございませんが、いまのところでは、たいへんよくできている原案ではないか、こう思って、あれが成立することを楽しみにいたしておるわけであります。
○美濃委員 せっかくつくって出したのですから、大臣はそう言わなければならぬと思うが、これはいずれ別の機会にします。 次に、物価安定といいながら、政策を見ておると、物価不安定の方向へ動いてくるものがありますね。流通か高くなる。それは一つは、ここで申し上げたいのは米です。これは特に大蔵大臣も毎日お米を食べておるのですから。 いま東京都における自主流通は、政府払い下げから見ると、一万二千円ですから、約四千円ぐらい高いわけですね。政府の二重価格——余剰米の管理、そういうものを除いて価格上の二重価格ですね、これを引いても、事実上、六十キロ当たり約三千円ぐらい高くなるわけですね、自主流通を進めると。最近主婦連や何かが、物統令を廃止して、そうして米を自由体系にするのは、価格が値上がりするから絶対反対であるという、これはもう一般的世論ですね、御存じのように。これはもうかなり、米を自由の体系にすれば必ず流通経費が上がる。生産者価格は上がっておりません、大体政府買い入れ価格ぐらいで余剰米を集めるようですが。 それからもう一つの流れとして、政府の払い下げた米の中のいい米は、これは自主流通といえないわけですね、やはり配給ルートに乗っておるから。やみ米と私どもは通称言います。いい米は精白にして、そしていわゆる高い価格で売れるような機構になっておりますから、その動きがかなり目立ちますね。どこからどこまで何ぼかということはちょっとできませんけれども、こういう現象が起きて、結局はこういう政策を続けていくと、政策としては物価を論じながら、行なわれる政策は現実にその流通経費が増大する方向へ、主食の米なぞが改悪されていく。これははっきり実績から出てきたわけです。これをどのようにお考えになっておられるか、両大臣からお願いしたい。
○倉石国務大臣 もう申し上げるまでもなく、おわかりのことでございますが、自主流通には政府が特別な援助を与えておりませんから、普通の配給米とその点においては違うことは、もう御存じのとおりでございますが、しかし、消費者米価につきまして、いまのお話のように、物統令の適用を廃止いたしますのは、これはもうしばしば政府が申しておりますように、画一的な価格規制を改めまして、品質に応じた価格形成をはかりたい。今日のような何でもあります時代に、消費者の好みに応じて対価を払って、自分の好きなものを買えるという時代に、主食である米については、いまだに、たとえは宮城県のササニシキをほしい、そういいましても、 いま入手するすべはございません。私は、これはおかしなことだと思うのです。七百万トン以上のストックを持っておって、しかも何でも選択が自由な時代に、私はやはり一この間も、実は私のところへ農業団体の方がおいでになりまして、自分のところの米は日本一の自慢のつもりでいるのに、いまだにそういう銘柄についてのお励ましの手段がとられないのは一体おかしいではないか。−新潟県なんかでもそういう話をしております。 私ども、やはり今日のような時代に、ストックが七百万トンもありますような時代でこそ、やはり消費者のサイドから考えて、消費者の好みに応じたようなものが、御希望のように手に入ることが望ましいんではないか。そこで、できるだけ大口精米なぞをつくるようにいたしたいと思うのでありますが、御存じのように、関西はまことにうまくやっております。大口精米は大阪なんかでもたくさんありまして、いまでも自主流通をじょう、ずにやっておりますが、残念ながら関東のほうは、大口精米というのは一軒か二軒しかございませんで、したがって、大口ができまして、好みに応じたものを袋詰めにしてやるようになれば、私は、消費者が好まれるものが手に入るようになるんではないか。そういうことのためにまず物統令をはずすべきであるということでありますが、いまちょっとお話のございました価格のことでございますが、政府といたしましては、とにかくそういう状況に応じて、いま政府の操作ができ得るストックを持っておるわけでありますから、十分にそういう措置を講じなければならぬと思っておりますし、どうせいたしますにつけても四十六年産米の出回るころまででありますから、それまでの間には、皆さん方のお知恵も拝借いたしまして、できるだけ競争原理が採用されて米価水準は上がらないように、最善の努力をした上でやってまいりたい、こう努力しておるわけであります。
○福田国務大臣 いま農林大臣からお話し申し上げたとおりに、私も考えておりまして、つけ加えることもないと存じますが、別のことばで言いますと、お米はいま統制下、管理下にあるわけであります。統制経済というものは、これは大きな経済原則にのっとらないと持続できない。米の価格面を申し上げますれば、これは申し上げるまでもないんですが、うまい米は高く、まずい米は安く、こういうことが私は経済原則だと思うのです。ところが、いまの管理体制下では、うまいものもまずいものも、これは一緒だ。厳格には一緒じゃありませんけれども、大まかにいうと一緒の価格で販売されている。ですから、どうしてもそこにやみが起こるわけです。いま現在の管理体制下でも、うまい米に対しましては、法令に違反しますけれども、高い値段がついている、こういう状態です。それを本然のあるべき管理体制に直すには、価格問題をつまり管理体制の中に取り入れる、いわゆる価格メカニズムというものがここへ入ってくるということでなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。私はそういう意味において、物統令を廃止するということはおそきに失するというくらいに考えておるのです。 それから、この問題は、米の管理体制上重要な生産調整に非常に関係を持ってくるわけです。つまり生産調整は、いま農林省を中心に一生懸命やっておりますが、やはりこれは基本的には生産者価格、これが、うまい米は高く政府が費うが、まずい米は政府がそう高くは買いませんよということになりませんと、基本的な解決にならない。そこで、政府においてはずいぶん品質格差、銘柄格差、こういうもので大幅に値幅のついた、そういう格差を設定しようという努力をしておったんですが、これは皆さんもよく御承知のとおり、今日のような状態ではない。そこでできるためにはどうするか、こういうと、やはり消費者米価を自由にして、そこで銘柄を国民全体にきめてもらう。銘柄による格差というものをきめてもらう。そこで初めて生産者米価の格差も、これが解決するのです。これは需給調整というか、生産調整上非常に大きな役割りをするであろう、こういうふうに思うわけでありまして、結論的に言いますれば、私はもう物統令の適用廃止、これはおそきに失し過ぎたと思います。また同時に、いまお話しのような、国民がこれによって不安を持つとは思いません。もし需給が逼迫しているときにこういう措置がとられると、これは私が申し上げたような現象にはなりませんけれども、とにかく七百万トンの古米をかかえておるという態勢下において、これは心配はない問題である、かように確信をいたしております。
○美濃委員 需給上の問題よりも、価格が現実に上がりますね。きょうは物価ですから、生産調整や何かは、いずれ農政の場で申します。それは農業政策です。とにかく現実にかなり高い。中間経費が高くなるわけですね。これは物価安定とは逆行します。それはどう考えておるか。それはやはり、食管のほうが安定的に国民に供給されるということ。もう一つ、これは物価とはちょっと離れますけれども、非常に心配ですから御意見を伺っておきますが、農薬を禁止すると、これからの米についても、米だけに限りませんけれども、食味よりは耐病性でないですか。米についてのみ申し上げると、モチ米は非常にいもちに弱い。通例食味がいいといわれる米は、やわらかくて粘りのある米です。品種としては耐病性に欠けてきます。農薬は使ってはならないというのです。そういう矛盾した政策をとっておると、いもち病あたりも、一たん田にかかるとあとへ何か痕跡が残りますから、いまきつい農薬を使って——いもちというのはそうないですけれども、あれが出だすと圃場に残るわけですね、稲わらや何かに。そうすると、翌年もいもち病が発生しやすくなるんですよ。そうすると、病気のために、いまは過剰だけれども、とんでもない減産になってくるということも起きるので、農薬を使ってならないという公害上の制度をしくようになると、品種については食味よりも耐病性ということが政策に入ってこないと、農民はやりようがないということになりますよ。無理なことをいわれて、農薬は便ってはならない、そして食味にこだわって耐病性のないものをつくれ、こういうことになると、そこにもう相いれざる矛盾が一つ出てくるわけです。こういう点は十分注意してもらわぬと、その政策上の大きな矛盾を押しつけて、そのために、いまは余っておっても将来取り返しのつかぬような状態が起きないとはいえませんから、やはり政策というものは一貫しておってもらわなければ困ると思います。農薬を公害上使ってならないというなら、作物は耐病性ということをまず考えてもらわなければならぬ、こうなると思うのです。
○倉石国務大臣 農薬につきましては、ただいまお話しのような問題で、ウンカが発生したというふうなときにBHCを使いまして、なるほど殺虫にはたいへん効果があったが、残留して牛乳にえらい被害があったという事実がございます。そういうようなことで、私どもとしては、農薬取締法の改正を先般の国会でやっていただきました。そこで、ただいまは御承知のように、鋭意そういう害を伴わない農薬の開発について努力をさしておるわけでありますが、いまお話しのように農薬は使ってはならないということは言っておりません。指定いたして、使ってはならないといっているのはBHCでございます。したがって、そういうことのために起きるであろう危険性については、美濃さんと同じように、われわれも十分警戒をいたさなければなりませんので、生産者サイドから見まして、そういうことは十分念頭に置いてやってまいるつもりであります。
○美濃委員 最後に、これから肉の需要がふえますが、特に牛肉、まあ豚肉もそうですが、とにかく肉の流通が、大体野菜と同じように中間マージンが非常に多くて、特に国民栄養の上で非常によろしい牛肉が、卑近なことばでいえば絹もの価格である。生産者価格はそう高くない。どうなるのか、市場へ出てくるとものすごく高い。これはやはり、そうした米作転換等から畜産へとこういってみても、なかなかそれは一貫した流通の体系もできておりませんし、これをどういうふうに流通体系を変えるかということは、非常に大切だと思います。これについて、いま私どもは私どもなりの考えを持っておりますけれども、いま政府としては、肉類の流通改善はどう考えておるか、これを伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 御存じのように、稲作転換から転換先作目の中の非常に有力なものとして、私どもはいま御指摘の肉、酪農に力を入れようといたしております。酪農のお話がございませんでしたが、ついでに申し上げますが、酪農についても私どもは力をうんと入れなければならないと思っております。 肉のことでございますが、御存じのように、食生活の変化に伴いまして需要がますます増大いたすと見込まれますので、牛肉価格の安定をはかるためには、国内の牛肉供給の増大をはかることが第一と考えてはおりますけれども、わが国の肉牛の飼養は、昔の役肉利用から肉専用への移行の過程にございまして、飼養規模が今日なお、御存じのようにきわめて零細でありまして、その生産基盤も弱体でございますので、生産基盤の強化、肉用牛資源の維持増大、肉用牛飼養経営の合理化などの措置を講じてまいっておるわけでありますが、近年牛肉生産は、たいへんな勢いで増大傾向を示しております。ありがたいことであります。その価格も、四十三年までは年々上昇を見ましたが、四十四年にはやや低下傾向を見せて、その後おおむね現状は安定いたしておることも御存じのとおりでありますが、これらの生産面の対策とあわせまして肉牛の生産——農家所得の安定が牛肉の安定的供給をはかる上に必要でございますので、主要生産県におきまして、四十五年度から国及び都道府県の補助のもとに肉牛子牛及び乳用雄牛の価格低落に際しましては生産者に補給金を交付するなど、肉用牛価格安定事業を実施いたしております。四十六年度にはさらに対象県をふやしてまいって、この事業を拡大してまいるつもりでございます。先般私のほうでつくりました地域分担等につきましても、この肉用牛のことについては特段の力を入れておりますことは御存じのとおりでございます。
○美濃委員 以上で、大体時間が来ましたので質問を終わりますが、きょう申し上げた特に生鮮野菜関係の安定をはかるためには、やはり予算措置が必要だと思うのです。それらの政策に対して、大蔵大臣はひとつ、少なくとも農林省が要求するものは一〇〇%評価する、この一言をいただきたいと思います。
○福田国務大臣 まあ一〇〇%というわけにもまいらぬかもしれませんが、できる限りの努力をいたしたい、かように存じます。
○小林委員長 次回は、明二十日午前十時から連合審査会を開催することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会