物価問題等に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/11
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、委員長より一言申し上げます。 本日の会議では、公共料金の物価に及ぼす影響を中心として、郵政大臣の出席を求め、これに質疑をしたいという申し出が委員数名の方よりありましたが、郵政大臣は、本日都合がつかず、出席できないということでございました。 その御返事を得るまでの間に、委員長としてはふに落ちない疑点がございましたが、この点につきましては、先ほどの理事会の申し合わせによりまして、委員長より本問題の究明をいたしたいと思いますので、この点御了承をいただきたいと存じます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)委員 きょうはせっかく大臣がおいででございますが、実はその前に、通産省の官房長にぜひお尋ねをしなければならない点がありますから、お答えをいただきたいと思うのであります。 官房長にお尋ねいたしますが、通産省では、昭和四十五年十二月、通商産業大臣官房広報課「広報雑記帖」という、こうしたパンフレットをおつくりになった事実がございますか、どうですか、その点について明らかにしてください。
○高橋(淑)政府委員 つくりました。
○松浦(利)委員 私は、この広報雑記帖を読んでみて、非常に危惧の念にかられたわけであります。 確かに、各企業あるいは各官庁が新聞記者対策、新聞対策ということについていろいろと御検討なさることは、私は事実だと思うのです。ところが、この内容をつぶさに検討してまいりますと、一八ページには、利用しておる者、購読しておる者の七〇%がこれら新聞の報道性を重視しておるのだ、こういうふうに分析をしておられます。また二〇ページでは、新聞の見出し、要するにタイトルを重視しなければならない。いまの新聞を全部読むとすると、約一時間くらい時間がかかる。読者というのは、その見出しによって選択をするのだ、こういうふうに述べておられることも事実だと思うのです。書いてあるとおり私は申し上げておるわけであります。 ところが、この内容をずっと見てまいりますと、最近の社会問題、特に、公害問題、電子レンジ、電気家庭器具、こういった問題でたいへん通産省に対する風当たりが強いということで、実は「社会部記者の特性」ということで、「社会部的発想」「社会記事と社会部記者」、こういった分析をなさっておるわけであります。 私は、ここに多くの新聞記者の皆さんがおられると思うのでありますが、これを読んでみると、たいへんなことが書いてあると思うのです。「一流紙の社会部記者と話しあってみると、優秀で、バランスのとれた考え方をもっている人が多い。問題の理解も早いし、人柄も好感がもてる。この人の記事が、何故あのように独特な調子をもったものとなるのかとの疑問も湧いてくる」。「これについて、或る記者はいう。「社会部には独特のジャンルがある。そのジャンルを理解すれば、社会記事に対し、いたずらに神経過敏にならず、大らかな気持で読むことができる筈だ。社会記事とはそういうものなのだ。」と。だから、社会部との接触の多い農林省(食料品価格)、厚生省(薬品、衛生、公害)、国税庁(酒類、税金)などでは、記事がでると“やられましたね”と苦笑するくらいで、それほど深刻には受け止めないという。」こういう記事が書いてあるわけであります。 そうして、そういう記事を書いた上に、「社会部には、特有の社会部的発想があって、経済部に比べ、理性より情緒、思考より感覚が先行し、挑発的、断定的な傾向がある。“珍らしや”、“あきれた”、“これでよいのか”、“またも”、“もうたくさん”などの表現がよく用いられるのはこのためであろう。」こういう記事を書いておいて、さらに最後のほうでは、「効果的な新聞発表」として——これは具体的に読んだほうがいいですね。「秘密会に一転した会議の内容」として「発表できないところは、その理由を説明するなど正直ベースで行くべきである。(状況により、オフ・レコによる若干の内容説明があれば、親切と思われる。)」こういったことを、実はこの広報雑記帖というのは書いておるわけです。しかも、これがいま各省のモデルとして使われておるということを聞いておるのです。 そのことは明らかに通産省が、社会部の記者あるいは社会部的な記事、こういったものに対してある程度の規制を加える、ある程度のブレーキをかける、こういった役割りを果たす目的でこういうものが出されておる。私は、これはたいへん重要な問題だと思うのです。国民は、国会で起こりあるいは国で起こっておる内容というのは、新聞なりあるいはテレビ、ラジオ、こういったものによって理解をすることができるのです。それをこういう形で通産省が指導している。こういう形で新聞記者に対して、指導ではなくて、チェックしている。こういうことが、私は極端な言い方をすると言論統制につながると思うのです。オープンでなければならない国の政治がベールに包まれる。そういう点について、私は非常にこの内容というものが重大な問題を含んでおると思うのですが、なぜこういうものをつくられたのか、一体これをつくってどうしようとするのか、私は、官房長から具体的にお聞かせいただきたいと思うのです。
○高橋(淑)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたときに、ことばが足りませんで失礼いたしましたが、その雑記帖は、全く省内の、部内の資料としてだけつくったわけでございます。それで、各省との関係云々という点は、そういう次第でございまして、私どものただ部内の資料ということでございます。 それから、なぜこういうものを、部内の資料としてでもつくったかという点でございますが、広報活動というものは非常に大切である。しかし、私自身省みてみましても非常に欠けたところがあるということで、まあ初歩から、私自身勉強をしなければならないと思っております。特に通産省の場合は、プレスの方々と接します場合、従来経済部の方々が多かったのでございますが、最近社会部の方々とお会いし懇談する機会が非常に多くなってまいりました。それで、従来経済部の方々と接しており、また社会部の方々と接しておりますときに、先ほど言われました、やはり部としての性格の差ということもあるように思いまして、そういうふうな点を、私どもが私見として気づくままに書いたものでございまして、このような資料をつくりまして、いやしくも何かプレスの方々に対しておこがましいチェック云々というようなことなど毛頭考えておりません。
○松浦(利)委員 毛頭考えておらないというのは、私は当然だと思う。しかし、これに書いてある内容とあなたの答弁とは、だいぶ違うのですね。社会部の記者がこんなですか。「社会部には、特有の社会部的発想があって、経済部に比べ、理性より情緒、思考より感覚が先行し、挑発的、断定的な傾向がある。」のですか、社会部の記者は。またお尋ねしてみましょうか。「社会部扱いの発表をするにあたっては、3のような社会部的発想の特質を念頭において、説明振りを事前に十分検討しておくことが必要であろう。良心的に正確に説明しても、その論理が社会部的発想になじまなければ、記事が独走してしまうケースが多い。」こういうふうにあなたは分析しておるのですよ。こういう分析のしかたは、あなたは正しいと思うのですが、どうです。
○高橋(淑)政府委員 表現のしかたあるいは分析のしかたについて、必ずしも適切でない、あるいは当を得てない点もいろいろあろうかと存じます。これは通産省の見解といいますか、そういうようなことで収録いたしたものではございません。非常に私見が多い取りまとめのものでございますので、先生御指摘のように、ただいま社会部の記者の方々に対して、こういう性格がおありだとか、こういうようなタイプの方だとか、あるいはこういうような表現を常になさるというようなことは、私自身考えておりません。
○松浦(利)委員 先ほど官房長がいみじくも言われたように、いままでは通産省というのは、経済部、特に企業との関係における報道が非常に多かった。ところが最近になると、先ほど言ったように、消費者運動が高まってくる、公害問題がある、二重価格がある、あるいは再販問題が出てくる、こういったことで、社会部の記者が通産省に対して非常に大きく指摘をしておるし、あるいはそういった運動に対して報道する。そういうものに対して先制的なブレーキをかける意味でこういうものがつくられておるということに、私は非常に憤りを感ずるのです。私は、新聞記者の皆さんだって、これを見たら、ほんとうにかんかんになっておこるだろうと思う。こういった通産省の企業の方向を向いたやり方、経済部の記者はいいけれども、社会部の記者は、通産省から考えるならば非常にアブノーマルだというような分析のしかた、私は、ここに今日の通産行政の特徴があらわれていると思うのです。私は、こういったものは直ちに撤回をして、なくしてしまうべきだと思うのです。そういうことだから、私がいまから指摘するような問題が起こってくるのです。 実はこれは、経済企画庁長官にもぜひ見解を承りたいのですが、一時ナショナルが二重価格問題をめぐって、一月二十一日に、安いカラーテレビを市販をいたしますという発表をなさったことを、通産省あるいは経済企画庁長官も御存じだと思うのです。そのときに共同通信の大阪社会部が、一月二十日社会A一〇五号で全国に配信いたしました次のような記事があるわけです。それはタイトルに、姿見せぬ値下げカラーテレビ、消費者をだましてけしからぬ、こういったことを中心にして八十行の記事が、共同通信のネットとして各地方ローカルに送られておるわけですね。これが一斉に、各地方ローカルの新聞記事に載ったわけであります。 ところが、この記事がトップ記事あるいはそういった記事で扱われたあと、一体どういうことが起こっておるか。私は、新聞記者の名前は、また影響があるといけませんから一々ここで申し上げませんけれども、ある新聞社では、こういったことが広告局長名で全社員に呼びかけられておる。「広告のとりやすいような紙面をつくってほしい」「卑近な例を松下電器にとってみても、私は二回も同本社に行った。反発する点もあると思うが、ここで松下の言い分を述べてみたい。松下は開口一番“広告のだしやすいような状態においてもらいたい”と言う。理由として“私たちは二重価格問題は値下げによって一応解決したと思っている。値上げしたならともかく、値上げして、ほめられこそすれ、こんなに叩かれるとは夢にも思っていなかった。私たちは本年こそは、本来の姿にかえって販売成績をあげ、広告もドシドシだして商売しようと思っている。編集面に圧力をかけるというものではないが、どうか広告の打ちにくいような情況を何とか打破してほしい”とのことだ。」現に本紙には載せないで、ほかの新聞社に十段の色刷り広告を載せるようにしておる。だから、不満だろうけれども、新聞社に働く者はひとつこれについて了解してくれ。消費者運動が高まってきた、あるいは、安いカラーテレビも出回らなかった、そういったことはなるたけ書くな。書いたら、おれのところに広告くれぬから収入が減る。この際ひとつやめてくれ、こう言ってきたといっているわけです。それはちゃんと署名入りです。 それから、これはある新聞社内の「編集週報」。新聞記者の方ならみんな知っておられるように、編集週報というのが各新聞社で出されるのです。「編集週報」の「局言」という欄に、編集局長が次のように書いておる。「反骨精神」「二重価格問題で世論の強反対を浴びた家電メーカーは、旧現金正価より一五——二〇%値下げした新型カラーテレビの発売を発表した。だが発表された発売日には、まだ店頭には姿を見せていない。メーカー側はそれぞれ苦しい言いわけをしている。消費者はカンカンであるという共同取材の本紙二十一日付け朝刊のニュースに対して、メーカーから抗議をしてきた。われわれのいう発売日とは倉出し日のこと、経済記者なら常識である。二十一日が発売日であるから、二十一日付け朝刊の記事は予測記事ではないか。工場に近いところには、新製品はその日中に着いているはずという要旨であった。」だから、ひとつこういった記事の扱いについて検討を加えてくれ、こういうふうに編集局長が言っておるのです。 ある新聞では、この問題が取り上げられて、組合と社長さん、営業局長の間に団体交渉が持たれておる。これは団体交渉の速記録です。組合のほうで、「家電の問題記事がニュース面に入ると、広告部長があたふたととんできて、紙面をとっているにもかかわらず差しかえを強行した事実がある。よく指導してほしい。」こう営業局長に言ったところが、銭もうけなんだからひとつがまんをしてくれぬか、こういうことを言っておるわけです。 これは一体どういうことなんだ。あなた方がここで分析しておるように、新聞の報道性というものを重要視しておると回答した者が国民の大多数の七〇%ある、こういうふうに書いておる。七〇%の人がその報道を知ろうとしておると見ておる。ところが片一方では、スポンサーであるそういった会社が、おまえのところはそういう記事を載せたらけしからぬ、銭出さぬ、こういって編集権にタッチする。圧力をかける。まさにこの広報雑記帖と内容が同じじゃないか。あなた方が企業を指導しておるのと全く同じ姿が、現在の企業にも出てきておるじゃないですか。きょうは大臣が同こうに行って、来られなかったので、官房長、あなたにおいでいただいたのですが、こういう問題について、官房長どういうふうに思いますか。なお経済企画庁長官に、これは所管外ではありますけれども、こうしたことによって国民の知ろうとする権利が抑圧される、極端に言うと言論の圧迫というものが資本によって行なわれる、こういうことが正しいことなのかどうなのか、その点について、長官並びに官房長から御意見を承りたいと思うのです。
○高橋(淑)政府委員 まず第一点は、先ほどの私の答弁につけ加えさせていただきたいのでございますが、私どものやっております行政の中身が、先生御指摘のように、最近国民生活と密接に関連する行政か非常に多くなってまいりまして、物価問題、公害問題あるいは安全問題、あるいは消費者に対する行政あるいは中小企業者に対する行政というものに対して、いままでの行政のやり方に対して十分反省をし、そして、国民生活とのつながりの深いこういう行政に真剣に取り組んでいく上にいろいろ内部で努力もし、勉強もしておるということでございまして、そういう意味合いで、社会部のプレスの方々ともできるだけ機会をとらまえて御質問にも応じ、また私たちの考えも述べておるということでございまして、先ほども申し上げましたけれども、何か社会部のプレスの方々に対しておこがましいチェックめいたことということは全然考えておりませんので、この点はどうか御了承を賜わりたいと思います。 それから、いま御質問の新聞広告と、それからメーカー側か何かそれに対して強い働きかけを行なったではないかというようなことにつきましては、私、具体的に事情をつまびらかにいたしておりません。お話をいま承りましたので、そういう事実があるかどうかということについて承知をいたしておりませんので……。
○佐藤(一)国務大臣 いまのお話だけを伺ったところの感想しか申し上げられませんけれども、もちろん企業には企業の見解、言い分があるのでしょう。当然、必ずしも新聞のほうの記事と同じであるとは保証はできません。企業には企業のまた、その時点におけるいろいろな見解があると思います。ただ、御指摘のような方法によって自分の見解を押しつけよう、これはやはり社会的に見て決して好ましいことではございません。しかし、同時に、これはやはり新聞社自身の問題であろうと私は思います。そうしたことでもってふらふらするような新聞社であるわけはないと私は思っておりますし、企業の態度自身は社会的には好ましい態度ではない、そういう感じがいたします。
○松浦(利)委員 長官にさらに質問をいたしますが、御承知のように、いまの新聞の記事欄と広告の欄ですね、記事の量と広告の量を分析した数値が出されております。これによりますと、一九七〇年一月から三月を平均した数字ですけれども、記事量が五八・八%、広告欄が四一・二%、こうなっておるわけですね。新聞社の収入構成推移というものを六九年の下半期で見ますと、広告収入が何と五九・六%、販売収入が四〇・四%、現実に広告収入というのが過半数以上を占めておるのです。電通統計を見ますと、新聞広告を出す量というのは年間相当な多額にのぼっておるわけですね。ここに一つの資料がございますけれども、一九七〇年の広告費電通調べによりますと、総額七千五百二十四億円、そのうち新聞広告に占める比率は、二千六百五十三億円、全体の三五・三%。家電メーカーで一番広告料の多いのが松下、一九六九年で百三十二億六千六百万円、その次が二位東芝の九十三億六千二百万円。このように、松下の広告の支払いというのが圧倒的に高い。しかも、先ほど言いましたように、新聞の紙面に占める広告の比率というのもだんだん上がってきている。収入は、もうすでに五〇%をこえて六〇%近くなってきている。 先ほど長官は、そういうことでふらふらする新聞社などあるまい、こう言われました。ところが、現実に、先ほど言ったように——大きな全国紙、こういったところはふらふらしないでしょう。しかし、共同通信をネットとしておるような地方ローカル紙は、広告を出さないぞ、こう言われたら経営に大きな支障を来たしますから、これはやはり、経営がぐらついてはたいへんだということで、先ほど言ったようなこういった社内通達なり、あるいは社内の通報というものが出されてくるわけですね。 これは私はたいへん重要な問題だと思うのです。広告を提供する者が、書いてある記事はおれの気に食わぬから、広告はお前のところにやらない。やらないから筆が曲がる。それで一体真実の報道というものが保たれるかどうか。私は、こういった企業のあり方、こうした問題については、ふらふらするような新聞社はあるまいというようなことだけでは、問題は解決しないと思うのです。私はやはりプレスコード、こういったものが明解にあるのかないのかわかりませんけれども、新聞協会自身が、たしかそういったものは持っておると思う。少なくともそういったものに対して他から侵すような、あるいは広告収入をもってその記事を圧迫するような行為というものは、何らかの形でやめさせなければならぬ、やめてもらわなければならぬ、私はかように思うのです。そういった意味で、こうした問題に対してどういうふうに指導されるのか。特に広告を出す企業は、通産省です。新聞も通産省の関係です。新聞を読むのは国民であります。そういった意味で、今後再びこういうことが起こらないようにするためにはどういう配慮が必要なのか。どうしようとするのか。そのことをひとつ経済企画庁長官と通産省のほうから承っておきたいと思うのです。
○佐藤(一)国務大臣 資本主義下におけるところの新聞の経営の問題もあるようであります。これは要するに自由主義の今日の体制のもとで、広告主が広告を出さない、出したくないというものをとめるわけにいかぬのじゃないでしょうか。その動機がどういうものであろうかということのせんさくになりますれば、これは動機を調べるといっても、なかなか困難なことでございましょう。やはり一面において、広告というものに経営が非常に依存しているという事実はございますけれども、また同時に、新聞社の出すところの記事というものは、広く一般の大衆にさらされておるわけでありまして、その新聞の記事に対して、印刷を通じてでありますけれども、常にやはり大衆は大衆としての評価をしておるわけであります。ですから大衆の評価にたえ得るような記事を出さない場合、つまり、かりに広告主の圧力があって不当な記事になってくるというようなことになれば、これはまた、その新聞としての評価を社会的に問われて、それは新聞として成り立っていかないということになろうと思います。ですから、これは今日の自由主義の体制のもとにおいては、記事が正鵠を得ておるかどうかという面において、一方においてそうした制約があり、一方において広告というものがあるわけであります。しかも、一つの業種あるいは一つの会社だけに依存しておる新聞なら別でありますけれども、そういうようなことがかりにあっても、これは当然新聞の経営として、一面それは経営体であり、株式会社でありますけれども、同時に社会的な公器としての存在意義というものがある以上は、十分それにたえ得るだけの経営が当然行なわれていくべきものと私は思います。一広告主の態度によって新聞経営全体が左右される、こういうようなことは私は考えられない、そういうふうに考えております。
○高橋(淑)政府委員 長官の御答弁に、私はこれ以上申し上げることはございません。
○松浦(利)委員 長官の答弁、確かに言っておられることは、私はそのとおりだと思う。しかし、現実に起こっておる問題というのは、やはり深刻な問題をかかえておると思うのです。載せなければいいじゃないか、それでは——先ほど言ったように、新聞に占める広告の比率は上がってきているわけです。しかも収入は六〇%近くになってきているわけですね。そして新聞を媒介にして、広告というものがわれわれの家庭の中に入ってきておるわけです。その入ってきた新聞は、先ほどの通産省の雑記帖の中にあるように、報道性というものについて七〇%の国民が重要視しておるというデータも出てきておるわけです。先ほど具体的に指摘したように、小さなローカル紙については、広告費を出さないということで圧力をかける、こういった姿がかりに今後も続くとするなら、私はたいへんな問題だと思うのです。 新聞は新聞として、みずからの力でそういった妨害を守っていくでしょう。しかし、その反面、やはりそういった広告によって記事を曲げようとする企業の圧力に対しては、何らかの形で行政指導をしなければいかぬ。そういったことはやめなさいというような指導は、企業側に対して当然あってしかるべきだ。そういう行政指導はせぬのだ、それはもう企業の自由だ——広告を出すとか出さぬとか、景気がダウンしてきたから広告料は減らしますよ、このことなら、これは取引ですから話はわかるのです。しかし、おまえのところの記事におれの広告が出しやすいようにしてくれ、おれの広告を出しやすいように記事を変更してくれ、受け入れるように記事を直してくれ、そういう企業のあり方は、これは明らかに問題があると思うのです。小さな新聞社は、自分自身で一生懸命、自分自身の立場を守ろうと努力しておるでしょう。しかし、そういった企業の間違った、モラルに反するような行為に対しては、やはり何らかの形で企業側に注意をすべきだ、注意を喚起すべきだ。それもできないというなら、私は将来の報道というものが、これはどういうふうに進んでいくのか、非常におそろしくなりますね。長官の言われたことは、確かに私はそのとおりだと思う。しかし、現実はそのとおりではないわけなのですから、もう一ぺん長官から、そういった企業に対しての指導はするのか、せぬのかということだけでもけっこうですから……。
○佐藤(一)国務大臣 これはモラルの問題でございましょうし、行政とか法律の取り締まりとかいうものの対象になる事柄かどうか、私は非常に疑問に思います。企業といえども、当然社会的な、特に今日においては、今日の社会体制をささえる一つの単位でございますので、当然モラルがあり、また要求されるべきものでございます。これはむしろ、お役人がそうしたことを指導するからできるとかできないとかという問題を越えた問題ではないでしょうか。私はそういう感じを持っております。 そうしてまた、いま言ったように、不景気で広告を取り下げるのはいいけれども、何か特定の意図があって取り下げるのはいかぬとおっしゃるけれども、これはなかなか判定はむずかしいのじゃないのですか。水かけ論になってしまうのじゃないですか。だから、結局こういうものはやはりモラルだと思うのです。そうしたモラルを確立していく、これは社会全体の問題であろう、こう思います。役所が一々企業の指導をしなければならぬ、そういう事柄ではないように私は感じるのであります。
○松浦(利)委員 私は、これ以上この問題で、ここで論議するつもりはありませんけれども、しかし、私は、法律をつくって取り締まれというようなことを言うつもりはないのです。また、そういうことを言ってもおらないのです。そういった問題が現実に出てきておるとするなら、企業に対しては、そういうことはやめなさい、あるいはそういう事情を聴取して、かりにそういったことがあるとすれば注意を促すというようなことは、やはりあってしかるべきじゃないですか。これは経済企画庁のサイドじゃなくて通産省サイドかもしれませんけれども……。
○高橋(淑)政府委員 私は、やはり現在の新聞各社は公正な報道をなさっておられると思いますし、それぞれ見識を持って報道に当たっておられると思いますので、個別の企業とそれから新聞社の間のことにつきまして、私どもの立場で一々中に入って、個々にいわゆる行政指導的なものをするというようなことは、現実の問題としてもなかなかむずかしゅうございますし、また、どこまでそういう分野に踏み入っていいものであろうかということについて、よく考えてみなければならないだろうというように思います。
○松浦(利)委員 通産大臣が来ておられれば私は指摘したいと思うのですが、官房長、通産省は隠したことがあるのですよ。あの電子レンジの電波漏れのときに、そのメーカーはどこだと言ったときに、通産省は、知っておったけれども隠した。国民に知らせなかった。国民に対して、通産省自身が知らせないようにしておるわけですよ。知ろうとする権利に対して、通産省がシャッターをおろしておる。その理由としては、企業が迷惑するから発表しなかった、こういうのですよ。それと同じことじゃないですか。
○高橋(淑)政府委員 電子レンジの件について、ちょっとつまびらかにいたしませんが、少なくとも今日ただいまにおきましては、先ほどから申し上げておりますように、消費者行政、消費者問題について、われわれとしてはいままでより一そう行政の重点を置きまして、できる限りの努力をいたしておりますので、安全に関すること、あるいは消費者にとってぜひ必要なことを公表しないとか知らせないとかいうような態度はとらないようにつとめておるつもりでございます。
○松浦(利)委員 私は、先ほどの通産省官房広報課のこの内容と、いまの企業がとっておる態度というのは、立場は違うけれども類似しておると思うのですね。国民が求めていることについて、自分に不利益なことを述べたときには圧力をかける企業、逆に今度通産省サイドからは、国民が知りたがっておる通産行政の内容も発表しない、そういった関連をした問題があると思う。 私は、この際通産省のほうにお願いをしておきたいのは、通産省という役所は、これは大体企業サイドの役所だ、消費者の立場なんか一つも考えてはくれない役所だ、これが今日の通産省に対する消費者の見方ですよ。それがはしなくもこういうものにあらわれ、家電業界の新聞記事に対する圧力という形で出てきておると思う。どの程度まで行政指導していいか、その部面に踏み込んでいいかどうかということの前に、そういう状態が今日起こってきておるのです。私は、報道というものの重要性、七〇%の人たちが新聞の報道というものについての重要性を認識しておるという、そういう分析の上に立って、この問題は非常に重要な問題を含んでおると思うのです。この問題に対して、きょうここで的確に官房長から御答弁はいただけませんでしたが、次の機会に——委員長にお願いをしておきますが、こうした問題がかりに起こったときに、今後も起こり得る可能性があるわけですが、通産省はこういう企業に対して指導するのかせぬのか、もう野放しなのか、その点について明確に、ひとつ省議にはかって、本委員会でこの問題についての通産省の見解を出していただきたいと思います。
○小林委員長 ただいまの討論を聞いておりまして、質問者の意図は、大体通産行政が企業全般を少し甘く指導しているのではないか、それが独占企業を思い上がらせて、ついにはマスコミ等に対してもそういう思い上がった不公平な要求をするまでに至っているのではないかというのが、質問の趣旨かと存じます。したがいまして、そういう寡占企業や独占企業に対する通産省の従来からとってきている指導が正しいかどうか、書面で回答せよということでございますので、これに対しては通産省の省議を開いて、委員会まで回答を出していただきたいと思います。
○松浦(利)委員 いまの書面が本委員会に提出された後、この問題については、今度は具体的な事実を付して通産省に質問をしますから、その点については質問を終わらしていただきます。
○高橋(淑)政府委員 ただいま委員長から申されましたが、御指摘の点につきましては私よく検討さしていただきまして、この委員会で、しかるべき機会を与えていただきまして答弁をさせていただきたいと思います。お許しいただけましょうか。
○小林委員長 委員長より高橋官房長にお伺いしますけれども、質問者松浦委員は、省議を開いて、省議に基づく書面回答を要求をしていられるわけでございますが、通産省のほうで、書面の回答ではどうも都合が悪い、官房長が次の機会か何かで、口頭で正式にお返事をしたいということでございますが、どうして書面の回答では都合が悪いのか、もしできれば、諸般の事情をここで明らかにしていただきたいと思います。
○高橋(淑)政府委員 私、松浦委員の御質問を伺っておりまして、よく見解をまとめて、しかるべき機会に答弁をするようにというように伺いましたし、また、いわゆる書面では意を尽くさないという点もあろうかと思いますので、そういう意味合いで、この委員会で御答弁をさしていただく機会を与えていただきたい、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 いまの問題については書面を提出していただいて、それで至らないところは、ひとつ口頭で説明してください。それでけっこうだと思います。
○高橋(淑)政府委員 そのようにさせていただきます。
○松浦(利)委員 それでは、この問題については 一応終止符を打ちたいと思います。 それでは続いて、次の質問者の渡部先生もおいでになりましたから、簡単に御質問をして終わらしていただきたいと思います。 この前、本委員会で家電業界、卸業界、小売り業界、量販店、こういった皆さん方に参考人として来ていただきまして、実はいろいろと意見をお聞きしたわけでありますけれども、どうも参考人の意見を聞いておりましても、また新しい家電の二重価格というものが出てきておる疑いを感じざるを得ないのです。この前もいろいろここで議論をいたしましたが、現実に、標準価格だといって出したあるメーカーの20型が、二二%値引いて市場に出てきておる。こういうことを見た場合に、公取委員長おいでですが、せっかく公取の努力あるいは通産省の指導で、二重価格そのものはなくなってきたのだ、標準正価ということによってなくなってきたのだという印象だけは国民に与えておきながら、最近になって、また二重価格というものがあるという疑いが、現実に国民の間に広がってきているのですが、公取のほうでは今日どういう御見解を持っておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○谷村政府委員 私どものほうの立場は、よく御承知のように、不当な二重価格ができて、いかにも実際の売り値というものを安く見せかけるような不当な表示がしてあれば、それを法に従って排除する、規制する、こういう立場でございます。現実に市場の価格が、いわゆる市場のメカニズムによっていろいろ、ときにより場所により、店により、また機種により、またブランドにより違うことは、これはむしろ経済としては当然のことでございまして、たとえばAという会社が、ある機種に幾ら幾らという値段を一応つけて売り出してみたけれども、結局市場の実勢が、ある程度また離れてくるということが起こるのは、私は、むしろそういうことがあっていいので、あまりぴたっとしたものがあってはかえっておかしいのではないかという気もいたします。しかしながら、もしそういう乖離、かけ離れというものがはなはだしくなり、また、それが一般的になり、継続するようであれば、再び、その表示がおかしいぞ、こういう問題になってくるのではないか、かように考えておるのが私どもの基本的な考え方でございまして、これは連合審査会でも、またその他の機会にも、各委員の御質問にお答え申し上げたことでございます。標準価格をつけたからといって、それをあまり離れるなとか、それを守れとかいう指導をされることは、かえって私どものほうとしては本意ではございません。こういうことでございます。 それから第二に、実態をどういうふうにおまえが見ておるかという点については、これは私どもとしてはそういう立場から、いろいろな動きをよく把握することにつとめておりますが、まだ一般的な二重価格問題としてどうという段階ではない、かように思っております。
○松浦(利)委員 それでは、その問題については、また後ほど本委員会で議論するとしまして、具体的な問題として、松下電器産業株式会社に対する昭和四十一年十一月八日、九日の、例の家庭用電気器具製造業及び同販売業に行なった事件でありますが、この異議申し立てに対していつ審決がおりるのか、この点についてお尋ねをしておきたいと思います。
○谷村政府委員 私ども委員会として目下検討している段階でございますが、いつというふうに申し上げることは、ちょっと事柄の性質上はなはだむずかしいことでございますが、できるだけ急いでケリをつけるようにいたしたいと思っております。
○松浦(利)委員 この事件を見ますと、昭和四十一年の十一月八日、九日に臨検検査を行なって、そして勧告を行ない、異議申し立てがあって、すでに四十六年に入っておるわけですね。四十一年の事件が、四十六年の初めになってもまだ最終の審決がない。私はやっぱり公取の機能の問題もあるだろうとは思いますけれども、これではたいへん、消費者としては問題が残るのではないか。こんなに長期間かかっておったのでは、もう効果があがらぬではないか、こういう批判も出てくるわけでありますが、公取委員長の御見解を承っておきたいと思います。
○谷村政府委員 そういう批判があることは当然であると思います。しかしながら、同時に、私どものやりますことは、法律に従い、また証拠に基づいて、同時に自由な企業の営業に対しての法による介入でございますから、それだけに当然、企業側の主張するところ、私どもの問題にした点、それを十分に調べた上で公正な処理をしなければならないという点もございます。したがいまして、ことばは悪いのでございますが、いろいろ証拠その他の判定のしかた、考え方の問題、そういうことを十分によく審査するという問題もございますので、時間が長くかかってしまいました。まことに申しわけないことと思いますが、私どもとしては、最善の努力をするように心がけるつもりでございます。
○松浦(利)委員 経済企画庁長官に御見解を承っておきたいと思うのですが、御承知のように、この前の本委員会における参考人との議論の中でもお話が出、私たちもいろいろと御意見を賜わったわけです。御承知のように二月一日から、蔵出し価格に対して物品税がかかるようになったのですね。いままでは、現金正価の六二%を見込み蔵出し価格として課税しておったのです。ところが、これが二月一日からは、蔵出し価格に物品税をかけるようになったのです。ですから、当然、このカラーテレビには物品税が幾らかかっておるかということについて消費者は知る権利を持っておると思うのでありますが、長官はどのようにお考えになりますか。
○佐藤(一)国務大臣 幾らの税金がかかっているかということですか。
○松浦(利)委員 幾らかという金額です。
○佐藤(一)国務大臣 もちろん税率というものははっきりしておるわけでございますから、松浦さんの御指摘になる点はどういう点か、ちょっと私には……。
○松浦(利)委員 私が言うのは、消費者は知る権利があるんだから、自分が小売り店で買おうとしたときに、これに物品税が金額で幾ら入っておるのかということを知る権利があるのではないか、こういうことをお尋ねしておるのです。
○谷村政府委員 私の所管外のことでございますが、物品税の問題については、いわゆる物品税法に規定がございまして、法律上物品税の率または金額を表示することが一応義務づけられていると、私は承知しております。しかし、それは罰則のない規定でございますが、罰則がないからといっても、法律の趣旨はそういうことを規定していると思います。しかし、これについて正面に申しまして、私はかって、その立法趣旨を聞いたことがございます。これは価格統制をやっておりましたりあるいは、いわゆる末端小売り課税で物品税をかけておったときに、まさにそういう考え方をとっておった、そのようにある者が言っておったのを、私はちょっと記憶しております。 所管外の私がこんなことを言いだすのは申しわけないのでありますけれども、蔵出しといういわば二種物品税と申しますか、便宜上、元でとって、それからだんだんに転嫁さしていくようになりますと、一体そういう表示をさせるという意味があるのかないのかということが立法論として議論されていたというようなことも、実は私聞いております。しかしながら、物品税が幾らかかっているのですかという話について、いまの法律では、物品税が幾らかかっているということを一応表示するたてまえになっているということだけは、私は知っておりますので、おそらく松浦委員はそのことをさしておっしゃっていらっしゃるのだと思うし、それから逆算すれば、一体幾らが蔵出し価格であるかということもわかるのではないかということを、たぶんおっしゃりたいのではなかろうか、そういうように思いまして、お答え申し上げた次第でございます。
○小林委員長 谷村委員長に申し上げますが、あなたは大蔵大臣でもありませんし、総理大臣でもありません。もの知りでいらっしゃいましょうけれども、所管外のことは、ひとつことばが過ぎませんように御注意していただきたいと思います。
○谷村政府委員 よく注意いたします。
○松浦(利)委員 いま谷村委員長、大蔵省時代のことを言われたのだと思いますが、なるほど、物品税法四十二条の二項において、表示するようになっておるのです。私が長官にお尋ねしたかったのは、消費者は知る権利があるのではないのか。ここに一つのカラーテレビを買った。それじゃこのカラーテレビの物品税を幾ら納めておるのか、そのことについて私たちは知る権利があるのかないのか、そのことをお尋ねしておるわけですけれども、そのことについてまだ長官から御答弁がありませんので、法律的な議論よりも、知る権利があるとする消費者の考え方についてどういうお考えなのか、お尋ねしておるわけです。
○佐藤(一)国務大臣 いま税務当局に念のために確かめてみましたら、やはり規定があるそうです。その場合、必ずしも明解に表示するということが実行されていないわけであります。これは当然間接税全体の問題にわたる問題でありますが、これを明示する方向でいくほうが公正妥当であると、私は政策論としては考えております。
○松浦(利)委員 いま長官から前向きに、当然政策としては、表示するのが妥当だという消費者サイドからの御発言がありましたから、私はぜひそのように実行をしていただきたいと思うのです。 さらにお尋ねをしておりますが、蔵出し価格というのは、私は原価じゃないと思うのです。原価は企業の秘密だと、業界の方は盛んにこの前言っておられましたが、蔵出し価格というのも企業の秘密に属するものかどうか、この点について長官の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 いわゆる原価という場合の考え方、原価計算上どう出るかということになりますと、これは利潤の取り扱いの問題がありましょうから、蔵出し価格とは一致しないのが普通だと思います。蔵出し価格そのものを公表するという義務は別にないと思います。ただ、そういったものまで発表して悪いかということになりますれば、これは企業の考え方なり業界の実態というものから見て、必要があればそういうことをしてもいいのではないか、こういうふうに私は考えております。
○松浦(利)委員 先ほど長官は前向きに、政策的には、物品税の金額を表示するという四十二条の二項でいくのがほんとうだ、こういうように御答弁なさったのですね。だとすると、蔵出し価格に物品税をどんずばり、二月一日からかけるようになったわけですから、その蔵出し価格を事前に国民に知らしめるということは、結果的に同じことになると私は思いますが、いかがでしょうか。
○宮崎(仁)政府委員 その点は御指摘のようなことだと思います。ただ、物品税法四十二条の規定のできました経緯というのが、もともとアメリカのほうの事情というようなこともあってできたような経緯があるようでございますので、この辺の運用をどうするかについては、税務当局のほうと、われわれとしてもこれから十分相談をしてみたいと思っております。
○松浦(利)委員 それでは、長官と生活局長との御答弁でこの問題については了解をして、そういうものがきまったときにまた議論をさせていただきます。長官が前向きの答弁をしておられますから、それがうしろ向きにあとずさりしないようにお願いをいたしておきたいと思うのです。 次に、もう一つお尋ねをしておきたいのですが、この前の家電業界の方との質問応答でも明らかになったのですけれども、ある一つの電機メーカーで全く同じものをつくって、一つはAという会社名で出すのですね。それはAという会社でつくったからAという名前で出すのは、これは当然だと思う。ところが、その残った分を、今度はBという会社の社名で出すのです。全く内容は同じで会社名が違う。つくった場所も一緒。ところが金額が違うのですね。こういう状態というのは、非常に私はふしぎだと思うのですね、いまの家電業界というのは。消費者は非常に惑わされる。こういう点について、通産省、ここに御出席になっておると思いますが、通産省のほうではどのようにお考えになっておられるのか。 それから、以前にVH7730という洗濯機はありませんと、こう言われましたが、市場に出回ったことは事実で、現在はない。市場に出回ったことだけは事実なんです。そのことも含めてひとつ御答弁いただきたいと思います。
○関山説明員 現在、生産の合理化をはかる意味におきまして、各メーカーがそれぞれ生産を分担し合うというようなことは行なわれているわけでございます。そのこと自体はさして問題にならないかと思いますが、それを売る段階になりますと、やはり今度は、それぞれのメーカーのブランドイメージであるとかいろいろ売る力がございますので、また、売る経路もそれぞれ違いますので、その場合のいわゆるメーカーの表示価格というものが、やはり必然に違ってまいるような現象が起きてくるのではないかと思います。
○松浦(利)委員 この前の参考人の意見でも明らかになったのですが、一つは安売り市場、量販店のほうに出ていく、一つは一般のほうに出ていくそして、神田市場に出ていくものは値段が安いです。同じもので、ただ番号が違うだけ。ところが、 一般に出ていくのは、番号を違えて高くして出ていく。こういう状態も、現在家電業界にあるわけですね。そのことはこの前認められた。いま言われた、同じところでつくって、それぞれの会社名で出して値段が違う、こういったことが、非常に消費者に不信感を与えてくると思うのです。こういうのは、商慣習としてわが国では通用することなのかどうか。この前、業界の方は、それは当然のことですという御答弁があったのですけれども、通産当局も、これは当然の行為であって一つも摩詞不思議ではない、かようにお考えになるのかどうか、その点についてお聞かせください。
○関山説明員 御指摘のような事実につきましては、私のほうも、本日、まだそのデータを十分把握しておりませんけれども、取引の実際におきましては、定価は同じものでありましても、その取引の数量、決済条件等の差異によりまして、取引先ごとに実質的な仕切り価格の差が生じてくることは起こり得ることでございます。しかし、同じ商品でありながら、その出荷先の市場によりまして定価そのものを変えるというような、ことに大幅に変えるというような方法をメーカーがとっているといたしますと、消費者の混乱を招くものでありますし、便宜的過ぎるように思われますので、よくその点、実態を把握して検討することにいたしたいと思います。
○松浦(利)委員 この前、委員長から、検討するようにということで通産省のほうに要望があったはずでありますが、まだ御検討いただいておらぬようですから、軽々に結論が出るものではないと思いますが、さらに検討を進めておいていただきたい。そして、そういったものについての考え方を明らかにしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。 長官にせっかくおいでいただいておって、最後になって申しわけありませんが、この前の物特の委員会で、消費者米価について、物統令をはずしたら米価が上がるのではないかという質問に対して、食糧庁と生活局長のほうからいろいろと御説明がありました。それで、本委員会に検討事項について御提出いただきたい、かように申し上げましたところが、これはすでに食糧庁が発表し、佐藤内閣としてもすでに対策として発表なさったことが、ここに出されておるのです。このことは、本委員会の委員の方々全部熟知し了解をしておるところだと思うのです。ただ問題は、これで、それでは具体的にお米が上がらないという保証があるのかどうか。聞くところによりますと、長官は、いろいろな対策ができたあと物統令をはずしたらどうかという意見を閣議の中で主張されたお一人だ、こういうふうにお聞きをしておるのでありますが、実際にこの物統令をはずしたあと検討する検討するといって、国民に物統令をはずしたあとの問題について非常に不安を与えておるわけでありますが、こういうことではなくて、もっと具体的にどうして上げないのか、検討するのじゃなくて、具体的にどうやって上がらないようにするのかということについて、長官からひとつ補足的に——補足的というよりも、長官としての、経済企画庁としての方針をお示しいただきたいと思うのです。
○佐藤(一)国務大臣 お配りいたしました食糧庁の三月三日の検討事項でありますが、まあこれらはすべて、現在こうした方向でやろうということで、いま手はずを進めておるところでございます。こうしたものが完全に行なわれますれば、今日のいわゆる消費者米価、これが特に上昇をするというような点を防ぎ得るものと私は考えております。特に、場合によっては売買の操作もやってもらいたい。それから、何と申しましても配給米を受ける方々のために行政指導といいますか、そうした——ここにははっきり出ておりませんが、場合によっては標準価格的なものを設けるというようなことも、食糧庁で考えておるようであります。そうした、ここに盛られておりますこと全体を進めまして、そして十分に実効を期してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○松浦(利)委員 長官、ここでさらに具体的なことをお聞きすることができませんが、的確な、具体的な方針というのは、いつごろ政府から発表できるのでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 まあ十月か十一月になってこれの施行が考えられておるわけでありますから、もちろんその実施の前に、これは実際はなかなか準備の要ることでありますから、ある程度の猶予期間を置いて、それ以前にこれらの問題がはっきりしてくるわけであります。
○松浦(利)委員 私たちとしては、この物価の委員会でありますから、物統令をはずしたあと消費者米価は上がらないんだという具体策がきまれば、やはり国民のために、そのことについてここで議論をしたいと思うのです。ですから、そういう意味では国民サイドから、消費者サイドから、できればなるたけ早い機会この委員会で議論ができるような形で、方針を固めていただきたいと思うのです。委員会で議論しないまま、これ、できましたといってぱっと出されて、それで消費者米価は上がったというのでは、何のために物特委員会があるのだということで、国民のおしかりを受けると困るわけです。そういう手続上の問題というよりも、それは当然のことだと思うのですが、大臣にそういう点についての御配慮があるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いま申し上げましたように、秋のことでもございますから、それまでに十分に検討をしなければならぬと私は思うのであります。御期待に沿う時期までにできるかどうか、ちょっとその点は、私は多少無理じゃないか。いつごろをお考えの上でのことかわかりませんが、まだ時間も十分ありまして、しかも慎重に、できるだけこれは十分に検討しなければいけませんし、それから業界の指導等も十分要るわけでございます。そういう意味におきましても、これはやはりいますぐというわけには、ちょっと無理じゃないかと思います。
○松浦(利)委員 私は、やはりお米という問題は、物価に直接的な影響があると同時に、国民の生活に具体的に結びつく問題でありますから、そんなに、あしたあさってというつもりで言っておるわけじゃありませんので、十月、十一月ごろ物統令をはずす前にできるだけそういう方針をきめていただいて、そして国会で議論をして、不足のところはまた国会で補っていくというような形で最終的に物統令がはずされるということにしてもらわなければ、技術的に物特の委員会としてはちょっと、国民からの批判を受けて困るのだ、こういうことを申し上げているわけでありますから、そういう手続上の問題ですね、そういう意味で申し上げているわけでありますから、そういう御配慮をいただけるのかどうか、もう一ぺん長官からお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いずれ秋になる前に、これをはっきりさせなければいけません。そのときに、幸いにして御審議をいただく機会がありますれば、当然議論になると思います。事は行政上の問題でございますから、その際に機会があるかどうか、それによって異なってくるわけでありますが、できるだけわれわれとしても消費者米価が上がるような措置をしないように、こういうたてまえで臨んでいるわけでございますから、御趣旨の方向で進めてまいりたい、こう思っております。
○松浦(利)委員 それでは、次の質問者がおられるようでありますから、私の質問を終わらせていただきます。
○小林委員長 渡部通子君。
○渡部(通)委員 私、きょう石油の問題について、ちょうど長官もおいででございますので、若干質疑を行ないたいと思います。 最近話題になっております、石油戦争がいよいよ消費者の台所へ飛び込んでくるのじゃないかという段階にまいりまして、本来、この問題ですと通産大臣あるいは大蔵大臣の所管事項だとおっしゃる事柄もあるかもしれませんが、きょうはひとつ、物価の委員会でございますので、消費者物価というサイドに立って、長官、それから公取委員長にも若干の見解を承りたいと思うわけでございます。 長官は、さきの物価の連合審査の際に、石油製品の値上げ分、この問題は非常に国民生活上困るので、値上げ分はひとつ企業努力で吸収してほしい、こういう御答弁をなさったようでございますが、そのお考えに、いまもお変わりはございませんでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 そう考えております。
○渡部(通)委員 だといたしますと、企業努力、合理化というものは、具体的にどういう点を指摘されるのか、この点を長官に伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 この油の製品、特にガソリン等は、御存じのように需要供給の見地からいいましても、供給が相当今日までなされております。そういうようなことで、競争もなかなか激しい分野でもございます。そういうことで、いわゆる製造あるいは流通の両方の段階において、できるだけ値上げを押えてまいる。もちろん、値上げを押えるということになりますれば、いわゆる合理化といいますか、経費の節約といいますか、そうしたことによって値上げを押える方法しかないわけでありますから、各段階ごとに、少しずつでもそうした吸収を行なってまいる。今日までも、そうしたことは実際行なわれてきております。ガソリン税が値上げしたようなときも、税金が上がった分だけ小売り価格が必ずしも上がっておりません。これはやはり、そうした競争によって吸収されていく面が相当あったわけであります。でありますから、これはもちろん、金額にもよると思いますし、値上げの幅にもよると思いますが、今回くらいのものでありましたら、今後もできるだけひとつ吸収してほしい、こういうふうに考えています。
○渡部(通)委員 いま長官、今回分くらいの値上げならば企業努力でというお話でございますが、最近の新聞報道などを見てみますと、企業はもうやれるところまでやった、限界だというような意見が大かたでございます。あの国際石油資本の強硬な態度から見ても、今回の約二千億といわれる転嫁分のほとんどは、国内でかぶる見通しはもう決定的ではないかというふうに私は考えます。その場合、全石油業界の年間純利益四百五十億ということでございますから、その企業努力を全部投げ出しても、二千億という転嫁分を一体企業努力で吸収できるものかどうか、この点どうお考えでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 生産の段階では、なかなかいまつらいということを言っておりますですね。最終的に末端の小売りというところまでには幾段階もあるわけでありますから、そうした流通段階においても十分吸収してもらう。私は、全体としては合理化の余地がずいぶんあるというふうに考えております。むしろメーカーのほうが、最近においては御存じのようないろいろな情勢で、つらいと言っております。ですから、末端の小売り価格へいくまでのところでできるだけ吸収をしてもらいたい、こういうふうに考えております。
○渡部(通)委員 ところが長官、もうすでに値上げ通告が出ているわけですよね。流通段階で吸収してほしいほしいと大臣がおっしゃっているその最中に、もう——その証拠として、この間の新聞発表では、原油の値上げのツケはすでに台所にしわ寄せが回ってきておりまして、この大手石油会社は三日までに、三月からの石油製品値とげ、これを一斉に通告したと、すでにもう報道されております。値上がり幅は、卸でガソリン、灯油一キロリットル二千円、小売りでガソリンが一リットル二円、灯油が十八リットルかんで四十円、これは御承知のとおりでございます。これは全面的な消費者への転嫁ではないか。流通段階の合理化を大臣がおっしゃっておる間に、もうすでに消費者転嫁が全面的に行なわれておるのじゃないか、こう思いますが、いかがでございますか。
○宮崎(仁)政府委員 そのような新聞発表が行なわれまして、私どものほうといたしましても、通産省当局に至急事情を知らしてもらいたいということで話をいたしております。結局、このいわれるがごとき形でのいわゆる通告ということは、一般的に行なわれているわけではないようであります。ただ、問題は二つございまして、昨年十一月、大体十一セントくらいの値上げがあったわけですが、その分についての値上げの問題がいまそろそろ出てきておるという面が、一つあるようでございます。それから、今回の分につきましては、まだメージャーズと交渉しておる段階でございますから、当然これが値上げするなんということはあってはならないことでございますが、しかし、現在の交渉の実情等から見て、もしこれが相当値上げをしなければならぬということになった場合には、どういうふうにやろうかというような方法なり、あるいはその内容なりについての若干の相談が行なわれておるようであるというようなことでございました。そうして通産省としては、現段階で、まだ国際石油資本と交渉中の段階でそういうことをやるということは、はなはだ不謹慎なことであるからということで厳重に警告をした、こういうふうに伺っております。私どものほうも、そういった形での行政指導をしっかりやってもらいたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○渡部(通)委員 いまの御答弁は少し甘過ぎるのではないかと思いますけれどもね。昨年の値上げ分がいまになって消費者価格へきている、こういうお話で、今回の値上げ分は絶対反映しないようにするという、通産省にそうかけ合っているのだというお話ですけれども、昨年のがいま値上げとしてあらわれてきているのなら、今回の値上げも、また今度の秋口あたりにはやってくると当然考えられるのです。また、これがコンスタントにずっとこれから続くというような見通しなんですね。これはもう、いかに通産省がどれほどおっしゃっても、あのメージャーズとの交渉中だとおっしゃっていても、国民の側としては、値上げは、毎年これじゃ石油は上がるんだ、もうすでにそういう既成事実の積み重ねみたいなようになっていると思います。ですから、ここで勧告したとか、この次には、現段階の原油の値上げが消費者価格にはね返らないようにするんだと幾らおっしゃってみてもちょっと説得力もないし、そういう行政の姿勢でおありだとしたら、これはたいへん甘い見方ではないか、こう思うわけです。実際、業界が原油の値上げ分はかぶれと通産大臣もおっしゃっているし、企業努力で吸収せよと長官もおっしゃっているけれども、企業のほうはお手上げだと言うし、消費者にすでに末端価格への通告が出ている。それは去年のか今回のかわからないけれども、今回のがまたあと押しをしていることだけは明白な事実だと思うのですね。そういう意味で、すでに石油の値上げという問題は、弱い者へのしわ寄せという形で決定的になっている。これはもうこの認識にお立ちいただかなければ、経企庁としても私はたいへん困ると思うのです。これは強く要望いたします。 出光会長さんですら、今回の値上げ分は四者で分担すべきだとおっしゃっておりまして、国際石油資本と政府と石油業界と消費者と——消費者とといわれるのはつらいのですけれども、出光会長ですら、四者で分担するんだ、こういうような発言をしております。現在消費者価格へ値上げ通告が来ている。それ以外の三者で一体どれくらい分担をなすったのか、あるいは企業努力をなすったのか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 御質問の趣旨が、あるいはちょっと私、十分把握できないかもしれませんが、確かに現段階は、国際石油資本と国内の精製メーカーとの間の分担問題を議論していることに結局なると思います。これは現在交渉中であり、見通しはなかなかたいへんなようでございます。それがいずれきまるわけでございましょうが、その段階からあとは、今度は精製メーカーが、自分の努力でどれだけ吸収できるかという問題がございましょう。さらに、それでは今度の値上げのように非常に大きなものが、かりにそのまま行なわれるといたしますと、これは精製メーカーだけでは吸収できないという場合も当然考えられます。そういう際に、それぞれの製品価格に、どういうふうに一体それを負担してもらうのかということが議論になるわけでございましょう。これについては、御承知のように電力とかあるいは鉄鋼とか、あるいは石油化学というような、大きなメーカーの分ももちろんございますし、それからガソリンのように、一般消費者が問題になるところもございましょう。それぞれの市場についていろいろ御承知のとおりでございまして、どの方面に向かっても、なかなか簡単にこの値上げができないような状況でございます。一般消費者向けにつきましても、ガソリン、灯油の値段等も、店によってかなりの差があるというような状況でございまして、言ってみれば若干過当競争ぎみでございます。 そういう状況でございますので、先ほど長官もお話がございましたように、たとえば過去の例でも、ガソリン税の引き上げ等が行なわれたときに、必ずしもそれが、すぐそのまま小売り価格にはね返っておらないというような実態もございます。したがいまして、私どもといたしましては、現段階は、ともかく国際石油資本に対してできるだけひとつがんばってもらいたいというのが、まず一つでございます。そして、その後の問題については、通産省としていろいろお考えがあるかもしれませんが、私どもの立場としては、一般消費者のほうに不当にしわを寄せるということがあってはならない。そういう面でこれはいろいろ検討してまいりたい、こう考えている次第です。
○渡部(通)委員 これはほんとうにどろ沼みたいで、政府は、いまも御答弁にあったように、とにかく業界にがんばれとハッパをかけていらっしゃるし、業界は、すでにわれわれは飽和状態だから消費者頼むよというような、ツケの回しっこをやっているような感じなんです。 それで私は、やはり一番弱いところへしわ寄せがくるというのが現実だと思うのです。通産大臣は、値上げを強行したメーカーには石油精製設備認可の際考慮に入れる、こういう発言をしましたけれども、私、もっと強い態度が必要ではなかろうかと思います。ほんとうに消費者価格にはね返らせまい、値上げを阻止なさるというおつもりならば、この程度の弱いことでは押し切られてしまうのではないか。こういうことは認めない、消費者へのはね返り、末端価格への転嫁は認めないのだと、はっきり言っていただきたいわけなんですよね。こういう点については、長官はどういう態度、御決意をお持ちでいらっしゃるか。値上げの回避ができるのかできないのか、御意見を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 どういうことをお考えの上での御質問か、ちょっとわかりませんが、いわゆる法的規制ということは、別に考えてはおりません。ただ、事業法を持っておる業態でございますから、行政指導というものは、ほかの価格よりも十分に行ない得る余地の多いものでございます。そういう意味において、一面において、場合によっては行政指導も、通産省にできるだけやってもらわなければならない、そういうふうな考えを持っております。
○渡部(通)委員 いまどういう趣旨でということでございましたので、御存じのとおりで、石油製品というものはあまりにもたくさんございます。私も今回調べてみて、あらためてがく然とするほど、いかに石油がわれわれの日常生活の上に、それこそもう学用品から薬品から化粧品から、建て具、建材から、燃料は当然ガス、電気も、一切がっさいが石油におんぶしている。こういう状態で、もしもこの原油の値上げというものが価格にはね返ってきた場合には、公共料金をはじめとして、消費者物価にはね返りがあまりにも大きい。だから、わずかの原油の値上げであっても、その相乗作用というものは、どれほど大きくなって、われわれの生活の上にかぶさってくるかわからない。したがって、その製品価格の上になるべく反映をさせないでいただきたい。それを監督指導していただくのが長官のお役目ではないか、こういう見地で御質問を申し上げております。 したがって、少し個別な問題に入りたいと思いますが、今度の値上げでいろいろなことが心配になりますけれども、たとえばタクシー料金でございます。去年の春大幅な運賃の値上げをして、サービスの改善等がされないままに、また申請がされておるという現状でございます。大臣等も、これは認めないという一応の御答弁はいただいておりますけれども、この値上げ幅も、二キロメートル百三十円から一・八キロメートル二百円ですか、こういう、人々にとっては不当なほどの大幅値上げです。こういった問題が、政府が認めないと言っていましても、ガソリン、プロパンガス等の燃料の値上げ、こういったものを大義名分として、再びこれらが火をふくのではないか、すでにそういうきざしが見えておりまして、業界では、燃料の値上げから、近々認可されるのではないかというような話も出ております。このタクシー料金一つに対して、長官はこれを回避できるのかどうか、認めないでいただけるのかどうか、まずこの点を伺います。
○佐藤(一)国務大臣 まあ確かにコストの一部でありますけれども、いろいろと波及するところが多いのですが、公共料金について、今度の油の値上げを理由にして公共料金を上げることを認める気持ちはございません。したがって、タクシーについても、もちろんそのつもりでおります。
○渡部(通)委員 バス料金についても一つ伺っておきたいのですが、自動車新税にガソリン税値上げ、これでは、利用者に負担してもらうのは当然というような考え方があるようでございます。そのような考え方に対して、予想されるバス料金値上げ等、こういったものに対して、長官、積極的に手を打っていただけますでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 同じように考えております。
○渡部(通)委員 少しこまかいことを並べますが、運送料金の値上げ、これもまた、ちまたで云々されておりますけれども、これも同じでございましょうか。
○宮崎(仁)政府委員 いわゆる通運料金につきましては、まだ運輸省のほうに特に、業界からそういった申請はないようでございます。通運料金の中に占める石油製品のコストの割合というものは比較的低いと思いますけれども、いずれにいたしましても、いま長官の御答弁がありましたような基本方針で、私どもとしては対処していきたいと思います。
○渡部(通)委員 おふろ代の値上げ、これもまた考えられるわけでございます。こまかい話になりますけれども、こういったものは公共料金でございますので、現在も国会で、郵便料金等の値上げがたいへん問題になっております。こまかいとはいっても、こういうものが全部メジロ押しに上がってくるということに対して、私たちは耐えられない重圧感を持っているわけです。したがって、燃料値上げを口実にしたおふろ代の値上げ、その予想されるこういう公共料金一連の問題についての長官のはっきりした御答弁を、ひとつお願いをしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いずれにいたしましても、私たち、油の値上げを理由にして公共料金を上げるつもりはございません。これは公共料金を通じて、押えていきたいというふうに考えております。
○渡部(通)委員 長官、たいへん前向きの御答弁なのですが、つもりはないとおっしゃっていても上がるというのが、どう客観的に見てもそういう状況を感じますので、これはひとつきびしい態度でお臨みをいただきたい、これだけはひとつ厳重にお願いをしたいと思うわけです。活字になってそういう話が世の中に出ている以上は、もう上がってしまうのだ、というあきらめにも似たムードが民衆の中にはございまして、そういう中で、大臣の一言の発言というのがどれほど大きな重みを持っているのかということを、再びここで、私からも強くお願いしたいと思います。 公取の委員長にちょっとお伺いしたいのですが、ガソリンについては、価格の面で納得できないことがございます。スタンドで価格が表示してございますけれども、ある一定の地域では同じ用紙に同じ印刷、こういう形で、スタンドに料金表が表示されているところがございます。これは実におかしい、けったいな話だと思って見ておりますが、値上げされるときは、たいてい時期も一定、値幅も同じというのが常識になっておりまして、こういったことがまかり通っているというのがガソリンスタンドの実情だと思います。きのうの新聞でも、公取はやみ協定を監視をするという報道がございました。ことしに入ってから三件、そういったものについて商業組合に対して勧告をされたということでございますが、これを説明していただきたいと思います。
○谷村政府委員 先ほど経済企画庁のほうからも話がございましたように、末端のガソリンスタンドはかなり競争が激しいようでございます。それだけにまた、私どものほうの目から見ますと、そこで私どものほうから望ましくない形での協定をやったりなんかするような、そういう慣行があるやにも思われます。 それで、本年に入ってからのというお話でございましたが、本年に入りましてからは、いわゆる末端の石油小売りをやっている方々の商業組合等のそういう会合において値上げ幅をきめたというふうな事件について、七件勧告をいたしております。そして勧告を応諾して審決、いわゆる勧告審決として固まりましたものが四件、それから応諾——勧告は応諾いたしますということで、審決までの手続にいっていないもの、これは形式だけでございますが、二件、それから、理事長が病気であるためにちょっと返事がおくれているということで、勧告が出たままで、まだそれに応諾がないという形になっておるものが一件、ちょっといま聞きましたら、そういうふうに、ことしになってからなっておるようでございます。
○渡部(通)委員 七件もあるそうでございまして、しかも応諾があったり、審決を受けたという事実があるということは、かなりそういうやみ協定があるという、そういう現実を物語っているように思うわけです。 三月十日の日経に出ておりました練馬区等の問題ですね。この新聞報道にこういう話も出ていたのですよ。「練馬区内の大手スタンド業者、C産業の責任者は「近所のスタンド二十数店で検討した結果、バラバラに値上げしたのでは消費者は安い店に集中するので、十五日からお客との交渉を一斉に開始、即日実施することで話がついた。すでに練馬支部からレギュラー一リットル三円アップの五十八円に、ハイオクタン三円アップの六十五円というビラが配られてきています」」こういう話でございます。こういう問題についても、公取委はすでに調査を始めておいででございますか。
○谷村政府委員 それだけに限らず、いろいろなところから申告も参ります。また、新聞等で私どもが承知するような事件もございます。さような意味で、いまお述べになりましたことも、事件の端緒として私どもはすでに見ております。いろいろな例を見ましても、みんなで申し合わせてひとついこうじゃないか、ビラも一緒につくろうじゃないか、また、その間は休戦協定をやって、お客の取りっこをしないようにしようじゃないか、もし違反したらどういう制裁をしようかといったようなところまでいっている例が、過去においてもございました。 私どもは、そういうことは、自由な競争を阻害するものとして排除するようにつとめてまいりますが、小売り問題について、いま申し上げましたような事実を探知いたしましたならば、やはり私どもとして、法の上の手続をとっていくことになると思います。
○渡部(通)委員 ひとつ積極的に勧告を行なっていただきたいと思います。やはりまだ、そういう末端の協定などというのはささいな問題ではないかと思います。 それで、私のほうでも調査中でございますけれども、元売り段階のやみ協定というものが、もっともっと大きな問題であることが十分予想されます。そういった点で、公取としては、あわせてこういった点にも大きなメスをふるっていただきたい、こうお願いいたしますが、いかがでございましょうか。
○谷村政府委員 先般も、予算委員会でございましたかあるいは連合審査会で、申し上げたとおりでございますが、具体的に一つ一つのことについてどういうふうにしますということは、これは事柄の性質上私のほうから申し上げられませんけれども、そういう御趣旨は十分に私ども体しまして、私どもの職責を果たすようにつとめてまいりたいと思います。
○渡部(通)委員 もう一つ疑問を述べたいのですが、ガソリンスタンドにおいて現金価格とツケ価格に差があるということが、私たちは非常に納得ができないのです。大体一割から一割五分くらいの差があるようで、現金のほうが高いわけです。これはお客を安定したツケで取ろうという趣旨かもしれませんけれども、現金のほうが高いということは、少し理に合わないのではないかと考えます。普通やはり、ツケにした場合には金利負担もあるでしょうし、帳簿代もかかるでしょうし、あるいは集金にまで回っているこういう人件費や労働力等考えれば、そのツケという価格ももっと安くなるのではないか。そうしますと、現金ならばそれよりもっと安くてもいいのではないか、こういうことが私は当然考えられると思うのです。その点からも、企業努力というものを一段と進めたり、こまかいことかもしれませんけれども、大いに合理化する余地がある、こう思うわけで、先ほど長官もおっしゃいましたけれども、アメリカあたりでのガソリンの流通コストは日本よりもずっとずっと安い、こうも聞いておりますが、この面も十分検討の余地があるのではないかと思います。こまかいことですが、長官いかがでございましょうか。値下げしてしかるべきだと思うのですけれども……。
○宮崎(仁)政府委員 いま御指摘のような問題があるようでございます。これは商取引の習慣ということもあるわけでございましょうが、基本的にはやはり、先ほど申し上げましたように非常な競争が行なわれておる。それで、やはり大口で安定した契約をしてもらえるというところに対して結局値引きをしていく、こういう形でいまのようなことが行なわれておるのだと思います。そのものがいいか悪いかということは必ずしも言えないと思いますけれども、いずれにいたしましても、ガソリンあるいは石油製品関係の流通のコストというのはかなり多いということはいわれているところでございますので、その辺についての合理化ということも、これは通産省のほうでいろいろお進め願わなければなりませんが、われわれとしても、取り組んでいただくように要請していきたいと思います。
○渡部(通)委員 商習慣もあるでしょうけれども、先ほど長官がおっしゃったように、流通面の合理化という点から見て、むしろもっとスタンドの小売りの価格が下がっていいんではないかという疑問に対しては、長官いかがでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 これは御指摘のように、現実においても相当競争が激しくて、なかなか業界が考えているようなところまで値が上がりません。これは、競争が激しいということを通じてこれが実現されているわけでありますが、もっともっとその競争を激しくして、できるだけこの方面の合理化が進むということを、私は期待をしております。いま法律的にどうというわけにまいりませんけれども、現実問題としても、私はそういう方向に進んでいくと思っております。幾ら一方において値上げが行なわれましても、すぐそれを必ずしも消費者にはね返らせるということがなかなか困難な実情も、一方において、あの社会では御存じのようにあるわけです。そういう意味で、競争を通じてできるだけ合理化をはかっていくという方向を期待しております。
○渡部(通)委員 灯油についてもちょっとお尋ねをしておきたいのですけれども、石油ストーブがこれほど普及してまいりましたので、非常に灯油の消費量というものがのぼっていくと考えられます。一リットル二円の値上げだといいますけれども、これは家庭にとっては非常に大きな圧迫の条件になります これからあたたかくなる、不需要期になるのだとしましても、秋からが非常に心配でございまして、こういった意味では、ことしの冬に四百円に上がったわけですけれども、来年はまた、今度の秋には四百五十円から五百円にも当然なっていくのではないかと考えられるわけですね。一かん十八リットルになっていますから、一リットル二円の値上げですと三十六円の値上げでいいはずなのが、やはりこれが五十円とか六十円とかいう幅になって、必ず値上げの際にはやってくるわけです。こういった点に対して回避することはできるのかどうか。先ほど国民生活局長のお話ですと、この次の値上げについてはとめたいというお話でございましたが、私は、灯油の値上げは、三十六円アップが五十円になって、必ず秋にはやってくるのではないか、この心配を申し上げるわけですが、この点長官、回避できるのかどうか。
○宮崎(仁)政府委員 石油製品の価格が、今度の国際石油資本の値上げによってどういうようにこれが影響してくるかという、そのもとのほうがきまりませんと、なかなかどうということはむずかしいわけですけれども、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、かりにそういう形がやむを得ない事情になったといたしましても、できるだけ一般消費者に不当なしわが寄らぬようにしたいということは、やっていきたいと思っております。 灯油問題でございますが、御指摘のように、これから不需要期に入りますから、当面のところは弱含みに推移するものと思います。やはり来年、今度の秋口からの問題が一番注意すべき時期になりますけれども、そのくらいまでには、いまいろいろ議論になっておるところがもっと明確になってまいるでしょうから、これは通産省のほうとも十分御相談をして、そうしてできるだけ消費者価格のほうに影響が少ないようにわれわれとしてはやっていきたい、こういうふうに考えております。
○渡部(通)委員 先ほどの値上げ阻止から、影響が少ないようにというところに御答弁が後退したと思うのですけれども、私も、それはいたし方のないことだと思います。ですから、どれほど消費者価格への転嫁を少なくしていただけるかという点でお願いをするしかないわけなんです。 また、こまかいことを申し上げますけれども、いま企業努力の話から灯油の問題ですけれども、いま、配達されても、それから買いに行っても、値段が同じなわけです。そうなると、配達はサービスだ、こういうふうに消費者としても受け取っている向きもあるのですけれども、私はどうもそうは思えません。こういう労働力不足の御時勢でございますので、人件費がかさむという今日、当然それは価格に反映をしているわけでございます。買いに行ったならばその分だけでも安くする、こういうことが考えられないかどうか。 さらに、ガソリンスタンドあたりが、メーカーがきめた灯油しか仕入れができないという点ですね。小売り店はきまったメーカーの灯油だけを扱う。あるいはガソリンスタンドはそのガソリンだけを扱う、これが大半でございます。ですから、仕入れによる選択の自由、仕入れによるコストの低減、こういったものが競争をされていない。この辺、先ほど長官おっしゃるような競争体制に入れれば、もう少し価格の面に反映できるのではないか、こう思うのでございますが、その点の努力をしていただけるかどうか。 この二点についての御見解を承りたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 第一の御指摘の配達の問題でございますが、これは合理的に考えてまいれば、店に買いに行ったのと配達の場合では、やはり差があるほうが合理的でいいのではないか、こういうふうにわれわれも考えておるわけでございますが、御承知のように、米にいたしましても、酒にいたしましても、みなこういう形で実は行なっているわけです。これは一般の消費者の意向といいますか、考え方というのが、やはりそういう形を好んでおるというふうに見ざるを得ないのではないか。もしそういうのを分けてやったほうがいいという声が非常に多ければ、商売上の問題でございますから、そういう消費者の考え方に店のほうも合わしてくるのではないかと、われわれ考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、そういった問題も確かに合理化の方向なんでございますから、検討はしてみたいと思うのです。 それからもう一点、一つの店が大体、系列に入っておるために、一つのメーカーの銘柄を扱うという形になっておる場合が多いわけでございますが、大体灯油などにつきましては、ほとんど品質差がないわけでございますから、そういう形が特に悪いとは思いませんけれども、この辺も、賢い消費者ということを言われますけれども、やはりいい店を選んでいただくというような形でやっていただくのがいいのではないか。いまの流通形態というものを基本的に大きく変えて、いわゆる大型のスタンドのような形に全部してしまいますと、多数の銘柄を扱うということになるのかもしれませんけれども、いま御承知のような実態でございますので、一朝一夕にこれを変えるということはなかなかむずかしいのではないか。結局、消費者のほうが選択にあたって十分考えていただくということを期待するというのが、いまの場合としてはやむを得ないのではないかと思います。
○渡部(通)委員 その問題は、連合審査の際も私、多分に主張した問題なんですけれども、第一点の御答弁で、消費者が好むから同じ価格でも配達をする。——サービスならもちろんありがたいのですけれども、その人件費等が価格にはね返っている。当然値段が上がっているのですよ。価格アップに作用するようなサービスはごめんだ、こう言いたいわけです。ですから、買いに来ていただけば二十円安くしますとか、あるいは五十円お安くいたしますということがはっきりすれば、これほど物価高に悩んでいる国民ですから、少々のところなら、ふろしきさげて買いに行くというのです。消費者がサービスを好むからということを大義名分にして、それが価格にはね返っているのではないか、これを私は申し上げたいのです。安いままで配達してくれるなら、たいへんありがたいのです。その点が、いつまでたっても行政府のほうの姿勢が変わらないのです。消費者がそれがお好きだから、 こうおっしゃるのです。ですけれども、この前も当委員会に生活協同組合の方が参考人で来て、おっしゃいましたけれども、添加物のことで、昔は赤いタラコが好きでみんな買ったですけれども、いまは赤いタラコはよくないということが知れ渡った以上、赤いタラコをくださいという主婦はいなくなったというのです。これはわずかここ二、三年の前進だったと思うわけですね。そういう意味で、いつまでも、消費者がそれを好むからという形で価格がアップされているということは、これは行政府の怠慢ではないか。この点は、この前のときもだいぶ申し上げましたけれども、重ねて申し上げるわけで、その価格については、買いに来ていただいたらその分だけはお安くします、こういうふうになるのが当然ではないかと思います。この点、これ以上議論はいたしませんけれども、頭の切りかえをお願いしたいわけなんです。 それから、もう一点、いい店を選べという御答弁でございました。これは宮澤通産大臣のお話にも、この前の御答弁か何かにもあったようです。消費者がいい店を選んで買えばいいのだ、そういうことでございますけれども、これも若干、前の議論と同じことを私は申し上げたいわけです。やはり系列化になっておりますと、実質競争は行なわれておりません。ですから、そういった意味で、やはり消費者に安い店を選べという前に競争条件をもう少し整備をする、そういった面で流通合理化をはかる、この点をひとつ御尽力いただきたいと思うのですが、これについては、長官の御意見を伺っておきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 まあ系列化というのは、この世界に限らず、非常に流通上問題であります。ある意味においては合理化の一つの形態として発達した面もありまして、いずれがいいかという問題がありますが、今日の時点においては、系列化した結果として、今度は安定ということが中心になって、合理化というものがとかく忘れられがちになる傾向が、いろいろ各方面に出てきておることも事実でございます。これは流通ですから、流通のいわゆる合理化全体の一環の問題になると思うのでありまして、今日の事態からいたしますれば、結局政府の合理化政策——消費者の圧力も使わなければならないでしょう。いろいろな形でのそうした合理化対策というものを進めていく。この社会だけの問題ではないと思います。それで、今日はまだ、系列化という事態だけでは、別に特別の法律的な取り締まりもできない状況でありますからして、やはり全体の物価対策ということで扱っていく以外には私はないのじゃないかと思うのです。ただし、石油の問題につきましては、行政指導が相当できる余地のあるところでございますから、そういう意味においても、石油業界における流通の合理化、これはひとつできるだけ行政問題として進めていくということになろうかと思います。
○渡部(通)委員 もう一点、指数の件について長官に伺いたいと思います。 ことしの消費者物価五・五%ということでございますけれども、この五・五%という指数は、石油製品の一つのこういった値上がりというものを予想されたものであるのかないのか、どちらでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 もちろん予想しておりません。予想しておらないというか、おおよそ五・五というようなマクロ的な指数でございますから、物質的に積み上げて計算をいたしてはおりません。そういう意味も含めて、当然これは、いまの油の値上がりというようなものを特に織り込んであるということではございません。
○渡部(通)委員 それでは、ただでも、いまでは五・五ではとうていおさまらないという議論が出ている最中で、なおかつ石油製品の値上がりというものを計算に入れてなかったとなれば、なおこれが——去年この五・五%をお出しになる段階で当然予想されたことと思うのですけれども、なおかつこれが入れてなかったとなったならば、これは当然五・五%ではおさまらないのではないか、こう言わざるを得ないのですが、その点いかがでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 五・五%をつくるときに、政府のほうの目標として、値上げを含めて計算するというわけにはもちろんいかないでしょう、それはそれでまた、渡部さんにやられる種がふえますから。もちろんわれわれとしては、全体としての目標として考えておるわけでありますが、五・五%が実現できないというふうにおっしゃいましたが、私はそうは考えてないのです。 率直に申し上げまして、消費者物価の騰勢は非常に強いことは事実でございますから、なかなか骨の折れることではございます。けれども、昨年のようなああいう異常な野菜高というものが再び出現するということになりますと、これは確かに問題でありますけれども、これが私も内心心配なんで、完全に安定化したと言い切れるかどうか心配ですが、なおこれは農林省その他の努力によって、野菜が昨年のようなばか高いことがないという、いわゆる供給の安定化を続けてはかってまいるということを前提にいたしまして、そうして考えますると、まあ年間の純上昇率を三%というところくらいに押えることは、決して不可能ではない、十分可能である。その上に今後の政策的な努力も積み重ねてまいる。特に経済も全体として鎮静化しておりますし、われわれとしては、十分この五・五%の中におさめ得るのではないか、こういうふうに考えております。
○渡部(通)委員 それは先の話ですから、よしますけれども、去年も長官は、四・八%でおさまり得るという御答弁をなすったのを、私もこの委員会で覚えておりますが、それが七・何%かにはね上がったわけです。今回も、五・五%に押えると現段階ではおっしゃっております。けれども、私は、ここで数字の議論をする意思は毛頭ございません。実質的に物価を押えていただくようにエネルギーは使っていただきたいわけですけれども、そういうそらぞらしく映るような五・五%の数字であるということを御認識いただいて、これはまた秋ごろになってどれくらいになるか、それはそのときにまた議論いたしたいと思います。 もう一点、私伺っておきたいのは、新経済社会発展計画、あれが、物価の面で三%という五十年度の見通しでございますけれども、すでに昨年大いに狂った。そうして、ことし五・五%という目標に押えるとおっしゃるけれども、これがはなはだ疑問である。そうなった場合に、これを改定するのにやぶさかではないという佐藤長官の御答弁は、私は去年、私の質問に対してちょうだいをいたしております。ですけれども、去年の五月につくったものを、またことしの総理の施政演説なんかにも全部それが土台になっていたものを、どのように改定をなさるおつもりなのか、また、そういうことを現在考えられていらっしゃるのか、その点を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 昨年の四・八というのは、私もまことにつらかったのですが、二つ誤算がありまして、野菜があんなに一年じゅう高いというのは、ちょっと私も、すっかりまいりました。 それから一つ、企画庁としても、これは六カ年計画の見通しとも関連するのですが、非常に甘かった点が一点、確かにあったと思います。つまり、非常に高い経済成長が四年も五年も続きまして、そして、それをわれわれは安定成長に乗せるのだ。その安定成長に乗せるその軌道の修正をするその過渡的なプロセスにおいて、どうしてもコストプッシュ的な様相が顕著にあらわれがちである。そういう際に、むしろ不況下の物価高とよくいわれるような一種のコストプッシュ的な様相がどうしても出てくる。これを実は、過渡的なある一時期にそうしたものが出てくる点の計算を十分含んで見なかったという点が、私は率直に言ってあったと思います。そういう意味において、従来と同じようなきわめて平板なものの見方で四・八という計算の出し方をした点について、どうも私も、いま振り返ってみまして非常に残念に思っております。しかも、つけ加えるにあの野菜の異常高というようなこともありまして、ああいう事態になりました。ですから、四・八%といったときに、よくわれわれが言うげたというものが四%を占めておったというようなことでございまして、非常に見通しに無理があったようにも、いまになって考えます。 あのときも、実は野菜がもっと落ちるであろうということを、一月に上がっても二、三月には落ちるであろうなどということを少し計算し過ぎたきらいがありまして、そういう点もあって、四・八が七・三になるということをいつまでも頭に置かれて引き合いに出されると、私もつらいのですけれども、まあ五・五%というのは、そうした新しい事態に立って考えて、そして一方において政策的な努力も積み重ねる、われわれの一種の政策目標として考える。五・五というのはむしろ高いじゃないかという議論が相当強うございますし、まあそういうことでもあります。できるだけそこいらのところに何とかおさまるんじゃないか、おさめたい、こういう感じを持っていますから、あんまり去年の四・八と七・三のことを頭におかないでやっていただきたいと思うのです。 新経済社会発展計画、これは御存じのように、一つの考え方というものを前提にしてあの数字ができています。いろいろなほかの政策課題もありますけれども、物価の安定というようなことを一番大きな柱として、そしてああいう数字の予測ができているわけであります。そういう意味からいいますと、このところ、旧来の計画から新しい計画に移る過渡期間において、いま言ったような四十五年度のような失敗がありましたけれども、これからだんだんと安定成長に軌道修正が行なわれていくという方向に立ってものごとを考えますと、物価の上昇が四十五年度のようなことにはならない。やはり徐々に——もちろん政策努力が必要であります。それから輸入の自由化なんかも、もっと徹底しなければいけません。いろいろとやらなければならないことはあるわけでありますけれども、そうしたことを計算に入れて、しかも発足したばかりのところでありますから、あれが一がいに達成できないんだと言うのは、私は言い過ぎだろうと思うのです。先ほど申し上げましたようなこともありますからして、これはもう少し、できるだけ努力をしてみたい、こう思っております。 それで、もちろん経済見通し自体は、物価も重要な資料ですけれども、いろいろと他のものもございますし、そうしたもの、経済成長の姿全体を見て、そうして、もしも実態に合わない段階になりましたら、あるいはそれが十分に見越し得るようになりましたら、それの手直しをするようなことは十分考えているわけであります。ただ、非常に大きな作業でありますから、手直し自体に一年くらいはかかってしまいます。そういう意味において、あれはもともと、三年目にはもう一回見直しをするつもりでおりますし、非常に流動的な今日の状態でありますから、そう遠くないうちに、やはりもう一回再検討というか、見直しの作業を開始しなければならぬ、そういう時期に来る、そういうふうに考えております。それは物価だけの話でなく、全体としての見直しが要る時期が来るんじゃないか、そういう感じがいたしております。 したがって、今日の時点において、物価の数字その他も、いますぐいじるとか、そういう考えはもちろん持っておりません。
○渡部(通)委員 私、ここで一言言わせていただきたいと思うのです。 いま長官のお話を聞いておりますと、その四・八から七・三になったことはあまりこだわらないでほしい、こういう話でございます。私、そのこと自体にこだわるのじゃなくて、やはり四.八が七・三になったという社会情勢で、一家心中をしたおうちもある。あるいは、大学へ行きたいと思っていたけれども、行けなくなったというむすこさんもある。こういうほんとうの庶民の実態というものを象徴した数として、物価高の象徴として四・八が七・三になった、こう受けとめてもらわなければ、私は、政治家としては失格ではないかという気がいたします。あれにこだわらないでくれ、そういう感覚は、やはりことし五・五%が 一〇%になっても、来年になればまたどういうふうにでも言いわけがつく、こういう感覚とイコールだと思うのですね。私は数の指数論議をしたくないというのは、それは、ほんとうに庶民の生活感情からしたら、まことにそらぞらしいことだからです。そうでなくて、やはりそういう物価指数が上がったという、その根底にある社会の一人一人の暮らしの問題というものを、大臣はほんとうにはだに感じてくださるのかどうか。それを受けとめてくださったらば、いまのような無責任な御発言はない、こう思うわけです。そういう意味で、私が大臣にお説教するようなんじゃいやなんですけれども、やはりもう少し、数の問題ではなくて、物価上昇による国民の苦しさというものを知っていただきたい、これを最後にお願いをするわけでございます。 で、私、石油議論をちょっとここで申し上げました。一貫して国民生活局長のお話は、まだ値上げはきまったわけではないから努力をするという態度であったと思います。それから長官のお話では、企業流通努力、流通の合理化に負う、こういう、もう一貫した態度であったように思います。ですけれども、私、事態というものはもう少し進んでいるのではないか。中近東の王さまが買ったのか、それとも国際資本が買ったのか。もう明らかにメージャーズが買ったといわれております。まあ値上げ分をそのままこっちに持ってきたわけです。日本の業界というものは、そのまま値上げ分をまた消費者に転嫁をするという、そういう事実というものは、もうすでに大臣の御認識よりは進んでいるという認識を、私ここでもう一回、お持ち願いたいということを最後に申し上げます。 流通段階の合理化という点については、私の党としてもいろいろ調査もし、進めておりますので、この点については、私もこれからいろいろとまた調べた上で、積極的に質疑をしてまいりたいと思いますので、何とかその点、石油の値上がりというものが、消費者の物価高という点にあまりはね返ってこないように、最小限に食いとめていただきたい。私は、これが国会議論でなければ、絶対阻止してくれ、こう申し上げたいところですけれども、事態がこうなった以上は最小限に食いとめてもらえるように、今後の努力を切にお願いをしたいと思うわけです。 以上をもって終わります。
○佐藤(一)国務大臣 いや、ちょっと一言言わしておいていただきたいのですが、四・八が七・三になったことが、別に私、無感覚でも何でもありません。そうではなくして、五・五という数字を考えるときに、四・八が七・三になったから五・五はあまりにそらぞらしい、こうさっきからおっしゃるから、そうではない。その点については、われわれも五・五というものを、そういうそらぞらしい数字として考えて政府が掲げているわけではもちろんない、こういうことを申し上げているのであります。ですから、先ほども率直に私が、四・八の見通しがむしろ甘かったということを申し上げているようなわけでありまして、もちろん私も、こういう問題について数字がどうということを、あなたのおっしゃる点もわかりますけれども、しかし四・八が七・三になったから、じゃ五・五が九になるんだ、こういうもののとり方をされては困るので申し上げたわけです。物価上昇について責任者である私が無感覚などと言われたんでは、これは困るわけでございまして、この点だけは、ひとつ渡部さんもよく御認識を願いたい、こう思うのでございます。 石油の問題も、これは長い目で見ますと、五年間、少しずつですけれども上がっていきますし、いわゆる資源のない後進諸国のいわば地位回復の一環としての事柄であるだけに、ある意味においては世界全体、国際経済全体における一つの再配分、配分の変更、所得再配分の形でもあろうかとも思われます。そういう意味において非常に基礎的な問題でございますからして、過渡的に価格が多少上がるとか、そういうような問題もなかなか防げない場合も起こるかもしれません。われわれとしては、できるだけこれを行政指導によって防いでいこうと思っておりますが、しかし、長期的に見れば、日本の資源対策のあり方そのものにやはり間違いがあったといいますか、反省があるわけです。あるいはもっと他の方法によって石油の取得を考えるとか、そうしたことによって後進諸国の供給の影響を極力緩和さしていく、そういうような、少し時間のかかる対策も考えながらこれはやっていくべき問題であろうと思います。合理化の問題もこの一環でございますからして、できるだけ努力をしてまいりたい、こう思います。 ————◇—————
○小林委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 先ほどの理事会の申し合わせのとおり、物価問題等に関する件について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十一分散会