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65回国会衆議院1971/05/21

農林水産委員会 第30号

発言数
161
登壇者
20
会派数
4
開催日
1971/05/21

会議録

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これより会議を開きます。  土地改良法の一部を改正する法律案及び家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨説明を聴取いたします。倉石農林大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 土地改良法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  土地改良法は、昭和二十四年に制定されまして以来、数次の改正を経て今日に至っておりますが、この間、本法に基づく各種の土地改良事業が施行され、農業生産基盤の整備をはかることによって農業の生産性の向上、農業構造の改善等に大きく寄与してまいったのであります。  他方、わが国農業及びこれをめぐる諸情勢は、近年著しい変化を生じ、これに対応した総合農政の新たな展開をはかることが要請されているのでありますが、との一環として農業生産基盤の整備につきましても、これらの新たな事態に即応して、さらに一そう強力かつ計画的に推進することが緊要となっているのであります。また、最近における、土地改良事業の実施面について見ましても、従来には見られなかったような広範な地域を対象とする大規模かつ基幹的な土地改良事業を推進する必要が生じてきているほか、都市化の進展に伴い農村における土地及び水の農業上の利用とその他の利用との競合が増大してきているなど、現行の土地改良制度が農業あるいは農村の実情と必ずしもそぐわない面も生じてきているのであります。  このような情勢の変化に対応しつつ、今後の農業生産基盤の整備を計画的かつ効率的に進めるため、このたび土地改良制度の全般についてその改善合理化をはかることとし、この法律案を提出した次第であります。  次にこの法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  第一は、換地を伴う土地改良事業における農用地以外の土地の取り扱いに関する改正であります。すなわち、圃場整備事業等を実施するに際し、その実施地域内に介在する農用地以外の土地をこの事業に取り込み、事業の合理的な推進をはかることができるようにいたしますほか、共同利用施設用地、公共用地、工場用地等が新たに必要な場合にはいわゆる創設換地等の手法により、その区域内の土地をこれらの新たな用途に充てることができることといたしたのであります。  第二は、土地改良事業の総合的実施のための改正であります。現行土地改良法は、数種の土地改良工事を行なう場合には、その種類ごとに別個の計画を定めて別個の事業として実施することといたしておりますが、最近におきましては、一体的な計画のもとに各種の工事を組み合せた総合的な土地改良事業を実施する必要が生じておりますので、これらの工事をあわせて一個の土地改良事業として施行することができることといたしました。また、土地改良事業計画の概要を公告して関係農業者等の同意を得る前に関係市町村長の意見を聞かなければならないこととし、農業振興地域整備計画に基づく施策等との調整に資するよう配慮いたしました。  第三は、農業振興地域整備計画の達成上必要があるときは、市町村が国営または都道府県営の土地改良事業の施行を申請する道を開いたことであります。この場合、農業者がこれらの事業の実施を申請する場合と同様関係農業者等の三分の二以上の同意を得て申請することができることとしたほか、特に基幹的かつ先行的な施設の建設の事業につきましては、関係農業者等の同意を得ないでも、関係市町村の議会の議決を経る等の手続によりその実施を申請する制度を設けることといたしております。  第四は、農業用用排水施設等の利用関係の調整に関する規定を整備する改正であります。農村における都市化の進展等に即応し、農業用用排水施設等につきまして、農業的利用とその他の利用との間の円滑な調整をはかるため、新たに国営土地改良事業で造成された施設については水道事業その他の公共的事業を行なう者との共有とすることができることとしたほか、下水道等と兼用することが適当となった施設の管理等に関する関係地方公共団体等との協議、農業用用排水路に排出される廃水の差しとめ等に関する規定を設けることといたしております。  第五は、農地保有合理化法人に土地改良事業の実施資格等を付与するための規定の整備であります。すなわち、さきの農地法の改正により新たに制度化されました農地保有合理化法人につきましては、今後農業構造の改善をはかる上にその事業に期待するところ大でありますので、この農地保有合理化法人に、新たに土地改良事業の実施資格を付与する等土地改良事業と農地保有合理化促進事業とを有機的に関連づけて運営することができるようにいたしております。  以上のほか、土地改良事業の受益地が一定期間内に農業外の用途等に供された場合にその土地改良事業に投下された公共投資を回収する制度を設けるほか、土地改良区の役員の選出及び経費の賦課、換地計画の定め方等現行土地改良制度の各般にわたり所要の改善整備を行なうことといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  次に、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  畜産の振興をはかるためには、家畜衛生、特に家畜の伝染性疾病の発生を予防し、蔓延を防止することが基本的条件でありますので、法律の定めるところにより、家畜の伝染性疾病の防遏に日ごろ絶えざる努力を払ってきているところであります。  現行の家畜伝染病予防法は、昭和二十六年に、旧家畜伝染病予防法を全面的に改正いたしまして制定されて以来、大幅な改正を経ることなく今日に至っているのでありますが、この間において、獣医技術は著しく進歩し、家畜防疫も質的に大きく変化を遂げてきております。また、最近における家畜の価格の高騰等もあり、この法律の運用に際しましても、必ずしも実情に即しない点が生じてまいりました。  このため、主として家畜衛生上の技術的な見地から現行制度を整備し、家畜防疫の適正な運営をはかることとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、家畜伝染病として取り扱う伝染性疾病について、若干の加除を行なうこととしております。  家畜の伝染性疾病のうち現在二十八種類を家畜伝染病として第二条に列挙しているのでありますが、このうち、トリバノゾーマ病、トリコモナス病、馬パラチフス、仮性皮疽、羊痘及びかいせんにつきましては、もはや法に基づく強力な措置を講ずるまでもなく防疫が可能となりましたので、これらを削除することとし、反面、新たにヨーネ病及びアフリカ豚コレラを加えることといたしました。また、家禽の家畜伝染病に重要な関連のある七面鳥とウズラを家禽の家畜伝染病の対象家畜に加えることといたしました。  第二は、国際貿易の進展につれて、家畜等の輸入が今後ますます増大することが考えられますので、所定の動物を輸入しようとするときは、その種類及び数量、輸入の時期及び場所等について、あらかじめ動物検疫所に届け出ることとし、動物検疫所の施設の効率的利用と係留検査の円滑な実施をはかることといたしますとともに、海外から悪性伝染病が侵入いたしましたような場合等には迅速果敢な防疫措置を講ずる必要がありますので、都道府県相互間における家畜防疫の協力体制を整備することといたしました。  第三は、家畜が、家畜伝染病にかかり、またはかかった疑いがある等のため家畜を殺しまたは殺すべき旨を命じられた場合に国が家畜の所有者に対し交付する手当金につきましては、家畜の種類ごとに、最高限度額を法律で規定してありますが、家畜価額の高騰等もありまして必ずしも実情に即しない点も生じてきておりますので、家畜価額の推移に応じて弾力的に対処できるよう政令で評価額の最高限度額を定めることといたしました。  第四は、国及び地方公共団体の助言及び指導のもとに、家畜の所有者が、家畜の伝染性疾病の予防のため必要な自主的措置を適切に実施するようつとめるべき旨の規定を新たに設けることといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願いいたします。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 次に、両案について補足説明を聴取いたします。岩本農地局長。

岩本道夫農林省農地局長

○岩本政府委員 土地改良法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。   〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕  本法案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容の概略を御説明申し上げます。  まず第一は、換地を伴う土地改良事業における非農用地の取り扱いに関する改正であります。  すなわち、土地改良事業は、宅地等非農用地についても、その所有者その他の関係権利者の同意を得て、その施行地域内に含めて実施することができることとするとともに、この土地改良事業の実施に伴う換地の仕組みについて創設換地、異種目換地等に関する新しい制度を設けることといたしました。これは、圃場整備事業等換地を伴う土地改良事業の一そう円滑な実施をはかり、農用地の集団化等農業構造の改善の推進に資するとともに、これら事業の実施を機会に土地改良施設用地等の公共施設用地、ライスセンター、カントリーエレベーター等農業経営の合理化に必要な農業用施設用地のほか、農業者の住宅用地、農村地域への工業導入をはかるための工場用地等もあわせて確保し得るようにするものであります。  第二は、土地改良事業の総合的実施に関する改正であります。  現行土地改良法におきましては、区画整理事業のみについて土地の区画形質の変更の事業に付帯してその他の農用地の造成、改良、保全のための工事を行なうことができることとされておりますが、農用地造成事業についても既耕地の区画形質の変更その他の工事を付帯して行なうことができることとするほか、新たに同一地域に重畳して行なわれる二以上の土地改良施設の新設、変更を一体とした土地改良事業及び土地改良施設の新設、変更とその施行地域で行なわれる区画整理、農用地造成その他の事業とを一体とした土地改良事業を一事業として行なうことができることといたしております。  また、土地改良事業計画の概要を公告して関係農業者等の同意を得る前に関係市町村長の意見を聞かなければならないこととし、土地改良事業相互間及び土地改良事業と他の施策との斉合性の確保に資するようにいたしました。  第三は、市町村が国営土地改良事業または都道府県営土地改良事業の施行を申請する道を開く改正であります。  農業振興地域整備計画の達成上必要な場合には、市町村も関係農業者等の三分の二以上の同意を得て国営または都道府県営土地改良事業を実施すべき旨を申請できることといたしましたが、との場合、最近におけるかんがい排水事業の広域化、大規模化等事業内容の実態的変化を手続面にも反映させるため、基幹的な土地改良施設の新設または変更について先行的に実施する必要があるときは、この関係農業者等の同意を得ないでも申請ができることといたしました。この同意を得ないでする申請につきましては、あらかじめ関係土地改良区等の意見を聞かなければならないこととするほか、国営事業の場合には申請の段階で、都道府県営事業の場合には事業の適否を決定する段階で、それぞれ、都道府県の議会の議決を経なければならないことといたしております。また、この申請に基づく事業の費用の負担方式につきましては、国が都道府県に費用の一部を負担させることができることは従来の場合と同様でありますが、都道府県は、国営土地改良事業にあってはその負担金の全部または一部、都道府県営土地改良事業にあってはその事業に要する費用の一部を、関連する末端土地改良事業が関係農業者等の三分の二以上の同意を得て施行される段階においてその事業主体である土地改良区その他この国営または都道府県営事業により特に利益を受ける者から徴収することができることといたしました。したがって、基幹的な施設を利用するかいなかについての事業参加資格者の意思は、関連する末端の土地改良事業に対する同意を通じて表明されるよう担保されているわけであります。  第四は、農業用用排水施設等の利用関係の調整に関する改正であります。  その一は、最近において国営土地改良事業により造成された基幹的な土地改良施設を発電事業、水道事業その他の公共の利益となる事業との共用とすることが適切である場合が次第に増加しているわけでありますが、この共用化が円滑に行なわれるよう、共用化に際し、これらの事業者に共有持ち分を与えることができることとするとともに、その対価の一部を地元に還元することといたしたことであります。  その二は、土地改良区は、その行なう土地改良事業によって利益を受ける組合員以外の者からも、都道府県知事の認可を受け、その事業に要する経費の一部を徴収することができることといたしたことであります。  その三は、土地改良区等は、その管理する農業用用排水路その他の土地改良施設が、市街化の進展等により下水道その他の施設との共用とすることが適当と認められるに至った場合には、関係地方公共団体等に対しその施設の管理、その他必要な事項につき協議を求めることができることといたしたことであります。  その四は、農業用用排水路の管理者は、その予定する廃水以外の廃水の排出により、その施設の管理に著しい支障を生じた場合等におきましては、その排出を停止することその他必要な措置をとるべきことを求めることができることを規定いたしたことであります。  第五は、農地保有合理化法人に土地改良事業の実施資格を付与する等の改正であります。  その一は、農地保有合理化法人は、その行なう農地保有合理化促進事業の一環として土地改良事業を実施することが必要となる場合がありますので、土地改良事業を実施する資格を与えることといたしたのであります。この場合の手続等は、農業協同組合が土地改良事業を実施する場合と同様であります。  その二は、農地保有合理化法人が所有し、または借り受けている未墾地等につきまして、地方公共団体及び農業協同組合等の場合と同じく、国営または都道府県営農用地造成事業を施行すべきことを申請することができる道を開くことといたしたことであります。  その三は、国営の干拓事業により造成される干拓地につきましては、その干拓地及び周辺の地域における農地保有の合理化の促進等をはかる観点から見て適当と認められる農地保有合理化法人に対し、干拓地等を配分することができることといたしたことであります。これは、農地保有合理化法人が、その配分を受けた干拓地と周辺の地域における農用地とを一体として農地保有の合理化をはかることができるようにするものであります。  第六は、土地改良事業の受益地が農業外の用途等に供された場合にその土地改良事業に投下された公共投資を回収できることとしたことであります。  このような公共投資の回収措置につきましては、現行法では、国営干拓地における目的外用途の転用の場合に特別徴収金を徴収する制度が設けられておりますが、干拓以外の国営土地改良事業につきましてもその施行地域内の土地が一定期間内に目的外用途に供され、または目的外用途に供するためこれにつき所有権の移転等がなされた場合には、国は、その負担した事業費の範囲内で、特別徴収金を徴収することができることとし、これにあわせて、都道府県営、団体営の土地改良事業につきましても同様の趣旨の規定の整備をすることといたしました。  最後に、その他の改正についてその概略を御説明申し上げます。  その一は、土地改良区等の役員の選出方法につきまして、従来は、選挙に限られておりましたのを、他の農業団体と同様、定款で総会または総代会の議決による選任の方式をとることもできることといたしましたほか、土地改良区の経費の賦課につきまして、土地の受ける利益を勘案する際、地積、用水量その他の客観的指標により行なうことを明確にすることといたしました。  その二は、土地改良区等が換地計画を定める場合に、あらかじめ換地に関し専門的な知識等を有する技術者の意見を聞かなければならないことといたしました。  その三は、土地改良事業計画の変更につきまして、土地改良事業の施行地域の変更は、事業計画の重要な部分として、従来施行地域全体の事業参加資格者の三分の二以上の同意を要することとされておりましたが、その変更が軽微なものにつきましては、その変更により施行地域に編入され、または除外される地域の事業参加資格者の三分の二以上の同意をもってこれにかえることができることといたしました。  その他従来運用上問題とされておりました諸点につきまして規定を整備いたしております。  以上をもちまして、土地改良法の一部を改正する法律案についての補足説明といたします。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 増田畜産局長。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので以下その内容について御説明申し上げます。  第一は、現行第二条において家畜伝染病として規定されております二十八種類の家畜の伝染性疾病のうち六種類を削除するとともに、二種類を新たに加えることといたしております。削除いたします疾病のうちトリパノゾーマ病、仮性皮疽及び馬パラチフスは、馬の伝染性疾病でありますが、前二者はすでに長期間にわたりまして国内での発生がなく、媒介昆虫または病因菌の分布及び病性等からして国内における発生、流行の可能性が著しく薄らいできており、また、馬パラチフスは、ワクチンの改良により予防が効果的に行なえるようになりまして、今後これら疾病を家畜伝染病から除外いたしましても、防疫上支障はないと判断されます。羊痘及びがいせんは、綿羊の疾病でありますが、獣医技術的に見ましてそれらの発生、流行の危険が著しく減少し、蔓延のおそれも全くなくったものと考えております。またトリコモナス病は、牛の流産と不受胎の原因となるものでありますが、人工授精の普及と種畜検査によりまして発生の報告もなくなり、今後の大流行を想定する必要はないものと判断したものであります。  次に、新たに加えることとしましたヨーネ病とアフリカ豚コレラでありますが、前者は、牛の下痢を主徴とする慢性病で潜伏期も長く、一たび牛群に侵入いたしますと知らず知らずのうちに蔓延し経済的に重大な被害を与えるものでありますし、後者は、アフリカ、ヨーロッパの一部に流行しております豚の急性伝染病で伝染力が強い上に死亡率もきわめて高く、いまのところ有効な予防手段が全くなく、一たん国内に侵入した場合にはばく大な被害をこうむるものと思われますので、今回新たに家畜伝染病に加えることとしたわけであります。  さらにアフリカ豚コレラにつきましては、その病性から牛疫、口蹄疫と同様に最も悪性な伝染病として取り扱うこととし、第十六条を改正いたしましてその患畜及び疑似患畜について屠殺の義務を課することといたしたのであります。  第二は、現行法第四条では、家畜が疾病のため死亡したときその所有者は、その旨を市町村長に届け出なければならないこととしておりますが、家畜が死亡した時点で行政庁がこれを察知するのでは防疫の万全を期しがたいので、今回の改正により家畜が家畜伝染病以外の重要な伝染性疾病にかかり、またはかかっている疑いがあることを発見したときは、当該家畜を診断しまたはその死体を検案した獣医師が遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならないことといたし、初期防疫に遺憾のないようにいたしました。  第三は、家畜伝染病の蔓延を防止するため必要があるときは、都道府県知事は、第十七条の規定により家畜伝染病の患畜または疑似患畜について、これらの家畜を殺すべき旨を家畜の所有者に命ずることができることとなっておりますが、豚コレラ、ニューカッスル病等につきましては、国内での発生状況及び清浄化の過程において今後一そう強力な防疫手段を必要とすることになりますのでこれら疾病の疑似患畜につきましても、都道府県知事が必要と認めまずときには殺すべき旨を命ずることができることといたしたのであります。  第四は、第三十六条の改正であります。現在海外からの伝染性疾病のわが国への侵入を防止するため、病性の激しい伝染性疾病の発生している地域からの畜産物等の輸入は原則として禁止しておりますが、伸展する畜産に対応して広く畜産技術の進歩に資する必要がありますので、家畜の品種改良のような特別な事情がある場合においても、農林大臣の許可を受けて輸入し得ることといたしたわけであります。  第五は、動物の輸入に関する届け出等についての第三十八条の二の規定の新設であります。家畜等の輸入の増大に対処して効率的な動物検疫の実施をはかるため指定検疫物たる動物で農林大臣の指定するものを輸入しようとする者は、動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所等について、あらかじめ動物検疫所に届け出なければならないことといたしますとともに、動物検疫所長は、輸入検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、届け出にかかる輸入の時期または場所を変更すべきことを指示することができることといたしました。  第六は、都道府県相互間における家畜防疫員の応援派遣の要請に関する第四十八条の二の規定の新設でありますが、海外から悪性伝染病が侵入した場合等家畜防疫上緊急の必要があるときは、都道府県知事は他の都道府県知事に家畜防疫員の派遣を要請できることといたしております。  第七は、殺処分手当金に関する第五十八条の改正であります。現在、第十六条は第十七条の規定により患畜または疑似患畜を殺し、または殺すべき旨を命じられた場合におきましては、国は第五十八条第一項各号の規定によりまして、当該家畜の所有者に対し、家畜の評価額の三分の一あるいは五分の四の手当金を交付することとしております。このうち患畜に対する手当金につきましては、家畜の種類ごとに最高限度額を法律で規定しておりますが、今回これを改正いたしまして、家畜価格の推移に応じて弾力的に対処できるよう家畜の評価額の最高限度額を政令で定めることとしたものであります。  第八は、家畜の伝染性疾病の予防のための自主的措置に関する第六十二条の二の規定の新設でありますが、家畜の所有者は、家畜の伝染性疾病の予防のために必要な消毒その他の措置をみずから適切に実施するようつとめるべき旨を明らかにするとともに国及び地方公共団体は、家畜の所有者またはその組織する団体に対し、必要な助言と指導を行なうこととしたものであります。  以上をもちまして家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 以上で補足説明は終わりました。     —————————————

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 引き続き、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 家畜伝染病予防法の一部を改正する件で若干質問いたします。  まず第一に、いろいろ提案理由の説明で伺ったのですが、除外する六種類の法定伝染病は、今後全く出る危険性はない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 ただいま補足説明の中で御説明申し上げましたとおり、現在の技術、獣医学の進歩または外国との交流の関係等から考えまして、今後発生することはまずないというふうに断言してしかるべきだと考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私も通例、除外した六種類の伝染病については、常識としてはそう考えられると思うのです。現在の発生状況はほとんどないといっていいのですから、これは現在は除外していいだろう。しかしこれは伝染病ですから、何かの機会といいますか、急に発生しないということは断定できないのじゃないか。その場合の緊急措置はどういうふうにお考えになりますか。除外したんだから殺処分もできないし、かなり蔓延しておっても、国会が開かれて、また蔓延したから第二条に追加するということをしなければ殺処分をやれないのか。そういうことはどういうふうにお考えになっておりますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 ただいま御説明申し上げましたが、ちょっと間違いがございましたので訂正さしていただきたいと思いますが、いわゆる法定伝染病といたしまして殺処分をするというような強い規制の病気の対象から除外はいたしましたけれども、それが依然伝染病であることについては間違いございませんので、法定伝染病以外の伝染性疾病というようなことに省令で指定をいたしまして、たとえば発生いたしました場合には移動について証明書をとるとかあるいは消毒の命令をさせるとか、今後発生した場合にはそういうような措置は当然とるということの法律体制にいたしているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に疑似患畜の取り扱いの問題ですが、疑似患畜をもって殺処分命令を出すということは、これは疑似症状ですから、疑似症状というものは真症であるかどうかわからない時点であり、またその蔓延防止のためには、かなり濃厚な疑似症状と判断したときに、それが真症という診断になるまでおくということは、その病気の性格によってはすでに蔓延する危険状態になってくる、こういえると思うのですが、こういう場合における、疑似症状で殺処分命令を出すという場合の総合判定の規模、これをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生御承知のとおり、疑似患畜につきまして、それの殺処分を命令するという場合にも二種類ございまして、たとえば明らかに疑似患畜らしいという場合と、それから口蹄疫は入っておりませんけれども、たとえば口蹄疫にたまたまかかったものがあって、たまたまそこの付近を通ったということで、まだかかっているかどうかわからないけれども、口蹄疫という病気の特性から考えて、その一定の地域のものは全部殺処分しなければならないという二つのグループがあるわけでございます。したがってその病気及びその病気の発生のぐあい、たとえば口蹄疫のようなものを考えた場合に、その家畜がどこまで動いたかというようなことできまってくる問題であるわけでございまして、それはケース・バイ・ケースで判断せざるを得ない問題であろうというふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 その判断はそれでいいのですが、そういう判断を下す場合に機構ですか、最終決定をする場合にはやはり疑似で最終決定するわけですか。あるいは想定に基づいて、疑似までいかなくても、いまお話があったように、非常に危険な伝染病が発生するという推定に基づいてでも殺処分命令が出る場合があるわけですから、そういう場合の最終決定はどこが行なうのか。最終判断というか最終診断ですね。その具体的な最終はどこが決定するような機構で取り扱っていくのか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 具体的には家畜保健所の職員が診断いたしまして、知事の判断を得てその判断をいたすわけで、問題の性質によっては農林省に協議して、農林省と協議のもとにきめるということをいたしておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 非常に重要なものについては農林省の技術陣がいくという場合もあるわけですか。そう判断してよろしゅうございますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 おっしゃるとおりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に動物輸入に関してでありますが、最近少しよくなったというのですが、私のところでも種馬を輸入しました。いまから四年か五年くらい前ですが、横浜の検疫所へ到着したから見てくれ、行ったら設備が悪かったですね。こんな設備で検査するといったってどうもならぬじゃないかというような状況でありましたが、家畜検疫所の関係ですね。この設備とそれから判定能力を高めて、輸入したものはそこに一日でも少ないほうがいいわけですから、輸入する動物は主として種畜関係あるいは競争馬が一部あると思いますけれども、肉で輸入するものはほとんど生体で外国から輸入していないと思います。主として枝肉で輸入することになると思うのです。生体で輸入する場合には非常に金額も高いし、大切な動物ですからもう少し施設も整備することが必要だしそれから検疫期間、一定の期間は要るでしょう。しかし可能な限り、やはり人員なりあるいはその反応を見る機械なりの設備を強化して、検疫期間というものは可能な限り圧縮する必要があると思うのです。設備改善とかそういう考え方はどうなっておりますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 現在五カ所の支所と十カ所の出張所で検疫体制をやっておるわけでございますが、まず人の問題につきましては、ここ二年の間に検疫官を三十七名増員をいたしまして、検疫事務の渋滞なからしめるように措置いたしております。また施設につきましても、毎年設備計画を持ちまして設備いたしておりまして、現在におきましるても、約四十棟、六千平米に近い施設を持っておわけでございますが、今後のことも考えまして、さらに門司、横浜等、それから成田空港ということにつきましては、いま計画を持って急速に設備をいたしているわけでございますので、今後輸入が施設面で問題になるようなことはまずないと私どもは考えておるわけでございます。  ただ、先生のおっしゃいました検疫期間を短縮するという問題、これは確かに長くないほうがいいということはわかるわけでございますが、病気によってはおのずと一定の潜伏期間というものがある。そういうことを基準としてある期間をきめているわけでございますので、これはその点との関連であの日数はきまっておるわけでございます。その点、短縮というのはなかなかむずかしい面がございますが、その点はなお今後獣医学の進歩とからみ合わせまして検討させていただきたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、手元へ資料が参っておりますが、四十四年で牛が五千八百六十四頭輸入されておりますが、沖繩から若干肉牛が入っておりますが、沖繩からのものは輸入としてこの数字に入っておるのか。沖繩から入るものはこのほかなのかこの中にあるのか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 沖繩のものを含んだ数字でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 沖繩から入る肉牛等に対する防疫関係はどういうふうに扱っておりますか、この前、二年ほど前に沖繩対策特別委員会で沖繩へ行ったときに、両方で、向こうは向こうで輸出検査をやる、こちらでは到着すると一週間くらいやはり防疫検査にかかるということで、その経費あるいはえさが十分でなければその期間に非常にやせて肉量が減る、こういう問題があったわけですが、現在それはどの程度改善されておりますか。二、三年前の形そのままでやっておるのか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生いまおっしゃいますように、従来は輸入ということで扱っておりましたので、従来の扱いを申し上げますと、沖繩では七日間係留して輸出検査をし、国内に着けば五日つないでまた輸入検査をするという一般のやり方をやっておったわけでございます。しかしながら、沖繩につきましては、特殊の関係毛あるということのほかに、入ってまいりますものはほとんどがというよりも全部といっていいくらい屠場直行であるわけでございます。そういう意味で、われわれとしましては四十四年に片方検査というようなことで、向こうで検査してくればこっちは船で見ただけでよろしいということに改めていたわけですが、さらに本年四月からは係留期間を、いままで出るときには七日というのも一日だけ係留すればよろしいということにいたしますとともに、いままで入ってきたものはもよりの屠場行きだ、もよりの屠場でしか屠殺してはいけないということにしておったわけですが、その制限も解除したということで、現在沖繩からの輸入については大幅に簡素化しているというのが実態でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 将来はどうですか。近く沖繩は帰ってきますが、帰ったときには——たとえば北海道から肉畜を送る場合に、青函でそういうことをやらないわけですが、そういうふうに防疫機構を早急に——沖繩の開発計画を見ると、肉牛二十万トンという計画が入っておるので、沖繩は肉牛生産に今後かなり力を入れてくると思うのです。その市場はほとんど内地市場ということになるわけですから、それは将来はどういう考え方で農林省としては対策を進めるお考えであるか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 沖繩は、本国に帰りますれば、これは当然府県並みの扱いでございますから、いまのような検査はいたしません。ただ先生も十分御承知だと思いますけれども、あそこには悪性のダニがおりまして、ピロプラズマとかアナプラズマという病気があるわけでございますので、この関係がありますので、国内であらためて飼い直すというようなものにつきましてはその検査だけはするということにいたしたい、かように考えているわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に患畜の殺処分手当の最高限度額の問題ですが、これは従来法律で定めておったものを政令にゆだねる、こうなっておりますが、それは政令にしても、いわゆる適正を欠かなければいいんですけれども、これはどういう考えで——今回殺処分手当を一部引き上げるというふうに聞いておるわけですが、その引き上げるという考え方の内容と、それからこれは、引き上げることは法律を直すということが一つあるわけですね。政令にゆだねるというのも一つの方法だとは思うんですけれども、どうして法律事項を政令に直したか。それから、今回殺処分手当の最高限度を引き上げようとする内容ですね。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 御承知のとおり、現在は法律で手当金の最高限度がきめられておるわけでございますが、法律でございますので、非常に硬直化していると申しますか、現実と合わないようなことになってきた。今後も当然家畜の価格というものは変動していくわけでございますから、そのためにはやはり弾力的に対処しなければならない、こういう趣旨で今度は政令に委任をさせていただいたということであります。われわれのいま考えておりますのは、牛につきましては、現行の最高限度が十三万円でございますが、これを二十六万円に上げるつもりでございます。それから馬につきましては現行が八万円でございますが、これを五十九万円まで引き上げることを考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 この政令にゆだねるということは、いま説明があったように、価格の変動もあるから弾力的に措置ができるようにするということで、後退は意味しておりませんか、政令にゆだねて。どうですか、将来の考え方は。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 将来の家畜の価格の変動がどうなるかということはちょっと予測いたしかねる問題ではございますが、通常常識的に考えて、これより後退するということはまずないというふうに私は考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 十三万を二十六万円に牛は引き上げる。それから馬は八万円を五十九万円に引き上げる。その中で、これは牛二十六万といっても、これは最高限度ですから、おのずと評価をするわけですが、具体的にどうですか、従来十三万円で評価をした場合、十三万円であれば最高十三万円ですから一いまそういう種畜でなくて、乳牛でも普通の乳牛は、やはり十三万という乳牛はちょっといないといっていいわけですね。搾乳牛では十三万という牛はちょっといないだろう。ですから画一的に二十六万になったというものではないし、特に馬については、これは競争馬とか種畜馬というものが入っているから五十九万であって、通例はやはり八万もかなり——普通の農馬でも上がっておると思うんですが、こういう場合に、この引き上がった適用というのは、限度額が上がったということは、即——いままでは十三万、八万で限度額が拘束されておったものを、評価額では、それぞれの殺処分を受ける家畜は大体時価額に近い評価が行なえる、こう判断してよろしゅうございますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 牛についてはまずほとんど一〇〇%に近いカバー率、九七%のカバー率になるというふうに考えております。それから馬、特に農耕馬については完全に一〇〇%カバーするという形になっておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、殺処分を受ける場合の手当ですが、急患の場合三分の一、それから慢性の場合は五分の四ですね。最近特に養鶏の多頭羽飼育等が出ておりまして、ニューカッスルは急性に入ると思うのですが、三分の一という殺処分手当では、これは自家用かもしくは副業的なものであれば三分の一の殺処分手当でもあれですけれども、専業で大型化している場合、まあ通例私どもが考えるには、産卵率が悪いとか、大型の畜産経営をやってみずからその経営に技術的な対応ができないで、収支が悪化して不良化するのは、これは本人のやり方が悪いということになるけれども、伝染病の場合は何ぼ善良な管理をしておっても、不幸にしてかからないという保証はないわけです。その場合に、三分の一では立ち直りができないという場合が起きるわけですね。ですから、こういう場合について、これをたとえば副業的なものは三分の二に補償額を引き上げても、補償額は少ないわけです。これはやはり三分の一ということは私は問題があると思うのです。慢性のものは五分の四だ、急性のものは三分の一だ、ここに手当としての問題があると思うのです。これはどうして改正のときに直さなかったのか。もうそういう直そうという意思はないのか。これで十分だというふうにお考えになっておるか、どうですか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 われわれがこの問題を改正する際にいろいろと内部でも検討し、大蔵省と実は激しい議論をいたした問題の一つでございます。この手当金の性格はそもそも一体何であるかという問題がいろいろ議論されたことが一つあるわけでございますが、しからば評価額といった場合に、特に急性にかかったものにつきましては、おそらくこれは経済価値としては、たとえば乳牛としては無価値になっていて、残っているのは皮とか肉の値段だけではないか、それでいいではないかというような極端な議論もあったわけでございます。しかしながら、われわれはあくまでも伝染病を早期に発見してこれに農民も協力させる、こういう意味で手当金を考えるわけでございますので、そういう奨励的な意味も含んでいるのだからということでこの手当金の引き上げを強く要望いたしたわけでございます。その率をどうすべきかということでいろいろ議論があったわけでありますが、各国の例を見ましても、急患は大体三分の一、慢性は五分の四というのが諸外国の場合でも通常の例になっているようでございますので、われわれとしてもやむを得ないということで判断をいたした、こういうことでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 もう一つの方法は共済の方法があるわけですね。これはまた現在農業共済保険に適用されておる家畜については、経営上危険分散をしようと思えば共済に加入しておいて、法定伝染病になった場合は、加入引き受け額から殺処分手当を控除した保険金が払われるわけですね。ところが鶏については多羽飼育はきわめて危険が伴っておるから共済制度を考えたらどうかという意見は、この委員会でも出ておると思うのです。それはどういうふうに進められておるか。これと並行して、三分の一の殺処分手当では多羽飼育の立ち直りは経営的には困難を来たすわけですから、それを相互扶助で、共済制度でまかなうという制度について十分進められてきたかどうか、もう近くそれはいわゆる共済法の改正で入れられる段階まで煮詰まっておるかどうか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 ただいま問題につきましては、実は経済局と畜産局との間で種々打ち合わせをしているわけがございますので、その進行状況等につきましては、現在担当の保険管理課長が参っておりますので、そちらから答えさせていただきたいと思います。

小野重和農林省農林経済局保険管理課長

○小野説明員 鶏に対する共済制度の適用の問題につきましては、四十四年度まで調査研究を行なってきました結果、一応の制度試案がいま得られております。この制度試案に基づきまして、四十五年度に引き続きまして四十六年度におきましても試験調査というものを行なって、被害率の把握あるいは損害評価の方法など、そういう技術的な問題点を実地に解明するということをいたしておりまして、制度化の検討を急いでいるところでございます。ただ鶏につきましては、従来大きな被害をもたらしておりましたニューカッスル病がおもなものでございますけれども、これに対しまして最近は有効な予防方法が出てきておるということでございまして、このため危険率、特に保険需要の面が相当変化しております。そういう点につきましてさらに鋭意解明する、これがいま現在の段階でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 以上で終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案について、政府当局に質問をいたします。  最近におけるわが国の農業は、米の生産過剰に伴う作付制限または農畜産物の輸入自由化攻勢等非常にきびしい環境に置かれておることは御承知のとおりであります。国民食糧消費構造が高度化、多様化してまいっている中で畜産物に対する需要が増大する傾向にあり、第二食管として重要視されていることは御承知のとおりであります。これに対応して畜産物は、今後ともわが国農業の拡大発展の中心的推進役として期待されておるところでありますが、今後の畜産経営はいままで以上に近代化、合理化が要請されております。  そこで、今回の改正で、最近における家畜飼養形態の変化並びに伝染性疾病の発生状況の変化等に対応して、今回の法律でいろいろ処置されておることは十分わかりますけれども、従来から要請されてきました家畜防疫体制の改善等とどのような関連性を持つかということをまず最初にお尋ねをいたしたいと思うのであります。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 畜産の振興をはかるための最も基礎的な問題として、家畜防疫体制というものをどう整備拡充するかということが基本問題であるという認識をわれわれとしては持っているわけでございます。そういう考えのもとから、従来におきましても、たとえば家畜保険上整備強化いたしまして、その施設の内容の充実をはかるとか、あるいは家畜防疫員というものをどう適正に配置していくか、あるいは自衛防疫体制というものをどのように進めていくのか、あるいは動物検疫体制というものをどのように整備いたしていくべきであるのかということについて、われわれ十分とは申せませんけれども、いろいろ御批判の点のあることは十分承知をいたしておりますけれども、われわれの力の及ぶ限りでわれわれとしてはっとめてきたつもりでいるわけでございます。その結果といたしまして、率直に申し上げまして家畜の伝染病の発生が急速に減少してきているという点は、これはお認め願える点ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。しかしながら、先生おっしゃいましたように、最近の畜産の事情というものは非常に変わってまいりまして、立地の移動が行なわれて、畜産の山地化というようなものが行なわれる。あるいは経営の大規模化というようなものが出てくるあるいは海外との交流が出て、おそろしい海外からの病気も入ってくる危険性というものはきわめてふえてきたとか、あるいはその間、畜産の技術の各段の進歩というものがあった、こういうふうなことで、いろいろ取り巻く諸条件というものは日増しに変化をしてきているわけでございます。そういう変化の中に実態的に応じられますように、われわれといたしましては今度の法律改正の中におきまして、たとえば都道府県の協力体制を強化するとかあるいは自主防疫というものを強化するのか、あるいは防疫を実態に合わせて、変えるとか、いろいろそういう点でくふうをこらしていまの実態にできるだけ適用できるようにという観点から、今度の改正をお願いしているというわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本法の施行にあたっては、私いろいろ検討してみましても、獣医師の待遇といういわゆる処遇関係がたいへんな問題になってまいります。このことについて、この機会に若干お尋ねをしておきますが、まず第一点として、獣医師が都市部に偏在している。その実態を把握しているか、その対策についてはどうかということをお尋ねするわけでありますが、御承知のように獣医師はだんだん六大都市、中でも東京、大阪というような都市に集中してまいりますし、さらには地方都市においてもやはり郡部から中央に寄ってくる、こういうようなことの傾向がいま起きておりますが、こういった偏在ということについて、本法施行にあたり今後いろいろ問題が起きてくると思いますので、やはりその対策についてお伺いをいたします。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、獣医師の数そのものから申し上げますと、私は実は家畜単位当たりにおける獣医師の数というものは、日本は実は世界で一番高いわけでございます。しかしながら先生御指摘のとおり、このごろどんどん農村を離れて都市へ流入してくる。あるいは新規の学生が農村に入りたがらないというようなことのために、地域によって獣医師さんと家畜の間に非常なるアンバランスが出てきていることはもう御指摘のとおりでございます。私のほうでつい最近、去る十二月現在で約三千の町村につきまして獣医さんの実態を調査してみたわけでございますが、そのうちのちょうど一割が実は無獣医村という状態の結果が得られたわけでございます。しかも現在置いてあるところでも現在すでにまだ足りない。さらに五百名ぐらいはどうしてもほしいんだというような調査が出ているわけでございます。なかなかそういう意味で獣医師さんの充足、確保をどうするかということは、今後の衛生上の基本的な問題であるわけでございます。何といたしましても、私のほうはその待遇改善、それから仕事としての働き場としてのはり合いを持たせるということは基本的な問題であるということで、従来からたとえば家畜の点数を四十四年に三五%引き上げるとかあるいは雇い入れる手当を引き上げるとかあるいは家畜共済保健所を整備してやるとか、いろいろのことをやっているし、農村への引きとめ策と申しますか、そういうことについては腐心をいたしているわけでございますが、率直に申し上げましてどうしてもいまのわれわれの手だけでは大勢として都市に流れ込んでいくのを引きとめるまでの力には至っていない。今後これに対してはさらに検討し力を入れなければならないというのが現在の実態でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいま御答弁がありましたように、新卒の獣医師が農村に入りたがらないという傾向が年々強くなってきておりますし、そのようなことで総合農政の推進に支障はないか、こういうふうに心配します。ただいまも答弁がありましたが、一割が無獣医村になっている。そういったところほど畜産の振興をはかっていかなければならぬ、こういうこともいえるわけでございます。そのようなことを踏まえまして緊急事態というようなことが起きた場合に対処し得るかどうか。また本法案で都道府県間の応援というものが今回規定されておりますが、体制は心配ないか。すなわち獣医師の待遇と適正配置、こういったものについてどういうように対策を考えておられるか、この点の御答弁をお願いします。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 ただいまお答え申し上げましたとおり、率直にいってわれわれの打つ手が必ずしも十分ではないことも手伝いまして、その確保方については非常に問題があるわけでございます。そういうことでいろいろ待遇改善という点については力をいたしているわけでございます。われわれとしてはその一つの方法といたしまして、家畜保健所につきまして、あすこは獣医さんのたまり場でもあるわけでございますので、たとえばあすこの職員に現在調査研究費という名目で特別の手当を出す、あるいは保健所長さんの特別待遇をする。それで無医村あるいは獣医師の数が必ずしも十分でないところには、そういう職員の手を十分活用させて、そういったところの穴は埋めていく。それから獣医さんの雇い入れをいたしましてほかの村に応援させてやるとか、そういうことをわれわれとしては現在手を打っているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 獣医師を雇い入れる場合の手当ですが、昨年はたしか二千五百円、ことしは三百円上げて二千八百円というように若干上げられておりますけれども、現在の都市における仕事の状況なんかいろいろ見ましても四千五百円から五千円、こういうふうに賃金を得ている状況から見ましてずいぶん安い。こういったことが大きな問題になっておりますが、こういった点の獣医師の待遇について、これでは安過ぎやせぬか、こう思うのですが、どう考えておられるか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 確かに先生の御指摘のとおりことしいろいろ予算を折衝して三百円上げてもらって二千八百円にいたしたわけでございます。私は率直に申し上げましてこれで十分などとは考えておりません。そういう意味で今後ともそういうものの手当の増加については格段の努力を払いたいと思っているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本法の施行にあたってこの獣医師の解決ということはたいへん大きな要素となるわけですが、現在獣医師の状況を見ましても待遇改善が解決されなければ本法の円滑な運営はできない、私はこういうように言いたいわけです。そういった意味からもう一点お伺いしておきますが、現在獣医師は牛、馬、豚、鶏というような産業動物関係の獣医師がだんだん犬とかネコとかというような愛玩動物というような獣医師へ転換していく。大学の卒業生もその傾向が強い。しかも都市へ集中化してくる、こういったことで生産調整による総合農政の展開の上からもたいへんな憂慮される問題になってまいります。時間がないので詳しい説明は省きますが、と同時に獣医師がそういったことで年々減少する、同時に老齢化してくるという問題がある。このような現状をどう踏まえ、また政府としては対策を考えておられるか、獣医師の待遇改善という問題にからんでもう一点お伺いしておきます。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおり現在の獣医師の問題につきましては、待遇の問題とからみましてもう一つ質の問題があるわけでございます。われわれの調査がちょっと古いので恐縮でございますが、現在の獣医師さんの、産業獣医師の平均年齢は四十二年で五十二・八歳でございまして、おそらく毎年これが〇・五歳ぐらいずっとっていっているんではないか。そうすると現在五十四、五歳という段階になっているんではないか。そういうことになりますとどうしてもやはり学校の結局新しい卒業生をどう確保していくかという問題に相なるわけでございます。現在獣医師さんの学校を出る卒業生の数は年間約千三百名あるわけでございますが、現実にそのうちに国家試験を受けますのが千二百名、そのうち大体試験に合格いたしますのがその約八割、約九百名ということで、千三百名卒業いたしますけれども、実際に獣医師さんの資格を得られているのが年間九百名程度、こういうような形になっているわけでございます。現在全体の獣医師さんが二万人いる。かなり老齢化があり、そこにまたリタイアがあるというようなことがあるわけでございますので、やはりここら新卒をできるだけ確保して、それも質的なものを上げて、それをできるだけ農村に帰すという政策をどうとるかというのが今後の大きな課題であり、それにどう取り組むべきかということをいま真剣に考えているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 との問題については時間の制約があるので詳しくは詰められませんが、これらはたいへんな問題であります。千三百名の卒業生に対して実際国家試験で採用されるのが九百名。これではどうしようもない。これが本法施行にあたってたいへん根本的な問題になる。獣医師の老齢化と相まって新しい卒業生が少ない。こういったことも、今後政府として畜産を大きく振興していこうという今後の農業のあり方からしましても、真剣な検討をされて対策を早急に抜本的に立てていただくように強く希望する次第です。  そこで、いまも答弁がございましたが、この質の問題ということがありますが、現在の獣医大学というのは四年制であります。私が調査したところによると、日本と韓国だけが四年で、アメリカその他の国ではもう六年制ということであります。こういったことから見ましても、やはり獣医に対して知識それから高度の技術をつけるというようなことからも六年制に延長すべきである、こういうように思うわけです。これは早急に検討すべきだと思っているんですが、この点についての御見解を承りたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 この点につきましては、もう全く先生の御説に賛成でございます。率直にいいまして、北里の獣医学校をつくるときに、あれは実は六年制ということでわれわれも強く文部省に要求をいたしたわけでございますが、実はそれが賛成を得られないで四年制になってしまっている。その後もわれわれはどうしても獣医学校については六年制にしてくれということで関係の方面に強く要望をいたしておるわけでございますが、いろいろの関係でまだ実現を見ていないというのが実態でございます。ですけれども、今後ともこの点については強く要望したいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この六年制延長については、強い決意がございましたが、今後ぜひこのようにひとつ推進をはかっていただきたいと思います。  次に口蹄疫または牛肺疫等の、これはきびしい伝染病でありますが、こういったものが海外から万一侵入してまいりますと、日本は総なめになるわけです。こういったことについて、今後全然心配ないとは言えませんが、従来は中国あるいは韓国からもかなり入った例がございます。対策について現状は万全であるかということについて簡潔にお答えいただきたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、今後海外との交通が非常に盛んになってまいりますので、われわれとしてもその危険性はますます増してきたという感じを持っているわけでございます。そういう意味で、われわれは防疫員の増員あるいは施設の強化ということについて、万遺憾なきを期しているわけでございますが、さらにわれわれとしては万が一入った場合でもこの被害を最小限度にとどめなければならない、こういうことで、実は県の協力体制をつくる。それでちょっと時代めきますけれども、われわれは秋季大演習、春季大演習ということで、各県が万一入った場合に緊急に措置するというような演習まで現在年二回やっているというような実態でござます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 一定規模以上の家畜使用農家の届け出制度や獣医師の専任または委嘱制度ということについて考えられないか、御見解を承りたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 この法律を検討する際に、実はこの問題も一つの重要な研究課題になったわけでございますが、まず大規模のものの届け出だけについて申し上げますと、病気だけの観点からいえば、むしろ大規模なほうは非常に衛生知識が進んでおりまして、むしろ小規模のほうに問題がある。そっちを抜いて、これだけを届け出にするということについてはいかがかということで、この問題はこの次の研究課題として見送ったわけでございます。  また医者の委嘱制というものについても、一つの自衛手段として、そういう体制をとるということは、これは私は非常に望ましいことではあることは申すまでもありませんけれども、これは法律で強制すべき問題であるのかどうかという点に若干の疑義を感じましたので、今度の改正では見送ったわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 小規模のほうが心配だということでございますが、そういうことも言われますけれども、やはり獣医師の不足によって、集団化してまいります今後の畜産、こういったことを思いましたときに、相当これは答弁しなければならぬ問題でもありますし、獣医師の不足という点から見ましても、また獣医師の待遇を安定して生活の安定をはかっていくというような意味からも、これは根本的にやはり考えるべき問題だと思います。研究課題として大いにひとつ研究して善処されるようにお願いするわけです。  次に、家畜保健衛生所の整備問題について二点あわせてお伺いしますが、家畜保健衛生所の整備統合の結果、数が減少し、防疫体制が十分に行なえなくなるのではないかという心配があります。防疫措置が時期を失することはないかという問題が一つ。  それからもう一点は、検査材料を気軽に持ち込めるような施設を整備する必要がある、かように思うわけです。詳しい説明は省略いたしますが、農家あたりが特にこういった要望が強いわけです。この点について御見解を述べていただきたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生のおっしゃいますとおり、確かに保健所を整備統合してやりますと、農民との間の距離が出てくるという点については、私も心配している者の一人でございます。しかしながらこのごろいろいろ病気が出てまいりまして、非常に専門化してくる、あるいは病性鑑定を早急にしなければならない。具体的に申しますと、従来ですと、病気が出ますと、その病性鑑定を一々国の衛生試験所まで上げなければ病性鑑定ができないというような状態であったわけでございます。そういうことでは、もう家畜の防疫にはとても間に合いませんので、現在こういうところを整備強化して、病性鑑定はできるだけ現地でやるという体制に整備していった。そういう必要もあってやったわけでございます。その間の農民との間の距離というものにつきましては、たとえば機動力をつけるとかあるいはそれぞれの担当官をきめて巡回せしめるというようなことで、その穴を埋めてまいりたいと思っておるわけでございます。  それからもう一つ、簡単に器材を持っていっていろいろ検査できるということ、おっしゃるとおりでございますので、県に一カ所、要するに保健所の中の一つのセンターになるところには全部そういう施設をいたしまして、農民が気軽に行っていろいろ施設を利用して調査するというような施設を県に一カ所ずつ整備いたしたわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、殺処分手当金は時価に見合う必要がある、こういうように私は思うのですが、今回の改正で馬の場合は五十九万、または牛の場合ですと十三万から二十六万、こういうふうになっておりますが、これはいろいろ問題があるわけですけれども、こういったものが時価に見合ういわゆる手当が支給されないと、結局患畜のほおかぶりしておくとか、また獣医師が来た場合にもそれを適当に隠して最小限にこれを報告するというようなことになって、いろいろ問題が起こる。やはり悪性の伝染病が入った場合には、全畜舎の全頭数の殺処分をすべきだということになるわけですが、こういったことから、時価に見合ういわゆる殺処分手当を出すということについて十分配慮すべきだと思うのですが、これについても先ほど質問があったわけですけれども、さらに私はこれについてお伺いをいたしておきたいと思うのです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生のおっしゃいますとおり、時価に見合って機動、弾力的にこういう問題には対処していきませんと、所期の目的が達成されないというふうに考えておりますので、私ども先生の御質問の趣旨に応じて今後も運用してまいりたいというように考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本法案によって自衛防疫ということが規定づけられておりますが、自衛防疫を曲解して、しろうと療法が自衛防疫と考えている向きがあるわけであります。たとえば牛の乳房炎なんかが起きた場合に、チューブ入りの乳房炎治療剤というものを使いましていろいろ治療をしている。一見なおったように思うけれども、その使用が十分でないと、結局その治療剤に含まれているところの抗生物質、ペニシリン、ストマイ、こういったものが残留して、これが乳に入り、人間が飲むときに人体にこれが残留するといういわゆる悪循環を繰り返す、すなわち抗生物質の残留ということになりまして、人為的公害と申しますか、たいへんな問題が起きてまいります。こういったことから考えまして、しろうと治療によって自衛防疫の名に隠れて範囲を越えてしまうというようなことになりかねないという心配が起きます。自衛防疫の普及はけっこうでありますが、そのような自衛に対する法的判断をどのようにお考えであるか、お聞きしたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 自衛防疫におきましても、当然獣医師が行なうべき業務につきましては、獣医師法によってきめられているわけでございますから、しろうとがやればこれは獣医師法違反である。あるいはまた、抗生物質につきましても、薬事法によって要指示とされているわけでございますから、そういう獣医師の指示によらずやれば、当然これは薬事法違反というようなことに法律的には相なるわけでございます。  しかしながら、率直に申し上げて、先生の御指摘がありましたとおり、特に私は、日本の場合、薬の販売のあり方というものについて、ややルーズな面がありはしないか。そういうことが、日本人の薬好きというようなことも手伝う問題等あると思いますけれども、それがいろいろ末端において問題を起こし、あるいは大きなけがのもとになるような場合もあるわけでございます。そういう意味で、今後はわれわれは、やはり法は法でございますので、医薬品の販売業者に対してはそういうことのないように、ひとつ強い指示をもってこれから臨んでまいりたい、かように考えているわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、斃獣取り扱い場の現状についてお伺いしたいのですが、斃獣取り扱い場が少ないためにあちこちでたいへんな苦情、問題が起きているわけです。詳しい説明は省略しますが、公営の施設を考えてやるべきである、今後畜産振興に伴って当然必要である、こういうように思うのですが、国としてずいぶんこれは後手になっております。この点についての今後の対策、考え方をお伺いしたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 お説のとおり、斃獣処理場につきましては、御指摘のような実は多くの問題があるわけでございます。そういう意味で、直ちに公営にするかどうか、こういう問題につきましては、実は所管が厚生省でございますので、私どもとしてお答えしかねる面があるわけでございますけれども、農林省といたしましては、処理を必要とするものを衛生的かつ効率的に処理するように、都道府県の家畜死体等の処理施設を設置して、それをもう一度廃物利用と申しますか、そういうものをたん白資源の再活用をはかっていって、畜産業の健全な発展に資するというようなことから、家畜死体等処理施設事業というものを本年度から実施いたしまして、その必要な金の二分の一を助成するという事業を本年度から始めることとしたわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点、畜産局長にお伺いしておきますが、昭和四十七年にいよいよ返還を予定されておる沖繩の畜産衛生問題について、本土復帰後どういう対策を考えているか。  それと、もう一点は、従来沖繩から来る畜産については、一週間の係留期間がありまして、たいへん迷惑をかけ、沖繩の方たちの苦情が出ておったわけですが、最近改正されてこれを一日にされたようにも聞いておりますが、その点について簡単に御答弁いただきたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 沖繩につきまして、現在獣医師さんが約二百人おるわけでございまして、家畜との関連から見まして、数だけからいいますと決して不足していない状態でございます。しかし、問題は質であるということが一つ。それから実際の診療をしているのは実は政府職員が大部分であって、開業医というものがないという一つの特異な事態が実はあるわけでございます。それで、われわれ、今後復帰いたしましたら、こういう人たらをやはりもう一度訓練し直すというとちょっとあれでありますけれども、一度訓練して、そういう衛生問題だけじゃなしに、いろいろほかのほうにも、畜産の技術一般についても非常におくれた面がございますので、沖繩が返った暁には、そういう技術者の再訓練、再養成ということをわれわれとしてはぜひやりたい、かように考えておる次第でございます。  同時に、先ほどもお答え申し上げましたけれども、従来沖繩から入ってくる牛につきましては、向こうは一日だけの係留で、こちらへ直行するものについては、こちらでは洗浄だけで、しかも屠畜場ももよりのものということだけの制限はしないということで、最大限の簡素化をはかっておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 最後にもう一点お伺いして質問を終わりにしますが、厚生省神林乳肉衛生課長おいでだそうですから、農林省側とそれぞれ一点ずつお伺いします。  獣医師の待遇という問題、それからまたいろいろ衛生上、狂犬病というような問題で問題があるので、あえてお伺いするのですが、昨年東京畜犬事件がありまして、いろいろ世上を騒がせました。野犬の横行が最近激しく、郵便屋さんにかみついたりあるいは狂犬病がうつるというようなことでいろいろ問題になっておりますが、現在の東京都の例をとりましても、大体二十万頭が登録されておりますけれども、従来からいって野犬もたくさんそのほかにもおるわけです。そういうことから、これに対する抜本対策を考えなければならぬ。現に東京都では四億円の予算を今度組んで野犬対策を考えて、捕獲、あるいは車、あるいはこういった人のための人件費、それから焼却場というような経費をばく大に使っておるように聞いておりますが、この野犬の問題につきまして、やはり愛玩用として子供をふやさないという家庭もたくさんあるわけです。ところが、現在春秋二回予防注射をする、このときに、獣医師がいわゆる避妊のための注射をするあるいは手術をして生殖機能を不能にする、こういうような手術と避妊と二つ方法があるわけですが、現在薬もちゃんとできておりますし、手術も十分可能であるのですが、こういったことで、いわゆる春秋二回の予防注射のときに一緒にやれば経費も安く済む、こういうことになるわけです。こういった去勢手術などを考慮したらどうか、または避妊のための注射をするということをしたらどうか、こういったことでいろいろ私、考えたわけですが、事件が起きてから野犬を退治する、そして狂犬病を防ぐというのでなくて、もともと根源であるところの繁殖機能を抑制する、こういったことをやればこんなばく大な金を使わなくてもできる、かように思うわけです。こういったことに国なり地方自治団体で財政援助を考えていく、そうしたら獣医師の収入もふえ、また獣医師自身も大いに力を尽くしていただける、いわゆる社会の衛生上からもこれはけっこうなことである、かように思うわけです。また昨年の東京畜犬事件は、相当数の獣医師が、待遇が悪いためにこういった事件に巻き込まれて、金をよけいもらえる、そして待遇をよくするということになびいていくというような事件に発展してまいりまして、悲しいことでございましたが、こういったことを踏まえて、今後どのように考えていかれるつもりであるか、この点をお伺いして質問を終わります。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 ただいま先生の御指摘のとおり、確かに野犬をなくする根本対策の一つは、避妊手術なりあるいは避妊の注射をするというような方法が非常に有効な方法であるということを私たちも感じておるわけでございます。  厚生省といたしましては、昭和四十二年から昭和四十五年まで野犬の一掃運動というものを展開してまいりました。これは先ほど先生の御指摘されました秋の狂犬病予防接種の時期を見はからいまして、その一カ月間野犬掃討を各都道府県にお願いしましてやったわけでございます。そのときの行事の中に、もちろんこれは野犬をただとらまえるということではなしに、いま先生のおっしゃいましたいわゆる避妊手術というようなことも獣医師会と協力してやってまいってきておりますが、今後こういうことに関しまして、私たちといたしましても日本獣医師会とよくお話し合いいたしまして、その線に沿ってこれを推進していきたい、こういうふうに考えております。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 率直に申し上げまして、畜産局というのはペット用の問題についてはあまり関心を示していなかったという感じが私としてしているわけです。しかしながら今後考えてみますと犬、ネコのようなペットのもの、あるいは競馬馬、こういったものも大きな一つの産業部門となってくるわけでございますので、われわれとしてもただ単に牛、馬、豚ということだけでなしに、畜産局としてもこの問題には前向きで取り組むべき問題である。ただそのために一方に野犬がふえるあるいはのらネコがふえるというようなことでは話にならないことでございますので、いま神林さんからお答えしたような線もあわせ考えまして、その点についてはできるだけ前向きで対処したいと考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上で質問を終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いま議題になっております家畜伝染病予防法の一部を改正する法案、これもいま畜産というものの持つウエートが非常に重くなってきておるということから、たくさんの要望が出ておるわけであります。  そういう観点から若干具体的な問題でお尋ねをしたいのでありますが、実は私の地域で、あるえさ会社のえさで、養豚、養鶏等を非常に熱心にやっておるグループがあるのであります。ところがこのえさ会社は東北飼料株式会社というえさ会社でありますが、ここのえさを食べさせましたところ、豚が大きく育つのじゃなくて、かじかんで、だんだん縮こまって小さくなってしまう。鶏なども卵の産みがだんだん悪くなる。したがって、いま養豚など、政府の奨励するように多頭飼育をやっていく。その場合に一定の約束をしております。目標の時期に相当の量の出荷をする、こういう前提でワク組みをやるわけであります。ところが不良なえさを使いましたために、豚が大きくなるのじゃなくて、かじかんで小さくなっていく。これでたいへん大きな問題が起こっておるのであります。つい三カ月ほど前に私のところに農協青年部の諸君が参りまして、私の地域は、御案内のように米作地帯としては全国有数のところであります。いま米がこのとおり非常にきびしい情勢、そこで新しく生産と所得を追求しようというので、養豚なり養鶏なり、そういった分野に非常に情熱を燃やして取り組んでいる。その際に、いまのように不良なえさ会社が不良なえさを出しておりますために、そのえさによってたいへんな打撃を受けておる。これはいろいろ調べてみますと、いろいろ事情はあったようでありますが、水田を全部整理をして、そして養豚、養鶏の多頭羽飼育で新しい農業のあり方をつくろうというので取り組んだのでしたが、いまの問題にぶつかりましてついに破産をした。しかもそのことが原因になって夫婦は離婚した、そして失敗をしたその本人は季節出かせぎから年じゅう出かせぎに変わらざるを得ない、こういう状態が起こっておるのであります。  そこで私のお伺いいたしたいのは、農林省のほうで飼料の品質、改善に関する法律というものを持っていらっしゃる。ここで一定の基準というものを示しておるわけであります。成分の規格であります。粗たん白あるいは粗脂肪、粗繊維、粗灰分、こういうふうに大まかに定めておるのでありますが、農林省のほうに分析を依頼いたしましたところ、若干の問題はあってもおおむね規格にはかなっておる。それから全購連なりその他民間のほうに分析を依頼いたしましたところ、大体分析結果は同じなのでありますが、所見がまるきり違うのであります。問題は、いまの規格で大まかに分類してある分類にかなっておればそのえさは優良なえさだということにはならぬのだというふうに指摘をされているのであります。そういう意味では、現在農林省が持っておる成分規格というものを、やはりもっと現実に適合するような詳しいものに改める必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、そういう御用意があるかどうかということをお伺いいたしたいのであります。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 現在農林省の定めております公定規格のあり方につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように粗灰分だとかあるいは粗たん白というような大まかな形で主要な栄養素についての成分の規格をきめているわけでございまして、それが一応われわれといたしましては現在の家畜、家禽に関する栄養学というものの知識を前提といたしまして家畜、家禽別に与えられる濃厚飼料として必要にして十分な栄養素を含有するものということで一応きめてきているわけでございます。しかし、先生おっしゃいましたようにいろいろ現地において問題があるということになれば、これはたいへんな問題でございますので、先生の御指摘のような問題を踏まえまして、われわれとしてはもう一度十分現在の栄養学者等の協力も得まして検討していきたい、かように考えるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで特に問題だと思いまするのは粗たん白という成分規格の中身であります。むしろ問題は、この粗たん白というのは消化されるたん白の量というものが問題なのではないか。したがって農林省の所見にはその辺が入ってこないのでありますが、民間に分析を依頼いたしましたところでは、粗悪な飼料ということをなぜ言えるかといいますと、粗たん白といっております内容の中に、実際上豚なり鶏なりの体質の中では消化されないものがたくさん含んでいるんだ、科学的な分析をやれば粗たん白が確かにこの規格でいっております一五%とか一二%とか出てくる。その中に消化されないたん白というものを含んでおる。それから粗灰分なんという部分も炭酸カルシウムというか、一定量あればよろしいものが、この分析の結果では、たとえば全購連の分析によりますると、粗灰分というものがいまの問題の東北飼料のえさに比べますと六分の一くらいなんであります。しかし農林省規格からいうといまの問題のえさがちょっと多い程度。したがって、この規格それ自体もやはり検討の要があるのではないかということを民間の分析センターはいっておるわけであります。そのえさの中には鳥の羽がたくさん入っておったり、いろいろ出てくるというのであります。したがって、もちろんその際指摘をされたのは、そのえさが優良なものであるかどうかということは生体実験をやってみなければ、ただ科学的に、技術的に分析をやっただけではほんとうのことは出てこぬものだということをいっておるわけであります。そういう意味では農林省のこの規格も型どおりのものでなしに、これから特に畜産行政というのも現状のように購入飼料にほとんど依存するという形態から、もっと自給飼料に多くを依存するような方向に変えていかなければならぬのではないかと思うわけです。しかし現状段階ではどうしても多頭羽飼育が畜産というものの大きな問題だということになりますと購入飼料に大部分を依存するというのが現状であります。それだけにこのえさ会社のえさ、購入飼料の持つ意味というものは非常に大きいと思うのであります。そういう意味では農林省の現在の規格というものも、いま局長が言われましたように根本的に検討の要があるのではないかというように思います。しかしこれは時間がございませんので答弁はあとで一緒にお願いしたいと思います。  そこでもう一つは、畜産の場合に技術指導と経営指導という二つの面が強化をされなければうまくいかぬと思うのであります。いま問題の皆さん、私のところに持ってまいりました青年部の皆さんはグループで二十何名であります。その皆さんの中である方々は、このえさはどうもおかしいというのでさっと切りかえをやっています。切りかえをやりましたから何とか立ち直ったわけであります。ところが切りかえるわけにいかぬ皆さんがおった。それはえさ会社が一定量約束に基づいてえさを供給するわけでありますから、根担保と称して施設なり不動産なりというものをちゃんと押えておるのでございます。そっちのほうを押えられておりますから、このえさはどうもうまくないぞということで苦情を言ったが切りかえるわけにいかぬということで縛られてずるずるいって、豚が大きくなるんじゃなくて小さくなるわけでありますから、鶏が卵をよけい産むんじゃなくてだんだん参っていくわけでありますから、経営が行き詰まる、こういう状況が起こっております。したがってこの場合に私どもはやはり技術指導と同時に経営の指導というものをもっと強化しなければいけない。その場合に経営の指導は単に政府の責任だけだとは思わない。もちろん生産団体独自の立場での経営の指導体制というものを強化しなければならぬと思うのであります。しかし問題は、いま米から畜産へという方向を大いにやっておられるのでありますから、やはり行政当局がもっとどろをかぶってでもどんどん経営を引っぱっていくというような指導体制を強化しなければいけない。いまの場合のように切りかえたいと思っても担保がみんな取られておって切りかえるわけにいかぬ。そこからだんだん深みにはまって悲劇が起こる、こういう状況がいま起こっておるのであります。したがって私がお伺いいたしたいのは、こういう不良業者に対して行政当局として現行法の中でどういうチェックができるのかということをこの機会に承っておきたいのであります。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 最初に成分規格の問題につきましてのきめ方に、農林省の公定規格のあり方はずさんではないかという趣旨の御質問があったわけでございます。確かに先生のおっしゃるとおり可消化たん白ではなくて粗たん白できめるという点に問題があることは私も率直に感じておるものでございます。たん白というのは分析してしまえば窒素量ではかられるものでございまして、それが具体的にどれだけ可消化になるかというのは別問題だという点で確かに御指摘のとおりだと思うのです。ただ技術的な問題を若干弁明させていただきますと、可消化というものは家畜の種類なり、年齢、品種、そういったもので全部違ってくるんだという点が一つどうしてもあるわけでございます。それを一体どうきめていくのかという問題があるわけでございます。それから飼料の種類なり飼料の他の成分含有によっても消化率というものは変わってくる。それだけでなしに、ほかのものとの関連でまた消化率も変わってくるという具体的な問題がある。それから分析方法としてそれをどういうふうにやるのかということになると、結局動物実験をしていかなければ正確には出てこないという分析上の問題が一つあるわけでございます。しかしそういう問題は確かに一つの問題点であるということは御指摘のとおりでありますので、そういうものを含めての研究課題ということにさせていただきたいと思っておるわけでございます。  それからあともう一つ言わせていただきますと、いろいろなものが入って、たとえば鳥の羽、それからあまり有効でもないものが入っていたんだ、こういう御指摘があったわけでございますが、具体的な問題は別といたしまして一般の検査方法といたしましては、われわれは鑑定という事業をやっておりまして、きかないものは鑑定というところでチェックしている。それから異物混入ということは当然排除させる、それからあるものについては特に表示させるというようなことをわれわれは法律でしているわけでございまして、もし現実にそういうことをやっておりますれは、ある場合には登録の取り消し、その他罰則というものが当然加えられていくということに相なるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこであとのほうの質問でありますが、いまの切りかえたいと思っても切りかえ得ないようなかっこうに最初から根担保か何かで縛る、そういうがんじがらめをされておらぬ皆さんは、このえさはどうもおかしいというので、さっと切りかえをやった。したがって、不良なえさだというので代金や何かの問題は争いとして別途に残した、こういうあれがあるのですが、担保や何か取られて切りかえも簡単にいかぬような皆さんはずるずる深みにはまる、こういうところから悲劇が起こったわけですけれども、こういうものを現行法でチェックできるのかどうか、これは農林省だけでできるものじゃないのじゃないかと思うのですが、たとえば登録制度になっておる、立ち入り検査もやることができる、いろいろあるわけですけれども、農林省でこういう技術、経営の面で介入し得る限度は一体どこにあるのかということをお聞かせ願いたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 具体的にそういう不良なえさが出回っておるという場合は、当然われわれは立ち入り検査をして実態をつかまえまして、その製造を停止させたりあるいは登録を取り消したりするというようなことはわれわれとしてやるべき性質の事柄であるというふうに考えております。さらにこれは法律的な権限ではございませんけれども、実際にそういう不良なものだとわかっていて、しかも根抵当に取られて経営の転換ができないというような場合があるとするならば、それは当該農家にとってはゆゆしき問題でございましょう。そういう意味で、われわれは都道府県なり市町とともに一緒に行って、一つの行政指導としてそこら辺の問題の具体的な解決に当たるようにつとめてまいりたい、かように考えるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 渡辺政務次官おいででありますから、実は先ほど次官お留守の際に、私の地域は日本有数の米どころで、米がたいへんな打撃を受けておる。そこで畜産という問題に私どももずいぶん意欲を燃やして進めてまいりました。ところが秋田かどこかにある会社なんですが、小さな会社のようです。東北飼料という会社のえさを食べさせたら、豚がでかくなるのじゃなくて、だんだんかじかんで小さくなる、鶏はだんだんかじかんで妙なかっこうになっていくというので倒産をした、あるいは夫婦離婚をしたなどといった悲劇が起こっておるのであります。したがって、最近政務次官はたいへんハッスルをなさっておるのでありますが、いま畜産局長も答弁されましたように、行政指導というところにはいろんな意味での限度があると思います。民間の生産農家の側の自発的な立ち上がりなり意欲というものも中心にならなければいかぬのでありますが、不良なえさが出回って、そしてそのためにせっかく畜産というものに意欲を燃やしておることが挫折をさせられるという現象が起こっておるということは重大な問題だと思っておるのであります。したがって、先ほど畜生局長も、いま農林省の持っておられる成分規格、これが非常に荒い。粗たん白何%あればよろしい、粗灰分何%あればよろしい、あるいは粗脂肪は何%、こういうぐあいにあらまかに四段階に分類して成分規格をきめておるわけですが、粗たん白といっても、食べさせて消化しないたん白も分析をやればちゃんと粗たん白何ぼと出てくる。粗灰分といっても、やはりここに必ずしも家畜にとってプラスにならぬ内容の粗灰分というものを含んでくるということになりますために、たとえば家畜のほうはそれを受け付けない、よう食べない、あるいは食べると栄養障害を起こすということで、太るべきはずのものが太らずにかじかんでいく、小さくなっていく、こういう状況が起こっているのでありまして、農林省の現在の成分規格というものをもっときめのこまかなものに改める必要があるのじゃないかということを指摘いたしましたところ、畜産局長は確かに検討の問題だと思う、こういう御答弁があったのでありますが、渡辺政務次官の所見もこの機会に承っておきたいのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 その事実関係は私まだ聞いておらないのでよくわかりませんが、もしほんとうにそういうような実態であるということであるならば、きわめてたいへんな問題であります。したがって事実関係を解明するということにもっと力を入れさせたい。  それから規格等の問題は、御指摘のようにもう少しきめのこまかい規格をつくれという御趣旨はもっともだと思いますから、これは検討させたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それではもう一つ、これも畜産局長にもお尋ねをした問題ですが、そういう不良なえさを出しておる、こういう業者に対して、そのことによって畜産に対する生産農家の意欲を挫折をさせるということは大問題ですから、現行の状態では立ち入り検査なり登録制をとっておるわけでありますが、営業の停止なりいろいろなことができるのだというお話でありましたが、実際論上はなかなかそうもいかぬ場合が私は多いと思うのです。業者に対してそういう強い措置をとるなんということはそう簡単にいかぬ場合が多いと思う。しかし私は、そういう場合に現行の制度の中でもそれが可能ならば相当きつい態度で立ち向かっていただかないと、畜産に対して意欲を持っておる皆さんに対して挫折感を与えるだけでありますので、強い措置をとるべきだ、こう思うのでありますが、政務次官の所見をお聞きいたしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 一般論としては全くそのとおりだと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで畜産局長にお伺いいたしますが、粗灰分というのは、たとえば全購連あたりで売っておるもの、これに比べるといまの問題の東北飼料のえさはたいへんに違うのであります。問題のえさは八・二五%から一〇・一二%であります。えさの内容が三、四に分かれておるわけです。それから全購連あたりでは粗灰分というのは二・五%から五・五%程度にしておるようであります。したがって粗灰分というのは一定量あればよろしいので、これがうんとよけい入れた場合にどうなるかということになると、その部分だけ、たとえばトウモロコシなりいろいろな、ほんとうに家畜の血となり肉となる部分の栄養分というものがそれだけ制限されるのだ、こういう所見が、民間の分析センターの中では、確かにあらわれたパーセントではほぼ規格に合致しておる。しいて言えばカルシウム分、粗灰分の分量がちょっと多過ぎる。しかし問題は、現実にやっておられる方面の所見を承りますと、全購連あたりよりもはるかに多い粗灰分、カルシウム分、これが飼料の問題だろう、こう言っておるのでありますけれども、そういう意味ではいまのこのあらまかに出されておる成分規格というものは検討の要あり、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 粗灰分、特にカルシウム分の問題につきまして一般的に申し上げますと、えさとして与えるカルシウムと燐というものは、大体相互比率が二対一または一対一というような比率である場合には非常に有効なんだ、それ以上の、ちょっとバランスを欠きますと、たとえば牛では乳の出が悪くなるとかあるいは卵ではやわらかい卵ができるとかあるいは小さいものが成長がややとまるとか、そういうようないろいろな問題が出てくるということが一般にいわれているわけでございます。また極端にカルシウムを入れますと、結局全体としての飼料価値は低下してくる、こういうことになるわけでございます。そういう意味でこういう粗灰分、特にカルシウム分の問題については確かに御指摘の点もございますので、これは事実関係も十分調査してこの問題には対処していきたい、かように考えているわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 時間がございませんので、最後にもう一つ承って終わりたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、われわれの地域の生産農家は米によって受けておる打撃、したがって畜産という問題に対して持っておる意欲と期待はたいへん大きいのであります。その際にこういう不良なえさの業者、そこから不良なえさが出回ったということで、離婚ざたまで起こるようなあるいは倒産まで起こるようなこういう状況というのは、私どもの地域にとっては実は非常に大きな畜産の前途に対する挫折感という影響を及ぼしておるのであります。したがって、事実関係について十分の調査をされて、ひとつ将来の畜産農家に対して希望を持つことのできるような方向を政府は責任を持って出していただかなければならぬと思うのであります。  そこで私は実は少々いやらしい言い方をいたしますれば、農林省がしばしばこういう事実問題のデリケートな立場に立つとあまりはっきりした態度をとらぬ場合が多いように私思います。これは政務次官どうでしょうか、やはり生産農民の立場に立つのが農林省じゃないでしょうか。したがって、事実関係の調査といっても、生産農家の立場に立つのか、業者の立場に立つのかということでたいへん違ってくると思うのであります。そういう意味で生産農家の立場に立って、いま起こっておる私どもの地域の農家に対して、畜産の前途に挫折感と不安感を持つような現状に、的確に方向と措置をとられる決意を期待したいのでありますが、所見を承って私の質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 事実関係の問題は非常に専門的なことですから、それはもちろん基準に照らしてはっきりした態度をとります。またその飼料会社にしましても、そういうような評判が出ただけでそれは私は大打撃を受けると思うのです。そういう評判だけでも品物はもう売れ行きはがたっと減って、飼料会社そのものは倒産するというようなことだってもちろんあり得るわけです。われわれはそういうようなことのないように、やはり規格に合ったいいえさをこしらえさせるというのも農林省のつとめでありますから、両方相まってそういうような悪い飼料が出回らないような厳重な措置をとるつもりです。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 もう一言だけ。  ちょっと奥歯にひっかかるのですが、私はいま問題なのは、やはり農家が畜産というものに対して意欲と情熱を持つことのできるような方向を農林省は第一義的にとるのかどうかということであります。えさ会社のほうも不良なえさをつくってつぶれるだろう、それじゃお気の毒だから、今度はいいえさをつくれということで指導をする、こういうことでたとえば事実関係の調査にしてもあいまいにされたのじゃ話にならぬと思うのであります。やはり問題は将来の畜産というものに対して生産農家が希望を持つことのできるような厳然たる態度を第一義的にとるべきだ、こう思うのでありますが、どうでしょう。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 それはもちろん畜産の振興という立場で厳重な措置をとります。それは事実関係をあいまいにするようなことはいたしません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 以上で終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 合沢栄君。

合沢栄民社党

○合沢委員 現行の家畜伝染病予防法は昭和二十六年にできたわけでございまして、自来もう二十年を経過しておるわけです。特に最近の畜産の急激な発展というか、さらにまた近年の豚コレラあるいはニューカッスル病というような家畜伝染病の異常な発生というようなこともございますし、当然現行法が改正さるべきであって、今日の改正はむしろおそきに失しているというような感じもするわけでありますが、しかしながら、いずれにしましても、今回大幅な家畜伝染病予防法の改正が提案されましたについては賛意を表するものでございます。提案されておりますこの改正案について私、二、三関連しましていろいろな問題を質問してみたいと思うわけでございます。  まず第一に獣医師の関係でございますが、獣医師が家畜の衛生とかあるいは伝染病の予防、こういった関係について持つところの重要性というのは、これはもう先ほどからの指摘のとおりでございます。しかしこの獣医師については最近非常に問題がある。特に獣医師の数が減っているというような問題等もございまして、何かと問題があるわけですが、まずお聞きしたいのが、現在約二万の獣医師がおるということでございます。しかしそのうち犬とかネコ、そういった関係の獣医師もおろうし、また獣医師の免状は持っておるが、実際はもうやっていない、老齢化しておるとかあるいは他の職業に変わっているとかいったようなこともあろうかと思う。実際第一線で獣医師の仕事で活躍されている獣医師はどの程度おるのかというのが第一点。  それからもう一つは、最近家畜が平たん部からだんだん奥地へ、山へ、こういうふうに上がっていっているというふうなこともあって、獣医師の偏在という問題が指摘されておる。そういった獣医師の偏在といったような問題は非常に問題が起こると思う。そこで獣医師の偏在に対する問題というような点についてはどうなっておるのか、今後どう対処されようとするのかというのが第二点の質問です。  それから第三点ですが、今後畜産が一そう伸びていくだろうと思うのです。そういった畜産の増加、家畜の増加に見合うような獣医師の対策というか、そういったものはどうなっておるのかということ、もちろんこれにはいろいろな保健所等の統合等も考えて、効率的な運営ということも考えておられるようでございますが、しかし非常に大事な問題じゃないかと思うので、今後家畜の増加に応ずる獣医師対策というものははたしてどうなっておるのか。特に大学における獣医学科の生徒の数、こういったものの定数が今後の必要とする獣医師の数にはたして適応されているのかどうかといったような問題が第三点。  さらに今後獣医師に十分働いてもらうためには、数の問題はもちろんですが、何といっても待遇の改善が非常に大事じゃないかというふうに考えるわけでございます。そういう点で獣医師の待遇の改善というような問題については具体的にどのような方策が考えられておるのか、こういう点についてひとつまとめて申し上げましたので、それぞれ御答弁願いたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 最初に、現在獣医師の数がどれだけあって、そのうち具体的にどれだけがどういう業務に従事しているか、こういうことでございますが、現在二万七百二十八名の獣医師さんの数があるわけでございます。そのうち実際に広い意味で、たとえば県の職員だとか国の職員で、直接の診療はいたしませんけれども、広い意味で獣医師業務に従事しているという者が一万九千七百五十七人でございます。そのうち特に農林、畜産関係だけ——というのは獣医師といいましても、たとえば厚生省に行ってあちらの食品衛生だとかああいう形のものもございますので、そういう者も含めての数でございます。そのうちに農林関係、畜産関係だけから申しますと一万二千五百五十五人でございます。そのうちに直接に産業動物の診療行為にタッチしている人間の数が五千二百九十八名。ですから全体の約四分の一というふうに御理解願えばいいかと思うわけでございます。  それから偏在の問題につきまして、先ほども申し上げましたとおり、私どものほうで昨年の十二月現在で約三千の町村について調べたわけでございます。それで畜産との関係で一体どういう偏在状態が出ているかということを調べましたところ、そのうちの約一割に近い三百六十という町村が実は無獣医村であったわけでございます。  それで、そのほかの現在獣医さんがいるところにつきましても足りない、さらに五百名程度はほしいという声が現実にあるわけでございまして、かなりの地域的な偏在があるのではないかというふうに考えられるわけでございます。  それから三番目に、今後の畜産振興の角度から見てどう確保していくかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり現在の大学の獣医さん、獣医学を修めて千三百名が毎年卒業をしていっているわけでございますが、実際に試験に通りますのはそのうちの八割ということで、毎年約九百人程度ということでございます。  それで実際どれくらいの数を確保すればいいのかという問題はいろいろ議論があるわけでございますが、そのうち全部が農村には行きたがらない、あるいは犬ネコのほうに回ってしまうという実態が現実にはあるわけでございまして、私は、数よりもどうやってこれを農村のほうに行かしめるかということが一つの大きなポイントに相なるのではなかろうかというように考えておるわけでございます。  そういう意味で最後に先生のおっしゃいましたとおり、獣医師さんの待遇改善を一体どうするかというのが一番最後のきめ手になる。そこで私のほうは、獣医師さんの職場というものが魅力あるものにはならないか、たとえば県の職員になって家畜保健衛生所に行ってもらう、こういうことにいたしましても、従来の給与は一般職員並みで特別の待遇ということはされていないというようなこと、それから管理職のポストも必ずしもないというようないろいろな問題がありまして、必ずしも魅力のある職場ではなかった。   〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味でわれわれとしましては調査研究費ということで特別の手当を出すということにいたしておるほかに、保健所の所長さんの十分の一は全部県の課長待遇にするという待遇改善も実はいたしてきております。そういう意味で県の段階まではやや魅力が出てきているという実態があるわけでございます。  問題は、末端の共済だとかあるいは農協だとかあるいは開業医だとか、こういうところに実は問題があるわけでございます。そういう意味でたとえば共済等については広域の診療所をつくって環境整備をしてやるとか、そういう適当な待遇改善をしてやるとかいうようなこともとっておるわけでございます。  そのほかに先ほど申し上げましたとおり獣医の雇い入れの機会をできるだけ多くしてその手当をできるだけふやしてやるとか、あるいは家畜診療の共済の単位を四十四年度でございましたけれども、三五%引き上げたというようなことで、われわれとしてもいろいろな手は考えておるわけでございますけれども、総括的に申し上げて必ずしもまだ成果があがっているとは思わない。現実に出ていく傾向というものは阻止し得ていないというのが実態で、その問題に苦慮しているというのが偽らないところでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 獣医対策は非常に大事だと思うのです。特にいまのお話もございましたが、その中でも私は開業獣医が年々減っていくような傾向にあるのではないかというように考えるわけなんです。それぞれ市町村とかあるいは団体等は待遇改善ということが可能であろう。しかし開業獣医の問題についてはどうするのか。これは非常に困難じゃないかと思う。そういうことを含め、今後の獣医対策ということは非常に大事だと思う。十分な御検討を願って適切な対策をお願いしたいと思うわけでございます。  それから次に、第四条に「伝染性疾病についての届出義務」というのがございまして、今回は家畜を診断してその死体を検案した獣医師は、遅滞なく市町村長に届け出なければならぬということなんですが、これを怠った場合あるいは非常に届け出がおくれたような場合の処罰というのか、対策は一体どうなっておるのかということと、もう一つは、そういう届け出制に伴う、そういう義務に伴う報酬というか費用弁償というものはどうなるのか、そういう点についてひとつ御説明願いたい。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 四条の届け出違反については、法律的には罰則は実はついておりません。しかしこれは罰則をつけなかったのは、そういう法律的な違反行為がありますれば獣医師法のほうでその適正な縛りがきくわけでございますので、そちらのほうで措置をするということで、こちらのあれからは落としたということでございます。  それから実際に使った費用弁償については実は特に考えておりません。

合沢栄民社党

○合沢委員 その辺が非常に問題だと思うのですが、単に義務だけ課して、そして実際の届け出に伴う実費というものについては全然見られぬ。これは先ほどの獣医師に対する待遇改善ということと全く相反する行為なんです。当然これは義務に対する報酬というか実費は出すべきだと思うのです。この点もう一度ひとつ……。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 そういう場合ですと、たとえば獣医師さんが診療させるというような場合には、雇い入れ手当というようなことで手当を払うことは考えられる方法だと思います。

合沢栄民社党

○合沢委員 当然これは実費が要るわけでございます。こういった報酬について考慮することを強く要請しておきたいと思うのです。  それから家畜防疫員でございますが、これは先ほども御質問があっておりましたが、手当がきわめて少ないということで、今後ともこれは手当の増額を当然すべきだと思うのです。この資料を見てみますと、最近防疫員の数が減っているわけですね。なぜこれはこういうふうに防疫員の数が減っているのかという、減っている理由ですね。  それともう一つは、各府県別のを見てみますと、各府県別の防疫員の定数があるようでございますが、この防疫員の定数というものが府県ごとにあるというのは何によっているのか。これはやはり家畜の数等によってこういった府県別のをきめておるのかどうか。そうなるとこれは毎年相当増減等があるかと思うのですが、適正な数の割り当てが各府県にあるのかどうかという点についてお聞きしたいと思う。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生御指摘のとおり、防疫員の定数は四十二年をピークにして年々減ってきているというような形にあるわけでございますが、実は四十三年から四十四年にかけまして、われわれ率直に言わしていただければ、実際に全然動いていないような人までが防疫員として任命されているというような事実が具体的にあるものですから、そういう方はこの際御引退願うということで、実際に働ける人ということをまず念頭におきまして、保健所ごとにそれぞれの受け持ち区域をきめまして再配置をさせた、そういうことで四十四年は減ったというよりも精鋭主義に切りかえたというふうに御理解願いたいとわれわれは思うわけでございます。特にこれについては定員という形があるわけではございませんので、家畜の移動なり何かに応じて増減させていくということは当然やることでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 いまの質問に対する答弁で、府県別の家畜数の資料をあとで御答弁いただきたいと思います。  続いて十七条の一項の二号で、疑似患畜の殺処分というので新しく加わった患畜があるわけでございますが、この疑似患畜の殺処分というのは、殺処分を受ける農家にとっては非常にたいへんなことだと思うのです。特に最近の畜産は非常に多頭羽になっているということなんです。そういうことでもし殺処分を受けると、その農家はほんとうに再起不能なような状況ができると思うのです。したがって疑似患畜の殺処分についてはよほど慎重な配慮が必要だと思うのです。そこで慎重な配慮なり疑似患畜殺処分についての心がまえといったようなものについてもお聞きしたいのですが、同時に事後措置というか、そういう殺処分を受けた農家に対する対策ということが非常に大事だと思うのです。殺処分を受けた農家を立ち直らせるためには、特別な低利の融資を考えるとか何らかのことが必要だろうと思うのです。さらにまた共済制度の問題の拡充、こういったことも重要な問題ではないかと思うのです。そういった点についての考え方、疑似患畜殺処分をする場合の慎重な配慮のしかたなり、さらにやったあとの事後措置の問題、そういう点をひとつ御答弁願いたいと思う。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先生のおっしゃいますとおり、殺処分については慎重に対処すべきことはけだし当然だろうと思っておるわけでございます。ただわれわれの一般的な感じ方、衛生の場合の考え方というのは、われわれはまずワクチンがあればワクチンでコントロールしていって、それが一定の段階になればそこのところで屠殺させるということでワクチンもしなくていいように絶滅させるというわれわれの基本方針があるわけでございます。そういう方針をとるために今度新しい病気もやったというわけでございますが、その運用について慎重を期すことはけだし当然であろうと思っておるわけでございます。  なお、こういう屠殺を命ぜられたために、たとえば鶏とか豚とかいう農家は非常な打撃をこうむるということがあるわけでございますので、これは前年度法律を改正いたしまして、そういった場合の家畜の導入あるいは鶏の導入ということについては、総合資金あるいは近代化資金でめんどうを見るという制度をとっているわけでございます。なお、先ほど申し上げましたとおり、肉豚あるいは鶏の共済制度についてもいま鋭意検討を進めている段階でございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 次に、検疫関係について二、三続けて質問します。  三十八条の二で新たに輸入動物の事前届け出というのが法制化されるわけでございます。その中で検疫の効率化のためには当然時期とか場所とか、そういったことについての指定をするとかあるいは変更するというようなことはやむを得ない。特に輸入動物がふえてくる傾向にございますのでやむを得なかったと思うのです。しかし時期とか場所の変更ということの畜産農家にもたらす損害というか、それを考えると、安易な考えではたいへんな問題を起こすと思う。そういうことで、時期、場所の変更等についてはよほど慎重でなければならぬと思う。そういう点についてひとつお考えを聞きたい。  同時に、このような時期、場所の変更が起こるというのは、検疫の陣容なり設備の不備の結果、そういう必要が起こってくるのではないかと思う。並行して、先ほども御答弁なさっておりましたが、ことし検疫官を十七名増すということでございますけれども、今後ふえてくる動物あるいは畜産物の輸入に対処し得るような現状の陣容になっておるのか。さらにまた検疫所が現状の四カ所で十分なのか。さらに今後検疫官の増加とか検疫所の設備、場所の新増設が大事になってくるのじゃないかと思う。こういう点についてお伺いしたい。  第三は、これは検疫にあたって特に注意しなければならぬ問題じゃないかと思うのですが、疫卵等が輸入される、これなどは大腸菌が入っているというようなことでたいへんな問題を起こすということもある。それからまた飼料の中にも、これは動物でなくて植物防疫になろうかと思うのですが、えさの中に発ガン性のかび菌が含まれて、それらが家畜の中に入ってたいへんな問題を起こすこともあり得ると思う。またブロイラーにもニューカッスル菌が入ってくる。ニューカッスルは聞くところによると凍結しても死滅しない、またこれが生き返るということでございます。こういう問題で、検疫はひとり動物だけでなく畜産物にも非常に問題があろうかと思う。そういう点で動物の輸入の増加あるいは畜産物がうんと入ってくるというようなことに対処する検疫の重要性は非常に大きいのじゃないか。そういった面で、単に効率化で場所とか時期とかを変更するというようなことでなしに、根本的に輸入の増加に見合うような検疫官の増加さらに設備の増設ということが絶対に必要じゃないかと思う。そういう点についての見解を聞きたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 届け出制について輸入業者あるいは輸入する者に非常な迷惑をかけるなという御注意でございますが、これはけだし当然でございまして、われわれとしてこれで輸入を阻害するとかそういうようなことの絶対にないように、運営については万全を期してまいりたいと思います。  要は先生のおっしゃいますとおり人員なり施設をどう整備していくかという問題であろうかと思うわけでございまして、人員につきましては前年度二十名、ことし十七名増員して、これは防疫官だけでございますけれども、そういうことで輸入の増加に応じて人員の増加もはかっているわけでございます。整備につきましても、これは年次計画をもって設備をどんどん整備しておりますし、四十七年度までにはおおむね、われわれが当分考え得る輸入の実態を考えて、これは成田空港も含めてでございますが、そういう施設の整備ができるものと考えているわけでございます。  なお、そういう輸入なり何なりはどんどん増加していくし、変化してまいりますので、それに応じて対処していくことはけだし当然であろう、かように考えるわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 次に鶏の病気の問題についてちょっとお聞きしておきたいと思うのです。これは法定伝染病ではございませんが、最近鶏の多数羽飼育といったようなことで、鶏の病気が非常に多く発生している。その中でも最近鶏の育成率が非常に下がっている大きな原因はマレック氏病とか白血病にあるといわれているわけなんです。このマレック氏病と白血病については、有効な方法としてはワクチン以外にないようにお聞きしているのですが、どうも安易に海外のワクチンを輸入して間に合わせるという傾向もあるようです。日本のワクチン、特に人体のワクチンは、小児麻痺のワクチンとかあるいは種痘のワクチン等は世界的にも権威のあるワクチンなんです。やはり鶏病等のワクチンについても、そういった権威のある学界等を動員して、そして有効なワクチンというものを早期に研究開発すべきじゃないかというように考えるわけでございます。そういうことで、そういった法定伝染病ではないがマレック氏病なり白血病についてのワクチン対策というものについての考え方と、それからもう一つ鶏について申し上げますが、こういった病気が出るというのは、いま外国鶏が七、八〇%と聞いておるわけでございますが、やはりアメリカと日本とは気候風土が違う。日本に行くと湿度が多い、そういった病気の感染というようなことができやすい気候風土があるのじゃないかと思うのです。やはり日本の気候風土に適した国産鶏の開発、特に強健なそして経済性の高い国産鶏の開発ということは急務じゃないかと思うのです。そういった意味で国産鶏開発についての現状等をひとつ簡単に御説明願いたいというように考えます。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 ワクチン、特にマレックにつきましてのワクチンのいまの開発状況でございますが、もう諸外国ではどんどん開発が進んできているようでございまするが、わが国におきましても北里と阪大におきましてこの開発が非常に進んでまいりまして、不活化ワクチンにつきましてはこの夏ごろまで、それから生ワクチンにつきましては年末ごろまでには実用化されるのじゃないか、現在野外実験をやっている段階でございますので、これは早急に実用化するものとわれわれは見ているわけでございます。  それから、先生のおっしゃいますとおり、こういう病気に強い国土に合った鶏の改良ということはもう根本でございます。それで御承知だと思いますけれども、農林省で岡崎と白河に牧場を持っておりますが、ここを主体といたしまして現在四元交配によります国産の改良を急速に進めてまいりまして、現段階ではもう外国には負けないものが十分できる段階に入ってまいりまして、御承知と思いますけれども、現在残念ながら全体の初生びなのシェアを見てまいりますと、外国のほうが七五%、国内が二五%にすぎないというような実態でございますが、完全にいまや外国の伸びはとまってまいっております。とまったということで、だんだん国産の鶏が伸びる傾向をやや見せてきている。それから輸出につきましても、現在、羽数からいいますれば輸入ものよりも国産のものが出ている数が多いという実態があるわけでございます。  なお、耐病性等のある品種につきましては、現在白河で一万羽のスケールをもちまして耐病性の改良ということを大々的に進めておるわけでございますが、耐病性だけからいえば非常にいい品種ができかかっておりますけれども、問題は産卵率との関係でまだ十分ではないということで、まだ実用化に入っていないという段階でございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 時間がないので、最後に飼料の問題について質問して終わりにしたいと思うのですが、先ほども飼料についての御質問があっておりましたが、今日、畜産については飼料対策が最も緊要ではないかというように私、考えるわけです。米の生産より以上に千五百万トンも海外から濃厚飼料が輸入されているという実情があると思うのです。このままいくと、五年もすると二千万トンも海外からの濃厚飼料の輸入をせんならぬじゃないだろうかというような話も聞くわけでございます。こうなると鶏等にしてみても、鶏そのものが七、八〇%も海外から入っている。また動物の輸入の自由化ということからその他の動物も種畜はどんどん入ってくるということになってくると、鶏も、日本の動物はすべて海外の動物だ、その上えさも海外のものだということになってくると、全く日本の畜産は、現状でもそれに近いと思うのですが、畜産じゃなくて、もう海外のえさの加工業だということになろうかと思うのです。そういった意味で、やはりこの鶏なりその他の畜産物の国内での開発というか、国産の家畜を開発していくということが非常に重要だと思うのですが、同時にこの飼料対策が大事じゃないかと思うのです。今後はたしてこのような飼料対策をどう考えているのか、まあ米の生産調整との関連があろうと思うのですが、今後濃厚飼料等をどの程度国内で五年先あるいは十年先に自給しようとするのかというのが第一点の質問でございます。  それから第二点は、いま入っているのがほとんどアメリカを中心にして入っているというような情勢だと思います。しかし、アメリカもその輸出している飼料についてそう大きな余力のあるものじゃない、一割かそこらしかアメリカの飼料の余力がないと聞いているわけなんです。そこでアメリカの畜産が少し伸びると、あるいはまたえさの豊凶によっては日本の飼料はたいへんな高騰を招くということになる、また運賃等においてもしかりでございます。そういうことで、日本の畜産物が現状のようなアメリカ一辺倒の飼料依存では、これは価格の不安定というか、そのことは直ちにわが国の畜産の不安定につながろうかと思うのです。たいへんな問題だと思うのです。そういった意味で今後やはり輸入飼料問題についてはもっと多元的な輸入をすべきじゃないか。特に東南アジア等についての開発輸入というようなことを国が積極的にすべきでないか。現状私は、農林省が積極的に投資していると思ってないわけなんです。いろいろな商社がやっておりますが、むしろ国が積極的な東南アジア等に対する開発投資をすべきでないかというように考えるのですが、この点についての考え方。  最後に、まあほとんどのものがアメリカから入っている、特にガルフ湾から入ってくるものが多い、ところがこのガルフ湾の船員労働者の労働協約が三年おきに更新になっている、ことしの九月がこの更新期だということであります。またその時期になると港湾ストというようなことでたいへんな問題が出てくる可能性があるのじゃないか。そこで、これらに対する措置が大事だ、そういう点どのような対策を講じておるか。特に農林省の調整保管ですか、これあたりは最もこの際そういったものに対して考えなければならぬ措置じゃなかろうかと思うのです。調整保管等についてははたして十分かどうか、こういう点について、以上飼料に関連して御質問を申し上げます。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 畜産の体質を強化してその振興をはかるためにできるだけ国内に飼料基盤を求めていくということについてはもう基本的には私、賛成でございますが、率直な意見を申し上げますと、濃厚飼料につきましては、鶏、豚のえさにつきましては特にトウモロコシ、マイロ等になるわけでございますけれども、これをいま直ちに、国内で米の生産調整等の関連もございますけれども、大々的に増産に励んでいくということに踏み切るまでにはもう若干の時間が、試験研究の準備期間というものが要るのではないだろうか、そういう意味でわれわれは米の生産調整とからみまして、ことしはマイロとトウモロコシについては試験的な生産をはかってみたい、かように考えているわけでございます。それで、それができるならば水田が余るわけでございますので、それに応じた当然の需給体制というものを価格政策も考えながらとっていきたい、私はかように考えておるわけでございます。  それから第二の問題でアメリカ一辺倒に依存するということについてはたいへんに危険であるということは、昨年のトウモロコシの例を見ても明らかであるわけでございます。そういう意味でできるだけ輸入ソースを多元化していくということは当然やらなければいかぬことでございますが、幸いにしてことしは南半球が非常に増産になった、アルゼンチン、南アフリカ、それから豪州が非常に増産になりましたわけで、そういうことで、こういった国からの輸入をできるだけ促進していくということも一つの方法であろうかということで進めているわけでございます。  それから開発輸入の問題について基本的には私、何ら反対というか、賛成であるし、やらなければいかぬと思っておりますけれども、ただ東南アジアをいまやるためにはもう少し当該国に対する社会投資と申しますか、港湾だとか道路だとかそういうものが先行してまいりませんとなかなか進まないという実態がありますので、即効的にはなかなかこの問題はむずかしい問題があるのではなかろうかと思っております。  それから最後にガルフの問題、おっしゃるとおりでございまして、ことしの九月で切れて、タフト・ハートレー法で若干の延長はあるといたしましても、年末には相当の問題が起こるのではなかろうかという心配をしているわけでございます。そういうことで、いまわれわれ業界と相談をいたしておりますことは、できるだけ先買いができないものであろうかということで、先買い方策を考えているわけでございます。それから政府としてもできるだけ先に小麦等入れてくるということを考えているわけでございますが、幸い調整保管という角度からだけ申しますと、幸か不幸か古々米が非常にあるというので、前のような非常な異常事態にはならないもの、そういうふうに考えているわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 これで終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 請願の審査に入ります。  今国会において本委員会に付託になりました請願は全部で九百三十件であります。  本日の請願日程第一から第九三〇までの請願を一括して議題といたします。  各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に検討をいたしましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  先ほどの理事会で決定いたしましたとおり、本日の請願日程中第一ないし第四、第六ないし第一六、第一八ないし第三三、第三五ないし第二四三、第二四五ないし第二五六、第二五八、第二五九、第二六一ないし第二七二、第二七五ないし第二九七、第五四四ないし第五五七、第五五九ないし第五七一、第五八〇ないし第五九一、第五九五ないし第五九八、第六四八ないし第六七五、第六九七ないし第六九九、第七一〇、第七一一、第七一四、第七二〇ないし第七三八、第七四〇、第七四四ないし第七七〇、第七七三ないし第八一七、第八二〇、第八二二ないし第八四六、第八五五ないし第八九六、第八九八ないし第九一五、第九一八、第九二〇ないし第九二九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案の成立促進に関する陳情書外五十一件でございます。  右、報告いたしておきます。      ————◇—————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 この際、閉会中審査に関する件について、おはかりいたします。  すなわち、  内閣提出、土地改良法の一部を改正する法律案  農林水産業の振興に関する件  農林水産物に関する件  農林水産業団体に関する件  農林水産金融に関する件  農林漁業災害補償制度に関する件  以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたい旨、議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、議長への申し出に関する手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  ただいま議長に申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その調査のため委員を派遣する必要の生じました場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並にびその承認手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 小委員会設置に関する件について、おはかりいたします。  ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になりました場合、閉会中もなお調査を行なうため、小委員十五名よりなる野菜生産出荷安定に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員、小委員長の選任、辞任、補欠選任並びに小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その人選等所要の手続につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。  本会議散会後再開することとし、これにて休憩いたします。    午後一時四十八分休憩      ————◇—————    午後二時四十四分開議

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、昭和四十六年四月及び五月の降霜等による農作物の被害状況について、政府より説明を求めます。大河原参事官。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 四月中旬以降五月上旬の降霜及び低温の被害につきまして要点を御報告申し上げます。  去る十八日付で被害状況は御報告申し上げましたが、四月中旬から五月上旬にかけまして、北方の寒気団の影響を受けまして、東日本では気温が低目に推移いたしまして、各地でしばしば降霜を見たわけであります。このため、東北、関東地方を中心に、リンゴ、ナシ、黄桃等の果樹または桑、水稲苗しろ、野菜等に相当の被害が発生したわけでございます。  被害額は、先ほど当委員会に御報告申し上げましたとおり、数字といたしましては総額約七十七億三千万円でございまして、内訳は御案内のとおり果樹約五十一億円、桑約十五億九千万円、水稲苗しろ約六億六千万円、その他約三億八千万円ということに相なっておりますが、農林省のほうにまいります県報告の被害額は逐次ふえておりまして、なお相当増加する見込みでございます。農林省といたしましても、統計調査部の調査を現在早急に取りまとめ中でございまして、各種対策の実施のためにも緊要でございますので、五月下旬には取りまとめる予定でございます。  とりあえずとっております対策その他についてかいつまんで御報告申し上げますと、技術指導につきましては、気象庁の暖候期の長期の予報が出ましたので、本年の天候不順等が予想されますことに関連いたしまして、三月三十日に、各種作物についての技術対策を講ずるよう各都道府県に次官名をもって指導しておったところでございます。  今次の降霜、低温につきましては、果樹、桑樹等につきましては、それぞれ応急対策等についての技術指導を通達済みでございます。  また水稲につきましては、苗しろの被害、苗の生育遅延状況等にかんがみまして、再播種なりあるいは必要種子の確保、あるいは低温性病害虫の防除、苗しろ期間の延長による苗の回復のための追肥等各般の技術指導対策を現在講じておるわけでございますが、昨日発表になりました気象庁の向こう三カ月の長期予報におきましても、本年は北日本を中心として低温が予想され、かつ西日本におきましては干ばつぎみであるということもございますので、農林省といたしましては早急に災害対策に万全を期するための体制を整備いたしたいというふうに考えております。  なおこまかいことは省略いたしますが、今次の災害の発生と同時に地方農政局では水稲、果樹、桑関係の調査団を編成して、それぞれ関係県の調査を行ない、また本省自身からも現地に参りまして調査をしております。  所要の対策につきましては、最初の被害状況の際に申し上げましたとおり、統計調査部の国としての数字を早急に取りまとめまして、融資その他諸般の施策を講じたいというように考えております。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。千葉七郎君。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 私はただいま報告になりました本年の四月、五月に発生しました農作物に対する凍霜害の被害につきまして若干質問をいたしたいと存じます。  この被害が発生しましてから、私も十日ほど前に地元に帰りまして、被害の状況を、全体的にというわけではありませんけれども、部分的に調査をいたしたわけであります。実にひどい災害でございまして、激甚災と申しても差しつかえない、想像以上の激烈な被害なのであります。そこで感じましたのは、霜の害でありますので、気象の状況が事前に予報されておったならば、これほどひどい災害を受けなくても済んだのではないかという感じを強くいたしたわけであります。  というのは、果樹地帯の災害は私よく存じませんけれども、苦しろの被害は、事前に降霜が予知できるとしますならば、苗しろに水を張りまして、苗よりも高く水を張りますならば、霜の害が防げるわけであります。したがって、気象の状況の予報が迅速に行なわれ、事前に行なわれておりましたならば、このような激烈な被害を未然に防ぐことができたのではなかったか。また果樹園等につきましても、いままでも経験がありますように、古タイヤを燃やすとか、そういったような措置を講じますならば、果樹園等においても被害を最小限に食いとめることができたのではなかったかという感じを強くいたしたわけであります。  そこでお尋ねをいたしたいのでありますが、昭和四十三年の九月に衆議院の災害対策特別委員会におきましては、気象業務を整備拡充するようにということを中心としまして決議が行なわれておるわけであります。この決議に対しまして、気象庁当局といたしましてはどのような施策を講じられたか。その点を気象庁当局にお伺いをいたしたいと存じます。

高橋浩一郎気象庁長官

○高橋(浩)政府委員 ただいまの点についてお答えしたいと思います。  防災のことに関しましては、気象庁といたしましても一つの大きな目標でございます。ただいまの決議に対しましては、二つの面で考えております。  一つの面は、結局注意報なり、警報なり出す場合に、予報をいかにして出すかという点と、もう一つは、実際の状況がどうなっているかという点を把握することであるかと思うわけでございます。  この点に関しまして、まず一つやりましたことは、レーダーの観測点をふやしまして、雨の状況、これはおもに大雨やなんかの関係でございますけれども、それを把握するということを一つ重点に置いて考えております。それからもう一つの点は、気象衛星の受信をいたしまして、広い状況を観察するということ、そういう点もございます。さらに、日本はまわりが海に囲まれておりますので、海の状況が非常に日本に影響するわけでございます。そういう点で観測船、従来もございますけれども、さらに一ぱいつくりまして観測を十分に行なう、そういろ方面の措置を講じているわけでございます。  さらに将来に対しましては、やはり何と申しましても予報の精度を上げることが重要でございまして、この面につきましては世界気象監視計画というような計画が進んでおります。非常に高性能の計算機を使いまして詳しい将来の予想図をつくる、こういう問題がございます。この点につきましては、従来も電子計算機は入っておりますけれども、さらに高性能の計算機を買いたいということを現在計画中でございます。  さらに、やはり予報をやります場合には、広い状況のことが問題になります。先ほど申しました気象衛星からの写真をとってはおりますけれども、これは一日に二回なり、三回なりの、一定の、連続的に来るものではございませんので、その問題に関しましては静止衛星を上げまして、常時観測をするというようなことを現在計画しておる、そういう状況でございます。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 いろいろこの施設の整備につきましては答弁をいただいたわけでありますが、私、聞くところによりますと、気象の観測の業務を縮小するのではないか、たとえば気象庁の定員を第一次の定員削減によって三年間に二百三十七名もう減らしたというようなこと、さらには第二次定員の削減を行なって、そうして測候所の予報の業務を測候所から取り上げる、あるいは予報業務を縮小しよう、さらには測候所が設置をされておる各地方で従来発表されておる長期予報とか、また海洋気象台から海上予警報等が行なわれておったわけでありますが、それらの権限を取り上げようとするような、いわゆる予報業務の系列化をやる、また気象通報所を廃止する、そういったような計画があるというようなことも聞いたのでありますが、その点につきましては、その計画がどの程度どういうふうに進んでおるか、またさらにこの計画を実行するとすれば、第二次の定員削減を今後何年間くらいの間にどれだけくらいをやるかという点が、いま策定をされておるといたしますならば、それらをこの際明らかにしていただきたいと思います。

高橋浩一郎気象庁長官

○高橋(浩)政府委員 ただいまの点にお答えいたします。  ただいまのことは、おそらく予報の系列化という問題のことであろうかと思います。この問題につきましては、定員削減の起こるずっと以前から考えられていたことでありまして、これは予報そのものを小さくするとかいうことではございません。気象の仕事も戦前と戦後では非常に変わってまいりまして、戦前でありますと、極端に申すならば、測候所にいて空模様を見て天気予報を出す、こういうやり方——必ずしもそうではございませんでしたけれども、そういったような、いわば家庭工業的なやり方でやっていたわけでございます。その後計算機が入り、情報化時代といわれるような時代になってまいりまして、予報をやります場合にも、日本だけの材料ではなく、極東あるいは世界じゅうの材料を集めて詳しい解析をして、それに基づいて予報を出すというようないわば大工業的なふうに変わってきたわけでございます。したがって、予報をやります場合にも、その中でいろいろな段階があるわけでございまして、それを手分けしてよりいい予報を出すというのが予報の系列化のねらいでございます。したがって、地方気象台あるいは測候所で予報を発表しないということではございません。ただ、たとえば長期予報の点に考えてみますというと、長期予報というような非常に長い時間のものでございますというと、非常にスケールの大きい現象でございます。もちろん局地的な問題もございますけれども、基本的な大きい場に当たらなければ、結局予報にはならない。したがって、そういうことをやるためには、必ずしも全部の測候所でやる必要はないのでございまして、たとえば本庁なら本庁で十分そういうことを解析いたしまして、それをファックスなりあるいは電信なりで測候所に知らして、それに基づいてその地方の状況を加味して皆さまにお知らせする、これが最もいいやり方ではないかというのでそういう方向で進んでいるのであります。  海上予報につきましても同じようなことでございまして、基本的には本庁でつくるけれども、いろいろ海に対して必要なこまかいことはそこで加味してやる。ただ、昔やっておりましたようにどこの測候所でも同じような天気図をつくってやるということはむだであるから、それは本庁でつくって、それをファックスで流して、それをもとにして予報を出そう、こういう状況でございます。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 答弁によりますと、中央において観測をした気象の状況を地方に電報で通知をして、それを地方の測候所あるいは通報所等から発表するのだ、地方の状況を加味して発表するのだ、したがって気象の予報等については何ら差しつかえない、こういう答弁であります。しかし、私今度のこの霜害の状況を見まして強く感じますのは、たとえば明朝なら明朝どの地方に強い降霜がある、そういう気象の状況になっておるということをその地域の住民に徹底して知らせるということが大切だと思うのであります。中央で観測をして、そしてまず測候所へそれを連絡をして、地方の測候所なり通報所なりでそれを一応発表したということだけでは決して親切なきめのこまかい行政のやり方だとは言えないと思うのであります。ことに農業気象であるとか、あるいは海上の気象であるとかということは直接その産業なりあるいは海上予報等については人命等にも関係する問題でありますから、したがいましてその地域の住民に徹底的に知らせる。もちろんいまはテレビ等が普及をいたしておりまして、一応テレビ等を注意しておりますればそれはわかりますけれども、その地域の住民が全部が全部テレビに注意しておる、天気予報に注意しておるというわけではありませんから、したがって霜の害のおそれのあるような場合においても、もう少し親切にこまかに気象の仕事がその地域の住民に徹底してわかるように、そういう行政を進める必要があるのではないか。台風なんかの場合にはテレビ等でも特別の時間を設けて刻々の状況を知らせておりますから知らせることが徹底しております。しかし霜の害というようなことは季節によっては苗代全体に被害を及ぼすのでありますから、したがってそういう点についてはもっと普及と申しますか、告知の方法を十分検討してもらいたいと思うのであります。そこでそういうきめのこまかいもっと徹底した予防の業務を行なうといたしますならば、定員を削減するということは大きな支障を来たす結果になるのではないかと思うのであります。その点につきまして御意見がありましたならばお聞かせ願いたいと存じます。

高橋浩一郎気象庁長官

○高橋(浩)政府委員 ただいまの点にお答えいたします。  先生のおっしゃる趣旨はよくわかります。現在注意報、警報につきましては、東京の本庁で出すのではございませんで、これは各県に地方気象台がございまして、そこが中心になって注意報、警報なりを出しておるわけでございます。これはやはり先生おっしゃいますように、気象と申しましても地方地方の状況が非常に問題がございますので、そういう点を加味いたしまして地方気象台で注意報、警報を出すようにしております。そういう意味でございます。それは測候所で出したらいいじゃないかというお考えもあるかと思いますけれども、災害を防ぐ面におきましては、気象庁といたしましてはそういうことを周知させることが大きな任務でございますけれども、実際そういう災害を防除するというような実際的なことになってまいりますと、これは気象庁以外のところでやるべきものでございまして、たとえば農業の場合でありますと県が中心になってやっていくものであろうかと思うわけであります。そういう方面に対しましては注意報、警報をお知らせして、そこで適当な指導をするような体制にしているわけでございます。  もう一つの点は、先生がいまおっしゃいましたけれども、そういうような地域の住民一般に周知させる手段といたしましては、何と申しましてもラジオとかテレビ、少し長いのでありますと新聞もございますが、そういったようなものを使う以外にないわけでございます。もちろん電話などで問い合わせなんかございますけれども、これで知らせるのは測候所に幾ら人員がおりましてもとても応じ切れることではございませんし、特にふだんは何にもないというようなことがございますので、やはりラジオ、テレビ、こういうものを利用いたしまして周知させるのが一番よろしい方法ではないか、こう思うわけであります。また災害防除に関しましてはやはり気象だけではございませんで、いろいろの対策がございます。そういった面につきましては、これはいろいろな県によって多少違うとは思いますけれども、県なりとの間の連絡会のようなものをつくりまして、そういうところで十分そういう面につきまして検討してやっている、そういうような状況でございます。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 いろいろ御答弁がございますが、いずれにいたしましても、県なり市町村なりの行政当局と十分連絡がとれるような機構を整備をしていただきまして、そうしていまの気象観測の発展した状態から申しますならば、三カ月も前に長期の予報観測もできるというような状態にまで気象観測が進歩しておるわけでありますから、したがって明朝降霜があるというようなことは当然前日にはわかるわけでありますから、そういう気象の状況をラジオ、テレビで放送するよりほかにないなんというような——これは見ればわかります。あるいはラジオを聞けばわかります。しかし住民全体、農村における農民全体がそれを見ればそれに対する対策等も立てられるわけでありますけれども、市町村のそれぞれの産業の係等もあるわけでありますし、また農協にはそれぞれ営農の指導員等もあるわけですから、明朝なら明朝霜害の危険性があるというような場合には、それらを通じて徹底してそれに対する対策を事前に立てるというような行政のやり方が必要ではないか、かように考えますので、その点は気象庁ばかりでなくて、農林省当局においてもさらに研究を進めていただきたい、そのように要望するわけであります。これは答弁は要りません。  そこでお伺いをいたしますが、手元に配られました被害の状況についてであります。この被害概況報告書によりますと、これは「県報告」となっておりますが、県から国のほうへ五月の十二日現在と聞きましたが、十二日現在で報告が参っておる、それを配られた、こういう説明であります。しかし、これは県から国のほうへ来た報告でありますけれども、これは私どもとしましては国のほうで県から報告を求めてそして国がわれわれに報告をした、かように私は受け取るわけであります。したがってこれは国の報告であると受け取るわけでありますが、けさ東北自治協議会長山形県知事の安孫子さんから今度の異常気象による農作物の被害に対する緊急対策についての要望書が配られたわけであります。これによりますと被害の額は大きく相違をいたしておるわけであります。国から配られました概況報告によりますと七十七億三千二百万、自治協議会のほうから配られました要望書によりますと百二十七億三百万円、実に倍に近い被害額、それに対する対策を講じてもらいたい、こういう要望書が来ておるわけなんでありますが、昨日岩手県の被害を私のほうで調べたのでありますが、各県の被害の内容、これはわかりません、この配られました報告以外にはわからないのでありますが、岩手県の状況は、この配られた概況報告によりますと、水稲苗しろの被害が四千二百万程度の調査になっておるのでありますが、私の調べましたところによると六億六千百三十五万円、こういう調べになっているのです。これはあまりにも違い過ぎるのですね。四千二百九十六万円に対して六億六千万円でありますから大体十四倍、十五倍ぐらいの被害がある、こういうことになっておるわけであります。一体これはどっちをほんとうにしていいかわからぬというような状態なんですが、国のほうでは直接調査をなさっている状態がどうなっているか。これは確かに県のほうからの報告で、逐次県のほうでは詳細に調査をした結果こういうふうに被害額がふえているんだろうとは思うのですけれども、それはそれとして、国のほうでも調査を進めておるはずでありますが、いまだにその国のほうの調査の結果がわからないということではどうも被害に対する対策の立て方があまりにおそ過ぎるのではないか、そういう結果になるのではないかという感じがするのでありますが、国の調査の状況はどうなっておりますか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の点でございますが、災害がございますと、先生御案内のように、各県とも被害地域につきまして県独自の調査を早急につかまえまして逐次報告してまいりまして国の施策の樹立に資するというようなことでございまして、その報告は二度、三度同一被害についてわたりまして最終的に数字が固まるという関係にあるわけでございます。今回も各県の報告は調査時点がそれぞれ違っておったりあるいは報告の時期が違っておる。ただし国といたしましたはこれらの調査を一段階でまとめましてとりあえず御報告したのが七十七億の数字でございまして、国といたしましては天災融資法その他必要な施策の樹立のための調査は統計調査部の組織を使いましてただいま最大限の努力をして調査中でございまして、これは大体五月の下旬に取りまとめ、今回の対策に遺憾なからしめたいというようにしておりまして、数字等については近々取りまとめるという予定でございますので御了承願いたいと思います。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 国の調査はぜひ早く進めていただきましてそして被害に対する対策を早急に立てていただきたいと思うのであります。  そこでお伺いをいたしたいのは、今度の水稲の被害の問題といま行なわれておる稲作の減反の問題、その関連の問題についてであります。というのは、今度の霜害によって苗しろがたいへんな面積が被害を受けておるのであります。たとえば岩手県の例を申し上げますと、岩手県の水田の面積は約十万町歩程度でありますが、その十万町歩からことしは二割減反というのでありますから大体八万町歩ぐらいが作付になるのではないかと思うのでありますが、この八万町歩の水田に要する苗しろは大体五%と見ますと四千町歩必要、多少上下があるのでしょうけれども大体四千町歩から五千町歩じゃないだろうかと思うのでありますが、その四、五千町歩の苗しろのうち実に二千四百三十三ヘクタールの苗しろが被害を受けておるわけでありまして、私の見た範囲ではこの被害を受けた苗しろをまき直しをしなければ田植えができない、そういう状態の苗しろが多かったように見受けてまいりましたが、もしこのまき直しをするということになりますならば田植えが一カ月ぐらいおくれるんではないかという感じがするのであります。余っている苗をもらい集めて田植えをするにいたしましても半月かそこら田植えがおくれる、こういう結果になるわけでありますが、このように田植えがおくれるということになって、そしてさっきお話がありましたが東北、北海道ことしは夏の気温が低いということになりましたならば、水稲の作柄は予想もできないほど凶作といったような不作の状態になるのではないか、かように考えられるのでありますが、もしそういうことになるとするならば、いま政府が各県に対して要請をしておる減反の反別にもいろいろ影響してくるんではないか、かように考えられるわけであります。二割減反をした上に作柄が通常の状態ではないということになりますと農民の所得が非常に減る、こういうことになるわけでありますから、したがって二割減反の政府の要請を受け入れた農民も考え直して昨年程度の減反にとどめる、一割程度の減反にとどめる、こういう状態が出てくるのではないか、かように考えられるわけでありますが、もしそういうことになったとしましても、政府におきましてはこの出来秋の米の政府に対する売り渡しの予約の数量を、減反を受け入れたその最初の約束と違いがあるからして、予約の申し入れの米の全量を買い入れるということに対して、いろいろな問題を、物議をかもすというようなことであっては農民としてはたいへんなことになります。そこでそういうことは絶対にやってもらっては困るわけでありますから、もし今度の霜害によって減反の最初の約束が実行されなかった場合においても、申し込んだ米の買い入れは必ず実行する。そういう態度で扱っていただきたいと考えるわけでありますが、その点に対する政府の考えをひとつお伺いしておきたいと思います。

岡安誠農林省農政局参事官

○岡安説明員 お答えいたします。  今回の北日本等におきます苗しろ期におきます低温のために、特に東北地方におきましては全般的に苗の生育の遅延を来たしているのでありますが、五月中旬ごろから多少気温も上昇いたしておりまして、苗の生育は著しく回復をいたしております。したがいまして、一部後期の追肥等によりまして生育促進をはかりますれば、ほとんどの地域におきましては六月初めごろまでには田植えは終了できるというふうに考えております。また一部の地方におきまして苗不足等を来たしましたため追いまきをいたしました苗しろにつきましても、その後やはり気温が上昇いたしておりますので、おおむね平年に対しまして一週間から十日程度のおくれでもって稲の植えつけが終了するのではあるまいかというように考えております。したがいまして、現在予想せられますような田植えの遅延ということによりましては、そう今後の農作業計画あるいは作況等に大きな被害はなかろうかと思っておりますし、さらに今後はそれに対応するような技術指導は十分いたしてまいりたい、かように考えております。したがいまして現在稲の作況というものは必ずしも確定をいたした状況でもございませんので、四十六年度の米の単年度需給の均衡をはかるという目標で設定いたしました二百三十万トンの生産調整の目標は現在これを変更するという考えはございません。

千葉七郎日本社会党

○千葉(七)委員 どうも米が七百万トンも余っているというので、不作を希望しているのじゃないかといったような説を唱える向きもありますが、政府においては絶対そういうことのないように、ことにもうことしの気象の予報は東北地方にとっては絶対油断のならない予報になっております。せんだっての農業災害補償法の審議の際にもいろいろ気象の問題については自民党の別川さんから質問がありまして、それに対する気象庁長官の説明によりますと、ことしの気象の状況は百年前のシベリアの状況と同じであって、そして北極の寒気団と申しますか、それが東北地方をことしの夏にも襲うのだ。梅雨も例年よりは早く梅雨になって、そしておそく梅雨が切り上げになる、こういったような答弁もありました。そういう点から考えてみますと、どうもこの霜害で苗しろが被害を受けて田植えがおくれる。その上に冷害ということになりますと、政府のほうでは喜ぶかもしれない。しかし農民にとってはこれはたいへんなことです。二割も三割も減反になる。こういうことになりましたらたいへんでありますから、したがって、その対策につきましては十分万全を期していただきたい、かように要請をいたしておくわけであります。  時間が参りましたので結論を申し上げますが、今度の霜害に対しましては、被害地の北海道、東北六県、その他の各県から対策についての要望が出ております。たとえば被害に対しては天災融資法の適用あるいは自作農維持資金の融資ワクの拡大、さらには苗不足に対処するための追いまき等に対する経費に対する助成あるいは桑とか果樹とかそういう園芸特殊作物に対する樹勢の回復に必要な資材購入費に対して助成をされたいとか、あるいは水稲の大規模共同育苗施設設置数をふやしてもらいたい。果樹の共同開葯施設、花粉の冷蔵施設等の設置に対して助成をされたいとかあるいは果樹共済制度の実現、これはもちろんいま部分的には試験的に実施をされておるわけでありますが、これらに対する全面的な早期の実現をはかってもらいたいとか、あるいは被害農家に対する所得税等の減免の措置を講ぜられたい。さらには被害地方公共団体に対しては、いろいろ経費がかさむわけでありますから、特別交付税の増額をしてもらいたい。さらには米の生産調整実施計画書の変更あるいは提出期限等の延期をしてもらいたい、こういう要望書が出ておるわけでありますから、したがってこれらの被害対策についての要望に十分こたえられるような施策を特に講じていただきますように強く要請をいたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。  いろいろありがとうございました。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 長谷部七郎君。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私もただいま御報告のありました四月ないし五月にかけての低温、降霜による農作物の被害につきましてその対策を中心としてお尋ねをいたしたい、こう思うわけであります。  先ほど御説明がありましたように、私たちの予想以上の被害の実態でありまして、政府が発表いたしました七十七億円をはるかに上回る被害額がもう出ておるわけであります。しかもこれから日数がたつに従いましてますます被害額というものがふえてくるのではなかろうか、かように心配をされております。私の秋田県では、ここに約八億五千万という把握でございまするけれども、本日の連絡によりますと、すでに十四億円をこえておる。北海道、東北全体でも五月十五日現在ですでに九十四億四千万円という被害が出ておる。特に水稲の苗しろは局部的には霜による立ち枯れあるいは低温による苗腐れ、こういうことで全滅という地域も実は出ておるわけであります。  このように深刻な苗不足を来たしておりまして、県では緊急対策として、県内に八カ所の大型の育苗センターがございますけれども、そこに急遽まき直しを委託をいたしておる次第でありますけれども、先ほどもお話があったように、田植えがおくれることによって作況への影響はなかろうというきわめて楽観的なお話であったようでありますが、私はそれは少し甘いのじゃないかと思うのです。いまから育苗いたしましてもどうしても少なくとも二十日以上はかかるわけであります。われわれ古老から話を聞いてまいりましたが、五十年以上農業をやってきたけれども、ことしのように苗を痛めつけられた年はかってなかった。田植えがこれから二十日おくれるということになると、その被害による減収というものは必ず大きなものが出てくるであろう、こういうことを心配されております。ですからもう少しこの被害対策について真剣な検討を加えていただかなければならぬのじゃないか、私は実はかように考えておるところでございます。この点につきましてまず政府の考え方を承っておきたい、こう思うわけであります。

岡安誠農林省農政局参事官

○岡安説明員 お話のとおり相当被害の激甚であります地帯におきましては、広範囲にわたりまして苗の再仕立てというようなことが行なわれるわけでございますが、私ども推測いたしておりますのは、非常におくれましても大体六月の十日ころまでには本田の移植が終わるというふうに実は見込んでおるのであります。したがいましてその程度のおくれであるならば、もちろんその後におきます各種の技術指導が適切に行なわれることが必要でございますが、そういうことが確保されるならば、私どもは一応米の収穫というものは確保できるというふうに実は考えております。  なお、今後におきます技術の指導について申し上げますと、特に被害がひどく苗不足を来たしたところにおきましては苗しろの再仕立てということが必要でございますし、それ以外に苗しろ期間の延長とか生育を促進するための追肥、それから低温性の病害虫の防除対策というものを行ないます一方、本田移植及びその後の対策といたしましては漏水の防止によります水とか地温の上昇、それから深植えをなるべくしないようにするとか、それから特に病害虫の防除に力を入れるというような技術指導を徹底いたしまして、極力減産の防止につとめたい、かように考えておるのでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 そこでお尋ねをしたいのですが、これから天候がある程度持ち直す、こういうことであれば最終的な作況にはあまり影響がなかろうという考えのようでございますけれども、前からいわれていますようにどうもことしは冷害型の気象が予想される、こういうお話も聞いておりますし、いわんや寒冷地帯におきましては十分稔実できるかどうかということについても非常に心配をされております。ですからこの際気象庁のほうから、当面これから三カ月ぐらいの予報は一体どうなっているのか、もしおわかりになりましたら承っておきたい、こう思うわけであります。

高橋浩一郎気象庁長官

○高橋(浩)政府委員 この問題につきましては、専門の大野予報官に説明をいたさせたいと思います。

大野義晴気象庁予報部予報課主任予報官

○大野説明員 お答え申し上げます。  昨年以来の波乱含みの天候でございますが、これも今後なお継続するであろうというふうな状態でございまして、ただいま発表になりました長期予報によりますと、つゆはことしは早目に入るであろう。しかし六月の半ばごろには中休みもある。しかし半ば以降は梅雨前線が活発になりまして、一方オホーツク海方面から南下する高気圧の影響を受けましてかなりの低温が見込まれる。またそのころには集中豪雨その他低温障害というものがあるいはあらわれるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。  それから七月になりましても上旬はやはり同じような傾向になりまして、つゆが明けるのは例年よりか多少おくれまして、おそらく北日本方面は七月の二十日前後にわたるのではないだろうか。しかしその後盛夏を迎えましてもときおり、たとえば八月の上旬だとかあるいは下旬あたりにまた北極方面の寒気の影響を受けまして、北日本を中心に不安定な天候が現在見込まれているわけでございます。  それでその後の九月、十月の照り込みでございますけれども、ただいまのところは八月までの三カ月予報が出ておりますのでその後の秋の照り込みのほうでございますけれども、これは六月二十日の三カ月予報で、あるいはその次の予報によって逐次その辺は農林省とも御連絡をとりながら天候の推移を見守ってまいりたい、かように考えているわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ただいま気象庁の見解の御発表がございましたが、これによりますると六月以降八月の上、中旬にかけまして低温型の気候で推移をするということで、稲作にとりましては一番大事な分けつ、穂ばらみ期に低温にぶつかる。こういうことだとすれば、非常に憂慮されることしの稲作の状態だと思うのであります。したがって農林省としてはこれに対応した指導方針、技術指導というものを当然用意されておられると思うのでありますが、その具体的な対策についてこの機会に承っておきたいと思うのです。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答え申し上げます。  先ほど農政局参事官のほうからお答え申し上げましたのは稲作期間の苗しろにおける遅延がまだ決定的な不作原因ではなくて、非常に心配しておるが技術指導により、また農家の努力によって克服し得る余地があるということを申し上げたわけでございます。  それで、ただいま気象庁のほうからもお話がございますし、先生からも御指摘がございましたように、本年の北日本における低温型の気候については、われわれといたしましても米の収穫確保の観点から非常に懸念しておるわけでございまして、われわれのほうといたしましては近々、その後の各種の災害等も含めまして、事前にこれを防止するために災害対策本部等を設置いたしまして、稲作の推移を見て適時適切な手を打っていきたいというふうに考えておりますし、また先ほど農政局のほうから申し上げました当面の稲作の低温性気候に対する技術指導を含めまして、総合的な技術指導を早急に成案を得まして末端に対しても通知いたしたいというふうに考えておりまして、体制の整備と個々の具体的な技術指導の内容につきまして体系的に整理いたしまして末端を指導したいというふうに考えております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 各地方でもこの低温の気象条件ということでたいへん心配をしておるのが現状でありますから、ことしは農林省としても関係各県の責任者を招集するなりあるいは各関係団体と連絡を密にするなりにいたしまして特別対策を強化していただくように強く御要請を申し上げておきたい、こう思うわけでございます。  それから具体的な対策といたしまして、いま二百三十万トンの減反割り当てがおろされておるわけでありますが、苗の不足によってあるいはこれからの苗の育成の結果どうなるかわかりませんけれども、間に合ってくれればけっこうでございますけれども、最終的に苗不足のために作付けが不能になった、こういう場合にはいまの減反の対象になるのかならないのか、この点も非常に不安と動揺を持っておりますので、この際ひとつ明確にお答えをいただきたい、こう思うわけであります。

岡安誠農林省農政局参事官

○岡安説明員 今回の災苗害によりましてが被害を受けまして苗不足が生じた場合でございまして、農業者が稲を作付けしなかったというときにおきましては、一般的に生産調整の交付金を払います場合には要件がございますが、その要件に該当する場合には諸補助金の交付の対象になり得るものというふうに考えております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に、これからの今回の冷害に対する幾つかの緊急な対策についてお尋ねをしたいと思います。  第一点は、まず、果樹、桑あるいは稲作も含めて被害激甚地帯に対しては天災融資法の適用をされる御用意があるのかどうか、この点。  さらにもう一つ、被害農家に対して自作農維持資金の融資、これを当然考えていただかなければなりませんが、従来のようなワクじゃなくて貸し付けのワクについても今後ふやしていただきたい、こういう強い要望が出されていますが、農林省はこれにどう対処されるつもりか、承っておきたいと思います。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 天災融資法の発動につきましては、先ほど千葉先生からの御質問にも被害状況に関連して申し上げたわけでございますけれども、被害は七十七億の中間報告をこえまして県報告も非常にふえておりますし、おそらくわれわれの統計調査の数字も相当な額にのぼるであろうというふうに推測されますので、天災融資法の発動については前向きに発動の準備を進めておるわけでございまして、関係当局と協議中でございます。  なお自作農資金につきましては、天災融資法が発動になりますと、従来の例にならいまして災害の特別ワクを設定いたしまして、災害農家の資金需要にこたえたいというふうに考えております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 次に、いま私の県内では各町村とも苗不足を来たしまして、新たにまき直しをやっておるわけであります。そこで限られた時間で短期間にこれをまかなっていかなければならぬために、いま県内にある八つの大規模な共同育苗施設をフル回転をしてやっているわけなんですが、将来ともことしのような冷害なりあるいは降霜に対処するためには、どうしても健苗育成という問題が最も大事だと思うのでございます。したがって、もっともっとこのような施設を各地域に増設する必要があるんではないか、実はかように考えておるわけでありますが、そのお考えがあるかないか、ひとつこの際承っておきたいと思います。

岡安誠農林省農政局参事官

○岡安説明員 四十六年度から新しく大規模共同育苗施設補助金を交付することにいたしたわけでありますが、これはお話のとおり、この目的は融雪の遅延または低温等によります被害を克服するための恒久施設として私どもは期待をいたしておるわけでございますけれども、現在四十六年度から四十八年度までの三カ年間に大体一カ年百カ所見当のテンポでもって設置をしていくというふうに実は考えておるのでございます。しかし今回のように北日本を中心といたします低温障害等によりましてこのような施設の設置の要望が高まっておりますので、次年度以降の設置数なり設置の場所につきましてはさらに実情に応じまして検討いたしてまいりたい、かように考えておるのでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 特に寒冷地帯等につきましては今後ともこのような低温障害、こういうものは予想されるわけでありますから、これを防ぐために健苗育成のための施設をより充実、拡大するようにぜひひとつ御配慮を願わなければならぬ、こう思っております。  それから今回の緊急対策のために各県、各市町村とも種子の確保あるいは苗しろのまき直し、こういうようなことでかなりの思わざる経費が大きく支出をされておる現状でございます。したがいまして当然国としても農林省としても、こういった苗の確保のために要する経費等については特別めんどうを見てやる必要があるのではないか、かように実は考えていますが、これに対する御見解をひとつ承っておきたい。

岡安誠農林省農政局参事官

○岡安説明員 お話のとおり、今回の被害によります苗しろ対策といたしまして、追加の代替苗しろの造成または苗の緊急輸送というものがすでに各県におきまして行なわれております。そこで今後まだ被害その他が調査が進めばもっと増大するおそれもあるわけでございますので、さらに実態を十分調査しまして、必要ならば対処してまいりたい、かように考えております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 同じく被害農家に対しての所得税関係についてお尋ねをしたいと思うのです。これは大蔵省の関係になるかもしれませんが、大蔵省、来ていますか。——減反、さらに今度最悪の場合は苗不足のために予定したたんぼに田植えができない、こういう事態になりますと、ますます農家の経済は窮迫する一方でございますので、所得税の面等につきましても何らかの減免措置を考えてもらわなければならぬ、こういう事態になるかもしれませんが、こういう場合の大蔵省の考え方について承っておきたいと思います。

中村平男国税庁直税部審理課長

○中村説明員 所得の問題としましては、昭和四十六年度の問題になりますので、ことし一年たってみなければ所得がどういうふうになるかという問題がわからないわけでございますが、とりあえずの問題といたしまして、これだけの被害があり、経費がよけい要るということは十分わかりますし、また所得もそれだけ減少するということはわかるわけでございます。  そこでことしの納税としましては、まず予定納税というのがありまして、去年の税金の大部分が農業の所得の方ですと、去年の税金の半分だけをまず十一月に納めておく、残りを来年の三月十五日までに納める、こういうような状況になっております。それから農業の所得が七割に満たない場合ですと、これは去年の所得を三分しまして、そうしてことしの七月に三分の一、十一月に三分の一、そして残りを今年の所得を計算して納める、こういうようになるわけでございますが、この七月に納める税金あるいは十一月に納める税金は、かりに納めるという意味で前年の税金を基礎にして計算をするということを原則にしておりますので、ところがこの災害のようなことが起こりますれば、その税額を減少さすということになっております。したがいまして、そのほうの予定をまずするように国税局あるいは税務署を通じまして、農協なり関係市町村等とも十分連絡をとって善処していくようにということで処理したいと思っております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いまのお話につきましては私もしろうとですけれどもわかっていますが、いま聞いておることは、かりに植えつけ不能になった、そういう場合の農家の所得の減収というものは、これはもう当然なわけです。それからもう一つは、これからまき直しをした苗で田植えをする、作柄につきましてはそれほど最終的には減収にはならなかった、こういうことになりますと、この災害農家の場合は、やはり所得税の課税の際における必要経費の中に、非常に大きな種子の確保なりあるいはまき直しの経費なり、いろいろなものが出てくる。いわんや雇用労働力というものもかなりふえてくるわけであります。したがって、そういうものは、ことしの課税標準を決定する場合に、やはりある程度必要経費の中に考えていただかなければならないのではないかという問題も、実はあるわけであります。この二つの問題でございますので、ひとつ御見解を承っておきたいと思うのであります。

中村平男国税庁直税部審理課長

○中村説明員 ただいまの問題は、先生のおことばのとおりでございまして、当然そういう多くの経費の要った分は、所得計算においては必要経費として計算する結果になるということでございます。しかし、それらにつきましても、やはり現在からどういうようによけい要ったというようなことを見きわめておかないと、来年になって標準をこしらえるときにいろいろ問題を起こすようなことがあってはならないので、できるだけいまから調査をして関係団体とよく調整をするようにということを指示したい、こういうふうに思っております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 もう一つで終わりますが、先ほど来申し上げておりますように、思わざる災害のために、関係市町村はもとより、県当局におきましても予想以上の経費が増大をしておるわけでありますが、これに対しては当然自治省のほうで特別交付税で見てやるべきじゃなかろうか、実はかように考えておりますが、自治省の御見解をひとつ承っておきたいと思います。

石見隆三自治省財政局地方債課長

○石見説明員 ただいまお話のございました四月の下旬から五月の上旬にかけまして、東北、北陸あるいは北海道を襲いました低温霜害に対しまして、地方負担が当然出てくるわけであります。その点につきましては現在農林省のほうで被害状況を調査しておられるようでございます。あるいはまたお話のございましたように関係地方団体におきましても現在調査を進めておりますので、私どものほうといたしましてはこれらの調査の結果を待ちまして、四十六年度分の特別交付税をもちまして実態に即した適切なる財政援助措置をとっていきたいというふうに考えておりますので、御了承いただきたいと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 以上で終わります。      ————◇—————

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 この際、果樹農業の振興に関する件について決議をいたしたいと存じます。  各党の理事間におきまして御協議願っておりましたが、その協議がととのい、案文がまとまりました。  便宜委員長から案文を読み上げます。     果樹農業の振興に関する件(案)  一、グレープ・フルーツの自由化が国内果樹産業に甚大な影響を与えることにかんがみ、政府は、今後、果樹の生産、流通、加工対策全般にわたり、さらに一層その対策の拡充を図るべきである。  二、昭和四十四年十月の日米協議の経緯に基き、政府は、米国側における温州みかんの解禁州の実質的拡大に見合って、その実施時期を定めるべきである。   右決議する。  以上でございます。  ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、ただいまの決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会、

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