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65回国会衆議院1971/05/14

農林水産委員会 第27号

発言数
178
登壇者
17
会派数
5
開催日
1971/05/14

会議録

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私は、いま問題になっておりますグレープフルーツの自由化をめぐる問題につきまして、今日まで国会内外を通して政府が明らかにせられていた問題等、最近の情勢につきましては私どもといたしましても了承しがたい点がございますので、これらの問題の前提となっております諸事項につきまして、この際果樹関係農民はもとよりでございますが、一応この問題について不審を持っております国民に対して政府が問題の所在を明らかにする必要があると思いますので、御質問をいたしたいと思います。  まず、外務省にお尋ねをいたしますが、——それでは外務省が来ていないそうですので、通産省来ておりますか。通産省でもわかるかと思いますが、四十四年十月の日米経済会議におきまして、グレープフルーツの問題につきましては日本側は米国の日本産温州ミカンの輸入解禁州を実質的に拡大するとの了解のもとに四十六年十二月末までにグレープフルーツを自由化すると表明をしたと伝えられておるわけでありますが、このことは事実かどうか、まずお尋ねをいたします。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 一昨年の十月の日米残存協議の席上で、日本側からグレープフルーツの自由化を四十六年中にする、ついてはグレープフルーツの関税の引き上げとわが国の温州ミカンの米側における解禁州の拡大ということを二つの条件として向こうに提示したようでありますけれども、米側といたしましては、その二つはグレープフルーツの自由化の条件になり得ないというような話がございまして、日米の会議の正確な結論としては条件にはなっておりません。  以上であります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 農林大臣にお尋ねをいたしますが、いま通産省のお答えによりますと、グレープフルーツの自由化にあたってアメリカが日本の温州ミカンを輸入することは条件にはならないということでありますが、私どもが国会の論議の中でしばしば倉石農林大臣よりお答えをいただいておる中には、アメリカがそういうふうに言っておるのだから向こうのほうでも誠意を示すでありましょう、こういう御答弁があるわけでありますので、当然条件になっておる。実質的に拡大するとの了解のもとにというのは、日米双方がこの点について了解をしておる、こういう認識をいたしておったわけでありますが、この点はいま通産省の答弁の中では条件にはならない、こう言われておるのでありますが、そういたしますと全く日本政府の一人相撲であって、こちらの片思いであると渡辺政務次官はどこかで言ったそうでありますが、こちらが全く片一方だけそういう解釈に立っておったというふうに理解をするのが正しいのかどうか、この点をまず明らかにしていただきたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 当時私立ち会っておりませんので、いろいろなお話、当事者のお話を承ったわけでありますが、いま通産省側でもお答えいたしましたように、記録にとどめた条件というようなものではないようでございます。しかし、当方はその協議の席でそういうふうにひとつ解禁州を拡大してもらいたいということを申し入れたということは、そういうふうに私どもも話を聞いておるわけであります。したがって、両国緊密な貿易をやっておるわけでありますので、支障のない限りは解禁州をわれわれの希望に従って拡大してもらえるものであると思っておりますし、またそういうことのために努力を続けてまいっておる、こういうふうに理解しておるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 どうも御答弁がお苦しい立場だろうと思いますけれども、大体この問題は私どもも当初から四十四年の十月の日米会議の前後の新聞等の情報からいたしますと、日本政府の一方的解釈であるということが、——私どもも実はそういうふうなことじゃないかという不安を絶えず持っておったわけでありますけれども、しかし、政府のほうからむしろ積極的に、この問題については日米間の了解事項だというような国会の御答弁なりあるいは関係生産団体の陳情等に対するお答えがしばしばなされているわけであります。もちろん大臣は当時現職の農林大臣ではなかったわけでありますけれども、非常に高度な政治問題であるだけに、これらの取り扱いについてはきわめて慎重を期せられたと思うわけでありますけれども、なお、そういう点が関係者なり国民一般に映っておるわけなんです。ところが、どたん場になりまして、どうも日本政府が一方的にこれは言っておったのであって、アメリカは知らないことだ、日本政府のほうからグレープフルーツを十月末までに自由化するのだ、アメリカがそれに対して誠意をもってミカンの解禁州を拡大してくれるだろう、こういう程度のものであったわけですね、実際は。この点をいま一ぺん明らかにしていただきたいのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 その後農務省のいろいろな関係者が東京に参りましたときにも、私は会見をいたしましてグレープフルーツの自由化の話もその中にはありますので、われわれが聞いておるところによれば、日米協議の際にわがほうの温州ミカンの解禁州を拡大してもらうということが話し合いに出ておるそうであるから、できるだけ早くそういうことを促進してもらいたい、こういうことは申してありますし、また現在も引き続いて、先般農林省の荒勝蚕糸園芸局長を派遣いたしましたときにも、すでに御報告があったかと思いますが、荒勝局長は農務省及びその他の関係者に対して、日米協議における日本側の述べた希望を繰り返し述べ、だいぶ先方も理解をいたしてくれているようであります。そこで、彼らは引き続いてひとつ協議いたしましょう。局長がアメリカに滞在している短い間に、各州のことにわたるものであるからすぐに返事をするわけにはいかないが、引き続いてそういう問題について努力を続けましょう、話し合いを続けましょう、こういうことでありますので、私どももそういうことを期待をいたしておる、こういうのが現状であります。なお、荒勝君が行きましただけで終わっておるわけではありませんで、その後も外交ルートを通じて、われわれの希望が達せられるように熱心に向こうに働きかけておるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 外務省来ましたか。——外務省参りましたらこの点は重ねて確認をしておきたいと思います。  どうもこの問題は、ここのところから実は私どもの認識、あるいは関係者のこの問題に対する異常な政府に対する不満がみなぎってきておる原因があるわけであります。  さらに、いま一つは、温州ミカンの対米輸出ですがね。これを条件とせられておるわけでありますが、実はこの問題にも、私は私なりに非常に問題があると思うのです。それは、形式的には、グレープを買うのだから日本のミカンを買えということ、これは形式的には対々でいくように見られますけれども、しかし、実際に日本の温州ミカンというものをアメリカで受け入れていくのかどうか、受け入れる条件が今日どれだけあるのか。この条件を、おそらく農林省のほうから出されたのだと思いますけれども、なかなかたいへんですよ。実質的に拡大するのでありますから、量におきましても貿易の拡大においてふえていかなければいけないわけでありますが、はたしてこの自信があってこういうことを言われたのかどうか、こういう点もこの際明らかにしておかなければいけないと思うのでありますが、対米ミカン輸出の状況はどうなっておるか、この二、三年来の傾向を局長のほうから御答弁いただきたいし、あわせて、対米ミカン輸出の問題点は一体何なのか、これもお聞かせをいただきたいと思うのです。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 温州ミカンの対米輸出並びにそのほかの日本の国産ミカンの輸出状況について概略御説明申し上げますと、日本のなまの温州ミカンの輸出状況は、四十三年、四十四年、四十五年の実績を申し上げますと、合計、四十三年が二万三千三百三十二トン、それから四十四年が二万三千百二十九トン、四十五年が二万四千三百九十八トンと、おおむねこの二、三年来並行しておる次第でございます。これはやはり国産のかんきつが比較的生産が増大されているにもかかわらず、国内における相当強い需要がございまして、国内で消費されておりまして、対外輸出が実質的に経済的になかなかむずかしい。特にアメリカの場合につきましては、この四十三年、四十四年、四十五年というふうに五、六百トン前後で、特に四十五年は少し減りまして四百九トンというふうに実績で少し減っている次第でございますが、これにつきましては、やはり農産物の輸出ということは非常に努力並びに苦労が多いということで、われわれといたしましても、今後国内におけるかんきつの生産増強の増大が見込まれますので、今後ともさらに輸出の増大に政府側も努力し、また生産関係者においても輸出については努力していただきたいと思っております。  また、なまミカンだけではやはり問題には——温州ミカンは貯蔵性ということで多少難点がございますので、やはりかん詰めにいたしまして輸出をしていきたい。かん詰めの輸出状況につきましては、これもなまミカンに換算いたしますと、全部で約九万六千トンばかりありまして、あるいは四十五年は九万四千トンでございますが、こういったものを合わせますと、約十一万トンないし十二万トンをこえるなまミカン換算の輸出がございまして、なまとかん詰めとを並行しながら輸出してまいりたい、こういうふうに考えております。  また、アメリカの場合におきましては、アラスカを含みます西海岸の五州だけで、御存じのようにワシントン州、アイダホ州、モンタナ州、オレゴン州並びにアラスカ州、こういうふうに五州でございますが、これを何らかの形でさらに実質的に輸出の増大が期待し得るように、ただいま大臣から申されましたようにアメリカ側とさらに折衝を続けて、今後輸出の増大に資するように努力いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私が質問したのはアメリカに対するなまミカンの輸出あるいはかん詰め輸出でありますが、あまり長く御答弁がありますので、四十四年はアメリカのなまミカンが輸出は六百九十三トン、四十五年は四百九トン、四十三年は調べていないが、四十四年よりももっと多いはずです。かん詰めは、四十四年二万八千四百八十四トン、四十五年二万五千八百二十一トン、これは間違いありませんか。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 かん詰めでいいますと、ミカンのかん詰めは全部で四十三年が六万五千六百十九トンでありまして、そのうちアメリカが二万七千五百六十九トン、それから四十四年が全部で六万七千二百十九トン、そのうちアメリカが二万八千四百五十六トン、四十五年が全部で六万三千八百三十七トン、そのうちアメリカが二万五千九百九十六トンで、これはいわゆるかん詰め換算でございます。それが四十五年度ではいま申し上げました六万三千八百三十七トンというかん詰めが、なまに換算いたしますと九万三千八百四十トン、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それで数字が多少違うのはいろいろのあれの関係でしょうが、問題は、日本の温州ミカンの輸出が問題になりました四十四年から四十五年にアメリカへの輸出というのは実質的には減っておるわけですよ。なまミカンについては四十三年から始まって四十三年、四十四年、四十五年と、だんだん減ってきているのですよ、日本の温州ミカンは。これが現在の対米輸出の実態なんです。実はこれを州をふやして拡大をするのだということで、グレープフルーツをかわりに入れるのだということばと組み合わせられておるわけでありますけれども、なぜ特に日本のなまミカンがアメリカで減ってきておるのか、この問題に対して農林省はこれまでどういうふうに手を打たれてきたのか。実質的に拡大するということは、もちろん日米外交折衝を通してアメリカ側が五州以上に州を拡大してくれるということをやらすことも必要でありますが、同時に、ともかく日本のミカンというものがアメリカに入っていくような道を日本の農政の路線としても、四十四年から四十五年、これだけやかましくなった過程の中で取り上げられるべきだと私は思う。それを一体何をやられてきたのか。ことしの予算を見ますと、ミカンの輸出振興に対しては前年同額であります。特にアメリカに対するミカンの貿易関係の輸出の予算等であります。農林省として、グレープフルーツの自由化のかわりに日本の温州をアメリカに入れていくという形で、日本の国の内政の、農政の課題として取り上げるべき問題を私はそれほど熱心に取り上げていないと思う。もちろん、あとで州の拡大をめぐってのいろいろな交渉の経過はまたお聞きいたしたいと思いますけれども、実際やっていないような気がするのですが、こういう点は一体どうですか、これは局長でよろしいですが。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 この一、二年来、アメリカに対する温州ミカンの輸出が減っていることはただいま御指摘のとおりでございます。これにつきましては、むしろわれわれといたしましては、一つには、先ほど申し上げましたように国内産のかんきつの生産に対して需要が非常に強かったというふうに理解しておりまして、将来の長い目で見れば、アメリカに対する輸出は今後努力すればまだ十分に伸びていくというふうに理解しておりまして、むしろことしの四十五年産の現状からすれば国内産のかんきつが予想外に価格が堅調であった、したがって輸出するよりも国内消費に回したほうが有利であったというふうな結果になっているのではなかろうか、こういうふうに理解しております。なおわれわれといたしましては、この五州の解禁をさらにふやすということを契機といたしまして、対米輸出については今後とも一そう努力してまいりたいと思いますが、御存じのように、アメリカの検疫関係というものは、日本で現在いわゆる無病地区というものを設定し、かつまたそのぐるりには緩衝地帯を設けまして、生産農家に対しては相当きびしいいわゆる無病地帯の設定をしておる関係上、なかなか農家の生産者側におかれましても、輸出ミカンの増産よりも国内消費用のミカンをつくったほうがましだというような経済的なことも、そういう検疫上の問題もからみましてなかなか輸出が思うようにいっていない。カナダとか、さらにことしからヨーロッパに輸出の振興をはかる予定にいたしておりますが、こういった方面はたまたまミカンがその国にはありませんので植物防疫上の問題がほとんどないので、われわれとしては輸出が非常にしやすい、こういうふうに理解しております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 需要がたいへん強かったので輸出用のミカンがあまり伸びなかったということでありますが、それも一つの理由でしょう、あるがままの経済の流れの上に立つならば。しかし、このグレープフルーツの自由化の問題は非常に大きな政治課題として四十四年以来取り上げられてきたわけでありますし、政府は何らかの形でアメリカに対する輸出の拡大をはかる外交的、内政的処置を当然とるべきであったと思うのです。それがとられていないというところに、何か日米交渉で日本のミカンをやってくれればグレープフルーツを入れるんだ、グレープフルーツを入れるために、温州ミカンを持っていくという形式的な取りきめもできてなかったということでありますが、そういう程度に終わって、何か国民をごまかしてきたようなきらいがあるような気がしてならないのです。本気で日本のミカンをアメリカに輸出するのであれば、とられるべき施策も幾つかあったと思うのです。たとえばいま話のあったかいよう病の問題がやかましい。あなたはこの間お行きになって、そこで防疫の問題が非常にやかましいということを持って帰られたはずですが、このかいよう病の問題に対してどういうふうな手を農林省として四十四年以来打たれてきておるのか、全然やっていないと私は思うのですよ。このことについてはいろんな問題があるわけですけれども、何かそういう施策を全然打っていないのじゃないか。局長は御承知だけれども、特にアメリカに対する輸出は、なまミカンよりもかん詰めというもののほうが将来大きいでしょう。かん詰めの場合にはミカンの加工原料を集めるということについて、いま言われた果樹の相場の問題とも関係いたしまして、生産団体は非常に苦労しておる。だから、キロ三十円以下であれば、アメリカにいたしましても、イギリスにいたしましても、ヨーロッパにいたしましても、日本のミカンの輸出はもっとふえるだろうといわれておる。しかし、なかなかそういう相場にならない。そういうものに対してどういう政策を打って出すかという方策をこの際考えないと、この問題の根本的な解決に私はなり得ないと思うのです。だから私どもは前から果樹の価格新政策というもの——あまり新政策というと最近農林省いやがりますから言いませんけれども、しかし、日本の果樹は生産が非常にふえて外国へ持っていかなければならない状態に追い込まれてきているのは事実なんです。その場合に、やはり何らかの輸出振興の措置をとらなければいけないのじゃないか。そういう問題がこのアメリカとのグレープフルーツの問題を契機として、頭のいい農林省のお役人でありますから、本気でやるつもりなら当然考えていいはずだと思うのです。どうも本気でないから、こういう点について今日まで手が打たれてなかったような気がしてならないわけですが、この際農林大臣に御所見を承っておきたいと思います。アメリカだけでありませんけれども、当面アメリカに対するミカンの実質的な拡大は、これはこれまでの過程がどうであれ、内閣の責任においておやりにならなければいけないと思うのです。そういう場合に、特に加工あるいはなまミカン等を含めて、積極的に輸出の増大をはかるような農業政策をこの際打ち立てられる御意思があるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 もちろん政府はアメリカに限らず諸外国にわが国の農産物加工品の販路が逐次拡大していくことを待望いたしますし、そういうふうな方向で指導はいたしておるわけであります。しかし、御存じのとおり、そういうことを現実に考えるのは生産者であります。すべてを政府が行政的に統制をいたしておるわけではありませんので、たとえばかんきつではありませんが、リンゴなどでもリンゴのかん詰め、ジュースというのはなかなか世界各国で成功している国はないようでありますが、最近日本ではかなりいいものが出てきた。フランスだけはだいぶ昔から評判がよろしい。しかし、そういうかんきつと違って、かん詰めやジュースとしては非常にむずかしいといわれておったものですら、いま長野県農協あたりでは生産者とともに非常な努力をして、最近はどんどんそれが行なわれるようになってきております。したがって、そういうことを考えられるのは生産者であり、農業団体であり、同時にそういうことを私どもがキャッチをいたしまして、どのような誘導政策をとっていくかということが大事だと思うのであります。したがって、いま御指摘のように、かんきつについては年によっては国内消費から考えますとやや生産がオーバーしていく傾向があるかもしれないというようなときに、御存じのように、たとえば静岡あたりでもたいへん優秀なかん詰めをつくり出しており、これがたいへん売れ行きがよろしい、こういうことを考えてみますと、政府はもちろんいまお話しのようなことについて、全体の貿易政策でありますので行政的に指導をすることはもちろんでありますが、業界及び生産者がみずからの発明、くふうにおいて、やはりそういうことをわれわれと同じ考え方で取り組んでいただくことが必要ではないか、そういうことについてわれわれとしてはやはり行政の面でできるだけの御協力を申し上げなければならない、こういうふうに考えているわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 生産者は、全く政治的観点から、あるいは農政的観点というよりも日本の置かれております内外の経済情勢の中からグレープフルーツの自由化が行なわれるという情勢を受けまして、現在これと最も競合関係にありますナツミカン等の改植、品種の更新を大幅にいまやっておるのであります。その内容は農林省で十分承知をせられておるとおりであります。米よりも早く大幅に木を切ってしまって、新しい品種にかえたりあるいは新しい木にかえたりしておるわけであります。私どもの県では、この問題で米と同じように自殺をした人もおるのであります。生産者としてはできるだけのことをしております。さらに私がいま指摘いたしましたように、将来の日本の果樹園芸というものを国際的に伸ばすためには、加工の段階において力を入れなければいけない。そのために、場合によっては生産者がみずから基金を積み立てても何らかの価格対策を講じなければいけないというような動きも、今日すでに出てきておるのであります。こういう動きに対して、この果樹の政策につきましては実は農林省のほうがおくれておるのであります。だから、こういうような問題を契機として、特にこの問題はこれまでの委員会でも私どももしばしば議論をしてまいったわけでありますが、加工面に対する何らかの価格安定措置を講じないと——生産者も金を出してやっていこうと言っておるわけでありますから、そういうものについて本格的に検討をしてみる御意思ありやなしや、このことを議論をしてきたわけでありますけれども、どうもはっきりしないのであります。こういう点を私は申し上げておりますので、生産者のほうからそういうような申し入れが出てきたら農林省として十分受けて立つという段階はもう過ぎて、農林省は受けて立たなければいけないような状態になっておると私は思うのです。そういう点はどうですか。たとえば果実加工品価格安定制度等についての要請ももう農林省に来ておるはずでありますし、全国的に関係農協がこれらの問題についての検討を始めておるのですから、こういう問題を解決しなければいけませんぞということを私は申し上げているのです。

荒勝巖農林省蚕糸園芸局長

○荒勝政府委員 果樹並びに果実につきましての価格安定を何らかの形で農林省は仕組むべきであるということについての陳情なり、また当委員会でも再三にわたりまして御質問をいただいているような次第でございます。ただ、私たちといたしましては、果樹の現状からいたしますと、まだ国内において消費の需要の増進がきわめて強く期待されている農作物でありますので、われわれといたしましては、果樹につきましては果樹農業基本方針というものを立てまして、法律に基づく基本計画を立てまして、それで長期にわたる需要の動向に即した植栽の計画というものを同時につくりまして、果樹についての将来にわたるいわゆる需給の安定というところに重点を置いて、現在施策を進めておる次第でございます。したがいまして、果樹のようなものについて不当に、一方では植栽がおくれたりあるいは進み過ぎたりいたしますと、それが必ず後年になって需給のアンバランスを来たして不当に価格の不安定をもたらしますので、われわれといたしましては、あくまで果樹農業基本計画の基本方針にのっとって各県を指導して果樹の植栽を進めてまいるということが、まず何よりも先決ではなかろうかというふうに思っております。しかし、果樹は農作物でございますので、その年その年の天候の関係もこれあり、豊凶に相当差が出てまいりますので、われわれといたしましては、その豊凶の差を何らかの形で出荷の面で安定せしめることがさらに必要ではなかろうかということで、生産の安定と並びまして、出荷につきましても安定対策を設けるということで、倉庫等、ミカンにつきましての近代的な倉庫を今後奨励いたしまして、生産と出荷の安定を行なうことによってミカンの価格の安定が実現できますように、ただいま努力している次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 外務省がお見えになっておりますので、日米交渉の窓口でありますから、重ねて確認をしておきたいと思いますが、グレープフルーツの自由化の問題についての日米交渉は、アメリカが日本の温州ミカンを解禁するということは、日米間双方の了解事項じゃなくて、日本の希望的な観測であった、こういう意味の御答弁が通産のほうからあったのですが、外務省もこれは間違いありませんか。

平原毅外務省経済局長

○平原政府委員 お答えいたします。  事の始まりは、通産省から御説明になったと思いますが、一昨年の秋の日米の協議の際の話でございますが、これは協議でございまして、実は交渉といったものではございませんので、双方からいろいろ意見も出し合わせまして話し合ったわけでございます。ただ、その結果、三日ほど続きました協議のあとで記者会見をしなければいけない、したがって、その際お互い話し合いの内容をかってに解釈して別々に新聞記者に発表しても、これはおかしいじゃないかということで、新聞記者に発表する場合は大体こういう言い方にしようということで、大体の文言につきまして話をきめておりました。これがあるいは合意あったというふうに世上にいわれておる一つの原因かと思いますが、合意ということではございませんで、話し合いの結果をこういうふうに新聞に発表しようという申し合わせをしたものでございます。  その内容につきましても、すでに通産省当局から御説明になったと思いますけれども、日本は七一年の末までにグレープフルーツの輸入を自由化しようと思う。ただし、これはアメリカのほうが温州ミカンに対する貿易上の輸入禁止というものを解禁するのを、サブスタンシャリーということばを使いましたが、大きくなるという了解のもとにやるのである、こういうことで新聞に発表したわけでございまして、したがって、われわれのことばのやりとりも、いま申しました新聞発表に沿うやりとりをしたわけでございます。したがって、わがほうのグレープフルーツの自由化の絶対条件であるというふうには解釈できない。しかし、話し合いの結果、われわれとしてはアメリカがそのように輸入制限を解禁するという了解のもとにやるのである、そういうふうなことで、法律的な条件とは言いがたい私どもとしてはいわざるを得ないわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 どうもお話をお聞きすると、やはりある程度の了解事項はあった、こういうふうに解釈してもそう間違いないような御答弁でもあるわけなんですね。通産省のほうはそうじゃないと言っているのですよ。これはどっちがほんとうですか。

平原毅外務省経済局長

○平原政府委員 私、遅参してまいりまして、通商局次長の答弁そのまま聞いておりませんが、全然話がなかったというわけではございませんので、われわれとしてはこの三日間にわがほうの国内情勢をよく説明いたしまして、自由化がなかなかむずかしい、しかしこれは日本の自由化促進の立場から七一年の末までには自由化するのだ、そのためにはアメリカのほうもこれをぜひ解禁してくれることを強く希望したわけでございまして、その結果がこのような発表になっております。しかし、繰り返しますが、法律上の条件ではない、このように私解釈いたしております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 官房長官もアメリカの駐日公使が五月の十二日に来たときに、国内では温州ミカンとの組み合わせで議論が非常に根深いけれども、何もアメリカにこの問題は責任を持たすものではないのだ、日本の国内問題だ、こういうふうなことを言っておる。新聞にも出ております。これは外務省の線に近いので、佐藤さんの線に近いのでありますから、総理大臣の意向、判断がそういうところのように思いますけれどもね。しかし、申し上げておきますけれども、日本の国民は必ずしもそういうふうには理解していない節が多いわけであります。これは発表等の技術だけの問題でなくて、その後のいろいろな経過の中にそういうものが非常に根深いわけであります。  そこで、これは外務省にお聞きをしたほうがいいんだと思いますが、グレープフルーツの自由化について、アメリカの要求というものは非常に強いわけですか。

平原毅外務省経済局長

○平原政府委員 お答えいたします。  アメリカのわが国の自由化一般に対する要求と申しますか希望と申しますか、これは強いものがございます。アメリカの考え方によりますと、現在八十品目残っておりますわが国の残存輸入制限というものは、これはガットの違反である、こういうふうに考えるわけでございます。また、これは法律的に申しますればやはりガット違反であると考えざるを得ない。ただ、このガットそのものが別に処罰を伴うような規則ではございませんし、また、わが国のほかにも残存輸入制限を依然として持っておる国は多い。御存じのようにアメリカも依然として五つの品目に関しては残存輸入制限を行なっております。したがって、アメリカといたしましては、別に日本がどうだということよりも、やはり世界の経済全体をより自由にするために、ガットのメンバーであるわれわれの諸国はみんなガットの原則に従って残存輸入制限を減らしていこうじゃないか、まずそういう観点から出発していると思うのでございますが、日本に対しましては、御存じのようにわが国のアメリカに対する輸出というものは非常に伸びておりまして、いわゆる貿易バランスが日米間で見ますと、ますますわが国に有利に幅が開いている。そういういらだたしさもございまして、アメリカとしては、やはり日本の残存輸入制限というものはできるだけガットの原則に従って減らしてくれあるいはやめてくれということを強く要求してくるわけであります。そしてグレープフルーツは御存じのようにこの八十品目の中に含まれておる、こういう次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 アメリカが特別にグレープフルーツの自由化を強く日本に要請している向きはない、残存輸入制限一般の中の一品目として含まれて日本の政府は考えておるということだと私は理解いたします。私どもがアメリカの事情を聞きましても、それから園芸局長がこの間アメリカへ行っても、アメリカはことしの十二月末にグレープフルーツの自由化がなされるというふうに理解をしておる、こういうふうにお感じになったという意味の新聞談話が帰朝報告の中にあるわけなんで、私どもは農業団体の関係者が何回かこのグレープフルーツの問題で向こうと接触しておりますが、そういう中からも、何も無理に好んでアメリカがこの四月であるとか、十二月末を四月に繰り上げてこの間うちごたごたしたわけでありますけれども、そういうことをやらにゃいけないようなふうには受け取れていない。だからいま外務省のほうから言われたような程度だと私も思うのです。  ところが今度四月に二十品目を自由化をするというのが、多少いま延びているわけでありますが、これはグレープフルーツの問題でこうなったわけでありますが、その二十品目一括して延ばしたという理由は一体どうですか。これは通産省……。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、この四月末に自由化をするということは、すでに昨年の九月の関係閣僚協議会できまっておったわけであります。二十品目と税番上は部分品目であります六品目を一括四月末を目途に自由化を実施するということがきまっておったわけでありますが、先生御指摘のようにグレープフルーツ等の問題がございまして、現在調整中でございます。しかし政府といたしましては、この二十品目は閣僚協議会で一括きまっておる品目でございますから、二十品目全品目極力早期に一括実施をいたすべく、今後とも政府としては努力したいと考えておる次第であります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 九月にきまったといわれるけれども、その前には十二月末にきめておったのです。それをわざわざ好んで九月に繰り上げられたわけです。その時点からこのグレープフルーツの問題についてはなかなかたいへんだということは、政府内部においても御承知であったとおりであります。二十品目一括といわれますけれども、グレープフルーツはグレープフルーツ一品目では入っていないでしょう。一品目の中の部分品目ですよね。だからこれは何もグレープフルーツだけ除いても二十品目がこの中の十九品目になったというわけではないはずですよ。だから私どもは何でこのグレープフルーツの問題でわざわざ二十品目一括に固執しなければならないのか、この辺がわからないのです。無理心中でいやがるグレープフルーツの自由化も抱き込まないと、ほかのものもなかなかやりにくい、というよりも自由化を早める、こういう布石があるんじゃないかと新聞に書かれておるわけですけれども、そういうふうにも考えるのですよ。だから私は国内でこれだけやかましい問題になって、いろいろ議論の中で、きょうは時間がありませんから、政府がこのグレープフルーツの自由化をめぐって四十四年から四十六年の間にどれだけ努力をしてきたか、こういう点についてのこまかい質問ができないわけでありますけれども、しかも日本の果樹農政が現在のところ農政と名のつくようなものはほとんどない。そういう段階でなされるものであるならば、これを一品目だけ半年ほど延ばすということは、当然考えられていいと思うものができないわけです。この辺に私は何かおっかぶせてくるものを感ぜざるを得ないわけでありますが、時間が参りましたので、農林大臣にこの問題についての最終責任者でありますからお尋ねをいたしておきますが、大臣はグレープ自由化の方針については、長谷川前農林大臣の考え方をそのまま受けて、いわゆる自由化の前提条件である季節関税の問題と対米輸出解禁の問題ができなければこれの自由化はいたしませんということを予算委員会それから農林水産委員会等で何回となく明らかにされておるわけであります。この大臣の言明を私どもは今日までそのまままともに受けて、グレープフルーツの自由化というものについて見守ってきたわけでありますが、今後もこの大臣の言明をそのとおりやはりこの問題についての対応の方針としてお立てになっておるかどうか、この際お尋ねをしておきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私がずっと申し上げておりますのは、前大臣の長谷川さんのおっしゃったこともありますので、全力をあげてその実現を期するように最大の努力をいたしますと、こういう方針には変わっておらないわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 全力をあげてやってもいたし方がないときはしようがないという意味ではないので、これは全力をあげてということばはないのですよ。こまかくそういうところまでいじりませんけれども、とにかくこれが前提条件でありますと、こういうように明確におっしゃっておられるわけでありますから、私はその方針を受け継いでもらわなければ困るわけであります。政府自民党との間にごたごたがあってできなかった。自民党の皆さんおっしゃることは新聞にたくさん載っておりますけれども、われわれが言うことよりももっと激しいですよ。そういうことをおっしゃっておられる。自民党と与党とでは話ができなくても、国会で自民党を含めて明確に御答弁せられておるわけでありますから、この御答弁の趣旨はやはり考えていただかなければ、これはたいへんなことになると思います。伝えるところによると、ともかくいま参議院選挙を前にしてたいへん政治情勢がきびしいときに、こういう反発のあるものを認めるなんということはもってのほかだということでしばらく延期をした、こういうように聞いておるわけでありますが、これは四月末にやるということがしばらく延期ということになったのか、あるいはいつになるのかまだわからないのか、あるいは当初の十二月の方針にもとへ戻ったのか、こういう点はいかがでございますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私からお答えいたすのが適当かどうかわかりませんが、何月までというふうなことを言っているのじゃありませんので、いろいろ意見もあります。諸般の情勢も先ほど来お話のあったようなことでありますので、もうしばらく十分われわれの努力も継続いたさなければならない、こういうことで延長したと、こういうことであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私はいままでグレープフルーツの自由化の問題については、農林大臣の言明を実はきわめてまじめに受けて、そういうことになるべきだし、またならなければいけないと、こういうふうに思ってきたわけでありますが、どうも最近の情勢を見ると、必ずしも大臣のおことばをそのまままともに了解をするということだけで済まないような感じがいまいたしておりますが、私は、農林大臣としては、この問題については国会の場であれだけ明確にされておるわけでありますから、佐藤内閣の改造でまた大臣かわったら、責任はないのだというようなことでは困るわけでありまして、やはり長谷川大臣、倉石大臣と引き継がれたこの問題については、当初の基本方針に基づいて——われわれはグレープフルーツの自由化反対なんですが、政府としては十二月末ということをおっしゃっているわけでありますから、この線でひとつ最後の幕を閉ざすということが、政府・与党の当然とるべき処置だと思いますよ。私どもは、グレープフルーツを入れることそのものに今日問題がある、入れるべきでない、こういう解釈をとっておるわけでありますが、それが何だか二転三転いたしまして、政府の方針がさっぱりわからない。だから、いろいろなうわさが立って、佐藤さんとニクソンが取引しておるとか、いまの円の問題がグレープにひっかかってきておるとか、いろんなうわさが出てくるわけでありますから、この際、政府としては、やはり明確に、十二月末に、当初方針どおり本問題については政府の方針を貫くという姿勢を堅持していただきたい、こういうことを特に御要望申し上げておきたいと思います。  さらに、議論が不十分でありますけれども、本問題を契機として出てきております対米輸出の問題から出てくる外国に対する日本の果樹類の輸出対策については、今後積極的に新しい農政の方向を切り出していただきますことを特に御要望いたしまして、時間がまいりましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 斎藤実君。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 私は、今回の日ソ漁業交渉におきまして、オホーツク海海域におきます抱卵ニシンが全面禁漁になったということ、このことについて、日ソ漁業交渉を含めて若干政府の考え方をお尋ねをしたいと思います。  このことについては、ニシン漁業に従事をしてきた関係漁業生産者、特に水産加工業者、この人たちは全面禁漁によりまして非常に影響を受けておりますし、これらの関係業者の死活問題だ、このことについては大臣も御承知のことと思います。私は、この問題は、生産者あるいは加工業者の問題だけではなくして、今後のわが国の北方漁業の方向に重大な影響がありますので、農林大臣から、ニシンが全面禁漁になった理由について最初にお尋ねをしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 今回の交渉におきまして、御承知のように、ニシンはサケ・マスと同じく漁業交渉のほうで取り扱われておるわけでありますが、ソ連側は昨年からオホーツク・ニシンの資源が悪化してきておると主張いたしておりましたが、本年の日ソ漁業委員会では、初めから、このオホーツク・ニシンは残された唯一の資源でもあり、しかもその資源状態に悪化のきざしがある、こういうことを主張いたしまして、産卵ニシンの全面禁漁を主張いたしておりました。わがほうは、この資源はまだ悪くないとする見解でありますので、この見解は日ソ双方で対立をいたしておったわけでありますが、私どもの知っている範囲におきましては、わがほうの科学的調査はかなり権威のあるものであり、また時間をかけていたしたものでありますが、不幸にして両国の資源問題に対する見解は一致することはできませんでした。  そこで、さらにこの漁業交渉促進のために、カニの問題の行き詰まり打開をお願いいたしました赤城特使がまだモスクワにおられましたので、この赤城特使に対して、東京でやっておりますニシンの交渉についても特段の御努力をお願いいたした、こういうことであります。また、そのカニの交渉中にも、ニシンの交渉が先決問題であるというふうな意見も途中で出てまいったような次第でありますので、これも含めて赤城さんに御尽力をお願いいたした、こういう経過であります。赤城特使は、御存じのように、イシコフ漁業大臣と交渉いたしておったのでありますが、その途中で、特使がありますので、コスイギン首相とも会見をいたしたことは、新聞にも報道されておるとおりであります。  そういう中において先方からは、オホーツク産卵ニシンの禁漁について、日本側もぜひ協力してくれるようにということを強く求めてまいりました。わがほうといたしましては、全面禁漁だけは避けて、何らかの妥協に達するように努力をいたしておったわけでありますが、ついに合意に達せず、結局、ニシン資源は世界的にも減少の傾向にあることでもあり、オホーツク・ニシンについてもさらに資源状態についての科学的研究を拡充強化いたすとともに、この間、資源の悪化を防止して将来の資源増大に期待する意味で、本年から産卵ニシンを禁漁とすることに同意をいたした、こういうことでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 いま大臣から答弁がございました。この日ソ漁業交渉は、カニ、サケ・マス、ニシンを含めて、今日までの交渉を見てまいりますと、わが国はいつもきまって、出漁期に迫られているぎりぎりのせっぱ詰まった時点で、この交渉を妥結しておるわけです。したがって、現実問題としてソ連側の主張を認めるというかっこうになってしまっております。ですから、昭和三十一年に日ソ漁業条約を締結したときに比べまして、漁業面積は三分の一に縮小されておる。この傾向が将来続く限り、数年たてばわが国の北洋漁業というものは崩壊してしまうだろう。今回の漁業交渉の経緯を見ても、明年の交渉について明るい材料は一つもないわけでありまして、いままでのようなせっぱ詰まったときに特使を派遣するとか、出漁期が迫ったときに交渉するという考え方を変えて、新しい——いままでの交渉のしかたには私は限界があると思うのです。限界が来た、このように私は考えるのですが、新しい方向を見出すための具体策はお持ちですか、これをお尋ねしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 御存じのように日ソ間の交渉は、たとえばカニにいたしましても、二月も前から向こうへ行っているわけであります。それからまた、漁業条約に基づくサケ・マス、ニシンについては、先方から出かけてまいりまして、これも二カ月近く東京におりまして、いろいろやっておるわけであります。しかし、これも外交折衝のいろいろなやり方もあるでありましょうが、なかなか出漁期日まぎわになりませんと結論めいたものがいままで出てまいりませんでした。こういうことについては、われわれといたしましても、相手のあることでありますけれども、やはり考えてみなければならない点があるのではないかという意見は出ておるわけであります。わが国とソ連はすぐに隣合っておるところでもありますし、文化的に、また経済的に、政治的にだんだん緊密度を加えていかなければならない国家でありますので、ことに経済的にはわれわれにいろいろ協力を求められておるものもあるのでありますから、そういうこと等も勘案して、ただいまお話のございましたように、漁業の交渉についてのやり方を考えるべきではないかという説も、部内に出ておるわけでありますが、こういうことを含めて、政府としては十分検討をいたしてみたいということを考えておるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 特に今回の交渉で大きな影響を受けたのは、産卵ニシンの禁漁、私は、このニシン関係業者はほとんど零細漁家であるということからいって、ニシンが全面禁漁になったということによってこうむる被害、これは漁業者並びに加工業者も同じだろうと思う。この被害というものは非常に大きなものがあります。ですから、一部の業界ですけれども、零細ニシンを犠牲にして、大資本のカニを助けた、こういうふうにもいわれておる。先ほど大臣は、ソ連の主張は資源が枯渇しておるということを答弁されましたけれども、私はこの資源問題だけできめたのではないと思う。なぜかならば、資源問題だけであれば、漁船の数を減らすとか、あるいは操業区を縮小するとか、操業期間を短縮するという態度をとれる。ですから私は、政治的にもっと打つ手があったのではないかと思う。政府の見通しの甘さ、あるいは政治的な配慮というものが欠けておったのではないかというふうに私は考えるのですが、大臣いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これは一般的な問題でございますので、私がお答えするのが適当かどうかわかりませんが、私どもといたしましては、漁業条約並びにカニ交渉、これは二つに分かれておるのは御存じのとおりでありますが、そういうことの折衝につきましては、サケ・マスについても、ことしは豊漁年であるにもかかわらず九万五千トンというのは、いつもから見ますというとそれだけ削減されておるわけであります。いろいろなことを考慮いたしますというと、やはり将来のことについて十分再検討してみなければならぬではないか、このように考えておるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 日ソ漁業交渉では、日本あるいはソ連の両国の政府がニシンの禁漁に合意をした。これによって重大な影響を受ける漁民並びに一体の関係にある加工業者に責任は全くないわけです。聞くところによりますと、五月十八日強行出漁するという態度を漁業者は示しております。これについて大臣、どうお考えですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 残念なことでありますけれども、とにかくことしは御存じのような結果になりました。そこで、そういう出漁を楽しみにお待ちになっておられたたくさんの漁業関係の人々、こういう方々は実際がっかりされたことであろうと思っております。したがって、政府はできるだけの措置を講じなければならないというので、ただいまそれぞれの筋で検討いたしておるわけでありまして、できるならばきょうあすじゅうにその方針をきめたい、このように考えておるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 出漁期が迫って禁漁になったということに対して何らかの方策を考えておるような御答弁でございましたけれども、私がお尋ねしたいのは、この日ソ漁業交渉で一九七一年よりオホーツク海北緯五十五度以上の抱卵ニシンが全面禁漁になったわけですね。一九七一年よりということは、いついつまでとは書いてないわけです。ですから、こういったことを考えてみますと、来年以降この禁漁を解く余地が残されているのか、あるいはことしだけなのか、これについてどう判断されますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これは外交文書でございますので、もちろんことし始めるわけでありますから、ことしよりとなっておるかもしれませんが、先ほどもお答え申し上げましたように、日ソ両国でこの資源調査等についてさらに調査を拡充強化しよう、こういうことでさらに資源調査を続けてまいるわけでありますから、明年は漁業条約の場合にぜひニシンの再開をさせるようにわれわれはできるだけ努力をいたしたい、こういう考えでおるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 大臣から、今年度は禁漁になったけれども、来年は何とか出漁できるように努力をしたいという御答弁でございましたけれども、私はいままでの例を見ましても、オホーツク海を禁漁にしてしまった、カムチャッカ半島の東南に禁漁区域を設けた、これらの例を見ても、一たん禁漁区を設定したものが今日まで解除された例というものはないわけですね。ですから、私はこういったいままでの事例を考えてみますと、大臣のおっしゃったことがなかなか実現は困難ではないかと思うのですが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 サケ・マス等について休漁地区を設けたものがそれをやめるようになりましたり、いろいろその間、交渉中に新しい事実が出てきております。したがって、私どもといたしましては、わが国はとにかく世界第一の漁業国家でもありますし、しかもオホーツクのああいう魚種というものは日本の漁民の開発いたしたものでありますので、政府としてはそういうことについてさらに来年に備えていろいろな準備をし強力なる指導をいたすことは、当然努力しなければならぬと、こう考えておるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 私は来年から出漁できるということについては、相手のあることですから、これは農林大臣としてもなかなかはっきりした答弁はできないと思いますけれども、やはり政府としても体制を整えて、この関係業者が生活できるような、北方漁業の今日までの権益というものを守る意味においても、ひとつこれは真剣にあらゆる方策を考えて政治的に解決をしてもらいたいというふうに考えます。  それで、先ほど大臣からそれ相当のものを考えておるという答弁がございましたけれども、具体的にいま考えていらっしゃる補償といいますかあるいは見舞い金といいますか、そういった大まかなものでけっこうですから御答弁をいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これは政府といたしましても、国民の納めていただいた税金でまかなうわけでございますので、筋の通ったことをいたさなければなりません。しかしながら一方においては、もうすでに出漁の準備をされて、たいへん御迷惑を受けておられる、そういうようなもろもろな事情を十分調査いたしまして実態把握につとめておったわけであります。そこで、ただいま現にこの時刻でも、なおそれぞれの当事者同士相談をいたしておるわけでありますので、まあその辺のところにしておいていただきたいと思います。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 再度お尋ねをいたしますけれども、ニシン漁業関係者、それと一体の関係にあるのはやはり加工業者なんです。この加工業者についてもやはりそれ相当の人の手当て、あるいは冷蔵庫だとかあるいは資材だとか、そういったものをやはり準備をしておるわけですね。ですから、漁業者と、このニシンによって生活をしておる加工業者というものは、これは一体不離の関係にあります。この加工業者と漁業者との関係は、私は補償についても当然平等に考えるべきだと考えますが、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 加工業者につきましても、できるだけのことを考えてあげられるように指導をいたしております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 聞くところによりますと、漁業者については一時的な補償とか見舞い金とかというふうに聞いておりますけれども、加工業者については長期、低利融資というような話も聞いておるのですが、この点はいかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 それも関係筋に納得をさせなければなりません。したがって私どものほうで考えておるだけではうまくいきませんが、ただいまそれもさっき申し上げましたようなことと一括して折衝中でございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 特に補償の問題で大臣から答弁がございましたけれども、将来にわたって全面的に禁漁する場合は、やはりそれ相当の恒久的な補償というものが起きてくるだろうと私は思うのです。こういったことも踏まえて、やはり関係漁業者あるいは加工業者に対する補償については、ひとつ十分納得できるような補償をお考えをいただきたい、このことを要望をしておきます。  最後に、今日、国際漁場をめぐる世界各国の動きが非常に活発になってまいりました。したがって、ソ連もそういった国際漁場をめぐる世界各国の動きをやはり反映しているのだろうと思う。と申しますのは、国際漁場におきます世界各国の沿岸国の主権の主張が非常に強まってきておる。ということは、大陸だな条約の加盟あるいは領海問題、漁業専管水域の拡大、こういった方向へ進んできておるわけですね。これらの国際情勢というものを見てまいりますと、わが国がいつまでも公海の自由だとかあるいは過去の実績ということを振り回しておるだけでは、私はますますわが国の漁業というものが孤立をするというふうに考えるわけです。ですから、わが国の沿岸漁業振興という立場から専管水域の拡大、これについて大臣、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 わが国は従来から国際的に確立をされました領海は三海里であるという立場から三海里をとりますと同時に、見解の違う国とは、実質的に操業が続けられるように協定を結んで漁業を営んでおることは御存じのとおりであります。しかし近年、この領海、漁業水域等につきまして国際的に合意を見出そうとする努力が、第三次海洋法会議といった形で出てきておりますし、わが国はその動向を勘案しながら、国際的合意が得られるならば三海里にはあえて固執をいたさない所存でございます。  ただ、かりに十二海里となりました場合、国によりましてはさらにその沿岸水域をはるかに越えてその海岸漁業の優先権まで主張しておるような例もあるようでありますが、こういうことは、われわれとしては非常に問題が多いんではないか、このように考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 特に私はニシンの全面禁漁による生産者並びに加工業者についての十分なる補償について、いま若干御質問いたしましたけれども、この点については十分納得いくような補償あるいはそれらに類する対策を十分とって、漁民が納得できるような政府の態度を期待して私の質問を終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私は最初に畜産公害問題について質問したいと思います。  御存じのように、公害問題は社会問題として非常に大きく取り上げられておりますし、また昨年も、公害国会といわれるくらいに臨時国会が開かれたわけでございます。しかし被害の大きい公害についてはマスコミも大きく取り上げ、また世間も非常に騒ぎ立てるわけでございますが、被害の少ない公害については、ややもすると世間から忘れられたまま泣き寝入りするというようなケースが非常に全国的に多いのではないかということを私は懸念をいたしております。したがいまして、私が最近知り得た公害紛争に関して、その事件の概要を説明して、そして総理府及び農林省当局に見解を求めたいと思います。  この紛争というのは長崎県内に起きた問題でございますが、ある町の部落でございますが、そこの部落は戸数がわずかに三十三戸、そして人口が百三十名くらいの小さな部落でございます。事件の発端は、この部落の人たちが長い間使用してきた簡易水道の水源池の上流に、昭和四十二年ごろ某物産会社が大規模な養鶏業を始めたわけでございます。それで現在三万羽くらい飼っておりますが、将来は十万羽くらいまでする予定だそうですが、その養鶏場の公害防止施設が全然施されておりません。したがって、その汚水がその水源に流れ込んで、四十五年の六月に県の保健所に水質検査を依頼したところ、人命に危険があるということで飲料水としては使用してはならないということが指摘されたわけでございます。  そこで、部落の人たちは水源を他に求めたのでございますが、その際使った、たとえば土地の買収費、水利権の買収費、揚水タンクの設備など、こういうようなことを入れますと約百六十万円くらい要しているわけです。それで、その費用を各家庭に、三十三戸ですから一戸当たり五万一千円ずつ割り当てて負担させたのでございますが、そのために、部落の中には生活上支障を来たすというような家庭も出てまいっております。  そこで、部落の人たちは相談をしまして、この某物産会社に百六十万のうち五十万くらいを何とか補償してもらえぬだろうかということに話がきまりまして交渉に行ったところ、何回行っても全然交渉に応じてくれません。そこで、そこの町長そして助役に頼んで交渉に行ってもらったところ、大体十万円ぐらいまでは出そう、しかしそれ以上は一銭も出さぬというような回答がありまして、それでその部落の人たちは現在も交渉を続けておるわけですけれども、全然交渉が前進しないという現状であります。  それで、四十五年の十一月二十一日に、公害紛争処理法に基づいて知事あてに和解の仲介申請を行ないました。さらに十二月十六日に県議会に請願するなど、いろいろな努力を続けておりますけれども、全然話が進展せずに今日に至っておるわけでございます。私もこの某物産の方々とも部落民ともいろいろ話をしてみましたけれども、某物産の方々は不誠意きわまる話で、私すら憤りを感じるような内容であったわけでございます。  もし、この部落がいまの三十三戸が三百三十戸であり、また人口が百三十人がもし千三百人であったら、私はこのような問題は大きくマスコミも取り上げて、やはり大きな会社の問題になったであろうということを考えますけれども、そういった小さい公害というものが全国的に非常に多く存在しておるのではなかろうかということを、私はこの事実から見て判断をしておるわけでございます。そこで、こういったものをやはりなくさなければなりませんし、特に前回公害十四法案ができましたけれども、あのような法案だけでほんとうにこういった公害がなくせるものかどうかということを、私は率直に疑問に思っております。  そういった意味で、根本的な問題は別としまして、私はこの問題について、たとえばこの事件を見ました場合に、この部落の人たちが補償金を請求する権利があると思うのかどうか、あるいは補償金の五十万円は不当だと思うかの、それとも——相手はもう金がないという一点ばりで十万円以上はびた一文出さぬというようなことを強硬に言っておるわけでありますから、こういった問題について現在ただ県の調停委員がやっておっても何の法的拘束力もないし、ただ調停をしておるだけでいつまでも現在のような交渉を続けておったのでは解決する見通しはいまのところありません。そういった意味で、こういった問題の具体的な解決策というものはないものかどうか。いろいろなこういう一連の事件に関連して、まず農林省当局からひとつこの公害問題についての所見を求めたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 畜産の公害問題につきましては、今後の畜産の発展を阻害する重大な要因でございますので、それをいかに取り除くかということについてはわれわれとしても最大の努力を払っているところでございます。そういうことで、われわれは現在、毎年各地でどのくらいの畜産公害があるかということの実態を調査し、問題があれば県と連絡していろいろ調停、解決の方策も講ずるし、あるいは施設の設置について必要な融資その他の助成を行なう、こういう措置をとってまいってきているところでございます。  ただいま先生の御指摘のございました長崎県の島原で起きましたこの公害の問題につきましても、われわれ非常に問題であるというふうに考えておりまして、県に、いろいろとその間の解決の方法はないものかということで必要なあっせんを行なうようにという指導をいたしてまいっておったわけでございますが、聞くところによりますと、県のあっせんが効を奏しまして、おおむね今月の二十日ごろには円満な解決がはかられるというふうに私のほうに報告がまいってきておるわけでございます。したがって、その解決がどういう内容であるかということについては、これは公害審査会と申しますか、そこにかかっている問題でございますのでまだつまびらかにいたしておりませんけれども、両者の歩み寄りがあって、二十日ごろまでには円満な解決がはかられるというふうに聞いておるわけでありますが、そういうことで、こういう問題につきましては県、市町村、そういう公共団体が間に入って両者の言い分を聞き、円満にあっせんし、解決していくということが行政措置として必要なことであろう、かように考えておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 総理府のほうが来たようでありますが、総理府のほうから答弁を求めましょう。

小熊鐵雄中央公害審査委員会事務局参事官

○小熊説明員 ただいま御質問のありました長崎の畜産公害につきましては、すでに御承知と思いますが、昨年の十二月七日に長崎県の公害審査会に申請されまして、同審査会においてこれが和解の仲介のあっせんを開始したわけでございますが、先ほど答弁にありましたように、その後数回、和解の仲介委員会を開きまして、大体五月の二十日に双方を呼ぶことになっておりまして、非常に歩み寄りができてきたという報告を私どもいただいておるわけであります。  この事案につきまして、中央公害審査委員会におきましてはしばしば長崎県から連絡を受けており、また御承知のように公害紛争処理法は、その立法の精神は非常に弱い被害者の立場を考えて迅速、公平に結論を出すということがその趣旨となっておりますので、その点を十分意思疎通をはかるという意味で、私どもも数回長崎県あるいは——各県みなそうでございますが、連絡協議会あるいはブロック会議等も開催いたしまして、その趣旨を十分伝えておるつもりでございますので、長崎県といたしましては、その趣旨を体して公正的確な結論を下してくれるもの、このように信じておるわけでございます。  なお、公害紛争処理法によります和解の仲介あるいは調停のあっせん等につきましては、同法の二十四条におきまして、県で扱うものと中央で扱うものとの間の管轄を明確に分けておりまして、それぞれが独立してその職権を行使するというたてまえになっておりますので、こういったいま歩み寄りができつつあるという段階で、中央としての意見その他を述べるのは必ずしも適当ではない、このように考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いや、その二十日ごろに円満解決の見通しがあるというのは、これは円満解決というより、私がこちらに出発する前にこの問題についても県の調停委員のほうにもやかましく言っておるのですよ。そしてその関係が、私が社長の息子さんとも会い、奥さんとも会っていろいろな問題を話しているそのときの態度たるや、全くなっておらぬ。しかしそういったことで少し軟化をしてきましたけれども、いま歩み寄りということばは、たとえば百六十万経費がかかっておる。何ら公害防止施設もやっておらぬ。全く汚水たれ流し。それでそのために飲料水としては使用してはならぬという県の保健所の指摘があって、水源を求めたわけですよ。したがってそのために、私から申せば当然その費用は百六十万は全額この某物産会社が負担しなければならない性格のものなんです。それで五十万だけを何とか補償してくれぬかという要求をしておったら、十万円だ。そうでありますと、歩み寄りというのは五十万と十万の間に歩み寄るようなことでは、円満な解決は、これは調停委員としては両方が了解すれば円満な解決といえるかもしれませんが、少なくとも全額百六十万——もちろん町からも十五万あっております。全部書類は私のところにありますけれども、町から十五万あれば、百六十万全額をこの会社は当然負担しなければならない金なんです。補償金なんです。それを五十万要求して——私に言わせると、要求というよりもむしろ陳情なんです。そしてなおかつ値切って十万と五十万の間におさめて、それが円満解決というようなことをやるというようなことでは、いまのような公害紛争処理法というのは全くナンセンスだと私は言いたい。そういうような意味で、私はこういう問題が、日本のこの小さい公害についていろいろな問題が存在していると思うのです。だから私はその問題では、むしろそういうような意味では、皆さん方のほうから行政指導をするなら、やはりここのような問題は皆さんが全部某物産会社と——名前を明らかにいえばまた当たりさわりがありますから申し上げませんけれども、そういうような少なくとも町長までしておったような人がこういうような問題をやるというのは、全く私はこの問題については義憤を感じておる。そういうような問題をむしろ皆さんがするならば、歩み寄りか調停かそれはいずれの形をとろうとも、やはり少なくとも最小限度のあの人たちのつつましい要求であり、補償は五十万といっている。そうすると全額出してやるだけの——やらなければこの話の円満解決というふうには私は理解しません。そういうような意味で、二十日の時点を待つことにしますけれども、やはり何らかの形で皆さん方のほうからも行政指導をしてもらわぬと、いまどうですか、五十万の要求は不当と思いますか。それから当然補償を受ける権利があるわけでしょう。五十万の要求が不当であるかどうか。向こうが十万円というのは、誠意のある回答と思われますか。その点について、ひとつ双方から答弁してください。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 五十万が不当であるかどうかということにつきましては、率直に申し上げまして、私、現地の実態というものを十分まだ詳しく調べた上の話ではないわけでございますので、不当であるかどうかということについての評価は差し控えたいと思いますけれども、公害のもし与えている責任があるならば、当然与えた者が適当なる妥当な負担をするというのは当然の原則であろう、こういうふうに考えるわけでございます。

小熊鐵雄中央公害審査委員会事務局参事官

○小熊説明員 先ほど申し上げましたように、公害紛争処理法におきましては、地方の審査会それから中央の委員会それぞれ独立いたしましてそれぞれの立場から事実を調査し判断すると、こういうことになっておりますので、私どもの立場から、しかも現在実際実態というものを私ども見ておりませんから、五十万円が妥当か不当か、こういったことについては、正直言いまして判断がいたしかねるわけでございますが、先ほど申しましたように公害紛争処理法自体は、被害者の立場を十分理解して事の解決をはかるということになっておりますので、長崎県の審査会の委員、これは三名で構成されるわけでございますが、この三名の委員の方々が適正な判断と良識とをもって解決されるものと信じております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 皆さん方の答弁は全くお役所答弁で、実態を見なければわからぬとかなんとか言っておるけれども、書類もみんな送ってきております。実際金は要っただけはっきりしておる。私はうそを言うわけではないし、書類があるのだから、現地を見てどうのこうのということではなくて、はっきりしておる。それはそれとして、私は先を急ぎますので、二十日の和解がどうなるかわかりませんけれども、しかしそういう点については今後こういう小さな公害という問題が全国的に散在しておるから、そういうような問題について、ただ公害という問題でも、皆さん方のような東京におって机の上でものごとを判断するのではなくて、やはりこの問題は、公害をなくすためには、現地にでも飛んで現地の実情を見るとか、いろいろなことをやらぬと、こういった問題は将来ともなくならないというふうに考えます。しかしこの問題はこのぐらいにして次に移ります。  それから次は、今度の生産者米価決定の問題についてであります。私は、本年度の生産者米価決定にあたっていろんなわれわれに対しての教訓なりまた反省あるいは問題点を残したというように考えております。したがってそれらの問題について、私若干質問をしてみたいと思います。  政府は、四十六年度の予算編成にあたって、生産者米価は据え置くということを閣議で決定し、またことしの一月の佐藤総理の施政方針演説の中にその方針を強調しておるわけです。その後衆参両院の予算委員会その他の委員会においても、佐藤総理をはじめ福田大蔵大臣、倉石農林大臣、繰り返しこのことを強調してきていたにもかかわらず、最終段階では御存じのような結果になったわけであります。したがって私は今回の措置については、これはやむを得ざるものがあったというように考えておりますので、とやかくは申しませんけれども、またこういうようなものがやはり前例になるのではないかという懸念もあるし、また特にいままでのそういった生産者米価は据え置くということを強調してきた立場からのやはりいろいろな問題点あるいは米審の問題、こういうようなことについてひとつ質問をいたします。  まず、佐藤総理はじめ、倉石農林大臣も含めてですが、この生産者米価を据え置くということを言明し、またそのことは、いわば国民にも公約してきたわけですが、今回のこの米価の決定は、いままで主張してきた大臣の公約からすればやはり違反ということになりはしないかという点について、まあ公約違反とまで大きくは申しませんけれども、いままでの主張から見ればそれに反した結果になったというふうに私は考えるのですが、大臣はどう考えておりますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 去年の米価では二百三十八億円というのを良質米奨励金、それから品質改良の奨励金ということで出しております。しかしそれはもう一般生産者も米価と同じような考え方に立っておられましたので、これはいっそ基本米価に繰り入れるほうがよかろう、こういうことで基本米価に繰り入れたわけであります。したがって生産者の手取りについては前年度と一向変わりがありませんので、私どもは据え置きという考え方が変わったというふうには思っておりません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 たぶんそう言うだろうというふうに想像しておったわけですが、昨年、二百三十八億の生産調整奨励金を出す場合は、これはあくまで米価の引き上げではない、したがって米価は据え置かれたんだということを何回も言っておるわけですよ。その意味からすれば、いま大臣が言われておることは、昨年言われたこととはちょっと違うのじゃないかというふうに考えますが、どうですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 もちろん去年は、さっきも申し上げましたように良質米奨励金等でありますから、それはとりようでありまして、私どもは米価だとは思っておりませんが、やはりこれを受け取るほうでは米価と同じような考え方でお受け取りになっておるようであります。いっそ、別にそういうことをしないで基本米価に繰り入れるほうがいいではないかという考えに立った、こういうのでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 まあその点についてはもう論争はやめましょう。  それでは、佐藤総理もまた倉石農林大臣も、生産者米価と同様に消費者米価の水準も据え置くというふうに言われておったわけですけれども、しかし今後、いまのようなことであれば国民は、まあ一事が万事で、大臣が言うことも総理が言うことも、これはなかなか信頼ができないというふうに非常に不信感を抱いておることも事実でございます。その意味では消費者米価のほうもそうしたらまた、今国会でもいろいろ論議はされておりますけれども、この消費者米価の水準も据え置くという方針には変わりないのか、ひとつここで確認したいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 それは将来に属する問題でございますが、少なくとも本年度においては消費者米価を上げる考え方はいまのところ持っておりません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 こちらから上げる意思はないけれども、しかし、もしかりに消費者米価を物統令からはずした場合に上がり得る可能性はある、こちらのほうが主導権をもって上げるのじゃないけれども、やはり物価統制令からはずした場合に上がる可能性はある、他動的に上がる可能性はあるというふうにお考えですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 このことはしばしばもうあらゆる機会にお答えいたしておるわけでありまして、七百万トン余りの米をかかえておりまして、政府はどのようにでも操作ができるわけでありますし、それにまたいろいろだだいまのようなお話もぼつぼつ出ておりますので、そういうことのないように諸般の準備を整えて物統令をはずす、こういう考え方でやっておるわけであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 大臣はこの委員会で、生産調整を実施しているさなかに価格政策、つまり米価を引き上げて生産を刺激するような行為は——————行為だと、こう言われて、あとでこれは陳謝したそうですけれども、しかし結果は大臣の事志と違った方向にきまったわけですから、その意味で  はこの今回の米価決定の結果として生産調整の問題に悪影響を与えると思っておられるのかどうか。その点いかがですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 生産調整をやっている最中でありますから、なるべく安定した価格を維持していくことが必要であることは、もう理屈は別にして当然なことだと思いますが、今回二百三十八億を基本米価に繰り入れたということだけで、それほどの刺激になるとは思っておりません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それからまた、ことしも基本米価の三%引き上げで、そのほかに生産調整協力金だとか、まあいろいろな形で結局二百二十七億出ておりますね。その問題を、たとえば先ほど大臣は、われわれはそう思ったけれどもまあ一般の農家の方々はあれは米価だというふうに理解しておったというような御答弁がありましたけれども、そうなりますと、先にまた質問がありますけれども、来年もまたそういうふうな考え方で、生産調整協力金だとか、それからいろいろなやつで二百二十七億出ていますね。たとえば自主流通米促進奨励金として七十四億、またそのほか加えれば二百二十七億あるわけですけれども、そういうような問題をまた来年になったら、あれも実は米価の値上げではないのだと思っておったけれども、皆さんのほうではあれも実質的な米価の値上げと同じだと考えておったんだということで、来年もその分を上げることが確実になりはしませんか、前例になりはしませんか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 それは違うのじゃないですかな。つまり十八億というのは、四十四年の生産調整をやっていただいた方は一体どうするのだ——この委員会でもしばしばお話がございました。これはやはり政府としては、その後の生産調整をやっていただいた方にはちゃんとそれぞれ休耕等についてめんどう見ているわけでありますから、これはやるべきではないか、こういうのであります。  もう一つは、御存じのように自主流通米をめんどうを見ないでおきますと、結局自主流通の流通は悪くなって、全部が政府がかぶるように——まあ全部ではないでしょうが、そういうことになりますので、やはり自主流通も同じようにめんどうを見ることが必要ではないか、去年もやったわけでありますから。そういうことなのでありまして、それはまた米価というふうな考えを持つような種類のものではないことは御存じのとおりであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 二百三十万トンの生産調整の現状ですが、きのう聞いたら——十二日だったですか、質問の中で九五%達成だ、転作で三七%というふうな答弁になっておりましたけれども、それでは、まあ昨年も実際は生産調整が達成されなかった県がありましたね、二県だけ。それで現在の状況で、各都道府県の中で最も生産調整が悪いと思われておる県はどこどこですか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 正確には五月の末に県からの実施計画が参ります。それで見ませんとわかりませんが、その理由とするところは、地方選挙等もありまして、かなり県によりまして出足がおくれておって、まだ目標近くまでいっていないところもございます。したがいまして、正確に申し上げれば、五月末それが出てきました段階で、この県は目標までいかなかったという判断をすべきではないかということを考えておりまして、いまどこの県が悪いというのをきめつけるのはちょっと早いのではないかというふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 もうそれで達成した県もありますか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 各県の担当者からのいろいろな報告によりますと、半分くらいの県は目標にいっているようでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 その問題ですが、これは昨年の生産調整の場合にも私がいろいろ質問したのですが、生産調整に協力した県と協力しなかった県との措置については、昨年の場合は同様な取り扱いをやりましたね。それで、だんだん生産調整の幅が大きくなっていくと、いまのような状態をやっていると、たとえば、去年ははっきり言って新潟と京都でしょう。そんなところで、もしこういうような生産調整が今後五年間も続いていくとした場合に、生産調整に協力した県もそうでない県も、個人の農家も含めてですが、そうした場合に、協力してもしなくても結局同じだというような風潮が広がっていった場合に、私は生産調整そのものがうまくいくのかどうかという疑問を持つし、また結果として、生産調整は全体として達成したとしても、正直者がばかを見るというようなことがあったら、これはやはり行政上まずいんじゃないかというふうに考えます。その点については、昨年同様、生産調整に協力しようとしまいと、政府としてはやはり何らの差別もしない、同様に全部するんだというような考え方なんですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 特に懲罰的なことは考えておるわけではありませんけれども、いま小宮さんおっしゃったように、みんながそういう気持ちにかりになるとすれば、これは日本農政全体にたいへんなことになることは常識のある農村の人々、みな御存じのとおりであります。したがって、去年は百万トンお願いしたのに一四〇%もやっていただいた。ことしも、もうすでに御報告のように大体九五%、しかも転作が非常に多い。こういうような傾向を見ておりますと、私はさすがに日本人だとつくづく感心もいたし、感謝もいたしておるのでありまして、懲罰的なことを考えないでも、御自分の英知と良識で、日本の農政の転換に御協力願えるものである、こういう確信を持ってやっているわけであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 大臣も、生産者米価の決定にあたって、本委員会でも米価審議会の答申を尊重するということを盛んに強調しておられたですね。ところが、ごらんのように、米審が答申不能という結果になって、政府・与党の中で米価がきまったわけです。そうなれば、いま言っておるように、実際に米審は不要ではないかというようなことがいろいろ取りざたされているわけですが、この米審を今後、いまのような三者構成でいくのかどうか、その点についてどのような考え方を持っておられるのか。もう今月の十八日には任期が切れるということで、六月末には今度は麦価の米審も開かれなければいかぬというような事態ですが、この米審の構成については、今回もまた従来のままいくのか、その点どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 米審の開かれている最中にもいろいろな御意見がありました。そういう貴重な御意見を参考にいたしまして、これからの運営をどのようにしていくか、とくと検討してみたいと思っております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 さしあたっての問題、今回任命する場合は、米審の委員は現状のまま任命するわけですか。その考え方はどうですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 それも考えてみなければなりません。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから、やはりこの委員会審議を通じてみても問題になるのは、たとえば、もう予算もすでに政府が決定した、だから、生産者米価は据え置くということは、あくまで予算編成にあたっての政府の考え方だということを盛んに強調しておられたのですが、そうならば、米審をいつもは六月、七月に開くが、ことしは参議院の選挙もあるので一カ月早く開いたわけですけれども、そういう意味で、予算編成の前に米審を開くということは考えておられないわけですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 米の需給がいまのような状況でございますので、私どもとしては、米価の水準は据え置く方針である、これは予算編成方針できまっておるわけであります。したがって、そういう方針に基づきまして私どもといたしましては米審におはかりをいたした、こういうことでありますが、その結果は先ほどお話しのようになりました。そこで、予算編成前に米審を開くべきであるという御意見等もそのときには出ておりました。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、米審の運営等についてなお十分ひとつ再検討をいたしてみたいと思っているわけであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから現在政府がかかえておる余剰米の処理の問題ですね。古米の消化対策として、家畜の飼料百四十万トン、輸出に四十万トン、それからあられ等の原材料に二十万トン、計二百万トンあて四カ年で一掃してしまおうという考え方のようですが、この計画は単なる机上の算術計算じゃなくて、具体的に消化できる見通しがあるのかどうかという点についてお答えを願いたい。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  過剰米の処理につきましては、ただいま先生の御指摘になりましたような数字で処理方針を考えております。一番問題になりますのはえさ用の面でございますが、これにつきましては横流れ等を考えまして変形加工をやりまして、現在飼料工場に売っております。そういったような売却の形態をとりましたために、えさ用売却が始まりました当初におきましては若干計画がおくれるということがあったことは事実でございます。しかしながら、最近関係者も非常になれてまいりましたので、年間百四十万トンの飼料用消費は可能であるというふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それでは最後に、食管法の改正についていろいろ取りざたされておるわけですけれども、食管法の改正について大臣はどのように考えておられるのか、ひとつお答えを願いたい。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これは本会議でも内閣総理大臣の御答弁にもありますように、食管制度というのは長い間日本人に親しまれてきた制度でありますので、慎重に検討しなければいけない、しかし、その運営の方法等について十分検討をする必要がある、こういうふうな御答弁がありまして、これはやはり私どもとしても、大体そういう方向ではないか、こう考えておるわけであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 きょうは、時間が来たので、これで終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 まず最初に、昭和四十六年産米穀の政府買い入れ価格が五月一日の閣議で決定されましたが、いろいろいろ出ておりますけれども、私はひとつ事務当局のほうに御質問を申し上げたいと思います。  最初、米価審議会で試算米価を出されましたが、この試算米価を出されましたとき、求めるところの価格という、分母、分子の関係ですね。これが今度二百三十八億のものが米価に入ることによって変わってくると思うわけなんですが、どういうふうにして変わったのか、その変わり方について御答弁をいただきたいと思います。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  決定米価の基準価格につきましては、一−五等平均二万三百二十円、これは昨年の基準価格でございますが、それに二百三十八億分の六百十六円を足しまして二万九百三十六円というものを基準価格としております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私が聞いておるのは、いまも御質問がございましたように、大臣のほうでは生産者米価の水準の据え置きということを言っておられるわけなんですね。  そこで大臣に聞きますけれども、水準というのと、それから米価というのはどう違うのでしょうか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 御存じのように、米価には等級間のいろいろ格差がございます。そういうものがありますので、米価というのはそれぞれの等級によって違ってくることは御承知のとおりであります。しかもまた米価が正式に決定いたしますのは、米審においていろいろ御審議の上、その答申を見て決定する、これは実際に政府が売り渡す、あるいは生産者から政府が買い上げる価格を決定する、それが米価である。私どもといたしましては、一−五等の米価水準、これは平均を、水準を大体において据え置く、こういう考え方をとっておるのでありますから、米価の水準を据え置くというのはそういう意味であります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私は、ちょっとその辺が不明確だからこういう米価決定というのが行なわれてくるのじゃないかと思うのですよ。米価というのはやはり法律に基づいてきめられてくるのじゃないか。いわゆる食糧管理法第三条第二項というのが米価をきめるところの基本的な政府の態度でなければならぬ、こういうぐあいに実は考えるわけなんです。そういう点に立って考えますと、米価水準だとか米価だとかいういろいろなことばが出てきますけれども、おきめになった五月一日の米価というのはいわゆる三条二項の米価であろうと私は思うのです。三条二項ということになりますと、これは私が法律を読み上げるまでもなく、「政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」こうなっておるわけですね。これは御承知のとおりだと思うのです。だから結局問題は、やはりこの米価というのはいわゆる基準米価ですね。これはやはり米価だと思うのですよ。だから要するにその基準米価というものをどういうふうにして、いまここに読み上げましたところの生産費及び物価その他の事情というやつを参酌してきめたのかということを聞くわけなんですよ。政府の大臣談話にも出ておりますように、これは二百三十八億円相当を政府買い入れ価格に組み入れて定めることにいたしましたと、こうなっておるわけなんです。二百三十八億円というのは、これは昨年のつかみ金であったわけです。われわれはつかみ金と言っておるわけなんです。そのつかみ金というのが今度求めるところの価格、基準価格と、こう出てくるわけなんですが、そういうところにどういうふうにして作用したのか、この内容をやはり聞かなければならぬと思うわけなんです。去年までは四百キロ台の分母であったのが今度は十七キロも試算米価の場合には上げまして、そして五百六キロという分母にしたわけなんですね。こういう内容をやはり今度は変えなければ、単にいま次長が言われましたように六百十六円と、こうなるのだ。それを足したのだ、こうお話しなんですけれども、六百十六円を足して、答えが二万一千円ですね。三等から四等平均になれば百五十キログラム当たり二万一千三百五円、こういうことになるわけなんでありまして、答えが出る前には、求める価格はそれから基準価格というのは当然出てこなければならぬと思うわけなんですよ。だから分母に変更があり、分子に変更があったのではないか。そうでなければ、これは全く法律もくそもない、そういう米価になってしまうのではないか、こう思いますが、その辺のことを詳しく説明を求めているわけです。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、食糧管理法第三条の二項には、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」云々と書いてございます。したがいまして、米価は生産費そのものできめるというふうには法律上もなっておりません。したがいまして、「其ノ他ノ経済事情」というところには当然需給事情も入ってくるわけでございまして、そうした現在の米の需給事情というものを考えながら米価を決定した、こういうぐあいでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 いや私は、それでは需給事情というのはどういう変化を遂げておるのであるかということを聞きたいのです。それは、要するに昭和四十三年までは米価というものは若干ずつでも上がってきておるわけですね。昭和四十三年方式というものは九年間続いておるわけです。四十四年になってから生産調整、そうして米価の据え置き、こうなったわけでしょう。四十五年もやはり同様の据え置きというものが行なわれたわけです。それはいま言われておりますように、経済事情、経済事情の中には需給問題というものがからんでくるのだ、こういうお話であるわけなのでありますが、それならば昭和四十四年、四十五年と比較して四十六年は需給事情というものは非常にバランスのとれるような状態になったのですか、どういうことですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 四十二年の豊作があり、四十三年、四十四年ずっと豊作でございまして、過剰米が発生してきたということは御承知のとおりでございます。  そこで、今年の需給は生産調整をやって、一応単年度需給均衡になっておるではないかという御質問かと思いますが、今年度の単年度需給均衡も二百三十万トンの生産調整を前提にしての需給均衡、こういう形になっております。したがいまして、私ども米の需給を考える場合にはやはりそうした点も需給の中に考えるべきではないかというふうに考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 いや、昨年もちゃんと需給均衡というものを考えて、そうして三十五万ヘクタールの生産調整というものをおやりになったわけでしょう。そうして据え置きされたわけですね。ことしも二百三十万トンという生産調整をいま実施しておられるわけです。そういう意味におきましては条件はちっとも変わっていないと思うのです。  それから米の余裕というところの面からいたしましても、昨年と変化があるということになれば、手持ち量がふえたという状態になっておるわけなのであって、需給という面からするならば、やはり生産がよけいになってだんだんバランスがくずれてきておるという面があると私は思うのです。そういう場合において二百三十八億円というものを基本米価の中にこれは入れられたわけですね。入れられたということは、三条の二項の米価を引き上げられた、こういうふうに判断して差しつかえないと思うのですよ。それがさっき御質問がありましたときにおきましては、私は引き上げたとは考えていないと大臣言っておられますけれども、そうではなしに、法律に基づくところの米価というのはちゃんと引き上げられたんじゃないか、こう思いますのですが、これは大臣どうお考えになりますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 米価の水準を据え置くという考え方は動いておらない。つまりいままで米価と同じように考えておったようでありますから、そういうものはひとついって基本米価に繰り入れるほうがよかろう、そういう計算をいたしたということでありまして、受けるほうの所得は変化がないのであるからして、まあ米価の水準は動かさないでおる、こういうふうに考えておるわけであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 いま農民と農林省の間において訴訟が行なわれておるわけなんです。第三条第二項の米価をめぐっての訴訟なんです。だからその場合に、米価というのは一体何だということです。米価というのは三条二項の米価でしょう。これはあなたがきめるわけです。閣議できめるわけです。その米価というのは昨年と比較して引き上がったんじゃないですか。どうですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 これはいろいろ解釈のしかたがあると思いますが、私ども考えているのは、さっきから申し上げておりますように米価の水準は動かさないでおこう、こういう予算編成の方針であった。これはしばしば申し上げておるとおりであります。したがって、ことしもやはり去年の所得と変化のないものであるから、その米価の水準を引き上げたというようなことではない、このように理解しておる、こう言っておるのであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私は水準がどうなろうと、そんなことはここで問題にする必要はないと思うのです。米価がどうなったんだということなんです。米価は上がったのか上がらぬのかということです。法律に基づく米価は上がったのか上がらぬのかということです。その点を大臣からはっきりしてもらえばいいんです。   〔「上がったと言いなさいよ」「上げたと言い   なさいよ」「ごまかし答弁やめること」「上   げたんだと言いなさいよ」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 その辺ででかい声を出して不規則発言があるようでありますが、さっきお話のありました二万一千三百五円ですか、それはその限りにおいては上がったといわれるかもしれません。しかしこれは、御存じのように、等級別によって価格がみんな違っておるわけでありますから、そこで私が申しておりますのは、つまり米価の水準は動かさないという考え方には変わりはないんだ、こういうことを答えておるわけでありまして、その生産者から買い上げます価格が去年が二万六百八十一円でありますか、これから見ますというと、確かに今年の米価は繰り入れておるわけでありますから、その限りにおいては数字は上がったといわざるを得ない。これは当然のことでありますが、私が申しておるのは、あなたのお尋ねを誤解しておったかもしれませんが、政府の考え方において米価の水準は動かさないということは、その限りにおいては実行しているんだ、こういうことを言っておるのであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それではっきりしましたのですが、やはり米価は上がったわけなんであって、米価水準というかってなことばですね。米価水準なんという法律用語はありませんですわね。あなた方が発明されたことばなんで、米価水準なんというものは全然ないのです。米価なんですからね。米価が上がったということはあなたも認められたわけなんだ。そこで、要するに二十六日の日から一日の日までの間にどういう経済事情の変わり方があったんですか。経済事情はどういう変化があったんですか。その点ははっきりしてもらいたい。米審が開かれたのが四月の二十六日です。米価が閣議決定されたのは五月一日なんです。ただ五日間なんです。この五日間で日本の経済事情というのはどのくらい変わっているのか、あるいはまた日本の物価というようなものがどういう変化をしたのか、そういう点がはっきりされない限りにおきましては、これはやはり試算米価を引き上げるというのはおかしいということになると思います。そういう点ではどうですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 経済事情の問題でございますが、四十五年産におきましては、二百三十八億が個々の農家に支払われて、実質的に米価と同じような役割りを果たした、それを繰り入れるというのは一つの経済事情の解釈として成り立つわけでございます。そこで、米審から政府決定までに変わったじゃないかということですが、それとそのこととは関係ないことではないかと私は思います。法律上の解釈として経済事情でそういった要素を米価決定の中に入れるということはできるわけでございまして、そこは政策的な判断の問題ではないかというふうに思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そこで、それでは具体的に六百十六円なんて言わぬで、二万三百二十円のところに六百二十円足したんです、こういうことを言わぬで、五百六キロというのがどう変化したのか、あるいはまた分子の六万五千百三十八円というのがどういう変化を遂げたのか。その内容の説明というのをやってもらわなければならぬのではないかと思うのです。ただ単に政治判断によってかってに権力を振り回して米価というものをきめるというわけにはいかぬと思うのです。やはり法律に基づくところの純粋な意味に立って米価というものはきまっていかなければならぬと思うのです。ですから、要するにそういう中身の問題というものにつきまして、数字の問題ですからさっきから私聞いておりますけれども、時間がだんだん詰まってきておりますので、いわゆる米価審議会に出されましたところの算式がございますね、この算式に合わせたところの資料というのをひとつわかりやすくつくっていただきたいと思うのです。これはできますか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 二万三百二十円は米価審議会に政府が諮問いたしました基準価格と同じでございます。六百十六円は二百三十八億を五百八十万トンで割ったということだけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それではこの食糧管理法が泣くじゃないですか。食糧管理法というものはそんないいからかげんなものではないと思うのです。ちゃんとあなた方も理屈をつけてやってきておられるわけです。算定要領というものをちゃんと出して、そうして賃金の上昇ぐあいがどうなっているのかとか、そういうものをちゃんと整えながらやってきておられるわけなんです。それを今度は二百三十八億円を五百六十万トンで割ったところが六百十六円と出てきたんだという、そんなきめ方というものはおかしいんじゃないですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私はあなたのいまおっしゃることについて、ちょっとわからぬところがあるのですが、米審に出します積算というのは、求める価格をあらかじめ考えまして、それについての算式をいろいろ出した。しかし、米価の決定というのは御承知のように政治的な配慮も加わり、いろいろな意味で米審の意見を聞いて、そうしてその上で政府が責任をもって決定するというのでありますから、その間にいろいろな政治的考慮が加わるということは当然なことではないかと思います。私どもはそのように理解しているわけであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 政治的な配慮でなしに経済事情を参酌するんですよ大臣。そういうのが米価のきめ方になっているのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 経済事情も政治的な事情も、諸般の事情を勘案いたしまして政府は米価を決定する責任を持っているわけであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 政経不可分の原則を出されましたので、これ以上議論するのは避けますけれども、少なくとも、いまお聞きをしますと、要するに引き上げられるところの米価というものは、根拠という面からするときわめて薄弱なものである。もっと科学的な算定方式というのをこの法律は求めていると思うのです。そういう点におきまして、これはきまってしまっておりますけれども、これはやはり今後もあとを引くところの問題になろう、私はこう考えておるのですが、きょうは米価の問題につきましては以上で質問を終わりまして、おととい米の輸入の問題で若干御質問を申し上げましたのですが、その点についてもう少し詳しく御質問を申し上げたいと思うわけなんであります。  米審に出されましたところの資料によりますと、輸入が、これは米穀年度にしまして昭和四十五年度それから昭和四十六年度は準内地米というのを買い付けばやらないという計画になっているわけですね。この一万トンというのは最初は、食糧庁のほうから聞きましたところによりますと、これはモチ米の輸入なんだということを言っておられたわけです。だんだんだんだん聞いていくうちにウルチも入っている、こういうことになっているわけなんです。そこで、三万トン入っているということですが、要するに一万トンというのは準内地米ということなんですか、どういうことですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  四十五会計年度におきましては、外米の輸入を三万トン計上しております。これは大体工業用需要にこたえるためのものでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 モチ米も工業用ですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 工業用でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そこで御質問申し上げますけれども、輸入をする際におきまして業者というのがあると思うのですが、その業者の選定というのはどういう基準で行なわれるわけですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、輸入業者は食糧庁がこれを指定しております。そこでその指定のやり方でございますが、輸入食糧は非常に量も多いし、非常に金もかかるものでございます。したがいまして登録の要件として、まず食糧の輸入を業とする者でなければならぬわけでございます。それから払い込み資本金の額が一億円以上である株式会社であること、それから、これは外国の法人は認めるわけにまいりませんから、日本において設立され、日本法人であってかつ東京都に本店または支店を有するものであることが商社指定の要件になっております。その他過去において経済事犯を犯したことがあるかとか、あるいは海外における買い付けでございますから海外駐在員はいるかとか、その他の点もいろいろ勘案して業者の指定を行なうわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これは何か内規のようなものが食糧庁にあるのですか。指定輸入登録業者の内規といいますか、こういうものをこういうふうにするという何かあるのですか、どうですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 外国産食糧輸入業者登録規程というものがございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それで現在登録業者は何名ですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 麦につきまして三十一社、米につきまして二十七社でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 今回、タイの米を入れるという場合、これは一万トンでありますが、一万トンの米を十三社が入れるということにしたわけなんですね。この十三社が入れる場合の価格というものはどうなるのですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 食糧庁といたしまして不当に高い外国食糧を買うわけにはまいらないわけでございます。したがいまして、契約は随意契約でございますが、予定価格というものをきめます。そのときに私どもは国際価格の現状、それからフレートと申しますか運賃の状況等を、これは動くわけでございます、そこで一番最近のデータをとりまして予定価格をつくって、その価格を著しく上回るものとかこえるものは原則としてとらないということで適正な買い入れをやっている次第でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 たとえば今回のタイから輸入するという場合において十三社ということになりますと、いまお話ありましたように、米の場合二十七社あるというのでしょう、それが十三社になるわけですね、その十三社を選定する選定の方法というのはどうなるわけですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  外国食糧の輸入という問題は、食糧庁が国内でいろいろな物資を調達する場合と違いまして、外国を相手にしているわけでございます。そこで小麦について申しますと、カナダ、アメリカ、豪州というのが日本に対する輸出国でございます。それから米につきましてはタイ、ビルマ。そこで輸出国のほうが大体一手、売り手が一本になっておるわけでございます。と申しますのは、カナダ、豪州につきましては、カナダ小麦局、豪州小麦局というのがありまして、彼らが価格をきめているわけでございます。一方わが国のほうは、大体貿易は自由貿易が主義でございますから、そこで食糧庁がたくさんの商社を使って先方に売買の交渉をさせるということになりますと、先方が非常に価格をつり上げるおそれがあるわけでございます。したがいまして、われわれとしても国益を考えなければいかぬということがありまして、特にタイの場合には、価格を政府がきめているわけでございますから、米を扱う商社の中からタイの米について過去において長い経験があるというような商社をタイグループということで選びまして、その人たちにタイ米の輸入をやらせている。これは個々に自由にやらせますと、相手が一手供給者でございますから価格をつり上げられるおそれがあるということで、これは全部輸入食糧の輸入につきまして大体そういった方式でやってきておるわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そうするとこの十三社が、いまお話を聞きますと、予定価格というのは政府のほうが出されて、そして随意契約でおやりになる、こうなるわけでしょう。そうすると、あと数量の問題だとかそういう問題は、十三社を全部集めてそこでおきめになるのですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 個々の商社の配分につきましては、タイグループの商社の間で相互に連絡をとってやりなさいということで、配分については輸入商社のほうにまかしてあります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それで、随意契約の価格は十三社を集めておやりになるのですか。価格はどういうことなんですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 それは各商社を集めまして見積もりをさせるわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これは非常におかしいと私は思います。普通ならば、入札できめるというのが当然だと思うのですよ。それがなぜ随契になるのか。十三社のほうは、これはタイ関係の業者が十三あったから十三、こういうお話ですけれども、入札でやるということになれば、やはりこの中で落ちる人も、それから入る人も出てくると思うのですが、それがなぜ行なわれないのか、その辺の関係をお伺いしたいと思うのです。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 先ほどお答え申しましたように、入札にいたしますと、一応米については二十七の商社がそれぞれタイ側、あるいは麦の場合には三十一の商社がアメリカ、カナダ、豪州についてオファーができるわけでございます。そうしますと、先方は一手の販売者でございますから、こちらの足元を見て高くされてしまうということがございまして、従来から輸入食糧につきましては会計法二十九条の三の規定で、そういう国益を考えながら随意契約にしているわけでございます。さらに技術的にはロットの問題あるいは最低価格による、要するに食糧庁の見積もり価格による落札のない場合には何べんも何べんも繰り返さなければならない。そうすると需給上支障が起こる。最近はだいぶ需給が変わっておりますのでそのような点はだいぶ変わっておりますが、いずれにいたしましても先方が一手の売り手であるということを考えて、日本の国益を考えてそのようなやり方をしているわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 国益を考えることもけっこうですけれども、しかし商社のこともお考えになってやるからそういう結果が出るんじゃないですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 商社も麦については三十一、米については二十七ございますから、特に麦については相当な競争が商社間にはあるわけでございます。米につきましては、タイ米はGG貿易と申しまして、相手は政府なわけでございます。したがいまして、今回のような措置をとっているわけであります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そうすると、価格をきめるという場合においては、グループの代表が政府と話し合いをするのですか、その辺どうなるのですか。商社ごとに聞くということになれば価格が一定しないということになるわけだし、あるいは一つの交渉のような形をとってきめていくのか、これはどういうことなんですか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 タイ米の場合は、タイ国政府が国際市場の動きを見てその日その日の相場をきめるわけでございます。したがいまして、もうだれが買いに行こうとその価格はきまっているわけでございます。  それから、問題はフレートでございますが、これも日タイ間のフレートは大体幾らであるかというのはわかるわけでございます。したがいまして、そういったものを食糧庁が見て予定価格をつくる。そうすると、タイ国政府の発表する価格は一つの銘柄については一本でございますから、商社のほうも大体わかっているわけであります。したがいまして、そう大きな食い違いもないということで、随意契約で行なわれているというのが現状でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それから、話を聞きますと、モチ米ということで最初買ってきておられるわけなんでありますが、モチ米がそれほど足りないということであるならば、それこそ需給均衡ということを考えて価格をきめるということになるわけだから、したがってモチ米の価格を引き上げれば、日本に余剰なものが残っているというのに外国から買う必要はないのじゃないかと私は思いますが、その辺どうお考えになっているのですか。  それからもう一つは、モチ米だということを最初言っておられましたけれども、だんだん聞いていくうちに、これはウルチも入っているのだ、こういうお話であるわけなんです。ウルチが入ったというのは、いや、これはビーフンの材料にウルチを入れなければならない、こういうお話なんでありますが、これなんかにいたしましても、それでは一体日本米でビーフンができないのかどうかということなんです。それからもう一つは、日本の米の価格とウルチの輸入価格は相当な差があると私は思うのですよ。そういうようなことからして、安いから買ってきて、そして日本の農業を幾分なりとも圧迫するというようなことは私は許されないと思うのです。そういう点で、一体ビーフンというのは日本の米でできないのかどうか、価格の面においてはどう違うのか。

内村良英食糧庁次長

○内村(良)政府委員 まず最初に、モチ米を国内でつくったらどうかという御質問だと思います。御承知のとおり、モチ米につきましては反収が少ないというようなことから農家があまり作付を好まないということがございまして、特に四十五年は生産が下がったという事情がございます。そこで私どもといたしましても、やはりモチ米はぜひ国内で自給したいというふうに考えておりまして、現にモチ米加算ということで、米価についてモチ米については加算をしております。そこで、その加算を非常に上げたらいいじゃないか、そうすればモチ米の生産奨励になるということになるかと思いますが、一方モチ米というものは流通量が大体二十万トンから二十五万トンのものでございます。したがいまして、あまり生産刺激的な価格をとりますと、すぐ今度はまた生産過剰の問題が起こってくるということがございますので、その辺はやはり農業協同組合の共販をもっとしっかりさせるとか、そのような面からてこ入れをして、モチ米の生産を極力ふやしていかなければならぬというふうに考えております。  第二に、ビーフンの問題でございます。予算上三万トンは普通外米と砕け米であったじゃないか、しかもモチ米と説明していたのにウルチを入れたのはおかしいじゃないか、こういうような御質問であったと思いますが、確かに、私どもは予算のときの三万トンということではモチ米のみを考えていたのは事実でございます。そこで、それまでずっとビーフンにつきましては全部外米でつくっていたわけでございますが、もう食糧庁手持ちの外米は、これはウルチでございますが、全然なくなってしまったというような状況が去年の十月ごろ起こってきたわけでございます。そこで私どもといたしましては、もう今後は外米はないのだ、全部内地米でやってくれということでビーフン業者に言い渡したわけでございますが、それに対してビーフン業界のほうからいろいろサンプルを持ってきたりなんかいたしまして、どうも内地米でつくりますとひっついてしまう、ビーフンというのは米の粉でつくったはるさめみたいなものでございまして、やはりうどんとそばみたいに離れないと消費者が好まない、それが内地米でつくりますとやはり粘りけがあって、どうもひっついてしまってうまく離れないというような技術的な問題が出てきたわけでございます。  そこで、私どもといたしましては係官を現場に派遣したり、あるいは食糧庁と非常に関係の深い食糧研究所——これは農林水産技術会議の付属機関でございますが、もとは食糧庁の付属機関であったわけでございます、そこの専門家に相談したり、いろいろやったわけでございます。ところが、どうしてもうまい製品ができない。一方、ビーフンの国内消費というものは伸びているわけでございます。一方、将来のことを考えれば、これも過剰米の一つの大きい——数字的にはあまり大きいとは申せませんが、一つの用途であるというようなことを考えまして、それではとにかくとりあえず五〇%、五〇%でことしはビーフンをつくってくださいということで製品をつくらしてみたわけでございます。そうしますと何とかうまくいくということになりましたので、それではウルチの外米を手当てをしようということで三千トン入れたわけでございます。  そこで、将来どうなるのかということでございますが、将来は内地米でつくってくれということで、二年間に技術開発をやってくれ。要するにひっつかないで離れるような技術開発をやってくれということを業界に申し渡しまして、とりあえず二年だけそれでは五〇%、五〇%で一応ビーフンをつくらせよう、こういうことにして、それに必要な原料であるウルチのタイ米を手当てした、こういうことでございます。  それから、なお、輸入価格につきましては、確かに外国産のものは買い付け価格が安うございまして、四十五年は、モチ米でございますが、輸入価格はトン当たり二万四千五百円というような数字になっております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 いまお話ありましたとおり、モチ米というものはそういう点ではいろいろ問題があると思いますけれども、昨年の暮れには七百二十万トンも手持ち米があるということを言っている状態の中で減反というのが行なわれているわけなんでしょう。そのときに要するにこういう米の輸入というのは押えなければならないと私は思うのですよ。お話のように、今度は絶対にこれは入れないのだ、こういうお話であります。いまお話を承りますと、おそらくビーフンの原料米というのは長粒種か何か粘りけのないやつが必要だという、そういう意味なんじゃないかと私は思うのですが、そういうのであるなら、そういうのも日本でつくれば私はできると思うのです。そういうようなことを考えて、何か米についてはもう何でも抑制するという、そういうことはおやめになって、開発をもっとお考えになるという方向でこれからの米作というものを考えていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問は終わります。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 今回のオホーツク海における産卵ニシンの禁漁について、主としてその処置についてお尋ねをしたいと思いますが、今回の産卵ニシンの禁漁について一体どれだけの損害が起きるとお考えになっておるか。これは加工の面とそれから漁業の面、いわゆるとるほうと、両方に分類してその見込みをお聞かせ願いたいと思います。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 今回のオホーツク海の産卵ニシンの禁漁によりましてどれくらい漁獲が減るか、あるいは数の子の生産が減るかという問題でございますが、オホーツク海の産卵ニシンは昭和四十三年から漁獲が始まったものでございまして、四十三年、四十四年、四十五年と急激に漁獲が上がっておりまして、平均ということはちょっとわかりかねますが、四十五年をとってみますと、漁獲量三万トン、金額に直してみますと、抱卵ニシンの推定金額一トン当たり二十五万円といたしますと約七十五億、それから数の子でございますが、加工業者のマージン等が、数の子の単価というのがちょっと現在のところわかりかねますが、水揚げによります減が、国内産の四十五年の数の子の生産が千八百八十トンでございますが、このうちの約九〇%が減になるものというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 加工のほうの収入がどのくらい減るか。もう少し具体的に、金額でおよそどのくらいの損失が起きるか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 加工業者は、これもごく推定が入っておりますが、現在北海道に千三百、内地に約五十というふうに推定されておりまして、これの加工方法も、いろいろ数の子を取ったあとを身欠きニシンにしたりあるいは冷凍にしたり塩にいたしたりしておりまして、こまかい数字は現在まだつかんでおりませんので、現在申し上げたような程度が判明しておる次第でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは外交交渉による人為的な損失が急激に起きるわけですが、その交渉については、外交ルートできまったことですから、時間の関係でそれは除外いたしますが、これは漁獲共済に入っておりますか。入っておった場合に、これは出漁しての損害じゃないですから、該当するのかどうか、これをひとつお聞かせ願いたい。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 これは漁獲共済に入っているものもあるかと思いますけれども、災害、天災等でございませんので、共済の対象にならないものと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういたしますと、損害検討中ということであったのですが、これをどういう基準でいま検討されておるか。近く決定したいというのですから、基準もなしに検討しておるということではないと思うのです。出漁準備をした漁業に対する損害の補償といいますか——弁償というよりも補償だと思うのです。弁償というのはちょっとことばが強過ぎると思うのですが、損害補償をどういう基準でいま算定しておるのか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 漁業者のほうも八十五トンから五百トンが約二百五十隻ございまして、兼業形態もまちまちでございますし、持っていきます漁具の量も非常に違っております。それから漁船の規模が違いますので乗り組み員も違いますので、私どもとしては現在これらの漁業の実態を把握することにつとめておりまして、準備したものあるいは兼業形態ということを調査いたしております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 調査はどのくらい進んでおるのですか。で、いつごろその結論が出そうなんですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 大体調査はもうできたと思いますから、なるべく早く結論を出したいと思って、いまそういう方面の作業を急いでおる最中であります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 ちょっと参考のために申し上げておきたいと思いますが、四八のサケ・マス漁業それからこの種の——これは遠洋とは言わぬかもしれませんが、出漁はおそらく百トン以上の船が出ておりますが、こういう漁業になりますと、出漁準備、それから出漁が終わってからの始末で、私どもの見ておるところでは、この漁船というものは大体四カ月ないし五カ月かかるわけです。出漁期間は四十日か五十日でありましても、その準備作業、そういうことで人を集めて、すでに乗り組み員を集めて、見ておると大体四カ月ぐらいの期間がかかり、それと出漁期間中は非常に長時間の漁獲の勤務になりますから、四八船ですと乗り組み員一人当たり大体八十万くらいの賃金になるわけです。またそのくらい出さなければ来ないのです、御存知のような危険な仕事でありますから。単に漁獲期間が五十日で八十万だというのでなくて、前後すると四カ月ぐらいかかるわけですね。準備、そういうものを含めるとまたそのくらいにならなければならない。また四八とかそういうところに出てくるようになると半年分の所得はこれでかせぐ。また期間も、準備期間、あと始末の期間を入れるとそのぐらいの日数になっておる、こういう形態をとっておるものなんです。そうすると、たとえば乗り組み員の数は大体五千八百人、サケ・マスでなくてニシンですから収益は落ちるとして一人五十万で計算しても、出漁したとしないとの人件費ですね。五千八百人の乗り組み員の生活にかかった収入減というものが約三十億ぐらいになるだろう。これは個々の生活にかかっておるわけですね。これをたとえば損害補償で、失業保険の基準で計算してもかなりの額になりますね。失業保険の基準で所得減を補償をするとしてもかなりの額になるわけです。それから船主に対する補償、これは出漁したときとしないときとでは、要らないものは要らないですから、船主が準備した補償、こういうものを計算すると、私も専門に調査をしておりませんけれどもざっと計算しても相当額の補償をしなければ倒産する者も出てくるだろうし、加工業についてもかなりの見込み違いが出ますから、少し弱い加工業ですとこれが基因して倒産するものも出るのではないか。船主あたりでも借り入れ金をして、最近百トン以上ですから、そういう船を建造して出漁予定をしておったものが出れないということになると、返済の道は閉ざされるわけであります。ですから、これはかなり思い切った補償が要ると思うのです。たとえば私がいま申し上げたような、額についてはまだきまってないからけっこうでございますけれども、いま申し上げたような考え方で損失を補償しようとお考えになっておるのか、それとも単なる見舞い金を考えておるのか、どっちの方向で検討されておりますか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 皆さん方のいろいろな地元の御要望もございますし、したがってそういうことも勘案いたしながら、筋の通ったできるだけのことをいたしたい、こう思っていま検討を進めておる最中であります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 できるだけ早い機会というが、いまのところの見込みは大体何日ごろですか。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 できるならばきょうじゅうにもまとめたいと思っております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 きょうじゅうに大体まとまるという状況であれば、はっきり何ぼになるということは別ですけれども、補償のとり方の基準なり、何かもう少しお考えになっておることをお聞かせ願えれば幸いだと思いますけれども、しかし政府が措置することだからそういうことはいま言及の限りでないというのか。一つの例を申し上げますけれども、たとえば農産物の価格なんかきめる段階で、この委員会で四時、五時の時間に何ぼ聞いても検討中。明日の新聞にはでかでかと、たとえば畜産審議会なりそういう審議会においてきめた案が掲載される。そうすると印刷時間を含めると、ここで国会で検討中だ、まだ答弁の限りでありませんと言っておるのは、新聞記者のほうについては全部こういうふうにきめましたといって出ておる。これはどういうことでしょうかね。それは全部最終決定ができていなければできていなくてもけっこうですから、仮定の話をして、それが多少違ってもそれは仮定の話ですからけっこうなんです。従来も時間が迫って、すでにできてしまって、その時間には新聞記者には発表されておって、この委員会では検討中、こういうことになるのです。どうでしょうか、そういう点を委員会ですからもう少し前向きにお話し願えればけっこうだと思うのです。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 私が腹をきめてないのでありますから漏れっこないわけでありまして、私のところにいろいろな材料が集まってそれを判断いたすわけであります。それを判断いたしましてそれぞれの当局者とお話をいたすわけでありまして、事務当局がかりにいろいろなことをやっておると思いますが、それは私が判断をいたします資料にすぎないわけでありますから、それをまだ十分見ておりません。決して隠しだてをするわけではありませんが、きょう何しろ午前中からこうして委員会で、これから帰って話を聞くわけでありますから、その点はどうぞ御了察を願いたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは、この件について私からの希望意見を申し上げておきます。御回答は要りませんから。  先ほど申し上げたように、やはり派生したことについては、これはいまのところやむを得ないとは私は思いますけれども、しかし、それによって船主が倒産したり加工業者が倒産するということは これはいけないことでありますから、人件費については、大体失業した場合の支払い賃金の最低は失業保険並みの率で補償する必要がある。最低ですね、それ以上が望ましい。それから船主についても、出漁しなかった経費はもちろん除外すべきですけれども、出漁できなかった実害ですね。それから加工業者についてもそれが入らなかった実害というものについて十分検討して、倒産が起きないように、あるいはまたこれに従事しておる漁船員あるいは加工業者の職員がそういうもののために予定した収入が入らなくて一時的に非常に困難な生活におちいるということのないだけの措置をせられたい。これをひとつ希望を申し上げておきます。  次に、明年度の問題ですが、先ほど聞いておりますと、明年度はこれをとれるようにしたいという大臣のお考えです。それからもう一つは、資源について共同調査をするというが、どういう時期にどういうふうにまとめますか。やはり明年度出漁について共同調査をすることはけっこうです。それはぜひ進めてもらいたいと思いますが、そういうものを早くして、やはりある程度政府としては明年はまたとれるように交渉を持っていくのだということでことしのような期間になって、そうするとそれぞれ漁業者は期待を持ちますから、その交渉に期待をもって準備をしてしまう。そうしてまた交渉は依然として解決できなかったではこれは繰り返すことになりますから、いずれの時期をめどに明年度対策をしようとしておるのか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 昨年からオホーツク海の一番北東の奥でございますが、ギジが湾に禁漁区域を設けましたので、そこで日ソ双方とも五隻ずつの調査船を出して調査をいたしておりますので、なお本年も続けてやります。と同時に、本年禁漁になりましたところにつきまして日ソ双方九隻ずつの調査船を出して調査をいたします。それによりまして、科学的なデータを得まして、今後の資源状態の審議をいたしてまいるつもりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時期はどうですか。時間がありませんから、もうちょっと聞きたいことがありますから、いつごろまでに結論を出す予定でそれをやるか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 時期は、結論につきましては双方でやるものですから、いまのところいつまでに結論というわけにはまいりませんが、なるべく早い機会に双方の合意を見たいというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いや、その決着は相手方があるから、相手方がきまらなければきまらぬですが、それはいいですが、日本側の目標ですよ。日本政府としての目標、いつごろまでに明年度のめどをつけたいというその目標なしに進めるということはおかしいのじゃないですか。最後の決着はしかたないですよ、外交ルートですから、相手方のあることですから。しかし日本側の目標です。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 調査は本年は六月二十五日までございますので、この調査の結果によりましてきめたいと思いますので、本年じゅうに本年の調査の結果に基づきます結論を出すつもりでおります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次にソビエトは約三十万トンぐらいのニシンをとっておるというふうに聞いておるのですが、産卵期はソビエトもとらないという約束に基づいておると私は聞いておるわけです。ソビエトはいかなる時期にとるのですか。約三十万トンとるというふうに聞いておるわけです。どういう時期にソビエトはニシン漁をしておるのか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 ソビエトは三十万トンとりましたが昨年の時期でございまして、そのうち産卵ニシンを一万八千トンとっております。本年は双方ともに抱卵ニシンはとらないということでございますので、向こうがどれくらいとるようになりますか、いまのところ推定いたしかねます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 ソビエトも出漁期は産卵期をはずして漁獲をしておる、こういうふうに解釈していいのですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 ソ連は数の子を食べませんで、親を食べるので、産卵期をはずして出漁するということでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは消費に与える影響はどういうふうに見ておりますか。たとえば三万トンのニシンが入らない。これは日本の魚の総需要から見るとそう大きな数字ではないけれども、期別的に見るとかなりの需給の見込み違いができますが、これによって季節的に魚の市場が暴騰する、相当上がる、供給不足になる、そういう関係はどういうふうに見ておりますか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 約四十日間の三万トンでございますので全体から見ますとそれほど大きなものとは思いませんが、ニシンという面から見ますとかなり嗜好品的なものがございますので、アメリカ、カナダ等の産卵ニシン等をできるだけ輸入したいというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 輸入もさることながら、ことしはこの二百五十一隻ですか、これはすぐ出漁には間に合わぬでも、将来アリューシャンで漁獲をふやすということについてどういうふうに検討しておるか。アリューシャン海域ですね、ニシンがかなりおるというふうに聞いておるわけです。アリューシャンまでソビエトは干渉するのかしないのか。アリューシャンまで行くとどこの海域になるのか。カナダあたり近くなって、カナダ、アメリカだと思うのですが、この方面で漁獲をふやすことは不可能なのかどうか。将来の外交交渉はどうお考えになっておるか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 現在ベーリング海のまん中にあります米領のプリビロフ諸島というのがございましてこの周辺で、私正確な数字はいま持ち合わせございませんが、二千トン程度の産卵ニシンを漁獲していると思いますが、これはもっとできればいくものと思いますし、それからもっと東のほうに行きまして米大陸に行きますと、日米加三国条約で、カナダのクイーンシャーロット付近では産卵ニシンはございますけれどもこれは三カ国で禁漁にいたしております。そういうことがございますので、それ以外のところについてでき得れば新しい漁場があれば開拓したいというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間が参りましたので質問を終わりますが、最後に希望意見を申し上げておきましたが、とりあえず損害補償に対する希望意見に対して大臣のお考え方を一言お伺いして質問を終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党

○倉石国務大臣 先ほどの質疑応答を聞いておりまして、それから一般にもオホーツクのニシンは全然とれないものだと誤解していらっしゃる方もあるようでありますが、これは産卵ニシンを相互でとらないということだけでありまして、ソ連は御承知のようにいまお答えがありましたように産卵ニシンはとらない。一般の油ニシンはこれは当方でも一向とることは差しつかえないのでありますが、ただ御存じのように売り値がたいへんに違っておる、こういうことだけでありますので、ソ連はこれはほとんど主食のようにいたしておるそうでありまして、したがって私どもといたしましてはいまやっております調査の結果、これは私どものほうの技術家の主張によればそんなに資源は枯渇しておらないということでありますので、なお外交折衝等でこれらのことについて解決をできるだけ有利にいたすようになお引き続いて努力をいたさなければならない、こう思っております。  それから、当面先ほど来お話しのありました漁業者につきましては、できるだけのごめんどうを見るということはこれは総理大臣もきつく言っておりますので、できるだけの措置は講じなければならない、このように鋭意いま検討しておる最中でございます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 津川武一君。

津川武一日本共産党

○津川委員 時間がないのできわめて要点だけ質問いたします。  今度の四月の下旬と五月の上旬にかけての低温と霜の害で宮城県では長井さんという百姓が苗しろが全滅して自殺しておるほどでもありますので、その被害の状態をあとで文書でわれわれに提示をしていただきたい。これが一つ。  二つ目には、十日前後でわかった被害でも東北農政局だけで四十六億一千万くらいになっておりまして、天災融資法の適用条件に合致してきておると思うのですが、天災融資法の適用が必要と思いますし、いつごろできるか、これをひとつ答弁していただきたいと思うのです。  もう一つは北海道のてん菜、バレイショから青森、岩手、東北全部から、いま三ツ林委員のお話を聞きますと、埼玉でもイチゴからナシまでやられておるという状況になって、拾うとかなり今度の農業災害で激甚適用できるのじゃないかと思うのでこの検討を進めていただきたい。二十一日に災害対策特別委員会がありますので、その日までに大体のめどをつけていただきたい。これは答えがあれば答えていただくし、考えてみるならそれでよろしいです。それが二つ目です。  三つ目は、相当苗不足になってきておるのとリンゴの花粉不足になっておりますので、苗不足に対しては全国的な応援、方々から苗を集めてみるという作業、それからリンゴの花粉不足に対しては東北の範囲内で花粉を集めてみる、こういうことが必要かと思うのでございますが、こういうことに対して農林省の意見を聞かしていただきたい。  これで終わります。

太田康二農林大臣官房長

○太田(康)政府委員 ただいま御要求のございました資料につきましては、まだ統計調査部の被害調査はまとまっておりませんけれども、関係各県からとりました被害調査の結果がわかっておりますので、これを書類にしてお出しいたしたいと思います。  それからお尋ねの天災融資法の発動並びに激甚災の適用の問題でございますが、これにつきましても大体統計調査部の被害調査の結果が五月下旬にはまとまることになっておりますので、その結果を見まして、ただいま先生からお尋ねのございましたように、基準に該当すれば、当然天災融資法を発動すべきと思いますし、激甚災の適用の問題につきましても、基準に照らしましてその段階で判断いたしたい、かように考えておる次第でございます。

津川武一日本共産党

○津川委員 一つだけ、東北農政局でつかんだだけでも、天災融資法の適用条件である三十億をとっくにこして、東北農政局も発動したいと言っておるのですが、天災融資法のことだけ一つ……。

太田康二農林大臣官房長

○太田(康)政府委員 先ほども申し上げましたように、東北農政局で把握しておる数字は県報告の被害数字でございまして、天災融資法の発動を決定いたします基準といたしましての被害の額につきましては、やはり統計調査部がまとめました被害の数字によって判断いたすことにいたしております。この結果が大体五月の下旬にはまとまることになっておりますので、その段階で判断をいたしたい、かように申し上げておる次第でございます。

草野一郎平自由民主党

○草野委員長 次回は来たる十八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会

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