農林水産委員会 第25号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/05/12
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山崎平八郎君。
○山崎委員 私は、このたび提案されました農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。 そこで、一応順序といたしまして、両法についての制定以来の経過をたどってみますと、前者のほうは、農業経営の安定と農業生産力の発展とをはかることを目的に、かなり前の、昭和二十二年十二月に施行されておりますし、後者のほうは、保険収支の長期的均衡性にかんがみ、農業災害補償事業の健全な運営をはかることを目的に、昭和二十七年六月に施行されたものであります。 そこで、農災制度の発足以来、農業災害自体や農業、そしてまた農家、それぞれの変化に即応するために過去数次の改正が行なわれておるわけであります。特にこのたびの法案に盛られました改正の要旨というものは、一昨年末に結論を得ましたところの学識経験者の方々の御意見をまとめて、制度全般の検討をいたしました結果、特に総合農政とのかみ合わせとか、また農業共済組合の広域化とか、いろいろの点から時の流れを考慮しながら取り入れたものであるというように了解できるわけでございます。 その内容につきましては、先般たしか七日だったと思いますが、農林大臣からの趣旨説明をいただきまして、おおむね了承いたしておるところでございます。しかしながら、端的に申しますと、大かたの生産農家各位の現在の気持ちといったようなものは、前に触れましたように、当時学識経験者の検討されたころと現在とでは、僅々一年半の隔たりしかありませんけれども、事実は全く隔世の感があるというふうに申しましても過言ではないと思います。 すなわち、総合農政の一環といたしまして、米作農家としては生産調整という、過酷なと評してもよい経営の一大転換を余儀なくされておりまして、しかも今後五カ年間これを続けなければならないという現実に直面しているということでございます。しかも、調整田の望ましい姿というものはもちろん転作でありますけれども、これには数多くの問題点が残されております。特に法に関連いたしまして、その一つとしては、農災制度でカバーできない作目がまだたくさん残されているということでございます。もとよりこのことは本来の施設園芸、地域特産物あるいは肉豚及び鶏等の生産あるいは飼養にいそしむ農家にとっても全く同様のことでございます。また果樹共済についてももう少しスピーディに実施できないものだろうかと思われるわけでございます。 さて、そこで以上触れてまいりましたように、災害を受けた結果に対する対策としての農災制度の拡充整備もさることながら、私はむしろ先手を打って、より積極的な対策として、たとえば農業気象の予報とか防災とか、こういった立場から、実は私、残念ながら最近このような方面から遠ざかっておりますけれども、勉強の意味を含めまして、その方面の専門の方においでいただいておりますので、その辺から質問を始めたいと思います。適宜お答えいただきたいと思います。 昨今の新聞で五月の冷温のことが相当書き立てられておりまして、かなり被害もきびしいものがあるように承っております。現地の事態そのものは承知いたしませんが、いろいろの報道を総合いたしますと、かなり深刻なようでございます。しかしこれに対しましては、農林省として、すでに去る三月に「昭和四十六年春・夏作の技術指導について」という指導の冊子がございまして、これを拝見いたしますと、一応の長期にわたる気象に合わせた技術指導が行なわれているわけでございます。しかし最近承りますと、気象の予報について急速な変化をとらえて、何か修正をされるというようなことを聞いておりますけれども、この辺につきまして気象庁からおいでいただいておりますので、ただいまどのような現状であるかをまず承りたいと思います。
○和田説明員 お答えします。 実は日本の天候というのは、昭和三十八年の一月の北陸豪雪以来かなり寒冷化傾向に向かっております。北半球的に見ますと、シベリアはすでに百年ぐらい昔の天候に戻っております。こういうことはすでに私ずいぶん前から機会をとらえて強調しておりましたが、その余波がここ数年春の天候に特に顕著にあらわれております。近くは昭和四十年の三月、四月、これは天明以来の飢饉になるのではないかと騒がれた年ですけれども、それと同じように、ことしの天候も昭和四十年の春とかなり類似いたしております。そういった点につきまして、この春はかなり不順だという予報をいたしておりました。その一つの特性がこの四月の下旬から五月の上旬にあらわれております。特にわれわれ専門家にとりましては、私の記憶では昭和二十九年以来非常に久しぶりで典型的なつゆ型のオホーツク海の高気圧があらわれたということは非常に特記すべきことだと思います。実はすでに三月十日に夏の大まかな予報を出しておりますが、四、五年前から夏の予報ということは非常に重要でございますので、特に北日本、仙台、新潟、札幌の三予報中枢で協力しまして、五月中旬に夏の予報を特に再検討するという会議を持っております。それがちょうど十二日、きょう札幌で開催ということになっております。その結果を見まして、いろいろ悪条件がこの春の天候の徴候を見ますとありますので、この夏の予報につきましてさらに修正して万全を期したい、こういうふうに考えております。ただ私個人のいまの見当では、この夏は決して順調な夏だとは考えられないということは申し上げられると思います。 以上でございます。
○山崎委員 ただいまのお答えによりますと修正をいろいろお考えのようでございます。 そこで農林省の審議官にお尋ねいたしますが、先般気象庁の意向を受けておつくりになった技術指導の方面におきまして、ただいまの修正意見を取り入れて、長期的の予報としてもまた短期的の予報としてもいろいろと末端まで御指導を願いたいと思いますが、その辺の御用意はいかがか、承りたいと思います。
○加賀山政府委員 ただいま気象庁のほうからお話がございましたが、われわれといたしましては三月の十日に毎年暖候期予報が出ますので、それに基づきまして、ただいま山崎委員から御指摘もございました春夏作についてのこまかい指導をいたしたわけでございます。ただいま気象庁のほうからお話がございましたように、ことしの天候はかなり変動するという予想がございますので、きめのこまかい指導をいたしたい、そう考えております。 それから、気象庁のあれによりまして、各県にかなり細密な気象データを集めるような組織ができておりますし、また県の農林部と各県の気象関係の機関との連携が最近は非常に進んでまいりまして、こまかい予報をお互いに交換し合いまして末端の指導をいたす、そういうことになります。われわれのほうの場面といたしましては、都道府県の研究機関あるいは普及組織を通じましてできる限りこまかい予測を流しまして、災害を受けないような技術上の指導を万全にいたしたい、かように考えております。
○山崎委員 ただいまの御説明で、いろいろと修正意見を取り入れてさらに徹底をはかっていただくようでございますから、ぜひその辺はよろしくお願いしたいと思います。 最近の日本列島というものは、御承知のように公害列島などという異名をとっておりますけれども、戦後のある時代を思い起こしますと、相次いで台風その他の災害に襲われたわけでございます。特に台風の問題につきましては私数年前からいろいろ伺っておりましたけれども、いわゆる核の力による抑止の方法がかなり研究されておるように承っておったわけでございます。一つは方向を転換させること、一つは台風の勢力を弱めること、そういったような角度からいろいろ検討されておるようでございます。しかし実際は死の灰を降らせますのでそう容易なものでもなく、また海面もいろいろと他国との関連があって容易ではないと思いますけれども、やはりじみちにこういう方面も核の平和利用という意味からも大いに考えるべきだと思いますので、ひとつその辺の現状を科学技術庁の科学技術センターの所長さんにお伺いいたしたいと思います。
○寺田説明員 お答え申し上げます。 ただいま台風の勢力を弱めたり、方向を変えたりするのに原子力を活用したらどうかというようなお話がございましたし、またそういうことの研究はあるかというお話でございます。この問題は実は戦後間もなく若干の人から話が出たのでございますが、結局台風のエネルギーというものは非常に大きなものでありますし、それから原爆のエネルギーがかなりこれに似ているものですからそういう構想が出たと思います。しかしながら現在行なわれております台風の勢力を減少させるという方法は、これと全く違った方法でありまして、むしろ原子力という点からしますと、少し考えが飛躍し過ぎているということを関係者は認めていましたところが、戦後間もなくアメリカのラングミュアー博士がドライアイスを使いまして、過冷却といいましてちょうど零度以下のところでもなお水滴の状態であるようなそういう実験室で、その水滴を実は氷に変えるという形を研究をしたのであります。それがもとで実は人工降雨という意味での実験が行なわれまして、日本でもちょうど戦後間もなくでございますが、九州大学の伊藤教授が第一番に飛行機でもってドライアイスをまきまして雲に変化を与える実験をいたしました。その後、このほうの研究が電力会社の協力によりましてかなり進みまして、私も当時九州におりました関係上、九州電力などとも関連いたしまして実験をいたしましたが、そういう実験がもとになりまして、結局気象のある程度の制御あるいは調節というようなものはこのドライアイスとかあるいはこれと全く性質の同じ沃化銀の核を活用するというところに落ちついております。そしてこの方法は実はあらゆる気象の関係の変換あるいは気象調節というところの基礎になっていることは科学的な事実であります。 そこで、アメリカではそういう意味でかなり大がかりにこの実験を取り上げるということで、一九六一年でございますから約十年前に日本の台風に相当するアメリカのハリケーンの中心付近に多くの飛行機を飛ばしましてこの実験を始めたわけでございます。そしてその場合にはかなりこの問題がいろいろ気象学者とそれから実際の人たちとの間の討議のもとになったのでありますが、アメリカはとうとうその次の年に商務省と海軍省との共同で一つのプロジェクトをつくりました。これは台風の中、向こうではハリケーンでございますが、ハリケーンでも台風でもまん中には目といいます風の弱いところがございますが、そのまわりには非常に高い積乱雲が取り巻いておるわけです。その取り巻いておるところが一番風も強いし、雨も強いわけでございます。それでそのところにいまの沃化銀を多量にまくことができればこのような風速分布が弱まることが理論的にも出てきますし、それからこれは計算の上からもある程度出るわけであります。そういう点から、それではこの実験を取り上げようということで、それから何回か実験をいたしましたが、アメリカではアメリカの東のほうの海域で実験をしなければなりません。これをもしも陸地でやりますと、はたしてその実験の影響が実際のものか、それとも陸地のために影響を受けたものか何かわかりませんものですから、こういう実験というものは全部海上で行なうことになります。そのためにはたくさんの飛行機を動員し、たくさんの人員を動員して行なわなければならないのでありますが、実は一昨年行なわれましたデビーという八月に起こりましたハリケーンにつきまして実験をいたしましたところ、非常に効果的であるというような答えが出てきたわけであります。その場合にアメリカでは海軍その他の飛行機を使いまして十三機の航空機を活用し、そこで台風に対して二回にわたって十五回の飛行をやっております。そして一番高いところを飛びます飛行機はちょうどハリケーンの目のところを突っ切りましてそこの上から沃化銀を落とします。そういたしますと、それがマイナス八度とか十度とかいうところの過冷却、いわゆる水がまだ凍らないでいるようなそういう区域に入りますと、その沃化銀が非常にたくさんの核になりまして、これが氷のもとになる、そして雲の分布を変えてくる形になります。この実験をいたしました結果、風速が大体三〇%とか一五%くらい減るというような結果が出ております。それでアメリカといたしましては非常にこれに自信を持っておりますが、一方気象学者の中にはそれがはたして実際に台風制御のために起こった結果であるか、それとも自然的に起こった結果であるか、それがわからぬというような点もいろいろディスカッションしておりますので、結論は出ておりませんけれども、しかしこの方面の問題は、何かの形で台風の力を弱めようというような希望は単にアメリカだけでありませんで、世界の気象の関係の機関あるいは国連その他でも非常に関心を持っております。そしてそういう意味で世界的にもこの問題を取り上げようということになっておりますが、いままでハリケーンについて行ないました実験は、ハリケーンがうまい場所にくる率が非常に少ない。むしろこの際太平洋において実験をしてみたいという希望を持っております。というのは、太平洋のほうならば台風がかなりたくさん出ますので、はたしてこの実験が、実験のために風速が減少する形が得られるのかどうか、そういう点の検討が十分できるのじゃないか。そういう意味で、アメリカではたぶん一九七二年、来年からグアム島を基地として実験することを計画する状態にございます。先般私と気象研究所の北岡所長その他大学の先生などと一緒にアメリカと日本との間の気象調節に関するセミナーがございまして、それに出席したときにもこの問題が出ておりますが、その将来計画としてアメリカが太平洋に基地を持ってきて実験をする場合に、学者ベースとしては、それはアメリカがやることですから、別にいかぬというわけにもいきませんけれども、ただ極東地区その他に社会的な影響が及ばない範囲でやるならば差しつかえないだろうということを回答してきたわけでありますが、実は昨日エカフェの台風委員会の委員長のセンという人も来まして、この問題をぜひ実現してもらいたいということを言っておりますが、ただ気象学的に見ました問題は、アメリカがハリケーンで行ないました実験がはたして台風に対してうまくできるかどうかということは問題でございます。といいますのは、台風はハリケーンに比べてずっとエネルギーが大きい。そういう意味でアメリカの方法をそのまま台風に活用できるかどうかという点はちょっと疑問かもわかりません。そういう意味でまだ台風の状態が十分わからないという状態なので、むしろ台風の調査をもっと入念に行なわなければならない。残念ながら日本には、台風の観測をするような航空機がいまございません。それで、ぜひそういう意味でわれわれのほうでも、アメリカがもしもそういう実験をするならば、われわれもそれに参画して、そして台風に対する知見を深めて、そして将来の問題として台風調節の問題にも取り組むための第一歩を踏み出したい、こういうふうに考えている状態でございます。 不十分でございましたが、これでお答えといたします。
○山崎委員 ただいま該博ないろいろの知識をいただきましてありがとうございました。 もう一点だけお伺いしたいわけでございますが、いわゆる沃化銀をもとにした人工降雨の問題、これもかなり具体化されていると聞いておりますけれども、五月四日でございましたか、新聞に出ておりまして、例のひょう害、これに対するロケットの打ち上げという問題もございまして、近く何か大々的な実験もされるそうでございます。これは局部的な気象の問題でございますけれども、実際ひょう害あたりも、私の知っている場所でもかなり深刻な果樹の被害が出た場合がございましたが、その辺について簡単にひとつお話しいただきたいと思います。 なお、これはロケットなり、ロケットの打ち上げ費用という問題と、防除し得る災害の被害額というものとの意味合いになりますので、むちゃくちゃに金をかけてもいいということでもないと思います。その辺の経済効果といいますか、その点を承りたいと思います。
○寺田説明員 お答え申し上げます。 人工降雨の問題は、先ほどもちょっと触れましたが、戦後電力会社が主となりまして、大学の先生あたりがこれに参画いたしまして、また気象庁もこれに参画いたしまして、実験を始めたわけでありますが、この問題がだいぶ盛んになりましたので、昭和三十六年度から科学技術庁が五カ年間研究委託をいたしまして、そしてこの問題を取り上げましたが、この際には主として大学の教授、助教授の方が大いにこの研究費を利用いたしまして、非常に気象的にはりっぱな成果が得られております。ただ問題は、その実用化の点でございますが、そういう点ではなかなか十分な結果が出ておりませんが、大体ある程度の気象条件の場合には一〇%ぐらいの雨がよけいに降る、増雨が認められるという程度のことはわかりました。特にこの問題は、九州地区においてかなり活発に行なわれましたので、九州地区のデータはかなり実用的なものが出ていると思います。 それからもう一つ、降ひょうの問題でございますが、この降ひょうの問題は、ソ連とかそれからユーゴスラビア、それからイタリア、フランス等でやはりいま農作物を主として降ひょうの対策をやっております。これに対しては、やはりロケットを打ち上げたり何かいたしておりますが、それも原理は、先ほど申し上げましたような沃化銀を散布する方式でございます。それで私のほうも、実は科学技術庁のほうで気象調節という意味で、昭和四十八年度からこの降ひょうに関する研究をするようになりまして、小さいロケットを開発することができました。これは日本のように非常に人口が稠密なところでは、普通のロケットでは非常に心もとないものですから、完全に燃焼してしまうというような完全燃焼型のロケットを開発いたしまして、これによって実験をするわけでございます。このロケットには大体二百グラムの沃化銀を詰めておりますが、問題は、われわれのほうでいかにそのひょうの雲を見つけるかということと、それからそこにうまく打ち上げることができるかということと、それからその結果がはたしてひょう害防除にうまく結びつくかどうかという問題がございますので、まだ研究段階ということでございます。 この実用化の問題、先ほどの経済効果の問題でございますが、これは実はソ連では非常にたくさんの降ひょうに対してひょう害防止の実験をいたしまして、非常にりっぱな成果をあげております。そういう意味でソ連では、これに対して関係者が賞状をいただいたというような状態でございます。ただ日本は、ソ連やユーゴスラビアに比べましてひょうの起こる数が少のうございますので、十分これができるだけの状態かどうかはわかりません。ただ私のほうといたしましては、将来はやはりこの台風の制御の問題とかなんとかに結びつけるためには、台風の回りにある雲と同じ性質のひょうの雲、これに対してもう少し研究していきたい、こういうことがねらいでございまして、現在ではいわゆる経済効果まではなかなかいかないかと思いますが、いずれはロケットも安くできるようになると思いますので、そういたしますと、この問題はかなり実用化に向かい得るかもわからぬと思っております。 簡単でございますが……。
○山崎委員 たいへんありがとうございました。ぜひ研究方面にさらに御精進をいただきたいと思いますが、特にお話を承っておりまして感じましたことは、たとえば台風調査のための飛行機一機が恵まれていないというふうな研究に対する国の力の入れ方、私はそこら辺にじみちな努力が非常に足りないではないか、かような感じを受けた次第でございます。 引き続きまして本論に入りたいと思いますが、この農業災害補償法並びに農業共済基金ということを受けとめまして、私どもしろうとでございますが、感じますことは、いわゆる農協のほうの共済とのいろいろ競合があるやに聞いておりますけれども、私の聞き誤りかもしれませんので、まず入ります前に、その点について農林経済局長からお話を承りたいと思います。
○小暮政府委員 水稲、陸稲、麦及び蚕繭につきましては、農業災害補償法に基づきまして、農業共済組合または共済事業を行なう市町村が共済に付さなければならないというような形になっておりまして、また農家の所有する牛馬につきましても、同法に基づいてその旨を農業共済組合の総会または市町村の議会で議決するという手続をとりますときには、特殊の場合を除きましてこれを共済に付さなければならない、そういういわば制度的なものということで考えられているわけでございます。したがいまして、これにつきましては、国が再保険するといったような仕組みも別途組み合わせて、これを国が直接指導監督する共済事業ということでやっておりますので、これは農業共済団体の仕事であることははっきりしていると思います。ところが、そのほかに任意共済ということで、その対象種目は、いま申しましたようなもののほかのたとえば建物の問題とか農機具の問題とかあるいは特殊な農産物の問題とか、そういうものを農業共済団体がやろうと思えばできる道もあるわけであります。しかし、この分野になりますと、逆に農業協同組合が事業として仕組むということもできないわけではない。そういう両者の競合分野と申しますか、そういうものがございます。そこで長い間に両方の団体の運営をめぐっていろいろな議論があったわけでございますが、昭和三十八年当時に関係者が何回も検討を続けまして、両団体の仕事のやり方については競合を避けるという趣旨での話し合いができ上がっております。その考え方の趣旨は、農業共済団体が行なう任意共済の中で短期の建物共済、これは農業共済団体がやる。それから短期の建物共済以外の任意共済、これはまず原則として農業協同組合のほうがやるんだということにいたしました。ただ国が再保険をするという形が、いわば国が政策的にその共済事業をやらせるという趣旨を含むのだと思いますが、そういうものにつきましては農業共済団体だけが行なう。おおむねそういった趣旨の話し合いをいたしまして、両団体の仕事が末端で無用の競合をしないように指導いたしておるわけでございます。
○山崎委員 ただいまの御説明で一応けじめがはっきりしたような気がいたします。 そこで各論に入りますけれども、まず農作物共済の問題でございますけれども、先ほど冒頭に触れましたように、米作農家にとりましては米の生産調整という、一昨年にはそれほどまだ具体的になっていなかった問題と年々激しい形で取り組んでおるわけでございます。そこで先ほどいろいろ気象の問題に触れましたけれども、非常に深刻なものであればいろいろと法律上取り上げられますけれども、軽微な災害を受けた場合、ここに私は一つ大きな問題が残るのではなかろうかと思います。経営自体が大体二割縮小を受けております。残った八割で経営しておるところに、こういったような法律に引っかからない軽微な災害を受けた場合、非常に大問題だろうと思います。この辺につきましてどのようなことを考えたらいいか、私自身いろいろ考えてみましたけれども、農家の方々の希望の中にこういう議論が出ております。問題はあろうかと思いますけれども、結局飯米を予約の限度内に入るものなら出さざるを得なくなるだろうということです。そこで何を食うかということになりますが、この辺について何か援助がほしいということを言っております。これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、またそのほか全然一般の消費者といたしましても、われわれの仲間の考えでは、非常な生活困窮者、従来は外米を入れておりましたので徳用米その他のいろいろな制度もありましたが、同じく内地米を食べざるを得ない現状で何か困窮者に対して——これはなかなかどういうものを困窮者というか、その辺の線は引きにくいわけでございますけれども、値を下げてまずくても飛びつくというのがやはり困窮者じゃなかろうかと思うのです。その辺について食糧庁にお尋ねいたしますけれども、これはなかなかむずかしい問題ですが、これはいまの農業者だけでなしに、一般的に申しましていまの農業者としましては生活の苦しい、いわゆる零細農家に起きることだろうと思いますけれども、大規模経営をやっておればそのようなことはたいした問題ではありませんけれども、しかしこれを農家にだけというわけにまいりませんから、一般の消費者の中でそういうことを検討するだけのお考えがあるかどうか。しかしこれはいまここで具体的にどうこうというのではございませんで、いずれそのような声が相当強くなった場合にそういうことを考えるかどうか、ひとつお尋ねしたいと思います。
○松元説明員 ただいまの御質問、いまいろいろな問題を含むわけでございますが、そのうち特に中心になりましたいわば米を安く売る道を開けないか、ただいまの御質問では生活困窮者云々というのがございましたけれども、まあ生活困窮者云々ということをきめることはなかなかむずかしいわけでございますが、そのほかさらに一般論としまして、現在非常にたくさんの米をかかえておりまして、別個過剰米処理をやっている。そういう場合に、過剰米処理は、輸出でございますとかあるいは原材料用あるいは飼料用に売っておりますが、それだけではなくて、そういうところに安く売るならばむしろ一般消費者にも、質は落ちても安いものを配給の道を開いたらどうかということが前々から問題になっているわけでございます。そこでこれをどういうふうに仕組むか。端的に申しまして、ほかの用途と違いましてやはり主食の一部でございますから、一般の消費者とどういう関係になるか、それがなかなか技術的にむずかしい問題がございますが、一般の消費者の感情ないし希望といたしましても、そういう安いものを売る道を開いてほしいという要望がございますものですから、売却の仕組み等を含めまして以下いろいろ慎重にいま検討をいたしている段階でございます。
○山崎委員 前々から、そのような方向に向かうかもしれないという意味で、ひとつ十分に御検討願いたいと思います。 同じく農作物共済の問題でございますけれども、御承知のように今回の改正の中で高災害地、激甚な災害を常に受けるところ、こういうところの掛け金の国庫負担割合を七割の頭打ちにして案ができております。しかしいま申し上げたような生産調整による打撃を受けている農家に対しまして七割にとどめるということは、非常な追い打ちであるというふうに私は考えます。まあせめて八割なり九割なり、もう少しその辺に考え直すお考えはないかどうか、その辺を農林経済局長にお願いいたします。
○小暮政府委員 現在の農作物共済におきます掛け金の国庫負担は、農業経営及び農業災害の特殊性を考えまして、最低でも二分の一という国庫負担の割合を考えまして、さらに共済掛け金率が高くなるように、したがって国庫負担の割合を高める、いわば超過累進方式というのをとっておるわけでございます。この考え方は今後とも継続する基本的な姿勢でございます。ただはなはなだしく高被害の地域に対しまして非常に高率の国庫負担をするということになりますと、全体としての稲作の今日の展望から見まして均衡を失するという問題もあろうかということで、平均的な被害の状況というものを一応考えまして、それから一定の幅の範囲内におさまるところまでは累進して負担を高めてまいりますけれども、その限度で一応国庫補助の累進をとめる。そのことが一応七割でということになっておりますけれども、その上は全く国庫負担しないという意味ではなくて、以下ずっと七割の国庫負担をするわけでございますから、たとえば掛け金率が三〇%と、ちょっと異常な一番高いものを一応想定して、三年に一ぺん収穫皆無といったような理論上のそういう高い数値のところを見ますと、現行の仕組みですと国庫負担が七八・八%、農家負担が六・四%ということになっておるわけです。現在考えております改正の仕組みでは、その部分で国庫負担が六八・三%、農家負担は九・五%ということでございまして、したがって、高被害のところには国庫負担がなくなるという趣旨の仕組みではございませんで、次第に累進していく国庫負担率を平均的なものから一定の幅のところで、まあ具体的には一標準偏差ということで計算したところで切った、それが水稲の被害の実態からおおむね七割の線におさまった、こういうことでございます。
○山崎委員 累進的な計算を詰めていきますと、七割が七割でないということになるわけですけれども、大体数字を取り上げる際に七とか五とか三とかいうのは日本人の好みで、簡単に七という字を持って来られますけれども、これはいろいろ私は問題があるのじゃなかろうかと思います。ある程度見解の相違かもしれませんけれども、私は、もう少し考えないと生産調整で打撃を受けた上の追い打ちという意味で、やはり問題であろう、こう思います。 なお、これに関連いたしまして、昨年の暮れ農林省でおきめになったいわゆる地域指標、これは今後生産調整に際しましてどのように五年間これを加味していくか、その辺の腹案は農林省としておありかどうか、ひとつ食糧庁にお願いしたいと思います。
○内藤説明員 四十六年度の生産調整につきましては、御案内のように、地域指標の作成過程で得られました数値を三分の一程度加味したわけでございますが、将来の扱いといたしましては、政府、与党打ち合わせました結果、逐次地域指標の傾向というものを生産調整の県別の実施数量の中に反映する程度を高めていく、こういう方針でおります。
○山崎委員 ぜひそうしていただきたいと思います。 それから次に、家畜共済の問題に入りますが、これは例の初診料の給付除外という問題が出てあるわけでございます。せっかく畜産経営の安定をはかるという意味で、家畜の早期診断、早期診療といったようなことが絶対に必要なわけですけれども、初診料自体を取ることによりまして、結局は農家は獣医師に対して受診することに気が重くなるという傾向があらわれるわけでございますが、この辺、農家にとっても、また畜産政策、そういうものにとっても、これはマイナスの要因ではなかろうか、かように思う次第でございますが、これについて同じく農林経済局長に御答弁願います。
○小暮政府委員 家畜共済の運営を見ておりますと、最近病傷事故が非常に多くなりまして、病傷の共済金の支払いが増加いたしております。これは実態がそのようなものであれば、この制度でございますから、それを受けとめなければならないと思いますが、ただ、このことは、結局掛け金を改定する場合にはこの実態を反映させるという問題にもなるわけでございます。収支を悪化したままにおくわけにはまいらぬわけでございますから、これらの点につきましては、別途掛け金の国庫負担率の引き上げというようなことも行ないながら、全体として設計を改善したいというように考えております。ただ実際の運営面の中に、必ずしも飼養管理技術が徹底していないと申しますか、あるいは受診態度が間々安易に流れるといったような問題もございまして、この点につきましては、これまでも関係の機関を通じ、あるいは獣医師さん方にも御協力をいただいて、できるだけ適正なる受診、診療が行なわれるように指導してまいっております。ただ非常にうまく経営をしております農家と、ややその辺において指導の欠けるところのある農家というものがございまして、これが家畜共済の経理内容を全体として暗くしていくと申しますか、これをどの辺で立て直すか、国庫負担の向上だけでこれに対処するというわけにもまいりませんので、いろいろな角度からのやり方を相談したのでございますが、やはりいろいろ検討いたしましたが、初診料の段階で、これは一回平均百八十円程度のものでございますけれども、この段階でやはり自己負担というものを導入することによりまして、家畜共済全体の仕組みの中に、一つの自立機能と申しますか、そういうものを組み込むことが必要ではないかというふうに考えたわけでございます。これは健康保険の場合なんかと違いまして、この初診料自己負担ということに考えますれば、当然掛け金率の算定の際にその分は考慮して掛け金率を定めるわけでございますから、うまく経営ができてあまり受診しないで済む者にとっては、掛け金率はその分だけ下がっておるということになるわけでございます。
○山崎委員 ただいまのお話の中の乱診乱療という問題は、これは人間さまの健保の問題も同じでございますけれども、やはり政策としましては、私の考えでは、この辺はぜひとも考え直していただきたい点でございます。 それから最後に、新種の共済の問題でございます。新しい施設園芸とか肉豚、鶏、そういったような、これは前から問題になっておる問題でございますけれども、一番間近に迫っておる問題は果樹共済であろうかと思います。これも全国に、三十八府県だったと思いますが、いろいろと実験的にもはや踏み切っておられるわけでございますが、五年計画ということで四十八年まで待たなければいかぬ、この辺も、先ほどから申し上げております総合農政の推進という面から考えても、非常にスローモーションではないかという気がするわけで、この辺につきまして、一年でも繰り上げるといったようなことをぜひとも考えていただきたいわけでございますが、果樹共済及びその他の新しい共済を取り入れるということ、これはいずれも総合農政の推進には欠かせない重大な問題でありますし、従来からこういったような作目を生産なり飼養しておる農家も同じことでございます。そういう意味におきまして、最後にひとつ農林経済局長にお尋ねしたいと思います。 なお、話が総論のほうに力が入り過ぎまして、まだお尋ねしたい点もございますが、残念ながら持ち時間一ばいになりましたので、これをもって質問を終わりたいと思います。
○小暮政府委員 御指摘のとおり、総合農政の展開ということと関連いたしまして、果樹その他の新種の共済の開発を急ぐべきであるというふうに私どもも考えております。ただ、御承知のように、農災制度、これは統計的処理を基礎といたしまして、できるだけ完備した統計資料をもとに設計をいたして、これを実施いたしませんと、不測の混乱を起こす性格のものでありまして、現に実験実施中の果樹共済につきましても、たとえば四十四年の状況を見ますと、かなりの被害が各地に出まして、これにかなりの支払いもいたしました。たしか五億程度の支払いをいたしてございます、これらの中で、実験としてのきわめて貴重なさまざまな姿が出てまいっております。これらのものを十分取り入れまして、新しい制度をできるだけよいものを組み立てたい、やはり最初に、五カ年間の実験実施によって五カ年間の基礎データを最終的に確認して、それに基づいて保険設計をしようと考えて始めたわけでございまして、急げということで最後の一年を省略してしまうということはちょっと、事柄の性質上やはり統計処理に基づいてできるだけ完ぺきなものをつくりたいという趣旨もございます点を御了解いただきたいと思うのです。 なお、それ以外のたとえば肉豚、鶏、これらにつきましても逐次調査が進んでおります。また地域特産物でございますお茶その他につきましても昨年から調査を手がけております。これらにつきまして、御指摘の趣旨も体しましてできるだけその調査、検討を急ぎたいというように考えております。
○草野委員長 長谷部七郎君。
○長谷部委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、若干御質問を申し上げたいと思いますが、この法案は言うまでもなく重要な法案でございますので、当然大臣の御出席があろうかと思っていましたが、ありませんけれども、この点はいかがでございますか。
○草野委員長 長谷部君に申し上げますが、農林大臣は参議院の本会議にいま出ているのだそうです。政務次官でひとつ御了承願います。
○長谷部委員 それでは終わっていただきましたあとで御出席をいただくことにいたしまして、大臣にかかわる御質問等につきましてはそれまで保留させていただきまして質問を続行したいと思います。 今度の法律改正の提案理由の説明にもありましたように、今回は総合農政の展開に合致するように農災制度を改正する、こういうことでございます。そこで私は、細部の質問に入る前に、いうところの総合農政の問題について若干御質問をいたしたい、こう思います。 農林省は昨年の二月に農政審議会の答申を受けられて、農政を推進するための基本的な方向というものを公表しておるわけであります。これを拝見いたしますと、大きく分けまして六項目になっておるようでございますが、しかしその中心をなすものは緊急に米の生産調整をはかる。それから地域の特性を生かしつつ需要に見合った農業生産を推進する、こういうことになっておるようでございます。で、当面あらわれておりまする政策を拝見いたしますと、集中的な米作の抑制に向けられておる、こう言っても過言でないのではなかろうかと思うのであります。昨年は百五十万トンの減反、ことしは二百三十万トンというきわめてきびしい減反が割り当てになっておる。同じく農林省が発表いたしました「農業生産の地域指標」これによりますると、今後五十二年、七年後にはいわゆるわが国の米の生産量を全体的に見て二割縮小する。現在は大体一千四百万トンの生産があげられておりまするから、金額に換算いたしまして約二兆円、これを七年後には二〇%米の生産を減らすわけでありますから、金額に換算いたしますと約四千億円というばく大な農家にとっては収入減になるわけであります。これはたいへんなことだと私は思うわけでありますが、そこでお尋ねをしたい第一点は、この今年度の二百三十万トンの米の減反というものは、昨今の気象条件あるいは生産農家の動き等から見まして、どういう見通しを持っておられるか、これは企画室長だと思いますが、まず見通しをひとつ承っておきたい。
○草野委員長 長谷部君に申しますが、企画室長いまちょっと離席しておりますが、官房長から……。
○太田(康)政府委員 実はまだ最終的な報告は取りまとめておりませんが、われわれが一応事務担当者から聞いた進捗状況によりますと、大体末端の農家まで話がおりまして、生産調整を実施して、おおむね九五%ぐらいは達成できるのではないかという数字を得ております。しかし正式には五月の末に取りまとめまして確定いたしますもので、まだはっきり申し上げられませんが、一応われわれの見通しではそういうことに相なっております。その際、転作は大体三七%ぐらいいくのではないかというふうに見ております。
○長谷部委員 ただいまの官房長のお話では、最終的ではないけれども、九五%ぐらいは生産調整が達成できるのではないかというお話でございます。まあ東京の農林省の中におるとどうしても現地の農民の動向というものについてはわからぬのも私は無理はないと思うのですが、われわれの地域をめぐってみての感じでは、ことしは生産調整はかなり不成功に終わるのではないか、こういうぐあいに見られる節々がございます。特にこの予約売り渡し米の中で幾つかの品種銘柄が設定されておりますが、こういう品種銘柄は、かりに政府が買わなくとも、りっぱに市場において有利に取引ができるという経験もありまして、いわゆる銘柄地帯におきましては国からの生産調整の割り当てはどこ吹く風かという受けとめ方が非常に最近支配的になっているのではないか、こういうぐあいに考えていますが、官房長は実態をどのように調査されておられるのか、この点ひとつ承っておきたい。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○太田(康)政府委員 先ほど申し上げましたように、四月十五日現在で各県の事務担当者からの実情を聴取いたしたわけでございまして、これによりますと、目標の達成見込み率が先ほど申し上げましたように九五%、転作の比率が三七%、面積にいたしまして十八万五千ヘクタールぐらいが達成できるということで、ことしは二年目のことでもございますし、農家自身も過剰米の処理ということに対しましては相当真剣に取り組んでいただいているというふうに理解をいたしておるわけでございまして、私現地について直接は見ておりませんが、一応いまわれわれが事務担当者を通じまして把握いたしました実施見込みの調査によりますと、いま申し上げたような数字に相なっておるということでございます。
○長谷部委員 生産調整の実施の経過についてはあとで結果が出ることでありまするから、そのときにひとつまたあらためて議論をすることにいたしまして、いまお話のありました転作の進捗状況でありますが、各県の事務担当者の御報告を総合すると三七%、こういう見込みが述べられましたけれども、この転作のいわゆる作目別の見通しがありましたならばひとつ承っておきたい。
○太田(康)政府委員 面積で全体の集計が先ほど申し上げましたように十八万五千七十ヘクタールということに相なっておりますが、各県別にちょっと数字が出ておりませんので、おもなものを申し上げますと、たとえば北海道におきましては、転作の計画面積が大体三万一千七百ヘクタール、そのうち四四%が飼料作物、二〇%が豆類、こういうことに相なっております。それから青森におきましては、六千六百八十ヘクタールのうち四四%が豆類、二五%が飼料作物、岩手県におきましては、九千二百八十ヘクタールのうち六二%が飼料作物というような状況でございます。おおむね、全体で見ましてやはり野菜、豆類、飼料作物、こういったものが中心になっておるようでございまして、特に単作地帯の北陸等におきましては、全体の中でやはり野菜が半分をこえておる。その県におきますところの転作面積の五〇%が大体野菜になっておるというような状況でございます。それから遠隔地帯でございますところの東北、それから九州等におきましては、いろいろの作目があるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、やはり豆類、飼料作物、野菜、こういったものが中心でございまして、これが東北におきましては、先ほど申し上げましたような結果でございます。それから九州におきましてはやはり野菜が中心で、場所によりましては飼料作物というようなことに相なっておる次第でございます。
○長谷部委員 ことしの国の予算の説明の資料によりますと、転作に振り向ける水田面積は約十八万八千ヘクタール、こういうぐあいに予定されておったようでございます。これで見ますと、ほぼ転作が予定された面積どおり達成に近いように見受けられますけれども、ただ問題はこの共済制度、農業災害補償制度とも関連があるわけでありますが、このつくられました価格なり、あるいは流通対策なりあるいは輸入対策なり、こういったものを十分再検討してやっていただかないと、せっかくこのように進んでまいります転作というものが来年から定着しないという形になるのじゃないか、かように考えられるわけであります。したがって、何よりもこの転作の条件を、たとえば基盤整備であるとか、あるいは価格対策であるとか、流通対策であるとか、こういったものを政府は急いでやらなければならないのではないかと思うのですが、これに対する農林省の具体的な一つの対策をこの際承っておきたい、こう思うわけでございます。
○太田(康)政府委員 私たちが昭和四十六年度以降五カ年間にわたりまして総合的、計画的に生産調整を実施するということを決定をいたしまして、御承知のとおり、たしか二月六日だと思いましたが、閣議了解をいたしておるのでございまして、その際、昭和四十六年度におきましては、先生お尋ねの転作面積でございますが、大体十五万ヘクタールというふうに考えておったのでございまして、おおむね生産調整の対象面積が五十万ヘクタール強でございますので、約三分の一弱であったわけでございますが、先ほど申し上げた数字で集計をいたしますと、まあ十八万五千ヘクタールくらいに相なっておるということでございます。 それから転作の作目につきまして、御承知のとおり本年度は稲作転換対策関係費といたしまして、かなり思い切った予算の計上もいたしたのでございまして、今後は、御承知のとおり転作を基本において稲作の生産調整を進めるということにいたしまして、休耕も一部やむを得ず認めざるを得ない実情にもございますので、これらの奨励補助金といたしましては千六百九十六億円を計上いたしたのでございますが、それ以外に、集団転作の促進対策あるいは転作の促進条件整備対策、さらにはその他の対策ということで、合計四百二億八百万円の予算、前年はこれはわずか八億九千百万であったわけでございますが、計上いたしまして、いま御指摘のございましたような土地基盤の整備を特別に転換と結びつけてやるというようなもろもろのきめこまかい予算を計上いたしまして、転作が円滑に進むことを期待いたしておるのでございます。 なお、転作作物の価格安定の問題でございますが、これも閣議了解の際に、土地基盤の整備あるいは近代化施設の導入、それから価格対策の強化というようなことを今後検討するということをうたっておるのでございますが、本年度におきましてはとりあえず野菜作につきまして、御承知のとおり生産出荷安定法に基づきますところの指定産地制度と結びついての集団産地の育成、これと結びついた価格安定制度の強化ということもいたしておるわけでございますが、なおそれに加えまして、各地方地方で行なわれておりますところの野菜価格安定事業につきまして、金額はわずかでございましたが、二億円を計上したということに相なっております。 それ以外の作目につきましては、御承知のとおり現在の段階におきましては集団転作の場合には四万円、普通転作の場合には三万五千円というような奨励補助金も出ておることでもございますし、まあいずれにいたしましても、どちらかと申しますと不足しているような作目、これの転作を進めておるわけでございますので、これらの実施過程におきましてさらに検討いたしまして、価格安定制度が必要な場合にはさらにその内容を検討いたしまして将来に備えるということを考えておる次第でございます。
○長谷部委員 価格の問題あるいは基盤整備の問題あるいは流通対策の問題、積極的な施策を強く要請をいたしますけれども、これと関連いたしまして、特に転作の場合の問題となりますことは、やはり輸入政策だと私は思うのであります。農林省が発表しておりまする資料によりましても、特に大豆、いま積極的に国内で取り上げられようとしておる大豆、これは九五%以上輸入によってまかなわれておる、こういう現状でございます。なお飼料作物の中のトウモロコシ、こういうものにつきましても大量の輸入が行なわれておる。やがてこれとの競争ということになるわけであります。したがって、やはり国内でせっかく自給度を高めるために大豆なりあるいはトウモロコシの転作を進めようとする方向に向かったのでありまするから、私は、外国農産物とも競合をして将来またつぶれてしまう、こういうことのないように輸入政策についてもこの際洗い直しをしまして十分な対策を立てておかなければならないのではないか、実はかように考えておりますが、この点ひとつ官房長の見解を承っておきたい。
○小暮政府委員 農林水産物の輸入政策の運営にあたりましては、かねてから総合農政の展開に支障がないようにその運営に留意するというたてまえで考えておりまして、今後もその考え方には変更はございません。 なお、具体的に御指摘のございました大豆につきましては、御承知のようにすでに大豆の自由化をいたしました直後に交付金制度を設けておりまして、今後交付金制度の運営につきましても農政全体の運営の中で適切な運営が確保されるように配慮してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○長谷部委員 次に、改正の内容についてお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、今度の改正案の内容を拝見いたしますと、農作物につきましては従来の一筆単位の引き受け方式に加えて、農家単位の引き受け方式を導入をする、そのいずれかを選択させる、こういうことになっておるようでございます。そこでまずこの引き受けの問題の前に、加入の問題について見解を承っておきたいと思うのです。現行では水田の耕作が一定規模以上であればこれは当然加入ということになっておるわけであります。最近いろいろ都市近郊等におきましては、たとえば新都市計画法の市街化区域の設定あるいはそれ以外の都市におきましても都市化の進行に伴って共済組合の加入問題がいろいろと議論になっておることは御承知のとおりでございます。したがって、こういった農業に依存する度合いのきわめて薄くなった農家の取り扱いというものを一体政府はどう今後考えていこうとしておるのか、まずこの点からひとつ承っておきたい。
○小暮政府委員 農災制度は、御承知のような農業の実態から見まして特に農作物共済につきまして任意加入という形では制度としてうまく仕組めないだろう、これは制度の発足以来そういう考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、一定の耕作規模以上の稲作農家はこれを当然加入にするというようなことを考え方の基礎に置いておるわけでございます。この考え方は、やはりこの制度を維持していくためには今後も踏襲すべきであろうというふうに考えております。御指摘の都市近郊等で次第にいわば脱農化現象が進行するというような地帯で個々の農家の立場から考えますと、あるいは任意加入というものにしてくれないかといったような要望も出てまいるわけでございます。しかし農災制度は、特に水稲共済の面ではこれを任意加入という形で仕組むことは適当でないというふうに考えます。そこでむしろ具体的に、都市化が進んで、従来の共済組合の事業区域だけではいわば円満な共済組合活動ができないというような形がございますれば、そこで個々の農家に着目して任意加入の問題を議論するのではなくて、共済組合のあり方と申しますか、たとえば農業を中心としてやっていきますような村といわば隣接しておるはずでございますから、そういうところでたとえば広域合併というような形で事業区域を大きくする、そうしますと農災制度が十分運営できるような地域の中にいわば事業地域として包攝されることによって、そういう都市化された地域でも農業に精進しようという部分の人たちが共済制度の中に円満に組み込まれる、こういったようなことも考えられるのではないかというふうに見ておるわけでございます。
○長谷部委員 いや、私はそういう一般論ではなくて、現に新都市計画法によって市街化区域としての線引きが行なわれ、農業としては今後立っていかない、こういう方向に向かっておりますが、現在はまだいわゆる農地になっておる、こういう農家がたくさんあると思うのです。ですから、そういった線引きが行なわれた区域内の農家の取り扱いというものは一体どうなるのか、具体的な問題として私はお尋ねをしておるわけであります。
○小暮政府委員 ただいまも申し上げましたように、それは当然加入か任意加入かという問題ではなくて、その地域において共済制度が続行できるかできないか、こういう問題に帰着するだろうと思うのです。その地域が農業地域であることをやめようとする場合には、やはりその方向にものごとを処理していかなければならないでしょう。しかしその場合でも、何も一色にいくわけではございませんから、農業に精進する形で残ろうとするものと、はっきり都市化しようとするものとの間で分かれていくこともございましょう。それは地域の計画といいますか、お互いの見通しの問題でございます。その場合に、共済制度をただ知事の認可を受けて廃止するというような安易な方向をとらなくても、農業に残ろうとするものを共済制度の中にどういうふうに組み込むかという方法はいろいろあろうではないかという趣旨のことをさっき申し上げたつもりでございます。
○長谷部委員 次に、現行の一筆建ての方式がこれからも継続されるわけでございますけれども、この場合の共済金の支払いの問題でございます。従来三割足切り、こういうことになっておるわけでありますが、これから先もこの一筆建ての引き受け方式の場合は三割足切り制がそのまま踏襲される、こういうことになっておるようであります。そこで考えますに、現行の農業技術の進歩、あるいは農民のいろいろな意見を拝聴してまいりました中で、三割以上の災害というものは、これはもうわれわれの米どころでは特別な異常災害でもない限り、まずあり得ない、きわめて今日の実情にそぐわないものではないか、こういう意見が非常に高まっております。わが党も従来から、この一筆建ての場合の三割足切り制というものはもう実情にそぐわないから、これは少なくとも二割ぐらいに引き上げるべきではないかというかねてからの主張も出しておるところでございますが、まずこの点についての考え方をひとつ承っておきたい、こう思うわけであります。
○小暮政府委員 水稲共済の仕組みは、やはり農家の掛け金の負担と、これに対する適切な国庫の助成というもので運営してまいるわけでございまして、やはり足切りの問題も制度全体としての施策としての意味合いをどの程度のところに求めるかという問題と合わせまして、それをまかなうに足る掛け金率といったようなものとうらはらの問題でございまして、確かに農業技術の進歩、あるいは特に基盤整備の進展というようなことから、被害率がきわめて低くなる地帯があることは事実でございまして、これらのものにつきましては、今回のたとえば農単——農家単位といったような制度を採用する道も開こうというようなことでございまして、従来からやっております一筆建ての水稲共済につきまして、足切りを切り上げるという考えはございません。
○長谷部委員 そこでお尋ねしておきますが、過去何年かの実績があろうかと思いますが、この三割以上の災害の発生状況というものは、全体の何%ぐらいになっておるのか、ひとつこの際明らかにしていただければありがたいのですが……。
○小暮政府委員 取り調べて後ほど御答弁申し上げます。
○小野説明員 被害全体ということになりますと、三割未満の場合と、以上の場合と両方あるわけでございますが、それは統計で見ますと、被害率という形であらわれてくるわけですが、それが大体水稲の場合一〇%程度でございます。それで共済の場合は三割以上でございますから、それの被害率が大体平均して四%でございます。したがって、大体その共済で見ております三割以上の被害というのは、全体の被害の四割ぐらいであろうというふうに考えられます。
○長谷部委員 これはいま課長から御答弁がありましたが、私たちのいままでの調査とはだいぶ違いがあるようでございます。全体の三割以上の災害が四割あって、それを全部共済組合が救済をしておるというものであれば、私は農家の間にこれほどいろいろ不満や不評が出るはずはないと思うのです。ですから、どうもこれは勘違いじゃないかと思われますけれども、この点少し検討していただきたいと思うのです。われわれの認識とはだいぶ違いますから、これはひとつあとで明確にしていただければありがたいと思います。 次に、農家単位の引き受け方式の導入でありますが、これによりますと、共済金額の面では、農家単位の八割、それから共済金につきましては二割の足切り、こういうことになりまして改正しようとしておりますが、この場合の平均二割以上の被害というものは、全体のどの程度発生すると見込んで法改正の根拠にしておるか、この点も明らかにしていただきたい。
○小野説明員 どのくらいの被害が出るかということは、掛け金率の試算で出るわけでございますが、一筆の場合でございますと、現在四・三六六%が掛け金率になっておりますが、農単方式の場合は、約一〇%下がりまして三・八八%という試算をいたしております。
○長谷部委員 そうしますと、先ほどのお話は違っておりますね。三割以上の被害というものは一筆建てでは四%、今度の農単方式による二割以上の災害というものは全体の三%、こういうぐあいに理解してもよろしゅうございますか。
○小野説明員 そういうことでよろしゅうございます。
○長谷部委員 平均二割以上の災害は、全面積のわずかに三%という被害しか救済できない。農業災害補償制度であれば、私はこの制度存立の意義というものがあらためて問い直されるのではないか、こう思うのですけれども、その点はいかがですか。
○小暮政府委員 先ほども課長が申しましたように、全体の被害がおおむね一割という中で、その被害の何割程度農災制度が救っているか、こういうお話でございますから、特に農家単位にいたしました場合に、農家の中である程度何筆か持っている水田についての全部の数字をとるという形でございますので、そこで先ほど課長が申しましたような被害率が出てまいる、かようなことでございます。
○長谷部委員 わかったようなわからぬようなことを言っておりますけれども、農家の一筆ごとの合計のいわゆる平均被害率が二割以上をこえる——一農家で何筆もあるでしょう。一農家には何筆もあって、その被害率が平均して二割以上をこえるというものは三・八八%しか掛け金率で見ておらないということでしょう。そうじゃないですか。だとすれば、私は全農家の三・八%しか今日の農災制度は救済することができないのではないかということをあらためてお尋ねしているのですから、これをひとつ解明していただきたい、こういうことなんですよ。
○小野説明員 四%とか三%というふうに申し上げましたのは、掛け金率でございます。掛け金率というのは、全体の引き受け収量に対してどれだけ被害があったかというそういう被害率でございます。ですから、あるいはお尋ねの趣旨は、全体の被害の中で三%しか見ないのじゃないかというようなお尋ねだったというふうにとれますけれども、そうではございませんで、全体の引き受け収量に対して被害が四%とか三%である、そういうことであります。
○長谷部委員 どうも質問の焦点がかみ合いませんけれども、私のお尋ねしておることは、農単方式による二割以上の被害を受ける農家というものは、全体の何%ぐらいあると予測して今度の改正をやったかということなんです。
○小野説明員 全体の農家の中でどれだけの農家が被害を受けるか、これを私どもは戸数被害率と申しておりますが、それが一筆の場合でございますと、最近の数字で三七%、こういう数字がございます。農単になりますと、大体一割ぐらい戸数被害率が減るのではないかというふうに見られますので、そういたしますと、大体三三%ぐらいが支払いの対象になるという見通しを持っております。
○長谷部委員 一筆単位の場合は、一割以上の被害を受けた者は三七%、これをいままでの共済組合では補償してきた、こう受け取ってよろしゅうございますね。
○小野説明員 そのとおりでございます。
○長谷部委員 そこであらためてまたお尋ねしますが、今度の農単方式の導入によって足切りが二割になりました。そこで、これから予想される、昭和四十七年度一年を想定しまして、平均二割以上の被害を受ける農家というものは、おおよそ全農家の一割くらいを予想しておる、こういうお話ですね。そうですか。
○小野説明員 先ほども申し上げましたように、全体の農家の中でどれだけの農家が被害を受けて、共済金の支払いの対象になるかということでございますが、それにつきましては、一筆方式のもとでございますと、三七%の農家が受ける。それに対して一割ぐらい少ない、そういう農家ということでございまして、したがいまして、三三%程度の戸数になるだろう、こういうことでございます。
○長谷部委員 了解しました。 それでは次に、国庫助成の問題、別表の問題についてお尋ねをいたしたい、こう思うわけであります。先ほど山崎先生からもお話があったようでありますが、現在の制度によりますと、国庫助成は、再保険、それから掛け金、事務費の三つの部門について国庫助成がなされておる、こういうぐあいに私ども承知しております。今回のこの法改正の内容を見ますと、掛け金部分について改正が行なわれる、こういうことになっておるようであります。農作物の共済について見ますと、掛け金率一%の場合は、五〇%負担を最低基準として、以降超過累進方式、こういうものをとっておられるようであります。これによりますと、たとえば水稲では、基準掛け金率三〇%の場合は七八・八%、こういう高率の国庫補助がなされる。今回は常襲災害地帯あるいは高災害地帯の国庫負担というものを頭打ちさせまして、その結果基準掛け金率三〇%の場合は、先ほどもお話があったように、六八・三%に国庫負担は押える、こういうことになるようでありまして、これは裏を返すと、農家の負担がそれだけふえることになるわけであります。これによって、私はここに明らかに低生産地帯といいますか、常襲被害地あるいはこういう局部的な水田については、稲作地帯としては切り捨てる、こういう思想が含まれておるのではないか、かように実は考えられるのでございます。こういう面から見ましても、どんどん被害常襲地帯は生産適地とみなさないで、国庫補助も打ち切る、米はやめなさい、こういう考え方があるから、こういう結果が出てきたのではないか、こういう判断をしていますが、その点だけ見解を承っておきたい。
○小暮政府委員 別表の改正の考え方は、これまでも趣旨説明のときにも申し上げましたように、最近の米の需給事情、あるいはこれをめぐっての農政のあり方というものとの関連があることは御指摘のとおりでございます。ただ高被害のところを国庫補助を打ち切るというふうに言われますと、非常に被害の高いところには国庫補助をしないようにも聞き取れるわけでございまして、そういうことを意図しておるわけでございませんから、掛け金率の上がるにつれて国庫負担の率を上げておりますが、それはある限度まで来ますと、それを越える部分が、今回からは七〇%になるということでございまして、七〇%、その上を切り捨てるわけではございません。したがって、先ほども他の委員の御指摘に答えましたように、被害率三割という非常に極端な例で、三年に一ぺん収穫皆無といったような極端な姿のところで例をとりましても、従来の国庫負担が七八・八%でありましたものが今回の改正で六八・三%になる。やはり七割近い国庫補助はそういう地帯についても掛け金に対して行なわれるというわけでございまして、超過累進負担という考え方をやめたわけではございません。
○長谷部委員 それじゃ局長にお尋ねしますが、この平均基準掛け金率三割のところを見ますと、いままでは七八・八%、今度の場合は六八・三%に押えられているようでありますが、これによって、こういう国庫補助の頭打ちを実施することによって、国の負担のほうはどれだけ減少されるか。と同時に、農家の掛け金というものがどれだけ上がっていくのか。この点をひとつ明らかにしていただきたいと思うわけであります。
○小暮政府委員 四十六年度の予算ベースの数字をもとにいたしまして、国庫負担の超過累進方式の是正にかかわる金額の予算額の変化を見ますと、水稲について一億六千八百万円ということに相なります。
○長谷部委員 もう一つ、農家負担の増。
○小暮政府委員 農家負担は対象農家一戸当たり二百五十五円上がることになります。
○長谷部委員 そうしますと結局要するに常襲災害地の稲作というものは、このことによりまして、今後農家の過重な負担によって共済組合に見てもらわなければならない、こういうことになろうかと思うのですが、水稲の場合大体このいわゆる二割五分以上の対象の面積、どのくらい見ていますか。
○小野説明員 この国庫負担割合の改正によって影響を受ける度合いでございますが、水稲の場合を申し上げますと、面積では三十四万ヘクタール、戸数では六十五万戸という見通しでございます。
○長谷部委員 次にお尋ねいたしたい点は、今回の改正の中で家畜共済あるいは蚕繭共済等につきましては、農家負担の軽減が行なわれておる。逆に水稲共済につきましては高被害地域の農家負担というものは引き上げられていく、こういう二面性を持っておるわけであります。畜産の場合の農家負担の掛け金の軽減、これは今後の成長作物である畜産を大きく振興していくという観点からすれば、妥当な措置だと私は思います。ただ先ほども問題になっていました傷病給付の初診料百八十円、これは先ほどの御答弁なんかを聞いていますと乱受診、乱治療、こういう弊害をなくすための措置である、こういうぐあいに説明をされておるようでありますけれども、私はやはり最近の畜産振興という観点から見まして、この初診料を除外するということはやはり先ほどの山崎先生のお話と同様に、当を得たやり方ではないのではないか、かように実は考えますが、この点あらためて局長からひとつ御見解を承っておきたい、こう思うわけであります。
○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、農災制度の健全な運営をはかってまいりますために、できるだけ実態に即した国庫補助の充実をはかりますこととあわせまして、制度自体の運営の中でできるだけ望ましい制度の運営になるように、いわば自律作用と申しますか、そういうものを強化する必要があろうと考えて、これはいわば車の両輪のようなものでありまして、すべてを国庫補助の引き上げに期待するというわけにはまいりません。逆にすべてを自助努力だけにするということも不可能でございまして、したがいましてできるだけ国庫補助の引き上げに配慮いたしますと同時に、制度全体の運営を円滑にするために一部給付対象外として自己負担というものをつくりたい、こういうのが改正の趣旨であります。その際なぜ初診料ということで考えるかというには、いろいろな角度から検討いたしましたけれども、やはり初診料が一番家畜診療の受診態勢を健全化するのに適当なものではないかというふうに判断いたしたわけでございます。
○長谷部委員 どうもその点は、これは全国その地域、地域によって、獣医師さんの配置状況というものは違っていると私は思うのです。総体的な獣医師さんの人数はこれはかなりおられるようでありますが、われわれの地域におきましては非常に獣医師が高齢化しておる。あるいは不足である。しかも待遇の面でもあまり十分じゃない。こういったいろいろの理由があると私は思うのですが、いま局長が言われておりますように乱受診というような、こういった弊害というものは、われわれの地域に限っては出ておらぬのです。確かにその獣医師さんのたくさん恵まれておる地域においては、そういう傾向もあるいはいわれるかもしれませんけれども、これは地域によって非常に違いがあると思うのでございまして、一がいに一部の例をとって全国的なものごとをきめる基準にされたのでは困るじゃないか、こう思うわけでありますが、この点どういうぐあいに実態を把握されておられるか、この際承っておきたいと思う。
○小暮政府委員 確かにわが国の獣医師の数は、先進諸国に比べてもひけをとらないような人数は、全体として登録されておりますが、実際に農村で産業動物としての家畜の診療を直接業としておる者は、私どもの承知しておるところでは五千三百人程度でございまして、一人当たりの担当家畜数は平均しますと千三百家畜単位、これは先進諸国に比べるとかなり劣った姿であるというふうに考えておりまして、獣医師が適地に適切な数で配置されますように、私どもとしても今後できるだけ諸施策の充実をはかってまいりたいというふうに考えております。初診料の問題は先ほど申し上げましたようなことで、家畜共済の円滑な制度としての運営という角度から考えておるわけでございますが、別途今後獣医師の診療報酬あるいは往診等の経費の見積もり方とか、そういうような点につきまして、それぞれ適切な機会にできるだけ実態に合うような形での料率の改定というようなものもいたしたいというように考えまして、これらの施策を総合いたしまして、獣医師が安んじてその業につけるような形を逐次実現してまいりたいというふうに考えております。
○長谷部委員 いまの獣医師の待遇の改善は当然やってもらわなければならぬのでありますが、いま私がお尋ねしましたことは、いわゆる獣医師が地域によって非常に遍在をしておる。したがって、われわれのほうの地域では決して乱受診あるいは濃厚診療という弊害というものは出ておらぬのでございます。ですから、いま初診料を国庫負担の対象から除外するという措置は当を得たものではないということをお尋ねしておるのでございますから、そういう観点からひとつ御答弁をいただきたいと思うのでございます。
○小暮政府委員 個々の地域の実情につきましてはそれぞれの差があろうかと思いますけれども、家畜共済制度全体の運営のここ数年の推移を見てまいりますと、先ほど申しましたように、病傷に対する支払い額が非常にふえておりまして、これにつきまして制度の充実をはかるために、一方で国庫負担の引き上げをはかるとともに、ただいま申しましたような制度の改正をはかることが制度として必要であろうということでございます。これを個々の地域ごとにたとえば仕組みを変えるということになりますと、この制度が全体として再保険にかけて全体として一つの制度になっておるわけでございますから、それを組み立てます個々の地域ごとに制度を異にするというわけにはまいらないというふうに考えております。
○長谷部委員 それから今回の蚕繭共済の改善、それからいまの家畜共済の改善に伴いまして個々の負担というものはどの程度今後単年度で増大するのか、承っておきたいと思うのです。
○小暮政府委員 これも四十六年度の予算ベースで試算いたしますと、蚕繭共済全体で一億五千七百万円、それから家畜共済全体で四億三千七百万円国庫負担の増になるというふうに試算されます。
○長谷部委員 次に家畜診療所の運営の問題と、それから家畜の損害防止事業についてお尋ねいたしたい、こう思うわけであります。 現在家畜診療所は組合立あるいは組合共同、連合に市町村と、いろいろ家畜診療所が運営されておりますが、この家畜診療所の経営の内容、それから獣医師を含めました職員の待遇の問題、あるいは機動力がどうしても足らないという声がございますけれども、その機動力の配置の状況、こういったものについてひとつ承っておきたいと思うわけであります。
○小暮政府委員 家畜診療所の整備につきましては、診療活動の能率化、高度化をはかるために、従来から年々予算でその充実をはかってまいっておりますが、四十五年度から特に四カ年の計画で、地域にある診療所の重点的な整備、強化をはかるという考え方をとっております。 それからそのほかに、四十四年度に家畜共済にかかわる診療点数の改定を行ないました際、技術料の三五%引き上げを中心とします獣医師の診療報酬の改定を行ないました。先ほども申しましたように、近くまたその後の経済の実態に合わせて、この面について改定を加える考えでございます。
○長谷部委員 次に家畜の損害防止事業につきまして、この制度は前々からその充実強化が叫ばれてまいっておるようでございまして、これは地域住民に非常に喜ばれておる制度の一つでございます。したがって、この事業の拡大という問題を地域住民は望んでおるわけでありますが、これにこたえるための具体的な前向きの施策がありましたら、ひとつこの際明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。
○小暮政府委員 昭和四十二年度以来、国が家畜共済事故の防止、まあ共済制度自身の収支の安定という角度から、制度の身を守るという意味ももちろんございましょうけれども、それよりもやはり事故をできるだけ事前に減らしたいという考え方で、家畜共済事故の防止につきまして特に損害防止事業というものを連合会が行ないますことを国としては進めておるわけでございまして、連合会が行ないます損害防止事業の事業費の七割に相当する金額を助成するという考え方をとっております。事業が拡大するにつれまして逐次その金額もふやしてまいっております。四十六年度の予算では、損害防止事業交付金として約三億円を計上いたしております。
○長谷部委員 これを拡充するためにいろいろ考えておられるようでありますが、どうしてもこの事業を成功させるためには、開業獣医さん、あるいは農協や市町村、そういうところへ配置されておる獣医さんの手を借りなければならぬ、こういうことになっておりますが、その獣医さんの皆さんからのお話によりますと、お手伝いをする、協力をするということについては喜んで協力をするけれども、これに対する報酬の点になりますると、現在の経済情勢から見ましてきわめて低いのではないか、こういう指摘を実は受けております。したがって、この損害防止事業の根幹に触れる獣医師の待遇問題についてはもう少し配慮する必要があるのではないか、かように実は考えておりますが、この点、ひとつ局長の見解を承っておきたいと思うわけであります。
○小暮政府委員 この点につきましては、今後年年の予算におきまして御指摘の点をできるだけ実現するように努力いたしたいというふうに考えます。
○長谷部委員 最後にお尋ねしたいことは、先ほども実は山崎先生から触れられておりますが、新種共済の取り扱いでございますけれども、先ほどもお話があったように、農林省並びに政府は総合農政の展開ということで、米から畜産あるいは果樹、蔬菜、こういう方向にこれから大きく転換をしようという方向が出ておるわけであります。これらの転作という問題についてもいろいろわれわれから見れば不十分でありますけれども、転作を定着させるための条件づくりのためにいろいろ対策を立てておる、こういうことが明らかになってきたわけでありますが、やはりそれと並行いたしまして農業災害補償制度におきましても、それに対応した、やはり肉豚であるとか、あるいは果樹であるとび、そのほか鶏であるとか、さらにその地域の特産、特用作物、こういったものの共済を一段と早期に制度として発足させる必要があるのではないか、かように実は考えるわけでありますが、これについての各品目、作目別の見通しがありましたらひとつこの際伺っておきたい。
○小暮政府委員 新種共済の問題につきましては作物別に申し上げますと、果樹につきましては御承知のように三十八年から試験調査をいたしまして、四十三年からは試験実施ということで、これが四十七年まで試験実施が行なわれます。四十八年度以降本格実施に移したいという考え方で目下検討を急いでおるわけでございます。 それから肉豚、鶏につきましては四十一、二年ころからそれぞれ逐次調査をいたしまして、大体の論点については整理を終わっております。その後四十五年以降さらに細部の試験調査等を行なっております。ただ、これにつきましてはその後におきまして病気に対するきわめて有効な対策が見出されたといったような事情もございまして、四十年代の初めごろに比べますと保険需要の面について農家の意向がやや動いておるように観察されます。しかし、今後肉豚、鶏ともにそれぞれ拡大を期待すべき同様の分野でございますから、私どもといたしましてはこの問題についても積極的に合理的な制度を仕組むように研究を急ぎたいというふうに考えております。 それから施設園芸の問題につきましてはしばしば当委員会からも指摘をいただいておりますし、私どもといたしましても四十三年以降調査検討を続けておりまして、これも果樹に引き続きできるだけ早い機会に実施に移したいということで検討を進めております。 なお、そのほかにお茶とかたばことかホップ、イグサ、サトウキビといったような地域特産物の問題、あるいは、かつて四十一年から四十四年にかけましていろいろ検討をいたしました北海道の畑作共済の問題といったような問題がまだ検討事項として残っております。一部はまだ調査に着手したばかりでございまして、今後若干の年数をかけて基礎資料を収集しませんと制度の立案に移れないというものがございますが、他方すでにかなりの調査をいたしましたが、たとえばきわめて激しい価格変動といったようなものをこの制度の仕組みの中にどのように取り込んだらよろしいのか。価格変動を取り込むか取り込まないか。価格変動を取り込まないとすれば、そういう価格変動の激しいものをどうやって保険するかといったような、むしろ保険理論上きわめて困難な問題を含んでいるものがございます。これらの問題につきましてもなお衆知を集めていろいろ方向をさぐってまいりたいというふうに考えておりますが、調査を始めたのがおそいために早期の実施ができないもののほかに、かなり研究いたしましたが、実はいろいろと仕組みについて議論が必ずしも保しがたい非常に困難な問題もございます点をあわせて御了承いただきたいと思います。
○長谷部委員 ほかにまだたくさんございますけれども時間が参りました。なお大臣に対する質問につきましては当初留保させていただいておりますので、出席の機会にあらためて質問させていただくことにいたしまして、私の質問はこれで終わります。
○三ツ林委員長代理 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。長谷部七郎君。
○長谷部委員 今回提案になっております農業災害補償法及び農業共済基金法の一部改正につきまして、午前中幾つかの問題点をお尋ねをいたしたわけでありますが、大臣が不在でございましたので、その部分につきまして保留しておりました。したがって若干時間をおかりいたしまして大臣の御見解を承りたい、こう思うわけでございます。 今回の法律改正は、大臣から提案理由の説明がありましたように、政府の総合農政の展開に合致するように法律を直す、こういう趣旨の模様でございます。そこで今回の法改正の前提となる総合農政の問題につきまして幾つか承りたい、こう思うわけでございます。 昭和四十六年産米につきましては二百三十万トンの減反がもうすでに農家の末端までおろされまして、現在田植えを目前に控えて農民としてはどう対応すべきかということについていろいろ戸惑っておるのが現状だろうと思うのであります。昨年の場合は食管制度を守るために、こういうことで多くの農民が協力をいたしました。しかしことしになりましてからは、どうもわれわれ地域で歩いてみますと農民の対応というものは去年とは違う向きがある、かように実は感じとっておるわけであります。と申しますのは、減反をやろうがやるまいが食管制度はもう大きく自由販売の方向へ第一歩を踏み出しておる、こういうこと。したがって食管制度を守るという保証がないということでは、この際減反に協力しても意味をなさないじゃないか、こういう農民の感情が出ておるように私承っております。 そこで大臣に対してお尋ねしたい点は、ことしの米の生産調整というものが先ほど官房長のお話では九五%がた達成に自信がある、こういうようなお話がございましたけれども、大臣としてはどのようにお考えになっておられるか、ひとつお尋ねをしたいということと、いま一つ問題点は、国内の農民に対しては二百三十万トンという過酷な減反をお願いしておる。ところが海外の状態に目を向けますと、私、現地を見てきた方から承ったわけでありますが、三菱商事はインドネシアへ参りましてすでに二十万ヘクタールをこえる開田事業をやっておる。この開田事業は当面するインドネシアの食糧不足を補う、こういう趣旨から進められておるようでございますけれども、いずれこの開田のために建設用の機械なり農機具なり肥料なり農薬というものをかなりさばくことができます。したがって現地の国民感情としては、見返り物資としてインドネシア生産の穀物についても将来日本が引き受けてもらわなければ困る、こういうようなことも出ておるやに実は承っておるわけであります。こういった海外からの、特に東南アジアからの開発輸入というような問題あるいはアメリカやカナダからの小麦の輸入というものを野放しにしておった場合に、国内の農民はまじめに減反に協力しても米が過剰で需給のバランスをとるということはなかなかもって困難なのではないか、こういう心配も実はいたしておるわけであります。こういった点等につきまして、ことしの減反の問題あるいは開発輸入の問題や小麦の輸入の規制について大臣の見解をひとつこの際承っておきたい、こう思うわけでございます。
○倉石国務大臣 先ほど官房長がお答えいたしたようでありますが、二百三十万トンの生産調整は私どもが期待いたしておるところまで大体いくのではないか、現状ではこのように見込んでおるわけであります。 穀物全体の扱いにつきまして、ことに米の管理の制度につきましては、これは長年の間国民の間に定着いたしておる制度でありますから、よほど慎重にその対処策を考えなければならないと思っておるわけでありますが、そういうことも含めて慎重に検討せざるを得ません。 いま二番目にお話がありました商社筋による東南アジアにおける仕事のことについて、私はあまりよくつまびらかにいたしておりませんけれども、いまの私どもの考え方から申しますならば、わが国において米を自由に海外から輸入するというようなことはおよそ考えられないことであります。したがって、わが国の農業の大きな中核をなしているものが米であるという点においては変わりはないのではないか。ただ現在の状況において単年度需給を考えましたときに二百三十万トンの生産調整が必要である。また米をつくっていらっしゃる方々もそういう状況については聡明に判断をしていただいておりますので、そのために生産調整が円滑に行なわれているのではないかと私は思っております。 それから私どもがそういう生産調整をいたし、それからばく大な予算をかけて休耕、転作をお願いをいたしておりますために、この転作のためにいまお話しのありましたような転換作目については、しばしばお示しいたしておりますように、そういう品目について私どもは全力をあげて国内生産の増強をはかろうといたしておることは御承知のとおりであります。したがって関係諸国との関係もございますので、もちろんそれらのことを勘案しつついたすわけでありますが、たとえば飼料作物、そういうものにつきましても同じく輸入品と競合するような場合には、まずもってわが国のそういう生産をする農業の体質改善をして国際競争力を維持できるように強化することはもちろんのことであります。やはり当分の間、輸入等については弾力的に関税制度を考慮したりあるいは課徴金制度等も考えながら貿易の自由化に取り組んでいくわけでありますから、私どもが稲作転換のために必要なる作目についてそういうことのために競争力を失うようなことがあったのではなりませんので、そういう点は十分考慮して施策を進めて まいりたい、このように思っておるわけであります。
○長谷部委員 次に今回の法改正の問題につきましてお尋ねをいたしますが、農作物につきましては従来の一筆建て引き受け方式に加えて農家単位方式が導入されます。そうして農民に対して選択の道が開かれたわけでありますが、ここで問題になりますことは、従来の一筆建ての場合の三割足切りの問題でございます。これでまいりますと、三割以上の被害を受ける農家というものは一筆建ての場合は最近非常に少なくなってきておる。たとえば農業技術の進歩あるいは土地の基盤整備の促進あるいは稲作の集団化、こういった施策が相まちまして、三割以上の被害というものは異常災害でもない限り発生しないという方向に向かっております。したがっていまの一筆建て引き受け方式でも三割の足切りというものはもっと下げるべきである、こういう農民の声が大きく出ておるところでございます。 なお今回の新たに導入されます農家単位方式、これによりますと二割足切り、こういうことになっています。一農家の平均二割の被害でありますから、これはほとんど共済の対象になるものが出てこないのじゃないか、こういうぐあいに実は考えられるわけであります。ほとんど農災制度の恩恵に浴せないような内容の農単方式の引き受けということであれば、これは法改正の意義というものが薄れるのではないか。 なお掛け金の問題について見ましても、常襲被害地域、こういった地域におきましては国庫負担の頭打ちが行なわれまして、農家の負担増というものが避けられない事態に追い込まれるようでございます。こういった内容を見ますと、どうも今回の農作物共済の改正のねらいは、稲作抑制といいますか、米作抑制の考え方というものが強く出ておるやに感じてしようがないわけであります。反面、蚕繭共済なり家畜共済なりはかなり改善をされてまことにけっこうなわけでありますが、稲作なりあるいは麦作なりについてはどうも国庫負担を減らすということをやる。こういうことを考えますと、実は理解に苦しむわけであります。 ただいま大臣も、わが国の農業の基幹は何といっても稲作である、こういうことを力説されておるわけでありますが、そういう観点からいたしましても、私は、私どもが従来主張してまいりました、一筆建ての場合は二割の足切り、それから農単については一割の足切り、こういう方向で稲作農業というものを守っていくべきではないか。さらに国庫負担につきましても、頭打ちにしないで、従来の超過累進方式というものを踏襲していくべきではないか、かように実は考えるわけでございます。これが第一点です。 第二点は、実は先ほども局長にお尋ねをしたわけでありますが、これから大きく米から他作目への転換という問題を大臣も強調されておるわけであります。したがって私は、この転作という問題は、政策の方向としては正しいわけでありますから、私どももぜひ促進をしなければならないものであろう、かように考えます。したがって、先ほど言ったように、価格の問題あるいは流通の問題あるいは基盤整備の問題、輸入政策の再検討という問題とあわせて、早期に農業災害補償制度の面でも、これに対応できる新種共済というものの確立を急ぐべきではないか、かように実は考えておるわけであります。 先ほど局長から、政府の、農林省のこれに対する対応策についてはいろいろ承ったわけでありますが、私は、少なくとも、生産調整を実施する期間を五年と定めておるわけでありますから、この生産調整の五年という期間に、新種共済を制度として発足させるような方向に努力をすべきではなかろうか、かように実は考えておるわけであります。この際、稲作共済に対する改善、いま一つは新種共済の早期制度化、こういう問題について大臣の見解を承っておきたい、こう思うわけでございます。
○倉石国務大臣 現行の農作物共済の掛け金国庫負担は、わが国の農業経営及び農業災害の特殊性にかんがみまして、最低を二分の一といたし、共済掛け金率が高くなるほど負担割合が高くなるいわゆる超過累進方式によっておることは、いまお話のございましたとおりであります。このために、必ずしも生産適地とはいいがたい高被害地域に対しまして、他の地域と比較して著しく高率の国庫負担をいたすことになりまして、これらの地域における生産の維持または助長に寄与する結果をもたらしていることも否定できませんので、最近における農業事情等を考慮いたしまして、その累進の程度をゆるやかにしようとするものであります。 いま足切りのお話がございましたが、お話しのように足切りの引き下げをいたしますと、料率の引き上げにつながりまして、農家の掛け金負担の増加をもたらすほかに、損害評価それから労力が増加するなどの問題がございますので、この点は私どもとらないところであります。 それから、他の作目について共済制度を考えるべきではないか、これは御承知のように果樹等は現に実現をいたしておりますが、その他の作目につきましても、私どもやはり同じ考え方で研究は進めてまいるつもりでありますが、中にはたいへん困難なものもありますけれども、やはり共済制度というものはできるだけやろうという考え方のもとに検討を進めてまいろうといたしております。
○長谷部委員 以上で終わります。
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに関係当局に質問をいたします。 農林大臣に最初にお尋ねいたしますが、大臣はさきに農業災害補償法等についての提案理由の説明をいたされましたが、現在の生産調整の実施見込み調査によりますと九五%、転作の進捗状況が三七%で、十八万五千ヘクタールと推定されておるようであります。また、おもなものの中に野菜、豆類、飼料作物、こういったものがあげられておるようでありますが、畜産、果樹への転換をはかっていく、すなわち総合農政の展開の上から本法が十分にこれに対処できると考えておられるか、また本法についての将来の考え方について、大臣の所信を最初にお伺いをいたしたい、かように思います。
○倉石国務大臣 ただいま生産調整をやっていただいたり、いわゆる総合農政を進めてまいります過程においてのこの法律改正でございますが、私どもが転換を大いに奨励し御協力を願う考え方に立っていることは、いまお話の中にもありましたようでありますが、そういうことのために必要な新種の共済につきましては、先ほど長谷部さんにお答えいたしましたように、なお十分検討しながら、しかもできるだけ実行に移したいという方向でこれをやってまいりたい、このように考えておるわけであります。
○瀬野委員 農業共済組合の区域の広域化について質問をいたしてまいりたいと思います。 法第五条の一項に「農業共済組合の区域は、一又は二以上の市町村の区域による。ただし、特別の事由があるときは、この区域によらないことができる。」と規定しておるのでありますが、従来の事業の末端組織についての考え方について、最初に明確なる御見解を承っておきたい、かように思うわけでございます。
○小暮政府委員 これまで農業共済組合の区域は、農業共済事業が地域住民の相互扶助の精神を基盤として発達したものでございまして、意識の連帯をはかり得る単位ということがこの制度の趣旨から必要であるという考え方で、市町村程度が適当であろうというのがこれまでの基本的な考え方でございました。
○瀬野委員 従来の事業の末端組織の考え方が、一市町村一組合といった原則に対しては一または二以上の市町村に一組合ということで改めるような改正でありますが、すでに一部の都道府県に見られておりますように、現在、郡ないし市を単位とした広域的な運用をやっているところがあるように聞いておりますけれども、その状況はどういうふうになっておりますか。また現在どのくらい行なわれておるか、明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 現在までに大規模な組合という形で運営しておりますものが、八十カ所程度あるというふうに承知いたしております。大規模組合にはまたそれなりの利点がございまして、事業規模の拡大に伴いまして、役職員の設置が財源的に可能になるというか、参事を置くというようなことが実際問題として有効に執行体制の強化につながるといったような問題はございます。さらに経費率が低下いたしまして、職員一人当たりの取り扱い共済金額といったようなものが大きくなるといった、そういう意味での事業運営面での合理化の点は認められるようでございます。
○瀬野委員 農災制度検討会の結果によりますと、広域化の問題については、農家の自主的組織によることを基本としており、合併の方法によって推進することが適当である、こう言っておるようであります。また事業運営の効率化の見地から、いわゆる二段階制の導入を主軸にして、事業量が著しく少ない地域については県単位の事業運営についても検討すべきだ、こういうようなことを言っておりますが、この点についてはどのように検討されておるか、お伺いいたします。
○小暮政府委員 先ほど申し上げましたように、この制度が地域住民の相互扶助の精神を基礎とした組織として発達をしてきておる。これはやはり共済制度の一つの本質として今後も生きていくだろうと思うのです。そういう意味から言いますと、やはりできるだけ一つの地域住民のまとまりと申しますか、そういうものがあることが望ましいというふうに考えますけれども、しかし他面、近年、御承知のように交通、通信が非常に発達してまいりまして、過去におきますよりもより広い地域で相互に連絡を取り合うと申しますか、一つの意識の連帯を形づくることは、別途そういう物的な面からも可能になってきている。しかも職員の人件費等は、むしろ経済全体の動きの中で次第に引き上げられざるを得ない、こういうことがございますから、経営の合理化という観点からは大型化の要請がきわめて強くなる。この両者をどのように調和するかということであろうかというように考えておりまして、やはり一気に全県一円というような形にいたすことが適当であるとは考えておりませんけれども、おおむね郡、市平均程度の事業規模というものが期待できるような姿に逐次広域化してまいったらどうだろうかというのが、現在の検討の一応の結果でございます。
○瀬野委員 将来にわたって組合合併を推進していく場合の基本的な考え方、一応いろいろ説明もありましたが、すなわち、この末端組織を組合営とするのかあるいは市町村営とするのか、こういったことについて、合併の場合の具体的な指導あるいは基準、こういったものについてその方向を具体的にしておく必要があると、こういうふうに思うのですが、この点についてもあわせ御見解を伺いたいのであります。
○小暮政府委員 ただいま、事業規模を、一応郡、市平均程度のものを一つの目標にして指導したらどうだろうかと申し上げたわけでございますが、ただ考え方としては、どこまでも地域の連帯組織でございますから、これは共済組合が共済組合として円満に運営されることが最も望ましいと思っております。 ただ、その場合でも、地域の実情によりまして、どうしても組合としての一体性を保持しながら、しかも十分の職員に対するいわば経済的な基礎を確保するということができないような場合に、共済事業そのものを放棄するのか、それとも市町村にお願いして、事業そのものは継続するのかという判断を迫られる場合はあろうかと思いまして、そういった場合にはやはり地域の実情に即して市町村に移譲して事業を続行するということも、従来も指導しておったわけでございます。この考え方は、現在も変わりはございません。
○瀬野委員 広域化に関連して、現在行なわれている建物共済について触れておきたいのでありますが、農業共済団体による短期、それと農協系統団体による長期とに分かれておるわけでございますけれども、今回の農業共済組合の広域合併に関連して、農協系統の短期共済に対する取り扱いをめぐり、過去にもいろいろと問題があったわけでございまして、建物共済事業の円滑な実施をはかるために建物共済の取り扱いについての例外事項等を四項目にわたって覚え書きが交換されております。そして今日に至っておるわけでありますが、今回の改正によりまして共済組合の広域化が促進された場合、現行法八十五条の七、すなわち市町村の行なう共済事業の種類等についての準用規定でありますけれども、前記覚え書きに基づき農協系統が行なうことができるものとされている短期共済が広域合併以後の組合によって実施されることとなるために、農協団体等からこの点の善処を求める声が、共済団体と農業団体との間の各業務範囲についていろいろなされておるわけであります。また、これらの声が強いわけでありますが、事務次官通達が出されまして円満な解決がはかられたということで一応聞き及んでおりますけれども、この点の経緯と、その運営は今後の十分な行政指導、こういったことについて当然重要な問題である、こう思うのですが、これらについての御説明をお願いしたい、かように思うわけです。
○小暮政府委員 農業共済団体と農業共同組合が建物共済の取り扱いをめぐっていろいろ議論があったことは、御指摘のとおりでございます。しかし、これはすでに過去において十分の議論を尽くしまして、両者の間に事業調整の原則が確立いたしております。 今回の広域合併の推進という仕事のために、従来話し合いのつきました分野調整を変更する考えはまず基本的にはございません。ただ広域合併が、市町村に事務を移譲しました町村も含めて、たとえば一郡で新しい広域の共済組合をつくろうという形になりますと、過去において一度共済組合が消滅して、共済事業が市町村にお願いされておった。したがって、その村には共済組合がございませんから、その共済組合が存在しない村での建物共済の扱いというのは、いま申しました両者の調整の中で、一般原則とちょっと異なりまして、県段階の共済組合連合会の合意を得られれば、そういうところは農協が短期建物共済を行なえるのだということになっておったわけです。それがかりに、一度そういうことである市町村で短期の建物共済を農協が平穏無事にやれることになっておったという地域があったといたしまして、それが今回の広域合併でもう一ぺん共済組合の地域になるというようなことになった場合に、過去において農業協同組合が獲得いたしました一つの既得権というとことばが悪いのですけれども、一つの慣行、これが広域合併のためにくつがえされるということがございますと、また両団体の間に無用の摩擦を生ずるのではないか。そこで広域合併ということの趣旨はだれも反対はないのでございまして、合理的に広域合併をして共済団体の組織の合理化をはかるということは地域の皆さんはだれも異存はないわけでございますから、これは推進いたします。その際に、過去において一度農業協同組合が短期の共済組合をやれるような地域になった地域を、またしゃにむに共済組合の事業の中に引き戻すというようなことはいたさないで、やはりそれぞれそういう地域については従来どおり両者で話し合ってやる、こういうことにいたしたわけでございます。 なお、建物共済のほかにもう一つ、これは午前中にも触れましたけれども、農業協同組合が任意共済という形で各種の共済事業を行ない得るわけです。また共済団体の任意共済ということはできるわけです。両方が同じようなものについて任意共済をそれぞれ仕組むということになりますと、これまた同じ農民を相手にして二種類の仕事が行なわれるのは適当でない姿があるわけです。そこで、共済団体がみずから直接やるというものは、国が政策的に再保険という仕組みでこれをカバーしようとしておる。国の再保険のあるような共済事業、こういうものに限ろうじゃないかということが、やはり当時申し合わされておりました。この点につきまして昨年立案しましたこの法律の改正案には、実は先ほど来いろいろ御指摘のございます新種共済をできるだけ早く小規模でもいいからまず始めてみて、いわば小さく産んで大きく育てると申しますか、逐次実現しながらこれを大きくしていくというような道もひとつつくろうではないかという議論もございましたけれども、それらの点がいま申しました事業調整にやや抵触する面もございます。そこで、やはり新種共済はできるだけその開発を急ぐという原則は変えませんが、これはそのつど果樹共済の方式で実現実施をいたします場合は実現実施のための法律をお願いする。さらに本格化するときは当然立法化をお願いする。そういう形で国の再保険のあるような形でこれを開発していきたい。そういうことに話し合いまして、現在の案に至ったわけでございます。したがいまして、現在の案につきましては、両者の間に何の意見の不突合もございません。
○瀬野委員 そうしますと、端的に申しまして市町村は建物共済ができないが、広域化されると当然市町村も入ってくるということになるわけでございますから、この点は従来と同じ取り扱いというふうに理解してよいかということです。どうですか。
○小暮政府委員 いろいろこまかく申し上げましたけれども、思想的には従来と同じというふうに御理解いただいてけっこうです。
○瀬野委員 広域化されますと、いよいよ範囲も広くなってくるわけでございますので、組合としても人事、組合の財政の調整問題あるいは事務の合理化とか、いろいろあげればたくさんございますが、メリット、デメリットがあるわけでございます。いずれにしても組合がうまく動くためには機動力を十分発揮せねばならぬ、こういうふうに考えるのですが、この点についても、広域化の問題に関連してあわせて御見解を承っておきたいのであります。
○小暮政府委員 組合の広域化が共済団体の今後の運営上適当であろうという判断でございますので、国といたしましても、広域化をはかりますものに対し若干の助成をいたそうということを予算上考えておりまして、これらの助成を一つの軸にして、いま御指摘のような機動力の増強、あるいは事務機械の整備といったようなことについても、これを指導してまいりたいというように考えております。
○瀬野委員 農林大臣、ここで一点お伺いしておきますが、いままでいろいろ論議してきましたけれども、広域化すると共済組合においても優秀な人材を必要とするということは考えられるわけでありまして、これらの方たちの身分の安定とか待遇改善というようなことが当然考えられねばならない、これは農業組合関係全般にもいえることでありますが、この機会に、これらに対する対処方針をどのように大臣お考えであるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○倉石国務大臣 これは御存じのように国がいつも予算で助成いたしておる事業でございますので、お話しのようにだんだん規模が大きくなりますと、そういうことについても安定した気持ちでやっていただかなければなりませんので、できるだけのことは国としてもいたさなければならない、このように思っております。
○瀬野委員 局長、ただいまの件について従来どのような対策をとってこられたか、局長からさらに補足して御答弁いただきたいと思います。
○小暮政府委員 まず一般論といたしましては、共済組合全体の事務の健全化のために、人件費の補助等につきましても、その基準となるべき号俸を逐次引き上げていくというようなことを年々配慮いたしております。そのほかに広域化との関連で、従来よりも補助対象となり得る参事職の数を予算の積算上ふやすというようなことを考えております。
○瀬野委員 次に農家単位引き受け方式の選択的導入の問題についてお尋ねいたします。 法第百六条、第百九条の改正に関連してでありますが、水田耕作が一定規模以上の農家を画一的に加入させる方式を改めて、農家の所得構造の実態、すなわち農業依存度に即して改善するということは、この農災制度検討会をはじめ関係者の多くが指摘されておるところであることは御承知のとおりであります。特に都市近郊農家等についてこの要請が強いわけでございます。保険技術面からの要請や、またこの制度の運営が、農家の地域的集団組織に依存しているという点からいたしまして、実は多くの困難な問題があるわけでございますけれども、制度の根本的な問題といたしましていかに検討されたか、お伺いしたいのであります。
○小暮政府委員 二つの問題があわせて御指摘を受けているように存じますが、その一つは非常に零細な経営規模、農業に対する依存度がきわめて低いわけです、そういうものまですべて当然加入ということで拾い込んでいかなければならないのかどうかという問題と、それからもう一つは、いまの問題とも若干からみますが、次第に都市化が進んでいくような地帯で、だんだん脱農現象が起こってくる。しかし一方では農業に依然として精進しようと思う人たちもその地域にいるわけでございます。したがって、そういうところで農災制度がうまく成り立つものかどうかといったような問題、いろいろ加入の問題をめぐって、あるいは制度の規模の問題をめぐって具体的な悩みがあるわけです。 第一の点は、何と申しましても、日本農業の実態から見まして、こういう形での共済という相互扶助の制度を制度として確立しますためには、あまり逆選択が行なわれないような形でこれが仕組まれなければならないだろう。したがって、掛け金率の高いようなところには国庫補助をするといったような仕組みも含めて、できるだけ国が助成しながら、やはり一定規模以上の者は当然加入、強制加入、こういう形にして制度を仕組んでいくのが最も適当ではないかということになっておりまして、その意味で、やはり当然加入の原則は今後も続けたい。その場合に、どの程度の規模のものから当然加入という網の中に入れるか、この点はやはり地域の営農の実態あるいは経済の移り変わりというものをよく見ながら、県知事等と相談いたしまして、その辺を一部基準を引き上げていくといったような問題については、具体的に指導上措置できるというふうに考えております。 なお、都市化が極端に進んでまいります場合に、従来のような形での農災制度が成り立つかどうかという点は、午前中にも他の委員の御指摘に答えましたが、それはやはり一つの組合として成り立つかどうかというところまでまいりますれば、農災制度を放棄するのか、それとも、他のしっかりとした共済組合、さっきの広域合併というような形で、一体となったその全体の中で合理化をはかるのか、そういったくふうの決断を迫られることがあるだろう。しかし、できるだけ必要な地域には農災制度を合理的な形で維持するという形で指導してまいりたいというように考えております。
○瀬野委員 農家単位の引き受け方式の導入についてでありますけれども、昭和二十七年から三十一年まで五年間にわたって一部に試験的に実施された経緯というのがあるわけですが、共済金の支払いの機会が少ないとか、損害評価の認定がむずかしいという事由によって、一般化されなかったということが言えるわけですけれども、このような点に関連して、今回の改正案を見てみますと、共済金支払いの点については、共済金額は農家単位の八割、共済金については二割足切り等が行なわれることとされておりまして、また、損害評価の認定についても、半相殺方式をとることといたして、試験実施の方式を再び考えるとされておりますが、この試験実施の結果、実際にどう生かされておるか、また、はたしてどの程度の推進が可能であるか、こういった見通しについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○小暮政府委員 農単方式の問題が議論されましたのは、ずいぶん古いことでございまして、これをめぐってさまざまな角度からの検討が行なわれたわけでございますが、当時、まだ基盤整備事業、特に末端での圃場整備といったようなものが今日ほどは進んでおりません。その意味では、やはりまだ農単という方式が根づくにはやや時期が早かったという問題があろうかと思いますが、その後、病虫害の防除の技術も進んでまいりましたし、末端の基盤整備事業も次第に進んでまいりまして、しかも、経営耕地もかなり大きな圃場、大型圃場に逐次整備されるというようなことから、農単が意図しました制度のメリットというものが次第に明らかになってきたというような事情がございまして、最近、農家の意識調査というようなことをいたしてみますと、私どもの調査では、これは条件にもよりましょうけれども、掛け金率とかあるいは支払われる共済金額等、具体的な設計を見ませんと生産者の方も最終的には意思決定はできないと思いますけれども、一応説明を聞いた限りでは、これに賛成できるというお答えが反対というお答えよりも多くなってきております。また、実際にこの制度を指導いたしております県の担当の者たちの間でも、農単に対する意欲というものが次第に高まってきておるというような実情でございます。
○瀬野委員 賛成のほうが反対よりも多くきているとおっしゃるが、具体的にどの程度ぐらいの賛成、反対がありましたか、現在数字の手持ちがあればちょっとお知らせいただきたいと思いますが……。
○小暮政府委員 いま端数まで記憶しておりませんが、賛成する意見は四割台で、反対する意見が三割台、意見がはっきりしないというのがその残りでございます。
○瀬野委員 現行の一筆建て方式が継続される組合等については、農家の所有する耕地について平均的に生じた災害については、共済金の支払いが受けられない。もちろんこれは三割以下の場合であります。また、共済金の支払いの実態からして、少額多払いとなる傾向が強くなるわけでございます。このために、農家及び国庫の両者から見て、共済金支払いが効率的でない、こういうことも言われますし、共済金の支払いでの三割足切り制というものも、近年における農業技術の進歩や農民感情、こういったものからして実情に沿わない、こういうことがいろいろ末端では声が上がっているわけですけれども、これに対する対処方針についてお考えをお聞きしたい、かように思います。
○小暮政府委員 現在の水稲共済の制度に対する一つの不満と申しますか、これに対する生産者の反応は、やはり一つは、技術が進み、基盤整備が進捗したような地帯では、水稲にかかわる被害の発生がきわめて少なくなってきた。したがって、そういう面からいきますと、一筆建ての場合でも、なおかつ、あまり共済金をもらうような事態が起こらない、こういうような地帯がございます。そういう地帯からは、むしろ無事戻し制度といったようなものを強化してほしいという意見が、これは前からございました。この前の制度改正でも、単位組合の保険責任の範囲を広めるというようなことを通じて、単位組合が無事戻しの財源をある程度生み出し得るような形をくふうする等の制度改正はいたしてきたわけであります。しかし、いまのような問題に対しましては、やはり農家単位引き受け制度というものをやはり正面から検討し、今日の実情に即した農業共済と申しますか、必要なときにはかなりまとまった金額が共済金として支払われる、通常の場合には自分の経営の中でこれをこなす、したがって、その分だけ掛け金率も低くなる、掛け金率が低くなるということは、要するに、掛け捨てという不満に対するむしろ制度の正面からの答えであるはずだ、無事戻しの多いことを望むよりも合理的な形で制度を仕組んで、むしろ掛け金率を下げていくということが一つの前向きの方向ではないかというふうに考えられるわけでございます。しかし、そこまで基盤整備等が進んでいない地帯では、やはり従来の仕組みが最も適当なのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○瀬野委員 そこで、新規開田のことについて一点触れておきたいのですが、新規開田地等で耕作される水稲の引き受け除外の問題でありますけれども、これは法第百四条の三の二項に基づくもので、これについて過去に通達が前後で二回ほど出されて、最近のものでは、たしか四十四年に出されたやに私、伺っておるわけでありますが、この通達によると、引き受けないという指導であって、そのような引き受けない方針で押えてある、こういうふうに見受けるのですが、実際には現状を見ますと引き受けておる、こういうことでさっぱりこれはきき目がない。そういうことから今回法改正に踏み切ったのではないか、こういうふうにいわれておるわけですけれども、この点はどうなんですか。明確にひとつ御答弁いただきたい。
○小暮政府委員 四十四年に通達を出しまして、今回の改正をお願いします前の現行の法体系のもとでも、新規の開田地で収穫量が安定するまでは引き受けをしないようにというような指導をいたしておるわけです。ですから、これは頭から新規開田は引き受けないようにしなさいというような指導をいたすことは現行法のもとではできないわけでございまして、そういうことでなしに、新たに開田されました場合に、収穫量が安定するまでの期間よく状況を見て、それを確認しての上でこれを引き受ける、それまでは組合等は知事の認定を受けて共済の引き受けを見合わせる、こういう通達を出しておったわけです。これが守られないというようにいわれるのですが、かなりこれを励行しようとしたわけですが、ただ、この仕組みは組合が知事に対して除外の申し出をする。組合のほうから知事に除外の問題について認定を受けるということが前提となっておりますので、その申し出がないという形で運用が必ずしも徹底しなかったというようなことは一部にあるようでございます。
○瀬野委員 経済局長、そうすると、私が理解しているのでは、本法によると四十七年四月一日からの施行でありますから、四十七年四月一日以降の新規開田については除外する、したがって四十五年ないしは四十六年から継続してやっている分については該当する、こういうふうに実は理解しておったのですが、その点もう一度明確にお答えいただきたいと思います。
○小暮政府委員 御指摘のとおりでございます。
○瀬野委員 そうすると、当然加入という面から見ました場合に、この通達で引き受けないというようなことになっておりますが、こういったところはどういうふうに理解をすればいいのですか。もっと具体的に説明を願いたい。
○小暮政府委員 これは制度でございますから、新しい法律が御承認をいただいて施行されるときから法律上新規開田については特定の事由がある場合以外は共済の引き受けが行なわれないということが法律上明らかになるわけでございます。それまでの期間は、やはりこれまでどおりこの通達による指導を継続するということでございます。
○瀬野委員 ただいま局長から特定の理由ということがございましたが、どういう理由をさして特定の理由というのか、明らかにしてください。
○小暮政府委員 たとえば国が直接補助して開田計画をやっておりましたものが、最終的にこの法律が施行されましたあとの期間に完成するというようなものがございましたような場合が一つの例でございます。
○瀬野委員 そうしますと、現在たとえば干拓地とか新規開田をやっている場所、現在もうすでに新規開田が終わって、本年水稲の植えつけをするというようなところがたくさんあるわけですよ。こういったものは全部対象になる、こういうふうに理解してよろしいですか、ひとつはっきりお答えいただきたいと思います。
○小暮政府委員 法律上、当然に共済の引き受けをしないというふうなことは、新法が施行されてからでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、四十四年以降指導の態度ははっきりいたしておるわけでございます。しかも現在各地で稲作転換のために非常な努力を積み重ねておる段階でございます。指導の徹底を期したいというふうに考えております。
○瀬野委員 くどいようですが、そうすると、この引き受けないという通達を出しながら、現に引き受けたものと引き受けられないものといろいろあるわけですけれども、この辺は今後問題になりませんか、どういうふうに対処されますか。
○小暮政府委員 新法施行前の問題は指導の問題でありますので、これは関係県を通じまして強力に指導を強化いたしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 これ以上詰めてもどうかと思いますので、ひとつトラブルが起きないように、またそういったことで公平の原則を欠くということのないように十分留意をしてもらいたい、かように思います。 もう一点、これに関連してお聞きしておきますが、先ほど収穫量が安定するまでの期間はこれを認めない、すなわち除外する、こういう説明がございましたが、すなわち需給のバランスがとれるまではやめない、こういうことだと思いますが、生産調整にしても五年間の期間をめどに立てておりますが、それらの点を踏まえてその見通しはどういうふうに局長のほうでは考えておりますか、お伺いしておきます。
○小暮政府委員 今後、当分の間、新規の開田の引き受けはしないというものの考え方でございますが、これは米の需給調整についての今後の事態の進展を見まして、最終的には開田抑制の必要を生じないという事態が参りますまでは、この形を続けたいというふうに考えております。
○瀬野委員 この点は一応保留にしまして、無事故調整金の交付についてお尋ねいたします。 これは法第百二条に書かれておりますが、また無事故調整金に充てる費用の賦課については法第八十七条の二に規定されておりますけれども、今回の改正に先立って農林省が行なった農災制度に対する世論調査によりますと、たしか全国を十三ブロックに分けて、各ブロックから一県を無作為抽出によって二千戸を対象にして調査されておるやに聞いておりますが、無事戻し制度の存在について知らない、または知っていても無事戻しを受けた者はわずかに一九・八%というようなことをよく聞くのでありますが、この点どのように掌握しておられますか、お伺いをいたします。
○小暮政府委員 無事戻し制度につきましては過去において数回改正を行ないました。そのつど農家にこれをできるだけ理解していただくように、しかも農家に密着した制度になるようにということでつとめてまいったわけでございます。本制度を知らないというふうに答えた農家があるというのは、おおむね次のような事情が考えられます。 一つは、無事戻し金が直接農家に支払われない、農家の口座に振り込まれるという場合に、間間無事戻し金が入ったということを意識しないということがございます。これは農協の農家口座にすべて現金が入ってくるという仕組みから来る問題でございます。それから、これは総会あるいはその他の正式の手続を経てやるはずでございますが、無事戻し金を翌年の共済掛け金と相殺するというようなことを行なった場合がございます。その場合に、農家は直接無事戻し金を手には受け取っていないわけでございますが、そこをあらかじめ総会等できめておいて、掛け金にこれを繰り入れるというようなことを行なう、そのこと自身は適法でございます。こういったような点から、先ほどおっしゃったように、アンケートをいたしますと、実は無事戻し制度というのを知らなかった、あるいはもらった覚えがないというような声が出てくることになろうかと思います。
○瀬野委員 また過半数が千円未満、すなわち五百円未満が三一・六%ある。こういうことから、小額の無事戻しを毎年行なうよりも、三カ年ごとに掛け金の逓減を考えるべきだ、こういった改善の必要性等が指摘されているのでありますが、この機会に農災制度に対する加入者の多くが、これらのような積極的な支持をあらわしている人も含めまして、この制度への不満というのがやはり八三%ぐらいあるように承知しておりますが、この点につきまして無事戻し調整金を交付する組合等は、その交付に充てるため省令の定めるところにより毎事業年度の余剰金の中から準備金を積み立てていかなければならないとして、新たな財務区分というものによる積み立てを行なうといったことを法定しておりますし、また従来からこの運用については農家等からその支払い基準の緩和を望む声等もかなり出ております。こういったことで、こういった点の改善まで検討されておるか、こういった点についてのどのような検討をされてこられましたか、この機会に所信を承っておきたい、かように思います。
○小暮政府委員 無事戻しにつきましては、先ほども申しましたように、過去において何回か手直しをやりまして、農家の要望にこたえるようにいたしてまいっております。ただ、基本的にはやはり個々の農家によりまして共済金をもらう者ともらわない者があるわけでございまして、その共済金をもらわなかった人たちに着目いたしまして、たとえば掛け金をそういう趣旨から下げるというようなことをいたしますと、これは共済制度全体としてはむしろ収入欠陥を生ずるはずでございます。ですから、やはり制度として一定の料率が必要であるということであれば、やはりその料率は確保しなければならない。しかし、結果的にその料率が高過ぎたという人が出てくるはずでございます。こういうものについて、従来無事戻し制度で対応するということであったわけでございますが、今回農単制度というものを新たに選択制のもとに導入をするということになりますと、共済金の支払いを受ける回数がますます減ってくる。ひどい災害のときには従来よりも非常にまとまった金額が支払われるはずでございますけれども、支払いの回数は減るわけですから、ますますこれまでの問題が拡大してくる地域もあろうかと思います。こういうものを頭に置きまして、掛け金のいわば事後における合理的な調整という意味を含めて、無事故調整金といったような制度を考えておる次第でございます。
○瀬野委員 さらにこの今回の法改正に伴いまして、農単方式を採用した場合、大規模農家の共済金の受領機会が減少するということなどを考慮いたして、無事戻しを改善する措置として新たに賦課金の徴収をすることをしておりますが、この賦課金徴収についてこのように法改正をなさった根拠について、この機会に明確にその考え方を述べていただきたい、かように思います。
○小暮政府委員 ただいまも申し上げましたように、毎年の仕事を整理してみて余りがあればこれを無事戻しとして還元する。要するに掛け捨てに対するいわば心理的な修正と申しますか、そういう意味で無事戻しをやるという趣旨のほかに、ここに非常に微細な形で掛け金率を調整することはできませんけれども、現実にある一定期間共済制度を運営したあとを振り返れば、事後的に掛け金を調整してやる必要のあるものがあるでしょう。そういう事後的に掛け金率を調整するという意味で払い戻しが行なわれるという意味もあるわけです。ですから、この両者のどちらに重きを置くかという、これまたいろいろ考え方がございましょうけれども、農単方式等で、しかもかなり進んだ地帯で農災制度を仕組みますと、規模が大きく経営のしっかりしたものほど応分の負担をして共済制度には参加しておりますけれども、あまりもらう機会がないということがきわ立ってくるはずでございます。これらの実態を頭に置いて、組合の総会で決定すれば、無事故調整金の財源ということで何がしかのものを徴収するという道を開いたわけでございます。
○瀬野委員 局長、これは看板倒れになりやせぬかという心配があるということをあちこちで聞くのですが、この点はどうですか。
○小暮政府委員 ちょっと看板倒れとおっしゃる趣旨がのみ込めないのですが、無事故調整金制度は農家単位引き受け方式を実施することによって、農家掛け金の負担の逓減分、及び農家単位引き受け方式の実施をいたします際の実施の補助金というものも考えております。その補助金の一部は、いま申しましたような無事故調整金の財源に充当してもいいというようなことも実は検討いたしておるわけでございます。これらの形を十分御理解いただけますならば、この無事故調整金制度が十分活用されることに相なるのじゃないかというように考えております。
○瀬野委員 では次に、家畜共済について若干触れておきたいと思いますが、昭和四十一年の畜産事情の変化に即応して行なわれました大改正によって、現行の農家単位包括引き受け方式、共済事故の選択制、牛馬の共済掛け金の国庫負担割合、共済事故の責任保有割合等となったのでありますが、今回その初診料については改正を行なうということで、共済金の支払いの実態から乱受診、濃厚診療の傾向が起こるということでいろいろ論議されてきたところでありますが、先ほどもいろいろお話があったわけですけれども、最近における獣医師の偏在あるいは不足あるいは高齢化、こういったこと等から考えまして、さらに畜産の今後の振興という点からも考えて改正に踏み切られたのじゃないかと思っておりますけれども、この初診料については午前中からいろいろ論議があったのでここであらためてお伺いしませんけれども、こういったことから逆に受診拘束になりやしないかという心配も起きてくるわけですが、これはもちろん地域的に医師が多いところと少ないところといろいろあったりしまして不均衡な面があるのですが、その辺のことはどのように考えておられるか、お答えをいただきたい。
○小暮政府委員 家畜共済につきましては、従来も診療所の運営並びに受診のあり方につきまして、共済団体並びに獣医師会等を通じまして、さまざまにこれを指導いたしております。単に保険の仕組みを変えあるいは初診料の受益者負担という制度の改正を行なえば事が足りるというふうに考えておるわけでございません。これらの点の指導につきましては、今後畜産当局とともにさらに特段の指導の徹底をはかりたいというふうに考えております。今回の制度が受診を次第に不自然に少なくするということにつながることは万ないと信じております。
○瀬野委員 この家畜共済については午前中からの論議でいろいろ出ておりますが、私としても国庫負担からこの初診料を除外するということは問題があると思うので、どうかひとつこれは再検討を願いたい、かように要望申し上げておきます。 次に、新種共済の取り扱いについて具体的に説明を願いたいわけでありますが、これについてもいろいろ論議がかわされてまいりました。果樹とか肉豚、あるいは鶏とかありますが、これをどのような順序で法制化していく考えであるか、その順序について触れていただきたい、かように思います。
○小暮政府委員 新種共済につきましては現在実験的な実施を行なって、その実験実施の最終段階に近づいております果樹共済、これが制度化される一番早いものであろうというふうに考えております。 その次に何が制度化されるかという点につきましては、まだ今日の段階で的確には申し上げることができませんけれども、午前中にも申し上げましたように、施設園芸等につきましてできるだけ早期にこれが制度化をはかりたいということで検討を急がせております。また過去から長いこと検討いたしておりまして、幾つかのむずかしい論点で議論が整理し切れないでおりますものがほかにもいろいろございます。これらのものにつきましても、できるだけ検討を急ぎたいと思っております。 ただ、昨年あたりからやっと調査に入りました地域特産物につきましては、やはり保険設計をいたしますためにも、あるいはその前にそもそも共済事業として仕組めるかどうか、あるいは生産者の方々に実際上組織が維持できる程度の保険需要があるかといったような非常に基本的な点についての調査をやっておる段階でございますので、これらのものについては、なおかなりの時間を必要とするのではないかというふうに見ております。
○瀬野委員 この機会に承っておきますが、たとえば地域特産物でいろいろあげられておりますけれども、熊本のイグサとか中国のイグサ、これは特に限られたところで、これは比較的判定がしやすいのじゃないかと思っていますが、北海道のホップ、こういったようなものはかなり先になりますか、全然まだ見当もつかないようなところでございますか、一言触れていただきたいと思います。
○小暮政府委員 地域特産物の場合には対象が限られておりますから、かなり迅速に調査ができるという点はございますけれども、逆にあまりにも地域が限られているために、その人たちだけの間でうまく共済という実があがるかどうか。地域分散という点からいっても、所産県が二つぐらいしかないということになりますと、やはり全国的な規模でやっておりますものと事変わりまして、制度の仕組み方にまた別の難点があるという問題がございます。しかし、いずれにいたしましても、それぞれの作物の特性を十分踏まえながら、できるだけ検討を急ぎたいというふうに考えております。
○瀬野委員 果樹の問題ですが、果樹共済については三十八年以来五年計画で四十八年には本格実施に入るというような予定で進めておられるようでありますが、現在までの果樹試験の結果どのようなデータが出ているか、簡単に述べていただきたいと思います。
○小暮政府委員 果樹保険につきまして四十三年からやっております試験実施の結果を申し上げますと、現在実施面積が全国の成園面積の約六・五%に当たります一万二千三百ヘクタールでございます。これについてやってまいりました結果、実は収穫量変動のきわめて大きい樹種がございまして、こういったものについて基準収穫量の定め方についてなお一くふう要るのではないか。それから価格変動による農家所得の変動をこの制度との関連でどのように理解したらいいのか、これは気になるものでございまして、若干の収穫減がかえって市場における価格の上昇ということで、個々の経営によってはうまく相殺されてしまうという年もあるわけです。むしろ相殺し切れないで損になることもあれば、逆に若干の減収で受け取り額はふえるというような年もないわけではございません。しかし、これらの問題を収穫量による共済というものとの関連でどう理解したらいいか。それから保険料の国庫負担、これは実験の間一応純保険料の一〇%ということでやっておりますが、これにもいろいろ御意見があるようでございます。その他いろいろ実験の過程から具体的な問題が出てまいっておりますので、学識経験者による検討会をお願いして、いま鋭意論点を整理いたしておるところでございます。
○瀬野委員 ただいま局長から概略御説明がございましたが、この果樹保険は評価がたいへんむずかしいと私は思うわけです。九州のオレンジベルト地帯なんかでは、三年周期ぐらいに干ばつがやってきたり、あるいはつい二、三年前には数年連続して干害に見舞われたということで、温州ミカン等の樹勢回復が三年ないし五年かかるというようなこともございますし、もちろん土壌、環境あるいは災害常襲地帯と比較的災害の少ない場所、また果樹は隔年結実をするという点等もございます。さらにいまお話がございましたように、基準収穫量の問題があるし、価格の変動とどう取り組むかというような問題、いろいろあって、これはたいへんむずかしいことは承知しておりますが、これらを踏まえて四十八年には本格実施ができるのか、またこれらのことについて確信の持てる結果がいま進められておるか、こういったことについてさらに御所見を承っておきたいと思います。
○小暮政府委員 なお学識経験者の御意見を伺いながら検討中ではございますが、私どもといたしましては、現在までの経過から見て、四十八年以降に何らかの制度が仕組み得るものというように強く期待して作業を進めておるわけでございます。
○瀬野委員 これは総合農政の展開の上からもたいへん重要な問題でございまして、ひとつ慎重に検討されて、四十八年に本格実施ということで進めていただきたい、かように思うわけです。 なお、これに関連して「収穫保険に加入した場合に加入することができる」とありますところの果樹保険事業の中の樹体保険のことでございますが、いわゆる収穫保険の中に樹体保険も含まっておるものですから、この収穫保険のほかに樹体保険のみ対象とするということについてこの機会に御見解を承りたいわけです。すなわち樹体保険のみで利用するということは考えられないのか、この点の見解を伺っておきます。
○小暮政府委員 現在は収穫保険に付帯するものとして実施しておるわけでございますが、できますことならば独立の仕組みとして再保険のついた樹体保険を仕組んでみたいということで検討いたしております。
○瀬野委員 この機会に若干——あと数点で質問を終わりますが、農林大臣にちょっとお伺いしておきますが、果樹保険と直接の関係があるというわけじゃありませんけれども、なかなか質問の機会もございませんので、グレープフルーツの自由化の問題を一点ここで承っておきたいと思います。 御存じのように農家はいまたいへんな生産調整で、畜産、果樹についていろいろ九州でもやっておりますが、グレープフルーツの問題については、御承知のように日米コミュニケが発表され、日米間の約束がとり行なわれておりまして、四月の下旬にも私いろいろと質問したところでございますが、また最近の新聞にも盛んとこれが取りざたされまして、最近大臣も閣議を開いておられるわけですけれども、この際その経過と今後の見通しについて、なかなか質問の機会もございませんので、この点につきまして大臣にお伺いをいたしたい、かように思います。よろしくひとつ御答弁のほどをお願いしたいと思います。
○倉石国務大臣 本年の十二月に自由化をいたします品目を、一応政府できめましたものを逐次繰り上げてやってまいりたいという方針で、それを四月に繰り上げたものがございます。その四月に繰り上げました二十品目の中にはグレープフルーツも入っておるわけでありますが、しかし一面においていろいろな事情もございますので、とくと相談をいたしました結果、もう少しいろいろなことをやってみなければならない、こういうことになりまして、今回は自由化をいたさない、こういうことにきめたわけであります。
○瀬野委員 大臣、今回は自由化をいたさないということはどういう意味に理解すればいいのですか。その点もう一回御答弁いただきたいと思います。
○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、四月末に繰り上げて自由化をすると政府が決定いたしました二十品目につきましては、これをしばらく、その四月末にやるという方針を実行しない、こういうことであります。
○瀬野委員 実行しないといってももうすでに五月でございますから、どうもはっきりしませんが、アメリカの五州しかいま温州ミカンを輸入しませんが、温州ミカンの輸入が、解禁州が全部できた場合にという約束になっているわけですけれども、本年じゅうは心配ない、こういうふうに理解していいものですか、その点もう一点お伺いしておきます。
○倉石国務大臣 そういう決定も別にいたしたわけではありませんが、四月末に繰り上げて実行すると決定いたしました二十品目につきましては、なお検討を要する問題がたくさんある。そこで、これは先般私のほうで園芸局長をアメリカに派遣をいたしまして、いまお話のございましたような当方の温州ミカンの解禁州についてなるべく多くやってもらいたいということについて折衝いたしました。それにつきまして先方の農務省等はさらに継続して研究しよう、こういうことでありますので、いろいろ私どものほうではなおこれからもそういう点について継続して努力をいたしたいと思っておるわけでありますが、要するに繰り上げました四月三十日の自由化というものは実行する段階でない、なお研究を要する、こういうことでございます。
○瀬野委員 これ以上は答弁を受けることは無理だと思いますが、園芸局長がアメリカへ行かれて先方のアメリカの農務省といろいろと協議をされた経緯があるわけでございまして、アメリカの農務省としても十分継続して研究するということでありますので、なるべく長く研究していただいて、こちらも慎重に、しかもアメリカの温州ミカンの解禁州の約束がちゃんとととのってから自由化をはかるということで、たいへんな総合農政の展開のこのときにあたりまして、ひとつ農家を愛する意味から、大臣も矢面に立ってこの機会に努力をしていただきたい、このことを強くお願いをいたしておきます。 あと一、二点お伺いしておきますが、この農業共済基金法の一部改正が農災法と一緒に出されておりますが、基金法の第三十三条で、改正案によりますと、一昨年来融資を開始した連合会に対する再保険見合い資金の特別融資措置に加えまして、新たに組合等に対しても資金の貸し付けを行なうこととして、組合等の事業不足金に対しての融資の道を開くほか、余裕金の運用措置として会員等から金銭の寄託を引き受けることができることといたしておるのでございますが、この反面、新種共済や任意共済に対する資金融資についてもその活用をはかるべきではないか、かように思うのですが、この点ひとつ大臣並びに局長から見解を伺いたい、かように思います。
○小暮政府委員 農業共済基金が従来連合会に対して融通をしておりましたのを今回組合にも融通できるようにいたしたいということにいたします趣旨は、基金が近年次第に充実してまいりまして、基金にさらにそういう仕事を分担させることができるようになりましたということが一つ、もう一つはこれまでの制度改正を通じまして、末端の組合段階の受け持ち分を次第にふやすような方向になってまいっておりますので、これらの実態から見て、組合等の資金の一時的な不足を基金が融通するということの必要性が出てまいった。この二点から、これを連合会だけでなしに組合等に対しても融通できるようにいたしたわけでございます。 なお新種共済を仕組みますときには、もちろんこれにつきましても共済基金からの貸し付け対象になり得るようにこれを仕組むべきであろう、かように考えております。ただ任意共済の場合には、これは本来民間の事業と競合するような形で任意に行なわれるものでございますので、政府資金が半額出ておる基金からの融資を行なうということは適当でないというふうに考えております。
○瀬野委員 この施設園芸等にもこの資金を融通するというふうに運用をはかったらどうか、こう思うのですが、ただ資金をためおいて、あたかも消防自動車がとまっておるようなことではこれはもったいないと思うのです。この点については局長どういうようにお考えですか、お伺いします。
○小暮政府委員 過去においても伊勢湾台風のような非常に異常な災害等がございましたときには、この基金がきわめて有効に働いたようなこともございました。やはり全国的な規模での農災制度を大きく担保するものとして、この基金が安定した姿であることが望ましいというふうに考えております。ただその安定を阻害しない範囲で、できるだけ組織の円満な運営のために積極的にこれが活用されるべきだというのが改正の趣旨でございます。
○瀬野委員 末端組合の余剰資金の問題でございますけれども、三十八年の改正前は掛け捨てになるのじゃないかというような空気があって、たいへん評判が悪かったわけです。そこで今回の改正を機に、災害を未然に予防する、こういう見地からも、農薬による共同防除等を大いにやって、ひとつ資金を農家に還元していく、また農家のために組合が果たしていく、こういうようなことが大いに考えられるわけですが、この点はどのように検討されておるか。ぜひそのようにやってほしいと思うのですが、御見解を承りたい。
○小暮政府委員 組合等の余剰金は、不足金のてん補のための準備、また無事戻しのための準備及び特別積み立て金という形で経理するようにいたしておりまして、損害防止事業はこの特別積み立て金を取りくずして行なうことができるという形にいたしておるわけでございます。最近の特別積み立て金の積み立て状況は、四十四年度末で一組合当たり百二十六万円ということに相なっておりまして、四十二年当時一組合当たり四十五万円であったのに比べますと、かなり充実してきておるというふうに見ております。最近、損害防止事業実施の必要性というものがとみに認識されてまいっておりまして、ただいま申しましたような特別積み立て金を活用して損害防止事業を実施いたすように指導いたしておるわけでございます。
○瀬野委員 じゃ最後に、これは大臣にちょっとお伺いして終わりにしたいと思いますが、実は御存じのように昭和四十六年、ことしの四月及び五月上旬の低温による凍霜害が、北海道をはじめ東北、関東一部というところで起きております。きのうも災害対策委員会でこれに対していろいろ私質問してただしたのでありますが、きのう現在の報告によるとまあ三十億三千万円ぐらいの被害が出て、果樹特にリンゴ、ナシ、桑、この桑が十三億一千万ぐらいで、桑にも相当な害があっている。苗しろが二千万円、こういうようなことになっております。おそらくまだ調査の段階で数字が全部まとまっていないと思いますし、聞くところによると断続的に凍霜害が起きておりまして、特に四月の二十八日が一番ひどかったということでございます。いずれ当局においてもこの状況が掌握されるということになろうかと思いますが、これに対してはひとつ十分な手厚い共済制度の関係、また該当の向きにはやっていただくと同時に、今回の凍霜害で苗しろが、きのうの調査によると二千万円の被害である。すでにかなり痛んで、発芽したまま枯死寸前というのもあると聞いておりますし、このために東北は約十日から二週間ぐらい田植え時期がおくれる、そのための労働力の確保にまたたいへんな配慮が要るというようなこともからみまして、あとの再播種の問題あるいは苗をどうするかというような問題とか、いろいろあるようでございます。これらはひとつ、共済保険制度のきょうは審議のときにあたりまして、最後にこういった問題が現に起きておりますが、実情を承知しておられれば、その大臣として掌握しておられる範囲で御披瀝いただきたいし、またこれに対する対処、また共済金の適用、すみやかにやってもらいたいし、さらにはこれについて苗しろの場合には該当しないというふうになっていると思いますが、将来こういった苗しろに対してもどういうふうにお考えであるか、これらを含めまして、最後に大臣から、これらの農家のためにひとつ所信を御披瀝いただきたい、かように思います。
○倉石国務大臣 まだ詳細な報告を受けておりませんが、ぽつぽつそういうことについて統計調査部の報告が参ると思っておりますが、その上でできるだけのことをいたしたいと思っております。
○瀬野委員 三十億二千万という被害でございまして、かなりふえるということでございますが若干は回復するのじゃないかと私は見ておりますけれども、十分調査をされて、手厚い対策をしていただきますように心からお願いし、質問を終わります。
○草野委員長 合沢栄君。
○合沢委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に関連して御質問を申し上げます。 その前にまず、大臣がおられるときに一点お伺いしておきたいのですが、先ほど瀬野委員からも御質問がございましたが、グレープフルーツの自由化をめぐる問題でございます。この問題につきましては昨年の特別国会の際に私、大臣に御質問申し上げました。 その内容は、四十四年の九月だったかと思うのでございますが、九州で、全国のミカンの生産者の大会がございました。その際に長谷川前農林大臣が出席されまして、それに対しまして、グレープフルーツの自由化の反対の問題について、大臣は、アメリカの各州が日本の温州ミカンの輸入を解禁するまでは自由化はしない、こういうことを生産者大会の前でおっしゃったわけでございまして、心配しておった生産者の方々は非常に安心したわけでございます。そこで、大臣が長谷川大臣から倉石農林大臣にかわったので、倉石農林大臣は、その前長谷川農林大臣の言明されたことについてというか、農家に約束されたことについて、どのようにお考えであるか、前農林大臣のそのことを踏襲する意思があるかどうかという御質問を申し上げたわけでございます。これに対して倉石農林大臣は、前農林大臣の発言、その意思をそのまま受け継ぐというような御答弁をいただいておるわけでございます。 ところが、最近、グレープフルーツの自由化の問題について特に総理のほうからの要請もあっているようでございますが、まだアメリカのそういった温州ミカンの解禁というものが全然進んでいないときにもかかわらず、これを四月に解禁しようというような動きがあったし、さらに現在でも新聞紙上等の報ずるところによると、自民党の果樹議員の反対の非常に強い意向もございますが、なお何とかしてやはり早期にグレープフルーツの自由化を認めようというか、そういうような空気もあるやに新聞紙上で拝見するわけでございます。このことについては、私の質問に対する答弁といささか違うような感じがしておるわけでございますので、この点について、私に答弁された、アメリカの各州が日本の温州ミカンの輸入を認めるまではグレープフルーツの自由化はしないと言ったこのことについて、現在どのようにお考えであるか、ひとつ御見解をお聞きしたいと思うわけでございます。
○倉石国務大臣 長谷川前大臣のおっしゃいましたことは、私どもその趣旨を尊重してできるだけ努力をいたさなければならない、こういう考えは変わっておりません。したがって、先般、御存じのようにそういうことの促進のために農林省の局長その他を先方に派遣し、なおただいまいろいろなルートでそういうことについて検討を継続いたしておるわけであります。いろいろ情報などでは、総理がいかにも、特に強くそういうことを主張されているように、私もそういう記事を見ますけれども、そういうことではないのでありまして、いろいろな報道の中には、私ども真実を知っておる者から見ますと、だいぶ私どもに受ける感じの違うニュースもありますけれども、これはわが国の貿易、経済政策全体から見て、こちらの国際競争力を強化せしめながら、やはり自由化を真剣に取り組んでいくことがプラスであるという方針に基づいて自由化の計画を立てておりますことも御納得のいけることだと思います。 そこで、いま問題になっておりますように、十二月末の予定でありましたものをだんだん繰り上げてきまして、四月末に二十品目やるといいました中に、グレープフルーツは一つとして入っているわけであります。そこで、そういうことについて、私どもといたしましては、それを実行する場合は、周囲の状況その他の環境を十分に調査した上でやることは当然でありますが、ただいまのところ、もう少しさらに努力をしたり、検討したりする必要がある、こういうことで停止をいたした、こういうわけであります。努力は継続してやってまいる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○合沢委員 努力をされるということでございますが、アメリカの各州が日本の温州ミカン等の輸入について、これを解禁するということを前提として、このグレープフルーツの自由化ということで、農家も受け取っておるわけなんで、またそのように長谷川大臣も言っておるわけなんです。そこで、全部のアメリカの各州が解禁するということは不可能と思うのですが、相当数のアメリカの各州が日本の温州ミカンを輸入するということを前提として、現在努力されていることもよくわかるわけでありますが、自由化するというようなことに受け取ってはいけませんか。
○倉石国務大臣 日米協議の記録は残っておるようであります。そういうものも私ども十分調査をいたしておるわけでありますが、いずれにいたしましても、私どもとしては、当方の温州ミカンの輸出先をできるだけ拡大させるということが一つの大事な仕事でありますので、そういう方面についても引き続き努力を継続いたしておる、こういう次第であります。
○合沢委員 長谷川農林大臣が農民の前で約束した、アメリカの各州が日本の温州ミカンの輸入を認めて解禁するといったようなことを前提として、ひとつグレープフルーツの自由化も認めていただきたい。そうでないと、大臣が直接言ったことがあてにならぬといったようなことになれば、ミカンの問題だけじゃなくして、農民に農政に対する不信を招くというふうになってこようかと思うのです。たいへんな問題になろうかと私は思うのです。そういった面からしても、ぜひひとつアメリカの各州が日本の温州ミカンの輸入を解禁するということでもって、グレープフルーツの自由化をされるように格段の大臣の御努力をお願い申し上げておきます。 続いて、法案の内容につきまして御質問を申し上げますが、まず、今回の提案の内容については、その提案理由の説明にもございますが、四十四年の九月からこの制度の検討会が学識経験者によって行なわれまして、そういったものの取りまとめが十二月にできて、その取りまとめの内容を参考にしながら需要に即した農業生産の推進あるいは補償内容の合理化とかあるいは共済事業の運営基盤の整備強化、こういうことを目的として今回の改正案が作成されたということでございますが、この検討会の結論後、今日まだわずか一年半しかたっていないのでございますが、米の過剰問題を中心にしまして、農業は非常に激変を続けておるということでございまして、特に昨年の米の生産調整、引き続いて本年度の二百三十万トンにのぼる生産調整ということが非常に大きな問題でございます。そこで、この生産調整に伴う転作作物の定着ということが非常に重要であろうかと思う。そのためには何といっても大事なことは、転作作物の価格の問題とかあるいは流通の問題、こういう問題とともに農業の災害補償制度のこういうものへの拡充ということが急務であろうかと思うのでございます。 そこで先ほど来の御答弁によりますと、そのようなことに非常に努力されているということでございました。果樹の試験実施中のものも四十八年度からは何とかやろうということのようでございますし、その他の特用作物あるいは肉豚とか鶏、そういったいろいろなものについても検討が行なわれたようでございますが、こういった問題についてはひとつ早急に結論を出して、農業共済の新規の開発と実施が行なわれるように強く要望しておきたいと考えるわけでございます。 次に、これは農林大臣にお伺いしたいのでございますが、四十三年の七月に自治省が地方公共団体の長に対して行なった地方行政の合理化に関するアンケート調査によると、現在地方公共団体等によって行なわれておる農作物の価格低落の際の共済制度または補給金制度を農災制度に統合すべしというような多数の意見があったということでございます。さらにまた、近年、農業災害補償制度のあり方として価格補償を織り込んだ制度にすべきだというような意見もあるようでございますが、これらに対してはどのような基本的な考えであるかどうか、お伺いしたいと思います。
○小暮政府委員 価格の問題を農災制度との関係ではどのように考えたらいいだろうかというような、古くからございますが非常にむずかしい問題でございまして、ただいま御指摘のあれは、たしか野菜の価格安定のような仕組みを何とか農災制度というものとコンビネーションできないかという御指摘であったかと思いますが、先ほどくだものについて申し上げましたように、価格を織り込んだ農災制度といいますか保険制度、これはいろいろ理論上も保険設計が非常にしにくいという基本的な問題もございます。ただ、この点について非常に強い要望があることは私どもも十分承知いたしております。 なお、私どもだけで知恵がないと言っておっては申しわけございませんので、各地に出ております農務官にも実は私から特に依頼いたしまして、必ずしも保険とかいう厳格な設計のものでなくともよろしいから、この問題に何とか取り組むという形での立法例なりあるいは指導なりの実例があるかどうかというのを、だいぶ前に照会いたしておるのでございますが、実はいまだに類似のものが報告がないということでございまして、これは今後もいろいろな識者の見解を承りながらなお引き続き検討いたしたいというように考えております。
○合沢委員 次に、この法案の内容について御質問しますが、まず組合の広域化の問題でございますが、この広域化すなわち合併の問題は非常にむずかしいというように私も考えておるわけでございます。しかし、その必要を私も痛感するわけでございますが、具体的にその推進対策をどのように考えておられるか、この点についてまずお聞きしたい。
○小暮政府委員 広域合併の推進は、何と申しましても地域の関係の皆さん方の話し合いというものをできるだけ誘導することが基本であると考えております。これは行政としてできる限りのくふうをいたしたいと思いますが、そのほかに経済的にも合併を促進するという意味で、合併を行ないます場合に、これに事務費の一部を補助するということも予算上考えております。
○合沢委員 ただ、非常にむずかしいので、その程度のことでなかなか困難だと思うのですが、これは積極的に各県や行政庁を通じて推進することになると思うのです。ただ心配になるのは、広域化されることによって組合と農家との結びつきが薄くなる、その結果、共済事業の円滑なる運営が困難になる懸念もあるかと思うのですが、そういう点についてはどのように考えておられるのですか、お聞きしたい。
○小暮政府委員 事業組織の広域化によって組合と農家との間隔が若干拡大するということは、これはないとはいえないと思います。ただ、広域組合をすでに実施いたしております例を見ましても、今日の交通、通信の発達ということを十分取り込みまして、業務体制を整備いたしますこと、それから広域化したために優秀な専任職員を雇う、いわば経済的な基盤もできるわけでございまして、そうした専任職員の活動といったような形で組合側から積極的に組合員に働きかけるというようなこともいたしまして、むしろ指導面では農家との接触を深めるという契機にもなる例がございます。これは今後十分広域化による弊害を除去し、その長所を伸ばす可能性があるというふうに考えております。
○合沢委員 広域合併に関係しまして、今度総代会の権限拡大というような問題が起こっておるわけなんですが、私はこのことが組合員との結びつきを薄くするゆえんになりはしないだろうかと思うのです。 いろいろな問題があると思うのですが、重ねて二、三問題点として指摘しますと、一つは総代会の権限の拡大の中で、共済事業または共済目的の種類の変更とか、あるいは解散による財産処分の方法の承認というようなことがあるわけです。これは組合員の利害に重大な影響を与えることでもございますし、これらを総代会の議決事項としては問題があるのじゃなかろうかというように考えるわけなんです。こういう点についての御見解を聞きたいと思います。
○小暮政府委員 御指摘のように、共済目的の種類の変更とかあるいは財産の処分といったような、非常に組合員の利害に大きな影響を与える事柄であるというふうには考えます。ただ総代が組合員によって選挙され、公正に選出されておるということであります限り、特に農災制度の運営全体が実は農協等の行ないます経済事情とちょっと事変わりまして、かなり微細な点に至るまで法令等の根拠に基づき、一種の保険的な事業として行政指導のもとに行なわれております。その面で、特にぐあいの悪いような問題が生じがたいような組織であるというふうに考えております。
○合沢委員 次に、同じく総代会についてですが、この数は三十名以上というようなことになっておりますが、どんな大きな組合、特に広域化等によって一郡というような規模のもできるかと思うのですが、そういう場合でも三十名以上ということなんで、したがって三十名が百名でも何百名でもいいということになるのですが、やはり何名に一人とかいうようなことにすべきじゃないかと思うんです。そうしないと、一そう総代会また広域化に伴う組合員との結びつきというものが薄くなろうかと思うのです。こういう点は改正すべきだというように考えるのですが、どうですか。
○小暮政府委員 総代の数は、確かに総代会に権限が大幅に移されるということとの関連で適正な数であることが望ましいというように考えます。総代会に組合員の意思が十分反映いたしますように、組合の規模が大きくなるに従ってその数が増加するような形で指導いたしたいと考えております。
○合沢委員 ぜひそういうように指導してほしいと思うのです。 次に無投票制ですか、立候補者が定数内のときには選挙しないでもいい、あえて改正する必要はないじゃないかというように考えるわけなんです。このことは、あたかも法律によって総代会をはじめとする役員の選挙を定数内で押えて無投票に追い込むようなかっこうになろうかと思うのです。余分に出る人は何か反対して出るというか、そういうようなかっこうにとられて、非常に組合の民主化を阻害するような要素になりやしないかというように考えるわけなんです。そういう点について、非常にこれは組合の民主化に逆行するものだというように私は考えるのですが、どうですか。
○小暮政府委員 無投票当選制は、候補者が選挙すべき役員または総代の定数以内のときに投票を省略しようという考え方で、森林組合等にも立法例があるわけでございます。これは現在の制度でございますと、どのような場合でも必ず選挙という形をとらなければならないというふうに定めてございますが、実情に即して、円満に定数内の候補者しか出てこないという場合には選挙を強制する必要はないんじゃないかということで、このように規定を明らかにしたわけでございます。
○合沢委員 それから次は、広域合併と市町村営の関係でございます。私はやはり合併することのほうがいいと思うのですが、その際障害になるものは市町村に移譲をなすべきじゃないかと思うんです。一郡の合併をやろうとしても、その郡内に市町村営があると、一郡のものができないというようなことになってこようかと思うのです。そこで市町村営について今後、先ほどの午前中の質問に対する答弁では、依然として市町村営をやっていくんだというような局長の答弁だと思うのでございますが、問題があろうかと思うのです。広域合併と市町村移譲との関係、この点についての見解を聞きたいと思います。
○小暮政府委員 午前中の説明をそのようにお聞き取りいただいたとしますれば、私の説明が足りなかったことでございますのでおわびいたしますが、農業共済事業が相互扶助と申しますか、まさに共済ということばの意味しますような形の制度として発達してまいったものでございますから、したがってこれはできるだけ組合という形で円満に運営されることが基本的には望ましいと思うのです。ただ組合として十分の事務能率が期待できないというような形になりました場合に、制度を放棄するのか、それとも市町村にお願いして制度を残すのかというような判断を迫られるわけでございます。それがこれまでの市町村移譲の実際の経過であったわけでございます。ただ広域組合ということの話し合いが成立いたします過程では、当然一部市町村にすでに移譲しておったものにつきましても、この際広域組合の中に参加してもらうということの相談を含むというふうに考えております。ただ、どこまでも農災制度が必要な地域に確保されることが望ましいと思いますので、諸般の事情で組合としての運営が十分期待できないという場合に、制度を放てきする方向に参りますのではなしに、それは市町村と十分御相談して制度を維持していただくということを考える場合があるだろうということを申し上げた趣旨でございます。
○合沢委員 いまの問題は了解しましたが、次に、広域合併が進んでまいりますと、市町村の組合とそれから連合会の機能の調整の問題が起こってこようかと思うのです。そういう問題についていますぐどうということはないかと思うのですが、将来そういった機能の調整の問題をどう考えるか、一応見解をお聞きしておきたいと思います。
○小暮政府委員 先ほど来申し上げておりますように、相互扶助の組織としての共済の組織を考えますと、現状の交通通信事情あるいは地域の広がりと申しますか、人間関係の成立の実態から見ますと、全県一円というのは広きに過ぎるというように思いまして、現状ではそこまでの大型組合というものを指導上考える必要はないだろうと思います。それは現実論としてそのように考えますが、そのほかに、やや理論上の問題といたしましても、やはり単位の組合がございまして、これを現段階でさらにたばねまして、いわばこれに組合としての指導が行なわれるわけですが、やはりそういう意味でそれをさらに国が再保険するいまの三段階の仕組みが、現状の農村の実態に合っておるというように考えますので、これらの制度の、長い将来の発展は別でございますが、現状においてはやはり三段階制のもとで、かりに単位組合が広域化しましても、連合会がどこまでも指導の一つの拠点という形でこの制度を盛り立てていく、こういうことになるのではないかというように見ております。
○合沢委員 次に、農作物関係について御質問します。 今度農単方式を取り入れて積極的に進めようということのようでございますが、農単方式並びに一筆方式、それぞれ長短があろうと思うのです。そこで、組合によっては、農単と一筆のどちらをやるかということを総会できめるということでございますが、農単と一筆には、農家によっての利害得失もあるわけでございますので、そのことによって非常に不利になる組合員が出てくると不満を持つというようなことで、組合の運営とかそういった面にも、またこの農作物共済の運営そのものにも困難が生ずる、そういうこともあるのじゃないかと思うのです。 そこで、これは農家によって農単または一筆方式を選択させてはいけないのかというような感じも私はするわけでありますが、この点についての見解を聞きたいと思います。
○小暮政府委員 個々の農家によって経営の姿が違いましょうから、もし二つの制度の選択が許されるなら、農家段階でも選択させてくださいという希望が出ることは理解できるのですけれども、これは物理的に不可能ですということを申し上げる必要はないので、やる気になればそこまでのこまかいこともできなくはないのですが、やはり個々の農家ごとに標準の被害率を農単の場合とそれから一筆の場合で個別に設定すると、非常にこまかな、実に煩瑣な事務手続になるのではないか。しかも、これを作物共済が超過損害再保険という仕組みで、組合を一体としてその上の組織につなぐという形にするわけでございます。その損害評価のしかたも、農単と一筆全然違うわけでございますから、そこに二重の損害評価のしかたを単一の組合の中でやらなければならない。それを経理して上部の団体につなぐための事務というようなことを考えますと、どうも実情に即しない。やはり個々の組合ごとにいずれの方式をとるかということを選択することが、最も適当ではないかというように考えております。
○合沢委員 次に、農単方式では、大規模経営農家の共済金を受領する機会というものが減少することになろうかと思うのでございます。これに対しては無事戻し制度を強化していこうということのようでございますが、その際一つの問題点は、先ほども御指摘があっておりましたが、賦課金を取ることができるという問題、これは非常におかしいのじゃないか。タコが足を食うというか、そういった不合理を感ずるわけでございます。この点については制度検討会でも何ら触れていない問題でもあったかと思うのでございます。私はこの点については非常に不合理を感ずるわけでございますが、もう一度この点についての御見解を聞きたいと思います。
○小暮政府委員 農家単位の引き受け方式を考えますと、従来以上に共済金の支払いの起こる回数が減るわけですから、従来ございましたこの制度に対する不満というものがさらに高まるおそれがある。かつてこれを試験的にやりましたときにも、そこに一つの非難が集中したということがございます。ただ、それに対して無事戻しを強化すればいいじゃないかといいます場合に、無事戻しというのを、先ほども申しましたように、余ったものを被害がなかったということで分けるという観点に非常に大きな力点を置きます場合と、そうでなくて、個々の経営ごとに微細に見ますと、実は多少掛け金率が違ってもいいじゃないか。かなり基盤整備も進み、営農の技術水準も非常に高い、そういうものとそうでないものと、同一部落で隣保扶助というかっこうで共済制度に入っておるわけですから、しさいに見れば掛け金率が違ってもいいような実態があるでしょう。しかし、それは事前にはわからない。また、それを事前に一々個別に審査することはできませんけれども、二年なり三年実施しますと、結果的に一度も被害を起こさなかった農家という形でそれが判明するわけでございます。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 それを均一の考え方で、取りました掛け金を何年かの実効を経て無事戻しというかっこうで戻すということで、掛け金率の事後調整ということが行なわれる、こういう要素がかなりあるのじゃないか。特に農単のような形になりますと、そういう要素にかなりの意味を理解していいのじゃないかということがございまして、これは単に運営上余った金の一部を還元するということでなくて、掛け金率の事後調整という意味合いを含めて、あらかじめ賦課金を取るという道を認めていいのじゃないかということを考えた次第でございます。
○合沢委員 いまの説明では私、十分納得できかねるのですが、おそらく私はこの制度は、先ほども瀬野委員からも看板倒れになるのじゃないかということを言われておりましたが、そういった感じがしてならぬのでございますので、これは再検討の必要があるというように私は考えるものでございます。 それから次に、今回の掛け金の国庫負担割合の是正に関連してでございますが、この負担割合を一定率で頭打ちにしておるわけでございますが、この頭打ちの理由について、ひとつ御説明願いたいと思います。
○小暮政府委員 現在の作物共済で、最低二分の一という国庫負担を出発点としまして、掛け金率が高まるにつれて国庫負担の割合を高めるという制度をとっておりますことは、御承知のとおりでございます。ただ、この制度が最終的には一〇〇%の国庫負担まで許容するような形に相なっておりますと、必ずしも生産適地とは言いがたいような高被害の地域に対して、他の地域と比較して著しく高い国庫負担をするということになりますので、現在の米をめぐる需給事情等から見て、そこまでの傾斜をつける必要はないのじゃないかということで、超過累進負担の原則は堅持しながら、その傾斜の程度をゆるやかにするという趣旨でございます。
○合沢委員 このことは高被害地、すなわち被害の多いところ、そういうところが生産不適地だというような考え方が基本にあるように考えるわけなんです。特に米の過剰という問題とも関連するかと思うのでございますが、適地、不適地というような点について、ただ高被害地即不適地だというような単純な判断はどうだろうかというように考えられるのです。この点について、ひとつ御見解を聞きたいと思います。
○小暮政府委員 適地、不適地というものの考え方は、御指摘のようにいろいろ複雑な要素のからみ合いになろうかと思います。地域の自然的な条件のほかに、経済の発展の程度と申しますか、社会的、経済的な条件も入りましょうし、あるいは農業技術の現段階で倒達しております技術水準、新しい技術が出れば、従来不適地と思われたところが適地になるということも当然ございましょうし、そういう意味ではいろいろと判断すべき要素は多いと思います。しかし、農災制度の運営の立場からこれを見ましたときに、収量は非常に高いけれども、収量が不安定で率としての被害率が高いというようなところは、理論上は考えられないこともありません。ですから、高収量だけれども非常に変動がある、低収量だけれどもあまり変動がないというようなところは、理論上はあり得ると思うのです。しかし現実の姿は、やはり被害の頻発するところは収量も低いというのが現実でございまして、こういった面からやはり被害率を平均的な姿からのばらつきの程度というところで一線を画しまして、それをもって農災制度における高被害地というふうに観念することは、十分成り立ち得る考え方ではないかというふうに見ておるわけでございます。
○合沢委員 次に、農作物共済のうち、水稲、陸稲、麦ということで、それぞれ頭打ちの限度が異なっておるわけでございますが、特に麦の問題でございますが、麦については四百数十万トンも輸入しておって、今後政策の面からも麦の増産というか、麦の問題は優遇する必要があると私は思うのです。そういう点で、麦の頭打ちの限度について考え直すべきでないかというように考えるのですが、この点についての見解をお聞きしたいと思います。
○小暮政府委員 ただいま申し上げましたように、この制度の運営上、高被害地の概念を平均の被害率から一定の幅を見まして、具体的には計算上はワン・シグマ、一標準偏差見ておるわけでございますが、そういう被害のばらつきの度合いを見て、その線をこえるものを高被害地というふうに考えたわけでございます。麦につきましては、麦の被害の実態、麦における被害率のばらつきの状況という平均的なものからワン・シグマ見ましたところに、今回の改正の案でお示ししましたような数値があるわけでございまして、特に麦を水稲あるいは陸稲等と差別いたしておるわけではございません。
○合沢委員 おそらくそうだと思うのですが、私は政策上の見地から、麦についての限度をさらに検討していただきたいということを要望するわけでございます。 次に、蚕繭共済に関連しまして、一、二御質問申し上げたいと思うのですが、農作物共済の際に農単方式というようなことになったわけですが、同じような考え方で蚕繭共済の場合は従来二期のものを三期に分けてということでございますが、農作物共済における農単と同じように、むしろ蚕繭一本というような考え方については、どのようにお考えになっておるかということを聞きたい。
○小暮政府委員 農単という考え方は、ある一つの作期につきまして、ある年の秋にとれる米について、これを一筆ごとに見るか、その農家の耕作しております全耕地で見るかということでございますが、蚕繭共済の場合には春から始めまして夏の終わりまでかなりの期間にわたって、しかも養蚕業の実態から見てかなりはっきりと区分された形で何回か養蚕が行なわれるわけです。この制度が発展してまいります過程で、過去において年間一回という時期もあったというふうに聞いております。御承知のように、わりあいに春先に凍霜害その他で間々不幸な事態が起こるわけでございますが、それが晩秋蚕まで全部やり終えての上でないと保険金が出てこないということから、農家でも困り組合も運営に困ったというようなことがございました。二つの蚕期に分けたわけでございますが、今回これをさらに、その後の営農実態を見まして、特に夏秋蚕についてのいま申しましたと同じ意味での早期支払いの需要ということを考えて、これを三つに分けたということでございまして、ある同じ作期のものを、反別で見るか農家で見るかということとは、必ずしも一緒でなくてもよろしいのじゃないかというように思っているわけでございます。
○合沢委員 次に、蚕繭の関係については単価当たり共済金額の基礎となる繭の価格が最近では高いわけですが、それに比較して安過ぎるというような声が多いのですが、この点はどのようにお考えになるか。
○小暮政府委員 繭の価格もわりあいに変動の多いものでございまして、どの辺が適当であるかというのは、これまたいろいろ議論のあるところでございます。やはりこういう仕組みでございますので、過去の経験的な実勢というもので保険の設計をいたしましてこれをやるわけでございますが、最近五カ年の協定繭価のうち、最高、最低を除いた三カ年の平均というものをとりまして、これを基準に考えるということでございますので、おおむね妥当な線ではないかというふうに思っております。
○合沢委員 さらに、最近の被害の発生の態様から見て、料率の関係でございますが、この料率の基礎となるものは、従来二十年の資料をもとにしてやっているということでございますが、これをこの十年くらいの資料でやってはどうか、または近年のものにウエートを置くような料率の出し方はどうかと思うのですが、そういう点についての御意見を聞きたい。
○小暮政府委員 料率の設定は、できるだけ長い期間にわたった統計を使用したほうが、制度としては安定するということはございます。ただ、御指摘のように技術が非常に急速に進歩して、技術の進歩に伴って目に見えて被害率が減ってきておるというような実態がございます場合に、あまり安全を見て長期の平均をとることはまたいかがかと思われる面もございます。最近年次の被害率に若干のウエートをつけて料率を算定するという考え方にも、十分検討に値する意味合いがあるのじゃないかというふうにも思いまして、これらの点についてはなお検討をいたしていきたいと考えております。
○合沢委員 次に家畜共済について質問をしますが、まず家畜共済の掛け金の国庫負担率のことでございますけれども、乳牛については三頭から四十九頭まで、それから肉用牛については三十九頭までということで、それぞれ二分の一を打ち切っておるわけでございますが、乳牛の四十九頭あるいは肉用牛の三十九頭で打ち切るということについては問題があるのじゃないか、そういうふうに考えるのですが、何でこの辺で打ち切ったかということについて聞きたいと思うのです。
○小暮政府委員 家畜共済につきましては、これまでの御検討の中でもたびたび申し上げましたけれども、畜産振興という観点から国庫負担をできるだけ高めていきたいという考え方を私ども持っておりますが、やはり制度全体としては、まさに農業共済と申しますか、これに関係いたします生産者が集まって相互に助け合うのが制度の本旨でございまして、これに政策的な意味合いを加えまして、できるだけ高率の国庫補助をいたすという形でございます。したがいまして、営農の実態等を十分見ながら、しかも将来への発展というものを考えながら、逐次、時宜に適した水準のものに高率の補助を加えるということを従来もくふうしてまいったわけでございまして、その線に沿いながら、今回、内容をかなり簡素化しながら引き上げの方向を打ち出したつもりでございます。なお、今後の営農の実態あるいはまた指導を見ながら、適切な時期にさらにこれを改定することも決して不可能ではないというように考えておりますが、今回はおおむねこの辺が妥当な姿ではなかろうかというふうに考えて、あえて御提案した次第でございます。
○合沢委員 今後の畜産振興の必要性、重要性といった面からしても、将来これはもっと変えていただきたい。特に農業共済であるからということでしょうが、農作物については六〇%ですか、蚕繭も六〇%。従来、家畜関係は四〇%というような国庫負担率になっておる。そういった面から見ても、畜産の国庫負担率は低いわけなんです。また、三十九頭とか四十九頭とかいうのは決して適正な頭数とも思えない。これはぜひひとつ将来変えていただきたいということを要望しておきたいと思うわけであります。 それから次に、家畜の診療費の関係でございますが、これは先ほども質問がございましたが、非常に問題があるんじゃないかというように私も指摘するわけでございます。はたして初診料の受益者負担ということが所期の目的を達成するゆえんであろうかというように考えるわけでございます。それは獣医師が最近老齢化しておるとかあるいは不足しておるとかいうような問題もございますし、かりに初診料の受益者負担によって乱診、乱療というものを防ぐ要素となるとするならば、そのことは獣医の収入不足というかそういうことになってこようかと思うのです。そういったことで、獣医の面に問題が起こってくる。そこでまた診療報酬の点数を引き上げるというような問題にも返ってこようかと思うので、初診料の受益者負担ということは、私はどのような意味を持つのか理解に苦しむわけなんです。初診料を受益者負担にした理由について、私の申し上げましたようなところも勘案の上、ひとつ御答弁願いたいと思うのでございます。
○小暮政府委員 最近の家畜共済の支払いの状況を見ますと、病傷事故が多発いたしまして、これが家畜共済の収支をかなり圧迫しておるように観測されます。しかしながら、畜産振興という政策の要請がございますので、私どもといたしましては、先ほど来御検討いただきましたような形で国庫負担のより一そうの引き上げということを考えておるわけでございます。そういう国庫負担の引き上げとあわせまして、家畜共済の仕組み全体の中で自立的に運営の合理化をはかる。まあいわば自主努力と国庫負担の大幅な引き上げと、両々相まって家畜共済運営の健全をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。その際に、診療費の一部負担というのをどの部分でやるのが最も適当であろうかということで、各種のやり方を検討したわけでございますが、受診は農家の主観的判断にゆだねられ、しかも診療内容は獣医師の技術的判断にゆだねられるということでございまして、これらがすべて全額給付という形でございますので、この点に一部改善を加えまして、初診料を自己負担にすることが最も適切ではないかということにいたした次第でございます。
○合沢委員 次に、農業共済基金法のことでちょっとお伺いしますが、今回市町村の組合等にも融資できるというような道が開かれたわけでございますが、その条件というか、担保の問題、保証の問題、また金利とか、そういうような点はどのようにお考えになっておるのか。さらにまた、金銭の寄託を受けることができるということになっておりますが、そういった寄託の条件というものはどのように考えておるか、お聞きしたいと思います。
○小暮政府委員 農業共済組合等に対する事業資金の融資は、必須共済事業にかかわる事業年度末の不足金及び一時不足金を対象として資金の貸し付けまたは債務の保証を行なう考えでございます。その貸し付け及び債務保証の条件といたしましては、現行の業務方法書に基づく会員たる農業共済組合連合会に対する貸し付け条件とほぼ同様とすることを考えております。なお、貸し付け金の限度額を設けることを考えたいというふうに思っております。 それから、金銭の寄託の方法等でございますが、農業共済団体等による基金への金銭の寄託は自主的なものでございますが、基金の業務遂行上、外部資金の導入が必要と認められるような事態が生じますこともあり得るわけでございますので、できるだけこの寄託制度を活用して対処するように指導したいと考えております。なお、寄託を受ける条件といたしましては、期間あるいは利率等についてこれを定めることを予定いたしておりますが、基金がこれを設定するにあたりましては、寄託制度の趣旨が適切にはかられるよう、妥当な水準を相談して指導したいというふうに考えております。
○合沢委員 それから、米の生産調整に関連して質問しますが、二百三十万トンにのぼるような生産調整というのは、共済組合にとっては約七億三千万というような大きな賦課金の減収になるといわれておるわけですが、これが農業共済組合の運営に及ぼす影響も非常に大きいと思うのです。これらに対してはどのような措置をされるのか、お伺いしたいと思います。
○小暮政府委員 水稲の生産調整に伴いまして、農業共済団体全体といたしまして、前年度に比較してさらに二億八千万円程度賦課金収入が減ることになると見ております。しかし、これは一組合平均に引き直しますと七万七千円というようなことでございまして、業務収入の約一%ということでございます。 これに対しまして、私どもといたしましては、農業共済団体に対しましてはやはり何と申しましても業務運営の合理化、経費の節減というような努力を要請いたしておりますが、別途国が直接団体事務費、人件費のかなりの部分を負担いたしておるわけでございます。これらの予算の計上にあたりまして、ただいま申しましたような実態を十分加味して、適切な金額を計上するように四十六年度予算においてはくふういたしたつもりでございます。
○合沢委員 私は二百三十万トンに対する賦課金減は七億三千万と聞いているのですが、いま局長は二億八千万とおっしゃったのですが、もう一度その点を確認したいと思います。 それから、同じく生産調整に関連して、いろいろ生産調整の確認事務等があるわけですが、そういうことによって事務費というか費用も相当かさむわけですが、これらについてはどのような措置がされるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○小暮政府委員 先ほど申し上げましたのは、前年度よりもさらに二億八千万円賦課金減になると申し上げたわけです。前年度が生産調整の初年度ですから、その初年度の賦課金減収分にさらに二億八千万円がつけ加わる。ですから、今回は御指摘の七億幾らになるわけです。 それから、農業共済団体が確認事務等に参加いたしますために、現地見回りへの参加あるいは農業共済の細目書を提出したりこれを閲覧に供したり、確認事務の実施に協力いたすわけでございます。これらの協力事務の実施に応じまして、生産調整の補助金の交付事務取り扱い交付金というのがございまして、これから七億四千万円ほどを四十六年度において支出する予定でございます。
○合沢委員 以上で終わります。
○三ツ林委員長代理 松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 大臣に御質問申し上げますけれども、この農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案、その改正の経過を見ますと、総合農政にからんでの改正ということになっているようであります。特に「農業災害補償制度の検討結果」これなんかを見ますると、明らかに減反政策というものをそこなわないよう、ここにこういうふうにして出ております。「本制度は農業災害対策の重要な一環としての役割を担ってきているものであり、このような本制度の性格上、生産対策や構造政策など農政の今後の展開に当たってこれを積極的に推進するという役割は担い難いとみられるが、これに寄与し、あるいは少なくともこれを阻害することのないよう配慮することは必要である。」こういう検討の結果、この一部改正という問題が出てきている、こういうふうに私は判断しているわけなんであります。したがって、改正の内容につきましてはいままでずっと各委員のほうから質疑がございましたけれども、たとえば開田等におきましては適用の対象外にするとかいうような問題点が出ておりますが、私がお聞きしたいのは、要するにこの改正案というのは、日本の農政の基本に触れるところの問題だと私は思うのです。そういう点で、農林大臣のほうといたしましては、これからの日本の農業のあり方はどうあるべきであると考えているかということを実はお聞きをしたいわけなんであります。 たとえば開田を除外するということを言っておりまするけれども、御承知のように昨年の暮れですか、農業に対しまするところのガイドポストが発表されておるわけなんであります。ことしの生産調整の場合におきましては、三分の一それを要素の中に加える、こういうことになっております。でありますから、その政府の方針からいたしましても、適地適作という考え方があるように私は考えられるわけなんです。そういう場合におきまして、たとえば稲作が適地であるという場合においては、開田というものは当然適地のところにはやっていかなければならない、こういうことになると私は思うのです。ところがこの改正案からいたしますと、そういうものは全部除外をしてしまうということになりますと、一体これからの農政のあり方はどうなるのか見当がつかなくなってしまうわけなんです。この辺につきまして、大臣の明確な御答弁をいただきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 いま御審議を願っております農災法の改正につきましても、いまお話のございましたように、私どもは全体の農政の中で考えておることはもちろん当然なことでありますが、ただいまお話のございましたように、地域指標の試案等につきましても、やはりいろいろなデータに基づきまして私どもは作成をいたして世の中に発表いたした。しかしこれを、いま御指摘のように全部によって生産調整をやるとは申しておりませんので、つまりそういうものも三分の一程度取り入れるというふうなことで、徐々にそういう方向に誘導してまいりたい、こう考えているわけであります。 そこで、国全体の需要の見通し等から見まして、いま私どもにとりましては、地域指標で申しておりますように、比較的米について適地であると思われているような地域をも含めて、全体としてこれ以上開田をしていただく必要はない、こういう考え方に立っておるわけであります。御存じのように、だんだん技術も進歩いたしまするし、機械も用いられる度合いが高くなってまいります。事実、肥料等も進歩いたしてまいります。そういうことで、反当収穫もやはりいまよりもだんだんふえていくようになるでありましょう。そういうこと等をもにらみ合わせまして、大体この程度にしておきたいという考え方を、一応五十二年度を目途にいたしまして見通しをつけておることは御存じのとおりであります。したがって、そういうことと平仄の合うようにいたしまして、われわれとしてはこれ以上稲作のための開田はしていただかなくてもよろしい、こういう考え方に立っているわけであります。
○松沢(俊)委員 たとえばことしの生産調整でありますが、この二百三十万トンの需給バランスからいたしますと、米の総需要量、総生産量、みんな出ておりますけれども、その中のプラスになる面といたしましては、開田面積が一万八千ヘクタール、こういうのを含みまして二百三十万トンを調整をする、そうすれば需給のバランスが合うのだ、こういうことになっているわけなんです。ところがこの開田面積一万八千ヘクタール、要するにこれが今度の改正によって除外をされてしまうということになると、生産調整でちゃんとそういうものを勘定しておきながらそれを除外するということは矛盾しているのじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、この点はどうお考えになりますか。
○小暮政府委員 先ほど他の委員の御指摘に答えましたように、新規開田は引き受けないという原則でございますが、特定の事由がある場合にはということを申し上げた一例として、国が直接補助して開田の事業をすでに計画し実施しておって、その完成がこの法律の施行の年以降にずれ込む、いま俗に言う政策開田というようなものがございます。これはこの新法のもとでも、引き受けないという規定の例外というふうに考えておるわけでございまして、生産調整の場合に一応計算の中に織り込んでございます開田分というものの中には、すでに仕事がそういう形で現実に動いておるもの、これがその中に含まれておるはずでございます。
○松沢(俊)委員 さっき瀬野委員のほうから御質問がありましたのですが、昭和四十四年の通達が出ているわけなんですね。これでは引き受けをなるべくさせないようにという通達を出しておられるわけなんでありますが、それをさらに守らせるようにこれからやっていこう、こういうことを言っておられるわけなんですね。そうなりますと、それは一万八千ヘクタールということになっておりますけれども、この一万八千ヘクタールもその対象外になることをあなたのほうでは望んでおられるのじゃないですか。どうですか。
○小暮政府委員 これまでの通達で引き受けを行なわないように指導しておりますのは、政策的な開田等と関係なく、自主的に、それぞれ個々にやっておりますような開田を対象にいたしておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 それでは再度御質問申し上げますけれども、昭和四十一年に農林大臣のほうでは一割増産ということを訴えられたわけなんです。そういうことで土地改良事業というものも進んできていると思うのです。ところが、昭和四十一年から、ことしは昭和四十六年ですから五年しかたっていないわけなんですが、五年の間に土地改良事業というものはだいぶ進んだと思うのです。その間、国費だとかあるいは県費だとか、そういうのが入っているところのそのものというのは適用除外にはならないというように解釈して差しつかえないのですが、どうですか。
○小暮政府委員 施策に基づいて開田いたしましたものは例外というふうに考えております。
○松沢(俊)委員 それでは、いままでの国費投入、そういうものについては、これは適用除外ではないといっていいですね。確認して差しつかえないですか。
○小暮政府委員 国費に基づいて政策的に開田いたしましたもの、これについては引き受けを行ないます。
○松沢(俊)委員 それから大臣に御質問を申し上げたいと思いますが、昭和五十二年まではもう開田を考える必要はないのだ、こういうお話であるわけであります。そこで問題は、やはりこの法律案というのは生産調整の面というのが非常に強く出ているところの改正案だと私冒頭に申し上げましたのですが、そこで、いま米は七百六十万トンあればいい、こういう方針を出しておられるわけなんです。ところがそういうふうにして国の中におきましては開田の抑制、そして生産調整、そういうことをやっておられるのだが、米価審議会が始まっておる最中に、晴海の埠頭にタイの米が一万トンも入ってきたということは一体どういうことなのか、この点大臣に答えていただきたいと思うのです。
○亀長政府委員 お答え申し上げます。 四月二十三日並びに五月二十日、これは予定でございましたが、タイからモチ米と普通米、合計一万トン、四十五年度予算で契約をいたしたものが入港いたしたわけでございます。 この輸入に関しましては、モチ米につきましては需給調節というような必要性から、私どもとしてできるだけ少量のものを四十五年度予算で買い付けたわけでございます。またウルチ米三千トンにつきましては、ビーフン用に過剰米処理ということを私ども考えておりましたが、現在の技術段階では、日本の古米ではなかなか従来のものが製造できないというようなことで、国内で新しく技術開発を行なうことを条件に、その間のつなぎの原料米として若干量を輸入した、かようなことで、それが四十五年度予算で契約をいたしましたものがたまたま四月、五月に到着をいたしたというような事情でございます。
○松沢(俊)委員 四十四年から生産調整が行なわれているわけなんで、生産調整をやるほどの大量の米の生産が行なわれているのに、どうして四十四年にウルチまで契約をしなければならないのか。 それから、もう一つの問題といたしましては、モチ米というのはいままで加算金がついておったわけなんでありますけれども、今度自主流通米ができてから加算金がつかなくなったわけなんです。そこでモチ米というのは大体が自主流通米に変わっておる、こういう現状に実はなっておると思うのであります。そこでウルチを契約したということは——減反によって十数名の農民が死んでいるわけなんです。これは大臣おわかりのとおりなんであります。それほど過激な政策をあなた方がとらなければならないという状態に入っているにもかかわらず、三千トンも輸入する。あるいはまたモチ米の場合におきましても、これは国のほうの政策によってはちゃんと生産ができるというところの体制になると私は思うのですよ。ところがそれを減反して、そしてモチ米から加算金をとってしまって、そして安いものにしてしまったためにやはり生産が停滞する、停滞するから外国から輸入をする、要するにこういう状態が続く、こうなるわけなんです。したがって、米の需給というものを前面に押し出してこの改正案というものを出しておられますけれども、一体この需給というものをほんとうに考えておられるのかどうか、そういう点を私は大臣からお伺いしたいと思うのですよ。
○倉石国務大臣 いま食糧庁長官のお答えいたしましたように、ビーフン製造をされる方が、御承知のようにジャポニカ風の軟質米ではやはりうまくいかない。いまここで食糧庁長官が申し上げておりますように、これを半分半分にしてできないかといったような研究は継続してさしておるようでありますが、うまくいかない。そこでインディカ糸の硬質米がほしいと、こういうことでやむを得ず過渡期でありますので許可をいたしたと、こういうふうに御報告をいたしておると思うのでありますが、これはなるべくそういうものは使わないで、国内産米で間に合うように技術開発をいたさなければならないではないか、このように指導をいたしておるわけであります。
○松沢(俊)委員 入ってしまってから質問しますと大体そういう答弁になると思うのですよ、入らぬ前に質問すればそういう答弁というのは出てこないと思うのですよ、こういう過剰の状態でありますから。そこでいろいろうわさされるところによると、高級農林官僚が参議院議員の選挙に出るための資金集めのためにその米が入ったというところのうわさが飛んでいるのですが、そういうことはございませんか。
○倉石国務大臣 全然聞いておりません。
○松沢(俊)委員 私は、そういううわさをまさか大臣が知っているという御答弁をいただくわけにはまいらぬと思っておりましたけれども、ともあれそういうぐあいにして米というものが余る余ると言いながら入ってきている、これは事実なんですね。そしていままでも、たとえば農地法の改正あるいはまた食管の問題等も大きな問題になってきているわけです。農協法の問題も改正されたわけなんです。そして今度は農業災害補償法の一部改正というものもまたそういう方向で行なわれているという、こういう状態に実はなっておりますので、一体これから日本の農業というものはどうあるべきかということをやはりこの際大臣からきちんと御答弁をいただかないと、なかなかこの審議をやるにいたしましても審議しにくいということになるわけなんです。だから御答弁をいただきたいと思うのですよ。と申しますのは、たとえば開発輸入の問題等につきましては、長谷部委員のほうから出ましたように、大臣は絶対さようなことはしないというところの方針でいくんだ、こういうことを実は言っておられますけれども、東南アジアにおけるところの開発状態というのはどうなっておって、要するにそれと日本の農業というのはどういう関連性を持つのかというような、そういう点も具体的に私は聞きたいと思うのです。そういう中で、たとえば農単の方針を取り入れるとかそういう問題もからんでくると私は思うのですよ。そういう点具体的にひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 先ほどお話のございました開発輸入につきましては、これは農産物として一括して申し上げてもいかがかと思いますが、わが国で十分これが供給能力を持ち、また体質を改善することによって競争力を持ち得るような品物については、私どもといたしましては開発輸入の必要は毛頭ないわけであります。ことに米などにつきましては、これはもう申し上げるまでもなく、国の方針が一定いたしておるわけでありますから、そういうことについて論議の余地はないわけであります。 そこでいま松沢さん、農政の方向についてというお話でございましたが、このことはわれわれとしては機会あるごとに申し上げておりますように、一億をこえる国民の主食、ことに主食をはじめ必要なる食糧について大体その需給度を維持してまいるために、そういう方向で土地改良、圃場整備、その他の施策を継続してやっておるわけであります。ただいま米がこういう過剰な状態にありますことはいま御指摘のとおりでありますので、生産調整はいたさなければなりませんが、同時にまた、生産調整をして需給のバランスをとりつつも、他の作物につきましてわれわれが必要とするものについては奨励をいたし、そして転作等をすることによってできるだけ需給度を高めていきたい、こういう考えでありますので、私はそういうことについて国民大多数がりっぱな理解をお持ちいただいておると存じますので、あらためて申し上げるまでもなく、政府の方針にひとつ農業者が全体として御協力を賜わればしあわせである、こう思っておるわけであります。
○松沢(俊)委員 大臣の御答弁はきわめてりっぱな御答弁なのでありますけれども、私は大臣はお知りにならぬと思っておりますので、ひとつ外務省、それから通産省の農林関係の方から、きょう出席をしてもらっておりますので、そこで東南アジアをはじめといたしますところの各国に対する日本の政府、それから日本の民間資本の農業開発の動きについて御答弁をいただきたいと思います。順々に御答弁をいただきたい。
○沢木政府委員 御答弁申し上げます。 民間資本によります海外におきます農業経営につきましては、現在許可が自由化されておりますので、必ずしも全部尽くしておるかどうかは、ただいまのところちょっと詳細な資料の準備がございませんけれども、われわれが承知いたしておるのは、まずカンボジアに対する木材開発についての協力会社がございます。それからインドネシアのスマトラの南部におきまして、ミツゴロ計画といって、三井物産が現地の資本と協力いたしましてメーズを開発しておるプロジェクトがございます。そのほか一、二の商社がさらに向こうで農業開発をするという話がございますけれども、まだこれは本格化いたしておらないように聞いております。それから漁業の面ではあちらこちらで漁業の企業進出が行なわれておる次第でございます。ただ、その中で主食を開発しておるようなものは全然われわれ聞いておりません。
○松沢(俊)委員 主食を開発するということよりも、主食をつくるための技術援助をやっておるということはありませんかどうですか。
○沢木政府委員 インドネシア政府がジャワ島におきまして食糧増産、お米の増産をいたしますために、ビマス・ゴトンロヨン計画というものがございます。それに対しまして肥料あるいは農薬その他をインドネシア政府が買い付けまして、その肥料を農民に供給して使わせるというようなところに、日本の商社がインドネシア政府と契約をいたしまして、そういうものを供給しておる実例はございます。
○松沢(俊)委員 そういう資料をひとつ、きょうは委員会が農災についての委員会なのでありますから、あまり広がり過ぎると困りますので、資料を出していただきたいと思います。 次に、通産省のほうからひとつ御答弁を願いたいと思います。
○後藤政府委員 お答えを申し上げます。 外務省からただいま答弁がございましたように、通産省といたしましても、農林省、外務省その他関係各省がきわめて緊密に連絡をいたしつつ、輸入業務、輸出業務をいたしておりますので、その点につきましては御心配のようなことはないと存じております。 現在、先ほど農林大臣からお答えがございましたように、輸入いたしておるものにつきましても、国内の生産と競合し農業の政策と矛盾するような輸入は行なわれておりませんし、また事実、開発輸入に対する投資その他につきましても、そういった国内施策と矛盾するような形では現在行なわれておらないと承知いたしております。
○松沢(俊)委員 これも資料を要求いたします。 それから、いろいろ言われておりますけれども、まあ競合するようなものの開発輸入というやつはやらないと、こういうことを言っておりますけれども、たとえばこの前もかんきつ類の輸入の問題ですね、貿易自由化の問題がいろいろ大臣に質問されてあるわけなんであります。グレープフルーツの問題なんか、これは実際やはり競合するのですよ。ミカンとグレープフルーツというのは競合するわけです。だからこれはいま大問題になっておるわけなんでしょう。だから将来はやはりいろいろ開発をやっていくと競合するものが出てくると思うのですよ。現に出ていると私は思うのですよ。そういうものの把握を皆さんやっておられるかどうかですね。たとえば百万ドル以下は日銀で許可をするわけでしょう。でありますから皆さんは、聞いても、これは把握することが困難だ、こう言っておられるわけなんです。三億六千万円ですよ、日本の金に直しますと。それが土地改良に使われるということになれば、膨大な土地改良事業ができるということになるわけなんです。そういうぐあいにして、把握することが困難だと言われる、そういう状態の中で開発というのがどんどん進んでいく、そして貿易の自由化というのが行なわれるということになれば、競合しないようにしようといっても、これは競合してしまわざるを得ないのじゃないか、こういうぐあいに私は思うわけなんです。そういう意味におきまして、全く皆さんの御答弁というのは非常に無責任な答弁だと私は思うのですよ。競合するかしないかというのは先へ行ってみなければわからぬということになるのじゃないですか。どうですか。その点御答弁願いたいと思うのです。
○後藤政府委員 御指摘のとおり現在百万ドルまでの範囲は、これはまあ大蔵省の所管でございますが、日銀限りで許可されておるのは事実でございます。しかし私の現在承知いたしております限りにおきましては、先生御指摘になりましたようにかんきつ類の開発輸入とかあるいはまた米の開発輸入とか、そういったものではなしに、国内でどうしても足りないもの、たとえばメーズでございますとかそういったような飼料類、そういったものに開発輸入のための動き方があるという現状でございまして、将来私どもといたしましても、やはり大幅な海外投資ということになってまいりますと、当然それはやはり投資をする側におきましても、国内情勢というものを十分考えながらすることになってくる、こう考えておりますので、その点につきましては現状の把握が不足かも存じませんが、現在問題は起こらないものと了解いたしております。
○松沢(俊)委員 じゃ農林省に聞きますけれども、一体米の開発というものが東南アジアに行なわれているのかどうかですね、その点をお伺いしたいと思うのです。
○小暮政府委員 開発という御指摘の趣旨を取り違えますと話が混乱するのですが、開発輸入ということでなくて、稲作の改善あるいは稲作の生産性の向上あるいは稲作の面積の拡大、こういう問題として開発ということであれば、これはそれぞれの国が現在やはり基本的には食糧が不足しておる、インドネシアその他幾つもの国がございますから、それらの国で食糧の増産のための仕事が行なわれておるということは事実でございます。これらのものに日本の技術者がOTCA等の組織を通じて協力しておるというような事実はございます。
○松沢(俊)委員 そこで私、大臣に質問しますけれども、こういうぐあいにお話を聞きますと、日銀関係なんかの場合においてはそれは把握することが困難だ、こういう状態だということをいま報告されてあるわけなんです。それからいま、開発が東南アジアで米の場合行なわれているかということになりますと、技術の援助等やりながら面積はふえているのですね。しかし、これはまだ東南アジアのほうが食糧不足だということですから、まだ逆に輸入されるということは出てこないと思うわけなんです。しかし、これがだんだん拡大されていくということになれば、大臣が好むと好まざるとにかかわらず、それが要するに日本に上陸してくるというところの可能性は十分あるのじゃないか、私はこう思うのですよ。その場合、貿易の自由化を阻止するというそういう立場にも大臣はなかなかなれないと思うのです。不可能だと思うのです。こういうことを考えた場合、一体こういう農災制度の改正というものはどういうものかということを私は疑問に思うわけなんです。そういう点につきまして大臣からの御答弁をいただきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 米というような主食に関して、政府はこれを自由化するような意思は毛頭持っておりません。明確に私はお答えいたします。しかもわが国の農作物の中で最大のものであります。しかもどこの国でもこれに反対をしておる国はありません。御存じのとおりであります。いまよその役所の方もここで御説明がありましたし、農林省の経済局長も申し上げておりますように、東南アジア諸国の人々に技術協力を求められております。私は大いにけっこうなことだと思うのです。彼らがわれわれの技術を習得して、そして生産があがってきて生活が安定してくるということは、ひいてはアジアの平和をもたらす大きな原動力になるわけでありますから、世界平和のためにもわれわれは率先して東南アジアの開発途上国の経済開発のために協力すべきであると思います。しかしながら、そのことによってわが国の農業に非常な圧力になるような、たとえばいま米のお話がありましたけれども、そういうものをやろう、輸入をしようとはわれわれは少しも考えておりません。ただ、わが国で稲作転換等のためにも必要であるところの品物のほかに、物価政策その他で必要なもので、わが国の農村と競合しないようなものについては、これは入れることは非常にけっこうなことではないかと私は思うのでありますが、いま松沢さんが御指摘になり御心配なさっていらっしゃいますようなことは、つまりわが国の主食である米等につきましては、日本に米を入れるつもりで開発輸入を日本人が東南アジアの諸国に協力するというふうなことは、およそ考えられないことではないかと思いますし、政府はそういうことについての自由化などは少しも考えておりません。諸外国でも、松沢さんよく御存じのように農作物についてはいろいろな手だてをもってみずからの保護政策をやっておることは御存じのとおりであります。わが国だけではありません。われわれはそういう点については、農業の、いま総合農政を推進してまいるにつきましても、ただいま御心配のような問題は少しも考えておりませんし、私どももそういうことについては注意をいたしながら進めてまいるつもりであります。
○松沢(俊)委員 大臣から御答弁がございましたのですが、そういうのであるとするならば、農災法の一部改正の場合において、米だけを虐待するというところの政策的なものをここに取り入れなくともいいんじゃないか、私はこう思うわけなんです。たとえば新規開田の問題、さっき私御指摘申し上げましたのですが、農単の場合等におきましてもいえると思うわけなんです。御承知のように、実は私も解散運動に参加したことがあるわけなのでありまして、あまりにも掛け金はかけっぱなしなんです。要するに何の得るところもない、こういう共済組合なんというものはおかしいじゃないかということで解散運動に参加したことがあるわけであります。これは単に私の地域だけではなかったわけであります。全国的にその問題が起きたことがあるわけであります。 そこで、長谷部委員のほうからも指摘しておりますように、三割足切りでやっていくということになると、いまやはり土地改良事業も進み農業の技術も進んでいる、あるいはまた協業化というものもだんだん伸びてきているわけなんです。そういう場合において、一体三割以上の災害というものがどの程度あるのかということになると、いろいろ午前中の質問で御答弁ありましたけれども、私は三割以上というのはあまりないんじゃないか、こう思うわけなんです。そこで、どうしてもこれをほんとうに、農業共済という形で、掛けたものが掛け捨てにならないような方法をやるには、やはり足切りというものを一筆ごとの場合においても下げるということが必要なんじゃないか、こういうぐあいに私考えるわけです。農単でいったという場合においては確かに二割になるからいいじゃないかというけれども、それは全部農単に切りかえた場合と、一筆ごとに全部やった場合、国庫負担の負担金の金額というものは相当差がでてくると思うのですよ。この点ひとつ局長のほうから御答弁をいただきまして、そしてそれについて大臣の御見解を承りたいと思うのです。
○倉石国務大臣 初めのほう、私お答えいたしますが、私の郷里などでも、この農災については、掛け捨てであるとか掛け捨てで非常に損であるとかという声はときどき承りました。これをひとつどういうふうにするかということは今度の大事な問題でありますが、米だけいじめるというふうなことがちょっとありましたけれども、そういう意思は毛頭ないのでありまして、これはもう生産調整をやっている最中でありますから、ひとつ新規開田はごかんべん願いたい、これだけのことを言っているわけでありまして、あとは改善しようということで、さっきの足切りの問題についても、るる政府委員と皆さんとの間のやりとりで御理解をいただいたことと思いますが、これは料率のことだと思います。そこで私のお答えに補完して経済局長からお答えいたさせますが、米のことはそういうだけのことでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○小暮政府委員 大臣のおことばでもう全く尽きておるわけでございますが、事務のことから一点だけ申し上げますと、かりに足切りを三割から二割に、いまの設計のままで直すといたしますと、それだけで料率が倍になるだろうと思うのです。ですから、農災制度は、幾ら国庫負担を掛け金についていたすにしましても、基本的にはやはり農家が掛ける掛け金、それに見合って全体として共済金の支払い、こういう仕組みでございますから、その点は十分彼此勘案する必要があるだろう。 それからもう一つは、足切りが一割上がりますと、一筆建てなんかの場合に、検見をいたします件数というのは理論上非常にふえてくるわけですね。ちょっとした被害でもとにかく調べなければいかぬということになるわけですから。そういう点はやはり長い間にいろいろ事務としては検討を尽くしたつもりでございますが、そういう点で私どもとしては一筆建て三割というのが妥当であるというふうに現在考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 一筆のものを全部農単に切りかえた場合、国庫負担額というのはどのくらいふえるのですか。
○小暮政府委員 現行方式における昭和四十六年度予算の水稲共済の掛け金国庫負担額、これは百八十二億六千五百万円になっております。これをかりに全部農単ということで試算いたしますと百八十三億七千六百万円、一億一千万円の増額ということでございます。
○松沢(俊)委員 それから、農協の組合連合会の場合も、最近は漁協もそうでありますが、今度は農業共済組合もそうでありますけれども、みんな同じ方向で総代会に相当重点を置いて、そして連合会の場合は議決権を二つ以上認める、こういうふうに改められてきているわけですね。私は、大型になれば、全部を集めることは非常に無理な面というものが当然あると思いますけれども、しかし、非常に重要な事項というものまでも総代会できめられていくということになる。それから参事を置くということになるでしょう。そういうことになりますと、非民主的な、そして官僚主義的な組合員がだんだんとよけいになってきて、農民にいろいろだめになる機能というものが失われていく危険性があるのではないか、こういうぐあいに私は心配するわけでありますが、その点どうお考えになっておるか、お答え願いたいと思います。
○小暮政府委員 広域合併を推進するということの必要性はおわかりいただけると思いますが、そういう場合に、組合の運営を効率的にするために総代会に権限を拡大するということでございます。他の組織のことは存じませんが、少なくとも農業共済の仕事に即して申し上げますと、農業共済の組織が行ないます事業というものの範囲はきわめて明確でございまして、しかもこれにつきましては料率その他まで法律で定まるというような、国の再保険等の関係もございますけれども、かなり詳細な点まで国の制度として正確に組み立てられておる。これに対して、国、都道府県が指導するという形のいわば特殊の制度でございますこれの運営につきましては、総代会の運営が適切に行なわれますならば決して支障はないというふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 それはあなたの答弁は役人的の答弁なんであって、実際上参事が実権を握ってしまうと思うのです。そうなった場合、民主的に選ばれた者でない者がやはり上のほうにあぐらをかいてやっていくということになるから、これは官僚的にならざるを得ないのではないかと思うのです。そういう点で私は一つの疑問があるわけです。 そこで、そういう問題が起きる可能性があるから無事戻しの問題が出てくるのではないですか。要するに、余った金を返すというのが無事戻しなんであって、それは農民を適当にごまかして組合員にしておこうという、そういう道具に使われるところがあるんじゃないですか。どうですか。
○小暮政府委員 参事の職務範囲等につきましては、もちろんこれは明確に規定されるわけでございますし、当然理事会の指揮を受けることになりますから、その点については御指摘のようなことがないように、私どもとしても十分注目してまいりたいというふうに考えております。 なお、無事戻しにつきましては、御承知のようにかつて三十八年の制度改正が行なわれますまでの間、水稲共済をめぐってさまざまの議論がございました。そうした議論の経過を経まして現在のような仕組みに到達いたしておるわけでございまして、確かに強制加入、当然加入ということを基礎とする共済制度であるということとある程度関連を持つ仕組みであるとは思いますけれども、これはこの制度の円滑な運営のためにきわめて役立っておるというふうに考えております。
○松沢(俊)委員 いや、私はわからぬのは、今度農業災害補償法の一部改正に基づく省令規定見込事項というのが配られておりますね。それに「無事故調整金の交付に充てるための準備金の積立ての最高限度及び各事業年度の積み立て額について規定する見込み。」こういうことになっておるでしょう。取るのでしょう。金を一たん取ってまた払うのでしょう。だからごまかしじゃないかというのですよ。そんなことをやらなくとも農民が喜んでついてこれる、そういう組合運営をやったほうがいいんじゃないかと思います。
○小暮政府委員 無事故の場合の支払いの財源を取るというと、先ほどどなたか言われたように、いかにもタコ配のような感じをうけることがあろうかと思います。これまでにもるる御説明いたしましたように、無事戻しあるいは今度別の名前にいたしておりますが、これには二つの側面があるということを申し上げておったつもりでございます。運営上の剰余金を無事故ということに関連して全員に配るという性格ももちろんございます。これは沿革的にそういうことが非常に要望され、またそういうことでつくったということでございますが、そのほかに具体的には営農の状況あるいは基盤整備の進捗状況、あるいは営農に精進する意欲の違いというようなこともございましょう。個々の経営ごとにひるがえって考えれば、もっと料率が安くてもよかったんじゃないかと思われる、そんな経営もあるわけでございます、しかし、これは制度としては、そこまでの微細なものを初めから制度として仕組むわけにいかないということで、一定の基準で料率を定めて、これを徴収いたしますけれども、その結果剰余が生じた場合にこれは戻されるということは、実態に即した掛け金の事故調整が行なわれるという意味合いもある。ところで、これが余ったら配るという場合と、そういう掛け金の事故調整ということもかたがた含んで、あらかじめ一部の財源を徴収しておくということと二つの道がある。そこで、徴収することができるということを考えたわけです。しかもこの点は、そこまでいうならば料率そのものの中に若干そういう要素を積算として織り込んでおけば、料率として取れるじゃないかという議論も議論としてはあると思うのです。あるいはそのほうが、その限りにおいてはわかりいいかもしれない。その場合には、料率として取りますとこれは最終的には国の再保険までつながる仕組みでございますから、その一部は上部の機構に逐次納付しなければならないということで、末端の組合には残らないわけでございます。しかし、無事故調整金ということで決議を経て一部の財源を積み立てるということになりますと、これは末端の組合にそっくり残る、こういうこともございまして、やはり今回御提案したような形を考えたわけでございます。
○松沢(俊)委員 私は、どうも納得がいかないんですけれども、たとえば農単で足切り二割ということでやっていった場合においては、あまり恩典にあずかるところの人たちはいなくなると思うんですよ。どうですか。足切り二割ということでいった場合、いままでの過去三年ぐらいの内容で二割に変えた場合、どのぐらいな農家というものが対象になりますか。
○小暮政府委員 ただいまの御質問と関連いたしまして、午前中答弁が不整備であった部分をこの際担当課長から訂正して御答弁申し上げたいと思います。
○小野説明員 午前中長谷部委員から御質問のあったことと同じ内容だと思いますけれども、一筆の場合と農家単位の場合と支払いを受ける、共済金を受け取る農家がどのくらい変わるだろうか、こういうことでございますが、一筆の場合は三十七%と、こういう数字でございます。先ほどは一割と申し上げましたけれども誤りでございまして、三割低下いたします。で、そういたしますと、全体の二六%、このぐらいが農単の場合に支払いの対象になるというふうに見込んでおります。
○松沢(俊)委員 そうすると、一筆でやった場合においては三七%の農家の人たちが共済金をもらっていたわけでしょう。ところが今度農単になれば二六%の人しかもらえない、こういうことになるわけですね。そうすると、やっぱり無事戻しのやつを相当うまくごまかしていかぬと、それはこんな安い組合に入っていられないというところのいわゆる解散運動というものが起きてくる可能性も起きてくるんじゃないですか。
○小暮政府委員 ただいまの点、誤解があるといけませんからあれですが、一筆建てから農家建てに変えれば支払いを受ける頻度が減るだろうというようなことは、これまでもしばしば申し上げておるわけでございまして、したがって、支払いを受ける対象の農家戸数は、いま課長が申しましたように減るでしょう。しかしその減る度合いに比べて、支払われる金額はそんなに滅らないわけです。と申しますことは、一たん事が起こりました場合に受け取る金額は、従来のようなきわめて零細なものでなくて、若干まとまった金額が出るような仕組みに——足切二割ということもそれに関連しておるわけでございますけれども、いたしておるわけでございます。したがって、対象農家戸数が減るということと金額はそれほど減らないということが、農単の場合の一つの特徴でございます。
○松沢(俊)委員 これはたとえば災害を受けた場合、災害というか、たとえば梅雨前線がずっとどこかにいって大雨が降って大被害があった、そういう地帯は農単のほうがいいと思うんですね。だけれどもそうでないところの地帯では、ほとんど恩典にあずかるという人がいないということになるんじゃないですか。そうすると、毎年災害が襲ってくるということになればたいへんなことになるわけですけれども、その場合においては共済金を受け取ることがたび重なるということになるけれども、そうでないということになれば、これは何十年に一ぺんしかもらえないというところの、そういう結果になるから、無事戻しというものを考えていかなければならないということになるんじゃないですか、どうですか。
○小暮政府委員 ただいま御指摘のような違いは、むしろ料率の算定上逐次是正されていくべき筋合いのものでございます。
○松沢(俊)委員 料率の場合、米の場合においては七〇%で頭打になったわけでしょう、国庫負担。もう一度説明してください。
○小暮政府委員 料率に対する国庫負担の割合の話でございませんで、先ほど御指摘のように常時台風の通り道になるというような地域があるといたします。それからそういうことのほとんどない地域があるといたします。それは当然そのことがその地域の料率の算定に反映するはずだということを申し上げたのです。ただ、そうした地域の中でも、経営のあり方なり、基盤整備の進捗状況なり、あるいは農家の努力なりということで、被害の頻度が経営ごとにまた違ってくる。そういうものが、組合の中で無事戻しというような形で事後的に掛け金率が調整されるということを申し上げておったわけでございます。
○松沢(俊)委員 その点で問題になりますのは、農単を皆さんが奨励をしておられるわけですね。ですから、結局農単の場合においては補助金を出すわけでしょう。それから一筆単位の、要するに従来の方式でいく場合には、奨励金は出ないわけでしょう。それで、今度どんどんと通達か何かで押していかれるということになれば、選択の自由があるのだといわれるけれども、選択の自由をなくしてしまうということになるのじゃないかと思うのですよ。だから、ほんとうに選択の自由というのがあるとするならば、農単の場合においても一筆の場合においても、同じ取り扱いをおやりになったらどうか、こう考えますが、この点はどうですか。
○小暮政府委員 基盤整備が進捗しまして、営農の形態が大型になりますれば、やはり農単のほうが有利だろうというふうに私どもは思います。これはやはり農災制度になり共済というものに対する理解のしかたともからみますけれども、掛け捨てということをはなはだしく強く意識するかしないかという問題がこれとからんではおりますが、しかし保険でございますから、必要な掛け金率というものであれば、これを掛けて無事であるということを喜ばなければならないというのが本質的な形であろうとは思うのです。しかしながら、それも営農の実態がそこまで体制が整っていないのに、仕組だけを変えるというわけにはいかないでしょう。そこで、両者を選択するという形にいたしておるわけでございます。ただ、先ほどもちょっと触れましたけれども、足切りが三割から二割になる。しかも全耕地について計算いたしませんと、農単の場合には算定ができないわけでございますから、一筆建てで、たいした被害のなかった年にほんのちょっと検見をすればいいというのと違いまして、農単の場合には、組合としてはかなりの事務がかさむという要素はございます。したがいまして、農単に移行しますときに、それらに対する助成の意味も含め、当分の間奨励的に事務費を助成するというようなことを考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 いろいろ他の委員のほうから御質問がございましたので、これ以上やれば重複するということになりますから、この程度でやめますけれども、冒頭申し上げましたように、私は、大臣に再度はっきりしていただきたいと思うのですけれども、やはり米をいじめるというところの政策を災害補償制度のところまで織り込むというような、そういうものの考え方だけはひとつやめてもらって、米はやはり日本の農業の中心なんだという、要するにそういう考え方に立って農政をやっていただきたいということを御要望申し上げまして、質問を終わります。
○三ツ林委員長代理 次回は明十三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会