農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/05/11
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度及び昭和四十五年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 今回の農林年金法の改正案に対して質問をいたします。 まず第一に政府にお尋ねしたい点は、社会保障制度審議会の答申に関係してでありますが、これは昭和四十六年二月十五日に総理府社会保障制度審議会から共済関係五法についての答申が行なわれております。この中の主たる点を申し上げますと、「年金額の改訂については、物価上昇の趨勢からみてやむを得ない面はあるが、本審議会が毎年繰り返して勧告をしているにもかかわらず、依然として恩給の改訂に追随する方法を踏襲している点はまことに遺憾である。特に本審議会の昭和四十二年六月の勧告に基づいて設置した公的年金制度調整連絡会議が未だ何等の結論を見ることなく今日に及んでいることは怠慢といわざるを得ない。」以下省略しますが、これについて政府としてはどのような受けとめ方をしておるか、この際明らかにしてもらいたい。
○中野政府委員 ただいまお読みいただきました社会保障制度審議会の答申につきましては、われわれといたしましても、基本的にはその線に沿って検討すべきではないかというふうに考えております。そこで、ここにも御指摘がございますように、政府の公的年金制度調整連絡会議というのを開いておるわけでございますが、本年のたしか一月二十日であったかと思いますが、一応中間的に今後こういう方向でやっていこうではないかということにしたわけでございます。それによりますと、国民の生活水準なり物価、給与その他の経済的な諸条件に著しい変動を生じた場合に年金額の改定を行なうべきことは公的年金各法中に規定されているところでありまして、またこれを行なう場合においては、できる限り共通の基準及び方式によることが望ましいということは当然だということにしておるわけでございます。しかしながら、こまかく検討してまいりますと、いろいろ各年金制度に共通する問題もございましょうし、また年金のおい立ちによって非常な相違があるということでありまして、画一的に一つの基準でやるのはなかなかむずかしいという中間的な結論になったわけでございます。 そこで、今後は各公的年金をグループ分けをいたしまして、そのグループごとにもう少し深く掘り下げて、年金額の改定の基準なり方式について検討を加えるべきだという結論にただいまのところなっておりまして、今後はそういう方向で検討を深めていくということになっておるわけでございます。
○芳賀委員 特に農林年金に対して恩給の改定に追随しなければならぬという態度についてはどう考えますか。
○中野政府委員 追随しなければならぬということを決定しておるということでは必ずしもないわけでございますが、おい立ちを見てみますと、農林年金が厚生年金から分離しました際に、旧国家公務員共済組合法の制度に準じてつくったわけでございます。その旧国家公務員の共済制度は、これは恩給に準じてつくられておるということでありまして、ただいまのところ、いろいろな制度改正を考える場合にその恩給の改正というものとの関連が出てくるというふうになっておるのが現状でございます。
○芳賀委員 それは農林年金の制度上の体系を国家公務員年金の体系にまねたということでしょう。その実質的な運営というものは恩給法の内容に準じなければならぬとかまねなければならぬというわけじゃないのじゃないですか。あなたの言うのは体系上の問題でしょう。農林年金の体系というものは、それより先に出ておる他の公的年金に準拠したというだけじゃないですか。農林年金そのものの内容というものは恩給法とは違うんじゃないですか。目的も運営も違うんじゃないですか。なぜ体系だけじゃなくて中身も恩給に追随しなければならぬか、これはもう毎回の年金法の改正の際に議論しておるところですけれども、農林年金そのものを目的に合致した改定、運営をするというのは当然じゃないですか。恩給法の追随というものを遮断しなかったら、まともな農林年金の運用というものは今後できないと思うのですが、その点はどう考えているのですか。
○中野政府委員 農林年金制度は昭和三十四年にできましてから、もちろん制度としては独自のものでございます。しかしその内容が、先ほども申し上げましたように旧国家公務員共済組合制度に準じてつくられておりまして、その後いろいろな改定問題が起きてきた場合に、やはり農林年金だけで特別にいろいろなことを考えられれば私もそれにこしたことはないと思うのですが、各制度とのバランス等が予算の段階でいつも問題になりまして、結局バランスをとった上でこういう改定をしようということになるわけでございますが、その場合に恩給の制度改正に準じてやられるというふうに現状はなっておるわけでございまして、それでなければならぬということは私もないと思いますけれども、ただいまのところそういうことになっておるわけでございます。
○芳賀委員 いまさら原則論を振り回す必要はないですが、農林年金の場合には、年金に加入をしておる農林漁業団体の職員であるいわゆる組合員の相互扶助の原則論に立っておるわけでしょう。恩給というのは相互扶助じゃないのですよ。その辺をどういうふうに理解しておるのですか、政府としては、農林省としては。
○中野政府委員 お話のように農林年金の場合は組合員の相互扶助、それがたてまえでありまして、それに対しまして国としてもいろいろな助成をするというたてまえであるわけでございます。それから恩給につきましては、これは官吏の老後の保障ということでかってできたものでありまして、そのものの考え方というのは私も違っておるというふうには考えておるわけでございます。
○芳賀委員 だから根本的に違っておれば何も追随する必要はないじゃないですか、この辺で遮断する必要があるのじゃないですか。そうしなければ、農林年金の毎回の改正の中で特に重要な点が改正されないで残っておるわけでしょう、毎回の委員会の附帯決議等においてもこの重要な未解決の事項についてすみやかに解決するということをしばしば指摘しておるわけじゃないですか、それをあなた方のところでは全然やっていないでしょう。ですから今回の改正を機会にそういう問題はこの際片づけたらどうですか。
○中野政府委員 しばしば当委員会で附帯決議をいただいておりまして、農林省といたしましてはその線に沿いましていろいろな要求をするわけでございますけれども、なかなか一挙には全部解決しがたい。今回も、芳賀先生のほうからごらんになりますと、なかなか不十分な改正しかできなかったということであろうと思いますけれども、われわれとしましても全然やるつもりはないということではなくて、たとえば新法になりましてから以降の最低保障額を引き上げるとかいうようなことで、いろいろ努力はいたしておるわけでございますが、その点につきましては今後ともまたいろいろ考えまして、よりよく改正をするように努力いたしたいと考えております。
○芳賀委員 たとえば昨年の附帯決議においても指摘してあるわけですが、旧法期間の標準給与についても十一万円の頭打ちが今回の改正でも是正されないわけでしょう、これはまず今回やってもらわなければいかぬですよ。それから旧法における二十年未満の遺族年金の最低保障額についても、これは一万九千円そのままで、これも放置してあるわけでしょう。この二つを取り上げても、これは年金制度の精神からいっても、これをいつまでも放置しておくということは問題があるわけですよ。この二点については必ず今国会で、この機会にむしろ政府側から積極的に、この点は改正案から落ちこぼれておったので、委員会においてぜひ積極的な姿勢で是正してもらいたい旨の申し出があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○中野政府委員 ただいまおあげになりました二つの点、われわれも予算要求の段階では努力をしたわけでございますが、結果としてはそういうふうにならなかったわけでございます。したがいまして、非常に弁解をするようなことになるわけでございますが、十一万円の頭打ちの問題につきましては、昭和四十四年の改定の際に、昭和三十九年以前の標準給与の上限、これは先生御承知のように五万二千円であったわけでございますが、これをこのまま置いておけば、その後のベースアップをやりましても五万二千円という頭打ちがあれば意味がなくなるということで、三十九年九月以前の標準給与の上限を十一万円に上げたことがあるわけでございます。今回も、そういうことがありますのでいろいろわれわれ考えたわけでございますが、現段階におきましてはまだ十一万円以上オーバーするというのがほんの少ししかいないという段階でございましたので、今回は十一万という頭打ちを上げることができなかったということになったわけでございます。それから一万九千円の問題につきましては、われわれ、旧法の者につきましてもいかにも仰せのように一万九千円という最低保障は低いわけでございますから、これも努力をしたわけでございますが、結果といたしまして、新法期間の最低者については今度の最低保障額の引き上げに準じて上げることができたわけでございますが、旧法時代につきましては、ほかの共済制度とのバランスの問題がありまして、今回はできなかったということでございます。
○芳賀委員 それでは十一万の頭打ちと一万九千円の遺族年金の最低保障、これをどういうふうに直すために努力したのですか。努力したけれどもできなかったというわけでしょう。それではどのような具体的な努力をした結果がだめだったのか、その点を数字をあげて明らかにしてもらいたい。
○中野政府委員 十一万円の頭打ちのものにつきましては、十五万まで引き上げたいということで努力をしたわけでございます。 それから一万九千円の問題につきましては、これは今回御提案申し上げておりますように、新規裁定者から最低保障額を引き上げたわけでございます。それと同じようにいたしたいという要請をしたわけでございます。
○芳賀委員 これはできるのじゃないですか、農林大臣がやる気になれば。法律事項については国会に法律改正案を出せばいいわけだから。努力したけれどもどこでだめになっちゃったのか。
○中野政府委員 これはやはり他の制度、いろいろ似たような年金制度がございます。それぞれにつきましてもいろいろそれぞれの御要求があって、結局予算の段階におきまして統一といいましょうか、バランスといいましょうか、そういう面から、今回御提案申し上げているような線に落ちついたわけでございます。
○芳賀委員 それじゃ、たとえば一番身近な厚生年金ではどうなっていますか、遺族年金の最低保障額というのは。
○幸田説明員 お答え申し上げます。厚生年金の場合におきましては、既裁定及び新規裁定のいかんを問わず、遺族年金につきましては現在九万六千円という最低保障額に相なっております。
○芳賀委員 これは中野局長どうですか。厚生年金は一万九千円じゃないでしょう。厚生年金が一万九千円だから農年だけ上げられぬからだめになったということじゃないのですね。もう他の年金は新法、旧法というような区分なしに完全に実施している実例が多いわけですからね。だから、他の公的年金に比較して、一万九千円を農林年金だけ是正することができないということは、これは理由にならぬわけですね。
○中野政府委員 私あるいは舌足らずであったかと思いますが、厚生年金とは制度の仕組みが違うわけでございまして、他の共済制度とのバランスということを申し上げたつもりでございました。他の共済制度ということになりますと、先ほどおしかりこうむりましたけれども、今回恩給制度に準じていろいろな改定が行なわれたわけでございますが、恩給制度の改正におきましては最低保障額の引き上げということをやらなかったわけでございます。それからまた特に二十年未満の遺族年金につきましは、恩給制度には最低保障額がないというようなこともございまして、残念ながら今回できなかったわけでございます。
○芳賀委員 厚生年金と関係ないというわけじゃないでしょう。昭和三十三年までは、農林漁業団体の職員は厚生年金の対象になっておったわけでしょう。それが三十三年に分離されて今日に至っておるわけですからね。だから農林年金ができていなければ厚生年金の適用で、農林漁業団体の職員は年金制度としては取り扱いを受けておるわけでしょう。しかも厚生年金は被保険者期間が六カ月をこえた者が死亡した場合は九万六千円の遺族年金が給付されるということになっておるわけです。農林年金の旧法による適用というのは二十年未満で十年以上、そういう年限の限定があるわけじゃないですか。それがしかも、旧法の場合においては一万九千円、これは一万九千円を月額及び日額にした場合、一体幾らになるのです。
○中野政府委員 御指摘のように、年額一万九千円でございますから、十二で割りますと月千六百円程度、したがいまして日数に面しますと五十円かあるいは六十円、こういうことになるわけでございまして、御指摘のように、私たちもこれは非常に低いということはもう十分承知しておりまして、先ほども申し上げましたようにこれを何とか改定をしたいという努力をしたわけでございますが、旧法期間に裁定されました遺族の方々の分につきましては、今回残念ながらできなかったわけでございます。
○芳賀委員 できなかったというのはおかしいじゃないですか。しなかったのでしょう。できなかったのか、行なわなかったのか、一体どっちなんです、政府としては。
○中野政府委員 できなかったと申し上げましたのは、努力したけれどもできなかったということでありまして、結果としまして、しなかったことになるわけでございます。
○芳賀委員 農林省としては、消極的な努力をしたができなかったということはいえるかもしれないが、私は政府に対して質問をしているわけですからね。政府としては努力もしないし、やる気もないから行なわなかったということになるのですか。農林省のささやかな努力があったということは認めてもいいですけれどもね。政府としては必要を認めないから今回の改正にはこれは及ばないということで据え置きにしたわけでしょう。そうじゃないですか。
○中野政府委員 なかなかお答えしにくいわけでございますが、われわれといたしましても、繰り返して申し上げるようですが、一万九千円というのはいかにも低いということで引き上げの努力をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように恩給制度との関連等がございまして、今回はできなかったわけでございます。
○芳賀委員 とにかく、旧法といえども十年以上二十年未満の受給権者が死亡して遺族年金ということになるわけですが、日額にすれば五十三円でしょう。一日五十三円だから、月千六百円ということになるわけじゃないですか。人ごとに考えれば、対象者の数が少ないから必要がないとかいうことを言われておるが、これは社会保障の根本的な精神からいえば、こういう不合理というのは一番早く優先的に是正するのが当然だと思うのですよ。数が少ないと言うが、たとえば標準給与の十一万頭打ちの関係の、十一万をこえる制限がなければこえるとみなされる人員が一体どのくらいあるか。それから一万九千円の対象人員がどのくらいになっているのですか。これをたとえば十一万を十五万に直すと、一万九千円を九万六千円にこれを是正した場合に、どのくらいの財源が必要か、こういう点は農林省としては予算折衝のときに努力したわけでしょう。その内容を説明してください。
○中野政府委員 十一万円の分につきましては、これは頭打ちなしにしますと給付額で約一千万円程度になるかと思います。人数は四十四年のわれわれの調べでは、約二百四十人になる見込みでございます。 それから一万九千円のほうにつきましては、ただいまのわれわれの調査では一万九千円台の方は三十四人、それからずっと刻みがございますが、二万円台が二十一人、三万円台が百七十九人、四万円台が五百六十一人ということになっております。
○芳賀委員 だから最低を一万九千円にして、低い部分の人員の合計とこれを是正した場合の給付費の増額がどうなっているか、最低保障額の。
○中野政府委員 一万九千円を今度新法の改正案のようにいたしますと、十一万五千二百円まで引き上げることになるわけでございます。そこまでの人数で計算いたしますと、先ほどはちょうど四万円台までしか申し上げませんでしたが、全部十二万円台まで計算いたしますと、該当者は千四百六十二人になるわけでございまして、これに要します予算要求額は、千百三十七万円ということを当初要求いたしたわけでございます。これは御承知のように給付額の一六%に当たるわけでございます。
○芳賀委員 そうすると局長、十一万の頭打ちを十五万に是正した場合の給付費の増額が一千万円ですね。それから遺族年金の最低保障額を今度の改正案並みの水準に引き上げた場合の所要額が千三百三十七万円、合計しても二千三百三十七万円で、改定した給付費の増額に見合う所要額ということになるわけですね。たいしたことないじゃないですか。あなたは対象人員が少ないからとか、それによる給付費の増額分が金額的に少ないから改正の必要がないということを当初発言しておったでしょう。これは間違いじゃないですか。数が少ないからそういうものはどうでもいいとか金額が少ないから改定する必要がないというのは、これは理論としては通らないのじゃないですか。特に年金のごとき社会保障制度においては。どう思っているのですか。少ないからやらぬということをあなた先ほど繰り返して言ったでしょう。
○中野政府委員 さっき申し上げました、十一万円の頭打ちをやめた場合に一千万円と申しましたが、これは給付額で申し上げたわけでございます。国費だとそれの二八%になるわけでございますので、若干訂正させていただきますが、私は先ほど数が少ないと申し上げましたのは、頭打ちをかつて五万二千円のものを十一万円に上げたということがあったわけでございます。それを十五万円なりもっと上げるということになりますと、かなりのベースアップをやりましてもそういう頭打ちのために困る数がかなり出てくるといった場合には、もっと迫力ある要求ができるわけでございますが、まだ十一万円という頭打ちに直しまして二年しかたっておりませんので、なかなかその辺がむずかしかったということを申し上げたわけでございまして、数が少ないからもうやめたという、単純にそういうふうにわれわれ考えておるわけではございません。この点につきましては、今後の経済情勢の推移等を見まして、必要だとわれわれ判断をいたしました際には、また引き上げの努力を当然しなければならぬということを申し上げておるわけでございます。
○芳賀委員 この十一万円問題は、これは当時の法改正の場合、新旧期間の完全通算ということが中心課題になっておったのです。だから、実質的には旧法期間の標準給与額を二倍するという手法によって新旧の完全通算ということが行なわれたことになったわけです。その場合に、九万円程度の標準給与額以上の場合は一・二倍すると十二万とか十五万というクラスも幾ぶん出てくるわけですが、それを十一万円で押えたという経過があるわけですね。そのとき何も十一万で押える必要がなかったのを、農林漁業団体の中でそういう高給者に対しては頭打ちが必要であるということで、無理にこれを押えたのですよ。何も高給でも何でもないと思うのです。財源的にも幾らにもならぬでしょう。政府の負担分というのは二千三百万円の一六%ということに法律上なるわけですから、六十二条の一項からいってもそうなると、財政上の理由でできないということにはならぬじゃないですか。財政上の理由以外の理由というのはないと思うのです、年金制度のもとにおいて。だから努力をしたからできないとかやれないなんというものではないのですよ。これは政府として、いまの時点で面目があるから手直しできないというんなら、これは立法府においてやれることですから。農林省も毎年予算要求のときには、いま中野局長が説明されたような点を財政当局に要求しておるわけでしょう。国会の議論の中においても、単にこれは野党だけじゃないですよ。与党、野党を合わせて、この年金財政の健全化の問題とか、あるいは農林年金の給付内容の改善の問題であるとか、あるいはまた新旧両期間を通じての一貫性のある、そういう体系の整備の問題とか、これはもう委員会の議論あるいはまた附帯決議等を通じて明らかにされておるわけだから、政府提案でできなければ、これは国会でいまの政府案の修正という形でもできるわけですからね。どう考えておるのか、これを手直ししたらたいへんなことになると思っているのですか。
○中野政府委員 財政上の理由という場合に、農林年金だけでありますれば、あるいは先生仰せのようにたいした額にならないからいいじゃないかということになるのかもしれぬというふうに私どもも思います。しかし、あるいは先ほど申し上げたかと思いますが、他の共済制度につきましても、標準給与の頭打ちが国家公務員共済につきましてもあるわけでございまして、そういうものに響いていきまして、ほかのものも一斉にそういうことになると相当な財政上の問題になるということで、なかなかほかとのバランスがありましてやりにくいということになるわけでございます。
○芳賀委員 局長は農林漁業団体というのをどう位置づけているのですか。国の公務員や地方公務員に準じたものというふうな、そういう判断に立っておるわけですか。もちろん、この農林年金の対象になっておる団体は、大部分が非営利法人ということになっておるわけですから、単に民間の営利法人とは違いますが、しかしこれは公務員に準ずるというようなものではないでしょう。どういう判断をしておるのですか。公務員に準ずる扱いをしなければならぬということであれば、掛け金の負担にしてもあるいは整理資源に対する国の負担にしても、趣をもっと根本的に変えなければならぬと思うのですね。むしろ民間の厚生年金等に対応できる農林年金の制度の改善というものを絶えず注意して努力する必要があるのじゃないですか。恩給にまねしなければならぬとか公務員共済に依存しなければならぬというような考えは、これは間違いだと思うのですが、どう思っておるのですか。農林漁業団体の位置づけですね。
○中野政府委員 もちろん農林漁業団体の職員でございますから、公務員に準ずるとか、そういうことではないと私も思います。やはりこれは大部分が農協あるいは土地改良、漁業、林野という協同組合を中心にしました職員でございまして、これは農家の共同体ということでございますから、国家公務員と同じというふうに私も考えておりません。その限りにおきましては、独自の判断をすべきだというふうには基本的には考えますけれども、やはり共済制度という面から見ますと、若干の違いはありましても、やはり共済制度としては一つの似たような制度であるわけでございまして、それをそれぞれの制度をどう直していくかということになりますと、どうも詰めてまいりますと、どの制度はどうなっているからこれもこうしようということになりますと、そのバランスという問題が出てくる。その結果がこういうことになるわけでございます。
○芳賀委員 かりに農林年金の運営が今後行き詰まった場合に、年金制度から全然根拠を失うというわけにいかぬですから、そういう場合には、またもとの厚生年金に合体しなければならぬということも、これは絶対ないとは言えないですよ。公務員年金のほうへ参加するなんていうわけにはいかぬでしょう、将来の運営を考えた場合に。そうなれば、たとえば遺族年金の最低保障の問題についても、厚生年金の場合には、六カ月以上被保険者期間を有した者については、死亡した場合には、これは九万六千円の遺族年金が給付されるということになっておるわけですから、何も新法、旧法の区分というものはないでしょう。標準給与の場合についても新旧の区分は、厚生年金の場合においては何もないわけでしょう。基本年金にしても加給年金にしても、そういう新旧区分というのは全然ないわけですからね。そういうことを一つ取り上げても、毎年国会としても指摘しておるところの旧法期間の標準給与の頭打ちの問題とか、あるいは遺族年金の最低保障の是正の問題、この二つはもういままでにやっておかなければならぬ問題ですよ。これはぜひこの機会に決着をつけてもらいたいわけです。
○中野政府委員 厚生年金の場合に、ただいまおあげになりました点はそのとおりになっておるようでございますが、一方では、厚生年金の場合の標準給与につきましては、年金額を計算します場合には、たしか三十二年以降の全給与の平均で出すというようなことになっておりまして、その点につきましては向こうのほうが低く出るというようないろいろな制度の違いがあるというふうに思います。 ただ、われわれとしましても、先ほどから申し上げておりますように、この問題はまた先ほどから御指摘がありましたように、遺族年金等も非常に低いということがありますので、今後、その引き上げについて努力いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀委員 厚生年金との標準給与の比較等、中野さんと私の理解というのは大体同じくらいだと思うのですけれども、それは向こうは全期間の平均ですが、そのかわり三十五歳以上とか四十歳以上という給与算定の方式もあるわけですからね。そのほか加給年金として、妻の場合は一万二千円でしょう。子供の場合は四千八百円と、一子については七千二百円ということになっておるわけだからね。これは基本年金に加算されるということになっておる。そういう点は農林年金にない利点というものが厚生年金に保証されておるわけですからね。だから、退職時の三年平均とか全期間平均というような、そういう点だけ取り上げて、農林年金が有利であるということは、理論的な判断としては非常に根拠が乏しいと思うのです。要は、これは長年問題として指摘されて政府として実行できなかった点を、この機会に、政府提案でやれなければ委員会修正等で決着をつけたらいいじゃないか。財源にしても、給付費の所要財源がわずか二千三百万円、政府負担というのは、現行でいうとその一六%ということで、これは完全に処理できるわけですからね。そのくらいのことがいまの政府としてできないということはないでしょう。これは大蔵省も来ておるはずですが、財政当局としてどうですか。
○相原説明員 問題は、厚年と共済とのバランスの問題だろうと思いますが、少なくとも経過的に見ます場合には、厚年のグループからはずれまして共済の道をとられた、したがって、共済は共済としてのルールでやっていただきたい。厚年のいいところ、共済のいいところ、両方のいいところだけとらえたのではどうにもならないという気が実はするわけであります。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、たとえば報酬の問題にいたしましても、全期間の合計と最終の三年という違いがございますし、それから支給開始の問題にいたしましても五年差があるわけであります。そういう片方のいいところ、片方の劣るところ、それぞれが総合されてバランスがとられているわけですから、両方のいいところだけ選ぶということは、財政当局としてはにわかに賛成しかねるというぐあいに考えております。
○芳賀委員 そういう小手先の議論をするから、こういう簡単に直るものが直らないのですよ。財政当局としては、この二点を改正した場合、財政上の負担が非常に重いから直ちに応ずるわけにいかぬというようなことが理由であれば、これは別ですよ。しかし、対象人員が非常に少ないから必要ないじゃないか、金額もささたるものだから必要ないじゃないか、そういう取り扱いの態度そのものに問題があるのですよ。これは毎年農林省が予算編成のときに何ら要求もしない、触れておらないというのであれば別ですけれども、いまの中野局長の発言からいっても、毎回の予算要求の中にもこの是正に要する費用の確保の問題は提起しておるでしょう。なお、まだ触れておりませんけれども、六十二条一項の給付費に対する一六%の補助率を二〇%に直せという問題も、数年間農林省は財政当局に対して要求しておるでしょう。当委員会においても決議を通じてそれは指摘しておるじゃないですか。それが全然財政当局の同意が得られないということで実現に至っていないのですからね。六十二条の第二項の財源調整費に対する補助の問題にしても、これは定率化して、年金財政に対して一定率というものを国の財政において負担すべきである、こういう点を理論的に十分根拠を置いて定率化しなさいという点についても、毎年つかみで終わっているじゃないですか。これは立法府の立場から見れば、これは法律事項ですから、法律に二〇%に手直しをするとか、調整財源に対してたとえば六%国が補助するというふうに法律の改正をすれば、財政当局としてもこれは忠実に実行しなければならないということになるわけでしょう。これはわれわれ、事年金問題ですからして全体の国の年金制度あるいはまた公的年金における均衡というようなことについても慎重を期する必要があるという配慮で、立法府として独自の行動に出ないという慎重さを期しておるわけですからして、政府において、絶対やらぬ、来年もやらぬということであれば、これは当然立法府の責任において、こういう欠点というものは法改正を通じて是正するということになるわけですから、その点について、たとえば、来年政府としてやりますから、ことしは国会ではがまんしてくださいというのか、政府としてはなかなかできませんから、それでは国会の判断において善処してもらいたいというのか、二者択一というか、どうすればいいんですか。意見がないわけじゃないでしょう。これは担当の局長でもいいですよ。どうも農林省というのは年金問題が苦手か知らぬが、毎年毎年へっぴり腰で、努力した、努力したといっても実らぬというところに、どっか能力上の欠陥か実行力に乏しいというか、何か抜けているところがあると思うのです。あなた方ができなければ、国会にまかせます、お願いしますと言えば、やりますよ。ここをこの機会に明確にしてもらいたいのです。もう余分な議論は必要ないですから、この二点について……。
○中野政府委員 なかなかお答えしにくいお話でございますが、われわれとしましては、先ほども申し上げましたように、またここ数年二〇%に補助率を上げたいということで大蔵省に要求をいたしておるわけでございます。ことしもその問題は、これは政府部内の話でございますが、大臣折衝までお願いをしたわけでございますが、やはり他の制度とのバランス等ございまして、農林年金だけ飛び出してやるわけにまいらぬ、こういうことになって、ことしは残念ながらできなかったわけでございますが、われわれとしては、今後とも努力をいたしたいと思います。ただ、そういいましても、なかなかへっぴり腰だと、こういうふうに言われるわけでございまして、私も考えますと、これは毎年同じように要求してはなかなかいかないのではないかという気がいたします。しかし、そうかといいまして、農林年金独自の制度であるからこれだけという理屈もなかなかつけにくいということで、率直なところ非常に苦慮しておるわけでございますが、引き続きやはり努力はいたさなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀委員 次に、年金財政の内容について問題点になるような部分についてでいいですけれども、局長から概要の説明を願いたいと思います。
○中野政府委員 年金財政の問題でございますが、これは総財源率で申し上げますと、現行制度の数理的保険料が七一・七六%、整理資源率が二四・二一%、合計いたしまして九五・九七%ということになっております。それに対しまして、四十四年度以来制度改正をいたしておりますので、四十四年度の大幅の制度改正によりまして四・九一%増、それから昨年度の改正で〇・一二%、今回の改正によるものが〇・七二%、合計いたしまして現在一〇一・七二%ということになっておりまして、現在千分の九十六でございますので、その差額は今後処置を要するということになるわけでございます。
○芳賀委員 この点は、たとえば毎年のベースアップによる法の改定等があるわけですが、このままいくと農林年金の財政というのはどういうことになるわけですか。健全化の方向にいけるのか、あるいはこのままの状態では楽観を許さないということになるのか。
○中野政府委員 この前のこの委員会でもその御指摘ございまして、また御指摘ありましたのが四十三年度ですでに五・九八%、不足財源として約二百一億円あるということはどういうことかというお尋ねがございました。それからその後組合員の給与自体が上がっておりますので、このままでは順次不足財源がふえてまいります。そこでただいま農林年金当局におきましても再計算をやっておるわけでございまして、まだその結論が出ておりませんが、それが出ました暁におきましては、今後の年金財政の健全化をはかるためにどうしたらいいかということを年金当局ともわれわれ相談をいたしましてその処置を考えていきたいというふうに考えております。
○芳賀委員 それでは、健全化をはかる場合の実効のある方法としては幾つかあると思うのですが、どういうことを考えておるのですか。その再計算の結論が出ようと出まいと、方法としては幾つかしかないでしょう。どういう方法を考えておるか。
○中野政府委員 仰せのように、健全化をはかるためには掛け金の引き上げか、あるいは国庫補助の増額か、それからその間にありまして利差益をどういうふうに運用するかという三つの問題があろうと思います。抽象的に申し上げればそういう三つになるわけでございますが、具体的な数字を見た上で、一方では年金の財政の健全化と同時に、組合員の負担をこれ以上かけていいかどうかという問題そういう問題をからめましてわれわれ検討すべきだと考えております。
○芳賀委員 そうすると、第一の掛け金の引き上げだって、農林年金の場合は最高の掛け金負担をしているわけですから、これを引き上げるということはできないでしょう。これはどう考えておるのですか。
○中野政府委員 昨年の国会まで確かに、制度改正に伴っての掛け金の引き上げはしないということで申し上げてきたわけでございますが、われわれとしましても、できますれば、仰せのように農林年金の掛け金が非常に高いということでございますので、引き上げたくないという気持ちは持っておるわけでございますが、今度の再計算の結果を見ました上で具体的に判断をすべきではないかと考えております。
○芳賀委員 それはおかしいじゃないですか。去年までは——去年の局長はだれであったか、池田農政局長、農林大臣も、年金の改定等が行なわれても、その不足財源を理由にした掛け金の引き上げは、当分の間実施しません。当分とは大体どのくらいの期間かということについては、おおよそ五年間程度という、これは去年までははっきりしていたのです。どうも先日来のあなたの答弁を見ても、引き上げはしませんとか、そういうはっきりしたことはあなたは言わぬでしょう。どうも歯切れの悪い答弁ばかりして、再計算の結論が出るまでは何とも言えぬというふうに豹変してしまっているじゃないですか。この際掛け金については、事業主である農業協同組合を中心とした団体の負担能力にしても、あるいは組合員である職員の場合においても、給与水準がまだ低いでしょう。そうして掛け金率は、折半負担だからして千分の四十八ということになっているわけだから、組合員である職員にこれ以上掛け金率を高めるということはできないと思うのです。そうなれば、掛け金の引き上げによらない年金財政の健全化をはからなければならぬということに当然なるんじゃないですか。 第三の点として、利差益を積み立て金の運用等を通じてできるだけ増額確保するという方法もあるかもしれませんが、これに対しても相当の期待を持てれば、その分を説明してもらいたいと思います。
○中野政府委員 私の御答弁が去年から豹変したというようなお話でございますが、豹変をしたということではありませんで、先ほども申しましたように、気持ちとしては、農林年金の組合員の掛け金率が高いものですから、上げたくないという気持ちは申し上げたわけでございます。昨年までのお話は、当時のいろいろな推定で、そういうものをここ当分上げなくともいいだろうということであったわけであります。今回再計算に入っておりますので、具体的な数字を見ました上で判断をいたしたいと申し上げましたのも、その前提としては上げたくないという気持ちがあることは、先ほども申し上げたわけでございます。 それから利差益の問題につきましても、これはたしか五・五%で一応数理的には計算をするようでございますが、現実には七%以上の運用ができておりますので、相当期待ができるというふうに私は考えております。
○芳賀委員 いま利差益の話が出ましたが、これは予定利回り五・五%でしょう。最近の実績を提出された資料で見ると七・一五ぐらいですね。その一・五というものがまるまる利差益というわけにはいかないでしょう。そこからやはり事務費相当分というのを引けば、それはどのくらいになるのですか。いま積み立て金残高が一千億をちょっとこえているわけですね。
○中野政府委員 確たる計算ではございませんが、予定利回りの五・五、たとえば七%を見ました場合に一・五%の差がございます。それをかけますと、いま一千億ほど積み立てがございますが、十五億という数字が出てまいります。いま使っております事務費は約五億でございますので、単年度で見ますればその差が十億ぐらいある、こういう計算になるわけでございます。
○芳賀委員 それは、局長の言うとおり利差益が十億ですね。この年金の原価計算からいうと何%ですか。いわゆる財源率に直してですね。
○中野政府委員 正確には後ほどまた計算してみたいと思いますが、目の子算で申しますと、大体千分の五くらいに当たるのではないかと思います。
○芳賀委員 そうすると、あと国庫補助の引き上げですね。これは一番きめ手になると思いますけれども、毎年、給付費に対する補助の一六%を二〇に上げるとか、それから調整財源に対して一定率を確保するという点は、これはやはり国庫補助あるいは国の負担の増額によって年金財政を強化する。そういう目的で毎年要求しているのではないですか。その点はどうですか。
○中野政府委員 仰せのとおり農林年金財政を強化するために補助率の引き上げあるいは財源調整の要求をいたしておるわけでございます。
○芳賀委員 そうすれば、農林省の要求どおり補助率二〇%、これは定率で六%というのが財源確保された場合には、年金財政はどういうふうに堅実になるのですか。こうなった場合はどうなるという数字を示してもらいたいのです。
○中野政府委員 補助率の引き上げが二〇に達しますと、財源率にいたしまして五・七%で、それから財源調整費がことしは二億一千万円でございますので、それが約三%足らずに当たるということでございます。
○芳賀委員 財源調整を要求どおりにすれば——二億一千万というのは削減されてでしょう。予算を確保された分でしょう。農林省の要求というのはそれ以上じゃないですか。必要だから要求しているわけでしょう。すると、それが実現した場合何パーセントになるか。
○中野政府委員 当初われわれが要求しましたのは、財源率にいたしまして、財源調整費は千分の八でございます。
○芳賀委員 そうすると、この二点を合算して財源率の試算をした場合には、これは相当健全化になると思うのですけれども、その結果はどういうふうになるのですか。たとえば整理資源率等についても、これは変化が来ると思うんですよ。それから、四十三年までの不足財源の自然増が、四十三年度末で五・九八、金額にして二百一億円、こういうものを漸次解消されると思うのですけれども、そういう見込みはどうなんですか。
○中野政府委員 計算上は、先ほど申し上げましたように、両方足しますと一三%幾らかになるわけでございますので、五・九八程度の不足財源は解消される、こういう計算になるわけでございます。
○芳賀委員 四十三年までの不足財源を解消して、なお、四十四、四十五、今回の改正等によるところのこの整理財源分についてもこれは十分対応できるということになるのですね。そうじゃないですか。
○中野政府委員 計算上はそのとおりになるわけでございます。
○芳賀委員 計算上そうなるから大蔵省に対して要求したのでしょう。これが、毎年形式的に終わっているわけでしょう。概算要求はしました、大臣折衝に持ち込みましたというまでのもので、真剣にやっていないから、結果が出てこないのじゃないですか。そういう形式的な手法じゃだめですよ。要求した以上実現させるとか、重要問題として大臣折衝に持ち込んだ場合は、いまの農林大臣は、福田大蔵大臣の子分といっては失礼だけれども、直系でしょう。有力な直系ということになっておるわけですが、その大蔵大臣と農林大臣との間にこの程度の話がつかぬというのはおかしいじゃないですか。大臣折衝になれば、大蔵官僚も何もそうくちばしはいれないでしょう。だから、世間にはやったやったと言って、実際はやっていないというのが実態じゃないですか。政務次官もそれに立ち会っていると思うんですよ。ほんとうはやっていないのでしょう。表面だけ一生懸命やったというだけでお茶を濁していると思うのです。これは特に答弁は要りませんが、こういう点は四十六年度予算では実現できなかったが、来年度も、八月にはまた概算要求を出すわけですが、この点については、要求はするんでしょう。これは財政が不健全にいっているわけだし、たとえば団体あるいは組合員に対しても掛け金引き上げはしないということになれば、国庫負担を増額させる以外に方法はないと思うんです。これには理由が幾つかあると思うのですよ。たとえば、あらかじめ通告してありますが、昨年、ことしを通じての米の減反政策を中心にして、全国の農業協同組合の地域内における農業の総生産というのは減退しているわけですからね。そうすれば、農協の事業分量というものはどうしても減少するわけでしょう。事業分量が減れば、したがって、当然の収益というものもまた低下する。一方において、物価、賃金の上昇によって、農協あるいはこれらの団体の給与の改善あるいは管理費の増額というものは当然避けることはできないわけですから、そうなると、減反政策というものが、すなわち農業協同組合の経営にも相当大きな圧力を加えてきておるということに当然なるわけです。これは年金と直接関係がないとしても、間接的な影響というものは当然あるわけですね。この協同組合の経営が悪化していけば、年金とか、あるいは退職金の積み立て等に対しても弾力的な措置がとれぬというような要素が出てくるわけでしょう。こういう点についてもやはり農林省として何らかの対応策というものは必要になると思うのです。ですから、これは国の補助の増額とあわせて、一体掛け金負担者であるところの農協、あるいはこれは共済組合としてもそういうことになると思うのです。減反で引き受け面積がどんどん減っていくわけですから、賦課金を通じての収入というのは当然減るわけだし、土地改良区にしても、区域内の土地に対してはやはり一定の賦課金を掛ければ、これは国の政策で減反、休耕、転作というところに、既存水田並みの賦課を連続的にするということはなかなかできないですね。これらの団体は全部農林年金に加入しておる団体ということになるでしょう。政府の施策の失敗から大きなしわ寄せが来ているわけですから、つまり団体としても負担能力というのはもうこれ以上望めない、その職員にしても、将来に一つの不安を持っているわけですからして、掛け金の増額をそこに求めることはできない。利差益の問題にしたってたいした額にはならぬですからね。そうすればどうしても国が——いままで農業協同組合もいろいろな政策実行の道具に使ってきたことはもう間違いないですからね。そういう点から見ても、この年金制度というものに対する健全化ということになれば、やはり国の直接、間接の負担でこれを健全化に持っていくということがどうしても必要だと思うのです。そういう説明が足りないのじゃないですか、毎年の予算要求にあたって大蔵省に対してですね。だから、来年に備えてどういうお考えですか、この際明らかにしてもらいたい。
○中野政府委員 御指摘のように、生産調整に入りましてから農協が非常に減収になるわけでございます。これは、農協中央会の計算によりますと、一農協平均二百万円をこえる減収ということになるようでございます。かなりの打撃があるわけでございます。その間、これから農林省といたしましては、農家の理解を得まして、転作をすすめながら、また、その事業の拡大によりまして、若干の農協としての収入の回復ということもあり得ようかと思いますが、相当な打撃であるわけでございます。しかし、そうかといいまして、これは直接農協にそういう補てんをするということ、これまたなかなかむずかしいわけでございまして、われわれといたしましては、農協の経営基盤の強化ということが、やはりそのむずかしい中にありましても必要ではないかということで、農協の合併をすすめておるところでございます。また、農協自身としましても、そういう方向で自主的ないろいろな合併促進運動が行なわれておるわけでございます。基本的には、やはり経営基盤の強化ということが必要ではないかというふうに考えます。 そういうことでございますが、仰せのように農協自体の事業主としての負担もなかなか容易ではない、それから組合員のベースアップというのも、そういう段階になりますと、行なわれにくい。いろいろ困難な問題がありますので、私、先ほど申し上げましたように、再計算をやりました機会に、もっと具体的に、どういうふうに詰めてやって大蔵省と折衝するかということを、来年度の予算要求に向かいまして検討を深めるということにいたしたいと考えておるわけでございます。
○芳賀委員 たとえば農林年金の場合は、国庫負担が給付費に対して一六%ですか、他の公的年金の場合は、厚年の場合は二〇%とか、船員保険の場合には二五%とか、あるいは公共企業体とか国家公務員関係等の共済は、これは整理資源分については全額国庫負担ということになっておるわけですから、いまの時点で決して農林年金における国の補助の一六%が妥当なものであるということにはならぬと思うのですよ。毎年の財源不足によって整理資源というのは膨張するわけですから、これに対する国の財政的あるいは行政的な配慮というものは、これは直接的には定率化によって解決できるが、やはり間接的には加入団体である農協とか他の団体の負担能力を高めるということに対して、国が一定の助成とか財政能力を与えるということもこれは必要でしょう。そういうことにならぬですか。たとえば石炭関係なんかは出炭率に応じた奨励金の中で、その一部というのは年金の負担に回せるというような手法をとっているところもあるわけです。だから、減反によって大きな経済的な影響を受けておるという場合には、これは単に社会保障である、相互扶助である、当然これは当事者負担が原則であるということだけでなくて、いまの農政の及ぼす影響というものは、これらの農林漁業団体に対して相当の困難を与えておるわけですから、そういうような点に国が十分な配慮を及ぼすということによって、そしてまた年金制度の財政健全化というものを間接的には相当強化できるのじゃないかというふうにも考えるわけですが、国会が指摘したり知恵をつけるということよりも、皆さんがまず考えて、頭を使って考え出す問題だと思うのですが、これはどうですか。
○中野政府委員 御指摘のように、農協はじめ農業団体が生産調整を契機にいたしまして、相当なそれぞれの団体としての財政上の打撃を受けるということは御指摘のとおりだと思います。われわれとしましては、ここ一、二年と申しましょうか、ここ数年の推移を見ました上で、ほんとうにどういうことになっていくのかということはいろいろな調査等を通じたり、それからその他をいたしまして、そしてどういうふうに手を打つか、その次の段階として考えなければならぬことではないかと考えております。
○芳賀委員 最後に二点だけお尋ねしておきます。 一つは、年金法の第一条二のいわゆる経済変動に応じて年金の改定を行なうという点について、いわゆるスライド制の確立という点についても、これは先ほど私が読み上げた審議会の答申の中にも毎回出ておるところですが、この経済変動に応じたスライド制の確立という点についてはどういうめどを持っておるわけですか。これは総理府が中心になって研究しておるというふうに承知しておるわけですが、この結論が一体いつ出るのか、その見通しについてはっきりしてもらいたいと思います。
○中野政府委員 ただいまの問題につきましては、最初御答弁申し上げたときにちょっと触れたわけでございますが、政府のほうの連絡調整の会議におきまして、ことしの一月でしたか、中間的にこういう方向でやろうではないかということをきめたわけでございます。これによりますと、各制度全部共通してスライド制を一本でやるというのはなかなかむずかしいということもございまして、公的年金制度を三つのグループに分けまして、それぞれの制度のおい立ち等を考えながら、できるだけ共通的なものはそういうことで議論いたしますし、また独自のものについては独自の議論をした上で、そういう国民生活水準の変化等に応じましてどういうふうに引き上げていくかという問題を考えようということで、これから検討を深めるわけでございます。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 まだただいまのところ、何年何月になりますればこういう結論が出るというところまで残念ながら至っていないのが現状でございます。
○芳賀委員 しかし一定のめどをつけなければ、いつになるかわからぬということでは作業はできないのじゃないですか。何らかのめどがつけわけでしょう。この原則規定というのは各年金共通にうたってあるわけですから、この規定ができてから相当年月がたっておるわけですから、いまだにいつ結論が出るかめどがつかぬ、これは全く審議会が言うように怠慢の至りじゃないですか。これは大蔵省も厚生省も来ておるので、みんな関係があるわけですが、一体各年金の主管をしておる省においてはいつごろをめどにやっておるわけですか。
○中野政府委員 この問題につきましては、農林省だけでめどをつけるわけになかなかまいらないという実情にあるわけでございまして、まだわれわれの相談の中ではいつまでということまで至っていません。ようやく、先ほど申し上げましたように、グループ分けをして、これから検討していこうということでございますので、またこの次の会合等におきまして、われわれとしましてもできるだけ早くそういうめどをつけるようにまた努力をいたしたいと考えますけれども、残念ながらまだ何年何月というめどは立っておりません。
○芳賀委員 いや、私の聞いたのは、農林省は農林年金ですが、大蔵省にしても厚生省にしても、共済年金というのは所管しているわけです。だから関係各省で協議をして結論を出すということになれば、きょうは厚生省も大蔵省も来ておるわけですから、あなただけに聞いておるのじゃないのですよ。各省において一体何をめどにしてやっておるのかということを聞いておる。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、年金額の改定の基準なり方式についてグルーブ分けをしてやろうということで、国公共済と地方公務員共済、公共企業体の共済が一つのグループ、それから農林年金と私学共済が一つのグループ、それから厚生年金と国民年金が一つのグループになりまして、その中で先ほど申し上げました基準、方式を具体的にどうしていこうかということをこれから詰めていくわけでございます。
○芳賀委員 農林年金と私学共済じゃ力が弱いじゃないですか。二つ集まったってなかなか他に対抗する力はないでしょう。そういうグループの分け方もおかしいのじゃないですか。これは、そういう事務的な問題をここで究明する考えはないが、その辺が力関係で弱いところがあると思うのですね。もうちょっと姿勢を立て直してやってもらいたいと思います。 最後に、今回の改正で遺族の範囲の拡大、これはわれわれとして以前から指摘した点ですが、この際特に十八歳未満の子についても配偶者等と同様の生活維持関係の要件を撤廃するように、少なくともこれだけは改正案において当然すべきだったと思うのですが、どうですか。
○中野政府委員 十八歳未満の子につきましては、組合員に養われている者だけではなしに、現在でも一定額未満の低所得の場合は、これは主として組合員の収入により生計を維持する者というふうに扱っております。その一定額というのは、現在では十七万七千円ということになっておるわけでございまして、これもあるいは数が少ないと言ったらおしかりをこうむるかもわかりませんが、十八歳未満の子でありまして独立に生計を営んでいるという者はほとんどありませんので、今回妻だけにつきましてこういう措置をとったのが経緯でございます。
○芳賀委員 それではきょうはこれで終わります。
○三ツ林委員長代理 角屋堅次郎君。
○角屋委員 農林年金法の一部改正の問題につきましては、すでに私どもの党におきましても、同僚の田中、芳賀両委員から、それぞれ問題点については今日まで追及が行なわれてまいりましたが、実は、私きょう十一時から四党の国有農地の担当者会談がありまして、さらにまた一時から記者会見をやらなきゃならぬということもございまして、若干の点についてポイント的にお尋ねをして質問のほうは終わらしていただきたいというふうに思います。 もちろん、ただいま芳賀先生が質問されてきた中にも、当然私がこれから触れる問題等についてはすでに追及が行なわれておると思いますし、重複する点があると思いますけれども、その点については、あらかじめ御了解を得ておきたいと思います。 今回農林年金法の一連の改正では、大体五項目にわたる改正点が取り上げられておるというふうに承知をしておるわけでありまして、その第一点は、既裁定年金の額の改正の問題でありますし、第二点は、標準給与の月額の改正の問題でありますし、第三点は、旧法の平均標準給与の仮定年額の最高限度の引き上げ、あるいは、更新組合員にかかる退職年金の最低保障額の改正の問題でありますし、第四点の改正として、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律の一部改正ということで、六十歳以上の者についての通算年金の受給要件を緩和をするという改正の問題でありますし、第五点は、これは大蔵委員会に付託で処理されていく法律の問題として、女子に対する退職一時金受給の特例措置の延長問題、こういうのが今回の一連の農林年金の改正のポイントであります。 そこでわが党から各党にそれぞれ修正点として問題点を提起しておる内容についても質疑が行なわれたと思うのでありますが、ここで農林省のほうにお伺いしておきたいのは、いわゆる給付に要する費用の国庫補助率の問題を、厚生省並みの二〇%にするという問題については、数年来本委員会で農林年金法の一部改正が議論されるごとに附帯決議で二〇%にすることについての注文をつけ、またそれを受けて農林省としても予算要求としてはそのことを今年度も要求してまいりました。給付に要する国庫補助として現行の百分の十六を百分の二十ということで要求をしてまいっておったわけでありますが、これがいまだに実現を見てないというのは非常に遺憾なことだと思うのですけれども、現実に大蔵折衝等の中でどこに難関があるのか、予算的な問題以外に。そういう点について、大蔵省との折衝に当たられた局長として、その間の事情をひとつ御説明願いたいと思います。
○中野政府委員 御指摘のように二〇%の引き上げが本年度も実現しなかったわけでございます。その折衝の経過でございますが、われわれとしましては、先ほども御論議がるるありましたように、二〇%にして年金財政の強化をはかりたいというふうに考えたわけでございますが、折衝の経過といたしましては、他の年金制度とのバランスがありまして、農林年金が一六、あるいは国共済が一五、厚生年金は二〇と、いろいろきまっておるわけでございますが、大蔵省からそれを見ますと、現在がそれでバランスがとれておるのだ、こういう御主張がございまして、結局、各年金制度のバランス問題から、農林年金だけ先に飛び出すわけにいけないということで、残念ながら二〇%に引き上げができなかったわけでございます。
○角屋委員 この点は前々からの懸案事項でございまして、農林年金のいわば保険財政というものを健全化するあるいは充実をするというためにも、当然これは早急に解決をしなければならぬ重要な問題の一つであります。 さらに農林省として、財源調整の問題は、百分の六の定率補助というふうなことを強く要請しておったわけですが、今回も、これらの点については、結局、つかみ金とはいいませんけれども、財源調整費補助として二億一千万というふうなことで定率補助にいかなかったわけでありますけれども、これは今後の予算折衝を通じて定率補助を確立するという点の見通し等については、どういうふうに考えておられるのか。
○中野政府委員 財源調整費は、御承知のように、過去のいろいろな改正によります負担増、あるいは今後のいろいろな問題での負担増に対応いたしまして、組合員の負担の増をできるだけ来たさないようなために、国から財源調整費として補助をしようという趣旨でございます。そういう趣旨でありますと、これをすぐ定率化するというのはなかなかむずかしい。われわれとしましては、一応のめどといたしまして、給付額の六%をほしいということで要求をしておるわけでございますが、ただいま申し上げましたような理由で、財政の都合もあるいはございましょうけれども、やはりそのつど年金財政を見た上で若干の増額をしながら、ただいままできておるわけでございまして、なかなかこれを一挙に定率化するということになりますと、あるいは別の面から見ますればこれは補助率の引き上げと同様になるわけでございまして、なかなか大蔵省がうんと言わぬというところが現状でございます。
○角屋委員 この「公的年金各制度における費用負担比較」これは資料として専門調査室からも提示されておるわけでありますけれども、農林年金の場合は本人の負担分が千分の四十八、これはフィフティーフィフティーの負担の半分がそういうふうに本人負担分として掛け金がなるわけですけれども、御承知の国家公務員の場合の本人負担分が四十四であるとか、あるいは地方公務員の共済の場合も四十四、私学共済は三十八とかあるいは厚生年金は男、女、坑内夫それぞれ違いますけれども、これも男であれば三十二、女であれば二十四、坑内夫は三十八ということで、農林年金から見ればはるかに低率でありますし、船員保険の場合も三十八というふうな点から見て、農林年金の本人の掛け金負担というのは、率としても非常に高いという状況にあるわけですけれども、これらをもう少し軽減するという方途については農林省としても真剣に考えておられるわけですか。あるいは引き上げということは押えてこの程度で当分いかざるを得ないというふうに判断をしておるわけですか。掛け金の軽減等の問題に対するこれからの考え方について、ひとつお考えを聞いておきたいと思います。
○中野政府委員 御指摘のように、農林年金の掛け金がほかの制度に比べて一番高くなっておるわけでございます。農林年金より高いのはたしか国鉄ではなかったかと思いますが、一番高いほうに属する。そこで、われわれといたしましては、これを今後ともいろいろ再計算をいたしますと、いろいろな要素から、あるいは引き上げの問題が出てくるかと思いますけれども、われわれの気持ちといたしましては、それを引き上げないようにということで努力をいたしたいということを先ほども申し上げたわけでございまして、これをなお低めていくということはなかなか容易じゃないというふうに私は考えております。
○角屋委員 これも問題点でありますから、当然すでに究明が行なわれたと思うわけですけれども、例のこの改正の第一点の既裁定年金額の改正の問題で、新法、旧法の関係では、旧法の関係の不平等の是正ということが他の方面でも問題になるわけですけれども、例のこの標準給与の上限の十一万円を限度にしておるこれの改定が今回も見送られた。これは真剣に頭打ちの是正は速急にやるという方針には変わりないわけですか、あるいは、こういう頭打ちの是正問題について見通しが判断としてできるという情勢にあると考えておるのですか、その点どうですか。
○中野政府委員 十一万円に改定いたします前は最高が五万二千円であったわけでございます。これを昭和四十四年であったかと思いますが、改正をいたしまして、旧法の部分につきましても十一万円に引き上げたわけでございます。引き上げてからまだ二年しかたっておりませんので、ことしはなかなかその十一万円をもっと上げるということはむずかしかったわけでございますが、これは既裁定年金のベースアップといいましょうか、物価スライドをやっておるわけでございまして、スライドをやりました結果、頭打ちから非常にオーバーするという方々が多くなってくるということになりますれば、せっかくのベースアップが意味をなしませんので、われわれとしましては、今後の経済情勢の維移を見ながら、これの引き上げに努力をいたしたいと考えております。
○角屋委員 改正の第二点の標準給与月額の改正の点は、従来の一万二千円から十五万円までの三十四等級を一万二千円から十八万五千円までの三十七等級ということの標準給与の月額の改正が行なわれて、これがことしの十月一日から施行の予定ということになっておるわけですけれども、それと同時に、退職年金あるいは障害年金、遺族年金というものの最低保障額の引き上げを行ないまして、これが十一月の一日から施行予定、さらに通算退職年金についても定額部分の引き上げをやるというふうなことで、これらの問題についての相当な前進を見たことは、これは農林省の努力というものを評価するにやぶさかでないわけですけれども、、ただ、これは先ほどの旧法問題でも関連がありますけれども、この旧法期間における給付事由の生じた年金者に対して今回の改正の恩典が及ばないとか、あるいは旧法によるところの既裁定年金者の遺族年金の二十年未満の最低保障額 一万九千円の改善が依然としてなされないという点が、これはやはりわがほうの改正点としても要請しておるところですけれども、これが問題なわけですね。旧法、新法によって、旧法のたとえば遺族年金二十年未満の者が依然きわめて低位に置かれている。このままに放置することはできない。これはもう速急にやる必要がある問題の一つではないのですか。これは先ほど言った旧法期間における給付事由の生じた年金者に今回の改正の恩典が及んでない問題は、該当者はたしか千九百名程度というふうに私ども聞いておるわけですが、それらの問題も含めてひとつ今後の方針についてお伺いしてみたいと思います。
○中野政府委員 御指摘のように、今回の最低保障額の引き上げは新規裁定だけではありませんで、新法期間の者にまで適用したわけでございますが、残念ながら旧法期間まで及ばなかったわけでございます。その理由とするところが、旧法については、ほかの私学にいたしましても、公務員共済にいたしましても、旧法の部分は今回は改正をしないということになったバランス上、そういうことになったわけでございますが、御指摘のように、二十年未満の遺族年金が一万九千円であったり、二十年以上にいたしましても四万八千円というふうに非常な低額でございますので、本件につきましては、われわれの努力が足りませんで、旧法の部分ができなかったわけでありますので、今後その引き上げについて十分努力をいたしたいと考えております。
○角屋委員 改正の第三点あるいは改正の第四点、あるいは大蔵委員会で俎上にのぼりました改正の第五点というような問題についても、議論としては当然問題点はありまするけれども、すでに同僚委員からも問題提起、質疑がなされたというふうに承知しますので、これらの問題については、時間の関係もありましてカットいたしたいと思います。 そこで、農林年金財政の現状という問題でございますが、これは農林当局としてはどういうふうに判断をし、また、これの健全化のために今後どういう手を打っていきたいというふうに考えておられるのか、その点についてひとつお答え願いたいと思います。
○中野政府委員 現在の年金財政を財源率で申し上げますと、数理的保険料が七十一・七六、整理資源率が二十四・二一ということで、合計いたしまして九十五・九七でございますので、千分の九十六という保険料になっておりまして、それを事業主と組合員とが半々に持っておるというのが現状でございますが、昭和四十四年の改正によりまして四・九一、四十五年の改正によって〇・一二、今回の改正案によりますれば〇・七二という財源率が要るということになってまいりまして、合計いたしますと、現在では百一・七二の財源率になるわけでございます。したがいまして、九十六との差額が足りないということになるわけでございます。たまたまちょうど昭和四十年に再計算をしましていまの率になっておるわけでございますが、現在、年金当局におきまして、今後の公務員給与の推移、これはベースアップが非常にあるわけでございます。そういうものも織り込みまして再計算をいたしております。その結果を見てみませんと具体的に申し上げかねるわけでございますが、このまま推移しますれば、ただいまの掛け金率では不足財源がふえてくる、不健全になっていく傾向にあるのではないかと思います。そこで、その具体的な計算が出ました暁におきまして、いかなる処置をするかということになるわけでございますが、その処置のしかたといたしましては、掛け金率の引き上げ、あるいは引き上げの場合にも、組合員の引き上げと事業主の引き上げがあると思うのでございます。それに対応いたしまして、国庫補助をどの程度にどうできるかどうかという問題、あるいは利差益をどういうふうに考えていくかという問題等あるのでございますが、われわれといたしましては、先ほどの御指摘がありましたので、組合員の負担がほかの制度に比べて高いということを念頭に置きまして、今後の不足財源の処置、年金財政の健全化に対処いたしたいと考えております。
○角屋委員 ことしの農林年金関係予算を見てみますと、私のメモでは、決定額は十四億三千九百四十四万円というふうに承知をしておるわけですけれども、これにはもちろん事業費の補助金もありまするし、事務費の補助費もあるわけですが、そのうちの制度改正分というのが一億八千七百九十七万六千円かと思うのですけれども、この場合、既裁定年金額の改定部分あるいは女子の通年留保選択期限の延長の関係分あるいは最低保障額の改定分等に分かれると思うのですけれども、この内訳は大体どういうふうになっておりますか。
○中野政府委員 ただいまお話のありました制度改正分としまして一億八千七百九十七万六千円でございますが、そのうちで、既裁定年金額の引き上げによります分が七百八十三万七千円、それから最低保障額の引き上げによるものが千九十万二千円、それから女子の留保の延長いたしました分で、これは非常に金額が大きくなりまして一億七千九百十四万八千円ということになるわけでございます。
○角屋委員 そこで、この事務費補助の問題もいわゆる組合員一人当たり年金件数一件当たりの単価として百三十五円の要求に対して最終決定が百二十円、いわゆる給付に要する国庫補助についても百分の二十が結局現行据え置き、あるいは財源調整費補助の定率化百分の六の問題も結局二億一千万円程度のつかみ金、事務費補助の問題についても充実した予算確保までいかない、こういう現状にあるかと思うのですけれども、本来厚生年金から分離をして、いわば農林漁業振興のための農林漁業団体の職員のいわゆる社会保障制度の充実という点から見ると、事業費補助金の問題もありますが、そういう事務費補助の充実という点についてはもっと積極的に取り組まなければならぬのじゃないかというふうに思うのですが、これらの問題については今後どう対処されるのか、ひとつポイントをお答え願っておきたいと思います。
○中野政府委員 事業費の補助につきましては先ほどもお話がございましたように、われわれといたしましては給付費に対する補助一六%を何とか二〇%に上げたいという考え方は捨てていないどころか、もっといろいろ考えました上で今後とも要求を続けたい、そして実現をはかるように努力をいたしたいと考えております。 それから財源調整費の問題につきましては、ただいまのところはつかみ金ではないかとよく御指摘を受けるわけでございますが、これにつきましてもその充実をはかりたいと考えております。 それから事務費につきましては、実は本年度も組合員一人及び年金一件当たり単価百三十五円にしてくれということを要求したわけでございますが、最終的には据え置きになったわけでございます。これは昨年度若干引き上げをやりましたので二年続けてはということがあった結果でございますが、事務費等も値上がりをしておりますので、今後引き上げの努力をいたしたいと考えております。
○角屋委員 それでは時間の関係もありますので、最後に一点だけで私の質問は終わっておきたいと思います。 これは同僚の田中委員の質問の中でも取り上げられていた問題の一つであり、あるいは芳賀委員からも取り上げられたかとも思うのですけれども、農林漁業団体の職員の待遇改善問題というのは、改正ごとに附帯決議の重要な項目の一つとして取り上げられて注文をしてきた点でありますけれども、これは政府や農林省が農林漁業団体に命令をしてやるという性格のものではございません。しかし農林漁業団体で働く職員の待遇改善を積極的に推進をするということは農林年金問題とも関連をする問題であって、非常に重要な問題の一つだと思うわけですが、これらの問題についてのこれまでの指導方針、あるいはこれからこういう問題についてはいろいろな方法を含めてどう対処していこうとするのか、その考え方を承っておきたいと思います。
○中野政府委員 農林年金の組合員の給与が低いというのは御指摘のとおりでありまして、同じ村の役場と比べあるいは同じ県の県庁の職員と比べますと若干低いということであります。これを引き上げるということについては組合員が一生懸命その団体、また農家のために働くのに必要だというふうに私考えますけれども、御指摘のようにこれを農林省で引き上げるということはなかなかむずかしいと思います。やはり前提といたしましては、それぞれの段階における各団体の経営基盤を強化する必要があるということであります。そういうことになってまいりますと、かつて一万幾らもありました総合農協では基盤が弱くて、したがって給与もなかなかよけい出せないということがありますので、基本的には合併を進めるべきではないかというふうに思います。現に現在は六千ちょっとというところまできておりますが、なお今後とも必要な規模への合併ということは指導をいたしたい。 それからあわせまして農林省として努力をいたしておりますのは、給与規定を整備させて、そしてめったにそういう経営者はいないと思いますけれども、労働基準法も守らないで超過勤務手当を払わないとか、いろいろな問題も若干指摘があるようでございます。そういうことがないようにこれもまた指導をいたしたいということで、要は生産調整下にありまして農協自身が非常に苦しくなっておりますけれども、その点もわれわれ十分注意を払いながら経営基盤の強化につとめたいと考えております。
○角屋委員 本改正案の提示以来、同僚の委員等からも改正点あるいは今後に残される懸案事項を含めていろいろ質問がなされたわけですが、今回の一連の改正そのものについては、これは一歩前進として私どもその努力を多とするにやぶさかではございませんけれども、国庫補助の百分の二十等の問題も含めて、関係者から見て改正点の強い要望の点が相当残されておるわけでありますので、さらにこれがすみやかに解決されるように私どもも強く要請をいたしまして、質問を終わらしていただきたいと思います。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○草野委員長 他に質疑の申し出もありませんので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○草野委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○草野委員長 この際、本案に対し附帯決議を付したいと存じます。案文を朗読いたします。 昭和四十四年度及び昭和四十五年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 最近における物価、給与の上昇からして、既裁定年金の額の引き上げは今後とも引き続き予想されるところであるが、既裁定年金の改定はもとより、本年金制度のなお一層の発展充実を期するとともに、これら制度改正に伴う追加費用等についての財源措置に万全を期するため、政府は、左記事項について十分な検討を加え、昭和四十七年度を目途に、その実現に努めるべきである。 記 一 給付に要する費用に対する国庫補助率を百分の二十に引き上げること。 二 既裁定年金の額の改定等に伴う追加費用については組合員の掛金負担の増高をきたさないよう現在の財源調整費補助を定率化すること。 三 既裁定年金の改定については経済変動に応じたスライド制による改定方法を確立すること。 四 既裁定年金者と新規裁定年金者との格差是正のため、旧法の平均標準給与の最高限度額を引き上げること。 五 二十年未満の遺族年金の最低保障額一万九千円については、社会保障の精神にもかんがみすみやかに改善すること。 六 遺族の範囲を拡大し、十八歳未満の子についても配偶者の場合と同様生計維持関係の要件を撤廃すること。 右決議する。 以上でありますが、本附帯決議案を本案に付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、御決議の趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。 —————————————
○草野委員長 なお、ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○草野委員長 次回は明十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会