農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/04/22
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 漁港法の一部を改正する法律案及び海洋水産資源開発促進法案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。田中恒利君。
○田中(恒)委員 海洋水産資源開発促進法案につきまして若干御質問をいたしたいと思います。 最初にお尋ねいたしたいのは、この法律は名称が海洋水産資源の開発ということになっておるわけでありますが、御承知のように河川とか湖におきます水産資源の開発の問題も当面の課題になっておると思うわけでありますが、この内水面漁業の開発についてこの開発法の対象からはずしておることは一体どういう理由なのか、せっかくの資源開発をねらわれた法律でありますので、この際、総合的な水産資源全体の開発をこの法律の中へ含まれることが適当であると思うわけでありますが、この点につきましてまずお尋ねをしておきたいと思うのです。
○大和田政府委員 内水面の増養殖もたいへん大事なことでございますけれども、水産資源保護法による保護水面でございますとか、そのほかアユその他の稚魚の種苗について相当別途の制度でやっております。内水面と海面とでは増養殖あるいは新漁場の開発の進め方等において相当な相違がございますので、内水面を含めて法律を制定いたしますと、複雑であるばかりでなしに、現在内水面で進めております事柄が相当ありますので、それだけの実益もあまりないのではないか、そういう考慮から沿岸と沖合いあるいは海洋を含めまして海洋水産資源ということで統一をいたした次第でございます。したがいまして、内水面における増養殖を私ども今後も大いに進めるつもりで、その価値あるいは意味を決して粗略に考えているわけではございません。
○田中(恒)委員 内水面の増養殖がたいへん複雑であるからということでありますが、少くとも私どもこの法案を見た限りにおきましては、沿岸漁業の開発につきましても法律自体の中ではさほど微に入り細に入り具体的に書いておるようにも思いませんので、あとでいろいろそういう点の御質問をいたしたいと思いますが、特別にその理由で内水面漁業の資源開発をはずされたということだけではどうも理解しがたいわけであります。特に最近、御承知のように河川の汚濁というものが各所で起こってまいっておりますし、ダムの構築等の関連でアユであるとかコイであるとかフナであるとか、そういったようなもの、湖におけるシジミガイ、こういうものがたいへん資源的にも問題になっておるわけでありますので、せっかくこういう資源開発ということを銘打った新しい水産立法を立てられたわけでありますから、私はやはり内水面の資源開発というものがこの中に含まれてよろしいと思うのです。内容は基本方針を出して県が実施計画的なものをつくるということだけが沿岸漁業でもないわけでありますから、特別に内水面がそれとどういうふうに複雑な要素がからんでおるのか、ちょっと理解しがたいわけであります。もう少し具体的にその点をお尋ねをいたしたいと思うのです。さらにこの際、本年度の予算と関連いたすわけでありますが、内水面漁業でどういうふうな対策が考えられておるのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたことをまたやや別の側面から申し上げますと、内水面の養殖は主として私有水面の利用で行なわれておるわけでございます。また河川等内水面につきましては、実は漁業法による養殖の義務が課せられておるわけで、海面におきましてはそういうことはございませんので、内水面の増養殖と海面の増養殖とは相当制度において違いがあるということでございます。援助の措置といたしましては、たとえば稚魚等の保護のために保護水面に関する予算もございますし、また天竜川の河口においてアユの稚魚を相当多く育成する施設等もございますし、また四十六年度から新しく沿岸における構造改善に匹敵するような内水面といいますか、河川、湖沼等の漁業振興についての制度も調査をいたすつもりで現在進めておるわけでございます。
○田中(恒)委員 この法律は五十七条の条文と八つの附則からなっておるわけでございますが、ちょっと見てみました場合に海洋水産資源開発センター、この条項につきましては総則から設立、管理、業務、財務及び会計、監督、たいへんきめこまかい条文規定があるわけでありますので、詳細にセンターの機能なりセンターの位置づけなりそういうものは明確でありますし、特に十億程度の予算もすでに計上せられておるわけでありますので、具体的にこのセンターが何をしていくかということがほぼわかるわけでありますけれども、問題は沿岸漁業であります。この沿岸漁業につきましては国による基本方針を策定していく、これに伴って県が開発区域を指定し、開発計画を作成し、あるいは開発区域や指定海域における行為の届け出等に関する法律事項が載せられているわけでありますが、どうも沿岸に対する施策というものが具体的に一体どういうものが出てくるのか、内容がはっきりしないわけであります。この委員会の質疑を通して、いままでのたとえば漁業の構造改善事業とかあるいは特定地域の振興対策事業とか魚礁の設置とか、こういう既存の事業がその裏打ちになる、こういう御答弁であったようでありますが、このことだけで済むのかどうか。従来漁業政策全体を通してどうもばらばらに政策が投げかけられている。特に最も必要な資源開発といったようなものについては、魚礁なら魚礁をつくっていくというだけでとどまって、全体的に統一的に包括的にまとめていく制度がないというところに問題があったわけであります。こういう法案ができたわけでありますが、内容を、全体の制度をどういうふうにまとめていくのだという点がどうもはっきりいたしておりませんし、既存のものだけでやるのであれば、形はできたけれども内容は整わないということになると思うわけでありますが、近い将来に何らかの形で沿岸漁業開発の総合的な施策を打ち出す意図があるのかどうか、こういう点を含まさせてその辺の真意をお聞かせいただきたいと思うのです。
○大和田政府委員 法律全体の規定から申しますと確かに海洋資源開発センター関係の条文が多いわけでございますが、これはいわゆる認可法人を新しく設立いたしますについて必要な規定を設けますとこの程度のものにどうしてもなるわけでございます。ただ沿岸漁業に関する施策といたしましては、法案に書いてございますように、やはり農林大臣が水産物の生産、需要の動向に即して全体としての開発基本方針を立てる。それは沿岸における増養殖関係と海洋における新漁場の開発ということに重点を置いて定めるわけでございますが、それに即して都道府県ごとに増養殖関係の魚種でありますとかあるいは生産目標でありますとか、さらにそれを可能とするための魚礁あるいは浅海漁場開発あるいは漁場復旧等の計画を立てるということで、私どもまず増養殖関係に関する一つの統一的な計画がそこにできるというふうに考えております。さらにその開発区域が汚水その他によってよごれることのないように水質汚濁防止法その他の現在制定されております法律を適正に執行することはもとよりでございますけれども、この法律の中でも工作物の設置あるいは砂利の採取等で漁場をよごすおそれのある事業は知事に届け出させて、必要な場合は知事が計画の変更その他について勧告するという規定になっておりますし、また開発区域及び周辺の水域における水質を絶えず知事が監視するというようにもなっておりますので、私は増養殖関係についての一つのいわば総合的なプログラムはここで立てられるというふうに考えております。 それからそれの裏打ちとしての予算でございますが、まず構造改善事業、この第二次を四十六年度からやるわけでございますが、たしか昨日も申し上げましたが、第二次の構造改善事業は第一次の十年ほどやりましたものに比べて大体二倍半程度の財政規模でございまして、予定といたしましては有望なあるいは優良な漁場を全国で百八地域、補助事業といたしまして約八百五十億ほど、補助額として四百億、また単独融資の事業といたしまして、事業費といたしまして五百六十億、公庫の融資額として約四百五十億ということで、相当大がかりな事業で増養殖あるいは漁場の改良、漁船の近代化ということを考えておるわけでございます。また、今度の開発区域あるいは開発計画は、ただ構造改善事業だけを取り入れるということではございませんで、片方で瀬戸内海の栽培センターを進める、あるいは日本海におきまして新しく栽培漁業確立のための基礎調査をするわけでございますから、そういう系統の予算もございます。また、今後いろいろな予算が積み重ねられるわけでございまして、私ども沿岸漁業の振興対策につきましては予算その他も決して、いままでもまた現在もそう十分というわけにはまいりませんけれども、この二、三年間相当充実をしてきたわけでございますから、その勢いに乗って今後も予算の充実をはかり、そうしてこの開発区域あるいは構造改善事業等を中心としてばらばらの行政といいますか、いろいろなことがばらばらで行なわれるということのないように私は統一的な行政を進めることができるというふうに考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 プログラムは立てられたけれども、内容は既存のものだが、それでも全体的、統一的なものが考えられるということでありますが、いま沿岸漁業が持っておる状況というものは長官が一番御承知だと思いますが、この十年来漁獲高というのはほとんど停滞ぎみであります。したがって、逆に需要はふえておりますから、価格は、沿岸関係の魚介類の値段が上がってきておる。物価問題等がやかましくなって、やはりこういう側面からも日本の沿岸における漁業の振興という問題がある面では国民的課題としてもこれは問題になってきておるわけです。遠洋関係は、これはだんだん大きくなってきておるわけですけれども、沿岸がどうしても停滞ぎみなので、それについて相当この数年来力を注がれておるという面は予算上からもうかがえるわけでありますけれども、こういうことだけではなかなか追いつかないということで、漁連あたりのほうでは相当大がかりな日本列島周辺の大規模な魚礁の設置、こういったようなものを中心として新規に年間百億程度の予算を投入してやらないとこれはやはり持ちこたえられない、こういう声も出てきておるわけでありますが、何かもう少し大規模な長期的なそういう見通しに立つ施策をお考えになる必要があるのじゃないか。ことしはこの法律の裏づけとしてそういうものがのっていないわけでありますけれども、来年度あたりは水産庁としても沿岸漁業に対する大幅な事業展開というもの、しかも長期的な展望に立つものをお考えになっていいのじゃないかと思うのですが、何かそこらについての検討等がまだ始まっていないわけですか。
○大和田政府委員 この海洋水産資源開発促進法で、農林大臣が水産資源の開発の基本方針を定めるわけでございまして、生産及び需要の動向に即してその計画を立てる、沿岸の増養殖、海洋の新漁場の開発ということでございますから、私ども当然その開発方針を策定する過程において全体としての水産政策というのをもう一度見直すというつもりで現在考えを進めておるわけでございます。
○田中(恒)委員 農林大臣がお立てになるこの開発基本方針の作成内容というものがこれからの漁場、沿岸漁業の方向づけに非常に大きな役割りを持つというような意味の御答弁であったと思うわけでありますが、この基本方針というのが一体どういうような仕組みでつくられていくのか。これが設定をされていく過程、このことについてお尋ねをいたしたいと思います。さらに一応どの期間、目標年次、どの程度に置くのか、大体予想されます生産増大の目標——水産庁は四十四年の十月に需給事情の見通しを立てられておるわけですが、たぶんこれは現時点に立って新しく再検討されるわけでしょうが、この数字によると、大体二百九十万程度のものが不足をしていくというようなことになっておるわけでありますが、大体そう大きく差はないのじゃないかと思うのですけれども、大体大まかにどの程度の生産増大の目標が当面考えられるのか。いずれ基本方針で明確になるわけでありますけれども、現時点において水産庁として把握をしておられる事項についてお答えをいただきたいと思います。
○大和田政府委員 四十四年の秋でございますか、今後の水産業をどういうふうに考えるかということの一助といたしまして、生産と需要とのいわば単純見通しを立てたことがございます。それによりますと、昭和五十二年におきまして需要量は合計千二百三十万トン程度、供給量は輸入量を現在程度と押えまして生産は九百四十万程度と見込みまして、いまお話しに出ましたように二百九十万トン程度不足する。これは単純に生産と需要とを現在時点の政策をあまり変えないという前提での試算でございます。そこで、農業につきましては農業基本法で生産及び需要の見通しというのはすでに二回出しておるわけでございますが、水産物につきましては、これはなかなか農業とも違って見通しがむずかしい点がございます。いままでの傾向をそのまま伸ばすということの作業でございますが、私どもこの九百四十万程度の生産につけ加えまして、今回この法案で開発基本方針をつくりますときに、いわば意欲的な見通しといいますか、できるだけ生産増強に力を入れるという前提でどういうふうになるかということの策定をあわせていたしたらどうかというふうに考えております。まだなかなか作業がむずかしいわけでございますから、決して確定的な数字で申し上げる段階ではございませんけれども、九百四十万トン程度の生産の単純な見通しに対しまして大体八、九十万程度の増産をはかることが考えられないだろうか。八、九十万トンの増産の内訳といたしましては、沿岸漁業でおおむね三分の一程度、新漁場開発による海洋漁業でおおむね三分の二程度ということで考えることができないだろうかということを現在いろいろ試算をしておる最中でございます。
○田中(恒)委員 八十万トンから九十万トン程度の増産が可能じゃないかということでありますが、それは現在の政策をこのままの形で続けていくという前提に立ってこういうものが出てくるのだろうということですか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の政策をあまり変えないという前提で単純見通しをいたしますと、生産は大体九百四十万トンということになるわけでございます。それに対しまして、この法案の成立を機会に、気ばるといいますか、できるだけ増産の方策を考えるという前提で、いわば意欲的な見通しを立てますと、それにさらに八十万トンないし九十万トン程度上乗せすることができるのではないか、そういうことでございます。
○田中(恒)委員 そうすると、この八十万トン、九十万トンというのは、こういう法律ができて、こういう法律に基づいて、漁業者や漁業団体、政府が漁業というものに対して力を入れることによって出てくるということですね。しかし、それは何か意欲的な要素だけで、八十万トンなり九十万トンなりを出さしていくという裏づけのものが何かないと、私はこのこと自体もそう甘くないんじゃないか、こういう気もするのです。特に海洋に三分の二、沿岸を三分の一ということでありますが、海洋なんかもいままでは相当伸びたでしょうけれども、これからセンターをつくられまして、補助率を相当高くしてやるわけですから、もちろん期待は持てるわけですが、一面またもうすでに開発されるべき遠洋の漁場というものは相当開発をされて、これからやっていくところはむしろむずかしい。いろいろ問題があって、企業ベースにも乗れないから補助率を高くしてやらないとやるところもない、極端に言えば。そういう要素からこういうものを設けられたという経過があるのじゃないかと思うのですが、遠洋の漁業の増強にいたしましても、必ずしもそう甘くないし、国際的にもいろいろな問題が出てくることが想定されるわけでありますので、私はそう単純に、意欲的に力を入れればこれだけふえるだろう、こういうことじゃなくて、やはり裏づけになる具体的な政策なり予算なりというものがこれに伴わないといけないと思うのですよ。そういう点で、基本方針を策定される過程の中で、やはりそういう問題についてはもう少し全体の、今日の漁業にとられておる政策の内容を検討せられまして、実際に需要にこたえ得るような体制を、これだけやってもなかなか足らない、これだけでも不充分だということでありますから、とっていただきたいと思うのです。 それから、いまお答えがなかったわけですが、この基本方針はどういうような仕組みというか、積み上げでつくられていくのか、単に水産庁が既存の資料を中心にはじき出してくるものだけでいくのか、中央漁業調整審議会等との協議ということが出ておるわけですが、実際はどういう形になっていくのか、目標年次を大体何年後に置くのか、こういう点も……。
○大和田政府委員 水産庁が当然事務当局として策定に当たるわけでございまして、関係各方面の御意見ももちろん聞くわけでございますが、法律上、中央漁業調整審議会の意見を聞くことになっておりますので、各界の意見の反映が得られるというふうに考えております。 それから、水産物の生産及び需要の見通しということもなかなかむずかしいわけでございますが、まずそれをおおむね十年という目標で、あるいは前期、後期五年ずつというふうにも考えますけれども、そういうことで生産及び需要の動向をまず策定をいたしまして、それに基づきまして開発基本方針を策定するわけでございますが、これも水産界の事情というのは非常にいま流動しつつあるわけでございますから、まず十年先に目標を置いて、それをまたおそらく五年、五年の前期、後期に分けまして、十年間にわたって策定をする。そうして五年目ごとにその策定を繰り返すというとではどうだろうか。これもまだ必ずしもしっかり固まった案ではございませんけれども、私どもとしてはそういうふうに考えておるわけでございます。五年ごとに十年先の目標をつくっていく、その根拠に生産及び需要の動向を置く、あるいは技術の改良等々のことを勘案して基本方針をつくる、そういうことでございます。
○田中(恒)委員 それからもう一つ、基本方針の策定内容についてお尋ねをしておきますが、増養殖については種類別に増大の目標をあげるということになっておるわけですが、魚種ですね、どういう魚を増養殖についてあげられるお考えなのか。これはいろいろ試験研究なり一般化の技術水準の問題とからんでくると思うのですが、現在の時点で増殖養殖が一般化され得る魚種というのはどういうものなのか、そして今度のこの基本方針の中では十年間、五年ごとでしょうが、これについてどういうような魚種を予定せられておるのか。
○大和田政府委員 海藻につきましては、ノリ、ワカメ、コンブ等がございますが、問題は魚でございます。現在の技術水準それから漁家の企業の水準、そういうものを考えますと、現在の時点においてできますものは、貝類としてはアワビ、ホタテガイ、ホッキガイ、アカガイ等でございます。あるいはウニ、それからエビといたしまして当然クルマエビ、魚といたしまして、増殖関係でいえばマダイ等がリストされると思います。それから養殖は、ハマチが現在相当な勢いで行なわれておるわけでございますが、十年先あるいは五年先のことを考えますと、昨日も申しあげましたけれども、現在農林省の研究所その他で相当大がかりにマグロとサケ、マスとタラバガニ等の相当大規模な養殖の企業化試験をやっておりまして、マグロ等につきましては相当な成績をすでに初年度においてあげておりますので、五年、十年先にいたしましては、現在全然行なわれておらないが、そういうきわめて国民の需要が高く、生産はどちらかといえば減退ぎみという、そういうものについての養殖が私は行なわれるというふうに考えております。
○田中(恒)委員 いま長官からお答えをいただきましたように、増養殖については、特に魚についてはまだ不十分なんですね。魚種にいたしましても——問題は魚なんですね。海藻であるとか貝類であるとか、こういう面はだいぶ実用化されておるわけですけれども、魚類については、ハマチが一般化されておる程度で、あとはまだ実用化の段階に入ってない。しかし試験研究機関に聞いてみると、人工ふ化等についてもカレイであるとかヒラメであるとかタイであるとか、こういう問題についても試験段階ではだいぶやれる状態になっておる。それが実際に大量的に一般化しがたい面がどうもあるようなんで、こういう点にやはり力を注がないと、せっかく基本方針を立てられても、なかなか沿岸の問題は技術的にもまだ多くの問題が残されておるような気がしてならないわけです。試験研究の問題はあとでちょっと御質問いたしますが、私はやはりそういう意味でその辺の重心をどう置くか、こういう点をこれはあとでちょっとお聞きをいたしますが、その前に、いまいろいろな関係団体の要望を聞きながら水産庁が基本方針を立てられておるわけですが、その基本方針に基づいて都道府県が開発計画というものを設定していくということになるわけですが、農業の場合もそうですけれども、果樹等の場合でも、農林省が果樹の基本方針を立てても、今度は県で立てた果樹の方針のほうが相当大きくふくれ上がって、農林省の方針をはるかに上回る、こういう現実がどうも出るわけですね。今度のこの問題の基本方針を立てる場合でも、特に沿岸漁業については、私が承知をしておる範囲では、府県段階では相当熱心に沿岸の開発についていろいろな努力をしておる。そういうものを勘案すると、県の実施計画一国の基本方針、その間のズレが起きはしないか、こういう感じがするわけです。こういうものを基本方針設定の過程の中でどういうふうにやっていくのか。積み上げ方式でやっていくのではなくて、やはり国がきめたものを県に参考におろしていくということでありますから、多少その辺のズレや相違が出てくると思うのです。この辺の調整はどういうふうにとられるのか。仕組みを考える場合に、もう一ぺん実際に各県なり各海区の状態というものとの対応の方法というものを参酌をしなければいけないのじゃないか、こういう感じがするわけですが、そういう点はどういうものでしょうか。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○大和田政府委員 開発区域の指定をいたします場合に、都道府県知事は農林大臣に協議をするということで、その際にも、また計画を立てますときにも、当然農林省に御相談があるわけでございますから、事実上そこで調整ができると思いますが、果樹、たとえばミカン等との違いは、生産及び需要の動向を見ましても、また現在の魚の値段が非常に高いということを見ましても、何といいましても、当分といいますか、相当長いこと、日本の魚、特に先ほど申し上げましたような魚は、生産に比べて需要が強いということで、生産過剰という問題は、よほど流通関係でへまをやらない限りはないのではないかというふうに私は思います。したがいまして、農林大臣のつくります開発基本方針の生産目標と、知事がつくります計画の数量と、完全に一致いたしますれば、それはそれでけっこうでございますけれども、いまのお話のように県が相当張りきって、農林大臣のつくられましたものよりも全体としてオーバーぎみということになりましても、それはそれでけっこうだ。どうしても農林大臣のつくられた基本方針の生産目標の中に押え込むという必要は、水産物については当分といいますか、相当長期的にないというふうに思います。したがいまして、何でもかんでもそのワクに押し込めるということではございませんから、この協議は、むしろ農林省のほうから、どうだ、もう少しやれないかと言うことになることが多くて、全体としての生産調整というような必要は、品目によっては多少出るかもわかりませんけれども、大体おしなべて水産物については需要が非常に強いということが、私どもの水産行政を行なう場合の一つの強みであるというふうに考ておるわけでございます。
○田中(恒)委員 いま長官が言われたとおりで、需要が非常に強いわけですから、国が立てた基本方針を上回るような下からの積極的な計画が出てくる条件は、まことに好ましいわけであります。しかし反面、そのことは水産庁というか、日本の漁業の中心的な役割りを持たなければいけないところが、やはり地方のそういう実態を十分に承知しない、むしろ控え目の計画しか立てられない。そこに私はいまの水産行政、水産政策の貧困がやはりあると思うのですよ。もう少し本格的に大きく網を張って、特に需要が高いわけでありますから、不足をしておるわけでありますから、やはりこれまで国がやるのだ——特に水産の問題は、この海洋水産資源開発促進法を見ましても、国が基本方針を立てていく、県が実施計画的なものを立てていく、大体県がやることはたくさんあって、国は方針を立てて示せばいい、こういうことになっておるようでありますけれども、実際に海洋の資源開発なんというものは県だけでやれるものではないので、これはやはり国が本腰を入れなければならない問題であります。そういうような積極的な姿勢をここで出さないと、せっかくこういうものをつくっても意味がないと思うし、国の漁業に対する責任性というものが不明確になると思うのですよ。私は、やはりそれはよろしいことですけれども、むしろ水産庁がリードしていく、責任をもって、ついてこい、これだけのことをやるのだ、こういうものを大まかに出す姿勢がないと、どうも県やいろいろな関係団体に足らぬところはまかせるという姿勢じゃ困ると思うので、この辺の基本姿勢の問題はどうですか、大臣。ひとつ漁業政策について本格的に、こういうような方針の中で、水産の今日の状態の中で、特に沿岸漁業の開発について本格的に腰を据えてやっていくという意図での農林大臣の基本方針というものの内容を織り込むかどうか、この辺を大臣のほうからお聞きしておきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 海洋開発につきましては、いろいろな仕事をこれからも引き続いて考えていかなければならないと思っております。いまカニも、それからサケ・マス、ニシン、これらについて日ソ両国交渉中でありますが、きのうもお答えいたしましたように、やはり資源論が非常に強調されております。いま私は先方の情報を見ておったのでありますが、やはり海洋資源開発というふうなことに政府が真剣に取り組んでおります姿勢というものは、いま私どもが外国との折衝過程においてもその必要性を痛感するわけでございまして、もうすでに遠洋につきましては、われわれとしてはアメリカ、ソ連にはるかに、調査船等の数であるとかあるいはその予算面等において劣っておることは御存じのとおりであります。私ども海洋国家として、世界第一の漁業国と思って任じておりますけれども、非常に立ちおくれておる面があることを否定できません。したがって、新漁場開発等、できるだけこれから予算をとりまして、そういうことに遠洋においては最大の努力を払わなければなりませんし、一方においては、いまお話のありましたような沿岸について、やはり基本方針等によって、先ほど水産庁長官もお答え申し上げておりますように、関係の地方の知事等の参画を求めておりますのは、その地方地方におけるいろいろな状況がありますので、それらを勘案いたしまして、十分に地方庁の考え方も取り入れることが必要ではありますけれども、その指導的役割りはもちろん国が負うべきものであると思っております。 それから、先ほど来承っておりますと、増養殖について、ことに取る漁業からつくる漁業へという考え方、これはお話しのように魚種についてはまだ満点とは申されませんし、技術的にはなおかつ開発の余地もあるようでありますので、そういう点にさらに力を入れてやってまいりたいという考え方であります。したがって、世界第一流の漁業国家としての今日の地歩を確立してまいるために、補充的にいろいろなことをしなければならない、こういう考え方で鋭意取り組もうといたしておるわけであります。
○田中(恒)委員 先ほど問題にいたしましたこの試験研究機関の充実の問題でありますが、これは従来八海区制の国立水産研究所というものが中心になっておるわけでありますが、この水産研究所の機能ですね、こういうものは現状でいいのかどうか。ともすれば基礎研究的なものに中心が置かれて、今日、いま大臣も言われましたように、とる漁業からつくる漁業ということで、実際に農業と同じような態様になってくる、技術的には大変革の時期に来ておるわけでありますので、そういう面について試験研究から応用、それから実際にやっていけるような研究、応用、普及、こういう技術の一体的な体制をこの際大幅に考えていかなければいけないのじゃないか。あるいは県の水産試験場との関係といったようなものをどういうふうに今後考えていくべきなのか。こういう水産に関する試験研究機関の全体的な仕組みや機能や位置づけ、こういう点についてお考えになっておる点がありましたら、この際お示しをいただきたいと思うわけであります。
○大和田政府委員 現在北海道あるいは東北区その他八つの海区水産研究所と真珠研究所が、いわば国の水産の研究機関でございます。これはお話のように基礎的な研究をやっておるわけで、実は試験にいたしましても、増養殖関係にいたしましても、あるいは水産土木事業等にいたしましても、基礎的な研究でずいぶんなお今後行なうべき点が多いわけでございますし、基礎的な研究をいきなり県の試験場でやるということにはなかなかまいりませんので、私は現実の問題意識を持ちながら基礎的な研究を水産庁の研究所が行なうという姿勢で今後もよろしいというふうに思います。ただ、その場合に、そういう基礎的な研究と応用研究とのいわば結節点といたしまして、ただ水産庁の研究所が基礎的な研究をやって、いわばどんなに問題意識を持ちましても現実から遠いということであってはいけませんので、水産庁の研究所といたしましては、大学あるいは県の試験場といわば共同研究の形で現実的な問題にもどんどん出るべきである。現在、たとえば瀬戸内海の赤潮にいたしましてもあるいは浅海漁場における増養殖の関係にいたしましても、相当そういういわばプロジェクトチームをつくりまして、水産庁の研究所が主体になって、それに大学あるいは県の試験場が参画をして、非常に幅の広い研究をいたす傾向が、ここ数年非常にはっきりいたしてきておるわけでございます。それはそれなりの成果を現在までも生んでおりますし、これからもそういうことにいたしたいと思います。 それから普及員といいますか、水産庁の研究所あるいは県の研究所で基礎研究あるいは応用研究として行なわれたことを的確に漁家に流すための手段といたしまして、私ども農業と同じように水産関係の専門技術員及び普及員を置いておるわけでございまして、増養殖関係でも相当普及員の活動、特にノリの養殖が大体平年作四十億枚と言われたのが、どうやらことし、去年五十五億というふうに大台が変わってまいりましたのにも、試験研究機関の試験研究にあわせて、その普及に当たりました普及員の努力が、私は相当力があったというふうに考えておるわけでございます。 研究につきましては、できるだけ幅の広い共同研究を進めて具体的な問題を解決していく。赤潮の研究なんかが私は最もその成果が望まれるものの一つでございますが、それと同時に専門技術員、普及員を充実して、その研究結果が的確に漁家に伝わるようなくふうを今後も続けていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 いま長官が言われたようなことを、私も試験研究機関の関係者から聞いておるわけでありますが、確かに新しい試験研究機関の行き方の一つの分野を示しておると思うのです。しかし直接関係者にいろいろ聞いてみると、具体的には試験研究機関というのは、水産だけではなくて農業も林業もみな同じでありますが、やはり銭がないということであります。施設が少ないということであります。私のところの愛媛県の水産試験場なんかいまアユが不足だということで、一万匹程度のアユがどうしてもないといかぬということですけれども、いろいろ調べてみると、河川放流をやはり百九十万匹程度やらなければいけない。それに対して、いま水産試験場が持っておるタンクは十トン程度で、百九十万匹の河川放流をやるとえさと一緒に三千八百トンのタンクが必要だ。そうすると、現実には二百八十分の一しかこれにこたえるだけの施設条件が整っていないというわけです。いろんな魚の種類別の増養殖をやるにしても、これが実態だろうと思うのです。あるいは普及員の問題にいたしましても、私どもの地方だって二名くらいしかいない。県事務所に駐在しておりますけれども、聞いてみると、漁村の普及指導に足が運べるだけなかなか余裕がない、こういう悩みを皆さんお訴えになっておるわけでございます。こういう点が、つくる漁業という方向に向かって、具体的に現場で一番求められておる問題のような気がしてならないわけです。特に試験研究の問題は、先ほどもお話のありましたように、技術的にも残された問題はまだたくさんあるわけでありますから、これは大がかりに国の研究所なり県の水産試験場なりを総がかりにした体制で強化をしていただきたい、このことを特に要望しておきたいと思います。 それから、栽培漁業における種苗の確保、供給という問題が何といったって一番大きな問題でありますが、これについても試験的にいろいろ問題があるのですけれども、いまいろいろ言われております瀬戸内海の栽培センターでありますが、この瀬戸内海の栽培センターというものは一定の役割りを果たしてきたということを私どもも承知をして大きな期待を持っておるわけであります。これもこういうような法律が出てくる中でさらに脚光を浴びる、こういうことにしなければいけないと思うわけであります。長官の先般来のお話をお聞きすると、日本海にも調査費をつける、さらに引き続いて太平洋岸にもやる、何か栽培センターの全国的統一的な機構網というものをつくられるやに感じられるような御答弁があったわけでございますが、まだ具体的に決定をされていないのだとは思いますけれども、私はやはり全国的にこういう栽培センター、種苗供給の機能を果たす中心的な役割りを強化をしなければいけないと思うのですが、瀬戸内海の栽培センターの運営等を見ましても、たとえば協会といったようなものがこの運営にタッチをしておる。その協会には、それぞれの県が負担金といったようなものを出しておるという状態なんです。こういうものは、やはり国が全体の運営をはかっていくというような方向にならないのか。関係県が寄って多少金を出し合って、関係県の知事が協会長になってやっていくというようなことが、たとえばこれから基本方針をつくって県が実施計画をつくっていく。そうすると、瀬戸内海の関係地区においては、その中間に、また協会といったようなものが作用していくというような状態になりませんでしょうか。こういう点をちょっと不安に思うわけでありますけれども、何か県と国との間に、特にこういう種苗の供給については、協会の発言といったようなものは、金を出して運営をやっておるわけでありますから、試験研究者に聞いたら、栽培センターと言わぬで協会、協会と皆さんおっしゃるわけで、相当大きな役割りを持っておるように感ずるわけです。こういうものがまた中に介在していくということになると思うのですが、この種苗の供給なんというものは、やはり国や県が責任を持ってやっていく。特に国がこれは中心にならなければいけないと思うのです。私はむしろ海洋センターといったようなものの中に種苗センターというようなものが全国的に入っていく、こういうことが考えられないのか、こういう点を思うわけでありますが、この辺について長官どういうふうにお考えになっておるでしょうか。
○大和田政府委員 瀬戸内海の栽培センターは種苗をつくるところでございますから、国の基本方針で示します必要な種苗の相当部分をそこでつくって県を通じて漁協等に配付するということになるわけで、国の基本方針と県の開発計画との間に栽培センターがはさまって非常にトラブルが起こるということは私はないというふうに思います。そうして栽培漁業あるいはつくる漁業ということは、日本の沿岸漁業の今後の一つの大きな方向を示すことでございますけれども、なかなか技術的になお未検討の問題が多いわけでございまして、瀬戸内海の栽培センターもその一つの試みとして数年前につくって、クルマエビについてはほぼ間違いないところまできた。人工ふ化、それから放流あるいは養殖等について技術的にも大体確かなところを探り当てたというふうに技術者も言っておりますし、またこれを現実にやります漁協のたとえば青年部の諸君もそう言っておるわけでございますけれども、その他の魚についてはなおまだ問題点があるわけでございまして、したがいまして瀬戸内海でやりましたことを直ちに日本海あるいは太平洋岸に押し及ぼすということもなかなかむずかしいわけでございますので、まず日本海について調査をして、だんだんに太平洋岸に及ぼすということでございます。したがいまして全国的な組織といいますか、栽培漁業のいわばシステム化をどういう形ではかるかということは、私ども、技術の進みぐあいと合わせまして、今後当然そう長い将来ではなくて、ここ二、三年あるいは数年の間に検討をして制度をつくるべきものというふうに考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 できるだけひとつ全国的な体制をとっていただきたいと思います。 こまかいことをたくさん御質問をいたしたいわけでありますが、時間の関係もありますので、要点だけ御質問いたします。 都道府県の知事が開発区域あるいは指定海域を指定をする場合に、海面あるいは海底における行政上の境界というものははっきりしておるのかどうか。これは行政的に海と底の行政区分というのは各県いろいろ入り乱れて漁業権等も重なり合っておるところもあるのじゃないかと思うのですが、こういう場合の行政区分はどういうふうにやられていくのか。特に海底のいろいろの企業化というものが今後起きてまいりますと、これは農林省直接関係するわけでもありませんが、一体どこへ税金を納めたらいいのか、こういう問題も出てくるわけでございますが、そういう点についての見解は、水産庁にだけでもいけない面があるんですけれども、水産庁当局としてはどういうふうにこれを理解したらよろしいでしょうか。
○大和田政府委員 開発区域と政令による指定海域とは問題が違うわけでございますが、都道府県知事の管轄する海面というのはおのずと慣行としてきまっておるわけでございます。したがいまして、開発区域につきましては、慣行によってきまっている区域に従って指定をいたすわけで問題はないと思いますが、指定海域のほうはこれは政令できめるわけで、一県だけの管轄に属するということもございますけれども、数県の管轄あるいはどこの県が管轄することが適当かということが必ずしも明らかでない、沖合いでございますから当然そういうことになるわけでございまして、そういう場合には、指定海域を指定する海域においてそれを管轄するものは知事ではなくて農林大臣である、そういうことを政令の中に書き込んで、所属といいますか、管轄の主体を明らかにいたすつもりでございます。
○田中(恒)委員 それから開発区域の指定基準でありますが、これは増養殖については一定の適する自然条件を基本方針で明確するといわれておりますが、一定の開発区域の規模というのはどの程度をお考えになっておるのか。あるいは経営の状況とか海域の利用状況等が参考になるわけですが、それは具体的にどういうことなのか。あるいは企業化を促進することが適当な海域でなければならない、こういうことになっているわけですが、この企業化を促進するということは具体的にどういうことなのか、こういう点をひとつお聞きしておきたい。
○大和田政府委員 法律で規定いたしておりますことも当然常識的なことでございまして、増養殖を相当広くこれから進めていくと思いますけれども、その中でこの法律によって開発区域として指定いたします海面におきまして一定の工事等をする場合は、法律上の規制がかかるわけでございますから、全面的に開発区域というものを指定するわけにもまいりませんので、そこの事情からいって、増養殖を進めるのにぜひ必要な海面という、そういう規定になるわけでございます。したがいまして、構造改善区域は、先ほども申し上げましたように全国百八ということで相当広く指定をいたしますけれども、その構造改善区域の中で開発区域というのはおそらく二つとか三つとかというふうにこまかく指定をされることになるだろうと思います。
○田中(恒)委員 法第十一条に「水質汚濁等の防止のために必要な措置を講ずる」というふうに書かれておるのですが、この「必要な措置」というのは、具体的にどういう内容のものまでとられるおつもりなのか、この点を……。
○大和田政府委員 法十一条の「必要な措置」でございますが、これは当然前項で水質汚濁あるいは底質の汚濁の監視をいたすわけでございますが、広く、たとえば漁場の復旧といいますか、すでによごれている海の復旧等を含めて水質汚濁を防止するためにいろいろな措置をすることを含めていっておるわけでございます。
○田中(恒)委員 これで最後にいたしますが、やはり海水をきれいにするということが何といったって当面の公害問題をからませての大きな問題でありますが、将来日本の海面を美しくしていくという場合に一つの問題は、原子力発電所が、おそらくこれは好むと好まざるにかかわらず、大きなエネルギー源として伸びていく、こういうふうに想定されるわけでありますが、この原発の設置をめぐって今日の時点では漁民との間に各所で紛争が起きておるわけでございます。問題は、放射能の問題もさることでありますが、温排水の問題あるいは海面の気温の高低の問題、こういう問題について具体的に水産庁で研究、対策がとられておるのかどうか。聞くと、あまりこれらについて手がないのだ、こういうことも聞くわけでありますが、こういう点は今日当面急務の問題として水産庁当局は十分配慮していただきたいと思うわけであります。 さらに、他の委員からも意見があったわけでありますが、日本列島周辺における石油の開発の問題、これも日本の工業全体のエネルギー開発問題としてやはり今後大きく出てくると思うのです。こういう問題との調整をこの法律の中でやられるということになるわけでありまして、他産業との利用の合理化をどう組み立てていくかということになるわけです。こういう場合に、第一次産業である漁業の生産あるいは漁業の位置づけというものを明確にしなければいけない。これは農林省と通産省、あるいは運輸省も関係をするでしょうが、そういう各省との関係になるわけでありますが、やはり第一次産業を守っていくという観点に立って他産業との利用の合理化というものが考えられないといけないと私は思うのです。そういう点について大臣の御所信を承って、まだたくさんあるわけでありますが、あとの予定もありますので、質問を終わりたいと思うわけです。
○倉石国務大臣 お話しの点は、私どもにとりましてもきわめて重大な関心を持っておることでございますので、関係各省といままでもいろいろ相談をいたしておりますし、田中さんのおっしゃいました御趣旨、私ども全く同感でございますので、今後ともその点については遺漏なきよう最善の努力をいたしてまいるつもりであります。
○三ツ林委員長代理 美濃政市君。
○美濃委員 時間が非常に経過しておりますから、漁港法の改正についてできるだけ短い時間で切り上げたいと思いますので、御説明は要点だけ簡略に願いたいと思います。 北海道の公共事業に対する国庫負担あるいは補助率の特例措置は、これは北海道の開発の後進性あるいは財政状況から見てこういう措置がとられたわけですが、今回の理由説明を見ますと、私の考えでは、北海道の財政というものは、こういう措置をとったときよりも御存じのような経済状況によって予算的な金額は上がっておるけれども、中身は必ずしも好転したとはいえないのではないか、こういうふうに考えておりますが、ここでは「適当であると考えられる」という提案になっておるわけです。これは、農林省所管は漁港だけに限らず土地改良もあるわけですから農林大臣、それから自治省、開発庁、各関係者からこの見方について見解を承りたいと思います。
○森岡説明員 地方財政全般を通じまして、よくなった、まだよくなっていない、いろいろの立場からそれぞれの議論がございます。ただ私どもが見ましたところでは、北海道の財政状況は、全国の都道府県の状態から見ました場合にすぐれてよくなっておるということはいえないという感じがいたします。具体的の数字で申しますと、四十四年度は北海道は二千七百九十五億円の決算見込みでございますが、そのうちで道税の収入は二一・三%でございます。全国の都道府県の歳入の中でいわゆる自主財源であります地方税の占めておりますウエートは約三六%、そういう点から考えますと、やはり北海道の担税力あるいは財政力というものはまだかなりおくれておる、全国的な比較から見ればおくれておるということになろうかと思います。ただ、その場合に、財政の状況を四十四年度という一時点でとらえるか、あるいは御指摘のありましたように数年間、あるいはもう少し長い期間をとってみるかということになってまいりますと、御承知のように二十九年なり三十年には、職員の給与も支払いに事を欠くという時期があったわけでございますから、そういう時期と比べますれば、それは収支の状況は若干の改善を見てきておるということがいえると思います。しかし、全般的に申しましてまだ施設もかなり立ちおくれておりますし、やるべき仕事もかなり残っておりますので、道財政が非常に好転したというふうに見ることはできないと私どもは考えております。
○新保政府委員 北海道の財政状況それ自体につきましては、私ども直接所管をいたしておりませんので、詳しいことを申し上げる資格もないわけでございますが、ただ関係の官庁として申し上げられますことは、ただいま自治省からもお話がございましたように、過去の二十年当時あるいは最近におきましても、たとえば三十八年当時からのいわゆる財政力指数と申しますか、そういうものの推移を見ましても多少はよくなってきておるわけでございます。それから、現時点における北海道の財政は非常に余裕があるとか、そういう見方は正しくないと私どもは思いますし、やはり内容的にはいろいろ苦しい点もあろうかと思うわけでございます。ただ公共事業にかかる補助率、負担率の調整というのは、財政からの観点も一つの要素としては考慮されておるわけでございますけれども、それだけから結論を出されたという問題でもございません。補助率とか負担率あるいは国と地方との関係のあり方とか、あるいは各種の補助制度とのバランスとか、そういうことも一つのファクターになっておりますし、また何よりも私どもとしましては、補助率の調整には、今度はいろいろな情勢でやむを得ず応じたわけでございますけれども、考え方としましては、これからの第三期の各種の開発事業を推進するにあたりまして、国費だけでなくて、道の地方費も協力していただいて、むしろ前向きに開発事業を推進していきたい、そういう考慮から、四十六年度におきまして、いわゆる全額補助といいますか、十割負担の事業についてだけ若干の調整もやむを得ない、こういうことで応じたわけでございます。
○倉石国務大臣 このたびの措置は、ただいま自治省、開発庁からお話がありましたが、北海道と話し合いをいたしまして、それぞれの官庁においては、これは法律によらないで措置をいたすようでありますが、漁港関係は御存じのように法律でございますので、そういうことで改正をお願いいたしておることでありますが、全体的に見まして、私どもは、漁港その他の沿岸について、これはこれといたしまして、あとう限りの協力をいたす方針については、御存じのように一向変わっておりません。そういうことでこの措置はひとつお願いをいたしたい、こういうわけであります。
○美濃委員 ちょっと開発庁にお尋ねいたしますが、開発庁としてはやむを得ず応じたといま表現をされたのですが、開発庁から引き下げてもいいという案を出したわけではないのですね。やむを得ず応じたというのは、農林省から補助率を引き下げたほうがいいと出てきたのか、その一番の根っこはどこから出てきたのですか。
○新保政府委員 これは歴史を申し上げますと非常に長うございますけれども、そもそもは三十六年度に大蔵省のほうから、全部じゃもちろんございませんけれども、一部について補助率を下げたらどうかという提案がありまして、その翌年の三十七年もあったと思うのです。毎年毎年というわけじゃございませんけれども、その当時からすでに問題になっておったことでありまして、北海道あるいは開発庁にとりましても非常に重要な問題の一つとされておったわけであります。たまたま四十四年度の予算編成のときにこのこともまたさらに問題になりまして、四十五年度につきましても、道路あるいは河川の一部につきまして若干の負担率の引き下げを行なったわけでございます。そういう時期に第三期の北海道総合開発計画を策定するということになりました。これは道議会におきましても非常に問題になったようでございますけれども、道から内閣に提出されました第三期計画に対する意見書というのがございます。その中にこの公共事業の負担率についての道の御意見がございまして、その要点は「近時、種々論議されている国庫負担率改訂の問題については、北海道の開発がすすみつつある現状その他の客観情勢等にかんがみ、開発をより積極的に推進するという観点から、開発の進度、負担能力に応じて負担すべきものを負担することも必要である。」というような文章がございます。そういう道の意見もございますし、われわれとしましては開発について道なり道内の市町村の協力を得てさらに事業量をふやしていく、そういう前向きな姿勢においてならばこれはいいんじゃないか。表面的には負担率の引き下げという点はマイナスに響くけれども、むしろそういうことでなくて、地方公共団体の御協力も得て事業量を伸ばしていく、そういうことで対応していくということでございます。 四十六年度の予算の際にも、これは大蔵原案の内示よりはるかに前でございますが、大蔵省方面からは十割の分について合計して九十一億程度の負担の減をやりたいという提案があったわけでありますが、われわれとしましては、道の開発の現状なりあるいは道財政の現状その他の観点からこれに反対をしました。しかし、これによりまして開発の事業がより促進されるというような効果があるならば、断わってばかりおるというのもいかがであろうか。やはり国費と地方の予算と両方合わせて開発の事業量をふやす、そういうことは大いにこれからも必要なことじゃないだろうか。そういうような観点から、九十一億といわれておりましたのをいろいろ相談をいたしまして約その半分程度と、これは四十五年度の予算ベースでございますから、四十六年度におきましてはさらに若干ふえておりますけれども、そういうことでこれに応じたわけでございます。 さらになお申し上げますと、いま問題とされておりますのは、十割の国庫負担の事業につきましてこれを調整したいということでございます。それも全部が十割の特例になっておるわけではございませんが、そのうちの十割の分につきまして、四十六年度と四十七年度と二カ年計画ぐらいでこれを調整していきたいというようなことになっておるわけでございますが、その一部として、四十六年度その中で法律事項になるのはこの漁港法である、かような事情でございます。
○美濃委員 そうすると、四十七年度も引き続きまた下げるのですか、どういうことになりますか。四十七年度の予算もいずれ編成に入ると思うのです。そのときの作業については何か注文がついておるのですか。
○新保政府委員 四十七年度につきましては、これはまた四十七年度の問題として処理さるべき問題でございます。ただ、四十六年度の話をする過程におきまして、特に大蔵が問題にしておりましたのは、十割というものについて調整をはかりたいというようなことがありましたので、その分については若干尾を引いた形になっておるということでございますが、前回の委員会でも、漁港が九割になっておるのに港湾が十割というような御質問があったと思うのでございますけれども、港湾につきましてはこれは市町村が管理者で市町村に負担がかかるものでございますから、一挙にはできない。とにかくこれから来年度の予算の時期までにいろいろ研究しようということになっておるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、そこはまだ負担率を落とす可能性はあるわけですね。これでもう漁港に限らず、これは全般をさしておるわけですから、全般が一応今回の措置程度で負担率は据え置いて第三期計画の実行に入るということでなくて、四十七年度にもまた下げるという考え方が財政当局にある、こういうことですね。そこを相談しなければならぬということですか。
○新保政府委員 仰せのとおりでございまして、この四十六年度の措置だけで終わりということには実はなっておらないわけでございます。財政当局は、これはまだ非公式の見解でございますけれども、相当程度調整をしたいというような意向を漏らしております。しかし、私どもとしてはいろんな情勢、条件を考えなければならない。北海道は現在国土面積は二割でございますけれども、人口が五%であり、生産所得は全国シェア五%程度、相当これからも開発を要するというようなことで、すべて現在どおりということで済むとは思っておりません。率直に申しまして、ある程度調整は避けられないと思いますけれども、しかし道の御意見にもありましたように、公共事業に対する国庫負担率の特例という基本は堅持してまいりたいと私どもは考えておるわけでございます。今後の問題につきましては、われわれとしましては北海道の開発を積極的に進めていく、そういう観点に立って慎重に検討していきたいと思うのでございます。いずれも今後の問題になっておるわけでございます。
○美濃委員 そのお話を聞いておると、この問題はあなたまかせのようなふうに聞こえるわけですが、開発庁としてもっと自主的見解はないのですか。 もう一つは、農林省としても所管庁でありますから、漁港の問題都市改良の問題は、どうしてもここで財政事情——財政事情は省庁が分かれておるから、自治省ということになると、自治省の見解は、必ずしも財政力は非常に好転して強いとは言えないという見方をしておるわけですが、それに開発すべき事業量が多いわけですから、ここで歯どめをかうのだという自主的なものの判断の上に立って財政当局にぶつかっていくのか、財政当局から何か言われればふらふらして、いまの答弁のようにやむを得ないだろう、やむを得ないだろうという見解なのか、それをはっきりしてもらいたいと思います。私に言わすならば、やむを得ないという見解と、これ以上負担率を低下することはいけない、こう判断して強力に事務折衝をやった結果がやはり下がるというのとは違うわけですね。やむを得ないという判断で第三期計画あるいは明年度の予算作業に開発庁は取っ組むのと、ここでもうこれ以上負担の軽減はやはり開発庁としてはとめなければならぬという見解で進むのとはだいぶ差があると思うのです。いまお伺いしていると、ふらふらとして、やはり押されてくればやむを得ないのだというふうに聞こえるわけなんですね。どうなんですか、そこは。
○新保政府委員 これは先ほども申し上げましたように、私どもの官庁の立場といたしましては、北海道の開発を促進するということが任務であり使命であります。したがって、そういう方向に沿ってこの問題は考えるべきだということでございます。ただ単に国庫負担率を引き下げるということになりますと、その限りにおきましてはいかにも後退的な印象を受けるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、私どもとしては負担率は下がってもできるだけ事業量はふやしていくのだということで考えておるわけでございます。そういうことができるのであれば、負担率の引き下げというのは必ずしも北海道の開発にとってマイナスではない。しかしそうではなくて、ただやみくもに下げるのだということに対しては、われわれとしては断固これに反対する、こういうことでございます。
○美濃委員 いや、その事業量を伸ばすこともけっこうですが、結局は財政が伴わないと、その負担は起債になるか、あるいは自己財源でどうしてもやらなければならないものを財源調整して、そして行政水準を低下させて行なうか、道単独でやらなければならないものを、それをやめてやるか、これはどっちかにしなければならぬと思うのですね。だからその事業量が伸びること——私に言わしめるならば、事業量の伸びも大切だが、やはり財政を検討してやらないと、あとへ大きな起債が残って赤字団体になったり、それが払えない。それを償還するためには、道自体でやらなければならない行政水準を低下させてやらなければならない。それでは意味がないと思うのですね、事業量が少しくらい伸びても。あるいはある面においては、ものによっては、たとえば一例を申し上げますならば、私の考えでいうなら漁港とかこういう産業施設はそれでは困るけれども、たとえば道路あたりであれば、舗装の部分であれば凍上防止工事ができれば、あと三年かかるところは五年かかってもいいと思うのですね、車が走れますから。無理に舗装せぬでも、それよりもより財政の調達を健全化していかないと、事業量が伸びるからいいじゃないかといったってそう簡単なものじゃないと思うのですね。事業量の伸びと財政は並行していなければならない。並行していないで、おっつけられて事業量の伸びがよいからよかんべえというものの考え方には必ずしも私は賛成できないのですがね。
○新保政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。私のことばが足りない点がございましたけれども、もちろん道の財政の状況というのを勘案しなければなりません。これはその意味で、行政水準の低下を来たす、事業量がふえたが逆にほかの行政水準の低下を来たした、こういうことであるならばこれは非常にまずいと思うのです。そういう考えはございません。 実はこの問題は非常に長うございましたので、予算の非常に切迫したばたばたのときにやるべき問題じゃないというので、昨年もたしか九月ごろからでございますが、道の財政のこともございますので、実は自治省の方とも何回かお話し合いをしましたり、またこの問題につきましては自治大臣と開発庁長官と話を数回いたしております。そういうようなことで財政の裏付け、まあ端的に申しますと私どもとしては交付税でなるべく裏付けをしていただきたい、こういうことで自治省にお願いしてきておるわけでございます。で、前回の委員会におきましても、その点について自治省からお答えがございましたけれども、そういう努力を私どもも、あるいは道もする、それから自治省にもそういう点を配慮していただく。こういうことでそういう条件のもとに前向きに事業をふやしていく、こういうことでございます。
○美濃委員 いろいろ理由をつけて説明されますが、やはりこの問題はたとえば交付税で財源調整するとしても、財政需要額の見込みとしても、これは全額でないはずですから、負担が軽減される、全額は措置されるということには私はならぬと思うのでございます。交付税率というものがありますから、それを越えて全額の措置をするならば、何もこういう、たとえばこの部分の法律改正をする必要はないわけですから、そこまで措置するならどちらで見るかというだけの相違であります。 だから、時間の関係でそういうテクニックの問題は別といたしまして、ひとつ自治省、農林省から——農林省も先ほど申し上げた大規模な土地改良関係もありますし、法律事項ではないにしても政令事項であっても負担率の問題はあるわけです。とにかく第三期計画あるいは四十七年度予算に対しても、この負担率低下は、大体北海道の事情から見て、できるだけ担当する諸官庁としてはこれ以上引き下げないようにやる、その結果は別としても、やるという気がまえの答弁がほしいと思うのですが、それがどうもふらふらしておってたよりないわけですが、その点はどうですか。
○新保政府委員 私どもとしましては道の財政の困窮化を来たす、あるいはほかの行政水準の低下を来たす、そういう形においてはそういう問題には応じられません。その点については断固、これ以上のことは反対いたします。しかし他の措置があわせ講ぜられるということであるならば、前向きな効果が期せられるならば、この問題はある程度のことは考えてもいいのではないか。しかし、それがそういう条件が伴わないという場合には、われわれとしてはもちろんこれは反対でございます。
○大和田政府委員 漁港の補助率あるいは負担率ですが、北海道について今回調整をやるもので、私は当然四十七年度はこれでいく。また、それが四十七年度において下げられるという考えは持っておりません。
○美濃委員 あと、開発庁、自治省の方、けっこうです。大臣も用事があればけっこうです。 もう一つ、この際お尋ねしたいのですが、漁港関係に関連して、最近私は日本の将来のために一番心配しておることは、農業、漁業、林業ですね。この関係に対して就業人口の補充率が非常に低下してきておる。若年労働がなくてもう中高年齢層が多くて、中高年齢層が動けぬようになった場合に、いまの補充率から見るとこれはどうなるのだろう。この関係を非常に心配しております。 それで林業、農業の面は別の機会にしますが、ここでは漁業に限って申し上げてみても、これはやはり漁業装備というものが非常に安全性に欠けておるのではないか。一例を申し上げますけれども、昨年の十一月ですか、北海道の広尾沖にソビエトの漁船団が来て、あそこで——やはりあれは公海の限界になるのでしょうね、広尾のみさきまで来て漁業従事をしておりましたが、三十トンから四十トンあるいは五十トン規模の漁船三十数隻に対して母船三隻ですよ。その一隻は医者が乗って、入院室まであるわけです。母船三隻、しかもそれは一つは生命を守る船です。完全に医者が乗りまして、そして入院室まである。そういう船が一そうついできておるわけです。日本の漁業装備を見たら、たとえば同じ北辺海域において、三十八度線以南のサケ・マス流し網あたりを見ても、四十トンか五十トンあるいは大きい船で八十トンぐらいの流し網漁船が、三百海里、四百海里の海上へ出ていくのですよ。見ておったら、生命に対しては、オーバーな表現では全く暴挙というような装備で出ていきますね、ソ連船あたりから見ると。若年補充率が残らないというのは、これらにも大きな原因があると思うのです。いろいろな問題があると思うのです。単に経済上の理由だけじゃないと思うのです。そういうことをどういうふうに考えるか。日本のそういう問題に対しては、全く行き当たってしまってどうにもならぬような状態が出てからみこしがそろそろ始まるのだ。政策やそういうものをもうすでに事前に察知がつくわけですから、現在の漁業関係の補充率から見れば、これから二十年後には、魚がいるのを、自給といったって、とる人がいなくなります。全然いないということにはならぬと思いますけれども、ぐっと減りますね。しかし、いまレジャー産業や何かしておる人が、すぐ船に乗って海へ出ていけないでしょう。やはり学校を卒業して若い者が補充されて 海の仕事をやっておる者でなければ、あの荒波へ出ていけないと思うのです。その補充率はきわめて低下してきてしまう。それはもうはっきりしております。 そういうものに対して、装備をどういうふうにして安全を高めるか。また安全を高めるということになると、たとえばいま一種漁港あたりの中には、主としてそういう状態で全く無謀な装備でやっておりますから、五トン未満で水深二メートルぐらいのものもある。それは沿岸漁業は岸から近いところでも魚はとっておるわけですから、小さい船でもいいですけれども、そういうものと違って少なくとも沖合いへ出る船はかなりしなけりゃならぬ。七トンの船を入れるということになると、水深は三メートルぐらい要るのじゃないですか。十トンにするということになると、やはり四メートルぐらいの水深が必要になってくると思うのです。そういういわゆる日本の長期的な漁業、ある程度の装備なり安全性なりを高めて、日本の漁業を後継者をきちっと位置づけていくというためには、いろいろの政策が要ると思うのです。そういう考え方はいまどういうふうにお考えになっているか。単に漁港だっていまつくってある漁港がそのままでいいんだという考えだと、そういう私がいま言ったような安全性に欠けたような面から、漁業従事者というのはだんだんいなくなってしまいます。海に魚がおってもとることができない。そういう点の長期展望はどう考えておるか。いまからどういうことを考えて取り組もうとしておるか。
○大和田政府委員 お話のとおり、中学校あるいは高等学校を卒業して漁業関係に入ってくる者の数は、昨年の三月で五千八百人ほどです。これは数年前に比べますと、大体三分の一程度減っておるわけで、それでも五千八百人よく来るという人もいるのですけれども、とにかく事実として相当減っていて、これから人の問題が非常に大事な問題であるということは私もよく承知をいたしております。 それで、先ほどソ連船のお話がございましたが、私どもも、たとえばカツオ・マグロの遠洋漁船に対しまして、日カツ連に補助をして補給船に医者を乗せて巡航させる、あるいは北洋のサケ・マスにつきまして、海上保安庁の了解のもとに、大型巡視船に医者を乗せてサケ・マス関係の漁船員の診療をするということもやっておるわけでございます。 それから、漁船の安全につきましても、エンジン事故が小型漁船で非常に多いわけでございますから、無理に燃料を加えて全速力で走らして事故を起こすということがございますので、そういうエンジンに過重な負担を来たさないようないわば機械の施設をほとんど強制的に漁船に取りつけるということも最近やっておりますし、それから船舶安全法等の適用につきまして、小型漁船についても、私どもそう機械的な適用ではございませんけれども、やはりとるべきところはとるように運輸省等との話も進めておるわけでございまして、安全という問題あるいは居住区の改善ということにつきまして、船のトン数は原則としてふやさないけれども、居住区改善ということで若干の増しトン数ということを認めておりますし、とにかく、従来は人間といいますか人の側面について考えることが多少は少なかったということがございましょうが、現在及び将来の問題としては、私ども人の面に十分力を入れて考えなければ、日本の漁業というのは現在の地位を保つことが非常にむずかしいというふうに私も考えておって、その方向で行政を進めておるわけでございます。
○美濃委員 もう時間がないですから、あと、資料というよりも、いまもそういうことを進めておるのですから、できるだけ近い期間に、そういう漁港を含めた将来——日本の行政の中に長期展望が欠けておるというのは、私は日本の行政の全く最たる悪さだと思うのです。他の先進国といいますか、EEC諸国等々の行政は相当長期展望というものに力を入れておりますから、長期展望に欠けておるということは、私は日本の行政の欠陥だと思うのです。ですから、この際、できるだけ近い機会に——もちろん、そういうふうに装備を変えていくと、漁港の修築も伴うだろうし、青写真を書いて一年でやるというのではそれは予算上もできないわけですから、十年間くらいの展望を掲げて、これだけのことは十年間にやるという展望を示してもらいたい。それをできるだけ早い機会ということでけっこうです。何月何日までというのは無理でしょうけれども、少なくともことしのうち、十二月までくらいに、十年間くらいの展望を掲げて、漁業の安定、近代的漁業のためにこれだけのことはどうしてもやらなければならぬという政策の展望を示していただきたい。 以上で質問を終わります。
○三ツ林委員長代理 次回は来たる二十六日月曜日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十九分散会