農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/25
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 この際、国有農地等の売払いに関する特別措置法案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来より各党間におきまして御協議を願っていたのでありますが、本日の理事会におきまして協議がととのいましたので、その内容につきまして便宜委員長から御説明申し上げます。 まず第一に、農地等の売り払いの対価等につきましては、農地法第八十条第二項の「買収の対価に相当する額」を「適正な価額」に改め、政令で定めるところにより算出した額とするとともに、売り払い代金の納付については五年以内の長期の分割払いを認めるものとすること。 第二に、不要地認定した農地等の公共用または公用への転用の促進についてでありますが、旧所有者等に売り払うべき農地等につき、特定の場合には、直接これを公共用または公用へ転用し得る旨を法定したことであります。 また、右以外の場合でも、旧所有者等に農地等を売り払うべきであるというたてまえのもとにおいて、当該農地等につき、政府は、公共用または公用に転用を促進するような措置を講ずべき旨を定めたこと。政府は、地方公共団体等が農地等を公共用または公用に供するため、買い受けの申し出をした場合においては、極力これらの用に供されるよう行政指導を行なう等適切な措置を講ずるようにしなければならないこととするとともに、特に、公共用または公用に供する緊急の必要があり、かつ、そのことが確実である場合においては、政府は、旧所有者等に対して、優先的にこれを譲渡すべき旨の申し入れをすることができるようにしたこと。 第三に、譲渡所得の課税の特例につきましては、不要地認定した農地等の公共用または公用への活用に資するため、旧所有者等が売り払いを受けた農地等を転売した場合の譲渡所得の課税に関する租税特別措置法の適用につき、その売り払いを受けた年またはその翌年中にこれを公共用または公用として政令で定めるものに供するため転売した場合には長期譲渡所得として軽減税率を適用することとし、それ以外の場合には短期譲渡所得として課税するものとすること。 第四に、この法律は、交付の日から起算して三十日をこえない範囲内で政令で定める日から施行すること。 その他の事項として、すでに農地等の売り払いの措置が進行中の特定のものに限っては、従前の例によるものとすること。農地法第八十条第二項中の、売り払い対価は買収の対価によるとする規定を削除するものとすること等必要な規定を設けることとすること。 以上が、本案の内容でありますが、その詳細につきましては、案文により御承知願いたいと存じます。 —————————————
○草野委員長 本起草案について直ちに採決に入ります。 おはかりいたします。お手元に配付いたしております国有農地等の売払いに関する特別措置法案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立多数。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○草野委員長 芳賀貢君外六名提出、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案、及び内閣提出、国有林野の活用に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷部七郎君。
○長谷部委員 私は、この際、緊急に御質問をいたしたいと思うわけであります。 去る三月二十三日、国有林野の活用に関する法律案に関連いたしまして、林野庁が定員外職員として雇用しておる常用作業員及び定期作業員を国家公務員法上の常勤職員とし、労働条件を定員内職員と同じ水準に引き上げるため、すみやかに処遇の抜本的改善をはかるようにということで、林野庁長官、人事院あるいは行政管理庁、総理府など関係各省にそれぞれ質問をいたしたのでありますが、関係各省は責任のなすり合いをいたしまして、責任ある答弁を得ることができなかったのでございます。したがいまして、私はこれに対しまして、この法案の審議中に政府の統一見解を求めたのでございます。委員長もその必要性を認められて、委員会を代表し政府に対して、非常勤の常勤化について政府の統一見解を早急にまとめるように申し入れていただいたところであります。本法案は本日をもって議了の予定でございますが、いまだにその統一見解が示されておりません。一体この問題はどうなっているのか、この際、ひとつ委員長の見解をお伺いいたしたいのでございます。
○草野委員長 政府の統一見解については、四月の最初に開かれる委員会において明らかにされるよう、委員長として政府に求めます。
○長谷部委員 委員長としてですか。
○草野委員長 はい。 次に、角屋堅次郎君。
○角屋委員 一昨日来の同僚議員の質問に引き続きまして御質問申し上げたいと思います。 きょうは、理事会でもお話が出ておりましたが、農林大臣は参議院の卸売市場法案の審議に出席のために、午前中衆議院のほうには出席されないようでありまして、本来私は、農林大臣の出席を求めて、林業の基本的な問題あるいは当面の議題になっております国有林野の活用に関する法律案の内容について質問いたしたい、こう考えておったのでありますが、せっかくの機会でありますので、主として政府委員に若干の質問を午前中に申し上げたい、こういうふうに考えております。 私も、本院に席を持ってから十数年になりますけれども、議題になっております国有林野の活用に関する法律案の審議をめぐりましては、御承知のように過去非常に苦労した経過があるわけであります。ここに御出席しておる与党の議員の中でも、三十九年に林業基本法案の問題を議論したときの委員長の高見さん、あるいは国有林野の活用に関する法律案が俎上にのり出した当時、私も理事をやっておりましたが、あの当時いろいろ相談を求められました委員長の足立さん、あるいは衆議院で一応国有林野の活用に関する法律案の審議が議了した時点の委員長の丹羽さん、あるいは当時の理事の安倍さんや小沢さんや三ツ林さん、こういう方々の顔を見ておりますと、いよいよ大詰めに来たわけでありますが、それなりの感概がないわけではございません。しかし、本委員会は、私の十数年の経験を通じましても、たまたま非常に重大な問題であります農業基本法案の取り扱いをめぐりましては、いまはなくなりました非常に温厚な坂田さんが委員長の当時、私も理事をやっておりまして、与党がこの法案の最終段階で強行突破をはかるということで紛糾した経緯がございまするけれども、私どもは、政府から出されてきます法律案について、賛否は別として、できるだけ国会の場を通じて議論を尽くす、そして正しい処理を求めるというその姿勢をくずしてはいけない、こういうことを常々考えておるわけでありまして、この法案の取り扱いにあたりましても、高次の政治判断を含めて、そういう活路を見出したいという気持ちを胸に秘めながら、こういう問題の処理に苦心をしてきた経過がございます。 それはさておきまして、私は、政府委員の林野庁長官に、林業の当面しておる基本問題等について、大臣質問の前に若干お伺いをしておきたいと思います。 これはもうすでに同僚の長谷部君をはじめ公明、民社のそれぞれの委員の諸君からも熱心な議論が本委員会でもございました。さらにさかのぼれば、先ほど言いましたように、林業基本法案をめぐる論議あるいは森林法の一部改正を通じての議論、こういうところでもずいぶん林業の基本問題については論議されてまいりました。また、国有林野事業の本来のあり方については、異例ともいうべき、林業基本法案の審議の際に当時の高見委員長と当時の赤城農林大臣との間に与野党のそれぞれの合意に基づく質疑の展開があったことも御承知のとおりでありまして、いまさらこれらの問題について深く触れることは省略をいたしたいと思います。 そこで、申し上げるまでもなく、わが国林業が当面しておる問題というのはきわめて重大な危機に来ておることは間違いのない事実だというふうに思います。これは国有林、民有林全体を通じてもそうでありますし、また木材の需給という観点からするならば、年々外材の輸入の依存率が増大をし、すでに木材需要の半数以上を外材でまかなうというような事態に至っておることは、まことに残念なことだと思うのであります。言うまでもなく、わが国の森林は国土の六八%近くを占める、その中の約三分の一は国有林である、三分の二が民有林であるというふうな状態の中で、しかも国内の木材需要に十分にこたえないという現状にあるわけでありますが、そういう現状の中で、これからいわゆる森林法に基づく林業の公益的機能あるいは林業基本法に基づく林業の経済的機能というものと総合させながら、わが国の林業に対する要請にどうこたえていくかということは、数年前も今日も依然直面をしておる重大な問題だと思うのでありますが、この機会に、こういういろいろな困難な条件の中で林野庁長官として、これらの問題に対してどういうふうに事務当局としては苦心をし、またこれから進めていこうとされるのか、こういう点についてまずお伺いをしてみたいと思うのであります。
○松本(守)政府委員 いま先生から御指摘の日本林業がかかえておりますところの諸問題、また役割りというもの、そのとおりであると思います。確かにいま日本林業は危機といわれ、あるいは非常にやりにくくなったということがいわれております。それらの要因というものを分析をいたしますれば、幾つかあるわけでありますが、ここでは特に申し上げなくても先生おわかりのことと思います。 そこで、林野庁といたしましてその危機打開といいますか、林業の将来の発展のためにどのように考えておるかということでございますが、私は、いま日本の国内生産が低迷をしておるというこの事実の最大の原因は一応資源的な制約ということにあると思うのでございます。いまらようど伐採をされておりますのが、人工林でいいますと大正の終わりから昭和の初めにかけて造林されたものが、ようやく伐期に達しておるということで、これは林業の宿命といいますか、造林してから三十年、四十年、五十年かかるということでありまして、当時の日本の造林がどの程度行なわれておったかということを見てみますと、残念ながらきわめて微々たる面積しか造林が行なわれておらなかったということでありまして、林業というものは三十年五十年後のために種をまくということが必要であります。そういうことをしませんと急場には間に合わない。いま確かに需要に対しまして国内生産が低迷をしておる。 したがって、その差を埋めるものは外材であるということがいわれておりますが、当面日本林業は何をすべきかということを考えますと、当面対策と恒久対策というものに分かれるのではないか。この当面対策といいますものは、林業としてはすぐには効果は出てまいりませんが、それでもできるだけの当面対策をしなければいけない。それはまず労働力の問題もございます。労働力をまず確保するということが必要であるわけでございます。それと労働力が流出をするというために、それを補うものとして新しい技術の開発、省力の技術の開発ということも必要でございます。それと同時に、各種の労働力対策をしなければいかぬということでありますが、そういう点につきましても四十五年、四十六年と一段と拡充をした対策を進めておるつもりでございます。 また、ある一部に切り惜しみということもいわれておりますが、これは統計的に調べたものはございませんが、部分的には確かにそういうものもございます。そういう切り惜しみを、いま不足をしておる国内の需要という面に振り向けるための対策、これが施業計画制度でございます。施業計画によって計画的に伐採を進めていくということもすでに実行いたしておりまして、年々その実績もあがっておるつもりでございます。 あるいは、いま不足する労働力を最高度に発揮するというために協業ということが必要になります。協業というものは何かの音頭をとる者がおらないとできません。その音頭をとる、にない手の一つとしていま森林組合というものを考えております。森林組合による労務班というものを逐次増加をいたしまして、いまその班員数六万七千人といわれております。そのやっておる仕事、伐採にしても造林にしても年々成績をあげております。 以上申しましたようなものが当面の対策になるわけでありますが、その中には、これは恒久対策にもつながるわけでありますが、林道の開発をしなければいかぬということでいま鋭意重点の施策として進めて毎年進捗をいたしております。いま民有林では、これは一ヘクタール当たりでありますが、六メートル余の林道が開設をされておる。将来はこれを十三・七メートルまで引き上げていこうという計画もありますが、そのテンポは十分でないにしても一応の成績をあげておる。 それからさらにこれは当面対策になりますが、外材というものをどうしたら計画的に円滑に国内生産を乱さないで入れたらいいかということに対して、これは需給検討会というものを開いてその成果もあがりつつございます。 以上、当面的なものを申し上げましたが、将来的には何といいましても一番大事なのは造林でございます。造林をいたしませんと日本の国土は荒れる。将来の需給にも響く。同時に、かりに需要があるからといって伐採をされましたあと、造林もしないということになりますと、これは国土が荒廃をするという面に直接つながるわけでありますから、林業というものは産業としてやはり成立をさせなければいかぬ。伐採をしたあとは造林をしてもらうという政策をとらなければいけない。そのために必要なのは、造林の補助対策とか拡充対策、いろいろ進めておりますが、まあ長くなりますのでこれくらいにいたしますが、と同時に、最近社会的な非常に強い要請が林業の面に課せられようとしております。これは水資源の確保、国土の保全、自然保護、国民の生活に直結するところのレクリエーションの場を提供する、こういう面につきましても、今後の林業、大きな一つの柱として考えていかなければならぬ、以上のように考えておる次第でございます。
○角屋委員 三十九年に林業基本法案が提案されました際に、私どもの党のほうからも森林基本法案を出して議論をいたしました。最終的には政府原案を修正をして、われわれの党もこれに賛成をして処理したという経過が御承知のようにございますが、その際に、政府といたしましても、林業基本法に基づく関連法案の整備ということについて、当時見解の表明もなされてきたわけでございます。私どもの党といたしましても、当時提案理由の説明の中でも、森林基本法案に対する関連法規といたしましては十幾つかの法案をやはり整備する必要があるということで、たとえば国土高度利用促進法案あるいは国有林野事業法案、国有林野事業特別会計法の改正、あるいは国有林労働者雇用安定法案、さらに労働社会保障関係法等の改正法案、あるいは保安林法案、治山治水緊急措置法の改正、あるいは森林計画法案、林道法案、造林法案、入会権近代化法案、森林組合法案、山村振興法案、林業改良助長法案、さらに木材公営市場法案、あるいは農林漁業金融公庫法、林業信用基金法等の改正、さらには狩猟法の改正というふうな、こういう十数項目にわたる関連法規を整備して、本格的にやはり林業振興の立場から取り組むべきであるということを考えておったわけでありますし、政府といたしましても、林業基本法案については、これに関連する法規についてすみやかに整備するという見解表明等があったわけでございます。 たまたま、数年来ここに国有林野の活用に関する法律案というものが出されておりますけれども、こういう問題が出される前に、本来林業政策としてはこういう関連法規の整備ということが当然考えられなければならぬと思うのでありますが、こういった基本法案に対する、現実にはもう基本法でありますが、関連法規というものについてはどういう検討をし、また、これからどういう法案について用意をしていくという考え方であるのか、こういう点についても明らかにしておいてもらいたいと思います。
○松本(守)政府委員 林業基本法を制定されまして、その後政府として法律を制定をしあるいは改正をいたしたというのが幾つかございます。その一つには入り会い林野を整備する法律というものを制定をいたしまして、年々その実績をあげておる状況でございます。また、林業種苗法というものも改正をいたしまして、採取源を限定をする、優良種苗を提供するということで、これも昨年国会で御承認をいただきましていま実施に入っております。それから森林計画制度につきましてもいろいろ御議論がございまして、それについて、まず民有林の中の公有林と、私有林でも、計画的にその山の施業をすべきである。財産保持的な保守的な古い考え方では、今後の日本林業のために発展を約束するゆえんではない。同時に、国民経済の必要としておるところの木材というものも計画的に提供していかなければならぬということで、この面の改正をいたしております。 また、これは法律改正ではございませんが、国土の保全、相当な国費を投入いたしまして、荒廃した山を回復をしつつございますが、その回復のテンポも必ずしも十分でないということで、いま第三次治山事業計画に入っております。これは治山治水緊急措置法を延長いたしまして、そういった事業をさらに拡充をしてやっておるということ、以上のように幾つかつくり上げましたものはございますが、いま先生のおっしゃいました国有林野事業法あるいは改良助長法とか狩猟法の改正とか、いろいろの問題についていま懸案事項としてその後検討は続けておりますが、まだその成案を得ておりません。たとえば狩猟法、これは昨年の解猟日に非常な問題を起こした、事故が多かったということで、法律を改正すべきものと、当面対策をとるべきことと両方に分けまして、当面対策はすでに手を打ってございますが、法律改正は若干の時日を要しますことと、新しい角度から、環境庁のほうに移る予定になっておりますし、新しい角度から、狩猟と自然保護、鳥獣保護という面から、新しい面で検討し直してもらうということで、これは林野庁の手でいま取り上げておりません。それから山村振興法も制定をいたしまして、その中で振興山村事業というものを入れて、林道事業なども、その振興山村に指定をされましたところには重点的にこれは林道をつけていくというような方策もとっております。森林組合制度は昭和二十六年に改正されたまま、これは森林法の中の森林組合の条項がございますが、ほとんどそのままの姿でいままいっておりますが、時勢も変わって、当然これはもう少し協同組合の考え方を強く織り込んだ協同組合法みたいなものをつくるべきであるかどうかというのも、関係方面からの要請も出ておりますし、林野庁としてもこれに取り組んで、四十六年度中には何とかこの改正の方向を見出したいということで、いま最後の検討を続けております。 以上幾つか申し上げまして、いままで林野庁のとったこと、今後林野庁がとるべきことという点をかいつまんでお答えいたしました。
○角屋委員 いま林野庁の長官から御答弁のあった問題に関連をいたしまして、これは森林法の一部改正のときに本委員会の決議の中に、森林組合法の問題は、単独法として制定をすることをすみやかに検討すること、ということで要請したわけですね。いま長官からの御答弁にも関連いたしますけれども、御承知のように一次産業の場合は、農業の場合でいえば農業協同組合法、あるいは漁業の場合でいえば、近く審議の俎上にのぼりますけれども、水産業協同組合法という形で、いわゆる協同組合としての運営をやっていく。森林組合の場合は、実態を見ますといわば看板組合的なものも相当多い。しかし林業の振興のためにはやはり基本組織として森林組合を強化するということは当然考えられなければならぬと思うわけでありまして、いま長官の答弁によりますと、今年度中に鋭意検討して成案を得るように努力したいということでありますが、これはまあ法案の中身にもよりますけれども、やはり院の決議に沿うてこういう問題についても真剣に取り組んでもらいたい、こういうふうに要請をいたしておきます。 さらに、先ほどの林業基本法に関する関連法案として、私、党の提案の中では入っていませんでしたけれども、今後の問題としていわゆる農業、漁業の場合は、農業災害補償法あるいは漁業災害補償法というふうなことで、漁業の場合にも災害補償法があるわけですけれども、しからば林業のときにどうするか。これは一部国営保険というのがあることは承知しておるわけですけれども、やはり林業関係団体からは、私数年前に代表大会に出席したこともございまするけれども、林業災害補償法の制定ということで根強い要請が出ておるわけですね。これは林野当局としてはこういう問題についてもすでに検討を始めておられるか、あるいは今後こういう問題については成案を得て出していく方向で考えておるのかという問題についても、ひとつ御答弁を願っておきたいと思います。
○松本(守)政府委員 林業災害補償法の制定についての考え方という御質問でございます。これにつきましてはすでに数年来林野庁におきまして改正方の検討をいたしております。昭和三十六年でございましたか、六年か七年でございますか、それまでは森林火災だけに適用になった国営保険、それに自然災害を入れまして内容を拡充した。最初は順調に進んでまいりましたが、その後自然災害、気象災害、そういうものが多発をいたしました関係上、その保険特別会計が大幅な赤字を出すようになったということもありまして、その検討を急いでまいったのでございますが、いま問題になっております点は、その国営保険法が全部自まかないの保険でございます。国費を、一切援助を受けてないということでございまして、自然災害を入れることによる赤字というものをどうすべきか、またその加入の促進をどのようにすべきか。いま加入率が残念ながら十分ではございません。主として国営保険に加入しておりますのが一齢級、二齢級、若い林だけでございます。と同時に、一方森林組合がやっております福利事業、こういうのがございまして、その間の調整をいまとりつつございます。できるならばこれを一本にして、より強力なものにしてやっていくということで、そういう面の調整をはかりながらいま検討を急いでおります。
○角屋委員 ただいまの林業災害補償法の制定問題については、私ども国会の舞台で農業、林業あるいは漁業というものの法案の整備速度というものを考えてみますと、ものによっては必ずしも当たらないかもしれませんが、たとえば災害補償法というようなものを一つとって考えてみますと、早い時期に農業災害補償法ができて、それから十数年ぐらいになってからようやく漁業災害補償法ができる。そして、いま長官の答弁にもありますように、一部国営保険はありまするけれども、総合的な林業災害補償法というものはいまだ制定されていない。つまり、三つのうちでどこが早いかというのはものによっても若干違いますが、一般的にいうと農業が先行し、それから相当おくれてから漁業、林業がこれを追うという形が多いわけですね。今日のやはりわが国林業の停滞の中に、そういう当然整備すべきものが立ちおくれるということがこの面でもあってはいかぬと思うのですね。したがって、この問題についてもぜひ早急の機会に総合的な林業災害補償体制というものを整備するように努力を願いたいというふうに思います。 そこで、先ほど来の林野庁長官の答弁とも関連をいたしまして、いわゆる数年前に森林法の一部改正をやったときに、いま御答弁にもありましたように、いわゆる国有林、民有林を含めた全国森林計画というものを樹立をし、国有林の場合にはそれに基づく経営計画を立てる、あるいは民有林の場合には地域の森林計画さらには森林の施業計画というものを立てて、総合的に林業の開発あるいはまたこれの運営というものをやろうということに相なっておるわけでありますが、具体的に民有林の場合の実効は、この計画の推進によって相当あがっておるのかあるいは旧態依然たる状況にあるというふうに判断しておられるのか、こういう問題の現状について少しくお答えを願いたいと思うのです。
○松本(守)政府委員 目標と実績について申し上げます。 私有林と市町村財産区有林合計について申し上げますが、その合計の全面積が千六百万ヘクタールですか、ございますが、その中で、実施の目標を四十三年、四年、五年、六年、七年と五カ年計画で五百六十二万ヘクタールというものを一応目標に立てております。年間平均にいたしますと八十三万五千ヘクタールに相なりますが、この年間平均は四十八年から五十二年の平均でございます。 そういう計画でやっておりますが、その実績は——実績について申し上げます。私有林だけについて申し上げますと……。ちょっと失礼します。(角屋委員「間違えておってはいかぬから、担当官でいいよ」と呼ぶ)それでは計画課長に説明をさせていただきます。
○猪野説明員 それでは森林施業計画につきましてお答え申し上げます。 全体計画でございますが、これは四十三年から五十二年までの計画になっておりまして、私有林の所有面積三十ヘクタール以下につきましては、八百三十六万ヘクタールのうち四〇%、これに対して認定する予定でございます。 それから三十ヘクタールから五百ヘクタールまでの間でございますが、これにつきましては、四百五十万ヘクタールのうち八〇%を対象にいたします。それから五百ヘクタール以上のものにつきましては、これは百三十万ヘクタールございまして、このうち八〇%というものを対象にいたします。したがいまして、民有林全体、これは都道府県有林を除くわけでございますが、千六百万ヘクタールのうち六一%、おおむね一千万ヘクタールというものを対象にしてやっているわけでございます。なお、実績でございますが、これは四十三年から始まっておりますので、四十三年は七十八万ヘクタール、四十四年は八十二万ヘクタール、合計いたしまして百六十万ヘクタールということになってございます。四十五年の見込みは百十万ヘクタールということでございます。
○角屋委員 引き続いて、国有林関係についてのいま言った問題に対しての目標と実績。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 国有林関係は全国で七百五十万ヘクタールございまして、それを経営計画に基づきまして五年ごとに編成をしております。五年ごとに十五カ年間の計画を繰り返し編成しておりますから、七百五十万ヘクタールの、大ざっぱにいいまして五分の一ずつやっておるという実情でございます。
○角屋委員 林野庁の長官もあるいは担当のほうもそうですけれども、その道何十年と仕事をやっておられるわけだから、重要な問題についてはすらすらと答えられるように、ぜひしてもらいたい。 そこで、民有林関係の場合の、特に私有林の現状というものを林業政策上からどういうふうに林野当局としては見ておられるのか。これは経営別にいえば、一方に大山林地主というものもあれば、中小林家、九〇%近いものが零細林家ということになるわけですけれども、これらの現状をどういうふうに見ておられるか、あるいは大山林地主といわれる層が企業的経営という面で十分実績をあげてみられるか、あるいはそれとも、林家に対するところの意識調査等をやりますというと、伐期に来ているものもすぐ切る気持ちがないというような者が、相当数アンケート調査では出てきておるわけでありますけれども、こういった大きい経営の林業あるいは中小の林業の私有林関係の実態をどう見ておられるか、あるいはこれから、これらを含めてどういう指導方針で行かれようとしておるかという点について長官からお答えを願いたい。
○松本(守)政府委員 私有林の経営実態、またその意識ということでございますが、経営実態は、先般公表になりました一九七〇年センサスに、その所有規模別の異動、十年前との対比が出ております。その傾向を見ますと、これは林家について申し上げますが、昭和三十五年には二百七十万戸ありましたものが二百五十七万戸、五・二%減っております。といいますことは、所有の規模が若干なりずつでも大きくなっておるということがいえるわけであります。どの階層の者が大きくなっておるかということでございますが、それを概略で申し上げますと、小規模の者が林家数は七・〇%、大幅と申しますか、相当減っております。それから五ヘクタールから二十ヘクタールの間が一一・五%増加いたしております。それから二十から五十が二六%増加しております。それ以上の者も一七%ふえて、経営規模が逐次拡大していっておるということがいえるわけであります。それから人工林の率から申し上げましても、十年前に比べて相当これは大幅に増加しております。これは非常にけっこうな傾向でございます。その内容は省略させていただきますが、いずれにしましても、いま農林省で統計的につかんでおりますのは、小規模林家の経済の中に占める林業からの収入のウエート、これはだんだん減っております。ほかがふえておる。それは主として兼業収入というものでふえておるわけで、林業からくるところの収入は、ウエートからいえばむしろ減っておる。これは全国平均論でございますが、しかし、その中を分析いたしますと、相当前から五ヘクタールにしても十ヘクタールにしても造林をいたしまして内容の充実しておる林家、これはある程度の収入をあげておるということがいえるわけでありますが、林業政策としてはこういう内容の充実した個別林家というものを今後仕上げていかなければならぬ。そのためには造林——造林をするためにも、いま非常にやりにくい時代でございますから、特に拡大造林については国から高率の援助をしたいということで、その点力点を入れておるわけでございますが、また融資の面、税制の面でも、そういった林業の基本的な設備投資といいますか、林業投資というものがやりやすくなるような施策を今後もとっていかなければならぬ、このように考えております。
○角屋委員 さっき言った大山林地主の企業実態というのは——わかりました。ぼくから質問するから。林野庁の長官はじめ政府委員のほうも、あらかじめ詳細にこういうことを聞くということを言うておかぬと準備が整わぬようですが、本来頭に入れておくのが本筋ですね。 林業基本法案の議論のときに、国土資源は最高度に利用するという立場から、林業者の場合、これは公有林であれあるいは私有林であれ、特に私有林の場合に、大山林持主が財産保持的に山を保持して、いわゆる経済的要求に必ずしもこたえないという現状をどう打開するか。中には企業的林業として実績をあげておるところも私どもも知らぬわけじゃないけれども、全体的にはそういう傾向が強い。そこで林業基本法案の議論のときには、そういうふうに財産保持的に持っておって、いわゆる資源開発の経済的要請にこたえない場合は、そういう山を、分収造林その他のいろいろな方法があるでしょうけれども、積極的に他の方法で活用するということも真剣に考えるべきだという提唱があったわけですね。そういう面については林野庁としてどういう指導を具体的にはやってこられておるのか。さらには中小の零細林家の場合の共同経営とかあるいは協業化とかいう問題については具体的にどういう指導をなされ、どういう実績をあげてきておられるのかという面についてもお答えを願いたいと思います。
○松本(守)政府委員 大山林所有者ということを一応ここでは五百ヘクタール以上といたしまして御説明をいたしますと、その施業計画をつくってもらうという林野庁としての目標面積でございますが、それが八百事業体ございます。そのうちで、四十三年から四十七年まで施業計画をつくらせようというところの実施の目標が四百三十でございますか、半分強をこの五カ年間で施業計画をつくってもらうということで進めております。 また一方、大山林所有者、これは——ちょっとお待ちいただきたいと思います。——どうもたいへん失礼いたしました。大山林所有者の施業計画をつくってもらう事業体の目標の数をいま申し上げましたが、林野庁でいま考えておりますそれは五十二年までに、面積にいたしまして百十万ヘクタールをつくってもらうという予定をいたしておりますが、四十三、四年のこの二年で五十三万ヘクタールですかをやっておりますので、相当いいテンポで、大面積所有者については森林計画制度が徹底普及しつつございます。
○角屋委員 長官、ぼくの一つの質問にはポイントが二、三あるわけだから、よくポイントをわきまえて、答弁は的確にしてもらいたい。質問に対する答弁落ちているのですけれども、あんまりそういう点をやっておりますと、全体的な質問が少しずれますからなにしますけれども、いずれにしても、この私有林の場合、これは大山林地主であれ、あるいは中小の林家の場合であれ、経営の実態というのはなかなか十分な体制にまだいってないと思うのですね。国有林野事業あるいは民有林野事業を含めて、林業という場合は、国際的に見ても、あるいは日本の場合においても、スケールメリットというものが働くというふうに、私は原則的には考えるのですけれども、そういうふうに林業経営としては林野庁として考えておられるか、どうですか。
○松本(守)政府委員 林業の場合は、いま先生おっしゃいましたスケールメリット、確かにそういう効果が期待をされるわけであります。特に林業というのは、これからは資本集約的な形でいくであろうと思います。そういうことから長期を要する。しかもそれが長期を要するために、ある森林内容の構成状態が各年齢のものを要求をしておるということで、それはある程度の規模以上のものがありませんと、そういう構成をつくることができません。しかもその一単位、施業単位といいますか、それはあまり小面積ですと、最近の情勢ではそれが成立をしない。一年間伐採をします規模面積、ある程度の規模を必要とするわけであります。そこでそういう規模にならないものをどうしたらいいかということでありますが、そこに協業の理論が出てまいります。協業をして共同をしてそういう形をつくっていく、そういう面で林政の指導方向としても、森林組合の果たす役割りは今後さらに必要になってくると存じます。
○角屋委員 いま長官が答弁されたこととも関連するんですけれども、私は林業経営上は、やはりたてまえとしてはスケールメリットが働くと思うんですね。まさにそういう点では、国有林野事業というのは、地域的に見ればほかの委員で御指摘になった方々もあるわけですけれども、国有林が全国的に見れば、偏在的性格というものももちろんありますけれども、面積全体からいえばスケールメリットを発揮しやすい最適の条件を持っておるわけですね。またそれは同時に民有林の場合でも、たとえば私有林の大山林地主という場合は、企業的にやり得るスケールメリットを持っておるわけですね。零細の場合は、これはやはり協業その他のくふうをしてスケールメリットを発揮するような、それに準ずる運営方法をやらなければならぬ、こういうことだろうと思うんですね。ところが従来、たとえば相当の面積を持っておる公有林の運営というのは、必ずしも芳しくないということがいわれるわけですね。私は、やはり林業経営としてスケールメリットというものが前提になる以上は、林業の振興のためにもそういう前提に立った原則から著しくはずれることは許されないというふうに思うわけですけれども、公有林の場合についてのそういう点の現状をどういうふうに林野庁としては見ておられるわけですか。
○松本(守)政府委員 公有林に対しましては、明治、大正、昭和とわたりまして、山の充実がきわめておくれておるということがいわれてまいりました。そこで官行造林というものも生まれたいきさつがございます。それは公有林というものがある程度の面積的なスケールを持っておる、にもかかわらず長期に投資をする資金というものが確保されなかったというために、公有林はおくれておるということがいわれております。現時点でも確かに公有林の造林は、農林漁業金融公庫資金、公営企業公庫を通じまして、市町村には融資をいたしております。これは全額、必要限度内の融資でございますが、そういうものを通じまして逐次造林は上がっておりますが、市町村の財政の窮乏ということにからみまして、どうしてもそういうものがやりにくい場合もございますし、また十分成熟をしないうちに伐採をされる傾向もなきにしもあらずということで、林野庁としましては、やはりこれを施業計画に乗っけていくべきだということで指導をしておりますが、現時点までは、目標計画面積に対しましておおむね一〇〇%の実施率が実績としてあがっております。
○角屋委員 御承知のように、昭和四十一年に「木材の長期需給見通し」というものを政府の閣議決定で発表しておるわけでありますが、この際は、五十年という相当長期にわたるいわば長期見通しですけれども、そういう見通しの中では、ここ二十年ぐらいは外材依存から脱却できない、それ以降はだんだんと自給率を高めるという方向で好転をする、そういう見通しに立っておるわけですけれども、この見通しそれ自身も、最近の過半数以上をこえる外材輸入というものから見ると狂っておるわけですね。林野庁としては、この上り坂にある外材依存の傾向が一体何年を分岐点にして下降傾向に行くというふうに確信を持って判断できるわけですか。その辺の木材の需給関係、特に外材依存というものが上昇カーブから下降に転ずる分岐点は大体いつごろだという判断に立っておられますか。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 昭和四十一年に策定をされました「森林資源に関する基本計画」あるいは長期の見通しというものは、すでに情勢が相当変わってきておりまして、いまの時点でもう大幅に見通しと現実の間に相違が出てまいっております。しかし、その当時の見込みでは、外材依存度といいますか、逆に自給率といいますか、そういうものが逐次上がっていくのが昭和六十年という試算が出ております。確かにそれは一つの見方であろうと思います。といいますのは、戦後造林をいたしました。これは大幅な、戦前造林から比べますと二倍、三倍の規模で造林をしておりますから、そういう面におきましてはそういうことがある程度は言えると思いますが、しかし、この数字にもいま申し上げましたように相違が出てまいっておりますので、今年にはその見通しを改定しようということで、目下作業中でございます。
○角屋委員 この見通しを改定するというのは、林業政策全般から見て、非常にうれしい方向の改定じゃなしに、非常に苦しい状況で改定をしなければならぬというところにも、今日的林業の問題があると思うのですね。 ちょうど昼になりましたので、林野庁長官と質疑をやってみましたが、答弁のほうになかなか時間を要する状況でありますから、午前の部はこの程度に質問をいたしまして、午後大臣の出席後質問を続行することにいたしたいと思います。
○草野委員長 本会議散会後再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ————◇————— 午後三時十六分開議
○小沢(辰)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。角屋堅次郎君。
○角屋委員 きょうは午前大臣が参議院の御都合で出席されませんでしたので、当面議題になっております国有林野の活用に関する法律案を主としてお尋ねをいたしたいと思います。 私午前の質問の冒頭にも申し上げたのでありますが、林業基本法の審議あるいは森林法の一部改正の審議等々を通じて、林業の基本問題ということについてはずいぶん真剣な議論がなされてまいりましたし、同時に、数年来の、与野党でも取り扱い上に非常に苦慮してまいりました国有林野の活用に関する法律案についても、四十四年時点の本院の審議の中ではずいぶん多面的な議論が行なわれてきたわけであります。私は本来ならば法案の中身等についても詳細に触れて総括的にお尋ねをしたいという気持ちでございましたが、本日はおおむね五時を目途に全体的な法案の処理をいたしたいという理事会のお話もあるようでありますので、その趣旨をわきまえまして質問をいたしたいと思います。 私はたまたま四十四年時点の本法案の審議のときには予算委員会に籍を置いておりましたので、直接この議論には加わってないわけでありますけれども、ただ、この国有林野の活用に関する法律案は、四十四年時点の議論を通じてでも明らかなように、私ども党としては基本的には反対という立場でいろいろな角度からこの問題を議論をしてまいりました。私はこの機会にはそういう点については触れることを省略さしていただきたいと思います。ただ、この法律案が衆議院で議了され、さらに参議院をかりに通過をするという前提に立って考えてみました場合に、やはり基本的に農林大臣あるいは政府委員にただしておかなければならぬ数点の問題がございますので、これらにしぼってお伺いをいたしたいと思います。 申し上げるまでもなく、かつて林業基本法案が議論をされました際に、本会議の質問の中で、わが党のなくなった東海林稔君が国有林開放問題について触れております。それに対して、これもなくなりました池田総理から、国有林の開放は一部の利権のためにこれが開放されるということは厳に慎まなければならないということに基づいて以下答弁が出ておりまして、最後のほうでは、国土の高度利用あるいは農業の発展等から考えて適当な措置をとるべきであると考えている、こういう東海林君の質問に対する池田総理の本会議答弁というものが出されておるわけでありますし、さらにまた午前にも触れましたように、異例の、当時の委員長でありました高見委員長と赤城当時の農林大臣との数項目にわたる質疑応答の中で、赤城農林大臣から国有林の活用問題あるいはいわゆる国有林野の開放問題についても見解が政府として示されておるわけであります。私はこれらの全文については触れませんけれども、国有林の活用ないし開放問題について赤城農林大臣はこういうふうに言っております。いわゆる国有林野の開放問題については、国有林の重要性は林業基本法において明らかにされたので、その趣旨に基づいて慎重に対処してまいりたい、こういうふうに要点だけでありますけれども申されておるわけでありますが、そこで本法案が処理された場合において、農林省としてまた農林大臣として、国有林野の活用問題に対して運営上どういう基本的な姿勢でこれに対処をされるかという考え方についてまず農林大臣からお伺いをいたしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 この法律の施行される結果、活用実施のためにどういう態度で臨むかということでありますが、もうしばしば長時間にわたってここでいろいろお話がございましたと思いますが、私どもは農林業の構造改善、ぜひ必要であると存じておりますし、この農林業の占める全体の産業の中の分野というものはかなり重要なものであることは間違いございません。そこで国有林野の活用が必要となりました場合には、適地を選定をいたしまして、国有林野事業との調整をはかりながら、国有林野管理審議会の意見を聞いてその適性かつ円滑な実施につとめてまいりたいと思っておりますが、その基本的姿勢はやはり基本法等にもその根本的な思想は盛り込んであるわけでありまして、そういう考え方を基礎にいたしまして、いま申し上げましたように各方面の意見を聞きながら対処してまいりたい、こう思っております。
○角屋委員 この国有林野の活用に関する法律案については、党としては基本的に反対ということでいままで議論をしてまいったわけでありますし、私どももそれを受け継いでおるわけでありますが、一歩進めてこの法律案の内容を修正するとすれば一体どういう点に触れるべきかという点についても、これはやはり意見なしとしないのであります。これは四十四年時点におきましては、御承知のとおり自民、民社の共同提案によりまして、一部条文の修正等が行なわれた経緯がございます。これを受け継いで今度は政府提案になっておるわけでありますが、こういう法案の修正ということを考える場合の問題点として考えておりますのは、一つはやはり国有林野の活用に関する法律案という形で政府案としては恒久立法として出されておるわけでありますが、私はこの種国有林野の活用問題については、やはり国有林野事業の安定的経営という前提条件から見て、本来第三条でうたっておるようないろいろな活用の問題について内容的には差違はございまするけれども、法律の性格としては時限立法にすべきものであろう、そして運営の実態を十分判断をした上に立ってさらに延長すべきかどうかという歯どめが必要ではないかというふうに考えております。さらにまた、せっかく国民共用の財産である国有林をいろいろな目的のために活用するという場合においては、これはやはり反対の強い意見の中にも、従来国有林野事業の活用問題については黒い霧事件を生じておる。また今後ともそういう危険性なしとしないという点から判断をいたしまして、やはり活用のルールというものがガラス張りでなければならぬだろう。だとするならば、今日までの法案の議論の中では、たとえば活用を大臣が決定するまでのルールとして現段階においては開拓審議会というものを援用する。さらに営林局段階に、先ほど大臣がお話しがございましたように農林省設置法に基づくところの管理審議会ができる。これはそのままこれを活用する。そして最終的には農林大臣が適否をきめるということになっておるわけでありますが、私は後ほど若干開拓審議会との関連の問題についても触れたいと思いますけれども、これは本来農地法との関連で開拓審議会というのが生まれておるわけでありまして、国有林活用法との関連における開拓審議会の援用という問題は、第三条第一項第一号に関するいわゆる「農業構造の改善の計画的推進」云々というこの目的のために国有林野の活用の点で開拓審議会を援用しようということであろうと思いますけれども、この点についてはたとえば開拓審議会の関係は農地法上から見ますると、農地法の四十四条、四十五条、四十六条、四十七条、四十八条等に関連をして、未墾地の買収及び売り渡しという条項の中で開拓審議会の役割りが出てくるわけでありますが、いわゆる林野庁から農地局へ所属がえをするものあるいは林野庁自身が持っておる未墾地という場合の農業上の農業目的に利用する場合、第三条第一項第一号によって利用する場合に開拓審議会をそのまま使うという点には、援用になりまするけれども、やはり運営上すっきりいくのかどうかという点に率直にいって私は疑念なしとしないのであります。たとえばおそらく運営上は私の解釈でやるのだと思いますけれども、いわゆる農地法の四十八条の第六項というところを見てまいりますると「都道府県知事は、前項の規定による諮問に対し、その土地等の全部又は一部について、これを国が買収することが不適当である旨の答申があったときは、その答申に従い、第一項の規定による公示を取り消し、又はこれを変更しなければならない。」つまりこれは農地法に基づくところの未墾地買収等でありますから、こういう形になるのでありますけれども、国有林野の場合にはこれは国が持っておるわけでありますから、条文上はそれを解釈上読みかえなければなりませんけれども、いわゆる開拓の適地であるかどうかという判定の問題について諮問をされたものの全部または一部についてこれを適当である、あるいは不適当であるということを開拓審議会としては答申をするわけであります。すると本法の条文上ではいわゆる国有林活用の適否という問題については、これは条文上は第五条のところで、「農林大臣は、第三条第一項各号に掲げる者から当該各号に掲げる国有林野の活用を受けたい旨の申出があったときは、必要な現地調査を行なって、すみやかに当該活用の適否を決定するとともに、当該活用を行なうに当たっては、」云々と、こうなっておるのでありまして、いわゆる農林大臣が最終的には活用の適否を決定する。ところが開拓審議会の援用をそのままに実施するということになりまするというと、四十八条第六項の規定からいうならば、開拓審議会自身において諮問された問題について、全部もしくは一部についてこれは不適地である、おそらく運営上では開拓審議会にそのままその権限を与えて、そこで不適当であると言った部分についてはあるいは全部については、営林局以上の段階に上がってこない、そう解釈するのが相当であろうと思いますが、そういう問題についてはどういう運営のしかたをやられるのか、明確にしてもらいたいと思います。
○櫻井説明員 国有林野内の未墾地の活用につきましては、市町村長から申請があった場合、営林局、地方農政局、県の技術者が、国有林野内の未墾地につきまして農用適地選定基準によって共同調査を行ないます。この調査の結果の基本計画案を作成いたしまして、これをまず県の開拓審議会にはかるわけでありまして、その答申によりまして国有林野審議会の意見を聞くという順序になりますから、したがいまして、民有地の場合と同じように、開拓審議会の結果によりまして国有林野管理審議会にかかるかどうかということが決定されるわけでございます。
○角屋委員 どうもはっきりしないのだけれども、要するに開拓審議会を現段階において援用する、活用でもいいのでしょうが、活用する。ところが、これは農地法上で開拓審議会の一定の役割りというのは明確になっておる。これを活用する場合に、農林省設置法からいけば、営林局の段階に管理審議会があるわけであります。管理審議会のすでに前の県段階の開拓審議会において、権限上からいえばいわゆる農業用の利用の目的で出てきたものに開拓審議会の、これは農業用に使うのは不適当であるという諮問が出た場合には、その時点で、営林局段階の審議会までかからずに除外されていくというふうに理解をすべきものだというふうに私は見るわけですけれども、そう理解をしていいのかどうか、そういう点については明らかにしてもらいたいと思います。
○櫻井説明員 県の開拓審議会で不適当と認められたものは、国有林野審議会にかけないわけでございます。
○角屋委員 結局、開拓審議会で不適当となったものは営林局段階の管理審議会にはかけない、その以前の段階でこれは没になる、こういうふうに解釈していいわけですか。
○櫻井説明員 そのとおりでございます。
○角屋委員 そういうことで運営するものだ、私どもも開拓審議会を使う以上は判断をするわけでありますが、結局活用の適否という問題の権限というのは、第一義的にはやはり第三条第一項第一号の問題については開拓審議会が重要な権限を持っておる。そのパイプを通じて、結局営林局段階の管理審議会に没になったものはこないし、それで適当と思うものが管理審議会にくる。そうすると、第三条第一項第一号の農業用の問題については、これは営林局段階の管理審議会というのは、農業用に使うかどうかの適否よりも、他の問題の議論をするわけですか。この管理審議会は、もう一度農業用の問題等についても含めて活用の適否をやられるわけですか。この場合の営林局段階の管理審議会の実際上の役割りというのは、第三条第一項第一号の問題についてはどういうふうに考えておるわけですか。
○松本(守)政府委員 営林局でやっております管理審議会は、一応その土地が農用地に活用する場合に営農上その他を含めまして適当であるかどうか、また林業の面からもそれを活用することが土地の高度利用になる、農業のほうへ使ったほうがいいんだという、主として土地利用の観点からも判断をしまして意見を聞いておる状況でございます。
○角屋委員 私は、審議会の問題については、県営林局段階は現在の開拓審議会あるいは管理審議会等を活用するにいたしましても、中央段階についてはやはりプロパーの国有林活用審議会なりあるいは審査会なりも置いたほうが適当ではないかというふうに率直にいって考えておるのであります。やはり国有財産の国有林を活用する場合にあくまでもガラス張りに適正な運営がなされるという前提で考える場合には、援用方式あるいは審議会なりあるいは手順についても運営上の説明によってやられていくというのは、いかがかと思うのであります。 同時に、場合によっては国有林活用の概要というものについては国会報告の義務を課して、明確にしていく必要があるというふうにも考えておるわけでありますが、これは論議として私は大臣にいどむわけでございませんので、実際この法律案の細部についての問題は別として、今後の適正な運営という立場から見た場合に、恒久立法の性格をとるべきか、あるいは十年等の時限立法的性格でそれを見直しながら、さらに延長する必要があるかどうかという考え方でこの法案の性格を考えるか、さらに活用の手順の問題についても、県段階あるいは中央段階におけるところの審査の方法等についても科学的基準あるいは経済的条件というものをはっきりさせながら、適正な活用の運営ができるような方途をとることが必要であろうと思う。そういう場合には、場合によっては、中央におきましてはやはりプロパーの審議会をつくるということも考えるべきではないか。さらにまた、この種問題については、この毎年の概要について国会報告の義務を課して、国会自身がチェックできる立場に立つということも必要であろうというふうに私は個人的には考えておるわけであります。しかし、この点については大臣の答弁を求めるという形式についてはこれを略したいと思います。 そこで、第三条の点で私特に問題に感ずるのは、第三条の第一項の第一号の点についてはいまちょっと触れましたけれども、第二号のいわゆる代替地問題であります。これは四十四年当時の議論の経過を踏まえましても、当時の林野庁長官片山さんは、原則として部分林方式でいくということを言っておるわけであります。しかし申し上げるまでもなく、この点については、第七条のところでは、延納の特約として「農林大臣は、第三条第一項の規定による国有林野の活用で同項第一号から第三号までに掲げるものに該当する土地の売払い又は当該活用に伴う立木竹の売払いをする場合において、」ということで、第三条第一項第一号から第三号までについては「土地の売払い」または「立木竹の売払い」ということが法文上は前提にされておるわけであります。したがって、これは第三条第一項第二号の代替地問題というのは、安易にやられる場合には国有林野事業の経済的運営にやはり非常な不安定要素を増大するということにもなってまいるわけでありまして、この際あらためて第二号の点についてどういう運営の原則でいくのかという点をさらに明確にしてもらいたいと思います。
○松本(守)政府委員 第三条第一項第二号の代替地活用についての運用の方法でございますが、まず代替地活用は次のすべての要件が満たされる場合に限り行なうことといたしております。 その条件といいますのは、特に小規模林業経営者が林業経営の用に供していた民有林を農用地造成事業のために譲渡した場合が一つ。その二つは、その林業経営者が造成される農用地をみずから利用することとならないこと、受益者でないということが一つでございます。それから第三点は、その林業経営者が譲渡によってその林業経営に支障を及ぼすという場合、この三つの条件がすべて満たされる場合に代替地活用をいたそう。そこでこの活用方式につきましては、本号の趣旨が農業構造改善のための規模の縮小を余儀なくされた林業経営者のために経営の場を提供するという点にありまして、その趣旨からも最も適した部分林が適当であろう、このように考えております。
○角屋委員 いろいろ質問すべきことがありますが、もうあと二点ばかりで終わりたいと思います。考え方として第三条の第二項の問題でありますが、第二項では、前項の規定によるというのは第一項のところで六項目にわたる活用の項目が書いてあるわけであります。それに対する相手方も書いてありますが、それを受けて第二項の規定は、「前項の規定による国有林野の活用は、当該国有林野の位置その他の自然的経済的諸条件からみて合理的なものであるとともに、当該国有林野の所在する地域の経済的又は社会的実情を考慮しかつ当該地域の住民の意向を尊重したものでなければならない。」こういう文章になっておるわけであります。そこで特に開拓審議会との関係において、開拓審議会で第三条第一項第一号の問題について開拓不適地であるというものはその時点でも没になるという解釈が明確になったわけでありますが、そういう農用地に使いたいという問題をどうするかという判断の場合、やはり科学的基準に基づいてそのものずばりになったらそれでよろしいというふうに第三条第二項の点では明確に読み切れるのかどうか、いわゆる「自然的経済的諸条件からみて合理的なものであるとともに、当該国有林野の所在する地域の経済的又は社会的実情を考慮しかつ当該地域の住民の意向を尊重したものでなければならない。」この後段の部分との関係、これは運営上は先ほどの答弁どおり第三条第二項によってその点が拡大解釈をされるということではなしに、あくまでも農用地不適地については開拓審議会のいわゆる答申というものに基づいてそれは不適格になるというふうに割り切っていいわけですね。
○松本(守)政府委員 第三条第二項の関係でございますが、この住民の意向を聞くという点でございますが、この点につきましては、この法案が地元の住民と密接な相互関係がある、また国有林野の活用は国有林野の所在する地域の住民の福祉の向上にお役に立たなければならない。したがいまして、活用にあたりましては、当該活用にかかる事業の参加希望者だけでなく、当該国有林野の所在する地域の住民、その地域に住んでおる住民の方、その方についてもその活用についての意見を聞くという必要があろうと考えております。こういうことによりまして、国有林野の所在する住民の意向が十分に反映されまして、当該地域の住民にとって広く福祉の向上につながるということにつとめたいと存じます。 開拓審議会の関係につきましては、農地局関係からお答えさせていただきます。
○角屋委員 開拓審議会の関係は農地局長からでなしに、国有林野活用という本法の運用にあたって、要するに開拓審議会で農用地として不適地であるといったものについては、いまの第三条第二項というのは、あとまでずっと書いた文章からいうと総合的判断のように読み取れるところもありますが、そうではなくて、結局農用地として不適地のものについては、この文章は働かずに不適地として対象からは没になる、こういうふうに明確に理解してしかるべきものだろうというふうに先ほどの答弁で判断をしておるのですが、それに間違いはないかと念を押しておるのであります。
○松本(守)政府委員 そのとおりであると思います。
○角屋委員 それでは最後に、芳賀先生もあとやられますから、一点だけにしぼります。第七条「延納の特約」この点についてもこまかい点は私省略をいたしますが、御承知の国有財産法の三十一条では「五年以内の延納」ということがいわれておるわけでありますし、また国有財産特別措置法の場合には原則として五年以内、特に一つの前提条件のある項目について「十年以内」を認めておる。本法の一つの関係者から見てメリットといわれておるのは、第七条の延納の博約において、「国有財産法第三十一条第一項の規定にかかわらず、確実な担保を徴し、利息を附し、二十五年以内の延納の特約をすることができる。」二十五年以内の延納の特約ということができるように第七条でなっておるわけであります。これは農地法上からいえば三十年の延納等の問題もありますけれども、要するに国有財産である国有林野についての二十五年以内の延納の特約を第七条の文章上からいうならば「当該売払いを受ける者がその代金を一時に支払うことが困難であると認めるときは、」と簡単に書いてあるわけです。 〔小沢(辰)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 この実際の実施細目はどういう基本原則に基づいてやられるのか。いわゆる第三条第一項第一号から第三号までのものについて「当該売払いを受ける者がその代金を一時に支払うことが困難であると認める」場合はというこの文章だけで、あとの二十五年がどう働くのかという点についての基本的な考え方と運営の問題についてひとつ明確に答弁をしておいてもらいたい。
○松本(守)政府委員 延納代金の納付の方法いかんということでございますが、延納代金の支払いについては相手方の支払い能力、それとその活用する土地の代金の多寡といいますか規模といいますか、そういうものを勘案をいたしまして年数をきめるたてまえでございますが、現在その年限をどうするかということにつきましては検討中でございます。原則として元利均等年賦払いということでありますが、なるべく地元の負担の能力に応じまして対応をさしていただくつもりでおります。
○角屋委員 全体的な問題の質問もありまするけれども、あと基本的な問題の点は芳賀委員のほうに譲りまして、私の質問は以上で終わります。(拍手)
○三ツ林委員長代理 芳賀貢君。
○芳賀委員 先に国有林活用法案の主要な点について農林大臣にお尋ねします。 本法案につきましては、一昨年の六十一国会において相当詳細な審議をしたことは御承知のとおりであります。その際、国有林活用に対する政府としての行政的な取り扱い方針というものは、非常に今後重要なことになりますので、一昨年の国会においてもその点についてはただしたわけでありますが、当時参議院にいって廃案になった経緯もありますので、これに触れないでおくと、あのときの政府の行政方針については、法案が廃案になったので関係がないというようなことになるとまたたいへんですから、この際確認というような意味もありますけれども、明確にしておいてもらいたいと思います。 第一の点は、国有林活用の目的が主として農業への利用ということになっておるわけでありますから、そうすれば農用地の造成等が中心の事業ということになるわけであります。その場合、政府が実行を進めておるところの土地改良長期十カ年計画と活用との関係というものは非常に重要でありますので、この点について現時点における長期計画との関係、また実施内容における国有林の活用面積あるいは利用目的等について明らかにしてもらたいわけであります。
○倉石国務大臣 国有林の活用につきましては、従来からこれらの法律の目的にいろいろ書いてございますが、御指摘のとおりでありますが、一つはやはり農林業の構造改善等のために、その積極的な実施をはかってまいったわけでありますが、最近におけるわが国経済の目ざましい発展の中で、わが国の農林業はこれに十分に対応できているとは必ずしも申せないと思うのであります。そこで農林業の構造改善、農山村地域の振興等をはかりますための施策を一そう強力に推進いたしてまいりたい、このような考えを一つ持っておりますわけでありますが、このような要請にこたえるために、私どもとしては林業基本法第四条の規定の趣旨に即しまして、積極的に行なうべき国有林野の活用の内容を具体的に示しますとともに、活用を行なうにあたりましての国の基本的態度を明らかにすること等によって国有林野の活用の適正、また円滑な運営をはかることといたしてまいりたいと思いますが、これが活用されることになりますと、いろいろなことに関係はあると思いますが、ただいまお話のございました一つは土地改良長期計画とどういう関連を持ってくるかということでございますが、土地改良長期計画に即しまして農用地造成事業を推進いたしますが、その場合に、事業対象地域に農用地として活用することを必要また相当とする国有林野がある場合には積極的にその活用をはかってまいりたい、こういうふうに思っているわけであります。
○芳賀委員 六十一国会における当時の長谷川農林大臣は、ただいまの問題につきましては、土地改良長期計画に基づく農用地造成事業に三十五万ヘクタール、草地造成事業四十万ヘクタールを目標として実施することになっておるが、このうち国有林野内における農地造成適地は八万ヘクタールである、草地造成適地は二十万ヘクタールであり、合わせて二十八万ヘクタールが土地改良長期計画の総面積七十五万ヘクタールの中に対応できる面積であるということを長谷川農林大臣は説明をしておるわけでありますが、その後四十五年、四十六年にかけての米の減反政策を中心とする農業政策の激変といいますか、農業総生産への縮小政策というものが政府から出されておるわけでありますから、四十四年の国会において、政府が当委員会で説明をされた土地改良長期計画というものは当然政策の転換に伴ってこれは影響を受けておると思うわけです。ですから内容的に計画における農用地、あるいは草地の造成事業の目的、目標についても、従来同様の計画を進めていくのか、あるいは農政上の変化に対応して、土地改良計画というものを当然のこととして変更を加えるのか、この点が非常に大事でありますから……。
○岩本政府委員 ただいま御質問ございました土地改良十カ年計画につきましては、閣議できまりましたものを執行中でございますが、御承知のように水田の畑利用の促進を中心にする生産調整が現在取り進められておりますし、また一方、昨年の十二月に農業生産に関する地域指標の試案が公表されております。これらの情勢を勘案いたしまして、土地改良長期計画は検討を要するというふうに考えておりますが、昨年十二月の地域指標試案によってみましても、今後需要の増大が見込まれますが、畜産物、果実、野菜等の園芸作物を中心といたしまして、畑作物の生産の増強が必要であるというふうに見られております。昭和五十二年におきまする所要の農用地面積は耕地が五百五十八万ヘクタール、草地五十一万ヘクタールを確保することが必要であるとされておりますので、この確保のためには、余剰水田を活用いたしましても、なお相当量の農用地の造成が必要であると考えられるわけでございます。こういう点を踏まえまして、土地改良長期計画については検討を進めておるところでございます。
○芳賀委員 いま農地局長から説明のあった点ですが、地域分担指標によると七カ年計画の昭和五十二年を目標として現在の水田耕作面積の約三〇%、おおよそ九十万ヘクタールを、畑作あるいは酪農、畜産あるいは水田造林に転換するということになっておるわけですからして、九十万ヘクタールという膨大な新しい目的を持った農地というものが出現してくるわけですからして、それと民有林あるいは国有林等を対象にした土地改良長期計画に基づく新たな農地あるいは草地の造成事業というものは、当然これはまっこうから衝突するということになるわけなんです。だからこれをそのまま土地改良長期計画に基づく農用地三十五万ヘクタール、草地造成四十万ヘクタール、合わせて七十五万ヘクタールの造成事業というものを当初の計画目標どおり進めるということが、政策転換によって新たに、既存の農地ではあるけれども、九十万ヘクタールというものが別途の目的で活用しなければならないということになるわけですからして、この点を長期計画においてはどう調整して効果的に進めるかということは、これは重大な政策上の問題となると思うのです。政策次元の問題であれば当然所管の農林大臣から明快にしてもらう必要があるんですが、明快にできないとすれば、所管の長官でこれはいたし方ないと思うのです。
○倉石国務大臣 農用地造成の施策につきまして「農業生産の地域指標」に即して実施されることになるのは、いま農地局長もお答えいたしたとおりでありますが、国有林野の活用もこのような農政の方向に即して行なわれることになると思いますが、「農業生産の地域指標」によりますれば、今後畑作物のウエートの高まる東北それから北海道、九州等の遠隔農業地帯を中心にして新規の農用地造成が期待されるわけでありますが、私どもといたしましては、この地域指標で先ほど農地局長お答えいたしましたのと並行して、やはり林野の活用によってもそういう地域指標が示しております方向を並行してやってまいりたい、こういうふうな計画でありますが、具体的なことについては事務当局からお答えいたさせます。
○岩本政府委員 「農業生産の地域指標の試案」を踏まえまして今後の農地の需給を推算をいたしますと、水田は、御質問のように、五十二年までに九十五万ヘクタール余るわけでございます。そのうち壊廃を三十六万ヘクタールほど見込んでおるわけでございますが、したがいまして三百四十二万ヘクタールの四十五年の水田面積が二百四十七万ヘクタールになる予想でございます。一方、畑につきましては、四十五年二百三十八万ヘクタールございますが、これに対しまして、地域指標から見込まれる五十二年の畑作物から推定されます畑の農地面積が三百十一万ヘクタールと予想されております。したがいまして、この水田、畑合計の耕地面積が五百五十八万ヘクタールと予想されるわけでございますが、この三百十一万ヘクタールの畑面積を確保いたしますためには、畑の壊廃も一方において進むことでございますので、相当程度の造成が必要でございます。また地域的に見ましても、北海道、東北あるいは南九州といったような遠隔地帯におきましてはそういう開発の可能性の強い地域でございますし、やはりこういう政策を進めていく意義はきわめて大きいというふうに考えております。
○芳賀委員 いま農地局長から数字をあげての説明がありましたが、そうすると水田の転換を含めて今後長期計画の中で造成を要する面積というものはおよそどのくらいになるわけですか。
○岩本政府委員 およそ畑が三十万ヘクタール程度と考えております。
○芳賀委員 そうすると、十カ年計画の七十五万ヘクタール造成の必要はないということになるわけですね。
○岩本政府委員 ただいま申し上げました数字のほかに、草地が二十数万ヘクタールございます。
○芳賀委員 草地の二十万ヘクタールを入れても七十五万ヘクタール要らぬということになるじゃないですか。
○岩本政府委員 土地改良長期計画は昭和四十年から四十九年までの計画でございますが、ただいま申し上げましたのは、今日から昭和五十二年を見通した数値でございまして、若干のズレが年次の関係あるいは生産調整による調整の関係で生じておるわけでございます。
○芳賀委員 次に、昨年の六十三国会において農地法の改正が行なわれまして、改正の結果、民有の林野あるいは未墾地を対象にして二十年間を一期とする草地利用権の設定を法律に基づいて実施できるということになっておるわけです。その際の農地局当局の説明によると、この草地利用権の設定によって草地造成をなし得る面積はおよそ二十万ヘクタールということが当委員会において説明されておるわけです。まさか、これは法律の改正をしたけれども実行はしないというわけじゃないと思うのですが、この利用権の設定によって日本の酪農、畜産を発展させるための飼料資源の確保を中心としたこの事業というものはわれわれとしても大いた期待しておるところですから、この二十万ヘクタールの利用権の設定を行なって、目的に合致した草地あるいは牧野の造成をするということはこれは非常に重大なことになるわけです。当然これも土地改良長期計画と並行して行なわなければならぬことになると思いますが、この点はどう考えておられますか。その実施計画というものはどういう内容になっておるわけですか。
○岩本政府委員 利用権の設定を通じまして農業構造の改善をはかるというのは、前回御可決をいただきました農地法改正の重要なねらいでございます。したがいまして、草地の面におきましても利用権の設定の制度を聞きましてこれを大いに活用していくという方針で対処しておるところでございまして、具体的に数値をどういうふうに見込むかということは草地の利用権の権利関係の問題でございますので、現在どの程度の可能性ありやということを現地の具体的事情にあたって検討中でございまして、にわかに申し上げかねるわけでございますが、お説のとおり、この方式を通じまして構造改善に資することは非常に重要なことであると考えております。
○芳賀委員 去年より後退しているじゃないですか。去年は、農地法の改正を通したいために、具体的な熱意のある取り組みを委員会においても示したが、いまの局長の答弁からいうと何も中身はないじゃないですか。わざわざ農地法の改正を行なって、いまだから前例のなかった私有の林野あるいは未墾地を対象にして、所有形態はそのままであるけれども、利用権の設定によって高度に農業上の利用を行なうということが法律上明確になっておる。しかもそれは、その対象の林野を草地に利用することが他にかえがたい優良な適地であるという判断に立った場合においては、所有権者の意思にかかわらずこれは知事の裁定で二十年間の利用権の設定ができるということになっておるわけです。だから、これは所有権者の意思に基づいてというよりは、その対象になる私有の林野あるいは未墾地というものが農地法に定められた農地として活用することが、他に比較して最も経済性があり、妥当であるという場合においては、これは知事の裁定という権限に基づいて行なうことができるということになっておるわけですよ。そういう法律が去年通っておるわけでありますから、当然それに基づいて農林省としては長期的な計画というものを立てるのは当然じゃないですか。それが一年を経過した今日、いまだ内容が不明確である。何ら作業をやっておらぬというのは怠慢のそしりを免れることはできないじゃないですか。
○岩本政府委員 昨年の農地法改正案の審議の際には、マクロの見地でおよそ使用権の設定の対象となる面積が二十万ヘクタールばかりあるであろうということをお答えしているわけでございますが、法の執行の段階にあたりまして、具体的に草地としての適地の基準なり、その権利関係等を現在畜産局、林野庁と御相談をして計画を立てるように努力中でありまして、マクロのそういう推算と実際の積み上げとではやり方が違う面があるわけでございまして、現在計画樹立の努力をしておる最中でございます。
○芳賀委員 それでは長官にお尋ねしますが、国有林野内における農地造成適地あるいは草地の造成適地が八万ヘクタール、二十万ヘクタールとそれぞれなっておるわけですが、これは適地がこれだけあるという判断の数字であって、これを必ず農用地の対象にして造成するとか活用するという数字ではないのでしょう。 そこで、これは一昨年国会でも議論したわけですが、四十四年、四十五年、四十六年を通じて、農林省においてもたとえば国営のパイロット事業あるいはまた県営、団体営の事業計画を立てて、これを計画的に実行しておるわけですが、この三年間における国有林を対象にしたそれらの開拓パイロット事業の地区あるいは面積等についてはどういうことになっていますか。
○松本(守)政府委員 この四十三、四、五と三年の実績はございませんが、三十八年から農業構造改善でやっております。その実績の二万一千ヘクタールが農業構造改善のために活用されております。これは三十八年からでございます。
○芳賀委員 いま聞いているのは、最近三年ですよ。ことしのは予算の段階ですけれども、四十四年の国会においてはもう議論しているわけだから、その前のことはいいですよ。だから、四十四年度、四十五年度と、ことし、四十六年度の予算年度においてどうなっているか。
○松本(守)政府委員 先ほどは失礼いたしました。四十三年度におきまして農業構造改善のための活用、これが二千百五十五ヘクタールでございます。それから四十四年度、千九百六十九ヘクタールでございます。四十五年度はまだ集計されておりません。
○芳賀委員 そんな微々たる数字ではないと思いますよ。これは農地局長でいいですから、それでは四十六年度のパイロット事業としての計画面積あるいは全体設計の面積あるいは工事の着工面積といろいろ区分があると思いますが、いまの長官の説明では何もやってないと同じじゃないですか。何か食い違いがあるのではないですか。——農地局長でいいですよ。
○岩本政府委員 食い違いはないと思います。
○芳賀委員 いや、食い違いがあるでしょう、林野庁の構造改善というのは。これは、農地局がパイロット事業を——農地の造成事業をまず進めるわけでしょう。そのあとに農業構造改善事業等が建設的に行なわれるということになっているわけですから。単に農地を造成すればいいというわけの問題ではないですからね。
○岩本政府委員 もちろん国有林野の活用実績の中には開拓パイロット事業以外のものが含まれておるわけでございまして、その数字につきましては林野庁長官の御答弁のとおりでございます。
○芳賀委員 それでは、あとで詳しい資料を出してください。 第二の点は、この国有林野を農業に活用する場合、その基礎をなす林野の適地選定基準を的確に判断する機構あるいは機関というものは当然必要になるわけでありますが、この点については一昨年の六十一国会においては、長谷川農林大臣から特に一番重要な都道府県段階における適地選定基準の判断については、農地法の第四十七条に基づく都道府県開拓審議会へ知事が諮問をして開拓審議会の意見を聞いて、それを尊重して、次に農林大臣の諮問機関である国有林野管理審議会の意見を徴して、活用の適否を決定する、こういう説明があったわけでありますが、その取り扱いについては農林大臣としてはどう考えておるわけですか。
○倉石国務大臣 前大臣がお答えいたしましたとおりに考えております。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○芳賀委員 それでは、農地法に基づく都道府県の開拓審議会を中心にして適地選定を的確に判断して、その次の時点では国有林野管理審議会の意見を徴して慎重にきめる、そういうことに間違いないですね。
○倉石国務大臣 そのとおりでございます。
○芳賀委員 第三の問題としては、この活用法案の第三条第一項第二号の活用と交換の関係ですが、これはただいま同僚の角屋委員からも相当詳細な質疑が行なわれたわけでありますが、これは内容的には非常に複雑性を持っておりますので、一般の国民にもよく理解できるような法律上の解釈というものを委員会を通じて明らかにする必要があると思うわけです。そこでこの点について具体的な説明をしておいてもらいたいと思います。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 先ほど私御答弁申し上げました……
○芳賀委員 大臣に聞いている。
○倉石国務大臣 林野庁長官がその点先ほどお答えいたしたと、私ここで聞いておりましたが——失礼しました、角屋君にお答えいたしたのでありますが……。
○芳賀委員 私の質問に答えてください。
○松本(守)政府委員 たいへん失礼申し上げました。角屋先生にお答えをしたものでございます。それをもう一度繰り返させていただきますと、代替地活用は次のすべての要件が満たされる場合に限り行なう。このすべての要件といいますのは三つございます。その一つが小規模林業経営者が林業経営の用に供していた民有林を農用地造成事業のために譲渡した場合、その二、その林業経営者が造成される農用地をもっぱら利用することとならないこと、受益者ではないということでございます。その農用地造成の受益者には入らない。その三、その林業経営者がその譲渡によって林業経営に支障が生ずると認められることということ。なお、活用の方式につきましては、本号の趣旨が農業構造改善のため規模の縮小を余儀なくされた林業経営者のために経営の場を提供する点にありますので、この趣旨に最も適した部分林の設定による活用を原則として考えております。
○芳賀委員 一昨年の国会のこれに関する答弁というのは相当具体的に、明確になっておるわけです。おととしは大臣は長谷川農林大臣、長官は片山長官と、お二人にかわっているからわからぬかもしれないが、こういうことになっているのです。国有林野活用法案第三条第一項第二号の活用と交換の関係について「本法案においては、活用の方法として交換を予定しているが、ここにいう交換とは、国有財産法第二十七条に規定する交換の意味であって、国が特定の国有林野を提供し、相手方の有する民有林を譲り受けるものをいう。したがって、民有林の所有者が、当該民有林野を農業構造の改善のために提供し、そのために林業経営に支障を来たすこととなって国有林をそのかわりに必要とする場合には、国は相手方から当該民有林を譲り受けるわけではないので、本法案にいう交換には当たらず、代替地の提供ということになる。なお、本法案において具体的に交換が考えられる場合としては、第三条第一項第五号の活用として公用、公共用等に供する場合に当該事業の相手方が有する林地を国が譲り受け、そのかわりに国有林を提供する場合が考えられる。なお、本法案第三条第二号の活用は、第一号の農業構造の改善のための諸事業が実施される場合において、現在民有林として林業経営が行なわれている林地を事業対象として取り込む必要がある場合に、当該民有林のかわりにその所有者が林業経営の場として国有林を提供してほしい旨申し出たときに活用を行なうこととしており、この活用については原則として部分林方式によって対処したいと考えている。」こういうことになっておるわけです。これに間違いないですか。
○松本(守)政府委員 そのとおりでございます。
○芳賀委員 農林大臣、いいですか。
○倉石国務大臣 そのとおりであります。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、これは林野庁長官でよろしいですが、最近国有林活用の一助として混牧林の経営というものが相当積極性を持ってきておるわけでありますが、これについては相当確信を持って今後推進することにしておるのか、これはどういうことになっておるのか。これは方法としては林野庁の直営方式ともう一つはいわゆる共用林野方式によるところの——この混牧林に畜産面の利用をするものはこれは地元の農業者が行なうという、そういう共用方式ということの二様の方法があると思うわけですが、これに対して対野庁としてどういうような基本的な判断の上に立ってこれを有効に進めるかどうかですね。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 前の御指摘の点は、営林局で全国十カ所で肉用牛の実験牧場を設定いたしまして、林業経営を畜産経営というものを混合した経営を実験的にやっております。それは天然林の中に放す実験と人工造林地の中に放す実験をいま実験中でございまして、いずれ近くその成果も出ると思います。現時点ではおおむね順調に進んでおるようであります。その実験の結果を踏まえまして、今後は国有林の中に、そういう地元の希望があれば、共用林野という制度もございますし、今回の活用法案の第三条第一項の第四号になりますか、その規定によって、地元の希望がありますれば、国有林の経営に支障のない限り積極的に御協力を申し上げるつもりでございます。
○芳賀委員 次に農林大臣にお尋ねしますが、これは直接活用法とは関係がありませんが、この際、わが国の林業政策の基本に触れる問題について農林大臣の明確な方針をただしておきたいと思うわけであります。この点については、今年、政府から発表されました林業白書の中においても、日本の林業の現状あるいは危機的な実態というものに対しては相当具体的に述べてあるわけでありますけれども、最近森林に対する国民経済上の公益機能の拡大に対する要請というものが高まっておることは御承知のとおりであります。たとえば国土の保全、水資源の涵養、特に公害との関係でありますが、大気の浄化作用あるいは国民の自然休養等のために国有林を中心としての公益的な機能の期待というものは非常に高まっておるわけであります。この点に対して政府としては十分対応できる施策というものを進めていかなければならぬことは言うまでもありません。もう一つは、経済的な機能としては、これは言うまでもなく木材並びに林産物の持続的、供給、これを基礎にした経済機能というものを社会経済の発展に対応して高度化するということもやはり林業政策上きわめて重大なことでありますが、政府が行なっておる施策の内容というものとその結果というものを見ると、これに逆行したような状態があらわれておることは御承知のとおりであります。たとえば森林の荒廃あるいは林業が直面しておる資源的な停滞あるいは特に林業生産の構造的な立ちおくれというものはますます挽回しがたい状態に置かれているわけであります。そうしてこれからの林業を発展させるための最大の要素である林業労働力の量的、質的な確保ということについては、残念ながら全く危険な環境に置かれていることは言うまでもないわけであります。そういうことが相対的な原因となって、最近の木材の需給状態を見ても、年間約一億立方メートルに及ぶ需要に対しまして国内の供給が五〇%で他の五〇%は大体五千万立方の外材を輸入しなければ需要に対応することができないというような現状になっておるわけです。ですから、政府として責任をもってこれにどう対処するかということは、農業とあわせて非常に重大な問題だというふうに考えるわけであります。単に国有林といわず民有林といわず、総体的に日本の森林政策あるいは林業政策というものをこの現状を踏まえてどうするかという点について、基本的な農林大臣の方針というものを明示してもらいたい。
○倉石国務大臣 林政の重要性につきましてはただいまお話しのとおりであります。私ども予算編成にあたりまして前年度対比で何%予算が増額したというふうなことを申しておるのがいままでの慣例であるようでありますけれども、私はやはりそこに重点的なものが選ばれてしかるべきだと実は思っておるのでありますが、そういう重点に焦点を合わせて施策をやるべき一つの大事な仕事は林政ではないかと思っておるわけであります。国有林、民有林を問わず詳細にいろいろ分析してみますと、国有林と民有林では若干いろいろなところが違っておりますが、要は、わが国の六八%の面積を占めておるといわれておる林地の今日の状態は私は将来憂うべきものではないかと思っております。これは私個人の見解ではありません。多くの方がそういうことに気がついておるわけでありますが、それにはいろいろな原因もあったでありましょうが、私どもはこれからどのようにすべきであるか。そこでどうしてもやはりまず第一に、いまお話にありました用材の半分以上外材に依存しておるというお話、そういうことを考えてみますと、国内材でどの程度まかない得るかということを考えてまいることも必要でありましょうが、そういう経済的な立場もさることながら、第一にはやはり国土保全のために最も大切なものであります。同時にまた、国民保健のためにはこの緑地をどのように保護していくかという重大な課題が課せられております。しかもなおそれを運営してまいるためには若干の経済的な問題も考慮しなければなりません。 そこでいまお話しの一つに、労働力の問題等も重要な問題の一つでありますが、総じて私どもはやはり過去においてある期間、たとえば戦争中というふうなときに乱伐をしてその補充が非常におくれておるとかいろいろございましょう。要は政府は、将来に向かって林政について施策の中の重点施策としてやっていくという考え方は持っているわけでございます。そこで林野庁の諮問機関でありますいろいろな学者、専門家、学識経験者等の御意見等も徴しながら、この大事な目標を達成するためにどのようにすべきであるかというようなことについて、鋭意検討をいたしておる最中であります。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 私どもはただいまお話のございましたように、国全体としての林業の重要性には十分着目いたしておりますから、予算その他についてそういう目的が達成されるような施策を逐次やってまいりたい。そのためにあらゆる施策を集中的にやってまいりたい、こういうことを考えておるわけであります。
○芳賀委員 そこで数点具体的にお尋ねしますが、第一は、これは資源論の立場にも立つわけでありますが、林業基本法第十二条では林業経営の健全な発展を示しておるわけでありますが、資源的に今日造林の拡大、造林内容の充実というものは資源の拡大からいって一番大切なことでありますが、国有林の問題はこれは直接林野庁の責任において進めておるわけでありますけれども、公有林、私有林を対象とした造林の拡大ということについては、政府としてもいろいろな助長政策は講じておるわけでありますけれども、大正九年に公有林野官行造林法というものが制定されまして、昭和三十六年にこれは政府みずからが官行造林法の廃止の法案を出してこれを無理やりに廃止したという経緯が実はあるわけであります。しかし、今日、この大正九年から実施されましたこの官行造林事業に基づく分収造林の伐採事業というものは、特に大阪営林局等が一番の中核をなしておるわけでありますが、成果をあげておることは御承知のとおりであります。ですから歴史的に見ても国が主体になって行なう分収造林事業等について、この際政府が三十六年に法律を廃止したという経緯はありますけれども、そういう面目にこだわらないで、今後近代的な民有林を対象にした、しかも国が主体になって積極的な広大な造林計画を進めるということになれば、この点について十分政府としても過去を反省して、新しい意欲で今後方針を定めて事業を推進する必要があると思いますけれども、この点についてはどう考えておられますか。
○倉石国務大臣 民有林の造林事業につきましては、森林所有者それから共同組織によります事業を助長することを基本といたしまして、補助、融資制度等の拡充をはかってまいりたいと思っております。それからもう一つは、公共的要請の特に強い場合には、これは造林公社それから森林開発公団等による分収造林を進めたいと思っております。国が直接実施いたすことにつきましては、いま申し上げましたような方式との関連などを考慮しながら慎重に検討してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○芳賀委員 その点について、もちろん森林開発公団あるいは最近は各都道府県において造林公社というようなものが出て、これらの造林事業が、大体分収方式を基礎にしてやっておることは御承知のとおりであります。これらはいずれも、たとえば政府からの助成あるいは金融措置に依存しなければできないのですよ。自立的にやるという能力がこれはないわけですから。そういう弱点を幾多持っておるわけですからして、それらの機能を今後十分助長するということは大事でありますが、現在の造林の停滞というような資源的な大きな欠陥を前にした場合には、やはり国として民有林の造林に対しても積極的な意欲で取り組むということはどうしても必要なことになると思うのですよ。これをやらなければ、この基本法に基づいた森林の長期計画達成なんということは絶対できないと思うのです。ですから、こういう点についてはわれわれが指摘するのを待たないで、政府自身が十分検討して、一定の方向というものをきめるという時期だと思うわけですが、具体的な点についてはこれは担当の長官からでもよろしいです、一体どう考えておるかという点について。
○倉石国務大臣 専門のほうからまたお答えいたさせますが、私もその点につきましては特に力を注いでおるつもりでございまして、毎年度予算編成等にあたりましては、林道、造林それから構造改善等には特段の予算的努力をいたしておりまして、いまお話しのございましたようなことの趣旨で力を入れておることは御存じのとおりでございます。 なお林野庁長官からも御説明申し上げます。
○松本(守)政府委員 造林に対しますところの政策、考え方ということ、確かにいま先生おっしゃいましたように、造林というものが今後国家的にも重要になってまいる。しかしながら、一方個人的な零細林業ではなかなかやりにくくなるという傾向も確かにございます。そこで林野庁としてもいま大臣が答弁をされました趣旨に沿いまして、あらゆる方法をもって民有林の造林の促進、推進に努力をするつもりでございます。
○芳賀委員 いま公団、公社がやっておる分収造林の制度的基礎は昭和三十三年の国会において当委員会が審議をしたのですが、分収造林特別措置法というものが基礎になって行なわれておるわけです。委員会では瀬戸山さんが当時農林政務次官でして一番よくわかっておると思うわけですが、こういう単純な分収造林特別措置法だけを根拠にして民有林に対する分収造林を進めておるわけですね。私の言っておるのは、官行造林制度というのを三十六年に、これは政府自身が無理やり廃止したわけですね。それに対する今日的反省というものが当然あってしかるべきだと思うのですよ。その問題を持ち出せば面目に関するとか、当時の全く無責任な大失態が追及されるということをおそれるよりも、やはり大きな成果をあげた官行造林制度というものをこの時代に合致する、そういう積極的な発想の上に立って十分検討して取り組むというような姿勢があってしかるべきじゃないですか。そういう能力も意欲もないということであれば、何も林野庁が民有林全体に対しても指導権を持つという資格がなくなるのじゃないですか。その点は率直に長官から答えてもらいたいと思うのです。
○松本(守)政府委員 官行造林制度につきましては昭和三十六年に廃止をいたして、それが現在の森林開発公団の水源林造林に引き渡されております。それまでの官行造林の主体が町村、部落有林ということで、ある程度の規模がございました。そこに国がやるところのメリット、町村には資金がないということでやってまいりましたが、戦後二十年代の終わりのころ民有地につきましても官行造林をやる。これは水源林で限定いたしておりますが、そういうことをいたした結果、その対象地が非常に零細分散化したことがあります。それからまた、それまでの官行造林地がようやく伐期に達しておるという意味で、町村も自力で将来は造林ができるのじゃないかというようなこともありまして、当時官行造林を廃止をした経緯がございます。その後森林開発公団あるいは各県では造林公社というものが民間の造林のにない手として、しかも特に各県でやっております造林公社、これは有力な新しいにない手として急速な実績をあげつつございます。そのほか県でやっております造林もございます。また森林組合がみずからあるいは協業によって組合員のための造林をやっておる。それぞれ意義を持って成績も逐次あげながらやっておりますが、いずれにしても、今後過疎問題、林業労働力が減少をするという大勢は今後も続くであろうと存じます。そういうことで林業労働力の確保の面から、またその資金の対策、特におくれておりますかつての薪炭林地帯、これは資金がございません。いま公庫融資とか国有林の特別積み立て金を開発公団のほうへ出資をいたしまして造林の資金に充ておりますが、いずれにしましてもそういう零細な、特におくれておる地帯の造林は資金不足に悩んでおります。そこで、今後の検討の方向といたしまして、それらの現行方式、さらにそれ以上よりよい方式があるのかどうかということについて前向きでひとつ検討をさしていただきたいと思います。
○芳賀委員 いまの答弁は全く不明確ですからもう一回確かめますが、政府として、国が行なう民有林野の分収造林、こういう積極的な造林制度というものを再び創設するという、そういう必要性の上に立って今後検討して実現に当たりたいというのか、そういう制度は必要がないということをはっきり言われなくていまのような答弁をしているのか、その点はどうなんですか。
○松本(守)政府委員 将来の方向といたしましては、私的な個別造林というものがなかなかむずかしくなる。そこで、公的な能力によってそれを補いながら造林を進めていく。その形態といたしまして、いま幾つかの形態がございます。その上に一番強力なのは国がやることであろうと思いますが、そういうことも、かつての官行造林が大正九年から戦後までやりまして、その年間平均が八千ヘクタールくらい造林をしております。戦後の公団造林、公社造林、それ以上の造林もいたしておりますが、いずれにしても時代は相当変わってまいります。その変わる方向に従って、そういった公的機関による造林というものも含めて検討をさしていただきたいと思います。
○芳賀委員 長官、これは大事な点ですよ。ことばは少なくてもいいが、今後国が主体となった、つまり分収造林方式による公有林あるいは私有林を対象にした民有林に対する新たな、積極的な造林制度というものを創設する必要があると認めて、今後十分な研究をして成案を得て実行したいというのか、この場だけ何とか逃げればいいということで答弁をぼかしているのか、その点はどうなんですか。あなたは、かりそめにも林野庁長官ですよ。
○松本(守)政府委員 以上申し上げました方向に沿いまして国が直接実施することにつきましては、従来方式との関連などを考慮しながら慎重に検討をしてまいりたいと存じます。
○芳賀委員 何を慎重に考慮してやりたいというのですか。私の質問の要点はわかっておるのでしょう。それに対して、林野当局としてあるいは農林省として明快に答えてもらえばいいのですよ。
○松本(守)政府委員 重ねて申し上げますが、先生おっしゃいました、国が直接実施する分収造林、これにつきましては、先ほど申し上げました現行各種の方式との関連等を考慮いたしまして、慎重に検討を進めてまいりたいと存じます。
○芳賀委員 次に大臣にお尋ねしますが、林道の開設あるいは整備事業の問題については、これは長期計画によりましても森林の基本計画によっても、昭和四十年現在で総延長七万一千三百キロということになっておるわけです。これを今後十一万一千七百キロ延長をするための積極的な林道事業を行なわなければならぬというふうに森林計画はうたっておるわけでありますけれども、この点についても立木の伐出あるいは造林の充実や山村振興をもあわせて、林道の持つ公共性というのは非常に高まっておるわけでありますから、これに対して、たとえば全額国庫負担あるいはそれに近い高率的な国の負担で林道網の近代的な整備を行なう必要があると思うわけでありますし、これはまた、一面、国土保全にもつながる事業でありますので、この点に対しての農林大臣の方針というものを明らかにしてもらいたいわけであります。
○倉石国務大臣 お話のございました林道の補助率につきましては、特定森林地域開発林道、いわゆるスーパー林道でありますが、それから大幹線林道、農免、峰越え連絡林道等、規模の大きな公共性の高い林道が、比較的高率の補助によって実施いたしておることは御存じのとおりであります。木材の生産等林業経営の基盤といたしまして、また地域振興上からも重要な役割りを果たします幹線的林道につきましては、そういう高率補助をいたしておるわけでありますが、また林道の持ちます公共性、先ほど私も林道のことを申し上げましたが、その整備拡充を促進してまいりたいと思っておるわけであります。 林道の実施に伴いまして必要なことは、林道をつくりますためにいろいろなものが副作用として出てきます。国土保全それから自然保護などの立場に立ちまして、捨て土の処理であるとか、あるいは切り取りのり面の安定と緑化、崩壊防止、そういったようなことをやってまいらなければなりませんので、林道につきましてはできるだけ高率の補助をとるようにいたしておるわけであります。
○芳賀委員 第三の問題は、最近顕著になってまいりましたのは、森林等を中心とする自然の破壊あるいは山地災害等が頻発しておるわけでありますが、この原因を追及いたしますと、やはり森林の無計画な過度の伐採あるいは林野庁が進めておるところの大面積の皆伐、こういうやり方が林地の崩壊あるいは荒廃をもたらしておるわけでありますからして、この点は、第一に施業方法等に対して抜本的な検討を加えて、自然破壊あるいは荒廃を完全に防止して、森林機能が十分発揮できるような施業の方法というものを新たに明定する必要があると思うわけでありますが、それに対してはどういう考えを持っておるかという点と、もう一つは、公害との関係で、森林に対する薬剤の空中散布等が、これは相当大きな被害を、大気の汚染並びに生物に対する有害性を与えておるわけですから、これらはやはり厳重に禁止するというような安全性のある措置を講ずる必要があると思いますけれども、この二点に対して明快にしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 自然保護とかレクリエーション等につきまして森林に対する社会的要請が高まっておる情勢にかんがみまして、従来から私どもは、森林の有する公益性を配慮いたしました施業の方法をとってまいったのでありますが、今後はさらに国有林、民有林における森林計画を通じまして、きめのこまかい森林施業の方法をとることといたしまして、必要な地域に対しては伐採の作業等の方式を択伐方式等に切りかえるなど、施業上の配慮を十分加えてまいりたいと思っております。 それから公害のお話がございましたが、これは薬剤の散布につきまして、六十四国会での農薬取締法の一部を改正する法律に対します附帯決議の御趣旨に沿いまして、特に今後は環境汚染等の悪影響の防止に留意してまいりたいと思っております。 しばしば林業について御指摘のありました二四五Tの使用につきましては、催奇性などについて疑問がありますし、調査結果についても現在明らかでありませんので、国有林における使用は中止することといたしたいと思っております。
○芳賀委員 第四の点でありますが、先ほど指摘しましたとおり、一年間の木材需要の半ばを越える外材輸入、これは、簡単に外材依存を脱却することはできないと思うのです。しかもこの外材輸入が及ぼす影響というものは、国内の林業に対する生産、経済面の圧迫と、特に需給上の不均衡、あるいはまた国内の木材あるいは林産物に対する価格の重圧ということになってきておるわけでありまして、ひいてはこれは関係の中小企業あるいはまたこれに従事する一般の勤労者に対しましても強い影響を与えておるわけでありますので、この際、年間五千万立方にも及ぶ外材の輸入というものに対して、政府として、政府の責任においてコントロールする必要があるのではないかと思うわけです。 わが党の主張とすれば、この種のものはやはり国が主体となった管理貿易等も考えられるわけであります。それをいま政府に求めるわけではありませんが、やはり政府としてこの外材の輸入、あるいは国産材、外材を合わせた需給の調整、あるいはまた、国産の木材、あるいはそれを原料にする林産物等の価格の安定というようなことに対しても、外材を単に商社の恣意的な輸入とか販売にまかせるということであってはいけないと思うのです。この点については政府としてもいろいろ具体的な検討もされておると思いますが、この点に対して農林大臣から明確にしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 外材に対処してまいりますためには、第一には、やはり国内生産をできるだけ潤沢にするような施策を講じてまいるということが基本であると思いますが、いまお話のありましたような、外材の無秩序な輸入によりまして国内市場の混乱を来たしておるようなことにつきましては、ただいま中央及び全国七ブロックごとに関係業界を含めました外材需給検討会を開催いたしまして、当年度及び翌年度における需給見通しを作成して、これに基づく適正な輸入量を検討して、その検討の結果等を民間の自主的調整の機関である日本外材総合需給協議会に反映させまして、その自主的調整を助長いたしておるわけでありますが、今後はこのような外材需給検討会を拡充いたしまして、さらにその調整機能を高めるように努力してまいるつもりであります。
○芳賀委員 第五の問題として、特に今後日本の林業を発展させるための原動力ともいわれるいわゆる林業労働力の安定的な確保の問題、そのためには、諸般の条件というものを整備する必要があるわけです。雇用の安定の問題あるいは賃金の安定の問題、あるいはまた社会保障制度の全般的な適用の問題とか、安心して定着できる条件というものを制度的にも具備しなければこの林業労働力の確保ということは非常に困難な事態になると思うわけです。農業従事者の都市流出とあわせて、林業従事者だけが山村に残れるというわけではないわけですからして、この点については農林大臣としても、労働政策に対しては見識を持っておられるので、この点に対する全般的な問題と、もう一つは、これは直接的な農林省としての責任において解決されなければならぬわけでありますけれども、これは昨日の同僚の長谷部委員の質問にもありましたとおり、国有林事業を今後健全に発展させるためには、必要な基幹労働力というものがまず優先的に確保されなければ林野事業を持続的に発展的に進めることは絶対できないと思うのです。その点に対して、いままで施策の上においても、農林省としてあるいは林野庁として欠ける点があったというふうにわれわれは指摘せざるを得ないわけであります。 特に、常用作業員あるいは定期作業員を中心にする三万七千に及ぶ現場の労働力、基幹労働力の確保の問題と、これを国の事業を行なう職員としての、そういう制度上の処遇措置というものは速急に解決されなければいけないと思うのです。公労法から見れば、これは政府側は林野庁長官と全林野労働組合において、この労働条件等を問題とした団交あるいは協約を締結して、相互信頼の上に立って実行されるべき問題でありますが、非常勤職員という区分の中に置かれておるこれらの基幹労働者の問題については、農林大臣としても、これは担当の責任者が林野庁長官であるから長官の責任において努力し、また解決しなさいというような、そういう次元ではこれは解決できないと思うのです。たとえば、政府の全体の機構の中においても行政管理庁あるいは総理府あるいは人事院等の関係省庁があるわけですからして、それらの関係省庁と十分協議をして、政府全体の合意の上に立ってこれを解決するという高次の政治的な処置ということになれば、当然農林大臣が先頭に立って解決に当たるということでなければならぬし、もうその時期に来ておると思うのですよ。 詳しいことを私は申し上げませんが、農林大臣の熱意に期待をするものでありますが、この問題の解決、処理に対しては、農林大臣としてどのような熱意を持って、責任を持って進まれるか、その決意のほどを明らかにしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 林業従事者、国有、民有を問わず、これはやはり定着してやっていただくようにするためには、当該企業の経済性を、体質をしっかりさせることがまず第一に必要でございます。それがぜひなければならぬと思います。 いまあとでお尋ねのございました国有林野事業に従事する作業員の勤務状態のあり方につきましては、私も事情をよく聞いておりますので、関係省庁との緊密な連携のもとに総合的に検討を行ないまして、結論を得るようにつとめてまいりたいと思っております。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○芳賀委員 最後に第六の問題ですが、以上、重要な問題について大臣と論議を進めてきたわけでありますが、たとえば民有林に対する造林の拡大施策を進める場合においても、あるいは林道の開設の問題にしても、林政全体を国が主体となって強力に進めるという場合においては、当然これは財政的な問題というのが最後には一番大きく出てくるわけですね。どのようないい構想を持っても金がなければできないということになるわけですから、この点について詳しくは申しませんが、たとえば昭和四十六年度の林野庁の特別会計の予算を見ましても、最初から五十億円の赤字予算を計上しておるわけですね。こういう点は異常なことだと思うのですよ。当初予算五十億の赤字計上というのは全く——農林大臣としてもあなたの本意でこういうような予算を長官に組ましたわけじゃないと思うのですよ。これは国有林野事業が財源的にも窮迫しておるということを宣伝するためにこういう赤字予算を組んだのかもしれませんが、そうじゃないと思うのですよ。そういう点から見ても、いまの国有林野事業の特別会計の中においてすべてをまかなわなければならぬ、しかも林政協力費として一般会計に対してこちらから納付をしなければならぬ、あるいはまた森林開発公団に対して毎年毎年全額の政府出資をしなければならぬというようなことはもうできないのじゃないですか。赤字をつくる場合にはそういうものをすでに打ち切るということにしなければならぬのにかかわらず赤字予算をつくっておる。こういうことになれば、結局今後造林にいたしましても林道にいたしましても、これを公共事業として進めるということになれば相当の財源というものが必要になるわけでありまして、当然これは一般会計から積極的な必要財源の繰り入れということは行なわなければならぬと思うのですよ。そのほかまた一般会計の中における林業政策費というものは予算上確保しなければならぬことは言うまでもありません。ですから特別会計に対する一般会計からの必要財源の繰り入れ等をはじめといたしまして、財政金融措置というものを、林業政策を強力に進める場合においては積極的に講ずる必要があるわけなんです。それはもう農林大臣として痛感されておるわけですから、この点に対しては明年以降の予算の編成あるいは事業計画や財政計画を立てる場合には新たな展開をする必要があると思いますが、どのようにお考えになっておるか。 それからもう一つは、農産物にいたしましても、いまの政府は全面的にこれを自由化するということを進めておるわけですが、その場合農業に対する保護政策を全面的に放棄するということはなかなかできないと思うのですね。ですから結局国内における価格安定の制度に対しても自由化を進めて骨抜きにして、ただびほう的な政策として輸入課徴金を財源として徴収するというようなことも考えておるようでありますが、この際、国内需要の半ばを越える輸入材に対して何らかの課税上の措置を講ずる必要があるのでないかというふうに考えるわけです。たとえば四十五年には金額にして十二億ドルの外材の輸入を行なっている。これは日本円に換算して四千三百億円という膨大な金額になっておるわけです。ですからこれらを対象にしてやはり課徴金の制度とかあるいはそれに見合うような新しい措置というものを考究して、それを財源にして国内における林業振興の財源的な力として活用するということも政策上の一つの方法であるというふうに考えるわけであります。これはまあすぐやりなさいというわけじゃないが、以上の点に対して農林大臣から所見を示してもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 国有林野の事業が持ちます経済的、公益的諸機能を一体として発揮いたしますための経費は、従来からできる限り国有林野事業が負担すべきものと考えて実施いたしてまいったわけであります。しかしながら国有林野内の治山事業のうち、石狩川等十大流域の復旧治山事業につきましてはその効果が著しく広域にわたりますので、こういうのは従来から一般会計負担において実施いたしておることは御承知のとおりであります。 そこで、国有林野の公益的機能に対する社会的要請に積極的にこたえますため、国有林野事業の財政運営の健全化をはかるとともに、これら公共的経費負担のあり方についても慎重に検討してまいりたいと思いますが、先ほど来この林業について、ことに国有林の経営について種々お話し合いをいたしたわけでありますが、私どもはその国有林の運営については抜本的にやはり検討する必要があると思っております。 それから輸入材のことについてのお話がございましたが、これは簡単に申し上げることはなかなか困難でありますけれども、かりに課徴金のような制度を設けるといたしますと、そのいろいろな反発、それから物価政策、その他木材にかわるべき非木材系の代替材等が続出してくるというふうなことも考えられますので、きわめて情重に対処しなければならないと思っているわけであります。
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 国有林野の活用に関する法律案について農林大臣にお伺いします。 昨日、四時間にわたっていろいろ論議をしてまいりましたが、その中で大臣が参議院の予算委員会のほうへ出席されましたので、大臣に対する質問を一応長官に聞いた面もありますが、保留した分について質問をいたしたいと思います。 三条の一項二号についてでございますが、「前号に掲げる事業の用に供することを目的として譲渡された土地で林業経営の用に供されていたものに代わるべき土地として林業経営の用に供することを目的とする国有林野の活用」「当該譲渡をした者で農林省令で定めるもの」こういうふうにありまして、このことについては昨日相当長く論議したわけでありますが、大面積所有者の林業経営者は該当しない、小規模経営者で現に林業を経営している者が該当することが答弁の中に明らかになりました。その小規模と大規模面積との判断基準というものは省令でどのようなことできめられるのかということについて大臣からひとつ明快に御答弁をいただきたい、かように思うわけであります。
○倉石国務大臣 小規模林業経営と申しますのは主として家族労働力によって林業経営を営むことができる程度の規模のものを考えております。この基準につきましては、省令でこのような小規模林業経営者の考え方について規定をいたしまして、さらにその細部については通達をもって明らかにする予定でございます。
○瀬野委員 そこで、小規模面積所有者と大規模面積所有者の基準というのがはっきりしないことには公平の原則からいっても不公平になるということが懸念されてくるわけです。ただいま大臣から通達によってということでございましたが、それは大臣依名通達か長官通達かあるいは次官通達によってやられるものか、その点あわせてひとつ明快にお答えいただきたい。
○松本(守)政府委員 次官通達を考えております。
○瀬野委員 時間等の制約があるのでこれ以上詰めませんが、昨日からいろいろ論議してまいりましたので、この点についてはどうかひとつ公平の原則を欠かないようによろしく皆さんやっていただきますように強く要望を申し上げておきます。 次に三条の一項三号の中で、「林業構造の改善の計画的推進のための小規模林業経営の規模の拡大その他林業経営の近代化の事業で農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」このことについてきのうもここでずいぶん時間をかけて論議したわけですが、その問題、実際問題として個人は対象としない。対象としないのにこの法に載せてある。これはいろいろ詰めまして、長官からもそれぞれ答弁がございました。農業構造改善事業に入っておるので均衡上入れた、当面林業の近代化事業が協業促進をはかっている間は、その路線が変わらない限りは省令で定めない、概要そのような説明がございました。もちろん将来必要があればこれはまた使うというような意味のこともございましたが、この問題について大臣からひとつはっきりと御答弁をいただきたい。
○倉石国務大臣 現在、林業構造改善事業等に基づく林業経営の近代化の事業の対象といたしましては森林組合等の協業体を考えております。当面は個人が林業経営の近代化の事業を行なうことは予定されておりませんので、当面は省令は定めないことにいたしたいと思っております。
○瀬野委員 その当面ということがだいぶきのう問題になって私質問したわけですが、これはもちろん省令には書かない、こういうように思うのですが、その点を明らかにしていただきたい。
○倉石国務大臣 当面は当面でございますが、現在小規模林業経営者に対する林政の基本的方向は、協業化によりまして経営の近代化をはかることにあると思います。したがって、この林業構造改善のための国有林野の活用の相手方につきましては、このような林政の方向との関連を考慮して検討してまいりたい、こういうわけでございます。
○瀬野委員 この点林野庁長官にお尋ねしますが、この当面といったことは、「林業を営む個人」については省令で定めると書いてあるけれども、当面という答弁があったので、今度この法案が通過して省令が出された場合に当面必要ないのだから、この「林業を営む個人」ということは省令には書かない、こういうように理解してよろしいかということです。
○松本(守)政府委員 そのとおりでございます。
○瀬野委員 そこで長官は、きのうこの問題については均衡上入れた、将来はあり得る。この「林業を営む個人」を農林省令で定めるということについては当面必要ないんだから削除したらどうか、黒い霧の原因にもなることだからと私申し上げたわけですが、せっかく設けたんだ、均衡上の問題でもあるから運用の面で尊重してやっていくということがきのう答弁の中にございました。その当面ということについて農林大臣、半永久的か、どういう時代が来ればそのことを発動するのか、その点大臣の立場でひとつはっきりと御答弁をいただきたい。
○倉石国務大臣 いま申し上げたような事情にございますので、当面というのはさしあたりといったようなことでありますが、その情勢を見てひとつまた判断をいたしていきたいと思っております。
○瀬野委員 さしあたりと言うと、当面とさしあたりとどう違うかということになるのですが、それは林業の近代化事業、すなわち協業促進をはかっている間はやらない、こういう意味に理解してよろしいですか。
○倉石国務大臣 大体そのように御理解をいただきたいと思います。
○瀬野委員 一応の答えが出ましたが、これには問題がかなりあると思いますけれども、時間の要請もあるので、またの機会に譲るとして、次に第八条の問題で、「収入の使途」これは「第三条第一項の規定による国有林野の活用により行なう国有林野の交換、売払い、所管換又は所属替による収入は、予算で定めるところにより、次の各号に掲げる経費の財源に充てるものとする。」四項目が設けてあります。いわゆる国有林野活用法案によって得た収入の中から、それぞれ民有地の買い上げ等をやることになりますが、このことについて大臣にお尋ねしますが、国有林野の偏在分布の不合理性の問題がいろいろ論議されております。現在の国有林野の分布が地域的に著しく偏在して、国有林野の存在意義から考えると、国土保全に貢献するためには均衡ある分布が必要であると考えられるのでありますが、現実にはその分布は非常に不均衡となっております。森林面積に対する国有林野の面積比率等をきのうは例をもって申し上げました。関西地方が四%に対して東北地方では四六%、北海道五〇%、また県別の一例を見ても山口県が一%に対して青森県が六五%、福島県四四%…… 〔発言する者あり〕
○草野委員長 御静粛に願います。
○瀬野委員 極端な偏在を示しております。いわゆる後進地域ほど国有林野率が高い。国土保全の必要性が後進地域だけに限られないことを思えば、現在の国有林野の偏在分布にはきわめて不合理があるといわざるを得ません。そこで第八条の財源によりこれらを考慮して民有林の買い入れをするにあたりまして、特に西日本、中国、四国ないし九州等の民有林の買い上げ、こういったことをやるべきである、こう思うのですが、林野庁長官は昨日は重要なところから力を入れていくというような答弁でございました。この点についてひとつ農林大臣の御見解を承りたい。
○倉石国務大臣 民有林の買い入れにあたりましては、国有林野の全国的配置も考慮いたしまして、国有林野事業の経営基盤の整備をはかる観点からその推進をはかってまいるようにいたしたい。へんぱなやり方はいたさないようにいたすべきであると思います。
○瀬野委員 へんぱなやり方はいたさないようにしたいということでございますので、十分配意して改良をしていただくようにお願いしたい。 そこでそれに関連してもう一つお伺いしておきますが、昭和二十九年制定の保安林整備臨時措置法に基づくいわゆる重要保安林とかまた民有林を買い上げる場合、国有林経営上有利な運営ができる、すなわち国有林に隣接したこういったところをおもに買う、こういう傾向が従来もあったし今後もそのような考えがおそらくあるであろうと思います。反面百町歩あるいは三百ヘクタール、こういったように飛び地である程度まとまっておるような場合にはどのように対処をされるか。面積がかなり大面積まとまっておる場合は、必ずしも国有林から離れていなくてもこれを買い取る方針であるか、この点も大臣からひとつ明快に御答弁をいただいておきたいと思います。
○倉石国務大臣 いまお話しの三百ヘクタール以上ある地域、これは当然買い入れの対象になると思います。
○瀬野委員 次に東北六県、北海道など、特に青森県等、耕地とか軒先にきておる国有林、これが問題になって、また要請が強いわけですが、昨日もいろいろと答弁をいただいたのですけれども、耕地庇陰、軒先にきておるところの国有林の問題について申し入れがあれば、迷惑をかけない範囲で伐採をし裸地として処置をする、これは従来もやっていたことですが、今後もまた変わりがない。 放牧の場合は大体三通りが考えられるわけでありまして、使用の場合は従来からやっておるような使用料を取って林地の中に牛を放ってこれを提供する、使用させる。もう一つは、本法三条一項一号で規定してありますように、貸し付けによって木を切って畑とし、牧草を植えて、そして県から補助金その他が出ておるものであれば対象にするということが一つ。すなわち貸し付けの場合。第三番目には、本法第三条一項四号の放牧共用林野として貸し付けることが明らかになったわけであります。すなわち個人はこれは考えられないということでありますが、この点と、四十二年の通達によって個人対象の問題が若干ではあるがあるということでありますが、この点を大臣から明らかに御答弁願いたい。
○倉石国務大臣 国有林野の近くに水田があります場合には、従来から水田が国有林の庇陰にならないように配慮してまいったわけでありますが、今後ともその施業にあたりましては十分配慮してまいりたい所存でございます。 それからお尋ねの、放牧のために国有林野の活用が必要となった場合には、貸し付け、共用林野等によりまして、その適正な実施につとめてまいりたいと思っております。 それから地元住民の生活環境保全のための国有林野の活用につきましても、国有林野法等に基づき貸し付け、売り払い等によりその円滑な実施につとめてまいりたい、このように考えております。
○瀬野委員 次に造林補助問題と、造林補助単価の問題とあわせて若干お尋ねをします。 御承知のように、現在の造林補助というのが再造林の場合に打ち切られた。九兆四千億円の中で一億円ではありますが、再造林の場合の造林補助を打ち切られたことが大きな精神的な打撃になっておるということは、先日質問をしたわけです。そのときに、大臣おいでになりませんでしたが、政務次官からは、この復活については今後検討していきたいということで、本年度何とかならぬか、来年はぜひ復活してもらいたい、これにはいろいろ異論があって、論議があるところでありますが、再造林のあと地、いわゆる伐採あと地はなかなか再造林ができてない個所がかなりある、同時に、国土保全、今後森林資源の培養という面からも、どうしても従来から既得権として持っておったこの再造林に対しての補助をぜひひとつ復活していただきたい、こういうことでいろいろ申し上げたわけです。そして造林は四十三年現在で九州の倍くらいの造林ができているといわれておりますし、毎年の造林面積が奈良県一県くらいの造林である。こんなことではなかなか日本の緑化が進まない。そういった意味からも、再造林に対する補助、これはぜひひとつ考えていただきたい。だんだん奥地化になりまして、過疎地帯、労働力の不足、こういったことが顕著になりまして新造林が進まない。こういった意味からひとつお考えいただきたいという点であります。もちろん政府としては拡大造林に力を入れておられることもよくわかりますけれども、ひとつこの点についても含めて御答弁いただきたい。 それから造林補助単価の問題ですが、この詳しいデータはもう申しませんけれども、現在の造林補助金は苗木代、人夫賃がそのおもな要因でございますが、六割補助ということから計算すれば、苗木代、人夫賃、こういったことから三割補助ということになっておる。これでは造林が進まぬはずです。拡大造林の場合も同じです。こういった点から、ひとつぜひ造林補助の問題と、造林単価の値上げという問題について検討願いたい。大臣にこの点、二つあわせて御答弁いただきたい。
○倉石国務大臣 四十六年度から再造林の補助対象は、保安林と災害、病害虫による被災林等に限定することといたした次第であります。その理由は、再造林につきましては一般的に木材伐採収入によって造林費をまかなうことが可能であるという考え方でございます。これに対しまして、拡大造林におきましてはこれが困難でございます。また森林資源の充実の立場から、政策的にもやはり重点的に拡大造林の推進をはかるべきではないか、こういう考え方でやっておるわけでありますが、もとより通常の再造林につきましても着実な実施を期することが必要でありますので、農林漁業金融公庫資金の融資等を通じてその推進に努力してまいりたいと思っております。 補助率につきまして、ただいまお話がございました補助率の単価でありますが、民有林の造林補助の予算単価につきましては、従来から実勢単価の上昇等を勘案いたしまして、年々その引き上げをはかっておることは御存じのとおりであります。四十六年度におきましても前年度に比べて平均一四%の引き上げを行なう計画であります。さらにまた、今後におきましても実勢単価に見合った予算単価といたしまするよう、私どもは一そうの努力を進めてまいりたいと思っております。
○瀬野委員 造林単価については一四%の値上げをやっておるというけれども、これはわずかなものです。また今後自主性をもって検討していくというような答弁がございましたが、これは大臣、これ以上申しませんが、ひとつ林業に対して、もっと関心を寄せていただいて、十分検討願いたいと思います。 最後に一点だけお伺いして質問を終わりますが、林野庁の基本方針として、まあ現在三Kということがいわれておりまして、いわゆる米、国鉄、健保、これにさらに国有林が一K加わって四Kということがいわれます。先日も質問の段階で政務次官も、今後十五年もたったら六千億円の赤字、いわゆるベースアップのいろいろなことから積算赤字は一兆円にもなることが推定される、すでにもう第二の国鉄といわれるようなことになっております。そういったことから、本年度予算では五十億を利益積み立て金の中から見て赤字予算を組んでいることは御承知のとおりでありますが、そういったことを踏まえましていろいろ質問した際に、政務次官は、今後林野庁の将来のあり方として行政と経営と別にして考えるべきである、こういった答弁がありました。これらを踏まえまして、農林大臣はどのような御見解をお持ちであるか。最後にひとつ明快なる答弁をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○倉石国務大臣 政務次官のお話はそういうお話があったようでございますが、たいへんこの国有林の現状がむずかしい段階にきておることは政務次官のお話のとおりであると私どもも見ております。そこで、ただいま学識経験者等にも御研究を願い、部内においても検討をいたしておる最中でありますが、大事な仕事でありますので、十分これは再建できるように国民全体の御協力をいただきたい、こう思って、鋭意勉強している最中でございます。
○瀬野委員 以上で終わります。(拍手)
○草野委員長 津川武一君。簡単に願います。
○津川委員 時間が非常に迫っておりますので、要点を質問しますから、答弁も要領よくお願いします。 国有林野で、米軍と自衛隊がどのくらい占領しているか。これが一つ。 林野行政上、そのために支障が出てきているか、出てきていないか。これが二つ。 林野行政上、アメリカ軍と自衛隊の使っておる国有林野の返還を求めたことがあるかどうか、これから求めるつもりがあるかどうか。この三つをまず答えていただきます。
○倉石国務大臣 政府委員からお答えいたします。
○松本(守)政府委員 国有林野を軍用地として使用させております面積は、昭和四十四年七月一日現在で一千百二十六ヘクタールでございます。林野庁としましては、林業経営上支障があるかないかということでございますが、軍用地としてといいますか、自衛隊のそういった用地、また米軍に使わせておりますのは一応公用ということで使わしておりまして、国有林野経営上支障があるとかないとかという比較はいたしておりません。また返還を要求したこともございません。
○津川委員 農地法の第三章、未墾地等の買収及び売渡、こういうふうに農地法が規定し、四十四条から七十五条にわたっておりますが、この三章によっていままでに開放した、農地改革した面積はどのくらいになっておりますか。
○松本(守)政府委員 所属がえをいたしました面積は三十九万ヘクタールでございます。
○津川委員 全国国有林野解放対策協議会がまとめたところによりますと、農業用として十二万八千四百九十九ヘクタール、林業用として三十万三千七十九ヘクタールを活用として予定しているようでございますが、この中に農地法四十四条に該当するものがこれからございましょうかどうか、これが一つ。 第二番目に、この対策協議会が要求しておる十二万という農業用のものと三十万という林業用のもので、開放して差しつかえないものはどのくらいございましょうか。
○松本(守)政府委員 農地法四十四条の対象になります国有林野の面積は、林野庁として調査をいたしたことはございません。
○津川委員 ひとつ調査して委員会に報告してほしいのですが、その御意図どうでございますか。
○松本(守)政府委員 この活用法案で一号から六号まで活用の方式がございますが、それぞれについてきのう以来御答弁申し上げましたように、活用計画というものは林野庁の自分からする計画でなく、農業構造改善、林業構造改善、それぞれの計画を受けて国有林が立つことになるわけでありますから、そういう計画をつくったこともございませんし、調査することも考えておりません。
○津川委員 それで国有林野の活用に合いますか。これは強く調査して報告することを私は要求して次に移ります。 そこで、農業用として予定しておる——長官が青森営林局長時代これを見ておるわけですが、十二万ヘクタールの中で農業用として開放して差しつかえないもの、林業用として予定しておる三十三万ヘクタールの中で開放して差しつかえないものはどのくらいございましょうか。
○松本(守)政府委員 農地局サイドで調査いたしましたものについて、林野庁としてはその中身を承知しておりません。農地局の側から調査したものがそういう数字であるということでございます。
○津川委員 林野庁は国有林野の開放に非常に消極的だと見てよろしいかと思いますが、この論争をしていると時間がなくなりますので、次に進めていきます。 そこで、軒下、庭先国有林野になっているところがかなりあり、宅地、便所、作業場、網干し場、学校、墓地が国有林野であったりして、その開放を求めたのですが、必ずしもそれをやらないで、いままできわめて安い料金で使用していたものが、今度はかなり高い料金になったりして、日本の人々は指をくわえて国有林野をながめている状態です。国有林野をそういうところにはこの法案で活用させるつもりかどうか、答えていただきます。
○松本(守)政府委員 農山村の振興をはかるために、いわゆる軒先国有林といわれておる地帯におきまして、国有林を活用するについて、学校とか公民館、託児所その他の施設のために国有林野の活用が必要であります場合には、公用、公共用等の事業として行なわれるもの及び山村振興事業として行なわれるものにつきまして、積極的に推進してまいります。そういった公用の場合には五割減額、減額の方式がございまして、安い価格でお貸しをするということで、これは軒先国有林地帯ばかりでなく、全国的に当てはまる制度でございます。
○津川委員 公用の状況はわかりましたが、便所を建てたい、倉庫を建てたい、ちょっと車庫をつくりたいとすれば、すぐ国有林野なんだ、こういう実際の国民の生活上に必要なものを活用する、開放する必要があると思いますが、いかがでございますか。
○松本(守)政府委員 私も青森の下北、津軽半島、よく存じております。そういった便所なりお墓をつくりたいということは、いままでも前向きでお貸しをすることで進めてきたつもりでございますが、今後とも十分配慮してまいるつもりでございます。
○津川委員 次に進みますが、国有林野の林野全体の機能といたしまして、国土保全、水質、水資源確保、国民休養の場、空気の浄化など営利を目的としないで、公共の利益を目的としているものがたくさんございます。こういう国有林野からは必ずしも利益をあげるというわけにはいかないのではないかと思いますが、どうでございますか。
○松本(守)政府委員 国有林野といたしまして公益的な機能を果たす役割りが最近急速に高まっております。そこでそういった地帯の国有林は、経済的な機能を犠牲にいたしましても、場合によってはいわゆる調和をはかりながら十分配慮してまいりたい、このように考えております。
○津川委員 いまの考え方からいくと、たとえばここ二、三年青森県の碇ケ関の遠部川、青森県の相内営林局の小泊の川のところで、一斉にかなり大規模な皆伐をやりまして、そのあとに洪水ができたわけであります。こういうことは今後やらないつもりかどうか。
○松本(守)政府委員 私、その前後でございますか、青森の営林局長をしておりまして、そういう話を聞いております。そこで、森林が果たすところの洪水を防止する機能というものは限界がございます。一度にたくさん降る雨に対しては、森林は万能ではございません。しかしそういった場合、普通の雨で土砂が徐々に流れるというようなことについては、相当大きな機能を果たします。また水源を涵養する機能というのも大きな機能を果たしますが、当時からその地帯の切り方を再検討をさせまして、一流域で一ぺんに大きく切らないということに方向を変えたはずでございます。
○津川委員 その地域の人は、あれだけ開発する前に相談してくれたらわれわれにも意見があったというわけです。こういうように、切るときは地域の住民とも相談してみる必要があると思いますが、いかがでございますか。
○松本(守)政府委員 お答えいたします。 施業計画をつくります段階で地元の市町村長の意見は聞くたてまえになっております。
○草野委員長 簡単に願います。
○津川委員 はい。 最後に、日本の木材資源を日本で確保するということが非常に必要になってまいっております。そのためには徹底的にやはり木を植え、育て、管理する。これがいますでにたくさんの質疑で明らかになったように決定的な問題であります。このために必要なものは、資金だとか苗木だとか、いろいろある中で、私は山林労働者が必要と思いますが、高度経済成長のもとで山林労働者がかなり少なくなってきた。そこで山林労働者が地元にとどまれるような待遇をしなければならぬ。この間、一昨年の四月一日、東京の四ツ木橋の橋をかける工事で、青森県の出かせぎ者七人が死亡しております。この人たちが営林署の直雇いのときは日給千八百円。森林組合の労務班に入ってから千二百円。それで生活ができなくなって、出かせぎに行って死んでしまった。いま山で雇われる人がなくて山が荒れてきた、こういうことなんです。決定的にやはり日本を緑の国にするために、国が必要とする木材を国の中でつくるために、私はこの臨時の労働者にも出かせぎに行ったと同じような賃金を与えるとここに残る、出かせぎがなくなる、山が育つ、二つの得があると思いますが、この臨時の労働者にせめて出かせぎ先くらいの賃金を保障する必要があると思いますが、これはひとつ農林大臣に答えていただきます。
○倉石国務大臣 木を植えることは大事なことであると思いますし、労働力確保も大事だと思います。その点は先ほど芳賀さんにお答えいたしたとおりであります。
○草野委員長 これにて内閣提出、国有林野の活用に関する法律案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○草野委員長 この際、津川武一君から本案に対する修正案が提出されております。 —————————————
○草野委員長 提出者より趣旨説明を求めます。津川武一君。
○津川委員 国有林野の活用に関する法律案に対する日本共産党の修正案の要綱を簡単に御説明申し上げます。 私たちは、林野行政の基本は、一つ、在日米軍、自衛隊が国有林野を演習場として使っているのをやめさせ、これを農民及び関係住民に開放すること。二つ、土地を持たない、または土地の少ない中小農民に農用に適する国有、公有、大山林地主所有の林野を開放すること。三つ、学校、住宅、作業場、採草地、個人生活など、国有、公有地を使用者に無償あるいは安い価格で開放すること。四つ、独占資本、銀行、大会社、その他大山林地主の林野は、これを国有に移すこと。五つ、農山村労働者に土地と仕事を保障するとともに、林業労働者の労働条件の改善、民主的自由を保障すること。六つ、山村における民主主義的土地改革を徹底的に行なうこと。七つ、国有林野事業を民主化し、国の費用で大規模な植林を行なうこと、など考えております。 本案はこれにこたえてくれません。その意味で本案には賛成するわけにはまいらず、修正案を出すことになりました。 修正案の一つは、農山村漁民は、自分たちの生活と生産のために、国有林野と大山林地主所有の山林の開放を求めていますので、今回の法案においても、農林業の構造改善等にのみ限定せずに、中小農林漁業者に対して農地、林地、採草地などを保障すること、地域住民の生活水準を引き上げるために使うこと、これが修正の大きい項目の一項目です。 もう一つは、不正行為や観光資本や大資本の不当な利益から国有林野を守るために、活用を民主化し、活用計画を公開することでございます。 案文は別紙配付のとおりでありますので、委員各位の心からの御賛成をお願いいたしまして、説明を終わります。
○草野委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 —————————————
○草野委員長 引き続き討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、津川武一君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立少数。よって、津川武一君提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) —————————————
○草野委員長 この際、本案に対し、三ツ林弥太郎君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。三ツ林弥太郎君。
○三ツ林委員 私は、ただいま議決されました国有林野の活用に関する法律案に対する附帯決議につき、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表してその趣旨を御説明申し上げます。 まず案文を朗読いたします。 国有林野の活用に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたって、国有林野の活用が適切かつ円滑に行なわれるよう左記事項に十分留意し運用の万全を期すべきである。 記 一、国有林野の活用に関する基本的事項についてはその重要性にかんがみ、決定にあたっては林政審議会の意見をきくものとすること。 二、国有林野の活用にあたっては、国土資源の総合的利用に配慮し、その目的が達成されるように活用の相手方について土地利用計画、事業構想、能力および資格等につき十分な審査を行なうとともに活用の適正を図るため指導助言につとめるほか活用を受けた者から土地利用について報告させる等の方途を講ずること。この場合において当該計画地域における未利用および粗放利用の民有地についても国土の効率的利用が促進されるよう配慮すること。 三、林業構造の改善のための活用は、原則として部分林契約により協業体を相手として行なうものとし、共同利用の採草放牧地とするための活用は、原則として貸付けにより行なうものとすること。 四、活用に伴う立木竹は原則として、幼齢林および防風林、庇蔭樹等土地と一体として活用されるものに限り売払いを行なうものとすること。 五、人口の都市集中化と余暇時間の増加傾向にかんがみ、国民の野外レクリエーションの場として必要なものおよび禁猟区その他野生動物および自然保護のために必要なものについては、活用対象地として選定することを避けるよう配慮すること。 右決議する。 この附帯決議の趣旨につきましては、すでに質疑を通じてそれぞれ明らかにされておりますので、この際は省略いたします。 何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。
○草野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 三ツ林弥太郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することと決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重して慎重に対処してまいりたいと存じます。 —————————————
○草野委員長 なお、ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○草野委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、林産業振興に関する件について決議をいたしたいと存じます。 各党の理事間におきまして御協議願っておりましたが、その協議がととのい、その案文がまとまりました。便宜委員長から案文を朗読いたします。 林業振興に関する件(案) 政府は、わが国における森林の国土保全、水資源のかん養、大気の浄化作用、自然休養等の公益機能および木材その他の林産物の持続的供給等の経済機能が国民経済の発展、国民生活の向上をはかる上できわめて重要な役割を果していることに着目し、かつ、わが国の森林の荒廃の進行および林業が直面している資源的制約、林業生産基盤の整備のおくれ、林業労働力の量的、質的な劣弱化、外材輸入の増加等のきびしい諸条件を十分に認識し、これらの困難な現状を克服してわが国森林の公益機能の充実と林業の振興、さらには国土の高度利用を図る観点から、左記の諸措置を講ずべきである。 一 国土保全、水資源確保、大気の浄化作用など森林機能の充実と林業生産の飛躍的な拡大ならびに森林資源の充実のために、造林の拡大と造林内容の充実をはかること。 そのために、民有林対策として、市町村等の所有する公有林野および中小林家所有の私有林の高度利用を目的とした「国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置」を検討し、その実現に努めること。 二 立木の伐出、造林の充実、山村振興などのために、公共性の強い林道については、高率国庫負担で林道網の整備をはかること。 林道網の整備にあたっては、国土保全に十分留意するとともに、地域住民の意志を尊重して計画的に開設すること。 三 自然破壊、山地災害を誘発する過度の伐採、大面積皆伐、林地崩壊と荒廃をもたらす施業方法などを規制するとともに、安全性が確認できない薬剤の散布を禁止すること。 四 国内需要の過半に及ぶ外材依存の現状にかんがみ、木材の需給と価格の安定をはかるため、政府の責任において外材輸入の適正な調整機能を発揮するよう努めること。 五 日本林業の担い手である林業労働者が山村に定着できるよう雇用安定、他産業なみの賃金水準の確保、労働条件の改善および労働基準法、失業保険法、健康保険法、厚生年金法等の適用、労働災害、職業病の絶滅の措置を講ずること。 なお、国有林野事業の健全な発展を期するため、基幹労働者については、常勤職員の雇用条件との均衡を考慮しつつ処遇の改善に特段の措置を講ずること。 六 以上の諸施策を実現するため一般会計から国有林野事業特別会計への繰入れ等、必要な財政金融措置を積極的に講ずること。 なお、輸入材に対する課徴金制度について も所要の措置を検討すること。 右決議する。 〔拍手〕 以上でございます。 ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○草野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。(拍手) ただいまの決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 ただいま決議されました事項につきましては、政府といたしましてもこの決議の趣旨を尊重して努力してまいる所存でございます。
○草野委員長 なお、ただいまの決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は明二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会