農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1971/03/16
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 芳賀貢君外六名提出、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案及び内閣提出、国有林野の活用に関する法律案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。熊谷義雄君。
○熊谷委員 国有林野の活用に関する法律案について若干の質問をいたしたいと思います。 この法案は五十五回国会、四十二年の六月でございますが、初めて衆議院に提案されて、それ以来五十五国会においては審議未了となりましたが、さらに五十八国会に提案され、五十九回、六十回継続審議の上、六十一国会、四十四年でございますが実質的な審議に入りまして、現地の調査をやり、あるいは参考人の意見を聴取する等慎重な審議が行なわれて、社会党、民社党、公明党など野党よりも詳細な質問が行なわれたわけであります。そうしたような慎重審議の上、法案に対して一部修正を行ない、さらに附帯決議を付して本院を通過し、参議院に送り込んだわけでございますが、参議院におきましては他の法案の審議の関係で混乱が起こったため、ついに審議未了になった経過をもつものであります。提案以来すでに五年にも達するわけであり、さらに審議の過程で明らかにされましたように、本案の提案に至るまでの国民的な世論とでもいうようなものは非常に強かったわけでございまして、その国有林野の発生、形成に関しての歴史的な背景については、同僚議員の森田、瀬戸山両委員からもこれを明らかにしておるようなことでございます。その後、さらにあとでいろいろお伺いしようと思いますが、総合農政の問題、いわゆる米の減反、転作を含めて大きな農政の問題に直面しておるわけでございまして、この国有林野の活用に関しての必要性、これは非常に大きいものがあるわけでございます。それにつきましてまず冒頭ひとつ政務次官にお伺いいたしたいと思いますが、こうしたような経過とその後の起きている農政を中心にしました国有林野の活用に関しての国民的な要望、要求、こうしたものは非常に強いものがあるわけでございまして、私は一日も早くこの法案の成立をはかって、そうしてこの法案の積極的な実施運営を行なうことが農政の進展上きわめて必要なことである、かように信ずるものでありますが、農林省当局としてのお考え方、御方針をまず伺いたいと思います。
○渡辺政府委員 そのとおりだと思います。
○熊谷委員 次に総合農政に関連してお伺いしたいと思いますが、総合農政を今後強く進めていかなければならないということに対しての要因はいろいろあるわけでございますが、とにもかくにも、米のみならず農産物の需給のバランスを各種目についてとってなるべく国外よりの輸入を見ないで運営していくというようなことは必要であると思うわけでございます。そうしたような意味合いからしまして、畜産であるといわず、あるいは果樹、野菜その他の各農業の分野におきまして需給のバランスをとりつつ、さらに国際価格との調和をはかっていく、こうしたようなことのためには、いろいろの施策を重ねなければならないわけでございますが、何といってもその基本になるものは農業規模の拡大であり、生産性を上げて農家所得を増大していく、こうしたようなことに持っていかなければならない、こういうようなことを考えるわけでございます。例を私の出身県の青森県にとってみましても、国有林野の占める率は全県林野の七〇%にも達するというような国有林県でございます。そして、今後の農政の方向としましては、何としても米を押えられた現状におきましては、畜産に重点を置いてこの経営規模を拡大していかなければならない、そうした情勢にあるわけでございます。 本委員会において、審査の過程で現地調査をやった場合に、青森県にも参りました。その場合に六ケ所村という地域に参りまして、酪農団地に参りまして、組合長からいろいろと事情を聞いた。そうした場合に、何が一番望ましいことであるかというようなことに対して、酪農組合長の言いますことには、現在個々の酪農団地においては一戸当たり乳牛を十頭あるいは十二頭程度を持って、粗収入百万円程度をあげている。これではどうも安心した営農ができない。こうしたようなことで、せめて現在の乳牛の十頭を倍の二十頭あるいは二十二、三頭にまでふやしたい。そうして粗収入二百万をこえる程度の農業経営をやっていけば前途に対してそう不安を感ずることなしに持っていけると思っている。そうしたようなことから、国有林野の利用について当局に要望しているけれどもなかなか応じてくれない。三、四年の交渉の経過を経て、ようやく十数戸の酪農家に対して分譲払い下げを認められた数量はわずかに三ヘクタール、四ヘクタールに満たない程度のものだ。これではとうてい経営規模を拡大して農家の安定をというわれわれの願望に沿うにははるかに距離がある。しかも、周辺は国有林野で一ぱいだ。そして、そうそう林野の運営に効率的な運営をされている地域でもない。にもかかわらず、そうしたような状況下に置かれている。何とかしてこれを、われわれの要望がそう困難性を持たずに実態に合わせて実現ができるようにしてもらいたいものだと切々と訴えておったわけでございます。これはただ単に六ケ所村だけの問題ではなしに、青森県の各地域において同じ現象がある。また、東北のごとく国有林野の多い地域におきましては、現在もその当時の状況である。そしてさらに、いま総合農政の強い撤回を求められているこの段階におきましては、そのような要請の地域が非常に多いことと思うわけでございます。私は、この法案を一日も早く成立さして、そうして国有林野の活用の面にそうしたような意義を持たせるということが絶対に必要だ、こういうふうに考えておるわけでございますが、これに対しての政務次官の御見解をひとつお伺いしたいと思います。
○渡辺政府委員 一口で言えば、御説のとおりであります。 御承知のとおり、総合農政の展開というようなことで、たとえば畜産の振興と申しましても、必ずしもみんな土地を持っているわけじゃございませんから、国有林野で適当なところがあれば、手続等においてもそれを利用しやすくするというような措置を講じてやるのが当然であります。したがって、そういうようなことを十分考え、今回も国有林野の活用法を出したのでございますから、政府としては、皆さんの御理解をいただいて、一日も早く成立をせしめたいという念願であります。
○熊谷委員 そこで、参考までに林野庁の長官にお伺いしたいわけですが、この法案が提案された四十二年の当時と現在の国有林野の面積は、比較してどのようなことになっているか、その面積と比率をひとつお伺いしたい。
○松本(守)政府委員 昭和四十一年の面積がございませんが、四十二年の面積で申し上げます。七百五十七万ヘクタールでございます。それが四十五年の四月一日現在では七百六十万ヘクタールでございます。
○熊谷委員 いまお伺いすると、国有林野の面積はふえている、こうしたようなことになるわけでございます。われわれが考えているそれは、国有林野を従来の諸法令からしましても、農業構造改善等に対してはこれを大幅に転換利用していくというような道も開けてあるわけでございます。ところが、逆に面積がふえている、こうしたような現象であるわけでございます。ところが、日本経済の高度成長に関連して、いろいろな現象を起こしているわけでございますが、最近における集中豪雨等の災害の発生は非常に大きくなってきている。そうしたようなことからしまして、林野行政の面で災害防止、災害対策の面が非常に大きく考えられておるわけでございます。したがって、国有林野に含まれている保安林はもとより、民有保安林も、これを大幅に保安林としての実効が上がるように、整備していかなければならないと思うわけでございます。民有保安林の整備、個人の力で公的な面に対しての協力を求める、そうしたようなことは事実もって容易でないわけでございまして、やはりこのような公的な性格を持つ国有保安林の運営について、民有保安林はこれを国が取得して、これを保安林として実効の上がるように整備を進めていかなければならない、こう思うわけでございます。そうしたような意味合いにおきまして、この法律案の審議において修正されて、その修正が取り入れられて提案されているわけでございますが、いわゆる国有林野の売り払いによるところの収入をそうした民有保安林の大幅な取得財源とするというようなことはまことに当を得た措置である。私は大いに賛成するものでございますが、そうしたような方向に対しての農林省としての考え方をひとつ伺いたいと思います。
○渡辺政府委員 御承知のとおり、水源涵養とかその他の保安林があるわけでありますが、そういうようなものは民間とあるいは国有と、ことに民間のものについては伐採等についていろいろな制約が加えられておりますから、それを保持し、あるいは伐採後積極的に造林をしていくということについては、相当な助成を行なっていかなければなかなかできない。したがって、それに対する造林補助等をいたしておるわけでありますが、それでも思わしくないというようなものについては、これは当然必要欠くべからざる、存置をしなければならない山でありますから、国がこれを買い上げていくという方向であります。
○熊谷委員 最近、年ごとに外材輸入がふえている、その林政との関連、あるいはこれまた自分の出身県のことを引例して恐縮でございますが、軒並み国有林というような状態がいまなお変わっておらない地域、この地域においての民政安定の方向を考えますときに、非常に国有林野との関係が深いわけでございます。これらの問題について詳細にひとつお伺いしたいと思いますけれども、時間もお昼を過ぎましたので、さらに今後あらためてお伺いをいたすことにいたしまして、きょうはこの程度にとどめたいと思います。(拍手)
○草野委員長 この際休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕