農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/02
会議録
○草野委員長 これより会議を開きます。 卸売市場法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 卸売市場法案について質問をいたします。 先日、この法案について質疑をしてまいったところでありますが、引き続き関連して質問を続けてまいりたいと思います。 今回の法案の四十四条は「仲卸業者の業務の規制」、すなわち卸売業者に対する規定がこの中にうたってありますし、三十七条には「卸売の相手方の制限」が規定してありまして、仲卸業者に対するところの規定となっておることは先日も申し上げたとおりであります。そこで「農林省令で定める基準に従い業務規程で定めるところにより、」と四十四条にうたってございますが、この法案が通過しますと業務規程というものがいずれできてくることになりますが、この業務規程によっていろいろと特定物品等の内容にも触れることになると思いますけれども、その点のきめ方、業務規程は今回の改正でどのような方向で改正をしていかれるようなお考えであるか。この辺から明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 四十四条ただし書きの運用につきましては、前回も申し上げましたとおり農林省令でまず業務規程に対する基準と申しますか、業務規程を作成するための基準を省令で定めるということに相なると思います。この省令でどのような定めをするかということは現在なお検討中でございますが、たとえば仲卸業者がただし書きの規定によって当該中央卸売市場の卸売業者が販売をしない物品、または卸売業者から買い入れることが困難な物品を卸売業者以外から買い入れて販売しようとします場合には品目、数量それから買い入れの相手方等を記載しました申請書をあらかじめ提出して、開設者の承認を受けなければならないというようなことを考えております。また開設者は、これを許可したりあるいは許可を認めないというような決定をいたします際には、その困難な事情といったような具体的な事情につきまして十分調査し、またそのようなことを認めますことが市場内の取引の秩を乱すおそれがないかという判定をしなければならないわけでございますから、そういうことについて実情を調査しなければならない、こういうようなことも省令で基準として定めたいというふうに考えております。それから、そのような取引をいたしました場合、場内でせってやる場合と違いまして、ややともしますとその内容が明らかでないということになるおそれがございますので、開設者にこれを報告するというようなことを義務づける、このようなことを考えております。
○瀬野委員 そこが問題だと思うのですが、先般来いろいろと質疑してまいりましたように、市場ではせるものと規格品、すなわち特定物品のようにせらなくてもいい品物があって、場外流通を現在やっておるのがございますが、それらの物品については大きく窓口を広げていただきたい、こういうふうに私るる申し上げてまいったわけでございますが、このことが市場の流通機構上一段階流通機構合理化になる。また消費者に対しても、それだけ手数料が少なくなるために、物価の値下げに通ずる、こういうことでまいったわけですが、開設者が省令に基づいて調査判定をする、こういうのですが、事実市場の事情を見ますと、市場には昔からの因襲等がございまして、なかなか困難な要素のあることは御承知だと思います。そこで、政府としては、それらの特定物品等に対して大きく窓口を開くということについては、開設者まかせであって、省令の定めるところによりということになっておりますから全然タッチしないというわけではありませんが、それらについてはかってに開設者がいま答弁があったような方向できめるということでいかれるのか、またそれに対しては政府として何らかの指導をされるものか、その点もう一回明確にお答えをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 もちろん省令で基準を定めて、あと業務規程もこちらが認可するわけですから、その業務規程作成の段階、それからさらに認可を受けました業務規程を運用します段階につきまして、業務規程の中に明文をもってそれぞれ必要なことを規定させる、と同時に、随時開設者会議等を開催して、各市場間の取り扱いに不合理なことがないように十分指導する考えでございます。
○瀬野委員 ただいま局長の答弁で明確になりましたので、ぜひそのようにしていただきたいと思いますし、特にこの卸売法案は大正十二年以来四十八年ぶりの改正でもありますし、まさに単独法としての法案ともいえると思います。この点をひとつ、いままでるる質問してまいりましたので、特定物品の扱いについては場外流通ができますようにひとつ特段の配慮と指導をぜひお願いしたい、かように思うわけでございます。 そこで、次の問題に入ってまいりますが、第三十七条「卸売の相手方の制限」ということで規定をしてございますが、この中で「ただし、当該市場における入荷量が著しく多く残品を生ずるおそれがある場合その他の農林省令で定める特別の事情がある場合であって、」と規定してありますが、「その他の」というところ、これに対する解釈をひとつお願いしたいのでございます。
○小暮政府委員 第三十七条でいっております「省令で定める特別の事情」という場合といたしましては、ただいま御指摘のございました当該市場における入荷量が著しく多く、販売残品を生ずるおそれがあるというような場合、また卸売業者の行なう卸売りに参加する仲買業者または売買参加人が著しく少数である、要するにせろうと思っても人が集まってこないといったような状況が認められる場合、あるいは同一の開設区域内の他の中央卸売市場の入荷量が何らかの事情ではなはだしくふつり合いであるというような場合に、他の中央卸売市場の卸売業者に荷を回すことによってその地域の需給のバランスをとる、こういったような場合を想定いたしておるわけでございます。
○瀬野委員 いま言われたようなことは当然業務規程で定めることになるわけでございますか。
○小暮政府委員 ただいま申し上げましたような省令の定めを織り込んでそれぞれの市場において業務規程に定めるということに相なります。
○瀬野委員 そのあとに書いてございます「開設者が仲卸業者及び売買参加者の買受けを不当に制限することとならないと認めたときは、この限りでない。」「不当に制限することとならないと認めたときは、この限りでない。」ということについて、ひとつ明確にお示しいただきたいと思います。
○小暮政府委員 趣旨はまさに書かれたとおりの不当に差別してはいけないということでございますが、実際に市場で毎日毎日の取引について指導いたすわけでございますから、抽象論だけでは迅速に措置できないということもございます。現在も考えておりますし、今後もそのように指導したいと思っておりますのは、物品をある程度指定いたします。たとえば需給調整のために他の市場に移しかえることがどうしてもしばしば必要になるような特殊の商品がございます。そういうものについて、あらかじめ、一定の数量の範囲内である、たとえば一割なら一割以内といったようなわかりやすい準則を話し合ってきめておいて、そういうことで迅速に指導するというようなことを具体的には考えております。
○瀬野委員 わかりやすく言うと、この場合は、品物が余ったといって持ち出してはいけない、こういうことをいっているのじゃないかと私思うわけです。また、もう一つには、委託者を守るかあるいは不当に買い手に損害を与えていけないということもこの中に入ってくると思うのですが、こういった「不当に制限することとならないと認めたときは、」ということは、要するに委託者が、市場でぜひせっていただきたい、こういうふうに思っても、開設者のほうでいろいろ値段の関係で事実余っていなくても余ったということにしてこれを他へ持ち出すというふうなことになると、たいへんな損害を受けるわけでございますが、この辺の規制についてはどのように判断をし、いかなる方法を行なうのか、もう少し具体的にお示しいただきたいと思います。
○小暮政府委員 市場内の取引は出荷者だけの立場で規律するわけでもございませんで、出荷者の立場、あるいはこれを買い受ける者の立場、それぞれの背後に生産者と消費者がおるわけでございますから、それぞれの利害が不当にそこなわれることのないようにこれを取り仕切るというのが市場の大原則でございます。なお、生産者から、要するに出荷者からの荷受けに対する指図というのが現実にございます。荷受けは委託者の指示に従うのが大原則でございまして、契約の内容を十分守って市場で荷受け行為をやるというのが大原則になっておりますが、その上で市場内での取引、市場内の行為については開設者の承認を必要とするような場合がそれぞれあらかじめ業務規程に定めてある、こういうことでございます。
○瀬野委員 そこで輸入品の問題に移ってまいりたいと思いますが、輸入品については現在青果を含めましてどのようなものが輸入されておりますか、最初に明確に御答弁をいただきたいと思います。
○小暮政府委員 輸入品は、くだものの場合に、バナナ、レモンあるいはグレープフルーツ、オレンジ等のかんきつ類、それから鮮魚で隣国から入ってくるようなものがございます。
○瀬野委員 いまちょっと聞き取れませんでしたが、鮮魚ではどんなものがございますか。
○小暮政府委員 韓国等から鮮魚が入ってくる場合がございます。そのほかに、申し落としましたが、冷凍魚につきましてかなりの量が輸入という形で入ってまいります。
○瀬野委員 輸入品については旧法でもまた今回改正ぜんとする新法でも、仲卸業者は直接買い付けができる道が開かれておると思いますが、その点確認をしておきたいのでございます。
○小暮政府委員 東京都におきまして条例で輸入品については仲買いが直接出荷ができるという趣旨の定めがございます。
○瀬野委員 ただいま局長から東京都における場合の例をとられましたが、その他の六大市場その他についてはどうでございますか。
○小暮政府委員 条例であらかじめ輸入を除くという形にいたしておりますのは東京都だけでございまして、その他の条例では開設者がケース・バイ・ケースで認めるというスタイルになっております。ただ実際には認めておらないということでございます。
○瀬野委員 東京都以外は開設者がケース・バイ・ケースでやっている、実際には認めていない、こういうことでございますが、このことについて東京都と同じように他の市場についても認めるということについては政府の見解はいかがでございますか。
○小暮政府委員 新法のもとでは、先ほど来議論いたしておりました四十四条ただし書きの考え方、これに適合いたします場合には、それが国内産品でございましてもあるいは輸入ものでございましても、あの四十四条ただし書きの考え方に適合する場合にはこれが認められるということに相なります。
○瀬野委員 四十四条に適合する場合は認められるということで、四十四条については先日来御答弁いただいたのですが、私の質問に率直に答えてないようですが、東京都でもこのように輸入品を除くということで認めてあるのですから、バナナの仲買い十六人が現に輸入をしているわけです。他の市場でも当然これができると思うのですが、その点についてそのような方向で今後業務規程等を定めるように省令でも定めあるいは指導する、こういうような方向でございますか、もう一度確認をいたしておきたいのであります。
○小暮政府委員 輸入業務一般を認めるか認めないかという問題ではなくて、この際四十四条ただし書きで規格性、貯蔵性があり、供給が安定しておると認められる物品について一定の基準のもとにこれを認めようということでございます。これまで取り扱いが区々でございましたのを、今回の法律の制度と機会に、四十四条ただし書き並びにこれを基礎とした省令あるいは業務規程等で取り扱いをはっきりさせようということでございますので、御了承いただきたいと思います。
○瀬野委員 四十四条ただし書き等で今後取り扱いをはっきりさせたいということで御答弁いただきましたが、ぜひひとつ東京都に限らず輸入を除くというような方向でお願いをいたしたい、かように思うわけです。輸入が事実こうしてできるようになっておるのに、従来このような輸入を他の市場にはさせなかったということについての理由はどのような理由によるものか、その点をあわせ明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 中央卸売市場の中での取引の基本的な考え方は、これは申し上げるまでもないことでございますが、卸業者が荷受けてこれを場内で公正にせりにかける。仲買いあるいは売買参加人がこれをせり落としていくというのがたてまえでございまして、その際に輸入品であるとかあるいは国内産品ということを別に問わないわけでございます。卸売業者が必要なものを受けてきて市場の中で価格形成をする、そういうことでございます。ただ東京都におきまして、仲買業者の中に昔からのいわば経験と申しますか、具体的には台湾バナナの扱い、台湾はかつて輸入でも何でもない、要するに日本の領域であった時期に、長い間東京においては市場内の業者が台湾の青バナナを取引しておったというような実績と申しますか、経験がございます。その事実に着目して東京都が特段の定めをしたということでございまして、市場の形としては、原則はあくまでも先ほど申したようなことでございます。
○瀬野委員 バナナは御承知のように価格は相当変動がございますので、いろいろ問題があることも十分私承知しております。そこで輸入品目は全部できる、こういうふうにすべきじゃないか、私はこういうふうに主張したいのですが、これについてさらに御見解を承りたいのでございます。
○小暮政府委員 御指摘の趣旨は必ずしもうまくつかみ得なかったのですが、輸入品はすべてできるとおっしゃる趣旨がどのような点でございますか、ただ私ども考えまするに、市場内での価格形成これはやはり需給の実勢をそこに適切に反映させるために荷受けが荷を引いてまいりまして、これを仲買人あるいは売買参加者にせらせるという形で需給に即した価格が形成されるというのが市場のたてまえである、これはたいへんくどいようでございますが、この点は今後も変わらないと思います。ただ特定の場合に、仲買いが直接荷を引いてくることのほうがむだがないというような場合があるはずでございますので、そういうものはこれを認めていこうということでございます。ただ何でもそのようにすれば安くなるかということになりますと、そういう一般原則はないと思うのです。やはり物はまさに需給の関連で値段がきまります。まことに具体的な例で恐縮でございますが、たとえば問題のバナナにつきましても、これは輸入してまいりますから、いわば輸入価格これに関税諸掛かりその他を乗せるという形で、いわばコスト的なものが目で見てわかるような形になっているわけでございますけれども、それであれば必ずその輸入諸掛かりに適正なマージンを加算したものが回収できるかどうかということになりますと、御承知のように間々輸入で失敗してコスト割れになるような価格が実現するということが現実にあるわけでございます。したがいまして段階を省略すれば最も妥当な価格ができるというふうには必ずしも楽観できない。やはり市場における公正な価格形成のメカニズムを通じて価格の基本は定まる。しかしそういうものを一方に踏まえながら、できるだけ関係業者の協調のもとに流通のむだをできるだけ少なくしていく、こういう努力をいたしたい、こういうことでございます。
○瀬野委員 先ほどから申し上げますように、今回の法案は四十八年ぶりの改正でございまして、仲卸業者に力がないとか仲卸業者の信用がまだそこまでないとか、いろいろ議論も成り立つと思いますけれども、やはり仲卸業者を今後大型化をしていく、特に先般も質問しました際に、仲買人から仲卸業者と名前をかえたということに対する理由を局長からお伺いしたわけでございますが、仲買人も質の向上、今後大型化していく、こういうようなお考えでありますし、そうなれば力をつけていくことには当然なってまいります。こういった仲買人にも融資の道を開いたりあるいは輸入ができるような力をつけていくという方向にいくことになると私は思うのですが、そういった方向についてはどのように考えておられますか。私が申し上げているようなことに変わりはございませんか。もう一度はっきりお答えをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 従来仲買いについての規定が必ずしも法体系のもとで明確でございませんでしたので、今回の改正案では、市場内で生鮮食料品を分荷する機能ということに着目いたしまして、仲卸業という考え方を明らかにいたしたわけでございます。これは、この前申し上げましたように、仲卸人ができるだけ堅実な経営の基礎を持った、具体的にはかなりの規模の法人化した、きちんとした管理能力を持った業者に発展してもらいたいという願望を込めて、その仲卸の機能を法律の中にうたったわけでございます。したがいまして、御指摘のように、私どもといたしましても、今後仲卸業者ができるだけ望ましい規模の業態になるように、さまざまな角度からこれを誘導してまいりたいと思っておりまして、具体的には卸売市場近代化資金制度というようなものの運用に当たりましても、仲買人の近代化のための資金をできるだけ融通が円滑にまいりますように措置したいというふうに考えております。
○瀬野委員 近代化資金等の融通ができるだけできるように考慮したいということでございますが、ぜひそれはやっていただきたい、こう思います。と同時に、先ほどからいろいろ論議してまいりましたバナナ等の場合には、市場の需給に即して価格形成がされるということは当然のことでありますし、物というものは需給の関連できまるということも当然の理でございます。 そこで、仲買いがいろいろ輸入品を引きたい場合に、むだがない場合等はこれを認めていきたいというような御答弁をいただきましたが、最近の状況から見ますと、冷凍エビがかなりたくさんの輸入のウエートを占めております。先日もこのことにちょっと触れましたが、冷凍エビなんかの場合は、先ほどから申し上げておりますように、仲買いが直接引くというようなことに今回の法改正によってその方向で進められるお考えであるかどうか、政府としてどのような指導をされる考えであるか、明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 冷凍のエビが大量に輸入されておりますことは御承知のとおりでございます。これが品質、規格等については、これを輸入します先が東南アジア、アフリカその他各地にまたがっておりまして、必ずしもまだ完全に規格化されておるとは思いませんけれども、かなりの量のものが入ってきております。ただ、これもそのときどきの需給事情によって価格の乱高下を必ずしも避け得ないような状況もあるように認めます。ただ、今後規格化され、しかも供給の安定した商品ということにこれがなりますかどうか、十分その辺を見きわめまして、具体的な判断をいたしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 具体的な判断をいたしたいということでございますが、その具体的な判断ということについては、どういう意味でございますか。さらにお示しいただきたい。
○小暮政府委員 先日も申しましたように、最終的には国の定める基準に従って開設者がきめるわけでございますが、物そのものの特性だけでなしに、その市場における貯蔵施設の完備の状況とか、その市場における入荷の動向というようなものも合わせまして、比較的供給が安定し、しかも貯蔵性、規格性があるというふうに判定するかどうかというきわめて具体的な判断の問題であるという趣旨のことを申し上げておるつもりでございます。
○瀬野委員 政務次官には次のことをひとつお伺いしたいと思っておりますが、いろいろ一昨日来論議してまいったわけですけれども、今回卸売市場法案が提案されておりますが、何しろ四十八年ぶりの改正でございまして、この中にはたくさんの問題をかかえております。もちろん審議会のメンバーの問題等、また市場にはわれわれが想像以上のいろいろな古い習慣等いろいろございまして、なかなかたいへんな問題がございます。ぜひ消費者の物価を下げるためにも、流通機構の簡素化、合理化をはかっていただきたいということで、終始私いままで論議してまいりましたが、きょう論議しました輸入品の問題、これは、御承知のように、東京では十六人の仲卸業者が直接輸入して現実にやっております。ただいま局長からもお話がございましたように、もちろん物というのは需給の関連できまるわけで、いろいろ、市場を通したほうが消費者に価格が安い場合もありますし、また直接輸入を仲卸業者がやった場合がずいぶんコストが下がって消費者に安くこれを提供することができるということがかなり多いわけでございます。こういったことから、今後仲買人を仲卸業者と名前をかえて、大型化し、力をつけ、近代化資金を融資して、市場内の整備をはかっていこうという政府の盛られた内容が法案の中にもありありと意欲的に見えることも事実でありますが、そうしたことを踏まえまして、現に東京でもバナナの輸入を仲卸業者がやっておりますので、東京に限らず他の市場についてもこういった道を開いて、簡素化をはかり輸入の品物についても幅を広げて、そうして今後消費者に安い品物があがっていくような思い切った政策をやっていこうじゃないか。いつまでも旧態依然としたやり方では、物価の安定はできない。佐藤総理も、野菜の犯人は見つからない、また物価を値下げする方向がなかなかわからない、鋭意政府も慎重に検討している、こういったことで終始答弁があっておりますが、私は、全国民の台所をまかなう五割ないし六割といわれるこういった物品について、今回大きく窓口を開いて、そうして場外流通をはかっていく、こういったことでコストを下げていくということが、特にこの法案を提案された意義にも通ずるのではないか。またここらが一番大事ではないか、こう言っておるわけでございます。こういったことについて、政務次官、きょうは農林大臣がお見えでございませんから、こういったことについてのお考えをひとつこの辺でお示しいただきたい、かように思います。
○渡辺政府委員 今回の市場法を提案した趣旨は、趣旨としてはそのとおりだと思います。生産者には安定した価格で安定的な量を供給してもらう、消費者にはなるべくいろいろな品目について中間経費を少なくして買ってもらうという趣旨であります。しかしながら仲買人が輸入品について卸売人を飛び越えて取引することが、必ずしもいろんな輸入品全部についていいかどうかということになるとたいへん疑問でありまして、エビの問題等いろいろの輪人品がございますが、東京の築地の市場では卸売人は五社、仲買人は千四百か幾らかいるそうであります。したがって仲買人を大型化するということは相当必要なことと思いますが、幾ら大型化したって仲買人が卸売人よりも少なくなるなんということはもちろんないのでありまして、一括してまとめて買うという場合においても、それは規格性のあるもの、貯蔵性のあるものを大量に買うという場合であっても、特殊な例外以外はやはり卸売りを通してやったほうが、まとまった品物が入ってくるだろう。東京でバナナのような特殊な例があるそうでありますが、これは前からのいきさつ等もあるようであって、その例を全部の輸入品に当てはめていくということは考えてはおらないのであります。しかし卸売市場法の趣旨というものはあなたがおっしゃったとおりのことでありますから、その趣旨がいかにしてうまく実現をされるかということは、これはケース・バイ・ケースというようなものも見ながら、その趣旨にのっとってきめていきたい、かように思っております。
○瀬野委員 政務次官から一応の答弁をいただきましたが、明日はまた当委員会で市場の視察を早朝から行なうということでもございます。また明日以降審議も続けられてまいりますが、さらにいろいろ実情等をお聞きいただいて——たくさんの仲買人がこのような道を開いていただくことを熱望いたしております。なるほど、市場を通した場合と通さぬ場合と、需給の関連でいろいろ値段の問題に差ができてくることもよく承知しておりますし、一挙にはまいらぬ点等もあろうかと思いますが、そういう道を開いて流通の簡素化をはかり、消費者に安い品物が渡っていくような方向で、この機会にぜひひとつ政府としても慎重な検討をして、せっかくの市場法の改正にあたりまして、この市場法がユニークな法案となって消費者にプラスされるような方向でありますように心から期待をいたすものでございます。 さて次に手数料の問題についてお伺いをいたしてまいります。 手数料については第九条に「認可の申請」ということが規定してございます。この手数料関係の規定は、ずっと法案を見てみますと、九条、十一条、二十七条に関係があるように思うのですが、なかなかりっぱなことばで書いてあるので、なかなか読み取れないところがございますけれども、九条の中で「業務規程及び事業計画を定め、」と書いてありますが、これによって、手数料というものは業務規程で認可が要りますよ、こういうような意味にとれるのかどうか、これから手数料のことが端を発しているのか、具体的なことが書いてございませんので、あらかじめ最初にお伺いしたいのでございます。
○小暮政府委員 御指摘のとおり、業務規程の中で手数料を定め、その業務規程を農林大臣が認可するということに相なります。
○瀬野委員 そうすると、第九条の二項の四に「卸売の業務に係る売買取引及び決済の方法」というのがございます。いまの「業務規程及び事業計画を定め、」ということとこれとの関係はどういうことになりますか。
○小暮政府委員 「卸売の業務に係る売買取引及び決済の方法」ということを具体的に定めます場合に、委託によるせりというのを原則にするというのが、当然その中に入ってまいると思います。その場合の委託の手数料は次によるという形で定められるわけでございます。
○瀬野委員 要するに、四号の「卸売の業務に係る売買取引及び決済の方法」ということが手数料をつくるということになるわけだと思うのですが、十一条で「業務規程に規定する事項等の変更」というのがございまして、「第八条の認可を受けた地方公共団体は、第九条第二項各号に掲げる事項又は同条第三項第二号に掲げる事項の変更をしようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。」こうなっております。この「農林大臣の認可を受けなければならない。」ということは、手数料の変更、こういったことについては認可を受けなければならないということであろうかと思いますが、確認の意味ではっきりと御答弁をいただいておきたいのであります。
○小暮政府委員 業務規程の中の軽微な事項を政令で定める。軽微な変更以外は、裏返せば重要事項は変更する際には農林大臣の認可を受けなければならないという趣旨の規定でございまして、先ほど来御指摘の売買の方法等につきましては、これが重要事項であるというふうに考えております。
○瀬野委員 さらに手数料の問題では「事業年度」の二十七条にもこれが関連があると思うのですが、「卸売業者の事業年度は、四月から翌年三月まで又は四月から九月まで及び十月から翌年三月までとする。」一年ぎめの場合と年に二回の決算の会社の場合と二回ぎめの場合がこの中でうたってあると思うのですが、こういったことについては政府としては一年ぎめのほうと二回ぎめについて、会社の事情もあろうと思いますけれども、今後どのような指導をしていかれるのか、年二回のほうがいろいろ手数料の状況を見るのにも何かと都合がいいかと思うのですが、これについてはどのような見解をお持ちでございますか。御意見を承っておきたいのであります。
○小暮政府委員 私企業のやり方に対する制限は必要最小限度にいたしたいというように考えておりますが、このようなきわめて具体的なことまで法律の中に仕組みました趣旨は、私どもが卸売業務の実態を把握いたします際に、何と申しましても収支決算の書類をまず徴しまして、それからいろいろ内容を精査するわけでございます。その決算の時期がたくさんの卸売業者において区々でございますと、私どもが卸売業の実態を把握しようといたします場合に、なかなかある年度の収支内容が一気にはわからない。何回も何回も分けて調査いたしませんと、ある年度の業態がわからないというのが実はこれまでの経験でございました。この際卸売業に対する指導監督を十分やりますためには、卸売業者の事業年度を斉一にいたしたいという趣旨でございます。ただこれを年一回にするか二回にするかというところまでは、私ども干渉をするつもりはございません。
○瀬野委員 いまの趣旨は一応了解いたします。 そこで手数料の問題でございますけれども、手数料の中で出荷手数料というのがございます。現在荷物をたくさん持ってきた場合も、少なく持ってきた場合も、業務規程によって出荷手数料というのが同じになっておりますが、いろいろ現地の事情を聞きましても、多い場合と少ない場合とは、当然これは差をつけるべきではないか、こういったことがいろいろ論議されておりますけれども、現在はもちろんきまった出荷計画によって同じ量がいつも入っている、こういう荷主さんもおるわけでございます。それが一律になっている、こういったことでございますが、この手数料を一律に取るということについてはいかなる見解をお持ちでございますか、御答弁をいただきたいと思います。
○小暮政府委員 現在、中央卸売市場における卸売手数料についきましては画一の指導をいたしておりますことは、御指摘のとおりでございます。これは、卸売手数料をめぐる過去の市場における実際の取引の経験から、卸売手数料をさまざまにいたしますと、これに基づいて出荷の過当競争が行なわれるという問題がございます。そのことが卸売業者の経営の内容を危うくし、ひいては出荷者の利益を確保できないというような事態が起こりがちであるという判断から、卸売手数料はこれを画一に規制することにいたしておるわけでございます。ただ、大型の、しかも規格化された荷を常時継続、反復して出荷してくるような産地、これは卸売業の側から見ますと単位当たりの経費が少なくて済むわけでございます。こまかな荷物をきわめて不定期に持ってくるようなものと比較いたした場合には、実費面でかなりの差があるはずのものでございます。卸売手数料にはそういった実費弁償的な意味合いもその一つの側面として当然あるはずでございます。それらの点を勘案いたしまして、かつ出荷の大型化、規格化を奨励するという意味合いも含めまして、現在荷受会社が卸売手数料の中から一部を出荷者に対して出荷奨励金として還付することを認めております。ただこれも、これが乱雑にわたりますとまた過当競争のもとになり、先ほど申しましたような卸売業の経営を危うくする危険性なしといたしませんので、開設者の十分な指導のもとに出荷奨励金を支払う限度額等について適切な指導をしながらやっております。 現在、青果物の中の野菜について見ますと、卸売手数料が八・五%ございますが、出荷奨励金を支払い得る最高は一・七%ということになっております。そこで一番優良なと申しますか、規格化、大型化の進んだ能率的な出荷者に対しては、八・五の手数料から一・七を差し引いたものが実質の手数料になっておるというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
○瀬野委員 その点はわかりましたが、事実現在の市場の状況を見ますと、力を持っている生産者は手数料を多く持っていく。やはり力の関係で多く持っていくのと、力のないものはきまったところの手数料ということで、そういったことが事実市場で行なわれておるわけですが、こういったことについては局長はいろいろ聞いておられますか、お伺いしたいのでございます。
○小暮政府委員 ただいまの出荷奨励金の支払いの限度額についての規制は非常に技術的なものでございまして、それを事こまかに御説明いたしますと時間がかかりますから、こまかな内容は御遠慮申し上げますが、これはかなり即物的なきわめて具体的な指導をいたしております。したがいまして奨励すべからざる出荷者に対して何らかの力関係で多額の出荷奨励金が戻されるというようなことは起こらないはずでございます。物の売り買いでございますから売手市場、買手市場、そのいずれであるかによって売買にはさまざまな姿が起こることは、これは商取引の一つの性格でございます。もしあり得るとすれば、むしろ委託によるせり売りでなくて買い取りという形で、卸売業者の責任において売り値を実現しようということで、産地にはあらかじめ一定の価格で仕切ってしまう方式がございます。その買い取りの場合に、売り手買い手のいずれが強いかというところから、買い取りの場合に想定されるマージンを切り詰めるあるいはたっぷり取るといったようなことが起こり得るのだろうと思います。卸売手数料ないし出荷奨励金の関係では、力関係でものごとがどうなるということはないように指導いたしておるわけでございます。
○瀬野委員 市場内でしばしばそういうことが聞かされます。また直接私も聞いておりますが、そういうことのないように指導するということでございますが、ぜひひとつこういったことは明朗に今後やっていただきたい、かように思います。あえて具体例は申しませんが、事実こういったことがしばしば行なわれております。まじめな出荷者がそのようなことをいろいろ言っております。市場の明朗化を期するためにぜひ指導していただきたい、かように思います。 そこで市場の手数料でございますけれども、当然これは手数料を合理化していく、ただし市場の経営が苦しいとそうもまいらぬ場合も考えられます。手数料は、先ほども答弁がありましたように実費主義であるというたてまえであろうと思いますが、当然この規定からいけば下げるということができるわけでございます。市場内の品物の動向を見ていろいろ考えるという点がありますが、手数料の値下げということについては今後農林省としてはいかなる考えを持っておられるか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 これまでの経過から見ましても、たとえば昭和三十八年以降卸売手数料について役所が直接これを引き下げるという指導をしたこともございます。それから四十三年には卸売手数料の引き下げではなくて出荷奨励金の支払い限度額のほうを若干ふやすというような指導、これは出荷奨励金の限度額をふやすということは、先ほど申しましたように実質卸売手数料が出荷者との関係では下がるということになるわけですが、そういう指導をやった事実があります。今後も卸売業務の実態を常時把握いたしまして、実態に即して考えてまいりたいと思いますが、経済の全体の流れの中で卸売業が最も安定した出荷者の利害を十分確保できる業態として動きますように指導監督してまいるということを基本に考えております。
○瀬野委員 次に時間も迫ってまいりましたので、せり人の問題で若干問題点を明らかにしていただきたいと思います。 せり人の登録は第四十三条に規定をされております。「卸売業者が中央卸売市場において行なう卸売のせり人は、その者について当該卸売業者が開設者の行なう登録を受けている者でなければならない。」二項、三項と規定してございますが、その中の二項で、「前項の登録に係るせり人の資格その他当該登録に関し必要な事項を定め、その登録を行なわなければならない。」こうございますが、このことについて、せり人については今後試験をして、試験に合格したら永遠によい、こういうものか、不正があればいろいろまたあとのほうで問題になると思いますが、このことについて政府の考えを明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 せり人の資質の向上ということをぜひ行ないたいと考えておりますので、四十三条に基づきまして、農林省令でせり人として登録できる者の基準を定める考えでございます。これを試験制度でやるかどうかというのは、これまた御指摘ございますので、なお研究はしてみたいと思いますが、せりというのはきわめて専門的な技術でもございますので、むしろ市場内における経験というものをかなり重んずることになるのじゃないか。しかしながら、学歴その他と十分組み合わせまして、せり人の資質を十分確保できるような基準を定めたいというふうに考えております。
○瀬野委員 要するにこの規定は、せり人について、これは重要な立場でありますし、現在のせり人は卸売業者のいわゆる使用人になっております関係から、これ自体にも第三者の中立的な者でやったらいいじゃないかというようなこと等がございますけれども、特殊な仕事でございまして、なかなかこのせり人の養成その他についてはたいへんな問題があるということは十分承知しております。それらを踏まえまして、やはり生産者のためにも厳正なるせりをしていただきたいということは当然のことであります。そういったことからしっかり勉強していけという規定だと思うのですが、ただいまの答弁ではっきりしなかったのですけれども、試験をする、または試験をしない、あるいは試験をして資格を与えていく、もし不正があれば再登録をするというようなことについてはまだ今後検討するわけで、はっきり明らかにすることはできないわけでございますか。その点もう度明確にお答えをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 せり人の登録は、有効期限をまず限ろうというように考えております。したがいまして、先ほどおっしゃいましたように資質の向上をはかるということで十分考えながらやりますが、三年ごとに登録を更改する、これは登録制度としてはかなりきついものでございます。またその期間内であっても、法令違反等明らかな事由があれば、もちろん登録を取り消すつもりでございます。 なお試験制度の問題等につきましては、先ほども申し上げたしたように、せりという仕事の実態から見て、どのような形がよろしいかということを含めていろいろ研究してみたいと思いますが、実務経験というものを十分重視した形で考えますことが適当であろうという趣旨のことを申し上げたわけでございます。
○瀬野委員 今後十分研究して、実務経験等を重視していくというようなことではっきりとした答弁をいただけないのですが、四十三条の三項の末尾のほうに「業務規程で定めるところにより、その者に係る同項の登録を取り消し、又はその者が中央卸売市場における卸売のせりを行なうことを制限しなければならない。」こういうふうに規定してありますが、これは不正があったならば場内からはずす、せり人に永久にしないというのか、一時せり人として認めない、こういうふうにいうのか、この点どのような解釈を持っておられるのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 具体的な事案に即しまして、最もきびしいものとしては登録の取り消しという決定的なものがございます。それ以外に、一時せりに参加することを停止するといったような措置を考えておるわけでございます。
○瀬野委員 せり人については、従来よりもきびしい法の規定がここになされておりますが、先ほどから申しますように、何といっても、せり人と卸売生産者といろいろ聞くことがございますので、厳正なせりによって流通がなされるように、ぜひひとつ、今後こういったことについても明確にしていただきたい、かように思うわけです。 そこでもう一点、せり人についてお伺いしておきたいのですが、せり人を第三者のせり人にすべきであるということがしばしばいわれております。もちろん現在のせり人は、荷受機関である卸売業者の職員になっておりますが、特殊な業務であるし、なかなかこれからの養成ということはたいへんなことであるということも十分知っていますけれども、将来の方向として、せり人に対する政府の考え方をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 せり人の資質を向上し、これを登録制度のもとに厳正に監督していこうというのが、現在御提案申し上げております考え方でございます。そのほかに、たとえばせり人を卸売会社から身分的に切り離したらどうだ、あるいはせり人を地方自治体の職員にしたらどうだといったような議論もしばしば耳にするわけでございます。せり人をかりに卸売人と全く別のものにいたしますと、これは日本の卸売市場におけるせりとはちょっと場合を異にしますけれども、外国等で、たとえばオークション・カンパニーといったようなものがある種のせりを独立の機関としてやっておる例がございますけれども、それはそれとして、やはりかなりの率の手数料を取っておるわけです。ですから、これを別会社にするということは市場の取引機構をいたずらに複雑にすることになるだろう。それから地方公務員にしてしまうということは、これは卸売業務並びにこれと密接不可分のせり、これは高度に商業的な色彩のある仕事でございます。市場内での取引でございますから、これを公正にしなければならぬ。そういう意味で、公益性があることはもちろん否定いたしませんけれども、行為そのものは高度に商的な行為でございます。こうしたものが公務員でうまくできるかどうか、これまた議論のあるところであろうと思います。私どもといたしましては、せり人を卸売人から分離するということをいたしませんでも、先ほど来申し上げておりますような形で、登録制度の厳正な運用ということで、せりの公正を期し得るのではないか。ただ、そのほかになお、せりを機械化するという角度から、せりに人為の加わる余地を少なくし、しかも記録が的確にとれるというような形を別途くふういたしております。これらの面での技術の改善も逐次行なわれております。その方向から、せりにもう一つの新しい技術が導入されるということも十分期待できるというように考えております。
○瀬野委員 コンピューターシステムによるせりということで進んでまいっていることも承知しておりますが、そういった方向で、ぜひひとつ今後さらに厳正なせりができるような方向で御検討いただきたいと思うのです。 時間が迫ってまいりましたので、若干はしょってお伺いをいたしますが、四十九条「監督処分」というところで若干お尋ねをしておきます。 この四十九条は、「農林大臣は、開設者又は卸売業者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、当該開設者又は卸売業者に対し、当該行為の中止、変更その他違反を是正するため必要な措置を命じ、又は開設者にあっては第一号、卸売業者にあっては第二号若しくは第三号に掲げる処分をすることができる。」というのであります。この規定は開設者を処分する規定と、卸売業者を処分しているものとあるわけでございますが、この中の第一項について御見解を承りたいと思うのです。すなわち経営が不健全でやめろという場合にはやめさせてもよい、こういうふうなことになろうかと思いますが、どういう場合にこういったことを停止させることができるか、ひとつ明らかにしておいていただきたいのであります。
○小暮政府委員 開設者は、御承知のように地方公共団体が開設者になっておる場合が原則でございまして、この開設者に対しましては、農林大臣が常時きわめて密接な指導、監督をいたしております。そのような開設者が中央卸売市場の開設の認可を取り消されるような事態というものは、具体的にはあまり想定できないわけでございますけれども、しかしこの法律の最も基本的な部分としてこの規定があるわけでございまして、開設者たるに値しないようなことがございまして、改善の余地がないということであればこれを認可を取り消し得るということになっておるわけでございます。
○瀬野委員 第四十九条の二号、三号でございますが、これについては「第十五条第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその許可に係る卸売の業務の全部若しくは一部の停止を命ずること。」こうなっております。これは卸売業者を処分をしていい、こういう規定と思いますが、どういう場合にこういったことが考えられるか御説明いただきたいと思います。
○小暮政府委員 こちらのほうは農林大臣が直接監督しておりますものではございますが、経済行為をやっておりますために残念ながら間々業態が悪化いたしまして、資産内容等が極度に悪化して、そのまま放置いたします場合には出荷者に対して不測の損害を与えるおそれがあるというような場合があり得ます。過去においてもそういった事態に立ち至る直前においてこれを指導し、あるいは話し合いによって廃業させたというような事例もございます。しかしこれがもしこの規定がございませんと、倒産に至ってから事態を処理するというようなことになりますので、そういうことのないように、もちろん基本的にはこのような形にならないように指導するのが私どものつとめでございますけれども、なおかつ必要がある場合にはこの規定を適用せざるを得ないというふうに考えております。なお三号のほうは、たとえば背任横領といったような形が業務の悪化の裏にございますような場合、役員を解任する、これは当然の監督処分の発動であろうというふうに考えております。
○瀬野委員 次にお尋ねしたいことは、仲買人の定数のことについて一点お尋ねをしておきます。 仲買人の定数の問題が、一人年間一億の取り扱いが新しい仲買業者の考えでは二億とか三億とかの扱いを一つの基準にするとかというような話もいろいろ聞いておりますが、今後大型化をしていくというような問題とからみ合わせまして、今後の仲買人の定数についての考え方の基本的な御見解を承っておきたいのでございます。
○小暮政府委員 取り扱い規模があまりにも零細でございますと、仲卸業者としてこれを健全に育成しようといたしましても、その経済的基礎が成り立ちませんので、やはり現在の生鮮食料品の流通の姿に相応したある程度以上の規模になることを私どもとしては指導したいと考えております。なお、その際あわせて法人化ということを進めまして、管理能力等の向上をはかりたいというふうに考えております。ただ市場ごとに仲卸人の定数を業務規程で定めるということになっておりますので、国が直接個々の市場の定数を指示することは考えておりませんけれども、いま申しましたような仲卸人の近代的な経営の確保という観点から、先ほども申しましたような融資制度による誘導等を含めて、仲卸業者の業態を健全化していくというのが指導の方針でありますから、その方針に即して定数についても適切に措置されるよう十分開設者を指導してまいりたいというように考えております。
○瀬野委員 次に卸売人の兼業問題ということが、これまたしばしば問題になるわけでございますが、今後法改正によりまして仲卸業者等が大型化し充実してくるということで、将来兼業問題がさらに起きてくるんじゃないかという懸念もございますが、政府の卸売人兼業問題についての基本的な御見解をこの機会に承っておきたいと思います。
○小暮政府委員 卸売人が産地の出荷者に対し代金支払いの義務があるわけでございまして、卸売人の営業が健全に行なわれておりませんと、きわめて遠隔の土地から卸売人を信用して荷を送ってまいります生産者が不安であるということになるわけであります。そこで市場法に基づいて卸売業者をいろいろな角度から指導監督いたしておるわけでございます。兼業に対する規制を国が考えておりますのも、趣旨は全くそのことに尽きるわけでございまして、卸売業者がどのような種類の兼業をやることが好ましいか好ましくないか、そういう角度から、私企業の仕事に干渉しようというのではなく、どういう兼業をやっているかということを監督者が常時把握できる、それを把握することによって、本業のほうに不測の悪影響がもしあり得るとすれば、それを未然に防止するあるいは本業の建て直しについて積極的に指導する。そういうことを行ないますためには、兼業について常時把握しておく必要がある、こういう趣旨の問題でございます。
○瀬野委員 最後が時間がなくなってきてだいぶはしょってまいりましたが、政務次官においでいただいていますので、締めくくりの意味で、私最後に一点局長なり政務次官に御決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。 卸売市場制度の問題についてすでに答申がなされておることは御承知のとおりであります。中央卸売市場については中央卸売審議会、地方卸売市場については地方卸売審議会がそれぞれ答申をしておることは御承知ですが、その中で「取引ルールの改善」の項目が答申されておりますけれども、その二項に「今後とも、生鮮食料品については、売手、買手双方の納得のゆく価格の形成、大量の物資の能率的な荷さばき等の観点から、委託、せり方式を原則とすることが適当と考えられるが、冷凍魚、塩干魚、練製品等の加工品、バナナ、レモン、冷凍えび等の輸入品については、価格変動が少なく、生産者ないし輸入業者のコストが明確化しており、また、現実に買付け、相対売りによる取引が増加していることにかんがみても、より広範囲に、買付けによる集荷、相対による販売の方式を認めることが合理的であろう。また生鮮食料品であっても、規格性、貯蔵性があり、かつ、需給予測の比較的立ち易い商品については、品目と時期とを限って、買付けによる集荷または相対による販売の方式を導入することを検討すべきであろう。」私は予算委員会から本日まで三回にわたってこれらを中心に質問してまいりましたが、卸売市場の審議会の答申にもこのようにはっきりとうたってございます。これらの問題が現在の卸売市場の中でもたいへん問題になっておるわけでございます。 たびたび申し上げますように大正十二年以来四十八年ぶりの改正でございまして、まさに画期的な改正になろうかと思いますが、この答申に沿って政府も積極的に全国消費者のために、また流通機構の簡素化並びに安い品物が国民の皆さんにわたるように、ぜひひとつ思い切った政策によって今回の改正がなされてまいりますようにお願いしたいわけでございます。これに対する決意のほどをひとつ局長並びに政務次官からお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○小暮政府委員 今回の法改正の立案にあたりまして、卸売市場制度改正の方向として中央卸売市場審議会並びに地方卸売市場制度協議会からいただきました答申を私どもとしては常に念頭に置いて、立案の事務を進めたつもりでございまして、ただいま御指摘の点につきましても答申の趣旨をできるだけ生かすように、今後運営面でも努力してまいりたいというふうに考えております。 ただ何と申しましても、生鮮の食品につきまして迅速、的確に価格の形成と分け荷を行ないますために、せりという方法が取引の中心になるだろうということは今後も変わらないと思います。ただ答申が申しておりますのは、そういう委託によるせりという市場の大原則を確認しながら、関係の業者が協力して流通のむだをできるだけ省いていくということについて、取引の公正を確保するという前提のもとにさまざまの努力、くふうをすべきであるということを申しておるのだと思います。この点は今後この制度の運営をはかる上に、私どもとしても十分念頭に置いてまいりたいというように考えております。
○渡辺政府委員 御承知のとおり今回の改正は、審議会の答申並びに物価関係等の会議の提案等を十分に取り入れて相当画期的な改正をやっております。したがってこれを当てはめていく場合に、個々の問題につきましてはまだそれぞれ事情がございますから、この法の精神を生かして最も有効適切な行政指導をとっていくつもりであります。
○瀬野委員 以上で質問を終わります。
○草野委員長 午後二時三十分に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後二時五十七分開議
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き、質疑を続行いたします。小宮武喜君。
○小宮委員 それではただいまから卸売市場法案について若干質問いたします。 今日、生鮮食料品の物価対策というのは非常にむずかしい問題で、従来からガンだといわれておるわけですけれども、それについて何ら根本的な対策がなされておらぬ。そこで政府も単なる価格対策だけではなくて、やはり生産と流通の根底にある不合理な仕組みにメスを入れるべきだというように考える次第でございます。 そこで、生鮮食料品の価格安定対策としていつも流通機構の問題が取り上げられるわけでございますが、そのたびに中央卸売市場のあり方がまた問題になっているわけです。そこでさきに物価安定政策会議が野菜の価格安定対策として、現在の卸売市場制度を改革してせり売りの機能を卸売業者から分離して、需給の組織的計画化を進めるとともに、現行の一元的な流通機構を改めて多元的なシステムにせよというような提言を行なっておるわけです。したがって物価対策というのが国民の強い願いである以上は、この物価安定政策会議の提言を取り入れるべきではないかというように私は考えるわけですけれども、まずこの提言に対して農林省当局としてどのように受けとめておるのか。これはひとつ渡辺政務次官にお答えを願いたいと思うのです。
○渡辺政府委員 われわれ市場法をこしらえて先年から国会に上程しておったわけでありますが、たまたま物価安定会議で、私どもが市場法で改めよう、こう思っておったようなものについて、ぜひそうすべきだ、これは偶然の一致みたいなものでありますが、そういうことを言っておるわけであります。いろいろと物価安定会議でも申しておりますが、さて当面具体的に何をやるかということになりますと、なかなかきめ手というのは、市場法の改正というようなものが一番先に出てくる。そこでたとえば卸売業者の関係等にいたしましても、買い付けの余地を拡大をする、あるいは相対の取引の余地を拡大する、転送の余地を拡大するとか、あるいは相対の取引を市場法の中に導入するとか、相対価格を公開するとか、いろいろせり売り人の地位の特殊化をはかっていくとか、買参を緩和をするとか、こういうふうなことですね。そういうようなことを今回の市場法の中にはいろいろと盛り込んだわけであります。したがって、農林省としては物価安定会議の提案の中で、当面すぐにできるというようなものについて、まず市場法については、これを速急に御審議をいただいて、ともかくこれを成立さしたいということであります。 なお、野菜類の問題等につきましては、団地の指定とかいろいろそういうことをやって、安心して野菜をつくれるような道を強化していく、こういうことで受けとめておるわけでございます。
○小宮委員 ただいまの答弁によりますと、物価安定会議の提言と、農林省の考え方が偶然一致をしたということで、この市場法案の中にはそのことを織り込んでおるというふうに説明がありましたけれども、私はやはり物価安定会議の提言の線より、この卸売市場法案の内容というのは後退した線ではないかというふうに考えるのですが、そういった点は、後退した線とは農林省は考えていないわけですか。
○渡辺政府委員 後退したとは思っておりません。よく読んでいただけばわかるように、その提案の中でも、具体的にどういうことをどういうふうにやれということになってまいりますと、なかなかはっきりしたことはすぐ出ないわけなんです。それで、当面する問題としては、すぐにやってできるということは、私が先ほど申し上げたようなことをやはり取り上げておりますから、われわれはできるものからすぐに取りかかる、こういう姿勢で、私は提言と同じことである、提言をすなおに取り入れて努力をしておる、こういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○小宮委員 その点について、あとでまた関連して質問いたします。 それでは、この現行の市場法に基づく中央卸売市場が全国で二十八都市、五十八市場、十三分場となっておりますけれども、実際それを政令では十五万以上の都市に中央卸売市場をつくるということになっておるわけであります。人口十五万以上の都市というのは、いま国内で数は幾らありますか。
○小暮政府委員 人口十五万以上というと百二あるはずでございます。
○小宮委員 それでは、二十八都市、五十八市場ですね。そうすると、やはりこの都市が百二あるとすれば、非常に下回っているわけですけれども、これは強制的なものではないので、任意的なものだから、そういったものをつくろうとつくるまいと自由だけれども、やはりそういう卸売市場というのが流通機構上大きな役割りを示すという意味から見て、非常に少ないということに意外な感じがするわけです。 そうしますと、地方に行きますと、あまり卸売市場法に基づく卸売市場をつくってみてもうまみがないというようなことも私もいろいろ聞くわけです。そうすると、そういうふうにいまの百二の都市に対して、五十八市場しかないということについて、いまのそういった地方の卸売市場の方々に聞けば、何か魅力がないというふうなことを言っておるわけですが、農林省として、全部で百二ぐらい、百以上ぐらいできればいいわけですけれどもでき得ないわけですね、そういった理由についてどういうふうに考えているのか御答弁願いたいと思います。
○渡辺政府委員 これは確かに日本全国から見れば、五十八ということは十分だと思っておりません、少ないと思います。しかし、一ぺんに百にすぐすると申しましても、市場をこしらえるというのは、国だけの計画できちっとつくるわけになかなかいかないので、まず受け入れ側の市とかあるいは現在実際に市場をやっておる人たち、卸売人もあるでしょうし、仲買人もあるでしょうし、あるいは小売屋の団体もあるでしょうし、そういう人たちにやはり中央市場というものが必要なのだというような御理解をいただかなければならない。ところが、なかなかこの理屈はわかっておっても、多少利害が食い違うというようなことが、部分的な問題では近視眼的に見ればあるでしょう。 そこで、それを強行するというようなことはできないのであって、やはりこれは皆さんの御納得を得て円満にこれをつくって、そして十分に活用してもらうというのが卸売市場の趣旨でありますから、したがって急に一ぺんにふやすというわけにいかない。そこで政府としてはそれを誘導するためにも、いままでの補助率のようなものを相当大幅に引き上げたり、新設ばかりでなくて古い市場も今度は設備の改善等まで補助をつけるなど、いろいろそういうふうな市場の助成体制というものを強化して誘導していこう、こういうふうに思っておるわけです。したがってどんどんそれが受け入れられるということになれば、これはやはり国としても、またそういう段階になって地元でどんどんあっちもこっちもつくりたいということになってくれば、またその数をふやしていくということも考えていかなければなるまい、かように思っております。
○小宮委員 いま政務次官が助成対策で誘導するということを言われて、補助の面でもやはり引き上げていくというようなことも考えなければいかぬのではないかという答弁がありました関係で、ちょっと質問しますが、この七十二条に「当該施設のうち建物、機械設備等の重要な施設の改良、造成又は取得に要する費用の十分の四以内を補助することができる。」となっていますね。そうすると、これはあくまで建物だとか機械だとかに対しての補助であって、市場を開設する場合、特に現在のように、市場が従来のままの市場であったり、非常に狭隘になっているということで、やはりこれを配置がえをしなければならぬような問題が起きておるわけですね。その中で、たとえばこの新たにつくるとかそういうような場所を移動する場合に、用地の取得、これが非常に大きな問題になってまいります。用地を買収するのには、特に市街化区域だとか、市街化調整区域にしても同じで、相当の資金を要するわけですが、この補助の対象は、建物だとか設備とか機械とか、そういったものに対しての補助の対象にしかなっていないのですね。そのことについて、せっかく渡辺政務次官が、今後助成体制を強化していこうということでございますから、この土地取得に対しての助成についてはどういうふうに考えられておりますか。
○小暮政府委員 卸売市場を建設いたします場合あるいは移転します場合に、用地の取得費が補助費の中のかなりの割合を占めるということは事実でございます。三十億ぐらいの規模でやりましたような場合に、そのうち十億ぐらいが用地取得費であるというような例も最近にございます。ただこれは、地方自治体が地域の住民の生活の安定のために市場を開設するという要素もございます。そこへ産地から送ってくるものが安全にという意味からいえば、生産者ももちろん受益者でございましょう。それからいろいろと関連する業者も受益者でございましょうが、基本的には地方自治体が地域の住民のために市場を開設する。開設者が地方公共団体でございます。そこで補助の体系としては用地の取得は地方公共団体の起債ということで、起債のワクでこれに対処する。ただその上に建てます施設、これについて施設の性格を見ながら、できるだけ高率の助成をいたしますことによって、全体としての総事業費に対する国の助成の割合を上げていきたい、かように措置しておるわけでございます。
○小宮委員 そうであればなおさらのこと「十分の四以内を補助する」という問題について、土地取得については地方公共団体が起債を仰いでやるということが答弁されたわけですけれども、そういった意味では、先ほどからの政務次官の話もありますし、この補助率の十分の四以内というのをむしろ十分の五にするとか六にするとかいうように補助率を引き上げていくべきじゃないのか。それでやはりこの法律に基づく地方卸売市場というものが全国的に設置をされるということがこの法律の目的でもあるし、また望ましい姿ですから、そういった意味でこの補助率の問題について引き上げる意思はないのかどうか、その点ひとつお答え願いたい。
○渡辺政府委員 御承知のとおりいままで新設市場の補助率というのは三分の一だったわけです。それを十分の四と四割まで引き上げる。それから既設市場の場合は五分の一だったものを三分の一までは引き上げられる。以内ということばを使っておりますが、これは予算との関係もこれあり、御趣旨はよくわかるのですが、ただにしてしまえば一番いいのだけれども、なかなかそういうわけにはいかない、国の財政との問題もありますから。しかし助成の補助率というものはある程度皆さんこれでやってみて、なかなかついてこないというようなときはもっと刺激策をとるということも考えられると思います。しかし予算もきまったことでもあるので、これでさしずめやっていきたい、かように思っております。
○小宮委員 それじゃこの卸売市場法が成立した場合、現在また法律に基づかぬ市場というのが全国で三千五百六十四くらいあるといわれておりますね。そうすると、これとの関係は、やはりこの法律が成立すると地方にある三千五百六十四、これは全部かどうか別にして、一定の基準、一定の要件を備えたところは地方卸売市場として指定をしますか。
○小暮政府委員 地方卸売市場につきましては、できるだけ望ましい規模のものに再編成しながらこれを確立していきたいと考えておりまして、国がつくります整備方針並びに整備計画を念頭に置きまして、関係都道府県知事が県内の市場の整備計画をつくることになります。いまございます青果、水産を含めて約三千五百があの姿のままで全部新法のもとでの地方市場に指定されるというふうには考えておりません。これはそれぞれ地域の市場の整備計画を立てた上で逐次法律に基づく市場としてこれを整備していくという考えでございます。
○小宮委員 いまの卸売市場の場合は政令で人口十五万以上になっていますね。そうすると、地方卸売市場の場合はそこで何か人口を五万以上とか三万以上とかそういった基準をきめるわけですか。そうじゃなくて、いわゆる農林省が考えておるような一定の要件を満たしておるところは全部指定するという考え方ですか。
○小暮政府委員 地方卸売市場の場合には人口何万以上という考え方ではございませんで、「その施設が政令で定める規模以上のもの」というふうに法案の二条ではうたっておりまして、市場の大きさを一応描きまして、それに達するように整理統合をいたしながらこれを法律に基づく地方卸売市場ということで整備してまいりたいと考えておりすす。
○小宮委員 最近流通機構についていろいろ問題になりまして、そこでこの流通機構を簡素化して中間マージンを減らしていくということで産地と消費地とを結ぶ直結方式が最近非常に盛んになる傾向がありますけれども、昨年十一月に宮崎県の都城市に、これまで仲買人を通じてやっておった仲買人制度を廃止して、生産者が八%の手数料を払ってせりにかけて、それで仲買人を通じて買っておった小売業者とか消費者が直接買うことができるという青果物の自由市場ができましたね。この点について私は非常に関心を持っておるわけであります。それは従来の仲買人、それからせりにかけて小売業者が買って、それで消費者が買うという段階から見れば、これは非常に画期的な制度だというふうに考えて昨年十一月から発足したわけですから、現在それがどういうように運営されているか、今後の一つの新しい方向を示唆すると思うのです。これは大きな卸売市場にとってかわるような組織にはなかなかなれないと思いますけれども、しかし、これは一つの新しいアイデアとしてわれわれが注目すべき問題ではなかろうかというように考えますので、その宮崎県の都城市における自由市場、これがどういうふうな運営がなされて、うまくいっているのかどうか、その点調査しておられたらひとつ御報告を願いたいと思います。
○小暮政府委員 現在宮崎県にはそういった地方の市場を県として規制する条例がございません。また私どものほうも直接指導監督するような仕組みになっておりませんので、制度的な報告等を徴したことはございませんけれども、私ども都城にできました都城青果卸売自由市場といっております市場のことは担当者から報告を受けております。都城の周辺には、現在すでに都城の市営魚菜卸売市場というのがございまして、ちょっと数字は古いですが、四十三年の実績で五億七千万円ほどの荷物を扱っておるようでございます。そのほかに都城中央青果卸売市場、これが年間三億四千万円、さらに丸協青果あるいは都青果あるいは三州青果といったような小さいものがそれぞれ一億五千万、三千万、七千万というようなことで、合計五つの市場が四十三年度八億九千万程度の青果物を扱っておるようでございます。これは一応条例がございませんから、いずれも任意の市場ということでございまして、そのほかにいま御指摘の都城青果卸売自由市場というのが昨年できたというふうに聞いております。これは設立当初の意図等をいろいろ聞いてみますと、地場消費だけでなしに、そこへ荷を集めて県外に出荷するというようなことも考えながら始めたようでございますが、その後の推移——これはまだ昨年十一月からでございますからもう少し息長く様子を見なければわからないと思いますが、その後の推移はなかなか農業協同組合からの青果物は入荷しないということで、逆に農業協同組合のほうはできるだけ農協としての組織を強化しようということに努力いたしておるようでございまして、この市場に対しては個人出荷という形で取り扱い高も必ずしも当初予定したような金額にならないというふうに報告を受けております。
○小宮委員 私は、そういった新しい芽ばえについては、いまのような状態の中ではやはりこれを育成強化していくという方針が必要ではないかというように考えます。その点ではこの卸売市場法も大事ですけれども、やはりそういった既存の流通機構に対して新しい流通機構の問題が出てきた場合は、政府としても農林省としても、何かそういったものに対しての助成措置というのは全然考えていないのか、その点ひとつお聞きしたいと思います。
○渡辺政府委員 たとえば生産者と消費者の直接取引ということについて政府は助成をしないのか、こういうふうな御趣旨だと思いますが、助成をしないというのではございません。たとえば集配センターのようなもの、戸田橋にも全販でつくっておりますが、ああいうようなものも実験的には助成をしておるわけです。しかしながら、いままでの長い歴史というものを振り返ってみると、生産者と消費者が直接円滑なる取引を恒久的にできるというためにはいろいろな条件が必要でないか。いまのように生産者のほうはなるべくまとめてたくさんの品物を出したい、消費者個人個人は同じものでなくしてバラエティーに富んだたくさんの品物を少しずつ食べたいというようなことがあるわけですね。したがってたくさんの品物を多種類に集めるということになりますと、生産者と消費者の直接取引と申しましても青果物等においてはなかなかむずかしいというのが現状ではないか。しかしながらやってみたいというようなものもあるので、そういうようなものについては政府は阻止するとかどうとかというのではなくて、現在のところで実績がはっきり確立されてない以上は、助成して一般的におすすめしますというところまでは踏み切れないけれども、実験的、モデルケース的にやるものについてはひとつやってもらおう、基本的にはそういう考え方であります。
○小宮委員 手数料の問題にちょっと関係するのですが、手数料を見てみますと、卸売人の手数料は野菜が八・五%、果実が七%、水産物が五・五%、食肉は三・五%になっておりますね。そうすると最近卸売会社が非常にもうけておるというような話があるわけですよ。昨年あたりでも、前半の半年間で大体一年分の利益をあげておるというような話も聞いているわけですけれども、そういった意味で一つお聞きしたいのは、たとえば東京の神田なり築地なりここいうふうなところでどれくらいの利益があがっておるのか、そういったことまで農林省はつかんでおられますか。もしつかんでおったら教えてもらいたい。 特に野菜関係なんかは取り扱い量が少ない場合は価格が高くなる、多い場合は価格が安くなるけれども、量でこなすということで結局卸売会社はあまり損がない。どっちへころんでももうかるというような結果にもなるわけですけれども、それで、いま築地だとか神田あたりの卸売会社の経理状況は実際決算上はどうなのか。もうけておるのかおらぬのか。われわれもだいぶもうけておるのじゃないかというふうな気もしますので、そういったことについてもしつかんでおられればひとつ御報告をしてもらいたいと思います。 それと同時に、手数料が野菜とか果実とかいろいろ違っておりますが、これはどういう関係で手数料が違うのか、その点もあわせてお答え願いたい。
○小暮政府委員 最後のお尋ねの物によって手数料のパーセントが違うというのは、それぞれの物の単価が違う姿をある程度反映いたしておるわけであります。 それから中央卸売市場の卸売人の財務及び損益の状況につきましては、一応全国平均の数字でございますが、傾向を申し上げて御理解の参考にいたしたいと思います。 青果の例で申し上げますと、昭和四十年には税引き後の純利益が〇・五三%。以下年次を省略しますが、〇・五三、〇・五七とまいりましたが、四十三年の大暴落のときには〇・三八、その後四十四年は〇・六六というように比較的もとに戻りまして、四十五年はまだ決算結果を整理いたしておりませんが、四十四年と同程度、またはそれよりややよいということではないかと見ております。
○小宮委員 その点については報告するほうもまともに報告をしておるのかどうかよくわかりませんから、おたくでつかんでおられる数字だけは一応了解いたします。 それから、今度卸売市場法案が成立するのを機会に、従来の卸売市場というのは相当古い年月を経ておるので非常に狭かったり、それからそのために非常に交通渋滞の原因になっておるところがかなり多いので、その意味では卸売市場の配置を考え直すべき時期に来ているのじゃないかというようなことも考えるわけですが、こういった問題について農林省として何か具体的に改善しようという考え方を持っておられるのかどうか、その点を一つお尋ねします。
○小暮政府委員 卸売市場の整備の問題点の一つとして、過密都市の卸売市場をどうするかという問題がございます。もちろんそのほかに地方都市をどうするかというのがもう一つの力点でございますが、いまのお尋ねの過密都市の問題がかねてから一つの重要な課題であるというふうに考えられておりまして、卸売市場審議会におはかりしまして、特に過密都市の市場をどうするかということをかつて検討していただいたことがございます。昭和四十三年にその答申をいただいておりまして、たとえば東京都でございますれば、神田とか築地とかあるいは荏原といったような既存の市場をそれぞれ改善することはもちろんいたしますが、そのほかに板橋とか砧とかそういういわば外郭環状線沿いの周辺部に、地域の消費量の分布を将来の動向まで十分考えて新たに市場をつくろうというようなことが当時の答申として出ておりました。それに即して現在一部はすでに建設の仕事を取り進めております。それから大阪につきましても、当時、本場のほかに東部の分場がやっとできたといった段階でございましたが、さらに北部分場の建設について大阪府並びに関連の市が現在寄り寄り協議中でございます。これはそれぞれ既存の市場を整備いたしますのと並行して、周辺地帯に卸売市場を新規に建設するというものの考え方でございます。 そのほかにさらに東京都のように、非常に巨大な消費が集まっておって、しかもそこで実際消費いたしますのは必ずしも東京都内の居住者だけでなくて、昼間の人口ということからいきますと周辺の神奈川、埼玉、千葉等からも膨大な人口が流入してくるというようなきわめて特殊な地帯がございます。いま申しましたようなそれぞれの地域の消費のあり方を見ながら新たに市場を建設いたします仕事のほかに、さらにそうした地帯全体をにらんだ大きな集配のセンターというものを建設する必要がないかということで、現在大井の埋め立て地を念頭に置きまして、大井市場の建設についての研究ということを別途手がけております。これは大井地区の需要ということでなしに、東京の巨大な需要に対して各地に市場が建設されますのと並行して、さらに大井で大きな荷物の集配をいたしましてそれぞれの市場に対する物の基地になるというような機能がそこで果たせないかどうかという、そういう商業機能の分担についての検討を含むわけでございまして、必ずしも物的な施設をどのようにしたらよろしいかということだけでなしに、市場の機能というものをどのように組み立てていくかということの研究を含めております。
○小宮委員 それから、この法案についていろいろ意見を伺っていますと、卸売人からもいろいろな意見が出ておるわけですよ。この卸売人の人たちが言っておられる意見に、七十二条の一項、二項がございますけれども、ここでひとつこういうふうに考えてもらえぬだろうかというような意見が出ておるわけです。これは非常に強い意見として出ておりますのでちょっと見解をお聞きするのですが、国や都道府県が生鮮食料品の需給調整上必要な流通施設の整備にあたって、助成金の交付ができるよう何とか考えてもらえぬだろうかというようなことを非常にあちこちで聞くものですから、そういった意味でこの点についてひとつ政務次官の見解を承りたいと思います。
○渡辺政府委員 公共団体には助成することになっておりますが、卸売人に助成するということは考えておりません。御承知のとおり卸売人は幾ら許可制といっても営業をやっておるものですから、手数料その他の適正なものを定めて普通にさえやればちゃんとやっていけるようになっておるし、配当もできるようになっておるのですから、卸売人にまでなかなか助成というわけにはまいらぬだろう、かように思います。
○小宮委員 先ほど質問した、結局現在の市場が非常に狭隘になっておるということとか、また交通渋滞の原因になっておるというようなことで、先ほどそれに対してどう考えておるのかというような質問をいたしましたが、今度は一つ具体的に長崎に例をとってみますと、幸い長崎の漁港拡充整備計画をやっておりますけれども、これは四十四年から四十八年までだということで来年、再来年までかかるわけですね。そうして私も長崎の青果市場また魚市場の現状を見てまいりますと、朝のラッシュのときは身動きもできぬ、そこを人が歩くにも非常にあぶなくて見ておられぬというような実態が出ておるわけです。したがって、そういうような意味でこの四十四年から八年までに完成する漁港の拡充整備計画を、これはもう現状ではこれ以上は放置できぬというような問題が起きておりますので、その点については四十八年度までというのを、できるだけ、一年でも繰り上げてひとつ明年度中にでも完成できるように考えてもらえないかどうかということなんです。特に長崎港の場合は、従来の漁船なんかは大体五十トンから百トンであった船が、現在の船はみんな二百トン以上ですから、岸壁も狭いし、荷揚げも困っておるし、それに交通渋滞ということで市場の機能が麻痺しておるような状態ですから、そういった意味で、これは水産庁長官でもけっこうですし、渡辺政務次官でもけっこうですから、とにかく四十八年度までの長崎港の漁港整備計画を七年度までに、明年度中にでも完成できるように検討願えないものかどうか、検討してもらいたいということなんです。
○渡辺政府委員 いさいは水産庁長官から答弁をさせますが、あなたのような御意見は地元の関係団体、地元の国会議員等からも言われております。したがいまして農林省としてもできる限り、全部についてということは無理ですが、その主体となるようなものについてはこれを繰り上げてやるように目下鋭意努力中であります。
○小宮委員 鋭意努力中ということでございますが、ここでそれは明年度中に完成します、やりますというようなはっきりしたお答えを聞きたいのですが、どうでしょうか。
○渡辺政府委員 これは来年の予算を取ってみないと、来年のことを確実にやりますというわけにはまいりませんが、そういうような御要望はよくわかっておりますから、これを繰り上げてやるように努力をいたしておりますということで大体おわかりいただけるだろう、こう思います。
○小宮委員 これは大臣の所信表明の中を見ても水産物産地流通加工センターの問題が出ておりますね。この問題について現在予算を見てみましても、一応予算がついておりますが、この形成事業を実施する個所は、四十四年度の指定は青森県の八戸、鳥取県の境港、山口県の下関、長崎県の長崎、北海道の稚内というふうになっておるわけです。四十六年度から実施作業に入るということなんですが、いま予算を見たら四億二千万くらい計上されておりますけれども、この五港とも今年度は全部調査は終了して実際仕事に着手するということなんですか。
○大和田政府委員 四十四年度から流通加工センターの調査を始めまして、四十四年、四十五年で大体調査が終わりまして、この分については四十六年度から一斉に事業にかかるつもりでおります。そうして一つの加工センターについて三年間で事業を終えるというつもりで予算を組んでおるわけでございます。
○小宮委員 この予算書に計上されておる補助額の四億二千万というのは、各県から出されたものの申請した額とは差がありますか。
○大和田政府委員 私ども予算の要求をいたしますときは、県のマスタープランをもとにして理想的な案をつくるわけでございますが、予算折衝の過程においてまずまず四億二、三千万円というところに落ちついたわけでございます。これに基づきまして現在各水揚げ港におきまして具体的なプランをつくっておりまして、大体三月一ぱいにはその計画が各県から出てくるであろうと思います。四億二千万円と申し上げましても、三割補助でございますから相当な額でございますし、また毎年毎年大体五つぐらいずつ積み重ねていくつもりですから、流通加工センター全体の事業費としては相当大がかりな計画でございます。
○小宮委員 この流通加工センター事業については、生産施設をはじめ、福利厚生施設からあるいはその他の関連施設並びに汚水処理だとか脱臭装置などの公害防止施設も当然やらなければいかぬと思うのですが、この補助の対象は、全部そういった公害関係の防止施設にしても福利厚生施設についても補助対象になるわけですか。
○大和田政府委員 補助対象といたしましては、市場関係は大体中央卸売市場の関係と同じとお考えいただいてけっこうだと思います。それにつけ加えまして、製氷施設あるいは冷蔵施設等のいわゆる冷蔵冷凍施設がございます。それから加工団地等をセンターの中に置くつもりでございますから、加工業、それも当然共同施設に限るわけでございますが、魚体処理施設でありますとかあるいは魚かすの製造施設でありますとか、そういうものの共同施設は補助をいたしたいと考えております。さらに公害関係で汚水処理施設等も考えておるわけでございます。
○小宮委員 きょうは私は協力しましてこれくらいで質問を終わりますから、この次はひとつ時間をたっぷりもらいたいと思いますから、その節は委員長によろしくお取り計らいを願いたいと思います。
○草野委員長 美濃政一君。
○美濃委員 私は、ただいま提案されております卸売市場法につきまして、若干質問をしたいと思います。 まず第一に、最近生鮮食料品の値上がりで国民大衆は非常に苦しんでいるわけであります。これは、必ずしも市場だけで安定はできないと私は考えておりますが、まず関連いたしまして、野菜の生産確保あるいは生産計画、こういうものは農林省としてどういう方法で、どういうふうに対策をしていくのか。絶対国民に迷惑をかけない、生産確保しますという責任のほどをまず先に聞きたいと思います。
○渡辺政府委員 なかなかこれはむずかしい質問で、一口に申し上げることは困難でございますが、農林省といたしましては、まず野菜の需要に見合った供給、これをしてもらわなければならぬ。年々野菜の消費は伸びております。したがいまして、ことしなどもずいぶん野菜の値上がりの問題があるのですが、神田市場に入った野菜は去年よりも実際は一割ぐらいは多い。普通の年なら一割もよけい入ったら、値段が二割ぐらい下がるというのがいままでの例であったのですが、ことしは最近まで高かった。ということは、やはり需要が伸びておるということであります。したがって、農林省としては今回は転作等にも野菜を取り入れて、計画的な生産体制というものをつくっていただきたい。しかし生産者のほうにすれば非常に不安でありますから、大消費地に野菜を供給する指定団地、こういうものも数をふやし、野菜の指定品目もふやし、安心をしてつくっていただけるようにいたしまして、生産者団体あるいはそれを指導する都道府県、市町村、農協、こういうような方といままでいろいろ協議もし、要請もしてきておるところでございます。
○美濃委員 客観的にはいまのような御答弁をされますが、しかし、実際問題としてはこの野菜価格の推移を見ますと、三十五年からつい最近の四十四年の中ごろまでは、ほとんどそういう農林省の指導で、生産者は生産に努力をしたわけです。その結果、潤沢に出回って、野菜の価格は小売り物価平均よりもこの期間ずっとある程度下回った水準で推移してきた。その間に、私は生産者のいわゆる再生産確保という経済性が非常に困難になってきた。物価は上がっていく、こういうことで生産が停滞をしたと思うのです。その現象が四十五年からあらわれてきた。四十五年の春先が非常に高くて、一時、八月、九月、最盛出回り期はちょっと下がったけれども、四十五年の暮れから四十六年に入りまして、現在も、ものによっては少し安くなっておりますけれども、平均水準からいくと、小売り物価の平均よりも高い水準で野菜は推移しているのではないか、二月末も高い、一月末も高いです。こういうふうになるというのは、生産が停滞をしておるからだ。これに対して、今度、消費者のほうは、もう物価問題については政府を信頼することができないという動きが出てきた。これは野菜に限らず、あるいは商品の不買運動が消費者の中から起きてくる、あるいはあまり高いので、生産地と直取引が始まる、こういうのはいずれもいわゆる市場に対する不信、国民の政府にはもうまかしておけないという気持ちのあらわれだと私は思うのです。これは二面何でもないように見えるかもしれぬけれども、たいへんな状況が起きてきているのではないか。そうすると、一面直取引もけっこうでしょうけれども、特にこれから東京や京阪神に参りますと、このような交通事情でありますから、そういう中を直取引が始まってさらに交通量がふえるということは全体的な問題からいうと好ましいことではない、こう考えるのです。 一例を申し上げますと、そういう安値の中で、この前の二十一日ですか、日曜日、私は埼玉県の近郊地帯に行って見てきました。しかし、東京では高いといいますけれども、生産者の庭先に行ってみると、長い話はできませんが、一日七百円ぐらいにしかならない。いま埼玉県はホウレンソウの最盛期で、ホウレンソウの収穫をしておりましたが、一日ホウレンソウを収穫して束にしてきれいにして市場に出荷するようにすると、収穫作業だけで十一時間。十一時間働いて市場へ出荷するようにきれいにそろえたものが千五百円ないし六百円というのであります。収穫作業だけで千五、六百円ですから、肥料代からその前の除草とかまきつけとか、そういう時間を全部入れると一日七百円ぐらいにしかならない。ですから若い人はやっておりません。全部他の職業に出てしまっている。県会議員の人も案内してくれたのですが、一体年寄りがいなくなったらこういうホウレンソウはどうなるのか、だれがつくるのかと言ったら、県会議員の人は、これは冗談ですけれども、自衛隊にでもつくらせるよりしかたがないと言って笑っておった。これはそのときに出た一つの冗談です。冗談は冗談として、私はいまの状態からいったら生産が切れてしまうのではないかと思うのですね、一定の地域においては。そういう危険性すらある。そういう野菜の収穫作業をやっておる者はいずれも高齢層です。五十歳以上ですね。中には御主人が家から通勤しておって、年寄りと奥さんがやっておる家もありましたけれども、大宗をなすものは高齢者労働でまかなわれておる。これは生計のためにやむを得ぬから一日七百円でもやりますけれども、しかし若い人はそういうことで——生産費は非常に安い価格である。片や小売店頭を見ると非常に高い、こういうことなんでありますが、そうすると、一定の生産価格を維持し、生産を確保するということは、生産価格の維持できない生産を机上のプランでいってもできないと私は思うのです。片や消費者の基準価格を維持しなければならぬ。通俗に言うならば、安い野菜といいますけれども、安い高いの問題は別といたしまして、消費者経済から見た基準価格というものが小売店頭で守られなければならぬ。と、おのずとそこには生産価格、流通の経費、これが店頭へ並んで消費者の台所の基準価格というもの、この三段階が形成されていかなければならぬと思うわけです。それに対してどう考えておるか。生産価格はどういうふうにして維持し、流通経費は何%が妥当であるか。生産価格に対してそういう計画性がなしに、ただ市場法だけを改正して、そして山買人もおれば卸売業者もそのままだ。若干ニュアンスを変えて市場法だけ改正しても、ただいま申し上げたような状態の根本的な対策にはならぬじゃないかと私は思うわけです。ですから、それは市場法とは別にやるんだ、こういう政策、しかし私は考えますに、近代的流通というものは、ある程度そういう荷引きなり計画性あるいは一つの流通経費の基準というものが市場機構の中にも若干そういう機能が動くようにならないと——片や生産は生産だ、市場は荷引きに対する計画性もなければ、ただ日々出てきたものを売り余してはいけない。高くても安くてもたたいて売ってしまうんだ。切れれば上がるのはあたりまえだ。市場はそういうふうに全く実需とか需要と供給とかに関係なく走っておる。こういうものでいいかどうかという問題があるのです。近代的な流通というものは、そういうものが市場の中で多少計画的に働くようなシステムでなければならぬのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○渡辺政府委員 野菜の高値問題を市場だけで直せといってもそれはとてもできないと私は思います。高値の原因というものはいろいろ考えてみなければなりません。一つは何といっても品不足ということになれば非常に高くなる。ことしの野菜のあれを見ても、ビニールハウスでつくったような野菜が案外値上がりをしない、露地野菜のようなもので、たまたま育成期に干ばつがあったりあるいは特に非常に寒かったというようなものが比較的値上がりをするということを見ますと、それはやはり生産対策というものに相当手を入れなければならぬ、これは当然のことだと思います。ですから農林省といたしましても、天候に左右されないようなビニールハウスをさらに奨励をするとか、あるいは畑地かんがいというものをもっと広げていって干ばつの影響のないようにするとかいう手も総合的に打っておるわけであります。確かに東京の近郊等におきましては野菜というのは非常に手数がかかる、野菜づくりよりももっともうかる商売もあるというようなことで、年々つくる人が少なくなっておる。あるいは農家自身が、昔ならともかく冬ごもりで、大根でも菜っぱでも農家の方が三月ごろまで食う分は確保しておいたものであります。ところが最近はそういうことはあまりしなくなって、農家もまた野菜を買って食うというようなことにもなっておる。したがって産地の問題も、いままでのように市街化の東京の中とか、東京にすぐ接続した地域ばかりでなくして、もっと遠距離の地方に集団的な野菜団地をつくらせる必要がある。これは道路交通網等も整備されて舗装になったし、荷の痛みもしなくなったというような点から、農林省といたしましては大都市と先ほど言った野菜の指定団地というものを結びつけて、その需要に見合った生産というものを誘導するようにやっておるわけであります。でありますから、もっと生産体制を強化していくということについては私は大賛成で、農林省は着々そういうことを実はやっておるわけでありまして、決して市場法だけで野菜の供給を円滑にしたり値段を安定させたりというようなことは考えておりません。それと合わしていろいろな政策をやるということであります。
○美濃委員 具体的に体系をお伺いしますが、この間私が行って見たときに、これは全くのホウレンソウの一つの例ですよ、ホウレンソウをもって全体を律するわけじゃないのですから。一わ四百グラム、百ぱを畑から抜いてきて、きれいに掃除をして束にして市場に出すだけの作業をすると、朝八時から晩九時までかかるわけです。世俗でいうと根の要る仕事で、そういう野菜の出荷作業というのは、体力があっても体力で量を消化できないような作業ですね。健康であれば、年寄りと若い人のあまり能率差というのはないような作業内容になっております。しかし、それはそれとして、生産者というのは一わ二十円でなければ生計維持がどうしてもできない、こう言っておるわけですね。それが、市場の生産価格は十五円か十六円になってしまう。あれを引かれこれを引かれてしまうと手取りそうなってしまう。だから百わで千五百円と、先ほど申し上げたような状態になっておる。小売店頭を見るとそれが四十円、あるいは四十五円という価格で売られておる。私はやはり近代的な流通というものは、そういう青菜のようなもので八〇%でやれるじゃないか。生産者価格は二十円を保証し、小売店頭は——まあかっちりというわけにもいかぬだろうが、三十六円ないし四十円でそれが小売店頭に乗っかるというルートを考えなければならぬと私は思うのですよ。そういうことを考えて、農林省はそういう目標をつくって、それに市場法をどういうふうに改正して、その目標にどう合致して生産の確保と消費者の台所を守るかという基準は、どうお考えになっておりますか。成り行きでしようがないと考えておるのか、どうでしょうか。そういう目標をはっきりしてもらいたいと思う。ないんならないんでしようがない。なければ、農林省としてはそんな目標は何にもなりません、もう出たとこ勝負です、行き当たりばったりですというのか。いやそうじゃない、こういう計画に基づいてやる。どちらかをきちっと答弁してもらいたいと思います。
○渡辺政府委員 市場法では別に予約栽培をやっているわけではございませんから、直接生産者が幾らで何が幾らでというようなことをきめてあるわけではございません。ございませんけれども、先ほど言ったように非常に中間の段階を少なくして市場の合理化をはかって最小限度の中間経費で小売りの店頭等に並ぶようにやっておるわけでございます。小売屋の問題も、いまのように非常に零細でありますというと、相当利益をつけなければ、なかなか小売屋さんが小僧さんを雇えないとか、生活が維持できないというような点で、小売店舗そのものが零細なために中間経費をよけいかけておるというような点は、私は御指摘のようなものがあろうかと思います。したがって、これらについてもなるべく大量に取り扱われるようなくふうというものをやっていかなければならないし、一方スーパーや生協のようなものが市場に直接買参人で入れるという道も開こうとしておるわけです。それと同時に、やはり農協の集配センターのように、大口の消費者のものが生産者と直接直取引をするという道も、政府は助成をして開いておるわけでありますから、いま言ったような理想的な、まあ大体生産者の倍どまりというのは、常識的に考えてもわれわれもそう思います。したがってそれに近づくようにいろいろくふうをしていきたい、こう思っております。
○美濃委員 そのくふうの段階ですか。それ以上の計画はないんですか。もう少し具体的な……。
○渡辺政府委員 計画がありますから法案をこしらえたり、集配センターに助成をしたり、団地については指定団地をこしらえ、たくさん生産を増強させたり、また生産者のほうもなるべく機械化、省力化というものを取り入れさせて、一々みな手で細々やらなくても、相当大型な団地で省力的な栽培ができるようにわれわれはやっておるのであって、もう事実予算においてもそういうようなそれぞれの予算は組んでおるわけです。御必要があれば、担当者のほうから詳細なものについて説明をさせたいと思います。
○美濃委員 時間の関係で、予算は大体わかっておりますからいいです。 そういたしますと、御存じのように、小売物価の中で生鮮食料品くらい変動性のあるものはないわけです。穀物は大体安定しておりますから。そうすると、この市場法によって、流通経費の圧縮、流通体系の改善、生産の合理化によってあるいは出荷の体系の改善等によって、この波はどのくらいに押える計画ですか。そういう目標がなければいけないと思うのです。この波が出た場合にはやるというのですが、これは生鮮食料品以外の小売物価のようになだらかな、こういう線をとれとは言いません。一挙にこういう体系になることは無理ですけれども、少なくともこの波は圧縮せなければならぬ。その計画はどうですか。私に言わせるなら、冒頭その計画目標を示して、そのとおりならなかった場合には、そこに責任をとってもらわなければならぬと思うのです。これだけ国民が政治、政府というものを信用しなくなっておる。ある程度責任を持ってもらわなければならぬ。いいかげんな答弁をして、そうして状態は依然として変わりなくて、無責任だというところに政治不信というものが高まるのではないかと思う。少なくともある程度言ったことに対する責任を果たすという意識を持ってもらわなければならぬと思うのですね。それは無理なことは言いませんけれども、こういうことが下がらぬければならぬのですから、最大公約数をどこまで、こういう価格変動を全体的な計画の中で農林省としては押えるか。またこれから指定生産地域あたりに対して農林省は計画を指導するわけでしょう。その計画に対してそごを来たしておる。過剰生産を起こさせた場合のその損失はどう責任をとるのか。その責任が明確でないと、農民は農林省のいう反対をやればいいというのが——次官も聞いておるでしょう、そういう農民がいう真実の話を。農林省の指導どおりやったら正直者はばかをみるんだ、指導と反対をやったほうが安全なんだ、こういうささやきがあるということは御存じでしょう。聞いておりませんか、そういう話は。そういうものですから国民が信頼しないんですよ、生産者も信頼しないし。それで無責任なんだね。ああでもないこうでもない。ここで言ったことが全然無責任なんだ。今度私は、ある程度そういうことを明確にしてもらって、そのとおりならなかった場合には気の毒だけれども、局長も政務次官も、少しは人間としての責任を考えてもらうくらいの意識で政治というものはやってもらわなければならぬと思うのですよ。すりかえ答弁で何でもかんでもして、そうして日を過ごせばいいというものではないと思うのですね。どうですか。
○渡辺政府委員 これは責任を持ってお答えを申し上げます。われわれは常に国会答弁は責任を持ってお答え申し上げておるわけでありますから……。 野菜の問題というのは、あなたも御承知のように、これは非常にむずかしい問題なんです。第一、天候によってえらく支配される。幾ら人工的にいろいろな工作をやってみても、おてんとうさま一つでがらっと変わるということはしょっちゅうあるわけです。したがってそういうような場合に対応できるように、できるだけ、先ほど言った露地野菜をふやすとか畑地かんがいを行なうとか、あるいは集団的につくってもらういろいろな指定団地の制度を活用するとか、そういうことをやっておるわけなんですよ。ですから責任をとれと言われましても、どういうふうに責任をとるのかよくわかりませんけれども、農林省の担当局は関係生産者団体と常によく連絡をとりまして、過剰生産になってもこれは困るし、そうかといって品不足でも困るし、非常に頭を痛めておるところです。 それで指定団地の問題は御承知だと思いますから申し上げませんけれども、たとえば平均価格がキロ百円のものが六十円に下がったというような場合には七十五円と六十円の差額の八割を補助します、したがって七十二円の手取りにしますということをやっておるわけです。だから七十二円では責任のとり方が足らぬ、もっと七十五円にしろとか、八十円まで責任をとれとかいうようなことなのか、百円全部責任をとれと、こう言われましても、これはいままでの平均の値段が一キロ百円のものを百円以上に売ってもいかぬし、百円から下がった場合には責任をとる、百円以上に売ったら農民のほうから全部吐き出すという、そこまでは実際問題としてできないと思うのですよ。野菜というものは、いままでも見ておると、大体二割くらいの上がり下がりというものは常時あるのです。それが半値とか六掛けということになれば異常なことであるし、あるいは五割増しとか倍というような値段が出ればばか値ということになります。したがって、われわれは大体通常の、過去の平均価格の二割前後で押えていくようにいろいろなくふうをしておるということを先ほど申し上げたわけで、さらにこれから転作等をやって、その生産者補給金が足らないということでございますならば、これは私どもとしてはもう少し拡充していく方向で検討せねばならぬ、かように思っております。
○美濃委員 ここでちょっと野菜生産の関連で、国税庁の所得税課長さん来ていただいておると思うのですが、蔬菜の生産地を歩きますと、所得税が、昔の悪代官が年貢をしぼり取っておったと同じように、白色申告に対する標準所得基準というものを全く無差別に押しつけておる、こういうことなんです。それが生産地域では非常に問題になっておるわけです。高い高級野菜からあるいは大衆野菜の安いものから、所得九万円ぐらいしかあがっていないものも十二万七千円を申告なさい、応ぜぬければ更正決定ですよという態度なんです。これはどうなんですか。
○早田説明員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり農業の所得につきましては、全国的に所得標準率というものをつくりまして、標準率によっておおむねの課税をいたしておるわけでございます。これは先生御承知のとおり、農業所得者につきましては、ほとんどの方が、いわゆる営業と違いまして、記帳をされておらないわけでございます。営業所得につきましては、いま約百五十万人ほどの青色申告者がおりますが、農業所得につきましては全国で三万ぐらいでございまして、大体において農業の所得者は帳簿をおつけになっておられない。そこで、その場合に、それじゃどういう申告をお出し願うか。御本人のほうも記帳がないわけでございますので、そういう場合の申告の目安といたしまして、私どものほうで農業所得の標準率というものを作成いたしております。この農業所得の標準率は、私どものほうでいろいろその土地の実態調査もいたします。それから、農業協同組合なり市場なり、そういうところからいろいろの出荷状況も調べます。同時に、各種の統計資料も使いますが、あわせまして、この標準率をつくります場合には、市町村なりあるいは農業協同組合、そのほかの農業団体と十分協議をして作成しておる、こういうことが現状でございます。したがいまして、ただいま先生が御指摘になられましたように、納税者の方々がすべて御自分で記帳をされて、御自分で自分の所得額を算定されることがもちろん理想でございまして、私どももむしろそうであることを願っておるわけでございますが、農業所得者の現状からいたしまして、そういう方の申告の目安のために、農業標準率というものを関係団体とも十分御協議の上つくっておりまして、私たちの便宜もございますが、農業所得者の申告を調べます場合にも、一応それを目安として御申告願っておるわけでございます。 御指摘がございました、非常に安い所得に対して一律に高い標準率を適用するという点でございますが、標準率を作成いたします場合には、その地域の一般的な作付割合その他全部勘案いたしまして——ある特定の作物だけをおつくりになっておる農家というものは非常に少ないわけで、ネギをつくり、ホウレンソウをつくり、カブをつくる、その方の農地でそれぞれ一定の割合でいろいろな作物をおつくりになっておられますので、それらの実情を十分勘案いたしまして、それぞれの作付割合というものを基本にいたしまして標準率を作成して、これに基づいて申告をお願いしておるわけでございます。もちろん標準率でございますから、個々の農家に全部具体的に妥当するというものではないかと思いますが、たとえば、年間を通ずる雇い人があるとか、あるいは特殊な機械をお持ちになる、こういうような場合には標準外経費として、極力その方の実情に合うように、別途標準率で算定いたしました所得額からそういうものを引く体制を整えて、またそれに従って申告もしていただいておるわけでございます。いろいろ御指摘もおありかと思うわけでありますが、一がいにこの標準率で私どもが全部強制的に押しつけるというものでも必ずしもないわけでございまして、むしろ私どもといたしましては、農業所得者がそれぞれ御自分で十分記帳されまして、それに基づいて申告されるということが一番理想的なことであるし、そういうふうにお願いいたしておるわけでございます。
○美濃委員 もう一回聞いておきますが、その白色申告における農業地帯の標準率は私も覚えております。私は北海道ですが、北海道あたりは作別に標準率を示しますよ。それから、あらかじめ納税者が作付申告をやりますね。作付の実態と作物によって所得が違うわけですから、標準率が悪いと言うのじゃない。ところが、行ってみると無差別ですね。十アール当たり何ぼという標準率をかなりきつい姿勢でおつけになる。これは私行って実際に見てきたわけですが、農協の組合などで、君たちはどうして農協あたりが少し、これでは——私は標準率が悪いと言うのじゃないのですよ。白色申告に対してあらかじめ標準率を設定して目安をつけるという作業、これを一がいに非難しておるわけじゃないのです。だけれども、無差別に十アール当たり何ぼで、たとえば特殊の、労働力は非常に要するけれども、所得の高い高級野菜も込みにして——作付実態は必ずしもこれと違います。その標準率をかなり強要的な姿勢で、全然見ないということでもないらしいけれども、かなり強い姿勢でその標準率で申告を押しつけてくるということですね。これはやはり自主申告のたてまえからいうと、少し姿勢が強過ぎるのじゃないか。それが無差別ですから、せめてホウレンソウは何ぼ、ネギは何ぼ、あるいは何は何ぼというふうに、品目別に標準率が分かれておると、そして作付の実態にそれが当てはまるようになっておれば、まだその弊害は少ないと思うのであります。頭から十アール当たり十二万七千円となにするわけですね。そこにかなり無理がある。その調整について誠意が欠けておる、煩瑣だから。結局申告納税取りまとめの——蔬菜ですから、具体的には税務署員も把握になかなか苦労すると思いますけれども、しかし、もうちょっとやり方を考えないと、実際に標準率で押しつけ過ぎておる、こう思います。答弁は要らないけれども、私が目で見てきたわけですから、それはひとつ国税庁のほうで、自主申告のたてまえに対してもう少し間違いない指導をしていただきたいと思います。そうしないと、やはり課税面からも生産が阻害されるから、大衆の安い野菜をつくらなくなります、あんなことをしておったら。高級野菜とごっちゃにして、九万円しか所得のあがらないホウレンソウに対しても、十二万七千円申告せいとおどしたら、大衆のほんとうのいわゆる指定野菜、安く大衆の台所に供給しなければならない野菜が、課税面から生産者は今度意識的にいやになってきます。安いものをつくって大衆の食卓に供しても、こんなに税金をかけられるのでは、つくりたくともいやだというようなことになりますから、私が実際に見まして、課税方式としてもう少しその点を現地の税務署は意を払う必要があると申し上げておきます。 次に、先ほど申し上げたような観点から見ると、市場価格は公正な価格といいますが、はたして市場で形成される価格というものが、それはせりでありますから、その面では売買は公正であるかもしれぬけれども、形成されてくる価格というものが生産者の実態や消費者の実態から見ると、市場の取引の中で、穀物取引所ほどではございませんけれども、ある程度の騰貴性を持っておりますし、騰貴性が全然ないとは言えませんですね。ですから、はたして市場から出てくる価格が公正な価格と言えるかどうかというところに、私は疑問を持つわけですが、取引は、せりでやれば取引の手段としては公正かもしれませんが、価格というものは必ずしも公正に形成されるものかどうか。たとえばああいう蔬菜市場もそうです。穀物取引所もそうです。旧態依然たる、いわゆる前世紀の踏襲でなしに、近代的な時代の流通というもの、やはり需給に対する計画性なりあるいはその市場責任で、あまり荷物が過大に集まって、そうして市場で放棄されるような、値段が出ないような、あるいはある日には荷引きが足らぬで、消費者が納得できない暴騰をする。そういうことに対して市場の機能というものは、やはりそれを分担しておる流通機構でありますから、将来は一〇〇%の計画に基づく——現在においても一〇〇%それを直ちにということは要求はいたしませんけれども、そういう機能的なものが市場の中に加わってこなければ、ただ集まったものを、なければ何ぼ高くてもいい、せって売ればいいんだ、ある一定の時期に対し、あるいはその日のその市場の需要に対して、五〇%も六〇%も多く荷物が入ってきても、それは市場の責任じゃないんだ、市場というのはわれ関せずなんだ、そのときはもうただみたいにして売ればいいんだ、余れば投げればいいんだ——近代的な流通というものはこういうものなのかどうか。それに対して、もう少しそういう面に市場の機能というものが働くように、市場の管理機構なりあるいは卸売りの体系の中からそういうものがある程度高まり、それが漸進的に改良されて将来はこういう——さっき言いましたような価格の変動で生産者がつぶれてしまうようなのも困ります。これは生産がなくなるのですから、生産がなくなれば次の段階で暴騰することははっきりしておるわけですから、そうならない機能というものがもう少し入ってきていいのじゃないか。ただ、公正な取引であります、取引の手段としてはせりだからいささかの邪心も入ってません、高い安いは知ったことじゃありません、こう言うだけのものでいいかどうか、その点どうですか。
○渡辺政府委員 適正な値段というのは何かというお話から始まったわけですが、確かに市場でせられた結果というものが公正であることは聞違いない。しかしそれが消費者、生産者にとって適正であるかどうかということは、私は確かにあなたのおっしゃるような点もあろうと思います。しかし、かりに市場が価格にまでチェックをするということになってまいりますと、ホウレンソウがだっと入ってきた、大体一キロ四十円で売れればいい、そういうように思っておったところが三十円しか値がつかない、値がつかないからこれは売りどめだわいということで、市場でそれは売りどめということにすれば、結局入ってきたホウレンソウをとっておかなければならぬ。ほかの小麦や米なら、それは半年や一年とっておけるかもしれないが、ホウレンソウや野菜のようなものをいつまでもとっておくということは実際問題としてできない。こういうむずかしさが野菜にはあるわけです。貯蔵といっても、そう長い間貯蔵できない。ですから、市場がそこまでチェックするということは事実問題としてできないだろう。しかし農林省としては、入ってきたならば幾ら入ってきても、余分に入っても少なく入っても知らぬわ、そういう態度ではありません。これは統計調査部等にもそういう機関があって、全国各地のいろんな市場の市況というものを完全にキャッチして、また農業団体にも助成をして、農業団体もそういうふうな市況というものを見ながら産地に毎日のように連絡をしておるわけです。したがって、どうもこれは安くなりそうだということになれば、出荷もそこで見合わせる。畑のまま見合わせれば鮮度も落ちることがないですから、そういうようなことは、これは自主防衛じゃないけれども、団体自身がいろいろ農林省から助成を受け、自分たちの力で市場の状況というものをにらみながら、出荷を多くするか少なくするかというコントロールをやっておるわけです。そういうことに対しては農林省は助成もし援助もし、いろいろやっておるわけです。ですから、これは市場本来の業務として、非常に暴落したからひとつ荷を少なくしようとか、高騰したから荷を多くしようというのは、市場本来の目的というよりも、その出荷団体等がそれを見て調整をし、また農林省等が高度の立場から、消費者望月も生産者の声も両方反映できるように総合的に指導をしていく、そういうことしかないのじゃないですか。私はそういうふうに思っております。
○美濃委員 たとえばそういう方法は、方法としては私はあると思うのです。市場というか、卸売機構と生産機構を結びつけて、機構的に卸売体系をつくる。そこにはやはり、それから先の需要に対するある程度の把握、その市場の供給に対する把握、責任を持ってそれだけの量は計画的に、その市場はきらっと指定生産地域と結びついて、ある程度需要に見合った計画的な出荷を市場側も示す。ただ一方的に市場はそういう義務は何もないのだ、ですから生産者団体や生産者が判断して調整して出せばいいじゃないか、それもいままでやってきた方法でしょう。しかしこれから先は市場からもある程度——市場というのは、卸売人にしてもわかるはずですから、そういうものが結合して、やはり過大な値引きにならないように市場側も計画的なものを出すというぐらいの機能を持たす必要があるのじゃないか、こう思うわけです。ただ市場は市場なんだ、売れる売れぬの判断は生産者団体がやるのだから、あまり過大に出して損するようなことをやるのは、それは生産者の責任であって、出した者が悪いんだ、こうなってしまうと、生産者のほうは、それに対して何を目安に的確な判断をしていか。これはそれにも言っておるでしょう。これは野菜の価格安定対策、物価安定対策、この中にもそう書いてある。それを生産者に求めるのは無理だと書いてある。それは生産者には無理です。出産者がそういうことを判断するといったって、それにかかり切ってしまうと圃場の仕事なんかできない。あまりそういう極端なことが無計画に起きないように、生産者は安心して働いて、収穫して市場へ出す、生産者が安心してやれるようでなければ——生産者個々が判断するものでもなければ、また農業団体がひとり相撲できちっと市場との連携の結びつきなしに、農業団体だけの判断でそれを適正にしていくというのも無理があるのじゃないですか。そこを多少結びつけるような考え方はありませんか、こう聞いておるのです。
○渡辺政府委員 私が先ほど申したのは、農業団体だけでかってに出荷の調整をやれ、こういうことだけを言っているわけじゃありません。農業団体としてはそういういろんな情報をいち早くキャッチをして、当然出荷の調整をやらなければならない、それで農民の利益を守らなければならない。しかし卸屋さんにいたしましても、ただどんどん品物が入って、農家がもう来年から再生産しないというほど暴落をして、それによって卸売人がもうかるわけじゃありません。長い間で見れば、来年からもう荷がこないということになってしまうわけでありますから、それは卸売人も、長期で見れば、やはり安定的な価格で安定した品物が入ってくることがいいのですから、卸売人と出荷する生産者というものは常に連絡を密にして、そうしてどの程度やったらいいかというような情報等も得たり意見も聞いたりして——われわれの知っている範囲では、ミカンにせよあるいは野菜にせよ、いろんな出荷団体がありますが、現実によく市場と連絡をとりながらやっておるじゃないですか。実際問題としてそういうことはやっておると私は思います。そしてまた今回の市場法改正では、何もそうべらぼうにもうけなくても安定した値段で売れるというようなことも考えられる、ものによっては相対取引というようなものも認めるようにしておるわけですから、今回の市場法というものは消費者、生産者の問題も十分に考えて、硬直した形でなく実情に合うように運営をされるように改正をされておる、こういうふうに御理解をいただきたいのです。
○美濃委員 そういうふうに言われますけれども、実際にかなり無計画な収穫、出荷のために基本的な生産過剰になって、暴落というか価格の維持ができない。同じ中で過大収穫をして出荷して、つい一日、二日前はまことに価格の維持ができたのに、収穫し尽くして無計画出荷をやりますから、やはり一定の——野菜でも圃場に置けば、大体の野菜が二日や三日で収穫して出さなければあとはだめになってしまうというのはきわめて少ないわけですね。大体の野菜はかなりの収穫期間はあるわけですね。それらに対する配慮が足りないという現象が起きておるのじゃないですか。二、三日前に比べると全然生産者価格が維持できないような価格を形成している。そうしてせっかくつくったものを無計画に出してたたかれてしまって、あとは品切れするから、あと一週間くらいはまたきわめて暴騰してくる、こういう現象がたびたび起きておりますね。あの原因を見ておるとそうそこがうまくいっておると私は思わぬのですね。手近にできておるものを無計画に出荷して、その出荷が消費量を上回っておるために、全然生産費が償わないような価格でたたかれ、二、三日たつと切れて暴騰してくる。こういう現象がかなり見受けられるわけですね。そこらがもっとそうならないような状態をやらなければならぬということと、それからもう一つは、過大包装があります。生産者に過大な包装が要求されておる面がある。全部じゃありません、ある面では。たとえば最近出てきておる。これもこの間埼玉へ行って見てきました。ニラというものをものすごくきれいなダンボール箱に入れて出させるわけですね。中身よりも包装が高いのですよ。包装が中身の倍もするのだ。私はこうしなければだめなのかと言ったら、こうしなければ——最終消費は箱を食うわけではないのですからいいのだと思うのですけれども、東京都あたりの中へ持ち込んできますと、それを投げたりしますから、じゃまになりますから、最終消費はニラを食うのですから、箱は食わぬのですから、箱は要らぬと思うのです。中間がそれを要求すると思うのです。だから中身よりも包装が高い。こういう過大包装はどうなんだ。どうしてもそうせんければ扱ってくれぬのであれば、ネギがあればニラなんというものは同種類のものだから、生産を廃棄すればいいじゃないかと私は言うのです。そういうものこそ勇気を持って、もうそんなものはつくりません、私は消費生活の中でネギがあれば、ニラなんというものはなくてもいいと思うのです。同系統のものだし、ネギよりも特にいいというものじゃないのです。単なるアイデアでそんなものは出しておるというわけでしょう。最近においては非常に多様化、多様化といっておるが、やはり生産も合理化し、安定的に基準価格で消費者に届けるということになれば、多様化、多様化といって、同系統のものを単なるアイデアで品目をふやして、それに過大な包装をして出荷をしておるという姿は、私は、生産者のためにもならぬし消費者のためにもなってないと思うのですよ。ですから同系統の多様化は抑制するという考え方で、やはり生産も消費も一元的な指導と監督を、もう少し生産から消費の体系の中で——また流通にしてもそうですよ。やはり量的に統一された荷物を扱えば、マージンも下げられるわけです。同系統の多種多様の品目を少量扱っていくということは、どなたがやってもマージンも高くなるわけです。やはり流通もその中で生活をしなければならぬ、一がいに流通だけを合理化、合理化といって非難してはならない、体系が変わっていかなければならぬ、こう思うわけです。そういう点は今後どういうふうにお考えになっておるか。
○渡辺政府委員 包装等に金をかけ過ぎるじゃないかということでありますが、ただいまニラの包装のお話が出ましたけれども、ニラは、専門家に聞きますと、ネギよりも非常にしなびやすい。そのためにどうしても包装を厳格にする必要があるので、そういう傾向にあるということだそうであります。ただ、一般論を申しますと、これはもう市場あるいは生産者だけの問題ではなくて、消費者を含めた私は国民全体のものの考え方だろうと思います。われわれ外国を歩いてみましても、品物を買っても、日本ではデパートで包んでくれるように箱に入れて包装をして、さらにまた袋に入れていろいろなことをやってくれますが、あんなにきれいに包装してくれるところは世界中どこにもない。八百屋さんを見てもおそらくリンゴがぴかぴかにみがかれて光っているのは日本くらいで、ヨーロッパにもアメリカにもこういうものは私はないと思うのですよ。これはやはり国民がかっこうのいいのを喜んで、そういうのでなくちゃ売れないのかどうか、私は国民性によるのかどうかわかりませんが、こういうようなことは決して栄養価値が高まったわけでもなし、どうということはないのですから、これは私は一つの国民運動——運動といってはちょっと大げさになりますが、これはやっぱり主婦連なんかにお願いもして、何も見かけでなくて中身で買ってもらうような、もっとPRをするとか、いろいろ必要だと思うのですね。これについてはやはり主婦連のような消費者の団体と、それから卸屋さん、仲買人の代表、生産者の代表というものが集まってやっぱり化粧品じゃないけれども、包装の競争をするようなことに金をかけるということは、ばからしいことですからね。私は過当な包装の競争をする、それから過当なかっこうよさの競争をするということは、まあ行き過ぎのないように今後私は行政指導する必要があると思います。一般論としては私は同感であります。
○美濃委員 次に、輸入に対する考え方をちょっと伺いたい。 ことしはタマネギの高値を受けて、タマネギを輸入しましたが、元来最初から私言ってきましたように、生産体制に対して、もう少し生産価格の体制あるいは生産に対する体制が進めば、タマネギなんか私は輸入せぬでもいいと思うのですね。国内でそうコストが高いわけでもないし、輸入したからってそう安いわけでもない、まあ暴騰しておる値段から見ればそれは安いでしょう。片や、そういうものに流れていると、いろいろ……。次官から外国の話が出ましたが、昨年あたり、最近石油の問題が出てきますね、安売りしないという……。もう一つは、これは家畜のえさに出てきております。私も前年えさ地帯を歩きましたが、トウキビで三十ドルなんかといってたたかれて売るなら、買ってくれなくてもいい、五十ドル以下では売らないと言って、そういう影響が逐次出てきます。ですから、発展途上国の方々が、ほんとうにはだしではだかで、人たる生活もできないような条件で、その生産したものを極端に安く貿易でたたいて買ってくるなんかという行為が、将来長続きするかせぬかということは問題があるわけですね、これは。石油問題が起きておりますし、ですから、やはり自給ということを考えなければならぬ。そうすると、特に野菜あたりに限っては、将来生産体系を確保していって、輸入などということは考えない、こういう完ぺきの体制をしいていくべきだと思うのですが、どうですか。まだやはり野菜についても輸入を考えるのですか。
○渡辺政府委員 御承知のとおり、タマネギの輸入につきましては、端境期に非常に暴騰したというようなことで、国民世論からいってもこれでいいのか、一体政府は何しているのだ、もっとどんどん輸入をして適正な価格に落とせというような国民世論があったのは、御承知のとおりであります。日本においても適正な価格であるならば、何も輸入しないで、国内でその適正な価格でたくさんつくってもらえるように指導するのが農林省のつとめでありますから、そういうことを繰り返さないように指導して、ことしはたくさん、もう少しつくってもらおう、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、生鮮食料品、くだものを含めて、自給を原則とした政策を立てていくというふうに解釈していいですか、輸入というものは考えないと……。よろしゅうございますか、そういうふうに受けとめて……。
○渡辺政府委員 大体生鮮食料品、くだもの等は九〇%以上、一〇〇%に近く国内自給というものの考え方でおります。そういう基本的な考え方でいろいろな政策を立案をいたしております。
○美濃委員 次に、若干法律の中身について質問いたします。 市場を歩いてみますと、市場の中の労働というのは朝早くから、かなり他の産業から見ても忙しい労働をしておるわけですが、これから市場を整備していく中で——いろいろ書いてあります。二章の四条ですか、「卸売市場整備基本方針」こう書いてありますが、従業員の福祉施設、これは助成の対象、末尾で助成するとも書いてありますし、融資するとも書いてある。融資条件や助成対象に従業員の福祉施設、これはやはりはっきり明確にしておくべきだと思うのですね。たとえば朝早くから寒いときでもああいう労働ですから、仕事が終わればふろに入って、あるいは独身者であれば独身寮的なものは必要だと思うのですね、ああいう労働に対して……。そういうものは入っておるかどうか、入っておるとすれば、もうちょっとこれは明確にやっぱりうたっておいたほうがいいと思うのですがね、どうですか。
○小暮政府委員 第四条で卸売市場整備基本方針に定めるべき事項がそれぞれ列挙してございます。 ただいま御指摘の労働福祉施設というようなものは、私どもの考えでは第五の「その他卸売市場の整備に関する重要事項」という項目の中で、衛生上の問題等と並べて、これを基本的な方針にうたいたいというふうに考えております。それから現にかなり進んでおります市場では、御指摘のような宿泊施設だけでなしに、入浴の施設、食堂あるいはその他のレクリエーションの施設等をかなり整備いたしております。これは開設者側がある程度施設費を負担してやります場合もございますし、あるいはしかるべき業者を導入してやらしておるものもございます。市場の補助の体形としては、管理用の建物というものを建てますときに、その管理用の建物の中にいまのような労働福祉施設、これを組み込んで建てることを当然予定いたしております。したがいまして、管理用の建物の補助の中でそういうものに必要なスペース等を織り込んで補助できるというふうに考えております。
○美濃委員 次にこの九条の「売買取引及び決済の方法」、四号ですか、業務規程に少なくともかけなければならない。まあ相対取引、いわゆる契約栽培、相対取引のようなことを考えるという、いろいろニュアンスを言っておりますが、これは相対取引に対する基本的な考えか、契約栽培にして需給の安定をはかろうとする手段なのか。それとも、値引きする場合、生産者の委託でなくて、市場をくぐってくるものがかなり入りますね。市場を通って、たとえば産地市場で一回せられて、すでに生産者の委託ではないというもの、それがかなり入ってきますね。そういうものに原価保証するために相対取引を進めようとするのか。相対取引を進める基本的な考え方はどうなのか。それから、相対取引はおそらく政令事項で業務方法書の中かどこかに出てくるだろうと思って法律を見たら、ないものだから、相対取引はどこにうたっておるのか、業務方法書の中でうたうのではないかと思って聞いておるわけです。うたう場所はどこであろうと、相対取引に関する基本的な考え方は、何をもくろんで相対取引を進めようとするのか。相対取引に対する理由ですね。どういう理由で、どういう政策目標をもって相対取引を進めるのか。考え方を聞いておきたいと思う。
○小暮政府委員 条文といたしましては、第三節の「売買取引」三十四条として、「せり売又は入札の原則」という規定がございます。ここで、中央卸売市場における卸売りについては、せり売りまたは入札の方法によるのが原則であるということをうたった上で、「次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。」という形で、いわゆる相対の問題に触れておるわけです。この中に思想が出ておりますが、一つは「一定の規格若しくは貯蔵性を有し、かつ、その供給事情が比較的安定ている生鮮食料品」ということでございまして、これらのものについて、せっかく規格性、貯蔵性があって、需要に見合って適当な数量を逐次市場に出してくる、倉庫から出したりして、そういうことができるようなものについて、必ずしもせりによらず相対で売買する方法を認めてもよろしいではないか、これが価格の安定に資するのではないかという考え方でございます。それからそのほかに、取引の実態から見て著しく特殊な商品で需要が一般的でないというようなものがございます。こういうものについて、せりによらずに相対で売るということを認めても取引の公正を害することはない。関係者が局限されておりますような特殊な商品でございます。そのほかに、これまでもそういう考え方はございましたが、鉄道の事故が起こった、あるいはその他の特殊の災害等が発生いたしまして、むしろ場内で話し合いでものを処理したほうがよろしいということでせりを行なわない、そういうような場合がございます。
○美濃委員 次に十二条の関係で、審議会、協議会の問題です。従来、審議会、協議会はこの委員会でも、たとえば米審についてもいつも意見が出るわけですが、これはやはりどうしても学識経験者でなければだめなんですか、日本流の考え方というのは。
○小暮政府委員 何か特定の物品の価格などをきめますために、供給者側あるいはこれを消費する側、それに第三者としての学識経験者というようなものをまじえて審議会を構成するような例はいろいろございます。ここで考えております中央卸売市場開設運営協議会というのは、市場の開設または運営について広く関係者の意見を聞くという考え方でございまして、当然生産または消費について学識経験を有する方を御委嘱するということも予想されるわけでございます。ただ、これらの方々が別に生産者代表あるいは消費者代表という形で協議に参加するのではなくて、市場をどのように運営したらよろしいかという大局的な見地からこれに参加していただく、こういうことでございますので、これは法律の表現としては学識経験者をもって構成するというふうに考えておるわけでございます。
○美濃委員 名前は、そういう内容であれば学識経験者でもいいですが——学識経験者でもいいですがという表現は取り消しますが、そういう考え方であれば、構成比率はどういうふうに考えておりますか。純然たる受益代表、利害関係代表ということになると審議会の運営もまずかろうということで、そういうふうに表現すると思うのです。表現はそうであったとしても、構成比率はどういうふうに考えておりますか。
○小暮政府委員 具体的には開設者が委嘱することになります。国のほうで特に定数とか構成比率を指定する考えはございません。
○美濃委員 指定はしなくても、やはり指導するでしょう。指導目標でも指導理念でもいいです。もしそういう市場からどういうふうに考えたらいいのだという相談をあなた方が受けた場合、どういう考え方でそれに答えていくか。
○小暮政府委員 別に多数決等で何かを議決するというような趣旨の集まりでございませんので、できるだけこの協議会の趣旨にかなうような人を選ぶように指導いたしたいと思います。
○美濃委員 いまの構成に対するものの考え方は、私の質問の趣旨に対してもうちょっと答弁があってもいいんじゃないですか。市場のあれにかなうような人を選ぶ、私はそういう意味で聞いているわけではないのです。ということは、やはり先ほどから前段にいろいろ申し上げたように、市場の中で、そういう構成も、名称は利益代表とか受益代表という感覚ではまずかろうということになれば、いわゆる法律でいう学識経験者でもいいが、そういう実務に関係のある団体なり機関の代表も入れて、ある程度やはりそういう相談ごとにして、市場の機能を多少でも高めていったほうがいいのではないか、こう思うわけです。それにはやはり協議会なりあるいは審議会なりというものは——率直に申し上げますと、農林省の各審議会を見ると、構成が単に学術評論家的な代表が多いわけですね。やはりこの構成もああいう構成で、たとえば入れたとしても、少数の団体代表者くらい入れて、大勢はやはり実際の実務から離れておる人を多く動員して、そして隠れみののように、農林省で企画したことをよろしゅうございますと答申して、これが審議会あるいは協議会の答申でございますという運営に入ろうとする。どうなんでしょうか。さっき政務次官は外国の話をしておられましたが、そこらの事情は違うんじゃないですか。他の国では、そういう審議会は、多少論議が起きるとしても、責任ある立場の者を入れてきめたことに対して、団体の責任者ですから、きまったことに対してはある程度責任を分担して果たし合うという審議会が多いように思いますがね。日本はそうじゃなくて、全く無責任な——無責任というのはちょっと行き過ぎの表現かもしれません、責任態勢の持てない客観的な意見の者を審議会に多く入れて、実際に責任を分担し合ってそこできめたことの責任を持ち合うという審議機関というのはほとんどない。全然そういう仕事とはかけ離れて、きめたことに対して責任を持てといったって持ちようもないし、こういうのはどうかなと思うのです。さっき政務次官が外国の話をされましたから私も言うが、私もずっと各国の農林省、特に欧州諸国は各農林省を歩きましていろいろ聞いてみましたが、各国のそういう審議機関は日本の審議機関と多少中身が違うようですね。こういう種の審議機関に対してものの考え方が違うようです。どうですか。
○渡辺政府委員 これは先ほどから、かねがね局長からお話がございましたように、ストレートで消費者代表だ、生産者代表だというような形で入ってまいりますと、やはり立場もありますからなかなか一致点を見出すのに見出しにくいというようなことも往々にしてあります。そこで今回学識経験者にしたというのは、それは無責任な評論家ばかり入れる、そういうふうに極端に解釈されては困るのでありまして、やはり当然消費者についても十分御理解のある、生産者の事情についても御理解のある、一般理論的な問題等についても御理解のあるような人を物色して、適当にそれぞれの県できめる。この程度以上に農林省としては、だれを何名、だれを何名というようなことまで詳しく半強制的に指導をするというような考えは持っておらないので、いま言ったような趣旨で、だれが見ても全体的に見て、まあここらは無難だろうというような結論が出るような審議会のあり方のほうが一般的ではないか、私はこういうように思っております。
○美濃委員 次に二十一条ですが、日本の行政の中で、この種の認可、許可については、たとえば酒の販売なんかは譲渡を禁止していますね。酒を売っている店がやめて、そこの権利を買ったからすぐ酒販売の許可が——これは国税庁でやっておりますが、おりるわけではない。これはどういうわけで日本の行政の中で片や許可、認可について譲渡を禁止しておるものもあるし全然認めないものもある。この場合は譲り渡したものを認可するというのですね。たとえば酒の免許あたりですと、譲渡という行為はだめなわけですから全然廃棄になる。それで酒の小売店が足りなければ新たな申請のものに認可をするという方式をとっているわけです。譲渡という字を書く以上は、それは卸売人が少なくなったら新たなものを許可するというのと違って、「譲渡しをする場合において、譲渡人及び譲受人が譲渡し及び譲受けについて農林大臣の認可を受けたときは、譲受人は、卸売業者の地位を承継する。」こうなるのですが、譲渡ということばを使う以上は、これはやはり行政上の認可が、一つの財産的な認可価値をここで法律的に認めるということになりますね、譲渡という字句をここであえて使う以上。そうじゃなくて、やめて少なくなれば新たに認可申請をするのなら、譲渡という字句を削除しなければならない。譲渡という字句をここにはっきりいう以上は、その権利継承行為が、たとえばある程度の権利金が流れようとどうなろうと、財産的な一つの価値として認められるということになると思うのですね。物的な財産でないけれども、これは無形の財産ですか、無形の資産的な価値になりますね、こういう字句を使うと。
○小暮政府委員 卸売人は多数の出荷者あるいは仲買い、買参人等と継続反覆して経済行為を行なっているものであります。しかもこの卸売業を農林大臣が市場法の監督のたてまえ上認可するということになっております。そして、ここに譲渡という表現が特に出てまいりますのは、ちゃんとした会社の形でやっているものもありますが、逆に個人営業という形でやっているものもございまして、これを大型化するといったような方向で集中いたしますような場合に、法人の合併という形が起こります場合と、個人営業で営業の譲渡という形が起こります場合と両方あるということでございます。いずれも別にそこに何らかの財産を維持する意味で譲渡ということをいっているのではなくて、もともと許可にかかわらしてある営業でございますから、これが譲り受けて営業を受け継ぎます場合には農林大臣の認可を受けたときにその効力が発生する、そのようにしたものでございます。
○美濃委員 これは新たな譲渡は意味していないのですか。そういう権利売買的な譲渡は意味していない、同一市場内の合理化によって、法人であれば合併、そういう場合におけるものを意味しておって、全く第三者に譲渡するものではないということですか。第三者に譲渡を認めれば、それはかなり強い既得権となって、もちろんその譲渡を農林大臣が認可をするとしても、譲渡という字句を使う以上は、その譲渡行為というものはかなり強い既得権として、農林大臣は認可の上で扱っていくという解釈なのか。というふうに、これは読み取れるわけですね。しかし、そうじゃないのだ、同一市場内のすでに認可をもらっている法人なり認可をもらっている個人なり、合併によって譲渡する行為をいうのだ、こういう答弁のように聞こえたわけですが、そうですか。それならそれで、この字句はもう少し整理をしておく必要があると思うのです。
○小暮政府委員 従来その辺についての規定が旧法では必ずしも明確でありませんでしたので、今回特にこういう規定をはっきりさしたわけでございまして、合併とか営業の譲渡ということを無条件に認める趣旨ではございません。それを認める段階で認可と同様の効果を発生させるということでございますから、かってに譲り受けてそれを既成事実と申しますか既得権として承認を求めるという性格のものではございません。
○美濃委員 時間の関係であれですが、話を聞いておると、将来やはり問題が起きると思いますね、こういう字句の表現をしておくと。
○小暮政府委員 認可いたしませんければ効力を発生しないわけでございますから、そこはきわめて明確になるというふうに考えています。
○美濃委員 しかしさっき言ったように、酒の小売免許あたりは譲渡なんという字句はどこにもありません。譲渡という字句を使うと、それは譲渡人及び譲受人が譲り渡し及び譲り受けについて農林大臣の許可を受けるというのですから、それは事前に譲り渡し行為の約束が行なわれるということです。約束が行なわれて認可申請するということです。やめるものは、認可ですから取り消しですよ。御売人が足りないということになれば、新たに選定して認可するのだということとずいぶん違いますよ、譲渡という字句を使いますと。
○小暮政府委員 「譲渡人及び譲受人が譲渡し及び譲受けについて農林大臣の認可を受けたとき」ということでございまして、その譲渡し、あるいは譲り受けようというときに、それを農林大臣に認可してもらえるかどうかということを確かめなければならないということでございますから、譲渡という行為が先に行なわれてそれを認めるか認めないかという形になるのではなくて、譲渡という行為が農林大臣の認可によって効力を発生するという趣旨でございます。
○美濃委員 どうしてそういうものをつけなけりゃならないのですか。譲渡でなくて、卸売人がやめた場合にはやめっきりでいいんじゃないですか。そうして卸売人が足らなければ、ひもつきの譲渡でなしに、新たに申請する者の中から適格な者を認可するという方式にしなかったのですか。この種の認可について、どうして譲渡というひもつきにしなければならなかったのですか。やめた者は許可取り消しですよ。譲渡の申請なんかはあり得ないのですよ。こういう解釈はどうですか。そういうふうにあなたは答弁するけれども、農林大臣が認可しなければ効力は発生しない。なるほど書いてあるとおりです。しかし、やめた場合には認可取り消しですよ。その市場に卸売人が足らなければ、申請によって新たな適格者を認可すればよろしいということと、譲渡申請ということとは質的に違うのですよ。全く関連がないというなら、なぜこういうややこしい字句を使うのですか。卸売人がやめた場合には認可を取り消す。それで卸売人の数が足らなければ、新たに申請する適格者の中から認可するのだ、こうすればいいじゃないですか。譲渡という字句を使って、認可しなければ効力を発生せぬといったって、それはちょっと違いますよ。
○小暮政府委員 御指摘の趣旨を私が取り違えておらなければ幸いなんでございますが、たとえば営業が思わしくない業者はやめる、あるいは生業であっても何かの事情でやめるということで、卸売業者がやめますれば、当然そこで認可も消滅するわけですから、そのことを何ら妨げるものではございません。ただ、ここで予定しておりますのは、たとえば二つの卸売業者がございまして、一緒になることによってよりよき業態になろう、経営の規模なり管理体制というものをよくしようということで、二つのものが一緒になるときに、残るほうのものが、片っ方の営業を全部譲り受けて、産地との関係あるいは結びつきの仲買いとか小売りとの関係、そういうものを含めて、いわゆる山を持つ、あるいは売りの相手先を持つ。それで両者が一緒になって、新しい管理体制のもとにより強力な卸売業者となるというような事態がございます。そういう場合に、片っ方がやめて、一ぺんなくなってからまた新たに認可を受けるということでなくて、両者が一緒になってよりよき業態になるということについて、事前に開設者を通じ、あるいは農林省等とも相談しながら、これを行ないますれば、それは営業を全部引き継いだ形で新たに発足する、こういうような事態が予想されるわけでございます。
○美濃委員 それだけですか。それだけと解釈していいですか。
○小暮政府委員 それ以外に何の他意もございません。
○美濃委員 そうすると、私はここで答弁は要りませんが、この条文をもうちょっとそういう意味をうたっておきませんと、これは通例譲渡が認められるようになります。私も検討しますが、このままでいいかどうか、これはやはり法律をつくるときは大切だと思うのです。今回の農地売り戻しの問題でも、条文の整理が足りないために、法律が悪いためにああいうことが起きるわけですから、つくるときにはよほど注意をしておかなければならぬと思います。答弁は要りません。このままでは、やはりもう少し条文について——いま言ったような趣旨であれば、私もいいと思うのです。二人おる人が、あるいは三人おる人が一人やめて二人の人に継承する、そのための条文だというならば、これはよろしいと思います。一般継承は含まれていないのだということ、それであるならば、条文は少し整理しておく必要があると思います。
○小暮政府委員 答弁不要というのに申し上げてたいへん恐縮でありますが、要するに、先ほどから申し上げておりますように、個人の場合に合併という言い方ができないものでございますから、営業の譲り渡し及び譲り受け並びに法人の場合の合併ということで、一項と二項で書き分けてあるわけでございます。
○美濃委員 次は四十四条関係ですが、「仲卸業者がその許可に係る取扱品目の部類に属する生鮮食料品等を当該中央卸売市場の卸売業者から買い入れることが困難な場合」である、こういう状態が起きるということは予測されるが、しかし先ほどから申し上げたように、こういうことがたびたび起きるような状態がないような体制をつくっていかなければならないではないか、こう思うわけです。との関係は具体的にどういう事項が起きてどういうふうに処理するために予測されるのか、これをちょっと説明をしておいてもらいたい。
○小暮政府委員 「卸売業者から買い入れることが困難な場合」として想定されますのは、卸売業者の集荷の力がある物品について弱いと申しますか、卸売業者が集荷していない、あるいは集荷していてもその数量が不足し、場外にある数量のほうが多い、あるいは卸売業者が集荷して供給できる物品が場外流通のものより割り高にならざるを得ないといったような事態がある場合を想定いたしておるのでございます。
○美濃委員 以上で質問を終わりたいと思いますが、まず私は、前段に申し上げた再生産の確保それから消費者の基準価格の安定、これに対して計数あるいは率はあげられなかったけれども、絶対責任を持つという趣旨に基づく姿勢であったと思うのです。私どもも、これからいろいろこういう問題が出てまいりますから、今後は少し責任体制というものを明確にしてやってもらわぬと、物価問題というのは、いつまでたってもすりかえ答弁や堂々めぐりだけでは国民の信頼を回復することができないと思うのです。そういう点、特にこれからの市場法だけに限らず、生産からすべての面において十分その責任体制あるいは規格を注意して進んでいただきたいと思います。 以上で私の質問は終わります。
○草野委員長 次回は明三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十九分散会