内閣委員会 第27号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/17
会議録
○伊能委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が所用のためおくれますので、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。 環境庁設置法を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田耕作君。
○和田(耕)委員 私は格別定数のことを要求しなかったのですけれども、与党の皆さん方が自発的に非常に誠意を示しておりまして、熱心なことがよくわかりました。したがって、きょうの質問はきわめて簡単にいたしたいと思っております。 長官に御質問申し上げます。 長官は、環境保全の問題について格別な熱意を示されておるわけでございまして、これは数々の答弁を通じてよくわかるわけでございますけれども、出てきた法案あるいは長官自身の言明されておる点と、実際に行なっておることとの間に少し距離があり過ぎるんじゃないかという感じがするわけでございます。これはこれからつくろうというわけでございますから無理からぬ点もありますけれども、そういう点に主眠を置いて若干御質問してみたいと思います。 長官、私のよく知っている会社が千葉県にあるのですけれども、これは幕張というところなんですが、ここは二百人くらいの従業員を持ったプレス工場なんです。これは騒音あるいは若干の亜硫酸ガスの被害で、付近の住民から移転を求められておるわけです。この会社が東京からそこに移転したときは、まだ付近に家があまりなかった。ほんとうに数少ない家があるところへ工場を持った。これが大体七、八年前であった。ところが、この数年間のうちに周囲にぎっしりと家が詰まってきて、そして周囲の住民から騒音あるいは亜硫酸ガスの問題で移転を要請されておるということでございます。千葉県の県庁のほうも、何とかしょうということで、しておるようですけれども、こういう話が出てきまして約満二年になるのですが、なかなかうまくいかない。きわめて小さな企業であればまだ処置がしやすいという問題があると思います。また大企業ということになっても、これまたいろいろと問題の処理はやりやすい問題があると思うのですけれども、百人から三百人ぐらいの純粋の中企業の場合は、なかなか困難な様態がたくさんあると思いますけれども、こういうような工場の移転について、今年度の通産省あるいはその他の官庁における予算、あるいは融資をどのように処置しておられるか、この問題から御質問申し上げたいと思います。
○山中国務大臣 いままで、ともすればそういう議論はいたす機会がなかったのでありますが、中小零細企業の、しかも都市近郊におけるそのような急速な都市傾向の発展に伴って、かっては、企業を立地したときにおいて想像しなかった環境公害というものから、企業の存立について問題が提起される。これはやはり非常に考えなければならないことだと思います。たとえば都市近郊の畜産等についても、主として養豚、養鶏でありますが、かつては純粋の農家として、豚の鳴き声やふんのにおいあるいは鶏舎のにおい、そういうものもたいして問題にならない農家であったものが、最近の住宅がスプロール現象を示しながら郊外へ郊外へと伸びている、こういうことから、先住者であったにもかかわらず、その存在しておることについて問題が提起されておる。かといって、それらの零細な人たちにとっては、自分の居住しておったところでたまたまやっていたところが、それが住宅区になってしまったというようなことで、これはいまの一例に加うるにそういうこともあり得ると思うわけであります。 そういうことで、私のあげました例では、ことしの予算から初めて農林漁業金融公庫がそういうような場合の工場移転と、あるいは防臭その他の施設等について融資をするという、本来の公害防止事業団以外の別ワクというものも設けたわけであります。また、ただいまの例をあげられました騒音、場合によっては若干の排煙公害等の存在する二、三百名の規模の中企業、この問題もやはり同じ悩みを持っておられることであろうと思われます。そういうことにつきましては、私どもといたしましても配慮をしておるつもりでございまして、直接融資の面はもちろんのこと、企業にとっては不幸なことでありますが、移転する以外に道はないという場合において、公害防止事業団の中小企業向けの融資、あるいは用地造成等でそれを買い受けるというような移転等に備えての措置はとってございます。しかしながら、やはりこれは公害防止施設そのものが利益をあげない施設でありますことと同じように、移転することによってそれらの人々は生産を向上せしめ、収益性を高めることはできないわけなんですね。ただ工場の操業を続けられる環境というものをまた新たに求めることが可能であるということだけのことでございますから、これについてやはり国としては相当な配慮をいたしませんと、大企業は配当その他が少なくなったりなどといたしましても、なおかつその設備をする能力がかりにあるとしても、中小零細はそのままいわゆるオール・オア・ナッシングの立場をしいられる、これは行政の任に当たる者として当然念頭に置いてやらなければならないと考えます。 幸いにして一昨年打ち切りました個人の住宅の買いかえ資産の特例並びに事業用資産の買いかえ特例、こういうもの等について、国の要請、政策に従って移転をする場合において、個人の住宅の場合には、これは足切りでもって移転の特例をやめ、企業の場合については、事業用買いかえ資産の場合については、国の政策としてそこに移っていただいたほうがいいという受け入れ先を指定をして、その買いかえの特例を依然として認めているわけであります。したがって、宅地化した近郊でありますから、移られましたときよりも売却する場合においては高い値で売られることと思いますが、それらの処分いたしました金額の範囲内においてどのような敷地、設備を整えようともそれは非課税であるという道が残されておりますが、その対象に、公害によってそのようなケースが生ずる場合の道をあけておるわけであります。また地方が公共事業としてそういう住宅やその他の移転を逆に行ないます場合においても、やはり工場にとってもそうしてもらえばありがたいということでもございましょうし、そういう面については公害防止事業費事業者負担法の中、さらに国のそれらの事業に対する補助の特例において配慮をしておるところでございます。しかし法律や税制あるいは金融措置だけでもってそれらの企業について万全であるということは非常に危険であると思いますので、個々のケースについては、地域の責任者に権限を委譲したことでもありますから、そういうことが起こらないような配慮がされていくでありましょうし、中央においても、ただいまの御意向を十分踏まえた環境行政を展開していかなければならないと考えておる次第でございます。
○和田(耕)委員 通産省の方お見えになっておりますか。――そのいま私が例にあげた企業は、大体やはり同じ千葉の県内で新しくつくられた工業団地に移転することを希望しておるのです。しかし、なかなかそれがうまくいかないという実情にあるわけですね。そこの社長の話を聞きますと、大体五億ないし六億の金が、これはネット価格というわけで、しかもその土地を売るということになりますと、この土地は非常に買いたたかれるという問題がありまして、なかなか現実には移転がしにくい。しかも、公害産業ということで地域の住民からはさんざん突き上げられてくるという状態の企業が、日本の大都市周辺には非常に多いのですね。そこで、では五、六億の移転費用がかかる、五、六億の融資が必要であると思われる企業に対して、今年度の予算で、通産省として、あるいはこれを融資する金融機関として、二百人くらいの企業が移転する場合にどれくらいの融資を準備しておられるのか、そのことをちょっとお聞きしたい。
○森口政府委員 先生のお話にございましたように、昔は野中の一軒家だった工場が、周囲にだんだん住宅地ができ、追い立てを食って困っておるということは私どももしばしば耳にしておるところでございます。工場のほうからしますといろいろ言い分があるわけでございますが、地域住民の福祉が第一でございますから、やはりその企業は移転をすべきであるというように私どもも考えておりますし、したがって、それについてのいろいろな対策を講じておる。一番問題になるのは騒音でございますが、基本的には、やはり個々の工場がそのまま移転をしますと、先ほどの問題のように周囲にまた人家が集まってくるというようなことがございますので、私どもは数年来、そういう工場につきましてはできるだけ共同して工場団地をおつくりなさいという指導を続けておるわけでございます。こういう工場団地に対する助成措置といたしましては、中小企業庁のほうでやっております振興事業団を通じて貸し出しております工場団地の制度がございます。それからまた、公害防止事業団のほうにおきましても、昭和四十年度以降移転用地の制度というのがございまして、この制度によりますと、共同して移転をする場合には、移転用地を公害防止事業団のほうで造成をして当該事業に売り渡すというような制度を講じております。いずれの場合におきましても、一企業に対する金額的な制限はもちろんございませんし、また償還期限も十年以上にわたる長期間というような制度になっておるわけでございます。 こういうようなわけで、四十年以降ずっとやってきたわけでございますけれども、どうしても共同で移転ができないというような企業が出てまいったわけでございます。そこで、昭和四十五年度から大企業につきましては日本開発銀行、中小企業につきましては中小企業金融公庫に、個別に企業が移転をする場合にその移転資金を考えるというような制度を創設したわけでございます。特に中小企業につきましては、昭和四十五年度は約十五億円のワクをもってスタートしたわけでございますが、この四十六年度は約四十億の資金ワクを準備しておるわけでございます。ただ、先生おっしゃいました、一企業で五億ないし六億というような資金量になりますと、残念ながら中小企業金融公庫は中小企業に対する金融機関でございますので、とても億をこえるというような資金需要に応ずるわけにはいかないというような現状でございまして、現在中小企業金融公庫を通じます貸し出し資金量は最高限八千万円というように押えられておるわけでございます。したがいまして、先生御質問がありましたような一企業で五億、六億というような資金量になりますと、残念ながら現在の中小企業金融公庫を通ずる方法ではむずかしいというようなことになるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、一社だけで進出をするということではなしに、ほかの仲間を語らい合われまして共同で団地をつくって、県の指導のもとに移られるということでありますれば、それは一社に対して資金量の制限がございませんので、中小企業振興事業団あるいは公害防止事業団、そういうところの制度が利用になれるのではないかというように思うわけでございます。
○和田(耕)委員 よくわからないのではないのですけれども、資金量の問題は第二の問題として、これはその企業自体として資金を集める努力をしなければならないわけですけれども、一番困っているのは土地ですね。移転の用地です。この用地の問題さえ政府あるいは地方公共団体がもっと熱意を示してあっせんをしてあげれば、あとはいろいろと問題はありますけれども、何とかなるという感じがするのですが、用地の問題について、公害防止事業団のそれにしてもきわめて実際の需要-政府は、そういう公害防止を一生懸命やります、もし必要があれば用地を準備いたしますということは、一般的にはそういうような言明はなされるのですが、実際にそういうような代替地の保証がほとんどされていないというのが実情ではないかと思うのです。こういう問題を、山中長官、もっと突っ込んで考えてみないと、せっかく公害防止について基本方針としておっしゃっても、現実は一歩も進まない、そういう状態があちこちにあると思うのです。この問題について特別の御配慮をなさるあれがあるかどうか、お伺いしたいのです。
○山中国務大臣 いまの議論は、移転をすることを前提としての議論でございますから、通産省事務当局の答弁では、あるいはそれじゃ移転できないという現実にぶつかるじゃないかというお話でもあるかと思います。しかしながら、できればその工場も移転しなくて済む方法があればということは願っておるでありましょう。そういう場合には、やはり公害防止施設というものに対して設備をいたしますが、それに対しては、本来三分の一の償却であります初年度の特別償却を、資本金五千万、従業員三百人以下の規模の中小企業については、初年度、次年度、三年度と三カ年にわたって九〇%償却してもいい。ということは、ほとんど全額償却ということになるわけでございますが、そういう均等九〇%三年償却という制度も今度税法でつくりましたので、まず第一には、周辺の人から問題にされないで済む施設をつくっていただく。しかしながら、どうしても一社限りで、しかも移転をしなければならないが土地がないというような問題等については、ただいまの御指摘のありましたようなやはり身近な地方公共団体の、今後は権限もゆだねられていきます地方自治体のやはりこまかな配慮というものがなければ、集団で共同で移動する場合はということだけでは解決にならないケースでございましょうから、今後一例ばかりでなく、全国にそういう例が起こってくると思いますので、環境行政のそういう基本的なあり方についての大きな問題点として、やはりそれを踏まえて事業量その他の確保、資金その他の確保についても当然検討していかなければならぬことだと思います。
○和田(耕)委員 それは一つの例をあげたのですけれども、騒音等で移転を迫られておる例、その他たくさんの例があると思うのですね。こういう例、実情を環境庁として進んで実地調査をする必要があると思うのです。これは、いろいろ各省でもってそういう話はよく聞いてくおるわけでしょうけれども、その実際のウエートの問題がありますね。あるいは緊急度の問題があります。あるいは現地で対策ができるかできないか、移転しなければならないのじゃないかというような実情をしっかりと踏まえないと、いま長官のおっしゃるようなせっかくの対策が有名無実になってしまう、こういうおそれが非常にあるわけなんですね。それに対して、各ウエートをきめる、緊急度をきめるということをするためにも、かなり大規模な実地調査が必要だと思うのです。ただ、それは現場の各省の機関がやるにしましても、環境庁としてはそういう各省の持っている資料、データをまとめ上げる、あるいは必要があれば――必要があると思いますけれども、実地調査をするという費用がないと、実際に環境庁の調整官庁としての機能でも、事実上できないのじゃないか、そういうように思うのですけれども、今年度のこの予算の中にはそういう費用が一つも計上されていない。こういうところにも、まあおやりになるとは言っても、実際にやる手だてを考えてないという感じがするわけなんですね。そういう点、どうでしょうか。
○山中国務大臣 これはやはり都道府県知事、騒音の場合には市町村の固有事務というふうにそれぞれ分かれておりますので、それらの問題点が提起せられました地域の行政の責任者、自治体の責任者というものが、やはりその問題の解決に当たる第一次の当面の責任者であろうと考えます。しかしながら一方においては、ただいま行管が行なっておりますように、各省庁の行なっております業務についての行管の立場から見て、機構、その能力あるいは実際の行政効果というもの等について逐次調査して発表しております。行管は地方に手足も持っておるわけでありますが、さて今後環境庁としてそういうような、場合によっては個個の問題も含めてどのような、直接環境庁自体が調査をしたりあるいは実態を把握したりする手段を持つべきかという問題は、今後残された課題の一つであろうかと考えるわけであります。ただ私どもの当初の構想でありました中央公害審査委員会というものが、中公審なりあるいは行管あるいは法制局等において、それは総理府に残すべきである、環境庁に付属せしめるべきでない、いわゆる独立性、公平性ということをいわれたと思うのですが、まあ私も最後には原案からそれを削除いたしましたけれども、そこにやはり個々のケースというものが、地方の都道府県に置かれる公害審査委員会等を通じていろいろと資料としてはあがってくるわけです。そういう場合において今後機構としては、公害の行政の中で紛争の問題は、総理府に付属する公害紛争処理委員会に残ってしまいましたけれども、これと環境庁との間の連絡を密にしていくことによって、地方にはそれぞれ、必置制として都道府県、任意に市町村に設けられる機関ができるわけでありますので、こういうものから具体的な例を定期的に取り上げて、それを環境庁に連絡するというような方法等も補完的に考えていくべきではなかろうかと思っておる次第でございます。
○和田(耕)委員 環境庁の任務ということになりますと、長官も言明せられたように、起こってきた公害をどのように処理するかということが当面の任務であることは言うまでもありません。しかし環境保全という問題をその背景としては考えていくということになる。つまりこれがないと環境庁という名前に値しないということになるわけでございまして、そういうふうな任務をやるためにも、公害の対策をするためにも一ある県、ある市では十分手厚くやる、ある市では非常に不十分であるという問題も現にあるわけですね。今後どんどんと起こってくる。こういうことでは環境庁の任務は達せられない。そういうことを、将来というよりも現実の問題として処理するためにも、そういう現に日本の各地に起こっておる公害の実情をしっかりと調べて、しかも統一的にこれを把握をして、そしてウエートをきめ、緊急度をきめるというこの仕事は、環境庁の固有の仕事であるべきことなんですね。しかしこの固有の仕事であるべきことに対して、環境庁の予算の中にこれが計上されておらないというのは、非常に欠点だと思うのですね。最初からこの問題についてもっと意欲的な感じを持たないと、これはもう実情に流されてしまう。山中長官は非常に前向きな姿勢をとっておりますけれども、各省庁間、必ずしもそうではないと私は判断します。そうなりますと、つまり長官がせっかく意図されておるものが実施されていかないということになりはしないかと思うのです。いまからでもそういうふうな実地調査をして、そして全国的な一つの方向を示していく、公害の基本をしっかりと示していくというために、私はそうたいした金はかからないと思うのです。そういうふうな金を準備することができないかどうか、どういう金のやりくりでもけっこうですけれども、かりに十億なら十億あるいは二十億なら二十億の金をそういうふうな調査のために使うという御決意、どこかくめんができないかどうか、そのことについてお伺いしたい。
○山中国務大臣 環境庁のそのような種類に対する問題点は、基本的な姿勢いかに、それを受けた機構はいかに、そしてその権限はいかに、予算はいかにということになると思うのです。姿勢としてはやはり水質、大気を中心とした典型公害を起こさないようにする行政というものをまず一方の柱に据えまして、さらにそれ以前の問題であったかもしれないが、日本においておくれていた自然環境の保全という姿勢をもう一本の柱に打ち出していくつもりであります。そのために企画調整という局を置きまして、それらの両者の柱の調整、各省間の調整等やるわけでありますが、自然保護局というものを設け、そして水質、大気、それぞれの局が置かれるという機構にしておるわけです。そこで法律上の権限になりますと、第四条の第一号で、環境の保全に関する基本的な政策をみずから企画するわけであり、そして立案をして推進をするわけでありますから、まず主導権、企画立案権、推進のイニシアチブというものは環境庁にあるということになるわけであります。 そこで最後の予算の問題ですが、昨年公害対策本部が発足をいたしまして、ただいまお話しになりましたように、要するに全国的な実態調査をする、まだできていない状態でございましたので、緊急に予備費や調整費から一億九千万円ほど支出をいたしまして、その結果はしかし、同じカドミウムを調査するのに厚生と通産と農林と違った場所を調べてたいへんなおしかりをこの間受けたような結果に、結果としては終わりましたけれども、今後はそういうことのないようにいたしますが、現在国の予算には一応、各省の分を集めますと八億ほど予算が組んでございます。それを環境庁のほうでどのようなプロパーの予算として持っていきますかは、機構のさらに細分化されたこまかな課の問題、権限のさらに細部の問題等について、実務について仕分けをいまからいたしますので、この仕分け作業と同時に、予算も環境庁自体が調査費を持っていくということにいきたいと思いますし、また、もう少し弾力のある予算上の運営としては、調整費的な考え方を来年度予算等においては取り入れていきたいと考えておるわけでございます。
○和田(耕)委員 そのことは、まだできるばかりの役所ですから、そう無理なことを言ってもいけないと思うのですけれども、いまの私の申し上げていることは、調整官庁としての任務としてぜひとも持たなければならない。そういうふうなデータを持たないと実際には指導はできません。これを役所をつくっただけでというようなことでは、この大きな仕事はできません。したがって、今年度いろいろ交渉の過程でフリクションはあるかもわかりませんけれども、その基本的な一つの姿勢を示す財源として、何とかして――私は一億や二億の金ではできないと思います。少なくとも十億以上の金を何かの形で、長官の一つの政治力をもって確保していくということがこれは絶対に必要だと思うのですね。そういう点をひとつぜひとも御考慮をいただきたい。来年度予算についてはもちろんのことでございます。そういうふうなことを準備するところに環境庁としての意欲がうかがわれるわけだと思うので、今年ああいうふうに大騒ぎをした環境庁として、私はそういう点についてたいへんな抜かりがあったのじゃないかという感じがいたします。 今度内閣、大臣の更迭があるようですけれども、できたら山中長官みずから進んで、おれはもう一ぺんやらしてくれということを総理に言うぐらいの熱意をもってかからなければならぬじゃないか、そういうふうなお気持ちはないか。
○山中国務大臣 そういう気持ちを持っておりません。しかし環境庁長官について、実質の初代長官というものは国際的にも国内的にも大きな注目を集める存在であることを考えますと、実はきょう最終的に発送をいたすことにいたしておりますが、フランスで与党の幹事長である四十二歳のプジャード、すばらしい切れ味の政治家であるようでありますが、この人を長にして、自然保護環境省をつくるようであります。その自然保護環境省の責任者たる大臣から、日本の公害問題担当大臣に「二千年」という雑誌に対する寄稿を要求されました。これはやはりもうすでに、フランス等においてもこれからやろうということでありますが、日本の環境行政に対するあり方は非常に注目を受けておると思います。したがって、私は大臣の順送り人事あるいは何と申しますか、まあまあ適当な人事でお茶を濁しておこうというような対象にこの環境庁の初代長官の人事を置いてもらっては困るので、この点は私は総理にはっきりと、環境庁法案が成立いたしましたならば御進言申し上げておきたいと思いますが、しかし私自身がそれに対して自分がやりたいという意思を表明する意思はございませんが、これは熱意の問題とは別で、政治家の立場としての問題でございますので、御許容を願いたいと思います。
○和田(耕)委員 もう一つ同じ趣旨の質問なんですけれども、長官はこの前の同僚委員の質問に対しまして、ニクソン大統領の処置を例に引かれたことがありました。つまり自動車の排気ガスの規制の問題についてニクソン大統領は、一九七五年までには何とかするという目標を立てた、これは非常に重要な意味を持っておるのだという趣旨だったと思うのですけれども、私もそう思います。この環境保全の問題は、環境を汚しておる人たちがほっておいてもやる問題じゃありません。いやいやながら、しかもしかたがない、できることならさぼりたいというような気持ちを持っておることは自然な気持ちだと思います。しかもそれに対して何とかやらせよう、やらさなければならないというのが環境庁発足の基本精神であるわけでありまして、このことを実際に政府がやるお気持ちであれば、私はできる限り当面やるべき問題については実施の年度計画をつくるべきだと思います。いまの排気ガスの問題について、そういうふうなニクソン大統領の一九七五年という一つの目安がなければ、これは有名無実になってしまうおそれが多分にあります。 そういうふうなことで、実施計画という問題についてこれから御質問していきたいと思うのですけれども、何よりも環境基準の設定の問題ですね。これは非常に学問的にむずかしい問題があると思いますけれども、長官、これはいつまでに大体のこの基準の目安をつくっていこうというお気持ちなんですか。
○山中国務大臣 水質、大気ともにですね。
○和田(耕)委員 いやいや全体の環境、重要な問題についての環境基準の設定の問題です。
○山中国務大臣 事務当局にちょっとやらせます。
○城戸政府委員 環境基準でございますが、これは最初硫黄酸化物の環境基準ができまして、これは一昨年でございます。それから昨年一酸化炭素の環境基準、それからさらに水の環境基準ができたわけでございます。水の環境基準につきましては、健康にかかわるもの以外につきましては当てはめが必要でありますから、その当てはめ役をこれから鋭意能率をあげてまいるという段階になっているわけでございます。そのほかの物質でございますが、これについては厚生省、経済企画庁等でさらに作業を進めておりますが、たとえば大気で申しましても、アメリカあたりではすでに四十物質近くを検討しているということでございますので、私どもとしてもできるだけ能率的にやっていきたいと思っております。現在具体的にやっておりますのは、大気に関しましては窒素酸化物あるいはオキシダントというようなもの、それから浮遊微粒子及び大気以外では騒音の関係でございます。これは現在検討されておる段階でございますが、このほかのものにつきましても、これからできるだけ早く仕上げていきたいと思っておるわけでございます。
○和田(耕)委員 できるだけ早くということではなくて、一応現在考えられる科学的な一つのデータに基づいて、ある時期を設定するという作業が必要でないかということを御質問申し上げておるわけです。かりにその基準が、人間のすることですから、データの不足のときにやることですから間違っておることがあるかもわかりません。それはあえてあっても、そのようなのは、過失が起こることがあってもやはり現在一番必要なことは、大体この二年間のうちにはおもな環境汚染の要素についての基準をつくり上げるというような気がまえがないと、この問題はずるずるになってしまう。そういうふうな意味でニクソン大統領のあげた例をひいたわけですけれども、長官、この問題についてどういうふうにお考えになりますか。
○山中国務大臣 当初ニクソン大統領の勧告は、一九八〇年までに現在の自動車の排気ガスの九〇%をカットしろという案だったと思いますが、それは上院において満場一致、俗にマスキー法といわれることになりましたけれども、一九七五年までに一酸化炭素等の九〇%カット、窒素酸化物について七六年までというような案に最終的になりまして、ニクソン大統領はそれを署名いたしておりますから、これは上院の満場一致と責任者たる大統領とが合意したもので、したがってこれに対していま公聴会等で、日本やドイツの自動車会社も含めて、アメリカの巨大産業である自動車産業が猛然と、不可能をしいるものであるという反発をいたしておりますけれども、しかし昨日はラッケルズハウス環境保護局長が出席して、これは絶対に実行するのだ、そういうことは可能であるし、一社可能であればその一社の車だけは使えるわけでありますから、一社可能であってもやるのだというようなことを述べておりますから、あにこれは米国のことのみならんやでありまして、これを対岸の火災視いたしておりましたら日本の自動車産業というものはいずれ壊滅をしますし、自由化された時期はもう当然きておりましょうから、アメリカからくる車は国民の健康のために完全に管理された車である、日本の車はアメリカ市場に輸出もできないが、国内では公害をまき散らすことは許されておるという、そんな状態の存在することは許されないと私は思います。これについては単に貿易あるいは自動車産業という狭い視野でなくして、ただいまの御指摘のような考え方で、六月の一日、二日に正式の閣僚会議になっております日米公害関係閣僚会議において当然のテーマとして、両国共通の課題を設置して、場合によっては日本の国内においてもアメリカの法案と内容を一にした立法をする必要に迫られておるのではないかと私は考えておりますが、これはアメリカとの間にさらに相談をした結果、そういう姿勢をとることになるのではないだろうかというふうに思っておるわけであります。 そこで、ひるがえって、ただいま城戸首席より御答弁を申し上げました各種の分類された環境基準の設定がやや作業がおくれておりますし、三月中にはつくるつもりでありました騒音等が、今週あたりはできると思いますが、少し幹線道路等の自動車騒音でおくれております。こういう点は申しわけないと思いますが、しかし少なくとも環境庁が出発をいたしますころには大体環境基準その他の必要なものは全部整えて新しい役所の誕生に間に合わせる、それがほんとうの産婆役の使命であると考えますので、場合によっては法律そのものも施行がおくれる、海洋汚染防止法等ございますから、そういうもの等一、二の例を除いてはなるべく早目に、できる限りの環境基準の設定は終わっておきたいという考えで事務当局を督励しておるわけであります。
○和田(耕)委員 この問題は先ほどの実態調査、つまりこの実態をしっかり環境庁が把握するということと同じように、調整官庁としての役割りを果たすためには絶対に私必要なことだと思います。こういう基準がないと環境庁として各省庁に対してコントロールする、あるいは発言をしていくという根拠が非常に薄らいでしまうということですから、ぜひともこの問題について御言明のようなことを実施していただきたいと思います。 もう一つ、これは先日私と同じ党の西田君からの質問にありましたけれども、一つの例を引きますと琵琶湖の汚染の問題、つまり琵琶湖の汚染をいつまでに大体許容し得るような状態にするか、こういう問題についても私は一つの目標の期限を置くべきだと思います。この点大臣どうでしょう。
○山中国務大臣 具体的な地域の問題でございますから、具体的には事務当局より答弁をいたさせますが、環境基準の当てはめについて現在作業中でございましてこれは少しおくれますが、ことし一ぱいには終わるだろうというようなことはいっておりますが、特定の地域の問題でありますから、それらについて事務当局に説明をいたさせますと同時に、将来、近く大阪についても公害防止計画を決定いたしまして、流域下水道計画等が中心になるわけですが、その際に、大阪の人たちに供給する水のここが源でありますから、やはり隣接の京都あるいは奈良、滋賀の、琵琶湖等については計画の中に若干県知事さんの御協力を願って、その地域の発生源の環境基準を達成することはもちろんのこと、それに依存する大阪の地域の公害防止計画についても応分の、計画上も実行上も御協力いただくことにしなければむずかしいだろうと思っておりまして、いま関係者との間にその相談を詰めているところでございます。
○城戸政府委員 琵琶湖の環境基準あるいは規制基準の問題でございますが、これは経済企画庁のほうが所管でやってまいったわけでございまして、四十四年度に予備調査を行ない、四十五年度に水質基準調査を行なっております。環境基準の当てはめを現在作業中で、大体年内には当てはめができるということになっております。これに基づきまして、その達成のための排出基準を県がきめていく、こういうことになるわけでございます。何と申しましても、こういう排出規制をやります場合には、環境基準を早く当てはめまで作業を終わるということが一番基本になるわけでございますが、全体的に申し上げますと昨年度で四十九水域当てはめが終わっておりまして、現在作業を終わって閣議決定待ちになっておりますのが三十三ございます。そのほか大体百二十ぐらいについて設定を今年と明年で国を中心として作業を進めてまいるということになっておりますし、さらに県ではそのほかのものにつきましてやることになっており、現在では七十五水域程度は本年度中にできるという見通しになっております。
○和田(耕)委員 いまのような問題でも、これは各地方首長に権限を移管する、これはけっこうなことですけれども、しかし環境庁として相当強い姿勢でこれを督励しないとなかなか実現ができないという問題になろうかと思いますが、こういう問題についても、この実態の調査あるいは計画の実施について、環境庁はやはり人員を派遣して、そして調整をはかっていくというような気がまえが必要だと思うのです。そういうようなことを具体的に考えてみますと、いまの環境庁の人員と予算では何ともならないという感じがするわけです。この前も大出委員からの発言がありましたように九百三十億、そのうち六百億はあれだということのようですけれども、そのあとの三百億の半分くらいは――半分にはならぬと思いますけれども、いろいろの人件費その他のものに食われるということになると、なかなか実際そういうふうな仕事ができないというようなことにもなるわけであって、今年いろいろ考えられる問題をよく検討して、来年度の予算要求には本格的な一つの要求を出すべきであると私は思う。 それで、最近私アメリカに参りましてロスアンゼルスを拝見しましたけれども、ロスアンゼルスの大気汚染の問題は、よくわかりませんけれども、一見したところ東京よりもひどくないという感じを持ちました。東京はもっとひどいなという感じを持ちました。そういうようなロスアンゼルスでやっている対策と比べて、日本の東京のやっている対策というのはきわめて手薄であるというような感じを持ちました。この公害国会まで開いて十四あるいは十五に及ぶ基本的な公害対策の法律をつくったわけですけれども、ほんとうにつくったばかりなんですね、日本としては。これからこれを実行していけば、それは相当の公害対策先進国になる可能性はあるのですけれども、その実行する気がまえからいってきわめて長官、今年度の予算その他の具体的な対策が欠けておるという感じはいなめないというように私は思うのです。そういう点で、ひとつぜひとも今年準備をして、来年度には本格的な予算をつくってもらいたい、こういうように私は思うのです。 最後に環境庁の問題ですけれども、せんだって長官も言っておられましたが、日本は公害対策本部というものを総理大臣を長としてつくった。しかしこういうふうな単なる調整機関ではいけないのでということで、重要な問題については環境庁自身が直接管掌をするというような気がまえを含めて環境庁をつくったと思うのですけれども、将来、長官、各省にいま分離しておる公害関係の機関を、どのような機関を環境庁の内部に摂取していく必要があると思われるのか、あるいはその長官のお考えになる規模が環境庁に入ってきたとして、それがどういうふうな規模のものを長官はお考えになっておられるのか、この問題について御質問したい。
○山中国務大臣 いろいろな問題点を提起されながらの御質問でありますが、最初の琵琶湖の問題で一点だけ私たちの反省と申しますか今後の問題をお答え申し上げておきますと、水質汚濁防止法の場合あるいは海洋汚染防止法の場合に内水面における、ことに琵琶湖等において顕著な遊覧船とかあるいはモーターボート等の油について、若干ぬかっておる点がございました。これは環境庁発足後においてぜひとも内水面等を含めて補てんをしてもらいたい、法改正の必要があろうというふうに考えております。 さらにロスの問題は、見てこられたということで、たいへん貴重な御意見と思いますが、ロスアンゼルスの大気汚染はほとんどが自動車という発生源でございますので、さっきのマスキー法案とも非常な関連を持つわけでありますが、私も日米公害担当閣僚会議に参ります以上、ロスアンゼルスのそういう大気汚染管理測定システムの進んだ面を調べてまいりたいと思いますし、またピッツバーグ等も大気汚染、水質汚濁等ございますので、よごれたところばかり回るわけでありますが、そういうところも見てきたいと思っております。先般アメリカの友人が参りまして、アメリカはどうだ、デトロイトは最近どうだと言いましたら、たいへんデトロイトの大気汚染の防止は進んだ、昼間に太陽が見えるようになってきた、こういうことを言いますから、そうするとよほどひどいんだなと私は思ったのですけれども、しかし相手は専門家じゃありませんので、こういう問題等もやはりよく調べて、私どもが公害であくまでもそれを退治できない国として国際的な批判を受けたり、あるいは公害防止へのコストをしぶってダンピングをやっておるというような批判を受けたりすることのない貿易国家になるように努力をしたいと考えております。 そこで、将来の環境庁の構想並びにそれに対して予算をどういうふうにするかという問題でありますが、これは直ちに四十七年度予算ということで、そこまではまだ検討が進んでおりませんが、近い将来において建設省の下水道部門というものは、まるまるやはり環境庁に一つの局がふえることになると思いますけれども、厚生省の水道部門と合わせて、やはり環境行政の一番社会資本の底辺をなすものでありますから、どうしてもこういう方向にいきたいということで、これは建設省も反対をきわめて強くいたしておるというものではありませんで、大臣や事務当局の首脳部とは意見が一致しておりますが、環境庁発足の際は、下水道五カ年計画が新しく設定されたばかりでありましたし、また水道部が発足するという法案を提出しておるわけでありましたので、今回は一応見送りにしたという経緯がございますから、近い将来にそういうことが検討されていって、環境庁の機構、権限というものがそこまでいかないとやはり日本の生活環境の底辺の整備は困難であろうと考えるわけであります。 さらに次は、自然保護の観点からいきますと、各種保安林、建設省の関係の近郊緑地等を含めたそういう行政、まあ国有林野行政まで入れるかどうかの問題は検討を必要といたしますが、そういうような主として国として緑、自然浄化というものを守る先取り行政というものを、単に国立公園部の現在の権限や鳥獣保護、狩猟等を入れただけではない、もっと広い展開をしていかなければならぬと思います。 さらに、いま少しく広い時点で別な角度から見ますと、日本列島の環境保護の立場からする再点検、それとともに、日本列島の新全総の見直しあるいは経済社会発展計画の検討、それに伴う産業立地を含めた土地政策というものが将来は展開されていく行政の大きな課題になるであろうと考えます。これはやはり取り組みはすみやかに行なわなければならぬと考えますが、こういうようなことを考えますと、やはり将来の環境庁というものは、役所の名前が省に変わる変わらないは別として、相当大きな機構のものになっていくであろうと思います。まあアメリカの六千名というものに及ばなくとも、日本の世界に誇る環境保護行政というものから見て、相当規模の役所にまで自然になっていくであろうというふうに考えておるところでございます。
○和田(耕)委員 厚生大臣が忙しい中に時間を差し繰ってこられて同僚議員の質問に答えられるようですから、私まだ二、三点大臣に質問したいことがありますけれども、私の時間の都合がございまして、これは後ほど大臣に直接いろいろとお聞きすることにいたしまして、私の質問は終わります。
○伊能委員長代理 横路孝弘君。 横路君に申し上げますが、ただいま和田委員からのお話のように、厚生大臣は時間がいろいろと御都合のあるところを出ていただきまして、その他鈴切君、大出君等の質問もありますので、厚生大臣に関する御質問をひとつまず簡略によろしくお願いいたします。
○横路委員 厚生大臣の前に、ちょっと確認ですけれども、総務長官に公害研究所について本会議で私が質問したときに、研究機関から集まったいろんな資料を含めて、集まった資料というのは、これは国民のために広く公開する旨お答えになっていますけれども、その趣旨は変わりありませんね。
○山中国務大臣 それはまずデータバンクから始まって公害研究所ということになると考えますが、それらの資料は全部国民に公開するということであります。
○横路委員 そこで厚生大臣にお尋ねしたいのですけれども、いわゆる農薬の残留の問題で、母乳の農薬汚染について厚生省のほうで二十四の都道府県へ委託していろいろ調査をやられた。この調査について、先日新聞で、大阪における調査の結果というのが公表されたようでありますけれども、厚生省としてはこれについてまだ公表されていないようであります。これは一体どういうような経過になっているのか、まずこの点からお尋ねをしたいと思います。
○内田国務大臣 母乳が農薬で汚染されているということがしばらく前だったと思いますが、厚生省の耳にも入りましたので、子供の健全育成あるいは人間の健康を担当いたします厚生省といたしましては捨ておけないことであると考えましたので、全国四十六の都道府県のうち、たとえば母乳について検査、分析能力などがある都道府県、あるいはまた他の見地からそのような危険が、牛乳汚染等の関係からも考えて濃厚であるかもしれないという二十四の都道府県を選んで調査をしていただいたわけでございます。その結果が先般集まってきておることも、私は省内におりまして耳にしておりますが、そのまま申し上げますと、新聞が伝えておりますように、一部の地域におきましてはかなりの汚染濃度であることが報告されているようでございまして、私どもも非常に心配をいたしております。これをどうするかという問題を、実はこれらの報告が入りますと同時に関係の専門家にお集まりをいただいて現在検討中でございまして、これは一刀両断の対策はないように私も報告を受けておりますけれども、しかしそれにいたしましてもこの事態に対応して、そうしておかあさん方にも無用の心配をおかけしないような何らかの対応策を得たいとあせっておるわけでございます。したがって、その何らかの対応策と同時に事態を明らかにすることがよろしいのではないかと事務当局ではこれまで考えているようでございまして、その一応の対応策として考えられる処置を発表することもそう遠くはないように聞いております。それがいまの現状でございます。
○横路委員 新聞で報道されて承知しておるなんという問題じゃないのですね。五月十一日の産業公害対策特別委員会で、四月中にもう全部データが集まっているわけでしょう。抜き打ち的に新聞がそれぞれ独自に調査されて発表される、あるいは大阪なら大阪で発表されるということで、これはもう不安が非常に大きくなっている。結果を見てびっくりして公表を差し控えるなんというのは、私は許されないことだと思う。いま山中長官がお答えになったように、いままでは水俣にしてもあるいはサリドマイドの問題にしても、ともかくそういう事実をつかんだときにそれをすぐ公表しない。それは因果関係そのほかが科学的に明確になるまでとか、完全な対策をとれるまでなんということを待っていたら、それは五年、十年たってしまうということを過去の公害対策の歴史というものは示しているわけですよ。調査されて集められた資料をやはりきちんと公表をされて、そうして現実の対応としてはこういうものが必要だ、母乳がだめならばどうしたらいいかというようなことをお考えになっているわけでしょう。いま苦慮されているとおっしゃった。当面こういう対策が必要だからこういうものをしなければならぬというものがあるならば、それはもう一日でも二日でも早くきちんと厚生省として態度を明らかにすべきだと思うのです。何かそういうことをうやむやうやむやして国会が終わるまで待とうなんということは、私はこれは許されない。
○内田国務大臣 横路さんはたいへん悪意に御解釈のようでございますが、世の中のことは森羅万象、それは事実でございますから、牛乳が汚染されているばかりでなしに、母乳が汚染されているということも私は新聞で見たわけではなしに、そういう事態を各関係の都道府県からばらばらに厚生省に報告がありましたことも承知をいたしております。しかしそれをそのまま発表しますと全く対応策がない。赤ちゃんはおかあさんの乳を飲むな、しからば何を飲むか、こういうことになりますと、牛乳を飲むと牛乳のBHCの問題が御承知のようにこれまた心配になるような事態もございましたので、したがって一応これらのばらばらに報告された報告を整理をして、それに対する一応の対策を――いまそのまま一日にある程度ならばある程度汚染された母乳を飲んでいいのか、あるいは二日おき、三日おきに飲むならばいいのか、あるいは母乳をみんなやめて、そして牛乳なり粉ミルクなりにかえて飲んだほうがいいのか、あるいは他の薬品等と一緒に飲めばそれらのBHCか何かが分解されて体外にすみやかに排出されるのか、その辺のことも一応さわりながら発表するのがよかろうと思います。厚生省はトンネル機関じゃないから、一方の都道府県から来たら、はいといってそのままぱっと発表していく、非常に国民に不安を与えることは適当でないという事務当局の意見ももっともだと私は思いまして、一日も早く専門家を集めて対応策を立てて、それとともにそれに対してこういう対策を立てるべきであるということで、できるだけ早い機会に発表させたいと思います。国会を終わるのを待ってというような悪意は全くございませんから、善意に解釈していただきたい。
○横路委員 いまいみじくもおっしゃったように、牛乳が汚染されている。ほんとうは牛乳の汚染が問題になったときに、一斉にいろんな分野について調査をすべきだったと思います。粉ミルクだってBHCで汚染されているという研究報告だってあるわけです。一刻も早くこれはどうなっているということを国民全体が知りたいと思っているわけです。四月中にデータは集まっているわけです。だから私は、いまここで当面何をやらなければならぬのか、一体国民はどうすればいいのか。二百万近い赤ちゃんがいるわけですよ。そうでしょう。それについて、ともかくいろいろと検討して、何らかの対応と一緒にこれをやろう。牛乳の許容量が何かいまきめられようとしているわけですけれども、どうもそっちのほうと一緒にして適当な基準というものがつくられるおそれというものが一方であるわけです。だから、いま厚生大臣としては、全国の母親に、どうすればいいのかということを、いままでのところだけでもけっこうですよ、やはりこれは私は明らかにしなければならぬと思う。
○内田国務大臣 まことに御親切なお考えであると思いますが、全国の母親にどうすればいいのかということを発表をするのには、やはり厚生省としては思いつきだけ言うわけにいかない。母乳を飲むな飲むなということを申せば、それで済むものとも考えられません。厚生省の役人は三分の一くらいが医官、医師でございまして、別に政治的な意図を持つような人たちではございませんし、また厚生省外の医師、研究者等とも連絡組織網のある人々でございますので、鋭意私どものほうでは母乳汚染の対応策、完全な対応策ではなくとも、一応これはこう処置すべきであるということを検討中でございますので、間もなく、そのことをも含めて、全国の汚染状況をも国民の皆さま方に知らせるのがいいと考えておりますから、どうかひとつそのように善意におとりいただければ……。私どもも善意で処理をいたしておるわけでございます。
○横路委員 時間がありませんのでこれで終わりますけれども、実は三月二十六日の産業公害対策特別委員会でも、やはりこの問題が議論されていて、そのときには、事実が明らかであれば、厚生省のほうでももうすでにこの対策を考えていて、そして母乳の保育を中止させて安全な内容の栄養、たとえば調整粉乳、そういったものに切りかえる指導並びに調査というものを実施中だというような答弁を浦田さんというのですか、おたくの方が言っておられる。ですから、もうすでに対策だって考えておられるわけでしょう。私はそういうのを――サリドマイドの例もあるわけでしょう。厚生省もたもたしているうちにああいうたいへんな事件になった。今度もそうならないように、ぜひこれはお考えをいただきいというように思います。
○内田国務大臣 全くそのとおりでありまして、浦田君というのは実は医師であり、医学博士であり、また厚生省の役人でございますが、浦田君のみならず直接赤ちゃん、乳幼児行政をあずかる児童局長、いまもここに参っておりますが、をも含めまして、これに対する対応策はせっかく研究中でありますので、その御引用になりました公害対策特別委員会の厚生省の答弁というのは、そのことを申し上げているわけであります。 これについて、私はとんでもないことをまた言うようでありますが、その話を聞きました際に、牛乳の農薬汚染があります。今度は母乳汚染だというので、私は男性の精液汚染がないかどうかということ――これは私のような老齢になり、これも遺伝をする能力のないものは別といたしまして、このほうも調べてみろということを私は実は申し渡しているわけでございまして、これはおかあさんの母乳の汚染がどこからきたかということになると、牛のように稲わらを食ったわけではないと私は思います。それは果樹であるとか野菜であるとか、その他の要するに農薬の波及するところの何ものかから入っているものと考えますと、女性ばかりでなしに私は男性側も入っているということを考えますと、母子保健対策というものを取り上げている厚生省としては、そのことも考えるべきであるということを、私は厚生大臣として考えざるを得ないと思っております。(横路委員「とりあえず、この問題を早くやってくださいよ。」と呼ぶ)要らぬこととあなたはおっしゃるが、私はきわめて大切なことだと思います。
○伊能委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 厚生大臣は時間の都合があるということでありましたので、二問だけ質問をいたしますので、これをさらに再質問等しますと時間がなくなりますから、前向きにひとつお答えを願いたいと思います。 まず第一に、公害基本法に、騒音の環境基準をつくることが規定されております。すでに生活審議会の答申が出ているわけでございますが、建設省並びに運輸省の調整がつかないということで、いまだにそのままになっているわけでございますが、当然厚生省は人命を守る立場であるならば、そういう反対等によって答申が大きく後退するというようなことがあってはならない、私はそう思うわけであります。ゆえに、そういう点について、いつ出されるか、本気でやられるか、その点についてまずお伺いします。 それから第二番目は、この間山中総務長官にお聞きしましたが、大気の汚染防止法から、厚生省並びに通生省共管の硫黄酸化物の公害防止について、火力発電所を適用除外にされております。このような状態では、とうてい公害防止はおぼつかないと思うわけであります。なぜならば尼崎市における三つの火力発電所は、全市の八〇%の亜硫酸ガスを出しているわけであります。ゆえに、〇・〇八四PPM、基準の〇・〇五を大幅に上回っている状態であるならば、この規制というものがなければとうていこれが達成はできないことは当然であります。ゆえに、ばい煙の環境基準はいつおきめになるのか、硫黄酸化物、浮遊粉じんあるいは窒素酸化物、オキシダント、いろいろの問題等があろうと思いますけれども、これはいつおきめになるか、その点についてお伺いします。
○内田国務大臣 騒音の環境基準につきましては、早くから生活環境審議会に専門委員会を設けまして、そこで専門的な案が実はかなり進んでおったと私は報告を受けております。ところが、やはり騒音で一番問題になりますのは自動車交通の騒音ということになりますので、したがってそれは建設省、運輸省にも密接な関係があるというようなことで、必ずしも厚生省の専門委員会の案そのままが議論なしに閣議まで持ち込めるというような状態でもなかったとの報告も受けておりましたが、幸い公害対策中央本部というような、山中君がお世話をいたしております各省をまとめた機関もございまして、そういう方面のごあっせんもございまして、この環境基準の話が進みまして、近く、ごく近く閣議決定に持ち込める段階で、前向きに積極的に処理をされるという報告を受けておりますので……。(鈴切委員「ごく近くとは大体いつごろ」と呼ぶ)いま、五月中には閣議に持ち込めるだろう、こういう報告でございますので、そのように御理解いただきとうございます。 それから、SOにつきましては、もちろん環境基準もございます。いまの火力発電所等の硫黄との関係で、大気汚染防止法の直接の対象にするかどうかということは、前の国会で問題がございましたし、また前の国会におきまして、これは直接正面からではございませんけれども、側面から、火力発電所の規制ができるような、大気汚染法の改正も進んでおりますが、SOにつきましては、環境基準、排出基準等もございますけれども、浮遊粉じん等がまだ残っておりますので、浮遊粉じんにつきましては、六月中に先ほども触れました生活環境審議会から答申が参るはずでございますので、その答申が参りましたならば、私どものほうで検討の上、山中君のほうとも打ち合わせをいたしまして、これも引き続いて閣議決定に持ち込めると考えております。それから、これから季節的に例の光化学スモッグの問題がございますが、これは御承知のように窒素酸化物あるいはそれに紫外線等が作用したオキシダントというようなものの作用であるといわれておりますので、結局はオキシダントなり硫黄酸化物につきまして規制の対象に入れることが必要であると考えざるを得ません。そこで、幸い大気汚染防止法の有害物資でありますとか、あるいはある一定の場合における特定物資を政令で追加することはできますので、オキシダントそのものをもそういうものに指定をいたす準備を進めるように検討をいたしておりまして、これも六月二十四日までに政令を出さなければならないそうでございますので、その六月二十四日に出す政令には、オキシダント、窒素酸化物等をも入れまして規制の対象にする。したがって、排出規制、排出基準等も設ける、こういうことに進めておるわけでございます。
○鈴切委員 厚生大臣の時間の都合がございますので、私は厚生大臣にはこれでおしまいにしますが、あと公園部長はお残りになっていただきたいと思います。
○伊能委員長代理 大出俊君。
○大出委員 大臣、法律改正をされて、前公害国会において廃棄物の処理及び清掃に関する法律、こういうことになりましたね。そこで、この法律、政令委任事項がだいぶあるわけでありますが、大体いつごろまでに政令をおまとめになって、そこから先どういうふうに扱われるおつもりでありますか。
○内田国務大臣 たしか法律そのものを公布後六カ月以内に施行すると、こういうことになっておるはずでございますので、その施行をいたします際には、政令を伴わないと施行の実効があがりませんので、たいがいのものにつきましては、たしか六月二十四日でございますか、それまでに政令もそろえるようにいたしております。ただし、あのときごやっかいになりました法律の一部のものについては、六カ月じゃなしに九カ月というようなものもあったように記憶いたしますので、そのものにつきましては、六月ではなしに、それだけの期間、場合によりましてはあとにずれるというものもあるのじゃないかというふうに思います。
○大出委員 いまの大臣の御答弁を聞いておりますと、あまりお詳しくないようですから、あまり時間がないところで大臣を困らしてもしようがないですが、大筋だけいいますと、これは相当猶予期間を見てやりませんと実際問題としてはできない。今度の法律というものは、市町村の権限、都道府県の権限というものをはっきりさせたわけですけれども、そこで、たとえばおわかりいただきいいように申しますと、横浜市の例を申しますと、一日に、いわゆる一般家庭その他から出てくるごみが、一日の量でありますが、二千五百トン、今度のこの法律改正で産廃を含んで計算をいたしますと、もちろん推計になりますが、一日二千五百トンが一日五万トンになるんですね。そうなりますと、一体地上に落っこっているいわゆる廃棄物と称するものは、産業廃棄物か、しからずんば一般廃棄物になってしまう、法律上。どこに線を引くかという問題になる。環境庁の関係からいえば、最終処理基準というものは環境庁がっくるわけですが、そういうことになるから、線の引き方によっては、市町村の、つまりごみ処理負担というものは、一般廃棄物の範囲あるいは産業廃棄物の範囲、これがきまった場合に、はたして二千五百トンの今日的ごみ処理でいいのか、あるいはこれが一万五千トンにふえるのか、二万トンにふえるのかわからない。中小零細企業の側からすれば、なるべく一般廃棄物の範囲を広げてもらいたい、そうして自治体に預けたいという気持ちが強い。こういう事情にある。だからその点にあわせて、一体施設はどうなっているのか、技術的に、人はどうなのか、研究機関はどうなのか、 さて膨大に金のかかる処理施設はどうするかという問題が出てくる。さらに廃棄物処理公社みたい なものをつくるとすると、いまから幾ら急いでつくっても昭和五十年くらいまでかかる。そういうことになると、ここらのきめ方いかんではたいへんな混乱が起こる。ごみだらけになってしまう。だから、まずそこらのところをどうお考えになっているかという点、大筋を承りたい。
○内田国務大臣 お尋ねが公害関係の諸法律、先般の国会で改正されました諸法律の施行に伴う政令のことと私は考えましたので、一般的には施行の六カ月後、すなわち厚生省関係で準備をいたします政令等も六月二十四日までに整理をして公布をする予定だと申し上げましたが、廃棄物処理につきましては、さっき私が、一部のものについては、六カ月ではなしに七カ月であったか九カ月であったかという余裕期間があるということを申し上げました、それのほうに当たる法律でございますので、仰せのとおり一般廃棄物と産業廃棄物との線の引き方、またその処理基準等によりまして、町村がやるのか、あるいはまた特別の廃棄物処理の主体を県等が中心になって設けるのか、場合によりましては、おっしゃるように公社あるいはその他の主体も設け得ることになっておりますので、したがって基準のつくり方並びに現実にそれをどうきめるかによって、おっしゃるとおり、政令できめればすべてが片づくわけではございませんので、実際著しく増高しつつある廃棄物の処理に対応できるような形で当面政令をきめていかなければならないと思います。将来変えることは絶無ではないと私は思いますが、そういうことを考えまして、もちろん各市町村とも十分打ち合わせをいたしながら、また、これはたしか環境庁ができますと、廃棄物の基準についても環境庁と御相談を申し上げることになっておると思いますので、各省をも傘下にかかえております環境庁、またいまの公害対策本部とも十分打ち合わせまして、できる限りごたごたがないようにいたしたいと思っております。
○大出委員 いま一番最後のお話にありました、この法律に基づきます環境庁の分野というのは、廃棄物の最終処分に関する基準の設定に限るのですね。これだけが環境庁、あとはおたくのほうの権限になっている、こういう関係にあります。だから、やはり基準がどういうふうに定まるにせよ、おたくのほうがまずどうするかということをお考えいただかなければならない法律の趣旨であります。そこで、法律の三条によりますと、「事業者の責務」「廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」という、まず第一義務、責任は廃棄物を出すところにある、この原則は明確になっている。が、しかしこの法律全体をながめると、相当に市町村の責任分野というものは大きくなっている。なっていいと思うのですけれどもね、それは。だがしかし、現在一般廃棄物、つまり家庭のごみその他の処理にも非常な金をかけて苦心してやっている、それでも多様な要求が出てくるということになっているわけですから、そういう意味では、これは一つ間違えますと日常生活にたいへん大きな影響を与える、だからまず第一にやらなければならないことは、皆さんが、各都道府県の保健所のあるところが中心になるのですから、現在の清掃事業の状況把握というものをぴしっとしていただいて、どこに線を引いたらどのくらいの能力があって、やれるのかやれないのかという、そして金の問題、ここらのところまで十分前もってお調べいただき、相談をしてもらわぬと困る。大蔵大臣の答弁などによると、法律的な肩がわりができたんだからというので、あとはみんなおっつけてしまう答弁ですね、この前の公害国会の議事録によると。さすがに参議院で加瀬完さんがだいぶ食い下がって、法制局長官の読み上げた統一見解を取って、山中さんが翌日ものを言い直して、やっと通っている。その点だけ指摘しておきますと、山中長官が翌日お述べになりましたのは、国に第一の責任があるということを明らかにした。その上で、財政負担を地方に押しつけることはないんだという意味のことをおっしゃっている。それで決着がついている。こういういきさつです。そこで所管の省でございますから、この金の問題について、地方にたいへんな負担を押しつけることはしないという形になっているわけでありますが、その辺の、つまりどのくらいの金を用意すれば今度の新法に基づいて市町村がやっていけるかという点、大づかみにお考えになっておりますか。
○内田国務大臣 私は実は銭のほうの数字を覚えておりませんが、先般の産業廃棄物に関する法律は、従来の清掃法を拡大発展さしたものでありますことは御承知のとおりでありますが、自治労関係につながる方面からも強い御要望もございまして、私どもそれはもっともだと思う節もありますが、清掃という字を、タイトルを入れて修正を国会でされたり、また国会における討論の過程におきましても、市町村でやらせ得るものはできるだけ市町村でやらせたいというようなそういう御意向も多々ございました。またこれらの処理の費用、料金等についてもできるだけただにしろというような御意向もございまして、これは国民生活、市民生活の安定ということから考えますと、私ももちろん反対ではございません。しかし、もともと今度の廃棄物並びに清掃に関する法律が制定をされました後におきましても、一般廃業物の処理の業務というものは市町村の固有業務でもある、またそうあるべきだという国会での御意見もございましたので、いま申しましたような昔の清掃法の観念、たてまえを一掃するようなことであるべきではない、こういう意見も出たわけだと思いますので、自治法における条例のきめ方、また自治法におけるそういう自治団体のたてまえというものも生かしながら、しかしごみは大いにふえ、消費がこれだけ多くなって、廃棄物が多くなってまいりましたので、それの自治団体の固有事務が十分やっていけるような国からの助成なり奨励なりの措置を講じないと、せっかくつくった産業廃棄物並びに清掃に関する処理法もそこでふん詰まりというか、ごみ詰まりになってしまいますので、国の助成、補助あるいは起債あるいは技術指導等の面におきましても、私は国もできるだけ、山中長官がそういう答弁をされたということでありますならば、なおさら協力しまして、国が地方団体の仕事に肩入れをして法律の目的を達成するようにしたいと思います。
○大出委員 どうもさっぱり肩入れをしないで……。
○内田国務大臣 まだ出ておりません。
○大出委員 まだ出ていないというけれども、いままでに清掃法という法律があったんでしょう。これは例をあげたら、これは横浜の旭工場というごみの焼却工場です。これに必要な金は、予算の総額は三十六億五千二百五十四万九千円。三十六億以上かかる。これだけ金をかけて何トンのごみの焼却ができるかといいますと、三十六億かけて一日五百四十トン、二十四時間操業です。ところでさっき横浜の例をとりましたが、横浜市は一日二千五百トンのごみが出る。そこへもう一つ工場がございまして、これはいま旭工場という工場をつくっているわけでありますが、港南工場というのがありまして、ここで六百トンばかりが処理ができる。合計本年度九百六十トンというごみの処理が焼却工場でできる。二千五百トンから九百六十トンを引いた残りのものは山の谷間か海の底、そういうところへ捨てなければならぬ。ところが処分先がもう全くない。全然ない。話が一切つかない。本年度もすでにない。こういう状態になっています。だから二千五百トンのいまあるものを、線を引いたのをもっと上に引かれると、一番問題はまずその捨てる場所を考えなければいかぬ。そういうやりようのない不可能な問題が一つあるんだけれども、そのほかにこのごみの焼却工場を見ましても、この用地の購入費が四億二千七百万、用地造成費が三億六千八百万、建築費が十一億、焼却装置の費用が十五億、共通工事が一億九千万、こうなっていて、このほかに事務費が三百八十万ばかりありますけれども、合計三十六億ばかりかかるのですが、三十六億の中に国がいま相当な肩入れとおっしゃったが、相当肩入れしているかということになると、三十六億のうちで国庫補助というのが何とわずかに三千万。三十六億の金がかかるところに三千万奨励補助と称して補助金を出して、補助なり相当な肩入れなんて言われたって迷惑しごくだ。これはまるきりやってないでしょう、三千万ぐらいのものでは。県だって一億二千六百万を出している、三十六億の中に。神奈川県が一億二千六百万、国は一体幾ら出したか、三千万、こういうふざけた話になっている。この考え方を破らなければ、法律に書いて線を引いても、二千五百トンじゃない、一万五千トンにもなってしまう。そういうことになって、さて捨てる場所がない、工場をつくろう、公社をつくろうといったって、この奨励補助と称する当てがいぶちの三千万円流のことをやられたんじゃ、これは地方公共団体は絶対に責任を負えない。その辺の大臣の責任をいただいておかぬと、口で言うことは簡単だけれども、いま大事なことは口で言うことよりもやることなんだ。もちろん予算当局もありましょう。ありましょうが、予算を要求する側が大臣なんですから、この点をどうお考えになりますか。
○内田国務大臣 町村がし尿処理、ごみ処理というものをしっかりやってもらわぬと、市民はみな困るわけであります。でありますから、市町村の固有事務だといって国が涼しい顔をしていれば済むとは思っておりません。でありますから、ひとつ国ができるだけ肩入れをして、これだけの消費が行なわれ廃棄物が出るわけでありますから、これを処理するためにはいままでとは思いを新たにするような施策も必要であること、御同感だと思いますので、こういう法律ができて、これが九月から施行されるということでありますので、これは法律でありますから、予算じゃありませんから、予算を何億出すということは書いてありませんが、せっかくこういう事態、法律まで改正するような状況に応じて、私ども大蔵省にできるだけ強く要望をいたしまして、地方自治体のこの件に関する固有事務が積極的にまた円満に進むように肩入れをして、これから先、出していくつもりであります。
○大出委員 これから大いに肩入れをしてくれるそうですから、これは一般市民、国民が困るわけですから、これまた責任をいただいておきたいののですけれども、この法律ができると政令が出てくるだろう、線が引かれるだろうという予測のもとに、神奈川県と横浜市当局が相談をしていま進めておりますが、神奈川では廃棄物処理公社というのをつくろうじゃないかというので、学校の先生その他にいろいろ研究を始めてもらった。そうするとざっと計算をしてみて、まあとにかく第一着手としてやろうということで始めて、金が幾らかかるかというと、三百億要ります。法律の趣旨に従って、日常のごみと称するものは産業廃棄物か一般廃棄物か、こういう線をどこで引くかということと、本年度厚生省で言っていることを聞きますと、おおむねその考えは、ふやしていかなければなりません。二千五百トンじゃ足りません。そこで処理工場をつくろうということで計算をしていくと三百億です。そうなると、しかもこの三百億をかけてつくるものがどのくらいの期間がかかるかといいますと、昭和五十年発足しかめどが立たない、用地、工場その他を含めてですから。そこらのところをひとつ頭に置いていただかないと、相当な肩入れといったってなかなか前に進むものじゃない。もう一ぺんそこらのところについて、ほんとうなら政令をつくる段階なんだから、そこまでお考えいただいておかぬといけないんですがね。
○内田国務大臣 政令で基準等を書くことがおもなことになると思うわけでありまして、何分の一補助するとか、あるいはまた都道府県、市町村の状況によりまして、その金額などは書くことになっておりません。私に財政的に幾ら出すかということをきめる権限がございません。これはあなたが非常に熱心なのが私にも十分通じますので、また厚生省も法律まで出してごみの処理を促進してもらおう、こういうわけでありますから、何べんも申し上げますとおり、できる限り地方公共団体の廃棄物処理施設の体制整備につきましては、国からも協力をしてもらうように、今後とも、ことに概算要求期が八月に来ますから、強力に大蔵省のほうにも申し入れてやってまいりたいと思います。
○大出委員 これで終わります。 口は出すけれども金は出さないということでなくやっていただきたい。口は出すけれども金は出すということだけお願い申し上げておきたい。
○伊能委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 厚生省の国立公園部長はおられますね。――それではお聞きいたしますが、厚生省の国立公園部というのはどういう仕事をするところなのですか、その点まずお聞きしたい。
○首尾木政府委員 自然公園法に基づきまして、国立公園、国定公園を指定し、その指定区域内におきまして公園計画を立てます。公園計画というのは自然の保護の計画、それから利用の計画、そういったようなものでありますが、その公園計画に基づきまして各種の公園事業についての認可をする、あるいは公園内における制限行為についての許可を行なう、一般的なそういう監視を行なうというようなこと、並びに施設の整備といったようなことを行なうこと、これが自然公園法に関する主たる業務でございます。なお自然公園法には都道府県立公園という制度もございまして、これは都道府県が条例に基づきまして、都道府県立の自然公園を指定するわけで、これによりまして条例で同じく自然公園法に準ずる規制を加えて、事業の適正化をはかっていく、こういうようなことでございます。その他国立公園部としましては、現在所管をいたしておりますのは、国民公園でございますとか、それから温泉郷でございますとか、そういったような関係のものを所管をいたしておるわけでございます。
○鈴切委員 伊豆七島国立公園でございますが、伊豆七島国立公園は、御存じのとおり、東京から非常に近距離に自然環境が保持をされているということで、毎年毎年レジャーを楽しむ東京人並びに全国からかなりの方々が殺到をしているわけであります。しかも今日週二休制という問題も大きくクローズアップしている現在において、私はこの夏はかなりのレジャーを楽しむ方々が伊豆七島等に自然を求めて行かれるということは当然だと思うわけでありますが、伊豆七島におけるところのレジャーの傾向、ことしの大体推計というものはどういうふうでありますか、数字がおわかりにならなければその傾向等を一応お話し願いたいと思います。
○首尾木政府委員 先生のおっしゃいますように、伊豆七島につきましては、利用は、非常にたくさんな方々に利用をされておりますという状況でございます。四十三年度の統計によりますと約七十六万人が利用されているというようなことになっています。その後やはり交通機関の発達等によりまして、利用はさらに伸びていくであろうというふうに考えられるわけでございますが、四十六年度がどれくらいになるということについては、ただいまちょっと推計をいたしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、四十三年度に七十六万人でございますから、さらにそれを上回るであろうということが当然予想されるわけでございます。
○鈴切委員 その伊豆七島国立公園が、実は昨年の夏、ただならぬ廃油ボールで大きな被害をこうむりました。私も運輸省設置法でしょうか、そのときに海洋汚染防止法という問題について質疑をいたしました。それはそれとして、廃油ボールによって、水産資源は御存じのとおり、とこぶしあるいは岩ノリ、そういうものはくさくてほとんど食べられない、そういうことで、水産資源についても大きな被害が実はありました。それは農林省の関係でございますが、さらに厚生省の関係になってまいりますと、その廃油ボールが波打ちぎわに打ち上げられて、そしてそれがちょうど同じような色をした岩とまざってしまった。そしてレジャーを楽しむ、あるいは海水浴をする方々の足にくっつき、あるいは泳いでおってもそういうものがくっつくという事態が実は起こりました。私も急遽八丈島にその状態を調査に行ってきたわけでありますけれども、たとえばあの廃油ボールが足にくっつきますと、タクシーに乗ってもシートにべたべたと廃油ボールの油がくっつき、あるいは民宿、旅館等に行ってもふとんが廃油の油で使いものにならないというような苦情が実はたくさん出たわけであります。そうなりますと当然国立公園部というものがそういう厚生施設、そしてまた国立公園という環境保持の上から、こういう問題についてはただ東京都の地方自治体にまかしておくという姿でなくして、私は少なくともこういう問題については予算を計上して環境保全をすべき問題ではないか、このように思うわけでありますが、その点についてお伺いします。
○首尾木政府委員 お答えいたします。 結論といたしましては先生の仰せのとおりだと思います丁従来の自然公園の関係でございますけれども、この国立公園はアメリカとかカナダとか、そういったようなところのいわゆる営造物公園でございませんで、地域性の公園でございまして、その地域につきましては各法律が施行をされておりまして、それぞれに基づく行政が行なわれておるわけでございます。したがいまして清掃に関係をいたしますと、清掃の義務自体はやはり清掃法によりまして市町村が第一義的に責任を負うというような形になっておるわけでございまして、金の問題につきましてもそういう系統において組まれておったのが実情でございます。しかしながら自然公園の内部の国立公園につきましては、やはり国立公園行政というような立場からいたしまして、一般の地域を上回るそういったような清掃ということが特に留意をされなければなりません。したがいましてそういったようなことを今後拡充をしていかなければならないというように考えておるわけでございます。従来は国立公園内の集団施設地区でございます特殊の国の直轄区につきましては、約一千万円を費しまして美化清掃の費用を組んでおるわけでございますけれども、直轄地以外のところについては、先ほど申しましたようにこういう予算はなかったわけでございます。昨年の暮れの自然公園法の改正によりまして、国立公園地域内については国、都道府県、市町村が協力をして清掃につとめなければならないという条項が創設をされまして、それに基づきまして四十六年度予算には環境浄化対策費といたしまして約一千五百万円、補助率三分の一の補助金が計上をされておるわけでございます。この中身は施設についての補助金でございますので、ただいま先生の仰せになりました廃油ボールの処理といったようなことにつきましての、直接その経費にはならないわけでございますけれども、これらの問題についても重要な問題と考えておりますので、環境浄化対策費の拡充ということにつきまして今後とも努力をすべき問題だというふうに考えておるわけでございます。
○鈴切委員 総務長官、いま廃油ボールの問題を実は御質問申し上げているわけでありますけれども、この問題については、やはり国立公園の環境を守るということであるならば、私は少なくとも地方自治体の清掃法規だけにたよって廃油ボールを処理をしていくという行き方は正しい行き方ではない、すなわち東京都は確かにお金もあるので、その点について東京都が積極的にやったとしても、今後必ずそういう問題が起きたときに、少なくともそういうふうな環境保全をする国立公園に指定されているところは、これは国がやはり補助を積極的にやらなければならない、私はそう思うわけであります。そういう意味において、いよいよ環境庁もできる望みも大きくなってきたわけでありますから、そういう点について、少なくとも国立公園におけるところのそういうふうな問題を処理するには、予算を国が出すという方向に考えられないものだろうかというふうに私は思うわけでありますが、最後に総務長官にお伺いします。
○山中国務大臣 いままでの国立公園行政、国定公園も含めての姿勢でございますが、取り締まり行政という感じが非常に強かったと思います。特別保護地域その他、これは法律上の取り締まりを強要されておるわけでありますが、反面しかし、そのような私権を制限された場合に国は買い入れに応じなければならない。がしかし、その申し出を消化するような予算はわずかしか組んでいない、そういうようなちぐはぐなことがありましたし、国立公園関係の予算というものは逐年伸び率も非常に低いように思うわけです。厚生省の複雑な、ことに人の健康とかいうものの角度からが大きく取り上げられて、予算の問題点等に健保等がなるわけでありますから、ともすればその中でかすみがちであることは、省全体の中でやむを得ないことであったかもしれません。しかし今回環境庁というものの大きな中核に環境保全という仕事が入って、国定公園、国立公園の仕事が――もちろん国の仕事として国立公園は入ってくるわけでありますから、これはいままでの姿勢と違った姿勢を、行政の運用並びに必要な予算というものについては、新しい予算の要求においては十分画期的な姿勢を示さなければ意味がないと私は思っております。 そこで廃油ボールについては、これは原則的には海洋汚染防止法で、条約を受諾いたしました条件として、特定の原因以外のものによる、恣意に捨てられる廃油というものは、公海上においても条約の義務として禁止されることを守るわけでありますから、生活その他のいろいろの廃棄物以外は出さないことのたてまえになっております。これには廃油処理施設等の早急な整備というものが必要でありますし、これの整備に伴う使用者に義務づけをして、そしてそれがやみにまぎれてビルジ等を放出するという非道徳的な、反法律的なことの取り締まり、そういうこともきびしくなるでありましょうから、だんだんよくなってくるとは思います。しかしヨーロッパの国々から、国際海洋を最も油濁せしめておる元凶は日本がその最たるものであるという非難も一応受けておりますので、これは私どもの戒心しなければならない点であると思いますが、国立公園内におけるそのような廃油ボールの漂着による沿岸漁民あるいは観光その他のレクリエーション施設への被害、こういうものについて国は十分の直接の配慮というのをしていくべきであろうと思っておりますので、環境庁予算の要求にあたってはそういう問題の検討を当然しなければならぬと思っております。
○鈴切委員 最後ですが、西ドイツは健康保健省というあれを持っておりまして、自然公園とかそういうものについてはかなりの力を入れております。そういう点から言うならば、私は、この廃油ボールをただ清掃法の一部として地方自治体がやらなければならないという義務づけでなくして、少なくとも国立公園である以上は国がこれをとって、そしてきれいな水、きれいな空を戻すという意味において積極的にやらなければならぬと思うのです。ことしも、これから夏に入りますとレジャーが盛んになってまいります。伊豆七島はおそらくこれからはたいへんな人々が行かれると思うわけでありますが、海洋汚染防止法等によって少なくともだいぶ規制はされてきてはおりますけれども、しかしもしもそういう廃油ボールが海流等の関係でことしも砂浜に漂着し、あるいはレジャーの施設等に大きな被害があった場合においては、これはどういうふうにしてこれを国として処理をされるか、最後にお伺いをいたしまして終わります。
○山中国務大臣 ことしの予算においては、たとえば廃油ボールに限って申しますと、国定、国立公園内における市町村がそれを行なう場合に、国が対応すべき予算等は講ぜられておりません。しかしながら、ごく最近になってその問題があちこちで提起されておりますので、最悪の場合においては必要な措置等を予算上もとる必要があろうと考えておりますが、姿勢としては四十七年度予算にぜひそういう考え方を盛り込んでいくべきだと思っております。
○伊能委員長代理 横路孝弘君。
○横路委員 二時から本会議ということで、時間がありませんので、簡単に基本的な問題について二、三お尋ねをいたしたいと思います。 いままでのいろいろな議論の中で、公聴会を開いて、公述人の意見も含めて、やはり公害対策基本法の改正で経済との調和条項が削られた、公害の行政を一元化するための環境庁の設立にみんなが賛成しているわけです。そしてその一致点としては、人間の活動があって環境が悪化して、人間に具体的な被害が出たというような意味での公害対策ではもうだめだ。それから公害対策ではなくて環境保全という立場からのこれからのいろいろな行政のあり方というもの、これがみんなの一致した意見ではないかと思うのです。 この間の本会議のときにカメの話をしたわけでありますけれども、ビニールを食べてそれで腹が一ぱいになったカメが、空腹感を覚えることができなくて結局餓死をしてしまったというような、カメのことが実は三回くらい新聞で報道されているわけです。そういう自然環境の状況になってきているわけです。また二、三日前の新聞には、巣の卵の前でもってしょんぼりしているハトの写真が出ていて、その巣がみんな鉄くずだ。いろいろな木の枝とかわらなどというものがなくなったものだから、ハトは何を集めて巣をつくったかというと、鉄くずを集めて巣をつくって、卵が一つぽつんとあって、もちろんふ化することはできないわけです。そんな写真が出ていたようであります。 こういうような現状というものを私たち見るときに、ほんとうに日本の状況というものはたいへんな事態に来ているのではないかというような気がするわけなんで、その辺のところの基本的な姿勢というものは、やはり従来もそうでしたでしょうし、今度は公害対策庁でなくて環境庁という名前にされた。名前だけはそうされたわけでありますが、実態的な規定はどうかというと、非常に不備がたくさんあるのではないかというのがやはり一致した意見であろうと思いますが、そのあたりの基本的な認識について、総務長官はどのようにお考えになりますか。
○山中国務大臣 もの言わぬ野鳥あるいは水産動植物、こういうものは現実にいま言われたような被害というものを身をもって示してくれますし、さらにまた樹木等においても、東京都心等において落葉が真夏に行なわれたり、あるいは三度落葉したりというようなこと等が昨年あたりから目につくようになってまいりました。しかしこれはやがて人間の運命を暗示しているような気も私はいたします。そういうような状態に対して人間がどのように立ち向かうことができるのか。これはやはり私たちが後世の子孫たちに向かって、私たちの環境をどのようにして伝えていくかの課題を迫られておるものであろう、これは現代に住む私たち、ことに政治家の責務だと私は考えております。そういう意味において、伝えられるようないろいろな状態というものは、もの言わぬ動植物等が私たちに訴えているものであるし、また植物等は敏感に人間以前の反応を示しているのだというようなこと等を考えますときに、やはりこれらの問題についての自然保護のあり方というものは、先般来議論しておるわけでありますが、ただでさえ狭い日本の居住環境の中で、どのようにして日本列島というものをレイアウトし直していくか、産業立地はどのようにきめていくか、通産が単に行政上の立地条件だけをきめていけば、それでいいものであってはならないというようなこと等も考えておりますので、未来への展望として、環境庁に与えられた仕事というものは、そのような問題を踏まえて、やはり公害の防止はもちろんのことであります。これは公害を起こしたことが間違いなんでありますから、それは今後絶無を期するとともに、その以前の問題であるむしばまれつつある環境、あるいは自然、動植物、そういうものについても、私たちがどこまで守っていけるかという問題は、数多くのデータを私たちの前に提供しております。油によって飛び立てなくなった渡り鳥というようなこと等もいわれております。こういうことで、環境庁の姿勢というものは、非常に大きな問題がございますから、ただいまの御意見のような方向に環境庁の運営の基本的な方向というものをしっかりと腰を据えていくべきであると思います。
○横路委員 おっしゃるように、やはりこれは自然界からのわれわれに対する告発だろうと思うのですね。そこで、いまさっき和田委員のほうからも話があったのですけれども、いまの状況というのは、ともかく実態の把握というのが非常におくれているということは、まずだれもが否定しない事実だろうと思うのです。そこで、自然環境というもの、あるいは環境保全という立場に立って、やはりまず人間に被害が出る前に自然界、動植物にいろいろな被害が出るということであると、まずその動植物の状況がどうであろうかというような現状把握というものも私はやられる必要があるのじゃないか。たとえば東京都ではことしから三年かかって三年計画で植物についての植生図と、動物の生態、動態図を東京都内だけにやっていこうという、そういう計画があるようでありますけれども、私はこういう問題というのは当然国としてやるべきだと思うのです。山を切り開いてハイウエーが走るということになると、その辺の植物に非常に大きな排気ガスによる被害が出る。ある種の木がそこで力が弱くなると、その辺一帯の植物の分布は変わってきてしまうというようなことが、いろいろ生態学的にいわれているようであります。そういう植生図とか動態図というものの現実をきちっととらえる、現実をつかまえなければ対策というのも出てこないわけでありますから、その辺のところをまずやるべきじゃないか。ほかにもそれはたくさんやることはあるわけでありますけれども、そういうものの一つとして植生図や動態図、鳥類の分布図でもいいですけれども、そういうものをつくるということをおやりになることが必要じゃないかと私は思うのですけれども、どうでございますか。
○山中国務大臣 これは東京都を中心とした野鳥の生息分布図というものが、昭和三十五年から今日まで比べますと、明瞭にしかも逐年後退をしております。いわゆる海岸から遠ざかってしか野鳥は来れなくなっておる。こういう環境等もいわれておるわけでありますし、先ほど申しました植物等の植生図などもやはり必要なことでありましょう。生態学的な角度からの科学的に分析されたそういうものは、やはり将来日本として持たないといけないと思いますし、国立公害研究所というものは、単に公害防止機器の科学的な発明だけをやるわけじゃありませんから、そういうような問題等もテーマの一つとして、前提に持って出発しなければならぬと考えます。スイスに本部のある国際自然保護連合、こういうものの支部一つ日本はまだつくっておりません。そのために、恥ずかしいことですが、トキを絶滅から守るために国際自然保護連合のほうからえさ代に補助金を送ってもらっておるというようなこと等がありまして、日本はそれに対して加盟する機構もできていない、こういうこと等がございますので、日本の国内にもいろいろな公的な、あるいは私的な自然保護、鳥獣保護等の団体がありますから、これらをいま私どもの手元で、政府の法人として国際自然保護連合の下部機構になるように促進をしつつございます。基本財産の形成ということについても、このような問題については金を出す人が実はあまりよけいいないものですから、二千万の基本財産の形成に非常に困っておりまして、農林省畜産局等と相談をいたしまして、やはり同じ生きものである競馬益金の収益等を、これらの自然動植物保護の基本財産に対して団体に援助はできないか、こういうような法的な解釈等もいま相談をしておるわけであります。これは民間に責任の転嫁をしようというのではなくて、こういうようなこと等もやはり国際的に見て、日本は、会長であるオランダのベルンハルト殿下から直接指摘もされておりますので、ぜひともそういうものもつくり上げていきたいと考えておりますが、ただいま言われますようなことは、私どもすべてが、環境庁のあり方の中で基本的な大前提として踏まえて出発をしてもらいたいと願っておるところの一つでございます。
○横路委員 いまの、たとえば植生図とか動態図とかいうものは、結局民間団体の有志がやってきているものがいままで若干あるわけでありますけれども、これは役所の管轄からいうとどういうことになって、もし環境庁が出発した場合には、これは一体根拠というのはどこになるわけですか、この法案からいうと。
○山中国務大臣 その団体の点については触れてございませんが、さしあたりは現在総理府においてお世話を申し上げて、まずそういう民間団体を一本に統合して、国際自然保護連合の下部機構としての日本の機構をつくり上げる努力をいたしております。そういうものができ上がりましたならば、これは鳥獣保護あるいは狩猟等の行政が環境庁に移りますので、それらを受けて当然環境庁の所管する法人となっていただきたい。私どもは一応お世話をしてすみやかにつくり上げるということで、いま努力をしておるわけでございます。
○横路委員 その問題はそれでよろしいですけれども、たとえばこの植生図をつくるというようなことになりますと、それは環境保全という立場に立つということになると思うのです。実際この法案からいうと、それはどこに該当いたすわけでしょうか。四条の十五号あたりの該当でやるわけですか。
○山中国務大臣 十五号で「七号から前号までに掲げるもののほか、自然環境の保護及び整備に関し他の行政機関の所掌に属しない事務」というばく然とした言い方をしておりますが、明確にほかに出ていないということからいって、そういうことを今後やる場合において、この十五号はその根拠法規の一つになるであろうと考えます。
○横路委員 つまり、従来の公害とまた違った観点からいろいろな行政をやるという場合に、従来の役所のいろいろな所管業務に入らないものを環境庁が拾ってやらなければならぬわけですね。そうすると、この四条の十五号というのはできるだけ拡大して解釈をして、運営をしていくということが必要じゃないかと思ってお伺いしたわけでありますが、そういうことを含めてやるということであれば、それでけっこうであります。 そこで、ひとつ環境基準の問題、先ほどもいろいろお話がありましたけれども、この環境基準の設定そのものも結局人間の被害という観点でやはりとらえてきたわけですね。もうちょっと、人間の被害ということじゃなくて、自然環境の保護というようなあたりに環境基準の設定も考えていく必要があるのじゃないか。これは一酸化炭素にしても、亜硫酸ガスにしても、いままできめられているものについては、どうしても人間的な被害というものがやはり一つの基準になってきた。もうちょっとそれを拡大して、一酸化炭素の被害だって、人間だけでなく植物だって被害を受けておるわけです。そのことは、植物というのは光合成によって酸素を供給しているわけですから、結局われわれのところへ非常に大きな影響もくるわけです。そういう環境基準の設定についてもやはり従来の考え方を転換する必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○山中国務大臣 これは、水質についてはBODその他をきめます際の基準の一つに、魚が住めるというような状態等をいろいろと仕分けしていることは、横路君御承知のとおりであります。しかしながら一方、大気のほうについて、環境基準の中でそういうものが設定されるに至っていないということについては、まさにそのとおりでございますが、これの環境基準というものは非常にむずかしいと思います。キンモクセイが東京の環状七号線以内では咲かなくなってもう四、五年たっておる。
○伊能委員長代理 ぼくの家のは十年……。
○山中国務大臣 十年 ほどたったという委員長の有力なる証言もございますから、これを採用することにいたしますが、要するに、もう数年以上前からキンモクセイが咲かない東京都、ということは、これは単に情緒的なものの言い方ではなくて、そういう空気の中で育っておる子供たちの顔色一つ見ましても、私の家なんかもそうですが、やはりほおに血色がない。赤々としたほっぺたをした子供が見られない東京都、ということは自然環境、モクセイの花の開かない空気の中で子供が育っていく、しかも、貴重な成長期にほっぺたに赤みのない子供というのは、将来おとなになったときに――民族の一割の住む東京に限ってはそういう子供になってしまうのか、これはおそるべきことであるのかもしれません。これらについては環境基準等の今後の作業の中で考えていくべき問題であって、水質だけでとどまる問題ではないと考えます。
○横路委員 たとえば現実の問題としては、あとで伺いますけれども、さっきの母乳の農薬の問題一つとってみても、われわれに現実的被害が発生している、その対策さえ十分できていないときに、何かちょっと先走った議論をしているように聞こえるかもしれませんけれども、やはり非常に大切なことだろうと思うのです。だから環境基準だって、われわれ人間にとって緑というものがどれだけ必要なのか、目で見える緑がなければならぬというのじゃなくて、やはり光合成によって酸素が供給されておる、つまりわれわれの生活活動にとって緑がどれだけ必要なのかということで、公園なり何なりをつくっていくような、そういう意味の環境基準だってつくっていかなければならぬと思うのですね。そこら辺のところはどうですか。
○山中国務大臣 たとえば東京都内で相当な森があるといえば、皇居もその一つでありますが、やはり皇居の中の亜硫酸の着地濃度というものは周辺に比べて非常に低い。これはそういう貴重な植物が繁茂していることによる、先ほど申された植物の酸素を放出していく過程における中和作用だと思うのですね。ところがその中で一番先に枯れていくものがモミである、その次が赤松である、そして次が松であるという順序がはっきり出てきているそうです。そういうようなことを考えますと、そういう自然環境というものがもの言わぬ樹木に対して忍び寄ってくる姿というものを植物が自分の死をもってはっきりと示しておりますから、そういうことで、植生図が死によって自然に示されつつあるということも一方には言えると思うのです。 その意味において今後の都市公園、近郊緑地、こういうもの等についての私たちの考え方というものは、みんな一軒にそれぞれ木を植える努力をしましょう、こういう呼びかけを東京都あたりもしておるようでありますが、残念ながらいまの日本は、あじけない鉄筋の箱の中に生活を求め、ねぐらを求められればそれで一応自分のマイホームを得たという感じを持っておるという住宅状況にあります。それでも諸外国、特に北欧等は日照時間の少ないせいもありましょうが、それぞれの狭いベランダ一ぱいに花やその他を咲かせて目を楽しませてくれておるし、生活のアクセントを持っておる。家庭という字は家と庭と書きますから、日本の住宅政策というものがはたしていまのような無味乾燥な鉄筋の林を林立させることだけで足りるのか、ここらも私たちに問いかけてくる問題の一つでありましょう。そういう意味において、横路君の言われることは決してとっぴな意見ではないし、また私たちは具体的には困難であってもそういう実態をよく踏まえて、これは人間の中に目に見えない状態が同じような度合いで進行しているんだということを知って取り組んでいかなければならない無言の警笛だというふうに考えます。
○横路委員 この議論はこれで終わりにしますけれども、実際問題に入ると、そんなことを調査するだけの機構も予算もなかなかないという現状なんです。 そこで、さっきの農薬の汚染の問題について少し質問していきたいと思うのですが、その前に、公害研究所に集まった資料については公開をするということを先ほどおっしゃられたわけであります。九条二号に「公害に関する国内及び国外の資料を収集し、整理し、及び提供すること。」という規定があって、データバンク的役割りを果たし、そしてそれを広く国民に公開をしていくということだが、従来の公害問題の行政によりますと、今度の、先ほどお話ししましたBHCの問題についても、データが集まっていながらこれを公表しない。二四五Tの問題についても、林野庁で一月か二月の段階で非常に危険だというような実験結果が出ながらやはり公表されなかった。そういういろいろ研究されたり調査されたりしたことをすばやく一つに集中をして、それを公開をする。対策がないからこれを公表して国民をびっくりさせては困るから公表しないとか、これを公表したらある企業について不利になるから公表しないということではいけないと思うわけです。 そこで、資料公開というのは非常にけっこうなことですけれども、具体的には国立公害研究所というのはどのようにして資料を集められるのですか。いろいろ調査研究をやりますね。それが自動的に国立公害研究所に集まるような仕組みというものをきちんとつくっておかないと、各省庁はそれぞれのなわ張りの中で資料を提供しないということになると思うのです。そうすると、国立公害研究所というものはどの程度の権限を持っているのか、現実にどういうルートでどうやって資料を集める体制をつくろうとしているのか。その辺のところを少し明らかにしておいていただきたい。
○山中国務大臣 国立公害研究所は環境庁の所管の研究所になりますから、環境庁の長官の権限である第六条の権限がすべてかぶるわけです。したがってこのデータを収集し分析し解析して、それをまた一般に公開し国際的な討論の場に供するというような仕事も、当然環境庁長官の権限の行使によってやっていけるものと思いますし、本来の国立公害研究所の研究が、各省でばらばらに行なわれておりまするようなものをテーマごとに総合的に取り上げて結論を出していく研究所になるわけでありますから、この点は相当有効に活用されると思います。いままでのように役所の中だけで巡回したり、あるいはまた確信があったにしても農林省の食糧行政と関係なしに米の汚染と要観察地域の基準とがばらばらに発表されて米作農民や消費国民に多大の混乱を与えたというようなことは、この環境庁が発足いたしますと大体絶無に近くなるというふうに私としては思っておりますし、データバンクには広く民間の資料も協力を呼びかけて収集したいということまで考えております。
○横路委員 ちょっと触れられましたからお聞きしたいのですが、六条のこの勧告権ですね。科学技術庁なんかでもこれと同じ権限があるのですが、調べてみたら、いままで一回か二回しかその勧告権を行使したことはないというのですね。規定があっても、これを使うかどうかということになると、現実に科学技術庁はいままでほとんどやっていない。こういうことになっている。結局そういう正式な勧告権なんというものを行使しないで、中でお役人同士が適当に話をして処理をしてきたのでしょうけれども。そこでこの勧告権の中身ですが、この間の公聴会の公述人の意見だと、もうちょっと各行政分野に介入をして調査する権限というものを与えるべぎじゃないかということでしたが、それはこの解釈からはちょっと無理だと思うのですね。各行政官庁に対して、行管が持っているような調査権限を付与する必要があるのではないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。
○山中国務大臣 これは直接調査するかどうかの必要性の問題ですが、「環境庁長官は、環境の保全を図るため必要があると認めるときは、」ということが第六条第二項に書いてございます。そういう場合に「関係行政機関の長に対し必要な資料の提出及び説明を求める」ここから始まるわけでありますし、それをやってくれなければ次に勧告もしますし、勧告をしたら報告をしなければならない。報告もしないし、勧告に沿わないことをやれば内閣法第六条の総理の権限要請をする、こういうことになるわけです。ところで現在、公害対策本部は総理を長としておりますから――公害対策本部を設置いたしますときの閣議決定の取りきめの第一項に、内閣にこの公害対策本部というものは置くのだ、したがって総理府には置いてございません。役所は、一応建物はそうですけれども、法律上は内閣に置いてあります。そして総理大臣が責任を行使することになって、私が副本部長となっておりますが、副本部長たる私は、総理の各省庁の長たる大臣を指揮する権限を要請したことは一ぺんもありません。しかしながらその権限が与えられているということは各省庁にとっては非常に大きな、悪くいうと受け身な脅威でありまして、私の行動というものについて、並列の大臣がやりまする場合においては絶対に承知しないであろう、あるいは閣議で切り返してそれを反対するであろうと思われることでも、閣議に上げる以前に大体私の意図する方向に各省大臣も含めて関係省庁が納得をして賛成をしてくれたというのは、まさに背後に、そのような権限を直ちに行使できるぞということがきまっていたからだと思うのです。まあ人にもよりますけれども、この環境庁の長官に与えられた第六条第五項の規定というものは私は今後発動されないことを希望するし、場合によっては発動し得るということが非常に大きな力となって行政上強力な展開ができるのだ。科学技術庁とは少し性格を異にいたしますから、その意味において、私としてはこの項目は非常に特異な項目の一つであるというふうに考えております。
○横路委員 それでは時間がございませんので、農薬の問題について少しお尋ねしたいと思います。 行管がことしの一月に勧告をしているわけでありますけれども、一つは食品の残留農薬調査ですね。これは厚生省のほうにお尋ねしますが、この結果によると、四十四年までに二十三の食品の調査結果が出ることになっているが、四十五年十一月三十日現在、これがわずか十四の食品にしか及んでいない。しかもこれを国立衛生試験所の食品部でわずか四人の研究員で担当している。しかもそれに専従しているんじゃなくてほかの仕事もやっているんだ、こういう勧告が出ているのですが、いま非常に大きな問題になっている中で、わずか四名で、これだってなかなかできないわけなんです。この勧告に対して、厚生省としてどういう措置をとられたのか、お答えいただきたい。
○武藤政府委員 残留農薬の許容量の問題につきまして、計画がおくれているものにつきましては、四十六年度までに計画のおくれを取り戻すように、現在環境衛生局と私どもの所管しております衛生試験所のほうで努力をしております。 それから先生の御指摘の人数の非常に少ない点でございますが、なかなか定員増等が行なわれないような状況でございますけれども、今後は衛生試験所部内のいろいろな事務の合理化等をはかりまして、当面急を要しますこういう問題につきましては拡充を考えていきたい、かように考えております。
○横路委員 そうすると、具体的にそれに対する対策というものは、もうとられているわけですか。四十六年度じゅうに全部終わる、こういうことで進められているわけですね。
○小島説明員 先生御指摘の食品中の残留農薬の設定につきましては、いま局長から説明いたしましたように、四十六年度じゅうに何とか落ちつけたいということで努力をいたしておりまして、具体的に申し上げますと、この夏から秋までに私どもとしては、八つないし十くらいの食品の追加を行なう予定でございます。また農薬の数につきましても、有機燐酸剤を中心に五農薬程度の追加を行なう、さらに来年に入りまして、四十六年度じゅうにおくれている分の追加もいたしたい、そういうふうに努力をしておりますが、確実におくれを取り戻せるかどうかということは、私どもとしては、作業を始めましていろいろ因難な面も出てくるかもしれませんが、少なくとも現時点におきましては、おくれを取り戻したいということで努力を重ねております。
○横路委員 それは人員はやはり四人でやるわけですか。
○小島説明員 人員につきましては、私どもも実は先生の御指摘もありましたとおり、非常に十分でないということを考えておる次第でございますが、しかしながら、私どもとしても毎年要求いたしまして、なかなか人員の増というのはむずかしいということでございます。現在私どもとしては、与えられた陣容で最善を尽くしていくという形でやっておるわけでございますが、さらに四十七年の要求におきましては、増員をぜひはかっていただきたいということで、これを所管の薬務局とも相談をいたして、お願いをしている次第でございます。
○横路委員 同じように、農薬の慢性毒性の試験ですが、これは毒性部でやっているわけですね。やはり同じ問題が指摘されているわけですが、約四百種類に及ぶ農薬の毒性というもののそれぞれについて、いままではほんとうにこの毒性の非常に強い、大きな問題になったものだけを、わずかしかやっていないわけです。全部について点検をするということになれば、これもわずか四人でやるということになれば、一体何年かかるか、非常に心もとない次第だと思うのです。この指摘の中では、農林省は農林省の付属研究機関だけじゃなくて、いろんな大学とか民間等の研究能力というものを組織的に結集をして、共同調査研究を実施しているが、厚生省はその点何にもやっていないという指摘があるわけです。その四人で幾ら一生懸命でやったって、これはもう人間の能力というものが限られておりますから、研究内容がずさんになるか、あるいは時間がかかって先にいくか、これはどちらかというのは明らかですね。やはりそういう組織的な体制というものを考えなければならぬと思うのですが、この毒性試験のほうを含めて、どうですか。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕
○小島説明員 先生の御指摘のとおり、国の研究機関だけでやっていくということについては、いろいろわれわれも困難な面がございまして、実は昭和四十六年の予算から、私どもとしては残留農薬の実態調査につきましては、都道府県の衛生試験所の協力を得ることにいたしまして、この点については、予算措置をしていただきまして、現在都道府県とすでに打ち合わせをいたしまして、仕事を進めております。これも私どもとしては非常に助かることでございまして、現在の仕事の約半分ぐらいは都道府県でやっていただくという体制がようやくとれるように至ったわけでございます。これをなぜもっと前からやらなかったかということでございますが、実は私どもとしては、都道府県の検査体制の整備ということも急いでおりまして、ようやく都道府県のレベルが国と協力してそこまでやれるというとこまでまいりましたので、これについて始めたわけでございます。 それから毒性調査の問題でございますが、現在、先生が御指摘なさいましたように、農薬には四百種類くらいあるということでございますが、実際に私どもが食べます農作物に直接使う農薬というのは大体四、五十種類でございます。そのうち日本で非常に広く用いられているものは、約二十から三十種類の範囲でございます。その中で毒性の問題につきましては、実は国連にWHO、FAOという機関がございまして、そこと協力をいたしまして、世界各国が協力をしてその毒性評価をやっておりますので、たとえばBHC、DDT等につきましては、そういうところの資料があるわけでございます。現在私どもとしては、そういった評価のないものを日本独自でやはりやっていかなければならぬということで計画をいたしております。それからまた、新たに農林省に申請になりまして許可になりますものにつきましては、これは別途毒性をチェックするということで、従来ありますものの洗い直しは、大体昭和四十八年度までを目途に終了するということでやっておりまして、この点につきましても、行管のほうから御指摘がありましたように、一部計画のおくれはあるわけでございますが、私どもといたしましては、これは国立衛生試験所と協力をいたしまして、何とか計画どおりの実施を進めていく、それにまた先生の御指摘のございましたように、民間機関との協力というものも、実は四十六年度から農薬につきましての一部は民間に委託するということで研究費も取りましたので、そういうことで進めておりますし、また先生御案内のとおり、厚生省の所管ということで食品薬品安全センターというものが設立されたわけでございまして、来年初めからおそらく動き出すということも考えられますので、そちらにもまた試験研究をお願いする。それからまた、農林省と厚生省の共管でございますが、残留農薬研究所が本年度じゅうには試験をやれる体制に入れますので、そちらにも試験をお願いするということで、先生御指摘がございましたように、いろいろ総力を結集しまして、何とか早急にこの問題に取り組んでまいりたいというように考えている次第でございます。
○横路委員 民間の委託ということになれば、一つは企業との癒着の問題がここから出てくるわけでありますし、外国の資料について、いろいろ委嘱するといっても、たとえば農薬の使用というのは、各国によってどの農薬がどれだけ使われているかというのは違うわけでありまして、一がいにそれを持ってきてそのまま当てはめるというわけにはいかない。日本では特にきびしくしなければならぬ農薬だって出てくるわけですね。その点については、そういうことで四十八年度までに一応いまあぶないといわれている分野については完了するということですが、それはぜひやっていただきたいと思います。 それでBHCの母乳に対する問題なんですけれども、この調査は四月中に全部の委託された都道府県からもう上がってきているでしょうか。
○坂元政府委員 本年の一月から三月にかけまして、二十四都道府県にお願いしまして、母乳の汚染調査をやってまいったわけでございますが、何ぶんにも各都道府県の検査能力というような関係もございますし、それから初めての調査というようなこともありまして、私どもが委嘱しておりました三月末というのが約一カ月近くおくれたわけでございます、各都道府県からの報告が。したがいまして、五月の初めくらいから、全国の集計がまとまりましたので、その内容等につきまして、専門家グルーブ等にお願いしまして分析、解析をやっていただいているわけでございます。したがいまして、当初の予定よりも約一カ月近く私どもの計画がおくれたということに相なっているわけでございます。
○横路委員 その集まったデータですけれども、大阪とか佐賀とか、いろいろ新聞では報道されているわけでありますが、やはり大体このくらいの結果というものは出てきているわけですか。
○坂元政府委員 大阪あるいは佐賀県等で非常に高い数値が出ているという新聞記事でございますが、全国的な平均をいたしますと、あそこまではいっていないわけでありますけれども、ただ、この母乳調査ということ自体が、御存じのようにいろいろの調査の対象の取り方等によりまして若干の誤差というものがあり得るわけでございます。したがいまして、そういうような点も、私どもは今後の分析の結論を出す場合の一つの検討課題になるわけでありまして、若干高いところはすでに御案内のとおりの数字が出ておりますが、そうでないところもやはり相当あるわけでございますので、ここらあたりの数値自体をどう評価していくか、これを専門家グループでいま検討してもらっているわけでございます。
○横路委員 大体高いところというのは、牛乳の汚染の高いところについてはいままで調査された結果というものがあるわけです。あの汚染と大体同じような分布になっているのですか。
○坂元政府委員 地域的に申し上げますと、西日本地域がやはり数値自体は高くなっているわけでございます。東日本のほうはそれほどございません。
○横路委員 その内容について、いま公表されることはできないのですか。
○坂元政府委員 先ほども大臣がお答えしたかと思いますが、私どもとしましては、今月の初めからその数値自体の解析、それから片一方母子の健康調査も今回の調査事項の中に入っているわけでございます。もう一つは、汚染経路の追跡調査も入っておりますので、こういうような三つの内容の調査を含んでいるわけでございます。したがいまして、そういう三つの内容の調査を専門的に科学的に分析するにはやはりもう少し時間がかかるということで、いままで参ったわけでございますが、現在の進行状況から申し上げますならば、大体あと一週間から十日間くらいの間にこの専門家グループの結論がほぼまとまるという見通しになっております。その時点においてしかるべき方法で発表してみたい、こういうふうに考えるわけであります。
○横路委員 その発表の場合、なまの数字を出してくれることはお約束できますか。つまりいろいろ操作をして、対象の取り方に問題があるとかなんとかおっしゃって、結論だけばんと出すのではなくて、なまの調査の結果そのものを明らかにする。皆さんだけが議論されるのではなくして、みんなで議論する素材を提供してもらわなければ困ると思うのです。なまの数字をちゃんと発表するかどうか。
○坂元政府委員 専門家グループとの関係がまだ最終結論が出ておりませんので、私も、きょうの段階ではっきりしたことは申し上げられませんが、やはり全国調査をいたしたわけでありますので、その調査の態様というものは国民の前に明らかにしなければいかぬ、こういうふうな気持ちでおるわけでございます。
○横路委員 問題は、調査の態様でなくて調査の結果ですよ。
○坂元政府委員 最高値なり平均値最低値、こういうようないろいろな数値の取り方があるわけでございますので、その数字そのものをどういう形で発表するか。これはやはりもう少し専門家グループとも相談しなければならぬわけでありますが、御指摘のようにせっかく調査をやったわけでございますので、その調査の内容等につきましてはやはりできる限り国民に明らかにしていきたい、こういうふうに思っております。
○横路委員 従来の発表は、最高と最低と平均値、この三つは少なくとも出していますね。最高値と最低値と平均値の三つをちゃんと発表されるということは、もういいんでしょう。
○坂元政府委員 この種の調査というものは科学的な調査でございますので、事実を抽象的に発表するということはかえって妥当でないわけでございますので、できる限り正確に国民の前に明らかにいたしたい、こういうふうに思っております。
○横路委員 いま一週間か十日ということでしたけれども、国会は二十四日で終わりになるのです。国会開会中にぜひやはり発表してもらわなければならぬと思う。これは対策の面だって非常に大きな問題を含んでいるわけです。国会の開会中に発表してください。
○坂元政府委員 今月の初めから専門家グループをすでに三回かやっておりまして、実は近日中にもう一回やる予定にしております。したがいまして、実はこの数値自体をどういうふうに判断すべきかという問題と、それからもう一つは健康調査というものをやっております。それから汚染経路の追跡調査もやっておりますので、そういうようなものをやはり総合的に検討した上で結論を出すべき性質のものでございますので、若干時間はかかっておりますが、私どもも、この種の調査はできる限り早く国民の前に明らかにして不安感をなくしていくように、また対策も同時に考えていきたい、こういうふうに思いまして、いま鋭意専門家グループのほうの審議を急いでいただいているわけでございます。
○横路委員 それは二十四日までには公表されない一わけですか。
○坂元政府委員 専門家グループの結論はできるだけ急いでほしいという要請はいたしておりますが、実は行政の立場からだけで申し上げますと、できるだけ急いでいきたいわけでありますが、内容が初めての調査でございますし、やはり相当権威あるものにしなければならぬわけでございますので、その解析の内容等に万全を期するという意味で、専門家グループのほうでは非常に激論を戦わしておられるわけでありますから、できる限り早くということの方向だけは私どももお願いをいたしたいと思っております。
○横路委員 汚染経路の問題についてもいろいろ調査されたということですけれども、いままででわかっていることは大体どういうことですか。
○坂元政府委員 汚染経路自体の評価の問題が実はまだはっきり結論が出ていないわけでございます。特定の食品等の摂取にやや問題があるのじゃなかろうかというような結果が出てまいっている面もございますが、やはりこれは専門家グループの科学的な判断というものが、結論が出なければかえって誤解を与えてもいけませんから、その点が非常にまた一つの問題点でございまして、現在までなかなか最終的な原因の結論がでていない、こういう事情に相なっております。
○横路委員 この問題は、ほんとうは詰めて議論したいのです。ほかの農薬のいろんな問題もあるわけですけれども、時間が、二時から本会議ということなので、私たちは環境庁のこの法案だけは成立させたいということで協力することにしておりますので、いずれまた厚生省設置法がかかりますので、これはそのときにさらに詳しく議論したいと思います。農林省の方にもおいでをいただいたのですけれども、そのときにまた関連して一緒にお尋ねをしたいと思います。 そこで最後に、山中総務長官に、この行管の指摘については長官もお読みになったろうと思うのです。これだけ騒がれている問題について、いろんな試験研究の体制というのが、厚生省の国立衛生試験所の食品部はわずか四名で残留農薬の問題について調査をしている。あるいは農薬の毒性試験についてはわずか五名で四百種、その中で限定したとしても二十ないし三十はやっていかなければならぬ。ほんとうにこの作業がおくれているという状況にあるわけです。しかも、この問題はお尋ねしなかったのですけれども、農林省もこの二つの問題について同じような調査をやっているんです。これはいろいろな基準を定めるために、しかもこの両省がどれだけの協力体制をとってやっているかということになると、行管の勧告にもありますけれども、連携体制がほとんど認められないというきびしい批判をしているわけであります。そこで今度環境庁ができる、それでは従来と違って今度はうまくやれるのだといってみたところで、中身そのものは従来だってやろうと思えば公害対策本部のほうでやれないことはなかったわけです、いろいろな権限からいって。 そこで最後にお尋ねしたいのは、たとえば農薬なら農薬について、あるいはいろんな薬品について、いろんな許認可の行政というものが各省に残されているものについて、環境庁の総合調整の中身に拒否権あるいは同意する権限というものが入っているのかどうか。それを含めて解釈をしていいのかどうか。農林省がたとえばある薬品について登録を認めようとすると、環境庁から待ったをかけて、それはだめだという権限が総合調整権限の中に入っているというように解釈をしていいのかどうか。その点ちょっと詰めておきたいと思います。
○山中国務大臣 これは農薬取締法、毒物及び劇物取締法、薬事法、食品衛生法、こういうもので、それぞれの法律のもとに検査、登録、許可事務というものが残ります。それは残留性という問題がありますから環境庁も相談を受けると思いますが、環境庁においてそのような拒否権というのはおかしいですけれども、それはだめだという権限が法律上あるかといいますと、現在の時点においてはありません。ということは、今回公害の環境庁が出発いたします。そういう所管行政の主として取り上げます分野は、一応公害対策基本法という形から出発して自然保護行政というものに入っておりますから、食品、薬品、そういうもの等の一般の行政というものについては、直接権限は全部とらないという姿勢をとっているからであります。今後問題が起こりましたら、さらに検討を加えなければなりませんが、行管も行政監察の上からはいま言ったように人間が足らないじゃないかと言いい、行政整理、行政機構の簡素化の面からは人間をふやすことについてはえこじなほど反発するという、二律背反みたいなことをやっている役所ですから、やはり自分の役所で、そういう厚生省の薬品行政、食品行政、添加物その他の行政で四人しかいないということはいかぬという勧告をしたならば、それに対しては、今度は次の予算編成の際における定員増等の問題では、自分が言い出したことでありますから、それに対してはやはり行管もあたりまえの姿勢というものを持っていくべきであるというふうに私は思いますので、そこらのところは善処される可能性があると考えます。
○横路委員 その問題はわれわれ行管といつも議論している。行政が変化しているわけでありまして、要らないものは減らしてもいいけれども、一律何%というようなことじゃなくて、需要が変化し、しかも必要な部分というものは非常にたくさん出てきているわけだから、そこが減るのは反対だ、そういう議論はよくやってきているわけであります。 そこで、ちょっと最後の詰めをしておきたいのは、行管の勧告に、ともかく両省で同じような研究をやりながら連携がない、こういう場合があるわけです。これは従来だって公害対策本部でやろうと思えばできたことでしょう。それはおかしいじゃないか。それこそ総理府の総合調整機能でやれたわけです。それが今度環境庁になったらできると言う。制度的には何もそんなに前と違いはない。そうすると、結局それは姿勢の問題になると思うのです。これはどうですか。
○山中国務大臣 これは事実問題として、公害対策本部はいわゆる公害と俗に言う公害対策基本法第二条の公害について取り組んでまいりましたから、食品、薬品、農薬等の問題については直接所管をいたしてやってきておりませんので、今日でもその調整はいたしていないということでございます。
○横路委員 時間がございませんので、これで終わりにして、また別の機会にしたいと思います。
○天野委員長 西宮弘君。
○西宮委員 山中長官にお尋ねをいたしますが、いま横路君がお尋ねした最後の問題に関連をいたしまして、まずお尋ねしたいと思います。 それは、この間同僚議員の質問に答えて、たとえば現在通産省では企業の立地、そういう任務を持っているけれども、将来はこういう企業の立地というような問題も環境庁が所管すべきであるというような意味の答弁をされたわけです。しかし私は、企業の立地そのものを環境庁が所管するというのは必ずしも適当ではない、これは通産省プロパーの仕事だと思うのです。しかし、その際にいわゆる公害をチェックする、そういう立場からは重大な発言がされなければならない、あるいはそういう点で重大なチェックが行なわれる、こういうことが保障されなければならないと思うのですが、そういう点についてどうですか。
○山中国務大臣 私の申し上げている意見とそう変わってはおりませんが、環境庁が日本の企業の立地の許認可行政までやれという意味の立地という意味ではありません。日本の国土に企業の立地はいかに配備されるべきであるかというようなことの一元的な提唱、あるいはそれらの設計の権限というものは環境庁が持っていくべきではなかろうか。それを通産省の行政の上に反映させていくということになるであろうと思うのです。中身はやはり同じようなことだろうと思います。
○西宮委員 そのいわゆる許認可の場合に、環境庁が発言をしてそれをチェックする、そういう場面はありますか。
○山中国務大臣 当然そういうふうになってくるだろうと思います。
○西宮委員 環境基準の問題でありますが、環境基準の問題は全部環境庁が所管する、環境庁の責任において決定する、あらゆる公害基準はそういう扱いをするということになるべきだと思うのですが、その点はいかがですか。
○山中国務大臣 それは第四条でございまして、第四条第六号で、これをすべて環境庁が所管をするということになります。
○西宮委員 つまり、ここでいう公害基本法第九条第一項に規定するものですね。これが環境庁の決定になる、こういうことですか。私は、これだけでなしに、いわゆる環境基準に該当するものは、将来環境庁が一元的に扱う、あるいは環境庁の責任において決定する、こういうことになるのが正しいと思うのですけれども、そういう将来の構想はありませんか。
○山中国務大臣 方向はそういう方向だと思いますが、具体的にどういう形を想定しておっしゃっておるのでしょうか。
○西宮委員 それでは角度を変えて質問をいたしますが、設定された環境基準が完全に順守をされている、こういうことを監視をし、あるいはまた摘発をする、あるいは、場合によっては告発をするというような権限等は、環境庁としては持っておりませんか。
○山中国務大臣 これは今後公害罪、あるいは私としてはまだ明日も努力するつもりでありますが、公害の無過失賠償、こういうものの別途の法律というものも考えられますし、さらにアメリカあたりの検察、いわゆる司法行政の、峻厳な告発をしていく州検事局長の権限、こういうようなもの等もやはり非常に参考になると思います。しかし、環境庁がはたしてそこまでやれるかどうか、これは普遍的に言うならば、先般の公害罪では国民のだれもが告発できるわけでありますから、環境庁が主として連携を保つ地方の補助職員、あるいは交付税で措置いたします三千数百名の職員、こういう者等の名においても、そういう違反告発等は可能なわけでございます。環境庁自身が直接告発に乗り出す権限という意味では、そういう告発権ということについてはいまのところ触れておりませんけれども、具体的にそういう事例が起こって、環境庁自身がまず告発の権限を背後に持たなければ、行政運用がうまくいかぬというような事態になりますと、昨年つくりました法律、あるいは今国会の悪臭防止法も含めて、一応法律体制を整えておいて、なおかつその法律を所管する役所にそういうような権限というものが必要になるとすれば、どこか法律に盲点がまだ残っているということも意味すると思いますから、慎重に検討してみたいと思います。
○西宮委員 私は、告発の問題は第二にいたしましても、要するに設定された環境基準に基づいてこれを厳重に監視する、こういう任務を環境庁自身が持つかどうか、つまり監視をする、あるいは摘発をする、そういう権限を環境庁が持つのかどうかという点であります。
○山中国務大臣 一義的には、権限を地方公共団体に大幅に委譲いたしますから、それらの地方公共団体に委譲された権限の中において、必要な場合において告発ということはとり得ると思うのです。私がいま率直に心配しておりますのは、地方公共団体に権限を委譲するということで、その姿勢で一貫してやってまいりましたが、あと、地方公共団体の長の立場いかんによっては、あるいはそのローカルの特殊な事情いかんによっては、全国的に監視、測定はおろか、取り締まりのしかた等についてもばらつきのおそれがあることをおそれます。これは癒着以前の一つの心配であります。場合によっては癒着ということも出てくるかもしれません。こういう場合に備えて、やはり公害研修所というものを国でつくりまして、担当の、第一線で取り締まりの任に当たる諸君は、中央の一番新しい公害の知識、あるいはそれに対処する施設、設備、機械の測定方法等、完ぺきなものを全国一律に、普遍的な講習を受けることによって身につけて、それで地方に帰っては、また交代して東京で勉強して帰っていくというふうに、まず地方のばらつきが、恣意に、地方自治体の責任者や議会の空気等によって、国の法律の範囲内であっても強い弱い等の立場があって、結果的には国民という名の特定の地域住民が被害を受けることにならないように、そこらの取り越し苦労をいま少ししているということでございます。
○西宮委員 いずれにいたしましても、その環境基準がせっかく設定されるのですから、それが厳重に施行されるという点について、国としてもその責任を明らかにして、その基準が厳守されるということにそういう保障がなければならぬということを指摘したわけでありますから、その点についてさらに御配慮願いたいと思います。 それから時間がありませんから、その次に、いわゆる予算の問題、経費の問題について、「経費の見積りの方針の調整」という項目があるわけでありますが、これをどの程度活用されるのか。私は、たとえば経済企画庁の中に東北開発室というのがあるわけです。まあ私その地域の人間でありますので関心を持っているわけですが、ここなどの実情を見ると、要するに各省が任意にかってにやって、それを寄せ集めて、とれが東北開発の予算であります、こういうことで提示されるわけですね。そういうことではほとんど実がない。要するに各省がめいめいかってにやって、それをただ機械的に集計して、それをことしの東北開発予算として示されるわけですが、そういうやり方では意味がないので、あくまでも環境庁が前面に乗り出して、その予算の編成にあたる。予算の編成にあたるというのは少しことばが強いかもしれませんが、そういう点で、いわゆる経費の見積もりの方針の調整という点については、実際問題としてどの程度のことをおやりになるのか、お聞きしたいと思います。
○山中国務大臣 現在、総理府にはそういうような経費の見積もりの方針の調整というもの等はないわけですけれども、それでも青少年あるいは同和、こういうような予算等については、私の手元では何日かかけまして、各省庁の担当の予算要求の責任者を集めて、そして要求しようとする予算の内容を聞いて、それに対して、それは不要である、あるいはそれはダブっている、あるいはそれはこういうふうに直せ、あるいは基準を改めろというようなことで、いろいろとやっております。これは実際上できるわけです。しかし今回環境庁は、法律にはっきりと、経費の見積もりの方針の調整を行なうということがいわれておりますし、研究費などについては一括計上で配分するという強力な権限を持つわけでありますから、大体関係行政機関は研究予算もほしいわけですし、そうすると環境庁の一括計上配分というのは相当強力な権限ですから、各省庁のそういう予算要求する姿勢、しかもその要求のしかたの角度の統一、あるいは改めさせる点は改めさせるという作業は、環境庁が主導権を持って集めて、そして、これは何日かかかる仕事になると思うのですけれども、そういうふうに、環境庁から見て一応要求としても日本の環境保全に対する姿勢、公害防止の姿勢はそれでよろしいというもので要求させ、そして最終的に予算がきまりますときには、各省ばらばらでセットするのではなくて、環境庁長官たる国務大臣が見て、日本の環境行政の予算に関する限りは、まあ一応四十七年度ではこれでよろしいという決断をしたときにそれがきまる。したがって、その過程においては公害防止、環境保全の予算というものの調整の立場にあたる環境庁長官と大蔵大臣との間において実質上の大臣折衝というものが行なわれて、それが各省庁の最後の予算、セットされる妥結案になっていく、こういうふうな運びをやっていけばいいと思います。それはなれない人が環境庁長官に就任いたしますと、ちょっとこの点は私も心配ですけれども、やりようによっては、法律に根拠を持って行なうわけですから、非常に有効な力になると思いますので、そういうベテランが配置されることを願っているということであります。
○西宮委員 大臣の考え方はわかりました。実例として、いままで東北開発促進法というような法律等がありましてやっておりました実績が、さっき申し上げたことでありますから、そういうのとだいぶ性格が変わって、いまのような強力な調整機能を果たす、こういうことであれば、大いにそれに期待したいと思います。 それからその次に、自然環境の保護というのは、これは環境庁がいわゆる実施面まで担当する、こういうので非常に特色を持っておるわけですね。そこで私はちょっと実施の点を指摘したいと思うのでありますが、せっかくこの自然環境保全、こういうことに徹底しようとするならば、たとえば都市計画法の風致地区であるとか、あるいはまた地方公共団体がやっております風致地区条例であるとか、あるいはまた屋外広告物法であるとか、あるいは都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律であるとか、あるいはまた、ちょっと変わりますけれども古都保存法ですね、こういう法律、これは皇居の外苑とか京都御苑とかこういうものを扱うならば、私は古都保存法というものも一括して扱う、こういうことが望ましいのではないか。したがっていわゆる自然環境の保全に関連いたしまして、いま申し上げたような幾つかの問題があるわけであります。ぜひこれらをやはり環境庁が所管をするというふうに考えてしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○山中国務大臣 たいへんごもっともな御指摘でありまして、私としては一応原案作成の過程では、私の腹案としては都市計画上の公園等もやはり入れるべきであるし、近郊緑地等はまさに環境庁が一次的に仕事をすべきであると思ったわけです。これは林野庁の法案にも関係があります。しかしながら実際上の行政等、たとえば都市公園の部分だけ環境庁が所管しますと、実際上の都市計画の仕組みというものが、なかなか建設省でも弱るでしょうし、環境庁も権限はとったものの、じゃあ実際上都市公園の部門だけ環境庁が思うようにできるかというとなかなかむずかしいということで、一応今回は除いてはございますが、しかし先ほど言われました幾つかの項目については、ほとんどが環境庁長官と協議することになっております。もちろん古都保存法も文化財保護法も都市計画法も、首都圏、近畿圏、それらの保全地域とか、あるいは中部圏とか、こういうもの等もやはり全部近郊緑地その他に関係して協議することになっているわけでございます。さらに先ほど言いました森林法あるいは保安林整備臨時措置法、こういうもの等は、公害担当の環境庁長官との協議事項となっておりますから、その意味で、完全ではありませんが補完の方法はとってあるということを御承知願いたいと思います。
○西宮委員 いずれにいたしましても、現在の自然の景観というものは国民の貴重な財産だと思うのですが、これはもう非常に俗悪な商業主義で毒されている。いまのうちに手を施さなければ将来どうすることもできない、こういうところにおちいってしまう、こういう危険性が多分にあるわけですね。これをどうして、自然の景観、自然の環境をほんとうに保全をして、そういう俗悪な商業主義に毒されることを防いでいくかということは、まさに重大な問題だと思うのですが、こういう点について、どういうお考えでこの問題に対処していかれますか。
○山中国務大臣 いま申し上げましたようなこともその一つでございますが、やはりこれは環境庁の姿勢の一番大きな根本問題であろうと思います。すなわち失われゆく自然、そういうものを保護しようというものでありますから、単に国立公園や国定公園だけを保護すれば、その隣はどんなに開発して荒らされてもいいというものではありませんし、あるいは古都保存法や文化財保護法、そういうもので点やあるいは物を指定するというような考えから、やはり特殊な保護地域とかそういうものが設定されなければ、その点も施設も生きないのだ。飛鳥などはそのいい例でありますが、そういう考え方でやはり環境庁というものが協議に応じていくという姿勢にかかっていようかと思います。
○西宮委員 この点は一刻を争う問題だと思うのです。もうどんどんそういうところで非常な劣悪ないろいろな条件のもとに毒されている。そういう実態が至るところにあるわけですから、これはぜひとも一刻も早くその対策を樹立をして、自然の環境を守ってもらいたいということを強く申し上げておきたいと思うのです。 その次に、別な問題でありますが、いまこういうふうに公害が発生しているというのは、指摘するまでもなくいわゆる過密現象からきておるわけです。これは新全総の中でもうたってありますように、わずかに日本の国土の一・二%の中に全人口の四八%が集中している。さらにそのうちの五八%が東京、大阪、名古屋の周辺に集まっている。こういうことで、極端な過密現象を来たしているわけですね。その反面においてたいへんな過疎現象を来たしている。こういうことで、過疎の状況は四十年の国勢調査の際から比べると、四十五年のこの間の国勢調査の結果はまたたいへんこれがふえておるわけであります。たとえば鹿児島県のごときは、いわゆる過疎町村というのは七四%を占めておる、こういう状態でありまして、これを筆頭にしてたいへんな問題が起こっている。これではこういう現象が起こってくるのは当然だと私は考えるわけです。こういう過疎を解消するためにいろいろ問題が指摘をされておりますけれども、実は何も実行されておらないわけですね。新全総、新経済社会発展計画あるいはまた自治省の過疎白書の中に問題点は十分に指摘をされておるわけです。そういう点で、作文はもう満点だといってよろしい。ところが一向にこれが具体化されない、実施面、実行面に何ら具体的な提案がない、こういうことに問題があると思うのです。 農林省からおいでを願っておったので、私はお尋ねをしたかったのでありますが、時間もありませんから省略をいたしますけれども、今度農林省が農村地域に工業を導入するという法律案を提案しておるわけです。私はそれ自体はたいへんけっこうだと思うのでありますが、ただこれもよほどうまくやらないと、結局農村に工業が導入された結果、農村が都会と同じような公害に悩まされることになる危険性が多分にあるわけです。一々指摘をする時間がありませんけれども、いまのような工業立国あるいはまたいわゆる国際分業論、こういうことでまず工業を優先させろという考え方のもとに農村に工業を導入する、こういうことになりますと、その点について非常な問題があると思うのですが、せっかくおいでを願っておるわけですから、一言だけ御答弁願います。
○安尾説明員 先生御案内のように、この法案につきましては、ねらいが農村地区への単なる工業導入ではございませんで、工業導入を計画的かつ積極的に促進するとともに、その地区の農業従業者に工業への就業の機会を与えて、農業施業構造の改善等農業生産構造の改善に関する事業を促進することでございます。この事業を行ないますにあたりましては、国の定める基本方針、都道府県の定める基本計画、都道府県及び市町村が定める実施計画と、三つの計画段階がございます。この計画段階におきまして、先生御指摘のように特に公害の防止ということは大切でございまして、公害のおそれのないような企業をつとめて導入していくと同時に、公害防止について具体的ないろいろな方法を十分考えて指導していくつもりでございます。
○西宮委員 最後に一点だけ。これは総務長官の所管ではなく、むしろ通産省でありますが、通産省も公害部長がおいでですから、これまたちょっとかってが違うと思うのでありますが、しかし問題点として指摘をしておきたいと思いますので、総務長官もお考え願いたいと思います。 それはいわゆる公害の輸出という問題ですね。特に東南アジア等に日本の工業がいろいろな形で進出をしている。現地との合弁その他形はいろいろありますけれども、要するに日本の工業が、いわゆる重化学工業がたいへんな進出をしておるわけです。私も先年見てまいりました。たいへんにけっこうだけれども、同時にこれは日本が公害を輸出している、こういう点についていま非常に重大な問題が起こっているということを見てきたわけであります。これはさなきだに日本の経済進出が警戒をされている際に、公害を輸出するという問題は、やがて東南アジア等においては特に大きな問題になってはね返ってくる、こういう心配が多分にありますので、この問題についても十分な対策をいまのうちに考えておいてもらいたい、こういうことを問題点として指摘をしたいのでありますが、総務長官あるいは通産省の御答弁を伺って質問を終わります。
○山中国務大臣 先ほどの過疎地域対策緊急措置法は私が筆をとって書いたものでございますが、その私の鹿児島県が最もふえて七十数%に達しておることは、私の政治力の足らなさを証明したもので、たいへん残念な数字になってしまいましたけれども、そのときに私はなぜ十年の時限立法にしたかというと、昭和六十年には日本国民の三分の二は太平洋メガロポリスに集中して生活するようになる。そうすると過疎地域というものに道路、通信――場合によっては近効に観光地帯等を町営等でやった場合、おそらくレジャーのシーズンとか土曜、日曜とかの移動人口というものが過疎地域に相当戻ってくるような日本列島の状態になるだろう。そのためにはこういうことをしておかなければならない、またこれ以上に過疎になってはならないというつもりで出発をさせたわけでありますが、どうも最近のところはそういう点が、まだ初年度でございますために、出てくるものは一番手っとり早い道路予算要求ばかりということで、徹底していないようでありますから、もう少しこれは都道府県、市町村等への浸透をはかって、この計画について具体的なものをつくらなければいかぬと思っておるわけであります。 それから公害輸出ということは日本が最も警戒しなければならないことであります。また公害が起こらなくとも、日本は自分たちの必要とする品物を海外で求めるために企業進出をさせ、産業を興すという非難も受けておりますから、ましてやそれに公害が伴うというような場合においては、よほど慎重にしなければなりません。しかし他面、日本における低硫黄重油の国際的な確保の困難あるいは場合によってはわれわれのせっかくきめておりますような環境基準が低硫黄重油を確保できないために達成できないというような状態等も心配されております。ところが他面、中近東から日本は油を買い付けておりますが、そこらの現地で脱硫ということをやった場合に、現地の人たちに公害的な現象が起こるだろうか、反感を買うだろうかということ、同時に脱硫の過程において生ずるアスファルトというようなものを不毛の地帯といわれる砂漠の地下にずっと敷き詰めるということは簡単でありますから、そういうことで砂漠を緑に変えるという副次的な計画を関係国と相談をした場合に、中近東諸国は公害企業を持ってきたという考え方でなくて、そういう産業によって砂漠が緑になるということで、お互いが合意し合える分野もあるのではないか。これは私が経済外交の責任者でもありませんが、そういうようなことを一面考えられないわけではありませんけれども、原則としては日本の国内においては人の健康、生命に危害を与えるものがある、しかしそれが海外ならばけっこうであるという考えであってはなりませんし、そのはしりを、まさに帰ってこようとする沖繩あたりに絶対に起こしてはならないという姿勢を持っておるつもりでありますから、私からの答弁では政府の責任ある答弁とはいえないかもしれませんが、姿勢については同感でございます。
○森口政府委員 仰せのとおり東南アジアには現在日本側企業が大量に進出しております。大部分は機械工業ないしは軽工業の分野に属するものでございまして、一部問題を見ておる企業もなくはないわけでございますが、大部分は問題はなく、特に公害を起こしておるというふうには私どもは聞いておらないわけでございます。通産省といたしましても、発展途上国のほうから経済協力を非常に強く求められておりまして、発展途上国の所得の増大あるいは雇用の増進というような観点から、今後日本の企業が発展途上国、特に東南アジアにさらに出ていかなければならないというように思うわけでございますけれども、いやしくも日本の企業が公害を起こして現地から非難を受けるというようなことに至らないように、通産省としても万々注意をして指導をしてまいりたいというように思っております。
○天野委員長 東中光雄君。
○東中委員 先国会で大気汚染防止法が改正されましたが、非常に不徹底なものであったと思うのです。たとえば電気、ガス事業については、排出基準の適用、緊急時の措置、報告及び検査などの規定を除いて、都道府県知事の直接の行政権限はなく、従来どおり通産大臣の権限とされております。私は、これらすべての権限を都道府県知事に委譲することを主張するものです。 先日の連合審査の際に、他の委員の同様の質問に対して、長官から、電力事業が都道府県を越えた広域的なものであり、かつエネルギー問題として国の基本政策にかかわるものだから通産大臣に権限を残したのだ、こういう趣旨のことを答弁されましたが、そういうことでございますか。
○山中国務大臣 私の最初の姿勢は、やはり適用除外はこの際新しい観点からはずすべきだという姿勢でありましたけれども、やはり御指摘になりました点でございますから、詳しくは申しませんが、低サルファというものの確保が前提になければ強制しかねる問題もある程度ありますし、かといって、またそれを規制する権限だけで工場を閉鎖、停止ということで、瞬間的にそれを広域供給体制できめるのには知事さんの権限としては手に負えないだろうというような通産省側の御説明に現時点においては客観性があると考えまして、私の態度もそういう姿勢をもって、しかし、それだからといって、通産省が電気、ガスについては環境汚染とは関係ないという姿勢はとれないということで、大体両大臣の意見の一致を見て進めたわけであります。将来はいずれ検討の時期は参ろうかと思います。
○東中委員 事公害に関しては、住民に直接責任を持つ公共団体の長に決定的な権限がないのはやはり重大な欠陥だと思うのですが、大気汚染防止法では届け出事項を通産大臣が知事に通知するという規定にとどまっていまして、立地条件のときですが、結局事後に知事は知らされるということになるわけですが、事前に届け出内容を検討して意見を言うことさえできない。少なくとも知事が事前に意見を言う権限を持つくらいのことはあってもいいのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
○山中国務大臣 これは私から答弁はどうかと思いますが、しかし、届け出があったことを通知いたしますと、これは関係のある隣県知事にも通知をいたしますから、そうすると、それに対して許可をいたしますまでの間に、やはりその県の知事さんの意向というものが許可に対して発言権を持っておられますから、それを聞いてから許可することになりますので、県をあげて反対しておるというものを、通産行政の専管事項だといって、これを否定するような社会環境というものは私は存在しないと考えております。
○東中委員 一般的に社会環境、情勢としてはそうかもしれませんけれども、法的な問題を申し上げておるわけです。一方、環境庁が設置されて、公害行政が一元化されるというのに、産業立地に関しては全く無力だ。限られた事項に関してではありますが、環境庁長官との協議または環境庁長官の意見を聞かなければならないという規定が設けられるのは、下水道法と森林法等のこういった自然保護関係、都市計画法等の土地利用関係など数法にすぎません。産業立地関係は完全に除かれておることになるわけですが、少なくとも立地の認可については、認可権は通産大臣にあっていいわけですけれども、環境庁長官の承認を要するという程度の介入共管というか、そういう程度の必要があるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○山中国務大臣 そこらのところは意見の分かれるボーダーラインで、基本的にはそう見解の対立はないと思います。ただ一方において、産業立地の条件について、環境庁との協議により、環境庁長官の同意を得なければ通産省の許認可行政が行なえないというようなことは、少しくいまの時点においては――土地政策その他について全般的な権限というものは環境庁長官の手にある程度握られなければならない時代は近いと思いますから、そういう際等においては、そういう企業立地というものが一連の土地政策、国土の利用の再点検、こういうようなもの等に関する場合には、環境庁長官が許認可について意見が言えるし、そして意見が一致しない場合には許可ができないという時代もそう遠くない時代に来ると思います。
○東中委員 それともう一つ、環境庁設置法の六条の権限の問題でありますが、行管庁の設置法では、「長官は、監察を行なうため必要な範囲において、各行政機関の業務について実地に調査することができる。」という項目があるわけですが、これに相当するような権限を環境庁長官が当然持ってもいいのじゃないかというふうに思うのですが、六条にはそれがない。六条の五項については、長官からいろいろ御意見がありまして、お聞きしておるわけですけれども、実地に調査をし、介入するといいますか、そういう権限はなぜこの場合つくられなかったのか、その点いかがでありましょうか。
○山中国務大臣 これは行管の場合においては、中央の各官庁というものが行なっておりまする行政のあり方というものを直接実態を知らなければならぬわけであります。それでなければ勧告できないわけですけれども、環境庁の場合には、それぞれの法律において地方に相当な、ふだんの実地規制権限というものをおろしておりますから、それらについて環境庁が立ち入る場合においては――立ち入るといいますか、直接調査をする場合において、今度は地方自治体との関係も出てまいりますので、この際はそういうことはいたしておりませんが、先ほどもちょっと答弁いたしましたように、それらのトラブルというものは、市町村、都道府県段階での公害紛争処理のための審査会等から中央における中央公害審査委員会におのずから上がってくると思います。そういうものが、やはり連絡を密にすることによって、地方において少しおかしいと思われる点等があります場合において、その都道府県知事に対して委譲された権限の行使というものが正常に行なわれていない節がある場合においては、地方に対してもそういう報告を求める権限は当然あるわけでありますから、直接の立ち入って調査をする権限を付与しなくてもいいのじゃないか。ちょっと行管とは体系が違うというふうに申し上げたわけです。
○東中委員 ちょっと通産省にお聞きしたいのですが、大気汚染防止法で知事の権限が部分的にしか及ばない電気事業について、通産大臣が電気工作物の設置等の認可等を行なうときは、この工作物が省令に定める技術基準に適合していなければ認可をしてはならないということについてはいかがですか。この適否を判断する場合は、事業者の提出する計画書なりそういった書類だけで検討されるのか。あるいは実際にテストをやられることがあるのかどうか。たとえば立地条件について現場の実態を見るとか、あるいは風洞実験なんかを場合によってはやるとか、そういうことをやられるのか。書類だけでやるのか。そういう点はいかがでありますか。
○長橋政府委員 電気事業法に基づきます工作物の設置の認可に対しましては、事前の認可制でございますので、所要の書面を提出させまして、設計その他も含めましてチェックをいたすわけでございます。ただし、これが実際に竣工いたしまして運転に入ります前の段階におきましては、使用前検査という何段階かに分かれました検査制度がございまして、実地に即しまして、規定の値が確保されているということを確認した上で使用を認める次第でございます。
○東中委員 それは認可をする前には書類だけだということになるわけですね。
○長橋政府委員 原則的にそういうことでございますが、ただその設置に際しまして、いろいろ地元とのお話し合いという過程におきまして、公害防止対策が具体的に出てまいりました場合には、必要に応じまして公害防止事前調査制度とかあるいはまた電源立地の単独地点に対します調査制度の予算が今年度からついておりますが、そういうものによって客観的なデータを確認した上で認可をするというふうな事例もあり得るわけでございます。
○東中委員 事業場から排出されるばい煙の着地濃度については、この地域の気象条件、結局風向なり風速なりあるいは逆転層の位置等、重要な影響を持つと思うのですが、そういう気象条件について実地に行って調べられるのか、あるいは事業者の提出する計画書だけでやられるのか、その点いかがでしょう。
○長橋政府委員 これはケースによっていろいろなケースがございます。設置について、地元との話し合いの過程におきまして、地方公共団体におきまして、地元住民の意向に沿って具体的な気象調査をしかるべき公正な団体に委託されるような場合もございます。また事業者の設定いたしました計画の値ということで、地元の御了解を得られるケースもあるわけでございます。ケースによっていろいろでございます。
○東中委員 いま、しかるべき信用できる云々とおっしゃったのですが、気象条件についてはどこをさしておられるのですか。
○長橋政府委員 これは地元の地方公共団体が必要に応じて委託調査をされる、こういった御判断の問題でございます。私ども聞き及びます一つの具体例といたしましては、日本気象協会に委託された例があるようでございます。
○東中委員 北陸電力が石川県河北郡内灘の砂丘地に火力発電所建設の計画をしているといわれておりますが、計画の進行状況はいまどうなっておりますか。
○長橋政府委員 この北陸電力の金沢火力発電所の建設計画につきましては、地元の県当局におかれまして、日本気象協会に気象調査を委託されて、その調査結果が三月時点において提出されているわけでございます。これについてまた県当局でいろいろさらに検査を加えておられるやに承知いたしております。そして電気事業法上の手続といたしましては、かねがね、本件につきましては地元県当局の意向を十分に尊重した公害対策が講ぜられるように、通産省といたしましても電気事業者を指導いたしておるわけでございます。地元とのお話し合いが十分についたという辺を見きわめまして、電気事業法上の許認可手続に入ることにいたしておりまして、まだ電気事業法に基づきます許認可の措置はとられておりません。したがってまた着工も行なわれていない現状でございます。
○東中委員 この場合は北陸電力が、発電所ができた場合の大気汚染公害の有無を確かめるということで、昨年秋に財団法人の日本気象協会に調査を依頼して、日本気象協会は昨年の十月二日から四日の三日間観測を行なって、十二月二十六日にその報告書を北電が県厚生部に提出した、こういう経過になっていると思うのですが、「金沢火力内灘地点における気象観測結果報告書」というのが日本気象協会東京本部長の毛利茂男さん名義で出された。この資料が県厚生部に提出されると同時に、北陸電力は、公害の不安がないことがわかったというふうに新聞に公表した、こういう経過があったと思うのですが、その点つかんでおられますか、いかがでしょうか。
○長橋政府委員 気象協会の調査結果に対しまして、北陸電力株式会社からそのようなコメントを表示したということについては、私どもいさいを承知いたしておりません。
○東中委員 県厚生部へこの気象協会の報告書を北陸電力が資料として提出したということはつかんでおられるのですか、おられないのですか。
○長橋政府委員 同じ日本気象協会に対する委託調査でございますが、北陸電力の場合には、風向頻度とか、気温とか、逆転層の問題とか、一般気象条件につきましての調査を委託したわけでございまして、その北陸電力の委託調査の結果については県に提出されたものと承知いたしております。
○東中委員 その一般気象条件、これは結局公害等に関係があるわけで、その資料が県へ出されたということは御承知だということでありますが、この資料を見ますと、観測の資料の中にこう書いてあるのです。観測の計画から実施まできわめて急がれ、その上作業が未明から早朝にかけての時間帯に限られている。またしばしば強風に襲われた、こういった条件下で行なわれたものだ、こう書いてある。これでは全く不十分な条件での調査資料ということになるわけですが、そういう資料を出して、そして今度は北陸電力は、これで気象条件からいって公害はだいじょうぶなんだ、こういう発表をしているのですが、そういう点は御承知でしょうか。
○長橋政府委員 北陸電力、事業者の立場といたしましては、電力需給の安定にこたえていくという立場で、できるだけ早く地元とのお話し合いがつくことを期待する立場にあるわけでございます。ただいま御指摘のような調査報告の文言があったかどうかについては、いさい私ども承知いたしておりませんが、北陸電力といたしましては、いずれにいたしましても県がまた気象協会に調査を委託され、そしてその出た結果について十分に吟味されまして、そして県の公害対策についての意向が表明されるのをいまお待ちしている、かような段階であるものと承知いたしております。
○東中委員 それは県の了承を取りつけるために資料を出しているということだと思うのですけれども、気象協会から出された資料を一部変えて出しているという非常に重要な問題があるわけです。昨年十二月二十六日の北陸電力の発表では、この地域の逆転層は、計画している有効煙突高さ二百八十メートルよりも低い地上二百メートル以下であることがわかった、こういうふうに発表しています。要するに逆転層よりも計画している煙突のほうが八十メートルも高いんだから、排出口が逆転層の上だから、地域への大気汚染はたいして心配要らないのだ、こういうことをいっているわけであります。こうしてあなたのおっしゃる電力事業、公益事業は早く進めていきたい、こういう方向をとっているわけです。ところが、この資料を見てみますと、先ほど言ったようにきわめて不十分な、観測時間からいっても期間からいっても非常に不十分なんですけれども、しかもその中で十三回の観測のうちの八回までは煙突高よりも上層の気温は記録されていないわけです。だから二百八十メートルより上のところを調べなければ逆転層がそれより上にあるかどうかということはわからないわけです。十三回のうちわずか五回しかデータがない。こういうふうな状態で世論づくりと申しますか、要するに公害の危険性をごまかしていくという資料を出し、かつ立地条件が整っているような宣伝をやっている、こういうことなんですが、こういう内容についてお調べになり、あるいは検討されておるか。その点いかがでありましょうか。
○長橋政府委員 ただいまの御指摘については、私どもいさいをいま承知いたしておりませんが、いずれにいたしましても、石川県当局が日本気象協会東京本部に昨年の十月末に委託をして気象調査を行なわれているわけでございまして、これは一般気象条件の調査ということにとどまりませんで、排出された煙がどのように拡散するかというふうな拡散、そしてその結果地上濃度がどのようになるかという点についての調査でございまして、その調査につきましては昨年の十月下旬から十一月にかけて調査が行なわれ、その関係のデータの解析を慎重に十分に行なわれまして、本年の三月報告がなされているわけでございます。この報告について県がまたさらに十分に御検討になっている段階でございまして、この結果がどのようになり、県当局の公害防止についての御意向というものがどのように出るかという点を私どもは待ち望んでいるわけでございまして、この県当局の公害対策についての意向が出る、これが非常に問題の中心でございまして、また従来の経緯、いろいろあったかと思いますけれども、決定的な意味を持ち得るもの、かように判断いたしているわけでございます。
○東中委員 認可に先立つ立地条件その他については、認可権限を持っている通産省としては、計画なりデータなり資料を事前に原則として書面でやっていく、先ほど一番最初にそう言われたわけですね。そして、北陸電力が昨年の十二月二十六日に発表しているわけです。いま言われている県が調べたということとは別ですよ。その北陸電力がつくった資料、その資料はいま言ったようにきわめて不十分なものだという状態になっておるということについて、あなた方のほうで、通産省としてはどういうふうに検討されるのかということを聞いているわけです。その点どうでしょう。
○長橋政府委員 いずれにいたしましても、本件は北陸電力自体が一般気象条件について行ないました調査も一つのデータでございます。本件につきましては県当局が十分な公害対策を条件にして、かような意向をかねがね示しておられました。県当局で行なっておられます調査の結果というものを一つの大きなきめ手にいたしまして、私どもといたしましては電気事業法上の手続を考えてまいりたい、かような次第でございます。
○東中委員 気象庁から来ていただいていると思うのですが、この資料、要するに日本気象協会が北陸電力に出した「金沢火力内灘地点における気象観測結果報告書」日本気象協会東京本部長毛利茂男名義の作成のこの報告書が、昨年の十一月下旬に金沢地方気象台にも配られておるわけですが、気象庁御承知ですか。
○木村説明員 承知しております。
○東中委員 この報告書、気象台に出されておるのを見ますと、北陸電力が十二月二十六日に県へ提出した先ほどの資料、これとは内容が変えられているわけであります。逆転層の観測が十三回ある。ところが、そのうちの一回は高さ約二百三十メートルから三百三十メートルまでの観測値、これを、もとの報告書にはあるのに県へ出すときにはその分を削っている、さらに他の一回は約三百メートルから三百六十メートルの高さに逆転層があるということを示すデータがあるのに、その分を削っている。こういうことをして、要するに高いところに逆転層があるということを示すデータはことさらに削って、そして排出口は逆転層の上に出ておるのだから、逆転層は下だから、だから公害は心配ないんだ、こういうふうな新聞発表をやっている。早く進めたいということで、要するに企業の、公益事業ですけれども株式会社ですから利益追求なんです。その立場から公害はないかのように資料まで変えてやっている。こういうことを通産省はつかんでおられるのかどうか、どうなんでしょう。
○長橋政府委員 ただいま御指摘のような点につきましては、私ども承知をいたしておりません。
○東中委員 そういうことを全然知らないということになると、しかも書面だけで見ていくのだということになると、これは北陸電力ともあろう大企業ですから信頼しておるのだということなんでしょうけれども、こういう形で公害というのは、通産省では立地条件で公害をなくしていくという観点からすぽっと抜けていくということになるのではないか。特にこの二回の削ってある部分をデータを入れて、そして逆転層が三百――とにかく排出口よりも上に逆転層があるということになりますと、日本科学者会議の検討の結果を私見てみたんですが、この資料を、報告書を削除し、ごまかしたんですね、それをなまのままで検討すれば、地上の最大濃度はほぼ二倍になるというふうに科学者は結論を出しておるわけなんです。これは公害にとっては大きな問題ですね。特にこの場所はすぐそばに住宅がどんどんつくられている、そういう状態であります。こういう点について通産省としては実際にどういうふうに点検をするのか、いま県がやっていますよ。県がやっているけれども、認可権を持っている、立地条件について考えなければいけない、公害の立場からも見なければいけない、そういう通産省としてはどういうふうに見ておられるのか、どうされるのかという点をお聞きしたいわけです。
○長橋政府委員 通産省といたしましては、大気汚染防止法に基づきまして行なわれました排出基準を事業者が順守していくという点については、実施面の問題といたしまして厳重な指導監督を行なっていく、かようなことでございます。そしてこの発電所の立地に際しましても、その点、事前に原則的には書面ということを先ほど申し上げましたけれども、非常に問題のある地点につきましては公害防止の総合事前調査あるいは電源単独立地地点の場合においても今年度から予算がついているわけでございますが、そういった予算を活用いたしまして、国の立場で客観的なデータというものを地元の方々にも御提示をし、納得を得ていく、かような考え方に立っているわけでございます。本件の場合には、地元の県当局におかれまして、電源立地そのものは必要であるけれども、十分な公害防止対策が講ぜられることが前提である、かようなお考え方で、もっぱら気象協会への委託調査、そしてその結果をさらに十分検討して所要の公害防止対策を打ち出される、かような御意向でございまして、本件の場合にはそういった地元地方公共団体の調整に目下期待いたしておる、かような状況でございます。 いずれにいたしましても、排出基準の厳格な順守という点は、公益事業行政といたしましても非常に大きな命題と心得ておるわけでございます。
○東中委員 先ほど申し上げました日本科学者会議の検討した結果では、逆転層がこの資料――ここに資料がありますけれども、削ってある部分を削らないで、そのままなまでやれば、大気汚染の濃度が倍になる。だから今度は県条例の規制基準を上回るようになってくる、こういう問題が起こるわけです。そういう問題について通産省としてはいまおっしゃったように、原則として書面で審議をしていくということだと、こんな報告書さえ変えられているのですから――いろいろうまく書いてあるというのではない、資料が変えられているわけです。なまの資料を変えているという、そういう状態が起こっておるわけですから、だから公害というのは企業が自主的にちゃんとやっていく、あるいはそういう善意を期待できない。悪意だと、私言っているわけではないのです。法則的にそうなるのだというわけなので、だからその点について書類審査でというふうなことではだめだということを、はっきり申し上げておきたいわけです。 同時に、この北陸電力の場合にはこういうことも書いています。「観測された風向は陸から海へ向うものが大部分であるから汚染の心配はない」こういうふうに北陸電力は発表しております。ところが、県へ提出したさっきの報告書は、昼間は上層から下層まですべて海から陸に吹いている。有効煙突高の付近では昼間はいま述べたようにすべて海から陸、昼間以外もほとんどは陸に向かって風が吹いていると、全然違うことをいっているのです。こういう状態になっておる。しかも風向きが違うことによって、海から陸のほうに吹いておりましたということになれば、六百から七百戸の町営の団地がすぐそばにありますし、県営の団地もある。そこにもろにかぶさってくる、こういう状態であります。 こういう点で火力発電所を設置するということ、これは公害との関係で非常に重要な問題があると私は思うのです。その認可を受けるべき計画がこういうずさんな状態になっているわけですから、そういう点でこれは長官にもお聞きしておきたいのですが、通産省のみの認可権ではやはりだめだ。どうしてもそれにかぶせていくことが、環境庁のほうから、先ほど申し上げた承認権といいますか、そういった形でチェックするという体制が非常に必要だというふうに思うわけです。産業立地に介入していくという方向をひとつぜひとらるべきである、こう思うのですが、長官の御所見を聞いて、時間ですからひとつ終わりたいと思います。
○山中国務大臣 将来は電気、ガス事業の適用除外、そのことの検討も必要ですし、いま言われた許認可の前提としての立地条件、それに対して環境行政上、地域住民というものの完全な満足すべきデータのもとに、それが充足されて許可されるかどうか、これらの問題がやはり協議権というものの検討すべき対象になってくるというふうに考えます。
○東中委員 終わります。
○天野委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 ―――――――――――――
○天野委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。 環境庁設置法案を採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○天野委員長 ただいま議決いたしました環境庁設置法案に対し、伊能繁次郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の各派共同をもって、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。伊能繁次郎君。
○伊能委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党五党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 環境庁設置法案に対する附帯決議(案) 現下における環境保全行政の重大性並びに緊急性にかんがみ、政府は、環境庁の機能が十全に発揮できるよう予算、定員、人材確保に万全の配慮を加え、また、その運営に当っては実態把握に基づいて、環境基準及び排出基準の設定等の適正その他公害行政の強力な推進を期するとともに、できうる限りすみやかに、環境保全行政のより完全な一元化が可能となるよう今後さらに環境庁の機構、権限に検討を加え、その 実現に格段の努力を払うべきである。 右決議する。 本附帯決議案の趣旨につきましては、先般来の当委員会における同僚委員の質疑を通じましてすでに明らかになっておることと存じます。 よろしく御賛成をお願いいたします。
○天野委員長 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、本案に対しては附帯決議を付することに決しました。 この際、山中総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官。
○山中国務大臣 ただいま満場一致で議決されました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、ことに新しい役所の出発でございますので、いささかも悔いを残すことのないよう万全の態勢をもって、しかも決議の趣旨の内容に沿うような運営、その体制の整備をはかりたいと存じます。(拍手) ―――――――――――――
○天野委員長 なお、ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○天野委員長 次回は、明後十九日水曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十四分散会