内閣委員会 第21号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/05/10
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 環境庁設置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 たくさん問題がございまして、しかも実は各省との関係が非常に多岐にわたって出てこざるを得ない中身でございまして、しかし、いずれにしてもこれは総務長官がたいへん御苦労を続けられて法案提出というところまでお運びになったという御苦労を多とするものでございます。しかしこれは問題がたくさんございますので、きょう実はどこまで承れるかわかりませんけれども、まず事務的にわからぬ点がたくさんございますので、最初その辺をお聞かせをいただいて、あと中身についての御質問を申し上げたい、こう思うわけでございます。 この法案には何も特段の説明がないのでありまして、これは一体どうなるのかなというのがございます。と申しますのは、環境庁なるものを予算書その他の面から見てまいりますると、人の数は三十九名になっているんですね、環境庁プロパーで申し上げますと。で、あと一体どういうことになるのかというアウトラインがほしいのであります。環境庁長官ができるんだろうと思うのでありますが、内閣法改正が附則についていて、大臣が一人ふえることになる。賛成じゃないのですけれども、大臣はもうおふやしいただかないでもいいんじゃないかと私思っているのですが、どうせふやすんならインドネシア流に百人くらいつくったらどうかと言いたいくらいであります。しかしこれは、機構上は大臣が一人ふえる勘定になるのであります。四局ができる、こういうことになるのだろうと思うのでありますが、まずそこらのところから……。 さて、経済企画庁の国民生活局、つまり水質公害課、水質調査課、このあたりの方々、これは二十四名くらいだということのようでありますけれども、この辺の人と予算の関係、ここをまず、どういうふうになっていくのか御説明いただきたいのであります。
○山中国務大臣 まず、大臣を一人ふやす問題については、私も同感でないこともありません。ということは、やりようによっては現在の定数の中で専任の環境庁長官が置けるという判断をもって私は推進してまいったのでありますが、しかし今後展望される世界的な各国の動き等を見ますと、やはり一人増員で専任せしめる、ということは、今後将来、あとで議論も出ましょうが、単に現在ここに出してありますような内容についてだけを、未来永劫やるのではなくて、もっと広く国土保全あるいは企業立地、万般の土地計画その他について、やはり環境庁というものが大きな力を持っていく時代を日本は早くつくらなければならぬと思うのです。そういうことを考えますと、やはりこの際大臣——人多きがゆえに政府強固ならず、あるいはりっぱならずと私も思うのですが、この際は、諸外国に対する姿勢その他から考えて、あえてこのような一名増員の案をお願いをいたしたわけでございます。それゆえに、それだけのことをやるのでありますから、この環境庁長官の任務、さらにその姿勢、それから世界に対する行政の展開のしかた、国内の国民の要望にこたえる強固なる行政の責任者としての姿勢というものは、ほかの各閣僚よりもよりきびしく要求され、あるいはその姿勢を追及されるものでなければならぬ、かように考えておるわけでございます。そこで現在、局四並びに官房一ということで、一応法律に書いてございますが、総数から申しますと、おおむね物価の経企庁、公害の環境庁ということで、経企庁が約五百七、八十名と思いますが、これは今度移りますので最終的には五百名ちょっとの役所になりましょう。したがって公害の環境庁というものも、これは国際的なウエートもございますし、アメリカの何千名には比すべくもありませんが、少なくとも物価の経企庁、公害の環境庁にふさわしい五百名を下らざる定員をもって出発するつもりでございます。これは今後行管とよく相談をいたさなければならない問題がございますので、これらを考えておるわけでありますが、その総数の中で、ただいま一応水質を取り上げてどうなるのかというお話でございましたが、水質、大気、これらについてはいずれも現在担当いたしておりまする人数は全員予算ぐるみ、機構ぐるみ、人数ぐるみ環境庁にごっそり移ってもらうつもりでございます。さらに自然保護局は現在の厚生省のかつての局でありました国立公園部を全員、これもまた予算ぐるみ、人ぐるみ機構ぐるみでございますが、それに加うるに林野庁でやっておりました鳥獣保護行政並びにそれに関連する狩猟行政もここに移してまいりますので、その機構も相当なウエートを持って、いわゆる環境庁の特色は、公害を防ぎそして出ている公害をきれいにしていくというような直接の対症療法と、もう一本の柱として大きく自然保護という、私たちがいままで取り組まなければならなかった問題についてたいへんおくれてはおりますけれども、この環境庁の二本の柱の一本に自然保護行政を持ってきたということでございます。したがって、大体各省から現業に携わって、現在この関係の任務に携わっておる者は全員来てもらうわけでありますから、これは予算上もそれらの定員その他の移しかえを行なうつもりで、総則でそのようにいたしておりますけれども、なお残りまする五百名をこすための若干の純増がございます。それについては行管と相談をいたしながら最終的に五百名をこえる機構の環境庁としてきちんとした出発をさせたいものだ、産婆役としてそのような努力をいまいたしております。
○大出委員 羊頭を掲げて狗肉を売るということになっちゃ困るという心配がありまして、羊頭狗肉であるかどうかということについては、まず機構の中身を聞いてみませんと、羊頭か狗肉かわからぬわけですよ。したがって事務的でございますが承りたいのでありますけれども、企画調整局というのができるわけですね。それから自然保護局、水質保全局、大気保全局、こういう四局だと思うのであります。この各局の業務分担、これは中身はどういうことになりますか。
○山中国務大臣 これはもう法律第五条第三、第四、第五、第六項において、味もそっけもない法律用語でありますが、一応表現はいたしておるつもりでありますけれども、要するに企画調整局は文字どおり企画調整の任に当たるのが主でございますので、純然たる大気保全の仕事あるいは水質保全、自然保護、そういう仕事を調整をし、さらにまたそれらの局がばらばらではできない公害防止計画その他の企画立案あるいはそういう作業をいたします。さらに国立公害研究所及び公害研究研修所、こういうものも主管としては企画調整局ということにする予定でございます。
○大出委員 法律五条は「長官官房においては、前条第四号、第三十号及び第三十三号に規定する事務、中央公害対策審議会の庶務に関する事務、庁務の総合調整に関する事務」云々と、こうあるんですが、企画調整局、これはあとのと関連があるので聞きたいのですが、企画調整局というのは基本法・費用負担法、事業団の業務、公害病患者の救済業務、公害防止計画、国際協力、研究上の調整、白書の作成なんてことになるのですか。
○山中国務大臣 大体そのとおりでございますが、いまの私たちの考えでは国際協力は長官官房ということにいたしたいと思っております。
○大出委員 そうすると自然保護局は鳥獣の保護、公園の保護利用、自然保護憲章の関係、まだありますか。
○山中国務大臣 それに温泉等の業務、これは温泉だけ切り離して厚生省に残してもらっては困るという話もありましたので、広い意味のやはり自然保護ということでありましょうし、地下資源でもありますし、そういう温泉法関係が入っておりますし、先ほど申しました鳥獣保護並びに狩猟というものが入ってまいります。
○大出委員 これは法律用語でこう書いてありますが、中身を確かめたいんですが、水質保全局は水質の汚染、土壌の汚染、農薬の汚染関係、こういうことですか。あと何がありますか。
○山中国務大臣 まだ廃棄物処理、地盤沈下、海洋汚染、ここらのところも入ってまいります。
○大出委員 そうするとここでいう大気保全局というのは「同条第十六号及び第十九号に規定する事務、同条第二十八号に規定する事務(大気の汚染、騒音、振動及び悪臭に係るものに限る。)」——そうすると大気汚染、振動、悪臭。地盤沈下関係はどっちに入るのですか。
○山中国務大臣 先ほど申しましたとおり、いまの大気保全では、これは悪臭は悪臭防止法というものを一応成立する予定にさせていただいておるわけでございますが、そういうものも入ってまいりますが、ただいまの地盤沈下のほうは水質保全局のほうでございます。
○大出委員 そうすると、次に移管される業務ということになりますが、厚生省、農林省、通産省、林野庁、建設省、経済企画庁と、こうなるわけですね。これはどことどことどこが、いま完全に、完全に、完全にというお話なんですが、たとえば厚生省の場合に公害部、国立公園部全部。通産省の場合に公害部の二課、これは助成と指導がありますね、これは全部。農林省農政局の農薬規制と土壌汚染関係、これは全部。林野庁が指導部の鳥獣保護、狩猟、これは全部。建設省が住宅局の地盤沈下関係、これは全部。それから経済企画庁の国民生活局の二課、これは完全に移管をするということなんですか。
○城戸政府委員 ただいま申されました中で、課ごと完全に移管してまいりますのは厚生省の公害部の二課、それから国立公園部の三課、それから通産省の公害部の一課、それから経済企画庁の国民生活局の関連二課とこれだけでございまして、ほかはその仕事の一部が移ってくる、かよう女形になります。
○大出委員 そうすると、先ほどの長官の答弁は、いささか羊頭狗肉の感があるのは、全部、全部、全部、こうおっしゃいましたが、これはいまの範囲に限られる、こういうわけですね。あとは関係の人たちが移ってくる。ここらも実は資料も何にもいただいてないので、このまま見る限りはさっぱりわからぬわけでありまして、長官官房ほか四局ができる。そしてここに書いてある各号に基づく各局の関係の仕事がここで明らかになっている。この法律はそこまでですね。そこから先のところはあと何できめるのですか、移る云々の件は。
○山中国務大臣 先ほど来私、行管と相談中であると申しましたのは、そのあと展開されていく官房並びに四局の主として課が幾つになるか。それによってこのあとの人の配置その他の問題も明らかになってまいりますし、権限をどのような課に幾つに分けて配置せしめるか、これらの問題がございます。率直に言って、行管庁としてはたいへん、ふだんの姿勢と同じきびしい姿勢をもって臨んでおりまして、なかなか課の数について意見がいまだに一致を見ておりませんが、何とか歩み寄りをしたい。要するに私どものほうは、なるべく現在あります各関係省庁の課というものの機構あるいは担当者の機構というものを独立した課に置きたい、そしてさらに環境庁発足に伴う体制としてどうしても必要な課というものは認めてもらいたい、こういう姿勢でございますが、しかし大体は意見が一致いたしておりますけれども、そこまでする必要はないではないかという課等がございまして、それらの点がいまだ審議の資料として差し上げるようなところまで練れていないという点がございます。これは一つには七月一日の施行だということもございますので、その行政機構の組織の問題について、環境庁を国会に提案する三月十六日というものを急いだほどどちらも急いでおりませんので、若干その点ではおくれておる感じがいたしますが、環境庁発足にはきちんと間に合わせるというつもりでおりますし、この審議の最中においても明らかにできる点は全部明らかにしてまいりたいと思います。
○大出委員 そうしますと、いまのところは七月という目途で進めているということであって、人と金という面がまだ明確になってない、こういうことですか。
○山中国務大臣 これはまた全部明確にいたしますと、法律が通らない前に何をやっているのだという、人事の問題ともからんでまいりまして、それでもなおいろいろとうわさも流れているくらい人事問題その他はうるさい問題でございますけれども、やはり法律が国会において通った後、それらの残りの問題については最終的に決定すべきではなかろうかというふうにも考えられる範囲がございます。したがって、なるべくは国会の審議の最中においてここまでは必要であるといわれるものがありますならば、そういうものについては別段極秘文書でも何でもありませんから、そういうものについてはどしどし解明していただいてけっこうだと思います。
○大出委員 つまりそこがわからぬのですよ。法律が通らぬ前に何をやっているのだとこう言うのですが、逆に法律をつくるほうの側からすれば何が来るのか最終的にわけのわからぬものを審議せいと言ったってできるかということになる。この法律を見た限りでは、法律に書いてあると言ってみたってさっぱりわからぬ。さっき私が確かめた程度しかわからない。そこから先がわからぬで、一体この法律の性格がわかるかということになる。足がなくてからだだけで、胴体だけで歩きますと言ったって、歩けないわけです。そういう意味でこれじゃ審議のしようがないじゃないかということになる、逆に言えば。それで、陰で人事のうわさばかり流れておる……。そういう法案の出し方がどだいあるのかという気がする。そんなふざけた提案のしかたがあるかと実は言いたい。これはやはり小池副長官ですか、一喝くれたとかくれないとか、やたら各省から売り込みだらけだという。法律にろくろく何も書いてないで、新聞を見てごらんなさい、新聞がうそを書いたというなら、うしろにいる方々にうそかほんとうか聞いてみたいと思うが、その記事がほんとうならば、何をやっておるんだということです。「厚生省ショック」——厚生省いますか。厚生省は医者のほうも預かっておるからショック療法なんていうことばも当てはまるのかしらぬけれども、「ショック」、これは公害対策本部のときに、何とか中心的人物は厚生省でとろうというので、同省公害部長を送り込むことに成功して、かろうじてメンツを保ったというのですね。そこでやれ一山越えたと思った。それでその次はどうなるか。環境庁、これは環境庁云々の前の公害国会で、どうやら国民のたいへんな世論が起こっておるからいたし方ないが、公害国会が終わってしまったら消えてなくなるだろう、そしてもとへ戻って厚生省へ帰ってくるだろう、こう思ったというのです。ところが山中総務長官が悪いのか総理が悪いのか知らぬけれども環境庁ができた、踏み切った。そうすると帰ってこない。厚生省はたいへんびっくりしたという。「また大きなショックを受けた。いや、厚生省ばかりではない。通産、運輸、建設、農林など少しでも公害に関係のある役所は一様に抵抗の姿勢をとった。」ということがありますね。これは一体何というのですか、法案のほうにはさっぱりこまかく何も書いてない。どうなってしまう法案か見当がつかない。ところがうしろのほうのやりとりはみごとに忙しいのですね。「山中総務長官は、厚生省所管の自然保護部門を是が非でも環境庁に吸収したかった。しかし国立公園部は、各地の国立公園のレインジャー」——これは監視員だというが、約二百人を擁する大部隊だというのです。「大気汚染防止部門を環境庁に移管し、その上自然保護部門まで失ったら、厚生省に残る権限は医療、保険、年金、食品衛生部門などだけに縮小してしまう。」というのですね。それで山中さんと話した結果どうなったかというと、「山中長官と厚生省首脳との間で「環境庁の事務次官と大気、自然保護両局長は厚生省から」という約束が取りかわされたという。権限を譲るかわりに、腹心の部下を送り込み、人のつながりで厚生省の意向を反映させようとする、名を捨てて実を取る戦法が功を奏したのだ。」なんていう。これでぼくらに法律を審議しろと言ったってちっとは聞いてみなければ審議する気にならぬじゃないか。これはほんとうですか。
○山中国務大臣 まあ大体当たらずといえども遠からずという感じでございます。率直に言って新しい役所をつくります場合に、各省庁から相当な——これが新しくできて省庁に迷惑をかけないものなら別ですけれども、権限のみならず機構、人員、予算全部をむしり取ってくるわけですから相当な抵抗があることは間違いのない事実です。したがって、抵抗もあれば逆にできまいと思ったのにできてしまえば、それならば私のところはできることに内心反対だったけれどもぜひ入れてくれという、別の厚生省でないほうの運動等もいろいろとあるわけです。しかしながらそれらは私としては国会の実質審議も始まっていない、ましてや国会で環境庁をつくってよろしいという大臣一名増を含む院の決定がなされていない段階にわいて、そのようなことを議論するのは不謹慎であるということで貫き通しているわけです。 そこで法律の出し方の形ですけれども、これは私はやはり法律で——こういう形で出したのでは審議できないと言われるのですけれども、法律で審議会に何名置くとか参事官を何名置くとかあるいは課を幾つにするとか人数は何名だとかということは、法律には私は書かなくてもいいことであるし、法律はこれでよろしいのだと思うのです。したがって審議の過程において十分に議論をしてその輪郭が明らかになって、それに基づいて内容が定められていくというものでよろしいのではないかと思っております。
○大出委員 これは長官がたいへん苦労をされているんだということはわかるのですよ。わかるのですが、きょう公述人の皆さんの意見を聞きましても、環境庁をつくったが一つ間違うと二重行政だけ残る、そういうことに雇ったのじゃこれは困る、この点は同感だ、そういう御答弁も出てきているわけでありまして、ものごとが前向きに進められるということがはっきりすれば、それでは反対をする理由はないだろう、やってみようかという気持ちに、審議する側からすればなるわけでありますが、しかしこれだけのことをいろいろやったがほんとうの形だけで、これを見ると中身はいままだ抵抗中なんですから、大部隊と称するもの云々なんというものは来るか来ないかわからぬのです。これは長官が、名を捨てて実を取ったか取られたか知りませんが、話し合いをつけたとすれば、いまはその話し合いはついているのでしょうけれども、しかしこれはこの法案が出るにあたって中身はこうなりますという保証にはならぬ、現在話し中なんですから。そうでしょう。そうすると、ここで環境庁をつくったら中身はどうなるのかといえば、ここでいろいろ抵抗している部門がみんなはずれていったら、これは四局あるんだけれども、中身というのは一体何だったんだということになってしまう。そういう無責任な審議はできないんじゃないかと私は申し上げておるのです。来ないかもしれない部門がある、そのままで審議はできぬじゃないかと言っているわけなんで、そこらはどうなんです。
○山中国務大臣 この法律に出しました範囲において、来ないかもしれない分野はございません。これは法律に定められたものとして提案をするわけでありますから、政府の提案について、ある省はこの法律が通っても自分のところは協力しないといっても、これは法の名によって協力を命ぜられるわけであります。したがって、法律が通過した後においてもなおごたごたが続くとかということもありませんし、いま残っておるのは、先ほど新聞を読まれましたけれども、率直な話、人事を自分のところで取りたいとかなんとかということが残っておるということと、あと課を幾つにするかの問題は私どもと行管庁との話として残っておるということでありますから、ここに出されております機構とその権限、内容、そういうものについては全然異論はありませんで、合意を得たものを提案しておるということであります。でありますから、さらに議論をするとすれば、将来は、今後の、ことし予定いたしております東京、大阪、神奈川、こういうところの公害基本法に基づく防止計画等がだんだん設定されていきますと、やはり下水道なんというものは公害防止計画のない地方等についてはもう配分の余地がないような予算になってしまう可能性もあります。こういうことはやはり下水道五カ年計画というものをもう一ぺん見直す、あるいは下水道そのものの行政を、厚生省の水道関係も一緒に含めて新しく環境庁の中にさらにそれをつけ加えて、そして下水道行政も環境庁の中に、たとえば都市環境局ですかあるいは下水道局ですか、そういうものにしてさらに将来は移っていかなければならぬ時代が来ると私は思うのです。ことしそれをやろうと思っていたのですけれども、しかし建設省としてはやはり、協力する意思はあったのでございますが、大臣自身も山中に協力せいという指示までしたくらいです。ところがよく相談をしてみますと、現在の下水道行政というものが、新五カ年計画は出発したばかりで、そして一方においては予算において下水道部というものの昇格がきまっておりましたし、完全に下水道関係を現業部門まで持っていくには、自然保護局のレインジャー部隊の現業とはやや違った趣がございますので、そこらの点は今後の検討課題として、建設省はしいていつまでも固執するものでないという姿勢を示しておりますから、こういうものはやがては新しい環境庁の機構の中で、当然望まれる下水道という優先すべき大公共事業という分野も移っていく日が来るであろう。また、私はそれを新しい環境庁にはぜひ申し継ぎをしたいというふうに考えております。
○大出委員 売り込みが激しくて、小池さんが一喝くれたとかなんとかいうことがありまして、総理府は売り込み公害を受けているようなものですが、こういうことでは私は非常に問題があると思うのですね。やはり政府全体が意思統一して、前向きで前回の公害国会のあとを受けて、あの国会の結果に対する批判もいろいろ各方面にあるわけでありますから、だから一様に前向きでひとついいものをつくろう、こう進んでいってもらわなければこの点は困る筋合いだと思うのです。そういう意味で、少し読み過ぎた感じがいたしますが、いまの新聞記事を読んだわけであります。なおかつ努力を続けておられるというわけですからその点はさておきまして、先に進めたいと思うのであります。 さて、そうなりますと、これは各省といま話に出ました限りの範囲、こういうふうに分けまして、さてそこで厚生省の場合を見ますと、ここでは清掃関係の仕事であるとか薬品あるいは食品関係の仕事、これは厚生省に残るわけですね。ここらと環境庁との関係は、権限を含めましてどういうことになりますか。
○山中国務大臣 まず薬品、食品の問題は、私たちは一応薬品公害とか食品公害とかいっておりますが、公害基本法にいわれているいわゆる第二条の典型公害、こういうものから考えますと、ややジャンルを異にする分野であることは間違いがないと思うのです。しかしながらこれをほうっておくわけにはいかぬ。やはり無過失賠償等の問題も薬品とかあるいは食品等については当然優先して考えられなければならない分野でもあります。したがって厚生省のほうもそのことはよくわかっておりますので、これらの問題は食品衛生法あるいは薬事法等によって専門の学者を中心にしたそういう登録事務から始まる検定、そういうものはおまかせしておいたほうがいいのではなかろうかしたがって私どもが俗にいう公害ということばがいいのか悪いのかわかりませんが、今後はやはり環境問題ということで、主としてそういう企業や人の生活や活動に伴って起こる一般の人たちの生活環境というものの破壊から守っていくんだ、そうして積極的に将来は企業立地も含めた新しい日本の国土のレイアウトに大きなウエートを環境庁が持っていくのだというようなものにしていきたいという気持ちでございます。そこで現在の食品衛生法あるいは薬事法、そういうものできちんとされておる分野については、残るのは無過失賠償の問題ではなかろうかということを考えましたので、今回の、まさにいままで私どもが議論しておりました基本法でいう公害の分野をはみ出すということについては遠慮をしたと申しますか、それは今後の検討課題ということで一応環境庁からは切り離すべきだろうという考え方に立ったわけであります。 質問の第一点は城戸首席から答弁させます。
○大出委員 きょうは考え方をよく承りたいと思っておりますから別にこだわりませんので、かまわずお答えいただければいいのであります。 続けて承りたいのでありますが、農林省の場合でありますが、土壌汚染対策事業、それから農薬全般、この規制が残ることになりますね。ということになりますと、これは非常に問題があるんじゃないかと思うのでありりまして、指導だけを環境庁に移管しても実態は、先ほどの分野云々のお話もありましたが、なかなか人だけで事片づくものじゃないだろうという気が私はするのでありまして、アメリカの例を見ましても、ここに機構図がございますけれども、農薬というのは相当重視をして一つの局をつくっているのですね。これは農薬局、廃棄物局なんという形の局を保護庁傘下に置いているのですね。実はそのくらいの価値あるものと私は思っておるわけでありまして、ここらを単なる指導だけにしたというのはどういう意味があるのでしょうか。
○山中国務大臣 これは単なる使用規制だけではありませんで、残留農薬についてそういう表現をとっておるわけであります。さらにまたそれについて当然登録を保留してもらいたいという場合においても、環境庁の立場においてものをいうという権限があるわけです。そこで一般的に農薬公害と俗にいわれている農薬行政というものをどうして全部取り入れかかったかということでありますけれども、これまたちょうど薬事法に基づく薬品行政と同じように、やはり農薬についても同じような検査、登録等の業務というものはよほど専門の分野でないといけませんので、やはり試験場等の業務というものは大きなウエートがございます。したがって、現在はただいま申したような分野で、あと土地改良法等に準じて行なわれる土壌汚染防止の作業そのものですね、こういうものはやはり農林省でやってもらったほうが一番ふさわしいだろうということで、その部分は除いてございますが、しかしながらそのやり方ややるべきことについての姿勢等については、環境庁長官は全体の問題として報告を求めあるいはまた勧告し、勧告のあとは勧告を守らない場合あるいは協議に応じない場合あるいは思うように実行が確保されない場合等については、内閣法第六条の、各省大臣を指揮する総理大臣の権限の発動を、意見を申し出てやってもらうという、バックに強力な権限を与えておりますので、大体そういう方面は円滑に進むのではないかと判断をしておるわけであります。
○大出委員 これはここに一つ例がありますけれども、中央鳥獣審議会というのがありますね。この八日の中央鳥獣審議会に鳥獣保護のための規制強化の方針というのを諮問して、そのあと二十四種の鳥とツシマテンですか、これを保護鳥獣とする、航行中のボートからの発砲だとかあるいは五連発銃の使用禁止だとか、いろいろ出てきていますが、実はきょうから愛鳥週間だというわけでございまして、少しいろいろな方々からの陳情めいたものもございまして、そういう意味でちょっと承っておきたいのであります。 さっきもちょっと公述人の方に申し上げて意見を承ったのでありますけれども、日本くらい農薬を多投するといいますか、よけい使い過ぎる国というのは、欧州、アメリカ等の例から見まして、ない。これはここに数字がありますけれどもたいへんな使い方になっている。そこでこの野鳥などというのがどんどん減っている。激減をしている。このたいへんな激減のしかたというのもまた他の国に見られない特異現象になっている。だから関係がないわけではないと思うのであります。さてそこで、年間に何億かの害虫を野鳥が駆除をする。食べる。これもすでに学問的に明らかになっている。西ドイツあたり、そこらを考えて農薬の使用制限というものを、規制を非常にきびしくして、たいへん農薬の使用が減ってきている。あわせて逆に今度は野鳥の増加ぶりというのが急速にふえてきている。日本の場合にはむしろ都心のほうが、町のまん中のほうが公園、緑地その他を最近考えておりますから、比較的そちらのほうに野獣がふえる。郊外のほうは逆にどんどん減っていくという、そういう現象が続いている。そこで西ドイツのように野鳥がどんどんふえる、政策的にふえるという方向をとって、そういう意味での農作物なりあるいは森林なりというところに対する野鳥による駆除という形のものとあわせた政策をとって、最近は非常に成功してきているという、こういう事例が具体的にあるわけですね。これは愛鳥週間だから申し上げるというのじゃございませんけれども、やはりここらのことも本来一考を要するといいますか、考えてみる必要のあることですね。まして鳥だけではなくて人間に対する農薬公害が至るところに出てくる、これも現状でありまして、たくさんなくなった方もいるわけであります。そうなりますと、そこらのところを、環境庁ができるにあたって、当然とらえていかなければならぬ筋合いだろうと思うのでありますが、いまここに提案をされている法律の形、権限、こういうふうなものの中で、いまあげたような例は具体的にどういうふうに国の行政面で行なっていけばいいということになるのか。つまり環境庁の組織、機構というものの制度の中から出てくる方針としてどういう扱い方をされるのだろうか。具体的例をいま一つあげたわけでありますが、そこらの問題とあわせて、ひとつもう一ぺんいまの農林省との関係等を含めて御説明をいただきたいのであります。
○山中国務大臣 これはおおむね大出君の言われるような方向にしておるつもりであります。というのは鳥獣保護並びに狩猟、そういう行政というものを法律とともに全部自然保護局に移すわけでありますから、当然自然保護の中で鳥類がどのように保護されなければならないか、したがって狩猟はどのようになされなければならないか、まずこれが直接の部内の問題として両方のバランスがとられてくると思うのです。私は狩来は日本全土を禁猟区にして、そして必要なところを逆に許す、いわゆる狩猟区として特別に認めるというようなことに考え方を逆転さしていかなければならないのじゃないかとも思うのです。ただ、しかしハンターの増加ということも、新しいレジャーとしてけっこうなことでありますけれども、これ等もやはりガン等は農林省と、いわゆる鳥獣保護の関係の問題と狩猟関係とではちぐはぐだったりしたようなことを今度直すわけでありますけれども、そういうような点がどうしてもありますから、こういうようなものは今後なくなる。一方において同じ環境庁の中で公害防止の仕事をやるわけでありますから、その基準の設定等について当然保護局の中に置かれる鳥獣保護、そういうものが一貫して考えられなければ、同じ役所でありますから、これは当然企画調整局あるいは官房等において調整をいたすはずであります。そうするといまのように、たとえば油の問題を海水の油濁だけだというふうにとらえておりますものが、そこに毎年渡り鳥が来ておる、ところがその油が羽にくっついて死骸がごろごろころがって、だんだん飛来する数が少なくなっていくというような現象は、当然公害の問題としてだけでなくて、環境庁である以上は、その問題も新しい油濁規制の問題として取り上げていかなければならぬというふうに、当然役所の姿勢が要求されてくると思うのです。それはよその役所のことですからと言えないように今度は仕組んであるわけでございますから、そういう意味では相当な前進をするものと期待をいたしております。
○大出委員 まあここに私どものほうの上原さんおいでになりますけれども、一緒に沖繩をかつて歩いておりまして、学校の校長先生が、まあ表敬あいさつということばが向こうにありますが、ごあいさつを申し上げて、そのあとで何と言うかと思ったら、やがて寒露の季節でございますなというわけですね。寒露の季節、これは露がおりるということばのようでありますが、そうしたらタカが渡りましたななと言うのですね。タカが渡りましたかなと言われて、ぼくはあとで聞いてみたら、沖繩県にいると、季節が寒露の季節というときになるとタカが渡るのだそうですよ。あとで聞いてみると、昔はたいへんたくさんのタカが渡って行くのが見えたというのです、本土のほうから。最近は少なくなりましたからなという話が出まして、つまりいま渡り鳥の話がちょっと出ましたけれども、たいへん少なくなったという国際的なクレームがついているという話をこの間ある人に私は聞いたのです。ここにも実は新聞の社説に載っておりますけれども。だからつまり日本がやたら農薬を多投する。いまのような世の中が変わってきているのに、外国の例からいくと、狩猟つまりハンターがふえるというのは、日本だけじゃなくて外国もうんとふえている。野鳥がどんどんふえる、ハンターもふえている。ところが日本の場合にはハンターがふえる、野鳥は思い切って減る、これはなぜかという。つまりこの中心点は、いまの農薬の多投の問題から始まりまして、さらに非常に大きく変わってきていて、ハンターもうんとふえてきているというのに、依然として旧式な狩猟制度、ずさんな取り締まりを含めまして、この種のことが依然として放任をされている。つまりそういう意味の計画性、合理性がないということだと思うのですね。ここらのところは、特にこれから先ひとつある意味での政治課題でもあろう、こういうことなんですけれども、ここらの点をやはり二重行政ということになっては困るわけでありまして、農林省の側に相当な権限が残っているということに在りますと、その権限争いというものがなかなか解消しない。こうなると、せっかくつくった環境庁に仏つくって魂入れずにまたなってしまう。そこを実は心配をいたしまして、いま質問をしてみたわけでありますけれども、似たようなことが幾つかほかの省との関係でもございまして、さっきもお話がございましたけれども、建設省の場合でも都市計画、近郊緑地の緑地化事業等の問題、あるいは公共下水道事業、これは建設省に残っておりますから、その意味ではヘドロ問題を一つつかまえても一々建設省の権限というものにぶつかる、こういう問題にこれはなると思うのですね。ここらのところは、さっき下水道について将来の展望についてちょっとお話がありましたが、ここらのところ、いまの狩猟問題とあわせまして、どうふうお考えになつておりますか。
○山中国務大臣 確かに狩猟問題については、いままで政治の場においてあまり大きく私たちは取り上げていなかったきらいもあると思います。国際的にそのような機構がございまして、オランダのベルンハルト殿下がその会長をしておられるようでありますが、日本には一向にそういう機構が生まれない。かといって、民間には個人の鳥獣研究所やあるいはまたいろいろな、上野動物園の前の古賀園長さんあたりの提唱される運動とか、いろいろなものがありますけれども、国として一本化して国際鳥獣保護の機構の日本支部ができていない。そうしておりながら、その国際組織からはトキの保護にえさ代を送ってもらっておるという、まことに情けない状態が一方あるわけです。これはぜひ私どもがお世話を申し上げまして、環境庁の世話もしますが、その問題もぜひ国際組織の中の下部機構を日本につくりたいということで、いま私どものほうの管理局を中心として農林省等とよく相談をしながら法人をつくるように努力をしておるわけであります。ところが、こういう種類の問題でありますから、お金がなかなか集まらないという問題等がありまして、積極的にそれを助成をしてバックアップしていきたいと思って、いま進めておるわけであります。こういうような現状から考えますと、国は免許税やあるいは県ごとの取られる入猟税でございますか、狩猟免許等、そういうような収入等が相当各県あるいは国に入っているわけですけれども、鳥獣保護行政に投ぜられておる金というものはごくわずかな金であります。こういうようなところなどは将来私は目的税にしようなどという、そういう大蔵省が最初から反対するような構想を持ち出すほど愚かではございませんけれども、そういうこと等は着目して、今後環境庁ができた場合において、やはり鳥獣保護に対する国の予算上のあり方というような問題等も当然俎上にのぼってこなければならないだろう、こういうふうに思うわけであります。したがって、そのような分野は全部環境庁に移るわけでありますから、農薬の部分の、困果関係はありますけれども、農薬の検査、登録等その他の具体的な検査業務、認可業務等までは環境庁ではいま手が回りかねる、こういうことで残してございますから、これらの点は両省よく相談をして、これは指導権は環境庁のほうにございますので、勧告その他もできるようになるということでございますから、その意味ではやはり前進をしていくだろうと思います。 さらに第二点の建設省の関係については、先ほどちょっとお話もいたしましたけれども、建設省としてはやはり下水道というものが、ことに都市環境、人口稠密的な環境による水域並びに大気の汚染、主として水域汚染でありますが、こういうものに非常に大きなウエートを持っておりますし、ことに世界的に比較をいたしました場合に、最もいやな統計比較は水洗便所の普及率、そしてその次が下水道の普及率あるいはその次が道路舗装率くらいになるかもしれませんが、非常に情けない状態に日本はあるわけです。これは歴史の長い国でありますけれども、近代国家として誕生したのが近々百年ということから考えて、やはり社会資本というものの投下が、日本の明治以来の、二十七、八年戦役あるいは日露、それから大正から昭和、こういう歴史を振り返りますと、そういうおくれた近代国家としての出発を取り戻すための基礎的な公共投資というものが怠られていたということを認めざるを得ないと思うのです。その後においてそのような基礎的な条件というものを若干ないがしろにしながら、一方において非常な経済発展を遂げてきた。そこにおいて今日の下水道その他の基本的な社会資本の整備というものが焦眉の急になってきたという、いわば私どもの政治の責任でありますけれども、そういう現象であったことは間違いないと思います。パリには地下に第二のパリがあるといわれておる。観光遊覧船まで中に入れるような、観光者が入るようなりっぱな百何年前の下水道というものを考えるだけでも、やはり近代国家の出発がおくれたということについては、私どもはここらで謙虚な反省をしなければなりません。建設省もそのことを承知いたしておりますので、現在初めて下水道整備五カ年計画というものをセットしたわけでありますけれども、先ほどちょっと触れましたように、公害防止計画というものをそれぞれさきに千葉と岡山と三重についてやりまして、今度最も大物であります東京、大阪、神奈川というものをやりますと、現在の年間予算の中では五カ年計画の展望をしてみても、その他の必要な都市等に持っていく予算が非常に少なくなりますので、建設省としては非常に建設行政の上から、先ほど申しましたまず優先する社会資本の充実という面から見ても困る立場にあると思うのです。そこで今後やはり建設省等とよく相談をしながら、これらは将来においてもっと飛躍的な、近代国家の第一義の前提たる社会資本の充実という面で、下水道の予算というものの飛躍的な増加ということを考えなければならぬと思います。それ以後においてやはり環境庁とどのような形、場合によっては環境庁そのものがまず水質汚濁の基本をそこできちんとするのだということで処理していくようにしなければならぬのじゃないか。これは高度の政治的な判断でございますから、役所のある機構を移すのはいやだとか賛成だとかということを越えた問題として、今後私どもが大所高所から考えていかなければならぬ問題としてなお残された問題であることには間違いないと思います。
○大出委員 考え方をずっと承っておきたいのでありますけれども、いまお話が出ました点で一、二点申し上げておきたいことがあるのでありますが、それは今度の、これは林野庁の所管だと思いますけれども、中央鳥獣審議会の論議の中で、ボートからハンターが撃つ方式であるとかあるいは五連発の銃であるとかというふうなものの使用を禁止、こういうことで割り切ろうという意見があって、ところがハンターの代表から強い反対意見が出たために、船撃ち禁止は見送りの公算が強くなったという表現がここに一つあるのです。また五連銃等についてもどうも禁止答申が出せないという、こういうふうな動きが出ている。そこでこれはおくればせではあっても、やはりぼつぼつこの辺で国の行政の一つの中心にこの種の問題を取り上げて、そうして前に進める。おくればせだけれども、そこまで持っていく必要はあるのではないか、そういうここに一つ書き方がございます。ハンター代表がどういうお気持ちでそういう意見を吐かれたかは知りませんけれども、たまたませっかくの愛鳥週間などという時期でもありますから、ぜひ、せっかくの前向きないま御答弁がございましたので、所管の相違がありましょうけれども、せっかく環境庁法の審議をし始めたわけでありますから、きょうはほかの省の方々にもお出かけをいただきたいということで御連絡をいたしましたが、実はおのおの関係委員会その他があってお出になれないというのでありまして、この審議の過程でどこかでまたもう一ぺん所管の省の方に御意見を聞きたいと思う点もあるのでありますが、御留意をいただきたいというふうに思うわけであります。 それから地下下水道、幹線下水道の問題も、私、横浜におります関係で特に目につくのでありますけれども、横浜市の六大事業の一つに指定して、これは実はたいへんな金がかかる。表街道で市民の皆さん見ていてもあまりわからない。がしかし、ものすごい幹線下水を端から入れているわけですね。これはたいへんな金がかかります。じみであって、金がかかってどうにもならぬ仕事ですけれども、それでもやろうということで進めている。これは事情御承知のとおりだと思うのでありますが、確かに百余年前の「レ・ミゼラブル」なんかに出てくるジャンバルジャンじゃありませんけれども、トラックが優に何台かすれ違える大下水がパリにできているわけです。横浜などのような都市であっても、百年ぐらい前に気がついた市長がおれば、まさに今日こんな騒ぎは要らないわけです。浄化槽その他の問題にしても、幹線下水をつくれば一戸当たり四、五万金を借りればすぐつくことになるわけです、次々にそういうふうに進んではおりますけれども。だからここらのところは、実はいま承りました焦点は、環境庁ができた、地下下水道その他の問題の権限は建設省に残っているということになってまいりますと、環境庁が相当前向きにものを考えてもなかなか船が前に進まないのじゃ困る。ここらのところは先ほどの論点と同じ意味であとから申し上げますけれども、もう少し制度的に環境庁の側の、いま制度づくりをするのでありますから、権限というものを考えておく必要がありはせぬかという気がするわけでありまして、その点で承ったわけであります。 もう一つ、ここで運輸省には車検関係あるいは海洋汚染対策なんというものが残るわけでありまして、いまでも騒音問題で運輸省と厚生省との間でいろいろがちゃがちゃやっているわけでありますけれども、これなんかも実は環境庁の側との権限関係その他を含めまして、将来環境庁の業務遂行の上で非常に困難に在る可能性も出てくる、こういう心配をいたします。ここらの問題点は、おそらくこの法案を出すにあたって、陰で運輸省その他のほうともいろいろやりとりがあって、ここまで進めておられるのだと思うのでありますが、あわせてこれも一つ御答弁をいただきたいと思うのであります。
○山中国務大臣 航空機、新幹線等は現在のところ環境基準の作成がなかなかむずかしゅうございますので、これは運輸省に一応残ることになりますが、現在ちょっと各省間がごたごたしているように新聞で書かれたのは、主として道路騒音の建設省関係であります。建設省も道路騒音について否定しておるわけではありませんが、その環境基準の定め方いかんによっては、全部の自動車を二十キロ以上走らせられないような状態になるではないか、あるいはまたスピードが速ければ逆にタイヤ摩擦音というものが非常に高くなるという統計的な学問的な主張もございます。これはまた否定できない点もあるわけですけれども、かといって道路交通騒音に対する被害というものは沿線住民にとっては交通事故の脅威と同じように重大な問題であります。これは昼夜の別なくさいなまれる問題でもありますし、やはり環境基準というものをどうしてもつくる必要がある。厚生省の主張を生かしました環境基準どおりでは、あるいは現実離れをしまして、環境基準をつくってみてもその達成についてはとてもいつになるかわからないというような環境基準であってもどうかと思うという点もありますし、かといって建設省がいま主張しておりますような立場のみにこだわりますと、幹線道路の沿線の人たちは道路の騒音の環境基準というものを定めてもらえないという結果にもなるおそれもございますから、この両極端ではなくて、やはり少なくとも騒音対策の中の環境基準で道路騒音に対する自動車の問題は、何らかの妥結点を見出すために、先週から私の対策本部が中に入りましてその調整を開始いたしておりますので、間もなく落着して道路騒音の環境基準も一緒にセットされて、騒音環境基準ができるだろうと思っておるところであります。
○大出委員 これは法案でありますので、あとで手をつけていなかったということになりますと責任上問題がございますから、いささか静かなやりとりになりますけれども、ごかんべんをいただいて聞かせていただきたいのであります。 次に、非常に大きな問題でありますけれども、通産省の場合、産業立地と申しますか、先ほど長官の発言の中には自然保護、企業立地ということばを冒頭に使われておりました。この産業立地、電気、ガス事業はそのまま通産省に残ります。これはいわば公害の発生源でもあります。そういう意味で産業立地というのが環境庁から離れているとなりますと、これは非常に問題が大きいのじゃないかという気が私はするのであります。まして電気、ガス事業、これも産業立地の一つでありますけれども、これはある意味での公共事業だ、実はこういう年来の主張が通産省にはある。だからはずしたのだということになりかねないのでありますが、その公共性なる優越性を前に出されて、別な角度で別な省が進めていくということになりますと、私の足元の横浜でも実は火力発電その他を含めていつもとかく問題があって、横浜方式というようなものも生まれているわけでありますけれども、ある意味での企業利潤に奉仕すると言ったら言い過ぎかもしれませんが、そういった面が強くあらわれかねない、こういう心配が非常に大きく残ります。逆に言えば公害の激発をその面で防げない、こういう結果になりかねない分野が残っているんだ、こういうふうに見たいと思うのであります。そういう点について環境庁の側から、一体ここのところが切り離されていて、どこまで万全な公害防止の措置が行ない得るかという点、ここのところはどういうことになっておりますか。
○山中国務大臣 この点は確かに大気汚染、水質汚濁、なお騒音というようなものにおいて適用除外になっております点については、昨年の公害国会においてもそれぞれの法律の中で適用除外を指定をいたしました際に、その法律を出しますまでには相当な議論をいたしました。もちろん私の立場でありますから、こういうものも一緒に取り入れなければおかしいし、むしろこれを取り入れないで適用除外しておくことが問題ではないかという問題の提起のしかたであることは当然であります。 しかし、他方私自身にも若干説得力を持つと思われました理由として、やはり広域供給行政である、確かにこれはそのとおりだと思いますし、地方に大幅に権限を委譲をいたしますから、これらの問題で、ある火力発電所が突如として停止をしたというような場合に、それは瞬間的に一秒の誤差もなく他の電力会社もしくは発電所から電力の供給がなされませんと、これは公害と関係のない不特定多数の人たちの電気がまからテレビに至る各種の、今日もう停電が十分あったら大騒ぎというような状態の生活環境になってしまっておりますから、こういう問題を考えますと、ある意味では広域行政が必要であろうという点で私もある程度説得力を感じたわけです。 それからいま一つは大気の問題でありますけれども、これはやはり国際的に低サルファの重油の供給というものが御承知のように困難な状態にありますし、重油脱硫にいろいろな助成措置を講じているといっても、なかなかそれが完全に供給できる見通しが立っておりません。そのようなときに、いわゆる原料対策、燃料対策というものと関係なしに、これが法の名によって命令、規制されていった場合に、それは確かに命令は行なわれるけれども、実際上は、企業というものの先ほど申しましたいわゆる公益性というものから考えて、操業は続けなければいけないという立場に守れない条件をしいる結果になるということで、私も、この際においては若干問題があるけれども、では一応見送りましょうという姿勢をとったわけです。 しかしながら、そのときも騒音ぐらいは適用除外はどうだ、私は最後までそう言ったわけです。騒音はほかの企業のやっと発生施設は同じではないか。ところがそれも通産省としては、それだけをまた持っていかれますと、やはり発電所等の施設の中で、騒音の発生する部分はなるほど固定された施設ではあるかもしれないが、その騒音取り締まりの対策だけでもって全体の企業が動かないようになるということは当然あるわけだから、やはりこれも一連のものとして考えてもらいたいというつもりでございましたので、その点は私のほうが相当に後退をしたといわれることは間違いのない事実だと思いますが、さて今後環境庁ができましてそれらの適用除外というものは、もちろん環境庁長官の全然タッチできない範囲ではありません。当然それに対して協議とかその他の先ほど申しましたような権限の行使はするわけでありますが、しかし、少なくとも一義的な所管でないという問題は、今後、現実に私たちがもう公害は起こらない国家にするんだということを考えております場合に、やはり問題が出てくるのではないか。したがって、その前提条件である少なくともローサルファの確保等について、国策としてもっと大きな前進があってしかるべきだ。公害を後進国に輸出するようなことはできませんけれども、たとえば中近東の主として輸入しておりますハイサルアァの産油国において、そういうような重油脱硫装置等の工場を建てて、そこでローサルファのものにして持ってくることが、現地の人たちに対して、日本は国内では公害を発生するから後進国に持ってきたんだというふうに一がいには受け取られない節もあるわけです。さらにまた、その過程において発生するアスファルトなどというものは、日本の全需要の二倍の産出がいまなされているわけですが、そういうものを現地で出して、それを砂漠の下あたりに全部敷き詰めることによって、荒涼たる砂漠が水の漏らない地帯になるわけですから、そういう地帯の人たちが緑の砂漠を取り戻すことができるというようなこと等もあわせて、高度の政策を考えていけば、そういうこともやがては考えていい時期が来るのではないか、こういうようなこと等も考えておりますが、これは外務省、通産省の経済外交の分野でもありましょう。 しかし、やはりそういうことを前提にいたしませんと、いつまでも電気、ガス等はこれはもう全然手を触れられない分野であるのだということでは、日本の公害克服、環境保全という姿勢に大きな穴があいているということになるおそれがありますから、これは当然通産省としても、反社会的あるいはよき隣人でない企業というものがどういう状態になっていくかということを考えていった場合に、やはり発電会社等の新規立地が困難になっておる、そしてまた古い電力会社を動かせば、その動かすことについて住民運動があってなかなかうまくいかない。そうすると収益に関係のない投資もしいられるわけでありますから、自然と配当が下がったり収益率が下がったりすることに直結いたします。 こういうようなことで、長い目で見て、国際的にも公害ダンピング日本というようなことの言われかかっておる現在でありますから、国内においてそういう直接な法規制から適用除外をされているといっても、やはりそれらの法律のそれぞれの中において、直罰規定等も含めながらきちんとした姿勢をとっていってもらいたい。それでどうしてもうまくいかなかったら、この際、やはり政治の英断をもって直すべきところは直さなければならない時代が来るであろうというふうに、率直に意見を申し上げておきたいと思うのです。
○大出委員 これは私にも経験がありまして、横浜の根岸にあれだけの日石の工場ができるときに、ずいぶんこれは時間がかかり苦労をしたわけなのです。たいへんな亜硫酸ガスをふき上げることになる、そこで、集合煙突をつくってくれ、脱硫装置をどうやればいいかという、ずいぶんこれはやりとりをいたしまして、秒速六十メートルで逆転層の上まで突き抜ける集合煙突をつくったわけです。ところが、それでもなおかつ、人家密集地域が近くにあるわけでありますから、その間をどうするかということでこれまたいろいろやりとりをして、規格をきめて、いわゆる横浜方式などといわれるものになったわけでありますけれども、工場長に会って聞いてみると、そのための公害防止装置全部を含めて、あの工場だけで八十億円かかったというのです。日石だからできたということになるかもしれませんけれども……。 だから、そういう意味では、自治体の占める分野というものも非常に多いものがあると思うのです。だがしかし、やはり国の、たとえば環境庁ができるとすれば、ここが大きなバックアップをするということでないと、その自治体が地域住民を含めて非常に苦労することになる。常にここでぶつかるのは通産省の政策になってしまう。したがって私は、やはりこれを残したことは非常に残念だという気がするのであります。そういう意味で、いま御説明いただきまして長官の考えておられる点はわかるわけでありますけれども、今後よほどこの辺は気をつけていかないと、所期の目的と逆の方向に行きやせぬかという気がするところでありまして、御留意いただきたいと思って申し上げたわけであります。 それから、公害防止の規制ですね。それから基準の設定、承認、そういう権限が、ほんとうならば環境庁に集中的に一元化される、そうしてそれが時の総理なら総理の強力な指導力をもって進められていくということでなければならぬと思うわけでありますが、今度のこの法律の中身からいきますと、どうもそういう点がなお大きく欠ける点がある、こういうふうに実は思うわけであります。 この法律からいけば、各省に対する資料の提出請求権、勧告権、それから総理の指示要請権、こういうふうなものがあるわけですが、この各省の行政の特に実施について、これを強力に実地監視をする、あるいは監査をする、あるいは調査をする、そういう権限はない。せっかくここまで前向きにものごとを考えるというならば、そこまでなぜこれは環境庁に権限がつけ得なかったかということですね。ここらが、まあこれは将来改正すればいいじゃないかということになるのですけれども……。こまかい具体的なことを申し上げますと時間がかかりますから、中心点だけ申し上げるわけでありますが、そこらのところ、御意見をいただいておきたいのであります。
○山中国務大臣 大体典型公害に関する部門については、環境庁のほうで基準の設定、規制等もやるわけであります。先ほど申しましたのは全く特例でありますから、その他の問題は都道府県知事に対する権限の大幅な委譲とともに、環境庁がきっちりした基準をつくり、あるいは場合によって都道府県がそれに上乗せの環境基準等を設定すること等によってこれは実効が期し得ると思いますし、さらに予算措置等において、交付税措置等も含めて強力な立ち入り権限その他を与えられる職員の数も三千数百名に達しておりますし、また都市型保健所等については、三カ年計画で五十七、五十七、五十八の増員をすることにしております。これはあらゆる権限を持ついわゆる公害監視員というものになるわけでありますが、こういうもの等を駆使いたしますと、大体において都道府県、場合によっては六大都市、さらに公害については、現在の指定都市は地方自治法上の指定都市でありますから、これはやはり公害の立場から見て、たとえば川崎あたりは指定都市ではない。しかし、公害ならば当然指定都市にならなければなりませんから、別な角度から指定都市を、自治法上でなく、別な角度から見てふやしたいと思っておりますけれども、そういうふうに下におろしていくことによって、これは身近なものとして——国で全部やっておりますと、とっても届きませんけれども、これがそういう環境の範囲内においで、地域住民の代表たるものに権限がおりてまいりますと、私は相当前進するのではないかと思っております。
○大出委員 これはアメリカなどの環境保護庁を見ますと、下部機関に地方事務所というものがある。ところが、今回の法案にはそれは全くない。ですから、いま指定都市の話が出ましたが、保健所のあるところについては、例の廃棄物の処理及び清掃に関する法律なんかでも、そういうところに限って権限委譲が行なわれていくわけでありますが、いまのお話が出てくるならば、もう一つここで中央公害審査委員会がありますね。ここなんかにいわゆる準司法的な権限、こう言ったらいいのではないかと思うのでありますが、国家行政組織法第三条ですか、そういうつまり権限を持たせることができるはずだと私は思うのです。そのくらいのところまで改組して進めておくべきではないか。いわゆる諮問機関的な運営だけやっておったのでは強力な実体が伴うものにならない、この点が非常に私も調べてみて気になるところなんでありますが、ここらのところはそういう考えは冒頭からもうなかったということですか。
○山中国務大臣 中央公害審査委員会は、当初私は環境庁に付属せしめるための原案をつくったわけです。しかしながら、これはどこからも反対が出まして、行政管理庁も反対、法制局も反対、また中央公害審議会も反対。これはいまあなたのお話しになったように、環境庁が環境を守る立場からの役所であったとしても、そういうところに所属せしめるべきではない。やはり総理府の機関としてそれを置いて、純然たる中立、独立の機関として活動を続けるべきが至当であるということで、私のつくりました案で一カ所だけ閣議決定直前に後退をいたしたのが、中央公害審査委員会は環境庁に持っていかないというものでございました。 そこで、今後中央公害審査委員会をどのようにすべきかという問題でありますが、もちろん大前提である最終審としての裁判行為を行政で行なえないことはやむを得ない範囲でありますけれども、しかし、裁定という権限までは、その人が裁判に持ち込むということさえ多くの場合残っておれば、私は裁定権の付与ということはあり得ることだと思うのです。そこで現在、きょうはこんな質問が出ようとは思わなかったのでありますが、ちょっといまここまで発表しますと問題を起こすかもしれませんけれども、できれば今回の来年度予算要求等に関連をして、中央公害審査委員会に裁定権を与えたい、そしてこれを三条機関として独立の権能をさらに強めて、公取と同じ立場のものにしたいということを考えております。ただこれについては、三条機関に移行し裁定権を与えるだけでは、非常にいろいろと抵抗の強いものがありますので、私のところでいまいろいろなくふうをいたしておりますので、その方向に向かって作業中であるということだけを申し上げておきたいと思うのです。
○大出委員 先ほど来、国土の保全あるいは企業立地の問題まで、将来に向かって環境庁が大きな力を持っていくようにしたいというお話もあったわけですが、やはりいまの点は、ぜひともそうしなければものごとは前に進まない。それでもなおかつ運営の問題が残るわけでありまして、いまの公取もそうでありますが、だからせめてそこまではいくべきだろう、私はこういうふうに実は思うのでいまのように申し上げたわけでありますが、ぜひひとつ前向きに進めていただきたいと思うわけであります。 それから、試験研究機関がいま各省にあるわけでありまして、国立公害研究所、つまりこのたびの法案に基づきましてできるわけでありましょうが、四十九年の三月ですか、三年間かかるというのはどうも解せないわけでありまして、私のところにある書いたものの中に奇怪なことがありまして、これではどうもうしろ向きではないかという気がするのであります。何か相当強力な反対があって、どうもそこまでいかなかったという中身のようなんでありますが、野沢豊吉さんという東京工大の教授の方の御意見があった。そこで皆さんの党の内部からもいろいろ相当強力な意見が出てきた。つまり国立公害研究所、ここに相当強力なスタッフがそろって、しかも前向きで、しかも環境庁にも相当な人材がそろってどんどん進める、こういうことになると、産業サイドから見て、企業サイドから見てたいへんなことになる、実はこういう心配をお持ちの方々が一部あって、要するに環境庁ができるにあたって考えられる国立公害研究所の性格なりあるいは環境庁の人事なりという面で、企業の側から見た濃度を薄めようという警戒に発する発想で反対だという、研究所をつくるにあたって、この法案が出るにあたって相当な抵抗があったというふうに書いてあるのであります。こうなってくると、この三年になってしまったのも、その辺に基本的な問題があったのじゃないか、こういう予測をせざるを得ないわけであります。それは筑波学園都市に云々なんて話も陰で聞きますけれども、三年もたってからということになると、これだけ世論が大きくなって、昨年公害国会までやったわけでありますから、そこで四十六年の公害予算などを見てみましても、九百二十一億しかない、予算の説明書によれば。この中に下水道関係のものが六百億ばかりあるのでありますから、三百億くらいしか実は予算がない。だからこの辺で環境庁を出しておいてという、そういう意味の受け取り方をしてものを書いている角度からの言い方も実はあるくらいでありますから、ここらあたりはどうしても割り切れないのでありますが、いま衆知を集めて当面の公害、たいへんな騒ぎになっている公害を早急に何とかしなければならぬということだけは間違いない。これは国民世論ですから、それに焦点を合わせるのだとすれば、腰を落ちつけてじっくりやるのはいいとしても、三年先に発足するというかっこうにしなければ宏らないという理屈はないと思いますが、そこらのところについてはどうですか。
○山中国務大臣 これは二つ問題を含んでいると思います。 一つは、研究機関が各省ばらばらであるという問題を一本にしなければならぬということで、一応これは国立公害研究所というものをつくるわけでありますが、それまでに実質二年の歳月を要するということは、それはもっぱら筑波学園都市に建設する建物の建築期間の問題であります。それが当初環境庁発足前までは、厚生省の中において国立公害衛生研究所というような形で構想を練っておりましたので、その構想ではとても間に合わない。しかも換骨奮胎して環境汚染あるいはそれらの基準値というものを科学的に分析して、権威あるものでやらないと国民が迷う。たとえば米の一PPM以上を買わない。しかし、幾ら以上だったらそこを観察地域にするとか、国民は非常な混乱をいたしました。あるいはまた、産業界でもこれに対する反対というものは私は聞いておりませんが、たとえばアメリカのマグロのかん詰めについては水銀汚染の問題がある。しかしながら日本の反応は、水産庁は何とか反応したようですけれども、メカジキについてはまだ議論が残っているようですが、インド洋の自然に遊よくしているマグロであってもやはり天然水銀を含んでおる。日本の漁民は、カツオ・マグロ船はそのマグロを年じゅう主食みたいに食べていてどうもない。しかし、念のために調査をしてみたら、頭髪に若干残留が多いかなというくらいのことしか発見できないで、健康には異常がなかったというようなことで、アメリカも一応それを解除したわけですけれども、しかし、このような場合に、やはり貿易国家である日本として、今後国際的に環境汚染の問題が、そのような食物の汚染の問題でも、当然権威あるデータを持たなければいけませんし、あるいは先ほど私がちょっと触れました公害投資を怠って、その分だけダンピングしてくるのだという議論に対しても、そうでないことをやはり権威ある機関がどこかでものを言わなければならぬと思う。そういう意味ではやはり国立公害研究所というものは急がれるべきでありますし、さしあたり建物ができるまでの間はなるべく実務を早く行なわせるようにしたいと思いますが、その前に、いま各省や各研究機関で内部循環をしてしまっているようなデータ等を全部吸い上げて、国が一元的に諸外国との交換あるいは検討、そういうものを材料にするとともに、さらにこれを開放して国民の各界、各層が利用しあるいは知識を持つというようなデータバンクについては、これはすみやかに出発をさせるわけでございますので、そういう意味で、おくれた理由は単に筑波学園都市に建築する期間だけがおくれるというだけのことでございまして、別段公害研究所をつくってもらっては困るという財界の意見は私は全然耳にいたしたことはございません。
○大出委員 ここには反対をした人の顔ぶれまで書いて、クレームをつけた中身が詳しく載っておりますが、そういうことがあってはならないというふうに思いますから、これはこの辺にしておきますけれども、各省から優秀な人材を集めて環境庁は前に進んでいただかないと困るので、たとえば経済企画庁の中西さんがやっておった時代の物価部門、藤山さんが経済企画庁長官の時代に、私ここで長い質問をしたことがあるのです。ここにいろいろ話したこともありますけれども、どうも自分の省から出ていっている関係で、自分の省の利益代表みたいなかっこうになって、自分の守備範囲にわたるものでなるべく押えていこうとする。そういうことではとてもじゃないが経済企画庁の物価対策というのは前に進まぬわけでありまして、それを嘆く人も実は逆に出てきていた、こういうことなんですが、今度は環境庁が寄り合い世帯になってやっていくようなことになると、これは一つの行政機構ですから、まさに独立をして、環境庁というものは将来ますます大きくなって国民の輿望をになってどんどん進んでいくんだということになれば、ふるさとに帰ろうという助平根性がなくなって、ここでひとつ一生生きてやろうということに公務員の皆さんはなる。そうではなくて、中途はんぱに足を引っぱられ続けていると、適当にやっておかないともとへ戻れない、はしごをはずされてしまうということになる。そういうことになりかねぬ分野が経済企画庁の物価部門——私も実はいにしえに総評組織の物価対策委員長を三年ばかりやっていまして、物価問題について少し突っ込んだ話をしようと思って当時質問してみたら、答弁する側からそれが出てきたので、私はこれはどうにもならぬと思ったことがある。似たようなことになりかねぬ。つまり一かつくれた、くれたら最近はようやくこれは幾らか下火になっているがなんということになると、私はこれはえらいことになるという気がするわけであります。せっかくまとめ役をお買いになった長官の意に沿わぬ結果が出てくる。そうなると、二重行政の悪い面だけ残ってしまうということになる。そこのところをひとつ特にこれは厳重に御注意いただきたいと思うわけであります。 ここで、もう一つだけ基本的な問題で承りたいのでありますが、それは国と地方行政機関、地方自治体との関係であります。先般の公害国会の中で大蔵大臣が——実はきょう大蔵大臣にお出かけいただきたかったのでありますが、特に問題があっておいでいただけなかったが、これを見ますと、福田さんの答弁が幾つかここにあります。幾つか拾いますと、例の金の問題ですね。財政上の責任という問題、国と地方の権限を明確にせよという質問が出て、大蔵大臣が、公害対策は本来地方自治体の仕事であって、国はこれに協力する立場にあるんだ、こういう言い方から始まりまして、現に事業を執行する主体が持つべきだ、ものによっては国が援助する立場で予算編成もする。さらに、公害防止事業の主要財源は企業負担だ、その足らず前を地方が受け持つ、それに国が何がしかの援助をする、何がしかわかりませんが。そうすると、まず企業が持て、そして自治体が持て、それでも足らなければ国が何がしかをと、こういうことになる。まあ口は出すけれども金は出さないと言わぬばかりの姿勢なんですね。これは統一見解がその後出て、山中さんがだいぶ苦労されたようですが、最後のほうで山中長官が統一見解を直されて、国の責任というのはある意味ではここで明確にしておられます。国に第一の責任があるんだ、財政負担を地方に押しつけることはないんだという言い方を手直しをされてお話しになっている、こういう経緯がありますね。 これを具体的な事例をあげて実は承りたいのでありますが、それはさっき私ここで取り上げました廃棄物の問題です。廃棄物の処理及び清掃に関する法律、この中で環境庁がおやりに石ろうというのは、廃棄物の最終処分に関する基準の設定に限っているのですね、簡単に申し上げれば。これは旧法から新法に変わるにあたっては非常に大きな変化だと私はいわなければならぬと思うのでありますが、全国の自治体が、特に指定都市が非常に困ってしまうことになる。現になっている。これは実施期日までに政令ができて準備されていくんだろうと私は思うのであります。 そこで、わかりやすいように簡単に幾つか引き抜いて申しますと、私の足元の横浜でいいますと、今日御家庭の台所から出てくるごみ、一般のごみが一日で二千五百トンある。ところが、今回この法律の対象になる産業廃棄物を含んでまいりますから、これを横浜市の側が推計をいたしましたら、一日御家庭のごみ、一般廃棄物といまいわれているものが二千五百トンであるところに何と五万トンになる。一日五万トンです。そうすると、いま二千五百トンの御家庭のごみを処置するのに、回数が少ないというところから始まりまして、たいへんな苦情がある。清掃車の数の問題、人の問題、金の問題、ずいぶん苦心さんたんしている。ところが、この世の中にあるいわゆるごみというのは、一般廃棄物かそうでなければ産業廃棄物のどっちかに分けられるわけです、この法律からいくと。そうするとどう一体これから政令をつくって基準をどこに線を引くかという問題が実は大きく残るわけであります。 そこで問題は、中小企業の皆さんや何かからすると、横浜市何とかしてくれと、こういうことになる、自分でなかなかやり切れませんから。金を出す、何とかしてくれ、こういうことになる。ところが大きな企業は、法律はそうなったんだからみんなやれ、金出せというんだったら出す。そうなってくると、さて金だけの問題じゃない、金ももちろん大きく伴います。伴いますが、金だけじゃ済まない。どういうことになるかといいますと、新都市計画法ができましたから、したがって調整区域、市街化区域に分かれている。いなかに持っていって、旧来ならば郊外に持っていって山の谷の中にひとつ捨てさしてくれといった場合に、旧来の形のごみならばよろしゅうございますになる。ここまでまいりますと、何のメリットもなくなったということになっている。なぜかというと、調整区域ですからにわかに宅造もできないし、家も建たない、売れない、そういう地域にごみだけ捨てられたってしょうがないというので、捨てる場所みんな断わられている。しかも一つ間違って線の引き方いかんによっては、二千五百トンというものを処理していたところへこれが何万トンにかふえてしまう。そうなるとこの処理機関がまずない、研究要員、それから人がない、処理施設をつくるということについての場所の問題からまず始まらなければならない。さらに今度廃棄する、捨てる場所の問題がもう一つ大きく出てくる。そうなるとこれは海の中にでも埋め立て権を取得をして捨てる場所を考えるということにしなければにっちもさっちもいかない、まさに手を上げたという形ですね、これは。 ここらのところは、環境庁がおやりになるのは廃棄物の最終処分に関する基準の設定に限ると、中身はこうなんですが、あとの清掃関係の問題は厚生省等に残ります。ここのところは一体どういうふうにお考えで——この法律の実施期日等と合わせまして、環境庁がいまここで通ると先にできるわけでありますから、どういうふうに考えたらいいかという点、これはもうたいへんな、一つ間違ったらそこらじゅうごみだらけになってしまうという大きな問題を含んでおりますから、まさに横浜市等の清掃事業の分野からいえば明確にこれはパンクです。そこらのところをどうお考えになっているのか、承りたいのです。
○城戸政府委員 これは先般成立しました廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、御指摘のとおり産業廃棄物を政令できめるようになっておりまして、産業廃棄物以外が一般廃棄物、こういうぐあいになるわけでございます。基準としましては 一般廃棄物と産業廃棄物それぞれにつきまして基準があるわけでございますが、環境庁では収集、運搬の基準は関与いたしませんで、これは厚生省にまかす、それから処分の基準の中で、いわゆる最終処分に相当するものだけでございまして、つまりたとえばあるものは埋め立てにしてもよろしい、あるものは海洋処分してもよろしい、しかしどういうような処理をした上で自然に還元するか、こういうような意味合いの基準をつくるわけでございまして、そのほかの前段階的な基準につきましては、いわば政府の作業基準的なものでございますので、これにつきましては厚生省のほうでやはりきめるということになるわけでございます。もちろんこの環境庁で一貫してやるということが将来望ましいじゃないかという御議論もあるわけでございまして、確かにそういう点もあるわけでございますが、今回の処理としましては最終処分の基準だけを私どもでやるということによりまして、より厳格な立場におきましてその問題があと生じないようにしていくということを考えておるわけでございます。ただ、そういうように厳格にすれば、そうすると市や何か実際上やれるかということもあるかと思いますが、その点につきましては問題が生じないということと同時に、実際自治体がやれるように厚生省と連絡をとりながら処置してまいりたいと思っておるわけでございます。
○大出委員 まず、これは産業廃棄物の範囲を定める政令が出てくるわけですね。だから産業廃棄物はここまでなんだという範囲のきめ方いかんによっては一般廃棄物のほうの範囲のワクが広がるのですね。広がると今度この法律がありますから、収集責任はまさに自治体にあるわけですね。そうすると、一日二千五百トンがとてもじゃないがおさまりそうもない。一日二万トンぐらいになりそうである。そうなると、これは一日二千五百トン処理しておる処理機能が現在あるわけですから、それが法律によっていきなりこれは一万トンにもなってしまったら、どういうふうに言われたって処理はできない。たいへんに大きな問題になってしまうわけでありまして、実は私は厚生大臣にきょうお出かけいただきたいと申し上げたことはそこなんで、ぼつぼつ政令基準ぐらいのことは、こんなことをやるんだということを示していただきませんと、手に負えなくなっている、準備に相当の期間がかかりますから。これは指定都市の責任市町村が、市が中心になって説明聞いたりいろいろしているようでありますが、説明を聞いて帰ってきた諸君が手をあげているのです。どうにもならぬと言う。したがって、そこらのところを、これは環境庁で最終処理の基準とおっしゃるのだけれども、その最終処理の基準にしても、これはもういまの状態、つまり中小零細企業の一般廃棄物が入れられたとすると、そうするとまずもって、いま横浜市、決して狭い土地じゃないのでありますけれども、それを持っていって捨てる場所は絶対にもうないというのですね。そうすると、海の中に持っていく以外にない。そこらのところを一体どっちがきめるのかというと、最終基準ということになると、これは環境庁ですね。だからそこらを実情に即したきめ方をやはりしてもらわぬと、これは取らんでもいいということにはなりませんから、生活環境にたいへんな影響がありますから、やらなければなりません。そういうような点が環境庁と厚生省との関係でどういうふうに進んでいくのかという点を、いま具体的に例をあげたのはそういう意味なんですが、そこらの関係をお聞かせいただきたいと思っているのであります。収集はそっちのほうだと、こう言うだけじゃ、やはりちょっと……。
○城戸政府委員 ただいまおっしゃいました点、二点ございますが、一点は一般廃棄物の範囲が不当に広がるんじゃないかという点でございます。これは立法のときから私ども本部としても関与をした問題でございまして、定義をいたします場合に、すでに家庭廃棄物のほかに産業廃棄物の概念に入るものが実際上市町村によって集められているわけでございます。たとえば飲食店等からの排出されるものも概念的には産業廃棄物ということになるわけでございますので、そういうものを締めくくる意味におきまして家庭廃棄物という概念でなしに、一般廃棄物という概念でそういうものを含めて言っているわけでございます。したがって、すでにそういう市町村の体系によって集められ、処理されておりますものを取り込む意味におきまして今回考えているわけでございまして、その他のものにつきましては、全部この定義では産業廃棄物の部類に入れるということを基本線として現在厚生省で作業を進めている段階でございます。 あとの最終処分の基準を具体的にどうしていくかということでございますが、これは、現在この法律は厚生省の所管でございまして、現段階におきましても厚生省で一般廃棄物それから産業廃棄物通じまして、基準の検討をいたしておりますから、厚生省のほうから答弁していただきたいと思います。
○曾根田政府委員 廃棄物の処理及び清掃に関する法律でございますが、これは一応施行は法律の公布の日から九カ月ということになっておりますが、私ども、早晩当然環境庁の発足という事態もございまして、事務的にやはり環境庁発足までの間にむしろ全部政令の準備をしたほうがいいのではないかということで、目下政令案の内容について検討中でございます。近く基準等の専門的な事項については関係専門家の意見なども聞こうと思っておりますが、そういうことで、もちろん関係各省もございますので、いずれ本部を中心に関係各省庁と協議の機会もあろうかと思いますけれども、気持ちの上では六月中にこの政令を公布いたしたいという方向で検討いたしておるところでございます。
○大出委員 これは九カ月というとたしか九月になるのですかな、そうでしたね。これ実は問題は、旧法でいうと十三条になります。新法でいうと第八条になります。この本条の「都道府県知事(保健所を設置する市にあっては、市長とする。)」これはまん中を省略します。「以下同じ。」とこうなっているわけですね。これは一種の読みかえ規定ですね。この読みかえ規定によって産業廃棄物に関する大部分の実務といいますか実際の仕事、これは政令市が行なう、こういうたてまえに法律的にはなりますね。そうでしょう。そうなると、これは産業廃棄物に関する大部分も、その実務は、政令市である限りはやらなければならぬということになる。そうすると企業の側は、できた法律はこれは決して私は悪いという意味で言っておるのではないけれども、市がおやりくださいということになる。金は出しますよ。そこらの基準はいま見当がつかないですからわかりませんけれどもね。それだけでほうり出されていたんじゃ、これはちょっとどうもあまりといえば——この環境庁が片方に出てきている。これどうしてくれるんだという当面の問題、大きな問題ですね。そこらのところは一体どういうふうにお考えなのか、あわせて承りたいのです。
○曾根田政府委員 先般の法律改正の際に、権限の一部につきまして政令市に委任することにいたしたのでございますけれども、これはあくまで施設なり現場の監督事務でございまして、もちろん産業廃棄物につきましては、都道府県市町村の事務分担というのが別の条文で明記されてございますし、それから産業廃棄物はもともと広域的な処理ということから、都道府県知事に広域処理計画の策定等の義務も課してございます。したがいまして、そういう段階で、県と市の具体的なこの問題についての分担等につきましては、その処理計画の中で策定実施されることを期待しておるわけでございます。
○大出委員 そっちのほうはそっちできめろということになりますか、いまの分担は。そうすると、分担は具体的にはどうすればいいですか。
○曾根田政府委員 一般廃棄物は、先生御承知のように、本来的に市町村の第一義的固有事務ということになっておりますし、産業廃棄物につきましては、一応責任としては第一義的には事業者になっております。事業者が困難かあるいは適当でないものについても、その具体的なものの移管によって、市町村あるいは市町村の組合あるいは都道府県ということでございまして、産業廃棄物につきましては、たてまえがあくまでも事業者であるということは、最終的に県なり市町村が実際には業務を行なう場合であっても、そのたてまえは変わらないわけでございますので、そういう点で御了解願いたいと思います。
○大出委員 これはせっかく環境庁ができるわけでありますから、業界などは、この問題は第二次産業革命だなんということばが飛び出すほどにいまのこの新法というものは影響があります。したがって、確かにここには「廃棄物の最終処分に関する基準の設定」こういうことになっていますけれども、そこらの与える影響をやはり相当御考慮をいただきたい、本日は実は厚生省の皆さんを中心に私、質問を進めておりませんから。ここにたくさんの資料がございまして、後ほど——この法律条文でいいますと第十条の二項、三項ですかね。市町村が処理することができる産業廃棄物の取り扱い範囲が定められたわけですね、この二項で。三項で、都道府県が処理することができる産業廃棄物の範囲、これはきまっているわけですね。これは問題としては、都道府県が行なう産業廃棄物処理範囲のきめ方によって、事業者、市町村が行なう産業廃棄物処理の範囲がきまるのですね。特にこの都道府県が行なう処理範囲を明確化する必要が、これはどうしても私はあると思うわけでありますが、ここらの問題は、市町村の処理能力の限界もありますから、そこらをあわせて一ぺんあらためて厚生省に承りたい。専門分野の方に承りたいのですが、いま御出席の皆さんがそのほうの専門分野の方かどうか知りませんけれども、実は、いまの御答弁だというと、ここから先こまかい質問をいたしましても、なかなかかみ合わぬ面も出てくると思いますので、これはまああらためてひとつ質問さしていただきたいと思うのでありますが、実は具体的にいうと、そういうふうな問題も出てくるので、国の責任を明確にされた環境庁でございますから、ひとつ基準はこうなっておりますけれども、そこらの実情を十分御勘案をいただく、そういう立場をおとりいただきたい、こう思っているのであります。 それから先ほど長官が、将来の環境庁の規模構想について、五百人規模ぐらいにという言い方をちょっとされたように思うのでありますが、その五百人規模といっておりますのをもう少し具体的に、将来環境庁のあるべき姿という意味で、先ほどちょっとことばの端にはさまれた感じがいたしましたので、あわせてこの際お述べおきいただきたいと思っておるのであります。
○山中国務大臣 先ほど申し上げました各省で現在おります人員、定員、予算ぐるみ、機構ぐるみ、権能ぐるみ移ってくるのが約三百三十名、目下のところその程度でございます。機械的にはじきますと。しかしながら、まだそれぞれ各省庁において協力の姿勢を示しておるところもございますので、それらのことを勘案しながら、最終的に行政管理庁との間に不足する分について充足し、総員を五百名を下回らないようにしたい、こういう作業を残しておるわけです。
○大出委員 日本にやってまいりましたアメリカの環境保護局のシロー・カシワというのですか、次官補ですね。彼の言っていることの中に、日本経済に載っていたのを引用しておりますが、公害行政は政府が既存の公害規制機能をどれだけ再編成できるかがかぎだ、こういう言い出しで、公害行政で最も重要なことは公害行政の機能の集中化だ、こういうわけです。この環境庁法案が出ておりますが、先ほどもう少し集中化すべきである、私はこういう意見を申し上げておるのでありますが、将来に向かってはさらに集中をしなければならぬという御答弁を幾つかいただいておりますから、その方向にはそう間違いないだろうと思うのですが、それとこういう問題が提起されているのです。これはアメリカの場合でありますが、連邦政府が積極的にやろうとしているのは、州や市ではいろいろ地元の利害がからみ動きにくい事情があるわけだから、連邦政府が告発する場合の法的な手続はすべて司法省を通じて行なわれ、政府の公害訴訟はまず米国の代表的な企業を徹底的に洗う形で進められている、こういっているのです。これは行ってみておりませんからどこまでほんとうかどうか、それはわかりません。わかりませんが、この限りそうあってほしいという気がするわけでありまして、したがって、この司法的な権限というものを、公害訴訟を含めまして、こちらの側が相伴わないと、やはり欠ける点が出てきやせぬかという気がするのであります。いまだにきょうの新聞あたりにもありますような幾つもの公害訴訟の第二次、三次という問題もありまして、非常に心配になるわけでありますが、そこらのところはこの環境庁との関連でどういうふうにお考えになっておりますか。
○山中国務大臣 カシワさんはたしか法務省の次官補だと思います。しかしながら、アメリカにおいては法務省関係、主として検察が公害に対して非常に強い姿勢をとっております。そこで大統領の環境問題諮問委員会のトレイン氏並びにマクドナルド博士等の一行の中にわざわざ選ばれて参加をした、たしか日系としては役人では最高の地位におる方だと思いますが、非常に優秀な方であるように思いました。したがって、アメリカの法体系というものは各州ごとにずいぶんニュアンスが違います。また各州の検事総長の姿勢もずいぶん違うわけです。また政権がかわるたびにまたそういうほうもどんどん人がかわったりしますので、いろいろと法体制上はなかなか一貫したものが逆に整っていないような感じもするわけです。というのは、私どものほうが環境庁を発足せしめるにあたってアメリカの環境保護局、当初私どもは環境保護庁と聞いておりまして、その長には諮問委員会の委員長のラッセル・トレイン氏が就任するのだとばかり昨年の会議のときには思っておりました。ところがそれがラッケルズ・ハウス氏にかわりまして局になって、諮問委員会は依然として大統領直属でいるということがわかったものですから調査にやったわけです。そうしたところが向こうから、自分たちは日本に行って、そして公害対策本部というあの機動隊的な組織というものを非常に高く評価したのだ、それでもっていわゆる行政事務は行政事務として環境保護局をつくり、そして諮問委員会はそのまま残したのだ。それを今度は君らは本部をつぶしてわざわざ環境庁というものに変えてしまうのか、一体あの強力な権限はどうなるのだという逆な質問を受けて面くらって帰ってきたわけですけれども、これはやはり向こう側としては、率直にいって、日本側のこれは総理を長とする機構ですから、たいへん強力だと受け取ったと思うのです。率直にそういう点は私もそう思うのですが、そういう意味においては、むしろ日本に法律の体系に関する限りは一応全国的な法体系が整備されておりますので、日本側に対してはある意味で非常によくやっているのだという印象も受けたように思います。 しかしながら、一方検察の姿勢のあり方というものは、ただいまアメリカの法務省のカシワ氏の意見が出ましたように、やはり一貫して非常にきびしいようです。したがって、やはりそのことばにあるように、依然として実行がそのとおりされておるようでありまして、中小零細企業は一応ほっといて、世界的な大企業をねらい撃ちに告発したり何かしているようでありますが、これなどもやはり私は、一つのアメリカの資本主義体制下におけるヒューマニズムと申しますか、あるいはみずからの自動制御というものに対するきびしい姿勢を示しておるものだと思うのです。ですから、率直にこれらの点で私どもは学ぶべき点は学ばなければならぬ。ただカシワさんの言っておるようなことは、アメリカの環境保護行政としての環境保護局の仕事ではないのだ。したがって、やはり純然たる、独立した司法権の中の考え方というものはそこまで進んでいるということで、私ども政府としてもいい点は見習うべき点があるのだというふうに思います。
○大出委員 要するに姿勢の違いだろうと思うのですがね。 そこで、ここに一つ「未来の資源」という本を書いている経済学者がおるのですが、アレン・V・ニーズというのですが、この人が「不幸なことに、ごく最近まで、上流の工場は下流の悩みを救うために、一ドルも支出する気がなかった。」という書き出しで、「これらの工場は、川の廃棄物処理能力を無料で使えるものとみなすことになれていた。」というのですね。「しかし上流に放出された廃棄物は、下流になんらかのコストを押しつける。こうしたコストは、副次的効果、外的不経済、不快、外的事情と呼ばれる。」という書き出しで、紙の工場が上流にできた例をとりまして、この紙の工場内で生じたコスト、これは下流に流してしまうわけですからね。「つまり製紙の全コストを反映する価格に比べ、」——つまり紙のコストが安くなるからというのですが、「この紙の需要は増大するだろう。同時に、下流の生産業者、たとえば漁業は、より高いコストと価格に直面し、需要がおさえられる傾向がある。こうして、社会はあまり多くの紙とあまり少ない魚を得ることになり、この結果、魚の消費者は紙の消費者に補助金を与えることになる。つまり、ある程度、資源は最大の効率と平等を下回って配分される」、つまりほっぽっておくと、国民全体の利益というものが結果的には失われるのだというのです。だから企業を取り締まるという立場に立った政府というのは徹底的にやらなければいけ互いのだという理屈なんですが、私もやはりそうだと思うのです、この際ここまで来ると。そういう意味で、やはりあいまいにしないで、せっかくここで環境庁が提起をされているのですから、まあやらしてみようというのではなくて、法的な面からいきましても司法的な面からいきましてもそうですけれども、これは思い切ってきびしく前に進めるという姿勢が必要だという気がするのですが、ここにあります各国のその方面の担当責任者の年齢を見ますと、アメリカの環境保護局の大将は——大将という言い方はありませんが、三十八歳だそうです。英国の環境相というのは三十九歳だそうです。フランスの環境保護相というのは四十二だというのです。いずれもやる気満々の若手政治家を起用して各国ともやっている、こういうふうにここに書いてありますけれども、山中長官はたいへんやる気十分でやってこられたわけでありますが、ぜひひとつやる気十分な人をお選びいただいて、環境保全という意味での公害防止の行政を前にお進めいただきたい、このことをお願いいたしまして、終わります。
○天野委員長 次回は、明十一日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十一分散会