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65回国会衆議院1971/04/27

内閣委員会 第18号

発言数
125
登壇者
12
会派数
3
開催日
1971/04/27

会議録

天野公義自由民主党

○天野委員長 これより会議を開きます。  厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

天野公義自由民主党

○天野委員長 趣旨の説明を求めます。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  第一は、厚生省の附属機関として、従来の公衆衛生関係の四審議会を廃止統合して新たに公衆衛生審議会を設置することであります。  現在、公衆衛生に関する審議会は個別の分野、個別の疾病に対応して設けられており、広く公衆衛生全般にわたって審議する場がありませんが、この分野におきましては、疾病構造の変化に伴い新たな行政需要を生じており、個別の疾病対策のワクを越えて広く国民の健康の維持増進について総合的な見地からの施策を推定する必要があります。このために、現在の中央精神衛生審議会、栄養審議会、結核予防審議会及び伝染病予防調査会の四審議会を廃止統合して公衆衛生審議会を設置し、新しい観点からの公衆衛生施策を一そう推進しようとするものであります。  第二には、船員保険の被保険者の記録事務を社会保険庁の医療保険部から年金保険部へ移管することであります。  船員保険の年金部門につきましては、現在すでに年金の裁定事務を電子計算機組織により機械化しておりますが、被保険者の記録に関する事務につきましても機械化することといたしました。  これに伴い、従来社会保険庁年金保険部において処理してきた裁定事務に加えて、現在医療保険部において行なっている被保険者の記録に関する事務につきましても年金保険部において処理することにより、行政の能率化をはかるものであります。  第三には、援護局の次長を廃止することであります。  援護局の業務のうち戦後処理業務の縮小に伴い、管理体制の整理を行なうこととしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————

天野公義自由民主党

○天野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 今回の改正案の中に第三項があげてありまして、「援護局の業務のうち戦後処理業務の縮小に伴い、管理体制の整理を行なう」ということで次長を廃止されておりますが、戦後処理の問題で問題となっておる点を、この際ひとつ私のほうで取り上げて、そうして見解を聞きたいと思います。  その一つは、原爆被爆者の問題に関係をいたしまして、原爆被爆者特別措置法あるいは戦傷病者戦没者遺族等援護法、そういう法律の審議に関係しまして取り上げました旧防空法関係の犠牲者の問題があるわけです。これは非常に問題があるのに政治的に放置されておった問題です。この問題は数年来私のほうで取り上げて、資料を全部洗いざらい説明いたしまして、正体についてはきちっと確認できるまで論議をしたわけですが、しかし実態の調査やあるいは政策、立法の問題においてはまだ遅々として前進していない。それからその問題に関係をして旧防空法の関係で当然出てくるのは、昭和二十年三月十日の東京都無差別爆撃の傷痕ということで単行本や週刊誌等で一斉に本年取り上げてまいりました問題があります。つまり非戦闘員に対する無差別爆撃の問題、これに関係をして旧防空業務の犠牲者の問題、旧防空法関係の犠牲者の問題、この二つの問題、事実を前提としながら、この戦後処理の問題について私は時間の許す範囲内においてただしていきたい。この際ですから時間をいただきたいと思いまして質問するわけです。  第一に質問いたしたい点は、戦争犠牲者の救済については、佐藤総理はたしか二年前だと思うのですが、戦後処理の問題は一応終わった、こういうことを言いました。あとは社会保障のワク内でというようなことを言ったわけですが、その意味はどういうことかよくわからないで確かに佐藤総理は言っていると思います。それは別にいたしまして、厚生大臣、あなたも大蔵省におられたのですが、旧防空法の関係で犠牲者が出ているわけです。旧防空法の関係というのは、これは防空視員というのがあります。これは軍人や警察官などと一緒に防空監視に立って犠牲になった人ですね。それから警防団員というのがあります。まあ大体専門的なことは言わぬから厚生大臣聞いておいてください、専門的なことはあとで言うから。それから第三のグループとしましては、つまり医療従事者その他特殊技能者です。医療従事者というのは、医師や歯科医師や薬剤師や獣医師や保健婦や助産婦や看護婦、そういうふうな人々です。旧防空法によって防空業務に従事した者にそういうグループもありました。それから隣組防空や職場防空等、総合的な防空計画の中で軍や当時の内務大臣の指揮下でやった者があります。そういうふうな防空業務に従事した人が犠牲になっているのですけれども、この犠牲者の救援制度というものはほとんどなかったのです。数年前私は、初めて原爆の問題、被爆者対策の問題に関係をして取り上げたのですが、なぜ防空関係の犠牲者というものは戦争犠牲者の中で放置をされたのか、その点についてあなたに何か感ずるところや記憶するところがあれば、あなたの能力の範囲において御答弁いただきたい。あなたも当時役人をやっていたのだから、感ずるところがあればひとつ答弁願いたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 これはいろいろ感じ方、取り上げ方もあろうかと思いますが、今次大戦による犠牲者というものは軍人、軍属、準軍属を通じますと二百万をこえると私は記憶をいたしておりますが、その他にもそういう身分関係でない一般国民の本土空襲等による犠牲者も相当の数にのぼっておるわけでございます。ところが私どものほうは、戦傷病者戦没者遺族等援護法で対象にいたしております者、またもちろん恩給法の対象として取り上げておる者もそうでございますが、今度の戦争に関連して国との間と申しますか、戦争遂行上一定の身分関係を持っておられた方々を対象として、これらの法律で取りあげておるわけでございます。でありますから、一番典型的な場合は、恩給法による軍人またその遺族に対する公務扶助料あるいはまた傷病恩給ということになりますが、軍人、軍属あるいは準軍属など、恩給法の適用を受けないけれども、いま申しますような一定の身分に着目して国が特別の援護措置を講ずるのが適当だと考えられる方々を私どものほうで取り上げまして、その法律の対象といたしておるわけでございます。これもこういうことを申しては、あるいはまたあとから大原さんからいろいろ御批判を受けることになるかもしれませんが、この援護法の対象になっている人々は、私の記憶では初めは固定していないようでございまして、毎年国民の意識あるいはまた政府の考え方の変更に伴いまして、この援護法によって取り上げる方々の対象を広げたり、あるいは均衡をとってまいってきたようでございますので、戦後二十年以上経過いたします今日におきましても、なおかつ援護法の改正というものは、地位とか金額の増額ばかりではなしに、対象として取り上げる方々の範囲等につきましても、あるいはまた対象として取り上げるケース自体などにつきましても、補足をいたしておりますことは御承知のとおりでございます。しかしそれにもかかわらず、一般的に申しますと、やはり国との関係あるいは戦争との関係において一定の身分を持っておられた方ということを大原則にいたしておるものでございますので、ちょうどその中間的な地位にあると考えられる方々も私はあるものと思うわけでございまして、お尋ねの防空法に基づく監視隊員とか、あるいはまた監視隊員に次ぐ警防団員でありますとか、あるいは防空法に基づく医療従事者、そういう方々は、これは私の考えではちょうど中間的な立場にある人とも考えられるわけでございまして、そこに問題があるようでございます。結論から申しますと、監視隊員の方にはわりあいに最近、昭和四十四年からであったと思いますけれども、準軍属として援護法で処遇をするということにいたしたはずでございますし、警防団員、また医療従事者、すなわち医師とか歯科医師、あるいは獣医師、薬剤師、産婆、看護婦、保健婦、こういう方々につきましては、直接援護法の対象にはしないが、財政上の措置、行政上の措置として昭和四十五年、また一部本年にもかかっていると思いますが、予算上特別の処遇をする、こういうことで今日までまいっておるわけでございます。  また、昭和二十年の三月における東京都におけるじゅうたん爆撃の犠牲者、これは非常に数が多いわけでございますけれども、これらはまことにお気の毒な方々だと思います。これは東京ばかりじゃなしに、大阪にも、あるいは地方の中都市以上の都市にも同様に考えられる空襲の犠牲者がかなりおられるわけでありますが、これらの方々につきましては、援護法の対象として取り上げることはしない、こういうことで今日まできておるわけでありまして、一般の社会保障とか、あるいはまた場合によりましては障害年金等の対象にはもちろんなっておるわけでありますけれども、戦傷病者戦没者遺族等援護法の対象にはしておらない、こういうことできておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生大臣、私が質問したのはこういうことなんです。もう少し質問をしてあとで申し上げますけれども、というのは、防空法により防空業務に従事した人は国家権力の強制でやっているのですね。国の権力の中でやっているというのはどういうことかといえば、一定の防空業務、たとえば訓練や、いざというときに防空業務に従事することを法律で規定をされた人がその責任を果たさなかった場合には、一年以下の懲役、二千円以下の罰金、二千円といいますと、いまの金に直しますと、四百倍いたしましても八十万円くらいになるわけです。そういうふうな刑罰の適用を背景として防空業務に従事をして、一億総戦闘行為を行なったわけです、これはまぎれもなく。ただし、防空法の関係が国のそういう一般的な援護の対象になっていない。いままで四、五年前に防空監視員を取り上げました。その後、若干の行政上、財政上の処置はしております、一定のものについて。それは私も議論して、その結果として政府も取り上げたのですから一歩前進ですよ。前進ですが、防空法の関係がないがしろにされた政治的な理由についてあなたは何か思い当たる節はないか、こういうことを私は言ったわけです。  そこで、この問題はひとつ保留しておきますが、こういう答弁がある。これはずっと議論をして最終的に法制局の見解を聞いたときに、吉國法制局次長が答弁をされたのが残っているわけです。昭和四十二年十二月十四日の衆議院の予算委員会での私の質問に対してであります。私の質問はこういうことでした。厚生大臣、皆さん聞いてもらいたいのですが、疎開業務やその他死体処理なんかやった国民義勇隊は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の対象として準軍属になっているのです。私が指摘したのは、戦争の末期においては、防空業務、防空法関係の仕事に従事した人も国民義勇隊と同じような指揮命令と業務の内容において仕事をしている。だから、国民義勇隊を援護法の範囲内にやって、そして防空法関係についてこれを除外をしているというのはおかしいではないか。これは、資料はずっと閣議決定で封印をしておったやつを全部出してもらって、そしてその資料に基づいてやったのです。それは法制局では討議をされているはずです。その討議の結果としてこういう答弁をしているのです、法制局は。「先ほど御指摘のございました国民義勇隊組織ニ関スル件、」——法制局が見えたようですが、いま吉國さんの答弁をやっています。防空法の関係がずっとあって、防空業務で警防団やその他防空訓練をやっていた。バケツリレーやその他やっていた。そうして国民義勇隊組織に関する件ということで、戦争の最終段階で、本土決戦に備えて国民義勇隊の組織の改変をやったわけです。しかし、これは閣議決定に基づいてやっているんです。当時は軍が介入いたしますと万能であったわけです。その国民義勇隊と防空法の関係が内務大臣と陸軍大臣との間において非常に大げんかになった。そのときの調整に当たったのが、現在の迫水参議院議員である。伊能さんもよく知っておられるかもしれない。元の斎藤厚生大臣は、当時の防空総本部の総務局長をやっていた。だからその議論はすぐ通じたわけです。そこで、戦争末期に国民義勇隊を閣議決定でやって、そうして強権発動ができるようにしたわけです。そのときに国民義勇隊と——私は資料を別のところに持っているから言いませんが、概括的に言うと、国民義勇隊と防空法業務の関係について閣議決定をしているわけです。矛盾点があるから、その根回しをした上でやったと思うのですが、閣議決定したわけです。  そこで、私が指摘したのは、国民義勇隊について援護法の準軍属、軍属に準じた扱いをしておるのに、防空法関係について扱いをしていないのはおかしいではないか、こういう点を指摘をしたわけです、結論的に言うと。それに対しまして吉國政府委員は、「先ほど御指摘のございました国民義勇隊組織ニ関スル件、昭和二十年三月二十三日の閣議決定では、防空関係につきましても国民義勇隊がその職務を行なうということが定められております。すなわち、その閣議決定の一の「目的」でございますが、そこの中に「国民義勇隊ハ隊員各自ヲシテ旺盛ナル皇国護持ノ精神ノ下其ノ職任ヲ完遂セシメツツ戦局ノ要請ニ応ジ左ノ如キ業務ニ対シ活撥ニ出動スルモノトス」とございまして、その(一)に「防空及防衛、空襲被害ノ復旧」というような事項を並べております。したがいまして、これは防空法によります防空の業務に従事すべき旨を下命して防空の実施に当たらせたのと実質的には変わりはないと思います。これは閣議決定でございますので、あくまで行政上の要請でございますが、その当時の状況におきましては、このような要請に対して国民はいわば喜んで服従して協力をしたというのが実態であったかと思います。したがいまして、この国民義勇隊として活動した者と、防空法のもと防空の実施に従事すべき旨の下命を受けて活動した者との間には、実質的には差はないというただいまの御指摘は、まことにそのとおりだと思います。また三月二十三日以後、この国民義勇隊の閣議決定がございましてからあとは、おそらく防空関係もこの閣議決定に基づいて実施せられたものと思いますので、その関係で不幸にあわれた人に対しましては、現在の援護法の準軍属として取り扱われるべきものだと法制上考えられます。」と、こういう答弁をいたしておるわけですね。法制局、これは間違いないですね。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○角田政府委員 ただいま御引用になりましたのは、昭和四十二年の十二月の私どもの吉國次長の答弁であろうかと思います。その後四十四年の二月にもやはり大原委員の御質問に対して同様なことをお答えしております。その点については全く変わりはございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生大臣、ここに私が最初に読んだ「昭和二十年三月二十三日の閣議決定では」というのは、この閣議決定を引用して国民義勇隊を準軍属に入れたわけです。閣議決定に基づく国民義勇隊の犠牲者について準軍属にやったわけですね。そうでしょう。そのもとの法律が、私が閣議決定を引っぱり出したときに、二十二日と二十三日が間違っていたのです。法律はたしか昭和二十年の三月二十二日になっていたのです。実際に閣議決定をしておったものを見ると二十三日だったわけです。前のものはうそだった。二十二日は閣議決定なんかしていない。実際は二十三日で、二十二日に決定しておったというのはおかしいわけで、実施上のミスということで、法律はその後二十三日に修正して、一本棒を加えたと思う。そういうふうなことがあるわけですよ。これはなぜかというと、あなたに答弁を求める前に私が言っておくが、私が言ったことについて意見があれば言ってもらいたい。非戦闘員を国の戦闘業務、防空業務に軍が指揮をしあるいは内務大臣が指揮をして動員をするということは、国際法上非戦闘員に対して戦闘行為を命令した場合は、たとえば非戦闘員を爆撃する材料になる。たとえばこの東京空襲の特集が朝日、毎日とか読売の週刊誌なんかに出ておる。東京大空襲のときの被害の実情が出ておる。当時日本の軍隊も一億の戦意に関係するというので伏せておいた。それからアメリカの占領軍も伏せて、秘密にさせた。公表させなかった。なぜかというと、アメリカ軍が非人道的な行為をしたということが日本の国民感情を刺激するし世界の国民感情を刺激するというので、戦争に勝った勢いで言論の統制をした。これはやはり広島における原爆の被害というものを講和があるまでは、ビキニの水爆実験で久保山さんの被害があるまでは、国民的な爆発があるまでは押えつけた、それと同じことです。問題は裏の面ですが、日本のほうもマッカーサーが進駐してきましたときに、防空法によって一億の国民の非戦闘員は懲役やあるいは罰金を背景とし、あるいは軍の命令を背景として居住の自由、職業選択の自由、移動の自由その他いろいろな自由等について制限を加える、子供の疎開、老人の疎開等以外は拘束を加える、そうして強権をもって戦闘にかり立てる、こういうことがわかると、その責任者は、幹部諸君は戦犯として追及される。ですから、占領軍が来まして戦犯として追放されるという情報が伝わってから、そういう資料はそれぞれの自治体やあるいは軍やその他関係者の残務整理のほうに命令をして全部焼却させたわけです。そうして関係閣議決定事項も封印した、そうして援護の対象からもはずしたというのが実態なんですね。私はいままで四、五年来の議論の積み上げを通じてそういうふうに理解しておるわけです。東京空襲の写真がどんどん出だして、裏表両方あるわけだけれども、そういうふうに私は考える。したがって、この問題は、いままで議論した私としてもこの機会に一応議論しておく必要がある、こういう考え方できょうはただしておるわけですが、私が指摘したことについてこれはびしっと——あなたの言質をとるとかあげ足をとるとかいうことはないけれども、さもありなんという見解をお持ちかどうか、厚生大臣いかがですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 先ほど私は、別に政府委員と打ち合わしての発言ではございませんが、恩給法というものがあり、またそれでカバーをしない先般の戦争に関連する一定の身分を持った犠牲者の方々に対しまして援護法というものがある、しかも援護法の対象とする範囲あるいはそのケースにつきましては、必ずしも今日まで固定してしまっておらないで、戦後二十年以上たった今日においても、なおかつバランスや補完が行なわれてきておるということも申し上げました。またその取り上げ方は、私は厚生大臣という役職を持っておるものでございますが、法制局長官なり法制局次長——当時は参事官だったかもしれませんが、吉國政府委員というものもおるでございましょうししますが、人々によってこれの取り上げの意識が違う点もあるようでございます。しかしこれらの意識が一つの社会的意識、国民的意識に成長するに応じて、援護法というようなものも、いままで取り上げられていなかったものも取り上げてきた、こういう過程を経て今日に至っておるものだと私は思うわけであります。したがって私は、大原委員の言われることはたいへん御熱心で、この問題に対する御研究に対して敬意を表しますが、大原説が直ちに今日政府全体の意識あるいは国民的意識になっておるとも私には考えられませんし、あるいはまたあなたの御見解は間違っておるとも考えませんが、あなたがたいへん御熱心に御説明されたことは、いまよく拝聴をいたしましたので、私どもの今後の意識発展の材料になるものであると私は考えるわけでございます。しかし戦後二十何年かたちまして、援護法の対象になるような事態につきまして、援護法をもって論ずるがいいか、あるいはより広い社会保障、社会福祉をもって論ずるがいいかというような別の見地からの考え方というものも、いまから十年前あるいは十五年前とは違った角度から起こっておることを考えなければならないと思いますので、私はそれらの点も考えまして、今後この問題には対処をいたすべきものだと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 戦後二十五年たっていますから、こういう議論を始めたのはなぜかといいますと、一つはやはり二十数万の原爆被害者が出た問題からなんです。それでその議論をこういう観点からしたわけですよ。厚生大臣、総括的にあなたは理解しておいてもらいたい。というのは、アメリカが原爆を投下したのは国際法違反だ。それは毒ガス以上だから、特定して原爆ということはヘーグの陸戦法規、国際法規にもなかったけれども、それは十数年前の当時の藤山外務大臣も国際法違反だと認めたわけです。国際法違反のアメリカの行為に対しては、戦勝国の国民といえども戦敗国の国民といえども、当然賠償を要求する権利がある、これは国を通じてであろうと思うが。しかしサンフランシスコ条約で日本は一切の対米請求権を放棄したのだから、日本の政府がかわって被害者に対する救済をすべきである、こういう議論をずっとしてきた。しかし東京裁判というものがあって、結局その精神は認めたけれども、個人としてそういう国際法違反の行為に対する請求を保障した法律がない、こういうことで判決としては逃げておるけれども、しかしいまのままでいいということはない。こういうことで原爆被爆者の特別措置法ができた当時の事情もある。そこで援護法との関係で議論になったのは、つまり恩給法を適用する軍人や文官の問題、つまり公務員の問題、犠牲者の問題、それから戦傷病者戦没者遺族等援護法等に関する法律の問題、その中で準軍属という制度ができた問題、そういう問題の議論の中で、国と国民との間の権力関係だけ、身分関係だけを対象としないで、あなたが言われるように、これは漸次拡大されている。しかし私がこの数年来調べてみると、防空法の関係は結局は戦犯として追及されるという戦敗国の事情や、戦争責任を回避するという敗戦国としての問題や、それから、これはアメリカが原爆の事実を隠蔽するという、そういう政策上の問題とこれが結びついて看過されているのではないか、こういう点で資料を突きつめたところが、いまのような国民義勇隊と旧防空法関係等の犠牲者との関係にこの問題の接点がいって、この議論に集約的な議論をしたわけです。その後原爆被爆者の援護に関する問題を議論したり、あるいは戦争犠牲者の援護法に関する問題の一般的な議論の中でこの問題を議論してきたわけだが、そして附帯決議もつけて、特に原爆の場合においてはそういう放射能による後遺症という問題も含めて、その戦争犠牲者は非戦闘員も含めて援護の対象にすべきだ、こういう議論をする際に、国際法上の問題からアプローチするのと、この防空法の関係からアプローチする、そういうしかたについて二つの方向からやってきたわけですね。一部はもちろんこの中で取り上げた防空監視員の問題もあります。ありますが、全体的にはこの問題は空白のままで実態が把握されないままで放置をされたのではないか。そうすると戦争犠牲者の救済の問題については、今日の段階ではこれは公平という趣旨から考えても、あるいは法律上の趣旨から考えても、制度上の問題から考えてみても、この問題は可能な限り救済する措置をとるべきではないか。この第三項で援護局の次長を廃止する問題もここに法案として提起されているけれども、その問題とは直接関係のある問題とはいわないけれども、援護業務についてこの際もう一回点検してみる必要があるのではないか、こういう観点で私は質問しているわけです。  そこで、私はその議論を最終的に詰めていきますが、その前提として、この数年来議論をして、つまり防空監視員については準軍属として取り上げて、どの程度の人が準軍属として認められておるのかということ、援護法の適用が認められているのかということ、それから防空業務に従事している者の中で、防空従事令書や個人個人に命令書をもらった警防団と医療従事者、この問題に対する財政上の措置の進捗状況は現在どのようになっておるか、この問題についてお答えいただきたいと思います。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 旧防空法関係の関係者の処遇につきまして御説明申し上げますと、いま先生御指摘のとおり、国といたしまして処遇いたしております者は三つのグループに分かれるわけでございまして、一つは防空監視隊員、第二が警防団員、第三が医療従事者と分かれるわけでございます。  それで防空監視隊員につきましては、昭和四十四年度から援護法によりますところの準軍属といたしまして取り扱いをいたしております。現在その対象として取り扱われている方が全国に、遺族が十一名で障害者が二名、十三名の方が処遇を受けておられます。  それから警防団員でございますが、この警防団員につきましては、昭和四十四年度に、これは所管は自治省消防庁でございますが、予算措置をいたしまして、特別支出金を支給するということで、遺族に七万円、障害者に五万円を支給することといたしました。この対象として予想されておりますのが、遺族が二千百名、それから障害者が五百名という対象者を予想いたしております。予想として自治省で調査いたしましたものがこれだけでございます。実際自治省のほうで支給いたしました数字につきましては、ただいま調べましてお答えいたします。  それから第三グループの医療従事者でございますが、これは厚生省で昭和四十五年並びに昭和四十六年、この二カ年にわたりまして警防団員と同じように特別支出金を支給するということで、遺族七万円、障害者五万円、これは警防団員と同額でございますが、予算措置をいたしております。それで現在都道府県に連絡いたしまして、適用者を調査いたしておりますが、都道府県を経由いたしまして参りました中で、現在三十名の方々に医療従事者につきまして支出金の支給が決定いたして、現在手続を進めているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 昭和四十四年ごろから逐次やっておるわけですが、しかしこのやり方については、防空監視員を準軍属にしたということについては、これは私はいまのところとしては妥当な措置だろうと思う。それから警防団員と医療従事者についてのことは、七万円の特別支出金ですが、この問題については、これは制度上どういうふうにすべきかという問題があるわけですが、これはまああとで議論いたします。この支出状況で、特に医療従事者について非常におくれているわけですね。医師や歯科医師や獣医師や薬剤師や保健婦、助産婦、看護婦、こういうふうな医療従事者に対する措置がおくれているのはどういうことなんですか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 私どもの推定では、医療従事者関係では、遺族で五百名、障害者で百名、六百名ぐらいおられるのではなかろうかという推定をいたしておるわけでございますが、現在都道府県を経由いたしまして申請が参っておりますのは約百十六件参っております。大部分が広島あるいは長崎でございまして、広島が六十六件、長崎が二十七件でございまして、その他の県はばらばらでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 東京は。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 東京はほとんど参っていないのじゃないかと思います。  それでこの百十六件について内容をいま審査しておるわけでございます。私どもの予想しているのが六百件ぐらいと思いますけれども、何ゆえにこの申請がおくれておるか、あるいは把握がむずかしいかということでございますが、これはやはり二十数年以前のケースが大部分でございますので、特に遺族の方々につきましては当時の、おなくなりになりましたときの状況、特に防空法によるところの医療従事者であったのであるかないのであるか、そういう点につきまして記憶が明確でないあるいは資料がないといったようなことと、それからもう一つは、都道府県等で御連絡申し上げましても、遺族の方が、何と申しますか、その意思がないというようなことでございまして、医療従事者の方につきましては、そういう関係でやはり時間が推移したということが大きな原因じゃないかと思いますけれども、要するにその事実関係を立証することが非常に困難であるというふうに聞いております。

大原亨日本社会党

○大原委員 その事実関係の立証についてはどういう立証のしかたをしているのですか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 これは旧防空法によりますところの医療従事者といたしまして、地方長官、知事でございますね。地方長官からそういうような命令を受けておったのかどうか。そういう命令形式はいかがなものであったのか。それからおなくなりになりましたときの状況はどういうことであったのか、つまり業務に従事しておられるときであったのかどうであるか、そういう点が重要な点でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 当時防空業務の命令を受けていた、たとえば命令書、従事令書、そういうようなものを持っておるかどうかというようなことを言ったって、政府はそういう防空関係の資料は全部焼けと言ったのです。占領中、戦犯として追及されるから官公庁のものも、私物で持っておるものも焼け、こう言った。ただ、たまたま長崎のいまの助役さんが自分で持っていたわけですから、私は逆から自分で調べたわけです。当時の資料関係等のものを持っておったから、それでニュースを調べ、当時の内務省や陸軍省や閣議決定の要綱等を逆に調べてやったわけです。資料は全部焼いてしまえ、こういうことを言っておきながら、当時の立証する資料を出せというのはおかしいと思うのですが、どうですか。もう少しそういうしかたについて、たとえば会なら会、今日まで継続しておる会、人格的にどうかは別として、継続しておるような団体が保証するようにすればいいのじゃないですか、どうですか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、その当時の、たとえば防空法に基づく従事令書を添付しろと申し上げましても、もうほとんどそういうようなものは残っていないわけでございます。そこで私どもといたしましては、先ほども申し上げました点につきまして、もちろんそういういろいろな証する書類等があれば、それはけっこうなことで、つけていただきますが、その他、たとえば医師であれば同じ医師の仲間の方、あるいは看護婦さんであればそのお仕えになったお医者さん、お医者さんがなくなっておればその未亡人の方とか、そういうような方が証明していただければ、それでもけっこうである。私どもといたしましては、できるだけそういう長い年月の空間を埋めるには、あたたかい気持ちでやろうということで、都道府県にもそういうような指導をいたしておりますし、もちろん私どももそういうつもりで、出ました書類については親切にやっておるわけであります。しかし現在、申し上げましたとおり約三十件というケースが認められておるだけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは、出す資料が非常にきびしいのじゃないですか。それと、七万円、五万円という給付の内容、特別支出金が少ないから、めんどうだということもあるかもしれない。しかしそれはもう少し親切にしたらどうですか。警防団のほうは、消防庁のほうはかなり進んでおる、予定どおり進んでいるのじゃないですか、消防庁いかがですか。

皆川迪夫消防庁次長

○皆川政府委員 警防団の関係につきましては、四十四年に一億五百万円の予算を計上しまして一応開始したのでございますが、その後対象が多く出てまいりまして、昨年の十二月に六千八百五十五万円を予備費で追加していただきまして、総額一億七千三百五十五万円を、死亡者が二千百四十四人、傷病者が四百六十八人、合計二千六百十二人の方に、この四月末までに全員支給するようにいたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 だから、警防団のほうは、これはまだ不備な点があるとは思うけれども、あとで東京空襲に関係して議論するが、警防団のほうはかなり仕事が進んでいるのに、医療従事者については、これは証明のしかたが少し困難なのじゃないか。これはやはり洗い直して、もう一回再検討して、たとえば医師会なら医師会——これは病院に、開業医を含め、公私立の病院を含めて、全部従事令書をもらって足どめされた。いつ空襲があるかもわからぬから、かってに広島市より外に出てはいけないぞ、こういう命令を受けておった。たとえば広島市の場合だったら、呉の空襲が前にあって、現地にお医者さんがいなくなった、そういうことで、広島市その他からずっと医者を派遣した、こういうことがあるから、そこで医者、看護婦その他の医療従事者は任地を離れてはいけない、こういうことになっておった。たとえば助産婦だとか、資格のない准看護婦——乙看といったかな、そういう資格のない者がたくさんおったわけですけれども、そのことについては、看護婦の資格があろうがなかろうが、医療従事者として考えてやるべきだとぼくは思うのですよ、こういう制度自体がおかしいのだけれども。だからそういう点は、もう少し範囲とか届け出のしかたについて、原簿がないし、従事令書を持っておるのがおかしいのだから、政府が焼けと言ったのだから、政府の当時の高級官僚の諸君が責任をのがれるために、政治家が責任をのがれるためにそうやったのだから、それを今日被害者に転嫁するというのはおかしいわけですよ。だから、そのことについては、うそがあってはいけないけれども、どこかの団体に聞いて、事実を承認したならば出せるような、そういう方法をとるべきではないか。もう一回再検討してもらいたい。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 私どものほうが現在おくれておりますと申しますか、三十件しか出ていませんのは、実は四十五年度、四十六年度の予算でございますので、実際に各県でいろいろ活躍されましたのは、四十五年度、昨年からでございますので、そういうわけでおくれておりますが、しかし先ほども申し上げましたとおり、認定にあたりましては、そういうできるだけ関係の人々の証言をもって足りるというようなことで、私どもといたしましても、できるだけその方々について有利と言ってはおかしゅうございますが、認められるようないろいろな方法をこちらのほうからもいろいろと御連絡申し上げたりいたしまして、おそらく推定されます六百名につきましては、早急に認定ができることになるのじゃなかろうかというふうに私どもは考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 その点は、ひとつ実態に即してやってもらいたいということが一つ。  それから、これは根本問題ですが、防空業務に従事した者のうちで、いままでの議論を通じて明らかになったところは、昭和四十四年に初めて防空監視員を——これは身を危険にさらして、軍人やあるいは警官などと同じように防空監視に当たっておるのだから、広島の場合だって、長崎の場合だって、これはB29が来て原爆を落としたときに吹っ飛んだわけですから、死んだか大けがをしたわけです。後遺症で死んだ人もあるわけです。ですから、これは問題ない。いままでほっておったのがおかしいが、問題ないとして、十一名というところに若干問題がある。それからあと警防団員とか医療従事者ですね、これはいろいろな段階があるにしても、個別的に従事令書をもらった人々は、これは少なくとも援護法にいう準軍属としての処遇をすべきではないか。その点について、法制局は法制上の準軍属のいろいろな例を見た上で、厚生大臣は国民の意識、つまり主観的な条件できまるようなことがあるとあなたはおっしゃっておるけれども、そういうものが盛り上がらなかったのは、政府が資料を隠蔽し、そして今日まで権力関係を否定してきたことが原因である。そういう利害関係者からの強い要望がなかったということであるけれども、たとえ一人といえども、法のもとに不平等であってはいかぬ。そういう意味において、義勇隊等については扱っておるのであるから、防空法については、たとえば警防団とか医療従事者については、これは当然に準軍属として扱うべきである。実際に事前に防空訓練で拘束をされ、隣組防空、職場防空等についても訓練指導し、重要な問題については軍が直接指揮をしてきた、地方長官が指揮をした、警察が指揮をした、内務大臣が指揮をした、こういうことになっているわけですから、防空訓練から日常のそのあり方から、そして空襲があった際における業務から、死体処理から、家屋疎開から、そういうものを率先してやったわけですから、ですから私は、順次議論するとしても、これは特別支出金、言うならば弔慰金で、漸次対象が明確になった上は、これは準軍属として扱うように範囲を改正すべきではないか。そのことを実施する上において法制上、法律解釈の均衡からいって不都合があるのかどうかという点を法制局はどういうふうに考えるかということですね。

角田礼次郎内閣法制局第四部長

○角田政府委員 先ほどの私の答弁の中で、四十四年二月の私のほうの吉國次長の答弁をあわせて引用させていただいたわけですが、その中にこういうふうに述べておると思います。政策の問題でございますから、法制局としてはお答えすることはあまり適当でないかもしれませんが、しかし御指摘の点はそのとおりであろうというふうにお答えいたしております。その気持ちは、少なくとも同様に取り扱うことにつきまして法律的な合理性はあるだろう、裏返して申し上げれば、それが著しく法律的合理性を害するようなことはないであろうという意味で申し上げたわけでございます。ただいまの御質問に対しては、そのときの答弁をそのまま申し上げて差しつかえないと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 そこで、法制上はそれは疑義はないと思うのです、当時の国民義勇隊の閣議決定から勅令、法律全部をひっくり返して見て。そして政府が、戦争責任の追及のとき、非戦闘員を動員したという罪名を負うことを避けるために、これは焼却したのです。そしてその後において占領軍もそういう方針をとったのだ。しかしその当時とったことがいいとか悪いとかいうことをいま議論をしてもしかたがないのです。厚生大臣、歴史的な経過を言っているのだから。現在の時点でわれわれはどうするかということを議論すればよろしい。そういうことになって、法制上そういう適用については疑義がない、問題は政策上の問題だということになれば、政策上私が申し上げたような配慮をすべき問題がある。それから国民の意識からの問題は別にして、法律のもとに戦争犠牲者を平等に救済するという点からいえば私は当然のことであろうと思う。この問題は、当時防空本部の三局長のうちの総務局長をしておられた前の斎藤厚生大臣は、このことについては当時の事情を知っておる者として前向きにこの問題は取り組む、こういうことを答弁をされておるはずである。そういう答弁をしておりますね、政府の関係者。それは局長は当時担当者でなかったと思うのですが、議事録に載っておるはずです。政府委員でなくてもよろしいし、説明員でもよろしいから、その答弁に間違いがないか、お答えいただきたいと思う。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 早急に調べまして……。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは斎藤さんがたまたまめぐり合わして悪いときに厚生大臣になったということになるかもしらぬが、自分がやったことについて説明しなければならぬ立場になって、そのときには彼ははっきり言っておられるのです。そこで、しばしば原爆被爆者の問題やあるいは援護法の問題に関係してこの問題を附帯決議をつけて、そしてそういう生活保障とか援護の面で戦争犠牲者の救援について公平を期していくという、そういうアプローチのしかたについて議論をしたものと、経過を踏まえて、私はいまの問題について、厚生大臣はもう一度いままでの経過から——あと医療保険の問題とか年金とかたくさん頭の中に一ぱいあるので、厚生大臣、頭の中が混乱しておると思うけれども、(内田国務大臣「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と呼ぶ)この問題を関係者の間で討議をして、そしてしかるべく処遇をすべきである、そう思いますが、この点につきましてはどのような見解でありますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 大原さんと議論をいたすつもりは全くございません。でありますから、私はこの援護法の対象あるいはまた援護法が取り上げるケースにつきましては、いつかの時代に線を引いてしまったものではなしに、戦後二十何年たった今日におきましては、それは国民意識、社会意識の変動とともに、あるいはまたバランスの関係で取り上げられて今日に至っておるということを申し上げたつもりでございます。私が意識というのは、さっき大原さんは主観的意識のようにもおとりになったようでありますが、そうではなしに、私は社会的意識、国民的意識の問題で、いま大原さんがたいへん御熱心にるる述べられましたことが、つまり防空法によって活動しておったある種の人々につきましてそれを援護法の対象にすべきであるということが、社会的な意識、国民的な意識がそれを肯定するような状態にあるかどうかということが、たいへん申しにくいことでありますが、この問題のかぎになると思います。でありますから、私はおっしゃることを否定する者でもございませんし、また、よろしい、そのくらいのことはひとつ私が厚生大臣の間に片をつけまして次の機会に援護法の改正に必ずのせますということも申し上げませんけれども、あなたが仰せられましたことは私は熱心に耳を傾けておりましたので、これは法律上の問題としてばかりでなしに、私の申す社会的意識の問題あるいは政策の問題、あるいはまたこれが他への影響の問題、波及の問題等も実はございますので、そういうことも検討をさしていただきたいと思います。  まあ何にしても今日までそれは持ち越されてきておる問題でございますので、そんなに簡単に片づく問題ではないような気もいたすわけでございますが、何にいたしましても、御熱心な御所論に私は十分耳を傾けて対処をいたして——対処ということは善処ということと少し違いますけれども、検討の課題とさしていただくつもりでおります。

大原亨日本社会党

○大原委員 対処というのと善処するというのは違うのですか。つまりこの問題は、指摘をした問題点を検討してみるということでしょう。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 検討の課題として……。

大原亨日本社会党

○大原委員 あまりむずかしいことを言わぬで、すなおに答弁しなさい。いかがですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 検討の課題としてまいりたい、こういうことでございます。前向きですぐ次の機会にやりましょうということではない、こういうことに御理解をいただきとうございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは検討した結果、当然やるべきだということになればやるということでしょう。——大臣、答弁。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 もちろんそうです。検討の結果、当然やったほうがよろしいということでありますならば、これは私はやったほうがいいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 問題は法制局、これは次から次へ問題を出すわけじゃないが、警防団とか医療従事者というふうなのは、従事令書が出ているのと、それから今日かなり継承している団体があるから調査しやすい、こういうことです。そういうことですが、問題は、これは私が最終的に議論しようと思うのは、隣組防空とか職場防空というのがみんな防空法にあって、軍が直接入って指揮するわけですから、これをちゃんとやらなかったら罰則の適用があるのですよ。ですから、当時非戦闘員であるからといって、身分関係がないからといって、権力関係がないからといって、救済対象、援護の対象にしない、生活保護だけでやるのだということはおかしいわけです。法律上からいっておかしい。そういう法律の根本的な問題については、政策にわたるからこまかなことは議論しないが、一般的にはそういうことを言っているわけです、当時の被害の実情等もあるから。その点を考えて、厚生大臣、援護局長はかなり憶病にものを言っているけれども、しかし予算化は、その他の場合には実態を調査しなければいかぬわけですから、実態がなければ予算化できないことはよく知っているから、この点は私は議論の余地はないと思っている。  そこで、どこが答弁されるのかわからぬが、昭和二十年三月一日の東京大空襲の被害状況について把握をした資料があるかないか。これは週刊誌や単行本等にも出ていますね。週刊朝日に最近こういうふうに記録が出てるわけです。政府としては東京大空襲の際における被害の状況について把握した資料があるかないか。大体どこが所管をしてそういう資料を持っているのか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 私どもの持っていますもので、昭和二十四年四月七日、当時の経済安定本部でもってつくりました「太平洋戦争による我国の被害総合報告書」というものがございまして、全国の各都市の空襲等による被害等の数字もここにございます。  これを見ますと、これは東京都の都市部だけではございませんで、郡を含んでおりますが、空襲等による被害者が九万七千三十一名という数字が上がっています。この資料は終戦直後二十四年につくられた資料でございますので、正確なものではないかと思います。  しかしながら、さらに追加いたしますと、この資料によりますと、広島、長崎におきますところの死亡者の数がちょっと少のうございまして、したがいまして、そういう点におきましてはいかがかと思うのでございますが、その他のものとしては、その後「太平洋戦争全国戦災都市空襲死没者慰霊塔記録」というのがございまして、そういう資料等、両方あわせまして資料として使っている次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは援護局が持っているわけですね。現在は援護局がその事務を継承しているのですか、戦争犠牲者ということで。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 いや、そういうわけではございませんで、私どもの仕事をやりますにつきまして、資料としてはこういうのを持っておりますが、およそ空襲等によりますところの一般の被害全般の援護という点につきましては、援護局の行政を超える大きな政府全体の問題ではないかと思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 そうすると、それは総理府がやるのですか。総理府が握っているのですか。総理府はいないのですか。  最近こういう写真等が出て記録が出ているわけですが、東京の大空襲、非戦闘員に対する無差別爆撃に対してどういう救済措置が当時とられ、その後とられただろうか。戦時立法で生活保護法の前身である社会立法はあるのですよ。防空従事者扶助令とか防空法関係の扶助令、防空業務に従事しておった者で死んだ人の遺族あるいは障害者、こういうふうな者には、これもある。その他問題は、その当時は三月一日だから閣議決定になっていなかったかもしれない、三月二十二日の閣議決定というのを私は引用いたしましたから。それにいたしましても、公務員以外、軍人以外の犠牲者に対してどういう救済措置がとられておるかわかりますか。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 当時と申しますか、太平洋戦争中におきまして、戦時災害保護法という法律が立法されまして、これによりまして遺族一時金、それから葬祭料等が支給されております。

大原亨日本社会党

○大原委員 昭和十七年二月二十五日法律第七一号、戦時災害保護法ですが、これは言うならば、生活保護法の前身ですよ。生活保護法が引き継いでおるわけです。ですから、これでなしに、そういう戦争に動員されたことによって、それに対する扶助救済措置をどのように当時とられておったか、その後どういうふうにとったか。生活扶助、出産扶助、医療扶助というのがあったのです。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、昭和十七年二月二十五日の戦時災害保護法によりまして、ただいま先生のおっしゃられましたような各種の救助、収容施設の供与でありますとか、たき出しその他による食品の給与、医療、助産、埋葬、その他地方長官において必要と認めた救助がなされておるというように承知いたしておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 こういうことがなされておるのです。防空従事者扶助令という、昭和十六年十二月十七日の勅令第千百三十七号という扶助令があるのですね。その中には「防空監視隊員」から、「警防団員」から、「防空法第六条第一項又ハ第二項」「防空法第九条第一項」「前二号ニ掲グル者ヲ除クノ外地方長官又ハ市町村長ノ為ス防空ノ実施ニ従事スル者ニシテ内務大臣ノ指定スルモノ」と、ずっと広範な規定で、防空に従事した者については対象を設けて扶助規定があるのですね。つまり罰則と一緒に勅令で扶助規定が出ておる。この適用状況について資料があるかないか。適用したことによって、それが当時済んでいれば救済の必要がないということになるから……。

中村一成厚生省援護局長

○中村(一)政府委員 ただいま御指摘のとおり昭和十九年一月、勅令によりまして防空従事者扶助令が出ております。これによりましてどの程度の実施状況であったかということにつきましては、現在ここに資料がございませんので、関係方面の御協力を得まして調べてみたいと思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは消防庁なんか知っておるはずです。警察の中で警察と消防が分離して、それで警防団関係はすべて警察がやっておったわけですから、警察の補助手段でやっておったはずですから、警察庁か消防庁がやっておるはずだ。これの実態を把握いたしておるはずです。厚生省はこれをあまり知っていないと思うのです。しかし、いまの消防庁や警察庁がそのことを知っているかといえば、それは知っていない、事実上の問題としては時間がたっておるから。これを放置する国の政策だったのです。  そこで実際上は、おそらく広島、長崎はこの戦争のどたんばでああいうふうな被害を受けたものだから、こういう防空従事者の扶助規定というものは実際上適用しなかった、ほとんど適用していない。これは現地へテーブルを置いて応急措置をしただけです。しかし東京空襲の場合は三月一日なんだから、八月十五日の敗戦までにはかなり時間があるのですから、そういう扶助規定の適用があったかということは、これは私はどこかに資料があってよろしいと思うのです。  これは、東京の防空法の議論をしておりますと、かなり各方面から反響があるわけですから、旧防空法による犠牲者の救済の問題をまずひとつ事実を確かめるということ、それから今日情勢が変化しておるわけですから、死没者の遺族と障害者に対してどういうふうに国としては戦傷病者戦没者遺族等援護法の中で国家補償の精神によって援護していくかという問題、こういう問題について、この法律関係や事実の関係を確かめて、この問題について結論を出すことを、当然国民の立場から見て考えるべきではないか。  今回援護局の次長のポストをなくするということは、私は賛成か反対かは別だけれども、こういうことは全部終わったわけじゃない。あなたがこの趣旨に書いてあるように、全部終わったわけじゃない。こういう重要な問題がある。しかも、今日まで二十五年間、特に占領中はそういうことから政府自体が責任を回避した結果、資料が消滅し、国民の世論とならなかった。そして国民は、そういういろいろな扶助規定やその他の法規がありながら、そういう権利の行使もできなかった。終戦直後予算も組まなかった。窓口もなかった。内務省も解体した。こういうことで放置状況になっている。空白の面があるのではないか。この問題については、それぞれセクトに分かれて打ち合わせをしてもしようがないので、こういう議論をした機会に関係者はもう一度集まって、指摘をした資料等を持ち寄って、この問題については最近国会で何回も附帯決議をしたことであるから、私はやはりこの検討をしてもらいたい。政策上の問題でなしに、法制上の見解も明らかになっていることであるから、この問題は突き詰めて、可能な限り問題の解決に当たるべきだ、こういうことですね。結論としてそういうことです。  私も無理を言うつもりはないけれども、しかし、申し上げたような事情でうやむやになっておる。被害者の国民を簡単に戦闘員と非戦闘員に分けて、国との権力関係だけを一方的に決定しただけでは——これは当時の国民感情から何回も言われたことであるが、ただ私が言いたいのは、家屋の疎開で家屋がこわされたり、焼夷弾で家屋が焼けたという人もあるけれども、しかし人間の被害のほうがまず第一である。物的な損害についてはもちろん法律上でいえば議論になるだろうけれども、そういう範囲を広げていまは考える必要はないので、大蔵省の連中の中には、そういうふうにやたらに範囲を広げたら際限がないというようなことを言うのがいるけれども、それはやらないという、妨害をする意思から言うのだろうと思うけれども、そういうことでなしに、やはり人命を中心にして、人間の被害を中心にして、死没者や障害者を中心に、この問題はせっかくここまで来ておるのだから、突き詰める点は突き詰めて、援護業務についても私は遺憾なきを期してもらいたい、こういうことが私の最後の意見であり、大臣の見解を求める点であります。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 たいへん御熱心な御所論に耳を傾けさしていただきました。これはどこの所管かということは別といたしまして、幸い私どものほうに援護局というものがございまして、次長制度はなくなりますが、何人かの有能な課長の諸君、ことに戦争経験をされてこられたような課長の諸君が何人かおるわけでありますので、消防庁、自治省その他の関係の方面の協力も求めまして、戦時中の防空要員等の犠牲者あるいはその処遇を、当時の法令によってどのようになっているかというようなただいまお尋ねのことにつきましても、できる限り調べさせてみたいと存じます。  以上お答えをいたします。

大原亨日本社会党

○大原委員 最後に、あなたは国務大臣ですから、各関係省を督励していただきまして、指摘をいたしました問題点は少なくともあとの処理をしてもらいたい。それから、こいねがわくはあなたが七月の内閣改造で存続されることを希望いたしまして、私の質問を終わります。

天野公義自由民主党

○天野委員長 鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 厚生省の設置法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、きょうは老人問題について若干の質問をいたします。政府の基本的な見解をお伺いしたいわけであります。  先ごろの読売新聞の独自の調査によりますと、一日平均十四人もの老人が社会に絶望してみずからの生命を断っているというショッキングな結果が報道されております。ほんとうに私はこれは痛ましい問題ではないかと思うわけでありますが、こういうふうな状態で、社会の片すみで、発展を続ける社会に順応することができずにひっそりとみずからの命を断って社会から逃避する老人については、たとえ老人であろうが青年であろうが、とうとい一つの同じ生命でありながら、さほど世間の関心を呼ばない、というより関心を払わない私どもの心に深い悲しみを感ずるわけであります。現在わが国はかつてない経済の成長発展を遂げまして、国民総生産で自由国世界第二位になったわけでありますけれども、発展の陰にこのような状態があるということは私ども再度考え直さなければならないんじゃないか、そのように思います。老人というものについては、だれひとが認めるところでもあるように、明治、大正、昭和と、わが国が最も激しく大きく移り変わった時代を苦労して生き抜いてこられた方々であり、人生の安息期を迎え、今日経済繁栄の谷間に取り残されたまま若い世代に疎外される身になっている老人が多いことは非常に大きな社会問題ではないかと思うわけであります。老人問題は、実は一日だけの問題ではないわけであって、現実には九月十五日、敬老の日をはさんで一週間前後大騒ぎをするわけでありますけれども、わが国の老人対策の貧弱なこと、これには、さらに老人対策について力を入れていかなくてはならないのではないかと思うわけであります。そこで、ここに老人問題について、わが国の老齢人口というものが非常に急激にふえてきているという状況下にあるわけでありますけれども、この老齢人口問題は、私は一九七〇年代、おそらく一九八〇年代の一番大きな社会問題となっていくのではないかと思うわけであります。その点について、厚生大臣としては今後の老人対策についてはいかなる決意をもってお臨みになるかその点についてまずお伺いをいたします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 鈴切さんのお説のとおり、わが国の人口構造に占める老人層の比重というものが、いまだかつて世界に例を見たことのないようなスピードで高まってまいりますことは、厚生省の人口問題研究所等による検討その他からも明らかでございます。すなわち、人の平均寿命が延びてまいりまして、また環境衛生等もたいへん良好になりました面、これは公害などももちろんございましょうけれども、環境衛生は一般的によくなりましたし、国民皆保険のもとに医療制度も整備を見つつあるような状況でございます上に、出生率というものが、世界の平均から見ますると、日本はかなり低うございます。それらがからみ合いまして、今日では六十五歳以上の人口の割合は国民総数に対して七%程度でございますが、それが二十年、三十年の間に一〇%をこえ、十二、三%から一四%ぐらいまでに老人層は高まってまいることはもはや間違いのないところと考えます。外国においては、同じような状態にございますが、そういう老人層が多くなりますのに一世紀あるいはそれ以上かかっておりますことを、わが国では四分の一世紀ぐらいで達成するような状況にもあります。そこで、私は老人福祉対策というものが今後七〇年代における最も大きい国民的課題になるものと考えるわけでございまして、政府といたしましてもそのことを十分意識をいたしました上で、今日から対応策を考えたいと思うわけでありますが、政府ばかりでなしに国民の皆さま方、また国会にも御指導及び御協力を得まして、いろいろの角度から老人対策の充実をはかりたいと考えるものでございます。  その中心は、やはりいろいろの面はございましょうけれども、三つあると思います。一つは、やはり老人医療対策をさらに充実させること。それから老後の生活保障について年金制度を充実させること。これは家族制度の変動と申しますか、あるいは子供たちの親に対する扶養意識などの変更というようなことにも関連をいたすと思います。それからもう一つは、年をとりましても、これは私どものようにいつまでも元気でございまして、まだまだ社会のお役に立ちたいという、そういう気魄を持つ人々が多くなりますので、年寄りに対して生きがいを与え社会的活動の場を与えるような、そういうこともやってまいる必要がある。これらのことを中心といたしまして、諸般の施策を今日から整備をいたしたいと考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま厚生大臣がお話しになったとおりであると思うのですけれども、わが国の老齢人口は戦後数年たってから今日まで、実は医療の進歩、栄養の改善等によりまして、非常に増加の一途を示しております。ここで人口老齢化の国際比較を見てみますと、六十五歳以上人口比率が八%から一八%までになる所要年数というものを調査をしてみますと、フランスにおいては百七十七年、それからスウェーデンにおいては百三年、イギリスは五十六年、ドイツが五十四年で到達をする。ところがわが国においては所要年数というものが推定四十年で、一九九五年、あと二十四年たちますとこれに到達をするという老齢人口急増の世界的な唯一の国ということになってしまうわけであります。そういう観点から考えますと、当然それに対処するところのいろいろの老人対策というものが急務である、そのように思うわけでありますけれども、現在の状態についてちょっとお聞きをしたいわけでございますが、わが国の老人福祉施設の収容能力はどういうふうになっておりますか。それから養護老人ホーム、特別養護老人ホームあるいは軽費老人ホームについての施設数あるいは定員数、現員の状況をまずお伺いいたします。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 昨年の十二月末現在で申し上げますと、施設の数は特別養護それから養護老人、軽費老人全部合わせまして千十三でありまして、その定員は七万五千百五十名というふうに相なっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまの御答弁によりますと、わが国の十五歳以上の老齢者のわずか一%ちょっとしか収容能力がないということになりますけれども、スウェーデンは大体四・四%、イギリスが四・五%、フィンランドが八・六%に比較して非常に低いわけでありますけれども、今年度の社会福祉関係予算中、老人福祉対策費はどのくらいになっておりましょうか、その点についてお伺いいたします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 いま担当者が御説明申し上げましたように、去年の十二月末現在では老人ホームの総数は八万人分弱でございますが、正直に申し上げまして、どうしてもまだ十万人分ぐらいは施設が足りないと思います。そういたしますと、両方合わせました場合にもせいぜいわが国では六十五歳以上の老齢者総数に対するホームの割合というものは三%弱というようなことになりますので、諸外国に比べましてもまだ少ない状態になると思います。資料によりますと、先発の諸国におきましては、六十五歳以上の老人に対するいろいろな老人ホームの割合が四%から五%ぐらい、多いところでは八%をこえるような国さえもあるような状況でございますので、それと比べますと、いま私があと十万乗せるというのは少ないように思いますけれども、しかし日本では核家族、あるいは子供たちの扶養意識というものが今日かなり変わってきているとは申しましても、外国と比べますとまだまだやはり親は子供が扶養したいというような考え方、また伝統が濃厚であるというような点も考えてまいらなければならないと思います。さらにまた今後の風潮といたしましては、外国などでも特別養護老人ホームとかあるいは養護老人ホーム、つまり足腰が立たない、それを実費だけあるいは無料で収容するということだけでなしに、お年寄りが相当なお金を出して、そして一種の老人アパート的なホームもかなりありますが、わが国でもそういう面は、これから有料老人ホームというものがふえてまいることもだんだん考えてまいりますと、私は今後私どもの建ててまいろうと思う老人ホームの施策がそんなにおくれをとることにはならないと思います。  ところで、それに対するところの財政上の措置でございますが、これらは一括いたしまして社会福祉施設の整備費補助金の予算、こういうことばをもって呼んでおりますが、たとえば昨年は国の予算が五十三億円であったはずでございますが、四十六年度はそれを八十三億円に増加をしてもらいました。さらに昨年より一年前は四十億円ぐらいであったと思いますが、そういうわけで等比級数とは申しませんけれども、等差級数以上の割合で、私どももこれらの施設に対する助成金の確保をいたしてまいりますが、八十三億円というものはいわば火種でございまして、それに対しまして都道府県等の、あるいは市町村等の公共団体ももちろんその予算を計上し、国からの補助と合わせて施設をすることになりますし、あるいはまた国民年金、厚生年金等の還元融資、その他の起債等をもちまして公共団体の施設に助成をいたしますし、あるいはまた社会福祉振興事業団というような国家の機関もございまして、そういうところから民間の老人ホーム施設等へは融資をさせるというようなことになりますと、この八十三億円というものがいわゆる社会福祉施設全体といたしましては何倍かの伸びを見るということになります。もっともこの八十三億円というのは社会福祉施設全体について申し上げた数字でございまして、その全体を老人ホームの施設に充当するということではもちろんございませんが、私の考えでは、社会福祉施設の全体の予算、助成費の中で、まず老人関係のホームとそれから身体障害者関係の施設に重点を置いてまいりたい。ことに先ほど申しました八万人分弱の老人ホームなどにもかなり旧式の木造の施設等もございますので、そういう老朽施設の建てかえということにつきましても重点を置いてまいりたい、こういうことで進みます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま厚生大臣が御答弁になりました老人ホームの施設に対するところの比率ですね。三%というのをおっしゃったのですけれども、その点ちょっと私の資料と違うわけなんです。少なくとも一%強だというふうに思うのですが、その点について……。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 いま足りないものが十万くらい私はあると思います。その十万を乗せますと十八万くらいになる。十八万くらいになりますと、老人の総数に対しまして三%くらいになるのじゃないかということしの大体の腰だめの数字でございます。しかし、それは三%であれ、何%であれ、現状をもっていたしますならば、あと十万人分できますと、老人ホームに収容をしなければならない人々のおそらく八、九〇%の人々はそこに入れることができる。もっとも、私なども私事を申して恐縮ではありますが、子供をみんな嫁にやりましたならば、ひとつ退職金全部を有料老人ホームに寄託をいたしまして、私もその有料老人ホームに入るつもりでおりますが、そうなりますと、私の分だけははみ出すということになりましょうが、そういう風潮がだんだん日本でも出てまいりますので、私が申す十万人分のほかに、皆さんが有料老人ホームというものをお互いにお金を出し合って  つくって、そこに入っていこう、そういうことも外国と同じように行なわれるのじゃないかと私は思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 政府がいま考えておられます昭和五十年を目標とした老人福祉施設の増設並びに整備計画というのは、どういうふうになっておりましょうか。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 昨年の社会福祉施設の整備計画の中で、老人関係の当面緊急に必要とされるようなものを積算してみたわけでございますが、いま大臣が答弁されましたように、全体では約十万人分をふやすということでございますが、この中で寝たきりのお年寄りにつきましてはもう一番優先するということで、全部を解消できるという考え方でございます。  それから一般の養護老人ホームと老人世話ホームにつきましては、現在の段階ですぐホームに入りたいという希望を持っていらっしゃる方を基礎にいたしまして数をはじいたわけでございます。今後さらに希望なさる方がふえるという点まではまだ要素に入れておりませんので、緊急には約十万という数字になっているわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私いまそういうふうなことをお聞きしたわけでなかったのですが、昭和五十年を目標とした整備計画というのは、すでに厚生省のほうではお考えになっているわけでありますけれども、四十五年度末をこういうふうにした場合に、その目標としてこう考えているんだという内容はあると思うのですけれども、その点についてお伺いしておるわけであります。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 失礼いたしました。  先ほど四十五年末のものを申し上げましたけれども、四十五年度の末では、全体で八万二千二百人の定員になる見込みでございます。その定員を五十年度の末には十八万三千百人まで持っていこうという計画でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうしますと、十八万三千百人というのが大体昭和五十年を目標とした整備計画になっておるわけですけれども、それと同時に、人口問題研究所の推計によりますと、昭和五十年における六十五歳以上の老人は約八百七十万にのぼるであろうと推定されるわけです。そこでいま大臣が言われたように、現在の状態においては確かに三%になるかもわかりませんけれども、そのときにはすでに八百七十万からの六十五歳以上の方方があるとしますと、これはちょっと三%というわけにはいかないわけです。二・何%というかっこうになってしまうわけであります。二・何%ですから、外国に比べますと非常に低いわけです。そこで大臣としましては、六十五歳以上の老人を中心とした理想的な収容能力の率を大体どれくらいにすればいいのだというふうにお考えになっておりましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 それは結局老人数の何割かが老人ホームに入るということからは計算できないわけでありまして、六十五歳過ぎましてもおそらく——私もそのつもりでおりますが、まだ老人ホームに私は入らないつもりでおります。皆さんの健康がよくなりますし、それから平均の寿命も延びてまいりますので、人口問題研究所の推定する八百七十万の老人人口、あるいはそれ以上ふえていくものの相当割合が老人ホームに入るということではないわけであります。やはり一人暮らしの老人、寝たきり老人、あるいは身体障害等が濃厚であって、それをナースしてくれる適当な家族がいらっしゃらない、こういう方を対象に私どもは考えてまいりたい。それ以上のことは、先ほど来私が申しておりますように、私どもも子供のやっかいになるのはいやでございますから退職金を全部ほうり込んでも——有料老人ホームというようなものをつくる機構も整備をして、これはいま申します三%というようなものの外にもちろんなるわけでありますが、外国などの五%あるいは八%などというところがございますけれども、外国では六十五歳以上の老人がみな足腰の立たない寝たきり老人かというと、そうではないわけでありまして、子供たちとスープのさめない距離に自分たちが一緒になって老人村あるいは有料老人ホームのようなものをつくって住んでおる、こういう状況でございますので、私は日本もおそらくそうなるのではないか、政府としてはそのことも頭に入れますけれども、当面は寝たきり老人、一人暮らし老人まためんどうを見てくれる適当な家族がおらない人々を対象として制度の充実をできるだけ考えてまいりたい、こういう趣旨でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 先ほど私が申しましたスウェーデンが四・四%、イギリスが四・五%、フィンランドが八・六%ということは、これは外国の例をとって申し上げたわけでありますけれども、これは老人病院を含めた老人施設ということでかなり高い数字が出ておると思うのですけれども、やはりそういう観点からいうならば、少なくとも日本の国だけが老人が元気がいいというわけではないと思います。そういう点から、やはり老人というものは、もうからだがだんだんきかなくなっていくということから考えますと、当然それに引き合うだけの施設がやはり必要でないか、少なくとも外国並みの施設が必要ではないか。特に先ほどお話がありましたように、昭和五十年におきましてはすでに八百七十万からになりまして、昭和五十年計画でかなり一生懸命おやりになっても二・ちょっとしか実は収容能力がないというような状態でございますし、そういう点から言いますと、私はさらにさらにそれ以上の努力をこの老人福祉施設のために使っていかなければならない、外国並みの老人対策をやはり今後もしていかなければならないのじゃないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、その点についてもう一度大臣の御見解をお聞きします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 全く異論はございませんので、私も鈴切さんのお説のような努力を進めてまいる所存でございます。ただし、外国のお年寄りというのは、鈴切さんも外国においでになって、公園などで一日じゅう新聞を読みハトと遊んでいる老人をしばしばごらんになるでありましょうが、必ずしもしあわせではない。やはり私は、子供たちと一緒に住めるような日本の家族制度というものも、でき得る限りこわさないことも考慮に置くべきであると思いますので、年をとった者はみな家族から引き離して、そして有料であれ無料であれ、老人ホームに入れてしまうのがいいとは思いませんので、やはり親孝行、また親を大切にすること、またできるならば、これは住宅構造などのことももちろん考えてまいらなければならないと思いますが、一緒に住むというようなことにつきましても、若い人たちにそういう気持ちを持っていただくことをくずさないようにしたいという点だけはつけ加えさせていただきたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 確かに老人福祉施設の収容能力には限度があると思います。六十五歳以上の老人の場合をとってみますと、現在の一・強の福祉施設への収容能力しかありませんし、それから今度昭和五十年になりましたときには二・強の収容能力しかないということになりますと、いま大臣がおっしゃいましたように、非常に日本の家族制度を生かしたそういう老人対策というものも必要であるというふうに言われたわけでありますけれども、そうなりますと、残された約九八%、約七百万人以上の在宅老人への対策というものが当然強化されなければならないと思います。  そこで老人だけを対象とした施設の予算は、先ほどお話がありましたように二百二十八億円ありますけれども、そのうち在宅老人関係予算はそのわずか八%に満たない十七億円したかいわけです。こういうふうなことから考えてまいりますと、実際に大臣が言われたように、家族制度を生かしてそうして老人のめんどうを見ていくというにはあまりにも予算が少ないのではないかと思うわけでありますけれども、その在宅老人対策に私は今後相当力を注いでいかなくちゃならない。少なくともこの九八%という方々は在宅老人でありますね。そういう問題から考えますと、その方向を力強く推進をしていかなくちゃならないと思いますけれども、そういう点について、在宅老人に対する現在の予算ははたして順当であるかどうか、それをお伺いいたします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 まことにごもっともの御説であると存じます。現在でも、御承知のようにホームヘルパーとか、あるいは最近ではお医者さんと看護婦とを一緒に在宅のからだに故障のあるお年寄りのところを見て回っていただく、そういう制度も取り入れたり、またホームヘルパーとは別の老人の看護人制度というようなものを設けたり、あるいはまたいろいろ特殊ベッドとかいうようなものを国がお貸しするという形で身体障害のお年寄りの方などに御利用をいただくようなこともやっておりますが、しかしそれでまだまだ十分であるとは考えませんので、その他のことにつきましてさらにいろいろの施策を進めるべきであると考えます。たとえば試験的にやることになりましたテレホンサービスと申しますか、一人でおられる老人がいつのまにかなくなっておられるというようなことがないように、老人センターというようなものと結びつけて電話を設置するような、そういうこともぜひやらしていただきたいというようなことで、試験的に本年度から踏み切ることなどもいたしましたが、いまの二百何十億の予算を何倍かにふやしたいと思いますけれども、そのほかにやはり、先ほども触れましたように老人の生活のためには年金の充実ということが私は必要であると考えますので、今日の老齢福祉年金もことしから二千三百円になるわけでございますが、それらについてもかなり思い切ってふやしてまいりたい。また拠出制の国民年金にいたしましても厚生年金にいたしましても、老齢年金の充実ということはさらに今後考えていかなければならないことであると考えます。いまでも老齢福祉年金は掛け金が全くないわけでありますが、それだけでもたしか本年度予算は九百億円前後くらいの予算になるはずでございますので、老人対策費というものは、先ほどお話がありました老人の福祉施設の助成を別にいたしましても、国の予算だけで一千億を少しこえているとぜひ考えていただきとうございます。それに福祉施設、老人ホームなどに対する助成費を入れますと当然一千億をかなりこえてまいるし、公共団体その他社会福祉事業団などの資金援助、また起債等の援助等を加えますと、何倍かになるわけでございますが、しかし私は直接国費だけで一千億をこえる金につきましても、でき得る限り毎年大幅にふやしてまいりまして、在宅の老人たちがホームに入らないでも、かなりいごこちよくめんどう見ができるようにいたさなければならないと考えます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 老人の有病率についてちょっとお聞きしたいと思いますけれども、老人については非常に疾病状態と健康状態との区分が明確でなくなるという特性があります。老人の疾病というのは非常に多いということも確かだと思うわけでありますが、老人の有病率というのは青壮年の有病率に比べまして約三倍くらいというふうに聞いておりますけれども、その実態はどういうふうになっておりましょうか。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 昭和四十三年の国民健康調査によりますと、六十五歳以上の有病率が約二〇%でございます。それに対しまして青壮年層を幾らにとるかでございますが、一応二十五歳から四十五歳までくらいの間にとりますと、その有病率は約六%でございます。大体三倍ということでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうなりますと、大体三倍ということになるわけでありますけれども、そこで、老人の受診率は青壮年の受診率に比べてどれくらいになっておるか、その点についてお伺いいたします。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 これも昭和四十三年の患者調査によりますと、六十五歳以上の方の受療率が約九%でございます。それに対しまして、先ほどの二十五歳から四十五歳までの方の受療率が六・五%でございます。約一・四倍ということであります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そこで大臣、ちょっと問題になってくるわけです。有病率は約三倍なんです。ところが、老人の受診率というのは一・四倍になってしまう。これはどういう原因かということになりますと、これは昭和四十一年の総理府の世論調査によりますと、老後対策に対する要望といたしまして、気軽に医者にかかれるようにしてほしい、こういうふうに要望した六十歳以上の老人が非常に多いということですね。そのように発表されております。生活保障の非常に低い老人が、ともすると経済的な負担をおそれて受診を回避しているのではないかと思われる節があるわけであります。その実情について大臣どのようにお考えになられますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 数字上の実情は私もつまびらかにいたしませんけれども、いまの老人の有病率と受診率との間にかなりの間隔があるということは、私はそのとおりであると考えるものでございます。その理由は、いまも鈴切さんからもお話がありましたように、年をとりますと所得も少なくなる、病気も多くなる。いまの健康保険では、その老人が家族であります限りにおきましては自己負担もかかるわけでありますから、その自己負担分をむすこさんから一々もらっていくというのもなかなか言い出しにくいというようなこともありまして、二回に一ぺんは医者に行かないでがまんする、こういうようなことではなかろうかと思いますので、そういうことを頭に置きまして、私は老齢者に対しましては特別の医療対策を、いまの健康保険制度で満足せずに、上積みをするなりその他の方法を検討いたしまして、そして年寄りが安心して医者にかかれるようなことにぜひしたい、こういう情熱と計画を進めておるものでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 先ほど大臣が言われたとおり、現在の医療制度においては、所得能力を大いに欠いた老人にとって医療費の自己負担というものはきわめて苦しいものであることはそのとおりであると思うのです。老人は総体的に見て非常に所得が低くて病気しがちでありますので、医療費の自己負担分ということは非常にたいへんだというふうに私も判断をいたします。そこで大臣がさきに二月十六日に予算委員会において、老人医療費の公費負担による無料化を実現したいという旨の前向きの答弁があってから、老人の方々は非常に喜んでおられる現状だと私は思うのです。大臣が老人医療費の公費負担による無料化というものをどのような形で推進をしてくれるかということは、いまもはや老人の方々の大きな注目になっておるわけでございますけれども、そういう点から考えまして、昭和四十七年度からはたして実施されるのかどうか。大臣がお考えになっておる御構想をお伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 私は、老人の医療費に対する特別対策というものを昭和四十七年度からぜひ着手をしたいと考えまして、そのためにはもちろん予算も要ることでございますが、四十七年度予算の概算要求は御承知のとおり八月中に大蔵省にいたすことになるわけでございます。そこで厚生省の関係当局に対しまして、八月までの概算要求に間  に合うように老人医療についての公費負担の具体案の樹立を命じておる次第でございます。その形  はいろいろあろうと思います。たとえば二年ほど前に、医療保険の抜本改正という構想のもとに、老人のみを対象とした一つの医療保険グループをつくって、その財源等は他の勤労者保険グループあるいは長期保険グループ並びに政府から財源を入れる。そして老齢者は老齢者保険の形の中において、七割給付あるいは五割給付ではない、九割ないし十割給付を受けるという構想もありまして、関係の審議会に諮問もいたしておることは鈴切さんも御承知だと思いますが、それも一つの方法でございましょう。しかしそれにはとらわれないで、いまの自己負担分について公費医療という積み上げをする。今日幾つかの地方公共団体では年齢はかなり高い年齢を対象としておられるようでございますけれども、地方費による保険の自己負担分の補てん制度というものをやっておるところがふえてまいっておりますので、そういう事実も頭に入れながら、国費をそれに加えまして、そしてもう少し完全な姿で、しかも特定の市町村のみに限らず、もっとすべての老人に普遍的に老人医療の充実が行き渡るような方法を検討させたいと思います。  もう一つ、さらには、そういう普遍的な形での老人医療対策と、また老人に固有な特定の病気などにつきましては、これは可能かどうかここで言明はできませんけれども、そういう老人固有の特定な病気につきましては公費医療の制度を拡充していく。御承知のように、一昨年からやり始めました老人白内障の手術等に対しまして公費負担の制度、あるいはまた昨年から脳率中の後遺症などに対するリハビリにつきましての一部の公費負担制度というものをやっておりますけれども、そういうカテゴリーと類似のものを広げていって、これは一般的の老人医療の問題とは別に考えていくことについても検討させてまいりたいと思っておる状況でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 厚生省では老齢者対策プロジェクトチームをおつくりになったということ、これは私は一歩前進ということで非常に評価をしております。しかし、先ほどもお話がありましたように、昭和四十七年度の予算要求ということを考えますと、八月中にはその予算要求というものの大綱をまとめなくてはならない。そうなりますと、このプロジェクトチームの検討というものはかなりもう進んでこなくてはならないと私は思いますし、予算要求の常識からいって、少なくとも作業は七月の初めごろまでには結論を出さなくてはならないのじゃないかと思いますけれども、その点についてはどういうようにお考えになりましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 おっしゃるとおり作業を進めさしておるわけでございます。たとえば、先ほど来御説明に立っております老人福祉課長さんは、厚生省の社会局に所属するわけでありますけれども、しかしいま老人にとって一番大切でありますところの生活保障にかかわる老齢福祉年金というような問題になりますと、これは厚生省におきましては別に年金局の国民年金課が担当しておる。また、いまの医療保険のことになりますと、これは保険局がやる。また、さらに老人固有の特定の病気などについての判断というようなことになりますと医務局がやるというようなことでございまして、老人に対する諸般の対策がそれぞれ厚生省の中で分掌、分担をされておるような形でございますので、老人福祉課長一人が仕事を立てれば、それで老人福祉についての総合的な施策が立つという形になっておりませんので、これが年金局も社会局も保険局も医務局もあるいは官房も横に連ねたような、そういういわば混成のモデルチームという意味でいまお尋ねの老人プロジェクトチームというものを特につくって、そして厚生省における最も大きな課題の一つとして解決さしたいという、そういう前向きの熱意を示しておる、こういうわけでございます。八月までには、私は大蔵省に対して要求できる政策と、それに基づく予算の裏づけというものをまとめ上げて、大蔵省とひとつ大戦争をやってみたいと考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 プロジェクトチームによるところのいろんな検討がされておる、しかも前向きに大臣はこの問題については取り組んでいかれるということでございますが、その段階においていろいろ結論は出ると思うわけでありますけれども、大臣個人の立場として、医療の無料化制度に対して最も重要視される問題については、やはり給付対象の年齢とかあるいは所得制限の有無という問題が、実はいつもこれは問題になってくるわけでありますけれども、大臣がお考えになっておられる対象年齢とか所得制限というものに対する御構想をちょっとお聞きしたいのです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 これは私はずばり申しますと、七十歳以上の老齢者は、私どもが考える老人の特別の医療対策の対象としてすべて取り上げてまいりたいと考えます。しかし、各地方公共団体がやっておりますのは、七十歳よりもかなり上の年齢をとらえておるところも多いようでございます。したがって、年齢の問題につきましては、私は七十歳以上をやろうと思いますけれども、児童手当の制度などの発足は、ああいう形で何年か、三年ぐらいの間に完全な姿をとるというようなことも財政上の関係でとらざるを得ないような状況もございますので、その辺のことにつきましては、今後の折衝によりまして私の主張が通るか通らないかという問題はあるわけでございます。  それから所得制限のことにつきましても、どうも私はほんとうに考えますと、年金などにつきましても、やはり親と子は別でございまして、子供の所得が多いからといって、親が大いばりで子供におこづかいをねだったりあるいは生活の依存ができるというような状況には今日の世の中はないと思いますので、医療につきましても、私の最終構想としては、これはもう所得制限などはやかましく言いたくない。かりに設けましても、それは国民感情から見て、その程度はもっともである、松下幸之助さんとか内田常雄のごときは、これは所得制限をかけてもいい、こういう考え方が世間にはあるかもしれませんので、その辺のことは、私はやはり国民の意識というものを考えながらきめることになろうかと思いますが、原則としてはいま申しますように広く、こういうふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私も実は厚生大臣の御答弁、賛成なんです。確かに、先ほど言われました中に、老齢福祉年金という一つの問題があるわけですけれども、老齢福祉年金も現在個人の所得が五十四万以上の場合には切られてしまう、あるいは五人の扶養家族で百八十万の場合には老齢福祉年金は切られてしまうという、非常に線が低いと思います。そういう点で、どんどんその点は上げなくちゃなりませんけれども、特に扶養家族五人の場合に百八十万という問題、先ほどもお話がありましたように、日本の家族制度を生かしていくためには、やはり老人を大切にするということは非常に大きな特色でもあると同時に、そのことによって、五人の扶養家族で百八十万の所得しかないのに、老人の方が病気になって生活が苦しい、そういう老人を度外視するという行き方は非常にまずいのではないか。そういうことで、所得制限がないというところまでやはり遠大な構想で進まれるということは私は非常にいいと思いますし、また、言うならば、個人の所得が五十四万なんてそんなことではなく、もっとレベルを上げなくちゃならない、こういうように思うわけです。非常に問題になるのは、元気で一生懸命働いておったときには十割の医療給付を受けられるのに、実際に退職をして仕事もなくなったとたんに三割ないし五割の自己負担を余儀なくされる現行の医療保障制度というのは、何かしら矛盾を感じておるということでございます。そういうことから、厚生大臣がこの老人対策については予算委員会においても前向きに答弁されたということを、私も非常に高く評価をしておるわけでありますけれども、その国がなかなか腰を上げなかったうちに、すでに地方自治体においては、これはもう老人の方々の医療の無料化ということ、これについてはいろいろな形があろうかと思いますけれども、もうすでにやってきておるところがあるわけです。そういう点についてちょっとお聞きしたいわけでありますけれども、何らかの形で老人の医療公費負担を取り扱っておる地方自治体の実態というのはどうなんでしょうか。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 県の段階で市町村に対して補助を行ないまして、社会保険の残りを公費負担するというやり方をやっておりますのが、現在までに十県ございます。それから四十六年度に実施を予定しておるという府県が十三府県、それから市町村におきまして、国民健康保険の給付率を八割ないし十割に引き上げていくというところが、昨年の四月現在で百七十九ございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そういうふうに地方自治体でもかなり積極的に実はこの問題を取り上げて、すでに昭和四十六年度に新規実施を予定されている県もかなりたくさんあるわけです。そういうことから考えてまいりますと、老人の医療の無料化というのは一つの時代の趨勢である、私はそういうふうに深く思うわけでありますけれども、老人の医療を無料化するについて、保険と地方自治体との医療費の配分負担率をどのように考えられているか。それはもう全部国で持っていただければ、これほどいいことはありませんけれども、やはり国としてもなかなかきめられた財源の中においていろいろの措置をしなければならないと思いますけれども、そういう点において、老人の医療を無料化するについて、保険とそして地方自治体の医療費の配分負担については、どのように大臣は御構想をお持ちになっておりましょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 その辺も、鈴切さんの発言の中にございました厚生省の老人対策プロジェクトチームを中心として検討をさしておる次第でございまして、いま私がここでこういたしますと言う段階に至っておりません。至っておりませんが、私が先ほど来公費医療ということばを用いまして、国費医療ということばを用いておりませんのは、これはもう鈴切さんも御承知のとおり、国が持つが、同時に県、市町村というものもその一部をともに協力してかついでいかれるほうがいいのではなかろうか。ことに、国民健康保険におきましては、すでに御承知のとおり、総医療費の四割五分を国が調整費を含めまして補助を出しておるわけでございまして、それによって医療費の七割給付が行なわれ、残りの三割ということでございますので、一体その三割についてパーセンテージをどうするかということにつきましては、いま私が申し上げましたような、いまの国民健康保険における国費負担の割合、数字というようなものも一つの示唆を与えることになるかもしれませんが、地方財政だってもちろん楽じゃありませんので、それは国が持つ分が大きいほうが厚生大臣としては肩身が広い、こういうふうにも考えられます。もっとも、これは先ほども触れましたが、そういう形で自己負担分を公費負担をするということにきまったわけではございませんので、老人に対する保険の給付率を、今日の五〇%あるいは七〇%ではなしに、もっとパーセンテージを上げていって、その財源は一般の保険料並びに国が特に国庫補助をそれに見合ってよけいにしていく、こういう行き方もあり得るわけでございまして、いままで健康保険の抜本改正のラインで関係の審議会に参考意見として出してまいりましたのは、あとのほうの保険医療で老人の医療を高くカバーしていく、こういう考え方のようでございました。しかし、時代は始終変わってきておりますし、政策効果というようなことをも考えたりいたしますと、私は、必ずしも二、三年前の考えにこだわる必要もない。現にまた社会保険審議会というような関係の審議会におきましても、老人に対しましては公費負担というようなことをまず考えるべきではないかという示唆をもいただいておるところも参考にいたしたいと思います。  それで、いま鈴切さんがおっしゃいましたことで、この機会に私が言及さしていただきたいことは、きわめていいことをおっしゃっていただきましたのは、会社その他につとめておる間は十割給付であるけれども、年をとってやめてしまうと、それが市町村保険にいって七割給付になって、自己負担が三割つくということでございますが、それはそうでないほうがいいと考えまして、会社や何かをやめてもしばらくの間はやはり保険で十割カバーをされるような退職者継続給付の制度というものと、それからまた、一般のつとめ人の場合は、家族は保険で五割しか給付がございませんのを、老齢者につきましては、市町村保険と同じように七割の保険給付に引き上げていくというのが、もうこれはことしからでもそうしたほうがよかろうということで、今度の健康保険法の改正案の中にはそういうことを織り込んでおるわけでありますが、皆さんがそのことをお忘れになっちゃったらしいので、そのこともひとつ鈴切さんの御発言のように、皆さんにあらためて御記憶をいただきたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 ことし予算委員会でも、大臣は、ずいぶん医療の抜本改正の問題については御苦労されました。審議会の答申もかなり苦労して出された。その状態を私予算委員会におりましてよく存じております。しかし、この問題は、やはり医療制度の抜本改正というものを抜きにしては考えられない問題も含まれておるのではないかと思うわけでありますけれども、医療制度の抜本改正については、必ず来年にはその問題については解決されるかどうか、その点についてちょっと伺いたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 いわゆる医療保険の抜本改正のことについては、よく車の両輪とかあるいはまた車の三輪とさえいわれる場合もございまして、保険の仕組みそのものを一輪といたしますと、保険以外の国民の健康管理、たとえば医薬分業をどうするかとか、あるいはまた僻地医療をどうするかとか、看護婦やその他のパラメディカルの職員の確保をどうするかというような問題も別にありまして、これらについて根本的な解決のめどをつけるべきではないかという意味で両輪といわれますし、さらにまた、皆保険でございますので、すべての患者は保険で医師にかかりますので、保険担当機関の診療報酬につきましても、適正化とか合理化とかあるいはまた緊急是正とかいうような問題も別にあるわけでございまして、それについても合理的な改正を行なうべきだ、こういうことがいわれております。それらの二輪、三輪の問題ということになりますと、私は、明年直ちに僻地の医療の問題が解決するとも思いませんし、なかなかむずかしい問題がございますが、しかし、二輪、三輪をもって国民の医療問題というものは構成されていることを私は十分認識をいたしまして、でき得る限りこの三輪が早い機会にそれぞれかみ合いながら解決されるようにつとめるような努力をいたしておるわけでございます。そして、今回出します健康保険法の改正案につきましても、来年、再来年ということを待たないで、来年、再来年の抜本改正への橋がかけられるような、そういう橋かけの意味の制度を幾つか織り込んでおるわけでございまして、政府管掌の健康保険につきましても、いままでにないように、国が定率の補助を出すとかあるいはまた米や国鉄等を例に出すわけでもございませんけれども、二千億か三千億にも近くなる累積赤字というものを、これを保険の外で一般会計の負担で処理をしてもらう。そうしないと、あと健康保険制度全体を通ずる改正というものができないことになりますので、そういうことも実は織り込みまして、あとの抜本改正がやりやすいように、また抜本改正そのものへの橋かけであるような、そういう構想で今度の健康保険法の改正も出しておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いずれにしても老人の医療費の無料化という問題は、これは非常に大きな期待を持っているわけでございますので、その点について厚生大臣はより以上前向きに、しかも精力的にこの問題について取り組んでいただきたい、このように私、要望する次第であります。  次に、ホームヘルパーなんですけれども、老人福祉法の第十二条の「老人家庭奉仕員による世話」の項に「市町村は、社会福祉法人その他の団体に対して、身体上又は精神上の障害があって日常生活を営むのに支障がある老人の家庭に老人家庭奉仕員を派遣してその日常生活上の世話を行なわせることを委託することができる。」こういうふうにありますけれども、実際にホームヘルパーを必要とする老人というのは現在何人ぐらいおられましょうか。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 現在ヘルパーを置くために、ヘルパーの対象に考えている方々、生活保護世帯と低所得世帯、その中で、寝たきりのお年寄りで、どうしても人手がなければ日常生活ができないという方々で、しかもその方を介護するために必要な家族の方がいらっしゃらない。たとえば他人であるとか、あるいは家族がいらしても病弱の方しかそばにいないというような方をとりあえず対象にしようという考え方でございます。そういう考え方で数を調べますと、対象の方が約六万名いらっしゃるということになります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 寝たきりで家族もいない、低所得だということを対象にしても、いまお話があったように六万人からの方がいるわけであります。そうなりますと、ヘルパーの担当するのを大体平均六人と見た場合、ヘルパー一万人は必要になるという計算になるわけです。ところが実際に厚生省のほうでは、今度の予算は六千三百人というふうにしか出ておらないわけですけれども、これでは全然足りないわけですが、これに対する不足の分についてはどのようにこれを拡充されるか、また拡充されるについて、はたして現在のホームヘルパーの処遇でその人たちの確保ができるかどうか、それについてちょっとお伺いします。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 おっしゃるとおり、いまの人数では先ほどの六万名全部をごめんどう見るということはできないわけでございます。年々人数の増加をはかってきてはおりますが、なおその意味では努力をする必要があると思っております。ただ実際にヘルパーの方を雇うと申しますかお願いするのは、市町村がお願いするわけでございます。その市町村がそれだけの人数をお願いしてくれないことには、十分な人数というのは確保されないことになります。そういう意味で、市町村のほうでお願いをしやすくするためにも、ヘルパーの給与というものを、ことしも公務員のベースアップに準じた引き上げを行なっておりますけれども、なお今後とも十分にその手当の増額については考えていく必要があろうというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 市町村に御協力をお願いしなくてはならないということはわかるわけでありますけれども、はたしてヘルパーが十分な身分保障が行なわれているかどうかという問題になりますと、これは法的な資格、制度というものが現実には持たれてないということで、身分保障というものは十分でない。  それからもう一つお聞きしたいわけですが、ホームヘルパーが実際に活動するのは、一週間のうち大体六日が平均だと思うわけですけれども、そうしますと、ホームヘルパーとしては、ほとんど一カ月、これを本職として取り扱わなくてはならない、そういう問題が起こってくるわけでありますが、ホームヘルパーの給与は大体幾らくらいでしょうか、その点についてお伺いします。

山口新一郎厚生省社会局老人福祉課長

○山口説明員 正確に幾らという調査、まだございませんけれども、大体二万円ないし三万円という数字をつかんでおります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 大臣、いまそのように御答弁がございましたけれども、実際にホームヘルパーの法的な資格、制度もございませんし、それから給与も二万から三万なんですね。しかも通勤費というものはその手当の中に含まれてしまうというような状態にあっては、これがはたしてホームヘルパーの給与として妥当であるかどうか、これじゃとてもじゃないけれども、専門的にこれに取り組んでいくということはほとんど不可能である。しかもいま現在六千三百人に増員をしているわけでありますけれども、実際には一万人必要な状態の中にあって、さらに拡充をしなくてはならないという現状から見て、大臣は、いまいろいろ御答弁になった中から、ホームヘルパーとしての予算的な措置、そしてまた身分保障という問題について、どのようにお考えになりますか。その点について……。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 全く頭の痛い話でございまして、私は、ここで口頭で御説明申し上げればそれで済む問題とは決して思っておりません。幸い、たしか私の記憶では、六千人余りあるヘルパーのうちで四千人くらいが市町村の職員で、あと残りの二千人くらいが県社協、県の社会福祉協議会の職員になっているはずでございますので、市町村職員のほうの方については、これはたとえば保育所などの職員の方でもわけは同じようでございますが、国からの補助率や、また国の補助基準にかかわらず一種の自治体の超過負担みたいな形で支払いもなされたり、またベースアップなども一般の公務員と同じベースアップが行なわれておるのではないか、そういうことで、国の計算とは違った計算のもとにヘルパーの方々が活動をされておるとも私は想像いたします。しかし社会福祉協議会のほうの職員につきましては、これはそういうようなものとは趣きが違うのではないかと思いますので、国の補助率の基盤をはなはだ高くしたような給与がはたして払われているかどうか、国の補助基準というものが二万数千円ということでは少し——少しではなしにたいへん無理ではないかと思います。私どもが家庭のお手伝いの方などをお願いをいたしましても、このごろではもうたいへんな給料になっていることを考えてみましても想像ができます。ただしこういうヘルパーの方々は、一種の信念、あるいは場合によっては宗教心あるいは誇り、そういうこともお持ちいただいて、社会福祉活動に従事するのだという誇りを持っておやりくださっている方々もあられるとも私は思います。しかしそういうことに私どもがつけ入ってはいけませんけれども、その辺に矛盾があるように思います。身分の問題につきましても、市町村職員はそれで身分は確立されておりますけれども、社会福祉協議会の委託職員などにつきましては、身分の問題もやはり残る問題でありますので、そういう問題につきましても、私どもはさらに積極的な処置を講じていかなければならないことだと申さざるを得ません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 寝たきり老人の病状によって、重い、軽いによってその受け持ちの人数等はそれぞれ違うわけでありますけれども、あるヘルパーでは七人のめんどうを見ているというのも実はいるわけです。そうなりますと、一人の老人に週二日訪問することはむずかしい、それくらいかなり過重労働というものをしいられている状態です。確かにいま言われたように、信念、宗教、心、誇りという、そういうふうな考え方を持っておられる方もおありでありましょうけれども、しかし少なくともそれが一月間の、言うならばほとんどの日数をさいて、そしてこういう寝たきりの老人等についてのごめんどうを見ておられる方は非常、にたいへんだと私は思うのです。いま大臣はいろいろ想像だというふうに言われておるわけでありますけれども、私はそれは早いところやはり実態を掌握をされて、これじゃとにかくたいへんだから、当然給与についてももっと上げなくちゃならないというふうな点について検討をしなくては、とてもではないですけれども、約六千三百人から一万人は必要だというその一万人の確保はむずかしい、そのように思うわけですが、大臣としてやはり給与体系について改善をされていくという御意図があるかどうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 いや、もう私はたいへん正直なつもりで、大臣としては問題になるような御答弁をいま申し上げたつもりでございますので、このことにつきましては私は非常に責任も感じておるわけでありますので、実態の調査といいますか、私が実態調査することも一つの方法でありますけれども、関係の市町村あるいは社会福祉協議会等の諸君から実情を十分聞きまして、私が、心配するようなことがないようにしなければならないとほんとうに考えております。ただ、またいま非常に労働需給が逼迫しておりますので、給与とか身分のことだけでこの問題が解決しない面もあると思いますが、きょうの課題になっておりまする年寄りの生きがいという問題に関連いたしまして、これは私は実際の例も見たり、またおたずねをしたこともありますが、ずっと昔の看護婦さんの資格を持っておるお年寄りたちが奮起をされまして、昔とったきねづかというわけで、お年寄りがお年寄りのめんどうを見ておられる、そういうのも実はございます。今度私どもは老人対策の一つといたしまして、単に老人クラブの助成ということから一歩進めました、お年寄りで元気な方々の社会奉仕活動についての助成というようなことも四十六年度の予算から実は始めました。したがいまして、これは奉仕員、ヘルパーは大体御婦人が多いわけであります。でありますから、御婦人の方々でホームヘルパーそのものでなくても、パートタイムの、あるいは季節的の奉仕員活動を元気なお年寄りの婦人にもやっていただくというふうなことも考えたらどうか、これは空想に終わってしまったら無意味でございますけれども、そういう面も考えてみたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 労働力が逼迫しているだけに、やはり身分保障と給与というものは考えていかなくちゃならない。これは常識的な考えでありますので、そういう点についてさらに力を入れていただきたい、このように思います。  次に、一つお聞きしたいことなんですが、近年原因不明、治療法の未確定の疾患が非常に社会問題化されてきております。私の気づく限りにおいても、スモンとかあるいはベーチェット病とか筋ジストロフィーなどが新聞、社会をかなりにぎわしておりますし、悲惨な患者の実態が国会でもすでに論議をされるような状態になってきたわけでありますけれども、いわゆる難病という病気ですけれども、難病という病気には原因が不明、そして治療法がいまだに発見されないという病気もあります。それから原因が不明だけれども治療法はわかっているというのもあります。また、原因はわかっていても治療法が実際にわからないという、いろいろのケースがあろうかと実は思うわけでありますけれども、近年非常にクローズアップされておりますベーチェット病に罹病している人たちは、推定して大体どれくらいおられますか、また本年度の研究費は、どれくらいこの問題についての研究費は含まれておるか、それについてお伺いいたします。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 ベーチェットの患者につきましては、四百万の四十五年度の研究費で調査中でございますが、実はベーチェットという病気が非常に慢性の経過をたどるということで、実態の把握が非常にむずかしいという基本の問題がスモンなどと違ってございますが、もう一点、非常に大きな問題点は目に障害がくるという問題でございまして、目の障害者の方からの推計数字を学者の皆さんがこのようにいっておられます。すなわち、わが国の視覚障害の患者数は、厚生行政基礎調査で二十三万という数字がいまございますけれども、最近特に成人になってからの後天的な視覚障害者が多くなってきている、そのことを踏まえて実態的に考えると、その一〇%がベーチェットに原因があるのではなかろうかということでございますと、約二万という数字がベーチェットからの視力障害者で推定されます。しかしながらベーチェットが、いま申し上げましたように、視力障害が起こってはじめて確定的にやはりベーチェットだというふうにきまるような経過をたどる診断の非常に困難な病気でございます関係上、常識としてその二倍ないし三倍の患者数が、確定的な診断が下されないでも実態としてあるのではないかというのが学者の見解であります。いずれ正確な研究班の調査が出ますれば、その見解を明らかにすることができると思います。  なお、先ほど申しました四百万の研究費につきまして、ただいま特別研究費の中身で、関係者で研究班担当の班長さんといろいろ検討していただいておりますが、大体一千万程度の研究費を四十六年度はこれに充てたらどうかということで、研究者と打ち合わせておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 厚生省はいわゆる難病を、たとえばスモンとかベーチェットとか、あるいは筋ジストロフィーとかダウン症候群とか、あるいは自閉症として掌握しておられるわけでありますけれども、厚生省としてこれを取り扱う課というんですか、これをそれぞれ取り扱うのは案外とばらばらになっておると思うのですけれども、いま申し上げましたところは何課によって研究が進められているかということについてお伺いいたします。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 おっしゃるとおり、形の上では関係の各課がそれぞれ担当しておりまして、まことに一定の方針がないといろいろ評価されておりますけれども、実はこの問題につきましては、たとえばただいま先生がおっしゃいました自閉症のようなものは、これはいろいろ説がございますが、子供の精神分裂性の一疾患ではなかろうか、こういうことになりますと、原因そのものの追及とあわせまして、やはり福祉対策を講じる必要もございまして、これは結果的にはやはり児童局のほうで、それぞれの取り扱いも、都道府県との関係も円滑にまいりますので、やはりその線が担当する。ダウン症候群等も、これは児童の精薄等に関係する疾患でございます。それからスモンを私の公衆衛生局の防疫課が担当しましたのは、当時ウイルス性疾患ではないか、伝染病ではないかというような説もございましたり、その他の理由で、当面窓口としてはスモンに対して私のところの防疫課が担当しましたが、最近は特にキノホルム説というようなことで、原因がある程度七割方明確になってきたようでございますが、最終結論は出ておりません。それぞれにそういう経過がございます。要は厚生省といたしましては、身体の障害に来るような問題もございますし、それからいま純粋に原因究明だけをする以外に方法のないなかなかむずかしい疾病もございますので、それぞれ結果的には各課かあるいは各局が担当しておるような形になってしまうのでございますけれども、結論といたしましては、官房に科学技術参事官室がございまして、ここがただいま難病、奇病等の研究費を含めました担当をしまして、それぞれそれが身体障害に関係があれば、社会局の更生課等にベーチェットの目の問題等は参る、こういうことでございます。そのほか研究費以外の医学的な面を含めまして難病、奇病の問題については、私の担当の公衆衛生局ができるだけ積極的にその他に属さないものについては取り組むような心組みでいたしております。この点につきましては難病課の設置というような考え方もございますけれども、そういう特定な課の設置よりも、私としては現状の局のそれぞれのエキスパートである技官等が中心でこれにプロジェクト的に対処してまいる、そしてその責任の局なり室なりを明確にしておくということで対処できるのではなかろうかと考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまも言われましたように、ベーチェットの場合には医務局総務課で扱っているわけですね。そうなりますと、いまあなたがおっしゃったように、いろいろ専門家に渡しているからいいというようなお話でございますけれども、やはり難病というものは少なくとも私は今後時代の趨勢によって相当起こってくるのではないか。そうした場合、総合的な一つの課として研究をしていかなければならない時代になってくるのではないか。そしてしかもそれがすべて対策とかあらゆる問題についての研究が進んで、もうこれは全部こちらにお渡しすればいいという段階になって、いわゆる防疫課とかあるいは児童局の母子衛生課とか、そういうところへお渡しをすればいいわけでありまして、やはりそれまでにあらゆる研究が必要だという中にはかなりいろいろな要素が含まれてきているわけですから、部分的に渡してしまうとなかなか総合的な研究ができないというふうに私は思うのですが、大臣、その点いかがでございますか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 滝沢政府委員は医学博士でございまして、そのほうには十分通じておる人の答弁でございまして、私がそれ以上申し上げられないのですが、これは鈴切さん、いかがでございましょうか。かりに一カ所でまとめましても、そういう難病、奇病、これはスモンにいたしましてもベーチェットにいたしましても、カシンベックにいたしましても、筋ジストロフィーにいたしましても、私でさえもそういう名前を知っているくらいでございますが、とても一課一局のよくなすところではなしに、やはり臨床、病理、疫学その他各方面の民間の学者や医療担当機関のすぐれた人人の御協力を得ないとできないことのように私は思います。厚生省などで予防衛生研究所とかあるいは場合によっては公衆衛生院などで取り上げ得ることもあるのかもしれませんけれども、そういう厚生省の付属機関だけをもっていたしましてもやり得ない問題のようでございますので、いまのように、それぞれ担当は分かれているように見えましても、そこが決してセクショナリズムで排他的に病気の処置と狭い範囲で取り組んでいるということではないとも思われます。しかしせっかくの鈴切さんの御意見もございますので、さらに検討をさしていただきたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 確かに研究機関とかそういうところにいろいろ依頼をしなければならない問題もあるし、そういう意味においては多般にわたって厚生省としても手を伸ばしていかなければならない。そういう考え方から考えますと、実は難病の問題はこれだけではないわけです。たとえば広義の膠原病にはリューマチも入っておりますけれども、狭義の膠原病などはどのように掌握をされているか、またどれくらい人数がいるか、ちょっとお聞きしたいわけであります。たとえば紅斑性瘡それから進行性強皮症あるいは結節性動脈症あるいはサルコイドージス、多発性硬化症、こういうふうなのが狭義の要するに膠原病としていま現在名前が上がっているわけでありますけれども、厚生省としてはこういうふうな状態になっている方がいまどういうふうな状態にあるかということについての掌握をなされておられるかどうか、あるいはこれに対する研究班はもうすでにできているかどうか、それについてお伺いします。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 結論を申しますと、サルコイドージスだけが研究班がございまして研究をいたしておりますし、患者数も約千七百という程度つかんでおりますが、先生の例示されましたその他の疾患につきましては、かなり古い時代から医学的には非常に多くは存在しない、まあ端的に申すと、医学生に特殊な講義などで教えるのに、まれにこういう患者が大学病院などに参りますと、その診断が最後に教授によってつけられて、それを学用患者としてわれわれ学生に教えるというようなことで、最後の多発性硬化症というようなものはちょうどハンセン氏病、レプラ患者と一時間違えられるような経過をたどったりするようなことがございまして、そういうようなことで、結論としてはサルコイドージスだけが実態が把握され、その他については特殊なこの方面のエキスパートの研究データにまつしかないというのが実態でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま申し上げましたように、少なくとも厚生省にしてみれば、こういうふうな名前が上がっただけでもすでに何人かの患者を出しておるわけです。そうした場合に、これに対する研究班によって、こういう問題はどういうところから原因が起こっているかという問題についても、私はさらに研究する必要があろうかと思います。ただ単に人数が少ないからこれは研究班を設けないのだ、大学の研究にまつのだというのではあまりにも不親切であると同時に、少なくとも厚生省の立場とするならば、そういう意味を含めての研究班の設立というものは必要である。そういうことから考えますと、やはりいままでのばらばらの状態でありますと、どうしてもこういうふうな難病等に対してなかなか網羅をしていくことはできない、また関係性をつかむことが非常にむずかしいという状態になってくるので、総合的にそういう問題を取り扱っていく課が必要ではないか。またそういうエキスパートを集めてその課に常駐させていくと、案外これとこれとの関係性というものがわかるのではないか。そういう意味において先ほどから私申し上げたわけでございますが、大臣はそういう点について一応検討してみようという前向きの御答弁がございましたので、これはこのままにしておきます。  それで、診断基準が確立しがたいのが難病である、こういうふうに言ってもいいと思うのです。研究費の十分な投入があって初めて診断基準が確立するものでありますし、一つの病気としてまとまったもの、疾患単位がつくられたら、行政上すみやかな処置を講じなければ、難病はいつまでも放置されるということだと思うわけであります。厚生省の統計調査部においては難病の実態把握はどのようにされているか。数が少ないからといって全く医学の谷間あるいは行政の谷間に放置をされてしまってはならない問題ではないかと私は思います。そういうふうな統計の上からいっても、私はこの難病にかかっておられる方々は相当おられるのじゃないかと思いますが、その点についてどのようにお考えでありましょうか。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 統計調査部等の疾病統計等から、あるいは、支払い基金のレセプト等からこれを把握できないかという御意見がございますが、この点につきましては、その診断基準が確立していないのが難病であるという先生のおっしゃるとおり、われわれも考えますので、疑いという病名のままで、これを実態把握だとみなすことが非常にむずかしい面が実はあるわけでございます。どうしてもいままでの実態把握というものは、すべて、その方面のエキスパートである研究者を中心に、全国の医療機関等にアンケート調査等をなされまして、それからほぼ確実な診断のついたものについて、あるいは、それから血液の検査その他の検査の成績も加味して、研究ができるような仕組みになっておりますので、われわれの統計調査部あるいは支払い基金等のレセプト等からは、この難病の実態を把握したということを公言することは非常に困難な問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 科学技術庁の特別調整金というのがございますね。それは約一億円ちょっとだと思うのですけれども、これではとても少ない金額であり、こういう難病対策に対しては非常に研究という問題についての研究費というものは少ないと私は思うのです。少なくとも難病という以上は、相当科学的にもこれの分析、解明等にも当たらなくちゃならぬわけでありますけれども、厚生省といたしまして、科学技術庁にもっとこういう問題についての特別調整金を出せというような御意図があるかどうか、それを力強く推進されるかどうか、そういうことですが、その点についてどうでしょうか。

滝沢正厚生省公衆衛生局長

○滝沢政府委員 科学技術庁、実は、この特別研究促進調整費というのは一つの原則がございまして、一省だけの問題、たとえば厚生省だけの問題に支出するということは原則としてしないことになっております。二省以上にまたがる問題等で緊急を要する研究を促進する必要のある場合、これを支出するというのがたてまえでございますが、難病といわれるスモン病について昭和四十四年度に、これはもう例外的に三千万の支出をお願いしまして、手持ちの五百万と合わせて、スモンは三千五百万という研究費でスタートしたのでございますが、そのとき、ざっくばらんに申しますと、関係者の間で、これ以上例外金をつくることはできないという取りかわしがございまして、われわれとしては、厚生省の研究費だけが医学研究ではございませんで、文部省の科学研究費が、四十五年度は七十二億ございますし、本年度は八十六億、科学技術庁は八億ございます。それから、厚生省といたしましては、科学試験研究費総体の中に特別研究費補助金というのがございまして、これを研究者に差し上げて研究をお願いするわけでございますが、これがスモンがことし一億程度を考えられる。先ほどのベーチェットについては四百万を一千万にするということでございますので、やはり私は自前の研究費をどうしてももう少し積極的にわれわれが確保する必要があるというのが、結論的に申し上げられる問題ではなかろうかと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 自前の研究費、これをふやすことは当然であります。だけれども、ベーチェットの場合は、四百万が一千万になって、これで事足りるなんていうことは私、絶対に考えられません。自前の予算をふやすとすれば、ベーチェットに対して昭和四十七年はどれくらい予算を組まれるおつもりであるかどうか。また、いま申し上げましたように、例の科学技術庁の調整金という問題は、二省にまたがって云々というお話がございましたけれども、この問題についても確かにスモンはそういうことで科学技術庁からの調整金をもらってかなり大きな成果をあげて、スモンはキノホルムだという結論にまで現在なって、非常に解明が早かったわけであります。ベーチェットは、御存じのとおり、原因もわからなければ治療法も現在わからないという、しかも、目が見えなくなってしまうという、これはどちらかというと、非常にたいへんな難病の一つでございますので、そういう点について大臣、やはり研究費予算というものは、これはもう厚生省がどれだけそのベーチェットに力を入れているかどうかということはそれで判断できると思うのですが、その点について最後にお伺いします。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 私は、厚生省に参りまして思うことでありますが、そういう研究費が全体といたしまして、難病の研究費ばかりでなしに付属機関等をも含めまして、衛生試験所でございますとか、あるいは予防衛生研究所、公衆衛生院等をも含めまして、非常に少な過ぎる。国民の幸福のためには、また、未知の世界を開拓いたしてまいるためには、さらに大きな割合の研究費がなければならないということをつくづく考えるわけでございます。私が本年度の予算につきましてもいろいろやりましたけれども、なかなか目に見えない予算というものはふえにくい、取りにくいというような、日本のまだ旧式の習慣があるようでございまして、十分に成果をあげられないことを恥じなければなりませんけれども、私はそういう考えでおりますので、厚生省という役所はそういう面を持って、そういう研究を旺盛にしなければ、未知の世界を開かなければならないそういう性格を持っておる役所でございますので、今後に向かっては、御鞭撻にこたえまして、できる限りの努力をいたしてまいる所存でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 じゃ、けっこうです。

天野公義自由民主党

○天野委員長 本会議散会後委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十七分休憩      ————◇—————    午後四時五分開議

天野公義自由民主党

○天野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 許認可の整理に関する法律の内容につきまして、通運事業法の改正また道路運送事業法の改正等に触れる許認可事務の整理がございまして、これをめぐりまして関係の諸団体のほうからも将来に向かって疑義がある、こういう実は意見等もございましたので、私、質問を通じましてその点を御解明いただいたわけでありますが、先々できる限り関係各方面が政策的な問題にからんでうまくいっていただくことが必要でございますので、そういう意味で大臣以下運輸省の皆さま方にたいへん御努力をいただきまして、それぞれの疑義については大臣も御了承の上で回答を差し上げていただきまして、その間の了解が円満についたということでございまして、私も将来のことを考えましてけっこうなことだというふうに思っておるわけであります。したがいまして、所管の関係はございましょうが、この法案は行政管理庁長官荒木さんの所管でございますので、最後に、お耳に入っていることと思いますけれども、書面によっての質問、書面によっての回答、こういうことで了解をおのおのされているようでありますから、その趣旨を御尊重いただきまして、将来のいい運営をひとつおはかりいただくように御配慮をいただきたい、こう思っているわけでありますが、その点だけ念のために一言お答えいただきたい、こう思っております。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 御質問の御趣旨ごもっともであると思います。行政管理庁としましては運輸行政につきまして、今後監察を通じまして御要望の線等も念頭に置いて、いかなる勧告が出ますかは監察の結果でないとわかりませんけれども、念頭に置きまして善処をいたしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 了解いたしました。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 実は本案につきましては各党からたいへん御協力をいただいた次第ですが、私いま大出委員がお尋ねをされ、大臣から御回答のあった点に関連しまして、一言希望かたがたお尋ねしたいのです。  今回の許認可の整理に関する法律案について、主として運輸省関係の法律が問題になったわけでありまして、当委員会においても大出委員から質疑があったと思いますが、今回の許認可の整理が実体法の改正に触れておるという疑義が出たわけでございます。われわれもその点はいろいろ検討いたしましたが、考え方あるいは解釈のしかたによりますと、そういう疑義が出ないでもないような法律改正の内容になっております。今後許認可の整理等を引き続いて政府としても行なわれることと思いますし、われわれ国会としても、国民のために行政の簡素化、合理化というような観点から許認可の整理はやっていただきたい、かように考えますので、その点自体にはもうおそらく皆さん御賛成だろうと思いますが、実体法の問題に触れるようなおそれもしくはそういう疑いが生ずる場合には、ひとつこの点は十分お考えをいただいて、当該主管委員会のほうで審議をすべきかどうかという点も十分御検討の上で法案の御提出をいただければ、今後こういうような問題についていろいろ疑義あるいは解釈上の懸念というようなこともなかろうと思いますので、その点希望かたがた一点お伺いいたしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 許認可の整理ということは、国民本位の立場に立って行政の簡素合理化をするということであることは仰せのとおりでございます。政府としましても、引き続いてさらに検討を加えて、行政監察等をも通じまして許認可を整理すべくんば整理するという方向でいきたいと思います。  なお、御指摘の実体法との関連につきましては、十分検討を加えまして御提案申し上げたいと思います。

天野公義自由民主党

○天野委員長 本案に対する質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————

天野公義自由民主党

○天野委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  許可、認可等の整理に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

天野公義自由民主党

○天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野公義自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

天野公義自由民主党

○天野委員長 この際、公聴会開会承認要求の件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の環境庁設置法案について公聴会を開きたいと存じます。  つきましては、公聴会開会につき議長の承認を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野公義自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、公聴会の開会日時、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野公義自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、明二十八日水曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時十二分散会

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