内閣委員会 第15号
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- 3
- 開催日
- 1971/04/16
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 許認可の整理に関する法律案でございますが、冒頭、大臣に一つ承りたいのです。旧来の許認可の整理に関する法律は、まあ事務的な整理がほとんどでございまして、その意味ではあまり問題にならなかったのですけれども、ただ最近の状況をながめておりますと、許認可の整理に関する法律という名前で、本来ならば、常任委員会があるのですから、常任委員会で正当な政策論議をしていただくべき筋合いのものを、たくさんございます許認可の整理の中にぽっと入れて出してくる。こういうやり方というものは、私はどうも筋が通らぬような気がするわけであります。ですから、担当の行政管理庁に承ろうと思って、この間二、三問題提起をいたしましたが、御答弁がない。そこで、どうしてなんだと言ったら、担当の省庁をお呼びいただいてお聞きいただきたい、こういうお話です。なぜそうなるかというと、担当の行政管理庁は、運輸省なら運輸省が考えてここを整理するといって出した、それを許認可の整理に関する法律に一括してまとめてお出しになっているだけだから、実態をお知りにならぬ。ならぬから、実態に即した質問をされれば行政管理庁はおわかりにならぬ。なぜかというと、大きな政策がからむから。だから、そういう性格の出し方をなされたのでは、これはいささか筋が通らない。許認可の整理に関する法律の名のもとに、自動車なら自動車、トラックならトラック、こういうものの運送料金その他を含む政策に関する問題までお出しになるということになると、これはものの考え方を根本から変えなければならぬと私は思っている。そこらのところを大臣はどういうふうにお考えか、まず承っておきたい。
○荒木国務大臣 許認可の整理という、行政の簡素化を目ざした法律でございますから、一括整理法案として取りまとめたわけでございます。お説のとおり、許認可の整理案の一つ一つに政策問題がからんでおるかとは思いますけれども、国会提案の便宜上の前例にならって一括整理法案として提出しておる次第でございます。
○大出委員 つまり便宜上の先例にならって取り扱う筋合いでないものを、許認可の整理という便宜上の先例に従ってお出しになるから問題があると申し上げておる。運輸政策の根本に触れる問題である限りは、一体何のために運輸委員会があるのかということになるわけであります。いま大臣のおっしゃった、許認可の整理に関する法律というまとめ方、つまり先例にならってお出しになるというなら、本来なら行政管理庁で十分御答弁もいただける筋合いなんです、いわばある意味では事務的だから。ところが、基本に触れる大きな政策である限りは、行政管理庁は所管ではない。やはり各省大臣にお出かけいただいて承らなければわからぬ問題なんです。きょう、小林業務部長さんがお見えになっておりますので事務的な答弁はいただけると思う。だが、一歩突っ込んで質問をしたら業務部長の責任では答弁できない。運輸大臣にお出かけいただかなければ答弁にならぬ。私は質問をいたしますけれども、そういう問題が出てまいりますので、業務部長さんに何とお答えいただいても納得できない。なぜならば、運輸政策の基本に関する問題だから。私が申し上げておるのは、それを許認可の整理に関する法律の名のもとに入れておいでになる。私は運輸省の方においでいただいて説明を聞いた。そうしたら、関係各方面にいろいろな問題があった。運輸委員会自体から申し入れまであった。だが、それらは全部話がついたとおっしゃるから、そうでございますかと申し上げておいた。しかし、その後の事情を調べてみると、運輸委員会は運輸委員会で合同審査をやろうという、当然なんですね。だから、これはやはり各省ごとに合同審査をやっていただかぬとね。つまり、おのおのの省の所管をする事項の政策の基本に触れる問題が許認可の整理で出てきている。したがって私は、先般理事会で、伊能さんおいでになりますけれども、これはそういう性格のものだから、質問はいたします、いたしますが、やはりあとで理事会をお開きいただいて、そこらの問題を御論議いただきたい、こういうふうに実はお願いをしてあります。そうしようということになっておりますので、いま私の申し上げた点を大臣ひとつお含みおきの上で、これは単なる事務的な問題でないから、行政管理庁で責任の負えない問題がたくさん入っているというふうにおくみ取りいただきたいのです。つまり、運輸大臣がおいでになりませんが、行政管理庁の長官に運輸政策の基本に触れる問題まで責任をもってお答えいただけるのかどうか、そこを承っておきたいのです。
○荒木国務大臣 できるだけのことは御答弁申し上げるつもりでございますが、根本の実態に触れる問題についてはいささか心もとない気持ちがいたします。 〔伊能委員「お昼までに運輸大臣は来ます」と呼ぶ〕
○大出委員 御出席を要請はいたしておりませんが、お見えになるというならば、おいでいただければけっこうです。いずれにせよ、幾つか御質問いたしたいのでありますが、この資料の出し方などもどうも不親切だという感じがいたしまして、調べるのに非常に困難を来たすという感じでございます。しかし、それを言っておりましても時間がたちますので、逐次承ってまいりたいのでございます。 まず冒頭に承りたいのは、これは陸運局長権限だと思うのでありますが、施行規則で、駅の扱い貨物三万トンを十万トンに引き上げるという形になさったのですね、何月だか忘れましたが。これは実は、本来いえば十一条、つまり通運事業法十一条の改正というかっこうになる筋合いだろうと私は思うのでありますが、これは今回お出しになっておりませんですな。
○小林政府委員 ただいまお尋ねの、運輸大臣権限のうち陸運局長に権限を委任いたしました問題は、これは今回の法律とは直接関係してございません。一連の許認可事務の簡素化の一環といたしまして、すでに政令で許認可に関する権限の委任の整理をいたしたわけでございますが、三万トンあるいは十万トンという具体的な数字の問題につきましては省令で手当てしてあるわけでございます。今回の法律事項ではございません。
○大出委員 この十一条に「事業の休止及び廃止」というのがございますが、ここでは「通運事業者は、通運事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、運輸大臣の許可を受けなければならない。」、こうなっておりますね。これは旧来、許可を届け出に変える、たとえば休止する場合には、休止の届け出をすればよろしいという改正が出てきそうなふうに感じておったのですけれども、運輸委員会その他で許可を届け出に変えたというようなことはございませんか。
○小林政府委員 行政事務の簡素化の観点から休止の届け出制についても検討いたしたことはございますが、今回の改正において許可事項を届け出に落とすというようなことはいたしてございません。地方陸運局長に落としましたのは、対象の事業を十万トン以下の駅につきましては陸運局長権限であるという手当をいたしたわけでございまして、許可制度というものは従来どおりでございます。
○大出委員 これも一つ間違えばという言いぐさはおかしいのですけれども、一つ状況いかんでは出てきかねなかった法律改正事項なんですね。前にそういう案がございました。私どもの手元にありますが、これなどはいま出されておりませんが、これは出さなかったことがいいと私は思っているのですが、どういうことかというと、三万トンを十万トンに引き上げる。これはその駅の取り扱いの貨物の量を規制しているわけですけれども、たとえば路線トラック業者の方々などの場合に、日通がある、あるいは西濃運輸、大和運輸、福山運送などがあります。その場合に、その会社から見て、その企業から見て、その駅の取り扱い貨物量などからいって採算がとりがたい。しかし人の配置はしておかなければならぬという場合に、旧来ならば、つまりいままでの思想ならば、運輸大臣の側がその駅の貨物取り扱いを廃止してしまえば、その周辺の中小企業その他は、みずからの企業の原料なり製品なりの運送その他について別の駅まで運ばなければいかぬことになる。あるいは地域・住民にしても同じ意味で運ばなければいかぬことになる。そうすると、そちらのほうの側にたいへんなロスが出る。だから一企業がその駅について廃止をしたいと考えても、あるいは休止をしたいと考えても、大臣が許可しなければできない、こういうことになる。ところが届け出になってしまえば、届け出をすれば休める。休止の場合は届け出、運輸省のお考えになった原案によれば。幸い出ませんでしたが、そうすると、届け出に変わればどうなるかというと、不採算の駅については届け出をすれば取り扱いを休むことができる。旧来は許可、この法律は許可ですが、許可でなくなれば届け出をすれば済む、こういうかっこうなんですね。ほかの駅でも取り扱っているわけですから、日通さんの例をとればそうですから、そうすると、そこだけ強引に許可をとってこの取り扱いをやめれば他に響く。だからそこの駅は、不採算であっても人の配置がそういう意味で行なわれていても、やむを得ず続けていくことになる。つまりこれは許認可の単なる事務的な面から見れば、許可制を届け出制に変えるということだから、許認可の整理に関する法律に入ってくる性格のもの。しかし、もっと掘り下げて見れば、 いま申し上げた点は、地域住民なり地域の商店、中小企業に大きな影響を与える。あるいは一つの会社の中の人の配置にかかわる。働いている諸君の生活にもかかわる。やめてしまえばそこの人は要らなくなるのですから、どこかほかのほうに配置転換をするということになるのですから、そういう意味での政策上の非常に大きな問題、幸い出てきませんでしたが、出ればそうなる。つまりそういうものを性格上許認可の整理に関する法律案の中に入れるということがいいのかどうか。これは運輸省が踏み切って許可制を届け出制に変えるということになるとすれば、ここに入ってきたはずなんですね。そうでしょう。それを単なる事務的な、つまり行政の簡素合理化という面だけから論議はできない。そこで私は先ほど一例をあげたわけですが、たまたまここに入っておりませんけれども、入っておるやつをこれから申し上げますけれども、そういう意味でやはりこの辺のことは、私は運輸大臣がおいでになれば、なぜ検討されたのに十一条に関する許可の届け出制への変更をお出しにならなかったのかというここを承りたいのですが、業務部長お答えいただけるならお答えいただいておいて、あらためて大臣に聞きます。
○小林政府委員 事業の休止または廃止が、実態的に非常に関係方面に影響するところが大きいということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、行政簡素化の観点から案を検討いたしました段階におきまして、そのような運輸行政推進上きわめて重大な変更、影響があるような問題につきましては慎重に対処いたしたわけでございます。したがいまして今回提案いたしました事項は、いずれも許認可の整理という観点から考えまして、先生御指摘のとおり運輸政策に関連いたすことは当然でございますので、そういった点については重大な影響、変更による影響があるかどうかということについて慎重に検討いたしました結果、今回成案を得たものに限ったわけでございます。
○大出委員 いまいみじくも小林さんお話しになりました運輸政策の基本に触れる問題は、事務的な意味での行政簡素化、合理化という扱いのワクに入れることは非常に大きな問題がある、こういうふうにお述べになって、さて今回お出しになったものは、つまり行政の簡素化、合理化という観点からお出しになったのだ、こう言い切られた。これは重大な問題でございましてね。いまから私が質問していく過程で、いま出されたものが、事務的に行政の簡素合理化だけで済む筋合いのものであったかどうか。もしそうでないのだということになるとすれば、これは大臣においでをいただいて、いまあなたは行政の簡素合理化という観点からの問題に限ってお出しになったとお答えになっているのですから、そうでないものが入っていたとすれば、いま私が例にあげた駅貨物の取り扱いの休止、廃止に関する問題以上の運輸政策の基本に触れる問題が入っているとなれば、これはいまお答えになった筋と違うのですから、その点は私は明確に念を押しておきますから、その場合はこの委員会で扱う筋合いのものじゃない。 さてそこで承りたいのですが、まず第一は、無償、有償、つまりまあ片方だけ先に申し上げますと、無償の自動車の輸送に関する問題、無償の自動車運送事業、この関係の問題は、今度お出しになっておりますが、条文でいうと四十五条ですか。出されている参考資料に条文が整理されていないので、まずそこからお答えください。
○小林政府委員 無償自動車運送事業というものにつきましての今回の改正規定、道路運送法の一部改正は、第二十四条として今回の改正法ではとらえてございますが、道路運送法の第四十五条の二ということで新たに規定を設けてございます。
○大出委員 この資料でいうと何ページのどこになりますか。
○小林政府委員 関係資料の百三十七ページでございます。
○大出委員 私がいま申し上げた四十五条の二ですな。
○小林政府委員 はい。
○大出委員 四十五条の二ということになりますと、この道路運送法というのは、本来有償、無償ということで運送法ができたのじゃない。運送秩序というものをどういうふうに確立をするかという観点が、この法律をこしらえた趣旨なんですね、調べてみると。多く申し上げる時間がありませんが、無償の自動車運送をやっておられる事業というのは、たとえばどういうものがございますか。
○小林政府委員 現行法におきましては、先生御指摘のとおり無償、有償という区別はございません。しかしながら現実に無償で行なわれている自動車運送事業といたしまして、たとえば旅館が送迎のバスを無償で営んでいる例はございます。現行法におきましては、これは免許制のもとにございますので、免許されておるわけでございます。
○大出委員 いま旅館というお話ですから、ホテルを含むと考えればその範囲はわかりますが、そのほかにどんなものがありますか。
○小林政府委員 ゴルフ場のバスのうち、無償事業として免許されている例もございます。
○大出委員 そのほかにはございませんか。
○小林政府委員 それ以外は、ちょっと私存じ上げておりません。
○大出委員 無償のトラック、今日十四本ありますな。それから、無償のマイクロバスで人を運んでいる。どこどこで求人が幾らある。そこへ持っていったら、そこじゃ採算がとれない。たとえば横浜でいえば、横浜の出田町の埠頭のこれこれの港湾の仕事がある。そこにマイクロバスで桜木町駅前に集まった人を一ぱい乗せて行った。とてもじゃないが折り合わない。そのうちに情報が入ってきて、無線マイクで向こうと話していたら、川崎のほうは幾ら幾らだ。そうすると、それをばあっと向こうへ運んでいってしまう。一つの企業がこれは運送をやっているのですよ、人を乗せて。これは料金を対象にしていないのもあります。いま私が申し上げたように、トラックの関係の無償は十四本あります。どういうものだか御存じですか。
○小林政府委員 ただいま先生が例にあげられましたものは、現行の法律で自動車運送事業は他人の需要に応じてということになっておりまして、ある特定の企業が工員の輸送をするとか、あるいは幼稚園がスクールバス、マイクロバスを出すというような場合には、これは運送事業ということでなくて、自家用車の運用でやっておるわけでございます。
○大出委員 自家用車のやつもこの法律に関係がありまして、一番最後に出ておりますからそこで御質問いたしますが、そうでない性格のものがあります。したがって、いま私が聞いているのは十幾つあるけれども、中身のほうをどうおつかみかお話しいただきたいと申し上げているのであります。いまお話しの点は、この法律の一番最後にございますから、自家用車の運送のところにありますから、それはそこで御質問いたします。ほかに御存じありませんか。
○小林政府委員 先ほど例をあげました、たとえばゴルフ場の送迎バスというものも、これははたして他人の需要であるかどうかという他人性において、非常に限界がむずかしいわけでございまして、免許をとって無償の自動車運送事業として営んでいるゴルフ場もございますし、自家用ということでやっておるところも現にあるわけでございます。そこで、今回の改正におきましては、事業という範疇でとらえますものは、他人の需要に応ずるかどうか、あるいは継続して行なうかどうかが、その事業の範疇と自家用との区別のまず前提にあるわけであります。その上で、事業でありましても、これは有償、つまり対価をとるかどうかということで分かれておるわけでございますので、そのうち要するに有償でないというもの、そういったものにつきましては、有償の通常考えられます運送事業と全く同じような規制でいいのかどうかということで、こういったものにつきましては、安全の観点、その他一般の事業との調整の観点というような問題を配慮しながら、特別の範疇に分けた、こういうことでございます。
○大出委員 私は、小林業務部長さんは東京の陸運局長さん以来の長いおつき合いでございますから、たいへんお勉強になっていることもよく承知しておりますけれども、そういう意味では実情を詳しくお知りの上で今回おやりになっている、こう把握はいたしております。しかし、いまのお話を聞いている限りでは、どうもあまり実情にお詳しくない。旅館、ホテルの、たとえば送迎等に人を乗せる、これは無償、無償とおっしゃっていますけれども、ほんとうに無償とあなたはお思いになっていらっしゃるのですか。
○小林政府委員 その運送事業に伴います対価を何らかの形で直接の利用者に転嫁するというような場合には、これは有償だろうと思うわけでございますが、旅館なりあるいはホテルが運送に要する事業の経費を全体としてまかない、いわゆるサービスといたしまして送迎しておるという限りにおきましては無償であろうかと思います。
○大出委員 ゴルフ場の例もありますがね。しかもやっておる旅館、ゴルフ場、名前はまだ幾つもありますが、ある旅館では——これは伊豆でございますが、ある旅館では、駅からの送迎等については、あとの計算書きに宿賃その他に含めて、つまり送迎用運送に要する費用の割り掛けをいたしまして、ちゃんと記載をして取っている。確かに外見から見ればサービスに見える。見えるが中身はそうではない。つまり宿泊料に入っておる。これは明確になっておる。そうすると、これは無償なのか有償なのか、どうなんです。
○小林政府委員 旅館の宿泊者から、自動車を利用した場合とそうでない場合とで区別して、何らかの形で料金を取るというようなことになりますと、これは有償であろうかと思います。したがいまして、旅館の送迎バスを利用するといなとにかかわらず、サービス料等を含めまして一定の宿泊料金を取るというような場合には、これはその自動車の利用と直接の関係がないことでございますので、そういった場合にはこれは無償である、こう考えます。
○大出委員 そうすると宿賃に入れて取っておる場合は無償ではない、そうなりますな。
○小林政府委員 およそ旅館なりホテルを経営しておるわけでございますので、自動車を持ってそのコストを何らかの事業を運営してカバーするということは当然考えられるわけでございますが、私が申し上げましたのは、その自動車を利用した場合とそうでない場合とで宿泊料金等に差があるというようなことがない限り無償である、こう申し上げたわけでございます。
○大出委員 つまり実態としては、無償であるか有償であるかということについて逐一お当たりになっていないからわからない。がしかし、たてまえとしては、宿賃その他何らかの形で対価を得ていないとすれば無償であって、得ておるとすれば無償ではない、こういうことになる。しかし実際は宿賃です。旅館、ホテルですから、皆さんの側でどこでどうやって対価として取っておるかというのはわからない、こういうことになる。実態はそうだ。そういうことですな。
○小林政府委員 実態がどうなっておるかという問題につきましては、現に有償でありながら免許をとっていない、あるいは無償でも、現在は免許制でございますから、免許をとっていない、いわゆるもぐりの事業、もぐりの自動車運送をやっておるというものがあることは、これはもう否定できないわけでございますが、無償と有償の区別というものははっきりいたせるわけでございますので、無償事業を別の事業にいたしたわけでございます。 それから、先ほど、それ以外に無償事業はあるかどうかという点につきましてちょっと失礼申し上げましたが、トラック事業の関係では、市町村が行なう霊柩運送事業というもので、全国で六事業者ほど無償の霊柩運送事業がございます。
○大出委員 先ほど冒頭に申し上げましたように、この法律の趣旨というのは有償、無償できめられておるのではない。そのたてまえからすると、たとえば運行管理規定などを設けるということに法律上はなっておる。ところが実際は規定はないですね。そこで問題は、いま御答弁がありますように、金を取っているのか、取っていないのか、一々どこの旅館がどういうということはあなたのほうでわかってない。しかし、いまはこれは許可制ですから、許可するにあたって条件もつけられれば、もしそれに違反をしていれば取り消すこともできる。つまり、無償でやっていると称して金を取っていれば、許可制なんですから取り消せる。認めないことができる。これをおっぱずしてしまうと、届け出さえすればいいのですから、そうなると、無償と称して実際には金を取っても、許可という権限がなくなってしまうのだから、そうすると幾ら金を取ろうと、ゴルフ場の送迎でもそうでありますが、それを全部計算して割り高な金を取っていても、届け出でやれるようになってしまえばチェックできない。つまりその意味では乱用。私がまさかその旅館の例をあげるわけにはいかぬ、向こうも商売だから。私も長らく使ってきている旅館もあります。ちゃんとこれは親切に送ってくれるからと思っていると、現に全部計算されている。そうなると、これはほんとうは、許可の趣旨からいえば、無償でということで許可しているはずだ。それをずっと有償でやっている事実があるからには、許可の条件に反する、これは実際には有償なんですから。ところが、今度は届け出制にしてしまうと、金を幾ら取ったってとやかく言えた義理じゃない。つまりそういう意味では乱用される。いま許可制だから、まあまあ何とか隠れてごまかしながら幾らか宿賃に入れるということで取っているのだけれども、届け出制になってそういう形になってしまえば、公然と取ったってそれなりに済んでしまう。事は小さいようだけれども、旅館を利用する人というのは、それこそ日本人全部が使うのだから、簡単なものじゃない。ホテルにしてもそう。ゴルフ場にしてもそう。だから、こういうことがはたして——つまりこの法律は運送事業というものについての秩序の問題ですから、そのたてまえからいけば、そういうワクをはずすことが秩序という面からいって妥当かどうかという、これはかなり大きな問題に触れる。それを片方からぽんと許認可の整理に関する法律で出されたって、ここで論議のしようがない。これを一つずつやっていったら、これだけ数があるのだから——これだけお出しになっている。そういうすべて基本的政策にからむ問題が最近一ぱい入ってきている。これを論議しないで通すことは、やはり議会のたてまえ上国民に相すまぬですよ。したがいまして、冒頭に私は念を押しているのですけれども。 次に承りますが、いまの管理規定その他の問題はどういうふうにお考えになっていますか。安全管理の問題もあります。これは五台以上というのもありますけれども……。
○小林政府委員 現行法におきまして、有償であると無償であるとを問わず、自動車運送事業としてこれは免許制にいたしておるわけでございますが、そのうち無償の場合には^これは届け出でいいということに法律改正をいたしたわけでございます。その際、ただいま御指摘の安全関係の規定というものにつきましては、一般の自動車運送事業と全く同様に準用規定によりまして適用することにいたしております。
○大出委員 現在だって、そんなことを言ったって、無償のこの種のものについての運行管理規定を設けろと書いてありますか、ないでしょう、実際には。ありますか、あったら出してください。
○小林政府委員 運行管理者を置くとかあるいは運輸規則による規制を受けるということは現行のとおりでございまして、現在そういうものが行なわれておるかどうかという場合に一つ問題になりますのは、おそらく先生先ほど来言われておりますことは、自動車運送事業の免許をとらずに自家用でやっておるというものがかなりあるということだろうかと思います。自家用の場合には、当然道路運送法の安全規定というものはかぶらないわけでございますから、これは適用にならない。本来運送事業として免許を受けなければならないものにつきましては、安全規定は全部かぶっておるわけでございますし、それはそのとおり適用し、私どももそれに沿って監督をしておるわけでございます。
○大出委員 自家用の話をしているのではないのです。法律をかぶっている、つまり適用を受けているということですが、では、法律はそう書いているけれども、そういうふうにやっているかというと、実際はやっていないと申し上げているのです。それは皆さんのほうは、数多くあるから目が届かぬと思います。これは、陸運の問題は私は長年手がけてここで質問してきているので、それは人がなくてどうにもならぬで、皆さんそれこそあっぷあっぷしていて街頭でチェックできない。それは小林さん、あなたはよく知っている。私は方々の陸運局、陸運事務所を歩いてよく知っている。部外職員まで一ぱい集めて、入ってみれば、どこからどこまでどういう仕事をやっているかすぐわかる。だから、それはあなたのほうでそう言わざるを得ないのはわかるけれども、実際はそうではない。だから私の心配は、許可制になっている、だから無償という名前で送迎をしているところも、それなりにやはり法律を考えるから気をつけてやっている。それをはずしてしまったらこれはえらいことになる。他人を運ぶのです。自分の家族なら、事故が起こったって責任は本人にあるからいいけれども、他人を運ぶのだからそうはいかない。だから私は、こういうことはそう簡単に届け出制でいいということにすべきではない、こう言いたいわけです、正直に申し上げると。やはり押えるものは押えていくべきである、そう申し上げているのです。だから、それがいいか悪いかという論争は、許認可の整理という角度からの論争ではない、こう思っている。 たくさんありますから、何時間もかかりますから、次に参ります。 私さっき申し上げたように、人入れ稼業がありますよ、わかりやすく言えばですね。この場合に、他人を乗せるんですよ。会社がマイクロバスを持っている。あとは、方々に人がたまっているのです。これは運輸省の重大な責任なんだ、相手は港湾業者ですから。したがって、これは運輸省が港湾運送業というのを——港湾に働く諸君は港湾労働の職業安定所を通さなければ雇えないのだ。十六条ただし書きをなくしてしまうということになればなくなる問題だけれども、あの港労法をつくるときに、ただし書きを、労働省と運輸省と対立する中で、運輸省が押し切ってしまったものだから、ただし書きをつけておるものだからこういう問題が起こるのだけれども、具体的例をあげますが、マイクロバスを、責任者を一人つけて三人ばかり手配師を乗せて十台ばかり持っている。そのマイクロバス、ときには満載です。定員オーバーもいいところ、すし詰め、そういうかっこうで走っている。だれを運んでいるかというと、全くの他人。その日の朝、桜木町駅前の街頭に集まってきたその方々がそこにふらふらしておる。そこへマイクロバスが入ってくる。自分のところの従業員ではない。一般的他人です。働きたいという人たち。この方をつまりやみ職業紹介で満載をする。そうして万国橋はきょうはどうなんだとか、出田町はどうだ、川崎はどうだ、こういうかっこうで、全部無線のマイクで連絡をとっておって、そうして自分たちの一番もうかるところにやたら連れていって置いてくる。金は一銭も取っていない。無償ですよ。無償だけれども、他人を乗せているのですから、自分のところの従業員ではないのですから——幼稚園の生徒を運んでいるのじゃない。しかも、自家従業員を運んでいるのじゃない。全くの赤の他人を運んでいるのです。そうしてやたら走り回って、一番高いところにぱっとおっぱめる。ピンはねすればその中から運送費がやはり出てしまうのです。そういう形を毎日やっておる。そうすると、これは一体、皆さんのほうからながめると、この種のやっている仕事は何に当たるか。
○小林政府委員 ただいまお聞きしました範囲内では、その自動車を企業あるいは手配師と申しますか、そういったどういった方が持つかでございますが、自家用自動車を持ちまして、そうして、確かに他人だと思いますが、その他人を運送するという際に、現行法では有償、無償を問わず、これはやはり他人であれば免許を持たなければならぬ。したがいまして、その自動車を持っている者と運びます旅客との関係におきまして、他人性があればこれは当然事業でございます。改正後もこれは無償の事業になろうかと思います。先ほどの幼稚園の例のように、自動車を使用する者と運ばれる者との間に他人性があるかどうか、逆に自己の管理の範囲内にある人を運ぶかどうかというところが一つのきめ手になろうかと思いますが、実態によりまして無償事業に該当しますれば、これは法律の規定によって届け出なければならないということになるわけでございますし、届け出後は安全規定を適用する、こういうことになるわけでございます。
○大出委員 つまりそうなると、現行法でいけば、この種のものは他人性という問題を踏まえて許可をとるもの、免許をとるものであるとすれば、その手続をしてとらなければならぬことになる。そうするとそれなりに監督官庁としてはいろいろな条件も付すことができる。チェックもできる。だがしかし、これが届け出制になってしまうと、様式を整えて届け出ればいい、こうなってしまうのですね。これなんか非常に実はめちゃくちゃなんで、すし詰めですよ。何人どこどこでほしい、それっというので押し込んで、持っていってしまう。そういうことが連日行なわれている。つまり私の申し上げているさっきの旅館の運行、お客さんの送迎にしても、あるいはゴルフ場にしても、あるいはそのほか十幾つかここにございます。こまかく申し上げてもしようがありませんが、どれをとって見ても、それをおっぱずして届け出制にしてもいいと思われるものはありません。これはそう簡単に届け出制だけで何でも好きにやれというわけにはいかない。事一般国民に大きな影響がある。そういう性格のものだと私は思っておる。だからこれはやはり大臣に、そこのところをどうお考えかをはっきり承っておきたい筋合いのものでありまして、何で一体これをはずして、どういう結果になるということをどういうふうに予測されたかという問題が政治的にもある。念のためにそこまでつけ加えておきます。 次に、軽自動車による貨物運送事業に対する免許を廃止をする、この条文は何ページか言ってください。
○小林政府委員 資料の百二ページでございます。
○大出委員 これは少し突っ込んで承りたいのですが、いままでないものを一ぺんおつくりになりましたね。読みますよ。二条、これは新法です。いま出ているほうです。この資料の百二ページの上段、新法の第二条、「この法律で「道路運送事業」とは、自動車運送事業、自動車道」——どう見ても道に見えない。「自動車道事業、」道だそうですが、それでいいのですか。これは道ですか。
○小林政府委員 道でございます。
○大出委員 「自動車道事業、自動車運送取扱事業及び軽車両等」——「等」が入っていますが、旧法によりますとこれはないですな。そうでしょう。旧法は現行法ですね。旧法といっても、これが通るか通らないかわからない。通らなければなくなってしまう。現行法第二条、「この法律で「道路運送事業」とは、自動車運送事業、自動車道事業、自動車運送取扱事業及び軽車両運送事業をいう。」、こうなっているのですね。ここに「軽車両等運送事業をいう。」と「等」を入れたのはどういう意味ですか。
○小林政府委員 今回、自動車のうち軽自動車、ただし貨物だけでございますが、これは運送事業の事業用自動車として把握する必要はないということで、ただいまの資料の同じ場所の第二条第二項でございますが、「旅客を運送する事業及び自動車を使用して貨物を運送する」と、貨物の場合だけ軽自動車を除いたわけでございます。つまり現行法のほうでは自動車運送事業の中に、軽自動車を含む自動車、これは旅客、貨物を問わず自動車運送事業であったわけでありますが、そのうち軽自動車、しかも貨物の場合だけ、その場合にはこれは自動車運送事業の定義からはずしまして、現にあります軽車両運送事業に加えたわけであります。軽車両は御承知のとおり自動車でございませんで、人力あるいは馬力等を使う運搬具でございますが、それに合わせて、自動車運送事業と同じ規制はしないで、軽車両と同じ範疇に入れた、入れかえた、移しかえた、こういうことでございます。
○大出委員 これなどは、こういう手の込んだことをして、許認可の整理でございますというようなふざけたことはない。ここに「等」を入れるのは重大な改正なんだから、現行法を「等」を入れて改正をしなければならぬ。そうでしょう。軽車両の中に軽自動車の貨物を入れたのだから、新しいものをつくった。新しいものを許認可の整理の中に入れていいはずはない。そんなばかな話はない。これは明確な運送法の改正ですよ。なぜ「等」を入れたのです。現行法にない。ないにもかかわらず「等」というのをくっつけて軽自動車の貨物運送というのを入れた。ないものをわざわざつくって入れておいて、そして許可を廃止した。許認可の整理をする前に新しいものをこしらえた、そういうものまで許認可の整理で、この法律の中に——私どもは内閣委員会で、それは伊能先生みたいに、それこそ運輸省の事務次官、政務次官、両方おやりになった大先生だったらおわかりにならないことはないが、私のようなずぶのしろうとが質問する内閣委員会で、許認可の整理でございますで入れられて、知らないで——運輸委員会ならしょうがない。専門におやりになっておる運輸委員会が気がつかないということならしかたがないが、内閣委員会なんかこういうことを気がつかないことはあり得る。そういうことをやるのは私に言わせれば邪道ですよ。どういう神経ですか。
○小林政府委員 この点は条文の全く形式的な整理でございまして、第二条の第二項の御説明を申し上げましたが、貨物自動車のうち軽自動車、これは道路運送車両法で大体大きさあるいは排気量できまっておるわけでありますが、積載量といたしましては超小型であるわけでありますが、そういうものは運送事業用の自動車としては特に規制する必要はないということで、それを簡素化の観点からはずしたわけであります。はずしましたが、そういった軽自動車につきましては全く規制をしないということではございませんので、現在人力、馬力程度でございましても軽車両事業というものがございますので、そういったものに合わせたということでございまして、新たに軽車両等運送事業、そういったものをあらかじめ考え出そうという積極的な意図は毛頭ないわけであります。結果的に条文整理といたしましてこういうように整理した、こういうことでございます。
○大出委員 これは小林さん、たてまえがありまして、ただ単に許可認可の廃止というなら一山幾らで、許認可の整理に関する法律でいいけれども、つまり法律条文までいじるなら、これはあなたそう簡単に言うけれども、簡単じゃない。ただ単に小型でたいしたものを運送してないとおっしゃるけれども、そうではない。これはおのおのの区域がきまっていて許可をとっているのでしょう、今日は。そうでしょう。たとえば東京では何々区、ほかでは何々県。ところが、自動車というのは国境でこの車はそっちの許可の自動車しか通さないというのじゃないのだから、県の境目、区の境目、どこにでも行く。そうなると、他県であるいは他区でとっておられて、この地域だからということで、そういう範囲で認めてきた筋合いのものでしょう。間違いないでしょう、性格は。
○小林政府委員 先生御指摘のとおり、自動車運送事業といたしましては、事業区域を定めて免許を与えておるわけでございまして、御指摘のとおりでございます。 軽自動車について若干ふえんして申し上げますと、非常に積載量がわずかでございますので、今日軽自動車だけをもって自動車運送事業をやっているような例はなくなってきた。つまり自動車が漸次大型化してきておるわけでございます。 一例をあげますれば、この法律制定当時、昭和二十六年でございますが、当時といたしましては当然、普通車と申しますと、たとえば四トンないし五トンというようなことでございます。また小型トラックと申しますと、輸送の観点から申し上げますと、二トンということであったわけでございます。軽自動車はまた一トン以下、非常に軽いもの、そういうことで事業が営まれておったわけでございますが、今日では御承知のとおり、普通車七トン、八トンあるいは十トンという程度になってきております。また小型事業につきましては、現在二トンから三トン、三・五トンということに上がってきております。そういった今日までの輸送の実態の流れから見まして、今日では軽自動車だけで運送事業をやっておる例はないわけでございます。もちろん集配等に付帯して使いますこういった軽自動車も事業者が持っておるということはございます。そういう自動車はございますが、こういった軽自動車だけの運送事業というものはないということで、実態に合わせるべく簡素化いたしたわけでございます。
○大出委員 ないだろうということで簡素化されたのでしょう。全くなくはない、ある。しかもこれは非常に困ることがある。たとえば海運なんかの場合でも、この法律のワクをはずれるのは百トン未満ですからね。しきりに低額料金をきめていますからね。完全収受というのを運輸省はやかましく言うのですね。料金を完全に取れ。過当競争すればダンピングになりますね。しかも近促協は近代化基金その他を取り上げる関係もある。そうすると、私はここで栗栖港湾局長を相手に三時間くらいこの間質問しましたが、タグボートみたいなもので百トン未満のものが東京湾を走っている。これは決定的にダンピングですよ、法のワクをはずれているのですから。大企業といえどもそういうように近距離を運ばれると将来困る。料金の完全収受をいわれても、二割、三割切ってダンピングしなければならなくなるのと同じ意味が陸上運送にも出てきている。幾つも例があります。横浜の場合にもたくさんあるのです。だからこの問題でやはり心配になるのは、他県にまたがって区域をはずれて運送が始まると、これは非常に困ることになる。しかし、これはワクをはずすと、今度は区域をはずれて、たとえば何々県、何々区、こういうことで免許している形のものが、そこをはずれて出てくる。いまでも出ているわけですけれども、それが激しくなる。そうなると法の盲点がここに出てきて混乱をする。つまりこの関係の業の皆さんでもそういう意見をこの点については持っております。だから少なくともその区域ということについては明確にしておいてくれ、そうしないと運送事業には中小、零細企業まであるのですから、三・五トンだとか四トンだとかというこんなものはたいしたことはないのだというふうにお思いになるかもしれぬけれども、いま非常に荷動きがむずかしくなってきている。特に落ち込みの激しい一月、二月、三月——四月に入ってなお回復しない。運送業界みなそうですよ。だからそういう事情のときに、このあたりはよほどそういう意味のきめこまかなチェックをしなければあぶない、こういう意見が現にある。だからそう簡単に、そんなものなくなりました、そういう筋合いじゃない。やっている業者の諸君がそういうふうに言っているわけです。だからやはりそこらのところは、あなたの言うように——小林さん、陸運局長を長らくやっておられたから非常にお詳しいことは私は知っている。だから詳しい小林さんが業務部長をやっておられて、それでそういうふうに答えられると、なお私は心配になるからものを言う。ほかの人はもっと詳しくないはずだから。そんなことになるとこれは困ったことになる。 だから、そういう性格のものである。とすると、これはやはり許認可の整理でございますというわけにいかない。だからそこらあたりについても、この乱用、混乱という形のものを防ぐにはどうすればいいかという問題が残っている。そこを私は心配している。ことばの使い方その他で、私は運輸委員をやっておった人間じゃないから、しろうとですから間違いがあると思うけれども、しろうとの私が調べてみてそういう心配があるのだから、やはり私はこういう問題は、許認可の整理でございますということでなしに、専門的にそういう法を調べておられる、勉強されておられる方方のところで論議をしてきめていただく筋合いのもの、この点はこう思いますよ。 そこで、次の問題を承りたいのですが、一般小型貨物自動車運送事業をやっておられる方々で、つまり三・五トンなら三・五トンで運送しておられる方々で、これは区域できまっていますけれども、現状どうなっているとお思いになりますか。
○小林政府委員 現在は、一般区域自動車運送事業と、それから小型運送事業とに分かれておるわけでございます。そうして先ほど来お話ございました軽自動車につきましては、小型よりさらに小さい運搬具でございますが、そういったものもあわせて自動車運送事業用の自動車として両数等は規制されておるわけであります。そのうち軽自動車につきましては、先ほど申し上げましたとおり、運搬具としては非常に軽微であるし、それだけの企業というものがございませんので、それを何両持つか、そういうような観点につきましては規制を緩和するということでございまして、先生の御指摘の事業区域ごとに事業を把握して、そうして輸送秩序を確保していくという法律の目的あるいは運用等につきましては、従来と同様でございますし、最も注意しなければならぬ点だと思っております。 それで小型事業につきましても、現在かなりの小型事業の会社はまだございますが、大体全体の流れといたしましては、中都市以上の都市におきまして純粋の小型事業というものがかなりあるわけでございます。しかし、最近非常にこの貨物の輸送料がふえたということ、さらに荷主、産業団体がだんだんと大規模化してまいりますので、その運送契約の都合上非常にロットが大きいというような場合に、小型自動車であっても普通車以上、現在では三・五トン以上でございますから、たとえば四トン車、五トン車を持ちたいという場合が非常に多うございます。そういう際に、現在は法律上別の一般区域事業になりますので、たとえば小型を五両持っておるという会社が一両の普通車を持つというような場合に免許申請を新たに要するということに相なるわけでございまして、そういった点も簡素化をいたすために、今回、小型事業あるいは区域事業という事業種別を統合いたしまして、そうして両数は認可するということでやっていくわけでございまして、私どもといたしましては、全く許認可事務の簡素化という観点からとらえておるわけでございます。
○大出委員 さっきの答弁とだいぶ変わってきましたですね。さっきは、小型なんというのはないとあなたおっしゃったんだけれども、私が、小林さんが東京陸運局長をおやりの時代に、一つこういうのがあるんだがといってお話したこともあったのだけれども、そのときの免許申請は、三・五トン以下が五台、五トンが二台。そうすると、これは確かに五トン以上は二台あるけれども、主力は小型なんです。それも許可になっておるのです。そうでしょう。ないわけじゃない。だからさっき私が申し上げた問題が出てくる。 そこで、基本的に一つ聞いておきたいのですけれども、シロトラがありますね。小型でやっておる。引っ越し荷物だ何だやっておるのがたくさんあります。あるいは大型を会社へ持ち込んでシロトラで入っておるのがたくさんある。それにも、皆さんのほうで手が回らぬから、免許申請した場合に、シロトラでやってきておることは皆さんだって知っておる。だから早く免許申請しろとおっしゃるはずなんです。そうすると、そこらのところがこの政策とからんで、もうシロトラでやっていて——シロトラというのは、迷惑するのは、税金が少ないでしょう、だからその意味では料金ダンピングが幾らでもできるわけです。そうすると、やはり競争原理、中小零細企業の免許をとっておるところに響くのですから、そうなると、全体的にダンピングが行なわれると、さてそのしわはどこへいくかといえば、ハンドルを持っておる人間だとか積みおろしをやっておる人間にしわが寄る。だからますますその部分の運転手あるいは助手が逃げちゃうわけです。いま一番地場トラックで、区域トラックで困っておるのは運転者の問題です。これはハイヤー、タクシーもそうだけれども、せっかくいなかから連れてきてうちまでつくってあげて、そこに住まわせて、七、八年かかってとにかく東京から大阪までの地理もわかってやっとやれるようになった。しかし、元請が下請、再下請という形で運送事業は進んでおりますから、ですからこの事業の慣行でほとんどが口約束。そうすると、これだけ景気が落ち込んでくると、会社、荷主のほうが頭を切っていく。そうすると、元請がやはり下請の頭を切る。再下請にまた響く。そうすると、どうにもならぬから逃げる、こういう状態です、現状は。それだけにやはり考え方としてシロトラのようなものは見つけ次第片っ端から認可してしまうということにするのか。いまの問題とからむのだけれども、こそこそと引っ越し荷物だ何だといってやっておる小型がありますよ。そういうふうなものはこの際基本的にどういうふうにしようというお考えですか。そこらを少し整理しなければいかぬと思うのですけれども。
○小林政府委員 さきに小型事業というのとそれから軽自動車と私が申し上げましたのは、軽自動車だけの事業はないということでございまして、小型だけの事業はかなりまだございます。ただその小型事業が現在だんだん普通車を持つようになってきておるということを申し上げたわけでございます。 それから第二点の、そういった小型業界あるいは区域業界に対しまして、いわゆるシロトラということで免許を得ないで運送事業をやっておるもぐりの運送事業といいますか、こういったものがかなりあることも事実でございます。またそういったものに対しての取り締まり等もいたしておるわけでございますが、なかなか思うにまかせないという状況でございます。しかし今回の法律改正におきましては、そういった運輸行政のあり方そのものの問題でございますので、直接この法律でその関係を手当てするということは、これこそ許認可の範囲以外の問題になりますので、関連した条文は今回一つもお出ししておりませんが、ただいまお尋ねの輸送秩序の確立と申しますか、もぐりのシロトラを正常化していくという方向につきましては、従来からやはりきちっとまとまって免許の資格をとり得るようにレベルアップいたしまして、そういうものに対しては免許を与えていくということでございますし、またもぐりでもって輸送秩序を非常に乱しておるというような極端なものに対しましては、道路運送法に行政処分の制度もございますので、そういった点につきましては、十分ではございませんけれども、取り締まり処分ということをやっておるわけでございます。 〔発言する者あり〕
○大出委員 小林さん、どだいやる人がないのですよ。私、小林さん御存じのように、あなたのところの組合の太田君なんかと仲がよ過ぎるから、知り過ぎているから聞かないんだ、ぼくはそういうことは。小林さんが四谷の陸運局長をおやりになっているときに何べんかお話したことがある。ただ、そこで政府委員で御答弁になるとなれば、そう答えなければ——塚原さんが幾らそう言ったって、部長の責任上そうしか言えぬでしょう。それは私はよくわかっている。わかっているのだけれども、私の言いたいのは、関係ない、こう言うが、関係なくはないのですよ、この法律というのは。わざわざ、現行条文にないのに、さっき申し上げた第二条で、「「道路運送事業」とは、自動車運送事業、自動車道事業、自動車運送取扱事業及び軽車両」、「等」を入れて「軽車両等運送事業をいう。」。わざわざ、ないのに「等」を入れて法律条文を新しくつくった。あなたは整理上そうなったと言うが、整理上そうなろうとならなかろうと、法律の改正に間違いない、「等」を入れたのだから。そうすると、軽自動車による貨物自動車運送事業に関する免許をその上で廃止するというわけです。そうでしょう。そうなると、そこのワクははずれるのだけれども、それじゃ、現在許可制なんだけれども、許可をとっていないシロトラでやっておる、三・五トンなら三・五トンでシロトラを何台か持って現にやっているのがある。そうするとこれは免許が切れるのだから、この法律でいくと。そうでしょう。関係なくはないのです。こまかい中身を次々申し上げれば、あなたのほうも、それは幾ら局長おやりになっていたってそこまで行って調べたわけじゃないということになるから、いいですけれども、関係なくはない。だから、やはり政策の基本に関する問題だから、許認可で出されることはどうか、納得できない、こう申し上げているのですよ。 次にいきますが、標準約款の問題が出ていますね。これは運輸大臣が定めるということになっていますね。これは今度はどういうことになるのですか、具体的には。みなさんがおつくりになるのですか。
○小林政府委員 自動車運送事業者が標準約款を定めて運輸大臣の認可を得なければならないという現行法の規定になっておりますが、現在自動車運送事業者というのは非常に数多くございまして、それぞれの運送事業者がそれぞれのお考えで個別に運送約款をつくりまして、そして認可を受けるということですと、申請者側といたしましても非常に煩瑣でございますし、役所の許認可にあたりましても事務が煩瑣になりますので、自動車運送事業が非常に広範にわたっておるというようなことで、運輸省側でいわば標準的な運送約款をつくりまして、そしてそれを公示する。これによりたいというような場合には、それによりますという届け出だけでけっこうでございます。従来はそれぞれの運送事業者が運送約款をつくり出さなければならない、こういうたてまえになっておりますし、個々に認可しておる、こういうことでございますが、今回標準約款を運輸省で定めますので、それによっていきたい運送事業者は届け出だけでよいという改正でございます。
○大出委員 それも問題が全くないわけじゃありませんが、考え方だけ聞いておきます。これはここでやってもしかたがない問題ですから。 そこで次に、貨物自動車運送事業者の運賃及び料金の収受に関する規定の削除というのがございますね。これはこの資料のどこになりますか。何ページ、何条になりますか。
○小林政府委員 資料の百十ページでございます。新の第十条及び第十一条削除というのが今回の改正でございます。
○大出委員 ということになりますと、これは実際は実態としてどういうことになるのですか。
○小林政府委員 現行法におきましては、第十条におきまして運賃及び料金の収受は運送貨物を荷受け人に引き渡すまでに収受するというたてまえを明らかにしておりまして、第十一条で運賃、料金の収受を猶予する場合には運輸大臣の許可を受けなければならない、こういうたてまえになっておるわけでございます。しかしながら、運賃、料金の収受につきまして、荷受け人に荷物を引き渡す前までに、いわゆる即金払いと申しますか、そういったことを必ずしも法律によって、道路運送法によって担保いたすまでもなく、留置権等の規定もございますのでその心配はない、削除してもそういった意味の荷物を引き渡すまでに受けなければならぬという法律的な担保は、これがなくなっても心配ない、こういうことでございまして、一方許認可のほうにおきましては、なかなか即金払いというたてまえをくずさなければならない場合が非常に多い。現実にその際は、一々収受の猶予の許可を願い出なければならぬという現行法になっておりますので、そういった点につきましてその許可制を排除する、やめる、こういうことにいたしたわけであります。現実には料金が、いわゆる現金払い、即金払いになってないということが取引の実態においては非常に多いわけでございます。そういった際に、一々許可を申請するという手続を簡素化しようというのが今回の改正の趣旨でございます。
○大出委員 これはいわば保護規定じゃないのですか。これは相手は大きいわけですからね、なかなかどうも払ってくれない。平たく言えばあと払いで四苦八苦しているわけですね、これは。しかしまあせめてこの法律があって、だから業者もつまり荷主の側も、そう一がいに無制限に引き延ばしたり切ったりできない。だが、これをおっぱずすとその制約がなくなる。これだけ運送業者が料金収受に困り果てているのに、その保護規定になっているこの条文を何で削除するのですか。このものの考え方は、これはどこにあるのですか。
○小林政府委員 確かにそういった運賃収受を運送事業者がやりやすいような効果、そういうものがこの条文の場合にはあろうかと思いますが、現実には、貨物につきまして考えますと、荷主と運送事業者との契約によって運送が行なわれるという場合が、非常に旅客の場合と違いまして多いわけでございます。もちろん一見荷主と申しますか、つまり個々に、個別に、小口の荷主と運送事業者との場合等もございますので、現金払い、即金払いというようなこともかなりあろうかと思いますが、そういったものを否定しておるわけでなくて、運送事業者が現に行なっております運送契約の多くは、ほとんど荷主と個別に運送契約を結ぶ、その際に運賃の支払いに関して手形決済、その他支払い時期等を個々に特約するという場合が多いわけでございまして、そういった際に、現行法のままですと、その猶予の許可を一々運送事業者が願い出なければならない、こういうことになりますので、この手続を簡素化しよう、こういうことでございます。
○大出委員 これもまた実態として、いまやっている区域トラックですね、地場トラック、これは中小零細企業が多いですからね、もらえないで、私の知っているところなんかもそうですが、今月になって三百万借りてつぎ込んだ。なぜそうかというと、荷主が切ってきたからというので、支払いは一カ月延期するというのですね。これは契約とおっしゃるけれども実際には口約束なんです。書類をつくって判こを押しているんじゃないのです。それをこういうふうにしてくれと言えば、仕事をやらないぞとこう言われるわけだから、しかたがない。二十台持っている運送業者の頭を元請がみんな切ってきた。それは困るといって突っぱっても、あとくれなくなればしょうがない。この三月の初めにすっぱり切られて一カ月延ばされた。一カ月延びて払ってくれるかというと払ってくれそうもない、いまそういう状態ですね、たいへんな苦労をしておりますよ。何とか四月一ぱい持たせなければつぶれるという騒ぎですよ。五十万の金に苦労をしている、そのつもりで手形を切っているのですから。二十台で運転者が六人ばかりでは足りないから、しょうがないから再下請させている。そっちには金を払わなければならぬ、それを払わないと再下請がつぶれてしまう。せめてそのときに何があるかというと、法律上この保護規定がある、それがここに書いてある十条ですよ。法律的根拠はこれだけです。ここで言う運賃及び料金の収受、これは中身を読み上げるまでもないのだけれども、「当該貨物運送に対する運賃及び料金を収受しなければならない。」、そして「荷主の経理上の手続その他やむを得ない事由がある場合は、前項の規定にかかわらず、運賃及び料金を収受しないで運送貨物を荷受人に引き渡してもよい。この場合においては、貨物自動車運送事業者は、運輸省令で定める期間内に、その運賃及び料金を収受しなければならない。但し、天災その他やむを得ない事由がある場合は、この限りでない。」、さらにこのあとの「運賃及び料金の収受の猶予」では、「運輸大臣の許可を受けた場合は、」と、こうなっておるわけですね。そうすると、これがあるから、その場合に外部からつぶれるからというので、多少の手伝いをしてあげてその間何とかしてやろうと思った場合に、たてにとるのはここしかない。というのは口約束で契約じゃないのですから。そういう例は小林さんたくさんあるのですよ。この運輸関係の例を申し上げると名前をあげなければいかぬから別な例をあげますけれども、はしけ回漕、つまり海上運送なんかをやっておるところは、何々丸という船がある。たとえば第一横浜丸という船があり、第十六横浜丸まであって、十六隻船がある。ところがこれは再下請なのです。そうすると、ある元請に行って仕事をもらう。その場合に、そこの営業課長はニギリで幾ら持ってこいと言う。しょうがないから三十万持っていってその課長に金を預ける。そうすると、よしというのでもって仕事を回してくれる、そしてそれを運ぶ。ところが次の元請も、おい幾ら持ってこい、で金を現ナマで持っていく、そして仕事をもらう、これをやっておるわけでしょう。トラックだってそうです。ところが税務署のほうはそう見ない。十六隻ある船の例で言えば、第十六横浜丸という船はないのだ、ないけれども、元請の営業課長のところに現ナマをつかんで置いてきた、その金の処理に経理上困る、困るから第十六という架空の船名を一つこしらえておいて、それの労賃あるいは油代ということで経理上は落としている。ところが税務署でこれを調べてみると、船は十六隻なさそうだ、調べたら経理上台帳にあっても実際にはないのだ、そうすると税金はどうなっていくかというと、過少申告加算税がついて、その下請にいくのですね。三年前にさかのぼって七百万払えというのです。ところが実際はその金は会社には入っていないのです。全部元請のやれ課長であり係長でありというところにいっている。だから税務署ではどこに三十万やったのか言ってくれれば、過少申告加算税をそこから取りますから言ってくれと言う。しかし何々企業という元請の何の太郎兵衛と言うことは簡単だが、言ってしまうと村八分で、あしたからこの企業には、こういう義理知らずには仕事を回さぬといって切られてしまう。よしんばその会社が税金でつぶれても、つぶされても、がまんをすれば、おまえさんなかなかいいところがある、仕事をやろう、金が足らなければ少し回してやろう、こういう世の中なんですよ。区域トラック業者だってその例にはずれていない、工場の仕事をいっぱいやっているのですから。ニギリで幾らかやらなければ仕事はくれない、そういう状況になっているのですよ。そうすると、こういう業界の慣行の中でいよいよしかたがない場合に残る歯どめは何かといったら、この十条しかない。それをおっぱずしてしまうというのは、許認可というのにぽんと入れて、知らないで通ってしまったらそれでおしまい、そういうやり方は——いまの実際の区域トラック、路線トラックの大きいところはまだいいが、地場トラックの現状というものをお考えいただかぬと、そう簡単にここにあるこの条文をおっぱずせるものじゃないですよ。しかもこれを運輸委員会にお出しになるならまだいい、明るい方々そろっておられての論争になるのだから。それを内閣委員会の許認可の整理に関する法律の中にぽんと入れて——これは基本に関するでしょう。そういうことをやられたのでは、私は了解しようにもしようがない、影響があるのだから実際に。いまの答弁は一つしかない。なぜかというと、契約は荷主と運送事業者とでやっているのだからとおっしゃる。契約なんかないです、そんなものはみんな口約束、実際には。元請といったって、元請だってほとんど全部下請ですよ。そうするとそこには契約がないのだ。そうでしょう。そこらまで考えていただかなければこういうことはできぬと私は思っているのですがね。
○小林政府委員 トラック事業界といいますか、トラック事業者が荷主との関係で相対的に非常に弱い位置にある、したがって、認可された運賃というものもなかなか収受しにくいというようなことについては、先生の御指摘のとおりだと私も見ております。しかしながら、そういったトラック事業者の地位をしからばいかにして向上させるか、あるいは運賃、料金を適正にし、さらにそれを適確に収受し得るようにするかというようなことにつきましては、やはりこういった条文でそれを守っていくというようなことは事実むずかしいわけでございまして、むしろ現行法では、その結果出てまいりますのは猶予の許可をとらなければならないというような事例ばかり多く出てくるわけでございまして、こういったことは手続として簡素にすべきだ、そうしてただいま先生御指摘のような問題につきましては、こういった条文、十条、十一条の制度によって業界の地位の向上をはかるといいますか、事業の安定をはかるということではなくて、もっと大きな金融政策、あるいは中小企業対策といいますか、そういった面でやっていかなければならぬ問題ではないかと思うわけでございます。
○大出委員 それならば運賃の制度なり金融の制度なり中小企業対策なりというところまでからんでいるのでしょう。運輸政策の基本に触れているじゃないですか。あなたは基本に触れないものだけ出したとおっしゃる。この問題、法律があってもなおかつ完全収受ができない、この現実をあなたはお認めになっているのでしょう。しかもこの法律は、猶予するときには許可を得なければ猶予ができないとなっている、歯どめなんですよ。そこまでワクをおっぱずすということを考えるならば、法律があってもなおできないものを法律がなくなればまるっきりしり抜けじゃないですか。そんなにあなた大きなことを言ったって、区域トラックに対してそんなに金融財政上の措置だとか、中小企業対策をやってくれていますか。ハイヤー、タクシーの場合だって、再値上げの申請が出て大騒ぎになって、ようやく運輸政策審議会でこれから論議をする、せめて三月、年度末は、ハイヤー、タクシー業界の中小零細業者、三十台から五十台、六十台というところに対して金融措置を考えるなんということをようやく言い出した。いま言い出したということは、国の行政責任においていままでやってなかった。トラックだって一緒ですよ。だからそういうことになる。法律があってもなおかつできないとおっしゃるのに、おっぱずせばなお困るじゃないですか。何の歯どめもないじゃないですか。そういうことはいけませんよ。それをまた許認可で出すなどという。それは、小林さん、あなたを責めているのじゃないのですよ。運輸省の意思なんだから、大臣がいないから、あなたに言うよりしようがないんだ。そういう冷酷むざんなことをしてはいけませんよ。保護規定まであって、法律があってもできないのに、法律上それをおっぱずす。法律は法律で置いておいて、猶予といったら許可を得るようにしておいて、そのままにしておいて、そしてあなたのほうで、いま言う金融措置なり中小企業対策なり、これは運輸省だけでできないと思いますけれども、それをお考えください。それが筋じゃないですか。
○小林政府委員 許認可の整理という観点から現行法が適確に運営されておりませんし、一々の手続が非常に煩瑣だという観点から、この許認可法の整理を考えておるわけでありまして、その際に、運輸政策の基本に触れないとか、あるいは関連がないと私は申し上げているわけではございませんので、それとの関連は、当然、法律改正でございますから、先生御指摘のとおりあろうかと思います。その際に運輸政策の基本に触れる、関連はいたしますが、この改正によって実態が著しく変更されるとかあるいは運輸政策で中小企業対策等やっていく問題と矛盾するというような際には、やはり許認可の整理につきましても慎重に考えなければならぬという観点から考えておるわけでございまして、運輸政策なり、その基本に全く触れないということを申し上げているわけではございません。したがいまして、この運賃、料金の問題につきましても、まさに運輸政策としては最も大事な問題でございますし、現状も、運賃、料金を適確に収受できるかどうかということは事業にとって最大の問題であろうと思います。そういったものにつきましての運輸行政というものは、当然別個にといいますか、許認可といわば無関係にあるわけでございます。この条文を削除いたしまして整理することによって、そういった行政の水準に著しく影響を及ぼすという場合であれば、こういった削除はいささか行き過ぎかと思いますけれども、現在は、この十一条の許可をしなくていいということにつきましてはまさに許認可の整理に該当いたしますし、十条の収受の規定を削除することは、これを削除いたしましても先ほど申し上げました商法の留置権等の規定もございますので、荷主に引き渡すかいなかというような問題は、法律上この十条を削除いたしましてもさほど大きな影響はない。特に猶予の規定というようなものにつきましては、十条、十一条は関連した条文でございますので、この条文につきましては簡素化という観点から削除いたしたいわけでございます。
○大出委員 おかしなことをおっしゃるんだけれども、法律はあるけれども適確に運用されていない、こうおっしゃる。監督権を持っている運輸省が、この法律が完全に運用されていないということをみずからお認めになっているというのはどういうわけですか。こんな法律違反をいままで公然と認めたことになる。どうせ完全に運用されてないんだからなくしてしまう、そんなばかな話がありますか。運用をされてなければ運用されるようにいままでしなければならぬ。そういうことを言っちゃいけませんよ。運用されてなければ保護規定が生きてないということになる。保護してないということになる。それを運輸省が黙って腕組んで、どうせ適確に運用されてないんだからなくしてしまえ、そういう無責任なことを言っちゃいけません。責任問題です。大事な問題です。大臣を呼んでください。それ以上答弁を聞きません。そんなばかな話がありますか。
○小林政府委員 先ほどの答弁で適確に運用されていないと言ったといたしますれば、これは取り消したいと思います。運用しがたいと申しますのは、第一条の猶予の許可というような場合が非常に多うございます。したがって、現に申請件数も許可件数もたくさんあるわけでございます。先ほど冒頭に申し上げましたように、猶予の許可を申請しなければならないような場合が多いわけでございます。つまり現金収受ということがなかなかできないというような実態でございますので、したがって、十一条による猶予の許可申請をしなければならない場合はきわめて多いわけでございます。したがってそれを適確に行なうためにはそれは非常に困難だ、困難と申しますか、その手続は非常にたいへんだ、こういうことを申し上げたわけでございまして、現実に運用されていないということとか違法とか、そういった問題でございませんので、この手続が非常に件数が多うございますので、これは非常に適確に運用するにはたいへんむずかしいことである、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、違法の状態であるから削除する、こういう趣旨で申し上げたわけではございません。
○大出委員 小林さん、これはきのうきょうのつき合いでないあなたにきょうここで言うのは恐縮なんですけれども、しかし出た法律だからしかたがない。私は基本的なことを言えば、荷主と運送業者の関係というのは、あまりといえば運送業者のほうが本来弱過ぎるようにできているのです。国鉄と日通の関係を見てごらんなさい。これは国鉄さまなんだ。ずいぶんむちゃくちゃなことがあったって言えやしません。それじゃどこにしわが寄るかというと——これは業者の皆さんに対しても国はもう少し考えなければいかぬと思っているけれどもざらにそれから先、それ以上にその運送事業の中で働く皆さんの立場を考えたら捨てておける問題ではないのです。運賃の完全収受というきれいごとをおっしゃるけれども、さっき私は海上運送の話をしたけれども、横浜の場合資本金が十億あって海上輸送をやっている会社でも——これは近促協が出された三・二七の答申もある。その中では運賃の完全収受というのを片っ方に置いているのです。現にダンピングがあってはいけないといっている。しかし、さっきタグボートの例をあげましたが、百トン以上ははずれている。一例をあげましたけれども、過当競争になっているから、おのおのダンピングしているのです。一〇〇のところは七〇しか取っていない。それでも貸し倒れがある。しかも景気が下向いてくれば、台風手形になってしまって、それで一々苦労しているのは運送業者なんです。荷主じゃない。弱過ぎるのです。だからそうなると、この規定でもなお運送業者に対する保護規定としては足りないと思っている。そこへもってきて、これをおっぱずしてしまって廃止しますというが、そう簡単に、しかもこれはあなたがお認めになったように、政策論争ですよ。私がなぜこういうことを言うかというと、冒頭に十一条に関連して、今回お出しにならなかったけれども、あなたのほうは通達として三万トンを十万トンに上げた。てっきり私は、十一条という問題については、許可じゃなくて届け出で出てくると思ったのですが、駅の貨物扱いは出なかった。何で出なかったかというと、基本的な政策に触れるから慎重にということで差し控えましたという御答弁です。そうしますと、いま出されたこのものは、許認可サイド、許認可制度というものの側面から見て出したのだとおっしゃる。基本的な政策に触れるから慎重に差し控えたというものがあるのに、いまあなたの今度答弁は、基本的な政策に触れないというのではないとおっしゃる。触れないというのでないなら触れるということになる。理詰めでいけばそうなるでしょう。あなたの答弁はだんだん変わってしまう。あなたのお立場はわかっている。わかっていて言うのだけれども、わかってこのくらい言わなければものは前に進まぬから言っている。そうでしょう。あまりかわいそうなことをトラック業界にしなさんな。いけませんよ、それは。もう少しその点は——私は決してトラック業界から票をもらっているわけじゃない。ないけれども、こういうやり方というのは、私はいかにもふざけた話だと正直に言って思っている。まだこのあとのほうが問題の大きなものはたくさんある。ここまでのところは、私はまだそれなりにまげて納得せいと言われるなら、条件を付してというやり方もできるけれども、ここから先のところにある幾つかの問題は、納得しようにも納得できない問題がたくさんある。だから私は、あまりここでぼくらに骨を折らせぬで、運輸省さまが監督権をお持ちなんだから、こういう改正をおやりになろうというならやはりこれは筋を通して、許認可ではなくて、政策論争のできる場所でおやりいただけぬか、こう言っているわけです。しかもいまのように適確に運用されていないというおことばが出てくるとすると、これは行政責任者に、こんな法律は適確に運用されてないからなくすのだということをぬけぬけと言われては困る、これは業者の保護規定なんですから。だから、そもそも心底のほどをしっかと橋本さんに承らなければ、質問のしょうがないじゃないですか。そうでしょう。 大臣、いままで聞いておられて、これは基本に触れる問題が幾つもある。こう簡単に許認可でやられたって、これを大臣にいまの政策論争について御質問申し上げても、大臣から運輸政策の基本に触れる問題について御答弁をいただくことはどだい無理だと思うのですね。(「知っているよ」と呼ぶ者あり)知っておられても、行政管理庁長官でお答えいただけますか。与党の国対委員長がそうおっしゃるから、ひとつあらためて質問いたしますが、荒木さん、お答えいただけますか、国会対策上。
○荒木国務大臣 大体政府委員の答弁をもっともだと聞いておりまして、それ以上責任ある御答弁はいたしかねます。
○大出委員 この席に御出席いただいている、つまり許認可の整理に関する法律ですから、この法律のたてまえからすれば行政管理庁所管で御提出をいただいているのですから、筋道は行政管理庁から承る筋なんです。これは許可、認可等の整理に関する法律案となっている。整理整理といって、整理させたのは皆さんです。そうでしょう。小林さん、あなたは飛ばっちりです。運輸省はこれを一々整理したくはないんだ。そうすると皆さんに聞かなければいかぬ。ところが最高責任者の行政管理庁長官が、そこから先はちょっとお答えいたしかねるとおっしゃるのだから、お答えいたしかねるものを、質問もまたいたしかねるわけでございまして、これは進行のしようがないんじゃないですか。 もう一ぺん念のために申し上げておきましょう。これは、このあと、例の昨年六月十五日の六・一五通達というものがありまして、貨物自動車運送認可についてというのがあります。それからそのあと運送取り扱い事業者に関する問題、これは十年に一ぺんぐらい出てくる、時の運輸行政をゆすぶる大きな問題です。こういうことを運輸省いままでやってこられているから——これは一貫輸送の関係で海上コンテナの関係が出てくる。海上、陸上、まん中を港湾でつないでおるわけですけれども、一貫輸送、将来展望が明確にあっておやりになっているたいへん大きな問題です。いま法律上は運送取り扱いは国鉄ですけれども、将来百貨店だって、荷主だって、日本郵船だってみんなやる。そういう大きな問題をこのあとの問題は含んでいる。陸上運送業者、つまりトラック業者にとってはこれは死活問題だ。みんな握られてしまうのです。そういう問題がある。さらに特定自動車の問題もある。だからこれはこのまま進めさせていただくのはいいけれども、どうもそこから先は答弁いたしかねるという答弁になるとすると、これは質問もいたしかねるのでして、どうですか、この辺でひとつ昼休みの理事会か何かで御相談いただけますか。ここで荒木さんに、運輸大臣でないのに、塚原さんは保証されたけれども、それを承ろうたって無理な話で、国会対策上いかがでございますか。よろしゅうございますか。
○天野委員長 午後一時三十分委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十九分開議
○天野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 許可、認可等の整理に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。鬼木勝利君。
○鬼木委員 荒木行管長管もお見えになっておりますし、橋本運輸大臣もお見えになっておりますので、私は許認可問題について、特に法人、個人のタクシーの許認可問題について少しお尋ねをしたいと思います。 これは前国会で橋本大臣に詳細お聞きしまして、御記憶と思いますが、ほとんど超党派で次々に関連質問がございまして、いろいろそのときにお話がございました。きょうは念のため私はそのときの議事録も持ってまいっております。大臣のおっしゃったことは一々ごもっともで、私非常に意を強くしたのでございますが、その後、大臣がせっかくああしておっしゃっておりましたけれども、現実には非常に実態がそれに沿っていないのですね。その点について、私は本日はもう一度同じことを繰り返すようでまことに恐縮でございますけれども、お尋ねをいたしたい。 大体タクシーは、私どもは日ごろタクシーをよく使いますが、いわゆる法人タクシーは大体において評判が悪い。個人タクシーになりますと非常に受けが一般にいいようであります。実は先日も私はたまたま乗り合わした個人タクシーでありましたが、非常に親切で、むちゃな運転もしない。まことに好感が持てました。一般的に個人タクシーは安全運転をいたしておりまして、巷間においても非常に好感が持たれております。そういうことを私も体験をしたものでございますが、個人タクシーの免許が、先般、前国会で申しましたように非常におくれて、出願した人たちが非常に迷惑をしておられる。しかも個人タクシーと法人タクシーとの事故の比率を考えましても、個人タクシーは事故の比率が非常に低い。法人タクシーの場合の運転手には、さしてきびしい規制がないようでございますが、個人タクシーの免許をいわゆる申請すると、非常に規制がきびしい。こういうところに大臣がもう少しお考えいただきたい。実は前国会で大臣は、これは大臣の私の質問に対するお答えですが、「極端に言うと、本人が申請してやれるというんだから許可してもかまわぬじゃないか。これは極端な議論ですよ。そういうことを考えざるを得ないのです」、こういう非常にもののわかった考え方を大臣は持っておられる。むろんそれは出願したら直ちに許せという意味じゃない。それはおっしゃるとおり、極端なふうに言えばこういうことだ、こういうふうにおっしゃっているのです。それにもかかわらず、いささかも個人タクシーの許可、認可に対して事務的に何も進んでいない。実例を私は持っておるから申し上げる。またあとで除々に順を追って、議事録によって大臣の答弁されたことに対してお話し申し上げたいと思いますが、どうして大臣のお考えが皆に通じないのか。自動車局長はかわっておられますけれども、自動車局長がこの前私に答弁をしたこともあとで順を追って私お尋ねしたいと思いますが、何ら事務的に簡素化にもなっていないし、合理化もしていない、近代化もされていない。そういう点についてまず大臣のお考えをお聞きして、なお自動車局長からも答弁を願いたいと思う。その点をまずひとつお尋ねします。
○橋本国務大臣 前の国会で申し上げました方針は、いまなおその方針を堅持してまいっております。したがって、当時私の考え方を申し述べましたが、その原則に従って、その後審査の簡素化等につきましては、十分に自動車局をして、これを制度として考えさせまして、役所のことでありますから私が言ったことが右左になかなかすぐ実現はできませんけれども、昨年の十一月過ぎと思いますが、簡素化の方針を決定いたしまして、そして今日はその簡素化の方針に従って一定の書式のもとにこれを処理していく、こういう方針をきめてやっておりますので、効果はだんだんあがってきております。その意味においては、大きな前進を示しておると考えるわけであります。 ただ根本問題として、タクシー問題ですが、私は大都市交通というものの中でのタクシーの位置づけの問題、あるいはバスの位置づけの問題、並びに地下鉄等、こういう問題はやはり総合的に考えていかなければならぬ問題があります。それらの基本的な問題については、運輸政策審議会で目下検討をしてもらっておりますが、個人タクシー、法人タクシー等につきましては、これは一つの方針がありますので、その方針に従って、なるべく簡素化した方針でこれを許可する、こういう方針でやっておるわけであります。 ただ一つは、御承知のように、タクシーというものは十数年前、戦前でありますかは、認可事項じゃなかったわけでありまして、自由に仕事ができておったわけであります。その後いわゆる交通事故の問題等が頻発してまいりまして、及び道路状況等も自動車がふえるにしたがって複雑多岐になってまいった。こういうことからして、やはり全体の調和をとるためにある程度行政の上においてこれを整理していくといいますか、こういう必要が起きてきた。こういうことからして、かつてはいわゆるタクシーというものは自由にやることができたわけでありますが、そのような事情の変化に伴っていわゆる認可制度になってまいった。しかし根本が自由にやれた仕事でありますから、できるだけそれに戻してまいる。形式的に昔のように自由にすることはできませんけれども、手続等についてはできるだけ簡素化をしていくという方針を昨年暮れに打ち立てまして、その方針に従って現在整理を進めておる状況でありまして、最近は非常にスムーズに個人タクシーの認可等もいってまいっておると思います。しかし、まだ申請の数に対しての処理は全部片づいておるという状況ではありませんので、その点は事務当局にも、できるだけ早くこれを処理していくように、こういうことを指示いたしておるわけであります。ただ、条件等がきびし過ぎやしないかというお話でありますが、法人タクシーに対して個人タクシーが評判がいいというのは、やはりこれは優良運転手の中から個人タクシーの免許は行なわれておりますから、したがって評判がいいわけでありましょうが、その意味においては、もちろん不必要にきびしい制度の必要はありませんけれども、やはり安全運転あるいは全体の都市生活の上における気持ちのいい交通機関としての素地をつくるためには、ある程度の制限はやむを得ない、かように考えておるわけでございます。
○野村政府委員 タクシー免許事案の処理につきましては、基本的にはただいま大臣が申されましたとおりでございますが、それを事務的に補足して説明いたしたいと思います。 大臣のただいまのお話にもございましたように、前国会あるいはその以前からタクシー事案の処理の迅速化ということにつきましては、先生御指摘のとおり各方面から非常に要望がございました。私どももそれをはかるべく努力をいたしたわけでございますが、その結果、昨年の十一月末に、特に個人タクシーの免許の処理につきましては迅速をはかるように全国に通牒をいたしました。 その趣旨は、個人タクシーの基準をまず明確化して、これをあらかじめ公示するということをやったわけでございます。すなわち、年齢の点におきましてあるいは運転免許の、職業運転者としての過去の経歴の所要年数、それから過去に無事故、無違反である、そういう特に個人タクシーに要請されるような資格要件につきましては、これを具体的に明確にして、そうしてそれをあらかじめ地方の陸運局長が公示する。そうして応募される方はそれを十分見て、自分が資格があるかどうかということを見て応募をされるというように、基準の明確化それから具体化、そうして公示という手段をとりまして、私どもの地方の事務体制を整えまして事務処理の迅速化をはかってまいったわけでございます。 東京の例で申し上げますと、昨年十一月終わりに約六千件ほどのたまった事案がございましたが、それが三月末現在におきましては二千件ほど処理をされております。したがいまして、まだ四千件以上残っておりますが、これを今年度中には処理をするということでございます。このいままでたまっておりました事案が処理されますれば、そのあとは、東京についていいますと、おそらく申請から三カ月ないし四カ月くらいで結論が出るという進捗状況になるかと思います。 いまのは東京の例でございますが、これと同様の、事務の簡素化といいますか、事務処理の迅速化につきまして全国的に通達をいたしております。全国の陸運局長もこの通達を受けて具体的な事務処理体制を整えておりますので、地方におきましても事務処理が遠からず迅速化されるということになると私どもは期待しておりますが、今後さらにこの体制を推進したいと考えております。
○鬼木委員 いまの答弁によりますと、四十六年度中には残存未処理のものを全部片づける。そういう話は、四十五年度中にはやるというお話を私は聞いたのです。ところが今度、四十六年度になるというと、あとの残ったのをやります。今度来年度になるというと、四十七年度の残ったものを本年度でやります。同じことを、そんなことを言ったら、いつまでたったってできませんよ。私は資料も持ってきておりますが、あなた方のおっしゃることが、検討しますとか努力しますというようなことばかりであって、現実に具体的にこうやったというはっきりした資料を出してもらいたいですね、そういうことになるならば。そういってないから私は申し上げているのです。少なくとも私が関係しておりますところの福岡の陸運局なんかそういっていない。先日も福岡の陸運局長に会いました。遺憾ながらまだ処理ができておりません。私はこの前大臣にも申し上げたとおり、それは出先の陸運局あたりは皆さん一生懸命やっておられるのです。だけれども、一生懸命やっておられてもできないという、そこをあなた方が根本を解決しなければ、たくさんの出願件数を三人や四人、五人でやっておって、手が足らぬでできませんと、こう言っておる。行管庁長官も見えておるが、これは総定員内において操作すればできると思うのですよ。必要なところにはふやして、必要でないものを減らして、そして全体的にプールしていけば、私は人員の配置転換もできると思う。そういう根本を直さないで、ただやれやれといったってできるわけはないと思うのですよ。基準の問題も、いま自動車局長の御説明がありましたが、これも前国会で私の質問に対して、もう自民党の先生、社会党の先生、みな超党派で、大臣あるいは局長に、以前は黒住局長でしたが、要望されておりましたですね。これは伊能先生の言われたことですが、「大臣から言われたあの五項目の免許基準なんというものは、われわれでもよく読まなければわからぬ、しろうとなんかわかりっこないです。しかも役所中心の審査基準なんです。」云々、こういうことをずっと伊能委員も言われたのですね。事務の簡素化とかなんとか言いますけれども、これは参考のためですが、ある書物にこういうことが載っているのです。「個人タクシーの申請をしてもう二年あまりになる。」、これはことしできた書物です。四十六年の二月にできたのですからね。決して古い書物じゃない。「月々八千円の車庫用地の借料はたいへん痛い。一体いつになったら聴聞とやらに呼び出されるのであろうか。」、またこういうことが書いてある。これは私が言っているのじゃありませんよ。書物を読んでいるのだからね。しかも新しいことしできた書物だ。かりにあろうがなかろうが、こういう批判を受けたり、こういうことを書かれるということは問題ですからね。「タクシー業界を監督するのは、運輸省の出先の陸運局とか、その下の陸運事務所ですが、タクシーの増車とか個人タクシーの免許などについても、ぐっとにらみをきかせて、役人にかってなことはやらせないだけの実力を持っているのがこのタクシー業界である。」、それからいろいろずっと書いてあるのですが、これはみな読めばたいへんだから必要なところ、大事なところを読みます。「そこで消費者は安全で親切な個人タクシーに魅力を感ずるようになります。」先ほど私がいいましたように、「事実個人タクシーの事故率は、会社タクシーの九分の一という好成績、」、ようございますね。それから今度は基準をひとつ申し上げます。「個人タクシーの免許をとりたい人は次の書類をそろえて申請しなければなりません。戸籍抄本、住民票謄本、履歴書各四通、自動車の販売契約書、車庫の賃貸契約書、営業所賃貸契約書、車庫用地の地主所有地の登記簿謄本、地主の印鑑証明、免許証取得後の前勤務先の発行した在職証明書、官公立病院、保健所かあるいは私立は総合病院の健康診断書、資産調書、資金調書、」こういうのを出すのだ。これはたいへんなことですね。それから、自動車を買う、あるいは借りた、そういうときに貯金をしておかなければいけない。その貯金を見せろとか、借金はだれだ、あるいは貯金通帳からお金を引き出しておると何に使ったか、どういうことにその金を使ったか。これは家内の出産のために使ったとか何とか言うと、では証明書を持ってこい。これじゃ私生活の干渉であって、それはあなたたちの指導としては、そんなことはしておりませんとあるいはおっしゃるかもしれません。しかし事実こういうことがあったとしたらどうしますか。そういうことを書いてあるのだから、事実あったとしたら、その基準というものが陸運局あたりで、あなた方のおっしゃっていること以外によけいなことをやっているようなきらいがありはせぬか。先ほど私言いましたように、本人が申請して、やれると言うのだったら許可してやっていいじゃないか、これはまことに極端な言い方でございますけれども、私自身としてはそのぐらいにまで考えておる、大臣は非常に理解も深いことを御答弁いただいておる。これは議事録に載っておるのですよ。それが現実の実態としては貯金通帳を見せろ、貯金通帳が出したり引いたりしてよごれていると、それを何に使ったか。まことに無礼千万、何に使おうとかってじゃないですか。いや、これは病気のために使ったとか、これは何に使った、ではその証明を持ってこい。もしあるとするならば言語道断だ。あまりにも基準がきびし過ぎるのじゃないか。だから、そういう点が事務の簡素化だとか近代化とか言っておられますが、一体どのように簡素化されたのか、近代化されたのか。荒木行管長官もお見えになっておりますが、行管のほうからも許認可の問題についてたびたび勧告が出ておりますね。三十八年も出る、四十二年も出る、四十六年も出る。ところがあなたのほうの回答というのはすこぶる抽象的で何にも具体的に回答してない。「競願競合事案については申請者の利害が錯綜するため特に公正かつ慎重に」——公正かつ慎重に、これはあたりまえのことです。そんなことを書く必要はありはしない。公正かつ慎重に審査する必要があるというのはとんでもないおかしな書き方だ。公正かつ慎重に審査する必要があるというならば、一般の許認可は公正かつ慎重に審査されていないということになる。およそ許認可というものは公正、慎重に審査するのがあたりまえであって、何もこれを書く必要はありはしない。こんな回答をしたってこれは話にならぬ。「一般的にその処理に日数を要するのが、今後も格段の努力及びその迅速化をはかりたい。」こんな抽象的なことでこれは話にならぬですよ。だから私言っているのはもう少し具体的に、私が世話をして陸運局に頼んでおるが、大臣は半年で処理しろ、こうおっしゃった。この国会の議事録に載っている。ところが半年たっても聴聞がない。何ぼ大臣が言われても、その大臣の言われることが威令が行なわれない。それを私は申し上げているのですよ。まだまだあと事例はずっと出しますからそろそろ行きますが、そういう点を具体的なことは大臣はおわかりにならぬと思うが、局長はっきり説明してください。
○野村政府委員 事務処理の迅速化でございますが、先ほど申し上げましたように東京の事例で言いますと、大臣の御指示を受けて事務処理を迅速化するための体制をいろいろ検討いたしたわけでございます。そうしてその結論が出ますまでにかなりの日数を要しまして、この点は私どもも非常に遺憾に存じますが、昨年の十二月に、東京の例で申し上げますと、先ほど申し上げましたように六千件ほど東京でたまっておったわけでございます。それを暦年四十六年中に六千件を全部処理しようというめどを立てたわけでございます。そうして現時点におきましては、昨年の十二月から現在までに二千件ほど処理が進められたということでございまして、あと残る四千件を四十六年中にやりたい、こういうことでございます。これは一番多くたまっておった東京の例でございます。 それから地方の局におきましても、これに準じまして事務処理の簡素化をはかるということでございます。その簡素化の例といたしましては、ただいま先生御指摘のように、非常に複雑な書類を要求しておるという事実がございました。したがいまして、私どもはまずその書類の簡素化をするために書き込み式という方式を採用いたしまして、つまり代書等に頼んで、あまり書類等の手続になれておられない方がいろいろの規則書と首っ引きでつくられるということはたいへんでございますから、あらかじめいろいろな、資金計画についてもあるいは車庫の計画につきましても、あるいは従業員の数等につきましても、それからその他所要の事項等につきましても、前歴、経歴等につきましても、いわゆるマル・バツ式と申しますか、書き込み式の書類をあらかじめ準備をして、そしてそれに該当事項にマルをつけるあるいはバツをつけるという、書き込み式の書類によって処理を簡素化するということを実施いたしております。それが書類の簡素化の第一点でございます。 それから第二点の資格要件ということでございますが、この点につきまして私ども、たとえば資金の面につきましては、やはりタクシー事業という事業を営みますためには、それ相当の土地、建物、これを借りるにしろあるいは自分で入手するにしろ、相当の資金の裏づけが要ります。そういうことで資金の裏づけとしまして預貯金の残高等についてその写しを持ってきていただく。これはこのために充当する資金計画がどれだけの裏づけがあるかということを客観的に証明していただくために、聴聞時において預貯金の残高の写しを持ってきていただきたいということも、これも具体的に書いてございます。先ほど先生からお話ございました、その出し入れされた預貯金の使途等についてもし追及というかお尋ねしているというようなことがあれば、これはまことに不都合なことでございまして、私どもはそういうつもりは毛頭ございませんで、申請の計画に出されております、たとえば自己資金というものの裏づけがどうなっておるであろうかということから、それから収支の面を計算する上で、やはり収支として免許事業が成り立つためには、収入と支出とのバランス、その支出の中には従業員の給料もありましょうし、それから借りた金につきましての返済計画というものもありましょうし、それから収入の見通しが不当に大きくないか、そういうようなことを見るためにいわゆる詳細な資料をお願いをしておるわけでございますが、先般の制度改正で、これはいずれも聴聞のときにこれこれの書類、書式はこうだということを具体的に示しまして、そして書き込み式で持ってきていただくということをやっております。あくまでもそういう公的な申請の目的に使うための資金の裏づけを知るということが目的でございまして、個人的なその使途等について追及をするというつもりは毛頭ございませんので、もしその点についてそういう事実があれば、これは私どもさっそく是正しなければならぬと思います。 それからいろいろの免許基準でございますが、先ほど大臣から御答弁ございましたように、非常に評判のいい、個人タクシーというものはやはり安全である、それから非常にサービスの質がよろしいということで、この評判を落とさないで、つまり良質の個人タクシーというものをお客さんの需要に応じてつくっていくというためには、やはり相当厳格な審査というものをしなければならないわけでございまして、先ほどから申し上げましたように書類の簡素化、それから基準の明確化をするということでやっております。 たとえば先生言及されました福岡陸運局管内におきましても、現在まで個人タクシーは平均して一年近くの処理期間がかかっておると思いますが、福岡陸運局も本年の二月に、私がただいま申し上げました本省からの通牒に基づく新しい処理方針をきめて、目下その方針に沿って新しく処理をするということでやっておるわけでございますので、これも遠からず処理期間が短縮をされるということになると思います。現状はそういうことでございますので、なおその本でいろいろ御指摘がありました点も私ども非常に参考になるわけでございますが、その中の一部分はいま私が申し上げましたようなことで相当改善をされつつある、こういうふうに考えております。
○鬼木委員 いまあなたのおっしゃるのはみんな申しわけばかりで、弁解ばかりですがね。もう少し反省をしなさいよ。あなたのおっしゃるのは全部弁解だ。実際においてこれは、陸運局は、あなたは東京のことばかりおっしゃっているけれども、全国的にそういうふうになっておるのです。これは私は福岡の資料を、局長に会って、いま出せと言ったら、きょうは出せませんからつくってすぐ送りますと、翌日送ってきたのですがね。これを見たってはっきりしているのです。四十五年の十一月、十二月、四十六年の一、二、三、四、五月とずっとあるのです。聴聞が全部、十一カ月から一年かかっているのですね。聴聞まで一年。そうすると、橋本大臣は六カ月でやれ、解決しろと、こうおっしゃっているのですね。それをいつから六カ月でやるのか。あなた方のお話を聞いていると、四十五年に東京なんか二千件やった。あと四千件は、残っているのは四十六年にやるということを言っておられますけれども、四十五年度に二千件しか処理できなかったのが、四十六年度に四千件の処理がはたしてできますか。新しく出願するのが次から次に追加してきますよ。その場限りのいいかげんなことを言われたのじゃ……。これは資料を一々年度別に読んでもいいですけれども、これは遺憾ながらできておりません。私持っているから、だから申し上げておるのですよ。しかもあなた、いまの基準の問題も、マル・カケをさせるんだ。マル・カケをすると言ったって、もっと丁寧に、マル・カケもせぬでもいいようにもっと簡単にできないのですか。そんなむずかしいこと……。しかもあなたのいまの御答弁で、貯金でも持ってこい。一年の間に貯金の出し入れがあっているというと、それに対してすぐ文句を言うというのですね。あなた方は、そういうことは言っちゃならぬということは、いまおっしゃっているとおり、そんなことはないと思うのですよ、私そう思う。だけれども、やはり下部の組織においてそういうことが現実的にもしあるとしたならば——あなたもないとは言えないでしょう。いまそういうことがあるとするならばそれは訂正させますと言う。なぜもっとそういうところをはっきりあなたたちはしませんか。それは何に書いてあるか知らぬけれども断じてそういうことはあるわけはないということは言えないでしょう、あなたたちがはっきりそういうことを調査していらっしゃらぬから。 じゃ申しますけれども、私どもが内閣委員会で行政視察をしました。これは大臣にもひとつお話を承りたいのですがね。北海道に行きました。行政視察はあちらこちらやりましたが、北海道に行ったのですよ。個人タクシーや法人タクシーの許可、認可の件について調査したいということで、内閣委員会で行政視察した。そうして帯広の陸運事務所に参りました。何も答弁ができない、何もわからない、私らの質問に対して。札幌の陸運局のほうでやりますので私のほうではわからない……。そうして、札幌の陸運局からだれも来ていない。いやしくも国会の調査団が行政視察に行っておるのに、札幌の陸運局からだれも来ておらぬ。何の連絡もない。だれも来ておらぬ。まことに陸運行政に対して怠慢、と言うと言い過ぎかもしれませんけれどもね。不熱心きわまりない。われわれが一体、調査ができないじゃないですか。答弁もできない。わからない。そういう不親切きわまりない、不熱心きわまりない。だから、あなた方がほんとうに全国の陸運局がどうなっているか、許認可の問題に対してどういうふうにしておるかというようなことが遺憾ながらおわかりになっていない。実態を把握していらっしゃらない。だから大臣は、みんなの要望に沿ってこうしなければならぬ、ああしなければならぬと——私は何も大臣をおだてておるのでもなければちょうちん持ちをしておるのでもない。議事録には非常に理解のある答弁があっておるのです。しかし実態はいささかもそうなっていない。前の黒住局長の言ったことも、また引き続きお尋ねいたしますけれども、そういう点をどういうふうに自動車局長は考えていらっしゃるのですか。大体今日の個人タクシーなんかの許認可問題に対して、あなたはどういうお考えを持っておるのか。これでよろしいと思っていらっしゃるのですか。その点どうですか。何もあなたを責めたりしかったりしているのではありませんけれども……。
○野村政府委員 個人タクシーに対する基本的な考え方でございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、個人タクシーというものは非常にサービスがよろしい、それから安全度においても非常に高いということにつきまして、これが実施以来各方面の評判が非常によろしいということでございますので、この個人タクシーの質を落とさないで、個人タクシーはその本質上いわゆる流しタクシーという性質を持っておるわけでございますが、流しとして営業をして、そして企業としての採算が成り立つであろう地域においては、これを一定の条件のもとに認めていって、そしてタクシーに対する輸送需要というものの相当の部分を個人タクシーでまかなうということが私どもは妥当であろうと思います。したがいまして、良質な、つまり安全でサービスのいいタクシーという面については、個人タクシーに非常に期待するところが多いわけでございますので、地域、地域の実情に応じてその個人タクシーを生かした育成をしたい、かように考えております。
○鬼木委員 帯広の陸運事務所の件について私はあなたの見解を求めたのですが、どんなふうに考えているのですか。やはりあなたの下におる人たちでしょう。これは大臣にもお尋ねしたいんだが、いやしくも国会議員が行政視察に行っているのですよ。もってのほかだ。不都合千万だ。
○野村政府委員 内閣委員の先生方が帯広の陸運事務所の視察をされたときに、帯広の陸運事務所の責任者が十分責任ある答弁ができなかったということでございますれば、これは私どもとしてまことに遺憾なことでございます。もちろんタクシーの免許の処分ということは陸運局長の権限でございますから、いろいろな御質問に対して、事務所長等が自分は処分権者でございませんという意味で、あるいは適確なことは申しかねるというのであれば、それはそういうことをはっきりと申し上げた上で、陸運事務所長としての見解をあくまでも自分の所信に基づいて申し上げるべきであると思いますので、もし御指摘のように、そういう御質問あるいはいろいろ御要望等に応じて適確な応答ができなかったということであれば、これは私どもとしてはまことに残念なことでございますので、その点についてはさっそく調査をいたしたいと思います。 なお、札幌の陸運局長といいますか、札幌の陸運局からだれも担当者と申しますか、責任ある者が帯広に行かなかった件につきましては、実はその件、私ただいまここで初めて伺いますので、そういう国会のほうから先生方がおいでになる場合には、御調査の目的、日程、それから御要請の資料等について当然連絡がありますし、それに応じて現地、現地のそれぞれの責任者が用意をし、質疑応答あるいは御説明ということをするのが当然でございますので、その点につきましては私どもさっそく具体的に調査いたしたいと思います。 一般論として申し上げますと、国政調査で御出張になる場合には、日程に応じて資料の準備、その他質疑応答の準備というようなことをやって万全を期さなければならないのは当然なことでございます。その点につきまして手抜かりがあったとすれば、まことに申しわけないことと存じております。
○鬼木委員 私は大臣にもお願いしているのです。
○橋本国務大臣 それはいつごろの話ですか、おいでになったのは。
○鬼木委員 昨年の七月です。
○橋本国務大臣 帯広は御承知のように陸運事務所でございますから、あるいはタクシーの許認可の問題については、局長が申しましたように、十分なお答えができなかったと思います。同時にまた本省といたしましても、当時私が命令しましてから検討しておりまして、十一月の中ごろやっと方針がきまったものですから、十分下のほうにも徹底していなかったと思います。しかし国政調査でいらっしゃるときに、これはおそらく本省のほうにも御連絡をしてくれたんだろうと思いますが、それが十分に連絡ができなかったということはまことに申しわけないと思いますけれども、ぜひひとつ国政調査に行く場合は前もって十分な御連絡を願って、また調査の目的等も、十分こちらといたしましても本省で注意すべきものは注意するし、あくまでも地元でまとめるものはまとめておいて、そして皆さんの国政調査のお役に立つような措置は常日ごろやるように、こういう指示をいたしておるわけでございますが、十分なことができませんでたいへん申しわけありませんが、また今度の機会にそういう調査においでになるときは、御満足のいくような調査ができるようにいたしたい、かように考えております。
○鬼木委員 いまの大臣の御答弁に対しては、私はありがたく拝聴しました。しかし一々大臣は御存じなかったかもしれぬと思いますけれども、少なくとも陸運行政についてわれわれが調査をする。帯広の陸運事務所からいろいろ出願の中継はやります、こう言っているのです、最後は局のほうでやります……。そういうことを調査に行っているんですからね。これは一々大臣がそんなことをおやりになるわけがないですよ。本省の自動車局長が——こういうことを調査に行くんだから、当然札幌の局長が来べきですよ、札幌の陸運局の管轄なんだから。そういう連絡がとれないようなことで——だから私が言うのは、陸運行政に対して非常に不熱心だ。あるいはわれわれに対して要望があるかもしれないですよ、われわれに何か希望があるかもしれない。そういうことも何にも考えないというのは、札幌の局長自体が感覚がおかしいですよ。われわれいままでどこでも国政調査に参りまして、ちやほやしてもらおうとか丁寧にしてもらおう、そんな考えは毛頭ありませんけれども、こちらが調査しようといったときに相手がいないんじゃ話にならぬ。いま大臣のおっしゃるように、そういうところの連絡を密にしてもらわなければ、そのくらいのことは——私に言わせるならば、これはひいては自動車局長のミスですよ。それほどさように陸運局はこういう自動車問題に対して案外安易な考えを持っておられる。そのうちにはだんだんよくなるでしょうというような考え方じゃ困る。大臣は半年以内でやってしまえ、こうおっしゃっておる。なぜ言われたとおりやらないのですか。できないならできるようになぜやらないのですか。そこを私が言っているのです。そうしないと出願した人は非常に迷惑しているのです。大衆にたいへんな迷惑をかけておる。しかもいろいろなこういう基準も、聴聞のときに持ってきたらいい。聴聞のときに一切そこで出せば、聴聞が済んだら日ならずして許可するなら許可する、却下なら却下する。聴聞が済んでまた三カ月も四カ月もほうっておる。ずさんというか、等閑に付しておるというのか、怠慢というのか、どのことばが当てはまるかわかりませんけれども。そして近代化だとか合理化だとかいう。何が近代化だ、何が合理化だ。今日陸運局は、これはほんとうに怨嗟の的ですよ。だから、この前も私申し上げましたように、痛くない腹までさぐられるようなことになる。 これは行管から出してある勧告ですが、三十八年の八月にも出してあるし、四十六年、ことしの一月十一日にも勧告してあります。こういうことが書いてあるのですよ。「自己の車庫を保有しない個人タクシー免許申請者は、使用していない車庫等を長期にわたって賃借するため、多大の経済的負担を被っているものがみられる。」と行管からもはっきり出ている。多数の未処理事案の滞留が逐年累積し、東京特別区の個人タクシー免許申請滞留件数は昭和四十年度末四千五百何ぼ、これは行管からもはっきり出ている。具体的に数まできちっと述べて勧告してある。それからこういうことを勧告してある。「法人、個人免許別、地域別に処理期間を定め、」、処理期間を定めたらいいじゃないか。これは何か月でやる、一月なら一月でこれをやってしまう。「事務手続きを簡素化するとともに、適切な進行管理を行なうこと。」、これは荒木長官も見えておるけれども、別に荒木長官をほめるわけでも何でもない。私は書いてあるとおり読んでいるのだから、ほめるもほめぬもない。書いてあるとおりを読んでいる。うまいことを具体的にやっている。「一部の陸運局においては、申請事案の集積をまって処理しており」、たまるのを待ってやっているということだな。「これがため、二年以上にわたり処理が滞留しているので、地区別処理方法の改善などにより、集積期間の短縮を図ること。」、こう書いてある。だから、適確に、こうしろああしろという勧告が行管からは出ている。あなた方のほうでは話が非常に抽象的なんだな。これを慎重に中正に処理しなければならない、あたりまえでしょう。中正、慎重に処理することは、そんなことは書く必要はない。当然であります。それからこういうことをいってありますね。「現在の滞留事案については、早期処理計画を策定するとともに、申請者に予定聴聞期日を通知し、事業所、車庫、開業資金等は、聴聞開始日までに確保すれば足りる旨の趣旨を申請者に徹底せしめ、その負担を軽減すること。」、ようございますか。申請者に予定聴聞期日を通知しという、それがあっていない。出願して二月も三月も四月も五月もかかって、もう待ちくたびれて私どものところに持ってくる。これはいつ申請しました。まだ何とも言うてきません。よしわかったということでこちらが調査すると、今度は、あと何月で聴聞でございます、こう言う。冗談じゃないですよ。申請したときに、書類を受け付けたならば、あなたは何月何日に聴聞します、いらっしゃいとその場で言ってやったら、どんなに安心して喜んで帰るかしれない。それを具体的に合理的に近代化する、このように前国会では答弁しておるが、いささかも具体的でもなければ近代化でもない。すこぶるあいまいもことしておる。局長、いかがですか。
○野村政府委員 ただいま先生御指摘の点についてお答えいたしますと、各陸運局長に対しまして、申請を受け付けたならば、あなたの聴聞予定日は何月何日ですという回答を出すように指導することをすでに連絡をしております。したがいまして、各陸運局の実情によりましてその期間その他は多少の異同はあるかと思いますが、申請を受け付けたならば聴聞予定日はいついつですという連絡をするというたてまえは、すでに実施をいたしております。 それから、いろいろの裏づけ書類、証拠書類等の提出につきましても、免許に関して要求をされる書類というものは、聴聞当日に整えて持ってくればいいということも、そういう措置をとるようにすでに指示をいたしております。したがいまして、お話の中にございましたたとえば車庫を用意するという件につきましても、車庫はこういうふうにして自分が持ちました、あるいはこういう契約書によって確保しておりますという書類をその当日以降に持ってきていただけばいいということに、すでに指示をいたしてございます。したがいまして、そういう方向でこれは実施することになっております。 また、免許申請からその処分をいたすまでの期間でございますが、先ほど私が申し上げましたように、東京の場合におきましては、四十五年の十二月に新しい審査体制になりましてから今日まで、二千件を処理しておるわけでございます。したがいまして、その新しい審査体制でいけば、四千件というものは四十六年度中にこなせる。これは東京の場合でございますが、そういうことで、東京の場合ですと、四十七年以降は申請から四カ月程度で結論が出るというめどはすでに立っております。これは審査の処理体制の事務処理能力を勘案してのことでございまして、それは一つのはっきりめどの立った処理方針でございます。そういうことでただいま先生御指摘になりました点、書類の簡素化それから聴聞予定日の相手に対する通知、それから申請から結論が出るまでの期間というものは、各陸運局によりまして多少の相違はございますけれども、これを私どもで統一して指示いたしました線に沿って簡素化し、迅速化するということで目下やっておるところでございます。
○鬼木委員 あなたの論旨はすこぶる不徹底です。ちょっとお待ちなさい。大臣、ようございますよ。大臣のおっしゃっていることはみなわかっていますから、全部議事録に載っておりますから、その線に沿ってやりますから。 局長のいまのお話は、出願をしたならば聴聞の日はいつだということを通知しております。私は通知していないなんて言っているのじゃありませんよ。出願をして通知を出すまでに期間が二カ月も三カ月も五カ月も、長いのは一年もたっているから文句を言っているのですよ。出願の申請書を受け取ると同時に、引きかえに何日の日に聴聞いたします、いらっしゃい、こういうことをやっているかということを聞いているのですよ。あなた不徹底でしょう。
○野村政府委員 東京陸運局におきましてはすでに実施いたしております。地方の陸運局ではまだ残念ながらそういう処理体制ができてないところもありますが、東陸に準じて、出願をしたら即時あなたの聴聞予定日は何月何日ですということを即答できるような体制をとるようにいま指示をいたしております。したがいまして、まだ実施できておらないところも、遠からずそういう体制になるように強力に指導したいと思っております。
○鬼木委員 そうでしょう。あなたそれを言わないじゃないですか。いまの議事録を見たってはっきり——そんなあいまいな答弁はありませんよ。しかも陸運局は東京だけじゃありせんよ。あなたこそよく御存じでしょう。陸運局イコール東京の陸運局だけじゃありませんよ。全国に九カ所もあるでしょう。あなた何を言っているのですか。そんなあいまいな答弁じゃ困るじゃないですか。しかも東京はこうやっております。全国的にはどうだかわかりませんなんて、そういう不徹底なことで、あなた、何を言っているのですか。じゃ全国の他の陸運局はつぶしたらどうですか、行管庁もここにおられるから。あなた方が対象とされるのは東京の陸運局だけだ、全国の陸運局はあずかり知らざるところだ。(「そうじゃない、これからやろうというのだ」と呼ぶ者あり)いや、ところがその説明はなかったでしょう。だから再度私はこういうことをお尋ねしておるのですよ。もう少し答弁は親切にしてくださいよ、あなた方はもうくろうとでベテランだけれども、われわれはしろうとだから。しろうとのほうがこわいのですよ。もう少し論旨の徹底した答弁をしていただかないと、これはうまいことを言うて、出願したら聴聞の通知はやっております、だれがそんなことを尋ねているか。出願と引きかえに何日ですよ、とこうやればどんなに喜んで帰るか。安心して待っておられるのですよ。いつ聴聞があるのかやきもきしているでしょう。それを言っているのですよ。ところがそれをあなたがいまおっしゃるように、東京はそれができているならば、他の全国的にある陸運局ができないという理由をはっきりおっしゃってください。どういうわけでできないのか。あなたはそれを認めておられる。あるいは全国の他の陸運局はどうかわかりません、こう言っておる。あなたはそれを認めている。いかなる根拠によってそれを認めておるのか、それをひとつ……。
○野村政府委員 先ほどの私の説明が不十分でございましたので一括してお答えいたしますと、東京陸運局は昨年の十一月末に新方式を採用いたしましてやっておるわけでございますが、ほかの陸運局におきましても、九つの陸運局の中で、ただいま大阪と高松と仙台と札幌、この四つの陸運局を除きましては、大体個人タクシーの新しい処理体制に移っております。したがいまして、たとえば一番新しいのは、新潟は本年の四月一日から新しい体制に移る。それから福岡は本年の二月一日から新しい処理体制を始めることになっておるという報告を受けております。しかしながら、新しい体制になりましても、先生御指摘のようにいままでたまっている事案がございますので、そのたまっている事案と、それから新しい事案の処理と両方をやらなければなりませんので、すっきりした形になるのはまだ先かと思いますが、いずれにしろ新しい体制に切りかえて処理するようにという体制が九局の中の五局までになっております。したがいまして、四十六年中はいままでたまりました案件処理に相当の精力をさかれますので、残念ながら一挙に改善ということにはいかないかと思いますが、その処理が進みますと、おおむね半年以内に申請から処理までという体制ができるものだというふうに私ども考えまして、そういう指導をやるように指示をいたしておるわけでございます。したがいまして、現在新しい体制に移行を始めたところは九局中の五局で、あと四局はまだやっておりませんが、これをなるべく早くやらせるということで目下急いでおるわけでございます。
○鬼木委員 しかし、そうするとどうも私は納得がいかないが、一番件数の多いところ、最も事務的に繁雑をきわめておるところの東京あたりは、新方式によってもうすでに新体制でできておる、地方の、東京と比較した場合にはそれほど仕事が密でないところはまだできない、そういうことは理由にならないね。あなたの答弁の根拠はいささか私は納得がいかない。地方の少ないところはもうなりました、東京は遺憾ながらこれだけたまっておるからまだ、こう言うならまだ理屈が常識的にわかるけれども、どうも話が逆だ。(「そういうことだ、話が逆だ」と呼ぶ者あり)どうですか。こうして皆さんがおっしゃっておる。話が逆じゃないですか。あなた何かお考え違いをなさっておるのじゃないですか。あせることはないから、頭をクリアーにしてもう一度よく考えておっしゃってください。
○野村政府委員 東京の処理を特に私どもが急ぎましたのは、つまり東京で未処理案件が六千件と非常に多かったわけでございます。そこへ持ってきて先生御案内のように、ここ一、二年来特に東京都と大阪でございますが、大都市におけるタクシーサービスの低下ということが非常に叫ばれまして、これを何とか改善しなければならない。それでこれを解決する一つの道は法人タクシーの近代化をやって、そうして法人タクシーとしての企業の経営体制の刷新がサービスを改善するということももちろんでございますが、これだけたまっております個人タクシーの申請についてこれを迅速に処理するという必要があるということから、私どもその申請にあたり、人員につきましても必要に応じて東京陸運局の他の部局からも応援を出すというような措置をやって、特にタクシーサービスの悪い東京の改善を急いだわけでございます。もちろん基本的には、お説のように地方の局におきましては東京ほどの滞留件数はないわけでございますから、これを迅速に処理するということについては当然でございますし、そういうふうに私どももやりたいと思っておりますが、事務処理体制を整えて、そしてこれは部内で人員をやり繰りをして整えるということを私どもまず第一番にやらなければなりませんが、そういうことを整えてやるということでございまして、残念ながら東京のほうが先になってしまったわけでございますけれども、これは当然できますれば全国同じ時期に足並みをそろえてやるということが最も望ましいわけでございます。まだ地方でその新しい事務処理体制になっていないところはなるべく迅速にやるというように今後さらにして、できれば全国の足並みをそろえてやるような体制を早く整えてやりたい、かように考えております。
○鬼木委員 わからぬけれども、こういうことでいつまでもやっておったんじゃ話にならぬけれども、あなた方の考え方はまことに不徹底ですね。東京は他の方面から応援させてやった。だったら地方だって応援さしてやったらいいじゃないですか。どういうわけで地方と中央を差別するのですか。東京は応援させたから新方式でぴたっと出発ができた。しかも五局はできているので、あと残っているのは四局でしょう。だったらあと四局応援してさっとやらしたらいいじゃないですか、それだけのできる方法があるんだから。打つ手はあるのです。打つ手がないというならなんだけれども、打つ手はあるんだから。それがほんとうに大衆に対する親切じゃないですか、私はそういうふうに思う。だから地方も応援でもしてなるべく早急にこういうふうにいたします、こういう答弁がほしいですね。もう少し親切にやってもらいたいと思うのですよ。
○野村政府委員 まだ新しい処理体制になっておりません四局につきましても、できるだけ早くその処理体制を整えるような努力をいたしまして、一刻も早く新しい処理体制になるようにさらに指導いたしたいと思っております。
○鬼木委員 それでは、いずれにいたしましてもいままで滞留しておるところの事案は四十六年度には全部解決、このように理解してようございますね。
○野村政府委員 お約束のことでございますから全部ということは私よう申し上げられませんが、おそらく努力すれば四十六年に全部滞留は解決するものと考えます。
○鬼木委員 どうもあなた自信がないな。だから私はさっき言っているのですよ。四十五年度にはこれだけやりました、四十六年度にこれだけやるつもりでございます、それをまた今度は持ち越して、遺憾ながらこうなりました。それじゃいつまでたったって解決できない。これはもう絶対やってもらわぬと困る。全国的に四十六年度にはぴたっとやってしまって——大臣は六カ月以内に解決すると言っているのですからね。(「はったりで答弁しなさいよ」と呼ぶ者あり)いや、はったりで何ぼやっても、議事録は永久に残りますからね。これで私はまたやりますから、根拠のないことはやらないんだから……。
○野村政府委員 四十六年度中に処理完了するように最大限の努力をいたします。
○鬼木委員 だいぶ応援があったからあなたも元気が出たようだ。 先ほど申し上げましたように、この基準の問題も十分簡素化するというお話を聞いたから、なお私は福岡の陸運局で実態を調査します。また事実聴聞しておるところを私は立ち会ってみます。それであなたたちの言われるとおりやっているかどうか、そして基準の要綱はどういうふうになっているか、はたしてマルかバッテンでやっているか、そして同時にそのままばっと聴聞のあれを言っているかどうか、そういう実態をつぶさにまた調査いたしますからね。大体調査しておりますけれども、いまのあなたの御答弁の段階において新たな見地からまた調査しますから。 東京で個人タクシーの申請で訴訟事件が起こったという話も聞いておりますが、それはその後どういうふうになりましたか。それも詳しいことをいえば、ここにちゃんと新聞の切り抜きを持ってきているから、これを全部読んでもいいけれども、その後の経過はどうなっているか。
○野村政府委員 お答えいたします。 いままで百一件の案件についての不作為を不可として訴える訴訟が出ておったわけでございますが、今年の四月十五日現在八十五件はすでに処分をされましたので、訴えの効果といいますか目的が消滅いたしまして現在十六件残っておる、こういう実情でございます。
○鬼木委員 何を訴えたか、申請して、出願して二年もほったらかしているからこれを訴えたんですよ。これはあまりひどい話で、それで訴訟されて、訴えられたからあわてていまあなたのおっしゃるように八十五件は処理した。だったら訴えられない前に処理したら、訴えられなくて済むでしょう、訴訟なんか起こさなくたって。そういう訴訟の内容について詳しくあなた調査されましたか。どういうわけで二年もほったらかしておったか、その間の事情はどういう事情であったか、そういうことを詳しく調査されましたか、本省の自動車局長として。新聞にはいろんなことが出ているんですよ、そういうことを私はここで発表しませんけれども。読んでいいけれども。
○野村政府委員 東京陸運局が直接の調査をいたしまして、そしてその結果につきましては私ももちろん報告を聴取いたしております。
○鬼木委員 その報告を聞かれてあなたはどういうお考えを持っておられますか、この件に対して。
○野村政府委員 こういう訴訟が提起されるということは、もちろんこれは事務処理の促進ということが行なわれてないためでございまして、したがいまして、基本的にはそういう訴訟が起こらないように事務的な促進をすべきであるということを私ももちろん当然考えたわけでございますので、そういう話を聞きましてさっそくこれは処理をして、そして訴訟された方々に対する回答を早く出さなければいかぬということで、そういう指示をいたしたわけでございます。
○鬼木委員 これは新聞を読んでみますと、出願をなさった方々が非常に損害をこうむっておられるんですね、物心両面から。まことに気の毒なんですよ、こういう方々は。こういうことは全国的にあるわけなんです。これは単に東京においてこういうことがたまたま形にあらわれてきましたけれども、泣くに泣かれずじっとがまんして耐え忍んでいる人々がたくさんあるわけなんです。だからこういうことのないように、私はくどく前回も前々回もたびたびこの問題をお話し申し上げているんですよ。だけども一向にこれが改善されない。 そこで今度は、前回の私の質問に対しての答弁に関して少しお尋ねしたいと思うのですが、大臣がお留守でございますから、大臣のおっしゃったことに対して、局長さんは議事録をお読みになったかどうか知らぬけれども、前黒住局長とおかわりになっておるから、それで申し上げる。先ほども言いましたように、大臣は非常に進歩的な考えを持っておられるのですね。これは議事録に載っている。大臣がおっしゃっているのですよ。「私が自動車局長はじめ下の人に言うのは、とにかくイエス、ノーを早くきめろ。そうしてできないものは当分の間許可できない、許可できるものは直ちに許可しろ、しかもこれは六カ月以内で処理しろ、こういう命令を最近出しておるわけであります。したがっておっしゃるような問題は、」、許認可の問題ですね、「いま直ちに解消するとは言いませんけれども、ことしの秋」、前回の話ですよ、だから去年だ。「ことしの秋もしくは来年には、この私の強い意見が全体の陸運行政に響いてきて、その点はある程度改善されるだろうと思う。」何とぞ御了承願います。こういう答弁があります。だからもう六カ月以内で、去年の秋かことしはこういうふうになる、こういうふうに答弁した。これは前の黒住局長ですからあなたはお聞きになっていないかもしれないけれども、大臣はこのように言っているのですよ。だから、私は先ほどから何も大臣をほめてもいなければ、ちょうちん持ちしているのでもない。そんなことは関係ないが、大臣の言っていること、答弁していることは、まことに当を得たりっぱな答弁。だけれども、現実問題としてはそうなっていないから、自動車局長の責任においてどのように陸運行政にあなたは配慮しておられるか。大臣のおっしゃっていることはあなたよく御承知ですか。
○野村政府委員 私も昨年の六月に自動車局長になったわけでございますが、そのときにただいま先生がお読みになりましたような趣旨の自動車行政、特に免許、認可等の事案の処理促進ということについては、抜本的に対策を講ずるように自分としてもやるべきであると考えるから、事務当局もそういうふうに考えろという御要請をいただいております。したがいまして、私も基本的な考え方といたしまして、いわゆる道路運送事業の政策的な面からいろいろなさなければならないことが多うございまして、私どももあるいは地方の局も、ともすればこういう許認可というものの処理に相当の精力と時間を費やしておる。また一般の申請者の方、その他国民には非常に事務が渋滞をして御迷惑をかけておるということでございますので、事務処理の刷新ということについては、これは最も当面の陸運行政に課せられた一つの大きな使命であるというふうに考えまして、私も極力そういう大臣の御意思を体してやってまいったつもりでございます。ただ何と申しますか、いろいろ書類の簡素化あるいは通達、省令等の改正あるいは新しい処理方式の検討というようなことにかなりの時間をとりましたために、必ずしも所期どおりのスピードでいっておりませんけれども、基本的な方針としてはただいま先生から御質問があり、また大臣が答えましたように、事務処理の迅速化、刷新ということについては、一つの大きな基本的な柱としてやりたい。また現にそういうふうに努力しておるわけでございますので、ひとつ今後とも御鞭撻をいただきまして、大臣の御趣旨に沿うように努力したい、かように思っております。
○鬼木委員 それで、先ほどから私がくどく申し上げておりますけれども、ここに載っているのですよ。「現在六千件ぐらいいわゆる申請が残っておりますが、」大臣が言っているのですよ、大臣が答弁されておるのですよ。「ことし一ぱいでできるだけ大部分は整理しろ。」ことし一ぱいというたら、昨年のことですよ。「できないものはできない、できるものはできる。六千ですからそう簡単にできませんが、本年一ぱいという限度をきめて、そうして許可すべきものは許可する、いろいろな面から考えて許可できないものはできない、こういう措置を私は命じておるわけでありますが、できるだけおっしゃるような方向で事をきめていきたい。」何とぞ御了承願いたい、こう大臣は答弁しているのですよ。だから大臣は、去年じゅうか四十五年度でやってしまう、こう言っておられる。ところが大臣の事、志と反して、実際は一年延期で、四十六年度というような結論をあなたは先ほど出された。これでは大臣の言ったことは空文化してしまう。から手形だ。いやしくも国会で、委員会でわれわれが審議しておりますことは、これは国民全部が聞いておりますから、そうしますと大臣は国民にうそを言ったということになるのです。いやしくも陸運行政に対して大臣を補佐するところの皆さんが大臣にうそを言わしめた、国民を欺いた、まことにその罪浅からず、その点御見解を承りたい。いかがですか。
○野村政府委員 事務処理が所期のごとく進まないということにつきましては、これはまことに私ども申しわけないと思います。ただ大臣の御答弁の趣旨は、大臣が御答弁になった時点から事務を開始すれば、新しい方式で事務を開始して半年後には解消、半年後といいますか、事実上その時点におきましては四十五年は半年しかなかったわけでございますので、半年後にはたまっている案件を処理したいという、非常に意欲的な前向きの御決心を表明されたものと私は理解いたします。ただ私ども事務当局といたしまして、その大臣の御趣旨を体して処理をするための事務的ないろいろな手続あるいは方法、そういうものについて相当こまかい検討をして、そうしてこれを処理しなければならないという、そういう新しい体制に切りかえるための事務的な準備というものにかなりの日にちを要したわけでございます。したがいまして、そのスタートが非常におくれたということで、これは先生おしかりのように弁解のことばにはならないとおっしゃれば、まことにそのとおりでございますけれども、私どもとしてはあくまでも大臣の御意思を体して、それを事務的に実現するための手段、方法、順序というようなことについて、事務的な詰めをして、そうして大臣の御方針を具体化していくということでやってまいったわけでございまして、その点につきましては出だしがおくれましたことについてはまことに相済まぬことでございますけれども、方向といたしましては大臣のおっしゃった方向に向かって鋭意努力をしておる、こういうことでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
○鬼木委員 そこで、こういうことも大臣は言われたのですね。「二年も待たせておくことはいかぬ。ですからなるべく早く片をつけて、あなたはこういうことだから当分の間、こういう条件を満たさなければ許可はできませんよという、親切なことはやってやる必要がある。こういう書類さえ整えればと出されますと、」——そういうふうに指導して教えてやれと、これは伊能先生の質問に対して、こういうことを橋本運輸大臣は言われたわけですね。だから、その出願の場合に、大体あなたはこれはもうだいじょうぶ、だから何日に聴聞しますからと、こういうふうにその場で書類を見てイエス、ノーをはっきり言えないだろうけれども、いやしくも書類だけは完全にこれはだいじょうぶだからというようなふうに安心感を与えよう、だから出願の時点においてもう少し合理化するようにということを、「これらの点をも含めて十分検討させたいと思います。」、こう言っておる。だから、皆さん方どのように検討されたか、それをお尋ねしたいと思います。
○野村政府委員 先ほど私が申し上げました書類の簡素化ということと、それから、必要な書類、ただ抽象的にこういう書類を持ってきなさいということではなくて、聴聞時にこういう書類はこういう様式のものを持ってきなさいという具体的な指示をするということと、それはすでにやっておるわけでございますが、もう一つは、何と申しますか、個人タクシーについて申し上げますと、資格要件を具体的にする。たとえば申請のときにおいておおむね何歳以上というばく然とした基準を、申請のときにおいて満何歳以上というふうにはっきりする。それから、たとえば運転経歴等につきましても、その申請しようとする区域において十年以上なら十年以上ということを具体化いたします。したがいまして、それに満たない要件の方々がおいでになれば、あなたはこういう要件に合っておりませんので残念ながら応募されてもこれはだめでございますという意味の指導と申しますか、書類を受けつけてすぐ相手にそういう返答ができるという体制には、いま申し上げました九局のうちの五局はすでにそういう体制をとっておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、あなたは大体だいじょうぶだ、そういうところまではまだ行っておりませんけれども、あなたはだめですよと、逆に、その明確化された資格に合わない者について、あなたは経験年数が足りないとか、あなたは年齢が足りませんからだめですというふうな指導といいますか応答、これはいま申し上げましたような範囲でできるようになっております。
○鬼木委員 まあそういう点はもう少し強力にやっていただきたい。同じことを繰り返しますけれども、あと残っている四局も早くそういう手を打っていただきたい。 それから、これは黒住局長の答弁でございますが、前をずっと省きますけれども、「具体的にその内容を検討し、また各陸運局におきまして運用を能率的にやるという指示をいたしております。要するに、御指摘のように自動車関係の仕事は非常にふえておりますので、これに即応して、中央におきましては制度の合理化を考え、地方におきましては運用を合理化するという方針で対処していきたいと思っております。」、そこで、どのように中央において制度を合理化したか、地方においてはどのように運用を合理化したか、それを具体的に。これは前の黒住局長がやったんだからおれは知らぬというわけにはいかぬでしょうね。
○野村政府委員 お答えいたします。 中央におきます合理化といいますのは、自動車行政の運用につきまして全国に共通する基本的な問題についての方向づけということでございます。これは昨年の十一月に地方の自動車部長会議をいたしまして、そしてその席上におきまして、地方の意見も聞きながら私どもこれをまとめまして、旅客自動車行政に対する行政の指針というものを、これは私の名前で全国に通達をしております。その行政の指針は、先ほど申し上げましたことにも関連いたしますが、一つは、部内の事務処理体制の能率化、合理化をはかる、これは当然、書類、諸手続の簡素化ということも含むわけでございますが、そういうことを含む体制の合理化、能率化をはかりなさいということでございます。それから、その次は、いわゆる交通機関を利用する方々と陸運当局とのコミュニケーションといいますか、意思の疎通をもっと活発にやりなさいというような指導方針を明示いたしております。そのほか、いろいろの細部の指示をいたしておりますが、要は、行政をもっと能率的にやる、それから、もっと一般の利用者それから申請者等との意思の疎通をはかるというようなことをやって、そして処理を迅速化し、また能率化していくということで国民の利便にこたえるようにすべきである。そしてこの指針に基づく具体的な処理方法については、各陸運局がこれを受けてさらに細部のことを、実施要領と申しますか、具体的な方針と申しますか、そういうものをきめてやるようにという指導をいたしておるわけでございます。
○鬼木委員 その旅客自動車の行政指針とか、あるいは利用者と陸運局との意思の疎通とか、そういう抽象的なことで、それはもう当然のことだから、これは黒住局長は制度の合理化を考える、地方においては運用の合理化と言っている。だから、処理の迅速化とか近代化というようなことは、それは当然だから、そういう抽象的なことでなくして、どのように変えました、どのようにどうなったというような何か具体的な説明はできませんか。
○野村政府委員 中央におきましては、ただいま御審議をお願いをしております許認可整理法も大きな意味でその中の一環でございますが、政令あるいは省令の改正によって、たとえば事業者から徴収する報告事項を簡素化する、時代の変遷に伴って必ずしも必要でないものはやめるというような簡素化ということは、これは具体的に省令の改正あるいは通達の改正等によって実施をいたしております。地方におきましても、これに基づいて簡素化をやっておるということで、法令による事務処理事項の内容を簡素化する、あるいは必要のない報告とか統計調査とかいうものについては、それをもうやめる、あるいは統合することのできるような報告類については統合するという、そういう措置について相当実施をしておる、こういうことでございます。
○鬼木委員 もう少し数的に、科学的に説明をしていただきたいと思いますが、じゃ、従来の許認可の制度をどのように変えたのか、やり方をどのように変えた、そういうことをひとつ出してもらいたいんですがね。 これに関連するんですが、これも黒住局長が答弁をしておられるのですが、これはまあちょっと福岡のことを言っています、黒住さんが。「福岡陸運局におきましては、タクシー関係の処理を約六名でやっております。これは免許の仕事、それから監査の仕事等をやっているわけでございます。そのほか認可の仕事もございます。それらの人員でもって当たっておるわけでございますので時間がかかっている。したがいまして、われわれとしましては、まず中央におきまして制度を簡素化する、免許の仕事のみならず許認可の仕事の制度を簡素化するということが第一点だと思っております。それから第二点は仕事のやり方、たとえば先ほど申し上げましたような流れ作業的にやっていくというふうに仕事のやり方を改善するという二つであると思います」、だからこのような具体的なお話をお聞きしたいと思う。だから黒住さんが結論として、「私も御指摘のように問題を意識いたしまして、ただいま申し上げますように制度の改善と運用の改善を具体的に検討し、できるものから指示をいたしておる次第でございます。」、こういうふうにやっておる。私はそれを聞いているんですよ。どういうふうにあなた方がそれをやっておられるかですね。
○野村政府委員 ただいま先生の御設例になりました福岡陸運局の場合につきまして、私ただいま手元に資料を持っておりませんので明確にお答えできませんが、一般論として申し上げますと、先ほど申し上げましたように、時代の変遷に応じまして事務処理の体制を直していかなければならない。そういうことから、先ほど申し上げましたように、たとえば添付書類を省略する、あるいは報告事務を廃止するとか、あるいは事業計画の内容の簡素化というようなことを、省令の改正でやっております。それからそういう件数につきましては、たとえば道路運送法の施行令につきましては八十三件、それからその施行規則については五十八件というふうに、これはただいま御審議をお願いしております法律にも関連する事項でございますが、そういういわゆる事務処理の簡素化という方向でやっておるわけでございます。それからただいま先生の御設例になりました事務処理体制の中には、当然何といいますか、局内の人員の重点的配置ということもあわせてやらなければならぬと思いますが、これは私ども各局において、先ほど私が申し上げましたような行政の趣旨に基づいてそれぞれやっておるというふうに確信いたしておりますが、ただいま御設例の福岡陸運局の具体的な場合については、ただいま残念ながらちょっと手元に資料を持っておりませんので、適確なお答えはできませんが、一般論としてはそういう方向で能率化のための人間の配置の問題、それから法令の改廃の問題、そういうことはやっておるというふうにお答えできると思います。
○鬼木委員 いや、だから私が言っておるのは、黒住局長はこのように具体的に答弁しておりますから、福岡はタクシー関係の処理を約六名でやっております、これで非常に時間がかかっていろいろな仕事をやっているからうまくいかないと認めているのだ。だからそれを中央においても制度を簡素化し、また許認可の仕事の制度も簡素化することが第一点で、また流れ作業なんかでやっていけば非常にうまくいくというようなことをやるように考えておりますといっているから、じゃ現実として福岡はどうなったか、それをお尋ねしているのですから、これは福岡の陸運局長とよくしさいお打ち合わせの上、はっきりやってくださいよ。ここにちゃんと国民に公約しているのだから。厳然として残っているんだから、ここへ。言いっぱなしのやりっぱなしの放言では困る、皆さんの答弁は。その場限りの放言では困る。これは漫談をやっているのじゃないのだから。
○野村政府委員 ただいま御設例の福岡陸運局の場合につきましては、さっそく具体的に事務処理体制の改善状態について調査いたしまして、先生に御報告いたしたいと思います。
○鬼木委員 くどいようですけれども、だからこのようにしてこうしてこうやる。だから今度このように能率があがってくるようになる。それで簡素化される。だから皆さんの御期待に沿うようになれるというようにしてもらわぬと、ただこういうふうにやった、こういうふうにやった、こういうふうにやった結果が見通しがないことでは困りますからね。その点をお願いします。 それから、せっかく荒木長官がお見えですから、荒木長官に一言お尋ねしたいのですが、勧告をしていただいておることは私らが思っていることを忌憚なく勧告していただいておりますのでたいへんありがたく思っておりますが、その点ちょっとお伺いしたいのですが、これを勧告されて、はたして回答が満足であるか、あるいはどのように改善されておるかというような点は行管のほうではなさらないのですか。そういう点も目を配っていただいておるわけでしょうか。あるいはその回答に対してまた勧告するとか——決して監督をするわけじゃないでしょうけれども、その点のかね合いをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○荒木国務大臣 勧告をいたしまして運輸省から回答を求めます。回答を待ちまして、さらに効果的な方途があれば推進監察することもあり得ます。そういうやり方で今後もします。
○鬼木委員 これは全く大臣のほうから勧告をしていらっしゃる。それによって——私ほかに別に資料はありません。これを何回も読み返し読み返し読んだのですが、余すところなく勧告してあるようです。ですから、それに対してのあと始末といいますか、いま大臣のおっしゃるように、勧告に対する回答に対してまた推進をする、そういうことをますますやっていただきたいと思うのです。そうしないと、勧告のしつばなしでもいかぬだろうと思う。陸運行政に対しましては、将来も私は熱心に取り組みたいと思っておりますから、これの行くえに対しては見届けたいと思います。何もきょうは自動車局長に文句言ったり、あなたをやかましく私は責めているのじゃありません。大衆の声をあなたに聞いてもらっておるわけですから、その点はひとつあしからず。ことばは少々御無礼な点もあったかもしれぬけれども、それは年に免じてお許しを願いたい。 まだいろいろお聞きしたいこともございますけれども、この問題に対しては、私も将来なおよく研究したいと思いますので、きょうはこの程度で終了いたします。たいへんありがとうございました。 ————◇—————
○天野委員長 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。鬼木勝利君。
○鬼木委員 文部大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、実は先般の分科会で特殊教育の件についていろいろお伺いをしたのでございますが、何しろ時間がございませんので、委員会でゆっくりお尋ねをするというお約束をいたしておきましたので、引き続きお尋ねをしたい、かように思っておるわけです。 まず冒頭に、国立特殊教育総合研究所を久里浜におつくりになる、こういうことでございますが、これは、私どもといたしましても、まことに時宜を得たお考えで、たいへんけっこうなことでございますので喜んでおるわけでございますが、養護学校とかあるいは特殊学級の増設等を、いま大臣は非常に熱心にお考えのようでございますが、私はいろいろこの御計画を拝見しまして、大臣の意欲満々たるところは非常にありがたいのですが、これは少々なことでは実現ができないのじゃないか、私は非常におくれておると思いますが、大臣はどのようにお考えになっておりますか、その点をちょっと。
○坂田国務大臣 先般の分科会におきましても鬼木先生から御指摘がございましたように、わが国の教育水準というのは、ほかの点においては世界各国と比較いたしましてかなり進んでいるように思いますが、しかし特殊教育につきましてはかなりおくれておる、不十分である。したがいまして、この教育行政の谷間を何とかして埋めなければならない、光りを掲げなければならない、こういうことで就任以来特殊教育の振興について心をくだいてまいったわけでございます。そうしてその一つといたしまして、まずこの特殊教育総合センターというものを設立をして、そうして特殊教育の児童に対しましてどういう教育をやったならばよろしいか、そういう教育方法、あるいはまた職業教育はどういうふうにしたならばよろしいかという実際的なこともやってみたいということでございます。しかしまた、それだけではなくて、たとえば養護学校につきましても、肢体不自由児の学校は大体一県一校ができましたけれども、しかしその他の精神簿弱とか、あるいは情緒障害であるとか、あるいは病虚弱とかいう面におきましての養護学校につきましては、まだ日本全国で半分ぐらいの県しか学校を持っておらないということでございまして、これにつきましては計画的にこれを充実してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。また養護学校に入れない者に対しましても、特殊学級を充実することによって教育を行なっていくという従来の考え方を推し進めておるわけでございますが、このほうとてもまだまだ不十分であるという認識に立っておる次第でございます。
○鬼木委員 そういう御見解から大臣が今回の総合教育研究所をおつくりになるという非常な御卓見に私は敬意を表しますが、聞くところによりますと、五カ年計画でこれを仕上げる、まさにこれは日本では初めてのことで、世界には二、三あるようでございますが、その五カ年計画の御構想について簡単に局長さんからでもけっこうですが、ここにあらましの予算の一覧はいただいておりますので、これでも大体わかりますけれども、内容の説明を簡単でよろしゅうございますが、していただければなおけっこうだ、こっちにも載ってはおりますけれども、何か構想について簡単でいいですが……。
○宮地政府委員 特殊教育総合研究所につきましては年次計画をもって考えておりますが、実は四十二年度から考えておりまして、四十八年度までをとりますと五年以上になるのでございますが、大体四十四年から本格的に進めておりますので、四十四年度からとりますれば五年計画ということになりますが、一応四十五年度中に建築工事に取りかかりまして、第一期工事の前半を四十五年度にいたしまして、そうして四十六年度に継続いたしておりますが、第一期工事の仕上がりは、九月までに第一期工事が仕上がるということで、四十六年度の後半から第二期工事にかかる予定でございます。そうして四十七年度に二期工事が若干かかりますが、大体研究を中心としたものが四十六年、ことしの十月から——この法律案もそのようにお願いしておりますが、四十六年度から研究所を開設し、もっぱら研究部門を発足させたい。それから工事の進捗と見合いまして、四十七年度には第三期の工事に入りますが、したがって四十七年度の半ばごろから研修部門を開始したい。そうして四十七年度後半から八年度にかけまして実験教育関係、いわゆる附属学校のようなものに子供を入れますが、それを整備いたしまして、四十八年度後半から完全に研究と研修と教育とができるような形で進めたい。一応大ざっぱに申し上げますとそういう計画でございます。
○鬼木委員 わかりました。大体四十六年の十月から研究部門、四十七年度が第三期工事で、半ばごろから大体でき上がって研修部門を置く、四十八年度に実験教育に移っていく、こういうことでよくわかりました。 そこでちょっとお尋ねしたいのですが、四十六年度の人件費、これは内容は示してないが、四十七年度は人件費、運営費を含めて一人当たりが百八十万計上してある。一人当たりが百八十万といいますと、月に十五万、これには運営費も含んであるということになりますと、研究部門あるいは研修部門にいわゆる斯界のオーソリティーというような人を呼べますか。あるいは今度は四十八年度は一人当たり二百万、これも運営費が含んであるわけです。そうすると百五十人分、二百万といいますと、運営費が含んでおるから、内容は一人当たり十何万というくらいになると思う。しかも日本に一つしかないというところで、そうして特殊教育の最高峰をいって、ここから全国の特殊教育を推進するというのにどういう人を集めるつもりですか、これは相当斯界のオーソリティーを呼ばなければならぬと思うのです。それに十万や十何万ぐらいなことで一体だれを呼ぶつもりか。どういうふうにお考えになっておるのか。それはまあ、月給十万ぐらいとか十二万ぐらいといえば低いほうじゃないでしょう。だけれども、全国の特殊教育をここから始めようという、しかも研究部門や研修部門、教育部門もあって、実験教育全部ここから始まるという日本一の権威ある特殊総合研究所に、これは研究費もないようですね。おおよそ学者が、これはもう大臣はよく御存じのとおり、今日困っておりますのは、日本は研究費が少ないのですね。大学あたりで非常に困っているのですよ。民間に行くと研究費を惜しみなく出す。これはむろん研究さして、営業本位ですから、民間なんかが出すことは当然でしょうけれども、現実問題として大学あたりの先生たちが困っておられるのは、研究費が少ない。だから研究しようとしてもできない、こういう実態なんですね。それに、これでは私は一体何をやるつもりなんだろうと思います。むろん建物も大事ですよね。建物も日本に一つしかない。だから堂々たる建物を建てていただかなければならぬ。それはけっこうですけれども、いかに建物がりっぱなものができようが、研究器具、施設もない、いわゆる教材がないということで、それに携わるところの研究の大家、日本の一流の大家というような方をどうしてスカウトされるのか、こんな人件費で。しかも運営費が含んである。そして年間百八十万だ。月に十五万、それに運営費が含んであるというなら月給はわずかなものだ。どういう計算のもとにやられたのか。この予算面を見た場合には、私は断じて承服できない。何が総合研究所だ。ここに行けば何でもわかる。しかも全国から研修生を集めるとおっしゃる。何が研修できるか、こう申し上げたいんですね。そういう点は大臣はよく御検討なさったのか、全部下僚におまかせなさったのか。また局長連中は——連中というとはなはだ申しわけない、局長さん方はよくお考えになっておるのかどうか。その点をひとつ明確に……。
○宮地政府委員 御説明申し上げます。 今年度の四十六年度は十月からでございますので、予算的にはほぼこれは半分ぐらいというふうにお考えいただけばいいと思いますが、一応一人ずつの基準的な経費で予算を積算するのが——先生のお気持ちは十分わかるんでございますが、一応こういう人件費の積算に当たりましては基準経費がございます。私どもの構想といたしましては、先生がおっしゃいますように優秀な方を集めたい、それから研究職一等、二等あたりの先生をお願いしたいと思っております。したがいまして一人当たりで申しますと、先ほど先生が一人百八十万円とおっしゃいましたのは、これは大体月に割りますと年末のいわゆるボーナス等ございますから十五カ月で割りますと一月十二万という平均給で積算いたしておりますが、現実には、研究職一等の方は、部長クラスはそれよりも高い給料になります。そういう人件費の計算でございます。 運営費と申しますのは、たとえばいろんな特殊教育の研究者を集めるわけですが、視覚障害教育の研究経費あるいは聴覚、言語障害教育研究用の経費、精薄研究用経費といったようにいろいろございますが、それを大体出発当初四十六年度は二十六人の研究員を予定いたしておりますが、そういった実験研究関係の経費といたしまして、その経費を二十六人で割りますと一人二百四十万円、さらに研究用の図書購入費といたしましては二十六人でかりに算術平均で割りますと、一人当たり百十五万円、こういったものがいわゆる運営費として積算されておるわけでございます。 政府の予算要求技術といたしまして、一応基準単価というものをもとにいたしまして定員をかけるという計算で予算要求はするしきたりになっております。しかしそれをもとにいたしまして個々の先生方をそれぞれの部長とか課長とかに相当する地位に格付けいたします場合には、それぞれの俸給表に従って張りつけていくわけでございます。さらに一流の方ということを私どもも十分念頭に置いておりますが、ただ年齢的な構成もございまして、部長、課長、課長補佐といった職制は必ずしもとりませんが、それに似たような形で研究者の研究が進まれるというようなことで、大学で申しますれば教授、助教授、講師といったような形の給料構成になり、また人的構成もそのようになっていくと思います。そこでこういう一流の方々をどういうふうにしてどこから持ってくるか。もちろんそれが一番大事なことでございますが、わが国は特殊教育の研究等もあまり進んでおりませんが、今日特殊教育講座を持つ大学あるいは特殊教育の教員養成課程を置いております大学、こういうものが五十ばかりございます。さらに国立大学の附属の特殊教育学校の教職員の方方もおられますが、そういう特殊教育の附属学校を持っておる学校が十五ばかりございます。その他また厚生省関係のそういう機関で働いておられる方にもお願いしたいと思いますが、そういったような方々の中からこの研究所の性格に合うような方にぜひ来ていただきたいということで、まだ具体的に法律も通っておりませんので、具体的にどなたという張りつけまではいたしておりませんが、そういうことで目下第一次的にいろいろ人員構成について関係の先生方にお願いしておるところでございます。
○坂田国務大臣 ただいまるる局長からも申し上げたとおりでございますが、おわかりやすいように申し上げますと、これは文部省直轄の研究所でございまして、たとえば非常な権威を持ちまたは世界的にも認められております国立教育研究所、平塚益徳さんがその所長でございますが、この研究所、国語研究所あるいは遺伝研究所、これも同じような研究所でございまして、一流の人材をとにかく迎えたいというふうに考えておる次第でございます。
○鬼木委員 十分お考えにはなっておると思いますけれども、しかしいまの局長の御説明では、四十六年度は半年分だ、だから予算の内訳がそこに載っていないわけですか。いまいただいたのには予算が載っておりません。四十七年度の予算の内訳は一人当たり百八十万円、それから四十八年度は一人当たり二百万と載っておりますけれども、四十六年度は全然予算が載っていないですね。しかしいずれにしてもこれは大臣どうお考えになりますか。人件費と運営費ということで込みにしてあります。事実皆さんのお考えのようにそういう斯界の権威がお集まりになるかどうかですよね、問題は。だから、それは大学の教授、助教授、講師方との触れ合いもむろんあるかもしれませんけれども、何らかの御配慮がないと、はなはだ失礼な言い方だけれども、あまり満足し得るような方を集めるならそれはそれでいいかもしれませんけれども、いやしくも権威を集めるというようになれば、いまの御説明では私は納得できませんね。たいへん局長は回りくどくうまいことを言われるようだけれども、私は納得できませんね。
○宮地政府委員 気持ちは全く先生と同じなのでございますが、先ほど申し上げておりますように、予算としましては、国家公務員の研究職、教育職、さらに行政職、この三つの一応きめられた国の俸給表がございます。したがいまして、私どもといたしましては研究職ということで、この研究に当たっていただく先生方の予算を積算しておるわけでございますが、この研究職の一等と申しますのは、教育職の一等は大学の教授でございます。したがって、教育職と対比いたしましてあまり大差がございませんが、要するに大学の教授、助教授、講師、こういった形の人的構成を実質的にはしていきたい。ただ予算の積算といたしましては、たとえば一等級の四号俸の方は月八万九千円、それから二等級の平均のところは六万円、こういうふうに国の俸給表がきまっております。したがいまして予算要求といたしましては、それを平均として人数をかけるといったことで予算要求をいたしております。ただ実際のAとかBとかいう具体的な方にお願いします場合には、その方の経験年数、研究業績、そういったようなことで、具体的にその方が何等級何号というのは張りつけたいと思います。したがって、平均では一等級四号は八万九千、約本俸が九万円でございますが、具体的には一等級の十号の先生であれば、十一万とか二万とか、こういうふうになるわけでございます。予算といたしましては平均のものを載せておる。先生に差し上げました資料で、人件費、運営費三千七百六十三万八千円という数字の資料を差し上げてあると思いますが、それは先ほど申しましたように、これらの先生方は十月からポストにお願いいたしますので、その三千七百六十三万というのは年間でなく、約半年分の予算とお考えいただきたい。そういうことを申し上げたわけでございます。
○鬼木委員 それは半年分の予算にしても三千七百六十三万八千円でしょう。それは人数も少ないのかもしれぬが、そうすると四十七年度は一億八千万、少し計算が合わぬですね。半年分で三千七百万、翌年は一億八千万、四十八年度は三億、こうなっておるようですがね。しかしその計算の方法があなた方のはあまり事務的じゃないですか。大学あたりのように、助手の方もいらっしゃろうし、講師の方あるいは助教授とか、そういうものの平均がほぼこのくらいだというふうな計算じゃないかと思うのですが、こういう総合研究所だなんというのは、若い学究の徒もたくさんいらっしゃるかもしれぬけれども、これは大ものをそろえなければならぬ、斯界の権威でなければならぬと思うのです。だから一般の大学の平均給料というようなことにはいかぬのじゃないかと思うのです。どうですか局長、そういう点。
○宮地政府委員 先生のおっしゃることはよくわかるのです。世界的な権威者であれば、月給を平均で九万とか十万とかいう、そんな平均値ではとても世界一流の先生は集まらないとおっしゃいますそのお気持ちは十分わかるのでございますが、ただ国家公務員といたしましては教育職、研究職といった俸給表が、これは私ども少ないと思いますけれども、現行ではその俸給表の適用をせざるを得ないということで、俸給表がもとになるわけでございます。したがって私どもとしましては、四十六年度の研究職の方の内訳を、恐縮ですが少し詳細に申し上げますと、大学の教授に当たります一等級の方を七名、それから助教授に当たります二等級の方を七名、それから講師に当たります三等級の方を七名、それから助手に当たります四等級の方を五名、こういうふうにいたしまして、それぞれ一等級の方七名には、これに十万円足らずの平均値の掛け算で予算が積算されておる。しかし具体的に発令をする場合は、一等級四号ではなくて、一等級十号の大学の学部長みたいな方、それと同等の人をお願いするといったようなこと一になりますので、具体的な張りつけでは平均値を使うわけでは毛頭ございません。ところでいかように御説明申し上げましても、それにしても一人の月給が二十万円以上くらいはやれといったような、かりにお気持ちとしますと、わが国の俸給制度がそういうふうになっていないので、気持ちは十分わかるのでございますが、基本的な俸給表を直されない限り、まことに遺憾でございますが、私どもとしては今日の段階ではいたしかたない、こういうふうに思うわけでございます。
○鬼木委員 やはり大臣もそういうお考えですか。
○坂田国務大臣 初中局長が御答弁申し上げたとおりでございますが、しかし先生の御指摘は、やはりこの総合研究所というものをつくったからには、一流のすばらしい人材を集めなければならぬので、そういうことにとらわれないで特別の俸給をやれるようにしないことには来ないじゃないかと、これはもう御指摘のとおりじゃなかろうかと思います。ただ日本の研究職というものの俸給表がございますから、ただいまのところはこれでできるだけ人材を集めたいと考えております。しかし私といたしましてはここで満足をいたしておるわけじゃございません。やはり研究職というものにつきましては、ただいま御指摘ございましたように、民間等における研究所の職員の俸給あるいはまたその使います研究費というものがかなり高い、また高くなければやっていけない、こういう実情にございますから、研究職全体としての俸給のアップということは別途考えなければいけないのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。先生のところでも今度創価大学をおつくりになって、そして相当な学者をお集めになって、その困難な点も御承知の上でお話しになっているだろうと思うのです。その意味から申しますと、直轄の研究所の職員の俸給はきわめて低いわけでございまして、これではほんとうにいい人材は集まらないんじゃないかというお気持ちをお持ちになることも無理からぬことだと思います。でございますけれども、そういうような俸給表ではございますけれども、また日本の学者は、自分の専攻いたしまする職分というものに対する生きがいと申しますか、そういうことについて非常に考えておられるわけでございまして、かなりの人材が集まり得る、またそのための最大の努力をしなければならないというふうに私は思います。しかし、これでもう満足だというふうには思っておりませんので、直轄の研究所の職員の待遇改善あるいはレベルアップ等はまた別途根本的に考えなければいけないというふうに私は考えまして、実は大学の教授の俸給あるいはまた研究所等における俸給等についても、このあたりで相当思い切った政策をとらなければいけないと、大臣といたしましては考えておるわけでございます。
○鬼木委員 局長もるるお話しになっておりましたように、国家公務員としてそういう一つの給与の体系がございますから、事務的にそういうお話は私も了としますが、いい、りっぱな人材の方が、国家的オーソリティーの方がはたしてお集まりになるかどうか、その点を実は心配をしておるわけで、いま大臣もおっしゃっておられましたが、私どもも多少の経験を持っておりますけれども、人材を集めようとしてもなかなか容易なことじゃないのですよね。でございますから、そういう点に御自信があるのか。この予算面を見てみますと研究費というのはどこにもないようでございますが、そういう研究費というような予算も十分あり余るようにお考えになっておかないと運営がうまくいかぬのじゃないかと私は思うのです。そういう点が一番大事じゃないか。これは優遇した上にも優遇する。これは何らかの方法で優遇する方法は、私は考えればあると思うのですよね。表面立った給与の面ということになれば、いま御説明のとおりかとも思いますけれども、優遇の方法はあると思うのです。またあります。ですから何らかそういうふうなことを考えておられるのか。これは単に表面的だけでわれわれにこうして予算をお示しいただいたのか。そういう点をおっしゃることはよくわかるのですよね。よくわかりますけれども、何といったってこれは日本最高峰の研究所でなければならぬわけですから、私はその点を非常に危惧しているのです。
○宮地政府委員 研究者の給与につきましては、先ほど大臣もおっしゃいましたように、私どもも研究者に報いるわが国の給与制度そのものに問題があるように思います。一応そういうことでございますが、またそういうことであるだけに、こういう研究者の方々がわずかな給料から金を出して本を買ったりというようなことはできる限り避けて、いわゆる先生のおっしゃいます運営費の中に研究運営費として、できる限り十分な研究運営がしていただけるようにということで積算はいたしております。数字的に申し上げますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、いわゆる研究費と称するものと、大きな設備等は別といたしまして研究者が自分の研究室で研究をする場合にこまごました器具等を買う経費あるいは図書購入費、こういうものを合わせまして一人当たり三百九十一万、約四百万円はかりの金か——これは研究所では何も一人ずつに四百万やるわけではございませんが、かりに一人当たりにパー・ア・ヘッドではじきますと給料のほかに約四百万ぐらい研究用のものが積算してあるわけでございます。もちろん大きな機械器具等は別に予算で積算いたしております。
○鬼木委員 いや、その四百万ということの計算はどういうふうに計算をするのか。これはまことにあらましが書いてあるのでわかりませんけれども、「人件費・運営費等」の中に研究費が入っておるのか。あるいは「設備整備費」の中に図書費とか研究備品、それから庁舎の備品も入っておる、こういうものをひっくるめての研究費とおっしゃっておるのかどうかわからぬですが、平均して一人当たり四百万とおっしゃっておられるけれども、これもまた皆さん御承知と思いますけれども、一つの機械を貰うにしても四百万、五百万ぐらいなものは何ぼもありますからね。だからかけ声は四百万とおっしゃっていますけれども、これは何かほかにあるんじゃないですか。どうも私はこの予算面を見てもまだはっきりのみ込めないのですよ。
○宮地政府委員 どうも説明がまずくてまことに恐縮でございます。先ほど来先生がおっしゃっておられます人件費、運営費合わせまして三千七百六十三万とございまして、そのうちに人件費は二千四百万円でございます。それで残りの千三百万円というのが研究運営費でございます。それで先ほど私が申しました一人当たり四百万といいますものは、何百万のような器具、設備というものは、これは予算上は他の設備整備費等、これは庁舎備品等も含みますが、研究備品等という中に入っております。そうではございませんで、その先生が直接自分が実験するために、ちょっと正確な金額を忘れましたが、たしか五十万円前後、少なくとも百万円以下のものをその先生が研究室で使われるという場合の経費でございまして、何百万というようなものは、先ほど来申し上げておりますように運営費ではありません。一人当たり四百万と申しました中に百万以上こすようなものの経費は入っておりません。それは別途設備費として積算するわけでございます。
○坂田国務大臣 私の記憶が間違いでございませんとすると、日本の公の機関における研究者の一人当たりの平均の研究費というのは大体四百万くらいでございます。しかしこの四百万がきわめて低いということは御指摘のとおりで、私はこれはもう少し今後思い切って上げていかなければいけないということはいえるかと思います。私ちょっとOECD等で調べました一人当たりの研究費は平均四百万から数百万、ところが先進国等におきましては、これが大体一千万から千五百万、あるいは二千万程度が最高だと思いますけれども、そこまではいかぬにしましても、四百万円ではいかにも低い。この点を積極的に政府全体として、単にうちの直轄の研究所だけではございません。科学技術庁その他の研究所等におきましてももう少し研究者に対する優遇の道を開かぬことには、創造的な研究あるいは発明、発見というものができない。いままではよその国のパテントを買って、そして何とか経済成長あるいは産業構造の変化に対応してまいりましたけれども、これから先はやはり日本が独自の研究の成果をおさめていくというようなことでなければ、科学技術、科学技術と申しましても、私はあるところで壁につかえてほかの先進国と競争ができないのじゃないかというふうに思うわけでございます。だから先生がおっしゃいますところはまさにわれわれの足らざるところを指摘されました御質問であるというふうに私は率直に思っておるわけでございます。
○鬼木委員 私もいま大臣のおっしゃったよう尺どうもこの予算を見てはちょっと納得がいかなかったのでお尋ねしたので、別にこれで追及するとか責めておるわけではありません。そういうことでちょっと私納得しかねたから申し上げたので、いずれにいたしましてもこういう総合研究所なんというのができるということはたいへんけっこうなことでございますから、ますますすべてに御研究なすってりっぱなものをつくっていただきたい、こういうふうにお願いをしておくわけでございます。 それから四十八年の四月からはもう全面的に開所する、そういうふうにおたくのほうから資料をいただいたのに載っておりますが、最終的には一万七千名くらいの研修生ですか、それを収容してやるというようなことですか。
○宮地政府委員 研修生と申しますのは特殊教育の学校の先生方が中心でございますが、完成年度には年間三百五十人の研修生を見込んでおります。
○鬼木委員 そうするとそういう三百数十名の方方を全国的に呼びかけて、そしてそこで訓練をする。そういう方の宿泊施設とか寮の制度とか、そういうふうなことの御計画はもうあっておるわけですか。
○宮地政府委員 長期の研修生のためには、長期研修者の宿泊所を構内につくる予定でございます。
○鬼木委員 それは四十八年度から全面的におやりになるということはここにも書いてあるようですが、そういう施設なんかの計画はこれに載っていないのですよ。おやりになるというただ考えだけであって、実際はどういうふうになさるのか。
○宮地政府委員 第二期工事がこの十月ごろから始まりますが、その第二期工事の中でいま先生がお尋ねの宿泊所は着工する予定にしております。
○鬼木委員 それは予算面にはどこへ出ておりますか。どういうふうに説明してあるのでしょうか。その計画が、収容人員はどのくらいとか、どういうふうに建設するとかいう、各年度における建築費、建築費、建築費、その中に入っておるのですか、この建築費というのは総合研究所の建築費だと解釈しておったのですが。
○宮地政府委員 いまお尋ねの建築費の中の四十六年度の第二期分という中に宿泊所が入っております。したがいまして、宿泊施設、それから附属学校のような実験施設、研究施設、研修施設、これらを全部総合研究所の建築費という中で一体に考えておるわけでございます。総合的なものがすべて研究所の施設ということでございます。
○鬼木委員 わかりました。じゃその中に全部含めて宿泊施設もおつくりになる、こういうことですね。そういう点を私は知りたかったのですが、そうすると、三百六十名くらいを収容する、事実三百六十名の方を収容するというと、建坪も相当なものになると思いますが、この建築費でできますかね。どういうふうな割り振りになっておるのか。それは別に予算審議をしておるのじゃないから、それがはっきりなっておればけっこうですよ。これは総合研究所の建物の建築費という予算のように私は承知しておるのですが、そこのところはちょっと違いはせぬかと思いますね。
○宮地政府委員 どうもまずうございました、延べ数で申しまして。直接同時に泊まり得るものは百五十人でございましたので訂正させていただきます。
○鬼木委員 これはまた別に、きょうは予算委員会じゃないですから、予算のことをそうあまりやあやあ言う必要はないと思いますけれども、いずれにしても十分周到な計画のもとにやっていただければけっこうだと思います。 そこで、特殊教育の振興に関して衆議院の文教委員会で四十三年の八月に決議をしておるようですが、その決議に対してどのように手を打たれたか、またやっておられるか。たとえて言いますならば、「特殊教育の内容及び方法を刷新改善し、」これは刷新改善して五カ年計画で大臣がおやりになっておるから……。ところで「教員の養成と待遇の改善に努める」、こう衆議院の文教委員会で決議はしてありますが、教員の養成と待遇の改善をどのように改善されたか。教員の養成に対してはどのように系統立てて、あるいは段階的にでも何らかの形で具体的にどのようにやっていらっしゃるか。これは分科会でも局長が御説明になっているのですね。「教員養成につきましても計画いたしておりますが、まことに言いわけがましゅうございますが、所管局が大学の関係で、ちょっと私、教員養成計画数を持ち合わせておりませんでしたが、教員養成計画も当然織り込んでおりまして、国立大学に特殊教育の教師養成のための学科をつくりまして、例年二学科か三学科程度と思いましたが、はっきりした数字を持ちませんのでまことに恐縮ですが、当然養成計画も織り込んでおります。」、ただ、これは自信のほどだけを述べられて、具体的には何にもおっしゃっておらぬ。いわゆるから手形を出していらっしゃるのですが、その点、衆議院の文教委員会で教員の養成と待遇の改善という決議が出ておるのに、これに対してどのようにおやりになったか。特殊教育の教員の養成、それから待遇をどのように改善されたか、その点をお伺いしたい。「施設設備の整備充実を図り、」、これは五カ年計画でいまおやりになっておるという御答弁。「特に養護学校について、その設置を促進し、」とあるのですね。これも肢体不自由児なんかの方の、あるいは精薄児の皆さんなんかの養護学校は、まだ未設の県があるわけですね。そして「もって義務制を完全実施すること。」、このように強力な決議が出ておる。これは第二項としてですが、まずその点をひとつ。 第一項は「国立の中央機関を設置すること。」、こういう決議になっていますね。で、国立の中央機関、いわゆる総合研究所をおつくりになったのだろうと私は推測するのですが、第二項の問題について、どのように決議を尊重されて文部当局はおやりになっておるかということをお尋ねしたい。
○宮地政府委員 決議の二項でございますが、いまお尋ねの教員の養成、待遇の改善でございますが、先ほどお読みになりましたのは、私の答弁でございますが、また同じように大学局長はしておりませんが私からお答えいたします。 現在、養護学校と特殊学校の教員養成のコースが四十三大学にできております。さらに本年度には二大学に設置するようになっております。したがって、四十五大学に特殊教育の教員養成コースができるということになります。 さらに特殊教育を担当しようとします教員に対しまして、これは特殊教育学校だけでなく学級等、特殊教育に関します専門的知識、技術等を授けるために、国立の教員養成学部に臨時教員養成課程を設けるといったようなこともいたしております。現在、臨時教員養成課程の設置状況は、養護学校は五つ、言語障害児教育が三つ、肢体不自由児教育が二つ、病虚弱児教育が一つ、十一のコースを持っておりまして、入学定員数は合計で三百二十名という臨時教員養成課程も設置いたしております。しかし、このように計画的に進んではおりますけれども、必ずしもこれで十分でございませんので、今後まだその計画は推進する予定でございます。 さらに、これらの抜本的な問題につきましては、中央教育審議会でも教員養成そのものについての御検討が進んでおります。そういうことで一般の教員の養成とあわせまして、抜本的に今後早急に改革するように文部省としても着手する予定でございます。 なお、待遇につきましては、これは全体の特殊教育学校の先生も、一般の先生と同じように小学校、中学校、高等学校、こういった学校の先生方と基本的には給与改善は同じ面でございますので、一般的な教員の待遇改善、俸給表の改善ということが根底でございますが、その上に特に特殊教育の学校の先生ということで現在八%の調整額がついております。なお、一般の教員の処遇改善につきましては、これも中央教育審議会の御研究もございますが、それらとあわせて今後抜本的な改善が行なわれることと存じます。 さらに、いま国会の他の委員会で御審議いただいております教員の待遇改善の一環として教職調整額、いわゆる超過勤務処理を含めましての法律改正もいま御審議いただいております。そういったようなものすべて——これは特殊教育だけではございませんが、上積みされることになります。 さらに、直接給料の改善ということではございませんが、特殊教育の先生方は、子供を預かられる場合、一般の正常な子供の教育以上に御苦労が多いというようなことから、それぞれ一つの特殊学校の学級定数を改善して、一学級の生徒数を少なくする、こういったようなこともいたしております。 なお、先ほど言い忘れましたが、特殊教育は、幼稚部、小学部、中学部、いずれも高等部の先生と同じ俸給表を適用するようにしているということは大きな相違であろうと思います。大体そのようなことでございます。 なお、先ほど八%の調整額と申しましたのは、この決議がございました年度から、従来四%でございましたのが八%になっております。
○鬼木委員 私は局長の御説明に対して反駁するのじゃありませんけれども、養護学校なんかの学級の生徒数を少なくするということは、普通の方じゃないのですから当然のことです。これは健全な方なら一学級四十五名、昔は五十名ということもありましたけれども、それよりも十二、三名の方を少なくなさっておるということをいまおっしゃった。これのほうがめんどうなんですよ。これのほうがもっときついのですよ。だからそれは特殊教育に携わっておる教員の皆さんを優遇するということにはならないのですね。私はあなたのおっしゃることは承服できない、そんなことを言われたって。 それから、あなたはもっと変なことをおっしゃったが、調整手当ということは全教職員諸君に——これは釈迦に説法ですね。超過勤務手当を本俸に繰り入れる、これが調整手当でしょう。だからこの決議は、特殊教育に携わっておる先生方は非常に御苦労なんだから、そういう先生方の待遇の改善をしなければいかぬじゃないか、それに調整手当をつけますから——これは皆さん全部つくのであって、それはあなたのおっしゃっていることは少し的はずれじゃないですか。どうですか局長。では文教委員会のこの決議はそんなことをいっているのですか。これはそんなことじゃないでしょう。
○宮地政府委員 特殊教育の担当の先生には、一般の先生にはない八%の調整額というのがついております。それから決議のありました年から特殊教育学級、学校でない学級を担当する先生も四%の調整額であったのが八%になっております。それだけが一般の先生と違うことで、そこでやめればよかったのですが、全体の先生が上がりますので、それを付加して申し上げました。
○鬼木委員 だから、そういうことじゃ私がお尋ねしていることの答弁にならない。 それから「養護学校について、その設置を促進し、もって義務制を完全に実施すること。」、あなたはその御答弁を何もなさらないけれども、いま私はこの第二項のお尋ねをしているのです。それで、それは大臣のお考えかもしらぬ。あなたがはばかっておっしゃることはできないかもしれないけれども……。
○宮地政府委員 どうも漏らしまして失礼いたしました。 二項には、いま先生が御指摘の教員養成と待遇のほかに「施設設備の整理充実」があって、これは五年計画で、先ほど先生もおっしゃいました。 それから養護学校の設置を促進し、もって義務制を完全実施することという項がございます。そこで私どもといたしましては、今日養護学校は、これは前回予算分科会でもお答え申し上げたと思いましたが、肢体不自由児は全県に一校以上ございます。ところが精神薄弱と病虚弱のほうは二十八ないし二十九の県が未設置でございます。したがいまして、まずこの第一段階といたしましては、未設置県を解消したいということで養護学校の未設置解消を最重点といたしておりまして、年次計画ごとで毎年四十四年度から十八校ずつ養護学校を増設いたしております。そういうことで四十八年度までに少なくとも一校以上は各県に設置できるという予定で計画的に進んでおります。したがいまして、ただ義務制にいたしましても、いろいろな事情で混乱を起こしてもいけませんので、ともかく義務制を最小限発足させるとするならば四十九年度からはという一応の目標をもちまして、義務制にしても一校あればそれで事足りるわけでございますが、ただ形式的に一校持っておるから義務設置の法律要件は満たしたということでは十分でございませんので、その点を勘案いたしますと、もう少し馬力をかけないと、四十九年度から義務設置にしたのではただ形だけのことになりはしないかということでいろいろ検討もいたしておる状況でございます。
○鬼木委員 あなたのおっしゃったように、そういう点を文教委員会では懸念してこういう決議をつけたと思うのですよ。いまの御説明によると、四十四年度から十八校ずつですか、これを設置して、未設置の県のないようにしたい、四十九年から完全義務制に持っていくようにしたいということですが、私はそういうことじゃ十分じゃないと思うのです。それでここには「義務制を完全実施すること。」と書いてある。それで、はたして四十九年度から完全にいけると思われますか。局長さんはどうですか。
○宮地政府委員 先ほど来申し上げておりますように、ただ形だけはいきましても、おっしゃいますように実を伴った完全実施という点では不十分だと考えております。したがいまして、先ほど来申し上げましたように、四十五年、六年と十八校ずつの設置をいたしておりますが、もっと馬力をかけないと完全実施、名実ともに義務制にしたことにならないのではなかろうかという考えで、今後一そう馬力をかけたいということで検討しておるわけであります。
○鬼木委員 了解しました。 それでは、その次の三点で「心身障害児に対する職業教育は、社会復帰への重要な前提要件をなすものであるから、これが改善充実について、格段の意を用うべきこと。」、こういうふうに決議しておりますが、今日までどれだけの人が職業教育を受けて、社会にどれだけ復帰したか。それが心身障害児の何%に当たっておるか。その点ひとつ。
○宮地政府委員 この決議のいま御指摘の三番目の心身障害児に対します職業教育でございますが、特に特殊教育学校の高等部の職業学科を、従来のいわゆるはり、あんまといったようなもの以上に、盲学校ですと理療料、リハビリテーション科、調律科、音楽科、こういったような学科、さらにろう学校では工芸科、理容科、美容科、被服科、窯業科、機械科、塗装科、印刷、クリーニング、歯科技工といったようなもの、さらに養護学校どは商業科、工業科、その他いろいろの学科を増設いたしております。 なお卒業後の状況でございますが、盲学校の本科の卒業生はほぼ全員就職でございますが、はり、あんま等では九六%、その他音楽、調律、印刷、木製品製造等に就職いたしております。 なお、いま先生が直接お尋ねのいろいろなそういった統計はちょうど持ち合わせておりませんので、もしわかりますれば後ほど御説明させていただきます。
○鬼木委員 大体心身障害者が五十数万おる。その中で職業訓練を受けた者は何%であり、そして社会に復帰した人が全体の何%かということがわかれば、今日の職業教育の大体の動向、推移というものがわかるわけですよ。大体特殊教育を受けているのは全体の三〇%なんだから、今度心身障害者の職業訓練を受けて社会復帰した人が全体の何%あるか、そういうことはやはり一応われわれは知りたいですからね。こまかい質問要綱にはそういうふうなことは申し上げなかったかもしれぬけれども、そういうことはやはり特殊教育の動向を見るために——まあ大臣は五カ年計画でおやりになっているんだから、どの程度までいまいっている、それがどうだということはやはり教えていただけるような体制になってもらわぬと、五カ年計画はわからぬじゃないですかね。いやそれはおわかりにならなければいいです。何もいじめているんじゃないですから。
○宮地政府委員 先生のお尋ねにぴったりお答えにはならないと思いますが、盲学校の卒業生で本科卒業生の比率を見てみますと、専攻科等へ進学が八五%、就職が一三%、その他が二%ということになっております。したがいまして、就職を社会復帰と見ますれば一三%で残りの者は進学ですが、その他の二%に当たる者が復帰していないということになろうかと思います。 専攻科では八%が進学し九一%が就職し、その他の一%余り、二%弱が復帰していない、就職していない。あるいは家庭の仕事に従事しておるかどうかという点もございますが、そういうことでございます。 それからろう学校のほうですと、六%が就職、進学でないということでございますので、約六%の者は先生のおっしゃいます社会復帰ができていないということであろうと思います。 盲ろうのほうは就職、進学者が多くて、社会復帰していないように思われる者が非常に少のうございますが、養護学校のほうは就職が六〇%、進学が七%、その他が三〇%余りございます。したがって三分の一ばかりの者が就職もしない。あるいは中には家庭で家業の手伝いというのがあるかもしれませんが、約三分の一がいわゆる社会復帰していないんではなかろうかと思われるような統計数字になっております。
○鬼木委員 その点は、また私参考になりますので、あとで資料をつくってください。 その次に「幼稚部の計画的増設」ということになっておるようですが、これは五カ年計画をどういうふうに具体的に計画してあるのですか。
○宮地政府委員 幼稚部につきましては、特にこういう特殊教育の対象になる子供の早期教育ということはきわめて重要であるというような観点から、四十四年度からいままでの計画を、四十六年度から新しい五カ年計画を立てまして、ろう学校の幼稚部では、五歳児のほか四歳児、三歳児の学級それぞれ三学級ずつを、すべてのろう学校に幼稚部を持たせたい、盲学校、養護学校では、五歳児の幼稚部をすべての盲学校、養護学校に持たせたい、こういう基本的な計画で進んでおります。その計画を裏づけるための予算といたしましては、新設を大体五十学級、すでに幼稚部等ありますのを増設していくというものが十学級、合わせて六十学級、これは四十六年度はそういう計画でございますが、そういうことで施設さらに設備費の助成を行なうという計画で進んでおります。
○鬼木委員 そうすると最終年度にどういうことになりますか。
○宮地政府委員 四十六年度からの五年計画で、五年目の昭和五十年には、いま申しました、現在ありますろう学校に三歳児、四歳児、五歳児の幼稚部が全部できる。それから現在ございます盲学校、さらに今後増設、毎年十八校と申しましたが、それを含めまして五十年までに、ございます盲学校、養護学校に五歳児の幼稚部がそれぞれ一学級ずつは持たれるという計画でございます。
○鬼木委員 そうしますと、幼稚部の計画的増設といいますか、四十四年度、四十五年度、四十六年度と、幼稚部の計画的増設の内容を年度別におっしゃってみてください。そうしまして、幼稚部の数と計画と大体はまってしまうかどうか。私の計算したところでははまらないようです。
○宮地政府委員 実は四十四年度から五年計画を策定して、四十四年度、四十五年度と進んでまいったのでございますが、諸般の事情から四十六年度に変更いたしまして、新たに四十六年度を一年度として新五年計画に切りかえました。そこで、四十四年度から計画いたして、四十四年度、四十五年度と二年で、三年目の四十六年度から変更したのでございますが、変更前の四十四年、四十五年は三十五学級ずつということでございましたのを変更いたしまして、四十六年度から向こう五年計画ということで、先ほど申しました新設、既設合わせて六十学級ずつを今後五年間設置していきたい、こういう計画に修正したわけでございます。
○鬼木委員 そうしますと、私また計算し直さなければいかぬけれども、そうなるかもしれません。四十四年、四十五年度は三十五学級ずつやっておられたから、いまのはちょっと計算が合わないように思ったから、その点をお尋ねしたのですが、四十六年度から変わったわけですね。計画が中途において、四十六年度から新たにまた五カ年計画ということで、六十学級ずつ、こういうことになったわけですね。それは前進ですから、たいへんけっこうなことだと思うのです。 そこで、ずっとお尋ねしてきますと、残ってくるのが、ほんとうに気の毒な就学免除とか就学延期とかいうような、一番気の毒な、かわいそうなお子さん方の問題になってくると思います。六番目の、心身障害児の治療に当たる専門医師の計画的養成につとめる、治療教育の徹底を期する、この点をひとつ私はお聞きしたいのです。これはどういうふうにやっておられるか、これが一番大事じゃないかと思うのですが、心身障害児の治療に当たる専門医師の計画的養成、特殊教育機関と治療機関との緊密な連携をはかる、治療教育の徹底を期する、これの現実の姿をひとつお尋ねしたい。これは文教委員会でほんとうにいいことを決議していただいたと、私は全く感謝にたえないのですが、局長どうですか。
○宮地政府委員 この決議の六番目は、「心身障害児の治療に当る専門医師の計画的養成に努めるとともに、特殊教育機関と治療機関との緊密な連けいを図り、治療教育の徹底を期すること。」ということでございます。そこで、これは厚生省ともいろいろお話し合いをし、御協力もいただいておりますが、直接専門医師の計画的養成ということは、ちょっと私のほうからお答えしにくうございますので、次の特殊教育機関と治療機関との緊密な連携、この点について申し上げますが、基本的な考え方といたしまして、重度の、しかも重複した障害児、先生のおっしゃいますまことに気の毒なそういう子供の教育ということで、養護学校につきましては、できる限り医療機関と隣設ないし併設するような形で、養護学校や特殊学級はできる限りそのような形で置くという基本的な考え方を持っております。そこで、現在精薄の養護学校は百一ございますが、そのうちの十四校が医療機関と隣設ないし併設された形でございます。それから肢体不自由児の養護学校、これは九十八校ございますが、そのうち半数以上の五十五校は医療機関と併設、隣設の形でございます。病虚弱のほうは、これは主として療養所関係でございますが、病虚弱の養護学校四十校のうち、これも過半数の二十七校がそういう療養所と併設、隣設して建てられております。したがいまして、精薄、肢体不自由、病虚弱等の養護学校二百三十九のうち、九十六校、約二分の一弱の学校はそういう形でつくられております。 さらに、そういう医療機関に併設されたような形になっております特殊学級、これは実はその医療機関の近くにあります普通の小学校、中学校の特殊学級ということに法律的にはなるのですが、医療機関の中にある特殊学級、精薄は二百五十、肢体不自由十五、病虚弱五十七、合わせまして三百二十二の学級がそういう医療機関に併設されてございます。 また、こういった子供に対します教育と医療との連携といったようなことはまだ不十分で、十分開発されておりませんが、最近ベッドサイドティーチングを強化するといったようなことで、具体的には閉回路テレビ設備を導入するといったようなことでございます。しかし、まだまだ治療機関と特殊教育機関とが力を合わせてそういう不幸な子供の治療と教育に当たるという点につきましては、いろいろ協力し、開拓しなければならない分野がございまして、御審議いただいております特殊教育の総合研究所では、特にそういったことを研究、開発をしていただきたいということで、久里浜病院に隣接してこの研究所を設けましたのはそういう趣旨でございますし、この研究所に、もちろん医師の免許状を持った医学の関係者にも研究員としてお願いしたいと思っておりますが、久里浜の病院のほうにもいろいろ協力をしていただいて、今後そういう点について十分研究し、開発していきたい、こういうふうに考えております。
○鬼木委員 そこで、いま専門医の計画的養成につとめるということは私のほうから言いにくいというお話でしたが、これは厚生省と十分合議されて、むしろ文部省のほうから厚生省に働きかけて、これは当然推進していただかなければならぬ問題だと私は思うのです。文部省としては私のほうから言いにくいとおっしゃるが、私はそんなものじゃないと思うのです。局長はどうお考えになりますか。これは文教委員会の文部省に対する決議ですよ。むろん厚生省も含んでおるかもしれませんけれども、さしあたって文教委員会で決議しているのですから、あなた方のほうから厚生省に積極的に働きかけるというのは当然だと私は思うのですよ。その御見解はどうですか。
○宮地政府委員 どうもことばがまずうございました。私言いにくいと申しましたのは、直接医師の計画養成は文部省の所管でないという意味で申し上げましたが、厚生省へ言いにくいのじゃございませんで、厚生省へはいま先生がおっしゃいます御趣旨のように十分御協力もお願いすべきでございますので、今後積極的に、この研究所のこともございますし、そういうこととともに、特殊教育、子供の教育ということを十分関連のある、理解のある、そういう専門のお医者さんの養成ということは、ぜひ厚生省にも強力に協力方をお願いしたいと思っております。
○鬼木委員 協力方をお願いしたいと思っているのですか。現在協力を盛んに要請しているのですか。五カ年計画の中には入っておるのですか。具体的にこういうふうにやりたいということが入っておるのですか。いまから厚生省に強力に専門医を養成するということを働きかける、いまからスタートするのですか。
○宮地政府委員 先ほど来養護学校あるいは特殊学級を医療機関に隣設ないし併設するというようなことで進んでおると御説明申し上げましたが、当然いままでそういう形で進んでおりますところは、医療機関と教育機関が相互に協力してやっていただいておるわけでございまして、従来からもそういう点はお願いしておるところでございます。したがって、従来からもお願いしておりますが、今後とも一そうさらにという気持ちを持っておる次第でございます。
○鬼木委員 これはたいへん大事なことで、私はゆるがせにできないと思うのですね。いずれもゆるがせにできません、これははっきり憲法第二十六条によってうたってあるのですからね。教育基本法にも、すべての国民はその能力に応じて教育を受けるところの権利がある。だから、就学を延期するとかあるいは免除だとかいうことはあり得べからざることだと私は思うのですよ。これが根本でなければならぬと思うのです。そういうかわいそうなお子さま方は気の毒だ、何とかしてあげなければならぬというのは当然のことですけれども、これは道義上、人道上言うことであって、憲法、教育基本法において、これははっきり教育しなければならぬ、受ける権利があると明記してあるのですからね。だから健康な者を、教育しやすい者を教育するということが教育の本義でなくして、すべての国民はその能力に応じて教育を受けるところの権利があるのですから、これがあくまで先行しなければならぬと私は思うのですよ。でございますから、あくまで教育というものは、全国民のおのおのの能力に応じて適切な教育を施すということが絶対ですね。絶対のものでなければならぬ。気の毒な人だから特にしなければならぬというような考えは、それは道徳的な、人道的な問題であって、基本的に個人の人権を尊重するという意味の問題であって、教育という立場から立てば、はっきり教育基本法、憲法によって当然これは一人も漏れなく教育しなければならぬ。それを就学延期だとかあるいは免除だとかいうことはあり得べからざることだと思うのです。そういうことはあってはならないのです。そういうところの見解は、局長さんどういうふうに——大臣でけっこうです。
○坂田国務大臣 もうその点はお説のとおりでございまして、われわれは憲法及び教育基本法にのっとりまして、その能力に応じた教育を受ける権利を持っておられる方々に対して責任を負うておるわけでございます。ただ、日本の状況といたしまして、心身障害の子供を持っておる親御さんのほうにも、実を申しますと、将来の結婚の問題とか、あるいはそれを隠すとかというような風潮があったこともいなめない事実でございましたけれども、しかし最近におきましては、ようやくこの権利思想というものも当然出てまいりましたし、それからまた親御さんのほうにおいても何とかしてこの子供にできるならば教育を受けさせたい、こういう強い気持ちがだんだん出てきたわけでございます。そういうことで、今後とも一人の子供についても教育の機会均等を与える、その能力に応じて適正な教育を与えるということが、国として、文部省としての責任であろうかと考えておるわけでございます。
○鬼木委員 だからその点は、これは文部大臣を責めたってしかたないと私思うのです。いま急に、精薄児だとか肢体不自由児というのは、あなたが文部大臣に就任されたらできたというわけではないのだから、あなたを責めるわけではないけれども、そういう特殊教育のおくれということに対して、いま大臣のおっしゃったように、御父兄方にそういう考えを起こさせるということは、私は国自体の誤りだと思うのです。非常に重度の身体障害者ならその障害者を教育するような国家の機関があれば、御父兄だって喜んで出される、安心して出される。そういう教育を受ける権利があるのにもかかわらず国はそういう施設を怠っておる、私はそう考えます。そういう至れり尽くせりの施設があれば、私は皆さん喜んで出されると思うのです。いま大臣のおっしゃるようなこともそれはあり得ると思うのです。私も同感です。しかし、そういうことはだれが一体させたのだ、かように申し上げたいのですよ。 最近はなかなかむずかしい問題が、あれはどこでしたかね、東京のあるところで、そういう非常にかわいそうなお子さんをお持ちの御父兄が、就学猶予というようなことに対して、いけない、絶対に入れてもらわぬと困ると、何か全部で一つのそういう組合というとおかしいのですけれども、話し合いをまとめられて、それで教育委員会に申し込まれたというような話もあるんですね。言いかえれば、こういう子供を入れるところをなぜつくらないか、なぜ入れてくれないのか、ちょっと大臣のおっしゃることと私ども考えておったこととまた違ったケースなんですけれども、私はこれが当然だと思うのです。まことに気の毒な方だと思うのですね。だからそういう点を早急に——大臣はこういうことをおっしゃっておった。特殊教育振興法といった特別法の制定を希望しておる、心身障害者対策基本法の精神にのっとり、特殊教育のより飛躍的な充実を期するためには、特殊教育振興法といった特別法の制定を希望しておる、そういうことを大臣はおっしゃっておるようです。大臣、そうですか。
○坂田国務大臣 いま仰せになりましたように、この点について日本の文教といたしましても非常におくれておるということは繰り返して申しておるところでございますが、一面におきましては、先ほど申しましたような親御さんのほうにもそういうことをためらうといいますか、そういう風潮があったことも事実であるわけでございます。またもう一つは、心身障害児と申しましても、はっきり教育方法がわかっておる部面と、それからたとえば、盲ろうあるいは精薄等が重なりましたダブルハンディキャップの重症障害と称されるもの、あるいは自閉症あるいは情緒障害というようなことについては、まだ教育方法それ自身が実は確立されていない。したがって国立総合研究センターをつくりました意味もそこにあるわけでございますが、そういうかわいそうな子供たちを、たとえば施設はございましても、その教育方法が確立していない場合は、これはやりようがないという問題が一つ残るわけでございます。 それからもう一つは、同じ精神薄弱あるいは盲ろうというふうにダブルハンディキャップがありました場合でも、頭の能力の問題、これがどの程度までならば教育ができる、あるいはできないという、そこのところも実はまだはっきりいたしておりません。言うならばそれを判別する人もいない。こういうこともいわばこの特殊教育総合センターによって研究の成果が発表され、そしてそれを実際にやってみて、その効果が行なわれるということの積み上げも行なっていかなければならない、こういうことかと思うわけでございます。 しかしながら一面におきまして、親御さんたちのほうも非常に自覚が高まってまいりまして、いま先生御指摘のような、むしろ子供たちを何とか国でしてくれというような強い要望あるいは要求というような形になってきているところも私はあろうかと思うわけでございますが、最近手をつなぐ親の会というものが結成されて、そしてこれが全国至るところで盛り上がりつつあります。こういうようなことで、昨年の夏育成会の大会が北海道の札幌で開かれました。私そこにまいりまして、そして何とかして国民一般の方々の認識、理解を深めるということが非常に大事だ、それを背景としてわれわれはやはり特殊教育振興策と申しますか、そういう方策をひとつ立法化したらどうかというような議論もこの際出てまいっておるわけでございまして、そういうような機運にはやはりわれわれとしてもこたえていかなければならないのじゃないかということで、実はまだ準備をいたしておるわけでございます。 でございますけれども、御承知のように国といたしましても心身障害の基本法というものもできましたし、それに基ずきまして特殊教育振興法であるとかあるいは養護学校の義務設置であるとかいうようなことに漸次つなげていかなければならないのではないか。もちろん私たち当面の責任者といたしましては、前向きに前向きに考えていかなければなりませんが、同時にやはり国民のあらゆる階層の御協力のもとに、私はこれを進めていくということがやはり大事であるというふうに思って、ただいませっかく準備をいたしておる、こういうことでございます。
○鬼木委員 いま大臣がおっしゃったから私も思い出したのですが、精神薄弱者育成会というのがあるようですね。その方々が全部集まられて、まあ先ほど大臣のおっしゃったような、そういう考えもあります。それは私も承知しております。ところがまた一面、その学校へどうしても入れたいと思うけれども、そういう養護施設がない。だから教育が受けられない。泣く泣く就学猶予を申し出た。そういうようなことも新聞記事でも拝見したと思いますが、これは親というものは、むろん心身ともに健全な子供であれば一番満足でございますけれども、親の煩悩というものは、子供にどこか欠陥がある、精神的にもあるいは肉体的にも、いわゆる心身ともに親の心配になるような子ほど親はかわいいのだ、煩悩がかかっておる、こう思うのですよね。だから何とかしてこの子を入れたいと思っても施設がないから泣く泣く就学猶予をしなければならぬ、こういうことも現時点においてはある。先ほど大臣が国民の皆さんの御協力を得たいとおっしゃっておるのですけれども、すでにそういう時代の流れといいますか、ほうはいとしてそういう考え方、私はこれが正しい考え方だ、こういう考えがあるのだと思う。これはうっかりしちゃおれぬぞ、だから特殊教育振興法というようなものをつくって、法的にこれを明確にすべきではないかということを大臣がおっしゃったということを聞きまして、私も大臣の識見の高いのに非常に敬服したのですが、これは当然私は大事なことだと思うのですよ。こういうことがあってこそはじめて佐藤総理の言われる人間尊重、そういうふうに考えるわけなんですよ。でございますから、特殊教育ということについては大臣は非常に御熱心にやっていただいておりますので、私どもほんとうにありがたく思っておりますが、ベッドサイドティーチャーというのが外国にあるそうですね。家庭に入って、そして教科別にちゃんと——日本も重症患者のところには教師が行かれるというようなこともあるのですが、私はこの点に力を入れるべきだと思う。ぜひひとつ特殊教育振興法というようなものを大臣の——まあ一生涯文部大臣をやられるわけではないが、なかなか有力な大臣だから、今後は総理大臣にもなろうかもしれない。総理大臣にでもなればなおさらです。けれども、あなたの御在任中にでもぜひひとつこれは実現していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂田国務大臣 私がこの職にあるとないとにかかわりませず、私は、政治家を続けます限りにおいては、この特殊教育の振興のために全身全霊を打ち込みたい、かように考えておる次第でございます。
○鬼木委員 まだたくさんお聞きしたいのですが、もう時間がございませんし、大臣にいつまでも御迷惑をかけてはすまぬ。 これはちょっと話が違いますが、この前分科会でたった三十分しかないものですから、ごちゃまぜに私がいろいろ聞いたものだから、局長さんから特殊教育と養護教諭とは話が違うとおしかりをこうむりたのだけれども、そのくらいのことは私は知っておるつもりだった。三十分しかないものだから、がたがたやったものですからああいうことになったと思うのです。 もう一度繰り返すのですが、今度は話が違うのです。局長さん、そのくらいのことは私も知っているのです。養護教諭について、これもこの前大臣にもお伺いしたのですが、学校教育法の二十八条と百三条には規定がある。百三条には「当分の間、」とある。これは逃げ口上に非常にいいことばで、たとえば、公共料金は当分の間上げません、こうやるのですね。これは私だけの考えですが、選挙前なんというようなときには、当分上げませんといって、選挙が済むとぱっと上げる、こういうようなことがあるいはあったかもしれない、こう言うておきましょう、私の考え違いかもしれぬけれども。そういうふうに当分ということばは非常に便利のいいことばで、これは自分かってに解釈するのですよ。いつでもあの手で当分云云とやるのです。ところがこの養護教諭というものは、学校には校長、それから教諭、事務職員、養護教諭と置かなければならぬ。これは二十八条に載っている。ところがこの前もお尋ねして、重複してはなはだ恐縮千万でございますが、百三条には「当分の間、養護教諭は、これを置かないことができる。」とある。そこでこの前お尋ねしたのです、学校教育法は終戦後できたのであって、もう今日二十五年も三十年もたっているのに、それを「当分」と言うかと。それじゃお互いわれわれが、ちょっとすまぬけれども当分借りておきますよ、それで三十年も借りて、当分借りておったというようなばかなことが言えるか。当分ということばを辞書を引いてごらん、こういうふうに私は申し上げたいのですよ。あれは終戦後のああいう混乱期に新しく学校教育法というものができて、一般の教職員が足らぬ、だから養護教諭よりも一般教諭を集めることに力を入れた。だから当分養護教諭は置かなくてもよいというただし書きが百三条に載っておるわけだ。ところが、今日もう教職員希望者もたいへん多い。先生方も十分あるというようなときに、いつまでも当分、当分、当分で置かない。ある人に言わせると学級数が十五学級以上には置いておりますとか、小さい学校には置いておりませんとか——これは大臣とか局長じゃないけれども、いかにももったいぶったような、愚かなことを言う人がおる。学校教育の何ものかということを全然知らない人です。学校が小さくて生徒数も少ない、先生の数も少ないといういわゆる過疎地、そういうところにこそ養護教諭は要るのです。これも極端に言えばですが、大都会の学校なんかはもしものことがあったって、すぐに指呼の間にお医者がおる。だれでもある。これは御承知のとおりです。ところが僻地だとか非常に不便なところ、あるいは無医村でこういうことがあり得るのです。学校は複式授業をしている。二学級も三学級も一人の先生が受け持ってやっている。それで一年が六人か七人、二年が五、六人、三年が十四、五人、一人で受け持っている。そういうときに病人でも出た場合には、先生はどうにもこうにもならない。そういう小さいところにこそ養護教諭が絶対的に必要なんです。ところが何でも千編一律で、画一的で、大きな学校に置くべきだとか、何学級以上には置くとか、これは事務職員だって同じことが言える。そういう教育行政では——大臣はそういう点は非常に御理解が深いと思いますけれども、局長はいかがですか、ゆう然とお聞きになっているけれども。
○宮地政府委員 申し上げますと言いわけになりますので、まことに恐縮なんでございますが、私どもも、先生のおっしゃいますように養護教諭を一日も早く必置したいという気持ちはやまやまでございますが、現状は御指摘のようになっておりません。ただ、四十四年から第三次の教員定数整備の五カ年計画をいたしましたが、従来と違いまして、この点についていま先生からおしかりを受けたのでありますが、一応教員の定数は学級とかあるいは生徒数というものを単位に計算をいたしておりまして、それまで小学校でございますれば千人に一人ということで養護教諭の計算をいたしておりましたのを、八百五十人に対して一人というふうに積算をいたすようにいたしました。一歩改善でございますが、必ずしも十分ではございませんが、さらにその際四十四年度の第三次五カ年計画では、今後五年間にいわゆる無医村——わが国に百余り無医村がございますが、養護教諭は必ずしも医療に従事するものではございませんで、子供の養護に当たるわけですが、そういうことも考えまして無医村にある学校には必ず一人置くということは、定数の積算として入れることにいたしました。さらに、八百五十人に一人という積算でございますと、小規模学校が、機械的に計算すれば入らなくなりますので、そういったことを勘案して、無医村に一人置くほかに、僻地数の七分の一だけの養護教員の加算をするということで積算をいたしました。したがいまして、この計画で学校全体の約五三%には第三次五カ年計画で行き渡るわけですが、第四次五カ年計画ではその点十分——少なくとも一校に一人ということで努力したいと思っております。なお、この養護教諭は非常に重要でございますが、学校全体といたしまして事務職員とかあるいは図書館職員、いろいろ学校運営上必要な職員定数がありますし、さらに僻地の教育充実という点から、わが国には従来小学校一年から六年までを一緒にして一つのクラスを編制するといった、生徒数の非常に少ないところではそういうことがございましたが、その点は四十八年までに解消して、少なくとも単級複式、あるいは四個学年、五個学年の複式はやめるといったような盛りだくさんの内容がございまして、養護教諭一校一人という目標がまだ達成しておりませんのはまことに遺憾でございますが、先生の御指摘はまことに当然と思って今後努力していきたい、こう思っております。
○鬼木委員 学校の大小によって、生徒数の多少によって養護教諭を置けというような法文はないわけですよ。これはかってにあなた方のほうで、内規を自分でつくっておられるのである、八百五十名以上というようなのは。学校教育法には「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」とあるのです。これは大小だとか生徒数の多少云々というようなことは、何もないんだ。特別の事情のあるときは事務職員を置かないことができる、養護教諭はそんなこと書いてないです。ですから、少なくとも一校に一名ずつは置くように努力いたしたいと思いますと、これはあたりまえのことであって、努力も何もする必要はないんだ。これは置かなければならぬのだ。これは当然のことですよ。ですから、いまあなたのお話を承っておると、無医村には全部置いておるということですけれども、無医村でなくても、僻地で非常に便利の悪いところがたくさんあるわけなんですよ。局長はよく御存じだと思いますけれどもね。御存じの上でそういうことをおっしゃっておると思いますけれどもね。しかしこれは、大臣もそこにいらっしゃるが、たとえば産炭地あたり、もう疲弊してしまって、ほとんど長欠児童だとかあるいは行くえ不明だとか、出欠常ならず不良化するというような場合には、産炭地教育臨時措置法というようなものをつくって、そうしてカウンセラーを置くとか、あるいは生徒数が三十名に減ろうがあるいは四十名以下になろうが、教職員の定員はそのまま配置するというような臨時措置法もできたでしょう。だから、あなた方にそういう意欲があれば、これはやらなければならないというお考えがあればできると思うのですよ。だからぜひそういう点は——それは医者の免状はもちろん持たないし、医者の代行はできぬと思います。だけれども、そういう非常に便利の悪いところに、少々のことならば、学校で学習時間のうちに——家庭に帰っては別ですけれども、学校内においてけがをしたとかあるいはおなかを痛めたとか、頭が痛いとか、熱がちょっと出たとかいうような場合の応急処置とか、あるいはこれは早くうちに帰すべきだとか病院へ連れていくべきだとかいうような緊急な当面の措置は誤らないでできると思うのですよ。その応急処置ができなかったために、あたら一命をなくさなければならぬというようなことが起こらないとも限らない。ですから養護教諭というものは、これは絶対必要なんですよ。これは絶対必要なんです。 私は、旧制の中学校、女学校を三十年ほど、校長も十年ほどやりました。養護教諭はもう絶対、だれが何と言おうが——昔は県に学務課長がおった。学務課長なんか、君たちに何がわかるか、高文か何かとってきてすぐ課長にでもなって、青二才に何がわかるか。それは私はしっかり飛ばしていた。ほんとうに教育というものを考えた場合に、次代をになうところの子供の教育ということにほんとうに真剣に取り組まなければならぬ。ただ規定がどうなっておる、内規はどうなっておる、人数が一人足らぬからこれは学級を減らせ、定員を削れ、そういう機械的なことでは——そんなに極端には局長さんおっしゃってはいないけれども、ややともするとそういう考えがある。とんでもない間違いです。そういう点をひとつ、大臣は御理解の行き過ぎるほど御理解なさっておると思いますけれども、十分そういう点に御配慮願いたいと思うのですよ。大臣の御見解を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 この養護教諭の問題につきましては、分科会以来熱心な御質疑を伺っておるわけでございますが、私どもといたしましても、一日も早くこの学校教育法の二十八条の本則に返るように、これはどうしてもしなければならないというふうに考え、努力を重ねてまいりたいと思っております。
○鬼木委員 実はまだたくさんお聞きいたしたいのでございますけれども、大臣も非常にお疲れのようでございますから、他日またいろいろ教えていただくことにして、局長さん、たいへんありがとうございました。では、きょうはこれで終わります。
○天野委員長 次回は、来たる二十日火曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十一分散会