内閣委員会 第8号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/03/16
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
○上原委員 まず最初に、ちょっとこまかい点をお伺いいたしますが、提案された文部省設置法の一部を改正する法律案の提案理由の説明の中で、いわゆる「特殊教育に関し、主として実際的研究を医学、心理学、教育学、工学などの立場から、総合的に行なうとともに、特殊教育関係職員に対し、」云々というふうにございます。ここで言っている「実際的研究を医学、心理学、」ということは、純然たる特殊教育振興、あるいは特殊教育を対象にした医学、心理学ということと理解していいかどうか、その点を説明していただきたいと思います。
○坂田国務大臣 御承知のように、日本では盲は盲だけ、あるいはろうはろうだけというような教育、あるいは教育方法というものは、世界的に見ましてもかなり進んでおる国だというふうにわれわれは理解しておるわけでございます。しかしながら、盲、ろうのダブルハンディキャップを持った、たとえば三重苦のごとき、そういうふうな重症心身障害の子供の教育方法というものは、実はまだ手探りの状況で、確立をいたしておりません。それはやはり、精神衛生の面あるいは医学の面、それから児童心理の面、そしてそれに対する教育をどういうふうにするかという、あらゆる学問の総合の上に立って検討する課題であるし、そしてそれを教育しあるいは社会復帰をするには一体どうするかという場合に、その先生の養成あるいはまたその指導を実際にやってみるというわけでございまして、単に学問的に基礎的に研究するだけではなくて、それを実際の子供たちにある程度応用していってみる、そこで、研究所でもし成果があがれば日本全国に及ぼしていこうという考え方でこの特殊教育センターというものが確立をしたわけでございまして、その意味合いにおきまして、学校教育の実践に結びついた実際的な研究を主としていこうという考え方なのでございます。
○上原委員 そうしますと、この教育センターが、特殊教育以外の目的で学問研究されるとか、特に医学、心理学という面で拡大的に運営されていくというようなことはないと理解していいですね。
○坂田国務大臣 大体そのように理解していただいてけっこうだと思います
○上原委員 次に、法案とは直接は関係ございませんが、教育行政の分野で一、二点大臣の御見解を賜わりたいと思います。 まず最初に、最近問題になっております大阪大学の不正入試事件との関連におきまして、現職の教育委員長が入試問題を買っていたとか、あるいは現職の小学校長なども関係しておったというようなことが報道を通して明るみに出されているわけです。きわめて遺憾な事件であるし、教育行政面あるいは一般国民の教育行政を預かる指導者なり責任者に対する不信感というものも相当生まれる結果になっているわけです。そういう問題は、直接事件そのものは法務省の管轄であるかもしれませんが、少なくとも教育委員長や現職の学校長が関係をしておった、あるいはその背景というものがきわめて政治的な面もあるし、また学問上からいっても問題があるわけなんです。これに対して文部省としてどういう見解を持っておられるのか、あるいはまたこういう事件に対する対処策といいますか、その解決策としてどういう方針をおとりになるつもりなのか、見解を賜わりたいと思うわけであります。
○坂田国務大臣 大阪大学医学部に対します入学の不正事件というものは、まことに残念な事件であると私は考えておるわけであります。これに箕面の教育委員長が介在をしておったということが、また私のショックでございました。もちろん自分の教育委員会の委員長としての地位を利用した不正ということであったわけではございませんけれども、いやしくも教育行政の最高の責任にある人がこのような事件に関連を持ったということは、これはやはり教育界に対する国民の信頼を失うことにつながっていくわけでございまして、私といたしましてはまことだというふうに考え、この教育委員の任命等につきまして、十分ひとつ地方自治団体においても考えていただかなければならないというふうに思っております。 今度の事件を見てみますと、その背後関係におきましては、やはり医学教育を受けるのに相当たいへんな費用がかかる。公立あるいは国立の医学部、医科大学等に入ります場合にはさほどではございませんけれども、しかし、私立の医科大学、医学部等に入りますためには、かなりの納付金の要求をされる。こういうことになりますと、お金を持っておる者でなければ医学部教育を受けられないのだ、こういうふうなことになってしまうわけでございまして、これに対してやはり国としても、早急に医師養成に対する確固たる計画養成と申しますか、そういうものを考え、でき得べくんば国、公、私立、そうひどい差がないような形で医学教育が受けられるというようなことも考えなければいけないのじゃないかということを私は痛感をいたしておるわけでございます。そういうような気持ちで、今後医学教育につきましては、国立、公立、私立を含めまして、ただいま内部的に検討をしておるということでございまして、近い機会に一応の考え方を皆さん方にも御報告を申し上げたいというふうに考えておる次第でございます。
○上原委員 この不正入学事件と関連するわけですが、また、いま大臣の御答弁の中でも触れられているわけですが、やはり私立大学の医学部やあるいは私立医科大学が軒並みに五百万円ないし一千万円の裏口寄付金を仰いでおった。これは何も自発的あるいは自主的な意味での寄付金じゃなくして、むしろ医学部に入学をする条件とか、ある意味では半ば強制的な立場での寄付金行為と受けとめられると思うのですね。そういう弊害をなくするようにいま御検討なさっているというようなことですが、この状態というのは、このような入試のあり方というのは、教育上から考えてもやはり大きな社会問題だと思うのです。憲法で保障されている教育の機会均等の立場から考えても、あるいは公立の医学部だけではどうしても入学できない、漏れる青少年の夢をくじくことにもなりかねないと思う。金持ちでなければお医者さんにはなれない。そのことが人間育成の面から考えても、医療行政あるいは優秀な医学部門の担当者を育成するという立場から考えても、やはり根本的に検討し直して、もっと私立医科大学あるいは医学部に対しての国庫補助なり、公平にそういった学問研究ができるというような門戸を開いていくべきだと思うのです。この件については、いま大臣の御答弁の中でも関連してあったわけですが、少なくともこれだけ大きな社会問題として明るみに出た以上、早急に文部省としてあるいはまた政府としてその対策を立てて、国民の納得する、医学に関心を持つ青少の納得のいく、希望の持てるような教育行政というものが確立されてしかるべきだと思うのです。この件について、いま少し大臣の御見解を明らかにしていただきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 そういう意味合いにおきまして、実は日本の大学教育一般が、百六十万の学生がございますが、そのうち約三十数万が国立大学で、そして百数十万が私立大学、そして残りが公立大学ということになっておる。にもかかわらず、国立に対しましてはかなりの国費を投入しておるわけでございますけれども、百数十万の私立大学に対しましては、従来あまり国としましてはお金を出しておらなかった。それはまたそれなりに意味があったわけで、私立大学というものの性格からそうであったと思いますけれども、しかし世の中がこういうふうに複雑に発展をしてまいりますと、私立大学の社会に対して果たしておる役割りというものも非常に大きいわけでございまして、アメリカのような国ですらも、連邦政府が四十数%も出すような世の中に変わってきておる。イギリスでは、私大学以外に国立大学がございませんからではありますが、UGCを通しまして八〇%程度の国の助成をしておる、あるいはまた昨年OECDの人たちが日本の教育制度につきまして報告書を出しておりますが、それにも指摘されておりますように、日本の社会において、私立に対おしてあまりにも国が助成をすることが少ないではないか、そのことがいろいろの問題を投げかけてるのだ、大学教育の質の悪さというけれども、れはむしろ私立の教育の内容なんだ、こういうよそうな指摘をしておったことも、私たちは率直にこれを認めざるを得ない、こう思うわけでありまして、昨年から、それこそ明治以来初めてでございますが、私学に対して人件費を含む経常費助成というものも百三十二億計上いたしまして、本年度も第二年度といたしまして相当の私学助成をいたしておるわけでございますが、その気持ちは、おっしゃるように、医学教育を含めまして、特に医学に私学については傾斜をつけまして、そして言うならば、入学金等についても五百万とか千万とか、そういうような常識を逸したような入学金を取らないということを考えまして、私どもは私学に対する助成に踏み切ったわけでございますが、しかし、受けます私立大学、あるいは医学部教育をやっております当の大学から考えますと、一学生当たりどうしても二百万円くらいはかかるわけでございます。そうすると、今日の私立の医科大学の財政から考えると、国からの相当の助成なくしては実際の医学教育を十分に授けることができない。結局本人たちから取らざるを得ないという、率直に言って内部情勢になってきておる、それに対してわれわれは駄っておっていいか。単に人件費を含む経常費助成という形で私学一般について助成を進めていくと同時に、人の生命を預かるお医者さんの養成については、私学にも、公立、国立と同等というわけにはあるいはいかぬかもしれぬけれども、かなりの額の助成をやることによって、そのかわり私学に対しては五百万とか千万とかいうような入学金を本人たちに強要しないということのできるような体制を早急に考えなければならない。これも、私たちだけが考えてこれを押しつけるのもいかがかと思いますので、幸い人件費を含む経常費助成を昨年から始めまして、その窓口として、あるいはその予算の配分、それから私学の振興を目的として設立されました日本私学振興財団、この方々とよく御相談を申し上げ、そして何かそこに医学教育についての抜本的な対策をひとつ打ち出していきたいというのが私のいま考えておることでございます。
○上原委員 いま前向きで御検討なさるという御答弁ですが、やはり私立大学一般に言えることでしょうが、あまりにも企業化している、そういう面にも問題があると思うのですね。一方においては、やはりそういう学校経営をやる財団といいますか、そういうもののモラルの問題もあるでしょうし、少なくとも常識的にあまりにも逸脱をした大学運営のあり方、医科大学のあり方ということは、国民の目から見て、金持ちの子供しか入れないとか、あるいは一部都会の人しかそういう恩恵に恵まれないということになると、人間育成の面からも非常に問題だと思うのです。そういう面で、早急にこの件について国民の納得のいく行政指導といいますか、方針というものを打ち出していくように要求いたしたいと思うのです。 次に、大臣せっかくお見えになっておりますので、沖繩の施政権返還との関連においてお伺いしたいわけです。昨年の臨時国会で私が質問をしたときに、大臣にきれいさっぱり教育委員会の問題についてはお断わりの御答弁をいただいて、さすがに佐藤内閣の文教行政をあずかっている大臣だと私も感心した次第ですが、いま一度、沖繩の施政権返還にあたっての教育行政に対しての政府の大綱を聞かしていただきたいと思うのです。もちろん第一次の復帰対策要綱なり、昨日政府与党間で調整したといわれる第二次の復帰要綱の中でも、ある程度方向づけというものは打ち出されているわけですが、その他いろいろ問題がありますので、政府の基本的な考え方なり、今後復帰との関連においての教育行政の面についてのお考えをまず賜わってから、逐次質問に入りたいと思うのです。
○坂田国務大臣 先生にも本会議でもお答えを申し上げましたように、教育というものは国の基本でございますから、やはり沖繩が復帰をされるという段階におきましては、本土と同じような教育制度のもとにやっていただくうといことが、非常に望ましいことであるというふうに私どもは考えるわけでございます。そういうわけではございますけれども、しかしこの二十五年の間アメリカの施政権下にあって、そして日本の教育を守り通していただいた沖繩県民の方々、あるいは特に教育関係者の方々の、われわれから言うならば、言うに言われない御努力に対しましては、ほんとうに敬意を表しておるわけでございます。でございますけれども、私としましては、この教育委員会制度については、本土復帰された暁においては、やはり本土並みの体制でひとつやっていただきたい。確かに私たちのほうで十分その意味合いなり、あるいは何かにつきまして直接御相談したということが比較的少なかったということで、十分こちらの真意が伝わらなかったということは、ただいま反省をしておるわけでございまして、その点はそういうふうに御了承を願いたいというふうに思うわけでございます。 それから、何と申しましても教育は、教育条件と申しますか、環境整備というものが非常に私は大事だと思うのでございます。しかしながら、たとえば施設関係を見ましても、かなり本土と比べますとおくれておりまして、これをやはりできるだけ早い機会に本土並みに持っていくという努力が必要じゃないかと思います。小学校、中学校、ことに高等学校の建築等はかなりおくれておる。あるいは体育館等もかなりおくれておると私は思うのであります。あるいは社会教育関係の公民館、あるいはプールその他もそうだと思います。そういうわけでございまして、小、中、高のそういう施設設備は非常に悪いわけではございますけれどもしかし教育の内容、これは教科書にいたしましてもあるいは指導要領にしましても、本土と同じようなことやっていただいておりますし、先生方の御努力は非常に私は高く評価をいたします。しかしまた考えてみますると、先生方の年齢別構成というか、そういうものが、たとえば中堅の方々がちょうど戦争のまつさなかに倒れられたということがあって、本土と違いまして一番中堅のところが穴があいているわけです。したがいまして、若い先生と年寄りの方々であって、ここにも私は問題があるのじゃなかろうかというふうに思います。それからまた、そういう先生方を養成いたしまする機関にいたしましても、結局今回復帰と同時に琉球大学という国立大学に移管をすることになるわけでございますけれども、しかし現在のこの施設設備あるいは教官陣容というのは、やはり日本の国立大学に比較をいたしますとかなりおくれておる。これもやはり、施設設備についても充実をしなくてはなりませんし、また先生方にいたしましても、これを口では充実をいたしますと言うのは簡単でございますけれども、その琉球大学に行っていただくためには、やはり日本の国立大学全体の先生方の御協力を得なければなかなかこれはできないのじゃないかというようなことがございまして、この点につきましても努力をいたしておるわけでございます。そういうわけでございまして、私は率直に申しまして、復帰いたす前にも、また復帰いたしましてからも、相当に沖繩県に対しまして力を入れていかなければ本土並みに教育条件の整備もならないのじゃないかということで、具体的に計画を立てまして着々進んでおるわけでございます。皆さん方が今回国会に出ていらっしゃいましたから、われわれが思い及ばなかったような点、あるいはこまかい点について御指導と御鞭撻を受けまして、私たちも十分それにこたえていく努力を重ねたいというふうに考えておる次第でございます。
○上原委員 いま沖繩の教育内容について概略的に大臣も御理解をしておられるようです。教育委員の公選制の問題については後ほどまた意見を申し上げるとして、まずいま大臣が御指摘なさった校舎あるいは校地の整備、施設設備の格差というものがあるということは、政府、大臣としてもお認めなさるということですが、それを若干例をあげて具体的に申し上げてみますと、二十六年にわたる米軍支配における教育行政すべてが軍事優先だ、六五年以降は、かなり教育内容も、学校、校舎の建築も推進されております。それに日政援助もいろいろあって、その点はわれわれも評価をいたします。しかし現に、本土の類似県との比較においては六〇%ないし六五%程度だといわれているわけですね。その格差を是正していくには約一億五千万ドルくらいの予算あるいは財政支出というものが必要だというふうにいわれております。特に普通校舎については、御案内のように、大体六九ないし七〇年度で九〇%程度まで達しております、校舎の必要数、数だけは。しかしながら特別教室あるいはその他の技術教育——これも特別教育に入ると思うのですが、これは必要定数の四分の一ないし三分の一の保有率にしかとどまっていないという実情。こういうようなものを早急に解決をしていくということが、いま沖繩の施政権返還にあたって、教育現場でもそうでありますし、また沖繩県民父兄の最も切実な要求だと思うのです。いま大臣も、屋内運動場や水泳プールの保有状況等についてたいへんにおくれをとっておるということを申されておりました。これは六九年の資料ですが、小学校の部門で沖繩の必要棟数というものが二百三十九。類似県の場合三百四十六で、沖繩の保有棟数がわずかに七、本土の場合は二百二十、パーセントにして二・九%の保有率しかいまないわけですね。不足の教室数というものが二百三十三でその率は九七・五%、ほとんどゼロに近いような状態なんですね。あるいは特別教室の現状にいたしましても、小学校の部門だけ申し上げますが、必要教室数が七百二十八で保有の教室数が百九十四、達成率がわずかに二六・六%、不足教室が七三・九%。本土の場合も、特別教室の場合はまだかなり充実されていないということも私は理解をいたします。しかしこういうふうに、戦後二十五カ年の間にわずかに普通教室数というものが一応児童生徒を収容できる段階までこぎつけたものの、内容の面においてもいろいろ問題があるわけですね。さらにたいへん恐縮な話ですが、便所の施設においては、各学校ともわずかに二六%ないし三〇%というような達成率でしかない。校舎はつくったが、それに当然付属すべきところの便所というものがほとんど建築されていない、非常に片ちんばな学校施設設備のあり方になっているわけです。私はいまこういうものを例としてあげましたが、これらの学校の施設設備というものを早急に本土の類似県の水準に持っていく、あるいは全国平均に持っていくということこそが政府としてやっていただく政策上の問題だと思うのです。いまそういうおくれをとっている部門については、早急に政府としてもおやりになるという御意向はございましたが、若干資料は政府が持っていらっしゃるのと違っておってもそんなに食い違いないと思うのです。ですから教育委員の問題にしても、一本化するということも政府としての意向はあるかもしらないが、少なくともこういう水準のおくれているもの、これを早急に本土の水準に持っていくということがまず大前提でなければいけないと私は思うのです。その点についてはいかがでしょう。
○坂田国務大臣 いま数字をもってお示しいただきましたが、大体そのとおりにわれわれも考えておるわけでございまして、本年度の予算におきまして、たとえば小、中学校におきましては、昨年が十二億九千万円でございましたが十九億八千万円、高等学校につきましては、前年度が一億九千万円でございましたがことしは五億二千万円、それから特殊教育諸学校、あるいは幼稚園も含みますが、七千万円でございましたのが一億二千万円、合計、昨年の十五億五千万円に対しまして二十六億二千万円ということで、かなりピッチを上げてまいっておるわけでございます。そういうわけで私どもの認識と先生のお考えと大体この数字も一致しておりますので、要はこれをどうやって短期間に充実をしていくかという課題ではなかろうかというふうに考えます。
○上原委員 その他中学校の部門あるいは高校の面においても、大体似ておるか、むしろ低い達成率にしかなっていないということをつけ加えておきます。これはごく二、三の例を申し上げましたが、いかに沖繩の教育内容、教育上の施設設備というものが本土よりおくれをとっているかということをぜひ御理解いただいて、その早急なる解決策を立てていただきたいと思います。 次に、基地周辺の学校の防音対策あるいは教育環境の整備の件ですが先ほどの大臣の御答弁でも、教育上一番問題なのは教育環境の整備だという御発言もございました。これは技術面については防衛施設庁の管轄下でありましょうが、しかし現に教育環境というものが破壊をされている、あるいは防音教室になったがゆえに子供の視聴覚の問題あるいは教室内の照明の問題、いろいろな面で支障があるわけです。爆音といえば嘉手納村のことがすぐ頭にお浮かびになると思うのですが、特に嘉手納村にある二つの屋良あるいは嘉手納小学校、嘉手納中学校の場合には著しい支障を来たしている。一時間の授業中百ホン以上の爆音に平均して大体三回、もちろん最近はB52が撤収されたというようなことで幾分よくなっておりまして、その点は認めますが、現にKC価という給油機が駐留しているということ、あるいは最近はまた横田基地からファントムが沖繩に移駐したというようなことで、まだまだ爆音というものは村民生活なり学校教育に大きな支障を来たしつつあるというような現状でありまして、大体一時間の授業中に百ホン以上の爆音が三回、九十五ホン以上が十回とか、八十ホン以上は連続だというような日もあるわけですね。このように教育上に大きな支障を来たしている。ある政府の報告書を見てみますと、沖繩における航空機の騒音被害といえば嘉手納村が直ちに代表的に取り上げられるが、その実態は百ホンをこす強度の爆音が連続しており、本土においてもこのような騒音激甚地帯とも言うべき飛行場は全くないということが明記されております。さらにその実態調査を行なうため本土から行った調査団を嘉手納村に宿泊させたが、爆音が鳴り響いて睡眠できずに、その状態が午前三時ごろまで続くこともあった。この対策としては飛行機を他に移動させるか多発機用の消音装置を開発する以外にないというようなこと、これはいずれ明らかにいたしますが、そういう報告も現に本土政府が行なった調査の中にも出ているわけです。これはいかに嘉手納村の爆音というものが村民生活や教育に対して大きな支障を与えているかという一例を申し上げるためにこの点を申し上げたわけですが、まず、いまの嘉手納の例をとってみますと、教室そのものが、もともと防音校舎としての対象としての建築じゃないわけですね。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、照明度の問題や換気装置の問題等が、教育上非常に悪い影響を与えている。これも幾ぶん古い資料でございますが、屋良小学校の場合、児童生徒の調査状況で、爆音のために夜ときどき目をさますというものが五三・一%、あるいは爆音のためにものに飽きやすいというのが五八・六%、よく鼻が詰まるというようなものも四八・一%、すべてが爆音の影響というふうに医学的に規定づけることはできないにしても、少なくとも殺人的な爆音被害から受けている影響というものは、多分に必理的に影響していると思うのです。そういう意味でも、教育環境の整備という意味で、県内の基地周辺の校舎の防音対策の再点検ですね。さらに、復帰前または復帰後直ちに、こういった非常に支障を来たしている旧校舎の防音装置に対しては、何らかの改造工事が行なわれてしかるべきだと思うのです。その件について、どういう御方針を持っておられるのか、あるいは、いま私が申し上げたこと等についてどういう御見解をお持ちなのか、賜わりたいと思います。
○岩間政府委員 ただいま御指摘のございましたように、嘉手納、それから那覇あるいは宜野湾、こういうところを中心にいたしまして爆音の被害が相当ございます。私どもで調べましただけでも、九十ホン以上の騒音がございます小学校が二校、七十ホンから九十ホンまでのものが九校、それから、測定しておりませんが被害がございますものが十八校、合計二十九校あるというふうなデータもございます。中学校につきましも同様に十三校、高等学校つきましても同様に三校、合計いたしまして四十五校の学校が現在騒音の被害を受けておるというような調査をいたしております。これに対しまして来年度は、防衛施設庁の事業といたしまして、嘉手納周辺の特にひどい小、中学校を重点的に、小学校二校、それから中学校一校の防音設備の改造、それから、校舎の改築ということをいたしますために、一億四千万の予算を計上いたしております。これは、琉球政府からただいま要求のございます学校が三校でございます。それを全部認めたというふうなことになっておりますが、御指摘のようにこの問題は、本土におきましても、非常に重要な問題になっておりまして、私どもは、予算をほかから流用いたしましてもこの問題は優先的に取り扱うという方針でございますので、沖繩の場合におきましても、同様な方向で進んでまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 次年度の予算に一億四千万円ですか、計上してあって、その対策を講じていくというお答えですが、これまでも防衛施設庁なりあるいは文部省も御調査なさったと思うのです。それは現地の声というのは、何度御調査しても、実際に具体的にその実を結ばないという不満、政府に対する要求というのが強いわけですから、単に防衛施設庁に技術上まかすのじゃなくて、教育行政という分野で、先ほど申し上げたことはほんとうに氷山の一角であって、いかに爆音によって学校教育というものが侵害されているか、被害を受けているかということを御認識をなされて、本土においてもそれ相応の基地周辺整備法によって対策はなされているわけですから、ぜひ早急にこの問題の解決をするように文部省の立場でも御努力をいただきたいと思います。 次に、琉球大学の国立移行にあたっての件ですが、先ほど大臣の御答弁でも、国立に移行する方針でいまいろいろ御検討なさっているということでしたが、国立大学に移行するにあたって、どういう形の大学に持っていこうとされているのか。現地の琉大の教授、職員の要請によりますと、いろいろ意見も出ていると思います。総合大学を目ざして規模の拡充強化をはかることか、あるいは、現に学部、学科の充実強化はもとより、医学部等の新設をはじめ、総合大学としての規模の拡大をはかってもらいたいというようなことが、政府に対する要請として出されているし、さらに、大学の自主性を十分に尊重してもらいたい、琉大が設置をされたその歴史的な背景ということも十分考慮していただきたいというようなとこが要請されているわけですが、この件に対する政府の御見解、また、現段階でどういう方向で国立大学に移行する御計画をお持ちなのか、その態度といいますか、方針というものをお聞かせ願いたいと思います。
○安嶋政府委員 琉球大学の国立移管の問題でございますが、昨年の十一月の二十日に沖繩復帰対策要綱の第一次分といたしまして、政府といたしましてその基本的な方針を決定をいたしておるわけでございます。その第二項にございますように、「琉球大学(琉球大学短期大学部を含む。)は、その教育組織等について必要な整備を図り、復帰の際、国に移管し、国立大学とする。なお、新那覇病院については、当該大学に附置するものとする。」という基本的な方針が決定されておるわけでございます。 琉球大学の現状は、御承知のとおり一般教養のほかに、専門教育の部門といたしましては、法文学部、教育学部、理工学部、それから学年進行中でございますが保健学部、それから農学部、それに付属の短期大学部があるわけでございます。 琉球大学は、米軍の施政下にございまして沖繩の学術文化の中心といたしまして、また、地域社会の要請にこたえまして、教員その他各種技術者の養成の場といたしまして、非常に大きな役割りを果たしてきたわけでございますが、しかし、本土に復帰し、本土の国立大校とするということになりますと、部分的には、学部、学科、組織等につきまして変則的なところがございます。また、教員の組織につきましても、大学設置基準に比べましてかなり大幅な不足が見込まれるわけでございます。一般教養につきまして教授が十七名程度、法文学部につきましは教授その他で十一名程度、教育学部につきましては教授で二十一名程度、理工学部につきましては教授で十五名程度、保健学部につきましは教授その他で六名程度、農学部につきましては教授その他で約十三名、それから短期大学につきましては約二十四名、合計百七名といった、かなり大幅の定員の不足がございますし、そのほかに、施設設備等につきましても、今後さらに充実する必要があるわけでございます。したがいまして、先般の閣議決定の要綱にもございますように、「その教育組織等について必要な整備を図り、復帰の際、国に移管し、国立大学とする。」という基本方針でございますが、これを具体的にどういう形で国立に移管をするかということにつきましては、現在琉球大学とも協議中でございまして、目下琉球大学においてその具体案を検討中でございます。いずれ移管の具体的な方式につきまして文部省に御協議があるというふうに考えております。
○上原委員 いま御説明あったように、国立大学に移管するにあたって、その陣容なりあるいは機構等に若干の変動があるというのは理解いたします。ただ問題は、本土の大学設置基準そのものだけにこだわった場合に、機構においても教授、職員の陣容においても、急速な変動というものがあり得るわけですね。不足の教授の点は政府の立場でいろいろとお考えいただくでありましょうが、現に琉大につとめておられる教授の身分の取り扱い、あるいは職員の取り扱い等については、対策要綱を見てもほとんど触れられておりません。もちろんいまの段階で結論的なことは明らかにし得ないまでも、そういう面の身分の取り扱いの点についてどういうお考えを持っておられるのか。機構の変更についても、復帰後あるいは国立大学に移行するにあたって、現地の事情に即応したような方針で内部充実をしていくということでないといかないことが起きると思うのです。そういう面についてはどういうお考えですか。
○安嶋政府委員 公務員の扱いにつきましては、これは琉球大学だけの問題ではなくて、琉球大学を含む沖繩政府の職員あるいは沖繩における市町村の職員の身分取り扱い、あるいは給与、処遇の問題の一環をなすわけでございまして、琉球大学についてだけ特別な方針を現在立てておるわけではございません。しかしながら、その琉球大学の職員は、ただ単に一般の公務員ということだけではなくて、教員という非常に特殊な立場にあるわけございます。特にただいま申し上げましたように、本土の設置基準に比べましてかなり大幅な定員の不足があるわけでございます。復帰の際におきましては、これは事実上大学設置審議会等の御審議をいただくことになるかと思いますが、その際に本土の基準をどういう程度弾力的に適用していくかというようなことが具体的に問題になってくるかと思います。しかしながら、先ほど申し上げましたように、琉球大学自体におきましてこれをどう切りかえるかという案を目下検討中でございますので、その案を見た上で私どもといたしましては考え方をまとめ、かつ大学設置審議会等の御意見も伺ってまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 琉球大学側で側で立案される、国立大学移行にあたっての具体的な要請、要求というものが出されると思いますので、そのことも十分尊重し、あるいは参考にして、現地の意向というものが反映できる、いれられるような形での政府の御方針というものを立てていただきたいことを強く要望しておきたいと思います。 次に、第一次の復帰対策要綱の中で、復帰後の現在ある国費学生制度の取り扱いについて出ているわけですが、大綱ですから、一定期間暫定措置をとる、一定期間現在の制度を継続していくというような、一定期間という表現でなされております。これは給食費の問題についてもそういう言い分をなさっているわけですが、この一定期間、特に国費学生あるいは給食間食問題含めて現地側の要求、要望というものは、少なくも五年間くらいは現制度を認めていただきたい、その間に学力の格差というもの、あるいは本土との差というものをなくしていくという方針を立てていると思うのです。この一定期間ということは何年を具体的に意味するのか、あるいはまた政府としてどの程度の期間というか、年数をお考えなのか。現地から具体的に五年間というに出されておりますが、この点についてのお考えはどうお持ちなのか、聞かしていただきたいと思います。
○安嶋政府委員 ただいま御指摘のとおり、第一次の復帰対策要綱におきましては「国費沖繩学生制度については、復帰後も一定期間、この制度の趣旨を生かして、これに準じた奨学措置を講ずることとする。」というふうに規定されております。国費沖繩学生制度というのは、御承知のとおり、もちろん外国人の留学生制度ではございません。さりとて本土と同様の学生に対する就学奨励措置でもない特殊な措置でございます。沖繩が本土に復帰いたしますならば、理屈から申しますならば、これは本土の学生と同様に扱うということが原則になるわけでございますが、従来の経過並びに沖繩における学生の学力の向上等の問題がございますので、これは一定の期間はなお従来に準じた措置が必要であろうというのがこの閣議決定の趣旨でございます。この一定期間が、しからば具体的にはどれくらいを考えておるのかという御質問でございますが、現地側が五年を要望いたしておるということは私ども承知いたしておりますが、今後の課題として具体的に何年にするのかということは、さらに検討してまいりたい、現段階では、政府あるいは文部省といたしまして、この 一定期間が具体的に何年であるということはまだきめていない、現地の御要望を十分承った上で検討してまいりたい、こういうことでございます。
○上原委員 確かに、復帰をした時点でこういった特別な制度というものを残しておく、あるいは沖繩だけに適用していくというのは、理屈上あるいは理論上問題がある、原則的には同一でなければいけないということは理解できるわけですが、国費制度というものが出てきた背景も、やはり施政権が長い間分離をされた、教育環境というものが十分整備をされていなかったというところにも実情があるわけですから、まだはっきり何年ということはおきめになっていないということですが、五カ年程度はぜひ学力向上をしていく、あるいは本土と完全に同水準まで力をつけていくという意味でも必要だということが現地の関係者から出されておりますので、大臣も含めて関係者がそのことをぜひ取り入れられるように、これも強く要望しておきたいと思うのです。最後に、時間が来ましたので、先ほど教育委員の公選制の問題について大臣の御答弁があったわけですが、私がいま申し上げたように、沖繩の教育上の問題、教育関係においては、当面解決をしなければいかない問題が山積しているわけなんです。よしんば政府がおっしゃるように、本土と同制度でなければならないということが理解できるにしても——もちろん私は原則的に現在の公選制度というものをあくまでも主張いたしますし、政府のいまのお考え、大臣の御答弁に満足するものでありません。しかし復帰後のいろいろな制度の一体化ということでかりに百歩譲ったとしても、当面やらなければいかない教育施設設備の本土並み、類似県の水準あるいは全国平均に持っていくということ、あるいは先ほど申し上げたようないろいろな問題をやることが緊急の課題であって、教育委員会制度そのものをすぐ本土並みにということは、あまりにも現地側の立場というもの、これまでの教育関係者の苦労というものに対して、何か政府の力というものを押しつけるという印象を強く与えかねないのです。幾ぶん弾力的な御発言もあったわけですが、具体的に現にいま教育委員の選挙が今月行なわれたわけですね。この方々は向こう四カ年間任期があります。半数交代ですから七三年の三月にはまた残りの半数の委員の公選があるわけですね。もし本土の制度というものをすぐ適用するとなりますと、たとえば五名の教育委員のうち三名ないし二名は公選で選出された委員がなっている、あるいは来年の復帰以降に任期が切れた人は任命するというようないろいろな矛盾が出てくると思うのです。そこいらの具体的な取り扱いはどうなさるのか、現地の要求というものを生かして、教育内容の水準というものを本土並みに持っていくというまで、せめてそのときまで公選制度というものを維持していくというような政府の弾力的なお考えはないものかどうか、あくまでも本土がそういう制度だから、復帰だからということで現地の強い要求というものを、まあ無視とは言わないでも、そういう立場というものを考慮に入れずに、本会議なりいま御答弁なさったようなことで強行していかれるおつもりなのか、その点についてお開かせ願いたいと思います。
○坂田国務大臣 この教育委員会の問題は、われわれは強行とかなんとかいうことじゃなくて、すなおに考えて本土と一体になった場合に、教育というのは非常に一番大事な問題で、国民全体が一番連帯感を持つか持たないかは教育制度それ自身にあると私は考えているわけです。それが復帰した暁においてもなおかつ本土とは違うような教育制度ということは、どう考えてみましてもそれはよくないということでございまして、この制度を無理やりに押しつけるという意味ではなくて、沖繩の方々も復帰する以上はそういうふうにお考えいただきますことがすなおなお考え方ではありませんか、しかし、そのことについてわれわれは十分こちらの意図をいままでお話しできなかったというところは私たちにも反省しなければならぬところはありますが、この段階ではこの基本だけは御了承を願いたいというのが私の気持ちでございます。したがいまして、教育行政の中でも一番大事な教育行政の制度でございますから、これを通じましていまおっしゃいました教育条件の整備をすみやかに本土に近づけていく、その一番基本になる問題だというふうに私どもは考えておる、したがってこれはひとつ御了承願いたい。しかし、その経過措置につきましては、これは私はいろいろの考えようがあるんじゃなかろうかと思いますから、いまのような公選された委員の方々をどうするかということについては、その公選ということの意味に照らしまして経過措置を考えなければならないと私は考えております。
○上原委員 時間がだいぶ経過したようですが、やはり教育行政なりあるいは教育というものを考えました場合に、学校、現場の教育関係者あるいは教育行政をあずかる方々との関係、あるいはまた父兄や国民世論というものを尊重して、初めて私はりっぱな民主的な教育、そして学問の自由というものが保障されると思うのです。そういう意味でも、教育水準そのもの、教育の内容そのものが極度におくれをとっておる中で、権利の面だけは縛っていくというような政府の姿勢であってはいかないと思うのです。いまかなり弾力的な御発言もございましたが、どうか沖繩の実情というもの、またいまさっき申し上げたようなことを十分御検討、御理解をいただいて、県民世論、学校、現場の教育団体なり教職員が納得するような線でこの教育委員会の問題も解決するように再検討を強く要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○天野委員長 東中光雄君。
○東中委員 特殊教育総合研究所の設置に関連してお聞きしたいのですが、現在の障害児の就学率は大体どれくらいになっておるのですか。
○宮地政府委員 お答えいたします。 障害児、心身に障害のある子供につきましては、いろいろな障害がございまして、御承知のように視覚障害、聴覚障害、精神障害、さらに肢体不自由とか、病虚弱とかいろいろございます。したがいまして、それぞれの学校で在学率が若干違いますので、大まかな点を申し上げます。 視覚障害につきましては、これもいろいろな見方がございますが、今日盲学校、さらに盲学校ではございませんが、弱視の子供たちのための特殊学級というものがございますが、一応矯正視力〇・一未満の子供を盲学校に収容するといった基本的な考えからいいますと、盲学校のほうは在学率は一〇〇%でございます。ただ弱視で〇・一ないし〇・三未満の子供は普通学級に入っておる子供も相当おりまして、これらの子供は特殊学級に入れたらよいといったような考えでございます。同じように聴覚障害につきましても、従来はろう学校の対象になる子供ですが、七一デシベル以上の者が特殊学級ではなくして一応ろう学校で勉強する、こういう考えから、これも一〇〇%でござます。ただ、七一デシベル以下の子供、大体三一デシベル以上七〇デシベル以下くらいの子供は普通学級に相当行っております。これも特殊学級に入って勉強させたほうがベターな子供も相当おります。それから精神薄弱につきましては、IQ四九以下の子供はぜひ養護学校へやりたいという考えを持っておりますが、御承知のように特殊教育学校としまして盲学校、ろう学校が沿革的に非常に早くからわが国でも行なわれておりますが、養護学校につきましては戦後の制度でございまして、この点は在学率が相当少のうございまして、二六ないし二七%の養護学校への就学率ということでございます。しかしそれ以外に特殊学級はもちろんございます。さらに肢体不自由の子供につきましては、養護学校へ行くのが相当であろう、特殊学級でなくて養護学校がいいだろうと思います対象児に対しましては、約六〇%の就学率を見ております。病虚弱につきましても、養護学校相当、特殊学級でなくて養護学校相当と思われるものは就学率二〇%ぐらいでございます。さらに最近では、ろうではございませんが、言語障害さらに自閉症等の情緒障害児、こういったようなものにつきましては、特別まだ学校はできていませんが、それぞれ特殊学級で相当数の子供が就学いたしております。 以上でございます。
○東中委員 結局、弱視の人たちあるいはろうとまでいかないけれども難聴の人たち、あるいは養護学校に相当する人たちについては非常に就学率が低い。いまのお話でも、二〇%から五〇%までですか、これは非常に遺憾な状態だと思うのですが、こういう状態についての責任といいますか、文部大臣、どこにあってどういうふうに解決していくかという点をお聞きしたい。
○坂田国務大臣 先ほどもちょっとお答えをいたしましたように、日本には盲とかろうとかいう単独なあるいは非常にはっきりした盲ろうということに対する教育というのはかなり進んでおったと思うのでございますけれども、それが精薄と重なり合ったダブルハンディキャップの児童とかあるいはまたそこまではいかないで困っておる、いまおっしゃいますような程度の者をどう教育するかというところに、実は未開拓な分野がごごいましたことは、そのとおりだと私は率直に認めざるを得ないと思います。 私、就任いたしまして、その当時一番困っておりました大学の紛争を何とかひとつ収拾するということとそれからほかの面では、かなり世界的な教育の水準から考えてもそう劣っておるとは思わない、しかし特殊教育の部面についてはどうも十分ではないということを私はかねがね考えておりましたので、何とかしてこの特殊教育のおくれた行政を取り戻すということで、今日まで、わずかな期間ではございますけれども努力を続けてまいりまして、その調査がようようわかってきた。そしてこれから先一体どういう教育をやっていくか、その教育方法すら確立してないたとえば情緒障害、自閉症あるいはダブルハンディキャップということについては、かわいそうだ、かわいそうだということはわかっておりますけれども、それでは一体どういうような教育をとればいいんだ、あるいはその方々は幼児からやるべきじゃないかとか、あるいはまた職業復帰についてはどういう職業があるか、その職業を身につけさせるためにはどういうふうな訓練をやったらいいのか、そういうようなことが実はまだ手さぐりの状況だということから、特殊教育総合センターというものをつくりまして、医学あるいは心理学あるいは教育学、社会学、そういうあらゆる学問をそういう一点に集中して、焦点をそこに合わして、教育方法あるいは実際的なそういう方向に携わる先生の養成や、あるいは再教育や、あるいは実験というようなものを生み出すという意味において、この総合センターを設立するということにきめて今日までに至っておるようなわけでございます。その点は確かに不十分であるということは認めざるを得いと思います。
○東中委員 昨年十一月の中教審の中間報告でさえ、「特殊教育の積極的な拡充整備」ということで「精神薄弱、肢体不自由、病弱の三種の障害児に対する養護学校の義務制は、学校教育法制定以来今日まで二十年以上施行されずにきている。すみやかにその施行をはかるとともに、比較的軽度の精神薄弱児については、市町村に特殊学級を設置する義務を課することによって、就学の機会を均等に保障する必要がある。また、弱視、難聴などの障害児に対しても、特殊学級を設けることを促進すべきである。」、こういっているわけですが、いま大臣のお話では、教育についてどうやるかということを研究しているけれども、そうじゃなくて、それも進められなければいかぬことですけれども、養護学校は現にあるわけですから、それより少し軽度の人たちの特殊学級を設ける、こういったことは、これはやろうと思ったら当然できることですから、それについて具体的な施策を策定されておるのかどうか、この中教審の報告を実行するとすれば、大体どれくらいの学級が要るのかあるいは学校が新たに必要なのか、そういう点いかがでございましょうか。
○坂田国務大臣 詳しいことは後ほど初等中等教育局長からお答え申し上げますが、おっしゃるように基本的な、根本的なこと、調査やあるいは教育方法等がまだ確立していない、そのこともやはりやる必要がある。ししかしそれだからといって特殊学級やあるいは養護学校はその結果が出るまで待っておってもよろしいという意味ではないので、やはりこれは並行して進めていかなければならないと私は考えておるわけでございます。でございますから、その一端の考え方といたしまして、従来養護学校等に入っております特殊教育の対象者に対しましては、就学奨励費が出ておったわけでございますが、特殊学級に学ぶ子供たちには就学奨励のお金が出ておらなかった、この点については四十六年度の予算におきましても実はこの手当を考えた、これは新しいことでございますが、やはりそういうようなことで、特殊学級あるいは養護学校の整備ということを計画的に進めてまいらなければならないというふうに考えております。
○宮地政府委員 養護学校につきましては、実は三種類ございますが、肢体不自由児のほうにつきましては、各県に少なくとも一校ずつ四十四年度までに設置いたしました。ところで肢体不自由以外の精神薄弱、病虚弱、このほうの養護学校は未設置県がまだ半分くらいございます。したがいまして、いまの目標といたしましては、これは四十四年から特殊学級の増設を含めまして四十八年度までを一つの計画の年次と考えまして、四十八年度までに、各県に精薄並びに病虚弱の養護学校を少なくとも一校、未設置県の解消ということで毎年計画的に設置を促進いたしております。 それから特殊学級につきましては、実は先ほども申し上げましたが、一応聴覚障害、難聴あるいは視覚関係の弱視、こういう子供、これは矯正視力とかあるいはデシベルとか、こういう単位で一応の考え方をいたしておりますが、絶対に特殊学級に入れなければいけないかどうかという点につきましては、いろいろございますし、さらに精薄等、軽度あるいはボーダーラインの辺、IQ五〇から八〇、九〇あたりの子供、これは養護学校へ入っておったということだけで、あの子は精薄であるといった、卒業後のいろんな関係で——盲学校、ろう学校はさほどないのですが、精薄の養護学校に入っておったのだということで、彼は精薄であるというような評価がされたりしまして、非常に父兄もいやがられる、こういったようなことで、もちろん先ほど申しましたIQ五〇以下は養護学校ということでいたしておりますが、特殊学級のほうはそういうことで一応の計画は持っておりますが、はっきりした数字を設定いたしておりません。それにいたしましても、四十四年から四十八年までの計画といたしましては、毎年千二百学級ずつ六千学級を進めていくといったような考え方でいま進めておる次第でございます。
○東中委員 結局養護学校を義務制にするということはやられるのですか、やられないのですか。
○宮地政府委員 一刻も早くやりたいという考えで、先ほど申しましたような計画で推進いたしておるところでございます。
○東中委員 それから、市町村に特殊学級を設置することを義務づけるかどうか、その点はどうなんですか。
○宮地政府委員 これは、先ほど先生御指摘の中教審の中間報告にもございます点ですが、私どもも趣旨といたしましては、普通学級でなく特殊学級で教育することがよいと思われる子供については、ぜひ特殊学級でやらしたいし、そのためには、そういう子供の教育の機会均等という見地からも、その保障が得られるように市町村に義務づけたいという意欲はございます。しかしながら、これは養護学校のほうと違いまして、いろんな財政力の点ももちろんでございますが、設置義務をすぐ課するということではなくて、それを一つの努力目標として——まだまだ不十分でございますので、いきなりいま設置義務を課するということで五年計画とかといったようなものはなかなか立てにくうございます。したがってそういうことを努力目標としてこのほうは進んでいきたい。したがいまして、養護学校のほうは近い将来ぜひ設置義務を課したい、特殊学級のほうはそういうことを努力目標として、まだ非常におくれておりますので、普及をはかっていきたい、こういうことでございます。
○東中委員 非常に近い将来に養護学校を義務づけたい、この近い将来といわれているのは、先ほど言われた四十八年というのが一つのめどになるのか、その点どうなんですか。
○宮地政府委員 その点、実は気持ちは四十八年ということを考えておるのでございますが、しかし一県に一校あって、それではたして義務の実態に合うであろうかという点、多少懸念もございますので、はっきり四十八年にいたしますということは、そういう意味でちょっと申し上げかねますが、気持ちはいま申しましたような気持ちで、近い将来にぜひ実現したいということで努力したいと思います。
○東中委員 研究所をつくっていただくこと、これは賛成ですけれども、障害児に対する、憲法なり教育基本法なりに基づいた教育を客観的に保障していくということは、教育の機会均等という点からいっても非常に重要なことだと思いますので、いま努力するとおっしゃっているのですが、これは非常におくれていますから、早急にやられることを強く要請しておきたいと思います。 次に、防衛医科大学校の設立についてお聞きしたいのですが、防衛庁の方にその構想内容を詳しくお聞きしたい。
○鈴木(一)政府委員 お答え申し上げます。 自衛隊の医官は、御案内のごとく非常に不足いたしておりまして、私どもは、わが国全体の立場から考えましても、防衛庁は医官の確保の面で見ますと社会的僻地と考えておりますが、そういう面でやはり抜本的に医師の絶対数をふやすという立場に立ちまして、この際大学をつくって絶対数をふやし、歩どまりをよくしていきたいというふうなことを考えておるわけでございます。御案内のごとく、現在までに防衛庁がとっております医官の充足対策といたしましては、貸費学生制度、これは現行月額六千円になっておりますが、その他人事、処遇の改善、医療施設の近代化並びに航空自衛隊の航空医学実験隊というものが立川にありますが、これらの整備拡充並びに海上自衛隊の潜水医学実験部が横須賀にございますが、これらの整備拡充につとめて医官の定着をはかってまいりたいと思っておるわけでございますが、いままでの諸施策ではなかなか医師が定着しないし、また集まってこないというようなことで、やはり独自な絶対数確保の立場で防衛庁所管の医科大学をつくってまいりたい、このような構想を持っておる次第であります。
○東中委員 いま防衛庁所管の大学とおっしゃったのですけれども、学校教育法でいっている大学なのか、いわゆる大学校なのか、その点どういう構想なんですか。
○鈴木(一)政府委員 自衛隊という特殊な性格がございますので、やはり自衛隊の特色を出すという立場におきまして、現在の学校教育法に基づきますいわゆる大学というふうな立場ではなくて、いわゆる自衛隊カラーを出すような形の防衛医科大学校——さっき大学と申しましたが、大学校というふうな形のものにしたいと考えております。
○東中委員 それで、学生の資格とかあるいは定員あるいは教育年限こういったものはどうなんでしょう。
○鈴木(一)政府委員 先生も御案内のごとく、現在四十六年度予算におきまして自衛隊医官養成調査費といたして五百二十万ばかり御審議をお願いいたしておるわけでございます。その調査費をお認めいただけますならば、これをもちまして大学校設置のための準備委員会、これは各界各層の学識経験者並びに養成機関の関係者の方々にお入りいただきまして、そこで十分審議をしていただきまして、いま御指摘の問題については進めてまいりたい、このように考えております。
○東中委員 そうするとたとえば六年制の大学校にしたい、あるいは学生定員は一学年六十人にしたい、学生の資格は自衛官とする、学費は国が負担する、こういうことが報道されていますけれども、それは、防衛庁としてはまだ構想として持っていない、こうおっしゃるのですか。
○鈴木(一)政府委員 まだ現在、先ほど申し上げました調査費もお認めいただいておらぬ状況でございますので、それら細部につきましては、先ほど申し上げました準備委員会のほうで今後いろいろ御審議をいただきまして、そしてその上で決定してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○東中委員 自衛隊の医官不足をなくしていって定着させる目的だということですから、そこで構想されておる防衛医科大学校の卒業者は、自衛隊に勤務することを義務づけるということは、これは設立しようとされている趣旨からいって当然そうなると思うのですが、そういう構想ですね。
○鈴木(一)政府委員 趣旨から申せば当然義務制ということとが考えられるわけでございますが、この問題につきましても現在目下鋭意検討中でございます。いかにして歩どまりをよくしていく方法があるのか、その良策をただいま検討いたしておるところでございまして、またいずれできます準備委員会でも、もちろんこの点を十分慎重に検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○東中委員 中曽根防衛庁長官が、いろいろ検討し、各省とも折衝した結果、各種学校としての防衛医科大学校をつくりたいと考える。「防衛医科大学校の卒業生が医師の国家試験を受けられるようにしなければいけない。」そういう構想で進めておるのだという答弁を参議院の内閣委員会ですが、やられたことがありますが、そういう構想は持っておられるわけですね。その点どうですか。
○鈴木(一)政府委員 これは長官が御発表されたとおりでございます。私どもといたしましては、現在の学校教育法並びに医師の国家試験の受験資格の問題と医師法に関する現時点の世界の水準をいくようないいスタイルのものを何も打ち破って、そして防衛庁の医科大学校というものをつくっていこうという構想ではありませんで、いままでの大学以上のレベルアップというふうな斬新な構想でもって進んでいきたいというのがわれわれ独自の考え方でございます。
○東中委員 大学の場合は、学校教育法の五十二条でその目的がきまっているわけであります。防衛医科大学校といわれている場合はそれからはずれるわけですから、全然目的違うわけですね。違うものとしてやはりつくっていこうという構想。だから、目的が違っておって要するに技術的なレベルアップということを強調されるというふうに聞いていいわけですか。いま局長の御答弁ではそういうふうに聞こえる面があるのですけれども……。
○鈴木(一)政府委員 私どもといたしましても、現在厳然として学校教育法なり医師法が存在しておりまして、そういう一元的な法律がある以上、その法の精神はもし防衛医科大学校ができるといたしましても十分順法していく決心でお答え申し上げた次第でございます。
○東中委員 厚生省にお聞きしたいのですが、各種学校としての防衛医科大学校ということがいま構想の中で防衛庁のほうから出されておるわけです。それについて、先ほども申し上げましたように、中曽根防衛庁長官は、各省とも折衝しました結果、各種学校としての防衛医科大学校をつくっていく構想だということを言っているわけですが、厚生省は防衛庁のこういう各種学校としての防衛医科大学校でいいという了承をすでにされておるのかどうか、その点いかがでしょう。
○松下説明員 防衛庁のほうから、防衛庁に勤務しております医官の充足の状況から見まして、その確保のための養成機関を何らかの形でつくりたいという強い御要望があるということは伺っておりますし、私どもも承知いたしております。それをどのような形で今後実現していくかということにつきましては、先ほど防衛庁の衛生局長からもお話がありましたように、四十六年度におきまして調査費が計上されるという予定であると伺っておりますので、その段階におきまして関係各省との間にさらに詰めた協議が行なわれるであろうと考えておりまして、その過程で厚生省といたしましてもいろいろな事情を含めて十分検討いたしたい、そのように考えております。
○東中委員 中曽根防衛庁長官は、「各省とも折衝しました結果、防衛医科大学校をつくろう——各種学校としての防衛医科大学校であります。そして問題は、防衛医科大学校の卒業生が医師の国家試験を受けられるようにしなければいけない。」こう言っているのです。だから各省というのは、もちろん文部省もそうかもしれませんが、厚生省と折衝した結果、各種学校としての防衛医科大学校としての防衛医科大学校の卒業生が国家試験を受けられるように、こう言っているのですけれども、これに対して厚生省としては、それでいきましょうということになっているのか、そういうふうなことになっていないのに、かってに中曽根さんが言っているというのか、その点どうなんでしょう。
○松下説明員 先ほど申し上げましたように、厚生省といたしましては、防衛庁のほうからそういうような形も含めて御希望は承っております。私のほうとしましては、現段階におきましてはなお結論を得る段階ではございませんので、今後の御相談によりましてどういうふうにするか検討してまいりたい、そういう態度でございます。
○東中委員 医師法の十一条で医師の国家試験の受験資格がきまっているわけです。「学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者」というふうに一項できびしく書いているわけですが、こういう学校教育法に基づく大学において正規の課程を修めた者が受験資格を持っているというふうにされた趣旨ですね、なぜこういうきびしい規定を設けられておるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。
○松下説明員 これは法の理念あるいは法の沿革いろいろな意味があろうかと思いますが、現在の医師法は昭和二十三年の制定にかかるものでございますけれども、その前の昭和十七年の国民医療法、あるいはその前にすでに明治以来制定されておりました医師法、いずれも医師の養成につきましては、ごく制度の初期の検定試験を除きましては、制定の当時におきましては、専門学校令による専門学校あるいは大学令による大学というもの卒業資格をもって医師の資格を付与するということが沿革的にもずっと守られてきております。二十三年に制度を制定しました段階におきましても、国内におきまして医師の資格を付与する国家試験は戦後の所産でございますが、少なくとも医師の養成課程といたしましては、正規の学校以外のものはなかったわけでございます。また学校教育法の精神から申しましても、医師の教育は原則として大学において行なわれるということが当然予想されるところであり、社会の実情といたしましても、それ以外には養成機関はないという実態を踏まえまして、法律が制定されたものと承知いたしております。
○東中委員 沿革的にいうとそうだし、事柄の性質が国民の生命、健康に直接関係のある非常に重大なものだからこそ、きびしいそういう規制というものをやっているのだと思うのですが、「学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者」、学校教育法の大学というのは、先ほど申し上げましたように、非常に広大な目的でやっていますね。医官が足らぬからふやそうというような、そんな目的じゃないです。そういう立場から見て、いま防衛医科大学校として設立されようとしておるのは、いままでの体系、長い間続いてきた、戦前から続いてきた医師養成制度を変えていくかどうかという問題を出されていると思うわけですが、それに対して中曽根防衛庁長官は、折衝の結果そういうふうにやっていくのだというふうに言われておるけれども、厚生省としては、そういう体系を変えていくことに賛成だという意思表示あるいは了承されておるというふうなことではないわけですね。
○松下説明員 長官が言われましたのはおそらく、厚生省も先ほどから申し上げておりますように、ずいぶん前から数次そういうお話は承っておりますので、各省と相談した上で了承を得た場合にそういう構想もあり得るという御表明かと存じますが、私どもといたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、なお検討中でざいまして、結論を得るには至っておりません。
○東中委員 戦前軍医学校というのがありましたけれども、この場合でも、一般の医師の資格を持った者にプラスして独自の教育を加えるというものだったと思うのですが、明治の初期に軍医、医者養成機関をつくることが問題になったことがありますけれども、これも異論があってだめになったという問題でもあるわけです。そういう点からいえば、日本の国始まって以来といいますか、の問題が起こってきているわけですね。それがいま防衛庁のほうで、何回も言いますけれども、各省の了承を得た結果こういうかっこうでと言われている。非常に大きな問題ですから、厚生省としては、まだそれについては具体的に検討していない、そういうふうにやろうということにきまっておるわではない、こういうことですね。そういうようにお聞きしてよろしいですね。
○松下説明員 初めに御答弁申し上げましたとおり、今後引き続き検討すべき問題であるというふうに承知いたしております。
○東中委員 今後検討するので、現在のところは結論は出てない、防衛庁の構想に了承しているわけではない、こういうことを御答弁願ったと思うのです。 さて、文部大臣にお聞きしておきたいのですが、防衛医科大学校の設立について、文部大臣としてはどうお考えなのか。
○村山(松)政府委員 ただいま防衛庁のほうから御説明がございましたように、防衛医科大学校の構想それ自体がまだ具体的に固まったものでございません。したがいまして、やや一般論的に御相談があっておるわけであります。 文部省といたしましては、何々大学校という教育施設を各省がおつくりになるということにつきましては、必ずしも歓迎すべき事態とは考えておらないわけでございます。しかしながら、考えてみますと、「学校教育法に基づく大学」ということはおのずから目的なり運営なりが限定されております。社会のいろいろな教育に対する要請を、すべて大学だけで高等教育程度のものをまかなうというわけにも完全にはまいらない向きがございます。たとえば、卒業生の配置ありますとか、あるいは特定の分野に誘致するとかそういうことにつきまして、学校教育法に基づく大学でありますと、できるだけ一般的に機会を広くということになりまして、各省で特定の行政目的を立てて要員を養成するというような御要請のすべてをまかなうことができないという事態も現実にあり得るわけであります。 そういうことからいたしまして、従来も各省でいろいろな大学校というのを幾つかおつくりになっております。例をあげますと、たとえば農林省に水産大学校というものがございます。運輸省には、海上保安大学校でありますとか、航空大学校とかいうものがございます。防衛庁にはすでに防衛大学校があるわけでありましてこういうものに対しまして、文部省としては望ましい措置とは必ずしも考えておらないわけでありますけれども、ただいままで御説明申し上げましたように、各省が特定の行政目的を充足するために特定の学校をつくって要員の養成をする、しかもそれを法律をもってなさるというような場合には、その内容等につきましても、法律という形で十分御論議願うわけでございますので、それでよろしいということになるのであれば、文部省としては反対まではいたさないこういう態度でおるわけでありまして、防衛医科大学校につきましても、そのような趣旨で特に反対はしないという態度でございます。
○東中委員 そうすると、防衛医科大学校が、先ほど言われたような、医師の国家試験を受ける、一般的な医師になる、そういう資格を与えていく、そういう特殊大学というものをつくる場合に、これは学校教育法は変える必要があるのかどうか。 それから、厚生省の方にお聞きしておきたいのですが、医師法は変える必要があるのかどうか。その点いかがでございましょう。
○村山(松)政府委員 現在、学校教育法におきましては、法律をもって別段の教育についての規定をなす場合というのははずしてございます。そういうことからいたしまして、各省でいろいろな大学校ができておるわけでありますから、防衛医科大学校をつくるということそれ自体は、現時点で学校教育法には矛盾いたさないわけであります。しかし、学校教育法にのっとって、たとえば学士号を出すというようなことになれば、学校教育法に触れてくるという問題が生じてきます。
○松下説明員 現行法におきましては、先ほど先生御指摘のように、医師国家試験の受験資格は、原則といたしまして「学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者に限られておりますので、したがって、学校教育法の適用を受けない大学校におきまして養成された者に対して医師の受験資格を与えることが必要であるという場合には、当然法律の何らかの手当てを要するということになろうかと思います。
○東中委員 学校教育法にいう大学の場合は、先ほども申し上げたように、たとえば目的をこう書いていますね。「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」、「知的、道徳的」云々となっているわけですが、防衛医科大学校という場合では、医官の確保というところから出発しているという点で、これは態様がごろりと変わってくるわけであります。しかも国民の健康にあるいは生命に直接関係のあることで、一般的な資格がそういう特殊なルートから与えられていくということになると、これは非常に大きな問題が起こってくるのではないか。特にいまお医者さんの不足というのは、防衛庁の特殊な現象ではなくて、全国的にも問題がいろいろあるわけですから、この機会にお聞きしておきたいのですが、戦後における国立、公立、私立の医科大学、医学部の設置状況これはどういうふうになっておりますか。
○村山(松)政府委員 終戦の時点におきましては、大学が十八校と、それから医学専門学校が臨時医専を含めまして五十校、計六十八校という医学校がございました。したがいまして、かなりの医学生を養成しておったわけでありますが、戦後医者の臨時養成というような必要がなくなりましたし、むしろ程度を高めなければいけないということで、医専はやめて医学教育は大学一本にするという方針を立てました。そういうことで昭和二十四年に再編成をしたわけでありますが、そこで大学が四十五校という形になり、医専がなくなった状況で戦後の医学教育が発足したわけでございます。 それからまた数につきましても、これは主として厚生省の御意見にのっとったわけでありますけれども、医師の養成数は、人口十万当たり百人確保というような目標でやれば一応よろしい、そのためには相当数を少なくする必要があるということで、四十五校で約三千人という入学定員にしぼりまして戦後の医学教育が発足したわけでございます。国、公、私立の内訳で申しますと、国立が十九校、公立が十三校、私立が十三校、計四十五という内訳でございます。
○東中委員 その後はほとんど変化はないわけですね。
○村山(松)政府委員 その後といたしましては、昭和二十五年に札幌医科大学が公立でございますが創設されております。それから公立の医科大学で国立に移管されたものが若干ございます。さらに、昭和四十五年度に国立が一つ、それから私立が三つ大学あるいは学部の増設がございまして、医科大学、医学部の数は現時点では五十校ということになっております。内訳は、国立が二十五校、公立が九校、私立が十六校でございます。
○東中委員 学生数はどうですか。
○村山(松)政府委員 四十五年の時点で入学定員にいたしまして四千三百八十名でございます。したがいまして、戦後再編成した時点に比べまして約千五百人ほどふえておるという状況でございます。
○東中委員 国全体でそれはあまりふえていない、むしろ一般の大学のふえ方から見ても非常に押えられていると思うのですが、防衛庁だけが医官不足ということじゃなくて、防衛庁に医官が集まらないというのは、それはまた別の理由があるのであって、だから別の体系の医官養成機関をつくっていくというふうなことは絶対に許されるべきじゃないというふうに私たち考えるわけです。四千三百八十、これは入学定員ですけれども、こういう状態でいまの阪大の入試問題なんかが起こってくる一つのもとがあったのじゃないかというふうにも思うわけですが、阪大の入試不正事件を契機にして、医者の養成、医科大学なり大学医学部の制度と申しますか、そういう点でどういうふうな方針なり反省なりをされておるか伺いたいと思います。
○坂田国務大臣 先ほど大学局長から御答弁申し上げましたような状況でございまして、前には医者の数というものは大体人口十万当たりに百人ぐらいでいいのではないかというふうに考えたわけでございます。しかし、今日では、いま百十二ぐらいが平均かと思いますが、それではどうも足りない、絶対数が不足だということがいわれておりますし、また厚生省からも、昨年でございましたか、千五百人くらいはふやすべきであるというお話も承っておるわけでございます。もちろん医師不足が非常に叫ばれておるわけでございますが、これは一つには東海道メガロポリスといいますか、都市周辺に非常にお医者さんが集中をしておる、そしてなかなか僻寒の地にお医者さんが行かないという別な理由、これはいろいろの原因があろうかと思いますが、一つには、やはり医療行政そのものにも原因があろうかと思います。これは文部大臣としてそういうことを申し上げるのはいかがかと思いますけれども、やはり私は原因の一端はそこにもあろうかと思うわけでございますが、私どもの承っております医師養成というごときにつきましても、いま申しますように絶対数もやはりもう少し高くしなければいかぬのじゃないか。いま厚生省から御指摘を受け要望を承っております数にいたしましても、たしか昭和六十年度に大体人口十万当たりに対して百五十まで持っていってもらいたいということかと思うわけでございます。そういたしますと、どうしてもこれから先千五百ぐらいを充実をしなければならないわけでございますが、先ほど大学局長から一応の戦後の増員の話にちょっと触れたわけでございますが、この十年間を振り返ってみますると、昭和三十六年度から千五百四十人、国立が九百人、それから公立が四十人、それから私立が六百人ということで千五百四十というのを、一つには新たな学部、新たな国立大学設置、それから私立設置という形でやっております。 同時に、今度は、戦前でございますと医学教育に対しまして定員を百二十ぐらいにしたことがございますが、戦後八十ぐらいに押えた時期があるわけでございます。それを最近八十を百にし、あるいはまた公立、私立等については現在でもなお六十、八十というのがございますから、この辺を私立大学に対して、研究費用であるとか学生経費であるとか、あるいはまた施設設備の費用であるとか、あるいは定員とかという教育条件を整備してやるならば、八十名を百にしたい、あるいは場合によっては百名を百二十名に上げたいとするようなことも可能ではないかということで、私どもといたしましては、今後十年になりますかあるいは昭和六十年度になるかそれはまだはっきり詰めてはおりませんけれども、一応の考え方としては、あと千五百というものを、各大学の定員の増ということと、それから新しい国立大学あるいは新しい学部を二つかまたは三つ、あるいは私立大学の若干というものを考えまして医師養成の計画をひとつ具体化していきたい。そういうことでなければ、どうもやはり私立大学の医科大学にいる者は相当多額のお金を払わなければいけないということになりかねないわけでございまして、そういうようなことが背景にやはりあるわけだと私は思います。この点については今後十分検討をいたしまして、その実現のために努力してまいりたい。そういうようなことを考えますと、やはり私学に対しまして、昨年度から人件費を含む経常費助成ということで私学を助成をいたし、特に医学部あるいは歯学部等については、傾斜した形での学部よりも相当多額のお金をつぎ込んでおるわけでございますが、一方そういうようなお金は受けたわ、しかし入学金以外に寄付金を五百万円も一千万円もというようなことを要求するというようなことになりますと、どうもそれは社会正義が許さないと私は思うのでございまして、この点は私学経営の方々も十分心していただかなければならない問題であるし、また監督官庁といたしましても、今後私学に対する助成、特に医学部等に対する助成というものを拡充すべきであるし、またそれはわれわれも考えておりますが、同時に医学部を経営しておられる私学等の経営者におかれても、その辺のことは十分考えて、金を持っておる人だけしか私学の医学部は受け付けないのだというようなことではいけないと私どもは思うのでございます。この点は行政の非常にむずかしいところではあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、最善の努力を払っていかなければならないというふうに考えまして、いま検討をしておるような次第でございます。いずれ皆さま方にも御報告する時期が来るかと思います。
○東中委員 いま、私学の裏口寄付の問題が大臣のほうから出されましたが、五百万ないし一千万というのが普通みたいになっているという読売新聞の調査結果が出ておりますけれども、これは社会正義が許さぬという問題であると同時に、教育基本法のたてまえからいって、これは国あるいは地方公共団体に責任があるのじゃないか、教育基本法の三条二項でははっきりとこう書いてありますね。「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない」、むしろ経済的理由で、能力があって教育の機会を与えられないような人には、積極的に奨学の措置をとらなければならない、こうなっておるわけなんですが、これと全く逆なんですね。能力があっても五百万、一千万という金がなければシャットアウトされるということが公然と、社会的な特殊なところで起こったというのではなくて、もう一般化しておるという状態というのは、これは教育の機会均等を保障していかなければいけないし国ないし地方公共団体の、特に国の責任が非常に大きいのじゃないかというふうに思うわけですが、そういう点で、具体的に早急にどういう構想で進められるか、いま検討するとおっしゃったのですけれども、どうなんですか。
○坂田国務大臣 確かに、憲法やその他の教育基本法の考え方というものは、身分あるいは経済的理由によって教育の機会均等を奪うというようなことがあってはならないということは、教育行政に携わる者が考えていかなければならない、心しなければならないことであると私は思います。そうではございますけれども、しかし日本の教育制度というのは、かなり教育の機会均等は進んでおりまして、たとえば先進国というような国々に比べましても決して劣っているわけではないと私は思います。ですから、能力に応じてということがあるわけでございますから、やはりその能力というものをどう考えるかということにも、私は問題があろうかと思います。しかし私はいま率直に言って医学教育に関しましては、私学は私学としての行き方はあろうけれども、それはやはり一定の常識がありまして、常識を逸したような多額のお金を要求しなければ立っていかないというようなことはいけないわけでございまして、これに対して国がある程度考えていかなければならないということは、どうしても考えなければならぬ課題だというふうに私は受けとめまして、先ほど申しましたようにいま検討をしておるわけでございまして、まだ具体な問題は一応検討をいたしておるわけでざざいますが、いずれ機会もそう遠くございませんから、しばらく御猶予をお願い申し上げたいというふうに思っております。
○東中委員 要するに五百万、一千万といいますと、一般の勤労市民、私たちにはとても出せないですね。それが寄付という形で取られておるわけでしょう。入学金として公然と、ほんとうに必要だということだったら、寄付というような任意であるかのような装いをする必要はないわけですね。そういう任意であるような装いをしながら、実はこれを出さなければ実際上は入れない。これは非常に不明朗きわまるといいますか、やはりよくないことだということは、みなそう思っておる。ですから、全く制度として非常にひずみがここへ出てきたのじゃないか、こう思うわけです。そういう点では、これは抜本的に解決をしなければいけない。しかも先ほど言われたように、社会正義がどうしてもこれは納得しませんから、そういう点で早急な処置を強く要求しておきたいわけですが、医師の養成について、いままで、戦後は戦前、戦時中と比べてずっと押えてこられた。いま医師の需要がふえて、無医村が全国三千地区といわれておりますから、そういう状態で千五百人余り拡張される、こういうことになっておるわけですが、そういう医師養成の大きな流れというものと、それと全然別個に防衛庁の——また防衛医科大学校に戻るわけですけれども、これは別体系で出てくる。しかもそれを出たら、結局同じ資格をとるようにしていく。これは非常に奇妙な体系なんですね。医師養成制度、それから医学についての教育制度、それの全体進め方に大きな矛盾がいま出てきておるということ、それとあわせて今度は別個に防衛庁という特殊な目的を持ったところが体系を変えるような動きになってきておる。これはどうしてもよくないことだと思いますので、そういう点で、軍医の養成機関だけではなくて、一般の医師の養成機関にもなるわけですね、中曽根官の言われておる構想では。これはどうも納得がいかないわけですが、文部大臣として医師養成教育機関、そういうものとの関連で御所見を聞かしていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 これは防衛庁のほうで、具体的にまたどういうような構想でおいでになるか、その点を承らないと、最終的に私どもも判断を申し上げられないと思いますけれども、おそらく中曽根長官が考えておられますことは、防衛庁という庁を受け持って、おられて、そうしてそれに従事しておられる医官がいないということは、これはまた人間生活を営んでおる一つの集団でございますから、そこの中で医官が不足しておるということは、非常に切実なる問題、これは人間性の問題まで行くわけなんで、それを充実をしたい。しかしながら一般のお医者さん方を確保するということはなかなかできないというようなジレンマもあるのじゃなかろうかと思うわけでございます。 そこで、相当お金をかけてでも、技術的には医者としての技術あるいはモラルでは、たとえば大学校という学校教育法とははずれたものであっても、むしろ普通一般の医学教育を受けた人たちよりもさらにモラルの高い、技術の高い、そういう医官をひとつつくってみたい、こういう意欲を燃やしておられるのだろうと私は思うわけでありまして、その意味において、形におきましては学校教育法によらない医科大学校ではございますけれども、少なくとも目標とされますのは、そういう形でもし医師の養成ができるとすれば、それはわれわれがあえてそれまでも反対だ反対だと言う必要はないじゃないかというふうにただいまは考えておる次第でございます。
○東中委員 全国では無医村が三千地区ある。そこはやはり医師を要請しています。沖繩だってそうであります。そういう医師の要請があるからということで今度は医師の養成制度がどうなるかといえば、先ほどの私学の場合のように、これはとてつもない金がなければ入れないような差別が一方でやられている。機会均等が実際上奪われるような社会的不合理性が一方では露呈しておる。一方では官費で、それから給料まで出して防衛庁の医官養成をやっていく。しかもこれは明治以来の体系からはずれる体系のものとしてそういうものがつくられていく。非常に不合理なんですね。これは国民は納得しないですよ。防衛庁に医官が集まらない、定着しないというのは、その原因は何かということを追求すればいいんで、集まらないから、だから国費で特別の養成制度をつくって、しかもそれに一般の医師養成機関と同じような資格を与えていくというような、こういうやり方になると、軍事優先といいますか、必要ならば防衛庁だけは国家予算でどんどんやっていく、一般の医師の養成制度というものを体系的に変えていくようなこともやられていくということになれば、これは医師養成の教育制度を、やはり文部省として、医学校なり医科大学なり大学医学部なりを設置し、その数、要請に応じて、そういう養成制度というものは立てられておるはずなんで、その中で特殊なものだけを軍事優先的なかっこうで認めていくというのは、どうしても納得いきません。それはもう防衛庁は防衛庁の中でやっておることだから、水産大学校なんというのと性質が違うわけですね。そういう点で、ひとつこれは医学の養成制度として全般的に非常に不合理なものが露呈しておりますので、根本的に検討していただかないと困る。このことを強く要請いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○天野委員長 次回は、明後十八日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前零時四十四分散会