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65回国会衆議院1971/05/18

逓信委員会放送に関する小委員会 第3号

発言数
101
登壇者
10
会派数
3
開催日
1971/05/18

会議録

水野清自由民主党

○水野小委員長 これより会議を開きます。  放送に関する件について調査を進めます。  本日は、放送番組に関する問題を中心として調査を進めたいと存じます。  まず、参考人の方から御意見を聴取いたします。  本日参考人として御出席の方々は、日本放送協会理事坂本朝一君、日本テレビ放送網株式会社常務取締役磯田勇君、株式会社東京放送副社長橋本博君、株式会社フジテレビジョン常務取締役村上七郎君、株式会社日本教育テレビ副社長松岡謙一郎君、財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部長河口静雄君であります。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には御多用中のところ、本小委員会の要望をいれ御出席をいただき、厚く御礼を申し上げます。御存じのとおり、最近の放送番組の現状について本小委員会は調査中でありますが、つきましては、参考人の方々はそれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考といたしたいと存じます。ただ、時間の都合もありますので、最初にお述べいただく時間は一人五分程度に願い、後刻小委員からの質疑もあろうかと存じますが、その際十分お答えくださるようお願い申し上げます。  それでは御発言の順序は、はなはだかってながら小委員長に御一任願い、坂本参考人からお願いいたします。坂本参考人。

坂本朝一日本放送協会理事

○坂本参考人 ただいま水野小委員長からお話のありました件につきまして、一言所見を申し述べたいと存じます。  最近の放送事業についていろいろと御意見がございますことは、放送事業者の一人として十分心得ておるつもりでございます。NHKといたしましては、まず何と申しましても、放送法によってその編集の基本が示されております。したがいまして、その放送法第四十四条に示されております精神と申しますか、そういうものに従って番組の編集をするということに基本的に努力しておる次第でございます。それが申しますれば国民の皆さんの負託にこたえ得る道であるというふうに考えておる次第でございます。なお、放送法四十四条の三に規定されております中央番組審議会等の諮問を経て決定されました国内番組基準というのがわれわれの編成の基本になっておりまして、それにもとることのないように日夜努力をしているというのが実情でございます。そういうことによって、巷間いろいろと放送に対する御批判に対してもこたえることができるんではないか。  なお、具体的な方法といたしましては、前田会長も常々われわれに指示しておりますように、聴視者の皆さんと直結すると申しますか、そういうことを常々番組編成の中に考えていかなければいけないだろう、こういうことで、法に定められました番組審議会等の御意見のみならず、聴視者懇談会というようなものを積極的に開催いたしまして、ほとんど毎日どこかのNHKの局では聴視者の懇談会を開いているというような、そういう運用をいたしまして、聴視者の御意見を番組編成の中に生かしていくという考え方をとっておる次第でございます。  なお、部内的には考査室等の充実あるいはモニター等の活用というようなことを通じまして、国民の皆さま方の御意見をできるだけ十分に編成の中に生かしていく、これがNHKに課せられました使命であるというふうに存じて、日夜編成に当たっておる次第でございます。この方法に徹することが、日ごろいろいろと番組に対する御批判に対してこたえ得る道であろうというふうに考えておりますので、今後といえどもこの方法に徹して番組編成に当たっていきたいというふうに考えておる次第でございます。何とぞよろしくお願いいたします。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に、磯田参考人から御意見を賜わりたいと存じます。磯田参考人。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 日本テレビの磯田でございます。すわったままお答えいたします。手元にきわめて適切なる質疑事項をいただきましたので、これにつきまして、具体的に私どもの考え方を五分間簡潔に申し述べたいと思います。  まず第一に、放送番組の充実向上についてどんな努力をしているかという設問がございます。私どもは、もちろん各番組につきましていろいろな関係者、心理学関係の方々であるとかあるいは雑誌関係、新聞関係の方々であるとか、そのほかに一般のモニターの会議をやりまして、どのような番組を望んでいるかというような点の会合を開いてやっております。もちろんそれで必ずしもいい結果を結んだということは別に保証されませんけれども、やっていることは事実でございます。  二番目に、民放の視聴率の問題、視聴率至上主議が批判の的になっているようだが、視聴率についてはどう考えているかというのがありますが、もちろん私どもが視聴率を全く無視していると言ったらこれはうそになります。もちろん視聴率につきましては、四%ないし五%の誤差があることは皆さまもすでに御承知のとおりでございます。しかし、視聴率を参考にするというよりも、視聴率をかなり重視していることも事実でございます。  具体的に申し上げますと、たとえば八時台の一時間のフィルム番組を注文する場合に、一本八百万とか八百五十万とかいたします。これを普通ツークール二十六本注文するわけでございますけれども、ワンクールでもってどうしても視聴率、レーティングが上がらないからスポンサーがおりてしまう、そういうこともございます。以前の場合ですと、三本くらいでだめだからといっておりてしまう。そうしますと、あとの分は全部キー局がかぶるわけでございます。キー局がかぶるばかりでなくて、地方の局に対して全くスポンサーなしに電波料金まで全局保障しなければならないという重大な問題が起こります。したがって、ゴールデンアワー一時間番組一本失敗した場合に、おそらくその局は経営上全く危機に瀕することだと思います。したがって、スポンサーが落ちないようにと、少なくとも一〇%以上のレーティングはとれるのだというような確信のもとにやっているわけでございます。しかし、間々そういった予想が狂う場合もございます。しかし一方において、視聴率について全く無視してくださるスポンサーもいることは事実でございます。たとえば私どもの日曜日の夜、日立製作所が「すばらしい世界旅行」というのをやっております。日立製作所の宣伝部長の田中さんのお話によりますと、宣伝費が節約されて削られてしまった場合でもこの番組だけは残していきたい、最後に残る番組はこの番組だ、そうレーティングにとらわれずに自由にやってくれ。あるいは東洋レーヨンの「ノンフィクションアワー」というのが土曜日にございますけれども、これも同じようなことをいっております。決してレーティングにとらわれてくれるな。あるいは私どもスポンサーをつけずにやっております「宗教の時間」というのがございます。日曜日の朝やっておりますけれども、これも一%にも足りないレーティングでございますけれども、別にレーティングにとらわれずにやっているような一つの例でございます。  それから、その次の三番目に、放送事業者は番組の考査機構を設けることになっているようだが、各社それぞれどのような組織で、また、どういう方法で考査を行なっているか。このことはおそらく番組審議会のことだと思うのでありますけれども、もちろん番組審議会はございます。ただし、番組審議会の中の意見で、どうも平均年齢六十何歳という番組審議会がテレビを審議するのは不適当だから、もっと若い人を入れたらどうかということがございまして、実は昨年三十代の方を入れたわけでございます。かなり審議会の雰囲気も変わりまして、一つの低俗番組の論議につきましても全く違った意見が論議されるようになったことを申し上げておきます。いずれ後ほど低俗番組についていろいろ御意見が出ることと思いますので、その際に御説明申し上げたいと思っております。  それから、放送番組について投書や電話とか苦情などが出されると思うが、こうした反響はどう整理し、これを番組編成の上にどう生かすようにしているかということであります。この問題でありますけれども、実はあまり多く投書はございません。いわゆる投書マニアといわれるような人から毎日同じようなことで投書が来るような例は多いのでありますけれども、それほど多くはございません。もちろん電話でかかってくるのは、たとえばナイターでございますけれども、ナイターが九時二十六分で切れてしまうのは困るとか、あるいはプロレスをやって勝負がきまらないのに途中で切ってしまうのはどういう意味かとか、そういうような苦情電話はございますけれども、番組個々について、ことにドラマ番組などについての電話はあまりございません。むしろ報道番組についての電話がかなり多いことは事実でございます。  その次に、放送番組審議機関は十分に機能を果たしていないのではないかという批判でございます。どんな活動をしているのかという点でありますが、先ほどちょっと触れましたように、番組審議委員会は平均年齢の若返りをやったわけでございますけれども、かなり活発に皆さん意見を申し述べておられます。また番組審議委員会の意向を尊重して番組を中止したという例もございます。これはまた後ほど具体的な例をもって御説明したいと存じております。  それから、放送番組向上委員会について、放送事業者の間にはいろいろな意見があると聞くが、これについてどう考えているか。私どもここに参るに際しまして、いままでの議事録を全部拝見させていただきました。その中に全く私どもも同感する面がございます。それは番組向上委員会でありますが、番組向上委員会について非常に同感する点がございます。番組向上委員会の高田先生に私も前に申し上げたことがありますけれども、あの良識ある先生方、委員方、もちろんこれは必要ですし、ありがたいことでありますけれども、同時に全国の広範な層、つまり若い人たち、それからほんとうにものを書くことを苦痛と考えるような人たち、しゃべることもろくにしゃべらないような人たち、そういったいわゆる大衆の声をぜひ聞いていただきたい。これについても後ほど御質問がありますれば具体的な例をもって御説明いたしたいと思っております。そういったつまりほんとうの大衆の声を反映した番組向上委員会になっていただいて、これに対して政府からお金が出るのではなくて、一般スポンサー、あるいは業者から金を出し合って、もっとお金をかけて強力な組織にすべきだと考えております。  それから、キー局と地方局との間に意見交換は行なわれているのか。これはたいへん行なわれております。それぞれ基幹局の会議、たとえば私どもでいいますと東京、札幌、名古屋、大阪、九州、この五つの局の会議をレギュラーには一週間に一回、大きな会議では三ヶ月に一回やっております。それからその他の地方各局との間には在京の支社の会議は月に一回、それからその他年に数回、それから番組改編について四月直前、あるいは十月直前二回それぞれ会議を持っております。また報道は報道で、あるいは制作は制作で別個にそれぞれ全国の局長会議を持って並行して番組内容の討論を行なっておりますことを御報告いたします。  それから、番組についてスポンサーの介入や支配があるというようなことがいわれているが、実情はどうか。先ほど申し上げました「すばらしい世界旅行」のように一年間分の予定をこちらが立てまして、これでやりますよといった場合に、これは困るといった例はいまだかつてございません。またこういうふうにやってくれ、ああいうふうにやってくれと非常にこまかくいわれるスポンサーの方もおられますけれども、これはそうたくさんはおりません。しかし、その宣伝担当者の好みというものがありまして、配役などについてかなり、この女優さんじゃいやだとかいうようなケースはございます。しかし、全く番組がスポンサーによって左右されるということはきわめて少ないと思います。あくまでも局の自主性に基づいてつくられるというふうに御理解いただきたいと思います。  それからその次に、番組低俗化の原因の一つとしてキー局が多過ぎるということがあげられているが、これについてどう考えるかということでございます。   〔発言する者あり〕

水野清自由民主党

○水野小委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

水野清自由民主党

○水野小委員長 速記を始めて。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 じゃ、もっと簡潔に申し上げます。  キー局の数が多いという問題について、私どもいままで三回ですか、議事録を拝見しましてよく出ておりましたけれども、全く私どももそれについて同じ考え方を持っております。昔NHKと日本テレビとTBSと、この三つの局があったときの番組表を比べてみたことがございますけれども、そのときの番組表と現在の番組表を比べますと、かなりレベルの高いものを当時やっていることを記憶いたしております。現在ここにおられるほかの局の方には申しわけないのですけれども、それが実情であろうと思います。たとえばアメリカの場合に、国民一人当たりの広告宣伝費の比較をいたしますと、古い資料で三年前の資料でございますけれども、日本の一人当たりの六倍というのがアメリカの広告宣伝費でございます。それを現在では、NHKを除きまして五つの局が分け合っているというのが実情でございますので、その点、キー局同士の非常に激しい争い、こういったところから、この低俗番組の論議というものが出ることも事実でございます。これは決して言いわけじゃございませんけれども、そういったことも言えると思います。今後そういった低俗関係の問題についても十分注意をしながら番組をつくっていきたいと思っております。  しかし、私どもはあくまでもテレビの番組の構成は娯楽であり、あるいは報道であり、あるいは社会教育、教養関係である、こういう三つの柱を持ちまして、バランスのとれた編成をしていきたいと思っております。ことにゴールデンアワーにおきましては、これはあくまでも大衆娯楽の番組に徹していきたいと念じております。しかし、それ以外の夜おそい時間であるとか、日曜日の午前中であるとか、そういったところには、あまり取り上げられていないようでありますけれども、教育、教養、こういったいわゆる硬派の番組を展開していることも事実でございます。こういったバランスをとった番組編成を今後もしていきたいと思っております。  はなはだ簡単でございますが、これをもって終わります。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に、橋本参考人から御意見を賜わりたいと存じます。橋本参考人。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 ただいま委員長から御紹介いただきました東京放送の橋本でございます。すわったままで失礼します。  低俗番組あるいは俗悪番組ということが問題になっておりますが、ちょっと公式論じみますけれども、私どもの社では、放送番組の編成あるいは制作につきまして、これは放送法その他の関係法規あるいは民放連の番組放送基準といったようなものを尊重することはもちろんでございますが、そのほかに、東京放送自体といたしまして、東京放送の放送基準というものを設けております。この放送基準は、昭和二十六年に会社ができるときに制定されましたもので、その後一部改正されましたけれども、この放送基準を根本的な方針として放送番組の編成、制作に当たっているわけでございます。  この中身を一々御紹介申し上げることは避けますけれども、大体おもな点は、放送番組については、報道番組、娯楽番組あるいは教養番組といったようなものについてバランスのある編成を持っていくということ、それから東京放送の番組審議会の意見を十分に尊重するということ、それから常に世論と視聴者の要望を把握して、これを放送番組に反映させる、それから社会の良識並びに良俗に反するような放送は行なわない、こういうふうなことが基本的な考え方でございます。いま申し上げたようなことはどうもたいへんにきれいごとでございまして、実際の番組はどうもその方針と違うものがあるのじゃないか、いわゆる低俗番組、俗悪番組が相当あるのじゃないかという御批判も当然あるわけでございまして、もちろん私どもは、すべての番組にわたってミスが全くないというようなことを申し上げる自信はございません。しかし局全体が、何とかこの放送基準に合ったようないい番組を出そうということで、非常に努力をしているということだけは申し上げられると思います。  それから、これはもちろん御承知のことでございますが、一口に放送番組と申しましても、会社自体が制作している番組、それから会社の外に頼んで制作しているわゆる外部制作の番組というふうに番組は分けられますが、大体その比率は、おそらく各局ともそうじゃないかと思いますけれども、フィフティーフィフティーじゃなかろうかと思います。それで、こういう社外の制作した番組でありましても、もちろんその放送の責任は放送局自体にあることは明白でございますので、私どもでは自社の番組について十分にチェックすると同時に、外部からの番組につきましても、社内に検収課という課を設けまして、これをチェックしております。  それからもう一つ、最初に申し上げておきたいことは、この社外制作というようなことが、とかくどうも制作費をコストダウンする、あるいは労務対策上の合理化のための方法である、したがって、番組の質が非常に悪くなるのじゃないかというような御意見も一部にございますけれども、実情としましては番組の制作はやはり会社の中の設備を使い、会社の中の人員を使ってやることが一番合理的で制作費も安いということはいえると思います。しかし、番組の企画の多様化とかいろいろな面からいたしまして、やはり外部につくらしたほうがいいというような娯楽的なものその他はなるべく外部に出す、あるいは社員の中で独立してプロダクションをつくって番組の制作をやりたいという者も相当出ておりますので、そういう人たちには外に出てもらって大いに自由に、独自の立場でいい番組をつくってもらう、こういう方針をとっております。  それから、この委員会で非常に主要なテーマになっております視聴率の問題でございますが、これは後ほど具体的にいろいろお答えすることにいたしますけれども、私どもは視聴率の高い番組をつくろうということを常に必がけております。なぜならば、それは営業的な理由とかそういうことではなくて、国民の電波を預かっている以上、できるだけ多くの人々、いろいろな階層の人、いろいろな年代の人に番組を見てもらうということがわれわれの一つの義務ではないか、こういうふうに考えております。ただ、視聴率というものを非常に大きく見ておりますけれども、いわゆる視聴率万能主義で、視聴率さえ高ければどんな番組でもいいんだというふうな考え方は毛頭持っておりません。そこで非常に理想論のようなことになりますけれども、質のいい番組で、しかも非常に視聴率が高いという番組を目ざしてわれわれは努力をしたいというふうに考えておるわけでございます。いわゆる俗悪番組というもの、あるいは低俗番組というものがしばしば問題になりまして、これは確かに国民生活あるいは国民教育の上に重大な影響があると思いますけれども、私どもはいわゆる俗悪というものは排撃しなければいけないけれども、一般的にいわれている低俗というものは、何と申しますか、いわゆる意識水準といいますか、そういうものの低い層を対象にした番組というものもやはり必要ではないかというふうに思います。いわゆる娯楽番組というものの中には非常にナンセンスなものももちろんございますけれども、それがそういう働く人々にとって非常に大きな一つの潤いになり、また活力にもなっているというような事実もございますので、非常に高度な教育、教養的な番組というものはもちろん必要でございますけれども、すべての番組にそういうことを要求するということはどうであろうかという考え方も多少ございます。どうもてまえみそのようなことになりますけれども、私どもの初代の社長の足立正が放送を始めるときに、最大の放送局になるよりも最良の放送局になれということを申しました。事実、われわれは最良の放送局であるとはもちろん思っておりませんけれども、できるだけそういったことばにそむかないように努力していきたい、こういうふうに考えております。  それから、番組審議の方法でございますけれども、これはどこの局でも番組審議会というものがございまして、私どものところでは日本芸術院の院長の高橋誠一郎さんを委員長といたしまして、二十一名の番組審議委員の方がおられますが、毎月一回開催しております。審議会といたしましては、私どものほうでは大体毎回二、三人の欠席の方がおられますけれども、毎月お集まりをいただきまして、非常に活発な御意見あるいは御批判をいただき、またその御意見に従って番組の中身を変えたりあるいはやめたりしたようなことも相当事例がございます。  そのほか、社内と社外のモニターの制度あるいは系列各社とのいろいろな調査あるいは交流というようなこともございますけれども、これらのことにつきましてはまた後ほど御質問に対して具体的にお答えしたいと思います。  簡単でございますが、以上で終わります。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に、村上参考人から御意見を賜わりたいと存じます。村上参考人。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 フジテレビの村上でございます。  いまずっとチャンネル順に御発言があったわけなんですが、このチャンネルの順番とは違いまして、放送を開始した順番でいきますと、12チャンネルさんを除きますと、私どものほうは隣におられますNETさんよりもちょっとおそく実は放送を開始したわけなんです。ということは、12チャンネルさんを除いて一番あとにできた民放のテレビ局だということがいえるのだと思うのですが、そんなこともありまして、私どものほうの編成の基本的な態度ということを申し上げますと、十二年前に開局いたしましたときに母と子供のフジテレビというようなキャッチフレーズをつくりまして、以来それをわれわれの基本的な態度として今日まできておるわけです。そのためにいろいろ社是というものが会社にあるわけですけれども、社是の第一番目に、明るく楽しい番組をつくりましょうということがわれわれの会社の社是の第一番目にあがっておるわけです。そういった意味で、とにかく男性の方からいうと、おれたちはどうなってんだなんということをいわれるのですけれども、これだけ局があるのだから、やはり女性と子供にサービスするテレビ局もあっていいんじゃないかということで今日までやってきておるわけです。とは申しますけれども、必ずしも母と子供ばかりでなくて、どうも多少行き過ぎたような番組がありまして、あんなの子供に見せていいのか、おまえのところ社是どうなってんだというような投書もいただくわけですけれども、概していいますと、たとえば鉄腕アトムに始まりまして、最近のムーミンとかアンデルセンとか、とにかく夕方台はうちは漫画ばっかりずらりと毎日並べておる。昼間もずっと婦人放送を十何時間、奥さま方ばっかりを中心にやっているわけです。夜のほうも昔はナイターはやっておらなかったんですが、最近ナイターを始めましたけれども、ナイターも何も一時はやめて、これも女の方のドラマばっかり一時はやっておったことがあるのですが、ネット局のふえるに従って、そうばっかりもいっておれないので、多少夜の番組につきましては、男性方が見ても十分に観賞に耐えるようなものも実はやっておるわけです。  方針がそういうことになっておりますので、とかく刺激の強いものはやめようということが、編成の若い人たちにも一貫しておるわけです。しかし何と申しますか、やはりはやりといいますか、だんだん放送時間も長くなってまいりますと、たとえばナイトショーというようなものが夜の十二時過ぎまでやられるようになってくるわけです。そうしますと、やはり何といいますか、夜おそいんだからいいんじゃないかというような気持はだれでも持つわけなんで、やはり私どものナイトショーもごたぶんに漏れず、やっぱりエロがかったようなものがかなりひんぱんに一昨年あたり出たわけです。あっちこっちから、うちのほうの番組審議会のほうからも非常に注意もありましたし、昨年の四月にこのナイトショーについては大阪の関西テレビあるいは名古屋の東海テレビも制作を分担しているわけなんですけれども、制作しておる編成局長を全部呼びまして、セックスの問題とかいうような問題は非常に解釈がむずかしいわけなんです。特に娯楽番組の中でそういう問題を取り上げると、非常に基準があいまいなために、とかく逸脱しがちなんです。特に担当のディレクターなんかも非常に若い人も多いわけなんで、われわれの基準ともかなり違った考え方で現在育ってきているわけですね。そうしますと、たいへん世間に誤解を招くような内容のものが多くなってくるわけなんで、昨年の四月にナイトショーに関して、特に娯楽番組でセックスを扱うというようなことは一切やめようということで、昨年の四月に言いまして、五月から一切取り扱わないことに実はしておるわけです。そのほかの番組につきましても、いま言ったように大体子供向けのもの、あるいは女性向きなものば多いために、あまり現在問題にはなっておらないと思います。  それから、審議会のことですけれども、私どもの審議会の委員長は、特に青少年問題に非常に詳しい石井幾久子先生が委員長になっておられまして、毎月一回やはりたいへん熱心に議論をやっていただいておりますが、東京のほうはそういうことで問題ないと思いますけれども、問題のあるのは地方の番組審議会だと思います。地方の番組審議会というのは、いろいろ同じような質疑応答があるわけですけれども、実際に番組をつくっておるのは東京と大阪というのが、ネット番組についてはほとんどもう九九%くらい占めておると思います。そのために地方の審議会というものをやっておっても、なかなかどういう番組のどういう内容が、どうしてそういうのをつくったといっても実際には東京のフジテレビなり、あるいは大阪の関西テレビが実は番組をつくっておるので、そのほんとうの基本的な態度というものについてはなかなか質問ができかねる状況になっておるわけですね。そういうことで、やはり地方の審議会にとっては、委員の人たちも非常に歯がゆい思いを実はしておられるわけなんです。そういうこともわれわれも聞きましたので、つとめてわれわれのほうの編成の責任者が地方の番組審議会に行きまして、ほんとうの制作する立場からの声を聞いてもらおうということをやっております。それからまた逆に、それぞれの地方のほうの番組審議会の委員の方を東京の番組審議会にゲストとしてお招きいたしまして、ふだん聞きたいことを十分に述べてもらうというようなことで、中央と地方との交流をやっておるつもりでございます。  簡単でございますが……。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に、松岡参考人から御意見を賜わりたいと存じます。松岡参考人。

松岡謙一郎株式会社日本教育テレビ副社長

○松岡参考人 10チャンネルの松岡でございます。チャンネル順にだんだん発言をしてきまして、どうも私が申し上げることはもう前の方がほとんどおっしゃいましたような状態でございまして、きわめて簡単に申し上げたいと思います。  昭和三十四年に私どもは発足をいたして、いま十三年目という経歴でございますが、この間ほとんど無数の番組を放送してまいったと思いますが、また無数のあやまちも犯してきたとみな反省しております。現在でもそういうものもありましょうし、今後も私どもの全力をあげて経営をしている中に幾つかの間違いが出てくることは避けられないことも覚悟はいたしておるわけでございます。ただ、このような状態で、私ども経営者としても、現場の制作をしておるものも、また販売をしておるものも、これはもうすべてあげて国民からお預かりしているこの電波を通じて社会に貢献するということを真剣に考えている点では、たくさんの間違いは犯しておりますけれども、われわれは決して人後に落ちないつもりでやっておるわけでありますが、しかし、にもかかわらずなぜこういうことが起きてくるのかという客観的な背景というものを多少申し上げておきたいと思うわけです。  大体今日のテレビ受像機の普及状態から考えまして、全国でわれわれがお相手をさせていただいております視聴者は、延べにしまして推定約五千万を若干上回る数になるかと思います。したがって、先ほどTBSの橋本さんが触れられましたけれども、われわれの対象としている視聴者というものは、非常に学識経験の豊かな、りっぱな社会生活を送っておられる方もありますけれども、しかしピラミッドの底辺に近いと申しますか、知識水準の点で比べればさらに低い線と申しますか、非常に大きな数の人たちというものは視聴者の中でわれわれが日常考えておるよりもだいぶ下の線でものを判読したり理解したりしておるというこの現実だと思います。われわれがやる仕事の一つの成果というものの目標になっておるものは、もちろんピラミッドの頂点に立っておられる方々にも何かお役に立つことを考えてやらねばいかぬわけですが、しかし、この底辺に対して働きかけてこの水準を上げるということが作業量の大きさからいいますと圧倒的にわれわれの仕事に重要な意味を持っている。したがって、先ほどもお話が出ました視聴率調査というものも私どもはたいへんに大事なものだと考えておるわけです。調査の方法論についてはいろいろ議論がありますけれども、しかしやはりできるだけ多数の方につながってテレビを見ていただき、生活の潤いにもしていただき、また知識の開発の源にもしていただく。ひいてはいろいろ社会の現象を見て解釈をする力の足しにもならしていただくという点で、視聴率というもので出てくる、見ていただいている視聴者の数の多寡というものは、私どもはたいへんに大事な仕事だと考えてきておるわけでございます。  こういう背景の前でやっておる番組制作の場合に、どうしても視点の高いところから視点の低いところで行なわれている制作を見ると、一見低俗に見える。しかし、世上いわれておる低俗番組というものが、はたして全部が排撃すべき低俗番組であるかという問題については相当真剣にお互いに討議をして結論を出さないと、軽々に、どうもおれはあの役者は好かぬ、ああいう者が出るものは低俗だというがごとき低俗論議が横行する中では、ほんとうにテレビの中でりっぱな文化が今後発展していくことは阻害されるのではないかと思ってわれわれは心配をしておるわけであります。  今後、われわれがつくっていきます番組についても、いろいろ御批判をいただいたりわれわれが反省をすべきものはたくさん出てくると思って一生懸命やるつもりでございますけれども、しかし、そういう客観情勢の前に置かれたわれわれの事業のやり方というものについては、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。ありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 次に、河口参考人から御意見を賜わりたいと思います。河口参考人。

河口静雄財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部長

○河口参考人 東京12チャンネルの河口でございます。  私のほうは、日本科学技術振興財団のテレビ事業本部でございますが、非常に長い日本科学技術振興財団という名前がついておりますので、その中のテレビ事業本部というものはどういうものかということをちょっと簡単に申し上げておきます。  この中には、実は北の丸公園にございます科学技術館とそれから科学技術学園工業高等学校とそれからテレビ事業本部と、三つの事業から成り立っております。私どもはその中の一つのテレビ事業本部のほうを実は分担しているわけでございます。  番組の編成の基本方針でございますけれども、御承知のように、私どものほうは多年の経営難から、これまで経営者も実は私で七人目でございます。それで、非常に長い紛糾その他から組合との間の闘争をやっておりました関係から、いままで皆さん方がお話しいただきました各キー局の方々と違いまして左うちわではないものでございますから、非常に苦しい経営を現在しているようなわけでございます。それで位置づけられておりますのが科学技術教育局としての12チャンネルでございますので、番組も科学技術教育を主としたものになっております。その骨格となっておりますのは、企業の中で働きながら勉強するために設けられた科学技術学園の高等学校の生徒を対象とした通信教育講座でございます。これはウィークデーに連日三科目ずつ、帯で一時間半にわたって放送しております。多くの企業からもこれが非常に感謝をされております。土曜日には、このほかに医学の教育番組とかあるいは歯医者さんの歯学の教育番組とかをレギュラーで放送しております。こうしたレギュラー番組のほかにも、随時原子力エネルギーの問題あるいは時事問題としての公害の問題、医学の問題あるいは生活科学、自然食というような衣食住を含めた広い意味の生活科学を織り込んだ啓蒙番組を放送しているようなわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもはこういうむずかしい名前がついておりますけれども、やはり民放でございますので、これはスポンサーがつくことが条件なんでございます。そういう関係から、この教育局が経済性をどういうふうにして有利に展開さしていくかということに非常にむずかしいものがございます。その辺に私どもは、非常に再建というものに対して苦心をしているようなわけでございます。そういうわけでございますので、教養とか娯楽番組というのも、経営の面からは非常に重要視しているわけでございます。娯楽番組は、主として夜のゴールデンタイムに、皆さん方と同じように、たとえば往年の外国の映画とかそういうものを放送しておりますが、ただ、娯楽番組につきましては、ただいまも皆さん方からお話がございましたように、低俗番組の論議が非常にやかましいわけでございます。私どもはコマーシャルフィルムの内容ともども、民放連が最近きめられました放送基準というものを、とにかく何でもこいつをやかましく守っていこうじゃないかということで努力をしております。従来から私どものほうの、よく出てまいりました非常に薄ぎたないエロとか、それから暴力肯定のシーンとかいうものがあったのは事実でございますけれども、そういうものをできるだけとろう。そうして視聴者に対して不快感を与えるような番組は極力追放するようにやろうじゃないかという指導をしているようなわけでございます。そういうことから、結局は基本的な問題になりますけれども、視聴率をかせぐのにはいい番組をつくっていかなければだめだ。いい番組とは何だということになると、なかなかむずかしいわけでございますけれども、番組の健全化というものをはかりながら、こういった意味の安全性の高いものにかえていこうというふうなことで、皆さま方ごらんになっているとよくおわかりになっていただけますと思いますけれども、私どものほうは比較的スポーツ番組が多いわけでございます。またそのほかに時事番組とかあるいは社会教養番組とかいうものに対しても、常に中正公平な、偏向しないものをやろうじゃないかというようなことでやっているようなわけでございます。  これは、基本的な考え方としては非常に通俗的なことでございますけれども、常識というものは時代とともに変わりますけれども、常識の許される範囲内での番組の制作、番組内容の制作というものをやっていこうじゃないかということをみんなと相談しているわけでございます。  先ほどから申し上げておりますように、社外の基準としては、民放連の放送基準を守ること。それから二番目には、番組審議会の御意見を、いろんな面から非常に活発な意見が私どものほうは出ますので、それを取り入れる。しかも新しい番組は、国産映画なんかつくられましたような場合には、特に悪い番組をお目にかけて、そしてそれの意見を承りながら、修正すべきところは修正していくというふうな方法をとっております。そのほかには、モニター制度とかそれからアメリカで、最近日本にきております特殊の、科学的な調査方式でやっております視聴率調査がございますので、そういうふうなものも利用しております。また社内で指導をしております一つの方針といたしましては、もちろん考査部の活動というものはございますけれども、考査部がひんぱんに、いかがわしいと考えられたものは試写をして、そしてその試写の結果を局長会に、毎週ございますのに報告しながら、みんなの意見を聴取して、そして変えるべきものは変えるというふうな考え方で現在やっております。ただ、皆さまも御承知のとおり、放送局というものは、非常にダークスタジオの中に四六時中制作者あるいはプロデューサーというものはいるものでございます。私どもは小学の三年のときに教育勅語に始まりまして、中学になってから漢文で儒教の教育を受けて、そして大学に入ってデモクラシーの教育を受けた。そして終戦後に民主主義の教育を受けた。そういうふうに非常にバラエティの多い倫理基準というものを持っておりますけれども、いまの制作を担当しております若い人たちは、そういうふうな経験がございませんので、倫理に対する価値観というのは相当変わっております。しかし、それをただ頭からだめじゃないかということではなくて、一緒に試写室で試写を見ながら、君、あの問題はどう思う、君たちはこれは子供に一緒に見せられるか、君の子供とか奥さんに一緒に見せられるのかというふうなことで内部指導というものをやっているようなわけでございます。  それから番組が好評であるか不評であるかというのは、先ほどからお話が出ておりますように、視聴率の調査で量的に現在表現されておりますけれども、視聴率の高い番組を編成して、低い番組を少なくするということは、ある意味では多数の聴視者の意見を取り入れていることでございますわけですが、しかしこれだけではいいとは申し上げられませんので、やや程度の比較的低い階層というと失礼でございますが、そういう方だけを重視するような番組の低俗化に現在の視聴率調査のやり方というものはつながる傾向を私どもは非常に残念に思っているわけでございます。と申しますことは、ニールセンにしましてもビデオリサーチにしましても、機械がセットしてございます台数も少ないし、しかもそれが統計学上これは非常にいいんだというふうな、いい点数がつけられるようなところに配置されていない。松岡さんが先ほどもお話がございましたような比較的三角形の底辺に近いようなところにたくさん置かれている。そうすると、そこで出てくる視聴率というものは、やはり何か考えさせられるようなものが出てくる。そうすると、質というものがどうかということがここで非常に問題になっていくわけでございます。私どもはそういう関係から、視聴率というものを軽視しているわけではございませんけれども、現在の視聴率では、質的にはまだはっきり明確なところは出てない、欠点が多いようだから、これをどういうふうにして直していくかというようなことは、やはり民放をはじめとして放送業界が全部でこれは考えなければならない問題ではないか。特に電波は国民のものといわれております関係もございますので、そういう面からも、特に視聴者を対象として、あるいはスポンサーを対象として民放全体がそういうふうな調査機関を持つかどうか、そういうふうなことに対しても、もう一歩突っ込んだことをやる必要があるのではないか。  後ほどこれは話が出ますかもわかりませんけれども、私どもは特にこういう問題に対して考えておりますことは、新聞とか雑誌に関しましては、発行部数を調べますのに、日本ABC協会というものがございます。それが非常にやかましい考査をしながら、正確な発行部数を出すことに努力をしております。そういう意味におきまして、これは各新聞社が自主的に金を出してそういうふうな機関をつくってやっているわけでございます。民放も数がこれぐらいふえてまいりますと、やはり自分たちの力で、民放とそれからNHKが一緒になられますと、相当大きい資金も出てくるでしょうし、そういうもので一つの調査機関をつくって、視聴率の調査というものを、いろんな学者も入れながら、質量ともに非常に正確なものをつくるというふうなことをされたらどうかということを、実は私どもは考えているようなわけでございます。  それから、先般来、審議会のことでございますけれども、私どものほうは、先ほど申し上げましたような意味で、経済性を高めるということと、それから視聴率が六%台であったものをもう少し上げたいというようなことから、ことしの四月からやめておりますけれども、昨年の暮れから話題にのぼりました「ハレンチ学園」というのを実はやったわけでございます。これは皆さん方の世論に非常に大きい批判が出てまいりまして、最初やりましたときには視聴率も二八%くらい出たわけでございますけれども、二八%視聴率が出たからといっていいわけじゃございませんが、先ほど申し上げましたように、そのときにできておりますフィルムの一番悪いのを、第三回目に放送するような悪いものを実は番組審議会に出したわけです。それで皆さん方に試写してごらんに入れましたところが、非常にいろんな批判が出てまいりました。絶対にこういうものはやめるべきだというふうな意見も出たわけです。しかし、これも番組向上委員会と同じで議論がなかなか一致いたしませんで、いろんな意見がございますので、私どもが考えて、これはひどいなと思うようなところにだんだん手を入れて、修正してまいりましたところが、視聴率がだんだん落ちて一〇%くらいになったというようなことがございましたことをこの席で御報告申し上げておきたいと思います。  私どもは、とにかく番組がよくなる、視聴率を上げるためには番組の内容をよくする以外にはないんだというようなことを常に社内では教育をしております。しかしながら、そういうわけで、先ほども申し上げましたように、われわれの時代といまの制作している若い人たちの時代とは違いますので、その辺を合わせながら今後うまくやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

水野清自由民主党

○水野小委員長 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

水野清自由民主党

○水野小委員長 参考人の方々に質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森喜朗君。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 テレビ会社のテレビ制作というのは、どうも時間に限られておりまして、この前、高峰秀子氏が話しておられた中だったと思いましたが、五十六分の時間帯の中に、その時間を守るためには途中のものはみんな抹殺してしまうようなこともあり得るんだというお話を伺ったのですが、その編成を担当されている皆さん方は五分間の時間をあまりお守りになりませんので、私どもの時間が全くなくなってしまいました。社会党さん、公明党さん、皆さんお困りのようでございます。そこで、大体御意見を伺ってしまいましたが、私どもこれから御質問申し上げることは、ひとつできるだけ簡潔にお答えをいただきたいと思います。おそらくきょうは、先ほど小委員長の非公式なお話ですが、別に意見の一致をさせようということではございません。あくまでも御意見をお伺いしまして、私どもがまた考えるその参考の資料としたい、こういうことでございまして、できるだけ多くのことを伺っておきたいと思いますので、どうぞひとつよろしく御協力をお願いしたいと思います。  まず最初に、これは時間がちょっとあれなんですが、どうしてもお伺いしておきたいのは、先ほど村上さんと河口さんがちょっとお述べになりましたが、私、最初にこれだけ伺っておこうと思っておりましたが、各新聞社には社是、綱領というものがございます。そこで、さっき母と子のフジテレビとおっしゃいましたが、各社の社是、綱領というものが、長いようでございましたら、ひとつこれはまとめていただきますが、簡単な一、二、三の行数であらわせるものがございましたら、一人ずつ各社を代表して社是、綱領をおっしゃっていただきたいと思います。順番どおりいきますとNHKからでございますが、坂本さんからひとつお願いしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会理事

○坂本参考人 NHKといたしましては、冒頭申し上げましたように、放送法の第四十四条に定められております精神が社是というふうに申し上げてよろしいかと思います。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 日本テレビにおきましても、当然日本テレビ独自の番組基準がございます。これはかなり長いものでございますが、その基準方針だけ簡単に申し述べさせていただきます。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 社是というものはございませんか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 社是というものは別にございません。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 綱領、基準は……。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 基準はあります。述べてよろしゅうございますか。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 相当長いのですか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 ちょっと長いのです。――それではあとで差し上げますから。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 東京放送は、先ほど申し上げました東京放送基準というものが根本でございまして、特別にそのほかに社是、綱領といったものはございません。放送基準は相当長いものでございますので、後ほどこれもプリントで差し上げたいと思います。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 さっき申し上げましたが、一番目が明るく楽しい番組をつくりましょう、二番目が正しく片寄らない報道をしましょう、三番目が明るい職場をつくりましょうということでございます。

松岡謙一郎株式会社日本教育テレビ副社長

○松岡参考人 私のところも社基が綱領としてありますが、これもあとでごらんいただくことにして、社内のモットーとしては、村上さんのところの明るく楽しいというところは同じで、もう一つつけ加えるのは役に立つ番組をつくろう、それからもちろん報道については中正な報道をしようというようなものです。

河口静雄財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部長

○河口参考人 私のほうも放送番組の基準によってやっておりますけれども、この中に目的として、平和な世界の実現に寄与し科学技術の振興、産業と経済の発展、公共の福祉、文化の向上に貢献するという、かみしもを着たようなことをいまいっておりますけれども、要するに、世の中の生活に非常に役に立つ科学番組、それから楽しく明るい、さっき村上さんからもお話がありましたが、そういうことでやっていこうではないかということを話しております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 それからもう一つ、また順次お願いしたいと思いますが、低俗ということばの意味あるいは破廉恥ということ、これをひとつ簡潔に、まず第1チャンネルからお願いしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会理事

○坂本参考人 非常にむずかしい御質問で、なかなか簡潔に低俗という定義ができませんところに、いろいろと問題があるのかと思うのですが、やはり放送というものは電波が家庭に直接入り込むという特殊性から申しまして、親子そろってそれが聴視できないようなものは、少なくとも低俗というふうにいわれる中に入り得るのではないかと考えております。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 いろいろな解釈のしかたがもちろんございますけれども、見て不愉快になるようなもの、これは避けていかなければならない、このように考えております。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 大体同じような趣旨でございますけれども、先ほど申し上げましたように、低俗と俗悪というものはちょっとニュアンスが違うのではないか。いわゆる非難されている番組の中に、低俗といわれるものの中には、先ほど申し上げたような非常に低いといいますか、そういう人を対象にした番組もあるので、そういうものは別といたしまして、茶の間に直接入り込んでひんしゅくされるような番組は低俗番組であるというふうに考えております。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 簡単なことばで言うと、さっきもちょっと言いましたけれども、エロ、グロみたいなものを非常に露骨に出したものを一番低俗といえば簡単じゃないかというふうに思います。

松岡謙一郎株式会社日本教育テレビ副社長

○松岡参考人 いまの低俗問題については、橋本さんの言われたことと私どもの考えはほぼ同じでありますが、しかし一点だけ、私どものほうの社内で非常に徹底をすることを努力しておりますのは、実際に社会に実害を与える番組、これは高低を問わずあり得るわけでして、このほうが実は私どもとしては非常に重要な問題ではないかと考えております。

河口静雄財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部長

○河口参考人 私どもは、低俗として普通考えておりますのは、家族そろって見られるか見られないかというその限界を越したもの、家族そろって見られないようなものが低俗という範囲の中に入るのではないのかというふうに思います。  それから破廉恥でございますけれども、これも世の中でいま大体破廉恥という意味が定着しているかどうかわかりませんが、私どもは、「ハレンチ」というと、その破廉恥をすぐ漢字で解釈するわけです。というのは、刑法に昔破廉恥罪というのがございましたが、すぐそういうふうなところに行きますけれども、いまの若い人たちの「ハレンチ」というのはいかすというふうなことも含まっているようでございますので、その辺の説明はわれわれには非常にむずかしいわけでございます。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 ありがとうございました。決していまのことばを全部最初にとっておいて、それからことばじりで押えつけよう、そんな気は毛頭ありませんで、一応直接番組を担当されている皆さん方の良識をまず伺っておいて、後ほどまた参考にさせていただきたいということでございます。  そこで、時間があまりございませんし、いまどなたかおっしゃいましたが、テレビというものは家庭に入り込んでくるものである。特に皆さま方は私より大先輩でございますが、それぞれ社会の指導者だというふうに考えてよろしかろうと私は思っております。先ほど、いわゆるテレビ番組というものは幅広い人のことを考えなければならない、特に下層というとことばは低いのでありますけれども、そういうものを喜ぶ人たちのことも考えなければならないので、何も教養、科学技術ばかりが番組ではないのだというようなことばの  ニュアンスで私は承りました。したがいまして、世の中を構成する社会観というものをみなが考えてみた場合に、やはりそういう人があるというならば、またそういうものを望む人たちがおられるならば、よけいに私どもはあるいはまた皆さま方も人々を指導していく、あるいはまた善導していくという大事な立場に立っていただかなければならぬと思っております。特にテレビの場合は家庭に入ります。親と子供、特に子供たちの感覚というものを考えていただいて、子供たちが将来おとなになったらどういうふうになっていくのだろうかということをまずお考えをいただきたいと思うのです。  私はいまこれからいろいろなことを申し上げて、また前の御参考人がおいでいただいたときにも申し上げたのでありますが、いささか国会議員であるかどうか疑わしくなるような発言をいたすことも私はございますが、私どもがやはり発言する基調は、国民が、私どもと同じような年代層があるいはまた一般の家庭の奥さん方がどう思っておられるか、それをそのまま私どもは受けとめて発言をする場を与えていただいているのが私はこの国会の場だというふうに理解をいたしておりますので、そういう観点で御質問をいつも申し上げております。したがって、まずどなたでもけっこうでございますが、戦後でありますが、テレビというものが出てきて、大体テレビというものを子供のころ、幼児のころから見て、そして大きく成長をしてきたのは大体いまの高校生くらいだろうと私は思うのです。私どもも子供のころはどちらかというと「のらくろ」とか「冒険ダン吉」なんかが本として、娯楽としては最高のものであったような気がいたします。私どもずっとそういうものから育った環境の中の人間性といまのようにテレビを幼児のころから見て育ってきた子供たちとの違いというものはだんだんあるような気がいたしますが、その辺のいわゆる追跡調査といいましょうか、そういう子供たちが大きくなっていまどんな人間であるかというような追跡調査というものをなさった各社がございましょうか、あるいはそのようなことをお調べになったような方がございましたら御意見を賜わりたいと思います。

坂本朝一日本放送協会理事

○坂本参考人 森議員の御質問に直接お答えできる答えかどうかわかりませんけれども、私どものほうといたしましては、いわゆるテレビチャイルドといわれる子供たちのテレビの影響と申しますか、そういうものを私どものほうの世論調査所が中心になりまして数回調べた実績がございます。ただ、その結果がいま森議員が御質問になりましたようなところにぴったりとはまるかどうかはちょっとわかりかねますけれども、そういう調査をしたことは事実でございます。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 私ども先ほど申し上げましたけれども、うちは漫画をまっ先に取り上げた局なので、漫画のことで申し上げますと、うちは十二年ちょっとたったわけなんですけれども、われわれ漫画を始めたということ自体も、その当時は非常に漫画ブームであったから取り上げたわけなんで、実は漫画ブームというものはそれよりもっと前にあったと思うのです。というのは、雑誌なんかを見ても、昔の子供雑誌なんというのは話が非常に多かったけれども、いまは九〇%くらいアニメーションを使っておるのではないかと思うのですが、そういうものを見て育った一番上くらいのクラスが大体いま大学生か大学を出たくらいの年代にもうなってしまったわけです。ですから漫画雑誌自体が内容が非常にレベルアップして、幼稚園のころからその雑誌をずっと見ておるわけです。何とか何とかというものを。それを中学校に行きまた続けて見ておるわけです。高等学校に入ってもまだその雑誌を見ておる。大学に入ってもまだ見ておるというものが非常に多いということを調べてみたのです。そうするとその雑誌自体は一番ブームのときの年代層に合わせてずっと持っていくと部数は伸びるということになるわけですね。そういうことで非常に内容が高度になったというとおかしいかもしれませんけれども、むずかしい漫画がいま子供のほうの雑誌にも載ってきておるということ、そういう傾向だということを実は調べたのです。ですから、そういうのを今度また若いほうの層が見て育っていくわけですから、だんだんいわゆる幼稚な漫画というものではなくて、ストーリーの非常に深まってきたような漫画がふえてきておるのですね。そういったものがやはりテレビにも両々相まって影響しておるのではないかというふうに思っておるわけです。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 実は私いま村上さんのお答えに非常に満足をしておるのであります。実は皆さま方もおそらくお気づきだと思いますが、いま汽車の中ででもいわゆる若い方、私どもよく新幹線を利用いたしますけれども、たとえば新婚旅行なんかにもよく会います。若いサラリーマン、学生さん、たいがい持っております週刊誌は漫画であります。学校に行ってもそうであります。私はごく最近ある団体の海外へ派遣する青年、全国から千名くらいお集まりになって、NHKさんに御協力いただいておるわけでありますが、その審査員を私はやりました。ところが全部読書というものがないのです。たいがい漫画でございました。その人たちにいろいろな質問をしてまいりますと、一番驚いたことは、これはNHKの坂本さん、日下さんもそのとき立ち会っておられましたのであとでお聞きいただくとわかると思いますが、これは去年からだんだんその例が顕著になってきたのでありますが、佐藤総理大臣の名前はたいがい知っておるのです。ところが衆議院議長となりますとまず九〇%は知りません。参議院議長に至っては全く皆無であります。東京都知事あたりでも美濃部さんまでは言いますが、フルネームということになりますと半分くらい言えない。これが現実であります。特にひどいのは、驚きますのは、大学生に私はおもに聞いておるのですが、大学生が自分の学長、総長を知らないというのが二、三割おるのです。私はこれは何もテレビに影響があるというわけではないのですが、新しい一つの学生層、そういう学生が、若い青年たちが生まれてきたというふうにぼくは解釈をして、これはこれからの社会の中でたいへん大事な問題だと思っております。  なぜそういうふうに漫画を見たり本を読む――これは毎日新聞の調査で出ておりましたけれども、東京を中心とする一時間半の交通距離、小田原からずっとこういうふうにしまして、電車の中で見ておりますBGを対象にして一体何を一番見ておるかということを調べますと、新聞を見ておる人は一人もいなかったそうです。全部週刊誌ないしは小さな新書判の本だそうであります。これは心理学者が解説をしておりましたけれども、女性というものは絶えず見てもらいたいという心理があるから、新聞を広げておったのでは自分を見てもらえないから小さいものにするのだということを書いてありましたが、いずれにしても若い人たちは、そういうふうに非常にすぐ答えがはね返ってくるようなものもう目で見、絵で見、図で見るというものを望んでくる。そういう若い人間たちがだんだんふえてきたんだということ、私はこれは非常に大事な問題だと思う。いい悪いは別としまして、これからの世の中を構成する社会人ですから、それはそれでいいんだといえば、これはもう論議の対象にならぬわけであります。     〔小委員長退席、羽田小委員長代理着席〕  ただ、私はいつも感ずるのは、さっき羽田先生も言っておられましたが、やはりテレビというものあるいは本というものは人を教育していくんだ、ましてテレビは、どなたも皆さんがおっしゃっていたように、国民から預かった電波である、それを預かっておられるのが皆さん方であるということを考えてみると、人を教導していく、教育をしていくということが最も大事である。羽田さんもさっき言っておられたんですが、ソ連や中国へ行ったら教育以外テレビはないよ、放送はないよということをおっしゃっておられる。この中で、私ども日本がこういう形で新しい人たちをつくっていかれる。たいへん失礼なことを申し上げますが、このまま健康状態でいけば皆さま方のほうが私より先におなくなりになるわけです。羽田さんもたしか三十五とお聞きしておりますが、私のような年代がこれからの世の中のあとの人たちを受け継いでいかなければならぬという大切な仕事がありますが、そのことを考えると、私はいまのテレビは子供たちに与える非常に大きな意味を持っておるというふうに思います。ですから、これは私の意見だけにとどめおくわけでありますが、どなたもそういう追跡調査をしておられないという――坂本さんNHKとしてちょっとおっしゃっておられましたけれども、皆さま方は、テレビというものに携わって一番新しいと目されるフジテレビさんでも十二年おたちになっている。ですから、そういう皆さん方でどうぞひとつ、テレビが家庭の生活の中の大半を占めてきた、大きなウエートを占めてきた今日の人たちの人間像といいましょうか、考え方というものを、そしてテレビによってどんな人間の形ができ上がってきたんだということを、これはぜひとも各社で責任を持ってお調べをいただきたい。これは郵政省あるいはまたNHKはもちろんであります。さっき河口さんがおっしゃっておられたように、NHKあたりでお金を出していただいて、各社みんなで持ち寄っていただいて、ひとつそういう新しい人間像を追跡調査をしていただきたいということを、私はこの席から皆さま方にお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、先ほどから皆さん方のお話を伺っておりますと、河口さんは河口さんで科学技術のいいお話をされますし、磯田さんは「すばらしい世界旅行」だとか、あるいはとにかく皆さん方何かこう低俗番組という問題点になりますと、わが社ではこういういい番組をつくっておりますということを必ずお出しになるわけであります。問題はそのパーセンテージと時間帯の問題だというように、私はいつも感じております。  これはちょっと古いのでありますが、非常におもしろい資料が出ております。これは新聞の名前は、ちょっと個人的な方ですからあれしますが、書いた方にお断わりを申し上げていただいておりますが、毎日新聞の社会部の山崎宗次記者がテレビの調査をされて、自分で山崎塾といって学生さんたちをたくさん集めて、いろいろな調査をしておられた数字が出ております。これは私いまこれから読み上げますから、お調べいただいておられると思いますけれども、ちょっと見ていただきたい。これは実は古いので、昨年の日曜日になりますが二月八日ということで、ちょっと古い資料で申しわけないのでありますが、その中で、日曜日のいわゆる六時から九時まで、特にさっきどなたかおっしゃっていましたが、家族そろってテレビを見るという一番いい時間帯でありますが、その時間帯でずっと調べてまいりますと、六時台に十九人が全員日本刀で斬殺されております。八時台で同様に日本刀で三十人が殺されておる。ライフルで九人が射殺されておる。ほかになぐり殺された者が一人で、やりで突き殺された者が一人。次に、登場人物がなぐられた回数は三時間で、三時間というのはいわゆる六時から九時までですね、子供たちが大体見ておる時間でありますが、三時間で実に五百九回。殴打の連続に終始するプロレス、キックボクシングは含まれていない数字なんです。このほか脅迫三、誘拐二、監禁一、人質一、しごき一、特異な場面としてさらし首が三個、干し首が一個が長々と画面に出てきましたという、こういった数字が出ております。  よろしかったらあとでごらんいただいてけっこうでありますが、いま一番大事なのは、やわらかい脳をしておる子供たちにそうしたものをどんどん与えていきますと、たとえばシージャックの問題がありまして、川藤がぽっと殺される。その場面一つ見ましてもたいした驚きもなければ、あるいは何かテレビのドラマを見ておったというような感覚でとらえる子供たちが多いというふうに私は聞いております。私はテレビで一番おそろしいのは心的麻痺ということだと思うのです。そういうものをどんどん見せつけていく。     〔羽田小委員長代理退席、小委員長着席〕 セックスのことも書いてありますがこれは省きますけれども、そういうことでどんどん子供たちのやわらかい脳の中にそういうものを植えつけてまいります。たとえば妊産婦にはバックグランドミュージックでやわらかい音楽を聞かせる。いわゆる胎教なんということが昔から言われております。あるいはまた幼児教育で、モーツァルトとかベートーベンを三歳あたりから聞かせると、そうしたものに対する情操教育で非常に役に立つということが出ておるわけでありますけれども、そんなことと対比してまいりますと、こういう番組の数字だけあげてみますとたいへんな問題点が出ております。私どもはこういうことに対して、どなたから聞かせていただくということだと、その放送会社の番組が一番顕著な番組だというように言われても困りますが、ドラマとしては比較的格調の高いものをおつくりになっておられますTBSさんがひとつ代表して、私がいま申し上げたことについて、特にいま申し上げた数字のことについていかにお考えになりますか、たいへん長い質問で恐縮ですが、ひとつお答えをいただきたいと思います。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 いまの森さんの御質問の要点は、テレビのゴールデンアワーに非常に暴力番組が多いじゃないか、あるいは残酷シーンが多いのじゃないかということに要約されるのじゃないかと思いますが、もちろん私どものところでも、いわゆるワースト番組の中にあげられた番組というものが幾つかございます。それは日曜日の晩じゃございませんが、たとえば「ザ・ガードマン」であるとか、あるいは「キイハンター」というような番組がございます。これはいずれも外部の映画会社の制作でございますが、もちろん先ほど申し上げましたように、番組の内容については放送側に責任がございます。  そこで、暴力的なものを取り上げることが一切いけないのかという問題でございます。森さんの時代とわれわれの時代とちょっと時代が違いますので、一がいに申し上げられませんが、昔の立川文庫までいかなくても、私どもの少年時代あるいは青年時代に読んだものの中に、冒険小説といいますかあるいは武勇小説のようなものがありまして、そういうものはある意味では非常によくない影響もあったかもしれません。しかし同時に、悪に対して立ち向かう勇気とかあるいは正当防衛だとかいったふうな意味での、自分を守るといったような意味での暴力というものが、ある程度人間というものを形成していく上に何らかのプラスの面もないとは言えないのだ。現在問題になっているようないわゆる暴力番組、残酷シーンの中には、確かに行き過ぎのものがございます。そういうものをどういうふうにチェックするか。ただ暴力番組、暴力的なシーンあるいは切り合いのシーン、撃ち合いのシーンあるいは殺人といったようなものを、たとえドラマであっても一切それではそういうものから排除すべきであるかどうかということになりますと、私どもちょっと疑問を持たざるを得ないのであります。問題は、現実に暴力というものが社会に存在するし、そういうものを描く場合に、必要以上にその暴力を謳歌するような場面、あるいは非常に残虐な場面、こういったふうなことについては大いに自粛自戒して、これをチェックしていかなければならないというふうに考えております。ちょっと先ほど例にあげました「ザ・ガードマン」なども、実は議事録を拝見いたしますと、前にも森議員でございましたか、ほかの委員の方から御質問があったように思いますが、非常に残酷ななまなましいシーンというようなものはもちろん放送の基準にもはずれておりますし、たとえば血を流す場面というようなものにつきましては、具体的には白黒のテレビの時代とカラーになってからの時代と、その印象といいますか影響といいますか、そういうものが非常に違いまして、非常にどぎついものになってきておる。そういう意味で、私どもいま問題になっている番組につきましては事前に相当社内で何回も試写をいたしまして、できるだけそういうなまなましい場面あるいは暴力シーンの行き過ぎはチェックしようというふうに努力をしております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 どうもこの場ではなくても、テレビ会社の方と個人的にもお話をさせていただくと、昔だって講談本があったじゃないか、紙芝居があったじゃないか、そこに殴打もあったし、殺人も殺戮もあったじゃないかというお答えが必ずくるのです。ですから、あまりそういう答えじゃないものを私は期待をしておったんですが、TBSさんにしてはちょっときわめて俗っぽい御意見だったような気が私はするのです。本というのは自分の意思で見るものなんです。自分の意欲でものを見ようというものは、これはまたテレビと全然違ってくると私は思うのです。テレビは家庭ですわっておって自分に関係なく飛び込んでくるわけでしょう。「ザ・ガードマン」というものを見ておると、強姦場面や殺人場面が前は最近のようにそんなにあくどくはなかったのですけれども、だんだんエスカレートして、そのほうがみんなに受ける。またそれを下請へ出しておられるのか、PT化でやっておられるのか私は知りませんが、その人たちもやはり少しでも売れるように、おもしろいようにということでだんだんそれがオーバーになってくるということだと私は思っている。  ですから、テレビの選局は、特にこの間広告主協会あるいは電通の方が参考人として見えたときに私は申し上げたのですが、コマーシャルなんかでもそうなんですね。特にコマーシャルなんか、番組の場合はある程度自分でセレクトをして見れるわけです。おかあさんやおとうさんは、これは見てはいけないよということにしておけばいいわけですが、コマーシャルなんかは、いい番組を見ているけれども、あっという間にその次にぱあっと女の太ももあたりがあらわれてきたりすると、これはちょっと困るわけです。ですから番組の場合でも、いま私はたまたま日曜日のことを申し上げたんですが、いいものを選局したいと思ってもできない一つの時間帯がある。  私はきょうはちょっとうっかりして最近のものは持ってこなかったのですが、たとえばたまたまいま資料で申し上げた、数字で申し上げたこれを見ましても、これは七時台です。NHKは「ニュース」「歌の祭典」がある。この番組ですら、これはずっと見ていきますと、パンティが見える六、腹部が見える六。4チャンネル、股間が見える一人、腰を振る男七、女五、女性に抱きつく一、しりにさわったのが一回。6チャンネル、しごきが一、殴打が二、腹部が見える五、股間が見える五、殴打か七十六回。8チャンネル、抱き合う一――抱き合うというのはいろんな表現があるから一々あれだと思うけれども、これは学生さんが調べて、学生さんが見てショッキングに見えた数字ですから、かなりはっきりしたえげつないものだというふうに理解をしていただきたいのです。股間が見えるが一。フジの場合は「ムーミン」がありますからそういうものは出てこなかったそうであります。NETは、胸が深く切れて胸の谷間が見えたのが一、同性愛的服装が二、これはたいしたことございませんが、12チャンネルに至っては、殴打が二百五十五回。そうしますと、母親、父親は、さあ何かひとついいものを見ようじゃないかと思っても、これではどこを選んでも、3チャンネルしか選べないわけです。  ですから、いまそういうふうに本はこうだこうだとおっしゃるけれども、テレビはいや応なしに入ってくる。それから本を読むよりも、映像に対する印象というもの、衝撃というものはものすごく大きいということ、これは皆さん方もお感じになっておられると思うのです。これはひとつ、そういう立川があったじゃないか、講談があったじゃないかというような御答弁じゃなくて、もう少し子供たちがどういうあれをしていくのかということを――私どもが一番心配をするのは、人を殺したり、そういう人命尊重という面では理念がだんだん消えていくということ、これは私ははっきりしておると思うのです。ないとおっしゃったら、私はこれから警視庁なり総理府なり数字を全部あげてみたらはっきり出せると思うのです。ですからこの辺に、影響力といいますか、責任は編成をさせておる皆さん方に絶対あるのです。これはひとつ心して、私はこの辺の問題をよくとらえておいていただきたいというふうに思います。  水野小委員長から、お互いに無理やりに意見を合わせろなんと言うことはいかぬということですから、これでやり合っていてもしようがありません。ただ、これもひとつ参考にしていただきたい。私の郷里の北国新聞に出ておったものですが、金沢市のPTA協議会から委託を受けて、金沢市紫錦台中学校の育友会というのがテレビのいろんなデータを出しております。その中でもはっきりしておりますのは、テレビに対して何を期待するかということで、おとうさんは、情報を提供するということに四八%、娯楽に三六%、教養を高めるに一六%、母親は、同じ順序で言いますと四一%、四〇%、一九%です。ただ、子供は娯楽を一番求めて、六〇%をこえております。教養は一〇%、そして情報提供は三〇%という数字が出ております。これは子供の希望でございます。しかし、親は何を望んでおるかということは、私はこの数字で明らかだと思う。ひとつそういう方向づけでテレビの製作を見ておってください。  これは何かたまたまテレビを見ている写真ですが、だんだんこれから世の中が複雑化して、おとうさん、おかあさんが外に出、かぎっ子がふえていく。こんな時代に、子供二人、きょうだいがぽつんとテレビをこうやって見ているこの写真、こういう部屋の中で、ただテレビだけこうやって見ておる。この子供たちにテレビがさあっと教えていくということがどんなに影響が大きいかということを、ひとつよく皆さん方考えていただきたいと思うのです。  私は特に、前にある会合で今道さんにも申し上げたのです。あなたのお子さんやお孫さんがその番組をじっと見ておられて、そうして一緒にお茶を飲んで、おせんべいをかじりながら楽しそうに見れるのかどうかということ、皆さん方はむしろ控え目にその辺にまず尺度を置いていただきたい。皆さん方は何かというと世の中はこうだという尺度を大きく広げておかれるけれども、つくられる皆さん方はひとつ尺度をできるだけ小さくしていただきたい。そうして自分の家庭で、奥さんや孫や子供が、おじいちゃん、おとうさん、いい番組ですねというふうに笑って見れることをまず尺度にしていただきたいと私はお願いしたいと思うのでありますが、いまの一番最後のそういう尺度の求め方というものに対してどうでしょう、村上さん、御意見を伺います。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 やはりそういう尺度が、ほかの尺度がむずかしいわけですから、一番いいんじゃないのかと思いますけれどもね。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 どうも私はきめつけていくようなやり方でお答えがあまりないようでございますから、時間も来ておりますので話を変えます。  そこで、結局こういう形になってきたのは、やはり視聴率の問題だと私は思います。視聴率必ずしも悪いものではないというお答えも当然ございます。これは特に磯田さんから視聴率の問題について詳しくお話をいただきました。どうでしょうか、たしか去年の五月、アメリカのNBCのグッドマン社長が視聴率に関するグッドマン発言というのをされておるのです。御存じじゃございませんか。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 知っております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 御存じですね。これについて日本の民放連としてもどういうふうにお考えになったのか、あるいはこういう御意見に対して、何かそれはアメリカのことだから知らないとかいうようなことで終わったのか、あるいはこれはひとつ民放連としても考えてみようじゃないかということでそういう問題をお考えになったのかどうか、これをひとつお答えをいただきたいと思います。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 私は民放連のほうのことは存じませんけれども、私の社では審議室というところでいろいろそういう外国の放送に関する研究、調査をやっておりますが、そこからその資料が参りまして幹部会でフリートーキングの形でその問題を議論したことはあります。ただ視聴率調査というものは、先ほど申し上げましたようにたての両面がございまして、われわれがその視聴率をとらえているのは一つのものさしとして、番組の好まれて見られている傾向を知るという意味での視聴率、そういう点でございますから、一がいにグッドマン氏の言われたように視聴率の調査の一面だけを取り上げて、そういうものは必要ないとかあるいはよくないんだといったふうなことにはちょっと同調しかねると思います。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 そういたしますと、これは前の参考人をお呼びしたときにも出た意見でありますが、視聴率というものを表にもう出さない、こういうものは調べないという、そういう申し合わせというものは、これはでき得ませんか。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 どうも私が代表して申し上げるのはどうかと思いますけれども、つまり先ほど申し上げましたように、一種のものさしでございますから、そういうものを公表するかしないかということについては、これはなお研究の必要、余地があると思います。ただ一切放送しっぱなしで、それがどの程度一体見られているものかというようなことを知らないでもいいんだということはちょっとぐあいが悪いんじゃないか、やはり視聴率調査というものは、これをどういうふうに生かすかということは別としまして、調査自体は必要であろうというふうに考えております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 私どもはとにかくいろいろな弊害があって、そして俗悪番組、低俗番組の解釈のしかたもありますし、確かにいろいろなものを求めている広い国民大衆のことも考えなければならない、そういうことをいいますと、そう一がいにこれはいかぬ、やめなさいということは言えないと思うのです。ただ、やはりそれに対するデメリットが多いわけですから、どうしてもやはり何らかの形でいい方向へ持っていく、その一番ベターな方法としては、視聴率さえなければ少しはよくなっていくんじゃないか、というのはそういうつまらない投資をしたり競争をしなくて済むんじゃなかろうかという、これはわれわれしろうとなりの考え方で、しかしやはりそれができないということになりますと、それなら今度は、私どもはやはりキー局が多い、だからこういうことになるんだ。  特に私はそのキー局の多いという問題で、単に見ている視聴者ということよりも、おそらく皆さん方がいま一番頭でお困りになっておられるのは、地方に流すやつですね、これが地方の局から、いまどちらかといいますと向こうの地方の選局がむしろ強いというか、強い弱いという発言をしていいのかどうかわからないが、TBSさんとかNTVさんは古いから、早くから系列化を進めておられるからわりあいよろしいのでしょうが、しかし特にフジさん、NETさん、12チャンネルさんというのはどうしても競争が激しくて、特にUができてからというものは三、三、三くらいに割るとか、そしてちょっとおもしろくないと、フジテレビだめだぞ、今度はNETからとるからなんということを地方局からやられるというのが、私はやはり一番、俗悪といっちゃいけないのですが、おもしろい番組即世の中から俗悪ということになってくるわけですから、そういうところに問題がある。そうしますと、視聴率を調査したり発表したりすることをやめることができないということになれば、私はそろそろキー局というものもはっきりと多いんだということを断定して、そういう方向を郵政省あたりがそろそろ考えていく必要があるんじゃないかと思うのですね。特に今道会長さんのことばかり申し上げてもいかぬと思うのですが、たまたまそういう会合でこれは郵政省、政治家、電波行政が悪いのだということを今道さんははっきりおしゃっておられた。局が多過ぎるからだと、こういうこともはっきり私どもは承っておる。こういうことについて皆さん方が多いということ、そしてそれを整理統合していくということ、大乗的、発展的に脱皮なり系列化をしていくことについて、これは直接皆さん方は経営の中でもそういう方向の御担当ではないからむずかしいと思うけれども、その辺についていかがでしょうか。これは磯田さんあたりどうでしょう。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 私、先ほども申し上げましたように、森委員の御発言に全く同感でございます。テレビが始まったのはいまから十八年前でございます。ところが十八年前それから十五年ぐらい前まで、これは数も非常に少なくて競争も激烈ではございませんでした。したがって番組も非常にいい番組ができた。当時の芸術祭の出しものなどを見ても、いまでは想像もできないようなものがございました。もちろん経営も楽でございました。したがって会社自身も安定したやり方ができたのだと思います。しかし、現在ではキー局の数の多いことと、同時に地方にたくさん局ができました。先ほど森委員は日本テレビさんはだいじょうぶだ、古い局だからと言われたが、ところが日本テレビはラジオを持たない局でございます。したがって、極端に申し上げると、TBSさんのようにラジオでもって出発した古い局と違って、ラジオを持たない局ですから、その中から奪ってきてネットワークをつくっていった局でございますので、なかなか強力な局がたくさんあるというわけではございません。さらにU局ができております。したがって、これに対するつまりU局へのお金を出すという問題、たいへんな問題になっております。これは地方も含めて私は何らかのことをやはり考えていくべきだと考えております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 ちょっとこまかいことになって恐縮ですが、磯田さんからせっかくいい御意見がございましたので、もう一つ、これは私よく考えるのですが、テレビ会社の経営もなかなかたいへんであると思うのですが、いま制作の費用は全部キー局がやっておるわけですね。これをたとえば地方の系列に流すことが初めからきまっているわけですか、それとも番組ができたらそれを買うのか、大体時間帯にして流すことは初めからきまっているわけでしょう。そうすると、その制作費用を地方民間局がお互いに負担をしていくという行き方はできないのでしょうか。これはどなたでもけっこうですが……。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 たいへんにけっこうな御質問をいただきましたが、実は番組の制作費はスポンサーからいただくということになっておりますけれども、現実にはたいへんにすべての材料費人件費が上がって、制作費というものはゴールデンアワー以外の制作費は非常に回収が困難になっております。したがって赤字番組が相当あるわけでございます。で、この制作費の分担ということについては、以前は制作費が完全に取れておったわけですが、ここ数年来制作費の赤字が非常に多いということで、これは私どもの社ではニュースに関しましてはTBSの系列が二十三局ございますが、この共同制作ということにしまして、それぞれ局の大きさ、経営状態というものを勘案して、制作費の分担をもう数年前から実施しております。それが一般娯楽番組その他についても、実は去年JNN協議会という二十三局の合同の会議で番組制作の強化基金というか、この制作費を頭から分担するということではなくて、番組を強化するためにひとつ各局が制作費を分担しようじゃないかという提案を私どものほうからいたしまして、現在この案を系列の各局で検討してもらっている段階でございます。  ただ、いまの森委員のお話にございましたように、地方局も一時たいへん景気がよかったわけで、キー局から見るとたいへんうらやましい経営状態だったのですが、U局ができましてからやはり非常に競争が激しくなりまして、経営がなかなか苦しくなってきている局が相当あります。そういう意味で、時期的には制作費の分担というのはもっと前に、非常に地方局の景気のいいときにお願いしておいたほうがよかったんじゃないかというふうに私ども考えておりますが、やはり制作費はできれば各局も分担してもらうような方向へ持っていきたいと考えております。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 時間がだいぶ過ぎてしまいましたので、これは私は自分の持論みたいなものを持っておるのですが、テレビ局というのは経営は苦しい苦しいとおっしゃいますけれども、比較的楽はぜいたくな企業だというふうに思っているのです。初任給のあれを見ましたりあるいはいろんな給与のあれを見ましても、普通の企業よりかなりいい。特に新聞記者各位とよくおつき合いがあるのですが、新聞記者さんとテレビ会社さん、こう比較すると、皆さん異口同音にテレビ会社の給与はいいということをやはりおっしゃっているように私は聞いております。実をいいますと、これから皆さん方の給与をお一人ずつお聞きしてもいいわけですけれども、それはちょっと時間がございませんということで遠慮をいたします。ただ、配当はどの程度なさっておられますか、四チャンネルさんからひとつ……。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 一割二分でございます。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 TBSさんは……。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 一割二分でございます。ただしことしは創立二十周年ということで記念配当をしております。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 一割二分です。

松岡謙一郎株式会社日本教育テレビ副社長

○松岡参考人 同じです。

河口静雄財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部長

○河口参考人 私のほうは二十四億の借金をしょって引き継いだものですから、まだ配当はいたしておりません。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 ありがとうございました。キー局は、これは大体順当な穏当なこれを出している。私どもはたまたま去年一回だけですが九州をずっと見まして、特に新設されたしU局なども見ました。まだまだ赤字の会社はありますが、配当はたしか非常に大きかったような感じがいたします。地方局も非常に多いのです。私はこれはもうほんとうにしろうと的な考え方ですが、何かフィルムだけ、電波だけもらってそれを流しているだけでけっこうごぼごぼ入ってくるというような感じを持つのです。ほんとうはこれは三年の免許更新ですから、三年間のことを考えて財政をしていった場合にはそんなふうにならないのであろうけれども、いまの何かこれは郵政省に責任があるわけですが、免許の更新というのは形式的に何か書類を出してそれで通るということらしいですから、どうせおれのところは三年後に免許はだめになるのだ、次はだめになるのだ、免許をもらえなくなるのだ、不許可になるのだということは絶対にあり得ないという前提で皆さんやっておられる。当然といえば当然なんでしょうけれども、そういう姿勢があって、やはり私は地方局なんかかなりぜいたくにやっておられるというような気もします。同時にキー局さんも一割二分というあれでしょうが、電波というのは、さっき皆さんがおっしゃったように国民のものだと、これは皆さんがおっしゃった。この間私は、これは尾張、和田参考人にもそういう御質問を申し上げたときにもここではっきりとそういうことを言っておられました。電波は国民のものとして、電波を有効に使っていけばというような、こういうことでございました。それからこれも和田参考人のおことばでしたが、「放送で一番大切なのは、放送に携わっている連中が日本の国あるいは次の国民というものを、ほんとうに日本の国をりっぱにし、いい国民をつくっていくというその信条に徹した人が放送の事業に携さわる、あるいは広告をする場合についても、メーカーそれ自身がえりを正して、自分のものを売るだけという御批判がありましたけれども、自分のものを売るだけでなくて、そういう深い思いやりを持って放送をやるという、そういう心がけこそいまの時代には大切だ」というふうに言っておられるわけです。ですから、私はテレビ会社がいまのように視聴率もやめない、あるいはキー局のいろいろな過当競争もあるということを考えて、やはりテレビ会社というものは電力やガスと同じようにある程度国民で、公益的なものであるというようなことで、この辺に配当だとかいろいろな引き当て金とかこれは一々調べられたらだいぶ幅が大きいわけでありますけれども、そういうものにもう少し経営の中で、単に普通の民間利益追求の会社であるという考え方でない方向をされるほうがよろしいのではなかろうかという、これは私の私見でありますが、どなたから先にお答えいただきますか、10チャンネルの松岡さん、これは私の私見でございますので御意見、御批判でもけっこうでございます。

松岡謙一郎株式会社日本教育テレビ副社長

○松岡参考人 さっきの話にちょっとまた戻りますけれども、私は磯田さんとは少し意見が違いますので、視聴率問題は、視聴率調査というのがなく去ったら一番世の中でしあわせになるのは私どもなんです、非常な激甚な一つの競争の追い立て役になっていますからね。しかし、視聴率調査というものはまたその反面、橋本さんも言われたようにわれわれがどれだけ実際に国民大衆の中に到達しておるかということの尺度になる。もう一つは、このテレビの時間を使って宣伝をされるスポンサーがその宣伝媒体としての効率の計算をする基準に一つなるわけですね。そういういろいろな要素があるためにやっているものですから、なかなかなくなるものではないと思いますし、むしろ現在の行なわれている視聴率の方法論をもっと考えて、内容の質その他のものももっと大きなウエートを持って中に加算されるものをやるべきじゃないかと考えているわけです。  それから、いまの会社の合併問題は私は競争がたくさんあるからみんな切磋琢磨していいものができてくるわけであって、これを寡占にすれば必ず堕落すると逆に考えています。  それからもう一つは、一割二分の配当及び経営の問題ですけれども、やはり免許はいただきます。しかし、資本及び先行投資というものは別にだれからももらうものではないので、私どもがみなつくり出してやっているわけで、これに対する適正な利潤ということもまた償却の方法も考えるのが現在の資本主義機構の中でやる株式会社としての良識の線があるのじゃないかと思いますね。いまのテレビのキー局、東京の局はその線に沿ってはみなさん運営していると思います。もし非常に多くの利益を得さえすればあとはどうでもいいのだということを考えて約十五年のテレビを経営してきていれば、いまとはもっとずっと違った形にテレビがなっているかと思いますが、相当その点はみな考えてやっているはずです。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 もう一つだけちょっとこまかなことですが、どうも視聴率もこれは御意見皆さんまちまちですから、松岡さんのお話と磯田さんのお話といろいろ違ってきますので質問のほうもこう変わってしまって恐縮なんですが、視聴率というものをもしおやめになれない、あるいはそういうものを外へ出していけないということになれば、せめて、教養番組あるいは報道番組、娯楽番組というものをなべて視聴率をお出しになっておられるわけでありますが、こういうものはやはり区別をしていくということが可能なのかどうか、そういうことはできないのだろうか、せめて一つの段階を経て、一つの方法として。  それからもう一つは、これはこの間も電通さんに一蹴されてしまったのですが、幾らいい番組をその時間帯でつくろうという御熱意があっても、その隣のところがおもしろければやはりそっちのほうを見てしまう。たとえばテレビでこれから選挙というものはどんどん入ってくるわけですが、選挙をせっかくこう見せようと思ってもほかでゴーゴーかなんかやっておれば若い連中はそっちを見てしまうというようなことではいけない。ですから、これは時間帯を同じような傾向番組をやるようにという、これは行政が介入することになってしまいますけれども、そういうようなことが自主的にできないのだろうか。さっき日立さんのことをおっしゃっていましたですね、あのすばらしい、あれもそうでしょう。前にやっておられました何か世界旅行見聞記なんという女性の方のあれもありまして、みんな時間が非常にはずれてしまっておるわけですね。ゴールデンアワーの時間にはあまりそういうものがない。ですから、そういうようなものを時間帯で皆さん方がお互いに話し合って七時から八時台はこういうものにしていく、八時から九時はこういうようなものにしていくということができないのだろうか。この二点についてこれもどなたからでもけっこうでございます。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 私どもの先ほどの「すばらしい世界旅行」は、ゴールデンアワーのまん中でやっております。これは日曜日の夜九時といういわば銀座四丁目の大通り、こういったところでやっております。ただし最初はほかの地方の局から視聴率競争においてこんなばかなまともなドキュメンタリーを銀座四丁目のまん中に置かれるのは迷惑だという非常に非難攻撃を受けたことがありますけれども、現在ではけっこうあの時間帯の他局のドラマと十分戦っておりますので、いいことだと思います。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 視聴率を全部なべてやるでしょう。だから、報道あるいは娯楽というふうにもう少し分けて、それぞれの中での価値判断をしたらどうでしょうかということですが……。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 これは私どもはとっておりませんけれども、ビデオリサーチのほうではそのようにやっております。ドラマとか報道番組とかあるいは映画番組とか分けております。ニールセンは分けておりません。

森喜朗自由民主党

○森(喜)小委員 まだたくさん伺いたいことがあるのですが、お昼になってしまいましたし、あと各党の方おられます。  ただ、私は一番先に申し上げたのですが、テレビをおつくりになっている皆さん方は、人の親、世の中の指導者と同時に、利益を追求しなければならないその切り込み隊長であることも理解ができるわけでありますが、やはり日本人として、社会人として、これだけは御協力をしていただきたいことがあると思うのです。私ども決して放送や表現やそうしたものの自由を侵略したり行政の介入をしたいという気持ちは一つもないのでありますけれども、何かこういうことでなれ合いでおざなりで事を済ましていかれるということになれば、少なくともこれから私どもは次の世代を背負う青少年とともにやっていかなければならない立場にあるわけでありますから、その人たちのためにも私どもは民放連、民放連だけ言って恐縮でありますが、NHKにも申し上げたいことはあるわけでありますが、これはこの間NHK予算のときに私は番組内容を少し申し上げたので、あらためてまた坂本さんにお聞きをしたいのでありますが、要は会社の皆さん方がそうした意識をぜひ持っていただきたい。やはりさっき言いましたように、心的麻痺というのが一番こわいのです。テレビを見ている映像と現実に行なわれていることが混同されてしまうということがよくございます。  たとえば最近顕著にあらわれてきたことで、自動車会社の広告でありますが、時速百何十キロということをばんと打ち出して、だあっと走っていく自動車広告をやっておられたけれども、こうどんどん自動車の被害者がたくさん出てきた。一年間に一万三、四千人の人が死んでしまうということになったら、最近は自粛された。高速を表に出して売らんかな主義ということがやめられまして、広告がかなり変わってきた。優雅なエレガンスを追い求めていったり、これは樋上さんがこの間何かで言っておられた食べちゃいたい何とかいうような、そういうふうな方向にテレビの広告そのものが変わってきたそうでありますけれども、テレビの場合は害毒というものは数字が出てこない。事故死であるとかいうように直接数字が出てこないけれども、人間をむしばんでいくというたいへんな害毒を持っている。ある意味ではテレビ凶器の時代だと私は思っております。人間形成の過程の中で、これくらいむしばんでいくもの、静々と深く深く人間をつくり上げていくというたいへんな害毒だというふうに私はいまの時点では思っておるのです。  このままいきますと、ちょうどカラーテレビの二重価格のことで、いわゆる大衆運動、住民運動が出てきたと思いますが、全国のPTAや母親や婦人会の皆さんがこうしたテレビ番組というものに対して批判をしてくる、いわゆる国民大衆運動が芽ばえてきたならば、私はむしろその先頭に立っていきたいという気持ちをいま持っております。どうぞそういう事態にならないように、皆さん方もひとりの親として社会人としてのお立場で、これから放送番組というものについての中身、あるいはさっき申されたような経営の中の問題、あるいは放送会社各同士のいろいろな申し合わせ、あるいは将来のキー局云々の問題地方局との問題あるいは番組売らんかなという問題、そうした問題をどうぞひとつ前向きに検討し、改善をしていただきたいということをこの際お願いをいたしておきます。これは意見だけになってしまいましたけれども、お答えはけっこうでございますので、私の質問を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部小委員 限られた時間でございますから、私は具体的な問題をこの際お聞きをいたしたいと思います。  最初に、キー局と地方局との間に番組について意見の交換が行なわれているかということについて、すでにお答えがありました。たいへん行なわれておるというようなことで、会議をたくさん持っておるというようなお話でございましたが、私どもがいただきました放送番組向上委員会の資料、これは昨年の十一月行なわれました会合の資料をいただいておるわけであります。それによりますと、ある民放は、番組審議会の意見はキー局に伝えてあるというが一方的通行でしかない、地方の番組審議会というようなものの意見は局を通じて一応出しておるけれども、一方通行で何らそういうものの効果をあげてないという発言が随所に出てくるのであります。きょうお聞きいたしましたキー局と地方局の間にたいへん意見交換が行なわれておるということとこの見解とは大きな差があるわけですが、現実はどのようなものでございましょうか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 具体的に申し上げますと、基幹局の五つの局は、先ほども申し上げましたように、私どもは毎週金曜日に編成会議というものを設けましてやっております。現在やっておる作業は、ナイターが終わります十月からの番組の編成をやっておるわけでございます。詳しい内容その他を全部立案者から説明いたしまして、この時間帯にはこの番組が合う、したがってこれをやるかやらないかということの検討をやっております。  それからもう一つは、地方局の番組審議会からの意見がはたして中央の局に届いているのかどうかという点だと思うのでありますけれども、届いている問題でもって、それ々更け入れたケースもございます。また全くそれは受け入れないケースもございます。たとえば、地方でたいへん受けまして、残念ながら東京及び五大都市においては受けないという番組もございます。したがって、都会と地方との妙な番組の好みの格差というのがございまして、そういった場合にはやはり私ども都会中心の番組編成というように片寄る傾向があることも事実でございます。お答えになりますかどうか……。

武部文日本社会党

○武部小委員 あとでまた申し上げます。  視聴率のことが先ほどもやりとりされておりましたが、参考人の皆さんからは視聴率を高めるためにはいい番組をつくらなければならぬ、あるいは視聴率の高い番組をつくろう、そういうような考え方でおる、それは国民みんなに見てもらうためだ、こういうようなお話がございました。しかし、現実に行なわれておる視聴率というのは、民放ごとに視聴率の競争をやっておる。そうしてその視聴率の高いものこそ、いまいわれておるところの俗悪番組、低俗番組に該当するのではないか、これはあとで私は資料をもって申し上げますが、そのように思うのであります。  いま、一点、視聴率の問題について、そのとり方に問題があるではないかということを、この委員会で私は質問をいたしたことを覚えておるのでございます。ビデオリサーチの視聴率調査というのが、いま一般的にとられておるようでありますが、一つの例をとってみて、関東のテレビ世帯というのは七百四十万世帯、ところが関東でこのビデオリサーチでとっておる視聴率の調査はわずかに四百三十世帯、七百四十万世帯のテレビを見ておる世帯があるにかかわらず、とっておる計算はわずかに四百三十世帯になっておる。そういうもので一体確実な視聴率というものがとれるかどうかということについて私は疑問に思うということを言ったわけですが、視聴率の高いものこそ悪い番組になっている、困った番組になっておる、こういうような傾向についてはどのようにお考えでしょうか。どなたからでもけっこうです。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 視聴率調査のやり方については、いろいろ問題があろうかと思います。たとえば現在の視聴率の調査の機械というものは、一台に対して一つの機械が備えつけられているわけですから、世帯単位の視聴率調査で、個人がどういう番組を見たくて、求めているのかというようなことははっきりわからない。それから、そこにチャンネルは回っているんだけれども、実際そのテレビをそこで何人の人がどういうふうな状況で見ているのかといったふうなこともはっきりはつかめない。こういうふうな問題、それからいまお話が出ましたように、サンプルが非常に少ないということも問題であろうかと思います。それからもう一つは、ニールセンにしましてもあるいはビデオリサーチにしましても、大体現在のところ大都市、それも一部の大都市でございますから、全国的な傾向というものははっきり毎日毎日出てこないというようなことがございます。私どもとしましては、なぜ視聴率を重視するかということは、必ずしも視聴率が高い番組を誇る、あるいは視聴率競争をやるというようなことではなくて、むしろ一つのものさしとして大体どの程度に見られているのかということを知るのが一番大きな目的でございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、地方の受け取られ方がはっきりデータに出てまいりませんので、私どものところではTBS系列の二十三局というものが年に数回共同調査というものを別個に行なっております。そこで、先ほど森委員からもお話が出ましたように、青少年に対する影響の調査というようなことも重要なテーマとして、その参加している二十三局の調査部の担当者がいろいろな方法でできるだけ正確に、視聴率ももちろんのこと、一般への影響、それからそういうものはどういうふうに受け取られているかという反響、そういったふうなことも調査しておりまして、これは相当分厚い資料でまとめられたものがございますので、また後ほどもし御必要になれば差し上げたいというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 NHKを含めた番組の内容について、たとえば放送番組向上委員会が調査をした調査表がございます。これは全国で七百十四名を対象にしておるわけでして、非常に数が少ない。それから日本視聴者会議がこれまたアンケートをとっておりますが、対象は三百十三名。私は先日「暮しの手帳」の十一号、これは四十六年の春の発行でありますが、つい先日のものであります。おろらく皆さんもごらんになっておると思います。これは非常に興味のある内容でありまして、私も詳細にこれを調べてみました。この対象は先ほど申し上げたような三百十三名とか七百十四名とかいうわずかな数字と違いまして、実に有効は四万三千五百八十九票であります。そのうち男が一万、女が三万三千という割合でありまして、この内容をいろいろ調べてみました。そこでこれを具体的にお尋ねをいたしたいのであります。  俗悪、低俗ということが先ほどからいろいろ論議をされました。ある参考人の人は、俗悪はいけないけれども、低俗はいいじゃないか――いいとはおっしゃいませんでしたが、俗悪と低俗と分けて考えておられるようなお話もございました。この「暮しの手帳」では低俗、俗悪ということばを使わないで、それを分けるということも非常にむずかしいしというので、「困った番組」ということで調査をいたしております。これはいままでの調査の中ではちょっと異例の調査であります。「困った番組」ということでNHKを含めて全部調査をしております。  そこで日本テレビにお伺いいたしたいわけですが、「どっきりカメラ」という例の問題になっておる「なんでもやりまショー」を含んだあの番組はいま放映しておられますか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 この三月の末をもちまして終わりまして、内容は変わりまして「いたずら大作戦」というような形になっております。内容はかなり変わっております。

武部文日本社会党

○武部小委員 この「どっきりカメラ」というのは「困った番組」の一番目であります。票数は八千十四、二番が二千七百七十ですから群を抜いてこれは困った番組になっております。この委員会でも何回か論議をしたのですが、三月で一応おやめになった、そのやめられた理由、これはいわゆる世論でこれはたいへんなことだ。この中には具体的なことが載っておりますが、民間の人が行なえばこれは軽犯罪法に抵触するくらいな内容だというようなこれも調査が載っておりますね。たくさん載っておる。そういうことをあなたは方のほうは反省されてこの番組をおやめになったのですか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 そのとおりでございます。つまり善意の第三者をだますといいますか、そういうような形のケースが何回か出ますもんで、これはやはりやめなければならない番組であるので、当然三月末をもってやめよう、このようにしてやめたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 直接名前をあげてたいへん恐縮ですが、これはおそらくごらんになっておると思うのでお尋ねをいたしたわけです。「娯楽・芸能・スポーツ」一位から十位までの間に、一位、二位、五位、九位、十位は日本テレビであります。そのほかにTBSが四つ、東京12チャンネルが一つでありますから、十のうち五つは日本テレビであります。TBSが四つ入っておる。こういうように具体的に数字があがっておるわけですね。こういうことについて、おそらくごらんになっておると思うのです。こういうような大がかりな調査はおそらく皆さん方はおやりになったことはないと思うのです。こういうことについてどういうふうにお考えでしょうか。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 たとえばその中に「巨泉・前武ゲバゲバ」が入っておると思います。この「巨泉・前武ゲバゲバ」については全く意見が分かれているわけでございます。たとえば昨年度において放送批評懇談会の賞としての対象に取り上げられております。したがって、私どもの番組審議会の中でもこれについての評は非常に分かれております。したがって、私どもは「ゲバゲバ90分」ですか、これは別に俗悪番組とは私どもは全く考えておりません。それから、その中に私どもの系列局のつくっている作品でありますけれども、「さかさまショー」というのがございます。これも私どもは系列局の読売テレビのほうの発言で、やはりこれもあまり感じのいい番組じゃない、当然やめましょうというので四月番組改編に基づいてこれは消えてなくなりました。それから悪名名高い「11PM」というのがございます。最近ごらんになっていて、最近これはひどいなというのがおそらく少なくなってきたんではないかと思うんです。(「きのうはひどかったぞ、夏の女の脱っぷりなんて」と呼ぶ者あり)きのうは見ておりませんけれども……。おそらくその中の先ほど申し上げました二つがなくなっておりまして、そのほかにございましたか……。

武部文日本社会党

○武部小委員 私が言っているのは、そういうような点についてこういう世論を調べておるわけですね。そのことについてあなた方はこれを参考にされて、そうして世論の声というものに耳を傾けておやりになる考えがあるのかどうか、こういうことなんです。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 もちろん世論に耳を傾けるのは当然でありますし、同時に番組審議会というのがございますので、番組審議会の意見も大いに尊重してやっていきます。

武部文日本社会党

○武部小委員 TBSが十のうちの四つあると言いましたが、この中にもやはり先ほどからちょっと話が出ております「ザ・ガードマン」、これは三位ですね。それから「8時だヨ!全員集合」、これは私もときどき見て、これもちょっとやっぱりおかしいなと思ったら案の定四位。そのほかにもございますね、TBSの「55号決定版」とか、こういうことについてTBSはどういうふうにお考えでしょうか。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 もう一つは何でございましょうか。

武部文日本社会党

○武部小委員 これは中止になっておりますね、「でっかくいこう」ですから。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 「ザ・ガードマン」につきましては、先ほど申し上げましたように、ときどき暴力シーンあるいは残酷シーンがあるというようなことで、私どもの番組審議会でもしばしば問題になっております。そこで、極力そういう場面を少なくするように、なくするように内容のチェックに大いに努力しておるわけでございます。それからドリフターズですか……。

武部文日本社会党

○武部小委員 どうもあまりごらんになっていないようだから、これ以上聞いてもしようがないですが、先ほどから言うように、四万三千五百八十九票は有効なんですね。そのほかにまだいろんな意見が出て、これは五万近くになるのですよ。こういうような調査をした記事というのはあまりないでしょう。少なくとも民放の皆さんはそういうことに十分注意をし、そういう世論に耳を傾けて、自分たちの放映しておる番組に国民は一体どういう関心を持っておるかということは、日常十分心がけておいていただきたいと思うのです。どうも皆さん見ておられないようです。私も全部見ておるわけじゃないのですが、この中の文章を一つ一つ――これはここに具体的に答えが書いてあるのです。いろんな見方がありますよ。これは非常に参考になると思うのです。ひとつ、こういう点については十分お考えいただきたいと思うのです。そこで、いま一つ。私、つい先日「文芸春秋」の六月号を見ましたところが、そこにやはりテレビの問題が載っておりました。これに民放の各局は「軒なみゴシップ製造局」というタイトルがついておりましてね、そして、スターのいわゆるスキャンダルといいましょうか、そういうようなものを特に取り上げて視聴率を上げておる番組が非常に多い。ここにございますが、「三七・九%もの高視聴率を記録しているのである。」これは「スター千一夜」ですね。そういうように、何かスターのゴシップをどんどん取り上げれば視聴率が高くなるという、そういうことは全くけしからぬということが「文芸春秋」に書いてありました。こういうことについてはどういうふうにお考えですか。

村上七郎株式会社フジテレビジョン常務取締役

○村上参考人 「スター千一夜」という番組は、その性格上、スターの裏話とか、その個人がどういう考え方を持っているかというような番組で、これも十年くらい続いている番組です。たまたま最近、はでな婚約がちょっと重なったために、いまおっしゃったような三七%台のものか――これは石坂浩二のだと思うのですけれども、別にそれを取り上げたからどうというふうには、われわれとしては考えておりません。

武部文日本社会党

○武部小委員 たまたま「スター千一夜」のことがここに載っておりますが、必ずしもそれだけじゃないのですね。ここではTBSの「モーニング・ジャンボ」とかNETの「23時ショー」も同じことだといっておるのです。やはり各局ともこれで視聴率を高めておるような傾向があるということを指摘しております。私もこれを読んでみて、なるほどそういう傾向があるというふうに感じました。こういう点も十分考えていただかなければならぬ、こう思います。  それから、この中の「教養・報道」の番組、これはおそらくNHKのほうでも言い分があろうと思うのです。これを見ますと、「NHKニュース」が「困った番組」の第一位になって、千七百八十四なんです。そしてTBSの「時事放談」がぐんと下がって六百三十という、たいへんな開きになっておる。そして「NHKは政府の放送局なのかという不満が強い」というタイトルがついておるのですね。そこで、「NHKニュース」が「困った番組」だというのはどういう理由かと思っていろいろ内容を調べてみますと、とにかく一方的な報道しかしないということが大半書いてあるのです。それから結論を出さないということ。右だ左だということは言っておるが、自分の意見は一つも言わぬ、それに比べて民放の報道は、悪い点は悪いとはっきり言っておるじゃないか、NHKはそういうことについて、なぜ悪いものは悪いとはっきり言えないのかというようなことがこの中にあるわけですね。したがって、「NHKニュース」が「困った番組」の第一位にあるということについて、これを見た人は意外に思うと思うのです。おそらくNHKはこれに対して何か反論があると思うのですが、こういう調査についてNHKとしてはどうお考えでしょうか。

坂本朝一日本放送協会理事

○坂本参考人 私どもは、ニュースというのは、事実をありのままに伝えるのがニュースの本質だというふうに考えておりますので、結論的なことをコメントするのはどういうものであろうかというふうに考えます。ただ「暮しの手帖」の「困った番組」の投票結果につきましては、御指摘のようにNHKのニュースが第一位にあがっておるのでございますが、その前に、武部先生にはなはだ失礼なんでございますが、これは世論というような形で編集されておりますけれども、おおむねこの調査をいたしました暮しの手帖社の読者と申しますか、そういう者が中心になる回答ということで、この回答のパターンなりその他を調べてみますと、通常われわれが言います世論調査というサンプルからいきますと少しく片寄っているということが言えるのではなかろうかと思います。したがいまして、通常の一般的世論というふうにこれを読みかえますことは少しく問題があるのではないかというふうに考えております。  なお、いま先生がおっしゃいました何万とかいうアンケートの中で、投票されました「NHKニュース」のパーセンテージがあがっておるのですけれども、それは本来ならば、全体の調査のアンケートをしましたものの分母ではかるべきだというふうに思います。その中で「教養・報道」に寄せられましたものを分母にして全体の中のパーセンテージというふうに考えられるところが、技術的な面でやや見解を異にするところかと思いますが、しかしいずれにいたしましても、一つの有力な雑誌社が、たとえその読者を中心といたしましても、行ないました調査でございますから、それについて私どもは全く参考にしない、あるいは取るに足らないというような独善的な態度はとっておりませんで、現在、やはりこれの調査内容をわれわれとしても十分参考にすべきではないか、そういう点、調査するところがあれば調査すべきではないかというふうに考えておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 おっしゃるように、これは「暮しの手帖」の読者を対象にしたものです。したがって、この文面を見ましても、政治的に相当高い感覚を持った人の答えのように考えられます。ここに三十数人の回答が書いてあるわけですが、たとえばネーダーがやってきた。いま公害はたいへん重要な問題である。それを民放は取り上げたのにNHKはネーダーの来たことを何ら報道しなかった。これは一体どういうことか。こういうようないま起きておる問題について、当然報道すべきものをNHKはしていないじゃないかというようなことがありますね。それから二円五十三銭の例の土地の問題、あの問題にしても民放に比べていかぬというようなこともあるようです。さらに政治的な報道の中で、特定な政治家の画像が非常にひんぱんに、不必要なほど出る。これもおかしいとか、いろいろなことが出ておりますね。私もこれがすべて正しい意見とは思いません。しかし、現実に「NHKニュース」が群を抜いて一位になっているということについては、やはりNHKとしては十分考えていかなければならぬ問題じゃないだろうかというふうに思ったので、皆さんの御意見を聞きたかったわけであります。  次に、地方局が自主番組を制作をする動きが顕著になってきたということを聞いております。たとえば青森、高知、北日本放送ですか、そういうところで自主番組制作の動きが非常に強まっておる。皆さんの系列の中にそのような傾向が今後も顕著にあらわれていくというふうにお考えでしょうか、これをひとつお伺いしたい。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 ただいまの御発言のとおりに非常に多くなっております。青森放送のように自分でつくって、しかも十分ペイするような域まで達していることは事実でございます。北日本放送もやっております。それから同時に瀬戸内海沿岸の各局が系列を越えまして、たしか午後三時台だと思いましたけれども、大きなワイドショーを組んでいることも事実でございます。そのほかに広島テレビであるとか山口放送であるとか徳島の四国放送であるとかそういったものが自主的にドキュメンタリー番組をつくっている、そういった動きのあることも事実でございます。ますます今後多くなると思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 終わります。

水野清自由民主党

○水野小委員長 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)小委員 たいへん時間もお昼がだいぶ過ぎましたので、私も要点だけお尋ねしたいと思います。  けさほど来、またこの小委員会で過日来議論が出ておりますとおり、非常に番組の内容について心配されていろいろの議論が出てまいりまして、基本としてはやはりキー局が多いんじゃないかというそこら辺、あるいは郵政省の置局政策というところ辺から端を発しているように私どもも感じるわけでございますが、まず、先ほど来電波は国民のものという御意見が相当数出ておりましたし、その中から私、まず要望を込めて番組の問題についてお尋ねをしたいのですが、これはNHKも含めてでございましょうけれども、各経営をなさっている方、民放の経営者の方が自社で放送しておる番組、これは商売でいえば商品であると思いますが、その商品の内容について熟知されるということ、それが非常に大事なことじゃないだろうか。と申しますのは、私、ときどきあちらこちらおじゃましてみるのですけれども、社長さんとか重役さんというのは非常にお忙しそうでありまして、なかなかお会いできる機会も少ないようにいままでも経験をしております。そういう点でわが社の販売をしておる商品について内容を非常に熟知されていけば、当然電波を国民の共有財産として免許を受けておられる良識ある経営者ですから、その点がおのずと番組の編成内容にも反映してくるんじゃないか、このようにも私は思うわけであります。  それに関連をしまして、放送というのは一種の公共事業と私どもも考えておりますし、当然そこからあがってきた利益というものは番組の質の向上に使っていただきたい。そしてまた、まだまだテレビの見えない人たちもたくさんおるわけですから、そういう方面に還元をして極力カバレージをあげるようにしていただきたい。そういう気持ちが非常に強いわけです。ところが過日郵政省のほうから指摘があったようでありますが、各放送会社が関連の産業に非常に投資をたくさんしておられる、こういう点について、結局、やはりそういうことになりますと経営者である皆さん方がよけいにそういう方面に時間もとられて、そして本来の放送の使命ということが薄れがちではないか、そういうふうな心配もしているわけであります。この点、関連事業にかなりの投資をしておられるあるいは兼業でやっておられる事業もあるようですが、もちろんこれは放送に関係のあることは積極的におやりになっていくことは私も認めることにやぶさかではございませんが、全然放送に関係のない関連の事業にかなり力を入れておられる傾向があるように思うのですが、この点の御意見をお聞きしたいと思います。

橋本博株式会社東京放送副社長

○橋本参考人 中野委員のお尋ねの中で、最初のほうの、番組の内容を会社の経営者あるいは幹部があまりよく見てないのじゃないか、商品の内容もよく知らないのじゃないかというふうなお尋ねがございましたけれども、これは私どもだけではございませんで、たぶん各局みな同じだろうと思いますけれども、私どもはできるだけこの番組を見るようにしております。もちろん自分で全部見るというわけにもまいりませんけれども、新しく始める番組、それから番組の中でこの委員会でしばしば問題になっているような番組というものは幹部社員が交代で見るようにしておりましてその結果を報告する、それからさらに必要なものはもう一ぺん見られるような、たとえばビデオにとってあるものとかフィルムものとかいったようなものは事後にでも見て、なるべく全部の番組について知っていたいという努力は、これは各局ともしておるというふうに御理解願いたいと思います。  それから第二の点で、利益というものは番組の向上に還元すべきであるということはまことにごもっともでございまして、実は番組の制作費というのは非常に高い率を占めております。われわれのほうもざっと営業収入の約五〇%ぐらいは番組制作の費用になっていると思いますが、ただ傍系事業につきましては、私どものところでは七つ傍系事業を経営しております。そのうち放送番組に直接の関係のないものも一、二ございますが、これは役資して利益をそっちへ回して大いにもうけるのだというふうなことではございませんで、むしろ逆に放送事業というものは今後これから非常に苦しくなるであろう、経営が非常に苦しくなりますとだんだん番組の質も落ちていくようなことになるのじゃないか、特に好況、不況というものの影響を放送会社は受けますので。もう一つは人件費の高騰というものが相当ございますから、完全に放送事業だけで一体放送に働いている人間を将来ともに養っていけるであろうかという一つの経営的な不安もございます。そういう意味で、将来の不況に対するひとつ準備といいますか、そういう意味で多少放送に直接関係のないと思われるような事業でも投資をして、そこから将来放送の赤字というものを補てんしなければいかぬのじゃないかという意味での多角経営をやっておるのが実情でございます。

中野明公明党

○中野(明)小委員 大体同じような御意見だろうと私も思いますが、先ほど森委員が聞かれたときにも配当の問題も出ておりましたが、現状においては放送というのは非常にもうかる事業である、このように一応大かた受け取られておるようでありますし、現実収入の面でもいいようであります。それにもかかわらないで、まだまだテレビが見えないで、きょうは地方の民放の方がおいでになっていませんので少し的はずれになるかもしれませんけれども、まだまだテレビが見えなくて、山奥で困っている人たちもたくさんあります。そういう方面に、事業の公共性から考えていただいて、しっかり投資をしていただく、あるいは番組のほうにもっと力を入れていただくということのほうが私どもは先決じゃなかろうかというふうに絶えず考えておるものですから御意見を一応お伺いしたわけですが、大体いまTBSさんがおっしゃったようなお考えから出ているのじゃなかろうかと私どもも想像はしておりますけれども、そこから先は見解の相違になってまいります。  それからもう一点、お尋ねしておきたいことは、先ほどもちょっとお話が出ておりましたが、番組が大体東京を中心にした番組の内容になっている。それがそのまま系列をたどってストレートでいなかのほうに流れてくる。そういう関係で非常にいろいろ問題が、先ほどのお話ではやはり東京中心にならざるを得ないというような御意見もあったように私、聞きましたが、こういう点、いなかのほうへ参りますと、これが現実とたいへんかけ離れた番組の内容になっておりまして、私ども山奥でございまして、非常に人口の過疎ということで悩んでおります。先日もこの問題についていろいろ議論をいたしましたときに、なぜ人口は過疎になったのか、それはいろいろ理由があります。ありますけれども、その中の一つとしてこういう意見が出てきたわけです。それはテレビが悪いのだ。まあこれはたいへんな話なんです。テレビが悪いのだというよりも、テレビのせいだ、テレビが中央の、いなかの現実とかけ離れたあまりにもなまなましい実情を報道したために、それを見た若い人がみな町に行きたくなったんだ、そういうような意見もかなり出てきておるわけであります。そういう点から考えまして、やはりテレビの持つ功罪というものはいろいろのところにそれぞれの立場で議論がされているようであります。そういう点で、キー局が地方に流されるこの番組、地方を対象にしての考え方というもの、今後もそういう点いろいろ検討をされる必要があるのじゃなかろうか、私はこのように意見を持っているわけですが、この点参考人の日本テレビさんですか、磯田さん……。

磯田勇日本テレビ放送網株式会社常務取締役

○磯田参考人 確かに御説のとおりだと思うのです。そこで、地方の各局はそれぞれ自分でもってものをつくっていかなければいけない。もちろんゴールデンアワーの一時間について七百万も八百万も一千万もするようなものはとても地方の局じゃできません。しかしゴールデンアワー以外の番組でもって一生懸命になって地方に密接したやり方をしようという努力は非常に最近顕著でございます。そういったことをやるのは当然地方局の義務だというような声を聞いております。以上です。

中野明公明党

○中野(明)小委員 じゃ時間があれでございますのでもう一点だけ。これは先ほどのお話で低俗とか俗悪という番組の一つのものの考え方として実害ということを、どなたでしたか実害があるのはこれは確かに悪いというような御意見もあったように思いましたが、最近私の国元であったことでございますが、小学校四年の子供が学校から帰りがけに六年生の上級生に催眠術をかけられまして、そして道路上で転倒いたしました。それから四時間くらい後そのまま病院に運んだなりで死んでしまったわけであります。これについて非常に議論が出まして、その小学校の校長は最近その学校で催眠術遊びが非常にはやって、それはテレビを見てそうなったのだ、こういうふうな話であります。はたしてその子供がほんとうに催眠術にかかって倒れたのか、かかったふりをして倒れたのが誤ってそういうことになったのか、そこのところは未解決でございますけれども、大学の精神関係の教授は、やはり信頼している上級生からかけられたらかかるということは多分に考えられるというような見解を発表いたしました。テレビの功罪ということについてやかましく議論がありました。つい最近のことであります。こういうふうなことで、これは私は何もテレビで催眠術をやったことが悪い、あるいはそれが低俗番組だとか、そういう意味で申し上げておるのではなしに、やはり非常にテレビの影響というものが現在の子供、おとなももちろん含めてでありますが、影響が強いということの一つの参考として申し上げておるわけでありますが、そういうことで、日本の憲法では言論、表現の自由ということがうたわれておりまして非常にけっこうなことであります。しかしながらこういう番組のことについていろいろと巷間議論が出てまいりますと、先日も私ども大反対をいたしましたが、官製モニターというようなことを郵政省が考え出してみたりあるいは言論、表現の自由を阻害するような動きが出てくるような要因にもなりかねないと私どもも日ごろから心配をしております。そういう面で今後放送に携わられる皆さん方の良識と、そして今後の御努力を強く要望いたしましてきょう私の御質問を終わりたいと思います。たいへんありがとうございました。

水野清自由民主党

○水野小委員長 ほかに御質疑はございませんか。――なければ、私、小委員長の立場から、これは御質問申し上げるのじゃございませんが、いま各委員からお話しがございましたことに含まれておりますけれども、私からもひとつお考えいただきたいということを申し上げて、御質問じゃございません、お聞き流しいただいてけっこうでございます。  要するに皆さまテレビ会社であって、これは事業者でおられて、映像文化というものをになっておられるわけであります。このテレビジョンが始まったとき映像文化の可能性ということは、実はわれわれ人間社会というものは無限なようにも思っていたし、たいしたことないようにも思っていた。それが、先ほど来森委員や各委員からの御質問もありましたけれども、だんだんと幼児教育から浸透してきてしまって、ある意味では大学騒動からすべてのものがこういう可能性から生まれてきたということもいえないわけはないわけです。御承知のように映像文化というものはテレビのチャンネルをひねるとあらわれてくる。非常に受動的でありまして、ものを考えない。いわば創意、くふうもない、何か試験というのはマル・バツ式にすべてが変わってきてしまっている。若い人たちが最初は飛びついたものが完全にそれに浸ってしまって振り回されてしまっておる。瞬間的な反応に左右されるということが最近の社会現象で非常に多いわけであります。大体逓信委員の小委員の各位やきょう参考人においでになった方々は、われわれ若いときの教育というものは本を読んで行間にその意味をさがしてみたり、思索をするということにおいて人間形成をしたわけでありますが、今日人間形成の方法が全く違ってきておる。実はこれがいま社会に大きな断層をつくっております。さっきの、美濃部さんは知っていても美濃部さんのフルネームは知らない、そういう大学生がほとんどだ、大学の学長の名前も知らない、こういう事態はある意味ではこれからの、外国はどうか知りませんが、日本という社会の将来にとって私は非常に重大なことだというふうに考えるわけであります。これはひとつ御勘案いただいて、各事業体とも映像文化のにない手でおられるわけでありますので、今後の番組の中で慎重にひとつ創意くふうをお考えいただきたい。本日議題に出ませんでしたけれども、たとえばこの前ここでありました高峰参考人から出ましたいわゆるクイズ番組でやたらに賞品をくれる、一億総もらいこじきだということを言われましたけれども、まさにこれは私は適切な表現だと思う。これなんかもひとつお考えいただきたいものであるというふうに思うわけでございます。  参考人各位におかれましてはほんとうにお忙しいところを長時間時間を拝借いたしましてまことに恐縮にたえません。貴重な御意見を伺いましてまことにありがとうございました。おかげをもちまして本件調査に資するところきわめて大なるものがあったと存じます。本小委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  それでは、このあとのことでございますが、参考人の方々には御退席いただきましてけっこうでございます。     ―――――――――――――

水野清自由民主党

○水野小委員長 この際、小委員長より申し上げます。  小委員会設置以来今日まで、放送に関する諸問題につきまして熱心かつ慎重に調査を進めてまいりましたが、小委員会における小委員各位の貴重な御意見及び調査の経過を委員会に中間報告をしたいと存じます。  その報告案文につきましては小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議がございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水野清自由民主党

○水野小委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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