逓信委員会 第19号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/05/19
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 有線テレビジョン放送法案を議題とし、審査に入ります。
○金子委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。井出郵政大臣。
○井出国務大臣 ただいま議題となりました有線 テレビジョン放送法案につきまして提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 最近各地において同軸ケーブルを用いた有線電気通信設備により有線テレビジョン放送を行なう事業が活発に計画されておりますが、有線テレビジョン放送は、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものとなりつつあり、また、その施設は地域的独占の傾向におちいりやすいものであります。 このような事情にかんがみ、その施設の設置を許可制とすること等により施設の設置及び業務の運営を適正ならしめることによって、受信者の利益を保護するとともに有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、この際、有線テレビジョン放送法を制定しようとするものであります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、有線テレビジョン放送施設を設置して有線テレビジョン放送の業務を行なおうとする者は、その施設の設置について郵政大臣の許可を受けなければならないことといたしております。郵政大臣は、その施設計画の合理性、確実性、施設の技術基準の適合性、その他その施設をその地域に設置することの必要性等について審査の上許可することといたしております。 次に、許可を受けた施設者は、有線放送業務を行なおうとする者からその施設の使用の申し込みを受けたときは、原則としてこれを承諾しなければならないものとし、また、この場合の使用条件は郵政省令で定める基準に適合するものでなければならないことといたしております。 次に、許可を受けた施設者は、郵政大臣が指定した受信障害発生区域内においては、その施設を設置する区域の所在する都道府県内にある放送局の行なうテレビジョン放送をすべてそのまま同時再送信しなければならないことといたしております。 次に、このような義務としての再送信を行なう施設者は、この再送信の料金その他の役務の提供条件に関する契約約款について、郵政大臣の認可を受けなければならないことといたしております。 次に、郵政大臣は、施設の運用または義務としての再送信の業務の運営が適正でないために受信者の利益を阻害していると認めるときは、施設者に対し一定事項について改善を命ずることができることとすることその他業務の届け出、自主的に放送番組の適正をはかるための番組審議機関の設置等について所要の規定を設けまして、施設の運用及び業務の運営の適正をはかることといたしております。 最後に、この法律の施行期日は、この法律の公布後六カ月を経過した月といたしております。 以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○金子委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ――――◇―――――
○金子委員長 次に、逓信行政に関する件について調査を進めます。 本日は、国際電信電話株式会社から、お手元に配付いたしました名簿のとおり参考人の方々が出席されております。 この際、板野副社長から国際電信電話株式会社の事業概況について説明を聴取することといたします。板野参考人。
○板野参考人 本日は、まことに貴重な時間をいただきまして会社事業の概要につきまして御説明申し上げる機会を得ましたことをありがたく存じますとともに、平素格別の御指導を賜わっておりますことに対しまして厚くお礼を申し上げます。 本年はわが国の国際電信が明治四年に初めて取り扱われましてからちょうど百年になります。当時を顧み、今日の隆盛を思いますときに、まさに今昔の感にたえない次第でございます。当国際電信電話株式会社も昭和二十八年の創立以来十九年目を迎えたわけでありますが、この間における通信技術の進歩発展はまことに目ざましいものがございまして、いま通信衛星や海底同軸ケーブルなどによって広帯域の通信幹線網が世界的な規模で形成されつつありまして、かつての短波通信時代には想像もできなかった豊富で良質な回線の運用が可能となりまして、先進国はもとより発展途上の国々に対しましても電報、テレックス、電話をはじめといたしまして、テレビジョンの宇宙中継やデータ通信など新しいサービスが提供できるようになったのでございます。 当社は常に国際通信の最先端をいく技術をもちまして鋭意諸設備の拡充整備につとめてまいりましたが、ことに近年におきましては茨城と山口に世界最高の性能を誇る衛星通信地球局を建設いたしまして、また二宮と直江津にはそれぞれそれを起点といたしまして太平洋と日本海を横断する海底ケーブルを成功裏に敷設いたしましたほか、島根県浜田にはマイクロ散乱波通信方式によりまして日韓両国を結ぶ通信基地を新設するなど、真剣な努力を重ねてまいりました結果、現在では対外通信回線数約千三百回線を擁しまして施設、サービスいずれの面におきましても世界有数の地歩を占めるに至りました。今後は一そう会社の使命を自覚いたしまして、「どなたにも、いつでも、たやすく御利用いただけます国際通信」をモットーといたしまして、サービス中心の事業運営に徹しまし二国民の皆様にご満足いただけるように努力をいたしたいと考えておる所存でございます。何とぞよろしく御指導、御支援をお願いいたす次第でございます。 つきましては、ここにまず最近一年間の事業の概況について御報告申し上げます。 昭和四十五年度におきます設備の拡張改良計画のうちおもなものといたしましては、衛星通信の関係、中央局におきます基礎的通信設備の拡充等がございます。 まず第一に衛星通信の関係でございますが、ただいま茨城衛星通信所におきましては第三番目の地球局の建設が着々と進んでおります。この新しい地球局は本年一月大西洋上に打ち上げられましたインテルサット4号衛星に引き続きまして、ここには七月になっておりますけれども、ごく最近の情報では九月または十月に太平洋上に打ち上げが予定されております同型の衛星に対応いたしまして運用されるものでございます。八月には完成する見込みでございます。一方、山口衛星通信所にはすぐれた国産技術をもちまして開発したテレビジョン標準方式変換装置を新設いたしました。この装置は日欧間などテレビジョン方式の異なる国相互間の伝送に際し大いに偉力を発揮しておる次第でございます。 第二は、基礎的通信設備の拡充整備でございます。そのうち大きなものといたしましては、まず、電信運用の近代化を目ざしまして建設を進めておりました電報中継機械化の設備が完成を見たことでございます。この新しいシステムは五月から順次運用を開始いたしまして、十月ごろには移行を完了する予定であります。次に国際電話の第一二交換システムの増設でございます。この設備は能率的な交換作業を行なう交換台多数の増設を可能にするものでありまして、これによりまして急速に増大しつつありまする電話需要に対処いたしまして、サービスの向上をはからんとするものでございます。 さらに、昭和四十四年に運用を開始いたしましたテレックスの全自動交換設備を増設いたし、自動取り扱い対地の拡張につとめてきました結果、現在ではテレックス通信量の約八三%までが自動即時で取り扱われるようになっております。 このほか昭和四十五年度の当社事業計画に掲上いたしました諸設備の拡充計画はおおむね順調に実施を見ておる次第でございます。 引き続きまして昭和四十五年度の営業概況について申し上げます。まず取り扱い業務量の実績でございますが、これは回線の新増設によるサービスの向上、貿易の伸長等による需要増の結果、業務量はおおむね順調に伸びております。すなわち、主要業務別の概数で申し上げますと、国際電報は五百九十五万通、国際加入電信は四百四十万度、国際電話は二百十五万度と相なりまして、このうち特に国際加入電信、国際電話につきましては前年度に比較いたしまして加入電信では度数で五五%、分数では二四%、電話は三五%という著しい増加を見ておる次第でございます。 次に経理の概況を申し上げますと、まず昭和四十五年度上期の収支状況は営業収益百七十二億円余、営業費用は百二十八億余円となりまして、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減したこの期の利益は、二十六億円余となっております。昭和四十五年度の下期は、営業収益は百八十一億円、営業費用は百三十七億円となり、これに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減いたしましたこの期の利益は二十六億五千万円となります。この数字につきましては、来たる五月の二十八日の株主総会でこれは確定をするということになっておる次第でございます。資産の状況につきましては、四十六年三月末現在におきまして資産の総額は五百二十五億円余で、そのうち流動資産は百六十二億円余、固定資産は三百六十三億円となります。一方、負債総額は二百一億円余で、そのうち流動負債は百八億円余、固定負債は四十一億円余、引き当て金は五十二億円となりまして、したがいまして差し引き総資産額は三百二十四億円となっておる次第であります。 以上で昭和四十五年度の概況の報告を終わりまして、引き続きまして昭和四十六年度の事業計画の関係について御説明申し上げたいと思います。 本年度は各種通信設備の拡充整備に引き続き意を用いますとともに、広帯域回線の活用をはかり、これをもとにいたしましてサービスの一そうの改善を目ざして諸般の計画を進めてまいる所存でございます。 すなわち、当社の今年度の設備計画といたしましては、茨城第三地球局の完成を期するほか、電話交換設備や新たなサービスのための施設等、基礎的通信設備の拡充、整備につとめまするとともに、通信回線の新増設、営業関係設備の整備、新国際通信センターの建設、非常障害対策、訓練設備の充実、新技術の研究開発等を推進いたしますこととし、これらに要しまする経費といたしまして百十億円余を予定しておる次第でございます。 このうち対外通信回線につきましては、さらに大幅の拡張をはかることといたしまして、電話回線百十七回線、加入電信五十九回線をはじめといたしまして専用回線、電報回線等総計二百九十五回線を新増設する計画であります。これが実現いたしますと、当社の対外回線は全体で約千六百回線となり、国際通信サービスは一そうの改善向上を見ることとなります。 営業所設備につきましては、お客様の御利用の便をはかるため、新東京国際空港ビル局や大阪南局を開設することといたし、また来年二月開催の札幌オリンピックでは同地に臨時営業所を設けるよう準備を進めておる次第でございます。 次に、新国際通信センターの建設でございますが、御存知のとおり現在使用中の大手町局舎が広帯域通信関係設備の拡張に次ぐ拡張によりまして場所的にほとんど設備増強の余地がなくなってまいりまして、及び今後予想されまする急激な需要の増大に応ずるための電子交換システム等新鋭設備の拡充に備え、また、経営の各種機能を統合する必要があることなどの理由によりまして建設いたす計画を進めておるものでございます。この通信センターは昭和四十九年度完成を目途に、本年度は設計を終え、建設に進みたいと考えております。 非常障害時の通信確保対策につきましては広帯域連絡線の二ルート化につとめる等、さらに強化充実をはかり、また、新技術の研究開発につきましては衛星通信や広帯域海底ケーブル中継方式、国際電話の電子交換、データ通信、画像通信等に重点を置いて行なってまいる方針でございます。 なお、新技術に対応する各種訓練なども施設を充実して成果をあげてまいりたいと存じております。 最後に本年度の収支につきましては、主要業務の需要量を国際電報五百九十五万余通、国際加入電信五百七十一万余度、国際電話二百八十六万余度と見込みまして、この予測のもとに収入につきましては約四百七億円、支出につきましては一そう経費の効率的使用につとめることといたしまして、約三百五十五億円を予定いたしました。 以上、簡単でございますが、事業概況の御報告といたします。 何とぞ今後とも一そう御指導、御鞭撻を賜わりまするよう、お願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○金子委員長 これにて説明は終わりました。
○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 最初に郵政大臣に、いま問題になっておりますVOAのことについてこの機会に見解を求めたいと思います。当委員会では、この問題をいままで論議をいたしておりませんが、沖繩返還をめぐってVOAの問題がたいへん話題になっておりますが、私ども報道で知る限りにおいては、郵政大臣はこのVOAの存続を当初から電波法に抵触するものとして拒否を声明をしてこられたように聞いておるのであります。言うまでもなく、これは電波法に抵触するわけでありまして、今日なお郵政大臣としてはこのVOAの存続を拒否するという態度は変わっていないのかどうか、それをお伺いをいたしたい。
○井出国務大臣 VOAの問題につきましては、いま武部委員おっしゃいますように、電波法第五条にかんがみまして、私どもの立場としてはこれは存置することは好ましくない、こういう態度で一貫をしておるわけであります。去る十五日及び十七日、外務大臣から中間報告が衆参両院でございまして、その際にも同様な態度の表明があったわけでございます。ただその際、相手方がなかなか存置に対して強い希望を持っており、折衝は継続中である、こういうことが付言されましたことは御承知のとおりであります。
○武部委員 このVOAは、先日報道機関の人たちに初めて公開をされて、沖繩の記者の皆さんがVOAを視察をしてその内容を報道いたしております。郵政省はこのVOAの内容等について、いろいろ国会でも論議されておりますが、いまVOAはどのような放送をしておるというふうに理解をされておるのか、この辺いかがでしょう。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 VOAは新聞でも報道されておるわけでございますが、現在中波及び短波によりまして中国語、朝鮮語、ロシア語それから英語と、四つの国語によって放送をされているわけでございまして、内容自体は私どもあまりよく把握しておりませんけれども、大体ニュースであるとか音楽、ドラマ、そういったようなものであるようでございます。なお中波は一千キロワットという非常に強大な電力で放送されている、そういう状態でございます。
○武部委員 いま大臣は、アメリカ側から非常に強い存続の要望があったとおっしゃいました。いま電波監理局長は、内容は把握しておらぬけれども、大体ニュース、音楽あるいはドラマ、こういうような程度だ、このように思う、こういう話でありますが、この中波は沖繩で当然聞けるはずであります。そうなってくると、郵政省としては、このVOA問題というのが非常に重大問題になって、一部ではこれはアメリカの戦略部隊と組んで謀略放送をやっておるのではないか、こういうようなことさえ論議をされておるのであります。当然郵政省としては沖繩、琉球郵政庁等に問い合わせればこの内容はどのようなものであるかということははっきりするわけであります。確かに東京ではいまの状態から見るとそれを聞くことはできません。しかし現地では当然これは聞けるはずであります。そういう点について郵政省としては、このニュースであるとか、音楽であるとか、ドラマであるというふうに思うという程度でそれ以上のことは全然知ろうとしないのか、また現在までそういうようなことをしたことはないのか、その点いかがですか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 先ほど放送の内容につきまして概略申し上げたわけでございますが、私どもといたしましては現地に職員を派遣いたしましてVOA自体の施設も見てまいっております。ただ国語と申しますか、先ほど申しましたようにシナ語であるとか、朝鮮語であるとか、英語であるとかいったようなものでございますので的確に把握しておるわけではございませんで、大体そういうようなものであるということは調査してまいっておるわけでございます。
○武部委員 中国語であるとか朝鮮語であるとかおっしゃっておるわけですが、そういうようなことは沖繩で幾らでもそれは通訳ができるわけでありまして、知ろうと思えばできることです。ただ今日この内容がいろいろ論議されて各報道機関、これは社説等にもそうでありますが、さっき私が申し上げたようないわゆる軍との結んだ謀略放送があるのではないかとか、いろいろなことが予測されるわけです。報道機関もそういっておるのです。ただ私どもはそれを聞く機会がないわけです。したがって、郵政省としてはどういうような内容のものが放送されておるかということについてこれは調べることは私はできると思うのです。したがって、きょうはこれ以上のことは言いませんが、その点について十分な資料をひとつ整えるようにお願いをしたい。 郵政大臣に最後にお伺いをしておくわけでありますが、いまほどおっしゃいましたように、この十五日の衆議院の連合審査において、外務大臣は次のように述べております。若干総理大臣と答弁が違っておりますが、日本国内で外国の放送業務が行なわれることは望ましくないし、現行の電波法からは許されない。存続を認める場合、仮定の問題としていえば国内法は何らかの修正が必要だ、こういったニュアンスの答弁を外務大臣はいたしております。今日まで、また先ほど郵政大臣は電波法上のたてまえからいって存続を認めるわけにいかないという態度を明らかにされ一貫をしておるわけであります。したがって、現在の段階においてVOAを郵政大臣としては認める意思はない、このように理解をしてよろしいか、その点どうですか。
○井出国務大臣 現段階においてはそういう態度で一貫しておるわけでございます。
○武部委員 それでは次に、国際電電の関係についてお尋ねをいたします。 本日はお忙しいところを参考人として御出席をいただきました国際電電の皆さんに厚くお礼を申し上げます。昨年も当委員会で国際電電の概要等あるいは将来の計画等についていろいろお尋ねをいたしました。 そこでまず最初に、衛星通信関係についてお尋ねをいたすわけであります。インテルサットの恒久化交渉のための第三回政府間会議が去る四月十四日からワシントンで行なわれております。つい先日の報道によりますと、この会議は会期を少し延長して開催されるということが報道によって私ども承知をいたしました。したがってまずお開きをいたしたいことは、今回の第三回の会議までに持ち越された問題としてどういうことがあるのか、また今度の会議で恒久的な協定がはかられることになるのかどうか、この点について見通しと、それから三回まで持ち越された問題としてはどんなものがあるのか、これを最初にお答えをいただきたい。
○柏木政府委員 お答え申し上げます。 第三回政府間協定のための全権委員会議は四月の十四日から五月十四日までの予定で開催されていたわけでございますが、かなり討議が持ち越されまして、最終期限現地の二十一日、こちらでは二十二日になるかと思いますが、それまでに終了するということで、目下最後の詰めの段階に入っておるようでございます。 それで、第三回までに持ち越された問題という御質問でございますが、第二回までの政府間会議におきましては、条文化としてはあまり作業が進まなかったのでございまして、基本的な条文化の内容につきましての骨組みができたわけでございます。その後、全部の参加国ではございませんが、それに進んで参加する国約四十カ国がその間に三回にわたりまして中間的な会合をもちまして、第三回の政府間総会に提案いたしまする条約案文のまとめにかかったわけでございます。中間会議の第三回目は昨年十二月に終了したわけでございますが、ここで一応条文の作成がほとんどの項目についてできたのでございますが、若干の問題についてはその条文の作成は間に合わなんだ点もございましたし、あるいはまた大体用意された条文につきまして留保を付する国もたくさんあったわけでございます。さらにまた、第三回全権会議でこの案文をもとにしてこれの審議を進めてきたわけでございますが、もちろん新しい提案をすることも自由でございますので、第三回の会議は従来持ち越した問題に加えて、新提案も入れまして、かなり審議内容が広範にわたって、このような一週間延長というような結果になったわけでございます。 それで、持ち越されて今度審議されたおもな案件と申しますか、それをごく概略申しますと、まず第一は、やはりインテルサットがそのおもな目的といたしまして商業ベースによりまして国際公衆通信のための施設を提供するということになっているわけでございますが、それ以外に、国内通信あるいは特殊通信業務に対してはどのような程度に、またどのような形でこの業務に関与するかというようなこと、あるいはこの新条約の参加国を国際電気通信連合のメンバーに限るかどうか、あるいはできます条約によります各国の権利、義務、特に義務といたしましてインテルサットに加盟国がインテルサット以外の星を打ち上げ利用する範囲と条件をどのようにするかとか、あるいはまたインテルサットの新しい管理運営機構といたしまして、総会を設ける、政府間総会とそれから事業者間の総会を設けることについては合意されていたわけでございますが、特に、政府間会議の機能、権限をどのようなものにするかということにつきまして、特に大国側と小国側との意見が非常に強く対立を続けておったわけでございます。そのほか条約の発効の条件でありますとか、あるいはインテルサットが使用いたします資材の調達方式をどうするとか、あるいはまたインテルサットにこのたび法人格を与えるということについては合意されたわけでございますが、この新しい国際的な機関に対してどの程度の特権、免除を与えるかというような問題、あるいはこの政府間協定とは別に事業者間の署名いたします付属協定ができるわけでございますが、ここにインテルサットの出資の限度を何億ドルにするかというようなことにつきましての基本的な対立というようなものが、第三回政府間総会でのおもな討議の中心になったわけでございます。 なおまた、その見通しというお話でございますが、それらの問題につきまして、現在一条ごとに審議を進めまして、一応の審議が終わっておりますが、残る問題がまだ数問題ございます。その中に特に招請国でありますアメリカとしても非常に強い立場をとっている問題も残っておりまして、この条文全体といたしまして最後にこれを三分の二の多数をもって可決するかどうかという段階になるわけでございます。いかなる案文ができるにしましても、こういう形で最終的なピリオドが打たれるかと思いますが、かりに条約案文が確定いたしましても、その後これに署名し、またこれを国会の批准等の手続を経るということにつきましても、また問題がそれぞれあるわけでございまして、場合によってはアメリカ合衆国についても、こういうような問題が残ればかなりこの条約の成立に困難が伴ってくるというような見通しも一部伝えられているようでございます。
○武部委員 地域衛星または国内衛星さらには特殊衛星、これが打ち上げられた場合、技術的にも経済的にもインテルサットとの関係の調整が必要だと思うのですが、その点についてどうなる見通か、これを伺いたい。
○柏木政府委員 まず国際公衆通信用の地域衛星、これが一番問題となるわけでございます。御承知のように、これらの通信をインテルサットとは別の星を打ち上げ利用すれば、それだけインテルサットの利用が減るということは、インテルサットの経済的な存立にも関係いたします。特に小利用田の経済的な打撃が大きくなるというようなことから、当初はアメリカはもちろん、スモールユーザーと称されております国がこの地域衛星の打ち上げ利用に非常に強く反対しておりましたが、幸い日本の提案を中心といたしまして、打ち上げます星の使います周波数あるいは軌道条件、こういう技術的な条件がまず第一、それから第二にこの星を打ち上げ利用することによってインテルサットにどのような経済的な影響があるか、それから三番目には、この星を打ち上げることによって、インテルサットが本来的に目的といたします全世界低廉な安定した直通回線を設定するという条件がどの程度影響するかというような条件をインテルサットの内部機構としまして、まず理事会が審査をいたしまして、その意見をつけまして政府が総会にこれを提出する。それから総会は六カ月間にその意見をまとめて、その結果をリコメンデーション、勧告といたしましてこれを関係国に示すというような条件になっておるわけでございます。この勧告というのは、法的拘束力のあるものではない勧告ということに落ちついておるわけでございます。それから国内衛星通信あるいは特殊通信用の衛星につきましては、これが技術的に両立するものであるかどうかという点の審査をいたしまして、同じような勧告の手続をとる、こういう骨組みの条約案がほぼまとまっておるわけでございます。
○武部委員 先ほどの質問に関連いたしまして、恒久協定が締結された場合、わが国やアメリカの出資率が変わってくる、こういうふうになると思うのですが、いま日本の出資率は一・七%ですかね。そうすると、一体この比率はどのように変わると予想されるか。その場合に、いまの一・七%という金額は一体どのくらいで、これが変わった場合にどのくらいの金額になるのか、その点はどうでしょう。
○板野参考人 お答え申し上げます。 現在は一・七三%という比率、クォータを持っておりまして、これが十三億見当でございます。これが現在使用しておりまする実際のユニットで、利用単位で換算いたしますと大体四・三%ぐらいになりまして、さらに二十二億程度の出資を必要とする、こういうことに相なる予想でございます。
○武部委員 そうすると、アメリカは相当減ることになるわけですね。その点間違いございませんか。
○板野参考人 大体四〇%程度ぐらいに減るのではないかというように予想しております。
○武部委員 先ほど国際電電の事業概況報告の御説明をいただきましたときに、インテルサットの4号糸衛星がすでに一月に大西洋上に打ち上げられて運用を開始しておるという説明がございました。続いて太平洋、これは九月ないし十月といわれたわけでありますが、インド洋上に打ち上げるのは大体いつごろなのか、これが一つ。さらに4号系衛星の通信能力、この点はどのくらいなものか、これをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○新川参考人 私からお答え申し上げます。 インド洋上にインテルサット4号衛星が打ち上げられます予定は、昭和四十八年第三・四半期の七、八、九の間を予想されております。 それから第二番目といたしまして、インテルサット4号衛星の通信能力でございますが、これは大体大ざっぱに申し上げまして、現在使用されております3号衛星の約五倍の能力がございます。これを二地点間だけの電話通信に使用いたしますと、約一万回線の電話が中継できるわけでございますが、実際には多数の国がこれを分けて使用いたしますので、分割損が出てまいります。したがいまして、実用されます場合は大体カラーテレビジョン一回線と電話四千回線程度が中継できるものと考えられると存じております。
○武部委員 いま3号衛星の五倍ということをおっしゃったわけですが、3号衛星は千二百回線ぐらいと聞いておったんですが、間違いございませんか。 それから、先ほど御説明がございました茨城の衛星通信所の第三地上局の問題でありますが、これはインテルサット4号系のものでありますが、この建設費というのは、第三地上局はどのくらいの建設費を予定してやっておるのですか。
○新川参考人 お答え申し上げます。 第三地上局の建設費といたしまして約二十三億円を予定しております。
○武部委員 そういたしますと、いま高萩にある概設の第二地上局はどういう関係になるのか、これが予備の局になるのかどうか。それから山口衛星通信所には、将来このような地上局を増設する考えがあるのかどうか、その二つについてお答えいただきたい。
○甘利参考人 現在の第二施設は、3号系衛星にアクセスしております。それで4号系衛星が上がりますと、現在の3号系衛星は改修をいたしませんと十分能力を発揮できませんので、第三施設を私どものめどでは九月から使えるように建設を進めております。したがって九月に完成いたしまして、第4号衛星がかりに十月に上がったといたしますと、これに第三施設をアクセスさせます。そうして次に第二施設はこれをさらに改修しまして、第3号系衛星並びに4号系衛星、両方にアクセスできるように改修いたします。第4号系衛星が上がった時点におきましては、3号系衛星も使用に十分耐えるわけでございまして、4号系と3号系と両方を現用、予備あるいは一般国際多数国間の、プライマリーユースといっておりますが、そういう用途に使う、それから特に二国間で非常にトラフィックの多いところに対しては、別の衛星を使う、そのような使用方法がございますので、それは今後さらに検討されてどういうふうにこの二つの衛星と二つのアンテナ施設とを組み合わせて使ったら最も効果的、経済的であるか、また非常対策の面から見まして安全であるかというような点を考慮いたしまして、その使用方法を今後検討することになっております。
○武部委員 山口衛星通信所に将来地上局を増設する計画があるかどうか、その点はいかがでしょうか。
○甘利参考人 申し落としましてどうも申しわけありません。山口のほうは、インド洋の地域のトラフィックがさほど急激に増加いたしませんので七四年度ぐらいになりませんと、その必要がないということでございます。その際、当社としましては現在の山口の施設は4号術尾にもアクセスできるだけの能力を持っておりますので、それで十分耐えるということでございますが、その切りかえ時、あるいは将来そういう大容量のトラフィックがインド洋衛星を経申していきます場合に、エマージェンシーの対策として、さらに施設をふやすかどうか、その点はまだ検討いたしておる段階でございます。いずれにしろ山口は、インド洋衛星にも太平洋衛星にも両方にアクセスできる地域にありますので、かりにあそこに二つのアンテナができますと、衛星通信に対しては万全の対策が講じられるということになるかと思います。したがって、山口に次の施設をするかどうかということは、まだ検討の段階でございます。
○武部委員 これは報道によって承知をしたわけでありますが、四月の初め、ソ連及びOIRTから来年二月の札幌オリンピックの中継にモルニヤ衛星を使うということについて、相談があった、そういうような報道がされまして、私どもいろいろ聞いたり調べてみたりしておるわけであります。モルニヤ衛星による中継、このことについて国際電電にソビエトのほうから提案があったと聞いておるわけですが、その後この問題についてはどのようになっておるのか、これは国際電電と郵政省の両方からお聞きいたしたい。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。 この四月の上旬から中旬にかけましてソ連の通信次官が訪日されたおりに、KDDに対して、いま先生お話しのような申し入れがありました。それと同じころにOIRT、東ヨーロッパ諸国の放送事業体の連合体でございますが、これの代表がNHKに対しましておおむね同じような申し入れをしたわけであります。 明年、札幌で行なわれます冬季オリンピックの状況をモルニヤ衛星を使ってカラーテレビで送るという場合には、大きく分けて技術的に二つの問題がある、こういうふうに思うのでございます。一つは、カラーテレビのやり方、その放送のしかた、技術的仕組み、われわれのことばで方式と申すのでございますが、これは日本でやっておりますものとソ連でやっておりますものとが違っておりますので、日本の方式のままソ連に伝送いたしましても、どこかでソ連のものに合わせなければならないということになるわけでございます。そこで、日本ではNHKが従来研究的に試作いたしました日本の方式、これをNTSC方式と申すのでございますが、この方式からソ連のSECAMという方式に変換するものを持っておるわけでございますが、そのものを使いまして、一たん札幌の画を東京まで送ってまいりまして、それをSECAMに直しましてソ連に送るという仕組みにせざるを得ないということが一つあるわけであります。この点についてソ連の申し出は、変換は日本側でやってもらいたいということを申し出ている次第でございます。 それからもう一つ、向こうへ送ります際のモルニヤ衛星の利用の方法、これは国内の施設にはございません。したがって、向こうがその送受信をする設備を、船に載せたものを持っておりますということで、日本の近海、領域外と申しますか、そういうところへ船を置きまして、そこと連絡して送り出す、こういう仕組みになろうかと思うのであります。 第二の問題は、国内におきますテレビジョンの映像の伝送の問題でございます。実は、明年開かれます冬季オリンピックのために、東京-札幌間の伝送路は現在四つ準備されたわけであります。それらはおのおの従前から申し出によりまして現在四つ準備いたしておりまして、それがすでに満ぱいの状況になってきているわけでございまして、もしソ連用に一つそれをあけるということになると、そこに余裕がないという状況がございますので、そのほかのものが使っておりまするもの、そのほかと申しますのは、つまりNHK、NBC、それからEBC、これはヨーロッパの放送事業の連合体でございます。それからCBC、これはカナダの放送協会でございますが、これらに使われておりますので、これらのとった画を利用するならば利用できるという条件に相なる次第でございます。そうでございませんと、ソ連とOIRT用だけのものを札幌から東京まで送って持ってくるというには、札幌-東京間の伝送路は余裕がない、こういう状況になっておりますので、さような技術的条件を付記いたしましてソ連側に外務省を通じて返事をしておる、こういう次第で、なお技術的な問題について、こまかい点で、ソ連の船に送るとするならばどういう技術的条件で送るのか、そこいらの技術的インターフェースの問題についてはまだ何らきまっていない、そこいらを検討しなければならない、こういう状況になっておる次第でございます。
○武部委員 ここに郵政省がこの問題に関して報道機関に提出した資料の写しがございますが、いまおっしゃった走査線の変換装置、五二五から六二五に変えるその場所は一体どこを考えておるのか。それから「伝送路としては、陸上から、海上のソ連船にマイクロ中継を行ない、」ということが書いてあるわけですが、この「陸上」というのは一体どこなのか、「海上のソ連船」というのはどこの海上にソ連船がおるのか、こういう点はどうなっておるのですか。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。 いまの第一の変換する装置でございますが、日本の方式からソ連の方式に変換する装置は、先ほども申し上げましたようにNHKが持っております。これはNHKの日比谷の会館に置いてあるようでございまして、そこまで持ってきて変更する。これはかなり膨大な機械でございまして、手で持っていけるという簡単なものじゃございませんので、画のほうを持ってこなくちゃならない、こういう次第でございます。 それから、陸上の地点でございますが、これは未確定でございます。ソ連の船は移動できますから、こちらの伝送路の都合からある程度余裕ができてきて、たとえば東京から札幌へ送り返すことが不可能であって、まあ新潟方面ならばあいているということになれば、裏日本のほうからソ連の船へ送る、こういうような仕組みになろうかと思いますが、そこいらの技術的な詳細につきましてはなお不確定のままでございます。
○武部委員 いずれにしても技術的な問題は詳細が不明だということをあなた方はおっしゃっておる。それはよくわかります。したがって、この問題は、これからさらに折衝をして、技術的な問題が解決するならばこれを認める、こういう方針というふうに理解をしてよろしいか。 それからもう一点、ソ連及びOIRT、これは国際放送・テレビ機構、こういうふうに私ども承知いたしておりますが、この加盟国はヨーロッパの共産圏のほか、中国へ北朝鮮、モンゴル、キューバ、北ベトナム、アラブ連合、これだけの国が加盟しておって、そのほかはないのですか。これだけですか。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。 技術的条件が整いまして可能であるならば、この次は法制上いろいろ検討しなくちゃならない問題があろうかと思いますが、われわれとしては、できるだけ前向きにこれが実施が可能な方向で進めていきたいさよう心得ておる次第でございます。 それから、OIRTの機構につきまして、詳細については私、心得ないのでございますが、先生ただいま御指摘のような国々の連合体であろう、かように承知しておる次第でございます。
○武部委員 衛星通信関係はこれで終わりまして、次に、データ通信の関係についてお伺いいたします。 今回の公衆電気通信法の一部改正によりまして、国際間のデータ通信についても法定されることになった、これは御承知のとおりであります。したがって、この国際間のデータ通信としてはどういうものが考えられるのか、さらに、国際電電としてはどういうものを実施しようと計画しておるのか、この点について概要だけでもけっこうですから、お伺いをいたしたい。
○板野参考人 お答えいたします。 ごく概略でございますが、国際間のデータ通信につきましては、これが欧米-間に開始されてまだ間もない状況でございまして、あまり私どもが参考にするような例はそうたくさんはございません。しかしながら、これは国際間に非常にこれから盛んになるということはもう間違いない次第でございまして、私どもといたしましては、このデータ伝送のための回線を、非常にハイスピードの回線を用意するように、専用回線では千二百ボー、あるいは場合によっては二千四百ボーというような高速度の回線を提供できるようにいたしております。それからまた、いわゆるテレックスを、もう少し二百ボー以上の高速度の、千二百ボーというような高速度のテレックス回線が利用できるような制度も新しく考えていきたい、かように考えております。それからデータ処理といいますか、処理と通信を結び合わせたような、そういうサービスにつきましては、とりあえず私どもはオートメックス、いわゆる専用線の交換業務を行ないまして、同一の業者あるいは関連業者間にこのメッセージが交換され、それから一部はそれが処理されるという、いわゆるオートメックスのサービスを来年から始めたいというように考えております。 それから、本格的なデータ通信サービスをどうするか、こういう問題につきましては、私ども鋭意目下検討をいたしておりまするが、何ぶんともこの問題についてはまだまだ諸外国間におきましても検討中というのがたいへん多うございまして、一部には欧米間に計算事務の処理というようなものも行なわれておるようでございます。私どもはなるべく国際電信電話にふさわしいようなサービス、それから私どものほうで、これは民間でおやりになるほうがいいんじゃないかといういわゆる民間と競合するようなことはなるべく避けまして、そしてKDDでやるのがふさわしい、こう思われますようなサービスを提供すべく、目下準備、研究、検討を進めておる段階でございまして、たとえて申しますると、各航空会社が自分で座席の予約とかあるいはホテルの予約とかいうものをやっておる会社もございまするけれども、また東南アジア等の中小の航空会社ではそういうサービスは単独でやるには非常に問題がある、こういうような点につきましては、場合によりましては私どものほうでそういうサービスを提供する、こういうような点を目下検討いたしておる段階でございます。
○武部委員 オートメックスサービスは来年からやりたいというようなお話でございましたが、国際デーテル業務について、これは一体どういうことなのか。これはこのサービスとしてあなたのほうも計画をしておられると思うのですが、その見通し等をごく簡略に……。
○古橋参考人 お答え申し上げます。 デーテルサービスというサービスは、一口に申しますと、スピードの速いテレックスのようなサービスでございまして、六百ボーか千二百ボーかという高いスピードを使いまして、テープからテープヘ、さん孔しましたテープから受信のほうはまたテープに受信いたしております。大体以上が簡単でございますけれども……。
○武部委員 国際デーテル業務というものについて、このサービスはいつごろからやろうとしておりますか。
○古橋参考人 大体七月の末ごろを予定しております。
○武部委員 次に、昨年の当委員会でお尋ねをし、御回答をいただいた問題について、さらにお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、昨年の事業計画書の中に、「東南アジア・ケーブル計画については、引き続き検討を推進する。これらに要する経費として、十六億四千万円を予定する。」こういうことがございました。この東南アジア・ケーブルについていろいろお問いただしをいたしましたところが、そういう予算を組んでおるがなかなかうまくいかない、したがって、東南アジア・ケーブルについては、その第一段階としてマニラとバンコクを結ぶケーブルを計画しておる、こういうことでございました。本年度の事業計画を見ましても、この東南アジア・ケーブルについてはほとんど触れておらない。したがって、まだ予算を詳細に見ておりませんが、おそらく計上していないと思う。一体この東南アジア・ケーブルはその後どういうことになっておるのか。これは十年も前からの話のように私ども聞いておったわけでありますが、この経過と見通しをお伺いいたしたい。
○板野参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生のおっしゃいましたように、この東南アジア・ケーブルは、これが計画として上がりまして今日まで十二年を経過いたしておるわけでございます。この間に、私どももこの実現につきまして関係各国ともいろいろ折衝し、努力をしてまいったのでございまするが、何ぶん先ほどもお話がございましたたとえばフィリピンとかタイ国というような先方の財政事情等もございまして、それからまた、御承知のように衛星通信の施設が急速に発展をいたしまして、これらの国はたいていすでに衛星通信基地を持っておりまして、広帯域の良質なサービスをしておる、こういうような状況の変化によりまして、今日までなかなか進展をいたしておらないような状況でございます。しかしながら、最近におきまする海底ケーブルの技術が非常に進歩もいたしましたし、割合近距離では海底ケーブルの非常な効果もある、こういうことも認識されました。また、かたがた衛星とケーブルと併用いたしますことによって通信の安定化がはかられる、こういうことも関係各国でいよいよ認識をだんだん深めてまいっておる次第でございまして、当社といたしましても関係東南アジア諸国との電気通信をさらに画期的に改善をいたしたい、こういうふうに考えておりまするので、この東南アジア・ケーブルとそれからまた太平洋全般のケーブルの計画というようなものもあわせまして、今後私どもこの実現方につきましてさらに再検討いたしまして、関係各国の了承を得る方向で持っていきたい、こういうぐあいに考えております。 予算等の措置につきましては、ただいまお話がございましたように、この長期の計画等につきましては約十六億ぐらいの経費も見積もっておりますが、私ども先ほど申し上げましたように、さらに検討を進めまして、できるだけ早い機会にこの実現に向かって進みたい、こういう意味で、この長期の計画の中には約十億程度の調査、または着工してすぐかかるというわけではございませんので、またそういう面の金を一応長期の中の後半の年度に計上をいたしておる次第でございます。以上、御説明申し上げます。
○武部委員 この東南アジア・ケーブルの構想は、残念ながら私は、ずっと後退を続けておると思うのです。いろいろな理由があると思うのですが、計画が前進しておるものとは思えないのであります。確かに衛星通信が非常に発達しておりますから、そのこともよくわかりますが、おっしゃるように衛星とケーブルとを共存をして併用してやるということが必要ではないだろうかというような気持ちを私は持っておるわけであります。これは前回のときもそういうような問答を行なったわけでありまして、そのような答弁があったわけであります。しかし現実には十二年間かかっても一向に進展していない、こういうふうに理解をいたします。 ただ、この機会にお尋ねをいたしますが、沖繩返還が具体的な日程にのぼり、本土並みに沖繩がなる。そうなると、この起点は沖繩からということになると理解をしてよろしいのか、その点どうでしょう。本土から沖繩までは公社のラインであって、それからKDDということになるのかどうか、その点は郵政省、どうでしょう。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。 現在の公社法、国際電電法の立場から規定いたしますれば、沖繩までは日本電信電話公社が受け持って、ここまで海底線を引くならば引いて、それからその先は国際電信電話の分掌、こういうことに相なる。先生のお説のとおりであります。
○武部委員 ここに「国際電気通信の長期展望」という冊子をいただいておるわけでありますが、この国際電気通信の長期展望というのは二十年後の未来像を描いたものであるということが冒頭に書いてあり、内容もすべてそのように編集をされております。確かに長期の展望も必要でありましょう。しかし、現実に刻々と変わっていくいまの状態に応じて、たとえば電信電話公社が七カ年計画をするとか、第一次、第二次とか、そういうふうにごく中期といいましょうか、当面をする計画を次々と策定をいたしておるのであります。その点でKDDとしては国際通信の拡充に関する長期計画、そういうものを策定するところの考えがあるのかどうか、この点はどうでしょうか。
○板野参考人 お答え申し上げます。 国際電信電話株式会社法によりまして、毎年度の事業計画を立てまして政府の認可を得るということになっております。この毎年度の事業計画を樹立いたしますにつきましては、やはりある程度長期の見通しというものを立てる必要がございますので、すでに今回で第十二回になりますけれども、五カ年計画というようなものも一応概略をつくりまして、それに基づいてその年度の計画を立てる、こういうぐあいにいたしておる次第でございますが、私どものこの五カ年計画というものはごく大ざっぱなものでございます。それからまた、これは諸外国との交渉とか折衝とか、先方の承諾したものでなければならぬ、こういうものでございますので、正式に発表することが非常に困難である、こういうことで、そういう計画は一応立てますけれども、非常に流動的なものだ、折衝 いかんによってはなかなかできない。たとえば先ほどの東南アジア・ケーブルもその一つでございますけれども、一応そういう中期のプランといいますか、それを立てまして年度の計画を立てる、こういう次第でございまして、先ほど先生のお示しになりましたのは、とにかく五年くらいではなかなかこれはいろいろな面でさらに差しつかえがある、特に技術進歩も非常に激しいわけでございますので、もうちょっと長期の、十年あるいは二十年の展望を持っていきたい、こういう意味でその冊子を出したわけでございますが、その中期の五年というような計画も持っております。
○武部委員 一応相手のあることですから、あなた方のお考えになっておることもわからぬではありません。ただ私どもが承知するところでは、二十年間のものだけがあるように一応とったものですから、たとえば五カ年計画も見たこともないわけでして、お聞きいたしますと、中期の計画というものは大ざっぱな計画でもつくって、それに基づいて各年度ごとの計画を立てて予算を編成しておるということでありますから、一応この点は了承いたします。 続いて、前の国会の委員会で靱社長と私といろいろ問答いたしました例の関門局のことについてお伺いをいたしたいと思います。特にあの際の話は二つありまして、一つは、経済社会発展計画なりあるいは新全総に見られるように、近畿圏における経済圏の発展がたいへん著しいものがある、したがって関門局を大阪に設ける必要があるのではないか、こういう点と、さらに災害時に対する配慮からも当然考えなければならぬ、こういうことについていろいろお互いに意見を交換したわけでありますが、御承知のようにロスアンゼルスの地震があり、さらにトルコで地震が起きるというように、いまいわゆる大都市における地震がひんぱんに起きておる。特に東京の地震ということがたいへんやかましくいわれており、もちろん真偽のほどは私どもはわかりませんが、そういうような点について、実は当時の社長とやりとりをいたしました場合に、この問題については等閑視しておるわけではない、したがって、中期の構想、おっしゃったようにいまの話ですが、中期の構想の中でこの大阪関門局の問題は解決したい、そういう意向であったわけであります。聞くところによると、大手町の庁舎は通信の量が増大をして満ぱいになっておる、こういうようなことも聞いておるわけでありますが、新宿のいわゆる新庁舎の完成なりそういうものを想定をしながら、先ほど私が言った災害時の問題、さらには経済の発展の動向、そういうものから見て、KDDとしてはこの関門局の問題をどのように考えておるのか、将来を展望して一体どうなっておるのか、去年に比べてどのようになっておるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。さらにこの関門局の問題について具体的な構想があれば、これは先ほどの質問に付随をしてはっきりした態度を、これは何年来ここでやっておるわけでありまして、そろそろこの辺であなた方の明確な態度をひとつお示しいただきたい、こう思うのであります。
○板野参考人 お答え申し上げます。 二、三年前から、関西におきます関門局の問題、いろいろ諸先生方からたいへん貴重な御意見を賜わりまして、私どもたいへんありがたく存じておる次第でございますが、その後の国際通信の動向といいますか、技術の発展なりあるいは需要の増加の変化というものがいろいろございまして、特に電話関係の需要が相当伸びてきております。現在、大手町の局舎ではもう一ぱいでございますので、新宿局舎を新営いたしまして、昭和四十九年度に局舎を完成し、逐次新しい、いわゆる電子交換設備をこれに入れていく、こういう予定になっておりますが、電話関係はこの五カ年間で現在の約三・四、五倍には増加するのではないかというような状況から見ますと、私ども、この電話事業を運営するというたてまえからいいましても、これを一局で一カ所で集中的にやるということがはたして能率的であるかどうか。分割論は確かにございますけれども、やはり運営上の問題も出てくると思います。それから、ただいま先生もおっしゃいましたように、非常災害時の点を考慮いたしますと、やはりある程度の分散化ということが必要ではないか、こういうことも考えておる次第でございます。諸外国の例を見ましても、アメリカあるいはイギリス等ヨーロッパ方面におきましても、いろいろな点から関門局の複数化が進んでおるのでございます。したがいまして、私ども、この情報化社会の進展、その他災害時等、それからまた私どもの電話事業の運営、こういう面からいたしまして、関門局を一カ所に集中するということでなしに、大阪方面にも一つそういう施設をつくりたい、こういうことで今日鋭意検討してまいっております。規模をどうするか、どのような施設をするかということにつきまして、早急結論をまとめるように現在この研究を進めておる次第でございます。 ただ、これに関連いたしまして、やはり資金の問題とかいろいろな問題も関連することでございますので、私ども十分検討いたしまして、できるだけ早い機会に具体的にその御説明を申し上げることができるように努力をいたしたい、こういうように考えておりますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○武部委員 郵政省にお伺いいたしますが、いま国際電電のほうからそのような答弁がございました。これは昨年の靱さんの答弁と比べまして、若干前進をいたしております。この関門局の問題について、私が申し上げた経済の問題あるいは通信量の増大の問題あるいは非常災害の問題、こうしたことについて、私どもがかねてから主張しておる関門局の複数化、ワンセンターではない、そういう点について、いま国際電電のほうからお聞きのような話がありましたが、郵政省はこれについてどういう考えを持っておるのか、それをお伺いしたい。
○柏木政府委員 結論から先に申しますと、先ほど板野副社長から御説明があったような線で、KDDともどもこの問題を鋭意検討しているわけでございます。 ついでにと申しますと、たいへん失礼でございますが、この関門局ということにつきまして、一般的に問題のとらえ方が三つあるのではないかと思います。 一つは、大阪を中心にしましたサービス面から、東京と大阪と二つに分けたほうが、大阪地区においてサービスがよくなるのではないかという見方があるかと思いますが、この点については、東京-大阪間の自動化が非常にスムーズに行なわれている現在では、特に関門局というような形で大阪に一つ局を置かなくても、大阪のユーザーとしての利便については東京その他の各地の利用者と格段変わりのないサービスが提供できる体制になっているわけでございます。 残る二つの問題は、一つは、関門局と一般に言いならわされてきておるのでございますが、これは昔のようなゲートオフィスというような機能を持ったものではない。現在では自動化されつつある一つのオペレーションセンターというような国際電電の国際通信を総合的にオペレーションするのにどこまで集中したら能率的であるか、あるいは分散が必要であるかというような問題になるかと思います。その点から現在この問題を検討しておるわけでございます。 またあわせて、申すまでもなく非常災害対策という観点から第三の問題としてありまして、主としてこういう観点から、ただいま板野副社長から御説明ありましたような具体的な計画につきまして相互に検討を進めている段階でございます。
○武部委員 郵政省としては国際電電の現在の考え方に異存がないようでありますから、それだけにしておきます。 もう二つ三つお伺いいたしたいと思いますが、四月に国際専用電信回線の料金を引き下げておりますが、この引き下げ率はどのようなものか、それから今後電話回線についてもKDDとしては引き下げる考えがあるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○板野参考人 お答え申し上げます。 国際通信料金につきましては、技術的進歩が非常に激しうございまして、私どもも、経営の合理化、技術の革新というものをどしどし進めてまいりました結果、コスト的にもある程度料金を下げ得るという状況にございます。それからまた最近は特にコンピューターを通信の中に取り入れてくるということになりますと、やはり国際競争というものが非常に激しくなってくる。こういうような観点。それからもう一つは、国民の方にもやはり国際通信を気やすく使っていただく、こういうような観点。また貿易上のいろいろな問題もございますが、私どもといたしましては、過去数回にわたりまして、値上げはほとんどしたことは一むしろ値下げ一方でございまして、昭和三十五年から電報、三十九年には電話、四十二年、四十六年、それから先ほどの四十六年の四月には専用回線を一五・六%値下げをいたしておる次第でございます。値下げの歴史が国際電電の歴史、こういうことになっておるわけでございます。 そうして、今後これは一体どういうぐあいになるかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、電話等につきましては、これは自動化いたしますと、どうしてもダイヤルで直接つながるというようなことにもなりますので、電話あるいはテレックス等につきましては、いろいろな情勢を勘案しながら、料金につきましてもひとつ十分考慮していきたい、こういうように考えておる次第でございます。以上、お答え申し上げます。
○武部委員 申し合わせの時間が来ましたので、あと省略いたしますが、一つだけ最後に沖繩の国際通信について。これは現在琉球電電公社の国際電報電話局がこれを行なっておるわけでありますが、復帰後の国際通信の運営、職員の身分、こういうことについてすでに話が進んでおると思うのですが、この点についてどの程度いまこの段階で発表できましょうか。
○板野参考人 お答え申し上げます。 沖繩の通信の復帰対策等につきましては、郵政省を中心にいたしまして、電電公社、私ども関係のところで協議会を持ちまして具体的に話を進めてまいってきておりますが、目下私どものほうで考えております、また郵政省のほうでも大体そういう程度でいいのではないかという、こういうお話をいただいております点について概略申し上げますと、沖繩の国際通信は東京、大阪に次いで第三番の取り扱い量を持っておるというような状況でございまして、そういうような状況から私どもはぜひここに直営のいわゆる電報電話局と申しますか、営業所を設置いたしたい、こういうぐあいにいま計画をいたしておるわけでございます。したがいまして、現在国際通信に携わっておる職員が約百名前後沖繩の電信電話公社におるそうでございまして、これらの職員につきましては何の不安もないようにひとつKDDのほうにぜひ来ていただきたい、またそういうお気持ちもあるようでございますので、今後安心して沖繩の職員の方々に国際電電に加わっていただく、いろいろな処遇その他の問題につきまして十分考慮を払いたい、私どもはこういうふうに考えておる次第でございます。
○武部委員 この問題は相当話があるように聞いております。たとえばKDDには年金制度がないとか、向こうとの間に処遇について、身分上の取り扱いについていろいろな差があるわけですね。したがって、そういうものについては十分な考慮を払い、話し合いを進めて遺漏のないようにしていただきたい。そのほかいろいろございますが、これはまだ若干の日にちがあるわけでありますから、この復帰の問題をめぐってぜひひとつ十分な話し合いが行なわれるようにしていただきたい、こう思います。 時間の関係で、私は以上で質問を終わりますが、衛星通信、データ通信その他関門局の問題等についてKDDの大体の考え方もよくわかりました。きょうはたいへんお忙しいところを参考人として来ていただきまして、まことにありがとうございました。
○金子委員長 この際、午後一時再開することとし、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後一時十二分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を進めます。 質疑を続行いたします。樋上新一君。
○樋上委員 もう午前中に武部委員から基本的な問題については質問がありましたので、私は事業概況の中から二、三お尋ねいたしたいと思うのでございますが、その前に、ちょっと私聞きのがした点もあるので、もう一ぺん念のためにお聞きするのですけれども、第三回会議まで持ち込まれました問題の中で、インテルサットの恒久協定がなかなか結ばれないという現在までの紛糾しております根本原因は一体何か、これは、今日までこういうぐあいに協定が結ばれないという一番の隘路はどこにあるか、私は、アメリカの横暴が問題になっておるのではないか、こう思うのですが、この点もう一度お伺いしたいと思います。
○柏木政府委員 このインテルサットの問題につきましては、世上往々アメリカの独占体制の位置ということが一番ネックになっていて問題が解決できないというふうに伝え受け取られている面が多いのでございますが、これは必ずしもそのようなことでもないといえると思います。この条約の成立が一番むずかしい点と申しますか、結局宇宙の最新技術を実用化して、世界じゅうの国がその利益を均等に利用できるという原則に立っていま話が進められているのでありますが、この基礎となります国際的な協力のベースというものが、一つはアメリカが主となりまして開発いたしました宇宙通信の技術力、これをベースにしながら、また各国の利用に応じた資本の参加、しかもその上に、政府がその主権に基づいてこの実施を監督するような体制というように、いままでの国際的な協力の形にない全く新しい形の国際協力機関をつくろうというところに非常にむずかしさがあるわけでございまして、一面、これは政府の参加するものであると同時に、事業者が利用するために実際の技術と資本を持ち合わせて協定をする。それに、つくります事業体に法人格を持たせ、非常に新しい国際的な機関にすることにつきましてのいろいろの法律的なむずかしい問題も新しく出ておりますし、その他、アメリカが従来支配的な地位を持っておったこの従来のインテルサットを、ほんとうに国際的な協力機構に引き直すためのいろいろな実際的な問題の解決方法というところに、ほんとうの困難さがあるのではないかと思います。事実また、アメリカといたしましても、いろいろの点ですでに大きい問題についての情報を行なっているのでありますが、現在の段階におきましては、むしろこの組織に新しくあとから参加してきましたスモールユーザーの国々、これは数としては多いのでございますが、アフリカ、中近東を含めますそれらの国がかなり運用の実際になじまず、また地球局も持たない、そういう未経験な立場にありながら、いたずらに国家の主権だけを強く主張するという一面もございまして、ビッグユーザーとスモールユーザとの一つの理解の困難さというようなものが、現段階においては成立の最終段階の一つの問題になっているのではないかと考えております。
○樋上委員 この理事会におきまして、出資率を基礎にした二十名程度のほかに、出資率に関係なく一定の条件で選出された五名以内の署名当事者の代表で構成する、こうなっていますね。この出資率は、アメリカそれからその他の国の率は決定して、日本は幾らの出資率になるのですか。
○柏木政府委員 現在は、一九六四年にこの暫定機構が発足した当時の利用予測をベースにして、そのままの割合を維持しているわけでございますので、日本はまだ一・七二%前後のものとなっているのでございますが、今後の新しい協定によりますと、インテルサットの星を利用しますその比率によりまして毎年これを調整するということになっておりまして、現状におきましては、日本の使用率は年々上がっております。したがいまして、協定の発効の時点においてはどうなるか、これは予想の問題でございますが、おそらく四%から五%くらいの使用率になりまして、世界の上ではアメリカ、イギリス、その次には日本というような順序になるんじゃないか、一応そういう予想を持っております。
○樋上委員 午前中に料金の問題、営業収支の問題がちょっと出ましたのですけれども、四十五年の例をとってみましても、上半期で二十六億円の黒字が出ておる。下期におきましても同様二十六億円以上が見込まれております。で、いまどきまことにけっこうな事業であると私は思うのですが、国際電電は電電公社と並んで通信を独占する公共事業でもあることは御承知のとおりでありますが、その事業の性格からして利益をあげることが目的ではないと私は思うのですが、それは必要でしょうけれども、利益は極力通信料金へ還元すべきでないかと考えるのです。この点午前中に副社長は下げておるのだということをおっしゃいましたが、もともと根本的に高いのであって、下、げたとは言えない。こういう点について、私は政務次官にお伺いしたいのですけれども、こういうことはいま私が申し上げましたとおり、通信料金に還元すべきであると思うのですが、どうでしょうか。
○小渕政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、現時点におきます国際電電の経営はまことに良好であろうと存じております。したがいまして、料金の問題につきましては鋭意引き下げるべく最善の努力を重ねてまいりましたことは、午前中での質疑に対しての御答弁で申し上げただろうと思います。と同時に、国際間のこうした業務に対する引き下げのプレッシャーというものは競争激化のおりからかなり激しいものであろうと存じますので、国際間の競争に勝ち抜くためにも引き下げということも考えられなければなりませんし、お説のように経営の内容あるいは会社の企業努力、そういったものによって引き下げにつきましてはあとう限りの努力をしなければならないことだろうと思います。ただ、国際電電におきましても、これからさらに大きな投資もしなければなりませんし、また職員の給与の引き上げ等の問題もありますので、こうした問題を総合的に検討いたしまして、この値下げの問題につきましては結論を出さなければならない、このように考えております。
○樋上委員 板野副社長にお伺いするのですけれども、今後の料金値下げの計画についてあるのか全然ないのかという点と、参考までにお尋ねしますが、事業概況報告の六ぺ-ジの営業外収益と支出の内容についてお伺いするのでございますけれども、ここに営業外収益と営業外費用となっておりますが、この内容はどういうようなものですか、この二つについてお伺いしたいのです。
○板野参考人 前半の料金を今後どうするかという問題につきましてお答えいたしまして、後半の営業外収益、費用につきましては経理担当の取締役から御答弁をいたしたいと思います。 料金の問題につきましては、先ほど政務次官からもお話がございましたように、過去、私ども非常な経営努力と、それから技術の非常な進歩に応じまして、人手というものをできるだけ省いてきて、そうしてこういう成果をあげてきているわけでございますが、国際間の料金につきましては、電報と電話というのはやはり両者が協定によってひとつつくり上げる、こういうようなことになっております。専用線は一方できめる。しかし、それもやはり国際間の慣習がございまして、一方だけべらぼうに下げてやるというようなことはなかなか両者の信義上、これはできるだけ避けてきておりまして、先ほど政務次官からお話がございましたように、今後新局舎の建設、それから東南アジア・ケーブルとか太平洋の地域を中心にしたケーブルの問題、それから技術革新が非常に早いものですから減価償却をやるかやらぬかで、その前にコンピューターなどの機械もどんどん入れてやらないと国際競争に負ける、こういう情勢が今後ますます激しくなりますので、こういう面につきましても多額の経費がまた要ります。それによってサービスが向上いたしますので、また一般の利用者の方にもそれでお返しをすることもできます。こういうことに相なっております。それから従業員の待遇改善ということもいろいろ考えていかねばなりません。厚生施設もその点でございます。ただ、これも政務次官がおっしゃいましたように、国際間の競争もいろいろございます。それからさらに合理化を進めていってコストが安くなるとかいうような努力もいたします。それから非常な技術の革新によりまして、たとえば電話の全自動化ということの導入になりますとステーションコールと申しますか、ダイヤルを回して相手方にすぐ連絡ができる、通ずることができる、こういうことになりますと、やはり料金の点につきましてもなるべく国民の方が利用しやすいような、そういうふうに今後料金問題をやはり考えていかなければならない。具体的に何ぼになるかということにつきましては、また先ほど申し上げましたように欧米その他の動向も、東南アジア諸国の動向も考えながらやっていきたいと思います。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、テレックスなどの高速度の通信が入りますと、おのずからそれで料金値下げと同様な効果が、一分間にたとえば百字くらいしか送れぬものが、たとえば五十ボーで何字というものを三倍も四倍も一分間で送れるというような、そういう新しい技術をお金をかけまして算入いたしまして、相対的に料金が下がってくる。これはテレックスの全自動化でこの制度をとりましたときにも実際料金値下げと同様な効果をあげておるわけであります。それやこれや勘案いたしまして、先生のおっしゃいましたような趣旨を十分いれまして、今後検討してていきたいというふうに考えております。
○三輪参考人 お答えいたします。 先ほどお話ございました営業外費用と申しますのは支払い利息、それから財産除却費、雑支出費でございます。それから営業外収益では受け取り利息、それから雑収入でございます。
○樋上委員 それではこの際、国際通信の料金についておもな国の通話料金、通信料を説明していただきたい。大体アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ソ連くらいの程度、いまわかりますか。
○板野参考人 概略お話し申し上げたいと思いますが、詳しき資料はまた後ほど御要望がございますれば提出させていただきたいと思います。 対米関係から申し上げますと、電話につきましてはパーソンコールと申しますか、相手方を呼び出すコールは十二ドル、四千一、行川くらい、ダイヤルを回すと九ドルですから三千二百何ぼになると思います。これはアメリカも日本も同じであります。ヨーロッパも電話料金につきましては大体同じ、東南アジア方面でも、大体十二ドルとか九ドル、少し高いところで十五ドル等というようなところもございます。 それから電信につきましては一番端末、日本の国に入ってからの料金とそれから相手国に入ってからの料金、こういうものは少しずつ異なっておりますけれども、大体その間の料金は折半するということになっておりまして、大体電報一通の平均収入が千二、三百円になっております。 それから専用線でございますが、これはアメリカと日本を比べますと、少し日本のほうがいま高うございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、電信専用につきましては、それを調整をはかるために一五・六%の値下げをいたしました。それから電話の専用線につきましては、これから少し検討いたしまして、大体対米関係につきましてはひとつアメリカと大体同じようなところに持っていったらどうかということで、たとえば電話の一回線につきましては日本が月一万三千ドル、先方が九千四、五百ドルということにたしかなっておると思いますが、まだ少し料金の正確な数字を持っておりませんから、また後ほど御報告いたしたいと思います。
○樋上委員 それじゃあとで専用料金も含めて、料金の一覧表を資料として提出してもらえますか。
○板野参考人 そのようにいたします。
○樋上委員 この料金はいつごろからのもので、これはこのままずっと続けられていくものなのか、料金を改定する余地がないのか、それともいま副社長のおっしゃったようなほかの設備のほうでするから、この専用料金とか通話料また通信料はずっとこのままの料金で続けられていくのか、また、それはいつごろからの料金なんでございますか。
○板野参考人 先ほどもちょっと申し上げましたように、電報、電話、テレックスの料金は協定をしてつくっておりますので、相手方の了解も得るというようなことになっておりますので、先ほど昭和三十一年以来電報料金を下げたり、電話料金を下げたり、それで専用料金も下げるというようなことをして向こうと相談しながら先方さんとやってきておるわけでございます。したがいまして、今後もたとえば電話の全自動化ということになりまして、ヨーロッパ方面ではすでに相当利用がたくさん欧米間にはございますので、電話料金なんかも少し下げる。ことばの問題もございまして、ステーションコールといいますか、ダイヤルで回すような料金につきましてはだんだん下げておるようでございます。したがって、私どももやはり今後全自動化になるというようなときには、そういう措置も考慮に入れながらひとつ調整をとっていきたい。 それから、専用料金につきましても、先ほど申し上げましたように、これは競争になるわけでございますので、私どもはその辺を考えながらやっていかなければならぬ。ただ東南アジアのどうしても、何といいますか、経済力の低い国におきましては、なかなか料金を先方さんが下げるということはめったにやらないわけです。したがいまして、こういう方面につきましてもこれは話し合いながら、また私のほうで一方的に措置できるようなものもありますけれども、それはそれとして考えていかなければならぬ。 それからテレビの料金でございますが、これも二年前ですが、テレビの料金を三〇%値下げいたしました。これもインテルサットの衛星の使用料金もまだ下がっていませんが、この一年のうちにはあるいはこれを下げてくるというような大体計画もあるようでございますから、そういうようなところはまたいろいろ勘案いたしまして、テレビ料金の値下げも考えていく、こういうぐあいに今後諸外国の情勢その他を検討しながら、また話し合いによらなければならないようなものは話し合いによって下げてまいります。また、先ほど申しましたように、高速度の通信を、相当の金がかかりますけれども、それに投資をいたしまして、一通のことばを何倍かの早さで送ればそれだけ料金は低減される、こういう趣旨にもなりまするので、そういう措置も積極的にひとつ進めていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○樋上委員 わかりました。 昭和四十六年度の事業計画の中に、大手町局舎及び大阪中央局舎の整備があげられておるのですが、これは何を整備しようとするのですか、またどのくらいの予算を必要とするのか、また内容がわかりましたらお願いいたしたしと思います。
○新川参考人 お答え申し上げます。 御承知のとおり、国際通信の設備は、日夜非常に急速な進歩を遂げておりますので、ここでいう整備と申しますのは、新しいサービスを行ないますための新設備の整備でございまして、具体的に申し上げますと大手町局舎におきましては、本年度テレックス交換機の拡張、国際電話交換機室の拡張、並びに新しいサービスといたしまして、専用線交換室を新設いたします。それから本年度から実施する予定にしております電報自動中継の機械化に伴いまして、その端末設備の整備も必要となっておるわけでございまして、それらの設備に伴いまして、それに必要な電源設備等の増設も考えております。予算といたしましては、それらに必要な経費といたしまして三億六千三百万円を予定しております。大阪におきましては、やはり同様の理由によりまして、テレックス交換機室の拡張並びに先ほどの電報自動中継の機械化の端末設備を整備する計画にしておりまして、このほうは予算は約一千五百万円でございます。以上でございます。
○樋上委員 同じく事業計画の中に、非常障害時の対策として連絡線の二ルート化、河内局の整備等があげられているのですが、非常障害対策の概要と昭和四十六年度の処置の内容について説明願いたいと思います。
○甘利参考人 お答え申し上げます。 まず、非常障害時対策の概要について申し上げます。国際通信の非常障害対策と申しますと、一応地震、風水害に対する一般的な防災措置、中央電報電話局の機能を喪失したときの対策、また国内関門局、国境局間相互の連絡線の障害対策、さらには国際間の伝送路であります海底ケーブルあるいは衛星回線の障害対策、このように四つに大別してそれぞれ対策を立てております。地震、風水害に対しましては、たとえば大手町の局舎のようにゼロレベルに近いところにございます局に対しましては、いかなる場合にも浸水しないように、それぞれシャッターなり適当な措置をしております。また、地震に対しましては、関東の地震、あの程度の地震に対しては構築物、建築物、それぞれ耐え得るような設計をいたしております。さらに十勝沖地震あるいは最近のロサンゼルスに起きました地震、そういったものも十分参考にしまして、これらに対して機器設備、電源設備等が破壊されないような補強工作をいたしております。 次に、一番われわれ心配しております中央局の機能が喪失するような災害が起きた場合に対する対策でございますが、これは先ほど問題になりました関門局の二元化といったような問題が解決されれば、非常に大幅に改善されるわけでございますが、現在までのところはトラフィックがそれほど多くない状態で集中化の方向で進んでまいっておりましたので、その場合における障害対策としては、広帯域時代ということを考えますと、非常に小規模な最低限の施策しかできておりません。たとえば東京の中央局が機能を喪失した場合には、埼玉県にあります小室の受信所、ここを一応本社の中央局の代替局としまして、ここで電話六回線、電報の送受が五回線、それから横浜の電報電話局におきまして電信が五回線、それから小室と大阪局の間に電信二回線、電話一回線が相互に送受できるようにいたしております。 電信回線におきましては、若干の待ち時間をしんぼうすれば相当な疎通力になるわけでございますが、最も弱点となっておりますのは電話関係でございます。それで応急の施設としまして、四十五年度におきまして無線単なるものをつくりまして、これがいわゆる臨時の営業局所になるような機能を持っております。電話の交換が六座席ございまして、これによって小室を通りまして対米四回線、香港一回線、スイス一回線というような疎通をすることができるようになっております。また別に小室局から発信すれば、茨城の衛星通信所で十二回線程度の電話が行なわれるようになつております。しかし、いずれにしましても、こういうスケールでは、平素非常に大容量のトラフィックを扱っております、特に東京局の災害に対しては、おそらくその災害時には一時に通話の申し込みがラッシュしまして、ほとんど使いものにならないというようなことになるのじゃないかと心配しておりますが、これは国際回線ではございませんが、ロサンゼルスの場合でも、一時にその通話の申し込みが災害時に殺到してどの線もみなビジーになっているというような状態がございました。あのときは日本からの対米回線もそういうことでロサンゼルスにはなかなか通じないというような事態もございました。これに対してロサンゼルスでは、移動用の小容量の交換機をトレーラーで引っぱって応急の通話を疎通したというような例もございますので、こういうことも今後参考にしていきたいと思っております。 要するに、現状におきましては、電信関係につき、ましては、大阪が健在であって以上の施設がフルに働きますと、かなりの、一〇〇%とまでは申し上げられませんが、八、九〇%までの電報の疎通は可能ではないか。テレックスのほうも、大阪の十九回線が生きておりますので、これに東京方面から回送することのできる十二チャンネルを加えますと、どうやら、このテレックス加入者の罹災程度いかんによりますが、全体としては二〇%ないし四〇%のテレックスの疎通が可能ではないかと思います。しかし電話につきましては、常時三日回線以上の回線を運用しておりますのに五、六回線というようなことではわずか一、二%で、これはあまり期待できません。以上のような状態が現状でございます。今後広帯域で相互間に相補完できるような局が多元的にできますれば大幅にこれは改良されると思います。 次に、四十六年度の措置といたしまして、今回は主として衛星ケーブル相互間のバックアップは、国際間で国際会議を開きましてお互いにバックアップできるという体制になっております。したがって、それに必要とする端局装置関係を設置いたします。また非常時における自家発電設備の増力、それから私どもの持っております衛星局及び海底線の陸揚局と電電公社の線とが、これは二、三年前から二ルート化するように施策を進めてまいりましたが、残っております山口、茨城、直江津のマイクロを設置しまして二ルートにいたします。また河内の送信所が一応その業務を上野の無人送信所に全部移管できましたので、その河内の局を利用しましてここに電信を取り扱う装置を設置いたしまして、十二チャンネルの電信が疎通できるようにいたします。その際、現在太平洋ケーブルが二宮に上がって東京にきておるのですが、東京の機能が喪失した場合には、それを小田原で切りかえて大阪のほうに回しまして、それによってこの河内の電信回線を生かす、こういう計画で、これは四十六年度に実施いたします。そのほか、浜田、山口と大阪以西の局から東京にきております連絡線は、これを大阪に立ち寄れるようにしまして、そこで大阪局で運営できるような切りかえをする、こういう計画をしております。 以上が、四十六年度におきます事業計画としての内容でございますが、その総額は約四億二千八百万円、かようなことになっております。
○樋上委員 最後に、ハワイへテレビ電話をつけるという話を聞いておるのですけれども、この構想と、通話料金が幾らぐらいにつくか、それから参考までに、テレビ電話は普通電話の何回線分を必要とするのか、御説明を願いたいと思います。
○新川参考人 お答え申し上げます。 ただいまの御質問は、今回会社で計画しておりますハワイと東京の間のテレビジョン電話のデモンストレーションに関することと考えておりますが、これは今年がたまたま国際電気通信開始の百年目に当たりますので、その百年を記念いたしまして、現在国際電気通信の展覧会を開催しております。その展覧会におきます一つのデモンストレーションといたしまして計画したものでございまして、この業務がそのまま実用の商用業務に続くものとは考えていないわけでございます。最初にそれを申し上げます。 今回のデモンストレーションは、現在太平洋の上に上がっておりますインテルサット3号衛星という通信衛星を利用いたしまして、その通信衛星の能力の中で常時国際間のテレビジョン放送のプログラムの中継に使います部分の能力があいておりますので、そこの部分に今回のテレビジョン電話の電波を通すということで臨時に設定したものでございます。そのテレビジョン電話は、まだ世界各国におきましてどういう標準でこれが行なわれるか定まっていないわけでございますが、今回のものは一応いわゆる四メガ方式と申しまして、走査線の数その他が現在のテレビジョン放送に使っておりますものと大体似た程度の性質のものでございます。
○樋上委員 普通電話の何回線分をお使いになるのですか。
○新川参考人 失礼いたしました。先ほど申し上げましたとおり、四メガサイクル方式と申しますと、電話は四キロサイクルの幅を使っておりますので、約一千倍の能力を使うということになりますのですが、実際はそれよりやや少ない、電話の五、六百回線分の能力で足りると思っております。ただし今回の場合は、最初に申し上げましたとおり、常時放送用テレビジョンプログラムの中継に使います設備を利用いたしますので、具体的に電話が何チャンネルつぶれたかということははっきり申し上げられないわけでございます。大体数百倍の能力を使っております。
○金子委員長 土橋一吉君。
○土橋委員 私は郵政当局にまずお聞きしたいと思うのですが、先ほど来いろいろお話がございましたように、インテルサットの恒久化交渉の問題はきわめて大きな問題が提出されております。先ほどお話もございましたように、国際電信電話百年を記念をし、また国際電信電話株式会社十九年を祝して、いまわが国の電信電話業務は国際的にも大きく飛躍をいたしておると思います。 そこで、一九六九年の二月-三月から、政府間において第一回の国際電信電話の会議が持たれております。その中心的な内容は、先ほどから言われておるインテルサットの使用あるいは監督、運営、さらには共同出資の問題だと思うわけです。まず、この問題についてわが国の郵政省はこの会議に基本的にどういう態度で臨んでおるのか。その基本的な態度は、御承知のように一九六七年一月二十七日、ワシントン、ロンドン及びモスクワにおいて協定を結び、わが国としては条約第十九号、昭和四十二年十月十一日公布の国際的な宇宙条約、この基本的な前文の規定及び第一条、第六条の規定などに基づいてやっておると思うが、イエスかノーで答えてもらえばけっこうですが、わが国の国益を尊重し、国際電信電話のきわめてスムーズな業務運営のために、どういう努力の目標をもって、また具体的にどういう態度でこの国際会議に臨んでおるのか。会議は数回持たれております。いまだ決着を見ないといわれておりますが、決着を見たかどうか。決着を見たとするならば、従来アメリカが主張しておるような内容とわが国の主張、あるいはわが国とオーストラリアとの共同提案の内容などについて、ごく簡単に中心問題だけ答えてもらいたいと思います。
○柏木政府委員 まず第一に、宇宙条約の基本的な精神にのっとって日本はこの会議に臨んでいるかどうかという御質問でございますが、これはそのとおりでございます。 それから、その他日本のこの条約会議に臨む基本的な態度につきまして簡単に御説明いたします。 まず、今後の宇宙通信の秩序ある発展を促進させる、こういうような国際協力の精神に合致した恒久組織のすみやかな設定に積極的に協力する、これが第一点でございます。 次に、恒久組織におきます日本の発言権の強化、特に当時から国内でいろいろ計画がございました種々の地域衛星打ち上げの権利を確保する、そしてその他の国としての全般的な利益の保護増進に遺憾なきを期する、これが第二点でございます。 第三点は、この協定の交渉の経過からいたしまして、特にアメリカとヨーロッパの先進諸国の意見の対立が非常に激しかったのでございますが、これの対立の調整が協定成立の一つの大事なポイントであるという現実にかんがみまして、わが国の独自の利益に十分留意はしつつも、この両者の間の仲介をいたしあっせんの労をとる、こういうような基本的な方針で臨んだわけでございます。 それで、日本の協定につきましてのあっせん案ということにお触れになったわけでございますが、これは昨年の第二回政府間会議中に、さきに申しましたヨーロッパ諸国とアメリカの対立が非常にはっきりいたしまして、一時会議が中断状態に人ってきた。その時点におきまして、日本とオーストラリアとがアメリカとヨーロッパ側の妥協のために一番問題になっております数点につきましての独自の案を示しまして、その基本的な原則が関係諸国の原則的に是認することになりまして、それ以後会議が進展を見たということで、現在第三回の政府間協定会議で行なわれております条約案文の内容は、この協定案を骨子にした部分が非常に多いのでございます。 それから、この会議の成立の見通しということでございますが、最近、この一週間来非常に詰めた打ち合わせが行なわれておりますようでございますが、残る数日間の会期中にこの最終的な話し合いができ上がるかどうかということは、時間的な問題になってきているようでございます。幸いにいたしまして、この間におきましての話し合いがまとまれば、政府間協定並びに付属の事業者間協定につきましての最終案文が確定されるという段取りになりまして、いずれ署名開放の際に各国がそれぞれ所定の手続を了しまして、協定の発効に至るという段取りになる予定でございます。
○土橋委員 山本草二という人の論文を拝見をしておりますと、「インテルサットの内部でも、フランスなどが中心になって、その業務執行と管理機能の権限が各国間で不均衡であり、とくにアメリカの私企業コムサットの絶対的な優位が公認されていて、真の国際協力になっていないこと、インテルサットでは営利追求、投下資本の回収を目的としたコンソーシャムの手で商業的に運営され、非加盟国または非加盟事業体による宇宙部分の無差別平等の利用がはかられていないなど、国際的な公共役務としての宇宙通信の役割りを果していないと、批判したのである。」と、こういう個所があるわけです。そのほかたくさんありますが、要するに私が申し上げたいことは、アメリカも航空と宇宙に関する法規をつくっております。そして大統領を中心としていろいろな諸権根を彼らは決定しております。そして私企業であるコムサットを中心として、この商業衛星通信という名前の現在の衛星が打ち上げられたわけです。したがって、アメリカは商業ベースを中心として、これを利用する各国に対して、また各国の事業体に対して、いろいろな俗にいう難くせをつける、あるいは利潤追求を中心としてやってきておる、それが欧州各国、中近東、先ほど話されたスモールユーザーなどが非常に文句を提出をしておるということで、国際紛争をいたしておるわけであります。 ところが、日本代表がこの中でオーストラリアとともにどういうことをやっておるかといいますと、この文面などを見ると、全くアメリカの商業ベースを中心とした営利追求のコムサットの権限を依然として擁護するような、そういう体制下において国際会議に臨んでおるというような状態が説明されておるわけです。私は、そういう観点がもしあるとするならば、ここで読み上げるまでもこざいませんけれども、四年ほど前に条約締結をいたしました月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約、俗に宇宙条約と称しておりますが、この前文の規定をずっと見ると、いまのような態度とするならばまことに遺憾といわなきゃならない。 第一条の規定は、きわめて簡単ですから読み上げると、「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用は、すべての国の利益のために、その経済的又は科学的発展の程度にかかわりなく行なわれるものであり、全人類に認められる活動分野である。「月その他の天体を含む宇宙空間は、すべての国がいかなる種類の差別もなく、平等の基礎に立ち、かつ、国際法に従って、自由に探査し及び利用することができるものとし、また、天体のすべての地域への立入りは、自由である。月その他の天体を含む宇宙空間における科学的調査は、自由であり、また、諸国は、この調査における国際協力を容易にし、かつ、奨励するものとする。」きわめて民主的な、そして無差別に各国の平等を認め、宇宙、月を含んだ天体の利用について各国がそれぞれの権限を持っておる、こういうことを規定しておるわけであります。 六条の規定を見ると、「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によって行なわれるか非政府団体によって行なわれるかを問わず、国際的責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従って行なわれることを確保する国際的責任を有する。月その他の天体を含む宇宙空間における非政府団体の活動は、条約の関係当事国の許可及び継続的監督を必要とするものとする。国際機関が月その他の天体を含む宇宙空間において活動を行なう場合には、その国際機関及びこれに参加する条約の当事国の双方がこの条約を遵守する責任を有する。」というふうに規定をしておるわけです。 これらの規定から見ると、日本政府がとったオーストラリアとの共同提案によるところの調停案というものは、まことにコムサットを保護し、アメリカの彼らの自国でつくっておる宇宙並びに航空に関する法令を中心としたそういう傾向が多いではないか、これは明らかに間違っておる態度ではないかというふうに私は思うが、それについて、そうでないか、そうであるかと簡単に答えていただきたい。
○柏木政府委員 ただいまのお説の一番中心になりますところは、この新しい国際組織が商業主義、コマーシャルベースで行なうという点にポイントがあるかと存じます。この点につきましては、後進国、スモールユーザーも含めまして、この国際通信というものがそもそも商業ベースで行なわれているものである、しかもこのインテルサットという組織のいわばひな形になりました太平洋ケーブル、大西洋ケーブル等におきまする施設の共有、共同利用の原則というものが非常に効果をあげたということもよく認識した上で、このインテルサットという組織が、参加国が平等の機会でそれを利用し得る、またその使用分に応じました出資をし、費用を負担する、そしてまた利益が上がりましたらその出資に応じました分配を受ける、一つの合理的な商業主義のベースでございますが、これ自体についてこれを反対する国は、結局においてはなくなったのでございます。 問題は、そういうような組織におきまして、ただいまお引きになりました宇宙条約第六条等によりまする国際的な一つの政府間の監督というような問題をいかにしたら有効にこれに働かすかということで、一つは政府間総会の機能をどの程度これに与えるかというような問題となって、ここが討論が種々行なわれているわけでございます。したがいまして、日本とオーストラリアが共同提案いたしました一つの商業ベースに基づく出資率をベースとしました表決方式でございますとか、あるいは政府間総会をさらに設けるということにつきましては、ただいまお話がありましたように、宇宙条約に反するものでももちろんございませんし、また、このインテルサットの考え方自体において間違っているというものでもないと考えております。
○土橋委員 いまあなたの御答弁の中で、劈頭、商業ベースでこの問題は始まったのだ。それはアメリカがそう言っているのです。したがって、なるほど人工衛星を太平洋と大西洋とインド洋に打ち上げたときは、そういう気持ちがあったことも私はよくわかるわけです。金のもうからぬ仕事なんかやるアメリカ人は一人もおりませんし、これはコムサットをやったことでよくわかるわけであります。しかし、この条約を締結した限りにおいては、この規制を受けなければならない。アメリカが御承知のようにワシントンにおいてちゃんと条約に批准をして、これを国内法として認めた限りは、これは彼らが持っておる航空宇宙に関する法律は、この国際条約によって制限を受けなければならない。したがって、いまあなたが前文とか第一条とか第六条の規定で、日本政府の代表として折衝したということになれば、商業ベースであるというような説明をしたり、あるいはまた、最後にあなたがおっしゃるように、共同分担といって、コムサットは、たとえば従来ならば六〇%の権利を主張しておったわけだ。しかし、世界の各国から突き上げられて、結局それが四〇%に下がった。下がったけれども、日本政府の交渉では、やはりコムサットが従来の暫定処置期間中はもちろんであるけれども、これが一定の権限を持つことを要求している。またオーストリア政府も共同提案国としてそういうことを主張しているわけです。そうすると、わが国の国際電電株式会社というのが、このことによってどういう不利益を受けるのか、どういう制約を受けるのか、どういう圧迫を受けるのか、個々の条件においてどのような不都合なものが生ずるかということが、やはり政府代表としては考えなければならぬ大きな問題であるわけです。そこのところを私は聞いているわけですよ。 ところが、あなたの当初説明した、商業ベースで、そうしてまた共同負担その他の問題についても、コムサットを擁護するような説明をするということは、この条約にわが国が賛成をして、この条約を公布した限りにおいては、当初は商業ベースでそんなものを打ち上げたかもしれないけれども、依然としてこの条約に基づいて、そうしてわが国を代表して折衝しなければならない。今日においてまだこれが依然として二分をいたしまして、政府間協定と事業体のそれぞれの二つのいわゆる共同会議その他を持っているわけであります。それに間違いございませんね。そうすると、わが国としては、やはり国際的な電信電話業務とテレビを円滑にするために、宇宙に打ち上げられた人工衛星は、どこの人工衛星であろうとも、この条約の規定を中心として活動すべきではないのか。何でアメリカの肩を持ってコムサットなどを擁護するような体制をとるのかというところを政府が反省をして、この条約に署名をして、しかもこれを公布した以上は、当然この規定に従ってやるべきじゃないか。従来の商業ベースだというのは、冒頭から、あなたの説明を受けると、コムサットの擁護とアメリカの従来の航空宇宙に関する法律を中心とした態度でこの折衷案を出しているというふうにしか私は受け取れない。そうすれば、わが国の法律にも違反する。わが国がこの条約を認めた限りは、この条約の基本方針に従って、やはりわが国の国益とわが国の権利を主張すべきではないかというふうに考えるが、私の言っていることをあなたは受け取るのか受け取れないのか、イエスかノーで答えていただきたい。
○柏木政府委員 お答え申し上げます。 国際電電が商業ベースでこの新しい組織に出資をし、これを利用する、こういう点については、これは宇宙条約にその点については、直接問題になる点はないかと存じます。ただ……
○土橋委員 ちょっと、柏木さん違うのよ、私があなたに聞いているのは。その業者間協定においてどういう金の使い方をして、どういうように管理をするかはその次の問題であるわけです。わが国として、このインテルサットは、この条約に従って交渉するかしないかということをあなたははっきり答えてもらえばいいのだ。
○柏木政府委員 ただいまその一面を申し上げたわけであります。その次の問題といたしまして、日本は先ほど申し上げましたように、基本的な一つの態度といたしまして宇宙条約にも従う一つの根拠を持ってこの協定に臨んでいるわけでございますが、特に地域衛星の打ち上げ、利用という問題につきましては、この宇宙条約にございますように、第一条の月その他の天体を含む宇宙空間につきましての無差別平等の基礎に立ってこれを利用できるという条文があるわけでございます。これを根拠といたしましてインテルサットの加盟国はインテルサット以外の星の利用は認めないというアメリカの主張に対しましてまっ向から反対をいたしました一つの反対提案をいたしまして、これ幸い大方の支持を得まして、これについては宇宙条約の精神にも沿い、また国益にも沿う一つの案文ができつつあるということでございます。
○土橋委員 それは日本代表の一番いいところなんです。そうやったことが日本代表の一番すぐれた点だったわけで、ほかは全部問題にならなかったわけだ。あなたがそれをやったことにおいて、ソ連が要するに自国で打ち上げておるスプートニクの問題も一応救われておる。この人も書いておるわけだ。その点は私は評価いたしますけれども、基本的にいま申し上げましたように、 コムサット擁護のために日本政府は何の必要があってそういうアメリカの航空や宇宙に関する法律をたてにとりながらヨーロッパ大国やあるいはその他の国々が反対しておるにもかかわらず、そういうくだらないあっせんを出すのかということが問題であって、あなたが出したのはけがの功名だったわけだ。そのためにソ連がいま打ち上げておる四つの国内衞星というものが、一応一つの市民権を得たわけです。私がここであなたにお願いしたい点は、わが国がこの太平洋とインド洋に打ち上げたものによって、すべて二宮とか直江津の海底ケーブルは別としまして、これで足りるのかどうか、私はまだ大西洋に打ち上げておるこの三つでは、地球全体として、大きいことになりますけれども、地球全体のいわゆる国際的な電信電話を可能にするものではないと思う。たとえばヨーロッパ諸国あるいはソビエトあるいは北のほうのノルウェーなどは、赤道直下の上にそんなものを上げたって、利用の関係から言うと、地球の上をこういうふうになる。これが丸いとすると、つまりこういう形で打ち上げておるわけだ。そうするとこの一番極におる国々は一体どういうふうにアンテナを張らなければならないのか、そのテレビやラジオは聞こえるのか、これはあなたのほうで、国際電電で出している資料によってもちゃんと説明しておるわけだ。そうすれば、この三つのいわゆる宇宙衛星船だけでは足りない。特に国によって、たとえばニュージーライドのような国はあんなすみっこにあって、赤道直下の上に打ち上げたもので問題は解決するかという問題があるわけだ。したがって、国内において適時衛星を上げなければならぬという問題が出てくるわけだ。またわが国もそういうことについてはやらなければいけないわけです。そうすると、私の言いたいことは、そういうことから勘案をいたしまして、現在ソ連が出しておるこの問題についてもやはり正当性を認めなければいかぬ。それは第一条の規定によって、各国は平等であるということ、前文の規定がそういうことを保障しておるわけですから、それについてはあなたは私の説に賛成か反対か、それだけでけっこうです。答えていただきます。
○柏木政府委員 今後世界の各国が宇宙通信を平等に利用できる、これは一つの理想でございまして、このことは新しいインテルサット協定の前文にもこの趣旨を掲げているわけでございます。したがいまして、インテルサットに入ると入らないとにかかわらず、つまりこれは投資すると投資しないとにかかわらず、この星を利用するという道はつけられておりまして、現にまたインテルサットにはまだ入っておらないが、インテルサットに入っておる国の地上局を通じましてインテルサットを利用するということをしている国もあるわけでございます。また一方ソ連のモルニヤ系というような別の系統の通信衛星組織があるわけでございますが、これを利用することにつきましても、ただいま申し上げましたようにインテルサット以外の星を利用するということにつきましての権益は確保されておりますので、一定の条件でこれは認められておるということでございますので、他日そういうような具体的な必要性があって、それがほんとうの必要性があれば、そういうようなことも日本としては考えるべきだろうと思います。ただ、さしあたりの通信の事業といたしましては、御承知のようにソ連、東欧圏につきましては日本海ケーブルというようなものでの、非常に性能のいい通信のルートもございますし、インテルサットの容量もますます追加されているということでございますので、ここ当分は具体的なそういう必要性はほぼないではないかという見通しを持っております。
○土橋委員 わが国の政策としては、やはり将来わが国の国内において衛星を打ち上げて、そしてわが国の放送事業をもっとスムーズにもっとできるような体制をとる時期があろうと私は思うのです。またそういうふうにしなければならない。わが国は決してスモールユーザーではないわけですからして、先ほどの料金関係から見ても当然だと思うのです。私は、そういう点について、あまり自分の国の権益を縛るような、アメリカに奉仕をしてアメリカの追随国のようなかっこうをしないで、やはり独立国家としてこの政府間協定においては各国の様子、各国の動静を見て、き然たる態度をとって、宇宙条約の十七カ条の条文に従っていただきたい。わが国も人工衛星を打ち上げて、そしてテレビその他についても活発なそういう活動ができるようにすべきである、こういうことを私は言いたいわけなんです。よろしゅうございますか。――このコムサットか今日も依然として四〇%の権益を擁護しなければならぬという立場をアメリカは主張しております。またこの政府間協定においても二者協定の、アメリカは四者協定のいろいろな案を出してきておるわけです。やはりわが国としては、安保条約下における状態だけれども、これは政府がやるから、わが国の電波関係についてはやはりき然たる態度をとって、独立国家にふさわしい態度をあくまでも貫き、この宇宙条約の基本理念に従ってやっていただきたいということであります。 次は、国際電電会社の方にお尋ねをいたしますが皆さんのほうでもやはり国際会議に出る権限を政府から付与されております。そしてあなた方はこの国際会議の運用協定に参加する権限があると私は思う。まあその他のいろいろな関係であるいは政府が代表しておるかもわかりませんけれども、ここでインテルサットの投資分担、利用料金、借り入れ金、経費、地球局の申請承認、回線の割り当てあるいは調達、事業の運営、そういう細目に至るまでやはり協定をすることに相なっておるわけです。これはまあ業者間協定ですから、そこで大いに商業ベースを発揮してけっこうだと思うのです。これは要するに政府間協定によって宇宙天体やそういうものの利用原則をきめておりますから、この限度においては最大限に活動しなければならぬというふうに私は思っております。副総裁はそれについて、どういうふうに考えておられるのか。それでいいのか、それとも政府におんぶしたきりでやらぬというのか、ちょっと聞きたいわけです。
○板野参考人 お答えいたします。 ただいま先生からお話がございましたように、国際電信電話株式会社はこの暫定協定下の運用協定の中に唯一の日本の事業体として指定をされておりまして、しかもこの理事国の中の一つとしてこの会合のために出まして、私どもといたしましては、全体の日本の政府の御方針もありますし、また日本全体の利益という点もございますので、それら等を十分に考慮しながら、かつまたただいま先生がおっしゃいましたように、これは宇宙条約にも関連してまいります。それから関連の国連関係の決議等もございますので、それらの点につきましても十分に配慮しながら、私どもはこの理事会におきまして主張すべき点を主張いたし、そしてまた私どものKDDとしての経営、企業活動もございますので、そういう面につきましても十分に意見が通るように私どもとしては配慮してやってまいりまして、今日まで私どもそうさしたる支障もなく運営に参加をいたしておる現状でございます。恒久制度の点につきましても、私ども政府の御方針あるいはわれわれの会社のいろいろな経営活動の点から申しまして、先ほど監理官からも御説明がありましたように、日本の利益あるいはKDDの事業の利益を守っていく、こういうことで努力をいたしてまいっております。
○土橋委員 私は、先ほど、料金を下げて佐藤政府のもとでは異例の存在だと考えて、一応敬意を表しております。しかしながら国際電電はそういうふうにだんだん料金を下げるということは、先ほどお話もございましたように、技術の進歩あるいはその他ケーブルの非常に完全な、効率化とかいう問題があろうと存じます。いま一つの面から見ますと、これはよけい取り過ぎておったのじゃないかという面も考えざるを得ないわけですが、これよりももっと大切な問題は、佐藤政府が高度経済成長政策という、いわゆる国民収奪の物価引き上げの政策をやっておるわけです。そういう面から見ると、皆さんの活動は非常に多とすべきであるけれども、さて国際電電を使う者は一体だれか。そうすると、私のような貧乏人や失礼な話ですが一般の勤労者、中小業者、農民は、これは使うどころではないわけです。たまには自分のむすこがブラジルにいるとかあるいはロサンゼルスにいて電報ぐらい打つことはあるけれども。 これを使う主体は一体だれであるのか。そうすると、これは大企業や外務省やあるいは大資本家、大証券会社です。そんな諸君のために料金を下げてやったって何の値打ちがあるかということであります。つまり問題は、高度経済成長政策に従って大資本に奉仕するような電報料金や電話料金やテレビでもそうです。先ほど、たいへん下がってうれしいわけです。しかし、取られるほうの一般大衆は、依然として料金が上がるだけで、一二〇%下げたからといって、失礼な話だが、NHKは三〇%下げるわけはないわけです。それは他の面においていろいろ活用はしておるとは思いますけれども。だからあなたの、下げてくださることはまことにけっこうだけれども、下げられて喜んでおるのは大資本家や外務省やあるいは大証券会社や大きな企業であって、国民は下げられたって何にもありがたくないわけなんだ。そういうギャップについてどのように――大衆も納得できて、下がったために国民生活が非常によくなった、物価が安定して、下がってきたというような道をぜひ考慮していただきたい。そうでないと、結局においては高度経済成長政策、新全総に奉仕する国際電電会社といわざるを得ないわけですね。佐藤政府は喜ぶでしょう。大資本家は喜ぶけれども、国民には何ら均等しないということであってはならないということを私は憂えるのであります。 最後に、時間が参りましたので一つだけ。国際電電では、勤続十六年――十五年でもけっこうです、おそらく四十歳近くなっておると思うが、毎月うちへ持って帰る手取り、何ぼ月給を出しておるのか、人事関係の責任者から……。毎月持って帰る金は幾らか、つまり組合費とかあるいは源泉課税とか共済費を引いた手取りは、一体幾ら持って帰るのか。正直に言ってくださいね。この間みたいに電電はうそを言って、きょうはあやまっていたのだけれども、そういううそを言ってはいけません。ほんとうのことを言ってください。手取り何ぼぐらい持って帰るのか。
○増森参考人 お答え申し上げます。 四十五年十月一日現在でございますが、三十二歳で基準内で七万一千七百二十円になっております。
○土橋委員 七が一千余円というお話でございましたが、そこへ持っていって、源泉徴収とそれから組合費なり共済費なり、その他そういう諸払いをすると、大体手取りで何帳持って帰りますか。大まかなところでよろしい。
○増森参考人 お答え申し上げます。 いまそういう資料を持っておりませんので、ちょっとお答えしにくいと思います。あしからず……。
○土橋委員 私が答えてあげます。大体六万円そこそこだと思うのです。いまの年齢から見ますと、三十六歳で十六年勤続で、現在六万数千円――数千円までいかぬでしょう。六万円前後でしょう。そういたしますと、女房があるし子供も二人ぐらいいる、あるいはおばあちゃんかおじいちゃんがいる、大体こういう構成、これで六万円前後の金をもらって一体食わしていけるのか、どうでしょう。私は非常に問題ではないかと思うわけです。そういう従業員をかかえて、先ほどお話がございましたように、上半期で二十六億円、下半期で二十六億五千万円の収益をあげておるということになるならば、これは現在の物価情勢から考えて、当然少なくとも一万五千円程度は、ベースアップしなければならない。いま私鉄なんかストライキをやっております。私は当然だと思うわけです。したがって、従業員全体の賃金を上げる、暮らし向きをよくしてやるということが、やはりこの事業全体の推進の上において欠くべからざる要件だと思うのです。副社長さんとか常務理事さんはそういう生活にあまりいま親しんでおられぬからわからないでしょうけれども、この六万円そこそこが一番苦しいところだ。ましてや十年くらいの勤続ならば五万円は持って帰ることはできない。この人たちをどう救済する考えでいるのか、私は板野さんにとくと承りたい。だから今度は労働者がストライキをやったり、非常に苦しんでおる。これはただごとではないわけです。自分の女房や子供をかかえて、おじいちゃん、おばあちゃんを連れて、借家で、そして物価はどんどん上がってくる。国際電電の幹部からは締めつけられる。それでは、とてもじゃありませんが、まともな仕事はできないと思うのです。それに対して、板野さんは一体どういう所信でこの問題を解決しようとするのか。一万五千円程度の大幅賃上げをほんとうに認めて、基本給をよくしてやるかどうかということについて、私は確たる返答をお願いしたいと思います。
○板野参考人 お答えいたします。 私どもの参考になりますお話を伺いまして、たいへんどうもありがとうございました。私どもといたしましては、企業でございますので、企業からあがる収益につきましては、これは株主さん、それから将来これを使います顧客の方面にもこれが十分よくサービスができるように、これも考えていかなければならない。それからやはり事業は人、かもとでございますので、先生おっしゃいましたように、私どもといたしましては、給与の面につきましてはできるだけの措置を講じたい。こういうことで、現在までもやや上の部類ではないかと私ども考えております。利益があるからといって、私どもがそれをまた使ってしまいますと、いろいろな設備もできないとか、いろいろな点もございますので、先生のおっしゃいますような事柄につきましては、とくと私ども今後とも考慮いたしまして、特に中高年層対策というものは、初任給はいままではまことに低うございましたので、その点は十分加味してやっておりますし、今後もやっていきたい、こういうぐあいに考えております。
○土橋委員 最後に、これは川電電公社の資料でございますけれども、あなたのほうの会社とそう差はないと思うのですが、十二年勤続で満三十歳、これの基本給が四万九千七百円です。このほかに八百円の勤務地手当とか些少のものはあります。しかし手取りは大体四万二千円から四万三千円です。そうすると、わが国の慣習によって、三十歳になれば大体臭さんがあると思います。奥さんと子供一人です。これで四万二千円うちに持って帰って、家賃を払って一体暮らせるのかどうか、どうですか皆さん。これはぜひ自由民主党の逓信委員の方々にもお聞き取り願いたいと思うのです。この問題は、わが国の賃金体制がいかに低いかという最も端的な証拠だと思うのです。これが電電公社の、実態です。おそらく郵政省も、勤続十二年、満三十歳ぐらいではこの程度の手取りしかないでしょう。四万円そこそこです。 そうなってくると、わが国の佐藤政府の政治下において低賃金政策もほどほどであって、いまのような物価が上がって非常に苦しい、しかも公害だ、交通災害だ、おまけに時によっては御承知のような状態で歩かなけれ、はならぬという事態もある。こういうときに、この程度の給料で三十歳の人、が世間並みの暮らしができるのかどうか、私は、これはまことに憂慮しなければならない問題だと思う。満三十歳で奥さんがあって手取り四万そこそこしかもらって帰らないということであっては、私は何といっても腹かおさまらない。これは私個人の問題ではないと思うのです。労働者階級がこんなに痛めつけられて、しかも訓告処分を受けるとかなんとかいうことをやるのはまことに不都合千万といわなければならぬ。したがって、国際電電はそのような轍を踏むことなく、住宅の面とかあるいはまたその他の労働条件の改善のために真剣に努力されんことを強く要望して、そのイエスかノーかをもう一回最後にお聞きして、私の質問を終わる次第でございます。
○板野参考人 ただいま先生のおっしゃいましたことを私ども拳拳服膺いたしまして、一般の利用者の方、それから私どもの事業に働く従業員の点につきましてできるだけ努力いたしたい、かように考えております。
○土橋委員 終わります。 ――――◇―――――
○金子委員長 この際、放送に関する小委員長から、小委員会の調査経過について中間報告をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。水野清君。
○水野委員 放送に関する小一委員会の現在までの調査の経過を御報告いたします。 放送に関する小委員会は、放送番組に関する問題等を調査することを目的として、昭和四十五年十一月十一日の当委員会において設置が決定し、同日、小委員及び小委員長を選任して発足いたしましたが、小委員会においては、最近、放送番組、特にテレビ放送の番組の低俗化傾向に対し強い批判があること等にかんがみまして、まず放送番組の問題を取り上げることとし、これまで四回にわたって参考人の出席を求めて、愚見を聴取する等の調査を行たってまいりました。 参考人の氏名及び意見等調査の詳細については、会議録によって御承知願うことといたしますが、この際、これまでの調査の要点を簡単に御報告いたしておきます。 まず第一は、テレビの低俗番組が問題となっている事実についてであります。この点に関しては、視聴者団体や婦人団体など放送の受け手側の参考人から、アンケート調査の結果等を引用して、最近のテレビ番組の中にはいわゆる低俗番組が相当にあることが指摘され、小委員からも具体的な事例をあげて質疑が行なわれたのでありますが、これに対し放送事業者やスポンサー等送り手側の参考人からは、何が低俗であるかは議論の余地があるとしても、現状においては、一般に低俗番組といわれるものがあることを認め、送り手側としては、改善に努力している旨の発言がありました。 第二は、どうしてテレビ番組が低俗化するかという点であります。この点については、一参考人より、テレビのキー局が多過ぎること、視聴率競争が激し過ぎること、放送事業者のモラルが低いこと等が番組低俗化のおもな原因であるとの指摘がありましたが、この意見については、放送事業者の一部を含めて大かたの参考人が同意を示し、小委員もまたおおむねこれに肯定的でありまして、その後の質疑は、この三点に多く集中いたしたのであります。 第三は、いかにして放送番組の浄化をはかっていくかという点であります。これは前述の番組低俗化の原因とも関連する問題でありまして、キー局の整理、放送事業者の目覚の喚起、視聴率本位の営業方針についての反省等についての議論も行なわれましたが、実際的な改善の方法としては、受け手側の参考人から、視聴者団体の育成や放送番組向上委員会の強化が提案され、また、参考人として出席した同委員会の委員長からも、番組向上委員会としては組織や財政を強化し、一そう積極的にその役割りを果たしていきたいと考えている旨の言明がありました。なお、番組改善の方法に関しては、おおよその参考人が番組の規律はあくまで自主的な規制をたてまえとすべきであるとの見解であり、したがって、昨年郵政省が計画されたいわゆる官製モニターに対してすべて否定的であったことを付言いたしておきます。 このほか、小委員会の会議においては、多くの賞品で視聴者をつるクイズ番組やCMの問題、番組に関連して、放送事業の経営事情や広告業界の実情等についても調査を行ないました。今日までの調査によって、テレビ番組の低俗化についての問題点は、おおむね浮き彫りになったものと考えられますが、小委員会としては、これらの問題点について、郵政当局及び放送事業関係者が十分に留意し、それぞれの場において番組の改善を促進していかれるよう期待するものでありまして、逓信委員会としても、テレビによる映像文化がわれわれの日常生活を支配して、ものの考え方や生活様式までいつの間にか左右されている現状から見て、今後のテレビ番組の動向を関心を持って見守っていきたいと存ずるのであります。 以上をもって、中間報告を終わります。
○金子委員長 これにて小委員長からの中間報告は終わりました。 次回は明二十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十二分散会