逓信委員会 第7号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/02/25
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑を続行いたします。米田東吾君。
○米田委員 私は、実は郵政省当局が今月の二十日に出しました処分に対しまして、緊急に御質問申し上げてその意図をお聞きをしたい、そういうことで、これは理事会にもお願いをいたしまして、そういう要請をいたしましたが、ついにお認めいただけなかったわけであります。それで私は、この機会にその問題からひとつ大臣にお聞きをしたいと思っておるわけであります。 まず、二十日に約八千五百名の処分を出されたわけでありますけれども、この理由は一体何でございますか。非常に大量であり、しかも、私の知るところによりますと、すでに闘争が収拾の段階に入っている時期における違法行為等を取り上げられまして、そしてかつてない大きな処分を出しておられるわけであります。私は、このことはいま審議を進めております郵便法の前提となる労使の安定、そして業務の正常化、こういう関係にも十分な影響を持っておるものだと思いますし、また、こういうことがほんとうに労使の安定という方向に一体——大臣はしばしば答弁されておりますが、ほんとうにそういう方向で努力をされておられるのかどうか、そういう点について、まことに疑問もございますので、ひとつその点から御説明をいただきたいと思っておるわけであります。
○井出国務大臣 ただいまの御質問につきましては、昨日もト部さんにお答えをいたしたとおりでございますが、私どもも事ここに立ち至りましたのはまことに遺憾にたえないところでございます。しかし、この処分というものが法に基づいて公正でなければならない、こういうことは当然でございまして、やはり公務員としてそれに触れた、これを不問に付するというわけにはまいりませんことは、これは米田さんもおわかりがいただけると思うのであります。 今回、年末休暇闘争は、全国で百四十五に及ぶ多数の郵便局で実施されました。しかも、その職場においては、従来にない多数の職員が参加をしたばかりでなく、同じ職員が二日ないし三日にわたって連続して闘争に参加をする、こういうケースが発生をいたしまして、業務運行上に重大な支障を及ぼしたのでございまして、残念ながら処分せざるを得なかったわけでございます。ただし、個人にとりましてはこれは重大な問題でありますから、そういう点十分に慎重な調査を遂げた、この点はつけ加えておく次第であります。
○米田委員 理由はただ違法だということだけでございますか。あなたのほうでは、さらに処分の理由というものがほかにおありのようでございますけれども、その点もう少し正確に理由を御説明いただきたいと思います。 それから、やはり大臣権限で、違法の者に対して規律を守る立場から処分されるということについては、とやかく言う私の立場ではないと思います。それは私はよくないとは思いますけれども、そのことは決して申しておりません。ただ、いま全逓と皆さんとの間に年末闘争という苦しい教訓を経まして、新しい労使関係といいましょうか、正常化の方向が追求されておる、そういう時期が一つあろうかと思います。 それから、この委員会で郵便法の改正について私ども真剣に取り組んでおるわけでございます。しかも、この郵便法の改正は、前提として労使の正常化、業務の正常化ということが至上命令とされておると私は思うのであります。そういう点から考えまして、私は大臣の今回の処分というものは、政治的に見てまことによろしくないのではないか、実はこういう率直な感じを持っておるわけであります。方法がほかにあったのじゃないかということであります。 それから、いまの大臣の御答弁では、同じ者が二日も三日も闘争に参加をしている、新聞報道等によりますと、ある局では全員が闘争に参加したからというようなことも一つの理由にあげられておるようでありますけれども、いまの大臣の御答弁も同じだと思いますが、その種のことは、全逓の一つの統制の中で戦術的に配慮されることでありますから、あなたのほうがおまえは三日やったじゃないかとか、おまえのところは多かったじゃないか、これは筋違いじゃないか、私はそういうふうに思うのであります。全逓の統制の問題として、全逓がどうするこうするということは、これはあり得るかもしれませんし、民主的な労働組合としては、私はそういうことは問題になろうかと思いますけれども、何かそういうことを全逓の方針によらないでやったというなら、これはまた別でありますけれども、全逓の一定の方針と戦術と統制のもとに、ある人が三日入ろうと、ある局にそういう事情があって一日、おっしゃるようにかりに全員が入ったというようなことがあったといたしましても、これは私はあり得るんじゃないかと思うし、そのことをもって大臣が、おまえ出過ぎているから重い罰を食わせるということは、私は当たらないんじゃないかと思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
○北政府委員 最初のお尋ねでございますが、御承知のように十二月に郵政の労使関係を改善するということにつきまして、私どもと全逓との間に一つの合意に到達したわけでございます。したがいまして、今後そういったことを現実のものとするために、私ども現に努力をしておる最中でございまして、労使関係の改善はそういった方途によって実現を期してまいりたい、かように考えております。 ただ、今回の処分と申しますのは、これは当時省が再三の警告にもかかわらず、目的要求を貫徹する手段として、遺憾ながらそういった法の禁止したところを行なったわけでございますので、これにつきましては法に照らしまして処分をせざるを得なかったわけでございます。 またお尋ねの第二の点でございますが、もちろん私ども処分をいたします場合に、指導者と参加者と区別して処分はいたしております。お尋ねは、主として参加者についてであったと思いますが、私どもそういった場合に、やはり個々の具体的事実、そういったものの態様、こういったもののあらわれた現象面をとらえまして、その軽重によりまして処分をする、こういうことに相なっておるのでありまして、特に他意はない次第であります。以上でございます。
○米田委員 理由はどうでありますか。
○井出国務大臣 いま人事局長から申し上げましたように、客観的な事実というものに基調を置いての判断をいたした結果がああいうふうな処分と相なったわけでございます。また、これを労使関係の正常化という線において、もっと政治的配慮をすべきではないか、こういう御趣旨とも思いますが、私はそういうことも考えないではございませんけれども、しかし、これはこれとして一つのけじめをつける、そのほうがむしろ筋をゆがめないということになるのではないか、そうしてひとつそれを踏まえた上で、これはこれということに一整理をしていただく、ある意味においては責任を負っていただく、こういう処理を済ませまして、さらにその問題と取り組んでいくほうが本筋ではないか、こう考えております。
○米田委員 大臣からも、それから人事局長からも説明がありましたが、私が質問いたしました第一の理由については、もっと正確な御回答がいただけないかということを実は申し上げたわけでありますけれども、私が持っているこの資料によりますと、これは郵政省の新聞発表のプリントでございますけれども、郵政省は二月二十日付をもって全逓信労働組合員八千五百六十八名に対し処分を行なった。この処分は、全逓組合の昨年十二月七日から十四日までの間、省の労務政策の変更、郵便労働者の雇用と労働条件の改善、時短、年末手当など年末諸要求実現のためと称して、全国各地の拠点において二波にわたって行なった休暇闘争に対する指導者とその一般組合員に対する責任を追及するものだ、こういう発表になっておるわけであります。ここに、あなたのほうみずからが、労務政策の変更闘争というようなことを、かりに全逓が称しておるといたしましても、認めておられるように、これはしばしば大臣がこの委員会でずっと答弁されておりますように、郵政省との相対関係にある労務政策の変更闘争であります。しかも、これは大臣も答弁でやや認めておられたと思いますが、この労務政策の変更という問題は、昨年の春以来この委員会でも取り上げられましたし、そうしてある意味では、全逓と大臣との間で妥結をいたしましたけれども、その間には多分にわれわれ関係者もその陰の御協力を申し上げまして、そうしてたとえば四・九の妥結、あるいはそれが行なわれないで、今度のこの労務政策の変更という課題がさらに年末に加わりまして、今度のようなああいう激しい遺憾な闘争になったと私は思うのであります。 こういう経過を考えますと、単にボーナスくれとかあるいは合理化反対というケースでございません。この部分については、郵政省も私は相対関係でありますから、相責任を負うという立場を謙虚にとってもらわなければならぬのではないか。ところが、相手のほうに対しましては、あなたはやはりけじめをつけるんだ、きびしい者はきびしく処分をするんだ。片手落ちじゃないかと言いたいのです。私が率直に言いたいのは、片手落ちじゃないかということです。少なくとも、この労務政策の変更闘争、しかもこういう事態が起こり得る事情はあなたも認められたんです。私のほうにまずいところがあれば直しますということをしばしば答弁されておる。そういうことが積もり積もって、あの年末に今度だけはあとに引けないということで、全逓はあの闘争を組んだように私は聞いておるわけであります。そういうことからいいますと、そっちのほうだけけじめをつけ、きびしくやられて、しかも急がれておる。相対関係にあるあなたのほうの反省やあるいは責任の関係というものはどうなっておるのか。これが全然明らかにされておらないと思うのであります。 なぜ私はこういうことを言うかというと、この関係がはっきりしませんと、どんなに郵便料金を値上げいたしましても、郵便法の改正をいたしましても、私は郵政事業というものは、国民の期待するものになっていかないということだと思うのです。そういう関係で私は実は申し上げておるわけでありますから、あなたのほうはどうされるというのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
○井出国務大臣 お答えいたします。 その新聞記事になっておりまする表現、まあ労務政策変更の闘争というような表現でございますが、これはあえて言うならば、それはいわゆるとでも申しましょうか、あるいはカッコをつけるとかいうような表現のほうが正しいと思うのでございまして、全逓、側でそういうふうな呼称を用いられるものですからそれをそのままに受けとめた、こういうことであろうと思うのであります。そこで、基本の問題は労使というものは相対的だ、一方が一〇〇%全部がいいんだという考え方は私は無理だということは申してまいりました。したがいまして、このことは、お互い話し合いによってひとつ解決をしていこう、われわれとしては十分誠意を尽くしたつもりでございますが、それが理解されずに、ストという手段に入られたということは、これは返す返すも遺憾でございます。したがいまして、それなりにその問題は責任を負っていただくということにする一方、省のほうで組合側からいろいろ御指摘をいただいておる案件もございます。これはこれなりに事実を確かめつつあるわけでございまして、それがやはり違法な処理であるというふうな場合は、これは改めるにやぶさかでございませんし、それはそれなりに管理者の側にも責任をとってもらおう、こういう考え方でおるわけであります。
○米田委員 人事局長にお尋ねいたしますが、皆さんのほうで昨年の春以来のいわゆる俗に言う全逓の労変闘争、この経過の中で、皆さんが認められて、省のほうはこれはやはりよくなかった、大臣や人事局長の方針に沿っておらない、親心を知らない子心じゃございませんが、そういうものがあって、あなたのほうの行政の立場で姿勢を変えさせたとか、あるいは処分をしたとか、あるいは何らかの行政措置を加えたというものがありますかありませんか。ありましたら、それをひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○北政府委員 春以来暮れまでにでございますが、暮れのいわゆる六人委員会というもので上ってまいりましたものが約五十件ございました。これにつきまして、労使の中央の六人委員会の中で、お互いに詰めてまいったわけでございます。そのうち今日までに大部分のものは事実の取り違いであった、あるいは誤解であった、あるいは管理者のほうで誤解を招きやすい言動であったというようなことでありまして、大部分については一応落着をいたしております。ただ、そのうちの数件につきまして、調査の結果が不十分でございまして、今日、なお再調査をしておるもの、あるいは一応再調査を終わりましたけれどもいま整理をしておるもの、こういったものがある次第であります。なお、それを含めまして、しかと件数は覚えておりませんが、管理者もそういった誤解を招きやすいような言い方をしたものに対しましては、今後注意するという措置はとっておる次第であります。
○米田委員 そうしますと、いまの御説明によりますれば、六人委員会に上ってきたものが五十数件、これはしかし、大部分はそれに値しないものであったということで落着をした。ただ残った数件については調査中、それからあとはあなたのほうで措置すべきものについては注意等で済ましておる、こういうことでございますね。そうしますと、責任をとらせたというようなことはない。とすると、要するに処分ですね、これは正確に訓告以上とかそういうことじゃなしに、俗に私どもがいう処分として取り扱ったものがありますか、ありませんか。再度ひとつ。
○北政府委員 その期間内のものとしては、懲戒処分に付したものはただいまのところございません。ただ、それより少し前に属するものとして戒告処分に付したものが一件、三名ございます。なお訓告処分に付したものもございます。あるいは注意処分に付したものもございます。また、先ほど申し上げましたいまなお調査中でありますところの数件につきまして、もしその中で明らかに不当労働行為である——まあ不当労働行為であるかいなかの判定は、法的には御承知のように公労委できめるわけでございますけれども、不当労働行為禁止の法律に触れるのじゃないかというように認められるもの、あるいは管理者の措置としてきわめて不適切であるというようなものがその中から出てまいりました場合には、これは適正に処分する、あるいは措置をする、そのつもりでおります。なお、それに関連いたしまして、若干配転をしたような例はございます。
○米田委員 この処分理由の中に、十二月の七日から十四日までという期限が付されておるわけであります。私の感じでは、十二月上旬は全逓の第一波といわれるもの、それから十四日のものは第二波といわれるものだと思うのであります。私が次に聞きたいのは、この年末闘争は労使で徹夜に徹夜を重ねられて、そしてとにかく距離があったものを縮めて、そして最終的に話がついたのが十四日の午前十時というふうに私は聞いておるわけであります。その午前十時が、十四日の始業からは確かに二、三時間、交代制の者ではあるいはそれ以上のものがあったかもしれませんが、大体二時間程度であると思いますが、それに食い込まざるを得なかった。労使がお互い努力しても、話し合いの成立がとうとう十時まで食い込まざるを得なかった。そういう経過がありましたが、とにかく十四日というのは全体的に見ると、しかも国民の立場から見ておりますと、やれやれよかった、これが回避された、そういうことでどちらかといえば十四日はなかったものという見方を国民はしておるわけであります。 それで、これは当然全逓の労働者も事志と反して、ほんとうはもっと早く、勤務につく前に結着をつけてもらいたかったのだけれども、中央段階で話し合いが延びて十時まで延びた、しかしよかった、きょう一日がんばろうということで、全逓の労働者もそういう受けとめ方をされて、十四日はなかったもの、こういうふうに私はいったんじゃなかったかと思っておりますけれども、あなたのほうでは十四日が入っておるわけであります。しかも局長が答弁されましたように、人によっては二回も三回もとか、あるいは非常に度の過ぎたところがあったとか——そういうようなものはおそらくこの第二波の十四日の段階の問題じゃないかと私は思うのでありますけれども、これが処分の対象になったというのは一体どういうわけなんでありますか。私は、これは当然、戦後の労使の関係からいきますと、このような問題は入らない、しかし、どうしても全逓の指令に反するとか、山ネコがあったとか、そういうような場合において、いままでケース・バイ・ケースであったかと思います。しかし、話がついて、とにかく闘争が回避された。そして全力をあげて労使が協力をして、年末の滞貨の処理や年末の正常化に入ったという経過があるわけでありますから、そういうことからすると、十四日は入るということは私はどうしても納得できないわけであります。これは大臣、どうも度が過ぎておりはせぬかと私は思いますし、何か組織に対する追い打ちだというようなものも、こういうところから感じとられるのではないかと私は思うのでありますけれども、これはどういうことでございましょうか、説明いただきたいと思います。
○北政府委員 第一点は、その二日、三日に及んだものは一波二波のダブリの関係ではないかという御趣旨だと思いますが、実はそうではございませんので、二日三日に及んだものは、実は一波が全国的に見ますと七日、八日、九日の大体三日間にわたって行なわれておるわけであります。その一波中の三日間を全部休んだ、あるいは二日欠務したという例でございまして、一波と二波の参加者のダブリはなかったように存じております。 それからもう一点は、十四日の問題でございますが、先生おっしゃいますように十時に中止指令が出たようであります。しかし、やはり当日の勤務時間が始まりましてからその時間まで業務を阻害する意図でもって、現実に業務阻害につながる欠務をしたという事実は、厳然としてございますし、そういう事実があります以上は、やはり法律に照らしましてこれは違法なことであり、したがって懲戒処分をせざるを得ない、かようなことであるわけであります。
○米田委員 私は、大臣が親心ということばを使われましたけれども、まことに適切なおことばではないかと実は受けとめております。いま局長から答弁いただきましたけれども、十四日については、私は、これは親心で処理できる問題ではなかったかと思うのです。というのは、それは局長の立場から見ますれば、十時までということになったもので、全国の現場ではやはり相当闘争に入ったとおっしゃる。それはそうだろうと思います。問題はその質だと思いますし、入り方だと思います。とにかく理屈を抜きにして十四日の時点というのは、私はやはり現場の労働者も前の日からの徹夜が続いているわけでありますし、あるいは新聞、テレビ等に闘争の状況等も放送されておるわけでありますから、何か結論が——いずれ、決裂になる、ならないにしても、何らかの形式でけじめはつくだろう、そういうことで待機をしておったけれども、結局はじりじり時間切れになって仕事につかざるを得なかった、あるいは闘争に入らざるを得なかった、こういうことになったと思うのでありまして、私は、これはある一つの目的を貫徹するための方法としてやったという、そういう質的なものではないと思う。これは物理的にやむを得ず入ったものであって、魂がないと私は思う。同じ一時間、二時間でも魂はない。しかし、かりにその中でも魂があったものがあるかもしれません。それは局長の答弁でうかがわれます。それは全国二十三万という組合員と全国の組織をかかえての全逓の闘争でありますから、そんなに手ぎわよくいくはずはないのです。やはり多少のものは、私は当然あったろうと思う。いままでだって、私はそういうものはあっただろうと思う。しかし、全逓は真剣に指令をして闘争をとめたわけです。その多少なものを取り上げられて、これはシビアに処分をしなければならぬ。これは事務当局では、私は、あるいは答弁としては聞くことはできますけれども、親心を持った大臣としては、ここらあたりは政治的配慮をもって処置をされなければならなかったのではないか。実は、私ども社会党の議員団が、これは非公式でありますけれども、大臣にこういう点について善処を求めたのも、そういう立場でございます。そうしてそのことは、今後の正常化に決してマイナスではない。いま国民が望んでいるのは、あなたの処分じゃないと私は思う。処分ぐらい半年おくれたって、あるいは多少弱まったって、とにかくそのことによって全逓との関係がよくなってくれ、労使関係が正常になってくれ、業務の運行、配達が正常に戻るということを国民は望んでいるわけであります。そのことをわかっていただくのが、私はこの大臣であり、親心を持った政治家である大臣ではないかと私は思うのでありまして、そういう観点からして、実は残念なんであります。これはもう議論しても、あとのことでありますからしかたがありませんけれども、今後のこともありますから、私は大臣からその点率直な心境をひとつ聞かせていただきたいと思うのです。
○井出国務大臣 事実は、ただいま人事局長から申し上げましたとおりでございまして、これに関する評価、判断の問題、米田さんのようなお立場も私はあろうかと思うのでございます。しかし、その辺は見解の相違みたいなことに相なろうかと思うのでありますが、いずれにもせよ、私、ほんとうに残念な気持ちで一ぱいでございます。したがって、これはこれなりにひとつ結着をつけさせていただきまして、お互い、ストがある、処分がその上かけられる、こういう悪循環を繰り返しておったのでは、百年河清を待つようなものだと思うのでございます。これは今回はやはり大きな踏み切り点にしなければならぬ、こういう気持ちは私も強く持っております。 さらに日取り等の関係が、何かきのうのきょうみたいに、いかにも追い打ちだ、こういう受けとめ方をされた向きもあろうかと思いますが、この点は、この間も申し上げたように、事務的にずっと進めておりましたものを、たまたま二十日という日取りにそれが逢着をしたということでございまして、かえって作為的でない、紛清をしない、こういうふうにおとりをいただきまして、そうして先ほど来申し上げますような、私どももひとつ一そう組合側にアプローチをしていくというような努力をこれから実証していきたい、このように御了解をちょうだいしたいわけでございます。
○米田委員 最後に、この点だけもう一回、大臣にお聞きをしておきたいと思うのです。 いまも大臣がおっしゃいましたけれども、処分、闘争、処分、闘争というイタチごっこであります。これは労使間においてはやむにやまれないことでありますけれども、国民の立場からいたしますと、まことに迷惑千万であります。これはどこでどういう方法で切るかということであります。私は、それは処分というあなたの権限に属する、そこで押えていただく以外に断ち切る方法はないのじゃないか、ほんとうに断ち切らなければならぬとするならば、断ち切る必要があるとするならば、私はそこではないかと実は思うのであります。もともと全逓の運動があって郵政省があったのじゃないのでありますから、郵政省があって従業員があり、そしてあなたの権力に対して労働組合というものができたわけでありますから、相対的だといいましても、そのもとになるのはあなたのほうなんであります。そこである程度配慮をしてもらうということから、私は断ち切る方向というものが出てくるのじゃないかと思うのであります。そういう点で、私は今回の処分というのはまずい、こういうことであります。それでこれはひとつほんとうに断ち切るために、大臣、この処分についてはもう謙虚に今回は取り下げてもらう、撤回してもらう。しかしどうしてもそれができなければ、十四日の部分については、ひとつ再調査をしてもらえないか、再調査をする必要があるのじゃないか、その御意思はどうか。それからもう一つ、第三点は、これを強行されて、おそらくあなたは撤回しないとおっしゃるだろうと思いますけれども、強行されて、ほんとうに労使関係の正常化という方向について責任持てますか。確信ありますか。この三点を私は最後にお聞きをして、処分の問題についてはこれで終わりたいと思います。
○井出国務大臣 どこかで悪循環を断ち切らなければいかぬ、これは私も同感でございます。さりとて今回のことは、現段階においてあとずさりをするというわけにもまいりかねます。さような次第でありまして、組合側もたいへんな犠牲を出した。省もただのほほんとして、闘争があったからそれに対する処分をして涼しい顔をしておる、こういうことでは、これは全くこれだけの教訓をまるで無にするということに相なってしまう次第でございます。ですから、ともかくことし郵便百年という年を迎えまして、これはほんとうにこの仕事が国民に真の意味のサービスをしなければならないという使命を帯びておる。この辺で立ち直らなければ、これはほんとうに国民に申しわけない、こういう気持ちを省の側も、組合の側も浸透をすることによって新しい第一歩を、郵便の百一年を踏み出す、こういうことに対して全力を傾注してまいりたいと思うのでございます。これは労働組合員の諸君といえども郵政職員である、このことにおいては、これはもう同じ目標のもとに置かれておるのでございますから、私もこれに向かって全力投球をしてまいろう、かように心得ております。
○米田委員 正常化、労使の安定について、人事局長、確信ありますか。最後に人事局長から、ひとつ責任者としてお答えをいただきたい。
○北政府委員 先ほども若干触れさせていただきましたが、労使正常化の問題は、これは事業運営に根本的に必要な問題であるということは、われわれひとしく強く感じておるところであります。しかし、現実に労使間に若干の不信感がありまして、そういったものが機軸となって必ずしも労使関係が正常化しておらないというのが、遺憾ながら郵政の労使関係の現実であったわけであります。そしてそういうことをめぐりまして、いろいろ業務阻害もございましたし、また労使間のトラブルというものも発生してまいりました。しかし、大臣先ほど申されましたように、私どもはそういったことをただ看過するのではなくて、そういったことを貴重な教訓といたしまして将来に生かす、こういう強い気持ちを持っておる次第であります。その具体的なものといたしまして、昨年十二月に労使間でそういったことにつきまして一定の合意に到達したわけであります。したがいまして、今後それを中心にいたしまして施策を進めてまいりたい。そのことを徹底してまいりたい。その中で私どものほうにも正すべきものがあればこれは正す。しかし、労使関係、相対的なものでありまして、一方の努力だけではならないのでありまして、当然組合のほうでも誠意をもってそういった労使関係改善のための障害を一つ一つ取り除いていく。こういう努力をすると組合もいっておりますので、お互いにそういった努力を重ねることによりまして、安定した労使関係を築き上げる、これでなければならないというふうに強く感じておる次第であります。
○米田委員 次に、郵便法の関係につきまして御質問をいたします。この今回の改正案につきましては、これはすでにこの委員会でも明らかにされておりますが、前提として郵政審議会の二度にわたる答申、一つは公社化の答申、一つは郵便事業の正常運営を確保するための方策に関する答申、十二月答申、それとこの二つを受けまして大臣が昨年の八月に発表されました井出構想、この三つが大体中心になりまして、今度の改正案の骨格といいましょうか、この大綱ができ上がって出されてきたのじゃないかと私は思うのであります。 で、ここで非常に重要だと思いますのは、一つはこの二つの審議会の答申、それから大臣構想の中にも、いずれもその前提として流れておりますのが、とにかく郵便の正常化を早く実現しなければならぬ、このことばは労使の正常化でありますけれども、これを私は基本にしていると思うのであります。これなくして郵政事業の公社化もあるいは能率的な経営も、国民サービスも郵便の速達もできない、単純でありますけれども、明快に私はそういう受け取り方をしてよろしいかと思うのであります。特に今度のこの十二月答申の前文並びに本文には、実にそのことが明確に指摘をされておると私は思います。 そこで大臣にお聞きをするのでありますけれども、いま私は処分の問題でやや時間をとりまして、労使間の問題につきまして聞きましたけれども、なおかつ私は疑問がございますが、まず、この郵政審議会の十二月答申、この答申そのものは、私はすなおに読んでみますと、これは郵政大臣不信任の答申ではないかと実は思うわけであります、本文の前文からいたしまして。これはどう私は読みましても郵政大臣の不信任の——井出さんを不信任するということはないと思いますが、いまの郵政省のスタッフというものは、ここにありますようにもう正常運営については期待できないというものが流れておるのじゃないか。たとえばこの答申の本文の前文でありますけれども、「郵便の遅配によって国民は多大な迷惑をこうむっているが、郵政省はこれを抜本的には解消することができず、」と言い切っております。「今日では郵便遅配が日常的となったかのような感すら与えている。本審議会はこの点を誠に遺憾とするものである。」こういうふうに実に明快に言い切っておると私は思うのであります。それからさらに、この二ページの後段のほうには「また、労使関係がとかく円滑を欠き、正常運営の確保のうえで大きな障害となっていることも看過できない。健全な労使関係の樹立に格段の努力を要望する。本審議会は以上を前提に、郵便事業の正常運営のため、当面の措置として次の提言を行なう。」こういうふうに結ばれておるわけであります。 ここで私が重視したいのは、なおかつこの労使関係の円滑化あるいは業務の正常運営の確保、これを前提に郵政事業の正常運営のために以下提言をしておる、こういうふうに受け取ってよろしいかと思います。したがって、この前提条件が審議会の答申即国民の声だと私は思いますけれども、この答申に示されておるように、前提条件としてこれが保障されるかどうか、この点は私はこの法律案を審議するにあたって非常に大事なポイントではないかと実は思うのであります。そういう点で、労使の問題というものは、特にわが党は重視をいたしまして、いろいろお聞きをいたしておるわけでありますけれども、再度大臣からこの前提となっておる労使関係の正常化あるいは業務運営の正常化、サービスの向上という面について、この提言、前提としての条件というものを約束されるかどうか、努力を約束されるかどうか。私はこれは郵政大臣の不信任につながるような答申だと思いますけれども、大臣の誠実なこれに対する答えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○井出国務大臣 お答えいたします。 私も十二月答申が出まして以来、常にこの一冊を携えてこれをけんけん服膺しなければならぬと思っておるのでございますが、いま米田さんはこれはまさに郵政に対する不信任を突きつけられたのだ、こういう見方をお述べになりましたが、かなりきついことばの表現はされております。私どもはそれを非常に重大な叱正、おしかりを受けておるのだ、こういう心がまえで受けとめておるわけでございます。さもなければ、これは米田さんのように受けとめられてしまってはもう絶望的だ。こうなってはほんとうに元も子もないわけでありますから、これをひとつ積極的に前向きに実現をしなければならぬというのがいま私どもの置かれた使命であろうと思うのであります。 そこでその一番根幹をなすものは、お示しのような労使関係をいかにして正常化するか、こういう問題でございましょう。たとえば今回の料金問題を御説明申し上げるにしても、郵政事業は八〇%までは人件費である、これが近年のベースアップでいまの財政不如意を現出したものだ、こういう御説明を申し上げてきたわけでありますが、その八〇%を占める人の問題を解決せずして郵便事業の正常化はあり得ない。この点は私も全く同感でございます。したがいまして、これをどういうふうに持っていくかという点については、皆さま方のお知恵も十分におかりをいたしまして、そしてここに抜本的な労使関係のあり方というものを樹立しなければこれはたいへんなことになる、こういう気持ちであることを申し上げてお答えといたすわけであります。
○米田委員 人事局長から具体的な、いまの大臣の御答弁の裏づけとしての一つの考え方、あるいは方針というものをお聞きしたいと思うのであります。不信任かあるいはおしかりかということは、大臣のおっしゃるとおりでも私はけっこうだと思いますけれども、私どもとしては、もっとシビアにこの答申を見なければならぬ、こう実は思っておるわけであります。しかし、いま大臣がおっしゃいましたように、これについて率直にその真意を受けとめられまして、この前提条件をほんとうに皆さんの努力によって、労使の努力によって保障していくように、労使の正常化あるいは業務の正常化を一日も早く実現していくように努力をされるということがいまの御答弁だと思いますので、そういう点では私は了承してよろしかろうと実は思いますけれども、問題はこれを郵政省の実際の場に徹底し、指導するのは人事局長であります。したがって、人事局長のこの前提条件に対する受けとめ方と、それからこれを実際に遂行していくためにどういう御方針でどういう対策で進められるかということは、これはもう大臣以上にというと、ことばは変でありますけれども、大臣同等に重要だと私は思うのであります。そういう点でひとつ局長から、具体的にこういうふうにしてやりましょう、そういう方針を含めまして、あなたの答弁をいただきたいと思います。
○北政府委員 労使関係の安定ということが業務運営にきわめて近接な問題であり、しかも現状、その点が不十分であるということにつきましては、私といたしましてもたいへん責任を感じておる次第であります。 具体的にどうかということでございますが、先ほどもいささか申し上げましたとおり、現在労使関係を改善するというためには、基本的にはこの労使の相互理解、それから労使の相互不信の除去ということに焦点を当てて施策をしなければならない、かように考えております。 さらには、具体的に申し上げますと、まずこの労使の相互理解を促進するということのためには、労使が秩序ある方法でもって接触をする、そういうことによりまして円滑な意思疎通をはかっていく必要があると考えております。そのために、中央におきまして労使の間で意思疎通の場を開くことにいたしました。これは従来もなかったわけではないのでありますけれども、正式の名前はちょっとあれでありますが、労使懇談会というようなことでそういう場を設けまして、郵政事業についての情報等をフランクに交換するという場を設けたわけであります。すでにことしになりまして一回開催いたしております。 それから、地方郵政局以下のいわゆる下部における話し合いのルール、こういったことにつきましても、現状必ずしも秩序あるもの、あるいは十分なものといえないというふうに考えておりますので、これをどのように秩序立てて、しかもその機会を多くしていくかということにつきまして、目下労使の間で小委員会を設けまして検討をしておるところであります。具体案を得れば、それによって逐次こういった面の打開をはかってまいりたい、このように考えております。 次に、もう一つの原因と私思っております不信感の除去という問題でありますが、これにつきまして、当方といたしましては、管理者がみずから姿勢を正しくしていくということが、いやが上にも必要だと思います。したがいまして、先般、ことしになりましてから管理者に対しまして、いやしくも組織介入あるいは差別取り扱いというようなことをしてはならぬということをあらためて通達をしたところであります。また、この労使間の不信あるいは誤解を招くような言動は慎むという意味からいたしまして、現在全国の相当多くの郵便局に自主的に持たれた主事会、主任会というものがございますけれども、そういったところへの管理者の出席も当分は見合わすというような、当方としては相当思い切った指導もいたしておるわけであります。しかし、こういった労使関係の改善あるいはその不信感の除去というような問題は、一方の側の努力のみではとうてい実現困難であります。したがいまして、組合に対しましても、そのいろいろな具体的な活動などにつきまして、あるいは労使関係改善の見地から、従来の経緯にとらわれないで検討すべきであるということを強く要望しておる次第であります。これらが逐次具現してまいれば、不信感の除去あるいは意思疎通ということがはかられ、それに従って労使関係の改善というものが、じみちではありますけれども着実に前進していくもの、またそうしなければならない、かように考えております。
○米田委員 局長さん、どうぞ大臣の隣におすわりになって、ひとつ私も時間に制限がありますので、お気の毒ですから、なるべくすぐ御答弁いただけるようにお願いしたいと思います。 それでいま御答弁いただきましたが、私のほうで一つ一つ逆に質問いたしましてお答えをいただきたいと思うのでありますけれども、これは資料要求しておりませんが、年末闘争の妥結時の十二月十四日時点で、何か全逓とあなたのほうで、いまいろいろお答えになりましたそういう基本的な今後の労使関係の改善の事項等について取りかわしたものはございますか。
○北政府委員 双方でこの種の問題につきまして合意に到達したものを書いたものはございます。ただし、これは記名とか調印とかいうものはしておりませんが、こういうことできまったというものは、書いたものになっております。
○米田委員 その書いたものは、私、資料として要求しませんが、ここに写しが実はほかのほうからもらった資料としてあるわけでございまして、これはおそらく間違いないと思いますので、これをひとつお聞きをするわけであります。そのあなたのいま答弁された、合意に達した調印のない文書であります。この中に、第二項から大体重要と思われますのは第五項まで、実は書かれておるかと思います。そうしてこれに基づいて、あなたが御答弁されましたような大臣の依命通達を局長名で二月の九日に出しておられる、こういうことだろうと思います。この二項から三項、四項、五項、これを読みますと時間がかかりますから読みませんが、ここで約束されておること——今後あなたのほうは誠意をもって労使関係改善の出発点として努力をされることについてはお約束されておるわけでありますね。
○北政府委員 当然そのとおりでございます。
○米田委員 ここに第四項に、「その意味で、この際省としては、今後の労使関係改善の展望をきりひらくために勇断をもって一歩ふみ出すこととする。」こういう文章がございます。この「勇断をもって一歩ふみ出す」ということで、さっき局長が答弁されたのが内容だ、こういうふうに理解してよろしいのですか。ほかにもありますか。
○北政府委員 先ほど私がお答えいたしました内容がそれそのものでございます。ただ同時に、その「一歩ふみ出す」ことが実効を持つためには、組合のほうも従来の経緯にとらわれずに、努力してついてこなければだめですよということも、確認の内容になっております。
○米田委員 それは特にそのことをつけ加えていただかなくても、それはこの一項に、そういうことが第一の項にお互いに約束されていることでありますから、当然のことではないかと思いますが、そのことは、またあげ足取りなんか私いたしませんけれども、ただ、しばしばあなたのほうでは、私のほうはやろうとするんだけれども、組合のほうでついてこないとか、組合のほうがそうはいかぬというようなことで、そういう理由づけでせっかく勇断をもって第一歩を踏み出そうというそのことが中途はんぱになってしまう、あるいはあなたのほうの内部のほうの突き上げによってくずれてしまう、こういうことでは私は信頼できないと思うのです。そういうことで、実はこれについて確認を求めたわけであります。ひとつ前段の御答弁のとおり、私はこれをひとつ信用して、あなたのほうの努力をお願いしておきたいと思います。
○北政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、さらにいろいろの面でふえんしておりますけれども、そういった組合のほうがついてきてもらわなければいかぬということが確認の中にございます。しかし、私どもの内向けのものといたしまして、先ほどの依命通達等でございますけれども、もし局部的に組合のほうがついてこない、あるいはそのテンポが非常におそいという場合にも、そのことに管理者が辞易して改善の努力を怠ってはならぬのだ、そのことに直ちに辞易してギブアップしてはならないということを言っております。そういった場合に遭遇したならば、そういった場合はあってはならないのでありますけれども、万一そういった場合に遭遇した場合には、はっきり組合にもものを言いなさい、求むべきは求めなさい、また具体的に個々の組合活動について正さなければいかぬという場合には正しなさい、何も言わないで引っ込んでしまうということはよろしくないということを内向けに、管理者に対しましてたしなめておるといいますか、要請しております。そこらもあわせてお考えいただければ、私どもの労使改善についての熱意というものがおわかりいただけるのではなかろうかと存じております。
○米田委員 局長、現場の管理者はものを言い過ぎて紛争を起こしておる。やり過ぎて紛争を起こしておる。そこに労使関係の不正常ができて、労務対策変更闘争というような日本にはめずらしい闘争課題が生まれてきたのではないですか。私はそう見ておるのです。しかし、もう時間がないからその論争はやめます。したがって、そういう点からいきますと、あなたがいまあとからあげられたようなことが真意だとすれば、これはやはり直りませんね。ものを言いなさい、組合が悪いことをやったら、黙って見ているのをやめて、じゃんじゃんものを言いなさい。私はその見解が労働権に対する不介入、団結権に対する不介入、そういうけじめをきちっと現場の管理者がつけておられればいいと思うのです。団結権や労働権あるいは公労協の組合にはストライキ権はないとおっしゃいますけれども、団体交渉権というものはあるわけでありますから、そういうものについてのけじめをきちっとつけておられる現場の管理者なら、あなたのいまのあとからの説明はわかりますけれども、むちゃくちゃに、何だかさっぱりわからんけれども、あなたのほうから来る指令や通達に従って威勢よくやるもんだから問題が起きたのではないでしょうか。これはそういう危険がありますので、けじめだけはつけて指導されますようにお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ。大臣依命通達の人事局長名の「今後の労使関係の改善について」この通達について一つだけ質問をさせていただきます。第二項に「良識ある職員の育成をはじめとして、日常各種の労務管理上の施策を推進していくことは、事業運営上、管理者としての当然の責務であるが、その場合においても、いやしくも法で禁止されている行為にわたることのないよう、管理者として格段の配意をされたい。」とありますが、ここでいう「いやしくも法で禁止されている」ということは、私の感じでは、これは不当労働行為あるいは人事権の乱用といわれるようなものを意味しているのではないかと思いますけれども、ここでいう「法で禁止されている行為」というのは、どういうことを意図されてこういう文章になったのでありましょうか。
○北政府委員 労組法七条にございますような不当労働行為ということを大体意識しておるものでございます。
○米田委員 次に、いま局長が答弁されました郵政事業労使懇話会、このことについてきのうも質問がありましたが、ちょっと私もお聞きしておきたいのでありますけれども、これは中央段階でありまして地方段階にはないというのが、きのうの御答弁です。この約束でも、大体そういうふうになっておるようでございます。私は、ここでひとつ勇断をもって一歩踏み出す以上は、この種のものはむしろ地方段階で必要じゃないでしょうか。ということは、中央段階は六人委員会とか、どちらかといえば中央段階はあなたのほうも次元の高い指導性のある幹部の方々がおられるわけである。相対的な組合のほうも、そういう全国情勢を判断する方々が中央指導の立場におられるわけである。ここでは、私はいま持たれている団体交渉あるいは六人委員会、その他苦情処理なんかについての処理機関もあると思います。大体そういうのでいいじゃないかと思うのでありますが、足りないのは地方段階なんです。これはあなたのほうは真剣に考えてもらわなければならない問題じゃないかと私は思います。この種の問題は、むしろ地本以下の段階に何らかのルールを考えられまして、労使の意思疎通という場をつくるということで考えていただいたらどうか。 いま聞くところによりますと、三人委員会というのがあるそうでありますけれども、これは経営にはタッチさせない、どちらかといえば苦情処理機関の変則的なものか、あるいは組合幹部とあなたのほうの局長との何か懇談的なサロン的なものか、いずれにしても労使が率直に意見を交換して、場合によっては経営について積極的な提言をする、そういうようなことも含めて意思疎通ができるような、こういう労使の郵政事業懇話会というようなものは、地方段階で私はむしろ必要ではないかと思うのでありますが、これを地方につくらなかったのは残念です。これはそういう方向で今後踏み出されるお気持ちはないかどうか。私はそういう方向が好ましい。それなくしてほんとうの現場の労働者の関係を含めまして労使の正常化というのは私はなかなか期待できないのではないか、こういう感じがしますので、この点だけお尋ねいたしておきます。中央にある六人委員会は私知っております。あれがあるからというて、あるいは地方段階にある三人委員会で足りるのだということでは足りないので、そういう御質問をするわけであります。
○北政府委員 先生十分御承知と思いますけれども、現在どういうものがあるかでございますが、現在中央、地方——地方と申しますのは、郵政局、地本間でございます。中央、地方段階におきまして六人委員会がございます。六人と申しますのは、労使各三人でありますので、その片方をとって三人委員会というふうに呼称しておるところがあるかもしれませんし、六人でなくて、四人のところもあるように聞いておりますが、いわば非定型的な、おっしゃるようなサロン的なものが中心でありますけれども、問題によりましては、その中でおのずから解決するという意味で、問題解決の機能も、結果的でありましょうけれども持っておる。こういった六人委員会が現在中央にも地方にもございます。 それから、懇話会を本省だけに設けたわけですけれども、これは郵政事業の展望でありますとか、そういった長期的、視野の大きな問題を取り上げて話す場をこしらえてくれというようなことから出たことでございまして、そういった問題は、やはり中央段階に置くのが適当だというふうに考えて、そのようになったわけであります。 郵政局以下の段階、地方以下の段階で、さらば従来どおりかと申しますと、そうではございません。地方以下の段階におきます意思疎通の問題といたしましては、先ほど触れましたように、現在でも話し合いあるいは団交ということがあるわけでありますが、そういった話し合いをもっと秩序立てたルールにしよう、そしてふさわしい問題があれば、その秩序立ったルールの中へもう少し問題の数をふやしていこう、そういうことを検討しようじゃないかということで、現在労使間で小委員会を開いて結論を得るべく作業中である、こういうことでございます。 中央では懇話会、それから郵政局を含めまして地方以下では、そういった話し合いのルールの再開発、こういうことでやっております。私ども、それが一番ふさわしいというふうに考えております。
○米田委員 この機会にさらに申し上げておきたいと思いますが、いま私が、地方に置いたほうがよろしかろうと言うのは、二つの意味があるのです。一つは、単純に労使間の意思疎通、一つは、現場で働いている労働者の経営に対する意欲的、積極的、建設的な意見というものを郵政事業の経営の面に取り入れていかないと、今度の法律改正なんかの面でも実際に効果をあげることはできないのじゃないか。こういう二つの面がメリットだと思いまして申し上げたわけでありますから、今後小委員会等で検討されるそうでありますが、ひとつ参考にしていただきたいと思います。 あわせて、いまヨーロッパあたりでは労働組合の経営参加というのが新しい課題として提起されてきておる。戦後の経営協議会あるいは労働組合の経営管理ですか、そういうようなものとは違った意味で経営参加というものが、たとえば西ドイツだとかイタリアだとか、ノルウェーあたりでは制度的にも確立されて、労働者の経営に対する発言というものを積極的に吸収している。経営参加ということばは適切かどうかわかりませんけれども、ひとつヨーロッパのこういうものも十分研究していただきたい。名称なんかどうでもいいのです。とにかく現場の労働者も組合の幹部も経営に積極的にものが言える、そういうような経営参加の方法を考えたらどうか、私はこういうふうに思いますので、これも申し上げておきたいと思います。皆さんのほうでも、それから小委員会等でも十分検討していただきたいというふうに思います。 もう一つは、これは前々から問題になっておりますが、勇断をもって一歩踏み出すという中に、せめて労務連絡官等については、これはやめてもらえば一番いいけれども、そこまで一挙に変えることができないとすれば、ひとつこの制度を再検討していただきたい。これが大体の根源であることは、大臣ももうおわかりだと思う。何でこれに固執されるのかわかりません。もし固執しなければならないほどこういうものが必要だとすれば、現場の郵便局長はほとんど首を切ってしまって、国鉄がやっておるように集中管理制度をつくりなさいよ、いま、労務管理抜きにして経営は考えられないのですから。経営のほうは局長まかせ、課長まかせ、おれは労務管理だけやっていればいいんだ、こんな変則的な経営者というのは、いまの資本主義の段階では通らぬです。それをあなたのほうは切り離して、労務のほうは労務連絡官、経営のほうは局長あるいは課長の責任、こういうふうになっておるわけです。そこに問題がある。労務対策上労務連絡官というものをやめることはできないとするならば、現場の管理者なんか、高い月給を払ってただ業務の責任だけ負わせておくのはもったいないですから、ひとつ思い切ってやめてしまって、労務連絡官に集中管理をやらせるような方法を考えたらいいじゃないかと私は思う。私は、ここでそれを提言したわけじゃありませんけれども、これを両立させていくということは、郵政事業の経営の面からいっても決していいことではないんじゃないか。そういう観点でこれは再検討したらどうかということを申し上げておきますが、いかがでございましょう。
○北政府委員 勇断をもって一歩を踏み出すと申しますことばは、内容的には先ほど申し上げたとおりであります。ただ、その考え方というものは、結局労使関係は相対関係である。しかし、相対関係であるからといって、おまえのほうがよくならぬからこちらも変えぬぞということでは一向に進歩がない。そういう意味で、先に省側が踏み出しますよというのが、勇断をもって云々ということの趣旨であります。そして、現場の管理者もついでに勇断をふるってやめてしまえという仰せでございますけれども、現場の労務というものは、あくまで現場長が責任を持ってやるわけであります。労務連絡官というものは、これは実は通称でございますが、実際の身分は郵政局の課長補佐でございます。したがって、郵政局員として労務関係について指導をするということでありまして、おのずから両者の限界、区分ははっきりしておるわけであります。ただ、先生仰せのように、労務連絡官の実際のあり方というものにかりに問題があるとすれば、これはまさしく運用の問題であろうというふうに思いますので、そういった運用面におきまして十分指導をしてまいりたい。労務連絡官の配置というものは、そもそもどこか一カ所に郵政局がありまして、そこからいろいろそういった指導をするということでは、たとえば労使間の紛争が火をふいてからでないと手がつけられないということでは困るので、そういったものは現地に人を置きまして未然にこれを防止する、あるいはいろいろ事情があるでありましょうから、そういったことについてきめのこまかい指導をしていくことが労使関係においては必要だ、こういう観点から置かれたものでありますので、そういった角度からはずれた運用をなされておるということが万一あるならば、そういった運用は厳にため直しまして、私、申しました本来の運用が確保されるように持ってまいりたい、かように考えております。
○米田委員 局長、労務連絡官は職制の上では郵政局の管理課長補佐であり、それから、きのうからあなた答弁されておりますけれども、たてまえとしてはどうなっておるかということは、私十分わかっておるのです。しかし、たてまえはとにかくとして、実態は、これはもう労務重役じゃないですか。そしてその権限というのは、現場の局長を押えていますよ。そうでなければあなたのほうの労務対策は一貫してできないでしょう。これはもうたてまえはどうあろうと、現実にはそういうのが実態です。確かに局長は権限はありますけれども、しかし、事労務対策という関係では局長の権限を越えている。郵政局長権限でもってずばずばやるじゃないですか。場合によっては、労務連絡官の提言で、あなたのほうは局長人事、課長人事やっているじゃないですか。そうでしょう。ですから、私はたてまえはおっしゃるとおりわかりますけれども、実態は、あなたが何回答弁されましても決してそういうことになっておらない。ですから、これはひとり再検討したらどうかということでありまして、ただ、いまあなたの答弁の中に、悪い点があれば直すように何か努力を考えるというようなお話がありましたけれども、私はこれはひとつ再検討していただきたいと思います。大体ほかの類似官庁、現場を持った官庁あるいは民間企業でもこういうのはありませんね。これは私は労使関係の正常化のために提起をしておきたいと思います。 それからもう一つ、時間もありませんが、トラック部隊というのは今後もやっていくのですか。これは郵務局長にお聞きいたします。これもあなたのほうでは、またたてまえ論があると思いますけれども、実態は現場の労働者を刺激するだけだ。そうして闘争に走らせるだけですよ。このことは決していいことではない。正常化という大きな目標に向かって、大臣も全逓もいまその方向に向かってやろうというのですから、トラック部隊というのは私はやめたほうがいいのじゃないかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○北政府委員 昨今はトラック部隊という名前は使っておりませんし、俗称としても部内でもなくなっておるように存じております。ただ、各局で業務上なり、あるいはそれに労使関係が関連しておるにいたしましても、業務上の問題で緊急事態が起こった場合には、当該局もしくはその付近局だけで措置できないような場合に、急遽相当数の人間を応援に派遣するというような事態は今後ともあり得ると思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。
○米田委員 名称がどうなって変わってきておるかわかりませんし、運用のしかたもどういうふうに変わっているか私はわかりませんが、しかし、現実に現場の配達人や郵便を区分している人のうしろに行って、ストップウォッチを持って、そうして作業時間は幾ら、手あき時間が幾ら、便所へ行く時間が幾ら、こういうことをやっていることは間違いありません。これは特殊なところだとおっしゃるかもしれませんけれども、これはあなたのほうの労務対策がまずければ、こういうストップウォッチを必要とする職場はどんどん広がっていくのじゃないですか。労働者の意識や組合の方針じゃありません。そういう点でこれはなくしたほうがいいんじゃないか。とにかく何か権力、力をもって働かせようったって、いまの労働者、特に若い青年労働者とか——これは戦後の人間像がそうだと思うのですけれども、いまはそういうものに、はいはいといって使われるような社会じゃないのですよ。私はこれは百害あって一利なしだと思いますから、やめてもらいたいと思うのでございますけれども、再度お願いします。
○北政府委員 ただいま仰せのようなことをしなくてもよいようになることにつきまして、それを私も強く希望していることは同じでございます。
○米田委員 これで時間をとりましては、大事なところに時間がなくなりますので、私、次の問題に移りたいと思いますが、それは郵便法の第一条と第三条の関係、それから財政法第三条と郵便法の第一条、第三条の関係、これにつきまして御質問をいたします。 まず、今回法律改正をもちまして郵便法第三条が入ってまいったわけでありますけれども、私は、この第三条というのは、郵便法第一条の規定と相いれないものではないか、実はこういうふうに思うわけであります。したがって、私は法律的に見て、これにはこの郵便法の第三条として入れるのは不適当じゃないかと思うのでありますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○竹下政府委員 郵便法第一条と今度設けます第三条とが矛盾するのではないかというお尋ねだと思うのですが、結論を申し上げますと、矛盾をいたしません。従来からも、第一条の「なるべく安い料金で、」ということばは、収支を度外視してまで、採算を無視してまで安くする、安ければ安いほどよろしい、こういう意味合いのものではございませんで、やはり収支相償、独立採算という考え方が根底にあったわけでございます。ただ、法文上その点が明確でございませんので、このたびそのことを今度の法改正によりまして、つまり第三条を新しく設けることによりまして、従来考えておりましたことをさらに明確にする、こういう意味合いで設けたわけでございまして、二つの条文に矛盾はないわけでございます。
○米田委員 いまの答弁は、あなたの恣意的な行政の立場からきた答弁じゃないかと私は思うのです。郵便法たてまえからいきまして、「なるべく安い料金」——いまあなたが答弁されましたけれども、これは企業性というものはこの中にはない。それは第二条に、したがって国の行なう事業として郵政大臣が管理する、こういうふうになっていると思うのです。もともと郵政事業というものは、この第一条の精神は、これは企業性を追求してはいかぬ、もうけてはいかぬ、したがって国がやるのだ、こういうたてまえが第一条の精神ではないかと思うのです。「なるべく安い料金」ということは、そういうふうに受け取るべきではないか。これは全く企業性を無視しているものではないとか、赤字であっていいとかいうようなことはこの一条はいっていないのだということは、いま第三条を挿入しなければならないという必要性から出てきたあなたのほうの恣意的な答弁ではないか、一方的な解釈ではないか、私はそういうように思うのでありまして、これは納得できませんが、いかがでございますか。
○竹下政府委員 第一条の趣旨は、「なるべく安い料金で、」こういう表現でございますから、公共性を非常に強くうたってあると思います。ただこれにつきましては、先ほど申し上げましたように、採算を度外視してまで安いということではないというふうに従来から私どもは解釈をしてまいってきております。さらに郵便事業は、第二条にもございますように、国の独占であることには間違いございません。しかし、郵便はやはり事業と申しますか企業というわけでございまして、郵政事業特別会計も企業ということばを使っておるのでございまして、やはり企業というからには、歳入歳出についてはバランスがとれるようなことを考えていかなければ企業と申せませんし、そういういわゆる企業的運営というものも公共性と同時にあわせ持った形でこの郵便事業を運営していかなければならないのではないか、かように考える次第でございます。
○米田委員 局長、私のほうはこういう理解をしたい、こういう解釈をしたいというのはわかりますけれども、法律の解釈というのは、皆さんの側の一方的な都合のいいような恣意的な解釈だけでまかり通ると思ったら大間違いだと思う。私は法律の専門家でないから、これはしろうとの率直な感じでありますけれども、第一条では二つのことを言っているわけですね。まず安い料金、そしてあまねく公平に。貧富の差だとかあるいは地位だとかあるいは信教あるいは思想、とにかくどんな関係でもどんな事情でも郵便だけは公平なんです。この二つの条件をもって公共の福祉を増進ずる。実に単純明快にここでは規定づけておるわけですね。あなたが言うように企業性云々なんということはここでは一つも出てこないと私は思う。これを受けて、したがってこれは企業性がないから国がやる以外にないし、国の力でもってこれをやはり公共の福祉のために進めていかなければならぬ、こういうことで第二条が設けられてきていると私は思うのです。今度突如として第三条が出てきた。これは完全に企業性、総合原価性、独立採算性追求であります。これはどう説明したって第一条、第二条と矛盾することは間違いないじゃありませんか。この点いかがでございますか。
○竹下政府委員 私が申し上げました企業性ということばが少し強く響いておるのかと思うのでございますが、俗に企業と申しますと、利潤を追求するとか、もうけるとか、こういったふうにとられがちでございますけれども、私が申し上げました企業性という意味は、むだのないいわゆる能率的な運営をする、こういう意味合いでございまして、そういうふうに解しますならば、この公共性というものと必ずしも相反発するというものでもございませんし、両方が相和する、そういう面も出てくると思います。
○米田委員 これは私が冒頭にも申し上げましたように、審議会の二つの答申と井出構想を受けて今度の第三条が出てきておると思います。したがって、今度のあなたのほうのほんとうのねらいは、私は第三条ではないかと思います。そういう観点からいきまして、調和をすれば決して両方矛盾しないとおっしゃいますけれども、そんな器用にできますか。これはもう明らかに第三条がこれからどんどん郵政事業の中にまかり通っていく。しかもいままでの新聞報道その他によりますと、ほんとうは公社化という方向がうまいのだけれども、これは貯金、保険を一緒にするという関係から大蔵省はがんとして聞かない、また民間の銀行あるいは生命保険あるいは農協、そういう金融、保険、それらの団体も抵抗があってたいへんだ、したがってこれをいま強行するのは得策でない、まず郵政事業に手をつけたほうがよろしいということから、郵政事業の独立採算というものを追求していく、こういうことで今度の改正で第三条が特にここに出てきたのじゃないかと思います。私はそういうふうに見ておるわけであります。あなたのほうのねらいは三条にある。 そうしますと、これを認めることになりますと、第一条の精神というものは実際は消えてしまうのじゃないか、運用の面で。国民には第一条が厳然とあることはわかりますけれども、郵政省は第一条は全然問題にしていない。独立採算という方向で、これは受益者負担、利用者負担ということがあなたのほうの原則かもしれませんけれども、郵便まで今度そうなってきた、こういうふうに私は変わってくるのじゃないかと思うのでありまして、調和は困難で、したがって、これは大体郵便法の現行法体系の中で三条を入れること自体が無理があるのじゃないか、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
○竹下政府委員 独立採算、収支相償という原則は、郵便事業が昔から堅持してきた原則でございまして、終戦直後のインフレ時代に若干の例外はございましたけれども、これでずっとやってまいりました。赤字が出たならば一般会計から助けてもらうということはやってきていないのでございまして、これからもやはりその方向で仕事を進めていくことが一番いいことではないか、かように存じております。そのことを第三条にうたい出したわけでございまして、これは私ども郵便の仕事に従事するものにとりましては、事新しく第三条をつくるわけですから、あらためて心に言い聞かせるということになろうかと思います。 それからまた第一条そのものは、これは決してどうこうするという性質のものではございません。厳然として第一条には「なるべく安い料金」こういうことをうたってございますので、私どもは仕事を能率的にやりまして、むだを省いて、極力郵便料金は安くするような方向で国民にサービスを提供する、そういう方向で努力するということは従来と変わらないわけでございます。第一条はいわば私どものあるいは郵便従業員の心の支柱といたしまして、これはもう厳然としてあるわけでございます。
○米田委員 それならば、財政法第三条の関係を聞きたいと思います。これはすでにわが党の阿部議員から御指摘をされておるわけでありますけれども、今度の改正の第三条は、財政法第三条とこれまた矛盾する、むしろ第三条違反になるのではないか。ということは憲法第八十三条、八十四条に反するということになりはせぬか、その疑いが解釈上出てくるのではないか、私は実はこういう理解をしておるわけであります。財政法第三条の関係につきましては、公共料金という側面から、これは阿部議員に対して大臣も答弁されておりましたし、竹下局長もそれから経理局長もそういうサイドで答弁されたようでございます。第三条はそれだけではないもう一つ重要なポイントがあると私は思う。したがって、財政法第三条との関係において矛盾しないかどうか、これもひとつはっきりお聞かせいただきたい。
○竹下政府委員 私、ちょっと質問を取り違えておるのかもしれませんが、財政法第三条と新しい郵便法第三条との関係でございますか——これは御承知のように財政法第三条は、公共料金のような非常に独占性の強い価格の決定につきましては、法律または国会の議決に基づいてきめなければならない、こういう規定でございます。これと郵便法第三条、これは独立採算の原則をうたっておるのでありますけれども、若干異質のものでございまして、この両者についての矛盾はない、かように考えております。
○米田委員 局長、私の質問の真意をあなたははぐらかしておられるのです。要するに、あとから出てくるこの第三種以下を省令事項にするということは、その根拠として第三条が必要なんでしょう。いままでしばしばあなたのほうの答弁や主張はそうなんです。第三条が特に今回出てきたのは、それとの関連を抜きにしては考えられないのです。いまあなたが答弁するだけなら第三条なんか要りませんよ。現行の郵便法第一条、第二条でたくさんじゃないですか。郵政は百年間やってきたんじゃないですか。それで経営上何か国民から糾弾されるような問題がありましたか。企業上、採算上多少の赤字が出ても、あなた方が責任を追及されるようなことがありましたか。何もないでしょう。ところが、この第三条が必要になったというのは、財政法三条を無視して、あるいはこの矛盾を理解しながらも、恣意的にあなたのほうが解釈をして、この第三種以下を省令に落とす、その法的根拠として第三条を持ってきた、こういうことになれば、これは財政法と矛盾するのは明らかじゃありませんか、いかがでございますか。
○竹下政府委員 このたびの法改正で、三種、四種、特殊取り扱い料金を法律から省令に落とすということを考えております。それにつきましては、御指摘のように、財政法第三条との関係がございますので、この点につきましては、十分政府部内でも検討し合いました結果、財政法第三条と矛盾するものではないということで方針が出たわけでございます。郵便法第三条、つまり先ほど申し上げました独立採算という原則は、若干趣が変わっておると私どもは考えておるわけでございまして、つまり、この第三条がなくとも三種、四種の料金の決定を省令に委任するという措置はできるわけでございまして、私どもが第三条を新しく設けました趣旨は若干それとは質が違っておる。ただ単に三種、四種の料金決定を省令に委任するということだけのためには、第三条は実は手をつける必要はない、そのままにしておきましてもできる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○米田委員 では何が目的なんです。内部に向けての精神規定なら、何も第三条要らないじゃないですか。内部に向けての精神規定なら、こういうことは大臣の通達か、それこそあなた方の行政行為で幾らでもできるじゃないですか。内部の者が採算を含めてほんとうにサービスできるような健全な郵政事業にするために、内部に向けてこの精神規定が必要だ。これは大臣のきのうの答弁にもありましたよ。いまあなたの答弁では、省令に落とすということだけならこれは要らないけれども、ほかに何が目的なんですか。内部に向けてだけなら、これは要らないのです。そんなものは与野党一致して第三条を削りましょうよ。修正しましょうよ。どうなんですか。こんなあいまいなことはないでしょう。
○竹下政府委員 第三条は、広く事業の歳入歳出ということで、事業運営のために必要とする費用は郵便料金の収入によってまかなうんだ、こういう大きいところに着目いたしまして、その点を宣言しておるわけでございます。ですから、三種、四種の料金決定を省令に委任するということと全然無縁であるということにはならない。それはやはりひっかかりはございます。三種、四種料金といえども郵便料金の一部でありますし、収入の一部でございますから、大きく歳入歳出のワク内のものでございますから、これは厳密に申せば第三条と関連はございます。
○米田委員 論争していると時間がなくなりますが、局長の答弁は、私は説得力がないと思います。全然確信がないと思います。これは私は残念ながら納得いたしかねますけれども、第三条の精神というのはどこにねらいがあるのか。いままでこの面についての答弁は、大臣とあなたがおっしゃいましたように、むしろ内部に向けての精神条項が強く言われております。これは私は、あるものを隠して意図的にそんなふうに言われているのではないかと勘ぐったぐらいでありますが、真のねらいというのは、第三種以下の省令の関係、それから郵便料金というものはなるべく郵政省の行政行為で、国会やその他の抵抗や圧力を受けないようにして、経営第一主義で総合原価主義で適時に変えていける、そういう道を開こうというのが第三条じゃないですか。それはかかわりがあるというものじゃないでしょう。そんな軽いものじゃないと思う。ごまかさないで、ひとつはっきり言ってください。
○井出国務大臣 専門家の郵務局長の答弁以上に私が出るというほどのものではございませんが、しかし、これはせんだっての阿部さんの御質問もあり、非常に重大なポイントでございましょう。 そこで、私の大ざっぱな考え方を申し上げますならば、郵政事業全体につきまして、従来ともこういう第三条のような考え方というものは潜在的には非常に強いものがあっただろう、こうも私は思うのです。したがって、それを今回顕在化したというのでございまして、これは決して三種、四種だけにかかっておるのではない。一種、二種はもとより、郵便全体についてこういう考え方をもって全体をおおうという趣旨に出ておるものであろうか、こう理解をいたしておるわけであります。したがいまして、財政法第三条は、これは三種、四種に関連をして、おそらくお問いがあるだろうと思いますが、この郵便法三条を新たに挿入したというのは、何もこれで三種、四種にひっかけるとかいうようなこまかい芸当ではなくして、全体的にこういう心がまえで郵便事業というものをやるのが現在の事態において必要であろう。あるいは精神規定だとおっしゃるかもしれませんが、そういう側面もありましょう。しかし、私どもが郵便を独立の公企業としてほんとうに能率を上げ、合理的な運営をしていくためには、やはりこの段階でこういうものを顕在化することが必要だ、かように考えた次第でございます。
○米田委員 私はかつて新聞で、郵政省がこの原案をまとめられて自民党の通信部会にかけられた。ところが自民党の通信部会も、検討された結果、これは十分再検討に値する、新聞のことばでいえば、待ったを一応かけた。私は、これは賢明だったと思って、実は新聞で見ておったわけであります。というのは、料金の引き上げに自民党の通信部会が待ったをかけたのではなかったと私は思う。問題は、この第三条に関係する省令事項に落とすということについての郵便法上の解釈、財政法第三条との解釈、いま大臣がおっしゃいましたように、もともとこれは潜在的にあったのだけれども、いま必要があって顕在化した、それだけではこれは答弁にならぬと私は思うのです。法律の解釈上与党といえども誤りをおかしてはならない。特に与党は国会の三分の二の責任を持っておるわけでありますから。私は、そういう点で慎重を期されるというのは非常に賢明であり、敬意を表しておったのです。ところが、今回はこれが出てまいりました。私はこの委員会にずっと出ておりまして、この面についての大臣、局長、それから経理局長の答弁を聞いておりますが、全然納得できない。ますます疑問が出てくるだけであります。このままで通していいかどうか。われわれは少数でありますから反対しても通すでありましょうけれども、後世になってたいへんな国民の批判を受けるし、国会の権威というものが問われるのではないかと実は思っておるわけであります。いずれにしてもひとつ考えていただきたいと思います。 それからもう一回お聞きいたしますが、財政法第三条ですね、これは経理局長にお聞きいたしましょう。財政法第三条でいう「国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」ここでいう「事業料金」というのは、郵便法に当てはめて何と何と何が入りますか。どういう解釈でございましょうか。これは郵務局長ですか、どっちでもいいが、ひとつ答弁していただきます。
○溝呂木政府委員 財政法第三条でいいます料金、いわゆる「事業上国の独占に属する事業における」事業料金ということであって、郵便事業における郵便料金はこの事業料金になりますが、ただ「国の独占に属する事業」ということになります。したがいまして、郵便事業の料金の中には非常に独占の強いものとそれからほとんど独占性を持たない料金とがございます。したがいまして、ここで規制される事業料金は、その独占に属した料金ということになろうかと思います。 それからなお、時間の都合がありますので、先ほど三条違反ではないかというお尋ねがございましたが、その三条の中にはわざわざ「すべて法律又は国会の議決に基いて」というふうになっております。なお二、三の学説等もここに持ってまいりましたが、わざわざこの「基いて」という字句を用いたというのは、何々によりという場合は料金そのものを全部法定する場合である。また「基いて」という場合は原則的なものを法定しておいて、そしてある程度細目を政令以下に委任することも一応許されているというふうに解釈しておりますので、われわれの今回の省令委任は、その意味において第三条違反ではない、こういうふうに考えております。
○米田委員 私も学説を持っておりますからあとで出します。あなたの解釈はやはり行政上のきわめて恣意的な解釈ではないか。それならば経理局長、今日まで郵便事業が一種から四種まで法定事業でございました。小包は別でありますけれども……。しばしばあなたのほうの答弁では、この中には国民の選択できるものもある。すなわち公共性が弱いとか、そういうものもありますといっておりますけれども、今日までこれが法定事項としてあなた方が運用されてきたのは、やはりここでいうところの独占事業の料金であるから、この根拠に基づいて、しかも憲法の第八十三条、第八十四条の関係であります財政民主主義、それから税の法定主義、法律主義、この原則をくずすことができないということで、三種以下は運用上あなたのほうは非常にやっかいだったけれども、これは法律改正はできないということで今日まで来たのではないですか。どうして突如としてこの段階に来て、三種以下は公共性が弱いからこの第三条の条文に反しないという解釈をとるようになったのですか、全くこれはあなたのほうの恣意的な一方的な解釈でしかないじゃないか、国民を納得させる説得にはならぬじゃないか、私はそう考えます。
○竹下政府委員 この料金のきめ方でございますが、これはきめ方の問題でございますから、全部法律でやるというやり方もあると思うのです。小包も実は三十六年までは法律でやっておったわけでありますから、一切がっさい法律できめるというやり方、もちろんあるわけでございますが、私どもが申し上げたいことは、やはり郵便事業というものは一つの企業でありますし、やはり弾力的な運営、そのときどきの社会情勢、経済情勢に適時適切に応ずるようなサービスを提供する、こういう形でいくべきであろう、こういうことも考えまして、小包を法律料金から政令料金に落としましたのも、実はそういうことを申し上げて、小包の弾力的な運営ということを認めていただいて法律からはずしていただいたわけでございます。 三種、四種につきましても同様に従来のままやっていくこともできるわけでございますけれども、やはり一つは三種、四種の性格が一種、二種の性格とは相当違う、これはいわば物品の輸送である、こういう点に着目いたしますし、そういうことを考えますならば、料金の決定等につきましてはやはり法律からはずしていただいて、そのときそのときの情勢に適時適切に相即応するようなそういう料金をつくらせてもらいたい、こういう趣旨なのでございます。
○米田委員 私、急ぎますから、答弁もひとつ簡潔に答弁していただきたいと思います。 財政法第三条に、私はさっきの質問でもちょっと触れたのでありますけれども、ここでいっておることは二つある。一つは憲法第八十四条を受けての租税の法定、法律主義、それからもう一つは八十三条の財政民主主義の規定を受けてこの第三条が盛られておる。それは「法律又は国会の議決」というところが私は問題だと思う。いま皆さんが考えておるのは公共性が弱い、それは認めましょう。しかし、郵便法第二条にいうところの国営の、国の独占の事業である、郵政省の管理にあるのは間違いないわけですね。こういうものについては財政民主主義のたてまえからいって、法律をはずしましても、法定をはずしましても国会の議決という要件が必要だということが第三条の精神であると思いますがどうでございますか。したがって、国会の議決からはずすような省令事項にすることは、明らかに財政法第三条の違反ではないか、憲法の違反ではないか、私はそういうふうに申し上げるわけであります。
○竹下政府委員 私が非常に俗なことばをつかいまして、法律からはずすなどということを申し上げたものでありますから、まるきり法律と無縁のものになる、こういうふうにおとりになったかと思いますが、正確に申し上げますと、法律から省令に委任するのですが、あくまでも法律に基づいて省令に委任する、こういうことでございます。基づくと申しますことは、法律の中に省令委任の基準あるいは条件、こういったものを法律で厳然としてうたい込むことでございまして、そのワク内で省令に委任する、こういうことでございます。
○米田委員 それはわかりました、それはもう何回も聞いておりますから。ただ基準については法定だ。しばしばあなたのほうの説明の例として国鉄の場合を持ってこられます。国鉄は確かに賃率が法定である。あとは大体運輸大臣あるいは国鉄総裁、そういう段階でできるようになっておることも私はわかる。しかし、基本的なものは法定になっているのも御存じのとおりであります。それを持ってこられまして、郵便だけが何で第一種から第四種まで法定にしなければならないのかという根拠はないのだというふうにしばしばおっしゃる。確かに基準については、たとえば第一種の公共性の高いものだけ法定しなければならないという法律的な規定はありませんけれども、しかし、幾らにするかというそのことの決定は、あなたのほうの大臣の権限、省令事項になっているわけだ。私は郵政事業の場合は、国鉄よりも相対的にいえば公共性は強いと思う。汽車に乗らない人があっても、郵便を出さない人はないですよ。郵便局のやっかいにならない人はいないんです。公共性はどうかといえば、国鉄や専売よりも比較にならないくらい郵便の公共性は強い。私は、公共事業といいますか、国営事業の公共性ということを問われるならば、郵政省が第一じゃないかと思う。それだけに、いままで第一種から四種まで——五種までありましたが、今度四種になったわけですね。四種までは法律事項にして今日までこられた。それを今回四種以下を省令に切りかえる。どうしたって、これは無理ですよ。財政法第三条の趣旨からいきましても、私はこれは無理だ、矛盾する、こういうふうに思うのです。局長が学説を持っておられると言われましたが、私も、たとえば財政民主主義とかあるいは憲法八十三条の関係を申し上げましたが、これを、私はしろうとでありますから、いろいろ先生方の教えを受けた。国民が必要とするのはここに明確にうたわれておる。こういうことがございます。これは財政法の権威の杉村先生の学説であります。「問題は公社側の利益にのみ傾斜せず、また国民全体の利益から事を判断しうる純然たる専門委員会が形成されうるかということにある。かりに純粋な専門委員会ができたにしても、租税法律主義にその存在の根源をもつ財政法第三条の原則は廃止さるべきではない。国営事業に対する国民支配の原理は国会の議決権を通じて実現せらるべきであり料金の決定は国営事業の運営についての最大問題だからである。」私はここで言いたいのは、国営事業に対する国民参加、国民の意思決定というものは、国会を通して、国会の議決というルールを通してこそ生かされ、反映される。これを避けることは、財政法第三条の国会の議決ということを特にうたっているこのたてまえからいって私は疑問がある。この点はいかがでございますか。
○溝呂木政府委員 ただいま御質問になりました杉村先生の同じ解釈の中にこういうことが書いてございます。「独占事業におけるあらゆる価格なり料金を法律の定めなり国会の議決によって決定与るのは不必要に煩瑣なことを強いることになるので基本的価格または賃率に属するものでない限り、ある程度は法律の委任により政令その他、政府の定めるところによらしめるのが適当であろう。財政法第三条が「法律又は国会の議決に基く」としているのもすべての価格なり料金を網羅するという意味ではなく、その議決を基準として細目は政令等に委ねることを許すものと解するのである。」ということで、原則論的には先生のおっしゃるとおりですが、やはりある程度細目等は法律に基づいて政令以下に委任するということが財政法第三条で許される、こういうふうに解釈しているわけでございます。
○米田委員 私はあなたと同じ資料を持っているわけです。その同じ資料だと思うのですが、その中にもいま私が申し上げたことも書いてある。あなたの引用された学説もこの中にあります。私は読みました。しかし問題は、一種から四種までは郵政省の料金としては基本料金なんだ。一種、二種だけが基本料金ではない。あなたのほうが、一種、二種にとどめてあとはこの学説を引用しながら、これは政令もしくは省令でもいいのだという解釈をしている。国民の権利、義務を守るわれわれの立場からすれば、その思想は私はいただけないのです。やはりここにありますように、国民の権利であるところの国会の議決権というもの、これは民主主義の原則じゃないですか。これは財政民主主義の原則じゃないですか。これを私は圧殺することはできない。これはあなたのほうの横暴ですよ。行政の横暴です。郵政審議会の討議を見ましても、そもそもこういう問題がさらに強く出てきたのは、法律改正となるとみんな国会の議決になる、与党の先生や国会の先生方を回って頼むのがたいへんだ、上層幹部は郵政省にいない、仕事ができない、そんな煩瑣なことをやっているから弾力性がないということは議事録に載っているじゃないですか。社会党へなんか、めったにあなた方は来ませんけれども、毎日毎日どこを回っておられるのかわかりませんが、それほどまでにして、煩瑣だから、そこに切実なものがあって省令に落とすということにしたのじゃないですか。そんなことで国民の権利が踏みにじられてはたいへんだ。したがって、私はやはり杉村先生のこの論文の議決権、国民の権利、これを譲ることはできない。これは大臣、いかがでございましょう。
○井出国務大臣 たいへんむずかしい論争になってまいっておりますが、いま米田さんがお示しの論文と溝呂木経理局長がお目にかけました論文と、これは同一の方が論述されておるというので、これは一そう判断に苦しむのでありますけれども、私どもは先ほど来申し上げておりますように、この財政法第三条をすなおに読んでみました場合に、これに基づいて、しかも一定のワクをはめて、そして国会の御承認を得て今回の措置がとられます以上は合法的であろう、こういう見解に立つものでございます。
○米田委員 もう一つ、成田頼明先生の論文もあるのですが、こんなものを一々お互いが出したってどうかと思いますけれども、要は、国民の国会を通しての権利というものを、この法律改正によって制約を受けるということについては、私どもは納得できないわけであります。財政法第三条は明らかにそういうことについて憲法の精神を受けてできておるわけでありますから、これはひとつあなたのほうから再検討してもらわなければ、これ以上審議をしても、これは食い違いがあるわけでありますから進展がないと思う。ひとつ再検討していただけませんか。 それからさらに問題なのは、郵便法の今度の改正、案の中の第三条の関係でございますけれども、ここに「郵便に関する料金」というのは、具体的にこれは第一種からどこまで入るんですか。これは一貫した解釈があなたのほうではあるんですか。この点、もう一つあわせてお聞きをして、ここにも矛盾がある。したがって、私は再検討が必要ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○竹下政府委員 まず郵便に関する料金でございますが、これは郵便の役務の対価として利用者が納付するすべての料金のことを申します。すなわち、第一種郵便から第四種郵便までの料金、小包郵便物の料金、書留、速達などの特殊取り扱いの料金、転送料、取り戻し料などの各種の取り扱い料、それからまたわずかでございますが、手数料などというものもございますが、これらをひっくるめました総称でございます。 それから省令委任の問題でございますけれども、これは幾たびも申し上げましたけれども、事業運営の中に弾力性を持たしていただきたい。特に三種、四種につきましては、一種、二種と性格も相当違いますし、その中身になるものは郵便にたよらなくても、ほかの方法でも運送ができる、こういう性格のものでございますので、他の運送機関の実態、運賃、そういうものとうまくバランスをとっていくということが、つまり弾力的運営をはかっていくということでございます。そういう私どもの意図といいますか、気持ちでございますので、よろしく御理解をいただきまして御賛同を得たい、かように存ずる次第でございます。
○米田委員 問題を整理しておきますが、郵便料金の改定という関係につきましては、これは主として公共料金あるいは物価対策という面から社会党は一つの意見を持っております。これは、私は一応譲っておるわけであります。しかし第三条の関係、これは私は、申し上げましたように郵便法の第一条、第二条との矛盾、それから財政法第三条との矛盾、この関係は、数で押し切ったり、いいかげんにしてあなたのほうは通してしまおうということは無理じゃないかと思うのです。もう時間がございませんからこれ以上続けませんが、そうかといって、あなたのほうの答弁では撤回しないようでありますから、ひとつこれだけはもう少し、たとえば学者の意見を聞くなら聞く。しかし、たとえば杉村先生の論文にもありますように、学者というものはどっちみち両方の学説を書いて、どっちにもとれるようなあれをやるものであります。評論家もそうでありますけれども。しかし、その中に私どもがどこに根拠を置くかといえば、やはり国民の権利を大事にする、行政権よりも立法権といいますか、行政権の恣意的な判断よりも、立法府の必要な権利といいますか権限というものを守っていくという立場に立たなければならぬだろう。そういうことからいきまして、これは非常に問題があると思いますので、ひとつ委員長にお願いしておきますが、理事会にこれを検討してもらうなり、この部分について再度掘り下げる場を何らかの方法でつくってもらうように、場合によれば総理大臣なり法制局長官なりにも来てもらいまして、この点についてあとで逓信委員会が軽々な結論を出したといったことがないように慎重に審議すべきではないか、私はこう思いますので、そういう配慮をひとつ理事会でやっていただきますようにお願いを申し上げまして、私はまだ質問はたくさんありますが、一たんこれで打ち切りたいと思います。これは答えを聞いてから打ち切ります。
○金子委員長 後刻、理事会ではかって処理いたします。 —————————————
○金子委員長 この際、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。 現在、当委員会において審査中の郵便法の一部を改正する法律案について、委員を派遣し、審査の参考にいたしたいと存じます。ついては、議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、派遣地、日時、派遣委員の人選、その手続等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 午後四時三十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 ————◇————— 午後四時三十八分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。中野明君。
○中野(明)委員 けさほどから労使の問題についてはかなり突っ込んだ議論があったわけですが、いずれにしましても、事業を運営するにあたりましては、人と人との関係が非常に重要な要素になっていることは、けさほど来の答弁でも大臣も認めておられるところであります。郵政事業の根幹はそこから変えていかないと健全な発展は遂げられないという点については私も同感でございます。今後この労使間の円滑な運営ができることについての大臣の役割りというのは非常に大事だと思いますので、その点につきましてはまた他の委員の方もお話しになるように聞いておりますので、私は今回提案されました法案につきまして基本的にお尋ねをしたい、このように思います。 最初にお伺いしたいのは、郵便法の第二条では、郵便を国営事業とするというふうに明らかに書かれてありますが、これは基本的な問題でありますので、最初に郵便を国営にした根本的な理由について明確にお答え願いたいと思います。
○竹下政府委員 郵便事業を国営といたしておりますおもな理由といたしましては、第一に、郵便はその通信の秘密が確保されなければならないということがございます。第二といたしまして、営利を目的とする民営事業をもってしては、料金の低廉を期するということがむずかしいという点であります。第三といたしまして、郵便のサービスは全国津々浦々まで普遍的に提供する必要があるきわめて公共性の強い事業である。第四といたしまして、郵便のサービスはすべての利用者に公平に提供する必要がある。第五といたしまして、郵便事業は全国的な組織のもとで運営をされる必要がある。第六といたしまして、外国郵便の取り扱い等に関しまして外国の郵政省と折衝する上からいたしましても国営であることが望ましい。また外国におきましても、郵便事業はすべて国営でもって行なわれておる。こういったことが国営の理由としてあげられると思います。
○中野(明)委員 いま述べられましたように、非常に公共性の強い郵便料金であることは間違いないのでありますが、今回この郵便法を一部改正して、すなわちその内容は過日来議論されておりますように明らかに料金の値上げであります。公共料金というものを値上げするということは、他の物価に及ぼす影響から考えまして非常に慎重を期さなければならない。この意味において、私どもは今回の値上げについては根本的に反対でございます。 それで、あらためてお尋ねをするわけですが、この法律が改正されまして、結果として郵便料金が値上げになる。その値上げになったことによりまして今後の郵政事業の見通しでございますが、何か審議会の答申にもそういう意味のことが書かれてあったのじゃないかと記憶しておりますが、ここで値上げをしても、ほぼ三年程度じゃないかというようなことがいわれておりますが、その見通しについて最初に大臣のほうから……。
○井出国務大臣 物価情勢がこういう時期でございますから、公共料金に手をつけるということはあくまで慎重でなければならない。このことをわきまえつつも、なおかつ、かくしなければならぬ、こういう実情下に置かれておるわけであります。そこで郵政審議会は、いまおっしゃるような今後の値上げ後における郵便財政が少なくとも三年、こういうことを示しておるわけでございますが、これは私ども極力長く安定をさせなければならぬ、こう考えておるのでございまして、そのために作業方法の積極的なくふう、改善をいたし、労働生産性の向上につとめると同時に、機械化可能な分野におきましてはそういう点にもつとめまして、経営全体の合理化、近代化を進めてコストダウンをはかりたい、このように考えるわけでございます。 一方、収入の基本となります郵便物数について見ましても、産業活動の活発化、情報化社会の進展に伴って今後ますます伸びていくものと考えられるのでございますから、業務の正常運行を確保して、よりよいサービスを提供することによって利用の面の開発をもはかり、そしてこのたびの改定による料金をできるだけ長く据え置く、こういう方向で今後一そう内部の努力を継続する、こういう心がまえで臨んでおります。
○中野(明)委員 経理局長のほうでは、この三年ということが大体前提の値上げのような感じを私受けますが、どういう積算をしておられますか。
○溝呂木政府委員 今回の料金値上げによってどのくらいもつかということを事務的に積算いたしたものがありますが、それによりますと、今後一体まず支出がどれくらい伸びるかということが問題ですが、これは新経済社会発展計画の一二・一%の雇用者所得が伸びていくというものを基本にいたしまして、四十六年度の予算をもとにして四十七年度、四十八年度それぞれの人件費の増を見込み、物価などにつきましてもそれぞれ過去の伸び率とかあるいは卸売り物価の上昇率等を見込んでみました。それからなお、収入のほうは、料金値上げ以後どのように郵便物数が伸びていくか。過去の料金値上げ後ある程度物数が減った時代がありますので、それらをある程度勘案して一応収入を見込んでみました。その結果、一応試算ではございますが、四十六年度は予算で御承知のとおり、四十四億ばかりの赤字になっておりますが、四十七年度になりますとこれが全部平年度化して料金収入がかぶってまいりますので、大体百億くらいは黒字になるのではないか。四十八年度になると、これは試算ではございますが、二百億くらいの赤になるという一応の数字が出ております。しかし、先ほど大臣から御答弁がありましたように、これは一応の積算でございまして、今後の企業努力あるいはいろいろの合理化、そういうものを進めていけば、この赤字も生じないで済むのではないかというふうに考えております。その意味におきまして、三年間は大体もつという試算になってございます。
○中野(明)委員 いまのお話を聞きますと、もう三年もせぬうちにすぐまた料金値上げの話が出てくる。こういうようなことで料金値上げということをしょっちゅう考えていなければならぬというこの郵政事業の現状。いまのままでいきますと当然一番大きな支出増になるのが人件費のアップ、こういうことであろうかと考えるわけですが、賃金の上昇と郵便料金、これの競争のような形になっているわけですが、今後この郵便事業というものをどのように本質的に変えていかなければいけないか。このままで、もうだれがやっても料金にはね返すか、いつか大臣がおっしゃっているように、どこからか金を借りてくるか、あるいは一般会計から埋めるか、それしか方法がない、こういうことでありますので、この機会に大臣として、郵便事業のあり方、これは将来にわたって非常に大きな問題でありますので、どのような見解をお持ちになって抜本的にこれを何とかしようとしておられるのか、具体的に所信があればお聞かせ願いたい。
○井出国務大臣 人件費と料金とのイタチごっこを繰り返すではないか、こういう御指摘であり、また御心配をいただいておるわけであります。私どもはその点をたいへん懸念しておるわけでございますが、一つにはこれは経済情勢全体の問題があろうと思うのであります。国際的にもインフレを克服しなければならぬ。このようなことでいつまでもだらだらいっていいのかという大きな問題が一つあろうかと思います。そういうこととも関連して、人件費のアップ率というものがいまのような大きな数字でなくなるということがかりに現出するならば、それによっては様相というものが若干変わってくるであろう、こうは思いますものの、まず内部において企業努力にもうほんとうに真剣に取り組むということが当面の急務ではなかろうか、こういう観点から近代化、合理化を積極的に推し進めまして、諸経費の節約につとめる、こういうことに最大の努力を払わなければならぬと考えておるのであります。一方、公社化という方向も私どもとしてはいま慎重に検討をしておるさなかでございまして、これも合理性を追求するということから見ますと、確かに考究に値する一つの方法ではないか、これはまだ結論が出ておるわけではございませんので、こういったこともあわせひとつ検討をしながら、今回是正をいただく料金体系というものをできるだけ長く維持してまいりたい、こういう努力を払う所存でおります。
○中野(明)委員 これはよほど思い切った方策も講じなければならぬでしょうし、また現在やっている事業そのものについても大臣として一々検討を加えチェックをされて、そして後ほど私、いろいろの問題に触れてみたいと思いますけれども、割引料金の問題にしましても、これだけ郵政会計が行き詰まって赤字になっているのですから、やはりその事業の公共性から考えて、ぜひ検討を加えなければならぬ問題がたくさんあると私は思うのです。 まあけさほど来議論になっておりましたが、郵便事業そのものが——これは企業性というものは私どもも尊重はいたします。これを無視して何をしてもだめですから、それはよくわかるのでありますが、国民の中でこれほど公共性の高い事業というものも、けさも国鉄等の例が出ておりましたが、私も同感でありまして、非常に公共性の高い、国民ひとしく利用している公共事業であります。ですから、どこまでも企業性は認めつつも営利事業ではない、この原則ははっきりしていると思います。そうなりますと、大口に利用している人に対してかなり、後ほど法案に従いまして具体的にお尋ねしていきたいと思っておりますが、割引なんかもされております。こういうことも、結局郵便事業の持っている宿命といいますか性格といいますか、どうしても人力にたよらなければならない、そういうところが非常に多いわけです。そういう仕事の性質から考えまして、やはり赤字が出れば結局料金にはね返ってきて国民大衆に負担をかぶせなければならない、こういうことでありますので、そういうことにつきましても利用者によく趣旨を承知していただいて、公共事業であるというその趣旨を認識してもらって、そして割引料金も廃止するなりして現在の料金で徴収をする、そういう努力が必要だろうと私は思うのです。 これが民間の営利会社であれば、当然自分の営利ですからある程度サービスという面についていろいろと割引その他も考えてよろしいでしょうけれども、事業そのものが公共事業であって、そして経営は非常にやりにくい。それにもかかわらず、今回の改正でもやはりまた新たに割引もふやそうとそういうような面が見えるわけです。そして結局そこから出てきた赤字は郵便料金の値上げになって、今度は大多数の利用者に頭割りにかぶせている、この考え方、そこら辺も私は検討を要すると思う。大臣としてやはりそういう点については、小さな話のようですけれども、基本的な姿勢として、郵政事業の不況を切り抜けるためにはやはりそこまでの努力が必要であろう、私はこのように考える一人であります。ところがその逆になって、また今回の改正でも割引をふやすようなところも見受けられるわけです。しかもそれが利用者一人一人の個々にわたっての割引ではなくして、結局大口の利用者、こういうことになりますと、どうしても企業という形になります。企業は割引料金を受けて、そしてそのはね返りが一般の利用者大衆の上にかぶせられてくる、この考え方というものについて私はどうしても納得ができない。ですからそういう点についての努力、こういうことをなさるお考えがあるかどうか。これは後ほど具体的な問題でお尋ねをしようと考えますが、基本的な姿勢の問題でありますので、大臣の所見を最初に聞きたいわけです。
○井出国務大臣 企業努力と申します以上は、郵便全般をほんとうにきめこまかく一つ一つの項目を洗ってみて、この点で一体いかなる節約ができるか、あるいはこういう制度を維持存続しておってはたして全体の経営の上にいかなる影響をもたらすか、こういう点を事こまかに洗ってみるつもりでおります。 いま一つの例として、大口利用者に割引きするのはどうかと、こういう御見解をお示しいただきました。これは民間企業のようにただ薄利多売といったようなものではなくして、一つのそれなりの理由はあるだろうと思うのです。たとえば郵便という仕事は、一日の時間帯の中でもたいへん繁閑の差がございますから、その手すきのときに郵便を持ち込んでいただけばどうとか、あるいはまたある程度行き先の仕分けをしていただいておれば、それだけこちらが楽になるとか、そういう点は比較検討をしてみる必要があると私は思うのです。そういう大口の方に努力をしていただいた分とこちらのコストの軽減とどういうふうにバランスをするかというような問題、私はまだ検討の余地はあろうと思いますが、この問題はむしろ専門の郵務局長からちょっと付言をしてもらおうと思っております。
○中野(明)委員 後ほど具体的な問題に触れますので、そのときにあれしますが、私の申し上げているのは、そういうことはよく承知をしております。確かにそのために郵便の原価が安くついている、これは認めます。もう当然だと思うのです。まとめてくれれば原価は安くつく。けれども、私の申し上げたいのは、公共事業であるがゆえに、それだけ事業の性格というものを理解してもらって協力をしてもらうということは、大臣として努力すべきじゃないか。それはそろばんの上で計算したら安くするのはあたりまえだと私は思うのですけれども、そういうことも真剣に検討をしてやるべきじゃないか。一例をあげれば、郵便番号ということにつきましては全国民的な協力を求めて、そして郵政事業の運営がやはりスムーズに行くことをやっているわけですから、そういうことから考えますと、協力を求めて一向差しつかえないし、恥ずかしくも何でもない、そして郵便事業の持つ苦しさと宿命というものを理解してもらって協力をしてもらう、そういうことからあがってくる経費というものは私はばかにならないと思う、このように踏んでいるわけです。 ですから、その姿勢を大臣に、大臣として郵政事業の苦境を訴えて、そういう大口の利用者に理解と協力を求めるだけの努力というもの、その姿勢が全然今回の改正にもあらわれていない、当然これだけの大改正をされる以上は、いま大臣は一条一条これから検討していくというお話ですけれども、すでにいままでも何回か過去に郵便料金の値上げもありますし、繰り返されてきていることでありますので、やはりこういう物価のやかましいとき、特別の例外の例外として、公共料金の値上げに踏み切られる以上は、それだけの説得力のある、そしてまたそれだけの、ここまでは協力もしてもらって収入を生み出すことに努力しましたという、そういうあとがなければ、私どもとしてはとうてい納得できない、こういう話であります。もう一度そこの姿勢の問題で大臣の、いままではしょうがないとして、今後そういう点に努力される気持ちがあるのかないのか。
○井出国務大臣 御趣旨のほどはよくわかりますので、そういう点を含めてよく検討をいたします。
○中野(明)委員 けさほど議論になっておりました点、これがやはり今回の改正でも一番議論の分かれるところでありまして、私どもも一番問題にしているところでありますが、過日来の論議にもありまして、私も審議を聞いておりましても、やはりすっきりしないものがありますので、答えは簡潔でけっこうでございますので、今回の改正で新たに第三条を書き込まれたという理由、目的というのですか、端的に一言で答えていただきたい。なぜいままでなかった三条をここに書き込まれたかという理由ですね。
○竹下政府委員 従来郵便の料金につきましては第一条で、「なるべく安い料金で」というきわめて簡潔なことばしかなかったのでございますが、今度第三条を新しく設けますことによりまして、郵便事業の収支相償、独立採算の原則を強くはっきりと打ち出そう、こういうわけでございます。
○中野(明)委員 それはけさほど来の質疑にも御答弁が出ておりましたが、この第一条の「安い料金」ということについての解釈は、もう前回の改正のときにすでに審議会からの答申にもいまおっしゃったのとほぼ違わぬような趣旨の答弁も出ておりますし、また郵政事業特別会計法という法律を読んでみますと、結局郵政事業を企業的に経営してその健全な発展に資さなければならないというふうに、収支が償わなければならぬということをやはりこの法律は明記していると思います。ですから、第三条でわざわざ第一条の「安い料金」を訂正するかのごとき定義づけをする必要がどこにあろうか。やはりこれには何か大きな含みと目的があるということを私どもは危惧しているわけです。私はこれは必要ない。ですからこれ以上深く言いません。 けさほど委員長に、後ほど理事会ではかってくれと米田さんもおっしゃっておりましたので、いずれ理事会で議論になることであろうと思いますけれども、特にもう一点つけ加えさせていただきますならば、第三条をこのような書き方をするならば、だれが見ても第一条との関連を逆に受け取れるような法律の趣旨になっております。ですから、もし百歩譲って第三条を入れるとするならば、ここの「健全な運営を図ることができるに足りる収入」というところの間に必要最小限度とか、そういう第一条の「安い料金」というのを受けているという語句が必要になってくると思うのです。このままで第三条だけでいきますと、幾らでも上げていってかまわぬというふうに理解できます。「健全な運営を図るに足りる収入、」こういう理屈をつければ幾らだって料金を上げられるという非常に幅の広い解釈のできる条文になると私どもは解釈するわけです。私たちが主張しているのは、第三条は要らない。いままでそれでやってきたのだ。他の法律でもそれだけの歯どめはちゃんとできているし、事実第三条でことさらあらためてここで郵便の料金の定義をつけて、そして収支が赤字になったら幾ら上げてもよろしいぞといわぬばかりのものをここでわざわざ出してこられる理由、理解に苦しんでいるわけです。その必要はない、このように私は思います。これは理事会の検討事項になっておりますので、これ以上答弁を求めても並行線をたどるだけだ、このように私たちは思います。それで、私の意見を述べるだけにしておきますけれども、私たちはこの第三条は要らない、ことさらここで書く必要はない、このように考えております。これは後ほどの理事会の検討事項の中に入っておりますからこの程度にしておきまして、次に参りたいと思います。 次に、基本的な問題としまして、この法律の改正の理由の中で、「郵便料金を改定するとともに、」「利用者に対するサービスの改善」及び「新しい役務を弾力的に提供する」、このように大きな理由として分析してみますと三つあると思います。料金の値上げと利用者に対するサービスの改善と新しい役務、この三つが今回の改正の根本的な理由、このように私どもは受け取っているわけです。それでサービスの改善、こういうことを大きな理由として今回の改正の理由にあげておられるわけですが、具体的にサービスの改善の内容についてどういう内容になっているか説明してください。
○竹下政府委員 サービスの改善と新しい役務を弾力的に提供する、そのための法的措置を講ずるということは非常に関連をしておると思います。 まず、新しい役務の提供について申し上げますと、このたびの二十七条の改正によりまして、省令でもって一定の条件、一定の取り扱いを定めまして、その条件に適合するものにつきましては料金を軽減することができる、こういう条文になっておりますけれども、要するに省令でもって新しいサービスを開始する、こういう道を開こうとするわけでございます。従来ですと一々法律改正を要するのでございますけれども、社会情勢に即応した適時適切のサービスを開くという目的からいたしますと、いま申し上げました省令にその手続を委任するということは適当であろう、かように考える次第でございます。 いまそれに該当する役務といたしまして考えておりますことは、第一は例の慶弔郵便というものでございます。それから第二点といたしましては、かりの名前で郵袋郵便と言っておりますが、これはたとえば本社と支店の間に日常相当の郵便が交換されております。いまの体系でいきますとその郵便は一通一通ばらばらのままで送達されるということでございまして、これをもし大袋に入れまして一括して一つの郵便として交換することができるということにいたしますと、利用者は非常に助かりますし、郵便局の取り扱いもたいへん便利である、こういうことも考えられるわけでございまして、新しい弾力的な役務の開始の中の大きい一つの項目になってくると思います。いま二つのことを申し上げましたが、ただいま思いついております項目はこういうことでございまして、今後いろいろと新しいサービスが考えられてくると思います。 それから、新しい役務という性質のものではございませんけれども、今度の法改正で考えております利用者に対するサービス改善の項目といたしましては、たとえば速達郵便物を転送する場合のことでございますが、従来普通扱いで転送しておりましたものを、転送料を徴することなく速達扱いで転送することとしたということ、それから何らかの事由で郵便物を差し出し人に還付しなければならない事情が生じました場合、料金を差し出し人に還付する、これは、こちらの手落ちでもって差し出し人に郵便物を還付することは多いのでございますので、たとえばあて名を正確に書いてあるにかかわらずたずね当たらず、差し出し人に還付するといったようなケースが考えられますが、そういう場合には料金を返す、こういう新しい道を開く、そういう事例が新しいサービスとして目下予定しておるところでございます。
○中野(明)委員 いま局長の話を聞いていますと、このサービスの改善という内容について、何か料金の軽減、これなんかがサービス、そういうふうにサービスの内容のうちに入れておられるわけです。そうしますと、この理由というのは、とても矛盾に富んだ理由になるのです。片方では郵便料金の値上げをして、片方で料金を減額してサービスの改善——郵便料金の値上げというのは、サービスの改悪の最たるものなんです。片方ではサービスを最も改悪しておいて、片方では一部特定のサービスをふやす。そういうことで、私、非常に矛盾に富んだ改正だ、こう言わざるを得ません。もともと私どもが理解するサービスというのは、広く数多くの人が恩恵を受けることをサービスと言うというふうに私どもは思います。一部特定の人たちが恩恵を受けるというのは、これはサービスという意味にもとれない、通じないんじゃないかというのが私たちの解釈なんです。それは見解が違うかもしれませんけれども……。ですから、そういうことになりますと、この理由が片方では料金を値上げしておいて、そして片方では利用者に対するサービスの改善という名目で料金の軽減をしている。こんなばかげた改正がはたしてあるんだろうか、私たちは文句を言わざるを得ぬ、こういうことなんですよ。いまのお話を聞いておっても、何か料金を軽減します——ただ、いまの速達のように、ほかに転送するというふうな広く多くの人が恩恵を受けます、これはサービスでしょう。しかし、たくさん出してくれたら料金を安くしますというのは、これはサービスというよりも、特権を与えているんじゃないか。そして片方では多くの人たちに料金の値上げをしている。だから、この理由そのものが、これはだれがつくられたか知りませんけれども、たいへん矛盾に満ちた文章です。文章というよりも思想が流れております。こんなばかげた改正というものを、私どもは認めるわけいかないということです。どうでしょう大臣、郵便料金の値上げというのは、サービスということでいえば、サービスの改悪の最たるものだと思うのですが、この私の考え、違うでしょうか。
○井出国務大臣 値上げをせずに済むならば、それにこしたことはないのでありますが、事情やむを得ない。これをかりにお認めいただくとして、さて今度は、その内容に入っていった場合に、一方においては値上げをしておる、他方においては値下げをしておる、この点が矛盾だという御指摘でございますが、これもさっきの大口の利用者に対して割り引きをするということの議論にもちょっと出たわけでございますが、その点克明に計算をいたしてみまして、いまの労務を節約する、こういうことにより多く貢献をするというふうな事例がありますならば、これも私は採用してもいいのではないか、あるいは現行体系の中にでこぼこがある、それをこういう機会にもうちょっと合理的に、出過ぎた点については是正を加えるというふうなことはあってもよろしいのではないか、というような解釈をしておるわけでございますが、中野先生、どうもそれもまかりならぬと言われれば、これはどうも少し私どもと見解が違うということになりますけれども、考え方はそういうところに発しておるわけであります。
○中野(明)委員 いまの大臣のおっしゃているのは、正常な運営ができて、平時の体制であれば、それだけの余裕というのですか、配慮はあってしかるべきだと思います。しかし、いまの郵政事業というのは、つぶれるかつぶれないか、もう非常時だと思うのです。緊急、火急の時代だと思うのです。そのときには、やはりこの事業の非常に強い公共性というものを考えたときには、平時のような考えではなしに、協力を要請することは要請する、公共事業だから協力してもらいたい、この姿勢が私はなければならぬと思うのです。大臣がおっしゃっている意味は、わからぬことはないのです。これはもう正常な運営ができて、経営もスムーズにいっているときなら、それはそういうことも考えていいと思うのですけれども、経営がこんなに苦しいときに、何もことさら新しいサービスの改善だといって料金の軽減をする必要がどこにあろうか。そして片方では値上げをするじゃないか。その値上げの影響を受けるほうは国民大衆だ。そしてサービスを受けるほう——サービスということばはどうかと思いますが、恩恵を受けるほうは、郵便物をたくさん出すというのは、これはやはり企業であろうと思います。普通個人では、そんなに百通も五百通も出すということはごくまれであります。また出せる人は、それだけ余裕がある者でなければ出せません。そういう人たちだからこそ協力を求め、理解をしてもらって、いまの郵政事業はこうなんです、ですから、ひとつごしんぼう願いたい、いままで割り引きをしておりましたけれども、この分もほかの人と同じようにお金をいただいて、そして郵政事業の赤字克服に協力してもらいたい、これは私、大臣として当然お考えになることであり、すべき性質のことでなかろうかと思っていま申し上げているわけでして、大臣の言われていることをまっこうから否定しているのではありません。そんなわけのわからぬことを言っているのではなしに、いまという時を考えたときに、これをいま今回の改正でまさにサービスの改善の大きな内容として料金の軽減をうたってくるということは、私どもどう考えても、郵政省そのものの姿勢が企業優先だ、こう考えざるを得ないわけです。 また新規事業のことにつきましても、もういまの郵政省のような企業に対する姿勢では、新規事業だってうまくいきません。これは過日、私は郵便書簡のことで指摘をいたしましたが、あの始末なんです。わざわざ前回の法律改正の中に織り込んで法律事項としてきめたあの郵便書簡、ミニレターというものでも、いまだに五年たって半分も残っているじゃありませんか。民間の会社でああいう仕事のしかたをしておったら破産以前の問題です。だから、企業に対する姿勢の問題だろうと思うのです。 そういうことを考えますと、今度のように、またここでこりもせずに、役務を弾力的に提供するということを言い出して、新しい仕事に精を出そう——新しい仕事に精を出すよりも、現在の仕事をもっともっとまじめにやってもらいたい。もう郵便がおくれて届かない、そういうことについての苦情は、毎日の新聞に投書欄でもずいぶん出ております。そういうことではなしに、ほんとうに——私は、この理由づけそのものを見ましても、納得がいかないものがあります。ですから、そういう点について、いま大臣にお尋ねしましたが、見解が違うと言われてしまうと、そこまでかもしれませんが、ぼくの言いたいのは大体おわかりいただいたのではないか、そういうような気がいたします。 それで、時間の制約も受けておりますので、そんな議論でいきよったのじゃ前にいきませんので、もう一点私、わからないことがありますのでお伺いしたいのですが、このいただいた資料を見てみますと、通常郵便と小包郵便という資料の大きな紙を見てもわかりますが、大きく分けて内国郵便は通常郵便と小包郵便に分かれているわけですが、通常郵便と小包郵便とに区別をつけた根拠というのですか、どこで分けられたのか。わかりやすく言えば、通常郵便と小包郵便の相違、性質の違うところから分けられたんだと思いますけれども、そこのところの理由があれば……。
○竹下政府委員 通常郵便と小包郵便の区別でございますが、これは多分に沿革的なものもございますが、その理由を申してみますと、通常郵便物は信書の送達ということが中心になっております。信書の送達に類似する一部の小型の物品の輸送というものをそれにくっつけて、それを通常郵便のグループにいたしております。これに対しまして小包のほうは、信書というものでは全然ございませんし、扱います物件も相当大きくて重い。これは明らかに物品の輸送である、こういう違いがございますので、そのような区別をしておるわけでございます。
○中野(明)委員 ほかに通常と小包の違いは、料金の制度そのものにもあるようですね。それからまた引き受け制限があるのとないのというふうに違いがあるように私も聞いておりますが、小包のことについて二、三聞きたいのです。 旧郵便法では、小包料金というものは省令で定められておったように聞きました。ところが三十六年の改正で、省令できめておったものを政令に改められた、これが三十六年の改正の一つになっております。これはどういう理由で省令から政令に変わったのでしょうか。
○竹下政府委員 小包はそれまで法律できめられておったのです。それが三十六年になりまして政令に委任せられました。それを今度の法改正で省令委任に改めよう、こういうことでございます。御参考に申し上げますと、旧郵便法におきましては省令でございました。したがいまして、省令から法律になり、法律から三十六年に政令に移され、今度省令に移す、こういうことでございます。
○中野(明)委員 私の聞いているのはその理由であります。省令から法律になって政令になってということをおっしゃっていますが、政令となった理由ですね。
○竹下政府委員 これは、いまの郵便法は昭和二十二年の制定でございますが、その当時法律事項というものをできるだけ広げる、いろいろな取り扱いその他のことは極力法律できめていくという方針みたいなものが、これは郵便だけではございません、一般的にございまして、したがって、小包は申すに及びません、一切の郵便料金を、ごく一部の例外を除きまして、法律事項とされたわけでございます。ところが、その後の経過を見ておりますと、小包が一番いい例でございますけれども、小包の実態はちょうど国鉄の小荷物の運送と非常に似ておるわけでございます。この料金が法定事項でありますために、そのときどきの経済情勢あるいは物価、早い話が国鉄の小荷物運賃とのバランスが大きくくずれる、こういったようなこともございまして、小包はこの際ひとつ法律から政令に委任して、適時適切な弾力的な料金設定ができるような、そういう仕組みにしたほうが適当である、こういう考えが三十六年に出てまいりましたので、それを受けて法改正ができたものだと考えております。
○中野(明)委員 いまお話しの、旧郵便法では省令であったというようなことで、それがずっと長く続いておったのですが、法律に変わったというのは、終戦によりまして一時的な民主主義化というところから、新憲法云々の問題で、一律に、大した理由もなしに変わったのだろうと思うのですが、結局従前は省令であったのが、今度政令になっているのです。それをここでまたことさらになぜ省令に下げなければいかぬのか。結局省令、政令あるいは法律と、このようにあるわけですけれども、一番私たちが望まなければならぬのは、法律事項できめるということでありまして、省令ということになりますと、政令よりもますます関係者が少なくなる。ごく一部の人できめられる。小包料金はそういう関係で省令で定められていたのを、いままでのお話のように国鉄の運賃とか、そういうことの事情が出てきたので、わざわざ閣議の了承を得るところの政令にしたんだ、理由はこういうことになっておりますが、それを、その後何ら状況は変化してないのに、ことさらにここで省令に下げるということは、私は理由がわからぬわけです。そういうことについても皆さん方が何を考えておられるのだろうか、この際だから、もうめんどうくさいから全部省令にまかしてもらえ、そうとしかわれわれにはとれぬわけです。現在政令であるのですから、それを本来ならば法律事項にでもしてもらってもいいくらいの気持ちで、真剣に仕事に取り組んでもらいたいような気持ちです。それを逆に、昔省令であったものを政令に変えられているのです。それをまた省令に戻すということは、何かそこに特別の理由がなければ、事情の変化、時代の変化、そういういろいろの客観的な事情がなければ、これはおかしいんじゃないか、こう考えるわけであります。その辺どうなのでしょうか。政令になったときの精神を無視するのじゃないか。
○竹下政府委員 政令と省令でございますけれども、これは、それができるまでの手続において若干の違いがございますけれども、法律上の効果は全く同じである、こういうふうに私どもは理解しております。また、このたび法改正によりまして、三種、四種、特殊取扱料金等につきましては省令に委任しようとしておるわけでございますので、小包につきましてもそれとのバランスを考え、料金全体のバランスと申しますか、そういうものを考えまして、省令に統一をする、こういうことでございます。 さらに、省令と政令の区別でございますけれども、これは私ども法制局とも十分相談をいたしたわけでございます。つまりその事柄が一省の専管事項である、郵便事業というのは郵政省のもっぱらつかさどっておるところでございますが、一省限りのものであるならば省令で十分である、こういうことでございましたので、かようにいたした次第でございます。
○中野(明)委員 いまの答弁、二、三おかしいところもありますが、省令と政令と効果は同じだという意味でおっしゃったのだろうと思うのです。しかし、力というものは全然違います。同じならば省令とか政令とか分ける必要がないのですから。また、同じならば現状のままで置いておかれていいと思います。やはり政令ということになりますと、閣議の了承を得るという相当権威のあるものとなってくるわけです。しかも小包というのは、郵政省だけではなしに、省令から政令に変わったときには、国鉄の小口手荷物ですか、これとの関係もあるし、民間の業者との関係もあるということで、しかも物価がこれくらいやかましい時代に、郵政省だけの問題ということでは済まされない問題です。これは必ず郵便料金というもの、特に小包のようなものは、これを料金値上げをすれば、ほかの運送料金にもたちまち響いてまいります。いまこっちが低いからあまり響かないかもしれませんが、こっちが向こうより上がるということになったときはどうします。必ず向こうの業者に影響を与えます。そういう性質のものは政令でなければいかぬ。これは法律ではっきり分かれてきていると思います。そういうことになりますと、いま局長がおっしゃっている答弁というのは、納得できないおかしな説明になってまいります。小包というのは郵政省だけが扱っているものには違いありませんけれども、しかしながら前回、三十六年に省令から政令に変えたときに、そういう理由のもとに閣議で了承を受けなければならない政令に変えているのです。それを今度、三十六年からまだわずかしかたっていないのに、これを郵政省だけできめていいようにいつだれがどこで変えたのですか。それをもう少し納得のいくように説明していただきたい。
○竹下政府委員 これは繰り返しになりますが、十分関係の省と協議をいたしまして、こういう線を出したわけでございます。省令委任になりますると、やたらに気軽に料金の値上げをするのではないかというような御懸念があるようでございますけれども、これは先刻来申し上げておりますように、基準あるいは条件を法律ではっきり定めております。そのワク内において、かつ郵政審議会に諮問をいたしまして、十分手続を慎重にしてきめるということでございますので、決して御懸念はない、かように存ずる次第でございます。 それからまた、これは法律論からちょっと離れますけれども、あるいは政治論に入ることになるかとも思いますけれども、郵便料金は、小包にいたしましても、三種、四種にいたしましても、公共料金であることには変わりございません。したがいまして、ただいま内閣としてとられておりまする物価対策閣僚協議会でございましたか、そういう機関がございまして、公共料金のような大事な物価関係のものにつきましては、関係閣僚は十分協議をするということになっておりますが、郵便料金はその中に加えられてあるわけでございます。それは行政措置として、そういうことは残されておるわけでございます。慎重を期しておるわけでございます。私どもが申し上げますのは、あくまでも法律的には省令委任——私どもは、提案しておりますこの形でよろしいのである、そういうふうに関係の向きとも十分協議の結果、そういう線を出した次第でございます。
○中野(明)委員 時間がありませんので、次に進みますが、次の問題は、けさほどから議論になっております、三種四種の料金を一挙に法律から省令に下げたということです。こんなことは理由のいかんを問わないで私ども認められないと思っておるぐらいなんですが、けさほどからの説明を聞いておって、これまた納得できません。 それでどうなんですか、省令にされることによって、だれが得をして——利害得失というのですか、だれがどれだけ得をして、だれがどれだけ損をするのか。何か物事をやったら必ず損をする人と得をする人ができるわけですが、これは冷静に考えて、どうお考えになっておるのですか。省令にしたほうがいいというからには得をするからでしょう。郵政省にどういう得があるのですか。
○竹下政府委員 省令委任をいたしますねらいは、やはり事業運営の弾力的な運営ということでございます。それ以外にはないわけでございまして、たとえば小包にいたしましても、三種、四種の料金にいたしましても、これもけさほど来繰り返しておりますように、国の独占でもございませんし、そのものはほかの類似の民間の運送手段でもって運ばれ得る性格のものでございます。そういうことを考えますならば、やはり類似運送機関のそのときそのときの運賃というものを十分考慮して、そういうものとバランスをとるということを考えていくことは、事業運営上最も必要であり、かつ適切な措置ではなかろうかと思います。かりに小包の場合、まあ法律事項だからいつまでもがんじがらめにやって動きがとれないということは申し上げませんけれども、やはり類似の運送事業の運賃等とバランスをとりませんと、かりに非常に運賃の差ができたという場合を考えますと、いままでほかの運送手段でもって運ばれておりました物件が小包に殺到してくるということは容易に考えられるところでございます。そうしますと、郵便事業は、一種、二種といったような信書の送達、これが本命でございますが、そういう仕事にもやはり支障を来たすというようなことにもなりますので、小包あるいは三種、四種といったようなものの料金は、そのときそのときのやはり世間的な運賃というものとバランスをとっていく必要がある、こういうことが言えるのじゃなかろうかと考えます。
○中野(明)委員 時間がありませんので、なるべく簡単に答弁をしていただきたいと思うのですが、いまおっしゃったことなんですが、まず、最初に言われたことは、弾力的な運営ができにくいからという意味なんですが、これは結局、ことばをかえて言えば、仕事がしにくい、こういうふうにしか——私とも、ほかに意味がないように思うのですが、弾力的な運営がしにくいから省令にしてくれ、そういう意味ですか。大臣、どうでしょうかね、この省令に下げた理由ですね、なぜ省令にしたのですか。法律事項だったらだめなんですか。そこのところがどうしても納得できません。
○井出国務大臣 きょう午前中からこの問題については御論議をいただいておるわけでございますが、先ほど中野さんは、損か得かというふうな問題を提起されました。まあむしろ、弾力的という意味は、この仕事を運営していく過程においてやはり事態に早急に対処し得る、こういうような意味から、一つの、それによって運営をしていくための非常に便利な条件がそこに生まれるというふうに理解をいたしておるわけでございまして、これは事業の経緯というものを私どももずっとトレースしてまいりますと、何としても他に競争的な分野というものがあり、この仕事が法律事項であるということで非常に硬直的だと申し上げると相済まぬかもしれませんが、ともかく三年に一度とか五年に一度とか、そういう機会しかどうもいままでの実績を回顧してみるとチャンスというものはないわけですね。そうすると、さらに実態は、国鉄なら国鉄に集中しておった小荷物というようなものが、あげて郵便のほうへなだれを打ってくる。そうなると、コスト計算等からいたしまして、非常にバランスが失われるというふうな事態が過去においてもしばしばあったと思うのであります。そういう点を、今回のような行き方をお許し願うならば、逐次そういう事態に対処し得て、そして小包なら小包において生ずる赤字が、本来業務である一種や二種の犠牲というかそれによってカバーされるというふうなことをあらかじめ防ぎ得る、そのほうがより弾力的、機動的な運営ではないか、このように考えるような次第でございます。
○中野(明)委員 いま大臣の言われる、早急に対処できるということは、これは値上げのときだけでしょう。値下げのときには早急に対処するような気持ちはさらさらないと思います。結局値上げのときだけの話なんです。ですから、どうしても必要であれば、私は、国会は三年に一ぺんとか四年に一ぺんとか開かれているのじゃないのですから、委員会も委員長の権限で開こうと思えば幾らだって休会中でも開けるのですから、どんどんそういうことを委員会に付されて、そして国会というのは、国民の代表の場ということになっておるのですから、ここで論議をすることが一番公平、妥当なきめ方である、こういうことになっておると思うのです。竹下局長にしましても、大臣にしても、郵政省のお役人を疑っているわけじゃありません。ありませんけれども、現実に心配することが、ついこの間も起こっているでしょう。国有農地の二円五十三銭の問題、あれだって国会議員の人たちが、あれが法律できめなければならぬということになっておったら、おそらく自民党の議員の人だってあれに賛成する人はいなかったと思います。それが証拠に、すでにきょうはもう四党の国対で法律を改正しよう、あれじゃぐあいが悪いということになっているわけです。一部の人でやれるということになりますと、ああいうふうなことが起こり得る可能性はあるわけです。今度のような国有農地の払い下げの問題のように、あれはみんな困っているわけです。ああいう問題が表面に出てまいりますと、結局政治不信に輪をかけるようなことになりまして、これはいま一般国民は二円五十三銭といったら知らぬ人がおらぬです。国会議員よりもよく知っておりますよ。二円五十三銭どうしたと言えば、もうこれだけでわからぬ人はおらない。それほど政治不信を助長さしておるわけであります。ああいうことが起こっています。 ですから、やはり政令にしても省令にしてもそういう可能性は全然ないとは言えないのです。現実にいま問題になっている最中でございます。そういうことをいろいろ考えますと、やはり国民の意思を反映させる国会できめるということが、これが民主政治のたてまえとしては一番正しいきめ方である。その正しいきめ方を、いままでできているのに、ここに何の理由もないのに急に省令でできるようにされてしまうということは、ちょっとおかしいのじゃないか。ですから、そういう点の、先ほどからの局長、大臣の説明では、省令にするというはっきり国民が納得するような説明の材料はないわけです。結局先ほど局長の言われた弾力的運営ということも、めんどうくさいから、国会がうるさいからということにしかとれぬわけです。だけれども、公共事業であるだけに、国民の生活に影響が大きいだけに、やはりそういううるさい関所というものをある程度通っていかなければきめられないようにしておかないと、これは困るのじゃないか、私は、そこにいままで法律できめられておった趣旨があるのではないか、このように思うわけであります。ですから、そういう点について、これは懸案事項の一つになっておるようですから、これ以上言いませんけれども、やはり私どもは、ここのところの疑問が解けない限り納得できないと思います。 それから、過日来阿部委員のときの議論にもなっておりましたが、あらためて確認をしておきますけれども、この三種、四種の料金というのは政策料金である、こういうふうな御答弁があったと思うのですが、その点、大臣、間違いございませんか。
○井出国務大臣 これは御承知のように、長い歴史、沿革のある問題でございまして、日本が郵便を創設いたしました当時、あまねく知識を浸透するとでもいいますか、一種の啓蒙的な役割りから発足をしておるもののように理解をいたします。したがいまして、今日いろいろな通信手段が普及をしましたこの際は、草創当時の重要性というものはあるいは失われてきておるかもしれませんが、しかし、今日といえどもいまおっしゃる政策的な意味を持ってはおる。これは前回お答えしたとおりだと思っております。
○中野(明)委員 政策的な料金であるというように言われる以上は、私は、より法律できめなければいけないのじゃないかと思うわけであります。政策料金であればあるほど法律できめなければならぬのじゃないか。結局郵政審議会とかあるいは郵政省とかいうような一部の人たちでこれをきめるということは許されない問題だろう。郵便全体に影響のある政策料金であるということになる以上は、やはり国会で決定をしなければならぬ、これが一番正しいのじゃないだろうか、このように私どもは考えるわけです。そうしないと、他の料金に影響があるわけですから、赤字を度外視して政策的にこれは安くしなければならぬのだという法の精神を受けてきめる料金ですから、そうすると、これは当然法律できめなければいけない。政策料金を省令できめるというようなことは、私は、国会がある以上許されないと思います。なければともかくとして、国会がある以上は、政策料金であるのならば、国会できめるほうが正しい、こう思うのですが、大臣、どうでしょう。
○井出国務大臣 これは一つの基準というものを二十三条なり二十六条なりでお示しをして、そのワクの範囲内におきまして省令に委任をいただく、こういう意味においては、国会の御審議を総括的に経ておるもののように理解をするわけでございます。さらにこういう仕組みは、たとえば国鉄運賃なんかにもあるわけでございまして、そういうふうな例を踏襲もしておるわけでございまして、午前中からも申し上げましたように、一つのワクというものの範囲内において、法律に基づいて、省令がその御意図を尊重して、そうしてきめていくというふうにいたしたいと思います。
○中野(明)委員 現在法律できめられているのを何も省令に落とす必要はないのじゃないか。しかも、それは特に政策できめられている政策料金なんです。二つの理由を私は言っておるわけです。しかも、私、もう一点申し上げたいのは、政策料金としてきめて、そこから生じてきた赤字、これは他の郵便物にかけるべきではない。これは政府の責任において一般会計からこの赤字だけは埋めるべきだ、こういう考え方を持っております。法律に基づいて、しかも憲法の精神を受けて、そして政策料金としてきめられているこの三種、四種の料金、ここから出てくる赤字は、当然政治の責任として国会できめたのですから、一般会計からやはり埋めるべき性質のものだ、それを他の郵便物にはねかけるということは許されない、私はこういう解釈をしておるのですが、大臣、どうでしょう。
○井出国務大臣 そういうお説も一つの考え方と思いますが、従来郵政の長い歴史の間で、総合原価主義と申しましょうか、その間でいろいろな種類の郵便を勘案いたしてやってまいった。このことに徴しましても、いままでのあり方というものは一つの定着性を持っておるのではないか、かように考えるわけでございます。
○中野(明)委員 結局いろいろじっと考えていきますと、だんだんもう郵便事業というものを郵政省が私物化しているみたいな、極端な言い方ですけれども、そうとれてくるわけです。省令にされてしまうわ、そしてそこで政策料金をきめて他の郵便物にはねかけて、結局郵便がまた赤字になって値上げになってくる、そういうことの繰り返しのようにしかとれぬわけです。ですから、これは大臣として当然そういうことは法の精神からいっても、物価対策閣僚協議会ですか、あるいはそういうところで堂々と郵政大臣としてやはり主張されるべきだと思うのです。そういう一つの考え方もありますけれども、その方向を私はとりませんというような御答弁でございますけれども、それじゃ郵政大臣として郵便事業に対する真剣さが足りないんじゃないか。なまいきな言い方をして恐縮ですけれども、そうとしかとれぬわけです。この三種、四種というのは、特殊の事情があって政策料金なんだ、これは一般会計から埋めてくれなければ郵政会計はやっていけぬ、これくらいの発言は大臣として当然私はなさるべきだと思います。そして少しでも国民大衆に密着した郵便料金の値上げを防ごう。また原価計算を見てみましても、封書なんかはもうかっております。速達ももうかっていますね。ですから、結局三種四種という低料扱い、政策料金の赤字というのが主体なのです。この三種、四種というのを一般会計から埋めますと、郵便料金を値上げしなくたっても十分やっていけると思います。こういうものの考え方、これは私は正しい、このように私たちは確信を持っているわけです。大臣は、全体でカバーするんだ、そういうようなことでありますけれども、国民は結局一人一人が税金を納めているわけですから、それが集約されて国の予算になっているわけですから、その中から、国民全体に影響を及ぼすものに一般会計から埋めて何ら差しつかえもないし、文句も言わないと思います。しかも、こういう特殊事情があるものについて、特殊価格を政策価格としてきめているのですから、しかもそれは国会できめた。だから、もしもこれを省令に落とされるのでしたら、省令としてやられるとしたら、今後は一般会計から三種、四種は赤字を埋めてもらうという約束でも大蔵大臣からとられていますか。これを省令できめるということになる以上は、やはりそれだけのものを、赤字は一般会計から埋めてもらうんだ、そこまでの話は必要だと思います。そうしないと、いずれにしましてもまるっきり利用者に負担をかけて今回の改正をするという以外に何ものもとれないわけです。ですから、そういう点、政策料金に対する考え方が郵政省は非常に幅が狭くて、そしてここで出た赤字をどこで埋め合わせしようか、こういうことしか考えてないじゃないか、そう思うわけであります。もう一度大臣の所見をお願いいたします。
○井出国務大臣 先ほど三種、四種の赤字を原価主義で目一ぱいとれば、郵政の赤字がなくなるというふうにおっしゃいましたが、それほどの計算にはならないというふうに私どもは思っておるのであります。さらにこの点は、一般会計から当然負担をして三種、四種の赤字を補てんをすべきだというお話でございますが、これは従来百年の歴史を顧みまして、そういうことでなく郵便全体の総合原価の中で処理をしてまいった問題でございますから、いまここであらためて大蔵大臣とそういう折衝をしたということはございません。これは従来の一つのあり方というものの中に問題の解決を求めていきたい、こう思っております。
○中野(明)委員 それでせっかくあなたが郵政大臣になられて、郵便事業につきましても抜本的に、逐条的にも真剣に検討を加えたいとおっしゃっていることとだいぶ違うわけです。何もかも昔からきまっているのだから、昔からのしきたりどおりにやっておって、事なしに郵政大臣終わったらよいというような考え方では私は困ると思うのです。せっかく郵政大臣に御就任になっている以上は、それだけのやはり実績を残されてこそ、りっぱな郵政大臣として後世に名前が残るのじゃないかというような気がするわけです。いまのお話を聞いていると、何もかも前からそういうしきたりでやっておるから、私の思うに、無理にそういうふうにしなくてもいいというような感じにとれるわけです。私は、井出郵政大臣なら思い切ってやられると思いますけれども、過日、電波の問題でも申し上げましたが、ほんとうにいろいろと私どもが部分的に申し上げてもやはり問題があるわけです。それを気づかれたら、一つ一つ解決をしていくという実行のある人になっていただきたいというのが、私たちの偽らない気持ちであります。なまいきな言い方になって私、恐縮しておりますけれども、ほんとうにそういう点につきまして、いま大臣ちょっとおっしゃいましたが、三種、四種の赤字を一般会計から埋めたら、ほかに経費の節約とか、いま言ったように割引料金をやめたりしたらほとんどいきますよ。これは経理局長に答弁願わなくても、大体いけると私どもは見当を立てておるのです。ですから、そういう点を大臣はもっと真剣にお考えになっていただきたい、このように考えます。 時間があれですので、次にいきたいと思います。いま料金の話が出ましたのでもう一点だけ原価のことについて。この間資料もいただいていますが、原価の計算のしかたです。これはどうなっておりますか。この建設費というものが原価の中へ含まれているのか、含まれていないのか。
○溝呂木政府委員 原価計算の方式にはいろいろあるわけでございますが、私ども四十一年の料金値上げの際に、いろいろ郵政審議会等で議論ありましたときに、ある程度料金から建設勘定の一部を回収してもいいんではないかという議論がかなり強うございました。したがいまして、四十一年度の原価計算のときには、損益計算書の損費だけでなしにある程度建設財源に、いわゆる郵便局舎等を建てる財源も少し入れるという考え方で原価計算をしてまいりました。しかし、今回の郵政審議会の答申にもありますように、今後三年間の収支を見通して郵便料金を考える、その際にはいろいろ建設勘定財源をとるという考え方もあるが、今回はとらずに、損益収支だけの収支改善のための料金だけにとどめるという答申がございますので、したがいまして、そういう方向で今後の原価計算上では、いわゆる建設勘定の財源を料金にはね返さないような原価計算をしなければならないというふうに考えております。したがいまして、四十一年度当時は、ある程度建設勘定の財源の一部を持つという考え方の原価計算をしておりましたが、今後は、四十六年度以降は、そういう考え方でない原価計算をしたい、こういうふうに考えております。
○中野(明)委員 新しい考え方で原価計算されたのを資料として出していただきたい。このいまいただいておる分は、ずっと前からのしきたりに従った分のようですから、新しい考え方で原価計算をされた分。それからもう一点。この三種、四種というものの原価計算、これが赤字が多い多いといって、とても目のかたきのようにいわれているわけだけれども、この三種、四種の原価計算には、私は建設費ははずすべきじゃないか、こういう考えを持っております。これは政策料金なんです。ですからこれには直接費だけで原価計算をしてやはりものを見ていかなければいかぬのじゃないか、こういう考えが、私の考えなんですが、この点、どうでしょうか。
○溝呂木政府委員 お説のように、原価計算の方式いろいろありまして、民間でも、あるものの原価は直接費だけをまかなえばいいとか、あるいは限界原価だけをまかなえばいいとか、いろいろ原価計算の、料金決定政策としてそういうお説があることを承知しております。
○中野(明)委員 今後そういう方向で、やはりだれが考えても当然だというような計算のしかたをして、そして赤字でどうしようもない、それならばというふうな検討事項に入るのが正しいと思うのです。いよいよ実際に審議に入ってから一つ一つ申し上げていけば、いや、それはこれから変えようと思っていますとか、それはこれから検討しようと思っていますというのでは、値上げを出すに至るまでの努力が不足しているのじゃないか、私はこのように思うわけです。 じゃ、もう一点お尋ねします。第二十七条の二、今度の改正ですね、第二十七条の二で「第一種郵便物の料金の軽減」、これは先ほどちょっと苦情を申し上げたところなんです。二十七条の二では、新たに第一種郵便物の料金の軽減、市内特別郵便物以外の定形郵便物または定形外郵便物、これについて、省令で定めるものについて割引をするというのですが、これはどれくらい予定しておられますか。金額です。
○竹下政府委員 実はまだどれくらいの利用があるかということにつきまして予定を立てておりません。
○中野(明)委員 この法律を出されて——局長さん、聞いてください。これは値上げの法律でしょう。ここで私がさっきから文句を言っているのはそれなんです。割引をすると、こういうのです。どれくらい割引の申し出が出てくるやわからぬようなことで、よう四十六年度の予算ができましたね。こんなばかな法律改正がありますかね。大体いままでの実績とかなんとかを積み上げて、そしてこの程度はあるだろうということを予算の中に見てなければ——これは実際やってみぬと何ぼ割引が出てくるやわかりません——ものすごく出てきたらどうするのです。こんな法律の出し方というのは、まあ大臣聞いておられると思いますが、おかしいですよ。出される以上、割引をするという以上は、これだけの割引は最小限度出てくると思いますということを、やはりちゃんと予算の中に入れてなければいけません。やってみなければ何ぼ出てくるやわからぬというような、そんなどんぶり勘定で郵政会計が通ると思ったら間違いだろうと私は思うのですが、その点どうですか。局長、もう一ぺん答えてください。そんなことじゃ認められませんよ。
○竹下政府委員 正確な数字がなかなか予測がつきかねるのでさように申したわけでございますが、いま曲がりなりにもやっております類似のサービスから類推いたしますと、低く見積もりまして年間百万通程度になろうかと思います。 それともう一つは、先ほど来のお話になっております割引の問題でございますけれども、これは大臣も申されましたけれども、多量に差し出すから割り引くということでは全然ございませんので、今度の二十七条の二のいわゆる弾力的な新業務の開始、この面の新しいサービスにいたしましても、このサービス、つまり省令でもって定めまする一定の取り扱いというものは、それをもし利用者がその取り扱いに従ってくれますと、郵便局側の手間が非常に省けるわけでございます。したがって、割引をするという考え方が出てくるわけでございまして、決して採算を度外視しておるわけでございません。計算づくで私どもやっておるわけでございます。 それから、これまた先ほどお話ございました区分協力に対する割引でございますが、これは実情をもう少し申し上げなければならないわけでございますけれども、府県区分をして出してください、最近は番号区分をして出してください、こういう呼びかけは盛んに激しくやるわけでございます。特に大口の差し出し者に対しましてはやるわけでございます。ところが、なかなか実情はその御協力が願えないわけでございまして、いろいろと実情を、向こうさんの事情で当たってみますと、何ぶんにも郵便物が多量でございますために、郵便局のほうでお願いするそういう区分をやりますためには、会社みずからが人を雇わなければならない、こういう事情があるようでございまして、そうしますと、もっぱら精神的な御協力にすがるということはしょせん無理がございますので、やはり現実に料金割引といったような実利を伴った一つの施策をやってあげませんと、多量に郵便を出される人たちの協力が実際問題として得られない。これまた一つの計算をいたしました上での私どものプランでございます。
○中野(明)委員 おっしゃっていることは平時の場合だと私はさっきから申し上げているわけです。いかなる企業といえども、国民大衆の基盤の上に立っているわけですから、その人たちに迷惑がはね返ってくるようなそういうことについての公共事業の実情を知ってそれに協力するということは、私は企業の企業責任だと思うのです。公害と同じですよ。公害だって企業の責任というものを明確にしなければ解決しないというのがいまの議論でしょう。それと同じことでありまして、やはり大臣がそういう点については、そういう大口の利用者に呼びかけるなり協力を求めるなりして、こういう割引料金を極力減らしていく、そういう考え方、それが協力をしてもらって郵政事業を立て直すことになるわけです。 ですから、参考までに聞きますけれども、経理局長、市内の特別郵便物の定形とか定形外で省令で定めたものをいままで割引をしておりますが、これは年間で総額どれくらい割引したことになっておりますか。それから今度の二十七条の二、これで新しく軽減をする額、これは予算でどれくらい見ておりますか。
○竹下政府委員 市内特別郵便物につきまして割引いたしました料金総額は、四十四年度におきまして定形が三億九千百万通、定形外が約二千万通、合計四億一千百万通、こういうことになっております。したがいまして、その割引額は約一三億円程度になります。
○中野(明)委員 新しい予算の中でいまの二十七条の二による……。
○竹下政府委員 二十七条の新しい役務に伴う予算措置でございますが、これは一種料金の実施の時期も——四十六年度につきましては非常におしまいの時期において一種料金の改定がなされることでもございますし、それから先ほど来恐縮をいたしておるわけでございますが、利用の予想物数のつかみ方がなかなかむずかしゅうございますので、それと、大きく収入と支出を狂わすこともなかろうというふうな、まあ少し安易な考え方もございまして、四十六年度予算要求には業務、その発動元である郵務局といたしまして、実は要求をいたさなかったわけでございます。御了解をお願いします。
○中野(明)委員 時間が経過したようでありますから、やめますけれども、いまのような考え方で法律を出されたら、私は実際問題として困るのです。そんなばかな話はないのです。割引をする以上は、大体予算の中でこの程度はある——それは予算ですから、決算のときには、それよりオーバーしたとか、少ないとかいうことは、それはあります。そこまで私は言っているのじゃないのです。ここで堂々と法律改正をして、わざわざ太い字で書いてあるでしょう。ここで変えるというのですから……。これを安うすると、こういうふうにあるのです。それで、一体何ぼくらい出るかわからぬで法律をつくられたら、かなわぬですよ。そういう感覚で、三種も四種も省令で変えられて、好きなようにやられたらどうなるかということなんです。それを心配しているわけです。ですから、大臣、お聞きのとおりですよ。この法律の改正ということについては、ほんとうにこの郵便を利用している人たち、あるいはまじめに郵便を一生懸命に配って働いている労働者の人たちのことを考えた、そういう上に立って、そうして真剣に出された法律のように私ども思わぬわけです。収入が減っただけは、やはりどこかでだれかが負担しなければならぬのです。そういうことも一切予算の中に見ていない。そんな法律を、大臣、大臣も説明を受けられたでしょう、よくお認めになったものだと私は言いたくなります。小言ばかり言うておるようですけれども、ほんとうに今回の料金の値上げというのは、私は納得できないところがたくさんあります。まだ質問もたくさんありますけれども、どうも時間が予定時間を超過したようでありますから、以上でやめますけれども、そういう点を含まれて、懸案事項になっていることは、委員長にもう一度理事会で懸案を検討していただいて、お願いしたいと思います。
○金子委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十三分散会