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65回国会衆議院1971/05/18

地方行政委員会消防に関する小委員会 第3号

発言数
52
登壇者
11
会派数
4
開催日
1971/05/18

会議録

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。  消防に関する件について調査を進めます。  呉市における林野火災及び千葉市における田畑百貨店の火災等について、消防庁当局から説明を求めます。宇土総務課長。

宇土條治消防庁総務課長

○宇土説明員 お手元に差し上げております資料の中で、まず第一番目に説明をさせていただきたいのは、「昭和四十四年における損害保険会社等の損益計算に関する調」でございます。  ごらんのように、損害保険会社二十社についての調べでありますが、正味保険料は千四百六十六億円でございました。それに対します正味保険金支払いは五百五十三億余円でございました。それから査定費、代理店手数料、営業費などの正味事業費は五百八十四億円、それから責任準備金及び支払い備金は二百八億円。そのBからDまで足したものをA、つまり正味保険料から引きました残が営業勘定収支残額でございまして、これが百二十億円、こういうふうになっております。  カッコがございますが、カッコは昭和四十五年六月十五日に、これは大蔵省の指導それから損保会社等の努力の結果ということでございますが、住宅物件や工場物件にかかる料率が一五%引き下げられたことに伴うものでございまして、それを四十四年に当てはめたらどうなるかという数字がカッコの中に書いてあるわけでございます。  それから、右の都道府県有物件につきましては、分担金が四億九百万円、それからあとB、C、Dの額を引きました営業勘定収支残額は一億六千四百万円となっております。市有物件は、分担金が十億九千百万円、営業勘定収支残額は一億八千二百万円。町村有物件につきましては、二十億六百万円の分担金に対しまして、営業勘定収支残額は四千六百万円ということになっております。  次のページをごらんいただきますと、この営業勘定収支残額に対しましてその他の収支残が書いてございますが、損害保険会社の場合でございますが、自動車等の損害保険営業勘定収支残額が四百億円余りあります。これはおもなものといたしましては、自動車保険、それから傷害保険、自賠責保険等でございますが、このAとBの収支勘定を合計いたしますと、二百七十九億円の赤字になるということに相なります。それから資産収益勘定収支残、これは利息、配当金とか財産処分益等でございますが、これが四百三十二億円ほどありましたので、当期利益金といたしましては百五十二億九千八百万円になる、こういう計算になっております。  都道府県有物件につきましては、普通火災営業勘定収支残が一億六千四百万円でありますが、当期利益金は一億九千三百万円になる。それから市有物件は一億八千二百万円の普通火災営業勘定収支残に対しまして、当期利益金は六億二千百万円である。町村有物件は四千六百万円の普通火災営業勘定収支残に対しまして、当期利益金は三億七百万円になる、こういう数字になっております。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 千葉市の百貨店火災につきまして概要を御説明申し上げます。  お手元にお配りしてございます資料は五月十四日現在でまとめたものでございまして、その後調査が進みますにつれまして多少事情が変わっている面がございますので、それをあわせて御説明申し上げます。  火災が起きました時刻は、ここには五月十二日一時二十八分ごろと記入しておりますが、その後の状況ではもう少し早い時期であったように思われます。  覚知は一時三十三分に一一九で消防署へ電話しておりますが、これをかけましたのは、実は付近を通行いたしておりました、千葉港に停泊していた船員三名がおりまして、これが発見いたしまして、このうち一人がかけたようでございます。地理不案内のため相当時間をかけて公衆電話を見つけ出して、やっと百貨店前の公衆電話にたどりついてかけたもののようでございます。  消防隊は一時三十五分に着いておりますが、鎮火いたしましたのは十七時三十五分でございまして、火災時間が約十六時間という、非常に長い時間燃えたことに相なるわけでございます。  出火いたしました場所でございますが、これは北側の建物の外に小屋がございまして、この小屋を野球小屋と俗称しております。ダンボール等の廃品を入れておいた部屋の横のほうの野積みのところで起きたようです。この野球小屋の付近と昨日の段階では推定されまして、建物の外で火災が起きたようでございます。それからあと建物の中に火災が延焼していったのが、昨日現在の状況でごございます。  出火原因については、なお調査中でございます。  損害は、この建物は一部八階建ての建物でございますが、これはほぼ全焼いたしております。七階、八階は火が回っておりませんが、それ以下の階が焼けておりまして、焼失面積といたしますと九千三百八十一平米という調査の結果になっております。  死者は、建物に泊っておりました社長が一番上の屋上に通じますところでなくなられた。これ一人でございまして、あとは消防職員が、消火活動中一酸化炭素中毒あるいは結膜炎、のど、その他の負傷をした者が五十六名ございます。  消防署としましては、覚知後直ちに第二次出動と申します百貨店に対する出動をさせて、次のページにございますように、消防ポンプ車七台、水槽つき消防ポンプ車九台、はしごつき消防ポンプ車三台、工作車一台、救急車三台を出しました。これだけの車を直ちに出したわけでございます。そのほか、習志野、市原、八千代の隣接市からの応援が参りまして、三台追加がございます。  このほか消防団は、地元の分団、一台だけを出動させましたが、消防署がからになりますので、そのあとに消防団のポンプ車十一台、団員七十名を補充に出動させ、待機させたのでございます。  建物は、先ほど申しました鉄筋コンクリート八階建て、地下三階でございまして、延べ面積は一万五千平米余でございますが、この建物は増改築を非常にやって、四期にわたっての改造がなされておるもののようでございます。三十六年の四月、三十八年二月、三十九年三月、四十三年十月と改造されておりますが、最後の四十三年十月の改造が一番大きくて、大体いまの建築面積の倍以上の増築をこの際やっているわけでございます。  出火の状況でございますが、これは前日の夜おそく工事をいたしておりますけれども、この工事は午前零時ごろまで地下一階で、それから地上一階で十一時十分ごろまで工事をいたしております。しかし、勤務をいたしておりましたガードマンがこの安全を確かめておりますので、この部分ではなさそうでございます。それからこのガードマンが一時ごろ地下三階の警備員室まで戻ってきております。  この発見の状況と火の回りの状況でございますが、発見は、ガードマンが火災感知器を見て火災に気づいてはいないようでございまして、屋外で燃えておりました火、これを通行人が見つけて、消火活動と通報をしようと努力しているところを、隣の生命保険会社の宿直員の奥さんが気がついて御主人を起こした。それらが地下の警備員を呼んでいる間に何とか小さく外の火はなったようですが、地下の警備員が上がってきたときにはもう煙が一階には充満していたようです。こういうことで非常に発見が、建物の中への延焼の状況の確認がおくれたということがあるようでございます。この理由といたしますと、もと玄関にいたしておりました出入り口のシャッターの外に可燃物がたくさん積んであって、それが燃えたものですから、その裏のシャッターを越えて建物の中に入って、しかも天井裏に火が回っていったというのが実情のようでございまして、そのために建物の中での発見がおくれたようでございます。  なお、消防活動につきましては、屋外での発見でございますので、屋内の火災の状況が当初はよくわからなかった。自後非常な濃煙と熱気とで中への進入が非常にむずかしいために、外から注水をしたためにかなりの時間を要したということが、この火災の特徴のようでございます。  なお、スプリンクラー設備が一部ついておりました。これは四期工事の部分だけでございますが、それが古い部分にもつけるべきことになっていたのですが、まだ計画中であって、実際の工事にまでは至っておりませんでした。この点は消防機関は再三口頭で注意を喚起してきていたようでございます。  以上が、簡単でございますが、この火災の概況でございます。

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 古郡調査官。

古郡良秀消防庁防災管理官

○古郡説明員 ただいま説明いたしました前に資料がございますが、呉市山林火災の概要につきまして御説明申し上げたいと思います。  去る四月二十七日十一時十分ごろ、呉市の広町町田門の口大張矢山山林、門の口水路災害復旧工事現場付近より出火いたしまして、死者十八人という多くの犠牲者を出しました火災でございますが、当日の気象条件は、十一時十分ごろでございますが、晴天で東南東の風、五・八メートルでございます。しかし、最大瞬間風速といたしましては十一・四メートルが記録されておりますし、また現場付近では約十五メートルくらいの風もあっただろうというように推定されております。湿度は約一九%ということでございまして、非常に乾操している状況でございました。こういう状況でございまして、四月二十五日の十三時四十五分火災警報が発令されておりますが、当日も引き続き発令されておった最中でございました。  出火原因といたしましては、水路災害復旧工事現場付近におきまして、たまたま昼食用の湯わかしをしておりましたところ、近くのがけの枯れ草にこのたき火が移りまして、さらに山林に延焼したものでございます。  被害の状況といたしましては、類焼いたしました林野が、国有林で百十五ヘクタール、市有林で八十五ヘクタール、私有林で百四十ヘクタール、合計三百四十ヘクタールと相なっております。  死者は十八人でございますが、これはすべて呉市の消防局職員でございまして、うち一人は重傷を負いましたが、後に五月一日に病院で死亡しております。  消防活動の状況といたしましては、十一時十分ごろに出火しておりますが、覚知いたしましたのは十一時十八分でございまして、その方法は一一九番に電話がありまして、覚知いたしたわけでございます。それで東消防署からは直ちに第一消防隊員十六名を現地に派遣いたしました。  この先発隊が出ましたとき、すでに三ヘクタールは焼いておりまして、なお拡大中でございました。呉市消防局におきましては、さらに増援隊を派遣し、延べ百八台の消防ポンプ自動車を出動させ、職員八十四人、団員四百十人を災害現場に搬送して消火活動に従事させました。  なお、二十七日の十五時に呉市の東消防署に災害対策本部を設置しております。  広島県知事は、火災の延焼拡大のおそれがありますものですから、呉市長からの要請に基づきまして自衛隊に出動を要請しております。  なお、この際広島県ではヘリコプター一機を民間航空会社とのチャーター契約に基づきまして出動させておりますが、このヘリコプターは空中からの消火活動と偵察を行なっております。  なお、出動いたしました人員につきましては、呉市消防局職員のほか消防団員、広島市からの消防局職員、陸上自衛隊員、海上自衛隊員、警察官、営林署職員等、二十七日におきましては千五百余名、二十八日におきましては千九百余名が出動しておりました。  鎮火いたしましたのは二十八日の十一時十分でございますが、たまたま十時半ごろから雨が降りまして、この降雨と消火活動と相まちまして消火状態になったわけでございます。  なお、先ほど申し上げました十八人の殉職者の状況でございますが、東第一小隊が先発してまいりましたが、この第一小隊から応援要請がございまして、東消防署長は第二小隊を現場に急行さしたわけでございます。この第二小隊が火点東側に延焼することを防止するため、北の峰の稜線を下りまして、消火活動に当たっておりました。しかしながら、東南東の強い風がありまして、十四時三十分ごろに休耕中の草生地に飛び火しております。この状況を見まして指揮に当たっておりました東消防署長は、直ちに第二小隊に対しまして退避を指示しておりますが、応答がございませんでした。その直後火勢は非常に拡大いたしまして、この第二小隊が火煙に包まれ、猛煙に囲まれたために、隊員を動員いたしまして、救助活動を行ないましたところが、救助することができずに十六時二分に十三人、十七時二分に四人が遺体として発見されております。なお、残りの一人は十六時十九分に重傷を負いましたが、救助され病院に搬送されたところ、五月一日病院で死亡しております。  以上が呉市林野火災の概況でございます。  なお、その最後から二枚目に、昭和四十六年の一月から三月までの火災概況がございます。  簡単に御説明申し上げますが、出火件数につきましては、この三カ月間で約二万四千件ございます。これは昨年の二万四千九百七十九件に比べ九百七十件ほど減の戦後第二位の火災件数でございます。その内訳は、建物火災が一万三千件、林野火災が三千六百余件、車両火災が千百余件、こういうふうになっております。特に車両火災のほかはすべて減になっております。  この状況につきましては、昨年の気象条件と本年度の気象条件が若干違うようでございまして、湿度それから降雨日数等も本年度のほうがこの三カ月間やや多いようでございます。こういうような状況があるかと思いますけれども、昨年よりは若干全体的には減っております。  なお、焼損のむね数につきましては一万八千余件でございまして、昨年度に比べますと七百十九件減になっております。  罹災世帯数につきましては一万四千余件でございますが、昨年度より二十九件ふえております。これは戦後最高でございまして、過去の最大は昨年の一万三千九百八十三件でございます。  それから焼損面積につきましては、建物が八十四万平米余でございます。林野が六十四万二千九百アール余でございます。いずれも昨年に比べまして減っております。建物につきましては十二万二千平方メートル、林野につきましては二十四万四千アール減っております。  損害額につきましても、二百五十二億一千余万円でございますが、昨年に比べまして三十一億八千二百八十六万余円減っております。  死者数は六百二十一人でございまして、昨年に比べまして一人増加しております。これも戦後最高でございまして、過去は昨年の六百二十名が最高でございます。  負傷者数は二千八百九十七人でございますが、昨年より二百九十八人減っております。  以上でございます。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 お手元の資料の三枚目にことしになりましてからのおもな火災のごく簡単な概要を記してございますが、これは寿司由楼で起きました和歌浦の一月二日の火災以降のおもなものをごく簡単に概要だけをここに記してございますが、説明を省略させていただきます。  次に、一番うしろの紙に、参議院におきまして行なわれました消防法の改正案の審議のおもな質疑事項の項目が掲げてございますが、これにつきまして、簡単に御説明申し上げます。  参議院におきましては、二月の二十三日、二十五日の両日にわたりまして質疑が行なわれまして、その中のおもな項目を掲げてございますが、まず消防法改正関連のものといたしましては、防火管理の問題がまず一つございます。これは今度の改正によりまして、従来防火管理者を設けていない場合に直ちに罰則がかかっていたものを、設置の命令を出しまして、それからあとにその命令を聞かない者に対して罰則をかけるように改正いたしておりますが、これではいささか弱くなったんではないかという御質問でございました。これに対しましては、防火管理者を設けることが目的でございますので、やはり命令に対して力を持たせるのが実質的であって、その後罰則をかけても現行の規制よりは弱くはならない旨私どものほうでは考えているということをお答え申し上げております。  それから次に、危険物の関係でございますが、これは今度の改正のかなり重要な部分を占めておりますが、まず第一にございましたのは、従来一部を改造いたしますときに、全体に対して使用を停止しなければならないことに相なるのを、改造部分だけを停止して他の部分を使わせるという規定でございます。これにつきましてはどういう意味でこれを設けることになったかという御質疑がございましたのと、現在どうなっておるのかということでございましたが、これは現在は全部とめることになっておりますので、これはいささか不合理でございますので、安全と認めた場合、工事に関係のないところを使わせるようにするのが合理的であろうということでお答え申し上げております。それから丙種の危険物取り扱い者が今度新しく設けられるのですが、これの試験はどうなるのか、どういう試験範囲なのかという御質問でございました。これは灯油、重油、ガソリンというような特定な品物に限定するので、内容的にはやさしい試験になるというお答えを申し上げております。そのほかタンクローリーで危険物を輸送いたします場合に、路線指定等できないのかという御質問ですが、これは現在ではできませんので、いろいろな他の省庁との関連においてものを考えていきたいということを申し上げております。  それから救急業務につきましては合理化をしていくというが、一体どの程度の合理化になるのかということを御質問でございましたが、これは政令指定を合理的に行なうことによって救急業務の円滑な推進ができる形式になるのでという答えをいたしております。  その他につきましては、この改正はわりに時代に即応した改正であるけれども、なお基本的な問題がたくさん残っておるので、抜本的な改正をする意思はないのかという御質問がございました。これに対しては、なお検討をして、まとまったところで考えたいけれども、現在では抜本的な消防制度の改正をする必要はないと考えているというお答えを申し上げております。  それから消防事情一般に関するものといたしましては、火災の実態についての件数の推移等についてあるいは火災の原因が非常に不明なものが多いがこれはどういうことなのかという御質問がございました。  予防査察の関係におきましては、予防査察の実施状況はどうなのか、十分じゃないではないだろうか、また消防団地域については不十分ではなかろうかという御質問がございましたが、現在の段階でいろいろと消防団地域についても県の指導等で行なっておりますし、また広域消防体制の拡充等で行なわせることにいたしている旨の回答をいたしております。  そのほか防火管理の問題、それから消防用設備等の問題、新建材についてはやはり一酸化炭素中毒だとかあるいはこれの規制はどうなっているか、あるいは地震対策としてロスアンゼルスの教訓をどう考えるのか、あるいは石油コンビナート地帯の自衛力の消防力の強化はいかがなっているか、石油パイプラインの対策については、当時通産省と運輸省の間がもめておりましたので、この経過はどうなのか。それから今後消防力基準についてどのような強化をはかっていくつもりなのか、消防団員等の処遇については、特に退職報償金の関係での格上げは行なわないのか等のことが質疑の項目としてあがっております。  以上でございます。     —————————————

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 消防当局からの説明は終わりましたが、質疑の申し出があるようでございますから、順次これを許してまいりたいと思います。  なお、本日は消防庁当局のほかに、林野庁当局、自治省、財政当局の出席を求めておりますので、念のため申し上げます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 速記をつけて。  では先手を切らしてもらいますが、よろしゅうございますか。  各地から消防で、ポンプとかいろいろの補助の申請がございますが、地元によりますと、なかなかこれをもらえない。県で査定して消防庁に持ってくる。地方でほしいものがなかなかもらえないというような要望がありますが、そういうような地方からの要望施設に対して、大体どの程度消防庁では毎年充足されておりますか。その大体の概要というものをひとつ説明していただきたい。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 市町村の要望全体をどういうふうに見るかということでありますが、いまお話がありましたように、県におきまして、全体の関連を見まして、要望に対しまして、大体こちらが予算としてあらかじめわかっている額がありますので、それに対して一割増くらいのところでまとめまして、私らのところへ申請をするというのが大体の慣例のようでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井小委員 二、三述べてみたいと思いますが、実は法律案と関係があるかないか、そういうものはよく知らないんですが、たしか消防というのは市町村が主体だと私は聞いておるのです。そうでしょう。県はそれを完補するか何か、そういう立場ですかね。そこで終戦後そういうふうになって、県にも地方課というものがあって、そこに消防係というものを置かれておると私は思うのです。思うのですが、だんだんそれが強力になってきまして——なることについて私は反対しているわけではない、しかし、それはあくまで本部の消防庁と直接の市町村との仲立ちをするたてまえであると思うんですね、私は詳しい法の内容なんか忘れてしまいましたけれども。ところが、世の中がだんだん変わってまいって、戦後の復興ができてくるにつれまして、従来の市町村消防のなり手がなくなる。これはずいぶん問題になっているだろうと思うのです。それで専従の市の職員——東京都の消防は、区なんですか、都なんですか、いかがですか。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 人数でありますか。

中井徳次郎日本社会党

○中井小委員 役職は、区の職員ですか、都の職員ですか。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 都の職員でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井小委員 そうすると、昔の東京市と同じような考え方ですね。それで、東京都なんかはかなり充実をしておるのではないかと思いますが、どうも地方の中小の、人口二、三十万の都市になりますと、なかなか手が回らない。それに対して、ここ四、五年来急激に高い建物やら何か、奇をてらうような建物やら、名前だけでも何かハワイアン何とか、あるいはサンフランシスコ何とかという名前で、中はからっぽ、何にも施設がない。それから一番悪いのは——これは消防庁が悪いんじゃない。あるいは消防担当者が悪いんじゃない。警察官が行って、この家をこう直しなさいと言うたら、直すだろうと思うのだ、こわいから。秦野さんが幾ら出ても当選せぬのは、おまわりさんがこわがられておるから、そういううわささえある今日。川合君が、かわいそうに横浜に出ても、これは当選せぬ。そういうふうに警察や消防あたりはこわがられている。ところがこれをこうしなさいというときには、消防の言うことはなかなか聞きよらぬ。私は、それは皆さん、御同感だと思う。警察が言うと、聞く。ここにも日本の民主主義が上すべりであるという一つの証拠を私は見るのですが、もっとそういう面についてしっかりやってもらわぬと困る。  二、三年前でしたか、兵庫県の有馬温泉で火事がありました。あれも、どういう建物か知りませんが、テレビや何かで見たところによると、それはたいへん無理な建物のようです。道は狭いし、家だけは高い、膨大なものだということです。ことしの春起こりました和歌山の新和歌浦の火事もそうでございました。私どもの県の隣の県ですから、四、五名焼死をいたしましたが、正月、ほっとして店じまいして行ったところをやられた。  こういう点で、一ぺん洗い直してもらう必要があるのではないか、政府としてですね。消防というものに対して、これはもっと権威を持ってやるというふうなことをひしひしと感じます。その権威を持つということは、実際火を消すということであって、権威を持つということは、壇上に上がって敬礼したり、おいちに、おいちにのけいこをしたりすることでは断じてない。  私は、昔、市長をしておったが、そのときに、こういうこっけいなこと——私は、分列行進やめたんです。やめてしまえ、そんなこと、何でもいいから早う火を消したらいいじゃないか、というので、東京へ行ってタンクを買ってきました。消防タンクですね。おそらく日本では初めてじゃないかと思うのだが、一トンか二トンくらい水が入っているやつ。さしあたりそれで走れ、それで火を消せというふうなことをやりましたところが、一年ほどたって猛反撃を受けまして、こんな分列行進もせぬような——やはり市長は立って敬礼をしなければいかぬと言われたが、あんなあほなことはやめてしまえということで私の在任中はやりませんでした。あんなことより早く火を消せといって、思想だけはずいぶん徹底したつもりでありますが、それから二十年たってみますと、もう元へ返っておる。  具体的に話します。去年私の郷里で消防の三重県の大会があるというので、二十周年か二十何周年か知らぬが、出てくれという知事からの案内でありました。それで、私は、これは市町村が主催なのに知事が出てくるのはおかしいなと思いながら出ていったのです。そうしましたら、その消防大会は十時開会でした。知事が出てきまして、何と十一時半まで十五周年とか二十周年とか表彰状を渡すんだな。中には勲何等とか、大野伴睦先生がなくなられましたから今度は日本消防協会長は川島先生でございます。川島先生の賞状もずいぶんたくさん出ておりました。旗を渡すやら何やら、とにかく一時間半ぼくは横でずっと見ておったのです。そういうことばかりやって、知事の訓辞になりましたら、消防は国家の大事であるからというようなお話をみんな承って、それが済んで私にもあいさつせいというから、私のことですからユーモラスな話をして、ずいぶん腰の骨がどうかしただろうという話をしておきましたが、済んだらすぐみんなどこかへ行っちゃって、どうするんだと言ったら、私はもう汽車に乗らぬと郷里まで三時間もあるので間に合いませんわ、こう言っておる。そういうばかげた消防大会はあったものかなと言って知事に苦言を呈しておきましたが、どうも趣旨が徹底しておらぬ。おそらく古屋小委員長のところの岐阜県あたりでは高山から来るんだからずいぶん遠いと思うんだ。特に岐阜と大垣のまん中に県庁が建ったりしているんだから、まことにどうもおかしなことでございまして、もっとそれよりもどうして火を消すかということの研究をどうしてなさらぬか、これがまず第一。  その次に、団員がだんだん減ります。みんな外へ行ってしまう。私のときにはとにかくポンプを買って、まだみんな運転を知りませんから、消防団の人に全部運転を習わせました。おかげで皆さんが自動車の運転もできるようになりまして、そのことはいま全国でやられておると思いますが、みんなたいへん喜んでおったと思うのでございますが、何か本末転倒のような感じがいたしてなりません。この間の呉の山火事の話も私は承っておりました。おそらくこれは無線の連絡が不十分であったのが一番大きな原因であろうかと思うのでございますが、こんなのは松下電器でも開発しておる。こんなものは安く何ぼでもできます。しかし、それは悪用したらいけませんけれども、消防がお使いになるのですから、そんなことは簡単にできることであるし、これは金額もたいしたものじゃございません。近距離でございますから、四キロ四方くらいでしたらそうむずかしいことではなかろうと思いますので、どうぞ思い切った機械化といいますか、それから融通さといいますか、この間も千葉で火事がございましてたいへんお気の毒なことでございましたが、あれなんかもその場の消防署といいますか、それが思い切った手でやる。火消しというのはむずかしいものでございまして、私はえらそうに批判をしても、現実にやったことのない男が批判して申しわけないのでございますが、しかし、いまでもそうだろうと思います。市町村長にとりまして一番こわいのはやはり火事でございます。夜中でも火事だと聞くと、すぐ飛び起きて現場にかけつける。これはもっとハイレベルのお役所の役人と違います。つの市長の義務でもありますし、また気がかりなことでもありますので、こういうことについては政府の御当局もそんな紙一枚や何かでごまかさずに、もっと実質的な予算をうんと組んでやってもらうように、整備をされるまではぜひお願いをしたいと思うのであります。おそらく自治省におかれましても、付近の市町村と連合した消防の演習とかそういうもの、あるいは水防の演習をやられることだと思いますが、その辺のことについてなお一段の御研究のほどをぜひお願いしたいと思うのでございます。  たまに出てまいりまして思いつくままに申し上げて、そんなことはすでにお済みかもしれませんけれども、念のために申し上げまして、御参考にしていただきたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 ただいま御指摘がございました問題につきましては、先般の小委員会におきましても中井先生の御指摘のあったことでございまして、一つは機械化の問題でございます。この点につきまして特に無線の御指摘がございましたが、ことし四十六年度予算におきましても、消防無線といたしましては、私たちも一般分といたしまして昨年は約八百個でございましたのを千百六十八個、そのほかに過疎分のものも含めますと千二百個ぐらいということで、御指摘のような点につきましては今後とも一そう努力してまいらなければならぬというふうに考えております。  また演習その他につきましては、例の災害対策基本法が制定されましてから、水防あるいはある地点におけるたとえばビル火災等につきましても、それぞれ現地の消防職員及び団員が一緒になりまして実施しているところでございますが、御指摘のように、結局実動活動を実際やるということが消防最大の任務でございますので、その点は今後とも私たち十分力を入れてまいる考えでございます。  また、最初に御指摘ございました予防査察等も消防の任務でございまして、その際消防法に照らしまして適当でないあるいは違法であるという点につきましてはそのつど指摘をし、改善をさせるわけでございますが、なおその点については十分でない点がございます。これは先々回でございましたか申し上げましたように、寿司由楼であるとか水戸のビルの火災の際におきましても、従来何回か指摘されておった事項を順守させていなかったという事実がございまして、そういうことのないように先般の会議を経まして十分示達をしてあるはずでございますが、防火管理の問題につきまして特に触れさせていただきますと、あのビルの場合におきましても、防火管理者がいないということがそもそもの問題でありまして、やはりそういう命令をする以上はそこにある程度担保するものをはっきり制度的に保証いたしまして、それを順守させるということをさせなければいかぬということで、今般改正を考えたわけでございます。  また、御指摘のように、建築自体の構造その他につきまして、寿司由楼の場合には、御指摘がございましたように、あるいは有馬温泉の場合においても相当建物が増築に次ぐ増築ということで迷路になっておったということは、皆さま御案内のとおりでございまして、こういう点につきましては、建設省のほうにも今後建築確認の事態を通しまして十分御指導をお願いいただくように、私のほうからもお願いを申し上げているところでございます。  また、消防活動あるいはそれに伴う応援協定の問題でございます。これは、現在のように、ある程度道路もよくなりましたし、また消防機器も相当開発され強力なものになってまいりますので、私たちはやはり市町村消防を中心にして、またこれに応援体制を加味したものとして消火活動を充実していくということで考えておりまして、そういう意味におきまして、市町村につきましても従来よりも広域的ないわゆる組合というものを使いまして常備化を促進し、それをさらに中心として付近の市町村と応援協定を結んで、消防力の充実をはかるということを考えてまいっているところでございます。そういうことで、御指摘の点につきましては、なお今後とも一そう努力してまいる所存でございます。

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 桑名君。

桑名義治公明党

○桑名小委員 広島県の呉の山火事の問題でございますが、昭和四十一年の山火事の発生件数が約四千三百三十六件、そして死者が三十五名、昨年度の四十五年度が一年間の林野火災が七千六十三件、死者が六十六名、こういうふうに四年前と昨年度の比較をしてみますと、件数におきましても死者におきましても非常に増大をしているわけです。このいわゆる山火事における死者が増大をしているというその原因というのは、どこにあるとお考えなんですか。それをまず最初にお尋ねをしておきたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 ただいま御指摘がありましたように、林野火災は、件数あるいは損害、死者の数におきましても、一般の建物火災に比べまして非常にふえる割合が高うございます。これは火災の原因そのものが、しばしばいわれますように、たばこ、たき火等が中心でございまして、しかもそれが大体、御案内のとおり、三、四、五月というところに非常に集中してまいります。この林野火災につきまして、今度の呉の場合もそうでございますが、一般に地形あるいは林相あるいは気候、風速、こういうものが一緒になってかなり拡大する傾向にございます。そこで、この火災の件数の増加とともに、かなり規模が大きくなる傾向にございまして、したがいまして死者の増加というものも、それに伴って、どうしても危険が大きくなるに伴ってふえてくるということだろうと思います。またかなり山に入る機会もだんだん多くなってまいりまして、今回の場合にも、あるいは山火事の場合にも、かなり煙あるいは火炎が非常に早いという状況から、火炎に巻かれて死亡するという状況が多うございますので、一般的傾向としては、御指摘のように、全体として火災件数がたいへん多くなってきておるということが、何と申しましても最大の原因のように考えております。

桑名義治公明党

○桑名小委員 いまの消防庁長官の説明ではどうも納得しがたいわけです。と申しますのは、まず第一の原因は、いわゆる消防団員の老齢化という問題があげられるのではないか。たとえば今回の呉の場合でも、死者の中で四十代、五十代の方が非常に多い。しかも十二名の方が——今度は定員の問題でございますが、定員の問題でも、呉の場合は条例で定めている定員は二百二十六名、ところが現在は百九十六名しかいなかった。十六名の死者の中で約十二名が当直明けであった。こういうふうな実情を考えてみますと、疲労と老齢化とそれからまたいわゆる整備が非常に不十分であった。集約しますと、この三つがおもな原因ではなかろうかと私は思うわけでございます。  そこで、お尋ねを特にしておきたいのは、昭和四十四年の十一月の消防審議会の答申の中に、火たたきあるいは覆土のような人海戦術は農村部の人口減などから効果をあげなくなっているので、空中消火機器、消防薬剤、万能トラクターあるいは小型ポンプなどの近代装備を使用、開発し、訓練につとめるよう提案をしているわけです。こういった問題に対して、いままで林野火災についてどのような対策を立ててきたか、現実にどういう経過をたどりながら充実を期してきたか、こういう具体的な事例に入ってまいりますと、私は非常に心細いのではないかと思う。消防庁としては、この四十四年の十一月の答申を受けてから、どういうふうな対策を立ててきたかということが一つと、それから職員の老齢化に対しまして消防庁としてはどのようないわゆる対策を立てていこうとされているのか。あるいは先日東京都のほうもずっと回って見たわけでございますが、最近は消防団員なんというのは非常に少なくなった。これは、過疎地域におきましてはもちろん若い人が少ないということは一応納得ができるわけでございますけれども、しかし、過密都市においても消防署員になる人が非常に少なくなった。この定員をどういうふうにして確保していくかということがやはりまた今後の消防問題としては非常に大きな比重を占めていくのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、こういった点について今後どういうふうな施策をされようとしているのか、この点について伺っておきたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 第一点についてでありますが、消防審議会の答申にあります資機材の整備充実でございます。これは消防庁としては、この答申を受けまして、四十五年度から、資機材の点では、林野火災用の消防無線あるいは防火水槽というものを新しく補助対象に取り上げますとともに、林野工作車、一般にウニモクと称されておるものでございますが、こういう車両を新しく補助対象に加えることにいたしました。また府県につきましては、林野火災対策の資機材も含めまして、特に交付税の中で資機材備蓄ということで府県の基準財政需要額の中に二百万を四十五年度に算入することにいたしまして、四十六年度はさらにそれを三百万に引き上げるということを措置しておるわけでございます。  しかしながら、結局、この答申にもありますとおり、一つは空中消火というものをどう開発していくかということでございます。この点につきましては、四十四年度から科学技術庁の特別調整費をもとにいたしまして、ヘリコプターによる空中消火の研究を消防庁の研究所が中心になって林野庁その他防衛庁とも協力して研究に着手いたしまして、昨年には久住高原におきまして消火の実験をやりました。その結果、ある程度間接消火といいますか、防火帯を設置するために薬剤を散布するということについてはかなりの効果をあげております。しかしながら、散布する機械あるいは散布薬剤の貯蔵あるいはそれをさらに実戦において用いる場合の薬剤を混合する機械の開発、あるいはヘリコプターからどういうふうな状況にまいたほうが一番効果があるかという点については、さらに研究を進める必要がありますので、本年度におきましてもその研究を継続することにしておるわけでございます。  また、その点についてさらに消防研究所としては、やはり先ほどの老齢化あるいは人員不足ということはある程度機械によってカバーしなければなりませんので、ここに小型軽量ポンプというのが答申の中に書いてありますが、現在でありますと、御案内のとおり、可搬式ポンプというのが一番小さいポンプでありまして、その一番小さいものでも大体八十キロ前後ございます。もちろんこれは二人でかついで搬送できるわけでありますが、ここに書いてありますように、たとえば二十五キロとかその前後の、もう少し軽いポンプの開発を考え、またこれを搬送するために、いわゆるスクランブラーというオートバイのようなものを一緒に開発して山林火災に使わなければならないということで、消防研究所におきましてもその点の開発に着手しておるところでございます。  いずれにいたしましても、御指摘のように、人員の少ない、あるいは山火事でありますと相当の人員を要するときに、初期消火体制として、あるいはある程度拡大した場合に防火帯を早急につくるという場合に、薬剤によってどういうふうなやり方が一番適当であるかという意味の空中消火につきましては、さらに今後研究を進めなければならないというふうに考えておるわけであります。  定員の確保の問題につきましては、先般もいろいろ御議論がございましたが、一面機械化による消防力の充実ということと相まって、消防職員自体につきましては、やはり処遇の改善あるいは厚生施設の充実というようなことを通じ、また消防団員につきましても、過疎地域につきましてはかなり減少しておりますし、あるいはおりましても、御案内のとおり、出かせぎ等によりましてある期間不在になりますので、そういうところにつきましては小型ポンプ車を部落単位に配するというようなことで、機械化と相まって考えていかなければならぬというふうなことでわれわれ施策を進めてまいる所存でございます。

桑名義治公明党

○桑名小委員 いろいろと人員の不足分については機械化で補っていきたい、それから山林火災については鋭意機械化の方向で解消していきたい、まとめますとこのようなお話でございますが、そういうふうにしてやってきたにしては呉の消火体制というものは非常にお粗末であった、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。今回のこの資料によりますと、一応百八台の消防車が出動をした、こういうふうになっておりますし、それからヘリコプターを一台チャーターした、この程度にすぎないわけでございます。そうしますと、この中には山林工作車とか、そういう山林用の消防の機具というものの出動は全然ないわけです。この呉の問題の前に、京都でも四人の消防署員の方がなくなったという事例があるわけであります。それで、この山林火災のこわさというものは皆さま方も十分に御存じのはずでございます。あるいは山林火災というものは、初期消火というものを怠ったならば、非常におそろしい結果が出てくるということももうすでに御存じのとおりでございます。そういった事柄に対応できる施設の立ちおくれが今回の呉の惨事を巻き起こしたというふうに言わざるを得ないわけでございます。アメリカやカナダあたりにおきましては、非常に大型な消防体制が組まれていると言われているわけでございますし、はたして消防庁が考えていらっしゃる森林火災消火に対してどの程度の実効をあげることができるかを考えると、私は非常にお寒い感じがするわけでございます。  こういったいわゆる大きなブロック別にでもこういう山林消火に対する整備を計画的に推進をしていく必要があるのではないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、そういった体制なりあるいは考え方が現在あるかどうか、その点をもう一度伺っておきたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 こういう山火事等が広域化するのに対しまして、その地域の市町村だけでこれを防備するということは、火事が大きくなれば非常に無理でございます。ブロック単位に持っていくかどうかということは別にいたしまして、少なくとも府県がどういうような任務を負うかということをまず考えてみる必要がありまして、すでに広島県におきましてはヘリコプターをチャーターすると同時に、ヘリポートあるいはそういうものを何地点かかなりつくっておりますし、それに必要な消火薬剤等を備蓄してあります。またこの報告にもありますとおり、自衛隊の出動を願うような場合が山林火災についてはしばしばございますので、その際に必要な資機材、チェーンソーその他につきましては、県において備蓄しておるというかっこうでございまして、そういう市町村ごとの体制とともに、広域的なものに処理するために県がそういうことをすでに着手しております。先ほど申し上げましたように、われわれのほうでも、やはり県が資材を備蓄するということで、府県の任務というものをある程度明確にしたらどうだろうかという気がいたしておるわけでございます。もとより実動活動というものは市町村消防が中心でありますけれども、それに必要な、いわゆる広域的に対処するような山火事あるいはコンビナートという問題になりますと、やはり府県がある程度資機材を備蓄するということを考えるべきものというふうに考えまして、本年から資機材のセンターの補助金として二カ所分計上した次第であります。  それ以上大きなものとして、ただいま御指摘ございました空中消火というようなことになりますと、それは現在府県でも持っておりますし、あるいは東京でもヘリコプターを持ちまして、実際の小さな火災や高尾の火災についてはヘリコプターで消火したという事例もございますが、もっと大きなものになりますと、たとえば御引用になりましたアメリカの場合には、御案内のとおり、連邦の農林省といいますか、そういうものがアメリカ全州を二分して空中森林消防隊というものを持っておるようでありますし、そういうものになりますと、私どもももう少し想を練っていかなければならぬ問題だろうと思っております。  そういう意味におきまして、少なくとも現在私たちは府県の任務をもう少し明確にして、そして少なくとも市町村消防が活動するときに必要な、あるいは常時は必要でありませんが、少なくともこういう山火事のような広域的なものになりました場合には、どうしても必要な資機材の備蓄というようなものをまず考えたい。それをさらにどういうふうに前進させるかということについては、もう少し検討させていただきたいと思っております。

桑名義治公明党

○桑名小委員 長官の言うお話もわからないことはないわけでございますけれども、いまお話がありましたように、昭和三十六年の京都の高雄、この場合は消防団員、署員が四名死んでおりますし、今回の場合には特に十六名という非常な悲惨な状態を起こしたわけでございます。そういった意味から、確かに各市町村段階あるいは県の段階で消防の薬品の備蓄やあるいは消防機器の充実をはかっていかなければならないのは、これは当然なことでございますが、それと同時に、もう二度とこういうふうな悲惨な事故を起こさないためにも、もう一歩踏み込んだ、大型な山林火災に対する施設というものを考えていかなければならないのじゃないか、こういうふうにしみじみと思うわけでございます。しかも、最近の状況を見てみますと、レジャーなどが非常に盛んで、山林に入る人数も多くなってまいりましたし、それに従いまして、たばこ、たき火の不始末といったことで、いままでの自然発火ということよりも一そう危険が増大をしておるわけであります。そして、最近は、自然保護という立場からもいろいろと論議が続けられている実情の中で、この山林火災を起こさないことは当然なことでございますけれども、起こった場合に即刻これに対応できる体制をこしらえておくということが、これは自然保護という立場からも、人命救助という立場からも最も大事なことではなかろうか、私はこういうふうに思うわけでございます。  先ほどから多少、アメリカあるいはカナダあるいはフランスのこういった問題を私は提起をいたしましたが、こういう設備を整える、こういう体制をこしらえるまでには、まだまだ着手の段階ではなくして検討の段階である、こういう実情でございますか。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 空中消火の段階は、消防研究所において四十四年から二年間やりましたが、まだ、それを実用化する、これならば絶対だいじょうぶだというような研究のところまで到達しておりませんので、そういう意味では、いまお話しになられたとおりでございますけれども、研究所としても、今年さらに研究を続けて、すみやかに実用化するということでこの研究を完成するように努力するということになっておりますので、御了承願いたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名小委員 実際に機械化というものは、長官はそういうふうにおっしゃっておられますけれども、非常におくれているというのが実情だろうと思います。今回の場合でも、可搬式消火器だけであった、あるいはヘリコプター一台をチャーターしただけであって、可搬式の場合でも、水の問題がすぐに問題になるわけでありますが、今回の場合でも、水を取りにいくまでには二十キロも離れておった、こういうふうなことを考えますと、せっかく消防車が行っても、水を補給するためには非常に時間を食うということで手間どって、ついにはこういうふうな火災になってしまったということも一応考えられるわけでございますので、この点については、財政的な問題がからんで、消防庁単独ではこの問題と取り組むにはあまりにもたいへんな問題だろうとは思います。そこで、消防庁と同時に、林野庁としてはどのように考えられておるか、この点をお聞きをしておきたいのです。

海法正昌林野庁指導部長

○海法説明員 ただいま御指摘ございましたが、林野庁といたしましては、消防庁とお話し合いをいたしまして、予防措置につきまして林野庁としては考えていく、消防措置につきましては消防庁のほうにお願いをするということで、お話をしているところでございます。  従来、予防措置につきましては、パンフレット、リーフレットなり、それから立て看板というようなものをやってまいったわけでございますけれども、最近、特にレジャーブームと申しますか、山に入る方が非常に多くなってきた、また道路網が整備をされまして、これによってまた山に入る方が多くなったということで、ただいままでは森林保険特別会計と国有林野特別会計でこの予防の措置を講じてきておったわけでございますが、四十五年度から一般会計においても予算を取りましてこれに対処してまいる。特に広くこの林野火災というものを知っていただかなければならぬということでございますので、広報活動につきましては、駅また車内、全国的に見ていただけるように広報の範囲をうんと広げてまいってきているところでございます。今後この点につきましてもなお一そう努力をしてまいりたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 ただいま御指摘のありました水の問題は、全くそのとおりでございます。私たちとしては、一つは林野用の防火水槽につきまして特別に項目をつくって補助対象にしておりますが、そのほかに、自然水利の問題、あるいは防火水槽につきましても、たとえば林野工作車には組み立て式の防火水槽も積み込んでいくというようなことで、林野工作車については、そういうものを含めたものをセットで林野工作車として補助をするというようなことで、自然水利のほかに、特別に防火水槽につきましても設置を促進して、特に補助対象にしているところでございます。

桑名義治公明党

○桑名小委員 そうすると、林野庁といたしましては、予防措置を一応考えているだけで、消火措置は全然考えない、こういう立場ですか。

海法正昌林野庁指導部長

○海法説明員 消火の問題につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、一応林野庁としては予防対策というものに力を入れる。それで、実際に火災が起きました場合は、国有林野に消防の自衛組織をつくってございますので、そういう面から御協力を申し上げるというふうにいたしております。山林火災が起きました場合の消火体制は、国有林においてはとってございます。

桑名義治公明党

○桑名小委員 それでは、この消防施設の充実については、財政的な問題が大きくからんでまいりますので、消防庁としてはこれ以上突っ込んで質疑するのも酷だと思いますが、いずれにしましても、お金がない、お金がないだけで済まされる問題ではございませんので、強力にこういう林野火災に対する対策を計画的に推進をしていただくことを要望して、この問題を終わりたいと思います。  次に、千葉の百貨店の火災の問題でございますが、ここにおきましても、死者が一名、さらにこれはいずれも軽傷となっておりますが、五十六名の軽傷者を消防署員の中から出しておるわけであります。これのおもな原因は、やはり最近の新建材から発生をするところのガスの問題が一番問題になっているのじゃなろうか、こういうふうに私は思うわけでございますが、この新建材のガス発生に対する処置をどのように現在研究を進められておるか、その段階をまず最初に御説明を願いたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 新建材の規制の問題につきましては、建築基準法及びそれに基づく諸法令によりまして、特に煙とガスの量を測定して、不燃材料あるいは難燃材料ということをきめまして、それで一定の施設につきましては必ず不燃材料を使わなければならぬ、あるいは難燃材料を使わなければならぬというふうに、建築基準法のほうで規制をしているわけでございます。  なお、これにつきます研究につきましては、通産省及び消防研究所並びに建築研究所におきまして、共同して研究をいたしまして、この基準の作成をし、そして実際は建築研究所のほうで認定をして、それを市販するということにあるわけでございます。  なお、この点につきましては、御指摘のように、新建材の煙による死者が多くなっておりますので、先般も建築関係の方々とともに、車内広告その他におきまして、こういうふうに表示してあるのだということにつきましてもPRしておるところでございますが、なお、技術的な問題につきましては建設省のほうからお答えをさせていただきたいと思います。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 ただいま消防庁長官のほうから御説明があったということで、概略尽きていると思いますが、なお一部をつけ加えさせていただきたいと思います。  従来は、新建材といいますか、特に煙を出す材料というものにつきまして、いろいろな試験方法をきめておりましたが、残念ながら燃える、燃えないというようなことを中心に規定をしておりまして、煙を出すということにつきましては、あまり大きな重点を置いていなかったわけでございます。約十年前から制限をかけておりましたが、特に最近中高層の建物が多くなったりいたしますし、さらに煙による死者が多いということがだんだんわかってまいりましたので、一昨年でございますか、試験方法を変えまして、どの程度煙を出すかということを非常に大きな重点といたしまして、試験方法を変えて、本年の一月一日から改正法を施行しているわけでございます。なお、この試験方法とか材料等は、そういった観点でございますが、今回お願いいたしまして建築基準法を改正いたしまして、適用対象を非常に大幅に広げているわけでございます。  制度的な内容は以上のようでございますが、実際上の運営といたしまして、先ほどもお話が出ましたように、何しろ一般の方にこういった材料があるということをよく知っていただかなければいけないということで、ポスターその他あるいは車内のつり下げ広告をはじめといたしまして、できるだけこういった材料を使っていただきたいというPRその他を極力今後ともわれわれ進めていきたい、こういうふうに考えております。  それからついででございますので、先ほどの千葉の百貨店の火事につきましても、何しろ非常に長く燃えたということも、これはちょっと前例がないことでございます。さらに死者もまことに残念ながら出ているということでございまして、われわれも建築研究所等それから当課の職員を派遣いたしまして調査をしたわけでございます。やはり焼けたあとでございますので、どういう材料をどう使っているかということがなかなかよくわかりませんが、建築基準法自身の違反はございません。何ぶん百貨店というものは、御存じのようないろいろな展示板からはじめ、特に今度の百貨店につきましては、十三日に大売り出しをやるということで、非常に多くの商品を運び込んでおったような状況があるようでございます。そういったことで、十分まだよくわかりません。軽々にまだ申し上げる時期には至っておりませんが、さらにわれわれといたしましても、今後煙の問題、そういうようなものに始まりまして、どういうふうにしたらいいかということとを研究課題といたしまして、千葉の例を種に十分検討を進めたい、こういうように考えております。

桑名義治公明党

○桑名小委員 今回の問題点の一つとして、そういうふうな問題もあるわけでございますが、いわゆる最近の建築を見てみますと、窓が非常に少ないわけですね。それがやはり今回の場合も消火の大きな障害になってきた、こういうふうに考えられるわけでございますが、こういった窓の少ない建築物に対して、どのように今後対処していかなければならないと思っていらっしゃるか、これが一つ。  それから、そういった場合に、消火設備の一つとしてスプリンクラーをつける、こういうふうにいわれておりますけれども、今回の火災が実証しておりますように、品物がたくさん入っていた場合に、スプリンクラーがせっかく回っておりながら、それが消火の意味をなさなかった、こういうふうなことも報道されておりますし、旧館にはその設備がなかった、こういうふうにもいわれているわけでございます。そうしますと、今後のいわゆる消火設備の中で、そういった窓がないような建物について、スプリンクラーがついているから安全だ、こういうことはもう言えないような状態に追い込まれたのじゃなかろうか、そういうこともまた示唆したのではなかろうか、こういうふうに私は思うわけでございます。この点についてどういうふうにお考えになり、今後の対策としてどういう対策を立てようとお考えになっているのか、その点について伺っておきたいと思います。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 今度の千葉の百貨店の火災におきましては、確かに可燃物がたくさんございまして、また窓をつぶしまして——つぶしてと申しますか、窓の部分にも飾りだな等をつけまして、実際に採光できない。あるいは外から消火ができないような状態になっているのが現状でございます。このような建物は現実には窓があることになっておりますので、消防用の設備の関係といたしましては一般の建物と同じような規制が働いておりますが、窓のない建物あるいは窓が非常に少ないものに対しましては、外からの消火ということが非常に困難でございます。それで、消防用設備のいわゆる火災を感知します施設、それからスプリンクラー等の火を消します場合の設備、これの設置の義務を非常に一般よりも小さい面積から加えることにいたしておりまして、何しろ中で消す方法をとりませんと、外からの消火は非常に困難であるという考え方でさような措置を講じております。  またスプリンクラーの設置につきましては、今回の建物の第四期の工事、俗に新館と呼んでおります部分につきましては、四十三年の工事でございまして、スプリンクラーはついていたわけでございます。それを除きました旧館部分についてはスプリンクラーはついておりません。これの設置につきまして消防側が盛んに要請をしていたのでございますが、計画中であって、そのうちにというので日にちを延ばしてきたわけであります。ただ、この場合、スプリンクラーがついていますところで火災が起きたならば、自動的に散水しまして消えたであろうと思われますけれども、スプリンクラーのないところから火が出ましたものですから、自動消火ができないで、スプリンクラーのある部分に延焼して、非常に大きな火となって延焼してきましたので、スプリンクラーがこの場合役に立たなかったのであります。  今後の対策としますと、設置を早急にしていただくことのほか、設置するまでの間にも、その間に防火の壁、シャッター等の火炎が延びない措置を何らか指導してつけさせる等のくふうを考えていきたい、かように考えております。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 千葉の百貨店の火事につきましては、われわれとしても非常に新しい経験を得たわけでございます。あの建物は、先ほどもお話がありましたように昭和四十三年に最終的にできているわけでございますが、そういった点ではそれまでの法規には全部適法になっているわけでございます。  たまたまいま出ましたような問題で、特に煙の問題でございますが、今回の法律改正では、御指摘のように、非常に窓が少ない建物、そういったものがふえておるわけでございます、そういった意味で、排煙設備等のいろいろなところを強制するような内容になっておりますが、建築基準法のたてまえとしては、従来からある建物には即適用しないという形になっております。残念ながら、いまの千葉の百貨店につきましては、そういった排煙設備がついていなかったという点が一つございます。  それからもう一つの特徴といたしまして、これも現地の調査の結果だけでございまして、まだ図面その他でいろいろ照合をして検討しなければいけないわけでございますが、従来の規定からいきましても、防火区画を設置するというふうな形になっております。一定面積をとるとか、あるいは階段下等につきまして防火区画を入れる、こういうふうな規定になっております。防火区画がある程度まで有効に働いていたのじゃないかというような形跡が見受けられます。したがいまして、全般的には、ある意味で薫焼火災といいますか、非常にくすぶってずっと燃えていったというふうな傾向があるわけでございます。逆にそのためには消防の方が非常に消すのに御苦心なさったようでございますが、建築的に見ますと、空気の流通が悪いために火災の温度自身は非常に低いというふうなことでございまして、建物はある意味で多少の手直しで再使用ができるのではないかというふうなこともございます。ただ、基本的には何といってもこれからわれわれの重点としてはやはり排煙設備をいかにつけていただくかということが一番問題になってくるだろうと思います。  それからついでにもう一つ申し上げますと、今回の法律改正でございますが、百貨店等をはじめ、そういった特殊な建物につきましては定期的に一定の技術者に検査をしていただきまして、それを役所側へ報告をしていただくというふうな形で、従来は、どちらかといえば、つくるときだけに力が入りまして、それからあとの使い方につきましてはあまり目が届いていないという欠陥があるわけでございます。こういった点も、建物に使われるという長い間におきまして一定の時期ごとに査察なりそういった調査を十分徹底していきたい、こういうふうな態勢で考えているわけでございます

桑名義治公明党

○桑名小委員 まだ聞きたいことがたくさんあるわけですけれども、時間の関係もありますし、あしたもまたできるそうでございますので、あしたに移したいと思います。  いまのお話の中でもう一ぺん確認をしておきたい、お尋ねをしておきたいのは、旧米の建物については建築基準法が適用しないという御答弁なのですが、これはどういうところが適用しないのか。  それからもう一点は、先ほど申し上げているように、初期の消火についてはスプリンクラーが作動すれば何とか消し得たのではなかろうかという可能性のお話があったのでありますが、しかし、一たん火事が本格的な火事になった場合に、窓やいろいろなものがない、あるいはまたスプリンクラーだけでは消火のいわゆる実効をおさめることができない、こうなってくると、窓がないために、本格的な火事になった場合にはそういったところには消火のしようがないというような事柄が今回実証されたわけです。それから昨年だったですか、一昨年か、宇都宮の百貨店が焼けました。  こういう大型な建物の中で、しかもたくさんの人を収容するような建物については、これは十二分過ぎるほどに消火体制というものは確立しておかなければ被害が非常に増大してくるのではないか、また悲惨な状態が起こり得るのではないか。今回の場合は夜中でありましたし、休みであったために死者も一名で済んだことでありますけれども、これがかりにまっ昼間であって、こういうような状態が起こったならば、それこそ悲惨な結果が起こったのではなかろうか、こういうように思います。そういった立場から、建設省といたしまして窓ワクのないようなそういう建物について今後新しく考えていく必要があるのではなかろうか、こういうように私は思うわけでございますが、その点についてお答えを願いたいと思います。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 御説明を多少省略をして申しわけございません。既存の建物といいますか、そういったものに適用がないというのはごく原則でございまして、既存の建物につきましても、特に危険なものにつきましては役所側が命令を出して直させる権限は持っているわけでございます。そういったことで実は千葉の百貨店につきましてもある程度まで、この三月に千葉市で査察をしておりまして、大体そう大きな問題はないのじゃないかということながら、幾つかの指摘をしております。そういったことで原則的には適用がないという形になっております。  それからスプリンクラー云々の点は、実はこれはこちらのほうでございませんので、消防法の関係でございます。これは省略させていただきます。  特に窓なしの建物につきましては、従来とも、ことばは非常に変でございますが、われわれとしてはある意味で一番危険な状態におちいる可能性のある建物だということで、目のかたきにするくらいやかましいことを言っていたわけでございます。したがいまして、初めから窓がなければ、従来ともある程度の排煙とか、それから内装の防火的な仕上げとか、避難とか、そういったことを非常にやかましく言っているわけでございます。それで問題は、今回の百貨店のように、建物としては窓がある、ところが実際上はいろいろ展示板その他で窓がないのと同じような状況になっている。こういうケースが相当見受けられまして、法律的にはいわば一種の、どちらかというと、不完全なところを逃げていくという傾向が非常に多いわけでございます。したがいまして、われわれは、先ほども申し上げましたような定期検査とか、そういったことも一つの重点でございますが、さらに今回の法律改正でも、無理をして窓をあけるということよりも、初めからもうあまり要らないものはなくていいじゃないか、そのかわり、ないものにつきましては、十分な排煙とかそういったものをやっていただくというふうなことで法律改正をしたわけでございます。そういった点はこれからも、特に窓のないということは一番危険なものでございますので、十分徹低をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 スプリンクラーの点についてお答え申し上げます。  スプリンクラーの設備と申しますのは非常に古い歴史を持っておりまして、イギリス及びアメリカ等では、ビルの消火設備というとほとんどスプリンクラーでございます。そういうような過去の、外国におきましてもまた国内においても発生いたして実効のあがってきた実態から申し上げまして、スプリンクラーが全館についていたならば——これはピッチが大体ヘッドとヘッドの間隔が二・一メートルくらいでついております。これが全部ついていたならば、その発生した火災だけでとどめ得ただろうと思うわけでございます。特に窓のない建物あるいは百貨店のような人の多く入って消火活動が非常に初期消火のしにくいところでは自動消火にたよらざるを得ませんので、消火せん等を振り回しておりましても、なかなか有効なことができません。今後ともスプリンクラーの設置は、いまだ設置されていないところも、義務上設けなくてはならないところはできるだけ早く設けさせるように指導していきたいと考えております。

桑名義治公明党

○桑名小委員 では終わります。

古屋亨自由民主党

○古屋小委員長 門司君。

門司亮民社党

○門司小委員 一、二お聞きしておきたいと思いますが、一つは林野庁に聞いておきたいのですが、山火事は防止しようとするとなかなかむずかしい作業であることは、われわれもよく知っております。一番予防策としては、防火帯をどうするかということであります。いわゆる山の尾根に防火帯をまず一応ずっととるということは、昔からそういうことになっておる。そこで問題になりますのは、一体これについてどういう処置をとられているかということ、それから大体防火帯の一つの区画というものはどのくらいの面積を一体定められているかということ、林野庁に何かこういうものの規定があるなら、この際教えていただきたいと思います。

海法正昌林野庁指導部長

○海法説明員 通常、防火線と申しますが、防火樹帯それから防火保安林というようなものが山火事の場合に非常に有効であるということは確かでございます。それで、制度的に防火保安林というものがございまして、これはいわゆる難燃性の木で二十メートルくらいの幅の樹林を残すわけでございますが、これが一つ制度としてあるわけでございます。現実に防火保安林というものが全国で四百余町歩ぐらいございます。それから防火線、防火樹帯につきましては、国有林におきましては尾根筋の所要なところに防火線をつくりまして、また防火樹帯につきましては、これも伐採の場合にこういう樹帯を残すというふうに計画しております。ただ、防火樹帯につきましては制度的なものはございませんが、山火事というものは特に乾燥期におきましては非常にあぶないものでございますので、多発地帯その他については今後ともこういうものを残すように指導してまいりたいと思います。  ただ、民有林の場合におきましては、ことに所有が零細であるということが一つございます。二十メートルなり四十メートルなりの幅のものを残すということは、これは非経済林になるわけでございますので、現実の問題としてはなかなかむずかしいものでございますけれども、火災頻発地帯その他については極力指導してまいりたいと考えます。

門司亮民社党

○門司小委員 一向わからぬのですが、山火事には二つありまして、山林だけが焼けるのと、民家を襲うという非常に危険な状態が発生してくるのと二つあるのです。そこで、一つの対策としては、民家と山林との間にどれだけの防火帯を設けるか、どのくらいあいておれば一応火は防げるか。それから山林と山林の間に大体どのくらいの広さ——それだけみなあいてもいいというわけではありません、木を植えなければなりません、山林の効果というものを考えないわけにいかない。これと火災というものとのかね合わせであって、どのくらいの防火帯を設けておけばよろしいかということはどこかに基準がなければならぬと思うのです。いまのように国有林はこうだああだという、国有林のほうについてはいろいろの問題はあるでしょうけれども、問題はやはり民有林です。そこで、そういうほんとうの防火帯がやはり必要だ。たとえば二十メートルなら二十メートルを取ってしまう、火災のときにはここで押えるんだというような計画性のものがあって、そしてそれが民有林であった場合には、この地域を買い上げるというようなことまで国がやる必要がやはりあるのではないか。たいしたお金じゃないのであります。山に木がはえていれば木の値段は非常に高いのでありますけれども、地価は非常に安いのであって、それほど大きな国家の負担にはならないと思う。やはりそういうことは考えられなければならない。  私がなぜそういうことを言うかといいますと、そういうものが山火事を押える一つの大きな心理的な影響を持つのであります。皆さんのほうでいま立てられておる、火の用心をしてくれとか、たばこはやめてくれということは、刺激を与える、注意を促すという意味だけれども、山の外から見ても、これは防火帯だ、あそこの間で火事になったときには押えるんだという印象を国民に与えれば、自然とたばこの吸いがらを捨てるとか、あるいはたき火を粗末にするというような心理がなくなると思うのです。火災というものはそういうふうに心理現象が非常に大きいのです。その面から見ても、前に申し上げましたように、ある程度の区画を限った一つの計画性というものがなければならないと思うのです。焼けたあとでああでもないこうでもない、水が近いとか遠いとか言っても間に合わない。水というものは最初からあるところとないところときまっているんだ。  もう一つ考えなければならないことは、これは震災のときなどを特にじっくり考えなければならぬ、山火事のときには特に考えなければならない。空気が乾燥しているとか、いろいろな理屈はございますけれども、火災の熱から来る異常な気象が発生することは容易に考えられることであります。したがって、普通の常識では考えられないことが大きな広い火災になってくるとあるわけであります。呉の火災もそういうことだと思うのです。専門家の消防隊が中に入っているのですから、十八人というような大きなまとまったような死者を出すようなことは普通ならなかったと思うのです。やはり異常気象が発生して、風の方向がどういうふうに変わったかというものがそこにあると思うのです。たつまきみたいなものが起こりがちであります。そういう場合には北風が急に南になってみたり、あるいは東になるというようなことは往々にしてあることである。火災を考える場合には常識的に考えなければならぬことだ。そういう面に対する配慮がなされないでおいて、あとからああでもないこうでもないと言っても、いまの話を聞いていると、みな言いわけみたいなものです。言いわけしたって、人間の死んだのは返ってこないですよ。  林野庁はどうなんです。いま申し上げたようなことはきわめて簡単にできるとは私どもは考えておりませんけれども、方向としては一つの山塊なら山塊についてはこのくらいの防火帯を設けておけばよろしいのだ、これにはこういうものが必要だというようなことが考えられませんか。

海法正昌林野庁指導部長

○海法説明員 どのくらいあったら火がとまるかということは、これは地形にもよりますけれども、大体防火帯、防火線の幅は二十メートルないし四十メートルというものを、つくります場合にはつくります。また防火樹林を残す場合には、大体そのくらいの幅のものでつくっております。  それからまた今後地方におきまして森林計画を県で立てます段階におきまして、先ほど申し上げましたような理由で、民有林につきましては非経済林をつくるということはなかなかむずかしいと思いますけれども、森林の火災の多発地帯については極力そういうものを考えていくというように指導してまいりたいと考えております。

門司亮民社党

○門司小委員 私は、指導するというよりも、山林火災についてはもう少し積極的な姿勢を持ってもらいたい。ことに最近における山林は、終戦後から見れば、幾らか山の形をしていて——山の形というのは、私は木のはえていることを言うのでありますが、山林として価値のあるような形になりつつあります。でありますから、いまのうちに早く予防対策を立てておく必要がありはしないかということです。そうしないと、日本の山林資源が事実上はだんだん失なわれつつあるということは何といっても言えることであって、こういう問題はやはり建設省、林野庁では考えてもらいたい。  それから建設省の諸君に一応聞いておきたいと思いますのは、建築と消防の関係です。千葉の火事なども、窓がなかったというのですが、窓のないような家は建築で一体許可しているのですか。その場合に、火災の予防はどのようにするかということは考えているのですか。これは消防庁と両方に聞きたいのです。大体家に窓のあることはあたりまえであって、窓がなければならないということに考えても差しつかえないと思う。窓のないような家は、建築のたてまえからいけば、あるいは一つの体系があるかもしれない。しかし、火災の場合、非常的の場合ということを考えると、学問的には、煙が出たらその煙がどこか上のほうに上がって逃げられるように、煙の逃げる場所をこしらえておけばいいんだという理屈が立つかもわからないけれども、中でどんな事件が起こるか、どんなことが起こるかわからない。もし中に人間がたくさんいてごらんなさい。外から救い出すことはできない。外に逃げることはできない。きわめて限られた範囲でしか行動できないということはきわめて不自然であります。この不自然な姿を消防庁のほうもそれでよろしいと言ったのか。建設省もそれを認めたのか。これは一体どっちなんです。そういうことが妥当かどうかということです。建設省から先にひとつ御答弁を願いたいと思いますが、窓のない家を建ててもよろしいのか。中で非常事態が起こっても、決して災害が起こらないという保障がされて許されておるのかどうか。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 従来は実は窓のない建物、床面積当たりに一定の窓というもののないものは許されていなかったわけでございます。例外的にたとえば映画館とかあるいはフィルムの製造工場とか、光が入ったら困るというようなところ、これは別といたしまして、建築はだめでございます。それが先ほど申し上げましたように、特に百貨店なんかが一番いい例でございますが、あれはどうしても相当大規模な、いわば四角な建物になる。したがいまして、実際問題として窓をとるということが非常にむずかしい。そういったところがある意味で法律の抜けをねらいながら、形式的には窓をとる。実際上はいろいろな展示場その他でふさいでしまうというふうなことがほとんどなかなか押えにくい。こういうことがございまして、窓がなくてもよいのを今度は相当大幅に認めるということで、自然採光とか窓の関係をある程度までゆるめたわけでございます。   〔小委員長退席、野呂小委員長代理着席〕 そのかわり、窓が一定の面積より足りないものにつきましては、排煙設備を中心にいたしまして、そのほかにたとえば消防の進入口、これは消すために入る口、それからいまの非常用の照明でございます、こういったことについていろいろ手当てをしましたのが今回の法律改正でございます。この点につきましては、実は基準法の法律あるいはそれに基づくいろいろ具体的な基準につきましても、消防のほうも非常なお世話になりまして内容をきめた次第でございます。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 窓のないあるいは窓の面積の小さい建物につきましては、消防側としましては、現場活動あるいは避難の問題からいたしますと、確かに好ましくないものでございます。しかしながら、現在の状況を見ますと、先ほど建設省の課長からお話ございましたように、次第に状況が変わってきておりますのと、さらに空調が行なわれまして暖冷房が普及してまいっております。そのために窓というのが外気を入れる形でなくなって、はめ殺しの形と申しますか、このような形にだんだんなってまいりまして、現実に窓がありながらもあかない窓という傾向が非常に強くなってきております。これらのものに対してまだ十分な措置がなされていないうらみはございますけれども、先ほどお話しございました消防隊の進入口を新たに建築基準法の改正で入れること、それから先ほど申しました窓のない建物について、火災の感知及び自動消火という面での消防用設備の強化、それからさらに現実問題といたしますと、階段を使って避難いたさなければなりませんので、その階段の安全性の確保等の措置を指定いただいておりますので、これらのものを総合いたしますと、多少の不安は残らないわけではございませんが、現状からいたしますと、窓のない建物ができてき、またそれに対する対策としてはやむを得ないと申しますか、ほぼ適当に近い対策を講じていると考えております。

門司亮民社党

○門司小委員 とんでもないことを言う連中ですね。人間の命が大事か物が大事かということです。あなた方、消防の施設があるから、たとえば水があるからと言うけれども、地震になると水道はとまりますよ。水が出ませんよ。水が出ないことはしばしばあることである。ほとんど毎日といっていいほど東京都内でも水道が何時間も断水するということがいわれておる。こういう場合でも消火せんだけは確保しているという一応の言いわけはあると思う。しかし、実際問題としては水道がとまる危険性があるのですよ。かりに震災があったとすれば、いつまでも水が出ているわけじゃない、電気もとまるのですよ。その場合は一体どうするのですか。人間の命を大事にするということは、そういうことが配慮されていなければならぬ、万一の場合が配慮されていなければならぬ。消防の職員の入る口があればいい——それは消防の職員は入れるかもしれぬが、中の人間はどこから逃げるのか。佐藤総理は年百年じゅう口のすっぱくなるほど人命尊重、人命尊重と言うけれども、その佐藤総理のもとにある諸君が人命軽視もはなはだしいですよ。人間の命を守ろうということが政治の最大の問題である。それを忘れて、かっこうがいいとか、あるいは窓のあかないようなものがあるとか、あるいはクーラーがあるとか、暖房の設備があるとか——いまだってクーラーが多過ぎて変な病気がはやっているということもいわれているでしょう。一体どういうわけですか。私は、消防はき然とした、人間の生命と財産を守るのだという立場からすべてを考えるべきだと考えておる。いまの資本主義社会では、物の利益を得るためには人の命はどうでもいいといったら企業家の諸君はおこるかもしれぬが、往々にしてそういう形の観念の上に仕事がなされておることは否定できないと思う。その場合に、人の命を守ろうとする大きなポイントは消防の仕事だ。今度の場合でも、山火事を守るために消防の職員が十八人死んでいるのです。これらの諸君は職務に殉じているのです。しかもそれはみずからの利益ではない。消防職員が出入りするような穴があいているからよろしいのだということになれば、中に入った消防職員が出られなければ、どうするのですか。私はもう少しこの問題は真剣に考えてもらいたい。私は消防がもう少し強くなってもらいたいと思う。  震災のときに水がとまったらどうするつもりですか。その予防の措置がありますか。電気がとまったらどうするつもりですか。なるほど自家発電があるのだという。そういう場合に電気がとまったら、自家発電でこうやるということは、そこらのビルや地下街に行けばそれだけの設備があることはよく知っております。しかし、それが動くかどうかということです。日本のようにわりあいに地震が多い国、しかもたびたび地震の経験のある国、こういうところの建物というのがそういう危険性のないところにある建物と同じであっていいという理屈はどこにも成り立たぬと私は思う。もし大正十二年くらいの震災があったらどうなるかということをときどき新聞や雑誌でいろいろ書かれておりますが、私どもないとは言えないと思う。その場合に今日の状態を考えてごらんなさい。一体人間がどれだけ死ぬか、どうなるのかということであります。消防車がどれだけあっても道は走れなくなります。日本にはまだたくさん架線がありますし、道路標識のようなものがたくさん立っている。ああいうものは倒れると見なければならぬ。消防車がどれだけ走れるか、この狭い道で一台走れなければ、そのあとのが乗り越えて行くわけにはいかないから、すべての機能が停止したときに一体人間の生命をどう守っていくかということを、少なくとも火災に関係のある消防署としては考えておく必要がありはしないか。  建設省の人も同じことであります。先ほどから言われておりますことを聞いていて、きわめて奇怪なことが一つあるのであります。たとえば建材等についても、こういう建材がよろしいのだということで、ポスターその他で宣伝しているということを言っておりますが、広報宣伝機関は国も持っているでしょう。県にも県の広報課があり、市町村にも市町村の広報課があるでしょう。なぜ役所を使わないのですか。全戸に配布している、店に掲示するとか、ポスターを張りつけるとかいうのと全然違う性格を持っている広報宣伝機関を国は持っているわけであります。それをどうして利用できないのかということです。  ほんとうに人間の命を守るというたてまえからすれば、消防活動等については、さっき申し上げましたように、真剣に考えてもらいたい。それは社会の抵抗はあります。たとえばわれわれがずっと前から考え、自治省も考えておったのだが、消防の施設の充実のために特別の税として消防施設税を設けよう。そうして火災損害保険会社はもうけ過ぎておるのだからここから少しもらったらどうか。しかもこれは不特定の人から集めた金が特定の人の所有になっておるということである。いわゆる火災保険の掛け金はかけ捨てでしょう。生命保険は幾らかけてもその人の財産ですから、たいした問題は私はないと思う。火災の場合は、かけ捨てになった不特定多数の人の積み立てたお金が、特定の人の利益になるということが一体よろしいかどうかということである。こういうふうな理屈は別にいたしまして、少なくともそういうものは必要ではないかということを考えるのだが、これも損保協会の圧力に屈してと言ったほうがいいと私は思うのだが、なかなか実現をようしない。だとすれば、自治省の中にあるものは——自治省の中にあるわけではありません。消防庁というのは独立したような形を示しております。形をしてと言うと長官はおこるかもしれないけれども、外から見ておると、何か一つの形程度にしかなっていないと思うのだが、独立の役所として、もう少しき然とした態度がこの際必要ではないか。そうしないと、どう考えても、いままで長い間こう火災がたくさんあったのだが、火災の一つ一つを分析してみると、あとからああでもない、こうでもないということで、そうしてこの場合はやはり言いわけがされておる。長官のほうでも取りつけることは勧告しておったのだという言いわけは、あなた方の役所の言いわけとしては成り立つ。しかし、一般にはこういうことはあまり通用しないことなんですね。被害を受けた者、死んだような人から考えれば、そのようなことを幾ら言われても、役所の責任のがれの、一つの遁辞と言うとおこるかもしれないが、遁辞にひとしいことであって、これはどういうわけなんです。もう少しき然とした態度はとれませんか。  今度出ている法律を見てみても、これはあした審議がされるので徹底的にやらなければならぬと思っている一つのことですけれども、こういう危険物をどうこうと書いてある。ところが、現実にいま問題の、私がどうしても考えてもらいたいのは、火薬を輸送しているのが、十年くらい前になるかと思いますが、神奈川、横浜であった火薬の爆発事件を中心に、火薬を運ぶのには赤いシートをかけて、だれが見てもこれは火薬ということがわかるようにしてもらいたい。大体きまっておったはずですが、今日市中を歩いていて赤いシートをかけた車はほとんど見ない。一切の火薬は運ばれてないのかというと、私は必ずしもそうではないと思う。火薬をこしらえている会社から出ている品物は大体火薬と見たほうが私はよろしいと思うのです。こういう役所のその場その場の言いのがれと、その場その場の処置だけで、役所自身がそういう規定を守っていないというところに問題がありやしないか。  これ以上私はきょうは聞きませんけれども、一体建設省もどうなんです。ほんとうに真剣にお考えになっているなら、どんなに財界の圧力があろうと何があろうと、やはり自分たちの仕事というものの中から、人間の生命を守るという考え方からすれば、私はある程度の大いに強い姿勢が望ましい。建材が人の生命をなくして、そして火災における人命を傷つけておる一つの大きな原因だということがわかるならば、そういうことを除去することのためには、財界が何と言おうと、だれが何と言おうと、やはりき然とした態度——いまあなたにそんなことを言っても始まらないと思う。これは建設大臣に言うべきことばだと思うのですけれども、ひとつ事務当局としてもそのくらいの気概を持ってもらいたい。そうでなければ、ここでどんなに議論しても、火災からくる被害はなくならぬですよ。  だから、どうなんです。最後に聞いておきたいと思いますけれども、そういうことで一体腹をきめてやられるかどうかということなんです。そうしないと、どんなにここで協議をしたって、ほんとうに枝葉末節のことであって、実際上の問題の解決にはならぬと私は思うのです。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 卸趣旨の点は全く同感でございまして、実は今回の法律改正も、特に建物の防災基準につきまして、火災を中心にいたしまして人命の安全ということを中心にやったわけでございます。もちろんこまかい問題としましては、何の事故が起っている建物であるから事故を鎮圧しなければならぬ、第三者に迷惑をかけてはならぬとか、いろいろ問題があります。しかし、基本的には人命の安全尊重というふうなことでございまして、極端な言い方でございますが、人が逃げ出したあとだったら、少しは建物が焼けてもいいじゃないかというような議論までしたわけです。この点では実は消防庁と一緒にスタートするときに、最初から意見が一致してやったようなわけであります。したがいまして、今回の改正は、こまかく申し上げるとなかなか時間もたつわけでありますが、実は建築界全体につきましても、従来の建築の設計態度ががらりと変わるというふうな意味で、相当の問題を巻き起こしておるような状態でございます。しかし、われわれは先生のおっしゃるところに全く同感でございまして、結果的には必ずしも行き足りないところがまだまだあると思います。しかし、今後ともその方針でぜひやっていきたい、このように考えております。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 ただいま門司先生から御指摘がありましたところでありますが、消防庁として、確かに率直に言いまして、姿勢において十分でない、つまり先生が強くなれとおっしゃられましたが、そういう点は私は痛感しているところでございまして、たとえば建物等の問題にいたしましても、レイアウト自身について、温泉街なんかのがけぶちに建っておるというような場合の避難というものをどういうふうに事前に考えるか。そういう意味では、人命を守るという点から、消防としてもレイアウトの段階からタッチしなければならぬという考え方を強く持っておるところでございます。そういう意味合いにおきまして、ただいま御指摘がありましたような点を十分戒心いたしまして、こういう問題に対処していきたいこういう考え方を申し上げておきます。

門司亮民社党

○門司小委員 時間も来ましたが、これだけは念を押しておきたいと思うのですが、消防施設が不十分であるということはだれも知っておる。みな認めておる。それを十分によくしようとするなら、やはり財源の問題が非常に大きな問題だ。  だから、ひとつ委員長に頼んでおきたいと思うのだが、この次の委員会には大蔵省にぜひ来てもらいたい。そしてやはり消防が要求する予算というようなものについて、あまり斧鉞を加えてもらいたくないということを考える必要がありはしないか。  もう一つは、これは長い間の懸案といえば懸案にはなっておりますが、先ほどの消防の充実のために、特別の目的税を設けることがいいか悪いか。私どもはこれは設けなければならないと考えておるし、自治省もかつては二回くらいは立案したと私は聞いておるところである。そして消防自身がもう少し何か昔の火消し——ことに観念の上からいえば、これは昔は火消し人足といっておったのですからね。人足ということばがどういうことばの意味を持っておるかということは、大体考えればわかるのですが、非常に大事な仕事をしておる者に対して、そういうことばを使っておった時代があるのでありますが、そういう観点から考えると、この辺でもう消防に関する観念というものを変える必要がある。消防こそ最も大きな、平和の時代における生命と財産を守るものは消防であるということである。人殺しの大きなものは戦争であります。その戦争をなくする。戦争がなくなった次の段階における人間の生命と財産を守るということは、やはり消防の施設であるということが私は言えようかと思う。なるほど人が人を殺す刑事的の殺人事件というものはある。しかし、これは人が人を殺すということである。これらの問題は別の問題である。一つの制度の中で、ほんとうに平和なときに、最も人間の生命と財産を守る一つの役所というものは消防以外にはないのである。したがって、世の中が平和にだんだん移行していこうとする中で、その中にはもう戦争なんというものは頭の中に置かない。その次に人命尊重の機関というものは消防以外にはない。私は自治体はそういう概念を切りかえる時期だと思っておるのです。そうすると、消防の価値というもの、消防の存在意義というものが、どういうものであるかということがだんだん出てきはしないか。ことに日本のように地震のある国と考えられているところ、それからいま建物としてもきわめて可燃焼的の建築物の多いというところ、このわが国の今日の現状を見れば、何といっても今後の一つの大きな問題は消防の充実である。そのことが国民全体が安心して住める社会をこしらえる一つの大きな考え方だ。こういう大きなことを言ったようですけれども、私はそう考える必要があるのじゃないかと思うのです。だから、消防庁においてもやはりそういうことをひとつ考えてもらいたい。  それから、くどいようでありますが、さっき申し上げましたような財源をどうするかということ等についても、私はお互いに真剣に相談をする必要があると思う。だから、そういう意味で、ひとつ委員長にお願いをしておきたいと思いますことは、次の委員会にぜひ大蔵省の諸君に来ていただきたい。そして、財源の問題等についてもこの法律を通すまでの間において大蔵省の意見というものをやはり十分われわれは聞きただす必要——必要というよりも、これまた義務だと言えばおこられるかもしれませんが、当然の私どもの責務としてそこまで話をしておきたいと思いますので、ぜひひとつ大蔵省の、大臣が出てくれれば一番いいのでありますけれども担当の少なくとも主計局の次長くらいまでは出てきてもらうように要請をいたしまして、私の質問をきょうは終わります。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂小委員長代理 この際、小委員長から申し上げますが、本小委員会は、二月十八日第一回の小委員会を開会いたしまして以来、本日まで三回開きました。その間、消防庁から、昭和四十五年中及び本年における火災の概況、消防費の現況とその仕組み、消防法改正案についての参議院における質疑事項、その他消防行政の当面する諸問題等について説明を聴取し、また門司委員からは、明治中期における民間火災保険会社の消防組織等についての貴重な資料の御提出とその説明を拝聴するとともに、広範多岐にわたって熱心に調査を進めたのであります。調査の過程において論議されましたおもな事項を申し述べますと、次のとおりであります。  その一は、消防体制の常備化と広域化に関し、常備消防の今後の展望、広域市町村圏における広域消防の現況、府県における消防のあり方等についてであります。  その二は、消防団員の確保と処遇に関し、消防団員確保のための対策、過疎地域等における消防力の実態とその対策、特に学校火災に対処するための学校消防の訓練の推進、婦人消防隊員に対する出動手当及び公務災害補償の適用問題、消防団の装備の近代化の必要性、近代消防に対する意識向上のための指導、消防報償制度及び生存者叙勲制度のあり方等についてであります。  その三は、消防施設の整備強化に関し、消防ポンプ自動車等の普通消防施設、化学車、はしご車等の科学消防施設の拡充強化、特に地域的特性に応じた整備強化の必要性、自家用自動車に対する消火器の設置及び消火器の使用方法の検討等についてであります。  その四は、特殊災害及び非常災害に関し、危険物施設の激増、石油コンビナート地帯の発達、高層建築物、地下街の増加等に伴う特殊災害に対処するための科学消防力の増強はもとより、新建材についての規制、避難施設等防災体制の整備について、また林野火災の増加に対処するため、出火防止、消火活動に必要な施設器材の整備、消火技術の研究開発等の対策について、さらに港湾における防災体制の再検討、大震火災等の非常災害に備えての防火帯、水利施設、避難路等の計画的整備対策、消火器設置についての国の財政措置のあり方、パイプラインの耐震対策等についてであります。  その五は、救急業務の拡充強化に関し、市町村の救急体制の早急な確立、救急医療機関の整備と地域的不均衡是正、列車による人身事故に際しての救急搬送についての指導等についてでありますす。  その六は、消防財源の充実に関し、社会経済の要請にこたえて市町村消防力の増強をはかるため、消防力の基準の改定に対応しての消防財源のあり方、地方交付税の基準財政需要額の積算基礎の再検討、国庫補助基本額のあり方及びその引き上げ、消防関係起債のあり方、損保債の利率の引き下げ等のほか、特に消防施設の整備、消防関係起債について、損害保険会社等に依存している現況についての適否、消防施設整備のための損害保険会社に対する目的税創設の検討等についてであります。  以上が現在まで行なわれましたおもな論議事項であります。  本小委員会といたしましては、今後引き続いて消防の諸問題検討のため、閉会中においても本小委員会を設置し、その調査を進めたいと思いますので、さよう御了承願います。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十六分散会

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