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65回国会衆議院1971/04/27

地方行政委員会交通安全対策特別委員会連合審査会 第1号

発言数
114
登壇者
14
会派数
4
開催日
1971/04/27

会議録

菅太郎自由民主党

○菅委員長 これより地方行政委員会交通安全対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 本案に対する提案理由等は、すでにお配りしてあります資料により御了承願います。  質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  なお、質疑者に申し上げますが、申し合わせの時間に御協力を願います。また、政府側の御答弁も簡潔にお願いいたします。  小峯柳多君。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 これは警察庁の方に聞いたほうがいいのじゃないかと思いますが、きのうから新宿交差点でスクランブル横断というのをやっております。私はたいへんいいアイデアだと思うのでありますが、あれをやるための法的な手続といいますか、たとえば公安委員会がきめて警視庁がやるのか、あるいはそこに警察庁が一応かむのか、そこら辺のところを一応聞きたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 都道府県の公安委員会がきめることでございますが、警視庁が春の安全運動でやり、学校の近くでやり、今回の新宿でやります分につきましては、私どものほうに相談もあり、けっこうなことだということで、私どもも相談に乗ったということでございます。原則としては都道府県公安委員会がきめる、こういうことでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私はなぜこんな質問をするかといいますと、今度の道交法の改正の中にうたっておる交通管理の面で、すでに部分的に実施されているようなものがかなりあると思うのであります。私は、昨年の夏、交通安全対策特別委員の有志で欧米諸国の交通安全対策の視察をしてまいりました。各地で部分的に似たようなものを見てまいりまして、日本でも早目にやる必要がありはせぬかと思っておりましたやさき、部分的には、たとえば公共用の自動車の通行帯、それからある種の乗り入れ規制の問題などを実施しているように思いますし、あるいはまた、車線の朝と夕における変更なども部分的に見受けられるわけであります。そういうことはこの道路交通法を改正しなくてもできるのか。そうだとすれば、今度改正して特にそれをうたっておるのはどういうことなのか。その辺の御解釈をひとつ承りたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 事柄によって少しずつ違うと思いますが、たとえばいまのスクランブルの問題でございます。これは現行法でもできます。ただ、現行法でやりますと、新宿のように、斜めに横断歩道のゼブラ模様を必ず書いて、斜めに横断してもいいという形をつくる必要がございます。ところが、今回の法改正によりますと、必ずしもその必要がなくなりまして、しま模様をつくらなくても、信号機の操作だけでできていくというような点が違うと思います。  それから、たとえばバスの優先レーンというような問題にしましても、現在は指導でいたしておりますが、今度の法改正ができますれば、これが指導ではなくて、法的な制度として、いわば法的な担保が厳格にできるという問題だと思います。  それから車の、たとえば大型トラックの時間帯による乗り入れ規制というような問題につきましては、現行道交法の七条でできるわけでございますけれども、これを車種別、用途別にさらに広めていくという場合には現行法上若干疑義があるということで、その疑義をなくするような手当てを今回の改正法でいたしたい、そういう趣旨でございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 御答弁の趣旨はわかりましたが、今度の改正の中に、都市交通対策の推進ということをうたっております。私は東京都民の一人でございますので、こういうふうに道交法を改正されたあと、東京都の交通規制といいますか、交通安全対策の中でこんな点が特に変わるという具体的なビジョンというものを、都市交通対策の立場から、ひとつ御説明をいただきたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 私どもが考えておりますのは、具体的な問題は警視庁でいずれやると思いますけれども、基本的な考え方といたしましては、まず道路を、幹線道路なり準幹線道路あるいは生活道路というふうに、道路の機能によりまして道路の分類を正確にする。そして、幹線道路あるいは準幹線道路は、安全施設も完備いたしまして、車の大量の交通がスムーズに、そして安全に流れるようにする。それからもちろん歩行者の安全も、安全施設を完備していくということを基本的に考えております。それから生活道路、いわば裏通りと申しますか、生活道路は、原則として通過交通を締め出していく、そして歩行者が安全にその道路を利用できるようにしていきたい、というふうに考えております。それを一つの大きな柱といたしております。  それからもう一つは、駐車問題が大きな問題だと思います。それにつきましては、都心部における駐車の規制を強化していく。取り締まりも強化していく。ただ、業務上どうしても必要な駐車需要というのがございます。そして路外駐車場が必ずしも整備されていない場合には、業務上どうしても短時間駐車しなくてはならないという需要に対しましては、駐車時間の制限をしていく。たとえば三十分とか一時間の駐車時間の制限をして、その業務用需要には応じながら、しかも回転率をよくしていく。そして朝出てきて夕方まで置いておくというような駐車は締め出していくために、今度パーキングメーターを設置するという考え方も織り込んでございます。  それからもう一つは、信号機を改良いたしまして、信号機というのは安全のためには非常に役立つものでございますけれども、信号機がたくさんつきますと、円滑を阻害する問題も出てまいります。そういう問題につきましては、信号機を線で結んだりあるいは面で結んでいくというような形で広域の管制をやっていく。これは電子計算機を使いまして、交通管制制度として、組織としてやっていく。そういうことにより、安全でありかつ円滑であるというようなシステムをつくっていきたいということも考えております。  大きく申せば、大体そういう方向で考えていきますので、生活道路では歩行者が安心して通れる、しかし、幹線道路は車の流れもよくするし、安全にもしていく、そういう基本的な考え方をいたしております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 大型貨物自動車の規制、いまでも部分的にやっているのかもしれませんけれども、それと乗用車の都心乗り入れの規制、こういうものを考えておりませんか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 東京では通勤、通学交通というものが非常に大きな問題になっていると思います。そういう通勤、通学交通のラッシュ時間帯は、物の輸送よりも人の交通というものを優先的に考えていくということで、御承知のように、バス優先レーンをつくりました。そういう時間帯は大型トラックの交通の規制をやっていって、物よりも人の輸送に重点を置いていくというやり方を現に始めておりますし、これを強化していく方向で考えていきたいと思います。  それから乗用車の都心乗り入れの抑制の問題でございますけれども、これを法律的に規制をする場合には、大体どの範囲にそういうことをやるべきであるか、つまり環状線の中か、あるいは環状七号の中であるとかいう範囲の問題、それからどの車に優先順位を認めて、これはいいけれどもこれはいけないという選別基準、その辺に大きな問題がありますし、社会経済的に大きな問題でございますので、慎重に検討していきたい。ただ、そういうことを一方で検討しながら、都心部における駐車規制をきびしくするということ、それから先ほど申したバス優先路線とかあるいは大型貨物の通行の制限という形で、間接的に乗用車の都心乗り入れを抑制していくというやり方を現在考えておるわけでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私が欧米を回ったときに、信号の位置が諸外国は非常に低いのです。日本の場合には非常に高い。非常にふしぎに思って向こうでも聞き、こっちへ来ても聞いたのですが、これは大きな貨物自動車と乗用車が一緒に走るので、貨物自動車が前にあると低くてはいけないのだという話でございます。それが、いまお伺いしましたように、そういう大型を時間的に規制するとかなんとかすれば、もっと見やすいところに信号機をつけるというようなこともできると思いますし、また、かたがた、慎重にとおっしゃいましたけれども、私は、この二つの問題はかなり英断をもってやらなければ、東京都に関しては全く収拾のつかないような状態になるということを非常に強く感じていますので、慎重はけっこうなんですが、やろうとすれば今度の法律の改正でできるわけですな。どうお考えになっていますか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 今度の法律の改正の第四条でそれができるような法律的な基礎はつくりたい、そういうことでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 できるのなら、早目にやるという御決意はまだできてませんか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 先ほど申しましたような、どの範囲、それから選別基準の非常なむずかしさというようなところで、もう少し実情調査をよくやってみて、起終点調査をやるなり車の動きの調査を十分にいたして、それを踏まえて、また世論の支持を得ながらやっていくということで考えていきたいと思っております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 交通管理の問題はそのくらいにしまして、運転者管理の問題をひとつお聞きします。  酒酔い運転はどうですか、傾向として減っておりますか。あるいはまた、酒酔い運転と交通事故との関係はどうなっておりますか、傾向として。教えていただきたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 昨年の道交法改正で酒気帯び運転に罰則を設け、それから酒酔い運転の罰則を強化いたしました。おかげさまで違反も減りつつあるような傾向でございますし、酒酔いが原因である事故も傾向としては減るような傾向になっていると思います。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 運転者に酒を売ってはいけないという規定があったと思うのですが、これは御承知のように、訓示規定のようなものでございます。そういう罰則のない規定で酒を売るということに対して、かなり効果をあげていると御判断になっていますか、いかがでございますか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 訓示規定ではございますが、酒気帯び運転をするおそれのある場合には、酒類を提供してはいけないとか、飲酒をすすめてはいけないという規定ができましたので、それをもとに行政指導として第一線では相当強く指導いたしております。それで、相当の効果はそれなりにあがっているんじゃないかと思います。ただ、事故を起こした場合に、もちろん刑法上の教唆犯なり幇助犯としてあわせ立件送致をするということでやっておりますので、訓示規定としてそれなりの意義は十分活用されている、そのように考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 これは皆さんも御承知だろうと思うのですが、ある婦人団体の皆さんが熱心にドライブインにおける酒の販売禁止運動をいたしております。私どもも趣旨としてはけっこうなことだと思って、交通安全対策委員会などでも寄り寄り話は出しておるのでございますが、法律にするということになると、なかなかむずかしさがあるように承っております。あらためて伺いますが、ドライブインの酒類の販売禁止というものは、どういう点に難点があるとお考えになっておりますか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 ドライブインが自動車専用道路、たとえば東名高速道路であるとかその他の自動車専用道路にあるドライブインでございます場合には、そこを通る人たちの問題でございますので、これは道路公団なり首都高速道路公団、そういう関係の役所、団体に話しまして、現に東名高速それから名神高速の上では酒類の販売はやっておりません。ただ、一般の道路にありますドライブインの場合には、そこを運転してきて入る人だけじゃなくて、近所の人もそこへ行って食事をしたりするということもございまして、一般的にそれを禁止するということはなかなか問題ではなかろうかと思っております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 お話の点は私どもにわかるのでございますが、これだけ交通の問題がやかましくなったら、これも慎重審議でなしに踏み切る必要がそろそろありはせぬかと思うのです。そういうことであなた方はどういうお考えを持っていらっしゃるか、あるいはそう遠くなく実現できるとお考えになっているか、あるいはいま言ったように、非常に規制のしかたがむずかしいので、ここらは手がつかぬのだとお考えになっているのですか、どういうことですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 先ほども申しましたように、そういう訓示規定ではございますけれども、そういう規定ができましたので、それをてこにいたしまして、各県の警察本部はそういうドライブインに対して、運転者には酒をすすめないようにということを相当強く行政指導しているというのが現状でございます。また、現状ではまあその辺がいいところではないかというふうに私どもは考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いまの専用自動車道路における酒類の販売は、絶対してないとお考えになっていますか、あるいは多少漏れがあると考えておりますか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 私は、していないと思っております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 それじゃもう一つ、今度は車両の管理の問題。  点検という制度が法律にはうたってありますが、この点検が、定期点検といいますか、車の点検が案外しっかり行なわれていないように思います。営業用のものは一月に一ぺんですか、自家用車でも半年に一ぺんというような規定になっているように思うのです。私も免許証を持ち、そうしてたまにはまねするのですが、たいへん恥かしい話ですが、六カ月に一ぺんそういうことがあるということをうっかりしておりました。法律を読んで、おやおや、これはたいへんなことだと思ったのですが、ことほどさようにこの問題は徹底していない。そうすると、これをしっかりやれば保安の問題もある程度片づくし、このごろやかましい公害の問題も、たとえばしっかり点検しておると排気ガスの出方なんかもよほど違ってきはせぬかと思うのですが、これはどうお考えになっていますか。交通当局のお考えもありましょうし、運輸当局のお考え方もあると思うのですが、ぜひ一緒にお聞かせください。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 これは運輸省の所管の問題でございますが、私どもも、点検が常時行なわれて、整備不良の車が道路上を走らないようにするということには当然ながら非常に関心を持っておりますし、十分それが行なわれるように行政指導されることを期待いたしております。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 使用者の行ないます定期点検につきましては、これは道路運送車両法のほうで一応義務づけが行なわれておりまして、四十七条で、まず運行に入る前の仕業点検の義務づけを行なっております。それから四十八条で、車の使用者が定期的に車を点検整備するということが義務づけられておりまして、それぞれ、たとえば自家用につきましては六カ月ごと及び十二カ月ごと、それから事業用につきましては一カ月ごと、六カ月ごと、十二カ月ごとというような各段階を置きまして、点検項目を定めて行政指導をやっております。  それから私のほうといたして、もう一つは、たとえば車検の際を利用いたしましてその定期点検の記録簿を提示させる、それから定期点検をやったという証拠をステッカーで表示させる、こういうようなことをいまいろいろ重ねて行政指導している段階でございます。  一般のユーザーに対する指導でございますのでなかなか徹底のむずかしい面もございますが、今後とも十分な指導をやっていきたいと考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 これも罰則規定がない、訓示規定のようなものですね。その辺にやはり一つの弱さというものがあるのではないかと思いますし、これほど交通の安全の問題がやかましくなってきておるのですから、私はそういう問題はもうちょっと積極的に取り組む必要があると思います。どうでございますか。重ねて伺いますが、どういうようにお心組みでございますか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 事業用の自動車につきましては、これは道路運送法のほうでも一応の規定を設けておりますので、ある程度の行政的な罰則が適用できるようになっておりますが、確かに御説のとおり、自家用の一般の車につきましては、これは罰則がない、単なる訓示規定でございます。ただ、実際問題といたしまして、こうやってないということを具体的に証拠としてつかむことが非常にむずかしいものでございますから、いままでのところは訓示規定を利用しながら強力な行政指導をするというやり方でまいっております。ただ御承知のとおり、なかなか一般への徹底ということは非常にむずかしい点もございますので、われわれもいろいろな面からこれを強化するようには努力いたしてまいりたいと考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いまあなたのおっしゃった、ステッカーを張って定期点検をやっているというしるしのようなものを記入していくということは、いまやっているのですか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 行政指導の一環といたしまして、定期点検をやった者には、一定様式を定めまして、ステッカーを特にそういう者につきましては車の前面に張ることを認めまして、そうしてこれをつけているかいないかということで定期点検をやったことを担保していこうということを、現在し始めたところでございます。(小峯委員「し始めた程度……」と呼ぶ)はい。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 長官お見えでございますのでひとつ……。  この道交法改正の政府の原案の段階ですか、路上の教習ということをうたっておったように記憶するのですが、出ましたものにはさらっとなくなっております。私も実は先ほど申し上げましたように、免許証を持ってまねごとをするのですけれども、どうも路上の教習というものが加わわらぬと、こんな交通の繁雑な時代にはどうも実効が少ないように思うのです。なぜそういう問題をおはずしになったのか、そのいきさつ等がございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 御質問のように、私どもも路上教習を義務づけるという必要性を痛感いたしております。そこで、現在では指定教習所につきましては、これは路上教習を義務づけております。それで八五%ぐらいカバーしておるわけですけれども、しかし、教習所に全部行くというわけにも、たとえば働いておる人その他はいきません。そこですべての者について路上教習を義務づける、しかし、路上教習は危険でございますので、それだけに、指導者についても一定の資格を審査した者を当たらせるという制度が必要であるということで、原案としては入れておったわけでございます。  ところが、八五%という大量の業務を扱ってもらっております教習所側の中に、この制度は先行き検定まで、つまり試験免除にまでつながるのではなかろうか、平たくいえば、いわば商売上、営業上のこういう先行き不安というものが出てきたと思います。また、教習所に働いておる人間が引き抜かれるといいますか、独立してしまう、教習所の指導員が非常に不足しておりますので、そういうような点も心配したと思います。私どもとしては検定までをやらせるつもりはないのです。教習所以外の場合には、これは警察の試験場ではっきりした試験をやるということは考えておったわけですが、そういう疑惑がありまして、それの理解を深めるだけの実は時間的な余裕がございませんでした。今国会は、御承知のように、実質審議の期間が非常に短い。したがって、政府としても法案の提出の時期が限られておったわけでございます。そういったことで、私は絶対にこれはやらなければならぬ、こういう決意を持っておりますが、しかし、そういった不安があるときに強引にやるということもいかがなものであろうか、それならばあと一年ぐらいさらによく私どもの趣旨も徹底をして、そして皆さんが納得ずくの上で私どもの考えておる点を実施したいものだ、そういう意味合いで今回の原案からはずしたにすぎません。しかし、私どもとしてはこれはどうしてもやりたい、こういう考え方でございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 長官、お考え全く同感です。教習所が果たしてきた役割り、こういうものは私どもよくわかりますので、この人たちに商売のじゃまにならぬような形で路上の教習というものはぜひ必要だと思うのです。ことに免許証だけ、飾りだけ持ってきて東京都に来て目を回すような運転者は少なくないと思いますので、特に東京都の場合なんか路上の教習というものをしっかりやるように、これは教習所に不安を与えないような御配慮をしながらしっかりやらなければならぬと思うのですが、ぜひひとつやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、これは建設省に。大臣でなくてもいいが、生活道路の問題がやかましく取り上げられるようになると、幹線道路の交通規制というものをよほど緩和してやらないと問題が出てくると思うのであります。私は前の交通安全対策特別委員会でもちょっとそういう質問をしたように記憶いたしますが、東京都の場合に、地方から出てくる運転者が、比較的大きい道路の規制があるものですから裏道にもぐるというようなこと、そして手探りで裏通りの運転をやりながら事故を起こすということが少なくない。したがって、そういった幹線道路の交通規制を緩和することのほうがむしろ必要なんじゃないか。ことに今度生活道路の考え方が出てきますとますます必要になると私は思う。その場合に、これは大臣もお聞きいただいておくといいと思うのでありますが、四つつじの交差点のすみ切りを思い切ってやる。対角線の長さが道路幅の三倍になれば、右折も左折も中央突破もできるわけでございますから、理屈の上ではそういうことになりますので、——バイパスをつくることもとより必要でございますけれども、古い市街地ではなかなかこれができまいと思うのであります。そこで思い切って幹線道路のすみ切りというものを道路改造の問題として取り上げるつもりはないか。今度の生活道路の問題と関連してそれが非常に必要になってくるように私は思うのですが、当局はどういうお考えでございますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 ただいまの御指摘のとおり、幹線道路につきましては拡幅が非常に困難でございますので、われわれ現在交差点改良という名前でもって、先生おっしゃったとおりのすみ切りを盛んに実施することにしております。これは実は単に交通の円滑化をはかるだけでなくて、それによりまして追突事故もかなり防止できるとわれわれは考えておりますので、大都市におきます応急の対策といたしましてすみ切り事業を積極的に実施したいというふうに考えておるわけでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いま御答弁を承りましたが、それに対する予算だとか計画だとか、四十六年度で相当に固まっておりますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 交通安全対策事業の一環として計画されておりまして、新しく四十六年度から発足するわけでございますが、五カ年計画につきましてはただいま資料を収集中でありまして、七月までにはまとまることになっております。四十六年度につきましては、従来の事業の約五割増し程度の大幅な増額を考えておりまして、実際に五カ年計画でもってさらに出てくればさらに増加する必要がございますが、とりあえずは四十六年度はその程度で実施したいと考えておるわけであります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 もう一問。東京都内にあなたの考えているそれに該当する地点がございますか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 都市局の所管になっておりますので、こまかい個所を存じておりませんので、後ほど調べまして御報告したいと思います。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 後藤俊男君。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 一番最初に、交通安全施設の設置基準を道路法等の関係基本法に規定をして、道路管理者の設置義務を明文化する必要があると思うわけなんです。いま申し上げましたこの規定に基づいて整備事業法で設置の促進をするようにすべきであるというふうに考えるわけでございますが、こういう考え方につきましていかがでございましょうか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 既存の、すでにでき上がっております道路につきましては、交通安全対策基本法に基づきまして、道路管理者はただいま計画的に歩道や横断歩道橋ないしは道路照明等の交通安全施設の設置を進めているわけでございますが、今後新しく建設します道路につきましては、昨年の十月に改正いたしました新しい道路構造令の中におきまして、横断歩道橋であるとか、視線誘導標であるとか、照明の設置等を義務づけておりますので、交通安全施設は新しいものについてはすべてつけることになろうかと思います。したがいまして、いま御指摘のように、道路法なりその他政令ではっきりと明文化する必要があるんじゃないかというような御意見でございますが、道路構造令という政令によってはっきり明示されておりますので、われわれとしてはこのままでよろしいんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま私が言いましたのは、交通安全施設の設置基準、これを道路法等のいわば基本法をつくりましてこれに基づいて整備しなければいけないんだ、こういう義務づけたものは現在ないと思うのです。これをひとつつくっていただいて、そうして整備事業の促進をはかっていく。これは当然のことだと私は考えておるわけですが、いま局長が言われたのは、そういう意味の根本的な考え方とは違うと思うのです。いかがですか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 道路構造令の三十一条に「交通事故の防止を図るため必要がある場合においては、横断歩道橋、さく、照明施設、視線誘導標、緊急連絡施設その他これらに類する施設で建設省令で定めるものを設けるものとする。」というように書いてございまして、建設省令によって定めることになっておりますが、こまかい設置基準、たとえば何メートル間隔にどういうものをつけるとか、あるいは交通量が幾らの場合にどういう施設を行なうかというふうな、非常に細部にわたりますものにつきましてはそのつど変わる場合がございますので、これは内規といたしまして基準をきめまして、それに従って整備を進めていくというふうにしているわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま言われましたが、結局私が言わんといたしておるのは、構造基準の中に最低必要な安全施設の指定と建設の明確なる規定をつくる、こういうことでそれをつくりまして、それに基づいて道交法の中における安全施設の設定と建設義務規定をつくったらどうだ、こういうふうに私は申し上げておるわけですけれども、この点につきましてもひとつ御検討をいただいて進めていただきたいと思います。  その次には、この予算の関係でございますけれども、これはこの前の交通安全委員会でも問題にしたわけでございますが、ことしの交通安全関係の予算につきましてはかなり削られておる。じゃ来年度については、一体この予算については、交通戦争といわれる非常に大事な政策でございますので、十分なる予算をとっていただく、これは当然のことだと思うのですが、その見通しについて、そういうふうな方向で進められようといたしておるかどうか、この点大臣、ひとつよろしく御説明いただきたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の趣旨は私も全く賛成でございますので、十分に財政当局と予算折衝で努力したいと思います。従来ややもすれば道路の延長線をつくるということ、伸び率に重点を入れ過ぎたことについて反省いたしております。特に都市交通については安全施設等の設備が非常に緊急になっている。そのためには、いままではややもすれば、国がつけてやっても地元のほうで——先ほどのすみ取りの問題等でも地元がやはりその気になってもらわないと困るんですよ。最初は陳情が来て予算をつけると、今度はここは住民の反対があるからどうだこうだといって、非常に困りますので、私はまず第一に、道路の内容をよくするために各都道府県並びにおもなる市は先行投資的にそういう用地を確保してもらいたい、それには優先的に予算づけする、こういうふうなことで行かないと、もう建設のみならず買収の行為まで全部建設省の役人がやるために、要らざる紛争等で能率があがらない。私は御指摘の点は全く同感です。これはまず第一に現存のものをよくするということが条件であって、それなくして延長を延ばしたってかえってこれは事故を起こすというようなことで、十分配慮して努力するつもりでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 ぜひひとついま大臣も言われました意気込みでお願いしたいと思うのです。  その次には、これは運輸省関係でございますか、車両保安基準の問題ですが、現在日本の車両の保安基準とアメリカあたりの車両の保安基準と比較した場合にどう違うだろうか、その点簡潔でけっこうでございますから、御説明いただきたいと思います。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 お答え申し上げます。  車両の保安基準が日本のものとアメリカのものとが違っていることは事実でございます。おもな相違点を申し上げますと、アメリカの保安基準といいますのは、乗用車に主として重点を置いておりまして、しかも高速走行時における衝突と申しますか、こういうものに非常に重点を置いて現在保安基準を作成しているようでございます。したがいまして、乗っております人が衝突をしたときに助かるような意味での安全装置、こういうものに非常に積極的な開発を進めております。  それからわが国の保安基準は、どちらかといいますと、歴史的には非常に古いわけでございますが、バスだとか大型のトラックだとか、こういうものにつきましては非常に進んだ保安基準を持っていると私たち確信しておりますが、先ほど申し上げましたようなアメリカで行なわれておりますような高速時の衝突ということを考慮した保安基準、これにつきましてはわが国のほうがおくれていることは事実でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま説明がありましたように、アメリカ等においては、交通事故というのは絶対にゼロにはならない、あった場合の人命を守るには車両そのものを安全にすることだ、そういう考え方が非常に強いということはわかるわけですが、たとえば排気の基準にいたしましても日本とアメリカと違うんじゃないかと思うのです。そうなりますと、日本の車両保安基準をアメリカの保安基準並みに持っていったらどうなんだ、何か差しつかえがあるのか、日本の実情に合わぬのか、こういうふうに思うわけですが、いつでしたかネーダーという人が来られましたね。この人がやはりこういうような質問をしておるわけなんです。ところが責任者のほうから、日本には日本的な事情があるからというようなことで一蹴されておるわけでございますけれども、これはやはり一考を要するんじゃないかと思うのです。排気等においても違うんじゃないですか。こういう点をアメリカ並みに持っていったらどうだ。具体的にいいますと、これは一つの例でございますが、排気の点はどう違いますか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 排気ガスの点におきましても、日本とアメリカとでは違っております。ただ、必ずしも日本のほうがおくれているかどうかということになりますと、これは一がいな比較はできないだろうと思います。それからいまの安全の問題でございますが、先ほど申し上げましたとおり、高速時の衝突問題についてはおくれておりまして、これは鋭意われわれのほうもできるだけ早い機会にその面の安全基準を完成させるために、目下研究所あたりを督励いたしまして、そういう技術的な研究を進めている段階でございます。  ただ、何を申しましても、交通状況も違いますし、主として対象とされる車も違うのでございますから、保安基準の数値そのものもアメリカの基準をそのまま持ってくるというわけにはまいりません。そういう意味で、アメリカがやっているからと、右から左に持ってくるというわけにはいかないわけでございますから、われわれのほうといたしましては、いまその方向に努力中というのが現状でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それで、いまの日本が自動車を製造して輸出する場合、たとえば第二燃焼室をつくって、それが排気等につきましても公害防止の一つの設備になっておるわけなんですね。日本の国内で使う自動車ではそこまで行っておらぬわけなんです。よそへ出すところの自動車については、いまいった第二燃焼室をつくって公害を減らす。国内でやるのはそれなしで、じゃあじゃあたれっぱなし、一口にいってそういう情勢になっているのではないかと私は思うわけです。それならそれなりにアメリカの基準と申しましょうか、外国に自動車を出すなら出すと同じような自動車を国内でもやって、これだけどんどん自動車がふえる、排気の問題、公害の問題、これらに対応すべきだと私は思うわけですが、これはぜひひとつ今後の問題として十分研究をしていただきますようにお願いをいたしたいと思います。  それから、その次はトラックなりコンクリートミキサーの問題です。これは三カ月、四カ月前にこのコンクリートミキサーの過積み問題を交通安全委員会で私申し述べたことがあるわけでございますが、このトラックなり、いま申し上げました自動車に対する過積み防止のための標示灯なり、あるいは重量計をつける。自動車にこれは必要だと思うのです。あのミキサーなんというのは、ちょっと角度を変えれば、二トンや三トン上積み、過積みできるわけなんです。これは外部から見ましても全然わからぬ。運転する人は、過積みでございますから、運転が非常にしにくい。おのずから交通事故が起こる、こういう関連性を持つと思うのですね。それだったら当然標示灯なり重量計をトラックにつけるべきではないかというふうに思うんですが、当然あなた方のほうもそこまでお考えになっておると思うのですけれども、いかがですか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 トラックの過積みの問題につきましては、先生お説のとおりだと思います。私たちといたしましても、例のダンプが規制法ができましたときに重量計の義務づけをしたわけでございますが、残念ながら現在までのところ、ダンプに義務づけております重量計といえども十分な精度を出すことはできないでおります。そのために私たちとしても、まだ残念ながら十分な効果をあげておりません。しかし、確かにもう少し正確にできれば、過積みをしているということが正確にわかるような重量計というものを技術的に開発できたならば、これを強制するということは一つの考え方だと思いますので、目下その方向で技術的にできないものかということを検討中でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま言った趣旨については賛成であるから早急に検討しておる、こういうことですね。  それからその次は踏切事故の問題です。これは富士急のこの間の大きな事故がありましたね。あの事故の現場を見て、私、感じたままを率直に申し上げるんですがね。あの遮断機です。イギリスあたりの鉄道に行きますと、がんじょうな金(かね)の門扉になっております。あれがもう少しがんじょうなものであったとするならば、勾配で自動車が流れましても線路の中に入らなかったと思うのです。そういう点を考えた場合に、踏切付近の下の整備はもちろんでございますけれども、設備をもう少しがんじょうなものにすべきじゃないかというふうに思うんですがね。との間の富士急の事故ですね。ああいうような事故にかんがみましてそういうことを感じておられないかどうか。そのことを検討しておられるかどうかお尋ねします。

須賀貞之助運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○須賀説明員 お答えいたします。  踏切道の事故につきましては、政府といたしましても非常に頭を悩ましておるところでございますが、前半に引き続きまして踏切道改良の総合対策を実施するということにしておるわけでございまして、鋭意今後も努力していきたいと思いますが、先生御指摘の遮断桿の件でございますが、これは踏切につきましては、いつも善意の方々からこうしたらどうかといういろいろな御指示、サゼスチョンがあるわけでございます。そういうものにつきまして謙虚に反省していろいろ考慮しておるわけでございます。遮断桿につきましても、先生お話しのような件が前から検討されておるわけでございますが、わが国の交通道徳にも関係するわけでございますが、踏切が遮断される前に飛び込むあるいは遮断したあとでそこで立ち往生するというような自動車も必ずあるわけでございまして、そういう場合のことを考えまして現在のような竹のものでやっておるわけでございます。ただ、これを重くするということにいたしますと、これは遮断したりあけたりするのに非常に時間がかかるということで、わが国のように自動車交通の非常に激しい場所におきましてそういうことをした場合に全体としてどういうことになるだろうか、こういう配慮もいたしておるわけでございます。そういうことでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いまあなたが言われましたのはごく常識的なことを御説明になったので、私はそんなことを言うておるわけじゃないのです。この踏切の遮断機につきましては、あの長さが一ぱいあったらよかろうと思うけれども、中に自動車が入った場合には出られぬから短かくしておる。それはあなたの言うとおりです。あなたが言われる意味は、竹でやっております、竹で上げたり下げたりするほうが早い、交通事情が激しいので早く通さなければならぬ、こういう意味のことをあなたは言われますけれども、ただ、私が言っておるのは、そういう意味ではなしに、あの遮断機の設備をもう少しがんじょうなものにしたならば、この間のようにサイドブレーキを引かずにあった自動車が風圧か何かで流れ込む、これをとめることができたんじゃないのか。そうするとあれだけの人命を死傷させるという事故を防止できるわけなんです。そういうことは当然あなたのほうで検討すべきであるということを私は言っておるのです。イギリスなり向こうに参りますと、非常にがんじょうなものでやっておるわけです。ベルが鳴っておるときに自動車が行ったところで障害物で入れないくらいなことを考えておるわけです。その点はどうか、これは早急に検討すべきではないかということを私は申し上げておるのです。検討はいいですが、ぜひひとつその点も検討していただきたいと思います。  それからその次は、話があちらこちらに飛んでまことに恐縮ですが、バスの車内事故の問題です。これも運輸省関係でございますか、運転手の人が運転をいたしておりまして急遽ブレーキをかける場合もあると思うのです。とっさの場合があると思うのです。そういう場合に、乗っておったお客が中で転倒するあるいはけがをする、こういうような故意でないところの物理条件の伴う交通事故と申しましょうか、車内事故があるわけなんです。こういう場合におきまして業務上過失犯として違反扱いされておるわけなんです。そうしてあるいは送検する、こういうことになると思うのですが、これは一考を要する問題じゃないかと私は思うのですが、これはいかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 仰せのように、その車内事故が危険を防止するためのやむを得ない行為であって、過失自身も問擬できないというような場合もあり得ると私は思います。現実には事件として、事故が発生した場合には当然警察は捜査をいたします。そうして業務上過失致死傷事件として捜査をして、当然捜査をしたら送致をいたしますが、場合によりまして嫌疑なし事件あるいは情状酌量事件というようなことで送致しているのが現状でございます。したがいまして、それ自身がやむを得ないと認められている場合には不起訴になったり起訴猶予になっているのが現状だと、私、思っております。問題はむしろその際に行政処分のほうをどうするかという問題が、現に経営者のほうあるいは労働組合のほうからもそういう要望が出ております。それに対しましてはケース・バイ・ケースによく調査をして妥当な結論を出すようにということで、現在指導いたしております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま申し上げましたような車内事故につきましては、その実情を十分考えていただいて、行政処分その他については過酷な扱いを一切しない。こういう車内事故につきましては送検しないくらいのところであっていいんじゃないかと私は思っておるのですが、特にこういう問題についてはひとつ慎重なる扱いをしていただく。これはお願いしたいと思うわけなんです。  それからその次は、道交法の定めるところによりまして、禁止制限指定、いろいろな措置を行なう場合があるわけでございますけれども、その場合に住民やら利用者の意見をもっと広く聞いて運用すべきじゃないかというふうに考えるわけなんです。われわれも町内の規制がいろいろありますけれども、やはり住民なり交通関係者の問題がいろいろ起きているわけなんです。そこで、都道府県には公安委員会があるわけなんです。公安委員会がありますけれども、その執行機関というのは警察本部がなっておると思うのですが、交通警察審議会というものを設けたらどうだろう。交通警察審議会を各県の公安委員会に設ける。そうしてそこで十分審議をしていただいて、いわば利用者なり住民代表等も入ってもらって、その意見も十分取り入れて、とにかく利用者なり住民の意向を十分考えたところの道交法の規制なり制限なりいろいろなことを実行していったらどうだというふうに考えるのですが、そういうお考えはいかがでございましょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 御承知のとおり、現在も各府県の警察本部で事実上そういう関係者、関係機関、関係団体あるいは学識経験者を含むような審議会なりあるいは委員会あるいはモニター制度とか、いろいろな形で事実上の諮問機関を持っております。そこで大きな問題につきましてはそういう委員会にはかりまして、十分検討してやっていくというやり方をしております。さらにこれから私どもやっていきたいと思っております裏通り対策などの場合には、現に、単にそういう関係者団体とか行政機関だけではなくして、町内会、部落会といったそういう地域団体の、地域住民の方々にお集まりいただいて、十分その趣旨を説明しあるいは御意見をも伺って、納得ずくでやっていくというやり方をいたしておりますし、また今後もそれを強化していきたいと思っております。そういう住民の納得なくしては完全に規制は励行されないというふうに私どもも考えておりますので、そういう方向で指導してまいりたい、そのように考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 今申し上げました交通警察審議会ですが、これも非常に民主的な方法として一つの考え方だと私は思いますので、十分検討していただくようにお願いしておきます。  それから次は、自動車の教習所関係の問題ですが、今度の道交法の改正によりましても教養の講習ということがあるわけなんです。この中にはお寺のお坊さんの精神訓話やらあるいは労使協調思想の宣伝を行なうというようなやり方らしいのです。そうなりますと、技量の向上等とはたいして関係のないお坊さんの説教を聞いてみたり——交通事故で人を死なした場合には必要かもしれませんが、さらに憲法に認められた労働運動関係の問題、思想の関係、これらにつきましてもこういうところへ将来入り込んでくるのではないかというようなことも考えられるわけなんですが、はたしてこういうことをやって交通事故が減少するのでしょうか。すると思うからこれは入っておると思うのですが、これはどういう考え方でお坊さんの説教を聞かなければならぬことになるのですか。あるいはその他適当な精神訓話をやっていろいろと思想上の問題を話をするというようなことになると、かえって結果的には私はいいことにならぬと思うのです。この点いかがでしょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 指定教習所の指導員の講習につきましては、従来からもやっておるわけでありますが、指導員は技術的な指導をやると同時に、生徒と申しますか、習っておる人との人間関係も重要な問題だと私は思います。おそらくそういうことでいまのお坊さんの講話というようなことも出てきておるのだと思いますけれども、要は技術的な能力、レベルを高める、資質を高めると同時に、人間的にも習いに来ておる人に対して指導できるような、そういう人間関係を持てるような資質の向上ということも、一つの問題ではなかろうか、かように考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 お坊さんの説教と交通事故の防止とつながりがあるといえばあるかもしれませんが、なかなか私は、あまりあるように感じぬわけです。その点も一考を要する点だと思うのです。  それからその次、指導員の資格の共通化の問題ですね。これは全国的に調べてみますと、たとえばある県で指導員をやっておった、それからよその県に行った場合には、書面審査を行なうところもあれば面接を行なうところもある、あるいはもう一ぺん試験をやり直すところもある。これは各県ばらばらですね。こんなものは指導員の全国共通化を行なうのが当然のことだと思うのですが、これは何か行政指導とかそういうことをやっておられないのか、どういうことになっておるのか、簡単に御説明いただきたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 共通化するような方向で行政指導をやっておりますし、また強めていきたいと思っております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうすると、指導員の資格の問題につきましては都道府県ごとに共通でないものを共通にする、こういうふうに早急にやるということですね。  その次には各自動車学校があるわけですね。その自動車学校で指導員の資格をとろうとする場合に、管理者の推薦を受けなければ受験資格がない。現在こういうことになっておるわけですね。これは私おかしいと思うのです。たとえばそこの自動車学校の組合運動を激しく、激しくというのはおかしいが、やっておるというような人につきましては、管理者は推薦しない。そうなりますと、指導員の資格がとれない。あなた首をかしげていらっしゃるけれども、そういうことが現にあるわけですよ。だから、こんなものは管理者の推薦なんかなしにして、指導員になろうと思えば指導員試験を受けて指導員になれる、全国共通でどこへ行ってもなれる、こういうふうなことにすべきだと私は思うのですが、いかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 指導員というのは、自動車教習所を指定する場合に、指定の要件になっているのが現在の法令のたてまえでございます。したがいまして、推薦制度ではございませんけれども、ある一定の教習所が指定を受けようとするときには、一定の審査を受けた、資格を持った指導員が必要であるというのが、いまの法律のたてまえでございます。したがいまして、管理者を通して公安委員会に申請しているというのは事実でございますが、そういう仕組みになっております。ただ、先生のおっしゃるように、現行の法令の仕組みに若干の問題はあろうと私も思いますので、今後それが全国共通になり、しかも指導員としての資格が明確になっていくような方向で検討いたしたいと思っております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それでは、教習所間の指導員の問題です。これがまた各県の教習所の管理者間において、いろいろな申し合わせというのですか、約束ごとがありまして、非常にむずかしいわけなんです。両方の管理者の了解がないことには、自分の意思でやろうと思ったところで、全然できない。こういうようなことになっておるわけなんですが、これは各県ばらばらではあろうと思いますけれども、こういうことも私おかしいと思うのです。この問題についても行政指導という立場に立って、やはり指導員という人間を尊重する考え方に立って、いま申し上げましたことでないようにひとつ指導をしていただく。これもお願いしたいと思うわけなんです。  それから、その次が指導員の資格喪失の問題ですが、これも説明するまでもなく十分御承知だと思いますけれども、一定期間指導員をやらぬ場合には、資格が喪失されるわけなんです。これが大阪では三カ月、石川、富山、福井、長野等では六カ月、あるいは茨城等におきましては資格の喪失はない、こういうようなことで、指導員の資格喪失につきましても、ばらばらのやり方をされておるわけなんです。この何カ月だというのは、管理者が選任届の解除を公安委員会に出してからの期間ですね。ですから、現状はやはり管理者の裁量のままになる。管理者の思うようなかっこうにやられてしまう。こういうようなことも現実にありますので、これは問題は小さいかもわかりませんけれども、自動車学校管理者の指導員に対するところの扱いの一つの盲点になっておるような気がしますから、この点についても、ひとつ十分あなたのほうで検討されて、正しく行政指導していただくようにお願いしたいわけなんです。  それから指導員の権限なり労働条件の問題です。いま指導員は、賃金なり権限なり労働条件というのは非常に悪いわけなんです。現在御承知のように、全国的に春闘のまつ最中でございます。来月の中旬あたりが最終段階であろうと思うのですが、各自動車学校といたしましても、非常に労働条件、賃金が悪いということで、闘いが進められておるところもあろうと思うのです。現在一万円以上取っておるところも、全国に三十五以上あるそうでございますけれども、そのまた指導員の仕事たるや、一日に十人から十一人をやるわけなんです。五十分コースでございますから、これは非常に過酷な仕事なんです。非常に疲れる仕事なんです。家に帰ってもなかなか勉強もできない。こういうふうな実情であるということも、現実に自動車学校の皆さんからそういう声が強く来ておるわけでございます。こういう点につきましても、指導員の質の向上と、うたい文句はなるほどりっぱでございますけれども、全く逆の方向へ指導員そのものの仕事が行ってしまうというようなことも考えられますもので、こういう点につきましてもぜひひとつ十分配慮をしていただいて、行政指導を十分やっていただく、これはぜひひとつお願いしたいと思うわけなんです。  それから、さらに、指導員の中にアルバイト指導員がおるわけなんです。昼だけは百姓をやる、あるいは百姓をやっておる間は忙しいのでできぬけれども、ひまになってまいりましたら自動車学校の指導員に行く。昼は会社につとめておるけれども、晩は指導員に行く。こういうように交通事故の激しいときに、運転手さんを教育指導するところの指導員さんにこういうことが現在でもあるわけです。こういうものは望ましいことなのかどうなのか、さらにアルバイトの指導員というのを今後とも使っていこうというふうな考え方に立っておられるのかどうか、その点をお伺いします。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 アルバイトの指導員は、当然公安委員会の審査を受けているものと私思いますが、そうだとすれば一応合法的だと思います。ただ、もちろんお客さんの需給関係も考えての経営者のやり方だと思いますけれども、やはりアルバイトの指導員というのは例外的な存在であるというのが基本的な姿勢であってしかるべきだと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 だから、アルバイトの指導員というのは、いまあなたも言われましたように、今日の交通事故あるいは運転手育成という立場に立つならば、原則的には望ましい姿ではないと私は思うわけなんです。それとあわせて、自動車学校の指導員等につきましては十分なる賃金を払って、労働条件をきちっとして、その指導員の質の向上をはかる、こういう方向で行政指導を十分やっていただかないと、何かどうも間に合わせのようなやり方である、あるいは自動車学校のもうけということが中心になりまして、非常に過酷な扱いをする、こういうふうな方向へ進みつつあるというのが今日の現実の姿じゃないかと私は思うわけなんですが、こういう点につきましてもぜひひとつ十分な配慮をいただきたい。  それから最後に、タクシー、ハイヤー関係です。これは、現在水揚げで幾らで基本給で幾ら、こういう形態になっていますね。これを、水揚げ云々は廃止をしてしまって、全部月給制にする。そういうふうに切りかえると、交通事故にも私は大きな影響があるのじゃないかというふうに思うのですが、これはいかがでしょう。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 タクシーの賃金問題につきましては、これは労働省のほうの御所管になるかと思いますが、一応私からお答えさせていただきます。  運輸省といたしましては、運送事業者の監督をしておるわけでございますが、一方において、労働省におきまして労働時間と、賃金を含めまして指導的な、いわゆる二・九通達という通達を出しておられます。これでもって極端な累進歩合い制とか、こういうものについてできるだけ排除するというような御指導をされておりますが、運輸省におきましても陸運局等を使いまして、業者を指導いたす場合に、側面から二・九通達の励行が行なわれるような指導をしているのが現状でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 だから、いま言われましたように、二・九通達でございましたか、あれに基づいてやってはおられるのですが、非常にあいまいになっておるわけなんです。一時は、四、五年前だったと思うのですが、かなりやかましく指導しておったこともあるのですが、このことも、やはり交通事故防止のためには考えなければいけない一つの問題だと私は思うわけなんです。だから、こういうノルマが云々という賃金制度はやめて、もうはっきりと、運転手さんの賃金についてはどうと、こういうふうに切りかえるべき時期に来ておるのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、ぜひひとつこの問題につきましても——いま言われましたように、労働省の関係だ、これは確かに労働省の関係ではあると思いますけれども、交通事故を防止するという観点に立つならば、十分考えなければいけない一つの問題だというふうに私は思いますから、今後の検討課題にしていただくようにお願いしたいと思います。  終わります。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 坂井弘一君。

坂井弘一公明党

○坂井委員 自動車の大衆化時代、これに伴って激増する交通事故に対処するために今回の道交法の改正がなされたということでございますが、この道交法のあり方について突き詰めて考えてみますと、道交法そのものが、いわゆる大衆化時代ということから考えまして、すべからくこれは国民のための道交法でなければならぬということは、もう理の当然でございます。  そこで、かねてからわが党で提唱してまいりましたものが三点ございます。一つは、この道交法の文体を、義務教育を受けた程度の人ならだれでも容易に理解できる、いわゆるやさしい内容にすべきであるという点。それから二つ目には、条文の配列をわかりやすくして整理をする。たとえば警察、いわゆる取り締まり側だけが知っておればよいというようなもの、あるいはまたドライバーだけが覚えておけばそれでこと足りるというような、そういう内容を精査しまして、条文を理解しやすいように整理をする。それから第三番目には、道交法の普及に用いるためのいわゆる教則のようなもの、英国におきましては、ハイウエーコードという簡単なそういう教則が出ております。今回それらしきものが出されるというわけで、全体的に見まして十分とは言えないと思いますけれども、かなり前向きな改正である、こう評価をいたしております。しかし、第一点、第二点目の、わかりやすい道交法あるいは条文の整理ということになりますと、これはまだまだ十分ではないのではないか、もう少し道交法そのものをわかりやすい内容にする必要があるのではないか・そのための努力がさらになされなければならぬのではないか、こう考えるわけでございますけれども、その点いかがなものでしょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 昭和三十五年以来、道交法は、わかりやすくするという方向で、国会におきましても、あるいはマスコミでもそういう御意見が非常に強うございました。私どもも、そういう方向で逐次改正ごとに努力はしてまいったわけでございますけれども、しかもまた今回の改正で、先生おっしゃいましたように、役人だけが知っておればいいことと国民が知っておればいいこととをなるべく分ける努力もいたしました。しかしながら、よくよく突き詰めて考えました場合に、この道交法には、御承知のように、罰則もついておりますし、これが刑事裁判になった場合に裁判の規範になっていくということで、どうしても犯罪構成要件として明確にせざるを得ないという実務上の問題もございまして、わかりやすくするのにどうしても限界があるということに突き当たりまして、法律のほうをわかりやすくするのは大体この辺が限度ではなかろうか。したがいまして、むしろ法律の内容を義務教育卒業者でも十分理解できるような平易なことばに書き直した教則をつくって、そうしてそれでドライバーも勉強していただく、試験もそこから出していくというやり方に今回したわけでございます。むしろ今後はその教則の中身自身を十分わかりやすくするように努力もいたしたい、そのような考えでおります。

坂井弘一公明党

○坂井委員 御参考までに申し上げますが、公明党で交通安全の実態調査を行ないました。ここに資料がまとまってございますが、この中に、この道交法を全然知らないと回答した人が非常に高い比率を示しております。四八・九%、約半数ですね。半数は知らない。やはりこれは内容がかなり複雑でありむずかしいということではないか、こう判断されるわけであります。そこで、いまも局長からできるだけの努力をしたのだ、こういうことでございますが、私はやはりさらにこれをよりわかりやすい内容にしていく必要があるのではないか。今回の道交法改正によって相当きめこまかく細部にわたって検討がなされておるということは、一そう複雑化したということ、あるいはまた罰則の規定等も相当拡大されておる。そういうことに相なってまいりますと、どうしてもこの道交法をよく知悉して、しかる上においてこの交通安全ということにすべての国民が寄与していかなければならぬ、お互いに関係のあることでありますから。そういう意味合いからいたしまして、さらに一そうわかりやすい内容ということについての努力をしていただきたいということ、同時に、この改正によりまして、これを一そう効果あらしめるためには、やはりこれに伴うところの安全教育という問題が非常に大事な課題になってくるのではないか。歩行者保護あるいは公共輸送優先の考え方、そういうことが取り上げられまして、都市交通政策あるいはまたドライバー教育、こういうことも加わっておりますから、一応は法的な整備は終わった、こう考えられます。しかしながら、道交法が交通事故防止に果たす役割りにはおのずから限度があり、もう限度に来ているのではないかというようなことを考えましたときに、広い意味での全国民的な交通教育、と同時に、また総合的な交通対策の実施が一そう重要になってくる、こう考えるわけでございますけれども、私のいまの考え方に対してどうお考えになりましょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 仰せのとおりだと思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 これはもう一度大臣にお尋ねしたいのですけれども、交通安全、交通事故を抑止するという点について、この道交法自体がもうこれ以上改正の余地はなかろうというぐらいまで抜本的にあるいはきめこまかく改正をされた、こう言われておるわけでありますけれども、車自体がどんどんとふえる、異常な伸びであります。これに対処するこの道交法としてはもう力の限界に来ている。そこでやはり一番大事なことは、総合的な交通政策の確立、総合交通体系の確立ということがもう緊急の課題になっている。同時に、それに伴うには、いわゆる安全教育、これが並行していかなければ交通安全を期することはできない、こういう考え方に対して、いま局長は同感だ、こうおっしゃったわけでありますが、大臣としていまの考え方、これは当然そうであろうと思うのですけれども、なお具体的に、簡潔でけっこうですが、こういうふうにやっていくのだ、交通総合政策についてはかなり具体的に実効のある方法をこう考え、このように実施していくのだというようなものをお持ちでございましたならば、この際ひとつお聞かせいただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 このたび内閣に臨時総合交通問題閣僚協議会が設置されまして、関係各省庁間で長期的な見通しのもとに、総合交通体系の充実にあたっての諸問題を検討することになっております。この際長期にわたる交通機関別、地域別の人と物に関する交通需要の長期見通しを行ない、総合的に便利性、効率性、安全性等が確保されるような観点からの、新しい交通機関の開発も含め、各機関別の分担の考え方と各機関別の整備の方向を明らかにする必要があると存じます。要するに、運転者も歩行者もみんなが命を大事にするという認識が明確であるならば、交通事故はかなり防げると存じます。教育関係においても、文部省では義務教育の場において学習指導要領も改正して、力こぶを入れておりますし、指定教習所等におきましても安全性の教育を徹底してやろうというかまえでおる次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 まあかなり防げるということでございます。この問題はあとに譲りまして、次に駐車問題を承りたいのですが、この駐車対策というものは、交通安全対策の中でも重要課題の一つであろうと思います。ところが、都市における駐車対策、これのおくれが指摘されているわけでございますが、今回のこの道交法改正の中に、六年ぶりでパーキングメーター制、これを復活させるということでございまして、このことにつきましては、従来ともするとやみくもに駐車禁止さえすればこと足れり、こういう態度から実情に即応した体制を確立しよう、こういうことに変わってきた。私は好ましいことであると思うのですけれども、いわゆるパーキングメーター制だけでこと足れりとするならば、これはまたそこに誤りが出るのではないか。と申しますのは、前回、三十四年から四十年の間でございますか、このパーキングメーター制をやりまして、途中で中止して、以来中止になった。一体このパーキングメーター制度をせっかく実施しながら、なぜ中止をしたのか、その理由と、今回また新しくパーキングメーター制度をとろうとするその目的について、お伺いをしたい。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 御承知のように、従来のパーキングメーター制度は、駐車場法に基づく駐車場管理者が設置したものでございます。駐車場法の考え方では、路外の駐車場を整備するために、路外駐車場が整備されるまで路上に駐車場をつくりまして、そこから得た収入をもって公共の路外の駐車場をつくっていくという発想でできたものだと、私、理解いたしております。ところがやってみましたところが、いろいろ問題があった。一つは路外駐車場が相当整備されてきたというのも一つの問題だと思います。と同時に交通量が非常にふえて駐車も多くなってきて、それに交通の円滑をはかるために駐車規制も多くなってきたというのも理由だと思います。しかし、一番根本的な問題だったと私、思いますのは、パーキングメーターを設置しておりましても、中にそのルールを守らないで、お金を入れないでパーキングメーターのあるところにとまったり、あるいは、一時間あるいは二時間といった場合に、お金を入れないで長く駐車しておる場合が発見されて、違反が発生した場合にも罰則がなかった。そしてただあとで割り増し料金を取るという、そういう仕組みでありましたために、料金それ自身が法律で五十円に押えられておった、それからそういう仕組みのために手数が非常にかかった、あるいは料金徴収の人件費も非常に高くなってきたというような、いろいろな諸般の事情のために、各都市からそれがなくなっていったというのが現状だろうと思います。  私どもが今回考えましたのは、そういった法律の趣旨と違いまして、どうしても移動に必要な業務上の駐車需要のあるところには、三十分とか一時間とか駐車時間の制限をかける。そして駐車需要には応じながらも、長時間の駐車はやらさないということが根本の発想でございます。それを警察官がずっと見ておればいいわけでありますけれども、それではたくさん警察官がおっても、とてもやりきれないということで、警察官の省力ということも含めまして、パーキングメーターを設置するということで、従来のパーキングメーターの趣旨と、趣旨、目的が相当違うのではないかというふうに私、考えております。しかも今度の場合にはパーキングメーターを作動しない駐車違反にすぐなってしまう。あるいは三十分なり一時間以上とまっておれば、直ちに駐車違反になって、反則制度に乗っていくというようなことで、今回の制度になれば、それが励行されるのではないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 いろいろな理由があるのでしょうが、やはり特定の人の利用場所にさせれば、せっかくのパーキングメーター制度も効果が十分期待できないのではないか。一つにはやはり監視体制がなければ、相手は機械ものでありますし、その辺が少し不十分であったのではないか、こう考えられるわけでありますので、これは要望として申し上げておきますが、そういう点について十分効果のあるような監視体制と相まって、この制度の活用を進めていくという方向にひとつ持っていっていただきたい。  同時に、同じく駐車問題で、駐車対策が確立されたならば都市交通対策の八割までが解決する、こういわれるほど駐車問題は非常に大事である。こういわれるわけでありますが、諸外国によりますと、特にロンドンあるいはパリ、ニューヨーク等におきまして、パーキングポリシーということが出されております。やはり都心に駐車場をむやみにつくるということについては、かえって都市交通を渋滞させる、事故を起こすというようなことになって、好ましくない結果を招いてしまう。ですから都心の入り口までは車を持ってきて、そのあとは地下鉄、バス等公共輸送機関を使って、他の交通機関でもって都心に入ってくる、こういうふうな駐車対策というものを積極的にやはり進めていかなければならぬのではないか、こう考えるわけでありますけれども、こういう点についてはいかがでしょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 いま先生おっしゃったのは、パーク・アンド・ライドとかそういう仕組みだと思います。仰せのとおり、都心部に多くの駐車場、路外駐車場をつくりますことは、都心に交通を誘発することにもなろうかと思います。私どもといたしましては、通勤とか通学交通、そういうものの駐車需要は抑制するということによって、それはなるべく抑制していく。しかし、どうしても生産点から生産点に移動する業務用の短時間の駐車というものに対しては配慮せざるを得ないのではないか、それをやるのは駐車時間の制限という制度が一番適しているのではないかということで、今回もパーキングメーターを設置してやるというのは、そういう方向で考えているわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 確かにわかりますが、そうなりますと、駐車違反ということはきびしく取り締まっていく、こういう必要性があると同時に、車と駐車ということは切っても切れない、そこで秩序ある駐車体制の確立ということが大事になってくるのではないかと思うわけであります。そこで、いま言いますところのパーキング制度、これも駐車対策の一つでありましょうけれども、たとえば問屋街なんかどうしても一定時間の駐車が必要である。そういう地域に対しては無料のパーキングゾーンといいますか、それを設ける必要があるのではないか。ただ無制限に開放いたしますと、かえってまたこれはよけいに交通の繁雑を招くというようなことになりますので、たとえば一台に十分とか二十分程度時間を限って開放する。ヨーロッパあたりではこれがかなり普及しているというふうに聞いているわけでありますけれども、このような制度、駐車体制、パーキングゾーン、これを設定していくということは非常に必要性のあることではないか、大事なことではないか。特に地域の状況あるいは交通の事情、これをマクロ的な視野でとらえた総合的な駐車対策の一環としてのパーキングゾーン、無料のゾーンを設定してこれを積極的にやる必要があるのではないか、こう思うのですけれども、その辺については配慮されておりましょうか。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 パーキングゾーン、いわゆる駐車帯をつくったらどうかというような御意見でございますので、私のほうから答えさせていただきたいと思います。  おっしゃるとおり、都市内の、特に問屋街であるとかあるいは商店街におきましては、きわめて短時間の駐車ないしは停車が必要になる場合が多うございます。したがいまして、それによります交通の障害というものが当然ございますので、従来は、そういう停車帯ないしは駐車帯というものは別に道路構造令では定めておりませんでしたが、昨年の十月につくりました新しい道路構造令には、そういう需要のあるところにつきましては停車帯という名前でつくってもよろしいというふうな規定を設けた次第でございます。これは本線交通を円滑に流すことが一つの目的と、それからもう一つは、先ほど申しました問屋街、商店街の商業用のための一時的な停車を許す必要がある、ゾーンを設ける必要があると考えたわけでございまして、先生の御指摘のような停車帯につきましては新しい構造令で考慮しているわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 交通規制の問題で一、二お聞きしたいのでございますけれども、近年交通規制が、従来のような車の流れをよくするただ単なる経済効果をねらったそういう目的から、いわゆる交通安全を期そう、危険を防止しようという生活環境の確保を目的としたそういう規制に変わってきた、こう判断しているわけでありますが、この生活環境の確保を目的とした交通規制、これは非常に必要なことではないか、だれしも異論のないところであろうと思います。従来買いもの道路あるいは子供の遊び場道路、こういうものの設置の必要性につきまして、四十四年でございましたか、わが党も主張をしてまいりました。当時なかなかむずかしいというようなムード等もあったのでございますが、だんだんとその必要性が定着いたしてまいりまして、今回の法改正によっても法的な根拠まで与えられておる。非常にけっこうなことだと思うのです。  そこで、生活環境道路、交通環境の確保という考え方に、より根本的に立った場合に、交通規制を実施するにあたっての基準ということ、これはやはり人間優先、歩行者優先という原則、今回はそれを非常に重要視した改正であると思うのですけれども、そうなってまいりますと、人間が、歩行者が安心して安全に道を通れる、この人が通る道ということが基本的な考え方になっていると思いますが、その場合に、一体どれくらいの道幅があったならば人間が安全に通行できるか、この基準がどうしてもここで必要になってくるのではないか、こう考えるわけであります。そういう基準ということに対して、人間が歩行する道路のスペースの基準ということについてお考えを持っていらっしゃるかどうか、そういう考え方に立っていらっしゃるかどうか、お伺いしたい。

高橋国一郎建設省道路局長

○高橋(国)政府委員 人間が歩くためのスペースはどの程度に考えているかということでございますが、われわれ道路をつくる場合におきましては、原則としまして、歩道の幅を一・五メートルというように考えております。ただ、特別の場合におきましては七十五センチまで短縮することができるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、歩車道の区別のない道路につきましては、車両制限令によりまして、やはりその場合でも一・五メートル程度を歩行者のスペースとして考えておりますし、それから最小限の場合には七十五センチまで縮小することができるというふうに考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 道路から車道を取った残りが人道、歩行者の道である、いまの道路の実情というのはそうだと思うのですが、私がいま申しましたように、本来的に、たとえば混合道路、生活道路という道路から見れば、これはまさにさか立ちした——さか立ちの発想であったのでは、交通事故をなくそうとしても、十分な交通安全を期することはできない。   〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕 したがって、そういう道路につきましては、あくまでも人間優先という考え方に立って、まず人間の歩く、歩行者の安全を確保するための道路のスペースの基準というものを一つ明確に持って、それを差し引いた残りが車道である。したがって、その地域、その路線によって全部違うと思います。ある場合には歩行者が非常に多い、あるいはまたその路線の状況等によって、それだけの通行量のある、人間、歩行者の量から算定した道路のスペースを差し引く、残りは車も全然通行できないというような場合には全面的に通行禁止、あるいはその量によっては片側通行であるとかというような一つの明確な基準が出てくるのではないか、この辺で、やはり交通規制をするにあたっては、そうした歩行者の安全歩行のための道路スペースの基準という考え方を明確に持たなければ、かえって混乱が起こるのではないか、こう考えるわけでありますけれども、いま御答弁いただいたのですが、さらにそういうようなより基本的な、より根本的な基準をひとつ設定していこうという考え方に立てないかどうか、お伺いしたい。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 私どもとしましては、現在建設省と協議中でございますが、先生おっしゃるように、たとえば三・五メートル未満の道路については原則として自動車の通行を禁止するという方向で進めたい。三・五メートルの場合に、かりに歩道部分を一メートル取りますと、あと二・五メートルしか残らない。一・五メートル取れば二メートルしか残らない。そういうところは車は通行できないのじゃないかということで、そういう裏道、特に路地というところはもちろん通行を禁止していく。しかし、それより少し広くなった場合には、全面通行禁止ができなければ、大型車の通行禁止をしていくというような形をとる。それから今回の法改正にもございますように、かりにどうしても通さざるを得ない車、郵便車であるとか、あるいは牛乳配達の車とか、そういう車の例外措置をとるとか、あるいはそこに車庫を持って現に車を持っている人がその沿道にいるというような車については、警察署長の許可にかかわらしめて、ステッカーをもって、そのステッカーのある車だけは通っていいというきめのこまかい対策をおのおのの道路の状況に応じてやっていきたい。そのおおよその、ケース・バイ・ケースだと思いますけれども、基準になるべきものにつきましては、道路管理者とよく協議をして、基本的な線を打ち出して第一線の方を指導していきたい、かように考えております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 三・五メートル以下は原則として通行を禁止するという考え方ですね。私の言っているのは、そうしますと、いまもおっしゃるように、道路の実情、その地域の事情というものがおのおのあろうと思うのです。そこで、なぜ規制をするかという考え方の根本には、そうした生活道路等においては人間を優先させるのだ、したがってここの道路については人間の通行量がこれだけあるのだから一人当たりの人間の必要とする道路スペースはどうだ、歩行者の通行量がこれだけあるから、したがってこれだけは、一・五メートルあるいは二メートルは歩行者用として当然まず最初に置いておかなければならない、残りのほうは車は片側通行になりますよ、あるいは一メートルぐらいしか残らないから全面的にここは通行禁止になりますよ、という根本的な考え方を打ち出して、しかる後において地域の実情性を十分配慮した、そういう規制でなければ、かえって混乱を招くのじゃないか、こういうことを申し上げておるわけであります。したがって、いまおっしゃるような方法によって規制をされるということでございますけれども、そうすると、どこの路線を規制したならば一体どういう影響が起こるのか、これはその地域のみならず、総合的に、マクロ的に全体をとらまえて見ないとたいへんな交通の繁雑、困難が招来されるのではないかという点が非常に心配されるわけであります。したがって、いま警察庁が考えている通過交通の規制、車両の規制、これをやろうということでありますけれども、しからば一体各路線においてどこをとめる、どこを通す——通過車だけの路線もあるでしょう。しかしながらそこは三・五メートル以下だから全部ストップするのだ、そうするとその車は一体どこへ流れるのか、こういう全体的な車の流れ、これを考えていらっしゃるのか、これを行なうための調査資料というものがもうすでに整っていらっしゃるのかどうか、いささか心配になりますので、その辺のところを聞いておきたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 仰せのように、これは非常に地域的な相関関係があると思います。したがいまして、私どもが第一線を指導しておりますのは、県あるいはその具体的な都市におけるマスタープランをつくれ。先ほど申しましたように、幹線道路あるいは準幹線道路というような通過交通を主として考える道路と、それから生活道路というもの、通過交通ではなくして、その地域に起終点があるような交通のための道路とをまず分けて考えて、そして生活道路については歩行者の安全をはかるというのを第一の目標にして考える。それから通過交通のための幹線道路、準幹線道路については、これは円滑にかつ安全に流れるような仕組みを考えるということで、ある程度広範囲にわたった、面としての総合的な規制の方針を考える。しかもそれは警察だけではなくして道路管理者と一緒になって案をつくって、しかもその地域住民に十分説明をしてその納得を得た上で実施していく、そういう形で、計画そのものは合理性があり、しかも住民の支持を得るというような形でやっていきたい、そのように考えております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 時間が参りましたので、次の機会に残して質問を終わります。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中委員 今度の改正規定で、第六十二条の改正があるわけですが、従前の六十三条の二の規定とどういうふうに違うのか、お伺いしたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 二点において違っておると思います。  一つは、従来の六十三条の二の場合、装置不良車両の場合には、保安基準に定められる装置を備えているかいないか、あるいはそれが十分に調整されているかいないかという表現でございましたが、今回の改正によりますと、それは保安基準に適合するかどうかというふうに表現が変わっております。  それが一つと、それから従来は著しく他人に迷惑を及ぼしたという「著しい」という文字がございましたが、今回の改正にはその「著しい」という文字がございません。それと従来の装置不良車両と整備不良車両を一本にしました結果、装置不良車両につきましての罰則が強化された、そういう点が従来との変化でございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 その「著しい」という点がなくなったことと、それから前のほうの、表現の変更というように言われたと思うのですが、だから実質的には同じというふうに聞いていいのか。「著しい」というのがなくなったことによって、具体的な問題でいうと、どういうふうに違っていくのか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 前のほうの、保安基準に適合するというふうになった場合には、解釈論として大部分同じだと思いますが、ただ、従来ですと、たとえば騒音が非常に激しくなるような装置をオートバイだとかスポーツカーとかにつけ加えた場合には、従来では必ずしも違反にならなかったんじゃないか。今回の場合、適合しているかどうかということになりますと、つけ加えたことも含むという相違が出てくるんじゃないかというのが一点でございます。  もう一つは「著しい」を取ったことによりまして、法律解釈上は、保安基準の違反になれば他人に迷惑を及ぼすおそれがあるというふうに解釈できるということになろうかと思います。

東中光雄日本共産党

○東中委員 そうしますと、この道路交通法の一部を改正する法律案の補足説明の中にあるのですが、「騒音防止装置またはばい煙等の発散防止装置が保安基準に適合しない車両を直ちに整備不良車両とする」ということ、そういう解釈で提案されているように聞こえるのですが、はたしてそうなのかどうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 法律解釈論としては、そのように考えております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 そうしますと、「迷惑を及ぼすおそれ」とか、あとにつけてあるものは構成要件としては関係がなくなってしまう、適合しなくなったものは、ということだけになってしまうのじゃないかというように思うのですが、その点いかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 「迷惑を及ぼすおそれ」というのがございますので、解釈上は構成要件としては保安基準違反の場合には直ちに適用になる。ただ問題は、それが迷惑を及ぼす場合とそれから交通の危険を生じさせる場合と、その装置によっては相違があろうと思いますけれども、直ちに適用されるというふうに私どもは解釈いたしております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 私はどうもこの立法技術、特にこれは懲役刑が今度は入るわけですので、しかも「他人に迷惑を及ぼすおそれ」という概念は非常に不明確で、そしていま局長のお話では「他人に迷惑を及ぼすおそれ」はあってもなくてもいいことに結局なってしまう。初めから解釈がそういうふうになるということを予想してこれをつけられておるとすれば、条文としては非常におかしな条文になるわけですけれども、これは「交通の危険を生じさせ」というのが六十二条にありますけれども、これも同じようにそれでは解釈されておるわけですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 仰せのとおり、そういう解釈をしております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 そうしますと、結局は道路運送車両法または軌道法第十四条もしくはこれに基づく命令違反、これだけになるのだとすれば、むしろこれは道路運送車両法関係でやるべきことになってくるので、車両法の規定に反した場合にその罰則ということになるわけですから、道交法へ入れてくるのは、むしろ体系的にいうと車両法で規制している部分について、メーカーはまるきり何の責任も問われないで、そしてユーザーとドライバーだけが処罰される、こういうことになるのですが、そういう立法趣旨で提案されているわけですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 そういう立法趣旨ではございません。先生御承知のように、車両法の世界では、車両検査という形でその定期検査なり、初めの検査なり、検査場においての状態で車両の保安基準に適合しているかどうかという検査をするわけでございます。私どもの道交法の世界では、道路を現に通行している車両、その車両を通行している状態でとらえているわけでございます。したがいまして、たとえば車検を受けるときにはタイヤはいいタイヤをつけて車検を受ける、しかし走るときには古いタイヤとかえて走っておる、というような状態も当然考えられるわけで、そうした場合に、道路上でそのタイヤ自身が保安基準に合致しているかどうかという問題があろうと思います。  それからメーカーとの関係でございますが、本来の欠陥車の問題は、この整備不良車両では直ちに対象にはならないと思います。一応保安基準に合致したその車そのものがその後の整備を十分にしてなかったために良好な状態になかった、したがって交通に危険を生ぜしめるおそれがある、あるいは他人に迷惑を及ぼすおそれがあるというような状態でとらえていくというのが、この道交法の世界の問題だ、そのように考えております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 運輸省来ていただいておると思うのですが、たとえばこの場合、騒音についてですが、運輸省令の九十一号ですね。騒音について八十五ホンを規制の基準としているようでありますが、だからこれは保安基準としては八十五ホンということになっている。これについて、八十五ホンでもここでいっている「他人に迷惑を及ぼすおそれがある」状態ということに実際上なると思うのですが、こういう基準がつくられている。基準自体がすでに他人に迷惑を及ぼすおそれのある基準だということがいえると思うのですが、こういう基準をつくられた根拠ですね。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 お答えいたします。  騒音の規制の数字でございますが、これの技術的な根拠といたしましては、騒音についての他人の迷惑といいますことについてはなかなかむずかしい点がございまして、たとえばたった一つの車が大きな音を出すことによる迷惑、それからたくさんの車が連続して走っておる状態で及ぼす迷惑、あるいはそれの健康上の問題とか、そういうような点につきましていろいろな問題がございます。現在私たちの保安基準できめております数字と申しますのは、簡単に申しますと、技術的にできるだけ下げられる限界の数字を示していくというほうを目的として、できるだけ低い数字をきめるということでやっております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 これは前にも私は申し上げたことがあるのですが、生活環境審議会の委員長の楠本さんが、人間にとって騒音は五十五ホンが限度で、これをこすと脳中ホルモン成分や血球数が変動するといった生理的影響を受け、通常の生活上好ましくない、こういうことを専門的な立場から言っているわけです。これは迷惑を及ぼすどころか、現実に限度をこしている、それが五十五ホン。八十五ホンというのは、しかも左へ七メートルの距離で八十五ホンですから、大体室内はもう六十、七十ぐらいになってしまう、普通の道路でいえば相当大きな道路でも。そういう基準の自動車が走るわけですから、多くあろうが少なかろうが、おそれの問題ですから、多くあるものとしてやっていくということになれば、この基準は業者に対する基準としては、メーカーに対する基準としては、人に迷惑を及ぼすおそれは十分ある。だから実質的には道交法で取り締まりをしようとしている法益、それを侵害する程度の基準しか設けていないということになるので、道交法でいまやろうとしている分からいえば、はるかに、犯罪になるような行為を基準として出している、実質的には。そういうことについてはどうお考えになるのか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 ただいまの五十ホンあるいは五十五ホンとかいう数字でございますが、これは厚生省のほうで、環境基準のほうの原案として目下検討中の数字でございますが、これのはかり方は、一台の車から出る音ではございませんで、たとえばある道路のある特定の場所で、ちょっと正確な数字は覚えていないのでございますが、一時間のうちに何分おきかに飛び飛びにはかりまして、その全体の平均をどうとるか、こういうことでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、ある道路で車が限りなく走っているような状態、あるいは一台、二台が走る状態、それで条件は変わってくるわけでございます。それで、結局騒音の問題を環境基準を満足させるようなやり方といたしましては、車はもちろんできるだけ音を下げなければならないことは事実でございます。それからもう一つは、道路上の道路環境の問題、あるいは車の走り方の問題。先ほど申し上げましたとおり、この走り方は、たとえば三十五キロにおける走り方で、七メートルのところで保安基準においては規定をしておりますけれども、たとえばもしこの環境基準が満足されないような状態であるならば、道路のほうでまず交通量というものをある程度押えていただくとか、あるいは何と申しましょうか、街路樹その他のようなもので遮蔽をしていただくとか、やはり車だけでない、総合的な別個の対策をとっていただくということも必要になってまいるかと思いますが、音のほうといたしましては、いろいろそういう総合的な条件がかみ合った結果でございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 いま言われている騒音防止装置の基準は、平たんな舗装路面を三十五キロ時ということですから、最も音の立つことの少ない、騒音の発することの少ない状態で、しかも八十五ホンまで認めているのですから、これで郊外になったり、でこぼこがあるということになれば、この基準でパスしておっても、実際は八十五ホンでなくて、九十にも百にもなる。加速時には九十二ホンまで認めている部分もありますけれども、そういうことでいけば、環境基準を厚生省がどこに置くかということとは別に、いま道交法でいわれている、他人に迷惑を及ぼすおそれのある車を規制していく、しかも、そういう車を運転しておれば懲役まで科すという、それくらい守られなければいけないという法益だというふうにこの道交法ではしている。ところが、保安基準ということで、それに適合するかどうかというところで、それが実質上抜けちゃうわけですね。その保安基準のきめ方が著しくゆるやか過ぎるじゃないか。だから、これでいけば、メーカーは、なるほどいまあなたがおっしゃったように、技術的にできる範囲において、というようなことをあなたはおっしゃっているけれども、技術的にやろうと思えば十分できますよ、いまの科学では。そこに力を入れるか入れないか、経費をさくかさかないかというだけの問題なので、だからいま道交法でいっている基準、額面上出されている法益という点からいうならば、運輸省のきめている保安基準からいけば、これは全部しり抜けになっちゃう。条文では、いま交通局長が言われたように、うしろに書いてあるのはたいして意味を持たなくなってくる、解釈としては。しかし、法の趣旨は、これを書かなければいかぬような法の趣旨なんです。これじゃ羊頭を掲げて狗肉を売ることになっちゃうので、何にもならなくなるというように思うのです。この基準を——他人に迷惑ですよ、環境をどうするとかいっているんじゃないですよ、今度の規定は。「他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両」——だからそれは一人でも、不特定多数ならば、一人でも迷惑をこうむれば、それは他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両ということになる。そういう性質のものですから、通行量とか、あるいは道路の状況とか、そういうことと関係ないわけです、この道交法の今度の改正で出されている問題というのは。そういう点で運輸省としては、この基準を、いま額面に掲げられている。道交法のこの守ろうとしている法益をほんとに守っていくという、公害をなくしていくというような基準をつくられる意思がないのかあるのか、それをもう一回ただしておきたい。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 ただいま厚生省で検討しております環境基準といいますものは、私たちは、他人の迷惑というものを十分考えてきめておられる数字と考えておりまして、それをベースにして、当然この保安基準もできるだけ下げる方向で検討していく。先ほど十分数字を申し上げておりませんが、たとえば現在の規制では、乗用車につきましては、現行の規定は定常走行では七十ホンにしております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 交通局長にお聞きしておきたいのですが、いま言いましたような、道交法の、ここで公害をなくしていこうというその法益からいえば、この保安基準を、厚生省の基準とは別に、これは運輸省の道路運送車両法の保安基準なんですから、その基準を運輸省が一方的にきめられる。そのままでこの道交法を適用していくんだったら、これは、道交法をつくってもたいして意味がなくなってしまうので、道路における公害をなくしていこうという、ここで立法をされようとする意思からいえば、との公害、他人に迷惑を及ぼすおそれのある基準というのはどこに置くべきかというふうなことについて、担当の警察庁として意見をお持ちなのか、運輸省にそういう点について話し合いをされるのか、その点いかがでしょう。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 現在の保安基準を前提といたしましても、スポーツカー、それから二輪車などの極端な場合は、十分これで取り締まり得る、まずそこから入って十分に活用できると思っております。ただ、将来の方向としては、保安基準そのものが明確に数値的にも規定されることと、さらにそれがだんだん厳格な方向になることを私どもとしては期待をいたしているわけでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 もう一点聞いておきますが、一酸化炭素の問題なんかを見ますと、警視庁が昨年八月から十二月までやった分で、いわゆる公害車という形でいっておりますのが四万台あったというふうにいわれています。著しい数なんですが、結局基準をつくられても、最初の新車のときにはなるほど基準に適合しておっても、自動車の耐用年数が三年なり五年なりある。しかしもう基準ぎりぎり一ぱいで通っておれば、もう半年も経れば全部それをオーバーしていくということになってしまうので、これは運用がへたなことになると、たまたまとっつかまったものはひどい目にあうのだということになってしまうというようなことなので、「おそれがある」という、そういう概念を入れてこられる以上は、メーカーにおけるその基準をきっちりする。特殊、例外的に、単車などでたとえば騒音をバリバリいわして喜んでいるというようなのは、そういうのは別なんで、いま公害問題として問題になっているのはもっと全体的な問題ですから、メーカーでの規制、そういうものを厳格にやっていく、もっときびしくする。そして耐用年数の中で悪くなっていく部分も含めて、新車での基準を強くするということが必要だと思うのですけれども、そういった面で、これは対策室長に聞いておきたいのですが、運輸省と警察の取り締まり、道交法と基準との関係で総合的に検討していただきたい、こう思うのですがどうでしょう。

須藤博忠内閣総理大臣官房交通安全対策室長

○須藤政府委員 ただいまの御質問の件につきましては、われわれといたしましても関係省庁と十分協議いたしまして、そういう方向に持っていきたいというふうに考えております。

東中光雄日本共産党

○東中委員 じゃ終わります。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 これにて連合審査会は終了いたしました。    午後零時二十分散会

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