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65回国会衆議院1971/05/21

地方行政委員会 第31号

発言数
104
登壇者
22
会派数
5
開催日
1971/05/21

会議録

菅太郎自由民主党

○菅委員長 これより会議を開きます。  請願審査を行ないます。  請願日程第一から第三六〇までを一括して議題といたします。  まず、審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容については、文書表等ですでに御承知のことでありますし、また、理事会で慎重に御検討を願いましたので、この際、各請願について紹介議員の説明等は省略し、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中、第二〇、第二七ないし第三八、第四〇、第四二ないし第四八、第五四ないし第七一、第七三ないし第九一、第九四及び第九五、第九七及び第九八、第一一〇、第一一七、第一二五及び第一二六、第一三〇ないし第一四二、第一四五ないし第一六〇、第一六三及び第一六四、第一八一及び第一八二、第一八六及び第一八七、第一九二ないし第一九八、第二〇一ないし第三〇五、第二〇八ないし第二一二、第二八二ないし第二八四、第三三四及び第三三五の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、残余の各請願はいずれも採否の決定を保留いたしたいと存じますので、御了承願います。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

菅太郎自由民主党

○菅委員長 今国会におきまして本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、広域市町村圏整備事業に対する財源措置に関する陳情書外三十一件であります。念のため御報告いたします。      ――――◇―――――

菅太郎自由民主党

○菅委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  地方財政法の一部を改正する法律案  地方自治に関する件  地方財政に関する件  警察に関する件及び消防に関する件  以上の各件について閉会中審査の申し出を議長にいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合に、本会期中設置いたしました消防に関する小委員会及び地方公営企業等に関する小委員会の両小委員会につきましては、閉会中もなおこれを存置し、調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  また、両小委員会の小委員及び小委員長は従前どおりとし、委員の異動に伴う小委員及び小委員長の補欠選任並びに辞任の許可及びその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に閉会中の委員派遣の件についておはかりいたします。  閉会中審査にあたり、現地調査の必要が生じました場合には、派遣委員の選定、派遣地、派遣期間等につきましては委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――

菅太郎自由民主党

○菅委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 最初に自治省の遠藤行政課長にお尋ねしたいと思うのですが、本員、第六十五通常国会に提出をされました陳情書を拝見いたしました。   〔委員長退席古屋委員長代理着席〕  陳情書につきましては、請願と異なりまして委員会で採択するかせぬかという審議はいたさぬわけでありますが、せっかく各方面から寄せられた陳情でありますから、私ども、国民各位の声として十分に拝見をいたした次第であります。  その中に「区長公選制の実現等について」という陳情が出ております。陳情者は二十三特別区議会議長会会長の鈴木徳之助さんであります。したがって、東京都内にございます二十三特別区区議会全員の意思によるところの陳情ということでありますから、陳情に重い軽いということはないと思いますけれども、まさに二十三区区議会議員みなさんの総意ということになれば、これは二十三区にお住まいの住民全体の総意というふうにもいえるわけでありますから、そういう意味ではきわめて重視しなければならぬ陳情だと思って私も拝見をいたした次第であります。内容は「1住民の自治は、首長の公選があってこそその精神はいかされ、ひいては住民意識の昂揚となるものであり。区長公選制の実現を切に望む。」そのほか「特別区の区域は各区特有の伝統、住民の意識等を考えると区の統廃合は至難であり現行区域が望ましい。」三番目といたしまして、「事務の大巾移譲、都配属職員制度の廃止並びに税財源の配分による財政権の確立等を早期に実現すること。」こういうことになっております。特に表題は「区長公選制の実現等について」ということでありますから、区長の公選に一番の重点がかかっている陳情だと存じます。  これにつきましては、わが党はかつて地方自治法の一部改正法案を提案いたしました。地方自治法の第二百八十一条の三、「区長の選任」、「特別区の区長は、特別区の議会の議員の選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のものの中から、特別区の議会が都知事の同意を得てこれを選任する。」これは憲法九十三条、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方会共団体の住民が、直接これを選挙する。」という住民の直接公選制を憲法にうたっておることに対して違反する。しかも昭和二十二年以来、二回にわたりまして現に区長の公選は行なわれておったわけです。それを突如といたしまして法律改正をいたしましてこのような二百八十一条の三を設けた。これを削除いたしまして、この二十三区の区長につきましては当然公選をすべきであるということを法律案の内容として提案をいたしたのであります。行政課長、どうなんですか、二十三区住民の総意である区長公選しかもかつて二回にわたりまして区長公選が行なわれたという実績、憲法九十三条の規定、こういうものを踏まえた上で、なぜ自治省はいつまでもこの問題についてもたもたしておうのですか。自治省はすみやかに区長公選を実現するための法律改正を断行すべきである、かように考えるわけでありますが、御答弁をいただきたいと思います。

遠藤文夫自治省行政局行政課長

○遠藤説明員 この点につきましては、ただいま御指摘のように、区長を公選にすべしということを中心とします強い御意見があることは私どももかねて存じておるといいますよりも、東京都に関しますところの最大の問題の一つとしてかねてより慎重に検討してまいっておるわけでございます。実はかねてからそのような強い御意見があるということを基礎にいたしまして、先回の地方制度調査会におきましても、特別区の制度というものを、公選制度の問題を含めまして実は御審議を願ったわけでございます。その際にも、御指摘のように区長の選任方法を区民の直接公選に改めるということを趣旨とする強い意見が委員の中にもございました。その点を踏まえつつ調査会においては御審議願っておる、かように存じておるのでございます。しかしながら、いろいろ各委員御意見があったのでございますけれども、この問題はやはり調査会の答申においても、昨年の答申で述べられておりますとおりに、都制全般のあり方との関連において検討する必要がある問題であるけれども、今回は都制そのものの基本に触れる問題についてはもう少し検討する必要があるということで、今回はさしあたり事務の配分その他の制度改正並びに都及び特別区の対応の状況を見た土で考慮すべき問題であるという御意見をいただいておるわけでございます。そのような状況でございますので、私どもといたしましても、せっかく先生御指摘のような意見を踏まえた土で、このような答申を出されておるというように私ども伺っておりますので、現在のところはその答申の趣旨に従いまして当面の措置という問題について検討を進めると同時に、基本的な問題につきましても引き続き慎重に検討していきたい、もう少しその点についての時間をいただきたい、かように考える次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 昭和三十七年の都政調査会によるところの「首都制度に関する答申」、これは区長選任については公選を行なうべきであるという趣旨の答申をやっておるわけですね。いま課長が言われました地方制度調査会の「首都制度当面の改革に関する答申」、これは確かに区長公選をやれということは明確にうたっておりませんけれども、特別区への事務の移管後の運営状況を見た上でさらに検討せよということでありまして、公選制自体を否定をするという答申をやっていないわけですね。そういう点を明確にしておきたいと思うのです。それから同時に、現実に最近における区会の構成からいいまして、かつては自民党が区議会において多数を占めておったという時代がございましたが、最近におきましては与党と野党の数が拮抗する。さらに今回の本年の区会議員選挙の結果によりますならば、品川、大田、渋谷、中野、杉並、豊島、北それから板橋、練馬、江戸川、これらの区におきましては自民党はいずれも過半数を割っておりまして、野党が提携をいたしますならば過半数を制する、こういう事態に現に立ち至っているわけです。これは今後の問題でありますけれども、これが問題になりました昭和三十七年以来の経過を見ましても、結局多党化いたしました区議会の構成であるために区長が選任できない。区長が存在しない空白の期間がきわめて長かったという区も幾つかあったはずです。一体どのくらいの区が昭和三十七年以来今日まで空白期間がございましたか。

遠藤文夫自治省行政局行政課長

○遠藤説明員 手元にあります資料は東京都の資料でございますが、要するに前の区長が任期満了になりまして、次の選任まで若干の時間がかかるのは通常だと思うので、特に長期間と申しますか、長期間不在であったという例でございますが、これは手元にある資料でいいますと、百日以上くらいのところを拾ってみますと、千代田、新宿、文教、品川、大田、世田谷、渋谷、杉並、板橋、足立というような状況でございますが、そもそも選任すべき制度のよしあしはともかくといたしまして、やはり区議会が選任すべき任務を果さないということ自体、これはひとつ問題なのでございまして、そのような問題も四十三年ごろを機といたしまして、四十四年、四十五年ということになりましてからこのような不在という、長期間選ばれないという事態はなくなった、かように思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまあげました区の数が全部で十ですね。二十三区のうち十といえば半分に近い区において百日以上区長のブランクがあった。それはもちろん区会議員が選任をしないからいかぬのだということはまさに機械的な表現であって、結局区議会の構成というものも時代とともに変わるわけです。そういった中に、いまのような制度というものがやはりなじまなくなっている。かって二回にわたって公選をやったのですから、そういう制度もあったということを想起するならば、何か区議会がなまけておるというような言い方は、有能な遠藤さんの言とも私は聞こえませんので、それはひとつおやめになったほうがいいと思うのです。やはり区長を公選をすることの意義というのは私はいろいろあると思いますけれども、結局このような現行の選任制度では、区議会の構成あるいはその談合いかんで区長不在という空白期間がどうしてもできるということは事実ですから、やはりお認めにならなければいかぬと思うのですね。これが一つの欠陥だと思います。それから区長が区議会の選任であるために、区長と区議会との間に明確な責任の所在がぼやけまして、区行政の腐敗というものの生まれる可能性がある。この点も私は指摘をいたしたいと思います。それから一番大きいことは、区長と区民との間に直接的な連帯感、責任感というものが欠如して、住民の自治意識というものが低下することはどうしても否定し得ない事実であろうと私は思う。現にいろいろな調査によりましても、区長がだれだか知らぬというような住民が非常に多い。もういろいろな調査機関からも資料として発表されておるわけです。こういうことは私は住民自治からいって好ましくない。しかも本年の区議会の選挙によりまして、さっき私があげたような自民党が少数党に転落している区会というものが非常に多いわけです。私がもし党派的な意識で言うならば、この際一挙に野党が一緒になって、そうして野党の区長をつくったらいいじゃないか、またそうすればできるものが幾らでもあるのです。そういう主張をすれば、これは党派的な立場に立っての議論でしょう。しかし現に十以上の区において自民党が少数党になっておる。野党が十以上の区において多数党になっておるわけですよ。そういう中で、あえて私どもが区長公選をすべきじゃないかということは、これは党派的な利益じゃない。あくまでも私は住民自治を大切にしたい、こういう観点からの議論だということを私は行政課長、自治省も十分理解をしてほしいと思うのです。そういう意味に立って、どうなんですか、住民の自治という観点から私は区長公選は必要であると思うのですけれども、いかがでしょう。

遠藤文夫自治省行政局行政課長

○遠藤説明員 確かに先生御指摘のように、住民との結びつきという面からいきまして、区長の直接公選というものが非常にメリットといいますか、制度として望ましい面を持っておるということは私は御指摘のとおりかと思います。ただ制度と申しますのは、このような地方制度というものは一つの面からだけでは考えられない点がございます。区長公選ということ自体、先ほども何度も御指摘がありましたように、一度公選制をとったあとで、都区調整とか一体化というような問題から種々議論があった結果、現在のように廃止されたという経緯を持っておるわけでございます。もちろん当時と現在とは時代も違いますので、当時のことをそのまま取り上げるということではなしに、現在の時点で考え直すことは当然と思いますけれども、さればといって、先ほど請願にも事務の配分だとかそれに伴う財源配分もあわせてというようなことが出ておるようにお伺いいたしましたが、でありますように、単に区長公選制だけを取り上げれば万事が解決というものではないのではないか。実は公選制をとるならとるで、それに伴うところの事務の配分とかその他の関連する問題につきましてあわせて検討するのが私どもとしての任務であろう、かような見地から、実は先ほども、何度も繰り返して恐縮でございますけれども、地方制度調査会を通じて御検討を願ったわけでございますが、まだやはりその点につきまして、たとえば東京都制全体との関連でもう少し研究する必要があるというような御指示をいただきました。もちろん先生御指摘のような新しい事態も生じてまいっておることは事実でございまして、その点のところももちろん踏まえながらでございますけれども、単に区長公選そのものよりも、区長公選制度に関連する諸問題というようなもの、たとえば都と特別区との間の事務の配分というような御指摘の点も確かに研究すべきテーマでもありますので、その辺の問題もひっくるめましてもう少し研究をさせていただきたい、かように存ずる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも日ごろ尊敬する遠藤さんにしてはきわめてしどろもどろの、理屈に合わぬことを言っておられると思って拝聴をしておったのですが、それは戦後二回にわたって区長公選の時代がなかったのならいいですよ。それから、当時と現在の区の行政、財政上の権限が大いに変わったというのなら、それはまたそういうような議論もできるでしょう。しかし、現行の制度とほぼ変わらぬままの状態の中交戦後において昭和二十二年と二十六年、二回にわたって区長公選が現に行なわれた。ところが第十三国会におきまして、これは私は自民党さんのほうに申し上げたいと思うのですけれども、いわば自民党さんのほうの党利党略のような意味でこのような区長公選を廃止して、そうして区議会による選任の方法というものをいわば強引につくったということなのである。いまや野党が多数派になった区が十以上もあって、しかもなおかつそういう中で私どもが区長公選を主張しているという事実を私は十分考えてもらいたいと思う。これは自民党の皆さんにも御理解をいただきたいと思うのです。  課長さん、結局さっきの答弁はだめですよ。二回にわたって区長公選があって、そうして当時と現在の区とずいぶん権限が違ったのですか。そんなことはないでしょう。それでは現行とほぼ同じ状態の中で二回にわたって区長公選が行なわれたという事実を、遠藤さんどう考えるのですか。

遠藤文夫自治省行政局行政課長

○遠藤説明員 確かに前に一度公選制がとられたことも事実でございまして、その後どう変わったかということでございますが、区長公選制を廃止しまして以来都と区の間の事務配分につきましては、その後若干手直しが行なわれたわけでございます。ただ問題は、制度と申しますのは、私どもの立場といたしまして、前に一度そういうことがあったからそのとおり戻せばいいじゃないかというような形にはまいらないのではないか。東京都というもののその後の都市問題というものもいろいろ変わって、非常に問題も変化しておるということは先生御指摘のとおりでございまして、そのような新しい事態を踏まえてのあり方というものはあるわけでございます。制度というものはやはり生きものでございまして、単に形式的に、前にあったからそれに戻ればいい――やはり新しい時代に即応し、さらに将来に対応いたしますところのいわゆる東京都と特別区の関係、あるいは特別区の行政のあり方というものを一緒に考えないでこれだけ取り上げるわけにもまいらないのではないか。それは前に一度ありましたことは事実でございますけれども、だからといってそれを形式的にそのままやればいいというようなわけにはまいらないのではないか、かような意味におきまして、もう少し検討さしていただきたい、かように申し上げている次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大体きょうの遠藤さんはどうかかしておるのじゃないですか。とにかくいまの遠藤さんのようなお話はみんな了解していませんよ。時代が変わるというようなことを言われましたけれども、現に時代は大きく変わって、そうして区長選任について区議会でやることが客観的に非常にむずかしくなってきているじゃないですか。そのためにさっき遠藤さんが言われたように、十の区におきまして百日以上のブランクがある。しかも、いま住民意識というものが十分育たぬような状態になっている。住民の大部分が、区役所のあることは知っているけれども、区長がだれだか知らぬという者が大半だというような時代なんです。そうなれば、あなたが時代が変わったと言うならば、時代の推移を見きわめて、いまこそ区長公選に踏み切るべきときである。私はかように言わざるを得ないと思うのです。その点、言いわけはけっこうですから、確固たる信念の御答弁がおありならば、ひとつお答えをいただきたいと思うのです。  それから、自治省がいつまでもがんこなことを言っておるから、東京区民の皆さんも考えたわけですね。特に練馬区におきましては、現在の地方自治法に対して訴訟も起こったようでありますが、それは一応さておこう。そうして現行の自治法のもとにあって何とか住民意識を盛り立てる方法はないのかということを、いろいろ衆知を集めて検討いたしました結果、公職選挙法に準じた準公選方式、これは区の条例でもって制定をする、すなわち現行の自治法上には区長候補の選出方法が法律に明記されていないから、その選出する方法を区の条例できめて、そして区長候補者を公選法に準じた方法でひとつ選出しよう、そういう条例をつくろうということで条例改廃の直接請求――この場合は条例の制定ですか、直接請求を起こされた。ところがこれについて、いや直接請求は認められない、請求代表者の証明書の交付を拒否するというようなことを練馬の区役所がやった。自治省もそれを応援するような見解などを当時発表したじゃないか。そういうことは私はおかしいと思うのです。とにかく区長公選をすみやかに断行すべきです。少し検討期間がかかるというならば、せめてこの練馬区の住民が提起をした、この候補者の選定方法を条例できめて、公職選挙法に準じた方法で候補者を選ぶということくらいは、自治省は大いに奨励をしたらいかがかと思うのですが、いかがですか。

遠藤文夫自治省行政局行政課長

○遠藤説明員 先生御指摘のように、これは制度論は制度論といたしまして、現行の制度のもとにおきまして、いわゆる区長公選に準ずるような形の候補者の選考、選定手続を進めるというような動きがあることは事実でございます。この点につきましては事の当否というよりも、私どもといたしましては、現在の特別区長の選任を区議会の権限としているところの現行制度の趣旨をどの程度まで住民の投票にかからしめることが可能かという法律の趣旨解釈の問題につながるものと思われるわけでございます。私どもといたしましては、御存じのように、この法律が区議会に区長の候補者の決定、区長の選任権をまかせましということは、あくまでも法律が区議会の責任において選任をするということにしておる。これは一つは区議会の権限でもあると同時に、区議会の責任でもある。したがいまして、条例におきまして、たとえば区議会の有しますところの区長の選任の権限を奪う、あるいは区議会みずからがそれを放棄するというようなことは、やはり法律の趣旨上許されない。実は条例の内容につきましてもいろいろな形が考えられるわけでございまして、もちろん条例の中にも、中身と関係なしに一律に議論できない面もあるかもしれないと思いますけれども、いま私が申し上げましたように、その内容におきましてあるいは形式的に、あるいは実質的に区議会の権限を奪い、あるいはみずから権限を放棄するというような条例は、これは現行法上私どもとしては許されないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも遠藤さんの御答弁、私ども納得するわけにはまいりません。限られた時間でありますから、私はこの問題の議論はこれでやめたいと思いますが、これは自民党の委員の皆さんもおりますから申し上げておきたいと思うのですが、やはり現在の地方自治法の二百八十一条の三は、私が指摘したような状況の中で非常にもう無理になっているということは御理解をいただけたのじゃないかと思います。したがいまして、私どもは、しかるべく、国会に区長公選に関する地方自治法の一部改正を提案をいたしまして、予党さんをはじめ、社会党以外の野党の皆さん方の十分な御審議と、また御協力を賜わりたいと思います。その点を予告申し上げておきます。  次に、国税庁の参事官がおられるようでありますから、ちょっと税金のことでお伺いしたいのですが、給与がある、そのほかに通勤手当というのを官庁も出しているし、各民間の事業所も出しておりますね。これに対して、本年は二千四百円ですか、その部分については非課税措置をとるという形になっておる。それを、給与が支払われた、通勤手当は出さない、しかし、おまえは一体通勤に幾らかかっておるかという額を調べて、そうして給料の中から、通勤手当は出していないのに非課税相当分の二千四百円を控除して、あとの部分について所得税をかけて源泉徴収をするという企業があるようであります。そういう企業の税法上の扱いは適法でありますか、違法でありますか。お伺いいたします。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 現在通勤手当として支給いたしました金額の中で、非課税扱いをいたします限度は四千二百円でございます。四千二百円の範囲のものであれば、通勤手当として支給した場合に非課税の扱いをいたします。いま御質問の、特に通勤手当ということをしないで、給与としてまとめて支給しておる、そのうちから通勤費に使ったという場合はどうかという御質問でございますが、これは、特に通勤手当ということで区別をして支給いたしません場合におきましては、これを全額給与として、これが源泉徴収の対象になるということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、私の指摘するような企業があれば、これは税法上は違法だということになるわけですね。  次にお尋ねしますが、最近、マスコミ関係の企業で――私も過般の国会で指摘をしたのでありますが、争議に関連をしてガードマンを導入いたしまして、いろいろトラブルを起こしているマスコミ関係の企業が相当ある。特に、このようなことは一体どうなのかということを、実は議論をいたしたことがございます。ガードマンばかりではありませんで、最近、何年何月と言わなくても、山口さんのところでおわかりだと思いますから申し上げませんけれども、たとえば時事通信社等の争議に関係をして、警察官の方々が三回にわたって出動している。一体どんなことをやっておるかと聞きましたら、昭和四十三年以来時間外手当を支給しろ、それからいまのお話のあった通勤手当を支給してもらいたい、それから取材費を支給してもらいたいというような、きわめて初歩的な要求を掲げ、しかもべースアップの要求を掲げて、昭和四十六年一月に要求書を出して、今日に至るまでもゼロ回答というような中で、待遇改善にからむところの要求をやっている、そして当局と組合とが交渉しているというところに警察官が出て行くというのは、私はどう考えても行き過ぎではないかという感じがいたすのであります。警備局長さんの御見解を承りたいと思います。

山口廣司警察庁警備局長

○山口(廣)政府委員 事は労働争議と警察との関係という基本的な問題でございますが、御承知のとおり、警察というものは労働争議に対しては絶対に介入してはならないという基本的な原則がございます。そういうことは、私どもとしては常に全国の警察に対して注意を喚起いたしておるところでございます。そういう配慮のもとに、私は事に当たっておると思っております。ただ申し上げるまでもなく、労働争議というのは、時に物理的な力が解決をするというような場合もございますので、場合によってはいろいろ、たとえば理性でやると申しましても、それが正当性の限界を越える――要するに平和的説得ということが限界でございますけれども、その限界を越えて、いろんなトラブルを起こす、あるいは団交の場合でも行き過ぎが起こりまして、傷害ざたになったり、あるいは不法監禁というようなことが起こる場合がございますので、そういう場合に、労働争議でございますから、十分慎重な配慮のもとにではありますが、警察法二条のたてまえからして、その責務を全うするためには出ざるを得ないということでございます。しかし先ほど申し上げましたように、事は労働争議ということでございますので、私どもとしては、従来も慎重に対処してまいったわけでございますけれども、今後さらに一そう慎重に対処してまいりたい、そういうふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 当日の写真等を私は持っていますけれども、時間もないからそれについて議論はやめます。四月の三十日に当該組合の執行委員長名をもって、四月二十八日の事態に対して抗議書を本多警視総監あてに出しているようであります。実情をよく調べまして、そうして私は、やはり今後警察が労働争議に介入する――厳正中正であるべき警察が、こういった労使関係の問題に不当に介入するということのないように、ひとつ今後十分対処をしていただきたいと思うのです。その抗議書に対しまして、いまどうかということは私は求めませんけれども、あとこういう事態であったという説明の文書をひとつ、後日でけっこうですから、いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

山口廣司警察庁警備局長

○山口(廣)政府委員 承知いたしました。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 川島前警備局長、前警務局長、現内閣調査室長がおいででありますからお尋ねをしたいと思うのでありますが、内閣調査室がいろいろな調査をやる、民間機関に委託をして調査をしておられる。そのことの当否について議論すればいろいろありますけれども、きょうはそれをいたしません。  有名人意識調査というのですか、そういう調査をやっておられますが、どこへ委託しておられますか。

川島廣守内閣調査室長

○川島説明員 ただいまお話のございました件は、私のほうでは有識者意見調査と称しておりますけれども、これは問題によりまして、内閣の行ないます重要施策の遂行に必要と思われるさまざまな意見を、世論調査という形ではございませんで、各界各層のいわばオピニオンリーダーと申すべき方々から個別にこういう御意見を承って、それを整理をして参考にする、こういう意味でやっておるわけでございまして、委託の先は社団法人内外情勢調査会に委託をしてやっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 有識者意見調査という調査を民間機関に委託をしてやっておられる。これについては相当な委託費を出しておられるだろうと思うのですね。この場合、委託いたしましたマスコミ関係の機関、そこにつとめております記者諸君等を使って意識調査、意見調査をされる。その場合、当然経費もかかるわけでしょうから、取材費というものが支給をされるのは至当だと思うのですが、もしかりにそういう意識調査、意見調査を記者諸君に依頼をして、一件当たり五千円ぐらいの経費がかかったという形で領収書を出させた。領収書は出させたにかかわらず、その経費については現実に調査をいたしました諸君に支給しない、そういう事例があったといたしますならば、内閣調査室としては一体どうお考えでございますか。

川島廣守内閣調査室長

○川島説明員 ただいまのようなことが通常、常識ではあるとは実は考えられません。ただ、せっかくの先生の御質問でございますので、そういうようなことで必要な実費が支給されないということでございますれば、通常考えますと、当然調査内容にも期待するようなものが出てこないというようなこともないわけではないと思われるわけでございますが、もしもそのような事実があると仮定いたしますれば、私のほうとしては審査の上で正当に支払いをしておるわけでございますから、好ましくないものと考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とにかく調査費としてお払いになるのは国民の税金でございますから、その調査意図が内閣調査室が期待するような方法で厳正に行なわれておるかということにつきましては、当然委託費を出すわけですから、その業務内容その他についてもいろいろ調査し、また指導する責任はあろうかと思いますので、そういう点はひとつ万全を期していただきたいと思いますが、いかがですか。

川島廣守内閣調査室長

○川島説明員 御趣旨のとおり、十分検討して善処してまいりたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それから、労働省の課長さんがお見えでありますからお尋ねしたいと思うのです。  いままでの議論を聞いていただいたと思うのですが、そういうような事例が数々ある。税金の面においても問題がある。それから取材費等の問題についても、今後事実は内閣調査室のほうで御検討いただくだろうと思いますが、取材費を払っていただきたいとか、それから通勤手当を払っていただきたいとか、それからべースアップをひとつ実施してもらいたいとかこういうきわめて初歩的な、ごく常識的な要求を掲げて組合が経営者と交渉しておられる。ところがゼロ回答ばかりを繰り返す。しかもその過程においてどのようなトラブルがあったかは私は議論をいたしませんけれども、警察官の介入でありますとかガードマンの介入が行なわれる、こういう労使関係ははたして好ましい労使関係であるとお考えですか。またそのような労使関係は遺憾だとするならば、今後労働省といたしましてどのような御指導をなされるおつもりでございますか、承りたいと思います。

岸良明労働省労政局労働法規課長

○岸説明員 先生も御承知のように、この問題は相当長い経緯がございます。先ほど来伺っておりまして、特に賃金に関連をいたします問題、これは申すまでもなく、労使間において話し合いをいたしまして円満に解決をすべきことでございます。ただ本件の場合、先生の御指摘もございまして私ども非常に注目していままでながめておりますけれども、労使間に相互不信の関係がございまして、去年の七月以来いままで長期にわたってトラブルが起きておるようであります。幸い、最近になりまして使用者の側のほうでも若干団交というものに応じていこうという傾向にあるようであります。具体的な問題につきまして、私どもが労働省の立場から介入することは極力避けるべきだと思いますけれども、事案について労働委員会その他にも出されておるようでありますので、ひとつその面を十分注視した上で、必要があれば、必要な限度において労働省としても適切な指導をしてまいりたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 これでやめますが、とにかくいろいろ微妙な問題でもありますから、私は特にあまり具体的に本日質問することを避けたわけでありますけれども、各方面私の意図する気持ちはおわかりいただけたと思うわけでありまして、どうか警察におかれましても、厳正中正な立場をあれされることのないような御配慮をいただくと同時に、労働省におかれましても、十分健全な労使関係が確立しますように、指導すべきときは指導するということで対処いただくことを心から期待をいたしまして、質問を終わりたいと思います。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 きょうは大蔵政務次官においでを願っておりますが、これは政務次官に直接聞くよりもむしろ主計局の責任者のほうがいいと考えておったのですけれども、実際的の事務の問題で、しかし政治的に考えてもらう余地も多分にあろうかと思いますので、率直に聞きます。  ことしの地方財政計画の中で、ことに私どもが気をつけてみなければならない問題の一つに消防関係があります。最近日本の建築が非常に高度化してきて、消防の施設が追いつかない、そういうところから火災の思わざる被害が大きくなってきておるということ。それからもう一つは、これはあるかないかわからぬがもとにかく学者の説として始終新聞あるいは雑誌に書かれておる地震の問題、何か周期的にだんだん近くなっておるというようなことが書かれておる。そうなってくると、従来の消防に対する観念よりも、むしろかなり飛躍した観念の中から消防施設というものの充実をはかっていかなければならぬということが当然考えられるわけです。したがって消防についての予算の面で、率直にいえば、大体消防庁がかなり遠慮して出した当初予算の要求等が、私どもから見ればきわめて幼稚なものであって、もう少し思い切って出せ、こう言いたいくらいのものでも、大蔵省に行くとかなりまま子扱いされる。消防の歴史をずっと見ると、消防の百年史というようなものがこの間出たのだが、それの冒頭にそう書いてある。消防というものは従来まま子扱いされてきたということがタイトルの中に書いてある。いま日本の建築が非常に進んでおるときに、消防の施設が追っつかないという問題を考えてくると、消防の予算というものは特に大事なものだと私は考えておる これに対する大蔵省のものの考え方を最初に聞いておきたいと思います。

後藤正大蔵省主計局主計官

○後藤説明員 先生御案内のように、現在の消防組織法が制定されましたのが二十三年でございますが、現在の消防組織法の六条、八条あるいは十九条というようなところで、市町村消防ということが非常に強く打ち出されております。したがいまして、現在消防関係のいろいろな予算につきましては、いわば市町村の一般財源でまかなうということをたてまえにいたしておりまして、たとえば四十四年交付税の単位費用九百七円で千二百五十一億、四十五年が千七十円で千五百一億、さらに四十六年はこれを千二百七十円にいたしまして、一応千八百二十四億というふうな基準財政需要というものが見込まれておりますが、実際は火災の偶発性というようなことで、決算の数字と交付税の基準財政需要が、一般財源の関係もありましてかなりの乖離がございます。国といたしましては、現在火災の多様性なり多発性なりあるいは偶発性、偶然性ということのために、ともすれば消防力の充実がおくれがちであるというふうなことを十分踏んまえまして、強化促進法というのが二十八年にできまして、それ以来国は施設補助等をやっておるわけでございますが、その金額につきましても、全体でことしの要求が四十八億でございまして、査定が三十億でございまして、ささやかな、要求に対してその金額が少ないという先生の御指摘がございましたけれども、たとえば四十一年当時はこの施設補助は十億でございました。その後二億ペースで参ってきておりますが、四十四年から四十五年はこれを四億三千万増額しておりますし、四十六年もさらに四億という増額をしております。したがって二〇数%、ここ四十五、四十六年、両年度にわたりまして、私どもとしては相当力を入れた増額をはかってまいっておるという次第でございます。御了承いただきたいと思います。

門司亮民社党

○門司委員 そういう説明を聞こうとは思っていないんだよ。組織法は組織法なんだ。地方の自治体の仕事だから自治体がやればいいという理屈が立ちますか。日本の国内だよ。諸君は一体地方の市町村は国の外にあると考えているのか。国民の財産なんだよ。国家の財産なんだよ。君たちかそういう理屈を言うなら、これからもう少し真剣になって聞きます。大蔵省は、ことしの火災の損害額は幾らになっているか。全国の損害高というものはだれの損害なんです。君らが答弁できないならば大臣を連れてきてください、大蔵省がそんなわけのわからないことを言うならば。それでなければ総理大臣を連れてきなさい。われわれは国家の財産と国民の生命を害しておる今日の状態から議論しているのだ。消防組織法は私たちの書いた法律なんだよ。消防組織法のことなんか講義してもらわなくてもわかっているんだから。だから、はっさり聞いておきます。ことしの消防というか、火災の損害高はだれの損害なんだ、日本の国の損害なのか、そこでなくなった人は日本の国民ではないのか、市町村の国民なのか、それをはっきり答弁してごらんなさい。

後藤正大蔵省主計局主計官

○後藤説明員 日本国の損害であり、日本国民の損害であります。

門司亮民社党

○門司委員 そうだとするならば、政府の責任がある。だから、総理大臣を呼んできてください。これから質問しませんから、そんな、大蔵省がまるで市町村の責任であるかのような観念に立って議論されるならば。国の責任であることに間違いない。総理大臣を呼んでください。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 速記を始めて。

門司亮民社党

○門司委員 政務次官は、さっきから言っておりますように、いま出ている法案その他に対することは自分で担当されておるからおわかりだと思うが、国家目的の一つの理想に対しての考え方の責任というのは、やはり私は大臣だと思うのですよ。今日の政務次官の権限というのは、ここで言うと悪いからこれ以上は言いませんけれども、とにかくそれほど政治責任を負わせるということは不適当だと思うけれども、大蔵当局がいまのような答弁するようならば、とても消防の議論なんかできませんわ。これは県会か市会に行って答弁すべきだ。君の答弁は要らぬから、大臣を呼んでください。大臣が来るまで質問は保留しておく。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 速記をとめて。   〔速記中止〕

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 速記を始めて。

門司亮民社党

○門司委員 だから、私は冒頭に断わっている。火災の被害は非常に大きくなっている。これも市町村のせいで今日のような事態ができているのですか。これはやはり世の中の一つの進歩ですよ。これも全部市町村の責任だから消防はそっちでやればいいという理屈が立ちますか。同時に、地震の問題は一体どうなんです。地震の災害だって、市町村で地震をこしらえたわけ、ではない。地震は国全体の一つの大きな被害ですよ。国が責任を持つのは当然ですよ。  消防組織法に書いてある消防というのは、組織の上の一つの限定である。これが国家事務であるということになれば、それはたいへんなことなんだ。したがって、国家の一つの自治体である地方の自治体が地方の責任を持つ、こういう組織になっているのである。警察法だって同じことである。現行警察法だって国家警察とはいわぬだろう。これも府県警察という。名前だけは府県警察になっている。実態は明らかな国家警察であるに間違いないのである、警視正が国家公務員である以上は。われわれはほんうに日本の自治行政をどうするかということ、日本の民主主義をどうするかということ、したがってそういう事務の配分についても、真に民主的の国民の協力を得て個々の問題を解決していこうとするには、国の力でやるというよりも、むしろ自治体の共同の観念の上においてそういう事務は処理すべきである。犯罪等に対しても同じことである。その地域社会における犯罪を出さない、こういう基本的の地方住民の自治意識ができてきたときに初めて犯罪はなくなるのである。同時に、犯罪の検挙もたやすくなるのである。警察制度がどういうものであるかということ、消防の制度がどういうものであるかということ、この性格論から来た今耳の法律の体系なんだ。その体系を、いきなりそういうものは地方の自治体の仕事だという言いぐさがどこにありますか。  一体今日の法律の体系はどこから来ている。専制国家ではないということである。従来から消防の組織というものは内務省の権限ではあった。しかし、消防は内務省の中に、一応警保局あるいは地方局にあったと思うけれども、地方局が主として受け持っておった消防の組織がどういう組織に組み合わされておったかというと、この組織は競合しておったということである。したがって、これでは地方組織としての行き方からまずいということで分けたのである。終戦までは、消防組織というのは一面においては警保局の警察の制度のもとに置かれ、一面においては社会局の一つの関係を持っておった。こういう競合しておったものが、犯罪とこういう消防制度というものは全然別の問題だということで分けたのであります。そのために、消防組織法というのは新しい法律として戦後できた法律であります。戦前にそんな法律がありましたか。われわれはそういう角度の中で今日の消防を見てきたのである。  そう見ておるのに、これが本来は地方の自治体の仕事であるから、交付税はこれだけふやした、あれだけふやした。――交付税をそのためにどれだけふやしたのだ。何%ふやしたのだ。そんなわからない理屈をどうして君たちは言うのか。交付税の性格は一体何だ。交付税をひもつきで消防の施設にこれだけ加えましたということが言えるか、法律のたてまえから。まずその辺からいって、ほんとうに真剣にやるならば、その辺答弁してごらんなさい。どういうわけでいまの消防組織法ができたのか、警察法と消防組織法と二つに分けて。議論するならばそこから議論しなさい。何年何月の国会で、消防にこれだけ施設が要るから交付税の交付率のパーセンテージをこれだけ上げたという記録があるならば出しなさい。交付税は一体何なんだ、交付税の数値の単位を上げたからといって、交付税はふえたわけではない。こっちに回した分は地方が減っている。単位の問題は、そのときの実態に即したいわゆる自治省の内部の操作によってきめられるものである。交付税というのは、その時限における地方財政全体をにらみ合わせた一つの制度からできているものである。このくらいのことがわからぬで、それを一緒にごたごたしてごまかそうというのは精神があるならばごまかしなさい。私はごまかされないから。消防組織法のどこに火災の全体、震災の全体を地方の公共団体が負うべきであるということが書いてあるか。そんなつまらぬことをここに来て諸君が言うならば、時間なんかかまいはしないから――もう大体政務次官の時間は終っていると思うけれども、何か言うことがあるならば言いなさい。そのかわり大臣を出しなさいよ。私は大臣が来るまで質問などしませんから。こんな連中を相手にして何の議論ができるのか。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

古屋亨自由民主党

○古屋委員長代理 速記を始めて。中川政務次官。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 門司先生の消防関係、災害、火災についての非常な御心配になっておられる点は、まことに御同感でございます。特に東京あたりの災害というものは、これは今後大きな政治課題として、取り上げなければならない国民的問題であろうと思います。  そこで、これに対する政府の考え方ということでございますが、先ほど主計官が申しましたのは、たてまえは市町村が一義的にやる。それに対して、国の責任がないということは全くございませんで、そのために自治省の中に消防庁というものを設けまして、国家の仕事として真剣に取り組んでおるわけでございます。  そこで、それに対する大蔵省の見方ということでございますが、実はこの施設費補助というのは、私のつかえました大野伴睦先生が非常に熱心でございまして、当時補助のなかったものを、制度として門司先生、皆さんの御協力を得まして確立いたしたわけでございます。それについて現在補助いたしておりますが、まだ不十分であるという御指摘、まことにごもっともかと存じますが、主計官が答弁申し上げましたように、四十一年には十億でありましたが、ことしは三十億程度、十分ではございませんけれども意を用いておるつもりでございます。今後さらに御指摘もございましたので、この辺の点につきましては大臣とも相談の上、一段と努力をいたしてまいりたいと存じますので、御了解をいただきたいと存じます。

門司亮民社党

○門司委員 私はきょうはこういう議論をするつもりじゃなかった。政務次官に来ていただいて、そして内情だけをお訴えをして、今後の予算処理について配慮してもらいたいというのが、私のきょうの大臣ないしそれから次官に来ていただきたいという、こういう趣旨であった。最初からこういうむちゃなことを言うつもりじゃなかったのだけれども、まるで大蔵省の認識というものが、それほど大蔵省の事務官の諸君の認識が不徹底だというなら、これは考え直さなければならないのです。いまの交通災害を見てごらんなさい、だれのせいなんです。交通もやはり警察で取り締まる、警察でいろいろなことをやらなければならない、いまの警察は自治体警察。政治の機構の中で、どんなに小さな機構でも、自治法の中に書いてあるように、その地域における生命、財産を守らなければならないという、これが地方の自治体の政治上における任務であることはだれでも知っている、わかっている。しかし、それではもういけないという時代に来ている。ささやかな要求だけれども、わずかに四十八億しか要求していない。これでも私どもの委員会では足りない、こんなことではどうするのだ。見てごらんなさい、はしごは七階、せいぜい十階ぐらいまでしかいかないでしょう。建物は四十何階かできている、これの救護対策というものをどうするかということである。こういう建築法というものを、国はやはり認めているでしょう。窓のない家がどんどんできている、この中の消火というものはどうするつもりかということである。これは国の法律に基づいてできているんですよ。こういう建築の様相もどんどん変わってくる、しかもこの内部の装置というようなものが、こういう家具のようなものでも、昔の燃焼物と今日の燃焼物と違うのである。そういう形がどんどん出てきておる状態の中で、一体生命、財産をどうするかということである。去年火災だけで死んだ人は千六百人をこえております。損害は何千億になっている、これは国の損害ですよ、地方自治体の損害じゃないということ。  また、いま議論されておるような、この地震対策なんということになったら、一体どうするかということである。これを地方自治体が消防を持っているから、消防はいいんだという事務的なものの考え方、私はここで消防の事務的な議論をしようとは考えていない。われわれも国会議員として長い間ここにいる以上は、それくらいのことはわかっている。これは次官に聞いておいていただきたいのですけれども、この程度の――程度というと諸君はおこるかもしれないが、認識の諸君が、こういう将来の日本の、大きな災害がくるのであろうといって国民全体が危慎している、これに対して手を打つかということである、そういうものに対して、そんなことは地方自治体の仕事だから、組織法にそう書いてあるからそれでいいのだというような認識では、私は大蔵省にまかしておくわけにはいかぬ、諸君にまかしておくわけにいかぬ。だから、これ以上私はきょうは聞きません。中川さんも御迷惑でしょう。お約束の時間も五分過ぎておりますから、これ以上私は聞きませんけれども、ひとつ十分現状というものを認識をして、そうして地方の自治体に対する、消防の能力に対する補助をするというようなことだけではなくして、もう少し考えてもらいたい。  それからもう一つ、私は次官に率直に頼んでおきたいと思うことは、今日の消防組織自体の中には、いろいろ問題はあるかとは思うけれども、地方自治体においても財政は非常に逼迫している。いわゆる消防の自主財源というものを持っておらない。したがって、従来長い間の懸案になっているのであって、自治省としても大体二回ぐらいは――私は三十二、三年の時期だったと思うのだが、消防財源の充実のために、目的税として、そうして、いまの損保協会といいますか、損保会社の持っておる利益というもの、不特定多数の人の拠出したお金が特定の人の所有に帰しておるということはいささかどうか、生命保険のほうは、これは一つの個人の財産ですから問題はございませんが、火災保険の形はそういう形で相互的にいわゆる保険制度というものができておる。いわゆる掛け捨てということは、これは不特定な人のお金を集めて、そうして特定の人がそのお金を、全部利益を独占するということはどうかという疑念が出てくるのである。したがって相互扶助の問題としての保険制度になっている以上は、生命保険のほうは一面は相互的の扶助であり、一面は個人の財産であるのだが、火災保険はそうなってないじゃないか、一日でも日限が切れれば、前に幾らかけておってもそれはだめになるのだという、こういう性質のものであって、余ったからといってそのお金を本人に返すわけではない。だとすると消防の充実の目的として、損保会社からその利益の何分かは、いわゆる消防を充実するというための目的税として取ることはできないかという議論はしばしばされているのである。しかもさっき言ったように、自治省としては二回ぐらいは確かに私は立案したと思う。きょうは主計局の諸君でありますから議論はいたしません。これは銀行局の諸君に来てもらわなければならぬのであるが、そういう形で何とかそこに財源を見出す必要がないか。ことに、明治四十二年までは日本は損保会社がみずから消防施設を持っておった、その記録ははっきりしているのである。しかも、その記録の中で、その損保会社の総会の会議録を見てみると、そこには、みずから消防組織を持つことが国のためでもあり、自分のためでもあるということが、損保会社の総会の重役の発言の記録の中にはっきりしている。こういう経緯をたどっておるということ。したがって私は、そういう一つの目的税というようなものがあって、そうして国民全体に消防に対する観念を植えつける必要がありはしないかということ、こういう考え方等も、きょうは次官もお忙しいでしょうから、一応問いておいていただきたい。  いま日本の最も重大なものは、交通の災害と消防であります。日本は戦争をしない、戦争は一番.大きな人殺しですから、この人殺しである戦争をしないということを日本はきめているのだから、その次に、人間の生命と財産を奪うものは、一つは現在の交通事故、一つは火災であります。したがって、平和国家ということをいうならば、この交通災害をなくするということと、火災に対する万全の処置を講ずるということ、いまの自衛隊に使っているお金をこっちにみんな持ってきてごらんなさい、どんなものができ上がるか。私はそうしてもいい、戦争をしないという憲法を持っているのだから。自衛隊などは要らぬ。ただ国を守らなければならぬから幾らか認めておるようなものの、実際において戦争をしないのならこれは軍備は要らぬのだから、戦争以外に生命、財産を守るというのは、天災地変に備えることである。その天災地変に対して出動するのはだれかといえば、ほとんど消防でしょう。平和国家における最も大事な問題だと私は考えられる。日本の消防の実態というものは、先進諸国に対して非常に劣っておることは皆さんも御承知のとおりであります。したがってこれを何とかしなければならないというのが、私だけではなくて委員諸君全体の意見だと思うのです。きょうは非常に憎まれ口を聞きましたけれども、ひとつわれわれの真意のあるところを理解していただいて、ひとつ消防に対しては、消防が何らか行政組織の中でひとつ根本のような――どうもこれは非常時でなければ出てこない仕事ですから、常時にはあまり関心を持たれないのだけれども、それは非常に誤りであって、ぜひひとつそういうことを、次官から大臣にもひとつお取り次ぎ願って、そして私の質問は一応終わります。   〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕

菅太郎自由民主党

○菅委員長 和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 きょうは、大臣あるいは政務次官をお願いしたわけでございますけれども、参議院のほうが忙しいということで、きょうはお二人に来ていただけませんので、官房長、立田参事官に自治省側としてお願いするわけです。それから農林省側としては、合谷開拓課長さんですか…。  きょうは約六十年前の話からさかのぼって私やるわけなんですけれども、ちょっと歴史を説明するような話になる。その点ひとつ御了解願って、よく聞いていただきたいと思います。  まず、立田さんにお願いいたしますけれども、例の足尾鉱毒事件、田中正造という元代議士がいらっしゃいましたけれども、その一連のいわゆる直訴事件ですか、それから足尾鉱毒事件の谷中村取りつぶしの歴史、ああいうことは大体御存じですか、立田さんは。

立田清士自治大臣官房参事官

○立田説明員 そう詳しくは存じませんけれども、大体のことはいままでものの本等によって承知いたしております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 とにかく六十年前でございますので、お二方等まだお生まれになっていらっしゃらなかったのは当然でございますけれども、合谷さんのほうはいかがでしょうか。大体おわかりでしょうか、その点は。

合谷泰祐農林省農地局管理部開拓拓植課長

○合谷説明員 まあおぼろげながら承知いたしております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 私も当然このときはおりませんでしたが、ここに一つの資料がございまして、この資料を通じまして私お二方に谷中村取りつぶし事件のてんまつをちょっといまから申し上げますので、その辺から御認識願いたいと思うのです。  明治三十七年のころでございまして、例の公害第一号、現在ではそういうふうにいわれておりますけれども、栃木県の足尾町にあるところの足尾銅山、これからものすごい鉱毒が流れるということで、足尾銅山を流れております渡良瀬川がはんらんするたびにいろいろな鉱毒の害を振りまく。ちょうどここにいらっしゃる山口生先の地元の群馬県のほうにまで公害の災害がいってしまう、そういうことで例の田中正造代議士が天皇陛下に直訴した、こういうことでございまして、その点についていろいろな経緯があったわけでございますけれども、じゃ洪水の調節をどうするかということで、いわば洪水が起こるたびにいろいろな災害が起きる、鉱毒がそれだけあちらこちらに散らばるわけですから、洪水が起きないようにすればい一いんじゃないかということで、谷中村という村がありまして、約三千三百ヘクタールくらいな村です。ちょうどその村は渡良瀬川と思川という二つの川の合流点、それがいつもはんらんする。その村を、めんどうくさいから取りつぶしてしまえ、こういうわけです。その鉱毒の元凶であるところの足尾銅山に処置をするのではなくて、被害を受皿けておるところの谷中村を、おまえたちめんどうくさいからほかへ行ってしまえ、こういうことで当時の官憲のやりました記録を読んでみますと、ちょうどその谷中村を取りつぶすためには、やはり県議会として議決しなければならない。当時の県議会が明治三十七年の十二月十九日招集されましたけれども、三十二名の議員に七十六名の巡査がついて圧力をかけて、そうして審議をやらした、そういうこともある。またいよいよ谷中村を取りつぶそうということになりまして、そうして家財道具があるので、当局としては百名ばかりのいわゆる無頼漢と称されるような人たちを古道具屋に仕立てて、一軒一軒個別的に、強迫的に立ちのきを強要した、そういう事実もあります。さらにまたいわゆる執行官が、泣き叫ぶ人たちを外へほうり出した、こういう悲惨な姿もありました。その方々が行ったところはどこかといいますと、栃木県内でもやはりまだ未開拓地の、いわゆる岩石ばかりころがっている山野にほうり出された。どうしようもなくて帰ってきた。もとの地所へ帰ってきたら、何でおまえたち帰ってきたんだ、おまえたちがここへ来るのはけしからぬということで、やはり官憲から大きな圧力を受けた。そういう実に聞くも涙語るも涙という物語りがあるのです。そういう当時の谷中村の方々の犠牲者によって、現在は渡良瀬遊水池という大きな遊水池ができ上がっておりますけれども、それもたいして役に立っておりません。今度、先日発表になりました新全国総合開発計画、新全総では、そこをレジャーセンターにするということになっております。私は非常にいいことだと思います。そのように大きな犠牲の歴史がありまして、そうしてそれでは公害の元凶であったところの足尾銅山はどうかというと、現在でも群馬県の桐生市等では水道に砒素がまじるということで騒いでおる。そういうような公害の元凶じゃないかといわれているような始末なんです。それが一つの当時の事件でございました。これだけお話をすれば、あの当時のことはお二方には大体おわかりだと思いますが、その人たちのうちで別な一派の方々は、北海道へ未来の夢を託して開拓に向いた。その人たちは渡良瀬川の洪水でいつも悩んでいるということで、川のそばはいやだ、川のそばはこりごりだということで、北海道の常呂郡のサロマ湖という湖がありますが、その近くに移住いたしまして、そこで開拓を始めたわけでございますけれども、現在いらっしゃるのはわずか十三世帯、みんなちりぢりになってしまった。そういう悲しい実態でございます。現在その佐呂間のいわゆる栃木地区という名前になっておるのですけれども、その中心の方で今泉米次郎さんという方がいらっしゃいますが、現在六十六歳、ちょうど六歳のときに、そういう谷中村の取りつぶしの事件にあいまして、おとうさん、おかあさんと一緒に命からがら北海道にいかれた、そういう方です。ここに当時の写真がありますけれども、実に悲惨な写真です。無理やりにつぶされて、そしてむしろと戸板で掘っ立て小屋をつくって一応雨露をしのいだという、そういう悲しい歴史がありますけれども、そういう悲しい歴史をあとに北海道に渡ってきた。ところが、あの極寒とクマとに悩まされ、さらにまた未開の土地でございます。ここに私持っておりますが、いろいろな新聞記者の方々が現地に行かれて、そうしてその方々のたいへんなところを取材してきましたが、その中にいろんなのがございますけれども、二、三読んでみます。一つの詩がありまして、それは「いまここに捨て去りゆく 住みなれし懐しのふるさと祖先が伝えしひな唄も この地に絶えて十余年山林田畑も毒に浸り 人の情も荒れはてる 家も垣も傾むき 訪れる人もなし」「いまは涙も枯れはてて 祖先が永眠る墳墓の地を ふりかえりふりかえり 見も知らぬ山河もとめて」こういう歌がありまして、これは節をつけて歌うそうでありますけれども、実に不当な弾圧で取りつぶしをされたその村をあとに北海道に行って、そしてほんとうに故郷をなつかしんでいるのがよく出ております。そして今度は子供たちを連れてきた。まず食わなければならない。食うためには、まず借金だということです。現在でも、もうほとんどの家庭が二百万、三百万の借金をかかえておる、そういう状態です。なぜかというと開拓当時から、食糧をまず買った、そしてその借金を払うために田畑を耕した。ですから借金を返すための開墾である。それが、ずっといままで繰り返し繰り返しで、ほとんどの家庭が二百万、三百万の借金をかかえている。そしていよいよ六十年たちまして、昭和の戦後四十五、六年になった。当然過疎問題押し寄せる過疎の波には勝ちきれず、若い方々はほとんど都会に出てしまった。そして、その方々がどうしようもなくて、祖先の眠る土地に帰りたいということなんです。最近栃木県知事のほうに請願を出しまして、何とか祖先の眠る渡良瀬川の沿岸に私たちも帰りたい、何とかしてもらいたいという、ほんとうに読んで涙が流れてしょうがないような請願文が届きました。私もそれを見まして、栃木県知事にこれを申し入れました。その場で、県としてはとにかく調査団を派遣するということで、調査団が出向きました。ちょうどきのう帰ってきたそうでございますけれども、その調査に対しましてもやはりいろいろな問題があります。一番大きな問題は、何といっても過疎問題。時代の潮流には勝てないといいますけれども、しかし私は、この問題をよく考えてみますと、六十年前とはいえ、国家のいわゆる弾圧によって無理やりにほうり出された人たち、その人たちが六十年間苦労して、それでもしあわせをつかめなかった。帰りたいと言っている。これは何もここだけじゃないと思います。これからまたこういう問題が出てくるかもわからない。県といたしましても、現在県知事が中心で、どうすればこの方々にしあわせになっていただけるかということを真剣に考えておるようでございますけれども、やはりこれは県としても力は限られております。北海道庁のほうの話もあるでしょうし、また佐呂間町としての計画もありましょう。こういう点については、ひとつ国でも特に自治省、それから農林省の方々に御配慮を願いたい、こういうわけでこの話を私は本日しているわけでございますので、いまかいつまんでお話しいたしましたけれども、それに対しての御所見をひとつお願いしたいと思います。  官房長は、あとからおいでになって、ちょっと話のつじつまが合わないかもしれませんけれども、あなたがおいでになる前の話は、栃木県の鉱毒事件です。当時の田中正造代議士、谷中村という一つの村がつぶされました。そのときの歴史を申し上げました。大体あとはおわかりになるだろうと思います。とりあえず御答弁を願います。

岸昌自治大臣官房長

○岸政府委員 ただいま和田生先から熱心なお尋ねをいただいたわけでございますが、鉱害のために郷里をあとにされました方々が、六十年にわたりまして故郷を忘れがたく、故郷を思いながら今日までこられた。そうして現在過疎の波に洗われて、再び故郷に帰ろうとしておられるその御苦心なり御心情につきましては、ただいまのお話からも十分理解し、同情することができるのでございます。ただ、この問題につきまして、これを行政べースに乗せてまいりますためには、現在住んでおられます佐呂間町のお考えでありますとか、さらに帰ろうとしておられますところの栃木県のお考え等につきまして十分伺ってみなくてはならないと思うわけであります。何ぶん本日初めて伺ったばかりでございますので、そういった関係当局の意見も十分調査をいたしました上で、政府といたしまして対処しなければならないことがございますれば、前向きに取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 先に自治省のほうに伺いますが、政府のほうでもしなければならないものがあればといういまの官房長のおことばでございますけれども、これは、もう先ほどからもお話ししましたように、当時県議会で谷中村を取りつぶすための採決をするときに、三十二名の議員さんに対して七十数名の警察官がそばに付き添って、そして議決をさした。その一事を見ましても、これはすごい圧力であったということがわかるわけです。ですから、これは政府としてもしなければならないというものではなくて――それは六十前ですから、何回も内閣はかわっております。しかし、これは、やはり国として音頭をとってまでも、北海道であるとか、あるいは佐呂間町であるとか、また県のほうに、ひとつそちらのほうから逆な立場でやってもらいたい、私はこう思うのですが、その点どうでしょうか。

岸昌自治大臣官房長

○岸政府委員 私のお答えいたしました点、若干ことばの足らなかった点があったかと思いますが、私が申し上げましたのは、行政のベースに乗せましてどういう措置を講じていくべきか、これは行政上の措置もございましょうし、あるいは財政上の措置もあろうかと思いますが、具体的にどういう行政上の措置をとるかということにつきましては、佐呂間町の御意見あるいはこれを受け入れようとしておられますところの栃木県の御意見も十分伺って検討したい、そういう意味で申し上げた次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。そうすると、やはりいろいろな意見のもとに財政的にも、また行政的にも援助していきたい、こういうわけですね。  次に、農林省のほうにお聞きいたしますけれども、まずそのお考えを……。

合谷泰祐農林省農地局管理部開拓拓植課長

○合谷説明員 いま和田先生のお話をお聞きして、そういう昔いろいろな問題で北海道に出られた方方が、それがいまは故郷に帰りたいというその事情は、私も十分認識いたしました。この問題は、結局北海道の農業者が離農するという形で農林省としては対処してまいりたい。この離農の問題でございますが、現在農林省といたしまして、いわゆる戦後開拓を現在一般行政に移行させようとしておる。戦後開拓の離農措置というものがいま暫定的過渡的にあるわけでございまして、これは政府資金の徴収停止をやるとか離農補助金を交付するとかいう措置がある。これが暫定的な現在の措置でございます。それからそれ以外に、一般的の農業者が離農する場合の措置というものがございます。これは農業者の年金基金制度による離農給付金の交付とか、それから転業訓練の実施、それからまあそのほか農業転職の援助資金というようなものが制度としてございます。一般的にそういうものがございますが、本件につきましては個別具体的な問題だというふうに考えておりますので、したがっていまいろいろ闘いおるところ、ないし私どものほうできのう県のほうにも連絡をとりましたところによりますと、この問題は栃木県におきましてもそういういきさつを踏まえまして非常に大きな問題として県として対処したいというような見地から、さっきお話がありましたが、調査員を派遣して何かきのう帰ってこられたそうであります。というようなことでございまして、県として農林省にいろいろ相談があるだろうと思いますが、われわれもまた県と十分連絡をとりまして、そういういきさつのあるものにつきましてはできるだけのことはいたしたい、こういうふうに考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 問題は、これは北海道のいわゆる過疎に対する農業のあり方の問題だと思うのですね。この件だけではなくて、とにかく過疎ということに対しての農業関係、農業政策、これはどうなんでしょうね。合谷課長さんは開拓の関係でございますので、特に過疎のほうには関係が深いと思いますけれども、過疎の農業というのはこれからどうなんです、成立はできるのですか。

合谷泰祐農林省農地局管理部開拓拓植課長

○合谷説明員 まあ私たまたま開拓をやっておりますが、開拓は大体過疎のところに多いのです。そういうところで現在都市公害その他の農業公害を避けまして、ある程度大きな規模の酪農をやるとか養豚をやるとかいうような形で、相当の開拓者が成功しておるという現実もございますが、同時にまた一般の普通の農業をやっておったために、過疎になってきてどうにもこうにもならないという問題がある、二つの様相を呈しておるわけであります。開拓面を通じて申し上げますと、大規模な、いわゆる都市公害に悩まされるようなところよりも、道路その他の交通事情がよくなるという前提を踏まえますれば、過疎の地域におきましても、ある程度の大きな農業というものはその利点を取り上げまして伸びることは不可能ではない、こういうふうに考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 その点は、結局は若い方が出てしまう。農業では食えないというのが実際の問題なんですね。ほんとうにこの方々は三代続いての不幸の連続を味わっていらっしゃる人たちですね。これを一つ例にとりましたけれども、特に過疎に対する農業政策、これは合谷さんのほうでももっと真剣にやってもらいたいと思います、やっていらっしゃるでしょうけれども。  それからこの佐呂間町の方々の件につきましては、相当な借財もあるという。さらにその持っている土地を売りたいと思っても買ってくれるところがないというような、そういう大きな問題もあるそうであります。また若い人たちは、何もそこまで、栃木県まで帰らなくても北海道で新しい生活が開けるのだろうという、そういうことも言っておるそうでありまして、こういう点については官房長のほうもお聞き願いたいのですが、そういうことで、特に農林省では向こうの、北海道におけるいわゆる自立ができるかどうか、そういう点について、ただ事情を聞くだけじゃなしに、ひとつあらゆる制度を生かして、何とか助けてあげてもらいたい。この点についてどうでしょう。

合谷泰祐農林省農地局管理部開拓拓植課長

○合谷説明員 お話がありましたように、いろいろな制度を検討いたしまして、県と十分相談していきたいと思っております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 時間が来ましたからこれで終わりますが、官房長もひとつ、きょうは大臣にお願いしたわけでございました。大臣のほうに官房長から話していただいて、できれば大臣の考え方の御返答をいただければしあわせと思っております。よろしくお願いいたします。  以上で終わります。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 林委員及びあとの御質問者に申し上げますが、本会議が二時からでございますから、それまでに終わるように、お二人で時間の調整をお願いいたします。  林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私は警察の綱紀の粛正の問題について、具体的な事例で質問をしたいと思います。  言うまでもなく、警察法には、警察の職務を行なうには職員は憲法や法律を順守して行なわなければならないというふうに書いてあることは、これは言うまでもない。そこで具体的な事例と申しますのは、さきの地方選挙において、県知事選の投票日の前日、すなわち四月十日、福岡県の警察本部内において同警察の最高幹部数人が、知事選挙の候補者の得票数に対して賭博行為を行なったということが各新聞に報道されておるわけなんですね。その上四月二十七日にはこの問題について告発まで起きておるわけなんですけれども、具体的に賭博の名前を申し上げますと、選挙トトカルチョ賭博という、妙なことばですけれども、こういう賭博を行なったということが各新聞紙に報ぜられておりますし、告発もありますけれども、告発は当然福岡検察庁に行なわれましたけれども、警察庁としてもこの事態については調査していると思いますが、その内容を報告願いたいと思います。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 ただいまお尋ねがございました福岡県警察におきまして、福岡県知事選の投票のあります前日、四月十日に、県のごく一部の幹部でありますが、これが知事選の、いわばどなたが当選されるであろうか、あるいはどのくらいのパーセントを取られるであろうかというようなことにつきまして、まあ選挙期間中でございますので新聞報道その他にもそういう関連した記事は出ておるわけでございますので、そういうものに、基づきまして個人的な意見を述べておる際に、それぞれ意見が違うというようなことから、ひとつ当たらなかった者が非常に近い意見を出した者に昼めしでもおごろうではないかというような口約。束をした。ところが結果としましては、口約束だけはいたしましたが、そういういわゆる昼めしをおごり合うという実行はしなかった。こういう経緯が、新聞にもその一端が報ぜられたわけでございますし、また警察庁としても十分その辺の事情を、事柄が事柄でありますだけにいろいろと聴取をいたしました結果、ただいま申し上げましたようなことであったというふうに聞き、また現地からの報告もあわせて受けておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 単なる昼めしをかけるという程度ではない内容のことが各新聞に報ぜられております。それから、まず前提に、本部長の有吉久雄君もこれに関係していたかどうか、その点をお聞きしておきたいと思います。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 有吉本部長は、この件には参加はいたしておらないという報告を受けております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 地方の新聞をごらんになりましたか。たとえば佐賀新聞だとか熊本日日だとか、子ういうのをごらんになって答弁しているのですか。それともあなた、仲間同士の報告だけ聞いてたんじゃ、それは賭博をしたなんという報告を出すはずはないのですが、新聞をごらんになったのですか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 新聞も、関係した新聞につきましては十分拝見をいたしました。本人たちがかりに軽い気持ちであったと言っても、そういう点もございますけれども、事柄が神聖な選挙をめぐってこのようなことがあったということは、たとえ実行されなくてもきわめてこれは遺憾なことでございますし、そういう意味からいたしましても、有吉本部長を特にかばうというふうな気持ちは毛頭持っておりません。しかし、警察本部がいろいろとその当時の事情を精査をいたしたものと考えますけれども、そうしたことに関連した報告からうかがいましても、本部長は参加をしていない。ただ、こういうことはあったようでございます。それは新聞にも報ぜられておりまするが、大森課長が、その当日所管の業務につきまして本部長に報告すべく本部長室に参りましたときに、たまたま本部長が在室をしていなかった、そこでいわば秘書課長的な立場にありまして、本部長室の隣に在室をいたします総務課長と、知事選のあれこれうわさ話などを雑談的にしておりました際、先ほど申し上げましたような口約束と申しますか、そういうことが話題になりました。そこで、総務課長が、まあ自分はこうこうこう思っているというようなことを紙切れにごく簡単に書いたものを、後ほど封筒に入れまして大森課長に届けた。それがたまたま総務課長というのは職掌柄本部長のいわば秘書課長的役目をつとめておりますので、それが本部長が関係したのじゃないか、こういうふうに受け取られたのではなかろうかと推察をいたしております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 佐賀新聞の四月十一日によりますと、これは県警の公安一課の大森君の話として、「ことし二月十四日の北九州市長選でも警備部内の各課長や公安一課員が一人三百円の“かけ金”を出し合い、得票予想トトカルチョをしたという。」これは北九州のことで、これはあとで聞きますが、これでなくて、この佐賀新聞の知事選このことについては、「今度、トトカルチョをしていたのは、有吉本部長はじめ大森義夫公安一課長ら国家公務員上級試験合格者(いわゆる三級職の幹部)と、公安一課の一線警察官たち。配付されたコピー用紙には、県知事選立候補者二人の氏名のワクの下に、参加者が予想した両候補者の得票数とその差、参加者氏名を書き込むようになっている。さらにその下には入選基準、参加費五百円などの“規定”が記入されている。」金をかけているということが書いてあるわけですね。「さらに上位入選者には「本部長から賞品が出る」」こういうように言っていると、これは佐賀新聞で書いていますね。  それから熊本日日新聞を見ますと、「配布されたコピー用紙には、県知事選立候補者二人の氏名のワクの下に、参加者が予想した両候補の得票数とその差、参加者氏名を書き込むようになっている。さらにその下には入選基準、参加費五百円などの“規定”が記入されている。」みんな「参加費五百円などの“規定”が記入されている。」と、佐賀新聞にしても熊本日日新聞でもこういうことを書いておるのですが、そうすると、これは事実に反することが書かれているというのですか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 ただいま指摘されました新聞の記事につきましても、私も拝見をいたしたわ叩けでありますが、そうした記事の内容につきましても、いろいろ現地にも事情をただしたわけでございますが、その新聞記事は、私は、その事柄の概要については正しく伝えておる面が多分にあろうかと思いますが、一部やはり、当時まあ本部長からしかられるというような状況で、いろいろ取材もされておりますから、その関係者一同いろいろ混乱もあったのではないか、そういうふうなところが、あとから調べてみますと、本人関係者たちとしては考えてなかったというような点もございます。たとえば、いまお話がございましたような、本部長が賞品をかけておるというようなことにつきましては、これは四月十一日で一応投票が終わりまして、ほぼ地方選挙の違反取り締まりにつきましても、全国の各警察本部の捜査も一段落しておりますけれども、そうした場合に、やはり刑事たちがたいへん苦労をいたして捜査にも当たっておりますので、本部長としては、一応そうした捜査が山を越すあるいは一段落をするといった際には、御苦労でしたということで、慰労の意味で酒の数本もその刑事部屋に届けるというのは、これは世間的な慣行から見てもおかしくはないし、またそうして部下職員に慰労をするという本部長の立場も十分に了解できるのでありますが、そういうことが、終わったらひとつ慰労してあげるよといったような本部長のことばが、私は、誤り伝えられて、いわゆるこの新聞記事にありますような、この事件と結びついて考られたものではないかというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そういう簡単なことではないようなんですね。たとえば、四月十一日の朝日新聞で見ますと、「得票差でカケる」「福岡県警課長らを厳重注意」普通のいわゆる社会的な常識で行なわれるようなことではない。当落について賭博が行なわれていた。この朝日新聞の四月十一日付の記事を見ますと、「十一日投票の福岡県知事選挙の二人の候補者の得票差をめぐり福岡県警警備部公安一課の大森義夫課長(警視)ら同課幹部数人がカケをしていたことが十日わかり、有吉同県警本部長は上司の大波多警備部長(警視正)のほか大森課長らカケに参加した幹部を同夜遅く本部長公舎に呼び出し、厳重注意した。福岡県知事選は保守、革新の一騎打ち。大森公安一課長らの話によると、福岡県警幹部数人の間で、数日前、知事選の事前の票読みの会合を開いたとき「カケをし、一番近い票差をあてたものに食事をおごろう」という話が出た。」と、大森公安一課長はこう言っております。しかし、有吉本部長は厳重な注意をした。注意をしたということは、それに近いことがあったわけじゃないですか。「公安一課の大森義夫課長ら同課幹部数人がカケをしていたことが十日わかり、有吉同県警本部長は上司の」云々「のほか大森課長らカケに参加した幹部を同夜遅く本部長公舎に呼び出し、厳重注意した一と書いてありますからね。ただ、大森課長は、あなたの言ったことと近いようなことを言って弁解しておりますけれども。しかし県警本部長が、かけをしていたことが明らかになって厳重に注意したという事実があるとすれば、それはかけをしたことになるんじゃないですか。この事実はお認めになるのですか、どうですか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 有吉本部長が厳重に注意をしたということは、私は当然のことだと考えております。これは先ほども申し上げましたように、たとえ本人らが軽い気持ちでやったにいたしましても、選挙の違反取り締まりという面から、選挙の明正と申しますか公明と申しますか、それに寄与すべき立場にある警察官といたしましては、そうした軽はずみなこと、不謹慎なことは、たとえ小さいことでありましても、これは許されない。そういう意味合いから、その選挙をめぐりましていわば口約束をするというような事柄自体が不謹慎でございますので、それに対して本部長が直ちに関係者に厳重な注意を与えたということは当然のことでございますし、だからといいまして、それが直ちに刑法でいう賭博と申しますか、かけの罪、いわゆる賭博罪に当たるという認識をもって注意をしたということではないと私は考えます。  なお、先ほども告発のお話がありましたが、四月二十七日に告発がございました。これは現在福岡地方検察庁におきまして、この告発を受理され、事実を十分に明らかにした上、検察庁は御判断、御見解を示される、かように考えておりますが、本部長の措置は、いま申し上げたように当然のことである。  なお一言つけ加えさしていただきたいと思いますが、いわゆる知事選の候補者の名前を書いたりあるいはどのくらいの票数だろうかということを書いたりするそういう用紙、これは現地の本部に対して、実際どういうものであったかということを厳重に報告をさしたわけでありますが、現地の報告によりますと、そうした記述は、ある紙、いわば便せんにそうしたものを書き込んだ紙、これは実は用意をしました、しかしながら、入選基準といいますかそういうものは別に書いていなかったのです、したがいまして、お金の問題も書いておりませんでした、そういう報告を受けておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、あなたがお認めになった――四月十一日の朝日新聞にある、本部長がかけに参加した幹部をおそく本部長公舎に呼び出して、厳重に注意をした、そういうことはあり得ると言った。それは、本部長が注意するのは当然だと言った。というのはどういうことに対して注意をしたのですか。何が警察官の職務に違反したということで本部長が注意するのは当然だとあなたは認識なさるのですか。  一つ補足します。それはあなたの言うように、選挙で苦労したからその労に報いるという程度のことでないからこそ本部長が関係者を呼んで、しかもこの新聞には、かけに参加した者を呼んで厳重に注意したと書いてあるのですから、それじゃ何を注意したことになるのですか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 本部長が注意いたしましたのは、新聞等にも翌日掲載をされました一端もございますけれども、いわばその知事選の候補者の方の当落、どちらが当選されるかというようなことに関連をした、負けた者はひとつおごろうじゃないかというような、先ほど来申し上げておりますような軽はずみな、不謹慎なそういう態度というものは警察の威信を失墜するのだ、こういう意味合いにおきまして、警察の立場が先ほど来申し上げておるような立場でございますので、これを厳重にしかった。ただ、いま先生つけ加えられました賞品云々という問題につきましては、私が先ほど御説明した順番があるいはちょっと適当でなかったのかもしれませんが、本部長の賞品云々というようなおことばがございましたけれども、それは本部長がこのかけに賞品を出すという意味では毛頭ございませんという意味で、いわば慰労、選挙が終わって関係者が、刑事さんたちが苦労しておることに対して慰労をする場合に、ひとつお酒でもあげようか、こういう意味で言ったことがああいう混乱のときでございますので、そういうふうに受け取られたのではなかろうか、かように解釈しておりますということを申し上げたのでございますので、一言つけ加えさせていただきます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 有吉本部長自体がこの事件に関連していたという疑いを濃厚に持たざるを得ないような記事も出ているわけですが、佐賀新聞の四月十一日の記事によりますと、「有吉本部長は「全く軽率だった」と頭をかかえている。」、自分は何も関係がなければ頭をかかえる必要はないわけですね。それから有吉本部長の談として「違反の取り締まりに当たる警察官の姿勢として、深く反省している。」、こういう談話も出ております。いまのは佐賀新聞ですが、さらに熊本日日新聞には有吉本部長の話として」違反の取り締まりに当たる警察官の姿勢として、深く反省している。ただ私としてはトトカルチョなどとは知らなかった。」、知らなかったと言っているだけで、これは、あったのだけれども知らなかったという意味にとれる、常識的に。こういう談話を新聞で発表しているわけなんですけれども、この違反の取り締まりに当たる警察官の姿勢としては深く反省しているとか、あるいは違反の取り締まりに当たる警察官として深く反省し、私としてはそれがトトカルチョだとは知らなかった、こういう談話の出ているのは知っておりますか。知っているとすれば、この談話の意味はどういう意味なんですか。あなたの言うように、単に昼めしか何かをおごる話だというようにあなたは弁解していますが、そういう単純なものではないのではないでしょうか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 この有吉本部長の談話は、佐賀新聞あるいは熊本日日新聞という直接の新聞では拝見いたしませんが、中央紙、たとえば朝日、毎日、読売あるいは日経というような立場の中央紙での本部長談話は拝見をいたしております。またそのことばの中にも、いま先生が御指摘の、姿勢として深く反省するということば等も見ておりますが、姿勢として深く反省するということは、私、先ほど来申し上げておりますように、警察の第一線の県警察本部を統べる重要な責任を持つ本部長といたしましては当然のことであり、またそういうことばがあるべきものと私は考えます。その中身は、いま申し上げましたように、めしをおごろうじゃないか、こういうような事柄、それに対して、きわめて不謹慎であるということで、強く部下の反省を求めるというのは私は当然なことであろうかと存じております。  また、トトカルチョとは思わなかったということばでございますが、これは本人の真意をその面ではただしておりませんからわかりませんが、先ほど来申し上げておりますように、本人はこれには全く、めしを食おうじゃないかということについては関係をいたしておりません。したがって、部下から報告を聞いた際に、何だ不謹慎な、かけごとと誤解されるような、めしを食おうじゃないかというようなことをやったのはけしからぬじゃないか、こういう意味で私はそういう発言があったものと考えておるのであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がありませんので簡潔に申しますが、新聞等を見ますと、事件が最初に報道された四月十一日の各地方新聞は「軽率にも本部長自ら」という見出しなんですね。そして「今度、トトカルチョをしていたのは、有吉本部長はじめ大森義夫公安一課長ら国家公務員上級試験合格者と、公安一課の一線警察官たち」となっている。そしてさらに「この問題を重視した報道陣の追及に有吉本部長、大波多警備部長、大森公安一課長は相談して、あわてて回収、どうやらトトカルチョは“不発”に終わった。」、「あわてて回収」と、こういうような記事も出ておるわけなんですね。一方、同新聞によりますと、この事件発生にあたって、本部長のことばとして、警察官として深く反省しなければならないということも言っているわけなんですね。こういう記事を見ますと、「あわてて回収」をして、そして「“不発”に終わったとか、「軽率にも本部長自ら」とかいうような見出しで、地方新聞が重要な事案として報道しているところを見れば、あなたの言うような軽いものでないように思うわけなんです。   〔委員長退席、塩川委員長代理着席〕  しかも西日本新聞、これも四月十一日によりますと、「この得票当ての表には有吉県警本部長の名前も載っていたが、これについて幹部は」、「総務課に行ったが、本部長は不在で、秘書が日ごろ本部長から聞いていた得票予想を」本部長のところに書き込んで、「自分の金を五百円封筒に入れて持ってきた」ということを某幹部が言っているというのですね。これはちゃんと西日本新聞に出ているわけなんですね。だから、こういう事実を見ますと、あなたの言うような簡単なものではない。もっと厳重にこれは綱紀を粛正するために調査をし、そして厳重な警告なり、あるいは処断なりをする必要があると思いますが、この西日本新聞の、幹部の言う「総務課に行ったが、本部長は不在で、秘書が日ごろ本部長から聞いていた得票予想を書き込み、自分の金を五百円封筒に入れて持ってきた」、これは警察庁の調査の結果としてはどうなっていますか。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 最後にお尋ねの点から申し上げますが、その「本部長自ら」というような表題の記事になりました経緯につきましては、先ほども御説明をいたしたところでございますが、大森課長が十日の日に所管業務の報告のために本部長室に行ったところが、本部長が外出をして、いなかった。そこで、ちょうど秘書課長の役目をしております総務課長が本部長の横の部屋に通常おりますので、そこであすの選挙のうわさ話などをして、口約束の話を実はした。それに対して総務課長は、それはおそらく平素から本部長のそうしたうわさ話、雑談も聞く立場にございますので、あるいはそういうことを承知しておったかもしれません。それで本人も、ひとつじゃあというあれで、名前と、いわばパーセンテージのようなものを書いた紙を大森課長のところへ届けたというのが実相でございます。  しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、かようなことが神聖な選挙をめぐりましてあったことは、これは実行されなかったにいたしましても、きわめて遺憾なことでありますし、警察が国民に得ておる信頼というものを失墜するに非常に大きなものがあるわけでございますから、警察としては今後再びかかることのないようにきびしく姿勢を正してまいる所存でございます。  なお、有吉本部長以下につきましては、四月十四であったかと思いますが、本人には、部下からさような誤解を招くような行為をした者を出した監督の不行き届きであるということで、警察庁長官から厳重な注意処分をいたしております。また国家公務員でございます警備部長の大波多君に対しましては、警察本部長から、直接部下でございますので、これまた厳重な、いわば正式な注意をなされておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がありませんので、あと簡単に聞いておきます。  これは富田さん、新聞の報道から問題が大きくなってきたわけなんですよ。新聞の発表によりますと、報道陣の摘発ということばも使われているわけですけれども、そこで本件に関して報道陣に対して何らか不当な警察側からの圧力を加えるようなことをした事実があるか、あるいは今後は絶対そういうことはやらないと、報道陣として警察の公正を期するためにこういう記事を書くことは、これは報道陣としての当然の任務なんですから、不当に警察側から圧力を加えるようなことは絶対しない、また前にもそうした事実があるかないか、そのこともあわせて念のために聞いておきたいと思います。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 ただいま先生からたいへん私にとって意外な御質問のおことばがあったのでございますが、かように私どもとしてはまことに遺憾なことでございますので、報道陣に対して圧力とかというようなことは毛頭ございません。  また、新聞というものは、私どもは警察活動運営の一つの鏡である、かように考えておりますので、将来にわたってもそういうことは毛頭私はないと確信をいたしております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そのことを厳重に守ってもらいたいと思います。公正を期し、警察官の厳正な職務の遂行を期することを願って、報道陣の書いた記事に対して警察側が不当な横やりを入れたり、威圧を加えるようなことは絶対しないようにしていただきたい、こういうように思うわけです。  もう一つ、先ほど私、最初に読みましたけれども、同じようなことが二月十四日の北九州市の市長選挙の問題で警備部内で各課長や公安一課員が一人三百円のかけ金を出し合って得票予想の賭博をしたということも新聞に出ておるわけなんですけれども、このことは調査されましたか。同じことが二度繰り返されているわけですね。新聞の報道によれば。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 いま御指摘の北九州市長選挙の際のことでございますが、やはりそういううわさ話といいますか、雑談をしております際に、そうした若干の幹部の者が、個人的な意見の相違から、予想の的中者には昼飯をおごろうという口約束をしたようでございますが、これはその場限りの思いつきというようなことで、いわば飯をおごるという実行にはいかなかった、こういう報告を聞いております。しかし、重ねて似たような事柄が行なわれたということは、先生御指摘のとおり、これはもう真に姿勢を正さなければならない、かように考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 同じことが二度繰り返されておりますし、それから富田官房長は、先ほどから飯をおごる、飯をおごるということで答弁しておりますけれども、新聞の報道によれば、現金がかけられている。もっともあなたがそういうことを認めれば、これは刑法の賭博罪に該当してしまいますから、あなたとしては部下をかばう意味でも言いにくいという立場も察しられないこともありませんけれども、単なるそれが飯をおごる程度のものであったか、あるいは新聞で報道しておるように、北九州市の市長の場合は三百円、本県の知事選の場合には五百円というような現金が、具体的な財物が偶然の輸蘇にかけられたかどかということについては、さらに一そう念のために、国会でも問題になったのですから、お取り調べになるようにしていただきたいと思うわけですね。  最後に時間が来ましたので申しますが、この問題に対して地方紙に載っておる福岡県明るく正しい選挙推進協議会の根津菊次郎会長の、一般の県民や市民の考えていること、また報道を見て当然と思うという意見が掲載されております。国会の答弁としては、富田さんはそういう答弁をしておりますけれども、この報道を見た北九州市の市民、あるいは九州福岡県の県民はどう考えているかということを参考までに申し上げておきます。「前代未聞ですよ。しかも県警は、選管や協議会などでつくった“明るく正しい選挙推進本部”のメンバーですよ。取り締まりの趣旨に反した行為が警察内部で行なわれているなんて、一般的にも道義的にも非常識かつ異常な事態だ。一般県民が警察の取り締まりに不信感を持つことが心配だ。」これが私は市民や県民のこの報道を見ての、これはもう当然の意見だと思うのですね。警察としては、根津菊次郎氏の言っているように、一般的にも道義的にもこういう、報道によれば非常識なかつ異常と思われるような事態を起こしたことに対して、厳重に今後戒心して、再びこのような誤解を受けることのないように、火のないところに煙は出ないといいます、李下に冠を正さずということも言われますから、ないことを厳重に私は要求するわけなんですが、この根津会長の意見とも関連して、今後の警察の綱紀を粛正し、そして厳正中立に憲法と法律の命ずるところに従って警察権を行使するということについての、富田官房長の意見をあらためて聞かしてもらって、私の質問を終わりたいと思います。

富田朝彦警察庁長官官房長

○富田(朝)政府委員 そうした報道をごらんになった市民の方がさようなふうに思われるというそのこと自体、私どもが李下に冠を正さずという意味で、姿勢を正しくしなければいけないことだと思っております。したがいまして、今後再びかかることのないように、十分部内の指導を徹底いたしまして、信頼される警察という姿を一そう強めてまいりたい、かように考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 十五分ぐらいしかあいませんので……。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 五分前までやっていただいてけっこうです。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それにしても十七分ぐらいしかないので、結論だけ明確にお聞かせいただきたいのですが、最初に税務局長にお尋ねしたいのです。  日本水道新聞の五月十三日号に、軽油引取税の課税免除について、日本水道協会から陳情があったはずです。その内容は、たとえば水道に使う自家発電機またはポンプ運転用のエンジンに使います軽油について課税されておるわけですね。ところが、軽油引取税というのは明らかに目的税でございまして、一〇〇%道路に使わなければならぬ、こういうものなんでありますけれども、道路に無関係な水道のエンジン等から、道路に使う金を取るということは、目的税である点からいって問題があろうかと思うのです。現に農業用なり鉄道軌道用なり、船舶用なりあるいは陶磁器なり、あるいは化学工業等々の、道路と関係のないものについては、これは課税してないわけですね。   〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕 これは私は間違いじゃないかと思うのです。この陳情に対して、あなたのほうでは、四十七年度分から善処しましょうと答えておるようであります。よく実態を調べたい、こういうことですが、これは明らかに、当時農業用の機械に対するガソリン税等の税を取っておりますけれども、それは別途農業用に返す、こういう措置がとられて、農免道路等ができておるわけです。この場合は現に切符を発給して取ってないわけですから、これは即時、四十七年度といわず四十六年度からやめるべきではないか、こう思うのであります。そこで、今日の実態とこれについての自治省の確たる御方針をお聞きしたい。

鎌田要人自治省税務局長

○鎌田政府委員 ただいまの水道協会の陳情、実は私どものところにも参っております。現在そういうものが全体の軽油の中でどの程度のものになっておるか、あるいはこの軽油の使用の実態等を調査いたしておるところでございます。  これは先生十分御承知のところでありますが、軽油引取税、御指摘のとおり、道路目的税源でございまして、したがいまして、その道路の用に供しておらない軽油というものについては、課税の対象からはずすということは、基本的にはそのとおりでございます。ただ、その当時か免税の取り扱いといたしましては、直接道路の用に供しないものであること、それから経営の費用なり、生産コストの中に占める軽油の割合それからその軽油というものと、ほかの石油製品との代替性の有無というものを一応総合的に勘案しながら、免税軽油の範囲というものをきめてまいっておるわけでございます。そのような、ただ単に道路の用に供しないということだけのほかに、こまかな条件を付しておりますのはこれはもうおわかりだと思うわけでございますが、あまりにも小部分のものについてということでございますと、かえって徴税上繁雑であるという面もございますし、あるいは代替性のある油でございますというと、容易に免税用の油というものが結局ほかに流用される。いかにも取るほうの理屈じゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、そういうこともございまして、免税軽油の範囲というものについては慎重にこれを扱ってきておるということが、結局今日のこの水道問題になってきておるんだろうと思います。  そこで、水道の場合でございますと、いま御指摘になっておりますのは、停電になりましたときに水を供給するための装置でございますので、いま申しました免税軽油の中に私ども含めるという立場から考えますと、非常に可能性が高いと申しますか、もっともだと思われるものでございます。基本的にはそういう立場に立ちながら、この具体的な内容の確定を待って措置したいと思いますけれども、御案内のとおり、こういう税の性格でございますので、できればその処置というものを四十七年度、新年度早々からこの処理をしたらいかがであろうかというふうに考えておるところでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 普通税ならよろしいわけですけれども、目的税なんですよ。目的税であるからには徴税費を除いた――この場合にはたしか百分の七程度の徴税費を除いた百分の九十三というのはすべて道路財源に使われなければならぬということになっているわけですね。ですからディーゼルエンジン等相当動力が大きいものなのですから、しかも停電時ばかりではなくて、常に試運転をやっておらなければ非常時に間に合わないんですから、発給して――現に軽油使用量の二六%程度は免税になっいるわけですね。私はこればかしじゃないんじゃないかと思うのです、目的税の性格から逸脱しているものは。あなたがおっしゃった電気ガス税等についてはそのコストに占める割合が五%以上の場合には免税するとか、そういうようなことが条件としてつけておりますけれども、目的税の場合は普通税と違いますから、私はこういうものについてはやはり免税の発給をして、四十七年度以降の数字が間違っているのですから直ちに措置すべきではないか、こう思います。時間がないからそれだけを申し上げておきたいのです。  もう一つ、私は、これは厚生省と警察庁保安部だと思うのですけれども、最近の新聞あるいは新聞の論説、さらにごく最近出ました昭和四十五年における麻薬取締行政の概況という厚生省薬務局の麻薬白書というものを読みまして実は驚いておるわけです。これにも書いてありますように、戦後無風時代からヘロイン横行時代に移って麻薬撲滅時代に入ったといっておるわけですけれども、現実には貧困からの逃避、そしていまあなた方が繁栄からの逃避と表現しているように、新しい問題が出てきているわけですね。その特徴は何かというと、新聞の論説からいうとアメリカ型の麻薬禍が起こってきておる。それは何かといいますと、やはりこのマリファナ、こういうものがふえていっている。確かにアヘンは減ったけどもマリファナ事件が七七・五%もふえてきておる。ヘロインなりLSDの事件もふえていっておる。しかもそれが二十代のところに集中的に出てまいっておる。こういう憂慮すべき事態がこの麻薬白書の中につづられておるわけですよ。これについて今後厚生省なり警察庁としてはどういうふうに対処していくつもりか。問題が大きいだけにお尋ねしておきたいと思います。

長谷川俊之警察庁刑事局保安部長

○長谷川政府委員 警察のほうからお答えいたします。  御指摘のとおり、従前のヘロインとかそういったような麻薬はほとんど根絶に近い状態になっておるのでございますが、昭和四十二年ごろからいわゆる大麻、マリファナとかハッシシュとか、そういうふうな名前で呼ばれますそういう麻薬、これは主として幻覚の作用が強いようでございますが、それからまたたいへん強い幻覚剤でございますLSD、これは昨年の二月麻薬に指定されたわけでございますが、そういったものが昨年の例を見ましても、この前の年に比べましてほとんど倍近くまでふえておるということで、私どもはアメリカであるとかあるいは北欧とかヨーロッパ等の状況を聞きましても、これが非常に蔓延しているということは承知をいたしておるのでございます。こういう幻覚を伴う麻薬でございますので、手をゆるめますとたいへん広く行なわれ、たとえば一ころのヒロポンであるとかあるいは従前の麻薬のようなことになるおそれがありますので、警察といたしましては、現在麻薬取り締まりの重点を大麻及びLSDに最重点を置いてやっておるわけでございます。取り締まりにつきましてはいろいろくふうをいたしましてやりますが、基本的にはこういう種類の麻薬の害悪というものを広く国民の方も認識していただいていくことが必要であろう、こういうふうに考えております。そういう点につきましては、厚生省と相協力をいたしまして努力してまいりたいと考えております。

松田政一厚生省薬務局麻薬第一課長

○松田説明員 いま警察のほうから説明がございましたように、私どものほうといたしましても大麻、LSDが非常にふえております。特に私どものほうとしては、従来大麻というのは外国から密輸されていたのが多かったわけでございますが、最近では国内産といいますか山や野に生えている自生の大麻を使った犯罪が多い、特に昨年以来そういうふうに聞いております。ことし私どものほうといたしましては、従来ケシを不正栽培するのを防止するということである運動をいたしておりますけれども、全国的に大麻を引き抜いてなくしてしまう、撲滅しようということで、ケシの不正栽培とあわせまして大麻の撲滅運動ということで、警察、各府県、関係機関一致協力いたしまして、とにかく国内からこういうのを抜いてできる限り片づけてしまおう、こういうことで私どもは進めております。そういう状況でございますので、今後またLSDにつきましても、先ほど御説明がありましたように、昨年の二月に政令で麻薬に指定をいたしまして取り締りをやっていくということで、できる限り乱SD、大麻の犯罪がないようにいたしたい、こう考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間がありませんから、いろいろとお聞きしたい点があるわけですけれども、さっきも申し上げましたように、アヘンは確かに少なくなったけれども、密輸は相当あるわけでありますから、表面に出ない問題点もあろうと思うのですけれども、いわゆる大麻それからLSD、こういうものが激増をしていっておる。しかも大麻の場合は野生のもので、国内産のものでふえていっている、こういうことなんですから、私はたいへん憂慮すべき事態だと思うのです。  もう一つの問題点は、こういう麻薬取り締まり違反者の中に、この麻薬を使う人もしかもさっき言ったように、二十代から三十代の人が圧倒的に多いのですね。それからもう一つは、麻薬の取り扱い者の違反というのが、やはり三分の一程度常にあるわけですね。この辺にも問題がある。お医者さんが医療上必要だと思ってやったというのが、ちょこっと一ペん自分で使ってみたら、もういつの間にか使わなければならぬ、あげくのはてはつかまった、こういう例も多々あるわけで、いろいろ問題点があると思うのです。これについては、もう時間がありませんから、問題の指摘だけにして、もう一つ問題を提起しておきたいと思うのです。  麻薬は、これでやめますが、最近の新聞を見ますと、犬にかまれて子供が死んでいる例が毎日のように新聞に出るわけですね。ところで、このために千葉県あたりが全国衛生部長会に犬の取り締まり法を制定しろ――私は、ちょっとこの間の選挙のときですが、自動車に乗っていきますと、子牛が歩いているじゃないかと思うぐらいの大きな野犬がのそのそ歩いている。ものすごく大きいのですね。これではおとなでもたまったものじゃないですね。そういう状態なんですよ。そこで、これは狂犬病予防法に基づく取り締まりぐらいでしょうけれども、最近は子供がお菓子を持ったり、あるいは焼きイモを持っておったらかみ殺されたとかなんとか、いろいろ事件があるのですが、一体この取り締まり等については、自治省がやっているのか、厚生省がやっているのか、一体どこがやるのかわからぬわけだ、犬公害というのは。しかし、条例等のことになりますと、これはやっぱり自治省が指導しなければならぬのじゃないかと思うのですよ。あるいは警察もこの犬の害については、ある程度関心を払っていただかなければならぬのじゃないかと思うのですが、この辺についてどういう考えを持っておるのか。一体どういう形でこれから指導しようとするのか。さっき遠藤君とちょっと廊下で一緒になったら、あれはうちではないんですよ、どこがやるのでしょうか、こう言っておる。これではどうにもならぬじゃないですか。この辺ひとつ警察なり厚生省なり自治省なり、どういうことでやるのか、それぞれ答えさせると、いつまでたってもこれは進まないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。警察は交通関係をやっていますと、新しい道ができて、そこへ自動車が通り始めると、その辺の犬は減ると言うんだけれども、しかし、それ以上にどうもやっぱり野犬がふえているようですね。この辺ちょっとひとつお聞きしたいのです。

長谷川俊之警察庁刑事局保安部長

○長谷川政府委員 犬の害、これはやはり生命、身体、財産に被害を及ぼすわけでございまして、警察の所管といいますか、やっております大きな法律の軽犯罪法の中にも、そういう人をかんだりするようなおそれのある犬を放したり、いろんなことをしちゃいかぬという規則等もありまして、それに基づきまして、昨年あたり見ますと、やはり全国で五十件近くそれで取り締まっている例もございます。しかし、それは非常に限定されておりまして、現在私どもは、こういうふうにいろいろ問題になっておりますので、外勤の警察官がパトロールなりその他の仕事をやる際に、犬の不備な飼い方について当然目につくわけでございますから、そういうときには警察官としても十分注意してやってもらうように指導いたしているわけでございます。  最初にお話がございました、基本的に法律をつくり、どこだということになりますと、いろいろな見方があるのではないか。つまり犬を飼うこと全体を引っくるめて考えますれば、病気の問題もありましょうし、いろいろ管理の問題もありましょうし、それから単に害を加える点だけを規制するということになれば、あるいは私どもなり法務省ということも関係してまいると思いますが、警察としては、いま申し上げたようなことでやっていく所存でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 イギリス人というのは、日本人より動物を愛護するあれが強いですね。ところが百年ぶりでモードリングという内務大臣が犬法というのをつくった、そういうふうに新聞に書かれてありますよ。そこまで熱を入れているわけですね。ですから、どこか知りませんけれども、自治省が旧内務省を夢見ているならば、こういうことくらいは率先してイギリスのまねをして対策を講じたらいかがですか。この辺は、いろいろ問題があります。しかしもう時間がありませんから、問題提起だけにとどめて、条例をつくるなり、英国で百年ぶりにつくったという犬法、そういうものをつくるなりして、そうして所管をかっちりきめてやっていただけば一番いい。そういう法律ができたら警察庁がやって、人間をひき殺したら困りますが、たまには犬をひき殺すくらいのつもりで犬を取り締まっていただければ、こういう害からのがれられるかもしれませんけれども、何かひとつこれについて対策を講じていただきたいということを申し上げて終わっておきます。      ――――◇―――――

菅太郎自由民主党

○菅委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  昨年十二月二十六日に召集されました今国会の会期も、来たる二十四日をもって終了することになりました。  この間、統一地方選挙等がありましたが、本委員会の運営につきまして、理事各位はもとよりのこと、委員各位の絶大なる御支援と御協力を賜わり、百五十日の会期のうちに本委員会関係の案件をすべて議了いたしましたことを深く感謝いたし、厚く御礼申し上げます。  まことに簡単でございますがごあいさつといたします。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十七分散会

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