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65回国会衆議院1971/03/19

地方行政委員会 第17号

発言数
105
登壇者
8
会派数
2
開催日
1971/03/19

会議録

砂田重民自由民主党総理府総務副長官

○砂田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため委員会の出席がおくれますので、委員長の指定により理事の私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出にかかる公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案及び細谷治嘉君外十名提出にかかる公害防止事業の実施を促進するための地方公共団体に対する財政上の特別措置に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 公害対策本部へお聞きしたいのですけれども、公害防止対策基本法の十九条に基づく公害防止計画の作成地域は、四十四年の指定が三地区、続いて予定されているところに第二次で東京都、神奈川県、大阪府の三地区、続いて第三次、昭和四十六年は名古屋、尼崎、北九州、大分の鶴崎、茨城の鹿島の五地区、続いて四十七年、第四次が五地区となっておりますが、これらの地区だけでは、いわゆる公害列島といわれている、いま日本全国に広がっている公害の現状からいって、あまりにも特定された地域で、少ないと思いますが、本法律の有効期間は昭和五十六年までの十年の時限立法ですけれども、第四次の基本方針指定予定地域のほかに、その後基本方針の指定指示をする地区は予定されているのですか。これで終わりということなんですか。どうでしょう。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 御指摘のとおり、四次までの指定ではもちろん不十分でございます。全国各地にまだ公害対策基本法十九条に該当するような地域があるわけでございますから、当然それに引き続いて第五次以降の指定を考えております。ただし、具体的にどの地域にするかということにつきましては、現在やっておるこの防止計画が出そろいますまでにはまだ若干の時間がかかりますし、それで全国的なデータを集めた上で優先順位をつけて総合判断をして指定していくということになりますものですから、まだ具体的にどの地域というところまで詰めるまでには至っておりませんけれども、当然追加指定が必要であることはおっしゃるとおりだと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ただ、御承知のとおり本法が十年の時限立法ですから、その範囲内でさらにあなたのおっしゃるような他の地区の指定をなさる予定なんですか、どうでしょうか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 これはこの前もちょっと申し上げたのでございますけれども、現在までの体制は、最初の原案を厚生省がつくりまして、厚生省の原案をまとめた段階で公害対策本部にいわば厚生省原案ということを持ち出しまして、それからあと各省との調整に入るということで、率直に申しまして、相当手間がか知ったのは事実でございます。しかし、今後は環境庁が発足しますれば、その辺の問題は一元化されることになりますし、中央公害対策審議会に公害防止部会というような専門の部会を置きまして、専門的に審議をしていただく、そして全体の公害防止計画の基本計画の策定ないし防止計画の承認事務につきましても、格段の事務の進捗がはかれるであろうと考えております。そこで、この法律は十年の時限立法ではございますけれども、その間には重要な地域についてはもちろん指定はしなければならないというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大体何地区くらいを考えておりますか。そういうことはまだ具体的にコンクリートしていませんか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 これは地域の読み方も問題でございまして、何地区というのはちょっと正確に申し上げるわけにはまいりませんけれども……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大体の構想を……。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 日本列島全体の公害について問題になる地域は、全部おおうようにしていきたいこう思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 現在の計画策定が承認されておる三地区、千葉県の市原、四日市、水島、これが画作成の指示をされましたのが四十四年五月二七日、それから公害防止計画が承認されましたが四十五年十二月一日ですから、一年半以上かかっているわけですね。これは千葉県の市原市四日市市、岡山県の水島地区ですけれども、これが第二次になりますと、今度は非常に広範囲の京都、神奈川県、大阪府ということになるわけなんですけれども、これは第一次の三地区に比較して事業の規模、予算も、比較にならないほどはるかに大きいわけですが、   〔砂田委員長代理退席、委員長着席〕 計画作成までかなりの日時がかかるのではないか。また第三次から四次、いずれもこれも相当の時間がかかると見なければならない。したがって、予定どおり計画作成が行なわれたとしても、公害の深刻さ、対策の緊急さという住民の強い要請から考えると、これはたいへんなことになると思うのですけれども、この辺のところはどういうようにお考えになっていますか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 確かにおっしゃいましたように、最初の三県の公害防止計画の策定については、御指摘のように時間がかかったわけでございます。しかし、これは率直に申しまして、テストケースという意味があったわけでございます。どういう形で公害防止計画をまとめるのか、政府のほうも地方団体のほうもはっきりしたパターンというのはなかったわけでございます。当初は何といいますか比較的長期にわたる計画でありますから、ある程度一つの行政目標というような形でもって、わりに抽象的なものをつくっていくということでいいのではないかというような考え方があったわけでございます。しかし、昨年公害対策本部でこの仕事を引き継ぎまして以来、ことに現在のような公害問題が深刻化しておる情勢のもとにおいては、やはりこれは五年間にわたる事業費をコミットするような、相当しっかりした計画を立てなければいけないということを考えたわけでございます。さらに、公害防止計画といたしましては、国や地方公共団体が、その地域において公共事業として行なう公害防止事業もさることながら、やはり企業が発生源において十分の対策をしなければならない。そのためには、各地元において企業との間で、今後企業がどういう公害防止施設を講ずるのであるかということを、具体的にいわば公害防止協定式に積み上げていって、それで企業との間の今後の防止体制についても十分な協議をとげて、万全な体制で臨まなければいけない、こういう考え方をとったわけでございます。そこで、三県におきましても、各企業ごとの間で公害防止施設のための投資として、今後五年間にどの程度の投資を見込むというところまで積み上げたわけでございます。そういうことで、でき上がりました計画そのものは、相当具体的なものになったと思うわけでございます。  それでそこに至るまでの間にいろいろの論議がございまして、最初のケースであったから時間がかかったということがあったのでありまして、今後はその一つのパターンがありますし、われわれも現在東京、神奈川、大阪三都府県との間で、基本方針の策定について協議中でございますけれども、そういうこれまでの政府の方針というのは、非常に具体的にすでに地元のほうに伝えてございます。またそれぞれ公害防止計画の策定というのが、形式的に策定が行なわれる前から、各地元ではそれぞれ地元なりの計画を立てておるわけでございますから、三県のテストケースで長くかかったということは先例にならないと思います。それにつきましては、今後事務は相当進捗するのではないかというように考えておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大臣にお尋ねしますが、三地区、千葉それから三重県の四日市、水島、これが基本方針の指示から計画承認まで一年半かかっていますが、これはどういうところに問題があったのですか。要するに、国が計画の作成の方針を指示する、県が計画を作成する、具体的な事業は市町村がやる、そういう関係の中でどういう問題が介在していたのですか。それでどうしてこのようにおくれたのでしょうか。  ということは、次にはもういま公害が火をふいているような東京都、神奈川、大阪ですから、この経験をつぶさにしておかないと、次の計画がすみやかに促進するという可能性も杞憂を持たざるを得ないわけですけれども、大体大きいところを大臣から答えてください、これは地方自治体に関係のあることですから。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 私も必ずしも詳細に経過を承知いたしておりませんが、初めてのことであるということでございまして、今後はしたがって従前のようなことはない、手ぎわよくいくと期待をいたしております。  また、こういう面もあったようでございます。自治省からある程度指示をいたしまして、規模につきましても内容につきましても、むしろある程度、自治省は御承知のとおり積極的な態度を公害については持っておりますから、そういう点につきましてアドバイスをした面もある。そういう点で、いろいろ原案につきまして修正等の時間も要した。万事最初でふなれであったということが結局いえるのではなかろうかと存ずるのであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 財政局長にお尋ねします。  基本方針の指示を国がする、それから計画承認を総理がする、そして作成は県がする、実施は市町村がするということで、市町村、県、国の間に、事業規模、財政等の間に問題が所在していたのじゃないか。そういうことがこの基本方針の指示から計画承認までの間に一年半の時間を要した、重大な事態じゃないでしょうか。これは自治体にとって今後重大な問題ですから、その点について、対策本部にもあとから聞きますけれども、自治省として何か見解をお持ちでないのですか。こういう点をこうしたらそういう点はスムーズにいくのじゃないかという、最初の三地区の経験からいって何か所感をお持ちでないですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 本部からも大臣からもお話がありましたが、総体的に申しますと、いずれの側もこの仕事に対して初めてのためにふなれであったということに結論づけられるのではないかと思うのでございます。  たとえば公害防止事業という、事業の内容そのものについても、どういうふうなものを防止事業として考えるか、あるいは公害防止計画そのものの中にどういう事業を加えて公害防止計画というものとしてまとめていくかというような、基本の問題についても、いざ作業を始めてみますと、話が食い違っておるというような点で、たいへんいろいろあれをした。地方団体側でいいますと、そういうかっこうでございますので、受け取るほうとしての地方団体側としても非常にはっきりしない点がある。それから同時に、地方団体側について申しますと、やはり公害防止事業についての理解が非常にそれだけ乏しいという点がありますから、公害防止計画そのものについてのアプローチのしかたそのものがなかなかきまってこない。  それからもう一つの問題は、これはこれからもやはり問題として私ども注意しなければならないと思いますが、この事業が、御案内のように、実際の事業の実施主体というものの大部分は市町村でございます。ところが、計画案をまとめます第一段階は府県ということになっております。そこにまた、多少一つの考え方の相違といいますか、食い違いというものもだいぶありまして、そういうことで仕事のとり方、実施主体をどうきめていくかというような問題でも、そういうことはいろいろ自分の責任なりいまお話しがございました財政負担の関係などもございますから、県、市の間における実施主体のとり方あるいは負担の相互の負わせ方なんというものもからみまして、いろいろそういう面での時間的なロスといっては語弊がございますけれども、時間的にも相当手数をとったというような点がありました。  その点ではやはり府県が計画案という原案をつくるにいたしましても、公害防止事業の実施主体はたいていは市町村が多いわけでございます。その点についての府県の理解というものがともすれば足りない形になることを心配しまして、その点は今後とも十分理解を遂げるような形で、市町村の意向も十分くみ上げて計画に合わしていくということの措置がどうしても必要だと思っておりますが、一がいにそういうことはなかなか申し上げられませんが、あれやこれやの事情を詰めて申しますと、ふなれということになるのではなかろうかというふうに思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 どうもふなれという簡単な事情だけで——私も実は千葉県へ行って直接県の責任者に聞いたし、市原へも行って聞きましたが、ふなれというようなことだけで簡単に済まないのじゃないか。これを実施するとなると財政的な負担がどうなるか、計画を当該市のほうではこうしたい、県はこうしたい、国はそれを削減するとか変更するとか、実際事業を実施する市町村と計画を立てる県と、それに最終的な承認を与える国との間の、三者の間の財政的な負担面、事業計画の意思の統一、こういうことにいろいろな問題が介在していると思うので、局長の言うように、ふなれだから時間がかかりましたということだけでは済まぬように思いますが、その点はもう少し掘り下げる必要があるのじゃないかと思うのです。  それで、対策本部にお聞きしますが、ではかりに次は東京、神奈川、大阪、この基本方針は指示されていると思うのですけれども、一体いつまでにこの基本計画が作成され、いつから事業を実施する見通しですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 三都府県につきましては、いま基本方針の指示につきまして最後の詰めを急いでおる段階でございますが……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 指示は出たのですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 まだ出ておりません。  それで実はいま指示を急いでおるところでございますけれども、一番問題になりますのは、この三都府県につきましては、地方団体との協議もととのいまして、おおむね方針は固まっております。これは申し上げていいのですけれども、問題は隣接の府県との関係、つまり広域的な観点からの公害防止計画の策定が必要ではないかという問題がいまあるわけでございます。  そこで、その場合に一番問題になりますのは、県際河川についての水質汚濁防止対策でございます。そこでそういうものだけを取り上げてやるのか、たとえば淀川だとか大和川だとか綾瀬川だとか、こういうものだけを取り上げてやるのか、あるいは埼玉県でございますと、県南地方につきましては大気汚染防止につきましても重要な汚染地域でございますから、その辺もひっくるめた総合的な計画を立てていくのか。そういたしますと、また埼玉県のほうが全体の総合計画を立てるということになりますと、その道連れで東京の計画がおくれても困るという事情もございます。そこでその辺につきましていま関係地方団体と協議をしておる段階でございます。しかし、ここ旬日の間にはその辺を煮詰めて最終的な方針をきめたい、こう思っております。  それから、それはそれといたしまして、この三都府県との間ではおおむね基本方針は、むしろ実質的には相手方に話しをして、それに基づいて用意をしてもらっておるわけでございます。  そこでさらに、同じ公害防止計画と申しましても緩急の差があると申しますか、やはり計画によっては、たとえば予算編成にぜひ間に合わせなければならないという問題があるわけでございます。具体的に申しますと、下水道の計画でございます。これにつきましては二兆六千億の当てはめも急がなければならない段階でございますから、当然おくれて計画を立てたのではこれは手おくれになるおそれがありますから、それまでにその辺の問題は実質的に間に合わせるように、下水道計画等については早急にその主務官庁である建設省と接触して実質的な協議に入ってもらうというような話をととのえてございます。したがいまして、この三都府県につきましての計画も、いま隣接府県の関係で若干の問題がございますが、その辺を旬日のうちには片づけたい。それから三都府県は形式的には計画策定に入るわけでございますけれども、この計画の内容についてはすでに実質的には話し合いがなされておりまして、それぞれ準備を進めておるわけでございます。その中でもさらに予算編成に間に合わせなければならないような問題については早急に手を打つように、主務官庁との間で協議をととのえるように三都府県に要請しておる、こういう状況でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると事業実施はいつからになる見通しですか。まだそこまでは見通しがつきませんか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 計画策定にはある程度時間がかかると思います。いま三都府県の話では早くて半年くらいはかかるのではないかということをいっておりますが、最終的にでき上がるのはそういうことでございますけれども、しかし、その前にすでに、実質的に必要なものについては手を打って、実質的には計画を進めていく。それで直ちに計画が実行できるような態勢に持っていくという考え方でおるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、具体的にいつ計画承認がなされて、いつから事業実施をするということの日時は、ここではあなたからは答弁は出ない、こう聞いておいていいですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 これは御承知のように、三都府県の場合の計画というのは非常に包括的な膨大なものでございます。十カ年計画になるわけでございます。それで都市改造的な側面をも含めて非常に膨大な計画になるわけでございますから、地方団体としても計画を立てるのには、いまはっきりいつまでに政府に対して出せるというところまでは実はいえないような状況でございます。したがいまして、いつまでということははっきりはできないのですけれども、そのことによってたとえば予算編成の際にタイミングがずれるというようなことのないように、その辺は十分にポイント、ポイントは押えながらやっていきたいという考え方でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 四十五年度に基本方針が指示されるのですが、あなたの予算、予算というのは四十七年度予算のことを言っているのですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 そうでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 秋田自治大臣、何か違う本をお読みですが、いいですか。——この十年の時限立法にされたのはどういう理由ですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 十年間に公害地区の防止対策事業を完成させたいという意図のもとに、十年の時限立法にいたしておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはいま基本方針が指示されている三、三、五、五、これですか。それともそれ以外にもさっき言ったように、公害列島といわれておるんだから、その地域全体も十年間でやり上げる、こういうお考えですか。だから十年の時限立法でいいというのですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 計画指示は少なくとも十年でやり上げたい。したがって、これにも書いてございますが、多少おくれる。だから十年で全部事業の完成しないものは多少ずれるということは予測しておるわけでありますが、計画指示は少なくとも十年にはやり上げたい、こういう趣旨でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、公害防止計画の承認は、十年間に日本の国の全国に及ぶ地域の承認を与えるつもりだ、だから十年の時限立法にしたのだ、こう聞いておいていいのですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 さようでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、十年間に大体何地区くらい——との地域ということはなくて、三、三、五、五はきまっているけれども、あとはこれからいずれ、しかし全部は十年間だというだけじゃ、ちょっとわからないのですが、一体何地区やるつもりなんですか。それもわからないで十年の頭のほうだけ押えてしまうということは、ちょっと不合理だと思いますがね。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 何地区になるか、先ほどもそこのはっきりした数字の答えがなかったようでございます。これは、それだったら十年以上待ってもゆっくりやっていいのかという御反問もまた出てくるわけでございましょう。幾らという数字はおそらくまだ的確につかまれておらないと思いますけれども、ただいま申し上げたように、十年間に計画指示だけはしっかりしておきたい、こう思っておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 十年の時限立法である、三、三、五、五の基本方針の指示地域はきまっておる、あとはどこをやるかわからないけれども、十年間に日本の国の公害地域の基本計画策定は終わるのだ、それじゃ、どことどこを考えているか、それはまだきまっておりません、というのじゃ、全く雲をつかむ話だと思うわけなんですけれども、その程度の答弁しかできないのでしょうか。公害対策本部どうですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 十年とおっしゃいますけれども、十年たてばいまの勢いでは日本の経済は四倍ぐらいになるわけでございます。したがいまして、経済情勢の非常な変遷あるいは地方地方の変貌というのがあるわけでございまして、いま十年間の全部の指定について指定の細目まで用意をしろといっても、それはいささか無理な点があるのじゃないかと思います。もちろん公害の十九条の指定を必要とするような地域については、いまデータがある程度集まっておりますから、その辺の中から順次指定をしていく。その指定そのものは、これは繰り返し申し上げておりますように、当初と比べますと、われわれもだいぶ手なれてまいっておりますから、これは相当促進することができるのではないか、十年内に問題のある地域はすべて指定をして公害防止計画を発足させたいという意気込みでやりたいという気持ちでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 長野局長、最初の基本計画が作成された三地区で、実施の市町村と県、国との間で財政的な問題で問題点になった点はどういう点だったのですか。これが計画承認までの時日を遷延させた理由の非常に重要なモメントになってい  ると思うのですが。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろな面でふなれでございましたが、その中でも御指摘のような財政的な負担関係は一体どうなるのかという点も確かに大きな問題点であったことは事実でございます。したがいまして、そういうことの立法的な制度的な解決というものがあとからだんだんとできてきたというような形もありましたから、その点もいまの三地区のおくれを来たした大きな一つの理由ということは、私もはっきり申し上げることができると思います。  それからやはり先ほども申し上げましたが、県と市の間にいろいろな問題が、多少は実際問題としてあるわけでございます。たとえば下水道事業等につきまして考えます場合には、県が主体として行なう事業でございませんだけに、従来、ともすれば理解が乏しいという点はどうしてもあるわけでございます。しかしながら、最近は多くの府県で流域下水道というようなものに乗り出してこざるを得ないというかっこうになってまいりまして、その点での考え方、認識もだいぶふえてまいりましたけれども、なおなおそういう点で、公害防止事業の実施主体と計画作成の原案を取りまとめるところの府県との間にやや開きがあるものでございますから、その点で理解を、お互いに調整するという点で時間がかかっている。なおまた、その間に県事業にするか市町村事業にするか、これは都市計画事業との関連もございますが、たとえば緩衝緑地のような事業になりますと、いずれの事業にするかというような問題も出てくるわけでございます。それについての負担関係というものをどういうふうに整えていくかという問題も出てくるわけでございます。そういう点であれこれいたしまして、財政的にもお互い負担の軽いほうがいいことに違いはないわけでございますから、そういう点で全体としての理解を進めていく上で時間がかかりましたが、その背景には、公害防止事業を行なっていきます仕組み全体の形が整ったのが去年の臨時国会あるいはその後の問題でございますので、そういう点が非常に時間をおくらした問題ですけれども、なぜそうなったかといいますと、財政負担を心配したという点は確かにあると思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 対策本部のほうで、第二次の東京、神奈川、大阪の基本方針指示でいま検討している内容を、大綱だけでも資料として当委員会へ提出していただけますか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 いま各都府県と最後の詰めをやっているところでございますから、もう旬日待っていただけばできますが……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いまはまだ無理ですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 まだ都府県とやっている段階でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 次に、最初に本法案の当面の責任者である自治省にお聞きします。  本法案の二条の三項の八号、「前各号に掲げるもののほか、政令で定める事業」これは各委員からもお尋ねになっていますが、これがわからないのですけれども、たとえば保育所、幼稚園、私立学校、病院、こういうものの移転あるいは設置は入るのですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 現在この政令で何を検討事項として一応考えておるかといいますと、前にも申し上げましたが、住宅の移転あるいは畜舎の移転というような事業についていま考えておるわけでございます。お話のございました保育所、病院、私立学校等の関係につきましては、現在のところは公立の義務教育諸学校の移転ということだけを一応四号というところで掲げております。これは将来全然問題が出ないかといえば、いまお話しのような事業についての問題がないとは申せないと思っておりますから、必要な場合には政令で加えるか、あるいは法律そのものの改正ということで行なうかという問題は残るかと思いますけれども、現在の騒音防止とか、そういう関係で保育所なり学校、病院などが移転の対象に入っているのがございます。これは国際空港とかあるいは防衛施設とかというような環境に対する騒音等の問題との間における特殊性というものにかんがみましてそういうところまでやっておるわけでございまして、まあ新しい行政でございまして、現在三地区におきましても義務教育学校についての関係のものは現に経験したり予定も考えられたりするものもあるように聞いておりますけれども、いまのところそれ以外のところには実はまだ出ておりません。しかし、今後そういう問題が出ました場合に、この八号で考えるか、全体として考えるか、いろいろありますけれども、もし必要があれば、そういうときに調整をいたしてまいりたいと思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると将来は保育所、幼稚園、私立学校——小中学校は別にありますが、私立学校、病院、ことに保育所、幼稚園などは公害の防止のために移転または施設の整備が非常に必要だと思うのです、大事な子供の生命を預かっているのですから。将来はそういうものも入れると、こう考えていいんでしょうか。それからたとえば地盤沈下対策事業、それから廃油の処理施設の設置、それから一般公共下水道の水道管の設置、これはどうですか。入るのですか、入らないのですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 学校移転とか住居移転の関係、特に住居移転、先ほど申しました畜舎移転等につきましてはまだ入れておりませんが、元来こういうものはほんとうは事業者の負担という分野が非常に多い性質のものでございまして、事業者負担法におきましてもまだ政令その他もできていないというような状況でございますので、そういうことに相なっておるわけでございます。  それから、先ほどのお話の私立学校の問題等になりますと、これは新しい観点に多少なると思います。いまここでかさ上げ等のことを考えておりますのは、現在補助制度をとっておりますものについて考えておるわけでございますので、そういうものは事業者負担と私立学校等のあり方との問題で考えてまいらなければならないことでございますが、当然入れるべきだという結論に達しました場合には、これはそういう措置を当然しなければならないということになると思います。  それから地盤沈下対策事業ですけれども、これには二つの側面が私は大きく見てあると思うのですが、一つは地盤沈下いたしました結果、原因はいろいろございますが、地下水のくみ上げその他によって地盤沈下したような場合、高潮等のおそれがございますから、高潮対策等という事業として防潮堤をつくるというようなことをやっておるわけでございます。これはまあどっちかと申しますと、現在は災害復旧といいますか、災害防除といいますか、そういう観点の事業として取り上げて現にやっておるというかっこうになっておるわけでございます。  それから、私ども技術的にはよくわかりませんが、もう一つは、そういうことで地下水の規制をするというときに、いわゆるくみ上げを禁止しますから、それに必要な工業用水の供給というような問題が出てまいります。これは工業用水道事業としてその点を措置をしていくということになっておるわけでありまして、それぞれの措置のしかたがそういうことで考えられておるということになります。  それからいまお話のございました廃油の処理施設の整備事業につきましては、これは現在補助制度ができておりまして、これは二分の一の補助ということになっておりますが、先ほど申し上げました工業用水道とか廃油処理につきましては、むしろ助成のことも公共的な意味がありますから必要でございますけれども、同時にこの点については利用者がおるわけでございます。廃油処理についてもタンカーなり、その他の人がそれを当然利用するということになっております。工業用水についても使用料を払うということになりますので、ここにあげておりますものと必ずしも同じでもないわけですが、そういうこともございまして、別個の制度の中でそういう措置をいたしておって、一応それで措置としては出ておるのではないかと思っておりますから、現在のところは、この地盤沈下あるいは廃油の処理というようなものもこの中に入るというふうには予定をいたしておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 一般公共下水道の水道管は、それじゃ受益者負担で、受益者に負担させるという意味なんですかどうなんですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 公共下水道につきまして、水道管でございますけれども、これは下水道全般の議論が一つあるわけでございまして、公害防止計画を策定した区域の下水道事業のみならず、全都市、全国のこういう処理を必要とする地域というものは非常に広範囲にわたっておる、言ってみれば、ほとんどの都市について緊急必要な整備事業だということになっておりますから、五ヶ年計画等の改訂をしてやるということになっております。したがいまして、全体として下水道二兆六千億五ヶ年計画というものを達成するようにしておるわけでございますが、特にこの地区についての下水道整備というものは緊急を要する、その中でも終末処理施設というものが公害防除という意味では直接的に役に立つといいますか、効果を発揮するということもございますので、この地区意外の下水道整備事業とこの公害防止計画を立てました地区の下水道整備事業と、まあ相互比較していろいろ検討が行なわれました結果、終末処理については特に補助率のかさ上げをしよう、それ以外のところは通常の下水道の補助対象になるものは補助対象になるという措置で進めていくのが、全体として下水道整備のためにいいのではないか、こういう結論に達したわけでございます。通常の制度としては、技術的なことは詳しくはわかりませんが、大きな管渠その他については補助採択はされております。その程度にはこの地域についても行なわれる、こういうことでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 特定公共下水道が現在の補助の四分の一から九分の二、これは主として企業のための下水道ですけれども、このほうは二分の一のかさ上げをするのに、一般公共下水道のうちの水道管だけは十分の四の補助で、しかも受益者負担でこの分はまかなうということはどういうわけなんでしょうか。これは建設省おいでになりますか。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 特定公共下水道は、ただいま御指摘のとおり、事業者負担分をとりまして、その残りについて現行では三分の一の補助になっておるわけでございますが、今回の特例措置によりまして、これは緊急に整備を要するということで二分の一にかさ上げしたわけでございますけれども、一般の公共下水道は先ほど財政局長からお答え申し上げましたように、終末処理場は別といたしまして、通常のものにつきましては、パイプにつきましては十分の四の補助ということで、この辺は両方バランスをとった考え方で緊急に整備を要する公害防止事業という観点から策定されておるというふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 一般公共下水道で、行政指導で、受益者負担をとれ、受益者負担のとり方いかんによって補助金の支給を緩急よろしきを得るようにする、こういう行政指導をしているのじゃないですか。どうして一般地域住民の生活のための環境衛生である下水道の中の水道管を受益者負担と——そして十分の四の補助以外は市町村か持つのです、持たなければならないのですが、受益者負担の行政指導をしているのじゃないですか。その受益者負担の成績いかんによって補助金の緩急を、締めたりゆるめたりしているんじゃないですか。事実はそうのようですし、私も鎌倉で現実にそういう目にあっているのですけれども、それはどうでしょうか。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 公共下水道の受益者負担金、現在百六十七カ所において徴収されておるわけでございますが、われわれ二兆六千億の下水道の事業の推進にあたりましては、やはり全体としての下水道の整備、それから特に公害関係、水質関係の事業の整備に重点を置いてやっているわけでございます。もちろん受益者負担金、これは市の条例でもってきめられて徴収されるわけでございまして、これにつきましては、やはり市民がそういう受益につきまして負担金を納めるということでやるわけでございます。この点については、一つの、何といいますか、市と市民の約束というふうな感じでおるわけでございます。したがいまして、国といたしましてもこの点については十分に配慮いたしておりますけれども、しかし、全体としての下水道の事業につきまして、負担金を取らないから補助金を配付しないというふうなことはございませんので、先ほども申し上げましたような水質の問題、あるいは全体としての住宅地の環境整備、市街地の環境整備という観点から、この下水道事業を進めておるのでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 二兆六千億の第三次下水道計画の中で、それに対して受益者負担金は一体総額幾ら、第三次公共下水道計画などでいくらお取りになるつもりですか、総額を言ってください。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 大体現在下水道事業につきまして採用をいたしますところは、公共下水道の事業費の一割くらいをめどに受益者負担金をとっておるわけでございます。現在二兆六千億のうちで公共下水道は二兆円でございますが、その中でどれくらいかというのは、いま必ずしもはっきりいたしませんが、現行の実情を申し上げますと、年間で約十三億程度取っておるというふうな状況でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、年間十三億を五倍すると約六十五億ということになるのですね。それが受益者負担。これはごく単純な数字ですけれども、今後の時代の推移、社会環境の推移、それから貨幣価値の推移でいろいろ違ってきますが、そういうことになるわけですか。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 正確な数字はちょっとあれでございますが、そういうことになると思います。                      −

林百郎日本共産党

○林(百)委員 単純に算数的にやればね。  対策本部にお聞きしますが、本法の二条の三項八号、最初は「前各号に掲げるもののほか、これらの事業に類するものその他の政令で定める事業」と書いてあったのが、「これらの事業に類するものその他」が消されて、「前各号に掲げるもののほか、政令で定める事業」とあって、いま自治省の長野財政局長の話ですと、住宅と畜舎を考えていますというのです。それから最初の三地区の計画を見ましても、それが計画の中に入っているわけですけれども、これは岡山県の水島地区を見ますと、住宅、畜舎集合移転事業というのが入っていますけれども、これはそういうように制限されたものですか、対策本部としてはどう考えていますか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 この条文のこまかな字句の問題につきましては、主管省である自治省のほうからお答え願うのがより正確であると思います。しかし、私、いま伺いました限りにおいては、むしろ「類するもの」が削られれば、全体とすれば政令で書かれる範囲というものは制限がつけられないことになるわけでありますから、範囲が狭まったということにはならないんじゃないかというように考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 これは各委員が聞いているんですが、この政令は資科として当委員会に出せますか、局長、どうですか。二条三項八号の「前各号に掲げるもののほか、政令で定める事業。」どうも局長が住宅と畜舎といっているところを見ると、それくらいに行政指導をしていくんじゃないですか、あとは認めないように。そうすると、保育所、幼稚園、学校、病院、地盤沈下、廃油処理場、一般公共下水道の水道管などはみんなはずされてしまうことになるんですけれども、その政令の内容を当委員会に資料として出していただきたいのですが、委員長、これは他の委員からも要請されているんでしょう。されていませんか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 政令でいま検討しております事項につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、これは一応お出ししたいと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いつ出すんですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 来週お出ししたいと思います。  それからいま植松さんから申し上げたとおりでございまして、実はいきさつというのは、私も、類する事業ということより、「政令で定める事業」のほうが幅が広くなっておりますから、それはいいと思いますが、実はそういう趣旨で法制局の意見がありまして、法制局で修正をしたということでございます。法制局で修正いたしましたのは、むしろ「類するもの」というのじゃ限定されてしまう。そうでないほうがこういう仕事についてはいいという考え方もあったように聞いておりまして、私どももそれに賛意を表したわけでございます。  現在のところ、その政令で定めるものに何を書くかということになりますと、さしあたっては三地区の公害防止計画で考えられている事業を中心にして考えていきたいということで考えておるわけでございますが、しかし、これはやはりほかの地区の防止計画が出てきて新しい事業をたくさん考えていかなければならないという事態も当然予想されるわけであります。そういう場合には、この政令で追加していくということもやはり必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。あるいは、しかし政令ではとても間に合わない、むしろ法律を直していただいて、そしてはっきりと相当大きなものを加えていかなければならないという場合もあるかもしれませんけれども、一応はこういうふうなセービングクローズと俗にいっておりますけれども、入れて、事態に応じて政令で追加ができるようにしていくということを予定いたしております。現在のところは、先ほど申し上げました二つの事業を一応予定しておるということでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私たちのほうは、「これらの事業に類するものその他」が入っていたほうが、カテゴリーが広くていいと思うのですが、あなたはこれを消したほうが広くなるというんです。そうすると、住宅、畜舎のほかにあなたは政令でもってどういうものを広げようとお考えになっておりますか。具体的に言ってください。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 現在は、いま申し上げましたように、三地区の事業との対応で考えますと、二つの事業にとどまるだろうと私ども思っております。将来はそういう地区の事業がいろいろ新しいものが加わってくるということに応じて考えてまいりたい。したがって、私、どういうもの、どういうものということをここで申し上げるところまで、考えは持っておりません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、来週出される政令を見ても、大体いま三地区の事業の内容の範囲内だということになると、住宅と畜舎ということになるわけですか。そのほかの弾力性を持った条項が政令の中へ入るのですか、入らないのですか。   〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 いま申し上げた二つの事業、さしあたってはそういうことになると思いますが、住宅移転につきましても、なお三地区の中で必ずしも明確でないところはあるようでございます。それから事業者負担法の中の政令もできておりませんで、そこでまた範囲もすこぶる明確でない点もありますけれども、私どもとしてはそういうものが入ることになりはしないかということでいま申し上げたようなことをやっておりますから、ここでいまとりあえずどれだけだとおっしゃられれば、住宅と畜舎移転、こういうことであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 どうも住宅と畜舎だけで政令できめるというのじゃ、あまりに弾力性のない政令だと思うのですね。それならむしろ原案のように「これらの事業に類するものその他」とあったほうが弾力性が考えられると思うのですけれども、その点は来週、少なくとも二十三日の連合審査の前にひとつ出していただきたいと思います。私、その点補充質問をしたいと思いますから。  それから、本法のかさ上げが二分の一。私は、本来公害防止については、第一次的には公害を発生している元凶である大企業、それから国が負担をすべきものだ、こういうようにたてまえとしては考えているわけなんですよ。しかし、この法案を見ますと、何か国のほうが補助してやるんだ、責任は地方自治体にあるんだということで、第一次的な責任は国にあるという点が確立されておらない、こういうように思うわけなんですね。それで二分の一補助してやるんだ、見てやるんだ、これではせっかく公害国会まで開いて公害というものに対して国が全面的に取り組むというたてまえが非常にくずされている、こういうように思うわけですね。たとえば第三条を見ましても、「地方公共団体が公害防止計画に基づいて実施する公害防止対策事業に係る経費については、他の法令の規定にかかわらず、国は、別表上欄に掲げる公害防止対策事業の区分に応じ、それぞれ同表下欄に定める国の負担又は補助の割合により、その一部を負担し又は補助する」ということで、これは地方公共団体が公害防止計画を施行する、これが第一次的な責任の所在で、それで国は二次的に責任を負うということになっているように受け取れるわけです。そこでかさ上げを二分の一でとめた。これはどうして半々ということになったのですか。秋田自治大臣、閣議ではこれはどういういきさつなんですか。どうしてもっと見てやらないのですか。たとえば四分の三だとかそういうように見てやってもいいわけでしょう。どうして半々でなければいけないのですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 まあ多きに越したことはございませんですが、従来これに関係しているものの補助率が四分の一とか三分の一もございますし、またないものもあるわけでございます。ただ補助率ばかりでなく、政府資金の優先順位等あるいは政府債の優先順位等、その他元利償還金の交付税算入の措置というようなものも加えまして、全体のやり方として財政上のいろいろかさ上げ等の処置を積み上げておりますので、この点におきまして公害財政措置の国の第一義的責任というものをあらわし得たと考えておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 公害というものが、もう公害列島とまで日本の国がそういう不名誉な呼び方を受けておる際に、これは国が全面的に責任を負うという立場に立たなければならないのであって、たださえ財政的に非常に困難な状態にある地方自治体が、この公害列島といわれるわが国の公害の第一線の地域住民の健康と身体を守る事業をやらなければならない。国はその半分を見てやろうという  のは、これはさか立ちじゃないでしょうかね。本来国がやるべきことだけれども、地方自治体にその一部をまかせる。そのかわり国が財政的にはこれだけのものを見てやるから十分やりなさい、こういうのがたてまえになるのじゃないですか。これだと、何か公害防止の直接的な責任は地方自治体にあるんだ。基本方針の指示を総理がやる。それから計画承認を国がやる。そしてあとその計画も県がつくる。実施は市町村だ。そうすると財政力の一番弱い市町村が、一番国家的な重大な責務を負わされる、こういうことになりませんか。自治大臣、いかがですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 いろいろ考え方はあろうかと思います。確かに公害という問題は住民の健康の保持また快適な環境の保全、これらについて第一義的な施策の策定の上におきまして、また防止事業の実施の財政負担の点につきまして、第一義的な責任を国が負うべしという原則は私も賛成でありまして、そのとおり考えております。しかし、これが実施にあたりまして、それなら何もかも四分の三とか五分の四とか高率補助がしかるべきかと申しますと、確かに国は第一義的責任を負っておりますけれども、たとえば公共下水の面におきまして、元来市町村の負担すべき分野もございます。そこに企業の集中であるとかあるいはその都市の責任ではない経済的、社会的変革によりまして人口の集中が行なわれる。それによって公害が発生をしてくる。企業公害のほかに都市的なそれ自体に付随してくる公害もあるというわけでございまして、この下水路についてどこまでが都市の本来の負担であるか。そこへ公害分がどれぐらい入っているかということの認定は、なかなかデリケートな問題があろうと思います。そこで今回特別の都市下水路とかあるいは特定の公共下水道あるいは終末処理等々に着目をいたしたのでございますが、問題の市は、一般の公共下水道の建設につきましても、この点一つも手を触れていないじゃないかという点が問題だろうと思います。ここいらにつきましては、私はここで決して問題が全部解決したとは遺憾ながら思っておりません。まだいろいろ検討していかなければならぬことのあることは十分認めますが、しかし、さしあたりただいま申しましたような終末処理その他に考慮をいたしまして、そのほかにいま言ったような政府債の優先充当であるとかあるいは元利償還金の交付税算入措置という点をもって補てんをいたしますれば、まずまず相当の財政的補助になるという全体の仕組みを考えたわけでありまして、今後検討の余地はあろうと考えて一おります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 長野局長にお尋ねしますが、第三次下水道計画二兆六千億といわれているのですけれども、そのうちにこのかさ上げ分が幾ら含まれているか、あるいは二兆六千億のほかにこのかさ上げ分が予定されているのか。このかさ上げ分の予算はどのくらいと見ているわけですか。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 二兆六千億の中でどれくらいこのかさ上げ分が含まれているかということでございますが、先ほど公対本部のほうからお話がありましたように、公害防止計画がきまったのはまだ三地域でございますので、その分についてはかさ上げ分が明確になっておりますが、その他の地域についてはこれからのことになるかと思います。ただ、二兆六千億のうちで一兆六千億程度がすでに設定されました四十九水域の水質環境基準を守るものとして大体予定されておりますので、今後制定されます公害防止計画の中でそういったものが相当入ってくるのではないかと考えておりますので、大体としては二兆六千億の中でそういうふうな環境基準の達成あるいは公害防止計画の目的の達成ということに対応できるのではなかろうかというふうに考えております  それから、訂正でございますが、受益者負担金、先ほど十三億とちょっと古い数字を申し上げましたが、四十三年度では二十億、四十四年度は三十億程度ということになっております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 十三億じゃないわけですね。そうしますと、四十六年度四十七年度ではこのかさ上げ分は幾らかわかりますか。自治省でも建設省でもいいのですけれども、どのくらいと見ておりますか。

石川邦夫建設省都市局参事官

○石川説明員 四十六、七年度ということではなくて、千葉・市原、四日市、水島地区で下水道のかさ上げ分につきましては、千葉・市原が、特定公共下水道で一億三千八百万、終末処理場で二億四千万、それから四日市では、都市下水路が二億六千万、終末処理場で三億三千二百万、それから水島地区で一億六千五百万というふうなことになっております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それは三地区の全下水道計画予算の何%になるわけですか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 以前にお配りいたしました三地区の公害防止計画事業費の資料がございますが、建設省の数字と私どものほうは、この備考に書いてございますように、地方団体が一応推計したものの数字がございますが、あるいは若干の異同があるかもしれませんですが、ごらんいただきますと、下水道は、特定公共下水道、都市下水路含めまして上から二段目に出ておりますように百六億、これが特定公共下水道、都市下水路及び終末処理場、それぞれ特例補助負担率の対象になるものでございます。それから、下から四段目の特例対象外事業といたしまして公共下水道という欄がございます。これが特例補助負担率の対象になっておらない環境の経費でございます。これが二百二十八億ございますので、両方合わせますと三百三十四億に相なります。それに対します国費は、現行欄の国の欄をごらんいただきますと、上のほうが三十五億、下のほうが六十億とございますので九十五億でございます。それに対しまして特例補助負担率を適用いたしました結果、上の三十五億が四十五億、十億ふえております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると三百三十四億に対してかさ上げ分は十億と見ていいわけですね。そういうわけで、二分の一のかさ上げとはいいながら、実際地方自治体が負担するもののうちの下水道関係でもいま言ったような数字だということになると、これは地方自治体に対しては重大な財政的な負担になるということを自治大臣はよくお考えくださって、関係各省庁とも交渉し、その点をさらに一そう前進させるように心がけていただきたいと思うわけです。  その次に、第三条の三項の、公害防止計画が定められていない地域の公害防止対策事業は、地方自治体が自主的に計画を作成し、それを自治大臣が関係主務大臣と協議して認定するのだ、そういうことになっているわけですけれども、その地域については、第二条の三項のうちの一号から四号までと八号を除いたのはどういうわけでしょうか。   〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 むしろいまのお話は、この特別措置法の対象事業の中でどういうものを計画区域外の事業としてもなお考えるかという問題でございまして、ここに五号から七号までといたしておりますのは、結局河川なり港湾の浄化というもの、あるいは農用地を中心といたしまして土壌汚染というような公害の現状は、人の健康なり生活環境に非常に劣悪な影響を及ぼすということでございまして、そのままに放置するわけにいかない緊急性を持っておるというふうに考えるわけでございまして、そういうものといたしましては、やはり区域外であってもこういう事業についての指定をして事業の実施の促進をはかりたい。それから七号につきましては、これは公害防止事業に先行いたしまして、公害の状況の把握をいたしましたり、規制の措置を講じたりいたしますための監視とか測定のための設備、施設の整備でございます。したがって、これは公害が非常に集中的に発生して  おるという計画区域のみならず、その前段において事前の調査なり観測が必要でございますので、そういう整備を中心にいたしました事業が計画区域外であっても、必要なところには指定をいたしたい、こういう趣旨であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはわかりますけれども、それ以外を除いたのはどういうわけか。要するに、五号から七号までに掲げる事項だけであって、一号から四号を除き、八号を除いた、補助対象から。第三条の三項ですね。これはどういうわけかと聞いているわけです、これも適用したらいいじゃないですか、そこを聞いているわけです。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 補助対象から除いたというわけじゃございませんで、助成の措置のあるものは通常の助成の措置がちゃんとあるわけです。つまり特例措置からどれだけのものをもって計画区域外に持っていくかいかないかという問題であります。したがいまして、計画区域の中では総合的に事業を行なうことでございますから、一号から八号までのものを全部総合的に実施するための関係もあるので、特例措置の対象として考える。しかし、計画区域外についてはどうするか、計画区域外についてはどこまでのものを特例措置として考えることが妥当かという問題でございます。したがって、先ほど申しましたように、計画区域外につきましては、やはり人の健康の維持とか生活環境についてきわめて劣悪な公害というものになるような河川、港湾の汚濁とかヘドロ問題とか、あるいはカドミウム等によりますような土壌汚染というようなものは少なくとも持っていきたいという考え方に立ったわけであります。全部を持っていくというのが一番いいではないかという御議論も確かにそれはそのとおりだと思います。しかし、そのまま放置できないものについては少なくとも計画区域外でも持っていこうじゃないかという考え方に立ったわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 第三条の三項というのは、これはもう公害防止計画を策定しなければならないところに準ずるような場所であって、だから自治大臣が主務大臣及び環境庁の長官と協議して指定するものなんですから、どうも一号から四号を除き、八号も除くというのはたいへん片手落ちだと思いますけれども、自治大臣、その点についてはあなたが主務大臣として環境庁の長官と協議をする責任者でありますけれども、これはいいのですか、これで。これでは、一号から四号を除くというと、五号と六号だけですから、土地の問題とそれから「河川、湖沼、港湾その他の公共の用に供される水域において実施されるしゅんせつ事業、導水事業その他政令で定める事業」しか適用がないということでは、ほとんど実効がないということになるじゃないですか、どうお考えになりますか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 確かに公害防止事業と思われるものの全領域にわたればこれに越したことはないわけであります。しかし、典型的な公害地域をとる、それにつきさらにまた典型的なものをつくっていこうという発想に立ちましたので、それ以外のものについてどうするか。そこで、ただいま財政局長からお答え申し上げましたとおり、非常に緊急性の高い、人体に対する影響、環境保全に対する影響の緊急また重要なものをピックアップしてまず出したというわけでございまして、これは全部前と変わらなくするとすれば、二条、三条を分ける必要もないわけでございますけれども、その点につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、検討すべき問題を残しておりますけれども、まずこれをもって発足していこう、こう考えたわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ほとんど実効がない条項になる。しかもそれは自治大臣が権限を持って主務大臣や環境庁の長官と協議して指定するのですから、もう少しあなたが強大な権限を持って、あなたが指定した地域に対してはこれとこれとこれは適用するとやってもいいんじゃないでしょうか。八項目もあるうちの二項目しか適用しない、そのためにあなたが主務大臣や環境庁の長官と協議して指定するというのは、いかにも自治大臣の権限がわびしいものじゃないでしょうか。地方行政委員としては慨嘆にたえない次第ですが、いかがですか。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 御批評は必ずしも無理とは思いません。しかし、公害の防除の緊急性もよく承知をいたしておりますので、今後十九条の公害計画指定区域というものの急速な処理によりまして、その欠を補いたい。そこで、発想が十九条の計画地域という点から出たものでございますので、その他の区域について緊急性のあるものを三項目選んだというわけでございます。  繰り返しますが、十九条の公害防止計画区域の指定と承認を取り急ぐことによりまして、当面はこの欠を補い、さらにこの条項の各内容につきましては関係方面とさらに協議を進めまして検討し実情に合ったものにいたしたいと考える次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 あなた自身がそういうようにおっしゃるなら何をかいわんやでありますが、時間がありませんので、あと二、三問で終わりたいと思います。  第五条の起債の元利償還金の基準財政需要額への算入は二分の一となっておりますが、これは御承知のとおり、過疎債でも百分の七十、辺地債で百分の八十、これを二分の一ときめたのはどういうわけです。ここにも二分の一が出てくるわけですが、これはどういうわけですか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 これは公害防止関係の事業はいろいろあるわけでございます。それらの事業はそれぞれいろいろな観点から起債なりそういうものの充当があり、そうしてこれについての元利償還という問題が出てくるわけでございます。これをずっと個々に考えていくというわけにもなかなかまいりませんので、全体共通的な考え方の一つの考え方として、実は下水道のようなものを基礎に置いてものを考えたい、下水道につきましては、大体六割ないし七割ぐらいが公共事業部分というふうな考え方をとられているわけでございます。公共事業部分と申しますのは、雨水の排水というものがその程度になるということから下水道の設計が行なわれておる、こういうことがございますので、その部分につきましての問題を中心にして考えてまいります場合に、その八〇%相当分と申しますか、つまりそれが、いま元利償還で算入をしますのに一番高いものが辺地債、同和関係とかあるわけでございます。したがいまして、その公共部分についての一番高い率を基礎に置きまして五〇%というものを考えたわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 八〇%を基礎に置いて五〇%にしたというのも、どうも論理的に納得できないわけなんですけれども、やはりこれは公害で、いま緊急な国民の要望に沿ってやっていることであって、財政的に地方自治体は余裕のないところなんですから、私の言う、これを百分の七十あるいは八十に引き上げろということも、決して無理でない。現に、あなたがおっしゃるように、辺地債では百分の八十というのがあるわけなんですから、辺地も重要ですけれども、公害から国民の生命と健康を守るということも辺地と変わらないほど重要なんですから、私はやはり、この起債の元利償還の基準財政需要額の算入はもう少し引き上げるべきだ、将来そういう点を考慮すべきだというように考えます。この点は、時間がありませんので、あなたと論議を重ねませんけれども、やはり考えてやっていいのではないか、こういうふうに思います。  その次に、これは各委員も質問して、超過負担が発生するのじゃないかということで非常に心配していることでありますが、七条の後段の、「第三条の規定により国が負担し又は補助することとなる額の算定」「は、政令で定める。」とあるのですけれども、これもまた大事なところが政令で定められるということになっていますが、この政令も資料として出してもらえるのでしょうか。これは、通常、国の補助金の額の算定をこれに当てはめるとしたら、ここでも実際かかる費用と国の算定額との間に超過負担の問題が生じてくるわけなんですけれども、この点で、超過負担を生じない、かりに超過負担が生じた場合にはこういう対策を考えている、こういう保証をここでしてもらえますか。ここの「国が負担し又は補助することとなる額の算定」は政令ですからね。われわれは、どうしてもその政令の内容をここではっきりさせなければ地方自治体へ超過負担をかける不安を解消することができないわけです。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 七条の規定は、いま御指摘のように、「国が負担し又は補助することとなる額の算定及び交付その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。」こうなっておるわけでございまして、補助金の算定方法だけでございませんで、交付の方法あるいはその他施行に関します必要な事項を包括的にきめるわけでございますが、ただいまお語しのございましたような補助、負担金の算定の基準をこの政令で書いていくのかどうか、その辺のところは、実はまだきめておりません。  と申しますのは、補助金、負担金と申しましても、この法律で取り上げておりますのは、予算補助もございますし、それから法律に基づくものもございますし、かなり区々にわたっております。でございますので、それらを網羅的に、一義的にこの政令で算定方法を書いていくということが可能かどうか、少し問題が残っておるわけでございます。いま少し関係各省と協議をいたしましてこの点も詰めていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 このかさ上げをする基本となる額の算定を政令にまかされているわけなんですから、これは非常に重要だと思うのですよ。その基本の額がこれできまるわけですから、もちろん事業者負担もそれから除いたり、いろいろのことがあるでしょうけれども、しかし、かさ上げの対象となる基本の額はこの条項できまるわけですから、それが政令にまかされているわけなんです。  それじゃ、超過負担は生じない、それから、超過負担が生じた場合にはこうするということが政令の中にうたわれるのですか。  それで私は委員長に要望しますけれども、これは非常に重要な点でありますから、この政令もぜひ当委員会へ参考として出していただきたい。大事なところはみんな政令になっちゃっているものですから、私は非常に杞憂にたえられないわけなんです。これは他の委員もこの点を指摘しているわけですけれども、それを出せますか。出せるかどうかという点と、超過負担は絶対させないという点、もし超過負担——実際に事業を施行する市町村が、国の算定額と食い違っていた場合、精算する額のほうが、あるいは実施する額のほうが多  い場合、そういう場合どうするかということをここではっきり言ってもらいたい。これは重要なことですから、ひとつ大臣と局長に答弁していただきたい。そうして委員長には、この政令を資料として当委員会へ提出するようにしてもらいたい。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 政令につきましては、いま財政課長が申し上げましたようないろいろな技術的な問題を中心にいたしておるわけでございまして、たとえばこの前段におきます「算定の基礎となる額の算定、」と申しますのは、いまお話のようなことまで全部含み得るではないかというお話でございますが、主といたしましては、事業者の負担との関係をどうするかということを中心にして、事業者の負担をまず抜きたい、抜いたあとの部分についてのそういうことを中心にしてということでございますが、それでこの法律の性格から考えていただけばおわかりいただけると思いますが、これはいままで予算補助のものもございますけれども、多少ずつ——補助率は非常に低うございますが、補助制度、負担制度のあるものが非常に多いわけでございます。したがって、それのかさ上げをするわけでございます。それが三分の一でありまするもの、あるいは四分の一でありまするものを二分の一にするということでございますから、二分の一なり三分の一になっております。通常の補助対象として考えておるものの基礎を、この法律なり政令であらためてつくり直すということをするわけではございません。要するに、それがかさ上げの意味でございます。したがいまして、いまの超過負担の御議論というものは、元来の補助事業そのものの問題ということで、これはこの前もいろいろ御指摘を受けましたが、常時予算編成等の際を通じて、各省に、予算の積算の基礎なり単価なりというものについて、実態に合わないものを是正をお願いするということで努力を続けてまいるということに相なるわけでございます。  それと同時に、もう一つは、先ほどのお話にも多少出てまいりましたが、この算出の問題を考えていただきましてもわかりますように、ものによりましては、特例対象事業の中で補助対象になりますものの部分がごく少ないのでございます。これなどは補助採択率の関係を考えていくということになる。したがいまして、この政令によって超過負担云々ということも、確かに問題としてはあり得るわけでございますが、この政令は、現在の補助負担制度の上に一定率をかさ上げしていくということになるわけでございます。この政令自体で超過負担の問題を考え直すというわけには、たてまえ上まいらない。超過負担の是正ということは、補助事業あるいは国の負担事業全般について考えていくということでいたさなければならない問題だと思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ちょっと大臣が答弁する前に……。  局長、この第七条を見ますと、「国の負担又は補助の額の算定の基礎となる額の算定、」ですから、やはり総額がそこできまるわけでしょう。そのうち事業者負担を幾ら引くかということになり、残ったものに対してかさ上げするというのだから、この公害防止対策事業にかかわる総額がここできまるわけでしょう。そうして、そのうちから事業者負担を幾ら引くか、残りは幾らになる、それに対して補助を幾らにするかというのだから、その総額の計算のときに実情と国の計算とが合わないというような場合があり得て、そこから超過負担が発生する可能性があるんじゃないでしょうか。

長野士郎自治省財政局長

○長野政府委員 技術的なことになって恐縮でございますけれども、結局、いまの廃棄物処理の事業でございますとか、あるいは緩衝緑地の事業というものは、それぞれの事業として年度年度における事業費がきまるわけでございます。そのきまるのは、ここできまるのじゃございませんで、廃棄物処理事業、下水道処理事業として毎年各省と地方団体との間できまる。国がここではきめるわけであります。きまりますが、この場合は特に公害防止事業でございますので、いわゆる事業者負担がございますね。きまっている額の中から事業者負担をまず抜く、そしてその残りについて国と地方の負担割合についてのかさ上げを考える。こういうようなことをやりますために、何か技術的な方法を考えるというわけでございまして、それだけの政令なんでございます。したがいまして、超過負担云々の問題は、根元の下水道事業をどういうふうに国としてきめるか、廃棄物処理事業をどういうふうにして国がきめるか、ここにあるわけでございます。これまではこの法律では及ばない。そういう意味で、この政令は非常に技術的な問題だと申し上げているわけでございます。したがいまして、超過負担の問題はやはり根っこの事業のとり方、あるいは単価の積算というものの改善をはかっていくという、その地方財政と国の財政との間の通常の意味での超過負担の解消に努力していくということで、是正をはかっていくことになるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大臣に最後にお聞きしますが、私は、この条文の解釈は、やはり事業者負担をどう引くか、どのようにして引くかというそのもとになる額の算定、いわゆる事業者負担分を差し引いたものに対して国が負担し、または補助することになる額の算定がこれできまる。だから、もとの額もやはりここできまるというように、その前段のところで「これらの事業に係る国の負担又は補助の額の算定の基礎となる額の算定、」とあるから、私はそうなると思うのです。しかし、かりに局長の言うとおりにしても、事業者負担があるいは過小であって、当初市町村あるいは県が計画したものより多くなる場合もあるし、もちろんそのもととなる総額が、あなたの言うように、一定の基準に一定の率を掛けたもので総額がきまるわけです、事業者負担、その前の額が。そこにも問題があると思うのですが、いずれにしてもここで超過負担の発生する要因が二つ、三つ私は存在していると思うのです。だから、この七条によって超過負担が発生するような場合、それに対してどういう措置をとられるのか。そういうことはさせたい、あるいはかりに実際超過負担が発生した場合にはどういう責任を国がとるかということを、私は大臣にお聞きしておきたいと思うのです。絶体発生しないということはあり得ないと思うのです。基本の額の計算に第一に出てくるし、第二は事業者の負担を差っ引く場合にも出てくるし、事業者負担を幾らにするかという場合にも考えられる。絶体発生しないならしないでいいですよ。そう答弁しておけばあとになって発生した場合に問題になるだけですから。

秋田大助自由民主党

○秋田国務大臣 要するに、これは事業者に負担させる場合に、その負担の率を事業者負担できめますが、それらの基礎となる事業量の算定そのものが不当に安い、こういうことになればいわゆる先生のいう超過負担というものが生ずる。財政局長の申し上げておるのは、この規定でその根っこの作用をどうこう左右するわけにはいかない、こういうことを申し上げておるんだと思うのです。そこで、やはり各省庁間の交渉でその基礎になる根っこの数字が不当に安くならないように、いわゆる先生の超過負担を起こさないように、はっきりこの点を交渉することが必要だ、こういう問題に帰着するのではないかと私は思うのであります。その点につきましては、昨日も桑名先生から御指摘がございました一般の超過負担と同じように、補助負担制度のもとにいやしくも過重な負担を地方財政に及ぼさないように、この点は十分配慮をし、交渉をして超過負担の発生を防止したいと考えておるとお答え申し上げましたが、今日そのお答えを繰り返すわけでございまして、十分ひとつ最大の努力を払ってまいりたい、ことに公害関係でございますから、考えております。  なお、その他のこれに適切な地方債の配慮をすることも当然のことでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私、この質問だけで終わりにさせていただきます。だいぶ時間がかかって恐縮です。  先ほど対策本部からも話があったのですが、公害防止対策事業が他府県を含む区域にわたらなければ根本的に対策が立てられない場合、たとえば東京都で公害防止計画を樹立いたしましても、埼玉県との関係がどうなるのか、あるいは淀川関係で、大防府で公害防止計画を樹立しても、京都のほうでこれに対処しなければ目的を達成しないというようなことが起きた場合に、これに対する対策は一体どう考えるのか。たとえば下水道一つを考えてみても、一般公共下水道その他でやるとしても、補助率が低くなる。そういうような場合に、やはり三条の三項の「公害防止計画が定められていない地域において実施される公害防止対策事業で」「自治大臣が主務大臣及び環境庁長官とし協議して指定するもの」これも適用しなければならなくなると思うのです。ところが、これが適用されると、さっきも話のありましたようにこれで救われるのは五号、六号、七号だけだ。一号から四号がはずされ、八号がはずされるという矛盾が起きてくるわけでありますけれども、そういうたとえば両府県あるいは多府県にまで及ぶ水域などの汚濁を防止するというような場合に、東京都で計画を立てても埼玉、群馬、そういうところが協力しなければ目的は達成しない。大防で立てても、たとえば淀川の例ですが、京都がこれに協力しなければ目的を達しない。木曽川の例で見ますと、愛知県で行なっても、岐阜県がこれに協力しなければ十分な目的を達成しない、そういう場合の対策はどうなるんでしょうか。これは対策本部からお聞きしたいのです。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 先ほど少しは御説明したのでございますけれども、もう少し詳しく申し上げますと、基本的には広域的な公害防止計画というものを考えなければならないというふうに思っております。そこで、いま御指摘の東京、大阪を中心にもう少し具体的にお話をいたしますと、現在埼玉県と協議中でございます。この協議の方向は二つございまして、一つは、東京と同時に少なくとも県際河川についての水質汚濁防止対策を直ちに立てるような計画を東京と協議しながら提出してもらうというやり方、もしくは埼玉県にとってみますと、単に東京との間の県際河川だけの水質汚濁が問題になっておるわけではございませんで、県南地区の大気汚染も同時に問題になっていることが多いわけでございます。そこで東京の計画がまずスタートして、それに追っかけて——計画は五年ないし十年というある程度長期の期間でございますから、東京の計画にすぐ追っかけて埼玉県のほうも埼玉県なりの総合計画を立てて、両者協議をしながら総合的な広域計画を立てていくという二つの性格がございます。これについていま埼玉県と話し合っております。  それから大阪の場合につきましても同様な問題がございまして、実はきょうも京都府及び奈良県とその辺の取り扱いについて協議をするという手はずになっておりまして、いずれにしても基本的には広域的な公害防止計画を立てるという問題で、このかさ上げ法案の適用についてもそういう形で解決をしていきたい、こういうふうに思っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、この条文のどこでそういうあなたの言うのが適用になりますか。私はそれを救済する道は第三条の三項以外にないんじゃないかと思うわけなんですが、三条三項だとさっき言ったように、五号から七号だけの適用しかないということになりますが、ほかに何かありますか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 私が申しました広域的な公害防止計画を立てると申しますことは、結局その地域そのものが拡大するわけでありますから、十九条の指定地域の中に必要な地域が組み込まれるということでございます。したがいまして、このかさ上げ法案でまいりますと、まさしく公害防止地域そのものに必要な埼玉県なり京都府、奈良県の地域が組み込まれるということでありますから、本来の三条そのものが適用されるということになるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それなら、東京、神奈川、大阪が昭和四十五年度に基本方針の指示があるというんでしょう。そうすると埼玉、京都、奈良はいつになるのですか。それも同時にここでやらなかったら意味がないじゃないですか、こんなに食い違っちゃ……。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 そのことがまさにいま関係府県と協議をしておるところでございまして、もし地方団体のほうもそういう意向になった場合には、東京と同時に埼玉県にも、限定された地域でございますが、その地域について基本方針を指示するということになるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、対策本部からいわれておる三、三、五、五、これが変更になると見ていいのですか。そういう場合は、協議がととのった場合は、三、三、五、五の本年度の基本方針指示はもうきまっているわけですからね。埼玉や京都や岐阜は入ってないわけなんですが、これを変更するというわけですか。

植松守雄内閣官房内閣審議官

○植松説明員 東京に隣接する地域については、その意味では変更になるということでございます。三、三、五、五、形式的に数えればそれより多くなるということでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 もうこれで終わります。  それならそれでけっこうですが、目下協議中というのですから、その後のことも見ていたいと思います。私はそういう場合、やはり三条三項で救済の道を立てるべきじゃないか。そうなると、この三条三項、五号から七号だけの適用ということでは幅が狭過ぎるのじゃないか、そのことをさっき言ったわけですけれども、あなたが基本方針指示の計画を変えるとまで言われるなら何をか言わんで、それなら早くそういってしなければ、東京都、大阪府、神奈川県は進む、それから愛知県は四十六年度進んでいるのに、まだそちらのほうは協議中協議中では進まないことになるのではないか、こういうふうに思うわけです。したがって、私の先ほどの三条三項の質問はそこからも由来しているわけでございます。  以上、私の質問はこれで終わりますけれども、委員長にお願いしたいのは、私が超過負担の出る憂いがあるという第七条の「政令で定める。」というこの政令——この法案は、門司委員も質問されているのですけれども、大事なところにいくとみんな政令政令で、あんころもちの皮だけをわれわれに審議させて、あんのほうはみんな政令でいっているという感じ、非常に卑俗な例ですけれども、この第七条の政令をぜひ連合審査会前に当委員会に提出していただきたいと思います。その点委員長、ひとつお取り計らい願いたいと思います。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 それでは、いま準備の進んでおる限度において出すことにするそうですから……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それでは、これで私の質問を終わります。

菅太郎自由民主党

○菅委員長 次回は、来たる二十五日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十七分散会

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