地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/02/19
会議録
○菅委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 荒木国家公安委員長の所管行政の説明に対して、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古屋亨君。
○古屋委員 先般の国家公安委員長の所信表明に対しまして、いわゆる過激集団の京浜安保共闘の数人のグループが最近栃木県の真岡市で銃砲店から猟銃と散弾を強奪するという凶悪事件を引き起こしたのでございますが、京浜安保共闘等は、すでに一月末に蜂起戦争、武装闘争勝利政治集会なるものを開きまして、蜂起戦争派と称して共同宣言を発しました。大阪、東京戦争、大菩薩峠、ハイジャック、十二月十八日の武器奪取闘争、こういうのを非常に高く評価いたしまして、日本での遊撃戦を戦い、武装蜂起戦争を連続的に戦い抜くとの方針を明らかにしておるのでありまして、今回の事件は、昨年の志村署の交番襲撃に続く社会への大きな挑戦でございます。特に罪のない民間人を恐怖のどん底へ突き落とした、市民生活への攻撃というふうに新聞でも出ておるのでありまして、こういうことは断じて許すことができないと思うのでありますが、これらの問題につきましてまず最初にお伺いしたいと思います。 真岡市における猟銃等の強奪事件の捜査状況につきまして、現段階は捜査の段階でございますので、差しつかえない程度において、ひとつ状況をお話し願いたいと思います。
○荒木国務大臣 お答えいたします。 事件発生後、直ちに発生地である栃木県警察をはじめ、隣接する一都六県において緊急配備を発令し、犯人の捕捉並びに被害銃砲等の発見に当たったのであります。 引き続き、発生地の真岡警察署に特別捜査本部を設けるとともに、警視庁及び関係県の協力のもとに被害銃砲等の発見並びに共犯者の捜査につとめているところであります。 なお、事件発生後、緊急配備中、警視庁赤羽警察署管内において、自動車窃盗並びに公務執行妨害の疑いで二名の男を逮捕しましたが、本件との結びつきにつき鋭意捜査中でございます。
○古屋委員 ただいま公安委員長から事件の概要についての御報告を承ったのでありますが、今回の事件のように、犯罪が非常に広域化しておる、関係県が非常に多い場合、こういう場合の捜査体制というものにつきましてどのように措置をせられているか、この点はひとつ長官からお伺いしたいと思います。
○後藤田政府委員 お答え申し上げます。 今回の事件のように、最近、凶悪な、しかもそれが広域にわたるといったような事件が瀕発をいたしております。そこで、私どもといたしましては、刑事警察の実態に徴しまして、こういった新しいといいますか、最近の犯罪の傾向に対処するための刑事警察全般の刷新強化、特にこの種事件につきましては、何よりも肝心なことは機動的な捜査力、これの充実、これに伴う通信の整備、同時にまた、この種事案の犯罪発生の際の緊急配備体制、さらにまた関係都道府県一体となっての広域捜査ネットの急速な張り方、こういうような点について、従来の事件を教訓として一そう強化をする、漸次刑事力の強化をはかっていく、こういう方針で今日取り組んでおるような次第でございます。
○古屋委員 今回の事件は、銃砲店の銃砲等の保管、管理が不十分であったと聞いておるのでありますが、銃砲店に対する銃砲等の保管につきまして、通産省におきましてはどのように指導されておるか、あるいは今後どういうふうに指導される考えであるか。あとで警察のほうもお伺いしたいと思いますが、まず通産省にお伺いしたいと思います。
○山形説明員 お答え申し上げます。 猟銃等の販売業者につきましては、現在武器等製造法におきまして、その法律に基づきまして都道府県知事の許可によってこれを規制といいますか運用いたしておる次第でございます。この許可にあたりましては、一定の欠格条項に該当しないことのほか、通産省令で定めます一定の条件を備えた保管施設にこれを保管するということが、法律上規定されておる次第でございます。 なお、この販売業者に対しましては、都道府県知事が必要に応じまして改善命令を出せる、また都道府県知事は報告徴収をすることができる、また立ち入り検査もできるように相なっております。 最近におきます指導監督の状況でございますが、ただいま先生のお話のように、いろいろと昨今の社会情勢は変化も激しいものでございますので、一昨年の十二月に各都道府県に対しまして、今後の陳列の方法なり保管設備の態様、警報装置の設置等につきまして具体的なる通牒を出しまして、警察庁とも協力のもとにその保管の体制の万全を期しておる現状でございます。
○古屋委員 聞くところによりますと、銃砲店と薬屋さんとが同じ店であったというような点から考えまして、この許可にあたりましては、そういう同じ一つの店舗で——銃砲店に対する監督は非常に厳格でなければならぬことは申すまでもありませんが、同じようなといいますか、薬屋というようなものを一緒の店舗でやっておる、そういう場合の許可についてはどのような配意をされておるか、その点ひとつ通産からお伺いしたいと思います。
○山形説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、猟銃等の販売に関しましては、その部分につきまして現在法律に基づいて規制しておるわけで、その部分だけの条件が充足できるというところで押えておる次第でございまして、その店が別途、いまお話しのように、別の商品等を並べておりましても、それ自体が許可の場合の欠格条項といいますか、そういうことに相なっておらない次第でございます。
○古屋委員 いまのお話ですと、法律的にはそうだという話でございますが、他にそういう例はあるかないか、そういう点、調べたものはございませんでしょうか。
○山形説明員 現在、そういう調査をいたしたことはございませんです。
○古屋委員 つまり私の言いたいのは、薬屋のような、人が非常に出入りするところ、そういうところでこの大事な銃砲店というものが一緒にあることがおかしいじゃないか、具体的にはどっちが先になったかわからないけれども。そういう点について、ひとつ通産当局におきましても、具体的に府県知事を指導して——何と申しますか、社会情勢が非常に大きい変転をしておりますし、特に過激集団というものの行動を見ておりますと、ほとんど予期しないようなことをやって、世間を騒がせるというような挑発行為が非常に多いわけでありますから、ぜひ通産当局におきましては、警察と相談して、そういうような店舗が人の出入りするようなところと一緒のことがないように、これは一つの例にすぎないかもしれませんが、ひとつ今後至急厳重に査察と申しますか、体制を整備して、つまりあまり人の出入りする店舗と銃砲とが一緒であることは好ましくないことは当然でございますので、そういう点をもう一ぺん至急再検討して、そういうことのないようにひとつ御配意を願いたい。 と申しますのは、今後いろいろ想像しますと、こういうような行為というものは非常に多くなりますし、そのためにこういうような過激集団の動向からいたしまして、銃砲、火薬というものは非常に有力な彼らの武器といいますか、そういうものになっておりますので、一つ思い切った、査察と申しますか、そういう点を通産にやられる意思があるかどうか、まずその点をひとつ通産から御決意をお伺いしたいと思います。
○山形説明員 ただいまのお話、全く同感でございまして、早急に都道府県及び警察庁等と御相談いたしまして、査察といいますか、まず実態の把握に早急につとめますとともに、万全の体制の確立ということに努力いたしたいと思っております。(「結果を報告しなさい。」と呼ぶ者あり)はい。その結果はまた報告いたしたいと存じます。
○古屋委員 いま隣の亀山先生から結果を報告しろ。私もそれをお願いしようと思っていたのでありますが、ぜひできるだけ早い機会に、また事件が起こってからではあれでありますから、至急そういうような調査をして結果を報告してください。それから、そのために人の出入りする店舗と一緒のところにするということは、やめるならやめるということをひとつはっきり御指導願いたいと思います。 それから、この点に対して警察関係におきましてはいかに指導されておりますか、今後どういうふうに指導されようとしているか、この点事務当局からお伺いしたいと思います。
○長谷川政府委員 お答え申し上げます。 銃砲店における銃砲の保管につきましては、最近の情勢にかんがみまして、私どももその保管管理を厳重にする必要性を常に感じておりまして、昭和四十四年におきましては全国一斉を年に二回実施し、また昨年におきましては五月に全国一斉に銃砲店の防犯指導ということをいたしております。このほかに、各都道府県の警察におきましては、県独自の計画によりまして、おおむね二回ないし多いところは八回、管内の銃砲店に防犯指導をいたしておるわけでございます。 警察といたしまして防犯指導の重点といたしておりまするところは、保管庫が安全でかつ完全なものであるように指導すること、それから陳列ケース等につきましても、これを安全なものにし、それから銃砲を陳列します場合におきましては、鎖で確実に固定するか、あるいは部品のはずせるものにつきましては、その部品をはずして陳列すする、ころいうようなこと、さらに何か事がありましたときにおける警察等に対する通報装置、そういったものをすみやかにつけること、それから平時の監視体制あるいは夜間における監視体制を整備すること、こういった点を重点に防犯指導してまいったわけでございます。 その結果、漸次よくなっておる状況でございまするけれども、昨年の五月の結果を見ますると、私どものほうに集まりました報告によりますと、なお約二六%程度のものは不十分である、こういうことでございますので、主管の通産省あるいは都道府県の主管部局と協力をいたしまして、その後それらの改善につきましてさらに指導してまいったところでございまするけれども、今回のような事件が起きましてまことに遺憾に思っておるわけでございます。今後におきましても通産省御当局とも十分協議をし、警察といたしましても最重点を置きまして、いま申しましたような点を重点といたしまして、一そう防犯指導の徹底を期してまいりたい、かように考えております。
○古屋委員 いま通産省並びに警察の事務当局から銃砲等の問題につきまして決意をお伺いしたのでございますが、何といってもこれは実行の問題であります。保安部長は、警察でも最重点を置いてやっておる、これは保安部長としては当然なことでございますが、後藤田長官、この銃砲の取り締まりの問題についてどのような決意を持っておられますか、長官の御意向をお伺いしたいと思います。
○後藤田政府委員 ただいま通産当局及び私のほうの保安部長からお答えいたしましたように、私どもとしましては、最近の治安情勢から見て、今回の事件のような、突発した凶悪な犯罪発生のおそれを最近私自身痛感をいたしております。その際に一番こわいのは、銃器使用による犯罪でございます。そういうような意味合いから、銃砲等の今日までの法制上の問題、さらにはまた、それに基づく具体的な指導、取り締まりの点について、従来ともやってはおりましたけれども、やはり最近の治安の情勢から見て、一そうこれを強化する必要がある、こういうふうに判断をいたしております。 そういう意味合いから、今国会にも銃砲刀剣類の取締法の一部改正の御審議をお願いする、こういうことにいたしております。もちろんこの法律だけで私は十分だとは思っておりません。率直に申し上げて、今日のこういった銃砲等の行政について、私どもの立場からは、隔靴掻痒の感をいかんともしがたい、こういう感じを持っております。 しかしながら、こういった銃器というものは凶器に変わるものでありますけれども、また同時に、こういった銃砲等によって狩猟その他の面に使わなければならぬ、こういった面もございます。ここら彼此勘案しながら、治安情勢ともにらみ合わせて妥当なかね合いという線を引いて、私どもとしては法を改正したい。同時にまた、指導、取り締まりについては最重点を置いてやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○古屋委員 後藤田長官から最重点に取り締まりの方針をこの方面に向けるという一お話でございますが、この点は先ほど通産あるいは警察当局のお話を聞いておりましても、現実のこういう社会情勢の変転に伴って銃砲等が非常に大きな武器というものとなっておる。そのために国民も真岡事件以来非常に心配をし、不安を持って、一刻も早く解決するということを期待しておりまして、率直に申して、警察に対して一日も早く安心できるようにやってもらいたいという国民の意思であると私は思いますので、先ほどのお話にありましたような銃砲等の問題につきましては、交通安全運動以上に一斉的な指導、取り締まりを必ずやっていただくように要望いたしておきます。 そこで、この真岡事件につきまして、最後に京浜安保共闘というものの実態につきまして警備当局からお話しを願いたいと思います。
○山口(廣)政府委員 お答え申し上げます。 今回の真岡事件と京浜安保共闘とが結びつくかどうかというのは、今後の捜査によって明らかになっていくわけでございますが、一応警視庁の赤羽警察の検問によってかかりました二人は、明らかに京浜安保共闘の幹部でございます。京浜安保共闘といろのは、正しく申しますと、日共革命左派神奈川県委員会と申しまして、日共の方針に従うことのできない連中が分離いたしまして、日共左派というのをつくりました。その中でさらにもっと過激なことをしなければ自分たちの目的が達せられないということで分かれましたのが革命左派でございます。 これが公然面と非公然面とございまして、公然面では、ただいま問題になっております京浜安保共闘というのでございまして、これが労働者反戦団とかあるいは学生戦闘団とか婦人解放同盟とか、そういうような団体からなっておりますけれども、公然面と申しましても、だんだんと京浜安保共闘も非公然活動を強めつつあるというのが現況でございます。非公然面は日本青年共産同盟というのと、それから軍事委員会というのがございまして、その下に人民解放遊撃隊という部隊をつくっております。 大体私どもの今日まで情報によって得ましたところから判断いたしますと、大体公然面と目されるものが約百名、それから人民解放遊撃隊に属する非公然活動をしておる分子が大体三十名くらいあるのではないかというふうに見ております。しかし、これはまだ私どもも全く十分な確信を持って言い得るところではございませんが、大体こういう程度ではないか。彼らはマルクス・レーニン主義あるいは毛沢東理論の上に立ちまして、武力によって共産主義社会を実現しようということで、そのためには武器を集めることが当面の最大の目的であるということで、武器、武器ということで狂奔をいたしておるところでございます。 この集団は、一昨年九月にアメリカ大使館あるいはソ連大使館に火炎びんを投げ込みましたり、あるいは愛知外相が訪米される際に、羽田の沖合いから飛行場に侵入いたしまして、滑走路に火炎びんを投げたり、あるいは昨年の十二月の十八日に警視庁の上赤塚の交番を襲って、これはおそらく拳銃を奪取するために襲ったと思われますが、そういうことをいたしまして、今回もしあの事件がそれに結びつくとすれば、そういう凶悪なることを敢行いたしたわけでございます。 現在私どもは、この京浜安保共闘関係で指名手配になっておる者が二名おりますので、これの追及にも全力をあげておるところでございますが、これまで昨年の十二月十八日の上赤塚交番襲撃の際に柴野という学生が射殺をされました。それから今回警視庁によって逮捕されました尾崎、中島両名もこれまた京浜安保共闘の非公然面の最高幹部でございます。したがいまして、いま申しました二名の指名手配の者を何とかしてつかまえれば、京浜安保共闘非公然面の幹部に対して相当打撃を与えることができると思いますので、全力をあげてやっておるところでございます。 しかし、何せ警察が限られた力で一生懸命でやっておりましても、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、やはり国民の方々の協力を得なければならないということを痛感いたしておるわけでございます。たとえば、よく都市化ということが最近大きな問題になっておるわけでございまして、警察も重要問題として取っ組んでおるわけでございますが、私どものほうの立場から申しましても、そういうアパートなんかにおります連中が秘密のアジトをかまえておると、なかなかこれが捕捉し得ない。また、アパートの人たちも、管理人たちも、なかなか協力をしていただけないというようなことが多かったわけでございますが、最近、警視庁あたりでも、そういう人たちにできるだけ御協力を願うようにいろいろお願いをいたしておるわけでございまして、そういうときに、実は、四十三年、新宿の上落合で例のアナーキストグループの背叛社の連中が爆発物の実験をやっておりまして、それが失敗をいたしたわけでございますが、そのときに、その連中が逮捕された。だから、そういうことがあるから、アパートの方々もひとつおかしなことがあったらできるだけ協力をしていただきたいということで、一生懸命でお願いをいたしておりまして、最近、だいぶそういう点でいろいろ御協力を願っておるような事実があるわけでございます。この京浜安保共闘の非公然面に対しましても、警察も一生懸命でやりますけれども、できるだけ国民の皆さま方の御協力を得て、彼らを撲滅すべく努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○古屋委員 いま警備局長から詳細に御説明を承ったのでございますが、何と申しましても、この過激集団の行為、これはたとえ一握りのものでありましても、民主主義というものを根底から崩壊するものであると思いますので、また、こういうような事件が起こりますと、他の過激集団へ波及をしていくという問題もありますので、この点につきましては、ひとつ公安委員長から、こういうような事態に対して、国民を安心させるために、場合によりましては、公開捜査ということも必要の場合もあると思いますが、ひとつ御決意を承っておきたいと思います。
○荒木国務大臣 お答えいたします。 何と申しましても、暴力は民主主義の敵でございますから、その感覚を持って厳然たる態度で万全の措置を講じてまいりたいと思います。警備体制も、昨年あたりのピーク時期の体制をゆるめることなく、万全の備えをくずさないでおるのもそのゆえでございまして、御指摘のとおり、国民の安心感を得るためにも、ぜひとも万遺漏なきを期したいと存じております。
○古屋委員 真岡の事件に対する質問は以上で終わりまして、もう一点だけ交通関係についてお伺いしたいと思います。 大臣、今後の五カ年計画というものが、四十六年度を発足点として進められますが、実は私ども、昨年一年間の交通事故、死者、負傷者ということを考えまして、たしか一昨年は三十五分間に一人死に、三十五秒間に一人負傷するというように、数字を割ってみると計算ができたのでありますが、昨年の数字を見ますると、三十一分に一人死に、三十二秒に一人負傷するというようなふうに、交通事故がふえておりますが、実は、この五カ年計画によりまして、当初警察庁におきましては、この計画を実行する場合においては、今後五年間に死者は、ほうっておけば一万六千人から二万二、三千人になるが、この計画を実行すれば、一万人、つまり一万六千人が一万人に減るというような計画のようであったのでありますが、計画が若干変更されましたので、そういう点についての見通しと申しますか、そういう点を一つだけお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○荒木国務大臣 お答え申し上げます。 交通安全施設等整備事業五カ年計画におきましては、道路交通上最も弱い立場にある歩行者の安全を確保することを最重点とし、さらに自動車台数の増加とともに急増しつつある車両対車両の事故の防止等、都市における著しい渋滞の緩和をはかるために、事故防止上きわめて効果の高い信号機を現在の約二・五倍に当たる五万七千機に増強するとともに、これのコンピューターによる高度の系統的整備を中心とする特定交通安全施設等整備事業−これは補助事業でございますが、六百八十億円のほかに、道路標識及び道路標示の整備を内容とする地方単独事業約九百二十億程度が見込まれるので、総事業費で約一千六百億円の投資規模を予定しております。これは現行の三カ年計画を五カ年に延長したものに比べてみると、補助事業では約九倍、地方単独事業を含めた総事業では約三・五倍となり、従前に比べて大幅に事業規模が拡大されておるのであります。これにより、本計画と並行して行なわれる道路管理者側の五カ年計画による歩道等の整備及び交通取り締まり、運転者教育等の施策と相まって、歩行者事故についてはこれを半減することを目標として努力する次第であります。 御指摘のように、当初計画が三千七百億でありましたものが千六百億程度に縮小しましたことは、はなはだ遺憾でございます。これも予算折衝において私自身の努力不足を痛感するのでありますが、同時に、補助事業について一挙に十七、八倍に拡張するといういわば膨大な計画を予想したのが、予算折衝の壁にぶつかってついえ去ったという敗北感を痛感いたしております。今後ともその拡大については機会あるごとに努力してまいる所存でございますが、いま申し上げましたように、歩行者だけにつきましては、死者数を半減するという目標は依然として心がまえとして持っておりまして、最善の努力をしたいと思います。
○菅委員長 華山親義君。
○華山委員 ただいま最近の暴力的左翼の問題につきまして御質問がございましたので、私も心配をいたしておりますが、この点につきましては、重ねて御質問することはやめます。 それと対応するものに右翼の活動があります。これは私自身も体験をいたしておるのでございますが、昨日同僚の山口君が予算委員会で質問をされました脅迫状をもらったのは私であります。那珂湊の問題をおまえが取り上げるならば命がないものと思え、こういうことでございます。私は、それだからといって、那珂湊の問題を取り上げないで済まそうとは思っておりません。ただ、現在、あの問題が一応あのような形で進行いたしておりますので、いまこの際私が取り上げて、さらに波紋を起こすようなことは慎しみたいと思うのでございますけれども、それにつきまして私が感じましたことは、ああいう連中が労働運動に介入することによって、それが暴力をふるわなくても、その中にいるということが、労働者に対して非常な威圧を与えることになります。それはからだのでかい連中が一つの部屋に入って、待機しておって、その中でボクシングの練習をしておる、こういうふうなかっこうであったならば、市役所の職員に対しまして威圧を与えることは免れることはできません。そういうふうなことがありますので、いろいろな会社がありますけれども、そういうふうなものを地方公務員とかいろいろな名儀で入れるということは、労働運動の際には絶対にやめてもらいたい。事があるならば警察官が入ればいい。そういうふうなことで、今度法規等もつくられるそうでありますけれども、それについての長官の御意見を伺いたいと思います。
○後藤田政府委員 お答え申し上げます。 那珂湊の市役所の紛争議の場合に、ガードマン会社の職員が臨時職員に雇われて、御承知のようなトラブルがあったわけでございますが、私はこういった労働争議で、いわゆるガードマン会社が争議そのものに介入するということは絶対に許されないことだと思います。ただ、しかし、争議そのものに介入しないで、いわゆる通常の業務に従事をするといったようなことでありますならば、私どもとして直接これを取り締まるといったこともできがたいというのが実情でございます。 那珂湊の場合については、現在まだいろいろ調べている点もあるようでございますが、いずれにいたしましても、純粋の雇用契約でガードマン会社本来の仕事をしているという場合には、われわれとしては、ただいまも申しましたように、どうにもならぬ。ただ、争議そのものに介入することは許されませんので、そういう事態があるかないか、こういう点については、それぞれの告訴等もあるようでございますので、現在調査をして結果を出したい、こう考えております。 そこで、問題は、最近のガードマン会社そのものに対して警察としてどう考えておるか、こういう点についてですが、今日ガードマン会社は社会的需要が多いものですから、三百社程度、大小取りまぜてできておりますが、その中に私どもの目から見て必ずしも芳しくないといったものがあることは事実でご、さいます。 そこで、私どもとしては、今日この仕事の公共性、そういう点にかんがみて、またいわば警察類似のような服装その他もしておりますので、行政指導によって改善措置を講じてもらう。同時に彼ら自身の連合組織等の結成を促して、自主的な改善措置を講じさせる、こういうことでやっておりますが、私はそういう今日のガードマン会社自身の努力の成果をしばらく見たいと思っております。そうして、それでもなおかつ弊害面が相当あるということであるならば、立法措置も講ずることをやってみたい、そういうような意味合いから、諸外国の立法例、さらにはまた今日の実情、こういう資料を集めまして立法の検討をいたしておるというのが、今日の実情でございます。
○華山委員 私のお聞きしているところに真正面からお答えにならないのでございますけれども、かりに労働争議の場合に、ガードマンがいて、たとえば玄関にがんばっている、また一つの部屋にガードマンがたむろしている。このこと自体が労働者に威圧を与えるということなんです。またそういうふうな意味合いを持ってガードマンがそういうふうな場所に雇われていくのじゃないか。介入の範囲——ものを言わなくても、そういうふうなことでやはり威圧を加える点が私は非常に大きな問題だと思うわけであります。それから那珂湊におきましては、その役場のみならず、あれだけの報道をされた。そういうふうなことであの小さい市の市民をふるえ上がらせている。こういうことにつきまして、労働争議等に必要があれば警察官が出向けばいいのであって、いろいろな名目のもとにガードマンが入るというふうなことは、これは禁じてもらいたい。このことを御要望を申し上げておきます。 私があの騒ぎのときに行きましたのは、毎日毎日新聞で報道されている、地方行政委員会に籍を置く者としてほっておけないじゃないか。どういう実態なのか見てきたい、そういうふうなことで、私はあそこに行ったときも、私は何も労働組合を激励に来たのでも何でもない、実態を知りたいから来たんだということをみんなに話をして、そしていろいろ実態を聞いたり見たりしてきたわけなんです。私自身労働争議に行って介入したこともございません。そういうふうなことで、いろいろな点で威圧を加える、そういうふうな点のないように、ひとつこれが立法の場合なりまた指導の場合でも気をつけていただきたい。このことだけ一つ申し上げておきたいと思うわけであります。 それから第二にお聞きいたしたいことは、最近の米のいわゆるやみ取引のことであります。現在、米のやみ取引は昔のかつぎ屋の問題ではない。もはや一つの商業として、ビジネスとして大規模に行なわれている。そのためのいろいろな大きな商社等もできておるわけでありますが、最近の新聞等にも書かれておりますけれども、たとえばNHKのテレビによりますと、物統令をはずしたならば米の値段が上がるであろうかということで、いろいろな人を集めて、そこで話し合いをしていることが放送されておる。その中には消費者の婦人もおりますし、米屋さんもおりますし、農協の人もおりますし、消費者のいろいろな団体の人も入っておられる。その中の一メンバーとしていわゆるやみ業をやっている人たちが入っているわけなんです。私はNHKのこの放送が悪いなどと言うのではないのだ。そういう実態なんだ。また新聞等でも報ぜられておりますけれども、これらの人がどういう行動をしているかを全部NHKは追いかけて実況を放送している。この人は堂々と各農協をたずねている。農協職員との話し合いの状況まで出ているわけです。また、農家の庭先に行って米を買っている実況まで出ているわけです。このような行為というものは、組織的に行なわれるところの食管法の違反であり、物統令の違反であり、また農産物検査法の違反であるわけです。これらのことが行なわれている。そういうふうな組織、そういうふうな行為、これが現在の米の取引そのものに必要なものであるかどうか。たとえ取り締まり規定があっても、それは公に取り締まらないほうがいい、存在することが一つの社会的意義を持つのだということであるならば、これは警察の判断で取り締まらない場合もあり得ると私は思います。この場合は一体どうなんです。ただ漫然と見ているのか、また、こういうふうな組織というものは、国民の消費生活に必要なんだ、したがって目をつぶっているのか、どちらなのか、伺っておきたい。
○後藤田政府委員 お答え申し上げます。 一般的に、行政法規の処罰規定の運用の問題は、御説のように、自然犯の場合とは変わってまいります。やはり立法の趣旨あるいは法の運用の実態、客観情勢、こういうような点から見て、立法目的そのものを担保するというために罰則があるわけでございますので、警察の取り締まりというものは、そういった状況をにらみ合わせながらやるのが、私は行政犯取り締まりの本旨だと思います。 そこで、今日の米の販売といいますか、統制といいますか、そういう問題の実態を私どもとしてはよく見て、そうして運用をするわけでございますので、形式犯的なものについて、あるいは軽微なものについては、私どもとしては、客観情勢、法の運用等の実態から見て、取り締まりはいたしておりません。 しかしながら、やはり物統令というものがあり、米の配給制度がある以上は、大量、組織的な横流し事案というものについては取り締まりをしてまいらなければならぬ、こういうふうに考えて、私どもとしては、一線でそのようにやらしておるわけでございますが、何ぶんにも、最近の米の統制問題、またそれについての運用の実態というものとのにらみ合わせで、私どもの取り締まりも、必ずしも昔のようにやっていないということもこれまた実態でございますが、私は、今日の実態から見てはその程度でいいのではないか、こういうふうに考えております。
○華山委員 そうしますと、警察の側といたしましては、現在のようにいわゆる米のやみ相場が立ってみたり、あるところにみんなが集まって相場を立てて値段をきめてみたり、そういうふうなことは許されるということなんですね。そういうことがあったってしかたがないんじゃないのか、これが国民の消費生活のために役に立つのだ、取り締まってみたところが何も国民の消費生活の面に益するところがないのだ、こういうふうなお考えが、現在の御心境でございますね。
○後藤田政府委員 御説のようなやみ市場が立ったり云々といったようなことは、これは私は米の配給統制を直接実施している主務官庁の課題の問題であると考えております。私どもとしては、したがってそれがいいとか悪いとかという立場にはないわけでございますが、私が言いたいのは、客観情勢というものを見て、それが罰則である以上は、やはり客観情勢にマッチした罰則を適用しなければ、かえって私はそれは法の運用としては適切なものにあらず、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○華山委員 わかりました。警察のほうでは、現在の米のやみ取引はやむを得ないものである、こういうふうにお考えになっている、こういうことでございますね。 そういうふうなお考えでありますれば、私はまたそれを根拠にして農林省へお聞きしたいと思う。私は現在のあのようなやみ取引が行なわれるということは、食管法それ自体がくずれるもとだ、そういうふうに考えるわけでございますが、農林省ははたしてこういうふうなことを認めるのかどうか、ひとつよく聞いてみたいと思う。その前提として私はお聞きしているわけでございます。 ことに私は国民にとって危険なことは、農産物検査法によるところの検査を受けておらないということなんです。このことは重大ですよ。何のために農産物検査法があるのか。これは食管法を維持するためにあるのじゃない。国民に対して安全で品質のよいものを出すということが一つの目的なんで、食管法の前提になっているのじゃないのです。そういう点につきましても、これは現在のところしかたがないじゃないか、あれでいいんだというものの考え方には、私は同調しかねるのでございますけれども、なお、この点につきましては、あなたの御答弁を前提といたしまして農林省のほうに聞いてみたいと思っております。——何かほかにございませんですね。
○後藤田政府委員 私が申し上げておるのは、先ほどのように、法の運用というものを客観情勢に合わして、罰則である以上妥当なやり方をやらなければならぬ、こういうことを申し上げておるわけでございますが、大がかりなしかも計画的な悪質なものについては、お答えしましたように、取り締まりをやっております。また、そういった私どもの検挙事例もあります。したがって、すべていかなることも米に関してはやってよろしい、警察は取り締まりをしないといったような趣旨ではないことは申し添えておきたいと思います。
○華山委員 ことばじりをとらえるようでございますけれども、悪質とはどういうことです。具体的におっしゃってください。
○後藤田政府委員 ケース・バイ・ケースで私どもは判断をいたします。
○華山委員 だから、どういうのが具体的にあったかということなんです。
○後藤田政府委員 従来の取り締まりの例で見ますというと、大がかりな、大量な横流しあるいは農産物検査法に基づく検査を受けてない無検査米、これを大量に流しておる、こういったような例が私どもとしては悪質であるというふうに考えております。もちろんこれだけではございません。先ほど言ったように、ケース・バイ・ケースで私どもとしては考えてまいりたいと思います。
○華山委員 いま前段に言われたことができておらないのですよ。いまああいう業者が庭先からどんどん買っているじゃないですか。検査されてないそういうふうなものを買っている。そういうふうなことについて何ら取り締まりが行なわれていないじゃないですか。私は決して取り締まれとか取り締まらないほうがいいとかいうことを言っているのじゃない。前に申し上げたとおり、行政法規ですから、たとえそういうふうなことがあっても、本来ならば警察の任務として行なうべきところの取り締まりも行なわれない場合も私はあり得ると思う。現在取り締まっておらないから、どういうふうな客観的なことがあるから取り締まらないのだというふうなことをお聞きしたいのでございますけれども、ケース・バイ・ケースだと言われて、しかもそのケース・バイ・ケースが行なわれていない。この点につきましては、私はなお食糧庁のほうに、いまお答えになったことを前提としてお聞きしてみたいと思います。 どれだけのやみ米が東京に入っておるか、あなた御存じですか。大体東京の消費米の三〇%はやみ米だといわれているじゃないですか。これほど大規模なものはないじゃないですか。しかし、それでもいいのだという前提のもとで黙っているというのならば、私はそれでもいいと思う。ケース・バイ・ケースと言われるけれども、東京の市民の消費の米が三分の一もやみ米でまかなわれておるというふうな実態については、私はそれはそれなりの大きな理由が警察になければいけないと思う。なおひとつこの点につきましては、農林省等との関係もございましょうけれども、どの程度のことをやればいいのか、よく研究していただきたい。 あるところで商人が集まって何とかの何等米はどこからどれだけ出た、これは幾らで売れるのだ、幾らで買いますなんということを公然とやっておるじゃないか。その情景がテレビの放送に出てくるじゃないか。そういうふうな大きな組織というものが公然とやっているのだから、捜査も何も要らないものなんです。これはしかし、私はいま申し上げましたとおり、なぜやらないのかということをお聞きしたい。 その次に伺いますけれども、今度は公害の問題が絶対の問題になってまいりました。それで公害につきまして、特に第一線の警察官の職務は増大するだろうと思いますが、どういう面において特に増大するのか。交通の問題につきましては、後ほど法律も出ますから、その際にいろいろお伺いもできると思いますのでなんでございますけれども、第一線行政の警察官はどういう仕事が増大するか、具体的にお伺いしたい。
○後藤田政府委員 私どもとしましては、私ども自身の法律である道交法による交通公害の問題、これがふえてまいります。いま一つは、先般の国会で立法せられました各種公害規定、これは御承知のとおり、従来でありまするならば、一応の改善措置の命令を出して、それを聞かないといった場合に罰則を適用するということになっておりましたが、これがすべて直罰規定に相なっております。同時にまた、法務省所管の例の公害処罰法といったものも近く施行になるわけでございます。これらの罰則の適用の仕事がふえてまいりますが、これらについては、今日の公害の実情から見て、私どもとしては慎重にしかも適切な取り締まりをやってまいりたい、かように考えております。
○華山委員 それで私は、特に地方都市等において散見をするのでございますけれども、交通の補導等のために女子の補助者でございますか、あれは何という名前でしたか、ちょっとなんでございますが、採用になられて街頭に出しておられる。私はあれを見てつくづく思うのですけれども、日本の女子は、ソ連に行ったときなどと違いまして、からだが小さいですね。私は、あのからだの小さい、かよわい女の人を街頭に出してやらしていることは、何だかあぶなくてしょうがない。いつかここでお尋ねしたときに、排気ガス等についてのいろいろな公害の第一の被害者は警察官だとおっしゃった。そのことをあのかよわい女の人たちが負っているわけです。これは、私は特に婦女子のことを言いましたけれども、ほかの警察官も同様だと思うのですけれども、ほんとうにあなた方の心配されるとおり、いわゆる大気汚染の被害、公害というものをまともに受けているのが警察官だと私は思うのです。これは御同情申し上げなければいけない。 それで、酸素吸入等もなすっていられるというふうなことは、もう五、六年前からもあっている話です。これについての対策はどういうふうにお考えになりますか。
○後藤田政府委員 御説の点は、最近採用しました交通巡視員の問題だと思いますが、交通巡視員につきましては、確かに女子職員が九割程度占めております。そこで、私どもとしては、この交通巡視員というのは、歩行者の保護、いま一つは駐車違反等の取り締まり、こういった面に使う、こういうことでこの制度を採用したわけでございまするので、御説のような、交通ひんぱんな交差点等で使っておるという現状をごらんになっての御質問だと思いますが、そういう使い方は適当でない。したがって、当初私どもが考えたような使い方をして女子の労働にふさわしいといったやり方をやらしてまいりたい、指導を加えてまいりたい、私はこう考えております。
○華山委員 そうしますと、女子のああいう人たちはいわゆる大気汚染、そういうことからは隔離されているわけでございますか。私はそのことをお聞きしているのです。
○後藤田政府委員 街頭に出るわけでございまするので、やはり一般的には排気ガス等の被害を受けざるを得ない面もあろうかと思いますが、使い方としては、そういった排気ガス等の被害を受けることの少ない場所で、少ないような勤務でやらしたい、こういうふうに考えております。
○華山委員 その方針で行っていただきたいと思いますが、一般警察官がああいう非常な大気汚染の中で勤務しておられる。これが長い間には相当の影響もあろうかと思いますけれども、これについて何か酸素吸入というふうなことをやっておられるという話も聞きましたけれども、何か新しい、あるいは勤務時間等々についてお考えになっていることはございませんか。
○後藤田政府委員 その点につきましても私ども心配をいたしまして、昭和三十七、八年ごろから健康診断等をそういった勤務者に対してはしばしば実施をする。そうしてその状況を見て交番等に酸素吸入の器材を設置するとか、そういうことをすると同時に、勤務の制度、勤務の時間、こういう点について配慮して、できる限り健康をそこなわないような措置を講じて現在やらしておりますが、この点も将来とも一そう注意をしてまいりたいと考えております。
○華山委員 私は、第一線の交通等に当たる警察官の健康につきまして、特に公害をまともに受ける人たちですから、ひとつ十分に御配慮願って、根本的に研究していただきたいと思うのです。これは長い間のことですから、早く老い込むのじゃないか、私はそういうふうな気もするわけです。現在の科学では、そういう状態に長くさらされた場合に、どういうふうなことが後年になって出てくるのかというところまでは究明されておらないわけです。そういう点につきまして、あの若い人たちの健康のために深甚に御配慮を願いたいと思うのでございます。 それで、私、まことに言いにくいのでありますが、公安委員長にも申し上げておきたいのでございますけれども、あなたは、一風吹けば公害なんかはどうでもいいということをおっしゃったということですね。これは警察官に最もいけないことばですよ。警察官が街頭に出てああいう仕事をしている。やっていても、一風吹けばよくなるのだから、こういうふうに警察官は聞くでしょう。警察官は、上と下との関係がありますから、文句は言いません。私はあのことばを聞いたときに、これが警察官にどういう影響を与えるか、非常に心外であったわけでありますけれども、ひとつお考えがあるならば、あのことばは警察官に対しては間違いであったということをいまここでおっしゃっていただきたい。
○荒木国務大臣 お答え申し上げます。 私の発言が誤り伝えられ、誤った取り上げ方をされたことによって御質問のようなことが起こったかと思います。私の申しましたのは、過ぐる臨時国会で十四の立法措置を講じたということに関連しての表現であります。スモッグ公害なんか一風吹けば吹っ飛ぶ、何のことはないということもあるが、そうでないものもある、したがってつかまえどころがないということから、大気汚染防止法ないしは道路交通法までも改正して、一定の基準を設定するということになった、基準が設定されてがっちりつかまえて、適切な予防措置対策が講じられることとなりましたということを、経過説明をしたときに、ちょっとそういうふうなことを申し上げたことが、より食いされまして、報道された結果、誤解を招いたことと存じます。したがいまして、警察官が憤慨するということにはつながらないと思います。
○華山委員 だけれども、一風吹けば公害なんか何でもないんだということだけ聞けば、つながるじゃないですか。警察官が一生懸命に大気汚染の中で仕事している、なに一風吹けばなくなるのだと言われたら、おかしなことを言うと思うのはあたりまえじゃないですか。自分のからだのことを一番心配しておるのは、あなたや幹部の方々も心配していらっしゃるかもしれませんけれども、自分なんですからね。その際に、なに一風吹けばそんなものはもうなくなるのだ、こう言われたら、おかしなことを言う長官だと思うのはあたりまえだと私は思うのですよ。これから訂正するわけにもいかぬでしょうし、ことばは第一線の警察官にどういう印象を与えるかということを常に気をつげてお話しになっていただきたい。 このことを御注意申し上げて、私の質問を終わります。
○菅委員長 和田一郎君。
○和田(一)委員 きょうは交通の問題を取り上げるわけであったのでありますが、その前に、先ほども質問がございました真岡の事件のことをちょっと質問させていただきます。 あれは私の地元でございまして、真岡市というところはほんとうに平穏無事ないなかなんですね。どこのうちでネコが子供を三匹産んだぐらいでも、ちゃんとニュースになっていくような、そういう素朴ないなかでああいう事件が起きたということは、住民はものすごいショックを受けていることは事実です。 それで、お尋ねしたいのですけれども、京浜安保共闘のような過激集団については、中央では、警視庁等については、聞くところによりますと、マン・ツー・マンシステムでがっちりと情報をつかまえておる。板橋の交番の襲撃事件等でさらにまたそれを追っていらっしゃる。そういう地方のいわゆる小都市に対する公安情報の提供、それの格差があると思うのですけれども、その点について現在どうなっておるかということをおっしゃっていただきたいと思います。
○山口(廣)政府委員 お答え申し上げます。 警察の仕事は、どの部門でもそうでございますが、中央、地方一体になって努力をいたしておるところでございます。しかし、特に警備、公安の面におきましては、地方のちょっとした情報でも、これが中央の動きを察知する手だてにもなり、また逆に中央のいろいろな動きが地方に微妙な影響を与えるということで、特に中央、地方緊密な体制をもって仕事をいたしておるところでございます。 いまお話しの、たとえば京浜安保共闘等の動きにつきましても、これは常に指示、通達、指令等で全国各道府県に流しまして、警戒、警備を怠らぬようにということは指示いたしておるところでございます。ただ、何ぶんにも、たとえば赤軍なら赤軍について申しますと、これは東京とかあるいはその近県、それから大阪、兵庫というようなところが一応活動の舞台である、あるいは今度問題になっております京浜安保共闘関係につきましても、東京、神奈川あるいは愛知、福岡、佐賀というように、大体おもな活動の場所がきまっておるわけでございます。したがって、そういうところはたいへん緊張してやっておりますけれども、それ以外のところは、そういう関係のあるところと同じような程度の緊張感を持ってやるということは、これは望んでもなかなか得られない問題ではないかと思います。 しかし、たとえば赤軍にいたしましても、山梨県の山の中で、例の大菩薩峠で訓練をやったとか、それからいま問題になっております京浜安保共闘につきましても、今度のようなそういういなかで事が起こっておるというようなこともございます。まだ、ほかにそういう急進的な過激集団で共産同RGというのもございますが、こういうのも琵琶湖畔なんかで窃盗をやっておるというようなことがございます。それから、いま申しおくれましたが、日共革命左派も岐阜の山の中でダイナマイトや雷管を盗んでおるというようなことがございまして、これはなかなかどこをつかれるかわからない状況でございますので、私どもとしては、直接彼らの活動の舞台である都道府県のみならず、どこででも虚をつかれるおそれがありますので、努力するように現在やっておるわけでございます。 それから特に銃砲店とかあるいは金融機関——金融機関なども彼らの資金調達のための襲撃の対象になりますから、そういうようなところは特に注意するようにということで、全国的に指示を流して努力をいたしておる、こういうことでございます。
○和田(一)委員 指示を流していらっしゃると思いますけれども、たとえば都内なら都内で、ある人を尾行しておったとか、そういう過激集団を懸命に追っておった、それが都外に行ったような形跡があるということは、地方の県警なり関係者にすぐに連絡をするということのようにとれるのですが、それでいいのですか。
○山口(廣)政府委員 それが私どもの最も重要な仕事でございますので、及ばずながらできる限りの努力をいたしておるところであります。
○和田(一)委員 さらにまた今度の事件で、相当地方の中小都市も緊張したと思いますけれども、その点につきましては、極力よろしくお願いしたいと思うのです。 それに関しまして、今度は銃砲店の問題なんですけれども、今回まことにずさんであって、最初は散弾ですか、五百発盗まれたろう。ところが、きのうになって初めて千五百発ということがわかったというのですね。これは警察の問題ではなくて、銃砲店そのものの問題ですけれども、実にずさんであったということは、地元の人たちもあ然としているのですね。 そこで、思うのですけれども、たとえば賊が銃砲店へ侵入する。施錠をしろということをいっておりますけれども、かりに施錠をしておった場合に、錠くらいは何とか破壊ができるだろうし、陳列ケースですから、ガラスが入っておると思うのですね。これは夜中に入ってくるくらいの人だから、ガラスはあっけなく割れると思うのですけれども、それを持っていってしまう。それを持っていけば、今度は幾らでも使えるわけですね。たとえそれを持っていかれたとしても、使いものにならないようなくふうをしておいたほうがいいのじゃないかと思います。私はまだ経験がありませんから十分は知りませんけれども、たとえば何か安全弁をはずしておくとか、これさえとっておけば、一つの部品さえとっておけば使いものにならない、そういう形になっているようなのですけれども、これはもう全国の人が知っているわけなのです。だから、たとえば銃をとって何々がないから出せと賊が脅迫すれば、出さざるを得ない。その銃砲店で全部そろってしまうことになるわけですね。そういう面で、何か別なところへ部品を置いておく、そういうような考え方でないと、錠ぐらいは幾らでもこわされるというおそれがあると思うのですね。そういう点についてひとつどうでしょうか。
○高松政府委員 今度の場合も、盗まれた散弾がもう千発あったということがきのうになって、いろいろ帳簿それから本人の供述——本人の被害者も多少動転していたことがあって、はっきりしなかったわけでございますが、そういうことがあとになってわかりました。 御指摘のように、同じ銃を保管しますにしても、たとえば遊底をはずしておく、それから銃とたまとは必ず別々のところに保管しておく。片一方をとられても、片一方だけでは撃てないという形のものにぜひやってほしいということで、従来から警察のほうでも銃砲店にそれぞれ要望しているところでございますけれども、なかなかそれが現実には実行できない、実現ができていない。まだ十分でないところがかなりたくさんございます。それからやはり一つの商品でございますから、あまり妙な形にはしたくないという気持ちもあるようでございます。その辺の指導というふうなもの、あるいは銃の保管についてあるいは保管設備自体についての改善くふうというものも、先ほど来保安部長も申し上げておりましたけれども、私どもももっともっと徹底してやる必要があることだというふうに考えております。
○和田(一)委員 いま私がお聞きしたのは、置くところは違っておっても、同じ家の中にある、銃はこっちにあって、たまは別なところにある、こうだった場合、脅迫されれば出さざるを得ない場合があると思うのですね。だから、その家ではなくて、全然別なところに何かはずして置いておくというわけにいかぬでしょうか。そういう点をお尋ねしているわけです。
○高松政府委員 できれば御指摘のようにはずして、それぞれ別に置いておくということが非常に望ましいと思います。しかし、もしそれができないような状態であっても、それぞれ銃とたまとは別にして厳重に保管をしておく。そうすれば、脅迫されたにしても若干の時間がかかります。そうすると、銀行その他にあります非常通報ベルというふうなものがあれば、若干そこに時間がかかれば、やはり犯行は困難になる。かりにやりましても、それを現場において捕捉するというようなことが可能になる。いろいろな意味で、できれば御指摘のように、離れたところに保管する。もしできない場合にしても、大部分は遠いところに置いて、ごく一部のものだけを店内に保管する。それも厳重なものに保管しておくというふうなことを、私どもはこれから通産局にもぜひお願いし、こちらのほうの指導としてもぜひやらしてもらいたい、かように思っておる次第でございます。
○和田(一)委員 とられる前に、またはとりに入る前に、とりに行ってもだめだという形にしておかなければ、この種の事件がまた起きるのじゃないかと私は思うのです。私の御質問申し上げているのは、たとえばの話、予算がつかないからそういうことはできないとおっしゃればやむを得ませんけれども、銃砲はそんなにたくさん店があって売っているわけじゃないわけですね。特に中小都市なんかおそらく一軒あるかないかというところです。ですから、できればの話ですけれども、銃の一部分を警察が保管しておく。たとえとっていったって使いものにならないという認識を与えておいたほうが、かえってそういう事件が起きないのじゃないかと思うのです。 だから、いま御答弁になったように、たとえば塚田薬局なら塚田薬局の人が管理するところへ、たとえ離れて置いても、その一軒の家が管理するところに置いてあれば、これは何かの方法で脅迫でも何でもしてとられるということがある。とって使う可能性があるというふうに犯人は感じると思う。たとえとっても使いものにならないという認識にしてしまえば、私はいいと思うのですけれども、その点どうでしょう。これは私のしろうと考えかもわかりませんけれども、お答え願いたいと思うのです。
○高松政府委員 銃砲店の問題、もう一つは個人の所有する銃の保管の問題もございます。何とかいま御指摘のようなことができれば私どもたいへんよろしいと思うのですけれども、何ぶんにも銃砲店にとってみれば、それが一つの営業上の物品でございますし、全然持っていって、たとえば警察に保管するというわけにはちょっとまいらぬだろうと思います。
○和田(一)委員 部分ですよ。
○高松政府委員 その点は、遊底なら遊底をはずしてこちらに保管しておくということにはちょっとまいらぬと思いますけれども、保管設備をもっと改善すれば、やはり犯罪の防止、あるいはそれが万一起こった場合に対する措置というものにも非常にこれは違うであろうということは事実でございます。私どもはそういう方向にまず指導の力を向けていきたい。御指摘のような方法がいろいろ検討できて、そういうことが可能なところがあれば、そういうふうなことも警察としても試みるのも一つの方法であろう、かように思います。
○和田(一)委員 ひとつそういう不祥な事件のないように大いに研究もしていただきたいと思いますし、また検討もお願いしたいと思います。 次に、変わりますが、今回の場合は防犯ベルが買ってあったそうですね。買ってあったけれども、つけてなかったというのですね。ずいぶんお粗末な銃砲店なんですが、それで県の商工関係だと思いますけれども、四十五年の四月と十月に二回立ち入り検査をしているわけなんです。とにかく防犯ベルもついてないからつけなさいよと指示はしたというわけです。何ぶんやっぱりいなかのことですから、ずさんな気持ちでおったことは間違いないと思いますが、この立ち入り検査を、警察のほうとしてはどうなんでしょうか。この点については現行法でやっているのか、できるのかどうか。またはやったほうがいいとお考えかどうかということを、ひとつ警察の立場からお答え願いたい。
○関沢説明員 お答えいたします。 いま武器等製造法等によりまして警察官がいわゆる緊急立ち入りと称している——これは人の生命、身体、財産に危害を及ぼすような、そういう客観情勢の場合は立ち入りできますけれども、いわゆる行政上の立ち入り権というのは、警察官にはございません。
○和田(一)委員 県庁のお役人ですと、専門的な知識もあるでしょうけれども、何か事務的に流れやすいと思うのですね。そういう銃砲店に対するいろいろな立ち入り検査、そういう事件を未然に防ぐという立場からも、警察の防犯のほうの立ち入り検査は私は必要と思うのですけれども、長官のお考えはどうでしょうか。
○後藤田政府委員 お説のように、今日の銃砲あるいはたま、火薬、こういったものの保管管理、こういった点が、社会的な危険性とのにらみ合わせで必ずしも十分とは私は考えておりません。 そこで、御質問の点につきましては、ただいま参議院に御審議を願うようにしております銃刀法の改正で、少なくとも銃と弾丸は同じ施設に保管してはならないという改正規定を盛り込んで御審議をお願いするようにいたしております。もちろんそれだけではたして十分かどうかという点については、いろいろ御批判があろうかと思います。ただいま御指摘のような考え方も確かにあるわけでございますが、ただ、現実にはその程度で今回は法改正をして、それによって指導を十分やってみて、さらにその上で不十分であるということであれば、さらにまた改正ということも考えてみたい、こういうふうに考えております。
○和田(一)委員 それに関連しまして、たとえば警察官の方の装備といいますか、実はいなかへ参りますと、自転車でいま警察官の方が巡回していらっしゃる姿をよく見るんですね。ところによってはバイクでさっそうと行く場合もあるのですけれども。先日、夜中に自転車の警察官が三人ばかりずっと一列に並んで警戒をしていらっしゃいましたけれども、いま自転車は警察の備品として置いてあるのですか。
○富田(朝)政府委員 自転車はただいま備品といいますか、それぞれの警察署あるいは派出所等にそういう形で配置されております。
○和田(一)委員 その自転車は通勤用の自転者ですか、それともいわゆる仕事のために使う自転車でしょうか。
○富田(朝)政府委員 警察の用務のために使う自転車でございます。
○和田(一)委員 自転車というのはずいぶん時代おくれだと思うのです。いまはとにかく自動車、バイク、オートバイで、たとえば自動車に乗って逃げた。これを自転車で追っかけるのですか。
○富田(朝)政府委員 ただいま派出所、駐在所にはモーターバイクを大体配置してございまして、現在の現有数は全国の警察でモーターバイクが二万四千六百十三台でございます。そのほかに自転車が一万六千四百九十八台ございます。モーターバイクのほうを十七万人の警察官で割ってみますと、大体五人に一台くらい、あるいは外勤警察官で割ってみますと大体三人に一台は、こういう調子で配置してございますけれども、それぞれの警察の適正配置というのは今後十分指導してまいりたいと思います。あるいは本署に相当数集めてあって、交番等には一台あるいは駐在所にはないというような場合もあるいはあるかもしれませんので、その点は指導を徹底してまいりたいと思います。 それからなお、自動車で逃げるような場合につきましては、これはパトカー等も相当整備をされておりますので、そういうパトカーによる追跡ということに相なろうかと思います。 なお、モーターバイクがこれだけございますけれども、免許証を持っていない者も中にはございますので、今後の施策といたしましては、府県の警察学校にいわゆる新任巡査として採用になりました際に、できるだけ免許証をとらせるような措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 二万四千六百十三台のバイクで五人に一台だとおっしゃいましたけれども、バイクはもういまはげたと同じなんですね。そういう近代性にマッチした警察でなければたいへんですよ、これは。その点について、大臣、どういうお考えでしょう。
○荒木国務大臣 お答えいたします。 お説ごもっともでございますから、さらに整備したいと思います。
○和田(一)委員 きょうは大蔵省の方来ていらっしゃいませんので、聞きようがないのですけれども、これは警察の予算をがっちり組んでもらって、とにかく長官、来年は自転車をひとつやめてもらいたい。(「機動隊の予算を減らして自転車をバイクにかえろ」と呼ぶ者あり)いろいろな御意見もございますけれども、たとえばいま官房長がおっしゃったように、自動車か何かで逃げる人がいれば、パトカーが追っかける。そのパトカーがそこにいればいいのですがね。いなかに行くと、パトカーが一台か二台ですよ。たとえば警察署のない町もあるのですよ。それではパトカーを呼んでいるうちに、どこかへ逃げちゃいますよ。そういうときに自転車というわけにはいかぬのです。ほんとうに非近代性というのは私はこの点を言うのだと思うのです。 この点につきましては、当地方行政委員会でも、もう委員の皆さん方も全力をあげてバックアップをされると思うのです。そういうことにつきまして、ひとつ非近代性じゃなくて前進的な、とにかくSF小説にあるような姿にしてもらいたい、そういうふうに思います。ひとつこれは長官からその点について。
○後藤田政府委員 御説ごもっともでございます。私どもは機動力の整備、同時にまた、それを十分に使い得るような警察官の養成、これには全力をあげてまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 次に、交通の問題を若干やりたいと思うのです。こまかい点につきましては道交法の改正のときに種々聞かしていただきたいと思うのですが、実はダンプカーの問題なんです。ダンプカーの重量制限の問題。これは相当運転手の人たちはびくびくして走っているわけなんですよ。荷台を見ますと、富士山のような形になって走っているのですよね。ときどきダンプの重量制限をやられますけれども、ひとつそちらの考え方を聞きたいのですけれども、重量を規制するといわゆる台数が多くなる。そのままだと台数は現行のままである。したがって、交通事故もいまのままで済む。がっちり重量制限をやると、さらに台数が多くなって、ピストン輸送が始まって、しかも不眠ということが起きてくるから、逆に交通事故がふえるのではないか。そのためにいまのような取り締まりをやっていて、徹底的な取り締まりはしないというようなお考えなのか。それとも人件費がなくてできないのか。その点についてちょっと……。
○片岡政府委員 お答えいたします。 御説のとおり、ダンプの過積みの車が相当横行いたしております。 〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕 車の過積みをきびしく取り締まれば台数がふえる、あるいは搬出回数も早くなる、あるいはスピード違反のほうに追い込むという問題はなるほどあろうかと思います。しかしながら、ダンプの非常な過積みによりまして、御承知のように、道路の構造そのものも非常にいたんでまいっております。上り線と下り線が明らかに道路状況が悪くなって差のあるのも事実でございます。また過積みすることによって運転そのものの危険性も増しておるのも事実でございます。したがいまして、私どもは、たとえその過積みを取り締まることによって骨材の価格に影響があろうとも、過積みそのものにつきましてはきびしく取り締まってまいりたいと思っております。 ただ、計量する場所とか計量する機械がまだ不足しておりますので、このほうにつきましては、道路管理者と協力いたしまして、おもな国道につきましては、台貫所の数もふやしまして取り締まりを厳重にやってまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 私は思うのですけれども、それは過積みの問題ですが、はかりに乗っけなければわからないのじゃないと私は思うのですよ。大体外形で見ればわかるのです。砕石ならば大体どのくらい積んでおれば何トンぐらいあるか。砂利ならどのくらいあるのか。常識なんですね。はかりを置かなくても、私はある程度できると思うのです。厳密にははかりに乗っける必要があると思いますけれども、それを現在、見ますと、途中でやっているわけですね。たとえば産地から需要地へ持ってくる途中でやっているわけですよ。ですから、はかりのあるところをみんな避けて通るのです。しかもはかりに乗っからないために、トレーラーをつけてやる。トレーラーだったらはかりが追っつかないからということで、それはそのまま突っ走るということです。私は産地でやればいいと思うのです。それであなたのほうは、どうも疑わしいからあのはかりに乗っかりなさいと指図をすればできてしまう。この点どうでしょうか。私は、どうもあまり重量制限を強化されると、交通事故が多くなるというおそれがあるので、そのようにしていらっしゃるんじゃないかと思っておったのですが、その点についてひとつ。
○片岡政府委員 大体見ておりまして、これは問題だという車をとめて、そうでないものは行かす。とめた車も事件として立件するのには、明確に重さをはかって、その違反をした御本人にもその違反の量を見せて納得をしていただいて事件を送致する、そういうたてまえをとっております。 それから御指摘のように、産地と申しますか、採取地になるべく近いところに設けていって、ダンプカーがその台貫所を避けて狭い道路に入っていくというようなことのないようにいたしてまいりたいと思っております。
○和田(一)委員 それから、またダンプの話になりますけれども、最近石を積んだ車——砕石だとかそういったものじゃなくて、普通の大きな石ですね。石を積んだ車だとか、それからダンプカーであるとか、もう実におそれられているわけですよ。ダンプカーも避けて通る石積みの車という話があるらしいのですけれども、それはどうしてかというと、三台ぐらいつながってばあっと来るわけです。これが来ると、ふるえ上がってしまうそうです。いわゆる街道のオーソリティーであるところの運転手さんもふるえ上がってしまうのです。またそれが悪質なんですね。三台来られますと、まん中にはさまった車は落っこちざるを得ないということがあるそうです。こういうことについての、いわゆる乱暴運転ですね、これについてどのように対処されますか。
○片岡政府委員 ダンプもおそれるようなそういう車につきまして、私どもも非常に関心を持っております。そういう車につきましては、白バイだとかツートンカラーのパトカーが走っておりますと、遠慮をしております。ところが、いないと乱暴運転をするということで、従来からもやってきておりましたけれども、いわゆる黒パトと申しますか、ツートンカラーでない車、普通の乗用車とわからない、そういう車をもっと活用をいたしまして、そういう特に無謀な運転をしている車に限りまして重点的に取り締まっていくという施策をさらに強化してまいりたい、そのように考えております。
○和田(一)委員 ところが、パトカーが追っかけられないのが現状なんですよ。ずうっと国道をつながってますから、それをわんわん追い抜きをやると、向こうから来る車はみんなおそろしくてわきへよけて通れない。そういう現状なんですね。私は思うのですけれども、大体そういう無謀な方のリストはできておると思うのですね。それに対して厳重な訓練をするとか、再教育をするとか、そのようにひとつ安心して通れる道路にお願いしたいと思うのです。 それから、もう一つ伺いますけれども、このごろでっかい車が多くなってきた。いわゆるフロントの車とリアーとの間に相当な長さがあるわけですね。そこには、特にトラックの場合そうですが、何もガードしていないわけです。その間にもし倒れたりしたら、うしろでひかれるということははっきりしている。そういう場合に、そこをガードするようなものをつけなければ私はあぶないと思う。どうでしょう、そういうことでいままで事故はございましたでしょうか。
○片岡政府委員 事故は、そう数は多くないと思いますけれども、仰せのとおりございます。前輪と後輪の間の間隔が長いと、相当のスピードで走っております場合に、風圧で巻き込まれるという事態もあり得ることだと思いますし、従前からも県によりましては、前輪、後輪の間にガードをつくって、風圧で倒れることがあっても、後輪に巻き込まれないように、そういうことを指導してまいったところもございます。仰せの点につきまして、さらに検討いたしたいと思っております。
○和田(一)委員 次の機会にまたさらにお聞きしたいと思います。本日はこれで終わりますが、ひとつよろしくお願いします。
○古屋委員長代理 門司亮君。
○門司委員 きょう私はごく簡単に二、三の問題だけを聞きますが、一つ最初に聞いておきたいことは、大臣の所信表明の中を見てみますと、左翼の問題はところどころに字句が出ておるようですけれども、最近の治安状況の中で最もわれわれが考えなければならぬのは、いわゆる思想を持っておる右翼の行動と、俗に暴力団といわれているものとの関係というものについて、一体警察がどこまで調べ、それからどういうことになりつつあるかということの御報告が願えたら、この際報告を願っておきたいと思います。
○山口(廣)政府委員 お答え申し上げます。 右翼につきましては、現在彼らは、この七十年代に左翼革命が必至ではないかということで、これに対して彼らの立場で対策を講じなければならないということで、たとえば具体的には憲法改正の問題とか、あるいは靖国神社法案の問題とか、あるいは北方領土問題、核防条約の問題、そういうような問題をとらえて、政府に対していろいろ要求をする。それから一面左翼勢力に対しても、十分これに対して対抗していかなければならないということで、いろいろな努力をいたしておるところでございますが、彼らはそういういわゆる合法面での活動にも限界があるということで、中には一殺多生とか、あるいは没我献身とか、あるいは正当防衛論と申しまして、個人にそういう正当防衛権があると同じように、民族的、国家的にもそういうものがあるはずだということで、要するに、そういう実力行使によって彼らの主義、主張を貫かなければならないというような立場のものも若干おるわけでございます。 これに対して私どもは十分監視、取り締まりをいたしておるところでございますが、特に右翼と言えるかどうかわかりませんけれども、私どもの一番心配いたしておりますのは、そういう既成右翼というものもさることながら、ちょうど浅沼委員長を刺殺いたしました山口二矢のような、なかなかわれわれの視察対象としてとらえがたい、純真と言えば純真な二十前後の青少年、こういうものに対して、私どもは十分注意をしなければならない。大体右翼の実力行動と申しますのは、御承知のとおり、すき間風が忍び込むようにして行なわれるということで、これに対して私どもはたいへん頭を悩ましておるところでございます。 右翼と申しましても、これはなかなか範囲が広うございまして、お説のような暴力団的右翼もあれば、逆に右翼的暴力団というものもあり、あるいは売名右翼とか生活右翼とか、いろいろなものがございますので、そこに暴力団とのつながりと申しますか、暴力団的性格とか、いろいろなものがあると思いますけれども、そういう暴力団関係につきましては、また所管局長からお答えすることにいたしたいと思います。
○高松政府委員 私ども現在いわゆる暴力団ということで把握しておる数が三千五百団体ばかりございます。その中には、かつての政治結社というふうなものもございますし、それから現在も政治的な目標を表面に掲げておるものもございますけれども、私どもの把握しております三千五百団体の中にあるようなものは、大体名前は右翼ということを標傍しても、実質的には暴力団と全く変わらない、こういうものであります。たとえば先般兵庫県で事件を起こしております関西護国団阪神本部というふうなものは、形は右翼のような形をしておりますけれども、そのやることなすことは、現実に暴力団と変わらないものでありまして、こういうものに対しては暴力団として私どもも取り締まりを進めている状況にあるわけでございます。
○門司委員 この問題は、警察行政の上で非常にむずかしい問題ではあろうかと思います。しかし、一方において左翼の、いわゆ極左と称する諸君の行動が熾烈になればなるほど、右翼のそうした潜在的な行動というものが強くなってくるのは当然でありまして、事実については歴史が物語っているとおりであります。左翼が、そういうように非常に強いときには右翼が出てくる。そして問題になる。 なぜそうなるかというと、結論からいえば、政治不信ですね。左の諸君も政治に対する不信感、右の諸君も、これらの諸君にはまかしておけないという不信感。 そこで、私は集約的に申し上げて大臣にお聞きしたいと思います。これは大臣から非常に答えにくいかと思いますが、そうした象徴の出てきておるという最大の警察から見た原因、どの辺にあるかということと。もし大臣から所信の表明ができるなら、この際しておいていただきたいと思います。
○荒木国務大臣 警察庁長官からお答え申し上げます。
○後藤田政府委員 その点につきましては、御説のように、やはり根本は政治不信につながっておるのではなかろうか。したがって、そういった彼らの主張の中から取り上げるべきものは取り上げていって、先取りをしていく、こういうことも必要ではなかろうか。いま一つは、最近の高度な技術革新、それに伴う社会の構造の変化、一般の市民層の不満、こういうものに乗じてやっていこう、こういうようなこともございます。したがって、そういった意味合いからの各種の施策、これが何よりも先行する必要があるのではないか。 もちろん私どもとしては、彼らの主張がいかなるものであれ、それが暴力を伴うということについては厳重な取り締まりを加えていく、こういうことであろうと思います。
○門司委員 いま警察庁の長官から、はしなくも私はそういう答弁を聞くことができたのでありますが、問題はそこにあるのであって、政治不信に対する一つの行動というのは、それほど思想的に根の深いものではない場合が多いのであります。 ことに最近の学生の行動などを見てみますと、一体ほんとうに社会を暴力によってひっくり返して、そして自分たちの理想とする社会を——その理想像を彼らが持っているか、私はその点は非常に疑問がある。何でもいいからこわしさえすれば、あとは新しいものができる、しかしいまの政治にはたよっていられない。こういうものだとすると、それは非常に実はむずかしい問題があるわけでありまして、政治の姿勢を正さぬ限りはなくなりません。 右翼のほうは右翼のほうで、やはり同じような考え方を持っておって、そしていまの政治にたよっていられないということ。これもそれなりに、どういう政治形態が望ましいのかというと、中には昔の天皇制みたいなものを夢見ている連中もいないとは限らぬ。しかし、総体的の思想動向を見てみますと、これが一つの思想的の主義主張とかいうものではなくて、あげてやはり政治不信の問題、いわゆる自分たちのエネルギーのはけ口をどこに求めるかということに大体なっていやしないかというように考えられる。そういたしますと、これの取り締まりというのは非常にむずかしいのである。 したがって、出てきたものに対して、私どもはきわめて寛大にせよとかあるいはこうしなさいという指図はいたしませんが、警察の心がまえとしては、それらのことを十分考えて、ことばをかえていえば、ちょうど自分の子供のやんちゃ坊主ではあるが、しかしそのやっていること自体についてはあまり感心をしないけれども、実際は自分のかわいい子供だという、そうした一つ一つの警察としての立場がこの際ほしいのではないか。ただ出てきたものだけを何でもチェックするのだ、芽をつんでしまえばそれでよろしいのだというような、かつての帝国主義的の治安警察のようなものの考え方では、現在の社会の秩序の保持というものは私は非常に困難ではないかと思う。 その辺に対する心がまえをもしこの際お聞かせ願えるなら、大臣からでもどちらからでもよろしゅうございますから、ひとつ聞かしておいていただきたいと思います。
○後藤田政府委員 ただいまのお話しの点は、私どもも、この種の左右両翼の極端に過激な行動の取り締まりだけでなくなるというふうには考えておりません。同時にまた、その取り締まりをやる際に、彼らの心情というものも私どもが十分に理解をした上で取り締まりというものをやらなければ、取り締まりの効果もあがらない、こういうふうに考えて、私どもとしては、柔軟な姿勢でやっていきたい。しかしながら、その行動そのものは非常な危険性を帯びておりまするだけに、十分な注意と、また厳重な取り締まりはやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○門司委員 あまり時間がないときに長くお話しをすることもどうかと思いますが、一つだけ。 これは非常にいやなことだと思いますけれども、また、あってはならないことだと考えておりますけれども、日本のいまの治安関係についての組織としては、警察があります。警察は、これは独立をしておる。いわゆる所属は内閣に所属をしておって、ほかの省とは違う。ところが、法務省の中に公安調査庁がある。そしてここには公安審査会がある。これも一つの治安関係の大きな役所であります。こういう二つのものが、まあ昔はこの二つが一つになって特高警察ができたり何かして、実にやっかいなものをこしらえたものだが、そういうことがいけないからということで、一応法務省は法務省としての問題であって、法律的には警察に何も関係がない。どこをどう法律を探してみても、警察と法務省のそういう関係があるかということになると、公安調査庁の設置法を見てみても、何も警察に関係はない。しかし、国の治安ということになると、必ずしもそれが法に書いてあるとおりに解釈していいか悪いかということについては、いろいろ議論があろうと思います。私どもとしては、いまの警察にもし昔の特高のようなものをこしらえたらえらいことになると思う。これはいまの制度で一応二つに分けておくことのほうが制度としてはよろしいと考える。そういうことでありますが、現実の問題としてはこういう問題があるのであります。 これは大臣に聞いておきますが、内容はきょうは聞きません。少し聞こうと思って書いておいたけれども、時間もあまりありませんので聞きませんが、一つだけ聞いておきたいことは、警察と公安調査庁との間、あるいは審査会等のメンバーの中に、人事の交流が行なわれているかどうかということをこの際聞いておきたいと思います。
○荒木国務大臣 職員には一部交流がございます。
○門司委員 それから先はきょうはあまり聞きません。あとの会議がありますので、遠慮したいと思います。 それからもう一つ最後に聞いておきたいと思いますことは、委員長の所信表明の中に、警察官の教養の問題をちょっと書かれておりますが、この警察官の教養についていまどういう姿勢で臨まれておるかということが一つ。 それから、ただ教養だけをどんなに厳重にやってみたところで、それで警察官の質がよくなるわけではございません。何も警察官だからといって、霧を吸って生きているわけでもございますまい。ことに権力と申し上げましても、過去の警察官のように、権力というものがあって、そうして思想的には、月給などは安くても、警察官になったら権力があるのだからということで、警察官の志望者が幾らかあったわけでありますが、最近はそれも許されません。そういたしますと、警察官の教養といっても、ここにはどうしても経済的の問題が含まれてくるわけであります。したがって、これについて教養の方法の中の一つとして給与関係はどうなっているか。一般公務員より高いか安いかということだけ端的に聞かしていただければ、それでいいのであります。
○後藤田政府委員 警察官の教育の根本姿勢でございますが、私どもは、治安の維持は国民と警察が手を握るということ、これが基本である。そのためには、何よりも警察官が一般の国民の目から見て、一つは職業人としても、また社会人としてもたよりになるということ。いま一つは、善良な市民生活を保護する、その保護活動に徹する。そして国民に親切な警察官でなければならぬのだ、こういう基本姿勢で教育をいたしております。 なお、処遇の点につきましては、一般の公務員よりは有利に取り扱われ、さらにまた昨年度の改正におきましても、さらに一そう給与の改善をいたしまして、一般公務員との差をさらに有利に取り扱うように改正をいたしております。
○門司委員 それからもう一つだけこのことで聞いておきたいと思いますが、警察官の人事の交流ですが、警察内部の人事の交流、これは御承知のように、国家公務員でありますから、皆さんのところで把握をされておる。ところが、これが役人の一つの出世の糸口みたような形になっていやしないかということがどうしても考えられる。これはみんなも御承知のように、たとえば各府県の警察本部長−鹿児島ということばを使えば鹿児島の諸君におこられるかもしれませんが、鹿児島の警察本部長と神奈川県の警察の本部長のランクはかなり違うわけです。外から見ていると、出世をするのがずっとわかってくる、あれはあそこまでいったらどこまでいくだろうというようなことが。こういうように人事の交流のしかたが旧態依然としているのだな。これは国家公務員だから、あなたのほうでは将棋のこまをかえるように取りかえればいいというかもしれませんが、しかし、地方自治体の立場から見れば、ことに住民の立場から見れば、それが具体的に人口の少ない県であろうと多い県であろうと、住民感情からいえば、警察行政というものは同じでなければならない、こういうことが考えられる。かつての自治警察の当時には私どもはそういうことは考えていなかった。われわれは自治警察をこしらえるときには、そういうものを打破するために、地方の県なら県にいる優秀な警察官であってほしかったのです。ところが、どんなに優秀な警察官であろうとも、その県にぜひ必要であると思っても、本人の出世のためにはポストをかえてやらなければならぬということで、何年かごとに交代をしていく。警察行政自身を見てみれば、理論的にはいろいろな問題がありますよ。しかし、実際は、各地方自治体における地方住民の慣習あるいは地方住民の感情というものが十分にわからなければ、ほんとうの警察行政はやれないのだ。法律一点ばりの警察行政では、治安の確保にもならなければ住民に安心感も与えない。同時に住民に信頼感を与えない。法律一点ばりでやっているから警察はきらわれるのであって、住民感情と合った、いうならば昔の大岡さばきみたいな形で、一応法律はこうあるのだが、ここの慣習はこうだからこういうふうにしたほうがよろしいのだという、かなり幅のある警察行政が望ましいのであって、それが忘れられて、そうして警察権力だけの警察行政にだんだんなりつつあるのではないかと考えられる。 したがって、今日の警察における人事の交流その他の基本は一体どこに置いておられるのか。もしこの際——むずかしい質問であり答えにくいかと思いますけれども、出世街道のような地図がちゃんとできているんですね。地図を書けと言われれば書いてもいいのですが、どこをどう歩いているかということを。そういうことであれば、やはり住民感情としては感心しないのであって、ことに警察官である限りにおいては、住民となじんでもらいたいと思う。 よくいわれることでありますが、先進国の警察制度等を見てまいりますと、警察官自身がきわめてほがらかな態度でやっている。日本の警察官ぐらい——ここで警察官の悪口を言うわけではありませんが、むずかしい顔をしているのはありませんよ。イギリスに行ってもアメリカに行ってもフランスに行っても、町かどに立っている警察官はユーモラスな顔をしているし、またものを尋ねても、かなりユーモラスなところがあって、法律の四角ばったようなところはなかなか見受けられない。日本の警察官にはそれがちっともないのではないか。警察官の教養の中には、住民との信頼度というか心の触れ合いというか、そういうものがあってほしいのであります。ところが、そういうものが日本にはなかなかないんですね。警察というと、何かしらむずかしい顔をしているから、おまわりさんのそばには寄るなというような、ものを言ってもおどかされやしないかというような妙な慣習が日本人にはある。それが警察官の教養にとって一番大事なことだと私は思っているのです。 そしてほんとうにユーモラスな中から自分たちの信頼し得る警察だ、おそれられる警察ではなくて、信頼される警察だという観念を持たせるように、それは非常にむずかしいと思うが、それにはやはり幹部の諸君が、ただ出世街道みたいな図面を書いて——国家警察官として動かすのはあなたのほうで図面を書いているのだろうけれども、その下に行けば行ったでみんなあるんだから、どこの警察署長にきまったら次はどうだとか、今度はやめるだろうというように、大体相場がきまっているんです。こういうことではやはりいけないと私は思うのです。やはり有能な人であるならば、そこに適合した人であるならば、給与等も十分配慮して、そこに十分安心して仕事ができるような、警察官の出世主義を慎んでもらうような方法を十分考えるべきだと思うのです。そういう点の抜けているところが日本の警察制度の一番大きな欠陥ではないか。 繰り返して言うならば、ユーモラスなところがちっともない、むずかしい顔をしている。これをどういうふうに住民となごやかな気持ちで解け合わしていくかということが、日本の警察制度の一番むずかしいところではないかと思うのですが、この点をどうお考えになりますか。
○後藤田政府委員 人事につきましては、抽象的に申し上げれば、本人の実績さらに経験の度合い、こういうようなことを考えまして人事の異動をやっておるわけですが、なるほどおっしゃるように、たとえば本部長について言えば、神奈川県本部長であろうと鹿児県本部長であろうと、これは責任の度合いは全く同じでございます。しかしながら、神奈川県の治安の維持と鹿児島県の治安の維持を考えた場合には、仕事の難易ということはあろうかと思います。したがって、神奈川県には相当な経歴といいますか、経験豊かな人を配置せざるを得ない。それがまた外から見れば、出世主義につながっているではないか、こういうような御批判があろうかと思いますが、現実には仕事の難易がございます。そこで経験豊かな人材を配置する、こういうことになるわけでございます。同時にまた人事については、私どもは単にそれだけでなしに、その人間の性格がその土地の気風に合うのかどうか、こういうような点も十分に考慮いたしまして配置をいたしておるのでございます。 教育につきましては、門司先生おっしゃるように、確かにユーモアが足りない。これは国民性もあろうかと思いますが、顔つきまでになりますと、まことにお答えしにくいのですが、いずれにいたしましても、やはりおっしゃるように機知といいますかあるいはユーモアといいますか、こういうものは私は絶対に国民に直接接する仕事をやっておるだけに必要だ、こういうふうに思って、これはしばしば言っておるのですが、何ぶんにも日本人全体がむずかしい顔をしておるというようなこともございまして、所期の効果をあげていないということも事実ですけれども、御説の点は十分わかっておりますので、教育等の面では生かしてまいりたい、かように考えております。
○古屋委員長代理 次回は、来たる二十三日火曜日午前十一時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会