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65回国会衆議院1971/05/27

大蔵委員会 第37号

発言数
58
登壇者
12
会派数
2
開催日
1971/05/27

会議録

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制、金融及び専売事業に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。藤井勝志君。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 最近の報道関係でちょくちょく気がかりな点がございますので、きょうはそういった基本的な問題を中心に、時間の制約がございますので、大蔵大臣に対して御質問申し上げて、その大蔵大臣の御答弁をきょう御出席の関係者はひとつよく聞いていただいて、方向づけと申しますか、方向づけに対してひとつ具体的な御検討、御研究を願いたい、こういう意味で、ひとつこの問題点を一つ一つ取り上げてみたいと思います。  一つは、日本の国というのは貿易立国であるということは、これは多言を要しないわけでございまして、四つの狭い島の中に、非常に資源の乏しい、しかし一億以上の優秀な勤勉な民族というもののバイタリティー、これはやはり今後も大いに活発に推進しなければならない。したがって、対外経済政策もそういったバイタリティーを制約するようなやり方ではよくない。したがって、私は、最近輸出政策に対してこれを引き締めようという、こういう動きが新聞紙上を通じて感じられるのですが、そうなるといわば縮小均衡ということになるわけで、むしろ拡大していくという方向に向かって、だから輸出が相当伸びるなら輸入も積極的にやる、こういう方向で拡大均衡の基本路線というものは変えてはならぬというふうに思うわけでございますが、これに対して大蔵大臣はどのようにお考えでございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 輸出論議が最近たいへん活発ですが、私は輸出をことさらにディスカレッジする、こういう考え方をいたすことは適当でない、こういう基本的な考え方です。問題は、輸出のやり方の問題があると思う。いま皆さん御承知のように円の問題というのがあります。こういう問題につきましては、これは外圧というものはわれわれは感じません。私どもは、マルクに見られるように短期資金の流入でアタックを受けるというようなことにつきましては完全装備をしておる、こういうのでありまするし、また外貨が急増したといいましても七十億ドルそこそこである、こういうようなことなんですね。そこで、その外貨の量から見ましても貿易量の三分の一というのが大体常識だというふうにいわれております。必ずしも正確に三分の一という考え方にスティックする必要はないと思いますが、ただ問題がありますのは、いまわが国のそういう外貨がふえていくその背景として、貿易収支がたいへんよろしい。したがって経常収支も基礎収支も総合収支もよろしい。特に貿易収支というところにつきまして諸外国から非常に着目をされておるのです。それでわが国の輸出マナーのあり方ということについて、これを国際的にわが国が批判を受けるというようなことがありますれば、これは私はわが国が悪いのだ、こういうふうに思います。私は、顧みてわが国の輸出姿勢というものに、客観的に見て国際的に好ましくないというところがあれば、これはどしどし直していかなければならぬというふうに考えます。また同時に、輸入につきましても同じように考えるべきだというので、いま私はそういう角度から、あるいは輸入制限の問題、これも積極的に進めなければならぬと思います。  それから関税率の問題につきましてもなお再検討して、国際的に批判を受けるというような余地のないものにしなければならぬ。また特恵関税につきましても、率先してこれを実施するという姿勢をとらなければならぬ。あるいは対外経済協力も大いに進めておるわけでございますが、さらにこれを質量ともに積極化するという考え方をとらなければならぬ。また輸出業者のマナーの問題です。業者のマナー、こういう問題につきましてもいま業界に呼びかけをしておる、こういうような状態でありますが、そういうどこからもうしろ指をさされない貿易をしておるという状態をつくり上げなければならぬ。  それから、藤井さんからいま拡大均衡というお話がありましたが、これはそういうふうに考えております。何とかして一〇%成長を息長く実現をしたい、こういうふうに考えておる。ところがいまちょっと一〇%割り込んでおるという状態でありますので、財政金融の運用によりまして、これをなるべく早く一〇%成長の線に乗せたいというふうに考えておりまして、またこの考え方は、国際社会におけるわが国の姿勢という問題にも通ずるわけなんです。いま国内がわりあいに停滞状態である、ゆえに輸出がどんどんと伸びていく。逆に輸入のほうは設備投資の不振に伴いましてこれが沈滞だ。こういうことになりますので、これは拡大均衡という考え方は、国際社会におけるマナーとしては必要である、こういうふうに考えますので、全く藤井さんのおっしゃることと同じような考え方で運営しておるわけであります。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 ほかの問題に話の中心を持っていきたいと思いますが、いま大臣の御答弁は私とそう考え方は違ってはおらない。ただ、輸出マナーという問題ですけれども、私は、特に最近外貨準備高がふえた、ふえたというようなことから、円の切り上げの問題というような議論を展開してみたり、そしてそのために輸出にしいてブレーキをかけるような、いわゆる国際収支の均衡をはかるために輸出にブレーキをかける、伸びる力に人為的なブレーキをかけるようなことをしてはいけない。むしろ基本原則としては拡大均衡というのが日本の今後の進路としては堅持さるべきである、こういう考え方を申し述べたい。大臣も同じような、基本的な原則は一致しているということでございますから。  ところで私は次に資源問題について、これはこの大蔵委員会の始まる当初の大蔵大臣施政演説にもそのお考えがにじみ出ておって、全く共鳴を感じたわけでございますが、さて具体的にどういう方途を考えていくかという具体的な政策の問題になるわけです。  その前に、私はまた認識をはっきりしておきたいと思うのですが、いままでは日本はいわゆるガット体制といいますか、世界自由貿易体制のもとで、商業ベースで必要な資源というものが幾らでも入手できておった。ところが昨今の資源を取り巻く国内外の情勢、特に国際石油資源問題あたり、OPEC、メジャーの動きなんかを見てみますとたいへんなことだ。われわれはかって、苦い、悲しい思い出の大東亜戦争当時、二百三十万キロリットルの油の問題というのがああいうふうな大東亜戦争の直接の原因だというふうに思い起こすとき、われわれは平和に徹したこれからの生き方でありますけれども、日本人が生きる道としては、やはり資源を安定確保するということが絶対の条件である。七〇年代の最近の状況を見ますと、これは関係方面で試算した数字から考えますと、世界の資源貿易の増加分の半分くらいは日本が使うであろう。全体の世界資源の三割くらいは日本は七〇年代において消費しなければ、プログラムどおりの経済の成長は確保できない。こういうことになりますと、いままでは資源というものは、生産された国からともかく単純に商業ベースで買ってくる、船で運んでくる、こういうことでありましたけれども、今度は、いままでせっかく臨海工業地帯を中心に近代重化学工業設備を設けまして、その設備をフルに稼働さす資源をいかに確保するかというところへ金の使い方といいますか、そういう配慮をすべきである、こういうふうに思うわけです。  この考え方も、私は大蔵大臣と私と考えが決して違うわけじゃないと思いますから、それを前提としながら、そこで私はこの際、海外資源開発企業に対して一せっかく外貨準備高というのがここ三年間連続黒字定着で、五月末の現状では六十五億ドルという、まさに日本の経済史上かつてない実績を示してきておる、こういう事実を考えたときに、外貨準備というのが従来の、輸入したものに対する支払い準備のためのいわゆる為替勘定であるからいつでも支払いができるという、いわば流動性と申しますか、そういったことのみにこだわっていくという考え方じゃなくして、その外貨を活用する、こういう方向を考えていいじゃないか、このように思うわけでございます。いわゆる従来の、外貨準備というのは支払い手段として準備しておくという固定的な何でなくて、私は全部それでもっていけとは言わぬけれども、ある程度の割合をもってこれを海外資源開発企業に使っていく、こういう積極的な配慮が必要じゃないか。特にアメリカをはじめ先進国あたりは外貨を積極的に資源開発に活用しておって、結局政府の金の準備高というのは全く氷山の一角、そういったものと、まともに表に毎日の決算に出るわけでしょうが、為替勘定、これが六十億ドルを突破したとかなんとかいうことだけで、それで議論が円の切り上げなんかに飛躍してくるということはとんでもないことだと思うわけでございまして、ある程度現在の推移を考え、特にまた諸外国の対外投資の現状は、数字的に一々申し上げませんけれども、アメリカあたりは六九年、すなわち昭和四十五年の投資残高として一応七百七億ドル、イギリスあたりで百八十六億ドル、西ドイツは四十八億ドル、日本は二十六億ドル、こういった現状です。またGNPに対するシェアからいいましても、いろいろ輸出割合あるいはまた世界に占める割合からいっても、アメリカあたりは六〇%、イギリスは一六%、西ドイツが四・一%、日本は二・三%。これは全体的な何ですからある程度の趨勢は間違いなく示しておる数字ではないかと思うのでございまして、もうちょっと積極的に対外投資活動というものをやっていくという配慮、その中の一つの具体的な方策として、外貨貸し制度というものを対外資源開発に活用する道というものを積極的に考えていいじゃないか、こう思いますが、大蔵大臣はどのような御所見でございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私も外貨をため込むということばかり考えておるわけじゃないのです。しかし、いまの七十億ドルになろうとしておる外貨――大体外貨につきましては輸入の三分の一程度というようなことがいわれておりますが、必ずしも三分の一にこだわる必要はないと思いますが、七十億ドルになったからといってにわかに考え方の転換をする必要はないと思うのです。私はそうじゃないと思う。前から資源問題は非常に重大だと警鐘を乱打しているということなんですが、私が超高度成長を安定成長路線に切りかえたいというゆえんのものも、一体資源の目当てなしに成長が進んだらどうなるのだ、こういうようなことなんです。そういうようなことで、私は資源開発ということにつきましては、これはもうほかの人以上に熱心にかつ敏感に対処をしておるわけなんです。しかし、外貨も余裕があるような状態になりましたので、そういう考え方が、これが地について行なわれ得るような時期に来た、こういうふうに思いますので、いよいよ私の従来の考え方というものを具体化しなければならぬ、こういうふうに考えます。  そういう際に一番問題になるのは、日本は後発工業国でございますものですから、大体資源という資源、いい資源をほかの先発工業国にとられている。なかなか新しい資源を発見するということもまことに困難な状態でありまして、何かいいプロジェクトがあれば政府は積極的に援助するよということを言っておるのですが、さあそのいい資源の発見ということが困難な状態であるというのが、率直なところ現状でございます。しかし、困難だからといってこれを放置するわけにはいかない。困難を乗り越えてそういう方向に進まなければならない、こういうふうに考えます。  いま藤井委員から外貨貸しの制度はどうかという話でございます。私は、外貨がわりあいに余裕のある状態にきたので、外貨をいままでのような完全集中という体制を少し修正したいと思っているのです。そして、あるいは商社にあるいは金融機関に外貨を保有せしめる、これの保有限度の拡大を――限度というか、保有をかなり緩和したい、拡大をしたい、こういうふうに考えておるわけですが、そういう道を通じまして、いまおっしゃるような活動が可能になる面もあります。しかし、輸銀という制度がある。これをそういう方面には積極的に活用いたしまして、そしていいプロジェクトがある、その開発をどうするかという上におきまして、資金的に、また特に外貨対策として遺憾があるというような事態のないようにいたしたい、そういう考えであります。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 いまのお話、私は、なるほど外貨準備、外為会計制度の趣旨というものは、やはり大臣がおっしゃるように、何もふえたからどうというようなものではないと思うのです。ただ従来の日本の経済のあり方から見るとあまりにも、ちょっと行き過ぎると輸入超過になってくる、すぐ国全体の台所が赤字という、そういうふうなことが、昨今はそういう心配がなくなってきた。片や海外投資活動というのは、先進国と比較するともうほとんどゼロに近いような現状である。こういうことを考えると、いまおっしゃるような積極的なくふうをすべきではないか、こういうふうに思うわけでございまして、あえて私から申し上げるならば外貨準備型から外貨活用型へ――経済成長オンリーから経済成長を活用する型へ全体が移行するという場合ですから、私はそういう発想から、外貨を有効に活用する知恵を総力をあげてしぼってもらいたい、このようにお願いをしておきます。  輸出入銀行のお話が出ましたので、この運営につきましてはこの前の委員会で、ちょっと時間がございましたので私質問をいたしたわけでございますが、その後、輸出入銀行の責任者の方々もいろいろこれが運営についてくふうされておるようでありますが、まだまだ現地の要望に対して、やはり従来の発想といいますか考え方というか、これはバンクとしての一つの基本的なものがありましょうけれども、やはり私は、従来の、輸出入銀行が物を売ったり買ったりする貿易型の輸出入銀行の機能、これをむしろ海外資源開発型の輸出入銀行の機能に、やはり質的な内容の充実といいますか、こういったことをやっていただきたい。輸出入銀行法の第一条にはちゃんとそういうことができる線が出ておりますから、何も法律改正は必要ない。これに対してひとつ大蔵大臣の御答弁を願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 外貨保有型から外貨活用型へ、これは全くもう私は現段階において賛成の意見であります。そういう考え方に基づきまして輸出入銀行につきましてもその運営に当たりたい、こういうふうに考えております。とにかくいいプロジェクトがあって、そしてこれは国として開発しなければならぬというようなことにつきまして、外貨あるいは国内資金の点において障害があるという状態はなからしめるということをはっきり申し上げます。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 たまたまけさの日経に、これは石油関係でございますけれども、「原油値上げに成功した産油国は次の目標である石油産業への本格的な進出に動き始めている。原油を輸出するだけでなく、生産、精製、販売の各分野に、事業参加をめざしている」ということで、アラブ共同会社の構想を具体的に取り上げて、「生産から販売まで」という、こういう中の最後のくだりに「産油国の石油需要は限られている。本格的な石油産業への進出をめざすとすれば、石油消費国を対象にしなければならないが、それには高度の技術と販売経路を確保しなければならない。その協力を求めるのがメジャーでないとすれば、」――これは私は、メジャーにはそういうなには求めようとしても、なかなか過去のいきさつからしてもそういう線を出さないと思うのです。だとすれば、「その協力を求めるのがメジャーでないとすれば、たよりは日本、西独、イタリアなどの後発石油開発国に限られる。産油国の石油産業への進出が成功するかどうかは、これらの石油消費国の石油政策がカギを握っているとする見方も出ている。」これはまさに、七〇年代は考え方によっては資源の再開発時代であるというようにも認識できる。こういう動きがあるのですから、やはりメジャーとも国際協調の立場においては調整をとりながら、やはり産油国のそういう動きをうまくキャッチしていくという、こういうことが、資源を持たない、わけても石油資源が将来、五十年度は九九・九%海外依存という宿命をになっている日本としては、こういうことに果敢に当たっていかなければならない。いいプロジェクトがないからという、こういうことだけでこそくな従来の考え方を続けてはならないということ。  それからもう一つ、こういう配慮があると私は思うのです。これはあと、西ドイツの成功払いの特別金融制度の問題についてちょっと触れておきたいと思うのですけれども、一体そういうふうに政府が積極的にやるということになれば、結局リスクの多いものだけは国がやって、そうしてもうけになりますと民間がやる、こういうことではだめだ。リスクをどう自主的にカバーするか、こういう次元でもたもたしておったのでは資源問題は解決できない。やはり官民一体協力体制ということを積極的にしなければ、相互不信で問題が片づくわけではない。こういうふうに思うわけでござまして、これは私は、やはり関係最高責任者、大蔵大臣あるいは通産大臣、こういうところがほんとうに腹をきめてそういう線を出さなければ、百年の大計をはかる好機を失する、このように思いますから、その点はひとつよくお考えをいただいておきたい。  それで、時間がだいぶ来ておりますのでなんですが、西ドイツは、大臣ももうすでにお聞き及びではございましょうけれども、えらい思い切ったことをやっております。西ドイツの成功払いというのはプロジェクトごとの成功払いで、失敗すれば返済の要がない。金利は五%、油田発見後二年までは無利息で、返済は生産量に正比例する。生産に入ってもなお経営状態が悪いときは貸し付け金の五〇%は免除される。融資率は七五%。こういったしかけのことをやっておるわけですね、後発国西ドイツは。やはりこういう思い切ったことをやらないと、日本人はいままで節約を旨とする、そして貴重な国民の税金であり国民のお金である、これをむだに使ってはならぬという、その姿勢は決して私は非難すべきことではないと思う。しかしそれだけでは問題が片づかない。こういった一つの前向きの判断というものを、この際、資源問題の重要性を確認されておる大蔵大臣ならばひとつ持っていただきたい、このように思うわけでございますが、大臣いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま私はまだ新聞を見ておりませんが、私は、産油国で一貫作業というか、精製までやるという考え方、それをわが国に協力してくれぬかというような話があった場合に、それはまあとにかく公害問題で悩んでおるわが日本とするとまことにけっこうな話じゃないかというような感じがするのですね。そういうようなことで、まだ新聞は見ておりませんけれども、私はその考え方といたしましては、そういう要請があればこれは前向きで検討し、実施すべきであろう、こういうふうに思います。  それからなおリスクの負担の問題についてのお話でございますが、これを全部政府がしょっちゃうというようなことになりますと、これはやっぱり、国民の税だという問題もありますし、そういうような問題もあり、また同時に今度は企業者の態度、これに弛緩を生ずる、こういう問題もありまするから、その辺は慎重に考えなければなりませんけれども、考え方といたしましては、資源が非常に大事である、これはもう大胆な政策を出していかなければならぬということにつきましてはまことに同感でございます。

藤井勝志自由民主党

○藤井委員 時間がございませんから、最後に次の一点だけで終わらせていただきたいと思うのですが、一つは、先ほどもちょっと話が出たわけでございますけれども、私はこの際、海外経済協力基金を中心とした海外経済協力というものの政策を積極的に進めていくのに、この制度を資源開発と結びつけるということがぜひ必要であるというふうに思うわけでございます。ただいま私が具体的に新聞の例を引きましたのも、この線が具体的に出ることによって、例を石油にたとえますと、これは結局これらの国々が経済的離陸をするためにはどうしても必要でございますし、まあそれらの国々はこれから先、加工部門へもある程度出たいというのですから、こういった線まで積極的に出るためには経済協力の線でやる。あるいはまた今後積極的に資源外交を展開いたしまして、そして二国間協定をやる。場合によっては政府ベースの借款を与えるというくらいなことも、プロジェクト次第でございますけれども、考えていいんではないか、こういうふうに思っています。  これは私は意見だけ申し述べまして、最後にひとつ、これは御提案を申し上げまして御検討願いたいと思うのですが、石油資源特別会計というものを考えたらどうかという提案でございます。道路整備特別会計とか治山特会とか港湾整備特会、空港整備特会、それぞれ長期に政策を展開するためにはこういう制度がございます。私は鉱物資源、わけても石油開発のように、地下資源というのは開発するにあたって、まず基礎的な調査から、それから探鉱、開発に進んでいくのに、一つのプロジェクトについても十年くらいかかるというのが一般にいわれている通例でございます。したがって、そういった政策を推進するためには長期安定財源というものの確保が必要ではないか。たまたまこの石油関係には原重油関税というものを取っておる。これはいま石炭対策との関係がございまして、なかなかこの癒着と申しますか、簡単にこれを合理的な方向に向けるのには相当の体制整備といいますか根固めが必要だと思うのでございますけれども、やはりある程度は、そういったものがあるのですから――この原重油関税は、関税率審議会では原則的に無税だという線を出しておる、いずれは無税にすべきであるという一つの基本線が答申で出ております。私はこれをまた別の角度から、石油資源を持たない日本として、海外に資源を求めていくためには全国民的重要課題としてみんながこれをにない合うという、こういう発想から、ある程度こういったものを、今度はひとつ別の必要性を確認をして、そして資源開発に振り向ける特定財源として石油資源特別会計、こういったものをこれを火種にして考えたらどうかというふうに思うわけでございます。こういう大きな問題について軽々に大蔵大臣から、藤井君の言うとおりだなんという答弁を求めようとは思いませんが、前向きで検討するくらいな御答弁はひとつまあいただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 事は石油だけじゃない、原油だけじゃないのです。いろいろな資源についていま問題があるわけであります。石油につきましてはいま石油公団というものがある。これは特別会計よりもっと進んだ考え方なんです。権威者であられる藤井さんの御提案でありますから慎重には検討しますが、いろいろ問題もあるということだけは御承知おきを願いたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 藤田君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は限られた時間の中で幾つかの質問をいたしたいと思いますが、まずその一つは、銀行を中心とする金融機関の中における雇用政策と申しますか、人事問題についてひとつお尋ねいたしたいと思います。いま一つは、これは大蔵省関係だけに限定された問題ではありませんけれども、今日まで国会でも幾たびか問題になりました俗にいう高級官僚の天下り人事、こういう問題についてひとつお尋ねをしてみたいと思います。  まず第一の問題でありますが、最近都市銀行、地方銀行あるいは相互銀行、信用金庫、こういった金融機関の中において、いろいろな形の自由化の促進と相まって、これはもちろん銀行だけの傾向ではありませんけれども、金融機関の中においても相当労働強化が強くなってきておる。そのために、ここ数年来の傾向を見ますと、外目から見ると銀行なんていうのは非常にある意味ではうらやましがられるような作業環境、職場環境の中で仕事をしておるように見受けられますけれども、案外最近の実態というものはそういうものでないということで、最近中途退職者というものが相当ふえておるというふうに聞くわけであります。この問題について最近の傾向はどういうふうになっているか。大蔵省で把握しておる大綱的な傾向をまずお尋ねいたしたいと思います。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤説明員 ただいま先生御指摘のとおり、一ころに比べて職場としての金融機関というものの魅力がだいぶ相対的に落ちてきておるということは事実でございます。ただ、特に中途退職者がふえるというような傾向が、従来に比べまして大きくなっておるという傾向は、著しくは認められておりません。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は幾つかの銀行のそういった中途退職者の多い資料も持っておるわけでありますが、きょうは非常に限られた時間ですからそういう特定銀行の内容を提示して申し上げることは差し控えたいと思います。しかしながら、たとえば昭和四十五年七月二日に出されております「一般民間金融機関のあり方等について」という金融制度調査会のいわば答申内容を見ましても、銀行それ自体の体制をどう強めていくとか、あるいはその規模がどの程度が適切であるとか、金利はこうあるべきではないかというような、そういう経営内容の問題については答申の中にもずいぶん触れておるわけでありますけれども、事金融機関の中で働く人の問題、働く従業員、労働者の問題については、もうどこにも触れてないわけですね。これを見ますと、金融機関自身のあり方の中で人の存在というものが非常に軽視をされておるのではないか。こういう答申案が出てくるということは、いわゆる諮問をする立場の当局の側も人の問題について非常に軽視をしておる結果がこういう形になってあらわれているのではないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、その見解はどうでしょうか。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤説明員 その点につきましてはただいま述べられましたように、金融制度調査会答申において直接、金融機関の中における労使問題、労働条件等についての議論はほとんど行なわれなかったわけでございます。ただその中で公共性について特に非常に強くうたわれております意味は、一つには外、貸し出し先、預金者に対しまして金融機関が公共的な立場で十分つとめなければならないということとともに、中におきましても、労使の問題につきまして十分に公共的な観点からこれを取り扱っていかなければならないことをも意味するわけでございます。私ども行政の衝に当たる者といたしましても、金融機関におきましてそれらの点について特に紛争を生じませんように、これらの点も十分に注目をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 ごく抽象的にそういう答弁をされておるわけでありますが、銀行は、特に最近の利益率を全体的に見ましても、銀行それ自体の性格からいって資本主義社会の中でやむを得ない面もあるかもわかりませんけれども、あまりにも営利主義オンリーにおちいっておる傾向というものがあるのではないか。銀行間のいわゆる競争があまりにもひどいために、これは一つの例でありますが、本来的には、Aという銀行に一つの作業量からいけば百人程度はいなければならないにもかかわらず、人件費を削減するという、そういう合理化面からこれを八割に、あるいは七割というような形で、人の面を相当セーブしておるのではなかろうか。たとえば、これはあとで聞かしてもらいたいのですが、歩積み・両建ての問題が国会でも再三問題になってきた。この歩積み・両建てについては事務的なことは答弁いただきたいと思いますが、毎年大蔵省に対して五月の末、十一月の末ですか、二回にわたってその実態の調査結果を報告するようになっておるようでありますけれども、この事務量なんというものは相当なものだというふうに私どもは聞いています。そういう事務量がふえても、それぞれの銀行の中ではそのための要員というものをふやさない。そのことが労働強化になってあらわれてきておる。ですから、表向きは午後三時になればよろい戸をおろして、銀行につとめておる人はけっこうなものだ、朝おそく、晩の三時になればもう仕事は終わるのかというふうに、決してそうではないのだけれども、見る向きもあります。ところがよろい戸をおろしてから、よろいかぶとに身を固めではありませんけれども、その中では非常にひどい労働強化が行なわれておる。特に女子従業員なんかは、労働基準法でいわれておる三六協定なんというものは、事銀行に関する限りは全く無視されておる。むしろ、民間の職場であれば労使間において協定を結んで、その協定というものは当然基準法のワク内において結ばれるわけですけれども、銀行はそういう点ではもう無法地帯だ、こういわれておりますね。私はそういう実態であるとすれば遺憾に思うわけです。ですから銀行局としては、大蔵省としては、金融機関のあり方の中に、やはり銀行それ自体の事務量から見て、要員、人員の問題についてもこの程度のものは必要ではないかという、そういう行政指導のあり方というものはあってよろしいのではないか。その点の見解を聞かしてもらいたいのと、同時に、質問の時間あるいは答弁の時間を合理化する意味において、労働省にお尋ねします。私の手元にも若干の資料が届いておりますが、金融機関に対する、基準監督署といいますか、基準局の定期監査、そして銀行における労働基準法の違反の現状、そういう内容について大綱的な説明をしてもらいたい。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤説明員 まず最初にお話のございました、金融機関において特に労働強化の事実があるではないかという点、それからよろい戸をおろしたあとの業務が非常に多いというようなことにつきましてでございますが、この点につきましては、一番大きな原因は相互の間のいわゆる過当競争、それから業容拡大のための競争、そういったことが非常に大きな原因になって、かなり労働が重くなっておるという面はあろうかと存じます。そこで金融制度調査会におきましても、お互いの間の過当競争の排除、業容拡大のためのいたずらなる預金獲得競争、そういったようなことについては、繰り返しこれを自粛抑制すべき旨の指摘をいたしております。そういう方向で行政指導も行なわれておりますので、特に昨年あたりからはそのような意味での労働強化、つまり銀行の店舗の外におきまして預金獲得のために歩き回るようなことをできるだけやめるというような方向で、全銀協の自粛通知も行なわれております。  両建て・歩積みのための人員の増加というようなことについては、実は公共的な機関といたしまして両建て・歩積みについてはぜひ自粛を徹底してまいらなければなりませんので、そのためにある程度の忙しさが生ずるということは、これは公共的な機関としてむしろやむを得ない部分である。忙しくてもしかたがないので……。しかしそれは、全体としてはあまりすすめるべき、喜ぶべきことではないという面は、むしろ、先ほど来申し上げました預金獲得競争であるとか業容拡大競争であるとか、そういったような方面を自粛してまいることが筋であろうかというふうに考えておるわけでございます。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  労働省といたしまして全国的な定期監督の実施状況でございますが、四十四年度を例にしますと、大体二十三万件くらいを監督実施してございます。そのうちの大部分は、昨今の人間尊重という形で、危害の防止、安全衛生の点が相当なウエートを占めてございます。一般の非工業部面におきましても、特に銀行等金融・広告業におきまして件数としましては千二十八件、比率にいたしまして一・七%。非工業全体の監督実施の割合は一・〇%でございますが、それよりは若干上回ってございます。  それから、違反の状況でございますが、特に銀行業につきましては年末なり決算期の繁忙期、そういったところにいろいろ問題があろうということで、集中的なパトロール監督を実施しておりますが、違反としましては五四・八%が、その事業場を監督した内容で出ております。内容としましては女子の時間外労働がかなりのウエートを占めておる、こういった実態でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 この問題だけに時間のとれないことを残念に思いますが、私は、誤解はないと思いますけれども、銀行局長の答弁にありましたように、歩積み・両建てに関する作業なり資料を提示することはある一定の時間をとられるからやめろ、こういうことではない。歩積み・両建てそれ自体は、何回も論議されておるように縮減をしていかなければならぬ。しかし、その実態は実態として適切に報告すべきものは報告すべきだ。しかし、そのことによって銀行の労働者の労働強化が非常にアブノーマルな形で、もう基準法違反をあえて行なってまでなされておる、そういうことは厳に排除すべきです。そういう意味において、これは大臣からもぜひお答えをいただきたいわけですが、私は冒頭触れたように、金融制度調査会に対しても、大蔵当局の立場からも、いわゆる一般の民間金融機関のあり方として、との種の問題について、それぞれの銀行の事務量に適応するいわば標準人員といいますか、標準要員といいますか、そういうもののあり方について答申をし、冒頭指摘したように、この調査会の中においても、銀行の労働者を大切にするという立場からの検討に取り組む必要があるのではないかと思いますが、その点をひとつお尋ねをいたしたいと思います。  それといま一つの問題は、労働省の報告でありますけれども、私の手元に届いておる資料によっても、金融・広告業の関係で労働基準法の適用事業所数は五万八千八百五十一、それに対して定期監督を行なった事業所数はわずか千二十八、監督の実施率は驚くなかれ一・七%ですから、私はそういう意味において今日、そのほかの業種もありますけれども、金融機関に対してはもう定期監査というようなものはほとんどやってない、こういうふうに思うわけであります。ところが、仕事の内容からいって官公庁の関係でいえば、これはもうほとんどといっていいくらいこの定期監督をやってないわけですけれども、この違反率からいけば官庁のほうは一六%程度、しかし、金融機関の関係は、非常に少数の事業所を調査した結果五〇%以上もの違反率が出ておるということは、私はきわめて問題があると思うのです。  この点について私は、率直にいって予算の関係もあるのじゃないかと思うのです。これはたいへん口の悪い言い方でありますが、基準監督署がそういう労働者の権益を守るという立場から基準法違反をやっておるような摘発件数をどんどん出してくると、件数の多いところほど予算を削られる。もう実におかしな話ですけれども、摘発件数が多ければ多いほど、そういうところは仕事を忠実にやっておる、そこに対しては予算を削減する、こういうことをよく聞くわけであります。私はそういうことであったのではこれはもう全く本末転倒だと思うわけでありますが、そういう点ではひとつ大蔵省の立場からも、そういう労働者の基本的な権利を大切にするという立場からは、予算の削減も絶対行なうべきではないと思うわけであります。それらについての見解もあわせてお尋ねすると同時に、労働省としてはこの際一ぺんもっと大幅に、金融機関を対象にした基準法の実施の現状というものを統一的に調査してみる必要があるのじゃないか。ぜひそういう調査をして、金融機関の中に働く労働者の実態というものをいま少しく的確に把握をして、ひとつ次の機会に報告をしてもらいたい。これは私、保留事項として次の委員会でやりますが、ぜひそうやってもらいたいということを要請いたしておきます。そのことについての見解もあわせて答弁を願いたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 金融機関に働く人の勤務の実態を金融制度調査会で調べたらどうだという御提言でございますが、ちょっとなじみがないのじゃないか、こういうふうに思います。この問題は銀行局でその実態を調査し、適切でないところがあれば是正するように行政指導をする、こういうことにいたしておるわけでございます。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 監督全体につきましては、先ほど申しましたように限りある体制の中で毎年膨大となる事業場に対する監督を実施していくわけでございますから、全産業を見詰めましてその効率的なやり方を考えていく、こういうふうなたてまえで進んでいるわけです。この場合、先ほど御指摘の銀行業でございますが、先ほども申し上げましたように、監督の実施事業場比率でいいますと一・七%でたいへん低いようでございますが、非工業全体でも一・〇%でございますし、また、違反の状況も、官公署につきましては確かにおっしゃる比率との関連もございますが、非工業全体について言いますと七六・二%、こういうようなこともございまして、全体の運営としてはかような仕組みで監督実施をやってきておる、こういうふうな実態でございます。  それから先生の、特に調査をしたらどうかという問題でございますが、特に本年度におきまして、銀行等御指摘のようでございますので、そういった行政上必要な対象、特に非工業の点でございますが、そういったところにつきましては必要に応じまして監督、指導を実施するようにと、こういうふうにしてございますので、そういう形で実態の把握につとめてまいりたいというふうに思っております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 この問題について最後に要請をし、政府の見解をただしておきたいと思うのですが、いまの大臣の答弁では、金融制度調査会で検討するのはどうか、むしろ行政指導の面で大蔵省じかに直接やったらいいのじゃないか、こういうことでありますが、そういうことであれば、私が先ほどから指摘しておるようなそういう職場の実態が解消されるように、各金融機関に対して厳重ないわば通達を出して、いやしくもこの基準法違反が全く無政府的に行なわれることのないように、これはひとつ大蔵省としてそういう意味の行政指導、私がいま指摘しておるような状態が解消されるような意味の通達を出して行政指導を強めてほしい、こう思いますが、どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは実態を銀行局に調査させます。そして、実態に即して現実的な処置をとる、こういうふうにいたします。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 一応私の要請した趣旨が了解されたというふうに理解して、次に進みます。  次に、俗にいわれておる高級官僚の天下り人事の問題ですが、こういう問題の提起のしかた自身、私も気分的にはあまり好きな問題ではありません。これは大蔵省だけではありませんけれども、このたび新聞辞令によりますと、澄田次官をはじめ、大蔵省部内においてもいわば局長クラスが勇退をする、こういう報道に接しておるわけでありますが、こういった人たちの退任というか退官する年齢ですね。私の知り及んでおる範囲では五十二、三歳だというふうに理解をしておるわけでありますが、最近社会労働委員会あたりで国会でも問題になっておりますように、いわゆる民間における定年制というものは少なくとも六十歳ぐらいまでに引き上げるべきじゃないかということが大方の意向になってきております。これは民間におきましても、民間の労使関係で大体定年制の延長というものは、六十歳ぐらいまでに引き上げようではないかという状態になっておりますが、いわば、こういう官庁の職務からいうなればまさに働き盛りじゃないか。一番力量を発揮する年齢じゃないか。そういう年齢の人が役所をやめて、そうしてどんどんと局長や次官をたくさん――次官は大ぜいでもないですけれども、局長あたりをどんどんつくることが一つの目的であればこれは別ですよ。別だけれども、そういう民間あたりの実態からいって、これは大蔵省でも、官庁の局長クラスといえば大体民間会社における役員に匹敵するポストじゃないか。民間では取締役以上になれば六十歳、六十五歳まで働いている人はずいぶん多いわけですね。私はそういう面からいって、現在のような年齢で退任するという今日までの慣習ですね、そういうものに対して一ぺん再検討を加える必要があるのじゃないか、こう思うわけでありますが、その点についてはどうでしょうか。  それと、時間を節約する意味においてお尋ねしますが、私から法律を用いるまでもなく、公務員が営利会社に転職する場合には、国家公務員法の百三条の規制条件のあることは御承知のとおりであります。ところが特殊法人に転職する場合は、それはそういった制約がない。私はここにも非常に大きな矛盾を感じますね。それは理屈としては、政府の外郭団体と申しますか、政府機関に準ずるところだから、そういうところには特別な制限条件を設ける必要はない、こう言われるかもわかりませんけれども、私が前段触れた問題との関連において、あまりにも横すべり人事、いわゆる特殊法人に転職する人事というものが多過ぎるのじゃないか。これも一ぺん再検討をする必要があるであろう。しかも、この特殊法人に転職をした人たちは、渡り鳥ではないけれども、たとえば――これはたとえばの話ですが、国民金融公庫から日本輸出入銀行にかわっていく。これは一般国民の立場から見ておりますと、実にこの種の横すべり人事というものは退職金かせぎの――いや、ほんとうですよ、大臣、笑われるけれども、退職金かせぎの人事配置じゃないかという、お役人というのはけっこうなものだ、官僚というのはけっこうなものだ、こういうなにがあるわけですよ。私はそういう意味において、時間の関係で省略いたしますが、たとえば四十五年三月現在で大蔵省関係だけで、主たる役職にあった人で特殊法人に転職した者がかれこれ四十七名ほどおりますね。これは申し上げるまでもなく大蔵当局がよくわかっておるところであります。営利企業に就職して、公務員法百三条のいわゆる承認を得た者が四十四年度で四十九名、四十五年度で五十一名。これも主たる役職にあった人だけを抽出してその程度おるわけです。私はこういうなにを見ますと、これはいま少し、この種の天下り人事というようなものが国民のひんしゅくを買っておる昨今、いま言った役所における退官、退任の年齢、そういうものとの関係において、十分ひとつ検討してみる必要があるのじゃなかろうか、このように思うわけでありますが、大臣の見解を承りたい。  と同時に、人事院に対してお尋ねをいたしますが、実質的には百三条の制限規定なんというのは、これは大蔵省だけの実態から見てももう完全に底抜けになっておる。所属の長が、まあ大蔵省でいえば福田大蔵大臣が了承を与えられたらもう、いわば準内閣総理大臣みたいな人ですからね、そういう人が承認を与えたものを人事院がどうこう言ったってこれはしかたがない。そういう法律を忠実に守っていくという行政機関の姿勢というものがないのじゃないかというのが、こういう実績の中にあらわれてきておると私は思うのですよ。その点で私は、人事院というものはやはり独立した機関としての権威ある機能を発揮すべきじゃないか。そうしないと、実績の中にあらわれてきておることというのは、公務員法それ自体が骨抜きに、底抜けになっておると思うのだがどうかという点をお尋ねしたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま藤田さんから、俗にいうと役人の寿命が少し短過ぎるのじゃないか、こういう話ですが、最近はたいへん長くなってきておりまして、私は大蔵省で官房長もし、銀行局長も主計局長もしましたが、退職いたしましたときは四十三歳です。いまそれが大体十年くらい長くなってきておるわけなんですね。これを一挙にというわけにはいかぬと思うのです。これを一挙に長くするというようなことになりますればまた若い人の士気を阻喪するということになるのですが、だんだんだんだんと時間をかけて、そういうあなたの御指摘のような状態が実現をされておるというのが現状であるということをひとつ御理解願いたいと思います。もうかなり長くなっておるし、これからもだんだん長くなる傾向を持つであろう、こういうふうに思います。  それから、いわゆる天下りというお話で、人事院に対して各省が何か圧力を加えておるようなお話でありますが、それは全く逆でございまして、もう人事院というと各省の人事担当者はほんとうにびくびくしているのです。そういうような状態で、人事院の人事管理に対しましてはもう絶対服従というくらいの態度をとっておるということを申し上げさしていただきたいと思います。  それから、それに関連して、どうも渡り鳥だ、退職金かせぎだというようなお話がありますが、これはもう、そういう傾向がありましたのでこれを是正いたしまして、各政府機関を転々とする場合におきましても、それによって退職金が重複して支給されるということはないようにしてありますから、これもひとつ御理解願いたい、かように考えます。  それからさらに第三の問題、天下りが多過ぎるんじゃないか、こういう問題ですが、これはやはり人材活用という面から見ますと国全体としての広い立場から事は考えるべきじゃあるまいか。しかし天下りの結果弊害が生ずるというようなことがあっては困る。その調和点をどこに求めるかということが就職制限規定になっておると思うのです。まあいまの就職制限規定、これは官庁側から見ると非常に窮屈だ、そういうふうにいわれておりまするけれども、それだけにかなりの効果を発揮しているんじゃないか。その辺がまあまあの妥協点じゃないか、調和点じゃないか、そういうふうに考えております。まあ私どもも、いわゆる天下りということがあった場合におきまして、それが行政運営に悪い影響を及ぼすということがあっては相ならぬわけでありますから、その点につきましては厳重に監督も指導もしていきたい、かように考えております。

角野幸三郎人事院事務総局職員局職員課長

○角野説明員 お答えいたします。  先生の御意見は、人事院の審査が甘い、あるいは甘辛がある、あるいは底抜けであるという御意見でございますが、私ども法のたてまえを守りまして、法と規則の運用については非常に厳正にやっております。ただいま大蔵大臣からお答えをいただきましたとおりでございまして、われわれ承認審査にあたりましては、その人の就職していきます行き先はもちろんのことでありますが、離職に特別の事情があったかとか、法の精神がどうかとか、それに合致するかどうか、公共の利益に反しないかどうかということを総合的に、個別具体的に慎重に審査した上で承認をいたしておるのであります。  それで、この法の趣旨でございますけれども、これはやはり職員といいましてもやめましたあとは一般の市民でございますので、憲法上保障をされておりますそういう関係との調整ということが非常にむずかしい問題でございます。そのこともよく踏まえまして、たとえば大蔵省からいただきましたから甘くするとか、どこだからどうだということは絶対にございません。基準は厳正に守って審査をいたしております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 少し時間をもらおうと思ったのですが、どうもあとがつかえておるようでございますので先を急ぎます。いずれこの問題は、関連事項として次回の委員会でもやろうと思いますが、大臣の立場からいけば、私は先ほどのような答弁にならざるを得ないだろうと思うのです。これは福田大蔵大臣の御性格からいうときわめてしんどい答弁だったと思うのです。天下り人事の中で、きょうは時間がありませんから言いませんが、大蔵省の関係が民間の営利会社に転職しておるのは信用金庫とか相互銀行なんというのがほとんどなんですね。こういう人事で理事だとか役員、取締役にいきますと、大臣がはしなくも指摘した弊害の面ですね、相互銀行なり信用金庫の中で将来昇進の道を求めて働いてきたそういう部内の職員に対して、非常に勤務意欲の面においても意欲を消失さすのではないか。そういう点ではやはりこれはもう天下り人事の最たる弊害ではないかと思うわけです。そういう点をなくするためには、そういう天下り人事を極度に制限をしていくことでなければならぬと思うわけでありますが、その点についての見解を聞かしてもらいたいと思います。  時間がありませんから、性格が違いますけれどもほかの問題について質問したいと思います。  円の切り上げの問題ですが、円の切り上げ問題はもうここのところ毎日のように新聞で騒がれておりますけれども、そのつど大蔵大臣は所管大臣として、切り上げは行なわない、こういう言明をされておるわけでありますが、いろいろ経済界の有力者が、私は名前を差し控えますが、あえていえば、同じ切り上げをするにしてもその時期があるんじゃないか、その時期というのはたとえば沖繩返還の時期だというような言い方をされておる有力者の発言もあります。こういうことになると、やはり国民の立場から見れば、ああは言っておるけれども、政府はIMFの総会のあとを受けて、時期的にはそういうところでアメリカを中心にいろいろな形で円の切り上げの問題が要請されてくる、あるいは年末ではないか、あるいは来年の沖繩返還がなされたその時点ではないか、そういう推測が強まっておるわけであります。そういう点について、若干将来の対策の問題も含めて正式態度を表明しなければいかぬという要素もあるでしょうけれども、今日の段階で福田大蔵大臣に代表されるように、円の切り上げはやらぬということであれば、いま少し、こういう条件のもとに日本は円の切り上げをやらなくてもいいんだということを、各大臣や総理大臣あるいは日銀総裁のそれぞれの思惑的な、半ば個人的といいますか、それぞれの部署における発言としてなさるのではなくて、今日の段階で一つの政府の統一見解的なものを責任ある形で発表されることが非常に大切ではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 どうも日本の方々は、少し新しいことに騒ぎ過ぎるというふうに思うのです。円の問題につきましても、どなたが何と言おうと、最高の責任者は内閣総理大臣であり、きのうも記者会見ではっきり、円の切り上げはいたしません、こう言っているわけなんです。また、次いで最高の補佐をする役割りにあるのは私なんです。その私が、円の切り上げはいたしません、こう言っておるのですから、これを信用していただかなければ何を信用する、こういうことになるのでしょう。こういうふうに言いたくなるのです。何か利害得失を私から言ったらどうだというお話ですが、これは利害得失なんということを言う必要は絶対ないんだ。大体そんな考えは私の頭の隅のどこにもないんだ、こういうことなんです。私が利害得失を述べて議論をするということになると、またそれがもとになってわいわいが始まるのですから、そういうことは私は避けるべきだ、こういうふうに考えております。  私は、わが国の痛い経験、これを見ましても、これは絶対に切り上げはすべきじゃない、またしない、こういうふうに思います。痛い経験というのは、昭和初期ですね、昭和五年の一月に平価解禁というのですか、それ以前は一ドルが二円三十銭ぐらいですね、それを一五%ぐらい切り上げまして二円が一ドルという平価解禁をやったのです。あのときは物価がもう急に下がった。それから賃金も下がりました。私ども大蔵省につとめておりまして、一割減俸をくったわけですよ。それから財界はどうだというと、中小企業倒産、破産。また大企業も萎縮する。また農村にこれが波及する。農村では娘を売らなければ生きていけない。こういうような状態になった。そうして、それはひとり経済不振、経済沈滞だけじゃないのですね。社会不安につながっていく。そして軍隊の中にいろいろな事件が起こってくる。そして五・一五事件。また浜口元首相の――つまり浜口さんのときに金解禁をやったのですから、その遭難事件、またその当時の大蔵大臣井上さんの遭難事件、こういうふうに世相が悪化してきた。あの苦い経験をここで思い起こせば、私どもは円の切り上げだとか、軽々には論じられません。それから最近のドイツの例を見ましても、決してこれは成功したといえないのです。賃金、物価を下げようという施策があったが、そう下がらない。逆にあのときを契機としてドイツの経済は乱れている、こういう状態になってきておる。ドイツの指導者が私に言うのですよ。福田さん、言っておきますが、あれは失敗だ、あれを再び日本でするようなことはありますまいな、御注意申し上げておきますというようなこともあるのです。  私はとにかく、まあ結論としまして、円の切り上げはいささかも考えておりません。これをひとつ御信用願いたい、かように思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私はいまの言明を聞いて、ある意味では、佐藤総理の記者会見の言明よりも、いまの大臣の、国会のこういう場所で公式に答弁されることをやはり尊重したいと思うのです。そういう意味で、円の切り上げはやらないということを今日段階で私は信頼していきたい。ただ、ことばのやりとりをやる時間はありませんけれども、やはり米価の値上げをやらぬと言ったって米価の値上げを実質的にやるとか、グレープフルーツの自由化は、この間の関税の問題のときには四月にはやると言っておったけれども、時期はずれざるを得ないとか、沖繩の返還でも、核抜きだと言ったって、調印するまぎわになってもまだ核がほんとうに抜けるのかどうかをはっきり協定の中に入れることができない。いろいろな問題をあげていきますと、内閣総理大臣が言ったからそれを全面的に信頼せいなどと言われても、これは信頼できない面もあるのです。これはことばのやりとりですから私はもう言いませんけれども、そういう殺し文句的な言い方は私ははなはだもって承服できがたい、このことだけは申し上げておきます。  そこで最後になりますが、付加価値税の問題ですね。これは経過は省略いたしますけれども、付加価値税の問題は、昨年の大蔵委員会での先輩広瀬委員の質問に対して福田大蔵大臣あるいは細見主税局長の答弁等議事録をひもといてみますと、やはり付加価値税を採用する方向の答弁がなされておるように思うわけであります。ちょっと来年度の関係からいくと時期が早いかもわかりませんけれども、来年度のいわゆる財政需要の増大というものを私どもは私どもなりに検討してみますと、政府の意図はやはり直間の比率を間接税に変えるという形の中で付加価値税というものを採用する。その中で全体的に財政需要を満たしていく主たる財源として付加価値税を採用していくのではなかろうか、こういう見方が一つ成り立つわけであります。それに対しての見解をお尋ねしたい。  いま一つ、たいへん時間がないのに恐縮でありますが、これだけはどうしても私この委員会で聞いて帰らなければならぬことでありますので、答弁をお願いしたいのです。これはむしろ厚生省関係になると思いますが、現在健康保険、これは組合保険と政府管掌保険がありますが、この保険料の負担割合において、政府管掌の場合は経営者側と労働者側の負担割合は五対五、組合健保の場合は法律上の例外規定がありまして、その負担割合が七対三になろうといわゆる課税対象にならないという規定があるわけですけれども、たとえばことしの春闘の中で、政府管掌の場合に、組合が企業主に対して七割の負担割合を要請し、協定を結んだ。そうすると、それに対しては税金がかかるようになっておるわけですね。この点は、法律の改正は厚生省の関係になるのかあるいは大蔵省の関係になるのか、そこのところはつまびらかでございませんが、私は労使間において自主的にそういう形できめた以上は、国の法律の制限によって労働者が不利になるというような、そういう制限条件だけはこれはなくしていくべきじゃないか、こう思うわけでありますが、それについてのひとつ見解を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 付加価値税につきましていろいろ先々のことを見通してのお尋ねでございますが、これが来年度税制で問題になるということは全然ありません。ただ、私は付加価値税につきましては魅力を感じているのです。というのは、私の頭の中には所得税の減税というものをある時期には思い切ってやってみたい、こういうことがあるのです。さてそうなるとその財源をどこに求めるかということになると、付加価値税だということになる。ただ、さあ実際付加価値税をやるかやらぬかということになりますと、これは税制の根本的な改革につながるわけでありますから、そう簡単なことじゃない。しかし、とにかくECでも大体これを採用するようになってきた、また英米でもこれを検討する、こういう動きになってきておる。そういう際でありますので、検討だけはしていきたいと思うのです。で、税制調査会にも御検討をお願いしたい、こういうふうに思っておりますが、さあ、そういう重要な税制でございますので、これを実施するかしないかというふん切り、これは一つは物価情勢も考えなければならぬ。いまのような物価が上昇するときにこれを採用する、これは物価上昇に拍車をかけることになりますので妥当でない、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても検討はしてみるけれども、実施へのふん切りにつきましては、この二、三年くらいの間にこれが行なわれるという見通しは私は持っておりません。

吉田太郎一大蔵大臣官房審議官

○吉田説明員 第二番目の御質問はいささか技術的でございますので、私からお答えいたしたいと思います。  藤田委員の御質問の趣旨は、法定割合できまっております事業主の負担とそれから個人の負担、それをこえた場合に、本来個人の負担になるべきものを会社が経済的利益を与えた、これに課税するのはおかしいではないか、こういう趣旨であろうかと思います。一般の所得税の扱いからいたしまして、これはやはり所得として考えざるを得ないというのがたてまえでございます。ただ、健康保険料の場合は御承知のように社会保険料控除ということがございますので、実際には社会保険料控除が適用されておるというのが実態でございます。なお、民間の健康保険の場合は、その五対五という割合をこえて支給することができるという法律の規定がございますので、課税にもならないという問題はございますが、政府管掌の場合にはその規定が適用されないという実体法の問題はあろうかと思います。しかし課税上は、実態的には同様に扱われておるということでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これは技術的な問題ですし、私のお尋ねしたいことはこれでやめます。ただ一つ、そういうことで控除の対象になりますけれども、比率が変わったことによって個々の労働者の税負担というものは重くなるのではないかという点ですね。それは実質的には重くならないということであれば、私はそれでいいと思うのです、政府管掌も組合健保の場合も。その点だけお答えいただいて私の質問を終わります。

吉田太郎一大蔵大臣官房審議官

○吉田説明員 社会保険料控除はその他の控除同様、根っこから引かれるわけでございますから、税負担は変わりません。同様でございます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間が全くありませんので、堀委員の時間に若干食い込むようなかっこうになるのですが、日銀総裁、福田大蔵大臣、両者お見えでございますので、一問だけ総裁と大臣と両方からお伺いをしたいのですが、マルク投機を契機にいたしまして、非常に日本の円が強いというようなことが世界的にいわれて、最近トレザイス国務次官補がどうのこうのということまでいわれているし、あるいはまたコナリー財務長官あたりも、ある程度は円が強過ぎる、不公正な競争条件になっているというようなことまで指摘をしている。こういうようなことなのですが、そして日本の外貨は急増している。この急増が問題だということは大蔵大臣もすでに指摘されたところなんですが、そこで、最近における日本の景気動向、景気情勢というものをどう見ておられるかという問題と、外貨急増の問題とが非常にからみ合っている面がある。しかも、参議院の大蔵委員会において日銀総裁が、外貨急増、貿易収支が特に急増しているということは、やっぱり内需が不活発であるというようなことから輸出急増に向かってドライブが  かかっている。こういうようなことだから、もっと内需に資源を向けていく、こういうようなことが必要な段階じゃないか。こういうことで、それはしたがって財政政策としても例の弾力条項、政保債の五〇%弾力条項というようなものを発動すべき段階に来ているのじゃないかという、そういうことに結びついたようでありますが、大蔵大臣はそれはまだそういう段階じゃない。これはやはり景気を現在どう見るかということに一つはかかっておると思うのでありますが、生産指数なりあるいは出荷状況というようなものを見ますと、やや景気が上向きかげんになったのかなというような点はあります。しかし、在庫指数などをしさいに検討してみますと、まだまだ在庫調整は終わっていないという感じの数字が出ているわけですね。そういうことで、一体日本の景気は上向きになってきたのか。底をついて、上向きになって、発展の方向の芽ばえが出てきておるのか。したがって、そういう形ならば、ここでポリシーミックスで、財政政策として国の予算を、特に建設等の金をできるだけ上半期に集中して七〇%くらい出すというようなことで足りるのか。あるいは日銀総裁のようなお考えに立つとすれば政保債の弾力条項発動というようなことも考えられる。こういうようなことでありますが、その点について総裁と大蔵大臣と両方から御答弁をいただいて、私はその一間だけで終わります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 現在の景気情勢は大体底だ、こういうふうに見ております。これから上向きになる。そこで、いま国際経済との関係の御指摘でございますが、私はいま、国際社会における日本経済のあり方というような観点から、いわゆる関税の問題、あるいは輸入制限の問題、資本の自由化の問題、それから海外経済協力の問題、資源の開発の問題、いろいろな問題を検討しておりますが、その一つとしていまお触れになりました国内の景気の問題も考えておるわけであります。つまり、景気がいま沈滞をしておるというところで、多額の滞貨をかかえたわが国の企業は、その滞貨を海外に向かってさばこうとする。そこに輸出ドライブの一つの原因がある、こういうふうに見ております。逆に、設備投資が非常に沈滞しておる、そういうようなことから、機械の輸入などをはじめとして原材料等の輸入が抑制をされておる、こういう反対の面も出てきておるわけなんです。そういうことも、これを国際社会の有力なる一員としてのわが日本経済は考えなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、まだ弾力条項まで発動いたします段階に至っていないのです。  つまり、いま繰り上げ支出をいたしております。繰り上げ支出は、これは七二%を上半期中に発注を行なう、こういうことでありますが、まだ半分ちょっとくらいのところで、半分近くのものはまだ下半期分として残っておるわけでありますが、必要があればそれをさらに繰り上げるということを考える。その上、もう足りなくなったというところで弾力条項ですね。そういう順になるわけですから、弾力条項まではいきませんけれども、いま繰り上げ支出七二%というものをきめた。それを着実に実行する。この着実に実行するのもなかなか容易じゃないのです。きのうも主計局長を呼んで督励をしたわけでございますが、それをやってみて経済の推移がどうなるか。いま私は回復基調に転じておるということを申し上げている。そういうふうにいくだろうと思いまするけれども、もしそういうような状態でなければさらに繰り上げ、さらにそういう繰り上げで足らないという場合におきまして弾力条項、こういう順になるのだろうと思いますが、まだ今日の段階ではそこまで考えておりません。

佐々木直日本銀行総裁

○佐々木参考人 きょう発表されます生産、出荷の指数を見ますと、四月は生産はまだマイナスが出ております。しかしながら、これは三月にふえました反動と見られる分が多く、三月に大きく上がりましたときにすでに、四月にはそうなるであろうというふうに予想されていたラインでございます。したがいまして、そういうようないろいろなマクロの数字を見ますと、経済全体に底が入ったという感じがいたします。  それから産業界の実情をいろいろ調べてみますと、個々の業界につきましてはぽつりぽつり明るい日がさし始めているものが見られます。ただ、これは全体の産業にまで及ぶというところまではまだ来ておらない、明るいきざしが出ておるという程度にとまっております。したがって、今後徐徐にわが国経済は上がっていくのではないか、上昇傾向をたどるもの、こういうふうに考えておるのでございます。  金融の面におきましても、去年の暮れからことしの初めにかけてちょっと目立ちました在庫のための資金とかいう、いわゆるうしろ向きの資金需要がこのところ鎮静してまいっております。そういう意味におきまして在庫調整がほぼ終わりに近づいておるのではないかという感じもいたすのでございます。  国際関係の面を考えました国内経済という面では、国内経済の輸出、輸入に対する影響ということも確かに一つの大きなファクターではございます。しかしながら、ただそれだけでは足りませんで、いろいろな面で国際関係では手を打っていく必要があり、その手はできるだけ具体的に早く打つ必要がある、こう考えておる次第でございます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 堀君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最初にちょっと委員長にお願いをしておきたいのでありますけれども、私、実は二月八日の予算委員会の総括質問におきましてたばこの有害表示の問題を取り上げて、大蔵大臣との間に、ひとつこの問題の結論はこの国会中に出していただきたい、こういうふうな実はお願いをしておったわけでありますが、御承知のように当委員会、非常に重要法案が山積いたしておりまして、十分この論議をさしていただく時間がありませんでした。きょうも各種の都合で大臣のお時間もとれないようでありますので、いずれ近い機会にひとつ大臣のほうでも時間を差し繰っていただいて、一日、ひとつこのたばこの有害表示の問題について十分国会における論議をさせていただきたい、こう思います。その際はひとつ参考人等もお呼びをいただいて、この問題の総括的な質問が行なえるように委員長として御配慮いただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 理事会にはかって善処いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それではひとつ大蔵大臣、そのようにいまの問題については御了承をいただきたいと思います。  それでは本論に入らしていただきます。  実は五月の上旬に、御承知のように三度目の公定歩合が引き下げになりました。一月二十八日に日銀総裁に御出席をいただいて、当委員会で当時、経済問題その他について質問さしていただいたわけでありますが、そのときにすでに、公定歩合の引き下げが行なわれても市中金利が非常に下がりにくい状態になってきておる、これは私ども非常に問題があるということを指摘をさせていただいております。しかし、その後も実は市中金利は依然として下げ渋っておるような感じがいたしておるわけでございます。ちょっとこれについて、計数面を含めまして、ひとつ日本銀行総裁から現状をお答えをいただきたいと思います。

佐々木直日本銀行総裁

○佐々木参考人 御指摘のとおり、ことしの一月に堀先生からこの問題についての御質問がございまして、そのときには、第二回目の公定歩合の引き下げを実行いたしまして、同時に都市銀行に対する貸し出し規制緩和といったような措置も配慮いたしましたので、そういう公定歩合、量的緩和、両両相まって漸次市中貸し出し金利も下がることを予想しておるということを申し上げたのでございます。ところがその後の実績は、全国銀行で見ましても一月に約定平均金利で〇・〇〇八下がる、二月に〇・〇〇九下がりました。三月に〇・〇一三下がっております。したがって、下がってはおりますものの、その下げ幅がきわめて狭いということは御指摘のとおりでございます。  この原因につきましては、実はこの数字が出ております三月くらいまでは、銀行の貸し出し態度は緩和されてまいりましたけれども、何ぶんにも前から借り入れの申し込みの残っておりますものが非常に大きいものでございますから、そちらの圧力、それによる資金需給の緩和のおくれということから金利の低下がおくれておるものというふうに考えるのでございます。したがいまして、四月、五月とだんだん進んでまいりますと、資金需給もだいぶ楽になってまいりますので、この点はもう少しはよくなってくるのではないかと思います。  ただ、こういう資金需給の苦しさということのほかに、やはり今度の緩和措置の特徴は、前に非常に大きな設備投資が行なわれまして、設備投資関係の資金決済の時期が来ておったために、その決済資金は勢いどうしても長期になる傾向がある、そういうことで長期の条件で貸し出されるものが相当多かったためにこの金利が高く、全体の平均の水準を上げたということがあるのではないかと思います。  今度また五月に公定歩合の引き下げを実行いたしました。そこへまた最近の外国為替特別会計の払い超過が非常にふえております点から、金融市場の資金需給がたいへん変わってきております。そういうことを背景といたしまして、今後は、また同じことを申し上げるようでございますが、市中貸し出し金利もだんだん下がっていくのだ、こう考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 次に、大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、私は、いまおっしゃるように、確かに長期資金部分のウエートが高いために下がらないという実情もあるかと思いますが、前回は、大体いまの時点では、全国銀行で四四%くらい下がっておりましたものが、今回はまだ六%台くらいしか下がっていないというのは、いかにもそれだけではちょっと説明がつきにくいのじゃないか。私は実は、銀行の問題については競争原理の導入ということをずっと当委員会で申してまいりまして、それは統一経理基準となり、配当自由化ということで前進をしてまいりました。しかし今日ここへきて、一体その競争原理というのは銀行の収益のための競争原理なのか、貸し出しをして社会的な公共性の方向に向いての競争原理なのか、そういう点で実は大きな疑問にぶつかっておるわけであります。なるほど収益をあげることはその会社の配当をよくすることになって、そのことがあの銀行はいい銀行だ、こういうことになるというのであるならば、これは私は、産業界、日本経済全体が銀行に求めておる競争の問題とはやや角度が反対になってくるんじゃないだろうか、こういう感じが実はいたしてならないわけであります。六月一日には全国銀行大会がございます。大蔵大臣も佐々木総裁も御出席になると思います。大臣は最近はいつも原稿を横にお置きになってどんどんごあいさつなさるのですが、その際には、この競争原理というものが、少なくとも社会的な任務の上において国民が納得のできるような形で運営されるのでなければ、私は、都市銀行その他金融機関にとって非常に問題があるのじゃないかという感じを強くしておりますので、そういう面を含めて、これは佐々木総裁もごあいさつをいただくので、おそらくそういうこともお含みをいただけるだろうと思うのですが、私は、もう少しやはり金融機関の皆さんがそういう自覚をしていただく必要があるところへきておるんじゃないだろうか、こういう感じがいたしますが、大蔵大臣、この点についてはいかがでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 堀さんの御見解、私、全く同感でございます。競争原理を活用する、銀行の効率化を行なう、これは何のためにするのかというと、社会、公共にサービスするために、また同時に、国際自由化の中においてわが国の金融機関としての機能を果たしていく、こういう二つの面を目ざしておるわけでありまして、それがそういう方向に行かないで、収益をあげるためにそういうことなんだ、こういうことにしぼられるということがありますれば、これははき違いもはなはだしい、こういうふうに思います。  そこで、そういうおそれがあることを私は感じまして一いま経済界が不況ムードだ、そういう際に配当の自由化だということでございまするけれども、金融機関が高率の配当をするというようなことになりますると、まさにその背景として、収益をあげる、そして高配当をするというようなための努力、そこへややもすれば走りがちだというふうに考えまして、配当自由化ということは一応は打ち出しましたけれども、内面的にはこれを指導いたしまして、実は自由化ではないというふうなことをやっておる次第なんであります。ちょうど銀行大会がありますので、その際は私もそのようなことを申し上げたい、こういうふうに思っておったので、たいへん参考になりましてありがとうございました。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで実は、あわせて金融行政の一元化といいますか、やはり一つの方向に路線がきまってこないといけないと私は思うのです。そのことは私はこういうことに連なってくるんじゃないかと思うのです。やはり片方で貸し出し金利を下げてもらうという考え方をとっておるならば、そういうものを硬直化させる一年半定期の創設などというのは、私は政策的に見ると逆効果になるのではないかという感じがするわけであります。なぜかといいますと、いま日銀総裁もお触れになりましたように、都市銀行が長期の資金を貸せば貸すほど、要するにその貸し出し金利は弾力性を失ってくるわけです。下方硬直性になるわけであります。その下方硬直性になるということは、いまのような一年半定期によって、長期に資金を運用できる条件をつくればつくるほど下方硬直性が出てくるんじゃないだろうか。本来、都市銀行の問題として考えるならば、やはりできるだけ短期の資金を銀行が供給をして、長期の資金は社債なりあるいはその他の条件によるところの借り入れというのが、私はやはり筋道ではないだろうかと思うのであります。もうすでに行なわれておることでありますから、これについてこれ以上申し上げませんけれども、私は方向としては、特に都市銀行の場合に貸し出し金利を硬直化させるような、そういう要素を預金面その他であまり導入することは適当ではないんではないか、こういう感じがしておるわけであります。これはやや理論的な問題で、いま当面の具体的な問題だけではありません、長期的な展望を含めてのことでありますが、そういう意味では、今後もひとつ金利の、特に貸し出し金利がそういう硬直性をもたらさないような、下ざさえをさせないような条件を確保していくように、そのことが特に今後の国際的な競争の面では重要なのではないか。特に諸外国に例のない都市銀行に対する企業の定期預金があるなどということは、これもやはり私は今後の競争上非常に問題になってくる一つの問題点じゃないか、こう考えておるわけであります。ちょっとこの点についてひとつ総裁と大臣から、いまの私の考えは間違っておるか、方向はそれでいいのだろうかということをお答えをいただきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 貸し出し金利の硬直性、これは私は硬直型でないほうがいいと思います。思いますが、それが預金のほうの金利体系と密接な関係があるか、こういうと、私はそうは考えない。一年半定期を創設したことについての御批判でございますが、やはり預金吸収、これは非常に大事です。預金者の選好ということも考えなければならぬ。いろいろな形のものが要請をされておるわけでございますが、各銀行によって利害がいろいろ違う。そういうような点も調整いたしまして、苦肉の策というか、一年半ということを考えてみたわけであります。これはそう批判を受けるような問題じゃなかろうという所感を持ちながらいまお伺いをしておったわけでありますが、とにかく金利というものは大事なことでありますから、今後も注意深くやっていきたいと考えております。

佐々木直日本銀行総裁

○佐々木参考人 いまの普通銀行の運営につきましては、かつての商業銀行として、あるいはきわめて短期な資金の供給者としての筋を立てていくという方向と相並びまして、最近はある程度の長いもの、この前も金融制度調査会で議論されました、中期の資金についてのにない手にもなるべきだというふうな考え方が最近はむしろ入ってきておるように思います。したがいまして、この両方、短期と中期の資金を扱う金融機関として考えますと、いまのお話しの点、短期の面につきましてはできるだけ金利が預金についても貸し出しについても動くこと、これは筋道だとは思いますけれども、中期のものについてはやはりどうしても多少弾力性を欠くという面もやむを得ない。この二面が適当に補い合って普通銀行としての業務の遂行に当たればいいのではないか、こういうふうに考えるのであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あわせて、最近新聞紙上で拝見しましたが、大蔵省としても歩積み・両建ての特別検査を行なわれるそうでありますが、表に出ている金利だけではなくて、私がいろいろ産業界の方に伺う範囲においては、最近歩積み等もかつてに比べてふえておる、こういうようなことをよく伺うわけでありまして、表面金利が下がらないだけでなくて、ここに歩積みなり両建てなりが参加しておりますならば、私どもの承知しない範囲で実は企業負担がふえておるということになったならば、一体公定歩合は何のために引き下げられておるのかという感じがいたしてならないわけであります。公定歩合を引き下げるということは、少なくとも質的な面における金融政策を行なっておられるわけでありますから、公定歩合の目的としておりますところが、一〇〇%なかなかいかない実情はよくわかりますけれども、もう少しやはり反映するようになることが私は望ましいのではないかと思いますので、そういう歩積み・両建ての問題を含めて慎重な指導をひとつお願いいたしておきたいと思います。  そこで、時間がありませんから簡単に、実は今度世銀債が発行されることに大体話がまとまったようでございます。この世銀債の発行条件その他について、証券局でも国際金融局でもどちらでもけっこうですから、お答えをいただきたいと思います。

茂串俊大蔵大臣官房審議官

○茂串説明員 新聞で御承知と思いますけれども、世銀のほうから先週、交渉に当たる局長が見えまして、現在発行条件等も含めてアンダーライターのほうと検討中の段階でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 けさの新聞では大体まとまったように実は報道されておるわけでありますね。私のほうから申し上げますと、三千五十五万ドル、百十億円、期間は十年、表面金利七・七五%、応募者利回り七・八三九%でしたか、発行価格九十九円五十銭、大体こういうことじゃないでしょうか。まだ大蔵省は承知をしていないということですか。

茂串俊大蔵大臣官房審議官

○茂串説明員 アンダーライターのほうからいろいろ現在の交渉の段階につきまして報告が参っておりますけれども、世銀側といたしましては、まだ世銀内部の理事会にかける等、その他いろいろな手続がございます関係で、この点まだ確定したというところまではいっていない段階でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私は実はこの前アジア開銀債の発行条件を取り上げて、このような日本の国内の実情に合わない発行条件で外債が発行されるということになると、これはゆゆしき問題であるという問題提起をさせていただきましたが、アジア開銀債に比べると世銀は格も高いわけでありますし、利回りその他の条件を見まして、やや実勢に考慮を払われた条件ではないか。まだ確定していないということなら別でありますが、もしこのようにきまるとするならば、私は外債としては望ましい条件ではないかと思っているわけであります。  そこで、実はこれもこの前の一月二十八日に大臣を含めて伺っておりました、要するに社債条件の弾力化問題、これはいま日銀総裁もお触れになりましたように、これから確かに外為からの資金の流入もありますし、非常に金融は緩和をしてくるのは間違いがない。この時期をはずして社債条件の弾力化ということはなかなかむずかしいのではないか、私はこう思っておるわけであります。これまでは少し抽象的に伺ってきておりましたが、これまで私、社債条件の弾力化と申し上げて、行なわれておりましたのは条件改定であって、実は弾力化ではなかったわけであります、率直にいいますと。今度はひとつ弾力化をやっていただきたいと思うのです。条件改定というのは、改定をすればそこへ固定をしまして、ともかくまた既発債との乖離の幅が依然としてある程度の固定した形で残ってくるわけです。今度はひとつ弾力化という意味で、たとえばA格債ならA格債をとって、ちょうどドイツが今度やりましたような通貨のワイダーバンドみたいに、それは幾らの幅がいいかは別として、上限二・五%、それを中心として下限二・五%というような幅の中は自由ですという条件、これが私はほんとうの弾力化だと思うのです。そうしますと、A格債とB格債の上限下限がそこでダブってきますし、B格債とC格債もダブってくる。そういう中でかなり全体が弾力化してくる条件が出てくるのではないか。  ただし、この弾力化をさせるためには発行量との関係が問題になると思います。発行量をうんとやれば弾力化しようと思っても乖離が大きくなるのは当然でありますから、そこらを量的にもにらみ合わせながら、そういうワイダーバンドのような形で上限下限に幅をつくるのがほんとうの弾力化であって、これなら条件改定ではなくて、あるべき方向へかなり前進できるのではないか、私はこういうふうに考えるのでありますが、これについて少し具体的な御答弁がいただければ……。そういう方向で検討されるのか。いや依然として条件改定ということで、ただ一線だけで処理をされるのか。――これでは私はあまり問題の発展、前進につながらないと思いますので、そういう意味で、量的な条件をもかみ合わせながら、望ましい社債条件の弾力化ということに進んでいただきたいと思いますが、ひとつ日銀総裁から御意見を伺いたいと思います。

佐々木直日本銀行総裁

○佐々木参考人 公社債市場の正常化、弾力化という問題は多年私どもが念願をいたしておるのでございます。ただいま御指摘のありましたように、最近の状況はその念願がだんだんかないそうになってきておるという段階だと思います。実はこの五月には起債の金額も相当大幅に拡大されております。安定した長期資金の調達方法としての社債の発行の道がだんだん拡大しつつあるということは、社債市場の発展のためにも非常にいい状況であると思います。  ただ、ただいま御指摘のございました社債発行条件の弾力化、これは、弾力化と申します以上は、いまお話のありましたとおりに、一度きめたものが、そのときには実情に合ったものになりましても、その後の状況の変化にくっついていかなければ弾力化ということばに値しないわけです。したがって、今度のような機会に、各銘柄についてその条件がその実情に合った、売れ行きに合った条件になっていくということが非常に大事だと思います。ただいまは量的な拡大がようやく始まったところでございまして、先ほどもお話がございましたように、量的な拡大と見合って条件を進めていくということで、私どもの本心を申し上げますと、せっかくここでいいチャンスに来ているのだから、このチャンスをできるだけ大事にして、慎重に弾力化のほうへ向けていきたい、こう考えておるわけでございます。ただいま世銀債のお話がございましたが、世銀債の発行にあたりましての世銀当局の態度などは、やはり日本の公社債市場の今後の国際化にあたりまして、市場原理を大事にしようというものの考え方を一つまた教えてくれたような気もいたします。したがって、私どもはできるだけこの機会を生かしまして、いまのお話しのような方向で条件その他の弾力化を進めてまいりたい、こう考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで大蔵大臣に、これも前に私、大臣に御質問しておるわけですが、起債量が大きくなりまして弾力化されてくる中では、証券会社の起債のワクの問題で、要するにいま八〇%は四社のシェアだ、一般のところにはごく少数しかいかない、こういうことが長くとられておりまして、これは私、必ずしも公正な取引だと思っていないわけです。今度の弾力化あるいは今後のそういう起債のワクの拡大につれて、ぜひこの問題もあわせて大蔵省としてきちんとした指導をして、これも証券会社の能力によりますから自由化の方向に一ぺんにはいかないと思いますが、しかしもう少し自由化の部分を広げることは当面非常に重要な問題だ、こう私は考えておるのでありますが、大臣、その点はいかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 わが国の証券界は四社が圧倒的に営業能力が強いわけです。そういうことを反映しまして、社債発行というようなことになりますと八割というようなシェアを占めるということになる。これは企業の実勢反映という面も御認識おき願いたいのです。しかし、八〇%というとこれはずいぶん圧倒的なシェアでございますから、そういうことにつきましてはなお私も、いまこれという考えはございませんけれども、よく注意して検討してみます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これはもうすでに長い間固定をされておりまして、前回大蔵大臣も検討を進めたいとおっしゃって、まだ今日何も具体的に出ていないというのが実情なんです。いよいよ社債もこうなりますし、特に今度の世銀債については――これまで証券会社はともかく眠り口銭を取っているということで非難を受けておりましたけれども、ようやく証券会社が大体七、八〇%はさばいて、金融機関にはめ込むものはごく少数になってきた、こういう条件が開けてきている今日、やはりそれは四社だけがやるのだということでは私は問題があろうと思いますので、その他の証券会社が十分参加をして、この公社債市場を育成するために証券界全体が努力をするような条件を開いていくことも、私はこの公社債条件弾力化の一つの大きな手だてとして役立ってくることではないかと思います。  時間がございませんので以上で終わりますが、どうかひとつ、これから銀行大会も開かれる際でありますから、国民が納得するような金融があらゆる面で行なわれるように、大蔵大臣、日本銀行総裁に強く要望いたしまして、本日の私の質問をこれで終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 佐々木参考人には、御多用のところ御出席をいただき、ありがとうございました。どうぞお引き取りいただいてけっこうでございます。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時三十五分散会

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