大蔵委員会 第35号
- 発言数
- 304 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/05/19
会議録
○毛利委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び広瀬秀吉君外六名提出にかかる国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 —————————————
○毛利委員長 各案について、順次提出理由の説明を聴取いたします。 まず、中川大蔵政務次官。
○中川政府委員 ただいま議題となりました厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 政府におきましては、児童手当法に基づく児童手当に関する政府の経理を新たに厚生保険特別会計において行なうため、同会計に児童手当勘定を設けるとともに、所要の規定の整備をはかる必要がありますので、ここにこの法律案を提出することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この会計に新設される児童手当勘定におきましては、児童手当交付金に充てるための業務勘定及び船員保険特別会計からの受け入れ金、特定の事業主からの拠出金、一般会計からの受け入れ金、借り入れ金等をその歳入とし、市町村へ交付する児童手当交付金、児童手当の業務取り扱い費等をその歳出とすることとしております。 第二に、この会計の業務勘定におきましては、新たに児童手当にかかるものとして、厚生年金保険関係事業主からの拠出金等を歳入とし、児童手当交付金に充てるための児童手当勘定への繰り入れ金等をその歳出とすることとしております。 第三に、船員保険特別会計では、新たに児童手当にかかるものとして、船舶所有者からの拠出金等を歳入とか、児童手当交付金に充てるための厚生保険特別会計児童手当勘定への繰り入れ金をその歳出とすることとし、このため船員保険特別会計法の規定の整備を行なうこととしております。 このほか、児童手当勘定における借り入れ金、決算上の剰余金の処分等について、必要な事項を定めることとしております。 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により現に支給されている退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げることとするほか、遺族の範囲の緩和、退職年金等の最低保障額の引き上げ等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び現行の国家公務員共済組合法に基づく退職年金等につきまして、年金額改定の基礎となる昭和四十年度の仮定俸給に対する増加率を、恩給における措置にならい、昭和四十六年一月分以後六〇・七三%、同年十月分以後七四・二三%に改めることにより年金額を引き上げることといたしております。 第二に、現行の遺族の範囲を緩和し、現在、組合員であった者の死亡当時主としてその収入により生計を維持されていない配偶者は遺族給付を受けられないこととされておりますものを、今回これを改め、配偶者はすべて遺族給付を受けられることといたしております。 第三に、退職年金、廃疾年金及び遺族年金につきまして、厚生年金保険における措置にならい、これらの年金の最低保障額を引き上げるとともに、通算退職年金の額についても所要の引き上げをすることといたしております。 第四に、掛け金及び給付の算定の基礎となっている俸給の最高限度額につきまして、現行の十五万円を、公務員給与の改定等諸般の事情を勘案し、十八万五千円に引き上げることといたしております。 第五に、外国政府職員等の期間の組合員期間への通算につきまして、恩給における措置にならい、外国政府職員等であった者が引き続き海外において抑留または留用されていた期間等を組合員期間に通算することといたしております。 第六に、女子である組合員に対する退職一時金の特例措置の期限を、厚生年金保険における措置にならい、五年間延長し、昭和五十一年五月三十一日までとすることといたしております。 第七に、明治四十四年四月一日以前に生まれた者につきまして、通算対象期間を合算した期間が十年以上あるときは、厚生年金保険における措置にならい、通算退職年金を支給することといたしております。 このほか、増加恩給の額が引き上げられること等に伴いまして、公務による廃疾年金及び公務にかかる遺族年金の最低保障額を引き上げることとする等所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案外一法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○毛利委員長 次に、山村運輸政務次官。
○山村政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております旧国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法に基づく既裁定年金の額につきまして、このたび、別途国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置等に準じて、所要の改正を行なおうとするものであります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十五年度におきまして年金額算定の基礎となる俸給を、昭和四十四年度改定後の額に対し、八・七五%増額いたしましたが、今回、その増額率を二・二五%補正して昭和四十六年一月分にさかのぼって増額することとし、さらにその増額された基礎となる俸給を八・四%増額して、昭和四十六年十月分以後年金額を増額することといたしております。 次に、外国政府等の職員が引き続いて抑留または留用された場合におけるその抑留または留用された期間につきまして、恩給公務員期間等として組合員期間に算入することといたしますとともに、昨年の第六十三回国会における附帯決議の趣旨に沿い、更新組合員でない者の外国特殊法人等の職員期間につきまして更新組合員の場合と同様の取り扱いとなるよう措置を課ずることといたしております。 さらに今回配偶者であります遺族につきまして、その範囲を拡大することといたしております。 以上のほか、今回の恩給法等の一部改正及び厚生年金保険法の一部改正に準じ、所要の改正措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○毛利委員長 次に、広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)議員 ただいま議題となりました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を一括して御説明申し上げます。 最近の急速な経済成長の陰で、わが国の社会保障の水準は、西欧先進諸国に比べ、依然として低水準に置かれております。しかも最近における医療費の急激な増高は、各種共済組合の短期給付財政の収支を悪化させ、そのため組合員に過重な負担をしいる掛け金の引き上げを余儀なくいたしております。また一方、長期給付におきましても、ここ数年来の異常なまでの消費者物価の上昇のもとで、年金受給者の生活は極度に逼迫しているのが実情であります。 このときにあたりまして、主として組合員の掛け金と、それに見合う使用主負担の財源で運営され、国庫負担が貧弱な共済組合におきましては、従来の保険主義の原則を排し、大幅な国庫負担の導入により、その社会保障的性格を強める必要があります。かようにして短期給付、長期給付とも、組合員の負担がこれ以上過重にならないよう措置いたしますとともに、退職公務員の老後の生活を少しでも安んじさせるよう、前向きの措置を行なうことは、社会保障の観点からはもとより、共済組合の趣旨に照らしましても、当然、国の責任ともいうべきものであります。 以上の立場から、共済組合の短期給付及び長期給付の充実改善をはかるため、両法律案を提出いたした次第であります。 次に、両法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず第一は、短期給付に要する費用につき、新たに国庫は二割相当分を負担することといたしたのであります。これにより国家公務員共済組合につきましては、国庫としての国二割、使用主としての国五割、組合員三割の負担、公共企業体職員等共済組合につきましては、同じく国二割、公共企業体五割、組合員三割の負担とすることにいたしております。 第二は、長期給付に要する費用の負担割合につき、国庫負担を一割五分から二割に引き上げることにいたしたのであります。これにより国家公務員共済組合につきましては、国庫としての国二割、使用主としての国四割二分五厘、組合員三割七分五厘の負担、公共企業体職員等共済組合につきましては国二割、公共企業体四割二分五厘、組合員三割七分五厘の負担とすることにいたしております。 第三は、退職年金の支給率についてであります。組合員期間が二十年以上である者が退職した場合に支給する退職年金の額は、組合員期間が二十年であるときは、俸給または給料年額の百分の五十に相当する額とし、組合員期間が二十年をこえるときは、一年を増すごとに、一年につき俸給または給料年額の百分の二に相当する額を加えた額とすることといたしております。この場合、その額が俸給または給料年額の百分の九十二に相当する額をこえることとなるときは、当該額に相当する金額を退職年金の最高限度額とすることにいたしております。 なお、退職一時金、廃疾年金、遺族年金及び遺族一時金の額についても退職年金の支給率に準じて増額することといたしております。 第四は、年金給付の算定基礎についてであります。国家公務員共済組合の長期給付につきましては、従来その算定基礎は退職前三カ年間の俸給の平均額とされておりましたが、消費者物価の上昇の中で、年々ベースアップが行なわれている現状等を考慮して、公共企業体の職員等の共済組合と同様に、これを退職時の俸給といたしたのであります。 第五は、共済給付を受けるべき遺族の要件の緩和についてであります。すなわち、現行法では、組合員の収入によって生計を維持していたものであることが要件とされている遺族については、その生計の維持が主として組合員の収入によるものでなければならないことになっておりますが、この要件を緩和し、組合員の収入により生計の一部を維持している場合も生計維持を要件とする遺族に該当するものとすることといたしたのであります。 第六は、遺族一時金及び死亡一時金の支給範囲の拡大と年金者遺族一時金の創設についてであります。現行法では遺族の範囲が、主として死亡した組合員の収入により生計を維持していた範囲に限られており、たとえ配偶者や親がいても、組合員の収入によって生計を維持していなかった場合には、給付の対象とされておりません。この際、遺族一時金及び死亡一時金は、組合員の収入によって生計を維持していない遺族であっても、その支給を受けることができることといたしますとともに、遺族年金の支給の要件を満たしている場合において遺族年金を受けるべき遺族がないときは、組合員の収入によって生計を維持していなかった者に対して、遺族年金の額の十二カ年分に相当する金額を年金者遺族一時金として支給することにいたしたのであります。 第七は、退職者についての短期給付の特例の新設についてであります。現行法では、退職の際に療養の給付等を受けている場合には療養の給付等の支給開始後五年間は継続して療養の給付等を受けることができることになっておりますが、退職後の新たな疾病や事故に対しましては、共済組合員の資格がないため、給付水準の低い国民健康保険によらざるを得ないのであります。しかしながら、永年勤続して退職した者は、退職後二、三年の間に疾病する場合が多いという事情等を考慮いたしますと、退職後も一定期間は医療給付等が行なえるよう改善をはかることが必要であると考えられますので、組合員期間十五年以上の者が退職した場合には退職後五年間はなお短期給付を受けることができることといたしたのであります。 第八は、国家公務員共済組合審議会委員並びに国家公務員共済組合及び公共企業体の職員等の共済組合の運営審議会委員は共済組合員でなければならないものとされておりますが、共済組合運営の実態及びその特殊性から、現在は非組合員であっても、たとえば労働組合の役員として専従業務に携わっている者等、かつて組合員であったものについては、労働組合の推薦により、委員に任命できるようにしたのであります。 第九は、労働組合専従者の共済組合員としての継続についてであります。昭和四十三年十二月十三日において、国家公務員共済組合法または公共企業体職員等共済組合法に規定する職員であった者で、在職中に国家公務員法または公共企業体等労働関係法の規定により職員団体または労働組合の役員としてその業務にもっぱら従事した者がその後職員を退職した場合において、その退職の日の翌日において、職員団体または労働組合の役員であるときは、その者は、その後における職員団体または労働組合の役員である間、職員である組合員と同様に取り扱うものといたしております。 第十は、退職一時金からの通算退職年金の原資の控除を受けないことを選択することができる期限の延長についてであります。すなわち、この選択期限は、男子については昭和四十四年十月三十一日に満了しており、女子については昭和四十六年五月三十一日に満了することとされておりますが、その期限を、とりあえず、ともに昭和四十六年五月三十一日まで延長することといたしたのであります。 以上、この法律案の提案の理由及び内容の概略を申し述べました。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○毛利委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各案に対する質疑は後刻に譲ります。 ————◇—————
○毛利委員長 引き続き、自動車重量税法案を議題とし、質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 最初に大蔵大臣にお伺いをいたします。 すでにお答えをいただいたのを承っておりますけれども、ちょっと質問の体をなすためにあらためてもう一回お伺いをいたしたいのでありますが、このたびの自動車重量税を設けられるに至った原因は一体何であったか。ちょっともう一回その点を伺いたいと思います。
○福田国務大臣 わが国においては、道路その他の交通資本が非常な立ちおくれをしておる、その立ちおくれの取り戻しをしなければならぬ、それには財源が必要である、こういうことでございます。
○堀委員 この前私が、他の委員の質問で伺ったところでは、第六次道路整備五カ年計画の財源を点検をされる際に財源上約三千億の不足額が生じる、この三千億の不足額を埋めることが自動車重量税の一つの重要なもとだ、こういうふうなお答えがあったように思うのでありますが、その点はいかがでございましょうか。
○福田国務大臣 そのとおりでございます。私がただいま申し上げたことを具体的に言うとそういうことでございます。
○堀委員 そこで私は、いまお話しになりました第六次道路整備五カ年計画について、まず建設大臣にお伺いをいたしたいと思います。 この道路整備緊急措置法でありますか、これに基づきまして道路整備五カ年計画というのが何回か実は行なわれてまいっておりますが、この道路整備五カ年計画が定められました場合、この計画を遂行する責任というのは、建設大臣、あなたにあるのじゃないでしょうか。ちょっとお答えいただきたいと思います。
○根本国務大臣 これは政府にありまして、その所管は建設大臣でございます。
○堀委員 そうするとちょっとここで伺っておきたいのでありますけれども、計画が遂行されるということは、これはどういうことになれば計画が遂行されたということになりましょうか。計画が遂行された、完了したといいますか、計画を立てたらその計画を完全に実行するというのが私は計画のたてまえだと思います。そうするとその計画が完全に実行されるというのはどういうことになるのか。たとえば、私が申し上げたいのは、事業量を計画に定めたら、その事業量を全部達成するのが計画が遂行された、こうみなすべきではないか、こう思うのでありますが、大臣いかがでございましょうか。
○根本国務大臣 御指摘のとおり、道路というものは一つの経済発展の情勢に対応してこれはやるものでございますから、事業量を充足することが基本的な任務でございます。ただし、従来は、変更した理由と申しまするのは、最初は、新しい長期経済計画というものが鳩山内閣当時つくられました。それから続いて今度は御承知のように所得倍増計画が池田内閣でつくられました。その次に中期経済計画、それから新しい経済社会発展計画というふうに、道路計画を策定するための基礎的な長期の経済社会発展計画の変転に伴いまして、これまたそれに対応する修正をせざるを得なかった、こういうことで数次の変革があるわけでございます。 今度の第六次五カ年計画も、一応過去のそうしたところのものを踏まえて、さらに地方自治体等からの請願、要請等もたくさんあります、これらのものを勘案して、一応事業計画を立てたのでありますが、しかし現実に実行する場合には、やはり財源との関係できまりますので、具体的には、実は事業量よりも、計画においては予算額において事業量を充足せしむるということを前提として、これは経費でいま立てておるわけであります。したがって、今回の新道路五カ年計画は十兆三千五百億というふうに踏まえているのでございます。したがいまして、それでは矛盾があるんじゃないかというのは、やはり経済計画と一緒にしていくための事業量、それをある時点において算定した予算額、この二つで把握しておるというのが現実でございます。
○堀委員 実はこの計画というのは道路整備緊急措置法に基づいてつくられるわけですが、道路整備緊急措置法は——この法律は古いかもしれませんが、書き方は同じようになっている。その第二条で「建設大臣は、昭和三十六年度以降五箇年間における高速自動車国道、一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路の新設、改築、維持及び修繕に関する計画の案を作成して閣議の決定を求めなければならない。」「道路整備五箇年計画には、次の事項を定めなければならない。」とこうありまして、一は「五箇年間に行うべき道路の整備の目標」、二は「五箇年間に行うべき道路の整備の事業の量」、要するに道路整備緊急措置法の求めておりますのは目標と事業量でありますね。ですから、皆さん方のほうからちょうだいをしたものにも目標と事業量というのが主になっておりまして、それに財源がうしろにくっついておる、こういうことになっておると思うのです。 そこでお伺いをいたしますが、実はいま大臣のお話ですと、事業量よりもそういう財源的なもの、要するに予算的なもののほうがやや主になるようなお話でありますが、私はこの法律のたてまえその他から見ましても、これは事業量があって、それに財源がくっついておるんであって、財源が先にあって事業量がうしろからくっつくわけではないと思うのでありますが、大臣いかがでございましょうか。
○根本国務大臣 先ほど私が説明したことで若干舌足らずの点があったと思います。 御指摘のとおりでありまして、事業の量が目標でございまして、これを実現するために予算が出てくるわけでございます。 今回の十兆三千五百億にあたりましては、そこに若干の財政当局とわれわれとの意見の相違があったことは事実でございます。しかし、事業量はこれほどほしいということであっても、やはり財政上許さなければできないことです。そこで、大体現在のところはその二つを充足した形において、ある意味では妥協した形において現在の新道路五カ年計画ができておる。そうして現在問題になっておるのは、事業量は金さえあれば幾らもできますけれども、実質的にいま問題になるのは、要するにそれに与えるだけの財政の裏づけがどうあるかにかかるわけであります。したがいまして、その点からすれば、従来の特定財源あるいは一般会計からの繰り入れ等の見通しからすれば、先ほど大蔵大臣から御答弁ありましたように、三千億ないし四千億程度の財源不足になるという見通しであった。そういうことを踏まえて、今度は特定財源にするか一般財源にするかはまだ問題でありますけれども、道路を主とした財源として自動車新税が考えられた、こうわれわれは解釈しておるのであります。
○堀委員 そこで伺いたいのでありますが、いまお話しのように、確かに建設省と大蔵省、見解の相違があったと思います。あったと思いますが、計画は閣議が決定するわけであります。要するに、さっき申し上げたように、その遂行の責任は閣議にあるわけですから、実際の責任は大臣でありましょうけれども。そうすると、財源が十分にないときに道路計画、まず皆さん方のほうではこれだけ事業量をやりたい。しかしそれに見合うだけの財源がつかない。つかなくてもそのまま事業量と財源を並べておけば、それは私は計画じゃないと思うのです。初めからできないことがわかった事業量を計画に書いておるとすれば、これはインチキな計画になるのではないでしょうか。だから、少なくとも事業量と財政は合ったものにあとで調整しなければいけないのでしょう。たとえば一〇〇の事業量をあなたのほうの建設省では要求された。しかしいろいろと財源的には八〇の財源しかつけられないとかりに仮定をいたしましょう。そうしたら、それは一〇〇の事業量と八〇の財源というままで道路計画として閣議が承認するということは、言うなれば間違った計画、正しくない計画を閣議が承認する、こういうことになるわけですから、政府は重要な責任があると思うのですね。ですから当然その際は、八〇の財源しかなければ事業量も八〇にする。八〇と八〇なら実施できるわけですから、そういう計画を立ててこれを完全に実施するというのが、計画が求めておる本来の性格ではないでしょうか。いかがでしょうか。
○根本国務大臣 御承知のように、道路財源といたしましては、いわゆる税金に基づくところの予算措置と、財投による資金もございます。財投による資金のほうは経済情勢の変化によってかなり弾力的にこれをやり得るのでございます。そういう観点と、それからもう一つは地方単独道路というものもございます。そういう関係で、いま堀さんの指摘されたように、計数的にぴちっと合わなくてもこれは大体弾力的に運営ができるし、従来もそれでやってきた。こういうことで、その点は現実に即してこれはやっておるわけです。しかしどうしてもこれが弾力的な運営ができないということになりますれば、そこであらためて道路五カ年計画そのものを変更するか、あるいは財源について特別の措置を講ずる、こういうことになるわけでございまして、当初から全部予算とそれから事業別の財源の裏づけをつけなければならないというほどの硬直したものではないと考えておる次第でございます。
○堀委員 そこまでにして、それでは事務当局にちょっとお伺いをいたしますが、第四次五カ年計画というのは途中で第五次の五カ年計画に接続しておりますけれども、実際に実施をされたのは、三十九年から四十三年まではすでに過去の例があるわけであります。第四次五カ年計画は、三十九年に策定をした計画では、一般国道の改良につきましては一体改良が幾らで舗装が幾らであって、それが実際実施されたのは改良が幾らで舗装が幾らであったのか。事務当局からお答え願いたいと思います。三十九年から四十三年までの経過でございます。
○吉田説明員 第四次五カ年計画は中途で改定されておりますが、改定後の四十二年、四十三年、つまり第五次の道路整備五カ年計画として実施した分もかりに加えて五年分で計算いたしますと、一般国道につきましては、第四次の計画事業量が、改良が七千七百二十キロメートル、舗装が一万二千六百八十キロメートルでございます。これに対しまして、四十三年までかりに算定いたしました数字によりますと、改良が七千六百八十三キロメートル、舗装が一万五百四十八キロメートルであります。主要地方道は改良が……
○堀委員 ちょっと待ってください。実は、このあなたのほうからいただいた資料で見ますと、計画はいいのですが、実施は改良が五千百十四キロメートル、舗装が六千九百三十六キロメートル、達成率は改良が六六・三%、舗装が五四・七%、こういう事業量の資料をいただいているのですが、これは間違いですか。
○吉田説明員 ただいまの数字は正規に第四次五カ年計画として実施しました、三十九、四十、四十一年までの三カ年の数字でございます。
○堀委員 いま私が言ったほうは三カ年分ですか。
○吉田説明員 はい。
○堀委員 そうすると、もう一回伺いますが、第五次五カ年計画の計画と達成の状態をちょっと言ってください。それはいまの三年のままでいいですから。
○吉田説明員 第五次の五カ年計画は昭和四十二年度から始まったわけでございますが、四十五年度から第六次に切り変わっておりますため、第五次としては四十二、三、四の三カ年間実施したわけでございます。この五カ年の計画は、一般国道で改良が六千二百九十六キロメートル、舗装が九千二百二十七キロメートルでございますが、三カ年で実施しました延長は改良が三千七百八十九キロメートル、舗装が約五千四百キロメートルでございます。
○堀委員 そうすると、第五次のほうからいま伺ったから、四十六年はわかりませんけれども、しかし四十五年はすでに実施されたキロ数はあるのでしょうね。ちょっと四十五年を言ってみてくれませんか。
○吉田説明員 四十五年、一般国道の改良が千五百四十九キロメートル、舗装が二千三十一キロメートルでございます。
○堀委員 残りは大体四十六年予算がついたわけですが、現在の予算での見通しはどうでしょうか。
○吉田説明員 四十六年度予算によりますと、一般国道の改良が千四百八十キロメートル、舗装が千七百六十四キロメートルでございます。
○堀委員 いまので計算をしてみますと、結局第五次をこう伸ばしてくると、改良が七千八百十七キロメートルとなるわけですから、第五次の初めよりはふえておるわけですが、要するにこのようなやり方の計算で見ると、皆さんのほうからいただいておる資料ですと、財政の進捗率はあるけれども事業量の進捗率というのが実は全然ついていない。そこで、この財政の進捗率のほうをかりにこうやってみますと、財政の場合には、いまのを引き伸ばしてみても、一般道路についてはこれは大体完遂をされておるけれども、有料道路事業が実は予算的に見て達成率が非常に悪いというところから見ると、事業量においても有料道路は計画どおりにいっていないんじゃないか、こう思うのですがその点はどうですか。事務当局からちょっと答えてください。
○吉田説明員 遺憾ながら有料道路につきましては計画満額にはなかなか達しておらないという状況でございます。
○堀委員 有料道路がこの計画に達しない主たる理由は何でしょうか。
○吉田説明員 有料道路資金の大部分は財政投融資に依存しているわけでございますが、近年財投に対する道路以外の社会資本その他の各般の需要が非常に著しいためかと思いますが、ひとり道路のみが大きな伸び率で伸ばされるということが困難なこと、要するに財投が計画に対して不足がちなことが、一般道路と違いまして計画一〇〇%までいかない大きな理由だと思います。
○堀委員 いまの道路整備五カ年計画で、この前のときには私の試算では、第五次の計画は四十二年——四十六年で計算をしてみても、八一%くらいしか達成していないと思うのですが、大体そんなものですか。
○吉田説明員 途中で計画が改定になっているわけですが、あえて五カ年分を計算すれば八一・四%という数字になります。
○堀委員 そこで、結局さっきの話がありましたように、単独事業のほうは多少出入りがある。それはどちらかというと、資料で計算してみると、地方の単独事業のほうはやや計画よりたくさんいっておる、こういう実情になっておる。そしていまのを便宜的に並べてみると、計画はちょっと先にいっていますからこのやり方は非常にむずかしいのですが、計画自体のところを見ると、実は一般道路事業のほうはまあまあ何とかいっておる。そして有料道路が非常に穴があいておるというのが大体最近の実情だと思うのですね。ですから、このような計画の変更があり、そうして同時に実際には有料道路の達成率は非常によくないという状態から見ますと、道路計画というものは、さっき私が申し上げたように、要するに財源と事業量をもう少し正確にかみ合わせていかなければいけないのじゃないか。というのは、大体いろいろな事情をつけながら三年ごとぐらいに、一回も計画が終わりまでいかないわけですね、最近の状態を見ると。そのもとはさっき大臣がおっしゃったような経済計画に関係がある。そうすると、いまの新経済社会発展計画をこの前また改定をした。これは一体、こんな変更があればこの第六次の計画というのはまた動くわけですね。そうじゃありませんでしょうか。どうでしょう、大臣。
○根本国務大臣 結論的にいえば、そういう可能性は非常にあります。御承知のように、現在政府が持っておる五カ年計画というものは、いわゆる計画経済におけるところの計画ではなくて、一応の目標でございます。したがいまして、これはやはり社会情勢の変化に応じて変更することがむしろ正しいあり方じゃないかと考えておるわけでございます。したがいまして、それが国民の要請にこたえるゆえんではないかと考えておるわけでございます。具体的に申しますれば、たとえば最近における農業構造の大きな変化が起こっております。ところが、ややもすれば従来は、一級国道、二級国道とかあるいは地方道というものを、端的にいいますと事務当局はそれをずっと延ばすことのみに集中しておりまして、社会情勢の変化に伴ってあるところに工業団地ができた、ところがそこには国道も地方主要道もないということではいけない。そういう場合にはやはり計画を変更してもそこに必要なる国道並びに付随するところの地方主要道路をつける。あるいはまた大きな都市開発ができた、そこにやはり必要なる街路もつけなければならないし、あるいは都市計画に基づくところの他の地方道もつけてやるというようなことが、私は道路政策として正しいやり方だ、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味において、現在かなり変動しつつある社会経済情勢でありますから、それに対応して現在の五カ年計画の内容を若干変えるということは、よく国会のほうにも申し上げまして、そうして実情に合うように実行していきたいと考えておる次第でございます。
○堀委員 実は、これまでの財源の形がたいへん、計画が変更されると動いてくるわけです。今度の道路整備五カ年計画事業費の内訳を見ましても、旧計画というのが四十二年から四十六年であって、一般国道が一兆四千二百二十五億であった。それが今度の新計画では、四十五年から四十九年に必ずこれはダブってくる。そうして一般国道の費用は二兆一千九百七十四億である、こういうふうに動くわけですね。ですから、もしこのような形で三年目に動く。三年目にということは、今度は四十五、六、七ですから、今度七年から七、八、九、〇、一ということにまた動きかねないという要素が私は十分にあると思うのです。 なぜそういうことになるかというと、日本経済というものの動き方というものが、最近は一〇%ということで来ましたけれども、これから先の見通しがずっと一〇%になるかというと、今度は少し本来ならスローになるというのが正しいのじゃないか、こう思っておるわけです。大蔵大臣、よろしゅうございますか、経済の見通しのことですからね。大臣も、これまでのような高い成長じゃまずいと、こうおっしゃっておるわけですから、だから少しこれから実際的に経済全体がスローになる。これは全体の関係でもスローになると思うのです、世界的ないろいろな諸条件がありますから。そうするとまた当然経済計画もある程度改めないと、一〇・五でしたかな、新しい経済社会発展計画の成長比率より下がれば、いろいろな投資その他の関係もまた調整をしなければならぬ、こういう問題が私は出てくると思うのですね。 ですからそういう意味で、十兆三千五百億の中の三千億というのは、これは実は非常に小さな比重にしかなっていないわけです。それが三年先にはいまのようにまた全体が改定をされる。改定をされた動きというのは、この前の道路だけで見ると三兆五千五百億が五兆二千億になっておる。そうしてそのいろいろな問題の中には、建設省としては当初、旧計画のときに七兆三千億円の資金を要求しておったけれども、結果としては六兆六千億になった、こういうことが皆さんのほうの「道路行政」という本に書いてあるわけですね。ですから最初に見解の相違がこうあった。見解の相違があって、こういう問題が起こるという中には、さっきの有料道路の問題を含めて、実は事業量と財政というものがうまくいっていないから、そこでどこかにしわが寄ってきたところは達成率が下がるのだ、こういうことになる。結果が、きちんと五年やってあればもっとはっきりするのですが、途中で三年目ごとぐらいに計画を変更するものだから、実際はどういうことになっておるのか実はよくわからない点があるわけですが、ここらの問題について一体、十兆三千五百億というものの中の三千億、大蔵省からいただいた計算によると、正確には二千九百三十億、こうなっているのをまるめて三千億としてあるようですが、一体これとの関係を見ると、私はそんなにいまこの財源の手当てをしなくても、建設大臣おっしゃるように、事業量の弾力的な運営を行なう上ではまだ十分措置ができる財源だ、こう思います。それと同時に、この十兆三千五百億について建設省は当初幾らの原案を要求されたのか。さっき私が言ったように、第五次の旧計画のときに六兆六千億に対して七兆三千億要求したということが「道路行政」には書かれている。十兆三千五百億に対しては幾ら要求されたのでしょうか。
○根本国務大臣 たしか十兆七千億だったような気がいたします。
○堀委員 十兆七千億要求されて、それが十兆三千五百億になったのですから、すでにもうそこで三千五百億相違が出ているわけですね。そうしてあとの二千九百億が実は足りないんだ、こういうことになっているわけですが、私はいまのこれを見ますと、その三千五百億ぐらいというのは、これはずっと過去の経緯から見ると十分中で動き得る計数になってきているんじゃないか、こういうふうに思うわけです。 ですから第一点としては、道路整備計画というものが大体三年ごとぐらいに改定されておるということで見れば、これは三年先のさらに新しい総合交通網の問題、この問題とあわせて考えるときに考えても、別に財源的な処置としてはそんなに問題がないということが一点と、もう一つ、私は、一般財源からこの道路のほうにくる資金が、過去から見て非常に少ないような感じがしてしかたがないわけです。ちょっと計数が間違っておるといけませんから建設省で答えていただきたいのですけれども、昭和三十九年には一般財源は四百五十七億、四十年が五百五十二億、四十一年八百四十六億、四十二年八百五十五億、四十三年五百十四億、四十四年六百二億、こういうふうになっているのですが、これは間違いありませんか。
○吉田説明員 ちょっといま手元に資料がございませんので照合することはできませんでしたが、大体そういう程度のものだと思います。
○堀委員 建設大臣の時間が来ましたから一応締めくくりをつけておきますが、もう少し建設省はこの一般財源を要求していいんじゃないかと私は思うのです。それはなぜ要求していいのかといいますと、実は自動車の物品税というのを国が取っておりますね。この自動車の物品税の額にもいまの私の申し上げた額は達していないような感じが実はするわけです。古いところは別でありますが、四十四年で見ますと、これはあとで大蔵省からも聞きますが、自動車の物品税は千二百三十八億あって、そのうちで六百二億しか実はもらっていない。それから四十三年には九百三十九億物品税があったにもかかわらず、五百十四億しか道路に来ていない。やはり自動車関係の消費税でありますから、これだけのものを政府は自動車から取っておるのなら、当然それだけの一般財源をまず建設省のほうに出しさえすれば、いまこの伸びから見まして、三千億の自動車重量税の必要がないというふうに私は思うのですが、建設大臣、その点は今後どういうふうにお考えになりますか。
○根本国務大臣 財源の種類については、われわれのほうでは特にこれでなければならぬ必要はございません。全体としての資金量があればいいのでございます。問題は、特定財源にするかいなかはこれはむしろ全体の財政運用上の問題でありまするので、私のほうから、一般財源からもう少しよこせとか何かということは、ここで論ずることは必ずしも適当ではないのじゃないかと思う次第であります。
○堀委員 時間がありませんから終わりますが、私はやはり、新しい税でも何でもいいからよこせというのはおかしいのじゃないかと思うのです。まず一般財源の中で筋の通ったものを先にこっちへ下さい。そうしてなおかつ足らなければそのあとでまた何か考えなければならぬ場合があると思います。あると思いますけれども、順序としてはそのあるもののほうを一般財源として下さいというのでないと、いまの物品税も特定財源になっておりません、一般財源です。しかし自動車重量税だって一般財源ですからね。だからこれが一体道路へ幾ら来るかという保障はその点では必ずしもないわけですね、主として、ということになっているわけですから。ここらのところは建設省はもうちょっとちゃんとした財政要求をしていくことが道路計画を完遂するための重要な責務だと思うのですが、その点だけをお答えいただいて、大臣に退席していただいてけっこうです。
○根本国務大臣 実は私が十三年前、岸内閣のときに建設大臣を拝命したときに道路特別会計をつくったのでございます。そのときは一般財源から全部やっておるけれども、毎年のように単年度の財源で、大蔵省とたいへんな予算折衝で長期計画が立ちません。そこで特定財源としてガソリン税を主体とする道路特別会計を設けまして、そしてそれと一般会計とでやってきた、こういうわけでございます。そこで、いま堀さんの御指摘のような議論からするならば、むしろ一般会計からというよりも、特別会計の中のガソリン税のほかに、いまの物品税的なものをはっきりと道路特別会計の特定財源にすれば一番はっきりするのです。ところがそこまではいかないということで結局今日に来たっておりますので、財源の種類を固定的になかなか考えられない。少なくとも確実なものとしては特定財源がほしい、こういうことでございます。したがいまして、現在のところはこの自動車新税は一般財源になっておるけれども、いろいろの説明の中からいたしましても、いずれは総合交通体系ができますれば、これがあるいは目的税的な形に変わり得る余韻を残しておるというような感じもするのでございますが、ここはその点まで論ずることは適当ではありませんから申し上げませんが、われわれとしてはいずれにいたしましても財源が明定されて、そうして確実に五カ年の計画ができるように今後も折衝してまいりたいと考えている次第であります。
○堀委員 大臣、けっこうです。 主税局にお伺いをいたしますが、自動車の物品税の、要するに私がさっき触れたやつですが、そうたくさんでもしようがありませんから、四十二年からの物品税の中の自動車に関するものは一体幾らなのか、ちょっと答えてください。
○細見政府委員 お答え申します。 億単位でよろしゅうございますか。——四十二年が七百七億、四十三年が九百三十八億、四十四年が一千二百二十一億、四十五年が一千四百二十五億、こういう数字になっております。
○堀委員 大臣おられませんから政務次官にちょっとお伺いしますけれども、いまさっき私が話をしておる筋道ですね。要するに、自動車の税金の資料を大蔵省からもらっておるのですが、この資料の比率の取り方として、各国の自動車関係税収入額及び道路投資額等という資料があるのですが、これで見ますと、要するに取得に対する税の中におそらくこれは物品税が入っておるのではないかと思うのです。ですから、そういう道路投資との比較で自動車関係諸税というものを、こういう計数的に各国の比率を含めて計算するときには、主税のほうは物品税の取得に対する費用が計算に入っておる。そうするならば、当然これは特定財源ではありませんからまるまる必要はないにしても、もう少し一般財源としての道路へ持っていく費用を自動車の関係税である物品税から持っていくことによって——物品税というものは最近の伸び率を見ても、四十二年が七百七億、四十三年が九百三十八億、四十四年が千二百二十一億、四十五年が千四百二十五億ですか、そういうことでありますからかなり伸び率が高いわけですね、これで見れば。この伸び率をずっと伸ばしていけば、現在道路整備五カ年計画が計算しておる一般財源の四千二百億ですか、そういうものはこれをずっと伸ばしていけばかなり上回る数字が出る。ですから、いまの自動車新税の問題というのは、私は財源的に見れば必ずしも二千九百三十億ということになってないのではないか。問題は、一般財源を入れないでおいてそこに不足額を生じさせておる、こういう問題じゃないか。相対的な問題だと思うのです。だから結局そのことは、要するに国民から名目さえつけば税金を取ろう。理由は不足だ、こういっておるのですが、不足であるかないか、一般財源の入れ方できまってくるわけですね、実際は。その点は一体政務次官はどう考えられますか。
○中川政府委員 堀委員御指摘のように、自動車からあがる物品税だけでも相当あるではないか。過去もあるし、これからも伸びるであろうから、それを振り向ければ、無理して新しい税制を立てる必要はないではないかということでございますが、物品税の性質は、堀委員もうよく御承知のように、奢侈品あるいは便益品にかけるという、自動車だからというのではなくして、テレビ、ラジオその他一般的な全体についてかけておる税でございまして、これを一つ一つ分けて、これは自動車から取ったんだから自動車、あるいはテレビから取ったんだからテレビというような考え方に持っていくことはいかがか。あるいは先ほど大臣からお話がありましたように、特別会計でもつくりましてこれを入れるんだということに踏み切った場合はそういう考え方もあるでありましょうが、現在の税体系あるいは財政の運営としては、これは一般会計の一般財源という扱い方をすべきではないかという考え方でございます。ただ、それにしても一般財源の入れ方が少ないではないか、もうちょっと力んだらどうじゃという御意見に対しましては、まあ私も政治家として、そういう余裕があるならばそういうことに努力をしたらいいなという感じはいたしますが、物品税、自動車から取ったものだから自動車に返すというのは、税制、財政の扱い方としては、現在の段階ではちょっといただけないのではないかというふうに考えます。
○堀委員 実は、ずっと私資料を見ながら感じたことは、まさに一般財源のところ以外は、これは大体固定的に特定財源というのは動くようになっていますから、その増加率というのがきまってくるわけですけれども、ここだけはきわめて恣意的にふえたり減ったりするわけですね。いまさっき私がちょっと申し上げたように、多いときは八百五十五億入るかと思うと、その次の年には五百十四億にばさっと減る、こういうことでふえたり減ったりする。ここのところが私はやはり問題があるんだと思います。もし将来にわたってまた道路計画をつくる。一般財源をだんだん減らしていけば当然また不足額が出るのですよ。そしたらまたどれか一つ増税しようじゃないか。要するに自動車のほうからまた取ろう、こういうことになって、まだまだ私は今後こういうことが、まあ言うなれば、要するに政府の鉛筆かげんでどうでも増税というようなことが生まれ得る条件がある。これはやはり問題があると私は思うのですよ。 ですから、われわれはここの委員会の中でこの自動車の問題をやるにしても、特定財源にしたらどうかという議論がかなり出ておりましたけれども、これは結局いまの建設大臣のお話しのように、特定財源でないものについては大蔵省との折衝でいつも削られる、実はここに非常に問題があると思うのですよ。そして削っておいて今度は足らない。足らないんだから増税だという話は、これは国民の側からすると非常に問題がある、私はこういう感じがしておるわけです。まあこれは議論の分かれるところでありましょうが、私どもはそう考える。しかし、特に大蔵省はできるだけほかへたくさん持っていって、取れるところから取ろう、こういうことならこれはしかたがないですね。どうでしょうか、そこは。
○中川政府委員 その辺が非常にむずかしい、議論のあるところでございまして、いずれにしてもこれから道路を伸ばさなければならない。その財源はかくかくしかじか。そこで足りない分は幾ら。それじゃこの足りない分を一般財源から求めるか、道路を使用しております自動車に負担を求めるかという判断の問題になってくると存じます。まあ現在の段階では、三千億足りないものを一般会計、一般国民の負担に求めるか、あるいは自動車に求めるかという判断に立ちましたときに、私たちは、今日のように自動車がふえて、しかも交通量も多く、たいへんな社会コストをもたらしている原因者が自動車であるというところからするならば、この程度の財源は自動車に求めてもいいのではないか。その点については諸外国における自動車負担の状況等々も勘案し、あるいは勤労者の皆さん方のふところぐあいという、負担の額というものを勘案して、この程度ならば負担をしていただいていいのではないかという判断に立って、今度の負担を、道路を使用する権利を取得したその段階に税を求めるということで国民の合意が得られるものと判断をして、お願いしておるわけであります。さらに今後、これがさらに道路の費用がふえてくるに従って財源も必要だ。そこで、それではこれまた一般会計から求めるかあるいは自動車に求めるか、その他の財源に求るかということは、先にまいりましてまた判断すべきことではないかというふうに考えます。
○堀委員 まあこれは議論を幾らしても始まりませんから一応やめておきますけれども、やはり私は財源というものの、ものの考え方ですね、これをやはりもっと合理的に考えるべきじゃないのだろうかと思うのですね。実はいまの一般会計の中で国民が納得をしない財源というのはかなり出ているわけですね。これはもう年間千億や二千億ではないのです。御承知のようにいろいろな問題がありますけれども、そういうものはそのままに放置をされて、そうして足らないから取るんだということは、これは非常に問題があると思うのです。 もう一つは、今度の自動車新税の中で、ともかく非常に取りやすい取り方だけはするけれども、ちょっと手のかかるところでは税金取らないんだという、非常におもしろい思想が今度の自動車重量税の中で出てきたと思うのですね。それは一体何かというと軽自動車の問題だと思うのです。 ちょっと運輸省に伺いますが、軽自動車というのは大体一般的にいま何年くらいみんなが乗って、次にまた新しい車にかわるのでしょうか。要するにそのことは、届け出から次の届け出に至る平均的な期間というのは大体何年くらいか、ちょっとお答えをいただきたいのです。
○隅田説明員 平均的にユーザーの使っております年限を正確にデータとしては把握しておりませんが、われわれ巷間聞いておりますところでは、大体三年くらいは使っているのではないだろうかというふうに考えております。
○堀委員 大体平均三年で新しいのにかえる、こういうことになりますと、今度の新しい軽自動車を登録するときには七千五百円取られますね。主税局長、いいですね。もし三年で七千五百円取られるということになりますと、これは一年当たりにすれば二千五百円の自動車重量税を払ったと同じ効果がまず起きますね、第一点は。この二千五百円の自動車重量税というのは、これは軽自動車というものを別ワクとしていますからあれですけれども、目方でいったら一体これはどのくらいの目方になるのですか。
○細見政府委員 〇・五トン以下の二千五百円のところに該当するわけでございます。
○堀委員 二千五百円のところは、しかしこれは二年に一ぺんですね。一年の分でですか。
○細見政府委員 ちょっと補足して説明させていただきます。〇・五トン以下のもので自家用の場合二年に五千円でございますから、一年にいたしますと二千五百円、そういう意味でございます。
○堀委員 わかりました。 そこで、いま幾ら軽自動車が走っているのかわかりませんが、本来ならば税は公平の原則ですから、あなたの言う、これまでのような、要するに道路を走る権利といいますか、そういうもの、実態もあるでしょうが、それに見合うもので税金を取るんだということになれば、実はこれから届け出をするものからは、いまの〇・五トン以下の車ということと同じで、税金大体取られるということになるようですね。しかしいま走っているやつは無税なんですね。これは無税になります。それは要するに皆さんのほうが、現在走っておるものから取るのが手数がかかるというか、届け出というものがないものだから、これだけは除外をした。要するに取りにくいものは税は取りません、こういうことが今度の自動車重量税の中で非常にはっきり出てきたのじゃないかと私は思うのですね。 私はいまちょっとこれ運輸省に伺いたいと思うが、現在走っておる軽自動車というのは何台くらいあるのでしょうか。
○隅田説明員 現在走っております数字は、大体申しまして五百万台程度でございます。
○堀委員 五百万台が一年に二千五百円ということになると、これは一体幾らですかな。ちょっとそっちで答えてくれませんか。
○細見政府委員 実は詳しい計算ができないので、と申しますのは、三年で使用が切れるわけでありますので、いま走っている自動車が平均何年走るのかということがわかりません。一年といたしますればいま二千五百円の百二十五億、こういうことでございます。
○堀委員 ですから、これは税金がかかるということがわかっていれば、私はいまの三年というのはおそらく延びるだろうと思うのです。現在の軽自動車はもう少し乗れるだけ乗ろう。どうせやればまた二千五百円取られるのだ、こうなるでしょうからね。いまあるのが全部三年といけば、この三百七十五億円という財源は取れるべきものを取らないでおいて、そうしてほかのほうからは取る。同じ軽自動車を利用しながら、新しいものから取るけれども、この十二月までに買った人はこれは要らないわけですね。おそらく軽自動車はこれから十二月までに実はずいぶん売れるだろうと思うのだ。そういうようなことは私は税制上としては少し問題があるのではないかと思うのです。やはり税を取る以上は、何らかの方法によって、現在走っておる軽自動車の五百万台からも、要するに十二月以後においては取れるような処置をとることが税の公平というものではないのですかね。主税局長、税の公平というのはどういうのを税の公平というのですかね。
○細見政府委員 いろいろな立場に立って御議論はあろうと思いますが、今回の重量税法が、登録に際し、あるいは届け出に際しということによりまして課税いたすわけでありますから、軽自動車以外の自動車にとりましても、検査を受けたときによりまして比較的有利に、大体一年か二年で更新するといたしまして、一年間非課税のときがあるとかいうようなことが起こります。実質的な公平をはかるというためにいろいろな措置をとれという御議論はそれなりにわかりますが、法律の上で何月何日を施行日として、それ以後課税の対象になる行為が行なわれたときにはそのときから課税をするというのは、これはやはり従来の税法もとっておりますし、そういう意味におきまして、たとえば法人税の増税とか、あるいは物品税の税率の引き上げというようなときも、何月何日以後の出荷あるいは何月何日以後に開始する事業年度ということにいたさざるを得ない。ただそれがおっしゃるように、四百万台、五百万台走っている軽自動車にかなり有利になるではないか、あるいは買いだめ的なものが起こるではないかという御指摘は、それなりの御指摘として私どもも考えなければならない問題を含んでおることはよくわかりますが、どのような税を施行いたしますにつきましても施行時期の設定をしなければならぬ。その施行時期以前のものには多くの場合さかのぼりようがないということで、そういうものとして従来もそういうふうに処理いたしておりましたので、今回の点についても税制としてはそれなりにやむを得ないのではなかろうか、かように考えております。
○堀委員 実はいまの軽自動車が数が少なければ、それは非常に問題は少ないと私は思うのですよ。これが数が少なければですが、実は五百万台も動いておるということになりますと、これは何らかの処置をとらないと、新しく買う者といまそれを乗っておるものと非常に——理論的にあなたがこれまで言ってきた、自動車を使うことにより道路に多少の損傷を与えるなり混雑をさせるという意味においては、これは同様だと私は思っておるわけですよ。その効用、政策的な判断からすれば同様である。同時に、これは新しく買いかえないとすればかなりこれは長く実は使われる可能性というものがあるわけですね。この五百万というものが長くいける可能性がある。あなた方は一体この五百万台の非課税というものの行くえを大体どういうふうに推計していますか。
○細見政府委員 非常に大ざっぱな推計を申せば、購入台数が若干ずつふえてきておりますことをそれほど大きく考えないとすれば、大体一年半かあるいは二年くらいの年数自動車が走って更新されるのではなかろうか、かように考えております。
○堀委員 さっきは三年という話があるわけですからね。実はこの十二月までに買う者がたくさん出てくると思うのですよ。これはもう実際には三年過ぎるわけです。いまいる五百万台というのは現在走っている車ですが、軽自動車というのは大体ことしあたりでは一年間にどのくらい登録される見通しですか。
○隅田説明員 大体年間に百二十万以上になるかと思います。
○堀委員 年間で百二十万ということですから、別にことしうちに百二十万入るのは向こう三年間くらい走るということになるのでしょう。その間に逐次いまの古いのは減っていく、かなり減っていくでしょうけれども、自然の形の減り方よりはかなりあとに残ると私は思うのですね。ですから実際には、いま走っておる五百万台に、これからまだ購入されるものが、まだ半年くらいあるわけですから、もう六十万台くらいふえるということになると——私は何も増税がいいということではないのですよ。取ることがいいということではないけれども、やはり税というものはある一定の条件を具備しておるならば、さかのぼって取るわけではありませんからね、実はそのときから以後使用している者から取るということになるのだと思うのですね。ですからそういう意味では、払わない者と払う者が非常に差が出てくるということについては、やはり税の公平の点からは問題があると思うので、これは皆さんのほうからすれば、届け出とか車検があるところで取るのが非常に手数がかからなくて便利だ、取りやすいからそこから取るのだ、私はこの自動車の税の取り方はこうだと考えておるのです。そうすると、取りやすければある程度税の公平が阻害されてもやむを得ないということであっては、税金というのはならないのじゃないか。税というものの本来の姿は、やはり公平に取ることが国民を納得させる一つの重要なファクターであるから、その点のほうが取る手段に比重をかけるよりもより大きいのではないか。そうすれば何らかの方法が考慮されても、そこで公平が守られることのほうが意味がある。 しかし実態的には、軽自動車くらいのものは、これは便益とかいろいろな表現があるかもしれませんけれども、今日ほんとうに自転車にかわる乗りものに実はなってきておる、こう私は思いますので、これについてまで税金をかけるというのは——これもそうだし、自動二輪も実は対象になっているわけですね。ですからそこらの問題はもう少し配慮があってしかるべきではないか。課税上の問題としてはそこまでやらなくてもいいのではないか、こういう感じが実はしておるわけです。軽自動車の取り扱い上のこと、政務次官、あなたはその点どう思われますか。
○中川政府委員 税の公平ということからいくならば、堀委員御指摘のとおり、できるだけ公平に、現在持っております者も、また将来持ちます者も負担をしていただくというのができればいいことではないかと思いますが、課税の技術上の問題もあり、たてまえとして、十二月一日から施行するということになりますと、それ以前のものにかけるということは、技術上もまたたてまえからいってもちょっとおかしいのではないか。施行期日を少し早めたらどうかということになりますればこれはあるいは可能かと存じますが、十二月一日と法律でお願いしております以上、さかのぼることはちょっとできないのではないかと存じます。
○堀委員 大臣がお見えになりませんが、私この質問を終わります前に、恒例による税の問題だけをちょっと関連して伺って私の質問を終わることにしたいと思います。 私、この問題を取り上げてもうすでに四年ぐらいになると思うのでありますが、大体普通は、大蔵委員会はこの時期はこんなに法律が立て込むことはありませんので、一般質問の中で伺っておったのですが、もう時間がありませんから、例年伺っております査察告発事件に関連して、架空名義預金というのがどういう形で国税庁として把握をしておられるか、昨年と対比しながらちょっとひとつ長官のほうからお答えをいただきたいと思います。
○吉國(二)政府委員 昭和四十五年度に告発をいたしました査察事案は百三件でございます。昨年、昭和四十四年度はこれが九十七件でございました。これに対しまして、その保有しておりました預金総体のうち公表された預金は、昭和四十五年度で全体の二七・三%でございます。これは昭和四十四年度では二〇・六%でございました。したがいまして、昭和四十五年度ではいわゆる別口の預金と称せられるものが七二・七%、昭和四十四年はその同じものが七九・四%ということになっております。この別口預金の全体のうち、いわゆる架空名義の預金と申しますものが昭和四十五年度では六二・六%でございます。それは昭和四十四年度におきましては六二%でございました。それから無記名の預金が昭和度四十五年度では三一・九%でございますが、昭和四十四年はそれが三四・七%でございました。なお、別口ではございますけれども実名を使っておったというものが昭和四十五年度では五・五%ございます。これに対しまして昭和四十四年度は三・三%という数字になっております。
○堀委員 口数と金額もちょっとお答えいただきたいのですが……。
○吉國(二)政府委員 いまのを口数と金額で申しますと、預金の合計で昭和四十五年度が百六十四億三千三百万円、そのうち公表預金が四十四億九千万円でございます。したがいまして別口と申すべきものが百十九億四千三百万円、そのうち架空名義によるものが七十四億八千万円、無記名のものが三十八億五百万円、実名によっておりますものが六億五千八百万円でございます。同じ数字を四十四年度で申し上げますと、預金総計が百三十一億二千三百万円、そのうち公表のものが二十六億九千八百万円、別口が合計で百四億二千五百万円でございまして、そのうち仮名が六十四億七千万円、無記名が三十六億一千三百万円、実名によっておりますものが三億四千二百万円という数字になっております。 なお口数で申し上げますと、別口の総口数が一万八百二十五件でございます。このうち仮名が七千四百六十一件、無記名が二千五百四十二件、実名が八百二十二件ということになります。四十四年度で申しますと、それが総体で一万百三十四口、そのうち仮名が六千七百八口、無記名が二千九百十八口、実名が五百八口という数字になっております。
○堀委員 実はこの問題を取り上げてすでに四年になるのですが、いまの報告を聞いておりますとほとんど改善がされていない。なるほど案件数は九十七件が百三件に六件ほどふえておりますから、その点は考慮しなければならないと思いますけれども、実は比率においても六二%が六二.六%でふえておるし、金額においても六十四億であったものが七十四億にふえておるということであります。 そこでさらに、毎年伺っておるわけでありますが、これの金融機関別の預け入れ店舗の状態をちょっと都市銀行その他のジャンル別にお答えをいただきたいと思います。
○吉國(二)政府委員 四十五年度で申し上げますと、店舗数では都市銀行が三百九十店舗、全体といたしまして四二%を占めております。預金額ではそれが五一%になっております。それから地方銀行が百二十二店舗で一三%、預金額でも一三%ということになっています。それから相互銀行が百三十六店舗で一五%、預金額では一四%。信用金庫が九十九店舗で一一%、預金額にいたしますと六%でございます。その他が百七十六店舗で一九%、預金額にいたしまして一六%という数字になっております。
○堀委員 いまの店舗数を同じ形で昨年とちょっと比較をしてもらいたいのですが……。
○吉國(二)政府委員 ただいまの数字を四十四年度で申し上げますと、都市銀行が二百二十四店舗、三五%、預金額にいたしまして三八%。地方銀行が百四十五店舗で二一%、預金額にいたしまして一八%。相互銀行が百十一店舗、一六%、預金額にいたしまして九%。信用金庫が七十七店舗で一一%、預金額にいたしまして七%。その他が百二十三店舗で一七%、預金額にいたしまして二八%。この数字で見ますと都市銀行がかなりふえておりますが、地方銀行が減っておるというかっこうでございます。
○堀委員 銀行局長にお伺いをいたします。 私毎年この問題を取り扱い、銀行局長のほうからも通達その他で架空名義預金の取り扱いについては十分な処置を講じておられると思うのでありますが、残念ながら少しも減らないだけではなく、店舗数の上では都市銀行は昨年に比べまして七割ぐらいもふえておるようでありますね。昨年私はこの問題について、少なくともあまりこういうことの改善をされておらないところは、銀行の公共性から見て何らかの措置がとられるべきであるということを申し上げました。私はことしの資料を拝見しながら感じることは、実はこの架空名義預金というのは、これまでもそうでありますけれども、ことしの場合も七千四百六十一口で七十四億八千万円ということは一口ほぼ百万円ということになっているわけですね。現在百万円という個人の預金がありましたときに、その預金者のところに行員が預金をとりにいってない店舗というのは、少なくとも都市銀行ではないのではないか。御承知のような猛烈な預金勧誘をやっておりますから、百万円以上も個人預金を持っておる人のところへ行かないはずはない。行ってみれば、架空名義ならばそこに預金者の住居なりそういうものがないということはわかっているわけですから、私は少なくとも銀行側が架空名義預金であるということを知らないはずはないと思っておるわけです。十万円、二十万円の小口の預金でありましたら別でありますけれども、いずれを見ましても、別口預金全体を見て百十九億に対して一万八百二十五というのは、これを見ても大体百万円という見当になっているわけであります。ですから、私はやはり銀行側としてはもう少しみずから何らかの処置をとるべきではないか、こう思いますが、銀行局長、いかがでしょうか。
○近藤政府委員 ただいま御指摘のように、架空名義預金がなかなか減らない点、私どもも非常に苦慮いたしておるわけでございます。ただ、昨年当委員会におきましても御指摘いただきまして、特に四十五年度においてやり方を変えております点がございます。それは、従来年度間の査察事案を一括して連絡を願っておったわけでございますが、四十五年度におきましては、個々の案件につきましてそのつど連絡を受けまして、それを私どもの手元で分析をいたしまして、そうしてそれぞれの金融機関の責任者に対しまして厳重注意をいたすということと、それからさらに、特に情状の重いものにつきましては文書をもちまして事情の説明を行なわせるということを行なってまいっております。そのような方向で今後ともできるだけ努力いたしてまいりたいというふうに考えております。
○堀委員 実は国税庁にお願いをいたしたいのでありますが、現在の都市銀行というのは全部で十五ですか、十五の中で三百九十店舗ということは少なくとも平均二十店以上ですね。割ってみれば一行に平均二十店ぐらいの支店で問題が起きているということになっているのですが、中身はわかりません。名前は要りませんから、一番から十五番までという形でけっこうですが、そういう都市銀行の店舗数の三百九十の分布は一体どういうことになっているのか、ひとつ資料として御提出をいただきたいと思うのです。
○吉國(二)政府委員 これは資料を再集計いたしますればできる問題でございますが、各局から報告をとっておりますので、各局の再集計をさせるということで若干時間が要ると思います。そんなにかからぬと思いますけれども、やはり三週間ないし四週間くらいかかると思います。名前はごかんべん願いますけれども、順位をつけて提出いたしたいと思います。
○堀委員 では四週間ぐらいのところでひとつ資料を御提出いただきたいと思います。この問題は最近はこれだけ新聞やその他でも取り上げられるようになってまいりました。私が当初やり始めたころは、そんな架空名義なんていうことをやめるわけにはいかないというような金融機関の論調であったようでありますけれども、今日そういう気持ちは変わっておるようですが、しかし残念ながらあとを断たない以上は問題があると私は思っております。どうかひとつ、かつて銀行の店内における架空名義預金の取り扱いについての預金者に対する掲示の問題等もありましたが、もう少し実効のあがるような何らかの方法をぜひ考えていただきたいと思うのです。これではまた、毎年やってみてもだんだんふえるばかりだなんていうことでは、やはりこれは行政当局としてももう少しお考えをいただかなければならぬ問題ではないだろうか、私はこう考えておりますので、その点はひとつ十分、いまのいろいろな形で皆さん努力をされておりますことは私も多といたしますけれども、やはり現実にはこれが脱税に連なっていることは間違いがありません。そういう点でひとつお願いをしたいのです。 もう一つこの査察案件というのの今度の資料をいただくときにお願いをしたいのは、各国税局別、大体百三件というのはどこの国税局所管であったのか、これもちょっとあわせてちょうだいしたいと思うのです。なぜかといいますと、都市銀行というのは全国にありますから、そうしてこの百三件というのは東京の局か阪神か大阪か名古屋か、そういう主要な都市部で起きておるのではないかと私思いますが、その起きておる案件と所在とに関係がありますから、今度の百三件の査察及び告発事件の局別の分布、これもあわせてひとつ資料として御提出をいただきたいと思います。
○吉國(二)政府委員 あわせて御提出申し上げます。
○堀委員 大臣見えませんから政務次官のほうにお願いをして私の質問を終わりますが、政務次官、すでに二年やっていらっしゃいますので、私が昨年やりました点はお聞きをいただいておると思うのですが、私は、やはり正しくないことはみんなの力で改めなければならぬと思うのですね。特に金融機関というのは御承知のように公共性の高い、社会性の高いものでありますから、その社会的責任を果たすのが当然であろう、こう思うのであります。そういう意味では、昨年は私、特に悪質なものについては公表することもやむを得ないのではないか、こういうふうな問題提起をして、大臣は公表とまではいかぬでも何とか考えたい、こういうことでありましたが、国税庁のほうではどうか。おそらく過去からの資料が銀行局にもあるだろうと思うのです。ところが依然として非常に悪いということなら、これはやはり何らか反省を求める手段としては、場合によってはそういう社会的責任を明らかにしてもらうためにも、一番悪いところというようなものは公表もやむを得ないのではないか、こういうふうな気持ちがいたしておりますが、その点少し御検討いただきたいと思うのですが、政務次官いかがでしょうか。
○中川政府委員 堀委員、昨年から非常な正義感に燃えての御指摘でございまして、大蔵省としても努力をしてまいりましたが、さらに一そうこれが絶滅に努力を尽くしたい、そして御期待に沿いたいと存じます。
○堀委員 全力を尽くすのはわかったのですが、公表する問題についての見解を少し。
○中川政府委員 公表の問題につきましては、銀行の努力以外の相手があることでありまして、相手が巧妙にやってきた面も相当あるのではないか。そのことをもってして銀行名を発表することは、いまの段階ではいかがかと存じますが、先ほど御指摘のように繰り返し繰り返し行なわれる。常習的だというようなことが明らかになってまいりまして、銀行が作為的であるということになりました段階で、はっきりしました場合にはあるいは公表というようなことも考えなければならないのではないか。当分、もう少し成り行きを見さしていただきたいと存じます。
○堀委員 私はさっき申し上げたように、架空名義というのは預金者がかってにしたので、銀行は知りませんでしたというのがほんとうならいいのですが、いま私が言ったように預金者百万円、この人たちは一口じゃないと思うのですね。要するに百三件で一万口でしょう。ですから一件当たりで平均したら百口ぐらいやっているわけですよ。それがその銀行に幾つあるのかそれはわかりません。ですからそこらのところは資料の上ではあるいはダブってくるのかもしれませんけれども、少なくとも百口ということは、百万円が百口ですから一億でしょう。一億の預金が名前は違ってもあるわけですから、歩いていったらこれも違う、これも違うというのにぶつかってきた。これはおかしい。おそらく定期か何かになっているでしょうから、更改されるときは、済みませんがひとつこれは実名にお願いをしたい、こういって注意を喚起していいと思うのですよ。そのためにもし預金が減ったところで、それはやはり私は銀行として当然なすべき責務ではないか、こう思っているわけでして、知らないという話はうそだと私は思っているわけです。実は私どもいろいろ銀行の関係者から聞いてみましても、それは知らないはずがないというのが私が伺っている一般的な話であります。これが一つのところで一口しかなかったということじゃなしに、平均したら百口からやっているわけですから問題があるわけでございますので、十分ひとつそこらを配慮をしていただいて、できるだけすみやかにこういうことがなくなるような措置を大蔵省として責任を持ってやっていただきたいと思います。もう一回御答弁をいただいて終わります。
○中川政府委員 承知いたしました。
○毛利委員長 平林君。
○平林委員 きょう私は大蔵大臣に留保してある質問を尽くしたいということでございます。問題は三つございますけれども、まだ大臣がおいでになりませんから初めに新税による税収見込みにつきまして、まず大蔵当局並びに通産省から具体的な資料をお答えをいただきたいと思うのであります。そこから始めます。 今度の自動車新税の税収の見込みにつきましては、さきに大蔵省から資料の提出をいただきました。先般の質問でもお答えをいただきましたけれども、昭和四十六年度が四百三億円、平年度で千二百五十一億円、その算出根拠を出してもらいたい。これに対しまして資料の提出がございました。平年度分の算出根拠は、乗用車が八百三十万九千台で五百十七億千八百万円、トラックが六百十万九千台で六百十七億百万円、バスが二十一万四千台で四十五億三百万円、小型二輪車が二十二万一千台で四億一千六百万円、合計をいたしまして千百八十三億三千八百万円。このほか届け出の分がございまして、軽三・四輪車が百三十二万二千台で九十九億一千五百万円、軽二輪車が七万九千台で税額は三億一千六百万円。これらを総計をいたしまして、印紙収入やあるいは手数料などを取られて千二百五十億の税収がある。こういう資料を提出いただきましたけれども、確認をいたします。これは間違いがないでしょうね。
○細見政府委員 千二百五十一億の積算根拠でございます。
○平林委員 間違いがない。さて、そこで通産省にお尋ねいたします。 通産省から同じように私は資料の提出を求めました。大蔵委員会の各委員の手元にもこの資料が届けられているはずであります。これで確認をいたします。四十六年度の自動車の保有台数、これは推計でございますけれども、幾らになっておりますか。
○山形説明員 お答え申し上げます。 四十六年度の保有台数の推定数字は二千六十七万台でございます。
○平林委員 こまかい数字がありませんでしたが、確認をします。乗用車が四十六年度の推計で千百二十万台、トラックは普通、小型、軽を含めまして合計九百二十五万三千台、バスが大型、小型を含めまして二十一万七千台、合計いまお話しがありました二千六十七万台、こういう資料が手元に届いております。これは間違いございませんか。
○山形説明員 そのとおりでございます。
○平林委員 さて、そこで私はお尋ねいたしますが、いまお聞きのとおり、通産省の提出された資料によりますと、昭和四十六年度は乗用車でいきますと千百二十万台、ところが大蔵省の新税による税収見込みの根拠によりますと、八百三十万九千台、大きな開きがございますね。さてバスは、通産省の推計によりましても二十一万七千台でございますから、大蔵省の二十一万四千台はほぼ匹敵をいたします。トラックの場合には、通産省の調べによりますと九百二十五万三千台に対しまして、大蔵省の資料は分類をいたしてございますが、トラックの六百十万台、小型二輪の二十二万台、軽三・四輪の百三十二万台、軽二輪車の七万九千台、合わせまして七百七十一万九千台、トラックは九百二十五対七百七十一、こういうことになっておるわけでございます。そうすると、平年度千二百五十一億円というのはこれは過小見積もりじゃございませんか。台数がこんなに通産省と大蔵省の積算根拠が違う。これは千二百五十一億。ところがもっと税金が入るということになるのじゃございませんか。あなたのほうは過小見積りだ。
○細見政府委員 同じ政府の出す資料でございますから十分突き合わせができておるわけでございまして、通産省のほうで出ております自動車の台数は、軽自動車の現在走っておるものが台数になっておるわけです。ところが御承知のように、自動車重量税は、軽自動車につきましては届け出、新車だけになるわけでありますから、その違いが、先ほどもお話がありましたように五百万台くらい違っておるわけでありまして、その点について各車ごとにこまかい内訳をとおっしゃるのでございましたら二課長からお答えいたしますが、いま五百万台走っておる自動車が大きく申しまして違いになっておる、こういうわけでございます。
○平林委員 たぶんそういう答えがあるだろうと思った。だから、トラックはいろいろと議論はあるかもしれません。乗用車はどうですか。千百二十対八百三十、これだけの違いがある。これはなぜか。
○細見政府委員 いま申し上げました軽自動車の中にはトラックも乗用もあるわけでございます。それを合わせまして五百万、そういうことでございます。なにでございましたら内訳を申し上げます。
○平林委員 私はこれは納得できません。そこで、具体的な資料をさらに提出をしていただきまして検討しなければならぬ。しかし、表から見た場合に非常に奇妙な数字であるということは間違いないと思うのであります。 大蔵大臣がお見えになりましたから大臣にお尋ねしますが、先ほど質問がございました、その質問に答えて、今回の自動車新税は、道路整備計画を達成するために財源が足りない。道路整備計画、道路を整備するのは緊急かつやむを得ない事情になっておる。そこで財源はおおよそ三千億円ばかり足りぬことになる。そこで新税が必要である、こういうお話がございました。つまり、今回の新税はその不足財源を補うための自動車重量税法である、こう理解してよろしゅうございますか。初めにそれを確認をしておきたいと思います。
○福田国務大臣 それが発端になっておりますが、それに、道路その他の交通社会資本を整備する、こういうことにいたしております。
○平林委員 しかし、先回の質問で、四十六年度の自動車新税による収入四百三億円、四十七年度は千三百九十三億円、四十八年度は千五百二十九億円、それぞれ五十年度までの税収見込みの御説明がございました。すると、大体四十六年度、四十七年度、四十八年度の三カ年間で合計三千三百二十五億円の税収は確保されることに相なるわけであります。たいへんな議論を沸騰させて自動車重量税法案を提案されたわけでございますが、先ほどの御説明によれば、おおよそ三年間で今回の自動車重量税法案を提出した主たる目的は達成される、こういうことになると思うのであります。しからば、自動車重量税法案は三年間をもって大体目的を達する、こういうものであると理解してよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 わが国の道路事情からいいますと、第六次道路五カ年計画で、国道につきましては整備状況が、一〇〇%まではいきませんけれども、それに近いところまでいくのです。ところが、主要地方道なんかになりますと七割方までくらいしか進まない。さらに地方道という問題があります。そういうようなことを考えますと、第六次に続いて第七次が必要になってくると思う。そういうことを考えますと、この自動車新税の任務、とにかく六次計画の財源は充当しますけれども、さらに引き続いて需要をされるのではあるまいか、そういうふうに見通しをいたしておるわけであります。
○平林委員 はっきりと三年間で目的を達するわけでなくて、また道路整備計画は拡張される、多々ますます弁ず、財源はあったほうがよろしい、こういうお考えのようでございますけれども、大蔵大臣は口では、道路整備は非常に緊急である、一日もゆるがせにできないとおっしゃりながら、政府自体の姿勢はどうなのかという点については、みずからのつとめを果たさないで、単にこれを自動車を使用する者にかぶせていくというやり方は、これから税金を取られる国民はなかなか納得できないだろう、私はこう考えるわけであります。したがって、財源的にいえば、自動車の保有台数の推計が通産省と大蔵省と大幅な食い違いがある。こまかい資料はあとで提出するということになっておりますけれども、私はなお疑問を解消していない。私は税収見積もりを計算をしてみましたところが、五カ年間におよそ五千億円くらいだといっているけれども、少なくとも二千億円くらいの増収はあると推計をしておる。自動車保有台数の食い違いなどからいきまして、二千億円以上ふえるであろう、こういう見込みをいたしております。 それから、これとは別に考えてみましても、揮発油税、石油ガス税、物品税その他の税収の見込みも、私は予算と決算ということを見比べてみましたけれども、いつも大蔵省の提出する予算書の税収見込みは少なくて、決算になるとそれが大幅にふえている。つまりここにも大幅な自然増収が見られる。したがって揮発油税、石油ガス税、物品税等の推移を見ますと、ここからも大幅な税収の見込みがある。私はそういう意味から考えると新税は必要ないじゃないか、十分財源ができるじゃないか、こういう議論があると思うのであります。道路の財源が必要であるということであるならば、そこからも足りるという議論が起きてくるのはあたりまえだと思うのであります。 それのみならず、政府の道路に回す一般財源は、昭和四十二年度には大体全般の二〇%ぐらいあったものが、それが比率がだんだんと下がってきて、いまでは一〇%くらいしかない。政府自身はちっとも努力していないじゃないか、こういう批判はまた当然だと思うのです。私は、いま諸般の事情から道路財源が必要である、いま議論があるけれども、自動車を保有する人が税金を負ってくれ、こういうのであれば、政府みずからの姿勢もそれに対応する積極的な姿が、財政、財源の面においてあらわれてこなければならぬ、こう思うのでありますけれども、それについてはいかがでございますか。
○福田国務大臣 まず税収の見通しでございますが、これはいままで数年間は経済見通しを上回った実績の経済発展があったわけです。そこで余剰財源が出る、こういうような状態であった。ところがそういううまいことばかりが続くわけではございませんで、たとえば四十六年度を見てみると、これは一〇・一%の経済成長というふうに見ておるのですが、どうもいまの見通しでは一〇・一になりそうもない。そういうような際におきましては、あるいは過去のような状態と逆な現象が出てくるかもしれぬ、こういうふうにも思うわけであります。そういうふうな今後の経済の推移を長期に見通してみますと、いいときばかりが続くというふうには考えられないのです。いま経済社会発展計画では、この五カ年間は一〇・六の経済成長だといっておる。私は当面それでいくべきだと思いますけれども、しかしはたして一〇・六の経済成長なんというものができるかどうかということになると、そこにも問題が出てくる可能性がある、こういうふうに考えております。それで、状況の推移を見た上はこの計画もあるいは手直しをしなければならぬかなとも思っておるわけであります。そういう状態で、せっかくの御議論でございますけれども、税収見通し論、これはただいま私どもの提案が大体妥当なところではあるまいか、こういうふうに考えております。 それから、一般会計から入れるのが足らぬじゃないかと言われますが、一般会計では御承知のように、私はしばしば申し上げているし、皆さんからも要請がある所得税減税という問題があるのです。この減税を取りやめれば、それはあるいはそれだけの財源が余ってきて、そして道路財源投入ということが可能になるかもしれぬ、そういうふうにも考えられます。あるいは一般会計において社会保障もやらなければならぬ、文教政策も進めなければならぬ、農山漁村の施策も進めなければならぬ。そういうふうなものを抑制いたしますれば、また財源が出るかもしれませんけれども、そういう方面、またこれも努力しなければならぬ。事は道路だけじゃないのです。しかし道路は非常に立ちおくれておる。そういうようなことからその財源は特に新たに整備する必要がある、こういうので新たな税をお願いしておる、こういうのでひとつ御了承を願いたい。お願い申し上げます。
○平林委員 議論をするつもりはありませんけれども、いまの佐藤内閣、特に総理大臣の一番悪い癖は、口で言うけれども実体がない。福祉なくして成長なしというけれども、実際には福祉の問題については、逆に健康保険の改悪案を出して保険料を取り立てるなんということをやるから、口で言うのとやることが違う。これから総理大臣を目ざす者は、やはり口で言うこととやることが同じでなければならぬ。道路財源、道路の整備が必要である、こういうことを強調して国民大衆に税金を課するならば、その口のとおりに政府自身道路財源について積極的な姿勢を示すということでなければ、言うこととやることが違うということになる。総理大臣に似てきた。悪い意味で似ちゃいかぬのですよ。いいほうが似なければいかぬ。 まあそういうわけでありまして、将来の計画が、経済規模が小さくなるというならば、今度はその経済の輸送する計画などについては、逆にいえば道路はそれだけ必要ないというような推論にもなってくるわけでありますね。ですから、そんなことを考えるとあなたのお答えには矛盾がある。いわんや、やるかやらないかわからないで、所得税を大幅に減税しなければならぬというようなことをちらちらやって、この平林剛を、なんとかそういう案があるからがまんしろなんというような、そういう言いくるめるようなことはだめですよ、あなた。ほんとうに所得税をやるというならここではっきり約束をする、こういうことであればいいけれども、いまちょっと、ちらほら所得税も相当やらなければいけないから、だから財源のほうは、なんということは、これは言うこととやることが違ったら承知できないですよ。総理大臣の資格はなくなるということになる。 そこでもう一つの問題点について申し上げますけれども、いろいろ議論してまいりましたけれども、結局道路の整備に必要である。それを一般財源に求めるか何に求めるかといういろいろなことを考えたけれども、最終的には自動車を保有する人から税金を取ろうというふうに、思い悩んだあげく結論に達した。これは応能負担というようなことにまあなるかもしれませんけれども、そんな性格が幾分にじみ出しておるような感じがするわけでございます。はっきりこれは応能負担だということを言明するわけにはいきませんけれども、感じとしてはその方向で、今度の自動車新税はそこに筋が流れているように思うのですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 大体さように御理解願って差しつかえなかろう、かように考えます。
○平林委員 そこで、いま道路整備が必要である。したがってそれに一番縁の深い自動車、こういうふうに理論が大筋としては流れておるわけですね。 今度は角度を変えましょう。つまり、税金を負担する者、それにお返しがある。税金を負担すれば、それだけ税を負担をしたのだからこの程度のメリットは戻ってきた、これを期待するのもまた理が通る、こう考えると思うのですが、考え方としてちょっと確認をしておきたいと思います。
○福田国務大臣 考え方はそのとおりでありまして、道路がよくなる、これは利用者に多大の利便を与える、こういうことかと思います。
○平林委員 すぐ自動車のほうへいくからいけませんけれども、税金を納めた、そうしたらそれだけのある程度の理屈に合った見返りがあるという。応能というのも逆にいえばあるわけですね。 そこで自動車の保有台数を都道府県別にこうながめてみます。そうすると、たとえば乗用車を一番保有しておる県は東京都ですね。百十六万五千六百十三台、これが昭和四十五年十月現在の資料であります。これは間違いない。「日本の自動車産業」という意味の資料からとりましたが、大体自動車工業会の資料でございます。神奈川県が乗用車が四十四万九千六百十六台、千葉県が二十二万六千九百九十四台、埼玉県が二十七万五千七百七十四台。私はいま東京を中心にして首都圏を考えたわけです。そうするとこの首都圏の中で乗用車は二百十一万七千九百九十七台、つまり乗用車の保有八百三十一万台の二五%を東京周辺の首都圏で占めている。トラックの場合考えてみた場合、トラックも同じ東京を中心にした県で計算をいたしますと、八百四十万台の中で百六十万九千八百六十六台、およそ二〇%はこの中に存在をしておる。さてそこで、いま私が確認をいたしましたように、全般の乗用車、トラックの所有者の二〇%ないし二五%はここの地域から税金が取り立てられていくと大体推定して間違いない。首都圏ばかり言ったからちょっとほかのほうを言いますけれども、今度は大阪周辺にしまして、大阪、兵庫、京都を一つの地域圏と考えてみた場合には、乗用車の場合には、この地域で大体一三・一%を占めている。トラックでは一三・五%を占めている。まあこういうことで今度は名古屋中心にして考えたり、福岡を中心に考えたりいたします。そうすると、今回の新税によって納める納税者は大体この地域に集中しておる。 ここでしからば、税金を取られて何をやってもらえるか、こういうことになる。これは当然納税者から考えると主張したいところでございますね。そこでいま道路整備五カ年計画その他から考えますと、一体それらの人にはどういう見返りになってくるか、こういうことになってくるわけでございますね。この間公聴会で、ある青年がこの委員会に出てまいりました。そうして、都会の自動車の数が非常に多くなってしまって、そのために道路の渋滞がある、そして交通なんかも混雑してしまっている。この自動車新税ができればそういう問題を解決してくれるかもしれないから私は賛成だ。何人かの公聴会に出てきた公述人の中でこの人が一番はっきり賛成した。たった一人ですよ。この公述人が素朴に考えている期待というものは新税で解決できますか。私はそれを大蔵大臣、はっきり承りたい。
○福田国務大臣 新税五千億は十兆三千五百億円のごく一部なんです。五千億円、これはごく一部でございます。そういうことですから、この新税でそういう顕著な効果を期待する、これはまあむずかしいと思います。しかしこれが加わった道路五カ年計画、十兆三千五百億、これは建設省からも御説明申し上げておりますとおり、かなりの効果をあげる、実効をあげる、かように考えているのです。 それから、地域地域とおっしゃいますが、いまはもう私どもは、高速自動車道網、これを全国に張りめぐらそうとしておるのです。それから国道も大かた整備される、そういうことになりますが、東京のナンバーをつけている自動車が、これは東京だけを走っているわけじゃないので、全国かけめぐるわけなんです。そういうことで、地域的社会というような狭い考え方でこの問題を見るというのもいかがなものであろうか、かような感じもいたすことを申し添えます。
○平林委員 申し添えた見解は、先ほど私が確認しました原則とは違う。原則とは違ってくるということはこれは否定できないと思うのですね。これは申し添えるだけであって、ほかのほうをふえんして理屈をつけて、また原則が違って、言うこととやることが違っている。理屈はつきますよ。しかし原則とは違ってきているということは言えると思うのですね。そこで、大蔵大臣はこれは建設大臣じゃないから何とも言えませんけれども、しかし、今回大騒ぎをさしてこの新税を提案した以上は、そういう考え方がどこかへ含まれるというようなことがなければなかなか納得できないのじゃないか、こういうことに対してはどうでしょうか。
○福田国務大臣 それは新税の問題じゃないと思うのです。新税を含めて十兆三千五百億円という総体の道路計画、これが交通渋滞状態、またガソリン税だあるいは今度の新税だを含めて、その負担の状況、そういうものをもあわせ考え、妥当に配分されるかどうか。こういう配分のほうの問題にくると思うのです。そういう問題の御議論としては理解できますが、五千億のわずかな新税、これであざやかな色彩が負担者に与えられるか、こういうことになると、そうじゃない、こういうふうな感じがいたします。
○平林委員 いろいろことばは多くとも、実感として、新たに課税される者はそういう不満を持つであろうということだけは、この法案の一つの矛盾であるということも考えておいてもらいたい。 時間もございませんから、もう一つの問題について大臣にお尋ねします。私は、この間、実はどうも日本の自動車は、地理的条件、日本の置かれている風土条件その他から考えて多過ぎるのじゃないかというような論拠を展開をいたしたわけでございます。たとえて言うと、いま日本では、人口当たりの自動車の普及率で、アメリカの一・九人に対して一台に対して、日本は六・七人に対して一台であるから、まだまだ諸外国から比べても多いとは言えないという数字だけが発表になっておるけれども、日本の地理的条件あるいは客観的な環境から比へて、これは人口一人当たりで計算するほろが無理だ。そうでなくて、面積からいったらどうだろう。日本なんというのは面積といいましても特に山のほうが多いわけでありまして、自動車の走る道路をつくる平地というのはまた限られているわけでして、そうすると平地というところからほんとうは計算しなければなりませんけれども、面積から考えてみると、すでに日本はアメリカの二十倍にも三十倍にも自動車が多い、こういうことであるということを実は指摘をいたしたわけであります。そこで、これからの経済、どうなるかわからぬけれども、一面自動車は便利だ、便利だといっておるような時代はだめだ。大蔵大臣もかねがね経済の問題では、経済は拡大する、それだけがいいという問題ではない、このままの経済成長でいくと、五年もすればパンクしてしまいますよということで、成長率を鈍化するという、非常に先を見越して賢明な判断をされたと同じように、今日便利であるから自動車がふえるのはいいのだというだけではいけないのじゃないか、こういうことを主張したのでありますが、総括的に御感想を承りたい。
○福田国務大臣 そういう問題につきましては、私も同じような考えを持ちます。道路整備が進まないのに自動車の台数がふえる、これは交通の渋滞というような現象になってくる。そこで自律調整作用、つまりこんなに渋滞では自動車が役に立たぬじゃないかというようなことで、自動車に対する意欲が減退するかどうか、その辺は道路整備の状態と深い関連があると思うのでありますが、どんなになっていくのであろうか、私も実は見当がつかないのです。これから道路整備が進行する、それに対して自動車の台数もふえていく、その結果が渋滞状態にどういうふうにあらわれてくるか、そういう問題であろうと思います。しかし、大きな趨勢といたしましては、いま平林さんの御指摘のように、自動車があまりふえ過ぎますと、自動車の効用、これが減退する。そこで、どうしても大量輸送手段というか、そういう方向というものが近い将来に出てくるのではあるまいか、そんなような感じがするのです。それにいたしましても、個々の自動車、これの効用というものはすばらしいものがある。それに対応して、できる限りその効用が発揮されるような道路整備が進められなければならぬ。したがって、それに対する道路財源、これも整備しなければならぬ、こういうように考えます。
○平林委員 自動車がふえたことによってもちろんいろいろなメリットはございます。輸送力あるいはその他経済的なメリット、便利だ、いろいろな意味のメリットは私はこれは率直に認めるわけです。しかし、その反面、最近の現象は、交通事故の増加、あるいは交通の渋滞、混雑、いろいろな逆な面も今度はあらわれてきておる。自動車公害というようなのが騒がれておるということを考えますと、私は、わが国の国土において、また産業規模において、全般的な条件から見て、自動車の保有台数はどのくらいが適当であるかということを算定する場所がなければいかぬ。そういうことに考えをいたしながら政治をやるものもなければならぬということを実はこの間強調しておいた。同時に、政府のたいへん間違っているのは、この自動車の増加というものをほうりっぱなしにしておいて、さて道路が足りない。道路をふやす。だから財源が必要だから、新税であろうが、理屈が通るまいが通ろうが、とにかく税金の取れるところから取っていく。あべこべじゃないか。つまりそういう意味ではさか立ちしておる。このことを指摘をいたしまして、むしろ自動車の製造制限ということも、これは資本主義、自由主義の時代にはなかなかむずかしいことかもしれないけれども、何かコントロールする必要があるのじゃないかということを私は指摘をいたしたのでありますが、大臣はお見えにならなかったから、これについての御見解をひとつ承りたい。
○福田国務大臣 お気持ち、また御議論の考え方は私はよくわかります。わかりますが、とにかくそれはそれといたしまして、いまわが国の道路事情が国際社会の中においていかに立ちおくれておるか、これは私は議論の余地のないところじゃないかと思うのです。いろいろ御議論もありましょうけれども、たいへんな立ちおくれである。これだけは何としても一刻も放置することはできない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○平林委員 まつ正面からお答えがなかったのでありますけれども、きょうはあまり議論もあれですから、この問題についてもう少しちょっと聞きたい点は、私はそういう意味で自動車の製造制限、規制、こういうことを実は念頭に置いておるわけでありますが、必ずしもこれを強制的にやれというわけじゃございませんよ。少なくとも、自動車の規制というものは一つは産業政策も考えなければならぬということは十分理解している。それから、むしろ直接的ではなくて、経済的原則できめていくべきであるという考え方も理解できる。特に自動車産業を押えるとか、あるいは特に自動車産業を育てなければいけないとかいう筋合いのものではなくて、おのずから自己コントロールという形によって私はこれを考えていく。なかなか理解力があるのですよ。理解力はあるのだけれども、しかし、当面のわが国の道路交通政策の問題として重視をして考えなければならぬということを、大蔵大臣はしっかり頭に入れておいてもらいたいということで私は申し上げておる。 そこで、通産、それから運輸省にちょっと確認をいたしますけれども、自動車が一台ふえるとどのくらいの社会的な費用が必要かということにつきまして、もう一回確認をします。道路経費——自動車が一台ふえる。それを有効に活用するためには道路が必要である。道路予算がどんどんかさばってくる。そういうような従来のストックとしての道路積算財源、それと自動車がふえるのを計算いたしてみますと、昭和四十四年度の計算で一台当たり五十万円かかっておるということをこの間お話がありましたけれども、この点ちょっと数字について、もう一度、間違いがないか確認をしたいと思うのであります。
○吉田説明員 昭和四十四年度の自動車一台当たり道路資産の額がただいまおっしゃいました五十万円でございまして、四十四年度における自動車台数と道路資産との関係を保持しようとすれば、確かに一台につき五十万円ふやしていかなければならない、こういうことになるかと思います。
○平林委員 自動車が一台ふえると道路が必要になってくる。そのための道路経費はいまお話しのとおり。このほかに社会的費用として、たとえば自動車がふえてくるにしたがいまして交通安全施設整備、それから事故による損失、交通警察の費用その他いろいろな交通安全に必要な諸経費という、いわゆる社会的費用というのは幾らになっておるか。これはひとつ運輸省にお答えをいただきたい。
○見坊政府委員 これは試算でございますが、四十三年度で見ますと、増加一台あたりの限界社会的費用が約七万円でございます。
○平林委員 私も資料をいただきまして、七万七百二十二円かかっておる。これだけじゃありません。自動車がふえるにしたがって混雑をする、そこで混雑費用がいろいろな意味でかかってくる。こういう意味で自動車増加に伴う限界社会費用というのは大体いまどのくらいになっておりますか。
○見坊政府委員 混雑費用のお尋ねであろうと思いますが、東京都について試算いたしますと、四十二年度末で七万七千五百五十一円ということでございます。
○平林委員 いま私が質疑応答しておりましたのは、自動車が一台ふえると道路経費として、昭和四十四年度の試算で五十万円かかる。交通安全対策その他の社会的費用として、これは四十三年度の計算ですが、一台ふえるに従って七万七百二十二円かかる。混雑経費、こういうものを補うためにどのくらいかかるかというと、これは東京都の試算でございますが、四十二年度で一台ふえるに従って七万七千五百五十一円ふえる。これは騒音とか排気ガスとか公害の快適性の損失は入っていないのですよ。これは自動車公害というものについていろいろ国民から批判が出て、政府も公害の予算を立てなければならぬ、そういう意味ではこれからもお金がかかってくるわけですね。そうすると、自動車がふえればふえるほど騒音、排気ガス、公害の快適性の損失というものもまたふえてくる。計算はなかなかむずかしいかもしれないけれども、こういう社会的な経費というものがかかるということはおわかりになると思う。たとえば東京都でいえば、この間電車を撤去しましたね。電車を撤去した、この電車の撤去費用、やはり自動車がたくさんふえて交通がだめになってしまたっということになるわけですから、こういう計算もできるわけです。自動車がふえるに従って路面電車は撤去される。その撤去経費は、自動車一台ふえるに従って必要な社会的な費用に計算ができる。これは計算してありませんけれども、私はそういうのも要ると思う。いま政府から説明になっただけでも、少なくとも七十万円ぐらいは、一台ふえるごとに社会的費用を何らかの形で一般の国民は負担しなければならぬということになっているわけですね。 そこから出発をいたしますと、車がふえるということはそれだけ社会的費用がかかるのであるということになれば、私は、車の所有者だけから、道路財源のために必要なんだからということで税金を取るという考え方はいかがであろうかと思います。かりにそこから応能負担という気持ちで、道路財源に必要であるということで自動車所有者に課税をするというならば、製造者に対してもある程度の道路財源を負担してもらえませんかというのが課税の公平というべきではないだろうか。使用者には税金を取る。しかしそれを製造し——テレビでは今度ややハイカラなやつができたとか、今度はこういうのができたとかいって、どんどん売りつける。そしてそのために社会費用がどんどんかかる。しかしそれはなかなかコントロールできない。こういうことは少し矛盾じゃございませんか。すなわち私の言いたいことは、自動車の製造過程においても税を負担していただいて道路財源を確保するという考え方があって、初めて使用者に対しても幾らか言いわけが立つ、こういうことになりはしませんか。こちらはなぜほっておくのか。なぜそちらのほうについて、たとえば自動車の蔵出し税というようなことを考えるとかということを考えなかったのか、これはいかがですか、こういうことなんです。
○福田国務大臣 まさに私どもが申し上げたいことを平林さんから承っておるわけなんです。つまり、自動車が社会負担、これを多額に発散をする、そういうことに着目をいたしまして、自動車の使用者に道路財源を求める、こういう考え方になったので、あなたの考え方とその基本において私どもの考え方はちっとも違っておらない。それがどういうかげんでこうすれ違ってしまうのか。私もその過程、ちょっと理解に苦しむわけでありますが、ただ一つ、平林さんがおっしゃった、これは製造業者にもかけたらどうだ、こういうお話でございますが、製造業者は製造によって利益があがりますれば五〇%の法人税負担をいたしておるわけです。その他の社会負担もいたしておるわけでございます。十分私どもは製造業者にも負担を求めておる、そういうふうに考えております。
○平林委員 同じ理屈じゃありませんか。それじゃ一般の中小企業が軽四輪その他のトラックを持っておる。それでもって便利を受けて営業をうまくやって収益をあげている。それで所得税を取っているじゃありませんか。法人税を取っているじゃありませんか。あなたの言っていることは理屈になりやしない。それならば同じことでしょう。なぜ自動車産業だけを別ワクにする。おかしいじゃありませんか。同じことですよ。法人税を取り、あるいはそれで利益が出てくればそれだけのメリットがある。一般の国民大衆というものは所得税を納め、事業税を納め、その上に今度また新税を取られるのですよ。自動車産業のほうはかりにそういう税負担が新たに課せられても、それは自動車価格で転嫁できるのだ。それは間接と直接との違いはありますけれども、そういうことがいえるわけです。だから大臣の言われたのは理屈に合わないのです。私はそういうことを考えますと、いきなり大衆課税に走ってきたというものの考え方が違っております。私は、そういう意味ではどうも公平に欠くるところがある、こういう新税は全く賛成できない、こういうことなんでございまして、これをもって質問を終わりたいと思います。(拍手)
○毛利委員長 これにて自動車重量税法案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○毛利委員長 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。坂元親男君。
○坂元委員 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました自動車重量税法案について賛成の意見を表明するものであります。 御承知のとおり、最近における国民経済の発展は加速度的に必然的に自動車の普及を促し、昭和三十五年当時三百万台程度であった保有台数が本年一月末にはすでに千八百万台をこえるに至っております。この間、道路につきましては、年々巨額な資金が投入され、その整備がはかられてきたところでありますが、自動車の増加は道路投資の規模をはるかに上回り、このため交通麻痺や交通事故の増大あるいは排気ガスによる公害等、道路をめぐる交通問題はいまや緊急かつ深刻の度を加えております。特に道路問題は国民生活を脅かす大きな要因となりつつあり、政府においても新たに第六次道路整備五カ年計画を策定して、これらの問題打開のため積極的な対策を講じようとしているところでありますが、道路をはじめとする社会資本充実の緊急性は今日ほど高いときはありません。 もちろんこのような交通政策上の所要の施策を講ずる場合、その財源については、これを一般的に広く国民の負担に求めるか、あるいは自動車の使用者の負担に求めるか、また国債等によってそれをまかなうべきか。これはそれぞれその立場、考え方によって議論の分かれるところでありましょう。しかし、現に自動車の走行が、道路の建設、維持改良をはじめ、道路混雑、交通事故等に関連して、多くの社会的コストをもたらしていることが事実である以上、当面、その負担は一般の納税者等に求めるよりも、やはり第一義的には直接の便益を受ける自動車の使用者にこれを求めるのが、より公平にかなっているというべきではないでしょうか。(「ノーノー」「そのとおり」と呼ぶ者あり)税制調査会も本年度税制改正に関する答申において「必要最少限度の負担を広く自動車の利用者に求める税制上の措置を講ずるよう政府において検討すべきである。」と述べていることはすでに御承知のとおりであります。 今回の自動車重量税法案は以上のような観点から、道路その他の社会資本の充実に資するために、自動車が車検または届け出によって初めて走行可能となる権利すなわち法的地位を獲得することに着目して、広く自動車の使用者に対して負担を求めようとするものでありますが、すでに今日、自動車については、国、地方を通じ八税目にわたる課税が行なわれており、新たな負担を自動車の使用者に求めるとしても、その負担は必要最小限のものとし、納税者にはもとより、自動車及びその関連産業、または流通部門など各方面への影響をなるべく少なくするよう配慮すべきは当然であります。 この点、今回の新規課税による負担増は、いわゆる大衆車クラスの乗用車で年額五千円程度であり、この結果、重量税を含めた自動車の諸税負担は乗用車においてはヨーロッパ諸国とほぼひとしくなり、トラックでは、まだアメリカ、ヨーロッパ諸国のいずれよりも低いところにあり、先進諸国に比べて道路整備の立ちおくれているわが国において、この程度の負担はまことにやむを得ないところであると考えるものであります。 また、本税の課税方法として、車検または、届け出に伴う印紙納付を原則としていることは、納税者の手続と徴収機構の簡素化の趣旨にも合致するものであり、さらに、特殊自動車を非課税としたこと、軽自動車については、新車の届け出の際一回限りの課税としたこと、あるいは税率を自動車の区分別重量に応じて定め、車種間の負担のバランスをはかっていること等、内容においても実態に即した、きめのこまかい配慮が払われており、きわめて適切な措置と確信するものであります。 ただ、本案の審議の過程でもすでに指摘されているところではありますが、この際、私は、次の諸点について政府の十分な配慮を強く要望いたすものであります。 すなわち、その一は、総合交通政策を可及的すみやかに策定するとともに、複雑多岐にわたっている自動車関係諸税の簡素、合理化をはかるべきであるということであります。なお、この場合特に地方道路財源の確保に十分な配慮をなすべきであります。 その二は、自動車が国民の必需品となりつつある現状にかんがみまして、自動車の使用者の税負担については、今後においても重きに失することのないよう十分配慮すべきであるということであります。 その三は、自動車重量税の税収の使途としては、第六次道路整備五カ年計画の財源に優先的にこれを振り向け、同計画の達成に遺憾なきを期すべきであるということであります。 以上、要望事項を申し上げまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○毛利委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 私は、ただいま議題となりました自動車重量税法案について、日本社会党を代表して反対の討論を行ないます。 本法案は、第六次道路整備五カ年計画の財源不足分、国、地方で約四千二百五十億円を調達し、あわせてその他の社会資本の充実のために創設する新税とされております。われわれがこの法案に対反をする理由を、以下数点にわたって申し述べます。 第一に、この法案は、新税創設にあたって当然に考慮さるべき慎重な配慮が行なわれず、したがって国民的合意、国民の理解を得ることなしに、予算編成の最終段階ともいうべき復活折衝の時期に、復活財源強化のため、早々の間に法案作成が行なわれたという、政府の御都合主義の中から生まれた新税であります。現行自動車関係税体系の混乱の上に、さらに混迷を深める無理押し的権力税制として登場したのであります。 第二に、この自動車重量税法案は、受益者負担あるいは原因者負担の思想をあまりにも単純に具体化して、その現実的道路状況の中で、むしろ受益者ではなく被害者とすらいわれている自動車の使用者、利用者にその負担を新たに求めるという、さか立ち税論理の上に立つという誤りおかしております。やがて道路投資の強化により、よりよき道路サービスを受けられるはずだということでこの新税負担を合理化することはできないのであります。 第三に、高福祉高負担という一見もっともらしい理論を悪用して、税における公平の原則、応能負担という、より根源的、本質的税理論に対する国民の鋭い感覚を鈍らせようという、麻薬にもひとしい毒素を含んでいる点であります。今日、高福祉のビジョンと具体的政策が明らかに国民に示され、国民のコンセンサス、理解と合意を得ているものはない。そういう中で新たに、目的、使途も不明確なまま税負担を求めることは、低福祉高負担という国民世論のきびしい批判に耐えられるものではないと思います。特に、現在総合交通体系の確立、総合交通政策の立案が急がれている段階において、この新税を重課することを見合わせて、その政策立案の確定をまって、真に国民の新しい生活需要を満たし、経済発展の隘路を解消するための施策を明らかにした上で、国民合意のもとに新税を創設すべきであって、安易に取れるところから取るという見地で税負担のみ先行することは、われわれの断じて納得し得ざるところであります。 第四に、受益者負担というが、道路整備による外部経済のメリットは、地域開発の利益を受ける土地所有者、沿線企業も荷主も、そして自動車の高速化による流通コスト低減による全企業、全国民に直接、間接の利益をもたらすものでありまして、自動車使用者だけに社会的コストを負担させるべきではありません。税における受益者負担原則の導入には、慎重であり、より厳格でなければならないと思うのであります。この点にも本法案は誤りをおかしておると断ぜざるを得ません。 第五に、この自動車新税は自動車の保有者、使用者の租税負担能力を無視した大衆課税であります。乗用車の所得階層別保有状況を見ても、その七三・六%は百五十万以下の所得者が保有しているのであり、百二十万以下で四七%にも及んでいるのであります。これらの階層に新たに一五〇〇ccクラスの小型車で、過疎による公共交通機関の撤退の中で、やむなく通勤用、生活用に自動車を使用する労働者にとって、どうして担税力ありといえるのでありましょうか。いまや自動車は生活必需品であります。 第六に、自動車新税の創設によって自動車保有者、所有者に新たなる税を課することによって、今日でもその六〇%ないし七五%が赤字経営で苦しんでいる中小零細自動車運輸業者の経営を大きく圧迫し、その倒産を余儀なくさせるような苦境に追い込むか、認可運賃の引き上げを必至とするはずであります。このことは消費者物価上昇にはね返り、便乗値上げを含めて国民に大きな損害を与えることになるであろうことをわれわれは真剣におそれるのであります。この点についての危惧も、ついに本委員会において明確な、安心できる答弁は得られなかったのであります。さらに、中小零細事業者の軽自動車にまで課税することによって、中小企業経営に対する大きな圧迫であることも厳格に指摘をしておかなければなりません。 第七は、新税を設けなくとも、道路整備財源の捻出は次の正当な理由によって十分可能であるにもかかわらず、この点における政府の態度はまことに不十分、不誠意でありました。 すなわち、第一には、一般会計における歳入予算と決算額を見まするならば、四十一年以降各年とも二千億ないし二千八百億の余剰財源が出ておるのであります。第二に、今日日本の経済は、特に貿易収支の世界最高の黒字幅を基調として、外貨準備は六十五億にも達し、円切り上げを迫られようとする時期において、諸外国に例を見ない輸出優遇税制をとっておるのでありまして、これを大幅改廃することによって、すなわち海外市場、資源開発準備金制度くらいは残したといたしましても、少なくとも五百七十数億の財源を得られるし、第三に、悪名高き交際費について基礎控除の定額四百万を百万円引き下げ、また法定の控除額超過分の損金不算入割合七〇%を八〇%に引き上げるなどの措置によって、約五百億以上の財源が見込まれる。第四に、法人税率を三十九年当時に戻すことによって、約九百七十七億以上の財源が得られる。第五に、金融機関の貸倒引当金を、今日の積立率千分の十五を千分の七・五に、二分の一に減額をする、こういうことで合理化をするならば、少なくとも初年度千五百億程度の財源調達は可能である。これを合計しまするならば、二項から四項だけで年間二千四十九億、四十七、四十八、四十九年度だけでも六千数百億になり、三千億や四千億の不足財源をカバーして余りある、おつりのくる状況にあるわけであります。 このように見まするならば、政府の決意一つで、道路その他の社会資本充実の財源は得られることはあまりにも明白であります。しかるにもかかわらずこのような、税体系を一そうゆがめ、勤労大衆、中小企業者に過酷な重税を押しつける新鋭を創設することは、国民の立場において断じて受け入れることはできません。 以上の理由をもって、自動車重量税法案に断固反対をいたすものであります。(拍手)
○毛利委員長 貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました自動車重量税法案につきまして、反対の討論を行なうものであります。 現在自動車は大衆化しており、現行の自動車諸税においてすら自動車保有者の税負担は過重になっているのであります。自家用乗用車の保有状況を見ましても、実に現在四世帯に一台の割合で普及しており、さらにその保有者の所得階層を見ても、年間所得百五十万円以下の者が七十数%を占めております。一方購入価格五十万円の大衆車を五年間保有すると、購入価格にも匹敵するくらいの税負担になっており、その上現今の物価高の影響で維持費もかなり増加しております。また今回のガソリンの値上げ等も考え合わせると、自動車を保有することはたいへんな経済負担になっているというのが実情であります。それにもかかわらず、場当たり的に新税を課することは、実情を無視した政策といわざるを得ません。特に大衆の生活必需品化した軽四自動車にも課税することは、大衆課税を推し進める何ものでもありません。これが反対の第一の理由であります。 第二に、自動車に対する税金は、現行税制だけでも物品税、揮発油税、自動車税等八種類もあり、複雑多岐にわたる自動車諸税を洗い直さずして、財源調達のために性格のあいまいな新税を安易に課することは、税理論上はなはだ複雑かつ矛盾に満ちたものであり、反対せざるを得ないのであります。 第三に、新税のしわ寄せは、結局経済力の弱い中小企業、農業、勤労所得者等に重くのしかかってくるということであります。すなわち、全企業の自動車保有台数を見ても、実に中小企業は九〇%以上に達し、農家における普及状況は農家全体の五〇%に達しているのであります。 第四に、自動車重量税の負担は、公共輸送料に影響を及ぼし、結局、一般大衆に輸送料金の値上げという形で圧迫する可能性が十分含まれているのであります。政府は、自動車重量税の波及による輸送料の値上げは許さないといっているようでありますが、過去の例から見ても明らかに信ずるに足りないのであります。先日の公聴会におきましても公述人は、もし新税を創設するならば輸送料の値上げは必至であると述べております。物価高騰の抑制は政府の重大なる課題であるにもかかわらず、この新税創設はさらに物価上昇に拍車をかけることになることは明らかであります。 第五に、総合交通政策も明らかにせずして財源だけを先に調達することは、国民を侮辱する以外の何ものでもありません。 第六に、新税による税収の使途についてでありますが、法案の趣旨は、道路その他社会資本の充実等となっており、不明確であります。さらに、受益者負担の原則からいうならば、この使途は道路に限るべきであるにもかかわらず、国鉄の赤字の穴埋めや地下鉄の増設へ新税を使用することは、税の秩序を乱し、特に鉄道への使用はイコールフッティングに反するものであります。 第七の理由は、税制上の問題でありますが、外貨保有高六十五億ドルという現在、大企業優先の輸出振興税制をはじめ、不公平の典型である租税特別措置及び法人税の引き上げなどを洗い直さずして新税創設は反対であります。 さらに、今年度は一兆五千億円の自然増収も見込まれており、新税創設による新規財源一千二百五十億円は十分捻出できるはずであります。それにもかかわらず、安易に新税を創設することは納得できません。 最後に、先般の連合審査も含めていろいろ質疑を重ねてまいりましたが、真剣な質疑にもかかわらず、政府からは何一つ納得のいく答弁がなかったのであります。このことは、国民的合意が全く得られない悪税であると断言せざるを得ないのであります。 以上で反対討論を終わります。(拍手)
○毛利委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております自動車重量税法案に対して、以下述べます理由から反対の意思を表明いたします。 われわれは、今日の道路をめぐる社会的な諸問題を考えるとき、交通施設の整備をはかり、道路環境の改善を進めることが、国民福祉の増大に不可欠のものであり、行政上緊急を要する課題であることに、あえて異論を差しはさむものではありません。しかしながら、国が課税等国民の負担と犠牲において資金を調達し、それを一定の事業に投入する場合、その規模や内容が国民にとって納得できるものであり、それによって得られる国民の福利が、国民の負担と犠牲を償って余りあるものでなくてはなりません。こういう姿勢こそ財政運営の基本であるべきだと私は思います。 そこで、この法律案の提案理由としてあげられました、道路その他の社会資本の充実の必要性という視点に返って考えてみますと、特に物理的な生命の長い交通資本などについては、将来の望ましい総合的、有機的な交通体系はどのようなものであるべきかが慎重に検討され、これに基づいて的確な整備の中身がまずきめられなければならないはずであります。したがって、政府のいまなすべきことは、七〇年代の総合交通政策のビジョンの確立であり、これに基づく具体的な整備の内容を決定することであります。そして、それを国民の前に示し、その国民的コンセンサスの上に立って初めて、必要な財源対策の検討に入るべきなのであります。目的も構想もはっきりしないまま、資金配分だけが先行したような形の中で、取れるだけはまず取っておこうというがごときは、まさにさか立ち政策、本末転倒もはなはだしいといわざるを得ません。独善的な発想や単なる思いつきで新税を設け、しぼるだけしぼるというような鬼収奪官的な行動は厳に戒めらるべきものであります。 しかも、政府は、この新しい負担を自動車の利用者に求めるにあたって、自動車の走行が多くの社会的コストをもたらしているということを理由にあげているのでありますが、すでに有料道路を除いた道路投資額の大部分を自動車関係者に負担させている現況に加えて、この上さらに何を根拠として過重な負担を自動車利用者に求めようとされるのでありますか。社会的コストをいうならば、自動車の使用者、利用者はすでに応分以上の負担を十分支弁していると見るべきであります。 道路は、単にそれを利用する自動車のためだけにあるのではなく、国の産業基盤的観点からも、国民の生活基盤的な観点からもきわめて重要な社会資本でありまして、道路整備による受益は、その直接利用者のみならず、広く国民一般に及ぶものであります。したがって、道路資本についてこれ以上の財源を求めるとするならば、それは一般財源の投入額を増加してこれを補うか、建設公債によってこれをまかない、長期的にその償却をはかっていくべき性質のものであるとわれわれは考えます。しかるに、一部自動車の使用者にのみこれを求めようとする政府の意図は、全く理解に苦しむところであります。 しかも、この税収を道路のみならず、新幹線、地下鉄、国鉄赤字路線などへの配分することも考えられているようでありますが、鉄道等の建設のための費用を自動車ユーザーに負担させるいわれは、これこそ全くないといわなければなりません。 御承知のとおり、自動車に対する課税はすでに八税目の多きに及んでおり、もはやその税負担は限界に達し、新税による負担の余地は全くありません。今回の重量税の性格は、現行のこれら八税目の課税と必ずしも重複しないと説明されておりますが、事はそのような形式論の是非ではありません。政府は何を基準に自動車の保有者にこれ以上の担税力があると考えられるのか、その点について十分納得のできる説明もできないまま、一部の特定の者に対してのみ過重な負担をしいることは、課税公平の大原則を無視した全くの悪税の創設であると断ぜざるを得ません。むしろ現在必要なことは、この八税目の多きに及んでいる自動車関係諸税を、国、地方を通じ保有と消費の両面にわたって交通整理をし、より簡素、明快な税体系に整理することではありませんか。 また、自動車は、現段階におきましては、全く大衆化いたしており、いまや国民生活の必需品というべきであります。このような自動車に対して一律的に新たな課税を行なうことは、国民生活の実態を考慮しない大衆課税の実施であるといわざるを得ません。特に中小企業、農業等におきましては、いまや自動車はその経営上欠くことのできない手段となっており、したがって、これに新税を課することは、これらの経営及び家計に対する大きな圧迫でもあります。 さらに、物資の輸送、旅客の運輸、いずれの面におきましても、自動車による輸送が内陸輸送の第一位を占めている現状のもとで、この新税の創設が強行されるならば、国民大衆の期待するサービス機能を低下させるとともに、輸送コストの上昇を招き、物価の高騰をもたらすことも必至であります。 このような国民生活に及ぼす重大な影響を無視し安易に提案されたこの自動車重量税の創設法案は、道路整備、交通政策、都市政策のすべてにわたって、先見性のある施策を怠ってきた政府・与党がその責任を一方的に国民大衆にしわ寄せしようとするねらいを持つものであり、われわれは、生活の安定と向上を希求する国民の名において、本法案に強く反対の意思を表明して、意見の陳述を終わります。(拍手)
○毛利委員長 小林政子君。
○小林政委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました自動車重量税法案に対して、反対の討論を行ないます。 反対の第一の理由は、新税が国民にきわめて大きな影響を及ぼすものであり、大衆課税であると同時に、重税であるということについてであります。 自動車が現在、勤労者にとって住宅難などの悪条件のもとで、さらにまた中小企業者の営業活動にとって、きわめて必需品化してきている現状から見て、さらに、自動車に対しましてはすでに八種類にわたる課税がされており、所有者に重い負担がかけられている現実から見ても、明らかに今回の新税は大衆課税であり、重税であるといわなければなりません。 さらにまた、自動車重量税がバス、トラック等の料金の引き上げにつながり、消費者物価の値上がりに波及し、結局、大衆に転嫁されるということであります。政府も、輸送コストの上昇になることを認めており、公共料金、諸物価の引き上げをしないという保証を得ることが委員会の質疑の中でもできなかったのであります。現在の輸送量に占めるバス、トラックのシェアから見るなら、輸送料金の値上がりが国民生活に大きな被害を及ぼすものであるといわなければなりません。 次に、この自動車重量税は車への課税、すなわち、物への課税であり、車が道路を走る権利を得るための登録税的流通税だと説明されておりますが、委員会の質疑を通してもこの税の性格がきわめてあいまいなものであり、国民を十分納得させるものでないことは明らかであります。同時に、応能負担の原則をなしくずし的に捨て去り、租税の中に受益者負担的色彩を増大させるという、政府による恣意的な租税原則の破壊と税体系の破壊が進められているといわざるを得ません。このことを絶対私どもは容認することができないのでございます。 さらに、新全国総合開発計画に沿って定められた新経済社会発展計画の、大企業奉仕の産業基盤整備のための膨大な経費、これの社会資本投資の財源を負担感の少ない税、いわゆる間接税の増税によって勤労大衆の負担でまかなおうとするものであり、またこの取りやすいところから、弱い者から取るという反国民的な増税を今後露骨に推進しようとする政府の増税政策の突破口であり、福田大蔵大臣もこのことを認めたように、付加価値税導入へのこれは地ならしになっているということであります。 第三に、自動車重量税の使途の中心となる道路整備事業が、新全国総合開発計画による全国十二の新たな巨大な工業基地を結ぶ交通ネットワークづくりのための、交通幹線道路を最重点とする道路整備となっていることであります。この大企業奉仕の道路網の建設がモータリゼーションを急速に推し進め、公共交通の衰退と今日の交通事故、交通公害、交通渋滞という国民の生活苦を激増させた原因であります。 わが党は、国民の生活と足を守るために、重要な道路と公共交通機関の充実強化を優先することを強く要求するとともに、自動車重量税法の創設に強く反対をして討論を終わります。
○毛利委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 自動車重量税法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) おはかりいたします。 ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○毛利委員長 午後二時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時四十三分休憩 ————◇————— 午後二時四十二分開議
○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 両案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしております。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 日本万国博覧会、これは人類の進歩の調和という統一テーマのもとに大阪に開催されたわけでありますが、入場者も空前の数を数えたというようなこともあり、また参加国等の数からいっても空前の成果をおさめて終了した、こういうことになっておるわけでありますが、万国博、あれだけの国際的な大事業を日本でなし遂げたわけですけれども、その評価の問題というのを国内的にどういう評価を総括的にしておるのか。また日本万国博、エキスポ七〇に対してどういう評価が外国からなされておるのか。こういう点について総括的な評価をまずお聞きいたしたいと思うわけであります。
○相澤政府委員 日本万国博覧会は、御承知のとおり日本を含めて七十七カ国が参加し、全期間百八十三日を通じまして六千四百二十二万人という非常に膨大な数にのぼる入場者があったわけでございます。これはモントリオールあるいはブラッセル等、過去において行なわれましたあらゆる万博を通じましても、その入場者の数等におきまして、また参加国の数におきまして最高の記録になっているわけでございます。 参考に申しますと、モントリオールの場合が五千三十一万人、その前のブラッセルが四千百万人余りということでございます。ただ、入場者の数とかあるいは参加国の数だけで博覧会の成果を判断するわけにはいかないと思いますが、人類の進歩と調和というテーマを掲げまして催された日本の万国博覧会は、私ども承知しております範囲においては非常にその成果においてりっぱなものがあったというふうに承知しているわけでございます。諸外国において万博の後にどのような具体的な評価があったか私は詳しく存じておりませんが、しかしこれだけの博覧会が何らの故障もなく盛大に行なわれたということは、それだけをもってしても日本の国力を示すことにもなりますし、りっぱな成果を示したことになるというふうに承知しております。
○広瀬(秀)委員 御承知のように、この博覧会は万国博覧会ですね。したがって、われわれが国内において六千四百二十二万ですか、こういうかつてない入場者を数えたというようなこと、それからたいした事故もなく終了したということ、そして外国人の来訪なども非常に多かったし、また参加国も七十七カ国、こういう点においては、スケールの点においてなるほどいずれの過去開催された万博よりも盛大であったということは国内的にはわかることであります。 しかしながら、人類の進歩と調和というテーマを中心にして、はたして内容的な面であるいは精神的な面でと申しますか、そういう面でこの成果がどのように得られたかということは、やはり万国博覧会である以上は、外国の反響というようなものも謙虚に集約をしておくべきだと思うのです。この万国博に対する諸外国の評価というものは、それぞれ報道機関等においてどういうように評価をされておるかというようなことについても当然総括をし集約をして、長く後世に伝えるべきであろうと思うのですが、そういう面についてどうだったのかということ、各国は日本万国博をどう評価したのかというような点についても、私どもこの際この法案を審議するにあたって、あと地利用の関係の問題を審議するにあたっても、やはりそのことをしっかり踏まえて議論をしたいと思うわけであります。したがってその点についてお答えをいただきたいと思うわけです。
○相澤政府委員 万国博覧会の開催につきましては、これはもちろん出展をいたしました各国も十分な関心を持っておるわけでございまして、その各国における反響というものも具体的に個々の国々がどういうふうなあれだったか、私つまびらかに承知しておりませんが、しかし各国がこの博覧会にそれぞれ要人を来賓として送り、また相当の数の方がこの博覧会を見に参ったということは、私はやはり万国博覧会の成果を物語る一つの尺度になるのではないかというふうに存じております。万国博覧会の参加国が七十七カ国にのぼったということも、これは特に後進国等の出展に対しましては、政府等におきましてもいろいろな面におきまして援助も与えたのでございまして、こういった点からも日本の万国博覧会がこれだけの成果をあげることになった一つの大きな原因があるのじゃないかと承知しておるわけでございます。そういった点からしましても、日本の万国博覧会が万国博覧会の歴史におきましていろいろな意味において画期的なものがあったというふうに存じておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 具体的に聞きますが、入場者総数六千四百二十二万人のうち、外国人の入場者数、これはどのくらいですか。それをたとえばモントリオール、ブラッセルなどとちょっと比較してお示しをいただきたい。
○相澤政府委員 入場者総数六千四百二十二万のうち、外国人の入場者数は百七十万人でございます。モントリオールの場合は五千三十一万人のうち、約四八%程度が外国人の入場者でございますが、しかし、その過半数はアメリカ人でございまして、まあアメリカからの入場者というのは両国の関係からいたしますと、国内の入場者に準ずるように考えられているようでございます。
○広瀬(秀)委員 時間もありませんから、次の質問に移ります。 大蔵省から「日本万国博覧会協会四十五年度決算見込」という資料をいただいたわけでありますが、その中で建設費の補助金が三百七十五億七千八百万、こういうように出ているわけであります。これは四十五年度だけなんですが、これはもっと前の時期から準備に入っておるはずでありますが、万国博の準備を始めてから、この建設費に対して、国あるいは地方自治体が補助金という形でどういうぐあいにこの補助金を出しておったか。この四十五年度決算見込み以外にどのくらいあったのか。またこの四十五年度の決算の中に出ている三百七十五億というこれの内訳をひとつお示しいただきたい。
○相澤政府委員 万国博覧会に対しまして政府が直接、間接の形で補助をしておりました金額について申し上げますと、まず万博の建設費に対しましては、ただいま先生御指摘の三百七十五億七千八百万円の補助金のうち、国庫補助が二百四十九億八千八百万円でございます。 それから運営費につきましては、これは直接の補助はございません。万博の関連の、いわゆる万博関連事業費に対しまして、道路の新設、改修あるいは河川の改修、下水道の増設、そういういわゆる関連公共事業の形で国が負担をしております金額が約千六百七十三億円にのぼっております。したがいまして、直接、間接を含めまして、万博に関連する事業費に国が出しました経費は、約二千億円弱というふうに承知しております。
○広瀬(秀)委員 大蔵省から、やはり理財局から出た資料ですが「万国博覧会関係国庫負担の概要」ということで、事務費三億四千六百万円が出ているのですが、これは建設費の補助の中に含まれておるわけですか、運営費の中に全然入っていないわけですか。
○相澤政府委員 私の先ほど申し上げました答弁を、若干不正確でございましたので、補わさしていただきます。 万博協会の運営費に対しましては補助をいたしておりません。しかし、政府が出展しました施設に対する運営費として政府が支出しているものがございます。それが四十四年度と四十五年度含めまして十三億六千万円でございます。
○広瀬(秀)委員 そのほかに政府出展施設整備費——いまお答えになったのは政府出展施設運営費ですね、これが十三億六千万。ところが政府出展施設整備費というのが八十一億六千百万。日本庭園二十一億二千四百万、日本政府館六十億三千六百万、こういうようにありますね。これもあるわけですね。これは、先ほどお聞きした建設関係の補助金のほかにこういうものが出ているわけですね。その中に含まれているわけですか。
○相澤政府委員 先ほど万博協会の事業費に対する補助の数字で申し上げましたので、政府が出展いたします施設の整備費について申し上げることを落としましたが、これはただいま御指摘のとおり、政府の施設いたしました政府館、日本庭園の建設費としまして八十一億六千万円というものが先ほど申し上げました以外に支出されているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 いずれにいたしましても、国庫の金だけでも三百四十九億、三百五十億近い、さらに関連公共事業費、こういうものが千六百七十三億からある。二千億弱ではなくて、二千億をこえていると思うわけであります。こういう多額の金を費やして、人類の進歩と調和ということで、国際交流を実際に万博の舞台を通じて実現をし、かつてなく参加をされた各国のそれぞれの文化、産業、経済、こういうものが、国際的な理解という立場において、進歩と調和を目ざすという中で交流し、これだけの成功をおさめられた。こういうことで、このあと地の利用というようなことについて、この成果を一そう拡大をしていく。人類の進歩と調和という思想は平和の中でなければ実現をするはずのものでもない、そういうような意味において、平和の中で文化、産業の国際交流がこういう成果をあげたというそれは、将来にわたって大きく国の遺産として、民族の遺産として、また世界の遺産として残さるべき大事業であろう、こういうように思うから、いまそれらの数字も伺ったわけでありますが、そういうことで今度はあと地をどう利用するかということで跡地利用懇談会にそれぞれ学識経験者がお集まりになって昨年の十二月二十三日に答申が出ておるわけであります。こういう中で万博協会が運営をした結果剰余金が出ておるということでありますが、資料によりますと百六十四億八千三百五十万、こういう数字があるわけでありますが、これはいつ現在の数字でございます。
○相澤政府委員 昨年の十月末における見込みでございます。その後これは三月末において当然また締め切りましてその実績見込みを出すわけでございますが、これはまだ確定した数字は出ておりません。
○広瀬(秀)委員 いずれにいたしましても、ただいま申し上げた数字とというのは四十五年の十月末の見込みの数字だということでありますから、三月末で締めてみると決算が確定するということになりますと、この数字はやや減少をする。大体どのくらいになるのか。万国博協会から記念協会に引き継がれる金というのは一体幾らくらいになるのか。この見通しをひとつ承りたいと思います。
○相澤政府委員 昨年の十月におきましては大体百六十五億円程度の収支の黒が出るということになっておりましたが、その後入場券の精算その他によりまして収入が若干ふえております。この万博協会が設置いたしましたいろいろな施設を取りこわすことになっておりますが、その撤去費用でございますとかその他、なお若干支出を要する経費がございますので、それらを差っ引きまして今回設立を予定いたしております日本万国博記念協会に引き継がれるところのいわゆる剰余金はどの程度になりますか、これはもう少したちませんと正確な数字はわかりませんが、私どもは目下百五十億円は下らないというふうに考えております。その金額がこの協会に設けられますところの記念基金になるのではないかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 そこで万博跡地利用懇談会では昨年十二月二十三日に答申を出しておるわけですね。そこで、骨子としては万国博の成功を永遠に記念するようにという立場であと地を一括利用をするという立場を一つ持っておられる。そしてその一括利用という中には、主たる目的、記念協会の事業としてそのあと地を利用する立場というものは、原則的には緑に包まれた文化公園、こういう定義をなさっておるようであります。そういう形でこのあと地は一括運用をするのだ、こういう答申が出ておるわけであります。それにあたって、各国の例なども十分参照してそういう結論を出したのだということになっておりますが、ブラッセルなりあるいはモントリオールなりあるいはロンドンなり、こういう万博をやった過去五回くらいのところの具体的なそのあと地利用の状況というものをひとつ参考までにこの機会に明らかにしておいていただきたいと思うわけであります。
○相澤政府委員 各国におきます万博のあと地は公園として利用されているところが多いのでございまして、モントリオールの万国博覧会のあと地は、これはシャンプレイン公園の整備拡張あるいは娯楽施設の新設等が行なわれておりますが、恒久的な建物は市民住宅であるとかあるいは州立現代美術館、国営放送スタジオ等に利用されておる由であります。それからニューヨークの世界博覧会は、これはニューヨークのフラッシングメドー公園で行なわれたわけでございます。したがいまして、そのあと地はこの公園の拡張整備に充てられ、また公園の関連施設として科学館、野外ステージ、日本の石垣等が残されているわけでございます。それからその前の一九五八年のブラッセルの万国博覧会のあと地は、これはヘーゼル公園として拡張、復元するとともに、常設見本市展示場として利用されております。そういう状況でございます。大体各国は公園ないしこれに準ずる施設としてあと地を利用しているという状態であります。
○広瀬(秀)委員 わかりました。 そこで、この万博のあと地利用の基本的方向が昨年の暮れに答申をされて、その際に「これらの関連する問題については、必要に応じて当懇談会において今後さらに検討を進め、あらためて報告する」といっているわけですね。その後この関連する諸問題等について、万国博覧会跡地利用懇談会は今日でも継続しているのだと思うのでありますが、それらの問題について何か具体的に協議をし、いま申し上げたような趣旨における答申を出す予定でございますか、いかがですか。
○相澤政府委員 万国博覧会跡地利用懇談会は、ただいまお話がございましたように、昨年の十二月二十三日に「万国博覧会跡地利用の基本的方向について」という答申を大蔵大臣に提出しておりますが、その後万国博施設の今後の取り扱い方針を検討いたしますために小委員会を三回ほど開いております。そしてその小委員会の報告を懇談会の意見として四十六年の三月三日に大蔵大臣に報告いたしております。この小委員会の報告におきまして、例のお祭り広場関係の大屋根、太陽の塔、テーマ施設などという施設は、これは本来は万国博施設の原則に基づいて撤去する方針をとるけれども、しかしある程度の期間を限って存置するとしてもそれほど多額の維持管理費は要らぬ。したがいまして、今後あと地利用のマスタープランの策定にあたり、これらの施設の有効な利用方法も含めて検討することを条件として、約一年程度これを維持管理するのが適当であるというような報告を、お祭り広場関係の諸施設の取り扱いあるいはエキスポランド及びその関連施設の取り扱い等につきまして出すとともに、また「マスタープランの作成は、当懇談会とは一応切り離して、跡地を一括して管理する新しい主体にゆだねるのが適当である。」という報告を出しているわけでございます。したがいまして、この利用懇談会は現在は万国博覧会の法案の推移等を見守っているわけでございまして、この協会ができることになりますと、この協会に設置されますところの評議員会等においてマスタープランの作成が検討されるわけでございますが、そういう段階になりますと当然この懇談会は任務を終了して解散するということになると思っております。
○広瀬(秀)委員 あと地利用の基本的方向についての、あとこまかい一つ一つの具体的問題についても答申を出しているということでございますね。それらの答申については、この審議にあたって各委員に資料として提示されることを求めておきます。 ところで、万国博のあと地の約半分に近いものをすでに国が買い上げておられ、あとの約半分は大阪府が持っておられる、こういうことになっているそうでありますが、万国博あと地全体の面積、それからすでに国が買い上げた分、さらに大阪府が持っている分、あるいは大阪大学に約三万六千平米売り渡しているというようなことだそうでありますが、この正確な数字をここで明らかにしておいていただきたいと思います。
○相澤政府委員 万博会場用地は三百四十六万九千五百八十一平方メートル、約百万坪であったわけでございますが、このうち大阪大学の用地として三十三万平方メートル、それから道路用地といたしまして四十万五千六百十平方メートル、またこの中に吹田の市有地がございましたが、それが五万六千八百二十五平方メートル、それから関西電力の変電所あるいは鉄塔の用地といたしまして一万九千八百八十平方メートル、電電公社の電話交換施設の用地といたしまして三千五百二十七平方メートル、合わせて八十一万五千八百四十二平方メートル、会場用地の約二四%に相当いたしますが、これはそれぞれの理由によりまして一括利用の対象から除外をいたしまして、残りの二百六十五万三千七百三十九平方メートルを一括保有の対象といたしたわけでございます。 そのうち、国は場周道路内中央環状道路の北側の一画百二十九万八千二百四十一平方メートル、約四八・九%を購入することにしたわけでございます。これは先般御審議をいただきました四十五年度の補正予算におきまして所要財源を計上して購入をいたしております。そしてことしの三月三十一日に大阪府から取得をいたしております。残りの百三十五万五千四百九十八平方メートル、つまり一括保有対象地の五一・一%が大阪府として現在も所有しているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 いまお聞きしますと、道路用地は別として大阪大学以外にも吹田市有地であるとか関西電力であるとか電電公社であるとか、こういうようなものがあるわけでありますが、先ほど言われた二百六十五万三千平米の一括利用の中にそういうものが介在をしているというような状況ではないわけですね。その面積の中に点々として介在しているものではないわけですね。その点はどうなっておりますか。
○相澤政府委員 阪大は、これは現在阪大があるところに接続した地域でありまして、場周道路の外でございます。それから府道と道路公団の用地合わせまして約四十万平米でございますが、この府道は場周道路及び中の道路ですから、その限りにおきましては中にあるわけでございます。それから道路公団の道路は中国縦貫道路で、まん中を通っております。したがいまして道路は別といたしますと、阪大用地は場周道路の外、それから吹田の市有地は、これはもとは中にございましたが、交換をいたしまして現在は場周道路外に振りかえております。それから関電及び電電公社の敷地は、これはいずれも万博の主たる会場の外にございます。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、二百六十五万三千平米の一括利用というものの中にはいま言ったような土地は介在していないから、一括して統合的に利用していくのに支障のないものであるということを確認してよろしゅうございますね。
○相澤政府委員 さようでございます。
○広瀬(秀)委員 そこでこの答申にもあるわけでありますが、未来永劫にわたってというところまで言うとオーバーかもしれないけれども、少なくとも将来にわたって切り売りをするというような事態というものは絶対に考えないということでございますね。
○相澤政府委員 もともとこの万国博覧会のあと地は、万博の開催を記念してその成果を今後永久に残すというような考え方から、一括保有をいたして一括利用を考えたわけでございます。その一括利用のためにはどういうような所有の関係がいいだろうかということをいろいろ検討しました結果、大阪府が所有しております土地の大体半分を国が取得して、つまり大阪府と国と半々ずつこれは持って、そしてその財産を、設立されますところの法人に出資をするという形をとれば、一括利用が確保できるのじゃないか、こういう考え方からこのような協会の設立を考えているわけでございますから、これを一部切り売りするというようなことは当然考えておりません。
○広瀬(秀)委員 そこで、緑に包まれた文化公園というわけでありますが、これが新しく記念協会ができ、このマスタープランの策定というのを待って、いろいろ、どういうスタイルの公園にするのか。その中にどういう施設などを取り込むかというような問題については、これからその間の推移というか、スケジュールがどういうようになっていくのか、その点をお伺いしたいことと、建設省並びに文部省あるいは文化庁も来ておりますけれども、いわゆる緑に包まれた文化公園というものに対して、建設省、文部省、文化庁それぞれ——やはり万博あと地であるというもの国民的資産として将来にわたってそういう形で運営していこうということになっていることですから、その万博での意義を将来に残すようなことも含めて、しかも国民全部が親しみやすいような公園のかっこうにしなければならぬということが跡地利用懇談会からもいろいろとかなりきびしく答申をされて、また基本的方向も明らかにされているわけですが、そういうものについて、いま申し上げた建設省、文部省、文化庁、こういうところから、それぞれ皆さん方が今日この答申を受けて、どういうものにしてもらうようにこの記念協会にも、政府の立場において働きかけていくのか。こういう考えがあったら、この際三省庁から伺っておきたいと思うわけであります。
○相澤政府委員 万博あと地に現在残っておりますところの施設は、今後存続すべきものとして日本政府館それから日本民芸館、鉄鋼館、日本庭園等がございます。こういうような施設が残っておるわけでございますが、今後どのような施設を整備していくか、これはマスタープランをつくって逐次実現していくという考え方になっております。昨年の十二月の二十三日に出されました万博跡地利用懇談会の答申におきましては、たとえば博物館あるいは美術館それからレクリエーション施設や、総合スポーツセンターの設置、研究施設の設置というようなものが、具体的にいえば考えられておるというふうに述べております。「博物館としては、その内容、規模は国際的意味をもち、万国博ゆかりのものとすることが望ましい。たとえば、「人類の進歩と調和」というテーマを受けて、万国博を機会にわが国はもちろん世界各地から収集された民族資料を母体とし、これを着実に拡充して展示するといった民族博物館の構想や、万国博参加国の展示記念品、会場模型、記録映画等を整備保存して伝える何らかの工夫が検討されるべきであろう。」その他美術館あるいはレクリエーション施設、総合スポーツセンター等の設置につきましても、ある程度その方向を考え方として示唆しておりますが、いずれにしましても、このマスタープランは、答申にもございますとおり、ある程度時間をかけてマスタープランを練って、それに従って施設の整備を実現していくという考え方をとっているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 いま総括的な説明は、理財局長からあったのですが、特に緑に包まれた文化公園ということについて建設省なり、あるいはまたその中に含まれる研究施設だとかあるいはいろいろな施設関係等について、それぞれ文部省なり文化庁におきまして、こういうものをやりたいというような希望があるのだと思うのですが、率直にそういう点について考えているところがあったならばこの際明らかにしてほしいということを要求しているわけでありまして、建設省、文部省、文化庁からそれぞれひとつ御発言をいただきたいと思います。
○川名説明員 万博あと地でございますが、都市の内外におきましての公園、緑地体系の一環をなす施設でございます。したがいまして、御答申に見られましたように、できるだけ多くの空地を持ちながら緑を温存し、また緑を造成し、しかも青少年等に対しますところのレクリエーションの場を提供していく、そういった、いこいの場として造成することが最も意義あるものではないかというふうに考えている次第でございます。
○柏木説明員 文部省及び文化庁としまして、この万国博あと地利用のことにつきましてお答えします。 いまもお話がありましたように、跡地利用懇談会でも、広い意味の緑に包まれた文化、緑地公園ということをいっておりますし、法案にも「文化的施設」ということばを使ってございます。それで文部省としましても、文化庁としましても、こういった広い意味の文化施設については非常に関心を持っております。ただ現在、跡地利用懇談会のマスタープランが、まだこれから先のことでもございますし、法案のこともございます。こういったことが具体的に詰められますれば、文部省としては非常に関心を持っておりますので、これらを受けまして、関係各省あるいは設立される予定の主務官庁等と十分連絡をとりまして、りっぱな施設をつくるような方向で考えていきたいと思っております。
○広瀬(秀)委員 この中で、公園内の施設等について、万国博ゆかりの博物館あるいは美術館、緑の中のレクリエーション施設あるいは研究施設、こういうような文化施設が含まれることになるだろうということでありますが、これらもマスタープランがまだできていない段階だから、そのマスタープランの作成ができるのを待ちながら考えていくということのようであります。 その点はその程度にいたしまして、跡地利用懇談会からの答申を読んでみますと、その中で、いま申し上げたようなものの中で「研究施設」というものについて特別なことをいっているのです。「現代の政治、経済、社会などの各面に存在する各種の緊張を和らげるような研究、いわゆるピース・リサーチのための研究所といつた構想なども考えられる。」こういうふうに、たいへん重要な、まさに私どもも大賛成の意見を、提案をこの答申においてされているわけです。こういう問題は、これからの日本の進み方として、それから日本が万国博を成功のうちになし遂げた、しかも人類の進歩と調和という基本テーマのもとにこういう大事業が行なわれたということで、やはりこういう文化公園の中に含まれる研究施設についても、跡地利用懇談会でこういう発言をしているということはことのほか重要な意味を持つであろう。いわゆるピース・リサーチの研究所、あらゆる面での緊張緩和の研究所というものが望ましいんだということをいわれている。この点についてどのようにお考えなのか。これは大蔵省と文部省の両方から、この趣旨に全面的に賛成をされる、研究所の問題について、そういうことに合わせるような、合うような研究所というもので考えていく、こういうような答弁を私は期待するのでありますが、いかがでございますか。この点についてお伺いいたします。
○相澤政府委員 研究施設もそうでございますが、答申に述べられておりますところの博物館とか美術館、レクリエーション施設等、いずれもたとえばこういうようなものが考えられるということの例示としてあがっているわけでございます。研究施設について、先生お話しのような「ピース.リサーチのための研究所といつた構想なども考えられる。」というふうにしておりますが、これは、私が承知しております範囲では茅先生の御提案であるというふうに承知しております。現代の社会は、政治、経済、社会あらゆる面において各種の緊張、テンションに満ちているが、このテンションをやわらげて、ピース・オブ・マインドと申しますか、そういうものを回復するためにどのようなことをしたらいいか、そういうことを研究するところの研究所というものも特に必要じゃないか。そういうようなお考えであったというふうに聞いております。このような御提案も確かにいろいろなとうとい示唆を含んでいると思われますので、今後十分にマスタープランを作成する際に検討されることであろうというふうに考えております。
○笠木説明員 お答え申し上げます。 ただいまの点につきましては、ただいま理財局長からお答えがございましたような趣旨と全く同じでございまして、また具体的にどういう形でどういう構想が出されるかということは今後の問題と考えておりますので、マスタープラン委員会などの御論議を十分拝聴いたしまして検討させていただきたいと考えます。
○広瀬(秀)委員 私どもは万国博の成果ということの意味を正しくとらえたいと思うのです。かつてベルリンオリンピックのときにたいへん盛大にやられた。この際に独裁者ヒトラーは、国際的大行事をドイツの国威伸張、そしてやがて欧州を席巻するスプリングボードにしたというような印象がある。いま、日本の場合においても、経済大国から軍事大国になってはいかぬということが国民的課題になっている。そういうときにこれだけの大事業を、経済の発展ということを背景にしながらなし遂げた。これはやはり将来にわたって日本が文字どおり人類の進歩と調和、それは平和とともにあるものだという中で、ヒトラーがおかしたような国力伸張、富国強兵というような方向に進まないことを願わざるを得ないわけであります。そういうことで、いまいろんな答弁がございましたが、要するに、この跡地利用懇談会の答申というのは非常にりっぱな思想的な裏づけを持って、国民的財産を正しく後世に残そうという思想に満ちていると思うのです。したがって、マスタープランを記念協会でこれからつくっていく、これも時代の進展というものをながめながらしっかりしたものをおつくりなさいということがいわれておるわけでありますが、そのマスタープランをつくるにあたってもこの答申が土台になるものである。そしてこの趣旨が生かされていくものである。これを大きくねじ曲げて、ヒトラーのおかしたようなとんでもない誤りに結びついていかないように。これは大きな政治問題でありますから、この点については、大臣がおりませんので中川政務次官からその決意のほどを伺っておきたいと思うわけです。
○中川政府委員 このたびの万博が人類の進歩と調和という貴重な意義を持って開催され、またそれだけの効果ももたらしました。あとの管理にあたりましてはそういった気持ち、特にいま申しました世界の平和ということは貴重な重要な問題であろうと存じます。ただいま広瀬委員から貴重な御意見がありましたので、これを記録にとどめ、そういった方向に生かされるように最善を尽くしてまいるように事務当局にも命じたいと存じます。
○広瀬(秀)委員 最後に理財局長にお伺いしますが、この記念協会のもう一つの仕事に記念基金の設定及びその運用というものがあるわけであります。跡地利用懇談会は、これはあと地の利用でありますから何も出ていないわけでありますが、万博記念基金を管理をしていくというもう一つの目的があるわけでありますが、この記念基金はどういう構想をお持ちなのか。これもまたマスタープランづくりの中でなければ——いまのところどういう構想になっている、どういう目的をその基金に設定をする、こういうことについて、わかる限り御説明をいただいておきたいと思います。
○相澤政府委員 基金は、万博の剰余金をもちまして、この剰余金は国民全体のものとして、日本万国博を記念するにふさわしい事業に用いるのが適当だという考え方のもとに、昨年の十二月二十三日の答申に基づきまして設けることとしたわけでございます。この基金の規模は、先ほどちょっと申し上げましたとおり百五十億は下らないというように考えておりますが、この基金は原則として取りくずさないで、その運用益をもって万国博を記念するにふさわしい事業に用いるということになっております。どのような事業の内容になるか、これは今後評議員会におきましてまず検討されることでございますが、万国博覧会の記念公園の管理、維持もその重要な運用の対象になるというふうに考えております。その他、これを各国との文化交流のために使用するとか、あるいはノーベル賞のような賞金を設けて、各国のすぐれた文化的な作品、財産に与えるとか、いろいろな考え方があるようでございますが、いずれにしましても具体的には評議員会の検討を待ってきめることになるというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 最後にもう一つ、それを伺ってやめますが、マスタープランは大体何年間くらいをめどにして策定されるものであるか、この点をお伺いして終わりたいと思います。
○相澤政府委員 万国博のあと地は、現在日本庭園は暫定的に開きまして地元の御利用をいただいておるわけでございますが、あれだけの土地はできるだけ早く整備をして、文化公園として活用すべきであると思いますので、マスタープランの作成もこの協会成立後、評議員会を設けて、そこで検討されるわけでございますが、できるだけ早く協会を設置しますとともに、私どもの現在の考えでは、おそくとも一年以内にはマスタープランの大筋だけでもつくるべきではないかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 以上で終わります。
○毛利委員長 堀君。
○堀委員 万国博記念協会の法律についてでありますけれども、国が百億円の土地を出資するのはすでに補正予算をもって処理されておるわけですが、大阪府がこの出資をするかについては、御承知のように大阪府はこれまで左藤さんが知事でありましたけれども、この間の地方選挙において黒田さんが新たに知事に就任をされて、万国博関連の諸問題については必ずしも既定方針どおりにいくかどうか、まださだかではないのではないかという感じがしておるのでありますが、政府はこれについては、この法案を提案している今日、大体いま皆さんが考えておられるような方向で処理し得るという確信を持ってこの法案を提案されておるのかどうか、その点をちょっと最初に承っておきたいと思います。
○相澤政府委員 万国博のあと地を、阪大等の敷地を除きまして、大体国と大阪府とで半々に分け持ちまして、これを共同で出資をいたしまして記念協会をつくるという構想は、これはもちろん前知事のときの大阪府との間の話でございます。しかし、その後大阪府の事務当局との連絡等によりまして、この構想の現知事に至ってもそのまま引き継がれる。したがいまして、大阪府もその持っておりますところの土地をこの記念協会に出資をするということになるというふうに存じております。
○堀委員 そうなればたいへんけっこうでありますけれども、大阪府が現在持っておりますこの土地は、いま時価で評価をすると幾らになりますか。
○相澤政府委員 御承知のとおり、あの土地は当時の公簿面積で、一坪二万四千円で買ったと存じます。なわ延びが約一・八二倍でございましたから、実面積にいたしますと一万数千円ということになるわけでございます。その後当然整備等が行なわれておりますから、それに造成費等を原価としても加えなければならないわけでありますが、付近の宅地の評価額ということになりますと相当な金額になると思います。大阪府の面積が約四十万坪程度でございますから、かりにこれが三万円としましても百二十億、五万円とすれば二百億ということになると思います。しかしながら、大阪府の持っておりますのはその素地でございまして、造成費は万博協会がこれを負担しているわけでございます。したがいまして、大阪府が出資いたします場合は、造成費を差し引いた素地としての価格になる。その評価はいずれ大阪府がするというふうに存じております。
○堀委員 結局、国の場合には百億という費用はそう大きな費用ではないと私は思いますけれども、大阪府にとってはかなり大きな価格のものになるというふうに大阪府民は考えるだろうと思うのであります。そこで、しかしもちろんそれはあの地域にあることでありますから、大阪府民が利用できる施設になることについて、必ずしも大阪府の議会なり知事がまともに反対をするかどうか、私もわかりませんが、実は、御承知のように、万国博開催のとき以来、大阪にはいろいろな経緯があったわけであります。そういうような経緯があり、今日知事が御承知のような経緯でかわっておりますところを見まして、私どもは必ずしも安易に皆さんの期待されるようになるかどうかという点については、やや疑問があるのです。 そこで、そういう疑問をなくしていくようにするための手だてというものを、ここで少し政府の側が明らかにしておいてもらいたい、こう私は思うわけであります。要するに、先ほどの広瀬委員の質問に答えておられるところではどうもきわめて抽象的で、そういう納得が得られるかどうかについて、私ども答弁を聞きながら依然としてどうもはっきりしないという感じがするわけです。 まず第一は、役員の構成といいますか、そういうものがすでに大体固まっておるようでありますが、ここに会長、副会長、理事長、それから理事が五人以内、こうなっているわけでありますけれども、いたずらに人数を多くして、そこが大阪の府や市や、あるいは国の関係者の退職後の就職先などということになるような形になれば、これは現在の大阪府知事はあまり賛成をしないだろうと思うのです。要するに、私たちが賛成のできる範囲がやはり一つの限界になってくるのではないか、こういう感じがいたすわけであります。 次には十八条にあるところの評議員の問題であります。十八条は、「協会に、その業務の運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置く。2 評議員会は、評議員二十人以内で組織する。3 評議員は、協会の業務の適切な運営は必要な学識経験を有する者、関係行政機関の職員及び関係地方公共団体の長のうちから、大蔵大臣の認可を受けて、会長が任命する。」こういうふうになっているわけですけれども、結局「大蔵大臣の認可を受けて、会長が任命する。」少なくともあの大阪府の経済力からすれば、相当過大なものを出資をしてくるところの協会ですね。その協会については実は大阪府は発言権も何もない。すべては「大蔵大臣の認可を受けて、会長が任命する。」こういうことになると、そこらの点で大阪府の意向がある程度民主的に実現できるような何らかの道が確実になっていないと、これは将来の業務の運営に関する重要事項を審議する機関でもありますし、私はその点に非常に問題があろうかという感じがしておるわけであります。すべてはこれを発足さしてからだというようなことになると、逆に問題は非常にむずかしくなる。ある程度問題を明らかにしておいて、大阪府側としてのこれに対するいろいろな処置が明確に処理できるような道を開いておくことがこの際きわめて重要なことではないかという感じが私はしておるのでありますが、これらについての大蔵省としての考え方はどこまでそういう配慮がされておるのか、少し伺っておきたいと思うのであります。
○相澤政府委員 まず最初に役員の問題でございます。役員としましてはこの法案の第十四条に「会長一人、副会長一人、理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。」というふうになっておりますが、この協会は単に国だけの出資ではございません。土地に関しては国と大阪府と大体半々の出資になっておりますし、また万博協会の残余財産を引き継いで基金とするというような関係もございまして、かなり多方面にこの仕事が関連する。そういった点もございまして、役員の数はほかのものと比べましてそれほど多くはないと私ども思いますが、しかし若干多いのじゃないかというようなお考えを持たれるのじゃないかと思います。したがいまして、これは全部常勤で置くといをような考えではなくて、たとえば会長、副会長、あるいは理事のうちの若干は非常勤で置くというように考えております。その役員の人選等につきましては、当然その出資者といたしまして大阪府の意向も十分尊重していくというふうに考えておりますし、またそのような話し合いにも大体なっているわけであります。 評議員の点につきましても、大阪府、市、これは当然ある程度の人が、その代表として入るということを考えております。地元の大阪府が、国に比べて財政力の点からいえば相当大きなものを出資することになるわけでございますから、当然地元の公共団体としての意見も聞くということについては配慮をいたしておりまして、三十七条におきまして、大蔵大臣は関係の行政機関、これは文部、建設、その他あると思いますが、そういう関係の行政機関の長に協議すると同時に、「協会に出資した地方公共団体の長の意見をきかなければならない。」といたしまして、これに第二十一条第二項または第二十二条第一項、つまり業務方法書の作成あるいは万博協会がここに具体的に列記されております以外の業務を行なう場合には、地元の公共団体の長の意見を聞く。また二十六条におきまして、毎事業年度、予算、事業計画、資金計画を作成する場合、また変更しようとする場合、これは大蔵大臣の認可になっておりますが、その認可の際も地方公共団体の長の意見を聞かなければならないというふうにしているわけでございます。予算、事業計画、資金計画の作成、変更という際に、地元の公共団体の長の意見を聞くことで、これは不十分かもしれませんけれども、かなり意見は取り入れられることになるのではないかと思っております。
○堀委員 法律の規定としてはいまの点はけっこうだと思いますが、あわせていま私がちょっと触れた十八条の「評議員二十人以内」ですか、大体頭数はどういう程度に考えておられるのですか。「業務の適切な運営に必要な学識経験を有する者、」特に私はこの際、この評議員会に、言うなれば財界の関係の方、あるいは学者が入るのかもしれません、それから関係行政機関の職員と長、こういうことでなしに、これは国民的な協会でもありますから、少なくとも勤労者の代表たる者が当然この中に加えられて相当ではないか、こういうふうに考えるわけであります。あるいは婦人を代表する者とか青年の代表であるとか……。ややもするとこういう協会の評議員なるものは、大学の先生とジャーナリストと財界の人というようになりがちだと思うのですが、私どもいま大阪府としての立場を考えますと、ここらの点においても幅の広い、民主的な選び方をされることがいろいろな今後の運営に対しても適切なことになるのではないかと思いますけれども、この点はやや政治的な問題でありますから、政務次官のほうでお答えいただきたいと思います。
○中川政府委員 学識経験者という中に労働団体あるいは婦人等、幅広く入れよという御意見でございます。この点については、まだどういう人選をするかについてきめておりませんが、貴重な御意見でありますので、御意見を入れつつ人選に当たりたいと存じます。
○堀委員 その次に、さっきのお話を聞いておりましてちょっとよくわからない点が一つありますのは、「緑に包まれた文化公園として整備し、」こう書いてあるわけです。確かに、あそこの北のほうに日本庭園がありますから、ここは当然緑になるのでしょうが、「緑に包まれた文化公園」の中のその緑に包まれるというのは、考え方としてはこの面積の中にどのくらい緑地ができるのか。それによってほんとうに緑に包まれることになるのかどうかがきまってくるのではないかと思うのです。「緑に包まれた文化公園」という表現ですから、当然常識的な範囲でかなりな緑地というものをここに新たに造成をしようということだろうと私は理解をしておるのですが、その点は一体どういうふうに現在は考えておられますか。
○相澤政府委員 これは緑に包まれた文化公園ということで考えておりますが、大体どの程度の施設をこの中につくるか、これは今後マスタープランによってきまることになると思います。しかし、現在公園法の規定でございましたかにおきまして、その公園の中に設置し得る施設の面積というものは制限がございます。私、うろ覚えでございますが、五%とかなんとかいう制限があったと思います。そういうようなものも、公園でございますから一つのものさしになるのではないかと思います。いずれにしましても、日本庭園以外に相当部分が緑で残されるということになると思っております。
○堀委員 実は私もこの近くにいるわけでありますけれども、御承知のように、いま阪神間というところには森だとか大きな林というような式のものが非常に不足をしておるるわけです。かつて私は西宮市が申請をいたしておりました甲山払い下げ問題というのを取り扱ったことがあるわけでありますが、この甲山問題は、その後兵庫県が明治百年の記念公園にしたいということで実はこれに取り組みました。ところが私がそのプランを見ておりますと、中につまらないいろいろなものをつくることが多くて、記念塔を立てるとかいろいろなことが非常に多かったものですししますから、当時私、たしか建設大臣でありましたか、百年記念公園の問題を出しておりましたときに、施設をある程度つくることのほうに比重がかかったような建設省の通達が出ておりましたので、ひとつこれを改めてもらいたい。都市近郊にいま一番求めておるのは、やはり緑をたくさんに持っておる森だとか森林だとかいうものを都市の住民というのは非常に求めていることでもあるから、そういうふうに改めてもらいたいということで、いまの甲山公園というのは特に配慮を促したわけです。たとえば、私ども子供のときにはドングリを拾いに行った記憶がありますが、今日の子供はドングリなんといってもどこにあるのか見たこともないというのが一般的ですから、甲山公園にドングリの大きな林をつくってくれと県に提案をして、現在ドングリを植えて、だいぶ時間がかかりましょうけれども、子供たちが拾いに行ける場所をつくりたいというようなこともやってきたわけであります。 文化公園の文化面も重要でありますけれども、いま都市の住民が求めております公園というのは、やはり外国でわれわれがたくさん見かけるところの、ほんとうに木の多い緑のある公園です。いまの五%くらいというのはたいへんけっこうなんですが、できるだけ、その施設のほうにあまり比重をかけないで、やはり緑に包まれた公園ということのほうが、都市の、特に大阪は非常に木がありませんから、そういう荒涼たる市街地にいる者にとってのいこいの場としてきわめて適切なことになるのではないかと思うので、特にこの点を強調しておきたいと思うのです。これも政務次官のほうで、今後の運営の問題でありますから、政治的な問題として答弁していただきたいと思います。
○中川政府委員 この法律の第一条に「緑に包まれた文化公園として整備し、」とはっきり書いてございます。こういうことは、堀委員御指摘のように、森その他の緑ということを強調したいという気持ちがあらわれておるものと存じますし、いやしくも目的に書いてございます以上、その方向にいくことはもう当然であろうと思いますが、さらに本委員会を通じて御意見がありましたので、しかと承ってその方向に進むようにいたしたいと存じます。
○堀委員 最後に一点だけ。これはすでに新聞も実は少し書いておる問題なんでありますけれども、ややもすると、こういう協会その他の役員に天下りの人事が行なわれるという場合がきわめて多いので、私どもはできるだけそういうことがないようにしてもらいたい、こう考えておるわけであります。いろいろな経緯もあるかもわかりませんが、少なくとも、大蔵省という役所はどちらかというとたいへん行き先をたくさん持っておる役所でして、よその各省からはだいぶうらやましがられておるところなんですが、ここでまた一つ大蔵省所管のこういうものができると、この間も参議院で、食糧庁に巣くう関係団体は農林省の天下りのために設けられておるなどということがだいぶ論議になったようですが、この点は特に大蔵省としては十分配慮をしていただきたい、こう考えるのですが、これも政務次官に御答弁をいただいて、これで質問を終わるようにいたします。
○中川政府委員 今回の記念協会の性質上、経験者を主体として運営していくことが一番望ましいことであろう。したがって、どういう方がこの運営に当たるのが一番よろしいかということを中心に、各界から広く人選をするということになろうと存じます。天下り人事についてはいろいろ批判のあるところでもありますし、今回、大蔵省は非常識な天下りだと御批判をいただかないように配慮してまいりたいと存じます。
○相澤政府委員 公園内の施設の割合、ちょっと私不正確でございまして、たてまえは二%以内だそうでございます。特別な場合にこれに五%までふやせる、つまり七%が最高の限度でございます。ただそれは公園としての限度でございまして、今回のこのあと地がその都市公園法にいう公園になるかどうか、この点はなお問題があるようでございますが、検討させていただきます。
○毛利委員長 貝沼君。
○貝沼委員 このあと地問題につきまして二、三質問をいたします。 いままでいろいろな問題が出ておりますけれども、この点につきましては重複いたしますので特に質問いたしません。先ほどの答弁で了といたします。 ただ、いまも問題になっておりましたけれども、緑地の問題ですね。緑の文化公園、これが第一条にあるわけでありますが、はたしてこの緑の文化公園というものができるのかどうかということが問題であります。この点はいかがでしょうか。
○相澤政府委員 これは緑に包まれた文化公園として整備するということでございますので、日本庭園のほかにも、当然植林をする、あるいは芝を張るということで、文字どおり緑に包まれた公園の姿にすべきものであろうというふうに考えております。あそこの土地は酸性土壌でございまして、植林する等には必ずしも適地ではないようでございますが、これは現在におきましても、日本庭園等においては盛り土等をいたしまして植えつけに成功しているわけでございますから、緑に包まれた形にすることについては別に心配はないのじゃないかというふうに考えております。
○貝沼委員 私も緑に包まれた文化公園というのは非常にけっこうだと思います。この点については何も文句はないわけです。しかしながら、緑に包まれる以上は木が育たなければならない。したがって、その木が育つような条件をつくるために相当の金がかかるのではないかということを心配しておるわけです。そこで、たとえばあそこの土壌が非常に酸性であるという話がいまありましたけれども、大体PHでどのくらいになりますか。
○相澤政府委員 ちょっと調査結果を存じておりませんけれども、また後ほど御連絡いたします。
○貝沼委員 実はこれは新聞記事でありますが、京都府立の農業試験場の技師である岡高明さんという人が、これと同じような地層PHをずっとはかっております。その結果PHにして大体二・五くらいではないか、こういうところから、この人の考えも、緑に包まれた公園は賛成だけれども、しかしながら緑は育たない、こういう結論が出ておるわけであります。そこで、この酸性土壌というものを木が育つようにするためには、たとえば石灰や燐酸あるいは有機質の肥料を大量に入れなければならないわけですね。そうするとこれは相当の金がかかるわけであります。理財局としてそういう計算がなされているのかどうか、これが一つ。 それからついでに農林省のほうにお伺いしておきますが、こういう酸性土壌にはどういう木が育つのか、この点について両方からお答えを願います。
○相澤政府委員 万博のあと地を緑にするのにどの程度経費がかかるかという点につきまして、まだ具体的な案がきまりませんので特に試算といったものはございませんが、一般の公園の建設費等を基礎に算定いたしましても、これは相当な金額になることは明らかでございます。たとえば北の丸公園は十八ヘクタールでございますが、これを整備するのに約十億円かかっております。この万博記念公園の面積は全部で二百六十五ヘクタールでございますから、どの程度これを緑にするか、そのやり方によりますけれども、やはり数十億かかるんじゃないかという声もございます。しかし、いずれにしましても、これはそういうような公園にするという方針がきまって具体的なプランがつくられれば、それに必要な金は国と地方団体あるいは万博基金の運用益をもってつくることになるわけでございますから、その点はそういう方針でいくというふうに御承知願いたいと存じます。
○遠藤説明員 先生のただいまの、酸性土壌にはどういう木がいいのかというお尋ねに対してお答えを申し上げます。 御承知のように酸性の土壌に強い木というのは、特に弱い木という意味では赤松類などは弱うございます。しかし、ああいう酸性の強いところでも、化学的な意味でも物理的な意味でも、土壌改良剤を施行することによりまして相当PHを高くすることができますから、酸性をだいぶ回避できます。そういう点から申しまして、一般に黒松とかヒノキ、そのほか広葉樹ということでございますが、杉のような、酸性にどちらかというと対応性の少ない樹種は適当でないのではないかと思います。 以上であります。
○貝沼委員 こういうところでは何が育つかという質問に対して、弱いという話がありましたけれども、やはり質問にちゃんと答えてもらいたい。 それならばもう一度質問をいたしますが、たとえば植物が育つための酸性というものはPHで大体どれくらいが限度ですか。
○遠藤説明員 限度では大体二くらいというふうに心得ております。大体森林地は四ないし五というのが適当な土地でございます。それから限度といたしましては二程度をこすと枯死いたします。
○貝沼委員 それは間違いないですか。二というのは間違いありませんか——。間違いなければいいのですけれども、実はこの二・五というのはものすごい酸ですね。硫酸でもこぼれていなければこのくらいの酸にはならないですね。たとえば、私もちょっと調べてきたのですが、日本においてはPH二・五のところなんてほとんどありませんね。たとえば田沢湖あたりでも相当酸が強いけれども、しかしながら魚は住んでいませんね。あるいは泥炭地帯はかなり酸が強いけれども、しかしながら四ないし三のところでも育っているのはツツジくらいですね。あるいはまた北海道の泥炭地帯でもヤシャクシとかヒース、ミズゴケ程度ですね。また尾瀬沼もかなり強いけれども、ヒメシャクナゲとかハンの木くらい、あるいはまれに湖で三・五ないし三・九というのがあるけれども、そこでも育っているのはせいぜいススキくらい。そしてさらに最近問題になっているヘドロでありますけれども、たとえば八郎潟とかあの辺のヘドロをかわかしてどれくらいのものができ上がるかというと、大体PH四くらいですね。そうするとPH二・五なんというのはおよそ想像がつかないような地質です。はたして二くらいまで植物が育つかどうかということは、私もあちこち聞いてみましたけれども、これはほとんど不可能ではないかという結論が多かったわけであります。そういうところから尋ねているわけでありますが、この二が限界というのは大体間違いありませんか。
○遠藤説明員 樹木の枯死する限界という面で二と申し上げたわけでございまして、おおむねということでございます。樹木が生長するという前向きに考えますと、やはり四、五程度なければ樹木の生長には適しない。ですから土壌改良剤によって改良する必要はあると思います。
○貝沼委員 理財局に質問をいたしますが、いまのように簡単に酸性土壌だなんて言っておりますけれども、これは実はたいへんな酸性土壌なんです。緑に囲まれた文化公園、私は非常にけっこうだと思います。しかしながら、それが実現できるために、それは法律がきまった以上金を投じてやりますと言うけれども、相当の金が必要なんです。いわば、人間にたとえるならば血を全部入れかえるぐらいの作業が必要だとこの岡さんは言っております。それだけのことを一応考えられるような場合において、大蔵省としてそういうたとえば土質の検査をしてみないとか、あるいははたしてどういうものを投じた場合どうなるかというふうなある程度の試算というものがされないで、簡単に法律というものは通していいものなのかどうなのか、私は非常にその辺が疑問であります。考えることはけっこうだと思いますけれども、考えることはいいけれども、実現性があるのかないのかとなると、ちょっとこれは問題があるのです。この点についていかがでしょうか。
○相澤政府委員 私も酸性がどの程度になったら木が育たないか等、専門的な知識は持っておりませんが、ただ、日本庭園もあのように、客土はしたんだと思いますが、とにかく木を入れましてりっぱにできているわけでございます。まああの敷地を全部森林にするというようなことになりますと、これはまた相当大じかけな客土工事が必要になるかと思いますが、しかし相当部分は、たとえば芝を張るということにもなるかと思います。現在ベントグラスあるいはバーミューダグラスを吹きつけてやっておりますが、これはまあ育つようであります。したがいまして、相当部分は芝を張る、そして樹木を入れるところは客土をする、そういうふうな方法をとれば、緑で包むことも私、そうむずかしいことじゃないというふうに考えております。
○貝沼委員 今後こういう点をひとつよく注意しながらやっていただきたいという希望を述べておきます。こういう記事になっているのですね。ビルを建設するときは地質を調査しない人はいない。ところが草木を植えるときに、それがどんな大きな計画であっても、土壌を調査する人は少ないし、どんなに珍しいものが植わっていても、土壌に思いをめぐらす人はいない。これがまさに政府のいまの姿であると私は思うのですね。こういうことであってはならないと思うので、申したわけであります。 それからもう一点は、先日のあの盛大な万国博覧会、人類の進歩と調和——しんぼうと長蛇だなんて言った人もおりますけれども、そのときに働いておった職員、その人たちはその後全部再就職はできたのでしょうか。
○相澤政府委員 万博協会の職員は、国、地方団体の出向者が相当多数を占めておったわけでございます。万博が終了後、事業の縮小に伴いまして相当数の職員が国あるいは地方団体に帰りまして、これは四月一日現在でありますが、百八十一名でありまして、そのうち出向者は百十名、協会プロパーの人が七十一名でございます。その出向者百十名のうち、国が一名、大阪府が五十九名、大阪市が四十七名、その他というふうになっております。出向者がこのように六割程度を占めているわけでございますから、まあそれらの方々は大多数はその出身の省あるいは府、市に戻られることになると思いますし、また協会のプロパーの職員の人は、今度できますこの万博記念協会に就職を希望され、かつまたそれにふさわしい方はまたその後引き続き協会に勤務するということになろうかと存じております。
○貝沼委員 それでは最後に、この法律の第十六条と十七条、これを具体的に解釈をお願いしたいと思います。
○相澤政府委員 法律の第十六条は、「役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」これは記念協会の業務が他の特殊法人あるいは認可法人と同じように高度の公共性を有しておりますから、その役員が営利を目的とする団体の役員となりあるいは自分で営利事業に従事していることは、この協会の職員としての職務の執行に支障があるおそれがございますから、原則としてそういう役員となりあるいはみずから営利事業に従事してはならないという規定を置いているわけでございます。しかし、この協会のように各界の協力を得まして、国民的視野のもとに業務を遂行するような必要がある場合には、役員も広く有識者を求める必要がございます。その場合に全く兼職を禁止いたしますと、この人材を得られないおそれがございますので、職務の執行に支障がないという場合もございますから、そのような場合には大蔵大臣の判断によって兼職を認める、こういうことにいたしているわけでございます。 それから第十七条の、「協会と会長、副会長又は理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が協会を代表する。」これはほかの特殊法人あるいは認可法人の規定にもございますが、たとえば協会と、その会長が社長をしておりますような会社とが取引関係ができるというような場合、これは利益が相反するわけであります。そういったような場合にはこの会長に代表権を持たすことは問題でございますので、そういう事項については代表権を有しない。その場合には監事が協会を代表する、こういうような規定を置いているわけでございます。まあ会長、副会長、理事長、こういう役員につきましての代表権の制限は、これはほかの特殊法人あるいは認可法人にもある規定でございます。
○貝沼委員 以上で終わりますが、最後に、この万博のあと地というものが現在非常に、何というか、あけ放されているというか、いろんな意味で風紀上非常に問題を起こしているとかいわれているわけですね。私は、現在どこがこれを管理しているのかということについて非常に疑問でありますけれども、そういう変なうわさが出ないようなちゃんとした管理というものを望みたいと思うのです。 それから、先ほどもPHの問題でちょっと突っ込みましたけれども、そういうようないろんな専門的な技術が必要でありますので、この緑に囲まれた文化公園をつくる上において、さらに専門的知識の集積というものを私は望みたいと思うのであります。 以上で終わります。
○毛利委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 私は、持ち時間の範囲内で、少しこまかくなりますけれども、法案の条文に従って若干お尋ねを最初にしたいと思います。 第一条の一番最後でございますが、「もつて同博覧会の成功を記念することを目的とする。」まあ私より頭がいい方がお考えになったので、私の指摘のほうが間違っているかもしれませんが、「博覧会の成功を記念する」——むしろ、記念して万博の理念と成果が最大限に発揮されるような事業をする、というのが私は記念協会の目的ではないかと思うわけでございます。単なる字句の問題でございまして、必ずしも固執するわけではございませんが、万博の成功を記念するのが目的だというよりも、いわゆるその中身、記念をして、先ほど申しましたような、万博の理念が生かされるような、またその成果が大きく国の内外に発揮されるような事業のほうが重点ではないかというような感じがするわけでございますが、その辺のところ、まあニュアンスの違いかもしれませんが、もしお答えいただければ立案者の意向を聞かしていただきたいと思います。
○相澤政府委員 どうも、これは私の感じかもしれませんけれども、先生のおっしゃっていることと私どもの考えておりますことと、別にそう大きな開きはないように思います。が、この第一条は、途中では確かに、博覧会の成功を記念するために、こういうような緑に包まれた文化公園として整備をする、あるいは基金を設けて管理する等の事業を行なうというような表現もございました。しかし、いろいろと法制局あるいは関係各省でひねっているうちにこういうことになったわけでございまして、趣旨は、おっしゃるとおり記念するということが目的なのでありまして、ちょっと書き方は逆になっているかもしれませんけれども、そう大きな違いはないのじゃなかろうかというふうに思っております。
○岡沢委員 私もそう大きな違いはないと思うのですが、ちょっとひっかかるような感じも若干したわけでございます。やはり目的の中心は、万博の理念と成果が最大限に発揮されるようなあと地あるいは事業の運営がなされるということであるべきかと思います。 第二条でございますが、「法人とする」、との法人は、いわゆる法人にはいろいろ民法上の法人、社団法人、財団法人等ございますが、性格的にはどういう種類の法人を予定しておられるのか、お尋ねいたします。
○相澤政府委員 この「法人」は、私ども、この設立に際して認可をする、認可が必要となっておりますので、認可法人というふうに俗称しておりますけれども、この法律による法人であるという意味におきましては、一般的には特殊法人という範疇に入ると思います。したがいまして、民法にいう財団法人あるいは社団法人ではなくて、この法律による法人だというふうに解釈しております。
○岡沢委員 第三条ですね、「協会は、一を限り、設立されるものとする。」あまりほかに例がない規定だと思いますが、あえて「一を限り」ということを入れた意味が特にありましたらお尋ねいたします。
○相澤政府委員 この法人は、たてまえといたしましては、発起人の申請がございまして、その申請内容が認可に値する場合にはこれを認可するということになっております。したがいまして、必ずしも一つではなくて、数個できることも理論的には考えられるわけであります。したがいまして認可は、認可される場合が一以上あり得るわけでありますけれども、特に一つだけ設立を認可する、こういうふうに限定しているわけであります。このような書き方は他の認可法人の場合にも例はございます。
○岡沢委員 第二十一条の業務に関係してございますが、一に「各種の文化的施設を設置するとともに」、すでに御質問があったかもしれませんが、私、ちょっと席をはずしておりましたので、この各種の文化的施設はどういうものを一応予定しておられるのか、お尋ねいたします。
○相澤政府委員 万博事業の一部として設置されました日本庭園、日本政府館、それから民芸館、鉄鋼館等、存置を予定されておりますもののほかに、文化的な施設の設置が考えられるわけでございますが、万博跡地利用懇談会は、昨年の十二月二十三日に「跡地利用の基本的方向について」の答申を提出しております。この報告におきましては、文化的な施設として、博物館あるいは美術館、それからレクリエーション施設、総合スポーツセンターあるいは研究施設というようなもの、「たとえば」という例示でございますが、そういうものを考えてございます。
○岡沢委員 いま局長は、万博関係の施設の中で残すものを例示されました。日本館、鉄鋼館、民芸館、日本庭園等ということばがありましたが、たとえば万博ホール、それから協会本部のビル等をお残しになるのかどうか。 それから、いま答申にお触れになりましたもののほかに、第一条の目的、万博が世界各国の人々が集まったというようなことを考えた場合に、特に国際関係の施設というものが当然考えられると思いますし、一部の世論調査等でも各国の民族資料館の設置というものを設ける希望が非常に多かったようでございますが、国際関係上特に日本の位置、アジアで初めて行なわれた万博ということを考えました場合に、国際関係の施設の中でも特にアジアに関係する施設、アジアの研修生を受け入れる施設等も具体的な案として考えられるわけでございますが、その辺について何か腹案でもございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○相澤政府委員 この万博施設の取り扱いにつきましては、これは通産大臣の諮問機関として設けられました「後処理委員会」の意見というものが昨年の八月十九日に出されております。これに基本的な考え方が示されておったわけでありますが、これによりますと、協会施設として存置いたしますものは、先ほど申し上げましたもののほかに万国博ホール、それからこれは先ほど申しましたが、万国博美術館、迎賓館、協会本部のビルということになっておりまして、そのほか暫定存置するものといたしまして、協会本部のビルの別館、プレスセンター、その他噴水施設とか屋外照明施設とか、いろいろなものがあげられております。それからなお検討対象外のものといたしまして、お祭り広場、エキスポランド及びそれらの関連施設というものをあげておるわけでございます。今後どのような文化的な施設が設置されますかは、マスタープランの検討に際して審議をされるわけでございますが、先生のおっしゃいましたような東南アジアその他の発展途上国との文化交流に役立つような施設を設けるという案も、跡地利用懇談会におきましても一つの有力な意見として取り上げられているわけでございます。いずれにしましても協会発足後、評議員会におきましてこれらの問題も十分検討されることになろうかと存じております。
○岡沢委員 これは私の一つの希望意見でございますが、いま指摘いたしました国際性のあるもの、特にアジアの研修センター的なものの設置のほかに、いま日本の一番大きな国内問題の一つが公害問題でございます。それで、幸いに来年国連が人間環境に関する会議を開催することになっておるのでございますが、こういう点について日本が国際協力をするということを具体的に事実で示し、また日本の国内的な公害問題の解決にももちろん大きく役立つと思いますので、このあと地にこういう国際的な国連の施設の一つを設けるということも一案ではないか。それからまた国連大学等についてはすでにお触れになったと思いますけれども、御検討いただく価値があるんではないかと思います。 この条文に従って続けて若干お尋ねいたしますが、二十一条の一項四号、「前三号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するため必要な業務」、これは大体具体的にはどういう業務を予定しておられるかお尋ねいたします。
○相澤政府委員 この第四号は「前三号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するため必要な業務」ということでございますが、ただいまのところは特に具体的にこういうような業務であるというものは考えておりません。
○岡沢委員 それでは次に第三十四条の三項でございますか、「第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」この規定もあまりほかの法案では見たことがない規定でございますが、あえてこういう規定を挿入された趣旨はどこにあるのか、お尋ねいたします。
○相澤政府委員 この規定は、特殊法人と申しますか、特別な法人に対する監督権限の一部といたしまして、法律執行上必要がある場合には、業務、資産の状況報告のほか、その現場に立ち入って帳簿書類その他の物件を検査させることができるようにしている例がかなり多いわけであります。その際に、これは警察権限の行使ではございませんから、そういうような犯罪捜査のために認められているものと解してはならないという、まあ何と申しますか、注意的な規定でございますが、これは、ほかのこのような特別な法人に対する監督権限についての規定にも例はございます。
○岡沢委員 例がないと申し上げたわけじゃございませんが、非常に少ないし、おっしゃるとおり注意規定にすぎないし、あえて挿入する価値があるかどうか、少し疑問に思いましたので、指摘させていただきました。 附則の三条でございますが、「この法律の施行の際現にその名称中に日本万国博覧会記念協会という文字を用いている者については、」という規定がございます。これは現にこういう名称を使っているものがあるのかどうか。ないけれども、執行までの間にそのおそれがあるためにこういうことを挿入されたのか。まあこまかいことでございますが、念のために聞かしていただきたいと思います。
○相澤政府委員 私承知している範囲におきましては、このような名称を用いている協会はございません。しかしそういうものができるといけませんので、こういうような特殊法人を設けます場合には大体同趣旨の規定を置いて、その文字の使用を禁止する。ただし六カ月程度の猶予期間を設ける、こういうような処置をいたしております。
○岡沢委員 万博のあと地利用、非常に関心も深うございますし、万博の開催にまさるとも劣らないほど重要性を持つという指摘をする人もございます。その場合にやはり一つのわれわれの着眼点は、過去に万博を開催した国々がどういうあと地利用をしたか、それについて先進国といいますか、過去の開催国が努力をした配慮と英知に学ぶということも一つのアプローチの方法かと思います。特に、すべての開催国の例を聞くわけじゃございませんが、これはと思うような先例がございました場合、またわれわれが見ましても、万博にふさわしい、第一条の目的にかなうような利用をしている前例等について、もし参考にし得るというような例がございましたら、この際、私に知恵を授けるという意味でお聞かせいただきたいと思います。
○相澤政府委員 万博のあと地は、各国におきましてもこれを公園として利用しているという例が多いのでございます。たとえば一九六七年のモントリオールの万国博覧会でございますが、これはシャンプレーン公園の整備拡張等に使われております。恒久的な建物は美術館とかあるいは国営放送スタジオ等に利用されております。それからニューヨークの世界博覧会、これはニューヨークのフラッシングメドー公園で行なわれたわけでありますが、そのあとも公園の拡張整備、それから公園の関連施設として科学館、野外スタジオ、日本館、石垣等が残されて利用されているわけであります。それからその前に一九五八年のブラッセルの万国博覧会におきましては、ヘーゼル公園として拡張、復元するとともに、常設見本市展示場として利用されているということでございます。これは幾つかの例でありますが、その他やはり公園として利用されるという例が多いようでございます。
○岡沢委員 すでに質問があったかもしれませんが、例の剰余金の百六十八億円について、いわゆる記念事業に使う、あと地利用の建設費に使うとかいろいろ意見があるようでございますが、この辺の見通し等について、ダブってる場合は恐縮でございますが、簡単でけっこうですからお答えいただきたいと思います。
○相澤政府委員 昨年の十月末現在におきまして協会の収支の剰余は約百六十五億円ございました。その後、入場券の精算その他によりまして収入もふえましたが、施設の撤去の費用等に充当されるべきものもございますので、それらを差し引きますと大体百五十億円を下らない金額が純剰余といたしまして万国博記念協会に基金として引き継がれることになろうかと思います。この金は、文化的な施設の建設に充当するというような意見もございましたけれども、やはり剰余というのは世界各国の入場者の入場料がその源泉であるということもございまして、これは原則として長く基金としてその元本をそこなうことなく、その運用益を活用するという考えのもとに、これは取りくずさないで使うという考え方に立っております。その用途としましては、万国博を記念する事業に向けるということでございますので、記念公園の管理に必要な経費等も非常に重要なその使途になろうかと思いますが、その他各国との文化交流その他にもこの運用益は充てることを考えているわけでございます。
○岡沢委員 最後に、十分局長等も御存じのことでございますが、この万博の開催にあたりましては基礎施設の整備等に多額の国費等が使われたわけでございます。この国家投資を有効に生かすということも一つのわれわれが着目すべき観点かと思います。もちろん第一条の目的に従った事業、その運営がなされると思いますけれども、先ほど指摘いたしましたようにアジアで初めて行なわれた万博であるということも十分御考慮いただき、そして日本がかかえる最近の最大の政治課題の一つ、公害問題等とも結びつけ、また関西の立地条件、地勢等もお考えいただきまして、施設後の運用につきましても大蔵大臣がある程度監督権をお持ちのようでございますから、ぜひ国民の期待を裏切らないような方向でなされることを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○毛利委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 時間が十分間と限られておりまして若干機械的になりますが、項目的な質問をいたしたいと思います。 二十四条で、協会に対して業務上要する経費を補助することができる、こう書かれておりますけれども、協会の経常経費というのは大体どの程度を予定されてるのか。そしてまた経費の補助の必要が出てくるといったような場合はどのようなときが想定されるのか。そしてまたさらに大阪等に対しては、これによって財政負担というようなものがどのくらいになるというふうな見込みを立てていられるのか。まずこの点をお伺いをいたしたいと思います。
○相澤政府委員 第二十四条は「政府及び政令で定める地方公共団体は、予算の範囲内において、協会に対し、第二十一条第一項第一号の業務に要する経費の一部を補助することができる。」と書かれておるのでございますが、第二十一条の業務は、あと地の整備、文化的施設の設置及びこれらの施設の運営ということになっております。したがいまして、条理上は補助対象はこれらの施設の設置に要する経費及びその運営に要する経費ということに相なります。その施設の設置費並びに運営費がどの程度になりますか、これはなおマスタープランの作成によって今後きまることと思うのでございますので、どの程度かかるかということを実は私どもまだ試算をしておりません。しかし、施設費等になりますとこれは協会の基金の運用益等をもって十分まかなうことはなかなかできないと思いますが、この施設の運営費等には基金の運用益等を相当充当できるのではないかというふうに考えております。しかしそれをもって足らない場合には国あるいは地方公共団体がこれを補助することができるようになっておるわけでございます。したがいまして、補助対象としては施設費あるいは運営費というものが考えられるわけでございます。
○小林(政)委員 具体的に内容についてはほとんどまだ測定できないのだ、こういうようなことでございますけれども、少なくとも財源の伴う問題でございますので、やはり一定の見通しなどというようなものについては、当然予想される問題等も検討されてこれを明らかにするということが必要だと思いますし、また地方公共団体がその財源の一端を負担するということになりますと、これ等についてもどのくらい大体かかるのかということは、これはやはり大きな関心の問題であろうというふうに思います。早急にそれらの問題等について明らかにしてもらいたいと思います。 時間がないので、次に入りますが、協会は必要がある場合には大蔵大臣の認可によって資本金等をふやすことができる、あるいはまたその他の事業計画等についても、これは地方公共団体と協議をいたしまして決定をするというたてまえになっておりますけれども、この資金の伴う問題等について、たとえば資本金をふやすというような場合には地方公共団体に義務づけられるものなのかどうなのか。あるいはまたその計画策定あるいは資金の額その他について地方公共団体と意見が十分一致しなかったような場合には、その決定なり処置というものはどうなるのか。この点について二番目にお伺いをしておきたいと思います。
○相澤政府委員 この法律は、地方公共団体の出資を義務づけるというようなことはないのでございまして、たとえば第四条の資本金を増加することができる規定に関連いたしまして、第四項に「政府及び政令で定める地方公共団体は、前項の規定により協会がその資本金を増加するときは、協会に対し出資することができる。」あくまでも「できる。」という規定であります。したがいまして、地方公共団体がその出資をする意思がない場合には、当然これは出資しなくていいわけであります。実際問題といたしましては、そういう増資をするときにあらかじめ当該地方公共団体と相談をいたしまして、そして地方公共団体も出す、国も出すというときにこの資本金の増加というような処置がとられることになるわけでございますから、法律でもって強制するというようなことは規定上もございませんし、またそういうことは考えておりません。
○小林(政)委員 資本金の場合はわかりました。 事業計画等について、地方公共団体の立場に立っての地元の意見、こういったようなものとの相違が出てきた場合というようなことが想定されるわけですけれども、この場合にはどうなのかという点について、最終の処置というものはどうなるのかという点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○相澤政府委員 この点につきましては、法律案の第三十七条に「大蔵大臣は、次の場合には、関係行政機関の長に協議し、かつ、協会に出資した地方公共団体の長の意見をきかなければならない。」その第二号に「第二十六条の規定による認可(事業計画に係る部分に限る。)をしようとするとき。」というふうに書いてございますが、事業計画について大蔵大臣が認可を与える場合は、「協会に出資した地方公共団体の長の意見をきかなければならない。」というふうになっております。したがいまして、その意見を十分に参酌をいたしまして大蔵大臣の認可、またその変更が行なわれるわけでございます。
○小林(政)委員 私は、いま御質問をいたしました件について、地元の意見というようなものをただ聞くということだけではなくて、ひとつ十分尊重をしていくべきであろうというふうに考えますが、この点については先ほど来から他の委員からもお話がございまして、評議員などにはむしろ地元の代表、そういう方々にも参加をしていただいて、記念事業にふさわしい構成というものを考えることが必要ではないかということでございますけれども、そういう立場に立つということが、一つには地元の意見というものがたてまえの上からも十分尊重されるという、こういう立場であろうというふうに考えますが、これらの点を含めてもう一度御答弁をお願いいたしたいと思います。
○相澤政府委員 第三十七条に、事業計画の認定の場合に、大蔵大臣は「協会に出資した地方公共団体の長の意見をきかなければならない。」というふうに規定しておりますのは先ほども申し上げたとおりでございますが、意見を聞くと申しますのは、これは文字どおりでまいりますと、聞けばいいので、意見が違っておっても、それは大蔵大臣の認可はかってだということになりますけれども、しかしこういうものの運用は実際はそうではございませんで、意見は十分参酌して取り入れるということになるのが例でございます。 それから評議員会につきましては、第十八条の第三項に評議員のメンバーとしまして、学識経験者、関係行政機関の職員のほか関係地方公共団体の長のうちから大蔵大臣の認可を受けて会長が任命するということになっております。したがいまして、この関係地方公共団体の長のうちから必ず評議員に任命されるわけでございます。そしてその評議員がマスタープランの作成その他協会の業務運営の基本的な方針を検討するわけでございますので、そういうような形を通じましても、地元の御意見というものは協会の業務運営の面では十分反映されることになろうかと存じております。
○小林(政)委員 あと地の利用計画の問題については、緑の公園をつくっていく、そしてあと地が分割するというようなことのないように総合的な緑の文化公園、こういったようなことが述べられているわけでございますし、またこの中には、ふさわしい文化施設、こういったものを今後つくっていくのだということでございますが、先ほど来からいろいろなマスタープラン等も練られているというようなお話も出ておりますけれども、この中で、財界等から情報センターというようなものをここにつくったらどうかという動きが相当活発に行なわれているというようなことも私は聞いております。時間がないので具体的な中身については詳しく触れられませんけれども、万国博人工頭脳コンピューターセンターのあとを利用して近畿情報センター、こういったようなものを設置して、近畿圏内にある学校だとかあるいは政府機関だとか病院だとか、そういった公共団体などに対して必要な情報を電送回線で送り込んでいくとか、こういったような具体的な話も財界等の中では、いわゆる情報センターの設置ということが話に出てきているわけでございます。私はやはり先ほど来からお話の出ておりますとおり、国民全体が自由に利用のできる緑の公園、そしてまたそれにふさわしい国民的な、だれでもが気やすく喜んで参加し利用できるような施設というようなものこそが最も理想であろうというふうに考えますが、この点について、具体的な財界の動き等について知っていられるかどうか。また、こういうものについてあくまで緑の公園にふさわしい国民的な施設ということでお考えを持っていられるのかどうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○相澤政府委員 情報センターの設置の件、私寡聞にして存じておりませんが、いずれにしましてもこのあと地に設けられます施設は万博記念事業の目的に沿ったものでなければならないのは当然でございまして、そういうような目的に沿ってどういうような施設を設けるかということは、いずれ協会設立の暁は評議員会等において十分検討されることになるというふうに存じております。
○小林(政)委員 その点についてももっとはっきりとしたお返事をいただけるようにもう少し質疑を行ないたいのですけれども、時間がないために——いまももう時間の催促がきております。 最後に一点だけお伺いをいたしたいと思いますけれども、もしこの利用計画を変更したり、あるいはまたこの法案にも書かれておりますとおり、協会等が解散をし、いまの事情に何らかの変化が出てくる、こういったような場合には、この土地については当然、これは一応協会に出資したという形をとっておりますけれども、大阪なら大阪にこれを返す、こういったようなお考えを持っているかどうかをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○相澤政府委員 これから、法案が成立いたしましたら協会の設立を考える時期でございますので、解散したときにどうなるかということをまだ私ども考え及んでおりませんけれども、いずれにいたしましても、もしそのようなことがございましても、場所は、土地は大阪にあるわけでございます。そういう際はそれをその場所においてどのような活用を考えるか、いずれそのときにおいて検討されることであろうと存じております。
○小林(政)委員 最後に、十分な御答弁いただけませんでしたので、要望事項を申し上げたいと思います。 私はやはり、何らかの形でこの利用計画というようなものが変更して、土地が、何らかの形でほかに移るというような、あるいはまた他に売り払うというような——そういうことはあくまで仮定の問題でございますけれども、利用計画等が変更になった、こういった時点では、必ずその土地を、大阪にあるから大阪のというのではなくて、出資した大阪府にこれは当然返すということが原則であろう、こういうことを強く要望を申し上げると同時に、この現在のあと地の利用計画等につきましては、先ほど申し上げましたけれども、広く国民から喜ばれ、そして国民が広く自由にこの施設を利用することができるような、こういうものにしてもらいたいということを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○毛利委員長 藤田高敏君。
○藤田(高)委員 私は、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、以下幾つかの質問をいたします。 率直に申し上げて、この児童手当に関する法律内容につきましては、社労の委員会においてすでにこの法案が可決されております。しかし、われわれ大蔵委員会にとりましても、その財政上の処理の問題と関連をしてきわめて大切な法案でありますから、少し時間をかけてやりたいと思っておったわけでありますが、あちこちからたいへん時間の制約を要請するようなサインがいろいろな形で私のところに送られてくるような気がするわけであります。そういう点で、私もできるだけ重点的に、その要望に沿って質問をいたしたいと思います。 全く順序不同になりますけれども、その一つとしてお尋ねをしたいわけでありますが、私の理解をいたしております限り、この児童手当の問題は、たしか昭和四十二年の三月の予算委員会において佐藤総理が、四十三年からこの児童手当は実施する、こういうことを公約されましたけれども、結果的には三年おくれて今日、非常に不完全ではありますけれども、いわばこの法制化されたその芽が出てきた、こういうことでありますが、この三年おくれた経過の中身というものを、これはきわめて簡単でよろしゅうございますが、具体的に、なぜこんなにおくれたのかということをひとつ簡明率直にお答えいただきたいと思うのです。
○石野説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和四十二年あるいは四十三年等におきまして、それぞれ国会等で御議論いただきました。いままでいろいろ各方面の、特に財政上の問題でありますとか、あるいは事業主側の問題でありますとか、いろいろな問題がありまして、国民的なコンセンサスを得られるためにもいろいろ努力を続けたわけでございますが、その結果ようやく今日法案を提出するということになったわけでございます。非常に簡単でございますけれども、経過につきまして以上でございます。
○藤田(高)委員 なぜおくれたかという理由はきわめて不明確であります。これは率直に私のほうから申し上げますが、この児童手当の法案が初めて日の目を見るまでの過程ではいろいろな、端的にいえば財政当局である大蔵省が、こういった新しい社会保障制度の創設にあたっては財政的な面から相当難くせをつけたという説が一つあります。いま一つは、これも率直な質問でありますが、日経連、経団連を中心とする財界、業界からの圧力がきわめて強かった。後者の問題については、いわゆるマスコミ、新聞等でも報じられておるところであります。そういうものによって、いわば今日ILOの常任理事国であるわが国がこの児童手当制度について、常任理事国の中でまだやってないところも一、二あるようでありますけれども、わが国がこんなにおくれてくる、国際的にもそういうことでは私はきわめて不名誉なことではないかと思うのですが、そういう事実が具体的にあったのじゃないか。その事実の有無について、私はひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのです。
○橋口政府委員 先ほど厚生省当局からお答えがございましたが、その中にも、児童手当制度の創設に関運をいたしまして財政上の負担の問題が一つの隘路になっていたという御指摘があったわけでございます。同時に、あわせて事業主側と申しますか、経済界におきましても費用負担の問題についていろいろ意見があったように承知をいたしております。その後いろいろな経過がございましたが、昭和三十年代における国民皆年金あるいは国民皆保険の実現の次にくるものとして、児童に対する福祉の向上ということで、予算の費目で申しましても社会保障に関する経費は逐年増加をいたしております。また今後の見通しといたしましても、経済社会発展計画等に示されております目標に向かって着実に前進をいたしておるわけでございます。過去数年間の予算の構成比を見てみましても、社会保障に関する経費はその構成比が逐年増加をいたしております。そういう事情でございますので、新しい制度の創設に関連をいたしまして、制度の理念なりあるいは仕組みなり、あるいはその費用負担区分等について議論のあるのはこれまた当然のことであろうかと思います。以上のような経緯で、厚生省に臨時的に置かれました児童手当に関する審議会の答申等も得まして、今回立法いたしたということでございます。
○藤田(高)委員 制度の新設にあたっては、先ほど可決を見ました自動車重量税であろうと、あるいは社会保障制度のこの種の法律案であろうと、私は多くの議論のあるところだと思うのです。議論のあるということと、やはり今日平和憲法のもとにおける基本的な社会保障制度を充実していくというような問題について時期的にこれをおくらすということとは、私は議論のしかたとしては別問題ではないかと思うのです。これは何としても私は、ためにする引き延ばしではないと思いますけれども、今日のわが国の行政機構からいって、大蔵当局の発言力なりあるいは広い意味における政治力というものは、これは理屈を越えて、実際問題として非常に大きな力を持っているということは自他ともに認めているわけであります。そういう点からいって、私はおくれたことをこれ以上責任は追及いたしません。 しかし、これは一番最後にもお尋ねしたいと思っていますが、社労委員会においてはかれこれ八項目にわたる附帯決議が出されておりますが、この附帯決議というのはいずれも相当な財政支出を要請する附帯決議であります。そういう観点から申しますならば、私はやはり大蔵当局が積極的に児童手当制度の中身、幅と厚みを充実していく、そういう立場からも、今後はこの三年間のおくれを取り戻していく方向で積極的な努力を払ってもらいたい。そういう考え方の問題について、財政当局の見解を承っておきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○橋口政府委員 衆議院の社会労働委員会における附帯決議は承知をいたしておるわけでございますが、ただ先ほども申し上げましたように、新しい制度をつくりますにつきましてはいろいろな問題が内在をいたしておりましたために、制度の発足が今日まで遅延をいたしたわけでございます。で、社会保障制度推進に残された大きな課題でございました児童手当制度が発足いたしましたので、当面は現在の制度の完成を目ざして努力をいたしたいというふうに考えております。したがいまして、第三子以降に児童手当を支給することにいたしておりますが、制度の拡大の問題とか、あるいは財政負担の問題とかございますが、当面は与えられた制度の完成を目ざして努力をいたしたいというふうに考えております。
○藤田(高)委員 さすが主計局の次長だけあってなかなか用心深い答弁をされております。しかし、限定された前提はありますけれども、私は基本的には児童福祉の精神、あるいはILOの精神、そういうものに沿って、時期的には非常におくれて制度化されたわけでありますから、その点では他の社会保障立法にいわば追いつき追い越すというようなかまえで、ひとつぜひ取り組んでほしいということを要請しておきたいと思います。 次に私は、順序不同でありますが、お尋ねしたいことは、かつて斎藤厚生大臣の当時、政府の構想として出てまいりましたものは、費用負担の問題において、事業主負担が四〇、国が四〇、県が一〇、市町村が一〇、こういう割合の児童手当構想というものが打ち出されました。中間的なものは私は時間の関係ではぶきますが、中間的にはいわゆる有澤私案というものがA案、B案という形で出されて、そうして今度法律案が固まる以前に厚生省の一つの試案が出された。最終的にはいま私どものここで審議をしております事業主七〇、国が二〇、県、市町村でそれぞれ五%、こういう費用負担の割合になっておるわけでありますが、この点については、本来の社会保障制度の性格からいって、今回出されているような事業主負担に重点を置いた、そういう費用の負担内容を持つ性格のものが社会保障のたてまえからいってよりベターなものなのか、それともかつて斎藤厚生大臣当時に打ち出された政府構想のほうがよりベターなのか、そのあたりについてひとつ政府当局の見解を承っておきたいと思います。
○橋口政府委員 児童手当制度の負担区分の問題でございますが、これは児童手当に関する先進諸国におきましても負担区分はまちまちになっております。ある国のごときは全部が事業者負担というような制度をとっている国もございます。そういう点から申しまして、新しく制度をつくります場合に、児童手当制度の理念から申しまして一般の事業者も受益をいたすわけでございます。そういう点から申しまして、被用者に対する児童手当につきましては、事業主の負担も徴収し、国と地方がさらにそれに応分の負担をする、こういうたてまえをとったわけでございます。 ただ、非被用者につきましては、御承知のように国と地方団体が負担をいたしておるわけでございまして、児童手当制度の性格から見まして、事業者なり、あるいは地方団体が負担するのは適当な措置であるというように考えております。
○藤田(高)委員 私の質問は、事業主負担があるからこれは社会保障制度本来のたてまえからいっておかしいではないか、そういう意味の質問をしているのじゃないのですね。いわゆる費用負担の面において、今回出された法律の事業主負担というのは七割と、比重は非常に大きいではないか。同じ佐藤内閣のもとにおける斎藤厚生大臣当時には国の負担が四〇だ。そういうふうに、同じ内閣のもとで打ち出されてくる考え方の中に、事業主負担というものが倍に変わるような案として今度出されてきておるわけですよ。ですからそういう対比において、社会保障のたてまえからいって、わが国の社会的条件もありましょうけれども、どちらがよりベターなものだと考えているのかどうかということであります。そういう質問ですよ。ひとつ質問の要旨に合わしてお答えをいただきたいと思います。
○石野説明員 ただいま先生御指摘のとおり、斎藤前厚生大臣が児童手当審議会のあいさつの際に私案といたしまして、国と地方とそれから事業主負担の点につきまして四、四、二というものを私案の形で出されました。しかしながら、ことしの今度提案いたしましたものにつきましては、被用者のみをとらえますれば全体の七割を事業主が負担いたしておりますけれども、事業主負担の分は全体の費用総額の二三%でございまして、したがいまして、四、四、二という比率を、これはプールしておりますので、これだけとらえますと七割というのは非常に高いようでございますけれども、全体を考えますと事業主負担は二三%というふうになっております。したがいまして、社会保障制度の中で事業主負担を高くするのがいいのか、低くするのがいいのかというのは、それぞれの制度の目的等によりまして違うと思いますけれども、今回の児童手当につきましてはそれが妥当であろうという判断をいたしたわけでございます。
○藤田(高)委員 いまの比率は七、二、〇・五、〇・五になっておるわけですが、全体的な比率が二三%になっておるというのは、これはどういう意味なのか、私はちょっと理解に苦しむのですが、それでは全体的な費用負担の比率構成は、事業主、国、自治体においてどういう割合になりますか、それをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○石野説明員 全体の費用につきまして申し上げますと、現在の費用負担の割合は、事業主の拠出金が二三%、それから国庫負担が四六%、その他が市町村、都道府県というふうになっております。これは四十六年度の分で申し上げましたけれども、四年後の昭和四十九年度の段階、実施のすべて終わった段階で申し上げましても、事業主の拠出金が二一・七%、それから国庫負担が四七・四%、それから都道府県、市町村分が二七・九%、その他三公社等の自前財源がございますので、それが三%、こういう数字になっております。
○藤田(高)委員 その点は、結局公務員や何もかも突っ込んでという意味ですね、いまの負担割合は。その点、わかりました。 なお、私が尋ねておりますように、その比率からいきましても、斎藤厚生大臣が打ち出した当時のなにからいきますと相当な開きがあるわけですね。ですから、私は基本的には、これはやはり社会保障のたてまえからいけば、国がもっとこの費用負担をするようなたてまえの費用負担制度のほうが、より社会保障制度としてはベターな費用負担ではないかと思うわけでありますが、その点についての見解をひとつ聞かしてもらいたい。 それと、時間の関係もありますから質問点をできるだけ集約いたしますが、児童福祉法でいうところの児童とはいわゆる三つの区分に分かれておると思います。率直にいうと、この児童手当というのは、私は児童手当ではなくて幼児手当だと思うのですが、これは児童福祉法との関係においてはどうですか。児童とは何かという定義の問題もありますが、これは少なくともいま法律でなにされておる、昭和四十九年までの一つの限定されたそういう立法的な性格からいくと、これは児童手当という形で十八歳未満を包括した、そういうものではなくて、むしろこれは幼児手当だと思うのですが、そこはどうですか。
○相原説明員 まず前段の国庫負担のほうからお答えいたします。 先ほどお話のありました斎藤構想は、実はその前の段階の児童手当懇談会の結論を踏まえて斎藤私案という形で非公式に出されたものであります。その懇談会の結論として出されたのは、拠出制児童手当の給付に要する費用は、十分の八が事業主が拠出すべきであるという結論になっております。この十分の八がなぜ十分の四という形になったかという、その辺はつまびらかでありませんが、かりに被用者と事業主の比率が半々だといたしますと、そうすると事業主の拠出分の十分の八は全体とすれば十分の四になるわけです。おそらくその辺が一つの根拠ではなかったかというぐあいに想像しているわけです。 それから、今回の児童手当制度の国庫負担をどうすべきであるかという議論の際に一番問題になりましたのは、全額国庫負担をやっておりますイギリスとかカナダ、それからオーストラリアですか、この国々におきましては非常に制度が硬直化しております。と申しますのは、非常に広範囲の児童に対しまして全額国庫負担でございますから、なかなか額が動かしにくい。したがって相当長い年月据え置かれておりました。そこで相対的に減価していくわけでございます。しかし一方、フランスその他ラテン系統におきます国では社会保険的なシステムをとっておりまして、全額企業負担でやっております。これらの国におきましては、経済成長に見合って企業負担をふやしていくという形で非常にうまくいっている。したがって、わが国はどちらの方式をとるべきであるかということでずいぶん議論したわけです。その場合に、将来のそういう弾力性を考えれば企業負担を中心とすべきではないか。といって、いろいろな事情から国がほうっておくわけにもいかないということで、企業負担を中心としながら国庫負担を導入したという形でございまして、現在の国庫負担の状態がわれわれとしては最善を尽くした状態であるというぐあいに考えておるわけであります。
○石野説明員 後段の児童福祉法との関係でございますけれども、児童福祉法は、御存じのとおり満十八歳未満の者を児童というということになっております。今度の児童手当法案におきましても一応上限、つまり長子なり長女が十八歳未満の者であって、なおかつ義務教育終了前の児童を含む三人以上の家庭に対しまして児童手当を支給するということになっておりますので、少なくとも義務教育終了前の児童に支給するという意味では十八歳になりませんけれども、あくまでも上限であります長子なり長女が十八歳ということにおきましては、児童福祉法と全く軌を一にしておるわけでございます。
○藤田(高)委員 前段の答弁については、これは先ほどからお尋ねしておるところですが、私も少しく調査をいたしておりますけれども、同じILOの常任理事国の国の中でも、インドとたしかアメリカだったと思いますが、児童手当制度がまだできていない。また国連加盟国あるいは児童手当を実施しておる六十何カ国の中でも、いま言われたようにほとんど国費でやっておるところ、フランスのように企業主負担が重点的になっておると一ころ、若干の違いはありますけれども、総じて事業主負担によるこの種の制度というのは数少ないのではないかと思うのです。やはり基本的には私は、国費、公費によるこの児童手当制度の確立が、本来的な社会保障のたてまえとしてはよりベターなものではないかと思うわけですが、その点についての見解を、これはそのものずばりで聞かしてもらいたいと思うのですよ。 何かあなたたちの答弁を聞いておりますと、あちこち気兼ねをする向きが非常に多いように思う。もう少しそれぞれの所管当局なりそれぞれの部署において、児童手当とは何か、その費用負担についてはどの種の、どういう形によることがよりベターであるかというくらいなことは、私は内閣としても、またそれぞれの所管当局としても、一つの定説なり定見を持ってしかるべきじゃないかと思いますね。そういう点については実に奥歯にものがはさまったというか、くつの上から足をかくような、そういう答弁が多過ぎると思うのですよ。この種の答弁はそのものずばりでやってくれれば一回で終わるんじゃないですか。そういう点で、大胆率直にお聞かせを願いたいと思う。
○石野説明員 外国のほうの制度につきましては、それぞれその国の歴史的な事情なりあるいは社会的な事情がございまして、必ずしも軌を一にいたしておりませんけれども、現在児童手当を実施しております六十二カ国の中で、実際に全額国庫負担によります国というのは、イギリスとか西独、カナダ等の十三カ国でございます。また、拠出制を採用しまして、なおかつ国庫負担も財源としているという国が十六カ国でございます。その国庫負担の比率も、たとえば事業主負担を拠出制をとりながら国庫負担を導入しております国で、国庫負担の率がどのくらいかということにつきましては必ずしも明確でございませんが、たとえばニュージーランド等の資料によりますと、国の負担率は三分の一程度というふうになっております。これをどのように考えるかにつきましては、わが国の国情に照らしまして、現在提出しております法案の比率が最も妥当であろうという判断に立っておるわけでございます。
○藤田(高)委員 私はこの基本的な論争といいますか、考え方については、時間の関係もありますし、本法案それ自体のすべてでないと思いますから、これは将来に向けて留保します。しかし、今日の国情に沿ってこれが妥当であろう、そういう結論については私はきわめて不満である、そういう見解だけを表明しておきます。 次に私はお尋ねしたいことは、今日のわが国の社会保障制度というものが非常におくれている。制度はできても、入れものはできても、その中には中身が入っていないわけですね。その最たるものが私は今回のこの児童手当だと思うわけでありますが、そういうふうに国の政治が非常におくれておるものですから、それぞれの地方自治体では児童手当制度というものをかなり広範に制度化していますね。これは事務的なことですけれども、それぞれの自治体ですでに児童手当制度を採用しておる個所が何カ所ぐらいあるかということをお尋ねしたいことが一つ。 二つ目は、今回国がおくればせながら、こういう非常に未成熟なものであるにしろこの制度をつくったわけでありますが、この制度化に伴って、今日それぞれの自治体において制度化しておるものとの関連はどう調整していくのか。端的にいうと、一元化する方向で行政指導をするのか、それとも自治体のものは自治体のものとして別途そのまま存続をさす方向で行政指導をやっていくのかどうか。いま少し端的にお尋ねするなれば、国のほうで今度第三子に対して三千円というものをつける。現在自治体でやっておる、その自治体でやっているものを上のせさせていくような、そういう指導をやるのか。それとも自治体でやっておるものはこれを解消さす方向で、国の制度の中に一元化さす方向で行政指導をおやりになるのかどうか、そのあたりをひとつお聞かせ願いたいと思う。
○石野説明員 第一点の、現在行なわれております各地方自治団体の状況でございますが、四十五年の七月現在におきまして二百八十九市町村——これは東京都の場合は十八市二十三区として計算しておりますが、そういうものを含めまして二百八十九市町村ございます。ただ、これはいろいろ段階がございまして、第四子以降とかあるいは第五子以降というものもございますし、中には非常に金額を少なくしまして第一子以降というものもございます。非常にばらばらでございますけれども、そういう状況になっております。 それから第二点の、現在行なわれております制度との関連、調整の問題でございますけれども、これにつきましては、児童手当の支給というのはやはり全国的に統一的な運用をはかる必要があると考えておりますので、それぞれ各地方公共団体におきまして独自に実施しております児童手当につきましては、その趣旨なり目的がこの手当法案と全く同じようなものでございます場合には、本制度に円滑に移行できるように指導してまいりたいと考えております。ただ、御指摘のとおり地方公共団体のほうはまちまちでございますので、この制度とかけ離れた、全く趣旨の異なったものがございます。そういうものにつきましてはそれぞれの地方公共団体の判断のものがあります。そういう観点で指導してまいりたいと思っております。
○藤田(高)委員 厚生省当局がいま調査をして把握している実態からいけば二百八十九の自治体でやっておるということですが、そのうち、今回の児童手当制度の創設に沿ってこの趣旨と大体合致する、いま答弁がありましたような方向に沿って一元化できる数は大体何割くらいで、そして上のせになるか並行的に行くところはどのくらいあるか。そのあたりはどういうふうに把握されていますか。
○石野説明員 いま手元に明確な数字を持っておりませんけれども、大体八割ないし九割はこの手当制度のほうに移行できるというふうに考えております。と申しますのは、それぞれの地方団体の条例によりまして、国が実施した場合に廃止するというふうに明確に規定しながらすでに発足しておるものがございますが、これが四十九市町村ございます。そのほかにも、第四子から始めておりましたり、あるいは第五子というものもございますし、そういうものを含めますと八割ないし九割は大体移行できるのではないかというふうに考えております。
○藤田(高)委員 私は冒頭に言ったように、はやサインが具体的にきておりますから質問点を次に進めますが、今回の制度の中身を見ますと、支給範囲については、きわめて簡単に言えば十八歳未満で義務教育終了前の児童で、そして五歳未満というところへ、いわば第三子がそういう条件にかなうものであれば五歳未満の第三子に手当を支給する、こうなっておるわけですね。私はせっかくこの種の制度をつくるのであれば、十八歳だったら十八歳未満というのが児童手当の対象になる。本来的なたてまえからいけば、その対象になるべき者は全部この児童手当がもらえるような、そういう充実したものでなければいかぬと思うのです。しかし財政事情その他の事情があって、とりあえずは芽を出すだけだということで百歩譲るにしても、なぜ第三子というところに重点を置いたやり方をしたのかということですね。私はものの考え方として、少し逆説的な言い方をするようかもわかりませんけれども、せっかく十八歳未満の児童を対象にしてこのような制度ができたのであれば、来年になればもう児童のワクからはずれていく、児童でなくなるというその十八歳の者に児童手当が支給されるような制度というものをつくったほうが、同じ三人の子供の中で一人に児童手当が支給されるにしても、そのほうが私は順序じゃないかと思うのですが、どんなものでしょうか。 それと、第三子に対して——これは事務的な面、技術的な面があるでしょうけれども、一人の子供だけに重点的に三千円というのではなくて、やはりその対象になるべき者は——ある者は、児童という対象のワクに入りながら、この内容は貧弱であってもAという第三子には一〇〇%、第二子、第一子はゼロだ、権利としての具体的な恩典といいますか、具体的な支給条件はないんだというような制度化というのは、私は新しい制度をつくるにあたっていささか理解に苦しむのです。そのあたりについてはむしろ普遍的に、同じ三千円でも、千円、千円、千円という形で支給するような方向がとられないものかどうか。そういう検討がなされた上であえて今回のような法律案ができたとすれば、その理由は何かということをお聞かせ願いたい。
○石野説明員 第三子の児童に対しまして支給するということを言われておりますけれども、法案の中身は、先生御存じのとおり、三人以上養育している家庭に対しまして、その養育費の負担の軽減をはかるという意味で支給することにしたわけでございます。したがいまして、通常第三子といっておりますけれども、三人以上かかえておる家庭に対しまして、その子供が、たとえば義務教育終了前の者が一人でございますと一人について三千円、二人おりますと六千円という形になるわけでございます。したがいまして、第一子、第二子という支給の方法ではなくて、あくまでも三人以上かかえておる家庭に対しまして、非常に養育の負担経費が高いものでございますから、それに対しまして軽減をはかる、こういう趣旨でございます。したがいまして、いま先生御指摘のような形で、第一子に千円、第二子に千円ということとは基本的に観念が違っておりますので、その点については私のほうとしては了承できないと思います。
○藤田(高)委員 そういった基本的な理念なり考え方、あるいは政策的立場から見た見解の相違についてはきょうは詰める時間がありませんから、それは言いっぱなしの議論になりますが、私はやはり、制度ができても、現在たとえば十八歳だったら十八歳の者は、来年になれば、権利はあっても、せっかくこういう制度ができても、その制度の恩典に浴することができないままずっといわば成人のワクに入れられていく。ということは、入れものはつくるけれども、その入れもののワクの中には入れてくれない、こういうような制度のあり方については基本的に再検討の余地があるであろうということを、私の見解として披瀝しておきたいと思います。 次の点は、この今回の制度を見てみますと、いま指摘しましたように三人以上いなければいかぬということになりますね。ところが現実的には、所得税法やその他の税制の中でいろいろ論議されておりますように、夫婦子三人というのは、実質的にはそういう対象者ももちろんおりますけれども、現実のわが国の平均世帯なり家族構成というものは、夫婦子二人という方向に変わってきておるわけですね。そういう実態に即して考える場合は、私は夫婦子二人のところへ焦点をむしろ合わすような制度をつくることが、先ほど来から政府委員の答弁のありますように、わが国の実態に即応した新しい制度の中身でなければならぬと思うわけでありますが、その点についての見解はどうでしょうか。その点をひとつお尋ねしたいと思います。
○石野説明員 最近の資料等によりますと、確かに一世帯におきまする児童の数というのは減少の傾向を示しております。しかしながら最近の二、三年の動きを見ますと、三子の出生の数というのはそれほど減っておりませんで、横ばいの状況、最近ちょっとふえておりますけれども、そういう状況になっております。したがって、先生のおっしゃるように、第二子なりあるいは第一子から始めるべきであるという議論につきましては、当然これは将来検討すべき問題であろうかと思いますけれども、現在の段階におきましては、とにかくその制度を円滑に発足させるというところに一番重点を置いておりますので、そういうことで第三子以降の児童につきまして支給をするということにいたしたわけでございます。
○藤田(高)委員 この点についても私たちの見解を披瀝をし、将来に向けてぜひそういう方向で努力してもらいたいと思います。先ほど言われた六十二カ国のうち、たしかデンマークを中心に四十九カ国までが第一子、第二子、第三子というふうに、全児童を対象に児童手当というものが出ているわけですね。そういう点では今回の児童手当制度の内容というものは、ほんとうに私はきわめて貧弱そのものだと思うのです。そういう制度化というのは、これはもう言いわけ程度に、極端にいったら参議院選挙対策用に、あれだけ四十三年以来総理が公約しておることをやらぬと、これはまた社会党中心に立ち会い演説あたりで責められたら事だということで、半ばそういう意味の選挙用につくったとしか——私は少し口が悪いほうですから率直に申し上げますけれども、そういうにおいが非常に強いわけであります。そういうことでなくて、せっかくこういう制度をつくるときには、もう少し社会保障の名に値するような制度をぜひつくってもらいたい。そのためには所管当局はもちろんですけれども、大蔵当局においてもこれは格段の努力を払ってもらいたいということを要請しておきます。 最後に、この所得制限の問題についてもひとつ触れておきたいと思いますが、これまた六十二カ国の児童手当制度を持っておる国の中で所得制限をしておる国というのは、私の知る限りでは六カ国か七カ国程度じゃなかったかと思うのです。児童の立場に立てば、児童手当を受ける権利が発生する。おやじさんが五百万以上所得があろうと、今回の場合であれば二百万が一つの限度になっておるようでありますが、二百万以上の所得があろうと、私はその児童には関係のないことだと思うのですよ。そういう基本的な立場からいって、所得制限をすることについては、せっかくこの児童手当の制度を形式的にも制度化したとはいいながら、それ自体さらに制度自身の性格を弱めることになるのじゃないか。この点については特に大蔵当局あたりは、財政支出の面においてこういう所得制限について何らかの形の注文をつけたのじゃないかと思うわけであります。私はこの種の所得制限というものは大急ぎで、できれば今回の制度化にあたっても排除すべきだと思うわけですが、その点についての見解を承りたいと思います。 時間の関係がありますから、せっかく大蔵大臣もお見えになっておりますので、私は質問点だけ集約してあと二つ質問いたします。 その一つは、先ほどもちょっと関連をしてお尋ねをいたしましたが、社労委のほうでは児童手当法案の成立に伴って八項目にわたる附帯決議をつけております。これは私が質問をしておることにも関連をいたしますが、この内容を見ますと、いわゆる国の財政支出を増大しなければならない内容が相当含まれております。これは、この所管省である厚生省だったら厚生省から要求が出されて、大蔵当局がこれを受けて、その程度であればどうするこうするということでなくて、少なくとも福祉国家を目ざす——われわれは社会主義国家を目ざすわけでありますが、当面段階的に福祉国家を目ざすとすれば、少なくとも憲法の精神に沿って福祉国家を目ざす以上、むしろ大蔵当局自身が指導的な立場に立って、能動的な立場に立って、この児童手当法案の成立に伴う附帯決議の内容を尊重し、これを実施していく、そういうことを私はぜひやってもらいたいと思うわけでありますが、この附帯決議に対する大蔵当局の見解として、ひとつ大臣の決意をお伺いいたしたいと思います。
○福田国務大臣 附帯決議につきましては、厚生大臣からも社労委員会において答弁しておることでありますが、大蔵省といたしましても、国会の御決議でございますのでこれを極力尊重いたします。なかなかむずかしい問題もあるようでありますが、極力尊重さしていただきたい、かように存じます。
○藤田(高)委員 一応申し合わせの時間も若干過ぎたようでありますから、私はいま少し質問したいこともありますが、大臣のいまの答弁をもって終わりたいと思いますが、ひとり児童手当の問題だけに限定することなく、社会保障全般の問題の中で、もうGNP論争ではありませんけれども、世界第二位のGNPを誇るわが国において児童手当制度自身が今日までおくれてきた、こういうことは私は国際的に見ても非常に不名誉だと思うのです。そういう立場から、ぜひひとついまの大臣の決意と申しますか、答弁のありましたような方向に沿って、特に児童手当の内容につきましては、もう表面的にかっこうだけつくっておるわけですから、ぜひひとつその内容を飛躍的に充実されることを強く要望して、私の質問を終わります。
○毛利委員長 松尾君。
○松尾(正)委員 三十分の時間を十分にしてくれないかというお話でございます。さらに、みんなの顔を見ますと、もういいんじゃないかというような顔をしておりますが、一つだけ、大臣の答弁さえはっきりすれば私は一問で終わりにします。 まず、児童手当制度がこのたび発足したということにつきまして、四十九年度で完全実施という形で出発したわけであります。藤田委員からいま社労委員会の附帯決議については、大臣から、十分そんたくをして、むずかしい点もあろうけれども努力をしていく、こういう答弁を聞いたわけです。ただ、いま藤田委員から指摘されましたように、児童手当制度が各国の状態と比べて、経済力の大きいわが国のそれが非常におくれている。こういう実態にかんがみて、四十九年度完全実施というものを、附帯決議をそんたくする意味で何とか繰り上げて実施していきたいという考え方を大臣は持っておられるかどうか。まずその点をひとつ伺いたいと思います。
○福田国務大臣 先ほどから皆さんから御論議がありますが、確かに児童手当はまだ発足最初の段階だ、こういうふうに私自身が考えておるのです。ただ、この制度につきましては、これは欧米諸国におきましてもいろいろ論議がある。多くの国が取り入れてみたのです。取り入れてみたが、これをやってみた結果、財政硬直化、こういうような見地から見まして、さてこの制度がこのままでいいのだろうかというような議論もずいぶん起こってきておるのです。そういうようなことも考えながら、私どもはこの制度の発足に、皆さんからずいぶん御催促もあった、松尾さんのほうからも何か特に厳重な御催促を受けたわけでございますが、とにかく踏み切ってみようというので、四十九年度までにという考え方をとったわけであります。この制度につきましては、社会労働委員会において十分御論議を願いまして、そして附帯決議がついております。こういう内容のもとにこれを進められたい、こういう御了承を得たばかりでございますので、とにかくこの決議を尊重するということを旨としてやっていきたい、こういうふうに存じます。将来の問題としては、私はその推移を見まして、これはいい制度だなという国民的コンセンサスが得られますれば、さらにさらにこれを充実していきたい、かように考えます。
○松尾(正)委員 一問でやめるわけにはいかない答弁であります。実は総理大臣も本会議で、この児童手当の実現までにかなりの時日を要したことについては率直におわびをする、こういうふうに国民にわびているわけです。その内容というのはどうかというと、財政面その他でいろいろな関係のコンセンサスを十分得たい、こういうためにおくれたという意味でありますけれども、この児童手当が非常におくれているということについては大蔵大臣も認めているわけです。ところが、きょう午前中まで審議しておりました自動車新税、これについてはどうかといいますと、社会資本の中で非常に道路がおくれているんだ、これを何とかしなければいけないからということで自動車新税、これだけ国民の非難を浴びている新税までつくってこれを解決しようと努力されている。道路と人間と比べれば、私は大蔵大臣も人間が大事だと言うのに違いないと思う。そういう意味で、道路に最大の努力を傾注して新税までつくって取り組んだ、この熱意をもってすれば、非常におくれている、国的際にも恥ずかしいような状態の児童手当制度を、四十九年度まで待たなければ完全実施できないというような形でなく、何としても努力をして早期実現をしたいという一言があればすぐやめるわけでありますけれども、もう一度大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○福田国務大臣 松尾さんのおっしゃることは、繰り上げて完成せよ、こういうお話でございますが、それよりさらに進んだいろんな具体的な内容を持ったこの附帯決議がついておるのです。これを私どもは極力努力をする。こう申し上げておるわけでありますから、そういう答弁をもって御満足を願いたい、かように存じます。
○松尾(正)委員 繰り上げ実施よりも進んだ内容といいましても、ちょっと理解できないのですが、とにかく意のあるところは社労委員会等で大臣も十分聞いておるはずでありますので、これらをそんたくして、自動車新税以上の努力をもって取り組んでもらいたいということを要望しておきます。 それからもう一点は、本法の精神でありますけれども、厚生保険特別会計にこれを繰り入れてやるということでありますが、これが結局どんどんふくらんでくる。いま大臣の答弁を聞いても、非常に努力をするということでありますが、これがふくらんできた場合に、現在のままの状態でよろしいかどうか。結局厚生保険特別会計の執行という業務、これらがいろいろ膨大になってまいりますと処理がむずかしくなっていく。さらに一方では定員の削減というような問題が起こっておりますので、この会計については将来児童手当特別会計というものを設けてやるべきではないか、こう思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○橋口政府委員 児童手当制度につきましては、先ほど来議論がございますように民間の拠出金にも依存をいたしておるわけであります。民間の拠出金、政府の負担、地方団体の負担と合わせて児童手当が支給されるわけでありますので、その収支を経理いたしますためには、やはり一般会計にはなじみにくい性格を持っておるわけでございます。これは御指摘のとおりであります。したがいまして、制度創設の際に児童手当に関する経理をどうやって処理するかというのが一つの検討課題であったわけでございますが、先ほど来お話がございますように、民間の拠出金を徴収する機構といたしまして、現在の厚生年金保険の徴収事務を担当いたしております社会保険庁の出先機関を通じて、保険料と同様な方法を通じて徴収しておるわけでございます。そういう実務上の便宜も考慮し、また児童手当に関しましては特別の勘定を設置いたしまして、他の勘定と区分をして経理をする、そういう措置をとったわけでございます。ただ、御指摘がありましたように、将来児童手当に関する勘定が非常に大きくなりました場合にどうするか、あるいはそれに伴う徴収なり支出なりの機構なり制度をどうするかという問題は、将来の検討課題であろうと思います。ただ当面の措置といたしましては、ただいま申し上げましたような行政簡素化の見地も加味をいたしまして、厚生保険特別会計で処理をすることにしたわけでございます。
○松尾(正)委員 終わります。
○毛利委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○毛利委員長 これより討論に入るのでありますが、両案につきましては討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。 これより両案を順次採決いたします。 まず、日本万国博覧会記念協会法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○毛利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 次に、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○毛利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。 ただいま可決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○毛利委員長 次回は、明二十日木曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十一分散会