大蔵委員会 第31号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/05/11
会議録
○毛利委員長 これより会議を開きます。 自動車重量税法案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 金曜日に引き続きまして、自動車重量税について御質問を続けたいわけなんですが、この前福田大蔵大臣との話の中で、はたして日本の自動車にかかる税金が外国に比べまして高いのか安いのか、そういう相対的な比較の問題が出たわけなんですけれども、ここで大蔵省のほうで用意していただきましたそれについて若干感想を述べさせていただきたいわけなんです。 確かにここに出ている資料におきましては、一五〇〇ccから一六〇〇ccクラスの自家用車の試算でございますけれども、それによりますと、日本の場合には六十四万円の車に対しまして年間七万三千三百三十八円、アメリカの車が七十一万八千円の車に対しまして二万六千三百二十九円、それからイギリスが七十六万一千九百円の車に対しまして八万八千八百七十円、それから西ドイツが六十二万円の車に対して年間六万七千六百四十六円、フランスが七十八万九百円の車に対しまして十万三千六百三十五円。これは一見しますと、確かに日本のは他国に比べて安いように見えるわけですけれども、私はこの表の中に一つ二つ数字の魔術があるんじゃないかと思うのです。それはまずこの試算が耐用年数を六年で試算しているということだと思うのです。この六年というのは、この自動車のモデルチェンジの激しい時代に六年持っているという人はちょっと珍しいケースじゃないかと私は思います。そういう意味においてはまずこの六年のところかが——いま運輸省のほうに聞けばわかるでしょうけれども、時間がございませんので簡単に言うと、二年か三年ぐらいで買いかえるのが普通ではないかと思うのです。その点考えますと、やはり日本の場合には物品税が一五〇〇から一六〇〇ccクラスでは六万三千四百三十三円でございますから、いま六で割っておりますから年間が一万幾らということになりますけれども、実際は三年くらいで割ると物品税は倍かかるということになるので、この年間必要な税金というのも私はずいぶん変わってくると思うのです。 それからもう一点は、これは単なる自動車にかかっている税金というものだけでは比べられないわけで、御存じのようにフランスのほうでは付加価値税になっていて直接税が非常に少ないわけなんです。あるいは他の諸外国においても付加価値税が入れられているのがずいぶんあるわけなんで、その点ではそういう税全部の体系の中でものを考えていかないと、私はこの数字を見ただけでは安い高いということは言えないのだと思うのです。その点だけひとつ主税局長のほうから私の見解に対する御意見をお聞かせ願いまして、次の点の質問に入らせていただきたいと思います。
○細見政府委員 いまお話しの耐用年数ですが、御承知のように日本の場合に法定で耐用年数を定めているわけです。その耐用年数は、営業用の車はおっしゃるように六年でなくて若干短くなりまして五年というようなものになっており、乗用車の中でも二〇〇〇cc以下の非常に摩滅度の激しいものにつきましては三年というような年数がございますが、自家用車については法定耐用年数が六年というようになっております。 いまの外国との比較でございますが、御承知のように、この比較表におきましては同じ耐用年数で割り出しておりますので、日本のものをかりに三年といたせばこの一万円とあるものは二万円になるわけでありまして、同様にイギリスの二万円が四万円になり、西ドイツの一万円も二万円になる、あるいはフランスに至りましては三万二千円が六万四千円になる、そういう形になりますので、絶対値につきましてはここにございますようにたくさんの仮定を置いております。ただ比較としては同じになるのじゃないか、かように思っております。
○佐藤(観)委員 それとやはり肝心なことは、税体系そのものが日本の場合には国家収入においても三分の二が直接税であり、間接税は三分の一だ、そういう比べ方と、フランスのように付加価値税を中心とする税体系の中で自動車に対してこういう税金がかかっているという、その税体系全部の中でものを考えていかなければならないのじゃないかと私は思うのです。さらにこの上にも税金とひとしいような自動車賠償責任保険がかかるわけなんで、そういうことも入れていくと、私は必ずしも日本の場合にはこれは簡単に安いというふうには判断はできないのじゃないかと思うのです。しかしこれをやっておりますとまたちょっと長くなりますし、いろいろ問題はありますので、次の点に移らしていただきたいわけなんです。 それは、実はきのうの公聴会でも高橋さんというトラック運送をやっていらっしゃる方のお話もございましたけれども、トラックあるいは車から税金を取っていかれ、それが道路に使われるならいい、それなら話はまだわかるけれども、その対抗馬である鉄道建設に自動車から取られた税金が使われるようでは、こいつはたまらぬ。自分たちの営業で非常に苦しいところを、片方に足かせをかけられて、しかもその対抗馬でお客なり貨物を持っていってしまう他の輸送機関に、自分たちから持っていかれた税金が回されるということでは、これは納めるほうとしてはどうも納得がいかないという御発言があったわけなんです。私ももっともだと思うのです。 そこで、少し大蔵省にお伺いしたいわけなんですけれども、この前、金曜日のときに中島委員の御質問の中で竹内主計局次長は、大体第六次道路整備五カ年計画では三千億くらいこの五年間に足りなくなるという試算を言われたわけなんですが、しかしどうもそれを調べていくと私は合点がいかないところがあるわけなんです。そこでたいへん恐縮でございますけれども、まず第六次道路整備五カ年計画、これはとにかく支出のほうは全部で十兆三千五百億ということで、こいつはわかるわけなんですけれども、一体それでは国費と地方費と財投のほうで大体この五年間にどのくらい入ってくると見込みをなさっておられるのか、その点についてひとつ数字をあげて御説明願いたいと思うのです。
○竹内(道)政府委員 お答えいたします。 十兆三千五百億の道路五カ年計画でございまするけれども、その中で、御承知のように一般道路としては五兆五百億円、有料道路が二兆五千億円、それから地方の単独として二兆五千五百億円というものが考えられておるわけなんでございまするけれども、これにつきまして国費として必要な金額は一般道路につきまして三兆……。
○佐藤(観)委員 次長さん、結局支出のほうはわかるので、収入のほう、たとえば揮発油税、石油ガス税、その使い道ですね。一般道路か地方の単独道路か。これはちょっといまそう問題にならないと思いますので、財源のほうだけひとつお願いしたいと思います。
○竹内(道)政府委員 国費として必要な金額は大体四兆八百三十億円と見込んでおりまするけれども、それに対しまして揮発油税及び石油ガス税等の特定財源の収入が三兆三千七百億円というふうに見ております。これは揮発油税の伸び率一三%、石油ガス税の伸び率一〇・五%と一応想定いたしまして特定財源の金額をはじいたものでございます。これを差し引きいたしますと一般財源として不足いたします分が七千百三十億、ほぼ七千百億が不足するということに相なります。ところで、従来の一般財源というものをどう見ていくかという問題があるわけでございますが、一応これを四十五年度に入れました一般財源を基準といたしまして、総額として一〇%ずつ伸びていくという計算をいたしますと、五カ年計画期間中の一般財、源は四千二百億となります。これを差し引きますと計算上二千九百億という数字になりますので、おおむね三千億くらいが不足するのではないかというふうに申し上げたわけでございます。
○佐藤(観)委員 いま支出のほうとして十兆三千五百億というのは、これは全部、国も地方も、それから高速道路等も含めての支出でございますね。そして、いま御説明あったのは、国費として国だけが使うのが三千億足りなくなるというお話なんですが、この十兆三千五百億の中には地方がやらなければいけないものがあるわけで、それには地方の特定財源及び国から回るものもあるわけでございますね。それも総合して話をしないといかぬのじゃないのですか。
○竹内(道)政府委員 地方の財源問題につきましては、これはいろいろ見方があるわけでございまするけれども、御承知のように府県と市町村に分けてみますると、府県のほうは比較的に財源がございますので、特に問題になるのは市町村の道路の関係かと思いますが、市町村の関係につきましては五カ年間の所要財源が大体一兆六千億程度と考えられます。これに対しまして特定財源が、自動車取得税でございますが、これが二千八百億円ほど見込まれます。差し引きいたしますと、一般財源としてはまあ一兆三千四百億というような数字が必要となるわけでございますが、これに対しましてどのくらいの一般財源が繰り入れられるかというのは、地方といたしましても最近いろいろな公共投資その他でなかなか窮屈なわけでございまするけれども、一応国と同じように従来の投入額を一〇%ずつふやしていくというような計算をいたしますと、大体千億ないし千二百億くらいが五カ年計画期間中に不足するということに相なりますので、これも大体この間説明がありましたように、五カ年間の地方に譲与する分が千二百五十億でございまするから、大体これでまかなえるんではないかというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 第六次道路整備五カ年計画の中で、いま申しましたように全部の総ワクというのは十兆三千五百億なわけですね。それでいま竹内さんからお話しございましたように、そのうちどこに、地方に使うか国に使うかは別としても、国が必要とする財源というのは、竹内さんもおっしゃったように四兆八百三十億ですね。第六次五カ年計画をやっていくためには国は財源として四兆八百三十億必要なわけですね。足りるか足りないか、これはまた別な話です。それから第六次五カ年計画をやっていくにあたって地方が必要なというか、地方費でやらなければいけないわけですね、これは幾らあるのですか。地方からあがってくる財源でやらなければいけない分——いま支出じゃなくて、財源だけの話で限ってけっこうですが……。
○竹内(道)政府委員 地方費として必要なものは大体四兆二千億と見込んでおります。
○佐藤(観)委員 それから財投でやらなければいけない分、公団債なり地方債券などでやらなければならない分、そういうところから財源をとってやるものもありますね。それは幾らですか。
○竹内(道)政府委員 一兆九千六百億というふうに計算いたしております。
○佐藤(観)委員 ですから、そういういま言いました国費の四兆八百三十億、地方費の四兆二千七十億、それから財投の一兆九千六百億、これを全部合わせますと、第六次道路整備五カ年計画合計十兆三千五百億ということになるわけなんですね。それでは、国の場合には竹内さんもいまお話ございましたように特定財源としては揮発油税と石油ガス税、これが特定財源なわけで、これだけ見ますと確かに国のほうは三千億程度、いまお話がございましたように足りなくなる。そうですね。それはわかるわけなんです。それから今度地方のほうでございますけれども、地方のほうの財源というのはいろいろ税目があるわけなんですが、一応どういう項目があって、大体どのくらいのことをこの五年間に試算なさっていらっしゃるのか、数字をあげて御説明願いたいと思います。
○竹内(道)政府委員 府県と市町村とに分けて申し上げますと……。
○佐藤(観)委員 竹内さん、そこまでこまかくやっていると時間がかかりますから、地方の財源として地方道路譲与税もあるし、石油ガス税もあるし軽油引取税もあるわけですね。そのくらいのところでけっこうでございます。
○竹内(道)政府委員 特定財源といたしましては大体二兆四千億程度、これはまあ特定財源の中に都市計画税を含めるかどうかというような問題がございますけれども、一応ここでは都市計画税を含めたものでございますが、特定財源としては二兆四千億、したがいまして一般財源の不足額と申しますのは、先ほどの四兆二千億からこの二兆四千億を差し引きますと、大体一兆八千億程度と考えております。これは府県、市町村合わせた数字でございます。
○佐藤(観)委員 それで地方費においては一兆八千七十億ですか、これだけ足りなくなるということになりますが、これは一般財源の伸び、地方財政における伸びを見て、これもやはり一〇%程度ということになりますと、一体地方費における従来の一般財源というのは幾らくらい足りなくなる計算になりますか。
○竹内(道)政府委員 そこで実は府県と市町村と分けて御説明しないといけないのでございますが、府県のほうは大体従来の一般財源と同じくらいのものを出していけば五カ年計画の道路はまかなえるということで、多少剰余が出る程度のことになっております。しかし市町村のほうは財源が窮屈なのでございますので、先ほど申し上げましたように、都市計画税を特定財源に入れるかどうかということで多少計算は違ってまいりますが、大体千億ないし千二百億くらいが五カ年計画達成のために不足になるということでございます。これは先ほど申し上げましたように、従来の一般財源投入額を一〇%程度の伸率で伸ばした場合の計算でございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、あとのこともいろいろからんできますのでもう一度確認しておきますが、地方の場合にはこまかい計算も必要になってきますが、一般財源としては一千億第六次の道路整備五カ年計画には足りなくなる。市町村の場合には一千億。府県の場合には大体まかなえるということですね。 それから今度財投なんですけれども、これもいろいろむずかしいと思うのですけれども、公団債あるいは地方債券、それから民間資金、こういう財源というのもあるように聞いているのですが、その辺のところはどういうふうに見積もっていらっしゃいますか。
○竹内(道)政府委員 財政投融資につきましては、私ども直接の所管でございませんのであれでございますが、先ほど申し上げましたように、財政投融資として必要な金額は大体一兆九千六百億で、これを四十六年度を基準として見てまいりますと、大体年率一八%ぐらいの伸びで財投資金をまかなっていかなければならぬということでございます。その中身を一体借り入れ金でやるかあるいは資金運用部のお金でやるかというようなことにつきましては、そのときどきの経済状況その他を見ながらやっていかなければならないと思うのでございますけれども、何とかその金額を確保してまいりたいというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 そうすると、その財投については、本年度一年間、つまり四十六年度では、ある程度公団債なり地方債なりというものの財源がそういう形で確保できるということで予算を組んであるわけですね。ですから、たとえば四十六年度については公団債を幾ら持つあるいは地方債の財源から幾らくらい——財投合計の一兆九千六百億のうち公団債はどのくらい持つ、それから地方債はどのくらい持つ、財源とするということは出ているのじゃないですか。
○竹内(道)政府委員 公団債その他は、政府保証債全体の発行をどうするかということで、政府保証債の発行ワクというのは、御承知のように国債と一緒にどのくらいの金額が発行できるだろうかということは毎年毎年予算と同時にきめていくというようなことで、この発行ワクはそのときの経済情勢なりあるいは金融情勢というものをにらみ合わせながらやってまいりますので、必ずしもこの五カ年計画中の公団債として幾ら発行するかというところまで詰めてはおらないのでございますけれども、一兆九千六百億の大部分というものはやはり資金運用部資金と公団債というものでまかなっていくという考えでございます。
○佐藤(観)委員 ほんとうはもっとそれを詰めなければいけないのですけれども、話が非常にややこしくなるので、もう一つだけお伺いしたいのです。有料道路をつくるときにもちろん資金が出ていくわけですけれども、どうもいろいろ資料を調べてみますと、有料道路からあがってくるお金、これはどこに入ることになるのですか。
○竹内(道)政府委員 道路公団、すなわち日本道路公団あるいは首都高速あるいは阪神というような、道路公団がやっております場合には道路公団の収入に相なります。それから県がやっております有料道路というものがございますが、この場合には県の収入になるわけでございます。
○佐藤(観)委員 それで、いま竹内さんのほうからお話がございましたように、大体国費において三千億第六次五カ年計画では足りなくなるということでございますので、この三千億を五で割りますと、大体本年度六百億一般財源が足りなくなるということでございますね。そうして主税局のほうで想定しているこの自動車重量税による収入増というのは平年度で千二百五十億、大体初年度四百億ということでございますので、話を簡単にして平年度で話をすれば、第六次道路整備五カ年計画では年間六百億足りなくなるのだ、そうしてこの自動車重量税で上がってくる税収というのは年間千二百億であるというふうに判断してよろしゅうございますか。
○細見政府委員 先ほどの竹内次長の御説明でおわかり願ったように、三千億ないし三千数百億不足するというわけでございますから、この道路新税、五カ年計画の期間、ことしも入れまして約五千億の収入になって、そのうち千二百五十億が地方へ行って、約三千七百五十億が国の財源になる。したがって、三千億ないし三千五百億といっていた財源不足は大体まかなえる。予測にわたることでございますし、しかもこれから四十九年までの予測でございますから百億や二百億のアローアンスはございますが、大体まかなえる、こういうわけでございます。
○佐藤(観)委員 よくわかりました。そうしますと、この予算書についております道路及びその他の社会資本の充実ということが非常にわからなくなってくるわけなんです。いま細見さんが言われましたように、大体、自動車重量税によって五千億、五年間——自動車の趨勢が変わるから幾らか数字が違うかもわかりませんが、この自動車重量税によっては五千億というものが、とにかく地方に譲与するものも含めて入ってくる。そのうち四分の一が地方に行くということでございます。千二百五十億が地方のほうに回され、残りの三千七百五十億、これが五年間に国に残る財源になるということでございます。そうすると、三千七百五十億ですから、これを五で割りますと、五、七、三十五の七百五十億が年間国に入ってくる自動車新税の税収増であるということになりますね。それで、じゃ支出のほうは第六次道路整備五カ年計画では幾ら必要かというと三千億必要なんだ。三千億をさっき申しましたように五で割るのですから六百億。そうすると残りが百五十億だ。つまり一年間に、平年度に直しての話ですが、七百五十億自動車新税によって税収があがり、そのうち第六次道路整備五カ年計画に必要な額、これは平均して年間六百億でございますので、そうすると六百億が道路に使われ、百五十億がその他の社会資本の充実ということに使われるという計算になりますか。それでよろしゅうございますか。
○細見政府委員 五カ年計画は御承知のように五カ年を通じての計画でございますので、毎年毎年の事業量ということになりますと別途査定がございますし、またその五カ年計画に投入されまするガソリン等の燃料税等につきましてもその年その年によって若干の差異もございますから、五カ年をおしなべてみますと、三千億ないし三千億を若手上回る量が不足の財源に対して、いまの一応の見通しでは三千七百五十億程度が国に入る、目的になっておる財源。したがって、この間大蔵大臣からもお答え申し上げましたように、主として道路に回るような形の税になっておる、こういうわけでございます。
○佐藤(観)委員 ですから、その「主として」というのが問題なんであって、やはり問題は、自動車から取っていった。道路を破損するから取るんだ、あるいはこれは道路利用税である。自動車から取っていった税金を自動車へ戻す。これは道路へ使う。これはきのうの公聴会でも、いろいろそんな狭いこと言っていたんじゃいけないんだという意見が大半でございましたけれども、まだそれは私は一つの理屈があると思うのです。それで、はっきりしておきたいのは、いま申しましたように、大体年間自動車重量税による増収というのは七百五十億であり、そのうち第六次道路整備五カ年計画で必要な一般財源の足りない分、これが六百億、そうすると、七百五十億のうちの六百億が道路に使われる。そうすると残りの百五十億は、これもこれからさらに詰めますが、他の社会資本の充実に使われる。これでいいわけでしょう。
○細見政府委員 御承知のように、五カ年計画はすでに始まっておるわけでありまして、四十五年度については特別の財源なしに行なわれておりますし、それから四十六年度につきましては、これは四百億を税収として見込みまして、そのうち三百億をこの道路五カ年計画のほうへ回す。したがいまして、やはりこれは今後四十六年から四十九年まで四年間の話として御理解願いたいと思います。主として道路へ回るというその御趣旨はよくわかりますが、計算としては四年間の今後の問題である。しかも、四年間のうちの四十六年度は、施行は十二月一日に予定いたしておりますので、かなり違った形になってくる、こういうわけでございます。
○佐藤(観)委員 局長、そういうことをいえばあなた、ますます道路以外に使う財源が多くなるということでしょう。これからこの法案が通れば十二月一日から施行されるわけでしょう。そうしますと本年度は四百億ですね。そして全部、つまり第六次道路整備五カ年計画が終わるときまでに大体自動車重量税では五千億の税金があがるだろうと言われておるわけです。それで四十六年は四百億ですから、四十七、四十八、四十九年まで、この三年間に五千億から四百億を引いた残りの四千六百億というものが国として、地方も含めて増収になるんだ。それを今度、支出のほうはさまっているのですから、除いていった場合には、さらにさらに道路以外に使う財源というのはますます多くなることになるんじゃないですか。そういうことですね。そういう見解でよろしゅうございますね。
○細見政府委員 そういう意味で、計算はいろいろございましょうが、この財源は一般会計として入る一般財源でございますから、現在におきましてはそういう形の一般会計からの繰り入れ等を総合的に見てまいらなければなりませんので、その辺は、この税が道路財源の不足を調達することを主たる目的とした税であるということで、しかし一般会計になっておりますので、金に糸目はつかないということになるんではなかろうかと思います。
○佐藤(観)委員 金に糸目がつかないというのはそういうときに使うことばじゃないと思うのです。しかし、私はこの論議の前提には、この前金曜日のときに、これは一般財源なのか特定財源なのか、一般会計なのか特別会計なのかということを大蔵大臣にもお伺いして、大体話の中身は、確かに形式的にあるいは財政法上は一般会計になっております。特定財源ということに何もついておりませんけれども、発想その他の経緯をずっと見ますと、これは大体もう概念的には特定財源であるという話に私はしてもいいんだと思うのです。 それで、いま論議になっているわけなんですけれども、細見さんがそこまでこまかく言われますと、とにかく五千億のうち、つまり来年の四十七、四十八、四十九、この三年間で五千億から本年度の四百億を除いた四千六百億が国と地方とを合わせた財源になるということですね。四十五年度はもう始めちゃって、自動車重量税というところからあがってきた財源はないということなんだ。四十六年度は四百億しか、十二月一日から施行しますので、ない。残りはあと三年間で四千六百億。これも四分の一が地方へ行くわけですから大体三千億が国に入ってくる。そうすると、三千億を三で割りますと一千億です。国に入ってくるのは一千億。一千億国に入ってきて、道路整備五カ年計画で足りないのは幾らかと申しますと、これが大体さっきの三千億を五で割った六百億。一千億の財源が自動車重量税であがってきて、六百億というものが年間道路に使われる。そうすると三分の二、一千億のうちの六百億が道路に回されて、残りの四百億がその他の社会資本の充実という部分に使われる、こういう性格の法案及び予算書であるというふうに見てよろしゅうございますね。
○竹内(道)政府委員 計算としてはこうなるのではないかと思うのでございます。少し先生のおっしゃるのと違っているかと思いますが、五千億で、初年度四百億だから四千六百億残るというお話でございますが、四千六百億のうち四分の一が地方に参りますから、先生三千億とおっしゃったのは正確には三千四百五十億だろうと思います。したがって、年平均をいたしますれば千百五十億の収入があるということだと思いますけれども。ところで、そのうち年間六百億という道路財源ということではなくて、計算といたしましては、実はことし四十六年度の予算で道路に新税の中から幾ら回ったのかということがややはっきりいたしませんので、そこのところは問題あるかと存じますが、総体の五千億の中の三千億ということでございますから、残りの千百五十億の三倍、三千四百五十億の中でもやはりその中から、三千億マイナスことしの道路財源に充てられただろうと考えられるような金額を引いたものが道路の分として充てられるということでございますから、それは六百億かける三、あるいは六百億かける四という数字とは違うのだろうと思います。したがいまして、千億の中の六百億が道路財源に行って四百億がほかのところへ行くのだなというお話でございますけれども、それはそうじゃなくて、もちろん先ほどから御説明しておりますように一般財源でございますから、これはなかなか説明がむずかしいのだ思いますが、計算上は、さような計算をいたしますれば六百億よりもっと大きなものが道路財源として一応期待をしておるということだろうと思います。
○佐藤(観)委員 どうも竹内さん、おかしいと思うのですね。第六次道路整備五カ年計画というので一般財源が幾ら足りないかというと三千億足りないのです。三千億ということは五カ年間ですから年間六百億足りないわけです。事実三千億が足りるか足りないか、もっとこまかく見てみないとわからぬですけれども、とにかく竹内さん言われるように、第六次の計画でに三千億足りないわけですよ。足りない足りないと言うからこの自動車重量税という法案をつくってここに持ってきて審議しているわけでしょう。それで竹内さん言われるように、そのうちどの部分が回されるかわからぬというのでは、これは第六次道路整備五カ年計画ができるかどうかわからないじゃないか。話が逆ですよ、それは。とにかく十兆三千億のうちの三千億というものが一般財源として足りないのだ。それを補うために自動車重量税という非常に過酷な税法をここでつくってその財源に充てようという発想ですよね。竹内さん言われたように、確かにこまかいことを言えばこの五千億のうちで年間国に回ってくるのは一千百五十億、これが財源であがってくるわけです。それで、ではこの第六次道路整備五カ年計画を達成するためにはどれだけ一年間に必要かというとこれは六百億でしょう。そうすると千百五十億のうちの——これは竹内さんのお話では幾ら道路財源に回ってくるかわからないという、まことに私にとっては異なことを聞くわけですが、そうすると、この第六次道路整備五カ年計画を達成するために、竹内さんは三千億一般財源として足りないのだと言うから、これは五年間ですから、一年間に六百億ずつ足りなくなるのでしょうと私は言っているわけです。まずそこから、それは違いますか。
○竹内(道)政府委員 やはり道路に使いますお金は、毎年経済の伸びもございますので、毎年少しずつふえていくというふうに考えるのが常識的だろうと存じます。それから税収のほうも、初年度は四百億しか入らない、次年度以降はだんだんふえていって、平均して四年間で千二百五十億ということでございますから、そういう意味で、五で割って六百億というふうにまず計算をしまして、それから残りの四千六百億を三で割るという計算になるので、そこがまずちょっと合わないので、ほんとうはやはり総額の五千億でお考えいただいて、五千億のうち千二百五十億は地方に回ります、残りの三千七百五十億のうち三千億は道路に期待しておる、そうしてその各年別が幾らになるかということは、平均は、五カ年間平均すれば六百億だけれども、年によって金額が違うのだというふうに御理解願えれば一番ありがたいかと思うのでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、竹内さんのいまのを要約すれば、国に入ってくる自動車重量税による収入というのは三千七百五十億で、とにかく五カ年計画で足りないのは三千億である。しかしその三千億も竹内さんのいまのお話では、年によってだんだん道路のほうもお金がかかるようになってくるしというようなことで、ある程度わからない部分もあるというようにおっしゃっているのですが、しかし、三千億というのもわからないとおっしゃるけれども、たとえば収入の財源のほうですね、揮発油税にしろ、石油ガス税にしろ、これはある程度経済成長を見込んでどのくらいふえる、いま申しましたように、揮発油税では一三%の伸び、それから石油ガス税では一〇・五%の伸びと、財源のほうはたくさん入ってくることを見込んでおいて、今度支出のほうは先行きがわからないというのは、これは計画になっていないと思うのです。 それはいいとしても、いま申しましたように、これでは五カ年計画で三千億足りなくなる、この三千七百五十億あがってきたうちの三千億が道路に回されるのだ、こういう見解でよろしゅうございますね。
○竹内(道)政府委員 大体三千億というふうに考えております。
○佐藤(観)委員 そうしますと、第六次道路整備五カ年計画にはいろいろな重点施策があるわけですけれども、この残りの七百五十億は、四年間とか三年間に直してでございますけれども、残りの部分で上越新幹線と東北新幹線と東京と成田の間の新幹線三本に振り向けられることになったという記事を、昨年の予算編成期の十二月二十三日の新聞で見ているわけなのです。これは一般財源か特定財源かわからないということで逃げられると困るのですが、先ほどからの論議もありますように、これはほぼ観念的には特定財源でいいと思うのです。この上越新幹線、東北新幹線、東京−成田新幹線、こういうものに残りが振り向けられるという新聞記事を見ているのですが、これはほんとうでございますか。
○竹内(道)政府委員 先ほど来主税局長のほうから御説明いたしておりますように、道路を中心とした社会資本の充実のためにこの税金を充てるというふうに考えておりますので、その他の社会資本というのは何であるかということは、必ずしもいまの段階でははっきりしておらないわけでございます。確かに道路をはじめとして交通関係の社会資本を充実しなければいけないじゃないかというような議論は非常にされましたので、それとあわせまして、国鉄の新幹線につきましてはその財源を充実すべきであるというような議論も一方でいろいろ行なわれました関係上、新聞記事としてはそういうふうに出たのだと思いますけれども、それが、残りの七百五十億なら七百五十億というものがその新幹線にぴたりとはまっておるというようなものでは必ずしもないというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 金に名前がついていないから、行ったか行かないかわからないということになるかもしれませんけれども、いろいろ話の経緯から行くと、これは自動車から取っていった税金というものを他の輸送機関に回す、一部が回るということになると思うのです。大臣がちょっと出られてしまったので政務次官にお伺いしたいのですが、きのうも政務次官聞いていらっしゃったと思うのですが、トラックの業者の方が二百台持っているとなると一千万円の税金をこの自動車重量税によって納めなければいけないということだそうでございますけれども、自動車から取っていったこの税金というものが、いまお話があったように、また二年ばかりの自動車重量税についてのいろいろな論議の中で出てくるように、他の輸送機関、たとえば新幹線建設とか地下鉄の建設とかあるいはその他の交通施設の充実のために使われる、これははたして税金を納める人の納得がほんとうにいくだろうか。全然別のことに向けられるならまだしも、たとえば自動車から取っていった税金が文化財の保護とか社会保障の充実に充てられるというならまだ救われるところがあるかもしれないけれども、敵に塩を送るということばは適当でないかもしれないけれども、自動車の対抗馬である、へたをすれば、鉄道が充実されれば自分たちが運んでいる荷物が新しくできた鉄道によって運ばれていってしまって、自分たちのかてである貨物も荷物も持っていかれてしまう。重い税金をかけられた上にお客までとられる、こういうことで、はたして政治の姿勢として正しいものであるだろうか、こういうふうに思うのですが、政務次官のお考えはいかがでしょうか。
○中川政府委員 その点がこの税金の非常に議論の多いところであることは確かであります。実はいまも国鉄のことしのベースアップを議論いたしております。きのうも陳情に参りまして、まだ有額回答が出ない。それは合理化について話し合いがつかないから、国鉄だけはそういうきびしい状態である。それでは、国鉄はなぜそんなにきびしいんだというと、合理化ばかり政府は言うけれども、言ってみるならば投資は何もしておらない。たとえば建設については、道路や空港やあるいは港湾は国が全部やる。ところが鉄道については建設まで全部負担をさせておる。そこにバランスがとれない問題点があるというところからいくならば、国の施策としては国鉄に対して手薄ではないか、こういう議論も一方にございます。そこで、今度の自動車重量税は交通を中心とした社会資本の不足に充てるということになってきますと、国鉄が中心になろうかと思いますが、そういう方面の足りない部分に、ばく然とした形ではありますけれども、めんどう見ていかなければならないのじゃないかというようなことでこの法案が出ております。この点について議論のあるところではありますが、政府としてはそういった方面の不足にもこの財源を上げていくのは今日の情勢ではやむを得ないのではないか。しかしそれが、東北新幹線に幾ら、上越線に幾らあるいは成田線に幾ら行くかということについて、はっきりはできませんけれども、その方面のカバーになっておるということだけは事実でございます。
○佐藤(観)委員 大体政府の考え方はけちなんですよ。いまなぜ私がこういうふうに数字をあげて竹内さんのほうからお伺いしたかというと、数字的には三千七百五十億のうち大体七百五十億が他の財源に行くか行かないか、その他の社会資本の充実、いま言ったように国鉄なり地下鉄なりの建設に行くかどうかというわけですよ。ところが新幹線というのは、竹内さん御存じのように一本つくれば大体一兆四千億か五千億かかるわけでしょう。そのうちの七百五十億を全部一本の新幹線にやったとしたって財源としてはたかが知れているわけです。一兆四千億か五千億かかる新幹線におそらくまるまる行かないでしょう。七百五十億行ったとしてもたいしたことではないのに、ましてこの七百五十億が、わずかしか行かないのですよ。ですから納めるほうとしても、税金を納めるのはいやですけれども、ますますいやいや納めるということになるわけです。 いま政務次官の御発言にもあったように、国鉄には何らそれらしい施策もやってこないで、そして税金を取る、それは他の輸送機関に回すんだということでは、私は政治のポイント、考え方がどこか違っているのじゃないかと思うのです。それならそれでイコールフッティングの考え方で、もっと競争条件を一緒にするんだという考え方で、はっきりしたそういう前提に立ってものをやって、そしてこれは新幹線を建設するためにするんだとか、はっきりその辺を認めてやるのならば私は考え方もあると思うのです。ところが、いま数字をあげて言うように、三千七百五十億のうち七百五十億が行くか行かないか。ところが新幹線一本つくると一兆四千億から五千億かかる。これでははたしてほんとうに政策があるのかないのか私はわからないと思うのです。これはそもそも田中自民党幹事長の発想からこういうことになってだんだんしりつぼみになった。私もその辺のところは、はっきり発想をするんならする、それならそれで批判のしようもあるけれども、何かちょこちょこと手を出してみて、かっこうだけつけるという政治のやり方では国鉄も救われないし、また税金を納めるほうの、自動車を持っている使用者も救われない。これは現在の政治自体が非常に混迷しているのじゃないかと私は思うのです。いま次官は幾らかでも潤うと言ったけれども、一兆五千億なければ新幹線ができないものを、全部行ったとしてもたかだか七百五十億くらいで潤うということにならないと思うのです。むしろ国民に、税金を納めるほうに非常に不快感を与えるほうがもっともっとマイナスだと私は思うのです。その辺のところをどういうふうにお考えになりますか。
○中川政府委員 いま御指摘の点は、これから政府においても総合交通体系という中で煮詰めていかなければならぬ大事な問題でございます。そこで、それを待ってやったらいいじゃないかという議論に、裏返しをするとなるわけでありますが、何ぶんにも道路五カ年計画は発足をいたしておりまして、三千億程度が足りないという現実問題があります。これを埋めなければならぬというところからこの法案を急いでおるわけであります。そこで、自動車にどの程度の負担を求めるかということをいろいろ検討いたしました結果、いまトン当たり幾らと、きわめて少ない、このくらいならば自動車の負担、利用者の方も御納得いただける、とりあえずのものを計上いたしまして発足いたしたわけでございます。そのことは若干なりともイコールフッティングの精神も生かしつつ発足を見た。これを土台にして今後また皆さんの御審議をいただいて、よりよい体系に持っていく一歩であるということで御理解をいただきたいということで提案を申し上げておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 もう一つ政務次官にお伺いしたいと思います。 きのうもお聞きになったように、自動車運送業の人が税金を取られる。それも新たに税金をかけられるわけですから、非常に重いわけです。それと同時に、先ほども申しました他の輸送機関、将来は自分たちの対抗馬になるような輸送機関に自分たちから持っていかれた税金が使われる。こういう不満に対して政務次官はどういうふうにお答えになりますか。
○中川政府委員 実は今度の税制をやる場合にいろいろ議論いたしましたが、過程では、トラック税というものが諸外国に比べて非常に少ない。これはお手元に差し上げてございます「十トン積ジーゼル車・営業用」で比較をいたしましても、日本は三十八万三千円の負担であるに対して、イギリスは実に百十万円、西ドイツにおいては百三十万円、フランスにおきましても八十二万円と、きわめて高額の負担をいたしております。日本におきましても、トラックが交通の中で皆さんに非常に御迷惑をかけているという非難も一方ではございます。税金のほうも安いというので、トラックにはもっともっと税負担を求めるべきだという声も非常に強いわけでございますけれども、営業用のトラックにまともにこの財源を求めますと、これは非常な物価高あるいは中小企業に対する影響等もございまして、自動車全般に負担を求める。言ってみるならば、トラックに求めよという強い要請がありましたが、まあがまんをしてというか、その辺にまともにいかないような——重量税ですから若干は負担は求めるようになっておりますけれども、そこら辺をかげんをして、遠慮しつつというか、トラック業界のことも十分勘案をしてこの案ができておることもひとつ御理解をいただきたい。昨日トラック業界の人方からも非常に強い要請がありましたが、外国に比べても、あるいは国内におけるトラックが道路損傷の中心になっておる、あるいは交通事故の原因にもなっておるというところから考えますならば、この程度は御理解がいただけるものと考えておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 いや、ぼくの質問に答えてないと思うんです、肝心なところに。私の聞いたのは、トラック業者は今度法案ができれば税金を納めなければならない。税金を納めて経営が苦しくなっただけではなくて、今度それが、自分たちが積んでいる荷物を運ぶ他の輸送機関を強化するために使われるというんですよ。こういうことに対してどういうふうに政務次官はお答えになれるかということをお伺いしたいわけです。
○中川政府委員 ただいまはそのことに対して回答したつもりでありましたが、舌足らずな点もございますが、そういうようなことで、トラックに対する税の負担は、諸外国に比べても国内の現状から見ても非常に少ないものでありますので、いただいた税金がかりに少々国鉄その他社会資本の充実に回っても、まあがまんがいただけるのではないか、大方のがまんがいただけるだろうというふうに思ってお答えした次第でございます。
○佐藤(観)委員 政務次官はそういうくらいでがまんすると言われるかもしれないけれども、やはりこれは生活のかかっている方もあるのですからそうはいかないと思うし、どうも政務次官のお話を聞いておりますと、トラック以外のハイヤー、タクシー、バス、これは何かトラックの巻き添えを食った形ですね、税の発想としては。私もこの前、金曜日のときにお伺いしましたけれども、やはり税金を取るからには、はっきりそれが取られる方々に納得をしていただける、やはりそういう理論づけがなければいけないと思うんです。ただやみくもに、何か巻き添えを食ったような形で、トラック税だけでは負担が重過ぎるので、ひとつ一緒にめんどうを見てくれということで、 ハイヤー、タクシー、それからバス、ここまで。しかもバスなどというものは非常に大衆的なものでございますから、何かいまの法案のように巻き添えを食わせるような、そういう趣旨のはっきりしたいものはいかぬと思う。 で、もう一つそこまで来たのならお伺いしますけれども、細見局長にお伺いしたいのですが、トラック税がいままで安かった、これはなぜですか。
○細見政府委員 これは税体系から申し上げなければいかぬと思います。いろいろなものにかかります税は、日本におきましては個別消費税をとっておるので、その個別税で何に物品税をかけるかというときには、今日になればいろいろ議論はございますが、奢侈品であるとか便益品であるとかあるいは若干高度の消費であるとかいうようなもので取られてまいった。したがいまして、シャウプ税制のときにおきましても営業用のものには課さないということで、トラックは主として営業用に用いられるものであるということから、日本のような個別物品税の体系をとっておる限り、そのものにかかるという形の税金は取れなかった。ただ燃料につきましては、主として軽油が使われておると思いますが、軽油引取税が課せられまして、これが地方の道路財源になっておることは御案内のとおりであります。その軽油引取税にいたしましても、沿革的にはまず揮発油税が発足してその後に軽油引取税が課せられたというようなことで、諸外国では揮発油税と軽油税がほぼ同じ税率になっておる国もかなりあるわけでありますが、日本におきましては御承知のようにガソリンに比べまして軽油がかなり割安になっておるというようなところから、年間の使用量等を推定いたしますと結果的に割安の税制になっておる。もう一つ、外国におきましては道路損傷というところから重量税、重いトラックに重課するというような観念の税がさらに最近におきまして加わっておりますので、そういう税制のない日本におきましては相対的に軽くなったわけでございます。
○佐藤(観)委員 皆さんもお聞きになったと思うのですけれども、政務次官は、そもそもこの発想はトラック税の発想だ、つまりものをこわすから、あるいは他に比べて安かったからというようなことでございますが、いまの主税局長のお話では、これは個別物品税の体系であるからいままで自動車税というのは安かったのだと言う。それじゃお聞しますけれども、今度この法案が出てきたときには個別物品税の体系というのはやめるというわけですか。重量税をかけるというのは、やめるということじゃないのですか。
○中川政府委員 ちょっとお答えに対して誤解をされておるようですので訂正をいたしますが、この税制がトラック税をかけるべきだということにきまっておったのがまわりに行ったのでは決してございません。いろいろ議論しておる過程において、トラック税を重課すべしという議論もあったことを御披露したのでありまして、巻き添えを食ってそっちに行ったのではございませんことをこの際訂正させていただいておきます。
○細見政府委員 今回の自動車重量税は、たびたび御説明申し上げておりますような趣旨によりまして新たに立法をお願いしておるわけでございまして、従来の物品税とは大きく違った観点に立っております。物品税は物品税の問題として、個別消費税のあり方として御検討を願うものは今後も引き続きお願いしなければならぬと思いますが、この税ができたから物品税がどうだということとは議論が違おうかと思っております。
○佐藤(観)委員 この点ではまだ詰めたいのですけれども、税の考え方について私は金曜日もやりましたので、またほかの方がやってくださると思います。 この問題についての最後ですけれども、政務次官の御見解でも、トラックとハイヤー、タクシーあるいは他の乗用車でも、またたとえばバスと地下鉄でも、これは競合するものだと私は思うのです。バスに自動車重量税がかけられて取られていく、そうしてそれが地下鉄建設に回される。トラックでもいまや東京からたとえば名古屋まででも夜にはびゅんびゅんと定期便が飛んでおるわけです。そういう十トンも十五トンもあるようなトラックが税金を取られて、今度はそれが他の新幹線なりそちらのほうに回されていくということでは、どうも敵に塩を送るというか、自分たちのこれからの商売がたきに税金を回される。それはどれだけの部分かわかりませんけれども、これをどういうふうに納得してくださいと言えるのか。その点が私は納得させ得ないわけですよ。それは確かに高次元で、国に財源がないからといったってその業種の人はそれは関係のないことで、私たちが考えるべきことです。私たちが考えるべきことですから、その税金を納めてくれる人が納得できるように、無理無体にこれは法律なんだということでは、これは快く税金を納められないし、また税体系を非常にいびつなものにすると思うのです。ですから、敵に塩を送るというか、これから商売がたきになるような、対抗関係にある交通機関に対して税金を使うという考え方、これははたしていいものか悪いものか。それからそういうものに従事している方々に納得できるような説明が私はぜひとも必要だと思うのです。その点を再度お伺いしたいと思います。
○細見政府委員 基本的には総合交通体系のあり方をどうするかということで朝野の皆さまで御検討願わなければならない事柄でございますが、ちょっと考えてみましただけでも、現在のように日本の経済が成長いたしておりますと、三年、五年たちますと、たとえばGNPが倍になって倍のものを輸送しなければならないというような事態になりましたときに、はたしていま一本、いろいろな道路、東名道路のようなものがまたできるかできないか、あるいはまた東海道新幹線のようなものができるかできないか、そういう点、総合的に考えていただかなければならない重要な問題であろうと思いますし、交通のさばきと申しますか、何を国鉄で運び、何を道路で運び、何を海で運ぶかというようなこともきめてかからなければ、ただ単にあるものを一定割合で伸ばしていけばいいというようなことがはたして物理的にできるかどうかというような問題もあろうかと思います。それらの点を離れましても、現在道路は非常に混雑いたしておるわけでございまして、この道路を何とかしなければ必要な輸送も確保できない。あるいは交通渋滞が起こって、こうした自動車の人たちの営業も非常に渋滞しておる。もちろんこのトラックなり乗用車なりで全部が運び切れればいいわけでありますが、それを越える輸送の事情があることも現実でございますので、それらの点を考えて、交通社会資本一般を増強するという観点に立ちながら、しかも当面は道路を中心にやっていくことになるのではなかろうかと思います。
○佐藤(観)委員 その部分の話はまだ私はわかるわけですよ。わかるけれども、きのう見えたように、高橋さんという、川崎ですか、トラック二百台を持って輸送をやっていらっしゃる運送業のこういう方が、こう言ったら失礼かもしれません、次元が低いかもしれませんけれども、高橋さんのおことばのように、税金を年間で一千万ほどさらにふやされる、その税金の一部が今度、将来自分たちの荷物を持っていってしまうような他の輸送機関に使われてしまう、こういう気持ちを一体どういうふうに納得させることができるのだろうかと、こういう、たいへん次元が低いかもしれませんけれども、やはり納めていく方々に——納めていただく方というのは全部タクシー、ハイヤー、バス、トラック、こういう輸送関係に従事しているところですわね、自動車重量税は。ところがこれはバスと競合するかもしれない地下鉄、あるいは荷物を運ぶにしてもこれから新幹線で荷物を運ぶということもあると思うのです。そうなると、長距離の定期トラックなんかとも私は競合すると思うのです。それをどういうふうに——イコールフッティングの考え方もあるだろうし、それからこの分は国鉄にまかせるんだという考え方も将来あるでしょう。これは運輸政策審議会のほうでやっているわけですね。ですからその辺のところは、いま細見さんの言われたことはわかるわけですけれども、もっと次元が低いというか、納めていただく方に納得ができないのは、自分たちの納めていく税金が、これが将来自分たちの営業の対抗になるかもしれない、なるであろう部門に使われる、それを強化されるようなところに使われる、こういうことをどういうふうに納得さしたらいいかということなんです。大きな交通総合体系の話はわかります。ただし、きのう公述人でいらしていた高橋さんのような方々が、将来自分たちの荷物を新幹線でぱっと持っていかれてしまう、そういうようなところに使われてしまう、これじゃ何かとてもやり切れないのじゃないかと思うわけなんです。きのうは高橋さんのお話だけしかありませんでしたが、自分たちから持っていかれた税金が自分たちの営業の敵になるようなところに使われる、この点は納得できぬという気持ちは私は全部があると思うのです。これをどういうふうに納得さしてくれるのか。おそらく納得はしないでしょうけれども、もう少しわかるようにお話ししていただけたら、私は次の観点に移りたいと思います。
○細見政府委員 こういうふうにお考え願ったらいかがかと思うのですが、現在運送業者の人たちが採算が悪くなったとかあるいは経営が苦しいというお話の中の大半は、荷物がなくて経営が苦しくなったんではなくて、せっかく荷物があっても、いままで一時間あるいは二時間で行けたところが二時間、三時間かかる。あるいはまたその車を次の地点に小回りをきかして回していた、したがって営業効率が非常によかった。その営業効率が交通が混雑して思うようにいかない。その営業効率をよくするために道路をよくする。しかし道路をよくしただけで、どっと道路に荷物が流れてきたのではやはり経営効率にもならない。そこで、ある程度のものは、その荷物の性質に応じて海とかあるいは汽車とかいうものに移って、その間自分たちの車が非常に効率よく運転できるような道路ができる。したがって、これはひいては自分たちのところへ戻ってくる、こう観念できるのではないか、かように考えます。
○佐藤(観)委員 どうも経営効率が道路整備五カ年計画ができればあがるという保証はないと私は思うのです。この点についてはまたあとから次の観点から申し上げたいと思いますけれども、細見さんの言われるように高い次元からいえば確かにそうなるかもしれない。まあならなければいかぬだろうけれども、もう少し庶民の率直な気持ちからいくと、私はやはり納得できないものが残ると思うのです。時間もありませんので、さらに次の観点に移らしていただきたいと思います。 それは、いま細見さんも言われましたように、いまここに対象となっている自動車業界、つまりバス、トラック、タクシー、ハイヤー、こういうものの経営状態ですね、これがはたしてそれだけの担税力があるだろうか、これについては私は非常に疑問を持つわけなんです。それでまず運輸省にお伺いしたいのですけれども、バスとトラックとタクシーの、最近ここ二年間でけっこうでございますが、経営状況について簡単に状況を説明していただきたいのですが……。
○小林政府委員 お答えいたします。 最近の自動車運送事業は、バスあるいはハイヤー、タクシー、それからトラック事業、それぞれ非常に経営の状況は悪くなってきております。現在運賃改定の作業をやっておる途中でございますので、会社によって若干、あるいは地域によっても違うと思いますが、バス関係はほとんど収支率一〇一というような、大体とんとんの状態になっております。それからハイヤー、タクシーも、これも各地域地域でそれぞれ経営の実態に合わせるような運賃改定の作業をやっておりますので、一がいには申し上げられませんが、大体収支率ほぼとんとんでございます。トラックは比較的よかったのでございますが、ここ一、二年急激に悪くなってまいりまして、現在ではほとんど赤字の、平均九八%というような、一〇〇を割っておる状況でございます。
○佐藤(観)委員 いま業務部長のほうからお話があったわけですけれども、私の持っている運輸省の自動車局の自動車運送事業経営指標、これは四十四年版ですけれども、それを見ましても、たとえばバスなんかにしましても、非常に経常利益をあげているところが少なくなって、損失を出しているのが多くなっている。たとえば三百一両以上持っている企業でございますけれども、これによりますと、四十二年、四十三年、四十四年でございますけれども、経常利益があがったのが四十二年が十八社あったのが、四十三年が十六社、四十四年が八社になっているわけです。逆に経常の損失を出しているところが四十二年に七社、四十三年に九社、四十四年になるとたちまち十七社というふうに非常にふえているわけです。それからタクシーにしましても、特に苦しい六大都市、五十一台から百台くらいまであるところを見てみましても、黒字を出していたのが四十二年には三十社あった。ところが四十三年には十八社、四十四年には十四社になっているわけです。損失のほうを見ますと、四十二年には二十社であったところが、四十三年には三十二社にのぼり、四十四年に損失を出している会社が三十六社、非常にふえているわけです。特にこういう数字を見て特徴的なのは、営業利益のほうはそれほど減っていないのに、経常利益のほうが減っているということだと思うのです。 トラックにしてみましても、特に激しいのは路線トラック、それの五十一台から百台くらいまで持っている会社でございますけれども、これなんかにしましても、損失を出しているところが四十二年は五社で済んでいるが、四十三年十社。こういうようにとにかく非常に経営が苦しくなっていることは運輸省当局も私は御存じだと思うのです。 運輸省にお伺いをしたいのですが、こういうふうにバスにしろトラックにしろタクシーにしろ、営業が苦しくなった、これは一体どういうところが原因であり、またどういう部分がふえているのか。その点についてお伺いをしたいと思います。
○小林政府委員 旅客関係のまずバスから申し上げますと、経営状況が悪化しております最大の原因は、バスにつきましては、全国的に見ますと輸送数量がほとんど横ばいでございます。もちろん地域によって若干の差はございまして、たとえば過疎地域なんかは大幅に減少しておりますが、全体的に見まして横ばいでございます。そういった点から収入の根源が若干減ってきておるということ。それからもう一つは、先ほど大蔵省からの答弁もございましたが、運行の効率が非常に悪くなってきております。これは特に都市部において著しいわけでございます。それから経費の面におきましては約六四、五%が人件費でございまして、これが毎年相当な率で上がってきておる。おおむねこの三点が考えられるわけでございます。 ハイヤー、タクシーにつきましては、需要の面はかなりふえておりますが、二番目の運行の能率の面、これは都市部において非常に渋滞で悪くなってきておるということ。それから人件費の問題はバスと同様でございます。 路線トラックにつきましては、人件費の比率はバスあるいはハイヤー、タクシーほど高くはございませんで、五〇%そこそこでございますが、一番大きな問題はやはり道路の渋滞、こういったことから運行の能率が下がってきておるということ、こういったことだろうと思います。
○佐藤(観)委員 いま運輸省のほうからもお話がありましたけれども、人件費がかなりの部分を占めている。このように経費の中、業務の内容の中で人件費が占めておるということは、いろいろの数字を見ても確かに事実だと私は思うのです。 ところで労働省の方にお伺いをしたいのですが、それではバス、タクシー、ハイヤー、トラック、この部門に働いていらっしゃる方々というのは特別いい給料を取っているのかどうなのか。その辺の状況についてひとつ数字でお示しを願いたいと思うのです。
○是佐説明員 数字でお答えしますと、四十五年の労働省の調査によってみますと、タクシーの運転手の月間平均給与額は七万二千七百円程度、バスについて見ますと、七万八千五百円。これを他産業と申しますか、全般的な全産業の男子労働者と比較してみますと、全産業の男子労働者の平均月間給与額は六万八千四百円、こうなっていまして、しかもその属性について見ますと、タクシーの場合は三十四・四歳くらいの平均年齢になっています。勤続年数も四・二年くらい。これに対しまして全産業の男子労働者が三十四・五歳、勤続年数が八・二年。年齢についてはほぼ持ち合いぎみでございますけれども、勤続年数について見ますと、半分程度タクシー運転手のほうが短勤続、しかるに賃金の面では約六%程度タクシー運転者のほうの給与が高くなっている、こういうような状況でございます。
○佐藤(観)委員 私の資料によりましても、これは非常におもしろい資料だと思うのですけれども、三十五年くらいというのはタクシーの方々の平均賃金は非常に高くて、魅力のある産業だったわけですね。三十五年が平均四万一千三百四十二円、都内の全産業の平均賃金が二万六千五百十一円ということでございましたから、非常にタクシーの運転手のほうがよかったわけですが、四十五年を見ますと、これは東京都内ですが、平均賃金が七万六千二十二円、ところが都の全部の産業の平均賃金はいま七万五千六百五十一円だそうでございますので、たかだか三百七十一円しか違わなくなってきている。だから私は、今度の業務内容の中で、確かに人件費が占めている割合は、伸び率は非常に高くなっているということはどの産業も一緒ですし、またハイヤー、タクシー、トラック、バスにしても、その点ではほぼ一緒の見解を持っていいのではないかと思っているのです。ところが、人件費が伸びたといっても、バスやトラック、タクシーの方々が特別すばらしい給料を取っているわけではないわけですね。いままた都内でも何次かのストをやっておりますけれども、それでも正直いって私はなかなか上げられないと思うのです、いまの経営状態では。 そこで私は運輸省にお伺いしたいと思うのですが、私が聞いたところでは、バス、トラック、ハイヤー、特にタクシー、これは全部たしか運賃値上げの申請が出ていると思うのですが、その点について御説明を願いたいのですが……。
○小林政府委員 運賃改定の申請状況について申し上げますと、まず最初に、乗り合いバスの運賃につきましては、四十二年の九月以降全国を三十五のブロックに分けまして、それぞれブロックごとに標準原価制度というものをとりまして運賃改定を行ないまして、今日までにほとんど、東京の中心を除きまして、改定を済ましたわけでございます。 次にハイヤー、タクシーについて申し上げますと、これも四十三年以降現在の運賃原価計算制度ができたわけでございますが、このほうは全国を百三十二のブロックに分けまして、地区ごとに改定の必要性を見まして、さらに原価計算の結果査定を行ないまして運賃改定を行ないまして、現在までに百三十二のうち百十二ブロックについて改定が済んでおります。 次にトラック関係について申し上げますと、まず路線トラック運賃でございますが、これにつきましては今日までに、東京あるいは名古屋、大阪、この三地方にかかわる路線につきましてはまだでございますが、その他につきましては今年に入りましてから運賃改定を行なったわけでございます。なお、区域トラック運賃につきましても、今日までに新潟、広島、福岡、この三地区につきましては運賃改定を済ましてございまして、今後その他の地区について引き続きその経営内容、さらに原価計算の作業を行ないまして、運賃改定の作業を現に行なっている途中でございます。
○佐藤(観)委員 いまタクシーは御答弁はありましたか。それから、運賃改定を済ましたと小林さん言われるけれども、さらにまた運賃値上げの申請が出ているのじゃないですか。
○小林政府委員 ただいまハイヤーとあるいは申し上げたかもしれませんが、ハイヤー、タクシーは一つのものとしてつかんでおります。 それから、ただいま申し上げましたのは、現に改定の作業を済ましたこと、あるいはさらに引き続きやっておるということについて申し上げたわけでございまして、そのうち現に出ておるかどうかということにつきまして、あるいはお尋ねの点は大都市のタクシーのことかと思いますが、これにつきましては先ほどのハイヤー、タクシーの運賃改定作業の済んだ分に入っておるわけでございますが、さらにその後また急激に経営の状況が悪いというようなことで、今日六大都市からタクシーの運賃改定の申請が出ております。
○佐藤(観)委員 ちょっと話がそれるかもしれないのですが、バス、トラックの運賃というのは運輸審議会の答申があればできるようになっておりますね。ところが、タクシーのほうは、法律上は陸運局長権限ということになっているわけですけれども——間違っていたらあとで訂正してください、実際は経済閣僚懇談会と交通関係閣僚協議会と物価対策閣僚協議会と、これだけが認められなければ運賃の値上げができないというふうになっていると思うのです。これは一体なぜですか。
○小林政府委員 運賃の認可の権限は運輸大臣にあるわけでございまして、そのうちただいま先生御指摘のハイヤー、タクシーの運賃、それからトラックのうち区域トラック、この運賃は陸運局長に職権を委任してございます。そういったことから運輸審議会の諮問事項にはなっておりません。 それから第二の点の、経済企画庁との協議あるいは物価対策閣僚協議会に付議するかどうかという点につきましては、運輸省と企画庁と協議いたしまして、大都市の運賃というようなものにつきまして、あるいは全国的なものというようなものにつきまして、企画庁と協議するたてまえになっておるわけでございます。これは主として物価政策の観点からそういったことにいたしておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 私が疑問に思うのは、どうしてタクシーだけが物価の観点からということで三つの閣僚の協議会——法律上は陸運局長権限ということで、運輸大臣から委任されておりますけれども、実際のところは三つの閣僚協議会を経なければいけない。どうしてそういうふうになっているかがわからないわけなんです。これはどうしてですか。
○小林政府委員 タクシーだけがなっておるというわけではございませんでして、そういった交通運賃の料金のうち重要なものというようなことで、タクシーにつきましては、六大都市のタクシーの運賃について物価対策閣僚協議会に付議するということにいたしておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 じゃ、話をタクシーにしぼりますと、道路運送法の第八条には原価と適正な利潤という項目があるわけなんです。私は別にタクシー業界とは関係ないわけですが、いまのタクシーの状況を見ていますと、昨年の三月の値上げ、その後もどんどんつぶれていっているわけですね。小林さん御存じだと思うのですよ。タクシーだけが戦後二回しか値上げをやっていない。国鉄が七回、私鉄が七回、地下鉄が五回改定をしているわけですが、タクシーだけは二回した値上げをしていないわけです。去年の値上げでも、数字をあげることもできるわけですけれども、タクシーの場合には非常に経営が破綻して、どんどんつぶれていっているわけですね。減車もしているということで、はたしてこれが値上げだけで済むものかどうか。これはほんとうに総合交通体系の中で考えていかなければならないと思うのです。私はタクシー会社とは関係ないといいながらも、やはり使うほうとして、タクシーがどんどんつぶれていってしまうということは、結局は国民の足を奪う結果になると思うのです。それで、このタクシーの値上げについて、昨年値上げしたばかりというふうになるかもしれませんが、運輸省としては一体どういうお考えを持っているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○小林政府委員 現在六大都市から申請が出ておりますが、これらの地区の現在のタクシー運賃は昨年の一月に、東京あたりは三月でございますが、改定を行なったばかりでございます。したがいまして、ほぼ一年たちました今日、業界としては先生御指摘のように非常に経営状況が苦しいということで、また再度改定の申請も出ていることは事実でございますが、現在それらの問題につきましては、四十五年度の経営成績というようなものもまだ集まっておりませんので、いろいろな会社があろうかと思いますが、そういったデータをよく集めまして、そして今後検討してまいりたいと思うわけでございます。
○佐藤(観)委員 昨年の値上げでもまだ経営が苦しくて、借り入れ金がたいへんあるわけですね。最近一年間の実績を見ましても、倒産したり転廃業をしたものが十九社、千三百十六両、会社数においては五・九%減っておるわけですし、車の数においては五・四%減っておる。四十四年五月以降十月末までで六十七社、四百八十一台が減車しているという状況になっているわけなので、これはいまのような状況ではますます先細りだと思うのですね。私はそれは国民の一人でございますから、物価対策上、上げないにこしたことはないのです。これはもうもちろんなわけですけれども、このままにしておきますと非常にいびつな形になるのじゃ、ないかと思うのです。 それで、私が問題にしたいのは、はたしていま小林さんの言われるように、四十五年度の実績がまだ出ていないというわけですけれども、今後の見通し、たとえばタクシーならタクシーに限って今後の見通しを一体どういうように見られているか、その辺についてはいかがでございますか。
○小林政府委員 経営の状況が非常に悪いということで、直ちに運賃の問題が直接関係してまいることも事実であろうかと思いますが、経営の状況が非常に悪くなっておる大きな原因といたしまして、最近の運転者不足というようなことも非常に大きな原因になっておるかと思います。したがいましてそういった問題、あるいは経営の問題でございますから当然、運賃ということでなくて、金融、融資の問題等もあろうかと思います。あるいは先ほど先生もちょっと御指摘になりました、他の交通機関との全体的総合的な位置づけといいますか、そういうような問題につきましても、最近の新しい輸送の情勢に対処した今後のタクシーのあり方というようなものも今後検討をしてまいらなければならぬかと思うわけでございます。そういった、運賃だけでなくいろいろな関連する重要な問題につきまして、全体的に見直してまいりたいと思っておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 それで、私は物価対策上もちろん運賃値上げをしようということを言っているのじゃなくて、しないにこしたことはないわけなんです。ただ、私がいろいろ調べてみると、政府の言う物価対策というのは、これは認可しないということだけの話なんですね。上げることを認めないというだけの話で、上げないような何らかの手段を——それは融資の面あるいは経営についていろいろやり方はあると思うのですけれども、こういう業界に対して何らの手も打たないで、ただ運賃値上げを認めないのだということで物価対策をやっているのだという感を免れないと思うのです。一体この苦しい業界に対しては、バスもトラックもタクシーも、業界に対して、物価対策上それは非常に大切なものでございますから値上げしないにこしたことはないわけなんですが、どういう手を打って経営を幾らかでも楽にするようなやり方をしているのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○小林政府委員 経営の改善のためには、御指摘のようにいろいろな重要な問題があると思いますが、たとえばバス等につきましては、経営の合理化というようなことから今日までバスのワンマン化というようなことを推進してまいっておるわけでございます。あるいはトラック、ハイヤー、タクシーというものにつきましては、おおむね中小企業でございますので、特にトラックあたりは近代化促進法の指定業種といたしまして、近代化あるいは合理化ということを進めてきておるわけでございます。タクシーにつきましても、最近年度末緊急融資というようなことも講じまして、できるだけの対策を進めてきておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 それで本論に入るのですが、今度自動車重量税がかかった場合に、さらにいまの経営状態に加えて税金を納めなければいけないことになるわけなんです。これは非常に経営の苦しい各業界にとって非常に大きなことになるのじゃないか。ただでさえ値上げの申請が続々と出ているところに、追い打ちをかけるようにこの自動車重量税というものがかかってくるということになると、ますます値上げをしてくれ、それはひいては物価の値上げに響いてくると思うのです。その点は運輸省としてはどういうふうにお考えになっているか、御見解をお伺いしたいと思います。
○小林政府委員 新税が課せられますと、その限りにおきましては若干の影響があろうかと思うわけでございますが、これを数字的に申し上げますと、予定されております重量税はどのくらい原価に影響するかということを試算したものがあるわけでございます。 まずタクシーは、原価に及ぼす影響といいますか増加率は〇・二%でございます。それからバスが〇・六%、それからトラックが〇・六%、こういう数字になっております。
○佐藤(観)委員 私はその数字についてもずいぶん小幅に見ているのじゃないかと思うのでありますけれども、時間もございませんので経済企画庁の方にお伺いしたいのです。 いま言ったような状況で、バスにしろトラックにしろタクシーにしろ、経営状態が非常によくない。そしてその中には、先ほど労働省の方にもお答え願いましたように、必ずしもそこに働いている方々は特別いい労働条件で働いているわけではない。こういうふうな業界に対して、さらに自動車新税という税金がかけられる。これはひいては運賃値上げ、さらには物価にも響いてくるのじゃないかと思うのでございますけれども、その辺のところを、国民の物価の問題を扱っていらっしゃる経済企画庁としてはどのように見ていらっしゃるか、御見解をお伺いしたいと思います。
○山下説明員 今回の自動車重量税が実施されました場合のコスト増要因につきましては、ただいま運輸省のほうからお答えがございましたように、その限りではその程度は非常に軽微でございますので、自動車重量税の実施によりまして、これらのバスなりタクシーなりトラックなりの運賃の値上げをする必要が出てくるとは考えておりませんし、またそうしていただきたいものだと考えております。 ただ、先ほどまでの御質問で御指摘がございましたように、これらの業界それぞれ経営状況が悪化しておるようでございますので、まだ私どものほうに具体的なお話がございませんけれども、そのような要請が運輸省から私どものほうに参りました場合には、実態について十分に検討いたしまして、その結果によりまして——御承知のように物価対策といたしましては公共料金の抑制ということを一つの大きな柱として考えております。しかし、これらのバスなりタクシーなりあるいはトラックなり、それぞれは公共料金ではございますけれども、私企業が経営をいたしておる実態から申しまして、政府なり地方公共団体みずからが直接運営しております公共事業とはいささかその性格も異にいたしますので、これらの事業の継続を許さないような事態になっては困ります。その限りにおきまして、必要やむを得ない範囲の値上げは場合によっては認めざるを得ないかと考えておりますけれども、その辺につきましては具体的なお話が参りましてから十分検討さしていただきたいというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 最後に、せっかく大臣もお見えでございますので、私の質問の締めくくりをさしていただきたいと思うのですが、先ほど大臣がちょっといらっしゃらなかったときに中川政務次官ともお話ししたのですけれども、いろいろ数字をくくってみますと、結局三千七百五十億というものがこの自動車新税によってあがってくる。ところが第六次の道路整備五カ年計画では大体三千億が要る。そうすると残りの七百五十億というものがこの予算書に書いてあるその他の社会資本の充実ということに使われるという計算になると思うのです。三千七百五十億のうちの三千億が道路に使われて、残りの七百五十億が社会資本の充実ということに使われるという計算になるわけなのですが、それは先ほど聞いてみますと、予算の編成期には東北新幹線の新設とか、あるいは東京—成田間の新幹線という話もあったやに聞いておるわけなのですが、一体その他の社会資本の充実というものは何か。特定財源でないといえばそのままするっとウナギのように抜けられてしまうわけですけれども、しかしいろいろな論議の過程の中では、あくまで法律的には特定財源でないにしろ、事実的には特定財源として概念として頭の中では考えているというふうにわれわれは思っているわけなので、その点でその他の社会資本の充実というのは一体どういうことを考えていらっしゃるのか。 それともう一点は、これも先ほど論議したことなのですが、たとえばトラック業者が自動車重量税が当然かけられ、税金を取られるわけなのですが、その税金が他の輸送機関、それは将来自分たちの営業がたきになるだろう、商売がたきになるだろう他の部門に投資をされるということはどうも納得がいかぬのじゃないか。税金を取るからには、その税金を納める人が、目的、意義、それがはっきりとわかるようにしなければやはり国の政策としてはまずいのじゃないか。どうもその辺が納めるほうとしても気持ちが納得いかぬのではないかと思うわけなのですが、その二点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 立法の趣旨は、これは道路その他の社会資本に充てる必要上こういう税制を設けるのだ、こういうことです。しかしこれは財源を特定をいたしておるわけじゃないのです。その使途は一般財源というようなことになっておるわけでありまして、九兆四千億という財源が一般会計にはある。その九兆四千億がいろいろな目的に配分されるわけでありますが、その九兆四千億円の歳出をまかなうための財源の一部といたしまして今度の自動車重量税が考えられた。そこで、もしこの重量税がないということになりますと、法律上、たてまえ上は一般財源ではありますけれども、しかし立法の趣旨が、これが社会資本を充実する、そういうようなところにある関係上、そっちのほうに影響するところがあろう、こういうふうに思います。何とかして道路その他の社会資本を充実したい、それには九兆四千億円の財源を必要とする、そこでその一部としてこれを活用したい、こういう趣旨なのでありまして、決して使途を特定をいたしておるという次第ではないのであります。 それから第二の問題は、道路を損壊する、そういうようなことから自動車重量税というものが設けられた。ところがその自動車重量税による収入が、自動車が損壊を与えるという道路の整備にのみ充てられないで、その他の目的にも充てられるということはどうも感情上どうか、こういうお話でありますが、この辺は私もそういう問題があろうと思うのです。ですから、たてまえとしては一般財源というふうには考えておりまするけれども、実際上は大部分がこれは道路のために充てられるべきものである、こういうふうに考えておるわけでありますが、さればといって、道路に関連するあるいは信号の施設をどうするかというようなことになりますと、これもまた関連して考えて決して感情にそぐわない問題でばなかろうじゃないか、そういうふうに考えます。ただそれをさらに広がらせまして、あるいは高速道路だとかあるいは新幹線だとかいうようなことになります場合におきましては、まさに御指摘のような問題があろうかと思います。その点はこれから総合交通政策というものを考える場合に慎重に考えていかなければならぬだろう。ただ感情的にはそうだけれども、理論的に言いますと、やはりこれは競合関係にはあるものの、また一面において補完関係にもある交通でございますので、理論的にこれを一概に否定し去るということは私はいかがかと思いますが、感情問題としてそういう問題があるということはとくと考えなければならぬ問題だ、さように見ております。
○佐藤(観)委員 必ずしも私自身も満足できるわけじゃないのですが、たいへん私の質問も長くなりましたので、これで終わらせていただきたいと思います。(拍手)
○毛利委員長 藤田君。
○藤田(高)委員 自動車新税の問題については本会議提案以来、同僚の佐藤君の質問を通して問題点になるべきところが大体出たように思うわけであります。しかし、政府側の答弁を聞いておりますと、私はどんなにすなおに理解しようとしても、この自動車新税というのはアドバルーンが先に上がって、そのこう薬ばりの理屈をあとからくっつけた、こういう気がしてならないわけであります。これは大蔵大臣の感情問題ではないけれども、私は極力客観的にこの自動車新税の是非について結論を出すという立場から見ても、そういう気がしてなりません。 そこで私はその第一の問題として、ちょっと私が考えておった順序を変更して、佐藤君がせっかくけさ方来、この第六次道路整備五カ年計画の財源見込み、いわゆる六次道路整備五カ年計画の内容についてかなり詳しく触れましたが、私はこの内容自身に問題があると思うわけです。というのは、あえて冒頭に私がいま申し上げたようなことを言ったのは、自動車新税によって金をつくるという、財源を調達するというところへ重点を置き過ぎて、そうして政府が口を開けば社会資本の充実だ、今度の自動車新税についてもその主たる政策上のねらいは社会資本の充実だ、こう言っておるわけですけれども、そこまで道路を中心とした社会資本の充実ということに対して政府が意を用いれば、なぜ一般道路事業なりあるいは有料道路事業に対して国費負担分としての一般財源を投入しないかという疑問が非常に私には強く出てくるわけであります。この点はひとつ事務的な面として、まず建設省でもあるいは大蔵省でもけっこうですからお答え願いたいと思いますが、私の調査によりますと、昭和四十二年をピークに、一般道路事業の中に占める国費の負担分というのがずっと減っておるわけですね。数字に間違いなければ、昭和四十二年が八百三十九億、これは約二〇%に匹敵します。四十三年がどかっと減って四百九十四億、これが一二%、四十四年が五百九十億で一二%、四十五年が、先ほども佐藤君の質問の中で出てきた六百九十億で一二%。ところが、この第六次道路整備五カ年計画の策定内容においてはこの一二%というものがさらに一〇%に減っておるわけですね。こういうふうに、本来的にいえば、昨日の公述人の学者、専門家の意見ではありませんけれども、まあヨーロッパと日本は事情が違うといいますけれども、この違いの観点からいけば、わが国の道路の実態からいけば、一般財源というものをヨーロッパ以上にある意味においては投入をしていかなければならぬという実態にあるにもかかわらず、ここ四年来の経過を見るとずっと相対的に減っておるわけであります。この減少した原因というのは何なのか。政府が言っておる社会資本の充実というものと、この一般財源の投入傾向というものとの間には大きな矛盾があると思うのですけれども、その点についての解明をまずやってもらいたい。その上で私は少しく佐藤君の質問に関連して、具体的な数字を用意いたしておりますから、問題点を指摘いたしたいと思うので、まずその点お答えを願いたいと思います。
○福田国務大臣 藤田さんのお話は、これは道路特別会計があることを度外視されていると思うのです。ガソリン等による収入を特別会計としてやっておる。特別会計に受け入れられる財源、これから支出される道路費、これはもう国費であり、国の財源なんです。それと一般会計と総合してお考えを願いたい、こういうふうに思うわけであります。これはもともと一般会計で受け入れるべきものなんです。ところが道路は諸外国に比べて非常な立ちおくれをしておる。これを是正しなければならぬ。それには財源を特定いたしましてこれに充てるということが、これは政策的である、こういうふうな考え方から特に財源を特別会計という形において道路のために限局をした、こういうことなんです。ですから道路費も、議論は、財源を考える場合には一般会計のほうの財源と、それから特別会計のほうの財源、これを両者一体として考えてもらいたいし、また道路計画そのものを論ずるならば、これは一般会計における支出、また特別会計からの支出、これを総合して論じてもらいたい、こういうふうに存ずるのでありまして、いま一般会計からの支出が少ない少ないという話ですが、特別会計のほうの支出、これはかなり大幅にふえておるということを御理解願いますれば、御疑問のほどは解消されるのではあるまいか、さように考えます。
○藤田(高)委員 私は解消できません。 それでは具体的に第六次道路整備五カ年計画の財源見込みについて焦点を合わせて歯車がかみ合うようにひとつ質問をしてみたいと思うのです。私は、ちょっと大臣のほうが私の質問自身について少しく総ワク的な形で答弁をされたので、ある意味では勘違いされておるのじゃないかと思うのですが、さっきの佐藤君の質問との関連からいくならば、いわゆる第六次道路整備五カ年計画の中身によりますと、国費の所要財源というのは、一般道路事業費として当初五兆五百億の事業費の計画が、その後閣議決定によって変更を見たというものが五兆二千億と理解しておりますが、この点は間違ないでしょうね。そこから出発しますから…… 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○竹内(道)政府委員 五兆二千億に間違いありません。
○藤田(高)委員 一つ一つ押えていきます。事業費が五兆二千億、それに対して国費の負担分が三兆六千六百億、これは先ほども佐藤君が触れたと思います。有料道路の関係ではいわゆる事業費が二兆五千億に対して国費の負担分が四千二百億。そうしますとこの一般道路事業費と有料道路事業費の国費の負担分というのが合わせて四兆八百三十億になります。これがいわゆる一般道路事業費と有料道路事業費を合わせた国費の負担分ですね。これに対して特定財源として幾ら見ているかといえば、いわゆる揮発油税で三兆二千九百億と石油ガス税で八百億、締めて三兆三千七百億。数字はあとで点検してください。事実認識においてもし間違っておりましたらいけませんから……。私はこの過程でもすでに問題があるわけですが、そのことはあとに留保して、これは大蔵当局からもらった資料ですから間違いないと思いますが、そういたしますと、いま一般道路事業費と有料道路事業費のうち国費負担分に対して特定財源でめんどうを見ることができるのか。三兆三千七百億ですからその差額は約七千百億。これはラフな数字としても、結局この七千百億という財源を何によって調達するかということになろうかと思う。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 結論は、いわゆる一般財源でどれだけ見るか。極端にいえば、この七千百億を一般財源でみな見れば、端的にいえば新税をつくらなくてもいいという結論も出てくるわけであります。ですから、この大蔵省といいますか政府の出している方程式からいけば、この七千百億の財源を調達する見合い財源として一般財源プラス自動車新税、こういうことになろうかと思うわけであります。 そこで、政府の案によりますと、それではこの七千百億のうち一般財源で幾ら見るかといえば、先ほど私が指摘したことにも関連をするわけでありますけれども、いわゆる昭和四十五年度は一般財源として六百九十億という財源を見ている。この六百九十億を基準にして、毎年一〇%程度この一般財源が増額をするということで五カ年間の投入額を四千二百億と見込んだわけであります。そうすると結局残りが約三千億。この三千億を自動車新税によって見るのだ。これを五カ年で割れば一カ年六百億だ。これが先ほどの数字の上からいけば、あえて整理しましたけれども、佐藤君が触れた一連の数字的な内容になっておると私は思うのです。 そういう数字は間違いないわけですが、それからいくと、いませっかく大臣が御答弁になられたわけですけれども、いわゆるいま私が指摘をしたような意味における一般道路事業あるいは有料道路事業に対する国費負担分というものが、昭和四十二年をピークにずっと下がってきておるわけです。そして四十二年は二〇%、それ以降は一二%、今度の六次の計画では一〇%、こういう形に減ること自身が、政府の社会資本を充実するという、そういう基本的な主張に合致しないのじゃないかということを私は指摘したわけです。ですから、本来的な社会資本を充実する面については、程度もありましょう、あるいはその他の社会資本を充実する面もあるでしょうけれども、今日新税をつくってまで、国民に対して新しい税負担をかけてまでこの社会資本の充実をはからなければならないというのであれば、まずもって道路に対して少なくとも昨年以上、あるいは昭和四十二年程度の、二〇%程度の国費の負担分というものを投入してこそ、はじめて道路に対する社会資本の充実という政府の主張が生きてくるんじゃないか。そういう意味において、四十五年度の六百九十億を基準にして、それから毎年一〇%ずつふえるというこの策定は明らかに、新税を取るんだということを前提にしておるからこういうことになってきたんじゃないですか。その点についての見解をひとつ聞かせてもらいたい。私は率直に言ってこの点が非常に問題があろうと思います。この点は特に道路行政をつかさどっている建設省として——大蔵省は大体金をできるだけ押えていくほうですし、これは大臣以下大蔵省のえらい人に失礼な言い方かもしらぬけれども、それは大蔵省は各省に対してにらみをきかせておる、さいふを持っておることですから、建設省のほうとしてもなかなか言いにくいかもわからぬ。しかし私は、少なくともこの建設省の道路行政を預かる立場からいけば、私の主張というものは全面的に受け入れられるんじゃないか、こう思うのですが、このあたりの見解をひとつ大蔵大臣及び建設省の局長のほうから承りたいと思うのです。
○福田国務大臣 まず第一に、藤田さんは、今度の新税の収入を五カ年間で使う。三千億円の不足分を新税収入で充当する、こうおっしゃいましたが、これは前提が違うのです。そうじゃないのです。もう道路五カ年計画は四十五年から始まっておりまして、ことしの十二月施行ということになりますれば一年半以上を経過するということになるわけであります。ですから年間の充当額は、大ざっぱなお話でございましょうが、六百億ということではないということを御理解願いたい。 それから第二に、道路が悪い、そこでそれの整備をしなきゃならぬ。社会資本の充実、そういうことに政府は一生懸命取り組んでおると言いながら金を出さぬじゃないか、こういうお話でございますが、これは先ほどから申し上げておりますとおり、一般会計と特別会計、双方をにらんで言ってもらいたい。そういうことなんです。藤田さんの議論を極言すると、特別会計のガソリン税をふやす、そういうことにすれば別に一般会計から繰り入れをそうふやさぬでも支障はないわけでありますから、とにかく両方をにらんで、そうしてわれわれの政策努力が足りなかった、こういうのならば私どもも納得がいきますけれども、一方だけをとってするということは、これは先ほど申し上げました理由により妥当でないのだ、こういうふうに考えます。
○高橋(国)政府委員 昨年の三月六日に第六次道路整備五カ年計画が閣議了解されたわけでございますが、御承知のように十兆三千五百億という総投資規模がきまったわけでございます。その際におきまして、この五カ年計画遂行のための財源措置につきましては、昭和四十六年度予算編成時までに検討を行なうという条項がうたってございます。と申しますのは、第五次五カ年計画、六兆六千億でございますが、三年で中止したわけでございますけれども、その達成率が約五〇%でございまして、財源不足のために完全達成がほぼ困難というような状況もあった事情もございまして、おそらく閣議了解にそういうふうな条項がついたのではなかろうかとわれわれは考えております。 それを踏まえまして昨年七月早々に、われわれ建設省といたしましても財源措置について慎重な検討を行なったわけでございます。それは先ほど申し上げましたように、その結果、たとえば国費につきましては、特定財源等を含めましてもさらに約七千百億程度の財源不足であるというような結論が出たわけでございます。それにつきまして、先ほど先生御指摘のように一般財源を投入することができれば新しい税の必要はないかと思うのでございますが、これはほとんど不可能というふうに考えられます。従来のわれわれの考え方に従いまして、四十五年度における国費六百九十億を初項にいたしましておおむね一〇%程度は伸びるであろうという推定のもとに積算いたしますと、先ほどの御説明のように三千億程度の金が不足になるという結論を出しまして、これに対する新たな財政措置を新しい税に求めたらどうかという考え方が建設省の考えでございます。大蔵省も別途に検討したと思いますが、われわれは、そういう計算をいたしました関係で、ただいま御説明のような新しい自動車重量税と申すものが創設されたのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○藤田(高)委員 私も数字の面で少しくやかましく言ったたてまえ上、食い違ったようなところ、誤解の向きがあったのではないかというような点は訂正しておきます。それは、第六次道路整備五カ年計画は四十五年から始まっているという点はそのように理解をしております。それと、その五年間で算術的に割ったことだけはちょっと勇み足になったかもわかりませんが、これはマクロの、総ワクで検討するという立場から、約三千億の新税に見合う財源が要る、こういうことにしておきましょう。そこは私もできるだけ正確に論点を合わせながらやらしてもらったほうが理解が深まります。 そこで、まず第一の疑問点は、大蔵大臣は特に特別会計のほうに力点を置いて主張をされておるわけですけれども、そもそも大蔵省の、大蔵大臣の部下から出されておるこの資料というものは——いま私が手にしておるのは大蔵省から、資料要求をして出してもらっておるものであります。大体今度の新税というものはどういう必要において、どういう数字的な根拠においてこの約三千億の新税が必要になったかという、そのものずばりの質問をした材料にこれが出てきておるわけですから、この資料を基礎にすることは当然なんです。この資料が、もし特別会計のほうにそこまで力点を置かれるのであればあらためて私は資料要求もいたします。しかし、これは決して私の資料の扱い方が間違いだということには当たらぬだろうと思うのです。それは私が日本社会党ですから、自動車工業会の味方をしたり、一方的に大会社の立場に立つわけはありませんけれども、結局自動車工業会あたりから出しておるこういう資料も、私がいま指摘しておる点が一番理解に苦しむのだ。これはあとで総合的に、新経済社会発展計画による試算面においても、政府の案、いわゆる建設省の案と、それと通産省の案、あるいは自動車工業会あたりが新経済社会発展計画による数字を中心にして策定しておるもの、こういうものを比較いたしますと、私が指摘しておるところがいわゆるクローズアップされてくるわけであります。 そういう点で私は、建設省も率直にいって実にふがいのない。これは道路局長のような、いまのような答弁をなさる人に大事な道路行政を預ける気持ちにはなれませんよ。というのは、そもそも四十五年の六百九十億を基礎にするということは、先ほどから私が何回も指摘しておるように、一般道路事業に対する国費の負担分、いわゆる一般財源の負担分が昭和四十二年をピークに急カーブで落ちておるでしょう。どんな専門家に聞いても、きのうの公述人だけにたよるわけではありませんけれども、社会資本としての道路を整備していくという立場からいけば国の一般財源というものをもっと思い切って投入すべきだということが一致した意見であります。ですから、その観点からいけばそもそも四十五年度の六百九十億を基準にしたということ自身に問題がある。私に言わしてもらえば、この六百九十億という数字がせめて一五%から二〇%増くらいな基準に置いて、それから毎年の伸びはこれまた一五ないし二〇%くらいに伸びていくのだという積極性が道路行政を預かる建設省になくて、私は道路の整備なんかできないと思いますよ。しかも、ふがいのないというふうにあえて失礼な言い方をさしてもらったのは、六百九十億というのは四十五年度の一二%なんです、パーセンテージから言えば。それをさらに下回る一〇%のこの策定計画に建設省自身が唯唯諾々として同調すること自身おかしいのじゃないか。こういうことでは道路整備、社会資本の充実などということを口にすることはできなくなりますよ。これについての見解はどうですか。建設省自身がすべてこういうことであれば、これからわれわれがいろいろな道路予算の審議、これだけじゃない、いろいろな道路関係の審議にあたっても、そういう観点から、基本的なかまえのない考え方に立脚してわれわれも取り組んでいかなければいかぬと思いますね。その点についての見解を聞かしてください。
○高橋(国)政府委員 ただいま御説明いたしました昭和四十五年度を初項とする一〇%というのはわれわれの計算の一つの方法でございまして、検討の過程におきましてはいろいろございました。たとえば国民所得の年々の伸び率を見るとか、あるいは公共投資の年平均の伸び率を見るとか、いろいろな方法を考えて積算したわけでございますが、要するにその積算と申しますのは、現在の一般財源を投入することはほとんど不可能でございますので、幾ら新しい税に求めるべきかという試算のための検討でございます。したがいまして、一〇%といいますのはむしろ低目な数字かと存じますが、そういうふうなことで一〇%を最終的には建設省の数字としては採用したわけでございます。したがいまして、何度も申し上げるようでございますが、そのとおりに毎年の予算の一〇%ずつ一般財源がくるというふうな性質のものではございませんで、われわれが幾ら新しい税にたよるべきかということのための一つの試算でございまして、おっしゃるとおりやや低目かと存じます。
○藤田(高)委員 やや低目だというふうに少しく肯定されたと思うのです。私は、国の一般財源を全体的な財政需要の観点からどういうふうに重点的に配分するかということは、これは財政計画上問題があると思うのです。しかし新税をつくってまで今回の場合は道路整備に重点を置きたいというわけですから、そういう政策上の立場から論議をするのであれば、少なくとも過去になかったことはない。四十二年にかれこれ二〇%の比率を占めたわけですから、なぜ建設省として大蔵省との予算折衝の中でそういう主張が取り入れられなかったのか。その理由を建設省の見解として聞かしてもらいたい。また大蔵省としてもその見解をぜひ聞かしてもらいたい。 それで私は、時間的な関係を急ぐわけではありませんが、午前中の予定は一時半というようなことでありますので、そういう休憩時間とのかね合いにおいて、いまの質問に引き続いてもう一点質問点を明らかにしておきたいと思います。 これは自動車関係団体からの主張でもありますし、ある意味において今度の新税を認めるか認めないかということにも関連するわけですが、この建設省と、俗に通産省の案といわれておるもの、自動車工業会を中心とする自動車関係団体の試算によるもの、こういう一覧表、私どものところに来ておる幾つかの資料で、ずっと検討しますと、やはり新税がどうしても必要だというような策定計画に建設省の案がなっておるのです。しかし自動.車産業——通産省の案といわれておるものや新経済発展計画に基づく自動車団体の計画内容から見ますと、むしろこういうことになっています。政府の案、建設省の関係でいきますと、国費の面では財源が四千七百七十六億不足する。地方費ではこれまた二千四十億財源不足を来たす。財投の関係では五千四百九十億の財源不足を来たす。全体的に見ますとこういう計画になっています。新経済発展計画による試算によりますと、国費の関係ではこれはむしろ過不足がなし、七十五億程度の余裕財源が出るような計算になっている。地方費の面では五千七百九十四億の余剰財源が生まれるようになっておる。財投の関係では三千五百二十四億財源不足を来たすことになっている。 こういう二つだけの対比からいってもそこにかなりな違いがあるわけであります。もちろんその違いというものは、先ほど私が指摘しました国費一般財源の投入割合についても、建設省の案は、というよりも政府の案は一〇%ずつの増加になっておるのに対して片や二〇%の増、あるいは地方費のうち一般財源の投入割合を、建設省の案は四十五年度の投入額三千百八十億円を期間中は横ばいするという前提に立っています。しかし後者のほうは、地方財政計画の過去の五年間の平均の伸びが一七・六%だから、平均の伸びぐらいは見てもいいのじゃないか、そういう策定計画になっておる。財投の投入割合からいきますと、これまた建設省の案では伸びを一〇%程度に押えておるわけですね。しかし後者のほうは、四十五年度の財投の伸び率というのが大体一五%だから、これまた財投の伸び率程度のものは、社会資本を充実するという政府の基本的な方針からいけば一五%見込んでも差しつかえないじゃないか、こういう内容になっているわけなんですね。 こういう観点からいきますと、私は最初の論点に返りますが、政府が道路というものに対してそこまで社会資本を充実するという観点から政策的配慮を加えるなれば、こういった団体の意見というものをなぜもう少し尊重するような策定ができなかったのか。このあたりの事情を私はつまびらかにしてもらわないと、先ほど来の質問ではありませんけれども、いわゆるこの税金の対象になる国民各階層の人は納得いかないと思うのですね。ですから、いま私が指摘したような面について、政府が残念ながらそういう数字を採用することはできなかった、そのできなかった理由はなぜか。こういう点についてひとつ政府の見解というものを明らかにしてもらいたいと思うのです。
○竹内(道)政府委員 ただいま先生からお話しございました建設省案と通産省案の大きな違いは、国費につきましては二点だろうと思います。一つはガソリン税の収入の伸びというものをどう見たかという点であろうと思います。それからもう一点は一般財源としての国費の伸び率をどう見たかという点だろうと思います。ガソリン税の伸びの見方につきましては、これはいろいろな見方があるかと思いまするけれども、これは大蔵省の主税当局のほうで一三%程度というものが適当であると判断したわけでございまして、通産省案はたしか一四%を上回る伸び率で計算をいたしておると思います。それから国費の伸び率の問題につきましては、いろいろこれも見方はあると思いまするけれども、一般的にまあ社会資本の充実に対していろいろ要請の強いおりで、今後とも一般会計の金に対する社会資本全体の要望というものは非常に強いと思うのでありまするが、一応一〇%というふうに見たわけでございます。 先ほど、シェアがだいぶ落ちておるではないかというようなお話がございましたけれども、確かに昭和四十一年あるいは四十二年という年におきましては、御承知の不況を回復するための景気対策が非常に強くとられた年でございまして、このときには約二〇%程度のシェアを占めておるということでございますが、その後のシェアは大体一一、二%というところで推移しておるというような状況でございます。また毎年の伸び率につきましても、これも各年度につきまして非常にでこぼこがあるわけでございまして、従来道路について道路財源を非常に多くつぎ込んだのは、大体昭和三十八年ごろ例の産業の隘路打開というようなことで、三十八年ごろから道路財源というものが非常に大きくついたように思います。その後の毎年の伸び率でも非常にでこぼこがございまして、今後の第六次道路整備五カ年計画の中でも一〇%というふうに一応試算しておりまするけれども、これも各年によってあるいは相当のでこぼこが生じてくる可能性はあると思うのでありますが、一応一〇%というふうに試算をいたしたというのがいきさつでございます。
○高橋(国)政府委員 ただいまの竹内次長の答弁で尽きていると存じますが、先生の資料はたぶん通産省の案ということで自工会でつくった資料かと思いますが、これは竹内次長の説明のように、われわれはガソリン税の伸びを一三%と見たわけでございます。これは車の保有台数の伸びとガソリン税の伸びの相関を求めまして、われわれは一三%というふうに決定したわけでございますが、通産省の場合は四十三年度から四年度に対する伸びをそのまままっすぐ直線に伸ばしました。したがいまして非常に高い率になりまして、その後に、これについては通産省とも話し合っておりますが、確かに伸び率を高く見過ぎたということを自認しておるようでございます。 それから第二点の国費の見方でございますが、これはわれわれ一〇%と見ましたことは、先ほど申しましたようにやや低きに失したかと存じます。通産省の意見といたしましては、少なくとも道路整備はガソリン税等の特定財源だけではなくて、むしろ一般財源をもう少し大幅に投入すべきであるという一つの別な理論から、つまり道路をつくることによって利益を受ける者は車を使う人だけではないのだ、そういうような意見から、もっと一般財源を投入すべきだというふうな、そういう主張からした数字でございまして、ちょっと数字は私は覚えておりませんが、たしか二〇%をこえている数字じゃなかったかと存じますが、そういうふうな数字で積算していると思います。 それから、先ほどの財投の話でございますが、われわれの財投に対する当初の見方は一〇%ということで、国費と同様に考えたわけでございますが、これも御指摘のとおり従来の財投の投入比率に比べますと非常に低いわけでございまして、そういうふうな数字をとったことには若干問題があろうかと存じますが、財投の金は非常にむずかしい問題でございまして、われわれ建設省としてはじくことは非常にたいへんでございます。したがいまして、これも先ほどの国費と同様に、安全側と申しますか、セーフティーサイドをとって一〇%というふうに見た経緯がございます。
○藤田(高)委員 いまの局長の答弁によりますと、通産省自身は、ガソリン税の伸び率を一四%に見たのはこれは高く見過ぎた、こういうことを言っておるというのですが、通産省から来ておると思いますが、そういう見解を持たれているかどうか。 それと第二点目は、これは先ほどの私への答弁で、いわゆる一般財源の投入率がずっとここ数年来減少の一途をたどっておる、一〇%というのは低きに失しておる、ここまではやや低きに失しておるという、そういう表現であったかと思いますが、建設省自身は認めておるわけです。この点は建設省にお尋ねしますが、このようにおくれたわが国の道路の実態というものを先進国並みに追っかけていく、早く先進国並みにしていくためには、この一般財源の投入率を、建設省としては将来に向けて、どれくらいなものを投入することが大体の標準といいますか、基準だというふうに考えているのか。低きに失しておるということですから、ひとつ自主性のある基準を示してもらいたいと思います。 財投についても、この一〇%という六次の計画は非常に低いものだ、しかし財投全体の配分についてはなかなかむずかしいという主張であります。新経済発展計画によりますと、大体四十五年度の財投の伸び率くらいは、社会資本を充実するという観点からいえばまあいわば常識じゃないか。これがいわゆる自動車関係その他の、また私どものある意味における常識として、財投のワクについてもその程度のものが適当だと思うわけですが、それについての見解を聞かしてもらいたいと思います。
○高橋(国)政府委員 財投の伸びにつきましては先ほど簡単な御説明を申し上げましたが、昨年財源を検討している時点におきましては、四十五年度におきます財投の資金が三千八十三億でございまして、これを初項にいたしまして計算いたしますと二三%で達成できる数字になっていたわけでございます。しかしわれわれといたしましては当時二つの方式を考えたわけでございます。毎年二三%道路に投資していただくことは非常に困難と推定いたしまして、まず第一点は、昭和四十五年度の道路四公団——日本道路公団、阪神、首都、それから本州四国公団でございますが、その伸び率が当時一五%でございましたので、これでやる方法があるかというふうに検討したわけでございます。しかし、実際の実績、四十三年度から四十五年度の三カ年間の実績を調べてみましたところ、同じく四公団の一〇%であったわけでございます。したがいまして、われわれは先ほど申しました安全な方法をとりまして一〇%というふうに推定したわけでございまして、その不足財源につきましては別途な方法を検討してもらうように大蔵省当局にもお願いしたわけでございます。 それから、一般国費の一〇%につきましては、先ほど申し上げましたように、新しい財源を求めるための単なる一つの手段として使ったわけでございまして、これが正しいというふうにわれわれ自身も思っておりません。これから先の一般財源の投入率はどの程度がよろしいかという御質問でございますが、これはわれわれといたしましては、ただいまの五カ年計画の必要財源、当面は五カ年計画の必要財源について、七千百億程度でございますが、用意していただければ五カ年計画は達成できますので、そのようにお願いしたいというふうに考えているわけでございます。
○山形説明員 揮発油税の収入の伸び率の問題でございますけれども、先生御指摘のとおり、通産省といたしまして当初一四・三%ぐらいの考えであったわけでございますが、先ほど主計局次長からのお話のように、関係者いろいろとその後相談いたしました結果、この一四・三というのが大体四十四年までの実績等を主にしてそれを採用したような感じもございまして、その後の景気の動向とか実績等も踏まえまして、年率一三%というふうにこれを訂正いたした次第でございます。
○毛利委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時三十三分休憩 ————◇————— 午後五時二十七分開議
○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。藤田高敏君。
○藤田(高)委員 休憩前に引き続きまして質問をいたしますが、休憩前、私が特に主張しましたのは、社会資本の充実という立場から道路整備をはかっていくということになりますと、従来の一般道路事業費の中に占める国費の負担割合というものを積極的に増額するという方向で、むしろ道路行政なりあるいは国の施策というものが強化をされて初めて、今回の税制改正の趣旨にうたっているような政策目的というものが達成できるのではないか。ところがここ数年間の経過を見ると、逆にずっと減少をして、この第六次道路整備五カ年計画の財源見込みの中では五年前と比較すれば半分になっているじゃないか。これは仮定の論議としましても、かりに財源がないという場合、そういう場合でも、比率からいいまして二割程度の国費財源というものを道路財源に振り向けておる、そうしてなおかつ社会資本の充実をはかるために新たな財源を見出さなければならぬということであれば、私は一つの考え方としてわかるわけですけれども、なすべきことをやらずに、いわば安易に、非常に矛盾に満ちた新しい税金によってその財源の穴埋めをする、こういうことについては私どもとしては承服することができません。その見解を明確に申し上げておくと同時に、これは建設省関係に重ねて確認の意味で私はお尋ねしておきたいのでありますが、休憩前に私が指摘した、これは財投の面もそうでありますが、特にこの一般道路事業費の中に占める国費の負担割合というものが、もしここでこの六次の道路整備計画というものをこのまま認めるとすれば、やはり昭和四十九年までは一〇%程度、下がったところで認めざるを得ないということになるわけですね。その点は来年度以降予算編成の中でふやしていく、この比率が増大していくという、そういう見通しなり考え方があるのかどうか。これは事業省としてはそういう努力方向というものは出されるにしても、財政当局である大蔵省自身がそういうものの考え方を肯定されるかどうか。こういう点についてもひとつ確認をして次へ進みたいと思うのです。建設省並びに大蔵当局の見解を聞かしてもらいたい。
○竹内(道)政府委員 先ほどから申し上げておりまするように、明年度以降の一般財源の投入額一〇%というものは一つの試算でございまするけれども、いずれにいたしましてもこの一般財源と、それからいま御審議願っております新税収入と合わせまして五カ年計画の達成に遺憾なきを期したいというふうに考えております。
○高橋(国)政府委員 大蔵省の見解と全く同一でございます。
○藤田(高)委員 私は、先ほどからも指摘しましたように、これは道路整備に限らず、こういった一つの年次の計画を立てる場合に、何を基準にすべきかというキーポイントになるべき条件が逆にさか立ちしたような、そういう事業計画のあり方については賛成することはできません。それと同時に、そういうさか立ちした計画策定のもとに新たな税収財源というものを求めるような、そういう形になってきておる今回のこの自動車新税というものは、この具体的な計画から検討しても承服することができません。この点を明確に申し上げて質問点を次に移したいと思います。 私が次にお尋ねしたいことは、これは所得税制の改正の審議の中で私どもの立場からそれぞれ主張したことでありますけれども、ことしの所得税減税は全体のワクとして約千三百億程度ということで、いわばミニ減税であったわけですけれども、この重量税が創設されることによって、私の試算では、せっかくのこのミニ減税さえ、もう減税の効果というものは完全に抹殺されて、むしろ前年度対比においては、特に年間所得百万以下ないしは百五十万程度以下の勤労階級には、この重量税が新設されることによって増税になるという結果が生まれてくると思うわけでありますが、そのあたりについて、ひとつ独身者、夫婦、夫婦子一人、夫婦子二人、そういう条件別にこの重量税との関係においてはどうなるかということを、これは資料提示を含めてひとつ答弁をお願いしたいと思います。
○細見政府委員 所得税の減税と今回の自動車重量税というものとは直接関係いたさないわけでございまして、所得税の減税は御承知のように、先般来御審議願いましたように、諾控除の引き上げということをまんべんなく行なっておるわけでありまして、これは自動車を持たれる人も持たれない人も、あるいは若い人も年寄りもおしなべて減税になっておるわけであります。今回の自動車重量税は、これは自動車を持っておられる方だけにつきまして、あるいは自動車を運行しておられる企業だけについて負担を求めるものでありまして、御質問の趣旨のように、年に五千円程度の自動車税、普通の小型でございますと大体二千五百円ぐらいの税負担でございますから、税金をある程度納めておられる方おしなべて一割ぐらいの税負担の軽減になっておるわけでありまして、その意味におきましても私どもは、一方は実質的減税でるための特別な財源措置、かように考えておるわけであります。
○藤田(高)委員 なるほど税目別に見れば、片や所得税、片や自動車新税ということで、税金それ自体の性格も違いますが、しかし私だったら私が、一人のサラリーマンとして勤労所得税の対象者である。その対象者がたまたま今度のこの自動車重量税の対象になる自動車を持っておったということになれば、いま主税局長が言ったように、紙の上で絵をかいて、ここからこっちは自動車税で、ここからこっちは所得税だから関係がない、こういうわけにはいかないわけなんですね。これは一人が所得税を払い、またその該当者が自動車の所有者であれば今回のこの税金の対象になるわけですから、そういう画一的というか機械的な分け方をされておるところに、極端にいえば、官僚政治じゃないけれども、そういう事務官僚の悪い面があると私は思うのですよ。 局長がそういう形でなにしますから私のほうから問題を提起しますが、たとえば百万の年間所得で、独身者の場合であれば勤労所得税の減税によって平年度四千八十円という減税になります。夫婦であれば四千七百八円、夫婦子一人であれば五千四百円、夫婦子二人であれば六千四百円、自動車新税というものが今度新しく創設されなければ、少なくとも名目上はこれだけが減税になっておったのです。ところがこれらの人たちが自動車を持っておる場合は、いわゆる大衆車として、これはパブリカ一〇〇〇スタンダードあるいはコロナ一五〇〇スタンダードをひとつ基準にとりますと、二年間で一万円ですから一年間で五千円ということになれば、私がいま指摘した百万程度の所得者のところであれば、平年度の計算からいけばこれは増税になるのですよ。そういうことを知った上でことしの勤労所得税の改正案というものを出したのかどうか。またそういう私がいま指摘しておるような立場からいけば明らかにこれは増税になるわけですけれども、そういうことを知った上で今回の自動車新税というものをここに提案してきたのかどうか。その点を聞かしてもらいたい。
○細見政府委員 所得税は御承知のように、所得金額の大小に応じまして、大きくなればなるほど累進課税になっていくわけでありまして、百万の人よりも百五十万の人は税が重くなる。その重くなっておる人は、税が重いわけでありますから、今回のような減税をいたしますときにその軽減割合が大きくなる。三千円しか所得税を納めておらない方は、かりに全部免税いたしましても三千円しか軽減にならない。一方自動車をその人がたまたま持っておられれば自動車税が五千円かかる。これは所得税減税は所得税減税として評価を願い、自動車税の五千円の負担増というのは、これは別個の道路整備のための新しい財源措置として御理解願うので、もちろん払う人が同じであるからふところは同じじゃないかという御議論もわからぬわけではございませんが、所得税の減税はそうした自動車を持たない人にも広く均てんするわけでございまして、そういう意味で所得税は所得税として考え、自動車重量税は自動車重量税として考えるのが税制としては筋じゃないか、かように考えております。
○藤田(高)委員 いま私が指摘をした年間百万の所得の独身者であれば四千八十円、以下指摘したようなそういう立場の者で自動車を持っておれば逆に増税になる。この自動車新税と所得税との二つのかね合いの中では、額は千円程度であったりあるいは四千円程度であるかもわからないけれども、増税になる。この事実は大蔵当局も認めますね。
○細見政府委員 その計算は認めます。事実というか、計算は認めます。
○藤田(高)委員 計算は認めますと、事実は認めるわけですね。——結局増税になるということじゃないですか。
○細見政府委員 私どもは所得税の課税最低限の議論をいたしますときに、いつもこの委員会で最低生活費にまで食い入っておるのだというような御議論をいただいておるわけでありますが、いまおっしゃるように、百万円の方々が自動車が持てるほど非常に課税最低限が高いということであれば、藤田先生のおっしゃるようなことになろうかと思います。
○藤田(高)委員 私は実にけしからぬ議論のすりかえだと思いますよ。それはたいへんけしからぬ議論のすりかえですよ。百万円以下の者が自動車を持ったらそれば非常に所得が多いと、こう言うのですか。私はそういうものの考え方は、財政当局のものの考え方としておかしいと思うのです。これはなるほど最低生活を維持するかどうかというその最低生活費に課税するかどうかという問題と——自動車を借金をしてでも買うという場合もあるでしょうし、独身者であれば世帯持ちよりも独身者のほうが身軽で、いろんなやりくりをして自動車を持つという場合もあると思うのですよ。少なくとも百万だったら百万の年間所得のある層を把握して検討した場合は、これは増税になるのかならぬのかということをはっきり言えばいいのですね。自動車を持っておる者自身がそんなに所得があるのであれば課税最低限の問題云々ということは、私は議論のすりかえだと思う。ですから、ここではっきりしたいのは、いま私が指摘したように百万のところであれば増税になるということだけは明確ですね。これはもう一ぺん確認したいと思うのです。そうしますと、労働省の調査によれば、雇用労働者三十人以上使っておるところの全国平均の収入というのは年間約九十万、総理府の統計資料によってもまあ百三十万、これは非常にラフな計算のしかたですけれども、年間百十万から百二十万程度以下の所得のところで自動車を持っておる者は全部増税になるというふうに見て差しつかえないですか。
○細見政府委員 自動車を持っておられる限りその負担はふえようかと思います。
○藤田(高)委員 非常に明確になりました。これは自動車と所得税との二つだけの税金の観点からいけば、せっかくの所得税のミニ減税程度のものも吹き飛んでしまって、むしろ増税になるということが明らかになったわけであります。そういうことであればこの税制改正というものは、自動車新税が提案されるということはもう当初からわかっておったわけだから、所得税の改正のときにも、そういう要素を入れればこれはもう減税にはなりませんということでないと、一般のサラリーマンはこの自動車新税が出るまでは、ああ、わしのところは夫婦だけで年間百万くらいな所得だったら四千七百円くらいな減税になったわいと、こういうふうに理解しておったところが、追っかけ自動車新税がやってくると、平年度では逆に増税になる。こういう国民に対して不親切な問題の提起のしかたというのは、あるいは法案の説明のしかたというものはきわめて遺憾であります。したがって、これはいろいろ試算のしかたがありましょうけれども、国税庁の民間給与の実態調査からいきますと、百万円以下の給与所得者というのはかれこれ五百十七万くらいいる。これは民間関係だけでありますが、こういうランク以下にいる階層というものは全部今度は、所得税と自動車重量税とのかね合いにおいては増税になるというふうに理解して差しつかえないですね。
○細見政府委員 先ほども申し上げておりますように、自動車を持っておられる方については新たに自動車重量税の負担を願うわけでありますが、手元にございます勤労者世帯における所得階層別自動車保有台数というものによりますれば、六十万円から九十万円程度の収入の方につきましては、推計ではございますが、一五%程度の方が自動車を持っておられる。三十万から六十万でありますと五%程度の保有率である。三十万円以下はさすがに三%と、こういう数字に相なっておりますので、これら自動車を持っておられる方につきましては、先ほども申し上げましたようにそういう負担増という議論も、自動車を持っておることに伴いまして起こりますが、一般的な税のあり方としては、所得税の減税は残りの人すべてに広く均てんしておる、かように考えております。
○藤田(高)委員 把握のしかたはどういうことになるか、いろいろ違いがあろうかと思いますけれども、そういう自動車新税と所得税との関係、いわゆる自動車を持っておる者については、私が指摘しておるようなその部分については逆に増税になるということが明確になれば、私はそれでよろしいと思います。よろしいというのは、いわばそういう増税案を押しつけるような新税であるということが明確になれば、それは私はその点で質問の中身が明らかになりましたから了承します。 次に私は、若干前後しますが、第六次の道路整備五カ年計画の中に、有料道路分としては二兆五千億が組まれておると思うのですが、この二兆五千億の中に盛られておる国費の負担額はどれくらいになっておるか、聞かしてもらいたい。 それといま一つは、同じく六次の五カ年計画中に占める土地の買収費、土地購入費といいますか、土地の補償費を絶対額で示してもらいたいと思いますが、どの程度想定されているか、その額を示してもらいたい。
○高橋(国)政府委員 最初の御質問の、第六次道路整備五カ年計画の中に占める有料道路の二兆五千億のうち国費の占める額でございますが、四千二百億になっております。 それから五カ年計画におきます用地補償費はどの程度かという御質問でございますが、平均いたしまして大体二五%程度になっております。これは各個別に実はそれぞれパーセントが違っておりまして、その積算はただいま手もとにございませんが、率で申しますというと二五%になります。
○藤田(高)委員 同じくこの有料道路の事業費の中に占める道路公債のワクというのは、全然考えていないのかどうか。
○竹内(道)政府委員 財投の資金の中に政府保証債としての道路公団債は考えておりますが、道路公債は考えておりません。
○藤田(高)委員 いまの説明によりますと、有料道路の中に占める一般財源の額が四千二百億程度ということでありますが、こういうたとえば財源に見合う程度のものを道路公債の発行によって処置をするという考え方は財政当局としては持っていないわけでしょうか。もしそういう考え方を持たないとすれば、その理由を説明してください。
○竹内(道)政府委員 御承知のように、現在公共事業に充てる公債としては毎年国債を発行しておるわけでございますけれども、これは公共事業全体をまかなうのに、一般の税収と、発行する国債と、両方でそれをどうやってまかなうかということで、毎年の財政事情あるいは経済事情というものに合わせてその財源措置を考えていくわけでございます。したがって、そういう広い一般財源の中で道路に充てる金がきまってくるわけでございますので、特に道路公債というものを、一般の財政法四条に基づく公債とは別に発行するということは考えておりません。
○藤田(高)委員 公共事業全般の中で公債の発行額あるいは処理について考えているということですが、たとえば有料道路のような場合は、いわゆる建設資金は料金収入によってまかなうことができますから、いわば長期的な償還の面においてはもう絶対、有料道路に関する限りは安定した形で確実に償還することができる。そういう性格のものについては、同じ公債を発行するのであれば、そういうところに重点的に配分をしていく必要があるのじゃないかと思いますが、それについての考え方はどうでしょう。
○竹内(道)政府委員 ただいま申し上げましたのは、有料道路をつくるために一般会計から出資するものにつきまして、つまり、いわば出しっぱなしのような形で出していくものについてそういうことを考えていないということで申し上げたわけでありまして、道路公団そのものが料金収入をもって返済するような債券を発行するということは現にやっておるわけでございまして、それが政府保証のついておる道路公団債でございます。さような道路公団債については、今後も経済情勢を見ながら、政府保証債のワクの中から道路についての公団債というものを考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○藤田(高)委員 次に、私は通産省関係にお尋ねをしたいわけであります。 今回の自動車新税の創設については、休憩前にも指摘をしたところですが、自動車関係の諸団体からこの新税に対して非常に強い反対の意思表明がなされています。もちろん、国の行なう施策の中で、それぞれの関係団体が反対をしたからそれでどうこうするということではありませんけれども、しかし、この自動車新税については、自動車税の性格、あるいは現在の全体的な税体系の問題、あるいはそのねらいというような点からも非常な問題点があるわけであります。こういう問題の多い新税を、関係団体の意向を無視して——通産行政の中では、自動車の地位というのは私はいわば全産業の中でも一種の戦略産業的な地位を占めてきたと思うのです。そういう自動車産業に対する影響というものは非常に大きいのじゃないかと思うのです。この点、この自動車の関係団体から出されておる反対の意見なり見解というものは、大かた私も理解をいたしておりますが、この通産省が独自の立場から判断をした、自動車新税が創設されれば自動車産業に対してどういう支障と弊害というものが起こってくるか、また自動車産業と関係の深い関連産業に対してどういう波及効果が起こってくるか。そういうことについて、当然これは通産省当局としても検討しておると思うわけでありますが、それらの支障と弊害と目される面について説明をしてもらいたいと思います。
○山形説明員 お答え申し上げます。 自動車は御存じのとおり保有台数も非常に増加してまいっておりまして、今後ますますその増加の傾向をたどると思われるわけでございますけれども、これに関連します事故の増加とか排気ガスの問題とか交通渋滞の問題とか、これから自動車をめぐりましてわれわれもいろいろと考慮しなければいかぬ点が多いんじゃないか、こう思う次第でございます。半面道路整備の問題は大きな社会的要請と相なっておりますので、自動車の保有台数の増加に関連した道路の整備ということは絶対必要なものであろうか、こう思うわけでございます。簡単に申し上げますと、やはり自動車部門としてこれからの特に道路整備という社会資本の充実に関連します応分の負担といいますか役割りというものをわれわれは一応考えておるわけでございまして、今回の新税創設にあたりましても妥当なる範囲内におきまして協力をするべきである、こういうのが通産省の基本的な態度でございます。ただ自動車といいましても、車種別その他いろいろと濃淡の差といいますか、強さ、弱さ、その他いろいろでございますので、課税標準なり税率の検討にあたりましては各方面からの意見を十分考慮しまして、関連産業に及ぼす影響をなるべく少なくするよう配慮している次第でございます。
○藤田(高)委員 ごく抽象的に答弁があったわけですけれども、私どもの手元に「道路利用者新税創設に関する意見」という形で関係団体から出されております陳情書の内容を見ても、この新税ができれば自動車の需要が約一八%程度減少するということが指摘をされています。そして自動車企業それ自体の操業短縮が必至だということを指摘しています。三つ目の条件としては、自動車の素材関係の供給産業にかなり深刻な不況が招来すると指摘をしています。その他自動車販売及び部品の下請企業の中には、私はこのことだけでそのものずばり倒産状態が起こるかどうかということは十分理解できないわけでありますけれども、これら関係団体の主張によりますと、下請企業にはこの自動車新税ができることによって非常に深刻な倒産状態が起こるだろう、こういうことを列記しておりますが、いま私が指摘したようなことが自動車業界には起こるほど自動車新税というものが影響があるのかどうか。通産当局としてはどのようにこれら関係団体の見解を見ておるか、考えておるかということをお尋ねしたい。
○山形説明員 お答え申し上げます。 若干いろいろな数字が本新税創設の途中段階で行なわれましたので、先生のおっしゃっていますのが正確に私たちと合いますのかどうかわかりませんけれども、われわれの感じでは、確かに、新税が創設されますとそれに関連する自動車の需要減というのは考えざるを得ない、こう思います。しかし自動車産業それ自体がまた悪いことに、需要全体の若干鈍化の傾向も内需面ではあるわけでございまして、その点御指摘のとおりだと私は思うわけでございますが、反面日本の自動車工業は非常に競争力がふえておりまして、特にアメリカのGMなりフォードなりが小型車をつくって売り出しても、その影響をはねのけまして現在相当程度の輸出の増強がなされておる次第でございます。ちなみに、四十五年度の輸出は当初百七万台ぐらいと思っておったわけでございますけれども、現時点におきましては百二十二、三万台と、相当程度の増加を遂げております。
○藤田(高)委員 その数字は何ですか。
○山形説明員 輸出でございます。生産全体といたしまして、輸出の好調等にささえられまして思ったより順調な推移もたどっておりますので、確かに新税創設の影響もございますが、影響自身も、伸び率で、内需で大体一ポイントくらい違うのじゃないかという感じもいたしております。全般的にわれわれとしましては大きなる影響はない、こういうふうに現段階では判断いたしておる次第でございます。
○藤田(高)委員 私は自動車関係団体の意向というものを全面的にうのみにするという気持ちはありません。うのみにする気持ちはありませんけれども、少なくとも私どもの手元に自動車新税の創設に関する意見として陳情書が出てきておる。この陳情書を見ると、日本自動車工業会会長の川又さんほか、日本自動車販売協会連合会あるいは全国軽自動車協会連合会、日本自動車部品工業会といった、いわば自動車に関する業界筋としては名の通った人たちの連名によってこういう意見書が出ていますね。そういう人たちによって代表される主張というものに、いまの重工業局次長の説明ではたいした影響がないということを言っておるのですが、そういうことを言っても業界には何ら影響はないですか。業界は具体的に、たとえば自動車のこの新税が創設されたら自動車の需要は今後一八%程度大幅な需要減が予想される、こういっておるのですね。私はこの数字が一割程度になるとかあるいは若干のフレがあることは認めるにしても、自動車関係のいわば元締めである行政当局がいま言ったような判断であるとすれば、この自動車関係団体自身がこういう反対の陳情書を出してくる前に行政レベルで十分説得できるのじゃないかと思うのです。今日これだけ国会で審議をしておるさなかにおいても、われわれが想定した陳情書の見方というものは違っておりましたということでこれを撤回するという声は一つも聞かないのですね。むしろ今後この傾向が強まる、こう言っておるのです。私はそれほどまでに通産省の考えていることと自動車業界ないしは自動車団体の見解というものが、同じそれぞれの専門の道でありながらそんなに違うのかどうかということを重ねて聞きたいのです。
○山形説明員 若干私の説明が誤解を受けました点がございますので、あわせてもう一回答弁いたしたいと思います。 業界のほうで一番最初のころ、いま先生の申されました数字をはじいておりましたときは、自動車新税が大体蔵出し税の形態で考えられておりますことを前提にいろいろと——蔵出し税ですと物品税みたいなもので非常に影響が急速に出るわけでございますけれども、保有税のようなかっこうになりました点が非常に大きな違いでございます。それで、現在われわれのほうといたしましても業界等々よりいろいろとお話を伺っておるわけでございますけれども、保有税としての新税の創設に関連する影響といたしまして、現在自工会で言っておりますのが、内需で年間の伸び率にして大体一・三%くらい落ちるのではないかということを言っておる次第でございます。これに補足いたしますと、輸出が最近非常にいいものですから全体としての影響は少ないのではないか、こういう意味で申し上げましたので、若干誤解を与えました点をおわびいたします。
○藤田(高)委員 それでは、私たちもこういった団体とはもちろん接触もあるわけですから、少しこれから先、国会審議の中で明らかになった通産当局の見解はこうだということを、私どもの立場から材料提供をする意味においてもぜひ聞いておきたいわけでありますが、そうしますと、こういった陳情書や私どものところに出されておる資料によれば、この自動車新税が創設されることによって自動車の需要は一八%程度大幅に需要減が予想されるということはほとんどない、こういうふうに確認をしていいかどうか、これが一つ。それと、私が指摘したように、そのことによって自動車企業それ自体に操業短縮が起こるようなことがないかどうか。——いいですか、いま項目的に言うのですから項目的に答えてくださいよ。三つ目は、素材の供給産業、これは普通鋼とか特殊鋼あるいはゴム、非鉄金属、ガラス、樹脂、これら素材供給産業に非常に重大な不況を招来するということでありますが、そういう事態は起こらないかどうか。それと四つ目の条件としては、いわゆる自動車の販売業並びに部品下請企業等に倒産の心配が起こるようなことはないかどうか。そこまでこの自動車新税によって深刻な影響は起こらないかどうか。これについてのお答えを願いたい。
○山形説明員 お答え申し上げます。 一八%といいますのは、先ほど申し上げましたように蔵出し段階で課税されるという前提での数字でございまして、現在、案として提示されております現在の新税案によりますと、先ほど申し上げましたように一八よりはずっと下の影響で済むのではないか、こういうことが第一点でございます。 それから、それとの関連でございますけれども、操業短縮が起こらないかどうかという点でございますけれども、この点はこの新税創設の問題だけでございませんで、先ほどもちょっと申し上げましたように、自動車産業全体のこれからの需要の推移をいかに見るかということに関連いたします。あわせて、新聞紙上をにぎわしておりますように、今後若干長い目で見ますと巨大外資の日本に対する進出というようなことに関連する影響等々がございますので、個々の企業にとりまして、むしろ税の問題以外に操業短縮なりいろいろな悪いことが部分的には起こるのではないかという感じがいたしておりますが、結論的に申し上げますと、素材、販売、下請のことを通じまして、今回の新税創設、現段階程度の税率等を前提にいたします場合には著しい影響はないのではないか、こう考える次第でございます。
○藤田(高)委員 たいした影響が起こらない、具体的に指摘をした面についてもさして心配はない、そのとおりであれば私は非常にけっこうだと思いますが、そういう見解なり見通しに立っておるとすれば、通産省当局としては今回の新税に対してはいわば賛成だ。自動車関係にはその影響がない、関連産業にも影響がない、通産行政の立場から考えてもこの新税についてはいわば賛成だ、こういう立場だというふうに理解してよろしいですか。
○山形説明員 お答え申し上げます。 先ほど来申し上げましたように、自動車をめぐる環境が非常にいろいろときびしい点もございます。しかし、われわれといたしましては道路の必要性は非常に重視しておりますので、四囲の状況を勘案いたしまして、現在の案の程度であり、税率その他妥当なものである限りにおきまして、今回の自動車新税は必要やむを得ないものである、こう考える次第であります。
○藤田(高)委員 正直いって答弁がなかなかしんどいところだと思うのです。これはわかるような気もするわけであります。それはその程度にしておきましょう。しかし私は、自動車の関係諸団体からこれだけ具体的な反対の意思表明があるわけですから、通産当局がいま答弁されたほどなまやさしいものではないんじゃなかろうか、こういうふうに考えます。 そこで、私はいまの次長の答弁を聞いておりますと、この程度の新税であればという言い方でありますが、これは仮定の論議ですけれども、いわゆるいまここに出されておる新税の内容を見てみますと、これまた先般来この委員会でも再三触れておりますように、自動車から取り立てた税金、財源を、ある場合には国鉄に、ある場合には地下鉄、そういった方面に使用するような、そういう使用方途を含めた新税の創設については通産当局はどう考えますか。またそういう使用方途については、建設省は建設省として財政当局とは変わった独自の考え方があってもいいんじゃないかと私は思うわけですけれども、その点についての見解をひとつ通産省並びに建設省から聞かしてもらいたい。
○山形説明員 今回の新税の税収の一部を道路以外の使途に振り向けるという点につきましては、先生御存じのとおり、自動車税、自動車そのものの税負担の現状が非常に高いわけでございます。ただ、道路は当然必要でございますが、投資の規模の問題総じて総合交通体系といいますか、方針が若干まだ未定の点もございますので、その辺の今後の進行状況等もにらみ合わせまして慎重にこれに臨むべきである、われわれ通産省といたしましてはそう考えておる次第でございます。
○高橋(国)政府委員 新税の使途につきましては、御指摘のとおり自動車の重量税でございますので、まず道路整備に充てるのが第一かと存じますが、ただ、道路整備だけに充てるということにつきましては、われわれ建設省側としても若干の議論がございます。御承知のように、現在の輸送事情は道路だけでは解決できない面が多分にございます。したがいまして、総合交通と申しますか、そういうものを充実いたしまして、そちらのほうにも当然配分されるべきだというふうにわれわれも考えております。(「建設省は運輸省の話をしている。」と呼ぶ者あり)
○藤田(高)委員 どうも私も、こちらで少しやじが出ておるように、勘が狂うわけですよね。道路局長は運輸局長かどこか、所管違いの責任者ではないかというふうにわが耳を疑いたくなるわけですけれども、端的にいうと、そこまで財政当局に気がねをしなければならないのでしょうか。また、私は休憩前にも指摘しましたが、もう少し建設省は建設省独自の政策立案についての定見というものを持つべきではなかろうか。端的にいえば、道路を整備するということで自動車から今度の税金を取るのですよ、つくるのですよ。これは間違いないですね。いわゆる口がすっぱくなるように言っているとおり、とにかく社会資本としての道路整備をやるために、わざわざこれだけ悪評を買っておる新税を創設しようとしておるのですね。ただでさえ一般財源から見てくれる金も四十二年に比べたら半分にまで減らされておる。そして新税をつくって、建設省関係の道路へ全部振り向けてくれるのかと思ったら、羊頭狗肉じゃないけれども、出る先は地下鉄だったり国鉄だったり、ある場合には空港であるかもわからない、港であるかもわからない、そういうところへ金を使われることについて、そういうところへこの金が使われる性格の新税に、建設省なりあるいは通産省自身がそんなに積極的に賛成できますか。端的にいうと消極的賛成ですか、積極的賛成ですか。それとも内心は反対なんですか。そこらをちょっと言ってください。
○高橋(国)政府委員 先ほども申し上げましたように、私たちは道路整備五カ年計画十兆三千五百億の閣議決定のもとに、その財源を検討したわけでございまして、それに必要な額、先ほども御説明ございましたように約三千億程度が確保できれば、ただいまの第六次五カ年計画は達成できるわけでございまして、これが第一のわれわれの希望でございます。ただいまの新税につきまして、道路以外に使っては悪いという理由は私は一つもないと思っております。それと、先ほども申しましたように、道路だけで陸上交通を解決できるものではございません。これはすでに御承知と思いますが、大都市内におきます通勤輸送につきましては、これは道路並びに自動車だけでは解決できる問題ではございません。と同様なことが全国的な問題として現在起こっておるわけでございますので、われわれ道路サイドといたしましても、総合交通対策上必要のものであれば、これはやむを得ないというふうに考えておる次第でございます。
○山形説明員 先ほど御答弁したとおりでございますが、全般的な総合交通体系等の方針の確定も見ながら、慎重な態度で臨むべきであると私は思うのでございますけれども、補足して申し上げますと、われわれといたしましては、やはり自動車は直接的には道路と非常に関係が深いわけでございますので、極力道路財源として活用されることが期待される、こう考える次第でございます。
○藤田(高)委員 建設省の道路局長の答弁は、総合交通体系を整備するという観点から、ごく抽象的な論議としては私は肯定できるわけです。それは道路を整備しただけで交通関係が改善されるとは思いません。しかしながら、今回のこの自動車新税の性格から見て、大体道路を走るものから税金を取るというのでしょう。道路を走るものから税金を取るわけですから、非常に目的なり対象物がはっきりしておるわけですよ。国鉄の軌条の上を走ったり地下の軌条を走るものとは違うのですね。そういうふうに限定された対象物から税金を取ったものを地下鉄や国鉄に回すような構想は、少なくとも建設省なりあるいは通産省といったような、そういう立場から考えたときには賛成できないというのがすなおな立場じゃないでしょうか。その点はどうでしょう。私は、いま局長が言われるような性格から新しい税金をつくるのであれば、そういう意味の性格に見合った税の取り方をすべきじゃないかと思いますがね。そのあたりについての見解をひとつ聞かしてもらいたい。 それといま一つは、これは財政当局にお尋ねしますが、国鉄にも、先ほど言ったように地下鉄にも、この自動車新税の財源を回す計画があるといわれておるわけですけれども、現在国鉄はどれくらい累積赤字をかかえていますか。四十五年度末、四十六年度末、この両年の単年度の赤字と、そういう赤字の累計額をひとつ教えてもらいたい。それと、かなりばく大な赤字をかかえておると思うのですが、そういう赤字をかかえておるところへこの新税で取った税金を総花的に割り振っても、ある意味では焼け石に水じゃないか。国鉄は国鉄で独自の国有鉄道公社をかかえて事業経営をやっておるわけですから、そこの赤字の解消なりそこに必要な所要財源というものは、国鉄は国鉄独自の立場でやっていく。そうしてその赤字解消のためには、こういう新税の中からさいていくのではなくて、一般財源から、一般会計から、補てんするのであれば補てんする。こういうふうに整理をしてやることのほうが財政処理のあり方としても正しいのではないかと思いますが、そのあたりの見解についてお尋ねしたい。
○竹内(道)政府委員 国鉄の赤字の金額でございますが、四十五年度単年度で千五百九十九億円の赤字、もちろん償却後でございます。それから累積赤字といたしましては、四十五年度末で五千七百三十六億円の累積赤字となっております。 なお、四十六年度中に国から国鉄にいたします助成金は、財政再建補助金として二百三十億円、それから財政再建債の利子補給金といたしまして六十二億円、合計いたしまして二百九十二億円でございます。 それから、お尋ねの新税を国鉄に回すことが適当かどうかという問題につきましては、そういう問題も含めまして、総合交通政策の検討をまちまして、この新税の使途をどうしたらいいか。総合交通政策を考えますときに、国鉄の再建というものはどうやっていくのだという問題も当然その総合交通政策の中に含まれてくる問題であろうと思います。 なお国鉄の赤字問題をどう処理するかという問題と、たとえば、新幹線のような前向きのものに対してどういう財源措置を見ていくかという問題は、私はあわせて考えていかなくちゃいけない問題で、国鉄の再建というものを考えますときに、どこに国鉄の赤字の原因があるのか、それをどうやったら根本的に解決していけるのだろうかという問題を検討いたしますと同時に、片っ方国鉄というものは、一切もういままでの守備範囲で何もしなくてもいいのだということでもなかろうと思うのであります。やはり将来の輸送分野というものを総合交通政策の中で考えてまいりますときに、将来の輸送分野の中で国鉄の果たすべき役割りというものがあれば、そういうものに対しては、やはり必要な前向き投資については考えていかなければいけないのではなかろうかというふうに思っております。その財源を一体何に求めたらいいのかということは、先ほど申し上げましたように、将来の問題として慎重に検討しなければならないというふうに思っております。
○藤田(高)委員 道路局長にはあとで答弁を願いたいと思いますが、私は大蔵委員としてこういう質問をしておること自身、いま非常に矛盾を感じているのです。というのは、この自動車新税によって一定の財源を調達する。この金がどこへ使われるのかというと、道路、地下鉄、新幹線を中心とするたとえば国鉄あるいは空港、こういう方面に使われるだろうということを前提にしてやっておるわけですね。しかしこれはもう実際、私は今回のこの新税については多くの矛盾を感じているわけですけれども、実際問題としてこういう審議のあり方というものは、ベターな国政審議のあり方としてあっていいのかどうかということですね。まず総合政策というものが前に出てきて、そして六次の道路整備五カ年計画はこれです。新幹線なりあるいは空港整備なり地下鉄整備を含めた全体的な総合交通システムはこうです。ここへこれだけの財源が必要です。そういういわゆる計画案が示されて、そうしてここに問題になっておる新税をどれだけ充当するのか。そこへ振り向けるのが不合理であれば、不合理であるからやめるとか、そういう論議をしないと、実際架空なものを前提にして私は審議しておるように思うのですよ。そういう意味から言いますと、総合交通政策というものは正式にはいつ出てくるのか。これは国会が終わってから出てくるのじゃないですか。そういう架空なものを前提に、財源のほうが先走って、これだけ金をつくってやるからその金に合うように計画をつくってみろ、これは政策立案の発想からいってもさか立ちしておるのじゃないかと思うのですが、そういう点についての見解はどうでしょう。これはひとつ政務次官のほうからお答え願いたい。
○中川政府委員 藤田委員が御指摘になっております道路のほかに、社会資本の充実ということで今度の新税をお願いしておるわけですが、その場合、道路その他の社会資本という場合に、決して目的を持ってやっているわけではございませんで、一般税であるという考え方、一般会計に入れて処理をするという抽象的な税の負担を求めておるわけでありますので、総合交通体系ができないとこれが使えないという性質のものでは現段階ではないわけでございます。ただし近い将来、今国会にはできませんけれども、総合交通体系というものができました暁にはそちらに移行していく性質のものではないか。それじゃそれができてからでもいいではないかという議論も一方には成り立つわけでございますが、総合交通体系ができる以前におきましても、何とか財源を求めて、道路の手当てを中心にしてやっていかなければいかぬほど社会資本が立ちおくれているというところでございますので、それを待たずに一歩とりあえず早目にお願いをして、今日の社会要請にこたえたいということでお願いしているわけでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○藤田(高)委員 この新税それ自体もそうですけれども、これは大蔵大臣が金曜日の佐藤君の質問に対して、税の種類がすでに八種類にも及んでおる、非常に複雑怪奇な内容になっておるので、この税自身の体系を再検討する必要があるだろう、こういうことを言われております。これは確かに大臣らしく、専門家らしく率直に肯定された面だろうと思うのです。このことは今度の法律案を出す以前にわかっておることなんですね。この自動車関係の税が非常に複雑になっておる、できることならばこれを体系的に整理する必要があるだろうということは、四十五年度の予算編成前にも、福田大蔵大臣は金曜日の委員会答弁に類する答弁をしておるわけです。そういう一つの問題点があります。いま言った、ように総合交通システムというものができてないということであれば、そういうものの税制それ自体の洗い直しと、いま私が指摘をしておる総合交通システム、こういうものが完全に検討し尽くされた段階でこの新税というものが出てくるのが私は順序ではないかと思うのですよ。この点は非常に政治的なことをお尋ねして恐縮ですけれども、自民党の幹事長がアドバルーンを上げた。あまりにも偉い人がアドバルーンを上げたものだから、それに各省とも少々無理があっても理屈をつけて、時間的にもいま私が指摘したように非常な無理があるけれども、俗な言い方をすれば、偉い人がアドバルーンを上げたんだから、それのかっこうづけをしなければいかぬだろうという形で出てきたのが、どうもこの新税の生まれてきた経過であるし、今日ただいまの実態だと思うのですよ。私はこういうものがこういう形で処理されるということになりますと、俗にいう無理が通れば道理が引っ込む、こういうようなことになりかねないと思う。もう少し、しろうとが国民の立場からすなおに見て、この問題の処理のしかたがすなおに理解されるような提案のされ方をしてはどうだろうか。また内容についても、先ほど来指摘しておるようなものにしてはどうだろうか。こう思うわけでありますが、こういうきわめて素朴な、きわめてすなおなものの考え方に対する次官の見解を承っておきたい。
○中川政府委員 藤田委員御指摘の点は、確かに理想的に言えば、総合交通体系ができ、しかも自動車諸税を整理してやれば国民の合意が得やすいということについては同感でございます。しかしながら総合交通体系もまだ若干時間がかかりますし、特に八種類の税金、これを整理統合、簡素化するということについては、大蔵大臣も約束をいたしておるところでありますからこれから取り組みますが、何ぶんにも地方税との関係その他、定着して長年やってきた税制でございますので、これを簡素化するということもそう簡単には——各方面、たとえば地方自治体との関係を調整していかなければならぬということからいきますと、やはり若干、若干というよりはかなりの時間を要するのではないか。そういうことを考えますと、それができるまで待っておったのでは、今日のような交通が混雑をしてきてたいへんな事態になっておる。特に十兆三千五百億の道路の第六次整備計画はどうしてもやっていかなければいけないという情勢からいきますと、三千億の穴がある。この三千億の穴を中心としていま埋めていかなければならないという緊急な事態がありましたので、総合交通体系なりあるいは税の簡素化、合理化に一歩先立ってお願いをしたということでございますので、理想的にはなっておりませんが、社会的要請が非常に強いということもひとつ御理解をいただきまして、御賛同を賜わりますようにお願いいたす次第でございます。
○藤田(高)委員 私は、次官のまじめな人柄というものがすなおにいまの答弁の中に出てきたような気がするのです。これはおせじではなくて。しかし私はそれだけに、お互い政治家として政策論議をする観点から考えると、次官のように洗練された人がまじめに答弁しても、いま言われたように、いま出てきておるものが理想的というか、まともなものじゃない。そうだとすれば、これはやっぱり素朴な一般国民から見たら、いまの佐藤内閣というのは、失礼な言い方だけれども、いろいろな面で外も内も頭をぶつけておるけれども、自動車新税の問題の処理のしかたも率直にいってまともじゃないという見方をしますよ。私はそういうやり方が、少しオーバーな言い方かもわかりませんけれども、やっぱり政治不信につながると思うのですよ。なるほど第六次道路五カ年計画十兆三千五百億、これは一ぺんに金を使うわけじゃないのですからね。ことしは御承知のとおり四百億でしょう。この自動車新税で見ておるものは四百億ですよ。そうすれば、実際作業にかかるのは十二月の一日からだと思うのです。そうすると、一、二、三と三カ月の違いでしょう。そこまで無理しなくとも、この七月か八月にその交通体系の総合的なものが出てくる。そして自動車のこれだけ矛盾に満ちたヤマタノオロチみたいないまの自動車税の中身は、やっぱり整理したものをこの一年かかって再検討する。そうして、来年の通常国会にかけていわゆる用意ドンでやるとしても、そういう順序でこなすことが国民の立場から見れば一番すなおなこなし方だと思うのですよ。それがなぜこんな拙速主義で、総合交通体系もできてない、にもかかわらず財源の調達だけがぶったくり主義で先行しなければならぬか。そこのところが私にはどんなにすなおに理解しようとしても理解できないのですよ。そのあたりを——これはもうごまかそうと思えばごまかしてもいいです、失礼だけれども。率直に私は答えてもらいたいと思うのです、そこのところを。正直にいって個々の内容よりも一番聞きたいところであります。次官の答弁を求めます。
○中川政府委員 おほめをいただいたのかどうなのか、ちょっと判断に苦しむわけでありますが、実は八本からの税制がある。これを直してからやってもいいじゃないかということなんですが、大蔵大臣もこれはやりたいとは言っておりますが、実際問題としてこの整理が来年度予算までにできるかというと、これはお約束できないのが実態でございます。この改廃ということになりますとやはり各方面からの意見を聞かなければなりません。少なくとも、二年かかるか三年かかるかわかりませんが、来年度昭和四十七年度の予算が通るまでにこれができるという見通しがありますれば、これは御指摘のようなことがあってもそう支障がないと思いますけれども、もしこれまた一年延びるということになってまいりますと、御承知のように道路計画は四十五年から始まりまして、四十五年もだめ、四十六年も間に合わなかった。そして四十七年もということになってまいりますと、四十八年、四十九年、二年しかない。しかも四十八年にそれじゃ絶対できるかというと、これもまた若干現実問題としてできる保証はないというところからいきますと、やはり切り離して、これはこれでやらしていただいて、一方で皆さんからこういった当委員会を通じても強い要請があったわけですから、これを受けて八本の税制についてはまじめに取り組んでいって、皆さんの御期待にこたえるようにやっていきたい。こういうように分離してやっていかざるを得ないという事情もひとつ御理解いただきたいと存ずるわけでございます。 そこで、田中幹事長がアドバルーンを上げたからというようなことは、新聞その他でいわれたこともあるいはあるかもしれませんけれども、われわれ事務当局、大蔵省としては、幹事長の御意見もありましたが、ほんとうにまじめに考えても、早急にこういった措置を講じていかなければならないという判断のもとに出したわけであります。(「主税局長は反対だった」と呼ぶ者あり)主税局長が反対であったということでありますが、そのやり方について途中いろいろと議論がありまして、税を取る新税ですから慎重にしなければいかぬということでいろいろの意見のあったことは事実でありますが、最終的にはそういったまじめな考やえのもとに意見が一致したところでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○藤田(高)委員 私はこれ以上いまの問題について対立した見解のやりとりをやることは差し控えたいと思います。しかし、私の考え方はイージーゴーイングなようでありますけれども、やはりものの進め方として、新税については相当無理がある。財源の調達のしかたとその計画策定との関係がいわばさか立ちをしておる。こういう現状を見たときに、そういう立場から考えてもこの新税というものについては率直にいって賛成することはできない、その立場を明確にしておきたいと思う。われわれの主張がいま指摘したようなものであるということも政府当局は十分これは理解をしてもらいたい。 そこで私、きょうは私的なことを申し上げて恐縮でありますが、そばにお医者さんもおるわけですけれども、少し熱がありますので、申しわけないですがあと一つに問題をしぼって質問さしてもらいたいと思うのです。 これは私、本会議で質問をしたことにも関連をするわけでありますが、自動車重量税に対する反対の陳情書が全国自家用自動車協会会長中曽根康弘、日本自動車会議所会長金丸冨夫、全日本トラック協会会長塚原俊郎——これはたしか自民党の国対委員長じゃないかと思うのです。こういった人は盛んに自動車新税を早く上げろというので、いま形の上では——心の中はどうか知りませんが、形の上では督戦隊長になっていると思うのです。さらに日本バス協会の会長伊能繁次郎、全国通運業連盟会長細田吉藏さんですか、いわば自民党でもそうそうたる人たちから私ども平代議士のところまで、こういう陳情書が来ておるわけですね。私は率直にいって、これは非常に矛盾を感じるのです。本会議ではたまたま中曽根康弘防衛庁長官の答弁を求めましたが、長官の答弁を聞いておりますと、なるほど、全国自家用自動車協会の会長をしておるから、私のおらぬところでみんなが相談してきめたことを私の名前で出したのだろう、こう言ってさらっと逃げましたが、私はそういう感覚でこの種の問題を取り扱っておるとすればこれは重大だと思うのですね、政治の姿勢の問題として。そして今日佐藤内閣の閣僚が、一方ではこれだけ陳情書まで出して連名で強引な反対陳情の行動を起こしている、片一方では閣僚の一人として閣議決定には従います。一人で二足のわらじをはくなんて、そういう器用なことが議会政治の中で許されていいのかどうかということを、これはひとつこういう答弁は総理大臣かもしくは大蔵大臣あたりに聞かなければいかぬ問題でしょうけれども、私はそういうことは絶対あってはたらぬと思うのです。私が本会議で質問したのはたしか二月の二十三日だったと思いますが、それからかれこれ三、四、五ですから五十日ぐらいたっておると思いますが、その間に、ほんとうに佐藤内閣に政治道義をわきまえる政治姿勢があって、政府・自民党、政府・与党にもそういうまじめさがあるのであれば、いまここに名前を連ねているような人に対しては、少なくともこの会長をやめてくれというだけの手だては、当然この法案が審議される段階までにはなされるべきだと思うのです。それがほおかぶりのまま、今日依然としてわれわれの手元にはこういう反対陳情が片一方には来ておるのです。片一方で一生懸命に自動車新税、早いこと上げろというので督励をしておる。これはどちらがほんとうか。われわれはほんとうにまじめに考えてあほらしくて、実際言うとこんな審議はできないという気持ちにさえおちいるのですよ。私はその点について、この法案を提出しておるのは大蔵省ですから、大蔵大臣なり政務次官なり、そういう責任ある立場の方がいま私が言ったような政治的な手だてをしたかどうか。したけれども依然としてこの会長にそのまま残っておると言っておるのかどうか。そこらの経緯を一ぺん私は聞かしてもらいたいと思うんです。これはほんとうにまじめな質問ですよ。
○中川政府委員 確かに御指摘のような方々がそれぞれの団体の会長なり責任者としてやっておられるようでございますし、そういった陳情書を関係方面に出しておることも事実のようでございます。しかし真意はどうかということにつきましては——国会議員としては、出しておりますのが四十五年の十月十六日に出ております。その陳情書を、ここにございますが、昭和四十五年十月十六日に自動車新税に関する陳情書として、それぞれの団体が名前を連ねてつくっていらっしゃっておりますが、その後党議において——それぞれ党の立場のある方々でありますが、党において政府案を了承した以上はこの案に賛成だというふうに現在はなっておりますし、また中曽根さんも防衛大臣として閣議に列席いたしておりますが、閣議において反対をしたという事実はもちろんございませんで、内閣においても党においても現段階においては御賛同をいただいておるものというふうに考えております。ただ、同一人が国会外の立場と国会での立場が違っておるということについては、あまり好ましいことではないことは御指摘のあったとおりでございまして、この点は十分御意見として拝聴し、それぞれの方々にも、政府の立場というよりは、政治家としての立場として今後こういうことのないように、ひとつお願いをしてみたいというふうに考えておる次第でございます。
○藤田(高)委員 私はこの問題については、いずれまだこの審議が続くわけですから、場合によれば関係者に来てもらってその間の立場というものを明確にしてもらいたいと思うんですよ。今日こういう無責任なことが許されるところに、私はわが国の政治の乱れが生まれてくると思うんです。いま次官が言われましたけれども、私の手元にあるのは昭和四十六年の一月ですからね、この陳情書は。お見せしましょうか。これ、委員長も見ておいてもらいたい。これはまじめな話です。 〔藤田(高)委員、書類を示す〕 〔発言する者あり〕 いま確認を願ったように、少なくとも私の手元にあるこの陳情書は四十六年の一月なんです。なるほど、あちらのほうからも——まあ、やじは気にする必要はないと思いますが、決定に従っておるんだ、こう言いますが、それであればこの陳情書の撤回をすべきですよ。私はこの陳情書を正式に関係者は撤回をすべきだと思います。そうしないと、一方では自民党の国対委員長でしょう、国会審議の上からいけば一番ある意味では重要なポストじゃないですか。しかも佐藤内閣の有力な閣僚がこういう陳情書の出しっぱなしだ。わしは閣僚としては閣議の決定に従うんだ、一方院外の大衆団体の場ではこの陳情書の出しっぱなしでわしは行動するんだ。実質的にはわれわれのところではこの陳情書が行動しておるのと同じですからね。そうでしょう。私はそういう二律背反するというか、相反するような状態の中でこの重量税法案を審議すること自身がある意味ではナンセンスだと思うんです。これは実際からいけば、こういったものを全部先に清算をして、整理をしておいて、そうしてすっきりした形で、その新税の良否はともかくとして、審議するのがものの順序じゃないですか。それがしかも、私が二月二十三日に本会議でそういうふうに問題を指摘しておる、指摘して今日まで、それではこの中からいま私が指摘したような閣僚ないしは代議士の名前を抹殺をしますとか、この立場はないことにしますという、そういう連絡はわれわれのところには全然ないじゃないですか。そういうことで審議しろといっても、これはいままで審議はしてきたけれども、実際これは私は、われわれ国会議員を侮辱する、与党議員なり佐藤内閣の閣僚までが国会の権威をみずから失墜することになると思う。私は、自民党の党議として、あるいは佐藤内閣の閣僚として決定したことに従うというのであれば、あすだったらあすまでにこの陳情書から名前をのけるのだったらのけるという保証がない限り、これから審議はできないと思うんですね。これが政治の筋じゃないですか。どうですか。
○中川政府委員 その点につきましては、まあ御意見は大いに拝聴しなければならぬところであろうと存じますが、このことについて政府として処置をしろと言われましても、政府が国会議員の政治行動についてとやかく言えないという立場もひとつ御理解をいただきまして、私たちにこれ以上言われましてもいかんともしかたがないということでひとつお許しをいただきたいと存じます。
○藤田(高)委員 私はこの問題についての処理のしかたについては保留します。これは理事会で処理をなさるか、ここへその関係者を呼んでどうするか、そういう点については、そういうことを含めて私は保留します。そういう保留を含めて、私の質問を一応きょうはこれで終わります。
○毛利委員長 次回は、明十二日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時一分散会