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65回国会衆議院1971/04/22

大蔵委員会 第26号

発言数
216
登壇者
17
会派数
3
開催日
1971/04/22

会議録

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより会議を開きます。  国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件を議題といたします。  本件につきましては、去る三月二十四日提案理由の説明を聴取いたしております。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀告君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 本件の質問に入ります前に理財局長に一つお伺いしたいことは、今日各種の国有財産があるわけでありますが、その中で普通財産の民間に対する払い下げの状況、こういうものを若干数字でお答えいただきたいのです。どのぐらい年間に払い下げをされておるか。これは個人も含めて、どういう払い下げ状況になっておるか。そして払い下げの価格についてはどういうことを基準にして価格を決定をされておるのか。まずこの問題を少し伺ってみたいと思います。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 数字はちょっといま調べていますが、まず国有財産の払い下げの価格でございますけれども、これは特に国有財産法には規定がございません。そこで財政法の九条によりまして、適正な対価を徴してこれを売り渡しているわけでございます。適正な対価というのは時価であるという解釈でございます。実際に国有財産を売り払います場合には、特例はございますが、原則としては、まず相続税あるいは固定資産税の評価額と時価との割合を勘案いたしまして、その当該地における固定資産税及び相続税の評価額から推定をいたしました時価に相当する価格、それと売買実例から推定いたしました当該地の価格、この三者を平均したものをまず基準価格と考えまして、この価格とそれから民間の不動産鑑定士の評価の平均値、これを通常の場合には普通財産の売り払い価格というふうにしております。したがいまして、たてまえはあくまでも実際の時価そのもので売り払うということになっているわけでございます。  それから四十四年度におきまして、大蔵省所管の一般会計所属普通財産の処分実績を申し上げますと一万三千九百七十九件でございまして、その台帳価格は三百七十億八千二百万円ということになっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 国有財産の特に普通財産を払い下げる場合に、払い下げの相手について、どういう者に払い下げるのが原則であり、例外的には個人も認めるのだ、こういうものがあると思うのでありますが、その点はどういうようになっておりますか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 国有財産の処分は、最近の運用は公用、公共用に対する売り払いに重点を置いて考えるというふうにいたしております。しかし制度といたしましては、一般の競争入札というものによります場合は当然相手方というものは制限されないわけでございます。財産の処分でございますから、一般競争入札あるいは指名競争入札という方法によることもございますし、また特定の相手方に対する売り払い、つまり随意契約によることもございます。しかし随意契約による場合は、財政法等によりましてその契約の相手方というものは制限されております。特に公用、公共用ということがその場合は中心でございますが、それ以外も、特に産業、経済の発達のために必要な企業というようなものについても随意契約の対象になっております。いずれにいたしましても、財政法等によって特に許された場合において随意契約が行なわれる。  それからなお、そのような特定の相手方に対する場合でなく、特にその者に売り払うことが国有財産の処分として有利であるというふうに考えられる場合、つまり市価に比べて相当な高い価格でもって企業なり個人が売り払いを希望する場合、割合がきめられてございます。現在の取り扱いといたしましては三割ということにいたしておりますが、大体市価よりも三割高く買い受けを申し込む人がございましたならば、国としてはそれに処分するほうが一般競争入札等によるよりも有利であるというふうに判断される場合には、それは特に随意契約で売り払うこともできるようになっております。あらましそのようでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その点わかりましたが、時価主義が今日普通財産の払い下げの場合に原則的にとられている立場である。その時価を実現するための売り払いの方式として公開入札というようなことをやるのが通例になっておるようであります。私はこの点について、なるほど国有財産の処分、払い下げが適正に行なわれることを担保するために、形式的にはこれが一番理にかなった方式であると思うわけでございますが、しかし具体的には、公開入札をやった場合に、ほしい者は幾らでも値段を高くつり上げるということで、むしろ時価を超越したものを落札価格に出してくる。そうすると今度はそれがまわり一帯の地価を引き上げてしまうという状況が往々にして、往々にしてというよりも一般的に、最近の公開入札をやった例を見ますとそういう事例が非常に多いわけであります。まわりの地価がたとえば三・三平米当たり二万円か三万円のところで公開入札があって、ある人が自分の事業をやるために何としてもこの一画をほしいという場合に、それをかなり大幅に上回る価格で落札をするということになりますと、あの人が幾らであの土地を買ったということで、いままでずっと二、三万の取引をしておったまわりがとたんに五万幾らになるというような事態が見られるわけなんです。したがって、今日地価問題というのが物価問題の中でも特に基本的な問題として重要視されている段階で、こういう公開入札をやることによってかえって地価引き上げをリードしているというような事例が非常にあるわけであって、この点は十分慎重に何らか考えていかないと、そういう誤りを反面においてはおかしている。形の上では適正な、不正のない処理をしたということではあるけれども、実態としては地価上昇のプライスリーダーにむしろなるということにもなりかねない。そういう面について何らか配慮するお考えがありますか。その点お聞きしたいと思います。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 先ほどの私の御説明に多少不十分な点があるかと思いますので補足して申し上げますと、普通、国の持っております財産の処分は、先ほども申し上げましたが、一般的競争入札によることが一番適正な処分方法であると考えられますが、しかし、冒頭に申し上げましたとおり、国有財産につきましては現在公用、公共用に対する売り払いということを重点に考えておりますし、また、実際の売り払いの件数の中で非常に大きな割合を占めるものは、物納財産の処分、あるいは里道、畦畔、そういういわゆる要処理財産の処分でございまして、そういうような特別な件格の財産を除きまして、一般的な財産の売り払いは件数も相当少なくなっております。したがいまして、その公用、公共用中心に売り払うということとからみまして、一般競争入札によって売っております件数はきわめてわずかでございまして、四十四年度においては大体六十件余でございます。したがいまして、大部分は随意契約で売っているわけでございます。その随意契約で売っている財産のほとんど大多数は、先ほど申しました物納財産あるいは要処理財産の処分でございます。  それから、先ほど私が申し上げました財産の処分数量についてでありますが、件数は一万三千九百七十九件で、台帳価格は三百七十億八千二百万円でありますけれども、これは処分実績でございまして、この中には各省間の所管がえも含んでおりましたので、御質問に正確にお答えするためには売り払いの実績を申し上げたほうがいいと思います。売り払いの実績は一万二千四百三十六件で、その台帳価格は八十六億八百万円でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 随契でやっておるものが非常に大きいし、また各省間の所管がえというようなものが非常に多いということで、実際の売り払い価格は八十六億程度だということでありますから、その点は了解できるのですが、先ほど申し上げましたように、やはり一般公開競争入札というようなことについては、ものがものだけに、しかも今日物価上昇の中で、これは物価指数の中には今日まで取り入れられていなかったもので、しかも生産活動、経済活動の基本にある部分が非常に急激な上昇を遂げておる、一般物価の数倍にものぼるような上昇率をもって伸びてきているというようなことに一そう拍車をかけるような結果というものを何とかやはり防いでいくべきではないか。ほしい人はもう国有財産ならば、その場所で新しくスーパーをやるんだとかあるいは病院を開業するんだというような場合には、ほしいから幾らでも、二倍以上の、それまでの大体時価と思われる坪二万円なり三万円なりというものをはるかに超越した高い値段をつけて落札をしている。そうするとそれがもうそこでの地価になってしまうという面がありますから、そういうものをやはり何か避ける方法——私自身もいまさりとて、じゃどういうことがいいのだということを提案するだけの材料を持ち合わせておりませんけれども、現実に私そういう例を見ているのであります。これは宇都宮の近くのかつて軍工場関係の敷地を、政府が農民から買収したやつをいまでも持っておるところがたくさんあるわけなんですが、そこについて去年の九月ごろでしたか入札をやったら、とたんに地価が急上昇しているわけです。そういうようなことが今度は、ずうっと、戦時中徴用をされて軍需工場に働いてそこの社宅に住んで、いまでも住んでおるその人たちが——払い下げを受けた者もあるが、受けていない者もある、そういう人たちも、今度はその時価をある程度基準にしてということになると、ずっと一貫して三十年近くも住まっておるというにもかかわらず払い下げがなおむずかしくなるというような、払い下げの意思が大蔵省にあってもなかなかそれができないというようなことにはね返ってくるという問題があるわけですから、それらの問題については十分な配慮を願いたいということと、それから、もう国有地として公共の用に役立てるために使うのだということが考えられないような状態になった場合に、ずっとそういういきさつをもって国有地の上に住まっておるというような人たちに、何十坪というようなほんとうに生活上必要最小限度の土地を随契で払い下げるというような問題などについての事務が非常におくれておる、そういう面があるわけでありますが、これらの面についてもひとつ大いに促進をはかっていただきたい。どうもそういう面では出先が必ずしも事務的にてきぱきとやっていない、非常に時間がかかっている、こういう問題があるわけでありますので、それらの問題について促進をはかって、もうきちんきちんと一つ一つやはり整理をしていく。それでもう他に転用の目的がまず考えられないとするならば、ずっと二十数年も三十年近くも住まっておるそういうような人たちで払い下げを希望する者には、時価に近い線であってもけっこうだけれども、そういういきさつなども含めてある程度の配慮をしながら払い下げ事務を促進する、こういう問題を出しておきたいと思うのでありますが、その点についての局長の見解を伺いたい。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 国有財産の処分につきましては、かつてはどうも処分価格が時価に比べて安過ぎるではないかというような非難が多かったことがございまして、まあ売り払いの個々の事例につきまして、どうもそういう価格というものはおかしいじゃないかというようなことが問題にされたという点がありましたものですから、最近におきましては国有財産の売り払い価格については、むしろ少し高過ぎるではないかというような批判さえ聞かれるくらいに、相当慎重にやってきておるわけでございます。ただ、おっしゃるとおりに、国有財産の競争入札による売り払いがその土地の時価をつり上げるというような結果を招くということは、私どもとしても非常に注意しなければならないことだと思っております。まあ一般競争入札による売り払いは件数も少ないですし、また今後も公用、公共用等に対する売り払いを中心に考えますとそう件数もふえることもないと思いますが、御意見まことにごもっともと思いますので、できるだけその売り払いによって地価が上がることのないように配慮をしていきたいと思います。  それから物納財産であるとか、あるいは戦前からその土地に住んでいる、またその土地が小規模なものであるというようなところに対する売り払いは現在も促進しておりますけれども、何ぶん相手方が多かったりあるいは価格の点で折り合わなかったりいたしまして、その処分がおくれて御迷惑をかけておるところもあるかと思いますけれども、これはできるだけひとつ適正な対価で売り払えるように事務の促進をはかりたいというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 一般的な関係はそのくらいにしまして、この法案について若干御質問をいたしたいと思います。  皇室経済に関する懇談会で皇族殿邸を逐次国費で整備する方針がきめられた、こういうことになっておるわけでありますが、皇室経済の関係では皇室経済会議、正式なものがあるわけでありますが、これと懇談会の関係はどのようなものでございますか。瓜生次長に。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 皇室経済会議は皇室経済法できまっております。その議長が総理大臣。その議員も法律できまっております。会議にかけます事項も法律できまっているわけであります。しかしながら皇室経済に関する重要な事項についてもう少し雑談的にお話しになるということは差しつかえはないわけでございます。ちょうどこれは四十三年の十二月にこの皇室経済会議を開くかどうかという問題がありましたのですけれども、皇室経済会議を開くに必要な議案が特になかったわけです。たとえば内廷費を増額するとか、それから皇族費を増額する、そういうことでしたらそれが議案になるわけですけれども、特別の議案はない。しかしながら、いまおっしゃいましたような皇族の殿邸を国費で整備しようというのは重要な問題であります。もう一つ重要な問題がありましたのは、内廷費とか皇族費を増額することを国会にお願いする、そういう場合の基準をきめようという問題があったのです。これは他の内閣委員会あたりで問題がありまして、基準がないじゃないかといわれた。その基準をはっきりしたらいいだろう、そういうようなことがありまして、しかしながら法律による議案というものがないものですから、そこで皇室経済に関する懇談会というのを開いてそういう問題を御相談したらいいのじゃないか。そのメンバーも、皇室経済会議ですと総務長官が入ってないのでありますけれども、総務長官は非常に関係が深いので、皇室経済会議のメンバーのほかに総務長官も加わっていただく。そういう懇談会を開いてそういうような問題についての御意見を聞いたらどうかということで御意見を聞いた結果、いまの皇族殿邸の問題については、やはりだんだん日本経済も復興してまいりましたし、海外とのいろいろ皇族さんとしての御交際も多いですし、国内的な御活動も多い。それにはいまのお住まいの点ではどうも品位を保ってもらうのに十分でない。そこで国の経費で、たとえば議長とか大臣に公邸があるように、公邸的なそういう殿邸をつくってあげるのがいいじゃないかというようなことをそこで御意見としておきめになったわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで、この今日までの高松宮のお屋敷の中に光輪倶楽部というものがあったということを聞いておるわけでありますが、この光輪倶楽部と高松宮さまの御関係。そしてまた光輪倶楽部というものはどういう団体であり、どういう仕事をなさってきたものであるか。いつごろからそういうものができておったのか。そして、これが聞くところによると今月中にでございますか、解散をされるというような話も聞いておるわけでありますが、その間のこの光輪倶楽部関係についてのひとつ御説明をしておいていただきたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 この光輪倶楽部は昭和二十四年に渋澤敬三氏等が世話人となって設立された団体でございますが、その規約によりますと「会員相互の親睦を図るとともに、会員又は倶楽部が知名内外人等を接待、懇談して、国際親善及び文化振興の実を上げることを目的」としている、そういうふうになっておるわけでありまして、会員は実際には法人、つまり会社あたりがなっておりますのが多いですけれども、昨年の暮れ——いま現在といってもいいですが、現在は百十七社であります。ほかに特別会員として個人が七人いるということであります。  これは、ちょうど戦後いろいろなホテルとかそういうものも復興しておりません。そこで、こういう経済界が主でありますけれども、いろいろ御協議されたり、お互いに集まって懇談をされるような適当な施設がない。そこにちょうど高松宮さんが住んでおられた光輪閣、それがあいている。光輪閣は戦後たしか昭和二十一年から昭和二十四年までは通産省の貿易庁のほうに貸されて、日本貿易館高輪分室ということになっておったわけです。そのほうの用がなくなって一応あいている。それで昭和二十四年にそれを利用して、先ほど申したような要するに倶楽部の場所としたということで、こういう光輪倶楽部というものがつくられて、ずっと光輪閣を使ってこられたようであります。  高松宮さんとしましては、平素のお住まいはその光輪閣の裏のほうに四十何坪くらいのものを、普通の庶民住宅の程度ですが、つくって、そこに住んでおられて、いろいろなごあいさつや御記帳をされるというときには光輪閣の建物、外国のお客さんと会われるような場合も光輪閣の建物、会合の場合もできるだけ光輪閣ということでお使いになる。高松宮さんがお使いにならないときには光輪倶楽部が使うということになっておりまして、光輪倶楽部のほうとしますと——高松宮さんがこの建物をお持ちになるために国に相当お金を納められるわけです。と申しますのは、土地が国有財産ですから土地の借り賃、これが昨年度ですと六百万くらいになります。それからそのほかに光輪閣の建物についての固定資産税、これは百数十万、そういうものを納められる必要がありますが、皇族費としておもらいになるのが宮さんの分としては八百三十万で、妃殿下はその半分ですから、それをすっと国に納められますと皇族費の半分以上はなくなってしまう。それで、つまり光輪倶楽部のほうがお借りするかわりに、それは光輪倶楽部のほうがそういうお金を払うというわけになっておって、それ以上のものを光輪倶楽部が払っておるわけではございませんけれども、そういうことで宮さまから借りてこれを利用するということになってきておりました。  最近の光輪倶楽部の活動状況を見ておりますと、だんだん一般のホテルとか、それからまた各会社のクラブのようなものも整備してきたものですから、終戦後のことほどはこれを特に必要とするという必要度はなくなってきておるようでありました。したがって、あいているときには倶楽部の紹介者や、結婚式のようなものですとか、いろいろな一般的なことに相当使われてきておりまして、人によりますと、ああいうふうなものはどうも適当ではないのではないかという批判も一部から聞いておったようなことでございます。といって、それではこれを光輪倶楽部に貸すことをやめてしまわれますと、高松宮さんとしては七百数十万というものを御自分でお払いにならなければならぬ。これは非常におこたえになるわけです。それで、ちょうどいま皇族さんの殿邸建設という問題もありますので、この機会に光輪倶楽部を廃止してしまって、そしてその光輪閣の建物のあとへ高松宮さまに適当な殿邸をつくってあげるというのがいいのではないか。高松宮さんもそれを希望しておられる。そうして光輪閣を使っておりまする光輪倶楽部というものはこの四月一ぱいでその事業をよすということを、すでに役員会で決定しておられるわけであります。そういう状況でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 わかりました。  それで、これから国有財産を普通財産から皇室用財産に所管がえをされるわけでありますが、この面積、それから時価はどのくらいになりますか。これは理財局のほうから……。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 所管がえをいたします面積は一万一千四百三十九・三平方メートル、その台帳価格は一億七千百八十一万六千円でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 宮内庁にお聞きいたしますが、すでに高松宮殿邸が四十四年度、四十五年度にわたりまして一億七千二百万円で建設をされている。秩父宮殿邸の施設費が四十六年度、四十七年度にわたりまして二億一千五百十六万円ということででき上がる予定になっておるわけでありますが、今回問題になっておりますこの高松宮殿邸の施設費は四十六年度の予算では四千百二十九万円の予算が組まれておる。四十七年度、四十八年度にわたってという計画のようでありますが、殿邸全部が完成を見る予算は一体どのくらいになるのか。そして建坪等についてどのくらいの計画をお持ちなのか、建坪はどのくらいの面積になるのか。こういうような殿邸建設の計画についてもうすでにあられるだろうと思うのですが、それをひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 この高松宮殿邸の本年度予算についてはいま先生がおっしゃいましたようなことで、本年度のは要するにいまある光輪閣という建物を撤却する、そういうような経費と、それから撤却したあといろいろ地盤の調査をしたり、設計をつくるというような経費がおもなものでございますが、四十七年度、四十八年度で実際の建設の工事に移るわけです。これは、はっきりした金額はこの四十六年度に設計書ができませんと実際は出てまいりません。しかしながら大まかに申しますと、先ほどの三笠宮邸の場合は、昨年の十一月完成しました、それが全体で一億七千万円くらいでできております。秩父宮邸のはいまおっしゃいましたように二億一千万ばかり。これはだんだん年がたちますと建設費は、物価が上がってくるものですから、それで高松宮さまの場合は秩父宮さまより一年あとでありますから、物価の値上がり等考えますと、あるいはもう二億何千万円くらいになるのじゃないかなと思いますけれども、ちょっとこれも正確にはわかりません。広さにつきましては、三笠宮さまの殿邸は、いわゆる俗の坪でいいますと約三百坪というところと考えております。秩父宮さまのほうは幾らか狭いのです、お一人の方であります関係もありまして。高松宮さまになりますと三笠宮さまよりもちょっと狭い程度ということを一応考えておりますから、三百坪未満くらいのことを一応考えておるのでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで皇室関係の宮殿下、現天皇の御兄弟であられる方々と、次に皇太子の御兄弟であられる宮さま方、こういう方があるわけでありますが、それらの方について、あとこういう殿邸建設というようなことを必要とされるのはいまのところはございませんですか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 皇族の殿邸をつくってあげようという案は、先ほど申しました皇室経済懇談会でおきめになったのは独立の生計を立てられる宮さまということになっておりますので、将来独立の生計を立てられる宮さまが出てこられるとそういう方にはつくってあげる必要があるということになるわけでありますが、まず予想されますのは、三笠宮さまの御長男の寛仁親王が考えられます。それから次に御次男の宜仁親王が考えられます。そのほか、まだお小さい憲仁親王というのがおられます。それからなお皇太子さまのところですと、浩宮さまはあとをお継ぎになりましょうが、礼宮さまというのが、だいぶ先になりましょうけれども、そういうようなことも考えられてまいりましょう。しかしおそらくずっと先考えた場合に、またの親王さまなりいろいろお生まれになれば、また考えられます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 次に、皇室の私有財産というのは一体どのくらいあるのでございましょうか。それを土地とか建物とかあるいは山林であるとか、そういうふうに分類したもの、数字ございますか。参考にちょっとお聞きしておきたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 皇室の、天皇陛下の関係のほうで申しますと、いわゆる不動産というのはございません。これは憲法第八十八条で、皇室財産はすべて国有とするというので、国有になっております。いまのお住まいの皇居にしても国有財産であります。御用邸も国有財産であります。ただ動産は一部お持ちです。これはお身のまわりのいろいろの品物、これはお手元金でお買いになっておるわけです。それから内廷費で幾らか貯金をなさいますとすれば、そういう貯金が幾らか——これはそう一々申し上げるほどの大きなものではございません。  それからなお他の宮さま方につきましては、終戦後あの憲法をきめられた際に、解釈上、宮家のほうはある程度財産を持ってもよろしいということであったものですから、それで残っておりますのが、秩父宮さまですと静岡県の御殿場の別荘をお持ちになっております。これが、山林まで含んでですが、面積でいきますと三万九千平方メートル、一万坪くらい。そこに建物としては五百六十平米ですから百五、六十坪ほどの建物、要するに別荘をお持ちなわけです。それだけのものをお持ちになっておる。  それから高松宮さまのほうは、いま問題になっております高輪の土地で、裏のほうが高松宮さまの所有地になっておりますが、その部分が九千九百平方メートル。ですから宅地としてはそれだけ。それから建物としまして一応、さっきちょっと申しました光輪閣の建物が高松宮さまの私有財産です。これは今度こわされますからなくなります。それからなお高松宮さまとしては葉山のほうに宅地として一万五千五十平方メートルございます。そこに建物としまして四百七十四平方メートルというのがあります。しかしこれは人に貸しておられると思います。  それから三笠宮さまにつきますと、三笠宮さまは長野県の軽井沢に別荘をお持ちになっておられます。その面積は、土地が六千八百七十平方メートル、お宅が百六十八平方メートル、そう広いものじゃございません。そういう別荘をお持ちになっております。それからなお三笠宮さまは、昨年の十一月に殿邸を完成されまして、その前にお住みになっておりました大崎の古いお宅、これをお持ちになっておりますが、これは建物としますと五百八十六平方メートル。相当古くなっておりますから、建物としては値打ちはあまりたいしたものではありません。土地は借り地でしたから、借り地の一部分をある程度、借地権を持っておられた関係で一部所有権を得られたというのがありますが、それはわずかのものであります。  そういうものでございます程度で、なおかつ宮家には動産的には身のまわりのお品だとか、ある程度貯金を持っておられるとか、そういうような程度でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで次長に最後にお聞きいたします。  この高松宮殿邸着工は一体いつごろの御予定で、完成の予定は四十八年度に入るわけですけれども、大体四十八年の何月ごろまでに完成させてあげたいという、そういうおおよその着工と竣工の目安というようなものぐらいはお考えだろうと思いますが、その点お聞きいたしまして終わりたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 建築にかかりますのは四十七年度に入ってから、五、六月かと思います。そして完成は四十八年の秋ぐらいというようなめどで考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 最後に理財局長にお伺いしたいのですが、国有財産法の第十三条二項の規定です。ただし書きの部分ですが、「皇室用財産とする目的で寄附若しくは交換により財産を取得し、又は皇室用財産以外の国有財産を皇室用財産としようとするときは、国会の議決を経なければならない。但し、当該財産の価額が三千万円以上である場合を除く外、毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間内に、その寄附若しくは交換により取得し、又は皇室用財産とする財産の価額の合計額が三億円に達するに至るまでの場合については、この限りでない。」こういうことになっておるわけでございますが、これは読み方は、ただし書きの「当該財産の価額が三千万円以上」、これは一件当たり、こう見てよろしいわけですね。それから一年度間に「三億円に達するに至るまでの場合について」、これが二千八百万とか二千九百万とかいうことで、三千万には至らないけれども、それがずっとたとえば十二カ月各月にわたってあった。そうすれば三億円をこえることになるわけですね。しかしそれが年度が終わってからしかなかなかわからないわけですね。そうするとこのただし書きの後段の部分、これは事後承認、事後議決、こういうことになるわけですか。最初に大体そういう計画があるという場合に、年度の計画によってその議決を求めてくるわけですか。これは具体的にはどういうことになるわけですか。その点の事情を御説明いただきたい。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 このただし書きの規定は先生おっしゃいましたように、一件当たりの金額が三千万円以上である場合、それから一件当たりの金額が三千万円未満であっても、この年度の開始する四月一日から計算いたしましてその合計額が三億円をこえるようになる場合、これは国会の議決を経なければならないわけであります。私、逆に説明しましたが、その三億円にならない場合はいいわけであります。したがいまして、第何件目になるかわかりませんが、それがちょうど三億円をこえるということになる場合には、当然に事前に国会の議決をこれは経るというふうに私どもは解釈いたしております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 以上で私の質問を終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 堀君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国有財産一般をちょっと最初に少し伺いたいのでありますけれども、現在国有財産の中で普通財産がありますね。この普通財産は、国有財産法の第六条ですかで、大蔵大臣が所管をするということになっておるけれども、資料を拝見すると、普通財産の中に、総理府、農林省がかなりたくさんの普通財産を依然として持っている。これは第八条の中に、政令によって定むるもの及び引き継ぎを適当と認めない普通財産で政令に定めるものは、当該諸官庁がそれを所管し、または売り払うことができるというふうな書き方がしてある。そこで今度はその政令をちょっと読んでみると、政令には「交換に供するため用途廃止をするもの」、これは時間的には短時間のものだと思うのですね。それから「国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法第五条に規定する特定国有財産整備計画の実施に伴い、特定国有財産整備特別会計に所管換又は所属替をするために用途廃止をするもの」、これも短期的のもののように思います。その次には「使用に堪えない建物、建物以外の工作物(以下工作物という。)、船舶及び航空機で取こわしの目的をもって用途廃止をするもの」、これも短期的。「四 前各号の外当該財産の管理及び処分を大蔵大臣においてすることが技術その他の関係から著しく不適当と認められるもの」、こういうふうな規定があるわけです。そこで一般会計の中で総理府が土地数量として五千平米、それから農林省に至っては一億五千二百八十二万一千平米の土地が普通財産で実は農林省所管になっている。いまの総理府所管の普通財産は政令によってそういう処理になっているのだと思うのだが、この政令のどれに主として該当するのでしょうか。  ちょっとあわせて、いま私が申し上げた数は昭和四十五年三月三十一日現在になっているのですが、二、三年前に一体これはどうだったのか。私がいま提起したように「所管換」その他のために一時的に保管をすることが認められておるように政令にはこれは書かれておるから、長期にわたって保有しておるはずはないので、昭和四十三年なら昭和四十三年三月三十一日現在と、この数はどういう変化があるのか、あわせてちょっと答弁してもらいたい。——それではしばらく調べていてください。  それでは宮内庁にお伺いいたします。実は十分調べてありませんから質問がたいへん粗雑で申しわけないのでありますけれども、われわれが持っております六法全書というのの中には「皇室典範」という字は出てくるけれども、その中身がない。いまこの皇室典範というのは一体法律なんでしょうか。どういう形態のものなんでしょうか。私も不勉強で十分調べておりませんので、ちょっとお教えいただきたい。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 その皇室典範につきましては憲法の第二条に「國會曽の議決した皇室典範の定めるところにより」というふうに書いてございまして、国会の議決によるわけでございますから法律と考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで先ほどちょっとお話が出ておりましたけれども、皇室経済法にも、それから皇統譜令ですか、こういうものにも「皇室典範第十一条から第十四条までの規定によって、親王、内親王、王又は女王が、皇族の身分を離れたときは、その年月日を当該親王、内親王、王又は女王の欄に登録し、事由及び氏名を附記しなければならない。」こうなっておりますし、皇室経済法にも離れられたときの一時金について「皇族がその身分を離れる際に支出する一時金額による皇族費は、左の各号に掲げる額を超えない範囲内において、皇室経済会議の議を経て定める金額とする。一皇室典範第十一条、第十二条及び第十四条の規定により皇族の身分を離れる者については、」云々、こういうふうに書いてあるわけです。  そこで、さっきの瓜生さんのお話を聞いておりましたが、親王の御令息はずっと親王ということになっておるのでしょうか。どういうふうになるのでしょうか。いま高松宮さまは親王だと思いますね。その御令息は親王、その先は大体どういうふうになるのでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 三笠宮さまで申しますと、お子さんの寛仁親王、これは親王でございます。そのお子さんのほうにいきますと王ですから、一世、二世は親王、それから三世以下は王ということになります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、王もやはり確かに皇族でございますね。いま私どもが建物をお建てするのは親王、内親王の範囲になっているのじゃないか、こう思うのですが、やはり一時戦争のために、王であった方たちは全部実は皇族でなくなったように思いますね。当時皇族で残られたのは、親王、内親王だけが皇族で残られて、その他の王は全部実は一般に、何と言いますか、皇族の身分を離れられた、こう思うのです。そうすると、今後も要するにそういう考え方に基づいて、新憲法下というのですか、それは占領軍の考え方によったのか、そこはつまびらかにしておりませんが、そういう事態が起きたとすると、今後も王になられたら皇族を離れられるというのは、法規があるのかないのかわかりませんが、一般的な慣行として行なわれるのでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 王になられた場合に皇族の身分を離れられるというようなことは、法律では現在のところは予想はされていないわけで、法律の条文からいきますと、ずっと王であり、皇族でおられるようなことも可能な規定になっておるわけでございます。しかし、場合によりますと皇族の身分を離れられることも可能な規定にはなっておりますから、したがってそのときによって皇族の身分を離れるということになるのだと思いますけれども、いま予想しますと、三笠宮さまの寛仁親王、憲仁親王のお子さんが王なり皇族の身分を離れられるかというと、そうではないのじゃないか。そう簡単に考えると間違いじゃないかと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 戦後、親王以外の方が王でなくなられたのは、それは何か法規規定によるのか、自発的になさったのか、そこはどうでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 戦後のは別に法令によるのではなくて、当時のGHQのほうの特別方針がありまして、示され、したがってそれを受けて各皇族さまが自発的に身分を離れられたという形をとっておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと英国の皇室の例をお伺いしたいのですが、英国ではどの範囲までが皇族で、あとは皇族でなくなる何かルールがあるのでしょう。われわれの承知している範囲でも、どうも皇族というのは向こうもそうたくさんなさそうで、あとは貴族の地位におられる方のほうが多いような感じがするのです。たとえばいまのエリザベス女王の御主人というのは、私ども見ていると何とか公という表現がよく使われているように思うのですが、そこらのイギリスの皇族の関係はどうなんでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 英国の皇族の関係は詳しいことは私も存じない点がありますけれども、しかし、ずっと全部皇族で通しておられるのではなくて、ある程度いかれると貴族になっておられるようであります。日本の明治、大正のころ、昭和の初めもそうであったのですが、それと似たようなことだと思います。なおエリザベス女王の夫君はエジンバラ公といっておりますが、また何々殿下ということで、やはり皇族の身分は持っておられます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 日本の現状のままの状態で私はいいと思うのです。ただ一回、戦争のあとで親王と王との間にそういう区別があって、王という皆さんは一応皇族を離れられた。やはり私は今後の問題として、ある範囲に限って——私は皇族というのは国民感情として納得のできる範囲だと思うのですが、だんだん時間がたてば広がってくるわけですね。われわれは憲法で要するに爵位その他を認めないというかっこうで、日本の憲法の構成というものは皇室だけ特例的にして、その他は要するにすべてが平等という概念で憲法は構成されておりますから、そうなるときわめて特例的な部分である皇室というもの、皇族というものはやはり一定の限定された範囲におけるものであるべきであるというのが憲法の精神ではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 なかなかむずかしい問題でございますが、日本の法制のたてまえ上、皇族であられる方が一たん皇族を離れられるとまた皇族に返ってこられるということはできないというたてまえになっております。養子をもらうことはできないというたてまえになっております。したがって、皇位を継承される権利のある皇族の方がある程度おいでにならないと不安があるわけであります。ある程度の方がおいでになる必要はあろうかと思います。それが非常に多くなられた場合、国民感情との関係上どうかなというような場合が、あるいは将来ないとも言えないと思います。そういう場合はそのときの情勢によって皇族の身分を離れられることもできるようになっておりますから、そういうようなことがおのずからまた検討されるのではないかと思います。しかし現在ではちょうどいいくらいの方がおいでになると思いますし、特に多いとは思っておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も現在はいいと思うのですが、考え方として、さっきお話を聞いておりますと、要するにこれがだんだん先にいきますと広がりますね。親王の場合三代目にいけば王になるが、王の下にまた男の子がおられれば幾らでもふえるわけですね。王女は大体御結婚なさる。いまの形では同族結婚になりがちだから、民間の者と御結婚なさる。内親王でもそうなっておると思うのですが、やはり王というのはだんだんふえてくるとすると、ここらは一応何らかの規定が設けられたほうが、私はそういう人たちの将来にとってもいいのじゃないか。要するに、規定は設けないで適当にやりましょうではなくて……。どうも皇室関係の問題というのは、ある意味では皇族の皆さんの人権がほんとうに尊重されておるのかどうか、われわれと違う世界においでになるからちょっとわかりませんけれども、見ておりましてそういう感じがちょっとするわけですね。何だかいろいろと日程が組まれると、その日程のとおりにお動きになる。それがお仕事であるといえばお仕事かもしれませんけれども、そういうことが私ども見受けられておるので、どちらかというとやはり王くらいになられた方は、かえってその王であることが必ずしもたいへんいいことだということでないかもしれない。最近、三笠宮の親王ですか、お名前をちょっと承知しておりませんが、ロンドンでいろいろ自由におふるまいになった、私はたいへんけっこうだと思っておるのですね。しかし、政府なり宮内庁とすれば、どうも親王が外国に行ってあまり民間的な行為をされるのは望ましくないというようなことがジャーナリズムの上にも出たりする。私はやはりその人たちの人権を尊重してあげて、多少自由なふるまいをしていいのだ。それは私はいいことだと思っているのですが、どうもそうではないような空気があるので、そこらについてはどこかに限界を設けてルールをきめたほうが、皇族の内部の皆さんにとっても、もう小さいときからそうなるのだとわかっていらっしゃるほうがいいのじゃないか。いいかげんなところへいって因果を含めて民間にお移りくださいなんというのは、どうもその方の人権が尊重されないような気がするので、そこらも含めて何らかのルールを少し考えておいたほうがいいのじゃないか。いまはまだいいのですが、これからそういう問題が少し出てくるだろうと思いますから、その点宮内庁どうでしょうか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 その問題については宮内庁のわれわれの段階では実は、もしそういうような場合どういうふうなことを考えたらいいかということを考えたことはありますけれども、これはちょっと研究問題であるということで、ここで申し上げるのはちょっと遠慮したいと思います。したがって、考えてないわけではございません。しかし慎重にやりたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私はいますぐどうこうということではありません。ただ、いま私が申し上げたように、やはり教育のあり方一つにしましても、皇族としてあられる方の教育のあり方と、将来は民間で生活をされる方のあり方とはおのずから多少変わってないと、皇族の教育を受けられた方がそのまま民間にお出になること自身、御本人に必ずしもプラスにならない点もあるのじゃないかと思います。この点は、国民感情の側から非常に皇族がふえてくるということについて問題点が一つあるということと、今度は皇族の皆さんの人権を尊重されるというたてまえからの一つの何らかのルールをある程度の時期に考えて、将来だんだん生まれておいでになる方のそういう意味での人権を守るという、何らかの考慮をひとつすみやかに検討されて、やはりこれをオーソライズしておく必要があるのじゃないか、こう思いますので、その点についてのお答えを伺って次の問題に入ります。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生政府委員 いまの点は先生の御意見として承っておきまして、われわれもその問題を検討していないわけではございませんので、将来も検討してまいりたいと思います。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 先ほどの御質問にお答え申し上げます。  手元に資料が不十分なのでよくわからない点がございますが、わかった点だけ申し上げますと、四十三年度末における総理府所管の普通財産の土地は八十六万平米でございます。それが四十四年度末におきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように五十万五千平米になっているわけであります。  それから四十三年度末における農林省所管の普通財産の土地は十三億三千百十六万二千平米でございまして、それが四十四年度末においては、先生先ほどおっしゃいましたような十億九千八百五十八万三千平米というふうに減っているわけであります。  この総理府所管の普通財産は、これは一般会計の所管の普通財産でありますが、これはおそらく防衛施設庁が取得いたしました用地について、まだ大蔵省に引き継ぎ未済になっている部分ではないかというふうに考えられます。演習場等の用地を取得する際に、一括取得できればいいわけでありますが、部分的に取得する場合が多いので、そのような場合には予定の面積に達しますとそこで一括して大蔵省に引き継ぐというような方法を便宜とっているようでございます。そのやり方については問題があるかと思いますが、そういう過渡的な意味での総理府の所管の普通財産があるように思います。  それから農林省所管の普通財産は、これは四十四年度末におきまして先ほど申し上げましたように十億九千八百万平米ほどございますが、その大部分は特別会計の所管の普通財産でございます。その特別会計の所管の普通財産の大部分は、先般来問題となりました農地を所管いたします自作農創設特別会計、それに所属しますところの農地であるというふうに考えられます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 特別会計のほうは、当然これは第八条の前段のほうで認められているのですから、普通の財産だけ、一般会計普通財産について触れたわけです。そうすると、一般会計の普通財産だから、いまの演習地を購入するということになると、これは普通財産として購入してから行政財産に振りかえるのですか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 防衛庁が自衛隊の用に供する場合は、当然これは行政財産でございます。しかし、駐留軍の提供施設は、あれは防衛施設庁が管理いたしておりますけれども、所管としては大蔵省所属の普通財産になるわけであります。したがいまして、防衛施設庁が買収いたしまして、その当座普通財産として所管をして、そうしてその買収が完了いたしましてそれを大蔵省に引き継いで、大蔵省の所管の普通財産となって、それをまた防衛施設庁を通じて駐留軍に提供する、こういうような形になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは四十四年、五年の話ですが、いまでもまだ——駐留軍の演習地を施設庁が買い上げて、これは減らす方向になっているのだろうと思うときに、まだ買い上げて演習地をつくっていくということになっているのですか。これは防衛施設庁を呼んでみないとわからないけれども、ちょっとその話は少しおかしいように第一点思うのですね。  それから私がさっき申し上げましたように、政令第五条に触れているのは、農林省の場合でも、いま私が読み上げた一億五千二百八十二万一千平米というのが一般会計普通財産として残っておるから、ちょっとこれは疑問がある。それは一体政令第五条のどれに該当するのだ、こう聞いているわけです。第五条の規定に該当しなかったら違法な国有財産を農林省は持っていることになるのですからね。その点を聞いたのですが、よく調べてあとでまた答弁してください。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 後段の点についてはなおよく調査いたしてまた御報告いたします。  それから前段の防衛施設庁の関係ですが、これは私も実態をよく存じないので、あまり推定でものを申し上げても恐縮でございますけれども、新しく演習場等として取得するのではなくて、従来借り上げてやっておりましたものを、所有者等がぜひこれを買ってもらいたいというようなことで買っているものも多いのではないかと思っております。演習場を例にとりましたのはあるいは不適当であったかもしれませんけれども、私はたぶんそういう事情であるというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国有財産でもう一点だけちょっとお伺いをしておきたいと思うのですけれども、実は大蔵省所管一般会計所属普通財産の貸付状況、こういうのがありまして、土地がいろいろ貸し付けられておるわけですね。そこで、国の土地を貸して、その上に民間のものが建物を建てておる例がかなりあるだろうと思うのですね。この資料だけで見たのでは、相手方別貸し付けの中には、土地、産業用というもので、件数四百七十件、数量は二百三万二千平米、こういうふうに貸し付けてある。この国有財産の土地の上に民間のものが建物を建てるというときには、本来土地というのはもちろん相続税法かなんかに基づく土地代金を取っているとは思いますが、その上にある地上権ですね。もし借りてしまったらこっちは借地権のようなかっこうに転化すると思いますが、この地上権というのはこれまでに取っていますか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 御質問の趣旨は、貸し付けをする際に権利金を取っているかということでございますか。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうです。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 取っておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 なぜ取らないのですか。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 この点は現在も一つの問題として検討をしているところでございます。新しい国有財産の貸し付けというのは、特に普通財産の貸し付けは最近は原則としてやらないことにいたしておりますけれども、かつて貸し付けをいたしまして、現在引き続き貸し付けをいたしておりますものが相当あるわけです。その当初貸し付けをいたします際に、当然先生の御指摘のような借地権なり、あるいは建物の場合には借家権、そういうものに相当する権利金を取っておるべきじゃないかという疑問があるわけですけれども、従来の国有財産の貸し付けの取り扱いでは、そういう権利金に相当するものは取っていないわけでございます。  そこで、ところが実際にそういうふうに建物があるような土地をその建物の所有者等に処分をいたします場合に、その借地権をどう考えるかという問題があるわけです。それは従来は、借地権はそれを控除しないでやっていた時代もあるわけです。権利金も取らないかわりに、売り払う場合にも借地権は控除しないという取り扱いをしておったのですが、その借地権を控除しないというのが非常に民間の慣行に反するということで、現在は借地権を控除いたしております。ただ新しいものについては借地権を認めないというので、昭和三十三年七月までに貸し付けた財産等につきましてはそれは借地権を控除する。しかしそれ以後については控除しない。同時にそれ以後については新しい普通財産の貸し付けは原則としてやらないというような方針をとっておるわけです。  ただ、現在そのような方針で処理をいたしますといろいろと問題があるのは、新しく貸し付けることは原則としてやっていませんけれども、しかし全然ないわけじゃない。そういう場合、やはり民間の慣行が権利金相当額を取るなら国も取っていいじゃないか。また同時に、昭和三十三年七月以降に貸し付けました財産についても、現在は借地権の控除をしていませんけれども、十年、十五年というふうに貸し付けを継続した場合にもやはり借地権相当額というものの控除を全然しないでいいかどうか、これも問題があるというので、私どもこれは実は宿題としていま検討をしているところなんでございます。ただ、過去どうしているかとおっしゃいますと、そういう借地権等のものは取っていない。まあおそらく、国有財産の貸し付けというのは一般の民間の財産、不動産の貸し付けなんかと違って、特別にそういう理由がある場合にやっているのであるから、公用とか公共用とかいうようなことが多いのだ思いますけれども、特にそういう権利金というようなものを取るのがいかがかというような考え方があったのではないかと思っておりますけれども、なおこの点は検討いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣、いまお聞きのように、民間は御承知のように地上権、借地権という問題がはっきりありますから、そこでいま理財局長が答えましたように、権利金を取ってないものに、いま売り払いのときには借地権を控除するという問題が出ているわけですね。国はまるまる損をしているわけじゃないですね。権利金を取っているので控除をするというのは話がわかるのです。権利金を全然取らないでおいて控除するというのは、要するに取った地代の中にそういうものが入っている場合はいいけれども、地代相当というものは本来の地代の範囲だから、今度売るときに安く控除して売ってやるのは全くいまの慣行から見て私どもおかしいと思うのです。だから、権利金が取ってあるから控除するというのは話がわかるけれども、権利金を取ってないのに控除をするのはおかしい。いまやっていることはしかたがないですよ。  そこで私はこの際、民間に土地を貸与して、その上にものを民間が建てるときには、国有財産というのは大蔵省のものじゃないのですから、これは国民のものですから、皆さんがたまたま国民にかわって管理しているだけですから、もう少しやはり財産権に対する権利といいますか、それを確立するために、民間がやっているように——なるほどそれは特定かもしれない、何でも貸すわけじゃないでしょうが、特定といえども、権利金の額そのものが民間と同じでなければならぬかというと、私はやはりそれは特定によって考えていいと思うのですが、やはりこういう慣行を確立して、場合によって公共性の高いものはできるだけ権利金を安くする。公共性の低いもので、しかし貸してやらなければならぬものもあるでしょう、そういうものについては民間相当のものを取るとか、こういう道を開くのが国有財産を国民のために管理するたてまえからしたら相当ではないかと思いますが、その点どうでしょうか、大臣は。

相澤英之大蔵省理財局長

○相澤政府委員 ちょっと補足して答弁させていただきたい点がございますので……。  現在、昭和三十三年の七月までに貸し付けた財産については借地権の控除をしていると申し上げましたけれども、これは民間の借地権割合の全額を控除しているのではなくて、昭和二十三年までに貸し付けたものについては民間の借地権割合の八割、三十三年の七月までに貸し付けたものについては民間借地権割合の七割相当額を控除いたしております。したがいまして、借地権の割合が七割なら、二十三年までに貸したものは五割六分、三十三年までに貸したものは四割九分、そういうような控除割合にいたしております。  それからもう一つ、借地権相当額を権利金として取らなかったという点については、おそらく民間の借地権についても、そういう当初から権利相当額を取っておった場合だけに発生しているんじゃないか。とにかく貸し付けという実態がある、そして借地借家法によって保護されている、非常に強く、場合によっては強過ぎるくらい保護されておる。したがってその借地権者、借家権者にのいてもらうにも相当な金を出さなければのいてくれない。それが権利化してくる。それを慣行として確立される。評価すれば六割とか七割とかだんだん上がってくる。都会地ほどそれが高くなってくるというような現象ではないか。したがいまして国の場合も、当初はそういうような権利的な色彩がないものが、十年、二十年と貸しているうちにそういうふうな色彩を帯びてくる。そういうふうな実態があるので、売り払う場合はそれを控除した。ところが最初に貸し付けた場合は——最近貸し付けたものもないし、また貸さないという方針をとっているということになっていますが、昔のものはそのままになっておる。その辺のところが確かに現在で考えたら不合理な面じゃないかというふうに思います。いずれにしましても、この点は私ども前向きに検討したいと思っています。  それからもう一つ、名義書きかえ料だとか、あるいは建物について再建築いたします場合にその権利をどうするかという問題もございます。その名義の書きかえあるいは建物を再建築する場合の権利については、これも従来は取るというようなたてまえにしておりましたけれども、必ずしも実行されていないという面もある。それは民間でそういう慣行があるなら、私はそれは国損を招くようなことはないということで、最近これもひとつ基準をきめて取るようにしようじゃないかというふうに考えております。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま理財局長からの答弁でだいぶ御了解がいったと思うのでございますが、つまり国が土地を売るという場合におきまして、その上に借地権がある、そうするとその所有権の価値がそれだけ減るわけですから、その辺は十分配慮しなければならぬ問題だと思います。いま堀さんのお話を承っておりまして、借地権を設定するとして、どういう借地権を設定するのかという、そのしかたに私は問題があると思うのです。ですから今後というか、いままでもいろいろ注意していると思いますが、未来に借地権を設定するということ、これは気をつけていかなければならぬ。その辺につきましてはよく検討してみたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 まあ長い昔のことは、いまなっていることはしかたありませんし、長くいるから借地権ができているんですけれども、今日新たに貸し付ける場合には、要するにもうその借地権が生まれることが承知できるわけでしょう、この現状で見るならば。だから、たとえばその上に鉄筋の建物を建てるとすれば、耐用年数五十年とか幾らということになる。ですから当然それはその処理をするときには借地権が発生するんだから、それをあらかじめ予想していま地上権を賃貸料のほかに取るべきである。これまではしかたありませんけれども、今後はやはり国民の財産権を守るというんですか、国民全体の持っている国有財産ですから、それを安易に貸し付けて、ただ賃貸料でよろしいよなんて貸すと、借りた方では得すると思いますね。特に地価が高いところになればなるほど得をするわけですから、やはりそういうようなことは、国有財産だけでなくて、これは公社、公団を含めて公的に所有しておる土地を貸す場合には、少なくともこれからは借地権に相当するものを契約のときに民間からもらうべきだ、こう思いますが、大臣、その点いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 借地権の内容ですね。貸す内容、たとえば将来政府が売り払う、その場合に借地権は消滅しますよというようなことにしますとか、いろいろやり方はあると思うのです。内容につきましては十分検討しなければならぬと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私特にこれだけ申し上げておるのは——ちょっと主税や国税が入っていませんから話がちょっと横へそれますけれども、借地権を取っていないんですね。要するに地上権ですね。私がAという会社にその土地を貸す。そこへ建物を建てます。それを建てるときにはそういうことの知識があれば取っているでしょうね。ところが取らないで貸してしまっている場合があるわけですね。そして地代をもらっている。ところがこれを売り払うときに、当然借地権相当分は取っておかなければならないものを取ってないといって、実はいまの税法で税金をかけてくるわけですよ。私この間そういう案件を取り扱ったのだが、全然金を取ってないのに、取らなかったのはおかしいんだ、取っているはずだから、みなして課税とするという税法があるというんですね。どうもそんなばかなことはないだろう。事実上そういう金銭の移動もなしするものを、それは当然払うべきものを取らなかったんだ、取ったものとみなして課税をする、相当高額の課税をする、こういう問題があるものですから、それほどまで大蔵省が、そういう地上権というものを取らなくても課税をするほど取るべきものだという方針をきめておるのなら、国有財産で取らなかったら一体どうなるんだ。大蔵大臣の所管ですからね、これは両方とも。大蔵省という役所の中でやっていることが税金を取るためには、取らなくても取ったとみなしてやるくらいにやっておる。国有財産を貸し付けるときには取らなくて、それは別に逆に借地権を控除する、こうなってきたのでは、これはちとひどいではないか、こういうふうに思っているわけです。大臣、これはどう思われますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま話を伺っておりまして、多少検討すべき問題があると思うのです。地上権というような問題は非常に複雑な問題でございますが、国有財産の管理運営上、地上権というものはどう扱うか。これは私は貸し付けをするという場合のその内容あるいは条件が問題と思うのですね。その辺を中心にしてよく検討してみます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国有財産に関する件はこれで終わりまして、二点だけ簡単にお伺いしておきたいと思うのです。  第一点は、何か新聞の報ずるところによると、どうも近く公定歩合の再引き下げが行なわれる、こういうことらしいようでございますね。私だいぶ前に大蔵大臣と議論しましたときに、ともかく超高度成長が続くと鼻血が出るから、鼻血の出ぬように安定成長でいきたい、こういうお話で私もたいへんけっこうだと思っているのですけれども、いま生産状態その他を見ますと、要するに家庭電器も自動車もかなり生産が回復をしてきておりまして、御承知のように証券市場は最近異常な状態を呈するほどになって、すでに規制措置がとられておる、こういう段階にいま実は来ているわけでありますね。そういうときに一体公定歩合を引き下げることは、鼻血を出す方向に大蔵大臣は政策転換をされたのか、こういう感じがいたします。  一点、対外的な問題は確かにあります。この前ここで申し上げておったように、アメリカがまた下げるだろう。また下げました。確かにそれは諸条件からきてああいうふうに下げるだろうという予測は十分立っておったわけですが、しかしその後、西ドイツもイギリスも公定歩合を下げないで今日に至っている。どうも対外的な事情で下げるというのも、これもどうもいまの情勢から特に必要じゃないんじゃないか。  もう一つ、民間のほうで盛んに下げてくれというお考えがあるようですが、これはおかしいんじゃないか。最近、公定歩合を下げても貸し出し金利がちっとも下がらない。これまでの例に比べて異常に下がらない。私はこの前の委員会でこの問題を少し具体的に議論しました。最近の銀行局長の通達か何か知らぬけれども、金融機関に貸し出し金利を少し下げろといっているくらい、公定歩合を下げても貸し出し金利も下がらない。いまの諸条件から見て一体公定歩合はまだ下げるという必要がほんとうにあるのかどうか。日本銀行の総裁がずっと新聞記者会見その他で言っておられたことを見てみますと、下げる必要はありません、下げる必要はありませんと言ってきている。来週一ぺん当委員会に日本銀行の総裁の御出席をいただいて、あなたはこれまでうそを言っていたのかと一ぺん聞いてみたいと思うくらい、ずっと日本銀行総裁の発言を見ていると、もう下げる必要はない、ないと言い切ってきたのが、参議院選挙を前に控えておるか何か知りませんけれども、どうもここへ来て産業界の意向を重視し過ぎての処置になってきたのではないか。金融政策上はどうも必要はない。もし金融政策上の問題としてあるのなら、まず先に公定歩合を下げた後の貸し出し金利が下がってこなければおかしいのじゃないだろうか。アメリカの場合でしたら市中金利が下がるから公定歩合が下がるわけですね。日本の場合は市中金利も下がらないのにまた公定歩合を下げる。そこらのいろいろな経緯を見ておりまして、どうもここで公定歩合を下げなければならぬ積極的な理由というのは一つもないと私は思うのですが、大臣が何か積極的な理由を感じておられればひとつお答えをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私は基本的な考え方として、曇り後薄日、しかもその薄日が徐々に出ていく状態が一番いい、こういうふうに思っているのです。かんかん照りの状態は絶対排撃しなければならない、これにいささかの考えの違いもない。現状の経済を見ておりますと、四月ごろになったら多少上向くかな、こういうふうに見ておったわけでありますが、調子がどうもまだそういう方向とも思えません。三月の経済界の動きを見ておりますと、数字的にはまだ固まっておりませんけれども、どうも生産はまだ伸び悩みというような状態かと思うのです。ただ、いまおっしゃるように出荷のほうですね。テレビだとかあるいは自動車というものは多少明るい様相である。しかし、経済の動きの中心をなす鉄をめぐるいろいろな諸指標はどうも依然として悪く出るんじゃないか。総合して多少出荷の状態がよくなるわけで、生産調整しておりますから、したがって在庫が減る傾向になってきておるのじゃないか、そういうふうに思いますけれども、いまが大体——いまといっても、経済のことですからこの瞬間という意味ではありません、今日が底ではないかというふうに考えておりますが、一方輸出大勢は非常にいいです。ことに対米輸出なんか、テレビは一−三月で去年に比べますと五割近くふえておるという状態、あるいは自動車なんかは二倍をこえるというような状態。そういうことの反面、わが国の経済が停滞しておるということで輸入のほうは非常に鈍化いたしておるわけです。したがって国際収支の状態はばかによろしいという状態であります。  そういうことを考えますと、私はいま両面作戦で、一方においては国内の物価をにらまなければならぬ、一方においては景気政策を考えなければならぬ。景気政策の考え方は、国内の景気動向というものを徐々に上向かせる必要があると同時に、輸出が非常に伸びますのに反して輸入が停滞しておるということで、国際的な関係が非常に批判を受ける、こういうような状態になりかねない。これからの金融政策はそういうようなことを考えましてやっていかなければならぬというふうに考えておりますが、おそらく日本銀行の総裁もそういう複雑な心境にあると思うのです。いま、日本銀行の総裁がいつ聞いても引き下げはしないという答弁をしておるという話ですが、引き下げるまでは、引き下げいたしません、こう言うのが大体、国の銀行総裁の普通の姿勢ではないかというふうに思うのであります。なお私といたしましては、情勢の推移を見まして、そういう考え方に立って対処すべきものではあるまいか、日本銀行総裁も私と同じ考えではあるまいか、そういうふうに見ておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの話をさらっと聞いておりますと、たいへん誤解を生むおそれのある答弁だと思うのですよ。それは、輸出が非常に伸びておる、輸入は非常に少ない、これを少し考えようということになりますと、さらに物価問題を考える、こうなりますと、大臣の一番おきらいな、要するに切り上げに持ってこいの条件をいまおっしゃったわけですね。切り上げさえすれば輸出は少し鈍化して輸入は増加して、物価は少し安定するだろう。大臣は公定歩合問題としてお話しになっているようですけれども、国際的に見たらそれは公定歩合ではないんじゃないですかといってBISあたりで開き直られるのが落ちじゃないかという重大な答弁をいましていらっしゃると思うのです。だからいまのお話だけでは、公定歩合操作の問題よりは、対外的には平価のほうに非常に重心がかかるような御答弁で、公定歩合を下げたからいまのような効果が出てくるかは私はたいへん疑問があると思うのです。公定歩合を下げることによって多少考えられることは、貸し出し金利が下がることによって、産業界における少し冷えている設備投資意欲を回復させるというようなことでしょうか。一般の個人消費その他については実際には公定歩合は関係がありませんからね。  そこでいまの情勢というのは、おっしゃるように確かにものは順序がありますからね。出荷がふえてくるところから在庫が減るようになって、在庫が減ってから在庫補充ができて生産が上がるのですから、これだけのタイムラグというものは常にあるわけですね。そうすると、出荷がふえだしたというのは一つの経済的な転換徴候になっているわけです。経済的転換徴候ということはすでに底入れが終わっていると見ているわけだから、底入れが終わって上がりかけたところでさらにアクセレレーションをかけるということは、あなたのお望みにならないかんかん照りを予測することになるのではないか。薄日ならばこのままほっておけばちょうどいいぐあいになだらかに上がっていく。いつも日本の経済は、急激に下がるけれどもまた急激に上がる。今度は何かキー操作みたいなことだといわれていますが、日本経済というのはなかなかそんなふうにならぬようになっていると私は思っているわけです。ですからこういうふうにさあっときていつまでもなべ底でいくのではなくて、底入れをするとややもすると上がりやすい。この前のときも、四十年、四十一年のときも上がりかけている。にもかかわらずそれがつかめないでどんどんやって、あなたの鼻血の出そうな超高度成長経済に乗せたわけですからね。私はやはりここは非常に慎重に、せっかくブレーキが踏まれてきてスピードが減速しているときに、そうしてこれからまた少しずつふえようというときにアクセルを踏むのは非常に危険がある。特にいまお話しになったような条件は公定歩合操作がストレートにきくのではなくて、それは平価の切り上げのほうがはるかに効果があることを前段でおっしゃっているわけで、どうも私はちょっと問題があるような気がしてしかたがない。もう一ぺん重ねて、申しわけありませんが、公定歩合操作が、私が言うように経済的にはそういうことです。出荷それから在庫減らし、在庫補充、生産、このサイクルが起こるのが私は当然だと思う。この間にタイムラグがあるのは当然ですが、そのタイムラグを見越して考えておかないと私は問題が起こるような気がしますが、その点はどうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 平価の問題に関連して言われたが、そういう考え方は持ってないのです。もしここで日本が輸出が伸び過ぎる、そして輸入はだんだんと鈍化する、こういうようなことになると、国際社会の間でそういう議論が起こらないとも限らない。私はこの間、皆さんの御了承のもとにアジア銀行総会に行ってきたのです。そういう席で、開発途上国の人はもとより、開発された先進国を代表する人々にも会ったが、日本が平価を切り上げよというような話は一言も出ておりません。しかし日本の輸出がどんどん伸びる、輸入は逆に引っ込む、そういうような状態に対しましては深い関心を持っているのです。そういうことが私の頭の中にあるわけなんです。それはこれからの金融政策、これにも取り入れていかなければならぬ問題だ、こういうことを申し上げておるのであって、平価を切り上げろ、こういうようなことを毛頭示唆しておるわけではございませんから、この点はくれぐれも誤解のないようにお願いをいたしたい、こういうふうに考えます。  あなたのお考えの基本につきましては、私は全く同感なんです。私は、経済というのは今日のようにこんなに鎮静するとは思わなかった。しかし勢い余って非常にいま鎮静している。しかも瞬間風速なんというのをいろいろ論ずる人がありますが、これはショッキングなことでありますから私はあまり言いたくありませんけれども、いまかなり低い水準に来ておる。今度は上がるという際にはまたこれが暴発的に上がらないとも限らない。その辺の配意を十分しなければならぬというふうに考えておるのです。しかし今日の経済情勢は、先ほども申し上げましたが、多少出荷がふえてくるというような傾向にはあるようであります。しかし、いま申し上げました国際経済とのバランス、そういうようなものを考えてこれから金融政策をどういうふうにとるかというようなことになると、そう一がいな議論もできないのじゃないか。そういうふうに見て、当面の経済の推移を慎重に見た上でそのかじとりをすべきである。おそらく日銀総裁もそういう考えであろう、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も実はあなたが平価の切り上げを予想して話をしていらっしゃると思っていないのですよ。ただ、いまの答弁だけをずっと聞いておりますと、それに対する対策は何かということになると、それは公定歩合操作ではなくて平価の切り上げになるというような客観的な条件だけをお並べになっておって、それは誤解を招くおそれがある、こう申し上げたわけです。大臣は終始一貫そうおっしゃっておるし、私もいますぐそういう必要はないと思っていますけれども、どうもそっちのほうに比重がかかったような御答弁でありましたから、公定歩合操作というのはいまおっしゃるような輸出を減らして輸入を拡大するようには働かないものだと私は思っておるのです。要するにその働きは、国内の生産を少しふやすということに働くなら働く。しかし金利も下がってないのです。実際この前の公定歩合操作でどうも金利が下がってないのなら、いまここで公定歩合を下げても貸し出し金利が下がるとは思わないのですよ。銀行局長、下がると思いますか。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 御指摘のようにただいままで、三月までの数字でまいりますと、今回は非常に下がっていないということが特色でございまして、公定歩合下げ幅の一一・六%ぐらいしかまだ下がっておりません。これは前回が五四%ぐらい、前々回が二〇%ぐらいということでございますから、それに比べますとはるかに低いわけでございます。  四月に入りましてかなり様子は変わってきておりますが、ただ本格的な緩和基調に入りませんとなかなか——今回の場合、特にうしろ向きの資金需要あるいは昨年の長期金利の改定、そういったよなうことの影響もあります。本格的な緩和基調に入れば下がってまいるという形になろうかと思います。かたがた、私どものほうといたしましてもできるだけ引き下げるような慫慂をいたしております。それらの効果が出てまいりますれば、いつから本格的緩和基調になるかということはたいへん予測しにくいことでございますけれども、特に五、六月はいろいろな資金需要が出てまいりますが、七月あたりからはかなり本格的な緩和基調になってまいるのではなかろうか。それに伴って金利の低下も次第に本格的になってまいるのではないかというような感じでおるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 物価の面で大臣お触れになったのですが、いま特に鉄だ、こうおっしゃっておるのですが、鉄の生産は操短問題がありますけれども、鉄が安いことが全体の物価に非常に影響していると思うのです。私は、ここでいまの大臣お考えのように鉄の需要が急激にふえるようにするということは、鉄の価格が上がるということにつながっておると思いますね。物価というのは、大臣がさっきおっしゃったのは上げる方向に配慮したいということではないと私は思うのです。やはりいまの政府の物価政策は下げる方向に配慮したいというなら、せっかく下がっておるのはしばらくこのままにしておくほうが物価政策上有効ではないのか。だからどの観点から見てもいま公定歩合を下げる理由は一つもない。そこで私が積極的な理由は何かと伺ったらさっきのようなお話が出るから、どうもそれは平価切り上げのほうがより適合する条件なんではないだろうか、こう申し上げたんですね。物価対策上から見て、いま公定歩合をお下げになることは、これはマイナスだと私は思うのですが、どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 平価切り上げは輸出をディスカレッジする、輸入を醸成する、これはそのとおりなんです。しかしこれは反面において非常な国損につながる。また国の経済は混乱をするといったような状態でありますので、これはやるべきじゃない。デメリットの面がかなり重大だ、こういうふうに思うわけであります。ですからそういうことはしたくないし、やるべきじゃない。これはかたくそう考えております。だからこそわが国は国際社会の中におけるマナー、これをいろいろ気をつけなければならぬ。公定歩合を下げましたからといって、これは輸出をディスカレッジするということにはつながってきません。しかし国内経済、これはとにかく多少でもこれによって刺激されるという方向の策であるということは争う余地はないと思うのです。そういうようなことを通じてまた海外からの輸入というようなことも促進されるであろうし、国際社会では、日本は国際社会のことを考えておるという受けとめにもなろうし、そういうメリットがあるわけなんですね。そういうことも考えながら、また他方においてはあまり急上昇になってはならぬという国内物価政策上の配慮もしなければならぬ。その間隙をどういうふうにするかといういまデリケートな立場にあるわけでありまして、その辺を日本銀行においても十分考えておるだろうが、私も、インフレもデフレも両方排撃するという体勢で金融政策は運営していかなければならぬだろう、そういうふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣、いまの平価切り上げでやらないという表現は私はいいと思うのですが、そこで、やるべきでないという表現は私は適切でないような気がするのですね。なぜかと言いますと、これは経済行為ですからね。要するに経済行為というのはある全体的な合理性の上で処理さるべきことですから、いまはやるべき時期ではないということなら私は当然いいと思うのですよ。外国が聞いて、日本の大蔵大臣は平価の切り上げはやるべきではないと言ったという表現になりますと、これは終始一貫こういうことはやらないのだ、やるべきでない、そういうことですね。だからそうではなくて、こういう情勢においては、日本の平価の情勢は平価を切り上げるような条件に到達していない、だから切り上げないんだとおっしゃることは私はいいと思うのですが、切り上げるべきでないという表現、非常にがりがりの日本のエコノミックアニマルで、自分たちの利益を守るためには対外的には関係なく上げるべきでない、こういう発言をしておるという表現はちょっと適切でないのじゃないかと思うのですね。経済行為というのはあまりそういうナショナルな問題ではなくて、もちろん国民的利益を守るのは当然ですから、日本の全体的な条件からいって日本の通貨はあまり強くない、そういう意味で切り上げるべきではないという判断があるのじゃないか。やるべきでないという発想は少しナショナルに過ぎて、いまの国際的慣行にちょっとプラスでないような気がしますが、その点どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは非常にデリケートな問題ですから、御所見ではありますが、切り上げるべきではない、同時に切り上げる意図はないと、はっきり申し上げておきます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 意図はない、それならいいのですが、これはことばの表現ですから……。  もう一点、この間アジア銀行の会議にお出になって、新聞が伝えておることがよくわかりませんので……。あそこで何か輸銀の取り扱いについて記者会見をなすったのかどうか知りませんが、新聞に出ましたね。輸銀の取り扱い、これはほんとうはどうおっしゃったのか、御本人から承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 輸銀はケース・バイ・ケース、どこの国に対してもケース・バイ・ケース。フィリピンからあるいはインドネシアからたくさんの要請がある。あるいは韓国からも台湾からもある。しかしこれは全部イエス、オーケーじゃないのだ。これは慎重に検討した上できめるのだ、こういうことなのです。これは中国の場合も、これもケース・バイ・ケース、こう言っておるが、中国の場合にはそのケースが出てこないのです。業界というものは非常に賢明に世界情勢を見ておる。中国と延べ払い借款が成立した、こういうことになると、それが台湾政府のほうにどういう影響を及ぼすか、あるいはアメリカに、ソビエトにどういう影響があるか、そういうようなこともながめておるのでしょう。そこでなかなかケースが出てこないのですけれども、とにかくケースが出てくれば、どこの国に対してもケース・バイ・ケース、そういう判断をいたします、こういうことを申し上げておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最近、ちょうど福田さんが向こうへ行っていらっしゃる間かどうか、たいへんアメリカの情勢が急テンポに動きつつあるようで、通産大臣も少しあわてておられるとみえて、いまのケース・バイ・ケースのケースをさがそうと思って、一ぺん洗い直せというようなことが新聞に出ておりますが、事実かどうか、新聞の報道の範囲ですからよくわかりませんけれども、近いうちにケースが出てきそうに思うのです。ですからこれ以上この問題に触れませんけれども、ケースが出てきたときにはいまおっしゃったように、要するにフィリピンも中華民国、人民共和国も差別はない、こういうことでございますね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ケース・バイ・ケースでそのケースについて慎重に検討する。つまり韓国に対しましても国民政府に対しましても、その態度は全然変わりはない。ケース・バイ・ケースである。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それはもう通産大臣がおいでにならなければ話は前へ進みません。それでけっこうです。  最後に、実は最近御承知のように、都市銀行の第一銀行、勧業銀行の合併問題がございました。ずっと新聞で拝見しておるところでは、おおむね賛成の意見が多いので、それはいいと思いますが、一番あとで問題になりますのは、合併した銀行の店舗が重複しているところがたくさんあると思うのですが、その部分は調整してあげなければ合併したほうは困るでしょう。ただしかし調整のしかただと思うのですね。要するに五十も六十も一ぺんに店舗を、ここはひとつそれをやめてあっちへ出そう、こっちへ出そうということになりますと、他のいまの銀行、金融機関はかなり強い規制をしておりますので、店舗の転換はいいけれども、これはおのずからタイミング、それこそケース・バイ・ケース、慎重に——いまのような式は少し考えておかなければいかぬと思うのです。金融全体に混乱を起こさないようにしなければいけませんからね。実際二つ並んでおる店舗を二つそのままにしておけませんから一つにする。当然合理化になるからそれでいいです。しかしそれはそうやって貯金のようにたくわえておいて、そして全体の条件をながめながら、店舗の開設をやることにしないと私は混乱を起こすおそれがあると、こう思いますが、大臣その点についての考え方を……。  ちょっと待ってください。そのことは事務当局でなしに大臣の考えを。あまりこまかいことを聞く意思はない。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 合併が行なわれた場合に店舗をどうするかという問題ですね。これを非常に窮屈に考えますと、合併というものはなかなかする意欲というものは起こらないと思うのです。私は自由化社会、こういうようなことで合併によるメリットを高く評価しているのです。しかし政府は介入はしませんけれども、そういう機運がありますればなるべくこれをあたたかく育てていきたい、こういう考え方を持っておるわけでありまして、多少、そういう基本的な考えのもとに味を与える必要がある、こういうふうに考えておるわけです。店舗の問題についてもそうなんです。合併したのだから、その店舗につきましては大いにこれを削減するというような考え方をとると大きな流れにさからうことになりはしないか。そこでやはり合併によるメリット、これを与える必要がある。こういうふうに考えますときに、店舗問題というのは非常に重要なんです。ただ、いま御意見のように、それで自由にはいたしません。これは銀行局長がここにおりますが、ちゃんとこの重複をどういうふうに始末するか、それは銀行店舗間行政として混乱がないように十分配意いたしましてやっていきたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこのところが非常にむずかしいのでして、大臣のおっしゃるように非常にフェーバーを与えることになりますと、その銀行にはたいへんいいのですけれども、周囲に与えるマイナスも非常にある。だから、これは総合的に見ながらフェーバーを与えることはいいと思います。どうせいまの方針というのは、転換は認めることにしているわけです。リプレースは認めることにしておるのです。いいのです。こっちがあるところに、そっちのあるのをやめてリプレースする、二つ一緒にあるのを一つにしてリプレースする。二つあるのを一つにしたほうがフェーバーを与えていいと思うのです。いいと思うけれども、全体としていまリプレースだけに押えているときに、リプレースの原資が一挙にできたものに、そこに非常にフェーバーが与えられますと、これは他に及ぼす影響があるので、やはり金融というのは公共性の問題が重要でありますから、その公共性を乱さない範囲でフェーバーを与えるというのは、それこそケース・バイ・ケースで慎重にお願いしておきたいと思います。  終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより討論に入るのでありますが、本件につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  採決いたします。  本件を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 起立多数。よって、本件は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま可決いたしました議決案件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 引き続き、コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。  本案につきましては、去る三月二十五日提案理由の説明を聴取いたしております。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 速記を始めて。  本会議散会後、直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ————◇—————    午後二時三十分開議

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいま議題になりました法律案につきまして、大体政府から提出をされました資料でその概要については十分な理解をしておりますけれども、この際ちょっとお尋ねしたいことは、この二つの条約に加入する理由についてちょっと簡単に御説明をいただきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 この二つの条約はすでに国会を通過させていただいておるわけでございますが、まず簡単に申しますと、コンテナー条約と略称したのがございます。これで、まずコンテナーにつきまして一定の規格に合いましたものは、三カ月以内に再輸出をするというような条件をつけまして免税で輸入を認めましょう。まず、箱についてそういうふうにいたしまして、いよいよその箱をもとにいたしまして二国間以上を経由して輸送をいたします場合は、TIR条約と略称しておりますが、その条約によりまして税関の検査を免除する。したがって関税も取らないで最終の仕向け国まで持っていこうということによりまして、コンテナの輸送を全体として円滑にやらせようというものでございます。  今回この条約に入ることにいたしましたのは、ただいまフルコンテナ船をアメリカ大陸、それからオーストラリア向けに運航させておりますが、このほうではさらに他国を経由していこうということはございません。そこどまりですから問題はございませんが、いよいよことしの暮れからヨーロッパ航路につきましてフルコンテナ船の配船をしてコンテナ輸送を開始する。そうなりますと、たとえばオランダのどこかの港に着きまして、そしてドイツを通ってスイスまで持っていこうということになります場合には、この両条約に入っておりませんとドイツでコンテナをあけて検査をされるということになりまして、スムーズなコンテナ輸送ができないということで、両条約に入って輸送を円滑にしてまいろうということでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 コンテナ輸送に伴う輸出貨物、輸入貨物、いろいろあると思うのですけれども、この場合に限らず農産物の輸入がたいへんふえておる、そういう現状であると承知しておるのですけれども、総括的に農産物の輸入の状況というのはどういうふうになっておりますか。数字がおわかりになればちょっと数字をあげて説明をしていただきたい。なお、こまかいものがなければ後ほど資料として提出をしていただきたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 農産物で、植物検査を要することにしておるものがあるわけでございますが、その品物全体で一兆三千億でございます。おもなものは木材、穀類、豆類ですね。それからバナナ、かんきつ類、こういったようなものでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで私がこれから取り上げたいと思いますのは、この輸入植物の検査に関してであります。ただいま御説明がありましたように、二つの条約はコンテナ自体について、その一時輸入の際の免税や、国際輸送の円滑をはかろうとするものである。それからコンテナに詰められた中身の貨物について、国際道路運送手帳を使用することによって税関検査の省略等を認め、保税運送を容易にしようとするものであるということなのでありますけれども、実際の輸出入の植物検査におきましてコンテナ化を妨げる条件があると私は思うのであります。局長としてはそういうものが存在しておるというような事実については御承知でございましょうか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 申し上げるまでもなく、コンテナ輸送になじむ貨物、なじまない貨物とございます。たとえば、先ほど申し上げました数字も四十五年でございますが、四十五年の数字で申しますと、輸入が六兆八千億ばかりございますが、そのうちコンテナ輸送になじんでおる品物は五%余りでございます。まあ事務用機器とかそういったものでございますが、いろいろな、たとえばいま問題にされました植物防疫の関係などからなじまないといってはなんでございますが、たとえば、私どものほうでは穀類につきましては、農林省の検査の防疫のほうで有害だということになりました場合は消毒をしてもらわなければいかぬ、それが条件になって輸入が認められるわけでございます。その場合、穀類につきましては、バラ積みで来ました場合はなかなか消毒がうまく行き届きませんので、袋に入れて一ぺん陸揚げして倉庫で消毒をするというようなことをしなければいかぬ。そういったものにつきましては、全体から見ました割合はそうたいしたことはございませんが、そういう意味ではコンテナ化につきましては若干支障があるということでございます。これは農林省からおいでになっておりますのでお答えがあると思いますが、ただいまコンテナの中でもうまく消毒ができるような装置を開発方、研究中であるというふうに聞いておりますので、解決がされるのではないかと考えます。

平林剛日本社会党

○平林委員 農林省にお尋ねしますが、輸入植物の対象になる貨物の薫蒸ですね、いま使用されておる薫蒸剤は何でございますか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ただいま薫蒸に使っておりますのは臭化メチル、通称メチルブロマイドといっておるものでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、現在植物防疫にあたって使用されておる薫蒸剤は、毒物劇物取締法の施行令によりますと使用する場所について制限がございます。つまり船倉と倉庫。この施行令の中にはコンテナが含まれていないと思うのでございますけれども、いかがでしょうか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 施行令で、先生の御指摘のように倉庫内または船倉内における用途につきましては規定がございますが、コンテナについては規定がございません。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、現状では輸入植物の検疫は船倉と倉庫ということになっておるわけでありますから、コンテナ輸送による輸送の円滑化と矛盾をしてまいります。輸送体制の改善には今日の毒物劇物取締法の施行令を改正しない限り役立たないということになるわけなのでございまして、当局としては施行令の改正を必要とするのではないか。これについてどういうお考えを持っておるか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先生がさきにあげられましたメチルブロマイドにつきましては、これは別に倉庫内とかあるいは船倉内においてしか使えないというようなことはございません。ただ私どもいろいろ陳情を受けておりまして、燐化アルミニウムというものとその分解促進剤を含有する製剤につきましては、これは特定毒物でございますので制限がございますが、たとえばいま私が申しました燐化アルミニウムとその分解促進剤、つまりホストキシンといっておりますが、これにつきましては先生もおっしゃるように、もしもコンテナ内で使うとすれば政令の改正の必要がある、こういうことでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 コンテナ輸送に関して、日本海上コンテナ協会が厚生省の薬務局長に対して要請書を提出されておりますけれども、その内容は御存じでしょうね。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 今年の二月に日本海上コンテナ協会の水野理事長から、燐化アルミニウム薫蒸剤のコンテナ内使用に関してのお願いということで、つまり私申しましたホストキシンのことでございますが、これにつきまして、コンテナ輸送の観点から使用できるようにぜひ関係の法令を改正してもらいたいという陳情がございました。

平林剛日本社会党

○平林委員 植物の検疫対象輸入貨物、いろいろありますが、ヘイキューブ、ミレット、モルト、アルファルファペレット等のコンテナによる輸送はすべてバラ積みでされております。そこで当然のことながら、この種の貨物は植物検疫不合格の場合、植物防疫官の指示に従って薫蒸をすることになっております。現在は植検時に害虫等が発見された場合、コンテナから貨物を取り出して袋詰めの上、植物防疫所指定の薫蒸倉庫に搬入してメチルブロマイドによる薫蒸を実施しておるのでありますが、ただいまの日本海上コンテナ協会のほうからは、どうもいま使っておる薫蒸剤はいろいろな点で問題がある。したがって、燐化アルミニウム剤によるところの薫蒸が取り扱いも便利であるし、薬効成分の拡散性がよいことや、危険度が少ないこと、コストが安いこと、錠剤を投入する方法をとるためコンテナの中で使用することがきわめて適当であるとか、いろいろな利点があるから、この点についてはひとつ検討してもらえないかという趣旨の陳情があるのですね。  そこで私はただいま問題を提起いたしましたように、一つの問題は、この船倉と倉庫だけで今日こうした植物防疫をやることは、コンテナ化のことを考えますと、毒物劇物取締法の施行令の改正がどうしても必要になっておる。それからこの植物検疫の場合に使う薬剤についても、従来と違った検討がなされなければならぬということを感じておるわけなんでありますけれども、薬剤の使い方は農林省のほうでございますが、あなたのほうは施行令の改正がどうしても必要だと思っておりますか。それについては直すつもりがございますか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先生の御指摘のように、このどれを選ぶかということは農林省のほうで御検討いただきますが、私のほうではいま先生がお話しになりました陳情書が出ております。燐化アルミニウムとその分解促進剤、つまりホストキシンにつきましては倉庫内または船倉内においてしか使用できないということになっております。御指摘のこのコンテナ内の使用について、貨物の流通の円滑化ということが必要であるというふうに考えますので、先生の御趣旨に沿いまして政令の改正を検討いたしたい、かように思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 大体いつごろまでにその政令の改正ができるとお考えでございましょうか。とにかく私どもこの法律案につきましては期日を急いでおる。そうしてコンテナの輸送の円滑化をはかるという意味で、この地方選挙のまっ最中にも議論しているくらいなんでございますが、あなたのほうのその改正の措置はいつごろの時期に目標を立てておやりになっておるか、その点を明らかにしてください。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先生御承知のように、毒物劇物取締法の改正が先般の国会でなされまして、いま政令をいろいろ検討しております。その一環としまして御指摘の問題につきましても政令の改正をやりたいと思っておりますので、まだいつまでという時期は明示できませんけれども、なるべく一、二カ月の間にはぜひやりたい、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 その点はよくわかりました。  次に、私はこれに関連をして少し農林省にお尋ねをいたしたいと思います。  昨年の、つまり昭和四十五年の七月三十一日、農林省主催の輸入植物検疫規程の改正に関する公聴会がございまして、ただいま質疑の中で出てまいりました燐化アルミニウムの使用基準についてかなり議論がございました。議論の中には、農林省の告示の使用薬量は間違っている。また告示の薫蒸日数も適当ではない。第三には燐化アルミニウムの適用害虫から、穀物の代表的害虫であるグラナリアコクゾウ、ココクゾウ、ヒメアカカツオブシムシを除くという根拠は全くないのだ。こういうような批判があったのであります。この公聴会において、告示をいたしました農林省の提案に対して、いろいろ賛否が分かれたと聞いておるわけなんでありますけれども、どんなような状況でございましたか、御説明をいただきたいと思います。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ただいまのお尋ねの、昨年の公聴会でございますが、燐化アルミニウムのことにつきましては九人が意見を述べられまして、そのうち農林省の原案に御賛成の方が四人、反対の方が二人、条件つきだけれども賛成だと言われましたのが三人、こういう結果になっておるわけであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまのお話は、農林省の提案に対して賛成の者が四人、反対の者が二人、条件つき賛成の者が三人。その数字につきまして私も関心を寄せまして、公聴会の賛否をとってみたのです。具体的に私申し上げますから、間違っているかどうか述べていただきたい。燐化アルミニウムの追加について使用制限を行ない、使用範囲を非常に少なくして追加をする農林省の原案に対して賛成した者は三名。名前をあげますと、前の神戸の植物防疫所長の八木という人、前の横浜植物防疫所長の清水という人、日本植物防疫協会の研究所の三坂所長、この三名が賛成の意見を述べられた。反対に回りましたのは、学識経験者としての原田博士、日本たばこ交易株式会社の中塚社長、ホストキシン販売株式会社の青木社長。つまり賛否は三対三。条件つきの賛成が三名ございます。使用制限の内容を訂正することを条件として賛成した者が、日本郵船株式会社の高橋課長、日本海上コンテナ協会の金谷次長、日本麦類研究会の有路理事。私は記録を読みましてこういうように理解をいたしたのですが、ただいまお述べになりましたのと数字が違う。私はその公聴会の記録をただした上でさような区分になると思うのですけれども、いま賛成者が多いような御見解を述べられましたが、実際はどうなんですか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 当時の公聴会に出ておりました職員を帯同しておりませんので、また私は当時まだ在職しておりませんでしたけれども、当時の記録によりますと、われわれのほうでの判断では先ほど申し上げましたように、賛成が四人、反対が二人、条件つきの賛成が三人というふうになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 それならば公聴会の意見の要約を資料として提出してもらいたい。私は一応これを調べましてただいまのような区分をしたのでございます。しかも賛成の三名というのはいずれも農林省に縁のあった植物防疫関係の人でありまして、学識関係者やあるいはこれらを実際に使用しておるところの関係者の人は反対か、もしくは内容を訂正すべきであるということで賛成をされておることは間違いがない。あなたはそのときにはおられなかったと言うけれども、その点は私がこれからこの問題についていろいろ議論しなければならぬ前提なんです。すべて間違ったところから出発しておる。そこに私がこの問題を取り上げた理由もあるわけなんです。資料として提出をしていただきたい。  それから、いまお話しになりましたように、賛成の三名はやはり農林省関係者であることは間違いないと思いますけれども、それはいかがですか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 先ほどお話にもありました当時の公聴会の模様を後ほど資料として差し上げたいと思います。  ただいま御指摘の賛成者の中で神戸と横浜の二人の方は元農林省職員の方でございますが、三坂さんは農林省の職員ではございません。

平林剛日本社会党

○平林委員 それにしても反対もしくは使用制限の内容を訂正することを条件にして賛成をされた人が三名ずつある、数の上では。農林省の告示に対しましてはいろいろ議論があったのに対して、その告示内容が訂正されないままそれを発表された、これはどういう理由ですか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ただいまの条件つき賛成の方でございますが、これはすぐに訂正をしてからやれということではございませんで、今後検討の上、条件を直す必要が出てきた場合は直せ、こういうことでの条件つき賛成というふうに私は受け取りまして、それを賛成ということにいたしますとこちらが多数でございましたので原案でやったということでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 意見の要約がここに提出されればその理解のしかたがはっきりするわけです。そういう理解のもとにやるというところに今日までこの問題についての議論が絶えなかった。大体この問題についてすべての権限を握っておるところの農林省が間違った内容で、そしていろいろと議論があるのを、議論があるにかかわらず告示をしていくというところに一つの問題があると思うのでありますけれども、この告示の内容は、これから実験をして、その結果によっては、公聴会の意見がございましたように訂正をするつもりでとりあえず告示をした、こういうふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ことしの一月に告示をいたしまして、三月一日から施行をしたわけでございますが、本件につきましては平林先生からこの前農水でも御質問がございましたし、またほかからも御意見がございますので、われわれといたしましては、告示をいたしますと同時に、関係機関を通じまして燐化アルミ剤につきまして追加試験を実施いたしております。その実施の結果によりましては、前に告示をいたしました薫蒸の期間その他につきまして再検討を加えまして、前向きで直していくということでただいま試験をやっているとろでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は、間違った使い方の告示をして、それを一度やってみてあとで訂正をするというやり方に実は疑問を感じておるわけです。すでに間違った使い方はむしろ初めからこれをやらないほうがいい。特に、これから直ちに実験に移してやるというけれども、すでに植物防疫所は昭和三十七年から昭和四十四年までの間に多くの実験を行なって、すぐれた特性があり、また殺虫効果もある、こういうことで横浜や名古屋、神戸、門司で殺虫試験をやっているんじゃないでしょうか。それに今度はどういうところでどういうやり方でその試験をやって、なお前向きで直すと、こうおっしゃるのですか。もうすでに十分その実験が行なわれ、効果について確認をされ、また正式に厚生省のそれぞれの実際に研究に当たった技官が、これはよろしいものであるということの発表、幾つかありますけれども、そういうふうに試験の結果はもう終えているんじゃないでしょうか。今後一体何を補足をしようとするのか。その補足をやった結果前向きで改正すると、こうおっしゃるけれども、何をおやりになろうとしているのか。その点がどうもはっきりいたしません。この点はいかがでしょうか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 おことばを返すようで恐縮でございますが、われわれこの告示に持っていきますまでの試験研究といたしましては、農林省といたしましてはそのこと自体間違っておるとは考えておりません。ただ、その後公聴会を通じ御議論がありましたし、また、われわれいまやろうとしておりますのは、燐化アルミについて分解速度に関する試験をやっておるわけでございますが、従来までは錠剤を使っておったわけです。最近粒剤が出てまいりまして、この粒剤によりますと、常識的に見まして五分の一ぐらい早く分解するのではないかということが考えられますので、錠剤と粒剤とを比較検討いたしまして、薫蒸時間を短縮できるのではないかというようなことがございまして、ただいまそれの試験をやっておるわけでございます。そういうことを私先ほど追加して試験をしたいということで申し上げたわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 錠剤についてはすでに試験済みである。粒剤についてなお検討したい。私ちょっとお尋ねしますが、いま使用されている薫蒸剤メチルブロマイドの使用については公聴会をおやりになりましたか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 植物防疫法ができましたのはたしか昭和二十五年だったと思いますが、メチルブロマイドにつきましてはそれ以前から使用しておりましたようでございまして、これにつきましてはかつて昭和二十年代に公聴会をやったということはないようでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 いま使用しているメチルブロマイドについては公聴会をやったことがない。そうですね。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、これを使い始めたころはまだ公聴会制度等もございませんので、そのときに使ったものをそのまま続けておるということでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 この輸入植物の防疫用薫蒸剤についての論争は、問題が表面化してからすでに八年間経過しておる。これはあなたも御承知のとおりであります。この間、全購連、全国販売農協、製粉協会などから農林省に対して、植物防疫法の告示のワクを広げるべきであるという陳情が相次いだことは御承知のとおりであります。また、現在使っておるメチルブロマイドについては、その有毒ガスによる危害の防止について、港湾労働者の団体である組合の連合会からも、あるいは日本海員組合からも、メチルのような殺人ガスを使用しないで、労働者に被害を与えない薬品を使用するよう善処されたいという要請があることも御承知のとおりであります。私はその要請書も持っております。昭和四十四年にはメチルブロマイドのガスの中毒で死んだ船員の家族から農林省が相手どられて民事訴訟の訴えが起こされています。私は、この八年間にわたって輸入植物防疫用薫蒸剤について農林省のとってきた態度はきわめて不可解であると実は感じまして、首を突っ込んだわけなんです。  神戸の防疫所では、メチルブロマイド使用の誓約書を出せ、出さない場合には神戸港での豆類の輸入は認めないというような事件まで伝えられております。首をかしげるならその新聞記事はここに持っております。コンテナにおける薫蒸に対しましてもいろいろの条件をつけたり、そしてその実験経過を見たりするというような、いわば私に言わせると消極的な態度をとっておる。また穀類の薫蒸はいずれの港でも倉庫内で行なっておるのを、理由も明らかにしないで、はしけの中で薫蒸ができるように一方的にきめて、日本港湾労働組合の抗議を受けたこともございます。メチルブロマイドに対抗する燐化アルミの使用にはわざわざ公聴会を開いて、その告示内容も多くの批判があるのに、それをそのまま告示をしました。そこに一体何があるか。この八年間いろいろな形で論争が行なわれ、各種団体から農林省に対し各種の陳情があり、そして死亡事故まで起こしておるというのにかかわらず、依然としてこの問題について農林省のとっておる態度は、私はたくさんの疑惑に包まれておると考えるのであります。  この問題について私は先般農林水産委員会においても、関係者の意見を聞いてその背景を調査せよという要求を実はいたしました。農林大臣は調査をいたしますと答えました。農林政務次官、この調査結果については一体どうでありましたか。またいま私が指摘をした問題点は、具体的に全部資料を持っております。私はこれはつくり上げたことを申し上げておるのではありません。一つ一つの資料、今日まで報ぜられた商業新聞の記事を全部持っております。その上での質問でございます。こうしたことに対して、単なる形式的な調査ではなくて、ひとつ私が指摘した問題点を総合的に判断して、賢明な政務次官からお答えをいただきたい、こう思うのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 お話しのあったことにつきまして事務当局からもいろいろと意見を聞いてみ、事情も調査をいたしましたが、残念ながら、御指摘のような具体的に疑惑というようなことを見つけることは私にはできなかったわけであります。しかしながら、この植物防疫の問題は、私は相当やはり時代の進展とともに検討する必要がある、こういうように思っております。と申しますのは、何と申しましても日本の貿易というものが急激な速度で伸びておる。これに対して防疫官等の人数その他から見まするとこれが非常に少ない。年々多少の人数はふやしてもらっておりますが、しかしながら日本の輸入量というようなものと比べると必ずしも比例をしてない。非常におくれておる。そういうような点からいろいろと仕事がおくれるというような面もありましょう。検査が不十分な面もありましょう。そこからいろいろな不満というようなものが出るということもあり得ると思うのであります。またあの中は非常な、特殊部落ということばは適当ではありませんが、専門家の特殊な人の集まりでありますから、配置転換その他の問題で、たくさんの人数のところで動かすというようなことも事実問題としてなかなかやりにくい。できるだけそういうようなことでいろいろな問題が起きないように、配置転換等も十分やっておるわけでありますが、機構上一般の事務当局のようなわけにはなかなかいかない。それだけに一そう厳正な態度で臨んでいただかなければならないわけであります。そういうような趣旨でいろいろ指導もしております。またいま言ったような事情で業界その他から不満が出て、それらの不満が曲解されたりあるいは別な形で出てくるということもあろうかと思います。いずれにせよお話しの点等につきましては、今後とも引き続き、そういうような誤解を受けないように、厳重に調査をし指導していくつもりであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は、いま政務次官からお答えがありましたように、農林省の関係の役人の方にお話を聞きましても実際の姿はつかめない。なぜかならば、今日まで——いまの方が問題というわけではありませんけれども、八年間においていろいろな経過をたどってそれが受け継がれておる、そういう問題でございますから、ただ関係官僚の意見を聞いたらそれで私が指摘している問題が解明されるという筋のものではない。いま言いましたように、植物の防疫の部面は、私どもも関係委員会ではございますが、なかなか手が行き届かない。めったにこの議論がされない。そのために一つの租界ができ上がっておるというような感じがするわけでございまして、この使用農薬の問題についても、ひとつ今後私も政務次官の手腕に期待をいたしまして、具体的な調査の方法についても御指摘を申し上げますから、ぜひひとつ御協力をいただきたいと思うのでございますが、その点をちょっとお聞かせいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 平林さん、非常によく勉強をされて、こういう専門的なことで、実際われわれ聞きかじってみたところでなかなかわからない。外部の方からいろいろな話を聞くということは非常に参考になるわけであります。ところが実際問題として、役所というところはいろいろな気がねをしまして、外部から苦情を役所へ直接持ってくるということはどこの役所でもあまりないですよ。むしろ野党の方のほうがいろいろそういうことを聞きやすい。したがって、具体的にそういうような問題をお聞きになったときは、その真贋は別として、それらについてお知らせいただけば、私のほうではそれは喜んで実態調査をいたします。具体的な事実がもしおありの場合は、これはうそかほんとうかよくわからぬけれども、しかし相当信憑性があるというようなことは委員会では言えない、しかし一ぺん調べてくれというようなことがあれば、私どものほうに言ってくだされば喜んで調べますから、どうぞお願いをしたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 この植物防疫の問題は日本だけじゃありません。世界各国にまたがる問題であります。特に輸入植物の防疫用にメチルブロマイドを使うべきであるということを指示している国は日本しかないと思います。他の諸外国では、使用農薬の選択は荷主や需要者の自由になっておる。日本だけですよ。またメチルブロマイドのような有毒ガスを船やはしけで使用している国は日本のほかに諸外国のどこにありますか。こういう点もあるわけであります。答弁がありますか——。私はこの問題は答えがなくともわかっている。その事実を指摘しているわけです。またこういう防疫用の農薬を指定する場合に公聴会を開催してまでやった例はない。今度の場合だけそういうことをやる。これが今日、八年の間、植物防疫の使用薬剤について激しい議論と、農林省の行政に対する批判が集中しておる一つの点なんであります。私はいま申し上げました点について、いずれ政務次官とも——ここで議論することをはばかる問題についても承知いたしておりますから、そういうことについて、あなたがこの問題の解明について単におざなりの調査ではなく、具体的調査をすべきことを私は希望いたしておきたいと思うのであります。  次に厚生省の薬務局長にお尋ねいたします。輸入植物の薫蒸に使用しておるメチルブロマイドは有機臭素系の殺虫剤でございます。今度船を少し離れまして、政府の倉庫米などの薫蒸に使用されておる薬剤はクロルピクリン、有機塩素系の殺虫剤であると私は理解しておるわけでございますが、専門的にはどういう分類になるでしょうか。

武藤き一郎厚生省薬務局長

○武藤政府委員 先生の御指摘のクロルピクリンは、塩素を持つ有機化合物でございまして、その意味では広い意味の有機塩素系の農薬でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 専門的な立場にある薬務局長が、塩素を含む有機塩素系の殺虫剤である、こういうお答えがございました。昭和四十六年二月二十七日の新聞報道によりますと、農林省は、牛乳や母乳のほか、鶏の卵からもBHCなど残留農薬が検出をされるということで、有機塩素系殺虫剤の汚染がひどい。そこでBHC、DDT、アルドリン、ディルドリン、エンドリンについてはその使用を禁止するという通達を出されました。そして農薬メーカー、販売店、農家が現在持っておるそれらの農薬は、土の中に埋没して廃棄処分にするという方針をとられたと私は承知いたしております。新聞もそう報道いたしております。同じ有機塩素系のメチルブロマイドの使用禁止がないというのはどういうわけでしょう。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 ただいまお話しになりました二月二十七日の通達は、さきの臨時国会で農薬取締法の改正をしていただいたわけでございます。それに基づきまして本年の四月から施行するその前提といたしまして、先ほどお述べになりましたようないろいろな注意を各都道府県等にいたしたわけでございますが、その後、四月一日に改正農薬取締法を施行いたしますと同時に、改正法によります指定農薬制度が発足いたしましたので、政令で御指摘のBHC、それからドリン系の農薬等を指定をいたしまして、その使用基準をきめたわけでございます。これらはいずれも作物あるいは土壌に残留をいたしまして、その残留した農薬が人体に危険を与えるというような趣旨で、残留農薬の面からの規制をいたしたわけでございまして、ただいまお話しになりましたクロルピクリンあるいは臭化メチル等につきましては残留問題とはちょっと別の面でございますので、私たちといたしましてはこの有機塩素系殺虫剤のいろいろな規制につきましては、そちらのほうまでは農林省としてやらなかったわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 お尋ねいたしますが、メチルブロマイド、クロルピクリンは残留性がないと御判断になっているのですか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 われわれの現在までの知見によりますれば、からだに残留をいたしまして、その結果人畜に危害を与えるということではないというふうに判断をしております。そしてただいま申し上げました、一番問題になりましたBHC、DDT等につきましてとりあえずそういう措置をとったわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 残留性があるかないか。薬務局長、厚生省の関係の方が公正な立場で判断できると私は思う。いかがでしょう。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○浦田政府委員 お答えいたします。  臭化メチルは広い意味での塩素系農薬であることには間違いないわけでございます。ただし私どもがいままでWHO、FAOその他国際的な知見あるいは国内での知見を求めました限りでは、BHCやDDTと違いまして、残留という点から見た場合にはかなり臭化メチルのほうがそのおそれは少ないといえるかと思います。薫蒸後大部分は分解いたしまして無機の臭素に変わる。無機の臭素は、御承知だと思いますけれども、海藻類その他に含まれておるということで、人体の中にもある程度は自然に含まれているものでもございます。しかしながら万一の場合を考えまして、WHOあるいはFAOにおきましては、残留許容量といたしまして五〇PPMという線を一応出しております。私どもはこれについて慎重に国内の事情等も考慮いたしまして、残留許容量の設定、そういった問題についての検討を進めてまいりたいと考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 有機塩素系の殺虫剤クロルピクリンについては、油に溶けやすく、長い間分解しにくい性質を持っておりますから、人体に入ると脂肪と結びついて長く残る、残留の毒性が問題になっておる、これは御承知のとおりであります。いま対照的な農薬に比べますと、むしろその意味では残留性が強い。これらの殺虫剤がガンの原因にもなるのではないかというようなことの懸念も高まりまして、今日アメリカやスウェーデン、カナダ、ノルウェー、デンマークなどの諸国はその使用をきびしく制限することになったと聞いておりますが、御存じございませんか。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○浦田政府委員 国際的な使用制限の状況につきましては、いさい承知いたしておりません。しかしながらWHOあるいはFAOのほうで、少なくともそういった残留許容量についての検討がなされておるということでございますので、世界的にも関心の度が高まっておるということはいえると思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 いま十分なお答えではございませんでしたけれども、残留許容量の五〇PPMとかいう問題ですね。私もこれを調べてみたのであります。しかし実際には現在のクロルピクリン、メチルブロマイド、これは空気より重いから滞留する。そしてこのPPMの数字にかかわらず、無臭であるから気がつかないで入っていく。そしていろいろな事件が起きておる。いろいろな点で今日諸外国におきましても問題があって、そしてこの使用をきびしく制限するというようなことになっておる。  私はこの問題に関連をしまして重大な関心を持っておるのは、特にクロルピクリン、これは政府の倉庫米の薫蒸に使われておる。昨年だけでも、この倉庫米の薫蒸にクロルピクリンを使ったために、その付近の周辺の住民から、有毒ガスが漏れた、吐き気がした、目まいがしたと騒がれて、そしてそのために商業新聞でも大々的にこれを報ずるくらいなことをやっている。これはむしろお役所公害である。いつまでこんな危険な薬を使っておるというのはこれはお役所公害だ、こういうような批判までございまして、何回にもわたって新聞に報道された事件であります。これに対しては農林省も若干の通達を出しまして、できるだけ目張りをするとか、付近には迷惑をかけないようにするとかしたけれども、この薬剤についてはかなり検討しなければならぬ。単なる通牒を出しただけでは解決できない問題がありはしないか。一説には一メートル幅のコンクリートも通すくらいの力を持っておるという説、私は学者じゃありませんけれども、そういう研究結果もございまして、あなたがおっしゃるようになかなか研究をしなければならない要素を持っておるようであります。  問題は、これは国民の主食である米の薫蒸に使用されておる。長い間使用されておる。そしていろいろな議論があるにもかかわらず、なおそれに固執をされておる農林省の態度、これは私は国民の保健上も非常に重大なことであると実は考えておるわけであります。たとえば米の味を悪くする。栄養分が低下をするという意味では消費者が大きな損失を受ける。また精米をするときにも歩どまりが悪い。くず米が多く出る。そして薫蒸作業には危険と困難が伴う。いまだに昔と同じようにマスクをつけて薫蒸する前時代的なやり方をとっておる。しかも農林省はこれに少しも反省をしない。そしてこうしたことについて何となく、何のために固執をされるのかわからないような態度があって、私の質問にまでなっている。私は、こうした薫蒸に携わる従業員の立場あるいは経済的な立場からも問題があると思うのでございまして、環境衛生局では、何しろ国民の主食に関する問題でございますから、ひとつ専門的な御研究をしていただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。

浦田純一厚生省環境衛生局長

○浦田政府委員 御指摘の臭化メチルあるいはクロルピクリンの食品衛生上の問題の点でございますが、幸いと申しますか、いままでの知見では、料理の際には熱を加えるということで、臭化メチルにつきましてもクロルピクリンにつきましてもその段階で分解いたしまして、それぞれ無害なものになっていくというふうにいわれてきております。おそらく問題はないと考えられます。しかしながら、近ごろ慢性毒性という別の観点からのいろいろな問題も全般としては出てきておることでもございますし、現在私どものほうといたしましては、それらの新しい観点からの検討というものは、WHOのほうからの勧告もございますので、進めていくつもりでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 先ほど、政務次官お帰りになりましたけれども、関係者にお尋ねしました。告示内容については、実験結果を見て、そしてこれを前向きで検討する考えである、こういうお答えがございました。今日まで八年間の議論の結着がついたのです。実験を何年間もおやりになるというようなことではないと思います。しかし、その実験結果がわかるという計画的な日時についてはどういうお考えであるのか、その点をひとつお伺いいたします。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 この問題が起きましてすでに実験に着手しておりますので、私どものいまの見通しといたしますれば、一年以内には結果が出るのじゃないかというふうに判断いたしております。

平林剛日本社会党

○平林委員 きょうはこの程度にいたしまして、農林省当局についても、私のきょうのこの質疑で八年間の論争についてピリオドを打ちたいと思う。そして、いつまでも植物検疫の租界は許されない。私はきょうは全部の問題点をあげたわけではありません。それについては先ほど質疑をいたしましたように、農林省の幹部にも十分検討していただかなければならぬ問題がございます。事は多くの関係者に影響を及ぼすものであるだけに、ひとつ前向きでこの問題を検討して、少なくとも一年以内にこの問題については善処がされるということを期待いたしたいと思うのでございますが、もう一度その点を、政務次官がいないから、農政局長に詰めの御答弁をいただきまして私の質問は終わりたいと思います。いかがでございますか。

中野和仁農林省農政局長

○中野政府委員 先ほど渡辺農林政務次官がお答え申し上げましたとおりでございまして、われわれといたしましても、高度成長経済下の輸入の増というものに対比しまして、植物防疫体制が非常に不十分であるということは十分認識しておりますので、そういう問題から、ただいま御指摘の薫蒸剤その他の問題につきましても前向きで、また、たとえばコンテナの問題につきましても、コンテナについてもやはり穀物薫蒸をやらなければいかぬという問題がございます。これにつきましてもただいま予算をとりまして試験をしております。そういうことを含めましてできるだけ前向きに進めていきたいと考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 これで私の質問を終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 まず運輸省にちょっとお聞きしたいのですが、国際的な輸送の方式を簡素化していくというか、効率的なものにしていく、こういう要請の中でやはりこの国際的なコンテナ輸送というものが生まれたと思うのです。そこで、このコンテナ輸送全般について、従来どおりの輸送の方式と比べて、その輸送の関係からいってどういう点にメリットがあるのか。きわめて基本的なことですが、その点をひとつはっきり述べていただきたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 コンテナの輸送におきまして、メリットというのは二つの面から考えられるわけでございますが、一つは運送事業者の点、それからもう一つは荷主の立場からどういうメリットがあるか、この二つの面があるわけでございます。まず、輸送業者の面から申し上げますと、多くの金を投資する設備でございますから、それの回転率を高めるということが非常にメリットでございます。たとえて申し上げますと、太平洋岸におきます航路で日本からカリフォルニアへ行く航路は、従来でございますと六十日かかった航海が、停泊日数がきわめて短縮化され、かつ船舶のスピードが上がるということで三十日で済むということ、しかも船が大型化することによりまして、同じ一航海でございますが荷物は二、三倍とれるというような点がございます。そういうことによりまして回転率を高めて、同じ資金を有効に使うこと、かつ船員費というようなもの、それから港における労働節約型の事業でございますので、それらの費用を大幅に減らすことができる。たとえて申し上げますと船員費は、同じ船でもいままでの船と比べまして、同じ人数でございますので、船員費は五分の一あるいは六分の一ぐらいに減るというようなこともございます。  それから荷主の立場から申し上げますと、包装費というものがいままでの八〇%も節約されたというような例もあるようなことも聞いておりますし、また荷役の際には盗難とかいうあまり好ましくないような事件も起こるわけでございますが、コンテナによりましてそういった事件も防げるし、かつこの点でも夜荷役等も可能になるというような、荷主にとっても非常なメリットがある。また、スピードが上がることによりまして、それから回転率が高まることによりまして、荷主のほうでは在庫の量を減らすということも可能でふる。いろいろな面から輸送業者並びに荷主のメリットが考えられる、かように思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 荷主の側から見ても、また輸送業者から見ても、特に船の回転がきわめてよくなる。やはり滞港日数というものを非常に大幅に減らすことができるんだというようなことが非常に大きなメリットになっているということをいまお聞きしたわけであります。輸送というものが今日、幾つもの段階で積みかえ積みかえされないで、まさにドア・ツー・ドアでいこう、こういう中から生まれた新しい、しかもこれから非常に発展をする輸送方式であろう、こういうように考えるわけであります。輸送というものがそういう形が合理化をされ、効率化されてくるというようなことを通じて、やはり物価の問題、流通過程におけるロスをなくしていわゆる物的流通過程の合理化、改善という問題が非常に大きく叫ばれておるわけでありますが、これは大蔵省のほうに聞きますが、物的流通過程の合理化という問題について、こういう問題を通じて物価に対する影響というものをどの程度に考えておられるのか、この点をお聞きいたしたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 ただいま申し上げましたように、船舶運航事業者、つまり船会社の立場からのメリットということと、荷主のほうのメリット、両方から物価に対する影響というのを考えなければいけないわけでございますが、日本の物価に対する影響につきましては、製品輸出と原材料輸入という日本の構造から申し上げまして、完成品の輸出についてのメリットというものはコンテナには非常に顕著にあらわれる。輸入についてのメリットといいますのは、原材料が主でございますので輸出ほどメリットというものは出てこないということがまず第一に御理解いただきたい点だと思います。  普通、完成品の場合に価格に占める運賃の割合と申しますのは七%から六%くらいでございます。したがって、その運賃がかりに下がった場合には、たとえば一割下かると〇.六%というふうな、オーダーのことでございますが、コンテナの先ほど申し上げました省力化のメリット——いま船会社が直面しております世界的な諸物価の値上がり、特に港湾における労働集約的な形の値上がり並びに船員費の値上がりというようなことで一番問題が多いわけでございまして、これらを省力化することによりまして、たとえていいますと、在来船ですと総コストの中で一割以上が船員費だったわけでございますが、コンテナになりますと二%に下がるというようなことから、今後の諸物価の値上がりに対する、特に労働力の値上がりというものに対する抵抗力がかなり強くなりまして、この面から運賃の高騰というものが抑制されるという効果があると私どもは考えております。  それから荷主サイドにおける金利の減少とかあるいは包装費の節約ということを通じまして、これらも輸出にはかなりの影響があるわけでございますが、輸入にはそれの何分の一かのメリットがあるということを私どもは考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 コンテナ輸送というものには数多くのメリットがあるということはよくわかるのですが、それに引きかえてデメリットの点、やはり詰め込みの困難さ、あるいは取り出し、そういう作業の問題等についてややそのデメリットもあるのではないかというようなことがいわれておりますが、それらの問題については、これはどういうようにお考えでしょうか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 まず、デメリットと申しますか、港湾における労働問題という観点から、しばしば——それは日本だけではございません、世界じゅう、ニューヨークにおきましてもあるいはカリフォルニアにおきましても、いずれのところにおいてもコンテナによる近代化、省力化に対しまして、港湾の労働者の、あるいは先ほど先生の御指摘の海と陸と一貫して複合輸送ということをみな考えるわけでござますが、そのときの陸の労働者が海のほうへ出てくるというような、いろいろな観点から労働問題というのが発生しているわけでございます。現在日本におきましてもコンテナによりますと、コンテナの埠頭におきましては四十八分の一くらい労働力というものが低下させられる。これは計算でございます。これに対して、港湾運送事業者のほうの希望あるいは職場の確保ということがございますから、それほど急激なドラスティックな下がり方はしないとは思いますけれども、輸送といたしましてはそれくらいの労働力を節約できるというのがコンテナのメリットであり、かつ労働組合からいってみればデメリットというふうにいわれているわけでございますが、日本の全体の貿易量の今後の伸びというものを見ますと、すべてがコンテナ化されるわけではございませんので、従来の型の、いわゆる労働集約的じゃないほうの形の荷物というものもいまより減少するということはあり得ないだろう。したがって、港湾における労働の近代化、技術の近代化ということを通じて、これらのデメリットと現在いわれているものは解消できるというふうに私どもは考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 コンテナの一つのこれからの問題点というのは、やはりコンテナ内への貨物の積みつけあるいは取りおろし、荷役の問題がほとんどやはり手荷役で行なわれている。労働力不足の時代に、貨車にいままでの施設の中で積み込むというようなものと比較して非常に問題があるだろうというようなことがいわれているわけですね。この問題について、これをどこまでその機械化なり、もっと省力化なりの方法というようなものが考えられるのか。これはまず国内でコンテナに荷物を積む、そういう場合を考えてみて、その点どうなのか。その点の改善の考え、構想というようなものはどういうようになっているのか、この点をまずお聞きをしたいわけです。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 先ほど私が、従来の方式で港における積み荷をするときと、コンテナ埠頭における積み荷の比率というものを四十八分の一と申し上げましたけれども、例を申し上げますと、現在一時間当たりの荷役能率といいますと、港湾労務者というのが十七人で構成されて働いた場合でございますが、従来の方式でございますと一時間に三十五トン程度を積めるわけでございますが、現在のコンテナ埠頭ではクレーンと、それから自動車でコンテナを運ぶというようなことで、非常に人間が少なくなりまして、これですとコンテナのクレーン当たり四百トンというものが運べるということで、一日二十一時間で働きますと、在来船の場合ですと七百四十トン。しかるにコンテナ船の場合には一クレーンで八千四百トンということが可能になります。コンテナの場合にはワンチームは四人ということで足りるわけでございますので、これがいま申し上げました四十八対一ということでございます。  それから先生の御質問の、どういうふうに荷物を積んでいるかという点は、コンテナの典型的な例というのは、たとえば電機会社でそこの工場でコンテナに全部積んでしまう、これをコンテナロードというわけでございますけれども、それ以外の詰め合わせ貨物というものにつきましては、やはり集荷地点まで持ってきて詰め合わせることもあるわけでございますが、これもかなり機械化して能率よくやり得るというふうになっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 まだ海上輸送まで至らない——実際に私どもコンテナ船に積んだりおろしたりするというその状況を見て承知しているわけじゃないので、どうもよくわからないんだけれども、いろいろな本などを読むと、コンテナに物を積み込む、ある程度段ボールなり何なりで梱包をした電気器具のごときものをぽんぽん積んでいくということについてはそれほど労力がかかるわけではないかもしれないけれども、輸出用のコンテナに物を積み込むということについては、かなりいままでよりは手数がよけいかかるのではないか。そういうようなものなどについてやはり一つの問題点がある。労力はやはりそういう点では積み込みの段階で非常にかかるのではないかということが心配されておるんだというようなことを、日通の総合研究所で出している本の中にも書いてあるものだから、そういう点をどういう省力化するのか、あるいは機械の導入というようなことでそれをカバーできるのかという問題を聞いたわけなんです。そういうところにピントを合わせてひとつ答えてもらいたい。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 いまの御指摘の点は、先ほど申し上げましたように工場で詰める場合、これは、二十トンのコンテナにその会社が全部自分の同じような製品を詰める場合というのは、工場からいままでトラックに乗せていく労力とあるいは同じくらいであったかもしれない。しかしながらそのときに前と違いますのは、工場でコンテナに詰めない場合には、木箱に詰めたり、例の包装という仕事が非常なめんどうくさい仕事になるわけでございますが、コンテナになりますと、紙のカートンに入れまして、それを工場の中のフォークリフトみたいなもので一人の人がどんどん運べるということになるわけです。したがって、その場合にはいま言ったような省力化ができないということはあり得ないわけであります。  それから詰め合わせ荷物でございます。一つの荷主だけでなくて、二、三の荷主が詰め合わせるというようなことの場合には、それぞれの荷物をわりと簡単なカートンの形で、トラックで港の近くの集荷場というところへ持ってまいりまして、そこで詰め合わせる。これは今後は少なくなるだろうし、現にそう多くはないと思うのでございますけれども、そういう場合にもほとんどのものがそれほど、木箱であるとかなんとかいうように重苦しくなっておりませんので、そういったものはコンテナ・フレート・ステーションというようなところで一人の人がフォークリフトなどでどんどん詰めていける。詰めるときもそれほどきっちり詰めるといいますか、やる必要はない。もちろんそこにおいてどうやって省力化するかということはございますけれども、一つのコンテナに全部一人で詰めれないというようなものがあります場合は、ある程度の人力は要るということは御指摘のとおりだと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その点、それほど心配はないのだということですからけっこうです。  これからオーストラリア航路あるいはアメリカ航路、カナダ航路、さらにまたニューヨーク航路というように開設されていって、ことしの暮れごろから来年の一月、二月ごろまでに欧州航路を開設しよう。特に今回の法案は欧州航路開設というもので一番効果を見るであろうということがいわれておるわけでありますが、運輸省としてこれからコンテナ船をどういうようにつくっていく計画なのか。さらにコンテナ化していきたいという貨物、それはどのくらいまでに持っていく考えなのか。そういう長期にわたるこれからのコンテナ化の方向に向かってコンテナ船の関係、それからコンテナ化する貨物の輸送の状況、これからどういうようにふやしていくのか。そういう計画、構想というようなものを、この際あったらお聞かせおきいただきたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 たいへん広範囲な御質問で、どうやって簡単に御説明できるか、ちょっと自信がないわけでございますが、ただいま現在で日本のコンテナ化しようと思っております航路は、御指摘のとおり欧州航路とそれからニューヨーク航路というのがこれからでございます。それからすでにコンテナ化しておりますのが太平洋岸の加州航路とシアトル・バンクーバー航路、それから豪州航路というようにあるのでございます。現在の荷動き、コンテナ化できるであろう荷物のトータルというものは、四十四年で、これはニューヨーク、欧州はしてないからわからないわけでございますが、約九百五十万トンございます。われわれの予想では、太平洋岸というのは一〇%くらい年率伸びていきそうだ。ニューヨーク航路は七%くらいだろう。それから豪州のほうも、いままでの傾向でいくと七%か一〇%くらい伸びそうである。これはやってみないとわからないニューヨークのこともあるわけでございますが、欧州航路のほうも従来の傾向でいくと一〇%程度は伸びそうだということで、五十年くらいには全体で約千五百万トンくらいのコンテナ貨物があるだろう、こういった推定のもとに今後の日本のコンテナ船隊というものはどのくらいあるべきか、どうやってつくっていくかということが始まるわけでございます。  第一に、コンテナ航路におきましては、あまりに競争的に各国船社が船腹を投入するとキャパシティーのほうが、つまり供給のほうが多くなって需要が少ないということで非常なる混乱を来たすということから、秩序立った投入方法をしていかなければいけない。日本船の従来のシェア、積み取り比率が五〇%から四〇%、航路によっていろいろ違うわけでございますが、その程度のものを維持するように逐次つくっていきたい。したがって、当面欧州航路におきましては五はいのコンテナ船をつくることで、すでに発注済みでございます。それからニューヨーク航路におきましては七はいのコンテナ船をもってウィークリー、一週間に一ぺんずつニューヨークに寄るということを決定しております。それから太平洋岸のカリフォルニア並びにシアトル・バンクーバー航路におきましては現在九はいございまして、その上に三ばいいま建造されつつありますが、そのほかに六ぱいくらい投入していくということが、いま言いました秩序立った船腹の整備になるのじゃないかと考えて、そのように取り進めたいと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 コンテナ化に適合する貨物と適合しない貨物と、いろいろたくさんありますし、現在のところではオートバイであるとか電気製品であるとか家電関係、こういうようなものは特に利用されておるという話でありますが、まずコンテナ化し得ない貨物というものはどういうものがございますか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 一番わかりやすいのは、コンテナは箱の中に入れるという意味では、自動車というものは今後日本でも相当輸出することになる荷物だと思うのですけれども、自動車というものはむずかしい。それから、日本の輸出の点で申し上げますと鋼材、それからプラント輸出になるようなもの、これはもちろん入りません。しかし相当程度のものはコンテナの箱に入ります。と申しますのは、アメリカからの帰りには綿も入れますし、それから原皮、皮も入れますし、ある場合には大材も積んでおるのを見たこともございますし、相当程度コンテナというものは利用できるというふうに私どもは考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 コンテナ輸送の場合に、これからどんどんコンテナ専用船がつくられていくわけでありますが、そういう中で非常に輸送の効率がよくなっていく。しかしやはりコンテナ船が相当数のコンテナを甲板積みをするということで運送され、これについての事故なども船がかなり傾いたというようなところで海上に落ちたという例があったり、あるいは暴風雨にあって波しぶきに洗われて自損事故を起こすというようなものなども間々ある。こういうようなことでこれらの問題の解決というものがやはり一つの問題点になるのではないかと思うのですね。海上輸送のコンテナ輸送で、効率をあげるために、船倉に積むんじゃなくて甲板積みをかなりやる。そういうものに対する対策というものが万全に行なわれて、かつてあったようなそういう事故が起きないような方策についてもどういうように対策を練っておられるのか、その点をお聞きいたしたい。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 現在私どもがコンテナの能力をいう場合、たとえば千個積みとか七百五十個積みというような——カリフォルニアあるいはシアトルに走っているわけですけれども、その千個積みというのは甲板の上に二段積むというのが原則でございます。しかし能力的には三段まで積んでもだいじょうぶだということがほぼ間違いなくいわれてるわけでございますが、そのときに三段目というのは、船長の判断によってあぶなくないと思われたときには積むということになっております。なぜあぶなくなったりあぶなくなくなったりするかと申しますと、要するに重い荷物を積む場合と中身の軽い荷物の場合とでは、船腹の運航性と申しますか安全性というものに非常に違いが出てくる。したがって、重いものの場合には重心が下にくるからいいけれども、軽いものの場合にはあぶないということでございますので、船長の判断でやっているということでございます。  それから積みつけのぐあいによりまして荷物がいたむということにつきましては、かつてはあったかと思いますけれども、実務上フルコンテナ船の構造がかなり進歩してまいりました。昔の場合は改造船で、タンカーか何かを改造してやっておりますのでそういう事故が間々あったかと思いますが、最近の新造船はその点についてもかなり技術的に進歩しているはずでございまして、そういう事故は少なくなっているんじゃないかと思います。それから箱自体がこわれそうだというような問題も悪天候の場合あり得るわけでありますが、これらにつきましては、箱のがんじょうなことを保証する安全性と申しますか、そのために国際的な取りきめというものを、国際的な海事機関がございますが、そこで来年中には基準をつくろうかという話が出ております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 現在国内で国鉄が五トン・コンテナでかなりコンテナ化しておるわけですね、国鉄の貨物輸送そのものを。このコンテナができる時分から私どもも海陸一貫輸送というようなことを言って、そういうものに耐え得るものをつくって、現在国鉄に積んで走っているものがそのまま船積みきれて外国に行ってもそのまま通用する、また逆にそれが戻ってくる、また同じような外国からのものも国鉄に今度は来て鉄道輸送もやる、こういうようなことであってほしいのだということを言っておったわけでありますが、今日の国鉄のコンテナというものは、今度のこのコンテナー条約、あるいはコンテナー条約に基づく規格として承認されるような実質を備えているのかどうか。そういう海陸一貫輸送に耐え得るだけの規格になっているのだろうかどうだろうかということを私ども疑うわけなんですが、その点はどういう状況でございますか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 先生御指摘の、現在そういった五トン・コンテナというものが国際的に流通し得るかということを、安全性の前に御答弁させていただきたいと思います。と申しますのは、現在世界的に流通しておりますのは八フィート×八フィート×二十フィートのコンテナでございまして、普通、重量で申しますと二十トン積みくらいといわれておるわけでありますが、そういったサイズが世界的に広く使われ、アメリカにおきましては、八・五フィートの八・五フィート、それから長さは三十五フィートであるとか二十七フィート、二十四フィートとか、その途中のがありますけれども、いまや二十フィートよりもさらに四十フィートというふうな大型のものが好まれ出してきているということでございます。したがいまして、コンテナの安全性の主たる目的といいますか、その対象になりますコンテナというものは、少なくとも長さが二十フィートというのが国際の海上コンテナの中枢でございます。したがって、国鉄の五トン積みコンテナが国際的な規格に合っているかどうかということにつきましては、あるいは動けばそういうものについてもっと真剣に検討してやるかもしれませんが、あれが国際的に動くことがあまりあり得ないのではないかという点から、それらにつきましてこれらの基準に適合しているかどうか、ちょっと私ども調べがまだついておりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 関税局長にお伺いしますが、コンテナー条約の中で、国際間を流通しておる、この条約の適用範囲になるコンテナの範囲はどういうものでございますか。まずこの点を明らかにしていただきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 コンテナー条約によりますと、定義がありまして、これは条約の第一章の第一条でございますが、一立方メートル以上の内容積を持つものという条件がついてございまして、その条件のもとにどういうものを承認するかということにつきましては、条約の第七条等によりまして税関で承認をするということになっております。でございますから、いま御議論が出ました国鉄のコンテナにつきましては、まだこれをどうするということを検討しておりませんが、承認申請が出てまいりました段階で検討させていただきたいというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 現在まで日本でもコンテナをどんどんつくって、もうすでにコンテナ船に積んで外国に輸出をしている、こういう状況にあるわけですね。こういうようなもののスタンダードなものがいまどういう形状にあるのでございますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 さっきお話が出ました八×八×二十フィート、これが大体すべてであると思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 これからコンテナー条約によって大手を振って国際輸送の中にのし歩くコンテナというのはそういうものだけじゃなしに、いろいろな多種多様とまでいかないにしても、ある程度、五種類なり何種類なりというようなそういうものができるだろうと思うわけですね。それの条件というか、国際的にコンテナとしてこの条約の適用を受けるに足る条件というものはどういうことになっておりますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 先ほど通関条約におきまして規定しておりますコンテナの定義を申し上げましたが、別途もう一つの条約のTIR条約によりまして、若干の相違がございますが、いま申しました通関条約と同じような、一立法メートルの内容積を有するものであるということを中心にいたしまして定義がございます。その二つの条約によりまして承認をするわけでございます。いまお話がありましたいろいろな規格のコンテナが日本のコンテナ製造業者に発注されてまいるかと思いますが、ただいまのところはまだ条約が通っておりませんので、その点で若干のハンディがついております。これが通りました段階におきましてはもう世界的にオーソライズされますので、非常にそういった面でコンテナ輸出のほうで副次的なメリットが出てくるかと思っております。つけ足して申し上げます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大体、中に貨物を詰め込まないコンテナ自体、たとえば日本から、コンテナだけをつくって、からで相手国にコンテナを輸出をするという場合には、たとえば西ドイツなら西ドイツ、あるいはフランスに輸出をしたというような場合には関税はどのくらいかかるのでございますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 向こうでのコンテナに対する関税率でございますが、これはちょっと調べておりません。もちろん各国によっていろいろ差があろうかと思いますが、ただいま手元に資料がございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それでは別な角度からお聞きしますけれども、たとえば日本からスイスにコンテナ輸送をやる。しかもその中には貨物もちゃんと詰め込んだものを出していく。それでユーロポートあたりにかりに着いた。オランダからずっとドイツ、フランスなどを通ってスイスまで行く。その間、途中の経由国ではコンテナについて税関の検査もしない、あるいは関税も当然取らないいとうことになるのだということで、そういう手続を省略してその輸送の効率化をはかっていこうということがこれに加盟をする大きなメリットになっておるということでありますね。中身の問題とコンテナ自体というのが常に、今度のこの法案の中でも別に扱われているわけですね。したがって、コンテナが必ず返ってくるのだということで、いわゆる再輸出ということについても免税扱いになるのだ、こういうことでありますから、コンテナ自体に関税がかかることはこれはもう確実だと思うのですね。そういうものがそういう通過国においては免税され、また最終の受け取り国でも三カ月以内に返してよこす場合には免税するのだ、こういうことになっているわけですから、コンテナ自体を輸出したという場合にはやはり関税はかかるということははっきりしておるわけですね。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 コンテナ自体を輸出いたしましたらそれはその分で課税されるはずでございますが、この条約に入っておりまして、ここにありますような条件に合致しております場合は、もちろん三カ月以内に再輸出されることを条件にいたしまして、所要の手続を経て課税されないということになるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それはわかったのですが、そこで今度はまた運輸省のほうに返るのです。  ヨーロッパで、TIR条約のほうでいわゆる国際道路運送カルネの担保のもとに輸送をした場合に、そういう免税措置、あるいは税関検査というものを省略していくことができるのだということなんでありますが、これが鉄道輸送という場合だってあり得るだろうと思うのですね。こういうことはあり得ないのか。あり得るとするならば、やはり国際道路運送カルネのようなぐあいはいかないのか。便宜の方法でそれと同じ形がとられるのか、その点どうなっておるのか。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 これは道路手帳といって、トラックだけに適用されるようなことになっておりますけれども、たしか条約の附属書でございましたか議定書だったと思うのでござますけれども、実はそういった特別の条項によりまして、道路運送以外の輸送手段、つまり鉄道とかあるいは船舶というようなものにも適用されるというふうなことになっております。それから実情から申し上げましても、ヨーロッパの場合に別に鉄道というものが非常に使われやすくできております。ことにドイツあたりでは道路を使うよりも鉄道を使うということを国の政策として好んでいる場合もございますので、実際上もあるいは条約上も鉄道を使うということは十分あり得るわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 コンテナー条約、それからTIR条約、両方を批准し、それにふさわしい国内法の整備をはかろうとするわけでありますが、このTIR条約はやはり国連欧州経済委員会で作成されたという状況にあって、この加盟国も比較的、今日の国連加盟国全体から、またわが国の貿易相手国全体から見てもまだまだ少ないわけですね。そういう中で、最近もっと範囲の広い形でコンテナ関係の条約を結ぼうではないかというような動きがあって、しかもこれが一両年中にはできるのではないかということがいわれておるわけであります。ICT条約案というのだそうでありますが、これについて、この条約が締結され、国際的に承認される可能性、時期についてまず伺いたいことと、それができた場合にはこのTIR条約というものを包括して置きかえられる、ICT条約がとってかわるというような関係に立つのかどうか、この辺のところの見通しと作業の進みぐあい、これらの点について伺っておきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 確かにただいまの、ITIというのですが、関税協力理事会ということろで研究をされております。今度御承認をいただきましたTIR条約は、これはヨーロッパの内陸での道路輸送を円滑にやろうということを中心にいたしましてつくられたものでありますが、今度の関税協力理事会で検討しておりますITIのほうは、欧州のような内陸だけじゃなしに、それを全世界的な規模に広げまして、大陸間のコンテナによる大量輸送も円滑にやるべきではないかという要請に基づきまして研究をされておるものでございますが、これは成立いたしましてもしばらくは併存をするように私ども伺っております。そして、このITI条約の成立の見通しでございますが、ただいま私どもの伺っておりますところでは、この六月にただいま申しました関税協力理事会の総会がございます。そこに上程される予定であるというふうに伺っております。したがいまして、各国の賛同が得られますならばそこで成立をすることになるだろうかと思っております。しかし、しばらくは併存いたしますが、私どもといたしましてはできるだけ早い機会に国会の御承認を得ましてこのITI条約にも入りたいと思っております。ただこれが成立しますまでの間に、先ほどもお話が出ておりますように、日本のヨーロッパ航路におきまして欧州内陸間の輸送を開始するフルコンテナ船が配船になりますものですから、とりあえず今度のいまのTIT条約に入っておかなければならぬということで御審議をお願いしておる次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで、そのITI条約とTIR条約の中身、内容的には大体同じようなものになる、そういうものでありますか。それとも、かなりTIR条約以上に範囲も広がり、また改善される問題点というようなものがつけ加わるものですか。大体内容的には同じようなものと予想されるわけですか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 大体仕組みは同じものになる。ただしその趣旨が違います。TIR条約はヨーロッパの内陸間の輸送を中心にして考えられおりますし、片一方のITI条約のほうは大陸間の輸送を考えてやっておりますので、その点が違ってまいります。趣旨といたしましては大体同じような仕組みになっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そこで、先ほどもちょっとお伺いしたのですが、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約、この国際道路運送手帳、よくカルネといわれるようでありますが、先ほどもちょっと伺ったが、国鉄なりあるいは鉄道なり、まあ道路と鉄道は違うことははっきりしているのですから、この国鉄との一貫輸送——欧州では道路網が発達しているし、特に道路輸送というものが主体であるかもしれないけれども、たとえば日本の場合でも、あるいはまた欧州の場合でもそういう事態がある。それについては大体準じた措置が行なわれるだろうというのでありますが、国鉄なり私鉄なり問いませんが、鉄道輸送というものにおいても全く準じた取り扱いで、この条約を批准し、また国内法を整備することによって、それも何ら支障なく道路と同じように扱われることになっておるのかどうか、その点の状況をお聞きをいたしたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 さっきも運輸省のほうから概略お答えいたしましたが、そのとおりでございます。鉄道輸送も本条約の適用対象になります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この条文についてちょっとお聞きしますと、「免税コンテナー等に係る担保の提供」ということでありますが、この担保は何を担保するのか。これは税金あるいはそれ以外にどういうものが担保されるのか。何を担保するのか、この点お伺いをいたしたい。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 法案の十二条にも書いてございますが、違反がありました場合に必要になるわけでございまして、ここにありますように、入っておりますものの関税、それからそれに関します内国消費税の保全のために必要であるということで担保をとるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それから、「免税コンテナー等の用途外使用の制限」というのがあるのですが、用途外使用ということについて、しからば用途というのは何だ。輸送用だというばかりじゃなくて、コンテナ関係の輸送がどんどんふえてくるということは、コンテナをある程度保管用具、まあ端的に言うならば倉庫がわりというようなことで利用することもやはりコンテナの一つの用途であるということもいわれておるわけですね。そういうような場合になりますと、これは三カ月というようなことだけで、三カ月間で再輸出ということにならない場合が非常に多いのじゃないかというように思うのですが、保管用具として、行った先でおろさないでおったというような場合には、これは用途外使用ということになるわけでありますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 法案の第四条に書いておりますように、やはり輸出入貨物の国際輸送の用でなければいかぬということでございますから、コンテナを保管用具に使う場合は用途外使用になります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それから第十一条で、この「国際道路運送条約第五条1に規定する権限を有する者となるには、大蔵大臣の認可を受けなければならない。」「前項の認可を受けようとする者は、申請書に、定款、事業計画書及び業務方法書その他大蔵省令で定める書類を添えて、これを大蔵大臣に提出しなければならない。」この保証団体は日本の場合にはどういう団体がなるのか。たとえば海上コンテナ協会というようなものがあるようでありますが、こういうようなものが保証団体になりますか。それとも新しい団体を保証団体として、既存の団体ではなくて新しいものをこれからつくるのか。その辺のところはどのようになっておりますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 ただいまのところどういう団体が申請をしてこられるか、ちょっとわかりませんが、この十一条の三項にも書いておりますように、条件をきめてございます。まず、国際団体に加盟している法人であること、それから国際団体との間に関税第に関する保証契約を締結することが確実であること、それから関税の納付その他業務の遂行をいたしますに足るだけの能力があること、こういう条件がきめてございます。ですから、この条件にかなった団体であれば認可をしてまいります。ただいま伺いますと、関係業界でどうするか検討をしておるようでございますので、遠からず結論が出てくるのじゃないか。そうしてこの法律が成立いたしましたときには、フルコンテナ船の配船に間に合うように認可ができる運びになるんではないかというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 あと罰則の関係ですが、第四条の規定に違反した者は二十万円、第六条第一項、二項、第七条、第十三条第一項などに違反した者は五万円、その他両罰規定などもあるわけでありますが、こういうもので非常に高価なものなどについて、先ほどお聞きしたように倉庫がわりに用途外使用をやったというようなことでも、倉庫を借りておくよりはよほど二十万円を払ったほうがいいという場合があるいはあるかもしれない。これは具体的に問題を指摘できないのでありますが、こういうものについてこの罰則が少し軽過ぎるような気もしないではないと思いますが、その辺のところはどういう感触でございますか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 ここで規定してありますのは関税定率等で書いておりますのと違いまして、ちょうど関税法にありますような秩序罰と申しますか、いろいろな手続違反に対する罪でございますので、そういう既存の法律とバランスをとりましてきめてあるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 私が出した例も必ずしも適当じゃないのですが、次に問題を移します。というよりも大体最後の質問になるのですが、コンテナ輸送ということによって物の輸送が非常に合理的に効率的になる。しかもそれについてのいろいろな検査や何かもできる限り省略をしていこう。こういうことになるわけでありますが、そうなりますと、やはりなるほど輸送としては非常に効率的になってきた。しかしそこに悪だくみをする者の跳梁を許すこともまた出てこざるを得ないような面もあるのではないか。何も密輸防止だけが税関の主たるあれではないのですけれども、そういう問題などがどんどん出てくるのではないかというようなことなんかも考えられたり、またそのほか税関業務の執行というものが非常に簡略化される、簡素化されるのだといいながら、税関本来の任務というものがやはりそちらに、簡素化、合理化ということに席を譲っていってしまうのではないか。これはお互いの信頼関係に立ち、また信頼に裏打ちされた簡素化、合理化であるという信頼がそのとおり実現すればいいのでありますが、いろいろそういう面で通関業務、税関の業務自体としてはかなり目をつむったような形というものが出てきておるのではないかと思うのです。こういう新しい輸送方式の中でのこれからの通関のあり方に関する基本的なかまえ方、こういうものについてどういうような点を心配し、またどういうようなことをそれに対してやっていかれるのか、その辺のところを局長からお答えをいただいておきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 この条約によりましても、これはもちろん違法な行為につきましては検査省略というわけじゃございませんで、第四条にも書いておりますように、原則として税関検査を免除するということであります。それからまた、いろいろ保健上とか公衆衛生上とか公安上とか、そういった点で国内法令でいろいろな検査をしなければならぬという場合は、もちろんそれで検査をすることを禁止しておりません。これは三十七条に書いておりますが、そういうことでございまして、ただいま御心配がありましたような違法な行為につきましては、従来どおり従来の検査と変わりません。厳正に検査して、簡素化されたからといって見のがすようなことは絶対にいたさないつもりでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 最後に、海上コンテナ協会ですか、ここから出した書類によって見ますと、この条約に加入しないとコンテナの輸出商談上非常に支障があるんだ、こういうことがいわれておるわけです。「コンテナ化の進展に伴い、わが国製コンテナの輸出量は年々増大し、今後も継続的にかなりの輸出量が見込まれている。コンテナの輸出取引では、両条約に基く承認を受けることが絶対条件となっている。」従来もどんどん輸出をしておって、条約に加入しないときに輸出の実績がどんどんふえてきているんだといっておりながら、「コンテナの輸出取引では、両条約に基く承認を受けることが絶対条件となっている。」というのはどういうことになっているのか。その辺のコンテナの輸出関係と加入の問題についてはどういうことがほんとうなんでございます。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 その文書を拝見しておりませんが、ただいまコンテナを相当輸出しておりますけれども、これはアメリカ向けであるようでございまして、ヨーロッパ向けば、いま御審議いただいております法案が通って、条約を寄託して、成立後でありませんと不安だということで、まだ発注がないようでございます。そのことを申しておるんだろうと思います。でございますから、この条約が発効いたしました暁には、ヨーロッパ各国から相当量の額のコンテナの発注が参るんではないかというふうに、さっき申しましたが、副次的な効果を期待している次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 以上で私の質問を終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 小林君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 コンテナ関係条約に関連して、私は簡潔に二、三の問題について質問をしたいと思います。  いろいろと具体的な問題等についてもすでに質問が行なわれているわけでございますけれども、コンテナ輸送の発達というものが流通の合理化、あるいはまた輸送経費の節減、こういうことをはかって、現在専用船の相次ぐ就航が行なわれているというのが現状だと思います。このような中で、ただいまも御説明がございましたけれども、船舶の大型化による輸送量の増大の問題、あるいはまた荷役時間等もコンテナにすれば在来船の大体十分の一くらいでもってこれが済む。いわゆる荷役日数の短縮の問題だとか、あるいは相当の船舶の速さと申しますか、船舶の一航海当たりの輸送日数の短縮の問題だとか、あるいはまたバース待ちの停泊日数の短縮の問題、こういったようなことでいわゆるコストを非常に下げる、これがやはり流通経費の中で大きな目的といいますか、こういったようなこともうたわれているわけでございます。したがって、運賃の低減化というようなことが当然考えられるわけだろうというふうに思いますけれども、いままでの在来船に比較して、このコストダウンの部分というものがコンテナ輸送の場合には具体的にどのような状態になってきているのか、具体的な例をあげてひとつ御説明を願いたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 先生の御要望の具体的な例をあげてということが、非常に申しわけございませんが、急でございましたので手元に資料がございません。ただ、いま先生が御指摘になりましたように回転率が高まるということ、それから荷役の労働力の節約化ということがございますのは、今後上がる要素が非常に小さくなってきているという点で、輸出の、あるいは輸入の製品の場合でございますけれども、そういうものにおける運賃部分のコストアップというものをかなり吸収できるということがわれわれとしては非常なるメリットだというふうに考えておるわけでございます。物価そのものに対する影響というものは、輸入と輸出と二つに分けて考えなければいけないわけでございますが、日本の場合には製品の輸入というものが少ない。むしろコンテナに載らないような品物の輸入というものが多い。それがまた物価という点では非常に大きなものがあろうとは思うのですけれども、このコンテナに関しましては、物価という観点から見ると、運賃部分について見ますと、労働力の高騰による部分についてそれに対抗力ができるということを申し上げなければいけないと思うわけでございます。  それから包装費の節減とか、あるいはコンテナによる非常に確実な輸送というものがスピード化されてくるということによりまして荷主の在庫の日数が減る、つまり在庫のための金利が減るということがございます。しかも輸出の面において非常に強く出てくるというとらえ方ができるのではないかと思っておるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私はこの問題について物価との関連、こういったものがやはり非常に重要であろうという立場からお伺いをしたいというふうに思います。  先ほど来の御説明を聞いておりましても、非常に具体的にこまかい数字もあげられて計算も出ているわけですけれども、たとえば従来の在来船であれば、港湾の積み荷に対しても大体いま一時間三十五トンくらいであるものを、コンテナにすればこれが四百トンくらいにはできるだろう、こういったような形で先ほど来幾つか例をあげられまして具体的な計算もされておるわけです。これと同じような熱意を持って、このメリットをどう物価に反映させていくか、消費者物価の引き下げということについてどうこれを具体的に適用していくことができるのか、こういったような点について具体的にお考えになられたことがあるのかどうか。一般論としては先ほど来からのお話であれですけれども、私はむしろ、もっと綿密にこれらの問題についてお考えになる意思があるのかないのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 どうも私の説明が足りませんで申しわけないと思うのでございますが、労働力の部分、労働力が要るというような部分についてかなり節約型であるということを申し上げて特に強調いたしましたのは、その部分が非常に今後は高騰しそうであるというために申し上げたわけでございますが、その反面、近代化とかあるいは合理化ということのためには、これだけのスピードアップをするためには相当の投資が要るということでございまして、そういったオートメーションとかいろいろのことがほかの産業でも行なわれておるわけでございますが、それはつまり労働力というものを機械設備のほうに変えていくということでございます。したがって、私が労働力が節約型であると言ったのは、それだけすなわち全体的なコストが下がるという意味ではございません。その部分が、たとえばコンテナの一隻の値段が、従来の船ですと十億くらいなのが、現在欧州航路に入れるのは七十億、あるいはコンテナバッグ一つとりましても七十万円でございます。千個積みますと七億でございますが、そういったようなコストがかかる。あるいはコンテナターミナル自体は、制度が昔から見ると若干変わりまして、受益者負担の原則を貫くために、一バース、つまり船が一隻着く埠頭について年間の借料が三億かかるとか、そういった意味の長期投資といいますか、設備のほうに金がかかってくる。  それで、先生の物価引き下げのほうの効果を考えたことがあるかということですが、もちろんそういった全体的な合理化というものがいろいろな部面を通じまして必ず物価にはね返ってくるということはわかるわけでございまして、それを期待しておるわけでございますが、その効果が船の部分でどれくらいになっておるかということは、まことに申しわけございませんけれども、いまの段階ではやっていない、こういうことでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 確かにコンテナ輸送の場合には、船舶の問題あるいはコンテナの個数をそろえなければならない。しかもこれが一個七十万から、あるいは冷凍設備のされているものであれば二百万をこえる、こういった状況の中で相当膨大な投資が行なわれるということは私も存じております。しかし、私はやはりこの問題について、これも一時的には膨大な投資というようなことで、これをどう埋めていくかということも問題になるでしょうけれども、しかし早ければ一年、おそければ三年、四年でこれは取り戻せるというようなこともいわれております。私はやはり、せっかくのこのようなメリットの問題等についても、これが単に海上輸送の効率化、いわゆる企業の競争力だとか、あるいはまた国際競争力に打ち勝っていくというような対象からだけこういったものを見るべきではないのではないか。当然これが物価にどうはね返っていくべきか、消費者物価をどう下げていくかという観点で、やはりしっかりと目的をはっきりさせた上で見ていく必要があるんじゃないだろうか。こういうことは私は持論としても持っておりますし、もう一度この点についてお伺いをしたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 私は運輸省の海運局でございまして、コンテナの担当の課長をしているわけでございますが、運輸省といたしましても、もちろん流通経費の節減ということがいろいろな意味から、何も海上だけではございません、すべての面から考えられているわけでございまして、その考えているゆえんは何かといいますと、おそらく先生のおっしゃっているものに最後的には帰着する。近代化、合理化——私どもの海運というものだけを見ましても、非常に近代化されていない部分がある。特に世界的に見て港運事業の存在というのは、航空に比較してみただけでもすぐわかりますけれども、そういう結節点における問題あるいは流通そのもの、運送そのものにおける近代化の問題、いろいろあるわけでございますが、それらが近代化されることによりまして最終的には消費者物価のほうにも十分有効に働いてくる。私ども大いにそれを期待し、かつそれに努力しているわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、やはりコンテナ輸送の場合には、あるいは輸送業者、こういった人たちの投資ということも当然あるでしょうけれども、しかし公共投資というものは相当大きなものがつぎ込まれている、こういうふうに考えております。たとえば海上輸送のコンテナ専用船の就航というようなことにかんがみて、政府の計画書などを見ても専用埠頭を早急にここで二十二バースですか建設する計画を立てている。すでに着工もされているわけですし、あるいはまた当然港湾のしゅんせつの問題だとかあるいは護岸の整備だとか、これだけでも一千億をこえるのではないかというようなこともいわれておりますし、あるいはまたそのほか道路の建設あるいは流通センターの設置、こういったようなものにやはり相当膨大な公共の資金が投入されている。こういったことを考えますときに、いわゆる輸送業者やあるいは一部のそれをひんぱんに利用する大きな荷主が、国際競争力や企業の競争というようなものだけにこのメリットを十分吸収していくというようなことであれば、これはやはり大きな問題であろう。当然これは公共投資等の点から考えても、何らかの形でこれが物価に大きく反映していくというような形を目的意識的にとっていかれるということは当然のことじゃないだろうか、このように考えるわけでございますが、この点についてもう一度だけ簡単に御答弁願いたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 先生御指摘のとおり、特に運輸機関だけではございませんけれども、社会資本が全体的に見てかなり不足しているといわれている現在、公共投資というものに非常に期待をし、かつその上に運輸事業が成り立っておるということは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましても、海上運送事業者の監督、指導にあたりましては、いま先生のおっしゃられたようなことの起こらないように常々努力したい、かように心得ております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 次に保証団体の問題についてお伺いをいたしたいと思います。この問題についても先ほど広瀬委員のほうから具体的に何点か御質問をされておりますので、私はそれを踏まえた上で一、二点だけお聞きをいたしたいと思います。  先ほど来の御答弁では、一応この保証団体については認可基準というものを述べられたわけでございますけれども、これでは非常に抽象的で、ここに書かれている内容だけでは私ども十分よく理解できないわけでございます。たとえば、このような保証団体は計画として一体幾つぐらいを考えていられるのか、あるいは一つというふうに考えていられるのか。また、もうすでに条約締約国になっております諸外国では実態はどうなっているのか。あるいは、この保証団体というものは相当大きな役割りを持つだけにさまざまな条件が要求されているわけでございますが、これらについての基本的な考え方等も具体的にお伺いをいたしたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 先ほど広瀬委員の御質問にお答えいたしましたように、この法律に書いております条件に該当いたします場合は、必ずしも一団体でなくてもいいと思っております。条件の一つが国際団体に加盟しておることとなっておりますが、その国際団体というのも三つありますので、それぞれの事情によりましてその三つのうちの、それは違った国際団体に加入しているものが申請をしてくることも考えられますので、必ずしも一団体でなくてもよろしい。二つないし三つあってもいいじゃないかと思っております。外国の場合、イギリスあたりは二つございますし、必ずしも一団体だけとは限らないようでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、この保証団体というものは非常に重要な役割を持っているというふうに思います。この保証団体の発給するといいますか、TIRカルネを持っていれば、仕出地税関の検査は受けるにしても、第三国を通過するということが当然行なわれるわけでありますし、そのためにも保証団体の構成というものはきわめて重要なものになるのではないだろうか、こういうふうに考えますけれども、この構成について具体的にどのようなことをお考えになっているのか。  それからもう一点。TIRカルネを発給する場合、輸出業者に対して、資力だとかあるいは営業の規模だとか、そういったものを見てカルネの発給を制限するというようなことがあるのかないのか、こういう点についてもひとつお伺いをいたしておきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 具体的にどういう団体が申請してくるかは私どもまだわかりませんが、そこに書いておりますような条件さえ満たしておりますならば、その団体に要請しております、違法の場合の関税その他の税金の保全は十分できるわけでありますから、十分であると思っております。どういうものが申請してまいるかはまだわかりません。したがいましてどういうかっこうになるかもわかりませんが、この三つの条件さえ満たせばよいと思っております。  それから、具体的にTIRのカルネを発行いたしまして、いよいよ運送業者がコンテナで輸出するという場合に、この団体で保証する段階になりますと、それは保証団体で、損をするといけませんから厳重なチェックをすることになるだろうと思います。場合によりましては保険をかけるとか、いろいろな保全措置を講ずることになるのは当然であろうと思っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 そうしますと、たとえば資本力といいますか資本金といいますか、そういうものが幾ら幾らとか、あるいはまた営業の規模が年間どのくらいとか、何かそういう基準のようなものについて一定のものをお考えになっていらして、それに満たないものについては認めないとか、あるいは保険をかけてそれを認めるとか、何らか具体的なお考えをお持ちなのでしょうか。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 実際の問題でありますので、ここでどういう資本金の場合にどうということをはっきり申し上げるわけにいきませんけれども、めったなものにやりますととんでもないことになりますので、保証団体としてはその点は十分チェックをすることになるだろうと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 具体的にもう少し質疑を続けたいと思いますけれども、時間がないので……。いまのお話を伺った段階では、これではますます貿易上の不利益というものを資力の乏しい中小企業の業者が負うような結果になるんじゃないだろうか。これに対して政府が何らかの保証体制というものを考えているならば、その点についてお答えをいただきたいと思います。

谷川寛三大蔵省関税局長

○谷川政府委員 ですから、輸出業者が非常に心配な場合におきましては、たとえば大阪商船とか日本郵船とか、それを運ぶ会社がカルネを発給して全責任を負って輸送してまいる。したがいまして、あとでいろいろいざこざが起こった場合には、第一次的には船会社が責任を負うことになるであろうと思っております。具体的にどうなるかは、いよいよ保証団体が保証するということになってからでないとわかりませんが、いま申しましたように心配のないようにやることになると思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いまの御答弁でもまだ納得がいきませんけれども、この問題については後に譲りまして、もう一点次の問題に入りたいと思います。  先ほどから、コンテナの輸送というものが今後世界の動きの中でもますます伸びていくというようなことがいろいろといわれておりますが、そうなってまいりますと、コンテナ埠頭、いわゆる外貿埠頭、こういったようなものがますますこれからも建設されていくというような事態が計画の中にもすでに盛り込まれておりますし、当然これがふえてくるであろうというふうに考えられます。現在、外貿埠頭の建設については外貿埠頭公団が行なっているわけでございますけれども、港湾管理権は御承知のとおり地方自治体が持っているわけでございます。しかし外貿埠頭公団が外貿埠頭を専用埠頭として建設しておりますし、またすべての運営とか管理とかいうものについても埠頭公団が一方的にこれをやっており、協議という形はとっておりますけれども、地方自治体には拒否権もございません。こういう形の中で現実にこれが行なわれているわけでございますし、また基本計画等を立てる場合についても、港湾管理者と一応協議はいたしますけれども、これも何らの拒否権もない。こういった事態の中でコンテナ埠頭がいままで建設をされてまいったわけでございますけれども、今後ますます埠頭の建設ということが起こってくる段階の中で、地方自治体のいわゆる港湾管理権という問題を全く無視して、いままでと同じようなやり方で今後ともその建設を進めていかれるのかどうなのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

満所清吾運輸省港湾局管理課長

○満所説明員 お答えいたします。  先生御質問のとおり、港湾には港湾管理者というものがございまして港湾を管理しているのでございます。港湾といいますのは、水面でございます港湾区域と、若干の陸域、これを臨港地区と申しておりますが、この水面と若干の陸域について港湾管理者が港湾管理権を持っているわけでございまして、水面ないしは陸地におきましていろいろな規制をしている、こういうことでございます。したがいまして、港湾管理者が持っている管理権はいわば包括的な管理権でございます。そういう管理権のもとに公団も服するわけでございます。港湾管理者の管理権に服するという前提に立ちまして、公団が資金を調達し、外貿埠頭を建設していく、その建設した埠頭を会社に貸し付ける、こういうシステムになっております。  しかしながら、先生御指摘のとおり、この港湾管理者の管理権と、それから公団が埠頭を建設して貸し付ける、いわば狭い意味の管理権でございますが、この間の調和ないしは調整はうまくできているか、こういうことでございますが、これを公団法の規定から見てみますと、先ほど御指摘のように、まず第一に、運輸大臣は基本計画というものをつくりまして、何カ年間に幾つの埠頭をつくる、こういうことになっております。これは運輸大臣がつくるのでございますが、この場合におきましても十分港湾管理者と協議しておりまして、この協議が整わない限り基本計画はできないのでございます。それを受けまして公団側は具体的な工事実施計画をつくるわけでございますが、公団が工事実施計画をつくるにつきましても港湾管理者と十分協議をいたしまして、その協議が整わない限り工事実施計画はできないのでございます。さらにこの工事実施計画に基づきましてできた埠頭を貸し付けるわけでございますが、この貸し付けにつきましても、公団は十分港湾管理者と相談するわけでございます。この相談ないしは協議が整わない限りはある特定の会社に貸し付けることができない。こういうふうになっておりまして、何段階かに分けましていろいろ港湾管理者と十分協議して、協議の結果、結論が出た場合においてそういう措置をするということになっております。  これが法律上の規定でございますが、実際上の問題といたしましても、資金の面で御承知のように公団には国からも出資がなされておりますし、地元の、たとえば京浜外貿埠頭公団であれば東京都、それから横浜市が出しておりますが、資金の面で、出資することによって十分港湾管理者と公団との間がつながっているということでございます。あるいはまた人的な面におきましても、公団には理事が数名おりますが、国に関係ある人も出ておりますし、あるいはまた東京都ないしは横浜市におられた人で、十分港湾管理者の意見を体したような人も理事に入っておる。こういうことでございまして、法律の面から申しましても、あるいは資金あるいは人的な面から申しましても十分調整がとれている、こういう実態でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 港湾管理者と十分協議をして、そして協議が整わない場合にはその工事計画というものは実施に移すことができないのだということでございますけれども、具体的にそのことをはっきり保証している法的な根拠というのは第何条のどこにあるのですか。私は協議をしたということはお聞きしたことがありますけれども、その何回かの話し合い、協議というもので、これは地方公共団体も出資しておりますから当然話し合いは行なっておりますけれども、絶対これは困るというように地方公共団体の意見を譲らなかったような場合に、その基本計画についてこれはやめてほしいという意思表示をしても、それをはっきり拒否するというような権限は法第何条のどこに書かれているのか、これを明らかにしていただきたいと思います。  それから私は、港湾というものは本来地方公共団体が管理者であり、公共性を持つものだというふうに考えております。しかし外貿埠頭公団がつくっております外貿埠頭というのは明らかに専用埠頭でございます。私はやはり港というものは一般の船舶あるいは輸送業者、こういったような人たちが公共性というものによって共同に利用する、これが原則であろうというふうに考えております。しかしこれを専用埠頭にしてしまったということについては、先ほど来の海運局の方の御説明の中にも、今後のコンテナ化というようなものは五十年をめどに千五百万トンというようなお話がございましたけれども、実際には四十七年までの計画を立てていた港湾関係のいわゆる取り扱い貨物量というようなものは、すでに四十四年の段階でもって十五億三千万トンを上回ったということがいわれておりますが、このように港湾の取り扱い貨物量というようなものが一般的にもますますふえていく。こういったような段階では公共埠頭というものが、ますますこれからは係船の日数等がだんだん長くなっていくというようなことが一方にはあらわれる。一方には専用埠頭で横づけにしてそういうことが行なわれている、こういったような問題等も現実には起こっていることも事実でございます。これらの点等を考えますと、やはり地方自治体の港湾管理権というものは十分尊重すべきであるし、今後新しい埠頭を建設していく場合には、これらの点について十分検討した上でやられていくことが妥当であろうというふうに考えますけれども、この点も含めて二点お伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

満所清吾運輸省港湾局管理課長

○満所説明員 港湾管理者と協議するという規定でございますが、これは外貿埠頭公団法という法律がございます。これは昭和四十二年にできた法律でございますが、まず基本計画について十分港湾管理者と協議しなくてはいけないということは三十一条に書いてございます。それから貸し付ける場合に十分協議をしなくてはいけないというのは三十三条でございます。それから工事実施計画についても十分協議しなくてはいけないというのが三十二条でございます。こういうふうに、各段階におきまして協議しなくてはいけないということで、現実に港湾管理者側と意見が衝突しまして、港湾管理者が拒否したとかいう事例はただいままでのところないのでございます。

大久保喜一運輸省港湾局計画課長

○大久保説明員 先生の御質問の第二点目につきましてお答え申し上げたいと思います。  先生御指摘のように、これまでの港湾の整備につきましては、四十七年の取り扱い貨物量を十五億三千万トンとして想定いたしまして整備を進めてまいったわけでございますが、現実にはそれより上回っております。そういうようなことから、実は四十六年度から新しい計画に切りかえまして、新しい五カ年計画をつくりまして整備を進めることにいたしております。それで公団関係の施設につきましても、実は当初の基本計画を改定いたしまして、コンテナバースにつきましては、現在京浜、阪神両公団合わせ二十六バースのコンテナバースを整備することにいたしております。新しい五カ年計画におきましても、現時点における港湾のニードといいますか、港湾に対する貨物のかかりぐあいを考えまして、これから具体的に個々の港湾の施設の計画を立てていこうとしているわけでございます。  それで、公団埠頭は専用の使い方ではないか、貨物量がふえるならば公共の岸壁をふやすべきではないかというような御指摘だったやに伺うわけでございますが、その点につきましては、実は公団の埠頭もやはり私どもとしましては公共的な岸壁であるというふうに理解いたしております。ただ、公共的な岸壁と申しましても、いままでの公共岸壁と申しますのは国と港湾管理者だけの費用の負担において整備を進めてまいったわけでございます。ただ、施設を相当ふやしていかなければならない、こういう事態に対処するために財源措置といたしましては、ことにコンテナ輸送のごとき重量物の、しかも機械荷役を必要とするようなものにつきましては、もっと利用する形態に即した効率的な埠頭の計画をし整備をしなければならない、そういうことによりましていわゆるコスト上のメリットも出てくる、そういうことから高料金・高サービスというような形で利用者にその負担を願って整備する。要するに、公的資金でつくるのを一部利用者に負担をかけるという形で考えたのが公団方式で整備することにした根拠でございます。また私どもといたしまして、これをあえて私の会社にやらせずに公団という方式をとりましたのは、やはり港湾管理者並びに国の公的なコントロールのきく形でこれを整備していこう、こういう意図があったからでございますので、この点御了承いただきたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 関連質問を一問許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 さっきちょっと聞き落とした問題があるのですが、日本の貿易構造からいいまして、何といっても日本は出超の国でありますから、しかも家電製品だとか繊維関係の品物だとかオートバイであるとか、コンテナ輸送になじむものがかなり輸出品目にあるわけです。それで、目一ぱいにその需要を満たすためにコンテナを製造してコンテナ貨物化して輸出をする。そういった場合に、コンテナは御承知のようにこれは反復的で往復性を持っているものでありますから、向こうから品物を積んでくる場合には、今度は原材料だというようなことで、これはコンテナ化になじまない貨物であるというようなことになると、これはやっぱり空容器輸送という、非常にそういう面での大きなロスというものが考えられないのかどうか、この点が一つ。したがって、国際間でコンテナの貸し借りというか、融通し合うというような事態というものが当然考えられていいのではないか。目一ぱいに日本の必要とするだけコンテナ貨物化し、そしてフルコンテナ船に積み込むようなことでやっていくと、空容器回送というような事態が起こってくる。そういう面でのロスというものが非常に大きいのではないかということが心配されておったのですが、先ほど聞きそこねたので、そのあたりの事情はどうなっておるのか、それに対処する考えはどうなのか、この点をひとつお聞きしておきたいと思います。

山地進運輸省海運局外航課長

○山地説明員 先生の御指摘のとおりなことが今後起こり得るのはニューヨーク航路でございまして、日本船の従来の形といいますのは、日本から製品をニューヨークに持ってまいりまして、それからニューヨークでまた製品を一部積んで、それからノーフォークで鉄鋼の原料炭を積んで帰ってくる。ほとんどが帰りは原料炭を腹一ぱい持ってくるというような形であります。製品だけから見ますとかなり片荷でございます。コンテナの輸送につきましてニューヨーク航路で一番問題が起きるのは、やはり帰りの荷物が四分の一ぐらいしかないということが非常に問題になるわけでございます。幸いなことに、太平洋のカリフォルニアとかあるいはシアトルの場合には、先ほど申しましたように、帰りにタマネギを積んだりあるいは綿花を積んだり、原材料的なものをかなりいろいろくふういたしましてコンテナに積んで帰ってくる、それがコストダウンにつながってくるということで、そういうことが行なわれて、日本から行くのが一〇〇%ぐらいだといたしますと、帰りは八〇%ぐらいの消席率といいますか、そういうもので帰ってくるのでありますが、ところによってはニューヨークみたいに片荷になるということが非常な問題になるわけでございます。しかしながらそれを解決するために、日本から持っていった、からのコンテナはそのまま、持って帰らないでそこで貸して、だれか持っていて、またいずれの日にか日本へ帰ってくるようなうまい仕組みが、よほどコンピューターが発達すればそういうことが起こるかもしれませんが、なかなかそういうふうにいかない。したがってやむを得ず帰ってくる。もちろん季節的な変動もございますので、船社間の交換協定とか、あるいはリース会社というものが世界的にもございますから、そういうところから貸したり返したりするということを通じてかなりな調整はできるわけでございますけれども、やはりそれに多くを依存するのは無理な事態じゃないか、かように考えます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時十七分散会

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