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65回国会衆議院1971/03/02

大蔵委員会 第13号

発言数
177
登壇者
11
会派数
3
開催日
1971/03/02

会議録

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより会議を開きます。  相続税法の一部を改正する法律案及び入場税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 前回に引き続いて質問をいたします。  この前具体的に例をあげて、労働組合等がその会員のうち青年部なら青年部、婦人部なら婦人部というものがほとんど会員になって、会員券を購入して、年に一ぺんのダンスパーティーをやるのだ、そしてそこに来るバンドというものも大部分が組合員で、特に音楽の素養のある人たちがバンドを組んで友情的な出演である。それには当然若干の謝礼を出しているけれども、そういう場合にその入場券に相当するパーティー券、会員券というものに対して入場税をかけている。こういうことについては何らかやはり考える余地はあるのではないかということなんでありまして、営業用にあるいは興行場といったようなもので名の通ったプロフェショナルな楽団で音楽会をやるとか、あるいは映画を見、演劇を見るというのとかなり趣を異にしているものではないか。そういう実態というものに対して、当初一体どういうことで入場税というものを課するのかという質問もしたこととも関連するわけですけれども、そういう入場行為というものに対して、そこに担税力ありとして税を徴収するということを、そこまでしなくてもいいのではないかという論理に当然なると思うのであります。この点について、何らか——一年に一ぺんだけだ、そしてそういう会員が不特定多数ではなくて、一定の組織の会員が会員券を買って、みずからが楽しむんだ、しかもそれはいわゆる一流のプロ系を呼んでやるというんではなくて、その大部分がその組織の内部の人たちなんだというような場合に、何らかのしかるべき免税措置というものが、ある限定と条件をつけてでもそういうものは非課税措置にするという方式をやはり当然考えていいのではないかというように考えるわけですが、主税局長いかがですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 おっしゃいますように、非常に入場税をかけたらおかしいというような感じになるような事態というのも、いわば絶対にないというわけではございませんが、いまのような場合もお話を承っておりますと、入場者がほんとうに音楽を聞くために集まったのかあるいはおっしゃるような意味のダンスパーティーとして集まったのか、その辺について事実認定の問題もあろうかと思うのです。もしそれがバンドを聞くというような行為が、いわばそれほどのバンドでもなくて、友情出演だというものであるとすれば、むしろ会員が親睦的にダンスを行なうということであろうかとも思います。もしそういうことであれば入場税が課せられるのがおかしいので、友人が集まってダンスパーティーを行なったものと事実が認定できるような実情であれば、その場合は入場税は課さないほうが適当な事実の判断ではないか、私はさように思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういう点では事実の認定ということが一つの問題点だというお答えでありますが、とにかく一つの興行場なり営業の場所にちゃんとしたそういう施設で映画を見るというような場合と、そういうものとはやはり違うのですね、実態は。しかし何かそういうものがあるとすぐ税務署ではこれはもう入場税に該当するんだという認定をするわけですね。会場を借りる費用だとか、それから友情出演であっても、これはもうダンスをやるために必要なバンドを二時間なり三時間なりやってくれるわけですから、それに合わしてみんなが ろうというわけですから、そういう人たちにも謝礼は差し上げましょう、ほんとうの薄謝ですね。これは二百円券で百五十人ぐらい集まって、それを全部集めても三万円です、その中から何ぼか会場費に払ったりそういうところに謝礼をしたり、そして若干残ったら全部それは貧しい人たちのためにということで例年これは寄付することになっている。町役場の歳末助け合い、これに寄付することに恒例的になっている。音楽を聞いて楽しむというよりは自分たちがやるダンス——音楽なしのダンスというのはまさにおかずのないめしみたいなものですからね。これはそういうことでありまして、そういうような催しというものを年に一ぺんずつやるというのはかなりあって、しかもほとんどが入場税の対象にランクされていると思うんですね。こういう問題についてはかなり弾力的な解釈というのが入場税本来の目的からいってもやはり若干ずれた面があるだろうと思うのですね、実態を把握してみると。そういうようなことについて、もう一つそれについて実態をよく見て、どれもこれも全部一緒くたに取るんだ、全部会員券を集めても三万円ぐらいですから、一〇%取ったところでこれは二千円か三千円です。三万円とすれば三千円です。こういうものに課するとするならば、入場税を設けた本来の趣旨からいってもちょっとはずれるのではないか。もう一ぺんひとつその点を、今後それをどう取り扱っていかれるかという点を含めてお答えをいただきたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いま御提案して御審議願っております入場税法におきましても、免税点をそんなに大幅ではございませんが三十円から百円に引き上げておるということでございますので、いま広瀬委員御指摘のような事態であるとするといたしますれば、おそらくこの免税点で問題は解消いたそうかと思います。しかしその問題は別といたしましても、どのような税にいたしましてもその執行にあたって社会感情にさからうような結果が出てくるというのは、やはりそれなりに税の執行なり税法の中にはんとうの精神を生かさない運用になっておる面があることは事実であろうと思いますので、今後入場税法の執行にあたりましては十分社会常識に合致する、社会感情に受け入れられるような執行を行なうように注意してまいるように、よく国税庁に伝えたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 入場税の問題、またあと引き続き同僚議員からもやりますから、きょうはこの程度にしておきますが、続いて相続税法の関係の質問に入っていきたいと思うのです。今回の相続税法の改正部分については、わが党の同僚委員からそれぞれ二、三年前から主張されてきた。特に妻の座に対する税制上の優遇措置とまでいかないにしても、これをはっきり妻の座というものを税制上認めていこうという立場での改正がなされた点については、私どもも評価をしておるわけです。そういう点では問題はないわけですけれども、一番私どもが相続税を扱う場合に問題になるのは、遺産の評価の問題で、特に最近における土地の評価が、先ごろ問題になりました国有農地の二円五十三銭での売り渡しというような問題を含めて、時価というものは一体——法律のたてまえは時価だということになっておるが、その時価というのも、現在の税法その他日本の国内法の法律に時価による評価ということが出てくるのは、何か九十幾つかあるそうでありますが、時価できめるんだという原則は一応あるんだということになっております。特に土地の場合の評価というものが今日非常に問題になるわけでありまして、この土地の評価を、時価という原則はあるけれども、その時価というものをどういうぐあいにして最終的に確定をして、いわゆる課税財産として認定をしていくのか、このやり方について原則的な考え方、時価としてその土地の評価を確定するやり方というものをまず伺いたいと思います。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 土地の評価の問題でございますが、宅地、農地、山林と地目を大まかに分けまして、さらに宅地の場合には市街地の場合とそれ以外の場合と二つに分けてございます。宅地の、市街地形態を形成する地域につきましては、よくわれわれ申しております路線価方式という方式を使っておるわけでございます。その路線価方式以外の地域につきましては倍率方式、すなわち固定資産税評価額に対する倍率というものをかけまして、評価をいたしてございます。  それから農地につきましては、純農地と中間農地、純農地というのは純粋に農業生産を集中的に行なう地域ということでございますが、そのほかに中間農地、これは若干宅地にもなり得るような地域というものを含めて考えております。これにつきましては、固定資産税評価額に対する一定の倍率をかけた評価方法をとっております。それから市街地周辺農地、これは、農地の転用につきましては都道府県知事の認可が要するわけでございますが、この地域と、それから市街地農地、これは市街地に最も近いところの農地でございまして、転用許可が比較的簡単なもの、あるいはすでに転用許可の済んでおるものというのを含めて考えておりますが、これらにつきましては比準方式という評価方法をとっております。比準方式と申しますのは、一般の宅地のその時点での、その地域での売買実例等をもとにいたしまして、宅地の評価をかりにいたしまして、それから宅地に造成した場合の経費を差し引いたもの、これを比準方式と申しておるわけでございます。なお、この場合に、市街地指定地域になっておる地域等につきましての農地については、いま申し上げました比準方式の八掛けということにしてございます。  それから山林の評価につきましては、純山林、それから中間山林地帯につきましては倍率方式を採用しております。それから市街地山林、市街地に近いところの山林で、造成されれば宅地になるというようなものにつきましては、先ほどの農地の場合と同じように比準方式というものを用いております。  こうしたいろいろな方式はございますが、基本的には私どもの調査によりますところの売買実例を基本にいたしまして、それに不動産鑑定士あるいは不動産研究所その他、土地、地価の精通者等の意見を徴しまして、これによっていろいろの調整を加えておりますが、一般的にはいわゆる時価——時価というのはいろいろな売るほう、買うほうの事情によりまして波がございます。同じ地域でもそのときの相手方の需給の関係等によって変化を来たしますので、相続税の場合の評価の際には、地価の安定性と申しましようか、平均性と申しましようか、いわゆる正常なその時価としての評価をとらえる必要がございますので、私どもとしましては、いわゆる世間でいうところの時価に対しまして、これを仲値と呼んでおりますが、それの大体七割程度を目標に評価をしておるというのが現状でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この土地の評価の問題について、地方税で固定資産税の評価というようなものがあるわけです。そして、一般の売買実例価額、これがほんとうの意味では時価という概念に一番近いことだろうと思うのですが、地方税の固定資産税を決定するにあたっての土地の評価の問題、こういうふうなものと、相続税あるいは贈与税、こういうような場合の評価のやり方、こういうものがみなそれぞれ違うわけですね。こういう税制上における土地の評価の問題というものが、なるほど贈与税なり相続税というものと、固定資産税をかける理由、それぞれの税目の性格と、何をねらっているかということを中心にして、若干の相違があるのは当然だと思うけれども、法律で時価という場合に、幾つもの評価のしかたがあるというような状況というものは、やはりどうもおかしいのではないか。やはり税金を適用するために土地がどれだけの価値を持っておるのかということを評価するという方式というようなものは、税制上は国税、地方税を通じて、何か統一的な基準というようなものが設けられる可能性はないのか、また、そういうような政策当局としての意向というものはないのか、またそういうものを設けない現行制度で、それぞれの立場でやっているほうが、より一そう法の正義なり公平なりというものに合致するのだということでやっておられるのか、その辺のところを主税局長にお伺いしたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 広瀬委員御記憶かと思いますが、今日ほど地価が騰貴いたします前にも、やはり固定資産税とそれから相続税との間に地価の評価の乖離が出てまいりまして、同じ国民に税負担を求めるのにあたりまして、相続税と固定資産税との間が、税率なりあるいは負担を求める態様というものは違うにしても、課税標準のもととなる評価が違っておるのはおかしいということで、昭和三十六年に、大蔵省と自治省と共同して、評価基準の統一のための審議会を設けまして、その審議会の答申に基づきまして、固定資産税の評価の統一をはかったわけでございますが、それが御承知のように非常に高い評価になるので、年税である固定資産税について、あれだけ高いことをやられたのではどうにもならないというので、御承知の調整措置がとられてまいったわけであります。私どもといたしましては、税負担は、そういうことで税率のほうで調整は行なわれるべきものであって、評価において調整を行なうというのは必ずしも適当でないのじゃないかという考え方はいまでも持っておるわけでありますが、当時におきましてはむしろ——評価が三年ごとに行なわれます。三年ごとに、地価がかなり激しく動いておるというようなことから、評価のほうにある程度しんしゃくが残されておるとか、あるいは時価といいました場合にも、農地のようなものにつきましては収益還元で評価を押えるというような問題がございまして、今日まで必ずしも統一とれた動きになっておらないわけでございますが、幸い地価公示制度というものが発足をしてまいったわけでありますので、この線に沿ってわれわれは、できるだけ地価公示の場所がふえてまいりまして一それに準拠することによって、国税、地方税を問わず、あるいはそのほかの国の行ないます施策の場合の土地に対する評価というようなものがすべて一元化されることが一番望ましい方向で、その方向にわれわれも努力していくべきだと考えておるわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういう立場をやはり理想とされておるわけなんですね。そこで、前には土地の評価でいわゆる収益還元方式というようなもの、これは経済原則としては非常に筋の通ったやはり方式だと思うのですね。それからそういう形で行なわれたものと、土地が年々二十何%、あるいは三〇%というようにきわめて上昇率が激しいというようなことで、そういう方式を現実に適用するにあたってもなかなかむずかしい面もあって、いつの間にか乖離というものが、とんでもない乖離が出てきたということで、売買実例価額、時価法というものにだんだん変わってきたわけだけれども、この時価方式、路線価方式であるとか、時価の評価の方式はいろんな方式、倍率方式とかいろんな方式があることは、いま御説明を伺ったわけだけれども、こういう状況になっても、いずれにしても時価というものがきわめて流動的だし、しかも激しい動きをしているということで、これを適正に押えて公平な正義感にかなう評価が必ずしも的確に行なわれないというような面が、どうしても時価方式の中から出てくるのではないかということもあります。公示価格の問題もいま出されたわけですけれども、今日九百七十カ所の地点ぐらいしかまだやっていないということで、これも相続の事案というのは、こういう公示価格のきまったところだけに事案が出るならいいけれども、そうじゃない。もうほとんど大部分——これはほんのちょっぴりのところしかできてないということでありますから、これはどうもなかなか前途遼遠であるというようなことになれば、やはり農地の場合などにおいても収益還元の方式というような、経済原則としては国民の理解が得られやすい方式だと思うし、都市の場合等におきましてもやはり地代というようなものを中心にしてその評価というものをやっていくというような——これはもちろん実際にどれだけの地代が取られているかというような点についても、それぞれのいきさつやいろんなものがあってまちまちになっていることはあれなんですが、やはりそこにあるべき地代の姿というようなものを求めていくというようなことから、収益還元の方式を適用しても、そうおかしい点も出てこないのじゃないかというようなことになれば、何かそういったよるべき原則的なものがやはりあれば、その評価という問題もかなり筋道の通ったものとしての説明がつくのではないか。いろいろなむずかしい作業をやっておるけれども、筋は一体どこにあるのだ、理論は一体どこにあるのだというようなことになると、なかなかむずかしい点も出てくるということだと思いますが、何かそこによるべき基準のようなもの、経済理論といいますか原則といいますか、そういうようなものに基づくものが、たとえばもう一ぺん収益元方式に戻る可能性というようなものは考えられないものかどうか。何かやはり時価時価というと、これはもう時価はまさにまちまちである。売買実例価額なんかも、いろいろな取引の複雑な事情が介在して必ずしも統一的なものが実現しておるわけではない。いろいろな格差がやはり同じようなところにまことに奇妙な大きな格差も出ておるというようなことを考えれば、何か経済原則的な、土地の評価を求めるについてのそういう原則的なものは、収益還元というようなことは無視し得ない一つの原則ではないのかというように思うのですね。ところが、時価時価というその時価の評価はそれではどうなんだということになると、よるべき根拠がなかなかない。実際の価格がこの辺のところだからという、きわめてばく然たるものになってしまうというようなこともあるので、この点についてもう一ぺん考え直してみたらどうなのかという考えを持っておるわけなんですが、御所見を伺いたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 たとえばこういう状態を御想定願えるといいのではないかと思うのです。もし、世の中に全然経済成長がないといたしますれば、おっしゃっておりまする収益還元というものと地価というものあるいは時価というものとは全く一致するはずだと思います。ところが現在の日本のような状態におきますれば、産業間にも成長の格差もございますし、まして一般的に成長の度合いが非常に激しい。したがってその土地を持っておる人が現在利用しておる状態での収益還元と、国民経済的に最も効率的に使った場合の予想される期待収益還元とが違い過ぎる。したがって、その現に所有しておる人たちの考えておる収益還元と、それからそれを新たに買って新しい投資なり利用しようという人が考えておる収益還元とが食い違うと、その場合、どちらの時価でどちらの価格で課税を評価したらいいかという話がいつも出てくるわけです。先ほども申し上げましたように、農地につきまして収益還元を固定資産税の上においてとらざるを得なかったといいますのは、農地法があって農地以外に使いようがない。たとえ近傍まで宅地がきておりあるいは工場がきておって、そこではかなり高い価格で売買されておっても、農地である限り収益還元にせざるを得なかったというのが、今日の評価の混乱をもたらした一つの大きな原因でありまして、それが一番端的に出たのが都市近郊の農地であったわけであります。そういう意味で、おっしゃるように、ある段階に参り、税あるいはそのほかの地価の評価というものがある程度行き渡ってまいりましたり、また現在のような過密過疎現象のようなものが非常に激しいスピードで行なわれることが、ある程度なだらかな都市化現象というようなものになってまいりますれば、おっしゃるような収益還元的要素を加味しながら時価というものをチェックしていくということができやすかろうと思いますが、現在のように全体が非常に流動的でありますときには、やはり課税の公平というものを求めるのには、その新しい土地を買い取る人が期待しておる予想収益というようなものをより取り入れていかないと評価が非常に低いものになる。そういう意味でやはり私どもは時価によるべきだと思います。ただ広瀬委員御指摘のように、個々の売買には非常に特殊な事情があるのではないかという事情はあろうと思いますので、そういう特殊な事情というものを極力排除してまいる。その場合には、したがって特定の売買の実例だけを直ちに拡大することなしに、幾つかの売買実例を見てその平均的なものあるいは個別的な要素の排除というようなことを考えてやってまいるのが当面の評価対策のあり方としては正しいのではないか、私どもはかように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この評価の問題は、時価にしてもまたそういう収益還元方式というものについても、特にこういう土地の評価というものをめぐって非常に激しいゆれのある今日ですから、なかなか一筋なわけではいかないむずかしさというものを私自身も痛感しているわけです。  そこで伺いたいのですが、先ほど説明されたような評価の方式を用いて、特に売買実例価額を基準にしながら、いわゆる精通者意見を聞くとかあるいは公示価格も参考にするとか、こういうようなことで、大体この土地は三・三平米当たり幾らなんだ、一坪当たり幾らなんだというような評価というものは、国税庁では全部各税務署に至るまで、たとえばどこそこ市の何番地を持っておった人がぽっくりなくなったという場合、それで遺産相続の問題が出るという場合に、すぐにその表を見れば、この土地の評価は幾らである、現況がどういうことで幾らなんだというようなことは、もうきちんとすでに整備されている状況にあるわけですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 御指摘の評価基準の問題でございますが、現在のところは各国税局ごとに取りまとのておりまして、現在関東信越のやつを実例として持ってまいりましたが、相続税財産評価基準調盲というもので、これはその局の管内のものを全的含めて登載してございまして、路線価並びに倍率も全部含まれておるわけでございます。これはもう各税務署に全部備えつけがございまして、いつでもお問い合わせがあればだれにでもお見せをすることにしてございます。なお、他局の分につきましては、それぞれの国税局に全局の分が置いてございますので、よその地域の分についても国税局では全部わかることにしてございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 次に、相続の際の遺産の評価の問題で問題になりますのは、同族法人等のいわゆる株式の評価の問題なんですが、資本金百万とか二百万とかいうような小さなところで、法人とはいうもののまさに同族で、いわゆるとうちゃん社長のかあちゃん専務という形の会社だというようは場合に、最近五十円額面の株が町おやじさんがなくなった時点において一万円前後に評価をされるというような事例が非常にあるということなんてあります。こういう場合の同族法人、吹けば飛かような零細な法人の株式が、日本の超一流のソ二ーの時価が三千二百円だというような場合に、これが一万円だというような評価を遺産相続の際に受けるということについては、何か割り切れな感じを私ども受けるわけなんですね。そういうようなことで、同族法人がこれを処分をしなければ遺産相続税が払えないという事態になるというような例などもあるわけでありまして、こういう体の評価の問題、やはり一つの大きいむずかしい問題だと思うのでありますが、どうしてそういうふうな五十円の株の評価が一万円にもなるということが出てくるのか。これは理屈はあるでしょうけれども、少なくとも国民の常識においてはどうも納得できない。また、同族法人のおやじさんがなくなった場合に、そういうことで非常に遺族の人たちが困る、苦境に立たされるというような事例もあるわけでありますが、この点についてどういう評価をなさってそういう結果になるのか、この点を伺っておきたいと思います。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 株式の評価の問題につきましては、なかなかむずかしい議論がかねてからございまして、個々の具体的なケースにつきましても、われわれしばしば悩まされるわけでございますが、過去の経緯等を拝見いたしまして、現在株式の評価についてはおおむね六通りの評価の方法を講じてございます。  大まかに分けますと、大会社、中会社、小会社という三つの分類をいたしまして、さらにそれぞれ同族の場合と非同族の場合とに分けて評価をすることにいたしてございます。  いま御指摘のように、評価で具体的に問題になりますのは、同族会社の株式を搾った場合の評価が一番問題になっておるわけでございます。そのうちでも特に小会社の株式を持っておる場合のその株式の評価というのが常に問題になるわけでございますが暗五十円あるいは新法に基づきますところの五百円の株価につきまして、数千円あるいは中には数万円という評価を一株についてせざるを得ないということでございますが、その大きな原因は、われわれも悩みが多いために検討してみますと、純資産評価方法というものを小会社の場合にはとっておりますが、おおむねそれらの小会社につきましては、純資産に比較いたしまして非常に資本の額が、いわゆる公称資本が少ないということが一番大きな原因であろうかと思います。したがって、個々のケースにつきましては御指摘のようないろいろの特殊な事情がございますので、それぞれの特殊な事情につきましてはその事案ごとに従来も検討しておりますし、今後も特殊の事情については検討をしたい。あるいはあわせて納付の方法、まあ延納あるいは物納等の方法についても、納付相談の形でもって御相談に応ずる、こういうかっこうをとっておるわけでございます。  もう一ぺんもとに戻りまして評価の方法を申し上げますと、大会社の場合には、たとえばおおむね一億円以上の資本金の会社等を大会社と称しておりますが、これは同業種、類似の業種をとらえまして、その上場株式の会社のある計算によりますところの株価を基準にいたしまして、それに比較する評価会社の株式の内容を見まして、内容のいいものと悪いものとがもちろんあるわけでございますが、いいものにつきましても、そのいい要素というものを全部見ない、あるいはきわめて悪い要素が比較した場合にありました場合でも、その悪い要素というものはできるだけ多く取り入れていくというような方法を講じまして、類似業種比準価額というものの評価方法をとっているわけでございます。それから小会社の場合には、これはいわゆる個人類似法人とわれわれ申しておりますが、個人の相続税とのバランスというものを十分に考えなければいかぬという前提に立ちまして、純資産価額によって評価をするという方法をとっておりますが、その場合にももちろん債権債務ともに相続税評価額をもって基準にいたしまして、それに対する純資産の価額というものを脅えて、一株当たりの評価をすることにいたしてございます。この場合に、いろいろ御指摘のような五十円が何千円もするというような結果になるのは、先ほど申しましたような公称資本が過少であるためではなかろうかという感じがいたします。それから中規模の会社につきましては、先ほど大規模のところで申し上げました類似業種の比準評価方式とそれから純資産評価方式と両方ミックスしたかっこうの評価の方法をとっております。これにつきましては、中会社の場合でもかなり問題が多うございますので、類似業種の比準価額の部分とそれから純資産価額による評価の方法とのウエートのかけ方を、それぞれの中規模の会社の中でも規模に応じましてこの類似比準価額の方式を採用するものを七五%あるいは五〇%あるいは二五%を採用する、その逆に、その場合には純資産価額というものは七五に対応するものとしては二五に対応させていくというようなことで、規模によりまして実態にできるだけ合うようにというような配慮はしておるつもりでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 相続税というのは所得税の補完税として特定の者に富が過度に集中することを抑制していこう、そしてその再分配をはかるという機能も持っているのだ、こういうことはわかるわけであります。  そこで、またそのほかにも被相続者がその生前において国の利益をかなり享受しておったというようなのを死亡という段階において清算をするといいますか、そういう意味もあるということなんですが、その株の場合に、同族で商売をやっておる、都心のきわめて中心街である、昔ながらの商売をずっと続けておる、それで経営の責任者が死亡をしても営業としてはやはりそのまま続けていく。たとえばいまの純資産方式というようなことで、簡単に言えば総株式数で純資産を割って出すということになるようであります。そういうことでやられますと数万円にもつくということになる。なるほど商売をやる環境としてはいいということではあるが、昔ながらのしにせという形で着実にはやっておるけれども、いわゆる商売上の利益というものがうんと蓄積されて、資産がだんだん過程でふえてきたというよりは、たとえばその土地そのものが、同族会社所有の土地が、環境からいって、そういう商売上の努力というようなこと以外の要素によってべらぼうに評価が上がってきておる、そういうようないわば含み資産的なものがどんどんふえてきているというようなことなんです。しかし、そのこと自体はそう商売にとって、しかも将来とも商売を続けていこう、事業を続けていこうという場合に、たまたま死亡をしたということで株の評価がそういうことにされるということになりますと、その土地、その資産——なるほど評価の基礎になる資産は評価としては多い。しかし、それを処分するということはなかなかできない。処分したらそこから立ちのかなければならぬというような状態になるのですね。それがそのまま株価に投影してその評価を高めているということで、しかもいままでどおり商売を続けていこう、その営業を続けていこうという場合に、この相続税というのが富の過度集中を排除するのだという税としての一つの大きな機能、再分配というような機能もあるというけれども、そういう点からいってもその同族会社にとっては過度に集中しているというわけでもない、普通の事業を続けていくのだという立場に立つならば、そういうものを前提にすればやはり相続税のそういう一番大きいポイントになる問題と離れた形で何らか評価をしてやらないと、そこから遺産相続という段階において立ちのかなければ商売も営業も成り立っていかぬというような事態などにもなりかねないということでは、これはやはりそこに問題があるのではないかというようなことで、こういう株の評価の方式というようなものも、相続税本来の趣旨からいっても、そういう場合にそこまでの評価をして立ちのかざるを得ないというような事態になることを避ける何らかの評価のしかたというものを営業継続という立場に立って考えていく必要というものがあるのではないか、こういうように思うわけでありますが、その辺のところをこう調和的に解決していくかについて、御所見を承りたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほど広瀬委員が御指摘になりましたように、相続税は過去のいろいろな課税関係を清算するという一面、そのことはとりもなおまず財産にかかる税である。したがって、財産をそのままにしておって、その収益で税金が払えるという形では富の集中排除ということにはならないわけでございまして、やはりその財産を必要な限度において処分をしていただく、あるいは他人に分散するということが必要になろうかと思うのです。その度合いをどの程度にいたすかというのは国会の皆さんに御審議願って、どの程度の分散にするのが日本の国民感情に合致するかという形で御議論願うことでありまして、いまの場合におきましても個人がもし同じような状態であったとすれば、やはりその土地の価格を時価で評価してかなり重い税がかからざるを得ない。なぜそんなに土地の価格が高いかということになりますとこれはさっきの土地の評価ともつながる話でありますが、収益に比べまして税負担がいろいろな意味で軽い。税負担が収益に見合うだけ重ければ土地の値段というものはだんだん下がるはずであります。そういう意味で、考えようによりましては先ほど御指摘のあったように、生前の税の関係をこの際清算するという意味においては、土地などについての比較的軽かった税を清算していただくという一面もあろうかと思います。それは、それが全部だとは申しません。そういうことで個人とのバランスをとって見てまいりますと、同族会社の場合においても、やはり完全にその財産が株主権という形におきましても自分のものとして所有できておるわけでありますので、やはり純資産価額という形で評価していく。だんだん大きな会社ほどその評価に割合を設けて逓減いたしておりますのは、そういう形で支配権というものに瑕疵ができてまいる、その度合いに応じて評価を下げていく。上場会社が幾ら大きくても株式が安いというのは、言うなれば支配権のない株式であるから、単なる収益証券という形になっておるからでありまして、その支配権がもしそれに加わりましたならばはるかに高い価格になるということは、御承知のようにたとえば買い占めというような事態が出てまいりますと株価が異常に高くなるということからおわかり願えるわけであります。そういう意味で、株式の評価としてはそれなりに——それは実際に当たって完全にできておるかどうかということになれば問題があろうと思いますが、それなりの理屈は貫いてまいっておろうかと思うのであります。  そういうことでありまして、やはり今後も評価が実情に適するようにはやってまいらなければならぬと思いますが、同族会社も株式も処分せず、あるいは土地も処分せず、現金も手をつけず、今後の収益で払っていくというのは無理ではないか。そういう意味で、そういう固定資産が非常に大部分を占めておるような同族会社の実態に顧みまして、延納制度を設けて十年間というような延納を認めることとしておる。それがやはり両者の調和をはかる解決の道じゃないか、かように私どもは考えておるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういうことで特に十年という長期にわたる延納制度が認められるということもわかるわけでありますが、中小同族法人等において、そういった中で株式の評価が額面価額の何十倍ということでやられて、経営の中に、今度はその株を処分するなり何なりという場合に、その株式自体はなるほど純資産方式でいけばそういう評価をなされるけれども、それは全然交換流通性というものがその株式には何もないわけですね。しかし、その経営をそれじゃ完全に支配しようという人が出てくるという場合に、いわゆる同族以外にその株が渡って支配権が委譲されるというようなことに対しては非常に耐えがたいものがあるということなんですね。一つの理論としては、いま主税局長が言われたことは私どもわかるわけだけれども、そういうことについては、たとえば固定資産税の評価というようなものがもっと実際に適合した課税負担をするというようなことなり、あるいはまた本人が自発的に商売をやめるならば、その土地の処分もこれはそれなりの時価評価によって、譲渡所得税なり何なりというようなものでそれを清算的に税制上始末をつけるという——ことばが適切ではないけれども、そういうことも税の公平という段階では実現をするわけでありますが、その事業自体が継続困難になるようなこと、ある程度何らかの犠牲をしい、負担をしいて、たとえばその一部を譲渡するなり何なりということで過度集中を防ぐということをやるにしても、経営自体がほかの人に譲らざるを得ないというような状態になるというようなことについては、何らかの配慮というものが、それ以上のいわゆる税の公平なり相続税の設定の理由なんというものを補完するほかの措置というものがやはり整備をするならば、必ずしも集中的にそういう形で株の評価をしていくということが営業の継続と——やはり何らかの形で公共的な役割りも果たしてきているわけですからね。この営業がもうけ主義の営業であっても、それはやはりそれなりの社会的な役割りというものも果たしているんだし、メリットもあるわけなんですから、そういう場合の株式の評価のしかたというものはどうもなかなか私ども何とも常識的に割り切れない。しかも、そういうことによって経営が後退させられたり、営業をさらに継続したいんだが相続を契機にして営業ができなくなるというようなことでは、十年の延納は認めるけれども、なおかつそういう点で問題があるというようなこともあるので、この辺のところはさらに十分検討をしていただきたい、こういうように思うわけであります。  大体時間でございますので、私の質問は以上で終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 平林君。

平林剛日本社会党

○平林委員 きょうは相続税の問題について愚問賢答をちょっと二、三やりまして、それから本格的な問題についてお尋ねをしていきたいと思います。  一番新しい年度で昭和四十五年ですか、四年になりますか、一年間になくなる人は何人おりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 四十四年に六十九万程度であろうと思います。この人数は大体三十五、六年ごろからほとんど動いておりません。したがいまして、日本の戦後の死亡人口は七十万程度という感じになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 その中で相続税の対象になる方は何人ぐらいございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 一万九千三百六十七件というのが四十四年でございます。なお、ついでに割合を申し上げますと、二・八%程度でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 相続税の財産種類別の調査を私もある程度知っておるのですけれども、職業別の調査というやつはございますか。つまりどういう職業分野に属する者は何ぼくらいという御調査はございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 調査はございませんが、農業は御承知のように、普通農村であれば三ヘクタール程度の農地を持っておられる方が非課税という感じで税制を組んでおりますので、農業の方は比較的少ないと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 農業のことをこれから質問しようと思っているから先回りして言うけれども、そうじゃないのですよ。職業別のそういうのを、調査すればできますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 できると思います。ただ悉皆でございますかサンプルでございますかは別として、できると思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 四十四年度におきまして相続することによって取得する財産価額は幾らであるか、それに対する税額は幾らであるか、実際の納付税額は幾らであるか。四十四年度だけでけっこうでございますから列挙をお願いしたい。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 私のほうで集計してございますので、私から御説明申し上げます。  課税価額で五千百十七億円、参考までに一件当たりで申し上げますと二千六百四十二万円でございます。納付税額は九百二十一億円でございます。  それから先ほど主税局長から申し上げました人数の件でございますが、一万九千三百六十七名というのは被相続人でございます。相続人の数は六万五千二百七十一名でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 大体私の四十一年当時の調査では、相続税の対象になった者は三万三千二百四十人で四十四年が六万五千ですから、約二倍にふえてきた。四十一年当時の納付税額は三百七十九億円でございますから、これが九百二十一億円ということは二・五倍ぐらいにふえてきた、こういう傾向がうかがわれるわけでございます。  そこでもう少し愚問のほうを続けたいと思うのですが、このうち四十四年度で——一応職業別のやつはあまり調査のあれがなさそうですから、相続のうち財産の種類別でお尋ねいたしまして、畑は総遺産額は幾ら、田は幾らとかいうぐあいにちょっと御説明をいただきたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 畑を申し上げます。畑で課税になっておる方が一万六千六百五十三人で、その価額は五百六十八億三千九百万であります。たんぼで申し上げますと、課税になっておる方が一万六千八百二十五人で、その財産価格は五百九十七億三千三百万、宅地は四万四千人の方が課税になっておりまして、その価額は二千百四十九億、約二千百五十億というようなことになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 これも昭和四十一年当時は畑でいえば七千二百三十三人に対しまして一万六千六百五十三人、おおよそ二倍、金額的に見ますと四十一年当時は百四十七億円でありますから五百六十八億円というのはおおよそ三一八倍くらいになる。同じく田でいきますと四十一年は六千八百七十三人でありまして、これが一万六千八百二十五人と非常にふえているし、金額は当時は百三十九億円でございましたのが五百九十七億円とこれも非常にふえておる。かような実態で、今日相続税額におきましてもあるいは相続財産の種類別に見ましても非常にふえているということ、これは時代の反映、つまりいろいろな価額その他もふえてきたこと、評価額が高くなったということに関連があると思うのであります。  そこで、今度はやや法律的な問題で伺いますけれども、相続税を課する政策的目的は何でございますか。先ほどちょっと議論がありましたけれども、この際、その定義をはっきりお伺いをいたしまして次の質問に入っていきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 沿革的には、いわゆる利益説というような考え方、あるいは国家が相続権を持っているというような考え方、つまり私有財産を親から子に再び保証してあげるという形において登録税とかあるいは相続税とかいうような形で出てきたようであります。そういう形で相続税を説明しておる国も従来は多かったわけでありますが、現在はどちらかといいますとやはり富が過度に集中していくことを防いで人間が生まれて平等な立場、地位というものが——教育を受ける権利その他と同様に、財産においても富が片寄っておらないほうがより公平な自由な社会であるという意味で設けられているのであろうと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 相続税を課する政策目的は、ただいまの公式なお話によると富の再分配、つまり過度に集中することを避けるということにその政策的な目的がある。わが国の相続税の場合にそういうのを政府の説明として一応公式に承っておきます。しかしこの目的は、最近の経済あるいは国の産業の置かれている立場、社会的地位その他によりまして、過度に集中することを避けるための相続税が逆に産業なり企業なりあるいは営業なりを縮小し、あるいはそれを著しく困難にさせていくというような傾向があらわれたときは、相続税という問題はあらためて新しい政策目的を考えながら検討しなければならぬのではないかという感じを持つのですが、大蔵省の主税局長はいかなる御抱負、御政策をお持ちでございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 基本的な政策は国会の皆さんにお考え願うことでありますが、やはり富が過度に集中することを防ぐものであって、ある程度の財産というものはみんなが持てるような制度のほうがむしろ望ましいのではないか。そのある程度の財産というのをどの程度に置くのかというのは、国民感情にかなったものでなければならぬわけでありまして、その意味では国会の皆さんが御議論になることであろうと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は、そういう意味では今日の相続税というものの定義は、現代に置きかえてもう一度考えなければならぬ時代がきているのではないかという感じを強くしておるわけなんであります。戦後の一時期の財産税、富裕税という時代においての相続税のあり方というものと、今日国家目的として、たとえば中小企業を育成せねばならぬ、あるいは農業を助成せねばならぬというような国家目的が働かなければならぬような時代において、現状の相続税の定義のままでよいのかどうか、これは一度そういう角度から私は検討しなければならぬのではないかという感じを持っておるわけです。国会がそういうものを議論すべきであるというお話ごもっともなことでありまして、私は、そういう角度から現代における相続税はいかにあるべきかという問題は、当然政府におきましてもあるいは税制調査会などにおきましても一度検討してほしいがと考えておるのでありますけれども、いかがでしょう。去年私はしつっこくこの問題をやったのでありますけれども、税制調査会におきましては妻の配偶者控除の点だけはウエートをかけておやりになっていただいたけれども、こういう基本的な問題についてはおやりいただけなかった。察するところ、あなたのほうがそこを強く提唱していかなかったといううらみもあるのじゃないかと思いまして、ひとつこの点について今後税制調査会等においても御検討していただくような主導的役割りを大蔵省としてもおとりになっていただきたいがと思うのですが、いかがでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほど平林委員から御質問がありましたように、約七十万人の方々が日本ではなくなるわけでありますが、そのうち相続税がかかる方は二%足らずということであります。別に諸外国を例に引くということではありませんが、もちろんその財産の形成状況などが違いますから、諸外国の例を一がいに引くわけにはいきませんが、日本の二%程度に対しまして大体六、七%程度が諸外国では課税になっておるのが実情でございます。その意味におきまして、今回の相続税法の改正を行ないませんであれば、二%が三%くらいになったかと思いますが、この改正によりまして形は配偶者控除の増額という形にはなっておりますが、大半の相続の場合配偶者がおられるわけでありまして、その意味で、大体従来一千万といわれておりました相続税の免税点が千二百万、二割上がった形になるわけであります。そのほかに、財産の形態は変わりますが、生命保険金控除が百万が百五十万、五割上がるとか、あるいは退職金控除が五十万が八十万になる、六割上がるというようなことでありまして、全体としてはかなり相続税の免税点が引き上げられたことになるわけであります。そういう意味で、平林委員の御指摘が中小企業とか農業とかに打撃を与えるということは、むしろ相続の重さということよりも、戦後日本にとられてまいりました家督相続にかえて均分相続ということが出てきた、そのためにどうしても次男、三男に財産を分ける形で家業の資産というようなものに手をつけざるを得なくなった、むしろそちらに原因があるので、そのことをどうするか。家督相続がやはりいいのか、あるいは均分相続がいいのか、これはまさに私どもがどうこうすることではなくて、国会の皆さん、国をあげて御議論願うことではないかと思うわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 なお時間もございませんけれどももう少しこれを続けます。  そこで、私は、いま二%であるから対象が少ない、それから相続の場合には民法の規定についての相続権の問題などがからみ合うということはわかるのでありますけれども、しかし、その数が二%であるからといっても、実際の相続税の対象になるのは六万五千二百七十一人、その二%の相当部分が現代における相続税に該当せず、つまり富の再分配といういわゆる目的に合致せず、縮小あるいはそのためにかえって国家目的に反するということが大多数であるということになってまいった場合はやはり問題がある。そこで私は、先ほどは愚問賢答の形で申し上げましたけれども、これに関する資料はひとつ整えてもらいたいと思うのでありまして、具体的にはめとで私申し上げますから、私が求めるものについてどうかひとつ資料を整えるように委員長においてもお許しをいただきたいと思うのであります。次いで申し上げますが、そこで一つの例を私はきょうちょっと申し上げていきたい。私はそういう立場に立って、中小企業の場合も同じでしょうけれども、きょう私が取り上げるのは、都市近郊農業という立場から、相続税というものが富の再分配にあるのではなくてむしろ農業の縮小、あるいはダイナミックに申し上げたりショッキングに申し上げますと、相続税は農業を破壊するというような傾向に働くおそれがあるのではないかという問題もちょっと申し上げたいと思います。私は相続税は都市近郊農業を縮小させる役割りを果たしているのではないかと思うのですけれども、その御認識はございましょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その点は、先ほども申し上げましたように、かりに一千万の相続財産でございましても相続税は非常にわずかなもので、十万とかせいぜいその程度のもので、問題はやはりその一千万の財産の三分の二をそれぞれのきょうだいに分けていかなければならない、それが大きいのではないかということを申し上げておるわけです。

平林剛日本社会党

○平林委員 あなたそう言うけれども、昭和四十三年七月「土地税制のあり方についての答申」をごらんになったと思うのですね。その「土地税制のあり方についての答申」の中には——もちろん私は地価が物価に与える影響だとかあるいは住宅政策を進める場合における土地の提供だとかいうことを一般的に議論するときには、方向は正しいと思うのです。ですから私は、その政策は支持するし、またそれは強く推進をしていかなければならぬということは十分理解しているつもりであります。それを前提にして申し上げる。それを前提にいたしますが、この「土地税制のあり方についての答申」の中をしさいに検討いたしますと、こういうことばが書いてある。これは本によって何ページというのは違うかもしれませんけれども、一六ページに書いてある。土地の高騰を解決し、物価問題や都市政策を遂行するために「都市近郊農地に代表される長期保有土地の流動化を期待する。」と書いてある。この政策は結局都市近郊農業を縮小することを促進しているのではないか、縮小させる傾向をとることになるのではないか、こう思うのですね。それから二三ページにも「土地税制として当面実施すべき事項」にこういうことが書いてある。「今後の土地供給の中心をなすものは、主として大都市周辺を中心とする個人の長期保有土地であり、その早期供給が促進されることが必要である。」一般論としては私わかるのです。都市に人口が集中し、その周辺の土地価格の高騰によって物価だとかあるいは住宅建設政策だとかあるいは公共用の施設の建設とかについてこういう措置をとらねばならぬということは、一般論としては理解できます。しかし、その都市近郊の中においても、農業を先祖伝来の職業としてやっている者にとっては、この波をもろにかぶるということに相なりますと、これは都市近郊農業をつぶすという結果に相なる。私はそういうことを考えますと、一般論は理解できるけれども、今度は縮小して都市近郊農業という立場から考えますと、税制上は極端なことを言うと都市近郊農業をつぶしていくという働きをなすのではないか。しかし、一方、国家目的としては、たとえば農業振興地域を指定するとか、あるいは今日置かれている農業の低生産性、あるいはその価格の保障とか、一つの端境期にあるわけですね。そういう意味では国家政策としては農業を助成し育成するというための予算をとる、つまり相矛盾するということの調和をはからねばならぬ、こういうことが私は原則的にあると思うのですが、政務次官あたりに、ひとつそこら辺はいかがなものでありましょうか、どうかお答えいただきたい。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 いま都市問題といいますか交通、過密、いろいろと問題がありまして、その中ではどうしても近郊農村に土地を求めるということが国家目的で必要であるということは、これはどなたも認めるところであり、平林委員もそれはわかるというお話でありましたからくどく申しませんが、そこで一方農家がいじめられるのかどうかということですが、どちらかというと異常な地価の高騰によって農家の方々が非常に利益を得る場合のほうが多いのじゃないか。農村をずっとながめた場合、公平にながめて、純農村地帯の農家と都市近郊の農家とどっちがいいかというと、これは都市近郊の農家のほうが非常にいいのじゃないか。(平林委員「あなたは北海道だからそんなことを言うのだ」と呼ぶ)東北、北海道のみならず、東京を見ましてもあるいは京都を見てもどこでも、私たちざっくばらんに言うと、願望みたいなもの、ぼくも都市近郊の農村であったらいいかという気持ちになるくらい都市近郊の農村のほうがいいのではないかという感じがいたします。さりとて、耕作権もありそこで収益を求めておった人たちでありますから、それを罪悪視して税制上で追い出すということはいたしませんが、出やすくするという道を講じてやることが農家のためにもまた土地政策からもいいのではないか。追い出すとか破壊に導くのじやなくて、農業から離れやすいということを税制その他でめんどうを見ることがこれからの重要課題ではないか、こういうふうに思っております。したがって、国家目的を達し、かつ農家のことも十分配慮してともどもによくなるということが政策の根底になければならぬ、税制もそれに沿ったものでなければならぬ、このように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 佐藤内閣の一枚看板は調和ということが入っているのだね。私の提起は、つまり相続税というものの税が果たす役割り、それは現在において再検討する必要が出てきたという問題の提起と同時に、この相続税によって都市近郊農業が縮小しあるいは極端にいえばいまのあなたのお話はもうそこはあきらめてくれ、これはつぶすことですね。つぶすというような方向に向かう。あなたは北海道だからそんなのんきなことを言っていられるのだが、そうはいかないのですよ。これは憲法上の問題でもある。都市近郊において農業を経営する者の職業の選択として、また都市近郊農業の果たす役割りの認識も、私はしっかりしてもらわなければいけないと思うのです。消費地を控えて蔬菜とかその他を提供すること、野菜とかそういうようなものの提供地として生かしていくという国家政策もなければならぬ。そういうことを考えますと、そこにどういう調和を保っていくか、調和のためにはどういう施策が必要かということが議論されなければならぬわけです。その調和をはかるために取り得べき政策にはどんなものがあるかということを私はこれから聞きたいわけなんですが、その問題につきましては、午後再開をいたしましたときに、今度は具体的に話を詰めていくことにします。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時二分休憩      ————◇—————    午後一時四十三分開議

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 午前中に引き続きまして、問題は相続税を現代の政策目的と合致させるために何らかの調整が必要であるという意味で、私は具体的には都市近郊農業の問題を取り上げたわけでありますけれども、私はさきの国会でも問題にしたのでありますけれども、ある農家で突然戸主であるおやじがなくなると、その遺産である、財産である田畑はどういう傾向で分配されるか、これをちょっとひとつ、現在の民法の関係もあると思うのでありますが、まず御説明いただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 戦後の民法は、御承知のように法定相続人がありまして、配偶者は三分の一、そのほかの子供たちで、標準の場合考えまして、子供たちで三分の二を分けるということになっておるわけでありますが、そういうことで私ども三十三年の相続税法改正までは、そういう相続が現実に行なわれるものとして相続税を考えておったわけでございますが、いま実際の相続と申しますのは長子以外の人がおおむね相続権を放棄するというような形で、いわば家督あるいは家産というようなものの維持をはかっていくことに、各きょうだいが協力をするというような事態がかなりあるのではないか、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいまのお話のように、農家を経営している者のおやじが死ぬとその遺産、相続の財産は妻に対して三分の一いく、残った三分の二を、もしかりに子供が三人おればその三分の二の三分の一が長男に参ります。したがって九分の二が長男のところにいく、それから次男も同じように法定相続人として九分の二がいく、かりに次に女の子がいて長女、これも同じように九分の二がいく、三人の場合にはこういうふうになるわけであります。いまお話しのように、実際上は相続権の放棄というたてまえなり、あるいはそういう形式をとる場合もございましょう。しかしそうでない場合もないとはいえない。法律上のたてまえはやはり漸次、農業経営をする場合でありますと、妻の分、おかあさんの分ですね、三分の一と、それから長男の分九分の二、つまり九分の五というのが田畑の財産として残るというたてまえになるわけでありますから、一回相続をいたしますと農業規模の相続は九分の五というのが引き継がれてその農業を経営するという形になるわけですね。さて今度はその遺産を相続した長男が引き続き農業を経営して長じて子供がまた同じように妻をめとって三人の子供ができたという場合に、これも同じようなぐあいで、九分の五が残ったものが次にまた九分の五だけ残るという勘定になるわけです。つまり一代にして半分、二代目にしてさらにその半分を失うのですから四分の一、さてその子供が大きくなりまして同じように相続をしてまいりますと、またそれが九分の五になるという形になりますから、三代目くらいになりますと農業を経営したくとも実際に相続するところの田畑というものはもはや残り少なくなってくる。農業規模はいま拡大をしなければ農業の経営が困難であるという時代に、現在の民法の関係もありますけれども、相続のたびにその規模が縮小していくというのがいまの相続のたてまえになっておると私は思うのでございます。そこで私はこれらのことを考えますと、民法について、その相続権というものについてももちろんいろいろな議論はございましょうけれども、税法上において、先ほど指摘いたしましたように過度の富の集中を排除するという働きをする時代は別にいたしまして、そうではなくて実際には農家経営の維持が困難になるような働きをする場合が想定されるならば、私はこの点について何らかの配慮が必要でないか、これが私の発想なんであります。  そこで今日相続税の中には、たとえていうと配偶者控除というのがありますね。それから未成年者控除というのがございますね。それぞれ理由があって、一般の相続の場合に特に政策的目的あるいは実情に応じて配偶者控除、未成年者控除というのが行なわれておると思うのでありますけれども、念のためにひとつ、配偶者控除を行なった理由、それから未成年者控除を行なった理由、これはどういうところにあるか、ちょっと御解説をいただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 配偶者控除は配偶者の老後を保障するという意味と配偶者が被相続人の財産形成に貢献した事績というものを考えて配偶者の税負担を軽くいたしておりますし、民法におきましてはそういう事績を踏まえまして配偶者の取得分を三分の一ときめておるわけであります。それから相続税の未成年者控除につきましては、未成年者の教育費あるいは養育費というようなものがかかる。それはおそらく被相続人が子供のことについて一番関心を持って死亡したであろうというようなことを考え、そういう国民感情に沿った制度として未成年者控除を設けておる、こういうわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 お話のとおり相続税という一つの税体系はあるけれども、しかしたとえば妻の場合には、民法上の妻の地位もさることながら、老後の保障とかあるいは貢献したそういう趣旨に基づいて、特に相続税の中に配偶者控除というものを置き、それも今国会の法改正でやや拡大をしようということでございまして、一つの税体系の中に何らかの特別な措置を考慮するという考え方が含まれておるわけであります。未成年者控除というのも同じような趣旨で、やはりいまあなたのお話では、国民感情とか被相続人の遺志とか教育とかいうようないろいろなことを考えて一つの特別な措置を講ずるという形がとられておる。私はそこで、都市近郊農業をもしも政策的に助成、育成をする必要がある、あるいは都市近郊農業に限らず農業というものの助成をし、後継者を維持しなければならぬということが大方の合意を得られて、いやそれは当面必要なんだ、いま農業においては後継者が足りない、いまの農業は三ちゃん農業ではないか、もうじいちゃん、ばあちゃん、こういうようなことになってきて、若い者がいなくなる、後継者を持たなければ農業を維持できぬというようなことがもし一般的に納得せられるならば、後継者のために、たとえて言うと相続税というものがありましても、農業における後継者を確保するという意味で特別な控除を考えるというようなことがあっていいんじゃないだろうか。そういうことについて主税当局はどういうお考えを持たれますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いわゆる家業というような形で財産を受け継ぎながら事業が行なわれておるものには、御指摘の農業のほかにもたくさんの中小企業があるわけであります。そういう中小企業につきまして、それが個人の形態である場合はもちろんでありますし、法人の場合につきましても、午前中広瀬委員から御指摘がありましたように、何らかの形で家業、家産を維持していくという場合に、その事業がある程度のものになっておる限り相続税がかかってくるという問題がありまして、それを何らかいまお話しのように無傷の形で事業として子孫に伝わっていくようにしたいという御議論はいろいろございます。そういう意味で、外国を見てみましても、たとえばドイツでは農業につきまして、農業家産法だったかあるいは農家家産法だったかはっきりいたしませんが、いずれにいたしましてもそういう農業家産については、その農業がさらに細分化されていくことを防ぐというような措置がとられている。日本におきましても一時農業財産相続特例法というようなものを考えてみてはどうかという御議論があったわけでありますが、農家だけを中小企業等と区別して、農家だけにこういう特例を置いていいかどうか。あるいは一般のこれだけサラリーマン化した人たち、しかも相当の資産を持ったサラリーマン化した人たちがおる中で、家屋敷をサラリーマンが子供に伝えあるいは未亡人に残していったときに、農家とは違うからといって別の相続をしていいかどうかというような議論がございまして、これらの措置はいずれも日本ではさたやみになっておるわけでありますが、ただ農業につきましては、やはり農業の経営者がある程度老齢になった場合には、実際の農業はそのむすこといいますか長男といいますか、それが行なうわけでありますし、また農地の状況というものはそう変化をするわけでもないし、また長男に家督といいますか農業経営を譲っていくことに役立つだろうということで、御承知のように農業につきましては生前贈与といって、生前の状態においてむすこなり実際の農業を経営する人にそっくり譲っても、この場合に贈与税を課さないで現実に相続が行なわれるときまで待つというような、それによって農業経営者がその農業の実体をそっくり継承していくということができるようにしているわけでございます。したがいましてそういうことが行なわれておりますので、現実の相続の場合におきましては、その土地とかあるいは農業家産を処分してお互いに分け合うという形じゃなくて、まあ長男のほかの次男、三男もやはり親にとってはかわいい子供でありますから、何らかの資産を分け与えてきょうだい仲よく相続していくというような、しかも農業経営は維持できるというふうなことで、現実的に解決がされておる、かように考えます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこが、あなたが現実的な問題を知らないんですよ。私は、今日もちろん中小企業、農業という点に主体を置いて相続税は考えてよいんじゃないかという発想をしておるわけで、単に農業だけではございません。今日わが国の経済あるいは国民の現状から考えてみて、われわれが助成を与えるべき必要を感じておりますのは主としていま中小企業、農業でございますから、それをとらえてものを考えておるわけでありますが、一面農業の場合には、実際に先ほど私があげましたような、もし民法がそのまま働けば農業が維持できないという形になっておるということの事実問題の指摘なんですよ。この場合はやや中小企業と違うわけです。そこで現在は民法の便宜的な取り扱いで救われておりますけれども、実際上厳格に働けば農業経営は維持できなくなる形になっております。そこで私はこれらの問題を、ひとつ新しい時代に即して考える必要がある。いま生前贈与があるとか何とかとおっしゃったのだけれども、これは実際問題としてそれが効果を果たさないのですよ。生前贈与をしたときに評価をしたもの、それがたとえば十年ないし十五年たって実際になくなったときに、またあらためて見直しということになっておるわけですから、同じことなんですよ。いま現実的処理をなさっておると言いますが、それが現実的にならないのです。今日のような状態ではやはりそのときの時価でもって評価をするということになりますから、その時価のはね上がりによりましては、さらに見直しをすることになりまして、やはり根本的な解決になっていないという実情もあわせて考えてもらわなければならぬと思うのでありまして、私はこの問題が解決するまではあと何回でも資料を検討しながら議論するつもりですから、どうかひとつあなたのほうも真剣にこの問題、私の提起についても玩味をされて、私の意図するところがどこにあるかということを玩味されて、ほんとうに検討していただきたいと思っているのです。  そこで、一つ今度は具体的な例を申し上げますけれども、ある町でたまたま病気によりまして農家の人がなくなったわけであります。それで相続税を納める、こういうことになりまして、税務署との間に折衝を始めました。ところが、先ほど広瀬委員からもお話がございましたけれども、固定資産税の評価額に何と八十倍も七十倍も倍率をかけられて、そして評価がきめられる。そしてそれの評価額に対して一定の税率で相続税を取られる、これは現行の相続税法のかけ方になっておるわけです。そこで私お尋ねしたいのですが、この倍率はだれがきめるのですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 国税局長でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 国税局長は何を基準にしてこれをきめますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 管轄区域内の売買実例を基準にいたしまして、いわゆる地価精通者等の委員の方々の意見等もお聞きしながら倍率をきめておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 精通者というのはだれですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 いろいろございますが、不動産研究所の関係の方、あるいは不動産業者の方、あるいは市町村の固定資産税評価の事務に携わっておられる方、あるいは金融機関で不動産の業務に携わっておる方、いろいろな方の中から選んで意見を聴取しておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は特に農地にしぼりまして申し上げますと、その付近の売買実例、それから精通者の意見、精通者とはただいま御説明があったような、そういう方の意見、後段の場合は別にいたしまして、売買実例の場合はどうしても高く働くという要素があると私は思いますね。つまり農地を売買する場合には、その必要に応じて売買が行なわれるわけでありまして、農業をずっと維持するというわけではない、そういう違いがあるということは御認識いただけますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 いま御指摘のような点がございますので、私どもの評価の基本的な姿勢といたしまして、いわゆる売買時価ということをそのまま取り上げませんで、われわれ仲値と呼んでおりますが、おおむね当該地域の売買実例の七割程度というものを前提に考えておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこでは一応の配慮が行なわれている。  次にお尋ねしますが、精通者の意見、たとえば不動産の鑑定士であるとか、あるいは市町村の固定資産の評価員というのがありますね。そういう人の意見を聞くとか、金融機関の鑑定の専門家の意見を聞くとか、いろいろ聞いておる、そのいろいろの中に、私は、農家の立場をある程度主張し、そして農家の評価額についての不公平、不満そういうものが起きないように配慮するために、たとえて言うと、農協の代表の人に参加をしてもらうというようなやり方は、いろいろの中に入れていいと思うのですが、いかがでございましょう。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 いまの御指摘の点でございますが、先ほど御説明した中に、市町村の固定資産税の評価事務担当職員が入っておるわけでございますが、そのほかに、いわゆるその地域についての地価の精通者ということで、農協の方等も入る場合がもちろんございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 入る場合ももちろんあるというのではなく、そういうものも参加をさせてやるというようなことに、行政上の御指導を徹底していただけませんか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 いろいろの立場の方々を、なるべく平均的な意見と申しましょうか、公平な、安定的な意見をお出しいただくために、いろいろな事情に通じた方々になるべく集まっていただいたほうがよろしいという考え方で、いま申し上げたような方々に精通者としての意見を出していただくわけでございますが、市町村の固定資産税の評価事務を担当しておられる職員の方は、当該地域に長く生活をしておられ、評価事務についても常に研さんをしておられる方でございますので、この人たちが入っておられる場合には、大体同程度の精通度合いの方、あるいは知識水準の方とダブってということは、委員の構成、人数等の関係でいかがかと思いますので、先生御指摘のような点を勘案しながら委員の選定をしてまいりたいと思っております。

平林剛日本社会党

○平林委員 私がなぜこんなことを言うかというと、実際上、私、倍率表を全部持っているわけです。先ほどお話がありましたが、路線価は国税庁長官がきめるし、それから倍率は国税局長がこれをきめる。——やはり長官がきめるのですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 路線価は、ちょっと午前中の説明が足りなかったかと思いますが、四十六都道府県の県庁所在地の最高地点につきましては国税庁長官がきめます。それからそのほかの各地域につきましては、当該管轄区域の国税局長がきめておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、この倍率なるものは、毎年毎年これをきめるのですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 毎年きめて公表してございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 その倍率は、実際上の相続の問題を取り扱うときには、これはたいへんですよね。すべての市町村、字について、全部倍率をきめて、ここは六十倍、ここは四十二倍、ここは七十倍、こういうふうにきめて、市町村ごとに全部違うわけですね。しかし、いま言ったいろいろの手続を経ておきめになるのだけれども、間々判断の違いというようなものがないとはいえないわけです。そこで、そういう苦情があったときでも、税務署はこの倍率のとおりにかけて、そうして相続税額をきめていくつもりですか。それとも理由があればそれを訂正することもあり得ると理解してよろしゅうございますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 先ほども申し上げましたように、一応法のたてまえとしましては、実際の価格でもって評価するということになっておるわけでございますが、相続税の場合には具体的に財産の譲渡、処分ということが現実には起きていない。そこで処分されたならばという評価の見込み額をつくらなければならぬわけでございます。したがって先ほど申しましたように、一応呼び値よりは若干下回っていると思いますが、それは平均的な価格に近いものということで、われわれ仲値と申しておりますが、仲値の七割程度というもので評価しておりますので、おおむねの場合には、いま御指摘のような苦情というものが現実問題としては起き得ない。しかも先般四十六年分につきましても、地価の問題について発表したわけでございますが、実際の評価は、一応仲値の七〇%を目標にしてはおりますけれども、従来までのいろいろな事情から、さらにそれを若干下回っておるというような実情がございます。むしろ低過ぎるのではないかという御指摘を当国会でも昨年受けたといったような事情がございますので、よほど特殊な事情がない限りは、いまの倍率等につきまして特に変更を要するという事態は起きないものとわれわれは考えておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私はこの問題を質問したいと思いまして、モデルケースを一つ選んでみたのです。ところが、これは自分の選挙区のものでありますから、私は一番よく知っておるわけであります。むしろ皆さんよりよくわかるかもしれない。そうするとこの地図をごらんいただければすぐわかるけれども、A地域においては固定資産税の二十三倍になっておる、その隣接するところは八十一倍になっておる、すぐその隣接は五倍になっておるといったぐあいに、実際上私たちが見てもこの倍率のつくり方はどうなんだろうかという感じがするのです。それはもちろん帳簿価額が低ければ倍率は違ってくるということはあり得ると思いますけれども、極端な違いが出ている実例にぶつかったわけであります。そこで私は、この倍率のつくり方について、はたして適正なりやいなや、そしてその倍率のきめ方について実際の対象者が納得し得るものなりやいなや、国税庁がきわめたものであるから従わなければならぬ、これは変更はまかりならぬと皆さんが御自信を持って言えるような倍率になっているかどうかという点に重大な疑問を実は感じたわけです。  そこで、こうしたことについてある程度皆さんのほうにも幅のある考えがなければ、実際は不公平のそしりを免れないという事例があるわけです。これは一度、具体的な例でありますから——あるいは皆さんはそういうこともあるかもしれないということになるかもしれない。やはりそういうことを一年ごとにきめる場合におきましても、かなり——あなた方自分のほうできめたのだから正しいのだという押しつけをやってはならぬではないかという感じがしたのでありまして、そういう点について御見解を承りたいと思います。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 農地につきましても、いま御指摘のような事情は純農地の場合はあまり起き得ないと思いますが、問題になりますのは、中間農地、それから市街地周辺農地、それが問題だろうと思います。固定資産税の場合には、一応宅地との関係を考えないで評価してございます。したがって、私どものほうは、固定資産税の何倍というものを考える場合には、市街地周辺地域につきましては、一応宅地という前提で評価した場合にはいかがであるかということを考えまして、それに対して宅地造成費用というものを引いて、なお市街地周辺地域につきましては、いま御指摘のような問題もあろうかということで、さらにそれを八掛けにしておるというような二重の考慮を払っておるつもりでございます。しかし、最近のような情勢でございますので、市街地周辺地域あるいは中間農地等につきましても、同じ年度の中でかなり状況の激変があるということは、先生御指摘のとおりでございましょうから、その辺につきましては、けさほど申し上げました同族の株価の問題等々と兼ね合わせまして、特殊な事態につきましては、やはり検討の用意を持つべきであろうというふうには考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 さような心がまえでおやりになっていただきたいということなんであります。  同時にちょっとお尋ねしますが、たとえば新都市計画法によりまして、ここは市街化地域であると指定をされた中におきましても、約四割は農地が残っておる。しかもこれは政令その他で定められたように、一定の規模、二十アールとかあるいは十アールとかというものについては、引き続いて農業の経営ができる地域である。こういうところを宅地並みの固定資産税の評価がえをしたり、あるいは相続税の場合には倍率を考えたりしますと、これも不合理が出てくる。こういう点はどう考えていますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 いまの点は、線引きとのかね合いの問題でございましょうか。ちょっと御質問の内容がわかりかねたのでございますが……。

平林剛日本社会党

○平林委員 線引きが終わっちゃったあとでね。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 線引きが終わったものにつきましては、措置法の関係で、個人のものにつきましては三十七条の規定、それから……。(平林委員「あとのやっとごっちゃにしないようにね」と呼ぶ)現在農地でありましても、宅地並みの評価をするということについて問題があるという御指摘であろうかと思いますが、この辺は考え方の問題であろうかと思いますけれども、一応私どものほうも担当しておる各税務署ごとに市街化区域について売買実例があり、しかもそれに近接した地域であるとするならば、やはり評価の方法としては、現在は農地として使われておりましても、宅地と同等の代替性と申しましょうか、可処分性と申しましょうか、そういうものがあるという前提に立って評価をしなくちゃいかぬ。その場合でもいきなり宅地のままの評価になると、御指摘のような点が生ずる危険性がございますので、これについては先ほど申しましたように、八掛けの線でもって若干評価の水準を下げるというような配慮をしておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 これは私は、農業政策上と税の問題とにおいてかなりの調和を保たなければならぬという点を指摘しておるわけなんです。先ほどの相続税と農業政策との関係も同じことですが、課税の場合において、どうも国税庁でやる、税務署でやるやり方と、それから今度は農林省なり何なりの考え方とが食い違いをしておりまして、実情から見て、いずれが正しいかというような点でかなり考慮を払わなければならぬ点がたくさんありますということを申し上げたいわけなんです。  同時に、具体的な点でもう一つお尋ねしておきますが、たとえば高圧電線なんかが農地の場合にありますね。高圧電線下に置かれておる農地などがありますね。こういうところは、いまのようにただ一律に考えるべきであるかどうかという問題が私はあると思うのです。これは通産省のほうでは、行政措置によりまして、そこは建物が建てられないということになっておりますし、また代償としてその使用料を土地所有者に支払っているというようなことなども行なわれておるわけでありますが、実際には宅地にならない農地に宅地並みの課税をする、宅地並みの評価をするということも、これまたどうかと思う点なんですけれども、こういう点はどう取り扱いますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 まず第一点の宅地並みの評価ということでございますが、一応宅地並みの評価をいたしまして、ただ現在は、農地の姿になっておりますので、これを宅地に造成した場合の予定経費というものはもちろん差し引きをいたすわけでございます。さらにそのほかに先ほど申しましたように、市街化周辺地域につきましては、その八掛けにするという二段がまえのことをいたしておるわけでございます。なお、いまの高架線のような場合には、地役権または地上権というものが設けられておるわけでございますので、もちろんその分は評価の段階で差し引き計算をする。引く要素に入れるということになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 これは私は少しこまかい問題についてあれしましたけれども、要するに私は、今日都市近郊農地であるとか、あるいは近郊農業という立場から考えますと、ただいま指摘いたしましたような幾つかの問題点がありまして、そういう点で税の面からくるところの農業縮小というようなことがない形が、相続税の根本的な問題の解決される前にも、かなり考慮をしてもらわなければならぬ点があるということを申し上げたわけでございまして、いまの答えだけでは私まだ十分ではございませんので、いずれまた時間をあらためてこうした問題につきまして税務行政の問題のときなど議論をしていきたいと思いますので、ひとつ御検討いただいておきたいと思うのです。  次に私がお伺いしたいことは、ちょっと相続税から離れますけれども、関連をいたしますから引き続いて申し上げたいと思うのでありますが、特定の事業用資産の買いかえの特例の問題についてであります。これは主税局長、昭和四十五年度の税制改正で土地政策上有効と認められるものに限って事業用資産の買いかえの特例が適用されることになりまして、この特例は昭和四十五年一月一日から適用されることになったと私は記憶しておるわけでありますが、これは、すなわち土地政策に対して協力した国民に特別にその適用の措置をとった、こういうふうに考えるのでありますけれども、いかがでございましょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 お説のとおりであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 特に新都市計画法は秩序ある町づくりということの趣旨に基づいたのでありまして、そういう意味から考えますと、この税法上の特例もこの趣旨に含まれているはずだと思うのでございますけれども、いかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 新しい都市計画法の実施というのが主たる目的で、土地税制はそれを裏から助けるというわけであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいまの点は、法律のたてまえとして特別にこういう措置が設けられたわけでございますが……。そこで、私が言いたいことは、法律の上では、土地政策上有効と認められるものに限り、事業用資産の買いかえの特例を適用する、しかもそれは四十五年一月一日から適用される。法律で掲げられたことが、政令ではなく、また特別のあれでもなく、国税庁長官の通牒でとめられるということになるのは一体どうなんだろうかということなんです。つまり、法律ではそういうことになっているのにかかわらず、国税庁長官の通知でその特例の措置が適用されないということはいかがなものでございましょうかということです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御質問の趣旨がよくわからないのでありますが、法律の上で、適用になる要件を明確にいたしておりますので、その要件が充足いたしておる限り、国税庁長官はそれを適正に執行しているはずだと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、実はこの法律の趣旨並びに国家政策である新都市計画法、これに協力をして、今度市街化区域になるというところは、農地はできるだけ市街化調整地域に移ることが望ましいわけですね。したがって、この土地政策に協力するものは、漸次買いかえをしていくということになるわけです。そこで初めて、市街化区域は住宅の密集地帯であり、市街化調整地域は農業を経営する地域となって、秩序ある町づくりというのが形成される。これが政策だ。  そこで、そういうことに協力をする意味あるいは——もちろんそんなにえらそうに言うわけではないけれども、将来を展望すると、それが農家経営上必要であるという意味から買いかえをしていくということはあり得るわけでございます。ところが、ある農家がそういう買いかえをやりましたところが、この特例の適用がされない、こういうことに税務上の取り扱いを受けたわけである。具体的に言うと、これは市街化調整地域にある程度農地を持っていた。これが市街化区域に指定をされる。そこで市街化調整地域のほうに移って、そこで農業を経営しようと考える。売買が行なわれる。法律は一月一日に施行されておるのであるから、特例を受けると思った。何人も特例を受けると信じていた。ところが、実際には、国税庁長官が、昭和四十五年七月九日、国税局長や国税不服審判所長に出しましたところの通牒に書いてある字句が、「土地等が置換資産に該当するかどうかの判定」ということで、こう書いてある。三七−九、「個人の取得した土地等が措置法第三十七条第一項の表の各号の下欄に規定する買換資産に該当するかどうかを判定する場合において、その取得した土地等が当該各号に規定する地域または区域にあるかどうかは、その土地等を取得した時の現況による。」と書いてある。現況ですから、これは判断ですね。法律では、一月一日から買いかえ特例、特定の目的に従ったものは認めると書いてあるが、これでは、現況判断によるということになりまして、国税局長の指示によって、それはだめだ、買いかえの特例を認めない、こういうことになり得るかどうか。実際にはなったわけなんですが、これは一体どういう解釈によるものかということが私の質問の趣旨なんです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 買いかえの条文でございますが、いま御指摘の条文にもありますように、市掛化区域及び既成市街地域以外の地域内にある次に掲げる資産で云々とありまして、それを市街化反域または既成市街地区域内にある農業または林業の用に供する土地等を売りまして、現実に市街化調整区域になっておるものに買いかえたときにはと、それぞれが区画として確定しておるということが条件になっておるわけであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、その確定をしたことというのは、新都市計画法によっていわゆる線引きが確定しない間は適用しない、こういう御解釈であるというのですが、私は、それが適法であるかどうか、つまり法律の趣旨に照らして正しい措置であるかどうかが、きょう私がここで問題にしたい点なんです。わかりますね。  そこで、自治省おいでになっておると思うのでありますけれども、現在、新都市計画法によるところのいわゆる線引きが確定をされている県と確定されていない県と、全般的にはどういう状況になっておるか、一応ひとつ主税局や国税庁のほうにもわかるようにお話をしていただきたいと思います。

山下稔自治省税務局固定資産税課長

○山下説明員 あるいは建設省のほうからお答えするほうが適当かもしれませんが、一応私どもが建設省について調べたところによってお答え申し上げます。  二月十五日現在で線引きが終わっております市町村は、予定市町村八百八市町村のうち六五%に当たる五百二十六市町村でございます。都道府県で申し上げますと三十一都道府県でございますが、ただ、この都道府県のほうは、同一県内で済んでいる区域と済んでいない区域とございますので、必ずしも都道府県で申し上げるのは適当でないかと思いますが、市町村数で申し上げますと、先ほど申し上げましたように五百二十六市町村が済んでおります。

平林剛日本社会党

○平林委員 お話のような状況ですから、法律で土地政策上有効と認められるものに限り事業用資産の買いかえ特例を適用して、かつ、法律的には、秩序ある町づくりを進めたいということでそれを奨励をするという形で法律ができておるのにかかわらず、いま言った具体的線引きというのが終わっているのは六五%であるということになりまして、つまり、この間、これが制定されてからもうかなりの期間がたっておるのに実際上できていないですね。できていない理由はどういうわけですか。

山下稔自治省税務局固定資産税課長

○山下説明員 私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、建設省とされましては、できるだけ早く線引きを終了するように努力をしているわけでございますが、やはり住民の意見を聞くための公聴会の開催、その他の手続が予定どおり行なわれないところもございまして、最初に予定していた時期よりはおくれてきているものだというふうに聞いております。

平林剛日本社会党

○平林委員 つまり、これは地域住民の意思を十分聞いて、そして線引きをすべきであるというような趣旨が法審議のときに附帯決議されておりまするから、とにかくそれぞれの人の利害に関する問題であるから、慎重の上にも慎重に、憲法上の疑義がないようにという意味もあって、いろいろな手続をとってやっておるわけなんです。したがって、おくれている場合もある。そこで、私はこれを実際に適用されるところと適用されないところのバランスが、いまの時間の確定によって違ってきておると思うわけですね。神奈川県の場合は比較的早かったのです。神奈川県の場合は、これは昭和四十五年の六月十日、もう全国では三番目、そうして線引きが確定をしたわけですね。ところが、確定はいたしましたけれども、先ほど申し上げたように、一月一日から六月十日までは適用しないという取り扱いになっておるわけなんですね。一月一日から六月十日まで確定をするまでは法では特例を認めるということになっているけれども、皆さんのほうの通牒では取り扱いをしないということにされているわけですね。そういうふうにしないということは何かPRなさいましたか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 オープンの通達でございますので、私どもの部内の機関誌その他を通じましてPRもいたしてございますし、それから譲渡関係につきましては、常に問題が起きやすい関係上、各局の実情に応じまして、大体よけいやっておるところにつきましては、四半期に一ぺんくらい関係者と市町村あるいは具体的な譲渡者等に説明会等をいたしまして、指導はいたしておるつもりでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は寡聞にしてこういうPRがどの程度行なわれているかよく知りませんけれども、従来の例から見ますと、この三月の確定申告期にばたばたこんな問題が出てくるのは、大方の人は御存じなかったんじゃないか。全国的にもこういうことは私問題になってくるんじゃないだろうかと思うのですね。つまり、法の指定した期日と実際に線引きの確定をする期間に穴があるわけですね、ズレがあるわけですね。その間の適用がされない。適用しないということが、実際の法の趣旨から見てかなうかどうかという私は問題提起なんです。  そこで、神奈川県の例をちょっと参考のために申し上げますと、実際には線引きが確定したのは六月十日でありますけれども、しかし公聴会が開かれたりいたしましたのはそれよりずっと前なんですね。それから第一次案、第二次案といってだんだんに修正されて、線引きに至るまでの問にはかなりの期間があったわけです。公聴会のときはもうすでに県なり市町村なりの意見が一致して、部分的には修正はあるでしょうけれども、おおよその大綱というのはもうきまっているわけです。私はそういう意味から考えますと、もし法律の趣旨を生かすということであるならば、せめて公聴会をやったときは、線引きが大体いろいろな関係で調整ができて、もうそう大きな変更がないというときであるから、その公聴会が終わったときからは買いかえの特例を認めるように考えてもいいんでないか。つまり、国税庁長官から出した通牒の「その土地等を取得した時の現況による。」という判断は、確定したときに初めて適用するのが正しい現況判断であるか、それとも公聴会程度実施したときの現況によっても、要するに、法の趣旨から照らしてみたならば、現況判断は公聴会以降と考えても、私はむしろそれが適法じゃないか、こう考えておるわけなんでありますけれども、そういうことについてはいかがでございまししょうか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 現在の通達では、指定地内の資産を譲渡した場合並びに指定地外の資産を買いかえた場合、二つともそのときの現況によるということにしてあるわけでございますが、従来私どもの承知しております範囲内では、公聴会その他の事前の手続がございますけれども、その手続の段階で、先生は部分的にというお話でございましたが、なるほど部分的でございましてもかなりの移動がございます。そういう意味ではかなり流動的でございますので、現況というのは、つまり買いかえ資産を譲渡した場合、それから指定地外で買いかえ資産を取得した場合、そのときすでに指定地の中に入っておるのか入っていないかで判断せざるを得ないということで「現況による」という表現を使っておるわけでございます。なるほど同じ年内でございますと、あらかじめ公聴会等で予定された地域がそのまま告示あるいは政令等で指定されておれば問題ないわけでございますが、今度は年がまたがったような場合に逆の問題がございまして、その年のうちでは指定地外であったために買いかえ資産としての認定が可能であったものが、翌年になりましてから条件がはずれまして、指定地外でなくなってしまったといった場合に、これを指定地内の買いかえ資産として認めるかどうかということが、逆の関係になってまいるような悩みも現実問題としてはあるわけでございます。したがって、「現況による」という意味は、別にそれぞれの法律の適用をストップしたということではなしに、そういう事実が生まれたときにこの措置法の特例の適用があるんだ、こういう考え方で「現況による」ということにしたわけでございます。  もう一つ、われわれの問題点といたしましては、事業用資産につきましては、農地のほかに一般の工場その他の用地等も該当いたしてまいります。それから個人の分、法人の分、両方該当してくるわけでございます。そういたしますと、個人の場合には、翌年の確定申告のときに事の結末をつければよろしいわけでございますが、法人の場合には、御承知のとおり決算期というものが毎月ございます。それぞれの法人によって決算の時期が違ってまいりますので、やはり「現況による」というのは、そのときの譲渡あるいは買いかえ資産の取得の時期に指定地域内であったかどうかということでもって判定せざるを得ない、かように考えておるようなわけでございます。またその趣旨が法律の趣旨に該当しておるものと私たちは考えておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 これは私は政治家と行政、特に税のほうを担当する者との違いが出てきていると思うのです。  そこで、私は、政務次官にちょっと……。私の言いますのは、つまりこの特例法の趣旨は、土地政策に協力した国民に対して特例適用の措置をとったものであります。それの施行日は一月一日ということになっています。ところが、諸般の事情でこの線引きの作業がおくれているわけであります。これは事実上の問題でございます。しかし、神奈川県の例をしばしば用いて恐縮でありますが、実際に法律に基づく公聴会は四十五年の一月十四日に終わっている。一月十四日にはほとんど、いまお話がありましたけれども、変動がないものが実際には公聴会にかけられておるわけです。しからば、この公聴会を聞き、法の趣旨や土地政策に協力する意味で動き出す人は、大体お上のつくった公聴会でここは調整地域、これは市街化区域となれば、大体間違いないなと思いますれば直ちに将来を展望してそのあれが始まるわけですね。たまたまその時期は農閑期でもありますし、将来のことを考えるとあまり忙しくならぬうちに将来の計画を立てるという意味でそうした買いかえ措置が行なわれるということは当然だと私は思うのです。しかも、法の趣旨はそういうことでありますのにかかわらず、「現況による」ということでやって、いま国税庁のほうでは確定しなければだめだという態度をとっておりますけれども、法の趣旨から照らせば私は一月一日と言いたいところだが、せめて公聴会が終えておおよその線引きが終わったところについての特例は認めてしかるべきである、それが法の趣旨ではないだろうか、こういう考えを持っておるわけなんです。ひとつあなたもお急ぎのようでございますので、大所高所に立って、この問題について御検討いただきたいと思うのでございますが、その御判断をお聞きいたしまして、私はあなたに対する質問はいいというふうにいたしたいと思いますから、ひとつ……。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 ただいま平林委員御指摘の問題は、市街化区域に入った場合、少し弾力的に、現況がそうでなくても政策上よろしいんだから、そういう措置をとってやったらどうだという趣旨ですが、御承知のように市街化区域設定の手続は県知事が原案を作成いたします。それに対して市町村の意見が入る。そして公聴会がありましてから建設省と事務的な協議をする。その次が公告及び案の縦覧をいたしまして、意見書の提出がある。その次の段階が都市計画地方審議会にかかる。それで、その議を経て建設大臣が認可をし、告示になって初めて市街化区域として確定をし、現況が市街化区域と定められるようになっております。  そこで、公聴会の段階あるいは公示案の縦覧あるいは都市計画地方審議会等においても間々変更があるわけであります。ところが、その変更があった場合税金はまけてしまったというか買いかえの措置をしてしまったということになりますと、これはほかの人との均衡の問題がありまして、なかなかむずかしい問題ではないかと存じます。しかし、平林委員のお気持ちも、法が、政府に協力したものは認めてやったらいいじゃないか、幅を広げて弾力的にやったらいいじゃないかという趣旨もわかりますので、そういうことができるかどうか、なかなかむずかしいとは存じますが、おっしゃられるところはわかりますので、くふうはこらしてみたいと存じますけれども、いま言ったような事情がありますので、御了承をいただきたいと存じます。

平林剛日本社会党

○平林委員 政務次官も大体私の趣旨を理解をして検討してみようというお話でございます。  そこで、たとえば公聴会がやられて、その後に変更された部分が割合として何%ぐらいになるかというようなことも、一つ重要な参考になるのではないだろうか。今日まで六五%された地域におきまして、公聴会と実際の線引きの終わったときに、その割合が何%ぐらいであろうか。そしてそれが非常に多いものでありますれば、いま言いましたように徴税やその後の補正その他で混乱が起きるかもしれない、それは私は認める。しかしそれが非常に少ないというような場合、ほとんど大多数が公聴会においては——大体公聴会をつくるときは手続はいろいろありますが、地元関係者の意見を十分聞いた上でやっているわけですから、相当数なったような場合には、やはり法の精神に従っていく、それに近いものをとっていくというような意味で検討してしかるべきものではないだろうかと考えるのでございます。政務次官のお話もございましたし、いまのようなパーセントの割合なども判断して、ひとつ国税局でも御検討をいただきたいと思うので、事答弁のいかんによりまして、私の質問は大体この辺で終わるようにいたしたいと思うのです。いかがでございましょう。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 政務次官の御答弁のとおり、なかなか微妙な技術的な問題がございますので、私どもも十分勉強した上でまた御返答を申し上げたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 これで私の質問は終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 貝沼君。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 入場税とそれから相続税、贈与税、それについて基礎的なことを質問いたします。  初めに入場税の問題でありますが、入場税がわが国で採用されてからいろんな歴史をたどっていると思うわけであります。私が調べた範囲では、たとえば昭和十三年ごろからずっとあるようでありますが、二十五年ないし三十七年のころには、たとえば芸術的価値の高いものには軽減税率にしたそうであります。そういうところから見れば、レジャー的なものに課税してきたとも考えられないわけでもない。そうして現在は一律一〇%になったところを見ると、これは消費支出のあるところに担税力ありとして、その担税力に課税をしておる、こういうふうにも考えられるわけでありますが、どれが根本的な考え方でこの税というものが導入されているのか、そこのところを主税局長から説明していただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 入場税は広い意味の消費税の一種でございまして、物品の消費に課せられるものが物品税、サービスの消費に課せられるものが入場税、もちろんそのほかに通行税でありますとかそのほかのサービスに対する税があるわけでありますが、その一般の消費税が戦争を契機にして日本で発達してまいったという経緯もございまして、その当時は奢侈重課と申しますか、より大きな金額の支出に対してはより高い税率あるいはより重い税率で課税すべきだという考えがありまして、この入場税につきましてもそういう思想がございました。それが戦後入場税が、日本の文化政策の点から見て純芸術とかあるいは商業的でないものについて軽減してはどうかということで軽減税率を設けたりあるいはまた金額の大小によって税率に差等を設けるというようなことが行なわれてまいったわけでありますが、金額の大小によって税率に差等を設けるということも、いたずらに税制の執行が複雑になるばかりでそのわりに効果がなかったという面。それから純芸術的なものについて軽減税率を適用するやり方につきましては、何が純芸術であるかということについているいろ見る人、聞く人によって意見も違いまして確定的なものをきめがたい。しかし税の執行でございますから、甲なら甲という催しものあるいは音楽会あるいは芝居なら芝居について、これは純芸術的であるかないかということをきめていかなければいけない。その場合に審議会等を設けて運営したらどうかという議論もございましたが、なかなかあらゆる芸術部門にわたって審議を願うような委員会というのは現実問題としてむずかしいし、各地方でそういう催しものが行なわれるわけでありますから、それを一々判定するのも現実的ではないというようなことから、結局それを税務当局の判断にまかさなければならないというようなことになる。そうすれば、税務当局は本来芸術性を判断するような資格も何もないわけでありますから、そういうことで、入場税のあり方としては適当でなかろうということで、現在のように一律一〇%になっておるわけで、これは現在のところ、わが国の消費税は大体小売り段階一〇%という税率になっておりますので、それらとバランスのとれたものであろうと考えておるわけであります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 結局入場税をつくった時点と現在とは入場税に対する考え方というものが変わってきたということになるわけでございますね。それで、この入場税が変わったとはいうものの、変わったという正式な表明はいままでなさったことございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 まあ段階税率をやめるとかあるいはなまものとそれ以外のものとの課税を一律にするという現実の法改正によって性格を変えていった、かように御了解願いたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それから、この答申の資料だと思いますが、昭和十三年の四月にたしか二十三銭という免税点ですね。そうして現在は三十円、それから今度はいよいよ百円に免税点を上げるという法律でありますが、この場合昭和十三年ごろとそれから昭和四十五年ないしは六年、この時期の物価の上昇あるいは当時の入場券の平均的な値段、それに対する割合と、現在の映画館なら映画館の割合、これを比べてみましてどういう比率になりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 当時、昭和十三年の二十三銭を物価指数で換算いたしますと、大体小売り物価指数換算が三百四十六倍くらいになりますが、それでいたしますと八十円ということになります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 物価指数だけでなく、当時の入場券の金額、それに対して二十三銭という割合と現在のものとの割合ですね、この辺はどういうふうにお考えかということが一つです。  それから、物価の上昇の場合、物価指数だけでなく、たとえば米の値段等を基準にした場合、それはどうなるか、その点は計算したのがありますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 当時の平均的な入場料が二十八銭ぐらいになっておりましたので、ある意味でかなり高い免税点になっておりました。現在はそれかやはり三百円ぐらいの入場料金になっておろうかと思いますので、その新しい免税点ということになりますと、当時に比べれば若干低目になっております。ただ、先ほども申し上げましたように、当時はその逆に累進税率というような考え方が入っておりますので、同じように考えるのがどうか。つまり奢侈重課という比例重課的な考え方があったのに対しまして、現行の消費税はいわば入場料を払うという形で行なわれる消費に対して広く負担を求めておる。それでこの入場料の免税点のほうは、むしろ執行上の問題あるいは納税者の便宜というような技術的な観点で考えておる。税のその間におきます変貌というようなものも、あわせお考え願いたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私はこういう資料を云々するのは、やはり現在の免税点というのは非常に低いと思うのです。実際、たとえば映画館とかこういうところは、現在非常に人が入っておりません。主税局長が最近映画を見られたかどうかわかりませんけれども、当時の映画を見る人と現在映画を見る人というのは全然違うわけですね。考え方も違うし、入る心がまえも全然違う。したがって、たとえばレジャーならレジャー、奢侈的なものとして幾分かの要素があると思うのですけれども、そういうふうな考え方がもしあれば、現在たとえばテレビであるとかほかのいろいろなレジャーが普及している場合に、これはいろいろな問題が含まれているのではないかと思うのです。そうして昔のように、現在入場券を買って入る人の中には、必ずしも金があるから入るというのではなく、別の目的を持って入る場合が非常に多いというようなところから考えてくると、単なる担税力という考え方だけでは、これに対して税金をかけるということはちょっと考え直さなければならないのではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほども申し上げましたように、広い意味での消費税として取り上げておるわけでありまして、入場税と同じような税としては、地方税でありますが娯楽施設利用税とか、あるいは通行税でありますとか、あるいは料理飲食税でありますとかいうようなものがあるわけでありまして、免税点の高低につきましては、いろいろな角度からの御議論もあろうと思いますが、奢侈とは申しませんが、趣味娯楽の消費であることには変わりないと思いますので、そういう意味で、物品税におきましても趣味娯楽の系統の物品につきましては、特殊な中小企業対策をとっておるものを除きまして、免税点というようなものは置いておらない、それらと考え方を一にしておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それからさらに、入場税というものは、諸外国においてはいろいろ問題があると思うのです。私がちょっと見たところでは、たとえばアメリカは州でやっているところもあるようでありますけれども、アメリカ自体としてはやっていない。それから英国なども実は廃止しているようでありますが、その先進諸国においてどういうふうな取り扱いをしておるのか、そうしてわが国がこれをやらなければならないという理由、他の国がやっていないのにわが国はどうしてもやらなければならないという理由、これはどういうことになりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御指摘ございましたように、アメリカは連邦税としての入場税は廃止になっておりますが、州税としての入場税、あるいは名前は違いましても入場税に見合うものが行なわれております。またヨーロッパ諸国におきましては、御承知のように付加価値税があるわけでありますが、ドイツで申し上げますれば、付加価値税が課せられた上に、ドイツでも地方税としての娯楽税が行なわれておるようであります。それからフランスにおきましては、付加価値税にかえて、特殊な税が行なわれており、州税として、こういう入場税に相当するものが課せられております。イギリスは課税が行なわれておりません。イタリア等にもやはり同じような娯楽税がございます。これでおわかり願えますように、アングロサクソン系の国は大体入場税を行なっておりません。と申しますのは、これらの国は、いまさら申し上げるまでもなく直接税を重視した税制の国になっておるわけでありまして、そういう意味で、わが国も、この入場税をどうするかというのは、わが国の今後の税体系をどのように直接税、間接税のあり方を含めて考えていくかということを含めた、広い観点に立って検討しなければならない問題ではないかと、かように思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 確認ですけれども、アングロ系は直接税が中心であるから採用はしていないということですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 結果的に、こうした税が連邦税あるいは国税になっておらない結果、間接税のウエートが小さい税制になっておる、こういうわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうするとわが国の場合は直接税中心でございますね。この点はどういうふうに考えますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 これは大臣がたびたびこの席からも申し上げておりますように、現状はかなり直接税に片寄ったといいますか、直接税に重点を置いた税制になっておりますが、この税制について、広い角度から見直し、具体的には間接税のあり方をどう取り入れていくかということを考えなければならないと申し上げておるわけで、現状で申し上げれば、直接税に重点を置いた税制になっており、ただそれが、税制のあり方を転換すべき段階にきておるということでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうしますと、主税局長は、将来直接税を中心とするか、それとも間接税移行の方面にいくかというその思惑の中で、この入場税の考え方もいろいろ変わってくるというふうな意味にも私は聞こえるわけでありますが、入場税を将来、たとえば、現在直接税中心的に見えるわけでありますから、入場税の免税点を上げるとか、あるいは全面的に廃止をしていくとか、そういう方向に向かって検討するお考えはあるかどうか、この辺はいかがでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 全体の間接税のあり方との関通で考えてまいらなければならぬと思いますが、先ほども申し上げましたように、日本の物品税あるいはそのほかの消費税につきまして、娯楽的なものあるいは趣味的なものに対しては免税点というのは低くきめておる、あるいはないものが多いというのが現在の税制でございますので、その立場は守って、広い意味で入場税その他の間接税をどう考えていくかというのは別個の立場で検討いたしたい、かように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 この入場税の昭和四十五年度の見込みですけれども、これはたしか百四十一億八千九百万円くらいだと思いますが、これは国税の大体〇・二%くらい。そうするとこの税金は、たとえば徴税上どうしても必要だというほどのウエートは私はないのではないかと思うのですね。〇・二%程度ですから。したがってこの入場税は、これはもっともっと少なくしていってもいい、むしろ、これはゼロにしてもいいくらいのものでありますが、しかしながら他との関連もあるようでありますので、もっとやはり免税点を上げていかなければならないのではないか、と私は思うのです。こういう点について主税局長は、それともいまのがほんとうに妥当だというお考えですか。その辺の気持ちはどうでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 免税点を上げていく場合に、一つは、先ほど申しましたように全体の消費課税の中でのバランスというものがありますし、入場税というのは間接税としての体系の中のやはり重要な一環をになう税であるというふうに考えておるということも先ほど申し上げたわけでありますが、この百円の免税点をかなり大幅に引き上げますと、現在の映画館のかなりのものが免税点以下になってしまうとか、あるいはそのあたりで非常に料金のシフトが起こるとか、いろいろな問題が起こり、しかもその辺の映画館その他は、いわゆるピンク映画だとか何とかいうようなものもかなりひしめいておる料金階層でありまして、この辺をどういうふうに判断するかということで、むしろ執行の便宜という点から考えられておる免税点の性格からしまして、百円というのが、そうした料金体系の混乱も生じない、しかも臨時催しものとかいうようなものは、これはほとんど落ちていくし、一方では学生等の視聴覚教育に用いるものはこれは全部免税にするという形で、この辺の調整をはかったつもりでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 しかしながら、入場税の免税点引き上げという問題は大衆の声であります。よくその点は御認識をいただきたいと思います。さらに、相続税、贈与税の問題でありますが、現在の民法において、夫婦の問題は非常に微妙な段階になっておりますが、これは新聞等においても、だいぶ検討されているということが知らされております。実際、妻の座を優遇とかあるいは内助の功とか、こういうことば自体が、実際妻というものは付随的にくっついているみたいな感じを起こさせるものであって、これは平等の精神からいくとむしろおかしいのではないかと私は思います。しかしそれは民法の問題でありますのでここでは議論いたしませんが、この贈与税の配偶者控除適用要件を、婚姻期間を二十五年を二十年に改めた、こういうふうに一歩前進はしておりますけれども、二十年ということはこれはどういう意味があるのでしょうか。二十年たたないと一人前の妻と認めないということなのか、あるいは二十年というのはどういう根拠をもってこの二十年という数字が出てきたのか、ただ、二十五年では長過ぎるから二十年くらいにしようかという気持ちの二十年なのか、二十年でなければならないという議論があるのか、その辺のところを説明願いたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 この妻に対する贈与は、御承知のように、妻が住む家くらいは、夫から贈与を受けた場合に課税が行なわれないようにしようというのが法の趣旨であろうかと思います。そういう意味におきまして、夫が妻に住む家を譲り得る状態というのは結婚して二年とか三年とかでできるわけではなくて、やはり従来の例でありますれば二十数年かかったというのが実情であろうと思います。むしろそういうときに、現在子供が母親を養わないというようなことから、自分のなくなったあと未亡人になった配偶者の将来を心配して家を譲っておこうというようなこと、そういうような状態になります財産形成の期間というのはやはり二十数年であった。しかし、このごろは富の蓄積のテンポも早くなってまいりましたので、二十年くらいに短くしても大体家くらいは買えるような富の蓄積ができるのではなかろうか、こういう意味で二十年にしたわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 二年や三年では譲れないという話でありましたけれども、これはぼくはそんなことないと思うのです。いつ譲らなければならないか、こういうことは実際個人的な人の関係でありまして、これは譲れないだろうとかそういう憶測は私は当たらないのではないかと思うのです。それならば主税局といたしまして、たとえばいままで贈与をしたのは結婚後何年ごろは何件あってというデータとかそういうものはおとりになったことはありますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私の申し上げたことを誤解願っておるのではないかと思うのですが、贈与というものを非課税にいたしておりますのは、奥さんがその財産の形成に関与されたものであるからこれを非課税にしようというわけでありますので、夫が持っておった財産を随時分けてあげて、それは妻であるからいいんだということは、同居して共同生活を行なっておられる限りそれは別の議論ではないか。私どもがこの贈与で考えておりますのは、夫婦共同して営々としてつくり上げた家を自分の生きているうちに、いわゆる目の黒いうちに妻の名義にして、それに贈与税がかかるのは酷ではないか、その辺に考えておるわけでございまして、貝沼委員のおっしゃる、夫が本来持っておった財産を自由にくれてあげるのも、それは同権だから何でもいいじゃないかということになりますと、むしろ財産分散とかいろんな問題が起こりまして、家屋敷であれば別でありますが、もし普通の財産であれば、御承知のように現在の所得税の超過累進を別々の課税主体にすれば避けることもできるわけでありまして、事柄はそういうことではないのではないか、かように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私の言っておることも、何もそう御主人が持っておったものをすぐ分けてあげる、それだけの単純なことを言っておるわけではないのです。しかし、現在の社会情勢で、一日二日でどれだけの財産ができるか、これも予測できないのです。昔のように二十年間働かなければできないという確証もないのです。したがって、二十年というのは、大蔵当局としてはいろいろ理屈は言うかもしれませんけれども、二十五年を五年繰り上げて二十年というのが私はほんとうじゃないかと思うのです。そういうふうに簡単に考えられていいものかどうかということですね。ただそれだけでこの二十年をきめていいものかどうか。ここにひとつ、もっと慎重に、世間の意見とかそういうものを聞きながら考える必要があるのではないか、こういうことを言っておるわけであります。  さらに、たとえばアメリカとか西ドイツ、それからフランスとか、この国々においては日本とずいぶん様子が違うようでありますけれども、この関連においてはどのようになっておりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 アメリカは遺産税という形態でございまして、遺産に対して税がかかっていく。したがって、配偶者であるとかあるいは子供があるとかいうようなことは、税負担を考えていく場合には直接考慮に上がってこない。逆にヨーロッパ諸国はおおむね遺産取得税と申しますか、被相続人からの財産を取得していく、それを取得者の段階で課税するという方法であるわけであります。ドイツの場合でありますとそれがたとえば十年間を合算するとかいうことになっており、フランスでありますとそれは一生を合算するというようなことになっておりますが、いずれにしても財産をもらった側で課税するというやり方であります。日本も戦前は遺産税でありまして、それが家督相続の場合には安くするというようなもので、遺産税でありながら遺産承継税的な要素を入れておったわけでありますが、戦後は逆にこれを遺産税に徹底いたしまして、シャウプ勧告では一生の累積、いまフランスが行なっておりますようなやり方をしたわけであります。これは結局農村などの場合におきましてその遺産を分割しなければ税負担が重くなる、したがって仮装の分割が行なわれるというようなことになって、税の執行も非常に困難である、そういうことで現在は遺産税ではございませんが、税の計算にあたりましては、法定相続分によってそれぞれの人が遺産を承継したものとして税を計算して、その税額を現実に引き継いだ資産の割合で各相続人が相続税を払ってもらうという遺産税的な要素を入れた遺産承継税になっておるわけであります。そういう意味で国の制度が違っておるのに応じて相続税も変わっております。  わが国の場合には、子と相続した場合に民法が三分の一が配偶者の相続分ということになっており、ヨーロッパあるいはアメリカの諸国におきましては、夫婦共有財産、コミュニティープロパティーと申しておりますが、何と訳すのかわかりませんが、夫婦共有財産制のような国におきましては、配偶者控除というようなものは夫婦共有財産の場合にはない。つまり半分が妻の財産でありますからそういう制度は要らないし、アメリカのように夫婦共有財産とそれからコモンローの日本のような名義人主義の財産制度をとっておる国におきましては、夫婦共有財産制の州とそうでない州との間のバランスをとるために固有財産の二分の一の配偶者控除というようなことをいたしておるわけであります。したがいまして、民法あるいは家族制度の違いに応じてそれぞれが違っておるので、これは一がいによその国の制度そのものを相続税の上だけでそのまま持ってくるというのはむずかしいかと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私もそう思いますけれども、大蔵省は事ごとに外国の例を出しますのでこの際出しておいたほうがいいと思いまして出したわけであります。  それから次に基礎控除の問題で、四百万円、これは思いついたようにぽんと上がっているわけですけれども、物価のほうあるいは地代、こういうものは現実にどんどんどんどん上がっているわけですね。最近特に上がっている。この場合に、ただ、いままでのように思いついたように上がっていくのであっては実際困ると思うのですね。したがって、この地価の高騰にたとえば、厳密にはスライドできないかもしれませんが、それに見合ったやり方で今後検討されるのかどうか、その辺を伺っておきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 相続税は所得税のようにいわばその人に年々かかるというような税ではございませんので、おっしゃるように年々スライドをさせるのがいいかどうかはわかりませんが、日本の現在の死亡件数当たりに対して相続税がかかる件数は二%前後のところでございます。これはまた外国の例を出すようでありますが、外国では六、七%くらいになっておるわけでございまして、日本の相続税の課税がえらい低いところから行なわれておるというふうには必ずしも認識しなくてもいいのではないか。ただ、貝沼委員がおっしゃるように、地価も上がっておりますし、財産形成も行なわれておるわけでありますから何年かに一回これを見直していくべきであろう。その場合には従来は課税最低限の引き上げに重点を置いてまいりましたが、所得税の税率等のからみもございますから、ある段階においては税率のこともあわせ考えなければならないような段階が来ようと思います。ただしかし、これは国民感情がどのように受け入れていくか。非常に巨万の富を得た人の相続人は人生のスタートから多くの財産を持ってスタートできるというようなことがいいのか悪いのかというようなこと、これは国民の皆さんと一緒に考えていかなければならぬ問題だと思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 確かに税法自体はある人には得であるし、ない人には非常に損になるのが普通でありますけれども、その辺をよく考えて、やはりほんとうに困った人がそういう場合に当たるときもあるわけでありますからその必要があると思うのです。  さらに最後に伺っておきたいと思うのですが、不動産を相続されますと結局相続税を支払うことになるわけでありますが、その場合に現金で支払うか、また物納するか。現実の問題としてそうなるわけであります。ところが物納をしますと、これは相続の評価額は時価のたしか六〇%くらいだと思うのです。そうすると、これは非常に損である。そこでこれを売れば時価で売れるわけでありますから、売って税金を納めたい、こういうふうに考える人もおるわけであります。その場合にはたとえば時価で売っても、譲渡税を納めてもまだまだこっちのほうが有利だといわれております。そうすると、物納する人というのはその土地なら土地をちょん切って売って納めれば、そうできれば、できるものであればまだいいけれども、できないもの、 たとえば家だとかこういうものはちょっと切って売るというわけにいきませんので、非常にむずかしいわけであります。そこで、現金で納める場合、これは一時にそういう金もありませんので、たとえば延納を申し出る。その利息は、たしか年に七・三%くらいだと聞いておりますが、そうしますと、現金のほうが非常に有利であるというようなところから、この税金を納めるためには理論上は別としても、やはり現金とかあるいは預金とかというものがどうしても必要性に迫られるというかそういうかっこうになっておるわけであります。ところが、この場合に七・三%の利子ではまだ高いという声があるわけであります。したがって、これをもう少しめんどうを見てやる気持ちはないか、こういうことでありますが、この辺はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 これは大体一般の金利とバランスをとっておるわけでありますが、いま御指摘のように、財産を売って納めれば金利の問題は起こらないわけですが、そのかわりにその財産はそれでなくなってしまいます。いまの状態におきましては、財産を持っておれば、これは必ずしも喜ばしい現象ではございませんが、年に何%かは地価が上がっていく。その辺のバランスもございますので、総合的に検討させていただきたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 以上で終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 佐藤君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 まずきょう入場税、相続税に入る前にお伺いしたいのです。  ということは、私は今度非常に不快な事件に出会ったのです。それというのは、私が直接出会ったわけじゃないのですが、ある交通事故、場所は名古屋ですけれども、名古屋のある会社の支店長の車が出会いがしらにぶっけられた。警察に届けておりますけれども、横っ腹にぶつけられたわけです。ぶつけたほうが出てきて開口一番に何と言ったか。私は税務署員だ、まずそう言ったというのです。確かに憲法では、税金を納めることは国民の義務ということになっておりますけれども、まず一つは税負担が非常に重いということ、それから税務署員が人に車をぶつけておいて、そうして開口一番、おれは税務署員だと言い、そしてしかも賠償の交渉に入る相手を税務署に呼びつけている。その人が私に言うのには、四十幾つの方だそうですけれども、何カ月か前に同じような事故をやったので、それがばれると困るというので、税務署に呼びつけて交渉している。しかも、おまえのところは会社の損金で落ちるのだから、新車をおまえの会社があれしろ、おとなしくしていろということを言っているというのです。交渉の場所もあれも全部とってありますけれども、それは、個人的に言うことではなくて、税務署職員のあり方として非常に問題があるのじゃないかと思うのです。幸か不幸かぶつけられたほうの会社の税務署と区が違うので、その直接の税務署ではないわけですが、自分で車をぶつけておいて、出てきてまず開口一番、おれは税務署員だということを言い、しかも賠償の交渉にあたって、税務署に呼びつけて交渉する、しかも損金で落ちるんだから会社で買えというようなことをやっている。これは税務署員の方々全部だとは私は申しません。しかし、税金を取るということがいかにも署員の何か特権であるような——私は憲法上税金を納めるのは当然だと思いますけれども、どうもこの辺のところがすっきりいかないわけです。これは国税庁の長官にお伺いするのが当然かもしれませんけれども、私はきょうは長官は必要ないと言ってしまいましたものですから、国税庁の方がいらっしゃるので、まず、この辺をどのように指導なさり、税金をどう取るかということは——税金を納めるのは義務だけれども、税金を取るほうとしても、やはりこの辺のところは考え直していただかなければならないのではないかと思うのです。  せっかく政務次官がいらっしゃいますので、政務次官から答弁をいただいて私は本論の質問に入りたいと思います。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 実は、そのことにつきましては、ただいま佐藤委員から御指摘があって初めて知ったところでございますので、十分調査もし、改めるべきところは大いに改めさせなければなりませんが、そういう事実があったとしたら、まことに申しわけないところでありまして、そういう姿勢、態度、やり方は断じて許されないところでありまして、そのようなことのないように十分行政指導をしてまいりたいと思います。そういう事実があったとすれば、ひとつこの機会に深くおわびを申し上げます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、その問題は個人的な問題である程度解決しようと思えばできるので、この委員会では特に問題にするわけではないのですが、税金を納めるということと税金を取るという態度の基本については、やはりはっきりしておかなければならないことだと思って冒頭に申し上げたわけです。それでは、まず入場税からお伺いしたいのですか、今度の入場税法の一部を改正する法律案では、免税点が三十円から百円。三十円から百円といいますと、いかにも三・三倍上がったということで、政府としてはこれはばかに奮発したと思ったのです。思ったけれども、よくよく考えてみるとこれははたして一体改正という名前に値するよりな法律であろうかということを私はつくづく思うのです。物価指数はたしか三十円だったと思うのですけれども、それが現在の百円に対してどうだということの論点もあるでしょうけれども、私は正直たいへん勉強不足で申しわけないのですが、免税というからこれだけ税金をのけてくれると思ったのです。ところがそうじゃないのですね。つまり今度の改正案では、百十円の入場料を払う劇場に入った場合には、百十円に対して一割の税金がかかるわけですね。私はまずお伺いしたいのですけれども、いまおそらく四千何百軒という映画館があると思いますが、この入場税法が適用される映画館なり劇場なりというものが何軒あるか調べでないのですが、この法案が出たことによって、つまり免税点が三十円から百円に引き上げられたことによって、一体幾つの映画館なり劇場というものがこの法案の恩恵に浴するのか、それをまずお伺いしたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 常設館で申し上げますと大体百十六ぐらいになりまして、これは全体の三%くらいになります。それからこの免税点がそもそも設けられておりました本来の趣旨でありまする、臨時の催しものはなるべく課税しないようにという、臨時の催しものの関係では三割程度が課税対象外になる見込みでございまして、人員で申せば約四千万近い人が結果的に非課税になる、こういう数字に一応なっております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 臨時の場合というのは、私ははっきり一年間にどれくらいあるかということを、確実なことは、企画その他によりますからつかめないと思うのです。しかし百十六の映画館なりあるいは劇場、つまり入場税法が適用されるところはたった百十六なんですね。三%なんですね、三十円が百円に上がっただけで。これでは入場税法の一部改正——一部改正には間違いないけれども、どうも改正というにはあまりにお粗末じゃないかと思うのです。これによって一体どのくらい税収の面で少なくなりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 平年度で申しまして約四億四千万くらいのものになろうかと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 確認をしておきたいのですけれども、その減収によって本年度の入場税法による収入というのはどれだけを見込んでおりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 減収後百三十八億四千万、それにいまのものが加わりまして、当初は百四十三億くらいの税収を見ておったわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それで、全体の館数からいくとわずか三%程度しか恩恵に浴さない入場税というものはもう少し考えてみなければいけないのじゃないかと思うのです。この法律改正によって免税点が三十円から百円に上がったことで、わずか三%しか恩恵に浴さないということでは、もう一度入場税というものを考え直してみなければいけないのじゃないかと思うのです。それで現在の免税点方式になっていて、私が例にあげましたように、今度百円に上がったとしても、百十円の映画館なり劇場でも百十円に対して一〇%という税率を課する。私が調べた範囲では映画館の全国平均の入場料というのは約三百円です。演劇などが四百六十二円、これは四十四年度の分ですけれども、この際ギャンブルは除きますが、こういうように三百円、四百六十二円という額が大体国の平均でございます。平均というからこれより低いところもあるわけですけれども、いまの東京の映画館に行けば五百円、六百円というのは映画でも普通です。こういうことを見てみますと、免税点百円、これははたしていかなるものだろうか。貝沼委員の質問にもそんなような趣旨があり、それに対して御答弁なさっておりますけれども、六百円の映画館に入るのに百円控除してくれて、その五百円に対して一割かかるというならまだ——あとからまた御質問申し上げますが、まだ私は気持ちとしてはわかるのですが、しかし百円以上の入場料を払えば結局免税点というのはないというやり方では、どうもこれはあまり合理的な税の取り方ではないのじゃないかというふうに思うのですが、その点いかがでございましょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御指摘ごもっともなんでありますが、間接税と申しますのは一定の税率でかけます場合には、所得税あるいは直接税のように個々の事情というようなものはなるべくしんしゃくしないで一律の税をかける、それが間接税のよさでもありある意味で悪さでもあるわけであります。そういうようなものでありますので、間接税におきましては基礎控除と一定の基礎的なものあるいは基本的な経費というようなものを控除するという考え方は間接税にはなじまないということで、これはどこの国でもそういう制度はほとんどとっておらないわけであります。そういう意味で入場税につきましても百円あるいは従来ありました三十円というのは、あまりわずかな税額の徴収を映画館その他にお願いするというのは、あまりにも煩瑣であるということで免税点を設けておったわけであります。それがその後の物価事情あるいはその後の人件費等の様相から、大体そのころ考えておりましたようなものが百円くらいのところに来ておるわけで、そういう意味で百円の免税点を設けたので、佐藤委員の御指摘のような考え方を貫くとすれば、むしろそれは税率で考えるのが間接税のあり方としては筋ではないか、かように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま間接税というのは個々の事情を勘案してあれする、考えるにはなじまない、その論議はいろいろあると思うのです。ところがいま言ったように免税点方式あるいは控除方式、税の考え方の体系としてはいろいろあると思うのですけれども、たとえばいま六百円の映画館の例にとってみますと、六百円ですといまの方式ではこれに対して一割ですから六十円の税金が取られるわけです。控除方式をたとえば考えたとして——控除額を幾らにするかわかりませんけれども、たとえば控除額を二百円としますと、四百円に対して、いまの税率ですと一割かかるわけですから四十円、四十円取るか六十円取るかという論議になるわけですね。控除額を幾らにするかによっていろいろ違いますけれども、一人から取る税金の二十円の差の論議になるわけですね。そうなりますと、この入場税というのは、先ほども貝沼委員やその前の方から御質問があったように、あまりどうも合理的ではないのじゃないか。もう一つは、いま主税局長もことばに出されましたけれども、はたして税率が一律一〇%というものはどういうものであるか。私は少なくも二千円なり三千円という高い、いわゆる外国から演奏者なりあるいは指揮者を招いてやる音楽会あるいはボリショイバレエなり、そういう芸術性の高いものから税金を取るのがはたしてどうかという論議もありますけれども、とにかく額の面から考えてみて二千円なり三千円の入場料に対して一割かけると、これは私あとで少し目的税についてお伺いしたいのですけれども、そういう二千円とか三千円のものに対して一割の税金を取るというなら私はまだわかると思うのです。先ほど貝沼委員の質問に対して答弁がありましたけれども、五百円、六百円の娯楽費、教養というものに対して一割の税金を取る。現在の貨幣価値からいくと、これはあまりにも合理性のないものなのではないかという気がするわけです。  そこで、いま免税点は三十円から百円に上げましたけれども、依然税率というのは一割になっているわけです。私は控除方式あるいは免税点方式についてもまだまだ論議があると思いますけれども、どうですか、一〇%という税率を一挙にゼロというふうに——私の希望はゼロでございますけれども、一挙にそういうことは、やはりおたくのほうとしてもいろいろ都合もあるでしょうし、いかぬでしょうから、せめて、額が小さいことですから、五%ぐらいに下げるということはどうでしょうね。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 わが国の消費税は、大体一〇%というところでバランスをとっておるわけであります。と申しますのは、物品税でございますと、平均的な税率は大体二割になっております。これは御承知のように製造段階でありますから、したがって小売り段階までまいりますと大体一〇%前後、あるいは一〇%を若干実質的に上回ることになりましょうか、小売り価格との関係で見れば一〇%ぐらいの税になっておるわけであります。そのほかの料理飲食等消費税でありますとかあるいは娯楽施設利用税といったようなものも大体一〇%、通行税も一〇%ということで、わが国の消費税は、酒のようなものは例外でございますが、大体一〇%で構成されておるわけでございます。  それに比べまして、一般的な税ではございますが、ヨーロッパなどで付加価値税という形で取られておるのは、催しもの、あるいは入場税に相当するような場所への入場にあたりましても、フランスのような国であれば二十数%の税がかかるというようなことでございまして、消費税の高さとしては、一〇%というのはそんなに高いものではない。もちろん税のことでありますから安いにこしたことはありませんが、そう特別高いというものでもない、この辺は見解の違いになろうかと思いますが、私どもはそう思っておるわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 先ほどの答弁の中に、これが一種の間接税であるということで、こういう控除方式というのはなじまないということだそうでございますので、率直にお伺いしたいのですが、三十円から百円になったということですね。それの恩恵に浴するのは全国の映画館、劇場なんかのうちのわずか三%である。今度の改正案というのは減税のおつもりですか、それとも、三十円というものを昭和三十七年にきめたのだから、少し物価水準に合わぬということで百円に上げたということですか。どちらの目的のために三十円から百円に免税点が上げられたのですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 おっしゃる両方を兼ねておろうかと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 しかし物価水準を比べれば、昭和三十七年から今日まで割ってみればいいわけですけれども、減税ということになりますと、これは適用されるところがわずか三%である。私が知っている範囲でも、私は名古屋市を除く西側の選挙区でございますけれども、あるいは私は東京にも長いのですけれども、百円以下の劇場とか映画館とか、あまり見たことはないのです。政務次官の北海道のところなら私は存じませんけれども、百円の劇場がそれでも三%あるということですが、そうなると、この改正案が出された目的の一つに減税が入っているということになると、減税効果というのはほとんどないのではないか。どうもその辺があまり納得いかぬのですが、ひとつ数字があればお示しいただいて御説明いただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 もちろん佐藤委員も行かれたこともないようなところだとは思いますが、東京にはわりあいございまして、たとえば豊島の文芸座とか渋谷でいえばパレスであるとか、あるいは池袋では日本館、あるいは新宿でもパレス、大塚では名画座、大体国電のターミナルに一つぐらいはあるようでございます。ただ、そのほかに一般の催しものといたしまして、学生のいろいろな音楽会のようなもの、そういうものがずいぶんありますし、それからこの免税点を百円にいたしますことによって、野球場であれば子供が外野席に入る限り課税にならないということで、これはかなりの量になろうかと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そういうところが東京都内にもあるなら、私もひまがあったら行ってみたいと思うのですけれども、全国でもわずか三%がそれに属するくらいでは、減税効果ということはあまりないんじゃないかと思うのです。  それから、いま局長が言われた子供の問題ですけれども、これはいままで取っていたほうがむしろおかしいのではないか。子供が野球の外野席へ入るのに税金を納めていたということは、私は国としてもあまりにもやり方があこぎではなかっただろうか。それをとって、今度少し減税になるといかにも得々とされるのはちょっと行き過ぎではないかと思うのです。  そういうことでございますので、この百円というのを、やはり入場税が間接税という考え方から出ている以上、控除方式というのはなじまない、これはまた論議の対象になるかと思いますが、なじまないということならば、この際、改正案として国会に出されたものが、昭和三十七年のときに免税点が三十円だった、それが四十六年のこの物価高に免税点が百円である、しかもこの法律の改正によって適用されるのが全国の劇場のうち百十六館、わずか三%にしか達しないということでは、こちらの審議するほうも、恥ずかしいといっては失礼でございますけれども、やはりちょっとお粗末じゃないかと思うのです。それで、どうですか。三十円をこのあたりで一挙にせめて三百円とか(「千円だよ」と呼ぶ者あり)やはりその辺まで考え直していただかなければこれはあまり効果がない法改正ではないか、その辺もう一度政務次官いかがでございますか。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 大蔵大臣も当委員会で、間接税に比重を置きたい。直間比率の改善というところからいくと、ちょっとこの免税点を千円に上げろということになりますと、あるいは四百円、三百円でもそうですが、劇場からはほとんど税金をいただけないという基本問題がございます。  もう一つは、それじゃ二百円ぐらいにしたらどうだ、こういう意見も、(「彼は三百円と言っているのだ」と呼ぶ者あり)三百円という意見もあります。二百円という意見もありました。実はその点も、ざっくばらんに申し上げて、自民党の税制調査会でもいろいろ議論いたしましたが、行きつ戻りつして百円に落ちついたわけです。なぜ戻ったかというと、実は二百円前後のところはちょうど風俗営業の映画館が非常に多いという実態があるわけでございます。そこで二百円とかその前後にいたしますと、今度の税制は何だ、風俗営業のめんどうを見たのか、こういう非難を受けるということもいかがかというような点から、とりあえず百円ぐらいがよかろうということでやりましたので、その点われわれも政治家として、十分というか、ずいぶん悩み悩んだ結果、行きつ戻りつ、百円ぐらいで今回はお願いしよう、こういう経緯があったのでございますので、ひとつ御了承をいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そういうおことばが出るだろうと思って私も待っていたのですけれども、きょうは実は文化庁の方にも来ていただいて、少し論議をしてみたいと思うのですが、いま政務次官のお話の中にもあったように、成人映画あるいは風俗映画と申しますか、こういうものに対して、たとえば免税点を高くしちゃった場合に、それも恩恵に浴する、これが恩恵に浴することがいいかどうか、これはまた論議の別の時点だと思うのですけれども、その理由で百円が二百円にならなかった、三百円にならなかったというのでしたら、国税庁の方にお伺いしたいのですが、風俗映画なりあるいはお話しになった浅草のストリップなんかにも適用されてしまうということで免税点が上げられないということでございましたら、これは私は技術的に可能じゃないかと思うのですね、分けることが。いわゆる風俗映画をやるところ、あるいはストリップをやるところと一般の普通の映画館というものは、これは技術的に何かの形で分けることは可能なんじゃないか。可能であるならば、この百円をいまの政務次官のお話では、三百円にもすることができるというふうに思うのです。  それでまず一つお伺いしたいのは、そういう御懸念ですが、税金を取る場合、いわゆるそういう風俗映画あるいはストリップ等のものについて技術的に分けることができないのかどうか、その点についてお伺いしたいのですが……。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その点については佐藤先生の先代が非常におっしゃいまして、実はやったわけでございます。(笑声)そのとおり実はやりまして、なまものとそうでないものと分けまして差別税率をやったわけなんです。なまものをやりますときに、純粋の芸術的なものと、いまお話の出たストリップというようなものとがほんとうに区別できるかというので、大蔵委員の皆さんにずいぶんあちこち見て歩いていただきまして、結局区別はつかぬだろう、主観によって差があって、まして税務当局がそれを区別するというのは不可能だろう、映画につきましてもやはり事柄は同じじゃなかろうか。ある人にとってはエロだということがあり、ある人にとってはこれは正当な非常に芸術的なものだという主張が出て、これは税務当局にこの執行は無理だというので一本税率になったいきさつがあるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私も別に芸術家ではございませんけれども、まあ国家権力が芸術というものを認定するのは非常に困ると思うのです。ただ成人映画あるいは風俗映画、こういうものに対しては、いわゆる広告なんかでも、私は詳しくは知りませんけれども、成人映画という文字が、あるいはそれは新聞の広告なんかでも出ていますですね。ですから、そういうことである程度できるんじゃないか。これはあとでもう少し論議したいのですが、芸術かどうかということになると非常に問題になってくると思いますけれども、成人映画というのは私は分けられるんじゃないかと思うのです。いかがですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その点はまさに非常にむずかしいところで、とても税法では無理だと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それじゃちょっと話を変えまして、せっかく映画の話が出たので映画にちょっと触れますと、昭和三十三年に映画の観客動員数というのは十一億二千七百四十五万人、十一億ちょっとですけれども、それで四十四年度、これが二億七千六百万人、ほぼ四分の一になっちゃったわけですね。映画館の館数で見ますと、三十五年が七千四百五十七館、これが四十五年度の七月の統計によりますと三千三百七十八と、まあ大体半分に映画館の館数は減ってしまったわけです。  それで、きょうは実は文化庁の方に来ていただいていると思うのですが、これも入場税の問題と関連があるので私も考えてみたのですけれども、何といっても映画ということになるとテレビに観客を取られ、あるいはほかのレジャーに観客を動員されてしまって、御存じのように斜陽産業になってしまったわけですけれども、大きなことばで言いますと、日本文化の中で、映画というものをこれからどういうふうに位置づけていくおつもりなのか。それはテレビというものの普及のために日本文化というものはなくなってしまったんだと言う人すらあるわけです。やはりここで、たとえば映画というのもどうしても必要なんだ、テレビにかわれない部門があるのだということになれば、これは一つは税金の問題なんかでも援助するような形に、振興させるような形に変えていかなければいけないんじゃないかというふうにも考えるのです。この辺でいわゆる社会教育というかもつと広い日本の文化というか、そういうものの観点からお考えになって、映画というものをこれからどういうふうに、現在どういうふうに位置づけられ、これからどういうふうにされて——されてという言い方はおかしいですが、どういうふうにしてもらいたい、どういうふうにしたらいいとお考えになっているか、そのあたりをお伺いしたいのです。

吉里邦夫文化庁文化部長

○吉里説明員 文化庁といたしましては芸術、文化を所管いたしておりまして、その中で先生おっしゃいますように、映画の現状はまさにことばといたしまして斜陽産業ですか斜陽といわれておりまして、映画人口は非常に減っております。しかしながら、一つの総合芸術といたしまして非常に高い品格と性質を秘めております。また影響力も音と影像が伴っておりますから非常に強うございます。その意味で私どもといたしましては、映画をめぐる幾つかの問題、税制の問題もあろうかと思います。そのほか配給機構、いろいろあろうと思います。それらをひっくるめまして、必ずしも早いとは思いませんけれども明年度から関係者を集めまして調査会を開いて、税制を含めましていろいろな問題の根本的なメスをふるっていきたいと思っております。ただ国の行政といたしまして映画の方向を位置づけるとか方向づけるというようなことではないというふうにお考えいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私も映画の愛好者なものですから非常にいろいろ心配しているわけです。いまの答弁、非常に心強い限りなんですけれども、そこで私は局長にお伺いしたいのですが、こういう映画なり演劇なり、いわゆる入場税法が適用になるところから取る税金は、こういう文化の保護というか文化の育成というか、こまかいことをこれからちょっと私申し上げますけれども、それのほうに振り向けるという、その入場税を目的税というふうにしたらどうか。これはいろいろ考え方があるかと思うのですけれども、こういうことというのは局長の一言ではもちろんいかぬでしょうけれども、入場税というものをそういう意味での目的税にするということはいかがでございましょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 税の立場からだけ申し上げますれば、目的税というのはやはりなるべく避けていきたい。ただ、佐藤委員のおっしゃる文化政策のほうに大いに金がつかわれていくべきだ、これは私も賛成でございます。ただそれは目的税にするというよりも、むしろより広い立場で歳出といいますか国の政策の重点としてお考え願うのが筋じゃないかなと、かように税の立場からは申し上げたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ということは、私はいつも常々思うのですが、これは文化庁の方にお伺いしたいのですが、文化財の保護ですね、これは十分予質的に措置されておりますか。

吉里邦夫文化庁文化部長

○吉里説明員 実は所管のことを申し上げて悪いのですが、保護部のほうの関係になっておりますけれども、出てまいりましたついでに申し上げますが、文化行政に二つございまして、クリエートする文化と保護文化とあります。保護行政のほうにつきましては従来からわりと国の責任がはっきりいたしておりまして、大体文化庁の予算の六〇%程度が保護行政のほうに回っております。来年度の現在御審議中の予算につきましても相当な大台にのせておりまして、決して足りるとは思いませんけれども、逐次手厚い保護の関係が予算化されておる、こう思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 たとえば、この前の飛鳥の問題、これは佐藤首相も行かれてじかに見られたわけですけれども、こういうものにしても、あるいは普通の皆さんの選挙区の中にあるような文化財にしても、その修理あるいは保存というものに対して、国は国宝なりあるいは文化財というふうにラベルは押すけれども、そのあとの措置というものはほとんどなされていないというのが、私は現状じゃないかと思うのです。ここに本年度の文化財保護に対する政府の予算を見てみましても、四十四億六千百万円。これが文化財保護の推進費、この中には国宝などの保存、修理、防災施設などの充実その他、こういうものがあるわけですけれども、おそらく四十四億という額では十分なこともできないし、ほとんど文化庁としても責任をもって、日本人がずっと歴史の中でつくってきたこういうものの保護というものはできないのじゃないかと私は思うのです。そこでいろいろ考えた末が、この入場税を、私が冒頭に申し上げたように、前の質問者も申しましたように、その趣旨にしてもあまり力強い理由はないし、それからいまの現状に対してもあまり十分値段的に合っているとは私はどうも思えない。そういう入場税ならば、どうせ取るならば、やはりこういう日本の文化に関する劇場なりあるいは映画なり、そういうところから上がってくる収益でございますから、それならばいわゆる過去の日本の文化の保存なりあるいは日本文化の育成なり、そういう方向に目的税としてきめて、この税金というものを取るという方向も、ひとつ考えてもいいのではないかと思うのでございますけれども、政務次官あたりいかがでございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いまお話がありました文化財保護の関係でございますと、これは文化庁の予算は四十数億でありますが、佐藤委員御承知のように国宝の保存につきましては、これを指定寄付の扱いにしておるわけでございまして、いまお話しの飛鳥地方につきましても、これはかなり膨大な計画のものを指定寄付として法人税上経費として見る。したがって率直に、端的に申せば、支出された会社の半分は国が補助金で出しておるというわけです。その金額は大体文化庁で支出されておりまするこういう国宝等の保存費の三倍ないし五倍くらいの金はいつも指定寄付になっておりますので、そういう意味ではこのほかに入場税におつりをつけたくらいの金を、税の上では一応国宝保存には見ておるということがいえようかと思います。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 佐藤委員の芸術あるいは文化に対する非常な前向きの御意見には心から敬意を表します。それからこの税金にあたっても実はそういった観点も考慮して、国立劇場で催される催しもの、もう一つは文化財のみを公開する場合、それにもう一つはアマ・スポーツがありますが、これを加えて、そういった芸術、文化財の育成をはかるために非課税という措置もとっております。ただこれをどこまで伸ばすかということになると、なかなかむずかしい問題がありますが、そういう姿勢が全くないわけでもないということをひとつお認めいただきたいと思います。またこれを特別会計というのですか、それで税を目的税的に使う制度についても、一つの意見ではあろうと存じますが、それをやりだすと、全体とのバランス、何でも目的税という傾向になってもいかぬのではないか、こういうことも配慮いたしますと、いま佐藤委員せっかくの御指摘ではありますが、気持ちはわかりますけれども、いまここで踏み切ってそれではというわけにはまいらない。しかし文化財保護についての御意見でありますから、これから予算その他について十分文化庁とも配慮して、その点の遺憾なきを期すことに努力をしてまいりたいと存じます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 まだ論議があるところですけれども、時間の関係もございますので相続税のほうに移らしていただきたいと思います。  まず冒頭にお伺いしたいのですが、これは私があとあとまで質問するのに関連してきますので、最初にお伺いしておきたいのですが、政府のほうから出された相続税法の一部を改正する法律案提案理由説明の中に、三行目に「夫婦問における財産の形成等の実情に顧み」ということばがあるのです。これはどのような御認識に立って、このようなことを書かれたのか、それをまずお答えを願いたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 最近の夫婦の財産形成と申しますか、家産を豊かにしていく過程におきましては、夫は外で働いてくるものでありますが、同時に内にあって内助の功あるいはまたその生活をできるだけ簡素、質素なものにして、蓄積を大きくする、そういうような妻の努力、この二つが相合わさって家としての財産形成ということができる、そういう最近におきます実情、いわば婦人の地位が高まって、あるいは婦人の働きがより大きくなってきておるという実情を認識してでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、そういう認識に立つならば、たとえば一年結婚しても、そこでできたわずかの財産あるいは夫を働かせる力というのも、内助の功ということばはいけないと貝沼委員は言われましたけれども、そういうふうな夫の活動を助ける意味の妻の功績というか、妻の働きに対する認識が高まったということだろうと思うのです。それでこれは貝沼委員もお聞きになりましたけれども、まず今度の贈与税の改正で、いままで婚姻期間が二十五年以上の場合に限られていたものが、今度は二十年以上になったわけです。これについて私もあまり納得できないのですけれども、厚生省のほうから離婚に対する書類をとってみたわけです。そうしますと、これは昭和四十二年度の統計でございますけれども、総数が四万六千八百九十七件、一番多いのが、いまこの際は女性の場合でございますので、二十五歳から二十九歳まで一万四千八十三件。一年未満のものが九千九十七件、一年から二年の間が五千九百七十六件。ずっと数字がございますけれども、結婚十二年で別れたものとなると千四件ということになりまして、累計をしていないのですけれども、大体各年度ごとの千件以上の離婚というのはそういう数字になっているわけです。こういうものを見ますとやはり今度二十年ときめたのは、先ほど御説明ありましたけれども、それは確かに大きな財産というものは二十年、三十年かかってつくらなければできないかもしれないけれども、貯金なり何なりというものはあるわけです。これは単なる課税の立場からだけではなくて、民法の問題もあるので、きょうは法務省の方も来ていただいたわけですけれども、そういう意味で離婚の件数なんかを見てみましても、これは十年くらいで区切ってもいいのではないかという気がするわけです。どうして二十年に——二十五年を少し短くして二十年になったということだろうと私も推察するわけですけれども、今度二十年にしたという具体的な根拠というのは、どうも薄いのではないかというふうに考えるのですが、そのあたりをもう一度御答弁願いたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 最初に離婚の場合でありますが、  この離婚の場合に夫なり妻なりがかつて配偶者であった人に分与する財産につきまして、これは非課税でございます。したがいまして私どもがこの贈与税の法案で取り上げようとしておりますのは、そういう不幸な事例ではなくて、両方営々としてやってきた。しかしこれから先よくよく考えてみると、子供が親を扶養するというような観念もだんだん薄くなってきているので、そういうことを考えてせめて住んでいる家くらいは妻に譲った。その場合にそれを課税するということは酷でなかろうか、そういうことになりますと、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、やはり二十五年、二十年の歳月というのもあながち長過ぎるということでもなかろう、こういうわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 今度の法案の理由にも書いてあるように、気持ちとしては妻の座を税制の面で確立するということだと思うのです。しかしやっていることの中身としては、たとえば贈与税の問題の贈与税の配偶者控除が多くなるあるいは相続税の遺産にかかる配偶者控除が多くなるということでございまして、これはつまり税制の面から妻の座を確立するということではなくして、むしろ二十年以上たった妻の老後の安定、そちらのほうに主目的が置かれているんじゃないかというふうに見えるのですが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その辺は何せ国民の身分につながる問題は国民感情の問題であります。したがって、そういう財産のようなものにつきましても、夫婦共有というような観念がだんだん国民的に定着してまいれば、それがやはり民法の上でも、たとえば夫婦共有制というようなことになりましょう。そういう段階になれば、私どもの担当いたしておりまする相続税あるいは贈与税におきましても夫婦共有財産の観念によくマッチした税制にしていかなければならないと思うのでありますが、現在は御承知のように、民法のたてまえは配偶者の相続分は三分の一というようなことになっておる。税だけがそこいらと全く違った制度をとるというのもむずかしい。その辺をかね合わせまして、妻の座を優遇することでもあり、その二十年の妻を優遇するわけでありますから、ある意味で年をとっておられる。そういう意味では老後を考えるというような一面にもなろうかと思いますが、どちらかといえば、妻の財産形成における貢献度を評価したということでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 局長のお話があるように、いまの民法下では固有財産制でございまして共有財産という観念がいまの民法にないわけです。それできょうは法務省の方に来ていただいたわけですけれども、現在の民法では七百六十二条に「婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする。」ときめてありまして、不明の場合だけ「共有に属するものと推定する。」、これだけしかないわけですね、現在の民法では。法務省としてはこの民法の現在の固有財産制、妻の座に対して現民法下ではどういうふうになっているかということをちょっと御説明願いたいのですけれども。

田代有嗣法務省民事局第二課長

○田代説明員 現在の民法のもとにおきましては、夫婦財産制につきましては、夫または妻が婚姻前に有していた財産、それから婚姻中に自己の名で得た財産はそれぞれの個別の固有の財産とするとなっております。それでいずれに属するか明らかでないものは共有となっておりますが、大体国民の多くは給料所得者、サラリーマンであると思いますが、サラリーマンのような場合には、従来の考え方では、それは自己の名で得た財産である、夫がサラリーマンであります場合は、それは夫が自己の名で得た財産であるというふうに解釈され運用されております。しかし最近の社会的な家族感情によりますと、それは妻の内助の功が大きいのである、内助の功によって得ているものであるから、その半分は妻のものと見るべきではないかということがいわれまして、昭和四十四年の総理府の世論調査でも八十何%がそういう意識でございます。したがいまして、特に婦人団体等からは、そういった趣旨に民法を改正すべきではないかということがいわれ、国会でも若干問題になりましたので、昨年十二月の法制審議会の民法部会におきまして、そういう問題を含め、さらに相続問題等も含めまして今後検討すべきではないかということで、身分法小委員会を、従来若干とだえておったわけですけれども、再開することになりまして、大体三月ごろから始めるつもりでございましたが、国会等もありますので、四月ごろから検討の着手に入る予定になっております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと確認をしておきたいのですが、法制審議会の答申待ちということもあるでしょうけれども、いわゆる法務省の考え方ですね。従来からいろいろ蓄積があって、考え方があると思うのですが、法務省の考え方も大体その方向であるというふうに考えてよろしゅうございますか。

田代有嗣法務省民事局第二課長

○田代説明員 法務省と申しますか、私どもといたしましては、確かにそういった感情といいますか社会感情というものはわかります。ただ法律的にこの問題を一般的な規定とすることにつきましては相当むずかしい難点があるようにも思うわけでございます。この点は、いま私が申し上げるというのもあれでございますが、たとえば法制審議会の身分法小委員会が再開になりましたときに、新聞等の論調を見ますと、たとえばサラリーマンの給料は共有でけっこうであろう。しかしそれでは夫が負った借金は半分妻が負うかとか、あるいは妻がへそくりで株でもうけたら、そのもうけはどうなるのか。あるいはその寄与の割合で分けるとするのだけれども、その割合は半分ずつなのかどうなのか。共働きの場合はどうなのかということで、それはどうしたらいいかという問題が提示されて、それにつきましては私どもとしてはまだ十分な解決策は見出し得ない。したがいまして、やはり専門の学者、先生その他に御相談しなければならないというふうに思っておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 法制審議会もまだ審議中でございますし、いろいろ問題があると思うのです。  税制とのかね合いでもう一つお伺いしたいのですが、いわゆる民法が変わらなければ、民法の条文の中にこの妻の座というか、妻との共有財産制というものが認められなければ、現在の税制では、今回の改正になっているように贈与税での控除の増額あるいは相続税での控除額の増額というふうに、そのやり方でしかいまの税制面ではやり方というものはないのですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御承知のように、いまの税制は、三十三年に改正いたします前は、それぞれの人がが被相続人から受け取った財産に応じて税をかけるというやり方をしておったわけであります。いまは配偶者がそれなりの財産を相続されれば、それなりの、配偶者については遺産三千万円の場合の法定相続分に対する税額を限度として税額控除があります。そのときはありませんでした。実際の取得に応じて課税する制度が運用できるわけでありますが、しかしその相続税のやり方というのがどうもその実際の財産の帰属と——先ほど来、農地あるいは中小企業のお話が出ましたように、財産を奥さんといえども分割したくない、家督として長男に渡しておきたい、そういう議論がありまして、どうも実際の相続というのがわからない。そういうことで、民法のたてまえをとって、実際どう分割されようとわからぬけれども、そういうことで相続税を計算せざるを得ないということになっておりますので、いまこの段階でもう一度、それぞれの人が受け取った額に応じて相続税を計算し、その場合には配偶者控除というようなものを大幅に入れるということになった場合に、はたして日本で、家督とかあるいは家の家業とかいう観念じゃなくて、それぞれに財産を分与するというところまで習熟しておるかどうか、その辺なかなかむずかしい問題じゃないか、かように思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 というのは、私がお伺いしたいのは、現在では、いま法務省の課長さんからもお話がありましたように、サラリーマンでも妻の座というのは単なる相続人の一人という立場でしかないわけですね。たとえば二人だけで生活をしていたとしてもあるいは子供があったとしても、つまりかせいだ半分は妻のものであるという考え方に立つならば、半分の残りを今度は相続するという考え方に変わると思うのです。それでちょっと一つ具体的にお伺いしておきたいのですけれども、いわゆる現在の民法の八百九十条では夫婦二人だけの場合には、夫が死亡した場合には奥さんとそれからだんなさんのきょうだい、これが相続人として分けられるようになっておりますね。こういう場合には税制上何らかの、いわゆる民法を変える前にある程度妻の座というのを認めて、つまり夫婦二人しかなかったところでございますから、夫が死亡した場合には、普通で考えれば——いろいろな場合もあるでしょうけれども、普通で考えれば全部が妻のほうにいくというのが普通だと思うのです。おそらくそうですね。いまの場合にはだんなさんのきょうだいにも相続権があるようになっておりますね。ところがいまの現状から考えてみると、それは必ずしも妥当ではないのじゃないかという考えがだんだんあらわれてきたと思うのです。その辺を税制として考えなければいけないのじゃないかというふうに思うのですが、いまの民法下では主税局としてはあるいは大蔵省としては無理ですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いまの税制では妻及び一親等以外の人にその税を重くするという形で、むしろその相続税を全体として軽減した場合にも、きょうだいに及ぶ負担軽減は二〇%増という形で差別を設けておるというのが現在の税法でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この相続税の問題は個々にやっておりますと非常に時間がかかるわけで、私もこれで質問を終わりにしたいのですが、ただこの前の農地払い下げの問題のように、現状と法律とが合わないということになってくると、やはりこれも法律をつくるほうの、国会のほうの責任だと思うのです。そういう面において、何といっても妻の座という問題になってくると、どうしてもこれは民法にからんでくる問題でございますので御質問申し上げたわけですけれども、これで私の質問はきょうは終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 次回は、明三日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十二分散会

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