石炭対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/02/18
会議録
○田中(六)委員長代理 これより会議を開きます。委員長は、都合によりお見えになりませんので、委員長の指定によりまして、私が委員長の職務を行ないますので、何とぞよろしくお願いいたします。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡田利春君。
○岡田委員 大臣の時間がないようでありますから、与えられた時間で、きょうは問題点をしぼって質問いたしたいと存じます。 昨年の二月は、御承知のように雄別炭礦の企業ぐるみ閉山が話題になって、閉山の方向に進んでいったわけです。ことしの二月は、御承知のように、日炭高松が三月末で閉山をしたいと公式に対外的にもきょうあたり発表するように承っております。 一方において、常磐炭礦の磐城礦業所東部坑及び西部坑の一部を閉山をする。いずれも大型閉山であるわけであります。昨年の閉山は、御承知のように八百四十万トンの閉山、今年常磐を含めれば、昨年とほぼ同規模の閉山が行なわれるというのが、私は今日の石炭鉱業の現状であろうと思うわけです。こういう情勢は、明らかに昨年議論しましたように、第四次政策から見ればなだれ閉山である。ということは、昨年は、昨年同様程度の閉山が続けば、なだれ閉山を認めざるを得ない、こういう御答弁を大臣からいただいたわけでありますけれども、今日の情勢は、まさしく第四次政策から見れば、他動的な要因があったとしても大なだれ閉山である、そういう現象が昨年、今年続いておる。こういう現状認識に立つことがきわめて当然であろうかと思うのですが、この機会に大臣の見解を承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 私どもとしていたずらに不安を与えるということは、差し控えるべきだと考えておりますけれども、確かに資金の問題、あるいは労務の問題、生産計画そのものの達成の困難、あるいは、これはごく一時的な現象かとも思われますが、昨年、鉄鋼用の原料炭を海外からやや過大に輸入したかと思われるようなできごとの影響等々、幾つかの要因が重なりまして、私どもの予想しておりましたよりは終閉山が大きいということは御指摘のとおりであります。
○岡田委員 こういう情勢を背景にして、いま石炭政策を進めるために、今年度も一千億をこえる予算が国会で審議をされておるわけです。こういう予算の内容等もいろいろ判断をいたしておるのでありますけれども、少なくともなだれ閉山の情勢を背景にして、昭和四十六年度を展望する石炭政策の当面の課題は一体何なのか。この点を間違うと、さらに引き続き大型なだれ閉山が続くものと私は想定をするわけです。 私の見解は、第一に、すでに石炭鉱業審議会では、昨年中間答申が出されているわけです。中間答申でありますから、本格答申を出されるだろうと思いますけれども、労働者の確保の面からいっても、とにもかくにも四十九年度以降の展望を明らかにしなければ、労働者の確保は日一日と困難になっていくと思うわけです。そういう意味では、まず本格答申、すなわち第五次答申を大臣はすみやかに受けるべきではないか、そして四十九年度以降の展望を明らかにして、労働者の確保をはかり、その上に立ってこれからの施策を進めるべきではないのかというのが第一の見解であり、これが基本的な課題であると思うわけです。 第二の課題は、原料炭を御承知のように昨年五百円の値上げに引き続いて、今年一月に二百五十円、四月に二百五十円、合計五百円の値上げがほぼ確定した、こう申し上げてもよろしいわけです。しかし原料炭産出の企業分析をいたしますと、それぞれ一般炭の併産を行なっておりますから、こういう事情を勘案いたしますと、原料炭の値上げに対応して、一般炭の問題について、価格政策としてどう一体考えていくのか。あるいはまた、今日のなだれ閉山が続いた現状では、原料炭と一般炭の政策格差という前提は大きくくずれておるので、この面についての問題の解決をはからなければならないのではないか。いずれにしても、この一般炭の問題についてどう一体対処をするかというのが、今年度四十六年度の第二の石炭政策の課題であると理解をしているわけです。 第三の課題は、御承知のように、今日の企業をそれぞれ分析をいたしますと、極端にあらわれてきておりますのは、一般市中機関が炭鉱会社には金を貸さないという点がはっきりしてまいりました。ですから、政府のささえによって一応採算ベース——ペイはするけれども資金計画が追いついていかない。こういう傾向が特徴的に私はあらわれてきていると思うわけです。そうしますと、結局資金計画に対処して、どう一体資金対策を今後具体的に進めていくのか。この三つの課題が四十六年度のわが国の石炭政策の課題である、こう私自身理解をいたしているわけです。こういう私の理解について、大臣はどのような見解を持たれておるのか。そういう同じような見解であるとするならば、私はこの三つの課題について、この際大臣のある程度具体的な見解というものを承っておきたいと思う次第です。
○宮澤国務大臣 生産計画が予定どおりに達成できないこと、あるいは資金計画において現実との間にそごを生じておること、あるいは労働問題等々が、現在の石炭鉱業をめぐっての大きな問題であるという御指摘については、私も実はそのとおりであると考えております。将来に向かって、体制委員会の本答申を得ることが本筋ではないかと言われます点でございますが、今日までの終閉山というもの、先ほど御説明になりましたような実情は、決して政府がそれを希望したところでもなかったし、また企図したところでもなかったにもかかわらず、結果としてそのようなことが起こってまいりました。それは分析すれば御指摘のような幾つかの要因に基づくものと考えられます。したがいまして、かりに本答申のような形で昭和四十九年に向かっての姿を描きましても、そのことによって、現在起こっておるような終閉山を防ぎ得るかと申しますと、どうも必ずしもそういうことには相ならない。政府の企図しておるところ、あるいは願っておるところと現実の終閉山とは、かなり違った動きになっておるわけでございます。したがって、一応私どもの描きましたところ、あるいは石炭鉱業審議会が描かれるところを本答申として出してもらうことが、事態を改善するゆえんになるのかどうかということになりますと、必ずしも明瞭でない、その間の関係は明確でないように私は実は考えるわけでございます。 それから、一般炭のお話でございますが、これは従来からむずかしい問題でございまして、何とか曲がりなりにも片づけてまいりましたけれども、いよいよ内外のエネルギー等々の関係あるいはまた公害の関係なども出てまいりまして、その間の関連はむずかしくなってきておる。この問題がきれいに片づきますと、いろいろな不安要因というものが一つ除かれることは確かでありますけれども、メリットに従って考えますと、なかなかそれも思うようにまいらないというのが実情ではなかろうかと思います。したがって、私どもいかにも策がないようではございますけれども、現実の動きを見ておりますと、本答申というものを本格的に考える前に、もう少し事態の推移というものを見ることが適当ではあるまいか、このような気持ちに実は傾いておるわけでございます。
○岡田委員 先ほど大臣も触れられておりましたけれども、昨年の原料炭について、過大評価をしたという傾向が反省されるようなことばがあったわけです。しかし私は、短期的にものごとを見る場合と、長期的にものごとを見る場合には、やはり大きな認識の違いというものがあるのだと思うわけです。ですからその議論は、時間がありませんからいずれ基本的にまた質問いたしたいと思いますけれども、いま言われた、中間答申を出されて本格答申を出すということは、当然のことだと思うわけです。大臣が諮問をされたのは、一応新しい答申を得るという前提で諮問をされて、その中間的な措置として中間的な答申がなされたわけですから、本格答申が当然引き続き審議をされて出されることは、既成の事実であると思うわけです。ですから、諮問者である大臣としては、当然本格答申が出てくるもの、こう理解されておるのではないかと思うのです。そういたしますと、昨年来の議論からいえば、大体今年の末ごろには本格答申というものが出てくる、こういうのがいままでの論議の一つの流れであったと私は思うのです。 いま大臣が答弁されましたけれども、いまの大臣の答弁で打ち切るとするならば私は重大な問題だと思うわけです。といいますのは、いま大臣から言われたように、四十九年度以降の展望という問題についてはなかなかむずかしい。ということになりますと、いま四十六年度を迎えて、わけても労働者確保が非常に困難な炭鉱において、しかも必要な原料炭炭鉱において、労働者の確保がむずかしいというのが現状でありますから、もうそういう展望のない炭鉱に働く必要がない、若年労働力はもちろん集まりませんし、また若い中堅の労働力が、今後春先を目がけてどんどん流出していくことになるではないか。そういう意味で、いまの大臣の答弁というものは、私は重大な問題だと思うわけです。ですから一定の想定に立って、大体本格答申は本年度中受けるなら本年度中受ける。そういう面で内外のエネルギー事情の変化なり、いままで進めてきた政策を十分分析をして、そうして四十九年度以降の展望について答申を大臣としては得る、こういう答弁がないと、いま大臣が答弁をされたことをストレートに山元に流すとすればたいへんな混乱をする、私はこう思うわけでありますけれども、この点についてはいかが
○宮澤国務大臣 従来の終閉山等の動きが、私どもの企図したところあるいはこいねがっておるところとかなり違っておりますことは、もう先ほど御指摘にもなりましたことでありますから、御存じのとおりでありまして、いわんや現在のように情勢が流動的なときに、何か石炭鉱業に対して、ミスリードするようなことをしてはならないという気持ちが一つございます。中間答申を得ましたあと、本格答申があるということは、事の順序としては当然のことではございますけれども、諮問をいたします側も答申される側も、現在のような情勢で、確たる見通しなり方針なりを心出しになることができるかどうか。その結果は、正しく石炭鉱業をリードするものでなければならない筋合いでありまして、ミスリードするようなことになってはかえって申しわけないことでありますので、その辺のところを、実はとつおいつ考えておるというのが偽らない現状でございます。
○岡田委員 昨年大臣は、北炭新鉱の開発について大臣認可を出されておるわけです。これは、四十八年からようよう生産の緒につく、こういう前提に立って、北炭の夕張新鉱を認可されたわけです。四十九年度以降の展望をすみやかに明らかにできないで、どうしてこの新鉱の認可を与えることができるのだろうか、全く私はふしぎであるわけです。しかも私の想定するところによれば、四十七年、四十八年のわが国の産出規模から見て、これは縮小の方向にいくことはもう明らかだと思うわけです。ですから北炭新鉱を許可したということは、やはり戦略的に原料炭の位置づけをしながら、この新鉱を許可したと思うわけです。そうするとここに働く労働者に対して、四十九年度以降はこういう一応の政策でいくという、政策の基準となるものを示さないで、ここに労働力を確保することが一体どうしてできるのだろうか。これは私はきわめて常識的だと思うわけです。そういう意味で、情勢は変化しておりますけれども、いまこれに対処することがわからないということではないと思うのです。炭鉱会社の、企業の数は少なくなってきているわけですから、個々に分析をしてみても、大体想定がつくわけです。内外の情勢についても私はそうむずかしくない、こう見ているわけです。問題は、わが国の炭鉱というものをどうしていくのかという主体的な意思決定のほうが、今日の石炭政策を進める場合に私は重要だと思うわけです。いまの大臣の答弁を聞いておりますと、都合によっては新鉱は許可するし、都合によっては様子を見る。非常にちぐはぐなことに私自身は受けとめるわけです。そういう点からいっても、大臣の責任において、この四十九年度以降の展望というものを明らかにしていただく。もちろんその場合には、スクラップ・アンド・ビルドの方式は変わらないでありましょう。もちろん社会的摩擦を避けつつ撤収するところも出てくるでしょう。それはそれとしても、やはり少なくとも戦略的に直していかなければならぬ。原料炭を中心とする、あるいは一般炭等の位置づけ等をはかりながら、四十九年度以降の展望を明らかにしておかなければ、八百四十万トンの閉山が二年にわたって続いて、なおかつ春先を目がけて、最も必要な若年労働力に残れということが言えるでしょうか。若年労働力が流出すれば、日本の石炭産業は崩壊しますよ。私は、ここの基本がなければ、どういう議論をしても、これからの石炭政策というものは成り立っていかない、このように判断をするのでありますけれども、重ねてその面の見解を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 原料炭につきましては、先般の中間答申におきましても、客観的な情勢の基調は変化をしつつあるというような認識から、わが国自身が原料炭をなお開発をしていかなければならないという考えははっきり示されておると考えます。したがいまして、北炭の新鉱開発についても、そのような見地から許可を与えたわけでございます。 それから、おそらくは御指摘のように、ローサルファの一般炭につきましても、そのようなことが概していえるのではないかと考えますけれども、それ以外の一般炭というものが一体どういうことになるのかということにつきましては、中間答申は、実ははっきりこれについて触れてはおらないわけでございます。現実の問題として、両者を別々に考えるわけにはまいりませんので、その辺のところで、実は中間答申をされる立場そのものが、もう少し様子を見なければならないというようなお考えになっておられるのではないだろうか、こう考えるわけでございます。 そこで、政府がしっかりした方針を示さなければ、若年のいい労働力は炭鉱に残らないぞと言われますことは、私はそのとおりだと思いますけれども、もっと基本を申せば、やはり労働条件が十分によく、しかも福祉施設等々が、地上の労働に比べてはるかにまさっておるというようなことでございませんと、労働力が積極的に炭鉱に残るということはなかなか困難である、そういうことは、私は客観的な事実として認めなければならないと思います。したがって政府がただ目標を立てたから残るというような、簡単なわけには問題はいかないだろう。どうぞ残ってくれと申しますためには、やはりきちんとした、原料炭についてはこうだ、またローサルファの一般炭についてはこう考えるということが申せなければ、そういう労働力を引きとめておくわけにはまいらない、こういう関係になろうと思います。したがって、その点は親切に考えれば考えるほど、答申をする立場も慎重にならざるを得ない、こういうことではないであろうか、大筋の方向としては、原料炭について国内の生産が必要だということは、これは中間答申にも出ておりますし、考え方として間違いないところであろうと思います。
○岡田委員 中間答申は、四十八年度以内の展望に立って出ておるわけです。四十九年度以降についてはどんな展望もしていないわけです。しかし、いま集中的にあらわれている一般炭の閉山、日炭高松、常磐を見れば、いずれも一般炭炭鉱であり、しかも高サルファ、こういう中でいま企業は閉山の決意をしておるというのが実情なわけです。そうすると、中小炭鉱はずんずん少なくなってきているわけですが、大手を見ますと、高サルファ一般炭の純然たる山というのは、この二山を閉山することによってなくなるわけです。もちろん松島のように、原料炭の比率が今日一〇%程度に落ちている。しかし原料炭は出るわけです。しかし併産する一般炭は高サルファである。三池の場合にも併産される一般炭は高サルファであるが、これはセットされる体制に入ってきたわけです。これは、見通しはほぼついてきているわけです。これ以外にないわけです。北炭あるいは住友あるいは三井砂川、芦別あるいはまた三菱系統は原料炭の比率が九〇%をこえている。そのあとローサルファの、日本で一番サルファの少ない炭鉱は、もうそうむずかしくはないわけです。いわばこの時期は、ある意味では一つの整理段階に入ってきている、現状はそうだと思うのです。そしてその方向もそうむずかしくないと思うわけです。四十九年度以降を展望すれば、おそらく一般炭と原料炭の比率は逆転する可能性すらあるわけです。ですからわれわれが考えてそうむずかしくないのに、どうして行政当局がこの面についてむずかしいとおっしゃるのでしょうか。やはりヘビのなま殺しにするよりも、この際明確に基本というものをこの転換期に立てるという意思がなければならない。また、石炭鉱業審議会の諸君も、十年間にわたって石炭政策を議論してきておるわけですから、そういう点で、四十九年度を展望しながら、一応こういう方向、もちろんこういう前提が満たされなければならないという問題はあるでしょうけれども、こういう方向で石炭政策は進めるという方針が出せないということは、政治的に出さないだけで、出せないはずはないわけです。ですからその点われわれは理解に苦しむ。だから、いまOPECの動向とか、総合エネルギー的に見れば、若干のいろんな問題があるから、そういう面は十分検討しながら、情勢の変化等も検討しながら、なおかつわが国の原料炭の位置づけや、閉山あるいはローサルファの一般炭との位置づけを多少慎重に考える要因もあるといわれるならば話はわかりますよ。しかしながら、石炭プロパーで見た場合には、そうむずかしいことはないわけですから、あるというならば、これは私は政治的にある、むずかしいから少し延ばそうという意味しか持たない、こう思うわけです。もちろん地下産業に働いておる労働者の労働条件等もあります。いろいろ他の要因もございます。しかしながら、この基本を間違うと今後の石炭政策は成り立たない。むしろ石炭産業が崩壊をする運命におちいる。私はどう分析してもそう思うわけです。 きょう大臣から、この点について明確な答弁を得られないとするならば、私はここに具体的な数字をあけて、これでも大臣は本格答申を受けて、四十九年以降の展望を明らかにできないかどうかという点について、具体的にたださなければならないと思うわけですが、この点、諮問をしている大臣として、そういういまの若干の情勢の変化等も含めて検討されて、第五次答申について考えられる意思があるのかないのか重ねてこの点について承っておきます。
○宮澤国務大臣 お答えを申し上げたい幾つかの要素は、ただいまお尋ねの中に実は全部入っているわけでありまして、つまり、国内においてもなお推移を見きわめたい問題が多少ございます。国外におきましても、ことに現在そのような状況にございますから、これらの問題の帰趨がはっきりいたしました段階では、御指摘のように客観情勢がかなり固まってまいりますから、将来に向かっての展望を本格答申なり何らかの形で持たなければならない。これなしにいつまでもやっていけるというふうに考えておるわけではございませんので、客観情勢がある程度固まってくる時期があるであろう、そのときにはそのような見通しを持たなければならないであろう、こういう考え方を実はしておるわけであります。
○岡田委員 時間がありませんから、最後にもう一問お聞きして終わりたいと思いますけれども、昨年の下期、上期一年間をとりますと、北炭の出炭は三百八十六万トンであります。そのうち一般炭は百六十万トンです。住友の生産は三百六十七万トンです。そのうち一般炭は百三十五万トンです。三菱の高島を例にとっても、これは三十四万トンの一般炭というものがある。三井の場合にはもちろん相当多い一般炭が出ておりますけれども、大手四社をとってみましても、特に北炭、住友の場合は総生産のうちの三割から四割が一般炭、同じ切り羽で掘って選別すれば原料炭と一般炭になるわけです。全く同じところで掘っているわけです。そうして原料炭が五百円、五百円、千円上がった。格差が出てくるのは当然なわけです。もちろん原料炭の得率を高める努力はしてきているわけです。上がってきているわけです。これは基本的に炭層の問題でありますから解決できないわけです。しかも原料炭と一般炭の政策格差をつけた理由は、これは大臣も御承知のように、一般炭も原料炭も価格は上がらない。しかし生産条件から見て、平均化すれば、三池炭鉱のような場合は別ですけれども、コスト上の差がある。コスト要因は原料炭炭鉱のほうが高い。それで原料炭に二百円の安定補給金の格差をつけたのが従来の政策であるわけです。ところが一方は昨年五百円上がって、一般炭、電力用炭は二百円しか上がらなかった。それでまた五百円上がった。前提になる価格がくずれているわけです。一方はどんどん値上がりをしていくわけです。一方は基準価格で押えられるわけです。そしていま申し上げましたように、閉山してくるこういう一般炭に対して原料炭を確保するためには、閉山される一般炭に対して何らか対処しなければならないという問題もあるわけです。ですから、政策を立てた前提がいま、今年度で大きく変わったのでありますから、そういう意味で、しかも原料炭を確保するとするならば、原料炭と一般炭の政策格差については再検討する段階にきているのではないか。いま予算が審議されておりますから、これはあれでしょうけれども、とにかくいずれにしても、この面についてはどう解決するか、時期は別にしても、検討しなければならぬ時期にきているのではないか、私はこのように思うわけです。そしてはっきり申し上げますと、大手四社の中でも、今日これからの、四十六年度の最も大事な、目を向けなければならぬ企業でもあるわけです。そうなってきますと、結局政策格差というものがこのままでいいのかどうか。炭価はどんどん上がっているけれども、負担増対策というものがある。一般炭には負担増対策の予算が今年度は組まれていない。負担増対策があって価格が上がっていくなんてことは、ほんとうは常識では考えられない。しかし、予算はそう組まれておるわけですよ。そう判断をいたしますと、結局当時の前提が大きくくずれている以上、一般炭と原料炭の政策格差については、これは今日検討し直すべきではないのか。この問題一つ取り上げても、私は審議会の議論の対象になる問題だと思うわけです。そういう認識を大臣は持たれるか持たれないのか。そういう点の検討の必要性を大臣はお考えになるかならないか、この点について承っておきたいと思います。
○阿部政府委員 原料炭と一般炭の政策格差について、さらに是正する気持ちはあるかという御質問かと思いますが、安定補給金につきましては、御承知のとおり、第四次政策の検討の際におきまして、現在のように原料炭と一般炭の格差がつけられたのでございまして、当時といたしましては、原料炭を重要と考えるということもありますが、むしろ採炭条件の差を考慮してきめられたものでございます。原料炭の値上げに比べまして、一般炭の値上げが当事者間においてかなりむずかしいという事情は御説のとおりでございますが、この問題は基本的な問題でございますので、将来政策の基本的な見直しを行なうような時期がきました場合に、そのうちの一環として検討してまいりたいというふうに事務当局では考えております。
○岡田委員 時間がありませんから、これ以上議論はしません。あらためて議論をしますけれども、将来検討する、こう言われておるのですが、間に合いはせぬですよ。もし毎年八百万トン閉山をしたらどうなるのですか。もうそのときはおそいですよ。結局、石炭政策というものは、なだらかな閉山をする、こういう思想は消えていないわけですよ。この後またさらに大型閉山がもし起きたとするならば、なだらかな閉山どころじゃないわけですよ。最近の経済情勢の若干の基調の変化等にも、われわれは注意深く目を向けて見なければならないのではないでしょうか。問題はタイミングなわけですね。そういう意味でやはり、どんなにコストアップがしてもどこまでも石炭産業をささえ得るものではないと私は思います。なるがゆえに、やはりそのときそのときの政策のタイミングというものを忘れてはならないと思うわけです。そういう点について十分ひとつ留意をしていただきたいということを私はこの機会に強く申し上げておきまして、議論の詰め方が非常に不十分でありますけれども、この本格答申の問題と、政策格差の問題と、もう一つは、議論が深められなかったのでありますけれども、いずれあとで事務当局と若干議論しますけれども、当面の資金対策というこの三つの課題については、ひとつ十分具体的に詰めて議論をしたいと思いますので、大臣もこの三点についてもう少し深く検討願いたいということを希望して、きょうの質問は終わりたいと思います。
○田中(六)委員長代理 相沢武彦君。
○相沢委員 ただいまの岡田委員の質問に重ねまして大臣にお尋ねをしたいのですが、去る十日の当該委員会におきまして、通産大臣から当面の石炭対策に対する所信が述べられまして、今後の石炭対策の推進について、政府としては、石炭鉱業審議会の中間答申を基本として、当面緊急に必要な諸対策について実行につとめたい、こうお述べになっているわけでありますが、中間答申では、最近における内外原料炭の需給の逼迫及び需要産業の動向、原料炭の長期的な供給確保の観点から、石炭鉱業を産業政策上必要な産業として見直し、政策の基調の変化を明らかにしているわけであります。 私は、大臣にここで確認をしたいのですけれども、第四次対策のねらいは、実情に合わなくなってきた石炭産業の静かな撤退をねらうということにあったと思うのですが、事実、それ以上になだれ閉山が続いております。通産大臣もたびたびこの委員会で、石炭は経済ベースに合わないのなら撤退もやむを得ないということを発言されておりますけれども、今回の中間答申において、大臣御自身は、産業政策上必要な産業と石炭を見直されているのかどうか、そのことから確認をしたいと思うのです。いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 原料炭を長期的にまた安定的に、国内でできるだけ確保をしておきたいという意味合いにおいて、中間答申のいっておられることは、私も当を得ておるというふうに考えております。
○相沢委員 審議会が提案されましたその説明の中には、特に原料炭ということを強調してあるけれども、一般炭も含めて考えているのだ。そうなりますと、産業政策として、原料炭も一般炭も含めて、審議会としては石炭が必要である、こういう御意見になっていると思うのですが、産業政策として石炭が必要であるという以上は、それならば一体どれくらい必要なのかという数量が明示されなければならないと思うのです。中間答申ではそれが示されなかったわけでありまして、大いに不満をかっているわけであります。これが美術工芸品というならいざ知らず、必要産業というならば、やはり必要数量がまず第一に明示されて、その結果輸入の量はどうする、国内はどうする、またそれを実現するためにはどれだけ資金が必要であるかという必要資金量、また労働量、さらには企業規模とかあるいは形態、それから企業の努力目標、責任、またそれに対する国の助成、また役割りというような、具体的な新たな体制が組み込まれると思うのですけれども、その点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 原料炭と一般炭とを全く切り離して考えるということは、現実にはできないことでございますから、原料炭を中心として、ある程度の一般炭というふうに考えざるを得ないと思いますが、どの程度のものが必要であるというようなことを実際数量的に明示できるかといいますと、それは、明示するつもりであれば明示できるかと思いますけれども、現実にそのように取引が動かない公算が高いときには、そういうことを申しましてもかえって世の中に迷惑をかける公算のほうがむしろ大きい。これほど事態が流動しておりますと、数量的にこれだけと申しますことは、実際問題としては困難でありますし、また、それを申すこと自身が、必ずしもいい結果にならないという要素も考えておかなければならないと思います。
○相沢委員 事態が流動的であるということは十分承知しておるわけですが、そこで、所信で当面緊急な諸対策について、四十六年度において実行につとめたい、こう大臣表明されたわけでありますけれども、今年度ひとつ緊急に必要な対策を講じるだけで、石炭産業が必要産業として、今後も健全な経営をしていけるとは大臣思っていらっしゃらないと思うわけです。 そこで、岡田委員も触れましたが、いわゆる体制問題、あるいは四十八年以降の第五次の見通しというもの、本格答申がどうしてもここで必要になってくると思うわけですが、石炭産業は資源に密着した特殊な産業でありますし、炭層の条件によって非常に左右されるということは御承知のとおりでありまして、炭層条件に恵まれなければ、結局どんなに機械化しよう、省力化しようとしましても技術に限界がある、こういうことでございます。日本の石炭の賦存条件は、諸外国から比べて非常に劣悪である。いま原料炭はアメリカからほとんど輸入しておりますけれども、アメリカなんかに比べると、自然条件に格段の格差があるわけでありまして、しかも現在、日本の炭鉱は年々深部採炭へ移行している。そういうところから考えると、生産量を上げればコストは高くなる。それを生産性のアップで吸収しなければならないというところに、またいろいろと保安の問題、労働過重の問題、事故とつながる問題も起きてきますし、こういうことをすべて考えた上で、それでも石炭は要るのか要らないのかという根本問題までやはり現在突き詰めて論議がされ、また政府の対策を、方針をおきめにならなければならない事態にいま追い込まれてきていると思うわけです。口で石炭は必要な産業だ、こう言っても、あるいは所信表明をされても、実際問題として石炭が生き抜いていけない程度のささえや、あるいは長期ビジョンがあかされない場当たりの政策をいつも続けられて、石炭鉱業をミスリードをした、申しわけないというような逃げ口上でタイミングを逸していくということは、これは大きな問題になってくると思うわけなんです。私どももよく炭鉱の従業員の方たちと、石炭産業は将来どうなんでしょうかということでいろいろお話をします。われわれ何とか激励をしてあげたい、少しでも、将来の明るい見通しを一点でも二点でも見出して、そういった点から励ましてあげたいと思って言うんですが、もう気休めは言わないでくれ、だめならだめではっきり言ってください。われわれは何も好きこのんで劣悪な条件のもとで、また低賃金でいつまでも働いていたいとは思わぬ。ただ、ほんとうに石炭が今後将来とも日本の国力に必要ならば、その使命を感じてわれわれは踏みとどまって働くんだ。そういった石炭そのものの使命もなければ、また長期のビジョンもあかされないで、どうしていつまでも踏みとどまっているか。ただふん切りがつかないから、またいろんな家庭の事情等があるから山にいるだけであって、早くはっきりしてもらえば、自分たちも今後の生活のことを考えていきたい。いつまでもこんな状態にされているのはたまらぬという意見の方が多いわけでありまして、確かに、実際に働いていらっしゃる労働者の方を思うと、その気持ちはほんとうによくわかるわけでありまして、政策の基調の変化ということを中間答申でいわれていますけれども、それを説くだけではだめだ。これまでもいろいろ論議されてきましたけれども、石炭鉱業の体制という根本問題に、この昭和四十六年度はどうしても取り組まなければならない、こういう時点にきていると思うわけであります。限界に達した企業は、すでに脱落をしてまいりました。非常に不幸なことではございますが、特に高サルファの一般炭の企業、今回の日炭高松また常磐炭も、そういった新たに起きた公害問題等の観点から、経営が非常にたいへんだということで閉山にまで追い込まれたわけでありますが、現在残っている企業の中でも有力な企業なんかは、石炭部門を分離して、幾つかの石炭専業会社というものをつくっておりますし、そういった点から考えますと、どういう型になるかはわかりませんけれども、条件、環境、こうした立場から考えましたときに、これまでいわれてきたいわゆる再編成問題ということが、これまでよりは現時点が取り組みやすくなってきたんではないか。そういう情勢になってきた、そういう環境になってきたということは事実だと思うわけです。ですから、石炭が産業政策上必要なら、そういう産業政策の中に石炭というものを積み込んで、いわゆる運命共同体であるとか、またグループを組む、こういうことをやることがきわめて現実的な政策ではないか、こう思うわけです。政府としても、ユーザー側に積極的に再編成に持っていくような働きかけをされる、これが必要であろうと思うわけです。先ほどから、大臣は、本格答申を求める前にもう少し状態の推移を見守りたい、こうおっしゃっておりますが、もうそういう見守る時期ではない、一日も早く、政府は石炭鉱業審議会に体制問題を含めての本格答申を求める時期に来ている、こう思うわけです。もう一回お尋ねをしたいのですが、その時期をはっきりしていただきたい。
○宮澤国務大臣 中間答申が述べておりますことは、何も昭和四十六年度だけに限って、短期でものを申しておるわけではないと思いますので、今後を見通して、原料炭を中心に、ああいうことはやはりわが国として確保し、努力をしていくべきであろう、こういうふうに述べておると私ども解しておりますから、これは四十六年度だけのことではない、もう少し長期の見通しに立っておると思います。 ただ、それ以外に、さらに一般に、一般炭まで含めてわが国の石炭鉱業がどうあるべきなのか、あるいはただいま言われましたような、狭い意味での体制再編成等々の問題はどう考えるかというようなことについては、あの答申では述べておりません。先ほども申し上げましたように、もう少し問題が整理されてまいりましたら、いまのような問題を含めて本格的に私どもも考えるし、また答申も求めるようなことになってこなければならないかと存じますけれども、それには、もう少し国の内外の情勢の帰趨を見る必要があるのではないか。御指摘の点は、私間違いだとは考えておりませんけれども、その時期というものがおのずからあろうというような見解でございます。
○相沢委員 大臣退席の時間が迫っているようでありますので、まだ二、三点お尋ねしたい点がありますが、同僚議員に譲ります。
○田中(六)委員長代理 田畑金光君。
○田畑委員 大臣に端的にお尋ねいたしますが、石油の値上がりに関連して、まず一番早く来るのは、石炭対策特別会計の原重油関税をどうするかという問題これが今後一番わが国の財政当局のこれから取り上げる問題じゃなかろうか、また世論もこれについていろいろ問題提起をするのではなかろうか、こういう感じで見ておりますが、大臣としては、この原重油関税に基づく石炭対策特別会計、これは昭和四十八年度までということになっておりますが、このことについて、今後どうするかという問題は、もうそろそろ考えていらっしゃると思いますが、この点についてまず御所見を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 まず結論のほうから先に申し上げますが、石炭対策には、とにかくあれだけの金が必要なわけでございますから、これはどういう事情がありましても確保をしておかなければならない。その財源がどうであるかということは、これは二の次の問題かと思いますが、やはりそれだけの必要なものは、必要なものとして確保しておかなければならない、これが大前提であると思います。
○田畑委員 確保するという大前提であるとすれば、当然先ほど来議論になっておりまする石炭鉱業審議会等の結論を待って、その政策方向を継続する、こういうことでなければ、なかなかいま周囲の情勢は容易でない、こう考えておりますが、そういう方針をとるおつもりであるかどうか、この点。
○宮澤国務大臣 それで、ただいまの大前提を置きまして、いろいろな要素が考えられるわけでありますけれども、たとえば今回も産油国側が申すことは、自分たちはできるだけ原油を安くといいますか売っておるのに、消費国側でそれにいろいろな税金をつけて財政収入をあげておる、これはけしからぬではないかというような指摘が何度もなされておるわけであります。ことにその歳入を、いわば産油国にとってはライバルである石炭鉱業に使っておるというようなことは、産油国としてはとにかくおもしろくない、いい悪いは別といたしまして、そんなような言い分になっておるようでございます。そういう要素が一つ。 それから、また石油製品の値上がりを考えまして、業界では、何とかこれの税金を軽減するほうで相殺をしてほしいというような要望もある。いろいろな要素が考えられますから、これからあれこれ考えていかなければならないと思いますけれども、さりとて、ただいま進めております石炭鉱業の対策というものは、これはだからといってやめるわけにはいかない。おのずから必要な財源というものは必要でございます。現在のままいくなり、別途調達するなり、何かの形では必要である、方法は別として必要であることにはかわりがございませんから、そのことを取りやめるわけにはいかない、こう考えておるわけでございます。
○田畑委員 先ほど来質問の中に出ております日炭高松の閉山の問題それから常磐炭礦の閉山の問題、これはいずれも一般炭でありあるいはまた工業炭であり、公害問題ということから派生してきた問題でありますが、大臣はこの点をどのように受け取っておられるのか。当然の推移と見るべきか、あるいは政策上の点から見て、反省する面があるのかないのか、この点承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 これは実は両件とも、私自身も直接お話を聞く機会がございまして、何とか避けられないものかということで、事務当局にも実は幾たびか検討を指示いたした案件であったわけですが、やはり採炭条件の悪化でありますとか、あるいは公害の関係等々で、どうもここへたどりつくことが結局不可避であった。私どもとしては、したがって閉山あるいは一部閉山に伴うところの摩擦、影響をできるだけ国のほうも協力をして回避をし、最小限にしていくということにただいま努力を傾けているところでございます。
○田畑委員 大臣、先ほど来の質疑応答で、大きな政策目標についてはもう問題は出尽くしておると思うのでございまするが、ただ私、大臣の答弁を聞いておりまして感ずることは、もう少し客観的な情勢の成熟を待たなければ、どっちにするかという方向を打ち出すことはできない。あるいは本格答申についても、答申を求めるための諮問をするわけにはまいらぬ、このような御答弁であったかなと私は承ったわけでありまするが、しかし、そのような状況にいまの石炭産業、企業があるかどうか、そんな余裕があるかどうか、この問題。 それからもう一つ、日炭高松の問題にいたしましても、常磐炭艦の閉山の問題にいたしましても、これはいろいろな理由もあるが、一つはやはり昨年の十一月の答申が、一般炭はもう切るんだ、こういう前提であの答申が出ておる。先ほど来大臣の答弁を聞いておりましても、原料炭という話は考えなければならぬということばはありますけれども、一般炭については触れていないのですね。そうすれば、一般炭については、もう今後、政策的にもこれ以上は見るわけにはまいらぬ。したがって、問題は、業界同士の、ユーザーとの話し合いで、一般炭についての将来の問題の解決に待つ以外にないのだ。とすれば、いまの状況下においては、もう一般炭というのは、これはやっていけぬことだけはっきりするわけですね。だから、相沢議員の質問ではございませんが、どっちにするかというやはり方針をはっきりしないと、無用な混乱を起こすだけじゃないのか。もし方針がきまりまして、それに基づいて政府は、たとえば一般炭がだめなら、それに応ずる閉山に対する特別措置をやろうか、もっと手厚い措置をやろうか、こういうことも考えられるだろうし、あるいは、先ほど岡田議員の質問に言われましたように、原料炭、一般炭というものは、それ自体のプロパーの生産ではない、両方が一緒に生産されるわけだから、そういう点において、石炭産業をほんとうに産業としてこれを維持していこうというならば、それにふさわしい政策というものが打ち出してこられないと、いまのままでは、これは石炭産業全体の自滅を招く以外にない、こう思うのでありますが、この点について、いま一度大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 これはもう田畑委員よく御承知のことでございますが、私も過去一年ちょっとの間に、何回かの閉山といったような事態に、経営者側からも労働側からもいろいろ御相談を受けてまいりました。 そのときに感じますことは、いかにも労働側の立場というのはお気の毒でありまして、よく経営の内容もわかっておられる。そして大勢も知っておられる。そこで、何とかして長年の愛着のある職場であるから、できることなら生かしていきたいという、これは当然のことであります。経営者もそういう気持ちであります。しかし、ある段階までまいりまして、どうしてもそれができないようならば、自分たちとしては新しい職場をやはり求めなければならない。そのためには、できるだけ有利な条件で閉山をさしてもらいたいというような、いかにも何とも身につまされるようなお話に変わってまいります。私どもが何とか元気を出してもう少しおやりなさいと申しようにも、先のことまで、労働側も経営者も、実はわかっておられますために、そういうことにはなかなかなっていかないというようなのが、大部分の場合のケースでございます。でありますから、私どもも、その段階になりますと、むしろそれならば自後の措置を厚くすることを考えたほうがいいのではないかというようなふうに結局考えることになっていくわけでありまして、そのような実情から見ますと、何でもかんでもやっていらっしゃい、できるだけの応援はいたしますと申しただけでは、お答えとしては十分でないというのが、ことに一般炭の多い山の現状ではないかと思います。したがって、そういうふうに考えざるを得ない、労使とも考えざるを得ないと言われるときには、私どもとしては、自後の措置を厚くするということに、やはり全力を傾けることにならざるを得ない。それが、私の、わずかな経験でありますけれども、何回か閉山を御相談を受けましたときの実感でございました。 さりとて、しかし、いつまでもどうなるかわからぬということを申しておってはいけないのでございますから、先ほども申し上げましたように、内外の情勢かもう少し展開をいたしますと——私はそう長い時間ではないと思いますが、いたします際には、やはり全般的な見通しというものを、政府としても、あるいは答申等の形において公にしなければならないだろう。そうでありませんと、いつまでたっても不安な状態が続く。こういうことでございますから、いま田畑委員の言われましたような措置は、ある時期においては考えなければならないというふうに、いま思っておるわけでございます。
○田中(六)委員長代理 田代文久君。
○田代委員 時間がないそうですから、一点だけ質問いたします。 一点と申しますが、まず第一は、いまの御答弁を聞いておりますと、常磐と高松炭礦、これは当面の重大問題ですが、これを通産当局、したがって宮澤通産大臣は、この閉山を認められる腹なのかどうか。それから、常磐と高松のこの閉山の方向について、これは同様な形で見ておられるのかどうかという点です。それが第一点です。 これと関連して、これは仮定の問題ですけれども、かりにこの二つの大きな炭鉱が閉山になるということになりました場合、これは常磐、高松をあわせて、社外鉱員あるいは臨時鉱員を含めまして、約八千人近い、膨大な失業者がここに路頭に迷うという事態が起きるわけです。これは全く社会問題としても、また産炭地の地域の問題としても、大問題になるわけですが、これと、現在審議されようとしている中高年齢者等の雇用促進の特別措置法、いわゆる失対事業を廃止するという方向との関係です。この失対事業に対する、政府がいま出そうとしている方向というのは、いままでの失業者をすぐほうり出すということはやらないけれども、新しいそういう失業者に対しては、いままでの失対事業あるいはそういう方向での吸収はやらない、こういう方向を打ち出しておるわけですね。ところが、そもそもこの失対緊急就労事業というものは、御承知のように、十年前のあの炭鉱の大閉山のときからできた、失業者に対する救済事業としてこれは非常に大きな役割りを果たしてきておるわけですね。私どもとしては、こういう大きな炭鉱の閉山が続いておる現状において、こういう事業をこれは廃止するという段階でもないし、むしろ逆にますますそういう形での失対者を救済するということは、とにかく政府が手厚い処置をとるべきであるというふうに考えるわけです。そうしますと、かりに中高年齢者等の雇用促進特別措置法が通るということになりますと、高松や常磐から新たに出る失業者をどのような形で救済するか。私はこれは救済できないと思うのです。ですから、どうしても、そういう点で、この失対事業というものは、拡大こそすれ廃止すべきでない。通産当局としても、そういう閉山との関係において、こういう失対事業を打ち切りの方向へ持っていくということはやるべきでないというふうに考えておられるかどうか。それはとにかくやむを得ないと見ておられるかどうか。これは仮定の問題でありますけれども、労働省は、非常に強引な無慈悲な処置をとろうとしておりますので、私は、責任ある通産省としては、そういうことを労働省がやっておるとすれば、これははなはだけしからぬということで、歯どめしていただきたいし、また政府としても、そういう点で、当然そういう路頭に迷う、しかも石炭産業の犠牲になって出てくる失業者に対しては、優先的に、徹底的に、救済方法として現在の方法を堅持すべきであるというふうにとにかくしていただきたいと思うのですが、その点についてひとつ見解を聞きたいと思います。
○田中(六)委員長代理 大臣、予算委員会からたびたび出席要求がございますので、答弁は明快に、簡単にお願いいたします。
○宮澤国務大臣 両方の炭鉱の閉山につきましては、私も労使双方からいろいろ事情を承って、何とか防ぐ方法はないかと役所としても微力を傾けておりますけれども、なかなかいい考えがない。そこで、それでありますれば、あとの措置が法で許せる限り、できるだけ有利な形でとられるようにということで、ただいま腐心をいたしております。 なおその際に、職を離れる労働者の関係でございますけれども、いま炭鉱において働いておられる労働者、勤労者の人たちは、おそらくわが国の勤労者の中で最も考え方のまじめな、しかも質の高い労働力でございます。したがって、それらの人たちには、おのずから職業の研修等々を通じて再就職の機会が多い、またそれを求める職場も多いというのが実情であろうと思いますので、そういうことで将来に、これは概して申しますと、例外もございましょうけれども、不安というようなことはそう多くはないと考えてよろしいのではないか、また国としても、それなりの施策をいろいろと考えておるわけでございます。 なお、この問題と、先ほどの失対の法律との関係は、したがって私は直接にあまり結びついておらないと思いますけれども、そのほうの関係は、労働省の政府委員からまた御答弁を願いたいと思います。
○田代委員 これは結びついておらないとか、それからそれほど膨大な失業者がついていく、とにかく再就職について楽観されるようなお話ですけれども、これはもってのほかですよ。これは現在の世界の、また日本の経済情勢からいいましても、実際にこれほどのたくさんの失業者が、たとえば北九州やほかの東京なんか吸収できるか、できないです。非常に中高年者の多い炭鉱において。だからそういう点においては、ほんとうに炭鉱労働者の立場に立って、そうしてこの失業ということがどういう問題であるかということを深刻に考えていただく。通産省と労働省との関係が薄いということは断じてないと思います。全く切っても切れぬ関係にある、非常に緊密な関係にあるということを考えていただいて、対処していただきたいということを要望して発言を終わります。
○岡田委員 通産省以外から来ておりますから、あまり長くお待たせしては気の毒ですから、そのほうを先に質問いたしたいと思います。 厚生省にお伺いしたいのですけれども、炭鉱年金基金ができて、来年の四十七年度の十一月から支給開始になるわけです。当時この積算基礎は、大体支給開始時点の有資格者を想定して、そしてトン当たり四十円ですか、その財源を積み立てるということで出発をしてまいったわけです。今年度四年目に入るわけですが、しかしその出炭規模からいえば、人員のほうは非常に減っているわけです。そういう意味では、積算基礎は大きく変わっていると申し上げなければならないわけです。したがって、当初想定よりも、来年度十一月に支給される有資格者というものは少ないわけでありますから、そういう意味では、いまの立て方から考えましても、厚生年金も今度の予算措置で一〇%引き上げるということで、予算が国会で審議をされておる段階でもありますし、当初の経済見通しから見ても非常に変化があるわけですから、私は少なくともいまの基金内においてはこれは見直しをすべきではないか、支給額を結果的にいえば上げろということになるわけなのですが、私は、今年度予算提出の厚生年金の引き上げ等から見ても当然ではないか。もちろんこの基金の管理は厚生省所管でありますけれども、基金の制度が設けられてそこで管理をしておるわけでございますけれども、少なくともそういう立場に立つことがきわめて当然であろう、かように考えるわけですが、その間の、当初の見通しと今日の見直しをした場合の状況等について、おわかりであれば、この面の報告と同時に見解を承っておきたいと存じます。
○幸田説明員 お答えを申し上げます。 御指摘のとおり、石炭年金基金が昭和四十二年十月に発足をいたしまして三年有余になるわけでございますが、この間にただいま御指摘がございましたような、出炭能率が当初の見込みよりも向上をしておりますこと、あるいは加入者の減少が、当初私どもが想定をいたしました以上に著しいという点につきましては、これは年金制度あるいは年金財政上プラスの要因というふうに申し上げてよろしいかと思います。ただ問題は、どのような年金の加入者がやめていくのかといったような問題、あるいはどんな従業員期間を持っております加入者がやめていったのかという点を分析をいたしませんと、正確な年金財政上の評価はできないわけでございます。 御案内のとおり、年金の場合には五年ごとに財政再計算ということをやる仕組みになっておりまして、五年ごとに、それまでの実績をもとにいたしまして年金財政を総洗いをするということになっておるわけでございます。この石炭年金基金の場合にも、昭和四十七年がこの財政再計算ということで予定をされているわけでございます。そういった財政再計算をいたしませんと、確定的なことは申し上げられませんけれども、達観的に見まして年金財政といたしましてはおおむね良好な推移をいたしているというふうに私ども考えている次第でございます。したがいまして今後の問題といたしましては、御指摘のございましたような、今回厚生年金につきましても応急的に、物価上昇に見合う程度に年金額の引き上げをはかりたいということで、今国会に提案をいたしておるわけでございます。こういったような背景もございますし、最近の経済情勢ということも十分勘案をいたしまして、私どもといたしましても御趣旨に沿うような、できる限りの指導を石炭年金基金に対してしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○岡田委員 いまの炭鉱は、一方においては労働者不足と、その面における計画遂行が落ちているという数字が明らかに出ているわけですが、一方においては大型閉山が進み、しかも炭鉱から炭鉱へのいろいろな措置をとっておりますけれども、少なくとも現在ある制度をより生かしていくということが基本でなければならないと私は思うわけであります。たとえばいま話題になっておりますように、日炭、常磐が閉山をする、しかし来年の十一月になれば、厚生年金プラスアルファの資格者になる、だから、ひとつ炭鉱で働こうという面は、いままでの離職者の場合もあるわけですよ。これからの場合でも、そういう点を労働者自身が判断することは、きわめて当然であろうかと思うのであります。したがって、そういう意味において、厚生年金の場合も、この見直しを今年度一〇%アップを提案したと同様趣旨に立って、すみやかにこれは基金で検討すべきじゃないのか。そしてその資料に基づいて、至急金額を引き上げ得ることが可能であるならば、引き上げるという措置が最も当を得ているのではないか。労働者が集まらないで、炭鉱が瓦解してしまえば、基金そのものも崩壊してしまうわけでありますから、そういう適切な措置が最も大切だ。また答弁もいただきましたけれども、数字的にそういう検討をするとするならば、大体いつごろそういう検討が終わるのか、どのくらいの期間がかかるのか、ある程度の見通しがあれば、承っておきたいと思うのです。これが二年もかかるということになりますと、来年支給開始されるわけですから、やるなら、今年じゅうにやらなければならぬと思うのですけれども、その点、特に検討した結果によるでありましょうけれども、その検討の期間はどの程度かかるものか、この機会に聞かせてもらいたいと思うのです。
○幸田説明員 年金の財政再計算につきましては、かなり複雑な要素その他がございますし、また事務的にも膨大な作業がございますので、少なくとも一年ないしは一年半という期間が必要でございます。私どもといたしましては、ただいま御指摘のございましたように、明年の秋給付が開始をされるわけでございますが、それまでの間には何らかの結論を得る、その前段階におきまして、当然に財政再計算の結果を見ました上で、明年の秋給付が始まりますまでに、給付の改善の方向を見定めたいというふうに考えておるわけでございます。
○岡田委員 基金が大体四千万トンと計算しますと、十六億ですか、今年度で大体六十億をこえるということになると私は思うのです。その基金の運用について、厚生年金とか各種年金は事業団があって、その資金運用ができる制度になっているわけですが、この石炭年金の基金については運用が可能かどうか、法律審議の場合はそこまで議論がなかったわけでありますけれども、基金を管理している理事会なら理事会は、法律の改正がなくとも、弾力的に基金の運用というものが可能か。たとえば炭鉱労働者福祉施設に基金のある一部分を貸して、今日の労働者定着のために資するとか、各種年金ではやっているわけです。そういうことが可能かどうか。可能であるとするならば、そういうことをやる意思があるかないかという点を含めて、お聞きしておきたいと思うのです。
○幸田説明員 年金の運用につきましては、やはり安全確実であるということと同時に、有利であるという原則が必要なわけでございます。御指摘の点につきまして、現在、四十四年度末で年金基金の資産保有は約四十四億円程度でございますが、いま申し上げましたような原則からいたしまして、金銭信託在り、あるいは特別の法律による債券なりといったものを保有させるということにいたしておるわけでございます。今後の問題といたしまして、いま御指摘のような問題点があるわけでございます。こういった点につきましては、先ほど来申し上げておりますような財政再計算の問題も含めまして、そのときに判断をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○岡田委員 あとは常磐、日炭と関連がありますので、若干質問をしておきたいと思うのですが、先ほど大臣にもいろいろ質問がありましたけれども、私の承知しておるところでは、日炭高松は二月いっぱいで採炭中止、三月末で閉山、それから常磐は、四月末で磐城礦業所全員解雇。買い上げ対象にならない西部坑の一部、五十万トンから六十万トン程度で、新しい会社として再雇用して採掘継続、このように承知しておるのですが、そういう意味で、この方針はすでに会社側からも通産省のほうに通知があると思うのです。こういう方針で、こういう方向は決定的である、こう承知してよろしいですかどうか、承っておきたいと思います。
○阿部政府委員 お答えいたします。 日炭につきましても常磐炭礦につきましても、おおむね岡田先生の御指摘のように承っております。
○岡田委員 先般の理事会で、実は意見書を私ども出しておるわけですが、特に常磐の場合には親会社が存在をし、しかも旧来の常磐炭礦というのは、茨城艦業所が常磐炭礦で、今度の磐城の西部坑は別の、常磐興産の子会社ということになるのだと思うのですが、結局いまの提案の内容を検討してみますと、分離されることになるのだと思うわけです。そこで問題なのは、常磐と日炭の場合には条件が違うわけです。常磐の場合には石炭を分離して、常磐の関連会社の常磐興産がこれを統轄をするということになるでしょうし、白炭の場合には、白炭に付随している関連会社がございます。私どもの承知しておるところでは、大体千五百名前後の従業員がこの関連会社におる、こう承知をいたしておるわけです。ところが、今度の方式で閉山いたしますと、この関連会社というものは独立をしなければならないということに結果的にはなっていくのだと思うわけです。そこで、常磐の場合ですと、既存の関連企業については、当然常磐興産がこれを見ていくというのが方針だと思いますから、この方向でいけば、関連の系列会社の混乱は避け得るのではなかろうか。しかし日炭の場合は、日本炭礦株式会社そのものが閉山して、主体性が行くなるわけですから、その関連会社については常磐の場合と違って、結局新しい会社か何かで統轄をして、企業維持できないとするならば、これまたプラスアルファして倍ぐらいの従業員がおるわけですから、たいへんな混乱をするという点の違いが、二つの場合にいえるのだと思うのです。したがって、この関連企業連鎖倒産をできるだけ避けて、産炭地経済の混乱をできるだけ避けることが望ましい、大臣もそういう趣旨でありますが、その面について、産炭地振興法その他、法を駆使をして、この面の地方の混乱を避け得るという自信が通産当局としてはあるか。もちろん、これから協議をしてやるでしょうけれども、そういう方向で、基本的姿勢で臨んでいるかどうか、大体避け得るという見通しがあるかどうかという点について、承っておきたいと思います。
○阿部政府委員 お答えいたします。 御指摘の常磐炭礦につきましても、日炭につきましても、現在の時点におきましては、先ほど岡田先生がるるお話になりましたような会社の提案がなされておる。これに対して、労働組合からのいわゆる同意というものが、いまの段階ではまだ得られていないというような現状でございます。したがいまして、私ども政府側といたしましては、事の重要性につきまして、たいへん重大な関心を持っておる次第でございますけれども、以上申し上げたように、まだ肝心な労使の間の同意というものができていないいまの時点では、あまりに政府側が先走って、いろいろなことを出せないような状況に一つございます。しかし、そうは言いましても、これはいつまでも見送っておりましては、重大な事態にもなりかねないと思いまして、たとえば常磐につきましては、すでに昨日、関係各省の連絡会議を東京で持ちまして、個々の、具体的な予想されるいろいろな案件を列挙いたしまして、それぞれの各省に御協力いただいて、できるだけ早い時期に、これに対処するような方針をとりましょう、こういう申し合わせをした次第でございます。 その他、産炭地振興行政も現在かなり活発に動いておりますので、常磐につきましても日炭につきましても、これらを十分に機能的に活用いたしまして、予想される失業者等の再就職、雇用の問題等々につきまして、格段の努力を早目早目にしてまいりたいと存じておる次第でございます。
○岡田委員 私の承知しておるところでは、常磐炭礦の労働組合は、閉山の方向については理解できる。問題は条件であるという大会決定、そういう方針で労使の交渉が推移している。それから日炭高松の場合も、労働組合は、閉山については方向として認めざるを得ない、したがって、公式的には、きょうおそらく労使交渉が持たれるというぐあいに承知をいたしておるわけです。労働組合側も、労働債務の確保を中心とする条件の問題が合意に達すれば、この閉山の方向については認めざるを得ない。いずれも労働組合側は、この閉山は基本的に反対だという姿勢は、それぞれの機関でとっていないように私は承知をしておるわけです。 そういう面からいいますと、問題は、労働者の労務債が完全確保できるかどうかという点にかかってくるのではないかと私は思うのです。御承知のように、三月三十一日で企業ぐるみ閉山というものがなくなる。いずれも一般閉山で山を閉じるというのが会社側の申請の内容のようでもありますから。これらを考えてまいりますと、はたして労働者債務がこの場合に確保できるかどうかということがやはり一番基本的な問題ではないか、あとは一般債務あるいはまた金融債務については、それぞれ資産の整理をはじめ、あるいは親会社がこれに対処していくという方針がとられるわけでありますから、ここが当面一番問題だと思うわけです。この点が解決されれば、一応閉山の日程は具体的に予定の方向で進む、私はこう判断をしておるわけです。 しかしながら、常磐の場合には、親会社が残り、しかも炭鉱も残っておるわけでありますから、労使交渉によって、この労務債については一応原則的には解決されていくだろう、問題は、資金がそれにつくかどうかという点で、常磐の場合にはそれが焦点になるのではなかろうか。労使が合意をすれば、あとは資金対策ができれば、労務債を払うということになるのではないかと思うわけです。日炭高松の場合は、閉山するわけでありますから、問題は、買い上げの体制の中で労働者の債務が保証されるかどうかということに尽きていくのだと思うのです。この点の条件は、日炭と常磐は相違があると思うのです。 しかしいずれにしても、政策の立て方、二年間の企業ぐるみ閉山、その後一般閉山方式に移行して、さらに大臣の所信表明にあるように、企業ぐるみ的な資格を擁しておるものについては、労務者債務はこれを確保する、保証するという方向が、これから予算が成立すれば検討されていくのだと思うわけです。 こういう方向を判断をする場合に、やはりここで一番大事なのは、炭鉱労務者の債務については、一応いままでの政策の流れ等も判断をして、一定水準は確保できることに全力をあげなければならぬのではないか、こう私は思わざるを得ないわけです。特に通産省としては、そのことによってスムーズに問題が解決をされていくということが望ましいわけでありますから、そういう点についての問題については十分検討すべきだし、また当局としても、無関心ではないわけですから検討されておると思うのですが、そういう方向については、これはいままでの制度を活用しながら、労働者債務の一定の保証についてはほぼやり得る、こう見られておるか、それとも非常に困難があると見られておるか、この機会に見解があれば承っておきたいと思うのです。
○阿部政府委員 お答えいたします。 この閉山にあたりまして、退職金を中心とする、及び未払い賃金等のいわゆる労務債というものの完全な確保、債務の履行、この問題は、御指摘のとおりおそらく一番重要な問題かと思うのでございます。しかしこの問題は、いわゆる労と使の間で、あくまで自主的にきめられるべきものだと思うのでございまして、政府といたしましては、これに対して、いわゆる一般閉山方式あるいは特別閉山方式、ただしこの後者のほうにつきましては、法律によりまして、この三月末日までをもって廃止されることとなっておりますが、この二つの方式を法律上準備しておりまして、そのいずれをとるかにつきましては、経営者の選択にまかせておるような次第でございます。したがいまして、その労使の交渉の間におきまして、どちらに落ちつくかということは、あくまで自主的に決定さるべき筋合いのものでございますので、私どもといたしましては、御指摘のとおり、労務債の確保ということが最も重要なことであるという認識は十分持っているのでございますけれども、それはあくまで労使間の自主的な判断を見守ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。 さらに、一つつけ加えさせていただきますならば、常磐のような一部閉山というような場合には、条件が合えば、その一部につきましては、整備資金と申しまして、退職金に見合う貸し付けを石炭合理化事業団から融資し得るような、そういう制度もございますので、何らかのお役に立つこともあり得るかと思うのでございます。
○岡田委員 いまの部長の答弁でいいわけですが、特に、認識は一致しておる。この閉山問題で、このポイントがスムーズに解決できれば、大体そう混乱を起こさないで労使の合意にも達し得るでしょうし、その後の政策、体制を考えていけばよろしいのではないかと思いますので、特に常磐と日炭との相違、歴史、政策上の流れというものを十分勘案して、この点、いずれ労使が合意に達した場合、相談もあるのではなかろうかと思いますので、この面十分ひとつ配慮をして、対処してほしいという点を強く希望をいたしておきます。 それと、第五点にあります筑豊炭田の資源の活用の問題は、日炭の場合には山田鉱山という若干の露頭採掘を行なっておるのがあるわけでありますけれども、この点は、従来の方向、意見というものをなかなか生かすことが不可能だというのが今日の情勢であるように受けとめておるわけです。しかしながら、この意見書の精神については、いずれ関連会社が統一的に存立し得るという条件が整ってくれば、この方向はある程度生かすことができるのではないか、当初の計画とは違いますけれども、生かすことができるのではないか。そういう方向があるとするならば、それに対処すべきだという私は意見を持っておりますが、そういう私の理解の方向で、通産当局としても一応現時点で考えられておるかどうかという点、答弁できれば承っておきたいと思うのでございます。
○阿部政府委員 お答えいたします。 先日、当委員会の理事懇談会におかれまして、今回の常磐、日炭の閉山の問題の経緯にかんがみて、意見書をお出しになりました。私どもは、この意見書の趣旨を十分尊重して、行政をしてまいりたいということでまいったわけでありますが、遺憾ながら、先ほど来申し上げるように、常磐につきましては一部閉山、日炭については若松坑はおそらく近い将来全部閉山、こういうことに相なるかと思う次第でございます。 そこで、その意見書の中で特に御指摘のありました一点でございますが、筑豊にかなり優秀な硫黄分の低い一般炭及び原料炭がまだまだ残されておるから、その露頭炭を計画的にじょうずに掘るということを進めるべきである、こういう一点が指摘されておるのでございますが、私どもといたしましては、石炭鉱業審議会の経理審査会にこの点をおはかりいたして、十分審議しましたところ、さような計画が、もし妥当な資金の裏づけ等々あるならば、これは技術的にも可能であるということを条件に、政府側も強力に支援してやってはどうか、こういう御意見が出た次第でございます。したがいまして、現在まだきわめて具体的な計画という段階には至っておりませんけれども、将来、さような条件を整えて計画にも出てまいれば、十分これを審議し、かつ、いろいろな意味の支援もいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○岡田委員 常磐問題、日炭高松問題を通じて、昨今の電力事情から判断をして、この両者が供給しておった発電所、いわば常磐の場合には常磐共同火力、七十二万キロが存在をしているわけです。昨年七号基がようやくでき上がったという段階であります。一方日炭高松は、粉じんその他の問題があって、若干の方式変更もいたしながら、これは電発若松に供給されている。また共同火力にも一部供給されているという状況にあるわけです。しかもこれは重油専焼ではなくして、石炭専焼、それに重油混焼の施設を持っております。しかし、混焼率というものはおのずから限界があるわけです。したがって、これらの発電所に対する影響ということが非常に心配されるわけです。たとえば常磐の場合ですと、相当重油をたかなきゃならない。おそらく四十万キロリッターくらい想定されるのではないか、こう思うわけです。しかし内陸の発電所というものは、たとえば北海道を例にとれば、その地点で油をたくよりも、石炭をたいたほうが発電コストについては安いわけですから、こういう面については一体どういう影響が及んでくるのか。それと同時に、油の輸送というものはどうするのか。この大量の油の輸送というものは一体どうするのか。たいへんな数量になると思うのです。千葉から持っていくのか、あるいは小名浜から揚げて、タンクローリーで運ぶのか。当面はそうしなければならないと思うのです。将来は、富士興産ができればパイプラインで供給することも考えられるだろうし、それと同時にまたバーナーへの切りかえ、いろいろ問題が山積しているわけですが、いずれにしても、電力事情から見れば、これらの発電所に対する対策というものは非常に関係者から心配されておる面であり、どう対処しようという考え方を持たれておるか、この点を承っておきたいと思うのです。それと同時に、常磐は、坑内ガスを利用して都市ガスを行なっているわけですが、これは公益事業で、供給責任というものがあるわけです。こういう傾向から判断して、将来のいわき市における都市ガスの供給問題については、新たな視点で検討せざるを得ない面が出てくるのではないか。これは、いますぐという問題ではないでしょうけれども、これから何年か先にそうなってくることは、この結果明白な事実になってくるわけでありますから、こういう公益事業に対して、電力行政として、この対処のしかたについてはどういう方針を持たれておるか、この機会に承っておきたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 まず、常磐炭礦並びに日炭高松炭礦に依存しております火力発電所についてのお尋ねでございますが、御指摘のような電力事情が、特に夏場のピーク時点、冷房需要の急激な増加等によりまして、非常に逼迫しております状況下におきまして、いま閉山が労使間で話し合われている。かような状況に対処いたしまして、電力会社といたしましても供給責任に支障を来たすことがないように、諸般の準備を内々いたしている、かような現状でございます。 常磐共同火力に関しましては、いままではほとんど常磐炭礦の石炭に依存していたわけでございまして、一号基から七号基まで、全体で七十二万キロワットの発電能力でございますが、この際、逐次重油の混焼設備を整備いたしまして、これに対処するということでございます。 御指摘のように、港の設備を持たない火力発電所でございますので、油に依存する度合いがかなり高まることになります場合、輸送の問題があるわけでございます。当面、タンクローリーとか貨車輸送に依存せざるを得互い場所でございますから、先々の問題といたしましては、小名浜港からのパイプラインというようなものにつきましても、検討をいたしておるわけでございます。同時に、こういった従来の石炭火力発電所、石炭対策との関係でできた電力会社でございますけれども、こういった重油に依存をしていくというやむを得ない状況下におきまして、公害対策の面につきましては、従来以上にその実をあげていくという意味で、煙突の高さを高くするというふうな点につきましても、あわせて工事を考えておるわけでございます。 日炭高松炭礦に依存しておりますものといたしましては、電発の若松火力発電所、これはもともと日炭高松の坑口発電所というような形でできたものでございます。こういった事態に対処いたしまして、常磐共同火力の場合と同じように、重油混焼設備への切りかえを進めますとともに、高煙突化工事というものを現に行ないつつあるわけでございます。同時に、九州電力の新小倉火力発電所も、四十五年度で申しますと年間二十万トンくらいを高松炭礦に依存しておりましたが、こういった事態に対処いたしまして、さらに混焼率を上げる準備と、高煙突化の工事をされておるわけでございます。こういった工事を進めるにあたりましては、御指摘の電力需給逼迫という情勢下を十分に踏まえまして、御案内のように、火力発電所につきましては、年一回定期補修検査というふうな制度があるわけでございます。各発電所が年 一回、大体一月余りをかけて補修、整備をいたすわけでございますが、そういった時期をつかまえまして、特にそういった時期の選定にあたっては夏場を避けまして、電力需給に支障を来たすことのないよう、改造工事のほうも進める、かような対処のいたし方を考えておるわけでございます。 それから最後に、常磐炭礦の坑内ガスに依存しております東部瓦斯株式会社の平事業所と、常磐共同瓦斯株式会社と二つの事業者があるわけでございます。それぞれに相当数の需要家、六、七千戸というふうな需要家をかかえておるわけでございまして、この点につきましては、常磐炭艦側と当該ガス会社も十分に話をいたし、坑内ガス供給保証というふうなものを得ているわけでございますが、そういった西部坑に依存する間におきまして、ナフサガスへの転換の工事を進めるというふうな対処をいたしまして、御指摘の供給責任にいささかなりとも支障を来たすことのないよう、通産省といたしましても指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○岡田委員 一つだけ指摘をしておきますけれども、富士興産の精製会社が完成するのは、四十七年末までかかる。そうしますと、もし小名浜から勿来までタンクローリーで運ぶとすれば、たいへんな交通上重大問題が発生することは明らかだと私は思うわけです。一方、千葉のほうから持っていくとすれば、おそらく何十両というタンクローリーで、一日に一回程度しか運搬できないという問題があると思うのです。要するに、そういう客観的な社会的な問題が起きないように、いまから油の供給について対処すべきだ。これは一方に集中すれば、必ず問題が起きますよ。私はそう判断をしているわけです。何回も言ったことでありますが、この点を特に強く指摘しておきたいと思います。 それと同時に、参考に聞きますが、油四十万キロリットルたいて常磐火力で発電した場合に、従来の発電コストと、その場合の発電コストと、もちろんロングランでいえば、パイプラインを通せば別でしょうけれども、どの程度違うのか。これはまた油の値段が上がりますけれども、大体見通しがつくのじゃないか。どんぴしゃり安くなるのか、高くなるのか、できれば大体どのくらいの差があるものか、この機会に承っておきたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 常磐共同火力が、予想されます事態に対処いたします場合のコストの問題でございます。一番私ども心配いたしておりますのは、重油混焼設備に切りかえていくための設備費、あるいはまた重油の貯蔵のためのタンクの建設費、あるいは公害対策をさらに前進させますための高煙突化の費用、そういう設備投資がここ数年の間に四、五十億円にのぼることが予想されるわけでございます。そういった面のコストへのはね返り、償却費あるいは支払い利子、こういったものがかなりの影響を持つのではなかろうかという考え方をいたしております。 御質問の燃料費につきましては、非常に事態が流動的でございまして、なかなか的確な計算がむずかしいわけでございますけれども、もともと石炭対策の一環といたしましてできました常磐共同火力でございましたので、比較的地場の石炭を有利に入手し得ていたというふうな点もございまして、まだ正確な計算はなかなかむずかしい問題でございますが、当面、やはり若干、燃料費の面でもコストアップにならざるを得ないのではなかろうか、かような推測をいたしておる次第でございます。
○岡田委員 時間がありませんから、その点にとどめておきますけれども、私が特にこの問題を聞いたというのは、これからの石炭政策のあり方、原料炭中心といいますけれども、やはり石炭専焼もしくは、政策的に電発等の火力発電所もできているわけでありますから、そういう面の政策的なにらみ合わせも十分配慮していくということも、私は重要なんだということを強調しておきたいと思うわけです。 労働省に最後に承っておきますけれども、労働省は、すでに国会に失対法の改正も提出をしているわけです。大体、石炭政策、こういうものの経験に合わして、失対法の改正案というものがつくられておるように私は受けとめておるわけです。ただここで、いま労使が話し合いを進めておりますけれども、昨今の情勢から見れば、春先の新規採用等もありますし、一方においては休暇待命制度というふうな方向も、弱電、家電あるいはまた自動車等でもとられる傾向も強いというぐあいに判断をいたしておるわけです。雄別炭礦の閉山の場合には、あの状況の中で概してスムーズに転換できた、こういってもいいと思うのです。しかし羽幌の場合は、時期も時期であるがゆえに、まだ相当積雪の中に滞留しているというのが現状であります。引き続き宇部興産の山陽無煙の閉山、今後大型閉山が続くわけですが、この一年間の炭鉱離職者の対策に変化があるのかどうか。まあ雄別の場合は私どもよく承知しておるわけですけれども、結局羽幌、山陽無煙等を通じて離職者対策というものがどういう方向で、変化があるのかないのか。 それと同時に、今度の場合には、いま申しましたように、いまを上回るたいへんな人員が社会にほうり出されるということになるわけでありますから、この面は、また北海道と違って、常磐ですといわき市内に社宅がある、それから日炭ですと隣はすぐ北九州市でして、そういう面では水巻町の社宅に住んでおられるというような、いろいろな違った条件があるわけです。そうなりますと、たとえば開発就労に別に炭鉱労働者が全部就職をしておるわけではありませんし、開発就労も生かしていくという問題もあるでしょうし、あるいはまた産炭地振興の面もあるでしょうし、あるいはまた、できるだけそれを生かしながら近在求職をはかり、できないものについてはそれぞれの需要地域に転換をさせるということになっていくと思うのですが、この面、特にいままで非常に滞留した労働者——一時は引く手あまたで求人がものすごくきたという流れから考えて、今度の対策がこれからの石炭政策を考える場合に重大な影響を与えるし、またわれわれとしても重大な関心を持たざるを得ないと思っておるわけです。すでにその点の調査等についても、労働省として対策を練られておるのではないか、こう私は思いますので、そういう流れの特徴的な傾向、またいままでのそういう閉山対策をした経験にかんがみて、常磐のいわき市、北九州隣接の水巻町という面で、やはり労働省としては独特な対策を立てなければならないのではないか、こう思うのでありますけれども、この面について労働省としてはどう対処される方針か、この機会に承っておきたいと思います。
○遠藤政府委員 お答え申し上げます。 いま岡田先生から御指摘のございました、羽幌炭鉱と宇部興産の山陽無煙の閉山に伴います離職者の状況でございますが、実は、特にこの山陽無煙の場合は、離職者の実態から見て非常に移転就職その他むずかしいのでは丘いかという感じを私どもも持っておりまして、非常に心配いたしておったわけでございますが、両炭鉱の再就職状況を見ますと、一月末現在で、羽幌炭鉱が千五百八十名のうち就職申し込みをしてきました者が千四百七十四名、そのうち就職がきまっておりまして、あるいは訓練所に入るというようなことで、措置を終わりましたあとの残りが百六十四名、大体九〇%就職いたしております。残りました百六十名余りは、三月末の学校なんかの関係で若干残っておりますが、これも対策といたしましては、十分措置し得るというふうに考えておる次第でございます。山陽無煙につきましては在職者が二千五百七十九名で、そのうち就職申し込みをしてきました者が、羽幌炭鉱の場合と若干違いまして、地元でいろいろ田畑、家を持っておる人があります関係かと思いますが、千七百九十二名でございます。そのうち就職済み、その他訓練所入校というようなことで措置を終わりまして、残っておりますのが二百名でございます。こちらのほうも、私どもが懸念いたしましたほどのことはございませんで、大体八十何%が就職いたしております。残りました百六十名あるいは山陽無煙の二百名につきましても、この三月、四月ごろまでには何とか就職あっせんができるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。 この四十五年度一年間の、昨年十二月までの経過を見ますと、新規求職者が一万三百七十名でございます。前からの繰り越しの人たちを合わせまして約一万八千名。そのうち就職いたしました者が一万一千名強になっておりまして、十二月末現在で、約六千八百名くらいがまだ未就職で残っております。この山陽無煙とか羽幌炭鉱の実例、ないしは昨年度の雄別炭鉱の例から見ましても、最近の求人がいままでよりやや少なくなっているとは申しましても、求人が依然として求職をはるかに上回っているという状況には大勢として変わりございません。特に炭鉱離職者につきましては、来年度からは炭鉱への再就職者につきましても、雇用奨励金を支給するような措置を講じております。この一年間でも約三割くらいが炭鉱へ就職いたしております。こういったことから考えまして、できるだけこういった閉山による離職者を、再度炭鉱へ就職あっせんをする、優先的に炭鉱へあっせんをするということはもちろんでございますが、なお現在臨時措置法によりまして、三年間の休職手帳制度もございますし、いまの雇用情勢からいきますと、十分これに対処し得るのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○岡田委員 開発就労、これは継続予算がまた出されているわけですからきまると思うのです。今度の場合には、いわき市、北九州市で開発就労の面で、中高年齢層対策として、継続的な予算ですから、これを担当する企業が、下請といいますか、受け持つ会社があるわけですが、この面での吸収は可能かどうか。すでにいままで把握している人員があるわけですから、この場合には可能かどうかという点についてだけつけ加えてお尋ねします。
○遠藤政府委員 ただいま申し上げましたように、常磐なり日炭高松の炭鉱閉山に伴います炭鉱離職者は、ただいま申し上げましたような措置で十分対処し得ると思っております。先ほど来岡田先生御指摘の、関連企業からの離職者というような点が問題であろうかと思いますが、こういった点につきましても、実は大部分が、おそらく大半が失業保険の対象になるかと思います。失業保険の受給期間中に、こういった人たちにつきましても十分対処できるのではなかろうかと思っております。ただその中に、一部そういった炭鉱離職者でもないし、失業保険の対象者でもないということになりますと、いわゆる職業安定法によります、中高年齢失業者等に対する就職促進の措置というのがございまして、これによって再就職のあっせんをやっていくということでございますが、こういったいずれの制度の適用も受けないという人が、やはり何がしか出てくるのではないかということも予想されます。こういった向きにつきましては、御指摘の開発就労事業、これは来年度も本年度に引き続き予算措置を講じておりますので、必要がある場合には、こういったこともあわせ考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
○田中(六)委員長代理 田畑金光君。
○田畑委員 労働省関係は別の機会にいたそうと思っておりますが、ただ、いまの質問に関連しまして遠藤部長にお尋ねしますが、いろいろ大手の山が閉山して、そうしてその離職者の就職状況はこうであるという説明がございましたが、大きく分けて、炭鉱離職者の地元の就職率と、それから県外の就職率というものがどのような状況になっておるのか。 さらにもう一つ。労働省としては、労働省の立場上、職業紹介を広域的にとらえていこう、こういう考え方で対処しておると思うのでございまするが、私は、この問題についてはいろいろ利害得失があろうと思うのです。労働省は、炭鉱離職者が出ればできるだけそれを外に出そう、炭鉱離職者の臨時措置法もそのたてまえでできておりますが、しかし、また雇用、失業問題を処理する労働行政を広い立場からとらえると、やはり広域的な処置をすることが本来であると思いますけれども、しかし、そういうとらえ方だけしておりますと、産炭地というものは、ますます人的な資源の面から疲弊していくわけで、そういうとらえ方だけではまた許されない、こう考えるわけでありますが、この点について労働省の考え方をお聞きしたい。 同時に、私はこれは通産省にもお尋ねしますが、局長でも部長でもけっこうでございますが、炭鉱離職者をすみやかに外に出すというような考え方でとらえるか、あるいはできるだけ地元に定着させて、地元の企業に、地元の産業に、こういうような角度でとらえていくかということによって、非常に違いが出てくるわけでありまするが、通産省としてはどういう考え方でいらっしゃるのか。この際、労働省と通産省の考え方を承っておきたいと思います。
○遠藤政府委員 炭鉱離職者の再就職対策につきましては、実は先生御承知のとおり、三十七年の第二次答申当時は主として北九州地区、筑豊炭田地帯に大量の離職者が発生いたしまして、地元にそれだけ吸収するだけの余力がございません。したがって、分散ということに重点を置いて、再就職対策を進めてまいったわけでありますが、最近の状況を見ますと、昨年閉山いたしました各山の離職者の帰趨状況を見ますと、県外に就職した者と県内、地元就職とが大体半々程度になっております。大体五〇%程度が県外に出ている、残りが地元就職というような状況に相なっております。私ども現在考えておりますのは、やはり地元に再就職の場がなければ、県外なり他の地域に持っていかざるを得ませんけれども、できるだけ他の炭鉱へ就職あっせんを優先的に取り扱います。同時に、地元に就職の場がある限りは、地元に優先的に再就職の道をはかっていく、どうしてもない場合に県外なり他の地域に持っていく、こういう考え方をとっておりますが、先般の雄別なり山陽無煙の場合には、地元にほとんどそういう企業がございませんし、雄別の場合には町ぐるみなくなってしまう。山陽無煙の場合も同様であります。そういったことから、他の地域へほとんどの人が転出しております。雄別の場合には、北海道内に残った人が約半数ございまして、山陽無煙の場合も、県内に残ったのが半数程度、こういう状況になっております。これから出てまいります常磐なりあるいは日炭高松の場合には、こういったいまの北海道なり山口県の場合と若干事情が違いまして、近辺にそういったかなり有力な企業等もございますし、特に白炭高松の場合には北九州地区も控えておりますので、できるだけそういった地元地区への再就職を優先的に扱っていきたい、こう考えておる次第であります。
○本田政府委員 お答えいたします。 産炭地が石炭鉱業に依存して、社会生活が営まれておったということから考えますと、原則的にはやはり産炭地域振興をはかりまして、その土地で雇用が続けられ、生活も続けられるというのが本来だと思います。そういう意味で、できるだけ地元に残ってもらえるような条件をすみやかに醸成するというのが、本来の方向であろうと思いますが、ただ時間を要するために、必ずしも現実にそうならない、こういうことであろうと思いますが、基本的には、産炭地振興によって、地元に残ってもらえるような体制を整備するという考えが原則であると思います。
○田畑委員 労働省の考え方も通産省の考え方も、離職者に対する対処のしかたが同じような考え方に立っておるということを聞いて、非常にけっこうだと心強く思うのでありまするが、場所によってそれは当然違いはありますけれども、産炭地域の炭鉱の休閉山に基づく疲弊ということを考えれば、できるだけ産炭地域振興をはかりながら、その地域に離職者を定着させる、これが第一義的な取り組みの姿勢ではなかろうか、こういう感じを持っております。たとえば、常磐炭艦の今回閉山の事例を取り上げますと、常磐炭礦の従業員を大ざっぱに五千名と見ますと、系列企業に四千二百名、これは臨時を入れますといるわけであります。さらに新産都市地域でありまするから、あの地域の周辺には新しい工場、企業が相当多数進出しておるわけであります。私の知る、たとえば富士電機系統のいわき電子工場というのが、非常に若い女子の人々を一千名近くも雇用しておる。職場環境も非常にりっぱな、そしてまた炭鉱あるいはその周辺の子弟を、若い人々を周辺に雇用しておる弱電機関係がございまするが、このような産炭地振興の一貫として進出してまいりました企業も、常磐炭礦の従業員の子弟というものが二割くらいは占めておるわけです。したがって、常磐の閉山によって、世帯主が他の地域に移動するということになりますると、系列企業に対する非常な打撃、そうしてまたこの数年来、周辺に進出した企業に対しても人的な非常な打撃を与えるわけでございますから、そういう意味においては、やはり遠藤部長の御答弁のとおり、労働省といたしましても、いまの炭鉱離職者の実情というものは、数年前のそれとは違っているのだという前提で取り組んでもらわなければ間違いをもたらす、こういうことでございますので、その点、十分にひとつ意にとめておいていただきたいと思うわけであります。 そこで私は、その意味において、この産炭地振興についていろいろお尋ねをしたいわけでありまするけれども、あまり時間もございませんので、この産炭地振興については今回臨時措置法の十年の延長も出ておりまするが、これは当然のことだと思いますが、本年度の予算を見ましても、一般会計あるいは特別会計それぞれ伸びていることは事実でございます。四十六年度の予算が、一般会計が約八十億、さらに財投が八十六億、このようになっておるわけでありまするが、この産炭地振興予算について、特に京浜地区に、遠隔の地として北海道であるとか九州であるとか、こういう地域を重点的に工業地の造成その他投資をなさっておるわけでありまするが、本年度の予算のワクの中で、いま全国的にいろいろ要請が出ておると思いまするが、工業地の造成、企業誘致の問題、それに伴う融資の問題、また工業用水の問題等々、いろいろ出ておるわけでありまするが、このようなもろもろの需要に対して、本年度の予算というものがどの程度この要請にこたえることができるのか、私は数字をあげていろいろ質問したいのでございまするが、時間の関係もありますので、これは大ざっぱでけっこうでございまするが、この産炭地振興の予算についての需給関係、需要に対してどの程度対処し得るか、この点についてお答えをいただければありがたい、こう思うのです。
○本田政府委員 お答えいたします。 融資等は、新規事業に充当することに相なりますが、造成事業その他の問題でありますと、継続事業と新規事業ということに相なります。新規事業は年度途中からもかかる、あるいは初年度においては、それほどの金額を要せずに継続して事業をやっていく、こういう関係に相なっておりまするが、本年度の土地造成等におきましては、十数%は新規事業に充当し得る、こういうことになっております。
○田畑委員 いま局長のお話しのように、工業地の造成等については継続事業がほとんどなんですね。これは何年計画という大規模の団地の造成でありますから、予算の運用としては当然でございますけれども、しかし新規事業はなかなかむずかしい、こういうのが実態であるわけです。ここに、たとえば常磐炭礦の閉山問題が出てきた、あるいは日炭高松の問題が出てきた、あるいはことしはほかにも出てくるかもしれぬ、こういうことを考えてみますると、やはり新規の事業は十数%の予算のワクしかないということになってきますと、先ほど申し上げたような工業地を造成し、企業を誘致してできるだけ離職者をその地域に定着させるという点から見ますと、予算が非常に窮屈でそれを満たすことができないから、やむなく他に転出させざるを得なくなる、こういうのが実情として生まれてこようと考えておるわけです。 福島県のいわき市は、昭和四十一年の十月に五市九カ町村が合併いたしましたが、合併当時は三十五万の人口を持っていた。ところが、去年の暮れの国勢調査によれば三十三万を割っておるわけですね。これにまた常磐炭礦の閉山ということになってまいりますと、三十万を割るようなことになりはせぬかということを心配するわけで、したがって、地域の経済、商工業等々の発展を維持していくためには、どうしても人口の定着ということを確保することが優先的な施策になってくるわけでございまするが、そういう点から見ますると、この産炭地振興事業の工業地の造成と、あるいは企業に対する融資のワクの確保などが、一番大きな問題として出てくるわけでありますが、この点について予算の運用の面で、そのような準備があるかないか、こういうことですね。
○本田政府委員 お答えいたします。 常磐炭礦の閉山というのは、われわれとしては早くから予期し得るという性質のものではなかったわけでございますが、御指摘のような事情があるわけでございますので、本年度の予算の運用にあたりましては、御指摘のような方向で検討させていただきたいと存じます。
○田畑委員 局長、ことしの予算を見ますると千六十億でございますが、予備費を見ますると昨年は十三億、ことしは三十五億の予備費をとっておりますね。去年よりも二十二億もふえておりますが、相当な予備費だと、こう見ておりますが、これはどういうことを頭に置かれてこの予備費をとっているのか、この予備費の運用はどういう方面にこれから予算化していくおつもりなのか。
○本田政府委員 先般、予算の御説明の際にも申し上げましたが、四十四、四十五両年度の予備費が御指摘のように十三億でございます。その予備費の使用の過去の経験等から考えまして、また御説明申し上げましたように、長期借り入れ金制度が四十六年度からなくなりましたという点もございまして、本年度は三百五十万トンの新規閉山を予算として計上いたしておるわけでございますが、必ずしも三百五十万トンでおさまるかどうかという問題もございますので、本年度は二十二億増加した三十五億の予備費を計上いたしておりまして、閉山が万一これを上回るというときには充当し得る、こういうふうに考えて予備費の増額を行なっておる次第でございます。
○田畑委員 三百五十万トンの閉山予定で予算を組んでおられますが、しかし、予想される閉山というものは、はるかにこえることは必至だと見るわけです。そうしますと、閉山に伴うもろもろの支出を考えると、この予備費でもこれは足りないと私は見るわけであります。そうしますと、たとえばいま問題としてお尋ねいたしました産炭地振興に対する予算の割り振りなどというものは、予備費のほうから出てこない、こういうふうなことになるわけです。閉山が予定以上にふえて、予算がこれでまかなうことができぬ、こういうことになってまいりますると、また一般借り入れなどということになってまいりますが、そうなってくると、当然予算補正ということになるかと思いますが、このような場合の予算運営についてはどのように考えていらっしゃるわけですか。
○本田政府委員 お答えいたします。 当然、従来の経験によりますように、項、目の流用によっても閉山に必要な資金に充当し得るということでもございますので、われわれといたしましては、千六十億の総予算の中で、ある程度の閉山の予定を上回るものは処理し得る、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田畑委員 それから、予算の審議の途中でありますから、いまの千六十億の予算のワク内でまかない得るという御答弁は当然だと思いますが、現実の問題として、閉山が予想以上に大幅に出てきたというような場合、あるいは私、先ほど産炭地振興の問題を実は尋ねていたわけでありますが、この面の予算措置などが需要をまかない得ないという緊急な事態が発生したような場合は、ひとつ十分予算の運用についても、その必要性に応じて処理できるような運営を考えていただきたい。 その運営というのは、私が先ほど申し上げたように、予算の補正も必要だろうし、あるいは一般会計からの借り入れも考えられるだろうし、国庫の債務負担行為も考えられるだろうし、いろいろあるわけでありまするが、そのようなことも十分念頭に置いて運営してもらいたい、こう思いますが、この点についていま一度局長の御答弁を求めます。
○本田政府委員 お答えいたします。 御指摘のような問題につきましては、今年度、たとえば土地造成の継続事業のようにきまっておるものもございますが、これから新たに起こる需要に対して運用していくという面も多々あるわけでございますので、御指摘のような重要なポイントについて、予算を重点的に運用するということを考慮してまいりたいと存じます。
○田中(六)委員長代理 相沢武彦君。
○相沢委員 常磐炭礦の閉山は、諸情勢から見ましてもうやむなき状態に追い込まれておりまして、従業員の人たちも、当面の問題として、退職金の額について会社との折衝をして、組合側要求案が出されているようでありますが、組合要求で計算すると、退職金が鉱員二百六十万円、職員が四百二十九万円となって総額百十六億円と在るそうであります。会社案では、これが六十億円ということですから、差額は約五十六億円になるということなんですが、現在会社のほうとしては、すべての施設が担保に入っておるし、閉山交付金以外にたよるものは互いということなんですが、先ほどの石炭部長の答弁で、特別閉山をとるかあるいは一般閉山になるかは企業の選択にまかせるとおっしゃいましたが、そのとり方によって、従業員に対する退職金の配分がどういうようになるのか、一般閉山をとった場合あるいは特別閉山になった場合、この組合側要求との差額などとの関連において、どういう見通しになるのか、その辺のところを承りたい。
○阿部政府委員 お答えいたします。 御質問の常磐炭礦におきます退職金についての問題でございますが、一般閉山方式をとるか、特別閉山方式をとるかは三月末までにおきましては、経営者の自主的選択にまかせてあることは先ほど申したとおりでございますが、特別閉山方式と申しますのは、いわゆる企業ぐるみ閉山の場合に適用される制度でございまして、常磐炭礦の場合は、茨城礦業所のほうはなお将来に向かって存続確保するわけでございまして、したがいまして、常磐の場合は、特別閉山の方式をとるということは法律上あり得ない制度でございます。
○相沢委員 それからもう一点。労働省のほうにお尋ねしますが、現在会社側も、敷地内の土地を工場団地にする計画等もあって、また企業の誘致等についても関係各省努力されているようでありますが、なかなか見通しは暗いということですし、また大量の人員の方たちの今後の就職という点について、非常な困難が伴うと思うのですが、いわき市内あるいは近郷都市内で大体予定されている約三千五百人ぐらいの従業員の方たちが、身の振り方をきめなければならないということなんですが、何割ぐらいが地元に残れるという見通しなのか、まずそれをお聞きしたい。
○遠藤政府委員 お尋ねでございますが、どれくらいが地元に残れるかということにつきましては、的確なことを申し上げるわけにまいりませんが、先ほど来申し上げておりますように、いままでの実績から見ますと、大体半数ぐらいが地元に残っているというような実績になっております。北海道の場合とか山陽無煙の場合と違いまして、今回の常磐の場合、地元の福島地区あるいは日立地区、こういった地区にかなり有力な企業がたくさんございますので、できるだけそういった地元の企業に優先的にあっせんできるような体制をとってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○相沢委員 いま局長は、できるだけとおっしゃったんですが、全従業員の六三%は四十歳以上だということで、給料とかその他条件の面で折り合わないということで、話がなかなかまとまらないようでありますが、その点について、労働省としてより積極的な何らかの手を打たれておりますか。
○遠藤政府委員 閉山の時期も私どものほうでは明確になっておりませんで、まだ具体的な求職相談等も行なっておりません。したがいまして、離職者の人たちがどういうところを希望するかというようなことも、まだ具体的にそこまで着手いたしておりません。閉山の時期等がはっきりいたしますれば、閉山になる前に、臨時職業相談所を開設するなり、あるいは山元協力員というような人たちを臨時に増設いたしまして、個々別々に就職あっせん相談をいたしまして、離職者の人たちの希望に応じて、地元なりあるいは他地域なりというようなことでごあっせんしていきたい、こういうふうに考えております。
○相沢委員 もう一点でありますが、これは日炭、常磐、それから北海道の場合とはだいぶ事情は違うと思いますが、昨年の雄別の場合、離職者のうちの炭鉱への再就職率は大体三〇%台だと思いましたが、今回雇用奨励金等が、炭鉱から炭鉱に移る場合も適用されるということになっておりますが、それを常磐あるいは日炭に当てはめた場合に、幾らかでも炭鉱から炭鉱への就職率を上げる役に立つのか、あるいは磐城の場合は、炭鉱から炭鉱へと移られる方の可能性がどれくらいあると見込まれておるか。
○遠藤政府委員 私どもが仄聞いたしておるところによりますと、磐城礦業所の場合、残存いたします茨城県部分の礦業所で、採用する余地はあまりないようなことを聞いております。したがいまして、常磐炭礦の場合は、炭鉱へ再就職するということになりますと、主として北海道かあるいは九州かということにならざるを得ないんじゃなかろうか。そういたしますと、炭鉱へ就職を希望する人は一体どのくらいあるだろうかということになりまして、地元なり隣接の他府県の、ほかの産業への就職希望者と、あえて北海道まで移転就職の希望者とがどのくらい出てくるか、私どもまだ的確に把握いたしかねております。できるだけ雇用奨励金を炭鉱への再就職にも適用いたしまして、炭鉱労働力の確保につとめたい、こういうことで四月以降実施してまいりますが、この制度をできるだけ活用してまいりたいというふうに考えております。
○相沢委員 結局、そういうことで炭鉱で働く希望者というのは年々減るし、いわゆる労務倒産というのは非常に深刻な問題として現実に直面してきておるわけであります。昨年から一般炭、それから原料炭の値上げ等が行なわれましたが、それが炭鉱労働者の賃金の面に幾らかでも反映しているのかどうか、その点の関連について、労働省では調査をされておりますか、把握されておりますか。
○遠藤政府委員 賃金問題につきましては、実は私どものほうで所管いたしておりませんので、資料を持ち合わせておりませんが、そういったいろいろ財政的な援助措置がとられれば、賃金の面にもある程度は好ましい影響が出てくるのではなかろうか、こういうふうに実は考えております。
○本田政府委員 私のほうからお答えさせていただきますが、四十四年度は、賃金ベースとして一二%のアップになったわけでございます。昨年度は一三%の引き上げになったわけでございまして、むしろこの一三%の引き上げに対して、経理的にどういうふうに考えるべきかということで、電力用炭の引き上げ等によって、これを支払い得るような条件を整えていった、こういうことでございます。
○相沢委員 自治省関係の方来ていらっしゃると思いますので、産炭地振興の問題でお尋ねします。 閉山地域のうち特に人口減のひどいところは、九州でいいますと山田市になるわけでありますが、ほとんど人口が半減しておりますし、また財政力指数も〇・一八と極度にひどいわけであります。こういったところに対する、いわゆる地方交付税の人口急減に対する特別措置等について、もう少し何らか弾力的な措置がとれないのかという点でありますが、北海道の歌志内市の場合なんかでも、人口は最盛時の約半数に減っておりますし、しかもまた、人口の八割が炭鉱従業員で、一山か二山でも炭鉱が閉山になればほとんど廃墟の町と化すのではないか。現在、すでに財政力指数も北海道の平均の一五ポイントをかなり下回っておりますし、こういった点で、産炭地振興のために特別交付税の大幅な増額ということが非常に要求されるわけでありますが、この点についての御見解を承っておきたいと思います。
○石見説明員 お答え申し上げます。 産炭地域の地方団体に対しましては、御案内のとおり、従来から産炭地域振興臨時措置法によりまして、公共事業の国庫補助負担率のかさ上げをいたしてまいっております。あるいはまた、地方債につきましても、特別に充当率を引き上げるというような措置をとってきておるわけでございます。と同時に、先生から御指摘がございましたように、普通交付税あるいは特別交付税につきましても、他の地方団体には見られないような特別な財政援助措置をずっととってきておるわけでございます。私どもといたしましては、御質問の御趣旨に沿いまして、今後とも普通交付税あるいは特別交付税を通じまして、地方交付税をこういう地域に重点的に配分していきたいというふうに考えております。と同時に、地方債につきましても、積極的にその充実をはかってまいりたいというふうに存じておる次第でございます。 なお、四十五年度の特別交付税につきましては、現在地方団体からいただきました資料に基づきまして作業中でございますが、本月末には、四十五年度分として決定する予定にいたしております。額につきましては、いま申しましたように作業中でございますので、確定はいたしておりませんが、四十四年度に比べまして増額したいというふうに考えておる次第でございます。
○相沢委員 きょうは、予定の時間がだいぶオーバーしましたので、以上で終わりますが、次回にまた質問したいと思います。 ————◇—————
○田中(六)委員長代理 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 ただいま本委員会において審査中の、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案について、参考人の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(六)委員長代理 御異議なしと認め、さように決しました。 なお、参考人の人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十七分散会