商工委員会 第13号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/19
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業特恵対策臨時措置法案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として日本商工会議所専務理事影山衛司君及び日本軽工業品団体連合会特恵対策委員長三宅寅太郎君に御出席を願っております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人各位には、御多用の中を本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本日は、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本委員会の審査の参考に資したいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 なお、御意見の開陳は一人十分程度におおさめいただくようお願い申し上げます。その後、各委員から質疑がありますので、さよう御了承をお願い申し上げます。 それでは、まず影山参考人にお願いいたします。
○影山参考人 ただいま御紹介にあずかりました日本商工会議所専務理事の影山でございます。参考人として陳述いたします。 まず最初に、中小企業特恵対策臨時措置法案が御審議をいただいておるわけでございますが、私といたしましては、この法案に賛成をいたすものでございます。すみやかに通過成立をさせていただきますことをお願いいたします。 去る一月にバンコクで、アジア商工会議所連合会というのがございますが、それの理事会がございまして、永野会頭、私も出席をいたしたわけでございますが、永野会頭のスピーチの中で、こういうことを言っていただいたわけでございます。わが国はUNCTADの決議に基づいて、貿易を通ずる経済協力である特恵供与に踏み切ったわけである、ただいま特恵関税の関係の法案が国会に提案中でありますということを、スピーチの中で申し述べてもらいましたところ、アジア諸国の実業人に非常に大きな反響を呼びまして、これが地元のバンコクだけではなくて、マレーシアあるいはフィリピン等におきましても新聞に出たような次第でございます。 このことは、アジアの諸国が、一次産品の輸出というよりも、これからは工業化というものを中心にいたしまして経済の発展をはかっていこうということを目ざしておるわけでございますが、兄貴分であって、大きな経済発展をしたところの日本が、自分の国の利益だけではなくて、アジアの国々の経済発展、あるいは経済自立、工業化というようなものに手を貸してくれるのだということで、非常に予想外の好感が出てきたわけでございまして、世上いわれておりますエコノミックアニマルとか、あるいは東南アジアのほうでよくいわれるのでございますけれども、日本は一方の手で与えて一方の手でふんだくるというような悪評がないでもないわけでございますけれども、この特恵関税の供与ということを申し述べましたら、そういう気分が非常にこの会議等でも影をひそめてきたということでございますので、この特恵関税の供与ということは、大局的な見地からどうしてもやらなければいけないというふうに考えるわけでございますが、同時にこのスピーチでも、この特恵関税の供与によりまして、日本における多くの中小企業からなるところの軽工業あるいは繊維工業、こういう分野において大きな影響が予想されるのだ、そこで、一方で産業調整措置というようなものを用意をしなければならないような事情があるということも、よく理解をしてほしいということも申し述べたわけでございます。 日本商工会議所あるいは東京商工会議所におきまして、特恵関税に関する特別委員会を持っておりまして、かねてからこの問題について検討をいたしてきたわけでございますが、特に特恵関税の供与によりまして影響を受けるところの中小企業の業種を約二十近く、昨年の秋から、その団体の指導的地位にあられる方々をお招きしまして、いろいろとお話を伺ったわけでございます。その傾向は、業種によっていろいろと異なるわけでございます。 これをグループ別に申し上げてみますというと、第一のグループは、国内に入ってきても、あるいは輸出面におきましても、後進国、発展途上国よりも技術的な格差があるので、技術的にまだ自信があるというグループでございます。しかしながら、その方たちも、このままでいってはいけないので、三年、五年先はわからないということを申しておりまして、この三年、五年の猶予期間の間に、構造改善を進めていきたいということを言っておられました。 それから第二のグループは、アメリカ向けの輸出に非常に依存度の高い業種でございますけれども、これは台湾、韓国等によって現在現実に影響を受けておる。ところが、この台湾、韓国からの輸出品と日本品との価格差というものが一五%程度あるのだが、この一五%程度の格差であるならば、日本品が品質とかデリバリーの点で優位に立っておりますので、まだ競争力はあるということで、この競争力のある間に、構造改善なり共同事業による高級品化を進めていきたいというのが第二のグループでございます。 それから第三のグループは、やはり同様に輸出に非常に依存度が高い業種でございますが、どうも台湾、韓国との間に賃金格差、これは三〇%以上あるわけでございますが、こういう点で、特恵関税の供与によって非常に大きな影響を受ける、特に香港にまで特恵が及ぼされるならば、非常に大きな影響をこうむるだろうというグループでございます。これらのグループにおきましては、特恵の受益国との競合を避けて、高級品化あるいはデザインの高級化というような方向に進みたい、海外市場でのPRあるいは販売活動もやっていきたい、こういうグループが第三のグループでございます。 それから第四のグループは、やはり輸出面で急速なシェアの低下が予想されるという最も影響の大きなグループでございますが、この中には、まだどういうふうにやっていったらいいかという方策々模索中の業界が非常に多いわけでございます。それで来ていただきました指導者の方々は、産地といたしましても構造改善あるいは転換というようなことをやらなければいけないとあせっておるのだけれども、まだ業界の人たちがなかなか認識をしていただけないので困るのだというようなお話も出ておりますが、そういう方策を模索中の業界が第四のグループでございます。 それからまた、特に繊維製品につきましては、皆さま御承知のように、日米繊維の自主規制というものと同時に腹背に敵を受けるというようなことになるわけでございますので、これは相当大きな影響を受けるわけでございます。特に香港からの影響が非常に大きいということを申しておられます。対策といたしましては、現在やっておるところの構造改善をますます推進していかなければいけない。そういうふうな大体におきまして五つのグループ、傾向がうかがわれるわけでございます。 そういうふうなグループの実態を踏まえまして、意見として申し上げるわけでございますが、第一番目が、冒頭に申し上げましたように、本法案をすみやかに成立していただきまして、転換等の助成策を十分に用意をしていただきたいということでございます。 それから第二は、転換の定義等に関しましてでございますが、先ほど申し上げましたように、業界の皆さん方、直ちに他の業種に転換するということよりも、まず自分がつくっておるところの分野におきまして、製品の高級化をはかっていこうという業界が非常に多いわけでございますので、転換という場合のその解釈上、高級品化というものも転換の中に入れていただきたいと思うわけでございます。また、転換をいたします場合も、風俗営業等は非常に困りますけれども、できるだけ転換先の業種をゆるやかに解釈としていただきたいと思うわけでございます。 それから、業種を政令指定されることになっておりますけれども、現実に影響が出てからではなくて、前広に指定をしていただきまして、十分な事前の対策ができるようにお願いしたいわけでございまして、同時に、この法案の中に規定されておりますところの職業訓練等につきましても、十分な御配慮をお願いしたいわけでございます。 それから、業界の実態の中で申し上げましたように、現在どうしていいか模索しておる業界もあるわけでございますので、やはり何と申しましても、政府あるいは地方公共団体、あるいは団体を通ずるところの指導体制あるいは技術指導というものを確立していただきたいわけでございまして、終戦直後、生活様式の変化によりまして、非常に大きな転換をはからなければいけなかった例があるわけでございまして、そういう場合には、産地の協同組合が中心になりまして、府県の公設試験研究所等とタイアップいたしまして転換をはかった例があるわけでございますので、そういう点も参考にされまして、御善処をお願いしたいと思うわけでございます。 それから、関税暫定措置法におきましては、いろいろと例外品目あるいは五〇%品目等の考慮が払われておりまして、これを業界の皆さん方も相当大きく評価しておられるわけでございますが、波打ちぎわにおきまして、やはり関税暫定措置法で規定されておりますシーリング枠の運用につきまして、事前割り当て等を弾力的に運用していただきまして、フラッドを防止して被害が軽微になるように、ぜひこの運用について十分御配慮を願いたいと思うわけでございます。 それから、次に香港でございますが、どうも業界のお話を聞いてみますというと、これは香港は入らぬのだと思ってある程度安心しておられた業界も多いわけでございますので、これがわれわれのほうから言いますと、唐突にきまったような感じもあるわけでございますので、これにつきましては、アメリカとかEECの外国の取り扱い等をよく見ながら、慎重にこれについては取り扱っていただきたいと思うわけでございます。それから繊維など、香港が入りますと非常に影響が大きな業種につきましては、たとえ香港を入れる場合でも、政令段階で影響の大きい業種を除外されるというようなことも、御配慮をお願いしたいと思うわけでございます。それから繊維につきましては、構造改善対策を十分いま以上に充実をしていただきたい。またその他の業種につきましても、構造改善対策を徹底していただきたいというふうに考えるわけでございます。 最後に、もう一つ申し述べたいことは、企業の海外進出対策でございます。これにつきましては、国内の中小企業にかえって逆効果、強い影響を与えるということで、私どもも、いろいろとこの面につきましては苦慮をしたり考えたりしておったわけでございますが、もうこの段階になりますと、こちらが出ませんと、他の国が出ていきましてこの特恵関税を逆に利用するというようなこともございます。また、これも考えようによりますというと、海外投資を通ずるところの発展途上国等の経済協力にもなります。日本商工会議所におきましては、中小企業海外投資あっせん事業という事業を行なっておりまして、海外にも人員を派遣しておりますし、それから各地の商工会議所、東南アジア等の商工会議所とも連携をいたしまして、中小企業の皆さん方が海外に出られる場合のあっせんをやっておりまして、四十五年度あたりでも、いままでのところでも相当の実績をあげております。三十四企業のあっせん成立が出ております。相談は一万三千くらいに及んでおります。そういうところの内容を見ますと、まだ特恵関税対策として出ていこうというような例は、成立した中にはございませんけれども、これからは出てくるんじゃないかと思うわけでございます。ただ、中小企業の皆さん方は資金力もございませんので、やはり業界で共同をして海外進出をする、あるいは自分のところの業界とよく協調を保ちながら、業界の全体の相談のもとに共同事業として海外に進出をされるということがいいんじゃないかと思うわけでございます。そのためには、やはり経済協力基金の中に、中小企業の皆さん方が出やすいように、借りやすいように手続を十分考えていただくことと、経済協力基金の中に中小企業のワクを設けていただかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。また共同で出られる場合に、振興事業団あたりも、国外事業であるけれども、これに海外進出のための助成をしていただけるというようなことになりますと、ありがたいと思うわけでございます。 以上、時間をちょっと経過いたしましたが、陳述を終わらしていただくわけでございます。どうもありがとうございました。(拍手)
○八田委員長 次に、三宅参考人にお願いいたします。
○三宅参考人 軽工業製品団体連合会の特恵対策委員長をやっております三宅でございます。 軽工業製品団体連合会というのは、あまりお聞き及びがないと思いますので簡単に申し上げますと、これは雑貨、即生活必需品でございますが、こういうものの企業の合理化だとか、あるいは国内外の情勢の変化に応じた対策の検討等、あるいはそういうものを通じまして関係各官庁へのいろいろお願いとか、そういったことを主にしてやっております、雑貨の国内的な団体の連合会でございます。中にはメーカーもいらっしゃいますし、商社もいらっしゃいます。あるいは各工業会、そういったものがそのメンバーになっております。 この軽工連では、今度の特恵問題に関しまして、非常に事が重大である、この特恵というものは、わが国がわが国の犠牲において後進国にフェーバーを与えるものであると同時に、また国内におきましても、われわれ雑貨の犠牲においてこういうフェーバーを与えるものであるということに思いをいたしまして、四十二年の十一月にこの軽工連の中に特恵対策委員会というものを設けまして、種々検討してまいりました。当初は反対の立場をとってまいったのでございますけれども、大局的な見地から、わが国としましては、いかに雑貨に影響が大きくても、これはもう踏み切らざるを得ないというふうに考えております。したがいまして、四十三年十一月の閣議決定で、いよいよ特恵供与に踏み切りましたときも、これを前向きに受けとめまして、何とかわれわれの内部の努力でもってこれを生かしていこうというふうに考えておったわけでございます。その閣議の決定のときに、政府としましては、負担の公平、それから国内の対策というふうな条件、もう一つございましたが、とにかくわれわれその二つを一番よく感じたのでございますが、そういうものを条件にして特恵供与に踏み切った、こういうふうに考えております。本日御討議いただきますこの措置法案は、このときの国内対策の一環であり、その集大成されたものだというふうに考えておるわけでございます。 われわれとしましては、率直に申し上げまして、まだまだこの法案でも不十分だというふうに考えております。しかしながら、これがない場合に、われわれ業界がこうむります影響は非常に大きいと思いますので、ぜひこの法案を十分御審議の上御通過いただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。 御承知のとおり、軽工業品と申しますものは労働集約的な産業でございます。国の高度成長のために、われわれこの軽工業品を生産しておる者には非常に大きな影響がきております。また、合理化が非常にむずかしい商品でございます。それだからこそ、また他の発展途上国が簡単に取りつける商品であるということも、逆に言えるわけでございます。また一方、この特恵がなくても、すでにここ両三年、これらの発展途上国の追い上げが非常に急になっておる商品でございます。われわれは、終戦後日本に何もないときに、この雑貨の輸出に非常に力を入れ、われわれはみずから自嘲して雑草だと言っておりますが、とにかく雑貨はそういうふうにして一生懸命輸出を伸ばしてまいったわけでありますが、国が重工業偏重の政策をとられて、だんだんわれわれに対して国内外の風当たりが強くなってきておる、さらに特恵だ、こういうときに、こういう国内対策のための措置法案をおつくりいただくことは、非常に時宜にかなったものであり、ぜひともお願いしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 最近、よく出てまいります香港、中国に対する特恵供与の問題、いよいよこれも、先日の大蔵委員会での法律案の御審議を見ますと、通過をしたわけでございますが、それに附帯決議がついております。この附帯決議をぜひ御実行いただきたい、こういうふうに考えます。と申しますのは、香港は、われわれ軽工業品業界にとりましては、すでに先進国であるというふうに考えておるわけでございますし、さらには、香港にこういう特恵を与えますと、他の発展途上国、たとえば台湾であるとか韓国であるとか、そういった国に対する影響というものが非常に大きい。それから、あの地は特に立地条件に特異性がある、原材料とも安く入るというような非常な特異性がある。そういうところに特恵を与える以上は、何らかのかんぬきをはめないと、非常に大きな影響があるというふうに考えております。昨日の参院の予算委員会でも、外務大臣も、それから通産大臣も、独特の、あるいは特別のスキームを考えるということを御発言になっておりますので、その点はわれわれも信用しておりますけれども、特にこういうものが入ってまいりますので、ますますこの措置法案が必要になるということでございます。 それから、今度の法案を見てみますと、もちろんこれは中小企業対策でございますけれども、最近では中堅企業というものが非常に谷底に入っております。中小企業にも入らない、大企業にも入らない、そういう中堅企業というものは、この法律ではカバーできないかもしれませんけれども、この精神を生かしていただきまして、中堅企業に対してもぜひ精神を生かして援助の道をお開きいただきたい、こういうふうに考えます。 それから業種の指定、これも、先ほどの影山参考人のおっしゃいましたようにぜひ早めにお願いして、死んでからの指定ではどうにもなりませんので、生きている間に効果のある利用ができますように御配慮をいただきたい。いずれにいたしましても、いろいろな事態に応じまして、円滑かつ迅速な運営をしていただきますように格別の御審議をお願いいたしたい、こういうふうに考えます。 その他は、ただいま影山参考人のおっしゃいました御意見とわれわれ全く同じでございますが、さらに掘り下げまして、雑貨を専門にやっております団体の特恵委員長といたしまして、若干付言をしたわけでございます。 以上、終わります。(拍手)
○八田委員長 これにて参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○八田委員長 これより、参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出があります。これを許します。石井一君。
○石井(一)委員 ただいま両参考人の御意見を伺っておりまして、私たちが過去数日間、論議いたしてまいりました問題点と非常に一致した面がある。私たちが指摘して政府に要望いたしました問題を、同時に業界のほうもやはり苦慮し考えておられるということを痛感いたしました。両参考人の日ごろの業界指導における御努力に敬意を表したい、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、たとえば最初の影山参考人の御意見に具体的にございましたように、転換における高級化であるとか、業種の解釈を非常に幅広くしたい、事前の指定をある程度の時間を置いてやりたい、こういうふうなことは特に今回配慮しなければいかぬ、こう思うのでありますけれども、それにしましても、こういう状態になりますと、結局その商品を高級化するということに方向を変えていかなければいかぬ。これは一つの卑近な例でございますけれども、ヨーロッパにかみそりでゾーリンゲンなんというのがございますが、つめ切りなど、旅行者が行きましても、安いものを買ったらいかぬ、日本の値段でいいますと三百円以上くらいのものを買ってこなければ、それはまずいんだというふうな評価が完全に打ち立てられております。その反面、日本の商品というのは、おそらく外国ででも非常に安いもので、安いから買うんだというふうな評価が、過去一つの確立された概念として世界に生きておるのではないか。だから、こういう特恵の問題などがほんとうに表に出てきたのをしおに、両商工会議所におかれましても、雑貨組合におかれましても、日本の商品は非常にいいのだというふうな方向に、企業の体質の改善、構造の改革ということを急激にしていかなければいかぬというふうに私は考えておりますが、たとえば商工会議所などにおかれましては、全国的な組織をもってこれをお進めになっておるわけでございますけれども、この面においては、どういうふうな指導をこれまでされてこられたか。また、今後されようとしておるか。またその過程において、政府その他の資金的な援助、行政的な援助で非常に足りない面もあるのではなかろうか。そういう面での御要望があれば、ひとつお聞かせをいただきたい、かように思うわけでございます。
○影山参考人 ただいま石井先生から御指摘のとおり、今後、中小企業の業界におきましては、高級品化をはかっていかなければいけない、そのために構造改善を行なわなければいけないということが、一番の課題ではないかと思うわけでございます。 それで、商工会議所としてどういうことをやっておるかというお尋ねでございますが、日本商工会議所ベース、及び私が関係しております東京商工会議所ベースにおきましても、中小企業委員会というものを設けまして、そこで、まず構造改善というものを第一番目に取り上げて、審議をいたし要望等もいたしておるわけでございますが、それと、ただいま私が陳述の際に申し上げました特恵対策の影響等につきましても、この委員会が中心になってまたやっておるような次第でございます。それと同時に、商工会議所は商工会と一緒に、小規模事業対策も大きな事業としてやらしていただいております。たとえば、東京商工会議所管内におきましても、小規模事業者の方々が共同して構造改善をする、あるいは共同工場を設ける、あるいは団地を設けるというようなことに対しまして、きめのこまかいお手伝いをさしていただいておるというような次第でございますが、何ぶんまだ商工会議所は、第一番目に協同組合の組合事業としておやりいただく、それを側面から御援助しお手伝いするというところでございまして、さらに中小企業委員会という政策部面の機関と同時に、そういう実働部隊であるところの小規模事業の経営指導という点と、両方あわせてやっていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○石井(一)委員 これまで、そういう形でおやりになっておることはよく理解いたしましたけれども、何か今後やはりある程度政策を転換し、高級化をさらに進めなければいかぬというときに、政府に対する強い要望なり何なりはございませんですか。
○影山参考人 何と申しましても、やはり中小企業の皆さん方は、個々で、そういう高級品化あるいは近代化をはかるということは、非常にむずかしゅうございます。それで、やはり共同の力によりましてこういう問題を解決していかなければいけない。これはもう都会におきましても、また産地におきましても同様でございますので、やはり何と申しましても、中小企業振興事業団を中心とするところの、そういう事業に対する助成というものを大幅に増加をしていただきたい。これが一番の御要望でございます。
○石井(一)委員 次に、三宅参考人にお伺いをしようと思いますが、第二の重要な政策の転換は、先ほど影山参考人も御指摘になりましたように、海外進出ということだと思うのでございます。まだまだ資本力の弱さだとか技術その他の面で、これまで大企業の海外進出というものはかなり最近顕著でございますけれども、中小零細の特に雑貨関係の海外進出ということは、これまであまり大きな成果をあげておりません。また企業の内部の事情を考察いたしましても、資本が小さい、ほんとうに家内工業のような形でやっておるというのが非常に多いものですから、遠く離れた海外の事情もわからなければ、それだけのことをするということは事実上不可能であった、こういうことだと思うのであります。先ほどの、内地でつくるものは日本の製品は非常に高級でいいのだ、値段も高いけれどもそれだけの値打ちがあるのだ。もう一つ、日本の持っておる技術で海外で安い労働力を利用することによって、非常に価格は安く、そして大量にできる、こういう形によって日本の企業の雑貨が生きていける道があるというふうに考えるわけでございますけれども、これまであまり貴連合会としては、特別にこういう問題を取り上げておられなかったのか、多少はやっておられたのか、また今後どういうふうに進めていこうとしておられるか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○三宅参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、雑貨の小さいメーカーの方で進出をされておる方はあまりおられません。主として出ておる方は、どちらかといいますと中堅に近いような方が多いわけでございます。これはもちろん、ことばの面とかいろいろな面の不安もございますが、それ以上に、考えますのに、この雑貨というものは、一つのところで全部の商品をつくるわけではなくて、アセンブルするようなものがかなり多うございますが、海外に出ますと、どうしてもそういうものが近くで求められないので、一貫した工場をこしらえないといけない。そうしますと、日本だったら百万円でもナイフの輸出ができるのに、向こうに行きますと、いままで頼んでおった下請のそういったことまでつくりますので、あるいは箱までこしらえますので、千万の金が要るという、そういった実際面で非常に制約があるわけで、そういうことなんかも、小さい企業の方が海外に出ることを足を引っぱっておるのじゃないかと思いますので、これをやるために、やはり協業してやらないとだめじゃないかと思います。 お尋ねの、軽工連としては何かしておったかというお話でございますが、残念ながらいままではそれをやっておりませんので、軽工連の中でも独自でおやりになる力、才覚のある方だけが独自でお出になっておりまして、軽工連としてはそういう指導もしておりませんし、やりましても、いまのところではちょっと無理ではないか、そういうふうに考えております。しかし、今後の問題として、当然これを対策の一つとして取り上げていこう、その気持ちはございます。
○石井(一)委員 私が申し上げておりますのは、軽工業品団体連合会と申すのですか、これが一番イニシアチブを今後とっていただかなければいかぬ分野は、やっぱり海外の市場開拓から始まる海外進出、そうして先ほど御説明もございましたけれども、国際分業、国際協力という面を、労働力だけではなしに、一部の製品は日本から運んでくる、一部はその原材料を使う、そういうことによってどちらも立っていく、こういうふうなことを考えて進めていただきたいと思います。特に、これは個々の企業にそかしても絶対に無理でございまして、やはり団体が何のために存在するかといいますと、これまでは国内のまとめ役であったかもわかりませんけれども、今後は、そういう新しい分野の開拓ということにひとつ積極的な態度をとって、ここに特恵対策委員会というのがあったようでございますけれども、できれば、海外市場開拓とか進出委員会とかいうものでも、発展的解消でおつくりいただいて、また中小企業庁をはじめ政府のほうも、雑貨の置かれておる、軽工業の置かれておる現在の立場というものを十分認識いたしまして、これまで以上のいろいろな面での助成を進めていく、こういうことによって、瀕死の状態に入りかかっておる軽工業の立て直しをはかる、こういうことを進めていただきたい、私はそういうふうに考えるわけでございます。 以上、私の要望でございますので、その点、要望申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
○八田委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 影山参考人、先ほどいろいろお伺いをしたのですが、御意見の中で大体四つにお分けになったのですね。第一グループと第二グルーというのは転換がない。非常に高級品をつくっていくというために、技術の開発なんということはもちろん必要になってくるのでしょうけれども、自己努力、そうした政府の協力、指導ということにおいて競争力を維持していくことが可能だと理解をしてよろしいのかどうか。 それから第三グループと第四グループですが、これは第三グループは、台湾、韓国との賃金差が三〇%、特に香港の影響が大きいということで、これに対する配慮を望まれたわけです。第四グループは、方策については模索中だ。この第三、第四グループというのが影響が非常に大きいということは、御意見の中にも出ましたし、また、私どもが一応考えてみましてもうなずけるわけであります。このほとんどは転換だというように考えなければいけないのかどうか。対策としては、共同化、協業化ということが強力に進められなければならぬと私は思うのです。この点に対しましては、二十三、四日、政府の考え方もただしてみたいと考えているのですが、日本商工会議所並びに軽工業の業界としては、そうした指導を強力に推し進めていこうとしておられるのかどうか、その点について、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○影山参考人 先生の御質問の中で、第一グループ、第二グループは、転換はもういいのではないかというようなおことばがございましたけれども、やはり第一、第二のグループも、現状においては何とかしのげるけれども、時間をかせいでおる間に高級品化をしていかなければいけない。その高級品化も、やはり同じ業種の中での品種を転換することでございますので、広い意味で転換ではないかと思うのでございまして、これは御要望申し上げました中にも、転換というものを非常に広く解釈をしていただきたいというふうにお願いしたのでございます。それから第三、第四の影響の大きいグループにおきましては、御指摘のとおり、共同化、協業化ということが一番重要な方策でございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げました中小企業委員会等におきましても、常にこの共同化、協業化を推進するようなことを呼びかけておりますし、また政府に対しましても、中小企業振興事業団等の是正についてお願いをしておるわけでございます。それからもう一つは、実施部隊といたしましての小規模事業の経営指導の面におきましては、この共同化、協業化ということを中心にして構造改善にも進むわけでございますが、実施を推進をいたしておるような次第でございます。
○三宅参考人 当軽工連の中に近代化委員会というものがございますが、これのやっております仕事が、ただいま先生御指摘の問題でございまして、構造改善の指導を行なっております。われわれの中では、いま影山参考人がおっしゃったような分類はいたしておりませんが、この委員会の中でやっておる。そして一番冒頭に申し上げました、われわれの連合会は団体のメンバーが非常に多うございますので、その団体を通じて、これをさらに下部のメーカーのほうへ指導をしておる、こういうことで現在やっております。
○中村(重)委員 影山参考人に。御承知のとおり、中国はUNCTADの加盟国ではないわけです。関税の臨時措置法の中で、その他の国ということで、希望してきたならば、そしてこれに特恵を与えることが適当であるという場合は、中国に対して——中国だけじゃなくて、その他の国ということになっておるわけですから、特恵を与えることがあり得る。具体的に、中国が特恵供与されなかった場合、またそれなりの影響があるだろうと思うのです。輸入の面、輸入に相当依存をしておる国内の業界、また消費者というものがあるわけであります。また一方、今度は特恵を与える場合の影響もまたそれなりにあるだろう。影山参考人は、中国に対する特恵の供与についてのお考え方はいかがなものであるか。政治的な面からではなくて、実際の面から率直にひとつ御意見を伺ってみたいと思います。
○影山参考人 お答え申し上げます。 中国の問題は非常にデリケートなものでございますし、なかなかむずかしい問題でございますので、私自身、まだ申し上げるようなコンクリートな意見を持ち合わせておるわけてございません。中国につきましても、やはりわが国産業界としましては、互恵平等の立場で対処しなければいけないというつもりでおりますので、大体そういう原則のもとに、この問題も対処すべきではないかというふうに考えておるという程度で、ごかんべんをお願いいたします。
○中村(重)委員 御意見として、法案の早期成立、転換の助成、第二に、転換の整備等についての御意見、御要望を伺ったわけですが、第三には、指導体制の確立ということであったわけです。 そこで、法案の早期成立と転換の助成、これはこの法案の中に、転換に対する対策が盛り込まれているわけです。ところが、御承知のとおり、影響を受ける事業を特定事業として指定をする。対策としては、単にこれは転換対策にすぎない。転廃業というが、廃業する場合はどうするんだという、その場合の対策は全くないわけです。それから転換の場合だって、減価償却というようなことが考えられておるだけでありまして、積極的にこれに対するところの、不要になった機械の買い上げといったようなもの等々ないわけです。これは全く不十分だ。単に「資金の確保又はその融通のあっせんに努めるものとする。」こうあるわけです。いま一つは、特恵関連保証の特例というものがあるにすぎない。申し上げましたように、廃棄または譲渡する減価償却資産としての課税の特例、税制面ではこれだけでございましょう。もっと積極的な転廃の対策ということが考えられなければならないし、また、法人税であるとか、あるいは個人事業税であるとかの減免措置ということも考えられなければならないのではないか。資金の面におきましても、中小企業振興事業団資金とかあるいは中小企業金融公庫の資金に別ワクを設けてこれを融資しようとしているわけですが、これとても、あとで中小企業庁長官にもお尋ねをするわけでありますけれども、必ずしも積極的な面というものは出ていないような感じがいたします。法案の成立ということについては、転換の助成というものは不十分なんだから、もう少し内容を充実した形で助成をしてもらわなければならないのではないか。法案の成立を希望される中には、そうした内容のある法案として成立をさせてもらいたいという御要望、御意見というものが入っているのかどうか、その点いかがでございますか。
○影山参考人 この問題は、これから起こってくる問題でございますので、まず、この法案に盛られておりますような助成策、それと関連いたしまして、今度予算等でお認め願った助成策、これを十分実施していただく、指導体制と同時にやっていただくということが、一番重要なことではないかと思うわけでございます。廃業のお話も出ましたが、私自身、この廃業というものを、これと関連してどういうふうに考えたらいいかということにつきましては、正直いって苦慮しておるところでございますが、まず、やはり廃業が起こらないように転換を進めて解決をすべきである。そういう意味におきまして、私が、製造業というだけではなくて、商業あるいはサービス業というようなものの転換先も、広く転換の中に認めていただきたいということを申し上げたのは、そういう意味でございまして、まず、この広い意味での転換対策を十分に実施していただくということが、問題の解決につながるものではないだろうかと思うわけでございます。もちろん、先生御指摘のように、この法案自体についてもいろいろと不十分な点もあるかと存じますけれども、転換の資金計画の中にも、退職金だとかあるいは負債の処理のための融資、あるいは保証関係につきましても御配慮いただいているようでございますので、まず、そういう点を十分実施していただくということが重要ではないかと思うわけでございます。
○中村(重)委員 参考人は、元中小企業庁長官でいらっしゃるので、そういうようなことに対しての御意見というものも、豊富な経験をお持ちになるわけです。率直にお伺いをしたいということで申し上げているわけですが、おっしゃるように転換をする。これは転換なんだから、いままでの業種から他の業種に転換をするわけですから、必ずしも廃業ではない。しかし、機械設備その他は一切不要になるんだと考えてもよろしい。その場合、これが積極的な買い上げではなくて、単にこの減価償却資産についての課税の特例ということだけで十分なのであろうかということが、実は私ども疑問視しているところであります。これでは非常に弱い。 それからいま一つは、旧債務に対するところの償還期限をどうするんだ。これを延長する、あるいはしばらくたな上げをするということだって必要であろうし、それから、新たな事業に転換をするわけでありますから、貸し出し期限であるとか据え置き期間をどうするのかというような、単に額だけではなくて、そうした措置がきめこまかに積極的に考えられなければならないのではないか。 残念ながら、いま政府が考えておりますところの方策の中には、これらの点に対する積極的な面が出ていないということに対して、業界はこれをどう受けとめていらっしゃるのであろうかということが、実は私の聞きたいところであったわけであります。 それから、第三に御意見がございました指導体制の確立の問題。このことは、これから諸対策を進めていく上において十分な対策をやってもらいたいという御意見であったのだと思うわけでありますけれども、いま一つ言えることは、関税についての便益供与というのは、関税暫定措置法で定めているのですね。ところが、その影響を受けるところの中小企業者の対策というものはこの法律で定めていくことになるわけです。しかし両者は相関関係があるわけです。両面に対するところの措置というものは、有機的に結合して機能していくということでなければならないと私は思うのです。したがってそこらあたりに、何か一本の姿でその法体系というものが整備されることが好ましいと私は思っているわけでありますけれども、それが技術的にも問題であるということになってまいりますならば、運用の面をどうするのかということが示されてこなければいけないのではないか。指導体制を確立していくことにも関連をしていくわけでありますから、かっての豊かな経験を持っておられる影山参考人とされては、この法律案を見られて、これからどうあるべきかということについての御意見を伺ってみたいと思います。
○影山参考人 お答え申し上げます。 機械設備等の買い上げ等につきましても、長年、御指摘のとおりのいろいろな問題があるわけでございますが、これは廃業して商業サービスにいく場合、あるいは倒産をしてしまう場合、いろいろあるわけでございますが、倒産あたりの事例を考えてみましても、原因が非常に複雑でございまして、必ずしも特恵だけというように割り切るわけにいかない場合もございますので、おそらく中小企業庁あたりでも、この問題について非常に一生懸命考えていただいたのでございましょうけれども、なかなか技術的にもむずかしい点があるので、まだ踏み切れなかったのだろうと思うわけでございまして、たとえば税制の中でも、たしか転廃業の準備金制度というのがあるわけでございますけれども、そういうふうなものも活用するとか、先ほど申し上げましたように、買い上げというところまでいかなくても、転換計画の中にちゃんと資金計画で、そういう役に立たなくなる機械についての在庫融資でございますか、そういうふうなものも考慮をしていただくということ、これは御配慮をぜひお願いしなければいけない点ではないかと思うわけでございます。 それから、関税暫定措置法と本法案とが一体化して運用されなければいけないという御意見も、まことにごもっともでございまして、輸入会議というのがございますけれども、私それの委員をいたしておりますが、この問題の起こりました初期の段階におきまして、この関税暫定措置法と中小企業に対する対策法と一本化した法律をぜひつくっていただいてはどうか。中小企業が非常にわかりやすうございますので、そういうふうにしていただきたいという意見を、初期の段階に申し述べたことがあるわけでございますが、いろいろとこれも技術的な問題がございまして、私どもも役人をやめましたら、相当理想的なことが自由に言えるわけでございますけれども、実際問題としては、いろいろな技術的な問題もございまして、別々の法律になったわけでございますが、運用の面におきましては、先生おっしゃいますように、ぜひ十分な関連性を持って運用をしていただきたいということは、ぜひお願いしたいと思うわけでございます。
○八田委員長 松尾信人君。
○松尾(信)委員 これは御両人共通だと思いますので、それぞれお答え願いたいのであります。 構造改善の問題でありますけれども、中小企業庁におかれましても、構造改善等にいろいろ大きな力を入れていらっしゃいます。いまお話しのとおりに、構造改善をしっかりやっていくということでありますけれども、この構造改善というものと中小企業の技術の向上という面とのかね合いでありますけれども、いままでの構造改善というものの基本的な考え方は、うんとりっぱな機械を入れて大量生産をして単価を下げて、そうして安い品物をつくって売り出していく、そのためにばらばらのものを集めて、そこに大きな力を付与していくのだというような傾向がどうも強かったのではなかろうか。ところが、そのように単品を大量生産していくという行き方も従来はありましたろうけれども、いまから先は、特殊の技術というものをいかに向上させてやるかということが主眼点になっていかなくちゃ、中小企業の特色というものが生きぬのではないか、私はこのような感じを強く持ちます。でありますから、その技術改善という問題を特にとらえた場合に、やはり構造改善という部面も大切なものがあるかもしれませんけれども、もう一つ観点を変えまして、発展途上国から常に追い上げを食らっておる中小企業が、多様化した中でこの技術というものが、途上国から一歩二歩、一歩二歩と常に先にある、そういうものに重点を置いてそれぞれ施策を進めていくべきではないか、このように考えますけれども、構造改善と中小企業の特色である技術の数段の発展というものについて、どのようにかね合いを考えていらっしゃるか、その点を御両所から承りたいと思います。
○影山参考人 先生御指摘のとおりだと思います。従来の構造改善につきましては、まだまだ中小企業の近代化もおくれておりますし、また近代化施設を入れますと、やはり近代化と量産というものがある程度一緒に結合しておる場合もございますので、そういう観点から見ますと、適正規模というものが重要になってくるわけでございまして、そういうところに重点を置いて構造改善を行なってきたわけでございますが、特恵関税の供与というようなことに直面いたしまして、また国内におきましても、消費の高度化、高級化というような傾向もございますので、やはり技術というものに重点を置きまして、構造改善も、中小企業の皆さん方、零細企業の皆さん方は、自分だけで技術開発を行なうというような点についても、まだ力が非常に弱うございますので、やはり共同の力によりまして技術の開発をはかるというようなことは必要だと思いますので、今度新しい意味で構造改善と技術向上というものを結びつけたやり方、これをやっていかなければいけないのではないか、そういうふうに思うわけでございます。
○三宅参考人 御指摘のとおり、全くそのとおりだと思います。したがいまして、抽象的に申しますと、商品の多様化をはかり一歩先に歩く、あるいはデザイン等新しいものを出してやっていく、口で申せばそのとおりでございますが、それがなかなかできないのが中小企業の悩みでございます。あるいはその置かれておる立場が非常にむずかしい点があります。たとえばライターなんかをおつくりになっておる方が、なぜ高級品化できないか。金が醜いのだ。国際価格から非常に高い金を使わされておるので、もしこの金をメッキするときに、もう少し使えれば決してロンソンに負けない、ダンヒルに負けないものができるのだけれども、いまのわれわれの買っておる金では、中へどぶんとつけてあげないと、とてもじゃないが国際価格に太刀打ちできないのだ、ということを漏らしておられる方がございますが、そういったこまごました点で、まだまだわれわれ研究すべき点もありますし、政府その他に御要望しなければならない点もありますが、結局頭を使ってやっていく。そのほか、たとえばデリバリーの面だとか、あるいは包装面での新しい技術だとか、そういった面で一歩先にやっていくよりほかに方法がないので、一つの単品をたくさんつくっていくというのは、雑貨としては全然もう体質的に、あるいは商品のあり方から見ましても不適当だというふうに考えております。したがって、そういう面で逐次一点一点われわれも相談に乗りまして、御指導させていただいてやっておるというような現状でございます。
○松尾(信)委員 構造改善と技術の向上というもののかね合いでしっかりやっていく、こういうお話でありますけれども、やはり二者背反的なものがありますものですから、重点というものを——中小企業の特色という面からいけば、構造改善というものは一通り中小企業庁でやっております。でありますから、むしろ商工会議所または軽工連等の考え方は、もう一つ中小企業の特色を生かして、そして日本の中小企業の技術をうんと向上させていき、それで特色を常に持った、いま一言ありましたけれども、そういう面をどのように育成強化していくか。これをはっきりひとつ研究してもらって、先ほど、地方の工業試験所とかいろいろありますけれども、日本の技術員だとかそういう総力、そういうものを入れた、そしてもう多様化したバラエティーに富んだ、その中で途上国のまねの絶対できない方向というものを確立すべきときじゃないか、こう思うのですよ。そういう面において、そうであるならそうである、うんとそういうところへ力を入れていこうと思われるならば、御意見を聞いておきたいと思います。どちらからでもお一人でけっこうです。
○影山参考人 私どもといたしましては、先生御指摘の方向で、大いに努力していきたいと思っております。
○松尾(信)委員 それから、海外進出の問題でございますけれども、黙っておれば外国が出てしまう、いまのうらに日本としてもうんと出ていきたい、たくさんの相談もあったし、実績も三十何件かあった、こういうお話がありました。非常にいいことだと思いますけれども、また半面には、海外に進出のできない、日本内地に残存する中小企業もあるわけです。出ていったほうはいいだろうけれども、出る力のない、残存しておるものというのは、結局負けていくんじゃないかというわけですね。ところがいろいろ関税政策その他で外から安く入ってくる。これは日本だけの話でありますけれど、まずその点の配慮はどうか。今度は外国が海外に進出していく。アメリカなんかが家電をうんと台湾、香港等でつくっていきますれば、それがやがて日本にも入ってくるであろう。また日本の輸出品が、そういうものとの競合でだんだん弱まっていくのじゃないか。でありますから、この海外進出ということも、日本の企業の進出の分と外国企業の進出の分というものをよくにらみ合わせておいて、そうしてそういうものに対する対策というものをしっかり考えていきませんと、出ていったものはいいけれども、残されたほうはますますひどい打撃を受けていく。その転廃業の問題をどうしていくかという問題が、しぼってくればあると思うのですね。 それと、もう発展途上国の追い上げというものは、どうしようもないのじゃないか。先ほど、この特恵もあまり賛成じゃなかったというような御意見もありましたけれども、やはりそういう考え方ではなくて、もう途上国というものはどんどん自分の特色を生かして伸びていくのだ、だから日本としても、その途上国がどうしても追いつくことのできない方向へ切りかえていくのだというのが大原則だと思います。関税政策だとか貿易政策でいつまでもそういうものを阻止していこうというような考え方では、これは相ならぬ。それは保護貿易というようなことに通じまして、日本が言っていることと現実にやっていることがおかしくなってまいりますから、やはり大所高所に立って、現実にはそういうことで混乱を来たす業界の保護育成というものを考えながら、先ほどのとおりに技術の面でうんと進歩していく。その点で、海外進出をどのように評価して考えていくか、こういう点をしっかりお考えを願いたい。特に今後は、台湾なら台湾で合弁事業ができて、そういうものが日本に入ってくる。ほんとう言えば、外国企業と現地企業との合弁、または外国企業の子会社であるならば、ほんとうの意味におけるその途上国の産品じゃないわけですから、そういうものには差別待遇してもいいのじゃないかというような感じを持つわけですよ。それを無条件で、特恵もオーライ、あらゆる協定、税率もオーライということになっておりますので、それぞれ進出していくわけでありますけれども、それは関税上差別できないとすれば、どのようなところでその対策を考えていくか。こういう点について、二点いま聞いておるわけでありますけれども、お考えはいかがでしょう。
○影山参考人 お答え申し上げます。 海外進出につきましても、先生御指摘のように、ただ海外進出がいいのだというような狭い見地じゃなくて、広い見地からものごとを考えていかなければいけないと思うわけでございます。それで、出る力のない方々が内地に残存される、そういう方々が非常に大きな影響をかえって受けるという点につきましては、御指摘のとおりでございまして、私どもが海外進出というものを取り上げる場合に、これが一番苦しみ悩んだ点でございます。そこで、やはりこれからはそういう小さい人たちも、業界全体として海外進出というものを考え、場合によっては共同事業として海外進出をされるという方向に持っていかなければいけない。多少そういう事例もあるようでございますが、そういう共同で出られるような場合に、たとえば商工中金の融資を受けるというようなことがあるわけでございます。ただし、その商工中金の金利というものは非常に高うございますので、先ほど申し上げましたように、海外経済協力基金あたりの非常に安い金利を利用させてもらうということで、そこに特別ワクを設けていただくというようなことまで考え及んだわけでございます。そういうふうにして十分配慮を行ないながら、やはり海外進出というものを慎重に行なっていかなければならぬと思うわけでございます。 先生御指摘のように、この特恵関税の供与、発展途上国との国際分業というもの、これは現地の実業人あたりも非常に望んでおるところでございまして、工業化を通じて自国の経済のレベルを上げようということを非常に一生懸命やっておるわけでございます。これをお手伝いするわけでございますが、これは長期的な見地で見ますと、発展途上国の経済水準が上がっていき、世界全体の貿易水準も上がっていくということは、長期的に見ますと、やはり日本自体にとりましても利益になる面があるわけでございますので、そういう点でいろいろと非常にむずかしい問題点はあると思いますけれども、私どももこれは一生懸命やっていきたい、そういうふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○松尾(信)委員 大体考え方はわかりました。 時間がありませんのでこのくらいでとどめておきますけれども、いろいろ海外進出についてたくさんの企業の相談があった、その中で実績もあった、そういう実態を知りたいと思います。その中で、協業化ができて出ていったのはどういうものか。単独で出ていったものも相当あるのじゃないか。そうすると、出ていったあと国内に残存したものに対する影響というものは、どのようにあらわれてきておるか。そういうものに対する配慮をどのように考えていらっしゃるか。こういう点を、今後の残された問題としてよく勉強してしっかりやっていただきたい、こう思っておりますので、今後ともきょうの発言どおりにしっかりがんばっていただきたい、このように思います。
○八田委員長 川端文夫君。
○川端委員 先ほど来、特に三宅さんの団体である日本軽工業品団体連合会は、従来は特恵供与に対しては反対の立場をとっておったけれども、世界の大勢なり日本の国策に順応して、最近は反対ではなく、これに対応できる条件をつくっていくというお話があったように承ったわけですが、まことに賢明な対策だと敬意を表したいわけです。 そこで、私どもこの法律案を審議する過程において、一番気にしている問題点の一、二を申し上げて、皆さんの対応策というものがどのようなものであるかということをお尋ねしてみたいと思うのです。 繊維製品の問題は、日米関係の波紋の中から出てまいっておる影響の問題は、別に大きく問題点の消化をしよう、解決をしようという努力を、いま寄り寄りなさっておるところでありますが、この特恵に伴う影響、特に小規模企業への影響、皆さんの団体の中でもなかなか掌握しにくい地場産業的な零細企業への影響が非常に大きく出てまいるのではないか、このことを心配いたしておるわけであります。この特恵というものを、国策と申しますか、世界的な産業構造の変化というものに十分理解を持っていないこれらの零細地場産業的な軽工業部門の人々に、はたして通産省が十分理解と協力をさせるだけの努力ができるのかということを、われわれは心配しておるわけです。しかし、政府がどれだけ手を用いて努力をいたしましても、やはり政府の力には限界があるわけでして、各業界がこの政策的な方針を受けとめて、これをどのようにしていくかということになれば、私は啓蒙だけではだめだ、もういまの場合においては、やはり現地に乗り込んで実際に教育からしてかからなければならぬような業種が多いように思うのです。特に、私の住んでいるところの近くにあるクリスマス電球、これは東京の品川に多いわけですが、目の前の苦しさを訴えるだけで日にちを送って、具体策は業界自体でもなかなかでき上がらない。これは最近、ガラス製のバルブの面で規制ができないかという、一つの一歩前進した考え方を持っているわけですが、これらも、一部の組合の幹部が先行しようとすると、何か小規模企業を押える手段としてやるのではないかということで、疑心暗鬼が強いのです。この点はどういうふうに政府の政策を受けとめて、業界は教育、啓蒙、指導をなさろうとしているか。商工会議所は、大都市においては商工会の指導員も掌握されておるわけですし、あるいは軽工業の団体等ではどういう準備と対策をお持ちであるか、両方面からひとつお聞かせ願いたいと思うわけです。
○影山参考人 お答え申し上げます。 地場産業、特に零細企業の多い業種におきまして、非常に影響をこうむるのでございますけれども、冒頭申し上げましたように、小さい方々はこの事態を認識されるひまもないし、またなかなか認識をされてないということで、私ども御一緒に話をしましたクリスマス電球におきましても、業界の指導者の方々は非常に一生懸命やっておられるけれども、ついてきてもらえないということで心配をしておられるような次第でございます。クリスマス電球は、東京地方におきましては、お聞きしましたところでは、台湾、韓国は売り値が一五%から二〇%安いんだけれども、一五%ぐらいの差なら、デリバリーあるいは品質等の関係でまだ日本品を買ってくれる。だから、この間において、やはり構造改善なり近代化をはかっていかなければいけないというふうに考えておられるわけでございまして、私どもといたしましては、小規模事業対策を中心の事業としてやっております。また、業界の指導者の方を振興委員としてお願いをいたしておりまして、そういう振興委員の方と一緒に業界の御指導にも当たっておるような次第でございますので、そういう零細小規模事業対策の実施面におきましても、大いに努力をいたしていきたいと思うわけでございます。
○三宅参考人 軽工連の特恵対策委員会でやっております仕事は、時々刻々変わります各国のスキーム案だとか、そういったものの内容の検討なんかをしておりますが、そのほかに、国内的には、各業種に対する影響の調査というのがまず第一番。それから、こういうものから政府に対していろいろな陳情を行なうというのが第二番。三番目にいま御指摘の各地場産業へのPRで、その内容をよく御説明申し上げて、それに対する対処方を御要望する。これは傘下の協同組合と協力しながら、さらに単一組合を中心に指導をしております。 こういうふうにしてやっておりますが、当初のころは皆さん御認識が薄かった。これはもう御指摘のとおりでございまして、最近になっていよいよ最終的なスキームがきまってからやっと腰を上げられたようなあれもございますけれども、少なくとも軽工連に入っております団体の方々は、事態の重要さについては早くから御懸念をされ、したがって、御研究もされておったというふうにわれわれは考えておりますが、団体と申しましても、事務局のメンバーが少ないと、それが下の各メーカーさんまでなかなか徹底いたしませんので、そういう面はわれわれの事務局のほうで、小まめに現在までやってまいりました。 それから、いまのクリスマス電球、これは軽工連の中にお入りになっておりませんけれども、なるほど、しばらく前までは香港でございましたが、現在、台湾は非常な追い上げで、すでにペッパーランプでは日本よりも数量的に多く出ておる。現在まで品質面で日本が凌駕しておったので、少々の値段は何とかカバーして出ておったのでございますが、これが特恵実施で、たまで一〇%、セットで二〇%という税金がなくなった場合にどうなりますか。これはいまわれわれとしても非常に懸念をしておるところでございますが、この業界も今度は別の面で、人手不足の面でだんだんと生産ができなくなったというふうな条件もございますので、この点どういうふうになりますか、われわれまだはっきりしたことはつかんでおりません。
○川端委員 この特恵対策臨時措置法の目的というのは、一つは変化に対処してという、先ほどから申し上げておるようないろいろな問題に対しての準備でありましょうし、もう一つは、事業の転換を円滑にするためということを明確にしておるわけです。そこで私は、このことを遂行していく過程の中で二つの問題を心配しているわけです。組織をあまり重視するために、事業転換を推進する中で、弱肉強食的な中堅企業の先取りが行なわれるおそれはないかという心配が一つあるわけです。いわゆる零細企業を見捨てて、見切り発車をするような意味においての推進を行なうおそれがありはしないか。もう一つの面から考えても、課税の特例という面で考えてみても、事業転換する場合においての廃棄、または譲渡をする減価償却資産の償却については、特別措置法を当てはめるということにしておるわけですけれども、この地場産業的な産業の中に減価償却の課税の措置くらいでは、あした事業転換しようとしてもできないものがたくさんある。昨年、問題になりました燕の洋食器業界の事情を、私、調査してみたのですが、一部の中堅企業はある程度の設備を持っておるけれども、ほとんどは家庭工業的な業として、減価償却に値しないような、スクラップ的なものを生かして自家労働でやっているものがある。これを補う意味において政府の方針が弱いとお考えになるのか。もう一つ、新しい問題が何かあるとお考えになっておいでる面があるのか。いま一つ、業界としては、われわれ自主的にこういうことも考えておるという点がありましたら、この三点に関してひとつお答えをいただきたいと思います。
○影山参考人 先生御指摘の中で、事業転換の過程におきまして、中堅企業のほうが先取りをして、小規模、零細のほうを見捨てるおそれがあるではないかという御指摘でございますが、私もそういうことがあってはならないというふうに考えております。従来の構造改善なり協同組合あたりの共同事業の例を見てみますと、むしろそういう中堅企業あるいは中小企業の中の大きいところの方々がリーダーになりまして、小さい方々を糾合いたしまして、そこで構造改善なり共同事業をおやりになっているという例が非常に多いわけでございます。また、そういう場合が非常にうまくいっておるわけでございますので、私どもといたしましては、中堅企業が自分だけのことを考えて先取りをするということではなくて、中小企業、零細企業を含めたところのリーダーとして、一緒になってこういう大事業をやっていただくという方向でなければいけないというふうに考えておるわけでございます。 それから、小規模、零細層におきまして、減価償却資産に値するものがないのじゃないかというような御指摘でございます。そういう点につきまして、そういう傾向もあると思うわけでございますが、スクラップ的な資産、これをまた処理するというような場合につきましても、いろいろ具体的な産地の実態等に応じた措置をとらなければいけないと思いますので、先ほど申し上げましたような、そういう産地のリーダーの人たちが中心になりまして、あるいは商工会議所、あるいは中央会等も一緒になりまして、具体的な問題としてこれを取り上げて融資の道を開いてあげるというような、きめのこまかいことをやる必要があるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○川端委員 時間の関係もありますから、あまりこまかいことをお聞きする時間はありませんけれども、いわゆる転業資金というか、結果としてはつかみ金になるような結果も出るかもしれぬけれども、少なくとも転換を必要とする場合に、ある程度の縮小規模にならざるを得ないことはやむを得ないことであります。この点に対しては業界の指導者に、残ってやれる者に対しては、ある程度の犠牲を払うという気持ちを十分持ってもらえるように教育をしてもらいたい。 もう一点は、私は昨年もシンガポールのジュロン地域も見てきたわけですが、本来ならばこういう時期に、組織で、協同組合で向こうに中小企業が進出してくれれば一番理想的なんだが、それがほとんど行なわれていないで、中堅企業なり大企業の看板借りをしているような企業が、中小企業の名において東南アジアにかなり進出している傾向が見受けられるわけでありまして、全部が救われるという状態になっていない。このことは十分警戒をして御指導いただきたいものだと思うわけです。中堅企業が、台湾なり韓国なり、いろいろなそういう東南アジアに進出する場合に、できるだけ組織をつくっていくという形を日本の国内でめんどうを見ておる、この国策的な考え方を教育、指導していただきたいと思うわけですが、そういうことを何か具体的におやりになっている傾向があるかどうか、その点お聞かせ願いたいと思います。
○影山参考人 転業資金の問題でございますが、犠牲を受ける人以外の人が、やはりそういう犠牲を受ける人たちのためにある程度のことをやらなければいけないという第一点の問題でございますが、私ども中小企業庁におりましたとき、転廃業のための準備金制度をつくりましたのはそういう趣旨でございまして、力のある人が共同で準備金を積み立てて、見舞い金を差し上げるというようなことも考えたわけでございまして、そういう趣旨を十分やはり生かしていかなければいけないと思うわけでございます。 それから、海外進出について組織で出てほしいという現地の要望があるというお話でございます。私どもといたしましても、冒頭の陳述のところで申し上げましたように、やはり中堅企業あるいは中小企業のうちの大きいところだけが出るということではいけませんので、その産地なら産地の協同組合なら組合単位で、ひとつそういう点をお考えになりまして共同で進出をしていただく。そういう組織的な進出をしていきます上において、中小企業振興事業団あたりの融資の道も開いていただきたい。あるいは経済協力基金におきまして、商工中金あたりとの協調の融資ができるようなワクも、制度をお認め願いたいということをお願いしたわけでございます。 商工会議所のほうで、先般、資本金五百万円以下の製造、販売会社七千社について、資本だけを出すのでなくて海外移住をしていきたいという関心調査をやったわけでございますが、これは回答がありましたのが八百件でありますが、その中で、海外移住に関心のある企業主が百七件で、一三%占めておるわけでございますので、わりあい私が思っていたよりも、身ぐるみ海外移住をしたいという人たちが多いので驚いているくらいでございます。そういう傾向がございますので、やはりおのおのが行きますとまた問題がございますので、こういうところでも組織化して共同して出ていくという方向に、できたら御指導したいというふうに考えているわけでございます。
○川端委員 大体そのような方針をお立てになった以上は、ひとつ強力に、しかも根気よく指導してやっていただきたいことを要望申し上げておきたいのです。 この特恵関税の問題が、このように日程にのぼってきている過程の中に、私らもささやかな海外の見識しか持ちませんけれども、長い目でマクロ的にものを見れば、やはり世界の分業化への道をわれわれは当然とっていかざるを得ないというふうに見ざるを得ないような気がするのです。同様に、そのことは南北問題や世界的な傾向であるだけというとらえ方でなく、今日の不況の実態からいっても、日本の国内産業の中にも、そういう専門化というか、企業化への道を指導し、もっと強力にしなければならぬ時点に立っているのではないかと考え、この問題に対して私どもは研究を進めておるわけですが、この点に対しても、業界の指導者のお二人ともどうかひとつ——この問題は私はこの間も言ったのですが、特恵供与の法律ができたって、直ちに今年の影響になるとはすぐは考えておらないけれども、三年なり五年の計画でものを見れば、きっと変わったものにならざるを得ないという長期のかまえから考えて、一つの方向づけをして御指導していただける用意があるかどうか、その点だけお答えいただければ質問を終わりたいと思うのです。
○影山参考人 先生御指摘のとおりでございまして、三年、五年、長い見地で、大局的な見地からひとつ努力をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○三宅参考人 御指摘のとおり、すでに国際分業時代に入っておると思いますが、ただ、もう個々の小さいところは、われわれ業界の実際に接触している者でないとなかなかわかりませんので、われわれが働く場所はここにあると思って、今後とも息長く御指導を申し上げ、御相談に乗っていってやっていきたい、そういう決意でおります。
○川端委員 終わります。
○八田委員長 以上で参考人に対する質疑は終わりました。 参考人各位には、御多用中、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
○八田委員長 引き続き政府に対する質疑を行ないます。石川次夫君。
○石川委員 私は、この特恵関税についてはたいへん関心は持っておったのですけれども、実はほかの委員会との関係で、本委員会における質疑応答を聞いておりませんものですから、たいへん重複したような、また幼稚な質問の繰り返しになる点が多いのじゃなかろうか、こう、じくじたるものがあるわけでありますけれども、その点はひとつ御了承をいただきたいと思うのであります。 もちろん、この特恵関税が国連の場でもって大きく取り上げられましたよって来たる原因ということは、いまさら説明するまでもなく、後進国の国民所得を五%引き上げるということを目的として、そのことがまた先進国の貿易を発展させるための一つの一番有効な方途ではないか、こういうことで特恵によって後進国の輸出の道を開いてやる、こういうねらいにあることはいまさら申し上げるまでもないし、また、しかしながら、日本は軽工業による度合いというものが先進国に比べてかなり大きく比重がかかっておりますだけに、この特恵関税によるところの影響がかなり多かろうと思っただけに、相当な対策を慎重に考慮しなければならぬということも言えるだろうと思うのであります。 そこで最初に、非常に単純な質問から申し上げたいと思うのでありますけれども、特恵受益国というのはまず第一に開発途上国である、こういうことであるし、開発途上国であるということは、みずからが開発途上国であるということを認める、そう判断をすることが前提になっておる、こういうことになりますが、聞くところによりますと、自分の国は特恵の受益国でもあるし供与国でもあるのだ、こういうことをいっておる国もあるやに伺っておるわけであります。そうしますと、特恵を与える受益国としての定義としての、まず第一の発展途上国というものの基準は一体どこに置くのかという点を、まず中小企業庁長官、それから外務省の経済局長、このお二人に伺っておきたいと思うのであります。
○平原政府委員 お答えいたします。 実は、何をもって開発途上国にするかということは、UNCTADの最初の会議に出ましたときからずっと討議を続けまして、現在に至るまで結論が出ておらないというのが実情でございます。したがって、先進国間の話し合いの場でございますOECDにおきまして、結局、開発途上国の定義というものは出ませんで、ただ特恵に関しましては、みずからが特恵をほしいと手をあげた国、自己選択の原則ということで開発途上国をきめる、そういうことにきまっておるわけでございます。
○石川委員 それで、特恵を与える品種については、各国の判断にまかせられるわけでありますから、その国が手をあげて、自分は発展途上国であるし、この品物は特恵に値するのだということを申し入れても、これを拒否するということは可能なわけですね。念のために伺っておきます。
○平原政府委員 理論的には、何が開発途上国であるか、どの品目を与えるかというのは、特恵を与える側の判断でございますので、客観的に一応見まして、断われる場合は断わることができます。 なお、品目に関しましては、各先進国共通の特恵品目というものはございませんで、各先進国がそれぞれUNCTADの場に、自分のほうのいわゆる特恵案を示しまして、それに後進国の側のけっこうであるという賛成を得まして、両方で受諾可能という案が各国についてできております。したがって、現段階に至りまして、いわゆる開発途上国がこの品物にぜひ特恵をくれと言っても、もうおそいわけでございます。昨年の十一月の段階で、各先進国の特恵品目というものは、一応確定したわけでございます。
○石川委員 UNCTADの会議で、このUNCTADの加盟国であるということが、一応受益国としての条件ということになっておるわけでありますが、そのほかに特恵受益地域というものもあるわけでありますから、一がいに言えませんけれども、国連貿易開発会議の、UNCTADの加盟国であるということからしますと、これはあとからまた質問しようと思っておるわけでありますが、香港、中国は、この限りにおいては入らないということになっておるし、またその香港については、先ほど来参考人からも、相当慎重に扱ってもらわなければ、たいへんな影響が日本に与えられるのじゃないか。むしろ軽工業品としては、香港では、私も行ってみたのでありますけれども、かなり質の高い労働力というものがある、そういうことで日本に対しての影響がきわめて大きいと思われるので、香港に関しては、相当慎重に扱ってもらわなければ困るという強い希望が、先ほど来出されたわけであります。そうすると、このUNCTADの加盟国であることという条件の中にははまらないということで、香港は一応いまのところペンディングになっている、こういうふうに理解してよろしいかどうか。
○平原政府委員 先生の御理解のとおりでございます。
○石川委員 これは大体一九六〇年に、南北問題というものが相当うるさくなるのではなかろうかということで、国連の場でこれが初めて討議にのせられまして、先ほど申し上げたように、国民所得年五%上昇ということをめどにする「国連開発の十年」というものが過去に発表されまして、それに基づいて、UNCTAD、貿易開発会議というものが一九六四年に持たれた。 〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕 それでその次に、一九六八年に第二回が開かれたわけでありますけれども、一九六七年に、この第二回のUNCTAD会議に臨む態度というものを、先進国の間でいろいろときめておるわけであります。 大ざっぱにその整理したものを読んでみますと、すべての開発途上国にはほぼ均等な機会を与えるというのが一つあるわけであります。すべての開発途上国にほぼ均等な機会を与えるということになりますと、これもあとからまた、大臣でもお見えになったら質問をしたいと思っておるわけでありますけれども、この開発途上国ということ自体が明確でないので、なかなか論旨がすっきりいたしませんけれども、中国も一応開発途上国というふうに見て見られないことはないのではなかろうか。大体、中国の現在のGNP——国民の数は相当たくさんあるわけでありますけれども、GNPは一体どのぐらいに推定をされておるか、去年でもおととしでもけっこうなんでありますけれども。そしてそういう数字は、この一応の発展途上国というめどの中に該当するのではなかろうか、こういう感じがするわけでありますけれども、その点ひとつお教え願いたいと思うのです。
○室谷説明員 お答え申し上げます。 中共につきましては、確定した統計資料が必ずしも得られませんが、一応、一九六八年の推定値といたしまして、一人当たり国民所得は約百ドルというふうに見られております。 これが開発途上国であるかどうかという点につきましては、先ほど平原局長からも説明がございましたように、この開発途上国の基準というものが、国民総生産とか、あるいは一人当たり国民所得が必ずしも適切であるかどうかということが、国際間でもいろいろ議論の末、確定しがたいということで、一応自己選択原則というものが確立されておりますので、そういったことをやはり配慮に置きながら中共の特恵問題については対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○石川委員 国際経済部長も見えておられるようでありますけれども、一人百ドルということになると、日本の何年ごろの水準かわかりませんが、現在では千三百ドルをこしておる、こう大体推定をされておるということになれば、これは言わずもがな、常識的に考えて発展途上国と考えていいのではなかろうか、こう思うのでありますけれども、その点はどうお考えになりますか。
○室谷説明員 先ほど申し上げましたように、発展の途上にある国という、いわゆる発展途上国というものを、一人当たり国民所得だけできめるというのは、やはり不合理だという議論も実は国際的にもある。また中共に関しましても、たとえば、その一方において宇宙開発で非常にすぐれている技術を持っているし、あれが発展途上国かと言う人もあるわけでございますけれども、一般の一人当たりの国民所得の水準だけから見ますと、われわれが一般に開発途上国と言っている国々に比較いたしますと、一人当たり百ドルというのがほんとうだとしますと、かなり低い水準のほうにあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○石川委員 どうも答弁がはっきりしないのでありますけれども、このUNCTADの会議のできたそもそもの発端は、先ほど、いわゆる垂直な国際分業という話が出ましたけれども、最近は戦前と違いまして、全体の国の水準が全部上がるということを通じて、貿易を自由化するというような手段を講じながら貿易の発展というものをはかり、そうして世界の国々が、それぞれ繁栄を目途としてそういう方向でいこうではないか、こういうことで、このUNCTADの考え方の基本は、とにかく国民所得を一人当たり年間五%、なかなかこれはむずかしい問題なんでありますけれども、そういうことから出発しておるわけですね。そうすると、やはり国民所得の低いということは、一つの目安として当然尊重されなければいけないのではなかろうか、こう私は考えるわけなんです。日本の場合には、いま千三百ドルをこしたというような状態にまでは一応なっていますが、これも個々の人間に当てはめてみると、必ずしも正確なものになっておりませんけれども、全体的な平均からするとそういう形になる。この発展途上国の定義というものは、非常にむずかしいけれども、やはり国民所得というものは一つの目安だ。 それから、いまの中国におきましては、御承知のように、この間発表されました宇宙開発の問題は、これは日本なんかでは足元にも及ばないような技術を持っております。日本はやっと風まかせで誘導制御装置のない衛星というものが飛びましたけれども、実にささやかな試験衛星にすぎなかった。中国の場合には、相当重量もあり、しかもこれは完全な科学衛星の形態を整えておったということもあるし、それから、プルトニウムの核実験ではなくて、完全水素爆弾の実験であったというような面だけを見れば、なるほどその面では科学的には日本よりも進んでおるところがあるというようなことがありますが、これは中国としては、それ相応の国威を宣揚するというねらい、国際、国連の場に復帰をしたいというようなねらい、いろいろな意図があって、そこだけに集中的に発展をこいねがった結果としてできたと考えるわけなんで、やはり発展途上国の定義の基本になるのは、国民所得というものから出発をすることが私は妥当ではなかろうか、こう思うのでありますけれども、これはどなたか、外務省の経済局長でもけっこうなんですけれども、ひとつあと一回答弁を願いたいと思うのです。
○平原政府委員 確かに国民所得というものが一つの目安であるということだけは、私どももそう思っておりますが、それが出発点であるかどうか、その点は私自身もよくわかりません。目安の一つである、これは確かでございます。
○石川委員 最初申し上げましたように、どうしても年率五%、国民所得を上げたいというところからUNCTADの会議が国連の場で開かれるようになったということは、まぎれもない事実なんです。でありますから、国民所得が低い、低いから何とか上げる。もちろん、先ほど申し上げたように、国際貿易というものを大いに切り開いていって、南北問題の解消を事前にはかるということもあるし、先進国自体の利益にもなるということもありますけれども、国民所得という考え方が基本であったと私は理解をしておるわけなんです。そのことは一応それでおきます。 さて今度、特定事業というものを指定をし、そうして特恵によるところの被害から転業をはかるという場合に対しまして、この特定事業の指定というものをどういう根拠で、どういう機関でやるのかという点を、ひとつ中小企業庁長官に聞きたいと思うのです。
○吉光政府委員 特定事業につきましては、第三条で規定をいたしておるところでございますけれども、この仕組みでございますが、まず第三条第一項の規定によりまして、特恵の供与によりまして輸出入面で相当の影響があると見通される、そういうふうな要件を備えておる、そしてまた同時に、現に従事しております中小企業者の事業の転換を円滑にすることが必要であるというふうな、両要件を備えておりますような、そういう事業につきまして、これを政府が特定事業として政令で指定をいたします。その政令で指定された事業につきまして、個別企業のほうで事業の転換に関する計画をつくりまして、所在地の都道府県知事に提出しその認定を受ける、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。したがいまして、事業そのものは政令で指定をいたします。それから、個別中小企業者が転換計画をつくりまして認定を受けます段階は、都道府県知事の認定を受ける、こういう仕組みでございます。
○石川委員 そのことはわかっているのです。私の聞きたかったのはそうじゃなくて、そういうことをやることは、一体どういう機関でおやりになるのですかということを聞きたかったのです。 それと、あと一つついでに申し上げておきますけれども、特恵関税というものをやることによって、相当国内に対する被害が甚大である、いわゆるセーフガードを適用して、この適用を停止しようではないかというような判断もしなくてはならぬわけですが、そういうときもあるわけです。それから、シーリング枠の割り当てなんかをどうするかという問題も出てくる。こういうことで、なかなかこれは業種によっては困難な問題がふくそうして出てくると思うのです。それを中小企業庁自体がおやりになるのか。あるいはまた、私の聞いておるところでは、中小企業近代化審議会でもってやるんだというふうに聞いておりますけれども、こういった程度のもので、適切なそういうふうな判断ができるかどうかということが一応懸念されるのですけれども、その点もあわせてひとつお答えを願いたいと思うのです。
○吉光政府委員 わが国の特恵供与に伴いますところの影響面を調整いたしますために、いま御指摘の中にございましたように、シーリング枠の問題その他、関税上のいろいろの措置が講ぜられておるわけでございますけれども、これは、わが国が特恵を供与することによりまして国内産業に与える弊害、打撃を最小限に食いとめようというふうな意味の措置でございまして、これはその関税暫定措置法の運用のほうの問題になってまいるわけでございますけれども、この臨時措置法の関係におきましては、わが国が供与したことによりまして、輸入面で受ける影響のほかに、さらに他の先進諸国が特恵を供与することによりまして輸出面で影響を受けてまいる、両面の影響面につきまして対策を講ずる必要があるということで、両面について考えておるところでございます。 確かに御指摘のように、この事業の指定ということは、非常にむずかしい問題であるというふうに考えるわけでございますが、一応この法律のたてまえからいきまして、そういう場合の事業をどう指定するかということは、中小企業近代化審議会の意見を聞いてそして指定をいたす、こういう手続にいたしておるところでございます。 ほんとうに特恵供与というふうなことによります影響であるかどうかというふうなことを、特恵供与という側面のみに着目して考えるといたしますならば、非常にいろいろの要因がからみ合ってまいりますので、むずかしい要素もあろうかと思うわけでございますけれども、やはり何らかの形で特恵供与の影響を受けておるというふうなことでございますれば、積極的にこの対象事業の中に指定してまいりたい、こういう考え方で現在おるところでございます。
○石川委員 長官、重ねて伺いますけれども、私いま質問しようと思っていたことをあらかじめ御答弁になったわけなんですが、先進国の負担公平の原則というのが一応あるわけです。その中で、貿易を創出するというような後進国に対する効果もねらっておるわけでありますけれども、アメリカ、カナダは、だいぶ供与をするのがきまるのがおくれるんではなかろうかというようなことも、うわさをされてさるわけです。それは確認はしておりません。北ヨーロッパ、イギリスのあたりは、どうやら日本並みに供与をするんではなかろうかということがいわれておるわけでありますけれども、この場合アメリカも供与するということになれば、なおさら影響も大きくなるわけでありますけれども、とにかくアメリカ、カナダが大幅におくれても、日本は既定方針どおりやるというお考えなのかどうかということが、質問の第一点でございます。 それから、アメリカも特恵を供与して、日本もそういう特恵を供与する。ところが、日本から輸出するのも開発途上国から輸出するのも同じ品物で、競合するものがたくさんあるわけですね。そういうものが相当影響を受けてくるということになった場合に、このセーフガードで、日本だけは適用を取り消すというふうな措置に出ざるを得ない場合もあるだろうと思うのでありますけれども、そういったものの判断は一体どこでおやりになるのか、その点も伺っておきたいと思うのです。
○平原政府委員 第一の御質問にだけ、私から答えさせていただきます。 理想といたしましては、わが国といたしましても、主要先進国全部が同時期に特恵を供与するというのが望ましいわけでございますけれども、それぞれ、アメリカの場合もアメリカの議会の協賛ということが必要であり、そのためにおくれる先生御指摘のとおりのうわさもただいまございます。いまわれわれといたしましては、やはりわが国自身の南北問題に対する姿勢というようなことも考えまして、アメリカがおくれた場合でも日本はやはり特恵供与に踏み切るべきではないか。ただその場合も、できれば、アメリカがたとえ同時に発車できなくても、その他の主要先進国、たとえば欧州共同体、イギリス、こういうものと大体同時に発車できるようにしたい、そのように考えております。 第二段階は、ちょっと私からお答えする筋ではございません。
○室谷説明員 後段の、特恵の供与によってわが国の産業が受ける弊害についての調整措置をどこがやるかという御質問でございますが、特恵の供与によってわが国が影響を受けるという面は、御指摘のように、わが国自身が特恵を供与することによって受ける影響と、それからアメリカ等他の先進諸国が供与することによってわが国の輸出産業が受ける影響と、二つあるわけでございますが、ともに一般の行政的な一つのルールに従いまして、それぞれの所管原局において、常時その業種のこの特恵供与による影響をウオッチいたしまして、その状況に応じまして、私どもの、一応通商局でございますけれども、通商局を通じて関係省と連絡の上、機敏な措置をとるというふうに考えております。一般の行政的な機構あるいは手続と特段違った措置と申しますか、手続をとるわけではございませんけれども、もちろん私どもの局といたしましても、いかなる特恵供与の産品がどのような輸入の増大傾向にあるか、あるいは第三国市場で影響を受けるかという統計的な面におきましては、約一千万円の予算を来年度の予算としてお願いをいたしておりますので、そういったことによりまして、事態の推移、実態の把握に遺憾なきを期していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○石川委員 どうもすっきりした答弁じゃないのですけれども、いま言ったように、特恵をやることによって、日本からの輸出も含めて非常な影響があるという場合、どの程度まで影響があった場合には政府側がどう適用するかという問題は、非常にむずかしい問題だと思うのです。これはよほど機敏に対応するということでないと、中小企業近代化審議会に一々答申を求めるというかっこうでやったのでは、時期おくれになってしまうというふうなこともあるので、これは適時適当な対策のとれるような体制をいまから考えておいてもらわなければならぬ、こう思うわけなんです。 それから、事務的なことであと一つ質問しておきますけれども、昭和三十九年から四十一年の二年間の間に、中小企業なんかでは転換が一五%ぐらいになっているわけですね。いまは、特恵がなくとも転換をせざるを得ないというところに追い詰められてきておるということは事実なんです。その転換あるいはまた系列化というものが、しんしんことして中小企業の間には進んでおります。私もそれをまのあたりに見ておるわけでありますけれども、そういたしますと、先ほど参考人が言われましたように、この特恵というものがなくても、当然転換をはからなければならぬという場合も相当出てくると思うのです。たまたま特恵の製品に当たったものであって、特定事業として指定されれば、その対象になるのでございましょうけれども、高級化をはからなければならぬ、すなわち、先ほど国際的分業の垂直化という話が出ましたけれども、これはあまり声を大にして言うと、たいへんいろいろな問題に波及すると思うので、私はそういうことばを使いたくありません。そういうことではなくて、日本自体は頭脳集約産業というものの方向に転換をはかっていかなければならぬ、高度化の方向に道を求めていかなければならぬということになるのと、それから、いままでも相当たくさんな転換というものが行なわれておったというもののからみ合いでもって、これの判定が非常にむずかしくなろうと思うのであります。 ところで、中小企業と大企業に対する融資の残というものを見ますと、五、六年前から見ると、中小企業のほうの割合がかなりふえてはおりますけれども、それにしても、大資本に対しましては三十三兆円に対して、中小企業向けのものは二十八兆円。しかしながら、従業員の数は中小企業のほうが七五%をこしておるだろうと思われるし、また、企業の数からいえば九九・二%が中小企業であるというようなことになれば、この融資というものも、中小企業に対してはあまり恩恵が与えられておらない。きょうは中小企業対策を専門に言っておる場ではありませんから、あえて申し上げません。いつか機会を見つけて申し上げたいと思っておるのでありますけれども、通産大臣がおられますから、一、二例を申し上げます。 下請の関係で、関西の大企業で二年手形を出しておるところがあります。私も見せてもらいました。こういうことではほとんど融資の道がないのです。二年手形では割り引いたら幾らになってしまいますか、そういうふうなことをやられても、しかしその下請は、私の名前を出してもらったんでは取引の停止になります、絶対に出してもらっては困りますということで見せてもらった手形が、驚くなかれ二年でありました。それから最近、私の近所に、大企業のあっちこっちと取引している会社で、非常に優秀な会社であったのでございますけれども、去年の暮れつぶれかかるという評判を聞いて、その社長を呼んで事情を聞きましたところが、売り掛けが三カ月以上あるのに手形が出ないのです。そして、それなら売り掛け残の証明を出してくれ、売り掛け残の証明があれば、それを銀行へ持っていけば金を貸してくれるんだから、それでもいいんだ、手形がなくてもいいんだ。ところが、それを出すと銀行の信用にかかわるから、それは出せないというのです。でありますから、まるきり売り掛けにしたままで手形もなくて、それで、はいずり回って倒産寸前にまで追い込まれておる。やっと切り抜けることができたのですけれども、そういうような状態に中小企業は追い込まれてきておる。大企業のほうは相当金融引き締めをやったんだけれども、中小企業のほうのワクは引き締めませんと大蔵大臣は盛んに言っておるのでありますけれども、現実の姿としては、そういうことで中小企業に対しては相当の圧迫というものがかかっておる。 そういう点では、転業などをやらなければならぬし、倒産もこれから不況という段階を迎えてますますふえるだろうということを、私は非常に懸念をしておるわけでありますけれども、この貸し付け残の中身を見ますと、徐々に中小企業のワクがふえておるとはいうものの、いま言ったようなもろもろの事情というものを重ね合わせますと、たいへんな事態になってくるのではなかろうか、こういう心配をせざるを得ないのでありまして、そういうことの一つのあらわれとして、転換が一五%も二年間の間に出ておる。したがって、転換も、これは高度化あるいは頭脳集約産業というものに切りかえていかなければならぬという必然性を持っておるわけでありますから、この適用については、相当それらの事情も勘案しながら、ゆるやかな適用をしてもらわなければいけないのではなかろうか、こう思うわけです。 特恵の影響があるとかないとかいうことで、あまりきびしくびしっと限定をしたのでは酷にすぎるのではなかろうかという点で、この適用というものは、先ほど参考人のおっしゃったような形で、ゆるやかな規制ということで特定産業は指定をし、その適用というものは、これは知事が最後の認定をするわけでありますけれども、そういうふうな配慮をひとつしてもらわなければならぬ、こう考えるのですけれども、中小企業庁長官にひとつ伺いたいと思うのです。
○吉光政府委員 確かに御指摘のとおりでございまして、私どもも、この事業の転換という定義の問題につきまして、これをあえて業種の転換というふうに言わなかったわけでございますけれども、一般的に事業の転換といわれます場合の大きな部分は、ある業種に属する事業から他の業種に属する事業に仕事を変えるということをいっておる場合が多いかと思うわけでございます。ただ、いま御指摘ございましたように、それを商品分類的な意味の業種の転換というふうなことにいたしますれば、必ずしもこういうような需給構造の変化に即応する中小企業者の事業の転換という趣旨から見まして、少し窮屈になり過ぎるというふうに考えるわけでございます。 したがいまして、たとえば、これも先日の委員会でお答え申し上げたわけでございますけれども、同じように商品分類からいきますと、おもちゃ、玩具というふうなものになっておりましても、たとえばゼンマイ式のおもちゃから電動式の玩具に変わっていく、あるいはまたプラスチックを使っておりましたものを金属製のものに変えまして、付加価値の高いものをつくってまいるというようなことを当然考えるわけでございます。そういう意味から、この場合の転換の中には、そういうふうに付加価値が非常に増大するというようなもの、そしてそれが高級である商品に変わっていく、生産技術も変わってまいりますし、場合によりましたら原材料を変えておる場合もございますが、そういうふうな場合をすべてひっくるめまして、転換というふうなことで運用をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、これは業種の転換の意味でございましたけれども、同時に今度は、この特定事業の選び方の問題でございますけれども、やはり一応特恵供与による影響というふうに、この法律の目的はなっておるわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、個別的な事業の場合に、それが特恵供与による影響であるのか、他の影響があるのか、非常に判別しがたい込み入った事情が重なって、その事業自身にいろいろの影響を与えておるというふうなことがあるのが現実であろうと思うわけでございまして、したがいまして、それを厳密に特恵供与のみに限定してどうこうする、こういうふうな考えは持っておらないわけでございます。
○石川委員 幸いに通産大臣がお見えになりましたので、通産大臣よりは国務大臣としての宮澤さんに、非常に重要な問題を一つ提起したいと思うのであります。 それは、昨年の日刊工業新聞に出ております。韓国への日本の企業の進出が非常に活発になってきておるということで、去年の新聞でありますけれども、過去五年というのでありますから、昭和四十四年までに三十五社、日本からの進出企業というものがあった。ところが去年になりまして、わずか七カ月の間に三十五社という五年間に匹敵する進出の許可申請というものが出ておるというようなことが新聞に出ておりまして、かてて加えて、その原因は一体何だといいますと、これは台湾と韓国と日本の協力体制の強化をうたった日米共同声明にあると産業界は見ているということを、新聞が記事の中ではっきり書いておるわけです。さらに、その急増というものは特恵とも関係がある。いわゆる特恵のほうは、つけ足しのような形になっておるわけでございます。 それで、御承知のように、香港は労働の質が一番高い。それから台湾とか朝鮮も、東南アジアの中では労働の質がかなり高いということがいわれておりますけれども、その高い質の労働がきわめて安いのですね。朝日新聞に出ておったわけでありますけれども、朝鮮あたりは月三千六百円ということで、女工哀史みたいに焼身自殺をしたというような記事が出ております。そういうふうな安い労働力で、労働集約産業というものを、先ほどどなたかおっしゃった、垂直的な国際分業というような形でもってどんどん進出をはかる。その基本となったものは、日韓台三国間の協力体制の強化であり、それに乗っかってそういう傾向がますます強くなり、また特恵というものによってそれがさらに促進をされるというような形になってまいりますと、問題は中国との関係であります。先ほど、中国は発展途上国かどうかということを質問したわけでありますが、それに対しては、人工衛星が飛んでおるではないか、核爆弾の実験に成功しているじゃないか、あるいはUNCTADに加盟してないではないかというようなこともありまして、中共に対しては、この適用というものはいまのところ考えられておらない。ケネディラウンドのものは一応考えられておるようでありますけれども。考えられておらないということで、片方へは、日米共同声明によるところの韓国、台湾、日本の協力関係を強力に進め、特恵の恩恵も与える、中共のほうはわれ関せずえんだというような形が明確になってくると、日本が中共との国交回復というものに積極的に取り組まなければならぬというときに際して、これは逆コースになるという、一つの国際的な大きな問題を提供するのではなかろうかという問題が一つ。 それからあと一つは、労働力が非常に安く、しかも質はそう悪くはないというところへ日本の企業がどんどん進出をすると、そこから日本に逆輸出をするということになれば、日本の産業を圧迫する。アメリカあたりでは、電機産業なんかが台湾、朝鮮に進出するということに対して、労働組合が非常な抵抗をしておりまして、それがなかなかなし得ないという状態になっておる。日本はあまり抵抗しておらないというのが実態であります。アメリカあたりの労働組合が抵抗するというのは、そこから安いものがどんどん逆輸出をされたら、自分たちの職場が失われるということで、それを極力押えて今日にきておるというかっこうでありますけれども、日本の場合にはそういう傾向がまだ生まれておりませんが、遠からず大きな問題になり得る可能性がある。 そういう二つの問題を考えてみますと、韓国、台湾にだけ——だけということではございませんで、発展途上国全体ということになりますけれども、中国との比較において台湾と韓国にだけこういう特恵供与の恩恵を与えるということが、将来大きな目で見て、あるいはまた長期的な展望の上に立っての日中国交回復に非常な障害になるんではなかろうか、こういう点をおそれないわけにはまいりません。 あと一つつけ加えて申し上げますけれども、たとえばケネディラウンドの差格というものは、中国がガットに加盟しておらないということでKR税率との開きができたものでありますけれども、一九六七年には格差品目が四百五十五品目あった。それがその後大体解消して、現在は五十二品目になっておるわけでありますけれども、今度改正いたしますと、三十品目が消えて二十二品目が残るということになるわけであります。特に生糸、絹織物というものは、中国には基本税率が一五%ということで変化がない。ところが台湾、朝鮮に対しては、第三次税率一〇・五%が、今度の第四次でもって九%になって、それから最終の段階では、この法案によって七・五%になるということになりますと、税率は、中国の生糸、絹織物についてだけとってみますと、格差が倍になるわけですね。これは完全にシャットアウトするという意図がここにはっきり露骨に出てくると言われても、弁解の余地がないのではなかろうか。 さらに、中国と台湾からしか輸入していない芳油、これは中国産への基本税率が一〇%でありますけれども、台湾産のケネディラウンド税率は現行が六%、ケネディラウンドの最終で五%、特恵で二・五%になるわけです。二・五%対一〇%、こういう大きな格差が生まれてくる。これではほとんど禁止的——禁止的といえるかどうかわかりませんけれども、中国との差というものは非常に大きなものになってしまう。でありますから、説をなす者の中では、台湾と韓国というのは、日韓台の協力関係で日米共同声明の上に乗っかっておるんだから、これは台湾と韓国には適用してもらっては困る、もっとあとに延ばせ、そして中国との間のバランスがとれた時点においてやってよろしいのではないか、こういう意見が強く出されておるということは、おそらく通産大臣も御承知だろうと思うのでありますけれども、それに対する見解を伺いたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 法律のたてまえから申しますと、第八条の二の二項でございますが、私どもは、中華人民共和国というのは、固有の関税及び貿易に関する制度を有しておる地域だというふうに考えますので、法律的には、これに該当し得るというふうに申し上げて差しつかえないであろうと思います。 そこで、御指摘のように、これは希望をする国ということでございますので、何かの意味でそういう意思表示をわれわれが受け取るということがまず先決になるわけでございます。この点は大きな問題でございますので、私、一存で実は申し上げかねますけれども、私としては、そのような意思表示というのは、確かな方法で確かな意思が確認できればよろしいのではないかと考えておりますが、現実の問題を想像してまいりますと、かりにそういうことがございまして、政府として前向きに考えるかということになりましたときに、この二項にございますように、「政令で定めるところにより、地域及び物品を指定し、」云々となっておりますので、いまこの法律に書いてございますスキームが、そのまま適用になるというわけではございません。私どもとしては、先ほどから御指摘のわが国の中小企業の状況などを考えて、非常に競合すると考えるものは、特恵を与えることは適当でないということになると思いますので、その物品を指定いたしますということになりますと、先様には先様の御希望があるでございましょうし、わが国にはわが国の国内的な配慮があるということで、どういうものを選ぶかというときに、どうしてもこれは両方で話し合いをする場がなければならぬということになってしまうであろうと思うのでございます。事態を考えてまいりますと、そういう問題が現実にあるのではないかというふうに想像いたしておりますが、どっちみちこれは経済の話でございますし、私どもとしては、中国大陸との貿易量は多いほうがいい、そういう増大を望んでおります立場から申しますと、この特恵を与える与えないということを、あまり政治的に考えるのはいかがなものであろうか、私自身としてはさように考えております。 なお、私も、その垂直的分業ということばは、できるだけ注意して使わないようにいたしておりますけれども、わが国自身の立場から申しましても、また先方から申しましても、やはりある程度経済の発展段階というものがございますので、非常に労働集約的なものはだんだんわが国では困難になり、そして周辺の国々がそれをやっていくということは、お互いのために決して悪いことではない、むしろ自然なことではないかと考えますので、御指摘のように、ただいま韓国、台湾に企業が出ていっておりますが、将来日中間の国交が正常化いたしまして、お互いに信頼感が確認されるということになりますと、あるいは同じようなことが中国大陸に向かってもわが国のほうから起こっていくかもしれない。ただいまのところは、何ぶんにも、あえて不平等に扱うという意思でなくて、実際そういうことをすることが不可能でございますので、現状のようなことになっておりますけれども、あえて政治的な意味で韓国、台湾に特に肩入れをするというようなことではなく、むしろ経済の実勢からそういうことが現実に起こりつつある、こう考えるべきではなかろうかと思っております。
○石川委員 これはきわめて重大な問題だと思うのです。政経不分離、分離してはならぬという態度が、中国のほうでは強く意思表示をされておるわけです。それは一応別にいたしましても、とにかく国交回復をしておらない国でありますから、また誇りの高い国でありますから、向こうから特恵を供与してくれということを言ってくる見込みは、まずないといってよかろうと思うのです。しかし、結果的には、先ほど言ったように、五倍の特恵関税あるいはまた二倍というようなことで、実際上は非常な差別というものが出てくる。かてて加えて、前から問題になっておりますところのココム規定というものがありまして、これがまた中国が日本を敵視する一つの大きな論拠にもなっておるわけです。 こういった問題を含めて、これを打開するために政府は何らかの方法を講ずべきではないか。ただ手をつかねて、向こうから希望して手をあげて、自分は供与を受けたいのだということを言ってくる国で発展途上国であるということ、また日本の国内産業ともあまり競合しないものである、というような判断の主導権というものは、日本の国自体が持っておるわけでありますけれども、しかしながら、常識的に考えて、向こうから言ってくる道理がないわけです。そうなれば、政府の正式機関のルートを通して中国と交渉をするという方法はないまでも、民間使節をかりに出すとかなんとかいう形で向こうの希望を聞いてくる。それで何とか希望をかなえてやる。先ほど人工衛星の話や核爆弾の話も出ましたけれども、あれは必要に迫られて、あれだけに特定に集中的に勢力を注いだ結果、中国人というのも頭は非常に優秀でありますから、できたということもありますけれども、国民所得は百ドルですよ。日本の千三百ドルと比べたら、やはり発展途上国と見ざるを得ない現実だと思うのです。大体、もともと特恵関税を与えようということの出発点は、国民所得を徐々に上げてやろうではないか、その上に立って、貿易というものをだんだん開いていくのだという考え方からUNCTADの会議というものも開かれたというふうに私は了解をしておるので、そういう点からいえば、中国はたとえ人工衛星を飛ばそうとも、そういう意味での発展途上国であることには間違いない。所得をふやしてやる、そうすることによって貿易を発展させる可能性が大いに開けておるし、またその期待の持てる国であるということも事実だろうと思うのです。したがって、そういう国に対しましては、こちらでは何らかの方法で向こうの意思表示をくみ取ってやる。こちらから手を差し伸べなければ、私はそういう道は開けてこないと思うのです。政府にそういう意図がございますか。
○宮澤国務大臣 たとえば私が、かりに中華人民共和国からそういう申し出がございましても、政府としては特恵のことは考えませんというふうに申し上げましたら、前段に言われたようなことになるわけでございますけれども、お話があれば、それはそれとして政府も考えるというふうに申し上げておるのでございますので、人工衛星云々のお話がございましたけれども、私は、何も人工衛星があったからどうこうというふうには考えておりません。 それから、意思表示の方法でございますが、先ほど申し上げたことを繰り返すことになりますが、私、一存で政府の立場を申し上げるわけには実はまいりませんけれども、確かな方法で、私どもにそれが確かな意思として確認できれば足りるものではないか、私はそう考えております。
○石川委員 これは内閣の問題で、宮澤さんだけを責めても、なかなかすっきりした答えが出ないだろうと思うのです。しかし、これは内閣自体の姿勢として、何らかの形で日中国交回復をするのだという意欲がもしあるのならば、向こうの意図をくむというルートを何とかして考える。これは向こうから自発的に、発展途上国であり、こういう供与をしてもらいたいということを言ってくるとは私たちには考えられない。考えられないことをいいことにして、台湾、韓国とは日韓台の生命線であるというふうな、日米共同声明に乗ってやったんだというふうに勘ぐられる——勘ぐるということばが当たるかどうか知りませんけれども、少なくともそういうふうに理解されても弁解の余地がないような形にしてもらっては困ると思うのです。私は、端的にいうならば、この中国との問題が解決しない限りにおいては、特恵供与というものは、台湾、韓国というものは考え直すべきではないか、これは日本の産業に対する影響をも含めてそう思わざるを得ない。 それから、あと一つ念のために伺いますけれども、香港はまだペンディングになっておりますが、香港の労働の質というものは、かなり日本に接近をしていると私は見てまいりました。そうなりますと、ここで軽工業品というものは相当日本とは競合しておる。しかも原則論としては、あそこは国ではないというようなことからして、ここの供与というものも相当慎重に考えていかなければならぬ点があるのではなかろうかと思うのでありますけれども、その香港の問題については別にいたしましても、中国の問題は、日本としては、ココムの問題なんかでもってアメリカ追随一点ばりだということではなくて、ココムの問題も含めて、何とか中国とそういう打開の道を積極的に講ずるのだという意図は持っておるということだけは、ひとつここで言明をしてもらいたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 関税上で中国大陸を差別待遇をすることがいいというふうに、私どもが考えておるわけでございませんことは、先ほど御指摘がございましたように、KRの譲許というものを事実上漸次中国にも適用しておるということでも、おわかりいただけるのではないかと思います。申し上げるまでもないことでございますけれども、KRは原則として無差別でございますから、ものごとの本質上、中国大陸にもそれを均てんさせることができたわけでございますけれども、特恵そのものは、これは明らかな差別関税でございますから、本来ガットの本則に合わないものでございまして、ガットに対して承認を求める措置を供与国各国はとっておるわけでございます。したがって、特恵は文字どおり差別的なものでございますために、相手国の意思表示というものがやはり必要だ、どうも論理上そうなってしまうわけでございまして、これは何も国民所得が低くても少しも恥ではないわけでございますから、そんなことは国としての品格に何ら関係ないことでございますので、私ども、それを頭を下げる云々というふうには実は考えておらないわけでございます。 それから、香港の問題でございますけれども、政府としては最終的な考えをきめてはおりませんけれども、もし向こうからそういう希望があり、またそれが適当だと考えましたときには、その際決定いたしますスキームは、やはりわが国の国内のことも考えながら、一般的スキームとは別途に考えなければいけません。したがいまして、そういうことになりましたら、両者で討議をし、協議をすることが必要になろうと考えております。先ほど申し上げましたように、実は同じようなことが中華人民共和国の場合にも考えられるわけでございまして、意思表示だけございましても、さて何をどういうふうにどれだけの品目についてやろうかということになりますと、これは私どもがかってにきめてしまうことは適当でございませんし、そこで、具体的にそういうことをやはり何かお互いに相談をする場が、実際には必要になるであろうというふうに考えております。
○石川委員 これで質問をやめますけれども、いまの答弁、若干前向きになったと思うのです。何とか政府と中国の間で、向こうの意図を探る、意図を聞くという、こういうチャンス、こういう機会をひとつ開くための努力だけはぜひしてもらわなければならぬ、こういう希望を強く申し上げまして、質問を終わります。
○武藤委員長代理 相沢君。
○相沢委員 今回の法案審議におきまして、中小企業の方向づけということにつきましては、各委員からすでにたびたび御質問がありましたが、きわめて大事な問題ですので、繰り返しお伺いをしておきたいと思うわけでございます。 日本の産業構造というものは、いろいろな矛盾をはらみながらも、今日成長路線を突き進んでいるわけでございます。そして、一方日本を取り巻く経済環境というものは、非常に大きく変動してまいりましたし、日本の立場というものが従来と違って、国際経済体制の中にあって、秩序ある先進国としての責任を負わなくてはならないという段階にまいりましたわけで、そこで必然的に日本の経済政策というものが、内外に現在大きく注目をされているわけであります。今回、特恵供与にいよいよ踏み切るわけでありますが、このことは、日本の経済史における一つのエポックとなるわけであります。 そこで、海外に対して、南北問題の解消のために日本も積極的に参加するという、そのことは非常に大切ではありますけれども、また一方、国内のわが国産業の二重構造の改善ということ、これは非常に急務になってくるわけでありまして、政府はこのたびの特恵制度を転機に、新しい中小企業の方向づけというものを、相当長期にわたる明確な方向づけというものを明らかにしなければならないと思うのでありますが、これに対する大臣の御見解を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 大量生産、大衆消費という時代が、もうしばらく前からわが国にもまいりましたが、だんだん消費者がそれに満足しなくなったという傾向も、すでに出つつございます。 そこで、私は理想図として考えることでございますけれども、そういうふうになりましたときに、消費者の選好というものがかなり個人的なものになってくる。また生産側もそれに対応しなければならないわけでありますし、かたがた技術革新が進みますと、どうしても生産のプロセスというのは非常に複雑になり、かつ部品なども多くなってくる。つまり加工度が非常に積み重なっていくわけでございます。そうなりますと、大企業が全部それをやるわけにはまいりません。非常に大ざっぱな申し上げ方をすれば、大企業というのは素材を提供するので、それから先のこまかい付加価値は、実はそれ以外のものがつけていかなければならない。その部分が実際付加価値の大きな部分になるわけだと思いますが、それと、先ほど申しました消費の選好というものが合わさってまいりますと、そこに中小企業でなければできない分野というものがどうしても出てくる。そしてその分野は、かなり専門的な、また多少人手を要する、したがって付加価値の高い分野になる。このことは、生産ばかりでなくサービス業においても、私は同様であろうと考えております。ですから、中小企業の行くべき道として、そのような付加価値の高い、多少人手と練熟とを伴わなければできない分野というものが、これがほんとうに中小企業が進んでいく道ではなかろうかというふうに考えております。
○相沢委員 今後、わが国が進むべき国際経済政策のあり方として、他の先進国と同様に、積極的に国内産業の転換を行なって、比較優位原則に基づいた国際分業パターンを実現していくべきだ、こういう意見がだんだん強まってきていると思うわけですが、特恵供与という形は経済援助の一形態であって、どちらかというとまだまだ消極的な態度だ。極積的な態度ということになれば、これは特恵供与を契機に、もっと望ましい形の国際分業パターンの実現を目ざすということになってくるわけなんですが、この立場から、日本の低生産性部門あるいは第一次産品業種で低開発国へ譲るべきものは、もっと譲ったほうがいいのじゃないかという意見も、一部には強くあるようでございます。そうしますと、政府としては、いまもお尋ねしたわけですけれども、いまからしっかりした中小企業へのビジョンなり目標を、もっともっと明確にしていかなければならないわけでありまして、どうしても国際分業という問題は避けがたい、当然めぐってくる問題でありますので、ここで政府の対策があやふやであってはならない、もっともっときめこまかい中小企業に対する将来の対策というものを考えておかなければならないと思うわけでありますが、それについて、いまの御質問をさらに一歩深く御答弁いただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 ただいま申し上げましたことが、私どもの考えの基本でございますけれども、さて、それを具体的にどうやってまいるかということになりますと、やはり近代化であるとか、高度化であるとか、省力化であるとか——省力化と申しましても、本来、大企業のように省力をするという意味ではございませんけれども、そういうような方向、それを政府としても、財政金融あるいは税制上進めていく。幸いにして政府がいま、もはやそういういわば説得をいたしませんでも、中小企業の側において、人手不足ということはもう現実の問題でございますから、そういう意欲は、もう私どもが申しませんでも、中小企業の側で持っておりますので、したがって、そのための手段というものを政府が支援して与えていくということが大切ではなかろうかと思います。
○相沢委員 そこで、話を特恵供与の例外品目の問題でお尋ねしておきたいのですが、望ましい国際分業を目ざす方向に対しまして、国内産業の競争力が不十分だからということで、例外品目に入れるということはこれは逆行する、こういうことが言えると思うのですが、日本にとって競争力が不十分な産業、または近い将来競争力を失いそうな産業こそ、発展途上国が比較的優位を持つ部門だろうと思います。ですから、もしか特恵に踏み切るならば、こうした部門からもっと供与さるべきでないか、こういうことなんですが、今回の特恵供与の品目をながめた場合に、もう少し検討すべき余地があるのではないかという意見に対しては、政府はどう受けとめられていますか。今後二、三年たったら見直すということをおっしゃっているようでございますけれども、その見直しのしかたとして、規制強化をするのか、あるいはゆるめるのか、どちらを基本的な方針としていまきめているのか、その辺を伺っておきたいと思います。
○室谷説明員 お尋ねの件につきましては、わが国が特恵のスキームを策定いたします際には、一方において国際的な要請、特に発展途上国の要請に配慮を十分しながらも、一方またこの特恵という制度は、いわゆる平等な立場といいますか、自由な普通の競争関係のもとにおける関税制度ではございませんで、特別の利益を相手に与えるという制度でございますので、そういう一つの踏み切り、特段の措置による制度でございますので、また国内産業に過度の影響を与えるということがあってもなりませんので、そういった二面を慎重に考えながら、現在、財政関税を課している石油類三品目と、現在でも非常に後進国から、発展途上国から輸出が増大をいたしまして、これらの国との競争関係において心配が持たれる生糸、絹織物、皮製品関係と合板等七品目を例外にいたしたわけでございます。しかし、この十品目と申しますのは、BTN二五類から九九類までの全体の中でどのくらい占めるかと申しますと、品目数にいたしまして、有税のものは八百四十三品目ということでございますので、この例外品目十品目を除きましても、残るほとんどの品目につきましては、特恵を供与するということになっているわけでございます。なお、このわが国の特恵スキームにつきましては、例外措置を含めまして、昨年秋のUNCTADの会議におきまして、発展途上国からも了承をされておるわけでございます。日本と同じくシーリング方式をとりますEECにおきましても、BTN二五類から九九類のうちに含まれるところの農産加工品あるいは一次産品の一部を例外とするという措置をとっているわけでございます。 これらの例外措置につきまして、いかなるレビューを行なうかということでございますが、UNCTADの場におきましては、この特恵について、原則的に毎年特恵の効果について定期的にレビューをする、またそのほか、三年ごとに特恵の評価並びに改善についてのレビューを行なうという申し合わせになっているわけでございます。したがいまして、当然こういった機会に発展途上国から、今後改善についての要請がいろいろ出てまいるかと思います。わが国といたしましても、今後ともそういった後進国の要請を配慮しながらも、しかし、その時点における発展途上国の競争力、輸入の状況——先ほど申し上げましたように、特恵を供与いたさない現段階におきましても、かなりその輸入がハイスピードで伸びている品目が多いわけでございますので、そういった状況をその時点において勘案いたしまして、改善すべきものがありますれば改善をいたすようにつとめてまいりたいと思っているわけでございます。
○相沢委員 いろいろ長々御説明いただいたのですが、どちらにしても、特に軽工業品なんかは、今後ますます苦しい立場になるわけでありまして、そのときに国際分業が進むことは、時代の趨勢としてやむを得ないとしても、国内中小企業の非常に弱いところの部分が、切り捨てごめん式に見殺しにされるようなことがないように、やはりいまからこの面に対する対策を、十分に考えていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 次に、特恵供与に関しまして、国内産業の転換の問題がいま起きてくるわけでありますが、言うまでもなく、日本の中小企業の占める比重というものは非常に大きい。全事業所の中では九九・三%、また従業員数からいいますと六三・七%、こういう資料が来ておりますが、やはり中小企業の健全な発展なくして、日本の国民経済の安定あるいは成長ということはあり得ないわけでありますが、今回の特恵供与に伴う業種の転換という問題で、いろいろ委員から質問がありましたが、中小企業は担保の余力は非常に乏しいのが実情でありますし、また技術レベルも低い。それに、どういう業種に移るかということの各企業間の情報を聴取しようとしても、そういった情報キャッチの手段がない、また生産設備の近代化はまだまだおくれているというような、いろんな問題をかかえているわけでありまして、そう簡単に転業がはかれないということであります。 この業種転換についての考え方は、非常に幅が広いということでありまして、特に高級化を目ざす方向にかなり弾力的に運用されそうでありますが、先ほど影山参考人からお話もありましたように、特に弱小グループでは対策をまだ模索中である。どのような業種に転換すればいいか、実は困惑しているというのが実情であろうと思います。それからまた、転業するにしても、したらやはりそれだけ十分な効果を生まなければ、すぐまた倒産ということになってしまうわけでございまして、政府はこの転業に関する中小企業の相談に、どれだけ積極的に取り組んでいこうとされるのか、また具体的にどういう対策を考えられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○吉光政府委員 確かにお示しのように、特に小規模零細層にとりまして、転換ということは非常にむずかしい困難な課題であろうかと思うわけでございます。そういう意味から、実はこの第三条の事業転換にあたりまして、この転換概念を非常に広くとるというふうにお答え申し上げておるところでございますけれども、これは結局、製造業が製造業へというふうなことだけでは転換対策はうまくいかない。製造業が、あるいは商業に出られる場合もございましょうし、あるいは第三次産業に出られる場合もございましょうし、サービス業に出られる場合もあると思うわけでございますが、そういう意味で、転換先につきましては制限はできるだけ少なくするという方向で考えてまいりたいと思っておるわけでございます。 と同時に、この転換に対する指導体制の問題でございますけれども、これは経営面、技術面両者からの指導体制が拡充されることが必要であろうと思うわけでございまして、経営面のほうの体制につきましては、御承知のように、現在、各都道府県と六大都市に、中小企業総合指導センター、総合指導所というものがございます。これは、国が人件費につきまして半額補助をいたしておるわけでございますけれども、これらの指導員につきまして、来年度以降、特に特恵転換のための指導をやるというふうな分につきましての人員増加を、現在予算でお願いをいたしておるところでございますが、こういう県の総合指導所を中心にした指導というのが一つの核になろうかと思います。と同時に、また中小企業振興事業団のほうでも、実は海外の情報その他を集めまして、これをさらにいまの指導体制の中に流すという意味での準備をいたしております。現にやっている仕事をさらに拡充いたしてまいる。これは、発展途上国の生産動向がどうなっておるか、あるいはまた、特に先進諸国市場あるいはアメリカ等の動きがどうなっておるかというふうなことにつきましての海外情報を含めまして、これを指導組織の中に乗っけていって、これを周知徹底してまいるということも必要になってこようかと思うわけでございます。と同時にまた、転換先事例と申しましょうか、どういう業種に転換してこういうふうな効果があがっております、そのときにはこういうやり方でやった企業が成功いたしておりますというふうな転換事例を分析して、それをいまから転換しようとする人に示してあげることも必要であるという意味で、これはやはり振興事業団の予算の中に、新しくさらに拡充した予算を現在お願いいたしております。 それから、これらはいずれかといいますと、一般的情報であり、啓蒙であり、あるいはまた経営面の指導につながる問題でございますけれども、同時に、技術面につきましての施策もやはり拡充してまいる必要があるというふうなところから、御承知のように、現在特に、小規模零細企業に対します技術指導は、各都道府県あるいは大きな市にございます公設試験研究機関にお手伝いいただいておるわけでございます。これは現在全国で百八十五カ所ございますが、この公設試験研究機関の指導員によりますところの技術指導を徹底させたい、こう思っておるわけでございまして、従来、技術指導につきましては、技術の巡回指導という制度がございましたけれども、今年度から新しく簡易巡回指導というふうな制度を設けまして、これは、実は小規模零細層の方々のところにできるだけ頻度を多く、数多くそこに実際に行きまして現地で技術指導をする、工場ごとに技術指導をするという必要性が出てまいりましたので、そういう意味から、普通の大がかりな技術点検ではなくて簡易な形で技術指導をやり、回数を多くしていき、そこの工場、事業場にはちゃんとカードを残していきます。医者のカルテと同じようなカードを残していきながら、その次に行ったときに、それがどうなっておるかを点検しながら指導してまいるというふうな制度をやっておるわけでございますが、この制度をさらに拡充いたしまして、小規模零細層の技術力の向上というふうなことに対処してまいりたいというふうに考えております。
○相沢委員 いろいろ対策は考えられておるようでありますし、また、特に転業して成功した例の状況把握、またそれに基づいての指導、このことは、さらに力を入れてやっていただきたいと思うのです。 長官に一つだけお尋ねをしておきたいのですが、現在、中小企業等の倒産が非常に数多くなっておりますが、今回の影響で廃業をしなければならない、こういった業者の人たちがどれくらい予想されていると思われているのか。それとも見込まないで、廃業は一件も出さないように、全部適切な助成あるいは指導をして新しい方向へ進ませようという決意で臨まれておるのか。その辺のところはどうでしょう。
○吉光政府委員 廃業がどの程度になるかという予測は、非常にむずかしいと思っておりますし、同時にまた、どういうふうに廃業が出てくるであろうということを計数的にお答え申し上げることは、私には非常に困難であります。ただ、今度考えております転換につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、転換先を非常に幅広く見るというふうなことにいたしておりますので、したがいまして、業をやめっぱなしであとは何にもしないというふうなことは、わりに少ないんじゃないだろうか。要するに、たとえばアパート経営でございましても転換先として見るというふうな、非常に幅広い転換を応援いたそうというふうな考えでおるわけでございますので、したがいまして、従来のような窮屈なカテゴリーの中での転換というふうには考えておりませんので、おそらく相当多数の方は、この転換施策によって事業転換をされるのではないであろうか、こう考えるわけでございます。 ところで、廃業に対する施策そのものでございますけれども、実は今回廃業そのものにつきましては、労働対策その他の点についての準備をいたしておるわけでございますが、御承知のとおり、近代化資金助成法によりまして、現在構造改善準備金の積み立て制度が認められておるわけでございまして、こういうふうなある特定の事業につきまして、同業者がお互いに新しい構造改善計画をお立てになるときに、同時にまたその中で一部廃業を余儀なくされる、ただしこれは転業される場合も含めてでございますけれども、そういう方々に対しましては、この構造改善準備金の中で、通常千分の十五というのを、こういう場合には千分の二十五まで準備金を積み立てることを認めておるわけでございます。現に、その準備金によりまして廃業交付金を交付するように決定せられておる組合の方もあるわけでございますが、これらの既存の制度をやはり積極的に活用してまいる必要があろうかと思っております。同時にまた、業種によりましては、そういう自分たちの積み立てだけではうまくいかないというふうな業種も、場合によっては出てこようかと思うわけでございます。そういうふうな場合におきましては、やはりその業種の実態に即しました一つの援助措置ということが必要になってくるんじゃないであろうかと思うわけでございまして、御承知のように、繊維につきましては、特別の法律をもちましていろいろの措置が講じられております。あるいはまた単純に予算措置だけで処理いたしております。北海道の製材関係の組合につきましては、これは予算措置だけで特別の措置が加えられておらないというふうな事情等もございますし、そういうふうに特別の業種によりまして、さらにこの一般的施策以上に何らかの措置をとる必要があるということであれば、やはり業種別対策を積み重ねていくことが必要になってこようかと思っております。
○相沢委員 いま長官が、今後、業種別に事業ごとの対策をもっともっと力を入れなければならないとおっしゃいましたが、当然だと思います。これまで、個別事業を対象とした中小企業行政というものが、本格的に行なわれていたとはまだまだ思えないわけでありまして、特恵対策を機会にして、事業場ごとの的確な新しい行政指導というものが特に要求されるものだと思いますので、一そう力を入れてやっていただきたいと思います。 私の制限時間がだいぶ迫ってまいりましたので、お答えのほうは、ひとつ簡潔にまとめてお願いしたいと思います。 各業界ごとの問題点の質問はあと回しにしまして、原産地表示の問題でお尋ねしておきますが、これは各国でも実施をされているようでありますし、また最近わが国でも一部の業者の方からは、日本の市場に入ってくる全製品に対して原産地の表示を実施してほしいという声が強いのでございますが、通産当局としては、この問題についてはどういうように考え、対処されますか。
○室谷説明員 お答え申し上げます。 発展途上国の製品が特恵関税の適用を受けて輸入される場合、国内の製品に対して、産業に対して過度の影響を与えないという点で、製品について原産地表示を義務づけたいという点につきまして、一部の業界からの御要望がありますことは事実でございますけれども、これを一品一品について厳格に原産地表示をするということは、開発途上国に対しても過度の負担を課すことになります場合があり、また、国際的にもNTBであるということで、わが国といたしましても、英国あるいは米国に対して、この原産地表示を撤廃すべきであるということを、過去、国際的な場で要請をいたしてまいりました経緯もございまして、これを強制的に義務づけるという点につきましては、種々困難な問題点があるのではないかというふうに考えております。ただ、業界が自主的にこういった原産地表示をするというような措置につきましては、特恵対策として一つの考えられる点であろうかと存じております。
○相沢委員 関連しまして、原産地証明基準について伺いたいのですが、これは国によって違うわけでありまして、イギリス中心の付加価値基準方式、あるいはEECの加工プロセス基準や、両方の併用方式等あるようでございますが、わが国の場合は、今後どういう基準を採用されるのか。
○西澤説明員 特恵原産地の認定基準につきましては、ただいま先生のお話のとおり、付加価値基準と製造工程基準、この二つがございます。わが国は、このうちの製造工程基準というのをとることにいたしております。
○相沢委員 それから、特定事業を指定する場合の法律上の運用の問題で伺っておきたいのですが、中小企業庁では、業者から申し出、希望があった場合に、海外、国内にわたっての調査を行なって、さらにまた適切な措置を講ずる用意がおありになるかどうか。
○吉光政府委員 これはもう申し出があるまでもなく、特恵で影響を受ける見込みがあるというふうな業種につきましては、積極的に調査をしなければならない問題だと思っております。したがいまして、もちろん国のほうで気がつかない業種で業界のほうから申し出があれば、これは積極的に調査をいたすというのが私どものつとめであろうと思っております。
○相沢委員 この問題については、どうも業者のほうも気楽にというか、あまり積極的に相談に行かないようでありまして、一部には、通産大臣あるいは都道府県知事が、影響を受けたという証明書を発行して、それについてすぐ調査を開始するようにしたらどうかという意見もあるのですけれども、中小企業庁としては、たとえば、申し出がなくてもそれに対する調査を責任をもってやっていくという姿勢を持っているのだ、だからもっとここに気楽に相談に応じてほしいというようなPRをすべきじゃないか、こう思いますので、意見だけ述べておきます。 次に、労働省のほうから参っておると思いますが、労働者対策及び賃金の問題でお伺いします。事業を転換するにあたりまして、転換までの間やはり若干の期間がかかると思いますが、この間の労働者に対する賃金の保障については明確にすべきじむ、ないかと思いますが、この点どう考えられておりますか。
○是佐説明員 労働基準法の第二十六条で、使用者の責任で休業する場合には、休業期間中労働者に対して、平均賃金の百分の六十以上の休業手当を払うことになっております。この法律に基づきまして、事業の転換を行なう場合、当該中小企業者が自主的に行なうものでございますので、事業の転換に伴い休業する事態が生じた場合には、労働基準法の第二十六条の規定によりまして、使用者の責めに帰すべき事由による休業として、休業手当を使用者は払うことになっております。それで休業期間中の労働者の賃金の保障は立法的にも十分できるもの、かように思っております。
○相沢委員 これに関係して中小企業庁のほうでは、その業種の企業側に対して、何らか特別な措置を考えられるお考えはございますか。
○吉光政府委員 中小企業庁としてやはり何らかの措置をすべきではないか、こういう御指摘であろうかとお聞きしたわけでございますけれども、確かに転換ということは非常に困難な問題でございます。これは自主的に転換するというふうなことになりましても、やはり転換計画をどう組むかというふうなことで、直接企業に従事しておられる方たちにとっては頭の痛い問題があろうかと思うわけでございます。そういう意味で、実は転換計画につきまして、やはり事前によく御相談に応ずる、こういうことが必要になってこようかと思うわけでございます。一挙に転換される場合もございましょうし、何カ年間計画かの計画を組みながら徐々に転換をはかっていかれる、それまでの間は既存の事業をやっておられるというふうな、これは、業種、業態、あるいはまた企業それ自身の体質によっても変わってくることが多かろうかと思うわけでございますけれども、要するに、無理のない転換をやっていただくということが基本的な命題であろうかと思います。そういう意味で、事前によく御相談に応ずるというふうなことで処理していくのが最も適当であろうかと思っております。
○相沢委員 この問題は当然直面いたしますので、もう少し労働省側と検討してみていただきたいと思うのです。 次に、再訓練のための経費は、これは一体だれがめんどうを見るか、これを明確にしていただきたいと思います。
○森川説明員 お答えいたします。 私ども、再訓練につきましては、もしも離職いたしました場合でございますれば、私のほうで能力再開発訓練、簡単に申しますると転換訓練でございますが、転職職業訓練につきまして、全国に約四百五十ほどの訓練校を設けております。当該離職者で職業訓練を受ける希望の方がございますれば、これに積極的に入校させまして訓練をしていきたい、かように考えております。 〔武藤委員長代理退席、委員長着席〕
○相沢委員 転換される労働者の中には、これまで持っていた資格を転換のために失う方もいると思いますし、また転換した業種が、これまでよりもなかなか高賃金を得られないという場合もありますし、いろいろとここに働く労働者の地位また生活ということを考えた場合に、大きな問題になろうと思いますので、さらにこの転換に伴う労働者対策というものの研究を進めていただきたいと思います。 それからもう一つ、雇用奨励金の話が昨年末ですか、新聞等にも出たように思うのですが、その後どうなっておるのか、経緯を簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○岩田説明員 当初、雇用奨励金制度についていろいろ構想がございましたのですけれども、最近の労働市場の長期的見通しあるいは需給の逼迫の状況からいたしまして、もしかりに一部に離職者が出てまいりましても、若い人たちは十分吸収可能であろうか。特に問題になりますのはやはり中高年齢の方たちではなかろうかということでございますが、中帯年齢の方たちにつきましては、当然失業保険の適用もございますし、就職されるまでの間、各種の措置に応じまして職業転換給付金制度等を充実しておりますので、こういったものによって生活のめんどうを見ながら各種の職業のあっせん、職業の紹介、こういったものを充実してまいるというととで、十分こういった制度を活用いたしましてやる所存でございます。
○相沢委員 最後に、自治省のほうから来ていると思いますが、転業で地域ぐるみ影響を受けるという問題が派生してくると思うわけです。特定業種がその産地を形成している、その産業だけで特定地域の産業の主体をなしている、こういう関係市町村にとっては、この特恵供与は、これは産炭地と同じように死活問題ともいうような問題になると思うのですが、それに伴う地方財政の面で、非常に困難な問題を引き起こしてくると思うのです。こういった点に対して、自治省ではどういう対策を講じられておりますか。
○佐々木(喜)政府委員 御指摘のとおり、国内の中小企業者が、特定の地域において集中的に事業の軟換を行なわなければならないと、その地域経済に非常に大きい影響が生ずるであろうということも予想されるわけでございまして、その場合に地方団体に対して、一面におきましては税収入の減少という問題が出てまいります。また財政需要の面におきましては、ただいま御論議がございましたような、職業訓練の問題でありますとか、あるいは中小企業の経営指導、あるいは技術指導といったような問題が出てまいるかと思います。こうした特定の地方団体に対しての、特別な財政収入の減少なりあるいは財政需要の増加という問題につきましては、それぞれの地方団体の財政の実態に応じまして、普通交付税等で基準財政需要額に計算のできない部分につきましては、特別交付税なり、あるいは場合によりましては地方債による措置ということも考えていかなければならないだろうというふうに考えております。
○相沢委員 特に影響を受ける地域に関しては、今後、過疎化対策とかあるいは広域地方振興計画と組み合わせて、いろいろ対処をしなければならないものだと思います。関係各省との間の対策会議等を開いて、そんなに数多くないはずでありますので、その地域に対する特別な対策を強力に進めていくべきだろうという御意見を申し上げておきたいと思います。 時間でありますので、あと残った問題は、後日、同僚議員のほうから質問をしたいと思います。 以上で終わります。
○八田委員長 次回は、来たる二十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十分散会