商工委員会 第8号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/09
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出があります。順次これを許します。左藤恵君。
○左藤委員 まず初めに、この信用補完制度の果たしております基本的な役割りについて確認しておきたいと思うのであります。 近年、中小企業を取り巻きます環境はきわめてきびしいものがございまして、著しい変化の中に、あるいは労働力不足の問題とか、あるいは国際開放経済体制への適応、どういうふうに対応していけば中小企業として生き残っていく道があるかということについて、その対策の強化の必要に追られているのでありますが、このためには、何よりも中小企業に対します金融の確保ということが先決になってくるのでありまして、政府はいかなる措置を講じているか、そしてこの信用補完制度はその中でどういうパートを占めているものであるか、この辺についてまず明らかにしていただきたいと思います。
○吉光政府委員 ただいまも御指摘ございましたように、近年におきます中小企業は、きびしい経済環境の変化の中にさらされておるわけでございまして、それに対処いたしますためには、積極的に企業の体質改善をはからなければならないというふうな状況にあるわけでございまして、これも御指摘の中にございましたように、そのために金融の確保ということが非常に重要な課題となっておるところでございます。 中小企業金融全体の姿を見てまいりますと、四十五年末、昨年末におきます全金融機関の中小企業向け貸し付け残高は約二十九兆七千億円でございました。そのうち都市銀行で五兆六千億円、地方銀行で六兆五千億円、民間中小企業専門金融機関で十三兆三千億円というふうな姿になっておるわけでございますが、さらにこれに加えまして、政府関係中小企業金融三機関の貸し出しの残高でございますけれども、これが二兆八千億円というふうになっておるわけでございまして、中小企業金融全体のうちの九・五%のシェアを有するに至っております。 この三機関の重要性につきましては、かねていろいろとその内容の拡充につきまして努力をいたしておるところでございますけれども、明四十六年度におきましては、三機関の普通貸し出し規模につきまして、四十五年度の当初計画に比しまして一八%増、数字にいたしまして一兆一千八百二十五億円という貸し出し規模を確保いたしておるところでございまして、中小企業者の資金需要に対処いたしてまいりたいと思っております。 なお、これは当初計画でございまして、今年度の経済の状況の推移によりまして、さらに年末追加財投その他によりまして弾力的に対処してまいりたいと考えておるところでございます。 こういうふうな中におきまして、信用補完制度が持っておる役割りでございますけれども、これは御承知のとおり、信用保証協会が中小企業の信用力とか担保力の不足分を補完する制度であるわけでございまして、民間機関の資金を中小企業の方向に導入するにあたりまして非常に重要な役割りを果たしておるわけでございます。 四十五年末の保証債務残高でございますけれども、約一兆二千八百億円というふうなことでございまして、中小企業金融全体から見ました場合、四・三%のウエートを占めるに至っているわけでございます。
○左藤委員 いまのお答えにもありましたように、この信用保証協会における保証がすでに一兆円を上回るということで、中小企業者が民間金融を引き出すという点において非常に重要な役割りを占めておると思うのでありますが、最近の保証の動向はどういうふうになっているか。具体的に、保険の種別なり業種別、金額別の保証利用状況と申しますか、そういったものについて御説明をいただきたいと思います。その際に、実際に保証に当たっておられる方々が業務の運営をされる上においての予定の回収率というもの、さらにまた実績はどうか。その回収率の実績というものも含めて御説明いただきたいと思います。
○吉光政府委員 信用補完制度は、制度が発足いたしましてから一貫して発展の一路をたどっておるわけでございますけれども、保証承諾額で見ました場合に、四十年度におきましては約六千五百億円であったわけでございますが、これが四十四年度におきましては約一兆七百億円というふうなところにまで増大いたしておるわけでございまして、四十五年度におきましても約一兆三千六百億円というふうな保証の利用が見込まれておるわけでございます。 この付保状況でございますけれども、御承知のとおり、保険種別には普通保険、無担保保険、特別小口、それに近代化保険というふうなものがあるわけでございますけれども、種別に申し上げますと、普通保険で五千六百億円、無担保保険で四千三百億円、特別小口保険で百億円、近代化保険で三十億円というものが付保されております。 また、その承諾状況でございますけれども、四十四年度の状況を業種別に見てまいりますと、まず製造業が四千百億円、小売り業が二千三百億円、卸売り業で千八百億円、建設業で千五百億円というふうになっておるわけでございます。 また金額別の保証利用の関係でございますけれども、五十万円以下で利用いたしておるものは約千二百億円でございます。それから五十万円をこえ百万円以下というところで千八百億円、百万円こえまして五百万円以下というところで五千八百億円、五百万円をこえ千万円以下で千三百億円、千万円をこえているもので五百億円というふうなことになっておるわけでございまして、絶対額におきましては、五百万円以下というところが圧倒的多数を占めておるわけでございます。また利用者別に見ましても、二十人以下の小規模層の利用がやはり圧倒的多数を占めております。 さらに、四十四年度の保証承諾額を設備資金、運転資金別に見ますと、設備資金で千八百億円、運転資金で八千九百億円で、運転資金のほうでの需要が非常に強うございます。 それから貸し付け期間別に見ますと、三カ月以下という貸し付け期間のものが九百八十億円でございます。三カ月をこえまして六カ月以下というのが三千二百億円でございまして、これが一番多い層になっております。六カ月をこえて一年以下、これが二千五百億円でございます。一年をこえ二年以下というのが千二百億円、また最近、設備投資等の動きもだんだんと活発になってまいっておりまして、二年をこえておるものが二千七百億円、こういう数字になっております。 また、来年度におきます見通しでございますけれども、大体全体として一兆五千九百億円の保証承諾額を見込んでおるわけでございまして、このための一兆五千五百億円の保険の引き受け額というものを予定いたしております。 なお、回収のほうの問題について御質問があったわけでございますけれども、四十四年度実績で見ました場合に、まず事故率でございますけれども、特別小口につきまして四・六六%、無担保につきましては二・二七%、近代化保険につきましては四・三九%、普通保険につきましては二・五一%というふうな事故率が出ております。これに対します回収率でございますが、これはズレはございますけれども、同じ四十四年度実績によります回収率についてお答え申し上げたいと存じますが、特別小口につきましては二三%、無担保保険につきましては四五%、近代化保険につきましては五二%、普通保険は七一%、こういう数字に相なっております。
○左藤委員 それでは、改正法案の内容に入りたいと思いますが、まず今回の中小企業信用保険法の改正の一つの柱といたしまして公害防止保険の創設ということがあるわけでございます。中小企業を取り巻きます公害の問題というものが、昨年の公害関係のたくさんの法律が成立したというふうなこともありまして、ますます情勢がきびしいものになってまいるわけです。中小企業はそれ以外にもたくさんの困難な問題をかかえております。そういう体質の弱い中で、公害防止は特に、国民の健康という点から考えましても、ゆるがせにするわけにはいかないわけであります。そういった意味で、政府が積極的に公害というものに対して助成、指導というものをやっていっていただかなければならないと考えます。 そこで、中小企業全体として必要な公害対策の投資というものを一体どのように通産省ではごらんになっておるか。概算どのくらいのものであろうか。さらに、直接的に公害防止事業団から融資されるものはどのくらいと見ておられるか。それをまずお伺いいたしておきたいと思います。そして、それとともに、今回のこの公害防止保険というものを活用していただくということになった場合は、全体でどのくらいの比率を占めると申しますか、そういう公害防止対策の中における今回の措置がどのような位置づけにあるかということを、あわせてお答えいただきたいと思うのであります。
○吉光政府委員 御指摘のように、中小企業が公害防止施設を設置いたします場合、いろいろの困難があるわけでございまして、そういう困難を克服いたしますために、金融あるいは税制、技術開発、指導、その他の面でいろいろと配慮をいたしておるところでございます。 金融上の助成につきましては、申し上げるまでもなく、すでに御承知のように、公害防止事業団のほかに、中小企業金融公庫でございますとか、国民金融公庫でございますとか、あるいはまた中小企業振興事業団によります公害防止施設に対する融資制度を準備いたしておるところでございます。また、いわゆる設備近代化資金の貸し付けにあたりましても、公害防止施設については優先的に採択する。あるいはまた四十六年度からは、機械貸与制度の中にも公害防止施設を含めて考えたいというふうに考えておるところでございます。 いま、中小企業の全体としてどれくらい公害防止のために投資をすればいいかというふうなお話があったわけでございますが、実は昨年来、商工会議所、あるいはまた中小企業庁自身でも、中小企業者からアンケート調査をとりまして、どういう需要があるかという点についての調査をいたしておるところでございます。 明年度、四十六年度におきます大体の見通しでございますけれども、大体、中小企業関係の投資が、設備投資につきまして全体として三兆三千億程度というふうなものを予想いたしておるわけでございますけれども、そのうち、五・五%、約千八百億円というふうなものに相当するものが公害投資として予想されておるところでございます。もちろん、これはある一つの調査でございまして、したがいまして、これで十分であるかどうかという点の問題になりますと、また別の角度から検討する必要があろうかと思うわけでございますけれども、一応私どものほうで集計してみました推計値がこういうふうな形になっておるわけでございます。 そこで、具体的にいまの御指摘は、公害防止事業団はどの程度の事業規模を来年度組んでおるか、こういうお話でございます。公害防止事業団は、御承知のとおり、来年度予算におきまして、二百四十三億の出資が行なわれることになっておるわけでございますけれども、これをもとにいたしまして、財投の事業規模の面で見てまいりますと、今年度二百十億という事業規模を来年度は四百億にまでふやす、こういう計画になっておるわけであります。 なお、他の金融機関につきましては、中小公庫につきましては、本年度の十五億を四十億までワクの拡大をやっておりますし、また国民金融公庫につきましても、同じように、これはわずか五億であったわけでございますけれども、三倍の十五億というところまで貸し付けワクの拡大をはかっております。また振興事業団につきましても、同じようにワクの拡大をはかっておるところでございます。
○左藤委員 先ほどちょっとお伺いしかけたのですけれども、全保険の中で今回の公害防止保険がどのくらいのウエートを占めるかということについて御答弁がなかったようですが、その辺のところはいかがでしょうか。
○吉光政府委員 これもまだめどの問題でございますけれども、一応、保険関係の契約のほうで見ておりますめどは、大体百億円程度というふうに見ております。もちろん、これは固定した数字ではございませんで、一応のめど、最初の計画でございまして、実際にこれに上回る需要が出てまいりますれば、それに対応して弾力的に対処してまいりたいと考えております。
○左藤委員 これから新しく制度が新設されるわけでありますので、そういった点で、最初のスタートにつきまして、資金の不足が生ずるとかいうふうなことがないように配慮していただきたいと思うのでありますが、それでは、この公害防止保険の対象を省令で定めるというふうに三条の四で規定されておりますが、具体的に何を定めることになるのか。公害防止施設と申しましても、いろいろな形のものがあると思います。一般的な融資の対象になるものと、明らかに特別に公害対策ということで取り上げられる施設ということについてこの制度が新設されて活用されるべきであろうと思いますので、その辺の適切な運用が確保できるかどうか。省令でもって指定される対象ということについて、その辺を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○吉光政府委員 この省令で定めます公害防止施設に要する費用でございますけれども、大きく分けて三つの範疇で考えております。 その第一は、公害防止施設の設置費でございます。この公害防止施設でございますけれども、基本法に基づきまして、いろいろの公害防止に関連する諸立法がございます。それらに関連するすべての設置費をこの対象にいたしたいと考えております。したがいまして、大気汚染でございますとか、水質汚濁でございますとか、騒音防止のために必要な施設でございますとか、あるいは工業用水道への転換施設でございますとか——これは地盤沈下関係でございます。それから産業廃棄物の処理施設等の設置費でございますとか、あるいは、悪臭等の法案が現在提案されておりますけれども、その暁には、悪臭施設等につきましてもこの対象にいたすというようなことで、実はそういうふうな意味で、防止義務を負っておる事業者に必要な施設は、すべて包含させるつもりでございます。 それから第二の場合でございますけれども、これは、公害防止のために工場あるいは事業場が、ある特定の地域、たとえば都市計画法上の住居地域でございますとか、あるいは商業地域でございますとか、そういうところから他の地域に移転を余儀なくされるというふうな場合もあろうかと思います。そういう場合の移転のために要する経費というふうなものにつきましても、対象にいたしたいと考えております。 それから第三の点でございますけれども、先国会で成立いたしました公害防止事業費事業者負担法というふうなものに基づきまして、中小企業者も負担金等を賦課されるということがあろうかと思うわけでございます。そういう場合の負担金等につきましても、この保証の対象にいたしたいというふうに考えております。 御指摘ございましたように、公害防止施設にもいろいろなものがあるわけでございまして、それらの現実に合ったようにこの対象施設等を定めてまいるということが必要になってまいろうかと思うわけでございまして、関係者の意見もよく徴しながら、遺漏のないような指定基準をつくってまいりたいと考えております。
○左藤委員 中小企業金融ということになりますと、一番必要なことは、私はやはり良質な金融と申しますか、すなわち長期で低利なものでなければならないと思うわけであります。その場合に、保証協会に支払います保証料率というものが低減されなければならないわけであります。これは一般的なことでありますけれども、公害防止の投資につきましては、生産設備に対します投資と違いまして、直接には収益をもたらさない、むしろコストアップになるだけの要素、そういう性格のものであろうと思います。こうしたところから、公害防止保険につきましては、保険料率というものは極力低くしておかなければならない。そして、そうすることによって、中小企業者の負担を少しでも軽減させる必要があると考えるのでありますが、現在の普通保険の料率は年〇・七六六五%ということになっておりますが、公害防止保険の保険料率につきましては政令で定めるとなっておりますが、どのくらいを考えておられるか。これは私は、極力低減していただきたい、このように思うのであります。
○吉光政府委員 お話のとおり、この保険料率が保証料率をきめるもとになるような数字でございます。現実に、中小企業者が保証協会から保証を受けます場合に、保証料を支払うわけでございます。その保証料がどの程度の高さできまってまいるかという点につきまして、大体、保険料率がある一つのベースになっておるというふうな点もあるわけでございます。そういう点から、保険料率の設定につきましては慎重な配慮が必要になってまいるわけでございまして、したがいまして、いまお話の中にございましたように、普通保険は〇・七六六五%、日歩で二厘一毛というふうなことになっておるわけでございますけれども、これよりは低い線ということは当然前提になるわけでございます。どの程度の料率にするかという点につきましては、いまの御指摘の線をも踏まえながら、大蔵当局と現在交渉を行なっておりますので、できるだけ低い線で料率を設定するというふうなことで処理さしていただきたいと思っております。
○左藤委員 大蔵省との折衝がおくれておるようでありますけれども、法律を提案される以前に、やはりこういう問題についてはもう少し明らかな見通しを立てて、公害防止保険というものの性格を明らかにしておいていただくという必要があるように私は思うのであります。早急にこの折衝をしていただいて、できるだけ低率な保険料率というふうにしていただきたいということを要望いたしておきたいと思います。 それからもう一つ、この公害防止保険の限度額が二千万円ということになっておりますが、最近のいろいろな物価高の中で、さらにまた、中小企業者と申しましても公害対策の防止施設というものは非常に金がかかると思います。そういう公害投資需要から見まして、二千万円でいいかどうか、対処できるかどうかということについての見解をお伺いしたいと思います。
○吉光政府委員 今回の公害防止保険の制度を創設するにあたりまして、限度額をどのようにきめたらいいかということで、実は各種の資料から町現実に行なわれております公害防止に対する投資がどのような規模をなしておるかというふうなことについて、調査検討をいたしたわけでございます。たとえば東京商工会議所が行なっております管内の中小企業における公害防止対策の実態という調査等から見ますと、公害関係につきましてのすでに投資されました額の一企業当たりの平均は、六百十三万円というふうな数字が出ておるわけでございます。また、今後の投資予定額というふうな線で出ておりますのが、千三百十三万円というふうな数字が出ております。また、中小企業庁で行なった調査におきましても、大体それに似たような数字が出ておるわけでございまして、そういう観点から、二千万円程度というふうなことで適当ではないかというふうに考えたわけでございます。また、現在、中小企業金融公庫で公害防止関係につきましての金融をいたしておるわけでございますけれども、その中小企業金融公庫の四十四年度の平均値で見ますと、おおむね千七百万円。これは金融公庫に参りますのは、中小企業の中でも少し大きい規模のものが参る関係で、平均が千七百万円というふうに上がっておるのだというふうに考えております。また、三十二の信用保証協会で公害関係の保証を現在行なっておるのでございますけれども、その一件当たりの保証金額の平均は約五百万円でございまして、また限度額も一千万円程度のものが一番多いわけでございます。そういう意味から、いろいろの資料から判断いたしまして、二千万円というふうな限度を設ければそれで十分対処できるのではないであろうか、こういうふうに判断いたしたわけでございます。
○左藤委員 次に、今回の改正の第二の柱と申しますか、その問題は限度額の引き上げでありますが、この今回の改正におきまして、現行の四種の保険の中で、普通保険と特別小口保険の二種類だけ引き上げようということで、いわゆる無担保保険と近代化保険につきましては引き上げが行なわれておりません。それぞれの利用実態から考えて、こういったものを引き上げる必要がないのかどうか。あるいは、利用度が近代化保険あたりは少ないというふうに聞いておりますが、それはどういう理由なのか。こういった点も明らかにしておいていただきたいと思います。
○吉光政府委員 今回の改正におきまして、二つの保険の種別につきまして限度額の引き上げを行ない、他の無担保保険、近代化保険の二つは引き上げをいたさなかったわけでございます。どの種別についてどのように引き上げを行なうべきであるかという点につきましても、実はいろいろの資料を集め、その資料に基づいて検討を加えたのでございます。 まず無担保保険でございますけれども、その現実の利用状況を見てまいりますと、一件当たりの平均金額は約八十万円でございますけれども、ただ一企業者当たりの平均利用口数が二・三というふうになっておりますので、それをかけ算いたしますと、一中小企業者当たりの利用の額というものは約二百万円程度というふうになっております。また、無担保保険の利用層とおおむね同一の利用層でございます国民金融公庫によります無担保貸し付け、この推移を見てまいりましても、これは限度が三百万円でございますが、大体一件当たりの貸し出し金額は約九十万円というふうになっておるわけでございまして、したがいまして、今回はこの限度額の引き上げにつきましては見送りをさせていただいた、こういう事情でございます。もちろん無担保保険と普通保険は併用できるわけでございます。そういう意味から、今回、普通保険の限度を引き上げることによりまして、中小企業者の資金の借り入れは大いに推進されるものになるというふうに考えておるわけでございます。 それから近代化保険でございますけれども、これは中小企業金融公庫で近代化促進貸し付けというふうなものをやっておるわけでございますが、この実績によって見ますと、一件当たりの平均貸し付け金額は千六百万円というふうになっております。それらの事情から判断し、あるいはまた、近代化保険の四十四年度付保実績、これを金額別に見てまいりましても、全体の八八%というものは二千万円以下の付保によって占められておるというふうな状況等を判断いたしまして、これも当面の問題といたしましては、引き上げにつきまして、一応これを現行のままでいいのではないであろうか、こういうふうに判断いたしたわけでございます。 なお、この近代化保険の利用があまり行なわれておらない、それはどういうところに原因があるかというふうな御指摘があったわけでございます。いろいろの理由があろうかと思うわけでございますけれども、まず近代化関係、この近代化保険につきましての対象が法律で厳密に限定されております。と同時に、この限定された対象の事業につきましては、御承知のとおり、他の近代化促進のための貸し付けが、中小企業金融公庫から、あるいはまた中小企業振興事業団から、それぞれ行なわれておるわけでございまして、そういう他の手段で出ておる金融面というものが相当あることも、この保証利用がわりあい低いということの原因にもなっておるのではないであろうか、このように考えます。
○左藤委員 公害防止保険の創設なり、あるいはこの付保限度額の引き上げということは、私は時宜に即した適当な措置である、このように考えるものでありますけれども、しかし、制度はできましても、それが十分実行、運用がはかられなければ何にもならないのでありまして、今回この制度を創設し充実するという中にありまして、その裏づけになります信用保証制度に対します財政措置をどのように講じておられるか。また、この財政措置に関連しまして、共同証券の残余金の一部が、融資基金と同じような性格のものとしてこの保証協会に貸し付けられるということになっておるように聞いておりますが、このような融資基金というものが毎年毎年一つの安定的な資金として今後も利用されていくであろうかどうか、この辺についての見通しをお伺いいたしたいと思います。
○吉光政府委員 まず財政措置についてのお答えでございますけれども、本年度は、御承知のとおり融資基金といたしまして七十五億、それから保険準備基金といたしまして四十億の出資を行なっておるわけでございますけれども、明年度におきましては、融資基金につきましては七十億、準備基金につきましては四十億という出資を行なう予定にいたしておるところでございます。今年度に比べまして、融資基金につきましては五億円だけ減っておるわけでございます。 実は、これがいまお尋ねございました他の財源との関連であるわけでございまして、御存じのとおり、共同証券株式会社が解散をいたしました。それに伴ないまして相当残余金があるわけでございますけれども、そのうちの相当額、現在約九十五億円というふうに予定されておりますけれども、この九十五億円が信用保証協会に対しまして貸し出される予定でございます。しかも、これは条件といたしまして、政府が出資いたしております保険公庫が、各保証協会に対して融資いたしますのとほぼ同じ条件で融資をするということになるわけでございまして、したがいまして、実質的には融資基金の額がそれだけ増加されたと同じ効果を持つことになるわけでございます。したがいまして、これを含めて考えました場合には、実質的に非常に大きな量が一時に融資分に回るということになるわけでございます。 ただ、いまもお話しございましたように、これは、政府が直接出資をいたしておるという金と違いまして、民間資金でございますので、安定性を欠くのではないか、こういうふうな御批判もあろうかと思うわけでございますけれども、せっかくこの金がこういうふうな向きに向けられましたこと、これはこの財団のほうでも、こういうふうな中小企業の信用保証協会に出資するということが、中小企業のために必要であり、同時にまた国民経済発展のためにも必要である、こういう御認識のもとにこういうところに融資をされるということになったわけでございますので、したがいまして、事業の目的の観点から見ましても、容易にこれを引き出されるということはないのではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、特にこの点は非常に重要な問題でございますので、大蔵当局ともよく相談いたしまして、これが安定的な資金であるように、相協力してその方向で努力をいたしてまいりたいと考えております。
○左藤委員 いまお話しのように、そういう財政的な裏づけ措置というものを十分配慮していただきたいと思うのでありますが、特にことしは、きのうの新聞にもありましたように、日米繊維問題で一つの輸出自主規制に関します宣言が、繊維業連盟でも大局的な立場から行なわれました。そうしまして、実際に影響を受けます業界の中では、特に中小企業の繊維業界が深刻な影響を受けるでありましょうし、家庭用電気製品とか、そういったものについても、最近のいろいろな不況の問題を一番まともにかぶると申しますか、そういうのは、私はやはり中小企業であろうと思います。そういった点で、公害防止保険の創設とあわせて、そういう資金需要がますますふえてまいります点を、十分弾力的に対応できるような形で措置をはかっていくように努力していただきたいということを、まず要望申し上げておきたいと思います。 それから次に、この三条の一項の点で、これは法の改正の第三点と申しますか、保険対象金融機関を政令で定めるというふうに改正したいということでありますが、この理由と、それから政令でどのような金融機関が指定されることになるかを、お伺いしておきたいと思います。
○吉光政府委員 現行法におきましては、この対象金融機関につきまして、法律で限定的に列挙いたしておるのでございますけれども、だんだんと経済情勢の進展が激しくなってまいりまして、対象金融機関を必要に応じて追加してまいるという機会も多くなってまいるのではないであろうかと思うわけでございます。そういう意味で、実は現在法律で規定されております金融機関は、そのまま政令に指定されるわけでございますけれども、さらに加えまして、いまさしあたりすぐに追加いたしたいと思っておりますのは、例の信用協同組合連合会でございます。信用協同組合はすでに指定されておりますけれども、連合会が指定されておりません。ところが連合会からも中小企業者に対する金融が行なわれておる、こういう状況でございますので、さしあたりこの連合会を追加指定いたしたいというふうに考えておるわけでございますけれども、なおさらに、昨今の状況から見ますと、他の金融機関につきましても追加して指定する必要があるのではないかと思われるような機関もあるわけでございます。したがいまして、そういうふうなものにつきまして時を失せず追加指定をしていくというふうなことにさしていただきたいということで、政令に委任さしていただくということにいたしたいと思っておるところでございますけれども、これと同じような制度でございます、農業信用保険でございますとか、あるいは中小漁業融資保証保険制度でございますとか、こういうような制度におきましては、対象金融機関を政令で定めて、そして弾力的に対処するというふうなことになっておりますので、それらの農業あるいは中小漁業の関連と同じような関係にさしていただきたいというのが、この提案の理由でございます。
○左藤委員 一問だけ大蔵省の銀行局の方にお伺いいたしておきたいと思います。 信用保証協会の保証がある場合には、金融機関は貸し付け金の回収については全く心配がないのでありまして、当然貸し付けコストの低いものということになるわけでありますが、これに関連いたしまして、昭和四十二年の中小企業信用保険法の改正、それから今度は四十二年の中小企業信用保険公庫法の改正と、この二回のときに、それぞれ当委員会におきまして附帯決議が行なわれております。要は、この信用保証協会の保証づきの貸し出しの金利を一般金融機関が引き下げていただきたい、できるだけそういう努力をしてほしいという趣旨の附帯決議が行なわれてありますが、この点についてその後どのような指導を行なっておられるか、そして実効がどこまであがっておるか、そのことにつきまして大蔵省の御意見をお伺いしたいと思います。
○中橋説明員 いま御指摘のように、昭和四十一年、四十三年にそれぞれ当委員会で、保証協会の保証づきの融資につきましての金利の問題が決議をなされております。それに対応いたしまして、大蔵省といたしましても、それぞれその時点のあとにおきまして、保証協会の保証づきの融資の金利を引き下げるようにという指導を金融機関にしてございます。それからさらに昨年でございますけれども、当委員会でいろいろ御議論がございまして、それに対応いたしまして、昨年の六月各金融機関に対しまして、さらに具体的に、いま御指摘のように、保証協会の保証づきの融資というものが、一般の担保の融資に比べまして、たとえば貸し倒れの点におきまして、あるいは担保を徴求する手間とか、あるいは審査の手間とかいうことについて、かなり経費の面においても節約できるのではないか、そういう面から、保証協会の保証づきの融資についての金利を引き下げるようにという指導をいたしたところでございます。あわせまして、その際、中小企業が保証協会に保証の申し込み書を出す場合に、その金利につきましては金融機関が相談に応じている、という旨の文言も付するということにいたしておりまして、私ども十分その点の指導をやっておるつもりでございます。 ちなみに、昨年の九月現在におきまして、一般の貸し出しの金利とこの保証協会の保証づきの金利とが一体どのくらいの差を持っておるのかという調査をしてございます。これも具体的に、個別的に見なければならない問題を含んでおりますけれども、平均的に申しますと、〇・三五三%、この保証づき貸し出しの金利が低くなっておるという状況になっております。
○左藤委員 この点についても、今後とも強力なる指導をしていただくことをお願いいたしておきます。 それから、この法の二条を受けまして、この法律の施行令が出ております。この第一条に、信用保険の保証対象業種というふうなものが施行令で定められておりますが、最近の経済界、産業界のいろいろな変化は非常に著しい。教育産業だとか情報産業、レジャー産業、いろいろなものが出てきておりますので、この保険法の対象にそういったものがなっておらないと思うので、こういった点について、今後拡大してそういう産業、経済の実態に合わせて指定するというようなお考えがあるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○小宮山政府委員 先生のおっしゃいますように、確かに近年、産業、経済の著しい大きな変化がございます。そういう意味でも、それに対応し得るような、新しい業種の指定対象を拡大することは必要かと思います。そういう意味でも、今後とも検討を速急にやりたいと思っております。
○左藤委員 それからもう一つ、この信用補完制度は、中小企業者の金融の円滑化という点で非常に重要な役割りを今後とも果たしていくというふうに考えるのでありますけれども、最近のいろいろな経済界の動向、産業界の動向に関連いたしまして、いろいろな新しい問題が生じてきていると思います。たとえば、公害があるからどこか地方へ転出していこうかという移転の問題、あるいはまた最近、農村のほうで、農村の振興をはかるために工業化をしていこうとかいうふうな点から、中小企業もいろいろなところで広域に活動をするようなケースが非常にふえてくるのじゃなかろうか。数県にまたがって事業活動をするというふうな形になろうかと思います。そこで、現在の信用保証協会の活動といいますか、そういったものは、一つの県ごとに、あるいはもう少しこまかくもあると思いますが、そういう形で行なわれておりますけれども、今後は、そういった点から考えまして、本社の所在地、工場の所在地、営業所の所在地というふうなことをいろいろ考え合わせて、もう少し広域的な保証体制といいますか、そういうふうなものを検討していく必要があるのじゃなかろうか、こう思いますが、今後この信用補完制度というものをますます伸ばしていくために、通産省としてどのような心がまえでこれから対処していかれるか、それをお伺いいたしておきたいと思います。
○吉光政府委員 御指摘のとおり、地域移動を伴うような、そういう関係の案件もだんだんと出てまいっておるわけでございます。したがいまして、やはりこの信用補完制度の運用の面におきましても、広域的な運用というふうなことが相当配慮されなければならない、そういう時期にだんだんとなりつつあるというふうに考えておるところでございます。 御承知のとおり、この信用保証協会の業務は、事務所の所在地ということが中心になって運用されておるのが現在のたてまえでございます。ところが、たとえば公害防止のために移転をいたしますというふうな場合には、県を異にして動くというふうなことがあり得るわけでございます。しかも、まだ本社と支店の関係というふうなことであれば、それぞれの所在する県の保証協会が利用できるわけでございますけれども、あげて他の地域のほうに移転する、こういうふうな場合も出てまいるわけでございます。そういう場合の扱いにつきまして、実は現在、そういうふうな相談はいずれで受けてもよろしいというふうなことにいたしておるわけでございますけれども、ただ単純に両県の信用保証協会の協力的な体制というだけでは済まされないような面も出てくるかもしれないというふうな状況でございますので、したがいまして、そういう場合に信用保証協会が利用できないということになっては困るわけでございますので、そういう点につきまして、さしあたりは各県信用保証協会の相互の協力体制ということで処理してまいりたいと考えておりますけれども、必要があれば、保証協会の定款その他につきましてもさらに慎重に検討してみる必要もあろうかと思っておるところでございます。 なお、一般的な保証制度につきましての心がまえと申しましょうか、そういう観点についてでございますけれども、信用補完制度が現在果たしておる役割り、また将来果たさなければならない役割りの重大性を考えますとき、やはり質量ともに拡充さしてまいるという方向で努力をいたしたいと考えます。
○左藤委員 最後に、いま長官が述べられましたような方向でひとつ格差是正というふうなことも含めまして、中小企業信用保険の信用補完制度として果たしておる基本的な役割りを十分発揮できますように、今後とも配意して運営していただきたいということを要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○八田委員長 近江已記夫君。
○近江委員 いま左藤委員のほうから非常に法案の問題点につきましていろいろと質問があったわけでございます。時間の関係もありますので、できるだけ重複を避けて質問をしたいと思っております。 まず初めにお伺いしたいのは、政府といたしましても、公定歩合の引き下げとかいろいろなさっておるわけでございますが、中小企業等につきましては、なかなかその効果が出てこない、こういうことで二十四日の分科会で、私がその対策をどうするかということを御質問いたしました。そのときに、三金融公庫のワクの拡大とか、あるいは融資資金を拡大するとか、いろいろなそういう答弁があったわけでございますが、しかし金額的な面にまでは具体的には答弁がなかったわけでありますが、その後、中小企業庁としてはどういう対策をとられたか、まず初めにお伺いしたいと思います。
○吉光政府委員 二月の二十六日に最終的な決定をいたしたわけでございますけれども、年末金融措置はございますけれども、年度末につきまして金融の特別措置をとったことはかってなかったわけでございますが、昨今の景気情勢、金融情勢等を判断いたしまして、貸し出し規模の拡大その他、に踏み切ったわけでございます。 具体的に数字を申し上げますと、まず政府関係中小企業金融三機関の貸し出しワクにつきまして、合計百九十五億円を拡大いたしております。この貸し出し規模の拡大と合わせまして、従来のワク内で、たとえば設備資金需要が鎮静化しておるために、その設備資金に充てるべく予定いたしておりました部分を、一部運転資金のほうに回すというふうな措置等もあわせ講ずることにいたしまして、約三百億円程度の資金需要をまかなえるというふうな措置をとりました。これが第一点でございます。 それからまた、中小企業金融公庫におきまして、運転資金の貸し付けにつきまして、通常、代理貸しにつきましては一千万円というのが限度額でございますけれども、この際、迅速に金融し得るというふうな道を開きますために、この限度額を二千万円にまで引き上げまして、これを代理貸しの対象にいたすというふうなことの措置をきめました。これは実は三月一日から六カ月間の臨時的な措置でございます。六カ月間の景気情勢を判断いたしてその次の問題は考えたいどいうふうに考えておるわけでございます。 それからさらに第三は、中小企業信用保険公庫の保険の引き受けワクにつきまして、当初計画に比べまして五百七十三億円を増額いたしております。 それからさらに、民間の金融機関に対してでございますけれども、これは大蔵省のほうの御協力を得まして、特に一定の地域について、あるいはまた特定の業種について問題が生じておるような場合におきましては、関係機関が相協力して問題を解決するというふうなことで、これは大蔵省のほうから、銀行のほうに、あるいはまた地方財務局のほうに、そういう意味の指示をしていただいております。なお、これに対応いたしまして通産省のほうでも、各通産局別に金融懇談会、これは、関係官庁、日銀あるいは関係金融機関も入って、金融情勢について相談する会合でございますけれども、その会合の場におきまして、現地の実態に即応して金融に遺漏のないよう早急に措置するよう指示をいたしておるところでございます。 なお、これはかねてから三機関のほうに指示をいたしておるところでございますけれども、返済条件の緩和というふうな問題につきましても十分慎重な配慮を行なうよう、これもあらためて中小企業庁として三機関のほうに指示をいたしておるところでございます。 以上が年度末金融対策としてとりました措置の概要でございます。
○近江委員 年度末融資というのはいままで一回もやったことがないが、そういう点、いろいろと配慮をされたわけであります。その御努力は非常に多とするものであります。そこで、そういう対策をとっていただくわけでありますが、大きな流れといいますか、それに対する歯どめということ、効果の波及ということは非常にむずかしい。それが証拠に、倒産がまだまだだらだらと非常に大きな規模でもって続いておるわけであります。 特に、最近非常に問題になっております佐藤造機の倒産、非常に代表的な例ではないかと思うのですが、いろいろと原因はあろうかと思うのですが、中小企業庁としては、この問題にしぼってお伺いしたいと思うのですが、倒産の原因をどのように分析されていますか。たとえば佐藤造機の場合、どういうことが原因になって倒産したか、その分析についてちょっとお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 佐藤造機が会社更生法の指定申請を行なうという情報が入りましたのは、先週の金曜日の夕方でございました。実はすぐに、どういう規模のものであるかどうかというふうな点につきまして、あるいはまた関係下請業界はどの程度あるのかという点につきまして、広島通産局長に電話で調査方を指示いたしたわけでございます。その報告が実は昨日電話で届いたわけでございますけれども、まず、いまの御指摘の倒産の原因でございますけれども、いろいろの事情が重なっておるのではないであろうかと思うわけでございまして、まず一番大きな問題といたしまして、米作調整によります農機具需要が低下してまいったということ、あるいはまた、この会社でつくっておりましたバインダー等、一部新製品に欠陥あるいはクレームが発生いたしました。そういう観点から、その回収のために要した経費、あるいはまた信用失墜から起こった問題等もあろうかと思うわけでございます。同時にまた、いろいろの経営姿勢全体の問題もからみ合っておったかと思うわけでございます。それらの要因がそれぞれ複合して、この佐藤造機の会社更生法申請という事態になったのではないであろうかというふうに推定をいたしております。
○近江委員 わが党といたしましても、この倒産問題は特に重視いたしております。三月の七日に参議院の塩出啓典議員を団長に調査団を出しました。いろいろと調査もしてきておりますが、この関係の下請業者、おもなところ五十二社の調査をいたしましたところが、全面的に佐藤造機から仕事をもらっておるというところが、一〇〇%が七社、九〇%以上が五社、八〇%以上が九社、七〇%以上が七社、六〇%以上が八社、五〇%以上が五社、そして五〇%以下が十一社というように関係の下請というのが非常にたくさんあるわけです。 そこで、最近の倒産状況をずっと見てまいりますと、原因はいろいろとあるわけでありますが、この中で連鎖倒産というのがかなりあるわけです。そういう点からいきますと、今回の影響もまた非常に大きいんじゃないか。その点を非常に心配しておるわけであります。その点、中小企業庁といたしまして、こういう連鎖倒産等についてはどういう対策をとっていかれるか。これは何も佐藤造機だけの問題ではありませんけれども、この佐藤造機の場合、関係の下請のそういう連鎖倒産についてはどういう対策をとるか、また、全般のそういう倒産による連鎖倒産、それに対する対策をお伺いしたいと思います。
○吉光政府委員 佐藤造機の関連企業の関係でございますけれども、さしあたり、いま緊急に入っております報告によりますと、一般の負債総額が約二百億というふうにいわれておりまして、そのうち金融機関関係で五十三億、したがいまして、一般負債関係が百四十七億。このうち、さらに中小企業に関連しておる負債額でございますけれども、これが千二百十六件、企業数にいたしまして、約九百の企業がこれに関連いたしておるようでございまして、その負債内訳が四十四億五千六百万円というふうになっております。これはもちろん、いまからさらに詳細な調査が行なわれますので、金額的にある程度の変更もあり得るかと思いますけれども、相当大きな規模での問題でございます。 したがいまして、実はこの通産局からの報告に基づきまして、至急、信用保険法上の倒産関連保証の指定手続を進めたいというふうなことで、現在その手続をとりつつある状況でございます。おそくも十一日、明後日あるいは十二日、これぐらいをめどにいたしまして、できればそれより早くというつもりでおるわけでありますけれども、官報掲載の手続等の関係もございますので、一日も早くそういう倒産関連保証の適用を受けるようにいたしたいというふうに考えておるのが第一点でございます。 それから第二点は、すでに政府関係三機関に対しまして、この関連企業につきましての金融面での手配その他、既存の債務等についての慎重な配慮方——これは返済条件その他の緩和の問題でございますが、等につきまして口頭で指示いたしております。なお、現地におきまして、広島の局長は現在財務局とも連絡をとっておりまして、地元金融機関の協力の体制を現在協議いたしておるというのが現状でございます。
○近江委員 中小企業の体質改善等につきまして、政府としてもいろいろと苦慮され、配慮されておると私ども思うわけでありますが、いずれにいたしましても、たとえばこの佐藤造機の場合でも、特に島根県あるいは鳥取、その辺に与える影響は非常に大きなものがあるわけであります。地域全体の大きな社会問題になっている。こういうようなことを考えていきますと、ほんとうに政府は一体となったそういう対策をとるべきではないか、このように思うわけであります。 そこで、私はいつも申し上げておるのですが、全体の非常に大事な問題として、金融の問題とか、労働力の問題とか、あるいは税制の問題とか、いろいろあるわけですが、金融の問題が中小企業をささえる非常に大きな柱である、このように思うわけです。たとえば中小企業に対する政府系三金融機関の占める割合は、このデータで見ますと、四十四年の九月末では約九・三%、全国銀行が四四・九%、その他の相互銀行や信用金庫あるいは信用組合等が四五・七%、こういうような状況になっておるのですが、中小企業は、優等生は別として、民間の金融機関からの資金の調達が何といっても非常に困難なわけです。そういうわけで、公的機関の貸し出しの増大により資金の供給を大幅に行なっていく必要があるのではないか。政府系の貸し出しワクの決定というものは、公庫に対する政府の出資額あるいは財投の投融資額による結果というものになってくるわけですが、そのために政府の財政投融資からの支出、現行大体一四、五%と聞いておりますが、これを少なくとも三〇%ぐらいに引き上げる、そして貸し出しワクの拡大をはかっていく、こういう必要があるのではないかと思うのですが、これについては長官としてどのように思われますか。
○吉光政府委員 政府三機関の持っております中小企業金融に占めるシェアは、先ほど御指摘ございましたように、四十五年度末におきましては九・五%のシェアということになっておるわけでございまして、少しずつそのシニアは拡大をいたしておるというのが現状でございます。もちろん、これで十分だというふうには考えておらないわけでございます。来年度の財投計画におきましても、貸し出し規模につきまして本年度の一八%増というところで組んでもらっておるわけでございます。財投だけで見ました場合の伸び率は、この三機関関係で一八・八という伸び率でございますけれども、もちろんこれで、先ほどもお答え申し上げましたように、十全であるというふうには考えておらないわけでございますが、ただ、この貸し出し規模につきまして、さらにこれで需要が充足されない、そのときどきの経済状況によりまして、これで不十分であるというふうな場合には、毎年やっておりますように、年末の追加財投というふうなもので弾力的に対処いたしておるところでございます。したがいまして、そこらの実際の経済の実態等とにらみ合わせながら、こういう政府三機関の持っておる役割りというものを十分に発揮できますよう配慮をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○近江委員 長官も非常に御努力をされております。私もよく知っております。しかし、政府としてもっともっと、いま長官が希望をお述べになったわけでありますが、その方向に沿って力を入れてもらわなければ困るわけです。そういう点、きょうは小宮山政務次官も来られておりますし、今後、特に何といっても通産省が、佐藤総理あるいは大蔵省にも強力にそれを進言してもらわなければ困るわけであります。その点どのようにお考えか、政務次官にひとつお聞きしたいと思います。
○小宮山政府委員 先生のおっしゃいますように、経済状況もたいへんきびしい、また変化の激しい時代でございます。一部の中小企業が転換せざるを得ない、あるいは廃業しなければいけないというような問題もございますし、また生産性を伸ばすために、大企業と同じようなコストでやっていくためには設備投資もしなければいけない、そういういろいろな時代要請を受けておる中小企業としては、やはり金融問題が一番大きな問題かと思います。私もいま国会に提出されております予算案が十分なものであるとは思っておりません。中小企業はもっともっと資金を要求するであろうということも承知しております。しかし、いま長官が申しましたように、制度的な運用を円滑に、またうまくやることによって、その中小企業を助けるということをしなければいけないのが現実かと思います。そういう意味でも、今後とも中小企業予算というものについて、また中小企業の資金については、全力をあげて中小企業がスムーズ面いろいろな発展あるいは転廃業というようなものができますよう、努力する覚悟でございます。
○近江委員 それから、中小企業金融公庫等は代理貸しになっておるわけでありますが、いまだに私もちょくちょく聞くわけでありますが、歩積み両建ての悪弊というものが残っておるわけであります。この点、私は直貸しの制度というものをもっと大幅に拡張すべきではないかと思いますし、さらに関係金融機関につきましても、こういう歩積み両建ての悪幣等につきましては、強く政府からその辺を取り締まってもらわなければ困るのじゃないか、このように思うわけです。さらに、全般に貸し出し利率の引き下げを努力してもらわなければ困ると思うのです。この点がまだ非常に微々たる前進の姿しかないわけでありますし、この点、長官としてはどのようにお考えか、ひとつお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 歩積み両建ての問題につきましては、かねてより大蔵省ともよく連絡をいたしまして、その取り締まりにいろいろと配慮を払ってもらっておるところでございます。 ところで、いまの代理貸しの問題でございますす。中小公庫の直貸しの分野はだんだんと上がりつつあります。傾向として、直貸しの方向に向かいつつあるわけであります。ただ、直貸しと代理貸しとを考えました場合に、窓口に近いところの銀行、自分の常に取引をしておる銀行で金融を受けたいというふうな方も、またあるわけでございます。そこにまた代理貸しの非常にいい点と申しましょうか、迅速に機動的に貸し付けができるというふうな面もあるわけでございまして、そういう中から直貸しのほうの案件がだんだんふえておりますのは、結局、資金需要がだんだんと大口化しつつあるということの一つの証左でもないかと思うわけでございますけれども、ともあれそういう方向に現在進んでおるところでございます。そういう点、ただ、代理貸しであるがゆえに歩積み両建てというふうなことになっても、これまた困る問題でございますので、そういう歩積み両建ての取り締まり問題につきましては、今後とも大蔵省と緊密な連携を保ち、そういうことのないよう努力を続けてまいりたいと考えます。
○近江委員 それから、いまお聞きした問題で一点抜けておるのですが、貸し出し利率の引き下げの問題でありますが、これについてはどういうように具体的に努力を払っていただいておるか、お聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 失礼いたしました。貸し出し金利一般の問題でございますけれども、貸し出し金利一般の率を下げてまいるということは、現実の状況から判断いたしますと、非常にむずかしい問題が多かろうかと思うわけでございます。したがいまして、いまやっておりますのは、政策意図からいきまして特に重要な問題であるというふうな、そういう事項につきまして、特利というふうな制度を設けて運用いたしておるところでございます。しかも、その特利制度の中に入っていきます事項が年々増加をいたしておるというふうな状況でございまして、そういう特別に重要な事項につきましての特利制度を運用することによりまして、そういう金利の引き下げ問題に対処してまいりたいと考えます。
○近江委員 それから、信用補完制度というものは、非常に中小企業をささえる大きな柱になっておるわけであります。本来、社会政策的な意味を持つものではないか、私はこのように思うわけですが、そういう意味で、担保もないような中小企業への信用保証を目的としておるわけであります。ただ、実際の運用の面を見ますと、担保があって安全確実な企業にどうしても保証する傾向がやはり強いわけであります。そういう点で、やはり本来の目的からすれば、無担保のそういう中小企業に対しても、その保証の拡大をさらに大幅にやっていただかなければ困るわけであります。その点、目的は非常にいいわけでありますが、実際の運用の面ではそういうような実態があるということであります。その点、長官として非常に悩んでいらっしゃるとは思うのでありますけれども、どのように今後さらに力を入れていただくか、ひとつお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 信用補完制度が社会政策であるか、経済政策であるか、いろいろの議論があろうかと思うのでございますけれども、基本的にはやはり経済政策の一つの柱として補完制度を導入いたしておるところでございます。ただ、いま御指摘ございましたような、特別の小規模零細層というふうなものに対します特別小口保険というふうなことになってまいりますと、そこらの限界というふうなことはきわめてあいまいになっておる面もあろうかと思うわけでございます。信用保証制度を、原則として経済政策であるというふうな、そういう立場でながめました場合に、たとえばいまの保証のやり方等につきまして、通常の金融機関が要求いたします担保と違った形、要するに幅広く担保——後順位抵当であれ、あるいはまた対人信用であれ、要するに、いろいろの幅の中で保証を求めてまいるというふうなことが、保証協会の特徴であろうかと思うわけでございます。 したがいまして、たとえば普通の金融機関で十のものを六の値打ちでしか担保として見ないというふうな場合に、十のものを十として見るというふうなこと、これは実は中小業者にとりましては大いに役に立つことになるわけでございます。そういうふうな問題、あるいはまた、非常に、後順位の抵当権であっても、それでけっこうだというふうなことで、そういう意味での選別を金融機関ほど厳密にやらないというふうな問題もあろうかと思います。ともあれ、そういうふうな制度の運用によりまして、中小業者の要求する資金需要にこたえてまいるというのが、この骨格であろうかと思うわけであります。 だんだんとこの保証需要はふえてまいっておりまして、件数別の浸透件数でまいりますと、中小業者全体の件数に対しまして大体二〇%強。したがいまして、五人に一人というふうなものはこの信用保証協会を利用しているというふうなところまで、件別におきましては浸透をいたしておるところでございます。これだけ利用されております信用補完制度でございます。したがいまして、ますます利用がしやすくなるよう、そしてまた、それに対する融資業務が円滑に行なわれますよう、いろいろと財政面での助成を保険公庫を通じて強化いたしておるところでございます。今後ともそういう方向で努力をいたしてまいりたいと考えます。
○近江委員 昨日は繊維業界が一方的に自主規制ということを宣言したわけであります。そうなってきますと、当然この救済問題ということが非常に大きな問題になってくるわけでありますが、その救済につきまして、特に中心になっていかれる通産当局として、また政府全体として、どういうように今後なさっていかれるつもりか。まず全体として、小宮山政務次官にできるだけ具体的にその対策をお聞きしたいと思います。そしてなお、特に中小企業が繊維業界には非常に多いわけでございまして、その中小企業については、長官としてどういう救済措置をとっていただけるか、これもできるだけ具体的に御答弁を願いたいと思います。
○小宮山政府委員 昨日、日本繊維産業連盟が対米繊維輸出に対する自主規制宣言をいたしました。日本の繊維業界をどういうふうに救済していくか、これはいろいろな面がございます。輸出の伸びワクを押えるのでございますから、まず織機類をどうするんだという問題、それから金融面をどうするんだという問題、あるいは製品をどうするんだという問題、それから対米輸出に対していく場合にどういうふうな——方法論によってこれも事態が変わってくるかと考えております。そういうようなことで、その辺を勘案いたしまして、政府部内で急遽この対応策についても考えようではないかと、いま盛んに検討をしているところでございますので、いますぐどういうふうにするということが申し上げられないのは残念でございます。
○吉光政府委員 繊維の関係につきましては、御承知のように、特繊法に基づきます構造改善の促進策というふうなことにつきましては、中小企業振興事業団のほうで一緒に事業計画を促進いたしておるところでございますし、同時にまた、他の輸出縫製品その他の品種につきましては、近代化促進法の特定業種として指定いたしまして、構造改善を急いでおるところでございます。これらの構造改善計画に対しまして、いまやられようとする自主規制がどういう影響を及ぼしていくものか。また、自主規制措置の内容によりまして、どういう意味での別の援助手段を考えたらいいのか。そういう点につきましては、実はこれは担当が繊維局でございますので、繊維局のほうでもいろいろ御検討をいただいておると思います。したがいまして、それらの成案が出ます段階で、私どもも積極的に協力をいたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 政府としても真剣に取り組まれるという姿勢はよく理解できたわけであります。しかし、何といっても中心はやはり通産省がなっていらっしゃるわけでありますし、少なくとも、どういう方向でそれを救済するか、その筋は大体もう政務次官もお考えになっていらっしゃると思いますので、その辺のところをひとつお聞きしたいと思います。
○小宮山政府委員 繊維産業連盟のほうの希望もございますので、われわれ通産省としても、その点は十分打ち合わせていかなければいけない。自主規制の問題についても、速急にきまった問題でございます。また、繊維産業各業界の中での問題もこれありますので、その点を勘案して、真剣にやっていきたいと思っております。
○近江委員 なかなか具体策が聞けないのが非常に残念であります。 そこで、またちょっともとに戻りますが、全体にてん補率の引き上げをすべきではないか、私はこのように思うわけです。大体七〇ないし八〇%ということになっておりますが、やはり平均九〇%ぐらいは早急にやっていただくべきではないか、このように思うわけであります。さらに、保険料率の引き下げについても格段の努力をしてもらわなければ、現在の情勢からしてまずいのじゃないか、私はこのように思うわけでございますが、長官としてはどのようにお考えでございますか。
○吉光政府委員 御承知のように、現在一般に原則としててん補率七〇%、ある特例の場合にのみ八〇%という制度がとられておるわけでございます。てん補率を上げるというふうなことになりますと、御承知のとおり、保険関係というものは、あくまでも独立採算制度に乗るものという前提で保険制度が採用されておるわけでございまして、てん補率を上げました場合におけるいろいろの影響というふうなことも、さらに考慮してまいらなければならないのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 ところで、現実の問題といたしまして、実は、てん補率七〇、そして例外の場合に八〇という現在の制度が発足いたしましてすでに相当になるわけでございますが、その間におきまして、信用保証協会のほうの——これは御承知のとおり、信用保証協会と国ないし保険公庫との関係になるわけでございますけれども、信用保証協会の体質がだんだんと強化されてまいっております。てん補率が低いがために、たとえば七〇%であるがために信用保証協会の体質が虚弱であるというふうなことでございますと、これは相当問題であるわけでございますけれども、信用保証協会の体質がここ数年の間に相当強くなってまいっております。そういう点から考えまして、さしあたり現在の段階におきますいろいろな諸元から判断いたしますと、てん補率は現在の状況で一応妥当なところではないであろうかというふうな判断をいたしておるわけでございます。 それから、第二の御質問の料率の問題でございますが、保険料率及び保証料率、両方の関係があろうかと思うわけでございますが、最終的には、一番中小業者に直接響きますのは保証料率の関係でございまして、保険公庫と保証協会との間の契約によります保険料率は、むしろこれによりまして保証料率の方向を定めると申しましょうか、特別の制度的必要に基づいて特別に安い保証料率を保証協会も適用してもらいたいというふうに考えますものにつきましては、保険料率も安くしてまいるという基本方向で扱っておるわけでございまして、現実の保証料率のほうの関係はだんだんと安くなってまいっております。この数年間だけで比較いたしましても、全体として相当安くなっておるわけでございますが、なお、それらの保証料率を引き下げますための財政的な支援といたしまして、信用保険公庫が、特に料率の高い県の保証協会に対しまして、融資基金の運用によりまして、料率を引き下げさせるというふうな努力をいたしておるわけでございまして、こういう努力は将来とも続けてまいりたいと考えます。
○松平委員 関連して。さっき中小企業庁長官が、金融の問題について担保の問題に触れたので、ちょっとこの際聞いておきたいのですが、中小企業金融公庫、国民金融公庫、これは担保の設定のときに、登記料、つまり収入印紙ですね、これは全然無税であります。実はGHQが来る前は、商工中金も同様にこれは無税だったのです。ところがアメリカが来てから、これは全額国庫ではない、半官半民だというので、アメリカの命令によって無税でなくなったわけです。その後われわれが、商工中金も国民金融公庫なりあるいは中小企業金融公庫と同じようにしろというので、最近は緩和されてきているけれども、保証協会については九八%が都道府県の金であります。あとの二%ぐらいが金融機関なんです。そして、一番困っている者が、保証協会に行って保証を取りつけて、そして金を借りなければならないが、保証協会に担保を出す場合には、印紙税、これを払わなければならない。こういう不合理が今日ずっと続いてきているわけです。一番困っている者からよけいに税金を取るというこの制度、これは中小企業庁もいままで知っているはずなんだけれども、どういうことを大蔵省と折衝してきたのか。どうして今日までこの問題が解決しないのか。そしてそのことは商工中金については、どういう手続で、どの程度今日は緩和されてきたか、これを明らかにしてほしい。
○吉光政府委員 信用保証協会の抵当権設定にかかりますところの登録免許税の減免問題についての御指摘でございます。実は商工中金につきましては、二年前から、千分の四をとっております登録免許税につきまして、これを千分の一というふうな免許税にまで軽減をいたしたわけでございまして、本年度で期限切れになりまして、さらに来年度も引き続きその期間の延長というふうなことで、千分の一の制度がそのまま続くことになっております。それから信用保証協会のほうでございますけれども、これも実は今回の税制改正におきまして、商工中金並みの扱いを受けることになったわけでございまして、従来千分の四払っておりました登録免許税を、千分の一というふうなことに減免の措置がとられることになりまして、これは税法のほうの改正問題として、現在御審議をいただいておるところではないかと考えます。
○松平委員 十年以上もかかってようやくそういうことになってきたわけなんだが、もう一つこの際お聞きしたいのは、保証協会で担保をとるという行き方、慣行というものと、それから、保証協会で保証はつけてやるけれども担保は銀行でつけろ、いわゆる関西方式と関東方式というものが保証協会には慣行として行なわれておるのだが、それを通産省はどうして全国一律の方向にしないのか。したほうがいいのかどうかということについても、もっと研究したらどうか。関西方式だ、関東方式だといって、違った慣行が今日保証協会については行なわれておるわけですが、その点についてはどういうふうに考えられるか。
○吉光政府委員 確かに関西方式、関東方式という二つのタイプがあるようでございます。いまの関西方式の場合におきましては、いま御指摘がございましたように、信用保証協会が保証をいたします場合に、必要であれば抵当権を設定するというふうな事務手続は信用保証協会のほうでやり、保証したものについてはそれをそのまま金融機関のほうに保証として届ける。関東の場合にはその逆の保証でありますけれども、その保証の条件として、抵当権設定その他については金融機関のほうでやるというふうな仕組みでやっておるようでございます。長年の慣行、あるいはまた保証協会の審査能力の不十分といいましょうか、充実が足りなかったといいましょうか、そういう保証協会側の問題それから長年の保証協会と金融機関との間の慣例というふうなことで、こういうふうな二つの制度が育ってまいったと思うわけでございます。 私ども、実はどちらがいいかというふうな話になりますと、むしろ保証を受ける中小企業者側のほうから見た場合には、関西方式のほうがより利便ではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、全体的な指導方針といたしましては、関西方式的な方向でやっていけるよう指導をいたしておるところでございますけれども、御承知のように、何ぶんにも長年の慣例であるというふうなことで、なかなか進捗がはかばかしくないのが現状でございます。ただ、先ほどもお答え申し上げましたように、登録免許税につきまして、さしあたりすぐに千分の三の差が出てまいるわけでございます。銀行であれば千分の四の普通の登録免許税をとられる、保証協会であれば千分の一でよろしいというふうなことに、税制の恩典が変わってまいるわけでございます。そういう観点から見ましても、早急に関西方式のほうに全体の姿勢を整えてまいるということが必要であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう方向でさらに強力に指導をいたしてまいりたいと考えます。
○松平委員 その方向が私もいいと思っているのです。税制の改革によってその方向の基礎ができたと思う。そういう方向で全国一律の慣行というか、そういう方向に都道府県を指導してもらいたい。 それからもう一つ、かねてから問題になっておるのは、保証協会を経て保証料をとられる、保証協会は保険公庫に保険料をとられる、こういう制度になっている中で問題は銀行の利息なんです。保証をつけているのは、一面においては、保険という制度があって、国がこれを保護しておるという一つの制度になっておるにもかかわらず、銀行が普通と同じ利息をとっておる。保証をしている上に貸すのだから、一番安心して貸さなければならぬのに、普通と同じ利息をとっておるこのやり方というものは、それでいいのかどうか。つまり保証料だけ利息を免除するというか、軽減するということを法律で規定してみたらどうかということをわれわれかねてから言っておるけれども、利息の制限法その他においてこれをやることもできない。したがって今日は、保証協会連合会と、東京都なら東京都における保証協会と、それぞれの中小企業の金融機関と話し合いをして、そして保証をかけたものについては二分なら二分、三分なら三分利息をまけるというやり方を、東京その他でやっているところがあります。これをもう少し制度化していってみたらどうか。保証をしたものについては銀行もそれだけ利息を安くしてやる、こういう姿勢を中少企業庁はとらなければならないし、また、その方向で大蔵省と折衝をしていかなければならないと思う。この問題については、従来どういうやり方をやってきたのか、今後どうするつもりであるのか、これをひとつ聞かしてもらいたい。
○吉光政府委員 保証つき融資につきましての金利の問題でございます。先ほども、御質問に対しまして大蔵省のほうからお答えがあったわけでございますけれども、こういう点につきまして、よくないことである、すみやかにやめるべきだというふうな御意見を附帯決議の形におきまして二回いただいておるわけでございます。この実行方につきまして、私どもといたしましては、金融機関を監督しておられる大蔵省のほうと常に密接な連絡をとっておるわけでございまして、ごく最近でございますと、昨年の六月十六日付で銀行局長から、「信用保証協会の保証付貸出の金利引下げについて」ということで、決議の線に沿いました方向で各金融機関に対して努力を要請いたしたわけでございます。その際、私どものほうでも、この金融機関に対して出しました通達とうらはらの関係になるわけでございますけれども、保証つき貸し出し利率については金融機関において相談に応ずるというふうな旨の文言を、保証申し込み書の中に記入いたすことにしておりまして、現に保証協会のほうで、保証申し込み書にそういう文言を明記することについて実行いたしておるところでございまして、中小企業者のほうでそれをよく知らないということがあったら困るというふうな観点から、申し込み書のほうにもそれを明記するという方向で現在指導いたしておるところでございます。御指摘のように、これは非常に重要な問題でございますので、私どもも大蔵省とも常に緊密な連絡をとりながら、保証つき融資の金利の引き下げ問題については積極的に努力いたしてまいりたいと考えております。
○近江委員 今回、公害防止保険制度というものができるわけでございますが、現行制度を見てきますと、中小企業の公害防止助成制度というものはいろいろあるわけでありますけれども、この融資実績から見ましても、それほど利用されておらない。これはこの融資条件あるいは手続が非常にめんどうなためではないか、このように思うのですが、それについての改善対策はどのように考えておりますか。
○吉光政府委員 現在、融資をいたしております機関は、先ほどもお答え申し上げたところでございますけれども、公害防止事業団、中小企業金融公庫、国民金融公庫、中小企業振興事業団、いろいろあるわけでございます。公害防止事業団のほうには申請が相当殺到いたしておるというふうなお話を伺っております。いままで、そういう点で一番御批判をいただいておりましたのは、中小企業金融公庫ではないかと思うわけでございます。中小企業金融公庫につきましては、歴年の公害防止施設関係の貸し出し額が約二億円程度ということで推移いたしておったわけでございますが、御承知のとおり本年度は十五億円組んでございますが、昨年の四月から十二月までの間に、実績といたしまして大体四億五千万円程度がすでに貸し付けられておるわけでございまして、従来のベースに比べれば、伸び率は相当高くなっておるわけでございます。ただしかし、これは十五億円というワクに対して四億五千万円ということでございますから、十五億全部を消化できるかどうかという点につきましては、まだ問題が残っておるわけでございます。 実は、この十五億を来年度はさらに四十億まで高めるわけでございますけれども、そういう手続面における障害が原因となっては困るという意味で、中小企業金融公庫との定例会合等におきましても、この問題についてよく議論をいたし、原因の究明を行なっておるところでございます。 原因につきましてはいろいろあろうかと思います。中小企業金融公庫が公害防止のための専門金融機関でないということから、他の一般設備案件と同じような感じで公害防止金融を扱うということになりますと、やはり審査に相当長期を要するというふうなことになってくる面もあろうかと思います。仕事に従事しておる人の一つの認識の問題と申しましょうか、公害防止案件に対する処理の心がまえの問題と申しましょうか、そういう点につきましてさらに一そう努力してもらうことがまず第一に必要であろうかと思います。 それから第二の問題といたしまして、手続面につきまして、必要以上の書類をとっていないかどうか、こういう点につきましてもさらに厳重に再検討いたしたいと思っておるわけでございますが、さしあたりの問題といたしまして、融資いたします場合に、公害防止施設が必要であること、また得ようとするものが公害防止施設であることというふうな意味での都道府県知事その他の証明書を一応添付することになっております。この事前につけます証明書につきましては、できるだけこれをやめまして、むしろ事後に確認のために出すと申しましょうか、事後手続に改めるというふうなことにすれば、手続関係も相当簡素化されるのではないであろうかという感じがいたしております。同時に、これは、事前にそういう国の機関、都道府県の機関の証明をとるということになりますと、事業者のほうはともすると、そういうところに足を運ぶことがおっくうになるというふうな精神的な面もあるようでございます。そういう意味から、この中小公庫のせっかく設けましたワクが完全に消化され、むしろ私どもの希望といたしましては、そのワクでは足りなくて、年度間であれ、さらに増ワクするというくらいにまで消化されることを期待いたしておるわけでございますので、そういう手続面その他におきます不合理性につきましては、できるだけ早く改めてまいりたいということで、現在努力をいたしておるところでございます。
○近江委員 それから、中小企業の公害防止をはかっていくために、特に技術の開発面、指導面の対策が非常に重要じゃないか、このように私は思うわけですが、その点、今後、四十六年度予算においてどういう具体的な対策をとっておられるか、その点についてお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 御指摘のとおりでございまして、資金調達力が弱く、同時にまた技術力の弱さも持っておるわけでございます。そういう意味から、国が技術開発自身を企業にかわってやらなければならない部面も相当多いかと思います。同時にまた、技術研修その他を通じまして技術力を培養してまいることが必要な面も出てまいろうかと思うわけでございます。 そういう点につきましては、まず技術開発の助成でございますけれども、これは中小企業庁のほうで所管いたしております技術関係補助金があるわけでございます。これは中小企業者が自分で研究開発いたしますその資金の補助をいたすわけでございますけれども、この補助金の中におきましては、テーマとして産業公害防止問題を重点的に取り上げまして、積極的に支援してまいりたい。これが第一の柱でございます。 第二は、国立あるいは公立の試験研究機関が行なっております技術開発につきまして、これは国からやはり開発補助金を出しておるわけでございますけれども、それらの中で、重点的なテーマとして公害防止技術の開発ということを積極的に選定し、またこれを採択するところに対して補助金を交付する、そういうシステムで運営いたしてまいりたいと考えておるところでございます。 さらに、この技術関係につきましては、実は昨年から中小企業金融公庫の中で、新しい技術の企業化に対しまして金融上の助成措置を講じておるのでございますけれども、そこらのテーマの選定にあたりましても、やはり公害防止技術の開発というふうなところに相当のウエートを置いてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、同じく技術問題といたしまして、この指導事業につきましては、公立の試験研究機関、これが非常に重要な意味を持っておるわけでございまして、公立の試験研究機関が、それぞれの地元、地元におきますいろいろの産業の実態に関連して、技術開発、技術指導等を行なっております。こういう公立の試験研究機関の技術指導につきまして、来年度から新たに公害防止の観点を盛り込みました施設、設備補助というふうなものをふやすことにいたしておるわけでございます。と同時に、こういう指導員自身の公害防止に関する技術研修を強化してまいるということも必要になってまいるわけでございまして、これは中小企業振興事業団の指導事業の中にそういう研修の制度を新たに設けることにいたしております。 さらにまた、こういう技術指導、技術相談にあずかる問題といたしまして、これは私ども直接所管いたしておるわけではございませんけれども、本年度から実施されました商工会議所の公害防止につきましての相談室の拡充等、これは他の部局での施策の拡充等の措置が行なわれておりますので、これらのいろいろの施策を総合的に運営いたしますことによりまして、中小企業の技術開発、技術指導というふうなことに努力を重ねてまいりたいと考えるわけでございます。
○近江委員 公害防止保険制度の新設の理由をお聞きしたいと思うのでありますが、今回のこの制度というのは、中小企業に対する公害対策の中でどのような位置づけになるかということについてお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 先ほど来お答え申し上げましたようないろいろの政府系金融機関におきまして、公害防止施設に対する資金の融資を行なっておるわけでございます。ところが、公害防止に関連いたしますいろいろな資金の需要というものは、とうてい政府関係三機関だけではまかない切れない非常に膨大なものでございます。そういう点から、実は一般の金融機関の資金を公害防止施設のほうに導入してまいりたいというのが、基本的にこの保険制度を創設したねらいであるわけでございますが、現に、こういう国の特別の保険と関係なしに創設しております保証協会の数が、現在すでに三十一あるわけでございます。こういう保険関係をさらに締結できることにすることによりまして、これらの保証協会でやっております公害防止保証の業務を円滑に進めさせますと同時に、こういう制度が設けられることによりまして、こういう公害防止保険の保証の制度を現にやっておらない他の保証協会も、おそらくすべてこういう制度を創設してくれるであろうというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味からいきまして、公害防止のための資金調達という面から非常に重要な役割りを果たすものではないかと考えております。
○近江委員 もう時間もありませんので、できるだけ終わりたいと思いますが、一つは、公害防止保険における公害というのは、どういう範囲をいうのかという問題です。また、対象の費用は省令で定めるようになっておるわけですが、何を定める予定であるかという問題。それから、公害関係というのは事態がきわめて流動的である、このように思うわけでありますが、そうした事態に対して十分対処できるかどうかという問題であります。この点についてお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 この法律におきましては、公害ということについての定義をくだしていないわけでございます。その基本的な考え方といたしましては、やはり公害対策基本法におきまして、いろいろと公害の範囲が書かれておるわけでございます。これは当然にこの対象に入るという前提でございます。これを固定的な定義をいたしました場合に——公害問題は、新しい発生源等によりましていろいろとその範囲が拡充されておるわけでございますので、そういう新しい事態に対応できるようにと申しますか、実質的にそれぞれの各公害に現に対応できるようにという意味で、実はここに、たとえば水質汚濁とか騒音とかいうふうな例示をあげないままで、公害というふうに一般的に言い切ったわけでございまして、これは範囲を非常に広く採用いたしたいというところからの配慮でございます。 それから第二に、その対象費用についての問題でございますけれども、これは三つの範囲からなっておるわけでございまして、まず第一に、公害防止のために必要な施設を設置する経費。これはいろいろの法令に基づきまして設置義務が課せられておる施設がございます。これらのものすべてを包含するつもりでございます。 それから第二の範疇といたしまして、公害防止のためにする工場あるいは事業場の移転費でございます。過密地域から他の地域に移転してまいるというふうな場合の移転費も、この保証の対象に加えたいというふうに考えております。 それから第三は、これは先国会で成立いたしました公害防止事業費事業者負担法に基づく負担金等の関係でございますけれども、中小企業者の場合におきましては、そこで義務づけられて提出いたします負担金等につきましても、この信用保証の対象にいたしたいというふうに考えておるところでございまして、これらの措置を通じまして、まさに御指摘のございましたような、公害関係につきましていろいろと新しい事態が出てまいりますが、それらのものがこれらの対象の中に含まれますよう、細心の注意を払ってまいりたいと考えております。
○近江委員 あと一問で終わりますが、この付保限度額を二千万円、組合四千万円とした理由、これを簡単にお聞きしたいと思います。
○吉光政府委員 この限度額を二千万円にするかどうかという点につきましては、実はいろいろの資料を参考にいたしたわけでございます。まず、こういう公害防止施設そのものについて、東京商工会議所のほうで会議所管内の事業者につきましてレポートをとっておりまして、現実に金がどれくらいかかったか、また将来計画しているものの設備投資予定額はどの程度であるかということを調査いたしております。その結果によりますと、すでに投資いたしております一企業平均につきましては、六百十三万円という数字が出ております。また今後の投資予定額は、一企業当たりで見ますと一千三百十三万円、こういう数字が出ております。また中小企業庁のほうでも、これもアンケート調査でございますけれども、同じような調査をいたしました。そこから出てまいっております数字も、おおむね似たような数字でございます。それからまた、先ほどお答え申し上げました中小企業金融公庫でどのくらいの額を貸し出しておるかというふうな点につきまして実態調査をいたしたわけでございます。大体一件当たり千七百万円程度というふうになっております。それから、現在、公害関係の保証をやっておる保証協会があるわけでございますけれども、そこらの実際に保証いたしております金額の平均、大体五百万円程度でございますけれども、同時にまた、現在それぞれの保証協会がやっております限度額は一千万円程度というのが一番多いそうでございます。もちろんこれより多いところもございます。そういうふうな点等から判断いたしまして、限度額二千万円程度というふうなことにすれば十分に対処できるのではないであろうか、こういうふうに判断いたしたわけでございます。なお、組合についての御質問であったわけでございますが、組合につきましては、実は個別企業かやっておるほど実績等はまだ多くないわけでございまして、そこらのデータを総合比較するということは困難であったわけでございますけれども、従来の例から考えまして、組合が設置いたします場合には個別企業が設置するよりも大型である、これは当然でございますので、そういう意味から、他の保険その他との関連も考えまして、二十万円の倍額でございます四千万円ということを限度額として決定いたしたわけでございます。
○近江委員 まだ質問したいこともありますが、さようは関連質問等も入りましたので、時間が来ておりますのでこれでやめたいと思いますが、また時間がありましたらあとで質問したいと思います。一応留保して終わりたいと思います。
○八田委員長 川端文夫君。
○川端委員 この中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の中身に入る前に、一つ問題点をお尋ねしておきたいと思いますが、先ほどからの質疑の中で、信用保証協会の体質は非常に強化されてきた、こういう長官からのお答えがあったわけですが、はたして強化されることが好ましい姿かどうか、こういうことをまずもって考えてみる必要があるのではないか。終戦直後、保証協会を再建する当時、私が東京都議会におりました当時に、信用金庫なり信用組合の関係者からは、これは蛇足である、いわゆる中小企業専門店が十分中小企業の金融に対しての努力をいたすのであるから、保証料をとる保証協会という機関をつくることはむだではないかという鋭い議論が当時あったことを思い起こしてみるわけでありますが、この保証協会の体質と保険財政のいわゆるバランスの問題とかね合わせてはたして——私は協会自体が強化されることが悪いと言っているのではないが、はたしてどの程度までの体質強化がいま必要なのか。いわゆる協会のための協会として、中小企業に利益をもたらさない協会になっては困るんだという一面が、当然国の施策の一環として考えられるべきではないか、こういうふうにも考えるのですが、この体質強化を手放しで喜んでいいのかどうかという問題点に対して、長官にもう一ぺん、変わった角度で質問申し上げる形をお答え願いたいと存じます。
○吉光政府委員 現在の信用保証協会の姿を見てまいりますと、たとえばその事業の規模等におきましても、飛躍的な発展を各協会等ともそれぞれ遂げております。同時に、これをさらに各協会別の収支差額の推移というふうなもので見てまいりましても、この収入、支出の関係の差額というものも、だんだんと蓄積ができておる状況でございます。いろいろな意味での準備金の中に蓄積をされておるわけでございまして、これらの規模の拡大及び準備基金等の強化というものを背景にいたしまして、現実の問題といたしましても保証料率も、これは協会によって違っておりますけれども、平均してまいりますと、年々引き下げに回されておるというふうな状況で、これらの体質強化が、結局保証料率を引き下げさせる重要な要因であろうかと思うわけでございます。 たとえて申し上げますと、現在、日歩四厘をこえておる協会というものは実は六協会だけになっておりますが、たとえば四十二年度末、四十二年三月末現在におきましては、四厘五毛から四厘九毛までの協会が二十四協会あったわけでございます。それから四厘から四厘五毛未満の協会が十七、四厘未満が十協会ということになっておりましたけれども、最近におきましては、この四厘五毛−四厘九毛というのはございません。ちょうど四厘のものが十、それから四厘をこえておりますものが六でございます。それから、最低三厘でございますけれども、三厘から四厘未満のところまでのもの、これが三十五協会というふうに、低料率の方向へと全体の協会が現在移っておるわけでございます。料率を引き下げておるわけでございまして、こういう意味で、保証協会の経営基盤が強化されておる、確立されておるというふうなことは、保証料率の引き下げを通じまして中小企業者のほうに恩典を与えておるものというふうに考えております。
○川端委員 保証協会の体質を弱体化しろと言っておるわけではないが、強化される内容の中に、日本の経済のこのような成長過程において、いわゆる数字の膨張から来るメリットというものはかなり多く出ておることは私も認める。しかしながら、本来保証でありますから、みずからが直接貸しをしておるわけではない。したがって、金融機関とコンビを組んでの金融政策であるわけですから、その意味において、いわゆる金融機関が保証協会等からの預託を受け入れやすいようにするために、数字をあげて実質的に保証しなくともよろしい、内容のいい企業に対してまで保証協会の保証をつけて、ひとつ金融機関の実績をあげさせてほしいということを言っている事実があるわけです。こういう事実に対して、単に体質が強化されるんだという数字のトリックにばかり取り組んでおることはどうなのかという疑問を持たざるを得ないので、お尋ねしておるわけであります。 もちろん、金融機関の承諾なしにはなかなか保証協会の申し出では借りられない一面も町にはたくさんある。幸いに、小口金融の場合、無担保、無保証というものがうまく行っておる制度であるくらいで、今日のマンモス化した金融機関に何か法律の規制でも行なって、従わざるを得ない方向に仕向けないと、保証協会の勧誘だけでは、善意の協力だけでは困難な面があるのではないか。この点はいかがお考えになっておるか、お尋ねしたいと思います。
○吉光政府委員 確かに御指摘になっておるような事例があるようでございます。全体の金融機関を経由して参っております保証申し込みによります保証承諾額でございますけれども、これが四十四年度の数字でございますと、金融機関経由申し込みというのは、件数にいたしましても、また金額にいたしましても、四五%というふうに相当大きなウエートを占めておるわけでございます。もちろんこの中には、中小企業者のほうから金融機関経由で、特に自分の利便というふうなところから申し込んでおるものもあろうかと思うわけでございますけれども、同時にまた逆に、金融機関に一定のワクを設けまして、自動的に保証つき融資が行なわれるようなシステム、こういうふうなもの、いわゆる追認保証、いま御指摘ございましたような、こういうふうなことをやっておるものが現在四十協会だけあるようでございます。もちろんこれは、非常に少額のものに限度を限定いたしておりまして、特に小規模事業者に対しますところの簡易迅速な小口融資の確保をはかるというふうな見地から設けられておるものでございます。こういうふうな金融機関経由の保証それ自身には、別に大きな問題はなかろうかと思うわけでございますけれども、さっき御指摘になったようなそういうことで、たとえば信用保証協会が自分で積極的に融資あっせんを行なうというふうなことをやらないままで、単に金融機関のほうの言うままで仕事を行なっておるというふうなことになるといたしますれば、これは保証協会の立法の精神にも反することになるわけでございまして、そういう意味で、保証も要らないところに保証つきにするとかいうふうなこと、これは厳に避けなければならないところであるというふうに考えておるわけでございまして、そういう点につきまして、さらに一そう取り締まり並びに指導を厳重にしてまいりたいと考えます。
○川端委員 幸い大蔵省からだれか見えていますね。そこで、これらの、先ほどから中小企業庁長官がお答えになっている問題点に対しては、行政指導の面でかなり積極的にやるべきだという善意のつき合いをやっておいでになるのだが、今日の金融機関は、そのような、なまやさしい善意だけではやっていない一面が、かなり随所に見受けられるわけです。したがって、保証協会の設立精神というか、立法の精神を、どの程度まで金融機関に大蔵省が指導されているのか、指導されてきたのか、この点をお答え願いたいと存じます。
○結城説明員 お答えいたします。 保証協会の運営といいますか、事業に対する金融機関サイドの協力態度、理解の態度ということでございますが、信用保証協会の仕事は、金融機関サイドから見ますと、自己の融資に対するリスクを保証するという意味において、いわば一心同体といいますか、たいへんな信用の補完をなす機構になっております。私どもも、金融機関に対しましては、そういう信用補完制度のあり方というものについて、やはり健全な発達を期するためには、金融機関サイド自身が、信用補完制度のあり方のほんとうの意味を理解して中小企業に対して円滑な金融を行なう、こういう趣旨で運用するようにということを常に指導しております。一時、信用保証協会の問題を中心にしまして、信用補完制度がたいへん危機に瀕したことがございますけれども、そういう場合におきましても、信用補完の全体の健全な運用という見地から、保証協会、金融機関、保険公庫、三者一体になって健全な運営を期する、こういうことで指導もし、またその面の運用についてのあり方をいろいろ指示した、こういうことになっておりますので、今後ともそういう点については一そうの努力を傾けてまいりたい、かように考える次第であります。
○川端委員 いまのお答えは、やはり先ほど言っております信用機関の良心というか、善意に期待する部面ばかりが強く押し出されておるように考えさせられておるわけですが、たとえば金融引き締めが出てまいりますると、代理貸しの場合も保証つきの場合も含めて、銀行全体としては、やはりこれを含めた預貸率で行動している事実があるわけです。かなり景気のいいときにはそういう問題があまり多くないようですが、引き締めが強くなればなるほど、いわゆる代理貸しでも保証つきでも同じようなケースにおいて、一方において歩積み両建ては法律違反として取り締まられるおそれがあるけれども、預貸率が足りないという形において融資を拒む場合がある。こういう事実に対して善意だけにまかしておいていいものかどうか。この点はお考えになったことはありませんでしょうか。
○結城説明員 預貸率の問題の前に、まず歩積み両建ての問題があると思います。私どもとしましては、特に保証つきの融資等につきまして、あるいはいわゆる政府金融機関関係の代理貸しというふうな問題に関連をいたしまして、歩積み両建て的なことをとるということは厳に行なわないということを強く指導いたしております。 それから、一般的な歩積み両建ての自粛の問題につきましては、金融検査あるいは個々に金融機関を呼びまして、しぶりの悪い金融機関については十分注意を与えております。 それから、一般的な預貸率の問題でございますが、従来は、いわゆる預貸率という一般的な指導として、たとえば八〇%というふうな預貸率指導がございましたが、先生のほうでおっしゃられました預貸という問題は、いわゆる拘束性のない預金の歩どまりといいますか、拘束性でないところの、非拘束の預金をある程度積むようにというような、金融機関側の取引における一種の拘束性預金のしかたに対するもぐりの扱いに対してどういうふうな指導をするか、こういうことだと思います。それにつきましては、拘束でない預金については、いつでも取引者のほうでは払い出しができるのだ、こういう拘束性でないということを金融機関が取引者に通知するように、その通知を励行させる、こういうことで、先ほどの拘束性預金の自粛と同じような意味において指導をいたしておるところでございます。
○川端委員 いまのお答えの中から問題点は二つあるわけですね。一つは、拘束性の預金、歩積み両建てとはっきりしているものに対しては取り締まりはできる。そうでない、完全な拘束していないものに対して、やはりいつでも取りくずしができるように指導しておるというお話ですが、もちろん、拘束性のものでなければ取りくずしは可能であることは言うまでもない。しかし、そのために企業の運営の中に、縮小された姿を覚悟しなければ取りくずしできないという現実があるわけです。この現実の前に、なるほど名目上は拘束預金でなくとも、拘束に準ずる気持ちで金融機関にある程度のものを提供しなければ運営されていかないというこの現実は、どうごらんになっておるか。こういう点に対しては、中小企業金融というものに対して、各金融機関にもう少し強い指導性が必要ではないかという立場で、いまお尋ねをしておるわけです。 もう一点の場合は、この保証協会の場合は、東京の場合でいえば、大体、準備金なりいろんな資金を預託した場合に、預託した三倍までは貸してほしいというのが従来までのいきさつであったわけですから、したがって、三倍ということになれば、十分の七に近いものは、金融機関の自己資金を保証協会の保証づきで貸さなければならぬというところに、金融機関としての指導性というか、主体性というものを、やはり中小企業に圧迫の形で与えておる事実がありますよ。こういう点に対して、これを今後どうわれわれは考えながらこの政策の浸透をはかっていくかという問題に対してお尋ねしておるわけです。お答えいただきたいと存じます。
○結城説明員 ただいまの、拘束性の預金でない一般的な債務者預金に対する指導、こういうことでございますが、債務者預金のあり方の中にも、いろいろその動機がございましょうが、一番問題なのは、やはり拘束性でありながら、拘束されながら拘束的でないというような形における債務者預金のとり方、こういうところに一番問題があるんじゃないかというふうに思いますので、そういう点については、拘束性預金というものを、単に担保に入っている預金というだけでなくて、見合いの預金あるいは見返りの預金、こういうように広く範囲を広げまして、そして、現実に拘束されているようなものにつきましては、拘束性預金だとこちらのほうで判断しまして、それが一定の基準を越えるといいますか、特に過当であるというふうなものにつきましては、個々の金融機関について指導する、あるいは検査の際厳重に指摘する、こういったふうな指導のしかたをとってございます。
○川端委員 なかなか私の質問にぴったりこないのですが、とにもかくにも、金融機関というものはなかなか強い。個々の中小企業から見れば強いために、いろいろな口実をつくって、貸し出しに対して、保証をつけるからといっても十分な協力体制が行なわれていない場合が多いという考え方に立って質問しておるわけですから、大蔵省としても、金融機関に対して、いわゆる国の施策に対して協力せしめるということに何かもう少し強い姿勢を持ってもらいたい、こういう立場でものを聞いておるわけです。その点は言いわけをしてもらわぬでもいいので、何かしなければならぬのではないか。 もう一つ中小企業庁長官にお尋ねしたいのですが、この保険支払い事故というもの、保険が支払われなければならない事故というものは、ないにこしたことはございません。あることは好ましい条件でないことは言うまでもないことであるけれども、日本の今日の経済情勢の中に、二重構造といわれている数ある中小企業の中を考えた場合に、やはりこの事故というものが何らかの形で出てくる。これをいろいろな意味で保険等でカバーしていこうということがこの法律であろうと存じますけれども、私は、この事故のあり方の中に、自己の怠慢なり自己の不注意によって起きてくる事故と、国の施策の結果生まれてきた事故というものに対しての見方の相違がやはりあっていいのではないか。たとえば今日は不況ムードです。景気動向に対して通産省からいろいろの資料をいただくけれども、必ずしも景気が浮揚するような条件は出ていないという報告をたくさんいただくわけです。これらの景気は、一昨年の金融引き締めという国の金融政策の結果、今日のような経済情勢が生まれてきているという問題点であろうと思います。 もう一つの問題は、先ほどからも論議ありました繊維業界のごとき、日米関係、いわゆる佐藤さんがニクソンさんと約束されたことを守るという結果、業界がかなり大幅な譲歩をせざるを得ない。自主規制宣言をした結果における不況というか、深刻な企業条件が出てきておる問題等に対して、従来やってきたとおりのことをやっておっていいのかどうかという点に対して、長官なり政務次官なりから、これらの問題に対してどういう見方で対処していくかという決意があれば、お聞かせ願いたいと思うのです。
○吉光政府委員 確かにそういう場合もあるわけでございます。したがいまして、実は今回の年度末対策あるいは昨年来の不況対策の中の一環といたしまして、たとえば政府関係金融機関につきましては、貸し付け条件につきましての緩和というふうなことを慎重に配慮するようにということで、現実にそういう配慮が行なわれておるわけでございます。 たとえば、最近、報告を受けました特定地区の政府関係三機関の条件緩和につきまして、昨年の十−十二月と一昨年の十−十二月期とを比較してみました場合に、返済条件を緩和している数が圧倒的にふえているわけでございます。いろいろのやり方がございます。たとえば中間的に、据え置き期間を六カ月置き景気の立ち直りを見守るというふうな措置をとっておる場合、あるいはまた、たとえば現在、月々百万円ずつ、あるいは十万円ずつ返済するというふうになっておりました場合に、それをさらに減額いたしまして、将来景気回復を待って上積み分として返済をしていただくとか、いろいろのやり方を講じながら返済条件の緩和をいたしておるわけでございます。 いまのような事態が、保証づきの融資を受けた中小企業者に起こってまいりました場合にはどういうことになるか、こういう御指摘であろうかと思うわけでございます。そういう一般的な不況の問題、あるいは今回の繊維につきまして、あるいは繊維その他の業種につきまして、三月末対策といたしまして実行いたしました措置の中に、それぞれの地域的問題、あるいは業種的な問題で共通の問題がある場合におきましては、民間金融機関も相協力してこの金融上の助成について努力いたすというふうな条項が入っておるわけでございますけれども、この条項は、まさに御指摘のような事態に相当するものだと思うわけでございまして、民間金融機関のほうにも、実情に応じまして返済条件の緩和をはかるというふうなことを考えておるわけでございます。したがいまして、そういう意味で、そういう事態で企業のほうに事故が出てまいるというふうなことになりました場合には、まず事故の出る前に、貸し出し期間の延長をやるというふうな措置がとられ、あるいはまた、それでもなおうまくいかないというふうな場合には、代位弁済をまずやるということによりまして、金融機関とその当該事業者との関係につきましては、立ち直りを待って貸し付け金の回収に当たってまいるというふうな、いろいろな弾力的な措置の方法があるわけでございます。したがいまして、御指摘のような、そういう事態を前提にいたします場合には、そういう弾力的な措置をも並行的にとりながら事態の解決を待つ、こういうことで指導をいたしておるところでございます。
○川端委員 やむを得ない場合は代位弁済——大体、代位弁済をするときには、不渡りを出すとか倒産の結果が代位弁済になっていくのであって、あらかじめ倒産しない先に代位弁済していく例はほとんどないのではないか。そういうことになれば何をかいわんやで、私はたとえば一つの例で申しますと、いま決算期に入っているわけです。したがって、昨年の秋ころからの不況の中に三月決算で赤字がかなり多くなるのではないか。この赤字の場合に、もう一ぺん借り増しをしたいとか、借り直しをしたいという場合において、赤字が出ているという条件で、なかなか借り増しも借り直しもできないという事実が出てくるのではなかろうか。こういう問題に対して、特に中小企業の場合においては、再評価をするような財産があるんだが、担保力がいろいろな見方で安い。一番問題になるのは借地の問題ですね。土地つきの企業の場合は比較的担保力はつけ安いのですが、建物は自己のものであっても、借地の上に建物を建てて企業をやっている場合の担保力というものは非常に弱い。そこで赤字がある、こういう悪条件であれば、金融機関なり保証協会といえども、自己の体質弱体になることをおそれてか、なかなか保証もつけないし、貸し出しも困難な事案がたくさん出てくるのではないか。これは先のことの予測ですけれども、四月、五月になればたいへんな問題が出てくるのではないかと思うわけですが、そういう場合に対処する何か方針をお立てになっておるかどうか、お答え願いたいと思います。
○吉光政府委員 景気の先行き判断につきまして、どういう事態になりますか、的確に推測を申し上げることは困難であろうかと思うわけでございます。ただ、現在の中小企業関係の金融情勢、及び中小企業をめぐります諸環境というふうなものから判断いたします場合に、四月、五月に入ったからといって、すぐに状況が好転するというふうな事態にあるとは思われない諸元が多くあろうかと思うわけでございます。したがいまして、そういう場合に対処いたしまして、先ほどもお答え申し上げましたように、この年度末につきましては、特に三機関の貸し出し規模の拡大その他の措置をとったわけでございますけれども、明年度におきましても、現在、御審議を受けております政府関係三機関に対する財投措置、あるいはまた信用保証協会の保証規模、大体一兆五千億を上回るものを予定いたしておるわけでございますけれども、それらを上期のほうに、要するに特に異常だと判断される時期に相当傾斜させまして、そういう意味での金融逼迫状況に対処してまいりたい、こう考えておるところでございます。 なお、いま御指摘の中にございました担保力の評価というふうな問題につきまして、銀行と信用保証協会とでは、やはり評価の立場が、信用保証制度の目的、由来というところから考えまして、当然差があってしかるべきである。要するに時価評価をするか、時価評価より減額するというふうな見方の問題といたしまして、一般金融機関と信用保証協会の見方というものの中には、おのずと差があってしかるべきであるというふうに考えるわけでございまして、従来ともそういう態度で処理しているというふうに思っておりますけれども、なお、そういう点につきましては、十全の配慮を要請いたしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○川端委員 この問題、押し問答をしている中において、ひとつぜひ知っておっていただきたいのは、冒頭に申し上げましたように、保証協会の体質が強化されたという喜びの声の中から、やはり中小企業をある程度踏み台にして保証協会の強化をしている一面が、ややもすれば起きるのではないか。協会のための協会というマンネリ化するおそれもあるので、この点に対しては十分考えて、保証協会の体質強化も必要であるけれども、本来の目的は中小企業の金融を円滑にする目的のために制度があるわけでありますから、この辺のからみ合いというか、にらみ合いは、やはり十分政策的に考える、大所からものを見る指導のしかたが必要ではないか。単に保証協会の体質強化だけでは納得できません場合がありますよということを申し上げたいわけであります。 そこで、これは私、勉強不足で十分わかっておりませんが、今度の保証協会の体質強化の一環として、日本共同証券財団から融資を九十五億円入れるということが予定されておるようですが、この金の前途に対して、財団といっても民間資金ですから、体質強化の一面として利用するという託し合いの中に、何か安全性というか、そういう民間資金であるけれども、この点に対してはこういう話し合いができておるという問題点がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○吉光政府委員 日本共同証券株式会社の残余財産のうちから、約九十五億円の金が、各信用保証協会のほうの融資の原資として充てられるというふうなことになっておるわけでございまして、この使い方につきましては、信用保険公庫から出てまいります融資基金の融資と同じ性格のものとして使用してまいるというふうなことにいたしたいと思っておるわけでございます。したがいまして、融資条件その他につきましては、信用保険公庫からの融資基金が配分されると同じような、そういう扱い方にいたしてまいりたいというふうに考えるわけでございますが、いまお話の中にもございましたように、政府出資という形でないわけでございます。民間資金が導入されるということになるわけでございますので、そういう安定性という点につきましては、そのままで安定性があるかどうか、こういう疑義が生ずるわけでございます。ただ今度は、財団をおつくりになり、これを中小企業者の信用保証制度のために運用するということによりまして、中小企業者の健全な発展をはかっていこうということがその目的の中にうたわれておるわけでございます。そういうことから、実はこれが安定性を保つよう、私ども大蔵省とも十分連絡を密にいたしまして、政府資金であると同じような安定性を持たせますよう、積極的に大蔵省と協議してまいりたいと考えておるところでございます。
○川端委員 それでは、こういうふうに理解してよろしいですね。政府保証というふうに裏づけされておるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○結城説明員 お答えいたします。 財団の金の問題でございますが、ただいまの政府保証といいますか、財団がその金を保証協会に長期間預託するというような考え方をとっておるのでございますが、それにつきまして、いつ引き上げられるかわからないじゃないかという懸念の点に対しましては、私どもといたしまして、財団の運営に関しまして、たとえば資産運用の計画等についてもあらかじめ相談を受ける、こういうふうになっておりますので、ただいまのお話のように、中小企業庁とも十分相談をしまして、安定的な資金として保証協会の基盤強化に資するというような形で運営されるように配意してまいりたいと思っております。
○川端委員 この問題は、大蔵省なり中小企業庁長官からそういうお話があれば、安心してよろしいんであろうと思いますけれども、保証料の問題で先ほどからも質問がありましたけれども、安いもので一・一%と一・五の格差があるということであります。これはいろいろな歴史もありましょうが、この保証協会が出発当時は、いわゆる保証料は金利でないという意味において、年間の保証料を先取りする形が行なわれていたわけです。その後、いろいろな世論の声に押された結果でありましょう、いま六カ月ものの保証期間に切りかえて保証料を払っておるのが中小企業の中身です。しかし保証協会の保証を受けても、割賦というか、返済計画を立てて月々返済しておるわけです。したがって、半年なり一年は金利でないといいながら年間分をとる。たとえば、一年にすれば十一カ月分は減っておるのに、保証料はかかっていた。あるいは六カ月という場合においては、五カ月分は返済しておるのにかかわらず、最初に借りた金の金額で保証料を払っておるというのが実態なんですが、これを何とか改善する方法はないものかどうかお尋ねしてみたいと思うのです。
○吉光政府委員 御質問の趣旨がちょっと私のほうでわからない点ございましたので、こういうふうな御質問であろうかということをちょっと確認さしていただきまして、お答えさしていただきたいと思うわけでございます。 現在、保証料の契約、たとえば一年ものであれば一年間分について契約をし、それを先払いの形で払ってまいる。したがいまして、たとえば、いまお話しの十二カ月分であれば、十一カ月分は払っておるにもかかわらず、十二カ月については全体の額の保証料がそのまま支払われておる、こういう御指摘でございましょうか。実は私どもの承知いたしておりますところでは、平残で保証料を払っておるというふうに伺っておるわけでございます。要するに、返済いたしましたものにつきましてはそのまま残しまして、その平均残高という形で保証料を払っておるというふうに承っております。これは実は事実調査の問題でございますので、そこらの実態関係をさらにつまびらかにさしていただきました上でお答えさせていただきたいと思います。 ただ、保証料がいま御指摘のような形で払われておるとすれば、私の直観でございますけれども、何かおかしいのじゃないか、こういう感じがいたすわけでございます。したがいまして、事実をよく調査いたしまして、利用者に不当に迷惑のかからないよう配慮してまいりたいと考えるわけでございます。
○川端委員 これはより詳しいのが大蔵省の参事官ではないかと思うのですが、保証料は金利ではない、したがって月々の計算はしないでよいというのが、当初から保証協会側の意見であるわけでして、この点は、いま長官がおっしゃっているように、月々返済で、たとえば百万減っても当初の一千万に保証料がかけられ、九百万に減っても当初どおり保証料がかかり、月々保証料が減っていくという形はとっていないと私は考えているのですが、これはいかがでしょうか。
○結城説明員 確かに保証料が金利か手数料かというのは議論のあるところだと思います。考え方としましては、先取りしているといいますか、ただいまのように、保証債務残高が減れば、減ったに相応しまして保証料が減っているという形ではなくて、たしか平残ベースを基準にしまして一定のものをとっているのが現状ではなかろうか。そういう意味において、手数料に近いような考え方がとられているのじゃないだろうかというふうにも考えられるわけでございます。先ほどの長官のお話のように、実情をなおよく調べてみたいと思います。
○川端委員 これもいろいろな手数なり手続の問題もありましょうから、直ちにベストの問題を求めてもどうかと思うのですが、たとえば保証協会が戦後復活して活動し出した当時は、年間の保証料を先取りしておったわけです。しかし最近は、これを六カ月ごとに計算して、先ほどからいわれている残高の最後のものを六カ月、六カ月という計算に直したことは事実でありますが、これをやはり、毎月がめんどうなら、ここらで善政として、三カ月ごとに保証料を切りかえていくという制度くらい指導できるのではないか。ぼくはこういうふうに考えているのですが、行なっているところもあるかもしれぬが、大かたの保証協会はやっていないはずです。金利と違うのだというたてまえをとっておるわけですが、 これらに対して、いまかなり前向きの答弁をされたのだが、そういう方向は必ずとるということを長官は言えるでしょうか。その点をお答えしてみてください。
○吉光政府委員 現在は、先ほどもお話がございましたように、原則として一括払いというふうなことになっておるわけでございますけれども、この支払いの期間は保証期間に大体準じておるわけでございまして、普通、保証の期間は平均一年というふうなものが多うございますので、したがって一年払いというものがあろうかと思うわけでございます。ところで、実際問題といたしましては、こういう払い方につきましては、特に中小企業者、零細企業者の方には相当負担が多くなるというふうなこともあるわけでございますので、中小企業者の方と保証協会と話し合いを行ないまして、分割払いということを認めておるのが現状のようでございます。その際、均等払い、不均等払い、二つの分割のしかたでやっておるようでございまして、たとえば、半年とかあるいは一カ月とかいうふうな均等分割でやっておりますものが全体の中で四〇%程度、それから不均等分割というふうなことでやっておりますものが大体三〇%程度というふうなことで、何らかの形で分割払いをやっておるものというのが大体七割程度あるようでございます。もちろん、この信用保証制度というものが、特に中小、零細事業者のために、その信用力、担保力を補完するために設けられた制度であるというふうな趣旨にかんがみまして、やはり協会といたしましても、できる限りのサービスを利用者である中小企業者に対していたすということは、当然考えなければならないことであろうかと思うわけでございまして、こういう分割払いの方法等を推奨いたしますことによりまして、御指摘の点にかえさせていただきたいと思うわけでございます。
○川端委員 まだ実際調査も行なわれていないようですから、この点は強く希望を申し上げておきたいと存じます。 長官らではわからない一面があるわけです。保証協会の保証、大かたですよ。優良企業だって、金融機関に頼まれて保証協会の保証をつけて保証料を払っておるのもあります。そうでない一般的なものは、借りるときに条件を出せるほど強くない。保証協会の保証をつけるという条件の中には、やはりボーダーライン的な条件のものが多いのであるから、したがって、借りるときに、借りるほうに条件をつけなさいといってもなかなか無理であるからこそ、私どもはこういう機会を通して、政策の立案者の立場から、あるいは行政指導の立場から、そういう一面を強く指導していけるような方向を明らかにしていくべきではないかという立場でものを申し上げておるわけです。この点はもう一ぺん調べて、そういう事実にかんがみて、これらの弊害を除去していくために努力願いたい。これはどっちでもいいのですよ。そういう形がいいか、保証料をぐんと下げるか。保証料がぐんと下がれば、それでもよろしいわけでありますが、それは全体の計数の上からなかなかできないという事情があるとするならば、少なくとも、そういう中小企業者の犠牲の上に体質強化をはかるという姿に対してはがまんができませんよ、ということを言いたいわけです。この点はひとつしかと調べて、そういうことの起きないように御注意を喚起申し上げておきたいと存じます。 時間がだいぶたってきておりますが、もう一つ最後に。 今回の法案の中に、金額の増額と、もう一つは公害保険の問題を挿入されたことをけっこうだと思うのですけれども、これらの中に、先ほどからも質疑の中で行なわれておりましたが、今日のいわゆる公害防止計画なり、今日、現在やる公害防止施設というものが必ずしも技術の最高をいくものではないし、ものによっては、完全ではないけれどもやらないよりは何ぼか前進だとしてやるものがあるわけです。したがって、これらをやって、できたあとによりいいものが出てきて、世論として、まだ一、二年しかたたないのに、こういういいものができたのだから、これを改造しろ、改善しろという声が高まってきた場合に、先に借りたものの返済が完済していない、あるいは返していない条件の中で、改善なりあるいは改造をすることの資金をお願いする状況ができてくるという考え方をお持ちになって、この法律をおつくりになったかどうかということをお尋ねしたいと思うわけです。
○吉光政府委員 具体的事例がどういう形で出てまいりますか、ちょっと見当がつかないわけでございますけれども、確かに仰せのような事態が出てくるものもあろうかと思うわけでございます。ただ、そういう公害防止施設がどれぐらいの金がかかるものかというふうなことによりまして、実はそれへの対応も変わってまいろうかと思うわけでございます。たとえば二千万円の限度額でございますけれども、一回借りたら、この限度額に余りがなければ別でございますけれども、余りがある限りは、さらに借りられる。要するに限度額でございまするので、したがいまして、いまのような御指摘の事態が、そういう借りかえの場合に、二千万円の限度内に入るものであるかどうか。入るものであれば実は問題はないということになるわけでございます。そういうふうな場合、具体的にどういう事例で二千万円をこえてまいる場合が出てまいりますか。これはせっかくの設備でございますので、したがいまして、企業経営等の負担ぎりぎりのところの大型設備——二千万円ということになりますと、相当の資金負担力になるわけでございます。そうなりますと、この限度一ぱいというふうな、そういう設備について、技術革新によって相当短期にそれを新しいものにかえなければならないというふうなものがどの程度出てまいりますか。そういう業種の実態に応じましてさらに検討させていただきたいと思いますけれども、むしろ通常の場合には、そこまではいかないケースで済むのではないであろうか。これは実は推定でございまして、したがいまして、具体的に業種別、公害態様別に、そこらの点につきましてはさらに詰めてみる必要があろうかと思います。そこらの検討を待って、もし別の手当てをしなければならない場合が出てくるかどうか、さらに検討させていただきたいと思うわけでございます。
○川端委員 この問題は将来の問題でありますから、十分監視して、言うなら、今年はこれが最高のものとしてつくったけれども、翌年になればもっと進歩したものができて、世論もこれを要求した場合のことも予想いたしまして、政策に対する十分な御研究を願いたい。私どもも研究しますが、かりに最高限度額でつくっても、一年たたないうちによりいいものができて、これを改造なり改善なりしろという要請が出てきた場合どうするかということも予測して、十分の対処を願いたいと思います。 きょうはこの辺で質問を終わっておきます。
○八田委員長 次回は、明十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十五分散会