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65回国会衆議院1971/03/05

商工委員会 第7号

発言数
257
登壇者
25
会派数
4
開催日
1971/03/05

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  通商産業の基本施策に関する件、すなわち石油に関する問題について、来たる十二日参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 内閣提出、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、及び内閣提出、中小企業特恵対策臨時措置法案を議題といたします。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 まず、両案の提案理由の説明を聴取いたします。宮澤通産大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  中小企業信用補完制度は、創設以来一貫して発展を遂げ、現在では一兆円を上回る保険、保証規模に達し、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上で大きな役割りを果たしてきております。  しかしながら、中小企業を取り巻く諸環境は、現在急速に変化しつつあり、それに伴い、信用補完制度においても中小企業の現実の資金需要に十分対応できない面がでてまいっております。  すなわち、まず第一に、最近の中小企業の資金需要の一つの傾向として、公害防止関係費用の顕著な増大が見られます。しかも公害問題がますます深刻なものとなっていることを考えれば、この費用は今後増加の一途をたどるものと推定され、信用補完制度の面でも十分な配慮が必要とされるところであります。  次に、近年の経済規模の拡大と経済環境の変化等に伴い、中小企業者の資金需要の大口化傾向が見られ、これに対処するためにも、現行の信用補完制度を一そう拡充強化することが必要となってきております。  このような趣旨に基づき、今回、中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。  第一は、公害防止保険の創設であります。すなわち、中小企業者の公害防止関係の資金需要の増加に対処して、中小企業信用保険制度に普通保険等とは別ワクの新たな種類の保険を創設しようとするものであります。  この保険の中小企業者一人当たりの限度額は、二千万円、組合の場合は四千万円としており、中小企業者の公害防止施設の設置、公害防止のための移転等に要する資金の融通の円滑化に資するものと考えます。  第二は、保険限度額の引き上げであります。最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対処して、この際、普通保険の中小企業者一人当たり限度額を現行の一千五百万円、組合の場合は三千万円から、二千五百万円、組合の場合は五千万円に引き上げようとするものであります。  また、特別小口保険につきましても、現行の五十万円から八十万円に引き上げることとしており、中小企業のうちの小零細層の資金確保の円滑化に資するものと考えます。  その他、保険制度の対象となる金融機関につきましても、従来は、法律において一々限定的に定めていたやり方を改めて、政令で必要に応じ追加指定できることといたしております。  これが、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようようお願い申し上げます。  次に、中小企業特恵対策臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  先進国が開発途上国の原産品に対して特恵関税を適用する制度は、本年中に実施される予定となっております。これは、国際連合貿易開発会議における合意に基づき、いわゆる南北問題の解決に資するため、開発途上国の輸出所得の拡大、工業化の促進、経済成長の加速化を目的として行なわれるものであります。  しかしながら、この制度が実施に移されますと、輸入面においては、競争力の弱い中小企業製品にその影響が出るおそれがあります。また輸出面におきましても、他の先進国の特恵供与により、これらの国に対する輸出依存度で特に高い中小企業製品について、悪い影響が出てくることが懸念されます。  このような特恵供与による影響に対して、中小企業者みずからの適応への努力を助成し、中小企業の成長発展をはかっていくことは、わが国経済の均衡ある発展を確保する上からもきわめて重要かつ緊急の課題となっております。  本法案は、このような観点から、特恵供与による需要構造の変化に即応して中小企業者が行なう事業の転換を円滑化するとともに、中小企業の近代化の一そうの推進等をはかるために必要な措置を講じようとするものでありまして、その概要は次のとおりであります。  本法案におきましては、第一に、わが国が供与する特恵のほか、他の先進国が供与する特恵もひとしく特恵としてとらえ、これによる影響に対処することといたしております。  第二に、特恵供与によって悪影響を受けるおそれのある事業を「特定事業」として政令で指定いたします。この特定事業を行なう中小企業者が事業の転換をしようとする場合には、その事業の転換に関する計画を都道府県知事に提出し、その計画が適当である旨の都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。政府は、この認定を受けた企業が、その転換計画に従って事業の転換を円滑に行なうことができるよう、中小企業信用保険の特例その他金融、税制上の助成措置を講ずることといたしております。  第三に、事業の転換を行なうのではなくて、従来の事業の一その近代化をはかろうとする中小企業者に対しては、品質の向上、商品の高級化、生産性の向上等を促進するために必要な措置を適切に講ずることといたしております。  第四に、事業の転換等に伴う中小企業の従事者の職業及び生活の安定に資するため、職業訓練の実施、就職のあっせん等を講ずるようつとめることといたしております。  これが、この法案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 以上で両案の提案理由の説明は終わりました。  両案に対する質疑は、後日に譲ります。      ————◇—————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を議題といたします。  質疑の申し出があります。これを許します。岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 ただいま議題となっております法案につきましては、一応質疑を行なったわけでありますが、大臣に対する質疑を残しておりますので、時間があまりありませんが、その範囲内においてお聞きしたいと思います。  そこで、法案の中に目的として、「あわせて国民生活の向上に資することを目的とする。」とあります。ということは、公害防止機器の開発、あるいはまたそういうものを促進するということが、相当ウエートを占めておるのではないか、こういうことで、特に私どもが、この公害問題についておくれておることをいつもつぶさに見ておりますが、その中で低硫黄の開発について、直接脱硫あるいはまた排煙脱硫、こういう技術が非常におくれておる、こういうことでございます。そこで、本法案が成立すると、そうした研究開発にどういうように影響があり、またそれは促進することができるか、これについて大臣からお答え願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 せんだっても、このような法案を提案した基本的な考えは何であるかというお尋ねがございました際に、一九七〇年代の新しい問題として公害ということを頭に置いております、ということを申し上げました。したがって、一般的に本法が実施されました場合、公害防止のための機器産業を何かの形で指定をいたしたいと考えております。  ただいまの排煙あるいは直接脱硫の点につきましては、政府委員から御説明申し上げます。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 公害防止機器関係の機械類でございますが、御存じのように、ただいま使われております公害防止機器と申しますのは、主として、ろ過器、集じん器といったようないわゆる化学機械、それから電気計測器のような工業計器、あるいはこれらを制御いたします電算機、こういったものから成り立っておるわけであります。  本法施行になりました場合、特にこういったような公害防止に資するための機器につきましては、あるいは個別に指定をしていくか、あるいはまた公害防止ということを特にうたって、全体ひっくるめて指定をしていくか、そういった点、技術的な点はまだ未定でございますが、いずれにいたしましても、公害防止機器の開発目標を設定したいと考えております。  この高度化計画における開発の目標というものは、生産額等の目標だけではございませんで、品質、性能等についてまで、これから七年先にこういったような高い目標のところまで性能を上げていきたい、こういったような目標も設定をしたいと考えておりまして、そのためには、補助金あるいは融資、そういったような各種の手段を使うことは当然でございますが、必要があれば規格の制限等もいたしまして、良質低廉な供給体制の確立をはかりたいと考えております。  いま御指摘の排煙脱硫関係のものにつきましては、特に工業技術院を中心といたしまして、その技術がほぼ確立しあるいは緒につくといったことでございまするので、こういった関係の機器類につきましては、特に意を用いてこの開発目標、高度化計画の中にも大きく取り上げてまいりたい、こういうことで今後の公害防止機器の発展につとめてまいる所存でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大臣も御承知だと思うのですが、直接脱硫、これは出光さんとかがやっておるわけですけれども、低硫黄の重油、これが非常に少なくて公害の原因になっておりますが、いまの時点におきまして見ておりますと、非常に数が少ない、量が少ない。こんなことでは、もう日本全体の低硫黄の開発ができないと思うのです。したがって、この技術の開発をもっともっと進めなければならぬ、これが一つであります。  それからもう一つは、特に複合汚染のあるところ、御承知のように尼崎あたりの電力会社の排煙脱硫、これにつきまして、いまいろいろと研究をしておるようでありますけれども、私は、ほとんど業界あるいは企業、こういうところにおんぶして、そうしてできるのを待っておるんじゃないか。工業技術院においてもいろいろと研究しておるようでありますけれども、これを実際に今度大型プラントにしようとすると、これまた非常に問題があるということで行き詰まっておりますが、私は特に排煙脱硫の問題を取り上げましても、電力会社、あるいはそういうところに委託をしてやっておるという状態でありますが、この排煙脱硫をしたからといって、コストが下がるとか、あるいは企業利益が伸びるとか、こういうことがないものですから、やはりどうしてもそれはおろそかになってくると思うのです。したがって、やはり政府主導型の、通産省が主体になって技術開発を行なわなければならない。そうしていままで相当な費用が出ておりますけれども、遅々として進んでおらない。いま局長は七年間というような話でありますけれども、とてもそこまでは待っておれない現在の状態ではないか。わが国の技術開発というものが非常におくれているということは、貿易収支を見ましても、わが国から技術を外に売っておるのは、受け取りは四千六百万ドル、それに引きかえて支払いは三億四千八百万ドルというような、収支の赤字を生んでいるということは、やはりそういった技術開発に非常に力を入れてないんじゃないか、こういうことでありますので、まず取り上げたうち、排煙脱硫あるいは直接脱硫、これに対して、政府が、通産省が特に主導型になってこれから開発を行なうかどうか。いままでのように、補助金を出して、そしてどうだというようなことでは、とても進まないのじゃないか、私はこういうように思うのですが、その点について、大臣から所見があったらひとつ伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 まさに御指摘のような問題がございまして、私どももそういう問題の意識は強く持っておるわけでございます。したがいまして、排煙脱硫につきましては、工業技術院がかなり長いこと研究をいたしました技術が一応完成をいたしたわけでありまして、ただいま東京電力及び中部電力におきましても、実際に使用できるに近い大きさの規模で工業装置建設を行ないつつあるわけでございます。これが現実の企業の規模として操業を始めましたときにどのような結果になるかということを、実はただいま完成を注目いたしておるわけでございますが、効果の面においても、コストの面においても、所期いたしましたような結果になることを、私ども大いに期待をしておるわけでございます。  それから、直接脱硫につきましては、これも以前から大型プロジェクトとして研究を進めておりますけれども、まだわが国独自のものが完成いたしておりませんで、御指摘のように、外国のものを幾つかの会社が導入をいたしたところで、当初ややつまずきがありましたようですが、まあ、ここへきましてやや落ちついてきたというふうに聞いておるわけでございます。これもしかし外国の技術でございますので、できるだけ早くわれわれの工業技術院の技術を完成いたしまして、それを使ってもらうようにしたいと考えております。  なお、そのようないわゆる公害関係の装置を導入いたしますにつきましては、税制あるいは金融等の面で、国としても積極的に企業に対して支援をするという制度を設けております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それにつきまして、確かに税制あるいはまた金融等で政府が支援しているということはわかるのです。それはわかるのですけれども、技術的な面にももう少し口をはさんで推進しなければ、とても私は待っておれない、こういうように思うのです。それが一点。  それから、時間がありませんから、次に、現在の公害防止機器の姿を見ておりますと、メーカーが受注いたしまして、そして設計、製作、取りつけ、性能テスト、ここまで行なうわけですが、その性能テストは、その受注したメーカーがやって、そして試験成績をユーザーに渡すという状態なんです。それでは、製作したメーカー自体が成績をつけて渡して、それで終わりということになりますと、もしも、設計あるいはまた製作上においてミスがあった場合、こっそり成績を書きかえたっていい。改ざんすることもできる。また実際見ておりますと、大きなプラントが発注ができている。その公害機器が取りつかないと動かせないということになりますと、暗に成績を変えたりするようなことを行なうことも、プラントの操業に間に合わせるようにすることも可能であるというような面から考えますと、やはりこの検査制度、こういうものがなければならないと思います。  外国の例をちょっと調べますと、メーカー側にもユーザー側にも偏しないところの、半官半民のような検査機関があるわけです。そしてそこで立ち会って、これはだいじょうぶだ、こういうことによって初めて使用する。まあ大臣も御承知だと思いますが、造船事業なんかにおきましては、造船所あるいは海運会社以外の船舶検査機関がある。ロイド船級協会ですか、あるいは日本海事協会、こういうものが検査をいたしまして、そして間違いないかどうかということを証明している。いまの日本の状態ではそれがないわけでして、そういう非常にあやふやな状態でありますので、やはり将来、そうした公害検査協会と申しますか、こういうことが一つ必要になるのではないかと思うのですが、大臣の、そういうものをつくる、あるいはまたそういう決意をひとつ聞きたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 前段の問題でございますが、私どもが工業技術院で、排煙脱硫あるいは直接脱硫を大型プロジェクトとしてとらえましたのは、実はすでに数年以前でございまして、それだけの日子を経て排煙脱硫技術は完成したわけでございますので、問題意識としてはかなり早くとらえておったと申し上げてもよろしいのではなかろうかと思っております。しかし、私もよく工業技術院に対しまして、まあ、われわれしろうとの考えるようにはいかぬのだろうけれども、もう少しこの技術開発というものが早くいかぬもんかということを申しておりますので、御指摘のような点は、工業技術院でも十分心がけましてやってまいらなければならないと思います。  それから、後段のお尋ねでございますが、これはごもっともな御指摘だと思っておりますが、一般的には、公害関係の排出基準との関連で、その機器を備えた結果、基準を順守できる、あるいはできないというようなことから、機器の性能を判断する方法は当然これは公害関係ではあるわけでございます。しかし、もっと具体的に、その与えられた機器の性能が目的どおり発揮されているかどうかということになりますと、ぴしっとそれに合わせて検査、検定をする制度は、いま持っておらないわけでございます。ただいま船舶等のお話がございましたが、実態で申しますと、注文される機器というものはいわば一品生産と申しますか、JISなどの規格をつけて同じものを大量生産するという性格のものでございませんので、そこから、この検定というようなところにちょっとなじまない点があるのではないかと思います。けれども、確かに御指摘のような問題があるわけでございますから、何かいい適切な方法がございましたら、これは検討すべき事項であろうと思いますので、せっかくの御示唆でございますから、具体的にでき得る方法を検討いたしてみたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 この問題は、これはいまにして早くやって、日本のような公害の非常に多い、狭い国に密度が高いわけですから、世界でも冠たるところですから、検査機関もつくらなければいかぬ、こういうように思うのです。スウェーデンなんというのは、大体調べると、集中暖房なんかやっておりまして、そうした技術が非常に進んでおる、こういう状態でありますから、外国でできることが日本でできないことはない、こういうように思いますので、特に要望しておきます。  それから次に、いま大臣もちょっと触れられましたが、公害の測定機器です。この測定機器のJIS規格がいまないものですから、はかるところで非常にばらばらなんですね。ドイツの姿を見ますと、こういう機械ではかりなさいというようにきちっと指示しておりますので、はっきりしたところのデータが出てくるわけです。日本ではいろいろなものを持っていっておりますから、データがずいぶん狂ってくる。そういうことでありますから、この測定機器のJIS規格をつくるかどうか、またその検定をちゃんとするかどうか、これが一点。  それからもう一つは、公害排出防止責任者、まあ仮称ですけれども、こういうものを各企業に置かなければ——現在の姿を見ますと、公害が起こってからさあたいへんだというわけで、工場長や、あるいはまた社長が呼び出されていろいろやっている。ですから、電気のほうでは主任技術者というものがあったり、あるいはボイラーでもそういうものがあるわけですが、そうした防止責任者の専任制度、これをちゃんとやるかどうか、この二点について、大臣からお答え願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 前段のお尋ねにつきましては政府委員から申し上げることといたしまして、後段の問題でございますが、昨年来申し上げておりましたこの点でございますけれども、先般、産業構造審議会の部会において中間報告が出ましたので、私どもとしてはそのラインに沿いまして、今国会に所要の法案を実は御提案をいたそうと考えております。  その考え方の骨子といたしましては、公害防止全般についての責任を持つところのまず統轄者、工場で申しますと工場長というようなことになろうかと存じますが、それと、公害防止対策の実施をおのおの分掌いたします技術者、この両方について責任を定めようと考えておるわけでございますが、なお、その資格あるいは能力、教育訓練等、それについての規定が当然必要でございましょうと思いますので、それらをあわせまして検討が進みましたら、今国会に提案を申し上げたい、かように考えております。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 公害測定機器でございますが、これは機器の性能あるいは測定方法等につきまして、急速にいま研究、開発が進められておるというような段階でございまして、また、被測定物質でありますとか、あるいは測定手法、こういったものも非常に多種多様でございます。こういったことから、何か画一的な検査、検定等が非常にむずかしい面もございますが、私どもとしては鋭意これを検討いたしておるところでございます。一例でございますが、たとえば騒音計、こういったものにつきましては、昭和四十三年度以来、私どもの電子技術総合研究所におきまして、計量法に基づく国家検定ができないかということで、その技術的な可能性をいま追求をいたしております。最近、聞くところによりますと、そう遠くない時期にこれを実施できるのではないか、こういったような成果が見られております。  それから、大気汚染とか水質汚濁関係の測定機器でございますが、これにつきましても、測定方法の精密化あるいは標準化といったようなことをはかるべく、工業技術院におきましてJISの設定がいま検討されております。これも内容等が随時進歩、発展をいたしてまいりますので、機器そのものを検査するということについては、なお技術的な可能性があるかどうか、こういったことも含めて、現在工業技術院で検討を進めております。この点につきましても、いずれその成果をまちましてJIS化をはかってまいりたい、こう考えておるところでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 時間が参りましたから、最後に要求しておきますけれども、先ほど申しましたように、公害防止のためにはどうしても測定機器の規格というものをきちっとしないと、これはほんとうの防止対策はできない。  それからもう一点、最後に、公害防止責任者、排出防止責任者の選任にあたっては、やはり国家試験をするような一定の資格がなければならないと思うのです。ただ責任者だけ置いて、それは公害罪やいろんなものの対象になるだけというような簡単なものであってはならない。それから中小企業に対しての対策は、やはりそういう責任者を置くことはなかなかむずかしいじゃないかということでありますので、その点についての配慮もひとつ考えてもらわなければならない。これをひとつ要望しておきまして、私、時間が参りましたから終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 短い時間にたくさん聞くのはなんですから、ことばが足らない点がありますかもしれませんけれども、まず最初に大臣に伺いたいのは、いまの輸出振興政策は、大臣として、十分行なわれておる、ないしは少し過当なところがある、不十分だ、三つのうちどうお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 現在の輸出振興政策でございますね。端的に申しまして、物につきましてはまずこの程度でよろしいのではないか。プラントにつきましてどうも不十分である、そういう考えを持っております。つまり、コンサルタントをたくさん持っておりませんし、そこからずっとそれがプラントの注文になってまいります。そういうほうの筋の体制というものが十分でないという感じを持っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、少なくともいまの輸出振興政策が過当である、保護のし過ぎであるという観点はありませんか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 実はジェトロなどは、そういうことで長年海外活動をやってまいりましたが、私は、具体的な商品を売り込むというような努力はもうこの程度にして、日本というものをもう少し広い意味で紹介するような努力のほうに少しウエートを移したらどうだということをジェトロに申しておりますので、そのことは、ただいま横山委員の御指摘の点と、私も幾らか似たような共通意識を持っておるからであると申し上げてよろしいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 別な面から伺いますが、通産省としては、一貫して輸出振興の立場をとると思うのです。ところが、四十六年度の税制改正を拝見いたしますと、これは税制の面では、輸出の点についてきびしい立場をとっておるようですね。たとえば輸出割り増し償却制度については、輸出貢献企業に対する特別割り増しの廃止。海外市場開拓準備金制度については、やはり輸出貢献企業に対する特別割り増しの廃止。技術等海外取引所得の特別控除制度については、延長するけれども、圧縮をする。交際費課税における輸出交際費の特例を廃止する等々、輸出抑制の感覚が非常に強いわけですね。これは一体どう考えたらいいのであろうか。通産政策の上に、ドルがたくさん集まり過ぎるとか、そういうもう一つ高い次元の政策が一体あるのかどうか。少し混淆がそこにあるのではないか。輸出振興政策の基本的なラインというのはどう考えたらいいのか、私は判断に苦しむ。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 今回、税制改正をお願いいたしておりますその考え方の基本は、一般に、輸出というものをある程度税制等で優遇をすることは必要である、しかし、特に貢献をしたものにまたその上に特別な優遇策を講じようという、そのエキストラの部分は……(横山委員「過当であったのですか」と呼ぶ)いやいや、もうそれほど必要でないのではないか。むしろそのような財源があれば、われわれの大事な問題であります海外の資源の開発でありますとか、あるいは企業の体質そのものをよくする、強固にする、そのほうに財源を振り向けるべきではないか、こう考えましたので、そのエキストラの部分だけをそのような形で別途に使いたい、こういうふうな税制改正を御提案いたしたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 基本的な方針について、いま、輸出振興政策というか、振興という感覚に少し変化があるのではないか。片一方では、商工委員会では、輸出奨励、輸出をどんどんやってもらわなければいかぬといいながら、実は大蔵委員会では輸出抑制の税制改正が審議をされておる。あなたのように、少しやり過ぎだと言っても、やり過ぎにはやり過ぎだった理由があって法律ができておるわけですから、いまの時点でそれをやめなければならないという積極的な理由というものは、輸出振興政策に対する重要なものの考え方の変化がそこに生まれているのではないか。あなたの言うように、海外に投資をする、あるいは企業の体質を変えて自力でやるということも、一つの輸出振興政策とはいえないことはない。けれども、積極的な政策とはいえないと思うのです。そういう点がどうも本委員会におけるあなた方の御答弁の中に少し率直でない点がある、こういうふうに指摘したいのであります。  それから次に、同じような問題で私は通産省のあり方について幾つも不満を持っています。  一つは、先ほどからもいろいろ質問が出ておるわけですが、どうも中小企業政策については、本省はあまり感覚がない。中小企業庁長官にまかしておけばいい、中小企業庁にまかせばいい。チェックはそこで打ってくれる。自分たちは産業政策オンリーで進めばいいという感覚がどうも強い。そして産業政策を業種別に進めるときにも、まずトップの大産業、トップの企業と相談をする。通産省が中小企業者の団体なり何なりとさしで政策について懇談する機会というのは、あまりにも少なではないかということが不満の一つです。  それから、石原産業に見られるように、企業との癒着がどうしてもまだまだある。指導と協力、助言ということから、どこに一体姿勢がきちんとしているところがあるだろうかという点については、私は少なからぬ事例を実は申し上げたいのですけれども、心配がある。  それからもう一つの心配は、私が先般来も指摘しましたが、産業が非常に激動しているために、法律を制定しないで、必要性があって、行政指導でそれをやっているという不満が非常に多い。私が先般来あげましたのは、たとえばスタンドの規制で、公取は好ましくないといっている。法律でやるならいいけれども、かってに行政指導で年間二百なり三百しかつくってはいかぬというような行政指導は越権行為ではないか。あるいは先般も指導しましたように、電気技術者の資格問題。国家試験を受かったけれども、おまえは十年、十四年実務経験がなければやってはいかぬ、許可しないということは、何の法律根拠をもってやっておるのか。私は、ほかの省と違って、非常に激動する、産業の移り変わりのときであるから、ある意味において善意の指導はわからぬではない。しかし、お役所が自分の自由裁量で、それが社会公共上必要なんだというかってな理屈をつけた権限のない行政指導の行為というのは、別な面では、国民の主権、それから営業の自由、こういうものを制限する事例が通産省はずいぶん多い。これが次の不満であります。  その次の不満は、これは通産省ばかりではないのですが、この法律の中にあらわれております。審議会を設置する、こう書いてある。審議会を設置するのはいいけれども、この第十五条に「電子・機械工業審議会に諮問しなければならない。」と書いてあるが、一体この電子・機械工業審議会はこの法律の中にどこに出てくるか。ここだけしか出てこない。それではどこに設置基準があるかというと、附則で通産省設置法にちょびっと改正をしているだけである。こういう事例は最近非常に多いのであります。これが法律違反と必ずしも言いがたいにしても、そういう審議会を設置するについては、本法律の中で人数、欠格条件、構成その他をきめておる。そういう法律の国会審議の原則を、これを見ますと、何人置かれるのやら、どういう欠格条件があるのやら、どういうふうに運営されるのやら、全然隠してしまって、それを通産省設置法の初めのほうで政令にゆだねるということにしてしまっているわけです。こういう自由裁量をかってにやるということは、国会の立法権を不当に制限をする、こういうふうに私どもは考えておる。これはひとつ、通産省ばかりではありませんけれども、警告を発したい。国会の審議権の抑制であり政府に不当に自由裁量権を与えるものであって、これは好ましくない、こう考えておるわけです。  そういうようなことのほかにまだ幾つもありますけれども、たとえば工業試験所の運営ですね。工業試験所の運営状況を見ていますと、非常に多忙であろうけれども、中小企業者が相談をする余地がないです、実際問題。試験やっているものはほとんど大企業ないしは中堅企業で、工業試験所へ中小企業者がこれどうだろうと行っても、相談し得る体制にないですよ。そういうことを一体どういうふうに考えたらいいだろうか。  これは枚挙にいとまがありませんけれども、通産省のいまのあり方について少なからぬ不満がある。そういうことについて、大臣に全部一々御答弁を願おうとはい思いませんけれども、もう少しこの辺、通産省に対する国民の不満というものはどんなものがあるか、一ぺん別な角度で御調査をなさる必要がありはせぬか、そう思いますが、いかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 概して御指摘の点については、私どもが反省をしなければならない点であるというふうに承っております。  それでまず、輸出税制のことでございますけれども、やはり臨時措置法でございますので、そのときどきの要請に従って、硬直化しませんように弾力的に考えていくべきであるというふうに思いますので、ただいまのエキストラの振興の部分は、かつてわが国の輸出というものが、輸入するほうから見ますと、国内の状況によっていわゆる限界的な、マージナルなものとして日本からの輸出を受け取った時代がございますけれども、いまや相手国の日常の需要の中に日本からの輸出というものが組み込まれるような段階にまでなりましたので、それでエキストラの部分は軽減してもいいのではないかというふうに考えたわけでございます。  それから、一般に行政指導といわれるものでございますが、御指摘の点は私はごもっともなことだと思います。思います反面、実はこのようなこともございます。先ほど御指摘のありました石原産業の問題でございますけれども、これを担当いたしました官吏と会社側との間に共同行為があったかどうかという点は、いま司直でお調べでございますから、それを一応別にいたしますと、あの場合、石原産業から出ました工事の届け出をそのまま受け取って、そのまま工事を進めさせましても、公害関係で申しますと、PHの規制などが実はあの場合ございませんでしたから、行政としては少しも違法ではなかった。それをいろいろ改善をいわゆる行政指導によって行なったわけでございまして、その意図そのものは、越権といわれますると、厳格にはそうであろうかと思いますが、しかし、幾らかでもよい公害防除施設をつくらせようという、そういう意図に出たものというふうに考えられるわけでございます。そのような行政指導というものを今後禁止すべきかどうかということになりますと、事なかれ主義になりますとそういうことになりやすい。行政指導というものには、したがってそのような両面がございます。あの場合、当時の石原産業の最高経営者は、そのような行政指導なんてものは法律に根拠がないので聞く必要がないというふうに考えられたようでありますけれども、それでいいのか、あるいはやはり方法と目的さえ誤らないのならば、積極的に行政指導をしていくことが必要な場合が多いのか、どうもその辺にはいろいろな問題がございまして、御指摘の点は実はよくわかるのでございますから、いわば行政そのものの中正あるいは公平、国民に奉仕するということを忘れずに鋭意やっていけ、そういう官吏に対する私どもの指導になるべきではないのかというふうに考えておるわけでございます。  それから、審議会のこと、あるいは工業試験所と中小企業との関連、中小企業について一般的にもう少し大事に考えるべきではないかといったような点、御指摘の中にはごもっともだと私が考える点も多々ございます。反省をいたしてまいりたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 行政指導が必要なことは、言うまでもない。しかしながら、それは法律に根拠を置いた以外のことによって、自分の独断でそれが必要であると判断してはいけない。したがって、国民の主権なり営業の自由を制限する場合においては、法律に根拠を持った仕事をしなければならない、こういうことを、私はスタンドやあるいは電気技術者の問題を例に引いてお話をしているわけです。  それから五条に「資金の確保」ということになっておりますが、「高度化計画に定める所要の資金について、その確保又は融通のあっせんに努めるものとする。」、従来は設備資金だったけれども、運転資金も含めるという話であります。それについて、共同事業会社について若干触れたいと思うのですが、共同事業会社の運転資金を貸すことになっておるのですが、現状はたしか一年据え置き、三年返済になっております。ところが、常識的にいいますと、一年据え置きで三年返済ならば四年だと考えるのが普通なんであります、最後に支払いをするのは。ところが、看板に偽りありで、一年据え置きで、一年目にもう払いを始めるんですから、これは三年で返済をする。据え置きの意味が何もないんです。それが一つ。  それから二つ目は、共同事業会社十あります。私も通産省から来てもらって、十の共同事業会社について念査をしてみました。ところがどうもいい成績がないわけですね。二年か三年くらいのものですから、そういい成績がないというのは当然でありますけれども、なぜそんなに共同事業会社が成績がよくないか。考えますと、結局商売がたきがみんな集まって、統一して共同事業をやろうということなんです。この新種を一つつくろう、共同でやろうということになる。商売がたきですから、みんな、実はうまいこと通産省が何かえさをくれるからと集まるけれども、実はおれのところの下請に来たんだ、あるいは従業員も配置転換せんならぬ、そういう問題もありますし、積極的ではないんです。できた品種についてみんなが買うという、その保証もなければ、これをつくるについて、同品種のものをほかの者がつくっちゃいかぬという協同組合のような制限もなければ、どうもあいまいだと思うんです。ですから私は、共同事業会社をやるならやるように、たとえば協同組合の方式のように、その品種をつくらせるんだったら、ほかの者はそれつくらないとか、そしてインチキの、運転資金を一年据え置きで、実はあと二年で返済ということも、一つの会社を設立して運転資金だけしか貸さない、設備資金は、まあ公庫は貸しますけれども、オーソドックスなこの無担保のやつについては貸さないということも、どうも政府の援助のしかたについては、税制なり、金融なり、あるいは組織的な運営のしかたについて、中途はんぱではないのか。だから、あまり効果があがらないんじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。この共同事業会社について、せっかくこういうような法律を制定をする機会に、一ぺん見直すべきではないか、こう思いますが、いかがですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 共同事業会社でございますが、いま御指摘のように、私どもも、その全部についていろいろな角度から検討を加えております。全般的に見ますると、いま横山委員御指摘のように、私どもとしても、まだ十分な成果をあげていない、こう言わざるを得ないと思います。個別に見てみますと、たとえば超硬工具のホルダーをつくっております東海工具でありますとか、あるいは歯車のフランジの加工をしております関東第四グループ協業であるとか、こういったように順調に操業しておりますものも、二、三ございますが、同時に、いま御指摘のように、なかなかうまくいってないというのも事実でございます。  御指摘の金融の面でございますが、これは原則的には一年据え置き、二年返済ということで長期運転資金を貸すということになっておりますが、この運用にあたりましては、もともと設備資金ではございませんで、在庫資金等の運転資金、こういうことになっておりまするので一応三年で十分ではないかということで始めたわけでありまするが、運用にあたりましては、特に必要な場合には五年までは融資がし得る。また、増加運転資金が必要であるということであれば再度融資も可能であるというようなことも考えておりまして、個々の共同会社の実情に応じまして、これらがうまく運用できますように、この資金の制度等につきましても、今後は実情に即して私どもも指導してまいりたいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなた方が指導しても銀行が貸さないのですから政府が貸すのではなくて、銀行が貸すのですからね。いままででも、私の経験からいいますと、通産省はていさいのいいことを言っているけれども、金融機関が、無担保という点についてはどもあれ、あとは全部商業ベースですから、あなたの言うようにうまくいっていないということを指摘しておきますから、これからは、内容の改善と金融機関に対する趣旨の徹底をひとつ望みたいと思います。  最後に、この六条の二項、合理化関係特定電子工業等のうち、共同行為を実施すべきことを指示する条件ですね。しろうとが読んでみましても、まず最初に「健全な発展」とは何だ、「著しい支障を生ずる」とは何だ、「おそれがある」とは何だ、「やむを得ない必要がある」とは何だ、こういうことがすぐびんとくるわけです。しかも、これほど広範な自由裁量の余地を残して政府がかってにしぼりをかけるのですが、しぼりをかけて大臣が指示をする。その指示をしたことに対して守らなかったならばどうするかということについて、たしか何の罰則もありませんね。一体何のことだろうと私は思うのです。これは実に広範な、全く自由裁量権を大臣に与えるものだと思います。「生産の合理化を促進しなければ国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがある」とある。現存するでしょう、そういう「おそれがある」、しかも「やむを得ない」というのが。具体的に、いま何かほんとうに説得力のある、国民がなるほどそういうものがあるのかというものがあったら、私に示していただきたいと思うのです。いいかげんな理屈でなくてこういう広範な、全く自由裁量ともいっていいほどの文章で、しかもなおかつやらなければならぬものがある。あるとするなら、それほどあるとするなら、大臣がわざわざ指示をしたことに対して、守らなくても何とも別に差しつかえないということが、実際法体系としてどう考えたらいいんだろうかという点について、御意見を最後に伺います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 この点は、後ほど政府委員から詳細を申し上げますけれども、まあ御議論は先ほど言われましたようにございますけれども、この場合には、審議会の意見を聞くということでもう一つしぼりをかけておるわけでございまして、そういう過程の中から、私どもが考えていることが妥当であるかどうかという、いわゆる学識経験者の意見を吸収しよう、そういう仕組みにいたしておるわけでございます。表現といたしましては、具体的に書けません以上、この程度しぼっておけばということでしぼっておるのでございますから、そうしょっちゅうこういうことが起こるとも考えないわけでございますが、まあしかし、こういうことがあり得るということで、さらに慎重にいたします意味で審議会の議を経るということにいたしたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣、せっかくですが、何の答弁だかわかりません。それほどおっしゃるなら、それほど必要性があるならば、あなたが指示したことについて守られなくても別に差しつかえないけれどもということは、一体どういうことなのか。それに対して罰則も何もないということは、どういうことなのか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 これは罰則を設けますことは、事柄の性質上どうも私ども不適当だと思います。いわば通産大臣の行政上の判断で指示をいたすわけでございますから、その指示に従わないときに、それがすぐに犯罪になるというようなことは、どうも適当でないのではないだろうかという趣旨からでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 納得できませんけれども、時間がありませんので終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣にお尋ねする前に、赤澤局長に御答弁をお願いいたしますが、三月二日の委員会であったと思います。中谷委員の第十条第一号の「相当の比率」の解釈に関する質問に対しまして、赤澤局長は答弁を留保したままになっております。きょうは中谷委員が病気で休んでおります。この点について、明確にお答えをいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 お答え申し上げます。  第十条第一号に記載されております「相当の比率」の解釈についてでございますが、その後検討いたしました結果、この解釈は次のようであるということでお答えを申し上げたいと存じます。  第十条第一号にいう「相当の比率」は、共同行為にかかわる合理化関係電子機器等の総生産額の少なくとも二分の一以上を考えております。しかしながら、これは最低要件でございまして、総生産額の二分の一を越えているからといって直ちに命令を発動するということになるわけではなく、他の要件のすべてを充足することが必要になってまいります。これを具体的なケースに即して申し上げまするならば、たとえば総生産額の二分の一近くを生産しておる一社と他の一社とが規格の制限にかかわる共同行為を実施しておるというような場合におきましては、この第二号の要件に該当しない、こういったことから命令を発動することにはならないと考えておるわけでございまして、いずれにしても解釈としては、総生産額の少なくとも二分の一以上ということではございますが、他の要件とも関連をし、個別、具体的なケースに即して判断をしてまいりたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは時間もございませんから、いままで私どもが質疑をしてまいりまして明確でない点も、ございますので、大臣にお尋ねをしてみたいと思います。  四十五年の七月であると思いますが、産業構造審議会が「今後の機械産業政策に関する答申」を政府に出しておるのであります。第二章に、二九七〇年代の機械産業の展望」として、「わが国機械産業は戦後著しい成長を遂げてきたが、これは豊富低廉な労働力、技術導入による技術の革新、高度経済成長による内需の増大と有利な国際環境の下における輸出の増加等きわめて恵まれた条件下でなされたものであった」、しかし、この「環境は、ここ数年大きく変貌しつつあり、今後一層その変化は激しくなるものと考えられ」るから、「機械産業は新たなる対応を迫られている。ということを指摘をいたしまして、「機械産業をとりまく経済的社会的環境が近年いかに変貌し、今後どのような方向に発展してゆくか、そうした環境の下に国民経済社会が一九七〇年代の機械産業に何を期待しているか、そのときの機械産業の発展の姿はいかなるものであるのか、その規模と構造はどのように想定されるかについて考えて」みなければならぬということで、「機械産業をとりまく環境」では、第一に「国際化の進展」、第二に「労働力不足の激化」、第三に「需要の高度化、多様化」、第四に「情報化の進展」であると規定をいたしまして、機械産業の重要性を強調しながら、一九七〇年代の機械産業政策のあり方はどうあるべきか、変革の時代にいかに対応するのか、将来に向かって明確な方向を定めて、民間と政府の能力を効果的に活用することを求めているわけでありますが、すなわち、このことは機械産業の未来像、その展望を求めておる、そのように考えるわけであります。  この答申の上に立ちまして本法律案を御提案になったと思うわけでございますが、私どもはこの二日間、法律案の中身に対しまして、また、政府の施策に対しまして、真剣に政府の考え方をただしてまいったわけであります。非常に孤軍奮闘、私どもの質疑に答えてまいられました赤澤局長に対しましてはたいへん恐縮なんでございますけれども、端的に私の感じ方を申し上げさせていただきますならば、どうも大臣の提案理由の説明にいたしましても、答申の要旨をここで書き連ねた、そうして法律案の中身は従来の機振法と電振法そのものを引き写してきたという印象を、実は受けておるわけであります。先ほど私が読み上げました答申の趣旨を生かして、もっと明確に政策目的ということをこの際明らかにしていくべきではないのか、そのように実は考えるわけであります。また、法律案の中には、そのことはそう書けるものではございません。しかしながら、単なる手段であってはならないのである。それから私どもが質疑をいたしますならば、それに対してそのビジョンというものを明らかにしていくということでなければならないと思うのですけれども、どうもその点もの足りないわけであります。将来の検討事項という形の答弁が、非常に多いわけであります。この際、大臣の機械産業のビジョンについての見解をひとつお伺いをいたしたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 この法案を御提案いたしました背景並びに法律となりました場合にこれを運用するための指針でございますが、やはり一つは外資あるいは資本自由化ということを、私ども、六〇年代かなり守勢的、防衛的に考えてまいりましたわけでございますけれども、機械工業、電子工業等につきましては、この七〇年代はもう少し攻勢的な立場、守勢でない立場で考えるべきではないか。すなわち頭脳集約産業でございますし、また、わが国が非常に多量のエネルギーを消費することに伴ういろいろな問題等も考えますと、やはりこういう産業がわが国をになって外国にも出ていくというような積極的な体制をつくるべきではないかというのが、第一点であります。  第二点に、七〇年代の新しい問題先ほど御指摘のように、情報化社会ということもございますし、また、公害でありますとか、安全でありますとか、そのような新しい社会的な需要が出てまいりました。それらの問題に対処をするというのが、第二の観点。  第三の観点といたしまして、それらの目的を達していきますために、やはり機械工業あるいは電子工業というものを全体のシステムとして、あるいは集約的にとらえていかなければならなくなったという現状。  それらのほかにも、まだ幾つか観点はあろうと存じますけれども、三つの観点からこの法案を御提案申し上げ、またそういう方針で運用をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は具体的に、技術の開発についてどう取り組んでいこうとするのかといったようなこと等について、考え方をただしてまいりたいと思うのですが、実は大臣も参議院の総括質問の時間もあるわけであります。したがいまして、あらためてこの問題については、法律との関連事項ではありますものの、この後さらに政府の施策をただしてまいる機会もあろうと思います。そうした具体的な問題はまず別の機会にお尋ねをいたしたい、そのように考えますが、法律に直接関連する問題としてどうしても大臣の見解を伺っておかなければならぬことは、競争条件の確保の問題であります。  今日、独禁法の厳格公正な運用、競争条件の整備ということが、非常に重要である、これは今日の大きな課題なのであります。佐藤総理も、再三再四この点を強調しているわけであります。しかしながら、本法案というものが独禁法の適用除外であるということは、これは申し上げるまでもないわけであります。競争条件を整備をしていく、できるだけ競争制限をしないということになってまいりますならば、本法の場合におきましても、できるだけ公取との協議というものが行なわれるということを規定しておかなければならぬと思うのです。しかしながら、公正取引委員会との協議というのは、共同行為の指示、そのときのみ公取との協議がなされる。その指示に基づきまして、政府が命令をするとか、あるいは勧告をするとかいったような場合におきましては、全く公取とは無関係なのであります。率直に言わしていただきますならば、ほかの法律よりも公取との関係が非常に弱くなっているのであります。ゆるやかである。これは時代逆行である。少なくとも政府が今日国民に向かって明らかにしておる競争条件の整備という問題とは、方向が違った形にこの法律案はつくられていこうとしておるということを私は指摘せざるを得ないのであります。私は、一昨日の委員会でございましたか、そのことは申し上げましたので、重ねて触れませんが、この公取との関係の中におきまして、今後この法律をどう運用していこうとしているのか、競争条件の整備をいかに強化していこうとされるのか、そのことについての大臣の所信を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 この点は今後の運営につきまして非常に大切な点でございますし、また過日、中村委員の御質問にもありました点でございますが、確かにこの法律は、御存じのような目的のためにこのような御提案をいたしておりますけれども、その反面、運用を誤りますと、国内における自由な競争、ことに中堅あるいは中小企業と大企業との関連においてそれを阻害するような結果になりやすうございます。この点は十分法の運用について戒心を要さなければなりませんし、また法に規定されております場合はもとよりでございますが、そうでない場合におきましても、公正取引委員会の意見をよく聞きつつ、御指摘のような弊害を生じないようにこれは十分戒心をして運営をしてまいらなければならない、このように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 次に、国家資金の確保と貸し付けに対する考え方をお尋ねいたしておきたいと思います。  今日まで、機振法と電振法の運用の面におきまして国家資金約一千億以上を投入をしておる、貸し付けがなされておるということであります。私は、そのことが機械産業の体質改善に役に立っているということは、率直に認めなければならぬと思うわけです。しかし、ここで注目をしなければならないことは、いままで貸し付けを行ないましたものの三割以上というものが、資本金十億円以上の大企業に融資をされているという点であります。私は今後、中堅、中小企業向けの融資というもの、これに重点を置かなければならぬ。いままで、中堅企業であるとか、あるいは中小企業に対して融資がなされておりますけれども、大企業の系列、大企業の生産性を高めるということ、効率をよくするという面に貸し付けが行なわれたということも、否定することはできないと思います。したがいまして、従来両法の運用の中においてなされました方向から、真にこの融資を求めておる中堅企業あるいは中小企業重点にこの貸し付はなされるべきである、そのように考えるわけでありますが、大臣の考え方をお伺いをいたしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 ごもっともな御指摘だと考えます。開発銀行の融資という点から考えますと、おずのから大企業のウエートが高い。これは御指摘のようにそうでございますけれども、同様なことを中小企業金融公庫もいたしておるわけでございまして、両方の銀行が同じ役割りを二つ分け持っておるという関係になっております。したがって、御指摘の線に沿って忠実に、今後、中小企業金融公庫におけるこの種類の貸し付けというものを強化してまいることによりまして、中堅あるいは中小企業についての本法の趣旨が十分に実現されますように努力をいたすべきものと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 次に、外資の進出対策についてお伺いをいたしますが、本格的な資本の自由化というのが目前に迫ってまいりました。特に外資といたしましては、魅力がありますものは日本の機械産業であるわけであります。したがいまして、この電子機械工業に対しまして、ある場合は特許権というものを武器にするとか、ある場合は豊富な資金力というようなものを発揮いたしまして競争をいどんでくるであろうことは、十分想像できるところであります。したがいまして、政府は予想される外資の攻勢に対してどのように対処していこうとしておられるのか、この際明らかにしておいていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私どもなるべく外資に対して、これはわが国のためになることでございますから、寛大でありたいと基本的に考えておるわけでございますけれども、それでも、それが撹乱的な要因となることは、場合によりまして考えておかなければなりませんので、この法律によりますところの十三条、あるいはただいま特許の御指摘がございましたが、特許法の九十三条、また外資法そのものの運用といったようなところで、しょせん外資を迎えるということもわが国のためになるという考えからやっておるわけでございますからわが国のためにならないような擾乱要素になると考えましたときには、ただいま申し上げたような幾つかの法を運用してまいりたいと考える次第であります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がございませんから、これを最後にお尋ねをいたします。  電子・機械工業審議会の構成と運営について、これは私も先般委員会におきまして十分ただしてまいりました。また同僚委員も、この点、問題視いたしまして、お尋ねもし指摘もしてまいりました。従来の機振法、電振法の審議会の構成と運営というものは、好ましい姿ではなかったと思います。その構成は、これまた端的に言わしていただきますならば、業者の集まりであった。これは専門的な知識が必要だからということをいえば、それでしまいであります。しかしながら、あまりにもそれに偏しておる。したがって、業者の集まりということになってまいりますならば、このウエートは、業者の都合のいいような方向づけというものがされてまいりますから、それにかかってくるということになってまいるわけであります。  電子・機械工業審議会の構成と運営というものが従来のようなものであっては、本法の目的を達成することにはならぬ。それだけではなくて、むしろ国民経済、国民生活の向上ということを目的といたしておりますが、これに対しては、その方向ではなくて、弊害をもたらすであろうことを私は憂えるのであります。したがいまして、大臣といたしましては、この構成と運営に対してどのような考え方をもって対応されるのか、この際、明確にしておいていただきたいと思います。この点は、ひとつ比較的具体的にお答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 先刻も申し上げましたように、この法律の背景になっております一九七〇年代の新しい社会的需要、その中には国民生活に最も関係の深い公害でございますとか、あるいは安全とかいう問題が意識としてあるわけでございます。したがいまして、今後この審議会を構成してまいりますときに、いわゆる専門家−業界の専門家ばかりでなく、国民生活全体を代表するような、いわば中立委員というようなことになろうかと存じますけれども、そういう層を厚くいたして、ただいま御指摘のような弊害に審議会の運営がおちいりませんように、注意をしてまいりたいと考えております。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 起立多数。よって、本案は原案とおり可決いたしました。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 次に、本法律案に対し、武藤嘉文君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 提案者を代表いたしまして、附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配付したとおりでございます。その内容につきましては、すでに質疑を通じで各委員から御指摘のあったところでございますので、項目ごとの説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。     —————————————   特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案に対する附帯決議(案)  政府は、本法施行にあたり、その運用が事業活動の公正な競争を制限することとならないよう、常に留意するとともに、特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。 一、資本自由化の進展に対応して、本法の積極的活用等により、電子工業及び機械工業の技術開発力の強化及び生産の合理化を一層促進するとともに、外資進出に伴う混乱防止措置を講ずる等外資対策に遺憾なきを期すること。 二、高度化計画の実施にあたつては、中堅・中小企業の体質の強化について重点的に配慮し、それに必要な資金の拡充に努めること。 三、電子・機械工業審議会において公正な審議が行なわれるよう、委員の人選、部会の構成、会議の運営等について十分配慮すること。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、附帯決議について、政府から発言を求められております。これを許します。宮澤通商産業大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、文案の御配付をいただいておりますので、本件につきましては、御決議の御趣旨を十分尊重いたしまして善処する所存でございます。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 おはかりいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ————◇—————    午後一時十二分開議

八田貞義自由民主党

○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。   通商産業の基本施策に関する件、私的独占の禁  止及び公正取引に関する件について調査を進めます。   質疑の申し出があります。これを許します。鴨  田宗一君。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 きょうは商工委員会で、大蔵委員会に現在提案され審議されております青色事業主特別経費準備金制度という租税特別措置法の問題は、商工委員会では、よく中小企業に対する金融の問題は非常に御熱心に御討議せられますけれども、税金の問題につきましては、大蔵委員会にかかっておりますので質問の場がございません。実は大蔵委員会のほうへ一時籍を移しまして質問するのが当然ではありますけれども、直接中小企業に関係いたしまする税金の問題でありますので、この席で質問をいたしたいと思います。  青色事業主特別経費準備金制度という新しい制度を、大蔵省、政府におきましてはつくりまして、今回議会へ提案をしておるわけでありますけれども、この本質的な問題について、きょうはこの制度の立案者であります課長がちょうど見えておりますし、また政治的なことにつきましては、政務次官が見えられておりますので、二、三お伺いしたいと思いますが、時間がほんとうにわずかでありますので、お答えは簡潔にお願いいたします。  まず、税の本質の問題から山内課長にお聞きいたしたいのでありますけれども、所得税法におきまする所得というのはどういう概念をさしておるか。法人税法におきましては、これは昨今の改正によりましてきっかりと出ておりますけれども、所得税法には、所得とはという概念が出ておりませんので、これを山内課長から明確にお答えを願いたいと思います。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 御指摘のように、所得税法の中には、所得ということばは随所に出てまいるわけでありますけれども、所得そのものの概念について、これはこうこうこういうものであるという規定は実はしてございません。その点は御指摘のとおりでございます。ところが、課税標準といたしましてはその所得というものが使われるわけでございますから、所得税法の中でも必要と申しますか、核心的地位を占める概念であるわけでございます。  しからば、所得の概念は全く不明確かというと、それはそういうことではございませんで、現在の規定のいたし方といたしますと、おおよそすべて一般的に所得と考えられるものを取り込みまして、これを所得と観念いたして、その中から、次のようなものは非課税所得でありますよというので、非課税所得が具体的にいろいろ列挙されております。そういう関係から、非課税のものを逐次列挙してありますものに従って排除してまいりますと、おのずから残ったものが課税の対象になる、いわゆる税法上で申します所得というような形になろうというふうに観念をしております。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 そこに少しむずかしい問題があるのでありまして、ただいまの山内課長の答弁によりますると、概念的にはいろいろと例記されておる、一から十まで所得分類が出ており、これによって所得の概念は割り出されるのじゃないか、あるいは非課税の問題もあるから割り出されるのじゃないかと言いますけれども、それはどうも、われわれ少し税に頭を突っ込んでおる者といたしましての質問には、答えてくれてないのであります。それは、いわゆる経済的な性質による所得の問題の答弁でありまして、私は、経済的本質問題から実は所得という問題を取り上げてみたいと思うが、この問題は理論的になってまいりますので、こんなことを話しておりますと、一時間でも二時間でも際限がありませんから、一応その点は了といたしまして、実は私たち税金を論ずる上におきましては、課税の最低限ということを考えております。これはもう条文のあらゆるところに出ておりまするけれども、この課税の最低限というものをきめるきめ手というものはどこにあるのか、これをひとつ、税を徴収するほうの側である、しかも法律を立案いたしまする大蔵省の御意見をお聞きしたい。  承りますと、これはとにかくマーケットバスケット方式というのがある。これは私がここでるる申し上げるまでもなく、課長は十分存じておると思いまするけれども、このマーケットバスケット方式というものが、結論からいえば、基準の生活費というものを捻出するところの一つの基準になるのだ、それによって最低の生活、税のほうでいえば課税最低限というものを決定するきめ手になるのだと言っておるけれども、現在のマーケットバスケット方式によりまする基準生活費というのはどの辺に置いておるか、これをひとつお答えを願いたいと思います。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 四十四年、四十五年の税制改正におきまして、すでに御承知のとおり、課税最低限は給与所得者の夫婦・子三人、いわゆる五人世帯の場合をとってみますと、百万円をこえる状態になったわけでございます。  百万円をこえるような状態になりましたにつきましては、そういう法律改正をいたします前に、あらかじめ税制調査会の意見を伺った上で、それに従ってそういう改正をいたしたわけでございますけれども、その税制調査会の答申の中にも明らかにされておりますように、現在の段階では、ある程度の貯蓄をもなし得るようなゆとりのある生活というのを一応想定をいたしまして、百万円に達するならば、その点についてはそういう状態に到達し得るであろうということで、百万円まで、四十四年、四十五年、かなり大幅な財源をさきまして税制改正をやってまいった次第であります。で、そのときにも触れられておるわけでございますけれども、一応そういう形で百万円、課税最低限というものが達成されました暁には、それから先あらためて、何年には幾らといったような固定的、硬直的な金額目標というものはもうつくるのは適当ではなかろう、むしろ、そのときそのときの経済情勢の変遷、それから国民生活の変容、そういったものに応じまして、モデレートな課税最低限の調整をやっていくことで足りるであろうという考え方が打ち出されております。そういう考え方に乗っかりまして、今年度の税制改正におきましては、それ以後の、たとえば経済情勢の変化でありますとか、物価水準の変動でありますとか、そういったものも見込みまして、現在、所得税法の改正案として御提案申し上げておりますような形で御審議をお願いいたしておるわけでございます。  いま先生のおっしゃいましたマーケットバスケット方式というのも、従来、比較的課税最低限の低い当時には、新聞紙上にも取り上げられたことがありますけれども、いわゆる大蔵省献立といったようなものと関連をいたしまして議論をされた時期があったわけでございますけれども、いま申しましたように、百万円をこえる状態になってまいりますと、もはやそういった最低生活費という観念からは離れて、ある程度——ゆとりのある段階——ゆとりのあるというのは、どの程度までをゆとりのある段階にすればよろしいかというのは、これはおそらく国家財政との関連もございましょうし、先ほど申しましたような社会、経済的な情勢の変化等にも左右されてまいると思いますけれども、そういう状態にいまはなっておるということでございます。  そういうふうなことに相なりました結果、現在お示しをいたしております、今年度の所得税法改正案によります課税最低限といいますものは、これは釈迦に説法でございますけれども、アメリカを除いては、主要先進国のいずれとも比べて比肩し得る、あるいは一そう金額的には上回っておるという状態を招来いたしておるとわれわれ考えておる次第でございます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 山内課長の御意見によりますると、課税最低限はちょうど現在の社会情勢に見合っておる。また、情勢の変化によってそれを上げ下げ——下げることはないだろうと思うが、上げようという考え方であられるようである。私はまた別の考えから、現在の課税最低限というものは、現在のいわゆる最低生活というものすらも維持できないような状況じゃないか、そう考えております。もちろんそれは考え方の違い、私たちが見ている対象の違いでありましょう。そういたしますると、ことばをかえていうならば、そういう最低の生活が細々、それこそ文化的な健康な、明るいなんということは、これはできませんし、また、われわれが生活をし、子供を大学まで出してやろうというような、いわゆる社会的な生活というものを課税最低限では望み得ない。  そこで私は、そういう非常に低い課税最低限を土台にした所得税というもの、現在行なわれております所得税というものは、極端なことばでいえば、いわゆる憲法二十五条で保障しておる、これに幾らか違反しているのではないか。税の面においてですよ。それはどうですか。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 課税最低限の見方には、もちろんいろいろあると思います。先ほど、諸外国と比べて必ずしも遜色がないと申し上げましたのも、これは単純に金額だけの比較でございます。したがいまして、われわれ自身といたしましても、現在の課税最低限がこれで全く十分だというふうに考えておるわけではございませんで、今後も歳入あるいは国庫の情勢の許します限り、重点的な形で所得税の課税最低限を引き上げてまいる、あるいは税率の軽減と組み合わせて所得税負担全体の軽減をはかってまいるということは、これは従来から、私どもの大臣なり局長なりも繰り返して申し上げておりますことでございまして、この点については、十分御理解はいただきたいというふうに考えます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 さて、総論的なことはまだだいぶお聞きしたいことはありますけれども、具体的な問題に入ってまいりたいと思います。  実は、私ここへ持ち出しましたのは、税負担比較というので、四十六年の今回の税制改正を織り込みました一つのモデルをつくってみました。これはまず給与生活者、年収百二十万、それから青色申告事業者、やはり年収百二十万、さらにまたいわゆる法人成りの法人企業、これがやはり年収百二十万。これは私のつくった事例でありますので、一応私といたしましては、それぞれ各三種の所得に対して国のほうでどのくらいの所得税をかけておるか、これをひとつ比較をしてみたいと思います。  年収大体百二十万の給与生活者におきましては、これはもう所得税、それから府県税、市町村税、住民税をひっくるめまして、年間三万七千円の税金を納めております。それから青色申告者におきましては、同じ条件、夫婦、扶養家族二人という世帯構成でありますが、所得税と事業税と住民税をひっくるめまして、八万七千四百二十円を納めなければなりません。次に、たとえば年収百二十万の個人事業主が法人になったという法人成りの場合、いわゆる法人企業の場合におきましては、これは法人税とそれから事業税と住民税、これで二万二千八百七十円であります。こうして比較してみますと、ここに私は政府がいわゆる答弁しております——ただいま答弁したのではありませんよ。ある議員の質問に対して政府が、公の文書によって答弁しておりますその答弁の中の一つをとってみますと、その答弁の中にこういうことが書いてあるのです。今回の青色申告のいわゆる準備金制度をつくったということに対しては、個人企業と法人企業との税負担のバランスという点について一生懸命配慮して、その負担の均衡をはかったのだということが出ておる。決して均衡ははかってないのです。これは山内課長も御存じのとおり。どこにミスがあるかと申しますと、ここにミスがあるわけだ。みそがあるわけです。どこにみそがあるかというと、給与所得控除、この問題がこの個人事業主の問題と非常に関連があるわけです。ここに、私がこれから申します税の本質の問題の間違いがあるわけです。  どういうふうな間違いがあるかと申しますと、給与所得控除におきましては、この定額の控除が、先ほどの税制改正によりまして今度は十三万になりましたね。ですから、かりに百二十万の所得をいたしますると、その方はどんなふうな控除になるかというと、三十三万七千円になるのです。これは私、計算してみました。百二十万から百十三万を引きまして一〇%かけます、それにプラス三十三万で、三十三万七千円というのが給与所得控除の計算になってまいるわけです。これはわかりますね。間違いありませんね。これはだいじょうぶだと思います。  それから今度は、今回皆さま方のほうで、大蔵省のほうで、青色申告を特別めんどう見たのだといった五%、十万円の例の問題、この問題も私はあとでお話を申し上げたいと思うのでありますけれども、私といたしましては非常に賛成できかねるのです。大蔵省のほうでは、政府のほうでは、青色申告に対して恩典を与えたのだ、青色申告を一生懸命奨励するために、また青色申告の方々が老後を安心して一生懸命商売できるようにといういろいろな題目を並べて、そうして青色申告をカバーし、青色申告を育成するようなことを言っているけれども、この計数から見てそういうことは出てこない。これはほんとうのこの税金のとおり私は計算していったのだから。と申しまするのは、今回の百二十万の個人事業主においては、準備金はどうなるかというと、百二十万に五%かけますると六万円です。百二十万の事業所得の人は、六万円を必要経費として積み立てるわけです。それが引かれるわけですね。必要経費として政府が認めたことは、これは控除でなくて、必要経費であるから、その年で計算してしまうという意味ですか。十年たつまでそれをためておくという形式的なことになっておるけれども、必要経費と認める以上は、これは法律上そのまま取り出さなくちゃならないでしょうね。いかがですか。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 いろいろ御質問がございましたので、あるいはお答えをし忘れるところが出てまいるかもしれません。あらかじめ御了承いただきたいと存じます。  まず最初の、年収百二十万の人につきまして、給与所得者と、青色事業者と、それから法人形態の場合と、この三つについて御比較いただいた点でございますが、この点につきましては、金額の計算は私どもまだきちっと当たり切っておりませんけれども、おそらくおおむねこんなような形のところに落ちつくのではなかろうかと思います。  ただ、こういった比較をいたします場合に頭におとどめいただきたい点だけを申し上げますと、まず給与所得者と、青色、白色も含めまして事業所得者との比較の場合、一口に年収百二十万と、こう申しました場合、給与所得者の場合は、給与として支払いを受ける金額の総額が百二十万のことを想定なさっておられるのだろうと思います。それから事業所得者の場合は、これはたとえば八百屋さんなら八百屋さんの売り上げが百二十万という話ではありませんで、売り上げから仕入れなりあるいは諸経費なりを差し引いて、手元に残った金額が百二十万ということで御比較なさっておられるのかと思いますが、現在、所得税の場合は、いまの給与所得者と事業所得者のように、およそ所得そのものの性格が非常に異なっておるというものを一律に比較をいたして、総合して課税をするというたてまえになっております関係上、給与所得における所得と、それから事業所得におきます所得と、計算の算定のしかたを若干異にしておるわけでございます。  御承知のとおり、給与所得者の場合は、その収入金額、つまり会社からもらった総額から給与所得控除を差し引きました残りが給与所得ということで観念をいたしておりまして、事業所得者の場合は、これは先ほども申しておりますように、売り上げから仕入れなり経費なりを差し引いた残りが事業所得ということになっておるわけでございます。いま先生の御比較いただきましたのは、給与所得者の収入金額と事業所得者のいわゆる事業所得と、それぞれが百二十万円というところのものを御比較いただいたわけでございますけれども、担税力と申しますか、税金を負担する能力から考えてみました場合、給与所得者の場合、給与所得控除を引かない前の段階で事業所得者の事業所得と比較をしてそこでうまくいくかどうか、そこら辺のところが実は非常にむずかしい問題であろうと思います。その点がむずかしいということにつきましては、これは従来からずっと租税制度をつくります上についての一つの大きな問題点でございまして、これは各国ともいろいろ試行錯誤を加えてはまいっておりますけれども、これできちっと完全にバランスがとれたという形のものは、理屈からいってもまだ見出していない状態でございます。先生は、それを一つの方法として御比較いただいたわけでございますけれども、比較の方法といたしましては、別に、私が申し上げましたように、所得と所得という比較のしかたもございましょうと思いますので、そういうふうになりますと、これは、同じ所得でございますれば同じ税率がかかっているということで、結果的には同じことに相なるわけでございます。  ただ、先生が御指摘いただきましたように、給与所得者と事業所得者の税負担のバランスをとるということは、さほどにむずかしい問題がある。それから同様に、個人事業者と法人形態の場合の負担のバランスを、どういうふうな形でどこの段階でとればいいかというのは、非常にむずかしい問題でございまして、われわれといたしましても、しょっちゅう勉強はいたし、いろいろその調整を加えておるわけでございますけれども、現在のところで申しますと、これは若干よけいなことかもしれませんが、青色の事業所得者と法人形態をとっております場合の法人及びその法人の代表者の税金の合計とのバランスを、一つのモデルを使って計算をしてみますと、大体二百八十万くらいのところで個人形態と法人形態では同じくらいの税負担になります。それよりも所得が多くなりますと、これは税率の刻みの関係でおのずから個人形態のほうが重くなりますし、それよりも低い段階では、個人形態のほうが総合的には税負担が軽いというようなことを、一応われわれとしては考えに置いた上でのバランスをとっておるつもりでございます。  それから、最後に御質問いただきました青色事業主特別経費準備金の積み立てをやりました場合、引き当てをやりました場合に、これが必要経費になるという点と、それからそれを連年引き続いて毎年毎年必要経費として積み立てていくわけでございますが、そういうふうにいたしました場合に、必要経費についてどういう最終的な扱いをするのかという関連の御質問かと存じますけれども、この点につきましては、他の準備金、たとえば、退職給与引き当て金というふうなものがございます。こういった場合も、その引き当てをいたします場合には必要経費として損金に算入いたすわけでございますけれども、それがそのまま準備金の形で——その場合は引き当て金でございますが、引き当て金の形で積み立てられるというところは、今回の準備金と同じやり方と申しますか、同じシステムに乗っかっておるということでございます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 実は私がここに持っているのは、青色申告の準備金制度に対する質問書について政府の正式な答弁であります。その答弁を見ながら私はこの答弁の矛盾をついているわけでございますから、そのつもりでひとつお答えを願いたいと思います。  まず、先ほど申しましたとおり、準備金制度、これはいままでわれわれが法文を見てみまして、こんな長い準備金制度というものはあまりないのです。これはだれがつくったのか。あなたがつくった元凶だと思うのですけれども、これはどうしてこういう長いのをつくったのですか。  それから、その長いのはけっこうなんだけれどもその結果におきまして、結論に入るようでありますけれども、一時所得としてこれを見る、ここに大きな税制的な矛盾があるんじゃないか。というのは、一時所得というのは、ここにありますとおり、どんなふうな性格のものであるかということを見ると、これは一目りょう然なんです。これはギャンブルで得たところの収入であるとか、あるいは、そこの道を歩いていて拾得物を警察に届けて、警察からもらったものであるとか、そういうふうな性格なものだ。これに対して今度の改正では、四十万控除してその二分の一に課税するという。そうすると、毎年毎年六万円ずつずっと積んでいく、その積んでいったのは、これはもちろん中小企業であります。しかも零細企業であるから、そんなものは実際上は積んではいない。これは政府のほうだって経理上はよろしいといってあるんだから、これは経理上の計算でなっているんだ。はっきりするためにやっているだから。だから、減価償却を出すため、近代化をするためにこれを特に慫慂するという面も考えられる。そうすると、そういう考えで進んでいくと、あとになってみて、ないものをよこせということになる。ところが、今度は六十五歳以上になると老齢年金だとか、これで何とかなるからいいじゃないかということがここに書いてありますよ。これは現在の日本の人口構造というのは、六十五、六くらいじゃない平均がもう七十ぐらいになってきているのだからね。そういうふうに、一時所得というものがこの制度の中に入ってきているというところに、表面はどうもあめをくれているが年をとってからほっぺたをぶたれるということと、これは同じなんですよ。それじゃ青色申告を一生懸命やろうという考え方の方々に対して、かえってこの青色申告を妨害するものであり、しかも中小企業の共済制度というものは、これはもう外部に金を払うのだから同じじゃないというけれども、やはりそういうふうなことをだんだん政府のほうで奨励しておるようなものだから、中小企業の共済制度だって、こういうものがあると非常にじゃまされてしまう。  だから、私はざっくばらんな話がこの問題はもう予算がきまっているのだから、私はいますぐということは申し上げませんけれども、ただ課長はこういう法の立案の元凶ですから、また来年これをやるということは私はいやですよ。だから、きょうはりっぱな政務次官も来ているんだから、ぜひひとつこれは控除しようじゃないかということを腹の中にきめてもらいたいと私は思う。どうですか、これは。  政府の答弁書によると、これは資産所得であると書いてあるのです。これは税の本質からいって、勤労所得であるということを私ははっきり考えている、これを積み立てたものは。結局、事業所得というものは、皆さんも知っているとおり、この勤労と資産所得を合体したものなんですね。それはそうでしょう。それを総じて事業所得と言っている。ところが所得税そのものでもって、これは話が違いますけれども、給与所得というものを考えたときに、ほんとうに汗水たらして働いて得た労賃からこの給与所得を払う人と、ほんとうにぷかぷかたばこばかり吸っておって、重役顔をして利潤の分配によって給料をもらっておるのとでは、これは同じ給与所得といったって種類が違うのですよ。これを一つに見ているところに、私は現在の所得税法の一つの間違いがあると思う。  そこで、私は、この一時所得の問題の取り扱いについても、そういう意味において、これはもう勤労性所得なんだ。これは毎年毎年五%であるから、百二十万円であれば、六万円ずつ積み立てておるんだ、十万円であればこれはもうずっと十万円積み立ておるんだという考え方で、このいわゆる積み立てたところのものは、一時所得なんというけちなことを言わないで控除するという考え方は、これはどうですか。ちょっとお答えを願います。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 取りくずしました場合に、一時所得といたしました理由をまず御説明申し上げます。  この制度は準備金でございますから、とにかく事業所得を得まして、その事業所得の中から一部を必要経費として取り除きまして、その分を準備金に引き当てるという構成をとっております。したがいまして、そういう意味合いでは、事業所得が準備金の形をとって逐次積み立てられていっておるという性格のものでございます。こういった意味での性格の準備金につきましては、これは現に従来からいろいろございますけれども、こういったものを取りくずします場合は、例外なく必ず取りくずした利益については事業所得として課税をいたしておるわけでございます。したがいまして、そういったもの等の権衡から考えますと、本準備金につきましても、取りくずした場合には事業所得として課税するというやり方も一つの方法としてあるわけでございますが、この際は特に一時所得という扱いにしておる次第でございます。  その理由といたしましては、これは先ほどから御議論に出ておりますように、青色事業所得者の将来の老後の生活の安定とったような性格も一面持っておりますので、そういう持っております性格にかんがみて、これは、たとえば同じような意味合いで外部にそういう金を拠出いたしまして、その拠出をしたものを、たとえば小規模企業共済制度というものがございますが、そういった小規模企業共済制度の掛け金に拠出をいたしまして、将来本人が廃業いたしましたときに、その共済から共済金を一時にもらうといったような場合を考えてみますと、この場合には一時所得という課税をいたしております。それからまた、たとえば養老保険のようなものを払い込んでおりまして、将来一時にもらう、年限が明けて、満期が来て、満期の一時金をもらうといったような場合も、一時所得として課税をしております。そういったものとの振り合いを考えて、将来の老後保障という意味合いを持っておるこの制度につきまして、そういう必要が起こって取りくずした場合には、同じように一時所得にしてやったらどうだろうかということが、一時所得にした理由でございます。  それから第二番目に、せっかくそういうふうにしておきながら、そういうふうな事情が起こって一時所得になる場合に、それに見合う財産がなくなっておるではないかという御質問でございます。これは、確かにおっしゃるような場合もなきにしもあらずと思います。ただ、これまた釈迦に説法で恐縮でございますけれども、この準備金はバランスシートで申しますと、貸し方にその分だけの金額が十万、二十万とだんだん積み重ねられて積んでまいるわけでございますから、おのずからそれに対応いたします借り方として何らかの資産科目があるわけでございます。もちろん、それをどんどん自分でかってに、たとえば家計用に持っていって使ってしまうというふうな状態が起こりますと、それは貸借のバランスがうまく合わないということで、御指摘のような問題が起こると思いますけれども、そこら辺のところが合理的に運用されております限りは、いま申しましたように、貸し方勘定でありますところの、いまの準備金と見合う借り方のまともな勘定が残っておるはずなんで、そういう意味合いでは、貸し方の勘定を取りくずした場合に残ります借り方の勘定というもがあるはずでございます。そこら辺のところは、事業者の事業運営のやり方と申しますか、そちらのほうでいずれかの結論が出てまいる性格のものであろうかと思います。  それから第三番目に、中小企業共済制度がじゃまされるではないかという御質問でございますが、これもごもっともと存じますが、ただ、われわれのほうは、制度をつくります際に、その点につきましても十分配慮いたしまして、本来でございますと、片や中小企業共済に掛け金を出すというのであれば、内部でこういう形でやる必要はないだろう。いずれか二者択一でいいではないかという議論もあろうと思いますけれども、現在の御提案いたしております制度では、両方入ってもらってけっこうであります。入ってもらうといいますか、中小企業共済に入り、かっこの準備金を積むということについても、いささかも制約を加えておりません。そういう意味では、中小企業共済に対する実質的な悪影響というのは、われわれは考えられないのはではないかと思っておる次第でございます。  それから最後に、そもそも事業所得については勤労性所得ではないか、勤労性部分が相当入っておるのではないかという御指摘、これはまことにごもっともでございます。ただ、現在の所得税のたてまえといたしますと、わが国の場合は、これは勤労性であるか資産性であるかということにつきましては、別に負担能力に差別を設けておりませんで、そのいずれにつきましても、総合いたしまして所得として観念をして、累進課税をするというのがたてまえになっております。先生お話になりましたように、国によりまして、立法例によりましては、その勤労性の所得については、それ以外の所得と比べて違う扱いをしておるところもございますけれども、わが国の基本的な税制の考え方について申しますと、いま私が申し上げたような形になっておりますので、そういった基本的な制度の上に構築いたしました準備金でございます関係上、以上のような考え方によってつくり上げておるということでございます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 ただいまの山内君の答弁の中で、幾らか前向きの姿勢があるということが考えられたのは、この積み立てたところのものは一時所得としてやるけれども、この中には、事業所得であるのだ、こういうふうな考え方をあなたにはいま言われましたね。これは速記録にある。事業所得というのは勤労所得と資産所得の合体なんだ、あなた。そうすると、私が言った一時所得というのは、やはり勤労所得面があるということは、はっきりもうあなたが証明しているわけだ。  そこで私は、一時所得として、これをどういうふうな考え方でここまで持ってきちゃったか。もう大蔵省の皆さん方のほうじゃ、これは退職所得にしたらどうだという考え方もあったように私は聞いたと思うのです。退職所得にすれば、これは税金がかからない場合が多いんですよ。一時所得だからこれはかかるんです。だから、これからのやり方としては、そういうふうな問題も考えると同時に、またこれは——もう時間がなくて実際惜しいんです。もう一、二委員長勘弁してもらいますが、私は、青色申告の事業主の問題についての報酬は、完全給与制をやるのが当然であるという考え方をまだ持っておる。事この問題については、私は理論的に確認を持っておるのです。だからこの問題は、きょうのは準備金制度だけの問題だけれども、全国の中小企業の青色申告の方、そういうようなみな希望を持っておるし、与野党みんなそういう考え方であられるように私は思っておる。完全給与制の問題はみんな賛成しておるのです。しかし、私は与党であるし、しかもこの法を審議したほうであるから、あらためて私自身は申しません。とにかく予算がきまったことだし。だから、来年度においては完全給与制をひとつやるように研究する、特にそういう考え方でいるんだということを、どうです大蔵政務次官、これはやるべきですよ、政治家なんだから。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 中小企業の問題で、税制を通じて非常に御心配をいただいております気持ちもよくわかります。また、この問題がただいま非常な議論がありまして、ようやくことしこういうような形で踏み切りました。踏み切る過程には、いま言った、給与であるのかどうかという点が一番問題でありましたが、税制のたてまえからいって、どうも例のポケット論、こっちからこっちにやるのは、これはおかしいじゃないかというようなことでいろいろ詰めました結果、妥協の産物として準備金、しかも、青色申告というものを促進するという意味で青色もつきあるいは事業主という方々も考えてくれというようなことから事業主と、三つ並べて、特別という名前は入りましたが、この制度の名前が長いところを見ても、いかに苦労した産物であるかということが言えるかと存じます。しかも今度は、取りおろすときに給与としての退職金扱いにするのかというようなことも、いろいろございましたが、これも妥協の産物として、一時所得ということになったわけでございます。ことほどさように、この問題については非常に議論の多いところでありますが、ことしのところは、これぐらいのところがまあいいんではないかというので、大方の皆さんの党にありましては御賛同をいただいて、提出の段階になっております。  さて、今後の問題でありますが、今後なかなか、この給与なのか、あるいは準備金なのかという議論は、相当問題になるだろうと存じます。あるいはそのほか、税は何といってもバランスの問題が大切でありますから、たとえば生命保険の保険金が一時所得になっておる、そういったものとのにらみも、その他いろいろあろうかと存じます。それらを今後ひとつ窮屈に考えずに、大いに検討して納得のいく姿にこれから積み上げていく姿勢が必要であろうと存じますので、今後また十分検討いたしますので、今回のところは御了承をいただきたいと存じます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員 政務次官が前向きにというふうな発言がありましたので、きょうは、この税制を立案した元凶である、責任者である山内君も見えておりますので、私はこれは希望ではなくて、当然そうすべきであるという考え方を申し上げたわけでありまして、ひとついま申しまするとおり、税の本質から考えてもらって、しかも個人事業主というもののこの所得というものが、勤労性と資産性から来ているのだ。しかも勤労性というものの所得においては、給与所得においても、あるいは剰余価値そのものを分配するのと、剰余価値そのものを実は利潤に回して利潤からもらうのと、本質は違っておるにかかわらず、税のほうでは所得税として給与控除を行なっておるという、この矛盾きわまりない税制の問題、この問題をひっくるめまして私は問題を解決してもらいたい。  大蔵省では、ややもいたしますると、税金は高いほうを見本にいたします。これはいかぬです。水が低きに流れるのは自然の情なんだから、低いほうをひとつ目当てにして、何とかして安くしてやろうという考え方、そして税のバランスをとることは、私は税制といたしましても最も重要な問題ではないかと思います。私も、今後この問題については一生懸命検討をしまして、またこの席上で、あるいは私は大蔵委員会の席上へ質問に参るかわかりませんが、どうぞひとつ勉強しておいてください。お願いいたします。  政務次官の御意見は、前向きで一生懸命やるというので、非常に私は賛成、気に入りましたから、この点できょうは質問をやめたいと思います。どうもありがとう。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 きょうは、カラーテレビのダンピングの問題について質問を通告をいたしておりましたところ、関税委員会の結論が出たやに漏れ承りますので、あとでこの点はお尋ねをすることにいたします。  その前に、各省からお見えになっておられますので、まず公害の問題で、その後の調査の経過がどうなっておるのかぜひお伺いをしておきたいと思いまするのは、経済企画庁の宮崎生活局長にお尋ねをいたしますが、問題の長崎の諫早湾のカドミウムの汚染、その原因の究明をずっと続けておられたと思うわけでありますが、原因は明らかになったのかどうか、その点をまずお伺いをしておきます。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 この有明海、特に諫早湾におきますノリその他のカドミウム汚染の問題につきましては、先般もお答えをいたしましたとおり、経済企画庁といたしまして、関係各省と御協力をいたしまして至急調査をするということで、予算措置をいたしておるわけでございます。この調査につきましては、去る十一月に関係各省で打ち合わせをいたしまして、それぞれ分担をきめて調査を実施いたしております。  内容を少し申し上げますと、経済企画庁ではこの海域の水質及び底質、それから運輸省におきまして大牟田港の水質及び底質、水産庁において関係地域の工場排水の問題、建設省におきまして有明海に流入する主要河川の水質及び底質、厚生省におきまして有明海の関係水域及び地域の汚染の状況の総合的調査というような分担になっておりまして、この調査はそれぞれいま進行中でございまして、三月末にその結果が出てくる、こういうことでございます。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 現在までの段階では、まだその調査の結果が全部集まっておりませんので、結論を出す段階にはございませんけれども、調査が出ましたならば、関係各省と打ち合わせまして、至急、それについての結果の評価、並びにそれに対して今後どうするかというようなことを打ち合わせてまいりたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先般の委員会でも、局長三月末がめどだとおっしゃったので、まだ三月のいわゆるめどの時期に来ておりませんから、現在の調査の状況ということについて今ご報告をいただきましたけれども、どうも調査というのが、私は漏れ承っておりますところによりますと、あまり積極的な調査がなされていないように感じるのですが、具体的にどのような調査をやっているのでしょうか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 ただいま概要を申し上げましたが、調査の内容といたしましては、たとえば水質及び底質の調査等につきましては、関係県に委託をしてやっておる分が多いわけでございます。  一例を申し上げますと、水質調査事業といたしましては、佐賀県関係に委託しておるものが地先海域二十八カ所、それから長崎県につきましては諫早湾三カ所ということで、カドミウムその他の物質についての分析等をやっていただいております。一部中間的な数値も出ておるようでございますが、これを結果として取りまとめまして御報告いただくというつもりでございます。それから通産省関係等につきましては、この関係地域の工場等につきまして、具体的に調査をしていただいております。これも大体同じ時期に結果が出るというふうに伺っております。それから、建設省とかあるいは厚生省関係の調査は、やや特殊の問題が入っておりますけれども、やはり同じような形で出先の機関がやっていただいておる、こういうふうに伺っております。それから水産庁のほうでも調査費が若干ついておりますが、これはおそらく、ある程度の結果が出たあとでまた評価をしていただくことになるのかどうか、この辺は私も詳細知りませんけれども、水産物についての調査になるようでございますから、そういった形での調査が行なわれておる、こういうふうに考えており  ます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いままでの調査で、大体大牟田の製練所、銅ですね、その有毒性のものが原因ではないのかというようなこと、当時からもいわれていたわけですから、おおよその見当というのはついているのじゃないでしょうか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 汚染源といたしましては、大牟田の地域というのが一応考えられたわけでございますが、それ以外にもまだいろいろ、あるいはという問題のところもあるようでございまして、先ほど申しましたように、通産省等で工場等についての悉皆調査のような形をとっていただいておりますから、その結果を見ないとなかなか判断はむずかしいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 当時、ノリはきわめて小部分の海域のものを調査したのだから、もっと広い範囲でやってみなければいけないのじゃないか。そこで私の質問には、再調査ということについて、そういったお答えはいただけなかったわけですけれども、一応各省の話し合いの中では、再調査をやってみたらどうだろうかということ等の検討もなされたようでありますが、もっと拡大された形で再調査をおやりになったのかどうか。おやりになったとしたならば、その結果はどうであったのか。いかがでしょう。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 今回の調査の範囲は、有明海、それから諫早湾という形でかなり広くやっております。そして、それにつきましての水質、底質等についての調査は、中間的にある程度の結果が出ております。ただ、御指摘のノリ等につきましては、県の衛生研究所等での中間的な調査はあるようでございますけれども、その結果はまだ出ておらないということでございまして、これから月末までの段階で、そういったものがまとまってくると思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 漁民だとか消費者の不安というのが非常に大きいので、この不安解消のために、私は政務次官のお答えもそのときいただいてはいるわけですが、農林大臣であるとか厚生大臣の談話か何か、そういう形で不安解消をやる必要があるのではないかということについて、政務次官は努力をすると言われたわけですが、その後そのような努力をなさったのかどうか。結果はどうなのか。それから漁民だとか消費者の不安というものは、もう事実上解消しているのかどうか、その点をひとつ伺っておきましょう。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 昨年、先生からの御要求がございまして、関係各省にその旨を伝え、また政務次官会議に公害問題で山中長官に御出席いただいたときに、私のほうから先生の御意向を長官にもよく伝えて、漁民その他の問題もございますので、至急この点の結論を得ていただきたいという要請をいたしておきました。しかし、いままで経験がございません。いま宮崎局長のほうからのお話のとおり、いまいろいろデータを集めているところでございますので、その結論を見てから、いろいろ今後どうするかということを考えたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 どうも政務次官おかしいんだな、いまのあなたの答弁は。農作物の米なんかから検出をされたカドミウムの汚染というものは、実際この程度以上食べたならば有害であるけれども、しかしそれ以下であれば人体に有害ではないのだといったようなこと等々、談話でもってこれは明らかにしたわけでしょう。だからノリに対しても同様な扱いをすべきではないのか。それは当然のことだからというわけで、政務次官は、政務次官会議にかけましょう、こういうことで、自発的にあなたのほうから特に発言を求めて、そうした努力をお約束になったわけです。私はそのときは、あなたに質問ではなかったのだ。たしか他の出席された局長か何かに質問しようとしたときに、あなたが事の重大性ということを痛感をされて、みずからそのような発言をし、そして確約をされた。私は、そのお約束をお守りにならないから、あとでまたお尋ねをしたのだ。いや、ごもっともでございます、必ずそういうことをやらせるようになお努力をいたします、こうお約束になったのですよ。いま、山中長官に対して、あなたはそういった申し入れをやったのだ。しかし、その必要がないというのか、そういった談話を公式に発表するということが非常に重大なのだ、技術的にむずかしいといったようなことから、そのような取り扱いをされないのかどうか。まず、それを明らかにしなければ、漁民であるとか、あるいは消費者の不安というのは、さらに大きくなっていくんじゃないでしょうか。漁民の生産意欲というものは低下をするだろう。消費者はノリを食べるごとに、この程度食べたらいいのだろうか、どうだろうかという不安がある。私自身が、いつもそういう感じを受けているわけだから。三カ月以上になるでしょう。同じようなことを何回も繰り返すのではなくて、もっと的確に、こういうことが問題なのだ、だからしてその点を解決をしなければならないんだ、というようなことで御説明になるならば私はわかる。そうではなくて、きわめてあいまいもこたる御答弁では、私はあなたの責任は果たせないと思う。あなたの誠意はわかるのですよ。誠意はわかるんだけれども、誠意がわかるからといって、ではそれを期待いたしましょうという形で引き下がることは、おかしいじゃありませんか。そうでしょう。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 その点でございますけれども、先生から再度御質問があったことも承知しております。しかし、ノリ等における食べる頻度の問題もございます。それから、どのくらいそれが人体に影響があるのか、こういう点がいままで一度もされておらない。そういうことで時間がかかっていることも事実でございますし、実態調査がまだできていないところで、まだお答えができないというのがほんとうだと思います。  私、ここで一番問題なのは、先ほど申しましたように、食べる頻度というものが、やはりどのぐらい影響を与えるんだということが個々別々でございます。その辺の経験数というか、いままでの実例というか、そういうものがないということが、やはりこれをこうだということが言い切れない面があると思っておるのでございます。そういうことでいま実態調査をやっておりますので、それでどうするかということを考えていきたいということでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 二つの問題になるわけだ。いま宮崎局長が答弁をされたのは、諫早の浅海海域おけるところのノリのカドミウム汚染の原因ににいて、いま調査を進めているというわけだ。そのことと、ノリをどの程度食べたならば人体に有害になるのか、この程度はよろしい、これ以上はいかないという問題は、宮崎局長の答弁の問題とは違うわけだ。それと切り離して、いまあなたのお答えになったような調査がきわめてあいまいであるとするならば、きわめてこれは重大な問題なんですよ。その調査を待って有害の程度というものを明らかにいたしましょうということはおかしい。そうでしょう。だからそれならば、もっと積極的に研究調査を進めて、早くそのことを国民の前に明らかになさらなければいけないと私は思う。まずあなたの認識から改められなければならない。繰り返して言うならば、浅海海域から検出をされたノリのカドミウム、その汚染の原因究明の問題と、ノリ自体の中にありますところのカドミウム、それがどの程度はよろしい、どの程度は人体に影響はないのだという問題と切り離して、研究の結果を明らかにしていく必要があると私は思う。そう思いませんか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 先ほどから申し上げましたように、そのノリをどのくらい食べたらカドミに汚染されるか、人体に影響があるかという、いままでの臨床例がございません。また、なかなかそういうものができないということが非常にむずかしいということを申し上げて、これをどういうふたうに研究するかということは、私も厚生省のほうにお願いしただけで、はっきり申し上げましてこれを促進する以外ございません。  それからもう一つは、先生のおっしゃる二つの点で、カドミにどのように汚染されているかということの広域調査と、それからそれを公表するということ、そして大ぜいの方々にやはり安心感を与えるということ、この二つをやらなければいけないと私は考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そういう意味ならわかるのです。早く原因究明をやって安心をさせる。いわゆる対策を講じないといけない。そうですね。それといまの、どの程度食べたならば人体に影響があるのかという問題。それはいままでの臨床実験の結果、そういうものがないんだということになればたいへんでしょう、現実にノリからカドミウムが検出されているんだから。だから、いまあなたが区別をして、そのいずれも急がなければならないということだから、これはひとつあらためて厚生省のほうに強くそのことを要請をされて、すみやかにその程度を明らかにされる、そのことを要請をいたしておきます。  それから宮崎局長、この調査の費用はたしか三百万円お出しになったと思うのですが、相当長い期間にわたるのですが、そのままですか。またその調査費を追加して支出をしようという御意思があるのですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 先ほど申し上げましたように、各省で分担してやっておりますが、予算といたしまして一応いま調査に使っておりますのは、経済企画庁関係が百七十二万円運輸省関係、これは経済企画庁のほうの予算から出しておりますが七十二万円、水産庁が二十四万円、建設省が二百九万円、厚生省が十九万円、通産省が三十二万円、大体こういった予算でやっておるというふうに聞いております。全体といたしますと五百万ぐらいになると思いますが、そのぐらいのものでございます。大体この経費でいま予定いたしました調査はできる、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 莊公害保安局長にお伺いします。対馬のカドミウム汚染のその後の調査結果はどうなっているか。  それから、時間の関係もありますからあわせてお尋ねをいたしておきますが、鉱山側はこの汚染問題に対して、相当被害を受けている住民に対する補償の問題について、補償するかのごとくしないかのごとく、きわめてあいまいであった。ケース・バイ・ケースでやるのだといったようなことであるわけです。その後どのような交渉が持たれて、そしてその補償が一部でも実行されたのかどうか、あわせてひとつお聞かせをいただきます。

莊清通商産業省公害保安局長

○莊政府委員 当委員会でもたびたび私、申し上げましたとおり、あの地区の汚染につきまして、過去からの蓄積という問題を考えました場合に、東邦亜鉛の事業が汚染に関係があるということは、過去の経緯から明瞭に推定されるわけでございます。  それで、現在のカドミウム米の補償の問題でございますが、数量が、地域が狭いせいもありまして、わりに少ないために、とりあえず地元の当局が補償金を支払っておるようでございますけれども、県及び地元町村の基本的な考え方としまして、農地汚染防止法もできたことでございますし、あの地区については、土地の改良の問題につきまして、農地汚染防止法に基づいて処置を将来当然やらなければいけない、こういう基本的な考え方に基づきまして、実はいま計画の立案を進めておるように、県当局から私、聞いております。その場合に、米の補償の金額というのは、実は数十万程度だったように承知しておりますけれども、農地改良となりますと、これは相当まとまった資金が当然要るわけでございまして、農地汚染防止法に基づいて行なわれる事業については、御案内のとおり、事業費についての事業者の費用負担法というものによりまして別途事業者の負担もきめられていく、その際に明確な線を県及び地元として企業に対してはっきりと出していく、こういう考え方でいま土地の改良対策を立案しておられる。これに対しては、企業としても今後十分に誠意をもって協力するということは、地元に対してもかねがね表明しておると聞いておりますし、私どもも会社のほうから、実は直接責任者から確かめてもおります。  こういうことでございますので、その線で円満に問題が解決されていくように、私としても今後十分指導いたしたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 企業としても誠意をもって協力をいたします——その前段に、あなたが過去の蓄積ということを言われた。途中の経過であるとか、あるいはいま進めておるところの計画であるとかいうことについては、それがおそいとか早いとかということは別といたしまして、一応考え方はわかる。しかし最後の、企業も協力する考えである。そうして冒頭の、過去の蓄積である。これは、過去の蓄積なんだから、自分のほうは全面的にその責任を持つ必要はないものだ、したがって被害者に対するところの補償責任というものは、ケース・バイ・ケースで考えていくものであるし、また自分が全く無関係ではないということで、法律的な責任はないけれども道義的な責任というものはあるであろうから、何とか誠意をもって協力をしなければならぬという程度のものであるように感じられる。感じられるということよりも、いままで企業はそういう態度で終始してきた。したがって、通産省としてもあるいは関係省としても、そうではなくて企業の責任なんだから、当然企業に対してその被害の補償をさせなければならないという態度でお臨みになるのかどうか。過去の蓄積なんだから、どうも明らかではないから、これは企業の、誠意にまつ以外にはないという態度なのかどうか。後者であるという場合においては、国がかわってその責任を負うという考え方であるのかどうか。同じようなことを何回お尋ねをしましても、少しも前進がないということではお話になりません。もうここらあたりできちっとした結論が出なければいけないと私は思う。もっとはっきりしたお答えをいただきたい。

莊清通商産業省公害保安局長

○莊政府委員 先ほど申し上げましたように、今後の農地改良、相当な金額がかかると思いますが、これは農地汚染防止法に基づいて公の事業として実施される事業であり、それに要する費用につきましては、公害防止事業についての事業者の費用負担法という、臨時国会で成立いたしましたあの法律に基づきます法律上の義務、公の義務という形で企業の負担金額が決定されてまいるわけでございます。もちろん、それに対して企業が誠意をもって対応するということは当然の問題でございますけれども、単なる道義上の問題ではなくて公法上の義務である。これは法律でも、その納付すべき負担金については強制徴収もできるという規定もございますように、明らかに公法上負担金ということで明確な法制ができたわけでございますから、今後そういう金額が確定いたしましたならば、通産省としても企業に、その義務を誠意をもって間違いなく履行するように、十分指導しなければならないと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 きっぱりあなたは、いわゆる負担法に基づいて企業に負担をさせるということをお答えになったのですが、政務次官、あらためてひとつあなたの答弁で担保していただきたい。どうも最後の、誠意をもってというようなことばが協力という形に結びつけられるようなことが——従来そういうことでやってきたから、それではいけない。これは企業が渋るといったような場合については、当然強制徴収ということが行なわれなければなりません。そのとおりやるのだということで理解をしてよろしいかどうか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 昨年国会を通りました法律に基づきまして、法律に従ってやる覚悟でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 農地局からお見えでございましょうが、いま農地のほうはどうなっているのでございましょうか。具体的には、排土であると九客土であるとか、あるいは転作であるとか、いろいろなことが検討されておったようでございますが、その後調査の結果、どのような結論が出たのでしょうか。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 ただいま対馬のカドミウム問題、につきまして、農地関係の状況はどうなっておるかというような御質問の趣旨と承りました。  御案内のように、本年度対馬に対しましては、分布調査と対策基準調査ということで、農地局ではこの二つについてやっておるわけでございます。  これは文字どおりでございまして、分布調査と申しますのは、水田の土壌、かんがい用水それから米の汚染、これにつきましてカドミウムの分布の状態を調査しておるわけでございます。これは一年で大体この分布の状態を把握しようということでやっております。  それから対策基準調査でございますが、これも文字どおり対策基準でございまして、対馬に五カ所の圃場を設けまして、これにいろいろ試験区を設けまして、その試験区に、無処理の区域とか、排土、客土をやった区域とか、溶成燐肥とか重焼燐のようないわゆる改良剤を使いまして土壌改良をやっていく区域とか、そういうような試験区をつくりまして、どれが一番カドミウムがお米に入るのを抑制する効果があるかというようなことを調査をやっておるわけでございます。これは三カ年継続でやるようになっておりまして、現在のところまだ県から正式の報告に接しておらないのでございますが、中間的に県から聞いておりますところでは、大体、排土、客土をやったところは五%ぐらいの抑制効果があるのではないか、溶成燐燐とか重焼燐を施用しましたところは一五%ぐらい効果があるのではないか、というような中間の報告を聞いております。しかしながら、本年度初めてございますし、客土も五センチしかやっておりませんので、この客土を十センチ、十五センチにした場合にはもっと効果が大きいのではないかというような問題、また、ただいまお話し申し上げましたこういう資材を客土、排土とあわせて一緒にやった場合には、もっと効果が大きいのではないかというような問題が現在もございますので、引き続きまして、ただいまお話し申し上げましたような問題点を、来年度対策基準調査に組み入れまして実施するというような方向でおります。  しかしながら、この調査が終わらないうちは対策事業はやれないのかという問題かと思いますが、毎年毎年の経過で一応対策の傾向といいますか、そういうものが出てまいりますので、ただいまの調査、試験と並行いたしまして、これの対策に最も効果的な方法というようなことが決定されましたならば、これと並行いたしまして事業のほうの計画も考えていきたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 調査にずいぶん時間がかかっているが、お米もまたつくらなければならぬ時期になる。だから、いわゆる汚染農地に対して、またそうした農産物をつくらせるという考え方であるのかどうかということも明らかにしておいていただかなければならないし、農民も不安だろうと思うのです。同時に、いまそれぞれ調査検討を進めていらっしゃるわけです。遠からず結論が出る。遠からずというか、いまお答えによるところの結論が出るでございましょう。その場合、いずれにいたしましても費用が伴うことは言うまでもございません。しかし、費用が伴いましても、農民は被害者であることに変わりはない。したがって、先ほど通産省のほうからもお答えがございましたが、被害者である農民に対して費用の負担を要求することはない、そのようにはっきりさすべきであると思います。そのとおり理解してよろしいかどうか。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 これが事業となりました場合には、土壌汚染防止にございますように、玄米一PPM以上指定になりました地域につきましては、事業者負担法が適用になります。しかし事業としましては、その地域だけでは効果もございませんので、そのまわりの将来汚染されるおそれのある地域もあわせて対策をやっていきたいと思っておりますので、そちらにつきましても、極力農家の負担はかからないような方向で事業を進めてまいりたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま、極力負担のかからないような方法でと、こうおっしゃったのですが、範囲を拡大をしてまいりますと、また事業の種類が変わってまいりますから、その負担割合等も変わってくるわけですよ。だから、私が言ったのは、範囲を拡大をしようとも狭くしようとも、いずれにいたしましても、汚染地区に対する客土であるとか、排土であるとか、あるいはまた、いまいろいろ御指摘になりましたような調査研究の結果に基づいての事業を遂行されるわけでありますから、それにつきましては、やはり費用負担法に基づいて、その地元農民の負担とか、あるいは地元町村の負担というものがあるわけですね。しかし今回の場合は、農民はあくまで被害者である。したがって、その行政地区といたしましても、それはやはり被害地区であるわけです。そこで、そうした被害者であるところの行政地区あるいは農民に対して負担を要求するのではなくて、あくまでその費用の負担は企業にやらせる、そのような考え方で通産省と歩調をともにしておやりになるという考え方をお持ちになっていらっしゃるのかどうか、それをお尋ねをしているわけです。

住吉勇三農林省農地局参事官

○住吉説明員 先ほどお答え申し上げましたように、事業者負担法が適用になる場合とその関連の場合がございますが、十分通産省のほうとも連絡を密にいたしまして、極力先生のおっしゃいます方向で努力をしてまいりたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたにそれ以上のお尋ねをしても、お答えができないでしょうから、先ほどの通産政務次官の答弁で明らかにされておりますから、そういうことで理解をしてまいります。  次に、カラーテレビのダンピングの問題のお尋ねに入りたいのですが、公正取引委員長、予算委員会のほうへおいでになる予定があるそうでございますから、あなたに先にお尋ねをいたしますが、三洋電機外五社のカルテル審判事件はその後どのような経過をたどって、いつごろ結論をお出しになる御予定でありますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 四十四年に結審いたしまして、昨年のたしか六月でありましたか、審決案の提示がございましたけれども、ただちに異議の申し立てがございまして、私どもとしましては、いまその争点について、すでに審判官の手を離れまして委員会の手に移っておりますので、委員会として、いわゆる争点と申しますか、争いになっている点でございますが、それについて、証拠に基づいていま精査を進めているところでございます。いつごろというふうに申し上げることはちょっとむずかしいのでございますが、すでに、私の感じでは、まず半分までの一応の私どもとしての検討は進んでいるというふうに思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この事件は四十一年に起こった事件でございますね。そこで四十四年、いまお答えがございましたように結審をされたわけです。異議の申し立てが出ているわけでありますから、いろいろと向こうも証拠を出して争うということになりましょうが、あまりにもおそ過ぎると思うのです。一つの事件が五年、それからこれは審決後二年になるわけです。だから何かもたもたしている。特にあなたのほうがもたもたしているのだということではないのでしょうが、いつも私が申し上げるとおり、要員問題であるとかあるいは費用の問題いろいろあると思うけれども、どうも、あなたのほうで手がけるのだけれども結論が少しも出ないという形になってまいりますと、次から次へとカルテルというものが新しく発生をしてくるということになろうと思うのです。また現になりつつあるのです。だからして、どうもあなたのほうで、この前私、指摘をいたしましたが、九名の要求に対して純増五名になった。しかも、独立した課の設置を要求したが、それも認められなかった。全体的には、あなたもやむを得ないとお考えになっておられるのかもしれませんけれども、競争条件の整備というものが今日大きな政治課題である、そのことを考えられるならば、もっと強い姿勢で費用の要求なりあるいは必要人員の要求もされ、そうして早く結論を出される、そのような態度をおとりになる必要があるのではないか、私はそのように考えますが、あなたは、早く結論を出していくために、新たなるそういうカルテルの発生を防止していくために、どのような態度でお臨みになりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 問題は二つあると思います。  一つは、いろいろ経済問題として世間にある独禁法違反等の動きに対して、いかにわれわれが常に適切に行動するかというそのほうの問題と、第二に、さようにして事件として取り上げて、それが少しもつれまして審判というふうな形になったときにどうするか。いまあとの問題をお聞きになっていらっしゃるのでございますが、私、率直に申しますと、事件の中に二通りございます。  一つは、わりあいと事実関係がはっきりしており、事実については争いがないが、法律の問題についてどう考えるかというようなことになってまいりますと、なかなかその辺の法律の適用の問題、その前提としての事実の理解、解釈の問題、そこがむずかしいという、そういう事件がございます。これにつきましては、私ども法律の厳正ななる執行ということを考えてまいりますと、証拠その他から調べまして、ひとっこれでやってやれというように踏み切るというわけにもなかなかまいりません。ことに、私どもの審決の結果は、直ちに東京高裁にいわば第二審のような形でつながるというようなこともございますし、私どものやりました事実認定はそのまま高裁のほうでも尊重するというふうな、そういう問題もございますので、その辺についてはやはり法の執行という面から考えますと、問題がむずかしければ、かなり慎重にならざるを得ない問題がございます。しかしながら、そうでないケース、すなわち、いわばそのメンツの問題というと語弊がございますが、そんなようなことで争っていたり何かするような問題であって、わりあいと事実関係並びに法律関係の適用についてはっきりしておりますものについては、私ども極力これを進めてまいります。人数の問題もさることながら、やはり、一つの事案についての解釈、またその証拠の整理、そういったところの扱いのむずかしいことになるものが、いまたまたまあの長びいておりますものにはどうもあるようでございます。  昨年中に景表法違反まで含めて、私どもが、普通ならばこういう勧告を受け入れるであろうと思っておるような勧告に対して審判に持ち込んできたのが、たしか去年だけで四件、ことしに入って一件あると思いますが、これについても、法律上むずかしい問題があるかどうかまだわかりませんが、かなりたまってまいりましたので、私、去年はこの委員会で、できるだけ早く処理するようにすると申しまして、三件でございましたか、片づけ、さらにいま問題になっておるものもやっているのでございますが、ひとつ人数の問題予算等の問題もさることながら、やはりその問題の考え、整理する頭の問題が多分にございますので、これは私どもが一生懸命頭をクリアにしてやらなければならない問題だ、かように思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その三洋電機ほか五社のカルテル問題その問題扱いということについては、いまお答えになりましたような慎重な態度をもって対処しておられるのでありましょうし、相手もまた、きわめて強力な態勢でもって抵抗しておるということが実態のようであります。  ただ、私が指摘をしたいのは、あなたのほうが、価格硬直化の調査の問題にいたしましても、四年も五年もかかってようやく三品目やった。そういったような状態で、ほんとうに公取としての責任というものが果たし得るのだろうか。山田委員長のあとを受けられて、谷村委員長はみずからのカラーを生かして、そういう中で職責を果たしていきたいというような考え方で取り組んでおられるというようには思うわけですけれども、何か私は、公正取引委員会は軽視されているような感じがしてなりません。だから、みずからの重要性を再認識されて、非常な期待にこたえて対処していただきたい。非常に大きな政治課題というものは、何だかあなたの肩にかかっている面というものが非常に大きいと私は思います。だからして、特にひとつその点を強く要請をしておきたいと思います。その点で一応お答えいただけば、あとでまたお尋ねしたいことがあります。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 先般も予算委員会でそういうおことばをいただきまして、激励を賜わりましたことを、いまあらためてまた御礼申し上げるわけでございますが、やはり行政府と申しますか、公取はもちろんその中心になるわけでありますが、こういう独禁政策とか、あるいは新しい意味での消費者行政でありますとか、そういう問題について、政府全体がある意味では一体となってそういう方向に向かうようにもならなければならないと思いますし、当然のことながら、私どもの活動状況等についても、この間も総理以下いろいろお話がございましたが、御支援いただけるものと存じておりますので、今後ともひとつしっかりやってまいるつもりでございますから、どうぞよろしくお願いいたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は行政当局の問題についてはわかっていますよ。政府は政府の責任がある。ただ、あなたのほうは、ともかく、行政当局に歩調を合わせていこうというような考え方ではなくて、公正取引委員会の使命というものを十分体して対処してもらいたいということです。何か妥協ばかりしているような感じがしてなりません。  きょうは時間がありませんから、あらためてまた鉄鋼価格カルテル問題等を中心にしてお尋ねいたしますが、いま一つ、この際あなたにお伺いをしておきたいことは、カラーテレビの二重価格の問題で、あなたは不当景品類及び不当表示防止法を発動いたしましてこれを撤回をさせた。そのことは、何回も申し上げたように、私はその努力に対しては敬意を表したい。表しているわけです。ところが、その後行なわれた通産省の行政指導というものが悪用されておる。そのことは、あなたのほうがせっかく努力をして二重価価格を撤廃をさせたというその効果というものが、いわゆる通産省の行政指導の結果、逆手にとられておるというようなこの現実というものを、私は具体的な例をもって指摘をしてまいりましたし、この間、三日の物価対策特別委員会において、それぞれの関係の参考人が出まして、いわゆる安売り店を代表する者が、たまたま、私が物価対策特別委員会等において指摘をしてまいりましたことと大体同じような方向での意見を開陳をしているわけです。それらの点については、新聞なりテレビの報道によってあなたもよくわかっていらっしゃるのだろうと思うのでありますけれども、どのような感じをもってあの参考人の意見を受け取られたか。それらの意見に対して注目されたとするならば、この後どのような措置を講じていかれようとしておるのか、まず伺いたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 一部の者が、今度いわゆる現金正価ということばはやめて、標準価格とか、あるいは希望小売り価格とか申しておりますが、それをきめたからには、それからあまり離れると不当表示になりますから、だから離れないようにしようというふうに私どものほうの通達の趣旨を受け取って、あるいはわざと受け取ったのかもわかりませんが、それで公取のほうのあの通達を、いま御指摘になったように悪用して、むしろ、たとえばあまり値開きを起こさないようにしろということになるのだ、またしてもいいのだというふうに思っているかのごときことを、私どもも耳にいたしましたし、さようなことであってはならないと初めから思っておりましたので、先般も連合審査のときに申し上げましたとおり、通達なり、あるいはまた各関係の業界等に対する要望には、その点を非常にはっきり申しておるつもりでございますし、また関係の係官なども、そういう者のところに参りまして、たとえば懇談会というふうな形式においても、十分その趣旨を申しているはずなのでございます。  そして、私のいま思っております気持ちでは、通産省が決して一種の、値段をそろえてきめさせるとか、あるいはきめた値段はできるだけ安売るにならないようにさせろとかいうふうな、そういう指導をなすったとは思いませんし、また、そういうふうに受けているとも実は思っていないわけでございます。実売価格とあまり離れないように適正な表示価格をつけろということは申したと思いますが、その実売価格というものが、現実の経済のメカニズムの中で変わっていって、あるいは離れていくということがあることは、これは否定していないと思うのであります。むしろ離れていったときに、もうからになってしまった値段をもう一ぺん改めるのだ、こういう話として受け取っておると思うのでございますが、かりにも、もしあまり実売価格を離さないようにしろというふうな拘束、あるいは何かをしているようなことがあるとすれば、それはもちろん私どもとしては、十分見ていかなければならないことでございまして、中村議員の御指摘のとおり事志と違うわけでございますから、その点については、まだ私は、いまの段階で直ちにそうなっているとは思いませんが、どういう姿が起こるかは、もう少し時間をかけて見なければならないと思います。それが第一でございます。  それから第二は、この間、物特委でいろいろ関係参考人の意見が出たという問題でございますが、それの中で大体——まあ先般も連合審査のときに御指摘になりましたように、いわゆる系列的な小売り店みたいなもの、それから量販店と申しましょうか、もう少したくさん売るようなところ、それからもう一つその外側に、あのときの物特委では現金仕入れでございますから云々というふうなことを言っております。ああいうのを何と申したらいいのか知りませんが、第三のグループ、かようにあるかと思います。そしてまた、そういうふうにいろいろな値段があり、また、それに対しての小売り業者としてのサービスの問題があり、小売り業者のたとえば土地柄でありますとか、あるいは扱う機種でありますとか、いろいろなものによっていろいろな値段があり得るということは、私は当然だろうと思います。問題は、本来どこの辺のものが正常であって、どこの辺のやつは、中村議員が御心配になるように、不当に高くしているんじゃないかとか、そういう問題があろうかと思いますけれども、それぞれの品物の流れ、業態によって、やはりお客さんに対するサービスのしかたなり何なりも含めて値段がいろいろな違いが出てくることは、私は、ああいう商品の性質上、ある程度はやむを得ないことではないかと思います。ただし、それはいまおっしゃったように、その裏——裏と申しますとおかしいのですが、うしろ側にある実態は十分見ていく必要があると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 どうもあなたの答弁を聞いていると、通産省の弁護をしてみたり、それから何か値段が若干開いているところもあるだろう、そういった答弁に終止しているのだな。私はそういうことをあなたに言っているのではないのだ。  三日の物価対策特別委員会における表現は、通産省の指導ということを逆手にとって、そこで今・度は各メーカーが同じような歩調でもって、いままで安く卸しておったにもかかわずらこれを卸価格を引き上げてきたのだ、そういう証言をしているのです。私の調査でもそうなんです。いわゆる新型という形でいま売り出されているもの、二十型が一番多いわけでありますけれども、これをあなたのほうが、二重価格が景表法に触れるという形で撤廃さした。通産省はそれを受けたような形で指導した。それをあたかも通産省の公認価格のごとく、あるいは指導価格であるかのごとく、いままで十三万か十四万で売っておったものも今度は十六万台に引き上げてしまった。これは新たなカルテル行為です。そういったような証言も公の席上においてなされた以上は、あなたは、いまの答弁のような簡単な形で片づけるということは問題があると思う。私も公の席上において、具体的な例をもってあなたに対して、これは新たなるカルテル行為ではないかということを指摘した以上は、単なる町のうわさではない。私も、責任をもって公の席上で発言をしている以上は、みずからの発言には責任を持つ。それに続いて、関係の業界人が出て物特においてあのような発言をしている以上は、あなたは公正取引委員会の委員長として、これに注目をし、新たにこれを調査していくというような態度がなければならぬと思う。それをただ通産省の行政指導を弁護し、まあいろんなことだってあるだろうというような簡単な形でこれに対処するという態度は、あなた自身がみずからの責任を放棄したということを指摘しなければならぬと私は思う。だから、いろいろお答えになる必要はないから、再調査されるか、されないか。みずからやったことについて、その結果がどうなのかということについて追跡調査をする御意思があるかどうか。そして、あの証言のようなこと、あるいは私が指摘したような事実がありましたならば、断固としてこれを摘発していくというような態度がなければならぬと私は思う。そのことをあなたに伺っているわけであります。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 私が申し上げましたことは二つに分かれます。一つは、やはり実態というものをよく見なければならないということであります。そして第二に、もしそこにおいて独禁法違反の疑いを持つようなことがあれば、それは当然に私どもの任務としてやらなければならない問題であるということでございます。言い方が少し長くなりましたもので、その前段のまず実態をどういうふうに見るかという問題についてのみ長く申し上げましたもので、あとのほうのことがお聞き取りいただけなかったのでございますが、私はそういうふうに二つ問題を考えております。  第一の問題は、まさにおっしゃるとおり、私どもとしては、それではたしてどういう動きになっているかということを当然見ていかなければなりません。それの一つの証拠と申しますか、あるいは情報と申しますか、として先般のような物特委におけるある方の御発言というものもございましょう。あるいはまた協会、あるいはまた通産省等からいろいろ伺うということもございます。また中村議員の公式の場における御発言も、十分そういう問題の一つの資料として私どもは考えるわけでございます。決して、それをただ聞き置くとか、ほったらかしておくというつもりはございませんことを、重ねて申し上げておきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは、さっそく調査をされる御意思があるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 調査ということばでございますが、要するに私どもとしては、問題を実態としてつかまなければならないというふうに思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がありませんから、それじゃ最後に、カラーテレビのダンピングの問題で米国の関税委員会が審査を進めていたわけですが、何かきょう結論が出たように伝えられているわけですが、おわかりでしたら、お答えをいただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 まだアメリカにおりますこちらの大使館等からの公電は参っておりませんが、けさほど、ニューヨークにあります軽機械センターからテレックスが入ってまいりまして、それによりますと、アメリカの関税委員会は、日本製テレビのダンピング問題に関しまして全会一致で、損害、インジュリーといっておりますが、インジュリーありとの決定を下した。報告書はきわめて簡単なものであって、第一に、日本からの輸入増、米国におけるシェアの増をあげている。それから第二に、特に中間サイズ、九インチから十八インチに競合関係が集中しており、大半の白黒テレビ、ほとんどすべてのカラーテレビが公正価格以下である、それから第三に、米国製品と比較いたしまして、大半の日本製品の価格は低いといったようなことを主たる内容としたものである。これに対して特別な例外や付帯のコメントはつけられておらず、公正価格以下の販売と被害との関連性についても触れられていない、こういうテレックスが入っております。こういったことで、昨年の十二月五日に財務省でいわゆるダンピングの事実ありとの認定をし、同日関税委員会に送付されたわけでありまするが、この際、関税委員会の結論が出、したがってまた問題は財務省に返された、こういう次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまお答えになりましたような、違反の事実というものを指摘しているわけですね。それと同時に、私は、違反の額としても、大体どの程度だというようなことだって算出されているのだろうと思うんですが、あなたのほうも、この問題を重視していろいろと調査もし、またアメリカ側とも接触をしてこられたと思うのですが、大体、算出の基礎であるとか、いまお答えになりましたような形で試算をいたしますと、どの程度の額になるのでございましょう。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 アメリカのダンピング法の運用でございますが、いま申し上げたようなことで、関税委員会が、アメリカの業界に被害を与えたという認定をいたしたわけであります。その詳細は、まだこれから私どもも内容を十分検討もし、必要であればアメリカの政府当局から説明を受けたいと思っておりますが、実は目下のところはまだ詳細不明でございます。この後、財務省にこの報告が参りまして、最終的には、財務長官がダンピング事実ありという認定をするかどうかという事実がまだ残っております。かりにここでダンピングであるという判定をいたしますと、財務省は昨年の九月の四日に関税の評価の差しとめをしておりますから、九月四日以降アメリカに輸入されたテレビにつきまして、個別に、これは機種ごとに、幾らが公正価格であるか、フェアバリューであるか、こういう調査をいたしまして、その調査に基づいて、現実の輸入価格との差が出れば、それをいわゆるダンピング税ということで賦課をしてくる、こういうことになるわけであります。したがって、従来までダンピングの容疑ありという段階では、六八年から六九年にかけての事実の調査であったわけでありますが、今後もしかりにダンピングであるということが最終的に裁定をされますと、これは昨年の九月以降の輸入分について財務省は調査をいたしまして、そして公正価格であると思われるものをまずきめ、それとの差額をダンピング税として取るわけであります。したがって機種ごとに、あるものは非常に金額の張るものがあるかもしれませんし、あるものはほとんどダンピング税といったようなものはかからないというようなものも出てくるかもしれません。これはこれからの財務省の認定に待つところでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 アメリカの電子機器業界が、ダンピング問題は日本にとっては黒と出るであろうというので、被害額というものをあらためて算定をいたしまして、アメリカの連邦裁判所か何かに損害賠償の訴訟を提起したとか、する準備をしておるとか伝えられているわけですが、その点の情報は入っているのでございましょうか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま御指摘になりました事実は、昨年の十二月二十一日に米国のナショナル・ユニオン・エレクトリック社という会社がニュージャージー州の連邦地方裁判所に民事訴訟の提訴をしたということでございます。このほうの被告になっておりますのは、松下以下日本法人七社及びアメリカ松下以下関係の米国におきます子会社、計十四社を被告として訴えを起こしたのであります。  訴えの内容でございますが、これは、これらの会社が共謀いたしまして米国市場での販売価格を不当に安くしたということで、この結果、原告側のこの会社が、テレビ販売における損害、あるいは生産能力を破壊されということで、その損害額と、それから将来五カ年にわたって得べかりし利益の損失という損害額を合計いたしまして、三億六千万ドルの損害賠償の支払い及び上記違反行為を永久に禁止する命令を認める判決、これを求めております。これに対しまして日本側七社は、それぞれ適当なる弁護士を選定いたしまして、現在原告側に対し質問書を提示し、訴訟に持ち込んでおる、こういう状態でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 関税委員会の結論はあくまで違反であるという形で出たということですが、あとの段階もあるので、政府としては今後もいろいろな対策を続けていくのであろうと思うわけですが、どのように対処されるのか。  それから後段でお答えになりましたのは、これは民事的な事件になってまいりますから、政府が直接タッチするものではないのでありましょうが、これはばく大な額であるわけでありますから、それがまた黒になるということになってくると、日本の家電業界が倒産するといったような危険性がある。アメリカの弁護士の弁護料は高いのだそうであります。だから、これに対して業界はどのように対応しておるのか。また政府は、そうした民事事件に対しましても何らかの対応策と申しましょうか、これに対処するという腹がまえを持っていらっしゃるのか。前段のダンピングの違反であるとしての認定に対する今後の対応策、並びにいまの民事事件に対するところの考え方、その点をひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 まず後段のほうから申し上げたいと思いますが、いまの訴訟問題は、企業対企業の民事訴訟でございますから、裁判上の争いでございまして、政府が特にこれに介入するということは適当でないと思います。いま関係の七社、それぞれ米国内におきますこういったことの専門的な弁護士を選定いたし、かつその弁護士の中でもリーダーと申しますか、全体を取りまとめる弁護士も頼み、そして応訴のかまえでございます。業界のほうとしては、一体、日本側のこういったようなことによって損害があったということであるのか。その企業がほかの理由、つまり企業としての運営が適当でなかった、あるいはその他の理由で損害を受けたのか。日本側のこういったアメリカに対する輸出と企業の受けた損害というものが、一体どういう事実的な関連があるのか。そういったことを当然訴訟の段階を通じて詰めてまいりませんと、一つの判決がもしあるとすると、これはテレビ関係の他のアメリカの企業からのみならず、日本製品に対して全般的にこういう問題が波及してくるということもございますので、徹底的にこの問題は究明し争うという立場で、いま応訴するかまえで十分準備を練っておる、こういうふうに承知しております。  それから、前段のアメリカの財務省当局あるいは関税委員会によるテレビのダンピング認定の問題でございますが、これは御承知のように、私どもといたしましては、従来から、アメリカの流通の実態と日本におけるテレビの流通実態、これからくるコストの違いということについて、アメリカの財務省にしばしば、その点については十分日本の実態を踏まえた算定をしてもらいたい。そうでないと、いわゆる日本におけるメーカー負担の流通費用というものが正当に評価されませんと、当然その違いからダンピングというようなことが起こってまいりますので、こういうことを国際ダンピングコードにのっとって正当にやってもらいたいという要望を繰り返してまいりました。昨年の七月にも、下田大使から財務長官に特にこの点についても要望した次第であります。  しかし、いずれにしても、先ほど御説明いたしましたような関税委員会の結論も出ましたので、私どもその内容について詳細に知ることがまず大事だと思います。こういったことについても、従来、米当局にいろいろ要請をいたしましたが、実は詳細なデータをこちらに示してもらっておりません。ましていよいよ最終判定をするということでありますれば、私どもといたしましては、まずどういう根拠で最終的にやったのか、その根拠となるところを十分ひとつ承知をいたしたい。そういったものを精査した上で、私どもが従来アメリカ当局に要求しておりましたような正当なる評価をはずれて、これが評価をされておるということであれば、私どもとしても、政府としても、こういったことについて米当局に何らかの形で申し入れ等を行なうということに相なろうかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは、私の持ち時間を過ぎまして加藤委員の時間を譲っていただいたわけですが、これで終わりますが、せっかく本田局長おいでをいただきましたので、一点だけお尋ねをいたしておきます。  石油の問題で少し質問をしたかったわけですが、けさの新聞で「先取り値上げ認めぬ 石油製品で通産省警告」という見出しで、「大慈彌通産省事務次官は四日の記者会見で、「国際石油資本との交渉のさなかに、値上げを先取りする形の製品値上げは絶対に認められない」、そういうことで、実態を調べるということを明らかにいたしておるようであります。実は私は、物価対策の連合審査の場合におきましても、この問題について通産大臣にお尋ねをしてきたわけですが、灯油は不需要期である、したがって需要がいまないのだ、さらにまたガソリンは過当競争の状態で非常に安く売っているところもあるのだから、何も心配要らないのだというようなきわめて楽観的なことでありましたから、それは非常に楽観に過ぎるのじゃないか、灯油はなるほどいま不需要期であったにしても、おそらく上げてくるであろう、またそう短期的に見てはいけないのだということを申し上げてきたわけですが、実は次から次に石油会社は値上げをやっておるというような実情であるわけです。このとおり絶対に認めない、これを上げるならば、どのような手段をおとりになろうとしておられるのかわかりませんが、石油業法でもって設備制限の規制というようなものもありますが、それ以外に通産省としては、通産省の警告を聞かないで値上げをするものに対して措置の方法もないのではないかというような感じがいたします。いろいろな面から検討しているのだろうと思いますが、こうした値上げに対してどのように対処しようとしておられるのか、絶対に押えるという確信を持っておられるのかどうか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  大臣がしばしばお答えいたしておりますが、現在の産油会社が産油国との協定で値上げを了承してその分をそのままこちらに転嫁しよう、こういう姿勢でおることに対しまして、日本の精製会社として、産油会社に対してその引き下げについての交渉をするということについて、われわれとしてもあらゆる支援を惜しまないということで交渉しておる最中でございますので、この時期に値上げについてのいろいろの行動をとるということがあれば、これはきわめて適切でない、そういう意味で、そういう姿勢は認められないということを次官が申したのだと思います。大臣も申しておりましたように、今度の問題は決して安易な楽観し得るものではないけれども、この際強い姿勢で交渉をすべきであるという姿勢で、現在、石油会社に対して、産油会社との交渉を強力に進めるということを指導しておる段階でございます。値上げのことについてはむしろ触れるべきでないという姿勢でおるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 単に警告に終わるのですか。もし値上げをした場合はどのような措置をおとりになるのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 どのような措置をとるかということについて、ここでこういう方法でということを考えておるわけではございませんが、石油業法もあることでございますので、これらのものも考え得る立場にわれわれがあるということを御理解いただきたいと思います。

進藤一馬自由民主党

○進藤委員長代理 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私の要求しました答弁者はおそろいですか。通産省、厚生省、公害本部、おそろいですね。  ただいま中村委員から石油の値段のことについてお尋ねがございました。目下、石油が新聞で毎日のようにうたわれておりますが、二つの問題点があるようでございます。一つはいま言う値段の問題、一つは質の問題。言いかえれば、これは物価の問題であり、公害の問題でございます。ともに本年度日本経済をゆるがすような大きな問題ばかりでございます。そこで私は、石油から発生する公害についてこの際しぼってお尋ねをしたいと存じます。  第一番、大気汚染の最たるものはSO2である。そのSO2団の一番たくさんに発生する発生源が火力発電である。電気は必要なものである。幾何級数的に需要が伸びている。したがってこれはつくり出さなければならない。しかしどの地区へ行っても、いまや火力発電所を喜んで迎え入れるところは一カ所もない。自民党の知事さんのところでも、あちらでもこちらでもお断わりになってみえる。この正月以来、各地区で選挙が行なわれました。県知事選、市長選、何党もかに党もこぞって、わが党こそは公害追放の先達になります、私が県知事にしていただければ公害はなくします、とお約束をしてみえる。むべなるかなと思います。公害対策は産業に優先するという法律が先年通ったのですから。人の命より大事なものはございません。そこで、きょうこのごろでは、すでに既設の火力発電所に対しても、いわんや新設の発電所に対しては、みな地区の方々が当該発電会社に対して契約書を結んでおられます。この契約書に、使う石油に含まれる硫黄の含有量が明記されているようでございます。これを通産省当局としてはどのように把握していらっしゃいますか、まずそれを御公表願いたい。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  発電所は、既設のものも一部入っておりますが、大部分建設中の発電所につきまして、当該地元との間で公害防止協定が結ばれたものが、形式としては覚え書きといったようなもの、正式の協定形式のもの合わせまして、私どもの把握しております限りで全国で四十二発電所分ございます。そのうち、御指摘の使用燃料の硫黄分につきまして地元との取りきめをかわしておりますものが二十六発電所の関係でございます。私どもといたしましては、こういった地元との協定につきましては、発電所につきまして、建設中のものにつきましては、工事計画の認可を行ないます場合、あるいはまたいよいよ完成して使用される前の使用前検査、それから既設のものにつきましては、ボイラーごとに年一回の定期検査をいたしておりますし、またそのほか必要に応じて随時立ち入り検査をいたしております。そういった各種のチェック段階におきまして、排出基準の順守はもとよりでございますが、そういった特別な地元との約束のあるものにつきましても、その点をチェックの内容といたしまして、その励行を指導いたしている  わけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私がお尋ねしているのは、発電会社と地元との契約の中に、使用する石油に含まれる硫黄の含有量がうたわれているはずである。それをキャッチしてみえたら承りたい。これが質問の要点でございます。もう一度お答え願いたい。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 ただいまお答え申し上げましたが、二十六の建設中、一部既設を含みます発電所につきまして、硫黄分の約定がございまして、その内容につきましては、それぞれ、使用開始の時点におきます使用燃料というものを規定いたしますもの、あるいはその先々の分も含めて約定をいたしておりますもの、その内容は種々にわたっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 数字を聞いておる。多岐にわたっておったら多岐に説明してもらおう。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答えを申し上げます。  東北電力で三つの発電所がございます。八戸の発電所におきましては、四号機が動きます時点で二%の燃料を使用するというふうなことになっております。秋田につきましても、二号機が運開いたします時点で二%、新仙台につきましては、一号機が運開いたします時点で二%から二・二%というふりなことになっております。以下二十六カ所でございますが、姉崎、五井、千葉といったような東京電力の管内の発電所につきましては、四十四年時点で一・五ないし一・七%、それから自後四十七年にかけて逐次〇・一%程度ずつ低下をさせていく。そしてこれが低下をさせるのは姉崎、五井でございます。千葉の場合には、四十四年が一・五%で、四十五年度以降一・四%でまいる。かようなことでございまして、いま恐縮でございますが、お許しを得られれば、例で申し上げさせていただきまして、あとまた御説明申し上げることができればと、かように考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 大体、四十四年から四十八年にかけて一・五前後と、私のデータにも出ております。九電によってそれぞれ別な数字が出ているようでございまするけれども、中にはこういうところがあるのですね。某電力会社、四十五年度は一・五、四十六年度は一・二、四十七年度は一・〇、これを御存じですか。あえて名前は申し上げません。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のような数値で地元に了解を得ております発電所が関西地区にございますことを承知いたしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これについて、しからばその数値を保つためにいかなる銘柄の油をおたきになりますかと尋ねますと、関西地区も四国地区も口をそろえておっしゃられることは、ミナス原油をなまだきいたします、A重油をたきます、こういう答えが返ってくる。同時に、そのことは地元の市長、県知事も同じ答弁をする。いずれ十二日には鹿島地区を調査いたしまするが、そのときにもおそらくそういう答えが返るかもしれぬと思っておるのです。  そこで、お尋ねしますが、なるほど一・〇だの一・二から一・一などと言われますと、これはやはりA重油やミナス原油のなまだきをしないと果たせない数字のようでございます。私はこの理想が達成できることを望みますけれども、もしできなかったときにどうするかという心配をしているわけでございます。はたして電力会社が火力発電にそれをコンスタントにたくだけの用意、お考えがあるかないか、この点を公益事業局長としてはどうお考えでございますか。これは通産大臣に尋ねないといけないかもしれませんけれども、どうお考えですか。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 過密地域におきましては、低硫黄の要求が非常に強いし、また電力会社としても、排出基準順守上、低硫黄化を特に急務といたしているわけでございまして、会社側といたしましては、そういった要請にこたえ、また地元との約定のあります場合には、それを順守いたしますための燃料手当てに格段の努力を払っております。また私ども公益事業局の立場といたしましても、その低硫黄化の目標が達成できているかどうかにつきましては、工事計画段階で十分裏づけをチェックいたしますと同時に、また使用前の検査におきましては、実際に規定どおりの数値になっているかどうか。また、その後の定期検査時、あるいはまた非常に基準すれすれの状況であると見られるものにつきましては、随時の立ち入り検査によります燃料の抜き取り検査というふうなことによって、それが励行されることを十分監督いたしております。今後ともその努力をいたしたいと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は、あなたがどういうふうに指導していらっしゃるかとか、どのように努力していらっしゃるかということを聞いておるんじゃございません。そんなことを答えると、あなた自分で落とし穴に落ちますよ。そんなことを言わぬほうがいい。私は四十六年度一・二から一、四十七年度一・〇、そのようなことが実質可能であるかないかという問題と、ミナス原油をなまだきします、A重油をたきます、それはスポットでなしにコンスタントでございます——その約束が不履行にならぬことを願うが、不履行になるではないかとお尋ねしておるんです。あなたはどう思われます。それが一点。  次に、その質の許可をするときに、裏づけ書類をとっているとおっしゃられたが、ほんとうにとっていらっしゃるならばお尋ねする。じゃ、四十六年度、四十七年度に電力会社が、どこの油会社とどのような油をいかほど買うということを契約しているのか、その契約書を見せてもらいたい。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  過密地域におきまして、一・〇とかそういうふうな低硫黄の燃料を使用いたします計画を持っております個所があることは、まさに御指摘のとおりでございまして、そういった点につきまして、私どもといたしましては、従来のなまだき用の原油のいままでの入手状況等々から見まして可能な数字である、かような判断を持っているわけでございます。また、それがから手形にならないように十分監督してまいる、かようなお答えを申し上げたわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ほんとうですか。私は公益事業局長など責めようとはつゆさら思っていないのだから。  では、次に進んでお尋ねしてみましょう。よく気をつけて答えてくださいね。あなたは可能な数字であるとお答えになりましたね。ではお尋ねします。いま電力会社に回っているA重油、ミナス原油、それは何ぼありますか。これは鉱山局のほうから聞きましょう。それとも通商局でも。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 ミナス原油の現在の輸入は四十二年が三百五十八万キロリットルでございましたが、逐年増加いたしまして、本年度は約二千万キロリットルというふうに見込んでおります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それは二億リットル、全量の十分の一でございますね。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 全輸入量が約一億九千万キロリットルでございますので、仰せのとおり一割です。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それを電力会社へ何ぼ流しますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 なまだき用としては、本年度は二百四十三万の見込みでおります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはまた何に使うのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 なまだき用でございますので、原油でそのまま燃料に使うわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 お尋ねします。それはコンスタントに発電用として使われるものであるか、それとも火入れ式のときにおいてのみ使われるものであるか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 従来の経緯から申しますと、緊急時用の油として持っておりまして、緊急時についてはこれを切りかえてたくというたき方をしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 コンスタントにたけますか。A重油やミナス原油を火力発電がコンスタントにたけますか。ないものをどうやってたくのですか。どこから求めるのですか。あなたは裏づけの書類を持ってみえるとおっしゃった見せてもらおうじゃないか。ないでしょう。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 先ほど、工事計画の認可段階、それから使用前の検査というふうな段階におきまして十分チェックをいたしていると申し上げましたのは、契約書をチェックをするというふうなことではございませんで、使用燃料計画、そういったものをチェックしたことを申し上げたわけでございます。検査時点におきましては、購入伝票をチェックするとかいうふうな形で、ほんとうに低硫黄の燃料をたいているかどうかということはチェックをいたしているわけでございます。これは定期検査等々の場合でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたを責めていないのだからあなたが右代名でひっかぶるような答弁をなさらぬほうがいいね。きょうは予算委員会ではないから新聞記者さんはおらぬから、どうせ新聞には出やせぬ。あなたを責めてやっつけようと、つゆさら考えていないのだから。しかし、あなたがついつい業界の指導、育成強化の熱心のあまりに、業界に対して親切なことばが出ると、しからば癒着しているのじゃないかと追い込まれるおそれがあるから、正直にお答えになっておったほうがあなたの身のためです。  そこで私がお尋ねしたいのは、今日、日本へ人ってくる油の質は、遺憾ながら世界的にながめて良質とはいえない。なぜかなれば、ハイサルを余儀なく押しつけられているからである。同時に、これは山下太郎さんつくるところの油をはじめとして義務的に割り当てられている。この油に含まれているところの硫黄分、これをひとつ年次別に統計を発表していただきたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  輸入原重油のサルファ分でございますが、原油につきましては、四十二年度が一・九三%、四十三年度が一・八二%、四十四年度が一・六八%、本年度は一・六二%の推定でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 しからば重油は何ぼになりますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 重油が同じく四十二年が一・八一%、四十三年度が一・四六%、四十四年度が一・六三%、本年度は一・五一%の見込みでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 どうやって試算されたのですか。重油の平均ですが、それが何かあなた数字を間違えているのじゃございませんか。——私のほうから申し上げます。  あなたの御答弁どおり、輸入原油の平均硫黄分、これは例をとると、高いのでは二・七から、もっとひどいのは三・五六になりますね。ミナス原油でもって一・〇一から一・〇三くらい。それを二億キロリットルを全部平均してみると、その輸入の硫黄含有平均が四十二年は一・九三、四十三年は一・八二以下とお答えになりましたね。これを普通常識で考えた場合、石油を精製加工して重油ができますね。A重油は別ですよ。A重油はなまだきすることありませんよ。じょうだん言っちゃいけません。あれはつくってできるもんじゃないのですから。必然的に発生するものなんだ。ところでC重油。C重油の含有量はこれは大体倍に歩どまりするはずだ。正確には一・五倍と見てしかるべきだ。そうでしょう。原油に対して一・五倍の硫黄分、これが重油に歩どまると見るべきじゃございませんか。そうすると、あなたのいまおっしゃった重油の硫黄含有量は、ちょっと数字が違うのじゃございませんか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。ただいま申し上げましたのは輸入の重油の平均で、ございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 内地の精製された重油の含有量は。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 二年しか手元にございません、昭和四十四年度で重油平均の硫黄分が二・二%でございます。四十五年度は二・一四%でごいます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 この数字は正しいと思うのです。したがって、先ほど公益事業局長が、年間〇・一%ぐらいずつ硫黄を減少さしていく予定であるとおっしゃられた。東京電力の資料は正しいと思うのです ところが、これで見ていただきますとおわかりのとおりです。今度は公益事業局長さん、原油なまだきをやったって四十五年が一・六二となっておる。いわんや重油となれば四十五年度は二・四である。どうやって一・五という数字が出てきますか。四十八年度推定が一・四九である、原油輸入平均が。これに一・五をかければ当然二以上の数字となる。どうやって一・一という数字が出てきます。四十七年度においてどうして一・〇という数字が出てきます。ないものをどうやってたくんです。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの全体の原油、重油の硫黄含有量の御説明に対しまして、私どもの公益事業局として調べております九電力会社の使用原重油の平均硫黄分につきましては、四十四年度が重油で一・七四%、原油で一・五九%という実績に対しまして、四十五年度の計画数値といたしましては、重油が一・六五%、原油が一・五八%ということでございまして、逐年低硫黄化の実は燃料油の使用状況の面からうかがわれるわけでございますが、これは平均の数字でございまして、中には、一・〇%以下のS分を持ちました低硫黄原油とか、あるいはまた低硫黄の重油もあります一方二%ないしそれをこえるようなものも現に使われている地域もあるわけでございまして、そういった平均でございますので、こういった面からいたしまして、地域によりまして一・一%、そういうふうな重油をたくことも可能である、また会社としてそういうふうな計画を持っているということはあり得ると申し上げたわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あり得る、可能である、そのとおりです。それはスポットですか、コンスタントですか。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 たとえば年間平均値で当該発電所において一・四%の平均S分でいくんだというふうなことでございますので、私どもといたしましては、その平均値につきましてはコンスタントのものと、かように判断いたしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いや、私が平均値で尋ねたら、あなたは別な例をお出しになるもんだから、それはコンスタントかスポットかと聞いておる。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 当該発電所につきまして平均値が一・一とか二とかいいます場合、そういう数値におきまして、まあコンスタントと判断いたしてお答え申し上げわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それじゃ原油のほうをつかさどっている局長にお尋ねする。  某々電力会社が、わが社だけは一・一以上はたくことは相ならぬ、ゆえにそれを要求すると言うたら、これはどこへ要求したら入手できますか。同時にお尋ねする。それを監督しているあなたのところは、許す能力はありますか、ありませんか。権限じゃなくて能力です。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  一あるいは一・一というのが何年度かという問題もございますが、昭和四十八年度で申し上げますと、低硫黄化の目標として各種手段を用いるということになっているわけでございますが、その際、低硫黄原油の輸入量をふやす、それから重油脱硫の設備を増強してまいる、輸入C重油につきましても低硫黄の重油の輸入をはかるというようなこと、並びにLNG等もその当時にはある程度ふえるというようなものを入れて考えますと、過密地域におきましては〇・九の燃料の供給をする。それでもなお環境基準に対しましては、〇・二七でございますので、中間的な目標しか達せられない、こういう状況でございますが……。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはやはりスポットですね。コンスタントじゃないですね。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 これは年間を通じての供給でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 じゃお尋ねする。そのとおりの火力発電に供給されるところのA重油及びミナス重油の数量はいかん。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 これは需要部門別という洗い方をせずに、地域別の需要というものをはじきまして、要対策地域に約一億キロリットル、九千九百四十万キロリットルの供給をする際に、それを平均して一・二、特に過密地域については〇・九の燃料を供給する、こういう計画でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたのほうのその計画は、やがて統制配給ということになりますね。私はあなたのほうのその計画の一覧表を見て知っている。しかしそのことは、かりに九電のうちのある会社に許せば、他の会社の承知しないことになる。同じ電力会社でありながら、甲地域にはローサルを提供して、そうして大気汚染を防いでいる。しからばわがほうにもという要求は、目下じゃかすか出てきているんだ。それが可能であれば、何も東電は静岡や千葉で断わられなくても済むわけなんです。あなたのほうに理想図があるということは知っておる。それを実行に移せれるよう努力するのが今後のわれわれの任務なのです。そのためにぼくは聞いておる。しかしあなたが、それを必ず今日ここで実行できると言い切ってしまうならば、何も努力は要らぬはずなんだ。そうでしょう。そこで、まず第一番にあなたにお尋ねする。先般行なわれました委員会の証言において、ミナス原油を扱っているファイースト・オイル・カンパニー、ここは、なまだきにミナス原油を提供するほどはございませんと、はっきり言うておる。このほうが正直だ。   〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕 次に持ってきて、石油連盟のほうは、なまだきがしたかったらどうぞおやりあそばせ、そのかわりそれはハイサルでごかんべん願いたい、義務づけられてわれわれは買っているんだから。ローサルにするために、四万バレルについて百億もの投資を要求されている。われわれだけでサル抜きの責任をしょわされてはかなわぬ。だから石油連盟としては、電力会社がなまだきがしたかったらどうぞ、しかしそれはハイサルでお願いしたい。ローサルのミナス分はそうやすやすとお渡しするわけにはいきません。いわんやC重油はつくってできるものじゃない。つくろうとしたら爆発するがな、それを使えば。そこで、どうしたらいいかという問題になるわけだ。前提が長くなってしまつたのだが、あなたの理想図はわかった。それを努力をせずに実行できるとおっしゃれるですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  努力せずにできるというものではございませんで、四十八年度の低硫黄化のこれは目標でございまして、この目標に対していろいろ努力することが必要だということは御指摘のとおりでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いま地元と電力会社とで行なわれている数字も、これはみんな努力目標なんだ。努力目標でないとおっしゃるならば、裏づけをもらいたい。すなわち手形の裏づけとして、現在高証明を要求すると一緒なんです。契約もなくして、入手の道もなくして、わが社はローサルをたきまするなんというあほなことを言ってみたって、これは不渡手形になる。それをごむりごもっともと聞いておるとなると、これは指導性に欠くるといわざるを得ない。  さてそこで、低硫黄化のために、当局は電力会社に対して何をどのように指導してみえます。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  電力会社自体で、低硫黄化のために、大気汚染防止のため行なうべき措置といたしまして指導しておりますのは、第一にこの排出量をできるだけ少なくする、こういう面の対策でございまして、これにつきましては、低硫黄入手の努力ということはさておきました場合には、まず第一にアンモニア注入装置等併用いたしました高性能電気集じん機というようなものの設置を推進いたしまして、これによりまして、未燃カーボンあるいはまたSO2分を硫安にして集じん機で回収をするというふうな効果を果たしているわけでございます。それから、この排出量の減少対策といたしまして排煙脱硫装置の実層化、これについて推進をいたしているわけでございますす。四十一年から四十四年までの間の工業技術院大型プロジェクトの研究成果を踏まえまして、現在、電力三社におきまして実用規模に一歩近づきました排煙脱硫装置の設置を進めているわけでございまして、これが今年秋から来年初めにかけまして三社、三基が完成いたし、その運転成果を踏まえまして、さらに実用規模のものに早急に持っていかせるべく考えておるわけでございます。その他、SO2の拡散希釈によります地上濃度の低減対策といたしまして、高煙突化を中心とした対策を進めております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いろいろ御努力をいただいて適切な御指導いただいていることについては、われわれ住民としても感謝をしなければならぬとは思っております。しかし、どんなに高煙突にしても、それは含有されるSが減るわけじゃございません。拡散されていくだけのことなんだ。その拡散が、あっちの煙突もこっちの煙突も集合されたら、同じことなんだ。したがって、根本的に考えなければならぬことは、大口消費者は、おのれみずから企業努力によってS分を抜くということなんだ。その方法が、いまあなたのおっしゃった排煙脱硫装置。この排煙脱硫装置は、九電力ありまするけれども、目下のところ三つしかない。それもほんの一部分である。東電と中電がまつ先かけてこれを実行に移した。この勇気はたいしたものです。りっぱなものです。それなるがゆえに、きのう私は機械予算についてお尋ねしたわけなんです。こういう勇気あるパイオニアには、国家としては十分な援助をすべきだと思う。ところがあと何をやっています。あとはおのれみずからの努力を行なっていますか。ただ煙突を高うするだけだ。これはお月さんが煙たくなるだけだ。全然効果はない。公害が広域に広がるだけなんだ。他の電力会社は何をやっておるのです。また、かりに三つ合わせてみたって、一体それはどれだけになります。三つ合わせてほんのわずかでしょう。東電十五万キロ、中電十一万キロ、関電はわずかの六万キロだ。これはオール火力発電、オール重油だき発電の何分の一です。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 原油火力発電設備は、概数で申しまして約三千万キロワット、それに対しまして、御指摘のとおり三十五万キロワット相当分の排煙脱硫設備を現在建設中でございまして、約一%ちょっとこえる程度のものでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうでしょう。努力した努力したといっても、わずか一%以下なんですよ。いまの数字からいって、東電十五、中電十一、関電六で、合わせて三十二、しかし実質稼働は二十万キロ以下ではないか。それが三千万に対してですからね。これは百分の一以下ですよ。これでもって電力会社から出てくるSO2にがどうやって除去できるのです。これでいいですか。厚生省、来ておるはずだ。それから公害局長来ておるね。莊君も答えていただきましょう。こんなことで目標達成できますか。  なぜ私はこういうことを聞かなければならないのか。それはかって新聞がこう書いておるじゃございませんか。大気汚染防止法はできた。しかしそれは、こそどろだけをつかまえる法律である、一番の大きい大どろぼうは全部のがしてしまっておると、新聞はそう書いておる。そのときに通産省の答弁していわく、いや電気、ガスだけはわがほうの特別立法のほうがより適切である、これを適用することによって公害は除去できるという答弁であった。やってもらおうじゃないか。大どろぼうと称せられる——私は大どろぼうとは思っておりませんよ。大口SO2にの吐き出し口と思っておる。大口汚染の犯人だと思っている。それをいまの排煙脱硫、排煙脱硫と口に言っておるけれど・も、これは百分の一以下なんですよ。これで大気汚染は終息しますか。まず公害局長に聞こう。

莊清通商産業省公害保安局長

○莊政府委員 現在進めております三地点の排煙脱硫装置、御指摘のとおり、三十万キロワットちょっとぐらいの程度のものでございますけれども、これには、ある程度やむを得ない、研究開発途上であるという特殊事情が当面あろうかと存じます。と申しますのは、四十一年に大型プロジェクトで、通産省が直接この技術開発に手を染めましてから、三年ばかりで基礎研究が一応終わりまして、これから手をつけようという三十万キロのは、いわば中間プラント的なものでございます。これが成功しますれば十五万キロワット程度の東電のものは、実用にも将来使えるかもしれませんが、一つのねらいとしましては一年間くらいの連絡操業、これを安定した状態でできるところまで、今回の電力中央三社の研究でぜひ持っていきたいということが正直なところあるわけでございます。したがって、これが成功いたしましたら、もう少し大きな実用規模のものをほんとうにつくって、それ以外の発電所についても今後大に推進すべきは当然であろうと存じます。  ただし、現在の想定される排煙脱硫装置というのは、かなり土地の面積も要るようでございますので、大都会周辺にある既存の古い発電所には、直ちにはそのままでは置けないかもしれませんので、そういうところには、先ほどからるるお話がございましたが、あらゆる努力をしてLSの重油を確保して供給していく、新規の予定のところには、それに加えてさらに排煙脱硫装置等も加味して、全体として火力発電からのS分を減らしていく、こういう努力をしなければこの問題は解決しない、こういう問題だと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 時間を急げということでございますので、結論を急ぎたいと存じますが、これはまだ話が緒論に入ったばかりです。きょうは第二ラウンドですから、いずれ第五、第十ラウンドと進めたいと思いますが、きょうここでもう一つだけ聞いておかなければならぬことがある。  それは、企業努力を当局が指導してみえる、それはわかった。公益事業局長、あなたがたいへんな努力をしてみえるということはわかった。それはいいとして、ところが、企業みずからは一体どうこたえているかということだ。排煙脱硫の企業努力をどう考えているか。すでに東電、中電がその緒についてから四年も五年もたっているのに、他の会社は依然としてそれを行なわない。行なわないのみならず、いま増設要求をされているのが東電、中電から関電、中国電、四国電、大分共同と、こう出ているが、それらの火力発電は、はたして排煙脱硫の面積を確保しているのかいないのか。私らが調べたところによると、面積が少ないから研究できても適用できませんという答えが返ってくる。同時に、それを裏づけするかのごとく、地区との協定において、低硫黄の数字は確かに、できもせぬことを理想像として書いている。これは他人たよりなんです。ところが、みずからできる排煙脱硫を増設します、併設しますということは遺憾ながら一つもうたってない。どこにも書いてない。あったら見せてもらいたい。これでは本省の指導を電力会社がまともに受けているとは考えられない。この点をどうするか。  次にもう一つ、そのようなことでいきますと、総合エネルギー調査会低硫黄化対策部門の四十八年度目標は達成できるかできないか。この場合には、百七十万キロのおのれみずからの排煙脱硫装置をつけなければならない。これは四十八年度である。もうあと二年しかない。はたして百七十万にこぎつけることができるか、できないか。おそらくこのテンポじゃできないといわざるを得ない。通産省はそれでいいのか。これはあなたに聞くより大臣に聞かなければならぬから、大臣のかわりの名次官が見えますから、あとの問題は名次官にお尋ねする。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 排煙脱硫については、土地がない場所も相当数あるように聞いております。この点については局長より答えていただきますけれ、ども、四十八年度の目標百七十万キロワットというものは努力目標でございますが、これについては何としても到達しなければいけないという考え方でおります。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 電力九社のうち三社だけがいま手がけている、他社の排煙脱硫についての企業努力いかん、こういう御質問でございます。  先ほど来の四十一年度から始まりました工業技術院の大型プロジェクトの研究開発過程におきまして、東京電力の大井火力、中部電力の四日市火力がその試験場所として提供された経緯もございまして、引き続きまして、実用規模に一歩近づけました設備の開発につきましても、東京電力、中部電力が行なっているわけでございます。また、関西電力は別途に住友重機械と共同開発いたしました技術につきまして、いま最初の小規模のものからさらに一歩進めたものを建設している、かようなことでございまして、こういった先達の開発努力というものが、大気汚染防止のため各電力会社全部に均てんするということにつきましては、業界内部でも問題はないものど考えておりますし、御指摘のように、地区との協定におきまして、排煙脱硫が実用化されました場合に、これを設置し得るように用地面の手当てをしておくということを地元との約束の中に加えております発電所は、全国で十二カ所あるわけでございますが、そういった実用化のめどを早く立てるように急ぎますと同時に、実用化の暁におきましては、そういう地元との約束、ないしは通産省が、発電所の建設認可に際しましてあらかじめ手当てをいたさせました土地の有効利用について、当然最大の努力をいたさなければいけないと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたがたいへん努力していらっしゃることは、お答えによりましてよくわかりました。しかし、その御苦労がなかなか遅々として実を結ばないことを、まことに遺憾と思います。他力本願と失礼なことばをつけましたが、どう考えてみても、二億キロリットルのうちのローサルはわずか一割であります。ミナス、ミナスといわれておるものはわずかの一割である。電力会社に回すものはほとんどない。これが火つけ役には回せられるけれども、コンスタントに回せられるものではない。あなたが何と言おうと、それはできないのです。いわんやC重油は、重油のうちの、これこそまた何十分の一しか発生しない。それをコンスタントにたきますなんと言っても、これまたできるわざじゃない。この他力本願は、祈ることは自由だけれども、どんなに祈ったって天から降ってこない。天は助けてくれない。そこで、おのれみずからの努力目標である排煙脱硫ではあるが、これもいま三電力がやってみる、やってみると言うても、それはほんのわずかである。いまの総合エネルギー低硫黄化対策部門の目標値といえども、わずかこれは百七十万キロだ。これは三千万にしたら二百分の一だ。これでもってますます需要のふえる石油、そこから発生するところの硫黄、SO2これはこれでは除去できない。公害局長が言ったとおりだ。できないのです、これは。しかし、それにもかかわらず、電気・ガス法だけでぴしゃっと取り締まってみせるという、かたいお約束をあなたは本委員会でしてみえる。だから、これはやってもらわなければならない。そのまた百七十万キロも、四十八年度までは努力目標だと次官さんはおっしゃる。それすら、二百分の一すらもなかなかにできないとおっしゃる。これではインターナショナルシンポジウムにおいて、世界の公害会議において、日本はたれっぱなし、出しっぱなし、ニューペナルティーをつけるべきであると、議長みずからが提案するのもまたやむを得ない。しかし、これは世界に向かって日本の恥なんです。私は徹底的に反撃を食らわして、この提案を取り消させて帰ってきましたけれども、内心じくじたるものがある。  そこで、時間でございますから、本日はこの程度にしますが、私は次、第三ラウンドは、石油精製部門における脱硫努力についてお尋ねしますから、しっかりと準備をして出てきてください。それからぜひひとつこの次、要求しておきます。次官さんはお忙しいでしょう、大臣もお忙しいでしょうが、暇を縫うて、大事なことであるし、責任を負ってあると言っていることについてお尋ねするのですから、ぜひひとつ御出席方を要求いたします。以上で終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ただいまは加藤委員のほうから石油の問題がございました。わが党の岡本委員がこのあと石油の大事な問題について質問をいたします。きょうは配分の時間というものは非常に限られておりますので、私は一点だけお伺いしたいと思います。  それは、この前の二十二日におきます予算第二分科会で、私は万博の問題で質問をいたしました。何点かの問題についてお尋ねをしたわけでございますが、そのときに私は申し上げたのですが、万博に六千四百万の人が行きました。しかし、調査をしてみると、一人で三回、四回行っている人もおる、こういうことで、実際は一億国民の中で二千万から二千五百万じゃないか。そうすると四人ないし五人だ。しかも、行った人もかけ足で見ておるので、ほとんど見ておらない。ましてや行っておらない人が大多数である。特に、遠く離れた北海道、九州等の子供たち、あるいはまたお年寄り等は混雑のために行かない、あるいはまた料金が高くて行けないというような、そういうために非常に心残りがあるわけです。今世紀においては行なわれないというようなこともございます。  そこで、残された唯一の機会として、この四月の三日からダイニチ系で映画が上映される。それについて私は、小中学生あるいは身体障害者、老人等については、もうほんとうに無料でもやってあげてもらいたい。大体、万博協会なりがもうけ主義でいってもらったら困るということを申し上げたわけですが、それについて政府当局としてどのように検討されたか、この点についてお聞きしたいと思います。担当の参事官でけっこうでございます。

増田実通商産業省企業局参事官

○増田(実)政府委員 ただいまの近江先生からの御質問に対してお答え申し上げます。  先ほど先生からおっしゃられましたように、先月の二十二日の予算の第二分科会で、万博の映画が近く上映されるけれども、その入場料についてこれは国民ひとしくこの世紀の祭典についてこの映画を見られるように何か配慮できないかというお話がございまして、その後私ども、先生の御趣旨を体しまして、日本万博協会といろいろ打ち合わせいたしております。ようやくこのほど、入場料につきましての一応の案ができまして、近くこれに基づきまして日本万博協会と映画会社と契約いたす、こういうことになっております。  先ほど先生からおっしゃられました、たとえば子供、老人それから身体障害者につきまして、できるだけ下げるという方針でいたしましたので、その内容につきまして簡単に申し上げますと、老人につきましては、これは七十歳以上ということでございますが、普通の封切り館におきましては老人には特別割引がございませんから、普通、東京の封切り館ですと大体六百円になっておりますが、これにつきまして、特に万博に老人の方がなかなかこんでいて行けなかったという趣旨で、この映画を見ていただこうということで半額の三百円に割引いたす、こういうことで一応映画会社のほうとの話し合いがきまりました。それから次に、お話ございました身体障害者でございますが、これも身体障害者につきまして普通映画の割引がございませんが、今度の万博の記録映画につきましては、普通ですとおとなの六百円を二百円に割引をいたす、それから子供につきましては三百円を百円にいたす、こういう割引料金で映画を見ていただくということになっております。  それから勤労青少年、これは学生ですと割引がございますのですが、勤労青少年には普通割引がございません。これも学生並み、つまり一般料金が六百円の場合は五百円にするということで、これも割引料金を適用するということになりました。  それから、学校の先生の引率のもとに、団体で小学生、中学生、高校生がこの映画を見ますときに特別の割引をしようということで、小中学生につきましては五十円、それから高校生につきましては百円いまの学校団体につきまして割引をいたす、こういうことに話し合いがきまりました。  大体、以上のような割引を適用するということで、一両日中に映画会社と正式な契約を結びまして発表するという段取りになっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いま割引とおっしゃったのは、その額を引くということじゃなくして、その値段ですね。確認しておきますが。

増田実通商産業省企業局参事官

○増田(実)政府委員 そのとおりでございます。いまの金額が割引料金として入場料になるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから高校生なんかはどうなんですか、個人の高校生は。

増田実通商産業省企業局参事官

○増田(実)政府委員 個人の高校生につきましては、これは学生料金になりますから、普通であれば五百円で、そのままでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これで、身体障害者、老人あるいは小中学校、高校等の割引等については、非常に御苦労されたあとがわかるわけですが、特に一般の成人等も、仕事の関係とか費用の関係等で行けない人もたくさんおるわけです。あるいは、かけ足で一日だけ行って帰ってきた、全然見てないという人もたくさんおるわけですね。そこでこれは今世紀最後ということでもございますし、一般の料金も下げるというわけにはいかないわけですか。

増田実通商産業省企業局参事官

○増田(実)政府委員 一般の料金が六百円でございまして、これにつきまして、一応下げる案というのを検討いたしましたのですが、現在の映画会社の収益の状況、それからこの万博映画が——こういう万博映画をつくりますのはいままでございませんで、たとえばモントリオールの万博あるいはブラッセルの万博につきましても、こういうような三時間の映画を一般公開いたすという例がございませんので、はたして何人に入っていただけるかということについて非常に予測困難でございます。前回オリンピックの映画のときに約二千万人入りましたが、今回は一応千五百万人くらい入るという予想を立てておりますが、これは非常に予測できないファクターでございますので、その危険も見込みまして、割り引きしたときのリスクというものもございますので、一応一般の方々には料金は普通の料金をいただく、こういうようになっておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 時間もございませんのでこれで終わりますが、いずれにしてもこれはもうこういう機会もあまりないわけでございますし、さらに一般料金の引き下げ等について、時間の許す範囲において極力検討していただきたい、この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私は、時間があまりありませんが、石油関係について質問をいたします。  石油開発公団法、この目的の第一条には「石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図ることを目的とする。」、こういうようになっておりますけれども、国内産が非常に少ない、海外にその市場を求めなければならぬ、開発を求めなければならぬということで開発公団ができているわけでありますけれども、その後の活動状況、あるいはまたこの法律を見ますと、通産省では年々の報告あるいは監査、こういうものを義務づけられておるわけでありますけれども、これについてどういうように考えておるか、またどういうようになっておるか、これをひとつお聞きしたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、石油資源がほとんど海外に依存するという状況ではエネルギー確保上困るということで公団の発足を見たわけでございますが、公団はその第一条に「目的」といたしまして「石油安定的かつ低廉な供給の確保を図る」ということを目的にいたしております。現在までのところ、石油開発公団といたしましては、四十二年に四十億の財投出資を受けましたが、その後六十億、九十五億、百三十五億ということで四十六年度は百七十億の財投を受けております。そして現在のところ二十社の開発会社ができておりまして、必ずしも適当な形ではありませんが、二十四のプロジェクトに一応取りかかっておるという状況でございます。ただ、その後の開発の状況は、探鉱あるいはその事前調査というものにかなり時間がかかります関係で現在のところ石油を出しておるところは二カ所でございまして、むしろこれは開発公団のできる前のものでございます。開発公団ができた以降では、現在のところ三つの会社の探鉱で油が出たという状況で、探鉱を進め開発に進もう、こういう段階でございまして、その他のものはまだ基礎調査あるいは試掘の段階でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 現在、総輸入量の一割しかないのですが、大体五カ年で三〇%の計画を立てている、こういうことでありますけれども、そういった公団あるいはまたほかの方法で、国内で融資して補助金を出しておるわけですが、そういうことで確保できるのかどうか、これについてひとつ。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  公団ができることになりました総合エネルギー調査会の報告書におきましては、六十年度を目標年度にして、そのうちの所要量の三〇%を自主開発によって開発をすることを目標にして努力すべきだということを指摘されておるわけでございますが、先ほど申し上げましたような事情で、現在のところは二千万キロリットル弱の開発原油が入っておるという状況で、総輸入量に対しては、御指摘のように一割にとどまっているということでございます。最近の情勢から考えますと、従来のテンポ以上の、しかも大規模な努力を要するのが現状だというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、この開発公団は、ただ財政投融資を融資するというトンネル会社にすぎ、ない、トンネルの公団にすぎないように思うのですが、こんなことではいつまでたっても探鉱をするところのその会社に依存するということで、非常に心もとない状況である。そこで、大体わが国の貯蔵量、これをよく調べると、原油あるいはまた半製品あるいは製品在庫、こういうものを見ますと、大体二十日分しかないわけです。ドイツでは、あんなに近いところに原油があるのに、百八十日分持っている。こんな二十日分ぐらいのもので、もしも海上封鎖にでもあえば日本はたちまちに混乱するわけですが、そういったことを考えますと、この石油開発公団でただ融資だけではなくして、そういった開発事業にまで乗り出さなければならないじゃないか。こういうふうに、法改正も必要ですけれども、考えるのですが、その点どうでしょうか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 先生のおっしゃいますように、今後海外の探鉱をやっていく上に、いままでのような融資というような形ではなかなかできない、公団自身がやはり利権確保というような形までいかなければいけないかと思っております。また、ほかに金融面についてもやはりわれわれもいま研究の段階でございますけれども、外貨直接貸しのような形もとらざるを得ないのではないかというようなことで、研究中でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これはもう、研究しておることも必要ですけれども、相当前向きに取り組まなければならぬ時代に入ってきたと思うのです。その一つの理由としては、今度の国際石油資本の原油の値上げ、これを見ますと、約三〇%ですか、こういうことになってきますと、どうしてもわが国自体が開発を早急にしないと足元を見られる。だから、交渉にあたっても業界は非常に弱腰、それがひいては国内の諸物価の値上がり、こういう悪循環になるわけですが、その点について、輸送能力あるいはまた貯蔵能力、こういうものもつくらなければいけませんけれども、まず第一番には開発だ、こういうように思うのですが、もう少し、ただ研究中というのではなしに、これはもう予算委員会においても石油問題については相当な意見も出たわけですから、現在の検討あるいはまた、一こうするという——法改正をしなければならないのですから、それについてのもう少し前向きの答弁をしていただきたい。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、自分で処理のできる原油を持っておるということが、今後の石油の取引におきましても、相手との交渉力を強くするという意味で、先ほど申し上げました四十二年の答申において、三割の自主開発原油を持てという答申が出た趣旨でもあると存じますが、われわれとしても御指摘のとおりだと思います。そういう意味で、備蓄あるいはタンカーの増強等も必要でございますが、何にも増して油そのものを掘り当てて、そしてそれを持ってこれるという立場を持つことが重要であろうと思います。その意味で、先ほど次官からも申し上げましたが、従来のような、公団が民間の開発活動に対しまして資金を投融資するという立場だけでは不足だということで、この夏までに抜本的な対策を検討を命ぜられて、現在検討をしておる段階でございます。できるだけ御趣旨に沿うような方法を実現する案をつくりたいというふうに存じます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 では、石油開発公団の法改正と、ただ融資だけでなくして開発にも乗り出していくというように、いま御答弁あったと了承しておきましょう。  そこで、昨年暮れ、メージャーとの値上げ交渉によって、とうとう四十セントですか、近くの値上げがきまった、こういうことで、これは必ず国内の物価に影響してくると思うのです。そこで、どういう面に影響してくるか、あるいはまた、どの辺は値上げしないで済むか、こういう面について検討したことはございますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  OPEC諸国とメジャーの産油会社との間で、先般の二月十五日、二回目に値上げの妥結を見たわけでございましてその後メジャーは、値上げ分をそのまま消費国に転嫁したいということで値上げの申し入れをしてまいっておるのは、御指摘のとおりでございます。これに対しまして消費国として、消費国に事前に話し合いなくして上げた分をそのまま転嫁するというのはおかしいということで現在、石油会社が産油会社に対しまして値下げの折衝をいたしております。新聞にも出ておりますように、必ずしもいい返事が来ておるわけではございませんが、このままのむという事態でもありませんので、さらに値下げについて折衝しておる段階でございますので、この交渉結果を待たずして、値上げをどうするかというのは適当でないというふうに存じますので、ただいまは、御質問の点については答弁を御容赦さしていただきたいと思っております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、通産省として大慈彌通産次官が、割り当て制復活、こういうのを検討しておる、そういうような報道がありますが、それについて、そういうことを検討しておるかどうか。  それから、時間がありませんから簡単にどんどん答えていただきたいと思いますが、もう一つは、沖繩におけるガルフ社との価格交渉、要するに、メジャー、すなわち国際石油資本の一員であるガルフ社、これは沖繩にあるわけですが、米国系ですが、今後、沖繩が日本に帰ってきてもそのままこの会社を残しておくからと、そういうことでガルフ社との交渉があるというような報道もあるわけです。この二点について……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  輸入割り当ての問題につきましては、先ほども申し上げましたように、日本の精製業者がメジャーと価格交渉をするにあたりまして、われわれとしては、できるだけこれを支援するという姿勢でおるわけでございます。そういう意味で、輸入割り当て制度というものによって支援し得るものならば、これも検討しようということで事務的に検討しておるということでございます。  もう一点の、ガルフの問題につきましては、ガルフのみなず、エッソ、カルテックスの三社が四十四年の一月に、あすこで精製の許可を得ておるわけでございます。その許可を得るという前後におきまして、われわれとしては、いずれ沖繩は日本に返ってくる、返ってくる際には日本の石油の政策を混乱ささないような措置をとりますよ、そういう意味では外資比率は五〇%以下であらねばならないし、元売りは認めません等々の条件を事前に言ってあります。この条件に合う限りで認めるという姿勢でございまして、先般の新聞に出ておったような考えは持っておりません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると、これは一流紙ですけれども、新聞が間違ったということになるでしょうね。  この問題をやっていると時間がかかりますから、次に関税です。大蔵省関税局の方が見えているのですが、この関税は、立法精神はどういう目的で関税があるのか、それをひとつお聞きしたい。

平井廸郎大蔵大臣官房審議官

○平井説明員 お答え申し上げます。  一般的に関税の目的は、現在の日本の関税制度におきましては、保護関税制度という考え方に立っておりまして、国内の同種ないしこれに対応するような産業の保護をたてまえとしているわけでございます。ただ先生御指摘の、おそらく石油についての関税の制度の趣旨であろうかと思いますが、石油の関税制度は、現在のところでは、保護関税という考え方を脱しておりまして、財政関税というふうに考えているわけでございます。と申しますことは、すでに御承知のとおり、関税収入の約六分の五に当たる千六十億が、本年度におきましても石炭対策財源に充てられているということでございまして、特定の政策目的財源として考えられているという性格のものでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 石油が上がってまいりますと、諸物価の値上がりは必至であろうと思うのです。ただ、これはあとで聞きますけれども、電気代だけは、これは相当な利益がありますから何とかなると思います。そこで、現在一番やかましくいわれておるのは消費者保護です。この消費者に関税がかかってくることになるわけですね。石炭政策のための財政確保だということでありますけれども、産業保護のほうの目的は、国内にこうした原油はないわけですから、これは産業保護とはいえない。したがって、この関税は、おそらく、先ほど申しましたように、財政確保すなわち石炭対策の財源が結局は消費者に全部かかってくる、こういうことになるんじゃないか。したがって、これはもう一度深く考え直さなければならぬのじゃないか、こういうふうにも思うのですが、大蔵省の考え方はどうですか。

平井廸郎大蔵大臣官房審議官

○平井説明員 先生のお考え方も、確かに一つのお考え方としてごもっともであると思います。ただ、大蔵大臣もかつて予算委員会の席上でも申し上げましたとおり、いわゆる石油類について課せされております関税なり消費税の体系というものは、世界各国必ずしも一様ではございませんので、一律に論ずるわけにはまいりませんが、そういったものを全体として総合いたしました場合に、いわゆる石油類に対して課せられている日本の課税の相対水準というものは、アメリカを除きますならば、必ずしも高いものではない。もちろんその中には、先ほど御指摘のように、関税が石炭対策財源に充てられ、あるいは揮発油税が道路対策財源に充てられるというようなものが入っておるわけでございますが、そういうものを含めまして、全体として考えました場合には、現在の段階では必ずしも高いものとはいえないという問題もございます。かたがた、すでに長年にわたりまして石炭対策財源として定着しているという事情もございますし、一がいにこれを消費者対策の観点だけから関税というものを取り上げて論議するということは、なかなかむずかしい問題もあろうかと考えておる次第でございますが、一つの考え方として、さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 この問題はどうももう少し合点がいきませんが、時間がありませんから……。  公益事業局長が来てないので、しかたがないから政務次官にこの問題はお聞きしますけれども、今度重油が値上がりするということになりましても、電力業界では、私の計算では利益の二割にしか当たらない。したがって、やはりこの電力の値上げはすべきではない、こういうふうにも思うのですが、あなたのお考えはどうですか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 同意見でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると、電力は値上げは認めない、こういうふうに通産省は指導するつもりでありますね。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 さようでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 最後にもう一点だけ。外務省来ておりますね。——この石油資源開発のために、積極的な経済協力というのですか、これを促進をしなければなりませんが、こうした石油資源については、国連においてこういう問題を討論するというように働きかける必要があるのではないか。仮称でありますが、国際資源開発協力機構というものも国連の場に設けたらいいんじゃないか、こういう提唱をする考えはございますか。

西堀正弘外務省国際連合局長

○西堀政府委員 天然資源の開発の重要性につきましては、つとに国連におきましても認識されまして、いま先生御指摘の石油に限りませず、天然資源全般ということで、実は昨年の経済社会理事会におきまして設立されました委員会がございまして、それは天然資源委員会と申しまして、その第一回の会合が実は先月の二十二日から開かれております。この委員会におきましては、石油に限りませず、今後の世界の資源の開発及び利用を有効に行うための諸方策について検討が進められておる次第でございます。わが国も、この委員会の討議に積極的に参加いたしまして、各国と十分な意見交換を行なっております。  ただ、ただいま先生のおっしゃいましたような、天然資源の国際開発機構を設置するといった考え方は、いま申しましたこの天然資源委員会の場では、あるいはその他の機関におきましても、いまのところ具体的に提案されたことはないのでございます。しかしながら、われわれ外務省といたしましても、わが国の経済発展を維持していく上におきまして、先進国においてたると、発展途上国においてたると問わず、世界的な規模で資源開発問題に積極的に取り組むべき必要性を十分認識いたしております。したがいまして、このような観点から、御指摘のような国際開発機構問題というものにつきましても、わが国のとるべき天然資源開発に対する全般的施策の一環として、さらに今後検討していきたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 じゃ、時間ですから終わりますが、最後に政府に要求しておきたいことは、発展途上国に対するところの経済協力、それは必要でありますけれども、それに対しては、必ずまたこうした天然資源の、特に石油問題については見返りが来るというような交渉、そういうようにしなきゃならない、これを要求しておきますからひとつ……、それできょうは終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 私は、先ほどからもいろいろ話が出ておりますが、いよいよあと一年後に本土にめでたく復帰いたします沖繩の今後の電力問題について、若干の御質問をいたしたいと思います。  われわれが、沖繩の復帰を喜ぶと同時に、わけても心配なのは、これからの沖繩の経済というものがどういうふうに自立していけるであろうかという問題でございます。基地依存経済から脱却して、ほんとうに沖繩がその独自の潜在力を発揮しながら、日本に復帰した一員としてりっぱに繁栄の道をたどるかということにつきましては、何としても産業の基盤の整備が必要であります。その産業基盤整備の一番根幹は、公益事業である電気事業の整備を積極的に進めることではないかと思います。  ところが、御承知のとおり沖繩の電力は、たいへん複雑多岐な状態でございます。その立地条件も本土のそれと比べますと、非常に条件のむずかしい場所でございます。政府のほうでは、今日の段階で、沖繩の復帰後の電力事業の統合や再編成をどのように進めようとお考えになっておるか、まずその概要をお伺いしたいと思うのであります。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、沖繩におきます電力事業の現状は、非常に複雑な状況になっておりまして、本島のみについて考えましても、米民政府布令に基づきます特殊法人でございます沖繩電力公社が発電部門を担当いたしますと同時に、米軍基地ないし大口需用家、本島周辺の離島といったようなところへの一般供給を行なっておりますと同時に、本島を中心といたしまして、五つの配電会社が電力公社から買電いたしまして配電を行なっておる、かような実態と承知いたしております。本件につきましては、通商産業省といたしまして、いろいろ調査団を出しましたりして、現地について勉強いたしますと同時に、また、現地地元におきます今後の電気事業のあり方についての地元の御意見というふうなものがどのような方向に向かうものかということも、いろいろお尋ねをしながらまいったわけでございまして、現在のところ現地におきまして、だんだんにこのように持っていきたい、こういう方向も出つつあるようでございます。またそれができれば、できるだけこの際本土のように発電から配電まで一貫した事業形態であることが望ましい、かような御意見がまとまりつつあるやにも承知いたしております。  そこで、復帰後の沖繩におきます電気事業体制といたしましては、私どもといたしまして、効率的かつ弾力的な運営がはかられ、かつ長期的に見て経営基盤の強化が可能なものであることが基本的に望ましい、かような考え方に立っていろいろ検討いたしておるわけでございます。たとえて申しますならば、沖繩におきます電気事一業の規模は、現状で四十万キロワットにも満たないというふうな発電規模でございますし、そういう小さなものは、できるだけ規模の利益をそこなわないような形が長期的な経営基盤の安定上望ましい、かような考え方もあるわけでございますが、しかしながら、具体的な体制につきましては、地元の意向等を十分参酌いたしますとともに、関係各方面、これは沖繩・北方対策庁をはじめといたしまして、助成面等につきましては大蔵省等々がございますし、関係各方面とも十分連携をとりながら慎重に検討を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いろいろと苦慮をいただいているようでございますけれども、まず沖繩側との交渉でございますが、こちらのほうは通産省が一番責任ある窓口になられるだろうと思うのですけれども、沖繩の場合、現在の琉球政府が一番責任ある窓口になってくるのか。それとも、政府や、あるいは現在経営している電力経営者、あるいは向こうの産業界その他、あらゆる団体の意見を総合してしかるべく判断しようとするのか、その辺の相談のしかたですね。今日まで現にどのくらいの協議を重ねてこられたか、今後どのようにその協議をしぼって、どの機関で結論を出そうとなさるか。また、どの時期にその結論が出されなければならないかという点を、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 まだただいまの段階におきまして、通商産業省の事務当局といたしまして、いろいろと検討しているところでございます。琉球政府はもとよりでございますが、また沖繩の電気事業者、配電会社の方々の代表もいろいろ要望を持ってお見えになり、そういった機会に、いろいろ現地の各種の御意向というものも伺ってきたようなわけでございます。先ほど申しましたように、一昨年の暮れあるいは昨年の夏と、二度ほど電気関係で調査団も現地に参っております。そういった検討結果を踏まえまして、どのように通産省として考えるべきかという点をまとめまして、そうして沖繩・北方対策庁ないし関係の大蔵省等々と話し合いに入り、政府全体としての見解にできるだけ早く持っていくように、私どもといたしましては検討を急いでいる段階でございます。そういった意見がまとまりますれば、総理府のほうでまとめておられます沖繩の復帰に関します基本方針というふうな中で、いずれ電気事業をどういうふうに扱うかというふうな問題がきめられる、かような段取りになろうかと存じます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 個々のグループごとの意向打診は確かにできると思うのです。ここまでは簡単です。しかし、いよいよそれをどの機関で意見を集約して決定するのか。もちろん最後には閣議できめられるんだろうと私は思いますけれども、同時に相手側のいわゆる琉球電力公社、これは現在アメリカの民政府が持っておるはずのものでありまして、これとの交渉というものはできるのかできないのか、現にやっておられるのかどうか、その辺を御説明いただきたい。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 発電公社につきましては、米民政府の機関ということでもございますし、私ども通産省の立場といたしまして、直接の接触ルート、かようなものは持っておらないわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そこで政府としても、これはいよいよ目捷の間に迫っております問題ですから、ただいろいろと苦慮、検討、打診しておるだけでは間に合わないと思うのです。同時に効率的、弾力的、長期的な各見通しからこの再編成をどう進めていくかということで、通産省のほうもいろいろお考えでございますけれども、そのおっしゃる意味は、いろいろ段階を踏んで、たとえば一つの会社にしていくにしても、幾つかの段階を踏みながらやっていこうとしておられるのか、あるいは復帰の際にできるだけすみやかに、一挙に一つの一番効率的な、そうして長期的な安定した形に持ち込もうと考えておられるのか、この点をお伺いいたします。

長橋尚通商産業省公益事業局長

○長橋政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの御質問の点につきましては、このように考えているというふうなところを申し上げるまでに、まだ検討が進んでいない段階でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 実は一昨日三月三日の日刊工業新聞でございますが、「沖繩の電気事業 本土並み民営で 五日にも閣議で決定」というような見出しで、「具体的な方向としては、地元の民営の五配電会社が合同して、公社の資産をもとに発電、配電の一貫体制を持つ電力会社としてやっていくことを望んでおり、これを中心にした電力会社構想が実現するものとみられている。」「七月一日をメドに合同して新会社「沖繩電力」(仮称)を発足させる考えである」、いろいろそういうことが書かれております。きょうは五日でありますけれども、こういう事実はあったのかどうか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 私、聞いているところでは、そういう事実はまだございません。  もう一つ問題は、やはり公社をどう取り扱うかというような問題、非常に重要な問題でございます。こういう問題と、それから民間五社の問題はいろいろな説がございます。これは先ほど局長からもいろいろ御説明がございますように、私たちとしては、民間五社あるいは民政府、琉球政府といろいろ話し合って、一番いい効率的にかつ安い安定的なものをつくりたいということでいろいろ検討しておることは事実でございますけれども、そういうスケジュールはまだきまっておりません。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そこでいま政務次官も申されましたように、できるだけあるべき姿としては発送電、配電、全部一元化した一社化方針が望ましいと思うのでございますけれども、特に公社というのは非常に特殊な存在でございまして、これをどのように扱っていくか、また、形を変えて現在の電発のような形式を一時踏ませるのか、いろいろと問題があるだろうと思います。この辺の大綱を、そろそろ政府部内におきまして早急に決定されなければならない時期がもう現に来ておるということを、強く申し述べておきたいと思うのです。  同時に、私どもが一番心配いたしますのは、沖繩の各離島にある準電気事業者と呼んでおりますけれども、きわめて零細な一集落だけを点灯している、そういう前世紀的な電気事業というものが各島々に点在いたしております。しかも、この辺の電力コストというものは、本土の電力と比べましても三倍、四倍、五倍というような価格になっているようでありまして、一体これらの問題を今後どのように処理していくのか。この問題が処理できなければ、沖繩は本土並みに返還されたといっても、それは産業面においては、最も重要な部分できわめて不幸な格差のある返還にすぎなかったことになり、また、沖繩の経済そのものの将来にきわめて深刻な問題を投げかけるだろうと思うのです。一体こういう無数の島々のこのような電力状態というものをどのように処理していこうとお考えであるか、伺いたい。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 離島の問題でございますけれども、沖繩が返還されました場合には、日本の離島振興策と同様、あるいは農漁村と同じような振興策、助成策といいますか、法律による方法によって助成していきたいと考えております。先生がおっしゃいますように、確かに、沖繩の経済あるいは工業の振興というようなことは、先ほど申し上げましたように、やはり安い電力が長期的に安定して供給できることだと思います。そうしませんと、沖繩の労働力の市場というようなことで、過疎県になりかねないというような感じもいたしますので、私自身としては、ぜひそういう長期的で安定した、かつまた安い電力を供給するような体制にいかにもっていけばよろしいか。電発を使う云々というように、諸説ございますが、こだわらずに、一番そういう方法に適した体制をつくり上げたいと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それから、現在沖繩の電力というものは、その需要の大部分はアメリカ軍ないしその家族、軍族などに供給されております。これは、これより今後沖繩に駐留する米軍がふえるとはわれわれは考えられませんし、だんだん減っていくはずであります。それらの見合いを考慮して、やはり沖繩の住民福祉を中心とした電力の需給というものを考えていかれなければならない。しかし、いま一つめんどうな問題は、沖繩が日本に復帰いたしますと、アメリカのワクからはずれるわけでございますから、当然、燃料費が根本から違ってくるだろうと思うのです。そういう問題などいろいろ考えまして、またいま離島が一ぱいあるという諸条件なども考えましたときに、単なるありきたりの、いままでの本土内の電力会社に対する政府の援助のしかたなどとは全く違った、大胆な、積極的な方策をとらない限り、沖繩の電力というものはとても本土のそれと太刀打ちできない。したがって、沖繩の経済そのものが、本土のそれと全く太刀打ちできない状態に追いやられるということが心配でございます。まず、そういうコストの面などにつきまして、現在どのような検討がなされているか伺っておきたい。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 税制の面については、一挙になかなか本土並みに持っていけないだろうと考えます。しかし、一案で、これは一部の方々がおっ  しゃつておるのでございますけれども、日本の原油関税は石炭対策に一〇%、一般会計に二%というようなものが入っております。これをエネルギー特別会計というようなものをつくったらどうだという意見も非常に強く聞かれておりますが、その配分は、電力の公害問題、あるいは企業の公害問題、電力の施設、その他エネルギー関係に使ったらどうだろうという話もございます。これも一つの案としては非常にいい案だろうと私は考えております。今後、沖繩が一気に日本の本土と同じような税制でいかれるか、これは私グラジュアルに徐々に持っていかざるを得ないのではないかと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それから、沖繩の電気労働者の中で、いま非常に不安が起こっております。一体われわれの事業というものはどう統廃合されるのであろうか、あるいはいろいろうわさでは、公社のほうで大幅な人員削減を行なえば何とか急場を乗り切っていけるかもしれないというふうなことまで、いろいろと巷間心配を呼んだうわさが出ておるようでありまして、ここで特に政府が明確に言明されなければならない点は、いかなる形式の統廃合が行なわれようとも、現に沖繩の各電力会社あるいは公社等で働いている従業員の身分というものは、完全に確保されるだろうかどうかという問題でございます。その点いかがでございますか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 どういう体制で電力会社ができるのか。またそれに対して、民間企業でございますから、そうなりますと、経営の合理化の問題で人間をどうするのだというような問題が、まだ体制が固まっていないうちはなかなか考えられませんけれども、いま私が言えますことは、復帰後そういうような方々がそういう形にならないように極力努力するということだけは申し上げられると思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それはちょっと通り一ぺんの答弁だと私は思います。普通の場合の企業の整理統合の場合などの政府の答弁ならば、それでいいと思います。しかし、事は沖繩の問題でありまして、しかも二十六年間異民族に支配されて、しかもそういう中で、非常にやりにくい電力事情の中で、あらゆる努力を傾けて今日まで電力を守ってきておるわけなんです。全軍労の問題があります。基地がなくなるにつれて、そこで働いている全軍労の労働者をどうするかというような深刻な問題が出ておりますが、今後の沖繩の返還に伴ういろいろな産業基盤の整備再編の場合に、一人の労働者といえでも、むげにその犠牲になるようなことがあっては、これはゆゆしい問題だと思うのです。したがって私は、電力の統廃合の場合も、政府は特別の責任ある保障をされなければ、沖繩の人たちが、せっかく復帰したけれども非常な、悲嘆にくれなければならないという問題がて出くると思います。その点、さらにもっと積極的な決意を表明していただきたいと思うのでございます。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 それがどういう体制になるか、私もいま想像がつきません。一本の体制になればそれは配置転換その他の点で非常にスムーズに、先生のおっしゃるような形ができるのだろうと思います。先生のおっしゃる意味もよくわかっております。そういうことのないように努力する覚悟でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 最後に特に、政治家としての政務次官にお伺いするわけでございますけれども、先ほど来御質問いたしておりました電力の今後の事業体制のあり方について明確な当面の結論を下されるのは、私は、調印、批准の前後でなければならない。前後というよりもその前でなければならないと思います。もしも今日のこのような進みぐあいでありとするならば、一年後に沖繩が現実にほんとうに復帰いたしてまいりましても、私は、場合によれば、いまのような状態で電力運営というものが行なわれ、そして結局はスタートから産業の振興というものの大前提がくずれたままで沖繩の経済が走り出さなければならなくなるのではないかという気がいたします。その点、政府として責任あるめどをどの辺に置こうとなさっておられるのかということを最後にお聞きいたしておきます。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 これはなかなかむずかしい御質問でございます。まず第一に、公社の問題をどういうふうに片づけるかというような問題で含まれております。それから公社と民間五社をどういうふうに合わせるか。そのときに、公社が日本政府とか民間に移って非常に金利負担が大きくなった場合にはコストにはね返るではないかというような問題点もいろいろあると思います。その点、通産省でもいまいろいろ検討いたしておりまして、先ほど申しましたように電源開発に持っていけというような説もございます。それから本土の電力会社との関係もございます。私どもとしては、これが早く解決して、本土復帰前に新しい体制ができ、こういうふうな状況で安定した、また安い電力が供給できるということのめどは必ず立てておくべきだ、またそれで進むべきだという考え方でおります。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 特に最後に申し添えておきますが、たとえば、県営で電力事業をやる場合には利害得失はどうであるか、プラスの面、マイナスの面、公租公課の面、いろいろ出てまいります。それから、公社をいわゆる電発のような形に変えて、五つの配電部門等を本島において取りあえずくくった場合にはどうなるか。あるいは全部を一つの電力会社にした場合のプラス、マイナスはどうであるか。あるいは将来は九州電力の一翼に入れるとして、その段階をどう踏ましていくか。想定されるのは三つ、四つのケースしかないのですから、その場合の利害得失というものを通産省でも早急に結論を出されなければならない。いろいろファクターは動揺しますけれども、大体のめどは出るはずでありまして、その辺を出さないと、現に数多くの事業家、経営者の中で本来から非常にセクト主義がありますし、営利本位の経営できわめて前時代的な実態がありまして、従業員も将来を非常に危惧いたしております。私はここで必要なのは政府の強力な指導性だと思いますので、この点を強く要望いたしておきまして、また後日の質問に譲らしていただきたいと思います。ありがとうございました。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 松尾信人君。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 中小企業の公害問題を中心に、きょうはその中から特にメッキ業界の公害防除の問題でお伺いしたいと思っております。  昨年は史上第二番目の中小企業の倒産があった。その中でも、公害による倒産というものが秋ごろからちらちら出てまいりました。この公害による倒産というものがだんだんふえていくんじゃないか、このように懸念される次第でありますけれども、これは中小企業の全体的な問題でありますが、そのような公害による中小企業の倒産について今後どのように考えて進まれていくか、まず、そのような基本的な点から伺っていきたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 確かに、倒産案件の中に公害を原因として倒産いたしておるという企業が数出始めておることは、御指摘のとおりであります。実は私どもも、いわゆる興信所調べによります公害倒産というものの実態につきまして追跡調査をいたしたいと思っております。すでに着手いたしましたが、興信所の統計によります公害原因というものの中にも、いろいろの種類がございまして、御承知のとおり、すでに公害を起こしているそのための賠償金が払えないということのために倒産したという事例もございますし、あるいはまた、これは極端な例でございますけれども、農薬散布が禁止されまして、それに伴いまして農薬散布専門の飛行機のチャーター会社と申しましょうか、こういうところが倒産したという事例もございますし、あるいはまた、これは非常に典型的なことになりますけれども、せっかく金をかけて公害防止施設をつくりましたけれども、たまたま需要が不振になり、販売が不振になり公害防止施設の費用負担にたえかねて倒産した、こういう事例もございます。いろいろの原因が公害倒産といわれておるものの中にあろうかと思っております。ただその他の要因も重なって倒産しているものもすべて公害倒産、こういうふうにいっておりますので、したがいまして、数の上ではある程度ふえてくる傾向にあるように私どもも感じております。そういう意味で、冒頭申し上げましたようにどこにどういう原因があって倒産したかということについて、もっと積極的に追跡調査をしてみる必要があるというふうに考えたわけでございます。  ともあれそういうふうな意味で、公害倒産というものが目立ち始めております現況を前提にいたします場合、同時にまた、公害防止に関する取り締まりが非常にきびしくなってまいるということを前提にいたしました場合、特に中小企業の公害防止の費用の負担あるいはまた税制、そういう点につきまして格段の配慮が必要とされる段階にきておるというふうに考えておるわけでございまして、先国会で法案審議の際にいろいろと御指摘をいただきました中小企業に対する配慮ということを前提におきまして、四十六年度施策におきましても、公害防止費用負担その他につきまして最善の努力をいたしてまいったつもりでいるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 総体的な考え方としては、いまのような考え方でしっかり推進していかなければ相ならぬ、こう思うわけであります。  それで今度は、九百億の売り上げにも達しており、従業員も約四万人もおるというメッキ業界、他方その業界からカドミとかシアンというような劇物が相当排出されており、また業界の内容を見ますと非常に弱体である、そういうメッキ業界の問題にきょうは特にしぼってただいまから質疑を重ねていきたいと思いますが、このメッキ業界に対する基本的な政府の考え方、公害防除に対する根本的な指導方針というものが立っておるかどうか、その点をまず伺います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、メッキは非常に零細な企業がほとんどを占めておりまして、しかも業態といたしましては下請加工であるという業態でございます。下請加工であるために、その親会社の周辺から離れにくいというような事情もあるわけでございます。またメッキ業というのは、水で洗う作業が工程の主になっておりまして、したがって排水量が非常に多い。しかもその排水の中にシアンを含む、あるいはクロムを含む、あるいは最近きわめてきびしく問題になっておりますが、カドミウムを含むというようなことに相なっております。ことにカドミウムメッキにつきましては、排水処理を行ないます際に苛性ソーダ等を入れまして水酸化カドミウムにしまして、その粒子をできるだけ大きくして処理するということをいたしておりますが、この処理施設の費用が非常に金額がかさむわけでございまして、とてもいまの小規模のメッキ業者ではカドミウムの排水処理がむずかしい状況でございます。したがいまして、現状といたしましてはわれわれは、非常にきびしいやり方に相なるわけでございますけれども、排水施設ができない場合はもうカドミウムメッキはやめるべきだということで指導いたしております。そのために、関連工業でどうしてもカドミウムメッキが必要だという業種につきましては、親企業の資金あるいは技術の援助を受ける、あるいは公害防止事業団であるとか中小企業振興事業団等の援助を受けまして、協業化によって排水処理施設をつくるということで、カドミウムメッキを続け得るものだけがカドミウムメッキを続けるという体制でやってまいりたいというふうに考えております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いまお話がありましたけれども、このメッキ業界は三十八年の九月二十五日にまず近促法の指定を受けておる。それが四十四年の五月の末には解除になっておりますけれども、この近促の指定を受けて解除になるまでの期間に、どのように、業界の近代化とかそういうものができたかという、簡単でいいですから、まず実績ですね。今度は解除後の問題に触れていくわけですから、実績を教をえてください。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 御指摘のように、三十八年に指定を行ないまして、近代化実施計画というものを実態調査に基づいてつくったわけでございまして、そうして排水処理対策をその実施計画に織り込みまして、排水処理指導書の作成あるいは処理技術の講習会の開催等を推進いたしてまいったのが実績でございますが、先ほど申し上げたような業態のなにもありまして、また、ことに排水の規制につきましては零細企業が適用を受けていなかったという事情もございまして、必ずしも成果があがっていなかった。それを先年、排水基準については全部適用するということに相なりまして、非常にきびしい状態に相なっておるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いまお話のとおりに、近促の指定を受けたけれどもあまりその内容が伴っていない、それでそのような状態で現在あるわけでありますので、非常にメッキ業界がいま苦労しております。全国の組合加入が二千七百十九の事業所があります。アウトサイダーが約千八百くらいありますけれども、この内容を見ますと、九人以下の事業所数が千四百四十五、全体からの比率は五三・四%。十人から十九人以下が七百四十六の事業所で二七・四%で、両方でごく零細だと認められるのが八〇・八%。二十九人以下を入れますと約九〇%をこすような非常に零細な業界であります。これはいま言われたとおりでありますけれども、自分の力では公害防除の力がない。これは言えるわけであります。また他面、その取り締まりというものがだんだんきびしくなってまいりまして、行政処分というものを逐次受けております。これは東京都の公害局の監察部の分でありますけれども、これでも数件がすでに監察部の処分を受けておる。また改善勧告が二件、警告分が二十一件。これも都の衛生局でありますけれども、告発処分というのが二件も出ておる。このように、東京都だけでもきびしい取り締まりを受けておるわけでありまして、他方、自分の力では公害防除の施設ができない。このような非常に苦しい業界なんです。ですからこれをどうするかというのが、その危険な排水をどうしていくかという問題につながってくるわけであります。  このメッキの設備の費用というのは非常に安いんですよ。メッキは簡単に事業が開ける。最も一般的な銅だとかニッケル、クロム、メッキ設備一式で四百万ぐらいあればその事業ができるのでありますけれども、今度はカドミメッキの、いまお話がありましたとおり、排水処理というものをきちんとイオン交換樹脂等でやっていくとしますれば、排水基準が〇・一PPMでありますから、これに合わせようとすると、最低千五百万からかかる、このような実態んです。ですからその資金調達等は、信用力も少ない、担保力もないというので、全くこれはできない。そうしますとカドミとシアンの公害防除というものは、いま協業化といわれたとおり、何かグループ化してこれをきちっとしていく以外に方法はない、このような結論になります。でありますから、このメッキ業界も非常に苦しみまして、そして、自分のほうでもこのようにやっていきますというような、非常にかわいそうというほどのカドミメツキ対策というものを業界でつくりまして、そしてカドミはもうやらぬのだ、もう〇・一PPMの基準を守るということは、技術的な解決方法があるとしても、経営採算上容易でない、至難である、ですからカドミのメッキというものはもう取り行なうということはできない、このようなことですが、他方、このカドミメッキの需要はある。特に造船関係等は多い。それから航空機関係も最近はそれを使用しだしたということでありますが、片一方は耐えかねてやりません。そうすると、どのような方法でこれをやっていくかということであります。  もう時間もありませんので、お答えも簡潔に要領よくびしっと答えてもらいたいのでありますけれども、葛飾にこのメッキ工場のアパートができておる。非常にこれは結果もよろしい。非常に評判もいいわけでありますけれども、このようなものをどんどんとつくっていく必要があるんじゃないか。メッキの業界の組合員名簿がございますけれども、東京都でも九百六十八の組合員数があります。埼玉県でも百二十七です。それから愛知県でも二百五の組合員がおります。大阪も三百七十の組合員数があります。九州でも五十五。そのような業界である。それで全国で三千も四千もの工場が働いておる。そこからどんどん公害排水で出ておるというわけでありますから、モデルとしての葛飾はけっこうでありますけれども、やはり主要都道府県のそのようなメッキの中心どころには、このような団地、工場、アパートなどをつくって、グループ化し協業化して、それでカドミメッキのできるようにしてあげて、そしてグループ化もしない、協業化もできないという、そういう人たちはどのようにしていくかという別の対策を考えてきちっとしませんと、これはいかぬのじゃないか、こう思いますが、いかがですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、協業化あるいは共同化によりまして、葛飾にできておりますメッキアパートのような形の共同化の推進ということが必要であろうと思います。現にいま東京では、八王子あるいは城南におきましても、こうした計画を進めるということになっておりますし、もう御承知のことと存じますが、各府県でも団地化によりまして共同排水処理を進める、こういう運動も進んでおるわけでございますが、われわれといたしましては、中小企業庁ともよく御相談いたしまして、各事業団等の御協力を得て、御指摘のような線で推進してまいると同時に、シアンの排水処理等につきましては、シアンを使わないメッキの技術開発等も進めてまいりたいというふうに存じております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いま、その線に沿ってというお話でありますけれども、これは具体的に計画を立てて実行いたしませんと、だんだん取り締まりのほうは都道府県できびしくなってくる、現実にはお金がなくてできない、注文は来る、たれ流していく、今度は取り締まりのほうであげられて、勧告を受けたり、処分を受けていく。排除命令等が出たらたいへんなことになりますので、いまおっしゃったことをきちっと、全国的に考えた上で、そして計画的にこれをやりませんとだめじゃないか。メッキ業界自体が非常に苦しんでおりますので、これはもう一回念を押して聞いておきますけれども、そのような考え方を逐次実行していくかどうか、そして公害のない、きちっとしたメッキ業界に仕上げていく、そして中小企業としてやれる分野を確立していくのだ、こういうことをはっきり答えてもらいたと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 お答えいたします。  かねてからメッキの業態といたしまして、先ほど申し上げましたように、下請できわめて零細であって、しかもどうしてもこの工程が要るという業態でございますので、御指摘のように、協業化、共同化等を計画的に進めまして、公害のない形でメッキ業を進めていくというふうにいたしたいと存じます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 下請でありますから、親から注文が来ます。また親企業は、自分のほうでやっておりましたけれども、公害防除のためには大きな金が要ります。自分でやるよりも下請に出そう、最近特にその傾向が強くなってきました。これは実例もあります。先ほどおっしゃったけれども、資金も技術力もあまりない。そうすると、下請に出す親としましても、相当考えて技術的にも資金的にもどのくらい援助していくか、こういうものもきちっと政府が中に入ってしておきませんと、自分のほうで公害を出すのはいやだから下請に出した、下請はどんどんそれをやっていくけれども、公害は絶えない。取り締まられてきて苦しんでいくのは下請であり、つかまっていくのは下請である、こういうかっこうになっては相ならぬと思いますので、親企業のほうもきちっとした指導的な行政が必要であろうと思います。これでメッキに関する分はやめますけれども、非常に重大な問題があるのだ。また、これを全然やめるわけにいかないですから、きちっと仕事を安心してできるように、公害のないように、政府がほんとうにめんどうを見ていく、それを一つ一つ具体的に実行していくのだ、これについて最後に決意を述べてください。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田政府委員 先ほど申し上げましたが、御指摘のように、メッキ業の業態、メッキ業の必要性、最近の情勢等を考えまして、計画的に協業化、共同化の推進をはかってまいりたいというふうに存じます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 次は、中小企業の公害防除に対するいろいろの貸し付け制度等でございますけれども、これは現在いろいろあります。それで、そのような実情というものも聞きたいのでありますけれども、時間の関係上、きょうはそういうことは省略しておきます。  中小公庫等の貸し付けにしぼってきょうは申し上げますけれども、中小公庫についてみますと、貸し付けワクの半分くらいしか使用されておらぬ。これは、ことしの例をとってみましても、総ワクは十五億ございますけれども、十二月末でわずか四億五千万しか使われておらぬ。約十億くらいがまだ未融資というワクで残っておるというような報告を、私のほうで受けておるわけでありますが、なぜ、このように総ワクは広がったのに実績というものは少ないのか、こういう問題であります。どうでしょう。

吉光久中小企業庁長官

○吉光政府委員 中小企業金融公庫の公害防止貸し付けの実績でございますけれども、大体いまお話のございましたように、例年でございますと二億円程度というのが実績であったわけでございます。本年度、すなわち昨年の四月から十二月までの貸し付け実績は、いま御指摘ございました四億五千万円というような数字でございまして、例年のペースに比べますと、この九カ月間で四億五千万円というのは相当の伸びを示しておるというふうには考えますけれども、ただ、十五億円のワクを準備いたしましたに対して、一月からの三カ月間で伸びましても、十五億を消化するということはむずかしい状況ではないかというふうに考えるわけでございます。  なぜこういうふうに実績が低いのかという御質問でございます。いろいろと中小公庫その他関系業界の話も聞いておりますが、やはりいろいろの複合的要因が重なりあっておるのだろうと思うわけでございますけれども、何と申しましても、中小企業金融公庫が一般の設備貸し付け、あるいはそれに伴います運転資金等の貸し付けから出発いたしておりまして、中小企業金融公庫が公害貸し付けをやっているんだというふうな意味での認識が、これは公庫のほうにも、あるいはまた一般需要家のほうにも、まだ徹底してない面があるというふうなこと。あるいはまた、手続が一般の設備貸し付けと同じような慎重な書類審査を経て貸し付けを実施しておるというような公害防止貸し付けに対する一つの基本的態度と申しましようか、、それがまだ不十分であるという面もあるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、そういう点につきまして、やはり中小公庫の持つ公害防止貸し付けの意味というものを、さらにこの際もう一回中小公庫自身にも反省してもらう必要がございますし、同時にまた、関係需要業界にも大いに周知徹底させていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、ことしは十五億が未達になるかもしれませんけれども、来年度におきましては、そういうふうな努力を積み重ねましてく来年度四十億円に貸し付けワクを増大いたしておりますので、これが完全に消化され、あるいはまた、これが足りなくて年度途中でふやさなければならないというぐらいになるまで、この貸し付けの需要が旺盛になることを私どもは期待いたしております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 実態はいま長官が言われたとおりと思います。それで中小公庫のほうは、ほんとうにいま言われたとおりで、もう少し商売という面を離れまして、やはり中小企業の一つの味方だ、もうこの公害防除に関する限りは、お互い協力し合ってりっぱにしていこうというような気分に早くなしませんと、普通の営業の貸し付けに専念しましてね。こちらのほうは何か心配が多いものですから、手続もうるさいし、担保力もあまりありませんし、結局渋るんじゃないか。私はほんとうに、中小公庫の姿勢というものを確立して——PRもしないのですが、PRをやるべきですよ。今回は十五億もとれたんだ、来年はそれが二十億も三十億も四十億もなるんだということ、そして使い残りのないようにする。片方の商売の貸すほうは一生懸命、熱心で、どんどん貸していますけれども、こういうものは使い残りがあるというようなことは、非常にいまの時代的な理解というものがないのじゃないか。これはひとつ長官しっかり指導されまして、緊急にそういう指導というものを公庫に出されまして、県にも市にも教えて、両々相まって中小企業の方々に浸透して、中小企業からは公害はもう起こさぬ、そのためのこのような資金のめんどうも見ておるというふうにやってもらいたい。  これは最後に次官の決意を承りますが、一方では公害防止事業団におきましては、四十四年度は申し込み件数の五〇%しか消化されていない。非常に実績がよろしいというわけです。四十五年度におきましても、百億の追加がなされましたけれども、この四十六年一月−三月に申し込みのあったものについてはもう来年回しだというわけです。このように、片方では公害防止事業団というものが真剣にやっている。だから、非常にそこに申し込みが殺到してさばき切れないというわけでありまして、同じ公害防止を目的とするこのせっかくの政府の金が出ておるにかかわらず、片や未消化である、片方はどんどん消化しておって足らない、来年に持ち越し分が殺到しておるというような状態がありますので、これは非常に残念だと思います。そういう意味におきまして、もう一回そういうことを反省されて、そしてどのようにきちっとしていくかということを、最後に次官に決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 本年の融資申し込みワクがまだ相当余っておるということでございますけれども、私は中小企業もやはり公害防止というのが一つ問題に——考え方でございますけれども、私は公害防止というのは設備投資の一環であるという考え方が企業側に徹底しなければいけない。そういうPRも十分しなければ、先生のおっしゃいますように公害防止というのは十分に行なえないのではないかと考えております。  それから、先生のおっしゃいますように、公害防止ということでの融資というような問題については、やはり地方自治体あるいは商工会議所等に公害相談室などを設けていただいて、積極的に中小企業、零細企業の方々が、どうしたらいいのかということも考えていただかなければいけない。  三番目に先生がおっしゃいました問題の中で、先ほど申しましたように、やはり協業化、共同化ということをやりませんと、カドミのように、投資額と比較しまして施設のほうが何倍か多い、そういうことを積極的に進めていく必要がある。それから金を借りる場合に、運転資金その他については皆さん知識があったにしても、公害防止の金を借りるというようなことの中に手続的な問題があったのであろうと考えます。これは都道府県知事等の証明が必要だったというようなこともございますけれども、こういうものを廃止して、もっと簡素化をして安易に借りられるようなことをする必要がございます。そういうことで、貸し付け規模の拡大とか対象の拡大とかいうようなこともやらなければいけません。今後、この公害防止については、中小企業については特に積極的にやっていこうという考え方でございます。  最初の話に戻りますけれども、公害防止というのが企業の設備投資の一環であるというようなことが企業側にも趣旨徹底するようなPRも、今後大いにやっていこうと考えております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いま決意を承ったわけでありますけれども、おっしゃるとおりだと思います。要はそれを現実に実現していく以外にないわけでありますから、しっかり長官並びに次官にお願いいたしまして質問を終わりますが、よろしくがんばってください。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 次回は、来たる九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十五分散会

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