商工委員会 第6号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/03/03
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 この際、小委員会設置の件についておはかりいたします。 先ほどの理事会で御協議願いましたとおり、鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため、エネルギー・鉱物資源問題小委員会、及び流通問題に関する諸問題を調査するため、流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、両小委員会の員数並びに小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長は追って指名いたします。 次に、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任等に関しましては、あらかじめ委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○八田委員長 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を議題といたします。 質疑の申し出があります。これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 赤澤局長にお尋ねいたしますが、御承知のとおりに、従来機械工業振興臨時措置法、それから電子工業振興臨時措置法、この二つの法律によって、金融、税制上の特別措置が講ぜられてきたわけです。そこで、機振法のほうは、三回目ですから十五年間、電子工業振興臨時措置法のほうは十四年、こうなるわけです。相当長期にわたって、手厚い措置であったかどうかは別といたしまして、一般の中小企業あるいはその他の産業振興の面と比較をいたしますと、確かに手厚い措置が講ぜられたということは言えると思うわけです。さらに、今回この二つの法律を一本にまとめたという形で新法をお出しになっておるわけですが、私は、その必要がほんとうにあるのかどうかという点に、まだ十分理解し得ない面があるわけです。国家資金といたしましても、千百九十四億円という膨大な資金を投入をしてきておるわけですから、当時は、過当競争であるとか、あるいはまた非常に弱い体質、この体質を強めていかなければならぬということ等々から、それらの措置が講ぜられてきたわけでございますし、同僚諸君の質問に対しまして、体質改善が行なわれ、飛躍的な発展と振興をはかることができた、というお答えもあっておるわけです。それらのことを考えてみますと、私はもうここらあたりで、あくまで臨時措置法でございますから、臨時措置法には終止符を打つべきではないかというような感じ方を実はいたしておるわけであります。新法を制定をしようということでございますから、提案理由を伺っておりましても、あるいは質疑応答の中でも、あるいは法律案の目的等々見ましても、それなりの理由づけというものはあるようではございます。だがしかし、運用の問題ということになってまいりますと、私はやはり臨時措置法という性格の問題という点等々から考えてみまして、あくまでそを逸脱をしないという形、やはりそれだけ体質改善が行なわれ、振興してまいりました企業、その企業の自己努力、自己責任という形においてこれから先変わってくる構造変化に対応していくという姿がなければいけないのではないかというような感じがいたします。あらためてひとつこの際局長から、ぜひ新法を制定をしなければならないという積極的な理由についてお聞かせをいただきたい、かように考えるわけです。
○赤澤政府委員 いま御指摘のように、機振法は十五年間、電振法は十四年間、それぞれの内容に従いまして電子工業界あるいは一般の機械工業界に非常に大きな足跡を残してまいったのでございます。私ども、過去十数年間振り返ってみまして、いろいろとその運用について反省もし、また検討もいたしておりますが、機械工業というもの、電子工業を含めて広い意味の機械産業と申しますか、そういったものの発展は、先般のこの委員会でも御答弁申し上げましたように、非常なものでございますが、反面、そういうふうに非常に発展をしてきたということの裏には、逆にまた技術進歩が非常に激しいということ、また需要そのものの動向というものが大きく変化をはらんできておるということ、こういったものにいかにして追いついていくか、そしてまた海外からの自由化の波に対して一日も早く国際競争力を完全にしていく、そうして自由化に対抗していくということが、非常に強く要望されてきておるためでもあるわけでございます。反面また、日本の貿易構造、産業構造を見ましても、今後のこういった構造面におきましては、電子、機械といったものがその枢軸を占めて成長していかなければならない、そういう性格を持っておると私どもはかたく信じております。 こういった面からいたしまして、いまのように非常に進歩を遂げてきた反面、また進歩していかなければ追いつかないような激しい波が機械工業、電子工業に内外ともおおいかぶさってきたということも、いえるのではないかと思います。今後の十年間くらい、いわゆる七〇年代というようなものを見てまいりますと、いままでの波とまた性質の違った大きな変化というものが予測をされてまいるわけでございます。一言で申しますと、機械工業というものは、いわば単体の機械の生産をするというのがやはり従来からの一つの考え方でございまして、繊維機械にいたしましても、工作機械にいたしましても、土木機械あるいはその他の機械にいたしましても、ある種の単体の機械というものを中心にその合理化をはかり、コストの低減をはかり、技術の水準の向上をはかるということでございましたが、今後の機械産業というものに要望される国民的な課題というものは、そういった単体の機械から一歩出まして、一つのシステムとしての機械、こういったものが非常に大きな課題として浮かび上がってきております。これは非常に簡単な表現で恐縮でございますが、いわばいままで押し寄せてきておりました機械工業に対する変化の波というものは、いろいろの性質は違っておりますが、いわば合理化とか、企業力の強化とか、技術の水準の向上というようなことで乗り切れた波でありますが、今後予想される波というものは、こういった面もございますが、同時に、いわば質的に非常に違った形の要請、これが出てきておる。こういったものについて、やはり新たな決意のもとに機械産業政策というものを実施してまいりませんと、従来と同じような形でこれを指導しておったのでは、こういった国民的な課題にこたえることができないのではないか、こういうことを深く痛感をいたしまして、今回いわゆる機械と電子を一体にいたしましたような形での新法を御提案するに至った次第でございます。こういった点で、今後ますます産業構造の面でも輸出構造の面でも重要視されますこの分野というものを、私どもとしてはあらゆる努力をもって引き上げていって、国民的と申しますか、国民経済的と申しますか、そういった課題にこたえてまいりたい、こういう考えを持っておる次第でございます。
○中村(重)委員 おっしゃることは、それなりの理由があると思うのです。たしか三十一年であったと思うのですね、この機振法は。制定のときも、それなりの理由づけがありました。三十六年、これが五年間の延長をしようとする場合に、ただいまと似通った、いわゆる国際競争力に対応するために合理化、近代化を進めていかなければならないのだということでありました。四十一年のさらに五年間の延長、そのつど同じような——これは理由のことばは変わってはおりますよ。しかしこれは、変わるのはあたりまえですよ。絶えず技術革新が行なわれ、進歩発展が行なわれてまいります。ですから、いまあなたのおっしゃるような論法で、理由づけでいきますならば、延々としてこの臨時措置法は続いていくのではないでしょうか。とどまるところはないのですから。いつになったならば、臨時措置法というような、そうした法律をなくする日がくるのでございましょうか。私は、あまり業者に安易な依存をさせてはならない、こう言うわけです。 同時に私どもは、この延長をいたします際に、過去の実績がどうなのかということをまず検討してみなければならないと思うのです。実績を見てみますと、これはグループ化されてまいっております。いわゆる規模の利益の追求というものがあるわけです。したがってそれに乗るものはいずれかというと、規模の適正化という形において大きい企業がその特別措置の対象となって、育成されてまいっております。弱いものはふるい落されてくるという姿がここへ出てきておる事実を、私は否定することはできないと思うのです。提案理由の御説明の中にも、公害問題とか安全問題というのを強調されておるわけであります。それから「振興をはかるべき対象」という中に、ただいまの御答弁の中にもございましたように、電子機器や危害の防止、生活環境の保全、省力化、技術革新、機械工業の基盤強化、試験研究または生産の合理化を促進する必要がある、そのための具体的な問題は政令で定めていこうというようなことでございますから、私はやはりそのこと自体、こうしたことに対応する措置というようなものが政府施策の中に生かされていかなければならないであろうということを否定するものではないわけです。しかし同時に、私はただいま申し上げましたように、いろいろ今日までの実績というようなことも考え、さらにこの法律が独禁法の適用除外であるというようなこと、そのことと相対的に見ていかなければならない。これは行政当局である政府もそうでございましょうが、立法機関の私どもといたしましては、その点を見のがすわけにはいかないわけです。同時に、臨時措置法というものの本質がどうなのかということ、そのこともまたやはり立法機関の私どもといたしましては、一つの目安と申しましょうか、原則と申しましょうか、そういうことを考えていかなければなりません。臨時措置法の名において五年間、さらにまた五年間、さらにまた五年間、こういうようなことが、あり方として正しいのかどうか。それが正しくないとするならば、恒久立法化することも考えていかなければならないのではないか。 私は、離島振興法の場合において、そのことを強調してまいりました。これは十年間、さらにまた十年間、こういうような姿ではなくて、やはり恒久立法化していく必要があるであろうというようなことを強調してまいりましたが、私はこの点についてもその考え方を同様に持っているわけです。ですから、あなたに、臨時措置法というものはあり方としてはどういうことが好ましいのか、どういう考え方で御提案になったのであろうか、そしてまたこうしてずっと延長してきたことについて、これは当然であったとお考えになっていらっしゃるのでございましょうか。さらにまた、将来変化していくであろうことはあなたも否定なさらないであろうと思うのでありますが、将来延長するということは当然だとお考えになっていらっしゃるのでございましょうか。そこらあたり、いかがでしょう。
○赤澤政府委員 この臨時法の性格についてのお尋ねでございますが、私ども、前の機振法の当時いろいろ問題がありまして、それについても十分検討を加えてきております。臨時法と申しますものは、やはりその臨時法に定められた期限内に一応の目的を達するということがあくまで臨時法の性格でございまして、これを安易に延長するということは、法本来のたてまえからいって適当でないと考えております。したがって、そのときの情勢から見て、いわば一つの状態としては、当初その臨時法にきめられた期限内に達成したいと思っておった目的がなお十分でなかったというような事態がある場合、あるいはまたその臨時法で当初目的としておりましたが、それ以外に各種の要件、環境と申しますか、情勢と申しますか、こういったものが付加されてきて、当初予定をしておったより以上の課題が当該法の中にも追加をされてきた、こういうものに対処していかなければいけない、そういったような事態が生じた場合に、やむを得ず臨時措置法の期限を延長していただくという性格のものであろうと存じております。 こういった観点からいたしますと、今回御提案を申し上げたこの臨時措置法も、一応の期限は七年ということでございますので、私どもといたしましては、法第一条の目的にございますような、また、この法案全体を通じて私どもが課題と考えておりますような点につきましては、この七年の間にあらゆる努力をいたしまして、この目的を完遂するというのが私どもの決意でございます。ただ、いま申し上げましたように、あらゆる努力を払いましても実行面でなお不十分な面が残るかもしれない。あるいはまた、その七年たちました状態において、新たなる課題というものがこの法制の範囲の中において追加をされるかもしれない、こういった状態が出ることも予想されますが、いずれにしても私ども御提案申しております限りにおきましては、この七年間におきましてこの法の目的を十分達し得るようにあらゆる努力をしたいという考えでございます。
○中村(重)委員 いまお答えもございましたが、この臨時措置法を制定をしていろんな施策を講じていかれる。そのことが産業の振興に役立ち、国民経済、さらに今度新たに入っておりますが、「国民生活の向上に資する」ということになるであろうことは、私はこれもまた否定いたしません。だがしかし、実績等から見てみましても、また考えておられる、これから講じていかれる新法は、具体的には省令でおきめになるのでございましょうが、想像は質疑応答の中から大体つくわけでございますが、どうしても優等生教育という形にならざるを得ないと思います。そうなってまいりますと、これにふるい落とされるところの力の弱い企業というものはどうなっていくのであろうか。なるほど中小企業近代化促進法もあります。構造改善政策といったような措置も講じられているわけです。いろいろとそれなりの、体質改善であるとか構造政策、あるいは保護育成という方策も講じられていくであろうことはわかるわけです。だがしかし、こうした法律をおつくりになる場合、優等生教育ではなくて、全体のものを強めていくという考え方がなければならぬと私は思うのです。そのためには、はたしてそれが可能であるかどうかということも、御検討にならなければならないのではないでしょうか。だから、強いものは、こういうことになりますが、弱いものに対してはこうした方策を講ずることにおいてふるい落とされないようにいたしましょう、このようなことを考えておりますという説得力のある御説明というものも、私は聞かしていただかなければならないと思うのです。そして従来そうしたふるい落とされてきたものが、どういうような形をたどってきたのか、それが現状においてどうなってきておるのかということも、私はやはりお聞かせいただかなければならないと思います。 同時に、私はもろもろの施策をこうした新しい法律をおつくりになることにおいて講じられることが、国民経済の発展になり、国民生活の向上につながっていくということを、先ほど申し上げましたように否定はいたしませんが、この法律案がいわゆる独禁法の適用除外であるということです。競争条件というものは育成をしていかなければならぬ。今日、寡占状態、管理価格の問題というものが大きくクローズアップされ、これをなくすことが今日の政治課題になっているということを考えてみますとき、独禁法除外の行き方というものが、そうした競争条件を押えて、これが成長するという形につながっていかないということ、これもまた私は否定はできないと思うのです。むしろ競争条件を育成していくというようなことが、これまた国民経済の発展、国民生活の向上につながっていくということを考えてみますと、表現としてはまずいかもしれませんが、うしろ向きか前向きか、いずれの方向を選んで産業の振興をはかり、国民経済の発展、国民生活の向上に資するということにすべきであろうか。私どもはそれらの点を慎重に検討していくのでなければ、独禁法適用除外のこうした、私をして言わせればうしろ向きと申し上げたいのでありますけれども、うしろ向きの政府の考え方ににわかに賛成できないというような考え方も実はあるわけでありますから、私のこの疑問に対して、ひとつ納得のいくお答えを聞かしていただきたい。
○赤澤政府委員 機械工業におきましては、全体の企業数を大別いたしてみますると、大体半分が中小企業、それから二割が十億円未満のいわゆる中堅企業、残りの三割ぐらいが十億円以上の大企業というような形であります。出荷額で見ますと、これはまた少し変わってまいりまして、いわゆる中小企業が三割、中堅企業が二割弱、残りが十億円以上の大企業、こういったような感じでございます。機械工業の特性といたしましては、いま御指摘になりましたように、中小企業ないし中堅企業というものが非常に多数存在いたしておりまして、これらが部品をつくり、あるいは場合によりましては独特の技術を持って完成品もつくっておるという状態でございます。私どもも、従来機振法におきまして、当然この中堅ないしは中小企業対策ということに配意をしてまいりました。その一、二の実例を申し上げてみますると、たとえば開発銀行の融資、これは先ほどお話しのように千数百億のものが出ておりますが、今日までの実績で見ますると、資本金十億円未満のいわゆる中堅ないし中小企業という分類に融資をいたしておりますものが、件数並びに金額、いずれもほぼ七割を占めております。こういったことも、やはり私どもの現在の機振法の運用におきましても、中小企業に十分な配慮をしながら運用しているということの結果であろうと思います。 また、中小企業につきましては、いわゆる近促法とのダブル指定も行なっておりまして、特に中小企業業種の多い業界九業種につきましては、近促法でもこれを指定をいたしまして、近促法による一つのメリットを与えながら、同時に、現行の機振法によるカルテルあるいはその他の共同行為ということを通じても、両々相まってその業界の合理化体制の整備をはかっておるわけでございます。また、従来の合理化カルテル等の面を見てまいりましても同様でございまして、たとえば機振法に基づく指示カルテル、中でもたとえば人造といしでありますとか、あるいはプラスチック機械でありますとか、木工機械でありますとか、こういったものは、御承知のように大部分が中小企業業種でございます。こういったものにつきましては、それぞれ指示カルテルを行なっておりまするし、また歯車、ネジ等の分野におきましては、同様、グループ化を行ない、あるいはまた共同会社を設立をするということで、私どもはこの機械業界からずっといろいろな実例等につきましての内容のヒヤリングをいたしておりますが、機振法につきましては、特に機械業界としても、中堅以下の機械業あるいは中小企業の多い機械業種につきましては、機振法によるグループ化、あるいは共同会社の設立、あるいは指示カルテルによる規格の制限、こういったことでいろいろの面で効果をあげておるように私ども聞いております。 もう一つ、法律の面で申しますと、たとえば指示カルテルの面におきましても、第六条の三項の規定がございますが、こういったものはむしろ中堅あるいは中小企業、簡単に申せば、部品等を生産している企業が一つの規格の制限をいたしまして、できるだけ多品種少量生産から大量生産に持っていってコストダウンをはかり合理化をしようという場合に、ユーザーである機械業界、これは主として大企業になると思いまするが、こういったものがなかなか受け入れてくれないという場合には、ユーザーである機械工業、機械業者に対しましても、規格の制限についての指示カルテルを実施することを指示することができる、こういったような規定も置いております。これはもっぱら大メーカーのためではなくて、大メーカーにものを納める中堅以下の企業というものが合理化をしようとする場合、大企業のほうが受け入れてくれない、こういうことでは困りますので、三項を置きまして、大企業のほうも、受け入れ側も、そういった中小企業の実態を十分認識をしてやってもらいたい、こういった規定が盛り込まれておるわけでございます。 以上、二、三の例を申し上げましたように、従来の機振法の運用におきましても、こういった面は私ども十分配慮をしているつもりでございまするし、今後新法の運用にあたりましても、ただいま中村委員から御指摘のような点につきましては、なお一そうの配慮を加えていく所存でございます。
○中村(重)委員 いま中小企業に対して共同行為カルテルということについて強く強調され、それによって中小企業というものが体質改善をされたということであったわけです。私も、その面は確かにあると思うのです。同時に、日本の中小企業というものが、いつまでたっても大企業との格差というものが是正されない、成長性が高まってこないということは、あまりにもカルテルに依存をしているからだという批判すらあるわけです。私は、これも全く当たらない批判ではないと思う。確かに何かあったら不況カルテル、合理化カルテルといった形でカルテルに依存をしていこうというような、そういうことがあるわけです。しかし、私はこれは好ましいとは思わない。やはりそのことが大きなガンとなって、今日の寡占体制あるいは価格の硬直化というような形が生じてきたということだっていえる。議論されておる再販の問題等々も、メーカーはメーカーなりの立場に立ってこの再販を主張し、小売り店は小売り店という立場に立って何とかしてそういうものに依存をしていこうとするような、そういう傾向が非常に強いということです。しかし、ほんとうに国民経済発展の上から、国民生活を向上させるという面からどうなのだろうかということを総体的に考えていかなければならないのではないでしょうか。ですから、あまりカルテルに依存をするということは好ましい方向ではない、私はさように思います。こういうものからできるだけ早く脱却をしていくということでなければならぬと思うのです。 そこで、公正取引委員会にお尋ねをいたしますが、機振法でもって十五年間、電子工業振興法でもって十四年間やってまいりました。そしてさらにまた七年、これで実は二十一年になるわけでありますが、独禁法の適用除外としてこの新法に同意を与えられた公取の積極的な理由について、お聞かせをいただきたい。
○吉田(文)政府委員 お答えをいたします。 公正取引委員会の立場から申し上げますと、競争制限的なカルテルというものは望ましくない、これは当然でございます。独禁法自体にも、合理化カルテル、それから不況カルテルという適用除外の規定がございます。機振法、電振法は過去におきまして何べんも更新されて現在まできておるわけでございますが、これは公取としては必要最小限度やむを得ないというところで認めてまいったわけでございます。 合理化カルテルというものも、本来は業界の自主性にまつべきものではないか、つまり業界自体が、どうしても合理化をやりたいという必要でもって自主的に公取に持ってまいれば、公取は、必要条件を満たしている限りはこれを認めるというたてまえであるべきだと思いますが、現在の特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案におきましては、これは従来の電振法、機振法と同じように、政府の指示カルテルということになっております。したがって、独禁法適用除外法としての本法の必要ということについても、あるいは疑問があるのではないかというふうに本来的には考えております。 しかし、規格の制限の点につきましては、機械工業発展の基礎的な条件である、それから場合によってはアウトサイダー規制が必要な場合もあるということで、どうも業界の自発的な意思によってやるのはむずかしいのではないか。それから技術の制限の点につきましては、これは主として危険防止というような観点から行なわれるわけでございますが、業界が自主的にやるということに無理な場合もあるのじゃないか、期待できない場合もあるのではないか。それからもう一つ、機械工業は目ざましい発展をいたしてまいりましたけれども、まだ技術水準が国際的に著しく立ちおくれておるという面が見られるわけでございまして、そのことが国民経済発展の足を引っぱっているという場合もあるわけでございまして、そういう産業につきまして、政府が指示によって積極的に規格制限、技術制限のほか、生産の専門化でありますとかあるいは合理化を促進する必要もあるのじゃないかというふうに考えられるわけでございます。 したがいまして、本法案の六条の二項にも書いてございますように、規格制限、技術制限の場合はさっき言ったような理由がございますが、品種の制限、あるいは部品または原材料の購入方法、生産施設の利用、これらに関して共同行為を指示するという場合は、非常に条件がきびしくなっておりまして、「国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがある」、あるいは「合理化の目標を達成するためやむを得ない必要がある」というふうに、条件が非常にきびしくなっておりまして、当然これは公取に協議ということになるわけでございますが、その場合に、ここに書かれております条件をより厳格に解釈してまいり、必要最小限度からはずれることのないようにいたしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 それから、もちろん本法案は七年間の時限立法でございます。七年間というふうに限ってございますのは、従来機振法、電振法が五年あるいは七年ということできておりますが、私どもとしては、これはいつまでも必要性がないのにずるずると認めるというようなことはいたしたくないというふうに考えておりまして、七年というのは公取としては妥当な線じゃないかということで同意をいたしたわけでございますが、いつまでもどうしても必要だという、その必要性なしに延ばされるということは、あまり好ましいことではないというふうに考えております。
○中村(重)委員 あなたのほうでは、こういった適用除外の施策を講じていこうとする場合に、これを拒否されたような実例がどの程度あるのだろうか。あらためて公取と相当な時間をかけて議論をしてみたいと思っているのです。 最後に、私はあなたに申し上げたかったわけですが、少なくとも今日、独禁政策というものは非常に重要だ。いわゆる経済憲法であるということです。この番人である公取が、みずからの使命をお忘れにならないように、ただ政府から持ってこられたならば若干これにしぼりをかけて同意をしていこうというような安易なお考え方をお持ちにならないように、私は強く警告をいたしておきたいと思うのです。 端的に申し上げさせていただきますならば、臨時措置法でなければ適用除外の措置がとれないんだ、あるいは金融、財政面において特別措置が講じられないんだ、そこにウエートがかかっているということ、これもまた全く当たっていない私の推測ではないんではないか、こう思います。事業者はそれを求めます。これはまあ当然といえば当然であるのかもしれません。これをチェックしていくということが、少なくとも私は、国民経済の発展、国民生活を豊かにしていくという面から競争制限的なものを押えていかなければならぬということを考えていくならば、第一次的には行政当局がこれにチェックを加え、そして公正取引委員会がこの点に対してやはり強い歯どめをしていくということでなければならないのではないか、そのように考えるわけです。 いろいろと具体的な問題をお尋ねしたいこともございますから、今度は法律案の中身について若干お尋ねをしてみたい、こう思います。 先ほど局長お答えになったわけですが、第六条は、指示に従わないものに対しては罰則は伴わないという形になっているわけですが、あとの規格の制限に関する命令だとか、その他罰則事項が届け出だとか報告だとかという点についてはあって、強制規定になっているのですが、第六条の共同行為の実施に関する指示は罰則は伴っていない。この点は、まあ指示であるから別に罰則が伴うような強制規定でなくてもいいんだという考え方でございましょうか。
○赤澤政府委員 御意見のとおりでございまして、第六条の共同行為の指示は、いわば役所としてといいますか、政府としてこういうことが必要であるということを認めて指示をし、その指示を受けた業界の自主的な活動と申しますか、そういうことによって共同行為を実施していくというたてまえでありまするので、特に罰則を設けておりません。
○中村(重)委員 共同行為の届け出に対しましては、「遅滞なく、主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。」、こうあるわけであります。ところが、この届け出を怠ったというような場合、罰則規定があるわけですね。一万円というのがある。その届け出の内容というものは、第六条の一項から三項ということになっているわけですから、これはそのようにわかるわけです。ところが、同僚議員も指摘をいたしておりましたが、規格制限に関する命令、これの罰則は、これに反します場合においては三十万円ということになっているわけですが、これは公取との協議事項にはなっていない。これは共同行為を実施することに対して、公取との協議事項になっているから、ここではそれに伴って命令をするのだからいいではないかという御答弁があったようでございます。ところが、私がこの条文を読んで考えてみるわけですが、指示をいたしまして、この命令をしなければならないというところまでは、相当な期間というものもあるのではないか。その間の情勢の変化ということもあり得るのではないかという点、それからそれを、その指示に従わないというものは、やはりそれなりの事情もございましょうし、またその従わないことが、あるいは国民経済の発展の面に、国民生活の利益に資するという面において、条文には反するけれども、実際はそれのほうがよろしいということだってなきにしもあらずと私は思う。同時に、この指示に従わないからといって、強制的に命令によってこれに従わさせるということになってまいりますと、それら特定の業種あるいは事業者の存立の問題だって起こってこないということもいえないのではなかろうか。それらもろもろの点を考えてみますと、私は規格制限に関する命令、この第十条に少なくとも罰則が三十万円もつくわけでございますから、私は公取との協議事項でなければならない、そのように考えるわけです。同僚議員の質問に対するお答え、前段で言ったんだからここではいいではないかというのでは、私はどうしても納得がいかないわけです。いま少しく納得のいくような御説明を伺ってみたいと思います。
○赤澤政府委員 まず御説明の一部といたしまして、現行の機振法におきましても、第九条の二というところで、規格の制限に関する命令の規定がございます。これは昭和三十六年の改正時に挿入された規定でございますが、この際も、当時公正取引委員会といろいろ協議をした事実がございます。その結果、やはり同じく第十一条に、公取との協議事項の規定がございますが、同様、現行機振法におきましても、第九条の二の規格制限命令に関しては、公正取引委員会と協議をいたすことになっておりません。 こういったようなことを受けて、今度の場合にも、同様やはり公取協議という事項になっていないわけでございますが、その趣旨は、いま御指摘がございましたように、まず共同行為の指示をする段階で公正取引委員会側と十分なる協議を行なうということがたてまえであるということが一つと、それからこの第十条の規定をごらんいただきますとおわかりいただきますように、まずこの命令を出しますのは、規格制限に限っております。規格制限という事柄の持つ意味からいたしまして、これはやはり非常に大きなウエートを持って、いわば生産制限、不当な市場制限、こういったものにつながる例が非常に少ない、こういったことからも、先ほど公正取引委員会のほうからも御答弁がございましたように、第六条の一項におきましては、比較的その発動の要件をゆるめております。こういったものを受けて第十条があるわけでございますので、こういった点も、事柄の実態からして、まずどちらかといえば、いまの独禁法のたてまえからいいまして、要件のゆるいもの、それに該当するもの、こういったものにかかわる命令でございますし、その命令以前の段階ですでに公正取引委員会と共同行為の実態につきましては十分なる協議をしておるということがいえると思います。 また、第二点といたしましては、この第十条に一、二、三、四と、四号のいわば発動要件の規定がございます。これをごらんいただきますと御理解いただけると思いますが、この指示によって共同行為を現に実施をしておる、規格制限の共同行為をやっておるということではありますけれども、これがやはり全体の総生産額に対しまして相当の比率でなければならないし、また実施していない者、共同行為に加わっていない者の活動が、どうも高度化計画に定める目標を達成するには著しい障害になっておる、こういった事実があるとき、また逆にこの規格制限につきましては、先ほども私、御答弁の中で触れましたように、第六条の三項でユーザーである機械業界のほうからもこれを詰めていくことができるようになっておりますが、これを指示してもやはりうまくいきそうにない、こういったようなこと。さらに第四号におきまして、こういった状態が継続する、つまり規格制限の共同行為をしておるのにそれがうまくいかないというような状態が継続することが、合理化関係特定電子工業等の生産方式の改善に非常に重大な影響がある、ひいては国民経済的にも好ましくない、こういったような非常に各種の事情を踏まえて、いよいよやむを得ないときにこれは発動するんだというたてまえになっております。しかも、その発動にあたりましては、後段のほうの第十五条の審議会への諮問のところにございますように、この命令をしようといたしますときには、一応審議会にもはかって、全体の立場でこういう命令をすることが万やむを得ないんだというような答申をいただかなければ、この命令はしないということでございます。 こういったように、非常にいろいろな形で、この命令をいたしますにつきましても、通産省としてはチェックがかかるわけでございまして、こういった意味合いからも、まず実態について、その前段階におきまして公正取引委員会と十分なる協議をしておけば、この命令を出すというような事態になるときには、いろいろな意味からも総合的な検討が行なわれるわけでありますので、まず公取と協議をしなくても、その運営が不十分になることはあるまい、こういう観点から、現行の機振法に引き続きまして、この新法におきましても、第十条に関連するところにつきましては公正取引委員会との協議事項になっていない、こういう次第でございます。
○中村(重)委員 十分な協議をするのだと、こうおっしゃる。現実にどの程度協議をするのか、これはまあ、ことばであなたがお答えになった、十分にやるんだ、そのことばを信用する以外にはないわけです。ところが、公正取引委員会は、共同行為をするというときに相談にあずかるだけなんです。あとはどうなっているのか。公取はこれにタッチする機会はありません。その他、あなたは機振法の例だけをおとりになりました。いろいろな法律を私は見てみました。公取に対するところの通知をしなければならぬということだって、この中小企業団体組織法を見てもあるわけです。それから機振法に対しては、命令の場合は、これは公取と協議することにはなっていないと、こうおっしゃいました。類似なものとして、中小企業団体組織法第五十六条の二の命令は、同法九十条第二項で公取との協議事項になっているわけです。さらにそれだけではなくて、中小企業団体組織法、まあ調整規程の変更命令及び認可の取り消しであるとか、調整規程に関するいろいろな問題等々に対しましては、公取に対して通知をするという形になっております。絶えず公取はみずから協議をし、これに同意を与えたことに対して協議にあずかり、通知を受けて、その動きを見ることができることになっているわけです。少なくとも独禁法の適用除外である。それがどのような弊害がもたらされておろうとも、公取としてはなすすべなしという形が好ましいのかどうか。少なくともみずから協議をし同意を与えたものに対しては、それに伴って命令を発する、あるいは勧告を行なう。それは、もろもろの施策が講ぜられる場合においては、少なくとも公取に対するところの、さらに協議であるとか、あるいは通知をするとかという措置が講ぜられてしかるべきであると私は考えるわけです。それらのことに対しては、どのようにお考えになりましょうか。 それと、お答えの中に、きわめて限られたものだとおっしゃいます。私は、量の問題ではないと思うのです。いわゆる質の問題として、共同行為をするというこの指示に対しては、先ほど申し上げますように、少なくともある程度は業者の自由意思が働く。いわゆる罰則は伴わない行為であるわけですけれども、命令はこれは罰則が伴うのです。完全に拘束されるわけです。したがって、この段階において、中小企業団体組織法の中にも、命令は公取との協議事項になっているわけでありますから、ただ抜いたものだけを、あなたのほうでは、これはなっていないからいいじゃないかというのではなくて、できるだけ他の条文等におけるところのことも引用し、やはり公取との協議がよろしいのではないかというような、そうした方向で公取との協議あるいは通知等々がなさるべきであると私は考えます。むしろ私は、まあ俗なことばで申し上げますと、行政当局としては、公取といろいろ協議をしたりすることをあまりお好みにならないでしょう。しかし、公正取引委員会自体が、少なくともこういうことではなくて、みずから同意をしたということだけで、それでおしまいだというのではなくて、命令に対しあるいは勧告に対して、協議を受けるなり、あるいは通知を受けるなりするということを要求なさることが、私は公取としては当然の責任ではなかろうかと思います。端的に申し上げれば、あまりにも公取は無責任だということを申し上げたいのです。この点に対して、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○赤澤政府委員 先ほども御答弁の中で申し上げましたように、過去の実績と申しますか、現行機振法における、実際この共同行為、指示カルテルの運用等につきましても、これは大部分、ほとんど全部と言っていいかもしれませんが、これは中小企業にかかわるものでございます。したがいまして、私どもといたしましては、こういった非常に中小の、部品をはじめとする企業、これらの合理化をしていきます場合に、どうしてもこういった手段、方法によらなければうまくいかない、こういったことを考えておりまして、今回やはり特定機械工業、特定電子工業ということでしぼりはかけておりまするが、また、かけてまいるつもりでおりますが、しかし、おそらくこの六条の共同行為に関しまする限りは、今後の新法の運用におきましても、その実態は大部分が中小企業を対象にしたものと、こういうことになろうと考えております。こういった面から、私どもといたしましては、中小企業合理化促進という観点から、特に機械工業は、先ほども申し上げましたように、こういった中小の企業がしっかりしてまいりませんと、いかに大企業ががんばりましても、今後の情勢には追いついていけないという実態がございますので、こういった点を特に考えながら、この六条以下共同行為に関する規定を置いたわけであります。もちろん私どもといたしましても、独禁法の重要性、またその持っております運用、公取の考え方、こういったものにつきましては十分なる配慮といいますか、当然それについて考えなければならぬことでございますので、いろんな角度から公正取引委員会とは、現状におきましても、十分協議もし、実態の報告もし、打ち合わせもし、現状の機振法を運用いたしております。 いま団体法のお話がございまして、この点についても私どもいろいろ調べてみましたが、法律論的に申しますと、片一方はいわば自主的な業界の発意によるカルテルであり、このほうはいわば政府として必要やむを得ないという判断のもとに発動いたします指示カルテルである、こういったような違いが、いまお話しのような点にひっかかってくるかと思います。思いますが、それはいずれといたしましても、私ども、今後のこの法の運用につきまして——従来もそうでございましたが、この運用いたしました後における定期的な実態の報告、内容の協議、こういったことにつきましては、遅滞なく公正取引委員会と打ち合わせをすることになっておりますし、またかりに、こういったような指示カルテルを行ないました後におきまして、公正取引委員会側として、もはやその必要はなくなったのではないか、あるいは内容について一部こういう点の変更が適当ではないかというような御意見があるといたしますれば、その点については十分公取の御意見を尊重いたしまして、この法律の運用を適正にはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○吉田(文)政府委員 お答えいたします。規格の制限に対するアウトサイダー命令について協議がないというお話でございますが、通産省とは、絶えず本件につきましては連絡をとり、事実上の協議をいたしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。規格の制限は競争の制限にはなることがあるわけでございますが、競争制限の度合いが、そのほかの、品種の制限とかあるいは生産施設の利用とかいうのに比べますと、比較的ゆるいわけでございまして、したがいまして、この六条の一項と二項で要件の書き方も違っているというふうに考えるわけでございます。したがって、法律には書いてございませんけれども、事実上協議をして、きびしく法律の要件に照らして見ていきたい。また、たとえば輸出入取引法にもアウトサイダー規制がございますが、これは単なる通知ということになっておりまして、法律によってそれぞれ規定のしかたが違うわけでございます。ただ法律にいかに書いてありましても、事実上、運用が形式的になっては意味がございませんので、本法案につきましては、事実上の協議というふうな気持ちで通産省と密接に連絡をとりながら、厳正に要件に照らして運用いたしていきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○中村(重)委員 事務局長、非常に無責任なんだ、あなたの答弁は。法律にいかに書いておっても、これは運用の面に生かさなければ意味がない。そんなでたらめな答弁でわれわれを納得させようとするのですか。それじゃ何も書かなければよろしい。法律に必要なものを書く。少なくとも法律というものは国民を拘束するものだ。書いて、その実効あるように守っていくという正しい姿勢がなければ、意味がないじゃないですか。また赤澤局長は、書いてはないけれども、公取と十分協議をしてやっていくのだ。書かないでおいて、あなたのほうで協議をしていくというような誠意と努力がありますか。そういうことはほとんど期待ができません。少なくとも国民に対して拘束するようないろいろな命令を出す。そしてそれが独禁法適用除外ですから、競争制限的なものになる。そういう場合には、少なくとも公取との協議というものがあってしかるべし。さらに、中小企業団体組織法の場合においては、これは業者が自主的にやっていくのだ、しかしこの新法の場合は指示カルテルだからとおっしゃる。中小企業団体組織法の五十六条の二も、主務大臣が「前条各号に掲げる」云々という形で命令をするのです。その場合に、九十条において公取と協議をしなければならぬようになっているのです。ですから、そういう便宜主義的な無責任な答弁は慎んでいただきたい。 さらに、先ほど審議会の諮問の問題でしぼりがかけられるんだということをおっしゃいました。審議会の構成がどうなるのだろうか。少なくともいままでの審議会の構成を見ると、その大半が産業人によって占められておるようでございます。審議会に諮問するということが一番民主的でもありますけれども、審議会の構成、そのメンバーいかんによっては、それらの経済人にとって都合の悪いことはチェックすることもあるでしょう。これはいけないんだなということをあなたのほうでお考えになっておっても、待ったをかけることだってあるのです。審議会というものがえてして隠れみのになるという批判等も、十分お考えにならなければならないということです。少なくとも審議会に対しては消費者代表を加えていく、そういうような構成でなければなりません。真に民主的な、国民が納得するような審議会、その審議会に付議することにおいて、審議会がそれに対して十分チェックしていくことが期待が持てるならば、審議会に諮問する、こういう形になっておるから、これは大きなしぼりになるんだということでありますならば、私は納得もいたしましょうけれども、少なくとも今日までの運営のあり方としては、そういうことに対して期待が持てないのです。従来、審議会への諮問事項は、「第三条第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。」は審議会にかけていなかったのです。今度はこれを新たに審議会にかけるようになっています。 〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕 前段私が申し上げましたように、審議会が民主的な構成であります場合においては、このことが役立つかもしれません。しかし、いまのような審議会の構成でありますならば、このことはかえってチェックをされるおそれがある、うしろ向きになるおそれがあるということを憂えるのです。ですから、従来審議会の諮問事項でなかったものが、特にこの面に対して審議会の諮問事項にされたのはどういうことなのかというその理由と、それから審議会の構成、私が申し上げましたように、少なくとも従来のような産業人を中心として構成する審議会ではなくて、もちろんそれらの要素も必要でございましょうが、学識経験者、消費者、そうした立場の人たちを審議会の主要な構成メンバーとするような御意思があるのかどうか、そこいらもあわせてお答えをいただきたいと思います。
○赤澤政府委員 まず第一点の御質問の点からお答えをいたしますが、十条の命令を出すというような場合、言ってみれば、私どもとしては、伝家の宝刀と申しますか、そういうような感じの規定であろうかと思います。現実に現行機振法におきましても、三十六年に改正してこの条項が追加されておりますが、過去十年間この規格制限命令は一件も発動いたしておりません。そういったことから考えましても、やはり万一に備えてといいますか、全く必要やむを得ないときにのみこれは発動していくんだ、こういう心がまえで私どもこの条文は考えております。 それから、こういったことにつきましての公正取引委員会との協議の体制でございますが、大体この指示カルテルの指示をいたしますときには、共同行為をすべき期間、いつからいつまでというような期間を付して指示をいたします。いままでの例でございますと、大体一年とかあるいは二年といったような期間が示されておりまして、その期間において共同行為をすることができるわけでございます。したがいまして、非常に長期にわたるものは別といたしまして、そういったような期間に、中小企業を中心にいたしました業界の各企業が、特に規格の制限といったようなことで、先ほども公取から御説明ございましたように、どちらかといえば、言ってみれば独禁法の要件から申しますと、比較的軽いといいますか、そういった行為をしていくということでございますので、この期間において共同行為をしてみてもなおどうもうまくいかない、こういう実態があるという場合に初めて十条の命令が発動されるということでありまして、私どもこの共同行為の期間におきましても、従来とも公取とは事務連絡を十分取っておる次第でございます。 第二点、審議会の点についてお尋ねがございましたが、確かに御指摘のように、現行の機械工業審議会は、半数以上の者が業界もしくは業界団体の出身の方で占められております。これは従来機械工業の合理化という点を中心といたしまして、いわば機械工業の実態に即しながら、従来で申しますと、基本計画あるいは実施計画を審議をいたしてもらいますので、どうしてもやはり当該関係の方々でないと専門的なことがなかなか理解ができないというような意味で、この審議会の構成がされるような形になっておったわけでございます。今後私ども、電子・機械工業審議会というのを設けますが、昨日の御質問に対してお答え申し上げましたように、電子とか機械とかといったような特定の分野にまずあまり片寄らない、それぞれの分野も必要でございますが、同時に両業界を一本にしたような運営のしかたというものが必要であろうということが、第一点でございます。 それから第二の点といたしましては、この第一条の目的にもございますように、「国民生活の向上に資する」ということがこの新法の大きな目的の柱になっておりますので、こういった観点から、やはり学識経験の方あるいは国民生活的な観点からいろいろ御議論のある方、こういった方々も審議会にぜひお加わりをいただいて、いわば公正な立場でこの新法が運営されますようにつとめてまいりたいと存じております。
○中村(重)委員 この第十三条、「勧告」ですが、これは罰則を伴っていない。いわゆる政府の勧告です。この勧告に従わなかった場合どうするのか、これは何かお考えになっていらっしゃるんじゃないでしょうか。時間の関係もありますから私から申し上げますが、たとえば、これは融資とか課税の特例があるわけですから、したがって、政府の勧告に従わなかったという場合は、刑事罰はないが、行政罰という形にもなりませんでしょうが、融資や課税の特例をはずすというお考え方があるのかどうかという点。それから、勧告に対しても、私は公取に対する通知事項という形が好ましかったんではないかと思います。だから運用の問題について、公取とは十条の場合も十分協議をしていくんだとおっしゃいましたが、この勧告の場合においても、同様に公取に対して通知をする、あるいは協議をするといったようなお考え方があるのかどうかという、この二点についてひとつお聞かせいただきたい。
○赤澤政府委員 まず第一点の勧告にかかわりますいわば強制力と申しますか、この点でございますが、御指摘のように、この法案上は、勧告につきましては何ら強制的な力を付与いたしておりません。ただ、この勧告の規定にるる書いてございますように、通産大臣が勧告をすることができるということ自身が、通産省にとりましては非常に重要な制度であろうかと思います。この点につきましても、この程度のことであれば、いわば法律の定めがなくても常時やろうと思えばやれるじゃないかというような意見も、実はこの条文をつくります際ございましたし、また、じゃ命令というところまで強めてはどうかという意見もございましたし、あるいは命令と勧告の間に指示というような制度もございますので、先ほどの指示カルテルではございませんが、これもどうかというようなことで、各般の議論も、実はこの勧告については、私どもの省内外を通じましていたしてまいったのでございます。結果といたしましては、こういったような共同事業をいたしておりますもののアウトサイダーが、新規にニューカマーとして出てくる、あるいは大規模な事業をする、こういうことでありますので、営業自由の原則とのかね合いもあり、かつまた一方では外資というものも頭に描いてもおりますので、そういった点の配慮もあり、かれこれいろいろな結論を出した結果が、こういう規定になったのでございます。 あと勧告を聞かない場合どうだ、こういう御質問でございますが、この点につきましては、法律上はもちろん何もございませんし、また聞かないものに何らか別途の方法で強制をすると申しますか、そういう力を働かせるということも、行政当局としてはよほど慎重に考えて事を運ばなければならない時代だと思いますので、私はやはりこの勧告をするということ自身が、いわば国民経済的と申しますか、そういった観点で行なわれます以上、国民世論と申しますか、いろいろな機会を通じてその勧告が当然当該企業には影響を与えるものだというふうに、第一義的には考えておるわけでございます。 それから、こういったことをする場合、公取との関係はどうか、こういうことでございますが、もちろん私どもといたしましては、勧告をいたせば、まず根っこにある共同事業、これにつきましては公正取引委員会が当然御存じのことでございます。その共同事業の成果を守るための勧告でございますから、関連した事項として公正取引委員会にはもちろん通知もし、あるいはまた公正取引委員会の御意見も、独禁法というたてまえでお聞きすることも、当然あり得るものと考えております。
○中村(重)委員 まあ勧告に従わなかった、そういう場合、世論の喚起というものに相当期待をしていらっしゃるようです。ところが、公表でもなさるのであれば、それは世論の喚起ということがあり得るでしょう。この種の場合、公表というものはあるのです。私はほかのいろいろ条文も調べてみたんですが、時間はできるだけ早く終わりたいと思いますので、他の条文を引用しては申し上げませんよ。そういうことをおやりになるのであれば、世論の喚起というものがあるんだから、その勧告は強制力はないけれども、そうした世論の高まりという中において大きな効果をあげることができるであろうという答弁が生きてまいります。しかし、そういうことをお考えになっていらっしゃらないんだから、いまの答弁は単に答弁にすぎない、そういう形になっていくのではないでしょうか。さらに、私が申し上げました融資や課税の特例ということについて、どのようにお考えになりますか。政府が、国民経済の発展、国民の生活向上に資するというために勧告をなさる、その勧告にに業者が自己の利益のために従わなかったという場合に、何もなくて終わるということになるのでございましょうか、いかがですか。
○赤澤政府委員 第一点の、まず勧告の社会的な強制力と申しますか、この点につきまして、公表規定がないではないか、こういうことでございます。この点につきましては、御指摘のとおりでございまして、確かにこの法文上はこれを公表するということは規定してございません。ただ、これもまた、先ほどの議論と似たようなことになってたいへん恐縮でございますが、第十五条の規定におきまして、この勧告をする場合にあらかじめ審議会に諮問をすることになっております。こういったようなことから、私どもとしては、この審議会への諮問、あるいはその審議会における議論の内容、その最終的な勧告というものにつきましては、当然秘密にすべきものではございませんので、むしろ積極的に審議会多数の委員の御同意を得て勧告をするということであれば、これは世間に大きく広まっていくといいますか、報道されるということを頭に描いておる次第でございます。 それから第二点の、税もしくは融資といったような面でございますが、税金の面は、これは法定でございまするので、法定された税について、特にこういったような勧告に従わない場合に云々ということになれば、これはまた法律上の罰則をかけることと同じことになってまいります。そういうような意味合いからも、税金についてはいささか、いまお話しのようなときに措置しにくかろうと思います。しかし、融資とか、そういったようないわば行政裁量の許し得る範囲のもの、こういった手段は、この新法自身も、うらはらとなります財政的な措置が講ぜられておりますので、こういったような行政的な判断を加え得る範囲のものにつきましては、お示しのように、自己の企業利益のみを追求して全体の国民経済について何ら関心を持たないというようなケースでありますれば、私ども、行政判断としてそういった事項を加えていくということは、これは考え得ることであろう、かように考えております。
○中村(重)委員 私は、この点は確かに不備だと思います。まあ公表ぐらいは当然なさることをお考えになる必要があったのだ、こう思うのです。同時に、公取に対する協議あるいは通知をするとおっしゃるのでございますが、これもまた、書いてないことはなかなかおやりにならぬ。公取も御請求にならぬ。だからして、答弁は一応なさいましたけれども、答弁に終わるという形になることを憂えます。この点、修正なくして成立をいたしましたならば、運用の面において、答弁が単なる答弁に終わらないように、十分このことが生かされるようにしてもらわなければならぬと思います。同時に、これらの点については、公取もひとつ真剣に、御自分がこれに同意を与えたのだから、万全の措置をとったというようにお考えにならないで、私どものこうした議論が十分生かされるように、反省する点はひとつ反省をしていただきたいということを注文いたしておきます。 次に、第十六条は報告事項になっておるわけですが、第十九条でもって、この報告をしなかったり、「又は虚偽の報告をした者は、三万円以下の罰金に処する。」とあるわけです。ところが、先ほど申し上げました第九条の届け出を怠った場合——共同行為に対しては、どういうことを報告しなければならぬということを明記してある。ところが、十六条の場合においては、どういったことを報告をするのか、政令にゆだねられております。私どもは知るよしもなしです。審議はさせられないのでございます、政令でございますから。ところが、内容もわからないものに対して、その報告を怠ったり虚偽の報告をした場合には、内容が明記されておる第九条の共同行為の届出は罰金一万円であるのに対して、何ら明記されていない、政令にゆだねられているこの問題については罰金三万円なんです。罰金だけは法律事項だから、私どもに、審議をし、これについてひとつ議決をしなさい、そうして罰金を取る内容については、行政当局は、これは政令でやるのだから、私どもにおまかせしなさいということについては——これはまあ、政令で罰則というものはたくさんありますけれども、九条の罰金の額と比較をいたしましても、この点いささか問題があるのではないかという感じがしてなりません。第十六条の中において、単に政令にゆだねるということだけではなくて、いま少しく具体的なことが明記できなかったのかどうか、その点に対しての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○赤澤政府委員 この九条のほうの報告でございますが、これはいわば指示をいたしまして、これに従って業界各企業が共同行為をする、こういうことでございますので、指示の段階で何を共同行為としてやるか、そういった点が指示の内容として示されております。それを受けて、いつからこういうことを始めましたという届け出でございますので、形も、主務省令でフォームをきめて、いわばそのフォームに書き込んで出してもらえばいい、こういった比較的軽い内容のものでございます。 十六条のほうの「報告の徴収」でございますが、これは他のいろいろな関係法令等も参照いたしまして、法制局との間で十六条と十九条との罰則の関係を詰めてまいりましたが、これは現行の機振法におきましても、政令の第五条に報告の内容等について記載をいたしております。今回も、これはこの法律を運用するのに必要な限度においてとる報告でございますし、したがって、その内容が虚偽のものであったり、あるいは報告をしないということでは、法律の運用そのものが根底からくずれてまいる、こういったようなこともございますので、私どもとしては、第十九条の罰則ということで三万円以下の罰金にするということでございます。内容等につきましては政令にゆだねられておりますが、大体、現行機振法の関係政令第五条にございますような報告とほぼ同じような報告を徴したい、こう考えておるところでございます。
○中村(重)委員 おっしゃるように、第九条の届け出は、第六条においてフォームはきまっているのですよ。きまっているのですが、共同行為をやったのにもかかわらず、これを届け出しないでかってにやるということは問題なんです。それは国民を拘束します。しかし、私が言っているのは、刑罰の問題も、若干フォームはきまっているけれども、内容は重要である。届け出をする、せぬという内容は、共同行為でございますから、国民を拘束する行為を始めるという場合に、これを届け出しないでやるということについては、非常に重要な点があるのじゃないでしょうか。十六条はやったことの報告でございます。それを報告をしなかったり、うその報告をしたりするという場合のことでございます。結果はもう起こってしまっているのです。そのことを報告をしなかったり、あるいはうそを言うたからといって三万円。片一方は、国民を拘束する行為をこれからやる、そして始めた、そのことを届け出しなかったということにおいて一万円でございます。 そのことも一つ問題にいたしておりますが、私が指摘をいたしております第二点は、その報告の内容は十六条において政令にゆだねられておるということです。私どもは、それを知ることができないし、審議する機会を与えられないと言っているのです。そして、私どもが内容を知らないものに対して三万円の罰金を科するということだけを、私どもはここで審議決定をしなければならないと言っているのです。この点に対して若干私は抵抗を感じているわけです。 そこで、十六条の中に、まあ具体的なこまかい問題は政令で定めなければならないのでしょうが、ある程度かようなものは報告をしなければならないのだということを、いま少しここに明記をできなかったのか。ある程度、私どもにも審議の中において、これを明記されておるということにおいて、その罰金の量の問題三万円か一万円か、五万円か十万円かときめる場合において、私どもとしては、これは妥当か妥当でないかという判断がここで生まれてまいります。しかし、それを知らないのだから、この罰金だけの三万円というのが適当か適当でないかという判断は、つかないではございませんか。その二点を指摘をいたしておるわけです。いかがでしょう。
○赤澤政府委員 政令でこの報告事項の内容をきめるということになっておりますので、これはいろいろなほかの法律等も調べましてまた、現行の機振法も同じような立て方になっておりますので、実は言ってみれば、一つの例文化した形でここに書いたわけでございます。実際問題としてどういう内容だ、わからぬじゃないかというような御質問でございますが、この点はあとで資料等を差し上げてもよろしゅうございますが、現行の機振法第二十一条の規定による報告の徴収内容といたしまして、同法の政令に基づきます報告内容、これは政令の第五条できめておりますが、これにはいろいろなことが書いてございます。たとえばその製品について性能、品質等々いろいろなことがございます。そういったような内容を現実に頭に描いておりまして、ほぼそれと同じものになろうと思います。罰金の点も、この点は私ども法律をつくるにあたりまして、法務省とも相談をいたしまして、法務当局が他の法律等も十分横断的に検討いたしまして、この程度の罰金が適当であるという意見をいただいて、こういう規定に決定をしたということでございます。
○中村(重)委員 政令事項も、これから新法によっては検討してお定めになるわけです。必ずしも機振法の政令の第五条そのものそっくり報告事項として持っていこうとお考えになっていらっしゃるのではないと私は思うのです。したがいまして、私が指摘をいたしました問題点は、やはり一つの疑問点は疑問として残り、抵抗を感じる点は、いまの答弁の中でも解消いたしません。だから、どうしてもこの十六条が政令事項でなければならないという、積極的な理由づけというものがあるのだろうか。 私は、申し上げましたように、少なくとも第九条の報告事項におきましては、ここには書いていませんが、第六条においてそのフォームは明らかである。十分これを審議する機会が与えられておる。しかし、十九条の三万円の罰金の内容については、この法律の中でうかがい知るよしもなし。いまお尋ねをいたしましても、すでに死ぬ法律の政令をお答えいただいたにすぎないわけです。どうするのですかとお尋ねをいたしましても、これから検討するのでございますから、こういうものを報告事項といたしますと、あなたは責任をもって明確にお答えはできないでしょう。だとするならば、私どもに何を根拠に三万円という罰金を審議をしてきめろとおっしゃるのでございましょうか。やはりそこには問題があるように私は感じます。 大臣もお見えになりましたが、もうこれで終わろうとするときでございますので、同僚の委員がこれから質疑をいたしますから、私はもう多く大臣あらためてお尋ねをしようとは思いません。幾つかの疑問点を実は提起をいたしました。第一点は、御承知のとおり、機振法と電子工業振興法とこの二つの法律実は機振法のほうが十五年、電子工業振興法のほうが十四年になります。そしてこの二つを一本にして新法として、さらに臨時措置法として七年間やろう。臨時措置法は独禁法の適用除外でございますから、これが二十一年間続くことになります。さらにまた、情勢の変化もあるでしょう、技術革新構造の変化というものが絶えず起こってまいりますから、さらに更新をしなければならないということだって起こり得ると、私は思っておるのです。競争制限というものを抑制をしてなくしていかなければならない、できるだけ競争条件を強めていこうとすることが、大臣の何回かの、私どものこれに関連をする問題に対してのお答えとして、私どもに返ってきておる。少なくともこの法律は、競争制限の方向であるということは否定できません。さらにこの十四年間、十五年間に一千数百億円の国家資金というものを投入し、さらに課題の特例等をもってこれを育成してまいりました。私が第一点に疑問点として指摘をしてまいりましたのは、もうここらでいいのではないか。もう体質改善もでき、相当な力もついてきたのではなかろうか。みずからの努力によって、そうした今日の情勢の中において、七〇年代の構造変化の中で、システム化の方向の中でみずから対応していくということをやることが当然ではなかろうかということを、基本的な問題として私は指摘をいたしてまいりました。 その他、法律案の中身におきましても、共同行為に対しましては、これは指示カルテルでございますが、公取との協議事項になっております。ところが、この指示に従わなかった——規格の制限というものに限ってはおりますけれども、これに対する命令は、これは公取との協議事項になっていない、通知事項にもなっていないという点は問題点として私は指摘をしてまいりました。中小企業団体組織法五十六条にこれと類似したことがございますけれども、これは公取との協議事項になっているわけです。これらの点と比較しても問題点であるということを指摘をいたしましたし、さらにまた勧告もあるわけでありますけれども、しかし、これも強制規定もないわけであります。この勧告に従わなかった場合には、どうすることもできない。刑事罰は行えないし、またその従わないということが国民経済の発展の上に、国民生活の向上に影響があるといたしましても、さればといってこの融資や課税の特例というものをはずすのかどうかということに対しても、明確なお答えをいただくことはできなかったのであります。 さらに審議会の構成の問題、審議会がほとんど業界人をもって占められておるという事実、そのことがある程度必要といたしましても、審議会として真に国民の期待にこたえ、国民の福祉という点を十分生かした審議会の運営が行なわれることが期待できるであろうか。私は、審議会の構成というものに対しては、学識経験者、消費者等を加えた民主的な審議会の構成をしてもらわなければならないということを指摘してまいりました。 さらにまた十九条で、報告の義務を怠った者あるいは虚偽の報告をした者に対しては三万円の罰金を科することになっているのでありますけれども、その内容については政令事項でございますから、私どもはこれを知ることはできません。ちょうどこのときに大臣は入っていらっしゃいまして、お聞きになりましたでしょうから、多くは申し上げません。この報告の内容についても、ある程度こまかいことは政令にゆだねるといたしましても、第九条の「共同行為の届出」に対しては、第六条においてそのフォームが明らかであるわけでありますから、これに対しましては、私どもは、一万円という罰金の当否の一つの基準と申しましょうか、判断をすることができますけれども、十九条には、報告の義務については、この三万円がはたして適当なのかどうかということを判断する何らの基準もないわけです。それらもろもろの点を指摘してまいりましたから、この際、運用の問題とあわせて大臣にお答えをいただきたい。 同時に、この種の独禁法の適用除外という方向はできるだけ押えて、競争条件というものを育成していくことが、真に産業振興に役立ち、国民経済、国民生活の向上に資するという形になるのではなかろうか。この種のものにできるだけ避けていく、抑制していくということが、政府の基本的な姿勢でなければならないのではないか、そのように考えるわけであります。今後、公取との間でこの法の運用についてどのような対処のしかたをするのか、局長あるいは公取からもそれぞれお答えがございましたけれども、ひとつ公取との関係、この法の運用の問題につきまして、大臣からあらためてお答えをいただきたい、そのように考えます。
○宮澤国務大臣 本法案を御提案いたしました理由につきましては先般申し上げたところでございますが、その中で、中村委員が御指摘になっておられますように、いわゆる自由競争体制との関連において幾つかの問題点がございますことは、事実であると思います。私どもは、国内において十分な自由競争が行なわれなければならないということは御指摘のとおりと思いますが、また、外から参ります企業に対しても、ある限られた場合には、われわれの国内における体制との調整ということが必要になる場合もあろうかと思っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、基本は十分な自由競争がなければならないということでございます。したがって、それを制限するような目的の規定につきましては、公正取引委員会等々と十分協議いたしまして、自由競争を阻害するような結果にならないように配慮をいたさなければならないことは、御指摘のとおりであると思います。 なお、御質問の前段のところは、私、直接にお伺いすることができませんでしたので、御趣旨につきましては、おりました者からあとでよく説明を受けまして、後の機会にまた詳くお答えをさせていただきたいと思います。
○武藤委員長代理 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。松尾信人君。
○松尾(信)委員 まず最初にお尋ねしたいのは、機械産業のための政府のいろいろの助成措置、これは近促法で業種指定がなされて、その指定した業種の中からまた特定して構造改善に入っていく、このような近促法のねらいであります。次には機振法の関係でございますけれども、この法は、機種の指定ということですね。そのように、機種の指定、特定をしておいて、次に品種の調整をする。さらにこれを強化するためには、共同事業会社の設立、勧奨等をなされてきたわけであります。 でまず最初にここで明らかにしたいと思いますのは、この近促法の業種指定を受けたものが、さらに機振法の機種の指定を受けることができるかどうか、もしもそのような実例があるとすれば、どのようなものに対して適用されてきたか、これをまず承りたいと思います。
○赤澤政府委員 機振法におきましては、この試験研究または生産の合理化を特に促進する必要がある、こういった機械工業を対象といたしまして、いまお述べになりましたような諸種の施策を講じてまいっております。それから特に中小企業につきましては、その生産性の向上をはかることが必要である、こういう業種につきまして、別途いわゆる近促法によりまして近代化を進め、合理化を実施することができるということになっておりますので、私どもといたしましては、必要がある場合にはこの両法を併用する。言ってみれば、ダブル指定という形で業種の指定をし、それぞれの特性に応じた助成振興の対策を講じておるわけでございます。こういったような観点から、現在まで両方の法律になりまして指定をされておる業種が九つございます。その九つの業種を読み上げてみますと、銑鉄鋳物製造業、ネジ製造業、歯車製造業、包装荷造り機械製造業、食料品加工機械製造業、バルブ製造業、金型製造業、自動車部品製造業、鍛工品製造業の九業種でございます。これらにつきましては、いずれも両法をもって指定をし、それぞれの特性に応じた助成振興をはかっておる、こういうことでございます。
○松尾(信)委員 特にお話のございました業種の中で歯車関係でございますけれども、これは御承知のとおりに、中小企業が約九三%も占めております。これは近促法で三十九年に指定になりまして、四十三年まで続いたわけであります。四十四年と四十五年はこの構造改善の指定を受けようと非常に希望があったわけでありますけれども、現在までその構造改善の指定を受けられない、このような陳情がありました。特に非常に中小企業が多い歯車業界でありまするので、二カ年のブランクはありましたけれども、構造改善の見通しは今後どうかという点でございます。いかがでしょう。
○赤澤政府委員 歯車は、いま御指摘のように非常に重な製品でありますと同時に、非常に多数の中小企業から成り立っておる業界でございます。これにつきましては、従来から近促法による指定を行なってまいりましたが、いま御指摘のように、構造改善のための特定業種に指定をしてもらいたい、こういう業界の強い希望がございますので、先般来、この具体的な構造改善についての対策をどういうふうにするかということを、私ども内部で検討を進めております。まだ今日の段階では成案を得るに至っておりませんが、私どもといたしましては、この具体的な成案を得次第、できるだけだけ早い機会に、できますれば来年度早々にでも構造改善の業種に指定をし、指導をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○松尾(信)委員 いま歯車の例をあげたのでありますけれども、先ほどのお話では、九業種が両法の指定を受けておる。このような業界は、さらに今後提案されております機電法の指定も受けたいというような希望もあるわけでありますけれども、これはどうなんでしょうか。片方、今度は構造改善のほうは、特定された新しい機電法でさらにまた指定も受けたいというようなものにつきましては、それぞれ業界をよく調査し、その必要があれば認めていかれるものかどうか。今後は分離して、片方いけば片方はもういかぬ、こうなるものかどうか、その点、伺います。
○赤澤政府委員 歯車製造業につきましては、従来の機振法で指定をしてまいっております。これは御指摘のとおりであります。今回この新法を出しますにあたりまして、この第三条のいわゆる特定機械工業の指定の考え方、そういったものに基づきまして、従来指定しておったものにつきましても、十分の見直しをしてまいりたいと思います。 そういうような観点からいたしますと、一方では、ただいま御答弁申し上げましたように、歯車製造業について、これを近促法の構造改善の業種に指定をしようということで、そのために必要な施策の内容につきまして、目下具体的な施策を鋭意検討いたしております。そういったような具体的な施策の中身の固まりぐあい、またそれによる業界の体制、そういったものも十分見きわめました上で、新法による新しい指定が必要かどうか、また、それをやったほうがなおよろしいかどうか、こういった点は、慎重に検討の上決定をしたい、かように考えております。
○松尾(信)委員 そうしますと、先ほどのお話のとおりに、新法においてもダブル指定はあり得る、こういうことですね。その点は理解いたしました。特に、これらの業界は中小企業が非常に多いけれども、生産部門は中堅企業が非常に多い。数は中小企業が九三%あるけれども、生産の額は中堅企業が非常に多い。おまけに大企業もあるというわけで、複雑な業界であります。そういうところでありますので、特に中小企業関係を育成強化していく方向を確立していかなければ相ならぬのではないか、こう思います。 いまお話しがございました業種の指定の関係でございますけれども、十何品目かふるい落とされるというような業種のこういうものが巷間ありまして、その中にいまお話しの歯車なんかも入っておるわけです。お話とこういうニュースが非常に食い違っておるというわけでありますので、何か動揺があるようにも感じられますし、お話の趣旨ともだいぶかけ離れておりますので、具体的にいま、はずすものははずす、新しく入れていくものは政令で入れていくというお話でありますけれども、煮詰まっていますか。
○赤澤政府委員 この点は、昨日の御質問に対してもお答えを申し上げた次第でございますが、新法の基本的な考え方というものが、従来の機振法あるいは電振法の流れを踏みつつも、やはり装いを新たにして登場いたしておるように思います。そういう意味合いから、この第三条の規定というものは非常に重要な意味を持っておるものと思っておりますので、私どもといたしましては、まだいろんな機種につきましての洗い直しを目下大急ぎでやりつつある段階でございます。したがって、いろいろ新聞報道等で出ておりますが、こういったこといたしましては、何ら私どもの内部でも、たとえば第一案的なものもまだできていない。非常に多数の業種でございますから、一時にそれらのものについて検討いたすといたしましても、相当期間を要します。こういったことを法案の準備とあわせながら関係の向きにおきまして鋭意検討いたしておりますが、全体的な成案といいますか、第一次の案さえもまだできていないというのが実情でございます。いまお話しのように、新聞等にいろいろ推測的な記事が出ますので、業界等にかえって悪い影響もあろうかと思いまして、先般こういった集まりの際にも、まだ十分検討もし、また業界サイドの意見も十分聞くから、動揺しないようにというような指導を、担当の課あたりを通じましていま行なっておるのが実情でございます。
○松尾(信)委員 では、この新聞記事による質問というのは、これでやめます。よく考えがわかりましたので、いまお話しのとおりに、業界の動揺、不安、また特にその中でも中小企業関係についてどうするかというような基本的なものをきちっとお立てになりまして、しっかり指導していただきたい、こう思います。 三条三項に入りますけれども、これは考え方としてはいろいろありますが、大まかにいいまして、どのような機種を考えていらっしゃるのか。代表的なもの三つ、四つでけっこうでありますけれども。たとえば、海洋開発の機器だ、または公害防止の機器だというようなものは、この三条三項の機種として考えられておるかどうかということを、まず聞きたいと思います。
○赤澤政府委員 お尋ねでございますので、二、三私どもが頭に描いております機種の内容を御説明いたしたいと存じます。 たとえば工作機械の分野で申しますと、電算機が組み合わされましたNC工作機械、そういったのも。それから、これはまだなかなか検討を要しますが、自動倉庫。これは、倉庫の各種の機械が自動的に制御されて、無人倉庫といってもいいかもしれませんが、そういうふうな種類の一つのシステムでございますが、そういったもの。それから電算機制御による公害防止機械。さらに電子制御燃料噴射装置。これは自動車に用いまして、いわば自動車の燃料が電子制御で自動的にスピードを出したりゆるめたりというようなことができる。これあたりも、まだ開発中のものでございまして、これからいろいろと研究を進めてまいらなければならぬと思いますが、以上言いましたようなものが、大体御指摘の三項に該当するような機械の一例ではないかと思います。
○松尾(信)委員 いまお話しの中で、公害防止機の話がありましたけれども、いずれにしましても、機械または電子という両方をひっくるめた電子機械でありますけれども、このハード部門を単にくっつけるというようなことでなくて、ここには相当ソフトウエア部門も考えて、そしてさらに、それが効率のあがるような部門にもっていかなくちゃいかぬのじゃないか、こう思います。それで、いまお話しの機種につきまして、そういう部門のソフトウエア部門、これはどのような配慮をしていくのか。情報処理振興法という別のソフトウエア部門がありますけれども、そういうもので考えていくのか。または、本法では無理だと思うのでありますけれども、そういうハード部門の組み合わせについて、ソフトウエアの考え方をどのように固めていくかという問題でありますが、いかがでしょう。
○赤澤政府委員 ただいま御説明申し上げました、この第三条の第三項で考えておりますような各種の機械といいますものは、言ってみれば、一つのシステムといってもいいかと思います。大げさにシステムと申さないまでも、機械と電子が組み合わされたものというような形のものでございまするので、当然こういった一つのものを組み立てますには、その基礎になるソフトエンジニアリングが必要でございます。そういったようなソフトエンジニアリングの確立なくしては、いわば機電一体という方向には参りませんので、御指摘のように、私どもソフトウエアの振興育成というものは、非常に重視をいたしております。一方で、これまた昨年法案が成立いたしました情報処理関係、この法律では、コンピュターを使います場合のコンピュターの利用技術面としてソフトウエア、こういうものの振興をはかるということが、その中に大きく盛られております。コンピュターを使いましていろいろな作業をいたしますが、ただいま申し上げましたソフトエンジニアリングなんかも、やはり高度なものになってまいりますと、どうしてもコンピュターを使いまして、そしてソフトエンジニアリングの技術というものをつくり上げていくということが必要になってまいります。こういった意味から、いわゆるコンピュターのソフトウエアというものと、さらにそれを使って行ないますソフトエンジニアリングと申しますか、システムエンジニアリングというものが、非常に必要になってまいるわけでございます。 こういったことを考えておりますが、この法案によりますと、第三条の「特定機械工業」の項にございますように、危害の防止あるいは生活環境の保全といったことが、従来の機種指定の場合に比べて非常に大きく要件としてかぶってきておりまするので、いま御指摘のような公害防止機器等も、今後は、単体の機械と申しますよりも、電子関係が一本になりました一つのシステムとして組まれてまいる、そういった方向で育成強化をしていかなければならぬ、いいものをつくり出さなければならぬ、こういうことに相なりますので、したがって、こういったような面におけるシステムエンジニアリング機器の促進、振興、こういった面には、特段の配慮をしてまいりたいと思っております。本年度から、これもその一助ではございますが、こういったようなシステムエンジニアリングの促進のための金融債の引き受け措置、こういったことで三十億円の融資のワクも取りつけて、こういった面を重視してまいりたいと思います。こういったことにつきましては、御指摘のように、公害問題等は現下における喫緊の問題でございますので、できるだけそういった面に対する配慮を十分行なってまいりたいと考えております。
○松尾(信)委員 私が伺っておりますのは、このソフトウエア部門、それがくっついてくる。それはこの本法でやるのか、または情報処理振興法と申しますか、それでやられるのか、どちらかということです。
○赤澤政府委員 広い意味のソフトウエアというものはいろいろな解釈がございますが、先般の情報処理振興事業協会等に関する法律で対象といたしておりますのは、コンピューターの利用技術という形のソフトウエア、これを考えております。この法律でいまの機電一体ということで考えておりますのは、機械と電子部門を同一のシステムとして成り立たせるようにするためのシステムエンジニアリングと申しますか、これも実は広い意味のソフトウエアと考えてよろしいわけでございますが、そういったものを含んでこの法律でもって振興助成をしてまいりたい、こういうことでございます。
○松尾(信)委員 では、本法で大いにそういうソフトウエア部門も助成していく、こういうことですね。そのように了解いたします。 それで特にここで申し上げたかったのは、公害防止機だとかいうようなものは、要するに汎用的でないわけですね。もとの情報処理振興法のときの考え方というものは、汎用的なものを主として委託開発するとか、または民間で開発された先進的汎用プログラムを買い上げるというようなことがあるものですから、これでは少し無理じゃなかろうか。この公害防止等に限定されてまいりますると、どの項で処理していくのか。本法自体はハードウエア部門じゃなかろうか。そこにソフトウエアの部門というものが加わってこなければいけないのだけれども、それはどういうふうになっておるのか。これを明らかにするために聞いておるわけなんですが、もう一回その点を……。
○赤澤政府委員 その点は、実は具体的な例が出てまいりませんと、なかなか抽象的な説明がしにくい点もございますが、昨年成立いたしました情報処理振興事業協会等に関する法律でもって、いわば汎用的あるいは共通的、基礎的といったようなソフトウエアの開発につきまして、いろいろ施策が講ぜられることになっております。いまの公害ということを例にとって申し上げますと、たとえば公害の防止のためのソフトウエアと申しましても、ある特定の地域、こういったような地域における公害防止のためのソフトウエアというものもございますれば、全国一円のそれらの地域に共通の公害防止のためのいろいろな施策を講ずる必要上からくるソフトウエア、こういうものもあろうかと思います。したがいまして、必ずしも去年の法律の中で、いま申し上げたように、公害防止というものが特殊であるから全く入らないかといえば、そういうことではなくて、いわゆる公害防止という観点からする共通的あるいは汎用的ソフトウエアというものも、これはまだ開発が緒についておりませんが、将来私は出てまいると思います。そういったものについては、やはりあの法案でもって、コンピューターの利用技術という観点からこれは推し進めてまいる。今回の法案というものは、昨日の委員会でも一部御説明を申し上げましたように、どちらかといえばハードのほう、機械そのものを対象としていろいろな施策が講ぜられる、こういうことになってはおりますけれども、機電一体と申しますか、こういった新しいシステム機械になりますと、当然それを組み立てるために必要なシステムエンジニアリングが要るわけでございます。ですから、そういったものも含めて私どもとしては考えていきたい。また、法律のたてまえ上は、いまの機械そのものに着目しておりますが、当然それが入ってくるという観点から、この法案の運用をしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○松尾(信)委員 公害防止関係でありますけれども、これは非常に多くの需要もあります。四十四年度には千四百億円以上、五十年におきましては八千数百億の需要というものが見込まれておる。これは企業体でありますけれども、この公害防止機器に対して、従来の近促法なりまたは機振法なりの対象としてお考えになったことがあるのかどうか。もしもそういう対象に入っていないとするならば、いままでどうして、このような重要な産業の機種が、近促にもまたは機振にも入っていないのか、こういう点でありますけれども、いかがでしょう。
○赤澤政府委員 公害防止機器と申しますのは、言ってみれば、いろいろな機械が公害防止のために使われるということで、ある意味では、各種機械の使用目的から見た一つの総称であるというような感じのとらえ方でございます。中身をいろいろ割って考えますと、たとえば化学機械でございますとか、あるいは測定器、計測器、こういったような機械が集積をされて、そして一つの公害防止のために使われていく、こういうことでございます。したがって、私どものほうの機振法におきましても、公害防止機器というような、これはまあ言い方が悪いかもしれませんが、ばく然としたというか、全体をひっくるめたような形での指定のしかたはしておりませんが、化学機械あるいは計測器、測定器といったような指定はいたしておりまして、それぞれの機種の中で、特に公害の目的のために行なわれるものを重点的にこちらも取り上げていくという考え方で、従来運用いたしておる次第であります。
○松尾(信)委員 そうしますと、政令の中にあります指定機種の中に公害というような表示はないけれども、それぞれ一品一品の機種等についてはあるのだ、このような御説明ですね。それで、百四十社というほど公害関連の企業があるわけでありますけれども、いま測定器だとかそういうことをおっしゃいましたけれども、大体公害に関連する企業というものは、従来のそのような指定でもう網羅しておったのだ、大体漏れはない、このような確信はあられますか。
○赤澤政府委員 私ども全部をもう一度洗い直してみると、まだあるいはそういった漏れがあるかもしれないと思いますが、何ぶんこの公害関係のいろいろな防止機器、あるいは測定機器類にいたしましても、最近になりまして目ざましく技術が発展をし、生産も緒についてきたということでございまして、そういった点から、私どもとしては、大部分いま公害関係のものは網羅をしておると思いますが、そういう新しいものが次々出てまいりますので、あるいは若干そういった点に手落ちがあろうかとも思います。今回特に新法におきましては、ただいまも御説明申し上げましたように、公害の防止、環境の保全といったようなことに非常に重点を置きました業種の指定をしたいというふうに考えておりますので、いわば従来のような個々の機械というもののとらえ方のほかに、公害防止のための機器ということで別に一業種を起こしてみるということも、ひとつ検討してみたいと思っております。そういうことで、漏れなく新法においては、公害関係の機器が今後ますます精度が高まり、生産費が下がり、振興してまいりますように努力をしたい、こう考えておるわけでございます。
○松尾(信)委員 この公害関係防除機器、これに大いにいまから先力を入れていかなくては相ならぬと思います。それにはなお、業界の中におきましても、技術の開発の部面、それから業界の体制の整備というものがなされていかなくてはいかぬと思うのでありますけれども、政府の、公害防除機器というものに対して、今後どのように技術開発を促進してやるか、また業界の体制の整備というものをがっちりして、一日も早くそういうところから公害をなくなしていくというような考え方というものは、固まっておりましょうか、どうでしょうか。
○赤澤政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どもも、公害という問題がいま日本の社会、経済にとりまして最大の課題であるという認識を持っております。そういった意味から、財政面あるいは技術開発に対する助成の面で特段のことを配慮してまいりたいと思います。特にこれは一般会計の予算等を使っておるわけではございませんが、行政指導の範囲内で行なっております措置といたしまして、産業機械工業会が中心になりまして、公害関係の防止機器のメーカーと、それを使いますユーザーとの間で、共同いたしましていろいろな防止機械の開発をする、それに対する必要な調査を昨年来進めております。公害防止の問題は、メーカーだけの発想と申しますよりも、現場におけるニーズと申しますか、こういうことをやってほしい、こういうものが必要なんだ、こういった面の開発をすることも、技術の開発をし、製品をつくる場合に非常に重要でございますから、そういった面に着目いたしまして、昨年来その調査をするために必要な費用等については、優先的に工業会として支出をし、われわれも可能な限りの援助をするということで進めております。その考え方は四十六年度以降もさらに拡大をして続けてまいりたい、こう考えております。こういったようなことも、今後の公害防止の技術開発、製品の品質向上のために非常に必要かと存じましたので、一例として申し上げた次第でございます。
○松尾(信)委員 いろいろ政府の援助のお話が出ましたけれども、試験開発等も非常に必要であります。財政的な援助ですが、これは抽象的にお話がありまして、具体的にはお話がありませんでしたが、具体的に四十五年度はこのようにやった、それで四十六年度はさらにこのようにやる計画だというものがあれば、ここで発表してもらいたいと思うのです。
○赤澤政府委員 公害防止技術開発あるいは公害防止の設備、こういったものの導入のために、四十六年度で一応予算上あるいは財政投融資上措置されておりますものを申し上げますと、たとえば重要技術研究開発費補助金、これは通産省で非常に重要な技術を開発するための補助でございますが、この中に、本年度から新たに公害防止の技術開発のための補助といたしまして二億円を別ワクとして用意をいたしております。それから第二点といたしまして、同じく工業技術院の関係でございますが、特に公害を念頭に置きました電気自動車の開発、それから脱硫技術、これはもう従来から引き続きのものでございます。この両方合わせまして五億六千万円の大型工業技術研究開発費を計上いたしております。また、財政投融資の面でございますが、公害防止機器のリース制度、これは中小企業等はなかなか高い費用のかかる公害防止機器が買えませんので、リースをするということで、これにつきましては、大体、概算三十億円というふうに考えて、この新しい制度を設けることにいたしました。また開発銀行の中の産業公害ワクあるいは国産技術の振興資金ワク、または中小企業金融公庫におきます当該ワクにつきましても、開発銀行におきましては約六十億円、中小企業金融公庫におきましても四十億円、こういうワクを一応つくっておりまして、今後の私どもの公害開発技術の進展、また機器の開発普及に応じまして、これが支出をされていくということに相なっていくわけでございます。
○松尾(信)委員 いま、公害技術開発関係で四十六年度二億というようなお話がありましたけれども、こういうことでは非常に少ないのではないかと思います。開銀等の融資のワクというものは年々広がってきておりますから、特に申しませんけれども、これにしましても非常に少ない。需要というものは一千四百億、やがて八千数百億というように、公害防除企業がどんどん伸びていくわけでりあます。でありますから、やはり他方、公害防除の産業、そういう機種の体制の整備強化というものをあわせて行ないませんと、うまくマッチしない、こう思います。今後ともに、この二億等につきましては、非常に少ないのだ、これをしっかりがんばってもらいたい、これは要望であります。 それから次は、公害防除機器の中には、公害防除機器を備えつけますと、そこに一つのメリットが出てきますね。アウトプットと申しますか。たとえば、屎尿処理の機械、それと一緒に今度ごみも処理するような一つの防除機器があります。その機械を据えつけていきますと、即製の堆肥ができるわけでありますが、このようにメリット、アウトプットが出てきますと、そういうものに対しては融資もしない、または税制上の優遇もないということで、だんだん利用者もそういうものを利用しなくなるし、注文がないからメーカーもそういうものをつくらない。非常に需要が高くていい機械であるそうでありますけれども、そのようなものを備えつけてみると、そこに何かプラスのものが出てきても、優先的に融資されるものがとまってしまう、また税制上の優遇措置もなくなっていくというわけで、そういう機械、機種というものがだんだん出ないようになってきまして、一つのの憂慮すべき事態が起こっておる。また、排水を循環する装置をつくりまして、そこに一つの効率的なものが出てまいりますと、同じような問題が起こりまして、そういう機種に対する需要、要望というものがだんだんなくなってくるというような事態が起こっております。でありますから、そういうものも含めて、すべて公害防除機器という、そういうものの定義をはっきりさせておいて、そして必要なものは、どのようなメリットがそこに出てこようとも、税制上または金融上の措置は差別待遇はしない、非常に歓迎されていく、いいものはむしろ助長していくんだというような考え方はありませんか。
○赤澤政府委員 ただいま御指摘の点は、私どもとしても全くそのとおりだと思っております。 先ほど私、ちょっと御答弁の中で開発銀行の融資ワクが六十億と申し上げましたが、産業公害ワク百億、その他いろいろなもので、産業公害関係に使われるであろう、たとえば最近これも非常に重要になってまいりました廃車の処理事業、こういったものも含めまして約六十億ぐらいございまして、全体ではおそらく広い意味の公害関係、環境保全も含めまして百六十億円というワクというふうに存じております。 それから、いまお話しの、公害防除からさらに一歩進んで、公害と思われるようなものを積極的に資源として活用していく、こういった面は、私どもとしても単なる公害防除というよりもさらに有効なことであろうと思います。こういったことから、実は本年度も廃車処理事業といったものを開銀融資の対象にするということで了解を取りつけております。また税制の面も、まだ十分ではございませんが、やはりいまお話しのような公害を防ぐと同時に資源として有効に活用していくといったようなものが、ごく一部ではございますが、改善をはかっておるように聞いております。こういった線につきましては、御指摘のとおり、今後ますますその方向に向かって、私どもといたしましても十分努力してまいりたい、こう考えております。
○松尾(信)委員 いま申し上げましたとおりでありますから、いま局長のお答えのとおりにひとつしっかり、そういういろいろの問題がありますので、そういう具体的な問題を漏れなく取り上げてりっぱにやってもらいたい。これは公害防除機器の連中の大きな希望、要望です。 次は、外資進出の関係でありますけれども、特にこれは中小企業に関連いたしまして、たとえば歯車の例をあげますと、歯車には資本の自由化はありませんですね。ところが、すでに昭和三十八年には神鋼溝口ギヤーとフォルクコーポレーションとの技術提携について、フォルク社の資本参加がありまして、株式の二七%を取得しております。また長谷川歯車鉄工というのと米国のUSM社との間に行なわれたのが、ハーモニックドライブ減速機の技術提携であります。これは三十九年に契約しておりますけれども、その後このUSM社から再三合弁会社設立の申し入れが行なわれました。その結果、四十五年十二月にはハーモニックドライブ・システムズ社というのが、持ち株五〇対五〇で設立されております。その他例はありますけれども、資本の自由化はなされていないが、しかしこのように外資が進出してきておる。特に、その進出してきておる業界は中堅企業である。そうしますと、歯車でいえば先ほど申し上げましたとおりに九三%くらいが中小企業の人々でありますから、そういうところで外国の機械の優秀なものを売ってきますと、中小企業の歯車業者に大きな影響が出てきたのではないかとここでは察せられますけれども、そのような調査はされたことがあるかどうか。外資提携は個別に審査して、これは影響なしと思われて認められたと思うのでありますけれども、その結果はどうであったか。なおなお、この中小企業に関しまして外資が出てくると思いますけれども、資本の自由化の分については、あながち拒むことはできません。できませんけれども、その中で中小企業に対する考えはもう少しきちっとしていきませんと、もろにその影響を受けていくのは中小企業ではないか。こういう観点から、歯車の例をとりながらあわせて総体的にお尋ねしているわけであります。
○赤澤政府委員 ただいま例としておあげになりました外資の進出の件でございますが、フォルクコーポレーションが二七%資本参加をいたしましてできました会社がございます。これはこのフォルク社が持っております特殊継ぎ手及び特殊減速装置、これをつくるためにつくった会社でございますが、当時もこの歯車業界でいろいろ議論がございまして、私どもといたしましても、相当期間かけて検討したと承知をしております。これらのものにつきましては、当時いずれの機械につきましても国産が困難である、また競合機種についてもほとんど少くて、歯車業界には悪影響がない、こういう判断をいたしまして、昭和三十八年九月に認可をしたのでございますが、その後の状態を見ておりましても、特にこういった点で悪影響が出ておるというふうには聞いていないのでございます。 第二の、USM社と長谷川歯車、これの合弁でございますが、これは五〇対五〇ということで昭和四十五年の十二月に認可をした件でございます。これにつきましては、USM社が持っておりますハーモニックドライブという特殊な歯車でございまして、これは、普通の歯車とは非常に違った構造のものでございますし、減速比も非常に高い、こういうようなものでございまして、まだ国内の歯車メーカーでは製造しておるものがありません。こういったことから、業界との競合はないという判断をいたして、四十五年に認可をいたしました。その後の情勢を見ておりますが、やはりこういったUSM社のようなハーモニックドライブで、こういったものを国内で製造しているメーカーは現状におきましてもないということでございまして、この意味からいいますと、いまおあげになりました例につきましては、歯車業界に大きな影響はなかった、こう考えていただいてよろしいかと存じます。
○松尾(信)委員 次は、特許関係でありますけれども、外国が自分の特許をもとにして資本進出をした実例があるかどうかというのが、まず第一の質問であります。 それから、技術導入いたしますると、その際に、合弁会社をつくったらどうかだとか、または、おまえの会社の株式をどのくらいよこせとかいうような問題が相次いで出ておるようでありますけれども、そういう点で——資本の自由化の分は、ある程度どうということはできません、先ほど申しましたとおり。いずれにしても中小企業に対するその影響を排除していくということは、あらゆる面において必要じゃないか。この法律に基づいて、だんだんだんだん中堅企業以上に焦点がしぼられても、まずうございます。今度の機電法関係は、ますます大型化というか、いままでの機振法等を大体ふるい落として新たな網にかけてピックアップしたものが残っていくわけでありますから、近促の関係でもなかなか構造改善ができずにおるということで、特にそういうふるいにかけられて落ちそうなもの、構造改善をいままでやろうと思ってもなかなかできがたかったもの、そういうものにつきましても、やはりしっかりした考えを持っていきませんと、数が全体の九十何%という中小企業に対して、ますます妙な格差がついて、全体のレベルアップにマイナスになっていくのじゃないか。中小企業が取り残されていくのじゃないか。特にこのような大型化の新法案になりますと、目の届かないところ、中小企業がだんだんはずれていくのじゃないかという心配があるわけですよ。そういうことは絶対にないならない、ありそうだからしっかりそういうようなめんどうを見ていく心づもりだ、だからこのようにやっていくという考えがあるならば、それをしかと聞いておきたいと思います。
○赤澤政府委員 一般的に申しまして、この機械工業は、全体として中小企業ないしは中堅企業というものが非常に大きな構成を占めております上に、今後における成長性も非常に高い、また、やはりそこの中心になるものは何といっても技術である、こういったようなことから、外資の進出が相当見られております。海外における、たとえばヨーロッパにおけるアメリカ資本の進出の場合を見てみましても、自動車その他の大きなものもございますが、同時にやはりヨーロッパの中堅、中小の企業がこういった外資の進出を受けて、うまくいっているものもございますけれども、同時に乗っ取られてしまう、こういった例も数多くあるわけでございます。こういったことにかんがみまして、私どもは、この機械工業の中でも特に中小企業性の高い機種につきましては、常に外資の進出というものについて慎重な判断をしていかなければならない、こう考えております。ただ、国際協調を第一義といたしますような内外の環境でございますので、全然これはもう頭から認めないということでは、これは国際協調にももとりますし、同時にまた、そういったような外資の進出の場合には、多くの場合技術の導入を伴ってきております。そういったものは、やはり今後の私どもの機械工業の進歩発展にも役立つ、刺激にもなる、こういうメリットも当然認めていかなければなりませんので、彼此勘案をいたしまして、技術力、企業力あるいは今後の乗っ取り防止のための歯どめ、こういったことも十分考えまして、慎重に一件一件審査をする、こういう体制にいたしております。 ただ、何ぶんにも業種によりましては、五〇%までは自由というような制度にもなっておる機種がございます。こういったものにつきましても、実は私ども、自由ではございますが、従来からのいろいろな行政指導を通じまして、あらかじめ私どものほうに御相談に来られる例が非常に多うございまして、そういった例につきましては、いろいろな各方面の前例等も考え、また相手方企業の内容等についても、こちらから必要なアドバイスができるものはアドバイスをいたしまして、一件一件できるだけ丁寧に指導してまいりたい、こういう考え方で、今後、特に中小企業性の高い分野における外資の進出について対処をしてまいりたいと考えております。
○松尾(信)委員 以上で質問を終わります。
○八田委員長 加藤溝二君。
○加藤(清)委員 お許しを得まして、二、三ただいま審議されております特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案について、お尋ねをしたいと存じます。 この目的と申しましょうか、目標と申しましょうか、この法案で危害の防止、生活環境の保全ということがうたわれておりますね。この意味において、私はこの法案に賛成なんです。 ところで、法律はできたけれども、一向に中小企業の倒産が防げない、法律はできたけれども、公害は減らずに、逆にふえる一方である、こういうことが、過去ずっと続いてきたわけなんです。あの水質二法、これは漁民と工場との間に大乱闘があったので、そのおかげで御案内の昭和三十三年、いわゆる排水規制法と水質保全法ができたわけなんです。引き続いて、四日市で大気汚染が問題になったから、ばい煙規制法ができた。これは三十七年なんですね。あれから十年、水質、二法ができてからは十五年です。 私、きのう四日市へ行ってきました。きのうのいまごろは、向こうでずっと調査をし、きょうも別な一隊が調査をしております。あれから十年たっておるけれども、ちいっとも変わってない。ますますふえている。四日市ぜんそく病は御案内 のとおりです。六百人をこえておるのです。これが今度、名古屋ではやってきた。つい先日、名古屋の南区で四日市ぜんそくと同じ柴田ぜんそくで死人が出ておる。東海市で児童、生徒の健康診断をやったところ、これまたたいへんなことなんです。四日市以上だというのです。法案ができ、法律になってそれが施行されているにもかかわらず、公害は除去されていない。これは一体どこに原因があるのでしょうか。これは宮澤通産大臣に聞くことでございましょうけれども、どこやら機械にも関係があるような気がいたしますので、赤澤局長にお尋ねいたします。
○赤澤政府委員 たいへんむずかしい御質問でございますので、私の担当の範囲で答えられるかどうか、たいへん恐縮に存じております。やはり経済社会の発展の度合いというものと、それに伴う「いろんな技術の進歩、こういった面からいたしまして、たとえばきのうも御質問の一部にありましたが、テクノロジーアセスメントといったようなものが、実はまだ確立されておりません。こういったことから、いろいろな防除措置あるいは防除いたしますための機械、その機械をつくりますための技術の革新、開発といったものと、経済の発展に伴いますいろんな公害関係の排出物とが、バランスがとれていない。そこで、実際問題としてその間のアンバランスが起きておるのじゃなかろうか。いまお話しのように、いろんな政策を打ってまいりましても、実際面においては、このギャップがどうしてもうまく埋まっていかないで、公害防除というものがなかなか思ったほどきれいにならない。こういったような点もあるのではないか。これは私の関係しております範囲から、そういった感想を持っておる次第でございます。
○加藤(清)委員 ある法律は十五年も前にでき、ある法律は十年前にできた。基本法は四年前にできた。にもかかわらず、公害はふえる一方である。なぜだろうか。これは、行政をつかさどる者としは当然検討しておかなければならぬ重要な問題だと存じます。私はこう思うのです。業者は利益追求に専念して、公害追放、公害除去の機械とか設備については、これはケインズの回転率からいけばマイナス面であるから、一向に努力をしない。政府もまた——政府といっても特に通産省は、公害防止技術の開発、指導、育成が必要であるにもかかわらず、コストダウンの問題であるとか、生産性の向上の問題であるとかいうことにはたいへん熱を入れたけれども、自然の環境を保つの、人間の健康を保つのということについては、一向に努力をされていなかった。その結果、そうなったのではないか。そのことは産業構造審議会の答申にも見えております。これは業者も入ってつくった答申でございますが、おのれみずからちゃんとそれを認めている。 そこで、機械にしぼってお尋ねしたいのですが、公害を追放するための機械、設備等々にことしは予算がいかほど使われているのか。特に、去年だけで公害関係法は十六、修正ないしは新規法が通っておりますが、それに伴う機械関係の予算は、どの程度準備されたのか。
○赤澤政府委員 公害防止の技術開発あるいは公害防止設備を導入するといいますか、設置するための設備資金、こういったもののためにいろいろな制度が新しくでき、また予算も準備をされておるわけでございます。先ほども一部お答えを申し上げましたが、技術の面で申しますと、まず私どもの重要技術研究開発費補助金、これは従来公害関係にも実は使われておりましたが、やはり四十六年度以降は、明らかに公害と目されるものに特別ワクを設けまして、二億円の補助金を設定いたしました。これなども、実は私ども若干不満な点がございまして、予算要求の原案では、これは補助金のワクではなくて新たなワクを一つつくろう、制度として別制度にしたい、こういう考えもございましたが、とりあえず四十六年度は公害特別ワクということで二億円の研究補助金を設定することにいたしております。 それから大型プロジェクトと言っております大型工業技術研究開発費でございますが、これもいろいろなテーマがございましたが、本年度から電気自動車の開発に取り組むことにいたしました。これは約五年間で四十億余りの金額でございますが、四十六年度は、初年度といたしまして、これに四億五千万円という支出をいたします。これによりまして、市街地を走る業務用の小型あるいは軽自動車を、排気ガスを出さない電気自動車にするということをねらいにした第一歩を踏み出したい、こう思っているわけでございます。 また、これは私どものほうの企業局の関係でございますが、公害防止機器につきましては、中小企業等で最初から買い取ることがなかなかむずかしいというようなものもございますので、これのリース制度をとるということにいたしまして、このリース制度の実施のために必要な財投関係のお金といたしまして、概算三十億円を予定しておるということでございます。 なお、開発銀行による産業公害ワク百億円、また先ほども松尾先生の御質問にお答えいたしましたが、産業廃棄物、特に廃車処理事業、こうなったようなことも含めまして、六十億円余りのワクの中で処理をする。また中小企業金融公庫におきましては、産業公害防止機器を設置するということのための特別ワクを四十億円設定いたしております。 以上のようなことでございまして、私どもとしてもまだまだ不満足であり、不十分ではございますが、とにかく新しい制度も含めまして四十六年度から発足をしてまいるということで、私ども、これの実施にあたりましては、鋭意その目的に沿うように努力をしてまいりたいと考えております。
○加藤(清)委員 ただいませっかくの御説明でございまするが、私、頭が悪いので一度には頭に入り切らないので、すみませんけれどもそれをメモにしてあとでいただけませんか。 では、自動車の話が出ましたから、もう一つ続きましてお尋ねしますが、電気自動車の新規エンジンの研究には、予算が組まれておりますか、おりませんか。
○赤澤政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、電気自動車は四カ年、約四十億を使いましてつくりたいと思っておりますが、いまのところトラック、バス、乗用車を含めまして六車種、これの試作をこの四年間くらいで進めて、いわゆる経済的に使い得る電気自動車というものをやるつもりでおります。そういう意味から、もちろん電気自動車のエンジンと申しますのは、電池が中心でございますので、自動車メーカーと電池メーカー、さらにはこの電池をエンジンと申しますか、動力として装着いたしますと、自動車の各部構造が変わってまいります。こういったものを含めまして、いまのところ六車種についてこれを開発していきたい、こういう考えでおります。
○加藤(清)委員 自動直の燃料関連部品、これには予算ついておりますか。
○赤澤政府委員 おそらく御質問は、自動車の排気ガスの関係の問題で、こういったものの技術開発にどうか、こういうことでございましょうが、この点につきましては、いまさしあたりこれだけの特別のワクということはございませんが、企業からの申請があれば、先ほど申し上げましたような重要技術研究開発費補助金のワク内で優先的に考えていきたいと考えております。
○加藤(清)委員 これはやってもらわぬと約束違反になりますね。ということは、あなたは出席しておらなかったのですけれども、去年排気ガス問題で柳町にたいへんな事件が起きたですね。あの事件を取り上げて公害委員会で審議されましたおりに、将来の方向として、かようなことのないようにエンジンの電気化と同時に排気ガスの正常化について努力する旨の答弁が行なわれておるのです。それは鉛添加、四エチル鉛、アルキル鉛等々の添加については、直ちにその数量の面で実施されたわけなんです。ところが、排気ガスその他の点については、研究をして必ず御期待に沿うようにいたしますと答弁が行なわれているです。これは御検討をしていただきまして、国会で使うガソリン、本省で使うガソリン、これに対する鉛の添加量まで半減させたんですからね。それから発生するところのノックその他を除去する関係については、至急研究してこれこれのことをいたしますと答弁しておられますから、これは実行に移していただかぬといかぬと思います。もう一度答弁を……。
○赤澤政府委員 御指摘のとおり、鋭意努力して実施してまいります。
○加藤(清)委員 それは本年度からですか。
○赤澤政府委員 本年度から実行してまいりたいと思います。
○加藤(清)委員 次にもう一つお尋ねしますが、大気汚染の最たるものはSO2でございますね。そのSO2がどこからたくさん出るかといえば、これは重油を燃料としてたくさんに使う場所から、すなわち火力電気であり、製鉄所であるわけなんです。このサル抜きの問題について、日本は非常に不利な立場に置かされているわけなんです。それは先般来新聞にも出ておりまするとおり、産油国と世界資本とが協力して、ハイサルをより多く日本へ送り込んで、ローサルの良質の原料はほとんどアメリカ、イギリス、EEC諸国へ運ぶ。日本へはわずかミナス原油の一部しかロ一一サルとしては輸入されない。しかし、日本の原油の使用量は、幾何級数的に伸びている。したがって、質を選んでいるひまがない。ハイサルでもやむなくこれを購入せんければならぬ。さすれば、ますますSO2団による大気汚染はふえる。そこで、製油関係においてもサルを抜こう、大口消費もサルを抜こう、そのための設備、機械の研究をしようということで、過去も続いて行なわれていたわけです。しかし、なかなかこの試験結果は思わしくいっていないようでございます。 そこでお尋ねする。このように重油が大口に消費される工場における直接脱硫、間接脱硫、排煙脱硫、この機械関係はどうなっているか。
○赤澤政府委員 脱硫技術の問題につきましては、特に発電所の重油を使います際の脱硫技術、装置も含めてでございますが、これは現在工業技術院の大型プロジェクトでもって実施をいたしております。いまなかなかうまくいってないというお話もございましたが、ある程度の成果をおさめまして、いま試験段階、こういうふうに私は承知しております。もちろんそれだけで十分であるとは思っておりませんので、私ども工業技術院の試験の結果も見まして、機械業界サイドからもこの点については今後とも十分協力体制をとってやっていきたい、かように考えております。
○加藤(清)委員 予算はどれだけ組まれておりますか。
○長沢説明員 大型プロジェクトにつきましては、ただいま赤澤局長から答弁がございましたとおり、排ガス脱硫と重油直接脱硫の二つをやっております。排ガス脱硫のほうは昭和四十四年度で終わりまして、重油直接脱硫のほうが現在進行中でございます。四十五年度の予算は、重油直接脱硫が約三億円でございます。御審議いただいた四十六年度予算の中には、約一億何がしかを予定しております。
○加藤(清)委員 では、一応終わったとおっしゃられる排煙脱硫のほうをお尋ねします。東電が引き受けてやっているのはどうなっておるか、中電が引き受けて検討しているのはどうなったか。
○長沢説明員 東京電力は活性炭法という方法で行なっておりまして、これもやはり四十四年に五万キロワット相当のパイロットプラントを大型プロジェクトで終了いたしまして、現在十五万キロワットのプラントを、これは開銀融資でございますが、鹿島の火力発電所につけることになっておりまして、いまこの準備をしております。中部電力につきましては、加藤先生十分御承知と思いますが、活性酸化マンガン法をやはり同様の規模で四十四年度に終了いたしまして、十一万キロワットの規模で現在着工しております。
○加藤(清)委員 現在着工ですか。
○長沢説明員 着工いたしております。
○加藤(清)委員 四日市のあれは取りはずしたのじゃございませんか。
○長沢説明員 五万キロの設備につきましては、研究を終了いたしましたのでこれを取りはずしまして、実用規模に近い十一万キロワットのさらにこれを大型化したものをつけるという計画でございまして、開銀融資もこれに予定し、着工いたしておるはずでございます。
○加藤(清)委員 その着工は尾鷲ですか。
○長沢説明員 これは四日市の火力発電所でございます。
○加藤(清)委員 わかりました。 せっかくの研究が効果を結んで工業化される、実用化されるということは、まことにけっこうなことだと存じます。しかし、この方式はともにたいへんにたくさんな面積を必要とするのですね。したがって、余裕面積のある火力発電なれば適用できますけれども、余裕のない火力発電所にはこれはちょっと適用できないですね。やろうと思ったってできない、面積がないんだから。したがって、新規工場を設営するという場合には、これは適用できます。ないしはたいへんな面積の余裕を持つ発電所をつくったところは、これが適用できるけれども、ぎっしり発電機で埋まってしまっているような火力発電工場には、これは適用できない。これについてどう対処されますか。これは機械のほうが答えていただけますか。工業技術院ですか。
○長沢説明員 先生御指摘の排ガス脱硫でございますが、私どもが中部電力、東京電力に委託して開発いたしましたこの方法は、いわゆる乾式法という方法でございます。乾式法というのは、御承知のとおり、ぬらさないで亜硫酸ガスを取る方法でございます。ぬらさないで取るというのは、拡散効果をよくするというような点もございまして、そういう方法を採用しているわけでございます。 御指摘のとおり、面積がたくさん要るというのは事実でございまして、通常の発電所でございますと、敷地の約十分の一程度は要るかと存じます。したがいまして、余裕のあるような場所あるいは新設等には、こういう方法が直ちにとれるわけでございます。しかし、私の工業技術院の担当しておる一つの分野といたしまして、重油直接脱硫というのをやっております。(加藤(清)委員「それはまたあとで聞くからいまの問題だけ答えてくださいよ。」と呼ぶ)私のほうも、いろいろほかの湿式法等につきましても、補助金等でこの育成措置をとっておる現状でございます。
○加藤(清)委員 間脱と直脱とをごっちゃにすると、私、頭が悪いですから、よけいごっちゃになるのです。いまは排煙脱硫、しかも東電方式、中電方式、これはたいへんな規模が要ることですね。面積が要ることですね。だから、これは適用しようと思っても、面積の余裕のあるところはできるけれども、その他はできない。新設される場合は、これは最初から面積をとっていけばいいのだから……。したがって、過去すでに行なわれているところの火力発電にこの二つの方式が適用されることが可能であるかないかは検討しなければならぬことなんです。だから、どの程度これが適用されるか。もう研究が済んで適用の段階だとおっしゃるが、では、どこの工場のどこへ適用されていく可能性があるか、それを承りたい。
○長沢説明員 場所につきましては、御指摘のとおり、確かに物理的に広い場所が要ると思います。設立する場所等につきましては、公益事業局と十分御相談して、あらためて御返事申し上げたいと思います。
○加藤(清)委員 では、お尋ねしましょう。たとえば中電の場合、知多火力には適用できるかどうか。新名古屋には適用できるか、できないか。西名古屋にはどうか。武豊にはどうか。四日市、これは一体どこまで適用できるか。ほんの一部には適用できるようです。三重火力はどうなるか。尾鷲はどうなるか。ということは、このことがうまく行なわれるか、行なわれないかによって、火力電気の新設が可能になるか、不可能になるかの境だからです。たとえば、東電が静岡県に要求しました。断わられましたね。千葉県に要求しました。また断わられましたね。これはともに自民党の知事なんですよ。自民党推薦です。それでもなお、事公害に関してはもはや協力はできません、お断わりします、こういうことになっているわけなんだ。しかし、電気は必要なんですから、何とか除却設備をつくって火力発電は起こさなければならぬ。電気の伸びはたいへんなものなんです。それを補うに原子力で急に補えるかというと、そうはいかない。だから、今後の火力発電の必要量、これとにらみ合わせてこのことを研究することが、目下の急務といわなければならぬ、日本のエネルギーの根幹にかかわる問題なんだから。それでお尋ねしている。 では、適用できるか、できないかがわかっていなければ困るのじゃございませんか。そうすると、計画はないといっても過言ではなくなる。あなたのほうにどこでどれだけ適用するかという計画があったら、ひとつぜひお示し願いたい。それからまた、将来この設備を不可欠として義務づけられるか、られないか、そこの点は答えられるでしょう。
○赤澤政府委員 ただいま御指摘の点は、工業技術院はとにかく試験研究、開発まで段階を担当し、それを実施いたします場合は公益事業局がこれを実施するというたてまえでございますので、至急に公益事業局の担当者を呼びまして、後刻お答えをいたしたいと思います。
○加藤(清)委員 私は、油のことを聞きますよとちゃんと言っておいた。そしてそれは機械に関する油のことだと言っておいたのですよ。まあ、いいですよ。新聞記者はいないし、予算委員会ではないから、ストップをかけて快哉叫ぶようなことをやりませんから、仲よく続けましょうや。これはぜひ表にして御提出願いたい。後ほどでけっこうです。 次に、あなたがちょっと説明なさりかけた直脱のほうを今度は承ります。 目下生産される油の量と、それから直脱が行なわれている重油の量、これをまず承りたい。
○本田政府委員 お答えいたします。 ただいま、重油脱硫装置の設備といたしましては、本年度で間接脱硫で十三基、二十七万三千五百バレルでございます。それから直脱につきましては三基で十一万二千八百バレルでございまして、合計十六基、三十八万六千三百バレルの設備が稼働いたしております。先生御承知のように間接脱硫につきましては、技術的に大体確立しておりまして、順調に動いております。それから直接脱硫につきましては、最初に行ないました出光の千葉が必ずしも順調に動かなくて、いろいろ手直しをするという状況でございましたが、先般、水素添加装置をつけまして、これによりまして最近八〇%の稼働率で動いております。自後の二つの直接脱硫の設備は、そうした改良を取り入れ、新しいデータに基づいて稼働いたしておりますので、これは順調に設計の目標稼働率で動いておるというふうに聞いております。
○加藤(清)委員 もう一つお尋ねしたでしょう。加工される油の量と、直脱が行なわれる油の量。輸入は二億キロリットルで起算してください。
○本田政府委員 お答えいたします。 現在、直脱、間脱合計いたしまして一千万キロリットルの重油を装置に通流いたしておりますが、詳しい数字は後ほど区別して御報告させていただきたいと思います。
○加藤(清)委員 大体去年二億キロじゃないですか。そうすると、そこから発生する重油は、その半分の約一億キロと踏んでよろしいですね。その一億キロのうちで脱硫装置が行なわれているのは約一千万。いまあなたの答えです。そうすると、これは十分の一ということですね。そうでしょ心に聞いてくださいよという注文を事務局のほうう。これでもって日本の大気汚染が除去できますか。しかも計画によれば、ここ五、六年の間に輸入量は五億キロくらいになる。ローサルはなかなか輸入が困難である。ハイサルを買わなきゃならぬ。十分の一程度の脱硫装置でもって、大気汚染法が通ったからといったって、もとから出てくるものがハイサルだったらどうなるのですか。赤澤さん、これは機械のほうだ。
○本田政府委員 お答えいたします。 御承知のように、低硫黄化のためにいろいろ検討いたしました総合エネルギー調査会の低硫黄化部会におきましては、四十八年を中間年度といたしまして、五十三年を最終年度にしまして、すべての地域において環境基準に合う大気の汚染度にしよう、こういうことに相なっております。その際、当面手段別にいろいろ検討いたしましたのは四十八年度でございますが、四十八年度におきましては、われわれのほうの検討では、低硫黄原油から生産する低硫黄重油の生産というものが、手段としては最もいいということでございまして、低硫黄原油の輸入の増加をまずはからねばならない。その目標としては、現在三千数百キロリットルの低硫黄原油を五千五百万まで上げたいということでございます。 それから第二の方法としては、やはりいま申し上げました重油脱硫でございまして、設備といたしましては七十一万バレルの設備を四十八年度では必要とする。これは、現在精製設備の許可の際に、大気汚染防止の対策と見合う供給計画が必要だということで、これらの設備の推進を許可の条件としてやっておりますので、具体的な脱硫装置の方式、設計等についてはなおさらに検討しますけれども、七十一万バレルの脱硫装置の建設というのは、一応できるというふうに見ております。
○加藤(清)委員 私は、きょうは機械のことを中心に聞いてくださいよという注文を事務局のほうから受けておりますので、機械のことを中心にお尋ねしますが、問題になる点はこういうところなんです。目下のところ一億キロリットルの重油ができる。それから脱硫できるものは一割しかない。九割はそのままで出てくる。その一割も、突っ込んでいくとまた問題がありますが、これは機械関係じゃございませんので、アスファルトの関係になってくるからあとにしますけれども、十分の一しか脱硫できなくて、大気汚染は大気汚染法の示すとおりにできますかと聞いておる。で、第一は機械設備が足りないではないかということなんです。これについて赤澤さんにお尋ねします。機械設備があまりにも少な過ぎるではないか。 次にお尋ねする。直脱については、予算が三億と先ほどおっしゃいましたね。違いますか。直脱は三億とおっしゃったでしょう。
○赤澤政府委員 そうです。
○加藤(清)委員 ところが、重工業局長、機械の関係のお方、よく聞いてくださいよ。いいですか。四十八年までに七十一万バレルの除去装置を必要とする、こういう御説明がいま本田さんのほうからありました。一体これに幾らかかると思いますか。いまは四万バレルでもって大体百億かかりますよ。四万バレルの脱硫装置で大体百億かかる。そうすると、七十一万と申しますと約二十倍。百億の二十倍は二千億ですよ。二千億に対して三億ですか。千分の一と言いたいほどですね。これで補助金になりますかな。スズメの涙と言いたいが、千分の一、よくもつけたり、こういうことですね。とにかく四万バレルで百億かかるのですよ。これは御承知の上の予算でございましょうか、それともそうではないでございましょうか、機械のほうにお尋ねする。
○赤澤政府委員 いま先生お示しの数字は、設備費であろうと思います。三億とお答え申し上げましたのは、これはその脱硫技術を確立するための技術開発に要する研究費でございます。したがって、金額を直ちに比較するということではなくて、三億——これから先、ことしも一億ございますが、こういった研究費を毎年つぎ込んでまいりまして、いい設備技術を開発してそれをつけていく、こういう段取りになるわけでございます。
○加藤(清)委員 はい、わかりました。それじゃいわゆる直脱装置に要る予算の問題は、一般質問のときに譲ります。 それじゃ、研究費のほうについてお尋ねします。あなたのペースに乗って論を進めたいと存じます。 目下排煙脱硫の研究が、先ほどの中電方式、東電方式とは別に、もっと面積が小規模で効果をあげる方法が検討されているんですね。それは名前は、もうはっきり言いましょう。三菱化工です。これは大体実験段階が済んで、日本合成ゴム——通産省がつくった会社ですね。あなたたちの先輩もだいぶ入ってみえる。天下りかなにか知らぬけれども、まあそれはいいですわ。けっこうなことだと私は思っております。その会社の技術と組んで、いま千葉に、これこそほんとうの実験段階の規模のものがっくられようとしていますね。これはあくまで研究ですね。こういうものに一体いまの三億のうちからどの程度出せる余裕といいますか、ワクといいましょうか、そういうものがございますか。
○赤澤政府委員 先ほど工業技術院から答弁いたしました三億円、四十六年度の一億円と申しますのは、大型技術研究補助金でございまして、これは一つのプロジェクトとして工業技術院が中心になって研究開発を進めておるものに充当される予算でございます。ただいまお話しのようなことでございますと、これも工業技術院の担当になりますが、その技術が非常に重要であり、新規のものであるという限りにおきましては、あるいはもうすでに私どものほうの工業技術院が主管しております鉱工業技術研究費補助金の対象になっておるか、あるいは、なっていなくてもこれから先の研究費が対象になる、こういうことであろうと思います。
○加藤(清)委員 それじゃ、いまの工業技術院の三億の対象の内訳を示してください。
○長沢説明員 現在直接脱硫につきましては、四十二年から始めたわけでございますが、いままで総額で約十一億くらい使っておるわけであります。四十五年度が約三億ということでございますが、三億の中身といたしましては、現在日本石油の根岸の研究所の中で五百バレル・パーデーのテストプラント、流動床法による新しく開発した技術でございますが、プラントをつくって運転中でございます。これの経費でございます。
○加藤(清)委員 それだけですか。日本石油のそれだけに三億を使うのですか。
○長沢説明員 さようでございます。
○加藤(清)委員 これはひとつ工業技術院さん、よく研究していただきたいと思うのです。あなたのほうと、直接指導を受けてやってるところへは、補助金が出るけれども、そうでないところへは、同じ仕事に研究費を使っていても出ないとなると、これはおかしいのです。なぜかならば、きょうこのごろでは、国立大学への補助金とか費用のみならず、私立大学までも事研究となると出るようになっておるのです。いま、おっしゃった日本石油というのは、これは国立じゃありませんね。ですから、それだけ特別に恩典を与える、他のほうは同じことをやっておっても恩典が与えられないということになると、これは不公平じゃございませんか。そう思いませんか。どうですか。
○長沢説明員 私どもがやっております直接脱硫三億と申し上げましたのは、大型工業技術開発制度、大型プロジェクトという制度で開発しております。これは元来国が開発すべき技術であって、要するに社会的な、経済的な要請が非常に強いような技術を選びまして国が開発するわけでございますが、先ほど日本石油と申しましたけれども、これは東京工業試験所と日本石油等で共同開発しておるわけでございます。かつ、大型プロジェクトというのは民間企業に委託するわけでございますが、研究成果は国に属するということになっております。 また、たまたま他のプロジェクトには補助等はしないのかという御質問でございますけれども、重要技術研究開発費補助金等で従来からも脱硫技術におきまして数件の補助をいたしております。したがいまして、特に大型プロジェクトのものだけを取り上げているということではございません。
○加藤(清)委員 目的が同じであり、企業としての資格が同じであれば、格差はつけないほうがいいと思います。格差をつけると、なぜそこだけ特にひいきにされたんだろうかという疑問を生みますし、そこにまた研究所と企業との癒着を疑われる結果に相なっては、思わざるところでしょう。だから、そういうことのないように、目的が、あなたのおっしゃった社会的目的であるとか、あるいは「生活環境の保全」、「危害の防止」と、本法の目的に合致する場合は、平等に扱われたほうがいいと思います。これについて赤澤局長の御答弁をいただきたい。
○赤澤政府委員 先生のおっしゃる意味は、まことにそのとおりだと思います。ただ、工業技術院の答弁いたしましたことにつきまして、あるいは誤解があるといけませんので一言申し添えさせていただきますが、工業技術院の行なっております大型プロジェクトと申しますのは、本来、国がみずからの試験所で行なうべき性質のものをやっておるということでありまして、いまの各種の大型プロジェクトにおきましても、工業技術院の各種の試験所がみずからイニシアチブをとってこれを行なう、ただ自分が行なうだけということでは、技術力におきましても、技術者の数におきましても不足をいたしますので、一部そういったものにつきまして、民間の協力も得ながらやるというものでございます。そういう意味から、従来から同じそういった技術につきまして関心が深く、研究も進めておる会社、こういったものの参加を求めておる、こういうことでございまして、その点ひとつ誤解のないように御了承いただきたいと思います。
○加藤(清)委員 私は、決して誤解をいたしておりません。私は、質問に立つ以上は、あれこれ頭は悪いながら勉強してかかるつもりでございまして、決して誤解はいたしておりません。 急げ急げの理事さんの注文でございまするので、本日はこの程度で結論にしたいと思います。いずれこれは、きょうは緒論でございまするので、一般質問のおりにもつと詳細突っ込んだ質問をいたしまするが、それまでにきょう私がお願いしましたデータをひとつぜひ御提出願いたいと存じます。 それから、きょうは自動車の燃料関係、排気ガスの浄化装置の関係、電気自動車の新規エンジンの関係、引き続いて直脱と間脱の関係について承ったわけでございますが、この際申し上げておきます。研究費の補助は、大いにやるべきであると存じます。同時にまた、サル抜きはもう国家の目的と同時に社会的目的でございまするので、サルを抜くための補助金として、関税の戻し税、これが二つつくことになりましたね。これはそう言ってはなんですが、与党も野党も一緒になって公害委員会で提案をして答弁をいただいて、それが今度実行に移った問題でございます。これはぜひひとつ、あの戻し税がほんとうにサル抜きに使われるように、サル抜きの効果があがるように、機械の面からも促進方をお願いし、同時にその指導よろしきを得ていただきたいと思います。 ただ、ここで考えておかなければならぬことは、日本の公害については世界がながめております。世界の公害会議に私ついこの間出てまいりました。企業が当然行なわなければならない公害除去設備、これが、諸外国と方法が変わりますと逆にペナルティを要求される結果を招来するわけでございます。これは一般質問のときにやります。したがって、企業の設備に対しての補助金とかあるいは特別融資措置とかは検討の余地がありまするが、事、研究開発に関する限りは、これはどんなことをやられても世界じゅう大手を振って歩けますし、世界じゅうがそのことを要求していることです。特にハイサルを義務づけられて買わなければならない日本としては当然のことでございまするので、ひとつ重工業局におかれましても、サル抜きの問題、自動車の排気ガス等々の問題については、一段の御努力を願いたい。この法律が通ったからといって、それで事が足りるものではございません。指導力の発揮を要請しまして、本日のところはこれでおしまいにします。
○八田委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 各委員からいろいろな角度から質問が出たわけでございます。できるだけ重ならないように質問をしたいと思っております。 まず、初めにお聞きしたいのは合理化カルテルの問題でございますが、物価政策におきましては、競争条件の整備ということは一つの大きな柱になっておるわけでございますが、本法案のカルテルの規定というものはこれに逆行しないかどうかということでございます。これについて。
○赤澤政府委員 本法案に基づきますカルテルは、いわゆる合理化カルテルということでございまして、たとえば価格でありますとか生産数量といったような、物の直接的制限を行なうものではございません。したがいまして、考え方といたしましては、企業の合理化を促進をいたしましてコストの引き下げを行なうということをねらっておるわけでございます。また法文上もそういった点を十分配慮するということでございまして、第七条「共同行為の内容」のところに記載してございますように、「一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。」こういうことで、こういったようなものに適合するものでなければ、私どもが考えております合理化カルテルにおきましてもこれを指示をしない、こういうたてまえになっておる次第でございます。
○近江委員 いま御説明があったわけですが、この競争条件の設備の中身についてもう少しお聞きしたいと思うのですが、経企庁では、その一つとして各種カルテルの整理ということを打ち出しておるわけでありますが、本法案におきましては、整理するどころか、政府がカルテルを指示することにしておる、こういうことでございます。非常に不統一ではないか、このように思うのですが、この点についてはどうですか。
○赤澤政府委員 カルテルにもいろんな種類がありまして、いま企画庁等で、物価の観点から特に整理をしていきたい、こういうような考え方のもとに検討いたしておりますのが、主として不況カカルテルでございますとかそういったもので、一度実施をしたけれどもいつまでもそれが残っておる、そういうことのために価格、数量等の制限が行なわれまして物価にも悪影響があるというようなものを積極的に処理をしていきたい、こういう方針のように聞いております。 この法案でねらっておりますこの指示カルテルでございますが、第三条に定められておりますような構造の高度化をまず計画として定め、そういったものにつきまして、規格の制限、技術の制限というようなことを手始めに共同行為をしていくわけであります。このねらいはあくまで、共同行為をすることによりまして当該企業の体制が整備をされる、そして技術開発力をつけていくということでございまするので、私どもといたしましても、公取とも十分事前に協議をいたしまして、ただいま申し上げましたように、一般消費者あるいは関連事業者の利益を不当に害さないことはもちろん、いまお話のありましたような物価の関係の観点からも、こういった点が悪影響のないというふうに十分慎重に運用をしてまいりたい、かように考えております。
○近江委員 この本法案による合理化カルテルをしなければ国民経済上どのような不利益をもたらすのか、短期的、長期的にどうであるかということを、具体的にわかりやすくひとつお聞きしたいと思います。
○赤澤政府委員 具体的にというお話でございますので、なかなか御答弁がむずかしいわけでございまするが、事実問題といたしまして、現在の機振法でやっておりますカルテル、一、二の例を申し上げると、よりよく御理解いただけるかと思います。 この規格の制限のカルテルで申しますと、これは非常に中小企業性の強い、いわば中小企業者がたくさんおりますような業種分野が特に必要でございまして、ここではいわゆる部品と申しますか、機械の一部を構成するようなモジュールと申しますか、そういうものをつくっておるわけでございますが、購入者であるいわば中堅以上の大企業、こういったところの注文に応じまして、きわめて少量で多品種のものがつくられておる、こういった結果なかなかコストの引き下げをはかり、生産の合理化をすることが困難であるというような事情にあるものがございます。こういった場合に、注文は注文といたしましても、まず規格というものを、そういったようなメーカー間できめていく。こういったものをぜひひとつお使いくださいということで、多数の規格のものをある程度しぼってまいる。そういうことによって、いわば多品種、少量生産から、ある程度の適正規模の生産へ、こういう過程が行なわれるわけであります。そういったことが、従来とも運用してまいりました指示カルテルの内容でございまして、今後とも、そういったようなたてまえでこれを実施していくことによりまして、当該中小企業群が全体として強化をされ、生産が合理化されますと、コストも下がる。そういうことが、機械業全体にとりまして国際競争力を強化していく非常に重要な基盤ができていくということになる、かようなことで、私ども、共同行為につきましては、今後も十分そういったたてまえで運用してまいりたいと考えております。
○近江委員 メリットばかりをずっとおっしゃったわけですが、この合理化カルテルの実施が卸売り物価にどういう影響を及ぼすか、これもひとつ短期的、長期的に御説明願いたいと思うのです。
○赤澤政府委員 ここにございますカルテルの目的は、高度化計画に定める合理化の目標を達成する、そのために特に必要があるという観点でございまして、この高度化計画自身は、それじゃどういうことであるのかということになってまいりますと、これは第三条にいろいろなことが記載をされております。 この合理化計画の中で、私どもが特に目標として掲げたいと思っておりますのは、その機種の性能、品質、それから生産費その他合理化の目標ということでありまして、一種の生産費、コストと申しますか、そういったものの引き下げを一つの目標として掲げるということを考えております。 こういったことから私どもは、先ほどの例で申し上げましたように、多品種少量生産から適正規模の生産へということによってコストを引き下げるということになるわけでございますが、それが直ちに卸売り物価というものにそのまま反映するかどうか、この点は必ずしも直接的ではないと思います。ただ、卸売り物価というものを考えます際に、その販売価格の基礎をなす生産費、コストというものがこの目標に向かって下がっていくということであれば当然これは卸売り物価、要するに販売価格の面にも引き下げ要因として考え得るものである、こういうふうに考えますので、私どもは、概括的ではございますけれども、やはりもとになる生産費を引き下げる、それによって卸売り物価にも好影響を与えるであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 私はなぜこれを聞くかといいますと、過去のそうしたカルテルの状態を見ましても、やはり下がるべきものが下がらないというような、そういう傾向が非常に多いわけですよ。ですから私はその点から心配しているわけです。いい面も確かに認めるわけですよ。だけれども、かえって逆にそれが価格の硬直化というようなことで、下がるべきもの自体も下がらない、そういう心配は全然ありませんか。
○赤澤政府委員 この法案で考えております共同行為、カルテルの内容は、ここの法案にも書いてございますように、規格の制限、技術の制限、あるいはまた要件は非常にきびしくしてございますが、品種の制限、部品、または原材料の購入方法、生産施設の利用ということに限られております。お話のような、いわゆる生産数量の制限をする、あるいは生産価格についての協定をする、こういったことはできないことになっております。そういったことから、あくまで企業、あるいは企業群と申しますか、その業種の全体の構造の高度化体制の整備ということがねらいでございまして、その共同行為によって、もしかりにもいま先生がお話のように、生産数量を制限をいたしまして、価格をつり上げるとか、あるいはまた価格そのものを何らかの協定をするということがあれば、これは明らかにこの法律を逸脱する行為であり、直接的に独禁法違反である、こういうことでございますので、私どもそういったことになることは万々ないと思いますが、カルテルの指示その運用等につきましては、十分そういった点も厳重に配慮をして運用してまいりたいと思います。
○近江委員 それで勧告規定の十三条についてお聞きしたいと思いますが、外資の特許独占に対して具体的にどういうような勧告を出すのかということであります。この場合の勧告はどの程度の強制力を持つか。強い排他的独占権である特許権に対して強制力を持つことはできないのではないかという心配なんです。それが一つ。もう一つは、外資の特許独占に対する特許法第九十三条の適用の基本方針。また、どのような事態になったときに九十三条を適用できるのか。その具体的事例というものを想定しておられるのかどうか。この二点についてお聞きしたいと思います。
○赤澤政府委員 まず前段の御質問からお答えを申し上げます。十三条の規定は、外資というふうにまともには規定をされておりませんが、あるいは外資の場合かこういったことに該当する例も出てくるかと思います。この十三条の勧告規定につきましては、いわば当該事業の関係業者が、「共同化」、あるいは「生産すべき品質の専門化」、「事業共同化等」、こういっておりますが、こういったことを実施している場合、いわば業界自身が一つの高度化計画に沿った自助努力といいますか、みずからがそういう努力をしておるといったような事態の場合に、新規のニューカマーあるいはアウトサイダー、こういったものが大規模な事業を開始したり拡大したりする、こういった事態が起こったことを前提として予想いたしております。こういったような場合、せっかく高度化計画に従いまして業界が努力しておるということが根っこからくずれてしまう、これでは何のために努力したかわからないというようなことになりますので、通産大臣が必要な勧告をするということにいたしておるのでございます。 ただ、この勧告の効果ということになってまいりますと、けさほども他の委員の方の御質問にお答えをいたしましたように、むしろ勧告ではなくて、中止命令を出す、あるいは計画の変更命令を出すというような、命令形態まで進むべきではないかというような議論も私ども内部において検討したわけでございますが、この点は、やはり営業の自由というような基本的な権利の問題とも関連しておりますし、そこまでいかなくても、この勧告ということによりましてある程度の効果を確保し得るのではなかろうか。 と申しますのは、この勧告をいたしますに際しましては、十五条の規定によって審議会にもはかりますし、審議会を構成しておるたくさんの産業界あるいは学識経験のある方々の御意見も当然そこで反映をされてまいります。また当然、こういったような、いわば一つの業界に対する擾乱行為というと語弊がございますが、やはり高度化計画阻害行為が行なわれるということになりますので、当刻業界はもとより国民経済全般にとっても大きな問題になってまいります。そういったことから、いわば経済上のモラルといいますか、国民的な批判というものが出てくるのではないだろうか。そういったことを背景にいたしまして勧告をするということで、私どもとしては、相当程度これは効果があるのではないかと思っております。 なお、近江委員御指摘のように、外資が特許権等をもって入ってきた、特に独占的な特許権をもって参入をしてくるというような場合も考えられますが、こういった場合には、やはりまず第一義的には、外資法ということである程度これは防げますし、また特許自身の問題でございますと、御質問の第二点でございますが、これは特許法の九十三条をある程度活用するということでも防ぎ得るのではないかというふうに、私ども考えておるわけでございます。 第三点の、特許法九十三条の運用につきましての具体的な考え方、内容等につきましては、特許庁長官からお答えをいたします。
○佐々木(学)政府委員 御承知のように特許法は、発明の内容を開示することを、代償といたしまして、発明者に一定期間独占権を与えることをその目的とするものでございます。それによりまして、発明者には発明に投じた資本の回収の可能性を確保する、それによって発明者に研究のインセンティブを与える。と同時に、その内容を一般に開示することによりまして、第三者がそれをもとにさらに発明研究を進めていく、そういう刺激的な要素をねらっておるわけでございます。したがいまして、こういう特許権に制限を加えることは、勢い慎重に運用しなければならないと思うのでございますが、しかし、公共の利益あるいは産業政策な見地から、ある程度特許権に制限を加えることは、特許法自体で認めておるわけでございます。 たとえば特許法三十二条の不特許事由と申しまして、飲食物、あるいは医療とか、あるいは原子力の作用によって生産される物資であるとか、そういったようなものは特許をしない。あるいは八十三条と申しますか、特許権を実施してない場合に強制実施権を設定する。あるいは九十二条の改良発明といったようなものがございます。御指摘の九十三条は、このような制限の中で農もきつい制限でございます。したがいまして、法律の条文におきましても、当刻特許発明を実施することが公益上特に必要がある場合に云々と、こういう条文になっておるわけでございます。したがいまして、公益上特に必要がある場合というのはどういう場合かということが問題になるのでございますが、国民の生命財産の保全であるとか、あるいは公共施設の建設、こういった国民生活に直接影響を及ぼすような場合がこの九十三条に含まれるということは、学説上異論のないところでございますけれども、経済政策的な観点、特に産業政策的な観点から、特許独占の弊害がある場合にこの九十三条が適用できるかどうかということにつきましては、現在そういう九十三条を適用した例が世界じゅうに一件もないということで、いろいろ論議の生ずるところでございます。しかし、昭和四十二年に外資審議会の専門部会で、外資の自由化に伴う問題点の一つといたしましてこの九十三条が議論されまして、そのときの結論を申し上げますと、特許独占によって業界にある程度混乱が生じたという程度では九十三条の発動は無理であろう、業界の混乱を生じて、その結果多数の倒産あるいは失業、そういったような場合には九十三条も適用することもあり得るといったような結論でございます。 たいへん抽象的でございますが、特許庁の現在の考え方といたしましては、産業の国民生活に及ぼす影響の重大性から見まして、産業政策上の問題でありましても、結果的に国民生活に重大な影響を及ぼす場合には九十三条の適用ということも考えてもよろしいのではないか、というふうに考えております。 具体的といいますか、一般的な例といたしましては、当該特許発明が実施されない、そのために業界に多数の失業者が生ずるような場合、あるいは失業者は生じなくても、当該特許発明が実施さえすれば利用できたであろうところの巨大な設備投資がむだになるような場合、あるいは当該特許発明を産業的に実施できないために技術進歩ができないといったような場合が、一応想定されるわけでございます。もちろんこの場合におきましても、代替技術があるかないか、あるいはいわゆる改良発明でいけないか——改良発明と申しますのは、すでに開示されておりますところの他人の特許発明を利用いたしまして、それを一段と利用したような発明、それでやっていけないかどうか。あるいは実施請求者が実施した場合に、その実施態様がどうであろうか。あるいは、もし実施されない場合に一体当該産業の現在及び将来がどういうことになるであろうか。あるいは当該産業の国民経済上における地位はどうであろうか。そういったような総合的な観点からひとつ検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○近江委員 この点はひとつ、通産省と特許庁でもう少しよく煮詰めてもらいたいと思うのですよ。 それから、特許権やノーハウを利用して、外資が不公正取引に該当するような技術提携契約を迫ることが考えられるわけですが、これは資本自由化業種の場合では外資法によるチェックできないわけですが、通産省や公正取引委員会の監視体制はどうなっているかという問題なんです。これについて局長からお伺いしたいと思います。長官でもけっこうです。
○佐々木(学)政府委員 国際契約につきましては、独占禁止法の第何条でございましたか、はっきり条文を覚えておりませんけれども、規定がございまして、すべて公正取引委員会に事前に届け出がございまして、そして公正取引委員会が、いわゆる特許権の正当な権利行使の範囲外かどうか、つまり不公正な取引制限であるとか、不当取引制限であるとか、不公正な競争制限であるとか、そういう場合に該当するかどうかを事前にチェックする、こういうたてまえになっております。
○赤澤政府委員 特許関係につきましては、ただいま特許庁長官のお話しのとおりでございます。私どもは、一応個別審査になっておるものにつきましては、審査の段階で十分審査をいたしますが、個別審査のないものについては、いわゆる自由化されている業種、これにつきましては、必ずしも法的に審査をするチャンスがございません。しかし、実際問題といたしまして、こういった事案につきましては、工業界を通じ、あるいは他の競争業者を通しまして、私どものところにいろいろな角度から情報もありますし、事案の内容等も事前にわかる場合が相当ございます。こういったことから、特に中小企業性の高いような業種につきましては、私どもといたしまして、事前にそういうものを知る限りにおいて、そういったものが、独禁法には触れないがただ全体の業界の体制整備には支障があるといったような場合には、できる限り事前に行政指導を行ないまして、そういった混乱がないように極力つとめてまいる所存でございます。
○近江委員 この電子工業、それから機械工業の労働力の確保の問題ですが、この法案によりますと、省力化機械の開発等を非常にうたっておるわけですが、その他の対策として一体どういうことを考えておるかということなんです。第二次産業から労働人口が第三次産業などに流出する傾向というものが非常に著しいわけですが、労働力の適正配置のために何らかの措置をとらなければならぬわけでございますけれども、これに対して政府としてはどのように考えておりますか。
○赤澤政府委員 機械工業、機械産業と申しますのは、ある意味では労働力を比較的多数使っておる分野の産業でございます。雇用者の伸び率にいたしましても、全製造業平均よりも高い伸び率でございますし、特に機械工業の中でも軽機械類あるいは民生機械類、こういったものには多数の若年労働者も使用されております。そういう意味で、機械工業そのものが、ある意味では、労働力を使う非常に重要な、また高い労働力の伸びを必要とする産業である、こういうふうに申してもよろしいかと思います。そういった意味合いから申しますと、どうしても、今後の労働力不足、特に若年労働者の不足に対処いたしまして、機械業界自身が労働力をセーブするような各種の方策を講じていく必要があると考えます。同時にまた反面、機械工業といたしましては、ここにもございますように、何も自分自身の業界のみならず、全産業を通じまして、省力化のために必要な機械あるいはシステムの供給をするという責任のある業界でもあるわけであります。こういった両面の性格を機械工業としては持っておりまするので、私どもの考えといたしまして、は、この点につきまして、いろんな角度から検討を加えていく必要があろうと思います。産構審の部会におきましても、この問題につきましていろんな討議が行なわれまして、たとえばイギリスの雇用税でありますとか、あるいは法律でなんらか雇用について特定の業界に対する促進方をきめることはできないかとか、いろんな問題がいわれております。こういったような対策は、もちろん労働省が中心になって行なわれていくものと思いますが、私どもとしても、十分今後の機械産業の実態に即応しながら検討を続けてまいりたいと思います。反面また、労働力をセーブするための機械の供給者としての機械工業ということは、機械工業としてはさらに重要な問題でございますので、この法案におきましても、そういったことを十分念頭に置きまして業種の指定、高度化計画の策定に当たってまいりまして、今後の施策を進めてまいりたいと考えております。
○近江委員 この法律が臨時措置法であるといいながら、いままで十五年あるいは十四年、このように存続してきておるわけですが、この法案の有効期間が七年ということでございますけれども、この中で完全に目的を達成できるかどうかという問題でありますが、その点の確信のほどをひとつお聞きしたいと思います。
○赤澤政府委員 本法案は七年間の時限立法でございます。したがいまして、私ども、高度化計画の策定におきましても、一応七年ということをめどにいたしまして、いろんな計画を立て、ガイドポストをつくり、そして業界の指導もし、また私ども自身がやるべき国としての役割りを果たしていきたい、こう考えております。ただ何ぶんにも機械工業を取り巻く内外の情勢から申しますと、特に電子工業におきましては、先生も御存じのように、非常に技術革新のテンポの激しい分野でもございますので、こういった情勢も織り込みながら、私といたしましては、この七年間の時限立法期間中に、この法案の目的といたしておりますところが完全にできますように、あらゆる面を通じて必死の努力をいたしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 この法案は非常に自主技術の開発の促進に力を入れていらっしゃる、このように私は見ておるわけですが、いままで確かに導入技術というものはあまりにも大き過ぎた。ちなみに見てまいりますと、一九六七年でわが国の技術導入額が八百五十九億三千万、また技術輸出額は九十三億六千万というように、ちょっと年度は古いですがこういうような状態でほとんど導入技術をやっておる、こういうようになっております。あるいは、この技術開発に力を入れるといっても、いままでの状態を見ても、各国をずっと見ましても、国民総生産に対する研究費総額を見ましても日本の場合は一・五、フランスが二・三、西ドイツが一・八、イタリアが〇・七、イギリスが二・三、アメリカが三・一、こういうようなことにもなっております。そういったようなことで、実際に、自主技術の開発なりあるいは研究の促進、このように力を入れるといっても、国際化社会の中ではたしてどれだけそれが充実した対策がとっていけるか。その点が非常に疑問であり、心配の点であります。 そこで、これからの機械工業あるいは電子工業の振興発展を考えていきますと、この技術開発の資金助成対策を大幅に強化する必要があるのじゃないか、このように私は思うわけです。これに対して政府としてはどう考えておるか。特に、大企業系列下の中堅中小企業とともに、独立の専門的中小企業向けの助成についても格段の配慮をしなければならぬじゃないか、このように思うわけですが、これに対する対策はどうなっておりますか。
○赤澤政府委員 ただいま御指摘の点は、今後の機械工業政策にとってきわめて重要なポイントであると思います。私どもで調べてみました限りにおきましても、この甲種の技術援助契約、これの認可件数が全生産でもって約七千件ございますが、これは昭和二十四年から四十四年までの合計でございますが、そのうちで機械関係が約三千八百五十三件ということで、一番大きな分野を占めております。非常に機械関係、電子関係はすそ野の広い分野を持っておりまするので、機種あるいは技術等も多種多様でございまして、こういった面からも技術導入が非常に多いということはいえると思います。 しかし、最近の傾向を見てまいりますと、この日本の機械工業、電子工業も相当成長してまいりまして、どちらかというと、自分が発明くふうをし、また改良を加えた技術であるものをクロスライセンスとして向こうから入れるというような形のもの。それから、自分で技術開発をしたけれども、すでに先願の特許が外国にありまして、そういったものと抵触するおそれがありますので、営業上の理由から導入するといったようなものも相当程度ふえてきております。こういったことからも、私ども、技術開発が漸次緒につくと申しますか、自主技術の開発が実を結んできつつあるというふうに了解をいたしております。 ただいまお話しの独立専門企業に対する技術開発の助成の問題であります。これはもうかねがね私ども、特に中堅企業あるいは中小企業の一部におきましても、何とか独立専門企業としてこれが育成をしていかなければならない、いつまでも親企業にぶら下がった系列下請としてだけ育っていくというのでは心もとないということから、特に自動車部品業界等におきましてはその傾向が顕著でございまするし、私どももそういう方向で指導しておりますが、独立の専門企業として育っていって、そしてトヨタにも日産にもいろいろな会社にその製品を納めるというような企業が漸次広まってきつつあります。こういったような独立専門企業というものが育ちますにつきましては、何と申しましても技術が中心でございまして、その会社の技術によって発明、製造された新しい製品というものを持つことが、独立専門企業への何と申しましても最大の早道と申しますか、要諦でございます。 こういったことから、私ども従来から、工業技術院にございます鉱工業技術研究の補助金でございますとか、あるいはこれは一般会計予算には載っておりませんが、機械振興協会の技術研究所、こういったところを通じまして、特に中堅層の独立専門企業への技術育成ということに努力をしてまいっておる次第でございます。今後この法案が施行されるにあたりまして、いまお示しの点が、やはり何と申しましても今後の重点課題と考えておりますので、いまのような各種の方途を駆使いたしまして、今後とも鋭意努力を続けてまいる所存でございます。
○近江委員 この機械工業の将来、あるいはまた現時点の把握、そしてそれにいかに対処していくか。いろいろお考えになっていらっしゃると思うのですが、私は昨年海外に行きましたときに、ちょうどニューヨークでトフラー教授、これは未来学者ですが、この人に会ったときに、こういう話をしておりました。それは、これからの社会というのは非常に加速度的に変わってくる、その変化のペースということが非常に大きな問題なんだ。その要因として一つは加速度を言っておりました。もう一つは多種多様化ということを言っておりました。もう一つは、そういうことをベースにして起きてくる新奇性の処理ということを言っておりました。私は確かに、非常によく的確に見ているなと感じたわけですが、この電子工業なり機械の将来についてどういう見方をしておるか、またそれに対してどういうビジョンを持っているのかということなんです。この辺がぼやけておりますと、やることがピントが合わぬことになってくる。その点どのようにお考えでございますか。これは時間をかければ、これだけで非常に長い時間になると思うけれども、要点的にひとつお聞かせ願いたいと思います。
○赤澤政府委員 機械工業あるいは電子工業の未来図ということでございますが、私は、昨年七月まで約八カ月余り審議が続行されました産業構造審議会の重工業部会、さらにその中に技術専門委員会というのがございまして、いまお話しのような未来学者とまでは申しませんが、シンクタンクの系統の方々、そういったような技術専門の方々の専門委員会も実は数回にわたって行なわれておりまして、それに参加された方々からのリポートも出ております。こういったものをずっと拝聴もし拝見もしてまいりましたが、いろんなことを実は考えさせられておるのでございます。 何と申しましても機械工業、電子工業を通じまして、これから先の日本の産業構造というものが、この電子、機械の面に大きく傾斜をしていかざるを得ない。言ってみれば、一つには、資源を加工するというような形の産業から、技術を中心にした産業、あるいは頭脳集約的な産業という面に飛躍をしていかなければいけない、こういう意識が非常に皆さんの頭にあり、かつ、そういった産業構造なり社会の構造に持っていくためには、機械工業、電子工業というものが一体となって当たっていかなければいけない、こういうのが一つの大きな流れであるように思います。 かたがた、ただいま先生も多様化ということを申されましたが、確かに機械、電子に対する社会的、経済的なニーズは非常な速度で多様化をしてきております。たとえば従来思いもよらなかったような、教育の面にもテレビが使われ、あるいはティーチングマシンが使われ、あるいはコンピューターが使われる、こういうふうになってまいりますと、勢いいろんな角度から多様的、複合的なニーズが出てまいります。こういったものに対応して機械工業、電子工業が育っていかなければ役に立ちません。 こういった意味から、私どもこの法案の提案理由にも御説明申し上げましたように、俗なことばでいえば機電一体ということでございましょうが、実際は機電一体化をはかるためのシステムエンジニアリング、こういったものの今後の振興育成、さらにコンピューターを駆使いたしますためのソフトウエアの振興、またそのための人材の養成、こういったことが、法案にはその具体的な面が盛られておりませんが、私どもとしては、この法案を円滑に実施し、その目的を達成するために非常に大きな分野であろうと思っております。 こういったような、これから先、ある意味では非常に明るいと申しますか、またある意味では、その目的に行きますまでのなかなか苦難に満ちた前途であろうと思いますが、そういったような社会、経済の変化に即応した機械工業、その機械工業を達成するための一つの手段としてのこの法案の実施ということを心に描いておるわけでございます。
○近江委員 それで、この機械工業あるいは電子工業における六〇年代あるいは七〇年代の差異、特にきわ立たせる要因として、どういうものを考えておりますか。抽象的ですけれども……。
○赤澤政府委員 これはいま申し上げましたような点、つまり機械、電子工業に対するニーズの複雑多様化といったもののほかに、なお考えられますことは、やはり人間生活というものをよりょくしていくために、またこれは実際の要請でもありますが、人力というものを単純労働から解放していくという形のもの、これを含めて省力化と申していいと思います。たとえば無人倉庫というものが現にもう具体的にシステム化されつつございますけれども、将来やはり理想としては無人工場ではあるまいかということが、先ほど申し上げました産業構造審議会の重工業部会の技術専門委員会等でも強く議論されております。こういったような、人間をある意味で単純労働から解放するために必要な機械システムというものがやはり一つの方向であろうと思いますし、それからもう一つは、情報化という問題に対処する機械、電子工業の動きであろうと思います。こういったような、いわばニーズの複雑多様化、また人間生活を単純労働から解放していきますための情報化あるいは省力化、こういったことが機械としての今後の目標でもありますし、また機械産業をそういう方向に持っていく社会、経済からくる強いインパクトである、こういうふうに考えております。
○近江委員 職場としては生きがいのある職場と言うことが、非常に大事な問題ではないか。それがイコール省力化で結びつくかどうかということなんですね。その辺はどのようにお考えなんですか。
○赤澤政府委員 生きがいのある職場、あるいは生きがいのある生活ということがいわれておりますが、一つの意味では、機械の安全の問題があろうと思います。従来ともすれば、機械工場におきましていろいろな事故がございまして、ベルトコンベアに巻き込まれるとか、あるいは鍛造機械にはさまれるとか、いろいろな事故がございます。そういったような事故の絶滅といいますか、そういった観点からする安全問題つまり安全機械、機械というものはすべて安全でなければいけない、こういう方向が機械として今後考えなければならない一つの重大な要素であると思います。 それから御質問のいまの省力化の問題でございますが、これはただ、人手が足りなくなるであろうから省力化をするという消極的な意味だけではなくて、むしろ私どもとしては、単純な労働、いわば人間の創意くふう、知的活動を伴わないような労働からできるだけ人間を解放する、そういった意味での省力化、ロボットを使うというようなことも実はそういった意味があろうかと思いますが、そういったような、むしろ積極的な意味を持った省力機械の開発ということは、いま御指摘のような、いわゆる生きがいのある職場、生きがいのある工場というものにつながってくる重要な要素ではないかと考えております。
○近江委員 今後の方向としてシステムエンジニアリングということが大きな方向になってくると思うのですけれども、日本人の考え方としては、一人一人は非常に優秀だと思うのです。だけれども、外国と比べますと、システムという点等については、特にアメリカなどはその辺が非常にスムーズというか、うまくやっている。その辺の一人一人の人間、またチームとしてのそうした評価、いろいろなことがあるわけですが、その辺も、私はこの法案に基づいてやっていく上において一つの問題点になるんじゃないか。その点、これは教育の問題にも結びついてくるわけでありますけれども一今後、それが教育の面、あるいは実際のそういう仕事の面等に、どういうようにアプローチしていくかということなんですが、それについてはどういうようにお考えでございますか。
○赤澤政府委員 システムエンジニアリングの問題は、実は非常にむずかしい問題でございまして、今後いろんなシステムを組み立てていくという場合には、一つだけの学問あるいは技術、これではなかなかシステムが組み上げられません。したがって、これはどうもいい訳語がありませんので恐縮でございますけれども、インターディシプリナリーといっておるような、インターディシプリナリー・テクニックあるいはテクノロジー、こういったようないわゆる科学技術と申しますか、学問と申しますか、そういった分野がやはり今後もっともっと発達をしていかなければいけないのだろうと思います。この面につきましては、アメリカ等はやはり日本に比べますと一段と進んでおるようでありまして、日本としてもこれからそういったような面での科学技術を振興する、そのために必要な学問、教育の学科を設け学生を養成をしていく、こういったことがやはり非常に大事であろうと思います。 また、こういったようなこととあわせまして、各社各様の技術者、科学者、専門家が一つのチームをつくってこれに当たっていくということになってまいるわけでありますが、そういった場合におきましては、やはり今後非常に高級なことをしていくといたしますと、どうしてもコンピューターを使って作業を進めるということになってまいりまするので、コンピューターを十全に駆使し得るようなそういったソフトウエア、こういったものがやはり開発されてまいりませんと、具体的には、システムデザインでありますとか、あるいはシステムテクノロジーになかなか乗ってこない、こういったような面もあろうと思います。今後ますますコンピューターの発達、それに伴うソフトウエアの振興、こういったこととあわせまして、いま申し上げましたような分野で努力をしてまいりたいと思います。現に昨年の法案、ソフトウエアの振興のための法案の際にも申し上げましたように、私どもとしては文部省とも非常によく連絡をとりまして、文部当局の御協力も得て、各専門学校、大学、高校等に、コンピューター関係、ソフトウエアの関係の学科もふやしていただいております。そういったようなことも踏まえながら、今後、いま申し上げましたような、システムエンジニアリング・パワーの養成ということに努力をしてまいる必要が非常にあるということを痛感をいたしております。
○近江委員 それでは、もう時間もありませんので、あと一つだけで終わりたいと思います。 電子工業あるいは機械工業のこれからの生産あるいは輸出の見通しについてですが、ずっと先のことまで聞いてもなんですので、昭和五十年あるいは六十年くらいにはどうなるか。それくらいまでの見通し、その点を簡潔に御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○赤澤政府委員 いま御質問の点は、昨年、経済企画庁でつくり上げました経済社会発展計画を策定をいたしますに際しまして、その作業の一環といたしまして、私どももいろんな角度から検討をし、見通しをつけたものでございます。 生産の面でございますが、昭和四十三年度をベースにいたしまして五十年度までを見通してまいりますと、国民総生産の伸びを上回る年平均約一五・五%程度の成長をいたし、五十年度には四十三兆円、四十三年度の大体二・七倍くらいの規模になるのではないかと思われます。また輸出の面でございますが、これも一般の全輸出の伸びよりも高い年平均一八・六%の伸びを続けるといたしまして、五十年度には約二百億ドルということになり、新経済社会発展計画の全輸出額三百七十四億ドルの過半に達する、こういうふうに想定をいたしております。 この想定につきましては、もちろん手法等におきましていろいろ問題もございますので、必ずしも問題なしとはいたしませんが、私どもとしては、まずいまの見通し、また半面、この程度の生産、輸出を持った日本が機械産業国になりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 もうこれで終わりますが、いままで日本経済の歩みを見ますと、あれだけ大きなひずみが起きておるわけです。公害にしろ、交通事故にしろ、これらの問題が起きておる。したがって、非常に希望的なそういう見通しのお話があったわけでございますが、いままでと同じようなひずみを残した上での見通しであれば何にもならないわけです。ですから、本法案においても、公害あるいは危険防除、そういうことについても大きく今後は力を入れていくということもうたわれておりますし、そういうひずみをなくした上での見通しでやってもらいたい。この点を特に政府としては意を用いて今後の行政をやっていただきたい、このことを特に要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○八田委員長 米原昶君。
○米原委員 この法案の提案理由説明によりますと、公害問題安全問題などの新たな社会的要請にこたえるためというのが一つの大きな理由となっております。先ほど加藤委員からも御指摘がありましたが、公害問題、安全問題などのそういう要請にこたえるということは、何人もこれは反対できないことだと思うのです。しかし、実際に公害の問題一つを解決するにしましても、相当の計画とそれを実施する強力な施策が実行されなければ、公害法が幾ら新しいのができましても、それだけでは解決しないわけであります。真に時代の要請にこたえる公害や安全問題に対する技術の開発、向上は、単に特定の業界に融資したり税金を安くするだけでは解決しない問題だと思うのであります。いまも近江委員から質問がありましたが、どうしても、こういう技術的な問題を解決するためには、基礎的な研究や、あるいはその分野独自の突っ込んだ研究が根底になければなりません。その点が非常に弱いのだと私は思うのです。そういうものができていなくて、提案理由にあるような、新しい時代の要請にこたえる、もっともな理由なんですが、それだけを理由にあげて、そしてやはり根底的なことが忘れられている場合には、このやり方というものが、ある業界のある種別の人たちだけに特別の優遇を与えてしまうということになるのじゃないか。あるいは大企業と系列化しているそういう業種だけに特別な指示を与える、こういうことになるのではないか。こういう点が一番問題だと思うのです。そういう点についてひとつ聞きたいと思います。
○赤澤政府委員 いま御指摘の基礎研究と申しますか、そういう点はもちろん非常に重要な課題でございます。政府全体の立場から申せば、そういったような、きわめて基礎的であり、かつ汎用的と申しますか、そういうことばはあまりいいかどうかわかりませんが、そういったような科学技術の分野につきましては、科学技術庁が中心となりまして、各省庁の試験研究機関を総動員をし、その間の調整をはかりながらこれを進めていくという体制をとっておることは、御承知のとおりでございます。また同時に、私ども通産省といたしましては、工業技術院傘下の試験研究機関が、いまのような観点から、科学技術庁の調整を受けつつ基礎的な技術研究を行なっておりますと同時に、やはり国自身が、民間でやるにはいかにもリスクが大きくて、そしてなかなか手が出ない、また、一企業、一業種だけでもできない、こういったようなプロジェクトを拾い上げまして、これはいわゆる大型技術研究開発費ということでここ数年来特定のプロジェクトを拾い上げて、国みずからがその全額負担の予算において実施をしてきております。こういったことも実際問題として、いまお話しのように、ある特定のものに片寄らないで、いろいろな業種あるいは企業の参加を得ながら国がイニシアチブをとって組織化をし、研究を進めていくというような体制であろうと思います。こういったような各種の手段等も駆使しながら、いまお話にございましたような、いわゆる公害防止あるいは人間の健康の安全、環境の保全、こういったようなことを大きくねらいといたしまして、その方向に今後の特定機械工業というものを育成をしていこうということを考えておりまするので、いまお示しの、基礎的な技術の育成という点にあたりましては、今後とも私どもの持っております各種の手段を動員をいたしましてつとめてまいる所存でございます。
○米原委員 その点についてもうちょっと突っ込んで聞きたいのですが、もうお読みになっていると思いますが、朝日新聞のことしの一月二十八日号です。この中に自主技術開発の問題が大きく取り上げられて、「冷たい政府の姿勢」という題で問題点が出ておるわけです。どんなことが書いてあるかといいますと、「首相みずから議長となって「科学技術の振興に資する」と定められた科学技術会議が、十年後を目標にした「科学技術振興の総合的基本方策」という希望に満ちた答申を出してから、ちょうど十年たつ。この間、民間もひっくるめた年間研究投資の総額は、どうにか一兆円台にこぎつけた。とはいえ、実績の上では、わが国が外国に支払っている技術導入代金は、外国から受け取る技術輸出代金の八倍にものぼるさびしい現状だ。」こういう書き出しの中で、特にこの点を強調しているわけです。 その科学技術会議が、十年後までにわが国全体の研究投資を国民所得の二%にという目標を掲げたのは、昭和三十五年十月のことである。この目標は、その六年後に国民所得の二・五%に手直しされた。と同時に、政府が研究費を負担すべき分野として、いまおっしゃいました、まず第一に基礎科学の研究、第二に公害及び災害防止技術を明示してあります。その目標期限がこの三月で切れるわけでありますが、昨年度の自然科学部門の研究投資総額は、国民総生産の一・五%にとどまっております。これを国民所得に対する割合に換算すると、幾ぶん数字は大きくなるが、目標には遠く及ばない。とりわけ少ないのが政府の負担分で、研究投資総額のわずか二八%と総理府統計局一で指摘している。政府の目標の第一にあげている基礎研究には、研究投資全体のわずか九%が充てられただけである。第二の目標の公害、災害防止の研究に至っては、無視されたに近い形に終わった、こういう形で論ぜられているんです。 私は、この数字が当たっているかどうか、科学技術庁のほうでこれに関連する数字をもらったんですが、日本全体の民間、政府合わせての研究開発の投資総額は、四十四年度で九千三百三十二億円、約一兆円です。去年はおそらく一兆円突破しているというこの記事がほんとうだと思うのですが、研究費のGNP対比は一・四九%と出ております。政府の投資額は全体の何%かといいますと、これは政府だけでなくて地方公共団体も含めてですが、それが二八・二%で、この新聞の記事に出ている数字は当たっているわけです。その中で政府の投資額のうちの基礎研究の比率は三四・二%、全体の投資額からいうとわずか九%にしかすぎない。この朝日新聞でいっているのは、おそらく科学技術庁のこの数字をもとにした記事だと思うのですが、そうだとすると、もうほとんどやるべきことがやられてない。しかも御存じのように、科学技術会議の答申については、「答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」と科学技術会議の設置法の第三条にはっきりきめてあるわけです。ところが、いま言いました、十年後には二%まで上げるという目標すら全然されてないわけですね。こういう基本的な点について、まず見解聞きたいのです。これで一体いいのかどうかということです。
○赤澤政府委員 非常に基本的な大きな問題でございますので、総理大臣か科学技術庁長官がお答えをしなければ十分でないと思います。私は、機械あるいは電子、そういった面を担当いたしております者としての感想をもってお答えいたしますが、確かに、おっしゃるような財政配分の問題は、私どもから見ても問題があろうと思います。もう少し科学技術、特に私どものほうはどちらかというと、基礎面もございますが、応用技術の面が多いわけであります。私の直接担当いたしておりますような業種につきましては、いろいろな応用技術、それを含む研究投資が非常に多いわけでありますが、そういった面に対する財政配分につきましても、私どもいろいろな面で意見もございまするし、またもう少し全体の配分の中でこういった面を重視してほしいという要望を私ども自身が持っております。こういった面につきましては、私どもの立場からも大いに進めていきたい、こう考えておるところでございます。
○米原委員 その点については、この法案がつくられた基礎となった産業構造審議会の答申にも、自主技術の開発の問題がかなりのページをとって強調されております。その点が、もちろんこの法案に書いてあるわけではありませんが、背景として抜けていると問題になってくるのじゃないか。せっかくのこういう法案が、一部の業界を特別に優遇する、それだけの意味しかなくなってしまう片寄ったものになる、こういう点が第一の問題として考える点なんです。 その次に、もっと法案そのものについて聞きたいのですが、現在の機振法は、三十六年には貿易の自由化に対処する、四十一年には輸出を振興する、四十三年には資本自由化に対処することを理由にして延長し、また再延長されたわけであります。電振法のほうも、三十九年に産業用電子機器の振興ということで延長されたわけであります。今度出されたのもいわゆる臨時措置法となっております。この法律の所期の目的を、いままでのように何回も何回も延長する形をとろうとしておられるのか。それとも、はっきり限時法であります七年間でこの法律の目的を果たせると考えておられるかどうか。そして七年後には一体どの程度 の水準にまで持っていく計画を持っておられるのかどうか。この点をはっきりさせる必要があると思うのです。つまり七年後の機械工業、電子工業 の到達点を、大体のビジョンというものをいま明らかにされる必要があると思う。そういうふうに考えるのでありますが、その点について御見解を聞きたいと思います。
○赤澤政府委員 確かに御指摘のように、機振法は二回延長いたし、電振法は一回の延長をいたしました。振り返ってみますと、この十五年間、機械、電子両工業を取り巻く内外の環境は非常な勢いで変わってきてまいりまして、そして今日に至っておるわけであります。先ほど来私が申し上げておりますように、この七〇年代というものは、六〇年代と比較をいたしますと、やはり幾つかのきわ立った変化というものをどうしても私ども認めざるを得ない、こういう感じがいたしております。そこで、こういったような変化に対応いたしまして機械工業、電子工業をいかにするかということでございますが、従来のような電振法、機振法、それをそのまま延長していく、さらに五年なり七年なり延長するということでは、とうていこの七〇年代の変化の要請にはこたえ切れないというのが、私どもの当初からの考えでございます。したがいまして、それならば、施策の内、容等については、形式的な手段は同じであるといたしましても、そのつかまえ方、実施、運用のしかた、また業界に示す一つの方針、ガイドポスト、こういったものには質的に大きく変化があってしかるべきだ、こういうような考え方を持っております。 こういった観点から種々議論をいたしておりますが、今回の場合には、いわゆる十数年続いてまいりました一般的な機械工業、一般的な電子工業ということではなくて、この第一条の目的にもございますような「国民生活」といったような観点も十分踏まえた新しい観点での特定の機械工業、特定の電子工業というものについて特に必要があるものをやっていこう、こういうかまえ方であります。そういったような点からいたしまして、まず七年間ということで期限を切りまして、私どももその七年間で目的を果たせるように努力をいたしますし、業界に対しても、これを安易に延長するという心がまえではいけないということで指導をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。 いまその到達すべき目標の内容等についてお尋ねがございましたが、これは第三条に規定されておりますいわゆる高度化計画というものに基づきまして、それぞれの業種、機種につきまして、詳細に今後規定をしてまいりたい、こう考えております。したがいまして、抽象的には、先ほど来各委員の御質問にお答えいたしましたような心がまえでございますが、具体的なビジョン、ガイドポスト等につきましては、高度化計画を定めるにあたりまして、いまお話のございましたような点を十分配慮しながら具体的に定めていく、こういうことにいたしたいと考えております。
○米原委員 ここに書かれておるのはわかるのですが、一体どのようなところまで持っていくのかというビジョンがどうもはっきりしないような印象を受けるわけです。第三条に掲げている事業の内容をもっと具体的に明らかにしてもらいたいのです。 この法律自身が、産業構造審議会の答申も得て、そして現行法が本年三月に切れるということもずっと前から明らかになっておるわけであります。それを新しくするわけですから、当然十分に準備が整ってやっておられることだと私は考えるのです。とにかくまずこういう形で法律を延長しておいて、それから政令を考えればいいのだというのでは、問題が残る可能性があるし、あまりにも安易な考え方ではないか、こう思うのです。「生産技術の向上」とか「生産の合理化」とか「試験研究の促進」とかと書いてありますが、これだけではまことに抽象的であります。どういう業種を指定されるのか、その場合の指定する政策的な根拠はどういう点を考えられるか、はっきりさせ ていただきたいです。
○赤澤政府委員 業種の指定のしかたでございますが、御承知のように、これは現在の電振法、機振法できわめて多数の機種、業種を指定いたしております。これらにつきましては、非常に多数でございますし、それぞれまた関係の工業界、団体等も多数存在をいたします。これら全部にわたりまして、詳細な見直し、検討を行なうには、やはり相当の期間を必要といたしますので——もちろん現在におきましても、そういった見直し、検討の準備は着々と進めております。ただ今日の段階で、これらを全部ひっくるめまして、でき上がるというような形でお示しすることには、まだ若干時期が早いと申しますか、そこまでは至っておりません。今度、こういったような新法に基づきまして見直しをするということになりますと、これこそやはり、第一条の「目的」、さらにに第三条の一項に規定をしておりますような基本的な考え方のもとに見直しをしていきたい、こう考えておる次第でございます。 きわめて卑近な一例でございますが、たとえば自動車部分工業等は現に指定をされておりますが、政令で指定をされ、通産省告示をもってさらに詳細な内容が明らかにされております。こういったような多数の自動車部品の中でも、すでにある程度の目的を達し、かついわゆる自動車の安全——自動車の安全と申しますよりも、乗っておる人間の安全でございますが、安全あるいは公害、こういったものと直接的に関係のない機種は削除していきたいと思っております。反面また、エアバッグでありますとか、あるいは衝突時の衝撃の緩衝装置、あるいはもう一つ、これは新しい技術でございますけれども、電子制御の燃料の噴射装置、これは電子制御でもって自動的に燃料の噴射をコントロールしていく、これでもってスピー、ドを出し過ぎないようにするといったような、これも安全の面からする装置でございますが、そういったような新しい観点からする安全あるいは公害防止といったような機器はつけ加えていきたい、こう考えております。 これは一例でございますが、他のいろいろな機種、業種につきましても、同じような観点から、広く国民生活あるいは社会の改善、こういったことに役立つような方向で、現在ある程度のものはもうすでに成果をあげておりまするし、これは削減をし、新しく出てきますそういったものは新たに追加指定をしていく、こういう考え方で、いませっかく各分野にわたりまして作業を続行中でございます。法案が成立いたしました暁におきましては、こういった全体のビジョンを持ちまして、審議会等にはかっていくという手続をとりたいと考えておるわけでございます。
○米原委員 若干の例をあげられましたので、考え方はややわかりましたが、まだ政令の考え方がすっかり煮詰まっているわけでなくて、これからやるのだという点は、どうもふに落ちないわけです。法律をまず通してから、それから何か考える。実際、新しい法律じゃなくて、いままで何回も延長して経験済みのもの、それを変えるわけですけれども、どうもその点は非常に準備が不足じゃないかという印象を受けます。 それから第五条ですが、「政府は、高度化計画に定める所要の資金について、その確保又は融通のあっせんに努めるものとする。」となっている。現行法では、設備資金だけが開銀から融資されるということになっているようですが、資金の範囲がどの範囲までになってくるのかという点ですね。ワクが広がるのだと思いますが、どういうふうになるか、その点明らかにしていただきたいと思います。
○赤澤政府委員 御指摘のように、本条におきましては、現在あります機振法、電振法の規定と変わっております。つまり、設備資金だけではなくて、いわば運転資金と申しますか、そういったような資金まで含めてひとつ考えていきたい。またこれは、直接私ども自身が重工業局として持っておる予算ということではございませんけれども、いわゆる技術研究開発の面の予算まで含めた広い意味の財政資金というものを念頭に置いて、今回の規定を書いたわけでございます。 現在ございますこういった制度について申し上げますと、開発銀行の設備資金特別融資ワク、これは前からあるものでございまして、引き続きまして、昭和四十六年度には百十億円ということになっております。それから、中小企業金融公庫の、これも設備資金でございまするが、特別融資ワク五十億円、なお、このほかに新しい制度といたしまして、機械産業高度化促進金融措置これを新しく今年度から設けることにいたしました。これは日本興業銀行、長期信用銀行及び日本不動産銀行の三行の金融債を資金運用部資金で引き受けまして、その見返りとして、三行から三年程度の運転資金を七・八%の金利で企業に貸し付けようというのでございまして、これは特にこれから大いに開発をし、また高度化していかなければなりませんシステム化機械に必要な運転資金、さらに、グループをつくりましたりいたします際に必要な共同事業会社の設立、これも機械工業にとっては、従来から先例もございますし、これからもこの点は進めてまいらなければなりませんが、この共同事業会社の運転資金、こういったものにも充ててまいりたいと思っておるわけであります。なお、重要機械研究開発費補助金につきましては、全体で十八億でございますが、この機械工業あるいは電子工業の面には、先ほど来申し上げましたように、安全、公害等々の観点から十分配慮して運用してまいるということにしたいと考えております。
○米原委員 それでは、その次の第六条の「共同行為の実施に関する指示」、つまりカルテルを組む要件が書かれております。第一項に「特に必要があると認めるとき」、こういうふうに書いてありますが、「特に必要があると認めるとき」の判断の基準はどこに置かれるかということを聞きたい。
○赤澤政府委員 これは法律用語でございますので、やや抽象的な御説明になろうかと思いますが、この六条に書いてございますように、「当該事業に係る高度化計画に定める合理化の目標を達成する」、この合理化目標の達成のための手段としては、幾つかの手段があるわけでございます。そういった中で、やはりここにございます用語で申しますれば、「規格の制限又は技術の制限に係る共同行為を実施」するということが特にこの目的達成に対して必要である、こういう判断をするということでございます。したがって、他にこの合理化目標の達成のために他の手段をもって達成し得るということであれば、必ずしもカルテルの指示をしなくてもよろしい。しかも、その目標達成のためにはどうしてもこういった規格に関する協定をしてまいりませんと、実際問題として達成ができないだろう、こういう判断をするかどうか、その点の判断をするという意味から、ほかのいろいろな手段に比べてみてこれをやらなければうまくまいらないという意味で特に必要がある、こういう規定を設けた次第でございます。
○米原委員 その次の第二項ですが、ここにも「著しい支障を生ずるおそれがあるもの」及び「やむを得ない必要があると認めるとき」ということが書いてあるので、内容が非常にあいまいなような印象を受受けるのです。この点についてもちょっと説明願いたいと思います。
○赤澤政府委員 この二項の「合理化の目標を達成するためやむを得ない必要がある」という書き方でございますが、これは業界がいわば自主的に独禁法による合理化カルテルといったことだけではとうていうまくまいらない、たとえば業界の中で相当部分のものが参加をすることもなかなか実際問題としてできない、こういったようないろいろな角度からの必要があると思いますが、カルテル自身に限って申しますと、いま申し上げましたように、業界の相当部分が、あるいは全部が一まとめになって自主的にやるということがなかなかできない、どうしてもこの際、こういったような形のいわゆる指示カルテルということによらなければ目標達成ができないというような事情を申しておるのでありまして、そのことを一応ここでは「やむを得ない必要がある」——これだけの理由ではございませんが、いま申し上げたことも一つの重要な要件になろうかと思います。
○米原委員 そうしますと、第三項のほうを聞きたくなるのですが、その指示を拒否した場合にはどうするかということです。そのために指示の効果があがらなかったときの対策はどういうふうになるか、この点聞きたいと思うのです。
○赤澤政府委員 これはいわゆる命令と違いまして指示でございます。この法文の書き方から申しますと、命令、指示、勧告といったような各種の用語あるいは制度があるわけでございますが、この指示といったような場合におきまして、この法案の全体に流れておる考え方からいたしますと、指示を受けないこともこれは自由である。指示を受けたけれども、当該業種が、合理化カルテルといいますか、この法律に基づいてカルテルを結ばないということも、これはあり得ると思います。その場合の強制力というものは法律上確保されておりません。ただ、実際問題といたしまして、私ども、こういったような指示カルテルをつくるその前提としての高度化計画をつくるということになりますると、一面におきましては、政府の立場——政府の立場と申しますのは国民の立場と申し上げたほうがよろしいかと思いますが、そういう国民的なマクロの立場に立ちました判断を下しますとともに、あまり宙に浮いたようなことをいたしましても実行が不可能でございますので、こういった点は、十分業界の実情等も把握をいたしまして、そういった両面から、地についておって、かつ高い目標を掲げるというのが、やはりこの高度化計画の一番うまいやり方だろうと思います。そういった農度化計画等を進める段階以降におきまして、十分業界に対する行政指導も行ないつつ、この指示をするということでございますので、実際問題としては、カルテルの指示をいたしまして、業界側がこれについて全く反応を示さない、拒否するというような事例は従来もございませんし、これからも出てまいらないと思います。ただ法律のたてまえから申しますと、これはあくまでも指示カルテルということでございますので、これを受けない場合に、何らか他の強制力をもって業界をして実施させるということは困難でございます。 ついでにもう一つつけ加えて申し上げておきますると、第十条にございまするように、規格制限にかかわるものにつきましては、指示カルテルをやって、しかもそれを受けた場合に、指示カルテルを実施しておった場合でもうまくいかないという場合に初めて命令できる、こういう規定がございますが、それ以外の面につきましては、御指摘のように、特段の強制力を持った指示権を発動するということではございません。
○米原委員 それでは、先ほども近江君が聞きました第十三条の場合ですが、勧告はもちろん指示よりももっと弱いんだろうと思いますが、いろいろ先ほども御説明がありましたが、実際問題としてこの勧告を、たとえば入ってきた外資が拒否した場合どうするか。そういうときに対策は、どういうふうな対策になっていくのか。この企業が十三条に触れるような場合に何か条件をつけるのかどうか。そういうことについてもう一度説明を聞きたいと思うのです。これは方法がないんじゃないかという印象を、先ほどの答弁では受けました。
○赤澤政府委員 まず形式的法律効果から申しますと、御指摘のように、何らこの勧告についての強制的な担保はございません。そこで、実際問題としてはじゃどうかということになるわけでございますが、もちろん外資の場合、個別審査にかかわります案件につきましては、個別審査の段階で条件等をつけることが可能でございますので、そういった段階でまずその措置をいたすことになろうと思います。 そういった条件なしに、いわば資本自由化をされた業種におきまして、こういった事態が外資関係では出てくることが予想をされるわけでございます。そういったような段階で、はたしてこの外外資関係について主務大臣が勧告をするといった場合、相手方がこれを了解するかどうかということでございますが、まず考えられますことは、外資と申しましても、一〇〇%自由化をするという業種は、いまのところきわめて少のうございます。自由化と申しましても、原則は五〇%以内、株式の取得でございますれば七%、二五%以内という制限がございます。したがって、こちら側にやはり日本側の相手方企業があるわけでございます。当該企業につきましては、これは従前から当該業界において、通産省といろいろな形での接触を持ち、また他の同業者とも接触を持っておるわけでございまするので、いろいろなルートを通じまして事前に情報も入ってまいりまするし、また、この面につきまして、この法律にかかわらず、各種の行政指導、また行政裁量の余地のある各種の手段、方法等もあるわけであります。したがって、その企業自身を強制できなくても、その企業の対抗馬である、いわゆる事業共同化を行なっておる企業群、こういったものについて特段の強化をする配慮も、逆な意味では可能だと思います。これは聞いてもらえない、そうすればやはり共同事業等を行なっておるものを特段に強化してやらなければならない、こういったような事態も出てまいります。したがいまして、あれこれいろいろな手段を通じて、私どもとしては対策を講じていくことがおそらく可能であろうと思っております。 しかし、いずれにしても、私どもとしては、国民世論と申しますか、経済界全体のこういったものに関する評価、こういったものを通じてむしろチェックが行なわれる、また行なわれてしかるべきではないか、こういったことを想定いたしまして、この勧告の規定を置いておる次第でございます。
○米原委員 最後ですが、第十五条で規定されている審議会、これについてはもうすでに大体どういう構成のものにするという構想はあるはずだと思うのです。いままでありました二つの審議会のメンバーを先ほど聞いたんですが、大体いままでのような審議会の構成のしかたにされるかどうか、この点の考え方を聞きたいと思います。簡単に言いますと、いままでの中には電子工業——機械工業はちょっと違いますが、これで見ますと、審議会のメンバーというのが、もちろん財界の人が参加しなければならぬのは当然だけれども、大きなところがほとんどであって、いわゆる学術経験者というのは非常に少ない。ここからいろいろな問題が起こるんじゃないか。先ほど私が心配したような問題、そういう点もありますので、どういうふうに考えておられるか、これを聞きたいと思います。
○赤澤政府委員 従来の審議会におきましては、機械工業、電子工業、それぞれ企業の合理化ということを中心課題として運営をしてまいりました。そういったことから、現状の電振法、機振法それぞれにおきまして基本計画あるいは実施計画というものを定めますが、その基本計画等を定める場合に、審議会でいろいろ御審議を願う、こういうたてまえになっております。そういった観点から、それぞれの業界につきましての専門家が相当多数いませんと、実際問題として、非常にこまかい具体的内容を定めました合理化基本計画の審議ができないというような事情等もございまして、いま御指摘になりましたように、比較的多数の業界関係の方が入っておられる、こういうことであろうと思います。 今回の新法におきましては、特定機械工業、特定電子工業ということであり、かつ、機械工業につきましては、先ほど来御質問がございますような、特に省力化あるいは危害の防止、公害の防止、こういったことを念頭に置いた運用をしてまいりたいと考えておりまするので、今後設立いたします審議会においては、従来から見ると少し、そういった構成についても、構成内容、メンバー等を変えてまいる必要があろうと思います。端的に申しますれば、学識経験者と申しますか、あるいは国民生活を代表する方々と申しますか、そういった方々も十分御参加を願い、従来の構成に比べますと、より幅広い総合的な運用ができるように構成を考えていく所存でございます。
○米原委員 最後に。実際にいままでの現行法がどういうところに適用されているか、事実をあまり知らないので、通産省から資料として工作機械のグループの一欄表というのをもらいました。これでどういうやり方になっておるかということを見ると、やはり私がさっき心配したような点、何か大企業中心に系列化を促進するというようなものになるおそれのほうが強いんじゃないか。中堅企業といいますが、しかしかなり大きいほうですね。ほんとうの日本の一流企業を中心にして一つのグループをつくっていくというのが大体の形のようです。そういうことになりますと、中小企業は救われないといった問題が起こると思うのです。中小企業もこの法律によって振興がはかられるようにする必要があると思うのですが、その点をどう考えておられるかということを最後に質問しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○赤澤政府委員 たまたま工作機械業界の例が出ましたが、確かに工作機械の約十に余るグループは、いわば工作機械の上位の企業、これが中心になって、それぞれ十余りのグループを結成しているという実情でございます。ただ、これ以外の面につきまして見てまいりますと、たとえば歯車でありますとか、ネジでありますとか、こういった面につきましては、むしろ非常に中小企業者が集まって、それらが中心になったグループを結成しているという例もございます。工作機械の例は、やはり工作機械業界の一つの特性と申しますか、中堅グループというものがまず結成しようといたしませんと、いわゆる中小零細の工作機械業者というものは、工作機械もやりますがほかのものもやる、いわば一品屋とわれわれ言っておりますが、何でも屋とも言えますが、そういった業界であります。そういったようなことから、まず上位企業に一つのグループを組んでいかせることが、ひいては、その、いろんなものも手がけておるが工作機械も手がけておる、といったような企業群に対しましても有効な措置であろう、こういったような感じで指導してきた例でございます。いま御指摘のように、機械工業におきましては、中堅企業、中小企業というものが何と申しましてもそのベースでございますので、私ども本法の運用、今後の共同化等の施策につきましては、もちろん中堅中小企業というものを絶えず念頭に置き、それらの今後の改善、振興というものを中心にこの法律を運用してまいりたいと考えております。
○八田委員長 次回は、来たる五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会